JP5734495B1 - 締結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワッシャがボルトの雄ねじ部のねじ山に噛み合って緩み止め効果を得るとともにそのねじ山への傷がつき難い締結構造を提供する。【解決手段】この締結構造1は、被締結体5と、ボルト2と、軸対称でかつ断面視略台形状の凹部を有するナット3と、ナット3の凹部32に嵌合するよう軸対称でかつ側面視略台形状の突出部42を有するワッシャ4と、を備えており、ワッシャ4においてボルト挿通孔43の中心軸が突出部42の中心軸から第1の向きDIに偏心しており、ワッシャ4は、ボルト挿通孔43の周縁を形成する第1ワッシャ部材4aと、ナット3の凹部32が接触する第2ワッシャ部材4bと、を有してなり、第1ワッシャ部材4aは、第2ワッシャ部材4bよりも硬度が低く、第1の向きDIと反対の向きの部分において、ねじれが生じて雄ねじ部21のねじ山と噛み合っている。【選択図】図4

Description

本発明は、機械類や構造物などを構成する部材(被締結体)をボルトとナットとワッシャを用いて締結してなる締結構造に関する。
従来より、被締結体を締結するボルトとナットは、締結後にボルトとナットが緩むのを防止するために様々な工夫がなされてきた。本願発明者の一人も、特許文献1などで、特有形状のワッシャ(座金)と特有形状のナットを用いた締結構造を提案している。
図17に示す締結構造101は、特許文献1に記載されたのと基本的に同様な締結構造である。被締結体105は、締結用挿通孔105aを有する。ボルト102は、雄ねじ部121を有する。ナット103は、雌ねじ部131の一方の開口部(図17において下方)周辺に軸対称でかつ断面視略台形状の凹部132が形成されている。ワッシャ104は、基部141と、この基部141の中央部から突出した突出部142と、を有している。突出部142は、軸対称でかつ側面視略台形状となっており、その中央部には、突出部142の中心軸から偏心しているボルト挿通孔143が形成されている。
この締結構造101の組立方法は、先ず、ボルト102の雄ねじ部121を、被締結体105の締結用挿通孔105a及びワッシャ104のボルト挿通孔143に挿通し、ナット103の雌ねじ部131に螺合させる。そして、ボルト102に対してナット103を回して行くことにより、ナット103の凹部132をワッシャ104の突出部142に接触させて嵌合させるとともに、ワッシャ104のボルト挿通孔143の内周縁143aの一部をボルト102の雄ねじ部121のねじ山に接触させる(図17の中央右側参照)。そして、締め込むと、ワッシャ104のボルト挿通孔143の内周縁143aの一部がボルト102の雄ねじ部121のねじ山に噛み合う。その結果、ワッシャ104はボルト102に強力に結合して緩み止め効果を得ることができる。なお、図17において符号106で示すのは、他の被締結体もしくは基礎である。
特開2002−206515号公報
ところで、一つの締結構造で用いたボルトは、再利用される場合も少なくない。例えば、ボルト102が基礎106に埋め込まれたアンカーボルトで、それに取り付けた機械類を取り換える場合などでは、古い締結構造を分解し、ボルト102をそのままにして新しい締結構造が構築される。このように再利用される場合には、締め込みなどでボルト102に付いた傷は少ない方が望ましい。
しかし、図17に示した締結構造101のような場合には、ボルト102の雄ねじ部121のねじ山にはワッシャ104が噛み合うので、ねじ山に傷が付き易い。
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワッシャがボルトの雄ねじ部のねじ山に噛み合って緩み止め効果を得るとともにそのねじ山への傷がつき難い締結構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の締結構造は、締結用挿通孔を有する被締結体と、雄ねじ部を有するボルトと、軸対称でかつ断面視略台形状の凹部又は凸部を有し、該凹部又は凸部に雌ねじ部の一方の開口部が形成されたナットと、前記ナットの凹部又は凸部に嵌合するよう軸対称でかつ側面視略台形状の突出部又は窪み部を有し、該突出部又は窪み部に前記ボルトの雄ねじ部が挿通するボルト挿通孔の一方の開口部が形成されたワッシャと、を備えており、前記ナットにおいて前記凹部又は凸部の中心軸が前記雌ねじ部の中心軸から第1の向きに偏心、或いは、前記ワッシャにおいて前記ボルト挿通孔の中心軸が前記突出部又は窪み部の中心軸から第1の向きに偏心しており、前記ワッシャは、前記ボルト挿通孔の周縁を形成する第1ワッシャ部材と、前記ナットの凹部又は凸部が接触する第2ワッシャ部材と、を有してなり、前記ボルトの雄ねじ部は、前記被締結体の前記締結用挿通孔及び前記ワッシャの前記ボルト挿通孔に挿通して前記ナットの前記雌ねじ部に螺合しており、前記ワッシャの前記第1ワッシャ部材は、前記第2ワッシャ部材よりも硬度が低く、前記第1の向きと反対の向きの部分において、ねじれが生じて前記ボルトの雄ねじ部のねじ山と噛み合っていることを特徴とする。
請求項2に記載の締結構造は、請求項1に記載の締結構造において、前記第1ワッシャ部材は、樹脂材料からなり、その全部が前記第2ワッシャ部材よりも内側に有ることを特徴とする。
本発明の締結構造によれば、ワッシャがボルトの雄ねじ部のねじ山に噛み合って緩み止め効果を得るとともにボルトへの傷がつき難くなる。
本発明の第1の実施形態に係る締結構造に用いるナットを示すもので、(a)は側面視断面図、(b)は底面図である。 本発明の第1の実施形態に係る締結構造に用いるワッシャを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る締結構造においてボルトにナットを螺合した状態を示す側面視断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る締結構造においてナットを締め込んだ状態を示す側面視断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る締結構造に用いるナットを示すもので、(a)は側面視断面図、(b)は底面図である。 本発明の第2の実施形態に係る締結構造に用いるワッシャを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る締結構造においてボルトにナットを螺合した状態を示す側面視断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る締結構造においてナットを締め込んだ状態を示す側面視断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る締結構造に用いるナットを示すもので、(a)は側面視断面図、(b)は底面図である。 本発明の第3の実施形態に係る締結構造に用いるワッシャを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る締結構造においてボルトにナットを螺合した状態を示す側面視断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る締結構造においてナットを締め込んだ状態を示す側面視断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る締結構造に用いるナットを示すもので、(a)は側面視断面図、(b)は底面図である。 本発明の第4の実施形態に係る締結構造に用いるワッシャを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面視断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る締結構造においてボルトにナットを螺合した状態を示す側面視断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る締結構造においてナットを締め込んだ状態を示す側面視断面図である。 従来の締結構造においてナットを締め込んだ状態を示す側面視断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の第1の実施形態に係る締結構造1は、ボルト2とナット3とワッシャ(座金)4とを用いた締結構造である。ボルト2は、雄ねじ部21を有するものであり、通常のものでよい。
ナット3は、図1に示すように、雌ねじ部31の一方(図1(a)において下方)の開口部周辺に軸対称でかつ断面視略台形状の凹部32が形成されている。凹部32の中心軸は、雌ねじ部31の中心軸Nに一致している。なお、ナット3は、角柱状(例えば正六角形の角柱)である。
凹部32は、側面32aと底面32bからなっている。側面32aは、軸方向(中心軸Nの方向)に対し傾斜角θで傾斜しており、底面32bは、軸方向に対しほぼ直交している。側面32aの傾斜角θは、例えば約17〜18度とすることができる。
ワッシャ4は、図2に示すように、基部41と、この基部41の中央部から突出した突出部42と、を有している。突出部42は、ナット3の凹部32に嵌合するよう軸対称(中心軸Wに対して軸対称)でかつ側面視略台形状になっている。
突出部42は、詳細には、その表面が、側面42aと頂面42bからなっている。この側面42aと頂面42bの境目は、角部42cとなっている。突出部42は、ナット3がワッシャ4に重なり合ったときに、ナット3の凹部32の側面32aに突出部42の角部42cが接触できるような平面視における寸法となっている
突出部42の側面42aは、軸方向(中心軸Wの方向)に対し傾斜角φで傾斜しており、頂面42bは、軸方向に対しほぼ直交している。側面42aの傾斜角φは、ナット3の凹部32の側面32aの傾斜角θよりも小さくなっている。それにより、後述するように突出部42がナット3の凹部32に嵌り込んで行くときには、角部42cがナット3の凹部32の側面32aに接触しながら嵌り込んで行く。側面42aの傾斜角φは、例えば約15度とすることができる。
ワッシャ4は、ボルト2の雄ねじ部21が挿通するボルト挿通孔43を有している。ボルト挿通孔43の一方の開口部は、突出部42(詳細にはその頂面42b)に形成されている。
ボルト挿通孔43の中心軸Whは、突出部42の中心軸Wから第1の向きDIに偏心している。すなわち、図2(a)に示すように、平面視において、ボルト挿通孔43の周縁43aが描く円の中心に位置する中心軸Whは、突出部42の側面42aと頂面42bの境目の角部42cが描く円の中心に位置する中心軸Wから第1の向きDIにずれている。
ワッシャ4は、第1ワッシャ部材4aとそれを外囲する第2ワッシャ部材4bを有して構成されている。第1ワッシャ部材4aと第2ワッシャ部材4bは接着剤などで接着されている。
第1ワッシャ部材4aは、ボルト挿通孔43の上述した周縁43aを形成している。第1ワッシャ部材4aは、第2ワッシャ部材4bよりも硬度が低く、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネートなど又はそれらに繊維等の補強材を加えた樹脂材料、或いはアルミニウム、銅など又はそれらの合金などの比較的硬度が低い金属材料を用いることができる。
ここで、第1ワッシャ部材4aに樹脂材料を用いる場合は、第1ワッシャ部材4aの全部は、第2ワッシャ部材4bよりも内側(半径方向に内側(中心軸Whに近い側))に有るのが好ましい。こうすると、後述するような締結構造1が日光が当たる場所にあったとしても、第1ワッシャ部材4a全部をナット3、第2ワッシャ部材4b、被締結体5で隠蔽して日光が当たらないようにすることができる。その結果、第1ワッシャ部材4aの耐候性をより高めることができる。
第2ワッシャ部材4bは、ナット3の凹部32が接触する。すなわち、第2ワッシャ部材4bに、突出部42の角部42cの近傍とその外側が成形されている。第2ワッシャ部材4bは、鉄又はその合金(例えば、ステンレス鋼)などの硬度が高い金属材料を用いることができる。
なお、上述したようにボルト挿通孔43の中心軸Whを突出部42の中心軸Wから第1の向きDIに偏心させるには、頂面42bにおいて、図2に示すように第1ワッシャ部材4a及び第2ワッシャ部材4bの形状を調整することによって行うことができる。また、後述するように締結の際に第1ワッシャ部材4aの一部分が雄ねじ部21のねじ山の間に食い込み易くするためには、第2ワッシャ部材4bの厚みは、小さい(例えば、ボルト2の雄ねじ部21のねじ山のピッチよりも小さい)のが好ましい。
締結構造1は、このようなボルト2とナット3とワッシャ4とを用いて、以下のように組み立てる。先ず、被締結体5の締結用挿通孔5aにボルト2の雄ねじ部21を挿通させる(図3参照)。そして、締結用挿通孔5aから突出したボルト2の雄ねじ部21をワッシャ4のボルト挿通孔43に挿通させるとともに、ワッシャ4の基部41を被締結体5に接触させて載置する。そして、図3に示すように、ボルト2の雄ねじ部21にナット3の雌ねじ部31を螺合させ、ボルト2に対してナット3を回して行く。なお、図3(及び後述する図4)において符号6で示すのは、他の被締結体もしくは基礎である。
ナット3を回して行くに従い、ワッシャ4の突出部42は、ナット3の凹部32に徐々に入り込んで行き、やがて、その角部42cがナット3の凹部32の側面32aに接触する。
更にナット3を回して締め付けて行くと、ワッシャ4の突出部42がナット3の凹部32に嵌合した状態になる。そして、前述のようにワッシャ4のボルト挿通孔43の中心軸Whは突出部42の中心軸Wから偏心しているため、図4に示すように、ワッシャ4の第1ワッシャ部材4aは、第1の向きDIと反対の向きの部分AIにおいて、第2ワッシャ部材4bに押されて雄ねじ部21のねじ山の間(谷部)に食い込み、ねじれが生じて雄ねじ部21のねじ山と噛み合うようになる。これにより、ワッシャ4はボルト2に強力に結合する。
このようにして、ボルト2、ナット3、ワッシャ4が互いに強力に結合して緩み止め効果を得ることができる。ワッシャ4の第1ワッシャ部材4aは、硬度が低く変形し易いので、ボルト2の雄ねじ部21のねじ山と噛み合い易く、それとともに、ねじ山への傷がつき難い。なお、図4で示した状態から更に強く締め付けてナット3をボルト2に対して傾斜させることにより、ナット3をボルト2に更に強力に結合させることも可能である。この場合、ワッシャ4の第1ワッシャ部材4aは更に有効である。
次に、本発明の第2の実施形態に係る締結構造1’について、図5〜図8に基づいて説明する。この締結構造1’は、ボルト2とナット3’とワッシャ(座金)4’とを用いた締結構造である。ボルト2は、上述した締結構造1のボルト2と同様のものである。なお、ナット3’とワッシャ4’においては、上述した締結構造1のナット3とワッシャ4における各部分に対応する部分は、同じ符号を付けている。
ナット3’は、図5に示すように、上述したナット3の場合と同様な形状の雌ねじ部31と凹部32を有している。ナット3の場合と異なるのは、凹部32の中心軸Ntは、雌ねじ部31の中心軸Nから第1の向きDIに偏心している点である。すなわち、図5(b)に示すように、底面視において、凹部32の側面32aと底面32bの境目32cが描く円の中心に位置する中心軸Ntは、雌ねじ部31の中心軸Nから第1の向きDIにずれている。なお、雌ねじ部31と凹部32についてのその他の点は、上述したナット3の場合と同様であるので説明は省略する。
ワッシャ4’は、図6に示すように、上述したワッシャ4の場合と同様な形状の基部41と突出部42とボルト挿通孔43を有している。ワッシャ4の場合と異なるのは、ボルト挿通孔43は、その中心軸が突出部42の中心軸Wに一致している点、すなわち、突出部42の中心軸Wから偏心していない点である。なお、基部41と突出部42とボルト挿通孔43についてその他の点は、上述したワッシャ4の場合と同様であるので説明は省略する。
締結構造1’は、図7及び図8に示すように、上述した締結構造1と同様にして組み立てる。但し、この締結構造1’では、ナット3’の凹部32の中心軸Ntが雌ねじ部31の中心軸Nから偏心しているために、図8に示すように、ワッシャ4’の第1ワッシャ部材4aは、第1の向きDIと反対の向きの部分AIにおいて、第2ワッシャ部材4bに押されて雄ねじ部21のねじ山の間(谷部)に食い込み、ねじれが生じて雄ねじ部21のねじ山と噛み合うようになる。そして、締結構造1の場合と同様に、ボルト2、ナット3’、ワッシャ4’が互いに強力に結合して緩み止め効果を得ることができ、それとともに、ボルト2の雄ねじ部21のねじ山への傷がつき難くなる。また、締結構造1’は、偏心をナット3’において行っており、ナットは一般にワッシャ(座金)よりも硬度が高いので、一定の偏心量のものを精度よく加工し易くなる利点も有る。
次に、本発明の第3の実施形態に係る締結構造1Aについて、図9〜図12に基づいて説明する。この締結構造1Aは、ボルト2とナット3Aとワッシャ(座金)4Aとを用いた締結構造である。ボルト2は、上述した締結構造1のボルト2と同様のものである。
ナット3Aは、図9に示すように、雌ねじ部31Aの一方(図9(a)において下方)の開口部周辺に軸対称でかつ断面視略台形状の凸部32Aが形成されている。凸部32Aの中心軸は、雌ねじ部31Aの中心軸Nに一致している。なお、ナット3Aは、角柱状(例えば正六角形の角柱)である。
凸部32Aは、側面32Aaと頂面32Abからなっている。この側面32Aaと頂面32Abの境目は、角部32Acとなっている。側面32Aaは、軸方向(中心軸Nの方向)に対し傾斜角θで傾斜しており、頂面32Abは、軸方向に対しほぼ直交している。側面32Aaの傾斜角θは、例えば約15度とすることができる。
ワッシャ4Aは、図10に示すように、基部41Aと、この基部41Aの中央部に形成された窪み部42Aと、を有している。窪み部42Aは、ナット3の凸部32Aに嵌合するよう軸対称(中心軸Wに対して軸対称)でかつ側面視略台形状になっている。
窪み部42Aは、側面42Aaと底面42Abからなっている。窪み部42Aは、ナット3Aがワッシャ4Aに重なり合ったときに、窪み部42Aの側面42Aaにナット3Aの角部32Acが接触できるような平面視における寸法となっている
窪み部42Aの側面42Aaは、軸方向(中心軸Wの方向)に対し傾斜角φで傾斜しており、底面42Abは、軸方向に対しほぼ直交している。側面42Aaの傾斜角φは、ナット3Aの凸部32Aの側面32Aaの傾斜角θよりも大きくなっている。それにより、後述するように窪み部42Aにナット3の凸部32Aが嵌り込んで行くときには、窪み部42Aの側面42Aaにナット3Aの角部32Acが接触しながら嵌り込んで行く。側面42Aaの傾斜角φは、例えば約17〜18度とすることができる。
ワッシャ4Aは、ボルト2の雄ねじ部21が挿通するボルト挿通孔43Aを有している。ボルト挿通孔43Aの一方の開口部は、窪み部42A(詳細にはその底面42Ab)に形成されている。
ボルト挿通孔43Aの中心軸Whは、窪み部42Aの中心軸Wから第1の向きDIに偏心している。すなわち、図10(a)に示すように、平面視において、ボルト挿通孔43Aの周縁43Aaが描く円の中心に位置する中心軸Whは、窪み部42Aの側面42Aaと頂面42Abの境目42Acが描く円の中心に位置する中心軸Wから第1の向きDIにずれている。
ワッシャ4Aは、第1ワッシャ部材4Aaと第2ワッシャ部材4Abを有して構成されている。第1ワッシャ部材4Aaと第2ワッシャ部材4Abは接着剤などで接着されている。
第1ワッシャ部材4Aaは、ボルト挿通孔43Aの上述した周縁43Aaを形成している。第1ワッシャ部材4Aaは、第2ワッシャ部材4Abよりも硬度が低く、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネートなど又はそれらに繊維等の補強材を加えた樹脂材料、或いはアルミニウム、銅など又はそれらの合金などの比較的硬度が低い金属材料を用いることができる。
ここで、第1ワッシャ部材4Aaに樹脂材料を用いる場合は、第1ワッシャ部材4Aaの全部は、第2ワッシャ部材4Abよりも内側(半径方向に内側(中心軸Whに近い側))に有るのが好ましい。こうすると、後述するような締結構造1Aが日光が当たる場所にあったとしても、第1ワッシャ部材4Aa全部をナット3A、第2ワッシャ部材4Ab、被締結体5で隠蔽して日光が当たらないようにすることができる。その結果、第1ワッシャ部材4Aaの耐候性をより高めることができる
第2ワッシャ部材4Abは、ナット3Aの凸部32Aが接触する。すなわち、第2ワッシャ部材4Abに、窪み部42Aの側面42Aaが成形されている。第2ワッシャ部材4Abは、鉄又はその合金(例えば、ステンレス鋼)などの硬度が高い金属材料を用いることができる
なお、上述したようにボルト挿通孔43Aの中心軸Whを窪み部42Aの中心軸Wから第1の向きDIに偏心させるには、底面42Abにおいて、第1ワッシャ部材4Aa及び第2ワッシャ部材4Abの形状を調整することによって行うことができる。また、後述するように締結の際に第1ワッシャ部材4Aaの一部分が雄ねじ部21のねじ山の間に食い込み易くするためには、第2ワッシャ部材4Abの一部分4Abbを内側(半径方向に内側)に突出させるのが好ましく、また、その一部分4Abbの厚みは、小さい(例えば、ボルト2の雄ねじ部21のねじ山のピッチよりも小さい)のが好ましい。内側に突出させた第2ワッシャ部材4Abの一部分4Abbの軸方向の位置は、一方(図10において上方)の開口部近傍であってもよいし、他方(図において下方)の開口部近傍などであってもよい。
締結構造1Aは、このようなボルト2とナット3Aとワッシャ4Aとを用いて、以下のように組み立てる。先ず、被締結体5の締結用挿通孔5aにボルト2の雄ねじ部21を挿通させる(図11参照)。そして、締結用挿通孔5aから突出したボルト2の雄ねじ部21をワッシャ4Aのボルト挿通孔43Aに挿通させるとともに、ワッシャ4Aの基部41Aを被締結体5に接触させて載置する。そして、図11に示すように、ボルト2の雄ねじ部21にナット3Aの雌ねじ部31Aを螺合させ、ボルト2に対してナット3Aを回して行く。なお、図11(及び後述する図12)において符号6で示すのは、他の被締結体もしくは基礎である。
ナット3Aを回して行くに従い、ナット3の凸部32Aがワッシャ4Aの窪み部42Aに徐々に入り込んで行き、やがて、その角部32Acがワッシャ4Aの窪み部42Aの側面42Aaに接触する。
更にナット3Aを回して締め付けて行くと、ナット3Aの凸部32Aがワッシャ4Aの窪み部42Aに嵌合した状態になる。そして、前述のようにワッシャ4Aのボルト挿通孔43Aの中心軸Whは窪み部42Aの中心軸Wから偏心しているため、図12に示すように、ワッシャ4Aの第1ワッシャ部材4Aaは、第1の向きDIと反対の向きの部分AIにおいて、第2ワッシャ部材4Abに押されて雄ねじ部21のねじ山の間(谷部)に食い込み、ねじれが生じて雄ねじ部21のねじ山と噛み合うようになる。これにより、ワッシャ4Aはボルト2に強力に結合する。
このようにして、ボルト2、ナット3A、ワッシャ4Aが互いに強力に結合して緩み止め効果を得ることができる。ワッシャ4Aの第1ワッシャ部材4Aaは、硬度が低く変形し易いので、ボルト2の雄ねじ部21のねじ山と噛み合い易く、それとともに、ねじ山への傷がつき難い。なお、図12で示した状態から更に強く締め付けてナット3Aをボルト2に対して傾斜させることにより、ナット3Aをボルト2に更に強力に結合させることも可能である。この場合、ワッシャ4Aの第1ワッシャ部材4Aaは更に有効である。また、締結構造1Aは、ナット3Aの凸部32Aにも雌ねじ部31Aを形成するので、必要とする雌ねじ部31Aの長さ(軸方向の長さ)を確保し易い。
次に、本発明の第4の実施形態に係る締結構造1A’について、図13〜図16に基づいて説明する。この締結構造1A’は、ボルト2とナット3A’とワッシャ(座金)4A’とを用いた締結構造である。ボルト2は、上述した締結構造1Aのボルト2と同様のものである。なお、ナット3A’とワッシャ4A’においては、上述した締結構造1Aのナット3Aとワッシャ4Aにおける各部分に対応する部分は、同じ符号を付けている。
ナット3A’は、図13に示すように、上述したナット3Aの場合と同様な形状の雌ねじ部31Aと凸部32Aを有している。ナット3Aの場合と異なるのは、凸部32Aの中心軸Ntが雌ねじ部31の中心軸Nから第1の向きDIに偏心している点である。すなわち、図13(b)に示すように、底面視において、凸部32Aの側面32Aaと底面32Abの境目32Acが描く円の中心に位置する中心軸Ntは、雌ねじ部31Aの中心軸Nから第1の向きDIにずれている。なお、雌ねじ部31Aと凸部32Aについてのその他の点は、上述したナット3Aの場合と同様であるので説明は省略する。
ワッシャ4A’は、図14に示すように、上述したワッシャ4Aの場合と同様な形状の基部41Aと窪み部42Aとボルト挿通孔43Aを有している。ワッシャ4Aの場合と異なるのは、ボルト挿通孔43Aは、その中心軸が窪み部42Aの中心軸Wに一致している点、すなわち、窪み部42Aの中心軸Wから偏心していない点である。なお、基部41Aと窪み部42Aとボルト挿通孔43Aについてその他の点は、上述したワッシャ4Aの場合と同様であるので説明は省略する。
締結構造1A’は、図15及び図16に示すように、上述した締結構造1Aと同様にして組み立てる。但し、この締結構造1A’では、ナット3A’の凸部32Aの中心軸Ntが雌ねじ部31Aの中心軸Nから偏心しているために、図16に示すように、ワッシャ4A’の第1ワッシャ部材4Aaは、第1の向きDIと反対の向きの部分AIにおいて、第2ワッシャ部材4Abに押されて雄ねじ部21のねじ山の間(谷部)に食い込み、ねじれが生じて雄ねじ部21のねじ山と噛み合うようになる。そして、締結構造1Aの場合と同様に、ボルト2、ナット3A’、ワッシャ4A’が互いに強力に結合して緩み止め効果を得ることができ、それとともに、ボルト2の雄ねじ部21のねじ山への傷がつき難くなる。また、締結構造1A’は、偏心をナット3A’において行っており、ナットは一般にワッシャ(座金)よりも硬度が高いので、一定の偏心量のものを精度よく加工し易くなる利点も有る。
以上、本発明の実施形態に係る締結構造について説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、実施形態に記載したボルトとナットとワッシャの大きさや細かな形状などは、それらが用いられる環境や被締結体に合わせて任意に変更可能である。
1、1’、1A、1A’ 締結構造
2 ボルト
21 ボルトの雄ねじ部
3、3’、3A、3A’ ナット
31、31A ナットの雌ねじ部
32 ナットの凹部
32A ナットの凸部
4、4’、4A、4A’ ワッシャ
42 ワッシャの突出部
42A ワッシャの窪み部
43、43A ワッシャのボルト挿通孔
4a、4Aa 第1ワッシャ部材
4b、4Ab 第2ワッシャ部材
5 被締結体
5a 被締結体の締結用挿通孔
DI 第1の向き
N ナットの雌ねじ部の中心軸
Nt ナットの凹部の中心軸
W ワッシャの突出部の中心軸
Wh ワッシャのボルト挿通孔の中心軸

Claims (2)

  1. 締結用挿通孔を有する被締結体と、
    雄ねじ部を有するボルトと、
    軸対称でかつ断面視略台形状の凹部又は凸部を有し、該凹部又は凸部に雌ねじ部の一方の開口部が形成されたナットと、
    前記ナットの凹部又は凸部に嵌合するよう軸対称でかつ側面視略台形状の突出部又は窪み部を有し、該突出部又は窪み部に前記ボルトの雄ねじ部が挿通するボルト挿通孔の一方の開口部が形成されたワッシャと、
    を備えており、
    前記ナットにおいて前記凹部又は凸部の中心軸が前記雌ねじ部の中心軸から第1の向きに偏心、或いは、前記ワッシャにおいて前記ボルト挿通孔の中心軸が前記突出部又は窪み部の中心軸から第1の向きに偏心しており、
    前記ワッシャは、前記ボルト挿通孔の周縁を形成する第1ワッシャ部材と、前記ナットの凹部又は凸部が接触する第2ワッシャ部材と、を有してなり、
    前記ボルトの雄ねじ部は、前記被締結体の前記締結用挿通孔及び前記ワッシャの前記ボルト挿通孔に挿通して前記ナットの前記雌ねじ部に螺合しており、
    前記ワッシャの前記第1ワッシャ部材は、前記第2ワッシャ部材よりも硬度が低く、前記第1の向きと反対の向きの部分において、ねじれが生じて前記ボルトの雄ねじ部のねじ山と噛み合っていることを特徴とする締結構造。
  2. 請求項1に記載の締結構造において、
    前記第1ワッシャ部材は、樹脂材料からなり、その全部が前記第2ワッシャ部材よりも内側に有ることを特徴とする締結構造。
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