以下、図を参照しながら、この発明のシステム、方法、プログラムの一実施の形態について説明する。
[通信システムの概要]
図1は、この実施の形態の通信システムの全体の概要について説明するためのブロック図である。図1に示すように、この実施の形態の通信システムは、SIPサーバ1に対して、有線LAN(Local Area Network)5を通じて複数のベース装置2(1)、2(2)、2(3)、…が接続されて形成される。
ベース装置2(1)、2(2)、2(3)、…のそれぞれに対しては、1対1に対応するステーション端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれが、近距離無線通信により接続するようにされている。この実施の形態において、ベース装置2(1)、2(2)、2(3)、…のそれぞれと、対応するステーション端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれとは、例えば、BlueTooth方式の近距離無線通信により接続するようにされている。
SIPサーバ1は、LAN5だけではなく、図示しないがIP網や電話網などの広域ネットワークにも接続されている。IP網は、通信プロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いて通信を行うネットワークを意味し、具体的にはインターネットである。また、電話網は、PSTN(Public Switched Telephone Network)などと呼ばれるアナログ方式の公衆交換電話網やISDN(Integrated Services Digital Network)などと呼ばれるデジタル回線網などである。
そして、この実施の形態においては、図1に示すように、ベース装置2(1)、2(2)、2(3)、…のそれぞれと、対応するステーション端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれとにより、無線通信システムとしてのコードレス電話システム4(1)、4(2)、4(3)、…を構成している。
この実施の形態の通信システムにおいて、ベース装置2(1)、2(2)、2(3)、…のそれぞれは、対応するステーション端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれと協働し、LAN5を通じてSIPサーバ1に接続して電話通信を可能にするものである。このように、ベース装置2は、従来からのコードレス電話システムの無線基地局装置あるいは親機と呼ばれるものに相当する。
しかし、この実施の形態のベース装置2(1)、2(2)、2(3)、…のそれぞれは、ユーザからの操作などを受け付ける手段は備えず、ユーザからの操作入力を受け付けたり、ベース装置2自体が通話を行うようにしたりすることはない。このため、従来からのコードレス電話システムにおける通話が可能な無線基地局装置あるいは親機と区別するため、この実施の形態ではベース装置と称している。
一方、ステーション端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれは、詳しくは後述もするように、ユーザからの操作を受け付けるキー操作部やユーザに情報を提示するLED(Light Emitting Diode)やLCD(Liquid Crystal Display)などを備える。そして、ステーション端末3は、ユーザによって直接に使用される。そして、ステーション端末3は、対応するベース装置2と協働して電話端末としての機能を実現する。
このように、ステーション端末3は、従来からのコードレス電話システムの無線電話機あるいは子機と呼ばれるものに相当する。しかし、この実施の形態のコードレス電話システムでは、ベース装置2自体はユーザの操作を受け付けて通話をする機能を備えないものであり、必ずステーション端末3を通じて応答することになる。このため、従来のコードレス電話システムにおける無線電話機あるいは子機とは区別するため、ステーション端末と称している。
なお、この実施の形態において、ベース装置2(1)、2(2)、2(3)、…のそれぞれは、基本的には同様の構成を有するものである。このため、以下においては、特に区別する必要がある場合を除き、ベース装置2(1)、2(2)、2(3)、…のそれぞれを、ベース装置2と総称する。
同様に、ステーション端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれもまた、基本的には同様の構成を有するものである。このため、以下においては、特に区別する必要がある場合を除き、ステーション端末3(1)、3(2)、3(3)、…のそれぞれを、ステーション端末3と総称する。したがって、コードレス電話システム4(1)、4(2)、4(3)、…についても、特に区別する必要がある場合を除き、これらを、コードレス電話システム4と総称する。
そして、この実施の形態において、SIPサーバ1は種々のIP電話機が接続可能な汎用的なものである。また、ベース装置2とステーション端末3とからなるコードレス電話システム4もまたIP電話機として利用可能な汎用的なものである。このため、SIPサーバ1に対しては、ベース装置2とステーション端末3とからなるコードレス電話システム4を簡単に増やしたり、減らしたりすることが可能である。
このように、SIPサーバ1とコードレス電話システム4とは汎用的に用いられるものであり、統一した設計思想の下に製造されたシステムではない。このため、SIPサーバ1とコードレス電話システム4との間では予め決められた独自の制御ができない。
しかし、ベース装置2に対してステーション端末3が圏外となった場合における着信時の処理や通話時等の処理が適切に行えないのでは、SIPサーバ1を含めた通信システム全体の信頼性を阻害してしまう。そこで、この実施の形態のコードレス電話システム4においては、ベース装置2に対してステーション端末3が圏外になった場合には、ベース装置2がSIPサーバ1に対して自機を離脱させるように要求する。換言すれば、ベース装置2は、ステーション端末3が圏外になった場合、SIPサーバ1を中心とする通信システムから自機を離脱させるようにSIPサーバ1に離脱の登録を行うようにする。
また、この実施の形態のコードレス電話システム4においては、ベース装置2に対してステーション端末3が圏外にある状態から圏内に復帰した場合、ベース装置2がSIPサーバ1に対して自機を接続させるように要求する。換言すれば、ベース装置2は、ステーション端末3が圏外から圏内に復帰した場合には、SIPサーバ1を中心とする通信システムに対して自機を接続するようにSIPサーバ1に接続の登録を行うようにする。
これにより、SIPサーバ1が、自機に接続されていないコードレス電話システム4に対して着信を行うことを防止する。したがって、ステーション端末3が圏外であるベース装置2に対して着信を行ってしまうことによって、いわゆる無音となる通話を作成しないようにすることができる。
また、通話中にステーション端末3がベース装置2の圏外となり、その後復帰してきた場合に、知らない間に通話が開始されてしまうと言ったことを防止することができる。すなわち、ベース装置2に対してステーション端末3が圏外になった場合には、ベース装置2はSIPサーバ1から離脱する。これにより、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰した場合、SIPサーバ1への接続が再登録されないうちは通話が自動的に再開されることがないようにすることができる。
換言すれば、ベース装置2とステーション端末3とからなるコードレス電話システムがアイドル状態(待ち受け状態)以外では、通話を行えないようにすることができる。すなわち、ステーション端末3がベース装置2に対して圏外になった場合には、接続された通信回線を自動的に切断し、電話が切れたことを通話の双方に認識させ、電話を掛け直すなどといった適切な対応を取ることができるようにされる。
このような構成を有するこの実施の形態において、ベース装置2とステーション端末3とからなるコードレス電話システム4が、この発明の無線通信システムの一実施の形態が適用されたものである。また、当該コードレス電話システム4のベース装置2で用いられる方法、プログラムが、この発明の離脱/接続方法、離脱/接続プログラムの一実施の形態が適用されたものである。さらに、SIPサーバ1と、コードレス電話システム4とから形成される通信システムが、この発明の通信システムの一実施の形態が適用されたものである。
[SIPサーバ1の構成と動作概要]
次に、図1に示したSIPサーバ1の構成例と動作について説明する。SIPサーバ1は、通信回線を接続する端末間のアドレス解決をするものである。このため、LAN5に接続されたコードレス電話システム4のそれぞれは、内線、外線を問わず、SIPサーバ1を介して通話路が生成され、通話を行うことができるようにされる。つまり、SIPサーバ1は、レジストラ・サーバ機能とプロキシ・サーバ機能とを備え、これらの機能を用いることによって、LAN5に接続されたコードレス電話システム4間や、LAN5に接続された機器とIP網や電話網に接続された機器間に、通信回線を接続することができるようにするものである。
図2は、この実施の形態の通信システムで用いられるSIPサーバ1を説明するためのブロック図である。図2に示すように、SIPサーバ1は、IP網への接続端子101と、IP網インターフェース(以下、IP網I/Fと略称する。)102と、パケット分解/生成部103とを備えている。また、SIPサーバ1は、電話網インターフェース(以下、電話網I/Fと略称する。)104と、電話網への接続端子105と、アドレス管理データベース(以下、アドレス管理DBと略称する。)106とを備えている。さらに、SIPサーバ1は、LANインターフェース(以下、LANI/Fと略称する。)107と、LAN5への接続端子108と、制御部110とを備えている。
制御部110は、この実施の形態のSIPサーバ1の各部を制御するものであり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113がCPUバス114を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU111は、ROM112に記憶保持されているプログラムを実行することにより、各部を制御するための制御信号を生成して各部に供給したり、各部からの情報を処理したりするものである。ROM112は、上述のように、CPU111で実行される種々のプログラムや処理に必要となる種々のデータを記憶保持しているものである。
また、RAM113は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に、作業領域として用いられるものである。なお、図示しないが、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリーなどのいわゆる不揮発性メモリを備え、電源が落とされても保持しておくべきデータ、例えば、種々の設定パラメータや機能アップのために提供された新たなプログラムなどについても記憶保持することができるようにされている。
そして、接続端子101はIP網への接続端部を構成するものである。IP網I/F102は、IP網との間でデータを送受するようにするためのものである。すなわち、IP網I/F102は、IP網を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部110に供給する。また、IP網I/F102は、制御部110を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをIP網に送出する。
また、接続端子105は電話網への接続端部を構成するものである。電話網I/F104は、電話網との間でデータを送受するようにするためのものである。電話網I/F104は、電話網を通じて供給されるデータを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部110に供給する。また、電話網I/F104は、制御部110を通じて供給される送信すべきデータを送信用の形式のデータに変換して、これを電話網に送出する。
また、接続端子108はLAN5への接続端部を構成するものである。LANI/F107は、この実施の形態の通信システムを形成するためのLAN5との間でデータを送受するようにするためのものである。LANI/F107は、LAN5を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部110に供給する。また、LANI/F107は、制御部110を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをLAN5に送出する。
そして、パケット分解/生成部103は、パケットの分解や生成を行うものである。具体的には、SIPサーバ1に対して、LAN接続されているコードレス電話システム4からの電話網に接続された端末装置に送信すべきパケットは、接続端子108、LANI/F107を通じて制御部110に受け付けられた後、パケット分解/生成部103においてパケット分解された後に、電話網I/F104、接続端子105を通じて電話網に送出され、目的とする相手先に送信するようにされる。
また、電話網に接続された端末装置からのLAN接続されているコードレス電話システム4へのデータは、接続端子105、電話網I/F104を通じて受け付けられた後、パケット分解/生成部103において、所定の形式のパケットとされ、これがLANI/F107、接続端子108を通じて、LAN5に送出されて、目的とするコードレス電話システム4に送信するようにされる。
なお、IP網に接続された端末と、SIPサーバ1にLAN接続されたコードレス電話システム4等との間では、パケットが送受されるため、パケット分解/生成部103において、パケットの分解や生成は行われることはなく、IP網I/F102、LANI/F107において、データ形式が整えられてそのまま送受するようにされる。
そして、アドレス管理DB106は、上述したレジストラ・サーバ機能を実現するために、IP網やLAN5に接続され、このSIPサーバ1を通じて呼び出す可能性のある端末装置についてのアドレス情報を記憶保持するものである。具体的には、SIPサーバ1の制御部110は、IP網I/F102やLANI/F107を通じて、これらに接続されている種々の端末装置からの登録要求(レジスタ・リクエスト)を受信した場合に、これに含まれるURI(Uniform Resource Identifier)やIPアドレスなどのアドレス情報を抽出し、抽出したアドレス情報をアドレス管理DB106に登録したり、抽出アドレス情報を用いてアドレス管理DB106の登録情報を更新したりする。
このようにして、アドレス管理DB106に登録されて管理される情報が参照され、自機にLAN接続されているコードレス電話システム4などから要求のあった通信先を確実に特定し、その特定した相手先に送信すべき情報(パケットデータ)を転送するようにするプロキシ・サーバとしての機能を実現するようにしている。また、アドレス管理DB106に登録されて管理される情報は、自機にLAN接続されているコードレス電話システム4などへの着信の判別などにも用いられる。
[アドレス管理DB106の管理情報の具体例]
ここで、アドレス管理DB106内に形成される管理情報の具体例について説明する。図3は、アドレス管理DB106に形成される管理情報(データベース)の構成例について説明するための図である。SIPサーバ1のアドレス管理DB106には、当該SIPサーバ1にLAN接続されたコードレス電話システム4などについてのアドレス情報のほか、IP網に接続された他のIP電話システムの端末装置のアドレス情報をも管理することができるものである。
基本的にアドレス管理DB106に形成される管理情報は、IP網に接続された端末装置から送信されてくるURI(SIP URI)と、IPアドレスであるが、SIPサーバ1のアドレス管理DB106には、SIPサーバ1にLAN接続されたコードレス電話システム4については、コードレス電話システム毎に予め付加されているMAC(Media Access Control)アドレス、内線番号、離脱/接続区分についても登録される。
すなわち、種々のSIPサーバにおいては、自機に接続されたIP電話機についての情報が管理されるが、この実施の形態のSIPサーバ1においては、管理DB106において、自機に接続されるIP電話機であるコードレス電話システム4のそれぞれの管理をも行うようにしている。
そして、この実施の形態の通信システム内のコードレス電話システム4から当該通信システム外のIP網に接続された端末装置に対して電話をかける場合には、SIPサーバ1は自己のアドレス管理DB106の管理情報に基づいて、目的とする相手先の端末装置に対して、メッセージの転送を行うようにしている。また、LAN5に接続されているコードレス電話システム4に対してかかってきた外線や、LAN5に接続されたコードレス電話システム4間の内線の場合には、SIPサーバ1は、送信されてきたメッセージを受け付けて、これを自システム内に送出するようにしている。
なお、発信に際して、IP電話番号が用いられる場合には、図1には図示しなかったが、IP網に接続されているゲートウエイやDNS(Domain Name System)が利用されて、IP電話番号からURIなどが検索されて用いられることになる。相手先から、この実施の形態の電話システムを構成するIP電話機に対して、IP電話番号を用いて電話をかける場合においても同様に、IP網に接続されているゲートウエイやDNSが利用されて、IP電話番号からURIなどが検索されて用いられることになる。
このように、この実施の形態のSIPサーバ1は、パケット分解/生成部103やアドレス管理DB106を備え、SIPサーバ1が接続される種々のネットワークに接続される端末間のメッセージの中継を行うことができるものである。
そして、この実施の形態のSIPサーバ1は、自機にLAN5を通じて接続されるコードレス電話システム4のベース装置2からの要求に応じて、アドレス管理DB106の離脱/接続区分を更新することができるものである。これにより、SIPサーバ1は、自機に接続されたコードレス電話システム4に対する一斉着信があった時には、離脱しているコードレス電話システム4を除く他のコードレス電話システム4に対して通常の着信処理を行うようにすることができる。
また、SIPサーバ1は、自機に接続されている特定のコードレス電話システム4に対する着信があり、そのコードレス電話システム4が離脱中である場合には、発呼元の相手端末に対して、当該コードレス電話システム4が接続されていない場合の所定の処理を行うようにすることができる。したがって、離脱中のコードレス電話システム4に対して呼び出しを行い、無音となる通話を形成しないようにすることができる。
また、通話中にベース装置2に対してステーション端末3が圏外になってしまった場合にも、ベース装置2はSIPサーバ1に対して、離脱の要求をし、これを登録することができる。したがって、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰しても、ユーザが知らない内に通話が接続されてしまうようなことがないようにすることができる。
[ベース装置2の構成と動作概要]
次に、図1に示したコードレス電話システム4のベース装置2の構成例と動作について説明する。図4は、この実施の形態の通信システムで用いられるベース装置2を説明するためのブロック図である。
図4に示すように、この実施の形態のベース装置2は、LANへの接続端子201と、LANI/F202と、送信用処理回路203と、受信用処理回路204と、送信アンプ205と、受信アンプ206と、アンテナ共用器207と、送受信アンテナ208と、制御部210とを備えている。
制御部210は、図4に示すように、CPU211と、ROM212と、RAM213とがCPUバス214によって接続されて形成されたマイクロコンピュータである。CPU211は、ROM212に記憶保持されているプログラムを実行することにより、各部を制御するための制御信号を生成して各部に供給したり、各部からの情報を処理したりするものである。ROM212は、上述のように、CPU211で実行される種々のプログラムや処理に必要となる種々のデータを記憶保持しているものである。また、RAM213は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に、作業領域として用いられるものである。
また、制御部210は、パケット分解/生成部215と、離脱/接続要求生成部216と、情報種別判別部217と、圏外/圏内判別部218と、時計回路219とを備えている。パケット分解/生成部215と、離脱/接続要求生成部216と、情報種別判別部217と、圏外/圏内判別部218とのそれぞれは、CPU211によって制御可能とされる回路装置部として構成することも可能である。しかし、この実施の形態において、パケット分解/生成部215と、離脱/接続要求生成部216と、情報種別判別部217と、圏外/圏内判別部218とのそれぞれの機能は、CPU211、ROM212、RAM213により構成されるマイクロコンピュータにおいて実行されるソフトウエアにより実現されるものである。
また、時計回路219は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供することができると共に、制御部210の制御に応じて、例えば、パケットの受信間隔など、目的とする間隔を計測するなどのいわゆるタイマ機能をも実現することができるものである。
そして、接続端子201は、LAN5への接続端部を構成するものである。LANI/F202は、LAN5を通じてデータを送受するためのものである。すなわち、LANI/F202は、LAN5を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部210に供給する。また、LANI/F202は、制御部210を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをLAN5に送出する。
ベース装置2では、接続端子201、LANI/F202を通じて得たSIPサーバ1からの送信用パケットは、制御部210に供給される。制御部210は、これに供給されたパケットのうち、自機宛ての音声パケットは、送信用処理回路203、送信アンプ205、アンテナ共用器207を介して送受信アンテナ208に供給し、ステーション装置3に対して送信する。
ここで、送信用処理回路203は、制御部210からのパケットから実際に送信する形式の送信用パケットを形成するものである。送信アンプ205は、送信用パケットを所定のレベルにまで増幅するものである。また、アンテナ共用器207は、自機から送信する信号と自機が受信する信号とが影響を及ぼし合うことがないようにするためのものである。
また、制御部210に供給されたパケットのうち、そのヘッダの情報から自機宛ての制御情報である判別したものは、パケット分解/生成部215において分解する。そして、情報種別判別部217が、パケット分解された情報を解析し、その情報の種別や内容を判別する。情報種別判別部217において、SIPサーバ1からの当該パケットは、自機に対する制御情報であると判別した場合には、当該データはベース装置2において利用する。
また、情報種別判別部217において、SIPサーバ1からの当該パケットは、自機に接続されるステーション端末3に対する制御情報、例えば、外線の接続状態を通知するための情報などであると判別したとする。この場合には、SIPサーバ1からの当該パケットに応じた情報から、パケット分解/生成部215においてステーション端末3用の制御パケットを生成する。ここで生成されたステーション端末3用の制御パケットは、送信用処理回路203、送信アンプ205、アンテナ共用器207を介して送受信アンテナ208に供給され、ステーション装置3に対して送信される。これにより、ステーション端末3において、その制御パケットに応じた処理、例えば、接続や切断が通知された外線に対応するLEDの点灯/消灯制御などが行われる。
一方、送受信アンテナ208、アンテナ共用器207、受信アンプ206、受信用処理回路204を通じて受信したステーション端末3からのパケットは、制御部210に供給される。ここで、受信アンプ206は、送受信アンテナ208およびアンテナ共用器207を通じて受信されたパケットを所定のレベルにまで増幅するものである。また、受信信号処理回路204は、受信したパケットを自機において処理可能な形式の信号に変換し、これを制御部210に供給するものである。
そして、受信信号処理回路204から制御部210に供給されたパケットのうち、相手先に対する音声パケットは、LANI/F202および接続端子201を通じてLAN5に送出され、SIPサーバ1に送信される。これにより、SIPサーバ3を通じて、通信の相手先に送信するようにされる。
また、受信信号処理回路204から制御部210に供給されたパケットのうち、そのヘッダの情報から制御情報である判別したものは、パケット分解/生成部215において分解する。そして、情報種別判別部217が、パケット分解された情報を解析し、その情報の種別や内容を判別する。情報種別判別部217において、ステーション端末3からの当該パケットデータは、自機に対する制御情報であると判別した場合には、当該データはベース装置2において利用する。
また、情報種別判別部217において、ステーション端末3からの当該パケットは、例えば、発呼要求などのSIPサーバ1に対する要求や制御情報などであると判別したとする。この場合には、ステーション端末3からの当該パケットに応じた情報から、パケット分解/生成部215においてSIPサーバ1用の制御パケットを生成する。ここで生成されたステーション端末3用の制御パケットは、LANI/F202、接続端子201を通じて、LAN5に送出され、SIPサーバ1に送信される。これにより、SIPサーバ1において、ステーション端末3からの要求等に応じた処理が行われる。
また、この実施の形態のベース装置2とステーション端末3との間では、所定のタイミング毎に接続確認用のパケットの送受を行うようにしている。すなわち、ステーション端末3は、自機の識別情報等を含む接続確認用のパケットを所定のタイミング毎に送信する。当該接続確認用のパケットは、上述もしたように、ベース装置2において、送受信アンテナ208、アンテナ共用器207、受信アンプ206、受信用処理回路204を通じて受信され、制御部210に供給される。
そして、パケット分解/生成部215で分解され、その内容が情報種別判別部217において判別される。そして、制御部210が自機に接続されるべきステーション端末3からの接続確認用のパケットであると判別したときには、制御部210は、応答メッセージを形成し、これをパケット分解/生成部215においてパケット化する。ここでパケット化された応答メッセージは、上述もしたように、送信用処理回路203、送信アンプ205、アンテナ切換回路207、送受信アンテナ208を通じてステーション端末3に送信される。
そして、圏外/圏内判定部218は、上述したステーション端末3からの接続確認用のパケットデータを所定のタイミングで受信しているか否かにより、ステーション端末3が圏外にあるか、圏内にあるかを判定するようにしている。具体的に、圏外/圏内判定部218は、時計回路219と協働し、ステーション端末3からの接続確認用のパケットデータの受信間隔を計測する。そして、圏外/圏内判定部218は、前回受信してから一定時間内に新たな接続確認用のパケットデータを受信していないと判別した場合に、ステーション端末3は圏外になったと判定する。この判定結果は、制御部210に通知される。
この場合、制御部210は、離脱/接続要求生成部216を制御し、SIPサーバ1に対する自機の離脱要求を生成する。ここで生成された離脱要求は、パケット分解/生成部215において、パケット化され、このパケット化された離脱要求が、LANI/F202、接続端子201を通じてLAN5に送出され、SIPサーバ1に送信される。これにより、SIPサーバ1において、アドレス管理DB106の当該ベース装置2を有するコードレス電話システム4用のデータの上述した離脱/接続区分を、離脱を示すように更新することができる。
なお、ベース装置2において、自機がSIPサーバ1に対して離脱した状態にあるのか、接続している状態にあるのかは、例えば、RAM213などのメモリにおいて管理されている。そして、当該ベース装置2がSIPサーバ1に対して離脱を登録するようにした後に、自機に接続されるステーション端末3からの上述した接続確認用のパケットを受信したとする。このように、離脱後、この場合、ステーション端末3からの接続確認用のパケットの受信が確認されると、圏外/圏内判定部218は、ステーション端末3は圏内に復帰した判定する。この判定結果は、制御部210に通知される。
この場合、制御部210は、離脱/接続要求生成部216を制御し、SIPサーバ1に対する自機の接続要求を生成する。ここで生成された接続要求は、パケット分解/生成部215において、パケット化され、このパケット化された接続要求が、LANI/F202、接続端子201を通じてLAN5に送出され、SIPサーバ1に送信される。これにより、SIPサーバ1において、アドレス管理DB106の当該ベース装置2を有するコードレス電話システム4用のデータの上述した離脱/接続区分を、接続を示すように更新することができる。
このように、この実施の形態のベース装置2は、自機と無線接続されるステーション端末3と協働し、SIPサーバ1を通じて電話通信を行うことができるようにしている。そして、この実施の形態のベース装置2は、ステーション端末3と通信を行うことにより、ステーション端末3が自機に対して圏外になったか、圏内にあるかを常時監視している。そして、ステーション端末3が自機に対して圏外になった時には、自機をSIPサーバ1から離脱するように要求することができるようにしている。
また、ベース装置2は、離脱要求をSIPサーバ1に送信し、自機をSIPサーバ1から離脱するようにした後に、ステーション端末3が自機に対して圏内に復帰したときには、自機をSIPサーバ1に接続するように要求することができるようにしている。
これにより、SIPサーバ1は、ベース装置2がステーション端末3と通信が不能な状態にあるときには、上述したように、ベース装置2からの要求により、そのベース装置2をSIPサーバ1から離脱させる。これにより、SIPサーバ1は、そのベース装置2を、この通信ネットワーク上には存在しないものとして扱うことができるようにされる。
また、SIPサーバ1は、ベース装置2がステーション端末3と通信が不能な状態から通信が可能な状態に復帰したときには、ベース装置2からの要求により、そのベース装置2をSIPサーバ1に接続させる。これにより、SIPサーバ1は、そのベース装置2を、この通信ネットワーク上に存在するものとして扱うことができるようにされる。
このように、ベース装置2は、SIPサーバ1に対する制御、電話機としての通信制御、ステーション端末2への種々の状態の通知や音声メッセージの再生などを制御する。なお、音声メッセージの再生制御においては、RTP(Real-time Transport Protocol)が用いられる。RTPは、リアルタイムデータ転送プロトコルと訳され、映像や音声をリアルタイムに転送することを目的としたプロトコルであり、リアルタイムに送受する必要のある通話音声の送受に適したものである。
[ステーション端末3の構成と動作概要]
次に、図1に示したコードレス電話システム4のステーション端末3の構成例と動作について説明する。図5は、この実施の形態の通信システムで用いられるステーション端末3を説明するためのブロック図である。
図5に示すように、この実施の形態のステーション端末3は、ベース装置2との間で通信を行う部分として、送受信アンテナ301、アンテナ共用器302、受信アンプ303、受信処理回路304、送信処理回路305、送信アンプ306を備えている。
ここで、アンテナ共用器302は、自機から送信する信号と自機が受信する信号とが影響を及ぼし合うことがないようにするためのものである。受信アンプ303は、受信したパケットを所定のレベルにまで増幅し、これを受信用処理回路304に供給するものである。受信用処理回路304は、受信したパケットを自機において処理可能な形式のパケットに変換し、これを制御部320に供給するものである。また、送信用処理回路305は、制御部320からのパケットから実際に送信する形式の送信用パケットを形成する。送信アンプ306は、送信用パケットを所定のレベルにまで増幅するものである。
また、ステーション端末3は、ユーザが通話を行う部分として、音声データ入出力インターフェース(以下、音声データ入出力I/Fと略称する。)307、受話アンプ308、受話器(スピーカ)309、送話器(マイクロホン)310、送話アンプ311を備えている。
さらに、ステーション端末3は、制御部320を備えている。制御部320は、図5に示すように、CPU321と、ROM322と、RAM323とがCPUバス324によって接続されて形成されたマイクロコンピュータである。CPU321は、ROM322に記憶保持されているプログラムを実行することにより、各部を制御するための制御信号を生成して各部に供給したり、各部からの情報を処理したりするものである。ROM322は、上述のように、CPU321で実行される種々のプログラムや処理に必要となる種々のデータを記憶保持しているものである。また、RAM323は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に、作業領域として用いられるものである。
また、制御部320は、パケット分解/生成部325と、送信データ生成部326と、時計回路327とを備えている。パケット分解/生成部325と、送信データ生成部326とのそれぞれは、CPU321によって制御可能とされる回路装置部として構成することも可能である。しかし、この実施の形態において、パケット分解/生成部325と送信データ生成部326とのそれぞれの機能は、CPU321、ROM322、RAM323により構成されるマイクロコンピュータにおいて実行されるソフトウエアにより実現されるものである。
また、時計回路327は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供することができると共に、制御部320の制御に応じて、例えば、パケットの受信間隔など、目的とする間隔を計測するなどのいわゆるタイマ機能をも実現することができるものである。
また、制御部320には、ユーザインターフェイスを構成する部分として、キー操作部331、LED制御部332、LCD制御部334、音声処理部336が接続されている。そして、LED制御部332にはLED群333が、LCD制御部334にはLCD335が、また、音声処理部336にはスピーカ337が接続されている。
ここで、キー操作部331は、いわゆるテンキー(数字キー)や複数のファンクションキーなどを備え、ユーザからの操作入力を受け付けるものである。また、LED群333は、複数のLEDを備え、LED制御部332の制御に応じて、オフフック状態、SIPサーバ1に収容された外線の利用状態、その他の種々の状態を示すためのものである。また、LCD335は、LCD制御部334の制御に応じて、着信時に相手先の電話番号を表示したり、発信時に相手先の電話番号を表示したり、通話時間を表示したり、また、待ち受け状態にある場合には、時計回路327が提供する現在時刻を表示するなど、種々の情報を表示するものである。また、スピーカ337は、音声処理部336で処理されたアナログ音声信号の供給を受けて、これに応じた音声(着信音やアラーム音)を放音するなどのことができるものである。
そして、ベース装置2からのパケットは、送受信アンテナ301、アンテナ共用器302、受信アンプ303、受信用処理回路304を通じて制御部320に供給される。制御部320は、ベース装置2からのパケットをパケット分解/生成部325において分解し、その内容を把握する。ベース装置2からパケットが通信の相手先からの音声データである場合には、制御部320は、これを音声データ入出力I/F307に供給する。
音声データ入出力I/F307は、これに供給された音声データからアナログ音声信号を形成し、これを受話アンプ308を通じてスピーカ309に供給する。これにより、相手先からの音声データに応じた音声がスピーカ309から放音され、ステーション端末3のユーザがこれを聴取することができるようにされる。
一方、ステーション端末3のユーザが発する音声は、マイクロホン310により集音され、これがアナログ音声信号として、送話アンプ311を通じて音声データ入出力I/Fに供給される。音声データ入出力I/F307は、これに供給されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換して、これを制御部320に供給する。
制御部320は、音声データ入出力I/F307からの音声データをパケット分解/生成部325においてパケット化し、これを送信用処理回路305、送信アンプ306、アンテナ共用器302、送受信アンテナ301を通じてベース装置2に送信する。これにより、当該音声パケットは、ベース装置2からSIPサーバ1に送信され、SIPサーバ1を通じて通話の相手先に送信される。
また、上述したように、自機において受信され、制御部320のパケット分解/生成部325において分解されたパケットが、自機宛ての制御情報である場合には、制御部320は、当該制御情報に応じて各部を制御する。例えば、ベース装置2からの当該制御情報が、SIPサーバ1の外線の使用状況の通知である場合には、制御部320は、LED制御部332を制御し、使用されている外線に対応するLEDを点灯させるなどの処理を行う。また、ベース装置2からの当該制御情報が、自機への着信を通知するものである場合には、制御部320は、LCD制御部334を制御して、LCD335に発呼元の電話番号を表示したり、音声処理部336に着信音データを供給して、スピーカ337から着信音を放音させたりする。
そして、自機に着信がある場合に、ユーザがキー操作部331を通じてオフフック操作した時には、制御部320は送信データ生成部326を制御し、応答メッセージを形成する。この応答メッセージは、パケット分解/生成部325において、パケット化され、これが、送信用処理回路305、送信アンプ306、アンテナ共用器302、送受信アンテナ301を通じてベース装置2に送信される。そして、当該応答メッセージは、ベース装置2からSIPサーバ1に送信され、SIPサーバ1から発信元の端末に送信されて、通信回線が接続するようにされ、上述したように、音声パケットの送受が行われて通話が行うようにされる。
また、キー操作部331を通じて相手先の電話番号を入力し、自機から発呼を行うようにした場合には、制御部320は、送信データ生成部326を制御し、当該相手先の電話番号を含む発呼メッセージを生成する。この発呼メッセージは、パケット分解/生成部325において、パケット化され、これが、送信用処理回路305、送信アンプ306、アンテナ共用器302、送受信アンテナ301を通じてベース装置2に送信される。
当該発呼メッセージは、ベース装置2からSIPサーバ1に送信され、SIPサーバ1から目的とする相手先の端末に送信される。そして、相手先のユーザがオフフック操作を行って着信に応答するようにしたときには、応答メッセージが送信されてくるので、これに応じて、ステーション端末3及びベース装置2は通信回線を接続するようにする。これにより、上述したように、音声パケットの送受が行われて通話が行うようにされる。
また、この実施の形態のステーション端末3の制御部320は、予め決められた一定時間毎に送信データ生成部326を制御し、接続確認メッセージを生成する。この接続確認用メッセージは、パケット分解/生成部325においてパケット化され、接続確認用のパケットとして、送信用処理回路305、送信アンプ306、アンテナ共用器302、送受信アンテナ301を通じてベース装置2に送信される。これにより、上述したように、当該接続確認用のパケットをベース装置2が受信できた場合には、ベース装置2において、ステーション端末3は自機との間で通信が可能な圏内に存在することが確認することができるようにされる。
また、ベース装置2は、ステーション端末3からの接続確認用のパケットを受信すると、これに応答する応答パケットを送信してくる。このため、ステーション端末3は、ベース装置2からの応答パケットを受信した場合には、自機はベース装置2に対して、ベース装置2と通信が可能な圏内に位置していることを確認することができる。なお、ステーション端末3において、接続確認用のパケットを送信したにも関わらず、一定時間の間にベース装置2からの応答パケットを受信できなかった場合には、ステーション端末3の制御部320は、ベース装置2に対して圏外になったと判別する。
この場合、制御部320は、LED制御部332を制御し、自機が圏内になったことを示すLEDを点灯したり、LCD制御部334を制御し、自機が圏内になったことを示すメッセージをLCD335に表示したりすることができる。もちろん、制御部320が、警告音データを音声処理部336に供給し、圏外になったことを通知する警告音を放音することも可能である。
このように、ステーション端末3は、ユーザからの操作内容をベース装置2に通知すること、LED、LCD、スピーカなどへ情報を出力すること、また、マイクロホンを通じて集音した音声をベース装置2に送信することを担当する。
[通信システムにおける各機器間の情報の送受]
次に、上述した構成を有するSIPサーバ1と、ベース装置2およびステーション端末3からなるコードレス電話システム4とにより構成されるこの実施の形態の通信システムにおける通信シーケンスについて説明する。
[SIPサーバ1への登録離脱シーケンス]
まず、ベース装置2がSIPサーバ1に対して行う登録離脱シーケンスについて説明する。図6は、ベース装置2がSIPサーバ1に対して行う登録離脱シーケンスについて説明するためのシーケンス図である。
上述もしたように、ステーション端末3は、所定のタイミング毎(例えば125μsec(マイクロ秒)毎)に接続確認用のパケットを送信してくる。ベース装置2は、接続確認用のパケットを受信する毎に、時計回路219と協働し、リンク監視タイマをリセットし、ステーション端末3から次に接続確認用のパケットを受信するまでの時間をモニタする。この例の場合、20秒間の間にステーション端末3から送信される次の接続確認用のパケットをベース装置2を受信しなかった場合に、ベース装置2ではステーション端末3が圏外になったと判別する。
また、ベース装置2は、ステーション端末3からの接続確認用のパケットを受信すると、ステーション端末3への応答パケットを形成し、これをステーション端末3に送信する。この場合、当該応答パケットにはタイムアウト値を添付する。この場合のタイムアウト値は、例えば20秒である。したがって、ステーション端末3において、ベース装置2からの応答パケットを20秒間受信しなかったときには、ステーション端末3においてもベース装置2の圏外になったと判別することができるようにされる。
そして、図6において、ステーション端末3からの点線矢印で示したように、ステーション端末3からは繰り返し、接続確認用のパケットが送信されているにも関わらず、ベース装置2において受信されなかったとする。この場合、ベース装置2は、上述したように、リンク監視タイマが前回接続確認用のパケットを受信してから20秒経過したと判別した場合には、ベース装置2は、ステーション端末3が自機の圏外に移動したと判別する。
また、ベース装置2が、ステーション端末3からの接続確認用のパケットを受信していないということは、応答パケットがベース装置2からステーション端末3に送信されていないということを意味する。したがって、ステーション端末3においても、ベース装置2からの応答パケットを、前回受信してから20秒経過しても受信していないことになり、ステーション端末3においても、自機がベース装置2の圏外に至ったことを判別することができる。
そして、ベース装置2において、ステーション端末3が圏外に至ったと判別した時には、SIPサーバ1への登録離脱シーケンスを実行するようにする。図6において、点線で囲んで示した部分が、ベース装置2とSIPサーバ1との間で行われるSIPサーバ1への登録離脱シーケンスである。
この場合、まず、ベース装置2が情報伝達要求メッセージであるSubscribeメッセージを用いて、当該ベース装置2をSIPサーバ1から離脱する旨(SUBSCRIBE Expire0)をSIPサーバ1に通知する。そして、ベース装置2は、コネクトアドレス登録要求メッセージであるREGISTERメッセージを用いて、当該ベース装置2をSIPサーバ1の接続から離脱したことを登録する要求(REGISTER Expirie0)をSIPサーバ1に送信する。
SIPサーバ1は、Subscribeメッセージを受信すると、当該メッセージを受信したことの応答メッセージ(登録離脱応答(200 OK))を返信し、ベース装置2はこれを受信する。そして、ベース装置2からのREGISTERメッセージに応じて、当該ベース装置2をSIPサーバ1のアドレス管理DBの離脱/接続区分を離脱に変更する。そして、SIPサーバ1はREGISTERメッセージに対する応答(登録離脱応答(200 OK))をベース装置2に返信し、ベース装置2はこれを受信する。
このようにして、ベース装置2は、ステーション端末3が自機と通信が不能な圏外に移動した場合に、SIPサーバ1に対して自機を接続から離脱させるように要求する。これにより、SIPサーバ1において、コードレス電話システム4への着信があった場合に当該ベース装置を呼び出しの対象とはせず、また、当該ベース装置への直接の着信については、当該ベース装置が接続されていない場合の対応を取ることができるようにされる。
[SIPサーバ1への登録開始シーケンス]
次に、上述したように、ステーション端末3が圏外になったために、SIPサーバ1から離脱したベース装置2が、ステーション端末3が圏内に復帰したために再接続するための登録開始(接続開始)シーケンスについて説明する。図7は、ベース装置2がSIPサーバ1に対して行う登録開始シーケンスについて説明するためのシーケンス図である。
ベース装置2が図6に示したSIPサーバ1への登録離脱シーケンスを実行した後、ステーション端末3が所定のタイミング毎(例えば125μsec(マイクロ秒)毎)に送信してくる接続確認用のパケットをベース装置2が受信したとする。この場合、ベース装置2は、ステーション端末3が自己の圏内に復帰したと判別することができる。この場合、図7のステーション端末3とベース装置2との間のシーケンスに示すように、ステーション端末3とベース装置2との間において、接続確認用のパケットとその応答パケットの送受が再開される。
そして、ベース装置2において、ステーション端末3が圏内に復帰したと判別した時には、ベース装置2が登録開始シーケンスを開始可能な状態であれば、ベース装置2は、SIPサーバ1への登録開始(接続開始)シーケンスを実行する。図7において、点線で囲んで示した部分が、ベース装置2とSIPサーバ1との間で行われるSIPサーバ1への登録開始シーケンスである。なお、ベース装置2が登録開始シーケンスを開始可能でない状態とは、保守中などベース装置2が意図的にSIPサーバ1から離脱している場合を意味する。
そして、登録開始シーケンスでは、まず、ベース装置2が、コネクトアドレス登録要求メッセージであるREGISTERを用いて、当該ベース装置2をSIPサーバ1に接続することを要求するメッセージ(登録(接続)要求(REGISTER))をSIPサーバ1に送信する。そして、ベース装置2からのREGISTERメッセージに応じて、SIPサーバ1の当該ベース装置2についてのアドレス管理DBの離脱/接続区分を接続に変更する。そして、SIPサーバ1は、REGISTERメッセージに対する応答(登録成功応答(200 OK))をベース装置2に返信し、ベース装置2はこれを受信する。
この後、ベース装置2は、情報伝達要求メッセージであるSubscribeメッセージを用いて、自機についてのアドレス管理DBの離脱/接続区分に応じた処理を開始させることの要求(登録要求(SUBSCRIBE))をSIPサーバ1に通知する。SIPサーバ1は、当該Subscribeメッセージを受信すると、当該メッセージを受信したことの応答メッセージ(登録成功応答(200 OK))を返信し、ベース装置2はこれを受信する。これにより、当該ベース装置2は、SIPサーバ1に接続されることにより、当該通信システムに再接続される。
このようにして、ベース装置2は、ステーション端末3が自機と通信が不能な圏外にある状態から通信が可能な圏内に復帰すると、SIPサーバ1に対して自機を再接続させるように要求する。これにより、SIPサーバ1において、コードレス電話システム4への着信があった場合に当該ベース装置を呼び出しの対象とし、また、当該ベース装置への直接の着信については、当該ベース装置を直接に呼び出すことができるようにされる。
[保留呼切断シーケンス]
次に、保留時に、ステーション端末3が圏外になった場合の相手機器をも含めた保留呼切断シーケンスについて説明する。図8は、保留時に、ステーション端末3のユーザが移動し、ステーション端末3がベース装置2に対して圏外になった場合の相手機器をも含めた保留呼切断シーケンスについて説明するためのシーケンス図である。
図8に示すように、ベース装置2とステーション端末3とが通信可能な圏内にあるときに、ステーション端末3に着信があり、あるいは、ステーション端末3から発呼して、対向機(通話相手)との間で通信回線が接続されたとする。この場合、通信状態となり、制御信号の送受の音声パケットの送受が行われるようにされる。制御信号の送受には、上述した接続確認用パケットとこれに対する応答パケットの送受が含まれる。
そして、ステーション端末3から保留にする操作が行われると、ベース装置2は、対向機に対して保留音を送出する。対向機はステーション端末3によって保留状態が解除されるのを待つことになる。この保留状態にあるときに、ステーション端末3のユーザが移動することによって、ステーション端末3がベース装置2の圏外になったとする。この場合、図6を用いて説明した場合と同様に、ステーション端末3とベース装置2との間で接続確認用のパケットとこれに対応する応答パケットの送受が行われないので、ベース装置2はステーション端末3が圏外になったことを認識する。ステーション端末3でも自機がベース装置2の圏外になったことを認識する。
この場合、ベース装置2は、保留呼を切断するため、SIPサーバ1に対して切断要求(BYEメッセージ)を送信する。この切断要求は、SIPサーバ1を通じて対向機に送信される。切断要求を受信した対向機は、切断要求受理メッセージ(200 OK)を送出し、接続していた通信回線を切断するようにする。SIPサーバ1は、対向機からの切断要求受理メッセージ(200 OK)をベース装置2に送信する。これにより、対向機とベース装置2(コードレス電話システム4)との間で形成されていた通信回線は切断され、保留呼が切断される。
そして、ベース装置2は、自機に対してステーション端末3が圏外であるので、図6において点線で囲んで示したSIPサーバ1への登録離脱を実行し、当該ベース装置2をSIPサーバ1から離脱させるようにする。この後、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰してきた場合には、図7において点線で囲んで示したSIPサーバ1への登録開始シーケンスを実行し、当該ベース装置2をSIPサーバ1に対して再接続させるようにする。
このように、コードレス電話システム4において保留中にベース装置2に対してステーション端末3が圏外になった場合、ベース装置2は、まず、対向機との間の通信回線を切断する。この後、ベース装置2は、SIPサーバ1への登録離脱シーケンスを実行し、自機をSIPサーバ1から離脱させ、ステーション端末3が圏内に復帰してくるのを待つ。そして、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰してきたら、ベース装置2は、SIPサーバ1への登録開始シーケンスを実行して、SIPサーバ1を含む通信ネットワークに当該ベース装置2を含むコードレス電話システムを復帰させる。
これにより、無駄に通信回線が接続された状態を維持することも無く、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰してくるまでは、当該ステーション端末3を含むコードレス電話システム4は通信ネットワークに接続されていない状態となる。したがって、相手先から電話の掛けなおしが行われても、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰していない状態では、相手先と当該ベース装置2との間に通信回線が接続されることは無い。また、ステーション端末3がベース装置2の圏外になった場合に、必要以上に保留状態を維持させることもない。
[通話切断シーケンス]
次に、通話時に、ステーション端末3が圏外になった場合の相手機器をも含めた通話切断シーケンスについて説明する。図9は、通話時に、ステーション端末3のユーザが移動し、ステーション端末3がベース装置2に対して圏外になった場合の相手機器をも含めた通話切断シーケンスについて説明するためのシーケンス図である。
図9に示すように、ベース装置2とステーション端末3とが通信可能な圏内にあるときに、ステーション端末3に着信があり、あるいは、ステーション端末3から発呼して、対向機(通話相手)との間で通信回線が接続されたとする。この場合、通信状態となり、制御信号の送受の音声パケットの送受が行われるようにされる。制御信号の送受には、上述した接続確認用パケットとこれに対する応答パケットの送受が含まれる。
そして、通話状態にあるときに、ステーション端末3のユーザが移動することによって、ステーション端末3がベース装置2の圏外になったとする。この場合、図6を用いて説明した場合と同様に、ステーション端末3とベース装置2との間で接続確認用のパケットとこれに対応する応答パケットの送受が行われないので、ベース装置2はステーション端末3が圏外になったことを認識する。ステーション端末3でも自機がベース装置2の圏外になったことを認識する。
この場合、ベース装置2は、通話呼を切断するため、SIPサーバ1に対して切断要求(BYEメッセージ)を送信する。この切断要求は、SIPサーバ1を通じて対向機に送信される。切断要求を受信した対向機は、切断要求受理メッセージ(200 OK)を送出し、接続していた通信回線を切断するようにする。SIPサーバ1は、対向機からの切断要求受理メッセージ(200 OK)をベース装置2に送信する。これにより、対向機とベース装置2(コードレス電話システム4)との間で形成されていた通信回線は切断され、通話呼が切断される。
そして、ベース装置2は、自機に対してステーション端末3が圏外であるので、図6において点線で囲んで示したSIPサーバ1への登録離脱を実行し、当該ベース装置2をSIPサーバ1から離脱させるようにする。この後、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰してきた場合には、図7において点線で囲んで示したSIPサーバ1への登録開始シーケンスを実行し、当該ベース装置2をSIPサーバ1に対して再接続させるようにする。
このように、コードレス電話システム4において通話中にベース装置2に対してステーション端末3が圏外になった場合、ベース装置2は、まず、対向機との間の通信回線を切断する。この後、ベース装置2は、SIPサーバ1への登録離脱シーケンスを実行し、自機をSIPサーバ1から離脱させ、ステーション端末3が圏内に復帰してくるのを待つ。そして、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰してきたら、ベース装置2は、SIPサーバ1への登録開始シーケンスを実行して、SIPサーバ1を含む通信ネットワークに当該ベース装置2を含むコードレス電話システムを復帰させる。
これにより、無駄に通信回線が接続された状態を維持することも無く、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰してくるまでは、当該ステーション端末3を含むコードレス電話システム4は通信ネットワークに接続されていない状態となる。したがって、相手先から電話の掛けなおしが行われても、ステーション端末3がベース装置2の圏内に復帰していない状態では、相手先と当該ベース装置2との間に通信回線が接続されることは無い。また、ステーション端末3がベース装置2の圏外になった場合に、必要以上に通話状態を維持させることもない。また、ステーション端末3が復帰してきたときに、双方の話者が意識しない内に通信回線が接続されて、知らない内に通話が可能な状態に復帰してしまう不都合を防止することができる。
[ベース装置2の処理のまとめ]
次に、SIPサーバ1への登録離脱シーケンスやSIPサーバ1への登録開始シーケンスの開始主体であるベース装置2における処理について、図10のフローチャートを参照しながらまとめる。図10は、ベース装置2において実行される処理について説明するためのフローチャートである。
ベース装置2は、自機に電源が投入されている間においては、他の処理と並行して図10に示す処理を常時動作させるようにしている。この場合、ベース装置2は、上述したように、ステーション端末3からの接続確認用のパケットを所定時間の間に受信したか否かを判別することにより、ステーション端末3が自機に対して圏外になったか否かを判別する(ステップS1)。
ステップS1において、ステーション端末3は自機に対して圏外に移動していない(圏内にある)と判別した時には、ステップS1の判別処理を繰り返す。ステップS1の判別処理において、ステーション端末3が自機に対して圏外になったと判別した時には、ベース装置2は、自機の動作状態に基づいて、現在通信回線を接続して使用中、すなわち通話中または保留中の状態にあるか否かを判別する(ステップS2)。ステップS2の判別処理において、通話中または保留中であると判別したときには、ベース装置2は、通信回線の切断処理を実行する(ステップS3)。具体的にステップS3においては、図8、図9を用いて説明したように、通話状態や保留状態を停止し、切断要求の送信と切断応答の受信とを行うことによって、接続していた通信回線(呼)を切断する。
ステップS3の処理を実行した後、あるいは、ステップS2の判別処理において、通話中または保留中ではない(アイドル状態である)と判別したときには、上述したSIPサーバ1への登録離脱シーケンスを開始させるため、ベース装置2は、離脱要求を生成する(ステップS4)。そして、ステップS4で生成した離脱要求をSIPサーバ1に送信する(ステップS5)。これにより、図6に示したSIPサーバ1への登録離脱シーケンスが行われる。
そして、ベース装置2は、上述もしたように、ステーション端末3からの接続確認用のパケットを受信し、所定時間の間に繰り返し受信するようになったか否かを判別することにより、ステーション端末3が自機に対して圏内に復帰したか否かを判別する(ステップS6)。
ステップS6において、ステーション端末3は自機に対して圏内に復帰していない(圏外にある)と判別した時には、ステップS6の判別処理を繰り返す。ステップS6の判別処理において、ステーション端末3が自機に対して圏内に復帰したと判別した時には、上述したSIPサーバ1への登録接続シーケンスを開始させるため、ベース装置2は、接続要求を生成する(ステップS7)。そして、ステップS7で生成した接続要求をSIPサーバ1に送信する(ステップS8)。これにより、図7に示したSIPサーバ1への登録開始シーケンスが行われる。この後、ステップS1からの処理が繰り返すようにされる。
このように、ベース装置2が自機と無線接続されるべきステーション端末3が圏外になった場合には、登録離脱シーケンスを開始させる。この後、当該ステーション端末3が圏内に復帰してきたときには、登録開始シーケンスを開始させる。これにより、ベース装置2は、ステーション端末3と通信が可能な状態にあるか否かに応じて、SIPサーバ1に対して自機を離脱させたり、接続させたりすることを適切に行うことができるようにされる。これにより、SIPサーバ1がコードレス電話システム4のそれぞれを適切に制御可能な環境を整えることができるようにされる。
「実施の形態の効果」
ベース装置2は、ステーション端末3が当該ベース装置2に対して圏内にあり、ステーション端末2を通じて通話が可能な状態に無ければ、ベース装置2はSIPサーバ1から離脱することで、通話相手へ無音となる通話を作成しないようにすることができる。また、着信先のベース装置2が未接続(離脱中)である場合には、SIPサーバ1が他のベース装置に転送するなどの適宜の対応を取ることができるようにされる。
また、ステーション端末3は圏外となってから圏内に復帰した場合に、ベース装置2の指示にしたがった状態となる。それが、通話中であれば、ステーション端末3が圏内に復帰した時点でユーザが知らない間に通話が開始されてしまうのが従来からのシステムである。しかし、この実施の形態のベース装置2は、ステーション端末3が圏外になった時点で、SIPサーバ1から離脱するので、ステーション端末3は圏内復帰時に電話機としてアイドル状態(待ち受け状態)以外では通信回線を接続して通話を開始しないとすることができる。
[この発明の無線通信システム、方法、プログラム、通信システム]
そして、上述した実施形態からも分かるように、ベース装置2とステーション端末3とからなるコードレス電話システム4が、この発明の無線通信システムが適用されるものである。また、ベース装置2で行われる処理が、この発明による方法、プログラムに対応するものである。具体的には、図5に示したフローチャートを用いて説明した処理が、この発明の方法、プログラムの一実施形態に対応するものである。また、SIPサーバ1を含めた通信システムが、この発明の一実施の形態が適用された通信システムである。
[その他]
なお、上述した実施の形態においては、SIPサーバ1を用いたIP電話システムにこの発明を適用した場合を例にして説明したが、これに限るものではない。SIPサーバ1に替えて、いわゆる交換機能や収容端末の制御をも行ういわゆる主装置などの中継交換装置に対して、複数の端末が接続されるいわゆるビジネスホンシステムにもこの発明を適用することができる。
また、上述した実施の形態では、保留時や通話時に対向機との間の通信回線を切断する場合に、例えば、ベース装置2からステーション端末3が圏外になったために通信回線を切断する旨のメッセージを対向機に送信するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、ベース装置2において、ステーション端末3からの接続確認用のパケットの有無に応じてステーション端末3が圏外にあるか、圏内にあるかの判別(判断)を行うようにしたが、これに限るものではない。例えば、ベース装置2において受信するステーション端末3からの信号の受信強度に応じて、ステーション端末3が圏外にあるか、圏内にあるかの判別を行うようにすることもできる。
また、上述した実施の形態においては、ベース装置2において、圏内/圏外判別部218が判別手段としての機能を実現し、離脱/接続要求生成手段が、離脱要求生成手段と接続要求生成手段としての機能を実現する。また、主にLANI/F202が制御部210と協働し、離脱要求送信手段と接続要求送信手段としての機能を実現している。
また、ステーション端末3において、送信データ生成手段326と、送信用処理回路305と、送信アンプ306と、アンテナ共用器302と、送受信アンテナ301とが送信手段を構成している。
また、SIPサーバ1において、アドレス管理DB106が、管理情報記憶手段の機能を実現し、LANへの接続端子108、LANI/F107、制御部110が、離脱要求受信手段と接続要求受信手段としての機能を実現している。そして、制御部110が、第1、第2の更新手段と着信処理手段としての機能を実現している。