JP5733359B2 - 回転加工機 - Google Patents

Description

本発明は、回転するワークに回転砥石によって研削加工を行う加工装置を備えた回転加工機に関する。

回転装置によって回転させるワークに、加工装置の回転砥石によって研削加工を行う回転加工機においては、加工するワークの種類等に応じて、ドレッサーを用いて回転砥石の形状を適切に成形している。例えば、ワークのヘリカル歯を研削加工する回転砥石においては、ワークの種類ごとにドレッサーを準備し、回転砥石の砥石歯面の圧力角及び歯形の丸み（歯元から歯先までの曲面状の膨らみ形状）を調整している。

例えば、特許文献１には、ベッド上に、加工物を保持して回転するテーブルと、加工物の一端を支えるカウンタコラムと、加工物を研削加工する砥石を装着するための砥石軸が進退するコラムとが設けられた歯車研削盤について開示されている。この歯車研削盤においては、カウンタコラムの外周を旋回可能な輪状部材に、砥石軸に装着された砥石をドレッシングするドレッシング装置が設けられている。これにより、歯車研削盤において、ドレッシング装置を合理的に配置している。

また、例えば、特許文献２には、歯車を配設する際の歯車軸のミスアライメントに基づいて、片当たりを生じることがないように歯面を修整する歯車の歯面修整方法について開示されている。この歯面修整方法においては、噛合い伝達誤差を小さく維持するために、ミスアライメントを圧力角誤差及びねじれ角誤差に換算して求められた誤差歯面において、片当たりを回避できるクラウニング量及び歯形丸み量を求めている。

特開２００５−１１１６００号公報 特開平８−１９７３３２号公報

しかしながら、上記特許文献１の歯車研削盤においては、カウンタコラムの輪状部材にドレッシング装置が固定されており、ワークの種類ごとにドレッシング装置を作業者が手動で交換する必要がある。そのため、ドレッシング装置を交換するために時間がかかり、ヘリカルギヤの生産性をあまり向上させることができない。また、上記特許文献２においては、ドレッシング装置についての工夫は何らなされていない。

本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、回転砥石の砥石歯面の成形を迅速かつ容易に行うことができ、ヘリカルギヤの生産性を向上させることができる回転加工機を提供しようとして得られたものである。

本発明の一態様は、ヘリカル歯が形成されたワークを支持して回転させる回転装置と、該回転装置によって回転する上記ワークのヘリカル歯に、回転砥石の研削歯によって研削加工を行う加工装置と、上記回転装置への上記ワークの搬入出を行う搬送装置と、を備える回転加工機において、
上記搬送装置は、上記ワークの挟持が可能なグリッパと、上記研削歯の歯先面を成形するためのドレッサーとを旋回中心軸線の回りにそれぞれ有し、かつ、該旋回中心軸線の回りに旋回して、上記グリッパを上記回転装置に接近させるとともに、上記ドレッサーを上記加工装置に接近させるよう構成されており、さらに、上記研削歯の歯面を成形するためのドレスギヤを上記グリッパに挟持して上記回転装置に装着するよう構成されており、
上記回転装置に装着された上記ドレスギヤによって上記研削歯の歯面を成形し、上記加工装置に接近した上記ドレッサーによって上記研削歯の歯先面を成形するよう構成されていることを特徴とする回転加工機にある。

上記回転加工機においては、ドレッサーとドレスギヤとを併用して、回転砥石の研削歯の成形を行う。
加工装置における回転砥石の研削歯に成形を行う際には、ワークの種類に応じて、必要とする形状を有するドレスギヤを、搬送装置のグリッパによって挟持する。そして、搬送装置を旋回させ、グリッパに挟持されたドレスギヤを回転装置に接近させて、回転装置に装着する。これにより、必要とするドレスギヤを回転装置へ容易に搬入することができる。また、回転砥石の研削歯の成形後には、ドレスギヤを、搬送装置によって回転装置から容易に搬出することができる。

また、回転加工機においては、ドレスギヤによって研削歯の歯面を成形する一方、ドレッサーによって研削歯の歯先面を成形する。そのため、ワークの種類に応じて研削歯の歯面の形状（圧力角、歯形の丸み）が異なる場合には、ドレスギヤを搬送装置によって交換することができる。一方、ドレスギヤによっては行うことができない、研削歯の歯先面の成形は、ワークの種類が異なっても、同一のドレッサーによって行うことができる。

それ故、上記回転加工機によれば、ワークの種類に応じて、ドレスギヤを迅速に交換することができ、ドレスギヤとドレッサーとを併用して、回転砥石の研削歯における歯面の成形を迅速かつ容易に行うことができる。そして、ドレスギヤの交換にかかる時間を短縮することができ、ワークのヘリカル歯に研削加工を行って生産するヘリカルギヤの生産性を向上させることができる。

なお、回転加工機においては、次のようにして、ワークに研削加工を行う。
回転装置にワークを搬入するときには、グリッパに挟持するワークは、搬送装置の旋回によって回転装置に接近させた後、回転装置に支持させる。そして、回転装置によって回転させるワークのヘリカル歯に、加工装置における回転砥石の研削歯が研削加工を行う。その後、回転装置からワークを搬出するときには、研削加工が行われた後のワークを回転装置からグリッパに挟持し、搬送装置を旋回させる。

実施例にかかる、回転加工機を示す斜視図。 実施例にかかる、回転加工機を示す平面図。 実施例にかかる、ドレスギヤによって回転砥石の研削歯の歯面及び歯底面を成形する状態を拡大して示す説明図。 実施例にかかる、ドレッサーによって回転砥石の研削歯の歯先面を成形する状態を拡大して示す説明図。 実施例にかかる、回転砥石の研削歯によってワークのヘリカル歯に研削加工を行う状態の回転加工機を示す斜視図。 実施例にかかる、ワーク支持治具を搬入出する状態の回転加工機を示す正面図。

上述した回転加工機における好ましい実施の形態につき説明する。
上記回転加工機においては、上記搬送装置は、上記旋回中心軸線が通過する旋回支柱部に、旋回ローダ部を旋回可能に配設して構成されており、上記グリッパは、上記旋回ローダ部の外周に複数設けられており、該複数のグリッパは、上下方向に移動可能に配設されているとともに、横方向に開閉する一対の挟持部によって、上記ワーク又は上記ドレスギヤを挟持するよう構成されていてもよい。
この場合には、各グリッパを上下方向に移動させることにより、回転装置へのワークの搬入出を迅速かつ容易に行うことができる。

また、上記回転装置は、ワーク支持治具を介して上記ワークを上下に支持するよう構成されており、上記ワーク支持治具は、上記回転装置における上支持部に装着する上治具部と、上記回転装置における下支持部に装着する下治具部とを有しており、上記各グリッパは、上記ワークを挟持する以外にも、上記上治具部が載置された状態の上記下治具部を挟持するよう構成されていてもよい。
この場合には、ワークを支持するためのワーク支持治具を、搬送装置のグリッパに挟持して、回転装置との間で搬入出させることができる。そのため、加工するワークの種類が変更されたときに、このワークを支持するワーク支持治具の交換を迅速かつ容易に行うことができる。

また、上記ドレスギヤは、上記上治具部及び上記下治具部を有する上記ワーク支持治具を兼用して、上記回転装置の上記上支持部及び上記下支持部に支持されるよう構成されていてもよい。
この場合には、ドレスギヤを回転装置へ支持する際に専用の治具を用いる必要がない。そのため、ワークに換えてドレスギヤを回転装置に支持する際の段取りを容易にし、ワークのヘリカル歯に研削加工を行って生産するヘリカルギヤの生産性をさらに向上させることができる。

以下に、回転加工機にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の回転加工機１は、図１、図２に示すごとく、ヘリカル歯８１が形成されたワーク８を支持して回転させる回転装置２と、回転装置２によって回転するワーク８のヘリカル歯８１に、回転砥石７の研削歯７１によって研削加工を行う加工装置３と、回転装置２へのワーク８の搬入出を行う搬送装置４とを備えている。搬送装置４は、ワーク８を挟持するためのグリッパ５１と、研削歯７１を成形するためのドレッサー５２とを旋回中心軸線４０１の回りにそれぞれ有している。

搬送装置４は、旋回中心軸線４０１の回りに旋回して、グリッパ５１を回転装置２に接近させるとともに、ドレッサー５２を加工装置３に接近させるよう構成されている。また、搬送装置４は、回転砥石７の研削歯７１を成形するためのドレスギヤ５５をグリッパ５１に挟持して回転装置２に装着するよう構成されている。回転加工機１は、図３に示すごとく、ドレスギヤ５５によって研削歯７１の歯面７１１及び歯底面７１２を成形し、図４に示すごとく、ドレッサー５２によって研削歯７１の歯先面７１３を成形するよう構成されている。

以下に、本例の回転加工機１につき、図１〜図６を参照して詳説する。
図５に示すごとく、本例の加工装置３及び回転装置２は、回転砥石７の研削歯７１によってワーク８の外周に形成されたヘリカル歯８１を研削加工する歯車研削盤を構成する。本例の回転加工機１は、歯車研削盤において、ワーク８の搬送、及びワーク８を支持するワーク支持治具６の段替え（交換）を可能にしたものである。本例の加工装置３及び回転装置２においては、ワーク８のヘリカル歯８１に歯面の仕上げ加工を行い、製品としてのヘリカルギヤを製造する。ヘリカルギヤは、互いに噛合する歯車の軸方向を平行にして使用するはすば歯車、又は互いに噛合する歯車の軸方向を直交させて使用するねじ歯車とすることができる。

図６に示すごとく、加工装置３は、回転砥石７を装着する砥石把持部（砥石軸）３１の回転中心軸線３０１を水平方向に対して傾斜させて構成されている。回転装置２は、上下方向に沿った回転中心軸線２０１の回りに回転するよう構成されている。
加工装置３は、砥石把持部３１を、回転装置２の回転中心軸線２０１に直交又は交差する回転中心軸線３００を中心に回転可能であるとともに前後、左右及び上下に移動させるよう構成されている。砥石把持部３１は、回転砥石７の両側の軸部を把持するように構成されている。回転装置２は、加工装置３と搬送装置４との間のスペースに配設されている。

図５に示すごとく、回転装置２は、ワーク支持治具６を介してワーク８を上下に支持するよう構成されている。回転装置２の治具支持部２１は、上支持部２１２と下支持部２１１とによって構成されている。ワーク支持治具６は、回転装置２における上支持部２１２に装着する上治具部６２と、回転装置２における下支持部２１１に装着する下治具部６１とに分かれて、上下からワーク８を挟持するよう構成されている。ワーク８は、その軸方向を上下方向にして回転装置２に支持される。

回転装置２は、ワーク支持治具６を介してワーク８を上下の両側から支持し、搬送装置４の旋回中心軸線４０１と平行な回転中心軸線２０１の回りに回転するよう構成されている。回転装置２の下支持部２１１は、モータ等の駆動源によって回転する回転テーブル２０の上端部に取り付けられている。回転装置２の上支持部２１２は、搬送装置４の旋回支柱部４１に、アクチュエータによって上下にスライド可能に設けられている。

図１、図２に示すごとく、搬送装置４は、旋回中心軸線４０１が通過する旋回支柱部４１に、旋回ローダ部４２を旋回可能に配設して構成されている。各グリッパ５１は、旋回ローダ部４２に、アクチュエータに駆動されて上下方向に移動可能に配設されている。また、各グリッパ５１は、他のアクチュエータに駆動されて横方向に開閉する一対の挟持部５１１によって、ワーク８を挟持するよう構成されている。ドレッサー５２は、回転砥石７の研削歯７１を成形する精度を向上させるために、旋回ローダ部４２に上下方向に移動不能に固定されている。旋回支柱部４１の旋回中心軸線４０１は上下方向に向けられており、各グリッパ５１及びドレッサー５２は、旋回ローダ部４２によって、旋回支柱部４１の回りを水平方向に旋回するよう構成されている。

図５、図６に示すごとく、各グリッパ５１は、ワーク８を挟持する以外にも、上治具部６２が載置された状態の下治具部６１、又はドレスギヤ５５を挟持するよう構成されている。各グリッパ５１は、ワーク８のヘリカル歯８１が形成された外周部分、下治具部６１の外周部分、又はドレスギヤ５５のドレス歯５５１が形成された外周部分を挟持するよう構成されている。グリッパ５１は、一対の挟持部５１１の間隔を可変させることにより、外径が異なる複数種類のワーク８及び下治具部６１を挟持できるよう構成されている。一対の挟持部５１１の挟持内側面５１２は、ワーク８及び下治具部６１の挟持を容易にするために、周方向の２箇所に傾斜面が当接するＶ形状に形成されている。

搬送装置４は、旋回中心軸線４０１から同一半径距離に配設された複数のグリッパ５１を、回転装置２に順次対向させるよう旋回可能にした旋回ローダである。各グリッパ５１は、ワーク８とワーク支持治具６とドレスギヤ５５とをそれぞれ別個に直接挟持可能である。搬送装置４は、ワーク８、ワーク支持治具６又はドレスギヤ５５をグリッパ５１に挟持し、旋回ローダ部４２を旋回させて、回転装置２との間でのワーク８、ワーク支持治具６又はドレスギヤ５５の受け渡しを行うよう構成されている。

図５、図６に示すごとく、複数のグリッパ５１は、搬送装置４の旋回中心軸線４０１及び回転装置２の回転中心軸線２０１に対して直交する方向からワーク８、ワーク支持治具６又はドレスギヤ５５をそれぞれ把持し、回転装置２の下支持部２１１と上支持部２１２との間を通過するよう構成されている。
本例のグリッパ５１は、旋回ローダ部４２の周方向において、互いに１８０°周方向にずれた位置の２箇所に設けられている。また、ドレッサー５２は、旋回ローダ部４２の周方向において、グリッパ５１が設けられた位置と周方向に９０°位相がずれた位置であって、互いに１８０°周方向にずれた位置の２箇所に設けられている。なお、グリッパ５１は、旋回ローダ部４２の回りの３箇所以上に設けることもできる。また、ドレッサー５２は、旋回ローダ部４２の回りの１箇所に設けるだけでもよい。

図５に示すごとく、ドレッサー５２は、研削外周面５２２が設けられた回転軸部５２１と、回転軸部５２１の両端部を回転可能に支持する一対の支持部５２５が設けられた支持ブラケット５２４とを有している。回転軸部５２１の研削外周面５２２は、極めて簡易的な形状を有しており、回転砥石７の研削歯７１の歯先面７１３を研削するものである。支持ブラケット５２４は、旋回ローダ部４２に固定されている。また、図４に示すごとく、ドレッサー５２は、ドレスギヤ５５によっては成形することができない研削歯７１の歯先面７１３を成形し、ドレスギヤ５５による研削歯７１の成形を補助するものである。

ドレスギヤ５５は、ワーク８と略同形状を有しており、ワーク８のヘリカル歯８１と略同形状のドレス歯５５１を有している。ドレスギヤ５５は、ワーク８を回転装置２の上支持部２１２及び下支持部２１１に支持するためのワーク支持治具６を兼用して、回転装置２の上支持部２１２及び下支持部２１１に支持される。これにより、ワーク８に換えてドレスギヤ５５を回転装置２に支持する際に、ドレスギヤ５５を回転装置２に支持するための治具の段取りが不要である。

図３に示すごとく、ドレスギヤ５５のドレス歯５５１における歯面５５２は、回転砥石７の研削歯７１の歯面７１１によって、必要とする圧力角及び歯形の丸みのヘリカル歯８１を研削加工する形状に形成されている。ドレスギヤ５５のドレス歯５５１における歯面５５２の形状は、研削歯７１によってワーク８のヘリカル歯８１に形成する圧力角及び歯形の丸みを決定するものである。圧力角は、ワーク８の中心から径方向への半径線と、歯形への接線とのなす角度として表される。歯形の丸みは、ヘリカル歯８１の歯元から歯先までの曲面状の膨らみ形状（径方向の凸形状の大きさ）として表される。
また、ドレスギヤ５５のドレス歯５５１における歯先面５５３は、回転砥石７の研削歯７１の歯底面７１２を成形する形状に形成されている。

なお、ワーク８のヘリカル歯８１に形成するねじれ角（ワーク８の軸方向回りの傾斜角度）は、回転砥石７を把持する砥石把持部３１の回転中心軸線３０１の傾斜角度を調整することによって変更することができる。また、ワーク８のヘリカル歯８１に形成するクラウニング（歯筋方向又は幅方向の丸み）は、ヘリカル歯８１の歯筋方向に研削を進めながら、回転砥石７を把持する砥石把持部３１の回転中心軸線３０１の傾斜角度を変化させることによって形成することができる。

回転加工機１においては、次のようにして、回転砥石７の研削歯７１によってワーク８に研削加工を行う。
図５に示すごとく、回転装置２にワーク８を搬入するときには、回転装置２には、研削加工を行うワーク８に対応したワーク支持治具６を、搬送装置４におけるグリッパ５１の挟持及び旋回ローダ部４２の旋回の動作を行って装着しておく。そして、グリッパ５１にワーク８を挟持し、このワーク８を、旋回ローダ部４２の旋回によって回転装置２に接近させる。次いで、グリッパ５１の昇降及び上支持部２１２における上治具部６２の昇降を行って、ワーク８を、回転装置２における上治具部６２と下治具部６１との間に支持させる。次いで、回転装置２によって回転させるワーク８のヘリカル歯８１に、加工装置３の砥石把持部３１によって回転させる回転砥石７の研削歯７１が研削加工を行う。その後、回転装置２からワーク８を搬出するときには、研削加工が行われた後のワーク８を回転装置２からグリッパ５１に挟持し、搬送装置４の旋回ローダ部４２を旋回させる。

また、回転加工機１においては、次のようにして、ドレッサー５２の外周研削面５２２によって回転砥石７の研削歯７１の歯先面７１３を成形し、ドレスギヤ５５によって研削歯７１の歯面７１１及び歯底面７１２を成形する。
図５に示すごとく、回転砥石７の研削歯７１の歯面７１１を所定の形状に成形するに当たっては、ワーク支持治具６を回転装置２に装着しておく。そして、搬送装置４のグリッパ５１にドレスギヤ５５を挟持し、このドレスギヤ５５を、旋回ローダ部４２の旋回によって回転装置２に接近させる。次いで、グリッパ５１の昇降及び上支持部２１２における上治具部６２の昇降を行って、ドレスギヤ５５を、回転装置２における上治具部６２と下治具部６１との間に支持させる。

次いで、図３に示すごとく、回転装置２によって回転させるドレスギヤ５５のドレス歯５５１によって、加工装置３の砥石把持部３１によって回転させる回転砥石７の研削歯７１の歯面７１１に成形を行う。このとき、ドレスギヤ５５のドレス歯５５１における歯面５５２が研削歯７１の歯面７１１を成形し、ドレス歯５５１における歯先面５５３が研削歯７１の歯底面７１２を成形する。
次いで、図１、図２に示すごとく、搬送装置４の旋回ローダ部４２を旋回させ、ドレッサー５２を加工装置３の回転砥石７に対向させる。次いで、加工装置３の砥石把持部３１を移動させ、砥石把持部３１に把持する回転砥石７の研削歯７１の歯先面７１３に、ドレッサー５２の研削外周面５２２を接触させる。また、図４に示すごとく、砥石把持部３１によって回転砥石７を回転させるとともに、ドレッサー５２の回転軸部５２１を回転させ、回転軸部５２１の研削外周面５２２によって回転砥石７の研削歯７１の歯先面７１３の成形を行う。

また、回転砥石７の研削歯７１は、回転砥石７の軸方向の複数箇所に分割して形成することができる。この分割して形成した研削歯７１の各部分は、ワーク８のヘリカル歯８１に形成するモジュール、圧力角及び歯形の丸みの少なくとも一つが互いに異なる状態に形成することができる。

次に、本例の回転加工機１による作用効果につき説明する。
加工装置３における回転砥石７の研削歯７１に成形を行う際には、ワーク８の種類に応じて、必要とする形状を有するドレスギヤ５５を、搬送装置４のグリッパ５１によって挟持する。そして、搬送装置４を旋回させ、グリッパ５１に挟持されたドレスギヤ５５を回転装置２に接近させて、回転装置２に装着する。これにより、必要とするドレスギヤ５５を回転装置２へ容易に搬入することができる。また、回転砥石７の研削歯７１の成形後には、ドレスギヤ５５を、搬送装置４によって回転装置２から容易に搬出することができる。

また、回転加工機１においては、ドレスギヤ５５によって研削歯７１の歯面７１１及び歯底面７１２を成形する一方、ドレッサー５２によって研削歯７１の歯先面７１３を成形する。そのため、ワーク８の種類に応じて、研削歯７１の歯面７１１の圧力角、歯形の丸み等の形状が異なる場合には、ドレスギヤ５５を搬送装置４によって交換することができる。一方、ドレスギヤ５５によっては行うことができない、研削歯７１の歯先面７１３の成形は、ワーク８の種類が異なっても、同一のドレッサー５２によって行うことができる。

それ故、本例の回転加工機１によれば、ワーク８の種類に応じて、ドレスギヤ５５を迅速に交換することができ、ドレスギヤ５５とドレッサー５２とを併用して、回転砥石７の研削歯７１における歯面７１１の成形を迅速かつ容易に行うことができる。そして、ドレスギヤ５５の交換にかかる時間を短縮することができ、ワーク８のヘリカル歯８１に研削加工を行って生産するヘリカルギヤの生産性を向上させることができる。

１ 回転加工機
２ 回転装置
２１１ 下支持部
２１２ 上支持部
３ 加工装置
４ 搬送装置
４１ 旋回支柱部
４２ 旋回ローダ部
５１ グリッパ
５２ ドレッサー
５５ ドレスギヤ
６ ワーク支持治具
６１ 下治具部
６２ 上治具部
７ 回転砥石
７１ 研削歯
７１１ 歯面
７１２ 歯底面
７１３ 歯先面
８ ワーク

Claims (4)

1. ヘリカル歯が形成されたワークを支持して回転させる回転装置と、該回転装置によって回転する上記ワークのヘリカル歯に、回転砥石の研削歯によって研削加工を行う加工装置と、上記回転装置への上記ワークの搬入出を行う搬送装置と、を備える回転加工機において、
   上記搬送装置は、上記ワークの挟持が可能なグリッパと、上記研削歯の歯先面を成形するためのドレッサーとを旋回中心軸線の回りにそれぞれ有し、かつ、該旋回中心軸線の回りに旋回して、上記グリッパを上記回転装置に接近させるとともに、上記ドレッサーを上記加工装置に接近させるよう構成されており、さらに、上記研削歯の歯面を成形するためのドレスギヤを上記グリッパに挟持して上記回転装置に装着するよう構成されており、
   上記回転装置に装着された上記ドレスギヤによって上記研削歯の歯面を成形し、上記加工装置に接近した上記ドレッサーによって上記研削歯の歯先面を成形するよう構成されていることを特徴とする回転加工機。
2. 上記搬送装置は、上記旋回中心軸線が通過する旋回支柱部に、旋回ローダ部を旋回可能に配設して構成されており、
   上記グリッパは、上記旋回ローダ部に複数設けられており、該複数のグリッパは、上下方向に移動可能に配設されているとともに、横方向に開閉する一対の挟持部によって、上記ワーク又は上記ドレスギヤを挟持するよう構成されていることを特徴とする請求項１に記載の回転加工機。
3. 上記回転装置は、ワーク支持治具を介して上記ワークを上下に支持するよう構成されており、
   上記ワーク支持治具は、上記回転装置における上支持部に装着する上治具部と、上記回転装置における下支持部に装着する下治具部とを有しており、
   上記グリッパは、上記ワークを挟持する以外にも、上記上治具部が載置された状態の上記下治具部を挟持するよう構成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の回転加工機。
4. 上記ドレスギヤは、上記上治具部及び上記下治具部を有する上記ワーク支持治具を兼用して、上記回転装置の上記上支持部及び上記下支持部に支持されるよう構成されていることを特徴とする請求項３に記載の回転加工機。

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