JP5732875B2 - 未加硫空気入りタイヤの保持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、成形を終了した未加硫タイヤを加硫工程へ運搬する際に、未加硫タイヤを載置する保持装置に関するものであり、未加硫タイヤの保持装置への密着を防止することを目的とする。また、密着を防止することにより、作業性を改善すると共に、未加硫タイヤの変形による加硫故障を軽減するものである。
タイヤの製造に際し、未加硫タイヤの保管時や搬送時に、未加硫タイヤが保持装置へ密着して変形を生じることがある。例えば、未加硫タイヤをプラスチック製の皿状のパレットに載置して自動立体倉庫に保管したり、成形工程から加硫工程へ運搬したり、あるいは、未加硫タイヤを加硫機へ投入するまでの間の保管時に、未加硫タイヤがその保持装置へ密着するという問題がある。
図7は、従来の未加硫タイヤの保持装置を示す図である。図7(a)は保持装置100の上に未加硫タイヤ101を載せた状態を側面から見た図である。図7(b)は保持装置100を真上から見た図である。図7(c)は、図7(b)のY1−Y2位置の断面部位を側面から見た図である。ここで、未加硫タイヤを受ける面102は、タイヤ径方向内側に傾斜する平面となっていて、未加硫タイヤが保持装置から飛び出し難いように作製されている。未加硫タイヤの、保持装置の面102と接触する部位は、主としてサイドウォール部であり、この接触部位にて前述のような密着問題を引き起こすことがある。また、未加硫タイヤの、保持装置の面102と接触する部位は、緩やかな円弧状の曲面であるため、この保持装置に長時間放置すると、未加硫タイヤが変形する場合がある。
上記の密着問題を解決するために、保持装置の外表面に、未加硫タイヤと離型しやすい材料を配置することが行われている。例えば、セラミックコーティングを施したり、ナイロンロープを付設する等の対策が行なわれている。しかし、セラミックコーティングでは、コーティングの凹凸に目詰まりを生じて、経時とともに密着しやすくなることと、目詰まりを清掃して元の状態へ戻すことが容易ではないという問題が残る。ナイロンロープの場合も同様に、撚りの間隙に目詰まりを生じて、徐々に密着しやすくなると共に、目詰まりを清掃して元の状態へ戻すことが容易ではない。また、未加硫ゴムと接触する保持装置の表面に、フッ素樹脂コーティングや、撚りコードから成る織物を使用した場合は、フッ素樹脂コーティングの場合は、使用していくうちに、コーティングが徐々に未加硫タイヤへ異物として付着し、加硫故障の原因となったり、コーティング部の劣化と共に未加硫タイヤが保持装置へ密着しやすくなる。撚りコードから成る織物の場合には、コードの撚りの間隙に未加硫ゴムが侵入し密着力が大きくなりやすい。また、使用していくうちに撚りコードがフィブリル化して毛羽立ち、この毛羽が未加硫タイヤへ付着して加硫故障の原因となることがある。保持装置の表面にポリエチレンシートを配置する方法では、シートの厚みが薄い場合は、未加硫タイヤから一挙に引き剥がされた時に、粘着力によりポリエチレンシートが破断する等の問題が生ずる。
更に、比較的粘着性の低い加硫ゴムシート、例えば、シリコーンゴムやブチル系の加硫ゴムシートを使用した場合には、未加硫タイヤをこれらのゴムシートから一挙に引き剥がそうとすると、その粘着力により、保持装置が未加硫タイヤから離れずに持ち上がって作業性を低下させると共に未加硫タイヤを変形させる場合がある。
特許文献1には、フレームの下面に車輪を備え、生タイヤを平置きするために、生タイヤの内径より大きく、環状で且つ断面が上方に膨出する円弧状の載置台が、フレームの上面に突出された複数の支持杆上に設けられ、取手が着脱自在にフレームに取付けられている生タイヤの保管台車が記載されている。そして、生タイヤを平置きする環状の載置台と生タイヤとの密着を避けるために、載置台の周上の複数個所を塩ビ系の布を用いて覆うことを提案している。
特許文献2には、中央部に上向きに開口したほぼ円錐台形状の凹部を有する弾性発泡体材料からなる保持部材と、これを支持する基台部材とからなり、保持部材の凹部に生タイヤを平置きする生タイヤ保管台で、保持部材が弾性変形することから生タイヤが部分的に変形することがなく、また複数のサイズに対応できる生タイヤの平置き台が記載されている。そして、保持部材の外表面には、弾性発泡体材料が付着するのを防止するため適当な表面被覆加工を施したり、キャンバスやポリシートで覆うことが提案されている。
実開昭64−037768 実開昭53−153064
成形を終了した未加硫タイヤを載置する保持装置に、未加硫タイヤが密着して、タイヤの形状を損ねたり、作業効率を悪化させることがある。例えば、未加硫タイヤをプラスチック製の皿状のパレットに載置して自動立体倉庫に保管したり、成形工程から加硫工程へ運搬したり、あるいは、未加硫タイヤを加硫機へ投入するまでの間の保管時に、未加硫タイヤがプラスチック製の皿状のパレットに密着する場合がある。
特許文献1は、生タイヤを平置きする環状の載置台と生タイヤとの密着を避けるために、載置台の周上の複数個所を塩ビ系の布で覆うことにより未加硫タイヤとの密着を防止しようとするものである。しかし、前述のように、使用していくうちに、布地の小さな凹凸や間隙に未加硫ゴムが侵入して目詰まりを生じて徐々に密着しやすくなる。また、布地の小さな凹凸や間隙への目詰まりを清掃して元の状態へ戻すことは容易ではなく、清掃をせずに廃棄処分扱いとすれば産業廃棄物が増加することになる。
特許文献2は、未加硫タイヤの保持部材として、中央部に上向きに開口したほぼ円錐台形状の凹部を有する弾性発泡体材料を用いることにより、保持部材の弾性変形を利用して生タイヤの変形を防止し、更に、保持部材の外表面に、弾性発泡体材料が付着するのを防止するために適当な表面被覆加工を施したり、キャンバスやポリシートで覆うとしたものである。弾性発泡体は、繰り返し使用するうちに弾力を失なって未加硫タイヤの形状に追随できなくなる。キャンバスは、前述のように、キャンバスの小さな凹凸や間隙に未加硫ゴムが侵入して目詰まりを生じて徐々に密着しやすくなる。ポリシートは表面が平滑なため、そのままでは未加硫タイヤに密着しやすい。
本発明は、以上の課題を解決するために、未加硫タイヤを受ける部位に、カバー材の長さ
が、カバー材の取り付け部位の長さよりも長くなるように取り付けた未加硫タイヤの保持
装置を提供するものである。より具体的には、本発明の未加硫空気入りタイヤの保持装置は、下記(1)から構成され、更に(2)〜(5)を含んでも良い。
(1)リング状に成形した、未加硫タイヤの保持装置であって、未加硫タイヤを受ける部位にシート又は織物から成るカバー材を複数箇所取り付けるに際し、カバー材の長さが、カバー材の取り付け部位の長さよりも長くなるように取り付ける構成とする。
(2)前記カバー材の取り付けに際し、未加硫タイヤを受ける部位の辺の中央部においてカバー材が離間する距離Hを、未加硫タイヤを受ける部位における辺の長さLの5〜15%の範囲となるように取り付ける構成とする。
(3)未加硫タイヤを受ける部位において、前記カバー材を取り付ける部位を他の部位よりも高くする。また、未加硫タイヤを受ける部位の辺の一部または全体を円弧状とする。
(4)前記カバー材の取り付け長さを調整する機構を、カバー材および/または保持装置に付設する構成とする。
(5)前記カバー材を、無撚りの繊維から成る織物で構成する。また、前記織物に平織りを用いる。更には、前記織物に表面処理を行う。
上記(1)にかかる本発明により、未加硫タイヤとその保持装置との密着を防止することにより、未加硫タイヤの形状を変形させることなく、長時間のあいだ未加硫タイヤを保管することが可能となる。その結果、タイヤの品質が安定するとともに、タイヤ製造工程の効率も安定して、屑や故障を削減することができる。
上記(2)にかかる本発明により、カバー材の長さを適正化することが可能となり、未加硫タイヤとその保持装置との密着をより効果的に防止することができる。
上記(3)にかかる本発明である、カバー材を取り付ける部位を他の部位よりも高くすることにより、未加硫タイヤは、主として保持装置のカバー材の部分で保持されることになり、カバー材の付いていない保持装置の受け部位との接触が少なくなる。その結果、未加硫タイヤと保持装置との密着を減少させることができる。また、未加硫タイヤを受ける部位の辺の一部または全体を円弧状とすることにより、未加硫タイヤに圧痕を残すことなく保管することができる。また、カバー材が擦過傷などによる損傷を受けにくくなって、カバー材の使用寿命を延ばすことができる。
上記(4)にかかる本発明により、カバー材を保持装置へ取り付ける長さを適正に調整することが可能となり、本発明の効果を有効に発揮させることができる。また、長さ調整機構をカバー材に付設することにより、カバー材を他の保持装置へ簡単に付け替えることができるので、種々のタイヤサイズへ適用が可能となる。
上記(5)にかかる本発明である、カバー材を無撚りの繊維から成る織物とすることにより、緻密な織物とすることができるので、織った繊維の間隙が少なくなって、未加硫ゴムが織物の間隙へ侵入する割合を減少させることができる。その結果、未加硫タイヤとカバー材との密着を軽減することができる。また、撚った繊維から成る織物の場合、未加硫ゴムは繊維の撚りの間隙へ捩れて侵入するので引き剥がす力が大きくなる。此れに対して、無撚りの繊維から成る織物の場合、未加硫ゴムは繊維の間隙に単純に侵入するだけなので引き剥がしやすく、引き剥がす力は小さくて済む。織物の構成としては、平織りが単純な構成のため好ましい。また、繊維に表面処理することにより、未加硫ゴムが繊維や織物の間隙に侵入しにくくすることができる。これらの結果、カバー材の清掃が容易であり、劣化も少ないため、従来の密着に起因する加硫故障を無くすことができる。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す図である。 図2は、本発明のカバー材の取り付け状況を示す図である。 図3は、本発明の第2の実施形態を示す図である。 図4は、カバー材に用いる平織りの構成を示す図である。 図5は、本発明のカバー材に付設した長さ調整機構の例を示す図である。 図6は、本発明のカバー材に付設した長さ調整機構の例を示す図である。 図7は、従来の未加硫タイヤの保持装置を示す図である。
本発明において、カバー材の長さを、カバー材の取り付け部位の長さよりも長く取り付けることにより、未加硫タイヤと保持装置との密着を防止できる理由は、次のように考えられる。すなわち、カバー材の長さが、カバー材の取り付け部位の長さと同じか短かめである場合、未加硫タイヤを保持装置へ平置きした時に、未加硫タイヤは、未加硫タイヤを受ける保持装置の部位の辺に位置するカバー材と接触する。そして、次に、未加硫タイヤを保持装置から取り出そうとすると、接触部位のカバー材は未加硫タイヤから一度に引き剥がされることになる。その結果、未加硫タイヤをカバー材から引き剥がす力は大きくなる。此れに対して、カバー材の長さを、カバー材の取り付け部位の長さよりも長く取り付けておくと、未加硫タイヤを保持装置から取り出す際、カバー材は一度に引き剥がされるのではなく、徐々に引き剥がされていくために、引き剥がす最大の力は小さくて済む。この状況は、粘着テープを綺麗に引き剥がす場合を思い浮かべると理解しやすい。粘着テープを一度に引き剥がそうとすると大きな力が必要となり、場合によっては、テープやテープを貼りつけた品物を破損してしまう。一方、粘着テープを片端から徐々に引き剥がしてやると、小さな力で、テープやテープを貼りつけた品物を破損させることなく綺麗に引き剥がすことができる。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す図である。図1(a)は、保持装置1の上に未加硫タイヤ2を平置きした様子を側面から見た図である。図1(b)は、保持装置1を真上から見た図である。図1(b)にて、F1〜F6はカバー材を示す。図1(c)は、図1(b)のX1−X2位置の断面部位を側面から見た図である。乗用車用タイヤの場合、カバー材の取り付け箇所は6〜8箇所が好ましい。その理由は次のとおりである。保持装置1の未加硫タイヤ2を受ける部位3におけるドーナツ状部分の面積に対して、カバー材が占める面積比率を20〜40%程度とすることが望ましい。これは、カバー材の面積比率が20%より小さいとカバー材の部分が少ないため密着防止効果が充分ではないことによる。一方、カバー材の面積比率は多い方が密着防止には良いが、カバー材が多過ぎると取り付けの手間が増えるので面積比率としては40%以下とすることが望ましい。また、カバー材の幅はタイヤサイズにもよるが、50〜150mmの範囲から選択することが適当で、一般に100mm程度とすることが取り扱い上望ましい。そのため、直径が670mmの保持装置の場合、その周長は670mmxπ≒2104mmであり、カバー材を100mm幅のものを6枚使用すると、その面積比率は、100x6÷2104x100=28.5%となり、8枚使用する場合の面積比率は、100x8÷2104x100=38.0%となる。また、カバー材は等間隔に配置することが、未加硫タイヤを平置き後引き離す際、均等な力で引き離すことができるので望ましい。以上の理由から、乗用車用保持装置においては、カバー材を保持装置の周上に6〜8箇所、均等に配置することが望ましい。保持装置1の材質は、ポリプロピレンやポリカーボネートなどのプラスチック類、または、FRP(繊維強化プラスチック)などが挙げられるが、特に限定されない。カバー材は、後述のように、無撚の糸から成る織物を好適に用いることができるが、撚り合わせた糸から成る織物、ポリエチレンシートのようなシート、シリコーンゴムやブチル系の密着性の小さな加硫ゴムシートなども使用可能で、特に限定されない。
図2(a)は、図1(c)を拡大したものであり、カバー材を、カバー材の取り付け部位の長さよりも長くなるように取り付けた状態を示す図である。図2(a)において、カバー材4は、留め具5と押さえ板6にて係止され、押さえ板6の上端位置であるP1から、保持装置の各位置P2、P3、P4を通って、もう一端の押さえ板8の上端位置P5を通り、留め具7と押さえ板8にて係止されている。カバー材は、取り付け部位3−1(P1〜P2)、3(P2〜P3)及び3−2(P3〜P4)においては弛みがないように配置されているが、P4からP5の部分は4−1として示したように弛みをもたせて留められている。本発明で定義するカバー材の長さとは、図2(a)で示す上記のP1からP5に至る長さLcを指す。一方、取り付け部位の長さとは、図2(a)における、P1〜P2の長さ、P2〜P3の長さ、P3〜P4の長さ、P4〜P5の破線で示した直線の長さを合計したLpを指す。カバー材の長さは、4−1で示した弛みの分だけ、取り付け部位の長さより長く取り付けられている。
図2(b)は、図1(a)のカバー材の取り付け長さを数値にて定義するための図である。すなわち、図2(b)は、カバー材4−1の部位の弛みが無くなるように、取り付け部位の辺3(P2〜P3間)の中央部Ccにて、カバー材が伸長しない範囲の力で持ち上げた状態を示す図であり、カバー材の弛みはP2〜Cc〜P3で示す位置に表されている。カバー材が伸長しない力の範囲は、事前にカバー材の引張−伸び曲線を測定しておくことにより設定できる。ここで、図2(b)において、取り付け部位の辺3(P2〜P3間)の中央部Pcにおける法線がカバー材4の中央部Ccに至る距離Hは、取り付け部位の辺3(P2〜P3間)の長さをLとすると、HはLの5〜15%の範囲に設定することが望ましい。5%未満であると、未加硫タイヤを保持装置から取り出すときの密着トラブルを無くすには不充分である。また、15%を超えるとタイヤとカバー材を引き離す距離(ストローク長さ,すなわちH)が長くなるとともに引き離し力が大きくなるので好ましくない。また、カバー材が床に接地して汚れを拾う場合がある。図2(a)は、未加硫タイヤを保持装置へ静置する時のカバー材の状態を示すもので、カバー材の弛みは4−1の部位に集められていて、辺3の位置にあるカバー材4には弛みがない。一方、図2(b)は、未加硫タイヤを保持装置から引き離すときのカバー材の状態と同様であり、図2(a)の4−1の部位の弛みはなくなり、辺3の位置にあるカバー材が、図のように上方に持ち上げられて、後述のように未加硫タイヤから徐々に引き剥がされることになる。
図3は、本発明の第2の実施形態を斜視図として示したものである。本実施形態は、図1(b)に示した未加硫タイヤ2を受ける部位3において、カバー材を取り付ける部位9をその隣接部位10よりも一段高くしたところに特徴がある。隣接部位にタイヤが接触しないようにするか、接触してもその接触部には殆ど力がかからないようにする。たとえば、約2〜10mmの段差があれば良い。このようにカバー材を一段高くすることにより、未加硫タイヤがカバー材の無い部位10と接触する割合が小さくなり、未加硫タイヤと保持装置の密着をより効果的に防止することができる。カバー材4は留め具5と押さえ板6により保持装置の側壁11に係止される。この際、カバー材の幅Wcは、カバー材を取り付ける部位9の幅Wpより広くすることが望ましい。この理由は、未加硫タイヤに、カバー材を取り付ける部位9のエッジ部12、13の跡が付かないようにすることにある。また、カバー材を取り付ける部位9の四辺12、13、14、15は角を落として円弧状に丸めておくことが望ましい。(たとえば、角部に半径rの丸みをつける。)この理由は、前述のように未加硫タイヤに四辺の跡が付かないようにすることと、カバー材4が四辺12、13、14、15によって傷付けられないようにして、その寿命を延ばすためである。未加硫タイヤに四辺の圧痕が付いた場合、加硫時に未加硫タイヤの圧痕部位と金型との間にエアー層が発生して加硫故障を誘発することがある。また、四辺12、13、14、15の角が丸められていないと、この部位に未加硫ゴムが付着しやすく密着を引き起こしやすい。さらに、保持装置は繰り返し使用されるため、カバー材が四辺の角によって擦られると傷つき毛羽立ちが生じて、毛羽が未加硫タイヤに付着するとともにカバー材の耐久性が低下する。特に、カバー材を取り付けるときや未加硫タイヤをカバー材から取り外すときにカバー材のスムーズな移動が可能となる。更に、部位9の面を、タイヤの形状に近づけて円弧状とすることによりタイヤの接触面に対して均等に力がかかるので、未加硫タイヤの形状を維持しつつ密着を軽減することができる。
図4は、平織りの構成を示した図である。図4(a)は、経糸16と緯糸17が各々1本づつ交叉する平織りの構成を示す。図4(b)は、経糸18と緯糸19が各々2本づつ交叉する構成を示す。本発明のカバー材は、これらの平織り構成が好適に用いられる。経糸と緯糸は、撚り本数や太さや撚り数、または材質が同じであっても異なっても良い。材質としては、66ナイロンや6ナイロン等のポリアミド系繊維、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル系繊維、レーヨンやリヨセル等のセルロース系繊維、POK(ポリケトン)繊維、或いはこれらの複合繊維であっても有機繊維であれば特に限定されない。撚りについては、未加硫タイヤを平置きした際に、撚りの間隙に未加硫ゴムが侵入しにくく、また侵入しても抜けやすい緻密な無撚の糸が好適に用いられる。また、繊維を表面処理することにより、フィブリル化し難くして毛羽立ちを抑制したり、未加硫ゴムを撚りの間隙に侵入し難くすることが望ましい。表面処理としては、フッ素系表面処理剤を用いて表面処理や含浸処理を行うことができる。フッ素系表面処理剤としては、フッ素系シランカップリング剤、例えば、GE東芝シリコーン社製フルオロアルキルシラン「XC95−A9715」が例示できる。表面処理は、XC95−A9715をエタノール等のアルコールに溶解させた溶液に繊維を浸漬することで処理可能である。なお、本発明に関わる繊維の表面処理剤は、これに限定されない。
図5は、本発明のカバー材に付設した長さ調整機構の例を示す図である。図5(a)は、図1(b)のX1−X2位置にて、X2側からX1方向へ見た図であり、図5(b)は、図1(b)のX1−X2位置における断面図である。カバー材にプレート20が付設され、プレート20上に長穴21が設けられ、長穴21に対応する位置の保持装置にも同様の長穴が設けられ、留め具22は長穴21の中を移動することができる。このように調整機構を設けることにより、カバー材の長さを適正にしてから、留め具21を用いて、カバー材を保持装置へ固定することができる。また、カバー材を保持装置から外すことも簡単である。なお、カバー材のもう一方の端末には、上記と同じ調整機構を設けることもできるし、プレート23に留め具24のみを付設しカバー材を保持装置(本体)に固定してもよい。
図6は、本発明のカバー材に付設した長さ調整機構のもう一つの例を示す図である。図6の(a)、(b)は各々、図5の(a)、(b)に対応する図である。カバー材の片端にはプレート28と留め具29が付設されている。カバー材のもう一つの片端は、ロール25に巻きとられていて、軸26を介在して、プレート27にて保持装置に固定されている。ロール25に、カミ合いクラッチを組み込んで巻き締める方向にのみ回転するようにすれば、一旦長さを調整した後は、本発明の保持装置とすることができる。また、カミ合いを外せば、逆回転させてカバー材を巻き出すことが勿論可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
未加硫タイヤの保持装置は、図1の構成とした。保持装置1の材質は、エポキシ樹脂にガラス繊維を配合したFRPを用いた。保持装置1の寸法は、未加硫タイヤを受ける部位である、R1が670mm、R2が540mmである。従って、R3(未加硫タイヤを受ける部位の辺3)は65mmとなる。また、接地部の外形R4は730mmである。
対比には、カバー材を付けていない。従来例と実施例には、図1の通り、カバー材を6箇所に均等に配置した。カバー材の幅は95mmのものを使用した。カバー材の調整機構としては、図2に示した調整金具を用いた。
密着力は、サイズ215/65R16の未加硫タイヤを、保持装置1の上に乗せて24時間放置した後、タイヤの一端を持ち上げて剥がれる最大の力を測定した。そして、N=3タイヤの平均値を算出し、表1に、対比を基準に指数(%)で表示した。数値が小さい程、密着力が小さく良好である。
<従来例>
従来例1は、カバー材としてシリコーンゴムシート(厚み3mm)を使用した。
従来例2は、撚り合わせた糸で構成した平織り布*1を使用した。
従来例3は、撚りの無い糸で構成した平織り布*2を使用した。
従来例1〜3は、カバー材を引っ張って取り付け部位に装着し、きつい状態(緊張状態)で取り付けたものである。
<実施例>
実施例1は、撚り合わせた糸で構成した平織り布*1を使用した。
実施例2は、撚りの無い糸で構成した平織り布*2を使用した。
実施例3は、従来例1と同じシリコーンゴムシート(厚み3mm)を使用した。
実施例1〜3は、カバー材の長さLcを、取り付け部位の長さLpより長くして、図2(a)のに示す緩い状態とし、図2(b)に示した通りH/Lx100=10%となるように調整した。

*1:経糸・・・ポリエステル、1670dtex
打ち込み本数47本/50mm幅、撚り数40回/100mm
緯糸・・・ポリエステル、560dtex
打ち込み本数94本/50mm幅、撚り数20回/100mm

*2:経糸・・・ポリエステル、1100dtex
打ち込み本数63本/50mm幅、無撚り
緯糸・・・ポリエステル、500dtex
打ち込み本数89本/50mm幅、無撚り
これらの測定結果を表1に示す。表1から、カバー材の長さを、取り付け部位の長さより長くして取り付ける(緩くして取り付ける)ことにより、未加硫タイヤを保持装置から引き離す力(密着力)が小さくなって改良されていることが分かる。撚りの有る糸で構成した布でも、緩く取り付ければ密着力を小さくすることができる。また、シリコーンゴムシートであっても、緩く取り付けることにより密着力を小さくすることが可能である。
上記で詳細に説明したように、本発明の目的は、未加硫タイヤを移動する時や保管する場合に使用する保持装置との密着を防止するものである。本発明の特徴は、カバー材の長さを、取り付け部位の長さよりも長くして取り付けることにある。また、カバー材の長さを特定したり、取り付け部位を高くすることにより、更に効果的に密着を防止することが可能である。殊に、無撚の糸から成る織物をカバー材に用いることにより、更に効果的に密着防止を図ることができる。また、取り付け部位の辺や面を円弧状に作製することにより、未加硫タイヤへのダメージやカバーシートへのダメージを軽減でき、カバー材の寿命を大幅に延ばすことができる。また、本発明のカバー部材および調整機構は種々のサイズの未加硫タイヤ保持機構に対しても利用できる。
本発明は、未加硫タイヤを移動或いは保管する際に使用する保持装置として用いることができる。特に、未加硫タイヤと保持装置の密着防止に有用であり、気温が高くなって密着トラブルが発生しやすい夏場に、より効果を発揮する。また、密着力を軽減することから、未加硫タイヤの変形や加硫故障を改善することが可能である。
1:保持装置
2:未加硫タイヤ
3:未加硫タイヤを受ける部位の辺
4:カバー材
5:留め具
6:押さえ板
9:カバー材の取り付け位置
16、18:経糸
17、19:緯糸
21:長穴
25:ロール
F1〜4:カバー材
P1〜5:取り付け部位の位置
R1〜4:保持装置の寸法

Claims (8)

  1. 未加硫タイヤを平置きに静置するリング状の保持装置において、未加硫タイヤとの接触部の複数個所にシート、織物または布からなるカバー材が配置され、前記カバー材の長さがカバー材の取り付け部位の長さよりも長くなるように取り付けられていることを特徴とする未加硫タイヤの保持装置であって、
    前記カバー材の取り付けに際し、カバー材をその伸びを無視できる力で引張った時に、未加硫タイヤを受ける部位の辺の中央部において、カバー材が、未加硫タイヤを受ける部位の辺から離間する距離Hを、未加硫タイヤを受ける部位における辺の長さLの5〜15%の範囲となるように取り付けることを特徴とする未加硫タイヤの保持装置。
  2. 前記カバー材は、カバー材の両端が前記保持装置の側面に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の未加硫タイヤの保持装置。
  3. 前記未加硫タイヤを受ける部位において、前記カバー材を取り付ける部位を他の部位よりも高くしたことを特徴とする請求項1または2に記載の未加硫タイヤの保持装置。
  4. 前記未加硫タイヤを受ける部位の辺の一部または全体が円弧状であることを特徴とする請求項3に記載の未加硫タイヤの保持装置。
  5. 前記カバー材の取り付け長さを調整する機構を、カバー材および/または保持装置に付設したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の未加硫タイヤの保持装置。
  6. 前記カバー材が、無撚りの繊維から成る織物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の未加硫タイヤの保持装置。
  7. 前記カバー材が平織りであることを特徴とする請求項6に記載の未加硫タイヤの保持装置。
  8. 前記織物が表面処理されていることを特徴とする請求項6または7に記載の未加硫タイヤの保持装置。



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