JP5732098B2 - 物体検知装置 - Google Patents
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Description
(1)本発明の一態様に係る物体検知装置は、自車両(例えば、実施形態での車両1)に搭載されたレーダ装置(例えば、実施形態でのレーダ装置11)と、前記自車両の外界に存在する物体を前記レーダ装置によって検知する物体検知手段(例えば、実施形態での物体判定部21)と、前記物体検知手段による前記物体の検知が中断された場合に、過去に前記物体検知手段によって検知された前記物体の位置を用いた外挿によって前記物体の位置を予測する外挿手段(例えば、実施形態での外挿部23)と、を備え、前記外挿手段は、前記自車両から前記物体までの距離と前記レーダ装置による電磁波の受信強度との相対関係を用いて、前記受信強度が低い前記距離での前記外挿の許容回数(例えば、実施形態での外挿カウンタC)を、前記受信強度が高い前記距離での前記外挿の許容回数よりも相対的に多くする。
さらに、上記(3)の場合、物体の種類に応じた適切なマップによって外挿の許容回数を設定することができる。
さらに、上記(4)の場合、自車両の走行中にマップを容易に作成することができる。
さらに、上記(6)の場合、次回の物体検知に対して受信強度が低下傾向に変化すると推定され、外挿の許容回数を増加させることによって、物体の位置の予測を適切に継続することができる。
さらに、上記(7)の場合、次回の物体検知に対して受信強度が増大傾向に変化すると推定され、外挿の許容回数を減少させることによって、過剰な外挿を防止することができる。
さらに、上記(8)または(9)の場合、次回の物体検知に対して受信強度の変化量が所定値以下になる、または受信強度の変化傾向が、これまでとは反対の変化傾向になると推定される。これによって、外挿の許容回数を適切に設定することができる。
本実施形態による物体検知装置10は、例えば、先行車両に自動的に追従して走行可能、または外界の物体との接触を自動的に回避可能などのように、外界の物体の検知結果に基づいて走行制御可能な車両1に搭載されている。この車両1は、図1に示すように、レーダ装置11と、ヨーレートセンサ12と、速度センサ13と、サスペンション高さ検出部14と、処理装置15と、ブレーキアクチュエータ16と、スロットルアクチュエータ17と、を備えている。さらに、物体検知装置10は、例えば、レーダ装置11と、ヨーレートセンサ12と、速度センサ13と、サスペンション高さ検出部14と、処理装置15と、を備えて構成されている。
速度センサ13は、車両1の駆動輪の回転速度(車輪速)を検出し、この車輪速に基づいて車体の速度を検知し、速度の検知信号を処理装置15に出力する。
サスペンション高さ検出部14は、車両1のサスペンション(図示略)の高さを検出し、サスペンション高さの検出信号を処理装置15に出力する。例えば、サスペンション高さ検出部14は、サスペンションの高さを直接的に検出する、あるいは、ブレーキ作動時のブレーキキャリパー圧と車体の減速度とを検出し、これらの検出結果に基づいて車両1の積載量を検知し、この積載量に基づいてサスペンションの高さを検出する。
レーダ装置11は、電磁波の受信レベルに対して所定の閾値、つまり検知可能な電磁波の強度に対して所定の閾値を有しており、この閾値は、例えば図2に示すように、距離の増大に伴い、低下傾向に変化する。これによって、受信レベルの極大値と閾値との差は、受信レベルの極小値と閾値との差に比べて大きくなり、極大値に対応する距離では物体を安定的に検知し易くなる。一方、受信レベルの極小値と閾値との差は、受信レベルの極大値と閾値との差に比べて小さくなり、極小値に対応する距離では物体を検知し難くなる。
また、レーダ装置11による電磁波の受信レベルは、物体の種類に応じて変化し、例えば図2に示すように、他車両の後部は前部に比べて相対的に垂直面が多く、電磁波の反射断面積が大きいので、対向車両に対する受信レベルは前走車両の受信レベルに比べて相対的に小さくなり、対向車両は前走車両に比べてレーダ装置11による検知が中断される可能性が高くなる。
次に、ステップS02においては、レーダ装置11を作動させる。
次に、ステップS03においては、レーダ装置11から出力された検知信号に基づき物標を認識する。
次に、ステップS04においては、認識した物標のうちから停止物や他車両などの物体を認識し、認識した物体の種類を判定する。そして、物標を認識する際に算出した物標の位置および速度によって、物体の位置および速度を取得する。
次に、ステップS05においては、後述する物標外挿の処理を行なう。
次に、ステップS06においては、認識した物体の位置および速度と、外挿によって推定した物体の位置および速度とを用いて、自車両の速度が目標車速に一致するようにして、スロットルアクチュエータ17またはブレーキアクチュエータ16を制御し、エンドに進む。
先ず、例えば図5に示すステップS11においては、前回サイクルにおいて物体判定部21によって認識、または外挿部23によって推定された物標の数はゼロよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、リターンに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進む。
そして、ステップS12においては、前回サイクルの物標の情報を取得する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進み、このステップS14においては、後述する外挿カウンタ設定の処理を実行し、後述するステップS19に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS15に進む。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS19に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS16に進み、前回サイクル以前の物標の位置および速度の履歴を用いた外挿によって、前回サイクルの物標の今回サイクルでの予測位置および予測速度を推定する。
次に、ステップS17においては、外挿によって推定した物標の情報を、今回サイクルの物標の情報として記憶する。
次に、ステップS18においては、外挿カウンタCから1を減算して得た値(C−1)を新たに外挿カウンタCとして設定し、ステップS19に進む。
そして、ステップS19においては、全ての前回サイクルの物標に対して上述したステップS11〜ステップS18の処理を実行完了したか否かを判定する。
ステップS19の判定結果が「YES」の場合には、リターンに進む。
一方、ステップS19の判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS12に戻る。
先ず、例えば図6に示すステップS21においては、今回サイクルにおいて物体判定部21によって認識された物標の次回サイクルでの予測距離(つまり車両1からの距離)を、今回サイクル以前の物標の位置および速度の履歴を用いた外挿などによって取得する。
次に、ステップS22においては、距離・受信レベルマップを参照して、次回サイクルの予測距離にレーダ装置11の電磁波の多重波伝搬の影響があるか否かを判定する。より詳細には、次回サイクルの予測距離に対応するレーダ装置11による電磁波の受信レベルが所定の閾値未満になるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS24に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS23に進み、このステップS23においては、外挿カウンタCとして、外挿の繰り返しを許容する所定の上限回数TSDを設定し、リターンに進む。
次に、ステップS25においては、距離・受信レベルマップを参照して、次々回サイクルの予測距離にレーダ装置11の電磁波の多重波伝搬の影響があるか否かを判定する。より詳細には、次々回サイクルの予測距離に対応するレーダ装置11による電磁波の受信レベルが所定の閾値未満になるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS26に進み、このステップS26においては、外挿カウンタCとして、上限回数TSDに第1所定値(例えば、1など)を加算して得た値(TSD+1)を設定し、リターンに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS27に進み、このステップS27においては、外挿カウンタCとして、上限回数TSDに第1所定値よりも大きい第2所定値(例えば、2など)を加算して得た値(TSD+2)を設定し、リターンに進む。
さらに、車両1の積載量やサスペンションの高さなどが変化したことに起因してレーダ装置11の高さ位置が変化した場合であっても、適切な距離・受信レベルマップによって外挿の許容回数を設定することができる。さらに、物体の種類に応じた適切な距離・受信レベルマップによって外挿の許容回数を設定することができる。
なお、上述した実施形態においては、距離・受信レベルマップを算出する距離・受信レベルマップ算出部22を備えるとしたが、これに限定されず、例えば、距離・受信レベルマップ算出部22の代わりに、予め作成された距離・受信レベルマップを記憶する距離・受信レベルマップ記憶部を備えてもよい。この第1変形例において、外挿部23は、距離・受信レベルマップ記憶部に記憶されている距離・受信レベルマップを参照して、外挿の許容回数を算出すればよい。
なお、上述した実施形態において、距離・受信レベルマップ算出部22は、電磁波の所定の地上伝搬モデルに基づいて、距離・受信レベルマップを算出するとしたが、これに限定されず、レーダ装置11によって検知された物体に対する車両1からの距離の変化に伴う受信強度の変化に基づいて、距離・受信レベルマップを作成してもよい。
この第2変形例によれば、車両1の走行中に距離・受信レベルマップを容易に作成することができる。さらに、車両1が先行車両に追従する追従走行の実行中においては、物体判定部21によって認識された他車両(例えば、対向車両など)によって距離・受信レベルマップを作成することによって、例えば車両以外の他の物体によって距離・受信レベルマップを作成する場合に比べて、実用性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態においては、例えば図7に示す第3変形例に係る物体検知装置10のように、距離・受信レベルマップ算出部22の代わりに受信レベル履歴記憶部31を備え、サスペンション高さ検出部14が省略されてもよい。
この第3変形例において、受信レベル履歴記憶部31は、車両1の走行状態において、物体判定部21によってリアルタイムに得られる車両1と物体との間の距離と、レーダ装置11によってリアルタイムに受信される物体で反射された電磁波の反射信号の受信レベルとの履歴を記憶する。
例えば、外挿部23は、少なくとも複数回のサイクルで連続して接続関係があると判定された物標の受信レベルが、距離に応じた理論的な変化量の範囲を逸脱して低下した場合には、外挿の許容回数を増加させる。なお、受信レベルの低下量が所定値以下である場合には、外挿の許容回数を変化させない、または外挿の許容回数を減少させる。一方、少なくとも複数回のサイクルで連続して接続関係があると判定された物標の受信レベルが、距離に応じた理論的な変化量の範囲を逸脱して増大した場合には、外挿の許容回数を減少させる。なお、受信強度の増大量が所定値以下である場合には、外挿の許容回数を変化させない、または外挿の許容回数を増加させる。
先ず、例えば図8に示すステップS31においては、今回サイクルにおいて物体判定部21によって認識された物標に対するレーダ装置11によって受信された反射信号の受信レベルを取得する。
次に、ステップS32においては、今回サイクルにおいて物体判定部21によって認識された物標と、前回サイクルの物標との間において、距離に対応する受信レベルの理論変化量DSTを算出する。この処理では、例えば図9に示すように、予め把握されている距離(車両1から物標までの距離)と理論受信レベル(レーダ装置11によって受信される物標からの反射信号の受信レベルの理論値)との対応関係の情報に基づき、前回および今回サイクルの距離LA,LBに対応する理論受信レベルPA,PBを取得する。そして、前回および今回サイクルの距離LA,LBに対応する理論受信レベルPA,PBの理論変化量DST(=PB−PA)を算出する。なお、理論受信レベルは、距離が減少することに伴い、増大傾向に変化する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS34に進み、このステップS34においては、外挿カウンタCとして、上限回数TSDに第3所定値(例えば、1など)を加算して得た値(TSD+1)を設定し、リターンに進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS33に進む。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS36に進み、このステップS36においては、外挿カウンタCとして、上限回数TSDから第4所定値(例えば、1など)を減算して得た値(TSD−1)を設定し、リターンに進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS37に進み、このステップS37においては、外挿カウンタCとして、上限回数TSDを設定し、リターンに進む。
また、例えば図10(B)に示すように、前回サイクルから今回サイクルに向かい物標の距離La,Lbが減少することに伴い、レーダ装置11による電磁波の受信レベルが
理論変化量DST以上に増大傾向に変化する場合には、電磁波の多重波伝搬の影響がないと判定される。つまり、少なくとも次回サイクルでの予測距離Lcに対応する受信レベルが所定の閾値未満になる可能性は低いと判定される。この場合には、外挿カウンタCを所定の上限回数TSDに維持または上限回数TSDよりも減少させて、過剰な外挿を防止する。
さらに、前回サイクルから今回サイクルまでの受信レベルの低下量または増大量が所定値以下である場合には、今回サイクルから次回サイクルまでの受信レベルの変化量が所定値以下になる、または受信レベルの変化傾向が、これまで(つまり前回サイクル以前から今回サイクルに到るまで)とは反対の変化傾向になると推定される。これによって、外挿の許容回数を適切に設定することができる。
なお、上述した実施形態においては、次回および次々回サイクルの予測距離に対応するレーダ装置11による電磁波の受信レベルが所定の閾値未満になるか否かに応じて外挿カウンタCを設定するとしたが、さらに、予測距離に対応する受信レベルと所定の閾値との差に応じて外挿カウンタCを設定してもよい。
また、上述した実施形態においては、次回サイクルの予測距離にレーダ装置11の電磁波の多重波伝搬の影響がない場合には外挿カウンタCとして上限回数TSDを設定するとしたが、これに限定されない。例えば、今回サイクルの物標の距離に対応する受信レベルと、次回サイクルの物標の予測距離に対応する受信レベルとの差が所定差未満であるか否かに応じて外挿カウンタCを設定してもよい。例えば図10(B)に示すように、今回サイクルの物標の距離Lbに対応する受信レベルと、次回サイクルの物標の予測距離Lcに対応する受信レベルとの差が所定差未満の場合には、外挿カウンタCとして、上限回数TSDまたは上限回数TSDに所定値(例えば、1など)を加算して得た値(TSD+1)を設定してもよい。
10 物体検知装置
11 レーダ装置
21 物体判定部(物体検知手段)
22 距離・受信レベルマップ算出部
23 外挿部(外挿手段)
24 車両制御部
31 受信レベル履歴記憶部
Claims (8)
- 自車両に搭載されたレーダ装置と、
前記自車両の外界に存在する物体を前記レーダ装置によって検知する物体検知手段と、
前記物体検知手段による前記物体の検知が中断された場合に、過去に前記物体検知手段によって検知された前記物体の位置を用いた外挿によって前記物体の位置を予測する外挿手段と、
を備え、
前記外挿手段は、前記自車両から前記物体までの距離と前記レーダ装置による電磁波の受信強度との相対関係を用いて、前記受信強度が低い前記距離での前記外挿の許容回数を、前記受信強度が高い前記距離での前記外挿の許容回数よりも相対的に多くする、
ことを特徴とする物体検知装置。 - 前記外挿手段は、前記距離と前記受信強度との対応関係のマップを記憶しており、前記自車両の状態に応じた前記レーダ装置の高さ位置の変化によって前記マップを持ち替え、持ち替えた前記マップによって前記外挿の許容回数を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の物体検知装置。 - 前記外挿手段は、前記距離と前記受信強度との対応関係のマップを記憶しており、前記物体の種類によって前記マップを持ち替え、持ち替えた前記マップによって前記外挿の許容回数を設定する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物体検知装置。 - 前記外挿手段は、前記距離と前記受信強度との対応関係のマップを、前記レーダ装置によって検知された前記物体のうちの静止物または対向車両に対する前記自車両からの距離の変化に伴う前記受信強度の変化に基づいて作成する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の物体検知装置。 - 自車両に搭載されたレーダ装置と、
前記自車両の外界に存在する物体を前記レーダ装置によって検知する物体検知手段と、
前記物体検知手段による前記物体の検知が中断された場合に、過去に前記物体検知手段によって検知された前記物体の位置を用いた外挿によって前記物体の位置を予測する外挿手段と、
を備え、
前記外挿手段は、前記レーダ装置による電磁波の受信強度の履歴を用いて、前記外挿の許容回数を設定し、
前記外挿手段は、前記物体検知手段によって少なくとも複数回に亘って連続して前記物体が検知され、かつ該複数回に亘って連続して前記受信強度が低下した場合に、前記外挿の許容回数を増加させる、
ことを特徴とする物体検知装置。 - 自車両に搭載されたレーダ装置と、
前記自車両の外界に存在する物体を前記レーダ装置によって検知する物体検知手段と、
前記物体検知手段による前記物体の検知が中断された場合に、過去に前記物体検知手段によって検知された前記物体の位置を用いた外挿によって前記物体の位置を予測する外挿手段と、
を備え、
前記外挿手段は、前記レーダ装置による電磁波の受信強度の履歴を用いて、前記外挿の許容回数を設定し、
前記外挿手段は、前記物体検知手段によって少なくとも複数回に亘って連続して前記物体が検知され、かつ該複数回に亘って連続して前記受信強度が増大した場合に、前記外挿の許容回数を減少させる、
ことを特徴とする物体検知装置。 - 前記受信強度の低下量が所定値以下である場合には、前記外挿の許容回数を変化させない、または前記外挿の許容回数を減少させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の物体検知装置。 - 前記受信強度の増大量が所定値以下である場合には、前記外挿の許容回数を変化させない、または前記外挿の許容回数を増加させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の物体検知装置。
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