JP5731954B2 - 鉄道車両 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の内部に締結される内装品の締結構造に関する。
鉄道車両では、強度を保持する金属材料よりなる車体と、乗客に快適な空間を提供するために見栄えや温度環境を良好にする艤装品(内装品)とから主に構成されている。艤装品は、車体だけでは満足できない快適な車内環境を確保する機能、例えば、断熱、遮音を確保する機能を持つ内装品と、電線、空気配管や空調ダクト、空調装置、照明器具などの設備品で構成される。特許文献1では、断熱材や内装パネルをユニット化し、車体側に備えられる支持部である支持レールに、ユニット化された内装品をボルト締結で固定することによって、断熱性能に優れた断熱材、見栄えに優れた内装パネル等の部品を車体に取り付けている。
特開2005−96765号公報
従来技術によると、断熱材や内装パネルからなる艤装品を一体に構成した内装ユニットを大型化した後、内装ユニットに備えられる複数の固定部を、車体の屋根構体または側構体などの車内側の面に備えられる複数の支持部に、ボルト等の機械的締結手段締結することによって、小さい作業工数で取り付けていた。従来個別に取付られていた内装品を一体にした内装ユニットを車体に取り付けるため、小さい作業工数で一度に多くの内装品を車体に取り付けることができる。
一方、屋根構体や側構体など車体を構成する部位は外気温度の影響を受けて膨張と収縮を繰り返すため、それらに備えられる支持部と支持部との間隔の大きさが変化する。これに対して、空調装置で所定の温度範囲に管理された鉄道車両の車内に設置される内装ユニットに備えられる固定部と固定部との間隔の変形量は、車体に備えられる支持部と支持部との間隔の変形量に比較して小さい。このため、例えば、車体を構成する屋根構体の複数の支持部に、内装ユニットの複数の固定部を、ボルトで締結した場合、屋根構体の支持部同士の間隔と、内装ユニットの固定部同士の間隔のそれぞれの熱変形量が異なるため、それら熱変形量の差分がボルト締結部にせん断力として作用する場合がある。ボルト締結部に作用するせん断力がボルトで締結される部材間の摩擦力(限界値)を超えた時に、ボルト締結部にすべりが発生する。このすべりは、締結部のボルトの緩みや折損の原因となる場合がある。
本発明は、外気温度および車内温度の温度差によって、鉄道車両の車体に固定される内装ユニットを締結するボルトの締結部に生じるせん断力に起因するボルト折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明における鉄道車両は、側構体と、屋根構体と、台枠と、を有す鉄道車両であって、前記鉄道車両は、内装材を支持するとともに、前記屋根構体と一体に前記鉄道車両の長手方向に沿って備えられた支持部と、前記内装材に備えられるととともに前記支持部に固定される固定部と、前記支持部と前記固定部との間隔を調整するスペーサと、断熱材と、を有しており、前記支持部に離散的に備えられた複数のボルトが、前記支持部の側から重ね置きされた前記スペーサと前記断熱材と前記固定部を貫通する態様で締結されている鉄道車両において、前記ボルトに沿う方向に設けられるとともに前記支持部、前記スペーサ、前記断熱材、前記固定部を貫通する貫通孔と、前記貫通孔に挿入されるとともに前記支持部と前記スペーサと前記断熱材とに跨って配設される拘束部材とを備えることを特徴とする。
さらに、上記の目的を達成するために、本発明における鉄道車両は、側構体と、屋根構体と、台枠と、妻構体と、を有す鉄道車両であって、前記鉄道車両は、内装材を支持するとともに、前記屋根構体と一体に前記鉄道車両の長手方向に沿って押出成形され支持部と、前記内装材に備えられるととともに前記支持部に固定される固定部と、前記支持部と前記固定部との間隔を調整するスペーサと断熱材と、を有しており、前記支持部に沿って離散的に備えられる複数のボルトが、前記支持部の側から重ね置きされた前記スペーサと前記断熱材と前記固定部とを貫通する態様で締結されている鉄道車両において、前記スペーサの表面粗さを大きくして前記スペーサと前記断熱材と摩擦力を、前記断熱材と前記固定部との摩擦力より大きくしたことを特徴とする。
さらに、上記の目的を達成するために、本発明における鉄道車両は、側構体と、屋根構体と、台枠と、妻構体と、を有す鉄道車両であって、前記鉄道車両は、内装材を支持するとともに、前記屋根構体と一体に前記鉄道車両の長手方向に沿って押出成形された支持部と、前記内装材に備えられるととともに前記支持部に固定される固定部と、前記支持部と前記固定部との間隔を調整するスペーサと断熱材と、を有しており、前記支持部は、対向する2枚の面板と、該面板同士を接続する接続板とからなる押出形材で構成された前記屋根構体の一方の面板の前記鉄道車両の車内側に向けて延伸する一対の垂直片と、前記垂直片の端部から水平方向に延伸する一対の水平片と、から構成されており、ボルトの頭部が、一対の前記垂直片と一対の前記水平片と前記一方の面板とによって囲まれる空間に備えられるとともに、前記空間に離散的に備えられた複数の前記ボルトが貫通する態様で、前記支持部の側から重ね置きされた前記スペーサと前記断熱材と前記固定部と締結された鉄道車両において、前記ボルトの頭部と前記水平片との間に、摩擦係数の小さい摺動材が介装されていることを特徴とする。
本発明によれば、外気温度および車内温度の温度差に伴う熱変形量の相違によって、鉄道車両の車体に内装材を締結するボルト締結部に生じるせん断力に起因するボルト折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することができる。
図1は、鉄道車両の外観を示した斜視図である。 図2は、鉄道車両の屋根構体近傍の車両長手方向に垂直な断面図である。 図3は、本発明の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。 図4は、本発明の別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。 図5は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。 図6は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。 図7は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。 図8は、本発明のさらに別の実施例であって屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の斜視図である。 図9は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。 図10は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。 図11は、本発明の効果を検証する試験に供した試験片の上面図である。 図12は、本発明の効果を検証する試験に供した試験片の側面図である。 図13は、本発明の効果を検証した試験結果(グラフ)である。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る一実施例の鉄道車両の車体外観を示した斜視図である。鉄道車両の車体1は、床面をなす台枠5の幅方向の両端部に立設される側構体2(一方の面のみ図示する)と、台枠5の長手方向の端部に立設されるとともに車体の長手方向の両端部を閉鎖する妻構体3と、側構体2および妻構体3の上部に支持されるとともに屋根を形成する屋根構体4とから構成されている。
図2は、車体1を構成されている屋根構体4の一部を車体1の長手方向に垂直な断面で切断した断面図である。屋根構体4は対向する2枚の面板と、これら面板同士を接続する接続部とを有する押出形材からなるとともに、押出形材の一方の面板に一体に押出成型された支持部10を備える。
支持部10は、一組の垂直片と垂直片の先端部から水平に延伸する水平片とを構成されており、水平片の先端部同士の間には、後述するボルト7が挿入される空間が設けられている。支持部10の長手方向に垂直な断面形状は、下方に空間(開放部)を備えるCチャンネル状の形態をなすとともに、車体1の長手方向(紙面に垂直な方向)に沿って連続的に備えられている。
支持部10に、内装材6を固定する場合は、支持部10の水平片11の一部を、ボルト7の頭部が挿入できる程度の大きさの切欠き部を設け、この切欠き部から挿入されたボルト7を、支持部10に沿って所定の締結位置まで移動させて、内装ユニット6に備えられる固定部と支持部10とをボルト7とナット9で固定する。
屋根構体4の支持部10と内装材6の固定部14との間には、支持部10の側から順に、支持部10と固定部14との間隔を調整するスペーサ12と、断熱材13が備えられ、鉄道車両の車内外の熱伝達を抑制している。
図3は、本発明の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材に備えられる固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。なお、以下に記す各々の実施例では車体を構成する屋根構体に備えられる内装材を例に挙げて説明するが、屋根構体に限定されることなく、側構体や台枠に内装材等の艤装品を取り付ける場合にも適用できる。
屋根構体4に一体に備えられる支持部10の水平片11と、内装材6の固定部14との間に、水平片11の側からスペーサ12、断熱材13を備え、これらを貫通する態様で支持部10と固定部14とをボルト7で締結している。ボルト7に沿う形態で、固定部14から断熱材13、スペーサ12、水平片11を貫通する貫通孔15を設け、水平片11とスペーサ12と断熱材13とに跨る範囲をピン16で固定したものである。ピン16は接着剤を用いて貫通孔15固定しても良いし、かしめによって固定しても良い。
この構成によって、温度変化に伴う屋根構体4と内装材6の熱変形量の相違に起因するすべり面は、ピン16が支持部10(水平片11)とスペーサ12と断熱材13を拘束しているため、ボルト7のネジ部と頭部8との接続部(ボルト7の首下)から離れた固定部14とスペーサ12との間のすべり面17となる。このため、ボルト7のネジ部と頭部8との接続部にせん断力が作用して大きな応力が発生することを抑制することができるので、ボルト7の折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することができる。
図4は、本発明の他の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。上記実施例で記載した部位と同様の部位の説明は省略し、相違する部位を説明する。
実施例2(図4)では、実施例1で供されたピン16に代えて、全ネジ19を備えたものである。断熱材13と、スペーサ12と、水平片11とを貫通する貫通孔15を設ける際に同時にタップを切り、全ネジ19をねじ込むことによって、全ネジ19を固定する。この構成によって、ピン16を固定する際の接着剤を塗布する作業を省略することができるため、簡便に作業を完了することができる。
全ネジ19が支持部10(水平片11)とスペーサ12と断熱材を拘束する構成によって、外気温度および車内温度の温度差に伴う熱変形量の相違によって、鉄道車両の車体に内装材を締結するボルト締結部に生じるせん断力に起因するボルト折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することができる。
図5は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。上記実施例で記載した部位と同様の部位の説明は省略し、相違する部位を説明する。
実施例3(図5)では、実施例2で供された全ネジ19に代えて、六角穴付きボルト20を備えたものである。断熱材13と、スペーサ12と、水平片11とを貫通する貫通ボルト孔18を設けるとともに、固定部14に六角穴付きボルト20の頭部21の外径より大きい内径を有す逃がし孔22を備えている。六角穴付きボルト20の頭部21の側面と、逃がし孔22の内面との間に空間が設けられているため、断熱材13と固定部14との境界のすべり面17で変位が生じた場合であっても、六角穴付きボルト20の頭部21が逃がし孔22と干渉することなく、双方が相対的に変位できる。
上記構成によって、外気温度および車内温度の温度差に伴う熱変形量の相違によって、鉄道車両の車体に内装材を締結するボルト締結部に生じるせん断力に起因するボルト折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することができる。
図6は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。上記実施例で記載した部位と同様の部位の説明は省略し、相違する部位を説明する。
実施例4(図6)では、スペーサ12の支持部10に接触する面31と、断熱材13に接触する面31との両面の表面粗さを機械加工またはエッチングなどの化学的処理によって粗くして、摩擦係数を大きくしたものである。なお、ショットブラストまたはジンク塗装等の表面処理によって、スペーサ12の表面粗さを大きくしても良い。
この構成によって、温度変化に伴う屋根構体4と内装材6の熱変形量の相違に起因するせん断力がボルト7に作用する場合であって、ピン16によってボルト7のネジ部と頭部8との接続部(ボルト7の首下)から離れた固定部14とスペーサ12との間のすべり面17においてせん断力がボルト7に作用するため、ボルト7のネジ部と頭部8との接続部にせん断力が作用して大きな応力が発生することを抑制することができる。
このため、外気温度および車内温度の温度差にともなう熱変形量の相違によって鉄道車両の車体に内装材を締結するボルト締結部に生じるせん断力に起因するボルト折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することができる。
図7は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。
上記実施例で記載した部位と同様の部位の説明は省略し、相違する部位を説明する。実施例5(図7)は、実施例4で説明したスペーサ12の表面粗さ(摩擦係数)を大きくすることに代えて、断熱材13と、内装材6の固定部14との間に、摺動材33を挟み込んだものである。摺動材33は塩化ビニルあるはテフロン(登録商標)等からなり、その表面の摩擦係数は小さい材質からなる。
この構成によって、温度変化にともなう熱変形量の相違に起因するせん断力がボルト7に作用する場合であっても、ボルト7のネジ部と頭部8との接続部(ボルト7の首下)から離れた固定部14とスペーサ12との間に介装された摺動材33の面において、すべり(変位)が生じるため、ボルト7のネジ部と頭部8との接続部にせん断力が作用して大きな応力が発生することを抑制することができる。
このため、外気温度および車内温度の温度差にともなう熱変形量の相違によって鉄道車両の車体に内装材を締結するボルト締結部に生じるせん断力に起因するボルト折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することができる。
図8は、本発明のさらに別の実施例であって屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の斜視図である。上記実施例で記載した部位と同様の部位の説明は省略し、相違する部位を説明する。実施例6(図8)は、水平片11、スペーサ12、断熱材13に跨って上下方向に沿って設けられた溝41を備えるとともに、水平片11、スペーサ12、断熱材13に跨る態様でプレート42を備えている。
この構成によって、温度変化にともなう熱変形量の相違に起因するせん断力がボルト7に作用する場合であっても、ボルト7のネジ部と頭部8との接続部(ボルト7の首下)から離れた固定部14とスペーサ12との間において、すべり(変位)が生じるため、ボルト7の頭部8とネジ部(ボルト首下)の接続部にせん断力が作用して大きな応力が発生することを抑制することができる。
このため、外気温度および車内温度の温度差にともなう熱変形量の相違によって鉄道車両の車体に内装材を締結するボルト締結部に生じるせん断力に起因するボルト折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することができる。
図9は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材が具備する固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。上記実施例で記載した部位と同様の部位の説明は省略し、相違する部位を説明する。実施例7(図9)は、実施例5(図7)に備えた摺動材33が介装される位置(断熱材13と内装材6の固定部14との間)を、ボルト7の頭部8の下面と水平片11の上面との間に代えたものである。
この構成によって、温度変化にともなう熱変形量の相違に起因するすべり(変位)がボルト7の頭部8と支持部10の水平片11との間で生じるため、ボルト7の首下(頭部8とネジ部との接続部)においてせん断力が作用せず、大きな応力も生じない。
このため、外気温度および車内温度の温度差にともなう熱変形量の相違によって鉄道車両の車体に内装材を締結するボルト締結部に生じるせん断力に起因するボルト折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することができる。
図10は、本発明のさらに別の実施例であって、屋根構体に備えられる支持部に、内装材に備えられる固定部をボルトで締結したボルト締結部の断面図である。上記実施例で記載した部位と同様の部位の再度の説明は省略し、相違する部位を説明する。
実施例8(図10)は、ボルト7の頭部51の水平片11に接する面の形状を、球面形状としたものである。なお、頭部51の水平片11に接する面の形状を球面形状とすることに代えて、頭部51の下面(座面)頭部51の側面とを大きな曲率で接続した形状であっても良い。
この構成によって、ボルト7にナット9を閉め込んだ際に、頭部51の下面が水平片11を凹ませる座面陥没の発生を抑制することができる。座面陥没の発生が抑制されるため、温度変化にともなう熱変形量の相違に起因するすべり(変位)がボルト7の頭部51と支持部10の水平片11との間で生じやすくなるため、ボルト7の首下(頭部51とネジ部との接続部)においてせん断力が作用せず、大きな応力も生じない。
このため、外気温度および車内温度の温度差にともなう熱変形量の相違によって鉄道車両の車体に内装材を締結するボルト締結部に生じるせん断力に起因するボルト折損、または、ボルト緩みを抑制するとともに、信頼性の高い鉄道車両を提供することができる。
図11は、本発明の効果を検証する試験に供した試験片の上面図であり、図12は同試験片の側面図である。試験片は、図2で示した支持部10を成す水平片11と、内装材6の固定部14との接合部を模擬しており、水平片11と固定部14との間に、スペーサ12、断熱材13を配置し、これら全体を貫通するボルト7とナット9で締結した構造である。
この試験片を試験装置に設置し、温度変化に伴う熱変形量の相違に基づく負荷(負荷方向61)が締結部に作用した状態を模擬する疲労試験(繰り返し荷重をボルト締結部に作用させる試験)を実施した。
図13は本発明の効果を検証した試験結果(グラフ)である。グラフの横軸が寿命、縦軸が変位振幅で、試験の変位振幅とボルトが折損したときの寿命の関係を表す。図13の丸印はスペーサ12と断熱材13の間のすべり面62においてすべりが発生した5本の試験片の試験結果で、500回から1500回の繰り返し負荷ですべてのボルトが折損した。図13の三角印は断熱材13と吊金部14の間のすべり面63においてすべりが発生した3本の試験片の試験結果で、10000回の繰り返し負荷でボルトの折損は発生しなかった。
疲労試験によって、ボルト7の頭部8とネジ部の接続部(ボルト首下)から離れた面においてすべりが発生すると、ボルト7の頭部8とネジ部の接続部に近い面においてすべりが発生した場合に比較して、ボルト7の寿命が延びることが検証された。
1…車体、2…側構体、3…妻構体、4…屋根構体、5…台枠、6…内装材、7…ボルト、8…頭部、9…ナット、10…支持部、11…水平片、12…スペーサ、13…断熱材、14…固定部、15…貫通孔、16…ピン、17…すべり面、18…貫通ボルト孔、19…全ネジ、20…固定ボルト、21…固定ボルト頭部、22…逃がし穴、31…面(高摩擦係数処理面)、33…摺動材、41…溝、42…プレート、51…頭部、61…負荷方向、62…スペーサと断熱材のすべり面、63…断熱材と吊金部のすべり面

Claims (9)

  1. 側構体と、屋根構体と、台枠と、を有す鉄道車両であって、
    前記鉄道車両は、
    内装材を支持するとともに、前記屋根構体と一体に前記鉄道車両の長手方向に沿って備えられた支持部と、
    前記内装材に備えられるととともに前記支持部に固定される固定部と、
    前記支持部と前記固定部との間隔を調整するスペーサと、断熱材と、を有しており、
    前記支持部に離散的に備えられた複数のボルトが、前記支持部の側から重ね置きされた前記スペーサと前記断熱材と前記固定部を貫通する態様で締結されている鉄道車両において、
    前記ボルトに沿う方向に設けられるとともに前記支持部、前記スペーサ、前記断熱材、前記固定部を貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔に挿入されるとともに前記支持部と前記スペーサと前記断熱材とに跨って配設される拘束部材と
    を備えることを特徴とする鉄道車両。
  2. 請求項1に記載される鉄道車両において、
    前記屋根構体は、対向する2枚の面板と、該面板同士を接続する接続板とからなる押出形材で構成されており、
    前記支持部は、前記屋根構体をなす一方の面板に、前記鉄道車両の車内側に向けて延伸する一対の垂直片と、前記垂直片の端部から水平方向に延伸する一対の水平片とから構成されており、
    前記ボルトの頭部が、一対の前記垂直片と一対の前記水平片と前記一方の面板とによって囲まれる空間に備えられていること
    を特徴とする鉄道車両。
  3. 請求項1または請求項2に記載された鉄道車両において、
    前記貫通孔はねじ穴であり、
    前記拘束部材がねじ部のみからなる全ねじであること
    を特徴とする鉄道車両。
  4. 請求項1または請求項2に記載された鉄道車両において、
    前記拘束部材がピンであること
    を特徴とする鉄道車両。
  5. 請求項1または請求項2に記載された鉄道車両において、
    前記拘束部材は穴付き六角ボルトであり、
    前記固定部の前記貫通孔の内径は、前記穴付きボルトの頭部の外径より大きいこと
    を特徴とする鉄道車両。
  6. 側構体と、屋根構体と、台枠と、妻構体と、を有す鉄道車両であって、
    前記鉄道車両は、
    内装材を支持するとともに、前記屋根構体と一体に前記鉄道車両の長手方向に沿って押出成形され支持部と、
    前記内装材に備えられるととともに前記支持部に固定される固定部と、
    前記支持部と前記固定部との間隔を調整するスペーサと断熱材と、を有しており、
    前記支持部に沿って離散的に備えられる複数のボルトが、前記支持部の側から重ね置きされた前記スペーサと前記断熱材と前記固定部とを貫通する態様で締結されている鉄道車両において、
    前記スペーサの表面粗さを大きくして前記スペーサと前記断熱材と摩擦力を、前記断熱材と前記固定部との摩擦力より大きくしたこと
    を特徴とする鉄道車両。
  7. 側構体と、屋根構体と、台枠と、妻構体と、を有す鉄道車両であって、
    前記鉄道車両は、
    内装材を支持するとともに、前記屋根構体と一体に前記鉄道車両の長手方向に沿って押出成形され支持部と、
    前記内装材に備えられるととともに前記支持部に固定される固定部と、
    前記支持部と前記固定部との間隔を調整するスペーサと断熱材と、を有しており、
    前記支持部に沿って離散的に備えられる複数のボルトが貫通する態様で、前記支持部の側から重ね置きされた前記スペーサと前記断熱材と前記固定部と締結されている鉄道車両において、
    前記断熱材と前記固定部との間に摩擦係数の小さい摺動材を介装したこと
    を特徴とする鉄道車両。
  8. 側構体と、屋根構体と、台枠と、妻構体と、を有す鉄道車両であって、
    前記鉄道車両は、
    内装材を支持するとともに、前記屋根構体と一体に前記鉄道車両の長手方向に沿って押出成形された支持部と、
    前記内装材に備えられるととともに前記支持部に固定される固定部と、
    前記支持部と前記固定部との間隔を調整するスペーサと断熱材と、を有しており、
    前記支持部は、対向する2枚の面板と、該面板同士を接続する接続板とからなる押出形材で構成された前記屋根構体の一方の面板の前記鉄道車両の車内側に向けて延伸する一対の垂直片と、前記垂直片の端部から水平方向に延伸する一対の水平片と、から構成されており、
    ボルトの頭部が、一対の前記垂直片と一対の前記水平片と前記一方の面板とによって囲まれる空間に備えられるとともに、前記空間に離散的に備えられた複数の前記ボルトが貫通する態様で、前記支持部の側から重ね置きされた前記スペーサと前記断熱材と前記固定部と締結された鉄道車両において、
    前記ボルトの頭部と前記水平片との間に、摩擦係数の小さい摺動材が介装されていること
    を特徴とする鉄道車両。
  9. 側構体と、屋根構体と、台枠と、妻構体と、を有す鉄道車両であって、
    前記鉄道車両は、
    内装材を支持するとともに、前記屋根構体と一体に前記鉄道車両の長手方向に沿って押出成形された支持部と、
    前記内装材に備えられるととともに前記支持部に固定される固定部と、
    前記支持部と前記固定部との間隔を調整するスペーサと断熱材と、を有しており、
    前記支持部は、対向する2枚の面板と、該面板同士を接続する接続板とからなる押出形材で構成された前記屋根構体の一方の面板の前記鉄道車両の車内側に向けて延伸する一対の垂直片と、前記垂直片の端部から水平方向に延伸する一対の水平片と、から構成されており、
    ボルトの頭部が、一対の前記垂直片と一対の前記水平片と前記一方の面板とによって囲まれる空間に備えられるとともに、前記空間に離散的に備えられた複数の前記ボルトが貫通する態様で、前記支持部の側から重ね置きされた前記スペーサと前記断熱材と前記固定部と締結された鉄道車両において、
    前記ボルトの頭部の前記水平片に接する面の形状を球面としたこと
    を特徴とする鉄道車両。
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