JP5731700B1 - 水位予測に基づいた土砂災害予測システム - Google Patents

水位予測に基づいた土砂災害予測システム Download PDF

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Abstract

【課題】土砂災害発生を予測できるようにする。【解決手段】危険区域情報DB50は、土砂災害発生の危険区域それぞれの上端部の位置及び土砂災害水位を危険区域に対応付けて記憶しており、該危険区域が土砂災害発生の可能性が高い危険区域であるかどうかを、警戒区域判定部20が判定する。そのため、判定部20は、危険区域の上端部の位置を水位予測すべき地点として水位予測部10に供給し、該水位予測部10から上端部の位置の予測水位を受け取り、該予測水位を土砂災害水位と対比して、予測水位が土砂災害水位よりも高い場合には、当該危険区域を警戒区域であると判定する。警戒情報発生部30は、危険区域が警戒区域であると判定された場合、土砂災害が生じる可能性があることを示す土砂災害注意情報を発生する。【選択図】図1

Description

本発明は、水位予測に基づいた土砂災害予測システムに関し、より詳細には、コンピュータを用いて水位予測を行い、該水位予測に基づいて土砂災害の発生を予測するシステムに関する。
近年、集中豪雨や長雨による気象災害が増大し、多くの被害が生じている。河川からの氾濫のみならず、普段は水が流れていない沢等からの突然の氾濫により、避難する間もなく災害に巻き込まれる事例も見られる。このような水位上昇による気象災害に巻き込まれることを未然に防止するために、所定地域の水位予測を行って災害危険度を推定するシステムが種々提案されている。
このようなシステムとして、以下の特許文献1には、河川流域の複数の観測地点にカメラを配置し、得られた画像を通信回線を介して演算装置に送信し、演算装置において、送信された画像と予め取得された参照画像とを対比して、それぞれの観測地点での水位を表す水位データを得、得られた水位データを処理することにより、氾濫の可能性がある下流流域等の所定の監視地点の水位を予測することができるようにしたシステムが提案されている。
そして、従来、土砂災害防止法に基づいて土砂災害の危険性が高い地域を特定している。該土砂災害防止法においては、土砂災害の恐れがある区域を「土砂災害警戒区域」と「土砂災害特別警戒区域」との2種類に分け、かつ、該種類毎に「急傾斜地の崩壊」、「土石流」及び「地滑り」の3種の災害それぞれに基準を設けて、災害の危険性を判定している。
さらに、降水量及び土壌雨量指数に基づいて土砂災害の危険度を判定し、危険度が高まったときに土砂災害警戒情報を、市町村単位で発表している。
特開2008−57994号公報
上記した土砂災害防止法では、土砂災害の危険のある箇所は、勾配や距離などのような静的な状態から決定しており、その時の降雨状況を考慮していない。そのため、その時の降水状態での危険度の変化を把握することができないため、「いつ避難するか」という情報としては使えない。また、この情報は市役所等で台帳の閲覧を行わないと得られないため、よって自分の家がその危険区域にあるかどうかを把握している住民は少ない。
一方、土砂災害警戒情報は、上記したように、降水量及び土壌雨量指数に基づいて土砂災害の危険度が高まったと判定されたときに発表されるが、土壌雨量指数では地形を考慮しているが、1辺が5kmのメッシュでしか見ておらず、土砂災害防止法における区域指定に比べると大雑把で、「今、どこが危険か」という情報としては十分ではない。また、発表の単位が市町村単位であるため、該当地域の住民であっても自分のことと捉えにくく、避難の遅れにつながる恐れがある。なお、「土砂災害警戒判定メッシュ情報」も存在するが、1辺が5kmのメッシュであるため、やはり自分のこととは捉えにくい。
したがって、一般住民には、土砂災害の可能性が高い危険な場所及び時点を把握することが極めて困難となっており、本発明の目的は、上記したような従来例の問題点を解消することである。
上記した目的を達成するために、本発明は、コンピュータを用いて土砂災害の可能性を予測する土砂災害予測システムであって、
土砂災害発生の危険区域の情報を記憶するデータベースであって、危険区域それぞれの上端部の位置及び土砂災害水位を危険区域に対応付けて記憶している危険区域データベースと、
指定された地点の水位予測する水位予測部と、
危険区域データベースに格納されている危険区域が土砂災害発生の可能性が高い警戒区域であるかどうかを判定する警戒区域判定部であって、
危険区域データベースから危険区域の上端部の位置及び土砂災害水位を取得し、
該上端部の位置を水位予測すべき地点として水位予測部に供給し、
水位予測部から上端部の位置の予測水位を受け取り、該予測水位を土砂災害水位と対比して、予測水位が土砂災害水位よりも高い場合には、当該危険区域を警戒区域であると判定する
よう構成されている警戒区域判定部と
を備えていることを特徴とする土砂災害予測システムを提供する。
上記した本発明に係る土砂災害予測システムにおいて、該システムはさらに、警戒区域判定部が危険区域を警戒区域であると判定した場合に、土砂災害が生じる可能性があることを示す土砂災害注意情報を発生する警戒情報発生部を備えていることが好適である。また、警戒情報発生部を備えた土砂災害予測システムにおいて、該システムはさらに、ネット上で公開された雨量、気象警報及びライブカメラからの画像を含んだ水位関連公開情報を所定のインターバルで取得して水位関連公開情報データベースに記憶し更新する手段を備え、水位予測部は、水位関連公開情報データベースに記憶された水位関連公開情報を用いて、指定された地点の水位予測を実行するよう構成され、警戒情報発生部はさらに、水位関連公開情報データベースに記憶された最新の水位関連公開情報の内の雨量及び気象情報を、該当する危険区域の地図上に表示するとともに、ライブカメラからの画像へのリンクを該地図上に表示するよう構成されていることが好ましい。
上記した本発明に係る土砂災害予測システムにおいて、警戒区域判定部は、危険区域が警戒区域であるかどうかの判定を、危険区域情報データベースに格納された全ての危険区域に対して自動的に実行するよう構成されていることが好ましい。
また、本発明に係る土砂災害予測システムの水位予測部は、一実施形態では、
監視対象地域を分割することにより得られた複数の区画それぞれの標高を区画に対応付けて記憶している標高データベースと、
所定のインターバルで、これら区画それぞれの降雨量及び流入量に基づき、推定貯水高を演算する貯水高演算手段と、
所定のインターバルで、区画毎に標高と推定貯水高との和を仮想水面として演算し、各区画を取り巻く複数の区画の仮想水面の内の最も低い仮想水面を有する区画を、中心の区画から水が流出する方向として、水の流出方向を決定する流出方向決定手段と、
所定のインターバルで、各区画の貯水量及び降雨量に基づいて、各区画から該区画の流出方向への流出量を演算する流出量演算手段と、
決定された流出方向及び流出量、並びに水流経路の断面形状に基づいて、該経路の水位を演算する水位演算手段と
を備えている。
該水位予測部はさらに、河川が含まれていない区画それぞれを真上から撮像した真上写真及び斜め方向から撮像した斜め写真に基づき、河川が含まれていない区画の植生の状態を決定する手段であって、植生が含まれている区画について、真上写真に基づいて植生の座標を決定し、斜め写真のRGB画素値に基づいて植生の種類を決定する植生状態決定手段を備え、流出量演算手段は、貯水量及び降雨量に加えて、植生状態決定手段により決定された植生の種類に基づいて、流出方向への流出量を演算するよう構成されていることが好ましい。また、植生状態決定手段は、植生の種類が針葉樹林、広葉樹林、芝地・牧草地のいずれかであるかを決定し、かつ、これら種類毎の植生及び岩盤が1区画内で占める割合を該区画の植生状態として決定するよう構成されており、植生状態決定手段により決定された植生状態が、流量演算手段の流量の計算に反映されることが好ましい。さらに、流出量演算手段は、所定のインターバルで、流出方向演算手段により決定された流出方向の流出速度を演算し、各区画の貯水量及び降雨量に加えて、決定された流出速度に基づいて、流出方向の区画の所定のインターバルにおける等価的な流入量を演算するよう構成されていることが好ましい。
本発明の土砂災害予測システムは、以上のように構成されているので、地形と降雨状況とを考慮した土砂災害注意情報を発生させることができ、住民の避難誘導等に極めて有効である。
本発明に係る土砂災害予測システムの構成を示すブロック図である。 図1に示した土砂災害予測システムの動作を示すフロー図である。 図2−1に示したフロー図における危険区域1件分の処理動作を示すフロー図である。 図1に示した警戒情報発生部により発生されて表示される画面の一例を示す図である。 図1に示した警戒情報発生部により発生されて表示される別の画面を示す図である。 図1に示した土砂災害予測システムの水位予測部として適用可能な、本出願人によって提案された水位予測システムの構成を示すブロック図である。 図3に示した水位予測システムの植生登録部の構成を示すブロック図である。 図4に示した植生登録部において、斜め写真の画素座標と地表上の位置座標とを対応させる処理を説明するための図である。 図4に示した植生登録部において、植生領域に複数の代表点を設定する処理を説明するための図である。 図4に示した植生登録部において生成される植生マスタに格納されるRGB値の例を示す図である。 図3に示した水位予測システムの流出量・方向演算部において、標高+貯水高に基づいて流出方向を決定する処理を説明するための図である。 図3示した水位予測部の流出量・方向演算部において、流速に依存して流出量を演算する処理を説明するための図である。 図3に示した水位予測システムの流出量・方向演算部において、河川が存在する場合の流出方向を決定する処理を説明するための図である。 図3に示した水位予測システムの流出量・方向演算部において用いる、土壌中を流れる水を演算するための既知のタンクモデルを説明するための図である。 図3に示した水位予測システムの流出量・方向演算部において演算される、降雨量と流出量及び方向との関係を示した図である。 図3に示した水位予測システムの水位演算部において水位演算のために用いられる河川モデルを示す図である。
本発明の土砂災害予測システムの構成を詳細に説明する前に、該システムを構築する上で本件発明者が着眼した主な点を説明する。
1)土砂災害の発生の危険のある区域(危険区域)は、既存の調査に基づいて入手することができる。
2)土砂災害の発生時には、該発生区域の上端部で河や沢の水位が上昇し、したがって、調査記録等に基づいて得られた危険区域の上端部の水位が上昇したかどうかを判断することによって、土砂災害の危険度を判断することができる。
3)危険区域の上端部では、普段は水の流れがないことも多く、また、計測機器を設置するのは難しい場合が多い。さらに、監視すべき対象区域が多い場合には水位計を設置することは現実的ではない。したがって、水位計を設置する代わりに、降雨状況等に基づいてコンピュータにより水位を予測する水位予測システムを使用することにより、水位上昇を予測することができる。
4)護岸や岩盤よりも高い位置の土砂は、これまで殆ど流水にさらされておらず流出しやすい状態にあり、したがって、水位が、「普段水の来ない高さ」まで達した時には土砂災害の危険が高まる。「普段水の来ない高さ」は、コンクリート等による護岸になっている高さ又は自然の岩盤が表れている高さであり、現地を確認することで得ることができる。
5)各危険区域の「普段水の来ない高さ」を調査して「土砂災害水位」として設定し、予測水位がその水位に達した場合には、その危険区域の土砂災害の危険度が高まっているとして、危険区域を警戒区域として警報を発生する。
インターネット上には、国土交通省、気象庁、都道府県など様々な行政機関が、水位計、雨量計、カメラ等により得られたライブ情報を公開している。これらのうち、水位予測に活用できる情報を入手して「水位関連公開情報」として利用する。特に、降水予報データが得られない状態が続いた場合など、雨量観測点の雨量をそのまま使用することで、水位予測の計算を続行できるようになる。水位計による実測水位と水位予測システムによる予測水位との差を確認することによって、水位予測システムの検証及びそれに基づいた修正を行うことができる。
図1は、本発明の一実施例の土砂災害予測システムの構成を示すブロック図であり、該システムは、プログラムユニットで構成される水位予測部10、警戒区域判定部20、及び警報情報発生部30と、水位関連公開情報データベース(DB)40と、危険区域情報DB50と、水位演算結果DB60とを備えている。なお、図示していないが、土砂災害予測システムへの入力手段及び該システムからの出力手段を具備していることは言うまでもない。
水位関連公開情報DB40は、様々の行政機関により公開された水位予測に活用できる情報すなわち水位関連公開情報(実測情報及び予測情報も含む)を記憶している。該情報は、図示していない適宜の手段により、種々の行政機関等により提供されるURLから例えば5分毎に自動的に入手され、DB40に格納される。
危険区域情報DB50は、既存の調査によって予め入手された土砂災害の発生の危険のある区域すなわち「危険区域」を特定する情報、並びに、それぞれの危険区域の「上端部」の位置である「上端部位置」を表す情報及び該上端部の普段水の来ない高さすなわち「土砂災害水位」を特定する情報を記憶している。また、警戒区域判定部20によって、ある「危険区域」が「警戒区域」であると判定された場合には、その旨の情報も記憶する。
水位演算結果DB60は、水位予測部10によって予測された水位(予測水位)を格納する。警戒区域判定部20によって危険区域の上端部の水位の予測が指定された場合は、該上端部の予測水位を格納する。上端部の予測水位は、警戒区域判定部20によって参照される。
水位予測部10は、指定された区域又は地点の時間経過に伴う水位の予測を行う機能を有し、既存の水位予測システムの任意のものを適用することができる。なお、本出願人は、特願2014−001490号として水位予測システムを特許出願したが、この水位予測システムを水位予測部10として用いることもできる。この水位予測システムについては、図3〜図13を参照して、以降で詳細に説明する。
図2−1及び図2−2は、図1に示した土砂災害警告システムの処理動作を示すフロー図であり、該システムは、全ての危険区域の降水予報データ等を含む水位関連公開情報を受け取り(例えば5分毎)、全ての危険区域の上端部位置の予測水位を順次計算し、これを、終了指示が出されるまで繰り返し実行する。より詳細には、図2−1に示すように、処理が開始されると、終了指示が出されたか否かを判定するステップS10からステップS20に移行して、降水予報データの配信を受け取り、水位関連公開情報DB40に格納する。そして、警戒区域判定部20は、ステップS30において、全ての危険区域の土砂災害判定の処理が終了したかどうかを判定し、その後ステップS40において、危険区域1件分の土砂災害判定の処理を行い、ステップS30及びS40を反復実行することによって、全ての危険区域の土砂災害判定の処理が実行される。全ての危険区域の土砂災害判定の処理が終了すると、ステップS10に戻り、終了指示が出されたかどうかを判定し、終了指示が出されていない場合には、ステップS20〜S40を再度実行する。終了指示が出された場合には、処理を終了する。
なお、危険区域DB50に格納されている全ての危険区域の土砂災害の危険性を予測する必要がない場合には、危険区域DB50に格納されている複数の危険区域をモニタ画面上に表示し、該画面上でオペレータが危険区域を選択すること等により、適宜設定しても良い。
図2−2は、ステップS40の危険区域1件分の土砂災害判定を行うための警戒区域判定部20による処理を詳細に示している。図2−2に示すように、警戒区域判定部20は、ステップS41において、危険区域DB50を検索して該区域の「上端部位置」及び「土砂災害水位」を取得し、ステップS42において、取得した「上端部位置」を水位予測部10に提供する。これにより、水位予測部10が水位関連公開情報DB40の情報に基づいて、該上端部位置の水位を予測演算する。当然ながら、水位予測部10は、上端部地点の予測水位を演算するために、その上流の適宜の地点の予測水位等も予測する。演算された予測水位は、それぞれの地点に対応付けられて、水位演算結果DB60に記憶される。
次いで、警戒区域判定部20は、ステップS43において、水位予測部10によって演算された上端部位置の予測水位を受け取り、ステップS44において、該予測水位が該上端部の土砂災害水位(ステップS41において取得)を超えているかどうかを判定する。予測水位が土砂災害水位を超えている場合に、ステップS45において、当該危険区域が警戒区域となる可能性があることを示す情報(警戒区域情報)を警報発生部30に提供する。この情報には、水位予測部10により予測された時間経過に応じた予測水位も含まれ、予測水位が土砂災害水位にどの時点で到達するか等の情報も含まれる。これにより、警報発生部30が、土砂災害の発生が予測される区域及びその推定時刻(土砂災害水位に予測水位が到達すると予測される時刻)等が含まれる土砂災害注意情報を発生することになる。
上記したように、本発明の土砂災害予測システムにおいては、危険区域の上端部の位置及びその位置の土砂災害水位を予め調査して記憶しておき、該上端部位置の予測水位が土砂災害水位を超えた場合に、土砂災害注意情報を発生させるよう構成されている。図2−3は、土砂災害注意情報を地図上に表示した一例の表示画面を示しており、該表示画面は、警報生成部30によって、水位演算結果DB60に記憶された予測水位及び警戒区域判定部20からの警戒区域情報に基づいて生成され、ディスプレイ(不図示)上に表示される。
ところで、予測水位は実測水位と相違している場合があり、また、土砂災害水位も実際に土砂災害が生じる水位と相違している場合があり、したがって、シミュレーションの結果だけを信頼すると、現実と乘離していた場合に危険である。そのため、シミュレーション結果を利用する場合には、水位関連公開情報を参照し、周囲の雨量、水位、カメラの画像等も考慮して、総合的に判断することが重要である。しかしながら、水位関連公開情報は、上記したように提供元が様々であり、提供元毎に画面を開いて参照する必要があるため、非効率で見落としの危険性もある。
そこで、本発明の土砂災害予測システムにおける警戒情報発生部30は、土砂災害注意情報として、上記した土砂災害の発生が予想される区域及びその推定時刻を警告表示するだけでなく、土砂災害の発生が予測されない危険区域であっても、水位関連公開情報DB40に格納された水位関連公開情報である、例えば、雨量、気象警報・注意報(及びその予報文)、ライブカメラへリンクを地図上に表示することができるようにしている。図2−4は、警戒情報発生部30によって生成され表示される、このような水位関連公開情報を表示した地図のスクリーンショットを示している。なお、図2−4の画面において、カメラのマークはライブカメラへのリンクであり、雨量に関しては3つの枠内に対応する区域の実況雨量(10分、1時間、及び累加)が表示される。雨量は実況値だけでなく、降水予報データに基づいて、予報雨量(例えば1時間毎で6時間先まで)を表示することもできる。このように地図上にまとめて表示することにより、仮に、警戒区域判定部20がある「危険区域」を「警戒区域」ではないと判定した場合でも、オペレータ等の総合的な判断により、該当する区域に警報を発生することができる。これは、土砂災害の予測警報だけでなく、洪水に対する予測警報として適用することができる。
図3は、本発明の土砂災害予測システムの水位予測部10として適用可能な水位予測システムであって、特願2014−001490号として本出願人により既に出願した水位予測システムの構成を示す概略図である。図3において、1は演算部であり、2〜8はデータベース(DB)であって、2は標高データを格納する標高DB、3は降雨データを格納する降雨DB、4は現地情報を格納する現地情報DB、5は演算部1により演算された予測水位等の演算結果を格納する演算結果DB、6は斜めから撮影した航空写真又は衛星写真の撮影位置及び姿勢を格納する撮影位置・姿勢DB、7は斜め写真に座標を対応付けて記憶した斜め写真対応付DB、8は植生の種類とRGB画素値との対応関係を記憶したDBである。なお、水位予測部10として図3の水位予測システムを用いた場合、図1に示した水位演算結果DB60は、図3の演算結果DB5に記憶される予測水位のデータを用いればよいので、不要となる。
演算部1は、流出量・方向演算部11、貯水量演算部12、水位演算部13、危険流域推定部14、及び植生登録部15で構成されている。
この水位予測システムにおいては、観測地域をメッシュ状(格子状)に複数の区画に分割し、標高DB2に記憶される標高データは該区画ごとの「標高値」を表し、降雨DB3に記憶される降雨データも区画毎の「降雨量の実測値」及び「降雨量の予報値」を表している。区画は、目的とする領域の広さや要求される水位測定の精度等により変更されるが、通常、5〜5000m平方である。標高データは、地形を表す一般的なデータ形式であり、予め測定又は入手されて標高DB2に記憶されている。一実施形態では、標高データとして、国土地理院等から入手することができるメッシュすなわち各区画の中心点の高さを採用している。降雨DB3に格納される降雨量の実測値及び予報値は、気象庁等の既存の団体から入手することができるデータであり、図1の土砂災害予測システムに具備される水位関連DB40に記憶される降雨情報を用いればよい。
現地情報DB4に記憶される「現地情報」は、予め所定の複数の観測地域の「河川の形状」、「河床の状態」、「土地の状態」(すなわち「植生の状態」)を予め調査することによって得られたデータを含んでいるとともに、現地の「危険水位」のデータを記憶している。「河川の形状」及び「河床の状態」は、これらに関する各種資料又は現地調査によって予め入手されているものであり、「河川の形状」は河川の「下底」、「上底」、「通常水位(季節毎の下底からの水の高さ)」等のデータを含んでいる。なお、「河川の形状」及び「河床の状態」の詳細な属性は、河川水位を予測する従来のシミュレーションシステムにおいて用いられているデータと同様である。また、「植生の状態」は、植生登録部15によって、航空機等による真上からの写真(真上写真)及び斜め方向から写真(斜め写真)に基づいて、植生の種類が決定されて、現地情報DB4に予め記憶されている。
ここで、図4を参照して、植生登録部15によって処理される「植生の状態」データの取得及び現地情報DB4への登録について、詳細に説明する。まず、複数の所定の監視地域を真上から及び斜め方向から撮影して真上写真及び斜め写真を予め得て、これら写真の撮影位置及び斜め写真の撮影姿勢(撮影角度)を、撮影位置・姿勢DB6に記憶する。真上写真は、地形の高低の影響により位置の歪みが生じるため、ステップS1において、位置が正しく配置されるオルソ画像に変換される。なお、オルソ画像への変換は既知の手法により行うことができ、また、撮影時期が近似する既存のオルソ画像が存在する場合には、それを利用すればよいので、真上写真を撮る必要がない。
一方、ステップS2において、標高DB2を参照して、オルソ画像の作成と同様な原理で斜め写真の各画素に対応する現地座標の計算を行い、撮影位置・姿勢DB6に記憶された斜め写真の撮影位置及び姿勢に基づいて、斜め写真上の各ピクセル座標に現地の座標を対応付け、それを斜め写真対応付DB7に格納する。
斜め写真と現地座標の対応付について、図5を参照してより詳細に説明する。地表上の点Pを含んだ領域を所定の姿勢(すなわち、傾き)で撮影した斜め写真の場合、地表上の点Pに対応する斜め写真上の点をP’とすると、撮影中心Oと点P’とから点Pが点Oと点P’とを結んだ線L1上に存在するので、標高DB2を参照して、線L1の水平面上の位置座標の標高をそれぞれ取得し、図3の下段に示すような、線L1の通過位置の縦断面図を生成する。また、撮影中心Oを基準面(標高ゼロ)上に投影した点をCとすると、撮影時の姿勢に基づいて∠POCを得ることができ、これを線L1の鉛直面での傾きとして決定する。次いで、得られた縦断面図と∠POCとを対比して、点Pの位置座標を決定し、このようにして斜め写真の上の位置を地表上の2次元位置座標に対応付けることができる。各斜め写真は、該写真の撮影範囲の複数の位置(輪郭を含む)の2次元位置座標とともに、斜め写真対応付DB7に格納される。なお、斜め写真上の各ピクセル座標に現地の位置座標を対応付ける代わりに、計算のために参照する所定の位置座標のみを記憶してもよい。これにより、データ量を低減させることができる。また、斜め写真の撮影範囲は、土地の起伏等により実際には複雑な形状となるが、調査対象の画像を絞り込むためのものであるから、撮影位置と視野角に基づいて平面的な計算によって2次元の位置座標を決定すればよい。
次いで、ステップS3において、所定の監視地域の植生領域の代表点を作成する。この代表点の作成は、図6に示すように、真上写真から得られたオルソ画像上に、オペレータが判断して決定した植生領域を入力し、かつ、該植生領域に外接する矩形区画を作成し、それを例えば5×5に分割し、得られた各小区分について、植生領域内の1つの点を代表点として設定する。代表点は、小区分内の植生領域の平均座標とするが、平均座標が植生領域外となる場合(植生領域が入り組んでいる場合等)、その位置を植生領域内にずらす。分割された小区分に植生領域が全く存在しない場合には、「代表点なし」とする。
なお、オルソ画像から植生領域を正確に把握することが肝要であるが、例えば、植生領域がメッシュ状の区画のサイズよりも小さい場合、及び、植生領域が区画のサイズよりも大きいが植生領域中に岩盤がまばらに存在して植生に粗密がある場合、植生領域中の植生の割合(%)がどの程度であるかを、オペレータが入力する。
そして、ステップS4において、斜め写真対応付DB7に格納されている現地座標に対応付けられた斜め写真と植生マスタ8とを参照して、植生の種類を決定する。植生マスタ8は、植生の状態と標準的なRGB画素値との対応関係を格納しており、該植生マスタは、過去の様々な場所の季節毎の斜め写真に基づいて、植生とその標準的なRGB画素値との関係を取得することによって得ることができる。植生マスタは、例えば図7示されるように、標準的なRGB値の組み合わせに応じて「針葉樹林」であるか、「広葉樹林」であるか、又は「芝地・牧草地」であるか、等が決定されて、予め登録される。なお、植生マスタ8の記憶データが現状に合致しないと判断した場合等、図4に示すように、最新の斜め写真を用いて、標準的なRGB画素値を決定し、それに基づいて植生マスタ8を更新することができる。
ステップS4では、斜め写真対応付DBを参照して、代表点の座標が映り込んでいる斜め写真を特定し、該斜め写真上の代表点のRGB画素値を測定する。複数の斜め写真が該当する場合には、すべてを以降の処理の対象とする。そして、代表点のRGB画素値と植生マスタ8に記憶されている標準的なRGB画素値とを対比し、最も類似度の高い植生を代表点の植生であると判定する。
RGB画素値の類似度は、以下の計算により求める。
P=|(MR-R)|+|(MG-G)|+|MB-B)|
ただし、P:類似度
MR、MG、MB:植生マスタのRGB値
R、G、B:代表点のRGB値
このようにして、すべての代表点の植生を決定し、最も該当件数の多い植生を、その植生領域の植生として決定する。ただし、類似度の1位と2位との差が例えば20%未満の場合には、オペレータが、斜め写真を見て植生を判断して入力する。
代表点なしの小区分は、「芝地・牧草地」として設定する。
これにより、植生領域の「植生の状態」が植生マスタ登録された「針葉樹」、「広葉樹」、「芝地・牧草地」のいずれであるかが決定され、その後の水位推定処理において利用される。
また、植生領域が区画のサイズよりも大きくて複数の区画に跨がっている場合、ステップS4において、区画毎に植生が占める面積の割合を決定し、決定された植生の種類とともに、当該区画に対応付けて現地情報DB4に記憶する。1つの区画に複数種の植生が存在する場合、種類毎にその割合も記憶する。このような植生の種類及びその割合を区画毎に得ることにより、以降で説明するように、水の流れやすさを示す流出係数及び粗度係数を算出することができる。
流出量・方向演算部11は、各区画から該区画を取り巻く8つの区画への流出量及び方向をシミュレーション演算する。該流出量には、表面(河川及び土壌表面)を流れる流出量と、土壌中を通って流れる流出量とが含まれる。流出量・方向演算部11は、流出方向を決定するために、標高DB2に記憶された標高及び演算結果DB5に記憶された貯水量に基づいて推定貯水高を演算し、「標高+推定貯水高」が最も高い区画を源流区画として特定し、そして、該源流区画を取り巻く8区画の標高+推定貯水高を対比し、8区画の内の最も低い標高+推定貯水高の区画に源流区画から水が流れるものとして、2番目の区画を特定する。最も低い標高+推定貯水高の区画が複数存在する場合、流出水量を等分する。以下同様にして、3番目、4番目・・・の区画を特定することにより、水の流れる方向を決定する。なお、貯水量は、以降で説明するように、貯水量演算部12によって区画毎に演算されて現地情報DB4に格納されており、該区画毎の貯水量を区画の面積で除算することにより、推定貯水高が求められる。
図8は、このような水の流れる方向を示しており、図8において、区画内の数値は該区画の標高+推定貯水高を表しており、該標高+推定貯水高に基づいて決定された各区画から水の流れる方向を矢印で示している。その結果、水の流れる経路を推定することができ、また、水の流れる方向に見た標高+推定貯水高の差に基づき水の流れる勾配を推定することができる。決定された流出方向は、演算結果DB5に区画に対付けて記憶される。
流出量・方向演算部11はさらに、決定された方向に流れる流出量を計算してその結果を演算結果DB5に記憶する。該流出量の計算手法として、例えば、以下に説明するように合理式を用いることができる。なお、流出量の計算としていくつかの方法が知られており、本発明における流出量の計算では、合理式を用いる手法に限らず、現地での実際の観測結果と計算結果とを対比し、既知の計算方法の中から適切なものを選択する。また、以下の計算手法では、流出量の単位はm3/秒であり、一方、本発明においては30秒等の時間での流出量を計算しているため、該時間を乗じる必要がある。
合理式は以下の通りである。
Q=1/3.6・f・r・A
ただし、Q: 流出量(m3/秒)
f: 流出係数
r: 雨量(mm/時)
A: 流域面積(km2)
雨量rは、降雨DB3に格納された気象庁等からの実測データ及び予測データに基づいている。
流出係数fは、土地の特性を考慮した流れやすさを表す係数であり、例えば、
急峻な山地の場合、f=0.75〜0.9
起伏のある土地及び樹林の場合、f=0.5〜0.75
平坦な耕地の場合、f=0.45〜0.6
山地河川の場合、f=0.75〜0.85
である。
なお、一実施例においては、広葉樹林及び針葉樹林それぞれの流出係数を0.60、岩盤の流出係数を0.80、芝地・牧草地の流出係数を0.50に設定し、監視地域毎に、これらの流出係数をシミュレーション結果に基づいて修正する。そして、ある1つの区画において、例えば、広葉樹林20%、針葉樹林5%、岩盤15%、芝地・牧草地60%である場合、当該区画の流出係数fは、上記したそれぞれの流出係数を用いると、以下のように計算される。
f=0.60(広葉樹林)×0.2+0.60(針葉樹林)×0.05
+0.80(岩盤)×0.15+0.50(芝地・牧草地)×0.6
=0.57
また、流速によっては、30秒以内に隣接する区画よりも先の区画に水が流れ出る場合もあるため、流出量Qの決定には流速をも考慮する。例えば、図9に示すように、30秒以内に区画1から流出した水が区画2〜4を通って区画5まで到達することが考えられるが、これら区画2〜5への等価的な流入量(すなわち、30秒間の流入量−流出量)は、以下の手順により求める。
まず、マニングの公式により各区画の流速を計算し、各区画の通過に要する時間を区画サイズ(m)/流速により計算する。
マニングの公式は以下の通りであり、該公式から理解されるように、流速は、それぞれの区画に貯留されている水量、隣接する区画への経路の幅(河川の幅)、植生の状態による流れにくさに基づいて決定される。
v=1/n・R2/3・I1/2
ただし、v: 流速(m/秒)
n: 粗度係数
R: 径深(流積/潤辺)
I: 勾配
「粗度係数」は、水の流れやすさ、すなわち河床の状態及び地表の状態を表しているものであり、本発明の一実施例においては、広葉樹林の粗度係数を0.60、針葉樹林の粗度係数を0.80、岩盤の粗度係数を0.02、芝地・牧草地の粗度係数を0.20と設定し、監視地域毎に、これらの粗度係数をシミュレーション結果に基づいて修正する。そして、例えば、上記に例示したように、広葉樹林20%、針葉樹林5%、岩盤15%、芝地・牧草地60%である区画の場合、該区画の粗度係数nは、上記したそれぞれの粗度係数を用いると、以下のように計算される。
n=0.60(広葉樹林)×0.2+0.80(針葉樹林)×0.05
+0.02(岩盤)×0.15+0.20(芝地・牧草地)×0.6
=0.283
また、「流積」とは、断面積であり、「潤辺」とは、水路断面において水が周囲の壁や底と接する長さである。流速の計算に用いる勾配として、流出開始時点での仮想水面の勾配を用いる。
そして、求められた流速を用いて、流出元である区画1から流出した水が30秒の間にたどり着く流出先の区画をもとめる。図9の例では、区画2〜5である。30秒間に流出した水量は、通過にかかる時間に応じて配分されているものとして算出する。すなわち、
区画1から区画2への流出水量=60m3×8s/30s=16m3
区画1から区画3への流出水量=60m3×5s/30s=10m3
区画1から区画4への流出水量=60m3×10s/30s=20m3
区画1から区画5への流出水量=60m3×7s/30s=14m3
ただし、区画5への流出量は、30秒以内に流れた時間は7秒だけであるため、8秒ではなく7秒を用いて計算する。最後の流出先である区画5への流出量は、区画1からの流出量60m3から、区画2〜4への流出量を減算することによって算出してもよい。
また、登録された河川が通過する区画は「河川区画」として取り扱う。「河川区画」では、流出量の計算に用いる流出係数を、より流れやすさを示す値に変更し、また、流速計算では、河川データとして登録されている断面や粗度係数を使用する。また、河川区画以外の区画すなわち「通常区画」からの水は、河川区画が存在する場合には河川区画に流出するものとし、したがって、水無川は河川区画に流れ込むまでとなって、登録された河川は水無川と重なることはない。
例えば、図10に示すように、河川区画と通常区画とが存在する場合、標高+貯水高に応じて水の流出方向が決定され、河川区画に流出した後は、すべてが河川を流れるものとする。
また、降った雨は土壌中を通って流れ出る場合もあるが、その場合は図11に示されているようなタンクモデルを用いてモデル化する。タンクモデルのパラメータは、図11に示した数値を標準とするが、以下に説明する流出量の計算値と現場での観測値との対比により、標準パラメータを修正して使用する。
各タンクモデルの時点t+Δtにおける貯留高(Si)は、以下の計算式から求める。
S1(t+Δt)=(1-β1Δt)・S1(t)−q1(t)・Δt+R
S2(t+Δt)=(1-β2Δt)・S2(t)−q2(t)・Δt+β1・S1(t)・Δt
S3(t+Δt)=(1-β3Δt)・S3(t)−q3(t)・Δt+β2・S2(t)・Δt
ただし、S1(t)、S2(t)、S3(t):時点tにおけるそれぞれのタンクの貯留高
β1、β2 、β3:各タンクの浸透流出孔の浸透係数
q1(t)、q2(t)、q3(t):時点tにおけるそれぞれのタンクの側面孔からの流出量
また、各タンクモデルの側面孔からの流出量は以下の計算式から求める。
q1(t)=α1{S1(t)−L1}+α2{S1(t)−L2}
q2(t)=α3{S2(t)−L3}
q3(t)=α4{S3(t)−L4}
ただし、α1、α2、α3、α4: 各流出孔の流出係数
L1、L2、L3、L4: 各流出孔の高さ
このようにしてタンクモデルにより得られた流出量、すなわち土壌を通って隣接する区画に流れ出る流出量も、それぞれの区画の河川水位の推定に用いられる。
貯水量演算部12は、各区画に留まっている水量である貯水量を以下の式に基づいてシミュレーション演算し、その結果を演算結果DB5に記憶する。本発明においては、貯水量とは各区画に留まっている水量、流入量とは各区画に他の区画から流れ込む水量、流出量とは各区画からの他の区画に流れ出る水量、損失量とは、各区画において地下への浸透や蒸発等の作用によって流出しない水量である。
貯水量(各区画に留まっている水量)
=前回処理終了時の貯水量+時間当たりの貯水量の増加
時間当たりの貯水量の増加
=時間当たりの降雨量+時間当たりの流入量
−時間当たりの流出量−時間当たりの損失量
単位時間は、例えば30秒である。
降雨量は、降雨DB3に格納された気象庁等からの実測データ及び予測データに基づき、例えば30秒当たりの雨量に換算する。区画から他の区画への流出量は、上記したように、流出量・方向演算部11により30秒の時間毎に演算され、貯水量演算部12は、それにより得られた流出量を利用する。一方、得られた貯水量は、流出量・方向演算部11において、上記したように推定貯水高を計算するために利用されるとともに、流出量の計算においてタンクモデルの貯水高の計算に用いられる。また、以下に説明するように、水位演算部13において用いられる。
貯水量の計算は、上記に限ることなく種々の既知の方法を採用することができる。
図12は、図8に示した標高+推定貯水高の区画において、降水量との関係で各区画の貯水量及び流出量がどの程度となるかを、時点ti、ti+1(=ti+30秒)、ti+2(=ti+1+30秒)毎に示した模式的な説明図である。(図12においては、ti=10:00:00)上段に示した区画には、それぞれの時点までの30秒間に降った降水量(mm/30秒)が示されており、中段に示した区画には、降水量を前回までの貯水量(10−3)(=貯留量)に加算した結果を示しており、下段に示した区画には、各区画における流出量(10−3)を、図8に示した流出方向の矢印と共に示している。ただし、説明の簡略化のため、降水はすべて地下に浸透せずに表面流出するものと仮定している。
水位演算部13は、河川等の観察地点の水位をシミュレーション演算し、その結果を演算結果DB5に記憶する。シミュレーション演算においては、水位演算部13は、標高DB2、降雨DB3、現地情報DB4に予め記憶されている標高データ、降雨データ及び現地情報、並びに流出量・方向演算部11により演算された流出量に基づいて、河川の水位を演算する。現地情報として、河川の横断形状及び河川の状態を用いる。河川の横断形状及び河川状態は、予め現地調査により測定して登録しておく。予め現地調査が不可能な場合や普段は水の流れない沢等の場合は、幅Nmの矩形水路を仮定して計算を行う。
河川形状が登録されている場合、河川は1つの区画では形状が変化しないと仮定し、例えば、1区画のサイズを10mとした場合一定形状が10mの連続している水路を想定し、流出量を当てはめて水位を計算する。例えば、図13に示した形状の場合、水の流積の断面積は台形であって、
下底=5m
上底=5+2H/10+2H/10=5+2H/5
であるから、
流積=H2/5+5H
となる。したがって、10mの水路での水の体積は、
体積=流積×流水距離
=(H2/5+5H)×10
=2H2+50H
得られた水路の体積と貯水量とを一致させる方程式を解くことにより、水位(H)を求めることができる。
河川形状が登録されていない場合には、上記したように幅Nmの矩形水路を想定する。そして、上述の河川形状が登録されている場合と同様に、体積を表す式と流量とを等しいとする方程式を解くことにより、水位を計算することができる。そして、水位の計算値と観測結果とを対比して水路幅の調整を行う。
危険流域推定部14は、水位に基づいて、氾濫が生じる可能性がある地域を特定する。これにより、そのような地域に警報を発することができる。より詳細には、危険流域推定部14は、水位演算部13により演算された監視地域の30秒毎の予測水位が、現地情報DB4に記憶されている当該地域の危険水位に達するかどうかを監視し、予測水位が危険水位に達する場合には、その時刻を地図上の該監視地域の近傍に表示するとともに、その地域を赤色等でハイライト付けして表示する。
図3〜図13に関連して説明した水位予測システムは以上のように構成されているので、普段は水が流れない沢等の水無川であって、集中豪雨等により水が突然流れ出す河川については、図10に関連して説明したように、所定の地域をメッシュ状に分割した区画毎の他の区画への流出量及びその方向を推定することにより、水位を推定することができる。すなわち、区画毎の降水量及び貯水量に基づき、各区画からそれに隣接する区画への流出量を推定することにより、流出方向及びその流出量を推定することができるので、河川が存在していない場合であっても、水が流れる方向及び水量を推定することができ、よって、突発性の水流発生が生じるかどうかを推定することができる。

Claims (8)

  1. コンピュータを用いて土砂災害の可能性を予測する土砂災害予測システムであって、
    土砂災害発生の危険区域の情報を記憶するデータベースであって、危険区域それぞれの上端部であって、標高が最も高くかつ普段は水が流れない場所である上端部の位置及び土砂災害水位を危険区域に対応付けて記憶している危険区域データベースと、
    指定された地点の水位予測する水位予測部と、
    危険区域データベースに格納されている危険区域が土砂災害発生の可能性が高い警戒区域であるかどうかを判定する警戒区域判定部であって、
    危険区域データベースから危険区域の上端部の位置及び土砂災害水位を取得し、
    該上端部の位置を水位予測すべき地点として水位予測部に供給し、
    水位予測部から上端部の位置の予測水位を受け取り、該予測水位を土砂災害水位と対比して、予測水位が土砂災害水位よりも高い場合には、当該危険区域を警戒区域であると判定する
    よう構成されている警戒区域判定部と
    を備えていることを特徴とする土砂災害予測システム。
  2. 請求項1記載の土砂災害予測システムにおいて、該システムはさらに、警戒区域判定部が危険区域を警戒区域であると判定した場合に、土砂災害が生じる可能性があることを示す土砂災害注意情報を発生する警戒情報発生部を備えていることを特徴とする土砂災害予測システム。
  3. 請求項2記載の土砂災害予測システムにおいて、
    該システムはさらに、ネット上で公開された雨量、気象警報及びライブカメラからの画像を含んだ水位関連公開情報を所定のインターバルで取得して水位関連公開情報データベースに記憶し更新する手段を備え、
    水位予測部は、水位関連公開情報データベースに記憶された水位関連公開情報を用いて、指定された地点の水位予測を実行するよう構成され、
    警戒情報発生部はさらに、水位関連公開情報データベースに記憶された最新の水位関連公開情報の内の雨量及び気象情報を、該当する危険区域の地図上に表示するとともに、ライブカメラからの画像へのリンクを該地図上に表示するよう構成されている
    ことを特徴とする土砂災害予測システム。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の土砂災害予測システムにおいて、警戒区域判定部は、危険区域が警戒区域であるかどうかの判定を、危険区域情報データベースに格納された全ての危険区域に対して自動的に実行するよう構成されていることを特徴とする土砂災害予測システム。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の土砂災害予測システムにおいて、水位予測部は、
    監視対象地域を分割することにより得られた複数の区画それぞれの標高を区画に対応付けて記憶している標高データベースと、
    所定のインターバルで、これら区画それぞれの降雨量及び流入量に基づき、推定貯水高を演算する貯水高演算手段と、
    所定のインターバルで、区画毎に標高と推定貯水高との和を仮想水面として演算し、各区画を取り巻く複数の区画の仮想水面の内の最も低い仮想水面を有する区画を、中心の区画から水が流出する方向として、水の流出方向を決定する流出方向決定手段と、
    所定のインターバルで、各区画の貯水量及び降雨量に基づいて、各区画から該区画の流出方向への流出量を演算する流出量演算手段と、
    決定された流出方向及び流出量、並びに水流経路の断面形状に基づいて、該経路の水位を演算する水位演算手段と
    を備えていることを特徴とする土砂災害予測システム。
  6. 請求項5記載の土砂災害予測システムにおいて、
    水位予測部はさらに、河川が含まれていない区画それぞれを真上から撮像した真上写真及び斜め方向から撮像した斜め写真に基づき、河川が含まれていない区画の植生の状態を決定する手段であって、植生が含まれている区画について、真上写真に基づいて植生の座標を決定し、斜め写真のRGB画素値に基づいて植生の種類を決定する植生状態決定手段を備え、
    流出量演算手段は、貯水量及び降雨量に加えて、植生状態決定手段により決定された植生の種類に基づいて、流出方向への流出量を演算するよう構成されている
    ことを特徴とする土砂災害予測システム。
  7. 請求項6記載の土砂災害予測システムにおいて、植生状態決定手段は、植生の種類が針葉樹林、広葉樹林、芝地・牧草地のいずれかであるかを決定し、かつ、これら種類毎の植生及び岩盤が1区画内で占める割合を該区画の植生状態として決定するよう構成されており、植生状態決定手段により決定された植生状態が、流量演算手段の流量の計算に反映されることを特徴とする土砂災害予測システム。
  8. 請求項5〜7いずれかに記載の土砂災害予測システムにおいて、流出量演算手段はさらに、所定のインターバルで、流出方向演算手段により決定された流出方向の流出速度を演算し、各区画の貯水量及び降雨量に加えて、決定された流出速度に基づいて、流出方向の区画の所定のインターバルにおける等価的な流入量を演算するよう構成されていることを特徴とする土砂災害予測システム。
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