JP5654147B1 - 水位予測システム - Google Patents
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Abstract
Description
監視対象地域を分割することにより得られた複数の区画それぞれの標高を区画に対応付けて記憶している標高データベースと、
所定のインターバルで、これら区画それぞれの降雨量及び流入量に基づき、推定貯水高を演算する貯水高演算手段と、
所定のインターバルで、区画毎に標高と推定貯水高との和を仮想水面として演算し、各区画を取り巻く複数の区画の仮想水面の内の最も低い仮想水面を有する区画を、中心の区画から水が流出する方向として、水の流出方向を決定する流出方向決定手段と、
所定のインターバルで、各区画の貯水量及び降雨量に基づいて、各区画から該区画の流出方向への流出量を演算する流出量演算手段と、
決定された流出方向及び流出量、並びに水流経路の断面形状に基づいて、該経路の水位を演算する水位演算手段と
を備えていることを特徴としている。
P=|(MR-R)|+|(MG-G)|+|MB-B)|
ただし、P:類似度
MR、MG、MB:植生マスタのRGB値
R、G、B:代表点のRGB値
このようにして、すべての代表点の植生を決定し、最も該当件数の多い植生を、その植生領域の植生として決定する。ただし、類似度の1位と2位との差が例えば20%未満の場合には、オペレータが、斜め写真を見て植生を判断して入力する。
Q=1/3.6・f・r・A
ただし、Q: 流出量(m3/秒)
f: 流出係数
r: 雨量(mm/時)
A: 流域面積(km2)
雨量rは、降雨DB3に格納された気象庁等からの実測データ及び予測データに基づいている。
急峻な山地の場合、f=0.75〜0.9
起伏のある土地及び樹林の場合、f=0.5〜0.75
平坦な耕地の場合、f=0.45〜0.6
山地河川の場合、f=0.75〜0.85
である。
f=0.60(広葉樹林)×0.2+0.60(針葉樹林)×0.05
+0.80(岩盤)×0.15+0.50(芝地・牧草地)×0.6
=0.57
なお、流速によっては、30秒以内に隣接する区画よりも先の区画に水が流れ出る場合もあるため、流出量Qの決定には流速をも考慮する。例えば、図7に示すように、30秒以内に区画1から流出した水が区画2〜4を通って区画5まで到達することが考えられるが、これら区画2〜5への等価的な流入量(すなわち、30秒間の流入量−流出量)は、以下の手順により求める。
v=1/n・R2/3・I1/2
ただし、v: 流速(m/秒)
n: 粗度係数
R: 径深(流積/潤辺)
I: 勾配
「粗度係数」は、水の流れやすさ、すなわち河床の状態及び地表の状態を表しているものであり、本発明の一実施例においては、広葉樹林の粗度係数を0.60、針葉樹林の粗度係数を0.80、岩盤の粗度係数を0.02、芝地・牧草地の粗度係数を0.20と設定し、監視地域毎に、これらの粗度係数をシミュレーション結果に基づいて修正する。そして、例えば、上記に例示したように、広葉樹林20%、針葉樹林5%、岩盤15%、芝地・牧草地60%である区画の場合、該区画の粗度係数nは、上記したそれぞれの粗度係数を用いると、以下のように計算される。
n=0.60(広葉樹林)×0.2+0.80(針葉樹林)×0.05
+0.02(岩盤)×0.15+0.20(芝地・牧草地)×0.6
=0.283
また、「流積」とは、断面積であり、「潤辺」とは、水路断面において水が周囲の壁や底と接する長さである。流速の計算に用いる勾配として、流出開始時点での仮想水面の勾配を用いる。
区画1から区画2への流出水量=60m3×8s/30s=16m3
区画1から区画3への流出水量=60m3×5s/30s=10m3
区画1から区画4への流出水量=60m3×10s/30s=20m3
区画1から区画5への流出水量=60m3×7s/30s=14m3
ただし、区画5への流出量は、30秒以内に流れた時間は7秒だけであるため、8秒ではなく7秒を用いて計算する。最後の流出先である区画5への流出量は、区画1からの流出量60m3から、区画2〜4への流出量を減算することによって算出してもよい。
S1(t+Δt)=(1-β1Δt)・S1(t)−q1(t)・Δt+R
S2(t+Δt)=(1-β2Δt)・S2(t)−q2(t)・Δt+β1・S1(t)・Δt
S3(t+Δt)=(1-β3Δt)・S3(t)−q3(t)・Δt+β2・S2(t)・Δt
ただし、S1(t)、S2(t)、S3(t):時点tにおけるそれぞれのタンクの貯留高
β1、β2 、β3:各タンクの浸透流出孔の浸透係数
q1(t)、q2(t)、q3(t):時点tにおけるそれぞれのタンクの側面孔からの流出量
また、各タンクモデルの側面孔からの流出量は以下の計算式から求める。
q1(t)=α1{S1(t)−L1}+α2{S1(t)−L2}
q2(t)=α3{S2(t)−L3}
q3(t)=α4{S3(t)−L4}
ただし、α1、α2、α3、α4: 各流出孔の流出係数
L1、L2、L3、L4: 各流出孔の高さ
このようにしてタンクモデルにより得られた流出量、すなわち土壌を通って隣接する区画に流れ出る流出量も、それぞれの区画の河川水位の推定に用いられる。
=前回処理終了時の貯水量+時間当たりの貯水量の増加
時間当たりの貯水量の増加
=時間当たりの降雨量+時間当たりの流入量
−時間当たりの流出量−時間当たりの損失量
単位時間は、例えば30秒である。
下底=5m
上底=5+2H/10+2H/10=5+2H/5
であるから、
流積=H2/5+5H
となる。したがって、10mの水路での水の体積は、
体積=流積×流水距離
=(H2/5+5H)×10
=2H2+50H
得られた水路の体積と貯水量とを一致させる方程式を解くことにより、水位(H)を求めることができる。
Claims (5)
- コンピュータを用いて水位を予測する水位予測システムであって、
監視対象地域を分割することにより得られた複数の区画それぞれの標高を区画に対応付けて記憶している標高データベースと、
所定のインターバルで、これら区画それぞれの降雨量及び流入量に基づき、推定貯水高を演算する貯水高演算手段と、
所定のインターバルで、区画毎に標高と推定貯水高との和を仮想水面として演算し、各区画を取り巻く複数の区画の仮想水面の内の最も低い仮想水面を有する区画を、中心に位置する当該各区画から水が流出する方向として、水の流出方向を決定する流出方向決定手段と、
所定のインターバルで、各区画の貯水量及び降雨量に基づいて、各区画から該区画の流出方向への流出量を演算する流出量演算手段と、
決定された流出方向及び流出量、並びに水流経路の断面形状に基づいて、該経路の水位を演算する水位演算手段と
を備えていることを特徴とする水位予測システム。 - 請求項1記載の水位予測システムにおいて、
該システムはさらに、河川が含まれていない区画それぞれを真上から撮像した真上写真及び斜め方向から撮像した斜め写真に基づき、河川が含まれていない区画の植生の状態を決定する手段であって、植生が含まれている区画について、真上写真に基づいて植生の座標を決定し、斜め写真のRGB画素値に基づいて植生の種類を決定する植生状態決定手段を備え、
流出量演算手段は、貯水量及び降雨量に加えて、植生状態決定手段により決定された植生の種類に基づいて、流出方向への流出量を演算するよう構成されている
ことを特徴とする水位予測システム。 - 請求項2記載の水位予測システムにおいて、植生状態決定手段は、植生の種類が針葉樹林、広葉樹林、芝地・牧草地のいずれかであるかを決定し、かつ、これら種類毎の植生及び岩盤が1区画内で占める割合を該区画の植生状態として決定するよう構成されており、植生状態決定手段により決定された植生状態が、流量演算手段の流量の計算に反映されることを特徴とする水位予測システム。
- 請求項1〜3いずれかに記載の水位予測システムにおいて、流出量演算手段はさらに、所定のインターバルで、流出方向演算手段により決定された流出方向の流出速度を演算し、各区画の貯水量及び降雨量に加えて、決定された流出速度に基づいて、流出方向の区画の所定のインターバルにおける等価的な流入量を演算するよう構成されていることを特徴とする水位予測システム。
- 請求項1〜4いずれかに記載の水位予測システムにおいて、該システムはさらに、水位演算手段によって得られた水位が所定の危険水位に到達するか否かを判定し、危険水位に達する地区及びその時刻を表示する手段を備えていることを特徴とする水位予測システム。
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JPN7014002358; 末次忠司、他: '都市河川流域における水・熱循環の統合解析モデルの開発' 土木研究所資料 第3713号, 200003, P.1-22 * |
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