JP5731207B2 - 低乾熱収縮率のステレオコンプレックスポリ乳酸繊維の製造方法 - Google Patents
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ポリ乳酸組成物を溶融紡糸により未延伸糸を得た後、延伸工程において1段延伸又は2段以上の多段延伸を行うにあたり、1段目の延伸を20〜150℃の液浴中で延伸し、延伸の後、20〜120℃の定長熱処理および、130〜165℃の弛緩熱処理を1分〜120分間施すステレオコンプレックスポリ乳酸繊維の製造方法であり、当該発明により上記課題を解決することができる。更に好ましくは本発明は、
(ア)該ポリ乳酸組成物を紡糸速度100〜2000m/分で溶融紡糸することにより未延伸糸を得る工程、
(イ)該未延伸糸を1段延伸又は2段以上の多段延伸を行うにあたり、1段目の延伸を20〜100℃の液浴中で該未延伸糸のCDRの0.5〜1.5倍となるように行い、かつ全延伸倍率が該未延伸糸のCDRの0.5〜2.0倍となるように延伸する工程、および
(ウ)延伸する工程の後、20〜100℃の定長熱処理後、130〜165℃弛緩熱処理を施す工程
を含むことを特徴とする融点が200〜230℃にあり、150〜190℃に実質的に融点が観測されない、請求項1記載のステレオコンプレックスポリ乳酸繊維の製造方法であり、当該発明により上記課題を解決することができる。
[ただし、CDRとは、25℃の水中で未延伸糸を引っ張ったとき、目視によるネッキング現象が終了する延伸倍率を表す。]
(ポリL−乳酸:A成分)
ポリL−乳酸は、主としてL−乳酸単位からなる。L−乳酸単位はL−乳酸由来の繰り返し単位である。ポリL−乳酸は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%のL−乳酸単位を含有する。他の繰り返し単位としてD−乳酸単位、乳酸以外の共重合単位がある。D−乳酸単位及び乳酸以外の共重合単位は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
ポリD−乳酸は、主としてD−乳酸単位からなる。D−乳酸単位はD−乳酸由来の繰り返し単位である。ポリD―乳酸は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%のD−乳酸単位を含有する。他の繰り返し単位としてL−乳酸単位、乳酸以外の共重合単位がある。L−乳酸単位及び乳酸以外の共重合単位は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
ポリL−乳酸又はポリD−乳酸は、L−乳酸又はD−乳酸を直接脱水縮合する方法で製造したり、L−乳酸又はD−乳酸を一度脱水環化してL−ラクチド又はD−ラクチドとした後に開環重合したりする方法で製造することができる。これらの方法に用いる触媒として、オクチル酸スズ、塩化スズ若しくはスズのジアルコキシド等の2価のスズ化合物、酸化スズ、酸化ジブチルスズ若しくは酸化ジエチルスズ等の4価のスズ化合物、金属スズ、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、又はランタニド化合物等を例示することが出来る。
触媒失活剤として、イミノ基を有し且つ金属重合触媒に配位し得るキレート配位子の群からなる有機リガンド、リンオキソ酸、リンオキソ酸エステル及び下記一般式(2)で表される有機リンオキソ酸化合物群から選択される少なくとも1種が挙げられる。触媒失活剤は、重合終了の時点において触媒中の金属元素1当量あたり、好ましくは0.3〜20当量、より好ましくは0.4〜15当量、さらに好ましくは0.5〜10当量配合する。
X1−P(=O)m(OH)n(OX2)2−n (2)
[上記式中、mは0又は1、nは1又は2、X1及びX2は各々独立に炭素数1〜20の置換基を有していても良い炭化水素基を表す。]
ポリL−乳酸とポリD−乳酸を溶液あるいは溶融状態で混合を行い結晶化させると、ステレオコンプレックスポリ乳酸結晶のみが形成されるが、分子レベルでの十分な混合状態が達成できていないとポリL−乳酸の単独結晶あるいはポリD−乳酸の単独結晶を形成しうる前駆体が残留していることがあり、ステレオコンプレックスポリ乳酸結晶前駆体との溶融粘度差により、溶融紡糸時に繊度斑や吐出不良を起こすことがある。従って、ステレオコンプレックス生成をより安定化させるために、下記一般式(1)の構造式で示される燐酸エステル金属塩(C成分)を添加する方がより好ましい。燐酸エステル金属塩は1種類を用いても複数種類を併用してもよい。
本発明におけるポリ乳酸組成物を構成するポリL−乳酸(A成分)とポリD−乳酸(B成分)との比は、A成分/B成分(質量)で、好ましくは40/60〜60/40、より好ましくは45/55〜55/45、さらに好ましくは50/50である。この範囲を逸脱すると、ステレオコンプレックスポリ乳酸結晶以外にポリL−乳酸単独結晶あるいはポリD−乳酸単独結晶が生成しやすくなり、結果として耐熱性を下げる結果となってしまう。
ポリ乳酸組成物は、エクストルーダー型やプレッシャーメルター型の溶融押出し機で溶融された後、ギアポンプにより計量され、口金に設けられたノズルからモノフィラメント、マルチフィラメント等として吐出される。ポリ乳酸組成物は、ポリL−乳酸とポリD−乳酸及び必要に応じて燐酸エステル金属塩を予め溶融混練して得たペレットを溶融押出機で溶融してもよいし、ポリL−乳酸とポリD−乳酸のペレット及び必要に応じて燐酸エステル金属塩の粉体、溶融物、あるいは燐酸エステル金属塩を樹脂中に含有するマスターチップをドライブレンドの状態でブレンドしたものを溶融押出機に供給して溶融してもよい。但し、溶融温度及び紡糸温度(輸送温度、紡糸口金温度)は220〜260℃、好ましくは225〜255℃の間に制限することが必要である。なぜならば、260℃を超えると、ポリL−乳酸及びポリD−乳酸が加水分解、熱分解を起こして、ラクチド等の低分子量物を発生し、220℃を下回ると、吐出前にステレオコンプレックスポリ乳酸結晶を形成し始め、ノズルや吐出ポリマー中で固化し、紡糸単糸切れになるからである。なお紡糸の際に用いるノズルの形状、ノズル数は特に制限されるものではなく、円形、異形、中実、中空等のいずれも採用することができる。
未延伸糸(UDY)をボビンに一旦巻き取るか、缶等の容器内に収納した後、公知の別延用延伸機に供される。延伸は、1段延伸でも、2段以上の多段延伸でも良いが、本発明の製造方法では、1段目の延伸を20〜150℃の液浴中で、CDRの0.55〜1.5倍といった比較的高倍率の延伸倍率に設定することで、室温あるいは乾熱中での多段延伸と異なり、延伸張力を低下させ、かつ延伸点を一定位置に固定することによって、延伸での単糸切れやスリップ、発熱による延伸斑、繊度斑、強伸度斑を抑制することに特徴がある。
延伸糸(DY)を定長熱処理又は弛緩熱収縮させることにより、延伸後のポリL−乳酸単独結晶前駆体あるいはポリD−乳酸単独結晶前駆体をステレオコンプレックスポリ乳酸結晶へ転移させ、かつ非晶部の結晶化促進あるいは非晶部の歪を除去し熱収縮を下げることができる。定長熱処理は、20〜120℃、好ましくは20〜100℃で行うことが好ましい。定長熱処理温度が120℃以上では、延伸時に生成するポリL−乳酸又はポリD−乳酸単独の結晶からステレオコンプレックスポリ乳酸結晶への転移が進むが、剛性が強い繊維が形成され、捲縮付与しにくく、かつ、弛緩熱処理することで捲縮がヘタリため、ローラーカード機でネップやフライが発生しやすくなる。定長熱処理温度が120℃を超えると、ステレオコンプレックスポリ乳酸結晶の融解が始まり、熱収縮や繊維硬化が始まる。また一方、弛緩熱処理は、130〜165℃、好ましくは140〜160℃で行うことが好ましい。弛緩熱処理温度が130℃未満では、延伸時に生成するポリL−乳酸又はポリD−乳酸単独の結晶からステレオコンプレックスポリ乳酸結晶への転移が進まず、また、180℃乾熱収縮率が高くなる。弛緩熱処理温度が165℃を超えると、延伸で生じたポリL−乳酸単独結晶あるいはポリD−乳酸単独結晶の融解が始まり、熱収縮や繊維硬化が始まる。
ポリマーサンプル0.12gを10mLのテトラクロロエタン/フェノール(容量比1/1)に溶解し、35℃における還元粘度(mL/g)を測定した。
ポリマーの質量平均分子量はGPC(カラム温度40℃、クロロホルム)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。
理化学電気社製ROTA FLEX RU200B型X線回折装置用いて透過法により、以下条件でX線回折図形をイメージングプレートに記録した。得られたX線回折図形において赤道方向の回折強度プロファイルを求め、ここで2θ=12.0°、20.7°、24.0°付近に現れるステレオコンプレックスポリ乳酸結晶に由来する各回折ピークの積分強度の総和ΣISCiと、2θ=16.5°付近に現れるホモポリ乳酸結晶に由来する回折ピークの積分強度IHMから下式に従いステレオ化率(Sc化率)を求めた。尚、ΣISCi並びにIHMは図1に示すように、赤道方向の回折強度プロファイルにおいてバックグランドや非晶による散漫散乱を差し引くことによって見積もった。本願発明においては、延伸後に得られた延伸糸(DY)のSc化率が92%以上の場合を、ステレオコンプレックスポリ乳酸繊維が得られていると評価した。
X線源: Cu−Kα線(コンフォーカル ミラー)
出力: 45kV×70mA
スリット: 1mmΦ〜0.8mmΦ
カメラ長: 120mm
積算時間: 10分
サンプル: 長さ3cm、35mg
Sc化率=ΣISCi/(ΣISCi+IHM)×100
ここで、ΣISCi=ISC1+ISC2+ISC3
ISCi(i=1〜3)はそれぞれ2θ=12.0°、20.7°、24.0°付近の各回折ピークの積分強度を、
IHMは2θ=16.5°付近の回折ピークの積分強度をそれぞれ表す。
TAインストルメンツ製 TA−2920示差走査熱量測定計DSCを用いた。測定は、試料10mgを窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で室温から260℃まで昇温し、結晶融解吸熱ピーク及び結晶化発熱ピークのピーク温度を各々融点及び結晶化点と定義した。
JIS L 1015:2005 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
JIS L 1015:2005 8.7.1法に記載の方法により測定した。
JIS L 1015:2005 8.4.1 C法に記載の方法により測定した。
JIS L 1015 7.12に記載の方法により測定した。
JIS L 1015:2005 8.22 c)法において、試料量を9g、抽出用溶媒をメタノール(25℃)とし、油分抽出を25℃のメタノールで30分静置して行った以外は同様の方法により測定した。
JIS L 1015:2005 8.15 b)法に記載の方法により、180℃で測定した。
25℃の水中に未延伸糸を浸漬し、10cmの間隔で未延伸糸をチャックして両方に引っ張り、ネッキングが終了した点のチャック間隔(Lcm)を測定し、次式にて算出した。
CDR=(L−10)/10
短繊維製造用の別延伸法延伸機にて10分間延伸を行った際、延伸〜定長熱処理までのローラーに巻きつく回数を記録した。単糸捲付が目視で確認された段階で、延伸機を運転したまま、ローラーに巻きついた単糸を真鍮ワイヤーブラシで除去し、再度捲付が確認できるようにした。
燐酸エステル金属塩の含有量はポリ乳酸チップ又はポリ乳酸繊維サンプルをスチール板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平坦面を有する試験成形体を作成した。この試験成形体を使って蛍光X線装置(理学電機工業株式会社製3270E型)を用いてリン元素及び金属元素含有量求めた。また別にポリ乳酸チップ又はポリ乳酸繊維サンプルを、可溶な溶媒に溶解してメタノールにより再沈澱処理操作を行った。得られたポリ乳酸以外の成分から燐酸エステル金属塩成分を抽出した。得られた抽出成分を重水素化トリフルオロ酢酸/重水素化クロロホルム=1/1混合溶媒に溶解後、日本電子(株)製JEOL A−600 超伝導FT−NMRを用いて核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した。そのスペクトルパターンから含有されている燐酸エステル金属塩の化学構造を特定した。これらの結果を総合的に評価して燐酸エステル金属塩含有量を算出した。
実施例・比較例にて得られた短繊維から常法により紡績糸を製造し、その紡績糸からなるタオルを製造する。そのタオルの風合いにより製品の良好、不良を評価した。
光学純度99.8%のL−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)100質量%を重合容器に加え、重合容器内を窒素置換した後、ステアリルアルコール0.2質量%、触媒としてオクチル酸スズ0.05質量%を加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーを製造した。このポリマーを7%5N塩酸のアセトン溶液で洗浄し、触媒を除去し、ポリL−乳酸A1を得た。得られたポリL−乳酸A1の還元粘度は2.92(mL/g)、重量平均分子量は13万であった。融点(Tm)は168℃であった。結晶化点(Tc)は122℃であった。
光学純度99.8%のD−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)100質量%を重合容器に加え、重合容器内を窒素置換した後、ステアリルアルコール0.2質量%、触媒としてオクチル酸スズ0.05質量%を加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーを製造した。このポリマーを7%5N塩酸のアセトン溶液で洗浄し、触媒を除去し、ポリD−乳酸B1を得た。得られたポリD−乳酸B1の還元粘度は2.65(mL/g)、重量平均分子量は13万であった。融点(Tm)は176℃であった。結晶化点(Tc)は139℃であった。
ポリL−乳酸A1及びポリD−乳酸B1のチップを作成し、ポリL−乳酸A1/ポリD−乳酸B1=50/50(質量比)の割合でV型ブレンダーを使用してチップブレンドした後、110℃の減湿空気を循環して5時間乾燥を行った。このチップ100質量%に、燐酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウム塩(平均粒径5μm)0.5質量%を加え、2軸ルーダー溶融紡糸機を用い230℃で溶融し、0.45Φの吐出孔を1008ホールもつ紡糸口金から430g/分で吐出させた。 その後、紡糸口金下55mmの位置で25℃の空気を吹き付けて冷却固化させながら、1000m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。この未延伸糸はSc化率0%で、示差走査熱量計(DSC)で217℃にステレオコンプレックスに由来する単一の結晶融解ピークを有していた。CDRは2.2倍であった。
った。また、広角X線回折測定でのSc化率96%、繊維の強度は2.9cN/dtex、伸度51%であり、180℃熱収縮率は9.3%であった。捲縮数/捲縮率は1.44このときの延伸機ローラーへの単糸捲付は0回/10分であった。結果を表1に示した。この繊維で構成された紡績糸からなるタオルは、加工の際の熱収縮率が小さく寸法安定性に優れるだけではなく、風合いも良いものに仕上がった。
1段延伸倍率、2段延伸倍率を上げた他は、実施例1と同様に実施した。得られた繊維は、示差走査熱量計(DSC)測定において、ポリL−乳酸及びポリD−乳酸からなるステレオコンプレックスポリ乳酸結晶の単一融解ピークを示し、融点が217℃であり、150〜190℃の範囲に融解に基づくピークは観測されなかった。その他の結果を表1に示した。紡績糸を紡ぐ際に、短繊維の捲縮性能が悪く、短繊維同士の絡まりが悪かった。
緊張熱処理温度を125℃とした他は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。
緊張熱処理温度を150℃とした他は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。紡績糸を紡ぐ際に、短繊維の捲縮性能が悪く、短繊維同士の絡まりが悪かった。
緊張熱処理温度を175℃とした他は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。紡績糸を紡ぐ際に、短繊維の捲縮性能が悪く、短繊維同士の絡まりが悪かった。
緊張熱処理温度を175℃、弛緩熱処理温度を45℃とした他は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示した。紡績糸を紡ぐ際に、短繊維の捲縮性能が悪く、短繊維同士の絡まりが悪かった。
C成分(燐酸エステル金属塩)の種類、添加量を変更した他は、実施例1と同様に実施した。実施例3で得られた繊維は、示差走査熱量計(DSC)測定において、ポリL−乳酸及びポリD―乳酸からなるステレオコンプレックスポリ乳酸結晶の単一融解ピークを示し、融点が216℃であり、150〜190℃の範囲に融解に基づくピークは観測されなかった。その他の結果を表1に示した。比較例5で得られた延伸糸は、そのSc化率(DY−Sc化率)が80%と低く、218℃以外に168℃にも融点ピークが認められ、充分にステレオコンプレックスポリ乳酸結晶への転移が進行したステレオコンプレックスポリ乳酸繊維ではなかった。この繊維で構成された紡績糸からなるタオルは、加工の際の熱収縮率が小さく寸法安定性に優れるだけではなく、風合いも良いものに仕上がった。
Claims (4)
- L乳酸を主成分とする質量平均分子量5万〜30万のポリL−乳酸(A成分)、D乳酸を主成分とする質量平均分子量5万〜30万のポリD−乳酸(B成分)及びA成分とB成分との合計100質量部当りに対して、下記式(1)で表される燐酸エステル金属塩(C成分)が0.05〜5.0質量部配合されており、200〜230℃の範囲に単一の溶融ピークを有し、広角X線回折法によるステレオ化率(Sc化率)が90%以上であるポリ乳酸組成物からなるポリ乳酸繊維の製造方法であって、
ポリ乳酸組成物を溶融紡糸により未延伸糸を得た後、延伸工程において1段延伸又は2段以上の多段延伸を行うにあたり、1段目の延伸を20〜150℃の液浴中で延伸し、延伸の後、20〜120℃の定長熱処理、および130〜165℃の弛緩熱処理を1分〜120分間施すステレオコンプレックスポリ乳酸繊維の製造方法。 - 加速機質量分光計(AMS)を用いた測定による放射性炭素(炭素14)を含むポリ乳酸を使用する請求項1記載のステレオコンプレックスポリ乳酸繊維の製造方法。
- さらに押し込み型クリンパーによりステレオコンプレックスポリ乳酸繊維に捲縮を付与することにより、捲縮数/捲縮率が0.5〜3.0である請求項1〜2のいずれかに記載のステレオコンプレックスポリ乳酸繊維の製造方法。
- (ア)該ポリ乳酸組成物を紡糸速度100〜2000m/分で溶融紡糸することにより未延伸糸を得る工程、
(イ)該未延伸糸を1段延伸又は2段以上の多段延伸を行うにあたり、1段目の延伸を20〜100℃の液浴中で該未延伸糸のCDRの0.5〜1.5倍となるように行い、かつ全延伸倍率が該未延伸糸のCDRの0.5〜2.0倍となるように延伸する工程、
(ウ)延伸する工程の後、20〜100℃の定長熱処理後、130〜165℃弛緩熱処理を施す工程、
で表される各工程を含むことを特徴とする融点が200〜230℃にあり、150〜190℃に実質的に融点が観測されない、請求項1記載のステレオコンプレックスポリ乳酸繊維の製造方法。
[ただし、CDRとは、25℃の水中で未延伸糸を引っ張ったとき、目視によるネッキング現象が終了する延伸倍率を表す。]
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