以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の説明においては、画像処理装置として、入力媒体としての原稿上に印刷された画像を読み取ることで画像データを取得し、該画像データに画像処理を施して出力画像として出力することが可能なプリンタを一例として説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の機能構成を説明するブロック図である。プリンタ100は、スキャナ等の画像読取装置を備え、原稿上に印刷された画像を読み取ることで該画像に基づく画像データを取得する画像読取部101と、ユーザによる印刷操作の入力を受けつけるための、例えば、操作パネル等の入力装置を備えた入力部102と、プリンタ100の設定内容や警告メッセージ等を表示する、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を備えた表示部103と、プリンタ全体を統括的に制御する制御部104と、画像データに埋め込まれた付加情報としての地紋に関する情報(以下、地紋データと称する)を検出し、該画像データに埋め込まれている地紋データを抽出する付加情報識別手段としての地紋解析部105と、画像データに地紋データが埋め込まれており、かつ、ユーザにより集約印刷が指定されている場合の集約結果を判定する集約処理判定手段としての地紋集約判定部106と、地紋解析部105において識別された地紋データに、集約印刷の指定を行ったユーザの情報を追加して新たに地紋データを生成する付加情報生成手段としての地紋生成部107と、画像データから地紋データを消去する地紋消去部108と、画像制御手段としての、地紋集約判定部106により判定された集約結果に基づき画像読取部101により取得された画像データの割り付け処理を行う割付処理部109、並びに割付処理部109において処理を行った画像データに地紋生成部107により生成した地紋データを合成する地紋合成処理部110と、画像データを用紙に印刷できる形式に展開する画像展開部110とを備える。
本実施形態においては、画像読取部101で読み取る原稿上には地紋が印刷されているものとする。ここで、地紋とは、デジタル情報を表す基本単位として約0.5mm角の範囲に600dpiの解像度で印刷した微細なドットパターンのことである。このドットパターンの集まりを文面に重ねて印刷することで、75バイトまでの任意のデジタル情報を原稿上に埋め込むことができる。
通常、地紋は原稿全面に重ねて印刷される。この地紋が印刷された原稿をスキャナ等の画像読取装置を用いて読み取り、取得した画像データに一定の処理を施すことで、地紋データとして埋め込まれたデジタル情報を抽出することができる。これを利用し、例えば、印刷者のユーザ名、コンピュータ名、プリンタ名、資料名、印刷日時等の情報を地紋データとして埋め込むことにより、印刷物が漏洩したときに、印刷者を特定することが可能となる。また、原稿上に地紋が印刷されていることにより、例えば、ユーザ名を特定する特定情報が埋め込まれていることをユーザに対して意識させることができるため、印刷物の漏洩抑止効果も併せて期待できる。
次に、本実施形態に係る動作について説明する。
図2は、上記構成を有するプリンタ100を用いて地紋が印刷された原稿(以下、地紋付き原稿と称する。)を集約コピーする際の処理を説明するフローチャートである。図3は、入力部102が備える操作パネルに表示される集約コピー設定画面の構成例を説明する図である。また、図4は、表示部103が備える表示装置に表示される警告メッセージの構成例を説明する図である。
複写を実行する前に、まず、ユーザは入力部102が備える操作パネルを介して集約コピーの設定を行う(ステップS−1001)。
ここで、図3を用い、集約コピー設定について説明する。図3(a)は、ユーザに対して複写の際の集約数を選択させる画面の一例である。図3に示す例においては、詳細設定として、詳細ボタンの押下により、図3(b)に示す詳細設定画面が表示され、画像データの少ないページについては集約数を少なくするか否かの設定が選択が可能なものとする。
すなわち、図3(a)に示す集約コピー設定において、例えば、集約数として4(4−up)が選択されたものの、複写対象のページ内に1ページ分の画像データしか割り付けられていない場合は、そのページのみ集約数を1とし、また、2ページ分の画像データしか割り付けられていない場合は、そのページのみ集約数を2とする集約を自動的に行わせることができる。
本実施形態においては、さらに、通常の原稿に係る集約コピーの場合と地紋付き原稿に係る集約コピーの場合とで、それぞれに上記設定を適用させるか否かを選択可能とする。以下に説明する動作においては、地紋付き原稿については上記設定がONとされた例について説明する。
再び、図2に戻り、集約コピーの設定終了後、ユーザは、複写する原稿をプリンタ100にセットし、図示せぬコピーボタンを押下することで複写処理を実行させる(ステップS−1002)。
コピーボタンが押下され、複写処理の実行命令を受けると、画像読取部102は、原稿を読み取り、画像データを取得する(ステップS−1003)。
次に、地紋解析部105は、ステップS−1003で取得された画像データから地紋データを検出し、該画像データに埋め込まれている地紋データを抽出する(ステップS−1004)。
ステップS−1004において、地紋データが検出されなかった場合、制御部104は画像展開部110を制御して、通常の原稿に係る集約コピー処理を実行する(ステップS−1005 No)。
ステップS−1004において、地紋データが検出された場合、後の処理はステップS−1006に移行する(ステップS−1006)。
ステップS−1006において、表示部103は表示装置を介して図4に示す警告メッセージのように、出力される印刷枚数が、通常の原稿に係る集約コピーで出力される印刷枚数よりも多くなる可能性がある旨をユーザに対して報知する。
そして、ユーザは、表示された警告メッセージを受け、入力部102が備える操作パネルを介して集約コピーを継続するか否かを選択する。ここで、ユーザにより中止が選択されると(ステップS−1007 No)、制御部104は一連の処理を終了する。一方、ユーザにより集約コピーの継続が選択された場合(ステップS−1007 Yes)、地紋集約判定部106は、画像データの割り付け位置を判定する。なお、地紋集約判定部106による処理については後ほど説明する。
次に、地紋消去部108は、地紋解析部105により地紋データとして検出された領域のドットパターンを、ドット周辺の画素値で塗りつぶすことで該当する地紋を消去する(ステップS−1009)。なお、地紋を消去する方法はこれに限定されず、従来から知られている消去方法を用いてもかまわない。
そして、割付処理部109は、ステップS−1008における割り付け位置判定結果をもとに、ステップS−1009において地紋が消去された画像データを割り付けける処理を行う(ステップS−1010)。
ステップS−1011において、地紋生成部107は、ステップS−1004において抽出した地紋データに複写を行ったユーザの情報を追加した地紋データを新たに生成する。
次に、地紋合成処理部110は、割付処理部109において処理を行った画像データに地紋生成部107により生成した地紋データを合成(ステップS−1012)する。そして、画像展開部110は、地紋データが合成された画像データを出力可能なラスタイメージに変換して印刷データとして出力し、集約コピーを行う(ステップS−1013)。
以下に、抽出した地紋データをもとに、画像データの割付位置を判定する処理について説明する。図5は、本実施形態において、集約コピーとして複写する原稿の一例を説明する図である。
図5左図に示すように、4枚の原稿には、それぞれ地紋が印刷されている。ユーザは、この原稿を複写する際に、コスト削減を目的として、例えば、集約数4の集約コピーを指定して複写を行うものとする。本実施形態においては、図5左図にそれぞれ示される原稿に印刷された地紋に、この原稿を印刷したユーザ名、コンピュータ名、プリンタ名、印刷ジョブ名、及び印刷日時等の情報が地紋データとして埋め込まれている(図5右図)。なお、地紋データとして埋め込まれる情報は、ここに挙げられるものに限らず、別の情報を埋め込むことも可能である。
ここで、原稿1から原稿3までは、それぞれ資料1の1〜3ページが印刷されており、3枚の原稿とも同じ内容の地紋データが埋め込まれている。原稿4は、別のドキュメントが印刷されており、原稿1から原稿3までに埋め込まれている地紋データとは異なる内容の地紋データが埋め込まれている。この埋め込まれている地紋データは、図2のステップS−1003で取得された画像データから抽出される。なお、前述したように、本実施形態においては、図2のステップS−1001の処理により、集約数として4、画像データの少ないページは集約数を小さくするという設定がONとされている形態について説明する。
図6は、図2のステップS−1008に係る処理を説明するフローチャートである。
まず、図2のステップS−1001において、割付処理部109は、ユーザにより指定された集約数をm、物理ページ上の割付位置番号をm’(m’=1、2、・・・、m)、画像読取部102により取得された画像データの番号をnとし、m’=n=1の初期値を与える(ステップS−2001)。
そして、割付処理部109は、地紋解析部105により1枚目の画像データから抽出された地紋データを読み取る(ステップS−2002)。
次に、割付処理部109は、m’の位置にn枚目の画像データを割り付けるように割付位置テーブルに保存する(ステップS−2003)。
ここで、図7を用い、割付位置テーブルについて説明する。図7に示す割付位置テーブルは、各物理ページの割付位置に対してどの画像データを割り付けるのかを対応付けて保存する。
そして、割付処理部109は、次の画像データがあるか否かを判断し、次の画像データがない場合には、ステップS−2015の処理を実行し、次の画像データがある場合には、ステップS−2005の処理を実行する(ステップS−2004)。
ステップS−2005において、割付処理部109はnの値を1、インクリメントし、ステップS−2006において、n枚目の画像データから抽出された地紋データを読み取る。
次に、割付処理部109は、物理ページに既にmページ分の画像データを割り付けたか否かを判断するため、m=m’であるか否かを判定する。ここで、m=m’の場合(ステップS−2007 Yes)、割付処理部109の処理は、ステップS−2011に移行する。一方、m=m’ではない場合(ステップS−2007 No)、割付処理部109は、次の割付位置を判定するため、m’=m’+1とする(ステップS−2008)。
ステップS−2009において、割付処理部109は、n枚目の画像データに含まれる地紋データとn−1枚目の画像データに含まれる地紋データとが同一であるか否かを判定する。ここで、n枚目の画像データに含まれる地紋データとn−1枚目の画像データに含まれる地紋データとが同一である場合(ステップS−2009 Yes)、割付処理部109の処理はステップS−2003に戻る。一方、n枚目の画像データに含まれる地紋データとn−1枚目の画像データに含まれる地紋データとが同一ではない場合(ステップS−2009 No)、割付処理部109は、物理ページの残りの割付位置に空白ページを挿入するため、m’、m’+1、・・・、mまで空白ページを割り付けるように割付位置テーブルに保存する(ステップS−2010)。
次に、割付処理部109は、図2のステップS−1001において、画像データの少ないページは集約数を小さくするという設定がONとされているか否かを判断する。ここで、設定がONとされていない場合(ステップS−2011 No)、割付処理部109による処理はステップS−2014に以降する。一方、設定がONとされている場合(ステップS−2011 Yes)、割付処理部109は、そのページにおいて、割付可能な集約数(例えば、集約数1、2、4、6、8、9、16等)のうち、一番小さい集約数が、ユーザにより指定されている集約数よりも小さいか否かを判断する。
ここで、集約数を小さくできない場合(ステップS−2012 No)、割付処理部109による処理は、ステップS−2014に移行する。一方、集約数を小さくできる場合(ステップS−2012 Yes)、割付処理部109は、現在の物理ページの集約数を小さくし、割付位置テーブルに保存する(ステップS−2013)。
ところで、図6(a)に示した割付位置テーブルの一例は、該設定がONである場合における例である。該設定がOFFである場合における例である図6(b)では、2ページ目の割付位置判定が集約数4であるのに対し、図6(a)に示す例では、集約数1として割付処理部109により判定される。
そして、次の物理ページの判定に移るため、割付処理部109は、m’=1とし、その処理をステップS−2003に戻す(ステップS−2014)。
ところで、ステップS−2004において、次の原稿がない場合(ステップS−2004 No)、割付処理部109は、画像データの少ないページは集約数を小さくするという設定がONとされており、且つ、最終ページの集約数を小さくできるか否かを判断し、これが小さくできるならば、割付位置テーブルに保存し、一連の判定処理を終了する(ステップS−2015)。
このようにして、図2のステップS−1008における割付位置判定が終了すると、図2のステップS−1009で割付位置テーブルの情報にしたがって、割付処理部109は画像データの割付処理を行う。ここで、図2のステップS−1008の割付位置判定により、地紋データが同一である原稿のみで1つの物理ページが構成されることとなる。
そして、図2のステップS−1011において、地紋生成部107は、各物理ページに対応する地紋データに、複写を行ったユーザ名、プリンタ名、印刷日時等などの情報(以下、複写情報と称する。)を追加し、新たに地紋データを生成する。なお、本実施形態においては、ユーザは、プリンタ100を使用する際に、ICカード認証等のユーザ認証を行う必要があるものとし、複写情報として追加されるユーザ名には、該認証情報が用いられるものとする。最後に、地紋合成処理部110は、割付処理部109において処理を行った画像データに地紋生成部107により生成した地紋データを合成する。そして、画像展開部110は、地紋データが合成された画像データを出力可能なラスタイメージに変換して印刷データとして出力し、集約コピーを行う。
図8は、図5で示した4枚の原稿を集約数4で複写した場合の出力例を示したものである。出力された用紙の1枚目には、原稿1から原稿3までが集約されており、共通である地紋1のデータに複写情報が追加された新たな地紋3のデータに基づくドットパターンが用紙全面に印刷されている。また、出力された用紙の2枚目には、画像データの少ないページは集約数を小さくする、設定により、原稿4が集約数1で印刷されており、地紋2のデータ複写情報が追加された新たな地紋4のデータに基づくドットパターンが用紙全面に印刷されている。
以上のように、第1の実施形態によれば、同じ地紋データが埋め込まれている原稿をまとめて1枚の用紙に集約することで、用紙に印刷すべき地紋の種類は1種類となり、該地紋を用紙全面に印刷することができる。そのため、印刷された地紋の読み取りを可能にしつつ、縮小印刷等の透かし情報を劣化させるような印刷指定が行われた場合においても印刷を行うことができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、異なる地紋データが埋め込まれた原稿であっても、地紋データに埋め込み可能な情報量を超えていなければ、画像データを同一物理ページに集約し、それぞれの地紋データを包含する1つの地紋を原稿全面に印刷することが可能な形態について説明する。
なお、第2の実施形態の説明においては、第1の実施形態と同一な箇所については、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる箇所について説明する。
第2の実施形態においては、プリンタ100に、管理権限を有するユーザの判断により削除可能な地紋データの情報を指定する管理者設定機能を設ける。図9は、地紋データ設定画面の構成例を説明する図である。地紋データ設定画面は、表示部103が備える表示装置に表示され、パスワード等を用いた認証により、管理権限を有するユーザのみが設定可能なものとする。
図9(a)に示す例においては、ユーザによる任意の選択ボタンの押下により、図9(b)に示す画面が表示され、削除可能な地紋データの情報を選択可能とする。前述したように、第2の実施形態では、異なる地紋データが埋め込まれた原稿であっても、地紋データに埋め込み可能な情報量を超えていなければ、画像データを同一物理ページに集約し、それぞれの地紋データを包含する1つの地紋を原稿全面に印刷する。ここで、埋め込み可能な情報量を上回った場合は、図9(b)に示す設定画面において、選択された地紋データの情報が優先度の高い順に削除され、埋め込み可能な情報量に収めることで集約コピーを可能なものとする。
なお、地紋データの情報を削除しても、埋め込み可能な情報量に収まらない場合は、地紋データの情報の削除を取り消し、次の物理ページに画像データを割り付ける。
図10は、異なる地紋データが埋め込まれた2枚の原稿の集約コピーを説明する図である。ここで、地紋データに埋め込み可能な情報量の上限をMaxとする。図10(a)に示す例においては、2つの地紋データ間に共通データが多いため、両方の地紋データの情報を合計した情報量はMaxを下回るものとする。この場合、2つの画像データは集約可能である。一方、図10(b)に示す例においては、2つの地紋データ間に共通データが少ないため、両方の地紋データの情報を合計した情報量はMaxを上回るものとする。この場合、それぞれの地紋データを包含する地紋データを生成することができず、集約不可能である。このような場合、図9に示した地紋データ設定画面において選択された削除可能な地紋データの情報を優先度の順に削除し、情報量がMaxを下回った時点の集約可能とする。
このような機能を実現する第2の実施形態に係るプリンタの動作は、第1の実施形態に係るプリンタ100の動作を略同一であり、図2のステップS−1008における画像データの割付位置は判定する処理のみが異なる。したがって、以下の説明では、図2のステップS−1008に対応する内部処理について説明する。
図11は、本実施形態において、集約コピーとして複写する原稿の一例を説明する図である。図11左図に示すように、5枚の原稿には、それぞれ地紋が印刷されている。ユーザは、この原稿を複写する際に、コスト削減を目的として、例えば、集約数4の集約コピーを指定して複写を行うものとする。本実施形態においては、図11左図にそれぞれ示される原稿に印刷された地紋に、この原稿を印刷したユーザ名、コンピュータ名、プリンタ名、印刷ジョブ名、及び印刷日時等の情報が地紋データとして埋め込まれている(図11右図)。なお、地紋データとして埋め込まれる情報は、ここに挙げられるものに限らず、別の情報を埋め込むことも可能である。
ここで、原稿2、及び原稿3は資料2の1ページ目、及び2ページ目であり、同じ内容の地紋データが埋め込まれている。他の原稿は別のドキュメントが印刷されており、原稿2、及び原稿3に埋め込まれている地紋データとは異なる内容の地紋データが埋め込まれている。この埋め込まれている地紋データは、図2のステップS−1003で取得された画像データから抽出される。なお、前述したように、本実施形態においては、図2のステップS−1001の処理により、集約数として4、画像データの少ないページは集約数を小さくするという設定がONとされている。また、管理権限を有するユーザにより、図9に示す地紋データ設定が行われており、印刷ジョブ名、印刷コンピュータ名、複写プリンタ名の順に削除可能と設定されている形態について説明する。
図12A、及び図12Bは、図2のステップS−1008に対応する内部処理を説明するフローチャートである。
まず、図2のステップS−1001において、割付処理部109は、ユーザにより指定された集約数をm、物理ページ上の割付位置番号をm’(m’=1、2、・・・、m)、画像読取部102により取得された画像データの番号をn、地紋データに埋め込み可能な最大情報量をMaxとし、m’=n=1の初期値を与える(ステップS−3001)。
そして、割付処理部109は、地紋解析部105により1枚目の画像データから抽出された地紋データを読み取る(ステップS−3002)。
次に、割付処理部109は、m’の位置にn枚目の画像データを割り付けるように割付位置テーブルに保存し、また、現在の物理ページでの地紋データの情報量も併せて保存する(ステップS−3003)。
ここで、図13を用い、割付位置テーブルについて説明する。図13に示す割付位置テーブルは、各物理ページの割付位置に対してどの画像データを割り付けるのかを対応付けて保存する。また、割付位置テーブルは、物理ページ毎に地紋データの情報量も併せて保存する。
そして、割付処理部109は、次の画像データがあるか否かを判断し、次の画像データがない場合には、ステップS−3021の処理を実行し、次の画像データがある場合には、ステップS−3005の処理を実行する(ステップS−3004)。
ステップS−3005において、割付処理部109はnの値を1、インクリメントし、ステップS−3006において、n枚目の画像データから抽出された地紋データを読み取る。
次に、割付処理部109は、物理ページに既にmページ分の画像データを割り付けたか否かを判断するため、m=m’であるか否かを判定する。ここで、m=m’の場合(ステップS−3007 Yes)、割付処理部109の処理は、ステップS−3017に移行する。一方、m=m’ではない場合(ステップS−3007 No)、割付処理部109は、次の割付位置を判定するため、m’=m’+1とする(ステップS−3008)。
そして、割付処理部109は、n枚目の地紋データの情報量と、割付位置テーブルに保存されている現在の物理ページの地紋データの情報量と、複写情報量との合計がMaxを下回っているか否かを判断する。ここで、合計がMaxを下回っている場合(ステップS−3009 Yes)、割付処理部109による処理はステップS−3003に戻る。一方、合計がMaxを上回っている場合(ステップS−3009 No)、割付処理部109は、図9に示した地紋データ設定画面において削除可能な地紋データの情報が選択されているか否かを判断する。
ここで、図9に示した地紋データ設定画面において削除可能な地紋データの情報が選択されていない場合(ステップS−3010 No)、割付処理部109による処理は、ステップS−3016に移行する。一方、図9に示した地紋データ設定画面において削除可能な地紋データの情報が選択されている場合(ステップS−3010 Yes)、割付処理部109は、優先度の高い情報を一時的に削除し(ステップS−3011)、削除後の情報量がMaxを下回るか否かを判断する。
ここで、削除後の情報量がMaxを下回る場合(ステップS−3012 Yes)、割付処理部109は、情報の削除を確定し(ステップS−3013)、処理をステップS−3003に戻す。ここで、これ以降、同じ物理ページに画像データが割り付けられている場合、その地紋データからもここで削除した情報を削除するものとする。
一方、削除後の情報量がMaxを下回らない場合(ステップS−3012 No)、割付処理部109は、まだ削除可能な情報があるか否かを判断する。
削除可能な情報がある場合(ステップS−3014 Yes)、割付処理部109による処理は、ステップS−3011に戻り、割付処理部109は、次に優先度の高い情報を削除して処理を繰り返す。一方、削除可能な情報がない場合(ステップS−3014 No)、割付処理部109は削除が確定していない情報の削除を取り消し(ステップS−3015)、物理ページの残りの割付位置に空白ページを挿入するため、m’、m’+1、・・・、mまで空白ページを割り付けるように割付位置テーブルに保存する(ステップS−3016)。
次に、割付処理部109は、図2のステップS−1001において、画像データの少ないページは集約数を小さくするという設定がONとされているか否かを判断する。ここで、設定がONとされていない場合(ステップS−3017 No)、割付処理部109による処理はステップS−3020に以降する。一方、設定がONとされている場合(ステップS−3017 Yes)、割付処理部109は、そのページにおいて、割付可能な集約数(例えば、集約数1、2、4、6、8、9、16等)のうち、一番小さい集約数が、ユーザにより指定されている集約数よりも小さいか否かを判断する。
ここで、集約数を小さくできない場合(ステップS−3018 No)、割付処理部109による処理は、ステップS−3020に移行する。一方、集約数を小さくできる場合(ステップS−3018 Yes)、割付処理部109は、現在の物理ページの集約数を小さくし、割付位置テーブルに保存する(ステップS−3019)。
そして、次の物理ページの判定に移るため、割付処理部109は、m’=1とし、その処理をステップS−3003に戻す(ステップS−3020)。
ところで、ステップS−3004において、次の原稿がない場合(ステップS−3004 No)、割付処理部109は、画像データの少ないページは集約数を小さくするという設定がONとされており、且つ、最終ページの集約数を小さくできるか否かを判断し、これが小さくできるならば、割付位置テーブルに保存し、一連の判定処理を終了する(ステップS−3021)。
このようにして、図2のステップS−1008に対応する割付位置判定が終了すると、図2のステップS−1009で割付位置テーブルの情報にしたがって、割付処理部109は画像データの割付処理を行う。ここで、図2のステップS−1008に対応する割付位置判定により、各物理ページに対応する地紋データには、ページ内に割り付けられている原稿が有していた全ての地紋データが含まれていることになる。ただし、図2のステップS−1008に対応する割付位置判定処理において、削除された印刷者情報は地紋データに含まれない。
そして、図2のステップS−1011において、地紋生成部107は、各物理ページに対応する地紋データに、複写を行ったユーザ名、プリンタ名、印刷日時等などの情報を追加し、新たに地紋データを生成する。ただし、図2のステップS−1008に対応する割付位置判定処理において、削除された印刷者情報は該地紋データに含まれない。なお、本実施形態においては、ユーザは、プリンタ100を使用する際に、ICカード認証等のユーザ認証を行う必要があるものとし、複写情報として追加されるユーザ名には、該認証情報が用いられるものとする。最後に、地紋合成処理部110は、割付処理部109において処理を行った画像データに地紋生成部107により生成した地紋データを合成する。そして、画像展開部110は、地紋データが合成された画像データを出力可能なラスタイメージに変換して印刷データとして出力し、集約コピーを行う。
図14は、図11で示した5枚の原稿を集約数4で複写した場合の出力例を示したものである。この例では、原稿1から原稿3が有していた地紋データ(地紋1と地紋2)と、複写情報とを全て含む、新たな地紋5から、印刷ジョブ名と印刷コンピュータ名とを削除したときに、情報量がMaxを下回り集約可能となったものとする。ここで、この例では、同一ページにさらに原稿4が割付可能か否かを判断した際に、削除可能な情報全てを削除してもMaxを下回らないと判断されたものとする。そのため、出力された用紙の1枚目には、原稿1から原稿3までが集約されており、原稿4は次の物理ページに割り付けられている。2枚目の用紙には、原稿4、及び原稿5が集約されており、地紋3、及び地紋4のデータに複写情報が追加された新たな地紋6に基づくドットパターンが用紙全面に印刷されている。また、画像データの少ないページは集約数を小さくする、設定により、原稿4、及び原稿5が集約数2で印刷されている。ここで、2つの地紋データの情報量の合計がMaxを下回ったものとし、そのため情報が削除されることなく集約コピーが行われている。
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、削除可能な地紋データの情報を予め設定しておくことで、第1の実施形態に比べ、より少ない枚数で印刷を行うことができる。
本発明の実施形態の説明においては、本発明を複合機に適用した形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ホストコンピュータから付加情報付きの原稿を印刷データとしてプリンタに送信し、これを印刷する画像形成システムに適用することも可能である。また、本発明の実施形態の説明においては、付加情報として地紋を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、2次元バーコードやQRコード(登録商標)等の埋め込み情報や、ウォーターマークといった認識可能な付加情報にも適用することが可能である。