JP5730162B2 - 歯科用硬化性組成物 - Google Patents

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本発明は、歯牙などの修復、とくに歯周組織と接触する部位に有利に用いられる歯科用硬化性組成物に関する。詳しくは、歯髄や歯根膜などの軟組織や歯槽骨などの組織再生が可能な生体組織との接触部位における感染部や欠損部の保護・補修において、歯質の保護および歯周組織と骨組織の保護・再生を目的に、歯質や骨組織に対して接着、かつ、緊密な接合による封鎖によって感染部および欠損部を補いながら、当該組成物から徐放される成長因子タンパク質が生体組織の再生を促すことが可能な歯科用硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、歯質に直接適用できて良好な接着性を有し、接着性の不十分なリン酸亜鉛セメント、カルボキシレートセメントおよびグラスアイオノマーセメント、コンポジットレジンなど併用して適用することも可能であり、また、レジンセメントなどで代表される歯科用レジンや歯質を接着させるための接着材としても使用できる歯科用硬化性組成物に関する。
ムシ歯、破折や摩耗などによって失った歯牙を修復するためには確実に修復物と歯質とに接着する材料が必要となる。不確実な接着は、修復物との間に隙間を生じるために細菌が浸入して繁殖することによって二次カリエスを引き起こす場合がある。また、浸入した細菌が象牙質の象牙細管を経て歯髄に達すると歯髄炎を引き起こす場合がある。さらには、歯周組織に接触ないしは埋め込まれる部位では、接着剤量と接触した生体組織が接着材料に対して拒否反応を示すため、接着剤量を適用することが出来なかった。
歯科修復に当たっては、歯牙の状況や欠損部の位置や大きさ等によって治療方法が異なる。例えば、ウ蝕が歯質深く進行し切削除去すると歯髄が露出してしまう場合は、歯髄が感染していなくても抜髄(神経を除去)して根管内処置を行う必要がある。しかしながら、このような抜髄根管は感染リスクが高まり、破折が発生しやすくなり、その寿命は短い。
破折した根管を修復したり、欠損部を充填修復する場合には、修復物が歯根膜や歯槽骨などの歯周組織に接触することになり、この修復物に生体適合性が欠如している場合には接触部分の治癒が進まない場合がある。さらに、根管先端(根尖という)部から歯周組織にわたる感染が生じた場合、根尖部と周辺組織を除去して封鎖する逆根管充填処置がなされる。しかしながら、根尖部の封鎖が不足したり、充填材料の生体適合性が不足している場合は期待した治癒に至らない場合がある。
これまでに歯質に接着する組成物として、MMA、4−METAおよびトリブチルボランからなる接着材料が、非特許文献1ならびに特許文献1に報告されている。また、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5には、上記の接着材料が歯周組織に対して高い親和性があると報告されている。さらには、非特許文献6には上記接着材料の骨への生体適合性について報告されている。
そこで、上記の接着材料に骨形成成長因子タンパク質BMPを含有させ、骨の成長を促す試みが非特許文献7に報告されている。該組成物は、BMP水溶液を粉材に混合した後乾燥することでポリマー粉末に固定化させることによって配合している。しかしながら、乾燥固定することによって変性したりする成長因子タンパク質に対しては適用できないなどの制約がある。
特公平6−99528号公報
日歯保存誌、28、452−478(1985) 日歯保存誌、40、1453−1460(1997) 日歯保存誌、45、787−796(2002) 日歯保存誌、45、62−67(2002) 日歯保存誌、48、No.5、733−742(2005) 歯科材料・器械、27、455−465(2008) 日歯保存誌、45、434−440(2002)
本発明の目的は、それ故、歯周組織と接触する部位の歯質に接着性を有し、歯周組織に接触ないしは埋め込まれる部位では、接触した生体組織が硬化性組成物に対して拒否反応を示したり、組織細胞が硬化性組成物表面に再生しないなどの生体適合性不足や組織再生の欠如を解決できる歯科用硬化性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、(1)歯質に強固に接着して封鎖することができるタンパク質と(2)タンパク質を変性させにくい親水性材料を共存させた状態で含有させた歯科用硬化性組成物を提供することにある。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
なお、以下の本発明の説明の記載において、好適な数値範囲について、「XX〜YY」とある記載は、特に断らない限り「XX以上、および/または、YY以下、好ましくはXX以上、および、YY以下」の意味である。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、
(A)牛血清アルブミンまたは成長因子タンパク質であるタンパク質、(B)ラジカル重合性単量体、(C)重合開始剤および(E2)1%メチレンブルー水溶液に5分間浸漬・水洗した後青色に染まる親水性を示す固体親水性材料を含有する混合物からなることを特徴とする歯科用硬化性組成物によって達成される。この組成物はさらに、(D)フィラーを含有することもできる。この(D)成分は上記(B)成分からなる組成物を予め硬化させたものであることができる。
本発明において(A)成分タンパク質は、例えば水溶液ないしは水懸濁液として用いられる。成長因子タンパク質として具体的には、
線維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factor:FGF)、血管内皮細胞増殖因子(Vascular endothelial growth factor:VEGF)、血小板由来増殖因子(Platelet−derived growth factor:PDGF)、トランスフォーミング増殖因子(Transforming growth factor:TGF)、骨形成タンパク質(Bone morphogenetic protein:BMP)、インスリン様成長因子(Insulin−like growth factor:IGF)、神経増殖因子(Nerve growth factor:NGF)、表皮増殖因子(Epidermal growth factor:EGF)、肝実質細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor:HGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte−macrophage−colony stimulating factor:GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte−colony stimulating factor:G−CSF)、脳由来神経栄養因子(Brain−derived neurotrophic factor:BDNF)、エリスロポエチン(Erythropoietin:EPO)、トロンボポエチン(Thrombopoietin:TPO)等の生体由来タンパク質や、Osteopontin−derived peptidesであるSer−Val−Val−Tyr−Gly−Leu−Arg(SVVYGLR)等の合成ペプチドを挙げることができる。
実施例3で得られた硬化体の表面の光学顕微鏡写真 比較例1で得られた硬化体の表面の光学顕微鏡写真
本発明の歯科用硬化性組成物を100重量部としたとき、(A)タンパク質の含有量は、好ましくは0.0001〜30重量部、より好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部である。前記数値範囲の下限値を下回ると成長因子の効果が発現する徐放濃度を確保することが困難となり、一方、上限値を上回ると歯科用硬化性組成物の接着性能が著しく低下することとなり、いずれも好ましくない。また、(A)タンパク質対(E)親水性材料の重量比(A/E)は、好ましくは0.0001/60〜30/0.1、より好ましくは0.001/50〜10/1、更に好ましくは0.01/30〜1/5である。前記数値範囲の下限値を下回ると(A)タンパク質の徐放の効率が劣ることとなり、一方、上限値を上回ると(A)成分の安定性が低下することとなり、いずれも好ましくない。なお、本歯科用硬化性組成物から徐放する成長因子タンパク濃度は、好ましくは0.01ng/mL以上、より好ましくは0.5ng/mL以上、更に好ましくは3ng/mL以上である。
(E2)固体親水性材料、親水性、材料表面での水滴の接触角の測定で親水性は評価でき簡便には、1%メチレンブルー水溶液に5分間浸漬・水洗した後、青色に染まるか否かでその親水性を評価する。具体例を挙げれば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPT)の共重合体の場合、上記好適な親水性を有するためには、その共重合重量比HEMA/TMPTは、好ましくは10/90以上、より好ましくは50/50以上、更に好ましくは70/30以上である。ほかの材料についても、これと同様の親水性を有することが好ましい。
(E2)固体親水性材料としては、有機固体親水性材料、無機固体親水性材料、それらやそれら以外の混合物や複合物等があげられる。
有機固体親水性材料は、親水性基を有していることが好ましく、例えば、中性の基としては、水酸基、ポリエーテル基(好ましくは(−R−O−)n、R:炭素数1〜30個の直鎖乃至は分岐を有するアルキル基で必要に応じてヘテロ原子を含んでいても良い、n:4〜60の自然数)エステル基、ケトン基、ニトリル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルフィド基、チオール基、又はジスルフィド基等、酸性基としては、カウンターイオンにて中性化されていることが好ましく、カルボン酸塩、燐酸塩、スルホン酸塩等およびその他、アセトアミド基、スルホンアミド基等を好ましいものとして挙げることができる。
(E2)固体親水性材料としては、有機固体親水性材料、無機固体親水性材料、それらやそれら以外の混合物や複合物等があげられる。
有機固体親水性材料は、親水性基を有していることが好ましく、例えば、中性の基としては、水酸基、ポリエーテル基(好ましくは(−R−O−)n、R:炭素数1〜30個の直鎖乃至は分岐を有するアルキル基で必要に応じてヘテロ原子を含んでいても良い、n:4〜60の自然数)エステル基、ケトン基、ニトリル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルフィド基、チオール基、又はジスルフィド基等、酸性基としては、カウンターイオンにて中性化されていることが好ましく、カルボン酸塩、燐酸塩、スルホン酸塩等およびその他、アセトアミド基、スルホンアミド基等を好ましいものとして挙げることができる。
さらに、有機固体親水性材料は、非水溶性であるかないしはそのように調整可能であることが好ましく、その溶解度は、水100重量%に対して、好ましくは5、より好ましくは1、更に好ましくは0.1以下である。なお、(B)ラジカル重合性単量体に溶解しないことが好ましく、その溶解度は、成分(B)100重量%に対して(成分(B)が2種類以上含まれる場合は、当該組成での混合物に対して)、好ましくは3(より好ましくは0.5、更に好ましくは0.05)以下である。
有機固体親水性材料として、ラジカル重合性単量体の重合体を用いることができる。
このラジカル重合性単量体としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールおよび/またはエチレングリコールから誘導される繰り返し単位を好ましくは4〜60個、より好ましくは10〜50個、さらに好ましくは20〜40個有するポリ(エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、即ち、プロピレングリコールまたはエチレングリコールのそれぞれ単独、あるいは、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが任意の比率と配置(ブロックやランダム)で結合したジオール化合物のジ(メタ)アクリレートおよびトリメチロールプロパントリ(メタ)クリレートを好ましい親水性単量体として挙げることができる。上記ラジカル重合性単量体の重合体は、これらの親水性単量体の少なくとも1種と、場合により、その他のラジカル重合性単量体との共重合体であってもよい。その他のラジカル重合性単量体としては、以下に記載の(B)成分としてのラジカル重合性単量体と同じものであることができる。中でも好ましくは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートよりなる重合体である。又、重合体を形成する単量体として、ヒロドキシエチル(メタ)アクリレート等といった親水性単官能単量体を含む場合には、その重合体の流動性や溶解性を抑制ために分子鎖間が架橋されていることが好ましく、そのために、架橋性を有するトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能単量体を少なくとも含まれていることが好ましい。従って、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートよりなる重合体が好ましい。2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPT)の共重合体における重量比HEMA/TMPTは、好ましくは99/1以下、より好ましくは97/3以下、更に好ましくは93/7以下である。
又、酸性基を有する合成高分子や酸性基を有する多糖類や成長因子タンパク質等のゲル化剤、例えば、ポリアクリル酸塩、アルギン酸塩、キチン、マンナン、キサンタンガム、ペクチン等も有機固体親水性材料の好適な例としてあげられる。
無機固体親水性材料としては、特に限定されるものではないが、具体的には、メソポーラスシリカ、ベントナイト、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、シリカアルミナ、モンモリロナイト等が挙げられる。
更に、(E2)固体親水性材料は、その固体粒子の外表面にて成長因子タンパク質を場合により一緒に用いられる(E1)液体親水性材料とともに吸着または担持することができ、さらにその粒子内部に空洞乃至は分子間隙を有しているものでは、そこにも成長因子タンパク質を場合により(E1)液体親水性材料とともに保持することができ好ましい。
固体親水性材料と組成物が重合硬化した硬化体中のマトリクスとの結合性を高めるために、固体親水性材料を重合する際に多官能単量体を加えておいたり、固体親水性材料を、その表面と反応結合しやすい活性基と重合性官能基を有する化合物にて表面修飾したりすることも好ましい。
(E1)液体親水性材料は、(E2)固体親水性材料と、常温常圧下(25℃、1気圧)において、液体状態(ゾルを含む)にあるか、固体状態(ゲルを含む)であるかによって、区別される。
(E1)液体親水性材料としては、水および/または親水性有機溶媒等が好適な例としてあげられる。これらは、成長因子タンパク質を溶解乃至はそれと混和できることが好ましい。その中でも水がとりわけ好ましい。水についてまず説明する。
成長因子タンパク質を水溶液ないしは水懸濁液にする際に使用できる水としては、例えば蒸留水、イオン交換水、精製水または生理食塩水などが挙げられる。特に蒸留水、精製水およびイオン交換水が好ましく用いられる。また、電気分解によって調製される酸化還元水、例えば強酸性水、強アルカリ水などを使用することもできる。
また、かかる水は親水性有機物、例えば有機溶媒等を含んでも良い。このとき使用できる有機溶媒は、水と1:1以上、好ましくは任意の比率で混和および/または溶解しうる溶媒が好ましい。さらに、該溶媒は25℃で液体であって、常温での沸点が好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下、最も好ましくは100℃以下の液体である。かかる有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール;テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン;N,N−ジメチルスルホキサイド(DMSO)などのスルホキサイド;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミドなどを挙げることができる。その他に、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコールを使用できる。これらのうち、生体への安全性を特に考慮して、エタノール、プロパノールなどのアルコール、アセトン、THFおよびDMSOなどが好ましい。これらの化合物はいずれも組み合わせて使用することができる。
また、(E1)液体親水性材料として、プロピレングリコールおよび/またはエチレングリコールから誘導される繰り返し単位を好ましくは1〜60個、より好ましくは10〜50個、さらに好ましくは20〜40個有するポリ(エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール)、即ち、プロピレングリコールまたはエチレングリコールのそれぞれ単独、あるいは、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが任意の比率と配置(ブロックやランダム)で結合したジオール化合物等のポリエーテルなどのように粘性の高い(好ましくは20℃における粘度が100ポワズ以上、1ポワズ=0.1Pa・s)材料(E1a)も用いることができる。
あるいは、(E1)液体親水性材料として、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールおよび/またはエチレングリコールから誘導される繰り返し単位を4〜60個有するポリ(エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、即ち、プロピレングリコールまたはエチレングリコールのそれぞれ単独、あるいは、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが任意の比率と配置(ブロックやランダム)で結合したジオール化合物より形成されたジ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性単量体の重合体(E1b)も挙げられる。これらの単量体のうち、水と1:1以上、より好ましくは任意の比率で混和および/または溶解しうる親水性単量体が好ましい。それ以外の非親水性単量体は含まれない方がよく、(E1)液体親水性材料を100重量%とした場合、これらの重合体は、好ましくは29重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下で用いるのが望ましい。
(E2)固体親水性材料の平均粒径は好ましくは0.001〜2000μm、より好ましくは0.01〜1000μm、更に好ましくは0.1〜600μmである。前記数値範囲の下限値を下回ると固体系親水性材料同士の凝集性が高くなりマトリックスへの分散性が低下することとなり、一方、上限値を上回ると接着性が著しく低下することとなり、いずれも好ましくない。
(E2)固体親水性材料は、硬化体中で、タンパク質が、場合により一緒に用いられる(E1)液体親水性材料の溶液乃至は懸濁液として流動したり、拡散したりすることを抑制し、更に接着成分や重合開始剤と反応したり、物理的に拘束されたりすることから、物理的に遮断して、タンパク質を安定に保持するものである。
上記の通りの機能を有するので、特に、(E1)液体親水性材料と(E2)固体親水性材料を組み合わせて用いることが好ましい。両者の重量比(E1/E2)は、好ましくは10/1〜1/10、より好ましくは5/1〜1/5、更に好ましくは2.5/1〜1/2.5である。前記数値範囲の下限値を下回ると成長因子タンパク質の安定性が低下する恐れがあり、一方、上限値を上回ると成分(E2)は成分(E1)を保持しきれなくなる恐れがあり、いずれも好ましくない。あるいは、本発明の組成物を100重量部としたとき、(E1)液体親水性材料は、好ましくは0.1〜50、より好ましくは1〜20、更に好ましくは3〜10であり、(E2)固体親水性材料は、好ましくは0.1〜70、より好ましくは1〜50、更に好ましくは5〜30である。(E1)については、前記数値範囲の下限値を下回ると、十分な量のタンパク質を安定に保持する事が困難なる恐れがあり、一方、上限値を上回ると液相が分離し、重合を阻害する恐れがあり、いずれも好ましくない。(E2)については、前記数値範囲の下限値を下回ると、十分な量のタンパク質を安定に保持する事が困難になったり、成分(E1)を保持しきれなくなる恐れがあり、一方、上限値を上回ると組成物の接着性を阻害する恐れがあり、いずれも好ましくない。
また、(E2)固体親水性材料としては前記の親水性材料とそれ以外の材料よりなる、混合物や複合物等であってもよい。
例えば、有機固体親水性材料又は無機固体親水性材料を必須成分とする条件にて有機固体親水性材料、無機固体親水性材料、有機固体非親水性材料、無機固体非親水性材料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの素材が混合された一体となった形態であっても良い。その場合、例えば、固体親水性材料のマトリクス中に非親水性粒子が分散していても良いし、その逆であっても良い。
あるいは、有機固体親水性材料、無機固体親水性材料、有機固体非親水性材料、無機固体非親水性材料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの素材の表面に、有機固体親水性材料及び/又は無機固体親水性材料が積層、塗布あるいは担持された形態の材料等であってもよい。その場合、固体非親水性材料表面に固体親水性材料が積層、塗布あるいは担持されていても良い。
また、液体親水性材料中に、PH調整剤、ラジカルスカベンジャー等の成長因子タンパク質を安定化させる調整剤が含まれていても良い。
本発明の歯科用硬化性組成物を100重量部としたとき、固体親水性材料またはそれと場合により一緒に用いられる液体親水性材料との合計は好ましくは0.1〜60重量部、より好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは5〜30重量部である。前記数値範囲の下限値を下回るとタンパクの薬理効果の発現できる量を担持することが難しくとなり、一方、上限値を上回ると接着性が著しい低下することとなり、いずれも好ましくない。
さらに、本発明の歯科用硬化性組成物を100重量部としたとき、親水性材料の重量部をe、場合により用いられる(D)フィラーの重量部をdすると、以下の式においてeは、好ましくは70、より好ましくは50、さらに好ましくは30である。dは、好ましくは70、より好ましくは50、さらに好ましくは30である。
e/e+d/d≦1
とdはそれぞれ、上記の式記載の成分中、親水性材料、(D)フィラーをそれぞれ単独で用いた場合での好適な重量部上限値に相当する。
これは、親水性材料は、フィラーと同様に、非接着性粒子として存在するがために接着剤の接着性能を阻害する臨界値となる重量部の上限値があり、それらは互いに相補的な関係があるので、上記式のような数式関係の制約範囲にて含有させることが好ましい。
なお、(E2)固体親水性材料は粒子状にしておき、好ましくはさらにタンパク質や(E1)液体親水性材料が含浸乃至は担持された状態にしておくと、(B)ラジカル重合性単量体と手間がかからずに混和しやすく便利であるが、保存中に互いに粘着して凝集する恐れがある場合があり得るので、それを防止するために、粒子状面に非粘着性の微粉末や膜を配するのがよい。特に膜の場合には、タンパク質が透過できる程度の透過性を有するか、単量体と混和時に溶解するなど、タンパク質の徐放の妨げとならないように設計することが好ましい。
本発明の歯科用硬化性組成物において、(B)ラジカル重合性単量体は分子内に少なくとも1種のラジカル重合性基を有している化合物であり例えば、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基およびアリル基などを有する化合物を挙げることができる。
(B)成分のラジカル重合性単量体としては、例えばアクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、1,6−ヘキサメチレンジメタクリレート(1,6−HX)ネオペンチルグルコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の脂肪族エステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2または3−プロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキプロピル(メタ)アクリレート、1モルのビスフェノールAと2モルのグリシジル(メタ)アクリレートの付加物などの水酸基含有(メタ)アクリレート;メチロール(メタ)アクリルアミドなどの水酸基含有の(メタ)アクリルアミド;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート;上記のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのどちらか一方の(メタ)アクリロイル基がメチル基およびエチル基などで置換されたモノ(メタ)アクリレート;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートまたは2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートまたは1,3,5−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物などのウレタン結合を有する(メタ)アクリレート;ビスフェノールAにオキシエチレンを付加させた生成物にさらに(メタ)アクリル酸縮合させた2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン類などを挙げることができる。これらの重合性単量体は単独で、もしくは組み合わせて使用できる。本発明の(B)成分のうち、特に好ましいラジカル重合性単量体は、水への溶解度が5%未満であるラジカル重合性単量体である。
かかる(B)成分としてその他、例えばスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物:酢酸ビニルなどのビニルエステル;(メタ)アクリル酸フェニルなどの芳香族エステル;下記式(1)
ここで、RはHまたはCHでありそしてRはフェニル基またはナフチル基である。
で表される化合物、例えば2−ヒドロキシ−3−フェノキプロピル(メタ)アクリレート(HPPM)、1モルのビスフェノールAと2モルのグリシジルメタクリレートの付加物(Bis−GMA)、1モルのビスフェノールAグリシジルエーテルの付加重合物と2モルの(メタ)アクリル酸の縮合物(VR90)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物1モルと2モルの(メタ)アクリル酸の縮合物(エチレンオキシドの付加連鎖数m+n≧2;m+n=2.6は2.6Eと略記)などの芳香族(メタ)アクリレート;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1モルの2,2,4−(または2,4,4−)トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートと2モルの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物(UDMA)で代表されるウレタン結合含有(メタ)アクリレート(連鎖数n=12以下)などの重合性単量体を挙げることができる。
(B)成分としては、さらに、1分子内に酸性基または酸性塩基を有するラジカル重合性単量体を用いることもできる。酸性基としては、例えばカルボン酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、チオリン酸基およびスルホン酸基等を挙げることができる。
例えば1分子中にカルボン酸基またはその無水物基を有する単官能重合性単量体としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸およびポリカルボン酸またはその無水物を挙げることができる。ここで、使用できる化合物としては、特公平6−62688号公報に記載されているカルボン酸または/およびその無水物(a2)を挙げることができる。特に、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、p−ビニル安息香酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−10)、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸およびその無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2または3または4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、N,O−ジ(メタ)アクリロイルオキシチロシン、O−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイルp−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−O−アミノ安息香酸、N−フェニルグリシンまたはN−トリルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加物、4−[(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3または4−[N−メチルN−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、(メタ)アクリロイルアミノサリチル酸、(メタ)アクリロイルオキシサリチル酸を挙げることができる。このうち、11−メタクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−10)および4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸(4−MET)またはその無水物(4−META)が好ましく用いられる。(A)成分として使用できる多官能重合性単量体で、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する重合性単量体としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸またはこれらの誘導体を挙げることができる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸二無水物の付加生成物(PMDM)、2モルの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと1モルの無水マレイン酸または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などを反応させた付加反応物、2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパンなどを挙げることができる。
1分子中に少なくとも1個のリン酸基を有する重合性単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェート、2および3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルアシドホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルアシドホスフェート、ビス{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシドホスフェート、ビス{2または3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル}アシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルp−メトキシフェニルアシドホスフェートなどを挙げることができる。これらの化合物におけるリン酸基は、チオリン酸基に置き換えることができる。チオリン酸基を有する重合性単量体としては、特開昭54−21438号、特開昭59−140276号および特開昭59−142268号に記載されているものを使用することができる。具体的には下記の化合物を挙げることができ、[ ]で示した互変異性体であってもよい。
このうち、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェートが好ましく用いられる。これらのリン酸基を有する重合性単量体は単独または組み合わせて使用できる。
1分子中にスルホン酸基を有する重合性単量体としては、例えば2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2または1−スルホ−1または2−プロピル(メタ)アクリレート、1または3−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。このうち、2−メチル−2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸が好ましく用いられる。
上記酸性基を有する単量体は酸性基の一部または全部が1価または多価の金属塩やアンモニウム塩などの塩に変換された単量体として使用することもできる。本発明において、上記の如き(B)成分は単独であるいは2種以上組合せて使用することもできる。
なお、上記(B)成分を100重量%とした場合の親水性単量体(HEMA等)の含有量は、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下である。前記数値範囲の上限値を上回ると接着性が著しく低下することとなり、好ましくない。本発明の歯科用硬化性組成物を100重量部としたとき、(B)ラジカル重合性単量体は、好ましくは10〜95重隆部、より好ましくは30〜80重量部、さらに好ましくは40〜65重量部である。前記数値範囲の下限値を下回ると歯質への十分な浸透・拡散ができなくなり接着性の著しい低下をきたすこととなり、一方、上限値を上回ると(A)成分の十分な薬理効果が発現しないこととなり、いずれも好ましくない。
本発明における(C)重合開始剤としては、例えば有機過酸化物、無機過酸化物、有機ホウ素化合物、光増感剤、および、有機還元剤、無機還元剤を挙げることができる。
具体的には、例えばジアセチルペルオキシド、ジプロピルペルオキシド、ジブチルペルオキシド、ジカプリルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、p,p'−ジクロルベンゾイルペルオキシド、p,p'−ジメトキシベンゾイルペルオキシド、p,p'−ジメチルベンゾイルペルオキシド、p,p'−ジニトロジベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物を例示することができる。これらのうちでは、BPOが好ましい。さらに、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、塩素酸カリウム、臭素酸カリウムおよび過リン酸カリウムなどの無機過酸化物を挙げることができる。
紫外光線もしくは可視光線を照射することによって重合させることもできる光増感剤としては、特に制限はないが、例えば(c11)α−ケトカルボニル化合物、(c12)アシルホスフィンオキシド化合物などを挙げることができる。
本発明の(c11)成分であるα−ケトカルボニル化合物としては、たとえば、α−ジケトン、α−ケトアルデヒド、α−ケトカルボン酸、α−ケトカルボン酸エステルなどを例示することができる。さらに具体的には、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、2.3−ヘキサジオン、ベンジル、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−ジエトキシべンジル、4,4’−オキシベンジル、4,4’−ジクロルベンジル、4−ニトロベンジル、α−ナフチル、β−ナフチル、カンファーキノン、カンファーキノンスルホン酸、カンファーキノンカルボン酸、1,2−シクロへキサンジオンなどのα−ジケトン;メチルグリオキザール、フェニルグリオキザールなどのα−ケトアルデヒド:ピルビン酸、ベンゾイルギ酸、フェニルピルビン酸、ピルビン酸メチル、べンゾイルギ酸エチル、フェニルピルビン酸メチル、フエニルピルビン酸ブチルなどを例示することができる。これらのα−ケトカルボニル化合物のうちでは安定性などの面からα−ジケトンを使用することが好ましい。α−ジケトンのうちではジアセチル、ベンジル、カンフアーキノン(CQ)が好ましい。
本発明の(c12)成分であるアシルホスフィンオキシド化合物として、たとえば、ベンゾイルジメトキシホスフィンオキシド、ベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどを挙げることができる。(B11)と(B12)成分は、単独でまたは組み合わせて使用できる。
有機過酸化物もしくは光重合開始剤を使用する場合、還元性化合物を併用することができる。ここで、有機還元性化合物として、例えばN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルp−トルイジン(DMPT)、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジエタノール−p−トルイジン(DEPT)、N,N−ジメチル−p−tert−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジメチル−p−クロルアニリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、N,N−ジエチルアミノ安息香酸(DEABA)およびそのアルキルエステル、N,N−ジメチルアミノベンツアルデヒド(DMABAd)などの芳香族アミン類;N−フェニルグリシン(NPG)、N−トリルグリシン(NTG)、N,N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニルグリシン(NPG−GMA)などのアミン類を併用することができる。これらの中では、DMPT、DEPT、DEABA、DMABAd、NPG、NTGが好ましく使用できる。
また、ベンゼンスルフィン酸、o−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチルベンゼンスルフィン酸、デシルベンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンスルフィン酸、クロルベンゼンスルフィン酸、ナフタリンスルフィン酸などの芳香族スルフィン酸またはその塩類を併用することもできる。更に、バルビツール酸誘導体を併用することができる。
還元性化合物のうち、無機化合物では、硫黄を含有する還元性無機化合物が好ましく使用できる。かかる化合物としては、水または水系溶媒などの媒体中でラジカル重合性単量体を重合させる際に使用できるレドックス重合開始剤としての使用される還元性無機化合物が好ましく、例えば亜硫酸、重亜硫酸、メタ亜硫酸、メタ重亜硫酸、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、1亜2チオン酸、1,2チオン酸、次亜硫酸、ヒドロ亜硫酸およびこれらの塩が挙げられる。このうち亜硫酸塩が好ましく用いられ、特に亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウムが好ましい。これらの還元性無機化合物は単独で、もしくは組み合わせて使用できる。
有機ホウ素化合物としては、一般に、有機ホウ素化合物、または、これを含有してなる組成物を挙げることが出来る。有機ホウ素化合物として、例えば、トリエチルホウ素、トリプロピルホウ素、トリイソプロピルホウ素、トリブチルホウ素、トリ−sec−ブチルホウ素、トリイソブチルホウ素、トリペンチルホウ素、トリヘキシルホウ素、トリオクチルホウ素、トリデシルホウ素、トリドデシルホウ素、トリシクロペンチルホウ素、トリシクロヘキシルホウ素などのトリアルキルボラン類;ブトキシジブチルホウ素などのアルコキシアルキルホウ素類;ブチルジシクロヘキシルボラン、ジイソアミルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンなどのジアルキルボランなどを挙げることができる。これらの化合物は部分的に酸化されていてもよい。さらに、これらの化合物は組み合わせて使用することができる。これらの中ではトリブチルホウ素、あるいは部分酸化したトリブチルホウ素が好ましく用いられる。部分酸化したトリブチルホウ素としては、例えば、トリブチルホウ素1モルに対して酸素を0.3〜0.9モル付加させたものが好ましく用いられる。
また、有機ホウ素化合物の他に、非プロトン性溶媒および/または有機ホウ素化合物に不活性な液状もしくは固体状の有機オリゴマーまたはポリマーを含有する組成物を成分(C)に混合して使用することができる。
本発明の歯科用硬化性組成物を100重量部としたとき、(C)重合開始剤の割合は、好ましくは0.001〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.3〜5重量部である。前記数値範囲の下限値を下回ると硬化時間が極端に短くなるため操作性の著しい低下をきたすこととなり、一方、上限値を上回ると硬化不良となり、いずれも好ましくない。又は、(B)ラジカル重合性単量体と(C)重合開始剤の重量比(B/C)は好ましくは100/0.001〜100/20、より好ましくは100/0.01〜100/10、更に好ましくは100/0.1〜100/8である。前記数値範囲の下限値を下回ると硬化時間が極端に短くなるため操作性の著しい低下をきたすこととなり、一方、上限値を上回ると上限値を上回ると硬化不良となり、いずれも好ましくない。
本発明における(D)成分はフィラーである。かかるフィラーは、例えば有機質フィラー、無機質フィラーおよび有機質複合フィラーから選択される少なくとも1種のフィラーである。ここで使用するフィラーは、主に(A)、(B)および(C)成分からなる組成物の硬化時間や重合度の向上、あるいは粘度調整、あるいは硬化体の機械的強度を向上させることを目的として添加するものである。有機質フィラーとしては、例えば(B)成分として使用する重合性単量体の重合体を粉砕もしくは分散重合することによって得られた粉末重合体のフィラーや(B)成分として使用する重合性単量体に架橋剤を含ませて重合させた後粉砕して得られたフィラーを挙げることができる。ここで、使用できるフィラーの原料となる重合性単量体の種類には特に限定はないが、(B)成分で例示した重合性単量体の単独重合体もしくは共重合体からなるフィラー、もしくは、これに無機質フィラーを配合させた有機質と無機質の複合したフィラー(以下、有機質複合フィラーと略記する)を挙げることができる。例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコール(PPG)、ポリビニルアルコール(PVA)などを挙げることができ、これらは架橋剤によって不溶化させることもできる。
無機質フィラーとしては、例えばシリカ、シリカアルミナ、アルミナ、アルミナ石英、ガラス(バリウムガラスを含む)、チタニア、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、リン酸カルシウムなどを挙げることができる。これらの無機フィラーはあらかじめシランカップリング剤やチタネートカップリング剤で表面処理されていてもよい。
有機質複合フィラーとしては、前述した無機質フィラー表面を重合性単量体で重合して被覆した後、粉砕して得られるフィラーを挙げることができる。具体的には、無機質フィラーのうち、微粉末シリカをトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPT)を主成分とする重合性単量体で重合被覆し、得られた重合体を粉砕したフィラー(TMPT・f)を挙げることができる。また、前記ポリマー等を重合する際にシリカや酸化ジルコニウムなどの無機フィラーを加えて分散し、重合した後に粉砕することによって得られるフィラーを挙げることができる。
本発明の歯科用硬化性組成物を100重量部としたとき、(D)フィラーは、好ましくは0.1〜70重量部、より好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは1〜20重量部にて含まれる。前記数値範囲の下限値を下回ると粘度調整が困難となり、一方、上限値を上回ると粘度上昇が著しくなり操作性に問題を来すこととなり、いずれも好ましくない。さらに好ましくは、前述の(E2)固体親水性材料の説明にて述べた通り、(E2)固体親水性材料の重量部との関係にて定まる。
本発明の歯科用硬化性組成物は硬化物が歯質を保護するに必要な硬度を有している他に、水分が多く存在する歯質表面に対して、濡れ性、歯質反応性、歯質拡散性および歯質浸透性等の接着するための必要な条件を同時に持ち合わせ、生体硬組織、特に歯質に隙間なく強固に接着することができる。本発明の硬化性組成物を歯質に適用するにあたっては、安全性を考慮して湿潤状態もしくは軽くエアブローによる乾燥後にそのまま接触させることが好ましい。しかし、歯質表面の洗浄や衛生を保つために、金属塩を含んでいてもよいリン酸、硝酸、塩酸、硫酸、クエン酸、マレイン酸、エチレンジアミン四酢酸などを含む溶液またはゲル等のエッチング材ないしはコンディショナーによって塗布し、水洗するような前処理を施すことができる。また、次亜塩素酸塩または/およびそれを含む組成物で処理することができる。該前処理材を適用して水洗した歯質は、湿潤状態および/または乾燥して、本発明の歯科用硬化性組成物を適用することができる。
以下実施例により本発明の歯科用組成物を具体的に説明するが、本発明はその実施例によって何ら限定されるものではない。
マウス頭蓋冠由来骨芽細胞様細胞であるMC3T3−E1細胞を、10% FBS含有α−MEM培地を用いて96穴プレートに2×10 cells/wellの濃度で播種し、37℃,5% CO下にて12時間培養後、以下の実験を行った。
実施例1
FGF−2添加濃度の決定:市販の二種のrhFGF−2(Invitrogen;Calbiochem)またはトラフェルミン(フィブラストスプレー,科研製薬)を5,10,25,50,100ng/mLで添加した培地に交換して24時間培養後、細胞の増殖をMTT assayにて評価した。また、100μg/mL ascorbic acidと5mM β−glycerol phosphateを添加した分化誘導培地に5ng/mLの各FGF−2を加えて3日間培養し、その後FGF−2非添加で7または14日間まで培養を行い、Alkaline Phosphatase(ALP)活性の測定を行った。これらより、以後の実験におけるFGF−2の添加濃度を確定した。
その結果、3種のいずれのFGF−2でも、5〜100ng/mLのすべての濃度において、FGF−2非添加の場合と比べて細胞増殖が有意に促進された(ANOVA,Fisher’s PLSD test,p<0.05)が、FGF−2の濃度による効果の差はみられなかった。一方、ALP活性については、5ng/mL FGF−2添加群では、培養7日目まで非添加群と比べて有意な低下が認められた。これらの結果より、本培養系におけるFGF−2添加濃度を5ng/mLに確定した。
実施例2
レジンモノマー存在下でのFGF−2の作用の検討:5〜100μg/mLの4−METあるいは5〜50μg/mLのMMAを溶解させた培地に、実験1)で決定された濃度のFGF−2を加えて24時間培養し、細胞の増殖をMTT assayにて評価した。また、FGF−2と各モノマーを添加した分化誘導培地に交換して3日間培養し、その後、FGF−2,モノマーとも非添加の条件で7または14日間まで培養を行い、ALP活性を測定した。
その結果、4−MET、MMAとも、すべての被験濃度において、モノマー非存在下の場合と同様に、FGF−2添加群で細胞増殖の有意な促進(ANOVA,Fisher’s PLSD test,p<0.05)が認められた。また、ALP活性についても、いずれの濃度の4−MET、MMA存在下でも、培養7日目まではFGF−2添加による低下が確認された。
実施例1および2の結果によって、4−METまたはMMAの存在下でも、FGF−2の培地への添加はMC3T3−E1細胞の増殖を促進し、7日目まで持続的にALP活性を抑制した。これらの結果は、4−META/MMA系接着性レジンから未重合モノマーが溶出する環境においても、FGF−2がその機能を発現できる可能性を示しており、FGF−2徐放能を備えた接着性レジンが実現可能であることを示唆した。
実施例3
次に本発明の組成物について実施例で具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
ンパク質を変性させにくい水と共存させた状態で含有させたタンパク質保持担体の製造法は以下のとおりである。
(E2)固体親水性材料の調製
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業(株)製 以下、HEMA)90重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(新中村化学(株)製 以下、TMPT)を10重量部、過酸化ベンゾイル(東京化成工業(株)製 以下、BPO)0.5重量部を攪拌した。これを120℃に設定した真空定温乾燥機にて常圧下で2時間乾燥後、さらに減圧下(≦0.1MPa)にて16時間乾燥させ、重合物を作製した。その重合物を遊星ボールミルにて微粉砕し、篩目100メッシュ(150μm)をパスした粉材を採取することで、(E2)固体親水性材料(HEMA/TMPT=90/10重量部)を得た。
(E2)固体親水性材料の親水性の確認
上記(E2)固体親水性材料(HEMA/TMPT=90/10重量部)と同様の調製方法で、100重量部(HEMA)、70重量部/30重量部(HEMA/TMPT)、50重量部/50重量部(HEMA/TMPT)、30重量部/70重量部(HEMA/TMPT)、10重量部/90重量部(HEMA/TMPT)、100重量部(TMPT)となる固体親水性材料をそれぞれ調製した。これら固体親水性材料の親水性の程度を、水溶性染料であるメチレンブルーを用いて、染まり度合を比較した。具体的には、1%メチレンブルー水溶液に各種成長因子タンパク質保持担体を5分間浸漬・水洗した後、担体の染色(青色)度合を目視により6段階(0:全く染まらない〜5:激しく青色に染まる)で評価した。
以下で示した(E2)固体親水性材料はHEMA/TMPT=90/10重量部のものを用いた。
(A)タンパク質水溶液の調製
精製水50gにアルブミン ウシ血清由来コーンフラクション pH7.0(和光純薬工業(株)製、以下、BSA)0.1gを投入後、MIXローター(MR−5、AZONE製)にて数時間攪拌させることでタンパク質水溶液を得た。
(A)タンパク質水溶液の(E2)固体親水性材料への保持方法
上記(A)タンパク質水溶液50gに、(E2)成分3gを投入後、一晩攪拌させた。攪拌後、吸引ろ過(桐山ロート用ろ紙、No.5A)により精製水を除去し、(A)成分が(E2)成分に保持されたタンパク質を保持した担体の粒子(以下、タンパク質保持粒子)を得た。なお、吸水量(([吸水後のポリマー重量]―[吸水前のポリマー重量])/[吸水前のポリマー重量])×100=40重量%であった。
ンパク質保持粒子含有硬化体の調製
混合皿に(B)成分として4−METAとMMAを含有したスーパーボンドモノマー液(サンメディカル(株)製) を約0.09gとり、(C)成分としてスーパーボンドキャタリスト(サンメディカル(株)製 )約0.007gを滴下し、これらを上記タンパク質保持担体粒子0.07gと混合した混合物を調製した。この混合物を、硝子板上にのせたテフロン型(φ9.5mm、厚さ0.5mm)に充填し、その上に透明フィルムと硝子板をのせて一日以上圧接して硬化体を得た。
比較例1
ンパク質未保持粒子含有硬化体の調製
混合皿に(B)成分として4−METAとMMAを含有したスーパーボンドモノマー液(サンメディカル(株)製) を約0.09gとり、(C)成分としてスーパーボンドキャタリスト(サンメディカル(株)製 )約0.007gを滴下し、これらを0.07gの(E2)固体親水性材料と混合した混合物を調製した。この混合物を硝子板上にのせたテフロン型(φ9.5mm、厚さ0.5mm)に充填し、その上に透明フィルムと硝子板をのせて一日以上圧接して硬化体を得た。
ンパク質保持粒子含有硬化体表面におけるタンパク質有無の確認
上記の通り調製した硬化体について、免疫染色によりタンパク質の存在有無を評価した。
免疫染色は、
a)調製した各種試料片をリン酸緩衝液(以下、PBS)にて室温で5分間3回洗浄。
b)洗浄後の試料片に第一抗体としてPBSにて50倍希釈したBSA抗体(sc−50711 santa Cruz Biotechnology社製)を滴下後、4℃で24時間放置。
c)放置後の試料片をPBSにて室温で5分3回洗浄。
d)洗浄後の試料片に第二抗体としてN−Histofine Simple Stain Mouse MAX PO(G)(Nichirei社製)を滴下後、室温で30分放置。
e)放置後の試料片をPBSにて室温で5分3回洗浄。
f)洗浄後の試料片に発色を目的としてシンプルステインDAB溶液(Nichirei社製)を滴下後、室温で5分間放置。
g)放置後の試料片について発色を止める目的で精製水により洗浄。
の手順で行い、光学顕微鏡にて試料片表面上のタンパク質の有無を観察した。実施例3により製造されたタンパク質保持粒子を含有した硬化体には、図1の黒矢印で見られるような発色が試料片表面で観察できた。これに対して比較例1により調製された硬化体には、図2のように図1で見られた発色が試料片表面に観察できなかった。
以上のことから、タンパク質保持粒子を含有した硬化体表面には確かにタンパク質が存在し、且つ存在しているタンパク質が失活していない結果が得られた。
略称は以下の通り。
E:エナメル、
D:象牙質
4−META:4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水、
4−MET:4−メタクリロキシエチルトリメリット酸、
SMR−M:2−メタクリロキシエチルアシドホスフェート
MMA:メタクリル酸メチル
2.6E:ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物1モルと2モルのメタクリル酸の縮合物(エチレンオキシト゛の付加連鎖数:m+n=2.6)
UDMA:1モルの2,2,4−(又は2,4,4−)トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートと2モルの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物
HPPM:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
TBB:トリブチルボランの部分酸化物(スーパーボンドC&B、キャタリスト)
CQ:d,l−カンファキノン、TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
DMABA−BE:N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチル
DSNa:ドデシル硫酸ナトリウム
R812:シリカ、SiO含有率99.8%、平均粒径7×10−3μm

Claims (5)

  1. (A)牛血清アルブミンまたは成長因子タンパク質であるタンパク質、(B)ラジカル重合性単量体、(C)重合開始剤および(E2)1%メチレンブルー水溶液に5分間浸漬・水洗した後青色に染まる親水性を示す固体親水性材料を含有する混合物からなることを特徴とする歯科用硬化性組成物。
  2. (D)フィラー成分をさらに含有する請求項1記載の歯科用硬化性組成物。
  3. 上記(E2)固体親水性材料がプロピレングリコールおよび/またはエチレングリコールから誘導される繰り返し単位を1〜60個有するポリ(エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール)またはラジカル重合性単量体の重合体である、請求項に記載の歯科用硬化性組成物。
  4. 上記(B)ラジカル重合性単量体がヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールおよび/またはエチレングリコールから誘導される繰り返し単位を4〜60個有するポリ(エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレートおよびトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートよりなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項に記載の歯科用硬化性組成物。
  5. 記(A)牛血清アルブミンまたは成長因子タンパク質が(E2)固体親水性材料中に保持されている請求項1〜のいずれかに記載の歯科用硬化性組成物。
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