JP5730111B2 - 導電性部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Description
ピンホールリークの発生に関して、帯電ローラ側の原因の一つとして過放電がある。帯電ローラの幅方向の表面において、電気抵抗や静電容量にムラが存在した場合、感光体との間の放電電圧が長手方向において分布を持ち、放電が集中する箇所が現れることがある。この放電の集中する箇所においてピンホールリークは発生しやすい。上記したようなピンホールリークの解決手段として、導電性弾性層の表面に導電性弾性層に比べ抵抗の高い樹脂層を保護層として設けることが行われている。確かに、保護層の電気抵抗が高いほど、ピンホールリークを生じにくくなるが、感光体を帯電させる能力(帯電能)は逆に保護層の電気抵抗が高くなるほど低下していく。
また、帯電ローラの幅方向での電気抵抗や静電容量のムラに起因して、感光体の所定箇所に放電が集中した場合、当該箇所の電位が著しく高くなることがある。その結果、当該箇所の電位は、露光によっても十分に下がらず、そこにトナーが十分に付着しないことにより、電子写真画像に白点(以降、「白ポチ」ともいう)が生じることがある。
該表面層が、電子導電性ゴムと中空粒子とを含み、該中空粒子は、エチレンオキサイド由来のユニットを有する樹脂を含むシェルを有していることを特徴とする。
電子導電性ゴムからなる導電性部材は、過放電が起こりやすいため、ピンホールリーク、および、白ポチ画像に不利である。エチレンオキサイド由来のユニットを有する樹脂をシェルとする中空粒子を含有することにより、シェル中にイオン導電パスを形成することができる。イオン導電パスは過放電を抑制するため、ピンホールリーク、および、白ポチ画像の発生を抑制することができると推察している。
本発明に係る導電性部材は、例えば、感光体に当接して使用されるものであり、電子写真装置の様々な用途、例えば、帯電部材、現像部材、転写部材などの部材として使用されている。以下、帯電部材を例に説明する。
帯電部材の一例を図1(ローラ形状)、図2(平板形状)に示す。なお、これらの図は、帯電部材の概略断面図を示したものである。以下において、図1に示したローラ形状のもの、すなわち帯電ローラにて詳細に説明する。
導電性基体1と導電性ゴムからなる表面層2は、接着剤を介して接着してもよい。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性とするため、接着剤は公知の導電剤を含有することができる。
一例として、図3に帯電ローラの電気抵抗の測定法を示す。導電性基体1の両端を、荷重のかかった軸受け33により感光体と同じ曲率の円柱形金属32に、平行になるように当接させる。この状態で、モータ(不図示)により円柱形金属32を回転させ、当接した帯電ローラ5を従動回転させながら安定化電源34から直流電圧−200Vを印加する。この時に流れる電流を電流計35で測定し、帯電ローラの抵抗を計算する。本発明において、荷重は各4.9Nとし、円柱形金属32の直径(φ)は30mm、円柱形金属32の回転は周速45mm/秒とした。
導電性基体は、導電性を有し、その上に設けられる弾性層等を支持する機能を有するものである。材質としては、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属やその合金を挙げることができる。
表面層としての弾性層は、電子導電性ゴムと中空粒子とを含む多孔質体からなる。そして、中空粒子はエチレンオキサイド由来のユニットを有する樹脂を含有するシェルを有する。
<<中空粒子>>
中空粒子としては、熱による膨張を伴う粒子、例えば、熱膨張性マイクロカプセルを用いても良いし、熱による膨張を伴わない粒子を用いても良い。
熱による膨張を伴う粒子は、粒子中に揮発性膨張剤を入れておくことにより、熱膨張させることができる。揮発性膨張剤としては低沸点有機溶剤が用いられる。具体的には、例えば、プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンなどの低沸点液体、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、ノルマルデカン、イソデカンなどの高沸点液体などが多く用いられるが、これに限定されるものではない。
これら熱膨張性マイクロカプセルは、懸濁重合法、界面重合法、界面沈殿法、液中乾燥法といった公知の製法により製造することができる。
前記弾性層は電子導電性ゴムを含む。電子導電性ゴムは、ポリマー自体は導電性を持たないが、ポリマーに添加された電子導電性物質により導電性を発現するものを指す。
具体的な材料としては、ポリマーとして、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)等が挙げられる。電子導電性物質としては、アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属系の微粒子や繊維。酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物。前記記載の金属系微粒子、繊維及び金属酸化物表面に、電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより表面処理した複合粒子。カーボンブラック、及び、カーボン系微粒子。
ファーネスブラックとしては、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、I−ISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、FEF、GPF、SRF−HS−HM、SRF−LM、ECF、FEF−HSを例示することができる。サーマルブラックとしては、FT、MTを例示することができる。
また、これらの導電剤を、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
導電性弾性層に添加する導電剤の添加量は、弾性層材料100質量部に対して2質量部から200質量部、好ましくは5質量部から100質量部の範囲が適当である。
更に、弾性層の体積抵抗率の目安としては、温度23℃、湿度50%RH環境下で測定したときに、1×102Ω・cm以上、1×1010Ω・cm以下であることが好ましい。
前記弾性層の体積抵抗率は、以下のようにして求める。まず、弾性層に使用するすべての材料を厚さ1mmのシートに成型し、両面に金属を蒸着して電極とガード電極を形成して体積抵抗率測定試料を得る。得られた体積抵抗率測定試料について微小電流計(商品名:ADVANTEST R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER、(株)アドバンテスト製)を用いて200Vの電圧を印加する。そして、30秒後の電流を測定し、膜厚と電極面積とから計算して求める。
前記弾性層の形成は、予め所定の膜厚に形成されたシート形状又はチューブ形状の層を導電性基体に接着又は被覆することによって行うことができる。また、クロスヘッドを備えた押出機を用いて、導電性基体と弾性層材料を一体的に押出して作製することもできる。前記弾性層材料に導電剤、絶縁性粒子及び充填剤等を分散する方法としては、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等で混合するなど、公知の方法を用いることができる。
本発明の導電性部材を備える電子写真装置の1例の概略構成を図5に示す。
電子写真装置は、電子写真感光体、電子写真感光体を帯電する帯電装置、露光を行う潜像形成装置、トナー像に現像する現像装置、転写材に転写する転写装置、電子写真感光体上の転写トナーを回収するクリーニング装置、トナー像を定着する定着装置等から構成されている。導電性部材としては、帯電部材、現像部材、転写部材などが挙げられる。
帯電装置は、電子写真感光体4に所定の押圧力で当接されることにより接触配置される接触式の帯電ローラ5を有する。帯電ローラ5は、電子写真感光体4の回転に従い回転する従動回転であり、帯電用電源19から所定の電圧を印加することにより、電子写真感光体4を所定の電位に帯電する。電子写真感光体4に静電潜像を形成する潜像形成装置11は、例えばレーザービームスキャナーなどの露光装置が用いられる。一様に帯電された電子写真感光体に画像情報に対応した露光を行うことにより、静電潜像が形成される。
定着装置9は、加熱されたロール等で構成され、転写されたトナー像を転写材7に定着し、機外に排出する。なお、図5において、符号12は帯電前露光装置、13は弾性規制ブレード、14はトナー供給ローラを示す。
図6に示すように、電子写真感光体4、帯電ローラ5を含む帯電装置、現像ローラ6及びトナー供給ローラ14を含む現像装置、及びクリーニング部材10等を一体化し、電子写真装置に着脱可能に設計したプロセスカートリッジを用いることもできる。すなわち、帯電部材が感光体と少なくとも一体化され、電子写真装置本体に着脱自在に構成されているプロセスカートリッジであり、該帯電部材が上記の帯電部材である。また、電子写真装置は、少なくとも、プロセスカートリッジ、露光装置及び定着装置を有し、該プロセスカートリッジが上記のプロセスカートリッジである。なお、図6において、符号30はトナーシールを示す。
製造例A−1 −中空粒子1の作製−
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(重量平均分子量:5000)325質量部に、1,000質量部のトルエンを添加し、さらに175質量部の多価イソシアネート化合物(キシリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(タケネートD110N、75重量%酢酸エチル溶液、武田薬品(株)製)を添加し、トルエン還流下に120℃で5時間反応を行った後、室温まで冷却し、トルエンを減圧除去し、ポリウレタン樹脂を得た。
製造例A−1の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)をテトラブチルアンモニウムパークロレート(試薬、関東化学製)80質量部に変更した以外は製造例A−1と同様にして中空粒子2を得た。
ステンレス製オートクレーブに、ε−B57−カプロラクタムを留去して、ポリアミドを得た。次に、ポリエチレングリコール(数平均分子量980)500質量部と酢酸ジルコニル1.5質量部を更に加え、245℃、1トール以下の減圧下で5時間重合反応を実施し、精製後ポリエーテルエステルアミド樹脂を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量は52000、核磁気共鳴分光法(NMR)を用いて測定したエチレンオキサイド由来のユニットの含有量は60質量%であった。
製造例A−1のポリエチレングリコールモノメチルエーテルを100質量部、多価イソシアネート化合物を400質量部に変更した以外は、製造例A−1と同様にして中空粒子4を得た。
得られた中空粒子4の平均粒径は48.0μmであった。
製造例A−1のポリエチレングリコールモノメチルエーテルを400質量部、多価イソシアネート化合物を100質量部に変更した以外は、製造例A−1と同様にして中空粒子5を得た。
製造例A−1のポリエチレングリコールモノメチルエーテルを450質量部、多価イソシアネート化合物を50質量部に変更した以外は、製造例A−1と同様にして中空粒子6を得た。
製造例A−1の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)の量を1質量部に変更した以外は、製造例A−1と同様にして中空粒子7を得た。
製造例A−1の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)の量を120質量部に変更した以外は、製造例A−1と同様にして中空粒子8を得た。
製造例A−3の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)をテトラブチルアンモニウムパークロレート(試薬、関東化学製)4質量部に変更した以外は製造例A−3と同様にして中空粒子9を得た。
製造例A−3の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)をテトラブチルアンモニウムパークロレート(試薬、関東化学製)120質量部に変更した以外は製造例A−3と同様にして中空粒子10を得た。
エチレンオキサイド由来のユニットを含む重合体を調製した。ステンレス製のオートクレーブにテレフタル酸ジメチル32質量部、エチレングリコール20質量部、酢酸マンガン4水和物0.02質量部を入れ、200℃で3時間加熱して、生成するメタノールを留去しながらエステル交換反応を実施した。次に、末端ジアミン変性ポリエチレングリコール(数平均分子量890)49質量部、三酸化アンチモン0.03質量部、トリメチルホスフェート0.015質量部を更に加え、260℃に昇温した。その後、オートクレーブ内を1トール以下に減圧し、過剰のエチレングリコールを留去しつつ、圧力を1トール以下に保ちながら、3時間重合反応を実施した。その後精製し、ポリエーテルアミド樹脂を得た。これを繰り返し、ポリエーテルアミド樹脂400gを得た。GPCで測定した数平均分子量は52000、NMRで測定したエチレンオキサイド由来のユニットの含有量は60質量%であった。
製造例A−1のポリエチレングリコールモノメチルエーテルを75質量部、多価イソシアネート化合物を425質量部に変更した以外は、製造例A−1と同様にして中空粒子12を得た。
製造例A−1のポリエチレングリコールモノメチルエーテルを475質量部、多価イソシアネート化合物を25質量部に変更した以外は、製造例A−1と同様にして中空粒子13を得た。
製造例A−1の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)をテトラブチルアンモニウムクロリド(試薬、東京化成製)80質量部に変更した以外は製造例A−1と同様にして中空粒子14を得た。
製造例A−1の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)を過塩素酸リチウム(無水)(LiClO4)(試薬、キシダ化学製)80質量部に変更した以外は製造例A−1と同様にして中空粒子14を得た。
製造例A−1の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)を四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)(試薬、キシダ化学製)80質量部に変更した以外は製造例A−1と同様にして中空粒子16を得た。
製造例A−3の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)をテトラブチルアンモニウムクロリド(試薬、東京化成製)4質量部に変更した以外は製造例A−3と同様にして中空粒子17を得た。
製造例A−1の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)を配合から除いたこと以外は製造例A−1と同様にして中空粒子18を得た。
製造例A−11の4級アンモニウム塩(LV70、旭電化工業製)を配合から除いたこと以外は製造例11と同様にして中空粒子19を得た。
製造例A−1からA−19で得られた中空粒子の組成および粒径を表21にまとめて示す。なお、中空粒子樹脂中のエチレンオキサイド由来のユニットの含有量はNMRで測定した。
直径6mm、長さ258mmのステンレス製棒に、熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、東洋化学研究所社製)を塗布し、180℃の熱風炉内にて30分間静置して導電性基体を得た。
表面層としての弾性層用のコンパウンド作製にあたり、まず、50℃に調節した密閉型ミキサーにて表1に示した材料を15分間混練し、ゴムコンパウンド1−1を調製した。
弾性層中の中空粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)にて100個観察し、その投影面積を求め、得られた面積の円相当径を計算して平均粒径とした。測定の結果、平均粒径は103μmであった。中空粒子の厚みは、体積平均粒径と同様にして、弾性層中の中空粒子をTEMにて任意の100箇所について厚みを測定し、その平均値を中空粒子の厚みとする。測定の結果、中空粒子の厚みは1.1μmであった。
製造例B−1において中空粒子1を中空粒子2〜6に変更した以外は製造例B−1と同様にして、帯電ローラ2〜6を作製した。帯電ローラ2〜6の電気抵抗、中空粒子の平均粒径、中空粒子の厚みを表22に示す。
EPDM100質量部に対し表3に示した成分を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練しゴムコンパウンド7−1を得た。
弾性層用のコンパウンドとして上記のゴムコンパウンド7−2を用いた以外は製造例B−1と同様にして帯電ローラ7を作製した。帯電ローラ7の電気抵抗、中空粒子の平均粒径、中空粒子の厚みを表22に示す。
SBR100質量部に対し表4に示した成分を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練してゴムコンパウンド8−1を得た。
製造例B−1において、中空粒子1を中空粒子7に変更した以外は、製造例B−1と同様にして帯電ローラ9を作製した。
製造例B−1において、中空粒子1を中空粒子8に変更した以外は、製造例B−1と同様にして帯電ローラ10を作製した。
製造例B−1において、加硫温度を140℃に変更した以外は、製造例B−1と同様にして帯電ローラ11を作製した。
製造例B−1において、加硫温度を180℃に変更した以外は、製造例B−1と同様にして帯電ローラ12を作製した。
製造例B−1において、中空粒子の添加量を9部から2部に変更した以外は、製造例B−1と同様にして帯電ローラ13を作製した。
製造例B−1において、中空粒子の添加量を9部から20部に変更した以外は、製造例B−1と同様にして、帯電ローラ14を作製した。
実施例B−1と同様にして帯電部材予備成形体を作成した。これを図8に示す、内径がφ12mmの円筒形キャビティを有する金型に設置し、帯電部材予備成形体を加熱・発泡させて多孔質導電性弾性層を得た。前記金型の加熱は図示しないヒータ及び温度調整装置を用いて160℃で20分間行い、さらに得られた多孔質導電性弾性層を熱風炉160℃で30分加熱して二次加硫を施し、外径がφ12mm、長さが224.2mmの帯電ローラ15を得た。
製造例B−1において、中空粒子1を中空粒子9に変更した以外は、製造例B−1と同様にして帯電ローラ16を作製した。
製造例B−1において、中空粒子1を中空粒子10に変更した以外は、製造例B−1と同様にして帯電ローラ17を作製した。
EPDM100質量部に対し表5に示した成分を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練してゴムコンパウンド18−1を得た。
SBR100質量部に対し表6に示した成分を加えて、80℃に調節した密閉型ミキサーにて15分間混練してゴムコンパウンド19−1を得た。
温度50℃に調節した密閉型ミキサーにて表7に示した材料を15分間混練し、ゴムコンパウンド20−1を調製した。
温度50℃に調節した密閉型ミキサーにて表9に示した材料を15分間混練し、ゴムコンパウンド21−1を調製した。
製造例B−1において中空粒子1を中空粒子11〜16に変更した以外は製造例B−1と同様にして帯電ローラ22〜27を作製した。
温度50℃に調節した密閉型ミキサーにて表11に示した材料を15分間混練してゴムコンパウンド28−1を調製した。
製造例B−1において中空粒子1を中空粒子17または中空粒子18に変更した以外は、製造例B−1と同様にして帯電ローラ29〜30を作製した。
温度50℃に調節した密閉型ミキサーにて表13に示した材料を15分間混練し、ゴムコンパウンド31−1を調製した。
製造例B−1において、中空粒子1を中空粒子19に変更した以外は、製造例B−1と同様にして帯電ローラ32を作製した。
温度50℃に調節した密閉型ミキサーにて表15に示した材料を15分間混練し、ゴムコンパウンド33−1を調製した。
直径6mm、長さ258mmのステンレス製棒に、熱硬化性接着剤(商品名:メタロックU−20、東洋化学研究所社製)を塗布し、180℃の熱風炉内にて30分間静置して導電性基体を得た。
50℃に調節した密閉型ミキサーにて表17に示した材料を15分間混練してゴムコンパウンドC−1−1を調製した。
温度50℃に調節した密閉型ミキサーにて表19に示した材料を15分間混練し、ゴムコンパウンドC−2−1を調製した。
図5に示す構成を有する電子写真装置として、ヒューレット・パッカード社製カラーレーザージェットプリンター(HP Color
LaserJet 4700DN)を記録メディアの出力スピード200mm/秒(A4縦出力)に改造して用いた。画像の解像度は、600dpi、1次帯電の出力は直流電圧−1100Vである。
図6に示す構成を有するプロセスカートリッジとして、上記プリンター用のプロセスカートリッジを用いた(ブラック用)。
帯電ローラ1をプロセスカートリッジに組み込んで、低温低湿環境下(15℃、10%RH)、常温常湿環境下(23℃、50%RH)、高温高湿環境下(30℃、85%RH)、の3つの環境において耐久画像評価を行った。
各環境において、E文字1%印字画像で連続耐久を行い、30000枚まで耐久を行った。5000枚毎にハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力して、目視にて白ポチを下記の基準にて評価した。
ランクA:白ポチは認められない。
ランクB:白ポチがわずかに認められる。
ランクC:全域にわたって白ポチが認められる。
評価結果を表23に示す。表23に示すように、実施例1の帯電ローラに関しては、低温低湿、常温常湿、高温高湿のいずれの環境においても、30000枚印刷後であっても、ランクAの良好な画像が得られた。
本実施例の帯電ローラにて、ピンホールリーク画像を確認した。
カートリッジの感光体に、表面に対し垂直にピンホールを空けた。ピンホールの大きさは直径が0.3mmであり、深さが下引き層の手前までであった。帯電ローラ1とピンホールを空けた感光体をカートリッジに組み込んだ。電子写真装置にて、高温高湿環境下においてハーフトーン画像を出力して、ピンホールリークの評価を行った。
このときに、感光体上のピンホールの位置から画像出力方向に対し、水平に周囲との画像濃度が著しく異なる場合をピンホールリークが発生していると判断した。白ポチ画像の評価は以下の通り。
○:ピンホールリークが発生していない
×:ピンホールリークが発生している
評価結果を表23に示す。実施例1の帯電ローラは、ピンホールリークが発生せず、良好な画像が得られた。
作製した帯電ローラ2〜19に関して、白ポチ画像の評価、および、ピンホールリークの評価を、実施例1と同様の方法で行った。出力画像の評価結果を表26に示す。
低温低湿、常温常湿、高温高湿のいずれの環境においても、30000枚印刷後であっても、白ポチ画像がランクAで、ピンホールリークが発生せず、良好な画像が得られた。
作製した帯電ローラ20〜28に関して、白ポチ画像の評価、および、ピンホールリークの評価を、実施例1と同様の方法で行った。出力画像の評価結果を表26に示す。
実施例20〜27の帯電ローラは、高温高湿環境ではBランクの白ポチ画像が、耐久後半に発生するが、他の環境では、30000枚印刷後であっても、Aランクであり、良好な画像が得られた。ピンホールリークは発生していない。
作製した帯電ローラ28〜33に関して、白ポチ画像の評価、および、ピンホールリークの評価を、実施例1と同様の方法で行った。出力画像の評価結果を表26に示す。
実施例28〜33の帯電ローラは、高温高湿環境、および、常温常湿環境ではBランクの白ポチ画像が、耐久後半に発生するが、他の環境では、30000枚印刷後であっても、Aランクであり、良好な画像が得られた。ピンホールリークは発生していない。
作製した帯電ローラC1〜C2に関して、白ポチ画像の評価、および、ピンホールリークの評価を、実施例1と同様の方法で行った。出力画像の評価結果を表26に示す。
実施例C1〜C2の帯電ローラは、高温高湿環境では、Bランク、および、Cランクの白ポチ画像が、常温常湿環境、および、低温低湿環境でBランクの白ポチ画像が発生した。また、ピンホールリークが発生した。上記に示すように、本発明の帯電ローラは、白ポチ画像、および、ピンホールリークの発生が抑制され、電子写真装置、プロセスカートリッジに組み込んで好ましいものである。
2 表面層
4 電子写真感光体
5 帯電ローラ
6 現像ローラ
7 転写材
8 転写ローラ 9 定着装置
10 クリーニング部材 11 潜像形成装置
12 帯電前露光装置 13 弾性規制ブレード
Claims (7)
- 導電性基体および表面層を有する導電性部材であって、
該表面層が、電子導電性ゴムと中空粒子とを含み、
該中空粒子は、エチレンオキサイド由来のユニットを有する樹脂を含むシェルを有していることを特徴とする導電性部材。 - 前記シェルが四級アンモニウム塩またはリチウム塩を更に含有する請求項1に記載の導電性部材。
- 前記四級アンモニウム塩が過塩素酸を有する請求項2に記載の導電性部材。
- 前記樹脂がポリエーテルウレタン及びポリエーテルエステルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、かつ、
前記樹脂中のエチレンオキサイド由来のユニットの含有量が20重量%以上90重量%以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の導電性部材。 - 前記電子導電性ゴムはNBR、SBR及びEPDMからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムにカーボンが配合されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の導電性部材。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の導電性部材が被帯電体と少なくとも一体化され、電子写真装置本体に着脱自在に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 帯電部材と、該帯電部材によって帯電可能に構成されている被帯電体とを有する電子写真装置であって、該帯電部材が、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の導電性部材であることを特徴とする電子写真装置。
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