JP5729585B2 - グリースおよびその製造方法、ならびにグリース封入軸受 - Google Patents

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本発明は、新規な増ちょう剤およびこの増ちょう剤を配合したグリース、およびそれらの製造方法、ならびにこのグリースが封入されたグリース封入軸受に関する。特に、家電や産業機器、自動車のエンジンルーム内で使用される電装補機などの高温高速回転で使用される軸受に封入して使用されるグリースおよび該グリース封入軸受に関する。
各種電装補機や産業機器などに組み込まれる転がり軸受には、潤滑性を付与するためにグリースが封入される。このグリースは基油および増ちょう剤と、必要に応じて添加剤とを混練して得られる。上記基油としては、鉱油やエステル油、シリコーン油、エーテル油などの合成潤滑油が、上記増ちょう剤としては、リチウム石けんなどの金属石けんやウレア化合物がそれぞれ一般的に使用されている。また、添加剤としては、必要に応じて酸化防止剤、さび止剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤などの各種添加剤が配合される。
近年、家電や産業機器用モータ、電装補機などに使用される転がり軸受は、これらの機器の高性能化に伴い、高温および高速回転条件下で使用されるため、高温高速耐久性に優れていることが要求される。また、同時に静音性に優れていることも要求される。
従来、低温から高温まで広い温度範囲で良好な潤滑性を発揮し、軸受の冷時異音の発生を抑え、長時間にわたり高温耐久性に優れた軸受封入用グリースとして、合成炭化水素と所定のエステル油とからなる基油に、ウレア系増ちょう剤を配合したものが知られている(特許文献1参照)。また、自動車のプーリ用軸受に用いられ、軸受の軌道面やボール表面の脆性剥離や冷時異音の発生を抑えるグリースとして、合成炭化水素とエステル油とからなる所定粘度の基油に、増ちょう剤として脂環族ジウレア化合物を配合したものが知られている(特許文献2参照)。また、高温高速回転条件における焼き付き寿命が長いグリースとして、基油にエステル油を含み、増ちょう剤として所定のジウレア化合物を3〜30重量%含むグリースが知られている(特許文献3参照)。
特許文献1〜特許文献3に示されるように、高温耐久性に優れたグリースとして、ジウレア化合物を増ちょう剤に用いたものが知られている。これら各特許文献において使用されているジウレア化合物は、ジフェニルメタンジイソシアネートとモノアミンとを反応させることで得られている。
しかしながら、上記各特許文献に示されるような、基油としてエステル油や合成炭化水素油を含む基油を用い、増ちょう剤としてジウレア化合物を用いた潤滑組成物であっても、該組成物を近年の家電や産業機器に用いられる軸受に封入した際に、これらの軸受に近年要求される高温高速耐久性などの性能を満足させることが必ずしもできないという問題がある。
また、高温高荷重用潤滑グリースとして、1分子中に2個の環状イミド結合を必須として、これに2個のウレア結合、ウレタン結合、またはアミド結合を有する化合物を増ちょう剤とする潤滑グリースが知られている(特許文献4参照)。
しかしながら、このイミド結合を含む化合物は、イミド結合単独ではなく、他のウレア結合、ウレタン結合、またはアミド結合との組み合わせを必須としている。ウレア結合、ウレタン結合、またはアミド結合は、ポリイミド樹脂と、ポリウレタン樹脂またはポリアミド樹脂との比較に見られるように、耐熱性がイミド結合に対して劣る。そのため、特許文献4に記載の増ちょう剤であっても、近年の高温高速耐久性などの性能を満足させることができないという問題がある。
特開平9−208982号公報 特許平11−270566号公報 特開2001−107073号公報 特開昭54−114506号公報
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、高温高速耐久性に優れたグリースを製造できる増ちょう剤、該増ちょう剤を含むグリース、およびこれらの製造方法、ならびに、このグリースを封入したグリース封入軸受の提供を目的とする。
本発明の増ちょう剤は、基油をグリースにするために加えられる増ちょう剤であり、該増ちょう剤は、ウレア化合物と、下記式(1)または式(2)で表される化合物とを含むことを特徴とする。
Figure 0005729585
式(1)または式(2)において、R1はジアミンまたはジイソシアネートの残基を表し、R2は隣接する2つの炭素原子がイミド環を形成するジカルボン酸またはその誘導体の残基を表し、R3はテトラカルボン酸またはその誘導体の残基を表し、R4は水素原子またはモノアミンもしくはモノイソシアネートの残基を表し、nは0〜5の整数を表す。
上記R1およびR2は、それぞれ独立に、脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であることを特徴とする。また、上記R3は、隣接する2つの炭素原子がイミド環を形成する4価の脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であることを特徴とする。また、上記R1、R2およびR3は、芳香族炭化水素基であることを特徴とする。また、上記式(1)または式(2)において、n=0であることを特徴とする。
上記ウレア化合物が、芳香族ウレア化合物であることを特徴とする。
本発明の増ちょう剤の製造方法は、上記イミド化合物を得る工程と、上記ウレア化合物を得る工程と、それぞれの工程で得られた該イミド化合物と該ウレア化合物とを混合する工程とを備えてなり、上記イミド化合物を得る工程は、酸無水物化合物とアミノ化合物とを反応させる工程、または酸無水物化合物とイソシアネート化合物とを反応させる工程を有することを特徴とする。
上記イミド化合物を得る工程が、上記式(1)で表されるイミド化合物を得る工程であり、ジイソシアネートと酸一無水物とを反応させる工程を有することを特徴する。また、上記イミド化合物を得る工程が、上記式(2)で表されるイミド化合物を得る工程であり、モノイソシアネートと酸二無水物とを反応させる工程を有することを特徴する。
上記反応がアミン系触媒の存在下に行なわれることを特徴とする。特に、上記アミン系触媒がジアミンであることを特徴とする。
本発明のグリースは、基油に上記本発明の増ちょう剤が含まれていることを特徴とする。また、上記基油がエーテル油、ポリ−α−オレフィン(以下、PAOと記す)油および鉱油から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
上記グリース全体に対して、増ちょう剤における上記イミド化合物が10〜40重量%含まれ、上記ウレア化合物が4〜16重量%含まれることを特徴とする。
本発明のグリースの製造方法は、上記基油中でイミド化合物の原料成分を反応させて該イミド化合物を増ちょう剤とするグリースを得る工程と、上記基油中でウレア化合物の原料成分を反応させて該ウレア化合物を増ちょう剤とするグリースを得る工程と、これらのグリースを混合する工程とを備えてなることを特徴とする。
本発明のグリース封入軸受は、上記本発明の増ちょう剤を基油に配合してなるグリースが封入されてなることを特徴とする。
本発明のグリースは、ウレア化合物と、式(1)または式(2)で表されるイミド化合物とを含む増ちょう剤として用いるので、このグリースを封入する軸受の高温高速耐久性を向上させることができる。特に、従来のジウレア化合物のみを増ちょう剤とする場合と比較して、高温高速耐久性を向上させることができる。
増ちょう剤としてウレア化合物と上記イミド化合物とを併用することで、上記イミド化合物を単独で用いる場合よりも、増ちょうさせやすく、グリース中の増ちょう剤濃度を低くできる。このため、グリース中の基油量を相対的に増やすことができ、長寿命化が可能となる。
本発明のグリース封入転がり軸受は、上記グリースが封入されてなるので、高温高速耐久性に優れる。このため、近年において高温および高速回転条件下で使用される家電や産業機器のモータ用などの転がり軸受として好適に利用できる。
深溝玉軸受の断面図である。
耐熱性に優れた合成樹脂として、ベスペル(デュポン社商品名)として知られている芳香族ポリイミド樹脂がある。この樹脂粉末を増ちょう剤として用いて潤滑グリースを調整したところ、芳香族ポリイミド樹脂が基油から乖離してしまい、増ちょう機能を果たさない。しかしながら、分子内に環状イミド結合を含むポリイミド樹脂のオリゴマー相当品までの化合物は基油から乖離することなく、増ちょう機能を果たすことが分かった。さらに、この化合物に、ウレア化合物を併用することで、耐熱性を維持しながら増ちょう機能を向上させ得ることが分かった。本発明はこのような知見に基づくものである。
本発明の増ちょう剤におけるイミド化合物は、式(1)または式(2)で表されるものである。
Figure 0005729585
式(1)および式(2)において、R1はジアミンまたはジイソシアネートの残基を表す。ジアミンまたはジイソシアネートは、脂肪族、脂環族、または芳香族ジアミンまたはジイソシアネートであることが好ましい。
脂肪族ジアミンとしては、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、ヘプチレンジアミン、オクチレンジアミン、ビス(2−アミノエトキシ)エタン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、2,2’−ジアミノジエチルジスルフィド、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、これらの異性体などが挙げられる。
脂環族ジアミンおよびその他のジアミンとしては、モロホリンジアミン、1,3−ビス(3−アミノメチル)シクロヘキサン、4,4‘−ジアミノ−ジシクロヘキシル−メタン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、3,4−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサ[5,5]ウンデカン、ジアミノシロキサン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノエチル)トリシクロ[5,2,1,0]デカン、これらの異性体などが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、フェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、ジメチルフェニレンジアミン、エチルフェニレンジアミンなどの芳香族単環式ジアミン、ジアミノビフェニル、ジアミノジメチルビフェニル、ビス(アミノフェニル)メタン、ビス(アミノフェニル)エタン、ビス(アミノフェニル)プロパン、ビス(アミノフェニル)ブタン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルフィド、ビス(アミノフェニル)スルホンなどの芳香族二環式ジアミンが挙げられる。これら芳香族ジアミンは置換されていてもよい。
ジイソシアネートは、ジアミン類とホスゲンとを反応させる公知の方法により、上記ジアミン類の誘導体として容易に得られる。
本発明に使用できるジアミンとしては、グリースの耐熱性が向上することから、特に芳香族ジアミンまたは芳香族ジイソシアネートであることが好ましい。これらの中でもフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、ジアミノビフェニル、ビス(アミノフェニル)メタン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルフィド、ビス(アミノフェニル)スルホン、またはこれらのジイソシアネート誘導体が好ましい例として挙げられる。
2は隣接する2つの炭素原子がイミド環を形成するジカルボン酸またはその誘導体の残基を表す。隣接する2つの炭素原子にそれぞれカルボキシル基が結合しており、これらジカルボキシ基が上記ジアミンまたはジイソシアネート類の1つのアミノ基またはイソシアネート基と反応してイミド環が形成される。
ジカルボン酸としては、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、これらの誘導体が挙げられる。誘導体としては、酸一無水物、エステル、酸ハロゲン化物などが挙げられる。
3はテトラカルボン酸またはその誘導体の残基を表す。
テトラカルボン酸としては、ピロメリット酸、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、4,4'−スルホニルジフタル酸、m−タ−フェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸、4,4'−オキシジフタル酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−または3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−または3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2,3−または3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(2,3−または3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ブタンテトラカルボン酸、ビシクロ−[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸などが例示される。
これらの酸の誘導体としては、隣接する2つのカルボキシル基が脱水して得られる酸二無水物、カルボキシル基のエステル、酸ハロゲン化物などが挙げられる。イミド環を生成しやすい酸二無水物が好ましい。
4は水素原子またはモノアミンもしくはモノイソシアネートの残基を表す。モノアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、アニリン、トルイジン、ドデシルアニリン、シクロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、アミノジフェニルエーテル、アミノジフェニルエーテルなどが挙げられる。モノイソシアネートは、アミン類とホスゲンを反応させる公知の方法により、上記アミン類の誘導体として容易に得られる。
上記式(1)で表されるイミド化合物は、例えば以下の方法で得ることができる。
(i)H2NR1NH2で表されるジアミン1モルと、R2(CO)2Oで表されるジカルボン酸一無水物2モルとを有機溶媒、またはグリース基油中で反応させる。上記ジアミンに代えて、OCNR1NCOを使用することもできる。この場合、上記式(1)においてn=0の化合物が得られる。
(ii)O(CO)23(CO)2Oで表されるテトラカルボン酸二無水物1モルと、H2NR1NH2で表されるジアミン2モルとを反応させて、イミド環を含み、末端アミノ基の化合物を得る。この末端アミノ基を有する化合物1モルにR2(CO)2Oで表されるジカルボン酸一無水物2モルを有機溶媒、またはグリース基油中で反応させる。この場合、上記式(1)においてn=1の化合物が得られる。
また、テトラカルボン酸二無水物と、ジカルボン酸一無水物と、ジアミンとの反応モル比を変えて、逐次的に反応生成物を得ることにより、上記式(1)においてn=2〜5の化合物が得られる。上記ジアミンに代えて、OCNR1NCOを使用することもできる。
上記式(2)で表されるイミド化合物は、例えば以下の方法で得ることができる。
(iii)O(CO)23(CO)2Oで表されるテトラカルボン酸二無水物1モルと、R4で表されるモノアミン2モルとを有機溶媒、またはグリース基油中で反応させる。上記モノアミンに代えて、R4NCOを使用することもできる。この場合、上記式(2)においてn=0の化合物が得られる。
(iV)O(CO)23(CO)2Oで表されるテトラカルボン酸二無水物2モルと、H2NR1NH2で表されるジアミン1モルとを反応させて、イミド環を含み、末端カルボン酸無水物の化合物を得る。この末端カルボン酸無水物基を有する化合物1モルにR4NH2で表されるモノアミン2モルを有機溶媒、またはグリース基油中で反応させる方法。この場合、上記式(2)においてn=1の化合物が得られる。
また、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンと、モノアミンとの反応モル比を変えて、逐次的に反応生成物を得ることにより、上記式(2)においてn=2〜5の化合物が得られる。上記ジアミンに代えて、OCNR1NCOを、モノアミンに代えてR4NCO使用することもできる。
上記式(1)または式(2)で表されるイミド化合物において、n=0の場合が好ましい。n=0であると、化合物合成が容易であり、基油に配合することで増ちょう効果が得られやすくなる。
上記反応を有機溶媒中で行なう場合、有機溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、ハロゲン化メタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアニリン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒を好適に使用できる。また、後述するグリースの基油を溶媒として使用することもできる。
反応条件および操作方法は、特に限定されることなく、上記式(1)または式(2)で表される化合物、またはその中間体を生成できる条件であればよい。イミド環生成は、通常以下式(3)および式(4)で表される中間体を経由して生成するためである。
Figure 0005729585
上記式(3)は酸無水物とアミンとの反応時の中間体を、式(4)は酸無水物とイソシアネートとの反応時の中間体を、それぞれ表す。本発明の増ちょう剤は、上記中間体を含んでいてもよい。
酸無水物と、アミンまたはイソシアネートとを適当な溶媒、または基油に溶解させ、反応温度を−10〜200℃、1〜5時間反応させることにより、上記式(1)または式(2)で表される化合物が得られる。
上記式(1)または式(2)で表されるイミド化合物の合成は、反応性ある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基と酸無水物の無水カルボン酸基とは略当量となるように配合することが好ましい。基油中に増ちょう剤を配合するときは、基油中でイソシアネートと酸無水物とを反応させてもよく、また、予め合成された増ちょう剤を基油に混合してもよい。好ましい製造方法は、グリースの安定性を保ちやすい前者の方法である。
上記反応は、反応触媒の存在により促進される。特に、イソシアネート類と酸無水物との反応においては反応触媒を用いることが好ましく、その触媒としてはアミン系触媒が好ましい。アミン系触媒としてはジアミンが好ましい。ジアミンとしては、トリエチレンジアミン、テトラエチレンジアミンなどが挙げられる。
本発明の増ちょう剤におけるウレア化合物は、上記イミド化合物と併用するものである。本発明に使用できるウレア化合物としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、他のポリウレア化合物などが挙げられる。
ウレア化合物は、ポリイソシアネートとモノアミンとを反応して得られる。上記イミド化合物の合成と同様に、反応性のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量となるように配合することが好ましい。基油中に増ちょう剤を配合するときは、基油中で上記ポリイソシアネートとモノアミンとを反応させて製造できる。
ポリイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜などが挙げられる。
モノアミンとしては、脂肪族モノアミン、脂環族モノアミンおよび芳香族モノアミンなどが挙げられる。脂肪族モノアミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンなどが挙げられる。脂環族モノアミンとしては、シクロヘキシルアミンなどが挙げられる。芳香族モノアミンとしては、アニリン、p−トルイジンなどが挙げられる。
これらのウレア化合物の中でも、併用する上記イミド化合物の優れた耐熱性を損なわないために、上記ポリイソシアネートとして芳香族ジイソシアネートを用い、上記モノアミンとして芳香族モノアミンを用いた芳香族ウレア化合物の使用が特に好ましい。
本発明の増ちょう剤は、上記イミド化合物と、上記ウレア化合物とを含むものであり、基油を増ちょうさせる増ちょう剤として使用できる。この増ちょう剤を用いたグリースが本発明のグリースである。
本発明の増ちょう剤は、上記イミド化合物と、上記ウレア化合物とをそれぞれ得た後に、これらを混合することで得られる。また、各化合物の原料成分を基油中で反応させて、上記イミド化合物を増ちょう剤とするグリースと、上記ウレア化合物を増ちょう剤とするグリースとをそれぞれ得た後に、これらのグリースを混合することで、増ちょう剤として、上記イミド化合物と上記ウレア化合物とを含むグリースが得られる。その他、予め合成したいずれかの化合物を、他方の化合物を増ちょう剤とするグリースに配合することもできる。グリースの安定性を保ちやすいことから、各化合物をそれぞれ基油中で合成し、グリース化後に混合する方法が好ましい。
本発明のグリースにおける基油としては、鉱油、合成炭化水素油、エステル油、エーテル油、イオン液体、シリコーン油、フッ素油などが使用できる。
本発明に使用できる鉱油としては、原油から得られる潤滑油を減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製などの精製を行なったものが挙げられる。
本発明に使用できる合成炭化水素油としては、脂肪族炭化水素油が好ましく、脂肪族炭化水素油の中でもPAO油、α−オレフィンとオレフィンとの共重合体などがより好ましい。これらは、α−オレフィンなどの低重合体であるオリゴマーの末端二重結合に水素を添加した構造である。また、PAO油の1種であるポリブテンも使用でき、これはイソブチレンを主体とする出発原料から塩化アルミニウムなどの触媒を用いて重合して製造できる。ポリブテンは、そのまま用いても水素添加して用いてもよい。
本発明に使用できるエステル油は、分子内にエステル基を有し室温で液状を示す化合物である。好適なエステル油としては、芳香族エステル油、ポリオールエステル油が挙げられる。
芳香族エステル油は、芳香族多塩基酸またはその誘導体と、高級アルコールとの反応で得られる化合物が好ましい。芳香族多塩基酸としては、トリメリット酸、ビフェニルトリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸などの芳香族トリカルボン酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸などの芳香族テトラカルボン酸、またはこれらの酸無水物などの誘導体が挙げられる。高級アルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコールなどの炭素数4以上の脂肪族1価アルコールが好ましい。芳香族エステル油の例としては、トリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテートなどが挙げられる。
ポリオールエステル油は、ポリオールと一塩基酸との反応で得られる分子内にエステル基を複数個有する化合物が好ましい。ポリオールに反応させる一塩基酸は単独で用いてもよく、また混合物として用いてもよい。なお、オリゴエステルの場合には二塩基酸を用いてもよい。ポリオールとしては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールなどが挙げられる。一塩基酸としては、炭素数4〜18の1価の脂肪酸が挙げられる。例えば、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、牛脂酸、ステアリン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、サビニン酸、リシノール酸などが挙げられる。
本発明に使用できるエーテル油としては、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、ジアルキルジフェニルエーテル油、アルキルトリフェニルエーテル油、アルキルテトラフェニルエーテル油、ジアルキルジフェニルエーテル油などが挙げられる。
本発明に使用できるイオン液体は、カチオン成分とアニオン成分との組み合わせとして得られる。カチオン成分としては脂肪族または脂環式アミンカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジンカチオンなどが挙げられ、アニオン成分としてはハロゲン化物イオン、SCN-、BF4 -、ClO4 -、PF6 -、(CF3SO22-、(CF3CF2SO22-、CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4-、(CF3SO23-、PF3(C253 -などが挙げられる。これらの中で耐熱性と低温流動性と環境適合性に優れることから、カチオン成分としてイミダゾリウムカチオンを、アニオン成分として(CF3SO22-(ビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオン)、PF3(C253 -(トリ(ペンタフルオロエチル)-トリフルオロフォスファイドアニオン)を用いることが好ましい。
イオン液体の市販品としては、例えば、カチオン成分を1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、アニオン成分をビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンとするメルク社製のOMI−TFSI、カチオン成分を1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、アニオン成分をビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンとするメルク社製のHMI−TFSI、カチオン成分を1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、アニオン成分をトリフルオロ-トリ(ペンタフルオロエチル)フォスファイドアニオンとするメルク社製のHMI−PF3(C253 -などが挙げられる。
本発明のグリースでは、上記基油の中でも、耐熱性などに優れることから、エーテル油、PAO油および鉱油から選ばれた少なくとも一つを用いることが好ましい。エーテル油、PAO油および鉱油は、イミド化合物単独では増ちょうされにくいが、増ちょう剤にウレア化合物を併用することで、増ちょうさせやすくなり、グリース中における増ちょう剤全体としての濃度を低くできる。
グリース全体に占める増ちょう剤全体の量は、10〜60重量%であることが好ましい。より好ましくは、10〜50重量%である。10重量%未満では、グリースが軟化して漏洩しやすくなり、軸受に封入することが困難になる。一方、60重量%をこえると硬質化して、軸受封入用のグリースとして実用性がなくなる。
増ちょう剤としての上記イミド化合物の配合割合は、グリース全体に対して10〜50重量%であることが好ましい。より好ましくは、10〜40重量%である。10重量%未満では、耐熱性が不足するおそれがある。一方、50重量%をこえると相対的にウレア化合物の配合量が減り、増ちょう性の改善が十分に図れない場合がある。
増ちょう剤としての上記ウレア化合物の配合割合は、グリース全体に対して2〜20重量%であることが好ましい。より好ましくは、4〜16重量%である。2重量%未満では、増ちょう性の改善が十分に図れない場合がある。一方、20重量%をこえると、相対的にイミド化合物の配合量が減り、耐熱性が不足するおそれがある。
本発明のグリースには、必要に応じて、アミン系やフェノール系の酸化防止剤を配合できる。このような酸化防止剤としては、p,p′-ジオクチルジフェニルアミン、N,N′-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミンなどのアルキル化ジフェニルアミン、フェニル-1-ナフチルアミン、フェニル-2-ナフチルアミン、ジフェニル-p-フェニレンジアミン、ジピリジルアミン、オレイルアミドアミン、フェノチアジン、N-メチルフェノチアジン、N-エチルフェノチアジン、3,7-ジオクチルフェノチアジン、アルキルジチオりん酸亜鉛、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネートなどが挙げられる。また、セバシン酸ナトリウムを酸化防止剤として配合できる。
本発明のグリースには、その優れた性能を高めるため、必要に応じて他の公知の添加剤を含有させることができる。この添加剤として、例えば、塩素系、イオウ系、りん系化合物、有機モリブデンなどの極圧剤、石油スルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、ソルビタンエステルなどのさび止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレンなどの粘度指数向上剤などが挙げられ、これらを単独または2種類以上組み合わせて添加できる。
本発明のグリース封入軸受の一例を図1に示す。図1は転がり軸受である深溝玉軸受の断面図である。グリース封入軸受1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。複数個の転動体4は、保持器5により保持されている。外輪3等にシール部材6が固定され、少なくとも転動体4の周囲に本発明のグリース7が封入される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
<ウレアグリースA〜C>
表1に示す配合割合で基油および増ちょう剤の原料を使用し、以下の方法でウレア化合物を増ちょう剤とするウレアグリースA〜Cを作製した。MDI(ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネート)を基油半量に加熱溶解させ、これにp−トルイジンを同基油半量に加熱溶解させたものを加えた。p−トルイジンの配合量は、モル比でMDIの2倍量である。生成したベースグリースをロールミルに通し、半固形状のグリースを得た。得られたグリースの混和ちょう度の測定結果を表1に示す。
<イミドグリースD〜F>
表1に示す配合割合で基油および増ちょう剤の原料を使用し、以下の方法でイミド化合物を増ちょう剤とするイミドグリースD〜Fを作製した。MDIと無水フタル酸とを基油に加熱溶解させ、これに触媒としてトリエチレンジアミンを加えた。無水フタル酸の配合量は、モル比でMDIの2倍である。また、トリエチレンジアミンの配合量は、基油と増ちょう剤の合計量100重量部に対して5重量部である。基油溶液を90〜150℃で10時間反応させて、生成したベースグリースをロールミルに通し、半固形状のグリースを得た。得られたグリースの混和ちょう度の測定結果を表1に示す。
<イミドグリースG>
表1に示す配合割合で基油および増ちょう剤の原料を使用し、以下の方法でイミド化合物を増ちょう剤とするイミドグリースGを作製した。基油中でDDE(4,4'−ジアミノジフェニルエーテル)と無水フタル酸をモル比で1:2で加熱融解させた。基油溶液を90〜150℃で10時間反応させて、生成したベースグリースをロールミルに通し、半固形状のグリースを得た。得られたグリースの混和ちょう度の測定結果を表1に示す。
<イミドグリースH>
表1に示す配合割合で基油および増ちょう剤の原料を使用し、以下の方法でイミド化合物を増ちょう剤とするイミドグリースHを作製した。基油中でPMDA(ピロメリット酸二無水物)とp−トルイジンをモル比で1:2で加熱融解させた。基油溶液を90〜150℃で10時間反応させて、生成したベースグリースをロールミルに通し、半固形状のグリースを得た。得られたグリースの混和ちょう度の測定結果を表1に示す。
Figure 0005729585
実施例1〜実施例9
ウレアグリースA〜CとイミドグリースD〜Hを表2に示す配合割合で混合して、増ちょう剤としてウレア化合物とイミド化合物とを含むグリース状物質(混合グリース)を得た。得られた混合グリースの混和ちょう度の測定結果を表2に示す。また、各混合グリースについて、以下に示す高温高速耐久性試験を行ない、これらの結果を表2に併記する。
比較例1〜比較例3
ウレアグリースA〜Cについて、以下に示す高温高速耐久性試験を行ない、この結果を表2に示す。
<高温高速耐久性試験>
転がり軸受(軸受寸法:内径 20mm、外径 47mm、幅 14mm)に各実施例、比較例のグリースを1.8g封入し、軸受外輪外径部温度を180℃または200℃、ラジアル荷重を67N、アキシャル荷重を67Nの下で10000rpmの回転数で回転させ、焼き付きに至るまでの時間(時間(h))を測定した。
Figure 0005729585
表1から、ウレア化合物と所定のイミド化合物とからなる増ちょう剤を用いた各実施例は、ジウレア化合物のみを増ちょう剤として用いた各比較例よりも高温高速耐久性に優れることがわかる。
本発明のグリースは、増ちょう剤にイミド結合を有する化合物とウレア結合を有する化合物とを含むので、高温高速耐久性に優れる。このため、近年において高温および高速回転条件下で使用される家電や産業機器のモータ用などの転がり軸受として好適に利用できる。
1 グリース封入軸受
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース

Claims (12)

  1. 基油に増ちょう剤を含んでなるグリースであって、
    前記基油が、エーテル油、ポリ−α−オレフィン油および鉱油から選ばれる少なくとも1つであり、
    前記増ちょう剤は、ウレア化合物と、下記式(1)または式(2)で表されるイミド化合物とからなり、
    前記ウレア化合物が、原料成分である芳香族ジイソシアネートと芳香族モノアミンとを反応して得られた芳香族ウレア化合物であり、
    前記増ちょう剤において、前記イミド化合物が前記グリース全体に対して10〜40重量%含まれ、前記ウレア化合物が前記グリース全体に対して4〜16重量%含まれることを特徴とするグリース
    Figure 0005729585
    式(1)または式(2)において、R1はジアミンまたはジイソシアネートの残基を表し、R2は隣接する2つの炭素原子がイミド環を形成するジカルボン酸またはその誘導体の残基を表し、R3はテトラカルボン酸またはその誘導体の残基を表し、R4は水素原子またはモノアミンもしくはモノイソシアネートの残基を表し、nは0〜5の整数を表す。
  2. 前記R1およびR2は、それぞれ独立に、脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であることを特徴とする請求項1記載のグリース
  3. 前記R3は、隣接する2つの炭素原子がイミド環を形成する4価の脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のグリース
  4. 前記R1、R2およびR3は、芳香族炭化水素基であることを特徴とする請求項2または請求項3記載のグリース
  5. 前記式(1)または式(2)において、n=0であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のグリース
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか1項記載のグリースの製造方法であって、
    前記増ちょう剤を得る工程として、前記イミド化合物を得る工程と、前記ウレア化合物を得る工程と、それぞれの工程で得られた該イミド化合物と該ウレア化合物とを混合する工程とを備えてなり、
    前記イミド化合物を得る工程は、酸無水物化合物とアミノ化合物とを反応させる工程、または、酸無水物化合物とイソシアネート化合物とを反応させる工程を有することを特徴とするグリースの製造方法。
  7. 前記イミド化合物を得る工程が、前記式(1)で表されるイミド化合物を得る工程であり、ジイソシアネートと酸一無水物とを反応させる工程を有することを特徴する請求項記載のグリースの製造方法。
  8. 前記イミド化合物を得る工程が、前記式(2)で表されるイミド化合物を得る工程であり、モノイソシアネートと酸二無水物とを反応させる工程を有することを特徴する請求項記載のグリースの製造方法。
  9. 前記反応がアミン系触媒の存在下に行なわれることを特徴とする請求項または請求項記載のグリースの製造方法。
  10. 前記アミン系触媒がジアミンであることを特徴とする請求項記載のグリースの製造方法。
  11. 請求項ないし請求項のいずれか1項記載のグリースの製造方法であって、
    前記基油中で前記イミド化合物の原料成分を反応させて該イミド化合物を増ちょう剤とするグリースを得る工程と、前記基油中で前記ウレア化合物の原料成分を反応させて該ウレア化合物を増ちょう剤とするグリースを得る工程と、これらのグリースを混合する工程とを備えてなることを特徴とするグリースの製造方法。
  12. グリースが封入されてなるグリース封入軸受であって、
    前記グリースが請求項ないし請求項のいずれか1項記載のグリースであることを特徴とするグリース封入軸受。
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