JP5729585B2 - グリースおよびその製造方法、ならびにグリース封入軸受 - Google Patents
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テトラカルボン酸としては、ピロメリット酸、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、4,4'−スルホニルジフタル酸、m−タ−フェニル−3,3',4,4'−テトラカルボン酸、4,4'−オキシジフタル酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−または3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−または3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2,3−または3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(2,3−または3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ブタンテトラカルボン酸、ビシクロ−[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸などが例示される。
(i)H2NR1NH2で表されるジアミン1モルと、R2(CO)2Oで表されるジカルボン酸一無水物2モルとを有機溶媒、またはグリース基油中で反応させる。上記ジアミンに代えて、OCNR1NCOを使用することもできる。この場合、上記式(1)においてn=0の化合物が得られる。
(iii)O(CO)2R3(CO)2Oで表されるテトラカルボン酸二無水物1モルと、R4で表されるモノアミン2モルとを有機溶媒、またはグリース基油中で反応させる。上記モノアミンに代えて、R4NCOを使用することもできる。この場合、上記式(2)においてn=0の化合物が得られる。
表1に示す配合割合で基油および増ちょう剤の原料を使用し、以下の方法でウレア化合物を増ちょう剤とするウレアグリースA〜Cを作製した。MDI(ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネート)を基油半量に加熱溶解させ、これにp−トルイジンを同基油半量に加熱溶解させたものを加えた。p−トルイジンの配合量は、モル比でMDIの2倍量である。生成したベースグリースをロールミルに通し、半固形状のグリースを得た。得られたグリースの混和ちょう度の測定結果を表1に示す。
表1に示す配合割合で基油および増ちょう剤の原料を使用し、以下の方法でイミド化合物を増ちょう剤とするイミドグリースD〜Fを作製した。MDIと無水フタル酸とを基油に加熱溶解させ、これに触媒としてトリエチレンジアミンを加えた。無水フタル酸の配合量は、モル比でMDIの2倍である。また、トリエチレンジアミンの配合量は、基油と増ちょう剤の合計量100重量部に対して5重量部である。基油溶液を90〜150℃で10時間反応させて、生成したベースグリースをロールミルに通し、半固形状のグリースを得た。得られたグリースの混和ちょう度の測定結果を表1に示す。
表1に示す配合割合で基油および増ちょう剤の原料を使用し、以下の方法でイミド化合物を増ちょう剤とするイミドグリースGを作製した。基油中でDDE(4,4'−ジアミノジフェニルエーテル)と無水フタル酸をモル比で1:2で加熱融解させた。基油溶液を90〜150℃で10時間反応させて、生成したベースグリースをロールミルに通し、半固形状のグリースを得た。得られたグリースの混和ちょう度の測定結果を表1に示す。
表1に示す配合割合で基油および増ちょう剤の原料を使用し、以下の方法でイミド化合物を増ちょう剤とするイミドグリースHを作製した。基油中でPMDA(ピロメリット酸二無水物)とp−トルイジンをモル比で1:2で加熱融解させた。基油溶液を90〜150℃で10時間反応させて、生成したベースグリースをロールミルに通し、半固形状のグリースを得た。得られたグリースの混和ちょう度の測定結果を表1に示す。
ウレアグリースA〜CとイミドグリースD〜Hを表2に示す配合割合で混合して、増ちょう剤としてウレア化合物とイミド化合物とを含むグリース状物質(混合グリース)を得た。得られた混合グリースの混和ちょう度の測定結果を表2に示す。また、各混合グリースについて、以下に示す高温高速耐久性試験を行ない、これらの結果を表2に併記する。
ウレアグリースA〜Cについて、以下に示す高温高速耐久性試験を行ない、この結果を表2に示す。
転がり軸受(軸受寸法:内径 20mm、外径 47mm、幅 14mm)に各実施例、比較例のグリースを1.8g封入し、軸受外輪外径部温度を180℃または200℃、ラジアル荷重を67N、アキシャル荷重を67Nの下で10000rpmの回転数で回転させ、焼き付きに至るまでの時間(時間(h))を測定した。
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース
Claims (12)
- 基油に増ちょう剤を含んでなるグリースであって、
前記基油が、エーテル油、ポリ−α−オレフィン油および鉱油から選ばれる少なくとも1つであり、
前記増ちょう剤は、ウレア化合物と、下記式(1)または式(2)で表されるイミド化合物とからなり、
前記ウレア化合物が、原料成分である芳香族ジイソシアネートと芳香族モノアミンとを反応して得られた芳香族ウレア化合物であり、
前記増ちょう剤において、前記イミド化合物が前記グリース全体に対して10〜40重量%含まれ、前記ウレア化合物が前記グリース全体に対して4〜16重量%含まれることを特徴とするグリース。
- 前記R1およびR2は、それぞれ独立に、脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であることを特徴とする請求項1記載のグリース。
- 前記R3は、隣接する2つの炭素原子がイミド環を形成する4価の脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のグリース。
- 前記R1、R2およびR3は、芳香族炭化水素基であることを特徴とする請求項2または請求項3記載のグリース。
- 前記式(1)または式(2)において、n=0であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のグリース。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のグリースの製造方法であって、
前記増ちょう剤を得る工程として、前記イミド化合物を得る工程と、前記ウレア化合物を得る工程と、それぞれの工程で得られた該イミド化合物と該ウレア化合物とを混合する工程とを備えてなり、
前記イミド化合物を得る工程は、酸無水物化合物とアミノ化合物とを反応させる工程、または、酸無水物化合物とイソシアネート化合物とを反応させる工程を有することを特徴とするグリースの製造方法。 - 前記イミド化合物を得る工程が、前記式(1)で表されるイミド化合物を得る工程であり、ジイソシアネートと酸一無水物とを反応させる工程を有することを特徴する請求項6記載のグリースの製造方法。
- 前記イミド化合物を得る工程が、前記式(2)で表されるイミド化合物を得る工程であり、モノイソシアネートと酸二無水物とを反応させる工程を有することを特徴する請求項6記載のグリースの製造方法。
- 前記反応がアミン系触媒の存在下に行なわれることを特徴とする請求項7または請求項8記載のグリースの製造方法。
- 前記アミン系触媒がジアミンであることを特徴とする請求項9記載のグリースの製造方法。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のグリースの製造方法であって、
前記基油中で前記イミド化合物の原料成分を反応させて該イミド化合物を増ちょう剤とするグリースを得る工程と、前記基油中で前記ウレア化合物の原料成分を反応させて該ウレア化合物を増ちょう剤とするグリースを得る工程と、これらのグリースを混合する工程とを備えてなることを特徴とするグリースの製造方法。 - グリースが封入されてなるグリース封入軸受であって、
前記グリースが請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載のグリースであることを特徴とするグリース封入軸受。
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