JP5728851B2 - ポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高分子量、高融点を有し、かつ高結晶性のポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成するポリ乳酸ブロック共重合体を効率的に製造する方法に関するものである。
ポリ乳酸は、比較的コストが安く、融点もおよそ170℃と耐熱性を有していることから、溶融成形可能な生分解性ポリマ−として期待され、また、モノマーである乳酸が微生物を利用した発酵法により安価に製造されるようになり、より一層低コストでポリ乳酸を生産できるようになってきたため、生分解性ポリマーとしてだけでなく、汎用ポリマーとしての利用も検討されるようになってきた。
さらに、ポリ−L−乳酸(以下、PLLAと称する)とポリ−D−乳酸(以下、PDLAと称する)を混合することにより、ポリ乳酸ステレオコンプレックスが得られることが知られており、これが高融点および高結晶性を示し、繊維やフィルム、樹脂成形品として有用な製品を与えることが知られている。
しかし、特許文献1、特許文献2、特許文献3、非特許文献1などに記載の方法でポリ乳酸ステレオコンプレックスを得るためには、溶液状態または溶融状態でPLLAとPDLAを混合して作製する必要がある。
しかしながら、PLLAとPDLAを溶液状態で混合する場合には、混合後に溶剤を揮発させる必要があることから、製造工程が煩雑になりコストアップにつながるという問題があった。
また、PLLAとPDLAを溶融状態で混合する場合には、ポリ乳酸ステレオコンプレックスが十分に溶融する温度で混合する必要があり、そのような温度ではポリ乳酸の分解反応も同時に発生するため、成形品として用いる際には、物性の低下を招くという問題があった。
また、成形品としての実用的な強度を達成するためには高分子量のポリ乳酸を用いることが好ましいが、非特許文献1には、PLLAとPDLAのそれぞれの分子量が、高分子量、特に10万以上の高分子量ポリ乳酸の組み合わせからは、ポリ乳酸ステレオコンプレックスが得られにくいと記載されており、高分子量ポリ乳酸の組み合わせからポリ乳酸ステレオコンプレックスを得るためには、溶液状態で混合する場合には、混合溶液を溶液状態で長期間にわたって保持する必要があり、また溶融状態で混合する場合には、長時間の混練を行う必要があることから、生産性に問題があった。さらに、これらの方法で得たポリ乳酸ステレオコンプレックスは、溶融処理を行うたびに、融点が著しく降下してしまうという問題があった。
特許文献4には、高分子量でもステレオコンプレックスを形成する技術として、PLLAセグメントとPDLAセグメントからなるブロック共重合体が開示されている。特許文献5には、ブロック共重合体の製造方法として低分子量のポリ乳酸を用いた溶融混合を行い、その混合物を固相重合する方法が開示されているが、分子量を上げるためには高温・長時間での反応を必要とした。特許文献6では、L成分とD成分を融点近傍で混合し、ホモ結晶の存在下で固相重合することによるポリ乳酸ブロック共重合体を得る方法が記載されているが、長時間の反応を必要とした。
特開昭61−36321号公報 特開昭63−241024号公報 特開2000−17163号公報 特開2002−356543号公報 特開2003−238672号公報 特開2006−307071号公報
Macromolecules.24,5651(1991)
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものであり、その目的とするところは、ポリ乳酸を用いて、高分子量かつ高融点を有するポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成するポリ乳酸ブロック共重合体を効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明は、上述した問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものであり、その目的とするところは、高分子量、高融点を有し、かつ熱安定性の高いポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成するポリ乳酸ブロック共重合体を効率的に製造する方法を提供するところにある。
すなわち、
1. 非晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸、または、非晶状態のポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−L−乳酸を混合して、ポリ乳酸中の全結晶におけるステレオコンプレックス結晶の占める割合であるステレオコンプレックス形成率(Sc)が30%以下、重量平均分子量が1.8万以下、かつ結晶化に基づく結晶化熱量ΔHc(J/g)が下記式(1)を満たす混合物とし、当該混合物を固相重合することを特徴とするポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
10×Ca/100(J/g)<ΔHc<50×Ca/100(J/g) (1)
ΔHc:ポリ−L−乳酸単独およびポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量(J/g)
Ca:全ポリ乳酸に占める非晶状態のポリ乳酸の含有率(%
2. 結晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸を混合して、ポリ乳酸中の全結晶におけるステレオコンプレックス結晶の占める割合であるステレオコンプレックス形成率(Sc)が30%以下、重量平均分子量が1.8万以下、かつ結晶化に基づく結晶化熱量ΔHc(J/g)が下記式(2)を満たす混合物とし、当該混合物を固相重合することを特徴とするポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
ΔHc<5(J/g) (2)
ΔHc:ポリ−L−乳酸単独およびポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量(J/g)
3. 混合物のステレオコンプレックス形成率(Sc)が15%以下、5%以上であることを特徴とする1または2に記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
4. ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸との混合比が70:30〜30:70であることを特徴とする1〜のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
5. 非晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸、または、非晶状態のポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−L−乳酸を、下記式(A)(B)(C)で表されるいずれかの温度範囲Tで混合することを特徴とする1、3〜4のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
Tme<Tms’のとき、
Tms≦T≦Tme (A)
Tms<Tms’≦Tmeのとき、
Tms≦T<Tms’ (B)
Tms’<Tmsのとき、
Tms’≦T<Tm (C)
Tm :非晶状態のポリ乳酸の融点。
Tms :非晶状態のポリ乳酸の融解開始温度。
Tme :非晶状態のポリ乳酸の融解終了温度。
Tms’:結晶状態のポリ乳酸の融解開始温度
6. 非晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合、または、非晶状態のポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体を混合することを特徴とする1、3〜5のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
7. 非晶状態のポリ−L−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合、または、非晶状態のポリ−D−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体を混合することを特徴とする1、3〜5のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
8. 結晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸を80℃以上140℃以下で混合することを特徴とする2〜4のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
9. 結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合することを特徴とする2〜4、8のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
10. 得られるポリ乳酸ブロック共重合体の重量平均分子量が10万以上であり、ステレオコンプレックス形成率(Sc)が75〜100%であることを特徴とする1〜のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
高分子量、高融点を有し、かつ熱安定性の高いポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成するポリ乳酸ブロック共重合体を効率的に得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、ポリ乳酸ブロック共重合体とは、L−乳酸単位からなるセグメントとD−乳酸単位からなるセグメントにより構成されるポリ乳酸ブロック共重合体である。
ここで、L−乳酸単位からなるセグメントとは、L−乳酸を主成分とする重合体であり、L−乳酸単位を70モル%以上含有していることが好ましく、90モル%以上含有していることがより好ましく、95モル%以上含有していることがさらに好ましく、98モル%以上含有していることが特に好ましい。
また、D−乳酸単位からなるセグメントとは、D−乳酸を主成分とする重合体であり、D−乳酸単位を70モル%以上含有していることが好ましく、90モル%以上含有していることがより好ましく、95モル%以上含有していることがさらに好ましく、98モル%以上含有していることが特に好ましい。
本発明において、L−乳酸またはD−乳酸単位からなるセグメントは、得られるポリ乳酸ブロック共重合体の性能を損なわない範囲で、他の成分単位を含んでいてもよい。L−乳酸またはD−乳酸単位以外の他の成分単位としては、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類またはそれらの誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加した多価アルコール、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類またはそれらの誘導体、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類、およびグリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。
本発明の方法により得られるポリ乳酸ブロック共重合体の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、10万以上であることが、機械物性の点で好ましい。特に、10万以上120万以下であることが、成形性および機械物性の点でより好ましい。なお、重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量の値である。
さらに、本発明においては、ポリ乳酸ブロック共重合体一分子あたりに含まれるL−乳酸単位からなるセグメントおよびD−乳酸単位からなるセグメントの合計数が3以上であることが、高融点のポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成しやすいポリ乳酸ブロック共重合体が得られる点で好ましい。
本発明において、L−乳酸単位からなるセグメントとD−乳酸単位からなるセグメントのそれぞれの合計の重量比は、90:10〜10:90であることが好ましく、さらに75:25〜25:75であることがより好ましく、特に60:40〜40:60であることが最も好ましい。L−乳酸単位からなるセグメントの重量比がそれぞれ10重量%未満であるか、あるいは90重量%を越えると、得られるポリ乳酸ブロック共重合体の融点の上昇が小さくなり、ポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成しにくくなる傾向を生じる。
(ポリ乳酸の製造方法)
用いるL―乳酸単位からなるポリ−L−乳酸およびD―乳酸単位からなるポリ−D−乳酸については、特に限定されるものではなく、一般のポリ乳酸の製造方法を利用することができる。具体的には、L―乳酸またはD−乳酸を原料として、一旦、環状2量体であるL−ラクチドまたはD−ラクチドを生成せしめ、その後、開環重合を行う2段階のラクチド法と、当該原料を溶媒中または非溶媒中で直接脱水縮合を行う1段階の直接重合法などが知られており、いずれの製法を利用してもよい。
ここで、ポリ−L−乳酸とは、L−乳酸を主成分とする重合体であり、L−乳酸単位を70モル%以上含有しているものであり、90モル%以上含有していることがより好ましく、95モル%以上含有していることがさらに好ましく、98モル%以上含有していることが特に好ましい。
また、ポリ−D−乳酸とは、D−乳酸を主成分とする重合体であり、D−乳酸単位を70モル%以上含有しているものであり、90モル%以上含有していることがより好ましく、95モル%以上含有していることがさらに好ましく、98モル%以上含有していることが特に好ましい。
本発明において、用いるポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸の重量平均分子量は、10万以下であることが好ましく、7万以下がさらに好ましく、5万以下が特に好ましい。また、重量平均分子量が1万以上であることが好ましい。
また、ポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸に含有するラクチド量およびオリゴマー量は、それぞれ5%以下であることが好ましい。さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下である。また、ポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸に含有する乳酸量は、2%以下であることが好ましい。さらに好ましくは1%以下であり、特に好ましくは0.5%以下である。
重合触媒としては、金属触媒と酸触媒が挙げられる。金属触媒としては、塩化第一錫以外の錫化合物、チタン化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、コバルト化合物、鉄化合物、リチウム化合物、希土類化合物が挙げられ、化合物の種類としては、金属アルコキシド、金属ハロゲン化合物、有機カルボン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酸化物などが好ましい。具体的には、錫粉末、塩化錫(II)、塩化錫(IV)、臭化錫(II)、臭化錫(IV)、エトキシ錫(II)、t−ブトキシ錫(IV)、イソプロポキシ錫(IV)、酢酸錫(II)、酢酸錫(IV)、オクチル酸錫(II)、ラウリン酸錫(II)、ミリスチン酸錫(II)、パルミチン酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)、オレイン酸錫(II)、リノール酸錫(II)、アセチルアセトン錫(II)、シュウ酸錫(II)、乳酸錫(II)、酒石酸錫(II)、ピロリン酸錫(II)、p−フェノールスルホン酸錫(II)、ビス(メタンスルホン酸)錫(II)、硫酸錫(II)、酸化錫(II)、酸化錫(IV)、硫化錫(II)、硫化錫(IV)、酸化ジメチル錫(IV)、酸化メチルフェニル錫(IV)、酸化ジブチル錫(IV)、酸化ジオクチル錫(IV)、酸化ジフェニル錫(IV) 、酸化トリブチル錫、水酸化トリエチル錫(IV)、水酸化トリフェニル錫(IV)、水素化トリブチル錫、モノブチル錫(IV)オキシド、テトラメチル錫(IV)、テトラエチル錫(IV)、テトラブチル錫(IV)、ジブチルジフェニル錫(IV)、テトラフェニル錫(IV)、酢酸トリブチル錫(IV)、酢酸トリイソブチル錫(IV)、酢酸トリフェニル錫(IV)、二酢酸ジブチル錫、ジオクタン酸ジブチル錫、ジラウリン酸ジブチル錫(IV)、マレイン酸ジブチル錫(IV)、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、塩化トリブチル錫(IV)、二塩化ジブチル錫、三塩化モノブチル錫、二塩化ジオクチル錫、塩化トリフェニル錫(IV)、硫化トリブチル錫、硫酸トリブチル錫、メタンスルホン酸錫(II)、エタンスルホン酸錫(II)、トリフルオロメタンスルホン酸錫(II)、ヘキサクロロ錫(IV)酸アンモニウム、ジブチル錫スルフィド、ジフェニル錫スルフィドおよび硫酸トリエチル錫、フタロシアニン錫(II)等の錫化合物が挙げられ、中でも、塩化第一錫以外の錫化合物が好ましい。また、チタニウムメトキシド、チタニウムプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムブトキシド、チタニウムイソブトキシド、チタニウムシクロヘキシド、チタニウムフェノキシド、塩化チタン、二酢酸チタン、三酢酸チタン、四酢酸チタン、酸化チタン(IV)等のチタン化合物、ジイソプロポキシ鉛(II)、一塩化鉛、酢酸鉛、オクチル酸鉛(II)、イソオクタン酸鉛(II)、イソノナン酸鉛(II)、ラウリン酸鉛(II)、オレイン酸鉛(II)、リノール酸鉛(II)、ナフテン酸鉛、ネオデカン酸鉛(II)、酸化鉛、硫酸鉛(II)等の鉛化合物、亜鉛粉末、メチルプロポキシ亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛(II)、ナフテン酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛等の亜鉛化合物、塩化コバルト、酢酸コバルト、オクチル酸コバルト(II)、イソオクタン酸コバルト(II)、イソノナン酸コバルト(II)、ラウリン酸コバルト(II)、オレイン酸コバルト(II)、リノール酸コバルト(II)、ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト(II)、炭酸第一コバルト、硫酸第一コバルト、酸化コバルト(II)等のコバルト化合物、塩化鉄(II)、酢酸鉄(II)、オクチル酸鉄(II)、ナフテン酸鉄、炭酸鉄(II)、硫酸鉄(II)、酸化鉄(II)等の鉄化合物、プロポキシリチウム、塩化リチウム、酢酸リチウム、オクチル酸リチウム、ナフテン酸リチウム、炭酸リチウム、硫酸ジリチウム、酸化リチウム等のリチウム化合物、トリイソプロポキシユウロピウム(III)、トリイソプロポキシネオジム(III)、トリイソプロポキシランタン、トリイソプロポキシサマリウム(III)、トリイソプロポキシイットリウム、イソプロポキシイットリウム、塩化ジスプロシウム、塩化ユウロピウム、塩化ランタン、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化イットリウム、三酢酸ジスプロシウム(III)、三酢酸ユウロピウム(III)、酢酸ランタン、三酢酸ネオジム、酢酸サマリウム、三酢酸イットリウム、炭酸ジスプロシウム(III)、炭酸ジスプロシウム(IV)、炭酸ユウロピウム(II)、炭酸ランタン、炭酸ネオジム、炭酸サマリウム(II)、炭酸サマリウム(III)、炭酸イットリウム、硫酸ジスプロシウム、硫酸ユウロピウム(II)、硫酸ランタン、硫酸ネオジム、硫酸サマリウム、硫酸イットリウム、二酸化ユウロピウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化サマリウム(III)、酸化イットリウム等の希土類化合物が挙げられる。その他にも、カリウムイソプロポキシド 、塩化カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、ナフテン酸カリウム、炭酸tert−ブチルカリウム、硫酸カリウム、酸化カリウム等のカリウム化合物、銅(II)ジイソプロポキシド、塩化銅(II)、酢酸銅(II)、オクチル酸銅、ナフテン酸銅、硫酸銅(II)、炭酸二銅等の銅化合物、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、オクチル酸ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル(II)、酸化ニッケル等のニッケル化合物、テトライソプロポキシジルコニウム(IV)、三塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム(II)、炭酸ジルコニウム(IV)、硫酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム(II)等のジルコニウム化合物、トリイソプロポキシアンチモン、フッ化アンチモン(III)、フッ化アンチモン(V)、酢酸アンチモン、酸化アンチモン(III)等のアンチモン化合物、マグネシウム、マグネシウムジイソプロポキシド 、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物、ジイソプロポキシカルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム化合物、アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、オクチル酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物、ゲルマニウム、
テトライソプロポキシゲルマン、酸化ゲルマニウム(IV)等のゲルマニウム化合物、
トリイソプロポキシマンガン(III)、三塩化マンガン、酢酸マンガン、オクチル酸マンガン(II)、ナフテン酸マンガン(II)、硫酸第一マンガン等のマンガン化合物、塩化ビスマス(III)、ビスマス粉末、酸化ビスマス(III)、酢酸ビスマス、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス等のビスマス化合物なども挙げることができる。また、錫酸ナトリウム、錫酸マグネシウム、錫酸カリウム、錫酸カルシウム、錫酸マンガン、錫酸ビスマス、錫酸バリウム、錫酸ストロンチウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸コバルト、チタン酸亜鉛、チタン酸マンガン、チタン酸ジルコニウム、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどの2種以上の金属元素からなる化合物なども好ましい。また、酸触媒としては、プロトン供与体のブレンステッド酸でもよく、電子対受容体であるルイス酸でもよく、有機酸および無機酸のいずれでもよい。具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、オクチル酸、ノナン酸、イソノナン酸、トリフルオロ酢酸およびトリクロロ酢酸などのモノカルボン酸化合物、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸およびマロン酸などのジカルボン酸化合物、クエン酸およびトリカリバリル酸などのトリカルボン酸化合物、ベンゼンスルホン酸、n−ブチルベンゼンスルホン酸、n−オクチルベンゼンスルホン酸、n−ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジブチルベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼンスルホン酸、3,5−ジアミノ−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、p−クロルベンゼンスルホン酸、 2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、o−クレゾールスルホン酸、m−クレゾールスルホン酸、p−クレゾールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、4,4−ビフェニルジスルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジアミノ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、 アニリン−2,4−ジスルホン酸、アントラキノン−1,5−ジスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸などの芳香族スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、ペンタデシルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、 1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸などの脂肪族スルホン酸、シクロペンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸およびカンファースルホン酸、3−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸などの脂環式スルホン酸などのスルホン酸化合物、アスパラギン酸やグルタミン酸などの酸性アミノ酸、アスコルビン酸、レチノイン酸、リン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、リン酸モノドデシルおよびリン酸モノオクタデシルなどのリン酸モノエステル、リン酸ジドデシルおよびリン酸ジオクタデシルなどのリン酸ジエステル、亜リン酸モノエステルおよび亜リン酸ジエステルなどのリン酸化合物、ホウ酸、塩酸、硫酸なども挙げられる。また、酸触媒としては、形状は特に限定されず、固体酸触媒および液体酸触媒のいずれでもよく、例えば、固体酸触媒としては、酸性白土、カオリナイト、ベントナイト、モンモリロナイト、タルク、ケイ酸ジルコニウムおよびゼオライトなどの天然鉱物、シリカ、アルミナ、チタニアおよびジルコニアなどの酸化物またはシリカアルミナ、シリカマグネシア、シリカボリア、アルミナボリア、シリカチタニアおよびシリカジルコニアなどの酸化物複合体、塩素化アルミナ、フッ素化アルミナ、陽イオン交換樹脂などが挙げられる。
本発明において、生成されるポリ乳酸の分子量を考慮した場合、塩化第一錫以外の錫化合物、チタン化合物、アンチモン化合物、希土類化合物、および酸触媒が好ましく、生成されるポリ乳酸の融点を考慮した場合に、塩化第一錫以外の錫化合物、チタン化合物、およびスルホン酸化合物がより好ましい。さらに、生成されるポリ乳酸の熱安定性を考慮した場合、金属触媒の場合は、配位子が2個である錫系の有機カルボン酸塩あるいは配位子が4個である錫系のハロゲン化合物が好ましく、特に酢酸錫(II)、オクチル酸錫(II)、および塩化錫(IV)がより好ましく、酸触媒の場合は、モノおよびジスルホン酸化合物が好ましく、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンジスルホン酸、およびナフタレンジスルホン酸がより好ましい。また、触媒は1種類でもよく、2種類以上併用してもよいが、重合活性を高める点から考えて、2種類以上を併用することが好ましく、着色も抑制することが可能となるという点で、塩化第一錫以外の錫化合物から選択される1種類以上および/またはスルホン酸化合物から選択される1種類以上を用いることが好ましく、さらに生産性に優れるという点で、酢酸錫(II)および/またはオクチル酸錫(II)と、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸のいずれか一種類以上との併用がより好ましく、酢酸錫(II)および/またはオクチル酸錫(II)と メタンスルホン酸および/またはプロパンジスルホン酸の併用がさらに好ましい。
重合触媒の添加量については特に限定されるものではなく、使用する原料(L−乳酸、D−乳酸など)100重量部に対して0.001重量部以上、2重量部以下が好ましく、とくに0.001重量部以上、1重量部以下がより好ましい。触媒量が0.001重量部未満では重合時間の短縮効果が低下し、2重量部を越えると最終的に得られるポリ乳酸ブロック共重合体の分子量が大きくなりにくい傾向を生じる。また、触媒を2種類以上併用する場合は、合計添加量が上記の範囲内であることが好ましく、塩化第一錫以外の錫化合物から選択される1種類以上および/またはスルホン酸化合物から選択される1種類以上を併用する場合は、高い重合活性を維持し、かつ着色を抑制することが可能であるという点で、錫化合物とスルホン酸化合物の重量比が1:1〜1:30であることが好ましく、生産性に優れるという点で、1:2〜1:15であることがより好ましい。
重合触媒の添加時期については特に限定されるものではないが、酸触媒については原料または原料を脱水した後に添加することが生産性に優れるという点で好ましく、金属触媒については原料を脱水した後に添加することが重合活性を高める点から考えて好ましい。
(ポリ乳酸の混合方法)
次に、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程について説明する。
本発明においては、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合し、ステレオコンプレックス形成率(Sc)が30%以下となるような混合物とし、その混合物を固相重合することが重要である。ここでいうステレオコンプレックス形成率とは、ポリ乳酸中の全結晶におけるステレオコンプレックス結晶の占める割合である。具体的には、示差走査型熱量計(DSC)で測定した際のポリ−L−乳酸単独結晶およびポリ−D−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHl、ステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHhとすると下記式で算出することができる。
Sc=ΔHh/(ΔHl+ΔHh)×100
ステレオコンプレックス形成率(Sc)は、X線回折で測定したポリ乳酸の単独結晶とステレオコンプレックス結晶の割合から算出することも可能であるが、本発明では、上記のDSCで測定した結晶融解熱量から求めた値を用いる。
混合の方法としては、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸それぞれの結晶状態または非晶状態の違いによって、以下のような方法が挙げられる。
なお、本発明において、非晶状態のポリ乳酸とは、実質的に非晶状態であるポリ乳酸であり、固体であっても液体であってもかまわない。本発明では、固体である非晶状態のポリ乳酸としては、示差走査型熱量計(DSC)により求められる昇温過程でのポリ−L−乳酸単独またはポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量が5J/g以上のポリ乳酸と定義する。非晶状態のポリ乳酸としては、好ましくは、10J/g以上、さらに好ましくは15J/g以上、特に好ましくは、20J/g以上のポリ乳酸を用いる。また、X線回折により求めた結晶化度が10%以下であるポリ乳酸を用いること好ましく、5%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。
また、結晶状態のポリ乳酸とは、結晶化可能な非晶部分が結晶化した後のポリ乳酸であり、本発明では、示差走査型熱量計(DSC)により求められるガラス転移温度以下からの昇温過程でのポリ−L−乳酸単独またはポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量が5J/g未満であるポリ乳酸を結晶状態のポリ乳酸と定義する。結晶状態のポリ乳酸としては、好ましくは3J/g以下であり、特に好ましくは1J/g以下のポリ乳酸を用いる。また、X線回折により求めた結晶化度が10%より大きいポリ乳酸を用いることが好ましく、15%以上がさらに好ましく、20%以上が特に好ましい。
<非晶状態のポリ乳酸と結晶状態のポリ乳酸の混合>
ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合の方法としては、非晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸、または、非晶状態のポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−L−乳酸を、ポリ−L−乳酸単独およびポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量が下記式(1)を満たすように混合を行う方法を挙げることができる。なお、混合を室温より高い温度で行う場合、混合過程の最終段階での混合物の結晶化熱量を正確に測定するために、混合物を氷水中で急冷するなどの方法によりガラス転移温度以下に急冷後測定する。
10×Ca/100(J/g)<ΔHc<50×Ca/100(J/g) (1)
ΔHc:ポリ−L−乳酸単独およびポリD−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量(J/g)
Ca:混合する前の全ポリ乳酸に占める非晶状態のポリ乳酸の含有率(%)
非晶状態のポリ乳酸と結晶状態のポリ乳酸を混合する方法は、特に限定されるものではないが、非晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合、または、非晶状態のポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体を混合する方法が挙げられる。
非晶状態のポリ乳酸が本来結晶性である場合には、温度条件としては、結晶状態のポリ乳酸の結晶成分が溶融しない状態を維持するために、下記式(A)(B)(C)で表されるいずれかの温度範囲Tで混合することが好ましい。
Tme<Tms’のとき、
Tms≦T≦Tme (A)
Tms<Tms’≦Tmeのとき、
Tms≦T<Tms’ (B)
Tms’<Tmsのとき、
Tms’≦T<Tm (C)
Tm :非晶状態のポリ乳酸の融点。
Tms :非晶状態のポリ乳酸の融解開始温度。
Tme :非晶状態のポリ乳酸の融解終了温度。
Tms’:結晶状態のポリ乳酸の融解開始温度。
なお、混合する時間としては、ポリ乳酸の結晶成分が溶融していない状態を維持するために、1分以下であることが好ましく、30秒以下であることがより好ましい。
また、混合するポリ乳酸の粉体の平均粒径については、2.0mm以下が好ましく、1.0mm以下がさらに好ましく、0.35mm以下がさらに好ましい。また、平均粒径が0.01mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがさらに好ましい。
非晶状態のポリ乳酸の粉体と結晶状態のポリ乳酸の粉体を混合する他の方法としては、非晶状態のポリ−L−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合、または、非晶状態のポリ−D−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体を混合する方法が挙げられ、非晶状態のポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−D−乳酸またはポリ−L−乳酸の粉体を均一に分散させた後、圧縮成形する方法が挙げられる。
混合するポリ乳酸の粉体の平均粒径については、2.0mm以下が好ましく、1.0mm以下がさらに好ましく、0.35mm以下がさらに好ましく、0.2mm以下が特に好ましい。また、平均粒径が0.01mm以上であることが好ましく、0.02mm以上であることがさらに好ましく、0.05mm以上であることが好ましい。
ここで、ポリ乳酸の粉体の平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法で測定した平均粒子径である。
圧縮成型する場合の圧縮圧力としては、粉体同士を十分に接触させるために、10MPa以上であることが好ましく、20MPa以上であることがより好ましい。圧力を加える時間としては、粉体同士を十分に接触させるために、10秒以上が好ましく、30秒以上であることがさらに好ましい。
温度条件としては、ポリ乳酸の結晶成分が溶融しない状態を維持するために、結晶状態のポリ乳酸の融点以下であることが好ましく、融解開始温度以下であることがさらに好ましい。また、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸のガラス転移温度以下も可能であるが、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸のガラス転移温度の中で、一番低いガラス転移温度以上であることが好ましく、一番高いガラス転移温度以上であることも好ましい。
また、非晶状態のポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸またはポリ−L−乳酸を、押出機などの溶融混練機で混合する方法も用いることができる。この場合、混合はガラス転移以上融点開始以下の温度で行うことが好ましく、90℃以上140℃以下で行うことがさらに好ましい。
<結晶状態のポリ乳酸と結晶状態のポリ乳酸の混合>
ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合の方法としては、結晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸を、ポリ−L−乳酸単独およびポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量が、下記式(2)を満たすように混合を行う方法を挙げることができる。なお、混合を室温より高い温度で行う場合、混合過程の最終段階での混合物の結晶化熱量を正確に測定するために、混合物を氷水中で急冷するなどの方法によりガラス転移温度以下に急冷後測定する。
ΔHc<5(J/g) (2)
ΔHc:ポリ−L−乳酸単独およびポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量(J/g)
ΔHcは3J/g以下であることが好ましく、1J/g以下であることが特に好ましい。
具体的な方法としては、結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合する方法が挙げられ、ポリ−L−乳酸の粉体およびポリ−D−乳酸の粉体を均一に分散させた後、圧縮成形する方法が挙げられる。
混合するポリ乳酸の粉体の平均粒径については、2.0mm以下が好ましく、1.0mm以下がさらに好ましく、0.35mm以下がさらに好ましく、0.2mm以下が特に好ましい。また、平均粒径が0.01mm以上であることが好ましく、0.02mm以上であることがさらに好ましく、0.05mm以上であることが好ましい。
ここでの圧縮圧力としては、粉体同士を十分に接触させるために、10MPa以上であることが好ましく、20MPa以上であることがより好ましい。圧力を加える時間としては、粉体同士を十分に接触させるために、10秒以上が好ましく、30秒以上であることがさらに好ましい。
温度条件としては、ポリ乳酸の結晶成分が溶融しない状態を維持するために、結晶状態のポリ乳酸の融点以下であることが好ましく、融解開始温度以下であることがさらに好ましい。また、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸のガラス転移温度以下も可能であるが、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸のガラス転移温度の中で、一番低いガラス転移温度以上であることが好ましく、一番高いガラス転移温度以上であることも好ましい。
また、結晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸を押出機などの溶融混練機で混合する方法も用いることができる。この場合、混合はガラス転移以上融点以下の温度で行うことが好ましく、80℃以上140℃以下で行うことがさらに好ましく、90℃以上130℃以下が行うことが特に好ましい。溶融混練機として、単軸または2軸押出機を用いることが好ましい。用いるポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸の重量平均分子量は、1万以上7万以下がに好ましく、1万以上5万以下がさらに好ましく、1.5万以上4万以下が特に好ましい。
(ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合工程)
上記のポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合するには、回分法でも連続法でもよく、また、用いる装置としては、特に限定されるものではなく、例えば一軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、プラストミル、ニーダーおよび撹拌槽型反応器などが挙げられる。
混合する圧力条件については特に限定されるものではなく、減圧、常圧または加圧のいずれの条件でもよい。
混合する雰囲気条件としては、特に限定されるものではなく、大気雰囲気下または窒素などの不活性気体雰囲気下のいずれの条件でもよい。
混合工程において、L−乳酸単位からなるポリ−L−乳酸とD−乳酸単位からなるポリ−D−乳酸の混合重量比は、90:10〜10:90であることが好ましく、さらに80:20〜20:80であることが好ましく、さらに70:30〜30:70であることが好ましく、特に60:40〜40:60であることが好ましい。L−乳酸単位からなるポリ−L−乳酸の重量比がそれぞれ10重量%未満であるか、あるいは90重量%を越えると、最終的に得られるポリ乳酸ブロック共重合体の融点の上昇が小さくなり、ポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成しにくくなる傾向を生じる。
この混合工程において、次の固相重合を効率的に進めるために、さらに触媒を添加することもできる。
触媒の添加量は、特に限定されるものではなく、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物100重量部に対して0.001重量部以上、2重量部以下が好ましく、とくに0.001重量部以上、1重量部以下がより好ましい。触媒量が0.001重量部未満では、固相重合の反応時間短縮効果が低下し、2重量部を越えると最終的に得られるポリ乳酸ブロック共重合体の分子量が大きくなりにくい傾向を生じる。
また、混合工程においては、最終的に得られるポリ乳酸ブロック共重合体のL−乳酸単位からなるポリ−L−乳酸(L−乳酸単位からなるセグメント)と、D−乳酸単位からなるポリ−D−乳酸(D−乳酸単位からなるセグメント)との交互性を高めるために、多官能性化合物を混合してもよい。
ここで使用する多官能性化合物としては、特に限定されるものではなく、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸ハロゲン化物、多価カルボン酸、多価イソシアネート、多価アミン、多価アルコールおよび多価エポキシ化合物などが挙げられ、具体的には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、コハク酸無水物、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物などの多価カルボン酸無水物、イソフタル酸クロリド、テレフタル酸クロリド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロリドなどの多価カルボン酸ハロゲン化物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの多価カルボン酸、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネートなどの多価イソシアネート、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミンなどの多価アミン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール、およびテレフタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどの多価エポキシ化合物などが挙げられる。好ましくは、多価カルボン酸無水物、多価イソシアネート、多価アルコールおよび多価エポキシ化合物であり、特に多価カルボン酸無水物、多価イソシアネートおよび多価エポキシ化合物がより好ましい。また、これらは1種または2種以上を併用して使用することができる。
多官能性化合物の混合量については特に限定されるものではなく、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の合計100重量部に対して、0.01重量部以上、20重量部以下が好ましく、さらに0.1重量部以上、10重量部以下であることがより好ましい。多官能性化合物の添加量が多すぎても、あるいは少なすぎても、多官能性化合物を使用する効果が小さくなる傾向となる。
さらに、多官能性化合物を用いる際には、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸と多官能性化合物の反応を促進させるために、触媒を添加してもよい。触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ほう素ナトリウム、水素化ほう素リチウム、フェニル化ほう素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、りん酸水素二ナトリウム、りん酸水素二カリウム、りん酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、同二カリウム塩、同二リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、同カリウム塩、同リチウム塩、同セシウム塩などのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金属化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリアミルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエチレンジアミン、ジメチルフェニルアミン、ジメチルベンジルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルアニリン、ピリジン、ピコリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの3級アミン、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−フェニル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリプロピルベンジルアンモニウムクロライド、N−メチルピリジニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンなどのホスフィン化合物、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(p−ヒドロキシ)フェニルホスフェート、トリ(p−メトキシ)フェニルホスフェートなどのリン酸エステル、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの有機酸、および三フッ化ホウ素、四塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズなどのルイス酸などが挙げられ、これらは1種または2種以上を併用して使用することができる。
触媒の添加量は特に限定されるものではなく、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の合計100重量部に対して、0.001重量部以上、1重量部以下が好ましい。触媒量が0.001重量部未満では、触媒を添加する効果が不充分であり、逆に1重量部を越えると、最終的に得られるポリ乳酸ブロック共重合体の分子量が大きくなりにくい傾向を生じる。
(固相重合)
次に、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物をその融点より低い温度で固相重合する工程について説明する。
この固相重合工程を実施する際には、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物の形状は、特に限定されるものではなく、塊状、フィルム、ペレットおよび粉末などいずれでもよいが、固相重合を効率的に進めるという観点においては、粉末を用いることが好ましい。粉末にする方法としては、ミキサー、ブレンダー、ボールミルおよびハンマーミルなどの粉砕機を用いて粉砕する方法が挙げられる。この固相重合工程を実施する方法については特に限定されるものではなく、回分法でも連続法でもよく、また、反応容器は、撹拌槽型反応器、ミキサー型反応器および塔型反応器などを用いることができ、これらの反応器は2種以上組み合わせて使用することができる。
この固相重合工程を実施する際には、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物が結晶化していることが好ましい。
結晶化させる方法については特に限定されるものではなく、公知の方法を利用することができる。例えば、気相中または液相中において結晶化温度で保持する方法、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の溶液混合物から溶媒を揮発させる方法およびポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の溶融混合物を延伸または剪断の操作を行いながら冷却固化させる方法などが挙げられ、操作が簡便であるという観点においては、気相中または液相中において結晶化温度で保持する方法が好ましい。
ここでいう結晶化温度とは、ガラス転移温度より高く、融点よりも低い温度範囲であれば特に限定されるものではないが、予め示差走査型熱量計(DSC)により測定した昇温結晶化温度および降温結晶化温度の範囲内であることがより好ましい。
結晶化させる際には、減圧、常圧または加圧のいずれの条件でもよい。
また、結晶化させる際の時間については特に限定されるものではないが、3時間以内であれば十分に結晶化されており、2時間以内でも好ましい。
この固相重合工程を実施する際の温度条件としては、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物の融点以下の温度であり、具体的には、100℃以上、220℃以下が好ましく、さらに固相重合を効率的に進めるという観点においては、110℃以上、210℃以下であることがより好ましく、さらには、120℃以上、200℃以下であることが最も好ましい。
また、固相重合の反応時間を短縮するために、反応の進行とともに温度を段階的に上げることが好ましい。固相重合時の昇温は、具体的には第一段階として130〜155℃で1〜15時間、第二段階として160〜175℃で1〜15時間、第三段階として180〜200℃で10〜30時間と昇温するのが好ましく、さらには第一段階として140〜155℃で2〜12時間、第二段階として165〜175℃で2〜12時間、第三段階として185〜195℃で15〜25時間と昇温するのがより好ましい。また、段階的な昇温と連続的な昇温を組み合わせることも固相重合を効率的に進行する観点から好ましい。
また、この固相重合工程を実施する際には、真空下または乾燥窒素などの不活性気体気流下で行うことが好ましい。
(ポリ乳酸ブロック共重合体)
本発明の製造方法を採用することで、重量平均分子量が10万以上のポリ乳酸ブロック共重合体を得ることが好ましく、12万以上であることがさらに好ましく、14万以上であることがさらに好ましい。また、ステレオコンプレックス形成率(Sc)が50%以上のポリ乳酸ブロック共重合体を得ることが好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、75〜100%であることがさらに好ましく、90〜100%であることが特に好ましい。
本発明の製造方法により得られるポリ乳酸ブロック共重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常の添加剤、例えば、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、天然繊維、有機繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイト、タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトまたは白土など)、紫外線吸収剤(レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、熱安定剤(ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、滑剤、離形剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(ニグロシンなど)および顔料(硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、着色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸塩など)、難燃剤(赤燐、燐酸エステル、ブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩、シリコン化合物など)、導電剤あるいは着色剤(カーボンブラックなど)、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂など)、結晶核剤(タルクなどの無機系核剤、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビス−12−ジヒドロキシステアリン酸アミドおよびトリメシン酸トリシクロヘキシルアミドなどの有機アミド系化合物、銅フタロシアニンおよびピグメントイエロー110などの顔料系核剤、有機カルボン酸金属塩、フェニルホスホン酸亜鉛など)、帯電防止剤などの1種または2種以上を添加することができる。
また、本発明の製造方法により得られるポリ乳酸ブロック共重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど)または熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂など)または軟質熱可塑性樹脂(例えば、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体など)などの少なくとも1種以上をさらに含有することができる。
本発明の製造方法により得られるポリ乳酸ブロック共重合体は、成形品などに加工する際に、一旦熱溶融させて固化した後も、高融点のポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成しやすい特徴を有する。
本発明の製造方法により得られるポリ乳酸ブロック共重合体は、成形品として広く用いることができる。成形品としては、例えば、フィルム(無延伸、一軸延伸、二軸延伸)、シート、繊維・布、不織布、射出成形品、押出し成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、および他の材料との複合体などが挙げられ、これらの成形品は、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、自動車用部品、電気・電子部品、光学フィルムまたはその他の用途として有用である。特に、融点および結晶化速度が向上するため、衣料用繊維および射出成形品として有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ここで、実施例中の部数は、重量部を示す。なお、物性等の測定は以下の方法で実施した。
(1)重量平均分子量
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量の値である。GPCの測定は、検出器にWATERS社示差屈折計WATERS410を用い、ポンプにWATERS社MODEL510を用い、カラムにShodex GPC HFIP−806MとShodex GPC HFIP−LGを直列に接続したものを用いて行った。測定条件は、流速0.5mL/minとし、溶媒にヘキサフルオロイソプロパノールを用い、試料濃度1mg/mLの溶液を0.1mL注入した。
(2)熱特性
融点、融解熱量、結晶化温度、結晶化熱量は、パーキンエルマー社示差走査型熱量計(DSC)により測定した。測定条件は、試料10mg、窒素雰囲気下中、昇温速度20℃/分である。
(3)ポリ−L−乳酸単独およびポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量
ポリ−L−乳酸単独およびポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量(ΔHc)は、下記式(5)から算出した。
ΔHc=ΔHc’−ΔHh (5)
但し、示差走査型熱量計(DSC)により求められる190℃以上250未満に現れるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHh、混合過程の最終段階で混合物をガラス転移温度以下に急冷後測定した混合物の昇温時の結晶化に基づく熱量をΔHc’とする。
(4)混合物におけるステレオコンプレックス形成率(Sc)
ステレオコンプレックス形成率(Sc)は、下記式(6)から算出した。
Sc=ΔHh/(ΔHl+ΔHh)×100 (6)
但し、示差走査型熱量計(DSC)の昇温時に150℃以上190℃未満に現れるポリ−L−乳酸単独結晶およびポリ−D−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHl、190℃以上250未満に現れるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHhとする。
(5)ポリマーにおけるステレオコンプレックス形成率(Sc)
ステレオコンプレックス形成率(Sc)は、下記式(6)から算出した。
Sc=ΔHh/(ΔHl+ΔHh)×100 (6)
但し、示差走査型熱量計(DSC)の第2昇温時に150℃以上190℃未満に現れるポリ−L−乳酸単独結晶およびポリ−D−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHl、190℃以上250未満に現れるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく熱量をΔHhとする。
(6)粉体の平均粒径
レーザー回折散乱式流度分布測定法で平均粒子径を測定した。
[参考例1]
撹拌装置のついた反応容器中に、L−乳酸50部を入れ、温度を120℃にした後、減圧して水を除去した。その後、窒素雰囲気下で常圧にし、酢酸錫(II)0.05部を加えた後、13Paになるまで徐々に減圧しながら温度を170℃とし、7時間重合反応させた後、得られたポリマーを氷水中に吐出し、L−乳酸単位からなる非晶状態のポリ−L−乳酸(PL01)を得た。PL01の重量平均分子量は1.8万であり、ガラス転移温度は55℃、融解開始温度は121℃、融点は152℃、融解終了温度は164℃であり、昇温時の結晶化熱量と融解熱量は等しかった。
次に、得られたポリ−L−乳酸(PL01)を温度110℃で3時間結晶化させることにより、結晶状態のポリ−L−乳酸(cPL01)を得た。cPL01の重量平均分子量は1.8万、昇温時の結晶化熱量は観測されず、ガラス転移温度は55℃、融解開始温度は121℃、融点は152℃、融解熱量は45J/gであった。
[参考例2]
撹拌装置のついた反応容器中に、D−乳酸50部を入れ、温度を120℃にした後、減圧して水を除去した。その後、窒素雰囲気下で常圧にし、酢酸錫(II)0.05部を加えた後、13Paになるまで徐々に減圧しながら温度を170℃とし、7時間重合反応させた後、得られたポリマーを氷水中に吐出し、D−乳酸単位からなる非晶状態のポリ−D−乳酸(PD01)を得た。PD01の重量平均分子量は1.7万であり、ガラス転移温度は56℃、融解開始温度は118℃、融点は154℃、融解終了温度は167℃であり、昇温時の結晶化熱量と融解熱量は等しかった。
次に、得られたポリ−D−乳酸(PD01)を温度110℃で3時間結晶化させることにより、結晶状態のポリ−D−乳酸(cPD01)を得た。cPD01の重量平均分子量は1.7万、昇温時の結晶化熱量は観測されず、ガラス転移温度は56℃、融解開始温度は118℃、融点は154℃、融解熱量は46J/gであった。
[実施例1]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
減圧装置付きの撹拌槽型反応器に非晶状態のポリ−L−乳酸(PL01)25部を入れ、温度160℃で溶融させた後、平均粒径が0.35mmである結晶状態のポリ−D−乳酸(cPD01)25部の粉体を添加し、減圧下、1分間混合した後、氷水中で急冷することにより、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
(1)より得た混合物を真空乾燥機に入れ、圧力条件を13.3Paとし、138℃で4時間固相重合を行い、さらに温度を148℃に昇温して4時間、158℃に昇温して10時間固相重合してポリマーを得た。得られたポリマーを240℃で5分間プレスすることにより、厚み約0.1mmのフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[実施例2]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
非晶状態のポリ−L−乳酸(PL01)35部、結晶状態のポリ−D−乳酸(cPD01)15部とする以外は、実施例1(1)と同様に混合を行い、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様にしてポリマー並びにフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[実施例3]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
非晶状態のポリ−L−乳酸(PL01)40部、結晶状態のポリ−D−乳酸(cPD01)10部とする以外は、実施例1(1)と同様に混合を行い、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様にしてポリマー並びにフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[実施例4]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
非晶状態のポリ−L−乳酸(PL01)45部、結晶状態のポリ−D−乳酸(cPD01)5部とする以外は、実施例1(1)と同様に混合を行い、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様にしてポリマー並びにフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[実施例5]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
撹拌槽型反応器中で平均粒径が0.35mmである非晶状態のポリ−L−乳酸25部(PL01)の粉体と、平均粒径が0.35mmである結晶状態のポリ−D−乳酸25部(cPD01)の粉体を均一に分散後、打錠機を用いて、圧縮圧力10MPaで1分間圧縮成形することにより、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様に行い、ポリマー、厚み約0.1mmのフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[実施例6]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
非晶状態のポリ−L−乳酸(PL01)35部、結晶状態のポリ−D−乳酸(cPD01)15部とする以外は、実施例5(1)と同様に混合を行い、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様にしてポリマー並びにフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[実施例7]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
用いるポリ−L−乳酸を結晶状態のポリ−L−乳酸(cPL01)に変更する以外は実施例5(1)と同様に行い、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様に行い、ポリマー、厚み約0.1mmのフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[実施例8]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
結晶状態のポリ−L−乳酸(cPL01)35部、結晶状態のポリ−D−乳酸(cPD01)15部とする以外は、実施例5(1)と同様に混合を行い、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様にしてポリマー並びにフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[実施例9]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
単軸押出機中で結晶状態のポリ−L−乳酸25部(cPL01)と結晶状態のポリ−D−乳酸25部(cPD01)を温度110℃、1分間混合後、氷水中で急冷することにより、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様に行い、ポリマー、厚み約0.1mmのフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[実施例10]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
結晶状態のポリ−L−乳酸(cPL01)35部、結晶状態のポリ−D−乳酸(cPD01)15部とする以外は、実施例9(1)と同様に混合を行い、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様にしてポリマー並びにフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[比較例1]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
混合する時間を3分に変更する以外は実施例1(1)と同様に行い、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様に行い、ポリマー、厚み約0.1mmのフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[比較例2]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
単軸押出機中で非晶状態のポリ−L−乳酸25部(PL01)と非晶状態のポリ−D−乳酸25部(PD01)を温度220℃で混合後、氷水中で急冷することにより、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様に行い、ポリマー、厚み約0.1mmのフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
[比較例3]
(1)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する工程
2軸押出機中で結晶状態のポリ−L−乳酸25部(cPL01)と結晶状態のポリ−D−乳酸25部(cPD01)を温度155℃で混合後、氷水中で急冷することにより、混合物を得た。
(2)ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物を固相重合する工程
実施例1(2)と同様に行い、ポリマー、厚み約0.1mmのフィルムを得た。
上記で得られた混合物、固相重合後のポリマーおよびフィルムについて、重量平均分子量および熱特性を測定した結果を表1に示す。
Figure 0005728851
実施例1〜10に示すように、本発明の製造方法から得たポリ乳酸ブロック共重合体は、ステレオコンプレックス形成率が75%以上観測され、高融点化しており、高分子量かつ高融点を有するポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成した。また、プレスフィルムとした後も、高融点を維持したままポリ乳酸ステレオコンプレックスを形成した。
比較例1に示すように、非晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合、または、非晶状態のポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体を混合する際の混合時間が長くなり、ステレオコンプレックス形成率が30%以上となると、その後の固相重合において、分子量が高くならなかった。
比較例2に示すように、高温で溶融混合し、混合後のステレオコンプレックス形成率が高い場合には、その後の固相重合において、分子量が高くならなかった。
また、比較例3に示すように、結晶状態のポリ−L−乳酸および結晶状態のポリ−D−乳酸を融解温度Tm付近で溶融混練した場合、ステレオコンプレックス形成率が30%以上となるため、その後の固相重合において、分子量が10万以上に達しなかった。

Claims (10)

  1. 非晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸、または、非晶状態のポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−L−乳酸を混合して、ポリ乳酸中の全結晶におけるステレオコンプレックス結晶の占める割合であるステレオコンプレックス形成率(Sc)が30%以下、重量平均分子量が1.8万以下、かつ結晶化に基づく結晶化熱量ΔHc(J/g)が下記式(1)を満たす混合物とし、当該混合物を固相重合することを特徴とするポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
    10×Ca/100(J/g)<ΔHc<50×Ca/100(J/g) (1)
    ΔHc:ポリ−L−乳酸単独およびポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量(J/g)
    Ca:全ポリ乳酸に占める非晶状態のポリ乳酸の含有率(%
  2. 結晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸を混合して、ポリ乳酸中の全結晶におけるステレオコンプレックス結晶の占める割合であるステレオコンプレックス形成率(Sc)が30%以下、重量平均分子量が1.8万以下、かつ結晶化に基づく結晶化熱量ΔHc(J/g)が下記式(2)を満たす混合物とし、当該混合物を固相重合することを特徴とするポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
    ΔHc<5(J/g) (2)
    ΔHc:ポリ−L−乳酸単独およびポリ−D−乳酸単独の結晶化に基づく結晶化熱量(J/g)
  3. 混合物のステレオコンプレックス形成率(Sc)が15%以下、5%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
  4. ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸との混合比が70:30〜30:70であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
  5. 非晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸、または、非晶状態のポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−L−乳酸を、下記式(A)(B)(C)で表されるいずれかの温度範囲Tで混合することを特徴とする請求項1、3〜4のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
    Tme<Tms’のとき、
    Tms≦T≦Tme (A)
    Tms<Tms’≦Tmeのとき、
    Tms≦T<Tms’ (B)
    Tms’<Tmsのとき、
    Tms’≦T<Tm (C)
    Tm :非晶状態のポリ乳酸の融点。
    Tms :非晶状態のポリ乳酸の融解開始温度。
    Tme :非晶状態のポリ乳酸の融解終了温度。
    Tms’:結晶状態のポリ乳酸の融解開始温度
  6. 非晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合、または、非晶状態のポリ−D−乳酸と結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体を混合することを特徴とする請求項1、3〜5のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
  7. 非晶状態のポリ−L−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合、または、非晶状態のポリ−D−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体を混合することを特徴とする請求項1、3〜5のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
  8. 結晶状態のポリ−L−乳酸と結晶状態のポリ−D−乳酸を80℃以上140℃以下で混合することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
  9. 結晶状態のポリ−L−乳酸の粉体と結晶状態のポリ−D−乳酸の粉体を混合することを特徴とする請求項2〜4、8のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
  10. 得られるポリ乳酸ブロック共重合体の重量平均分子量が10万以上であり、ステレオコンプレックス形成率(Sc)が75〜100%であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法。
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