JP5728755B2 - ワーク下部熱処理装置及びワーク下部熱処理方法 - Google Patents
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Description
筒軸部W22の熱処理は、マルチターン型の加熱コイルをスプライン孔に収容し、アウタレースW2を回転させ、外面に冷却液を噴射して冷却しながら内面の筒軸部W22を誘導加熱し、その後、スプライン孔内面に冷却液を噴射して冷却する。
筒軸部W42の熱処理は、マルチターン型の加熱コイルをスプライン孔に収容し、アウタレースW4を回転させて筒軸部W42を誘導加熱し、その後スプライン孔内面に冷却液を噴射して冷却する。
カップ部をカップ部熱処理ヘッドに対し真上から下降してカップ部熱処理ヘッドに精密に同心状態に近接状態に被せると、熱処理ヘッドの表面とカップ部の内面とのギャップは、周囲のどの位置でも、例えば0.5mm〜1.5mmに保持される。
これによって、均一な熱処理が行われるのであるが、ワークが精密に芯出しされない場合には、ギャップが均一にならないため熱処理が均一に行われず、ワークと加熱コイルとの電気的故障が生じる危険が高くなる。
従って、ワークの芯出しを行うことができる機構や確認手段を有していることが、ワークの熱処理装置においては必要である。
以下の第1、第2、第3実施形態に係るワーク下部熱処理装置50A、50B、50Cにおいては、いずれも、図1に示す4種類のアウタレースのうちの何れか1種類を処理対象のワークとしている。加熱コイル、ワーク受具等を段取り換えすることで4種類のアウタレースが処理対象となりうる汎用性を備えている。アウタレースは、カップ部を下位にし、上位となるステム軸部又は筒軸部を回転可能にチャックして、カップ部内面の熱処理を行うので、説明の便宜上、カップ部をワーク下部とも称し、またステム軸部又は筒軸部をワーク上部とも称する。
図2に示すように、第1実施形態のワーク下部熱処理装置50Aはハンドリング手段51とカップ部熱処理ヘッド56とを有してなる。ハンドリング手段51は回転チャック機構52と昇降手段54とを有してなる。
この実施形態では、回転チャック機構52を移動する手段が昇降手段54のみである。このためカップ部熱処理ヘッド56の中心線が回転チャック機構52の中心線と一致した状態で、カップ部熱処理ヘッド56が回転チャック機構52の下位に備えられる。ワークWを搬送する搬送機構Hは回転チャック機構52の真下の中間の高さに備えられる。なおワークWがトリポード型であるときは、位相合わせ(周方向の位置合わせ)が行われてから搬送機構Hにより搬送される。
図2に示すように、回転チャック機構52は搬送機構Hにより搬送されてくるワークWのワーク上部を三つのチャック爪52fでチャックする。回転チャック機構52は必要に応じてワークWを回転する。回転チャック機構52は、対象となるワークWがバーフォード型であるとき、ワーク上部をチャックし、ワークWの中心を回転軸線としてチャック回転用モータ52cによってワークWを毎秒3回転以上で回転する。
チャック回転用モータ52c(図2参照)は、ハウジング52a(又は昇降ブラケット54b)に備えられ、出力軸がタイミングベルト巻掛機構(回転伝達手段)52kを介して筒軸52bの上端と連結され、筒軸52bを回転する。
三つのチャック爪52fは、シリンダ組立体52dの下端面に露出し120°ずつ異なる水平放射方向に摺動自在に備えられている。
ピストン52eと揺動リンク52gはシリンダ組立体52d内に備えられ、揺動リンク52gはピストン52eと各チャック爪52fとの間に備えられている。揺動リンク52gは二つの揺動端がピストン52eと各チャック爪52fに係合し、ピストン52eの往復動を揺動運動に変えて各チャック爪52fを開閉動する。
回転チャック機構52は、チャック回転用モータ52cにより筒軸52bを回転し、シリンダ組立体52d及びその内部の一切の構造を筒軸52bと一体に回転する。
図3に示すように、回転チャック機構52はワーク確認手段55を備えている。ワーク確認手段55は、回転チャック機構52の中心孔にロッド55aを挿通し、ロッド55aの先端に回転チャック機構52から出没自在である当接ピース55bを備え、この当接ピース55bをワーク上端に当接させて押圧及び係止し、該ワークWの位置確認と、芯出しと、位置ずれ確認を行う。
エアシリンダ55dは、回転チャック機構52によるワークWのチャックに先行し、ピストンロッドを縮小してロッド55aを下降させ、ロッド55aの下端に備えられた当接ピース55bをワーク上端の凹部又は孔周縁に係合させて押圧することで、ワークの芯出しを行う。さらにエアシリンダ55dは、チャック動作工程に入る前にピストンを動作フリーにし、三つのチャック爪52fを閉動してワーク上端をチャックした後に、再びピストンロッドを縮小する方向に動作し、当接ピース55bをワーク上端の凹部又は孔周縁に係合させて押圧することができる。
次いで、図5に示すように、回転チャック機構52が昇降手段54により下降する。このとき、回転チャック機構52がワーク上部をチャックする動作工程に入る前に、エアシリンダ55dがピストンを動作フリーとするので、回転チャック機構52は無理なく下降できる。回転チャック機構52がワーク上端のチャック位置に対応して下降停止すると、当接ピース55bで芯出しされたワークWを回転チャック機構52の三つのチャック爪52fがチャックする。このため、三つのチャック爪52fがワークWを確実に芯出し状態にチャックでき、一部のチャック爪52f間にワークWを挟むことはない。
そこで、エアシリンダ55dとして、ピストンロッドが例えば0.5mm移動する毎に1パルスを出力し得る構成のものを採用することで、位置ずれ検知機能が付与されている。エアシリンダ55dは、回転チャック機構がワーク上部をチャックした後に再度縮小作動し、当接ピース55bをワーク上端の凹部に引き続き押圧させるようになっている。その後にワークWの位置ずれがあると、ロッド55aが追随する。ピストンロッドが縮小することで、ずれ寸法が0.5mmに達すると1パルスを出力する。コントローラ113は、このパルスを位置ずれ検知信号として入力し、1パルスが入力されると、装置の稼動を停止する。これによりワークWが加熱コイルに接触しない小さな位置ずれの段階で、装置の稼動を中断することができ、停止原因(位置ずれ)を知らせる。
図3に示すように、回転チャック機構52には突起52nと近接センサ52mとを有してなるチャック確認手段が付設されている。突起52nは各チャック爪52fの外端より外方へ張出して付設されている。近接センサ52mは、回転チャック機構52の回転時に突起52nが近接して検出領域を横切ることで、突起52nを検出するようにハウジング52aと一体的に備えられている。
図2に示すように、昇降手段54は、適宜の縦長な支持基板、例えば移動不能に備えられた矩形板あるいはフレームからなる固定部54aと、回転チャック機構52のハウジング52aを支持する昇降ブラケット54bと、固定部54aに取り付けられて昇降ブラケット54bを昇降させる昇降機構(以下の54c〜54fの構成要素)と、を有してなる。
昇降手段54は、サーボモータ54eでボールねじ軸54dを回転し、ボールねじ軸54dに回転不能に螺合するボールナットランナ54fを昇降させ、ボールナットランナ54fにハウジング(回転チャック用ブラケット)52aを支持された回転チャック機構52を昇降させる構成である。
図2に示すカップ部熱処理ヘッド56は、銅管よりなるカップ部加熱コイル56aと、カップ部加熱コイル56aの両端に備えられた図示しない一対の被給電端子と、カップ部加熱コイル56aを支持する取付ブラケット56bと、カップ部内面冷却手段(冷却ジャケット)56cと、を有してなる組立体である。カップ部熱処理ヘッド56は、さらに、カップ部が被さった状態において、カップ部の外面に冷却液を吹き付けて冷却を行うカップ部外面冷却手段(冷却ジャケット)56dをカップ部の外周に有してなる。
カップ部熱処理ヘッド56は、取付ブラケット56bをコイル取付台57上に載置して、コイル取付台57上に備えられたクランプ57aにより取付ブラケット56bを固定すると共に、一対の被給電端子を図示しないクランプ式の一対の給電端子で挟持して装着され、整流電源部から誘導電流が給電される。
カップ部熱処理ヘッド56は、カップ部外面冷却手段(冷却ジャケット)56dが、ワークWのカップ部外面を冷却しながら、カップ部加熱コイル56aがカップ部の内面を誘導加熱し、次いで、ワークWのカップ部外面を冷却しながら、カップ部内面冷却手段56cがカップ部の内面を冷却できる。
カップ部熱処理ヘッド56は、ワークWのカップ部に対応した形状に形成されており、ワークWのカップ部がカップ部熱処理ヘッド56の真上に同心に位置して下降されることにより、ワークWのカップ部とカップ部加熱コイル56aとのギャップを例えば、1mm〜1.5mmにして近接状態でカップ部を被せることができる。
図2は、回転チャック機構52の真下位置に搬送機構HによりワークWが搬送されたところを示す。
図4は、回転チャック機構52が所定位置まで下降し、当接ピース55bがワークWの上端に当接して、ワークWの高さ確認(種類の確認)とワークの芯出しを行ったところを示す。
図5は、回転チャック機構52がチャック位置まで下降してチャックし、上昇復帰したところを示す。回転チャック機構52がチャック位置まで下降するとき、エアシリンダ55dは動作フリーになり、チャックが行われると、再びピストンロッドを縮小動作させ、これにより、当接ピース55bでワークWの上端を押圧して、ワークWの位置ずれを検出する状態になる。
図6は、搬送機構Hが退避したところを示す。
図7は、回転チャック機構52が下降してワークWのカップ部をカップ部熱処理ヘッド56に近接状態に被せて、該カップ部熱処理ヘッド56がワークWのカップ部の熱処理を行っているところを示す。
図8、図9は、第2実施形態に係るワーク下部熱処理装置50Bを示す。
ワーク下部熱処理装置50Bは、第1実施形態に係るワーク下部熱処理装置50Aと同様に、ハンドリング手段51と、カップ部熱処理ヘッド56と、を有してなり、図3に示す回転チャック機構52を用いている。
(1)ハンドリング手段51は、回転チャック機構52と、昇降手段54と、ロッド55aと、当接ピース55bと、エアシリンダ55dと、を有し、エアシリンダ55dが、回転チャック機構52によるワークのチャックに先行してピストンロッドを縮小し、回転チャック機構52がワーク上部をチャックする動作工程ではピストンを動作フリーとする。
(2)ハンドリング手段51は、チャック爪52fより外方へ張り出して付設された突起52nと、近接センサ52mと、を有し、チャック確認手段は、チャック動作したことの確認、チャックが回転したことの確認、回転速度の検出を行う。
(3)ハンドリング手段51は、回転チャック機構52の中心孔にロッド55aを挿通して、該ロッド55aの先端に備えられ回転チャック機構52から出没自在である当接ピース55bをワーク上端に当接して、該ワークWの位置確認と、芯出しと、位置ずれ確認を行うワーク確認手段55を備えている。
その他の構成、作用については、第1実施形態と同一であるので、第1実施形態と同一の構成部材に同一符号を付して説明を省略する。
図10〜図17は、第3実施形態に係るワークの熱処理装置を示す図である。図10は、ワークの熱処理装置の内部を視た正面図である。なお、第3実施形態では、ワークの熱処理装置のカップ部について熱処理を行う装置部分を、第1、第2実施形態ではワーク下部熱処理装置と称しているのとは異なり、ワーク下部熱処理部と称する。
すなわち、第1,第2,第3テーブル11,12,13を有してなるテーブル式搬送機構10で、ワークWを第1〜第4ステーションA〜Dに順送りに搬送し、また、第1,第2ガントリ21,22を有してなるガントリ式搬送機構20で、第4〜第6ステーションD〜Fに順送りに吊上げ搬送する。
ワーク下部熱処理部50Cは、第3ステーションCに対応して備えられ、ワーク上部熱処理部60は、第5ステーションEに対応して備えられ、アフタークール部70は、第6ステーションFに対応して備えられている。これらは、中段プレート100上で、且つ中仕切り正面壁(正面壁)112の前側に備えられている。
ワーク下部熱処理部50Cは、図11に示すハンドリング手段51と、図14に示すカップ部熱処理ヘッド56と、を有してなる。
図11に示すように、ハンドリング手段51は、サーボモータ53cで180°往復回動される回動軸53aを挟んで一対の回動板53bが固設され、回動軸53aの軸心に関して対称となる一対の回動板53bの各揺動端に、回転チャック機構52を備えたダブルハンド型に構成されてなる。ハンドリング手段51は、一方の回転チャック機構52と他方の回転チャック機構52とが、回動軸53aに関し180°異なる位置にあって、時間をずらして同じサイクル動作を行う。ハンドリング手段51は、回転チャック機構52の中心孔にロッド55aを挿通して、該ロッド55aの先端に備えられ回転チャック機構52から出没自在である当接ピース55bをワーク上端に当接して、該ワークWの位置確認と、芯出しと、位置ずれ確認を行うワーク確認手段55を備えている。
図14〜図16に示すように、カップ部熱処理ヘッド56は、熱処理ヘッド本体561と、外面用冷却ジャケット562と、を有して構成される。熱処理ヘッド本体561は、熱処理ヘッド固定手段57及び給電クランプ58によって支持され、外面用冷却ジャケット562は、熱処理ヘッド固定手段57より立ち上げる支柱に支持される。熱処理ヘッド本体561は、図1(a),(b)に示すアウタレースW1に適用するものを示している。
図15,図16に示すように、給電端子58aは冷却水接続入口58gを有し、給電端子58bは冷却水接続出口58hを有する。さらに、給電端子58a,58bと被給電端子561e,561fは、カップ部加熱コイル561b内に給送する冷却水の給水路を構成するための中空部を有し、両給水路は、クランプが行われると、密着面において連通する。冷却水は、冷却水接続入口58gから給電端子58a内の給水路に流入して被給電端子561e内の給水路を通流し、カップ部加熱コイル561b内を通流し、被給電端子561f内の給水路を通流して給電端子58b内に至り、冷却水接続出口58hを通り外部へ放水される。
従って、給電端子58a,58bで被給電端子561e,561fをクランプすると、給電端子58a,58bは、整流電源部からカップ部加熱コイル561bに対して誘導電流を給電し得る電気的接続状態になると共に、カップ部加熱コイル561b内へ冷却水を供給する水路が接続状態になる。
ハンドリング手段51は、回転チャック機構52を下降してワークW(図1に示すトリポード形のアウタレースW1)をチャックし、回転チャック機構52を上昇し反転し、ワークWをワーク下部熱処理位置Gに対応する上方に位置させてから、ワークWのカップ部が熱処理ヘッド本体561に近接状態に被さるまで回転チャック機構52を下降していく。この場合、ハンドリング手段51は、回転チャック機構52を回転させない。これにより、カップ部加熱コイル561b、内面用冷却ジャケット561cの噴射口及び逆噴射ジャケット561dの噴射口は、ワークW内に収まっていく。
アウタレースW3の場合は、回転チャック機構52によってチャックしたアウタレースW3を、カップ部が熱処理ヘッド本体に深く被せた状態になってから、ワークWを、例えば、200r.p.mで回転させる(移動回転焼き)。そして、図14に示す外面用冷却ジャケット562によりカップ部外面を冷却すると共に、カップ部内の入口から最奥まで存在するワーク下部用加熱コイル(マルチターンコイル)561hによってカップ部内面を全面的に加熱する(移動回転焼き)。加熱終了後は、コイル561hに冷却水を給送し、この冷却水をマルチターンコイル561hの隙間から噴射して、カップ部W31の全内面を冷却する。矢印はコイル561hへの冷却水の流れを示している。
図12、図13に示すように、ワークの熱処理装置1は、搬送ラインの第1〜第4ステーションA〜D区間の各一区間を、それぞれ、往復する第1〜第3テーブル11〜13によりワークWを順送りするテーブル式搬送機構10を有する。
ワークWは、人手により又は搬入ロボットにより、装置左側面パネルの搬入口を通して第1ステーションAに位置される第1テーブル11上に載置される。ここで、ワークWが図1(a)及び(b)に示すトリポード型のアウタレースW1,W2であるときは、第1テーブル11上で仮位相決めされる。
仮位相決め機構30は、第1テーブル11上に付設されていて、第1テーブル11が第1ステーションAに位置するときに仮位相決めを行う。
第1ステーションAで仮位相決めが行われたワークWは、第2ステーションBに移送され第2テーブル12に移載され本位相決めが行われる。本位相決め機構40は、第2ステーションBに対応してワークチャック持ち上げ手段41(図10)と、第2テーブル12に備えられた位置決めピン42と、で構成され、第2ステーションBにおいて、ワークWを第2テーブル12に移載することで位置決めピン42が本位相決めを行う。
ワークWが図1(c)及び(d)に示すバーフォード型のアウタレースW1,W2であるときは、第2テーブル12には本位相決めピンを備えていないワーク受承皿が用意される。
次いで、ワークWは、第2テーブル12よって第3ステーションCに搬送される。ワークWは、ワーク下部熱処理部50Cによって、ワーク下部熱処理位置Gに移送され熱処理され、熱処理が終了すると、第3ステーションCに位置する第3テーブル13上に戻され、第3テーブル13によって第4ステーションDに移送される。
ワーク下部熱処理部50Cは、ダブルハンド型のハンドリング手段51の一方の回転チャック機構52により、第3ステーションCにおいてワークWをチャック及びチャック解除し、同時に、他方の回転チャック機構52によりワーク下部熱処理位置Gへ搬送され、ワークWのワーク下部をカップ部熱処理ヘッド56と協働して焼入れ或いは焼戻しのための加熱、冷却を行う。ワークWがバーフォード型のアウタレースであるときには、この熱処理は、回転チャック機構52によりワークWを回転させて行う。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。この実施形態に記載している構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
50A…ワーク下部熱処理装置、
50B…ワーク下部熱処理装置、
50C…ワーク下部熱処理部(ワーク下部熱処理装置)、
W…ワーク、
H、10…搬送機構、
51…ハンドリング手段、
52…回転チャック機構、
52a…ハウジング、
52m…近接センサ、
52n…突起、
53…往復回動手段、
53b…回動板、
54…昇降手段、
55…ワーク確認手段、
55a…ロッド、
55b…当接ピース、
55d…エアシリンダ、
55e…連結具、
56…カップ部熱処理ヘッド、
56a…カップ部加熱コイル、
56c…カップ部内面冷却手段(冷却ジャケット)、
56d…カップ部外面冷却手段(冷却ジャケット)、
561b…カップ部加熱コイル、
561c…内面用冷却ジャケット、
562…外面用冷却ジャケット
561h…ワーク下部用加熱コイル(マルチターンコイル)
Claims (7)
- カップ部と軸部とを有するワークの軸部をハンドリング手段でチャックし、上記カップ部をカップ部熱処理ヘッドのカップ部加熱コイルに被せて熱処理を行うワーク下部熱処理装置であり、
上記ハンドリング手段は、
上記軸部をチャックして上記ワークの中心を回転軸線として該ワークを回転しうる回転チャック機構と、
上記回転チャック機構のハウジングを支持し、該回転チャック機構を昇降させる昇降手段と、
上記回転チャック機構の中心孔にロッドが挿通され、該ロッドの先端に当接ピースが上記回転チャック機構から出没自在に備えられ、上記回転チャック機構により上記ワーク上部をチャックした状態で上記ワークに上記当接ピースを当接させて上記ワークの位置ずれ確認を行うワーク確認手段と、
を備え、
上記ワーク確認手段において、上記ロッドが上記ハウジングに支持されたエアシリンダのピストンロッドによって支持され、該エアシリンダにより押圧された上記ロッドが上記回転チャック機構にチャックされた上記ワークの位置ずれに追随することで位置ずれ検知信号が出力される、ワーク下部熱処理装置。 - 前記エアシリンダは、前記回転チャック機構による前記ワークのチャックに先行して前記当接ピースを前記ワーク上端に当接させるように前記ピストンロッドを縮小することで上記ワークの芯出しを行い、上記回転チャック機構が上記ワーク上部をチャックする動作工程では、前記エアシリンダのピストンを動作フリーとする、請求項1記載のワーク下部熱処理装置。
- 前記エアシリンダは、前記ピストンロッドの移動量に応じたパルスを前記位置ずれ検知信号として出力する、請求項1又は2に記載のワーク下部熱処理装置。
- 前記ハンドリング手段は、前記回転チャック機構の各チャック爪に該チャック爪の外端より外方へ張り出して付設された複数の突起と、上記回転チャック機構の回転時に上記突起を検出するように上記回転チャック機構の前記ハウジングに備えられた近接センサとを有して、チャック確認と回転確認と回転速度の検出の少なくとも何れかを行う、請求項1乃至3のいずれかに記載のワーク下部熱処理装置。
- 前記ハンドリング手段は所要角度往復回動自在な回動板を有し、該回動板に前記昇降手段が支持され、該回動板を間欠して所要角度往復回動することにより、上記昇降手段に支持される前記回転チャック機構を一のステーションと前記カップ部熱処理ヘッドの真上位置とに交互に対応させる往復回動手段を含んでなる、請求項1乃至4のいずれかに記載のワーク下部熱処理装置。
- 前記ハンドリング手段は所要角度往復回動自在な一対の回動板を有し、各回動板に前記昇降手段が支持され、上記一対の回動板を間欠して所要角度往復回動することにより、二つの上記昇降手段に支持される二つの前記回転チャック機構を一のステーションと前記カップ部熱処理ヘッドの真上位置とに交互に対応させる往復回動手段を含んでなる、請求項1乃至5のいずれかに記載のワーク下部熱処理装置。
- カップ部と軸部とを有するワークについて、上記軸部を上位として回転チャック機構でチャックした状態で昇降及び回動するハンドリングを行うことにより、上記カップ部をカップ部熱処理ヘッドのカップ部加熱コイルに近接状態に被せて回転させることで該カップ部内面の熱処理を行うワーク下部熱処理方法であって、
上記回転チャック機構による上記軸部のチャックは、
上記軸部をチャックする位置に上記回転チャック機構を移動し、
次いで上記回転チャック機構の中心孔に挿通されたロッドを下降して該ロッドの先端に備えられた当接ピースを上記ワーク上端に当接し、上記ワークの種別を確認すると共に上記ワークを芯出しした後に行い、
チャック後も引き続き上記当接ピースを上記ワーク上端に当接して位置ずれ確認を行う、ワーク下部熱処理方法。
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