JP5728755B2 - ワーク下部熱処理装置及びワーク下部熱処理方法 - Google Patents

ワーク下部熱処理装置及びワーク下部熱処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワークのカップ部に対して焼入れ或いは焼戻し等の熱処理を施すワーク下部熱処理装置及びワーク下部熱処理方法に関するものである。
カップ部を有し、且つ該カップ部が熱処理されるワークとしては、具体的には等速ジョイントのアウタレースが挙げられる。アウタレースは、一端が開いたカップ部と、カップ部の奥行側端面より一体に突出するステム軸部(中実軸)又は奥行側端面より突出する筒軸部を有する。アウタレースは、機械的強度を増すために、カップ部内面に焼入れ及び焼戻しが施されると共に、ステム軸部の外面又は筒軸部のスプライン孔に焼入れ及び焼戻しが施される。カップ部を上位にして内面を熱処理すると、冷却液がカップ部に溜まるので熱処理することができない。そのためステム軸部又は筒軸部を上位にして保持し、カップ部内面を熱処理する。
アウタレースには、図1に示すように大別して4種類の形態がある。またアウタレースには、種々の大きさのものがある。
トリポード型と称されるアウタレースには2種類ある。図1(a),(b)に示すアウタレースW1及び図1(c),(d)に示すアウタレースW2は、トリポード型と称され、位相を120°ずつ異ならせた三つの深い溝を有するカップ部W11又はW21を有する。アウタレースW1は、カップ部W11の奥行側端面より突出するステム軸部(中実軸)W12を有する。アウタレースW2は、カップ部W21の奥行側端面より突出する筒軸部内に筒軸部W22を有する。
トリポード型のアウタレースW1,W2のカップ部W11又はW21の溝に対する熱処理(焼入れ及び焼戻し)は、加熱コイルとカップ部W11又はW21との軸心を一致させ、且つ位相を高精度に一致させてから加熱コイルをカップ部の内部に相対的に挿入する。アウタレースを回転させないで三つの溝に三つの柱状の加熱コイルを近接状態に収容し、外面に冷却液を噴射して冷却しながら内面を誘導加熱し、その後、内面に冷却液を噴射して冷却する。
ステム軸部W11の熱処理は、半開放鞍型の加熱コイルを近接させるか又は螺旋状に巻かれた加熱コイルを外側に配置して、アウタレースW1を回転させステム軸部の外面を誘導加熱し、その後、外面に冷却液を噴射して冷却する。
筒軸部W22の熱処理は、マルチターン型の加熱コイルをスプライン孔に収容し、アウタレースW2を回転させ、外面に冷却液を噴射して冷却しながら内面の筒軸部W22を誘導加熱し、その後、スプライン孔内面に冷却液を噴射して冷却する。
バーフォード型と称されるアウタレースには2種類ある。図1(e),(f)に示すアウタレースW3及び図1(g),(h)に示すアウタレースW4は、バーフォード型と称され、例えば6〜12個の浅い溝を有するカップ部W31又はW41を有する。アウタレースW3はカップ部W31の奥行側端面より突出するステム軸部W32を有し、アウタレースW4はカップ部W41の奥行側端面より突出する筒軸部内に筒軸部W42を有する。
バーフォード型のアウタレースW3,W4のカップ部W31又はW41の溝に対する熱処理(焼入れ及び焼戻し)は、加熱コイルとカップ部W31又はW41との軸心を一致させてから、加熱コイルをカップ部の内部に相対的に挿入し、アウタレースを回転させて外面に冷却液を噴射して冷却しながら内面を誘導加熱し、その後、内面に冷却液を噴射して冷却する。
ステム軸部W32の熱処理は、半開放鞍型の加熱コイルを近接させるか又は螺旋状に巻かれた加熱コイルを外側に配置し、アウタレースW3を回転させてステム軸部の外面を誘導加熱し、その後外面に冷却液を噴射して冷却する。
筒軸部W42の熱処理は、マルチターン型の加熱コイルをスプライン孔に収容し、アウタレースW4を回転させて筒軸部W42を誘導加熱し、その後スプライン孔内面に冷却液を噴射して冷却する。
上記のように、アウタレースW1,W2,W3,W4のカップ部の溝に対する熱処理、ステム軸部W12,W32に対する熱処理、筒軸部W22,W42に対する熱処理は、それぞれ形状が同一ではないので共通の加熱コイルを用いることができない。従って、加熱コイル及び冷却ノズルを交換して熱処理している。
等速ジョイントのアウタレースをワークとする熱処理装置に関し、カップ部の熱処理機構には、従来はカップ部を固定し、焼入れヘッドを回転自在かつ昇降自在に備えた構成が一般的に採用されている。しかし、この構成は、焼入れヘッドの構造が複雑になっているので、焼入れヘッドを固定し、カップ部を回転自在かつ昇降自在に備えた構成とする方が技術的に有利である。このような構造のカップ部の熱処理機構について、例えば特許文献1〜3がある。
特許文献1に記載された高周波焼入装置は、焼入れテーブルに三股状のアームとコレットチャックとセンタ軸と回転手段と加熱コイル及び冷却ジャケットとを備えている。三股状のアームは120°毎に間欠回転自在且つ昇降自在であり、コレットチャックはアームの各揺動端の貫通孔内に備えられ、センタ軸はコレットチャックの内側に備えられている。そして、アームの各揺動端の上面に備えられた回転手段が、センタ軸を回転させる。加熱コイル及び冷却ジャケットからなるヘッド軸部に対し、コレットチャック及びセンタ軸に銜えられたワークのカップ部が下降時に近接状態に被さる。第1の位置でワークをチャックし、第2の位置でカップ部を加熱コイルに被せ、第3の位置でチャック解除する。
特許文献2に記載された高周波焼入装置によれば、カップ部加熱コイルと回転センタ機構とを有してなる。回転センタ機構は、等速ジョイントの軸部をチャックして冷却槽と共に回転させる構成である。バーフォード型の等速ジョイントのカップ部が冷却槽底部の開口を塞ぎ、高周波加熱コイルは、冷却槽の下方から冷却槽底部の開口を通してカップ部内に近接状態に位置される。冷却槽に冷却液を貯溜した状態でカップ部を回転させつつ、カップ部の内部に挿入された高周波加熱コイルを固定した状態でカップ部の溝部を加熱し、該加熱後、溝部に内側冷却ジャケットから冷却液を噴射し、カップ部内面を高周波焼入する。
特許文献3に記載された高周波焼入装置によれば、第2の焼入ステーションで、ワークのカップ部内面の焼入れを行う。バーフォード型のワークを対象とするときは、第2の焼入ステーションでは、ワークが加熱部に搬送されると、カップ部内に加熱コイル及び冷却ジャケットを挿入し、カップセンタ機構等を動作させセンタ軸を下降し、センタ軸でワークを位置決めし、回転される。次いで、加熱コイルに高周波電流を流し、カップ部内面を誘導加熱すると共にカップ部外の冷却ジャケットにより冷却液を噴射し、ワークの外面を冷却する。続いて、外内の冷却ジャケットから冷却液を噴射してカップ部の内外面を冷却する。
特開昭61−217524号公報 特開平11−152514号公報 特開2004−169133号公報
特許文献1,2,3に記載された高周波焼入装置によれば、いずれも(1)コレットチャックがワーク上部を芯出しできていない状態にチャックしてしまう場合に、これを修正する構成が含まれていない、(2)コレットチャックがワーク上部をチャックした後にワークが芯出しできた状態を確認する手段を備えていない、(3)コレットチャックがワーク上部をチャックした後でチャック力が弛む等によりワークがずれ下がる場合に、これを修正する構成が含まれていない。
さらに、特許文献2に記載された高周波焼入装置によれば、(4)冷却槽へ水を供給する時間及び冷却槽から水を排出する時間が多くかかり、タクト(1個当りの処理時間)が長くかかりすぎる、(5)ワークを高速に回転させることはできない。また、特許文献3に記載された高周波焼入装置によれば、カップセンタ機構にチャック機能を有し、昇降自在且つ回転自在なセンタ軸を備えている、としているが、具体的な構成が示されていない。
ワークの芯出しを行うことの意義は、ワークと加熱コイルとが万一接触して電気的故障に繋がることを回避すること及びギャップを均一に保つことで、均一な熱処理が行われることを確保することにある。
カップ部をカップ部熱処理ヘッドに対し真上から下降してカップ部熱処理ヘッドに精密に同心状態に近接状態に被せると、熱処理ヘッドの表面とカップ部の内面とのギャップは、周囲のどの位置でも、例えば0.5mm〜1.5mmに保持される。
これによって、均一な熱処理が行われるのであるが、ワークが精密に芯出しされない場合には、ギャップが均一にならないため熱処理が均一に行われず、ワークと加熱コイルとの電気的故障が生じる危険が高くなる。
従って、ワークの芯出しを行うことができる機構や確認手段を有していることが、ワークの熱処理装置においては必要である。
しかるに、特許文献1,2,3に記載された高周波焼入装置によれば、芯出しができていないチャック状態やワークがずれ下がる状態が生じたときに、装置が稼動を続行して電気的故障に繋がり、ときには、装置が稼動できなくなる虞がある。
本発明は、上述した点に鑑み案出されたもので、カップ部と、カップ部から同心状に一体に突出する中実軸部又は筒軸部とからなるワークに対して、中実軸部又は筒軸部を上位として回転可能にチャックし、下位となるカップ部をカップ部熱処理ヘッドに近接状態に被せ、ワークを回転させてカップ部熱処理ヘッドでカップ部の内面の熱処理を行う、ワーク下部熱処理装置及びワーク下部熱処理方法を提供することが一目的である。
また本発明は、ワークの芯出しを行ってからワークをチャックして昇降させることができると共に、ワークを下降してカップ部熱処理ヘッドにカップ部を近接状態で被せ、カップ部熱処理ヘッドと協働してカップ部の熱処理を行うことができる、ワーク下部熱処理装置及びワーク下部熱処理方法を提供することが他の目的である。
目的を達成する本発明は、カップ部と軸部とを有するワークの軸部をハンドリング手段でチャックし、カップ部をカップ部熱処理ヘッドのカップ部加熱コイルに被せて熱処理を行うワーク下部熱処理装置であり、ハンドリング手段は、軸部をチャックしてワークの中心を回転軸線としてワークを回転しうる回転チャック機構と、回転チャック機構のハウジングを支持し、回転チャック機構を昇降させる昇降手段と、回転チャック機構の中心孔にロッドが挿通され、ロッドの先端に当接ピースが回転チャック機構から出没自在に備えられ、回転チャック機構によりワーク上部をチャックした状態でワークに当接ピースを当接させてワークの位置ずれ確認を行うワーク確認手段と、を備え、ワーク確認手段において、上記ロッドがハウジングに支持されたエアシリンダのピストンロッドにより支持され、エアシリンダにより押圧されたロッドが回転チャック機構にチャックされたワークの位置ずれに追随することで位置ずれ検知信号が出力される、ことを特徴とする。
上記構成によれば、ワークが回転チャック機構の真下位置に搬送されると、回転チャック機構の中心孔に通されたロッドが下降する。下降したロッドの先端には当接ピースがあって、当接ピースがワーク上端に当接し、例えば係合押圧することでワークを芯出しする。当接ピースがワーク上端に当接することによって、ワークの上端位置が分かり、異なった種類のワークが位置されていないことが分かる。次いで、回転チャック機構が昇降手段により下降されていく。回転チャック機構がワーク上端のチャック位置に対応して停止すると、回転チャック機構の複数のチャック爪が当接ピースで芯出しされたワークをチャックする。このため、複数のチャック爪がワークを確実に芯出し状態にチャックできる。当接ピースはチャック後もワーク上端に当接し、ワークの位置ずれを検出する。
上記目的を達成する本発明のワーク下部熱処理方法は、カップ部と軸部とを有するワークについて、軸部を上位として回転チャック機構でチャックした状態で昇降及び回動するハンドリングを行うことにより、カップ部をカップ部熱処理ヘッドのカップ部加熱コイルに近接状態に被せて回転させることでカップ部内面の熱処理を行うワーク下部熱処理方法であって、回転チャック機構による軸部のチャックは、軸部をチャックする位置に回転チャック機構を移動し、次いで回転チャック機構の中心孔に挿通されたロッドを下降してロッドの先端に備えられた当接ピースをワーク上端に当接し、ワークの種別を確認すると共にワークを芯出しした後に行い、チャック後も引き続き当接ピースをワーク上端に当接して位置ずれ確認を行うことを特徴とする。
本発明によれば、カップ部と該カップ部から同心状に突出する中実軸部又は筒軸部とが一体に設けられたワークに対し、中実軸部又は筒軸部を上位として回転可能にチャックし、下位のカップ部をカップ部熱処理ヘッドに近接状態に被せ、ワークを回転させてカップ部熱処理ヘッドによりカップ部の内面の熱処理を行う、ワーク下部熱処理装置及びワーク下部熱処理方法を提供することができる。
本発明によれば、回転チャック機構のチャック動作と、昇降手段による回転チャック機構の昇降動作と、当接ピースによるチャック前のワークの芯出し動作とを組合せた動作を行うことができる。このため、回転チャック機構が、芯出しを行ってからワークをチャックして昇降させることができ、またワークを下降してカップ部をカップ部熱処理ヘッドに近接状態に被せ、カップ部熱処理ヘッドと協働してカップ部の熱処理を行うことができる。そのためワークと加熱コイルとが接触して電気的故障や装置が稼動できなくなる故障が極めて生じ難いワーク下部熱処理装置及びワーク下部熱処理方法を提供することができる。
本発明の熱処理装置の処理対象及び従来の熱処理装置の処理対象に係る4種類の等速ジョイントのアウタレースを示す図である。 本発明の第1実施形態に係るワーク下部熱処理装置の側面図である。 図2のワーク下部熱処理装置の一設計例に係る要部の拡大縦断面図である。 図2の動作の次の動作を示す側面図である。 図4の動作の次の動作を示す側面図である。 図5の動作の次の動作を示す側面図である。 図6の動作の次の動作を示す側面図である。 本発明の第2実施形態に係るワーク下部熱処理装置の側面図である。 図8の動作の次の動作を示す側面図である。 本発明の第3実施形態に係るワークの熱処理装置の内部を視た正面図である。 ワーク下部熱処理部のハンドリング手段を示す正面図である。 テーブル式搬送機構とワーク下部熱処理部を抽出した平面図である。 図12からワーク下部熱処理部のハンドリング手段を除外した平面図である。 第3実施形態のワークの熱処理装置において設けられるワーク下部用熱処理ヘッドの取付状態を示す正面図である。 (a)は図14のワーク下部用熱処理ヘッドの取付状態の右側面図であり、(b)は(a)における概略のb−b矢視図である。 図14のワーク下部用熱処理ヘッドの取付状態の平面図である。 図1(e),(f)に示すアウタレースのカップ部の熱処理に適用する熱処理ヘッド本体の要部断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るワーク下部熱処理装置について、図面を参照して説明する。本発明のワーク下部熱処理方法については、ワーク下部熱処理装置の説明を通して説明するものとする。
以下の第1、第2、第3実施形態に係るワーク下部熱処理装置50A、50B、50Cにおいては、いずれも、図1に示す4種類のアウタレースのうちの何れか1種類を処理対象のワークとしている。加熱コイル、ワーク受具等を段取り換えすることで4種類のアウタレースが処理対象となりうる汎用性を備えている。アウタレースは、カップ部を下位にし、上位となるステム軸部又は筒軸部を回転可能にチャックして、カップ部内面の熱処理を行うので、説明の便宜上、カップ部をワーク下部とも称し、またステム軸部又は筒軸部をワーク上部とも称する。
〔第1実施形態〕
図2に示すように、第1実施形態のワーク下部熱処理装置50Aはハンドリング手段51とカップ部熱処理ヘッド56とを有してなる。ハンドリング手段51は回転チャック機構52と昇降手段54とを有してなる。
この実施形態では、回転チャック機構52を移動する手段が昇降手段54のみである。このためカップ部熱処理ヘッド56の中心線が回転チャック機構52の中心線と一致した状態で、カップ部熱処理ヘッド56が回転チャック機構52の下位に備えられる。ワークWを搬送する搬送機構Hは回転チャック機構52の真下の中間の高さに備えられる。なおワークWがトリポード型であるときは、位相合わせ(周方向の位置合わせ)が行われてから搬送機構Hにより搬送される。
〔回転チャック機構52の構成〕
図2に示すように、回転チャック機構52は搬送機構Hにより搬送されてくるワークWのワーク上部を三つのチャック爪52fでチャックする。回転チャック機構52は必要に応じてワークWを回転する。回転チャック機構52は、対象となるワークWがバーフォード型であるとき、ワーク上部をチャックし、ワークWの中心を回転軸線としてチャック回転用モータ52cによってワークWを毎秒3回転以上で回転する。
図3は回転チャック機構52の一設計例に係る断面図を示している。図3において、回転チャック機構52は、昇降ブラケット54b(図2参照)に支持されるハウジング52aと、ハウジング52aに回転可能に支持された筒軸52bと、筒軸52bを回転するチャック回転用モータ52c(図2参照)と、ハウジング52aより下側に位置する筒軸52bの下端に備えられたシリンダ組立体52dと、複動式のピストン52eと、三つのチャック爪52fと、揺動リンク52gと、を有してなる。
チャック回転用モータ52c(図2参照)は、ハウジング52a(又は昇降ブラケット54b)に備えられ、出力軸がタイミングベルト巻掛機構(回転伝達手段)52kを介して筒軸52bの上端と連結され、筒軸52bを回転する。
三つのチャック爪52fは、シリンダ組立体52dの下端面に露出し120°ずつ異なる水平放射方向に摺動自在に備えられている。
ピストン52eと揺動リンク52gはシリンダ組立体52d内に備えられ、揺動リンク52gはピストン52eと各チャック爪52fとの間に備えられている。揺動リンク52gは二つの揺動端がピストン52eと各チャック爪52fに係合し、ピストン52eの往復動を揺動運動に変えて各チャック爪52fを開閉動する。
回転チャック機構52は、ピストン52eの上下両側のシリンダ室に高圧空気を供給する通路として、ハウジング52aの外面に二つのポートが開口されている。一つのポートは、ハウジング52aに備えられた空気通路と、筒軸52bに備えられた空気通路と、シリンダ組立体52dに備えられた空気通路と、を介してピストン52eの下側のシリンダ室52hに連通されている。他の一つのポートは、同様に備えられた空気通路を介してピストン52eの上側のシリンダ室52iに連通されている。二つのポートは、一方が高圧空気供給源に接続されるとき、他方が大気に開放される。
下側のシリンダ室52hに高圧空気が流入するときは、三つのチャック爪52fを閉動してワーク上部をチャックすることができ、上側のシリンダ室52iに高圧空気が流入するときは、三つのチャック爪52fが開動しチャック解除することができる。
回転チャック機構52は、チャック回転用モータ52cにより筒軸52bを回転し、シリンダ組立体52d及びその内部の一切の構造を筒軸52bと一体に回転する。
〔ワーク確認手段〕
図3に示すように、回転チャック機構52はワーク確認手段55を備えている。ワーク確認手段55は、回転チャック機構52の中心孔にロッド55aを挿通し、ロッド55aの先端に回転チャック機構52から出没自在である当接ピース55bを備え、この当接ピース55bをワーク上端に当接させて押圧及び係止し、該ワークWの位置確認と、芯出しと、位置ずれ確認を行う。
ワーク確認手段55は、回転チャック機構52の中心孔に挿通されたロッド55aと、ロッド55aの下端に交換可能に備えられた当接ピース55bと、回転チャック機構52の中心孔に挿通されたロッド55aを昇降可能に案内するスライドロータリーブッシュ55cと、ロッド55aを昇降させるエアシリンダ55dとを有してなる。エアシリンダ55dはシリンダ本体を回転チャック機構52のハウジング52aに支持され、ピストンロッドの上端に備えた連結具55eを介して、ロッド55aの上端の回転継手部55fを回転可能に支持する。
エアシリンダ55dは、回転チャック機構52によるワークWのチャックに先行し、ピストンロッドを縮小してロッド55aを下降させ、ロッド55aの下端に備えられた当接ピース55bをワーク上端の凹部又は孔周縁に係合させて押圧することで、ワークの芯出しを行う。さらにエアシリンダ55dは、チャック動作工程に入る前にピストンを動作フリーにし、三つのチャック爪52fを閉動してワーク上端をチャックした後に、再びピストンロッドを縮小する方向に動作し、当接ピース55bをワーク上端の凹部又は孔周縁に係合させて押圧することができる。
図2に示すように、搬送機構HがワークWを回転チャック機構52の真下位置に搬送すると、図4に示すように、エアシリンダ55dがピストンロッドを縮小させ回転チャック機構52の中心孔に通されたロッド55aを下降し、当接ピース55bがワーク上端の凹部又は孔周縁に係合し押圧することでワークWを芯出しする。
次いで、図5に示すように、回転チャック機構52が昇降手段54により下降する。このとき、回転チャック機構52がワーク上部をチャックする動作工程に入る前に、エアシリンダ55dがピストンを動作フリーとするので、回転チャック機構52は無理なく下降できる。回転チャック機構52がワーク上端のチャック位置に対応して下降停止すると、当接ピース55bで芯出しされたワークWを回転チャック機構52の三つのチャック爪52fがチャックする。このため、三つのチャック爪52fがワークWを確実に芯出し状態にチャックでき、一部のチャック爪52f間にワークWを挟むことはない。
ワーク確認手段55は、エアシリンダ55dが位置ずれ検知機能を備えていることで、チャックのワークの位置ずれ確認を行う。ワークの自重作用と、当接ピースのワークに対する押圧力とが常に作用していることに加え、供給路破損等による高圧空気の供給停止、チャック爪の磨耗、チャック機構内部の高圧空気封止部材の損傷、潤滑剤の付着による滑りなどが生じることに起因して、回転チャック機構がワーク上部をチャックした後にワークの位置ずれを起こす場合がある。位置ずれを起こしたとき、例えば1.0mmを超えて位置ずれを起こしたときには、カップ部とコイルとが接触して電気的故障を生じる虞がある。
そこで、エアシリンダ55dとして、ピストンロッドが例えば0.5mm移動する毎に1パルスを出力し得る構成のものを採用することで、位置ずれ検知機能が付与されている。エアシリンダ55dは、回転チャック機構がワーク上部をチャックした後に再度縮小作動し、当接ピース55bをワーク上端の凹部に引き続き押圧させるようになっている。その後にワークWの位置ずれがあると、ロッド55aが追随する。ピストンロッドが縮小することで、ずれ寸法が0.5mmに達すると1パルスを出力する。コントローラ113は、このパルスを位置ずれ検知信号として入力し、1パルスが入力されると、装置の稼動を停止する。これによりワークWが加熱コイルに接触しない小さな位置ずれの段階で、装置の稼動を中断することができ、停止原因(位置ずれ)を知らせる。
〔チャック確認手段〕
図3に示すように、回転チャック機構52には突起52nと近接センサ52mとを有してなるチャック確認手段が付設されている。突起52nは各チャック爪52fの外端より外方へ張出して付設されている。近接センサ52mは、回転チャック機構52の回転時に突起52nが近接して検出領域を横切ることで、突起52nを検出するようにハウジング52aと一体的に備えられている。
チャック確認手段は、回転チャック機構52がワーク上部をチャックしたときに、近接センサ52mで突起52nとのギャップを検出してチャック動作したことの確認を行う。そして、回転チャック機構52が回転動作したときに近接センサ52mで突起52nとのギャップを検出してパルスを得ることで、チャックが回転したことの確認を行う。さらにパルスをカウントして回転速度の検出を行う。なおチャック確認手段は少なくとも何れか一つの働きをすればよい。
〔昇降手段54の構成〕
図2に示すように、昇降手段54は、適宜の縦長な支持基板、例えば移動不能に備えられた矩形板あるいはフレームからなる固定部54aと、回転チャック機構52のハウジング52aを支持する昇降ブラケット54bと、固定部54aに取り付けられて昇降ブラケット54bを昇降させる昇降機構(以下の54c〜54fの構成要素)と、を有してなる。
昇降機構は回転を直動に変換する装置からなり、図2に示すように、ガイドブロック54cと、ボールねじ軸54dと、ボールねじ軸54dを回転するサーボモータ54eと、ボールナットランナ54fと、を有してなる。ガイドブロック54cは、平行一対の縦レール54c’を有し、固定フレームなどの適宜の固定部54aに固定されている。ボールねじ軸54dは、一対の縦レール54c’間に位置され、且つ上下の軸端をガイドブロック54cに回転可能に支持されている。ボールナットランナ54fは、昇降ブラケット54bに固定されボールねじ軸54dに螺合している。サーボモータ54eは、固定部54aに設置され、出力軸がボールねじ軸54dの上端に連結され、ボールねじ軸54dを回転する。
昇降手段54は、サーボモータ54eでボールねじ軸54dを回転し、ボールねじ軸54dに回転不能に螺合するボールナットランナ54fを昇降させ、ボールナットランナ54fにハウジング(回転チャック用ブラケット)52aを支持された回転チャック機構52を昇降させる構成である。
上記構成によれば、回転チャック機構52は、該回転チャック機構52のチャック動作と、昇降手段54による昇降動作と、エアシリンダ55dで昇降される当接ピース55bによってワークWを芯出しする動作と、を組み合わせた動作を行うことができる。
回転チャック機構52は、昇降手段54と協働してワーク上部をチャックし、カップ部をカップ部熱処理ヘッド56に近接状態に被せる。このときの、回転チャック機構52がワークWを下降させる高さ位置は、ティーチングによって設定する。
〔カップ部熱処理ヘッド56の構成〕
図2に示すカップ部熱処理ヘッド56は、銅管よりなるカップ部加熱コイル56aと、カップ部加熱コイル56aの両端に備えられた図示しない一対の被給電端子と、カップ部加熱コイル56aを支持する取付ブラケット56bと、カップ部内面冷却手段(冷却ジャケット)56cと、を有してなる組立体である。カップ部熱処理ヘッド56は、さらに、カップ部が被さった状態において、カップ部の外面に冷却液を吹き付けて冷却を行うカップ部外面冷却手段(冷却ジャケット)56dをカップ部の外周に有してなる。
カップ部熱処理ヘッド56は、取付ブラケット56bをコイル取付台57上に載置して、コイル取付台57上に備えられたクランプ57aにより取付ブラケット56bを固定すると共に、一対の被給電端子を図示しないクランプ式の一対の給電端子で挟持して装着され、整流電源部から誘導電流が給電される。
カップ部熱処理ヘッド56は、カップ部外面冷却手段(冷却ジャケット)56dが、ワークWのカップ部外面を冷却しながら、カップ部加熱コイル56aがカップ部の内面を誘導加熱し、次いで、ワークWのカップ部外面を冷却しながら、カップ部内面冷却手段56cがカップ部の内面を冷却できる。
カップ部熱処理ヘッド56は、ワークWのカップ部に対応した形状に形成されており、ワークWのカップ部がカップ部熱処理ヘッド56の真上に同心に位置して下降されることにより、ワークWのカップ部とカップ部加熱コイル56aとのギャップを例えば、1mm〜1.5mmにして近接状態でカップ部を被せることができる。
上述した回転チャック機構52は、ワークWの位置確認と芯出しと位置ずれ確認を行うワーク確認手段55及びチャック確認手段を備えると共に、昇降手段54を備えている。そのため回転チャック機構52が芯出しを行ってからワークをチャックして昇降させることができ、芯出し及び位置確認された状態でワークWのカップ部をカップ部熱処理ヘッド56に近接状態に被せることができ、カップ部熱処理ヘッド56と協働してカップ部の熱処理を精度よく行うことができる。しかもカップ部加熱コイル56aにカップ部が接触することを防止でき、電気的故障に繋がる虞や、装置が稼動できなくなる虞が極めて少なく、安全が確保される。
ワーク下部熱処理装置の動作について、回転チャック機構52の動作を中心に図面を用いて簡単に説明する。
図2は、回転チャック機構52の真下位置に搬送機構HによりワークWが搬送されたところを示す。
図4は、回転チャック機構52が所定位置まで下降し、当接ピース55bがワークWの上端に当接して、ワークWの高さ確認(種類の確認)とワークの芯出しを行ったところを示す。
図5は、回転チャック機構52がチャック位置まで下降してチャックし、上昇復帰したところを示す。回転チャック機構52がチャック位置まで下降するとき、エアシリンダ55dは動作フリーになり、チャックが行われると、再びピストンロッドを縮小動作させ、これにより、当接ピース55bでワークWの上端を押圧して、ワークWの位置ずれを検出する状態になる。
図6は、搬送機構Hが退避したところを示す。
図7は、回転チャック機構52が下降してワークWのカップ部をカップ部熱処理ヘッド56に近接状態に被せて、該カップ部熱処理ヘッド56がワークWのカップ部の熱処理を行っているところを示す。
〔第2実施形態〕
図8、図9は、第2実施形態に係るワーク下部熱処理装置50Bを示す。
ワーク下部熱処理装置50Bは、第1実施形態に係るワーク下部熱処理装置50Aと同様に、ハンドリング手段51と、カップ部熱処理ヘッド56と、を有してなり、図3に示す回転チャック機構52を用いている。
第2実施形態は、以下の3点の構成部分を第1実施形態と同一に有する。
(1)ハンドリング手段51は、回転チャック機構52と、昇降手段54と、ロッド55aと、当接ピース55bと、エアシリンダ55dと、を有し、エアシリンダ55dが、回転チャック機構52によるワークのチャックに先行してピストンロッドを縮小し、回転チャック機構52がワーク上部をチャックする動作工程ではピストンを動作フリーとする。
(2)ハンドリング手段51は、チャック爪52fより外方へ張り出して付設された突起52nと、近接センサ52mと、を有し、チャック確認手段は、チャック動作したことの確認、チャックが回転したことの確認、回転速度の検出を行う。
(3)ハンドリング手段51は、回転チャック機構52の中心孔にロッド55aを挿通して、該ロッド55aの先端に備えられ回転チャック機構52から出没自在である当接ピース55bをワーク上端に当接して、該ワークWの位置確認と、芯出しと、位置ずれ確認を行うワーク確認手段55を備えている。
第2実施形態に係るワーク下部熱処理装置50Bについて、第1実施形態に係るワーク下部熱処理装置50Aと相違する点は、ガイドブロック54cを支持する固定部54aが無くて、固定部54aに替わり、往復回動手段53として、サーボモータ53cで180°往復回動される回動軸53aに回動板53bが固定され、回動板53bにガイドブロック54cが固定されている構成部分である。カップ部熱処理ヘッド56は、第1実施形態のカップ部熱処理ヘッド56と同一である。
この構成上の相違により、回転チャック機構52は、回転チャック機構52のチャック動作と、昇降手段54の昇降動作と、エアシリンダで昇降される当接ピース55bによるチャック前のワークWの芯出し動作と、を組み合わせた動作に、さらに、往復回動手段による回転チャック機構の往復回動動作が加わった動作を行うことができる。
回転チャック機構52は、図8に示すように、一のステーションにおいて芯出しを行ってからワークをチャックして昇降させることができ、またこのステーションでチャック解除することができる。そして、図9に示すように、回動軸53aを反転させた位置でワークWのカップ部をカップ部熱処理ヘッド56に近接状態に被せ、カップ部熱処理ヘッド56でワークWのカップ部の内面に対し熱処理を行うことができる。
その他の構成、作用については、第1実施形態と同一であるので、第1実施形態と同一の構成部材に同一符号を付して説明を省略する。
〔第3実施形態〕
図10〜図17は、第3実施形態に係るワークの熱処理装置を示す図である。図10は、ワークの熱処理装置の内部を視た正面図である。なお、第3実施形態では、ワークの熱処理装置のカップ部について熱処理を行う装置部分を、第1、第2実施形態ではワーク下部熱処理装置と称しているのとは異なり、ワーク下部熱処理部と称する。
図10に示すように、第3実施形態に係るワークの熱処理装置1は、往復移動自在な複数のテーブルで搬送ラインを分担してワークWの順送り搬送を行うテーブル式搬送機構10と、テーブル式搬送機構により搬送されたワークWを第1及び第2のガントリで受け取りワークを順送りに吊上搬送を行うガントリ式搬送機構20と、でワークを搬送する手段が構成される。
すなわち、第1,第2,第3テーブル11,12,13を有してなるテーブル式搬送機構10で、ワークWを第1〜第4ステーションA〜Dに順送りに搬送し、また、第1,第2ガントリ21,22を有してなるガントリ式搬送機構20で、第4〜第6ステーションD〜Fに順送りに吊上げ搬送する。
ワークの熱処理装置1は、テーブル式搬送機構10を構成する第1テーブル11上に載置されたワークWに対し仮位相合わせを行う仮位相決め機構30と、仮位相合わせが行われたワークWを第2テーブル12に移載し、且つ本位相決めピン42に被せて本位相決めする本位相決め機構40と、本位相合わせを終えテーブル式搬送機構で搬送されるワークについて、カップ部内面に対して熱処理を行うワーク下部熱処理部50Cと、カップ部内面の熱処理を終え、第1ガントリ21で搬送されるワークWについてステム軸部の外面又は筒軸部の内面の熱処理を行うワーク上部熱処理部60と、第6ステーションFに対応して備えられたアフタークール部70と、を有してなる。
ワーク下部熱処理部50Cは、第3ステーションCに対応して備えられ、ワーク上部熱処理部60は、第5ステーションEに対応して備えられ、アフタークール部70は、第6ステーションFに対応して備えられている。これらは、中段プレート100上で、且つ中仕切り正面壁(正面壁)112の前側に備えられている。
ワーク上部熱処理部60は、第5ステーションEに搬送されたワークWを間欠回転テーブル61で巡回させ、ワーク上部用加熱ユニット65で誘電加熱し、環状冷却ジャケット62でワーク上部の冷却を行う。
ワークの熱処理装置1は、ワーク下部熱処理部50の熱処理ヘッド56、ワーク上部用加熱ユニット65のワーク上部用加熱コイル(図示しない)、ワーク受具等、を段取り換えすることで、処理対象を図1に示す4種類のアウタレースに適用される。
ワーク上部熱処理部60及びアフタークール部70は、本発明との関連性が無いので、以後において説明しないものとする。
〔ワーク下部熱処理部50Cの構成〕
ワーク下部熱処理部50Cは、図11に示すハンドリング手段51と、図14に示すカップ部熱処理ヘッド56と、を有してなる。
〔ハンドリング手段51の構成〕
図11に示すように、ハンドリング手段51は、サーボモータ53cで180°往復回動される回動軸53aを挟んで一対の回動板53bが固設され、回動軸53aの軸心に関して対称となる一対の回動板53bの各揺動端に、回転チャック機構52を備えたダブルハンド型に構成されてなる。ハンドリング手段51は、一方の回転チャック機構52と他方の回転チャック機構52とが、回動軸53aに関し180°異なる位置にあって、時間をずらして同じサイクル動作を行う。ハンドリング手段51は、回転チャック機構52の中心孔にロッド55aを挿通して、該ロッド55aの先端に備えられ回転チャック機構52から出没自在である当接ピース55bをワーク上端に当接して、該ワークWの位置確認と、芯出しと、位置ずれ確認を行うワーク確認手段55を備えている。
図11〜図14に示すように、各回転チャック機構52は、カップ部熱処理ヘッド56から第3ステーションCに搬送した熱処理済のワークWを、第3ステーションCに位置される第3のテーブル13に載置し、且つ交替して位置される第2のテーブル12上のワークWをチャックし吊り上げてカップ部熱処理ヘッド56の真上G(図13)に位置させて下降し、カップ部熱処理ヘッド56に近接状態に被せ、カップ部熱処理ヘッド56でカップ部の内面の加熱処理を終了したワークWを、第3ステーションCに戻す、というサイクル動作を行う。
この実施形態のハンドリング手段51は、昇降手段54が支持された一対の回動板53bを反転する毎に停止することを反復する。これにより、ハンドリング手段51は、二つの昇降手段54に支持される二つの回転チャック機構52を一のステーションと、カップ部熱処理ヘッド56の真上位置と、に交互に交替させて対応させる往復回動手段53を含んでいる。
〔カップ部熱処理ヘッド56の構成〕
図14〜図16に示すように、カップ部熱処理ヘッド56は、熱処理ヘッド本体561と、外面用冷却ジャケット562と、を有して構成される。熱処理ヘッド本体561は、熱処理ヘッド固定手段57及び給電クランプ58によって支持され、外面用冷却ジャケット562は、熱処理ヘッド固定手段57より立ち上げる支柱に支持される。熱処理ヘッド本体561は、図1(a),(b)に示すアウタレースW1に適用するものを示している。
図14,図15に示すように、熱処理ヘッド本体561は、基板561aと、給電クランプ58を介して誘導電流を給電されるカップ部加熱コイル561bと、内面用冷却ジャケット561cと、逆噴射ジャケット561dと、を含んで構成されている。熱処理ヘッド本体561は、基板561aが熱処理ヘッド固定手段57のコイルベース57aに載置され、且つコイルベース57aに備えた一対のトグルクランプ機構57bによりコイルベース57aに固定される。内面用冷却ジャケット561cの入口及び逆噴射ジャケット561dの入口は、基板561aを貫通した孔として備えられ、コイルベース57aに備えられ貫通孔である給水口と連通接続される。該給水口は、大径冷却水配管57c又は小径冷却水配管57dと接続され、大径冷却水配管57c及び小径冷却水配管57dは、図示しない冷却水供給源に接続されている。従って、熱処理ヘッド本体561を熱処理ヘッド固定手段57に載置固定するだけで、内面用冷却ジャケット561cの入口及び逆噴射ジャケット561dへの給水通路が接続される。
図15,図16に示すように、給電クランプ58は、熱処理ヘッド固定手段57に固定された固定フランジ58dに支持される給電端子58bと、可動フランジ58cに支持される給電端子58aと、を有する。給電端子58a,58bは、導電板58i,58jを介して中仕切り正面壁112の後方の図示しない整流電源部に接続されている。給電端子58a,58b間に熱処理ヘッド本体561の被給電端子561e,561fを挟入し、つまみ58eを回してねじ軸58fを螺動することにより、給電クランプ58は、可動側の給電端子58aと固定側の給電端子58bとで、被給電端子561e,561fを給電可能な状態にクランプする。
図15,図16に示すように、給電端子58aは冷却水接続入口58gを有し、給電端子58bは冷却水接続出口58hを有する。さらに、給電端子58a,58bと被給電端子561e,561fは、カップ部加熱コイル561b内に給送する冷却水の給水路を構成するための中空部を有し、両給水路は、クランプが行われると、密着面において連通する。冷却水は、冷却水接続入口58gから給電端子58a内の給水路に流入して被給電端子561e内の給水路を通流し、カップ部加熱コイル561b内を通流し、被給電端子561f内の給水路を通流して給電端子58b内に至り、冷却水接続出口58hを通り外部へ放水される。
従って、給電端子58a,58bで被給電端子561e,561fをクランプすると、給電端子58a,58bは、整流電源部からカップ部加熱コイル561bに対して誘導電流を給電し得る電気的接続状態になると共に、カップ部加熱コイル561b内へ冷却水を供給する水路が接続状態になる。
カップ部熱処理ヘッド56の動作について説明する。
ハンドリング手段51は、回転チャック機構52を下降してワークW(図1に示すトリポード形のアウタレースW1)をチャックし、回転チャック機構52を上昇し反転し、ワークWをワーク下部熱処理位置Gに対応する上方に位置させてから、ワークWのカップ部が熱処理ヘッド本体561に近接状態に被さるまで回転チャック機構52を下降していく。この場合、ハンドリング手段51は、回転チャック機構52を回転させない。これにより、カップ部加熱コイル561b、内面用冷却ジャケット561cの噴射口及び逆噴射ジャケット561dの噴射口は、ワークW内に収まっていく。
ワークWのカップ部が熱処理ヘッド本体561に被さり始めると、カップ部加熱コイル561bは、誘導電流を給電され、ワークWのカップ部内面の加熱を開始し、外面用冷却ジャケット562もカップ部外面へ冷却水を噴射し冷却を開始する(移動焼き)。次いで、ワークWのカップ部が内面用冷却ジャケット561cに被さり始めると、内面用冷却ジャケット561cがカップ部内面へ冷却水を噴射し冷却を開始する。内面用冷却ジャケット561cは、溝を形成している三方の溝面に冷却水を噴射して冷却を行う。
この時点より、カップ部加熱コイル561bがカップ部内面の上側部分を加熱され、その下側近傍では内面用冷却ジャケット561cが冷却を行い、もって、熱処理ヘッド本体561はワークWのカップ部内面に対して移動式熱処理(焼入れ又は焼戻し)を行う。熱処理ヘッド本体561の上端面がワークWのカップ部天井面に近接した状態にワークWのカップ部が熱処理ヘッド本体561に深く被さると、ハンドリング手段51によるワークWの下降が停止すると共に、加熱が終了しかつ内面用冷却ジャケット561cによる冷却が終了する。
次いで、逆噴射ジャケット561dが冷却水を噴射し、カップ部の全内面を冷却した後、外面用冷却ジャケット562及び逆噴射ジャケット561dによる冷却が終了する。以上で、カップ部内面の熱処理が終了する。
すると、ハンドリング手段51の回転チャック機構52がワークWを上昇する。その後、ハンドリング手段51は、回転チャック機構52を上昇し、次いで、第3ステーションCに対応する上方位置に回動して下降することにより、回転チャック機構52で保持したワークWを、第3ステーションCに位置される第3テーブル13上のワーク受承皿(符号なし)に載置する。
上記構成は、図1(a),(b)に示すアウタレースW1に適用する熱処理ヘッド本体561について説明したものである。図1(c),(d)に示すトリポード型のアウタレースW2については、カップ部W21の内空間形状が異なるので、図示しない別のカップ部熱処理ヘッドが適用される(回転移動式熱処理)。この場合の熱処理ヘッド本体の構成も、図17に示す熱処理ヘッド本体561Aの構成に準じるものである。
図17に示す熱処理ヘッド本体561Aは、図1(e),(f)に示すアウタレースW3のカップ部W31の熱処理に適用される。熱処理ヘッド本体561Aは、不導体のコイル561hの周囲にワーク下部用加熱コイル(マルチターンコイル)561hを有し、このワーク下部用加熱コイル561hの一端はコイル561hの中を通り、そして、両端は、被給電端子に連通接続される。
アウタレースW3の場合は、回転チャック機構52によってチャックしたアウタレースW3を、カップ部が熱処理ヘッド本体に深く被せた状態になってから、ワークWを、例えば、200r.p.mで回転させる(移動回転焼き)。そして、図14に示す外面用冷却ジャケット562によりカップ部外面を冷却すると共に、カップ部内の入口から最奥まで存在するワーク下部用加熱コイル(マルチターンコイル)561hによってカップ部内面を全面的に加熱する(移動回転焼き)。加熱終了後は、コイル561hに冷却水を給送し、この冷却水をマルチターンコイル561hの隙間から噴射して、カップ部W31の全内面を冷却する。矢印はコイル561hへの冷却水の流れを示している。
図1(g),(h)に示すアウタレースW4については、カップ部W41の内空間形状に適合するカップ部熱処理ヘッドが適用される。この場合の熱処理ヘッド本体の構成も、図17に示す熱処理ヘッド本体561Aの構成に準じるものである。
この構成上の相違により、回転チャック機構52のチャック動作と、昇降手段54による昇降動作と、エアシリンダ55dで昇降される当接ピース55bによるチャック前のワークWの芯出し動作と、さらに、往復回動手段53による二つの回転チャック機構52の往復回動動作と、が加わることによって、一の回転チャック機構52は、一のステーションにおいて、芯出しを行ってからワークWをチャックし昇降させることができ、ワークWをチャック解除することができると共に、他の一の回転チャック機構52は、異なった位置でワークWのカップ部をカップ部熱処理ヘッド56に近接状態に被せる動作を行い、カップ部熱処理ヘッド56と協働してカップ部の熱処理を行うことができ、一の回転チャック機構52と他の一の回転チャック機構52とが交互に交替して動作するので、第1、第2実施形態に比して約二分の一のタクトでカップ部の熱処理を行うことができる。
その他の構成、作用についても、第1実施形態と同一であるので、第1実施形態と同一の構成部材に同一符号を付して説明を省略する。
〔仮位相決めと本位相決めとワーク下部熱処理部50Cの関係〕
図12、図13に示すように、ワークの熱処理装置1は、搬送ラインの第1〜第4ステーションA〜D区間の各一区間を、それぞれ、往復する第1〜第3テーブル11〜13によりワークWを順送りするテーブル式搬送機構10を有する。
ワークWは、人手により又は搬入ロボットにより、装置左側面パネルの搬入口を通して第1ステーションAに位置される第1テーブル11上に載置される。ここで、ワークWが図1(a)及び(b)に示すトリポード型のアウタレースW1,W2であるときは、第1テーブル11上で仮位相決めされる。
仮位相決め機構30は、第1テーブル11上に付設されていて、第1テーブル11が第1ステーションAに位置するときに仮位相決めを行う。
第1ステーションAで仮位相決めが行われたワークWは、第2ステーションBに移送され第2テーブル12に移載され本位相決めが行われる。本位相決め機構40は、第2ステーションBに対応してワークチャック持ち上げ手段41(図10)と、第2テーブル12に備えられた位置決めピン42と、で構成され、第2ステーションBにおいて、ワークWを第2テーブル12に移載することで位置決めピン42が本位相決めを行う。
ワークWが図1(c)及び(d)に示すバーフォード型のアウタレースW1,W2であるときは、第2テーブル12には本位相決めピンを備えていないワーク受承皿が用意される。
次いで、ワークWは、第2テーブル12よって第3ステーションCに搬送される。ワークWは、ワーク下部熱処理部50Cによって、ワーク下部熱処理位置Gに移送され熱処理され、熱処理が終了すると、第3ステーションCに位置する第3テーブル13上に戻され、第3テーブル13によって第4ステーションDに移送される。
ワーク下部熱処理部50Cは、ダブルハンド型のハンドリング手段51の一方の回転チャック機構52により、第3ステーションCにおいてワークWをチャック及びチャック解除し、同時に、他方の回転チャック機構52によりワーク下部熱処理位置Gへ搬送され、ワークWのワーク下部をカップ部熱処理ヘッド56と協働して焼入れ或いは焼戻しのための加熱、冷却を行う。ワークWがバーフォード型のアウタレースであるときには、この熱処理は、回転チャック機構52によりワークWを回転させて行う。
上記第1〜第3の実施形態によれば、回転チャック機構52によりワークをチャックする前に、回転チャック機構52の中心孔に挿通されたロッド55aをエアシリンダ55dで下降させ、ロッド55aの下端の当接ピース55bをワークWの上端に押し当てて、ワークWの芯出しを行うことに意義がある。元来、回転チャック機構52の複数のチャック爪52fは、ワークWを芯出し状態にチャックし得る。しかし、チャックする際に、ワークWが偏心した状態にあると、ワークWがチャック爪間に挟まれる場合が生じるので、回転チャック機構52によりワークWをチャックする前に、ワークWの芯出しを行うものである。
上記第1〜第3の実施形態によれば、いずれも、ハンドリング手段51は、ワーク上部をチャックし必要に応じてワークWの中心を回転軸線として回転しうる回転チャック機構52と、回転チャック機構52のハウジングを支持し、回転チャック機構52を昇降させる昇降手段54と、回転チャック機構52の中心孔にロッド55aを挿通してロッドの先端に備えられ、回転チャック機構から出没自在である当接ピース55bをワーク上端に当接してワークの位置確認と、芯出しと、位置ずれ確認を行うワーク確認手段55と、を備えてなる。
この構成によれば、搬送機構がワークを回転チャック機構の真下位置に搬送すると、エアシリンダがピストンロッドを縮小させ、回転チャック機構に中心孔に通されたロッドを下降する。下降されたロッドの先端には、当接ピース55bがあり、当接ピース55bがワーク上端の凹部又は孔周縁に係合し押圧することでワークを芯出しする。次いで、回転チャック機構が、昇降手段により下降されていく。このとき、エアシリンダがピストンを動作フリーとするので、回転チャック機構が無理なく下降されていく。回転チャック機構がワーク上端のチャック位置に対応して下降停止されると、当接ピース55bで芯出しされたワークを回転チャック機構の複数のチャック爪がチャックする。このため、複数のチャック爪が、ワークを確実に芯出し状態にチャックできる。
上記第1〜第3の実施形態によれば、いずれも、ワーク確認手段55は、回転チャック機構52の外側に備えられロッド55aを昇降させるエアシリンダ55dを有してなり、エアシリンダ55dは、回転チャック機構52によるワークWのチャックに先行してピストンロッドを縮小し、且つ回転チャック機構52がワーク上部をチャックする動作工程では、ピストンを動作フリーとするように構成されている。
上記構成によれば、回転チャック機構52によりワークをチャックする前に、回転チャック機構52の中心孔に挿通されたロッド55aをエアシリンダ55dで下降させ、ロッド55aの下端の当接ピース55bをワークWの上端に押し当ててワークWの芯出しを行うことに意義がある。元来、回転チャック機構の複数のチャック爪は、ワークを芯出し状態にチャックし得る。しかし、チャックする際に、ワークが偏心した状態にあると、ワークがチャック爪間に挟まれる場合が生じるので、回転チャック機構によりワークをチャックする前に、ワークの芯出しを行うものである。
上記構成によれば、回転チャック機構52のチャック動作と、昇降手段54による回転チャック機構52の昇降動作と、エアシリンダ55dで昇降される当接ピース55bによるチャック前のワークWの芯出し動作と、を組み合わせた動作となる。このため、回転チャック機構52は、一のステーションにおいて、芯出しを行ってからワークをチャックし昇降させることができ、またワークをチャック解除することができると共に、ワークWのカップ部をカップ部熱処理ヘッド56に近接状態に被せる動作を行い、カップ部熱処理ヘッド56と協働してカップ部の熱処理を行うことができる。
上記第1〜第3の実施形態によれば、いずれも、ハンドリング手段51は、所要角度、例えば、180°往復回動自在な回動板を有し、回動板に昇降手段を支持し、回動板を間欠して180°往復回動することにより、昇降手段に支持される回転チャック機構を一のステーションと、カップ部熱処理ヘッドの真上位置と、に交互に対応させる往復回動手段を含んでなる。
この構成によれば、回転チャック機構のチャック動作と、昇降手段による回転チャック機構の昇降動作と、エアシリンダで昇降される当接ピースによるチャック前のワークの芯出し動作と、が組み合わさることによって、回転チャック機構によるワークのチャック、チャック解除する位置と、カップ部熱処理ヘッドと協働してカップ部を熱処理する位置と、を異ならせることができ、平面スペースを有効に利用できる。
上記第1〜第3の実施形態によれば、いずれも、ハンドリング手段51は、所要角、例えば180°往復回動自在な一体的、且つ一対の回動板53bを有し、各回動板53bに二つの昇降手段54を支持し、一対の回動板53bを間欠して180°往復回動することにより、二つの昇降手段54に支持される二つの回転チャック機構52を一のステーションとカップ部熱処理ヘッド56の真上位置とに交互に交替させて対応させる往復回動手段53を含んでなる。
この構成によれば、回転チャック機構52のチャック動作と、昇降手段54による回転チャック機構52の昇降動作と、エアシリンダ55dで昇降される当接ピース55bによるチャック前のワークWの芯出し動作と、を組み合わせた動作に、さらに、往復回動手段53による二つの回転チャック機構52の往復回動動作が加わる。これによって、一の回転チャック機構52は、一のステーションにおいて、芯出しを行ってからワークWをチャックし昇降させることができ、またワークWをチャック解除することができる。また他の一の回転チャック機構52は、異なった位置でワークWのカップ部をカップ部熱処理ヘッド56に近接状態に被せる動作を行い、カップ部熱処理ヘッド56と協働してカップ部の熱処理を行うことができ、一の回転チャック機構52と他の一の回転チャック機構52とが交互に交替して動作するので、二分の一のタクトでカップ部の熱処理を行うことができる。
上記第1〜第3の実施形態によれば、ハンドリング手段51は、複数の突起52nと近接センサ52mとを有して、チャック確認と回転確認と回転速度の検出の少なくとも何れかを行う構成とされている。
上記構成にすると、ワークWがチャック爪52f間に挟まれている状態にあるか否かを検出でき、また、ワークWが芯ずれを起こしている状態にチャックされているか否かを確認でき、カップ部と加熱コイルとの電気的故障を未然に回避できる。
上記第1〜第3の実施形態によれば、ハンドリング手段51は、ピストンロッドの移動量に応じてパルスを出力し得るエアシリンダを用いてなり、回転チャック機構がワーク上部をチャックした後に、当接ピースがワーク上端の凹部を引き続き押圧するようにエアシリンダが再度縮小作動し、その後に、エアシリンダから出力されるパルスを位置ずれ検知信号とする構成である。
上記構成にすると、ギャップを埋める位置ずれよりも小さい移動をキャッチでき、キャッチした瞬間に装置の稼動を中断して、カップ部の内面とコイルとの電気的故障を未然に回避できる。
上記第1〜第3の実施形態によれば、ワークWがトリポード型である場合に、搬送機構のワークの搬送ラインの、一のステーションよりも上流側の他の一のステーションに仮位相決めを行う仮位相決め手段を有すると共に、一のステーションと仮位相決め手段との中間の、他の一のステーションに本位相決めを行う本位相決め手段を有する。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。この実施形態に記載している構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
1…ワークの熱処理装置、
50A…ワーク下部熱処理装置、
50B…ワーク下部熱処理装置、
50C…ワーク下部熱処理部(ワーク下部熱処理装置)、
W…ワーク、
H、10…搬送機構、
51…ハンドリング手段、
52…回転チャック機構、
52a…ハウジング、
52m…近接センサ、
52n…突起、
53…往復回動手段、
53b…回動板、
54…昇降手段、
55…ワーク確認手段、
55a…ロッド、
55b…当接ピース、
55d…エアシリンダ、
55e…連結具、
56…カップ部熱処理ヘッド、
56a…カップ部加熱コイル、
56c…カップ部内面冷却手段(冷却ジャケット)、
56d…カップ部外面冷却手段(冷却ジャケット)、
561b…カップ部加熱コイル、
561c…内面用冷却ジャケット、
562…外面用冷却ジャケット
561h…ワーク下部用加熱コイル(マルチターンコイル)

Claims (7)

  1. カップ部と軸部とを有するワークの軸部をハンドリング手段でチャックし、上記カップ部をカップ部熱処理ヘッドのカップ部加熱コイルに被せて熱処理を行うワーク下部熱処理装置であり、
    上記ハンドリング手段は、
    上記軸部をチャックして上記ワークの中心を回転軸線として該ワークを回転しうる回転チャック機構と、
    上記回転チャック機構のハウジングを支持し、該回転チャック機構を昇降させる昇降手段と、
    上記回転チャック機構の中心孔にロッドが挿通され、該ロッドの先端に当接ピースが上記回転チャック機構から出没自在に備えられ、上記回転チャック機構により上記ワーク上部をチャックした状態で上記ワークに上記当接ピースを当接させて上記ワークの位置ずれ確認を行うワーク確認手段と、
    を備え、
    上記ワーク確認手段において、上記ロッドが上記ハウジングに支持されたエアシリンダのピストンロッドによって支持され、該エアシリンダにより押圧された上記ロッドが上記回転チャック機構にチャックされた上記ワークの位置ずれに追随することで位置ずれ検知信号が出力される、ワーク下部熱処理装置。
  2. 前記エアシリンダは、前記回転チャック機構による前記ワークのチャックに先行して前記当接ピースを前記ワーク上端に当接させるように前記ピストンロッドを縮小することで上記ワークの芯出しを行い、上記回転チャック機構が上記ワーク上部をチャックする動作工程では、前記エアシリンダのピストンを動作フリーとする、請求項1記載のワーク下部熱処理装置。
  3. 前記エアシリンダは、前記ピストンロッドの移動量に応じたパルスを前記位置ずれ検知信号として出力する、請求項1又は2に記載のワーク下部熱処理装置。
  4. 前記ハンドリング手段は、前記回転チャック機構の各チャック爪に該チャック爪の外端より外方へ張り出して付設された複数の突起と、上記回転チャック機構の回転時に上記突起を検出するように上記回転チャック機構の前記ハウジングに備えられた近接センサとを有して、チャック確認と回転確認と回転速度の検出の少なくとも何れかを行う、請求項1乃至3のいずれかに記載のワーク下部熱処理装置。
  5. 前記ハンドリング手段は所要角度往復回動自在な回動板を有し、該回動板に前記昇降手段が支持され、該回動板を間欠して所要角度往復回動することにより、上記昇降手段に支持される前記回転チャック機構を一のステーションと前記カップ部熱処理ヘッドの真上位置とに交互に対応させる往復回動手段を含んでなる、請求項1乃至4のいずれかに記載のワーク下部熱処理装置。
  6. 前記ハンドリング手段は所要角度往復回動自在な一対の回動板を有し、各回動板に前記昇降手段が支持され、上記一対の回動板を間欠して所要角度往復回動することにより、二つの上記昇降手段に支持される二つの前記回転チャック機構を一のステーションと前記カップ部熱処理ヘッドの真上位置とに交互に対応させる往復回動手段を含んでなる、請求項1乃至5のいずれかに記載のワーク下部熱処理装置。
  7. カップ部と軸部とを有するワークについて、上記軸部を上位として回転チャック機構でチャックした状態で昇降及び回動するハンドリングを行うことにより、上記カップ部をカップ部熱処理ヘッドのカップ部加熱コイルに近接状態に被せて回転させることで該カップ部内面の熱処理を行うワーク下部熱処理方法であって、
    上記回転チャック機構による上記軸部のチャックは、
    上記軸部をチャックする位置に上記回転チャック機構を移動し、
    次いで上記回転チャック機構の中心孔に挿通されたロッドを下降して該ロッドの先端に備えられた当接ピースを上記ワーク上端に当接し、上記ワークの種別を確認すると共に上記ワークを芯出しした後に行い、
    チャック後も引き続き上記当接ピースを上記ワーク上端に当接して位置ずれ確認を行う、ワーク下部熱処理方法。
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