JP5728488B2 - 心筋梗塞のリスクファクターおよび予測 - Google Patents
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Description
本願は、2009年11月13日に出願した米国仮出願第61/261,155号に対する優先権およびその利益を主張する。米国仮出願第61/261,155号の内容全体は本明細書中に参考として援用される。
心筋梗塞(MI)は、一般的には心臓発作として知られており、修正可能なリスクファクターと関係しているが、それにも関らず、依然、世界中で死亡および重度の身体障害の第1位の原因である。(非特許文献1)。予防に向けて、現代の米国および欧州の指針は、統合された2工程のアプローチを推奨しており、ここでは、リスク評価(予測)に続いて、必要に応じて、個別化されたリスク軽減(治療)が行われる。リスクが高ければ高いほど、処方される予防的ケアはより積極的なものとなる(非特許文献2;非特許文献3)。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
個体における心筋梗塞のリスクを診断する方法であって:
個体由来の試料中の生体マーカーのセットのレベルを測定する工程であって、ここでは、該生体マーカーのセットは:
(i)癌胎児性抗原およびβ−2ミクログロブリン;ならびに
(ii)N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド、α−1抗トリプシン、およびC反応性タンパク質のうちの少なくとも1つ
を含む、工程;
該測定した生体マーカーのレベルを重みづけすることにより該個体についてリスク点数を計算する工程;ならびに、
該リスク点数を使用して、該個体が心筋梗塞を経験する可能性を同定する工程
を含む、方法。
(項目2)
前記生体マーカーのセットはN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチドを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記生体マーカーのセットはα−1抗トリプシンを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記生体マーカーのセットはC反応性タンパク質を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記生体マーカーのセットはN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチドを含む、項目3に記載の方法。
(項目6)
前記生体マーカーのセットはさらに、アポリポタンパク質A1およびアポリポタンパク質Bを含む、項目3に記載の方法。
(項目7)
前記生体マーカーのセットはさらに、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド、アポリポタンパク質A1、およびアポリポタンパク質Bを含む、項目4に記載の方法。
(項目8)
前記生体マーカーのセットはさらに、α−フェトプロテインおよびトランスフェリン飽和度を含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記生体マーカーのセットはさらに、血管内皮増殖因子を含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記リスク点数を計算する工程が:
前記生体マーカーの測定したレベルを対数変換して、それぞれの測定した生体マーカーについて変換した値を得ること;
それぞれの生体マーカーについての該変換した値に生体マーカー定数を掛け算して、それぞれの生体マーカーについて掛け算した値を得ること;および
それぞれの生体マーカーについての掛け算した値を足し算してリスク点数を得ること
を含む、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記個体の心筋梗塞の可能性に関連する情報を、送信する、表示する、記憶する、または印刷する、あるいはユーザーインターフェースデバイス、コンピューターで読み取り可能な記憶媒体、ローカルコンピューターシステム、またはリモートコンピューターシステムに出力する工程を含む、項目1〜10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記情報がリスク点数またはその等価物である、項目11に記載の方法。
(項目13)
個体が心筋梗塞について増大した可能性を有していると同定された場合に、処置を推奨する、承認する、または投与する工程を含む、項目1〜12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記リスク点数が参照リスク点数よりも大きい場合に、心筋梗塞事象を有する増大した可能性を有しているとして前記個体を同定する工程、および前記リスク点数が参照リスク点数未満である場合に、心筋梗塞事象を有する可能性が低下しているとして前記個体を同定する工程を含む、項目1〜13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記参照リスク点数が標準値または閾値である、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記計算する工程が、適切にプログラムされたコンピューターを使用して行われる、項目1〜15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記測定された生体マーカーのレベルが、免疫測定法、比色分析法、比濁分析、およびフローサイトメトリーのうちの少なくとも1つにより決定される、項目1〜16のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記試料が血液を含む、項目1〜17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記個体がヒトである、項目1〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記心筋梗塞のリスクが近い将来のリスクである、項目1〜19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記リスク点数が、前記個体の年齢の重みづけしたメトリックを含む、項目1〜20のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記リスク点数が、前記個体についての1つ以上の臨床的リスクファクターの重みづけしたメトリックを含む、項目1〜21のいずれか1項に記載の方法であって、ここでは、前記1つ以上の臨床的リスクファクターが、喫煙状況、真性糖尿病、若年性心筋梗塞の家族歴、ボディーマス指数、身体活動性、非空腹時総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、およびトリグリセリドからなる群より選択される、方法。
(項目23)
個体における心筋梗塞のリスクを診断する方法であって:
個体由来の試料中の生体マーカーのセットのレベルを測定する工程であって、ここでは、該生体マーカーのセットは、α−1抗トリプシン、C反応性タンパク質、アポリポタンパク質A1、アポリポタンパク質B、クレアチニン、アルカリホスファターゼ、およびトランスフェリン飽和度を含む、工程;
該生体マーカーの測定したレベルを重みづけすることにより該個体についてリスク点数を計算する工程;ならびに、
該リスク点数を使用して、該個体が心筋梗塞を経験する可能性を同定する工程
を含む、方法。
(項目24)
前記生体マーカーのセットはさらに、アポリポタンパク質E、フィブリノーゲン、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ、補体第3成分、好中球数、およびリンパ球数を含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記トランスフェリン飽和度が、血清中鉄値を、トランスフェリンレベルの2倍の値で割り算することにより計算される、項目23または項目24に記載の方法。
(項目26)
個体における心筋梗塞のリスクを診断するためのキットであって:
個体由来の試料中の生体マーカーのセットのレベルを特異的に測定する試薬セットであって、ここでは、該生体マーカーのセットは:
(i)癌胎児性抗原およびβ−2ミクログロブリン;ならびに
(ii)N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド、α−1抗トリプシン、および高感度C反応性タンパク質のうちの少なくとも1つ;
を含む、試薬セット;ならびに、
該個体における心筋梗塞のリスクを診断するために該キットを使用するための説明書
を含む、キット。
(項目27)
参照リスク点数を含む、項目26に記載のキット。
(項目28)
前記参照リスク点数が標準値または閾値である、項目27に記載のキット。
(項目29)
前記試薬がタンパク質レベルを測定する、項目26〜28のいずれか1項に記載のキット。
推定される生体マーカーの同定
(方法)
(研究対象集団)
本研究の目的は、リスク評価後、4年以内にMIを発症する個体に注目することにより、最も高いリスクがある個体の検出を改善することであった。そのような近い将来のMIについてのリスクファクターと予測変数は、ほとんどの研究が十分な数の近い将来のMI事象を蓄積するには少なすぎることが大きな理由で、これまでは報告されていない。明らかに、炎症を起こし、破裂したアテローム斑の上に重なった血栓症に占められる、近い将来のMI様の事象についてのリスクファクターは、アテローム性動脈硬化症のゆっくりとした発症に占められる長期的事象についてのリスクファクターとは異なり得る。この目的のために、45,735人の男性および女性について行った、大集団に基づく、予期される、ネストした症例対照研究、すなわち、Copenhagen General Population Studyと組み合わせたCopenhagen City Heart Studyを使用した。
非絶食時総コレステロール、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール、およびトリグリセリドを、新鮮血漿について測定した(Boehringer Mannheim,Mannheim,Germany)。低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールは、トリグリセリドが4mmol/L未満であった場合にはFriedewaldにしたがって計算したが、それより高いトリグリセリドレベルでは直接測定した。喫煙状況は、非喫煙、喫煙歴あり、または喫煙者として定義した。真性糖尿病は、自己申告の疾患であり、インスリンもしくは経口血糖降下薬の使用、および/または11mmol/Lより高い非絶食時血漿グルコースとした。運動不足は、1週間に4時間未満のレジャー活動と主に座業であった。ボディーマス指数は、身長の二乗(m2)で割り算した体重(kg)であった。血圧は、5分間の休息後に、座位で被験体から測定した。若年性MIの家族歴は、55歳以前の一親等の男性におけるMI、または65歳以前の一親等の女性におけるMIと定義した。
非絶食時新鮮血液試料から、14個の生体マーカーを、比色分析と比濁分析(Konelab,Helsinki,Finland,Dade Behring,Deerfield,Illinois.,USA,ILS Laboratories Scandinavia,Allerod,Denmark or Dako,Glostrup,Denmark)、またはフローサイトメトリー(Bayer,Germany)を使用して、すなわち、高感度C反応性タンパク質(CRP)、フィブリノーゲン、α−1抗トリプシン、補体第3成分(補体第3成分)、アポリポタンパク質A1、アポリポタンパク質B、アポリポタンパク質E、鉄、トランスフェリン(トランスフェリン飽和度)、クレアチニン、アルカリホスファターゼ、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ、リンパ球数、および好中球数を測定した。トランスフェリン飽和度(%)は、血清中鉄値(μmol/L)をトランスフェリンレベル(μmol/L)の2倍の値で割り算することにより計算した。本明細書中で使用される場合は、「高感度C反応性タンパク質」と「C反応性タンパク質」(および「CRP」)は互換的に使用され、別のように理解されない限りは、同じタンパク質をいう。
変数を、連続測定についてはStudentの独立t検定を使用し、そして割合についてはFisherの直接確率法を使用して、症例と対照被験体間でベースラインで比較した。ベースラインは、それぞれの被験体について採血した日と定義する。複数の変数間の相関関係を、Spearmanの相関を使用して計算した。
Framingham Heart Study(Wilson PW,D’Agostino RB,Levy D,Belanger AM,Silbershatz H,Kannel WB.Prediction of coronary heart disease using risk factor categories.Circulation 97:1837−47(1998))により公開されている6つの性別特異的リスク方程式を使用して、ベースラインでの研究対象集団全体についての10年の絶対リスクを計算した。全ての近い将来にMI事象を生じたもののうちのわずか36%しか、高いリスクとしてカテゴリー化されなかった(表1)。言い換えると、実際に近い将来にMI事象を経験した個体のうちの64%は、高いリスクがあると同定されなかった。
表1は、長期間の研究において同定された主な心臓血管のリスクファクターのうちのいくつかを含む、研究対象集団についてのベースラインでの特徴を示す。これらの9個の確立されているリスクファクターを含むモデルにおいては、HDLコレステロール、喫煙状況(喫煙者)と糖尿病の存在が、近い将来のMIの罹患と有意な関係にあった(表2)。症例と対照は、本研究においては年齢と性別を一致させた。それゆえ、年齢と性別はモデルには含めない。
図3に関して、図3は、具体例にしたがって、確立されているリスクファクターだけを含むリスクのモデルと、確立されているリスクファクターと13個の推定される生体マーカーを含むリスクのモデルとに基づく、MIの罹患についての受信者動作特性曲線(ROC)を示す。含めた推定される生体マーカーは、α−1抗トリプシン、アルカリホスファターゼ、アポリポタンパク質A1、アポリポタンパク質B、アポリポタンパク質E、補体第3成分、クレアチニン、フィブリノーゲン、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ、トランスフェリン飽和度、C反応性タンパク質、リンパ球数、および好中球数である。確立されているリスクファクターだけを含み、生体マーカーを含まないROC曲線(95%のCI)下面積は、0.69(0.65〜0.73)であり、確立されているリスクファクターと生体マーカーを含むROC曲線下面積は、0.74(0.70〜0.78)である。9個の確立されているリスクファクターに多数の生体マーカーを加えた場合には(図3)、ROC曲線下面積は0.69から0.74に増大した(表5);しかし、この増大は、統計的有意性には到達しなかった。対照的に、統合識別改善度の試験により、リスクモデルに生体マーカーを組み込んだ場合には、統計学的に有意な改善が明らかとなり、13個の生体マーカーを組み込んだ場合には、生体マーカーを含まないモデルと比較して、4.3%の改善に達した(P<0.001)。個々の症例と対照についての改善を図4に説明する。
見かけ上は健康である男性および女性における本研究は、MIについての10年リスクおよび生涯リスクについてのいくつかの確立されているリスクファクターも、MIの近い将来の(4年)リスクと関係があることを示す。加えて、17個の推定される生体マーカーのうちの5個が、近い将来のMIとそれぞれが独立して関係しており、確立されているリスクファクターについての調整後にリスクモデルのフィットが改善されたことが明らかになった。ほとんどの事象は、特に女性の、低いまたは中程度のFraminghamリスクのカテゴリーに属している人において起こった。
MIの最も一般的な原因は、冠状動脈血栓症を導く不安定プラークの炎症を起こした線維性被膜の破裂である(Thim T,Hagensen MK,Bentzon JF,Falk E.From vulnerable plaque to atherothrombosis.J.Intern.Med.263:506−16(2008))。炎症および/または血栓形成促進性の状態についての全身性マーカーが、特に、そのような局所の炎症と関係があるアテローム性血栓症の事象についての予測となるであろうと示唆されている(Koenig W,Khuseyinova N.Biomarker s of atherosclerotic plaque instability and rupture.Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.27:15−26(2007))。この仮説を評価するために、いくつかの炎症感受性血漿タンパク質を、推定される生体マーカーパネルに含めた(CRP、フィブリノーゲン、α1−抗トリプシン、および補体第3成分)。これらの一部は、血栓症を促進する可能性もある。これらの炎症と関係がある生体マーカーのうちの3つは、近い将来のMIの高いリスクとそれぞれ独立して関係していた。
(リスクの予測)
MIの予防においては、修正可能なリスクファクターの重要性を誇張することはできない。これらは、世界中のアテローム動脈硬化性CVDのリスクのほとんどを占める(Yusuf S,Hawken S,Ounpuu Sら、Effect of potentially modifiable risk factors associated with MI in 52 countries(the INTERHEART study):case−control study.Lancet.364:937−52(2004))。しかし、大きな問題は、年齢と性別を除き、確立されているリスクファクターが、リスクについて芳しくない予測変数であることである。1回目の心臓発作または脳卒中になる運命にあるほとんどの人は、それらの確立されているリスクファクターのレベルが通常は高くないために、そのリスクに気づいていない(Lauer MS.Primary prevention of atherosclerotic cardiovascular disease:the high public burden of low individual risk.JAMA.297:1376−8(2007))。逆に、明らかに悪いリスクファクタープロフィールを有している多くの人は、依然、無症候性である。
5つの生体マーカーのそれぞれが、確立されているリスクファクターからは独立して、増大したMIの近い将来(4年)のリスクと関係があった。さらに、組み合わせた13個の生体マーカーのセットは、近い将来のMIの予測リスクにおいて9倍の増大を提供した。したがって、近い将来のMIを予測するためのリスクファクターは、おそらく、少なくともこのCopenhagenの集団においては、長期間のCVD事象を予測するためのものとは全く異なる。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは実施例1に記載したとおりである。確立されているリスクファクターを示す変数は、実施例1に記載したように処理し、推定される生体マーカーを示す変数は連続変数として処理した。
b1*ln(好中球数)+b2*ln(リンパ球数)+b3*ln(フィブリノーゲン)+b4*ln(クレアチニン)+b5*ln(γ−グルタミルトランスペプチダーゼ)+b6*ln(アルカリホスファターゼ)+b7*ln(アポリポタンパク質B)+b8*ln(アポリポタンパク質A1)+b9*ln(アポリポタンパク質E)+b10*ln(α−1抗トリプシン)+b11*ln(補体第3成分)+b12*ln(高感度C反応性タンパク質)+b12*ln(トランスフェリン飽和度)
式中、b1〜b13は、表6に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは実施例1に記載したとおりである。確立されているリスクファクターを示す変数は、実施例1に記載したように処理し、推定される生体マーカーを示す変数は連続変数として処理した。
b1*ln(クレアチニン)+b2*ln(アルカリホスファターゼ)+b3*ln(アポリポタンパク質B)+b4*ln(アポリポタンパク質A1)+b5*ln(α−1抗トリプシン)+b6*ln(高感度C反応性タンパク質)+b7*ln(トランスフェリン飽和度)
式中、b1〜b7は表8に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは、実施例1に記載したとおりである。確立されているリスクファクターを示す変数は、実施例1に記載したように処理し、推定される生体マーカーを示す変数は連続変数として処理した。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは、実施例1に記載したとおりである。血圧(5つのカテゴリーにカテゴリー化した(収縮期血圧/拡張期血圧:120/80mmHg未満、≧120/80mmHgかつ<130/85mmHg、≧130/85mmHgかつ<140/90mmHg、≧140/90mmHgかつ<160/100mmHg、または≧160/100mmHgもしくは降圧療法の使用)、喫煙状況(非喫煙、喫煙者、喫煙歴あり)、真性糖尿病(有/無)、若年性MIの家族歴(有/無)、ボディーマス指数(連続変数として処理した)、ならびに身体活動性(2分割した:1週間に4時間未満の運動および座業、または1週間に4時間を超える運動および/もしくは非座業)を除き、確立されているリスクファクターと推定される生体マーカーを示している変数は、連続変数として処理した。
b1*ln(アポリポタンパク質B)+b2*ln(アポリポタンパク質A1)+b3*ln(トランスフェリン)+b4*ln(α−1抗トリプシン)+b5*ln(α−フェトプロテイン)+b6*ln(β−2−ミクログロブリン)+b7*ln(癌胎児性抗原)+b8*ln(血管内皮増殖因子)
式中、b1〜b8は、表10に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。
8個の生体マーカーのモデルについてのAUC:0.73(95%の信頼区間(CI):0.69〜0.77)
9個の確立されているリスクファクターのモデルについてのAUC:0.68(95%のCI:0.63〜0.72)
2つのモデル間でのAUCの差についてのp値:p=0.027
NRI=15.1%(p<0.01)
IDI=6.8%(p<0.01)
相対的IDI=4.7%(p<0.01)
(NRI、IDI、および相対的IDI、ならびにそれぞれのP値は以下に議論されているように計算する:Pencina MJ,D’Agostino RB Sr,D’Agostino RB Jr,Vasan RS.Evaluating the added predictive ability of a new marker:from area under the ROC curve to reclassification and beyond.Stat Med 2008 Jan.30;27(2):157−72)。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは、実施例1に記載したとおりである。確立されているリスクファクターと推定される生体マーカーを示す変数は、血圧(5つのカテゴリーにカテゴリー化した(収縮期血圧/拡張期血圧:120/80mmHg未満、≧120/80mmHgかつ<130/85mmHg、≧130/85mmHgかつ<140/90mmHg、≧140/90mmHgかつ<160/100mmHg、または≧160/100mmHgもしくは降圧療法の使用)、喫煙状況(非喫煙、喫煙者、喫煙歴あり)、真性糖尿病(有/無)、若年性MIの家族歴(有/無)、ボディーマス指数(連続変数として処理した)、ならびに身体活動性(2分割した:1週間に4時間未満の運動および座業、または1週間に4時間を超える運動および/もしくは非座業)を除き、連続変数として処理した。
b1*ln(アポリポタンパク質B)+b2*ln(アポリポタンパク質A1)+b3*ln(トランスフェリン)+b4*ln(α−1抗トリプシン)+b5*ln(αフェトプロテイン)+b6*ln(β−2−ミクログロブリン)+b7*ln(癌胎児性抗原)
式中、b1〜b7は表12に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。
7個の生体マーカーのモデルについてのAUC:0.74(95%の信頼区間(CI):0.71〜0.78)
9個の確立されているリスクファクターのモデルについてのAUC:0.68(95%のCI:0.63〜0.72)
2つのモデル間でのAUCの差についてのp値:p=0.007
NRI=20.9%(p<0.01)
IDI=8.2%(p<0.01)
相対的IDI=5.6%(p<0.01)
NRI、IDI、および相対的IDI、ならびにそれぞれのP値は、実施例5と同様に計算する。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは、実施例1に記載したとおりである。推定される生体マーカーを示す変数は、連続変数として処理した。
4種類の血漿分析物(すなわち、4個の生体マーカー:α−1抗トリプシン、癌胎児性抗原、β−2−ミクログロブリン、およびN末端B型ナトリウム利尿ペプチド)だけを予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、4種類の分析物のそれぞれの係数を以下にように推定した:
b1*ln(α−1抗トリプシン)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)+b4*ln(NT−プロBNP)
式中、b1〜b4は上記表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。加えられる定数項が、それぞれの個体のリスク点数に対して同じ様式で加えられるという条件で、さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験から4年以内のMIの高い可能性を示す。図9は、上記の方程式から導いたリスク点数と、4年以内のMIの条件付き確率との間での関係を説明する。図9においては、十字記号は、4年以内にはMIを経験しなかった個体を示し、円形記号は、4年以内にMIを経験した個体を示す。−2.55の定数切片値(constant intercept value)をそれぞれの個体のリスク点数に加えたことに留意されたい。データは、751人の個体(そのうちの252人は血液検査の4年以内にMIを経験した)の研究により得た。図9による1つの可能性のある閾値は、1以上の値のリスク点数が高いリスクのグループを定義し、一方、−1以下のリスク点数値が低いリスクのグループを定義し、−1〜1の間のリスク点数が中程度のリスクのグループを示す閾値である。当業者は、そのような閾値が、様々な臨床的に関連する要因(例えば、所望される感度、特異性、正および負の予測値、様々な年齢、性別、または民族もしくは人種など)に基づいて異なり得ることを理解するであろう。
4種類の血漿分析物(すなわち、4個の生体マーカー:α−1抗トリプシン、癌胎児性抗原、β−2−ミクログロブリン、およびN末端B型ナトリウム利尿ペプチドと、年齢を予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、5個の変数のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(α−1抗トリプシン)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)+b4*ln(NT−プロBNP)+b5*(年齢)
式中、b1〜b5は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
血漿分析物の測定から導いたこのスコアの付加により、MIの発症についての付加した予測値が従来のリスクファクターのシンプルな評価を上回るかどうかを決定するために、以下の演習も行った。4種類の血漿分析物の変数ならびに従来のリスクファクターを示す9個のさらなる変数を含むロジスティック回帰モデル(例えば、Wilson PW,D’Agostino RB,Levy D,Belanger AM,Silbershatz H,Kannel WB.Prediction of coronary heart disease using risk factor categories.Circulation 97:1837−47(1998)を参照のこと)を評価した。その後、13個の変数を含むこのモデルを、従来のリスクファクターを示す9個の変数だけを含むモデルに対して比較し、4種類の血漿生体マーカーを付加した際のリスク予測の改善についての証拠を探した。検討した9個の従来のリスクファクターは、医学界でコンセンサスが得られており、以下のとおりである(全てが、採血時に評価される):(i)喫煙(非喫煙、喫煙歴あり、または喫煙者)、(ii)血圧(以下のような5つのカテゴリーにカテゴリー化する:血圧;<120/80mmHg、≧120/80mmHgかつ<130/85mmHg、≧130/85mmHgかつ<140/90mmHg、≧140/90mmHgかつ<160/100mmHg、および≧160/100mmHgまたは降圧療法の使用、ここでは、分子が収縮期血圧であり、分母が拡張期血圧である)、(iii)総コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(iv)高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(v)糖尿病の状況(有/無)、(vi)年齢(未変換の連続変数として処理する)、(vii)性別、(viii)スタチン治療の使用(有/無)、(ix)採血した年度(2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、または2006年)。
4個の生体マーカーのモデル+9個の従来のリスクファクターについてのAUC:0.754(95%の信頼区間(CI):0.714〜0.790)
9個の確立されているリスクファクターだけについてのAUC:0.682(95%のCI:0.639〜0.722)
2つのモデル間でのAUCの差についてのp値:p<0.001
IDI=7.9%(95%のCI:5.7%〜10.0%)、p<0.001。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは、実施例1に記載したとおりである。推定される生体マーカーを示す変数は連続変数として処理する。
3種類の血漿分析物(すなわち、3種類の生体マーカー:α−1抗トリプシン、癌胎児性抗原、およびβ−2−ミクログロブリン)だけを予測変数として含めた非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、3個の分析物のそれぞれの係数を、以下のように推定した:
b1*ln(α−1抗トリプシン)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)
式中、b1〜b3は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
3種類の血漿分析物(すなわち、3個の生体マーカー:α−1抗トリプシン、癌胎児性抗原、β−2−ミクログロブリン)および年齢を予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、5個の変数のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(α−1抗トリプシン)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)+b4*(年齢)
式中、b1〜b4は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
血漿分析物の測定から導いたこのスコアの付加により、MIの発症についての付加した予測値が従来のリスクファクターのシンプルな評価を上回るかどうかを決定するために、以下の演習も行った。3種類の血漿分析物の変数ならびに従来のリスクファクターを示す9個のさらなる変数を含むロジスティック回帰モデル(例えば、Wilson PW,D’Agostino RB,Levy D,Belanger AM,Silbershatz H,Kannel WB.Prediction of coronary heart disease using risk factor categories.Circulation 97:1837−47(1998)を参照のこと)を評価した。その後、12個の変数を含むこのモデルを、従来のリスクファクターを示す9個の変数だけを含むモデルに対して比較し、3種類の血漿生体マーカーを付加した際のリスク予測の改善についての証拠を探した。検討した9個の従来のリスクファクターは、医学界でコンセンサスが得られており、以下のとおりである(全てが、採血時に評価される):(i)喫煙(非喫煙、喫煙歴あり、または喫煙者)、(ii)血圧(以下のような5つのカテゴリーにカテゴリー化する:血圧;<120/80mmHg、≧120/80mmHgかつ<130/85mmHg、≧130/85mmHgかつ<140/90mmHg、≧140/90mmHgかつ<160/100mmHg、および≧160/100mmHgまたは降圧療法の使用、ここでは、分子が収縮期血圧であり、分母が拡張期血圧である)、(iii)総コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(iv)高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(v)糖尿病の状況(有/無)、(vi)年齢(未変換の連続変数として処理する)、(vii)性別、(viii)スタチン治療の使用(有/無)、(ix)採血した年度(2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、または2006年)。
3個の生体マーカーのモデル+9個の従来のリスクファクターについてのAUC:0.75(95%の信頼区間(CI):0.71〜0.78)
9個の確立されているリスクファクターだけについてのAUC:0.68(95%のCI:0.64〜0.72)
2つのモデル間でのAUCの差についてのp値:p<0.001
IDI=6.6%(95%のCI:4.6%〜8.6%)、p<0.001。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは、実施例1に記載したとおりである。推定される生体マーカーを示す変数は連続変数として処理する。
3種類の血漿分析物(すなわち、3個の生体マーカー:C反応性タンパク質、癌胎児性抗原、およびβ−2−ミクログロブリン)だけを予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、3種類の分析物のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(C反応性タンパク質)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)
式中、b1〜b3は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
3種類の血漿分析物(すなわち、3個の生体マーカー:C反応性タンパク質、癌胎児性抗原、およびβ−2−ミクログロブリン)と年齢を予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、5個の変数のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(C反応性タンパク質)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)+b4*(年齢)
式中、b1〜b4は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
血漿分析物の測定から導いたこのスコアの付加により、MIの発症についての付加した予測値が従来のリスクファクターのシンプルな評価を上回るかどうかを決定するために、以下の演習も行った。3種類の血漿分析物の変数ならびに従来のリスクファクターを示す9個のさらなる変数を含むロジスティック回帰モデル(例えば、Wilson PW,D’Agostino RB,Levy D,Belanger AM,Silbershatz H,Kannel WB.Prediction of coronary heart disease using risk factor categories.Circulation 97:1837−47(1998)を参照のこと)を評価した。その後、12個の変数を含むこのモデルを、従来のリスクファクターを示す9個の変数だけを含むモデルに対して比較し、3種類の血漿生体マーカーを付加した際のリスク予測の改善についての証拠を探した。検討した9個の従来のリスクファクターは、医学界でコンセンサスが得られており、以下のとおりである(全てが、採血時に評価される):(i)喫煙(非喫煙、喫煙歴あり、または喫煙者)、(ii)血圧(以下のような5つのカテゴリーにカテゴリー化する:血圧;<120/80mmHg、≧120/80mmHgかつ<130/85mmHg、≧130/85mmHgかつ<140/90mmHg、≧140/90mmHgかつ<160/100mmHg、および≧160/100mmHgまたは降圧療法の使用、ここでは、分子が収縮期血圧であり、分母が拡張期血圧である)、(iii)総コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(iv)高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(v)糖尿病の状況(有/無)、(vi)年齢(未変換の連続変数として処理する)、(vii)性別、(viii)スタチン治療の使用(有/無)、(ix)採血した年度(2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、または2006年)。
3個の生体マーカーのモデル+9個の従来のリスクファクターについてのAUC:0.73(95%の信頼区間(CI):0.69〜0.77)
9個の確立されているリスクファクターだけについてのAUC:0.68(95%のCI:0.64〜0.72)
2つのモデル間でのAUCの差についてのp値:p<0.001
IDI=5.0%(95%のCI:3.3%〜6.8%)、p<0.001
このように、3個の生体マーカー(すなわち、C反応性タンパク質、癌胎児性抗原、およびβ−2−ミクログロブリン)を従来のリスクファクターに加えることにより、従来のリスクファクターだけよりも優れた、近い将来のMIのリスク予測のための生体マーカーのセットが得られる。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは、実施例1に記載したとおりである。推定される生体マーカーを示す変数は連続変数として処理する。
5種類の血漿分析物(すなわち、5個の生体マーカー:α−1抗トリプシン、癌胎児性抗原、β−2−ミクログロブリン、アポリポタンパク質B、およびアポリポタンパク質A1)だけを予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、5個の分析物のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(α−1抗トリプシン)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)+b4*ln(アポリポタンパク質B)+b5*ln(アポリポタンパク質A1)
式中、b1〜b5は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
5種類の血漿分析物(すなわち、5個の生体マーカー:C反応性タンパク質、癌胎児性抗原、およびβ−2−ミクログロブリン)と年齢を予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、5個の変数のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(α−1抗トリプシン)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)+b4*ln(アポリポタンパク質B)+b5*ln(アポリポタンパク質A1)+b6*(年齢)
式中、b1〜b6は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
血漿分析物の測定から導いたこのスコアの付加により、MIの発症についての付加した予測値が従来のリスクファクターのシンプルな評価を上回るかどうかを決定するために、以下の演習も行った。5種類の血漿分析物の変数ならびに従来のリスクファクターを示す9個のさらなる変数を含むロジスティック回帰モデル(例えば、Wilson PW,D’Agostino RB,Levy D,Belanger AM,Silbershatz H,Kannel WB.Prediction of coronary heart disease using risk factor categories.Circulation 97:1837−47(1998)を参照のこと)を評価した。その後、12個の変数を含むこのモデルを、従来のリスクファクターを示す9個の変数だけを含むモデルに対して比較し、5種類の血漿生体マーカーを付加した際のリスク予測の改善についての証拠を探した。検討した9個の従来のリスクファクターは、医学界でコンセンサスが得られており、以下のとおりである(全てが、採血時に評価される):(i)喫煙(非喫煙、喫煙歴あり、または喫煙者)、(ii)血圧(以下のような5つのカテゴリーにカテゴリー化する:血圧;<120/80mmHg、≧120/80mmHgかつ<130/85mmHg、≧130/85mmHgかつ<140/90mmHg、≧140/90mmHgかつ<160/100mmHg、および≧160/100mmHgまたは降圧療法の使用、ここでは、分子が収縮期血圧であり、分母が拡張期血圧である)、(iii)総コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(iv)高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(v)糖尿病の状況(有/無)、(vi)年齢(未変換の連続変数として処理する)、(vii)性別、(viii)スタチン治療の使用(有/無)、(ix)採血した年度(2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、または2006年)。
5個の生体マーカーのモデル+9個の従来のリスクファクターについてのAUC:0.75(95%の信頼区間(CI):0.71〜0.78)
9個の確立されているリスクファクターだけについてのAUC:0.68(95%のCI:0.64〜0.72)
2つのモデル間でのAUCの差についてのp値:p<0.001
IDI=7.4%(95%のCI:5.3%〜9.4%)、p<0.001。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは、実施例1に記載したとおりである。推定される生体マーカーを示す変数は連続変数として処理する。
6種類の血漿分析物(すなわち、6個の生体マーカー:アポリポタンパク質B、アポリポタンパク質A1、N末端B型ナトリウム利尿ペプチド(NT−プロBNP)、癌胎児性抗原、β−2−ミクログロブリン、およびC反応性タンパク質)だけを予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、6種類の分析物のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(C反応性タンパク質)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)+b4*ln(アポリポタンパク質B)+b5*ln(アポリポタンパク質A1)+b6*ln(NT−プロBNP)
式中、b1〜b6は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
6種類の血漿分析物(すなわち、6個の生体マーカー:アポリポタンパク質B、アポリポタンパク質A1、N末端B型ナトリウム利尿ペプチド(NT−プロBNP)、癌胎児性抗原、β−2−ミクログロブリン、およびC反応性タンパク質)と年齢を予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、6個の変数のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(C反応性タンパク質)+b2*ln(癌胎児性抗原)+b3*ln(β−2−ミクログロブリン)+b4*ln(アポリポタンパク質B)+b5*ln(アポリポタンパク質A1)+b6*ln(NT−プロBNP)+b7*(年齢)
式中、b1〜b7は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
血漿分析物の測定から導いたこのスコアの付加により、MIの発症についての付加した予測値が従来のリスクファクターのシンプルな評価を上回るかどうかを決定するために、以下の演習も行った。6種類の血漿分析物の変数ならびに従来のリスクファクターを示す9個のさらなる変数を含むロジスティック回帰モデル(例えば、Wilson PW,D’Agostino RB,Levy D,Belanger AM,Silbershatz H,Kannel WB.Prediction of coronary heart disease using risk factor categories.Circulation 97:1837−47(1998)を参照のこと)を評価した。その後、12個の変数を含むこのモデルを、従来のリスクファクターを示す9個の変数だけを含むモデルに対して比較し、6種類の血漿生体マーカーを付加した際のリスク予測の改善についての証拠を探した。検討した9個の従来のリスクファクターは、医学界でコンセンサスが得られており、以下のとおりである(全てが、採血時に評価される):(i)喫煙(非喫煙、喫煙歴あり、または喫煙者)、(ii)血圧(以下のような6つのカテゴリーにカテゴリー化する):血圧;<120/80mmHg、≧120/80mmHgかつ<130/85mmHg、≧130/85mmHgかつ<140/90mmHg、≧140/90mmHgかつ<160/100mmHg、および≧160/100mmHgまたは降圧療法の使用、ここでは、分子が収縮期血圧であり、分母が拡張期血圧である)、(iii)総コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(iv)高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(v)糖尿病の状況(有/無)、(vi)年齢(未変換の連続変数として処理する)、(vii)性別、(viii)スタチン治療の使用(有/無)、(ix)採血した年度(2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、または2006年)。
6個の生体マーカーのモデル+9個の従来のリスクファクターについてのAUC:0.75(95%の信頼区間(CI):0.71〜0.79)
9個の確立されているリスクファクターだけについてのAUC:0.68(95%のCI:0.64〜0.72)
2つのモデル間でのAUCの差についてのp値:p<0.001
IDI=7.3%(95%のCI:5.3%〜9.4%)、p<0.001
このように、6個の生体マーカー(すなわち、アポリポタンパク質B、アポリポタンパク質A1、N末端B型ナトリウム利尿ペプチド、癌胎児性抗原、β−2−ミクログロブリン、およびC反応性タンパク質)を従来のリスクファクターに加えることにより、従来のリスクファクターだけよりも優れた、近い将来のMIのリスク予測のための生体マーカーのセットが得られる。
研究対象集団、確立されているリスクファクター、および推定される生体マーカーは、実施例1に記載したとおりである。推定される生体マーカーを示す変数は連続変数として処理する。
3種類の血漿分析物(すなわち、3個の生体マーカー:癌胎児性抗原、β−2−ミクログロブリン、およびN末端B型ナトリウム利尿ペプチド(NT−プロBNP))だけを予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、3種類の分析物のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(癌胎児性抗原)+b2*ln(β−2−ミクログロブリン)+b3*ln(NT−プロBNP)
式中、b1〜b3は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
3種類の血漿分析物(すなわち、3個の生体マーカー:癌胎児性抗原、β−2−ミクログロブリン、およびN末端B型ナトリウム利尿ペプチド(NT−プロBNP))と年齢を予測変数として含む非条件付きロジスティック回帰モデルをフィットさせた。統計ソフトウェア(Rソフトウェア、バージョン2.6)を使用して、3個の変数のそれぞれの係数を以下のように推定した:
b1*ln(癌胎児性抗原)+b2*ln(β−2−ミクログロブリン)+b3*ln(NT−プロBNP)+b4*(年齢)
式中、b1〜b4は上記の表に列挙した係数であり、ln(x)は、底eを使用して対数変換したxの値を示す。このモデルによるスコアを、それぞれの個体について計算した。さらなる定数値(「切片項」としても知られている)を、そのような様式で計算したリスク点数に加えることができることが当業者に理解されるであろう。より高いリスク点数は、試験後4年以内のMIの高い可能性を示す。
血漿分析物の測定から導いたこのスコアの付加により、MIの発症についての付加した予測値が従来のリスクファクターのシンプルな評価を上回るかどうかを決定するために、以下の演習も行った。3種類の血漿分析物の変数ならびに従来のリスクファクターを示す9個のさらなる変数を含むロジスティック回帰モデル(例えば、Wilson PW,D’Agostino RB,Levy D,Belanger AM,Silbershatz H,Kannel WB.Prediction of coronary heart disease using risk factor categories.Circulation 97:1837−47(1998)を参照のこと)を評価した。その後、12個の変数を含むこのモデルを、従来のリスクファクターを示す9個の変数だけを含むモデルに対して比較し、3種類の血漿生体マーカーを付加した際のリスク予測の改善についての証拠を探した。検討した9個の従来のリスクファクターは、医学界でコンセンサスが得られており、以下のとおりである(全てが、採血時に評価される):(i)喫煙(非喫煙、喫煙歴あり、または喫煙者)、(ii)血圧(以下のような3つのカテゴリーにカテゴリー化する:血圧;<120/80mmHg、≧120/80mmHgかつ<130/85mmHg、≧130/85mmHgかつ<140/90mmHg、≧140/90mmHgかつ<160/100mmHg、および≧160/100mmHgまたは降圧療法の使用、ここでは、分子が収縮期血圧であり、分母が拡張期血圧である)、(iii)総コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(iv)高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール(未変換の連続変数として処理する)、(v)糖尿病の状況(有/無)、(vi)年齢(未変換の連続変数として処理する)、(vii)性別、(viii)スタチン治療の使用(有/無)、(ix)採血した年度(2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、または2006年)。
3個の生体マーカーのモデル+9個の従来のリスクファクターについてのAUC:0.75(95%の信頼区間(CI):0.71〜0.78)
9個の確立されているリスクファクターだけについてのAUC:0.68(95%のCI:0.64〜0.72)
2つのモデル間でのAUCの差についてのp値:p<0.001
IDI=6.7%(95%のCI:4.7%〜8.6%)、p<0.001。
Claims (26)
- リスク点数を、個体における心筋梗塞のリスクの指標とする方法であって:
個体由来の試料中の生体マーカーのセットのレベルを測定する工程であって、ここでは、該生体マーカーのセットは:
(i)癌胎児性抗原およびβ−2ミクログロブリン;ならびに
(ii)N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド、α−1抗トリプシン、およびC反応性タンパク質のうちの少なくとも1つ
を含む、工程;ならびに
該測定した生体マーカーのレベルを重みづけすることにより該個体についてリスク点数を計算する工程;を含み、ここで、
該リスク点数は、該個体が心筋梗塞を経験する可能性を示す、方法。 - 前記生体マーカーのセットはN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチドを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記生体マーカーのセットはα−1抗トリプシンを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記生体マーカーのセットはC反応性タンパク質を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記生体マーカーのセットはN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチドを含む、請求項3に記載の方法。
- 前記生体マーカーのセットはさらに、アポリポタンパク質A1およびアポリポタンパク質Bを含む、請求項3に記載の方法。
- 前記生体マーカーのセットはさらに、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド、アポリポタンパク質A1、およびアポリポタンパク質Bを含む、請求項4に記載の方法。
- 前記生体マーカーのセットはさらに、α−フェトプロテインおよびトランスフェリン飽和度を含む、請求項6に記載の方法。
- 前記生体マーカーのセットはさらに、血管内皮増殖因子を含む、請求項8に記載の方法。
- 前記リスク点数を計算する工程が:
前記生体マーカーの測定したレベルを対数変換して、それぞれの測定した生体マーカーについて変換した値を得ること;
それぞれの生体マーカーについての該変換した値に生体マーカー定数を掛け算して、それぞれの生体マーカーについて掛け算した値を得ること;および
それぞれの生体マーカーについての該掛け算した値を足し算して該リスク点数を得ること
を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。 - 前記個体が心筋梗塞を経験する可能性に関連する情報を、送信する、表示する、記憶する、または印刷する、あるいはユーザーインターフェースデバイス、コンピューターで読み取り可能な記憶媒体、ローカルコンピューターシステム、またはリモートコンピューターシステムに出力する工程を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記情報がリスク点数またはその等価物である、請求項11に記載の方法。
- 個体の心筋梗塞の増大した可能性が、該個体において処置が推奨されること、該個体において処置が承認されること、または該個体において薬物が投与されるべきであることを示す、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 参照リスク点数よりも大きいリスク点数は、前記個体が、心筋梗塞事象を有する増大した可能性を有していることを示し、および参照リスク点数未満であるリスク点数は、前記個体が、心筋梗塞事象を有する可能性が低下していることを示す、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 前記参照リスク点数が標準値または閾値である、請求項14に記載の方法。
- 前記計算する工程が、適切にプログラムされたコンピューターを使用して行われる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 前記測定された生体マーカーのレベルが、免疫測定法、比色分析法、比濁分析、およびフローサイトメトリーのうちの少なくとも1つにより決定される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記試料が血液を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記個体がヒトである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 前記心筋梗塞のリスクが近い将来のリスクである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 前記リスク点数が、前記個体の年齢の重みづけしたメトリックを含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 前記リスク点数が、前記個体についての1つ以上の臨床的リスクファクターの重みづけしたメトリックを含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法であって、ここでは、前記1つ以上の臨床的リスクファクターが、喫煙状況、真性糖尿病、若年性心筋梗塞の家族歴、ボディーマス指数、身体活動性、非空腹時総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、およびトリグリセリドからなる群より選択される、方法。
- 個体における心筋梗塞のリスクを診断するためのキットであって:
個体由来の試料中の生体マーカーのセットのレベルを特異的に測定する試薬セットであって、ここでは、該生体マーカーのセットは:
(i)癌胎児性抗原およびβ−2ミクログロブリン;ならびに
(ii)N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド、α−1抗トリプシン、および高感度C反応性タンパク質のうちの少なくとも1つ;
を含む、試薬セット;ならびに、
該個体における心筋梗塞のリスクを診断するために該キットを使用するための説明書
を含む、キット。 - 参照リスク点数を含む、請求項23に記載のキット。
- 前記参照リスク点数が標準値または閾値である、請求項24に記載のキット。
- 前記試薬がタンパク質レベルを測定する、請求項23〜25のいずれか1項に記載のキット。
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