JP5728243B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
本発明に係る積層体は、厚さ方向に複数の貫通孔が設けられた支持体と、上記支持体によって支持される被支持基材と、上記支持体と上記被支持基材との間に設けられている、少なくとも3層を有する接着層とを備えており、上記接着層のうち、上記被支持基材に接している第1の接着層に含まれる樹脂(A)、および上記支持体に接している第2の接着層に含まれる樹脂(B)は、ガラス転移点が80℃以下であり、上記第1の接着層と上記第2の接着層とによって挟まれる少なくとも1層の第3の接着層に含まれる樹脂(C)は、ガラス転移点が100℃以上であり、上記樹脂(C)は極性基を有しており、上記樹脂(A)および上記樹脂(B)は極性基を有していなければよい。これにより、熱処理工程を経た後であっても、支持体が貼着された被支持基材から当該支持体を短時間で、且つ容易に剥離することができる。
本発明に係る積層体は、樹脂(A)を含む第1の接着層と、樹脂(B)を含む第2の接着層と、樹脂(C)を含む少なくとも1層の第3の接着層とが積層された構成になっている。第1の接着層はウエハ側に設けられており、第2の接着層はサポートプレート側に設けられており、第3の接着層は第1の接着層と第2の接着層とによって挟まれている。これら接着層が含む樹脂(A),(B)のガラス転移点と、樹脂(C)のガラス転移点とが互いに大幅に異なることにより、また、樹脂(A),(B)と樹脂(C)との極性が異なることにより、耐熱性および薬品耐性を兼ね備えた接着層にすることができる。
第1の接着層に含まれる樹脂(A)は、ガラス転移点が80℃以下の樹脂であり、極性基を有していなければよく、好ましくはガラス転移点が50℃以上、80℃以下の樹脂である。樹脂(A)のガラス転移点がこのような範囲内であれば、接着層を膜厚化することが可能であり、薬品に対する耐性を向上させることができる。
なお、シクロオレフィンモノマーは1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルケンモノマーは直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。当該アルケンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンおよび1−ヘキセンなどのα−オレフィンが挙げられる。アルケンモノマーは1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第2の接着層に含まれる樹脂(B)は、ガラス転移点が80℃以下の樹脂であり、極性基を有していなければよく、好ましくはガラス転移点が50℃以上、80℃以下の樹脂である。樹脂(B)のガラス転移点がこのような範囲内であれば、接着層を膜厚化することが可能であり、薬品に対する耐性を向上させることができる。
第3の接着層に含まれる樹脂(C)は、ガラス転移点が100℃以上の樹脂であればよく、より好ましくはガラス転移点が100℃以上、200℃以下であり、極性基を有する樹脂である。樹脂(C)のガラス転移点がこのような範囲内であれば、積層体が高温環境に晒されても接着層の軟化を防ぎ、サポートプレートに形成された孔への沈み込みを防止することができる。
第1の接着層、第2の接着層および第3の接着層は、それぞれ本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含有していてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤および界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いてもよい。
本発明に係る積層体は、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、以下に示す7種類の接着剤を調製した。
ノルボルネンとエチレンとをメタロセン触媒にて共重合したシクロオレフィンコポリマー(ポリプラスチックス社製「TOPAS(商品名)8007」、ノルボルネン:エチレン=35:65(重量比)、ガラス転移点:70℃、Mw:98,200、熱分解温度:459℃)を用いて、p−メンタンに溶解させて、固形分濃度25重量%の接着剤1を得た。
シクロドデセンとエチレンとを共重合したシクロオレフィンコポリマー(三井化学社製「APL(商品名)8008T」、シクロドデセン:エチレン=80:20(重量比)、ガラス転移点:65℃、Mw:100200、熱分解温度:446℃)を用いて、p−メンタンに溶解させて、固形分濃度25重量%の接着剤2を得た。
シクロヘキシルマレイミド、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレートを18:32:40:10:0.7(モル比)で用いて、PGMEAに溶解させて、固形分濃度30重量%の接着剤3を得た。得られた接着剤3は、ガラス転移点:124℃、Mw:153000、熱分解温度:319℃であった。
シクロヘキシルマレイミド、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレートを18:32:40:1:0.7(モル比)で用いて、PGMEAに溶解させて、固形分濃度30重量%の接着剤4を得た。得られた接着剤4は、ガラス転移点:125℃、Mw:163,000、熱分解温度:322℃であった。
シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレートを20:20:10:40:10:0.7(モル比)で用いて、PGMEAに溶解させて、固形分濃度30重量%の接着剤5を得た。得られた接着剤5は、ガラス転移点:159℃、Mw:179,000、熱分解温度:335℃であった。
スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソボニル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸を52:15:10:13:10のモル比で含むランダム共重合体の樹脂を用いて、PGMEAに溶解させて、固形分濃度40重量%の接着剤6を得た。得られた接着剤6は、ガラス転移点:65℃、Mw:82,000、熱分解温度:258℃であった。
ノルボルネンとエチレンとをメタロセン触媒にて共重合したシクロオレフィンコポリマー(ポリプラスチックス社製「TOPAS(商品名)5013」、ノルボルネン:エチレン=40:60(重量比)、ガラス転移点:126℃、Mw:85,100、熱分解温度:463℃)を用いて、p−メンタンに溶解させて、固形分濃度25重量%の接着剤7を得た。
実施例1〜7では、以下の表1に示す組み合わせで積層体を作製した。具体的には、第1層(第1の接着層)および第3層(第2の接着層)にはガラス転移点が80℃以下の樹脂を含む接着剤を使用し、第2層(第3の接着層)にはガラス転移点が100℃以上の樹脂を含む接着剤を使用した。
実施例1〜7では、次のように積層体を作製した。
実施例1〜7の積層体を以下の試験項目により評価した。
耐熱性は、220℃で1時間加熱した後の接着層の沈み込み量によって評価した。沈み込みの評価手法は、加熱前後の接着層の厚さを測定する方法を用いた。その結果、実施例1〜7のすべての積層体において、加熱前の厚さと加熱後の厚さとの差は10μm以下であって極めて少ない沈み込み量であり、沈み込みの評価は良好であった。
薬品耐性は、実施例1〜7の積層体を、H2 O、IPA(Isopropyl alcohol)、PGMEA(Propylene Glycol Monomethyl Ether Acetate)、TMAH(Tetra methylammonium hydroxide)(2.38質量%水溶液)、NaOH(1質量%水溶液)およびHF(フッ化水素)(1質量%水溶液)に浸漬して、10分後の溶解状態を観察することによって評価した。その結果、実施例1〜7のすべての積層体において、上記の溶剤に溶解することはなく、耐性を有していた。
ウエハ上に接着層を形成した後、この接着層のクラックの有無を目視により観察した。その結果、実施例1〜7のすべての積層体においてクラックの発生は見られず、クラック耐性は良好であった。
積層体を220℃で加熱した後に、p−メンタン中に浸漬し、超音波処理して剥離性を評価したところ、実施例1〜7のすべての積層体において、ウエハからのサポートプレートの剥離は良好に行なわれた。
脱ガス量は、ウエハ上に接着層を形成した後、接着層からの脱ガス量を測定することにより評価した。脱ガス量の測定には、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)装置を用いた。
接着強度は、ウエハ上に接着層を形成した後、接着層の上にガラス基板を200℃、1kgの加重で接着させた。このガラス基板を引っ張り、ガラス基板がウエハから剥がれたときの接着強度を、縦型電動計測スタンドMX−500N(株式会社イマダ社製)を用いて算出した。ガラス基板は、200℃、1kgの加重で接着層に接着させた。
比較例1〜3では、以下の表2に示す組み合わせで積層体を作製した。
比較例1〜3の積層体を以下の試験項目により評価した。なお、各試験項目の評価は、実施例と同様の手順により行なった。
各比較例の積層体における沈み込み量は、比較例1が48μm、比較例2が10μm以下、比較例3が45μmであった。このように、ガラス転移点が低い樹脂のみを用いた比較例1,3では耐熱性が低かった。
ガラス転移点が低い樹脂のみを用いた比較例1,3の積層体では変化が見られなかったが、ガラス転移点が高い樹脂のみを用いた比較例2の積層体では、IPAおよびPGMEAに浸漬することによってクラックが発生していた。
比較例1,2の積層体ではウエハからサポートプレートを剥離する際に、実施例1〜7の3倍以上の時間を要した。また、比較例3の積層体では、接着層でミキシングが発生し、ウエハからサポートプレートを剥離することができなかった。
脱ガス量の測定の結果、比較例1〜3の積層体は、220℃において、上記TDS測定装置により求められる強度(Indensity)が100000未満であった。
比較例1〜3の積層体の接着強度は、1kgf/cm2 以上であった。
Claims (6)
- 厚さ方向に複数の貫通孔が設けられた支持体と、
上記支持体によって支持される被支持基材と、
上記支持体と上記被支持基材との間に設けられている、少なくとも3層を有する接着層とを備えており、
上記接着層のうち、上記被支持基材に接している第1の接着層に含まれる樹脂(A)、および上記支持体に接している第2の接着層に含まれる樹脂(B)は、ガラス転移点が80℃以下であり、上記第1の接着層と上記第2の接着層とによって挟まれる少なくとも1層の第3の接着層に含まれる樹脂(C)は、ガラス転移点が100℃以上であり、
上記樹脂(C)は極性基を有しており、上記樹脂(A)および上記樹脂(B)は極性基を有しておらず、
上記樹脂(C)はアクリル系モノマーを含む単量体組成物を重合してなり、
上記樹脂(A)および上記樹脂(B)が、シクロオレフィンモノマーを含む単量体組成物を重合してなり、
上記樹脂(A)および樹脂(B)の重量平均分子量は、30,000〜300,000であり、
上記樹脂(C)の重量平均分子量は、50,000〜400,000であることを特徴とする積層体。 - 上記樹脂(A)および上記樹脂(B)のガラス転移点が50℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 上記樹脂(C)のガラス転移点が200℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- 上記樹脂(A)および樹脂(B)の重量平均分子量は、50,000〜200,000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
- 上記樹脂(C)の重量平均分子量は、80,000〜200,000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
- 上記樹脂(A)および上記樹脂(B)が同一の組成からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
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