以下に、図面を参照しつつ、本願にかかる電子サービス画面保存システムおよび電子サービス画面保存方法の実施例を説明する。後述する各実施例は一実施形態にすぎず、本願にかかる電子サービス画面保存システムおよび電子サービス画面保存方法の実施形態を限定するものではない。また、後述する各実施例は処理内容に矛盾を生じさせない範囲で適宜組み合わせることもできる。
[電子サービス画面保存システムの概要および特徴(実施例1)]
実施例1に係る電子サービス画面保存システムの概要および特徴を説明する。実施例1に係る電子サービス画面保存システムは、サービス提供装置から提供される電子サービスを利用するユーザ端末と、電子サービスに関する画面の情報を保存する画面保存装置とを含んで構成される。そして、実施例1に係る電子サービス画面保存システムは、電子サービスの利用に関わる一連の手続きを実行する際に、手続きの進行に従ってユーザ端末に表示される複数の画面の情報を、ユーザに大きな負担をかけることなく、かつ情報の信頼性を担保した状態で保存することにより、電子サービスの一連の手続きの証跡をサービス提供元に提示できる点に特徴がある。
具体的には、画面保存装置は、電子サービスの利用に関わる一連の手続きに対応する一連の画面データと、一連の画面データにおける画面データ間の結びつきを示す情報(たとえば、同一の電子商取引における同一の取引主体が使用する端末において、取引が完了するまでに遷移した画面間を結びつけるための情報)とを含む電子サービス締結データをユーザ端末ごとに記憶する。そして、画面保存装置は、ユーザ端末から電子サービス締結データの取得要求を受信した場合に、取得要求の送信元であるユーザ端末について記憶部に記憶されている電子サービス締結データの一覧をユーザ端末に返信する。一方、ユーザ端末は、ユーザからの指示入力に応じて、電子サービス締結データの取得要求を画面保存装置に送信し、取得要求に応じて画面保存装置から受信した電子サービス締結データの一覧を表示する。そして、ユーザ端末100は、表示された電子サービス締結データの一覧の中から、ユーザにより選択された電子サービス締結データを画面保存装置から取得し、取得された電子サービス締結データとともに、電子サービスの利用に関わるメッセージをサービス提供装置に送信する。
上述してきたように、画面保存装置は、電子サービスの利用に関わる一連の手続きに対応する一連の画面データと、一連の画面データにおける画面データ間の結びつきを示す情報とを含む電子サービス締結データをユーザ端末ごとに記憶するので、ユーザが、その都度、保存のための操作を行う必要がなく、負担が小さい。また、電子サービスにおいて中立的な立場にある画面保存装置に、電子サービスに関する一連の手続きに対応する一連の画面の情報を、電子サービスの利用に関わる一連の手続を証跡として記録しておくことにより、例えば、ユーザ端末に記録するより、証跡としての信頼性を担保できる。そして、ユーザ端末は、画面保存装置から、いつでも簡単に電子サービス締結データを取得することでき、例えば、電子サービスの利用に際してトラブル発生した場合に、証跡としての信頼性が担保された電子サービス締結データをサービス提供装置に提示した上で、トラブルに対するメッセージ(クレームなど)を通知できる。
以下、電子サービス画面保存システムの実施例を詳細に説明する。
[電子サービス画面保存システムの構成(実施例1)]
図1は、実施例1に係る電子サービス画面保存システムの構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、実施例1に係る電子サービス画面保存システムは、ユーザ端末100と、画面保存サービスサーバ200と、電子サービスサーバ300とを含んで構成される。
実施例1に係る電子サービス画面保存システムでは、ユーザ端末100と、画面保存サービスサーバ200と、電子サービスサーバ300とが、インターネットなどの通信ネットワーク1を介して、IP(Internet Protocol)による通信を行って各種情報のやり取りを行うことが可能な状態で接続される。
図1に示すような構成のもと、実施例1に係る電子サービス画面保存システムでは、ユーザ端末100が、ユーザからの要求に応じて、電子サービスサーバ300との間で実行した電子サービスに関わる一連の手続きに関する情報(電子サービス締結データなど)を画面保存サービスサーバ200から取得して表示する。以下、実施例1に係る電子サービス画面保存システムの各機能ブロックについて説明する。
ユーザ端末100は、電子サービスサーバ300から提供される電子サービスを利用するためのクライアント機器であり、例えば、PC(Personal Computer)やスマートフォン、タブレットなどの情報処理端末などである。そして、図1に示すように、ユーザ端末100は、入力部110と、出力部120と、IP通信機能部130と、画面保存処理部140と、電子サービス利用処理部150とを有する。
入力部110は、キーボードやマウス、タッチパネルなどのユーザインターフェースを介して、ユーザから各種情報の入力を受け付ける。例えば、入力部110は、出力部120が有するディスプレイなどに表示された画面保存サービスの画面を介して、ユーザからの入力を受け付ける。例えば、入力部110は、電子サービスの利用状況の確認要求の入力や、電子サービスサーバ300へのクレームの送信指示の入力を受け付ける。
出力部120は、例えば、ディスプレイやモニタ、スピーカなどを有する出力ユニットである。例えば、画面保存処理部140の起動に伴い、画面保存サービスのウィンドウがディスプレイなどに表示されるほか、画面保存サービスサーバ200から受信した電子サービス締結データの一覧がディスプレイなどに表示される。
IP通信機能部130は、通信ネットワーク1を介して、画面保存サービスサーバ200や電子サービスサーバ300との間で行われるIPによる通信を制御する。なお、ユーザ端末100は、WiFi(Wireless Fidelity)による無線接続や、LAN(Local Area Network)ケーブルなどを用いた有線接続により、通信ネットワーク1への接続が可能である。
画面保存処理部140は、ユーザからの要求に応じて、電子サービスの利用に関わる一連の手続きが完了するまでの間に複数遷移して表示される一連の画面データ(ディスプレイに表示されている画像自体をキャプチャしたデータ、あるいはディスプレイに表示されている画像を再現可能なデータ)、および順序データ(画面データ間の連携や順序性などを保持する為の情報)を含む電子サービス締結データを、画面保存サービスサーバ200から取得する。
具体的には、電子サービスの利用状況の確認要求の入力があると、画面保存処理部140は、画面保存サービスサーバ200との間で、セキュアな通信を行うためのリンクを確立する。画面保存処理部140は、例えば、PPTP(Point to Point Tunneling Protocol)やBGP(Border Gateway Protocol)などの既存技術を利用して、画面保存サービスサーバ200との間のリンクを確立することができる。リンクを確立した後、画面保存処理部140は、電子サービス締結データの一覧(保存データ一覧)の取得要求を画面保存サービスサーバ200に送信する。
画面保存サービスサーバ200から保存データ通知(たとえば、ユーザ端末100のユーザについて保存される電子サービス締結データの一覧)を受信すると、画面保存処理部140は、保存データ通知(保存データの一覧)を、ウェブブラウザなどの表示機能部により、ディスプレイなどに表示する。続いて、画面保存処理部140は、入力部110を介して、保存データ通知(一覧)の中から、電子サービス締結データの選択入力を受け付けると、選択された電子サービス締結データのダウンロード処理を、画面保存サービスサーバ200との間に確立したリンクを通じて画面保存サービスサーバ200との間で実行する。そして、画面保存処理部140は、選択された電子サービス締結データを画面保存サービスサーバ200からダウンロードすると、画面保存処理部140は、ダウンロードした電子サービス締結データをディスプレイなどに表示する。
電子サービス締結データをディスプレイなどに表示した後、入力部110を介して、ユーザからクレーム通知の指示入力を受け付けると、画面保存処理部140は、電子サービス締結データとともに、クレーム通知を電子サービスサーバ300に送信する。例えば、ユーザは、画像保存処理部140により表示される保存データの一覧(サービス利用状況の一覧)の中から、クレームを入れたい電子サービスに関する電子サービス締結データを選択する。そして、ユーザの選択応じてダウンロードされた電子サービス締結データに含まれるhttpアドレスを基に、ユーザは、クレームを入れたい電子サービスサーバのWebページにアクセスし、ウェブページで指定されている問合せ方法に従って、ユーザが電子サービス締結データに含まれる電子サービス利用時の手続きに関する画面データを、電子メールに添付して送信したり、ウェブページ上のコメント記入欄にクレームを記入したりすることでクレームを通知する。電子サービスとは、物の購入や役務の実施をオンラインで申し込むことを想定しており、クレームを通知するトリガーとなり得るのは、例えば、申し込んだサービスが条件(期日とか品質とか)通りに実施されなかった場合(例えば、期日通りに品物が配達されなかったとか、配達された品物が申し込んだものと異なっていたとかというケース)が考えられる。品物が通信ネットワークを介してダウンロードされる電子的なプログラムやコンテンツなどの場合も、品物と同様であり、ダウンロードできなかったり、申し込みと違っていたりというケースが、クレームを通知するトリガーとなり得る。
電子サービス利用処理部150は、電子サービスサーバ300との間で、電子サービスの利用に関わる一連の手続きについての処理を実行する。例えば、電子サービス利用処理部150は、ユーザからの要求に応じて、電子サービスの開始要求を電子サービスサーバ300に送信する。なお、電子サービス利用処理部150は、電子サービスの開始要求を電子サービスサーバ300に送信すると同時に、画面保存処理部140を起動する。続いて、電子サービスサーバ300から電子サービスの画面データ(ウェブページ)を受信すると、ウェブブラウザなどの表示機能部やOS(Operating System)と連携して、出力部120が有するディスプレイに電子サービスの画面(ウェブページ)を表示出力する。なお、電子サービス利用処理部150は、ユーザ端末100と電子サービスサーバ300との間で実行される電子サービスの利用に関わる一連の手続きの進行に伴って、一連の手続きが完了するまでの間に複数遷移して表示される一連の画面の各画面を逐次表示する。
そして、電子サービス利用処理部150は、例えば、入力部110を介して、電子サービスの画面(ウェブページ)上の入力ボックスに入力されたユーザIDやパスワードなどによるユーザ認証に成功すると、電子サービスサーバ300との間で、電子サービスの利用に関わる一連の手続きが開始される。例えば、電子サービスが電子商取引であれば、商品の選択入力、個数の入力、商品送付先の入力、クレジットカード番号の入力、入力内容や代金の確認、取引完了の入力に至るまで、電子サービス利用処理部150と電子サービスサーバ300との間で複数の画面を遷移して実行される。
画面保存サービスサーバ200は、電子サービスに関する画面データを保存する。図1に示すように、画面保存サービスサーバ200は、入力部210と、出力部220と、IP通信機能部230と、データ記憶部240と、データ格納部250とを有する。
入力部210は、キーボードやマウス、タッチパネルなどのユーザインターフェースを介して、管理者から各種情報の入力を受け付ける。出力部220は、例えば、ディスプレイやモニタ、スピーカなどを有する出力ユニットであり、ディスプレイなどに各種情報が表示される。IP通信機能部230は、通信ネットワーク1を介して、ユーザ端末100や電子サービスサーバ300との間で行われるIPによる通信を制御する。
データ記憶部240は、電子サービスの利用に関わる一連の手続きが完了するまでの間に複数遷移して表示される一連の画面データ(ディスプレイに表示されている画像自体をキャプチャしたデータ、あるいはディスプレイに表示されている画像を再現可能なデータ)、および順序データ(画面データ間の連携や順序性などを保持する為の情報)を含む電子サービス締結データを、ユーザ端末100のユーザごとに記憶する。
データ格納部250は、ユーザ端末100から受信した電子サービス締結データをデータ記憶部240に格納する。具体的には、ユーザ端末100から電子サービス締結データを受信すると、例えば、画面保存サービスサーバ200の内部に設けられたクロックなどを参照し、データの受信時刻を特定する。そして、データ格納部250は、ユーザ端末100のユーザについて設けられたデータ記憶部240の記憶領域に、電子サービス締結データと受信時刻とを対応付けてデータ記憶部240に格納する。
電子サービスサーバ300は、所定のウェブサイトにより、ユーザ端末100に対して電子サービスを提供する。
[電子サービス画面保存システムによる処理(実施例1)]
図2〜図5を用いて、実施例1に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを説明する。図2は、実施例1に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを示す図である。図3〜図5は、実施例1に係る電子サービス画面保存システムによる処理の一部を示す図である。なお、以下では、ユーザ端末100が、例えば、電子サービスの利用に関するトラブルなどが発生した場合に、ユーザからの要求に応じて、電子サービスサーバ300との間で実行した電子サービスに関わる一連の手続きに関する証跡(電子サービス締結データなど)を画面保存サービスサーバ200から取得して表示し、さらにユーザからの指示に従って、電子サービスの利用に関する証跡とともにクレーム通知を送信する場合の処理の流れの一例を説明する。
図2に示すように、例えば、入力部110を介して、電子サービスの利用状況の確認要求の入力を受け付けると(S101、Yes)、ユーザ端末100は、画面保存処理部140の画面保存機能を起動する(S102)。なお、電子サービスの利用状況の確認要求の入力が受け付けられるまで、ステップS101の判定結果をNoとして、同判定を繰り返す。
続いて、画面保存処理部140は、画面保存サービスサーバ200との間で、セキュアな通信を行うためのリンクを確立する(S103)。ステップS103の処理では、例えば、図3に示すように、ユーザ端末100は、画面保存サービスサーバ200との間のリンクを確立する(図3のA、など参照)。なお、ユーザ端末100は、例えば、PPTP(Point to Point Tunneling Protocol)やBGP(Border Gateway Protocol)などの既存技術を利用して、画面保存サービスサーバ200との間のリンクを確立することができる。
リンク確立後、画面保存処理部140は、保存データ一覧の取得要求を送信する(S104)。画面保存サービスサーバ200は、保存データ通知(一覧)をユーザ端末100に返信する(S105)。
ステップS104〜S105の処理では、例えば、図3に示すように、画面保存サービスサーバ200は、該当ユーザ(例えば、ユーザ端末100のユーザA)について、データ記憶部240に記憶されている電子サービス締結データなどの保存データの一覧を、データ記憶部240から取得し、取得した保存データの一覧をユーザ端末100に通知する(図3のBなど、参照)。
画面保存処理部140は、保存データ通知(保存データの一覧)を、例えば、ディスプレイなどに表示する(S106)。続いて、画面保存処理部140は、保存データ通知(一覧)の中から、電子サービス締結データの選択入力を受け付けると(S107)、選択された電子サービス締結データのダウンロード処理を、画面保存サービスサーバ200との間で実行する(S108)。そして、画面保存処理部140は、選択された電子サービス締結データを画面保存サービスサーバ200からダウンロードすると、画面保存処理部140は、ダウンロードした電子サービス締結データをディスプレイなどに表示する(S109)。
ステップS106〜S109の処理では、例えば、図3に示すように、ユーザ端末100は、ウェブブラウザなどの表示機能部などにより、画面保存サービスサーバ200から受信した保存データ通知(一覧)をディスプレイなどに表示し、ユーザからダウンロードする電子サービス締結データの選択を受け付ける。そして、ユーザ端末100は、選択された電子サービス締結データを画面保存サービスサーバ200からダウンロードし、ダウンロードした電子サービス締結データをディスプレイに表示する(図3のCなど、参照)。
ユーザ端末100は、電子サービス締結データの表示後、ユーザからクレーム通知の指示入力を受け付けると(S110)、電子サービス締結データ(一部または全部)とともに、クレーム通知を電子サービスサーバ300に送信する(S111)。
ステップS110〜S111の処理では、例えば、図4に示すように、ユーザ端末100は、電子サービスの提供元である電子サービスサーバ300に対して、例えば、電子サービスの利用手続きで問題のあった電子サービス締結データ(一部または全部)を提供して、クレームを通知する(図4のDなど、参照)。
[実施例1による効果]
実施例1では、ユーザ端末100は、ユーザからの要求に応じて、画面保存サービスサーバ200に保存されている電子サービス締結データをダウンロードし、ダウンロードした電子サービス締結データとともにクレーム通知を電子サービスサーバ300に送信できる。例えば、電子サービスの実施におけるトラブル等に対して、ユーザ端末100のユーザは、電子サービスの利用に関する一連の手続の証跡として適切かつ信頼性の高いデータを電子サービスサーバ300に提示してクレームを行うことが可能となる。このように、実施例4によれば、電子サービスの利用に対する不安感解消の一助としての役割を実現できる。
また、例えば、図4では、ユーザ端末100は、電子サービスの提供元である電子サービスサーバ300に対して、例えば、電子サービスの利用手続きで問題のあった電子サービス締結データ(一部または全部)を提供して、クレームを通知する場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、ユーザ端末100は、電子サービスの利用手続きで問題のあった電子サービス締結データへのアクセス権限とともに、電子サービスサーバ300にクレームを送信してもよい。そして、電子サービスサーバ300は、ユーザ端末100から、クレームの通知とともに受信したアクセス権限を利用して、画面保存サービスサーバ200に保存されているデータにアクセスする。このように、電子サービス締結データなどへのアクセス権限を電子サービスサーバ300に与えることで、ユーザ端末100は、画面保存サービスサーバ200から電子サービス締結データをダウンロードすることなく、図4に示す場合と同様に、電子サービスの利用に関する一連の手続の証跡として適切かつ信頼性のあるデータによるクレームを行う事ができる。
以下の実施例2では、電子サービスの利用に関する一連の手続の証跡として適切かつ信頼性の高いデータを画面保存サービスサーバ200に保存するための保存方法に関する一実施形態を説明する。
[電子サービス画面保存システムによる処理(実施例2)]
図6〜図11を用いて、実施例2に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを説明する。図6は、実施例2に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを示す図である。図7〜図11は、実施例2に係る電子サービス画面保存システムによる処理の一部を示す図である。
図6に示すように、電子サービス利用処理部150は、ユーザからの要求に応じて、電子サービスの開始要求を電子サービスサーバ300に送信し(S201)、画面保存処理部140の画面保存機能を起動する(S202)。
電子サービスサーバ300は、ユーザ端末100から電子サービスの開始要求を受信すると、電子サービスの画面データをユーザ端末100に返信する(S203)。
電子サービス利用処理部150は、電子サービスサーバ300から電子サービスの画面データを受信すると、受信した電子サービスの画面(ウェブページ)を、ウェブブラウザなどの表示機能部と連携して、ディスプレイに表示出力する(S204)。なお、ステップS204では、電子サービス利用処理部150により、ユーザ端末100と電子サービスサーバ300との間で実行される電子サービスの利用に関わる一連の手続きの進行に伴って、一連の手続きが完了するまでの間に複数遷移して表示される一連の画面の各画面が逐次表示される。
ステップS201〜S203の処理では、例えば、図7に示すように、ユーザ端末100のディスプレイに、電子サービスの画面(ウィンドウ#1)が表示され、ユーザ端末100と電子サービスサーバ300との間で電子サービスの処理が開始される(図7のAなど、参照)。また、図8に示すように、画面保存処理部140による画面保存サービスの画面(画面保存プログラムによる画面、ウィンドウ#2)が表示される(図8のBなど、参照)。なお、電子サービスの画面(ウィンドウ#1)は、図8に示すように、電子サービスの契約画面と、ユーザが入力する情報とで構成される。
電子サービスの開始後、画面保存処理部140は、ディスプレイに表示出力されている画面(電子サービスサーバ300から受信した電子サービスに関するウェブページ)の切り替わりを検知する(S205)。切り替わりを検知しない場合は(S205、No)、画面保存処理部140は、電子サービスの画面の切り替わりの検知を続ける。これとは反対に、切り替わりを検知すると(S205、Yes)、画面保存処理部140は、現在ディスプレイに表示されている画面に画面が切り替えられる前にディスプレイに表示されていたウェブページの画面データ(ディスプレイに表示されている画像自体をキャプチャしたデータ、あるいはディスプレイに表示されている画像を再現可能なデータ)を、キャッシュなどから取得する(S206)。例えば、画面保存処理部140は、ウェブブラウザなどの表示機能部や画面制御機能部と連携して、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)プロトコルによるリンク先ページへのジャンプを画面の切り替わりとして検知したり、ウィンドウの「戻る」や「進む」のコマンド入力を画面の切り替わりとして検知したりすることができる。続いて、画面保存処理部140は、画面間の連携や順序性などを保持するための順序データ(現在ディスプレイに表示されている画面(ウェブページ)と、現在ディスプレイに表示されている画面に切り替えられる前にディスプレイに表示されていた画面(ウェブページ)との結びつきを示す情報)を生成する(S207)。例えば、画面保存処理部140は、ディスプレイに表示されているウェブページのリンク先ページへのジャンプや、ウェブページが表示されているウィンドウ上の「戻る」や「進む」のコマンド入力によるページの切り替わりを検知するごとに、このウェブページに対応するアドレスのログを電子サービス締結データから抽出して蓄積し、対応する画面データにリンクさせたものを順序データとして生成する。続いて、画面保存処理部140は、取得した画面データおよび順序データを集約する(S208)。
ステップS205〜S208の処理では、例えば、図9に示すように、ユーザ端末100では、電子サービスの画面が切り替わるたびに画面のデータが取得され、取得した画面データ間の順序データが生成された後、電子サービス締結データ(サービス締結の証跡)として集約される(図9のC,Dなど、参照)。なお、画面データは、例えば、ディスプレイに表示されている実行中のある1つのウィンドウの中のウェブサイトのページなどについて、スクロールしないと見えなくなっている部分も含めたウェブサイトのページ全体(文字も画像も、情報入力欄に記入したユーザの情報も含む)を、変更することのできない画像情報としてキャプチャしたデータに該当する。さらに、画面保存処理部140は、画面データとともに、その画面に対応するサービス/サイトの名称やhttpアドレスを電子サービス締結データとして取得する。
続いて、画面保存処理部140は、電子サービスの利用に関わる一連の手続きについての画面保存の終了指示があるか否かを判定する(S209)。終了指示がない場合には(S209、No)、画面保存処理部140は、ステップS205に戻り、電子サービスの画面の切り替わりの検知を続ける。これとは反対に、終了指示がある場合には(S209、Yes)、画面保存処理部140は、集約しておいた画面データと画面間の順序データとを、電子サービス締結データとして画面保存サービスサーバ200に送信する(S210)。例えば、図10に示すように、ユーザ端末100は、電子サービス締結データを画面保存サービスサーバ200に送信する(図10のEなど、参照)。
画面保存サービスサーバ200は、ユーザ端末100から電子サービス締結データを受信すると、内部に設けられたクロックなどを参照し、データの受信時刻を確定する(S211)。続いて、画面保存サービスサーバ200は、ユーザ端末100のユーザについて設けられたデータ記憶部240の記憶領域に、電子サービス締結データと受信時刻とを対応付けてユーザごとに格納し(S212)、データ保存完了通知を送信する(S213)。電子サービス利用処理部150は、画面保存サービスサーバ200から、電子サービス締結データの保存完了通知を受信すると、電子サービスサーバ300に対して、電子サービス締結データの保存完了通知を送信する(S214)。
ステップS211〜S213の処理では、例えば、図11に示すように、画面保存サービスサーバ200は、電子サービス締結データの受信時刻を確定・保証して、データをユーザごとに管理し、データ保存の完了をユーザ端末100に通知する(図11のF,G,Hなど、参照)。一方で、ユーザ端末100は、電子サービス締結データの保存完了を電子サービスの提供元である電子サービスサーバ300に通知する(図11のIなど、参照)。
[実施例2による効果]
上述した非特許文献1や非特許文献2に開示されている既存技術では、ウィンドウ画面やウェブサイトページの画面を保存する場合、ユーザが、その都度、保存のための操作を行う必要がある。このため、電子サービスの利用に係わる証跡として、電子サービスの利用に係わる一連の手続きに関連した複数ページ画面を漏れなく保存し、さらにその画面データの順序などを適切に管理することは、ユーザにとって負担が大きい。これに対して、実施例1では、ユーザ端末100が、電子サービスの利用に際して、複数のページに渡って実行される一連の手続きに対応する一連の画面データをそれぞれ自動的に取得するとともに、一連の画面データにおける画面データ間の結びつきを示す順序データを生成するので、ユーザが、画面の情報を保存する都度、保存のための操作を行う必要がなく、負担が小さい。また、実施例1では、画面保存サービスサーバ200が、複数のページに渡って実行される一連の手続きに対応する一連の画面の情報を、電子サービスの利用に関する一連の手続の証跡として記録するので、ユーザ端末100に記録するより、証跡としての信頼性を担保できる。このようなことから、実施例1によれば、電子サービスの利用に関わる一連の手続きを実行する際に、手続きの進行に従ってユーザ端末に表示される複数の画面の情報を、ユーザに大きな負担をかけることなく、かつ情報の信頼性を担保した状態で保存できる。
また、実施例2では、ユーザごとに、電子サービス締結データを管理するので、電子サービスを利用するユーザごとに、電子サービスの利用に関する一連の手続の証跡を、信頼性を担保した状態で保存できる。
また、実施例2では、ユーザ端末100から電子サービスサーバ300に対して電子サービス締結データの保存完了を通知するので、電子サービス締結データが画面保存サービスサーバ200に保存された状態にあることを、電子サービスサーバ300に認識させることができる。これにより、例えば、電子サービスサーバ300が、電子サービスを利用するユーザについて、そのサービスに関する一連の手続きを確認するために、画面保存サービスサーバ200に保存されているデータを取得する実施形態も考えられる。
上述した実施例2では、ユーザ端末100において、電子サービスの利用に際して、複数のページに渡って実行される一連の手続きに対応する一連の画面データをそれぞれ取得するとともに、画面データ間の順序データを生成し、電子サービス締結データを集約する場合を説明した。しかしながら、この場合に限定されるものではなく、ユーザ端末100側では、画面が切り替わるたびに、その都度、画面データを取得して画面保存サービスサーバ200に送信するようにし、画面保存サービスサーバ200側で画面データ間の順序データを生成し、電子サービス締結データを集約するようにしてもよい。以下、図12〜図17を用いて、実施例3に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを説明する。図12は、実施例3に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを示す図である。図13〜図17は、実施例3に係る電子サービス画面保存システムによる処理の一部を示す図である。
図12に示すように、ユーザ端末100は、ユーザからの要求に応じて、電子サービスの開始要求を電子サービスサーバ300に送信し(S301)、画面保存処理部140の画面保存機能を起動する(S302)。電子サービスサーバ300は、ユーザ端末100から電子サービスの開始要求を受信すると、電子サービスの画面データをユーザ端末100に返信する(S303)。電子サービス利用処理部150は、電子サービスサーバ300から電子サービスの画面データを受信すると、受信した電子サービスの画面(ウェブページ)を、ウェブブラウザなどの表示機能部などと連携して、ディスプレイに表示出力する(S304)。
なお、図12に示すステップS301〜ステップS304の処理は、実施例2にて説明した図6に示すステップS201〜ステップS204の処理と同様である。例えば、図13に示すように、ユーザ端末100のディスプレイに、電子サービスの画面(ウィンドウ#1)が表示され、ユーザ端末100と電子サービスサーバ300との間で電子サービスの処理が開始される。
電子サービスの開始後、画面保存処理部140は、画面保存サービスサーバ200との間で、セキュアな通信を行うためのリンクを確立する(S305)。例えば、図14に示すように、画面保存処理部140は、画面保存サービスサーバ200との間のリンクを確立する(図14のA、など参照)。なお、ユーザ端末100は、例えば、PPTP(Point to Point Tunneling Protocol)やBGP(Border Gateway Protocol)などの既存技術を利用して、画面保存サービスサーバ200との間のリンクを確立することができる。
リンク確立後、画面保存処理部140は、ディスプレイに表示出力されている画面(電子サービスサーバ300から受信した電子サービスに関するウェブページ)の切り替わりを検知する(S306)。切り替わりを検知しない場合は(S306、No)、画面保存処理部140は、電子サービスの画面の切り替わりの検知を続ける。これとは反対に、切り替わりを検知すると(S306、Yes)、画面保存処理部140は、現在ディスプレイに表示されている画面に画面が切り替えられる前にディスプレイに表示されていたウェブページの画面データ(ディスプレイに表示されている画像自体をキャプチャしたデータ、あるいはディスプレイに表示されている画像を再現可能なデータ)を、キャッシュなどから取得する(S307)。続いて、画面保存処理部140は、ステップS305で確立したリンクを介して、取得した画面データを画面保存サービスサーバ200に送信する(S308)。
続いて、画面保存処理部140は、電子サービスの利用に関わる一連の手続きについての画面保存の終了指示があるか否かを判定する(S309)。終了指示がない場合には(S309、No)、画面保存処理部140は、ステップS306に戻り、電子サービスの画面の切り替わりの検知を続ける。これとは反対に、終了指示がある場合には(S309、Yes)、画面保存処理部140は、画面データの送信終了通知を画面保存サービスサーバ200に送信する(S310)。
一方で、画面保存サービスサーバ200は、ユーザ端末100からの画面データの受信を判定する(S311)。判定の結果、画面データの受信していない場合には(S311、No)、画面保存サービスサーバ200は、ステップS311の判定を繰り返す。これとは反対に、画面保存サービスサーバ200は、ユーザ端末100から画面データを受信すると(S311、Yes)、画面データの受信時刻を確定し(S312)、画面間の連携や順序性などを保持するための情報である順序データを生成する(S313)。続いて、画面保存処理部140は、ユーザ端末100から受信した画面データ、および生成した順序データを集約しておく(S314)。
続いて、画面保存サービスサーバ200は、画面データの送信終了通知を受信したかどうかを判定する(S315)。判定の結果、画面データの送信終了通知を受信してない場合には(S315、No)、画面保存サービスサーバ200は、ステップS311に戻り、ユーザ端末100からの画面データの受信を待機する。これとは反対に、画面データの送信終了通知を受信している場合には(S315、Yes)、画面保存サービスサーバ200は、画面データ(+受信時刻)、順序データおよび保存時刻を、電子サービス締結データとしてユーザごとにデータ記憶部240に格納して(S316)、データ保存完了通知をユーザ端末100に送信する(S317)。
電子サービス利用処理部150は、画面保存サービスサーバ200から、電子サービス締結データの保存完了通知を受信すると、電子サービスサーバ300に対して、電子サービス締結データの保存完了通知を送信する(S318)。
ステップS206〜S218の処理では、例えば、図15に示すように、ユーザ端末100では、電子サービスの画面が変化する(切り替えられる)たびに、変化前(切替前)の画面データが取得され、取得後すぐに画面保存サービスサーバ200へ送信される(図15のBなど、参照)。一方、画面保存サービスサーバ200は、図15に示すように、ユーザ端末100から受信した画面データの受信時刻を確定・保証して、画面データ間の順序データを生成した後、電子サービス締結データ(サービス締結の証跡)として集約しておく(図15のC,Dなど、参照)。
続いて、図16に示すように、ユーザ端末100は、ユーザにより画面データの保存終了指示の入力があると、画面データの送信終了通知を画面保存サービスサーバ200に送信する(図16のEなど、参照)。一方、画面保存サービスサーバ200は、画面データの送信終了通知を受信すると、電子サービス締結データとして集約しておいた画面データ(+受信時刻)および順序データの保存時刻の時刻認定を行う(図16のFなど、参照)。そして、画面保存サービスサーバ200は、例えば、図17に示すように、電子サービス締結データと認定時刻とを対応付けて保存することにより電子サービス締結データを、ユーザ(例えば、ユーザ端末100のユーザA)ごとに管理し、データ保存の完了をユーザ端末100に通知する(図17のGなど、参照)。ユーザ端末100は、電子サービス締結データの保存完了を電子サービスの提供元である電子サービスサーバに通知する(図17のHなど、参照)。
[実施例3による効果]
実施例3によれば、ユーザ端末100に搭載する必要がある機能の一部を画面保存サービスサーバ200に分散させた状態で、実施例2と同様の効果を得ることができる。
実施例2および実施例3では、電子サービス締結データを画面保存サービスサーバ200に保存する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、電子サービス締結データ以外の情報を追加保存することもできる。以下、図18および図19を用いて、実施例4に係る電子サービス画面保存システムによる処理を説明する。図18および図19は、実施例4に係る電子サービス画面保存システムによる処理の一例を示す図である。
例えば、ユーザ端末100において実施される電子サービスの遂行結果などを追加して保存するようにしてもよい。具体的には、図18に示すように、ユーザ端末100の画面保存処理部140は、入力部110を介して、ユーザから電子サービスの遂行結果の入力を受け付けると、その遂行結果を画面保存サービスサーバ200に送信する。画面保存サービスサーバ200は、ユーザ端末100から電子サービスの遂行結果を受信すると、電子サービス締結データと合わせて、その電子サービスの遂行結果を追加する。まず、画面保存サービスサーバ200は、情報追加時刻の時刻を認定する。続いて、画面保存サービスサーバ200は、該当ユーザ(例えば、ユーザA)の電子サービス締結データに関連付けて、電子サービスの遂行結果および認定時刻(情報追加時刻)をデータ記憶部240に追加保存する。追加保存完了後、画面保存サービスサーバ200は、追加保存通知をユーザ端末100に送信する。なお、サービス遂行結果とは、注文したサービス(物の購入とか役務の実行とか)が条件(期日とか金額とか品質とか)通りに実施されたかどうかをユーザが判断した情報であり、例えば、電子サービスを利用したユーザから、電子サービスのウェブサイト上に入力される主観的なメモや感想(サービス完了の有無、満足度)などが考えられる。
このようにすることで、電子サービスに関するデータを一体的に管理できる。また、ユーザは、サービス遂行結果を電子サービスに関するデータとして一体的に管理しておくことにより、例えば、同じサービスの注文などを再び考えた時の判断材料として利用することができる。
また、電子サービスの遂行結果だけでなく、さらに、電子サービスに関わる参考データ(例えば、商品、配送伝票の画像など)を合わせて保存してもよい。具体的には、図19に示すように、ユーザ端末100の画面保存処理部140は、入力部110を介して、ユーザから電子サービスの遂行結果および参考データの入力を受け付けると、その遂行結果および参考データを画面保存サービスサーバ200に送信する。画面保存サービスサーバ200は、ユーザ端末100から電子サービスの遂行結果、および電子サービスの参考データを受信すると、電子サービス締結データと合わせて、その電子サービスの遂行結果を追加する。まず、画面保存サービスサーバ200は、情報追加時刻の時刻を認定する。続いて、画面保存サービスサーバ200は、該当ユーザ(例えば、ユーザA)の電子サービス締結データに関連付けて、電子サービスの遂行結果、参考データおよび認定時刻(情報追加時刻)をデータ記憶部240に追加保存する。追加保存完了後、画面保存サービスサーバ200は、追加保存通知をユーザ端末100に送信する。
このようにすることで、電子サービスの遂行結果以外の電子サービスに関するデータを一体的に管理できる。また、サービス遂行結果と同様に、ユーザが、同じサービスの注文などを再び考えた時の判断材料として利用することができる。
また、ユーザ端末100のユーザが、例えば、新たな電子サービスの利用に関する手続きの前に、過去の手続きの内容を参照することを目的として、画面保存サービスサーバ200に保存したデータをダウンロードして参照することができるようにしてもよい。以下、図20〜図24を用いて、実施例5に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを説明する。図20は、実施例5に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを示す図である。図21〜図24は、実施例5に係る電子サービス画面保存システムによる処理の一部を示す図である。
図20に示すように、電子サービス利用処理部150は、ユーザからの要求に応じて、電子サービスの開始要求を電子サービスサーバ300に送信し(S401)、画面保存処理部140の画面保存機能を起動する(S402)。電子サービスサーバ300は、ユーザ端末100から電子サービスの開始要求を受信すると、電子サービスの画面データをユーザ端末100に返信する(S403)。電子サービス利用処理部150は、電子サービスサーバ300から電子サービスの画面データを受信すると、受信した電子サービスの画面(ウェブページ)を、ウェブブラウザなどの表示機能部と連携して、ディスプレイに表示出力する(S404)。
なお、図20に示すステップS401〜ステップS404の処理は、実施例1にて説明した図2に示すステップS101〜ステップS104の処理と同様である。例えば、図21に示すように、ユーザ端末100のディスプレイに、電子サービスの画面(ウィンドウ#1)が表示され、ユーザ端末100と電子サービスサーバ300との間で電子サービスの処理が開始される。
続いて、画面保存処理部140は、画面保存サービスサーバ200との間で、セキュアな通信を行うためのリンクを確立する(S405)。すなわち、ステップS405の処理では、例えば、図22に示すように、画面保存処理部140は、画面保存サービスサーバ200との間のリンクを確立する(図22のA、など参照)。なお、ユーザ端末100は、例えば、PPTP(Point to Point Tunneling Protocol)やBGP(Border Gateway Protocol)などの既存技術を利用して、画面保存サービスサーバ200との間のリンクを確立することができる。
リンク確立後、画面保存処理部140は、ディスプレイに表示されている電子サービス画面と同一の画面を含む電子サービス締結データの検索要求を送信する(S406)。画面保存サービスサーバ200は、ユーザ端末100からの検索要求に応じて、データ記憶部240に記憶されている電子サービス締結データの検索を行い、検索結果(データの一覧)をユーザ端末100に返信する(S407)。具体的に説明すると、ステップS406では、例えば、ユーザ端末100は、例えば、OS(Operating System)と連携して、ディスプレイに表示されている電子サービスの初期画面をキャプチャして、キャプチャした初期画面のデータ(以下、画面データ)とともに、電子サービス締結データの検索要求を画面保存サービスサーバ200に送信する。一方、ステップS407では、画面保存サービスサーバ200は、ユーザ端末100について保存されている電子サービス締結データを読み込み、電子サービス締結データのそれぞれに含まれる電子サービスの画面データと、ユーザ端末100から受信した検索要求に含まれる画面データとのマッチングを行い、類似度が所定の閾値を超えた画面データを有する電子サービス締結データを、過去に実施された同一の電子サービスの手続きに関するデータとして特定し、特定したデータにより、検索要求に対応する保存データの一覧を作成する。そして、画面保存サービスサーバ200は、作成した保存データの一覧を、検索要求に対する検索結果として、ユーザ端末100に返信する。
続いて、画面保存処理部140は、画面保存サービスサーバ200から受信した検索結果(検索要求に対応する保存データの一覧)を、例えば、ディスプレイなどに表示する(S408)。画面保存サービスサーバ200から受信した検索結果(一覧)の中から、データの選択入力を受け付けると(S409)、選択された電子サービス締結データのダウンロード処理を、画面保存サービスサーバ200との間で実行する(S410)。そして、ユーザ端末100は、ダウンロードした電子サービス締結データをディスプレイなどに表示する(S411)。
上述したステップS406〜S411の処理では、例えば、図22に示すように、ユーザ端末100は、例えば、ディスプレイに表示されている電子サービスの初期画面と同じ画面を有する電子サービス締結データの検索要求を画面保存サービスサーバ200に送信する(図22のBなど、参照)。検索要求を受信した画面保存サービスサーバ200は、図23に示すように、該当ユーザ(例えば、ユーザ端末100のユーザA)について、検索要求に対応する電子サービス締結データを、画面のデータ記憶部240から検索し、検索した電子サービス締結データの一覧を検索結果としてユーザ端末100に通知する(図23のCなど、参照)。検索結果を受信したユーザ端末100は、図23に示すように、ウェブブラウザなどの表示機能部などにより、検索結果(一覧)をディスプレイなどに表示し、ユーザからダウンロードする電子サービス締結データの選択を受け付ける(図23のDなど、参照)。データの選択を受け付けて、ユーザ端末100は、図24に示すように、選択データを画面保存サービスサーバ200からダウンロードし(図24のEなど、参照)、ダウンロードした電子サービス締結データをディスプレイに表示する(図24のFなど、参照)。
[実施例5による効果]
図25は、実施例5による処理の概要を示す図である。図25に示すように、実施例5では、ユーザからの要求に応じて、画面保存サービスサーバ200に保存されている電子サービス締結データの中から、ユーザから選択された電子サービス締結データなどを表示する。例えば、図25に示すように、ユーザ端末100のユーザは、過去の電子サービス締結データに含まれる複数の電子サービスの画面を参照にして、新たな電子サービスの手続きを進める。このように、実施例5によれば、電子サービスの利用に関する一連の手続の証跡として適切かつ信頼性のあるデータを、手軽に検索して利用することができる。
ユーザ端末100のユーザが、例えば、新たな電子サービスを利用することを目的として、画面保存サービスサーバ200に保存したデータをダウンロードし、このデータを元に電子サービスサーバ300にアクセスすることもできる。以下、図26〜図28を用いて、実施例6に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを説明する。図26は、実施例6に係る電子サービス画面保存システムによる処理の流れを示す図である。図27および図28は、実施例6に係る電子サービス画面保存システムによる処理の一部を示す図である。
図26に示すように、例えば、入力部110を介して、電子サービスの利用状況の確認要求の入力を受け付けると(S501、Yes)、ユーザ端末100は、画面保存処理部140の画面保存機能を起動する(S502)。なお、電子サービスの利用状況の確認要求の入力が受け付けられるまで、ステップS501の判定結果をNoとして、同判定を繰り返す。
続いて、画面保存処理部140は、画面保存サービスサーバ200との間で、セキュアな通信を行うためのリンクを確立する(S503)。すなわち、ステップS503の処理では、例えば、図27に示すように、ユーザ端末100は、画面保存サービスサーバ200との間のリンクを確立する(図27のA、など参照)。なお、ユーザ端末100は、例えば、PPTP(Point to Point Tunneling Protocol)やBGP(Border Gateway Protocol)などの既存技術を利用して、画面保存サービスサーバ200との間のリンクを確立することができる。
リンク確立後、画面保存処理部140は、保存データ一覧の取得要求を送信する(S504)。画面保存サービスサーバ200は、保存データ通知(一覧)をユーザ端末100に返信する(S505)。
ステップS504〜S505の処理では、例えば、図27に示すように、画面保存サービスサーバ200は、該当ユーザ(例えば、ユーザ端末100のユーザA)について、データ記憶部240に記憶されている電子サービス締結データなどのデータの一覧を、データ記憶部240から取得し、取得した保存データの一覧をユーザ端末100に通知する(図27のBなど、参照)。
画面保存処理部140は、保存データ通知(一覧)を、例えば、ディスプレイなどに表示する(S506)。続いて、画面保存処理部140は、保存データ通知(一覧)の中から、データの選択入力を受け付けると(S507)、画面保存サービスサーバ200との間で、選択されたデータのダウンロード処理を実行する(S508)。例えば、選択された電子サービス締結データをダウンロードすると、画面保存処理部140は、ダウンロードした電子サービス締結データをディスプレイなどに表示する(S509)。
ステップS506〜S509の処理では、例えば、図27に示すように、ユーザ端末100は、ウェブブラウザなどの表示機能部などにより、画面保存サービスサーバ200から受信した保存データ通知(一覧)をディスプレイなどに表示し、ユーザからダウンロードするデータの選択を受け付ける。そして、ユーザ端末100は、選択されたデータ(電子サービス締結データ)を画面保存サービスサーバ200からダウンロードし、ダウンロードした電子サービス締結データをディスプレイに表示する(図27のCなど、参照)。
ユーザ端末100は、電子サービス締結データの表示後、ユーザから新契約の実施指示を受け付けると(S510)、電子サービス締結データを元に、新たな電子サービスの開始要求を電子サービスサーバ300に送信する(S511)。電子サービスサーバ300は、電子サービスの画面データをユーザ端末100に返信する(S512)。
ステップS510,S511の処理では、例えば、図28に示すように、ユーザ端末100は、ユーザから新契約の実施指示を受け付けると、ウェブブラウザなどの表示機能部を起動し、電子サービス締結データを元に、所望の電子サービスサーバ300にアクセスし、電子サービスの開始要求を送信する(図28のDなど、参照)。具体的には、画面保存処理部140は、電子サービス申込みのために一覧からユーザが選択した「電子サービス締結データ」に含まれている初期画面のhttpアドレスをウェブブラウザに渡し、ウェブブラウザがそのアドレスにアクセスすることによって、結果的に、ユーザに電子サービスサーバに対して簡単にアクセスさせることが可能となる。また、画面保存処理部140は、ウェブブラウザを介して、公開されている類似画像の検索サイトにアクセスし、電子サービス締結データに含まれている初期画面の画像データの類似画面検索を依頼して、ウェブブラウザなどにより表示された検索結果をユーザがクリックすることで、結果的に、ユーザに電子サービスサーバに対して簡単にアクセスさせることも可能である。
[実施例6による効果]
実施例6では、新たな電子サービスを利用することを目的として、画面保存サービスサーバ200に保存したデータをダウンロードし、このデータを元に電子サービスサーバ300にアクセスする。このように、実施例6によれば、過去の電子サービス締結データの中から、新たに契約を行いたい所望の電子サービス締結データを取得し、この電子サービス締結データを元にして、電子サービスの提供元である電子サービスサーバ300に簡単にアクセスすることができる。
以下、本発明にかかる電子サービス画面保存システムおよび電子サービス画面保存方法のその他の実施形態として実施例7を説明する。
(1)装置構成等
実施例1に係る電子サービス画面保存システムの構成、例えば、図1に示す電子サービス画面保存システムの各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、図1に示す電子サービス画面保存システムの画面保存処理部140と電子サービス利用処理部150とを、機能的または物理的に統合した構成としてもよい。また、画面保存処理部140を、画面保存処理部140により実行される各処理(図2、図6、図12、図20、図26など)ごとに、機能的または物理的に分散した構成としてもよい。このように、電子サービス画面保存システムの各構成要素の分散または統合の具体的形態は、図1に示すものに限られず、各構成要素の全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
(2)電子サービス画面保存方法
実施例1に係る電子サービス画面保存システムにより、以下のような電子サービス画面保存方法が実現される。
すなわち、サービス提供装置(例えば、電子サービスサーバ300)から提供される電子サービスを利用するユーザ端末(例えば、ユーザ端末100)と、電子サービスに関する画面の情報を保存する画面保存装置(例えば、画面保存サービスサーバ200)とを含む電子サービス画面保存システムで実行される電子サービス画面保存方法であって、ユーザ端末が、ユーザからの指示入力に応じて、電子サービスの利用に関わる一連の手続きに対応する一連の画面データと、一連の画面データにおける画面データ間の結びつきを示す情報とを含む電子サービス締結データの取得要求を画面保存装置に送信する取得要求送信ステップと(例えば、図2のステップS104参照)、画面保存装置が、電子サービス締結データの取得要求をユーザ端末から受信した場合に、電子サービス締結データをユーザ端末ごとに記憶する記憶部を参照して、取得要求の送信元であるユーザ端末に対応する電子サービス締結データの一覧を、前記ユーザ端末に返信する返信ステップと(例えば、図2のステップS105参照)、ユーザ端末が、取得要求に応じて画面保存装置から受信した電子サービス締結データの一覧を表示部に表示出力する表示ステップと(例えば、図2のステップS106参照)、ユーザ端末が、表示部に表示された電子サービス締結データの一覧の中から、ユーザにより選択された電子サービス締結データを画面保存装置から取得する取得ステップと(例えば、図2のステップS108参照)、ユーザ端末が、取得ステップにより取得された電子サービス締結データとともに、電子サービスの利用に関わるメッセージをサービス提供装置に送信するメッセージ送信ステップと(例えば、図2のステップS111参照)を含む電子サービス画面保存方法が実現される。
(3)ユーザ端末に所定の手順を実行させるプログラム
また、上述の実施例で説明したユーザ端末100による処理(図2、図6、図12、図20、図26など)は、パーソナルコンピュータやサーバなど、ユーザ端末100として実装されるコンピュータに、上述の実施例で説明した各種の処理と同様の処理機能を実現させるプログラムを実行させることで実現することもできる。そこで、以下では、図29を用いて、上述の実施例で説明した各種の処理(図2、図6、図12、図20、図26など)と同様の機能を実現するコンピュータの一例を説明する。図29は、実施例で説明した処理と同様の機能を実現させるためのプログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
図29に示すように、ユーザ端末100として実装されるコンピュータ400は、例えば、メモリ401と、CPU(Central Processing Unit)402を有する。また、コンピュータ400は、図29に示すように、ハードディスクドライブインタフェース403と、光ディスクドライブインタフェース404を有する。また、コンピュータ400は、図29に示すように、シリアルポートインタフェース405と、ビデオアダプタ406と、ネットワークインタフェース407を有する。そして、コンピュータ400は、これらの各部401〜407をバス408によって接続する。
メモリ401は、図29に示すように、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース403は、図29に示すように、ハードディスクドライブ409に接続される。光ディスクドライブインタフェース404は、図29に示すように、光ディスクドライブ410に接続される。例えば、光ディスクドライブ410には、光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が挿入される。シリアルポートインタフェース405は、図29に示すように、例えば、マウス500およびキーボード600に接続される。ビデオアダプタ406は、図29に示すように、例えば、ディスプレイ700に接続される。
ここで、図29に示すように、ハードディスクドライブ409は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、プログラムモジュール、プログラムデータを記憶する。
すなわち、上述したユーザ端末100と同様の機能を有するプログラムは、コンピュータ400によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ409に記憶される。つまり、上述の実施例で説明した各種の処理(図2、図6、図12、図20、図26など)と同様の処理機能をユーザ端末100としてのコンピュータ400に実現させるための手順が記述されたプログラムモジュールが、ハードディスクドライブ409に記憶される。このプログラムモジュールは、例えば、図1に示す画面保存処理部140や電子サービス利用処理部150などにより実行される手順(プロセス)に対応する。
また、上述の実施例で説明した各種の処理(図2、図6、図12、図20、図26など)と同様の処理機能をコンピュータ400に実現させるための手順が記述されたプログラムモジュールにより用いられるデータは、プログラムデータとして、例えばハードディスクドライブ409に記憶される。例えば、このプログラムデータは、例えば、ディスプレイから取得した電子サービス締結データや、画面保存サービスサーバ200から受信する電子サービス締結データなどに対応する。
そして、CPU402が、ハードディスクドライブ409に記憶されたプログラムモジュールやプログラムデータを必要に応じてRAMに読み出し、上述の実施例で説明した各種の処理(図2、図6、図12、図20、図26など)を実現するための手順を実行する。
なお、上述の実施例で説明した各種の処理(図2、図6、図12、図20、図26など)と同様の処理機能をユーザ端末100としてのコンピュータ400に実現させるための手順が記述されたプログラムモジュールやプログラムデータは、ハードディスクドライブ409に記憶される場合に限られるものではなく、例えば、着脱可能な記憶媒体である光ディスクドライブ410等に記憶されていてもよい。この場合には、CPU402が、光ディスクドライブ410を介して、ユーザ端末100と同様の機能を有するプログラムモジュールやプログラムデータを読み出す。
あるいは、上述の実施例で説明した各種の処理(図2、図6、図12、図20、図26など)と同様の処理機能をユーザ端末100としてのコンピュータ400に実現させるための手順が記述されたプログラムモジュールやプログラムデータは、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)など)を介して接続された他のコンピュータに記憶されていてもよい。この場合には、CPU402が、ネットワークインタフェース407を介して、ユーザ端末100と同様の機能を有するプログラムモジュールやプログラムデータを他のコンピュータから読み出す。
なお、プログラムによりCPU402が動作して各種処理を行う代わりに、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの電子回路を用いて処理を行うこともできる。また、メモリ401として、フラッシュメモリ(flash memory)などを用いることもできる。
また、上述の実施例で説明した画面保存サービスサーバ200による処理(図2、図6、図12、図20、図26など)も、上述したユーザ端末100と同様に、画面保存サービスサーバ200として実装されるコンピュータに、上述の実施例で説明した各種の処理と同様の処理機能を実現させるプログラムを実行させることで実現することができる。