JP5725884B2 - 経口用製剤 - Google Patents

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本発明は、経口用製剤に関する。
医薬品が苦味等の不快な味を伴う場合、患者にとって経口的に服用することが著しく困難となる。そこで、服用時の口腔内での不快な味を低減(マスキング)するために、胃溶性高分子、腸溶性高分子、水不溶性高分子、乳化剤類等で被覆を施す方法(特許文献1〜4参照)がいくつか提案されている。
しかし、上記方法では、苦味等の強弱に応じて、被覆剤の量(コーティング量)を増すことでマスキングすることは可能であるが、被覆剤により薬物の溶出が低下し、薬物の体内への吸収が阻害されるおそれがあった。このため、不快な味を伴う薬物を含有する経口用製剤では、口腔内での不快な味が低減され、かつ優れた溶出性を備えるものが求められている。
特開平6−116138号公報 特開2000−302681号公報 国際公開2003/070223号パンフレット 特開2001−288117号公報
本発明は、不快な味を伴う薬物を含有する経口用製剤であって、口腔内での不快な味が低減され、かつ優れた溶出性を備えるものを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、不快な味を有する薬物を芯物質として含有する乾燥状態の多芯型マイクロカプセルの表面に、特定の種類の乳化剤および高分子を加熱溶融させてコーティング(溶融コーティング)した経口用製剤は、薬物の不快な味が低減(マスキング)され、かつ薬物の溶出性に優れたものであることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
(1)不快な味を有する薬物を芯物質として含有する乾燥状態の多芯型マイクロカプセルの表面に、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸共重合体および可塑剤を加熱溶融させてコーティングしたことを特徴とする経口用製剤、
(2)可塑剤が、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、ポリエチレングリコールおよびトリアセチンから選ばれる1種以上であることを特徴とする前記(1)に記載の経口用製剤、から成っている。
本発明の経口用製剤は、薬物の不快な味が十分に低減され、かつ薬物の溶出性に優れたものである。
本発明の経口用製剤の構造を示す図。
本発明の経口用製剤は、不快な味を有する薬物を芯物質として含有する乾燥状態の多芯型マイクロカプセルの表面に、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸共重合体および可塑剤を加熱溶融させてコーティングすることにより製造される。
このようにして製造される経口用製剤は、膜形成物質1中に芯物質2が均一に分散した多芯型マイクロカプセルの表面が、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸共重合体および可塑剤を含有する被覆層3により被覆された構造を有する(図1)。経口用製剤の平均粒子径は、通常350μm以下、好ましくは100〜320μm、より好ましくは100〜260μmである。また、芯物質の粒子径は、通常50μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。また、被覆層の厚みは、通常0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmである。
本発明に用いられる経口用製剤の平均粒子径は、第15改正日本薬局方の粒度測定法(第二法:ふるい分け法)に準じ、適当な目開きのふるいを用いて粒度分布を測定した後、累積50%平均粒子径を算出することにより求められる。
本発明に用いられる不快な味を有する薬物としては、経口的に投与される薬物で苦味や収斂味など不快な味を有するものであれば特に限定はなく、例えば、解熱鎮痛薬、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、交感神経興奮剤、副交感神経遮断剤、中枢興奮薬、H2ブロッカー(例えば、ファモチジンなど)、制酸剤、消炎酵素剤、抗炎症剤、気管支拡張剤、抗菌剤、鎮咳剤、去痰剤、抗コリン剤、止しゃ剤、催眠鎮静薬、利胆薬、血圧降下剤、骨格筋弛緩薬、乗り物酔い予防・治療薬等、ビタミン類、生薬類などが挙げられる。
本発明に用いられる多芯型マイクロカプセルは、平均粒子径が好ましくは100〜300μm、より好ましくは100〜250μmとなるように調製されたものである。平均粒子径が100μm未満の多芯型マイクロカプセルは、後述の回転円盤を用いた製造方法では、回転円盤から噴霧された溶液が塔内に浮遊したり、塔内壁に付着したりするため、調製自体が困難である。また、平均粒子径が300μmを超える多芯型マイクロカプセルは、該マイクロカプセルを用いた製造した経口用製剤を服用した際の消化管内での薬物の溶出性が低下したり、服用時に口腔内でザラツキなどの不快感を与えるおそれがあるため好ましくない。
本発明に用いられる多芯型マイクロカプセルの平均粒子径は、第15改正日本薬局方の粒度測定法(第二法:ふるい分け法)に準じ、適当な目開きのふるいを用いて粒度分布を測定した後、累積50%平均粒子径を算出することにより求められる。
本発明に係る多芯型マイクロカプセルの製造方法は特に制限されないが、例えば以下の工程(1)〜(4)を実施することにより製造することができる。
工程(1):高分子ゲル化剤及び乳化剤を水に加え、これを約40〜90℃に加温して溶解する。
工程(2):(1)で作成した溶解液に不快な味を有する薬物を加えて撹拌し、均一に分散させる。
工程(3):(2)で作成した分散液を液体窒素の充填された塔内に噴霧する。噴霧された分散液は冷却されて落下し、塔下部で凍結状態の微細粒子となる。
工程(4):(3)で作成した微細粒子を捕集し、例えば棚段式通風乾燥機、流動層乾燥機、真空凍結乾燥機などにより目的とする水分量まで乾燥し、本発明に係る多芯型マイクロカプセルを得る。
上記工程(1)の高分子ゲル化剤としては、例えばゼラチン、カラギーナン、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、グアーガム、キサンタンガムおよびジェランガムなどが挙げられ、好ましくは寒天およびゼラチンである。
上記工程(1)の乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。本発明においては、これらの乳化剤を一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。上記グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの他、グリセリン酢酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルなどが含まれる。
上記工程(2)の攪拌には、TKホモミクサー(プライミクス社製)、クレアミックス(エムテクニック社製)などの高速回転式分散・乳化機が用いられる。攪拌条件としては、回転数を約3000〜10000rpm、攪拌時間を約5〜60分間とするのが好ましい。
上記工程(2)で作成される分散液100質量%中の高分子ゲル化剤、乳化剤、水および不快な味を有する薬物の含有量に特に制限はないが、例えば、高分子ゲル化剤が通常約5〜25質量%、乳化剤が通常約0.01〜2質量%、水が通常約50〜75質量%、不快な味を有する薬物が通常約1〜30質量%となるように調製するのが好ましい。
上記工程(3)の噴霧には、例えば加圧式噴霧ノズル、回転式噴霧ノズル、回転円盤などが用いられ、好ましくは回転円盤である。回転円盤を噴霧に用いる場合、該回転円盤の好ましい回転数として約4000〜8000rpmを例示できる。
上記工程(4)の乾燥は、多芯型マイクロカプセルが乾燥状態になるまで行われることが好ましい。ここで、多芯型マイクロカプセルについて乾燥状態とは、乾燥減量が10.0質量%以下、好ましくは7.0質量%以下(1g,105℃,2時間)の状態である。尚、乾燥減量は「第15改正日本薬局方 一般試験法 乾燥減量試験法」に準じて測定される。乾燥減量が10.0質量%を超えると、後述する経口用製剤の製造方法を適用した場合、攪拌に必要な流動性が得られず製造自体が困難であるため好ましくない。
上記工程(4)の乾燥に流動層乾燥機を用いる場合、乾燥前に予め微細粒子100質量%に約0.1〜20質量%の流動化剤を加えて混合することが好ましく行われる。流動化剤としては、例えばタルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル)などの粉末が挙げられる。本発明においては、これらの流動化剤を一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
本発明に係る多芯型マイクロカプセル100質量%中の不快な味を有する薬物の含有量は、通常約0.1〜80質量%、好ましくは約1〜70質量%である。
本発明の経口用製剤の製造方法は、不快な味を有する薬物を芯物質として含有する乾燥状態の多芯型マイクロカプセルの表面に、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸共重合体および可塑剤を加熱溶融させてコーティングする(被覆層を形成する)ものであれば良く、例えば、乾燥状態の多芯型マイクロカプセル、グリセリン脂肪酸エステルおよびアクリル酸共重合体を適宜仕込み、品温をコントロールするとともに可塑剤を添加し、該多芯型マイクロカプセルの表面に被覆層を形成させる方法が挙げられ、より具体的には、以下の工程(1)〜(4)を実施することにより製造することができる。
工程(1):乾燥状態の多芯型マイクロカプセル、グリセリン脂肪酸エステル及びアクリル酸共重合体を攪拌しながら約60〜80℃まで加熱する。
工程(2):さらに、上記加熱温度下で、可塑剤を添加しながら攪拌し、多芯型マイクロカプセルの表面に被覆層が均一に形成されたことが確認できるまで攪拌を続ける。
工程(3):被覆層が形成された多芯型マイクロカプセルにタルクを加えて混合する。
工程(4):(3)で得た混合物を室温まで冷却した後、必要であれば例えば60号篩(目開き250μm)で篩い、本発明の経口用製剤を得る。
上記工程(2)において多芯型マイクロカプセルの表面に被覆層が均一に形成されたことを確認する方法としては、例えば光学顕微鏡を用いて観察することが挙げられる。
本発明で用いられるグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応生成物、グリセリンと脂肪酸とのエステル交換反応生成物、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルから選ばれる二種以上のものが挙げられ、好ましくはグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応生成物である。
上記グリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物の構成脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など)および不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸など)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。工業的には、炭素数16〜18の飽和脂肪酸から選ばれる一種または二種以上の飽和脂肪酸を約90質量%以上含有する脂肪酸混合物を用いるのが好ましい。
また、上記グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応生成物中のモノエステル体の含有量は、好ましくは約90質量%以上である。その製法の概略は以下の通りである。即ち、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応またはグリセリンと油脂(トリアシルグリセリン)とのエステル交換反応により、グリセリン、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステルおよびグリセリントリ脂肪酸エステルなどを含む混合物が得られる。次に、該混合物から自体公知の方法、例えば低真空度での蒸留などで未反応のグリセリンなどを除き、さらに、例えば流下薄膜式分子蒸留装置または遠心式分子蒸留装置などを用いて分子蒸留することにより、留分として、モノエステル体を約90質量%以上含む、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応生成物が得られる。
上記グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応生成物としては、例えば、エマルジーP−100(製品名;モノエステル体含有量約98%;理研ビタミン社製)、ポエムB−100(製品名;モノエステル体含有量約90%;理研ビタミン社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
上記グリセリン脂肪酸エステルの添加量は、本発明の経口用製剤100質量%中のグリセリン脂肪酸エステルの含有量が、通常約1.5〜30質量%、好ましくは約5〜20質量%となるように調整することが好ましい。添加量が30質量%を超えると、後述する経口用製剤の製造において、多芯型マイクロカプセル同士が結着して凝集物を形成しやすくなるため好ましくなく、添加量が1.5質量%未満であると、被膜層の形成が不十分となるため好ましくない。
本発明に用いられるアクリル酸共重合体としては、アクリル酸又はメタクリル酸の酸型、アミド型、アルキルエステル型、アンモニウムアルキルエステル型のモノマーが2種以上共重合したものである。ここでアルキルは炭素数1〜4のものが好ましい。例えば、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル/メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体が挙げられ、特にメタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル/メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体が好適に用いられる。重量平均分子量(ゲルろ過法により測定、溶媒THF、標準物質ポリスチレン)は特に制限されないが、好ましくは5万〜200万であり、更に好ましくは10万〜100万である。
上記アクリル酸共重合体としては、例えば、オイドラギットEPO(製品名;エボニックデグサ社製)、オイドラギットRSPO(製品名;エボニックデグサ社製)、オイドラギットRLPO(製品名;エボニックデグサ社製)、オイドラギットL100(製品名;エボニックデグサ社製)、オイドラギットS100(製品名;エボニックデグサ社製)などが商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
上記アクリル酸共重合体の添加量は、該経口用製剤100質量%中のアクリル酸共重合体の含有量が、通常約0.1〜10質量%、好ましくは約0.5〜5質量%となるように調整することが好ましい。添加量が10質量%を超えると、後述する経口用製剤の製造において多芯型マイクロカプセル同士が結着して凝集物を形成しやすくなるため、また該経口用製剤を服用した際の消化管内での薬物の溶出性が低下するため好ましくなく、添加量が0.1質量%未満であると、被膜層の形成が不十分となるため好ましくない。
本発明に用いられる可塑剤としては、例えばクエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、ポリエチレングリコールおよびトリアセチンから選ばれる1種以上が挙げられ、中でもクエン酸トリエチルが好ましく用いられる。
上記可塑剤の添加量は、該経口用製剤100質量%中の可塑剤の含有量が、通常約0.01〜1質量%、好ましくは約0.1〜0.3質量%となるように調整することが好ましい。添加量が1質量%を超えると、後述する経口用製剤の製造において多芯型マイクロカプセル同士が結着して凝集物を形成しやすくなるため好ましくなく、添加量が0.01質量%未満であると、該製造において被膜層の形成が不十分となるため好ましくない。
上記乾燥状態の多芯型マイクロカプセルに被覆層を形成させる場合のコーティング量は厳密に制限されるものではなく、該マイクロカプセルに含有される薬剤の種類、該薬剤を含む多芯型マイクロカプセル平均粒子径、コーティング剤(即ち、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸共重合体および可塑剤)の種類等に応じて適宜設定可能であるが、一般には乾燥状態の多芯型マイクロカプセル100重量部当たり2〜30重量部、好ましくは5〜20重量部の範囲である。
本発明の経口用製剤は、食品又は医薬品としてそのまま経口的に使用することや、或いは食品又は経口的に服用される医薬品(例えば、口腔内崩壊錠剤など)に配合して使用することができる。
本発明の経口用製剤を配合した口腔内崩壊錠は、自体公知の製剤学的手法により製造することができ、例えば、本発明の経口用製剤と、賦形剤(例えばD−マンニトールなど)及び崩壊剤(例えばクロスカルメロースナトリウムなど)とを混合し、打錠することにより口腔内崩壊錠を製造することができる。
以下に本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(1)ファモチジン含有多芯型マイクロカプセルの調製
寒天(製品名:ウルトラ寒天RB;伊那食品工業社製)200g、ソルビタン脂肪酸エステル(製品名:ポエムL−300;理研ビタミン社製)1gを精製水2500gに加え、80℃に加熱して溶解した。得られた溶解液を80℃に保ち、該溶解液に不快な味を有する薬物としてファモチジン(陽進堂社製)700gを加え、TKホモミクサー(プライミクス社製)で10000rpmにて均一に分散するまで撹拌した。得られた分散液を−60kPa(G)の減圧下で脱気し、ファモチジン含有分散液を得た。
次にファモチジン含有分散液を塔下部が液体窒素で冷却された噴霧冷却装置(試験機)に送液し、回転円盤を回転数7000rpmで回転させて霧状に噴霧した。噴霧された溶液は冷却されて微細粒子となって塔下部に落下し、凍結状態の粒子として捕集した。集められた該微細粒子1000gに、タルク(製品名:ミクロエースP−3;日本タルク社製)29.1gを加えて混合した後、流動層乾燥機(型式:LAB−1;パウレック社製)を用いて20℃で1時間、30℃で30分間、50℃で30分間の順に乾燥した。得られた乾燥物を60号篩(目開き250μm)で篩い、通過物として、ファモチジンを含有する乾燥状態の多芯型マイクロカプセル250gを得た。得られた多芯型マイクロカプセルは、乾燥減量が3質量%、平均粒子径が150μmであった。
(2)経口用製剤の調製
100mlビーカーに上記多芯型マイクロカプセル10g、グリセリン脂肪酸エステル(製品名:エマルジーP−100;モノエステル体含有量約98%;理研ビタミン社製)0.8gおよびアクリル酸共重合体(製品名:オイドラギットEPO;エボニックデグサ社製)0.2gを入れ、ホモディスパー(プライミクス社製)により攪拌しながら80℃まで加熱した。さらに、マイクロピペットでクエン酸トリエチル(製品名:シトロフレックス2;森村商事)0.02gを滴下し、同温度で攪拌し、該マイクロカプセルの表面に被膜層が形成されたことが光学顕微鏡で確認されるまで攪拌を続けた。攪拌後、被膜層が形成された多芯型マイクロカプセルにタルク(製品名:ミクロエースP−3;日本タルク社製)0.01gを添加して混合した後、室温まで冷却させて、60号篩(目開き250μm)で篩い、経口用製剤(実施例品1)9.0gを得た。得られた経口用製剤の平均粒子径は158μmであった。
[実施例2]
実施例1のアクリル酸共重合体として、オイドラギットEPO(エボニックデグサ社製)0.2gに替えて、オイドラギットRSPO(エボニックデグサ社製)0.2gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、経口用製剤(実施例品2)9.8gを得た。得られた経口用製剤の平均粒子径は152μmであった。
[比較例1]
実施例1のアクリル酸共重合体0.2gおよびクエン酸トリエチル0.02gを使用しなかったこと、および実施例1のグリセリン脂肪酸エステル0.8gに替えてグリセリン脂肪酸エステル1gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、経口用製剤(比較例品1)9.9gを得た。得られた経口用製剤の平均粒子径は152μmであった。
[比較例2]
実施例1のアクリル酸共重合体0.2gを使用しなかったこと、および実施例1のグリセリン脂肪酸エステル0.8gに替えてグリセリン脂肪酸エステル1gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施し、経口用製剤(比較例品2)9.0gを得た。得られた経口用製剤の平均粒子径は157μmであった。
[比較例3]
実施例1のクエン酸トリエチル0.02gを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に実施し、経口用製剤(比較例品3)9.7gを得た。得られた経口用製剤の平均粒子径は153μmであった。
[比較例4]
実施例1のグリセリン脂肪酸エステル0.8gおよびクエン酸トリエチル0.02gを使用しなかったこと、並びに実施例1のアクリル酸共重合体0.2gに替えてアクリル酸共重合体1gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施した。しかし、経口用製剤の調製で、ホモディスパー(プライミクス社製)により攪拌しながら80℃まで加熱しても、アクリル酸共重合体が軟化せず、多芯型マイクロカプセルの表面に被膜層が形成されないことが光学顕微鏡により確認された。攪拌後、タルク(製品名:ミクロエースP−3;日本タルク社製)0.01gを添加して混合した後、室温まで冷却させて、60号篩(目開き250μm)で篩い、経口用製剤(比較例品4)9.2gを得た。得られた経口用製剤の平均粒子径は155μmであった。
[比較例5]
実施例1のグリセリン脂肪酸エステル0.8gを使用しなかったこと、および実施例1のアクリル酸共重合体0.2gに替えてアクリル酸共重合体1gを使用したこと以外は、実施例1と同様に実施した。その結果、多芯型マイクロカプセルの表面に被膜層は形成されるものの、得られた経口用製剤(比較例品5)は、粒子間の結着性が強いため凝集物となり、60号篩(目開き250μm)による処理ができず、製品として適さないものであった。
[比較例6]
100mlビーカーにファモチジン(陽進堂社製)10g、グリセリン脂肪酸エステル(製品名:エマルジーP−100;モノエステル体含有量約98%;理研ビタミン社製)0.8gおよびアクリル酸共重合体(製品名:オイドラギットEPO;エボニックデグサ社製)0.2gを入れ、ホモディスパー(プライミクス社製)により攪拌しながら80℃まで加熱した。さらに、マイクロピペットでクエン酸トリエチル(製品名:シトロフレックス2;森村商事)0.02gを滴下した。しかし、クエン酸トリエチルを加えて攪拌を続けてもファモチジンの比表面積が大きいため、その表面に被膜層は形成されないことが光学顕微鏡により確認された。攪拌後、タルク(製品名:ミクロエースP−3;日本タルク社製)0.01gを添加して混合した後、室温まで冷却させて、60号篩(目開き250μm)で篩い、経口用製剤(比較例品6)3.2gを得た。得られた経口用製剤は流動性が悪く、第15改正日本薬局方の粒度測定法(第二法:ふるい分け法)による平均粒子径の測定ができなかった。
上記経口用製剤の調製(実施例1および2、比較例1〜6)で使用した原材料の配合組成を表1に示す。
Figure 0005725884
[初期溶出性評価]
経口用製剤(実施例品1および2、比較例品1〜6)について、以下に示す簡易初期溶出試験法による評価試験を実施し、咀嚼による物理的作用のある口腔内環境を模した状態における薬物の溶出量(即ち、苦味の官能評価試験を実施した場合の苦味の程度に相当する量)を評価した。結果を表2に示した。
<試験方法>
容量10mlのプラスチック製シリンジ(テルモ社製)の先端をゴム栓で塞いだ上で、該シリンジの後端から、ファモチジンとして20mgとなる様に試料を量り入れ、さらに37±1℃の精製水を10ml入れる。シリンジの後端にピストンを装着し、ゆっくりと30秒間震とうした後、シリンジ先端に細孔径0.45μmのシリンジフィルター(WHATMAN社製)を装着し、シリンジ内の液をろ過して回収する。回収されたろ液について可視紫外分光法により波長279nm付近の極大吸収波長を測定することによりファモチジン濃度(μg/ml)を求める。
[15分後の溶出性評価]
経口用製剤(実施例品1および2、比較例品1〜6)を服用した場合の消化管内での薬物の溶出性を模擬的に評価するため、以下に示すパドル法による評価試験を実施した。結果を表2に示した。
<試験方法>
第15改正日本薬局方溶出試験(第二法:パドル法)に準じ、試験液として37℃の精製水を用い、パドル回転数毎分50回転にて試験を行う。ファモチジンとして20mgとなる様に試料を量り入れ、経時的にサンプリングを行い、サンプリングした試験液について可視紫外分光法により波長279nm付近の極大吸収波長を測定することによりファモチジン濃度を求める。求めたファモチジン濃度に基づいて、試験に使用したファモチジン量に対する溶出量を百分率で評価する。評価結果は以下の評価基準に従って記号化する。
○:15分後の溶出率が85%以上のもの
×:15分後の溶出率が85%未満のもの
Figure 0005725884
表2の結果から明らかなように、本発明の経口用製剤(実施例品1および2)は、15分後の溶出性に優れるという条件を満たしつつ、苦味の官能評価試験に相当する初期溶出性試験の結果がいずれも比較例の経口用製剤(比較例品1〜6)に比べて優れていた。したがって、本発明の経口用製剤は、薬物(ファモチジン)の苦味が十分に低減され、かつ薬物の溶出性に優れたものであることが確認された。
1 膜形成物質
2 芯物質
3 被覆層

Claims (1)

  1. 不快な味を有する薬物を芯物質として含有する乾燥状態の多芯型マイクロカプセルの表面に、グリセリン脂肪酸エステル、アクリル酸共重合体および可塑剤を加熱溶融させてコーティングした経口用製剤であって、該可塑剤が、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、ポリエチレングリコールおよびトリアセチンから選ばれる1種以上であることを特徴とする経口用製剤。
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