以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は、本実施の形態に係る中空糸束Bgの製造装置10の一例を示す概略構成を示すブロック図である。
中空糸束Bgの製造装置10は、乾燥した中空糸Baを用いて中空糸束Bgを製造する乾式の製造装置とされており、集束装置100と、包装装置200と、切断装置300と、製造装置10全体の制御を司る制御部400とを備えている。
製造装置10では、制御部400の指示の下、紡糸部20から送られてきた数百本(具体的には512本〜768本)の乾燥した中空糸Baを集束装置100にて中空集合糸束Bbに集合させて中空集合糸束Bbを予め定めた所定長さの中空糸束切断体Bcに順次切断していき、順次切断した中空糸束切断体Bcを束ねて多数本(具体的には1万本程度)の中空糸束体Bdに集束し、包装装置200にて中空糸束体Bdを円柱状にしつつ中空糸束体Bdの周囲に包装シートSを巻き付け、包装シートSが巻き付けられた中空糸束体(以下、包装シート付き中空糸束体Beという。)における包装シートSを溶着し、包装シートSが溶着された中空糸束体(以下、包装シート溶着済み中空糸束体Bfという。)を切断装置300にて予め定めた所定長さの中空糸束Bgに切断し、検査工程に移行するようになっている。
制御部400は、CPU(Central Processing Unit)等の処理部410と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含む記憶部420とを備えている。詳しくは、製造装置10は、制御部400の処理部410が記憶部420のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部420のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素を制御するようになっている。
(集束装置について)
図2は、図1に示す製造装置10における中空糸束体Bdの集束装置100の一例を示す概略平面図である。なお、図2において、後述する収容装置170等は図示を省略している。また、図3は、図2に示す集束装置100を示す概略側面図である。なお、図3において、後述する第1から第4往復移動機構131,132,133,134等は図示を省略している。
集束装置100は、紡糸部20からの数百本の連続的な中空糸Ba,…を集合させた中空集合糸束体Bbを長手方向(図2及び図3の矢印W方向)に搬送しながら所定長さの中空糸束切断体Bc(図3参照)に順次切断していき、切断した中空糸束切断体Bcを順次集めて中空糸束体Bdに束ねる装置である。
集束装置100は、数百本の中空糸Baを長手方向Wに沿って集合させて中空集合糸束Bbを形成する給糸部110と、中空集合糸束Bbをそれぞれ挟持する第1から第4挟持機構(第1から第4保持機構の一例)121,122,123,124と、中空集合糸束Bbの長手方向Wに沿った移動方向(図2及び図3の矢印X方向)に第1から第4挟持機構121、122,123,124をそれぞれ独立して往復移動させる第1から第4往復移動機構131,132,133,134(図3では図示省略)と、中空集合糸束Bbをそれぞれ独立して切断する第1及び第2切断機構141,142とを備え、制御部400(図1参照)にて給糸部110、第1から第4挟持機構121,122,123,124、第1から第4往復移動機構131,132,133,134、並びに、第1及び第2切断機構141,142が作動制御されるようになっている。なお、集束装置100が集束装置100全体の制御を司る制御部を備えていてもよい。
[給糸部]
給糸部110は、紡糸部20から、予め設定した一定の搬送速度で長手方向Wに搬送されてくる連続した数百本の中空糸Baが交錯しないように分割(具体的には数十本ずつに分割)する糸分割ガイド部材111と、糸分割ガイド部材111にて分割された中空糸Baを集合させる集合部112と、集合部112にて集合させた中空集合糸束Bbの移動方向Xに直交する幅方向(水平方向、図2及び図3の矢印Y方向)及び移動方向Xに直交する上下方向(垂直方向、図2及び図3の矢印Z方向)の双方の位置を決定する位置決めガイド部材113とを備えている。給糸部110は、数百本の中空糸Baを糸分割ガイド部材111に通過させ、数百本の中空糸Baを数十本単位で分割しながら、集合部112を経て集合させることで中空集合糸束Bbを形成する。中空集合糸束Bbの搬送速度としては、それには限定されないが、例えば、15m/分〜50m/分程度、より好ましくは15m/分〜30m/分程度を例示できる。
糸分割ガイド部材111は、ここでは、格子状の部材とされており、ステンレス鋼からなっている。具体的には、糸分割ガイド部材111は、上下方向Zに沿った複数のガイド棒が間隔をおいて幅方向Yに並設された縦棒部材と、幅方向Yに沿った複数のガイド棒が間隔をおいて上下方向Yに並設された横棒部材とが長手方向Wに近接又は接触して並設された構成とされている。そして、糸分割ガイド部材111における各格子に、数百本の中空糸Baを、例えば、数十本ずつ均等に通過させる。集合部112は、糸分割ガイド部材111からの中空糸Baを集合させて搬送の向きを変える集合ローラ112aと、集合ローラ112aにて集合した中空集合糸束Bbを通過させる円筒部材112bとを備えている。位置決めガイド部材113は、ここでは、回転軸113aの両端部に一対の円板113b,113bが設けられており、回転軸113aの周面の周速度が中空糸Baの長手方向Wの移動速度と同速度又は略同速度になるように回転駆動されるようになっている。
なお、中空糸Baに用いることができる材料としては、それには限定されないが、セルロースジアセテートやセルロースポリアセテート、ポリエーテルスルホン、トリアセテート等の樹脂材料を例示できる。
[往復移動機構]
第1及び第2往復移動機構131,132(図2参照)は、それぞれ、第1及び第2挟持機構121,122をそれぞれ支持する第1及び第2支持部材131a,132aと、第1及び第2支持部材131a,132aをそれぞれ独立して移動方向Xの一方側である第1方向X1及び他方側である第2方向X2(第1方向とは反対方向)に往復移動させる第1及び第2移動用アクチュエータ131b,132bとを備えている。第3及び第4往復移動機構133,134(図2参照)は、それぞれ、第3及び第4挟持機構123,124をそれぞれ支持する第3及び第4支持部材133a,134aと、第3及び第4支持部材133a,134aをそれぞれ独立して移動方向Xの第1方向X1及び第2方向X2に往復移動させる第3及び第4移動用アクチュエータ133b,134bとを備えている。
第1から第4支持部材131a,132a,133a,134aは、第1から第4挟持機構121,122,123,124を支持する一方で第1から第4移動用アクチュエータ131b,132b,133b,134bにそれぞれ支持されている。
詳しくは、集束装置100は、移動方向Xに沿って延びた一対の固定台135a,135bと、第1及び第2往復移動機構131,132を備えた一方の往復移動装置130aと、第3及び第4往復移動機構133,134を備えた他方の往復移動装置130bとからなる一対の往復移動装置130a,130bをさらに備えている。
一対の固定台135a,135bは、幅方向Yにおいて間隔をおいて移動方向Xに互いに平行に配置されている(図2参照)。
一対の往復移動装置130a,130bは、X方向に沿って一対の固定台135a,135bにそれぞれ配設けられた一対のスライド機構136a,136bを備えている。
一方のスライド機構136aは、第1及び第2移動用アクチュエータ131b,132bを移動方向Xに移動自在にそれぞれ独立して摺動させる構成とされている。他方のスライド機構136bは、第3及び第4移動用アクチュエータ133b,134bを移動方向Xに移動自在にそれぞれ独立して摺動させる構成とされている。
第1から第4移動用アクチュエータ131b,132b,133b,134bは、第1から第4支持部材131a,132a,133a,134aを移動方向Xに往復移動させるスライド駆動部137,137,137,137を備えている。スライド駆動部137,137,137,137としては、リニアモータや、回転モーターの回転運動を直線往復運動に変換する直駆動アクチュエータ等を用いることができる。
なお、一方の往復移動装置130aにおいて、各種駆動部を駆動させるための配線等は、第1及び第2挟持機構121,122の移動方向Xへの往復移動に伴い移動方向Xに順に屈曲していくチェーン状の格納部材138,138内に格納されている。他方の往復移動装置130bにおいても同様に、各種駆動部を駆動させるための配線等は、第3及び第4挟持機構123,124の移動方向Xへの往復移動に伴い移動方向Xに順に屈曲していくチェーン状の格納部材138,138内に格納されている。
第1及び第2移動用アクチュエータ131b,132bは、それぞれ、第1及び第2支持部材131a,132aが幅方向Yに沿うように、かつ、第1及び第2挟持機構121,122が他方の固定台135b側に向くように配設されている。第3及び第4移動用アクチュエータ133b,134bは、それぞれ、第3及び第4支持部材133a,134aが幅方向Yに沿うように、かつ、第3及び第4挟持機構123,124が一方の固定台135a側に向くように配設されている。
そして、第1及び第2往復移動機構131,132,133,134は、第1及び第2挟持機構121,122にて挟持された中空集合糸束Bbと、第3及び第4挟持機構123,124にて挟持された中空集合糸束Bbとが同一の糸搬送路上に搬送されるように、第1から第3挟持機構121,122,123,124を移動させる構成とされている。
[切断機構]
第1及び第2切断機構141,142は、それぞれ、中空集合糸束Bbを切断する第1及び第2カッター141a,142aと、第1及び第2カッター141a,142aをそれぞれ独立して上下方向Zに往復移動させる移動駆動部140を含む第1及び第2切断用アクチュエータ141b,142bとを備えている。移動駆動部140としては、シリンダーや、モーターの回転運動を直線往復運動に変換する直駆動機構等を用いることができる。移動駆動部140は、構造が簡単でメンテナンスを容易にするという観点から、ここでは、エアーシリンダーとされている。このことは、後述する各移動駆動部についても同様である。
詳しくは、第1及び第2カッター141a,142aは、移動方向Xに直交する方向の一方側(ここでは、上下方向Zの上方)から他方側(ここでは、下方)に向けて中空集合糸束Bbを断ち切る尖鋭状の先端刃を有している。
具体的には、第1切断機構141は、第2挟持機構122に設けられており、第1カッター141aによって、第2挟持機構122の第1方向X1における上流側の近傍を切断するようになっている。第2切断機構142は、第4挟持機構124に設けられており、第2カッター142aによって、第4挟持機構124の第1方向X1における上流側の近傍を切断するようになっている。
なお、図2及び図3に示す第1から第4挟持部材151,152,153,154、第1及び第2変位機構165,166、図3に示す第1から第4挟持用アクチュエータ155,156,157,158、除電装置190、収容装置170等については後述する。
[挟持機構]
図4は、第1から第4挟持機構121,122,123,124の概略構成を示す図である。図4(a)は、第1から第4挟持機構121,122,123,124を上下方向Zの上から視た平面図を示している。図4(b)は、第1から第4挟持機構121,122,123,124を移動方向Xから視た側面図を示している。図4(c)は、第1から第4挟持機構121,122,123,124を幅方向Yから視た側面図を示している。なお、第1から第4挟持機構121,122,123,124は何れも実質的に同一構成の部材であるため、図4では一つの図で示している。このことは、後述する図5から図7の一対の挟持部材150a,150bについても同様である。
第1から第4挟持機構121,122,123,124は、それぞれ、中空集合糸束Bbを挟持する第1から第4挟持部材151,152,153,154と、第1から第4挟持部材151,152,153,154をそれぞれ独立して往復移動させる第1から第4挟持用アクチュエータ155,156,157,158とを備えている。
第1から第4挟持部材151,152,153,154は、何れも、中空集合糸束Bbを上下方向Zの互いに対向する側から挟持する一対の挟持部材150a,150bとされている。
一対の挟持部材150a,150bは、第1から第4挟持用アクチュエータ155,156,157,158が挟持方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が上下方向Zに相対的に近づく方向へ移動する一方、第1から第4挟持用アクチュエータ155,156,157,158が挟持解除方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が上下方向Zに相対的に離間する方向に移動する構成とされている。
第1から第4挟持用アクチュエータ155,156,157,158は、それぞれ、一対の挟持部材150a,150bを上下方向Zに往復移動させる移動駆動部150cを備えている。
ところで、一対の挟持部材うち、一方の挟持部材と他方の挟持部材とを、例えば、金属部材同士や、ゴム部材同士或いはゴム部材と金属部材とで構成することが考えられる。詳しくは、一対の挟持部材を金属部材同士で構成した場合には、中空集合糸束を挟持した際に中空集合糸束が滑り易く、中空集合糸束を確実に保持させることができない場合がある。そこで、中空集合糸束を挟持した際に中空集合糸束を滑り難くするという観点から、一対の挟持部材をゴム部材同士、或いは、ゴム部材と金属部材とで構成した場合には、中空集合糸束を挟持した際にゴム部材と中空集合糸束との間で密着し易く、中空集合糸束を確実に離脱させることができない場合がある。
この点、一対の挟持部材をゴム部材(例えば合成ゴム、具体的にはエチレンプロピレンゴム)と金属部材(例えばステンレス鋼、具体的にはSUS304)とで構成し、ゴム部材の表面を樹脂膜(具体的にはポリプロピレンのフィルム)で被覆することで、中空集合糸束を挟持した際に、中空集合糸束が滑り難く、かつ、ゴム部材と中空集合糸束との密着性を低減させることが可能となる。
そこで、本実施の形態では、一対の挟持部材150a,150bのうち、一方の挟持部材150aは、金属部材からなっており、他方の挟持部材150bは、金属(例えばステンレス鋼、具体的にはSUS304)からなる基台Eと、基台Eの一方の挟持部材150aに対向する位置に設けられたゴム部材Gとを備えている。
そして、他方の挟持部材150bの表面(具体的にはゴム部材Gの表面)には、樹脂フィルム(例えば、ポリプロピレンからなる樹脂フィルム、より具体的には一方の面に粘着層が設けられた粘着テープ)Fが貼り付けられている。
[挟持部材]
図5は、第1から第4挟持機構121,122,123,124における第1から第4挟持部材151,152,153,154が中空集合糸束Bbを挟持した状態を示す斜視図である。図6は、一対の挟持部材150a,150bのうち、一方の挟持部材150aの概略構成を示す図である。図6(a)は、一方の挟持部材150aを移動方向Xから視た側面図を示している。図6(b)は、一方の挟持部材150aを幅方向Yから視た側面図を示している。また、図7は、一対の挟持部材150a,150bのうち、他方の挟持部材150bの概略構成を示す図である。図7(a)は、他方の挟持部材150bを移動方向Xから視た側面図を示している。図7(b)は、他方の挟持部材150bを幅方向Yから視た側面図を示している。図7(c)は、他方の挟持部材150a,150bを下から視た底面図である。
金属部材からなる一方の挟持部材150aは、他方の挟持部材150bにおけるゴム部材Gに対向する側を凸とする山形形状とされ(図5及び図6参照)、基台E及びゴム部材Gを有する他方の挟持部材150bは、ゴム部材Gの一方の挟持部材150aに対向する側が平面形状とされている(図5及び図7参照)。
詳しくは、一方の挟持部材150aは、六面体形状の部材の他方の挟持部材150b側を半円柱状とした部材とされている。他方の挟持部材150bは、一方の挟持部材150aに臨むゴム部材Gと、ゴム部材Gの一方の挟持部材150aとは反対側を支持する基台Eとで構成された六面体形状とされている。
具体的には、基台Eのゴム部材Gを設ける側の面には幅方向Yに沿って延びる凹溝E1が形成されている。ゴム部材Gの基台Eに設けられる側の面には幅方向Yに沿って延びる凸部G1が形成されている。そして、他方の挟持部材150bは、基台Eの凹溝E1に対してゴム部材Gの凸部G1が嵌め込まれるようになっている。
なお、一対の挟持部材150a,150bにて挟持される中空集合糸束Bbの幅d1(図5参照)としては、それには限定されないが、35mm程度を例示できる。また、一対の挟持部材150a,150bの幅は、中空集合糸束Bbの幅d1よりも少し大きめの幅とされている。
図8及び図9は、中空集合糸束Bbに対する第1から第4挟持機構121,122,123,124の挟持状態、及び、第1及び第2切断機構141,142の切断状態を模式的に示す状態遷移図である。図8(a)は、第1挟持機構121にて中空集合糸束Bbを挟持している状態を示している。図8(b)は、第1及び第2挟持機構121,122にて中空集合糸束Bbを挟持している状態を示している。図8(c)は、第1、第2及び第3挟持機構121,122,123にて中空集合糸束Bbを挟持している状態を示している。図8(d)は、第2挟持位置P2と第3挟持位置P3との間を切断し、第1及び第2挟持機構121,122が戻る状態を示している。また、図9(a)は、第3挟持機構123にて中空集合糸束Bbを挟持している状態を示している。図9(b)は、第3及び第4挟持機構123,124にて中空集合糸束Bbを挟持している状態を示している。図9(c)は、第3、第4及び第1挟持機構123,124,121にて中空集合糸束Bbを挟持している状態を示している。図9(d)は、第2挟持位置P2と第3挟持位置P3との間を切断し、第3及び第4挟持機構123,124が戻る状態を示している。
本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400(図1参照)は、第1往復移動機構131(図2参照)にて第1挟持機構121を予め定めた第1停止位置Q1から第2挟持機構122に対して一定の速度で第1方向X1へ離間するように予め定めた移動距離だけ移動させた後(図8(a)参照)、第2往復移動機構132(図2参照)にて第2挟持機構122を第1停止位置Q1に近接する予め定めた第2停止位置Q2から第1方向X1へ第1挟持機構121と同じ速度で移動させて、第2挟持機構122の挟持動作を行う一定の位置である第1挟持動作位置R1で第1挟持機構121にて挟持された中空集合糸束Bbの第1挟持位置P1よりも上流側の第2挟持位置P2を第2挟持機構122にて挟持する構成とされている(図8(b)参照)。また、制御部400は、第3往復移動機構133(図2参照)にて第3挟持機構123を予め定めた第3停止位置Q3から第1方向X1に第2挟持機構122と同じ速度で移動させて第2挟持機構122にて挟持された中空集合糸束Bbの第2挟持位置P2よりも上流側で第2挟持位置P2の近傍(第2挟持位置P2に近接した位置)の第3挟持位置P3を第3挟持機構123にて挟持する構成とされている(図8(c)参照)。また、制御部400は、第1切断機構141にて中空集合糸束Bbの第2挟持位置P2と第3挟持位置P3との間を切断して第3挟持位置P3を第1挟持位置P1とする構成とされている(図8(d)参照)。このとき、第1及び第2挟持機構121,122は、第2挟持機構122の第2挟持位置P2と第3挟持機構123の第3挟持位置P3との間で切断された中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部を挟持する一対の挟持機構を構成している。さらに、制御部400は、第1及び第2挟持機構121,122の中空集合糸束Bbへの挟持動作を解除して第1及び第2往復移動機構131,132にて第1及び第2挟持機構121,122を第2方向X2へ移動させる構成とされている(図8(d)参照)。
一方、本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400(図1参照)は、第3往復移動機構133(図2参照)にて第3挟持機構123を第3停止位置Q3から第4挟持機構124に対して第2挟持機構122と同じ速度で第1方向X1へ離間するように予め定めた移動距離だけ移動させた後(図9(a)参照)、第4往復移動機構134(図2参照)にて第4挟持機構124を第3停止位置Q3に近接する予め定めた第4停止位置Q4から第1方向X1へ第3挟持機構123と同じ速度で移動させて、第4挟持機構124の挟持動作を行う一定の位置である第2挟持動作位置R2で第3挟持機構123にて挟持された中空集合糸束Bbの第1挟持位置P1よりも上流側の第2挟持位置P2を第4挟持機構124にて挟持する構成とされている(図9(b)参照)。また、制御部400は、第1往復移動機構131(図2参照)にて第1挟持機構121を第1停止位置Q1から第1方向X1に第4挟持機構124と同じ速度で移動させて第4挟持機構124にて挟持された中空集合糸束Bbの第2挟持位置P2よりも上流側で第2挟持位置P2の近傍(第2挟持位置P2に近接した位置)の第3挟持位置P3を第1挟持機構121にて挟持する構成とされている(図9(c)参照)。また、制御部400は、第2切断機構142にて中空集合糸束Bbの第2挟持位置P2と第3挟持位置P3との間を切断して第3挟持位置P3を第1挟持位置P1とする構成とされている(図9(d)参照)。このとき、第3及び第4挟持機構123,124は、第4挟持機構124の第2挟持位置P2と第1挟持機構121の第3挟持位置P3との間で切断された中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部を挟持する一対の挟持機構を構成している。さらに、制御部400は、第3及び第4挟持機構123,124の中空集合糸束Bbへの挟持動作を解除して第3及び第4往復移動機構133,134にて第3及び第4挟持機構123,124を第2方向X2へ移動させる構成とされている(図9(d)参照)。
なお、本実施の形態では、第1停止位置Q1と第3停止位置Q3とは移動方向Xで同一位置とされており、第2停止位置Q2と第4停止位置Q4とは移動方向Xで同一位置とされている。
また、本実施の形態では、制御部400は、第1から第4往復移動機構131,132,133,134を作動制御して第1から第4挟持機構131,132,133,134の第2方向X1への移動速度を第1方向X1への移動速度よりも速くする構成とされている。
[除電装置]
ところで、中空集合糸束Bbは糸分割ガイド部材111や集合ローラ112a等に接触することにより、摩擦帯電されて静電気を帯び易い。そうすると、中空集合糸束Bbが乱れて糸の直線性が低下し、中空集合糸束Bbを良好に集束させることができない場合がある。
そこで、本実施の形態では、集束装置100は、中空集合糸束Bbにおける静電気を除電する除電装置190(図3参照)をさらに備え、制御部400にて除電装置190が作動制御されるようになっている。
除電装置190は、非接触型の除電装置が好ましく、本実施の形態では、中空集合糸束Bbに向けてイオンビームを照射する装置とされている。なお、除電装置190は、中空集合糸束Bbにおける静電気を除電できれば、何れの位置に配設されていてもよい。ここでは、除電装置190は、集合筒112bの上流側近傍の上方、及び、第1から第4挟持機構121,122,123,124にて挟持される中空集合糸束Bbの糸搬送路の上方に配設されている。
[変位機構]
本実施の形態では、集束装置100は、第1及び第2変位機構165,166(図2及び図3参照)をさらに備え、制御部400にて第1及び第2変位機構165,166が作動制御されるようになっている。
詳しくは、第1変位機構165は、一対の第1変位機構161,162とされており、第2変位機構166は、一対の第2変位機構163,164とされている。
一対の第1変位機構161,162は、第1及び第2挟持機構121,122を移動方向Xに直交する直交方向にそれぞれ変位させる構成とさている。一対の第2変位機構163,164は、第3及び第4挟持機構123,124を移動方向Xに直交する直交方向にそれぞれ変位させる構成とされている。
一対の第1変位機構161,162は、ここでは、第1及び第2挟持機構121,122を上下方向Zの下方及び幅方向Yの糸搬送路の外側(具体的には一方の往復移動装置130a側)の双方に退避させる。また、一対の第2変位機構163,164は、ここでは、第3及び第4挟持機構123,124を上下方向Zの下方及び幅方向Yの糸搬送路の外側(具体的には他方の往復移動装置130b側)の双方に退避させる。
本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、第1切断機構141にて中空集合糸束Bbの第2挟持位置P2と第3挟持位置P3との間を切断した後、中空糸束切断体Bcを挟持した第1及び第2挟持機構121,122を一対の第1変位機構161,162にて上下方向Zの下方に変位させる構成とされている。さらに、制御部400は、第2切断機構142にて中空集合糸束Bbの第2挟持位置P2と第3挟持位置P3との間を切断した後、中空糸束切断体Bcを挟持した第3及び第4挟持機構123,124を一対の第2変位機構163,164にて上下方向Zの下方に変位させる構成とされている。
また、本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、中空糸束切断体Bcを挟持して一対の第1変位機構161,162にて上下方向Zの下方に変位した第1及び第2挟持機構121,122における第1及び第2挟持部材151,152の挟持動作を解除して第1及び第2挟持機構121,122を一対の第1変位機構161,162にて幅方向Yの外側に退避させた後、第1及び第2挟持機構121,122を第1及び第2往復移動機構131,132にて第2方向X2へ移動させる構成とされている。そして、制御部400は、第1及び第2挟持機構121,122にて中空集合糸束Bbを挟持するにあたり、一対の第1変位機構161,162にて第1及び第2挟持機構121,122を幅方向Yの糸搬送路上へ移動させる構成とされている。さらに、制御部400は、中空糸束切断体Bcを挟持して一対の第2変位機構163,164にて上下方向Zの下方に変位した第3及び第4挟持機構123,124における第3及び第4挟持部材153,154の挟持動作を解除して第3及び第4挟持機構123,124を一対の第2変位機構163,164にて幅方向Yの退避に変位させた後、第3及び第4挟持機構123,124を第3及び第4往復移動機構133,134にて第2方向X2へ移動させる構成とされている。そして、制御部400は、第3及び第4挟持機構123,124にて中空集合糸束Bbを挟持するにあたり、一対の第2変位機構163,164にて第3及び第4挟持機構123,124を幅方向Yの糸搬送路上へ移動させる構成とされている。
一対の第1変位機構161,162は、第1及び第2挟持機構121,122を支持する第1及び第2変位用支持部材161a,162aと、第1及び第2変位用支持部材161a,162aを往復移動させる第1及び第2変位用アクチュエータ161b,162bとを備えている。
一対の第2変位機構163,164は、第3及び第4挟持機構123,124を支持する第3及び第4変位用支持部材163a,164aと、第3及び第4変位用支持部材163a,164aを往復移動させる第3及び第4変位用アクチュエータ163b,164bとを備えている。
第1から第4変位用アクチュエータ161b,162b,163b、164bは、それぞれ、第1から第4変位用支持部材161a,162a,163a,164aを上下方向Zに往復移動させる第1移動駆動部160aと、第1から第4変位用支持部材161a,162a,163a,164aを幅方向Yに往復移動させる第2移動駆動部160bとを備えている。
[収容装置]
本実施の形態では、集束装置100は、第1及び第2挟持機構121,122にて挟持された中空糸束切断体Bcと第3及び第4挟持機構123,124にて挟持された中空糸束切断体Bcとを順次重ねて中空糸束体Bdに束ねていく収容装置170(図3参照)をさらに備え、制御部400にて収容装置170が作動制御されるようになっている。
図10は、収容装置170を上下方向Zの上から視た概略平面図であり、図11は、収容装置170を幅方向Yから視た概略断面図である。
収容装置170は、移動方向Xに沿って延びた長尺の収容容器(収容部の一例)170aと、第1及び第2挟持機構121,122(図2及び図3参照)にて挟持されて第1変位機構165(図2及び図3参照)にて変位された中空糸束切断体Bcを収容容器170aに収容する第1収容機構175と、第3及び第4挟持機構123,124(図2及び図3参照)にて挟持されて第2変位機構166(図2及び図3参照)にて変位された中空糸束切断体Bcを収容容器170aに収容する第2収容機構176とを備えている。
本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、第1及び第2挟持機構121,122にて挟持されて第1変位機構165にて変位された中空糸束切断体Bcと、第3及び第4挟持機構123,124にて挟持されて第2変位機構166にて変位された中空糸束切断体Bcとを収容容器170aに第1及び第2収容機構175,176にて交互に収容する構成とされている。
詳しくは、第1収容機構175は、一対の第1収容機構171,172とされており、第2収容機構176は、一対の第2収容機構173,174とされている。
収容容器170aは、上方及び移動方向Xにおける両側方を開放した箱形形状とされており、中空糸束切断体Bcが載置される底板170bと、底部170bの幅方向Yにおける両端部から上方へ立設した二つの側板170c,170cとを有している。
本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、第1及び第2挟持機構121,122にて挟持されて第1変位機構165にて上下方向Zの下方に変位された中空糸束切断体Bcを一対の第1収容機構171,172にて収容容器170aに収容する構成とされている。また、制御部400は、第3及び第4挟持機構123,124にて挟持されて第2変位機構166にて上下方向Zの下方に変位された中空糸束切断体Bcを一対の第2収容機構173,174にて収容容器170aに収容する構成とされている。
一対の第1収容機構171,172は、第1及び第2挟持機構121,122の第1及び第2挟持部材151,152(図2及び図3参照)にて挟持された中空糸束切断体Bcの第1及び第2挟持部材151,152の内側近傍を挟持する第1及び第2収容用挟持部材171a,172aと、第1及び第2収容用挟持部材171a,172aを移動方向Xに直交する直交方向にそれぞれ変位させる一対の第1収容用変位機構171c,172cとを備えている。
一対の第2収容機構173,174は、第3及び第4挟持機構123,124の第3及び第4挟持部材153,154(図2及び図3参照)にて挟持された中空糸束切断体Bcの第3及び第4挟持部材153,154の内側近傍を挟持する第3及び第4収容用挟持部材173a,174aと、第3及び第4収容用挟持部材173a,174aを移動方向Xに直交する直交方向にそれぞれ変位させる一対の第2収容用変位機構173c,174cとを備えている。
第1から第4収容用挟持部材171a,172a,173a,174aは、何れも、中空糸束切断体Bcを上下方向Zの互いに対向する側から挟持する一対の収容用挟持部材177a,177b(図11参照)とされている。一対の第1収容機構171,172及び一対の第2収容機構173,174は、一対の収容用挟持部材177a,177bをそれぞれ作動させる収容用挟持機構177cをさらに備えている。
一対の第1収容用変位機構171c,172cは、ここでは、第1及び第2収容用挟持部材171a,172aを上下方向Zの下方及び幅方向Yの糸搬送路の外側(具体的には一方の往復移動装置130a側)の双方に退避させる。また、一対の第2収容用変位機構173c,174cは、ここでは、第3及び第4収容用挟持部材173a,174aを上下方向Zの下方及び幅方向Yの糸搬送路の外側(具体的には他方の往復移動装置130b側)の双方に退避させる。
本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、第1及び第2収容用挟持部材171a,172aの一対の収容用挟持部材177a,177bを収容用挟持機構177cにて上下方向Zの近接させる方向に移動させて中空糸束切断体Bcを挟持し、第1及び第2収容用挟持部材171a,172aを一対の第1収容用変位機構171c,172cにて上下方向Zの下方へ移動させて中空糸束切断体Bcを収容容器170aに収容する構成とされている。さらに、制御部400は、第3及び第4収容用挟持部材173a,174aの一対の収容用挟持部材177a,177bを収容用挟持機構177cにて上下方向Zの近接させる方向に移動させて中空糸束切断体Bcを挟持し、第3及び第4収容用挟持部材173a,174aを一対の第2収容用変位機構173c,174cにて上下方向Zの下方へ移動させて中空糸束切断体Bcを収容容器170aに収容する構成とされている。
また、本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、第1及び第2収容用挟持部材171a,172aの一対の収容用挟持部材177a,177bの挟持動作を収容用挟持機構177cにて解除し、第1及び第2収容用挟持部材171a,172aを一対の第1収容用変位機構171c,172cにて幅方向Yの一方の往復移動装置130a側に退避させる構成とされている。そして、制御部400は、第1及び第2収容用挟持部材171a,172aにて中空集合糸束Bbを挟持するにあたり、一対の第1収容用変位機構171c,172cにて第1及び第2収容用挟持部材171a,172aを幅方向Yの糸搬送路上へ移動させる構成とされている。さらに、制御部400は、第3及び第4収容用挟持部材173a,174aの一対の収容用挟持部材177a,177bの挟持動作を収容用挟持機構177cにて解除し、第3及び第4収容用挟持部材173a,174aを一対の第2収容用変位機構173c,174cにて幅方向Yの他方の往復移動装置130b側に退避させる構成とされている。そして、制御部400は、第3及び第4収容用挟持部材173a,174aにて中空集合糸束Bbを挟持するにあたり、一対の第2収容用変位機構173c,174cにて第3及び第4収容用挟持部材173a,174aを幅方向Yの糸搬送路上へ移動させる構成とされている。
収容用挟持機構177cは、一対の収容用挟持部材177a,177bを上下方向Zに往復移動させる移動駆動部178aを含む収容用挟持アクチュエータ177dを備えている。
一対の収容用挟持部材177a,177bは、収容用挟持アクチュエータ177dが挟持方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が上下方向Zに相対的に近づく方向へ移動する一方、収容用挟持アクチュエータ177dが挟持解除方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が上下方向Zに相対的に離間する方向に移動する構成とされている。
一対の第1収容用変位機構171c,172cは、第1及び第2収容用挟持部材171a,172aを往復移動させる収容用アクチュエータ171b,172bをさらに備えている。一対の第2収容用変位機構173c,174cは、第3及び第4収容用挟持部材173a,174aを往復移動させる収容用アクチュエータ173b,174bをさらに備えている。
第1から第4収容用アクチュエータ171b,172b,173b,174bは、それぞれ、第1移動駆動部178aを幅方向Yに往復移動させる第1移動駆動部178bと、第2移動駆動部178bを上下方向Zに往復移動させる第2移動駆動部178cとを備えている。
なお、一対の収容用挟持部材177a,177bは、前記した一対の挟持部材150a,150b(図5参照)と同様の構成とされていてもよい。
[押さえ装置]
本実施の形態では、集束装置100は、収容容器170aに収容された中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部を押さえる押さえ装置180(後述する図12及び図13参照)をさらに備え、制御部400にて押さえ装置180が作動制御されるようになっている。
図12は、押さえ装置180を上下方向Zの上から視た概略平面図であり、図13は、押さえ装置180を幅方向Yから視た概略断面図である。
押さえ装置180は、収容容器170aに収容された中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部を押さえつけて中空糸束切断体Bcの収容容器170aへの収容状態を維持させる押さえ機構180を備えている。
本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、一対の収容用挟持部材177a,177bにて中空糸束切断体Bcが収容容器170aに収容される毎に、収容容器170aに収容された中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部を押さえ機構180にて押さえつける構成とされている。
詳しくは、押さえ機構180は、収容容器170aの移動方向Xにおける両端部の外側にそれぞれ設けられた押さえ部181,181と、押さえ部181,181をそれぞれ往復移動させる押さえ用アクチュエータ182,182と、押さえ部181,181との間で中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部をそれぞれ挟む押さえ板183,183とを備えている。
押さえ用アクチュエータ182,182は、それぞれ、押さえ部181,181を上下方向Zに往復移動させる第1移動駆動部182a,182aと、第1移動駆動部182aを移動方向Xに往復移動させる第2移動駆動部182b,182bとを備えている。
押さえ板183,183は、収容容器170aの移動方向Xにおける外側において、集束装置100本体の支持フレーム(図示省略)に支持されている。
本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、第2移動駆動部182b,182bによって、押さえ部181,181を移動方向Xの両外側に退避させ、第1移動駆動部182a,182aによって、上下方向Zの上方へ上昇させた後、第2移動駆動部182b,182bによって、移動方向Xの両内側に移動させて収容容器170aに収容された中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部上方へ位置させ、さらに、第1移動駆動部182a,182aによって、上下方向Zの下方へ降下させることで、中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部を下方の押さえ板183,183に向けて上方から押さえつける構成とされている。
[搬送装置]
本実施の形態では、集束装置100は、収容容器170aに収容されて集束された中空糸束体Bdを搬送する搬送装置179(後述する図14及び図15参照)をさらに備え、制御部400にて搬送装置179が作動制御されるようになっている。
図14は、搬送装置179を上下方向Zの上から視た概略平面図であり、図15は、搬送装置179を移動方向Xから視た概略断面図である。
本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、収容容器170aに収容されて集束された中空糸束体Bdを搬送装置179にて次の工程へ搬送する構成とされている。
搬送装置179は、収容容器170aに中空糸束切断体Bc(図10から図13参照)が複数回重ねられて束ねられた中空糸束体Bdを包装装置200(後述する図16及び図17参照)へ向けて搬送する構成とされている。ここで、中空糸束切断体Bcが集められる回数は、中空糸が所定本数(具体的には1万本程度)になるまでの回数であり、例えば、中空糸束切断体Bcの中空糸の数が512本〜768本である場合には、例えば、10回〜20回程度となる。
詳しくは、搬送装置179は、中空糸束切断体Bcが収容容器170aに集められて束ねられた中空糸束体Bdを幅方向Yの一方側(図14及び図15のY1方向)に搬送する1又は複数(ここでは複数)の無端ベルト179a,…と、無端ベルト179a,…が巻き掛けられた駆動ローラ179b及び従動ローラ179c(図15参照)と、駆動ローラ179bを回転駆動するローラ駆動部179d(図15参照)とを備えている。
複数の無端ベルト179a,…は、移動方向Xにおいて予め定めた所定間隔をおいて均等に配設されている。複数の無端ベルト179a,…の外周面には、複数の収容容器170a,…がベルトの周方向において予め定めた所定間隔をおいて均等に配設されている。ローラ駆動部179dは、駆動ローラ179bを予め定めた回転方向(図15のA1方向)回転させることで、従動ローラ179cをA1方向に従動回転させつつ複数の無端ベルト179a,…を幅方向Yの一方側Y1に周回移動させようになっている。
本実施の形態に係る集束装置100において、制御部400は、収容容器170aに中空糸束切断体Bcが複数回重ねられて中空糸束体Bdとされる毎に、中空糸束切断体Bcを収容する中空糸束切断体Bcの収容位置Q5(図14参照)に空の収容容器170aを位置させ、かつ、中空糸束体Bdを収容した収容容器170aを包装装置200の糸束体載置装置230(後述する図16及び図17参照)にて搬送される搬送位置Q6(図14参照)に位置させるように、ローラ駆動部179dにて駆動ローラ179bを間欠的に駆動させて無端ベルト179a,…を間欠的に幅方向Yの一方側Y1へ移動させる構成とされている。
(集束装置の集束動作について)
以上説明した集束装置100では、中空糸Baが糸分割ガイド部材111で分割されて集合部112で集合され、さらに位置決めガイド部材113に案内された中空集合糸束Bbを長手方向Wに搬送しながら中空糸束切断体Bcに順次切断していき、切断した中空糸束切断体Bcを順次集めて中空糸束体Bdに束ねるにあたり、次の動作を行う。すなわち、
[1]第1停止工程
先ず、第2挟持用アクチュエータ156(図2及び図3参照)にて第2挟持部材152の挟持動作を解除させた第2挟持機構122を第2変位機構162にて糸搬送路の外側の退避位置に退避させた状態で第2往復移動機構132にて位置決めガイド部材113よりも第1方向X1の下流側の近傍における第2停止位置Q2(図8(b)参照)に停止させる。また、第1挟持用アクチュエータ155(図2及び図3参照)にて第1挟持部材151の挟持動作を解除させた第1挟持機構121を第1変位機構161にて糸搬送路の外側の退避位置に退避させた状態で第1往復移動機構131にて第2挟持機構122よりも第1方向X1の下流側の近傍における第1停止位置Q1(第2停止位置Q2とは近接した位置、図8(a)参照)に停止させる。
[2]第1挟持工程
次に、第1及び第2変位機構161,162にて第1及び第2挟持機構121,122を退避位置から幅方向Yの糸搬送路上に移動させ、第1往復移動機構131にて第1挟持機構121を第1停止位置Q1から第1方向X1に移動させて第1挟持機構121にて中空集合糸束Bbの第1挟持位置P1を挟持し、中空集合糸束Bbを挟持した第1挟持機構121を第1往復移動機構131にて中空集合糸束Bbと共に第1方向X1にさらに移動させる(図8(a)参照)。
[3]第2挟持工程
次に、第1往復移動機構131にて第1挟持機構121を、第1挟持動作位置R1(第2停止位置Q2の下流側における第2停止位置Q2に近接した位置、図8(b)参照)から第1方向X1へ予め定めた所定の移動距離Hだけ移動させた後、第2往復移動機構132にて第2挟持機構122を第2停止位置Q2から第1方向X1に移動させて第1挟持機構121に挟持された中空集合糸束Bbの第2挟持位置P2を第2挟持機構122にて第1挟持動作位置R1で挟持し、中空集合糸束Bbを挟持した第2挟持機構122を第2往復移動機構132にて中空集合糸束Bbと共に第1方向X1にさらに移動させる。なお、移動距離Hを設定変更可能とすることができる。こうすることで、中空糸束体Bdの任意の長さにすることができる。
[4]第2停止工程
次に、第4挟持用アクチュエータ158(図2及び図3参照)にて第4挟持部材154の挟持動作を解除させた第4挟持機構124を第4変位機構164にて糸搬送路の外側の退避位置に退避させた状態で第4往復移動機構134にて第4停止位置Q4(図9(b)参照)に停止させる。また、第3挟持用アクチュエータ157(図2及び図3参照)にて第3挟持部材153の挟持動作を解除させた第3挟持機構123を第3変位機構163にて糸搬送路の外側の退避位置に退避させた状態で第3往復移動機構133にて第4挟持機構124よりも第1方向X1の下流側の近傍における第3停止位置Q3(第4停止位置Q4とは近接した位置、図9(a)参照)に停止させる。
[5]第3挟持工程
次に、第3及び第4変位機構163,164にて第3及び第4挟持機構123,124を退避位置から幅方向Yの糸搬送路上に移動させ、第3往復移動機構133にて第3挟持機構123を第3停止位置Q3から第1方向X1に移動させて第3挟持機構123にて中空集合糸束Bbの第2挟持機構122の第2挟持位置P2よりも上流側における第2挟持位置P2の近傍の第3挟持位置P3(第2挟持位置P2に近接した位置)を挟持し、中空集合糸束Bbを挟持した第3挟持機構123を第3往復移動機構133にて中空集合糸束Bbと共に第1方向X1にさらに移動させる(図8(c)参照)。
[6]第1切断工程
次に、第1切断機構141にて第2挟持機構122の第2挟持位置P2と第3挟持機構123の第3挟持位置P3との間を切断して第3挟持位置P3を第1挟持位置P1とした後(図8(d)参照)、第1及び第2変位機構161,162にて第1及び第2挟持機構121,122を上下方向Zの下方に降下させ、収容容器170a(図3参照)の上方において中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部が収容容器170aの移動方向Xの外側に食み出る位置に第1及び第2往復移動機構131,132にて第1及び第2挟持機構121,122を停止させる。
[7]第1収容工程
次に、第1及び第2収容機構171,172(図10及び図11参照)における第1及び第2収容用挟持部材171a,172aにて収容容器170aの上方に位置する中空集合糸束Bbの第1及び第2挟持機構121,122における第1及び第2挟持部材151,152の内側近傍を挟持した後、第1及び第2挟持用アクチュエータ155,156にて第1及び第2挟持部材151,152の挟持動作を解除して第1及び第2収容機構171,172にて中空糸束切断体Bcを収容容器170aに収容する。
[8]第1押さえ工程
次に、押さえ機構180における一対の押さえ部181,182(図12及び図13参照)を中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部よりも上方へ上昇させた後、一対の押さえ部181,182にて収容容器170aに収容された中空糸束切断体Bcの両端部を上から押さえつける。
[9]第1戻り工程
次に、第1及び第2挟持機構121,122を第1及び第2変位機構161,162にて幅方向Yの外側に退避させた後、第1及び第2挟持機構121,122を第1及び第2往復移動機構131,132にて第2方向X2の第3及び第4挟持機構123,124よりも上流側の第1及び第2停止位置Q1,Q2(図8(a)及び図8(b)参照)へ戻す(図8(d)参照)。
[10]第2挟持工程
次に、第3往復移動機構133にて第3挟持機構123を、第2挟持動作位置R2(第4停止位置Q4の下流側における第4停止位置Q4に近接した位置、図9(b)参照)から第1方向X1へ移動距離Hだけ移動させた後、第4往復移動機構134にて第4挟持機構124を第4停止位置Q4から第1方向X1に移動させて第3挟持機構123に挟持された中空集合糸束Bbの第2挟持位置P2を第4挟持機構124にて第2挟持動作位置R2で挟持し、中空集合糸束Bbを挟持した第4挟持機構124を第4往復移動機構134にて中空集合糸束Bbと共に第1方向X1にさらに移動させる。なお、本実施の形態では、第1保持動作位置R1と第2保持動作位置R2とが移動方向Xで同一位置とされている。
[11]第1停止工程
次に、第2挟持用アクチュエータ156(図2及び図3参照)にて第2挟持部材152の挟持動作を解除させた第2挟持機構122を第2変位機構162にて糸搬送路の外側の退避位置に退避させた状態で第2往復移動機構132にて第2停止位置Q2に停止させる。また、第1挟持用アクチュエータ155(図2及び図3参照)にて第1挟持部材151の挟持動作を解除させた第1挟持機構121を第1変位機構161にて糸搬送路の外側の退避位置に退避させた状態で第1往復移動機構131にて第2挟持機構122よりも第1方向X1の下流側の近傍における第1停止位置Q1に停止させる。
[12]第3挟持工程
次に、第1及び第2変位機構161,162にて第1及び第2挟持機構121,122を退避位置から幅方向Yの糸搬送路上に移動させ、第1往復移動機構131にて第1挟持機構121を第1停止位置Q1から第1方向X1に移動させて第1挟持機構121にて中空集合糸束Bbの第4挟持機構124の第2挟持位置P2よりも上流側における第2挟持位置P2の近傍の第3挟持位置P3(第2挟持位置P2に近接した位置)を挟持し、中空集合糸束Bbを挟持した第1挟持機構121を第1往復移動機構131にて中空集合糸束Bbと共に第1方向X1にさらに移動させる(図9(c)参照)。
[13]第2切断工程
次に、第2切断機構142にて第4挟持機構124の第2挟持位置P2と第1挟持機構121の第3挟持位置P3との間を切断して第3挟持位置P3を第1挟持位置P1とした後(図9(d)参照)、第3及び第4変位機構163,164にて第3及び第4挟持機構123,124を上下方向Zの下方に降下させ、収容容器170a(図3参照)の上方において中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部が収容容器170aの移動方向Xの外側に食み出る位置に第3及び第4往復移動機構133,134にて第3及び第4挟持機構123,124を停止させる。
[14]第2収容工程
次に、第3及び第4収容機構173,174(図10及び図11参照)における第3及び第4収容用挟持部材173a,174aにて収容容器170aの上方に位置する中空集合糸束Bbの第3及び第4挟持機構123,124における第3及び第4挟持部材153,154の内側近傍を挟持した後、第3及び第4挟持用アクチュエータ157,158にて第3及び第4挟持部材153,154の挟持動作を解除して第3及び第4収容機構173,174にて中空糸束切断体Bcを収容容器170aに収容する。
[15]第2押さえ工程
次に、押さえ機構180における一対の押さえ部181,182(図12及び図13参照)を中空糸束切断体Bcの移動方向Xの両端部よりも上方へ上昇させた後、一対の押さえ部181,182にて収容容器170aに収容された中空糸束切断体Bcの両端部を上から押さえつける。
[16]第2戻り工程
次に、第3及び第4挟持機構123,124を第3及び第4変位機構163,164にて幅方向Yの外側に退避させた後、第3及び第4挟持機構123,124を第3及び第4往復移動機構133,134にて第2方向X2の第1及び第2挟持機構121,122よりも上流側の第3及び第4停止位置Q3,Q4(図9(a)及び図9(b)参照)へ戻す(図9(d)参照)。
以降、前記した[3]から[16]の一連の工程を動作終了の指示があるまで順次繰り返していく。
そして、中空糸束切断体Bcが収容容器170aに複数回(例えば10回〜20回程度)収容されて束ねられると、束ねられた中空糸束体Bdは、搬送装置179にて搬送位置Q6(図14参照)へ搬送される。
(包装装置について)
次に、製造装置10における包装装置200について図16から図27を参照しながら以下に説明する。
図16は、図1に示す製造装置10における中空糸束体Bdの包装装置200の一例を上下方向Zの上から視た概略平面図である。また、図17は、図16に示す包装装置200を移動方向Xから視た概略側面図である。なお、図16及び図17において、凹条形成装置224、保持装置225、第1絞り装置271、第2絞り装置272及び溶着装置290等は図示を省略している。
包装装置200は、集束装置100にて集束された中空糸束体Bdの周囲に包装シートSを巻き付ける装置である。
詳しくは、包装装置200は、中空糸束体Bdの長手方向Wに延びた長尺の包装用溝部210と、中空糸束体Bdの長手方向Wに延びた長尺の包装シートSを包装用溝部210上に配置するシート配置装置220と、包装用溝部210に包装シートSを介して中空糸束体Bdを載置する糸束体載置装置230と、長手方向Wに直交する包装シートSの幅方向Yにおける両側を、対向する側へ折り返して中空糸束体Bd上に被せる被せ装置240と、中空糸束体Bdを包装シートSと共に予め定めた回転方向(図17の矢印A2方向)に回転させる回転装置250と、包装シートSが巻き付けられた包装シート付き中空糸束体Beを溶着する溶着装置290(後述する図26参照)と、包装シートSが溶着された包装シート溶着済み中空糸束体Bfを搬送する搬送装置260とを備え、制御部400にてシート配置装置220、糸束体載置装置230、被せ装置240、回転装置250、溶着装置290及び搬送装置260が作動制御されるようになっている。なお、包装装置200が包装装置200全体の制御を司る制御部を備えていてもよい。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、シート配置装置220にて包装シートSを包装用溝部210上に配置し、糸束体載置装置230にて包装用溝部210に包装シートSを介して中空糸束体Bdを載置し、被せ装置240にて包装シートSの幅方向Yにおける両側を中空糸束体Bd上に被せ、回転装置250にて中空糸束体Bdを包装シートSと共に回転方向A2に回転させ、さらに、包装シートSが巻き付けられた包装シート付き中空糸束体Beにおける包装シートSを溶着装置290にて溶着し、包装シートSが溶着された包装シート溶着済み中空糸束体Bfを搬送装置260にて次の工程へ搬送する構成とされている。
ここで、集束装置100と包装装置200との中空糸束体Bdに対する単位時間当たりの生産能力を考慮して、1台の集束装置100につき複数台の包装装置200を設けてもよい。本実施の形態では、1台の集束装置100につき包装装置200における2つの包装用溝部210,210、2台の被せ装置240,240及び2台の回転装置250,250が後述する他方のシート載置台202側を対向させて並設されており、2つの包装用溝部210,210、2台の被せ装置240,240及び2台の回転装置250,250の間で搬送装置260を共通としている。
なお、本実施の形態では、包装装置200は、包装用溝部210、被せ装置240及び回転装置250がそれぞれ上下方向Zに沿った軸を対称軸として互いに軸対称になるように配設された2つの包装用溝部210,210、2台の被せ装置240,240及び2台の回転装置250,250とされており、2つの包装用溝部210,210、2台の被せ装置240,240及び2台の回転装置250,250に対して共通の装置として作用するシート配置装置220、糸束体載置装置230及び搬送装置260が用いられるようになっている。なお、2つの包装用溝部210,210、2台の被せ装置240,240及び2台の回転装置250,250は、互いに同様の構成とされているため、以下では、両方の装置をまとめて説明する。
包装装置200において、制御部400によるシート配置装置220の包装シートSの包装用溝部210への配置タイミング、制御部400による糸束体載置装置230の中空糸束体Bdの包装用溝部210への載置タイミング、制御部400による被せ装置240の包装シートSの中空糸束体Bd上への被せタイミングや、制御部400による搬送装置260の包装シート付き中空糸束体Beの搬送タイミングは、包装装置200本体に配設された光センサ等の複数の検知部(図示省略)からの検知信号によって行われるようになっている。
[包装用溝部]
長手方向Wに延びた長尺の包装用溝部210は、一対のシート載置台201,202の間に形成されている。
詳しくは、包装装置200は、一対のシート載置台201,202と、一対のシート載置台201,202の間に配置された中間台203と、中間台203を作動させる中間台移動機構204とをさらに備え、制御部400にて中間台移動機構204が作動制御されるようになっている。
一対のシート載置台201,202は、長手方向Wに沿って延びた長尺の載置台とされており、幅方向Yにおいて間隔をおいて長手方向Wに互いに平行に配置されている。中間台203は、第1及び第2シート載置台201,202の上面(シート載置面)よりも低い位置で回転装置250の後述する二つの回転ローラ251a,251bを支持している。そして、二つの回転ローラ251a,251bの上部が包装用溝部210の底部を構成している。
一対のシート載置台201,202の長手方向Wの長さは、中空糸束体Bdの長手方向Wの長さよりも短い予め定めた長さとされている。中間台203の長手方向Wの長さは、中空糸束体Bdの長さよりも短い予め定めた長さ(ここでは一対のシート載置台201,202の長さ程度)とされている。
包装装置200において、制御部400は、中空糸束体Bdに対して包装シートSを巻き付けるときには、中間台移動機構204にて中間台203を上部位置に位置させ、包装シートSが巻き付けられた包装シート付き中空糸束体Beを次の工程へ搬送するときは、中間台移動機構204にて中間台203を下部位置に位置させる。
本実施の形態では、中間台移動機構204は、中間台203を上下方向Zに往復移動させる移動駆動部204bを含む中間台用アクチュエータ204aを備えている。
包装シートSの厚みは、ここでは、0.12mmとされている。包装シートSの幅方向Yの長さは、中空糸束体Bdを3重〜4重程度に巻き付く長さ(例えば30cm〜38cm)とされている。これにより、包装シートSの溶着を安定化させることができる。なお、中空糸束体Bdを2重に巻く場合には、包装シートSの溶着度合いにバラツキが生じ易い。包装シートSに用いることができる材料としては、中空糸束体Bdの周面に対して確実に巻き付けられるように、適度な柔軟性と滑り性とを有するものであれば、何れの材料も用いることができる。包装シートSの材料として、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂材料を挙げることができ、特に、ポリプロピレンやポリエチレンなどのオレフィン系プラスチツクは、コストおよび成形性の点から好ましい。ここでは、包装シートSは、高密度のポリエチレンからなっている。
[シート配置装置]
シート配置装置220は、包装用溝部210を跨いで包装シートSを一対のシート載置台201,202上に配置する構成とされている。
詳しくは、シート配置装置220は、包装シートSを収容するシート収容部221(図16参照)と、シート収容部221に収容された包装シートSを他方のシート載置台202上に配置する第1シート配置装置222と、他方のシート載置台202上に配置された包装シートSを一方のシート載置台201及び他方のシート載置台202の双方のシート載置台上に配置する第2シート配置装置223とを備えている。
シート収容部221は、ロール状に巻かれたシートロール(図示省略)を収容する収容部とされている。
第1シート配置装置222は、シート収容部221に収容したシートロールを幅方向Yに切断するシート切断機構222a(図16参照)と、包装シートSの長手方向Wにおける両端部を保持する二つの第1シート保持部材222b,222bと、シート挟持用アクチュエータ222d,222dと、シート移動用アクチュエータ222h(図17参照)とを備えている。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、シート収容部221に収容したシートロールの長手方向Wにおける一方の端部をシート挟持用アクチュエータ222dにて一方の第1シート保持部材222bを作動させて保持し、保持したシートロールをシート移動用アクチュエータ222hにて長手方向Wの予め定めた長さの包装シートSになるように長手方向Wの一方側(図16のW1参照)に繰り出す構成とされている。また、制御部400は、該シートロールの長手方向Wにおける他方の端部をシート挟持用アクチュエータ222dにて他方の第1シート保持部材222bを作動させて保持し、シート切断機構222aにて幅方向Yに切断する構成とされている。また、制御部400は、切断した包装シートSの長手方向Wにおける両端部を保持した二つの第1シート保持部材222b,225bをシート移動用アクチュエータ222hにて長手方向Wの一方側W1における他方のシート載置台202上に移動させて停止させ、シート挟持用アクチュエータ222d,222dにて二つの第1シート保持部材222b,222bの保持動作を解除する構成とされている。また、制御部400は、保持動作を解除した二つの第1シート保持部材222b,222bをシート移動用アクチュエータ222hにて長手方向Wの他方側W2におけるシート収容部221側に戻す構成とされている。
本実施の形態では、二つの第1シート保持部材222b,222bは、それぞれ、包装シートSの一方の面と他方の面とを両側から挟持する構成とされている。
シート挟持用アクチュエータ222d,222dは、二つの第1シート保持部材222b,222bを上下方向Zに往復移動させる第1移動駆動部(222c,222c),(222c,222c)を備えている。
シート移動用アクチュエータ222hは、二つの第1シート保持部材222b,222bを上下方向Zに往復移動させる第2移動駆動部(222e,222e),(222e,222e)と、二つの第1シート保持部材222b,222bを長手方向Wに移動自在に摺動させるスライドレール222f(図17参照)と、スライドレール222f上で二つの第1シート保持部材222b,222bを長手方向Wに互いに独立して往復移動させる第3移動駆動部222g,222g(図17参照)とを備えている。なお、スライドレール222f及び第3移動駆動部222g,222gは、設置面Mに設置された支柱(図示省略)に支持されている。
包装シートSの長手方向Wにおける長さは、予め定めた長さ(具体的には、中空糸束体Bdの長さよりも少し短めの長さ)、ここでは、一対のシート載置台201,202の長手方向Wにおける長さd1(図16参照)程度とされている。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、他方のシート載置台202上に配置された包装シートSを第2シート配置装置223にて包装シートSの包装用溝部210を基準にした回転方向A2における上流側S2の長さが下流側S1の長さよりも長くなるように配置する構成とされている(後述する図18参照)。ここで、包装用溝部210の幅方向Yの長さは、中空糸束体Bdの幅方向Yの長さ程度とされている。包装シートSにおける下流側S1の幅方向Yの長さ(短い方の長さ)は、中空糸束体Bdの幅方向Yの長さ程度、すなわち、包装用溝部210の幅方向Yの長さ程度とされている。
第2シート配置装置223は、包装シートSの幅方向Yにおける一方の端部を保持する第2シート保持部材223a,223aと、第2シート保持部材223a,223aを往復移動させる第2シート保持用アクチュエータ223b,223b(図17参照)とを備えている。
本実施の形態では、第2シート保持部材223a,223aは、包装シートSの上面をエアーで吸着する複数のエアーチャック機構223c,…を備えている。第2シート保持用アクチュエータ223b,223bは、第2シート保持部材223a,223aを上下方向Zに往復移動させる第1移動駆動部223d,223dと、第1移動駆動部223d,223dを幅方向Yに往復移動させる第2移動駆動部223e(図17参照)とを備えている。ここでは、第2移動駆動部223eは、第1移動駆動部223dを支持する第1支持部材223fと、設置面Mに設置された支柱(図示省略)に支持された第2支持部材223gとの間に設けられている。
(凹条形成装置)
本実施の形態において、包装装置200は、包装用溝部210上に配置された包装シートSを包装用溝部210の内側に向けて凹条に凹ませる凹条形成装置224(後述する図18参照)をさらに備え、制御部400にて凹条形成装置224がさらに作動制御されるようになっている。
図18は、包装装置200における凹条形成装置224部分を長手方向Wから視た概略側面図である。
凹条形成装置224は、長手方向Wに沿って延びた長尺の棒状部材224aと、棒状部材224aを包装用溝部210の内側及び外側に往復移動させる凹条形成用アクチュエータ224bとをさらに備えている。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、包装用溝部210に包装シートSを介して中空糸束体Bdを載置するに先立ち、凹条形成用アクチュエータ224bにて棒状部材224aを上下方向Zの下方へ降下させることで、包装シートSを包装用溝部210の内側に向けて凹条に凹ませる構成とされている。
棒状部材224aは、ここでは、包装用溝部210の幅よりも小さい径の円柱状の部材とされている。
凹条形成用アクチュエータ224bは、棒状部材224aを上下方向Zに往復移動させる移動駆動部224cを備えている。移動駆動部224cは、第1支持部材223f(図17参照)に支持されている。
なお、図18における一方のシート載置台201上の部材は、被せ板241aであり、後述する被せ装置240の構成部材とされている。このことは、後述する図19及び図20についても同様である。
(保持装置)
本実施の形態では、包装装置200は、包装用溝部210上に配置された包装シートSの幅方向Yにおける少なくとも一方の端部を保持する保持装置225(後述する図19及び図20参照)をさらに備えている。
図19は、包装装置200における保持装置225部分を長手方向Wから視た概略側面図である。図20は、包装装置200における保持装置225部分を上下方向Zの上から視た概略平面図である。
保持装置225は、包装シートSの下流側S1の端部を保持する下流側保持装置226と、包装シートSの包装用溝部210を基準にした回転方向A2における上流側の端部を保持する上流側保持装置227とを備えている。
(下流側保持装置)
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、棒状部材224aにて包装シートSを包装用溝部210の内側に向けて凹ませるときに、一方のシート載置台201上に載置された包装シートSの下流側S1の端部を下流側保持装置226にて保持する構成とされている。
具体的には、下流側保持装置226は、包装用溝部210の幅方向Yにおける一方の外側近傍に設けられた複数の下流側保持部226a,…と、複数の下流側保持部226a,…を作動させる下流側保持用アクチュエータ226bとを備えている。下流側保持用アクチュエータ226bは、上下方向Zに移動自在とされて複数の下流側保持部226a,…をそれぞれ支持する複数の支持アーム226c,…と、複数の支持アーム226c,…を上下方向Zに往復移動させる移動駆動部226dとを備えている。
そして、包装装置200において、制御部400は、棒状部材224aにて包装シートSを包装用溝部210の内側に向けて凹ませるにあたり、下流側保持用アクチュエータ226bによって、複数の下流側保持部226a,…を上下方向Zの上方へ上昇させた状態で、第2シート配置装置223(図16及び図17参照)にて包装シートSの下流側S1を一方のシート載置台201(具体的には被せ板241a)上に移動させ、さらに複数の下流側保持部226a,…を下方へ降下させることで、一方のシート載置台201上に載置された包装シートSの下流側S1の端部の上面を一方のシート載置台201(具体的には被せ板241a)に向けて上方から押さえつけて保持する構成とされている(図19参照)。なお、図19は、棒状部材224aにて包装シートSを包装用溝部210の内側に向けて凹ませている途中の状態を示している。
(上流側保持装置)
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、棒状部材224aにて包装シートSを包装用溝部210の内側に向けて凹ませるときに、他方のシート載置台202上に載置された包装シートSの上流側S2の端部を上流側保持装置227にて保持する構成とされている。
具体的には、上流側保持装置227は、二つの第1シート保持部材222b,222b(図17及び図20参照)にそれぞれ設けられた一対の上流側保持部227a,227aを備えている。ここでは、二つの第1シート保持部材222b,222bの幅方向Yの両端部が一対の上流側保持部227a,227aを兼ねている。
そして、包装装置200において、制御部400は、棒状部材224aにて包装シートSを包装用溝部210の内側に向けて凹ませるにあたり、第3移動駆動部222g,222g(図17参照)にて二つの第1シート保持部材222b,222bを長手方向Wの一方側に移動させて長手方向Wに所定の間隔をあけて位置させ、第1移動駆動部(222e,222e),(222e,222e)にて二つの第1シート保持部材222b,222bを上下方向Zの下方に降下させて一対の上流側保持部227a,227aを、他方のシート載置台202上に載置された包装シートSの上流側S2の端部の上面に接触させて保持する構成とされている。
なお、上流側保持部227a,227aによる包装シートSの上流側S2の端部への押圧力は、下流側保持部226a,…による包装シートSの下流側S1の端部への押圧力よりも小さくなっている。詳しくは、上流側保持部227a,227aによる包装シートSの上流側S2の端部への押圧力は、棒状部材224aにて包装シートSを包装用溝部210の内周面に沿って凹ませるときに、包装シートSの下流側S1の端部が下流側保持部226a,…によって維持した状態で、上流側S2の端部が他方のシート載置台202と上流側保持部227a,227aとの間をすり抜ける程度の圧力とされている。
本実施の形態では、上流側保持装置227は、一対の上流側保持部227a,227aの幅方向Yの両端部に、幅方向Yに延び、かつ、他方のシート載置台202に対して上下方向Zに予め定めた所定間隔をおいて離間するように設けられた押さえ部材227b,227bをさらに備えている。押さえ部材227b,227bは、棒状部材224aにて包装シートSを包装用溝部210の内側に向けて凹ませた後、糸束体載置装置230にて包装用溝部210に包装シートSを介して中空糸束体Bdを載置するにあたり、他方のシート載置台202と上流側保持部227a,227aとの間をすり抜けた包装シートSの上流側S2が中空糸束体Bd上に被さることを防止する機能を有している。
[糸束体載置装置]
糸束体載置装置230(図16及び図17参照)は、包装用溝部210を幅方向Yに跨いで一対のシート載置台201,202上に配置された包装シートS上の包装用溝部210部分に中空糸束体Bdを載置する構成とされている。
詳しくは、糸束体載置装置230は、集束装置100における搬送装置179(図15参照)にて搬送されてきた中空糸束体Bdを保持する糸束体保持機構231,231と、クレーン装置232とを備えている。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、糸束体保持機構231,231にて中空糸束体Bdを保持し、中空糸束体Bdを保持した糸束体保持機構231,231をクレーン装置232にて上下方向Zの上方へ吊り上げて中空糸束体Bdを幅方向Yの一方側Y1へ搬送し、糸束体保持機構231,231を停止させて中空糸束体Bdを一方の包装用溝部210に対応する第1載置位置K1又は他方の包装用溝部210に対応する第2載置位置K2(図17参照)に位置させる構成とされている。また、制御部400は、クレーン装置232にて糸束体保持機構231,231を上下方向Zの下方へ降下させて第1載置位置K1又は第2載置位置K2に位置する中空糸束体Bdを包装用溝部210に包装シートSを介して載置する構成とされている。
糸束体保持機構231,231は、中空糸束体Bdの長手方向Wにおける両端部を挟持する一対の糸束体挟持部材231a,231aと、一対の糸束体挟持部材231a,231aをそれぞれ上下方向Zに往復移動させる一対の糸束体挟持用アクチュエータ231b,231bとを備えている。
本実施の形態では、一対の糸束体挟持部材231a,231aは、中空糸束体Bdの上側と下側とを両側から挟持する挟持部231c,231d(図17参照)を備えている。挟持部231c,231dは、ここでは、一方(ここでは上側)の挟持部231cと他方(ここでは下側)の挟持部231dとが互いに上下方向Zに移動自在とされている。一対の糸束体挟持用アクチュエータ231b,231bは、それぞれ、一対の糸束体挟持部材231a,231aにおける一方(ここでは上側)の挟持部231cを上下方向Zに往復移動させる第1移動駆動部231eと、一対の糸束体挟持部材231a,231aにおける他方(ここでは下側)の挟持部231dを上下方向Zに往復移動させる第2移動駆動部231fとを備えている。
一対の糸束体挟持部材231a,231aは、一対の糸束体挟持用アクチュエータ231b,231bが挟持方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が上下方向Zに相対的に近づく方向へ移動する一方、一対の糸束体挟持用アクチュエータ231b,231bが挟持解除方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が上下方向Zに相対的に離間する方向に移動する構成とされている。
クレーン装置232は、一対の糸束体挟持部材231a,231aを上下方向Zに往復移動させる一対の上下方向移動機構233,233と、一対の上下方向移動機構233を長手方向Wに往復移動させる一対の長手方向移動機構234,234と、一対の長手方向移動機構234,234を幅方向Yに往復移動させる一対の幅方向移動機構235,235とを備えている。
一対の上下方向移動機構233,233は、一対の糸束体挟持部材231a,231aをそれぞれ上下方向Zの往復移動させるスライド駆動部233b,233bを含む一対の上下方向移動用アクチュエータ233a,233aを備えている。一対の長手方向移動機構234,234は、一対の上下方向移動機構233,233をそれぞれ長手方向Wの往復移動させるスライド駆動部234b,234bを含む一対の長手方向移動用アクチュエータ234a,234aを備えている。一対の幅方向移動機構235,235は、一対の長手方向移動機構234,234をそれぞれ幅方向Yの往復移動させるスライド駆動部235b,235bを含む一対の幅方向移動用アクチュエータ235a,235aを備えている。
スライド駆動部(233b,233b),(234b,234b),(235b,235b)としては、リニアモータや、モーターの回転運動を直線往復運動に変換する直駆動アクチュエータ等を用いることができる。
[被せ装置]
図21は、包装装置200においてシート配置装置220にて包装用溝部210上に配置されて糸束体載置装置230にて中空糸束体Bdが載置された包装シートSの幅方向Yの両側を中空糸束体Bd上に被せる被せ装置240を長手方向Wから視た概略側面図である。図21(a)は、包装シートSを中空糸束体Bd上に被せる前の状態を示しており、図21(b)は、包装シートSの一方のシート載置台201上に配置された幅方向Yにおける一方側を中空糸束体Bd上に被せた状態を示しており、図21(c)は、包装シートSの幅方向Yにおける一方側を中空糸束体Bd上に被せた状態において包装シートSの他方のシート載置台202上に配置された幅方向Yにおける他方側を中空糸束体Bd上に被せた状態を示している。なお、図16及び図17において示している2台の被せ装置240,240のうち、図21では一方の被せ装置240のみを示している。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、包装シートSの一方のシート載置台201に配置された幅方向Yにおける一方側(具体的には包装用溝部210を基準にした回転方向A2の下流側S1)を被せ装置240にて中空糸束体Bd上に被せた後、他方のシート載置台202に配置された幅方向Yにおける他方側(具体的には包装用溝部210を基準にした回転方向A2の上流側S2)を被せ装置240にて中空糸束体Bd上に被せる構成とさている。
詳しくは、被せ装置240は、包装シートSの下流側S1を中空糸束体Bd上に被せる第1被せ部241と、第1被せ部241にて被せられた包装シートSの下流側S1上に包装シートSの上流側S2を被せる第2被せ部242と備えている。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、包装シートSの下流側S1が一方のシート載置台201に配置され、包装シートSの上流側S2が他方のシート載置台202に配置されて、包装用溝部210内における包装シートS上に中空糸束体Bdが載置された状態において(図21(a)参照)、第1被せ部241にて包装シートSにおける短い方の下流側S1を中空糸束体Bd上に被せた後(図21(b)参照)、第2被せ部242にて長い方の上流側S2を短い方の下流側S1上に被せる(図21(c)参照)構成とされている。
第1被せ部241は、一方のシート載置台201上に幅方向Yにスライド自在に配設された被せ板241aと、被せ板241aを幅方向Yに往復移動させる移動駆動部241bとを備えている。
第2被せ部242は、他方のシート載置台202上を幅方向Yに移動しながら従動回転する複数の被せローラ242a,…と、複数の被せローラ242a,…を往復移動させる被せローラ用アクチュエータ242b(図17参照)とを備えている。
被せローラ用アクチュエータ242bは、複数の被せローラ242a,…を上下方向Zに往復移動させる第1移動駆動部242cと、第1移動駆動部242cを幅方向Yに往復移動させる第2移動駆動部242d(図17参照)とを備えている。
なお、図17に示すように、第1移動駆動部242cは、第1支持部材223fに支持されている。そして、第2移動駆動部242dと、前述したシート配置装置220における第2移動駆動部223eとは、一方が他方を兼ねる共通の駆動部とされている。
[回転装置]
(第1回転機構)
回転装置250は、包装シートSを間にして中空糸束体Bdを回転方向A2に回転させる第1回転機構251(後述する図22参照)を備えている。
図22は、包装装置200において被せ装置240にて包装シートSの幅方向Yの両側を被せた状態で中空糸束体Bdを回転させる回転装置250における第1回転機構251部分を長手方向Wから視た概略側面図である。なお、図22において、中間台203は、図示を省略している。また、図16及び図17において示している2台の回転装置250,250のうち、図22では一方の回転装置250の第1回転機構251のみを示している。
第1回転機構251は、回転中心が中空糸束体Bdの回転中心を中心とする仮想円弧上に並ぶように配設された1つ又は複数(ここでは二つ)の回転ローラ251a,251bと、回転ローラ251a,251bをそれぞれ回転方向A2とは逆回転方向A3に回転駆動する第1回転駆動部251cとを備えている。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、中空糸束体Bdの周囲に包装シートSを巻き付けるにあたり、包装シートSの下流側S1及び上流側S2が被せられた中空糸束体Bdが載せられた回転ローラ251a,251bを第1回転駆動部251cにて同一の逆回転方向A3に同一の周速度で回転させることで、包装シートSの下流側S1及び上流側S2が被せられた中空糸束体Bdを回転方向A2に回転させる構成とされている。ここで、回転ローラ251a,251bは、第1回転駆動部251cにより、回転開始から除々に速くなる周速度とされ、最終的に予め定めた周速度(具体的には600mm/S)とされる。
詳しくは、二つの回転ローラ251a,251bは、包装用溝部210の底部において近接して設けられている。具体的には、二つ回転ローラ251a,251bは、幅方向Yにおいて予め定められた間隔をおいて互いに対向して中間台203上に配設されており、回転駆動部251cによってそれぞれ逆回転方向A3に同一の周速度で回転駆動されるようになっている。二つ回転ローラ251a,251bの表面には、包装シートSとの摩擦抵抗を大きくするという観点から、ウレタンゴム等の合成ゴム系の材質からなる膜が被覆されている。ここでは、二つ回転ローラ251a,251bの表面にはウレタンゴムが焼き付けられている。
第1回転駆動部251cは、駆動モーター251dと、二つ回転ローラ251a,251bを同方向に回転させる回転機構251eと、駆動モーター251dからの回転駆動を回転機構251eへ伝達する駆動伝達機構251fとを備えている。具体的には、回転機構251eは、一方の回転ローラ251aの回転軸に設けられた第1ギア251gと、他方の回転ローラ251bの回転軸に設けられた第2ギア251hとを備えている。駆動伝達機構251fは、第1及び第2ギア251g,251hと歯合する第3ギア251iと、第3ギア251iの回転軸に設けられた第4ギア251jと、駆動モーター251dの回転軸に設けられた第5ギア251kと、第4ギア251jと第5ギア251kとに巻き掛けられたギアベルト251lとを備えている。なお、二つの回転ローラ251a,251bは互いに同じ形状とされており、第1及び第2ギア251g,251hは互いに同じ形状とされている。
そして、第1回転駆動部251cは、駆動モーター251dの回転軸が回転方向A2に回転されることで、第5ギア251k、ギアベルト251l及び第4ギア251jを介して第3ギア251iが回転方向A2に回転され、これにより、第1及び第2ギア251g,251hの双方が逆回転方向A3に回転されることで、二つの回転ローラ251a,251bの双方が逆回転方向A3に回転される。
なお、本実施の形態では、駆動伝達機構251fは、駆動モーター251dからの回転駆動を、第5ギア251k、ギアベルト251l、第4ギア251j及び第3ギア251iを介して二つ回転ローラ251a,251bに伝達するようになっているが、第3ギア251i及び第4ギア251jを除去し、ギアベルト251lを二つ回転ローラ251a,251bの第1及び第2ギア251g,251hに直接巻き掛けることで、駆動モーター251dからの回転駆動を、第5ギア251k及びギアベルト251lを介して二つ回転ローラ251a,251bに伝達するようになっていてもよい。
(第2回転機構)
本実施の形態では、回転装置250は、中空糸束体Bdの長手方向Wの両端部を保持して該両端部で中空糸束体Bdを回転方向A2に回転させる第2回転機構252,252(後述する図23参照)をさらに備えている。
図23は、包装装置200において被せ装置240にて包装シートSの幅方向Yの両側を被せた状態で中空糸束体Bdを回転させる回転装置250における第2回転機構252,252部分を上下方向Zの上から視た概略平面図である。なお、図16及び図17において示している2台の回転装置250,250のうち、図23では一方の回転装置250の第2回転機構252,252のみを示している。
第2回転機構252,252は、中空糸束体Bdの長手方向Wの両端部をそれぞれ挟持する一対の回転用挟持部材252a,252aと、一対の回転用挟持部材252a,252aをそれぞれ回転方向A2に回転駆動する一対の第2回転駆動部252b,252bと、一対の回転用挟持部材252a,252aをそれぞれ幅方向Yに往復移動させる一対の回転用挟持アクチュエータ252g,252gと、一対の回転用挟持部材252a,252aをそれぞれ長手方向Wに往復移動させる一対の回転用移動アクチュエータ252i,252iとを備えている。
一対の回転用挟持部材252a,252aは、一対の回転用挟持アクチュエータ252g,252gが挟持方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が幅方向Yに相対的に近づく方向へ移動する一方、一対の回転用挟持アクチュエータ252g,252gが挟持解除方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が幅方向Yに相対的に離間する方向に移動する構成とされている。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、中空糸束体Bdの周囲に包装シートSを巻き付けるにあたり、一対の回転用移動アクチュエータ252i,252iによって、それぞれ、一対の回転用挟持部材252a,252aを長手方向Wの内側へ移動させ、一対の回転用挟持アクチュエータ252g,252gによって、それぞれ、一対の回転用挟持部材252a,252aを中空糸束体Bdの径方向Vの近接させる方向へ移動させて一対の回転用挟持部材252a,252aにて中空糸束体Bdの長手方向Wの両端部を挟持した後、一対の第2回転駆動部252b,252bにて一対の回転用挟持部材252a,252aを回転方向A2に回転させる構成とされている。ここで、一対の回転用挟持部材252a,252aは、第2回転駆動部251cにより、回転開始から除々に速くなる回転速度とされ、最終的に包装シートSが巻き付けられた包装シート付き中空糸束体Beの周速度が予め定めた周速度(具体的には600mm/S)となる回転速度とされる。
本実施の形態では、一対の回転用挟持部材252a,252aは、中空糸束体Bdの幅方向Yの一方側と他方側とを両側から挟持する挟持機構252c,252eを備えている。挟持機構252c,252eは、ここでは、一方(ここでは幅方向Yの一方側)の挟持機構252cと他方(ここでは幅方向Yの他方側)の挟持機構252eとが互いに幅方向Yに移動自在とされている。
一対の回転用挟持アクチュエータ252g,252gは、それぞれ、一対の回転用挟持部材252a,252aにおける一方(ここでは幅方向Yの一方側)の挟持機構252cを幅方向Yに往復移動させる第1移動駆動部252dと、一対の回転用挟持部材252a,252aにおける一方(ここでは幅方向Yの他方側)の挟持機構252eを幅方向Yに往復移動させる第2移動駆動部252fとを備えている。
一対の回転用移動アクチュエータ252i,252iは、それぞれ、一対の第2回転駆動部252b,252bを長手方向Wに往復移動させる一対の第3移動駆動部252h,252hを備えている。
[引っ張り装置]
本実施の形態に係る包装装置200は、包装シートSを周囲に覆った状態で回転方向A2に回転される中空糸束体Bdを長手方向Wの両端部で両外側へ引っ張る引っ張り装置280をさらに備え、制御部400にて引っ張り装置280がさらに作動制御されるようになっている。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、中空糸束体Bdを引っ張り装置280によって長手方向Wの両端部で両外側へ引っ張りつつ包装シートSと共に第2回転機構252,252における一対の第2回転駆動部252b,252bにて回転方向A2に回転させながら、中空糸束体Bdの周囲に包装シートSを巻き付ける構成とされている。
引っ張り装置280は、一対の回転用挟持部材252a,252aをそれぞれ長手方向Wの両外側に移動させる一対の移動駆動部281,281を備えている。
なお、本実施の形態では、一対の移動駆動部281,281と前記した一対の第3移動駆動部252h,252hとは互いに一方が他方を兼ねる共通の移動駆動部とされている。
[第1絞り装置]
本実施の形態に係る包装装置200は、中空糸束体Bdと共に回転方向A2に回転される包装シートSの周方向の複数箇所(ここでは2箇所)で中空糸束体Bdを径方向の内側へ次第に絞っていく第1絞り装置271(後述する図24参照)をさらに備え、制御部400にて第1絞り装置271がさらに作動制御されるようになっている。
図24は、包装装置200における第1絞り装置271部分を長手方向Wから視た概略側面図である。
第1絞り装置271は、中空糸束体Bdが載置された包装シートSの周方向の複数箇所(ここでは幅方向Yの両側の2箇所)に配設されて該周方向の複数箇所で包装シートSが周囲に巻かれた中空糸束体Bdを絞る第1絞り部材271a,271aと、第1絞り部材271a,271aを包装シートSの径方向V(ここでは幅方向Y)に往復移動させる移動駆動部271c,271cを含む第1絞り用アクチュエータ271b,271bとを備えている。そして、第1絞り部材271a,271aの包装シートSと接触する側の面が包装用溝部210の側面を構成している。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、回転装置250にて中空糸束体Bdを包装シートSと共に回転方向A2に回転させつつ、包装シートSの外周面の周方向における複数箇所で、移動駆動部271c,271cにて第1絞り部材271a,271aを径方向Vの内側に向けて次第に移動させることで、包装シートSが周囲に巻かれた中空糸束体Bdを径方向の内側に次第に絞っていく(すなわち包装シートSの径を次第に小さくしていく)構成とされている。
[第2絞り装置]
本実施の形態に係る包装装置200は、包装シートSの周方向の一箇所で包装シートSを間欠的にかつ次第に絞っていく第2絞り装置272(後述する図25参照)をさらに備え、制御部400にて第2絞り装置272がさらに作動制御されるようになっている。
図25は、包装装置200における第2絞り装置272部分を長手方向Wから視た概略側面図である。
第2絞り装置272は、中空糸束体Bdの周囲に覆われた包装シートSの周方向の一箇所に配置されて該周方向の一箇所(ここでは上下方向Zの上側)で包装シートSが周囲に巻かれた中空糸束体Bdを絞る第2絞り部材272aと、第2絞り部材272aを包装シートSの径方向V(ここでは上下方向Z)に往復移動させ、かつ、径方向Vに振動(例えば1秒間に4往復程度)させる移動駆動部272cを含む第2絞り用アクチュエータ272bとを備えている。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、回転装置250にて中空糸束体Bdを包装シートSと共に回転方向A2に回転させつつ、包装シートSの周囲の一箇所で、第2絞り部材272aを移動駆動部272cにて径方向Vに振動させながら径方向Vの内側に向けて移動させることで、包装シートSが周囲に巻かれた中空糸束体Bdを径方向の内側に間欠的にかつ次第に絞っていく(すなわち包装シートSの径を次第に小さくしていく)構成とされている。
なお、本実施の形態では、第2絞り部材272aと前記した棒状部材224aとは互いに一方が他方を兼ねる共通の部材とされており、移動駆動部272cと前記した移動駆動部224cとは互いに一方が他方を兼ねる共通の移動駆動部とされている。すなわち、共通の移動駆動部が凹条形成装置224における移動駆動部224cとして作用するときは、棒状部材224aを上下方向Zの下方へ降下させる一方、共通の移動駆動部が第2絞り装置272における移動駆動部272cとして作用するときは、第2絞り部材272aを径方向Vに振動させながら径方向Vの内側に向けて移動させる。
また、本実施の形態では、第2絞り部材272aを径方向Vに振動させながら径方向Vの内側に向けて移動させるが、それに限定されるものではない。例えば、第2絞り部材272aを軸線回りに回転自在とされた絞りローラ272aとし、第2絞り装置272が絞りローラ272aを逆回転方向A3(図25の破線参照)に回転駆動する回転駆動部(図示省略)をさらに備え、該回転駆動部にて絞りローラ272aを逆回転方向A3に回転駆動させながら移動駆動部272cにて径方向Vに振動させることなく第2絞り部材272aを径方向Vの内側に向けて移動させる(上下方向Zの下方へ降下させる)ようにしてもよい。この場合、絞りローラ272aは、該回転駆動部により、回転開始から除々に速くなる周速度とされ、最終的に予め定めた周速度(具体的には600mm/S)とされる。
[溶着装置]
溶着装置290は、包装シート付き中空糸束体Beにおける包装シートSの外周面の周方向における複数箇所(ここでは4箇所)を溶着させる構成とされている。
図26は、包装装置200における溶着装置290部分を長手方向Wから視た概略側面図である。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、回転装置250にて包装シート付き中空糸束体Beを回転させながら、溶着装置290にて包装シート付き中空糸束体Beにおける包装シートSに対して間欠的に加熱しつつ加圧して熱溶着させる構成とされている。
溶着装置290は、長手方向Wに延びた加熱部291と、加熱部291を包装シート付き中空糸束体Beにおける包装シートSに対して押圧する押圧部292と、押圧部292を径方向V(ここでは上下方向Z)に往復移動させる移動駆動部293aを含む溶着用アクチュエータ293とを備えている。そして、加熱部291は、包装シート付き中空糸束体Beにおける包装シートSの周方向の一部を長手方向Wに全体的に加熱するか又は長手方向Wに部分的に複数箇所加熱する構成とされている。なお、加熱部291にて包装シート付き中空糸束体Beにおける包装シートSの周方向の一部を長手方向Wに部分的に複数箇所加熱する形態として、最終的に得られる個々の中空糸束Bg(包装シート溶着済み中空糸束体Bfから後述する切断装置300にて複数個に分断された個々の中空糸束Bg)において溶着される長手方向Wの箇所が少なくとも1箇所含まれるように、長手方向Wの複数箇所を(好ましくは均等に)溶着する形態を例示できる。
具体的には、制御部400は、包装シート付き中空糸束体Beを回転装置250にて予め定めた所定回転角度(〔360°〕/〔溶着箇所数〕、ここでは回転方向A2に90°)毎に間欠的に回転させ、中空糸束体Beの回転毎に押圧部292にて溶着部291を中空糸束体Beに押圧させることによって、包装シートSの外周面の周方向における複数箇所(ここでは4箇所)を順次溶着させる構成とされている。
なお、溶着装置290の包装シートSを溶着させる手法としては、包装シートSの溶着面を加熱しつつ加圧することで熱溶着させる手法の他、包装シートSの溶着面に超音波を照射することで超音波溶着させる手法などを挙げることができる。
また、本実施の形態では、溶着装置290を包装シート付き中空糸束体Beよりも上方に位置させ、加熱部291を上方から下降させて包装シートSを溶着させる構成としたが、溶着装置290を包装シート付き中空糸束体Beよりも下方に位置させ、加熱部291を下方から上昇させて包装シートSを溶着させる構成としてもよい。
[搬送装置]
搬送装置260は、溶着装置290にて包装シートSが溶着された包装シート溶着済み中空糸束体Bfを切断装置300(後述する図28参照)へ搬送する構成とされている。
図27は、包装装置200における搬送装置260部分を長手方向Wから視た概略側面図である。図27(a)は、中間台203が上部位置にある二つの回転ローラ251a,251b上に包装シート溶着済み中空糸束体Bfが配置されている状態を示している。図27(b)は、中間台203が下部位置にある二つの回転ローラ251a,251b上に包装シート溶着済み中空糸束体Bfが配置されている状態を示している。図27(c)は、包装シート溶着済み中空糸束体Bfが二つの回転ローラ251a,251b上から取り出されて搬送装置260上に位置している状態を示している。なお、図16及び図17において示している2台の搬送装置260,260のうち、図27では一方の搬送装置260のみを示している。
本実施の形態に係る包装装置200において、制御部400は、二つの回転ローラ251a,251b上に配置された包装シート溶着済み中空糸束体Bfを搬送装置260にて二つの回転ローラ251a,251bから取り出して長手方向Wの他方側の切断装置300へ搬送する構成とされている。
詳しくは、搬送装置260は、中間台203に対して幅方向Yの一方側に隣設されたベルトコンベア装置261と、下部位置に位置する中間台203上における二つの回転ローラ251a,251b上に載置された包装シート溶着済み中空糸束体Bfをベルトコンベア装置261へ向けて押し出す押し出し装置262と、下部位置に位置する中間台203上における二つの回転ローラ251a,251b上に載置された包装シート溶着済み中空糸束体Bfをベルトコンベア装置261へ案内するガイド部材263とを備えている。
具体的には、制御部400は、包装シート溶着済み中空糸束体Bfを切断装置300へ搬送するにあたり(図27(a)参照)、中間台移動機構204にて中間台203を下部位置に位置させ(図27(b)参照)、押し出し装置262にて二つの回転ローラ251a,251b上における包装シート溶着済み中空糸束体Bfをベルトコンベア装置261上へ押し出してベルトコンベア装置261上に移行させ(図27(c)参照)、ベルトコンベア装置261にて長手方向Wの他方側の切断装置300に向けて搬送する構成とされている。
押し出し装置262は、二つの回転ローラ251a,251b上における包装シート溶着済み中空糸束体Bfを幅方向Yのベルトコンベア装置261側に移動させる移動駆動部262aを備えている。
ガイド部材263は、中間台203が下部位置に位置するときに、先端側が中間台203からベルトコンベア装置261の幅方向Yの中間台203側端部に臨むように、中間台203の幅方向Yのベルトコンベア装置261側端部に一体的に設けられている。
[包装装置の包装動作について]
以上説明した包装装置200では、中空糸束体Bdの周囲に包装シートSを巻き付けるにあたり、次の動作を行う。すなわち、
[1]シート配置工程
先ず、中間台移動機構204における中間台用アクチュエータ204aにて中間台203を上部位置に位置させ(図17参照)、第1シート配置装置222における一方の第1シート保持部材222bにて包装シートSの長手方向Wにおける一方の端部を挟持し、シート移動用アクチュエータ222hにおける第3移動駆動部222g,222gにて一方の第1シート保持部材222bを長手方向Wの一方側W1へ移動させ、さらに第2移動駆動部(222e,222e),(222e,222e)にて上下方向Zの下方における他方のシート載置台202上へ降下させる。そして、第3移動駆動部222g,222gにて一方の第1シート保持部材222bを、包装シートSの長手方向Wの長さが予め定めた長さになる位置に一旦停止させる。
次に、第1シート配置装置222における他方の第1シート保持部材222bにて包装シートSの長手方向Wにおける他方の端部を挟持し、シート切断機構222aにて包装シートSの長手方向Wの上流側を幅方向Yに切断し、第3移動駆動部222g,222gにて一方及び他方の第1シート保持部材222b,222bの双方を長手方向Wの一方側W1へ移動させ、さらに第2移動駆動部222eにて他方の第1シート保持部材222bを上下方向Zの下方における他方のシート載置台202上へ降下させる。
次に、第3移動駆動部222g,222gにて一方及び他方の第1シート保持部材222b,222bの双方を、包装シートSの全体が他方のシート載置台202,202に載置される位置に停止させた後、シート挟持用アクチュエータ222d,222dにて一方及び他方の第1シート保持部材222b,222bの双方の包装シートSへの挟持動作を解除し、第3移動駆動部222g,222gにて一方及び他方の第1シート保持部材222b,222bの双方を長手方向Wの両外側へ退避させる。
次に、第2シート配置装置223における第2シート保持用アクチュエータ223b,223bの第2移動駆動部223eにて第2シート保持部材223a,223aを幅方向Yの一方側Y1へ移動させて包装シートSの幅方向Yにおける一方の端部の上方で停止させ、さらに第1移動駆動部223d,223dにて上下方向Zの下方へ降下させて他方のシート載置台202における包装シートSの一方の端部上で停止させる。そして、第2シート保持部材223a,223aにおける複数のエアーチャック機構223c,…にて包装シートSの幅方向Yにおける一方の端部を吸着する。
次に、第1移動駆動部223d,223dにて第2シート保持部材223a,223aを上下方向Zの上方へ上昇させ、さらに第2移動駆動部223eにて幅方向Yの他方側(図16及び図17のY2方向)へ包装用溝部210を経て一方のシート載置台201上に移動させ、包装シートSの包装用溝部210を基準にした回転方向A2における下流側S1を一方のシート載置台201上に、上流側S2を他方のシート載置台202上に載置する(図18参照)。このとき、包装シートSの上流側S2の長さが下流側S1の長さよりも長くなるように包装シートSを配置する。
次に、下流側保持装置226における下流側保持用アクチュエータ226bの移動駆動部226dにて複数の下流側保持部226a,…を下方に移動させて包装シートSの下流側S1の上面を上から押しつけ、シート移動用アクチュエータ222hにおける第1移動駆動部(222e,222e),(222e,222e)にて一対の上流側保持部227a,227aを下方に移動させて包装シートSの上流側S2の上面を上から接触させる(図19及び図20参照)。
次に、第2シート保持用アクチュエータ223b,223bにおける第1移動駆動部223d,223dにて棒状部材224a(ここでは第2絞り部材272aと共通部材)を幅方向Yの一方側Y1へ移動させて包装用溝部210の上方へ停止させ、さらに凹条形成用アクチュエータ224bにて棒状部材224aを上下方向Zの下方の包装用溝部210内へ降下させ、棒状部材224aを包装用溝部210内に進入させつつ包装シートSの上流側S2を包装用溝部210内に進入させて、包装シートSを包装用溝部210の内周面に沿って凹ませる(図19参照)。
そして、凹条形成用アクチュエータ224bにて棒状部材224aを上下方向Zの上方へ上昇させ、第2シート保持用アクチュエータ223b,223bにおける第1移動駆動部223d,223dにて棒状部材224aを幅方向Yの他方側Y2へ移動させる。
[2]糸束体載置工程
次に、一対の長手方向移動用アクチュエータ234a,234aにて一対の糸束体挟持部材231a,231aを、集束装置100における搬送装置179にて搬送位置Q6に(図17参照)搬送されてきた中空糸束体Bdの長手方向Wの両端部に向けて長手方向Wの内側に移動させて一対の糸束体挟持用アクチュエータ231b,231bにおける第1及び第2移動駆動部231e,231fにて上下方向Zの近接させる方向に移動させ、中空糸束体Bdの長手方向Wの両端部を保持し、中空糸束体Bdの長手方向Wの両端部を保持した糸束体保持機構231,231を一対の上下方向移動用アクチュエータ233a,233aにて上下方向Zの上方へ吊り上げて幅方向移動用アクチュエータ235a,235aにて幅方向Yの一方側Y1へ搬送し、さらに、一対の上下方向移動用アクチュエータ233a,233aにて上下方向Zの下方へ降下させて包装用溝部210内に包装シートSを介して中空糸束体Bdを載置する。このとき、回転装置250における第2回転機構252,252(図23参照)の一対の回転用挟持部材252a,252aを一対の回転用移動アクチュエータ252i,252iにて長手方向Wの内側へ移動させ、さらに一対の回転用挟持アクチュエータ252g,252gにおける第1及び第2移動駆動部252d,252fにて中空糸束体Bdの径方向Vの近接させる方向へ移動させ、一対の回転用挟持部材252a,252aにて中空糸束体Bdの長手方向Wの両端部を挟持する。
そして、一対の糸束体挟持部材231a,231aを、一対の糸束体挟持用アクチュエータ231b,231bにおける第1及び第2移動駆動部231e,231fにて上下方向Zの離間させる方向に移動させて挟持動作を解除した後、一対の長手方向移動用アクチュエータ234a,234aにて長手方向Wの外側に移動させ、次の中空糸束体Bdを搬送させるために搬送位置Q6へ戻す。
[3]被せ工程
次に、シート移動用アクチュエータ222hにおける第3移動駆動部222g,222gにて一方及び他方の第1シート保持部材222b,222bの双方を長手方向Wの他方側W2へ移動させ(図16及び図17参照)、下流側保持用アクチュエータ226bにおける移動駆動部226dにて複数の下流側保持部226a,…の包装シートSの下流側S1への押しつけを解除して、第2シート保持用アクチュエータ223b,223bにおける第2移動駆動部223eにて第2被せ部242を幅方向Yの一方側Y1における他方のシート載置台202上へ移動させる(図21(a)参照)。
次に、第1被せ部241における移動駆動部241bにて被せ板241aを幅方向Yの一方側Y1へ移動させて包装シートSにおける短い方の下流側S1を中空糸束体Bd上に被せた後(図21(b)参照)、被せローラ用アクチュエータ242bにおける第2移動駆動部242d(ここでは第2移動駆動部223eと共通の駆動部)に複数の被せローラ242a,…を幅方向Yの他方側Y2へ移動させて包装シートSにおける長い方の上流側S2を短い方の下流側S1上に被せる(図21(c)参照)。そして、包装シートSにおける長い方の上流側S2の全体が中空糸束体Bdの周囲に覆われる程度に、第2回転機構252,252における一対の第2回転駆動部252b,252bにて中空糸束体Bdの長手方向Wの両端部を挟持した一対の回転用挟持部材252a,252aを回転方向A2に回転させると共に、第1回転機構251における第1回転駆動部251cにて二つ回転ローラ251a,251bを逆回転方向A3に回転させる(図22及び図23参照)。このとき、第1被せ部241における移動駆動部241bにて被せ板241aを幅方向Yの他方側Y2における一方のシート載置台201上へ移動させる。
[4]回転工程
次に、一対の回転用挟持部材252a,252aの回転を一旦停止させた後、凹条形成用アクチュエータ224bにて第2絞り装置272における第2絞り部材272aを包装シートSが覆われた中空糸束体Bdの上方に位置させて、第2絞り用アクチュエータ272bにて第2絞り部材272aを上下方向Zの下方に降下させ、第1回転機構251における第1回転駆動部251cにて二つの回転ローラ251a,251bを次第に速くなるように逆回転方向A3に回転させる。こうすることで、包装シートSを間にして二つの回転ローラ251a,251b上に配置された中空糸束体Bdを回転方向A2に回転させ、それと同期して、中空糸束体Bdの長手方向Wの両端部を挟持した一対の回転用挟持部材252a,252aを第2回転機構252,252における一対の第2回転駆動部252b,252bにて次第に速くなるように回転方向A2に回転させる。このとき、もう一つの包装用溝部210にて包装シートSを中空糸束体Bdに巻き付けるために、第1シート配置装置222にて他方のシート載置台202,202上に包装シートSを載置する。
そして、二つの回転ローラ251a,251b及び一対の回転用挟持部材252a,252aにて中空糸束体Bdを包装シートSと共に回転方向A2に回転させつつ、第1絞り部材271a,271aを第1絞り用アクチュエータ271b,271bにて径方向Vの内側に向けて移動させることで、第1絞り部材271a,271aによって包装シートSが周囲に巻かれた中空糸束体Bdを幅方向Yにおける両側の2箇所で次第に絞っていき(図24参照)、さらに、第2絞り用アクチュエータ272bにおける移動駆動部272c(ここでは凹条形成用アクチュエータ224bにおける移動駆動部224cと共通の駆動部)にて第2絞り部材272a(ここでは棒状部材224aと共通の部材)を径方向Vに振動させながら径方向Vの内側に向けて移動させることで、第2絞り部材272aによって包装シートSが周囲に巻かれた中空糸束体Bdを上下方向Zにおける上側から間欠的にかつ次第に絞っていく(図25参照)。このとき、中空糸束体Bdを引っ張り装置280における一対の移動駆動部281,281(ここでは一対の回転用移動アクチュエータ252i,252iにおける一対の第3移動駆動部252h,252hと共通の駆動部)にて一対の回転用挟持部材252a,252aを介して長手方向Wの両端部で両外側へ引っ張りつつ中空糸束体Bdを包装シートSと共に回転させる。
次に、二つの回転ローラ251a,251b及び一対の回転用挟持部材252a,252aの回転を停止させた後、一対の回転用挟持アクチュエータ252g,252gにおける第1及び第2移動駆動部252d,252fにて一対の回転用挟持部材252a,252aを径方向Vの離間させる方向へ移動させて一対の回転用挟持部材252a,252aの包装シート付き中空糸束体Beへの挟持動作を解除し、一対の回転用移動アクチュエータ252i,252iにおける一対の第3移動駆動部252h,252hにて長手方向Wの外側に移動させ、さらに、第1回転機構251における第1回転駆動部251cにて二つ回転ローラ251a,251bを逆回転方向A3に回転させて包装シート付き中空糸束体Beを回転方向A2にさらに回転させる。
次に、二つの回転ローラ251a,251bの回転を停止させ後、第2絞り部材272a(棒状部材224a)を第2絞り用アクチュエータ272bにて上下方向Zの上方へ移動させて被せローラ用アクチュエータ242bにおける第2移動駆動部242dにて幅方向Yの他方側Y2への溶着装置290の邪魔にならない位置へ退避させる。
[5]溶着工程
次に、第1回転機構251における第1回転駆動部251cにて二つの回転ローラ251a,251bを逆回転方向A3に回転させて包装シート付き中空糸束体Beを回転方向A2に予め定めた所定回転角度(〔360°〕/〔溶着箇所数〕、例えば溶着箇所が4箇所の場合、90°)だけ回転させる毎に、溶着部291を溶着用アクチュエータ293にて上下方向Zの下方の包装シート付き中空糸束体Be上に降下させて包装シートSの周囲の1箇所を熱溶着した後、加熱した溶着部291を溶着用アクチュエータ293にて上下方向Zの上方へ上昇させて押圧することで、中空糸束体Bdにおける包装シートSの外周面の周方向における複数箇所(例えば4箇所)を加圧しつつ加熱して順次溶着させる(図26参照)。
[6]搬送工程
次に、第1絞り用アクチュエータ271b,271bにて第1絞り部材271aを径方向Vの両外側に向けて退避させ、中間台用アクチュエータ204aにて中間台203を下部位置に位置させた後、中間台203上における二つの回転ローラ251a,251b上に載置されて包装シートSが溶着された包装シート溶着済み中空糸束体Bfを押し出し装置262における移動駆動部262aにてベルトコンベア装置261へ向けて押し出す(図27参照)。
以降、前記した[1]から[6]の一連の工程を動作終了の指示があるまで順次繰り返していく。
そして、包装シートSが溶着された包装シート溶着済み中空糸束体Bfは、搬送装置260のベルトコンベア装置261にて切断装置300へ搬送される。
[切断装置]
図28は、本実施の形態に係る中空糸束Bgの製造装置10における切断装置300を上下方向Zの上から視た概略平面図である。
図28に示すように、切断装置300は、包装シート溶着済み中空糸束体Bfをさらに短い予め定めた所定長さの中空糸束Bgに切断する構成とされている。
詳しくは、切断装置300は、包装シート溶着済み中空糸束体Bfを長手方向Wの他方側W2に搬送する搬送部310と、搬送部310にて長手方向Wに搬送される包装シート溶着済み中空糸束体Bfを予め定めた所定長さの中空糸束Bgに順次切断していく切断部320とを備え、制御部400にて搬送部310及び切断部320が作動制御されるようになっている。なお、切断装置300が切断装置300全体の制御を司る制御部を備えていてもよい。
本実施の形態に係る切断装置300において、制御部400は、搬送部310にて包装シート溶着済み中空糸束体Bfを長手方向Wに予め定めた所定長さずつ間欠的に進行させつつ切断部320にて切断してく構成とされている。
搬送部310は、包装シート溶着済み中空糸束体Bfを挟持する挟持機構311と、挟持機構311を長手方向Wに往復移動させる第1移動機構312とを備えている。
具体的には、制御部400は、初期位置において挟持機構311にて包装シート溶着済み中空糸束体Bfを挟持し、包装シート溶着済み中空糸束体Bfを挟持した挟持機構311を第1移動機構312にて長手方向Wの他方側W2に所定長さだけ進行させ、挟持機構311にて包装シート溶着済み中空糸束体Bfへの挟持動作を解除し、解除した挟持機構311を第1移動機構312にて長手方向Wの一方側W1の初期位置に戻し、これらの動作を繰り返す構成とされている。
挟持機構311は、包装シート溶着済み中空糸束体Bfを径方向V(ここでは幅方向Y)の互いに対向する側から挟持する一対の切断用挟持部材311a,311aと、一対の切断用挟持部材311a,311aをそれぞれ径方向Vに往復移動させる第1移動駆動部311c,311cを含む切断用挟持アクチュエータ311bとを備えている。第1移動機構312は、挟持機構311を長手方向Wに往復移動させる第2移動駆動部312bを含む挟持用アクチュエータ312aを備えている。
一対の切断用挟持部材311a,311aは、切断用挟持アクチュエータ311bが挟持方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が幅方向Yに相対的に近づく方向へ移動する一方、切断用挟持アクチュエータ311bが挟持解除方向へ作動することによって、一方の挟持部材に対して他方の挟持部材が幅方向Yに相対的に離間する方向に移動する構成とされている。
切断部320は、回転刃321と、回転刃321を回転駆動する回転駆動部322と、回転駆動部322を長手方向Wに直交する方向(ここでは幅方向Y)に往復移動させる第2移動機構323とを備えている。
具体的には、制御部400は、包装シート溶着済み中空糸束体Bfを挟持した挟持機構311を第1移動機構312にて長手方向Wの他方側W2に所定長さだけ進行させる毎に、回転駆動部322にて回転刃321を回転させながら、第2移動機構323にて回転刃321を幅方向Yの一方側に移動させた後、退避させて包装シート溶着済み中空糸束体Bfを所定長さの中空糸束Bgに順次切断していく構成とされている。
回転刃321は、刃先321aが尖鋭状に形成されている。回転駆動部322は、回転刃321を回転軸回りに回転させる。第2移動機構323は、回転駆動部322を幅方向Yに往復移動させる移動駆動部323bを含む収容用アクチュエータ323aを備えている。
そして、切断装置300にて切断された中空糸束Bgは、図示を省略した搬送装置(例えばベルトコンベア装置)にて次の工程(具体的には検査工程)へ搬送される。
なお、切断部320にて包装シート溶着済み中空糸束体Bfを中空糸束Bgに切断するに先立ち、包装シート溶着済み中空糸束体Bfの包装シートSから食み出している長手方向Wにおける両側の食み出し糸のうち、一方の食み出し糸の長手方向Wにおける一部を切断し、包装シート溶着済み中空糸束体Bfの食み出し糸を切断した側から中空糸束Bgを切り出してもよい。
(本実施の形態に係る集束装置100及び製造装置10について)
以上説明したように、本実施の形態によると、第1挟持位置P1で挟持されて第1方向X1に移動する中空集合糸束Bbを、第1挟持位置P1が第1及び第2挟持動作位置R1,R2に対して離間した後に第2挟持位置で保持し、第2挟持位置P2よりも上流側の第3挟持位置P3で保持するので、第1挟持位置P1で中空集合糸束Bbを保持するときは、第1挟持位置P1と第1及び第2挟持動作位置R1,R2との間隔を小さくし、第2挟持位置P2で中空集合糸束Bbを保持するときは、第1挟持位置P1と第1及び第2挟持動作位置R1,R2との間隔を大きくすることができ、これにより、中空集合糸束Bbを切断するために必要な長手方向Wにおけるスペースを小さくすることができる。また、第2挟持位置P1と第3挟持位置P3との間を切断することで、中空集合糸束Bbを中空糸束切断体Bcに確実に切断することができる。そして、第3挟持位置P3を第1挟持位置P1として、これらの一連の動作を繰り返すことで、中空糸束体Bdを連続して集束させることができる。従って、中空集合糸束Bbを切断するために必要な長手方向Wにおける省スペース化を実現しつつ中空集合糸束Bbを中空糸束切断体Bcに確実に切断することができる。しかも、それぞれの工程毎に個別に各装置を設けることで、各工程で不都合が発生した場合でも、個別に対処することが可能となる。
また、本実施の形態に係る製造装置10では、集束装置100及び包装装置200によって得られた包装シート溶着済み中空糸束体Bfから切断装置300によって中空糸型血液処理装置用の中空糸束Bgを容易に製造することが可能となる。
また、本実施の形態では、第1から第4挟持機構121,122,123,124の4つの挟持機構を用いるといった簡単な構成で、中空糸束体Bdを連続して集束させることができる。さらに、第1から第4挟持機構121,122,123,124をそれぞれ独立して往復移動させることができるので、中空集合糸束Bbの張り具合(テンション)を容易に調整(コントロール)することができる。
また、本実施の形態では、第1変位機構165及び第2変位機構166を備えていることで、中空糸束切断体Bcを挟持する第1及び第2挟持機構121,122と、中空糸束切断体Bcを挟持する第3及び第4挟持機構123,124とを互いに干渉させることなく中空糸束切断体Bcを交互に搬送させることができる。
また、本実施の形態では、収容容器170、第1収容機構175及び第2収容機構176を備えていることで、切断した中空糸束切断体Bcを収容容器170において順次集めて中空糸束体Bdに束ねることができる。
また、本実施の形態では、第1挟持機構121を第1方向X1へ移動させるにあたり、第2挟持機構122に対して第1挟持機構121を近接させ、第3挟持機構123を第1方向X1へ移動させるにあたり、第4挟持機構124に対して第3挟持機構123を近接させるので、集合糸束を切断するために必要な長手方向Wにおけるスペースを可及的に小さくすることができる。
また、本実施の形態では、第1から第4挟持機構121〜124の第2方向X2への移動速度を第1方向X1への移動速度よりも速くするので、単位時間あたりの処理能力を向上させることができる。
また、本実施の形態では、第1から第4挟持機構121〜124において、一方の挟持部材150aが金属部材からなり、他方の挟持部材150bがゴム部材Gを有し、ゴム部材Gの表面に樹脂フィルムFが被覆されていることで、中空集合糸束Bbを弛ませることなく確実にかつ安定的に挟持することが可能となる。
また、本実施の形態では、金属部材からなる一方の挟持部材150aは、ゴム部材Gに対向する側を凸とする山形形状とされており、ゴム部材Gは、一方の挟持部材150aに対向する側が平面形状とされていることで、中空集合糸束Bbを弛ませることなくさらに確実にかつ安定的に挟持することが可能となる。
また、本実施の形態では、除電装置190によって、中空集合糸束Bbにおける静電気を除電することで、中空集合糸束Bbが乱れて糸の直線性の低下を効果的に防止することが可能となる。