以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るプロジェクター1の機能ブロック図である。図1を参照して、プロジェクター1の構成と動作を説明する。
プロジェクター1は、操作パネル11、操作信号処理部12、制御部13、コネクト部50、外部機器コネクト部14、入力選択部15、映像音声信号処理部16、液晶ライトバルブ駆動部17、光学ユニット18、音声出力部19等を備えている。なお、光学ユニット18は、光源181、液晶ライトバルブ182、投写レンズ部183等を有して構成される。
コネクト部50は、後述するスライド移動を行う移動部40(図2参照)に設置され、携帯型のメディアプレーヤー100が接続される。また、外部機器コネクト部14は、各種のコネクター(図示省略)を有しており、PC(パーソナルコンピューター)、ビデオテープレコーダー、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤー等の外部接続機器(図示省略)を接続することができる。
操作パネル11は、プロジェクター1の外装を構成する筺体20(図2参照)の外面に設けられ、ユーザーの操作入力を受け付けるためのものである。ユーザーが操作パネル11に配置されたキースイッチを押下すると、それに対応した操作信号が操作信号処理部12に出力される。操作信号処理部12は、操作パネル11が出力した操作信号を受け取り、デジタル信号に変換する等の処理を施して、制御部13に出力する。
制御部13は、入力選択部15、映像音声信号処理部16、光学ユニット18(光源181)等の動作、及びメディアプレーヤー100の一部の動作を制御する。制御部13は、マイコンやCPU(Central Processing Unit)の演算装置と、その動作を規定する制御プログラムで構成される。
入力選択部15は、制御部13からの信号により、プロジェクター1に接続する(映像音声信号処理部16に映像信号や音声信号を入力させる)外部機器(メディアプレーヤー100並びにいずれかの外部接続機器)を切換える。
ここで、制御部13からの信号により、入力選択部15がメディアプレーヤー100を選択した場合を例にして、以降の構成部の説明を行う。
入力選択部15により選択されたメディアプレーヤー100は、メディアプレーヤー100内部に格納されている映像情報と音声情報を、映像信号と音声信号としてコネクト部50を介して出力する。出力された映像信号と音声信号は、映像音声信号処理部16に入力する。
映像音声信号処理部16は、メディアプレーヤー100が出力する映像信号を受け取り、制御部13の指示に基づき、入力した映像信号を出力映像信号として生成し、液晶ライトバルブ駆動部17に出力する。また、映像音声信号処理部16は、メディアプレーヤー100が出力する音声信号を受け取り、制御部13の指示に基づき、入力した音声信号を出力音声信号として生成し、音声出力部19に出力する。
光源181は、スクリーン(図示省略)等に映像を投写するための光の供給部であり、液晶ライトバルブ182に向けて光を射出する。光源181は、本実施形態では、放電式ランプを用いている。なお、光源181は、放電式ランプの他、レーザーダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子等を用いて構成することができる。
液晶ライトバルブ駆動部17は、映像音声信号処理部16が出力する出力映像信号に基づき、液晶ライトバルブ182を駆動する。液晶ライトバルブ182は、複数の画素(図示省略)がマトリクス状に形成されており、液晶ライトバルブ駆動部17により各画素の透過率が調整されることで、光源181から射出された光を変調し、投写レンズ部183に向けて射出する。なお、光変調装置としての液晶ライトバルブ182は、本実施形態では、透過型の液晶パネルを採用している。しかし、これに限られず、反射型の液晶パネルを採用してもよい。
液晶ライトバルブ182から射出された光は、投写レンズ部183によってスクリーン上に拡大投写される。投写レンズ部183には、投写光の焦点を変更可能なフォーカス機構(図示省略)と、投写光の拡大率を変更可能なズーム機構(図示省略)とが備えられている。
音声出力部19は、スピーカー等で構成され、映像音声信号処理部16が出力する出力音声信号に基づき、音声出力を行う。
図2は、プロジェクター1の接続部30にメディアプレーヤー100を設置した状態を示す概斜視図である。図3は、プロジェクター1の概側断面図であり、図3(a)は、移動部40がプロジェクター1内部に送入された状態を示す概側断面図であり、図3(b)は、移動部40がプロジェクター1内部から送り出された状態を示すと共に、メディアプレーヤー100をコネクト部50(コネクター511)に接続(装着)した状態を示す概側断面図であり、図3(c)は、メディアプレーヤー100を使用する状態を示す概側断面図である。図2、図3を参照して、プロジェクター1の外観的な構成と、接続部30の概略の動作を説明する。
本実施形態のプロジェクター1は、図2に示すように、携帯型のメディアプレーヤー100と接続し、メディアプレーヤー100に格納される映像情報や音声情報を入力し、映像を投写レンズ23から投写させ、音声をスピーカー22から出力させることができる。
図2に示すように、プロジェクター1は、外装が略6面体の箱型形状に形成される筺体20で構成されている。なお、筺体20の6面を、前面20a、背面20b、右面20c、左面20d、上面20e、底面20fとする。
なお、本実施形態を説明する図面(図2及び以降で説明する図)は、説明の便宜上、XYZ直交座標系を用いて示す。詳細には、プロジェクター1において、背面20b側から前面20a側の方向をY軸方向(+Y方向)とする。また、Y軸方向に直交してプロジェクター1の左面20d側から右面20c側の方向をX軸方向(+X方向)、Y軸方向およびX軸方向に直交する底面20f側から上面20e側の方向をZ軸方向(+Z方向)とする。なお、+Y方向を前方向(−Y方向を後方向)、+X方向を右方向(−X方向を左方向)、+Z方向を上方向(−Z方向を下方向)として、適宜使用する。
接続部30は、詳細は後述するが、メディアプレーヤー100を接続して載置するコネクト部50と、コネクト部50を回動自在に保持する移動部40と、移動部40を移動(スライド)させる駆動機構部としてのスライド機構部60等を有して構成されている。
図3(a)に示すように、接続部30を使用しない状態では、接続部30(移動部40、コネクト部50)は、プロジェクター1の筺体20内部に収容(送入)された状態となっている。但し、移動部40の先端部(移動部40の+Y方向の端部)が前面20a(垂直面201b)から突出している。以降、この状態を「収容状態」と称して適宜使用する。また、図2に示すように、接続部30は、前面20aの左右方向の略中央にメディアプレーヤー100が位置するように設置されている。
図3(b)に示すように、移動部40は、後述する駆動機構部(スライド機構部60)により、プロジェクター1内部から送出方向(+Y方向)に送り出される。以降、この状態を「送出状態」と称して適宜使用する。この送出状態で、メディアプレーヤー100を、移動部40に回動自在に保持されるコネクト部50(コネクター511)に接続(装着)する。
なお、本実施形態では、コネクター511は、移動部40の送出方向(+Y方向)に対して垂直方向(+Z方向)からプロジェクター1本体側(筺体20側)に所定の角度として約15度傾斜した状態で設置されている。このコネクター511の角度(+Z方向(上方向)に対して約15度筺体20側に傾斜した角度)を「初期角度」と称して、適宜使用する。なお、送出状態において、メディアプレーヤー100は、このような初期角度を有するコネクター511に対して上方から装着する。
コネクト部50にメディアプレーヤー100を装着した場合、メディアプレーヤー100の自重により、コネクト部50が筺体20側に回転し、図3(c)に示すように、メディアプレーヤー100の背面102が筺体20の前面20aに設置される受部25に当接して回転が止まる。この状態が、メディアプレーヤー100を使用する状態となる。以降、この状態を「使用状態」と称して適宜使用する。なお、筺体20の前面20aは、図3(a)に示すように、+Z方向(上方向)に対して角度θ1を有する傾斜面201aで構成され、その傾斜面201aに受部25が設置されている。
図3(c)に示すように、本実施形態では、メディアプレーヤー100が受部25に当接した場合、メディアプレーヤー100は、傾斜面201aに略平行(角度θ1)となるように設置される。また、受部25の面に対しても略平行となるように設置される。この角度θ1は、メディアプレーヤー100の厚さや平面サイズ、及びメディアプレーヤー100を使用する際に、メディアプレーヤー100の表示部101の見易さやキー103操作のし易さ等を考慮して設定されている。
なお、接続部30を収容状態から送出状態とさせるには、後述するが、移動部40の先端部を筺体20側(−Y方向)に若干押すことにより、後述するラッチ部64(図4参照)のロックが解除されて、スライド機構部60が動作し、移動部40がスライドを開始して送出状態となる。また、接続部30を送出状態から収容状態とさせるには、移動部40の先端部を筺体20側(−Y方向)に押し続け、移動部40を筺体20内部に押し込むことで、ラッチ部64により移動部40がロックされて収容状態となる。
プロジェクター1の筺体20は、図2に示すように、前面20aにおいて、傾斜面201aと垂直面201bとの境を通るXY平面で分割されて、上方向(+Z方向)の筺体20を構成する上ケース21aと、下方向(−Z方向)の筺体20を構成する下ケース21bと、背面20b側の筺体20を構成する背面ケース21cとを有して構成されている。接続部30は、前面20aの下部となる垂直面201bの左右方向略中央で、底面20fに沿った形態で筺体20(下ケース21b)内部に設置される。
プロジェクター1は、図2に示すように、メディアプレーヤー100が載置された左右方向の前面20a(傾斜面201a)において、筺体20(上ケース21a)内部に音声出力部19を構成するスピーカー22が設置され、メディアプレーヤー100からの音声が出力される。また、プロジェクター1は、背面20bにおいて、筺体20(背面ケース21c)内部に投写レンズ部183を構成する投写レンズ23が設置され、メディアプレーヤー100からの映像が−Y方向に投写される。
図4は、接続部30の収容状態を示す図であり、図4(a)は、接続部30の概側面図であり、図4(b)は、接続部30の概平面図である。図5は、接続部30の収容状態を示す概斜視図であり、図5(a)は、移動部40の移動用下ケース42と、コネクト部50の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に移動部40の移動用上ケース41を組付けた斜視図であり、図5(c)は、図5(b)に接続部30を覆う接続用カバー70を組付けた斜視図である。図4、図5を参照して、接続部30の構成に関して説明する。
接続部30は、メディアプレーヤー100を挿脱自在に接続して載置するコネクト部50と、コネクト部50を回動自在に保持する移動部40と、移動部40を筺体20に対して送出及び送入自在に駆動(スライド駆動)する駆動機構部としてのスライド機構部60等を有して構成されている。
移動部40は、移動用上ケース41と移動用下ケース42とを有して構成されている。移動用下ケース42は、略矩形の箱状に形成されている。また、移動用下ケース42の−Y方向には、切欠き部421が形成されている。移動用下ケース42の+Y方向には、コネクト部50の後述する軸部531を回動自在に保持する保持部422が一対形成されている。また、移動用下ケース42の前側端部の中央には、後述するコネクター511を起立させる角度を規制する規制部としての回動規制部43が所定の高さで突出して形成されている。
移動用下ケース42の左右方向(X軸方向)の側面にはスライド用ラック61が形成されている。また、スライド用ラック61は、筺体20の下ケース21bに設置されるスライド用ピニオン62(62a,62b)とそれぞれ噛み合っている。本実施形態のスライド用ピニオン62は、いわゆるオイルダンパーで構成されている。なお、スライド用ラック61及びスライド用ピニオン62は、後述するスライド機構部60を構成している。
移動用上ケース41は、図4(b)、図5(b)に示すように、移動用下ケース42と略相似形状で箱状に形成されている。また、移動用上ケース41の−Y方向には、移動用下ケース42の切欠き部421に相対して切欠き部411を有している。なお、切欠き部411には、後述するラッチ部64を構成する係合突起642が形成されている。係合突起642は、切欠き部411から−Y方向に突出するように形成されている。
移動用上ケース41は、ネジ孔部(図示省略)を有しており、移動用下ケース42の4つのネジ案内部423(図5(a)参照)と共に、ネジ(図示省略)により移動用下ケース42と一体に固定される。
移動用上ケース41の上面41aには、前方向から後方向に傾斜する傾斜面41bが形成されている。この傾斜面41bに開口部412が形成される。また、その開口部412の後方向の上面41aに開口部413が形成されている。一方の開口部412は、コネクト部50のコネクター511を含めた前側を露出させている。また、他方の開口部413は、コネクト部50の後述する回路基板51に実装されるケーブル用コネクター512等を露出させている。なお、ケーブル用コネクター512は、コネクター511からの信号をメイン基板(図示省略)側に伝達する接続ケーブル(図示省略)を、この開口部413を介して接続している。
移動用上ケース41の上面41aには、Y軸方向の中央から−Y方向端部にかけて、凹状に形成されるバネ収容溝414が開口部413の両側に一対形成されている。バネ収容溝414には、後述するスライド用バネ63がそれぞれ収容される。また、移動用上ケース41の上面41aには、後述する接続用カバー70の切欠き部704を塞ぐ遮蔽部415が立設されている。
コネクト部50は、ベースとなるコネクト用フレーム52と、コネクト用フレーム52に固定される回路基板51と、コネクト用フレーム52を覆うようにコネクト用フレーム52に固定されるコネクト用カバー53とを有して構成される。コネクト用フレーム52は、本実施形態では、金属製の板部材の曲げ加工等で形成されている。回路基板51は、いわゆるリジッド基板で形成され、メディアプレーヤー100との接続用のコネクター511、及び接続ケーブルを接続するケーブル用コネクター512等が実装される。なお、コネクター511は、回路基板51面の垂直方向に対して筺体20側に約15度傾いた状態で実装されている。
コネクト用カバー53の上面53aには、前方向から後方向に傾斜する傾斜面53bが形成されている。この傾斜面53bからコネクター511が延出する状態となる。なお、傾斜面53bに対してコネクター511は略垂直に延出している。また、コネクト部50が移動部40に回動自在に組み立てられた場合、後述する付勢バネ56により、移動用上ケース41の開口部412から、コネクト部50のコネクター511を含む前側が露出する。そして、コネクト部50の傾斜面53bは、移動用上ケース41の傾斜面41bから所定量突出し、傾斜面41bに略平行となる。
コネクト用カバー53は、図5(a)に示すように、前側で、左右方向(X軸方向)の側面に移動部40に対して回動する回動支持部としての軸部531が一対形成されている。コネクト用カバー53の前側端部には、固定部532が形成され、また、後側両端部には、係合片533が形成されている。
コネクト部50を組み立てる場合、図4(b)、図5(b)に示すように、回路基板51をコネクト用フレーム52にネジ501で固定した後、コネクト用カバー53をコネクト用フレーム52に固定する。詳細には、コネクト用カバー53は、図5(a)に示すように、コネクト用フレーム52に対して、係合片533を係合させ、固定部532のネジ案内孔(図示省略)からコネクト用フレーム52のネジ孔(図示省略)にネジ502を螺合させることにより、コネクト用フレーム52に固定する。これにより、コネクト部50が組み立てられる。
なお、組み立てられたコネクト部50を移動用下ケース42に保持させる場合、図5(a)に示すように、上述した一対の軸部531に付勢バネ56をそれぞれ取り付けた後、軸部531を移動用下ケース42の保持部422に保持させる。なお、2つの付勢バネ56は、ねじりコイルバネで形成されており、軸部531に付勢バネ56をそれぞれ取り付けた後、付勢バネ56の一端部を移動用下ケース42の溝部424に挿入し、他端部をコネクト部50のコネクト用フレーム52の底面側に引っ掛けて設置される。なお、付勢バネ56は、コネクター511を起立させる方向に付勢している。
これにより、コネクト部50の傾斜面53bは、図4(a)、図5(b)に示すように、移動用上ケース41の傾斜面41bに略平行となる。また、コネクター511は、初期角度(+Z軸方向(上方向)に対して約15度筺体20側に傾いた状態)となる。また、コネクト部50は、軸部531を支軸として移動部40に対して回動自在となる。
なお、本実施形態では、移動部40(移動用下ケース42)に回動規制部43が形成されている。回動規制部43は、図4(a)に示すように、コネクター511が、初期角度を縮める方向(筺体20側とは反対方向)への回転を規制している。詳細には、回動規制部43は、図4(a)、図5(a)に示すように、コネクト部50のコネクト用フレーム52の前側端部と当接することにより、コネクト部50の回転を規制する。
また、本実施形態では、コネクト部50(コネクター511)の筺体20側への最大の回動角度は、図6(a)に示すように、+Z軸方向(上方向)に対して約30度に規制している。従って、コネクター511は、本実施形態では、15度から30度の範囲で回動可能としている。なお、付勢バネ56は、常にコネクト部50を筺体20側とは反対方向に回転させるように付勢している。また、コネクター511の初期角度や最大回動角度は、接続部30やメディアプレーヤー100のサイズ等の要件を含め総合的に最適となるように設定されている。
スライド機構部60は、移動部40(移動用下ケース42)の左右側面に形成されるスライド用ラック61(右側面(+X方向)側をスライド用ラック61a、左側面(−X方向)側をスライド用ラック61b)を有している。また、スライド機構部60は、スライド用ラック61にそれぞれ噛み合うスライド用ピニオン62(右側(+X方向)をスライド用ピニオン62a、左側(−X方向)をスライド用ピニオン62b)を有している。なお、スライド用ピニオン62は、上述したように、いわゆるオイルダンパーで構成されている。また、スライド用ピニオン62は、スライド用ラック61にかみ合わせた状態で、筺体20の下ケース21bの所定の位置でネジ固定される。上述した、2つのスライド用ラック61(61a,61b)は、同様の仕様で構成されている。また、2つのスライド用ピニオン62(62a,62b)も、同様の仕様で構成されている。
スライド機構部60は、移動部40に対して送出方向(+Y方向)に付勢力を付与するスライド用バネ63(右側(+X方向)をスライド用バネ63a、左側(−X方向)をスライド用バネ63b)を有している。なお、スライド用バネ63は、それぞれ、図4(b)に示すように、移動部40の移動用上ケース41のバネ収容溝414に収容される。なお、2つのスライド用バネ63(63a,63b)は、圧縮コイルバネで形成され、同様の仕様となっている。
接続部30は、移動部40やコネクト部50を覆う接続用カバー70を備えている。接続用カバー70は、図5(c)に示すように、接続部30の左右方向(X軸方向)及び上下方向(Z軸方向)を規制して、スライド機構部60による移動部40の前後方向(Y軸方向)への移動(スライド)を自在としている。
接続用カバー70は、矩形の箱状に形成され、上面70aには、コネクター511やケーブル用コネクター512を逃げる開口部701が形成されている。また、接続用カバー70は、移動用上ケース41に形成される一対のバネ収容溝414を上方から覆っており、その覆っている一部には、スライド用バネ63をバネ収容溝414に挿入するための挿入孔702が一対形成されている。また、この一対の挿入孔702の後方向(−Y方向)には、スライド用バネ63の−Y方向側端部が−Y方向へ移動しないように固定する固定突起703が、上面70aの内面側からバネ収容溝414の内部に入り込む状態で突出して形成されている。
接続用カバー70の上面70aには、接続用カバー70の上方(+Z方向)に位置するメイン基板(図示省略)を固定する基板固定用ネジ部708が形成されている。この基板固定用ネジ部708にメイン基板を載置し、メイン基板の上面からネジを挿通して基板固定用ネジ部708にネジ固定する。
接続用カバー70の上面70aには、開口部701の−Y方向の内面側に、移動部40(移動用上ケース41)に形成する係合突起642に相対して、ラッチ部64を構成するラッチ本体641が設置されている。
接続用カバー70の前面70bには、コネクター511が移動する際に通過する切欠き部704が形成されている。なお、前面70bは、筺体20の前面20aにおける垂直面201bも構成している。
接続用カバー70の右面70c、左面70dには、下ケース21bの底面20fから突出して形成される固定用ネジ部(図示省略)に接続用カバー70を固定するためのネジ案内部705が、片面に2つずつ計4つ形成されている。また、接続用カバー70の右面70c、左面70dには、下ケース21bに固定したスライド用ピニオン62を上方から押えるピニオン押え706がそれぞれ1つ形成されている。
接続用カバー70は、移動部40の上方から固定用ネジ部に載置して、ネジ(図示省略)をネジ案内部705から挿入し、固定用ネジ部にネジ固定することにより、移動部40を覆う状態で、接続用カバー70を下ケース21bの底面20fに固定する。この固定により、スライド用ピニオン62もピニオン押え706により上方から押えられる。以上により、移動部40が下ケース21bの底面20fと接続用カバー70とに挟持された状態で保持される。
なお、スライド用バネ63は、接続用カバー70を下ケース21bに固定した後、挿入孔702からバネ収容溝414に挿入(詳細には、バネ収容溝414の+Y方向に向けて挿入)し、スライド用バネ63をバネ収容溝414内に収容させる。
以上により、接続部30の組み立てが完了する。
図6は、接続部30の送出状態を示す図であり、図6(a)は、コネクト部50が最大に傾いた状態での概側面図であり、図6(b)は、コネクト部50の通常の傾きでの概側面図であり、図6(c)は、接続部30の概平面図である。図7は、接続部30の送出状態を示す概斜視図であり、図7(a)は、移動部40の移動用下ケース42と、コネクト部50の斜視図であり、図7(b)は、図7(a)に移動部40の移動用上ケース41を組付けた斜視図であり、図7(c)は、図7(b)に接続部30を覆う接続用カバー70を組付けた斜視図である。図4〜図7を参照して、接続部30の動作に関して説明する。
図4(b)に示すように、ラッチ部64は、上述したように、ラッチ本体641と係合突起642とを有して構成されており、係合突起642がラッチ本体641内部に挿入されることにより、ロックする。接続部30は、ラッチ部64がロックすることで、収容状態を維持する。
収容状態において、接続部30は、筺体20内部に挿入された状態となっており、移動部40の先端部のみが筺体20から突出した状態となっている。また、スライド機構部60のスライド用ラック61は、その+Y方向の端部がスライド用ピニオン62と噛み合っている。また、2つのスライド用バネ63は、それぞれのバネ収容溝414内で、接続用カバー70の固定突起703により、圧縮された状態となっている。
接続部30を、図4に示す収容状態から図6に示す送出状態とするには、収容状態の接続部30に対して、移動部40の先端部を筺体20側に押圧(プッシュ)することにより、ラッチ部64のロックが解除される(ラッチ本体641と係合突起642の係合が外れる)。ロックが解除された場合、圧縮された2つのスライド用バネ63の付勢力により、2つのスライド用ラック61が、それぞれのスライド用ピニオン62と噛み合いながら、前方向(+Y方向)への移動(スライド)が開始する。
この動作により、移動部40が前方向へのスライドを開始する。なお、スライド用ピニオン62は、上述したようにオイルダンパーで構成されており、オイルダンパーのトルクにより、送出速度が所望の速度となるように制御されて送出される。
なお、接続部30には、図示省略する移動規制部が設置されており、移動部40の移動量(送出量)を規制している。そのため、接続部30が、所定の移動量だけ送出した場合、移動規制部により移動部40の移動が規制されてその位置で停止する。この状態が、図6に示す送出状態となる。
送出状態となった場合、次に、メディアプレーヤー100をコネクター511に接続(挿入)する。コネクター511にメディアプレーヤー100を接続した場合、メディアプレーヤー100の底面がコネクト部50(コネクト用カバー53)の傾斜面53bに当接して載置される状態となる。また、コネクター511にメディアプレーヤー100を接続した場合、図6(b)に示すように、コネクター511は、+Z方向(上方向)に対して約15度筺体20側に傾斜した状態となっているため、メディアプレーヤー100の自重により、筺体20側にコネクト部50と一緒に回転する。
なお、コネクト部50は、付勢バネ56により、常にコネクト部50を筺体20側とは反対方向に回転させる付勢力により付勢されている。しかし、本実施形態の付勢バネ56の付勢力は、メディアプレーヤー100の自重によるコネクト部50を筺体20側に回転させる付勢力に比較して小さくなるように設定されている。従って、メディアプレーヤー100及びコネクト部50は、付勢バネ56の付勢力に抗して筺体20側に回転する。
メディアプレーヤー100は、筺体20側に回転し、図3(c)に示したように、筺体20(前面20a)に設置される受部25にメディアプレーヤー100の背面102が当接して回転を停止する。本実施形態では、コネクト部50(コネクター511)の回動角度が15度から30度まで回動可能としており、筺体20(前面20a)の傾斜面201aの角度θ1は、この範囲内で設定されている。
また、本実施形態では、図6(a)に示すように、コネクト部50(コネクター511)を最大回動角度の約30度まで回転させた場合、コネクト部50のメディアプレーヤー100の底面が当接する傾斜面53bは、移動部40の傾斜面41bより上方向(+Z方向)に突出する。従って、コネクト部50にメディアプレーヤー100を載置して受部25に当接させた場合にも、メディアプレーヤー100の底面は、移動部40の傾斜面41bに当接しない。
プロジェクター1は、この送出状態で、メディアプレーヤー100を操作し、メディアプレーヤー100内部に格納される映像情報や音声情報をプロジェクター1内部に取り込み、プロジェクター1から映像の投写や音声出力を行う。
なお、送出状態となった場合、図7(c)に示すように、コネクター511が通過した接続用カバー70の切欠き部704を、遮蔽部415が塞ぐように位置することで、外観的な見栄えを向上させている。
次に、接続部30を送出状態から収容状態にさせる場合、最初に、コネクト部50に接続したメディアプレーヤー100をコネクター511から外す。これにより、コネクター511は、付勢バネ56により、再び初期角度の状態に戻る。
次に、送出状態の接続部30に対して、移動部40の先端部を筺体20側(−Y方向)に押圧(プッシュ)し続ける。この動作により、スライド用ラック61が、スライド用ピニオン62を送出時とは逆方向に回転させることにより、移動部40が筺体20側に移動(送入)を開始する。送入を継続させることで、係合突起642がラッチ本体641内部に挿入されることにより、ラッチ部64がロックする。これにより、接続部30は、収容状態となる。
以上の動作により、接続部30の一連の動作が完了する。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、メディアプレーヤー100を載置する接続部30を備えており、接続部30を使用する場合に、スライド機構部60により、移動部40を筺体20から送出し、使用しない場合には移動部40を筺体20内に送入させることができる。これにより、コネクト部50は使用する場合のみ外部に露出させることでよいため、塵埃がコネクト部50(コネクター511)に付着する等の外的要因による接続への影響を低減でき、メディアプレーヤー100との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。また、プロジェクター1のデザインの自由度も向上させることができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、コネクト部50は、コネクター511と回動支持部としての軸部531を備えることにより、メディアプレーヤー100との接続や、移動部40に対する回動を行わせる構造を簡易に実現できる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、コネクター511は、初期角度を有して設置されている。詳細には、コネクター511は、移動部40の送出方向(+Y方向)に対して垂直方向(+Z方向)からプロジェクター1本体側(筺体20側)に所定の角度として約15度傾斜した状態で設置されている。これにより、メディアプレーヤー100をコネクター511に接続し易くなる。また、接続したメディアプレーヤー100を筺体20側に回転させ易くなる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、メディアプレーヤー100をコネクター511に接続する場合、付勢部としての付勢バネ56によりコネクター511を起立させる方向に付勢することで、コネクター511が傾くことを防止できるため、メディアプレーヤー100をコネクター511に接続し易くなる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、規制部としての回動規制部43を備えていることによりコネクター511を適切な起立角度(本実施形態では初期角度としての約15度)に規制して保持させることができるため、メディアプレーヤー100をコネクター511に接続し易くなる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、接続部30が送出状態で、メディアプレーヤー100を設置されたコネクト部50が、メディアプレーヤー100の自重により、コネクター511を起立させる方向に付勢する付勢バネ56の付勢力に抗して、筺体20側に回転することにより、メディアプレーヤー100を筺体20(受部25)に当接させることができる。これにより、コネクト部50(コネクター511)への応力集中を低減し、接続したメディアプレーヤー100の安定した固定を実現できる。また、メディアプレーヤー100を安定して固定できるため、メディアプレーヤー100でのキー103の操作が確実に行え、プロジェクター1内部との安定した情報の伝達が可能となる。これにより、プロジェクター1での安定した投写及び音声出力等を行うことができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、スライド機構部60により移動部40をスライドさせることで、安定した送出動作を行うことができる。また、スライド機構部60は、スライド用ラック61とスライド用ピニオン62とスライド用バネ63とを備えて構成されるため、スライド機構部60を簡易な構成で実現できる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、受部25を備えることにより、コネクト部50に載置したメディアプレーヤー100を受部25に当接させることで、メディアプレーヤー100に対して、機構的に安定した載置(固定)を行うことができ、電気的に安定した接続が行える。従って、メディアプレーヤー100とコネクト部50(プロジェクター1)との電気的及び機構的な接続の信頼性を向上させることができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、スライド機構部60は、一対のスライド用ラック61(61a,61b)と、それに噛み合う一対のスライド用ピニオン62(62a,62b)とを備え、また、一対のスライド用バネ63(63a,63b)を備えている。これにより、移動部40の送出と送入のスライド移動を安定させることができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、スライド用ピニオン62(62a,62b)はオイルダンパーで構成されているため、送出速度を所望の速度に調整することができる。
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
前記実施形態のプロジェクター1において、接続部30と接続したメディアプレーヤー100内部に格納される情報に対して、メディアプレーヤー100のキー103の操作で、プロジェクター1内部と情報の伝達が可能としている。しかし、これに限られず、プロジェクター1本体に設置される操作パネル11での操作や、リモコン(リモートコントローラー)等による操作でも、情報の伝達が可能であってもよい。
前記実施形態のプロジェクター1において、コネクター511は、所定の初期角度で、設置されている。詳細には、コネクター511は、移動部40の送出方向(+Y方向)に対して垂直方向(+Z方向)から筺体20側に所定の角度として約15度傾斜した状態で設置されている。しかし、これに限られず、垂直方向(+Z方向)から筺体20側に傾いて設置されていればよく、メディアプレーヤー100のコネクター511への接続のし易さ等を考慮して適宜設定することでよい。また、同様に、コネクター511の最大回動角度を約30度としているが、これに限られず、適宜設定することでよい。
前記実施形態のプロジェクター1において、コネクター511は、回路基板51面の垂直方向に対して筺体20側に約15度傾いた状態で実装されている。しかし、これに限られず、コネクター511を、回路基板51面に垂直となるように実装し、回路基板51を水平に対し、筺体20側に約15度傾けるように構成してもよい。
前記実施形態のプロジェクター1において、筺体20の傾斜面201aの角度θ1は、接続部30に載置するメディアプレーヤー100の厚さや平面サイズ等を考慮して決めることができる。また、角度θ1は考慮せず、受部25において、受部25の材質や厚さ等を考慮してメディアプレーヤー100を受けることで固定することでもよい。
前記実施形態のプロジェクター1において、接続部30を組み立てる場合、移動部40(スライド用ラック61)をスライド用ピニオン62と噛み合わせた後に、接続用カバー70を固定している。しかし、これに限られず、接続用カバー70を固定した後に、移動部40を前方から接続用カバー70内部に挿入することで、スライド用ラック61をスライド用ピニオン62に噛み合わせることで組み立ててもよい。組み立ての順番は、適宜変更することができる。
前記実施形態のプロジェクター1において、スライド機構部60の有する、スライド用ラック61、スライド用ピニオン62、及びスライド用バネ63の、数量や取り付け位置等は、適宜設定することができる。
前記実施形態のプロジェクター1において、コネクト部50(コネクター511)を保持して移動部40に対して回動する回動支持部として、軸部531を有している。また、軸部531は、移動部40の保持部422に回動自在に保持される。しかし、この軸部と保持部とを逆に設置して、移動部40に軸部を有し、コネクト部50に回動支持部として、軸部を保持する保持部を有していてもよい。
前記実施形態の光学ユニット18において、光変調装置として液晶ライトバルブ182を採用している。しかし、これに限られず、一般に、入射光束を映像情報に基づいて変調するものであればよく、例えば、マイクロミラー型の光変調装置等、他の方式の光変調装置を採用することができる。なお、マイクロミラー型の光変調装置としては、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を採用することができる。