以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の画像処理装置の一実施形態である画像形成装置、及び、本発明の画像読取装置の一実施形態であるスキャナの概略構成を示すブロック図である。図1について以下に説明する。
本実施形態の画像形成装置は、図1に示すように、操作部100、プロッタ部101、ソータ部102、バンク部103、ADF(Auto Document Feeder)104、システム制御部105、サブ制御部106、電源107、スキャナ13を有して構成されている。スキャナ13は、本発明の画像読取装置の一実施形態である。
操作部100は、ユーザにより各種操作が行われる部分であり、例えば、プリントスタートキー、複写枚数を決定するテンキー、画像形成装置が備える機能を設定する装置機能設定キー、設定された機能やデータ等を表示したり、ユーザに異常発生を通知したりする液晶パネル等の表示器110を備えている。
プロッタ部101は、システム制御部105から送出されるデジタル画像データに基づいて帯電バイアスや現像バイアス等のプリント条件を決定し、プリンタ固有の特性に合わせるためのガンマ変換等を行い、これに基づいた静電潜像を形成するためにレーザダイオードを駆動し、これにより帯電された感光体上に像形成を行う。さらに、これをトナーにより現像化し、用紙等の転写材に転写し、定着器により溶融定着して画像形成装置外に上記転写材を排出する。
ソータ部102は、画像形成されて排出されてくる転写材を、操作部100にてユーザにより設定されたモードに応じて、仕分けして排出する。このモードとしては、ステープル止め等も含まれている。
バンク部103は、転写材となる用紙をサイズ毎に蓄積しておく。
ADF104は、セットされた原稿を所定のタイミングでコンタクトガラス上の所定の位置に給送し、原稿の読み取り終了後、所定のタイミングで原稿を排紙する。
システム制御部105は、操作部100で設定された内容に基づいて、上記各部101〜104、106〜107、スキャナ13を含む画像形成装置全体の制御を行う。また、システム制御部105は、サブ制御部106からの画像データを回転・リピート・集約等の処理を行った後にサブ制御部106へ送出する。また、システム制御部105は、電源オン時や低電力状態からの復帰時には、初期化制御部121にて上記各部101〜104、106、スキャナ13の初期化を実行する。
サブ制御部106は、シーケンス制御部130にて、システム制御部105からの指示に従い、上記各部101〜104、107及びスキャナ13のシーケンス動作を制御する。また、サブ制御部106は、画像処理部132にて、スキャナ13から取得した画像データをライン間補正・黒レベル補正・シェーディング補正等の各種補正した後にシステム制御部105に送出し、システム制御部105から操作部100の設定内容を反映した画像データを取得した後にプロッタ部101に送出する。
電源107は、システム制御部105とサブ制御部106の電源、スキャナ13をはじめとする上記各部100〜104の主電源の供給を担う。
光源としてのLED(Light Emitting Diode)150は、読み取りの際に原稿を照明するものであり、光源駆動制御部151によって点灯/消灯を制御される。光源駆動制御部151は、入力された光源駆動クロック及び光源点灯信号に基づいてLED150の点灯/消灯を行うことで、消費する電力の制御を行う。本実施形態においては、一例として、点灯してから光量の安定時間が蛍光ランプよりも短く、負荷が軽いLEDを使用した読取原稿の照明方式としている。
なお、図1に示す、光源駆動制御部151、モータ駆動制御部160、SW(1)190、SW(2)191は、スキャナ13以外の箇所に備えるように構成されてもよい。
図2は、本実施形態の画像形成装置に備えられるシステム制御部105の基本構成を示すブロック図である。図2について以下に説明する。
システム制御部105は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)71と、ROM(Read Only Memory)72と、RAM(Random Access Memory)73と、NVRAM74と、コマンドI/F(InterFace)75と、画像I/F76と、I/O(In Out)ポート77により構成される。
CPU71は、ROM72、RAM73、NVRAM74、I/Oボード77等を制御するマイクロプロセッサである。また、I/Oポート77は、センサ情報の取得や負荷、電源107におけるメイン電源のオン/オフを行う。コマンドI/F75は、操作部100やHDD(Hard Disk Drive)等との周辺機器とのコマンドデータの送受信をシリアル通信やパラレル通信で行っている。画像I/F76は、サブ制御部106との画像データの送受信をバスで行っている。
図3は、本実施形態の画像形成装置に備えられるスキャナ13の概略構成を示す側断面図である。図3について以下に説明する。
スキャナ13は、図3に示すように、読取部12と、この読取部12の上部に取り付けられたADF104とを有している。読取部12は、原稿台として原稿を載置するコンタクトガラス1と、原稿露光用の照明ランプ2(例えば図1に示すLED150)及び第1反射ミラーを備えた第1キャリッジ6と、第2反射ミラー4及び第3反射ミラー5を備えた第2キャリッジ7と、CCDリニアイメージセンサ9(以下CCDと記す)に結像するためのレンズユニット8と、CCD9を搭載するセンサーボード10と、読み取り光学系等による各種の歪みを補正するためと白レベルを調整するための白基準板(基準白板)11と、を有する。コンタクトガラス1に原稿を載置固定して読み取る場合には、第1キャリッジ6が一定の速度で往動(矢印Aの方向)し、かつ、第2キャリッジ7が第1キャリッジ6の1/2の速度で第1キャリッジ6に追従して往動することにより、コンタクトガラス1上の原稿が光学的に走査される。原稿の読み取り終了後、第1キャリッジ6及び第2キャリッジ7は、ホームポジション(待機位置)に戻る。図中の位置Yは、第1キャリッジ6のホームポジション(待機位置)である。なお、図示していないが、第1キャリッジ6及び第2キャリッジ7を移動するためのモータ駆動系も、読取部12に備えられている。
図4は、図1に示すイメージセンサ制御部181と画像処理部132に関する画像信号の流れを示した図である。イメージセンサ制御部181は、図1に示すように、スキャナ13に備えられている。図4について以下に説明する。
CCD9は、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のフィルタを被せたCCDセンサが3列並んでいるカラー3ラインCCDとする。アナログ処理回路43では、CCD9から出力されるアナログ波形の信号部分をサンプリングするとともにアンプを内蔵して信号のゲインを調整する。A/D(Analog/Digital)コンバータ44では、R、G、B各色のアナログ画像信号を8ビットのカラーデジタル画像情報として画像処理部132に出力する。3ラインCCD9の場合にCCD9から出力される信号は、等倍時4ライン間隔の位置ズレが存在する。すなわち、R−B間では、8ラインの位置ズレが存在しており、ライン間補正(部)45では、CCD9のRGB毎の読取ラインのずれを補正し、読み取った画像の位置合せを行う。黒補正(部)46では、画像データに加算されているオフセットデータを減算する。シェーディング補正(部)47では、光学系の濃度ムラ、CCD9の感度バラツキなどの画素毎の出力データばらつきの補正を各RGB信号に対して行う。
また、イメージセンサ制御部181には、図1に示すように、シーケンス制御部130のCPUとコマンドデータの送受信をシリアル通信する機能を備えた通信系ASIC(Application Specific Integrated Circuit)182と、イメージセンサを駆動するCCD駆動部183があり、前者は必要とする電流が小さいので負荷が軽く、後者は必要とする電流が大きいので負荷が重い傾向にあるのが一般的である。前者と後者とでは必要とする電源が異なるので、イメージセンサ制御部181向けにいくつかの電源を生成している。また、通信系ASICはタイミングジェネレータの機能を兼ねているので、CCD駆動クロックなどイメージセンサ制御部181で使用するタイミング信号の生成を行っている。
図5は、スキャナ13のモータ駆動系の構成を示す斜視図である。図5について以下に説明する。
第1キャリッジ6は、その両端部が2本の対称に張られたワイヤ61に固定され、ワイヤ61の移動と共に往復移動可能にされている。第2キャリッジ7は、その両端部に第1キャリッジが固定されたワイヤ61が掛け渡されると共に、それと逆向きには掛け渡されたワイヤ61が掛け渡されたプーリが設けられている。駆動軸67の一端にはタイミングベルトプーリ65が設けられており、ステッピングモータ63との間にタイミングベルト62が掛け渡されている。
以上の構成において、電源スイッチをオンにすると、ホーミングのためにステッピングモータ63(図1に示すスキャナモータ163の一例)が始動する。ステッピングモータ63の駆動力は、タイミングベルト62を介してタイミングベルトプーリ65に伝達される。これにより、タイミングベルトプーリ65と一体の駆動軸67が、ステッピングモータ63の回転方向に回転する。この回転に伴ってワイヤ61は移動し、ワイヤ61に固定された第1キャリッジ6は、フォワード方向に移動する。第2キャリッジ7は、第1キャリッジ6の半分の速度で同方向に移動する。各キャリッジ6、7が一定距離だけ移動するとステッピングモータ63は逆転(リターン)を開始する。そして、第1キャリッジ6にある検出部66がホームポジションセンサ60内に入ったことを検知すると、図1に示すモータ駆動制御部160により、検知後所定距離を移動した時点で停止させられる。この停止した位置がホームポジションとなり、このホームポジション(待機位置)に第1キャリッジ6を停止させる制御をホーミングと称する。
図6は、スキャナ13の原稿読取走行制御に用いる代表的な速度線図と、モータの駆動電流設定と励磁設定のパターン図の一例である。図6について説明する。
ステッピングモータ63は、モータのトルク特性により動作モードに応じてモータの電流を制御する必要があり、図示の速度線図とモータ電流の設定に従って駆動制御される。原稿の読取は図示のようにスローアップ動作を経て一定速度で走行させるフォワード定速期間に行い、この間に原稿の先端から後端まで読み取るので、この間は一番速度を安定させなければならない。原稿の読み取りが完了すると、リターン動作へと移りステッピングモータ63は逆転を開始する。できるだけ短い時間で戻すため、第1キャリッジ6を高速で移動させ、第2のキャリッジ7はその半分の速度で高速リターンさせる。リターン側移動距離はフォワード側で移動した距離分戻ればホームポジション位置に戻ることになる。また、スキャナで使用しているモータは必要とする電流が大きいので負荷が重い。
図7は、モータ駆動制御部160を説明する図である。図7(a)は、モータ駆動制御部160の構成を示すブロック図である。図7(b)は、モータ駆動制御部160におけるスキャナの動作モードと電流切替信号との対応を示す表である。図7(c)は、モータ駆動制御部160におけるスキャナの動作モードと励磁切替信号との対応を示す表である。図7について以下に説明する。
サブ制御部106のシーケンス制御部130からモータ駆動制御部160には、図7(a)に示すように、駆動クロック信号、モータ回転方向の正逆転信号、ステッピングモータ63のコイル相に流れる駆動電流を設定するための電流切替信号bit1〜bit2、マイクロステップ駆動(モータ回転角の電気的な分割数)を制御する励磁切替信号bit3〜bit4が入力される。モータ駆動制御部160は、これらの信号に基づいてステッピングモータ63の各相に流れる駆動電流を制御し、ステッピングモータ63の駆動制御を行う。
モータの駆動電流は、モータドライバに入力される電圧レベルで設定され、電流切替信号bit1〜bit2がロジック信号としてモータ駆動制御部160の電流設定回路に入力されると、電流設定回路は信号のhigh(ハイ)/low(ロー)bit構成により駆動電流の設定電圧レベルを決定する仕組みとなっている。同様に、マイクロステップ駆動はロジック信号である励磁切替信号bit3〜bit4のhigh(ハイ)/low(ロー)bit構成により設定される。
モータ回転角の分割数が同じ状態においては、ステッピングモータ63の励磁相切替タイミングは、駆動クロック周波数が高いとステッピングモータ63の回転は速くなり、低いと遅くなる。また、モータ回転角の分割数が小さくなるとモータ1回転当りのキャリッジの移動量が大きくなるので、キャリッジの移動速度を変えない場合には、駆動クロック周波数を低くする。このように駆動クロック周波数を制御することにより、ステッピングモータ、キャリッジの多種多様なスローアップ及びスローダウンが可能となる。駆動電流と励磁相は、スローアップ、スローダウン、原稿読取動作時、リターン動作時、ホーミング、AGC、スタンバイの各スキャナの状態に合わせて切り替える制御が行われ、かつステッピングモータ63の位置は駆動クロック数で制御される。
次にスキャナの電源構成について説明する。
本実施形態では、図1に示すように、電源107から入力された電源24Vを、スキャナ13の内部で2つの電源系統に分けている。1つは、LED150や通信系ASIC182といった負荷が軽い電源系統201であり、もう1つは、モータ駆動制御部160やCCD駆動部183といった負荷が重い電源系統202である。供給元の電源107がオンしたとき、負荷が軽い電源系統201は電圧が上がっていく傾きが急、すなわち立ち上がりが早い一方で、負荷が重い電源系統202は電圧が上がっていく傾きが緩やか、すなわち立ち上がりが遅いのが一般的である。
スキャナを使用しない場合にスキャナの電源をオフするためのスイッチを設けている場合、負荷が軽い電源系統201はSW(1)190(第1スイッチ。スイッチング手段の一例)によって、負荷が重い電源系統202はSW(2)191(第2スイッチ。スイッチング手段の一例)によって、電源のオンとオフが行われる(「SW」はスイッチの略)。
また、負荷が重い電源系統201では、電圧変動を押さえるためのデカップ向けのコンデンサの容量が大きく、モータはコイルで構成された電磁負荷なので、電源オン時にはコンデンサへの充電電流や誘導負荷による突入電流などで流れる電流値が非常に大きい。このようなことから、負荷が重い電源系統201では、電圧の立ち上がりやスイッチを保護する目的で、SW(2)191に、突入電流を抑制する回路192が設けられている。
図8(a)は、FETを用いたSW(2)191と突入電流抑制回路192を設けた基本構成の一例を示す図であり、図8(b)は、SW(2)191を介して供給される電源(+24V(2))の立ち上がりイメージを示す図である。図8について以下に説明する。
突入電流抑制回路192では、FETのゲート電圧を徐々にオン動作電圧へと近づくようにゲート電圧の変化を緩やかにして、突入電流を抑制している。例えば、図8に示すように、FETのゲートとソース間にコンデンサC1を入れることでゲート電圧(VG)の立ち下がりを緩やかにしており、ゲート電圧が緩やかに立ち下がることで、FETがもつオン抵抗が徐々に低下し、突入電流を抑制するようにしている。そのため、シーケンス制御部130からスキャナ13のオン/オフ信号をオンにしたとき、FETのドレイン電圧、すなわち負荷が重い方の電源は立ち上がりを開始するまでの遅延が大きく、かつ電圧の立ち上がりが緩やかとなるため、最終的に電源の立ち上がりとしては遅くなる。
次に、本実施形態のスキャナ13の初期化処理の各例について説明する。本実施形態のスキャナ13の構成例は、図1に示す通りである。また、本実施形態のスキャナ13の、電源オン時及び低電力状態(省エネモード)からの復帰時における動作のタイミングチャートを図9に示す。
まず、図9及び図11を用いて、本実施形態のスキャナ13の初期化処理の一例(動作例1)を説明する。本動作例1は、電源オン時における初期化処理である。
図1に示す本実施形態の画像形成装置において主電源がオンされると、電源107からシステム制御部105及びサブ制御部106に電源が供給され、システム制御部105及びサブ制御部106が立ち上がる。このとき、サブ制御部106において、シーケンス制御部130のCPUに供給される電源が起動する。図9に示すように、CPUの電源が起動するとCPUのリセットが解除され、CPUは、スキャナ13の電源をオンする信号を出力する。これにより、SW(1)190とSW(2)191がオンとなり、スキャナ13の各電源が投入される(S11)。上記信号がオンするタイミングが同じ場合、モータ駆動制御部160やCCD駆動部183がつながっている電源系統202は、突入電流抑制回路192により上記信号がオンしてから立ち上がりを開始するのに遅延が大きく、かつ負荷が重い電源系統なので立ち上がるカーブが緩やかであることから、LED150や通信系ASIC182がつながっている電源系統201よりも立ち上がりが遅い。また、電源がオンされると同時に、シーケンス制御部130のCPU内部で、上記信号をオンしてからの経過時間のカウントが開始される。イメージセンサ制御部181の通信系ASIC182に供給する電源が立ち上がるまでの既定の待ち時間経過後(S12)、シーケンス制御部130のCPUと通信系ASIC182との間で通信が可能な状態となり、スキャナ13に関する初期設定が行われる(S13)。この初期設定では、スキャナ13の読取走査や読取画像信号の処理に必要な初期値が各回路に設定される。
モータ駆動制御部160とCCD駆動部183に供給する電源が立ち上がるまでの既定の待ち時間経過後(S14)、次いでホーミングが行われる(S15)。ホーミングは、読取部を搭載したキャリッジをスキャン制御の基準となるホームポジションに位置付ける(メカ原点を決定する)操作である。この位置が待機状態でのキャリッジの位置になるため、待機位置と称する。この後、黒レベル及び白レベル調整を行うための動作が開始される。CCD9は常時、読み取った画像を光電変換し画像信号出力を行っているので、基準白板11を読みに行くまでの適当な時間に、CCD9の一部に設けたOPB(Optical Black)部、すなわち外光を遮断した画素部分からの画像信号出力を読み取ることにより黒レベルを検出し、黒レベル調整が行われる。
ホーミング終了後は、LED150すなわちランプが点灯され(S16)、AGC(白レベル調整)の動作が行われる(S17)。この動作では始めに、ホームポジションから基準白板11を読みにいくためにキャリッジが移動させられる。基準白板11を読み取った白レベル画像信号から白レベルを目標値にするための調整値が決定され、その値はアナログ処理回路43のアンプのゲインを調整する値として設定される。このとき、フィードバックループ動作を繰り返して調整値が求められる。調整処理が終了した後、ランプは消灯され、キャリッジがスタンバイ位置に移動させられる。ここまでの一連の動作がAGCの動作である。このような一連の動作終了後、画像処理装置はスタンバイ状態(使用可能な状態)となる(S18)。
次に、図9及び図12を用いて、本実施形態のスキャナ13の初期化処理の一例(動作例2)を説明する。本動作例2は、低電力状態(省エネモード)からの復帰時における初期化処理である。
省エネモード(低電力状態)時にスキャナ13を復帰させる要因が発生すると(S21/Yes)、サブ制御部106が立ち上がり、シーケンス制御部130のCPUに供給される電源が起動する。図9に示すように、CPUの電源が起動すると、CPUのリセットが解除され、CPUからスキャナ13の電源をオンする信号が出力され、SW(1)190とSW(2)191がオンしてスキャナ13の電源が投入される(S22)。同時に、シーケンス制御部130のCPUは、上記信号をオンしてからの経過時間のカウントを開始する。イメージセンサ制御部181の通信系ASIC182に供給する電源が立ち上がるまでの既定の待ち時間経過後(S23)、シーケンス制御部130のCPUと通信系ASIC182との間で通信が可能な状態となり、スキャナ13に関する初期設定が行われる(S24)。この初期値設定では、スキャナの読取走査や読取画像信号の処理に必要な初期値が各回路に設定される。
上記カウント時間がLED150(光源)の光量が安定する時間を見越した既定の点灯待ち時間経過後、光源駆動制御部151の制御により、LRD150すなわちランプが点灯される(S25)。上記の点灯待ち時間はシステム制御部105のメモリ(図示せず)内に蓄積されるので、操作部100から時間設定を変更することができる。光源の安定時間のバラツキを吸収する調整や光源の仕様変更に対し柔軟に対応できるので、光源の安定時間に応じてイメージセンサのAGCを適切なタイミングで実行することが可能となる。
ランプ点灯後、モータ駆動制御部160とCCD駆動部183に供給する電源が立ち上がるまでの既定の待ち時間経過後(S26)、AGCの動作が行われる(S27)。AGCの終了後、スタンバイ状態となる(S28)。
次に、図13を用いて、本実施形態のスキャナ13のスタンバイ状態時における動作の一例(動作例3)を説明する。
スタンバイ状態において、原稿を読み取るスキャンの要求がないとき(S31/No)、スタンバイ状態(待機状態)から省エネモード(低電力状態)へと移行するまでの待ち時間(省エネ設定時間)が経過すると(S41/Yes)、モータ駆動制御部160は、キャリッジを基準白板11の下に移動させる(S42)。キャリッジを基準白板の下に移動させておくのは、省エネモードから復帰したときにキャリッジを移動させなくても直ちに基準白板11を読み取れるようにし、省エネモードからの復帰時間を短縮するためである。上記キャリッジの移動終了後、シーケンス制御部130のCPUは、SW(1)190とSW(2)191をオフしてスキャナ13の電源を全て遮断する(S43)。これにより、省エネモードへと移行する(S44)。
なお、S31において、原稿を読み取るスキャンの要求がきたときは(S31/Yes)、スキャナ13においてスキャンの動作が実行され(S32)、その動作終了後は始めのスタンバイ状態に戻る。
次に、図14を用いて、本実施形態のスキャナ13のスタンバイ状態時における動作の一例(動作例4)を説明する。
スタンバイ状態において、原稿を読み取るスキャンの要求がないとき(S51/No)、シーケンス制御部130のCPUからの信号によりSW(1)190をオフにし(S71)、LED150と通信系ASIC182の電源を遮断状態にする。このように電源を遮断する理由は、通信系ASIC182はタイミングジェネレータの機能を兼ねているので、電源遮断によりリセット状態にしクロックを停止させることで、省エネモードへ移行するまでの間における省エネ効果を向上させるためである。
スタンバイ状態から省エネモードへと移行するまでの待ち時間(省エネ設定時間)経過後(S72)、モータ駆動制御部160は、キャリッジを基準白板11の下に移動させる(S73)。上記キャリッジの移動終了後、シーケンス制御部130のCPUからの信号により、SW(2)191をオフしてスキャナ13の電源を全て遮断する(S74)。これにより、省エネモードへと移行する(S75)。
S51において、原稿を読み取るスキャンの要求がきたときは(S51/Yes)、LED150と通信系ASIC182の電源が立ち上がっている状態をシーケンス制御部130の内部にて確認する(S52)。この確認の結果、上記電源が立ち上がっていなければ(S52/No)、シーケンス制御部130のCPUは、信号を送出してSW(1)190をオンして上記電源を投入する(S53)。そして、既定の時間経過後(S54)、スキャナ13の初期設定が行われる(S55)。この初期設定は、上述した図12のS24と同様である。
初期設定の後は、電源オン時など前回のAGCにて得られた白レベルをシステム制御部105のメモリ(図示せず)から読み出して、その値をアナログ処理回路43のアンプのゲインを調整する値として設定する(S56)。このとき、フィードバックループ動作を繰り返して調整値を求め、調整処理を終了した後、スキャンの動作を実行し(S57)、動作終了後は始めのスタンバイ状態に戻る。または別の例として、ランプを点灯し(S66)、AGCを実行するようにしてもよい(S67)。
以上説明したように、本実施形態の画像読取装置によれば、イメージセンサ制御部及び光源駆動制御部の電源を、立ち上がり時間の早い電源に接続し、立ち上がりの遅い電源が立ち上がる前に、イメージセンサ制御部の初期化(初期設定)を行うことで、スキャナの初期化に費やす待ち時間短縮が可能となる。すなわち、本実施形態の画像読取装置は、立ち上がり時間が異なる2系統以上の電源を有し、原稿を光学的に読み取る画像読取装置であって、画像読取装置の初期化が行われる際、初期化に必要な手段を立ち上がりの早い電源に接続し、立ち上がりの遅い電源が立ち上がる前に初期化を開始するので、電源が全て立ち上がる前に初期化が行われ、ユーザの待ち時間を短縮できる。
また、本実施形態の画像読取装置によれば、立ち上がり時間が異なる電源系統の各々にスイッチング手段を有し、原稿を読み取る要求がきた時のみ、立ち上がりの早い電源を投入し、原稿を読み取る要求がない時には、立ち上がりの早い電源を遮断することで、省エネ効果を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の画像読取装置によれば、待機モード(スタンバイ状態)から省エネモード(低電力状態)へと移行する前に、立ち上がりの遅い電源を遮断することで、省エネ効果を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の画像読取装置によれば、光源の光量が安定する時間を見越してイメージセンサの白レベル調整を実行する前に光源を点灯させることで、光源が安定するまでの待ち時間短縮が可能となる。
また、本実施形態の画像読取装置によれば、電源を投入してから光源を点灯させるまでの時間を可変とすることで、光源の安定時間に応じてイメージセンサの白レベル調整を適切なタイミングで実行することが可能となる。
また、本実施形態の画像処理装置によれば、本実施形態の画像読取装置を備えることで、画像読取装置の初期化に費やす待ち時間短縮が可能となり、画像処理(例えば画像形成)の実行を早めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
例えば、上述した実施形態における動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD(Compact Disc)−ROM、MO(Magneto Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。