以下、本発明の構成を図面に示す形態に基づいて詳細に説明する。
図1から図10に、本発明のキャリーカートのパーキングブレーキ構造の実施形態の一例を示す。なお、本実施形態では、前脚フレーム2と後脚フレーム3とを有するキャリーカート1(本実施形態の形態の場合には歩行補助具とも呼ばれる)を例に挙げて説明する。ここで、本明細書においては、ハンドル6を握ってキャリーカート1を使用している者を基準にして上下、前後、左右を定義する。具体的には、図1に示す矢印31の向きを前、反対向きを後、また、矢印32の向きを上、反対向きを下、さらに、これら矢印31及び矢印32に垂直な方向であって図面に対して垂直な方向を左右方向とする。
本発明のキャリーカートのパーキングブレーキ構造は、各々が車輪4,5を備えると共に相互に閉じ合わせて折り畳み可能な一対の脚フレーム2,3を有するキャリーカート1に用いられる。
本実施形態では、キャリーカート1は、一対の脚フレーム2,3と、該一対の脚フレーム2,3それぞれの下方に備えられる車輪4,5と、上端にハンドル6が取り付けられると共に下端が前輪4と連結されてハンドル6の操作によって前輪4の角度変更が可能であり且つ前脚フレーム2に軸回転可能に支持されるハンドル操作伝達部材9とを備える。
本実施形態のキャリーカート1は、上端部同士が摺動揺動軸2aによって揺動可能に連結された前脚フレーム2及び後脚フレーム3と、中央にホイール4cが嵌められて左右対向配置された一対の前タイヤ4a,4aとこれら対向する前タイヤ4a,4aの間に設けられた車軸4bとを有して当該車軸4bが前脚フレーム2の下方に軸回転可能に支持される前輪4と、中央にホイール5cが嵌められて左右対向配置された一対の後タイヤ5a,5aとこれら対向する後タイヤ5a,5aの間に設けられた車軸5bとを有して当該車軸5bが後脚フレーム3の下方に軸回転可能に支持される後輪5と、前脚フレーム2の上方に設けられるハンドル6と、前脚フレーム2と後脚フレーム3との間に掛け渡されて取り付けられるジョイントパイプ8とを備える。なお、図4においては、ホイール4c,5cの内側構造の形状は表していない。
前脚フレーム2は、軸心方向の貫通孔2bを有する筒部2cと、当該筒部2cの左右両側から対向して後方に延出する一対の後部側壁2d,2dとを有する。そして、これら左右対向する一対の後部側壁2d,2dによって、前脚フレーム2の後脚フレーム3と対向する側即ち後側に後脚フレーム3に向かって開口する軸心方向の凹部が形成される。
前脚フレーム2の貫通孔2bには、当該貫通孔2bを貫通するハンドル操作伝達部材9としてのステアリングパイプ9が挿入される。ステアリングパイプ9は、円筒状で前脚フレーム2よりも長く形成され、上端部分が前脚フレーム2の上端縁から突出すると共に下端部分が前脚フレーム2の下端縁から突出する位置に配置される。そして、前脚フレーム2の上端縁から突出しているステアリングパイプ9の上端部にはハンドル6がねじ止めされて固定されて取り付けられる(なお、取り付ける方法はねじ止めに限られずスプリングピンの打ち込みや接着剤による接着や溶接などでも良い。以下の説明における「ねじ止め」も同様である)。
また、前脚フレーム2の上端部にはステアリングガイド11が取り付けられる。ステアリングガイド11は、筒状の差込部11aを有し、当該差込部11aが前脚フレーム2の上端部分に差し込まれ、当該差込部11aの貫通孔にステアリングパイプ9を摺動可能に貫通させた状態でねじ止めされて前脚フレーム2上端に固定されて取り付けられる。
一方、前脚フレーム2の下端縁から突出しているステアリングパイプ9の下端部には、前輪4の車軸4bを軸回転可能に支持するための前輪ブロック7が取り付けられる。前輪ブロック7は、当該前輪ブロック7の上端からステアリングパイプ9の下端部分が差し込まれてねじ止めされてステアリングパイプ9下端に固定されて取り付けられる。
そして、前輪4の車軸4bが、ステアリングパイプ9の下方位置において前輪ブロック7を左右方向に軸回転可能に貫通して設けられる。これにより、車軸4bを介し、前輪4が前脚フレーム2の下方に軸回転可能に取り付けられる。
そして、上述の構成により、キャリーカート1の使用者によるハンドル6の方向操作が前脚フレーム2の貫通孔2b内のステアリングパイプ9を介して前輪4に伝達され、前輪4が方向転換(即ち、角度変更)の動作をする。
後脚フレーム3は筒状に形成され、後脚フレーム3の上端部にはジョイント部材12が取り付けられる。ジョイント部材12は、後脚フレーム3の軸心方向の貫通孔に差し込まれる下部の差込部(図上では見えない)と、前方に延出する縦板状に形成されて左右方向の貫通孔を有する上部の連結部12aとからなり、下部の差込部が後脚フレーム3の軸心方向の貫通孔に差し込まれた状態でねじ止めされて後脚フレーム3の上端に取り付けられる。
また、前脚フレーム2の上端部に、前脚フレーム2と後脚フレーム3とを揺動可能に、言い換えると摺動揺動軸2aを中心として揺動開脚及び閉脚自在に連結するためのフレームジョイント13が取り付けられる。フレームジョイント13は、前部が前脚フレーム2の両後部側壁2d,2dの間に差し込まれた状態で、これらフレームジョイント13前部と両後部側壁2d,2dとを左右方向に貫通する軸14によって前脚フレーム2の上端部に取り付けられる。なお、本実施形態では、前脚フレーム2の両後部側壁2d,2dから左右に突出する軸14の両端部に、荷物を提げたりなどするためのフック15が取り付けられる。
フレームジョイント13は、後ろ向きに開口して後脚フレーム3上端に取り付けられたジョイント部材12の連結部12aが挿入される縦溝13aを有すると共に、当該縦溝13aを形成する左右両側の側壁の対向する面(即ち、内側壁面)のそれぞれに、左右方向に配置される摺動揺動軸2aの両端部を前後方向に摺動(スライド)可能に支持するための揺動軸支持長溝13bが前後方向に形成される。
そして、後脚フレーム3の上端は、ジョイント部材12の連結部12aがフレームジョイント13の縦溝13aに挿入された状態で、連結部12aの左右方向の貫通孔を貫通すると共にフレームジョイント13の揺動軸支持長溝13bに両端部が支持される摺動揺動軸2aを介し、フレームジョイント13に対して回動可能且つ前後方向スライド可能に軸支される。ここで、前後脚フレーム2,3を折り畳んだ状態では前脚フレーム2の両後部側壁2d,2dと後脚フレーム3とは隙間なく閉じ合わさるところ、上述のように後脚フレーム3の上端をフレームジョイント13に対して前後方向スライド可能に軸支することにより、前後脚フレーム2,3を折り畳んだ際にこれらの間に指などを挟むことによる怪我を防止することができる。
また、後脚フレーム3の下端部には、後輪5の車軸5bを軸回転可能に支持するための後輪ホルダー10が取り付けられる。後輪ホルダー10は、前部の取付部10aと後部の車軸支持部10bとからなり、取付部10aの上部が後輪フレーム3の下端部分に差し込まれた状態でねじ止めされて後脚フレーム3下端に固定されて取り付けられる。
そして、後輪5の車軸5bが、後輪ホルダー10の車軸支持部10bを左右方向に軸回転可能に貫通して設けられる。これにより、車軸5bを介し、後輪5が後脚フレーム3の下方に軸回転可能に取り付けられる。
また、ジョイントパイプ8は、前脚フレーム2と後脚フレーム3との間に掛け渡されて前後脚フレーム2,3の開脚の程度を制限するものであり、前端にスライドブロック8aを備えると共に後端に取付ブロック8bを備える。
スライドブロック8aは、左右方向の貫通孔を有すると共に前脚フレーム2の両後部側壁2d,2dの間に挿入される。一方、前脚フレーム2の両後部側壁2d,2dの対向する面(即ち、内側壁面)のそれぞれには前脚フレーム2軸心方向のスライドガイド溝2eが左右対向して形成される。そして、スライドブロック8aの左右方向の貫通孔を貫通すると共に両端部のそれぞれがスライドガイド溝2e,2eに摺動(スライド)可能に差し込まれるスライド軸8cが備えられる。これにより、スライドブロック8aは前脚フレーム2の軸心方向に移動可能に前脚フレーム2に取り付けられる。
取付ブロック8bは、後方に延出する縦板状部分が後脚フレーム3前面下端寄りの位置に取り付けられた前側開口コ字形の取付金具17に挿入され、これらを貫通する左右方向の揺動軸によって後脚フレーム3に対して回動可能に連結される。
また、前脚フレーム2の両後部側壁2d,2dの間に、ジョイントパイプ8前端のスライドブロック8aの下方への移動を制限するためのストッパブロック16が取り付けられる。ここで、フレーム軸心方向に移動可能であるスライドブロック8aが取付ブロック8bよりも水平位置関係において高い位置で止められるように、ストッパブロック16の取付位置が調整される。
上述の構成により、ジョイントパイプ8は、前端が前脚フレーム2に対して揺動可能且つフレーム軸心方向移動可能に連結されると共に、後端が後脚フレーム3に対して揺動可能に連結される。また、ジョイントパイプ8前端のスライドブロック8aの、フレーム軸心方向の下方への移動はストッパブロック16によって制限される。これにより、前脚フレーム2と後脚フレーム3との開脚の程度が適当な範囲に制限されると共に当該適当な程度での開脚状態が維持される。
なお、前後脚フレーム2,3が開脚している状態からハンドル6を持ち上げると、自重によって前後脚フレーム2,3には相互を閉じ合わせる力が働く。このとき、前述の通りジョイントパイプ8はフレーム軸心方向に移動可能であるスライドブロック8aが取付ブロック8bよりも高い位置であるように傾斜しているので、前後脚フレーム2,3の閉脚動作に合わせてスライドブロック8aが上方に移動し、ジョイントパイプ8は前後脚フレーム2,3の閉脚動作の支障にはならない。なお、本実施形態のキャリーカート1は、小型化による利便性の向上等のために図3に示すように前輪4,後輪5のそれぞれを構成する二つの車輪4a・4a,5a・5aの各々の幅及び左右対向間隔が狭いので前輪4が真っ直ぐ前向きに対して角度変更されている場合には転倒してしまう虞がある一方で、前輪4が真っ直ぐ前を向いていれば前後脚フレーム2,3が閉じた状態でも自立可能である。また、前後脚フレーム2,3が閉じた状態では、ジョイントパイプ8は前脚フレーム2の両後部側壁2d,2dの間に収容される。
そして、本発明のキャリーカートのパーキングブレーキ構造は、一対の脚フレームのうちの一方(本実施形態では前脚フレーム2)に連結された第一の係合部31と、一対の脚フレームのうちの他方(本実施形態では後脚フレーム3)に備えられた車輪(本実施形態では後輪5)に設けられた第二の係合部32とを有し、一対の脚フレーム2,3の折り畳みの動作と同時に第一の係合部31と第二の係合部32とが係合して一対の脚フレームのうちの他方(本実施形態では後脚フレーム3)に備えられた車輪(本実施形態では後輪5)にパーキングブレーキがかけられるものである。
本実施形態では、前脚フレーム2下方の前輪ブロック7後端面から後方に延出して第一の係合部としての凸部31が設けられる。凸部31は、前輪ブロック7後端面の左右両縁部から左右対向して後方に延出する各々板状の係合板部材31a,31aを有する。この係合板部材31aの後端は曲面(側面視円弧)に形成される。
また、後脚フレーム3下方に支持される後輪5のホイール5cの内側面(即ち、後輪ホルダー10側の面)に、第二の係合部として複数のリブ32が設けられてこれらリブ32によって係止区画33が形成される。リブ32は、ホイール5cの円中心を中心として放射状に複数形成される。各リブ32の外側端は曲面(側面視円弧)に形成される。そして、この複数のリブ32によって、リブ32同士の間に、凸部31が進入して係合する係止区画33が後輪のホイール5cの周方向に連接して複数形成される。なお、本実施形態ではリブ32を8個設けて係止区画33を8個形成するようにしているが、リブ32の個数及び係止区画33の個数はこれらに限定されるものではなく、係止区画33内に係合板部材31aが挿入することができると共に係合板部材31aに対する係止区画33の余裕(即ち、あそび)が適度な範囲であれば、8個より多くても良いし少なくても良い。
そして、第一の係合部である凸部31の係合板部材31a,31aが第二の係合部であるリブ32間の係止区画33内に進入して両者が係合する。
なお、本実施形態では、左右対向する係合板部材31a,31aによって凸部31を構成し、これら係合板部材31a,31aの間に後輪ホルダー10の下端側の一部を進入させるようにしている。
これら凸部31とリブ32間の係止区間33とによるパーキングブレーキ構造の動作を以下に説明する。
前後脚フレーム2,3が開脚している状態からハンドル6を持ち上げると、自重によって前後脚フレーム2,3には相互を閉じ合わせる力が働き、前後脚フレーム2,3が徐々に閉じられて終にはキャリーカート1が折り畳まれる。
このとき、前後脚フレーム2,3が徐々に閉じられるのに従い、前脚フレーム2下方の前輪ブロック7後端面に設けられた凸部31(係合板部材31a,31a)と後脚フレーム3下方に支持される後輪5のホイール5cに設けられたリブ32によって形成される係止区画33とが徐々に接近し、やがて係合板部材31a,31aが係止区画33内に進入して当該係止区画33と係合する。
ここで、両者の位置関係によっては凸部31の係合板部材31aとリブ32とが衝き当たる場合もあるところ、係合板部材31aの後端もリブ32の外側端も曲面(側面視円弧)に形成されているので、係合板部材31aとリブ32とが衝き当たった場合でもリブ32外側端面上を係合板部材31a後端面が滑って両者が停止してしまうことがないと共に相互に摺動して衝突の抵抗が大幅に低減され、係合板部材31aがリブ32同士の間の係止区画33内に確実に導かれると共に容易に進入する。すなわち、凸部31とリブ32との係合が確実・円滑に行われる。
このように、本発明のパーキングブレーキ構造によれば、前後脚フレーム2,3の折り畳みの動作をすることによって自動的に、言い換えると、前後脚フレーム2,3の折り畳みの動作と同時に後脚フレーム3に備えられた後輪5にパーキングブレーキがかけられてロックされる。
なお、本実施形態の場合であれば前後脚フレーム2,3が閉じ合わされ折り畳まれて後輪5にパーキングブレーキがかけられてロックされる一方で、前輪4は回転可能のままである。このように、一対の脚フレーム2,3のうちの一方に備えられた車輪のみにパーキングブレーキをかけてロックすることにより、脚フレーム2,3を折り畳んだ状態で持ち運ぶ際にロックされていない方の車輪のみを使ってキャリーカート1を牽引することで容易に持ち運ぶことができる。
一方、前後脚フレーム2,3が折り畳まれて後輪5がロックされている状態からキャリーカート1の使用を始める際には、前後脚フレーム2,3を開脚させることにより、前脚フレーム2下方の前輪ブロック7に設けられた凸部31(係合板部材31a,31a)と後脚フレーム3下方の後輪5のホイール5cに設けられたリブ32間の係止区画33とが離れ、係合板部材31a,31aと係止区画33との係合が解除される。
すなわち、前後脚フレーム2,3の開脚の動作と同時に後脚フレーム3に備えられた後輪5にかけられていたパーキングブレーキを解放してロックが解除される。
また、本実施形態のキャリーカートは、前後脚フレーム2,3が閉じ合わされて折り畳まれた状態を或る程度の外力に抗して維持する外れ止め機構を更に備える。本実施形態の外れ止め機構は、前脚フレーム2下方の前輪ブロック7後端面に設けられた係合突起部材35と、後脚フレーム3下端に取り付けられた後輪ホルダー10に設けられた係合凹部36とからなる。或る程度の外力に抗して維持するとは、例えば、前後脚フレーム2,3を折り畳んでキャリーカート1を牽引する際には前後脚フレーム2,3が開かないようにすることができると共に、前後脚フレーム2,3が閉じ合わされ折り畳まれた状態からキャリーカート1の使用を始める際にはそれほど大きな抵抗なく前後脚フレーム2,3を開くことができることをいう。
係合突起部材35は、前輪ブロック7後端面から後方に延出する弾性変形可能な板状の腕部35aと、当該腕部35aの後端部上面に設けられた半球状の凸部35bとを有する。そして、係合突起部材35は、後端部の凸部35b側が下がって腕部35aが弾性変形しながらも凸部35bの頂点が後輪ホルダー10の下端面を摺動して移動可能な位置(即ち、後輪ホルダー10に対する高さ)に設けられる。
係合凹部36は、後輪ホルダー10の前部の取付部10aの下端面に設けられる。
そして、前後脚フレーム2,3が開脚している状態からハンドル6を持ち上げることによって前後脚フレーム2,3が徐々に閉じられるのに従い、前脚フレーム2下方の前輪ブロック7後端面に設けられた係合突起部材35と後脚フレーム3下端に取り付けられた後輪ホルダー10に設けられた係合凹部36とが徐々に接近し、やがて凸部35bが係合凹部36内に進入して当該係合凹部36と係合する。なお、凸部35bと後輪ホルダー10の前面下端角部とが衝き当たった場合でも後輪ホルダー10下端面を凸部35b表面が滑って両者が停止してしまうことがないと共に相互に摺動して凸部35bが係合凹部36内に確実に導かれるように、凸部35b及び係合凹部36の大きさや形状や相対位置が調整される。
また、前後脚フレーム2,3が折り畳まれている状態からキャリーカート1の使用を始める際には、ハンドル6を下に押し下げると弾性部材である係合突起部材35の腕部35aが弾性変形して凸部35bと係合凹部36との係合が外れて外れ止めが解除されると共に前後脚フレーム2,3が開脚して前述の通り係合板部材31a,31aと係止区画33との係合が外れてパーキングブレーキも解除される。すなわち、前後脚フレーム2,3の外れ止めの解除と前後脚フレーム2,3の開脚と後輪5のパーキングブレーキの解放・ロックの解除との動作が同時に行われ、キャリーカート1の使用を開始する際も簡易な動作で済む。
また、本実施形態のキャリーカートは、ハンドル操作伝達部材(本実施形態ではステアリングパイプ9)に取り付けられる第一の係合部材21と一対の脚フレームのうちの一方(本実施形態では前脚フレーム2)に取り付けられる第二の係合部材22と、第一の係合部材21が第二の係合部材22に対して所定の噛み合わせ位置からずれている場合にこれら係合部材21,22が所定の噛み合わせ位置にて噛み合うように第一の係合部材21を付勢する付勢手段23とを有し、ハンドル6に方向操作の力が加えられていない状態では第二の係合部材22に対して第一の係合部材21を所定の噛み合わせ位置にさせることによってハンドル操作伝達部材(ステアリングパイプ9)下端の車輪(本実施形態では前輪4)を前に向かせるためのオートリターン機構を更に備える。
ステアリングパイプ9の下端寄りの位置に第一の係合部材としての第一のカム21が備えられる。第一のカム21は、周壁の下端縁の一部に軸心方向に延出する凸部21aを有する筒状に形成され、筒軸心方向の貫通孔にステアリングパイプ9を貫通させて当該ステアリングパイプ9に対して軸心方向摺動可能に備えられる。
第一のカム21の周壁に軸心方向の長孔21bが設けられると共に、ステアリングパイプ9にガイド突起9aが取り付けられる。そして、ガイド突起9aが軸心方向の長孔21bに嵌め込まれて第一のカム21はステアリングパイプ9に対して相対的に周方向には回転(即ち、軸回転)しないようにされ、ハンドル6が方向操作された場合にはステアリングパイプ9と一緒に第一のカム21も軸回転する。
また、第一のカム21の上方にはリング状のばね受け20が取り付けられる。ばね受け20は、貫通孔にステアリングパイプ9を貫通させ、当該ステアリングパイプ9にねじ止めされて取り付けられる。
そして、第一のカム21とばね受け20との間に、第一のカム21を第二のカム22に押し付ける方向に付勢する付勢手段として、ステアリングパイプ9を貫通させて圧縮コイルばね23が介在させられる。
また、前脚フレーム2の貫通孔2bの下端部に第二の係合部材としての第二のカム22が取り付けられる。第二のカム22は、周壁の上端縁の一部に凹部22bが形成された筒部22aを有し、当該筒部22aが前脚フレーム2の貫通孔2bの下端部分に差し込まれる共に当該筒部22aの貫通孔にステアリングパイプ9を摺動可能に貫通させた状態でねじ止めされて取り付けられる。なお、本実施形態のハンドル操作伝達部材としてのステアリングパイプ9は上端側のステアリングガイド11と下端側の第二のカム22とによって前脚フレーム2に軸回転可能に支持される。
第一のカム21と第二のカム22とは、車輪(本実施形態では前輪4)を真っ直ぐ前を向いた状態で安定させると共に車輪が左右方向のどちらかを向いたままの状態でハンドル6から手が離されたときに車輪を自動的に真っ直ぐ前を向かせるようにするためのものである。そして、本実施形態では、上記動作を実現するため、第一のカム21に凸部21aを設けると共に当該第一のカム21と噛み合う第二のカム22に凹部22bを形成するようにしている。
第一のカム21の凸部21aは、本実施形態では、筒周壁下端縁の大凡半分の範囲に亘る、正面視(前面視)が三角形で周壁が下方に延出するものとして形成される。
また、第二のカム22の凹部22bは、本実施形態では、筒部22aの周壁上端縁の大凡半分の範囲に亘る、正面視が逆三角形で周壁が下方に削られたものとして形成される。
そして、第一のカム21と第二のカム22とは、前輪4(そしてハンドル6も)が真っ直ぐ前を向いているときに第一のカムの凸部21aの先端部が第二のカムの凹部22bの最下部(最深部)に位置して適当な力で押し付けられた状態(所定の噛み合わせ位置;図5参照)になるようにばね受け20及び圧縮コイルばね23も含めて位置や寸法等が調整されて配設される。第一のカムの凸部21aが第二のカムの凹部22bに押し付けられる適当な力とは、ハンドル6を握ってキャリーカート1を押して前向きに進んでいるときには前輪4が左右方向にふらつくことがなく真っ直ぐ前向きで安定させることができる共に、ハンドル6の方向操作をしてステアリングパイプ9及び第一のカム21を軸回転させて前輪4の角度を変更して進行方向を変える際にはそれほど大きな抵抗がない程度の押し付け力をいう。
これら第一のカム21と第二のカム22とによるオートリターン機構としての動作を以下に説明する。
前輪4の角度変更のためにハンドル6が方向操作されてステアリングパイプ9が軸回転すると、ガイド突起9aと長孔21bとを介して第一のカム21が軸回転する。このとき、第一のカムの凸部21aは第二のカムの凹部22bの上端斜面を摺動して上り(言い換えると、端面カムのような動作をし)、第一のカム21はステアリングパイプ9の軸心方向上向きに移動する。そして、第一のカム21が上向きに移動することによって圧縮コイルばね23が圧縮されて当該ばね23に伸長作用のばね力が蓄えられる。
そして、前輪4が真っ直ぐ前向きに対して角度変更されたままの状態でハンドル6から手が離されると、圧縮コイルばね23に蓄えられた伸長作用のばね力が解放されて第一のカム21を下向きに押し下げる。このとき、第一のカムの凸部21aが第二のカムの凹部22bの上端斜面を摺動して下るので、第一のカム21は軸回転しながらステアリングパイプ9の軸心方向下向きに移動する。そして、第一のカムの凸部21aの先端部が第二のカムの凹部22bの最下部(最深部)に到達すると凸部21aが凹部22bに押し付けられた状態(所定の噛み合わせ位置)で第一のカム21の動きが停止する。
上記の際に、第一のカム21が軸回転をするとステアリングパイプ9も軸回転し、第一のカム21の動きが停止するとステアリングパイプ9の軸回転も停止する。すなわち、前輪4が左右方向のどちらかを向いたままの状態でハンドル6から手が離されると、主に圧縮コイルばね23と第一のカムの凸部21aと第二のカムの凹部22bとの働きによって、第一のカム21が軸回転して前輪4が前向きになると共にその後に第一のカム21の動きが停止して前輪4が前向きの状態が維持され、本発明のキャリーカートのオートリターン機構としての動作が実現される。
以上のように構成されたキャリーカートのオートリターン機構によれば、第一のカム21と第二のカム22とが所定の噛み合わせ位置で或る程度の抵抗力を備えて固定されるので、前輪4を左右方向にふらつくことがなく真っ直ぐ前向きの状態で安定させることができ、キャリーカート1を安定走行させることができる。また、第一のカム21と第二のカム22とが所定の噛み合わせ位置からずれた場合には自動的に所定の噛み合わせ位置に戻るので、ハンドル6から手が離れたときに前輪4が自動的に真っ直ぐ前を向くようにすることができる。このため、ハンドル6から手が離れたときに前輪4が真っ直ぐ前向きに対して角度変更されていても前輪4を真っ直ぐ前向きに戻すことができる。そして、本実施形態のように前輪4が真っ直ぐ前向きに対して角度変更されている場合には転倒してしまう虞がある一方で前輪4が真っ直ぐ前向きであれば自立することができるキャリーカート1の場合には当該キャリーカート1の自立を確実なものにすることができる。
さらに、本実施形態のように車輪を角度変更可能に構成すると共にパーキングブレーキを構成する第一の係合部若しくは第二の係合部を車輪や当該車輪を支持する部材など前向きの状態から角度変更可能な部材に設けるようにした場合には、前後脚フレーム2,3を相互に閉じ合わせて折り畳むことによって第一の係合部と第二の係合部とを係合させてパーキングブレーキをかけるためには車輪が前向きになっていることが必要であるところ、オートリターン機構を更に備えるようにすれば角度変更可能な車輪を前向きに揃えることが自動でできるので、一対の脚フレームを相互に閉じ合わせて折り畳む動作とパーキングブレーキをかける動作とを簡易な動作で行うことを可能にするという本発明の効果を損なわないようにすることができて好ましい。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
1)キャリーカートの構成・形態について
上述の実施形態では本発明のパーキングブレーキ構造を適用するキャリーカートとして図1〜図4に全体構造を示すキャリーカート1を例に挙げているが、本発明が適用され得るキャリーカートは当該キャリーカート1に限定されるものではない。具体的には例えば、上述の実施形態では前後2個ずつ合計4個のタイヤ(4a,4a,5a,5a)を有するキャリーカート1を例として挙げているが、前輪4若しくは後輪5のどちらかがタイヤ1個で構成されているものであっても良いし、前輪4も後輪5もタイヤ1個で構成されているものであっても良い。また、5個以上のタイヤを有するキャリーカートであっても良く、具体的には例えば、上述の実施形態におけるタイヤ(4a,4a,5a,5a)の各々を左右対向する2個のタイヤで構成して合計8個のタイヤを有するキャリーカートであっても良い。なお、前輪と後輪との大きさは、本実施形態のように異なっても良いし、同じでも良い。
また、上述の実施形態ではキャリーカート1はブレーキ機構としてパーキングブレーキのみを備えるようにしているが、パーキングブレーキに加え、走行時にブレーキレバーによって操作して使用するブレーキを更に備えるものであっても良い。
また、上述の実施形態では自立可能なキャリーカート1を例として挙げているが、自立しないキャリーカートに本発明のパーキングブレーキ構造を適用しても良い。したがって、具体的には例えば、前輪4も後輪5も幅の狭いタイヤ1個で構成されているキャリーカートであっても良い。この場合も、前後脚フレーム2,3を閉じ合わせ閉脚した状態で壁などに寄り掛からせておく際に、前後脚フレーム2,3の折り畳みの動作と同時にパーキングブレーキをかけて車輪をロックさせることができ、壁に寄り掛からせたキャリーカートが不意に動き出して倒れてしまうことを防止することができるという効果を発揮する。
また、上述の実施形態では前脚フレーム2と後脚フレーム3との上端部同士が揺動可能に連結されて開閉可能に構成されたキャリーカート1を例として挙げているが、前脚フレーム2と後脚フレーム3とが開閉可能であれば前後脚フレーム2,3の上端以外の箇所が連結されているものであっても良い。また、前脚フレーム2と後脚フレーム3とが直接連結されていなくても良く、例えば、前脚フレーム2と後脚フレーム3との間に配設される横部材を介して前後脚フレーム2,3が連結されているものであっても良い。
また、上述の実施形態では前脚フレーム2に軸回転可能に支持されるステアリングパイプ9を備えるようにして前輪4が方向転換(即ち、角度変更)できるように構成しているが、前輪4が方向転換できること(さらに、ステアリングパイプ9及びオートリターン機構)は本発明の必須の構成要素ではなく、前後脚フレーム2,3のそれぞれに備えられる車輪が前向きで固定されているものであっても良い。
なお、上述の実施形態ではキャリーカートとして歩行補助具とも呼ばれるものを例として挙げているが、本発明におけるキャリーカートとは歩行補助具と呼ばれるものに限られるわけではなく、各々が車輪を備えると共に相互に閉じ合わせて折り畳み可能な一対の脚フレームを有するものであれば、シルバーカーやキャスター付の杖やベビーカーや買い物カートなどとも呼ばれる構成のものも含む。
2)パーキングブレーキ構造について
本発明のパーキングブレーキ構造の形態は、一対の脚フレームのそれぞれに設けられて当該一対の脚フレームを閉じ合わせる際に係合し得るものであれば、上述の実施形態のものには限られない。例えば、上述の実施形態では左右対向して設けられた二つの係合板部材31a,31aを有するものとして第一の係合部を構成しているが、係合板部材31a,31aは一枚であっても良い。なお、この場合で、パーキングブレーキによってロックされる車輪が左右対向する2個のタイヤで構成されているときには、一方のタイヤはロックされている一方で他方のタイヤが回転可能のままであることを防ぐため、これら2個のタイヤを車軸によって固定的に連結することが好ましい。
また、上述の実施形態では第一の係合部を前脚フレーム2下方の前輪ブロック7に設けるようにしているが、第一の係合部を前脚フレーム2下端後端面から延出させて設けるようにしても良い。
また、上述の実施形態では後輪のホイール5cに複数のリブ32を設けて係止区画33を形成して第二の係合部を構成しているが、第二の係合部は車輪のホイールに対して垂直(即ち、左右方向)の複数のピンであっても良いし、周方向に連接して設けられた凹部であっても良い。
また、上述の実施形態では第一の係合部としての凸部31を前脚フレーム2下方の前輪ブロック7に設けると共に第二の係合部としての係止区画33を後脚フレーム3に支持される後輪5に設けるようにしているが、第一の係合部としての凸部31を後脚フレーム3下方の後輪ホルダー10の前端面に設けると共に第二の係合部としての係止区画33を前脚フレーム2に支持される前輪4に設けるようにしても良い。この場合には、前輪4のみにパーキングブレーキがかけられてロックされる。
また、上述の実施形態では係合板部材31aの後端とリブ32の外側端とを曲面(側面視円弧)に形成しているが、係合板部材31aとリブ32とが衝き当たった場合に滑り易い形状であれば曲面に限られるものではなく、例えば前記後端・外側端が前後方向鋭角であるように共に傾斜面であったり、テーパー形状であったりしても良く、また、係合板部材31aの後端とリブ32の外側端との形状を相互に変えても(即ち、曲面,傾斜面,テーパーを組み合わせても)良い。
なお、パーキングブレーキ構造の第一の係合部と第二の係合部とがどのような形態であっても、これら第一の係合部及び第二の係合部は、タイヤの側方の範囲内に収まることが好ましく、さらに言えば、各車輪を左右対向する2個のタイヤで構成して第一の係合部と第二の係合部とが左右対向する2個のタイヤの間に収まることが好ましい。このようにすることにより、第一の係合部や第二の係合部が周囲の物や使用者などに引っ掛かったりぶつかったりすることがないので安全性と快適性を確保することができると共に両係合部が破損してしまうことが防止される。
3)外れ止め機構について
上述の実施形態では前後脚フレーム2,3が閉じ合わされて折り畳まれた状態を維持するための外れ止め機構を備えるようにしているが、当該外れ止め機構は本発明の必須の構成要素ではなく、これを有しない構成であっても構わない。
また、上述の実施形態では前輪ブロック7後端面下端部から延出させて設けられた係合突起部材35と後輪ホルダー10下端面に設けられた係合凹部36とによって外れ止め機構を構成するようにしているが、外れ止め機構の形態・構成はこれに限られるものではない。例えば、前輪ブロック7後端面下端部から延出させて設けられる係合板部材31a,31aの外側面(即ち、後輪5側の面)に半球状の突起を設けると共に、後輪のホイール5cの内側面(即ち、後輪ホルダー10側の面)の円周縁部に円周方向の帯状凸部を設け、前後脚フレーム2,3を閉じ合わせて折り畳む際には係合板部材31aの弾性変形を利用して半球状の突起を円周方向の帯状突起を乗り越えさせ係合させて外れ止めとするようにしても良い。
4)オートリターン機構について
上述の実施形態ではハンドル操作伝達部材としてのステアリングパイプ9を前脚フレーム2によって軸回転可能に支持してハンドル6によって前輪4を方向操作すると共にオートリターン機構の構成部材を前脚フレーム2側に配設するようにしているが、本発明の適用形態はこれに限られるものではなく、ステアリングパイプ9を後脚フレーム3によって軸回転可能に支持してハンドル6によって後輪5を方向操作すると共にオートリターン機構の構成部材を後脚フレーム3側に配設するようにしても良い。この場合であっても、上述の実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。
また、上述の実施形態ではオートリターン機構を前脚フレーム2の下端側に配置するようにしているが、オートリターン機構の配置は前脚フレーム2の下端側に限られるものではなく、上端側でも中間でもいずれの位置でも良い。
また、上述の実施形態では第一の係合部材としての第一のカム21に凸部21aを設けると共に第二の係合部材としての第二のカム22に凹部22bを設けるようにしているが、これに限られず、第一のカム21に凹部を設けると共に第二のカム22に凸部を設けるようにしても良い。
また、上述の実施形態では第一の係合部材としての第一のカム21の凸部21aを正面視三角形に形成すると共に第二の係合部材としての第二のカム22の凹部22bを正面視逆三角形に形成するようにしているが、凸部や凹部の形状は両者の接点・接触面において摺動可能であれば特定の形状に限られるものではなく、例えば半円形状や放物線形状であっても良い。
また、第一の係合部材及び第二の係合部材の形態・構成は上述の実施形態のものには限られない。例えば、一方の係合部材を単なる凸部として形成するようにしても良く、具体的には図11に示すように、第一の係合部材21を上述の実施形態と同様に形成し、第二の係合部材22を両係合部材21,22の所定の噛み合わせ位置において凸部21aの両端位置に配置され前脚フレーム2の内周面に取り付けられた丸ボタン状の突起22とするようにしても良い。また、図12に示すように、第一の係合部材21に凹部21cを形成し、第二の係合部材22を両係合部材21,22の所定の噛み合わせ位置において凹部21cの最上部(最深部)位置に配置され前脚フレーム2の内周面に取り付けられた丸ボタン状の突起22とするようにしても良い。なお、上述の実施形態における第二の係合部材22はステアリングガイド11と共にステアリングパイプ9を前脚フレーム2に軸回転可能に支持する働きもするところ、第二の係合部材22を図8や図9に示すように前脚フレーム2内周面の突起とする場合には、第二の係合部材22に替わってステアリングパイプ9を前脚フレーム2に軸回転可能に支持するための部材が前脚フレーム2下端側に設けられる。
また、上述の実施形態ではステアリングパイプ9にばね受け20を取り付けると共に第一のカム21を第二のカム22に押し付ける方向に付勢する付勢手段として第一のカム21とばね受け20との間に圧縮コイルばね23を介在させるようにしているが、付勢手段の構成はこれに限られるものではない。例えば、ばね受け20は前脚フレーム2の内周面に取り付けるようにしても良いし、また、第一のカム21とばね受け20との間に板ばねを介在させるようにしても良い。
また、上述の実施形態ではステアリングパイプ9に軸心方向摺動可能に取り付けられる第一の係合部材21を前脚フレーム2に固定的に取り付けられる第二の係合部材22に押し付ける向きに圧縮コイルばね23によって付勢するようにしているが、これとは逆に、第一の係合部材21をステアリングパイプ9に固定的に取り付けると共に第二の係合部材22を前脚フレーム2に軸心方向摺動可能に取り付けて当該第二の係合部材22を第一の係合部材21に押し付ける向きに圧縮コイルばね23によって付勢するようにしても良い。具体的には、上述の実施形態における第二の係合部材22を、ステアリングパイプ9を前脚フレーム2に軸回転可能に支持すると共にばね受け20として働く下側の部材と、軸心方向に摺動して第一の係合部材21と係合する上側の部材とに分けて構成し、これら下側の部材と上側の部材との間に付勢手段23を介在させるようにしても良い。
さらに言えば、上述の実施形態ではキャリーカート1がオートリターン機構を備えるものとして構成しているが、本発明において当該オートリターン機構は必須の構成要素ではない。オートリターン機構を備えていない場合で且つ上述の実施形態のように回転可能な前輪ブロック7後端面に第一の係合部である凸部31を設けるようにしている場合には使用者が意識的にハンドル6の方向操作をして車輪を真っ直ぐ前向きにしてから前後脚フレーム2,3を閉じ合わせて折り畳むようにすれば良く、この場合でも前後脚フレーム2,3の折り畳みの動作と同時に車輪にパーキングブレーキをかけてロックすることができるという本発明の効果は発揮される。