以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図8参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図22参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図8参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図8参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図8参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、操作ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が備えられる。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。発射される遊技球の勢い(発射勢)は、操作ハンドル24の回動具合により調整できる。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作ボタンスイッチ(SW)31a(図22参照)を内蔵する操作ボタン31が備えられている。遊技者は、操作ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、通常遊技状態で遊技者が操作ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、操作ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に操作ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース46の窓部下方には、ステージ部46aが設けられる。センターケース46のステージ部46aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース46の内部に配置されたワープ通路(図示省略)を通過した遊技球が排出される。センターケース46のステージ部46aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部46a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図8参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図8参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図8参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに、遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口2ソレノイド42b(図8参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口2を備えた第2変動入賞装置42が設けられている。第2変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント2スイッチ42d(図8参照)が配設されている。
また、遊技領域10aのセンターケース46の上方には、大入賞口1ソレノイド41b(図8参照)によって上端側が左側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口1を備えた第1変動入賞装置41が設けられている。開閉扉41aは、遊技者が左打ちで発射した遊技球が大入賞口1に届くように遊技球が流下可能な遊技領域10aに向かって開放される。第2変動入賞装置42と同様に、第1変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント1スイッチ41d(図8参照)が配設されている。
なお、本発明の第1の実施の形態では、第1変動入賞装置41の大入賞口が開放状態になる場合に、当該大入賞口に入った遊技球は振分装置70による振分遊技が行われる。
センターケース46の窓部上方の縁裏には、可動式の第1球通路71と、当該第1球通路71から後方に分岐して並設され当該第1球通路71と一体となって可動する第2球通路72とが格納されている(第1形態)。また、センターケース46の窓部右側には、第1球通路71を通過して流下案内される遊技球の振り分け抽選遊技を行う振分抽選器73と、当該振分抽選器72の後方に第2球通路72を通過した遊技球が流下する排出通路74とが設けられている。
そして、第1変動入賞装置41の大入賞口が開放状態になる場合に、第1球通路71及び第2球通路72が、図中に示す矢印のようにセンターケース46の窓部内側であって表示装置48の前方に可動する。可動後は、図中に示すように、第1球通路71は一端が第1変動入賞装置41に、他端が振分抽選器73に接続される。また、このとき第2球通路72は、排出通路74に接続される(第2形態)。このように第1球通路71及び第2球通路72が可動して、第1形態から第2形態に変換することで、振分装置70による振分遊技が可能となる。なお、振分装置70についての詳細は、図3以降にて後述する。
そして、第1変動入賞装置41の大入賞口に入った遊技球は、まず第1球通路71又は第2球通路72に振り分けられる。その後、第1球通路71を通過した当該遊技球は、振分抽選器72による振分遊技が行われ、第2球通路72を通過した遊技球はそのまま排出通路74を流下して排出される。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1変動入賞装置41の大入賞口1、及び第2変動入賞装置42の大入賞口2に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図8参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、第2変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部51〜60が設けられている。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(第1変動入賞装置41及び第2変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1変動入賞装置41又は第2変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1変動入賞装置41又は第2変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図8参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図8参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれの内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図8参照)と始動口2スイッチ38d(図8参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図8参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(表示装置48、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の大当り乱数値が大当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、第1変動入賞装置41及び第2変動入賞装置42は、それぞれ大入賞口1ソレノイド41b及び大入賞口2ソレノイド42b(図8参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、第1変動入賞装置41及び第2変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
続いて、図3から図6を参照して、本発明の第1の実施の形態の振分装置70の構成について説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態の振分装置の斜視図である。振分装置70は、第1球通路71と、第2球通路72と、振分抽選器73と、排出通路74と、サブ排出通路75と、を備える。
振分装置70では、前述したように第1変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)が開放される場合に、第1変動入賞装置41に入賞した遊技球に対して1回又は2回の振分遊技を実行する。
1回目の振分遊技(第1振分遊技)は、第1変動入賞装置41から第1球通路71に流入した遊技球を流下させる通路(第1球通路71又は第2球通路72)を切り替える流路の切替遊技である。
ここで、第1球通路71は、正方形の通路断面で一直線に設けられ、遊技球を受け入れる入球口71aと、遊技球を排出する排球口71bとを有する。そして、第2形態の場合に、入球口71aは第1変動入賞装置41と接続され、排球口71bは振分抽選器73の上面に遊技球を落下させることが可能な位置に配置される。また、このとき入球口71aは排球口71bより上方に位置する。これにより、第1変動入賞装置41に入賞した遊技球が第1球通路71を流下する。
第2球通路72は、第1球通路71の中流位置から後方に分岐して並設される。第2球通路72は、第1球通路71の側壁に開口して設けられる入球口72aと、第1球通路71の排球口71bと並んで設けられ、第2形態の場合に排出通路74と接続する排球口72bとを有する。そして、第2球通路72と第1球通路71との分岐(第2球通路72の入球口72a)には、図示しない流路切替部材90(図5参照)が設けられる。第1球通路71の上流を流下してきた遊技球は、流路切替部材90によって、そのまま第1球通路71を流下するか、又は、第2球通路72を流下するか、その後の流下方向が決定される。なお、流路切替部材についての詳細は、図5にて後述する。
そして、1回目の振分遊技の結果、第2球通路72を流下した遊技球は、さらに排球口72bに接続される排出通路74を流下する。ここで、排出通路74は、上下方向に一直線に設けられ、第2形態の場合に第2球通路72の排球口72bと合致する入球口74aと、下方に開口し、既存の排出通路へと接続される排球口74bとを有する。
一方、1回目の振分遊技の結果、第1球通路71を流下した遊技球に対しては、振分装置70は2回目の振分遊技を実行する。
2回目の振分遊技(第2振分遊技)は、流路切替部材90(図5参照)によって第1球通路71を流下した遊技球を、振分抽選器73に落下させ、大当り遊技のラウンドが継続するか否かの抽選を行う遊技である。
振分抽選器73は、上下方向に円筒形状であって回転可能に設けられる。振分抽選器73は、上面に第1球通路71から落下してきた遊技球を受け入れる2つの穴を有する。2つの穴は、遊技球が入球するとラウンドが継続するラウンド継続確定口73aと、遊技球が入球するとラウンドが継続しないハズレ口73bと、である。そして、振分抽選器73は、第1球通路71から落下してくる遊技球の振分遊技の結果に応じて、ラウンド継続確定口73a又はハズレ口73bが第1球通路71の排球口71bの下に位置するよう回転される。また、ラウンド継続確定口73a及びハズレ口73bは振分抽選器73の上面に開口し、下面まで貫通して設けられる。そして、ラウンド継続確定口73a及びハズレ口73bは、振分抽選器73の下面でサブ排出通路75に接続される。
サブ排出通路75は、上方に向かって開口し、振分抽選器73の下面に接続される入球口75aと、後方に向かって開口し、排出通路75の側壁に接続される排球口75bと、を有する。サブ排出通路75には第1球通路71から振分抽選器73を通過した遊技球が流下し、当該遊技球は、第2球通路72を通過した遊技球が流下する排出通路74に合流する。
このように、振分装置70では、第1変動入賞装置41に入賞した遊技球に対して振分遊技を実行している。本発明の第1の実施の形態では、後述するように遊技球が入賞した時点で振分演出情報が付与されており、当該振分演出情報に基づいて対象の遊技球の振分遊技を行う(図28参照)。
なお、遊技球の振分遊技は、前述の振分演出情報に基づくものではなく、例えば、流路切替部材90にセンサーを取り付け、1ラウンドあたり所定数の遊技球が第1球通路71を流下したら、残りの遊技球は第2球通路72を流下するように行ってもよい。第1球通路71を流下させる所定数の遊技球は、振分抽選器73が溢れない程度であり、1ラウンドに数個である。これにより、球通路の切り替えに偶然性を演出することができる。
次に、図4は、本発明の第1の実施の形態の貯留構造を示す図である。ここでは、第1変動入賞装置41に入賞した遊技球が振分装置70に流下する手前で、当該遊技球を貯留し、大当り遊技以外のタイミングにおいても振分装置70に遊技球を流下可能にする貯留構造が設けられる。左図は、右図の正面視の貯留構造を図中右方から見た貯留構造の図である。
図4(A)は、第1変動入賞装置41の開閉扉41aが開放され、入賞した遊技球が貯留された状態を示す図である。
第1変動入賞装置41には、入賞した遊技球が通過する通路41xと、通路41yと、貯留部材41zと、が備えられる。通路41xは、大入賞口に連続して上下方向に設けられる。通路41yは、通路41xの後方に上下方向に並設され、第2形態の場合に、第1球通路71の入球口71aと接続される。通路41yは、通路41xと、通路41xの下面から上方向に遊技球2個分が通過可能な領域で接続されており、その接続領域には上下スライド式の貯留部材41zが設けられる。貯留部材41zは、通路41xの下面に設けられ、上方向に設けられる遊技球1個分の高さの平板によって前述の接続領域を一部遮ることができる。
このため、大当り遊技が開始されて始めて第1変動入賞装置41に入賞した遊技球は、通路41xと貯留部材41zとで形成される箱空間に貯留されることとなる。
図4(B)は、遊技球が貯留された状態における他の遊技球の流れを示す図である。図4(A)の状態後、第1変動入賞装置41に入賞する遊技球は、通路41xと通路41yとの接続領域の上方部分(貯留部材41zに遮られていない部分)を通過して、通路41xから通路41yへと流下し、振分装置70の第1球通路71に案内される。
図4(C)は、貯留された遊技球を振分装置70の第1球通路71に案内する場合の図である。この場合は、貯留部材41zが下方向にスライド移動され、通路41xの下面の下方に収納される。これにより、貯留されていた遊技球は、通路41xと通路41yとの接続領域の下方部分を通過して、通路41xから通路41yへと流下し、振分装置70の第1球通路71に案内される。
図5は、本発明の第1の実施の形態の流路切替部材の動作を示す図である。また、第1球通路71及び第2球通路72の流路切替部分を上方から見た断面模式図である。
図5(A)は、流路切替部材90によって遊技球が第1球通路71及び第2球通路72のどちらの球通路に流下案内されるかわからない状態のときの図である。
本発明の第1の実施の形態の流路切替部材90は、平板形状であって、第2球通路72の入球口72aの下流側に上下方向に設けられる回転軸91に取り付けられる。そして、流路切替部材90は、回転軸91の回転によって第1球通路71又は第2球通路72への遊技球の流入を妨げる。
まず、図5(A)に示すように、流路切替部材90は、対象の遊技球が第1球通路71の所定位置に到達するまでは揺動し、第1球通路71及び第2球通路72のどちらの通路を遮断するか遊技者がわからないようにする。ここで、所定位置とは、遊技球が第1球通路71と第2球通路72との分岐部に差し掛かる直前の位置から、流路切替部材90が揺動状態から第1球通路71もしくは第2球通路72を塞ぐ遮断状態に切り替わるのに要する時間に対応する遊技球の流下距離分だけ上流の位置をいう。
図5(B)は、流路切替部材90によって第2球通路72が遮断され、遊技球が第1球通路71に流下案内される状態のときの図である。このとき流路切替部材90は、第2球通路72側に回転し、第2球通路72に遊技球が流入しないようにする。
図5(C)は、流路切替部材90によって第1球通路71が遮断され、遊技球が第2球通路72に流下案内される状態のときの図である。このとき流路切替部材90は、第1球通路71側に回転し、第1球通路71に遊技球が流入しないようにする。
図6は、本発明の第1の実施の形態の流路切替部材の駆動を示す図である。前述した流路切替部材90を回転させる回転軸91の駆動について説明する。
図6(A)は、振分装置70の第1球通路71、第2球通路72、流路切替部材90の駆動に係る構成、及び、カバー部材95の斜視図である。これらの構成は、振分遊技が行われるときにセンターケース46の窓部上方の縁裏から表示装置48の前方に可動する。図6(B)は、図6(A)のカバー部材95を分解した図である。図6(C)は、これらの構成を上方から見た透視図である。
図6(C)に示すように、流路切替部材90を動かす回転軸91は、小ギア92の回転軸である。そして、小ギア92は大ギア94と噛み合う。モーターギアである大ギア94のモーター軸93が回転することで、ギアを介して流路切替部材90の回転軸91に回転力が伝達される。
小ギア92は、第1球通路71及び第2球通路72の下方に設けられる。また、小ギア92と噛み合う大ギア94は、小ギア92よりも第1球通路71の上流側に設けられる。そして、大ギア94の回転軸93は、第2球通路72にあたることがないよう設けられる。このように第1球通路71と第2球通路72とで形成される死角にモーター軸93を配置することで、駆動装置をコンパクトに収めることができる。なお、この駆動装置は、盤演出装置10f(図22参照)により駆動される。
また、図6(B)に示すように、第1球通路71の下方に小ギア92及び大ギア94の歯車面が位置するので、当該歯車面が遊技者から視認される。そこで、図6(A)に示すように、カバー部材95を第1球通路71の前面下方に取り付けることで、遊技者から小ギア92及び大ギア94が視認されないようにしている。
なお、本発明の第1の実施の形態では、流路切替部材90の駆動にギアを用いているが、ソレノイドを用いてもよい。
〔ラウンドパターン〕
続いて、図7は、本発明の第1の実施の形態の大当り遊技のラウンドパターンを示す図である。
図7(A)は、本発明の第1の実施の形態の大当り遊技のラウンドパターンテーブルである。ここでは、大当り遊技のラウンド数として、5Rと15Rとが設定される。そして、5Rの場合は、第1変動入賞装置41の大入賞口が開放される(パターンA)。また、15Rの場合は、全ラウンドにおいて第2変動入賞装置42の大入賞口が開放されるパターンBと、始めの5Rは第1変動入賞装置41の大入賞口が開放され、その後の10Rは第2変動入賞装置42の大入賞口が開放されるパターンCとの2パターンが設定される。
図7(B)は、前述したラウンドパターンの進行タイムチャートである。上段、中段、及び下段のタイムチャートは、それぞれパターンA、パターンB、及びパターンCのタイムチャートである。
前述した振分装置70における振分遊技は、第1変動入賞装置41の大入賞口が開放されるパターンA及びパターンCの場合に実行される。すなわち、パターンA及びパターンCの大当りの場合に、入賞した遊技球に振分演出情報が付与されている。
そして、パターンCの場合にのみ、第1球通路71を流下した遊技球のうち1球が振分抽選器73のラウンド継続確定口73aに入球するように制御する。図中では、パターンCの場合に3Rにおいて遊技球がラウンド継続確定口73aに入球したことが検出されている。また、パターンAの場合には、振分遊技を行っても振分抽選器73のラウンド継続確定口73aに入球する遊技球はない。
このようにすることで、振分遊技におけるラウンド継続確定口73aへの遊技球の入球を契機に、ラウンド遊技が10R追加され、さらに、開放される大入賞口が第1変動入賞装置41から第2変動入賞装置42に切り替わったかのように遊技者に見せることができる。
なお、第1の実施の形態では、振分遊技によってラウンドが継続するか否かを演出したが、これに限らない。例えば、大当りが確変であるか否かを演出してもよい。振分遊技によって確変を獲得したかのように遊技者に見せることができ、遊技の興趣が向上する。
以下、図8から図21を参照して、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置の構成及び制御について説明する。
図8は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が16R大当りや9R大当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル(SP)1リーチ、スペシャル(SP)2リーチ、スペシャル(SP)3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
本願発明においても、このようなリーチ演出(もしくは特定の演出)に対して選択割合を異ならせているため、上記のような、信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1101)や特図普段処理(S1109)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置581が発射可能状態になる。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され第1変動入賞装置41、第2変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口1ソレノイド41b、大入賞口2ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口1ソレノイド41bや大入賞口2ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。また、普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置500による制御のうちメイン処理について説明する。図9Aは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。図9Bは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S901)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S902)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S903)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S904)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S905)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S906)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S907)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S908)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S909)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S909の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S910〜S913)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S910及びS911の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S912及びS913の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S913の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S914)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S915)、これらの値が一致するか否かを判定する(S916)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S909の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S911又はS913の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS914の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S916の結果が「N」)、図9BのS941〜S945の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S916の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図4BのS917〜S923)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S917)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S918)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S919)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S920)。高確率でないと判定された場合には(S920の結果が「N」)、S923以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S920の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S921)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)に設定する(S922)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S923)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S941)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S942)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S943)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S944)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S945)、S924以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S923又はS945の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S924)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S925)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S926)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S927)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S928)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S929)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S930)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S930の結果が「N」)、S928の初期値乱数更新処理を再び実行し、S928からS930までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S928)の前に割り込みを許可(S927)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S928)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S930の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS929の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S931)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S931の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S930)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S931の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S932〜S938)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S932)、全出力ポートをオフに設定する(S933)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S934)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S935)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S936)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S937)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S938)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S1001)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS1001の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S1002)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S1003)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口1ソレノイド(SOL)41b、大入賞口2ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S1004)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S1005)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S1006)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S1007)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S1008)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図6にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S1009)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S1010)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S1011)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED32を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S1012)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S1013)。その後、S1001の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S1014)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S1015)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図10)における特図ゲーム処理(S1008)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(特別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S1101)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図12にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S1102)。カウントスイッチ監視処理では、開放される第1変動入賞装置41内又は第2変動入賞装置42内に設けられたカウント1スイッチ41d又はカウント2スイッチ42によって対応する変動入賞装置に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。なお、カウントスイッチ監視処理の詳細については、図13にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1103)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S1109〜S1115)を実行するときに初期値がセットされ、S1103の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S1109;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1104の結果が「N」)、S1116以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1104の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1105)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1106)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S1107)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S1108)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1108の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S1109)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図15にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1108の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S1110)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1108の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S1111)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。なお、特図表示中処理の詳細については、図21にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1108の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1112)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1108の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S1113)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて対応する変動入賞装置の開閉扉(第1変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2変動入賞装置42の開閉扉42a)を開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1108の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S1114)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に対応する開閉扉(開閉扉41a又は開閉扉42a)を閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S1108の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S1115)。大当り終了処理は、S1109の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1116)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1117)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1118)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S1119)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図11)における始動口スイッチ監視処理(S1101)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1201)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1202)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図14にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S1203)。普通電動役物が作動中である場合には(S1203の結果が「Y」)、S1206以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S1203の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S1204)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1205)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1204及びS1205の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1205の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1205の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S1206)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1207)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔カウントスイッチ監視処理〕
続いて、前述の特図ゲーム処理(図11)におけるカウントスイッチ監視処理(S1102)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態のカウントスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
カウントスイッチ監視処理は、開放されている変動入賞装置が第1変動入賞装置41及び第2変動入賞装置42のどちらであっても、同じ処理が実行される。以下では第1変動入賞装置41が開放されている場合について具体的な処理を説明する。
遊技制御装置500は、まず、第1変動入賞装置41の大入賞口1の大当り開放中か否かをチェックし、判定する(S1301、S1302)。そして、大入賞口1の大当り開放中でない場合には(S1302の結果が「N」)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
遊技制御装置500は、大入賞口1の大当り開放中である場合には(S1302の結果が「Y」)、大入賞口1への遊技球の入賞を検出するカウント1スイッチ41dに入力があるかをチェックし、判定する(S1303、S1304)。そして、カウント1スイッチ41dに入力がない場合には(S1304の結果が「N」)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、カウント1スイッチ41dに入力がある場合には(S1304の結果が「Y」)、大入賞口カウント数を1加算更新する(S1305)。そして、更新後の大入賞口カウント数が予め設定される上限値に達したか否かをチェックし、判定する(S1306、S1307)。
遊技制御装置500は、大入賞口カウント数が上限値に達した場合には(S1307の結果が「Y」)、特図ゲーム処理タイマを0クリアする(S1308)。その後、カウントスイッチ監視処理を終了する。
なお、カウントスイッチ監視処理のS1302の結果が「Y」の場合は、ファンファーレ/インターバル中処理(S1112)で処理番号「7」が設定されている。このため、特図ゲーム処理タイマが0クリアされた後に、特図ゲーム処理(図11)のS1103及びS1104の処理でタイムアップしたと判定され、その後実行される処理は、大入賞口開放中処理(S1113)となる。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
続いて、前述した始動口スイッチ監視処理(図12)における特図始動口スイッチ共通処理(S1202、S1207)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1401、S1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1402の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1404)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数である始動口信号出力回数をロードする(S1405)。そして、ロードした始動口信号出力回数に1加算して更新し、オーバーフローするか否かをチェックする(S1406、S1407)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1408)。
遊技制御装置500は、S1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1409、S1410)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1411)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドの送信を設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1414)。
次に、遊技制御装置500は、更新対象の始動口及び更新された特図保留数に対応する保留記憶領域に含まれる乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1415)。
遊技制御装置500は、算出されたアドレスに基づいて、大当り乱数を大当り乱数セーブ領域にセーブする(S1416)。さらに、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(S1417)。そして、準備した大当り図柄乱数を大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S1418)。
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(S1419)。変動パターン乱数1は、後半の変動パターンのリーチ系統を決定するための乱数である。
同様に、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数2を抽出し、変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(S1420)。変動パターン乱数2は、変動パターン乱数1によって特定される後半変動のリーチ系統から詳細な変動パターンを決定するための乱数である。
さらに、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数3を抽出し、変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(S1421)。変動パターン乱数3は、前半の変動パターンを決定するための乱数である。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、乱数セーブ領域にセーブされた乱数に基づいて事前(先読み)判定を行う特図保留情報判定処理を実行し(S1422)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1410の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1430、S1431)。監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合には(S1431の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(S1432)、コマンド設定処理を実行する(S1433)。
一方、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dの場合(S1431の結果が「N」)、又は、S1433のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図11)における特図普段処理(S1109)の詳細について説明する。図15は、本発明の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1501、S1502)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1502の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1503、S1504)。このように、特図2保留数のチェック(S1501)を、特図1保留数のチェック(S1503)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1504の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1505、S1506)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1506の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1507)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1508)、コマンド設定処理を実行する(S1509)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1506の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1510以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1510)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1504の結果が「N」)、すなわち特図1変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S1511)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1512)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、変動中に係る試験信号、特図表示器における特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図表示器の変動中に係るフラグ、特図表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。なお、S1511における特図1変動開始処理1の詳細については、図16にて後述する。
同様に、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1502の結果が「N」)、すなわち特図2変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S1513)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1514)。なお、S1513における特図2変動開始処理1の詳細については、図17にて後述する。
〔特図1変動開始処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図15)における特図1変動開始処理1(S1511)の詳細について説明する。図16は、本発明の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1601)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームにおける特図1停止図柄の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S1602)。
その後、遊技制御装置500は、特図1停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1603)。続いて、特図1停止図柄設定処理によって設定された停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1604)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)を設定して準備し(S1605)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S1606)。
続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備し(S1607)、変動パターンを決定するための各種パラメータ(特図情報)を設定する特図情報設定処理を実行する(S1608)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行する(S1609)。さらに、S1608で設定されたパラメータ及びS1609で設定された後半変動パターンに基づいて、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1610)。なお、後半変動パターン設定処理及び変動パターン設定処理の詳細については、図18及び図19にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S1611)、特図1変動開始処理1を終了する。なお、変動開始情報設定処理の詳細については、図20にて後述する。
〔特図2変動開始処理1〕
続いて、前述した特図普段処理(図15)における特図2変動開始処理1(S1513)の詳細について説明する。図17は、本発明の実施の形態の特図2変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理1は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
特図2変動開始処理1は、前述した特図1動開始処理1と同様の手順で実行される。
具体的には、S1701の処理で大当りフラグ2設定処理が実行される。また、S1702の処理で特図2停止図柄設定処理が実行される。そして、S1703の処理で特図1停止図柄番号(S1603)が特図2停止図柄番号に、S1705及びS1706の処理で特図1変動フラグ(S1605及びS1606)が特図2変動フラグとなる。さらに、S1707の処理で特図1用のテーブル(S1607)が特図2用のテーブルとなる。S1704、S1708〜S1711の処理は、S1604、S1608〜S1611の処理と同じである。
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理1(図16)及び特図2変動開始処理2(図17)における後半変動パターン設定処理(S1609、S1709)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の後半変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、前述の特図情報設定処理(S1608、S1708)で生成される変動グループ選択テーブルポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出し、準備する(S1801)。そして、作業用の図柄情報がはずれ図柄情報か否かチェックする(S1802、S1803)。
遊技制御装置500は、図柄情報がはずれ図柄情報である場合には(S1803の結果が「Y」)、対象の後半変動グループ情報領域から後半変動グループ情報をロードする(S1804)。また、はずれの場合は特図保留数に応じてテーブルを変えるので、後半変動グループ情報に対応するアドレスを追加算出し、変動グループ選択テーブルとして準備する(S1805)。
一方、遊技制御装置500は、図柄情報がはずれ図柄情報でない場合には(S1803の結果が「N」)、S1806以降の処理へ進む。
そして、遊技制御装置500は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数1をロードし、準備する(S1806)。次に、2バイトで表される変動パターン乱数1の振り分け値を決める2バイト振り分け処理を実行する(S1807)。そして、振り分けた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備する(S1808)。これにより、後半の変動のリーチ系統が決まる。
続いて、遊技制御装置500は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数2をロードし、準備する(S1809)。また、後半の変動のリーチ系統における詳細な演出を表す変動パターン乱数2の振り分け値を決める振り分け処理を実行する(S1810)。そして、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得し(S1811)、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブして(S1812)、後半変動パターン設定処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
続いて、特図1変動開始処理1(図16)及び特図2変動開始処理2(図17)における変動パターン設定処理(S1610、S1710)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置500は、対象の前半変動グループ情報領域から前半変動グループ情報をロードし(S1901)、前半変動グループ情報に対応する前半変動グループテーブルのアドレスを算出する(S1902)。
次に、遊技制御装置500は、対象の後半変動番号領域から後半変動番号をロードする(S1903)。そして、S1902で算出した算出後の前半変動グループテーブルを用いて、後半変動番号に対応する前半変動パターン選択アドレステーブルのアドレスを算出する(S1904)。
そして、遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなし変動の番号か否かをチェックする(S1905、S1906)。
遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなし変動の番号の場合には(S1906の結果が「Y」)、対象の前半変動情報1領域から前半変動情報1をロードする(S1907)。
一方、遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなし変動の番号でない場合には(S1906の結果が「N」)、対象の前半変動情報2領域から前半変動情報2をロードする(S1908)。
そして、遊技制御装置500は、算出後の前半変動グループテーブルを用い、前半変動情報に対応するアドレスを算出する(S1909)。次に、算出後のアドレスから前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備する(S1910)。
続いて、遊技制御装置500は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数3をロードし、準備する(S1911)。そして、前半の変動パターンを表す変動パターン乱数3の振り分け値を決める振り分け処理を実行する(S1912)。そして、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得し、準備して(S1913)、変動パターン設定処理を終了する。
このように、後半変動パターン設定処理(図18)及び変動パターン設定処理(図19)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理1(図16)及び特図2変動開始処理2(図17)における変動開始情報設定処理(S1611、S1711)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。変動開始情報設定処理では、決定された変動パターンに基づいて、時間値の設定などの処理を実行する。
遊技制御装置500は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(S2001)。
続いて、遊技制御装置500は、前半変動時間値テーブルを設定し(S2002)、変動パターン設定処理(図19)のS1913の処理で取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(S2003)。
同様に、遊技制御装置500は、後半変動時間値テーブルを設定し(S2004)、後半変動パターン設定処理(図18)のS1811の処理で取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(S2005)。
そして、遊技制御装置500は、S2003の処理で取得された前半変動時間値と、S2005の処理で取得された後半変動時間値とを加算し(S2006)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2007)。
さらに、遊技制御装置500は、演出制御装置550に変動パターンコマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、前半変動番号に対応する変動パターンコマンドのMODE部を算出し、準備する(S2008)。さらに、後半変動番号に対応する変動パターンコマンドのACTION部を算出し、準備し(S2009)、変動パターンコマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S2010)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンド(図柄情報コマンド)をロードし、準備して(S2011)、飾り特図コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S2012)。
そして、遊技制御装置500は、演出制御装置550に特図保留数コマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンドのMODE部を準備する(S2013)。
次に、遊技制御装置500は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定し(S2014)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を1減算して更新する(S2015)。さらに、特図保留数に対応する特図保留数コマンドのACTION部を準備して(S2016)、特図保留数コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S2017)。
最後に、遊技制御装置500は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(S2018)、シフト後の空き領域を0クリアする(S2019)。その後、変動開始情報設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
続いて、前述した特図ゲーム処理(図11)における特図表示中処理(S1111)の詳細について説明する。図21Aは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。図21Bは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合にRWMの大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2をロードし(S2101)、大当りフラグ2領域をクリアする(S2102)。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(S2103)、大当りであるか否かを判定する(S2104)。そして、大当りと判定された場合には(S2104の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S2110)。さらに、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S2111)。特図2大当りの開始に関する信号には、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄2当り信号をONにしたりすることが含まれる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(S2104の結果が「N」)、RWMの大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1をロードする(S2105)。大当りフラグ1領域に大当りフラグ1が設定されている場合には、特図1変動表示ゲームが大当りになる。さらに、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S2106)。
続いて、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ1をチェックし(S2107)、大当りであるか否かを判定する(S2108)。そして、大当りと判定された場合には(S2108の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S2109)。特図1大当りの開始に関する信号には、特図2大当りの場合と同様に、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄1当り信号をONにしたりすることが含まれる。
そして、遊技制御装置500は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S2109)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S2111)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(S2112)。
次に、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(S2113)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S2114)。
このように、ラウンド数上限値テーブル上には、ラウンド数上限値及びラウンドLEDポインタが定義される。
次に、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率(低確率)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S2115)、コマンド設定処理を実行する(S2116)。
続いて、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報をRWMからロードし、当該図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(S2117)、コマンド設定処理を実行する(S2118)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと5R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置550に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S2119)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S2120)。
次に、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報をロードし、当該大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブするとともに、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号もRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S2121)。
さらに、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S2122)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2123)。
その後、遊技制御装置500は、大入賞口への不正入賞数をセーブしている大入賞口不正入賞数領域をリセットし(S2124)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(S2125)。
そして、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(S2126)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、特図ゲーム処理においてファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定し、各種状態を示す情報を設定したり、変動パターン振り分け情報領域にセーブされた変動パターン振り分け情報をクリア(0クリア)したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器58)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置550に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(S2108の結果が「N」)、遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S2130)。遊技状態が時短状態の場合には、所定のゲーム回数を消化すると、他の遊技状態に遷移するため、ゲームの消化回数を管理するための処理を行う必要がある。
遊技制御装置500は、遊技状態が時短状態の場合には(S2130の結果が「Y」)、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが1回分終了したため、時間短縮変動回数を1減算して更新する(S2131)。
そして、遊技制御装置500は、S2131の処理で更新された時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する(S2132)。時間短縮変動回数が0の場合には(S2132の結果が「Y」)、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了することになるので、時間短縮終了時の確率情報コマンドを準備し(S2133)、コマンド設定処理を実行する(S2134)。そして、普電サポート状態は非入賞容易状態(普電サポートなし)になるので、遊技状態を通常状態に移行して特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を実行し(S2135)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2では、遊技状態を時短状態から通常状態に移行させるために必要な各種フラグやパラメータを設定する。
一方、遊技状態が時短状態でない、すなわち、遊技状態が確変状態又は通常状態である場合(S2130の結果が「N」)、もしくは、次回の特図変動表示ゲームも時短状態である場合(S2132の結果が「N」)には、遊技状態を遷移せずに特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S2136)、特図表示中処理を終了する。
次に、図22から図32を参照して、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置の構成及び制御について説明する。
図22は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた操作ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口1ソレノイド41b又は大入賞口2ソレノイド42bにより第1変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口(大入賞口1又は大入賞口2)内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は5回)継続する(繰り返す)制御(ラウンド遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2301)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S2302)。そしてCPU初期化処理を実行する(S2303)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S2304)、乱数初期化処理を実行する(S2305)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2306)。そして割込みを許可する(S2307)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2308)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2303)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による操作ボタン31の操作信号を検出し、検出した信号に応じた処理を行う操作ボタン入力処理を実行する(S2309)。また遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2310)。遊技制御コマンド解析処理は、割込みで遊技制御装置500のバッファ532aにセットされた情報を正しく受信できたか否かを判断し、受信できた場合に後のシーン制御処理のためのコマンド区分けなどを行う。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2311)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信して表示や役物の動作等を検査する。そして、表示や音、LEDの点灯等が必要な場合は後述するS2315〜S2317の処理において制御され、検査が終了して電源が落とされると処理が終了する。テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2310)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S2312)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図24を参照して後述する。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2313)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知を行う情報の設定など所定の処理を実行する。ここで、実際に遊技状態LED29を点灯したり、スピーカー30から警報音を発する制御は、後述するS2315〜S2317の処理において行われる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2314)。演出コマンド編集処理においてレジスタに書き込まれたコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に出力される。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2315)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2316)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2317)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2318)、S2308の処理に戻る。以降、S2308からS2318までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図23)における1stシーン制御処理(S2312)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S2401)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中である場合には(S2401の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S2401の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S2402)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S2402の結果が「N」)、S2403〜S2406の処理を実行せずにS2407の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するS2408〜S2415の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S2402の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S2403)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2310)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S2404)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S2404の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S2405)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S2406)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S2404の結果が「N」)、S2405及びS2406の処理を実行せずにS2407の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2310)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S2407)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S2408)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S2409)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S2410)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S2411)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。なお、変動中処理の詳細については、図25にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、ファンファーレ処理を実行する(S2412)。なお、ファンファーレ処理の詳細については、図27にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、ラウンド中処理を実行する(S2413)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。なお、ラウンド中処理の詳細については、図28にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、インターバル処理を実行する(S2414)。なお、インターバル処理の詳細については、図30にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、エンディング処理を実行する(S2415)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動開始時に変動パターンコマンドより先に遊技制御装置500から送信される飾り特図コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(S2416)。また、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置500から送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新を行う保留数コマンド受信処理を実行する(S2417)。続いて、変動表示ゲームが大当りとなるか否かの図柄情報コマンドや実行される変動パターンを特定可能な変動パターン乱数コマンドを含む事前演出コマンドにより保留表示の演出等を設定する先読みコマンド受信処理を実行する(S2418)。さらに、受信した確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに背景コマンドを2ndCPUに送信する確率情報コマンド受信処理(S2419)を順に実行して、1stシーン制御処理を終了する。
〔変動中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図24)における変動中処理(S2411)の詳細について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S2501)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS2406で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S2501の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S2502)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S2502の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定する次シーンデータ設定処理を実行し(S2503)、さらに、最終シーンであるか否かを判定する(S2504)。そして、最終シーンである場合には(S2504の結果が「Y」)、変動表示ゲームの終了を設定して(S2505)、変動中処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S2402の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、変動中処理を終了する。また、設定した次のシーンが最終シーンでない場合には(S2404の結果が「N」)、変動表示ゲームは継続するので、終了を設定せずに変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S2501の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動表示ゲームの終了間際などに遊技者によって押された操作ボタン31など演出ボタン関連情報(履歴)をクリアする(S2506)。これにより、前回の変動表示ゲームにおける操作が今回の変動表示ゲームに影響しない。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S2507)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時間短縮変動回数などを管理するために変動回数管理処理を実行し(S2508)、遊技制御装置500から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置550の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動パターン情報設定処理を実行する(S2509)。変動パターン情報設定処理についての詳細は、図26にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S2510)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2509で設定された変動パターンに対応して、表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S2511)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、設定された変動パターンに対応する変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(S2512)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示ゲームの実行開始に関する各種の設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアし(S2513)、変動中処理を終了する。
〔変動パターン情報設定処理〕
次に、前述した変動中処理(図25)における変動パターン情報設定処理(S2509)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、停止図柄情報を取得して(S2601)、保留情報をセーブする(S2602)。また、遊技状態を取得して(S2603)、停止図柄を決定する(S2604)。そして、保留記憶領域に記憶されている演出情報を取得して(S2605)、S2603の処理で取得した遊技状態と当該演出情報をもとにシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定して(S2606)、変動パターン情報設定処理を終了する。
〔ファンファーレ処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図24)におけるファンファーレ処理(S2412)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態のファンファーレ処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S2701)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS2406で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S2701の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S2702)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S2702の結果が「Y」)、次のシーンに移行するために次のシーンのデータを設定する次シーンデータ設定処理を実行し(S2703)、さらに、最終シーンであるか否かを判定する(S2704)。そして、最終シーンである場合には(S2704の結果が「Y」)、ファンファーレ終了を設定して(S2705)、ファンファーレ処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S2702の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、ファンファーレ処理を終了する。また、設定した次のシーンが最終シーンでない場合には(S2704の結果が「N」)、ファンファーレは継続するので終了を設定せずにファンファーレ処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S2701の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、大当り時ゲームモード状態を保持する(S2706)。次に、大当り種類に対応する大当り図柄を設定し(S2707)、大当り種類による情報の再設定を実行する(S2708)。そして、大当り回数記憶領域の値を1加算更新する(S2709)。その後、演出リクエストフラグをクリアして(S2613)、ファンファーレ処理を終了する。
〔ラウンド中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図24)におけるラウンド中処理(S2413)の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態のラウンド中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S2801)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS2406で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S2801の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S2802)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S2802の結果が「Y」)、次のシーンに移行するために次のシーンのデータを設定する次シーンデータ設定処理を実行し(S2803)、さらに、最終シーンであるか否かを判定する(S2804)。そして、最終シーンである場合には(S2804の結果が「Y」)、ラウンド中演出終了を設定して(S2805)、ラウンド中処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S2802の結果が「N」)、現在のラウンド遊技表示を継続するので、ラウンド中処理を終了する。また、設定した次のシーンが最終シーンでない場合には(S2804の結果が「N」)、ラウンド中演出は継続するので終了を設定せずにラウンド中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S2801の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、大当りに関する情報の再設定を行い(S2806)、ラウンド数を1加算更新して設定する(S2807)。そして、振分演出情報があるか否かをチェックし、判定する(S2808、S2809)。振分演出情報とは、前述したラウンドパターンA、C(図7参照)のような所定の大当り時に大当りに関する情報として設定されている。振分演出情報は、振分演出が実行された後、クリアされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、振分演出情報がある場合には(S2809の結果が「Y」)、振分装置70による振分演出を設定する振分演出設定処理を実行する(S2810)。なお、振分演出設定処理の詳細については、図29にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、振分演出情報がない場合(S2809の結果が「N」)、又は、振分演出設定処理を実行した後(S2810)は、ラウンド中の映像パターンを設定し(S2811)、ラウンドの実行開始に関する各種の設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアする(S2812)。その後、ラウンド中処理を終了する。
〔振分演出設定処理〕
次に、前述したラウンド中処理(図28)における振分演出設定処理(S2810)の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の振分演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、S2807で設定された今回のラウンド数に基づいて球通路の振り分けを実行する(S2901、S2902)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、球通路の振り分けが「第1球通路」であった場合には、第1球通路71の切替演出情報を取得し(S2903)、当該切替演出情報に基づいて表示装置48における表示パターンを選択、設定する(S2904)。また、表示パターンに基づいて第1球通路へ遊技球を流下させるための流路切替パターンを選択する(S2905)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、ラウンド継続するか否かをチェックし、判定する(S2906、S2907)。そして、ラウンド継続する場合には(S2907の結果が「Y」)、遊技球を振分抽選器73の継続確定口73aに落下させ(S2908)、ラウンド継続確定フラグをセットする(S2909)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、ラウンド継続しない場合には(S2907の結果が「N」)、遊技球を振分抽選器73のハズレ口73bに落下させる(S2910)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技球をラウンド継続確定口73a又はハズレ口73bに落下させたのち、これらの情報を大当り中演出情報として設定して(S2914)、振分演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、球通路の振り分けが「第2球通路」であった場合には、第2球通路72の切替演出情報を取得し(S2911)、当該切替演出情報に基づいて表示装置48における表示パターンを選択、設定する(S2912)。また、表示パターンに基づいて第2球通路72へ遊技球を流下させるための流路切替パターンを選択する(S2913)。その後、これらの情報を大当り中演出情報として設定して(S2914)、振分演出設定処理を終了する。
〔インターバル処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図24)におけるインターバル処理(S2414)の詳細について説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態のインターバル処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S3001)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS2406で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S3001の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S3002)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S3002の結果が「Y」)、次のシーンに移行するために次のシーンのデータを設定する次シーンデータ設定処理を実行し(S3003)、さらに、最終シーンであるか否かを判定する(S3004)。そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、最終シーンである場合には(S3004の結果が「Y」)、所定のインターバル数(ここでは5)であるか否かを判定する(S3005)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、所定のインターバル数である場合には(S3005の結果が「Y」)、ラウンド中の振分遊技において遊技球がラウンド継続確定口72aに入るとセットされるラウンド継続確定フラグがあるか否かを判定する(S3006)。そして、ラウンド継続確定フラグがある場合には(S3006の結果が「Y」)、開放する変動入賞装置を第1変動入賞装置41から第2変動入賞装置42に切り替える変動入賞装置切替処理を実行し(S3007)、インターバル表示終了を設定して(S3008)、インターバル処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、所定のインターバル数でない場合(S3005の結果が「N」)、所定のインターバル数であってもラウンド継続確定フラグがない場合には(S3006の結果が「N」)、最終シーンなのでインターバル表示終了を設定して(S3008)、インターバル処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S3002の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、インターバル処理を終了する。また、設定した次のシーンが最終シーンでない場合には(S3004の結果が「N」)、インターバル表示は継続するので終了を設定せずにインターバル処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S3001の結果が「Y」)、大当り中停電復旧データをクリアし(S3009)、大当りによる情報の再設定を実行する(S3010)。また、インターバル回数にはコマンドがないため、インターバル数にラウンドのカウント数を設定する(S3011)。さらに、インターバル中の表示データを設定し(S3012)、インターバルの実行開始に関する各種の設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアする(S3013)。その後、インターバル処理を終了する。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S3101)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S3102)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S3103)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S3104)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S3105)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S3106)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S3111)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S3107)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S3108)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S3109)。システム周期待ちフラグは、説明を省略するが、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S3109の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S3110)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。そして、表示装置48で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(S3111)、S3108の処理に戻る。以降、S3108からS3111までの処理を繰り返す。
〔通常ゲーム処理(2ndCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図31)における通常ゲーム処理(S3111)の詳細について説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)551で受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(S3201)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551で実行されるメイン処理の1stシーン制御処理(S2312)におけるシーンの描画を準備する2ndシーン制御処理を実行する(S3202)。ここで2ndシーン制御処理は、後述する背景処理(S3203)が静止画像の描画に対して実行されるのに対して、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行される。その後、表示装置48に表示される画像のうち、演出において静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S3203)。
次に、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(S3204)。さらに、表示装置48に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S3205)。
また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合などは、表示装置48に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(S3206)。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S3207)。そして本処理を終了して、メイン処理のS3108に戻る。
〔大当り時の振分遊技演出例〕
続いて、図33は、本発明の第1の実施の形態の振分遊技演出例を示す図である。ここでは、前述したラウンドパターンがパターンC(図7)であって、遊技球が第1振分遊技で第1球通路71に流下案内され、第2振分遊技で振分抽選器73のラウンド継続確定口73aに入球する場合の演出について説明する。
図33(A)は、第1変動入賞装置41の開閉扉41aが開き、入賞した遊技球が第1球通路71を流下し、第1振分遊技で流路切替部材90により第1球通路71に流下案内されている状態の図である。このとき、表示装置48には、遊技者側の感情を表すキャラクタAが表示され、まず第1振分遊技で、第2振分遊技が行われない第2球通路72ではなく、第1球通路71に流下案内されたことを喜んでいる。
その後、遊技球は、振分抽選器73に落下する。このとき、振分抽選器73のラウンド継続確定口73aは、第1球通路71の排球口71bから落下する遊技球を受け入れ可能な位置に配置される。そして、遊技球は第2振分遊技でラウンド継続確定口73aに入球する。
図33(B)は、大当り遊技のラウンドが6ラウンド目になり、第2変動入賞装置42の開閉扉42aが開いた状態の図である。このとき、表示装置48に表示されていたキャラクタAは、大当り遊技が継続され、より遊技者が入賞球を獲得しやすい第2変動入賞装置42が開放されたことを喜んでいる。また、表示装置48には、ラウンドの継続を祝うメッセージと、狙う大入賞口が切り替わったことを報知するメッセージと、が表示される。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、振分遊技の際、振分装置70の第1球通路71及び第2球通路72は表示装置48の前面に配置される。このため、遊技領域10aを狭めることなく振分遊技に必要な領域を確保できる。よって、遊技球の振分遊技を充分行うことができる。また、遊技者の目に付きやすいため、振分遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1の実施の形態では振分装置70の球通路を2条設けているが、1条の球通路でもよい。条数に関係なく球通路が表示装置48の前方に配置されていれば、前述と同様に効果が得られる。
そして、大当り遊技のラウンドパターンが第1変動入賞装置41が所定回数開放された後、第2変動入賞装置42が開放されるパターンである場合に、振分遊技において遊技球が第1球通路71から振分抽選器73のラウンド継続確定口73aに流下案内される。このようにすることで、あたかも振分遊技の結果が成功となったことにより、ラウンドが継続したり次の大当りが発生したりしたのように遊技者に思わせることができる。よって、振分遊技の興趣を高めることができる。
ここで、振分遊技には、第1変動入賞装置41に入賞した遊技球を用いる。大当り遊技で第1変動入賞装置41が開放されたときには、必ず遊技球が入賞する。遊技者の技量に関係なく確実に振分遊技に用いる遊技球を用意することができる。
なお、振分遊技に用いる遊技球は、始動入賞口に入賞した遊技球やアウト口を通過した遊技球でもよい。遊技球の準備の確実性は低くなるが、振分遊技を行う前段階である遊技球の準備に遊技者の技量が必要となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、振分遊技には、第1球通路71と第2球通路72との分岐点で行われる第1振分遊技と、振分抽選器73で行われる第2振分遊技と、がある。振分装置70で2段階の振分遊技が行われるので、振分遊技の興趣を高めることができる。
また、第1球通路71と第2球通路72との分岐点に、遊技球が流入する球通路を切り替える流路切替部材90が設けられている。そして、遊技者は、流路切替部材90によってどちらの球通路に遊技球が流下案内されるのかがわからずドキドキする。これにより、第1振分遊技の前段階においても興趣を高めることができる。
また、第1球通路71に流下案内された遊技球は、第2球通路72に流下案内された遊技球が排出される排出通路74に合流し排出される。振り分け結果に関わらず、メインの排出通路74を用いることで、振分装置70をコンパクトにまとめることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、流路切替部材90を平板とした。これに対し、第2の実施の形態では、流路切替部材90は、V字型であり、遊技球を保持可能とする保持部90aを有する。そして、第1振分遊技の際に流路切替部材90の保持部に遊技球を保持して揺動する。また、表示装置48において、遊技者側の感情を表すキャラクタAだけでなく、流路切替部材90の動作に対応するキャラクタBも表示される。
以下、本発明の第2の実施の形態について図34から図36を参照して説明する。
〔流路切替部材〕
図34は、本発明の第2の実施の形態の流路切替部材の動作を示す図である。
図34(A)及び(B)は、流路切替部材90によって遊技球が第1球通路71及び第2球通路72のどちらの球通路に流下案内されるかわからない状態のときの図である。
本発明の第2の実施の形態の流路切替部材90は、2枚の平板をほぼ直角に配置することで内側に保持部90aが形成されている。そして、まず図34(A)に示すように、保持部90aは、第1球通路71の上流から流下してくる遊技球を保持できるように第1球通路71の上流に臨む。
次に、保持部90aに遊技球が保持されると、図34(B)に示すように、流路切替部材90が揺動する。保持部90aにより遊技球を保持した上で揺動するので、揺動時間は自由に設定可能である。このため、遊技者に、第1振分遊技において遊技球が流下案内される球通路が第1球通路71及び第2球通路72のどちらになるのかわからないドキドキ感を第1の実施の形態よりもさらに与えることが可能である。
図34(C)は、流路切替部材90が揺動終了後、第1球通路71側に回転し、遊技球が第1球通路71に流下案内されたときの図である。
〔振分遊技演出方法〕
図35は、本発明の第2の実施の形態の振分遊技演出方法を示す図である。本発明の第2の実施の形態では、流路切替部材90の揺動に対応するキャラクタBが表示装置48に表示される。
図35(A)は、演出構成の分解図である。ここで、キャラクタBは、流路切替部材90に保持されている遊技球が第1球通路71に流下するのを堰き止める演出を行う。このとき、第1球通路71及び第2球通路72の前後方向の面は透明とする。これにより、第1球通路71及び第2球通路72の後方に位置する表示装置48にキャラクタBを表示しても、遊技者は第1球通路71及び第2球通路72を通してキャラクタBを視認することができる。また、キャラクタBをカバーガラス18aにも3D表示して立体感を出すことで、実球の遊技球を堰き止めている雰囲気をさらに出すことができる。
図35(B)は、遊技者から視認される演出である。流路切替部材90が遊技球を保持しているときに、キャラクタBが流路切替部材90の直ぐ下流に表示されることで、キャラクタBが遊技球を堰き止めているかのように見せることができる。
〔振分遊技演出例〕
図36は、本発明の第2の実施の形態の振分遊技演出例を示す図である。
図36(A)は、流路切替部材90が揺動中のときの演出である。このとき表示装置48には前述したキャラクタBが表示され、流路切替部材90に保持された遊技球が第1球通路71に流下されないよう邪魔している。また、表示装置48には、遊技者側の感情を表すキャラクタAも表示されている。遊技者にとって味方のキャラクタAと邪魔なキャラクタBとが表示されることで、各キャラクタの位置付けが明確になり、特にキャラクタBが遊技者にとって嬉しくない存在であることが分かりやすくなる。
図36(B)は、流路切替部材90によって遊技球が第2球通路72に流下案内されたときの図である。このとき流路切替部材90は、図36(A)の状態から第2球通路72側に回転する。第2球通路72に流下案内された遊技球には、第2振分遊技が行われることなく排出されることになるので、遊技者の味方のキャラクタAは残念そうにしており、邪魔なキャラクタBは遊技球の第1球通路71への流下を阻止できたことを喜んでいる。
図36(C)は、流路切替部材90によって遊技球が第1球通路71に流下案内されたときの図である。このとき流路切替部材90は、図36(A)の状態から第1球通路71側に回転する。第1球通路71に流下案内された遊技球には第2振分遊技が行われるので、遊技者の味方のキャラクタAは喜んでおり、邪魔なキャラクタBは遊技球の第1球通路71への流下を阻止できずに第1球通路71から落下する。キャラクタBが逃げたり潰されたりする演出でもよい。
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態によれば、振分装置70における振分遊技に対応した演出画像を表示装置48で表示するので、遊技球の動きと画面表示とを関連付けることができる。これにより、遊技者に振分遊技における遊技球の動きに関心を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、流路切替部材90は遊技球を保持することができるので、揺動時間を調整することができる。このため遊技球の第1球通路71の通過時間又は第1球通路71から第2球通路72の通過時間を調整することが可能であるので、この間の表示装置48に表示される演出は時間に余裕を持って行うことができる。
そして、流路切替部材90は遊技球を保持したまま揺動した後に第1球通路71又は第2球通路に遊技球を流下案内するので、遊技者に、どちらの球通路に流下案内されるのかわからないドキドキ感を第1の実施の形態よりもさらに与えることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、振分装置70の動作に対応する演出として、キャラクタAとキャラクタBとが表示装置48に表示されていた。これに対し、第3の実施の形態では、さらに可動部材80を演出に追加する。
以下、本発明の第3の実施の形態について図37及び図38を参照して説明する。
〔振分遊技演出方法〕
図37は、本発明の第3の実施の形態の振分遊技演出方法を示す図である。本発明の第3の実施の形態では、遊技者には邪魔なキャラクタBの落下タイミングに合わせて可動部材80が可動制御される。
図37(A)及び(B)は、演出構成の分解図である。ここでは、遊技球を堰き止めているキャラクタBの表示の上方に可動部材80が備えられる。そして、可動部材80は、上下方向に可動する。図37(A)に示すように、可動部材80が下方に可動することでキャラクタBに可動部材80が当たり、図37(B)に示すように、キャラクタBが第1球通路71から落下するような演出が行われる。なお、可動部材80の可動は、前述した1stCPUメイン処理(図23)のモータ/SOL制御処理(S2317)で実行される。
〔振分遊技演出例〕
図38は、本発明の第3の実施の形態の振分遊技演出例を示す図である。
図38(A)は、流路切替部材90が揺動中のときの演出である。このときの演出は、第2の実施の形態と同じである。
図38(B)は、流路切替部材90によって遊技球が第1球通路71に流下案内されることが決まったときの図である。このとき流路切替部材90は、図38(A)の状態から第1球通路71側に回転する。このタイミングで、可動部材80が下方に可動し、表示装置48ではキャラクタBが衝突される演出が行われる。
図38(C)は、遊技球が第1球通路71に流下案内されたときの図である。流路切替部材90は、第1球通路71側に回転し終え、保持されていた遊技球が第1球通路71の下流に流下する。そして、表示装置48では、可動部材80に衝突されたキャラクタBが落下する演出が行われる。また、可動部材80は、元の位置に戻る。
(第3の実施の形態の効果)
本発明の第3の実施の形態によれば、可動部材80を表示装置48で表示されるキャラクタBに合わせて可動させるので、流路切替部材90及びキャラクタBの狭い範囲の動作に対して大きな動作を加えることができる。また、可動部材80と振分装置70と表示装置48での表示画像との3つが関連して一体化した演出ができる。よって、振分遊技の興趣を高めることができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第1〜第3の実施の形態では、振分装置70の振分遊技は大当り遊技中に実行されていた。これに対し、第4の実施の形態では、振分装置70の振分遊技を変動表示ゲーム中に実行する。なお、第3の実施の形態を演出態様のベースとする。
以下、本発明の第4の実施の形態について図39から図46を参照して説明する。
〔変動中処理〕
図39は、本発明の第4の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図25と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがあった場合に(S2501の結果が「Y」)、変動パターン情報設定処理(S2509)を実行した後、滑り演出設定処理を実行する(S3901)。滑り演出設定処理の詳細については、図41にて後述する。
〔変動パターン情報設定処理〕
図40は、本発明の第4の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図26と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2605の処理を実行した後、特定演出対象情報があるか否かを判定する(S4001)。特定演出対象情報とは、前述した第1変動入賞装置41の貯留構造(図4参照)に貯留球があり、振分装置70による演出が可能であることを示す。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特定演出対象情報がない場合には(S4001の結果が「N」)、遊技状態と演出情報をもとにコマンドに対応する変動パターンを設定し(S4002)、変動パターン情報設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特定演出対象情報がある場合には(S4001の結果が「Y」)、特定演出実行フラグをセットする(S4003)。そして、滑り対象変動であるか否かを判定する(S4004)。滑り対象変動とは、疑似連やリーチになる変動表示ゲームである。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、今回の変動表示ゲームが滑り対象変動である場合には(S4004の結果が「Y」)、さらにリーチ変動であるか否かを判定する(S4005)。そして、リーチ変動である場合には(S4005の結果が「Y」)、リーチ変動パターンを設定し(S4006)、変動パターン情報設定処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、リーチ変動でない場合には(S4005の結果が「N」)、疑似連続変動パターンを設定し(S4007)、変動パターン情報設定処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、滑り対象変動でない場合には(S4004の結果が「N」)、滑り失敗演出情報を設定し(S4008)、滑り失敗フラグをセットし(S4009)、さらに、滑り失敗変動パターンを設定し(S4010)、変動パターン情報設定処理を終了する。
〔滑り演出設定処理〕
図41は、本発明の第4の実施の形態の滑り演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、特定演出実行フラグがあるか否かをチェックし、判定する(S4101、S4102)。特定演出実行フラグは、前述の変動パターン情報設定処理のS4003の処理でセットされる。そして、特定演出実行フラグがない場合には(S4102の結果が「N」)、滑り演出を実行しないので、滑り演出設定処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、特定演出実行フラグがある場合には(S4102の結果が「Y」)、役物可動するか否かを判定する(S4103)。そして、役物可動する場合には(S4103の結果が「Y」)、役物可動を設定する(S4104)。役物可動しない場合には(S4103の結果が「N」)、S4105の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、滑り失敗フラグがあるか否かを判定する(S4105)。滑り失敗フラグは、前述の変動パターン情報設定処理のS4009の処理でセットされる。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、滑り失敗フラグがない場合には(S4105の結果が「N」)、第1球通路切替演出情報を取得し(S4106)、第1球通路切替演出情報に基づいて表示パターンを選択する(S4107)。さらに、表示パターンに基づいて第1球通路への切替パターンを選択する(S4108)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、滑り失敗フラグがある場合には(S4105の結果が「Y」)、第2球通路切替演出情報を取得し(S4109)、第2球通路切替演出情報に基づいて表示パターンを選択する(S4110)。さらに、表示パターンに基づいて第2球通路への切替パターンを選択する(S4111)。そして、滑り失敗フラグをクリアする(S4112)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、選択した演出パターン(表示パターン、切替パターン)を滑り演出情報として設定し(S4113)、特定演出実行フラグをクリアして(S4114)、滑り演出設定処理を終了する。
このように、滑る場合は(変動表示ゲームが疑似連又はリーチになる場合)、振分装置70における第1振分遊技において貯留球を第1球通路71に流下案内する。このとき表示装置48では、可動部材80の衝突により遊技者にとって邪魔なキャラクタBが落下する演出が行われる。また、滑らない場合は、貯留球を第2球通路72に流下案内する。このとき表示装置48では、可動部材80が衝突してもキャラクタBは落下せずに耐える演出が行われる。
〔ファンファーレ処理〕
図42は、本発明の第4の実施の形態のファンファーレ処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図27と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S2701の結果が「Y」)、S2709の処理の後、貯留部に貯留されている遊技球数を取得し(S4201)、貯留された遊技球数(貯留球)は最大数であるか否かを判定する(S4202)。そして、最大数である場合には(S4202の結果が「Y」)、S2710の処理を実行する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、貯留球が最大数に達していない場合には(S4202の結果が「N」)、遊技球貯留フラグをセットする(S4203)。その後、S2710の処理を実行する。
〔ラウンド中処理〕
図43は、本発明の第4の実施の形態のラウンド中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図28と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S2801の結果が「Y」)、S2807の処理の後、遊技球貯留フラグがあるか否かをチェックし、判定する(S4301、S4302)。そして、遊技球貯留フラグがある場合には(S4302の結果が「Y」)、遊技球を貯留部に貯留する(S4303)。具体的には、遊技球貯留フラグがセットされていると、前述した第1変動入賞装置41の貯留部材41zが通路41xと通路41yとの接続領域を一部遮るので、入賞球が貯留される。その後、S2811の処理に移行する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技球貯留フラグがない場合には(S4302の結果が「N」)、S2811の処理に移行する。
このように、貯留球が最大数になっていない場合には、大当り遊技で遊技球を貯留する。
〔インターバル処理〕
図44は、本発明の第4の実施の形態のインターバル処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図30と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S3001の結果が「Y」)、S3012の処理の後、遊技球貯留フラグがあるか否かを判定する(S4401)。遊技球貯留フラグがない場合には(S4401の結果が「N」)、何もせずS3013の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技球貯留フラグがある場合には(S4401の結果「Y」)、現在の貯留部の遊技球数を取得し(S4402)、貯留球は最大数に達しているか否かを判定する(S4403)。そして、最大数に達していない場合には(S4403の結果が「N」)、S3013の処理に移行する。最大数に達している場合には(S4403の結果が「Y」)、遊技球貯留フラグをクリアして(S4404)、S3013の処理に移行する。
〔振分遊技演出例(リーチ)〕
図45は、本発明の第4の実施の形態の振分遊技演出例(リーチ)を示す図である。ここでは変動表示ゲーム中なので、第3の実施の形態における振分遊技演出を、識別情報の変動と関連させて行っている。図45(A)〜(C)は、流路切替部材90によって遊技球が第1球通路71に流下案内されたときの図である。
図45(A)は、キャラクタBの落下によって識別情報の滑りが開始されるときの図である。表示装置48では、振分装置70よりも下方の領域で識別情報が変動する変動表示ゲームが行われている。3つの識別情報のうち右端の識別情報は、キャラクタBの落下経路上に表示される。また、左端の識別情報は、すでに停止態様(数字「7」)となっている。
そして、右端の識別情報がリーチにならない図柄(数字「6」)で停止しかけたときに、落下してきたキャラクタBが当該図柄に衝突する演出が行われる。このとき衝突された図柄は滑りを開始する。
図45(B)は、滑りを実行中のときの図である。衝突により停止しかけていた図柄が変動する。
図45(C)は、滑りが終了し、識別情報がリーチ状態になったときの図である。
このように、流路切替部材90による第1振分遊技において、第1球通路71に遊技球が流下案内されたことによってリーチを獲得できたかのような演出が実行される。
なお、第1球通路71を流下した後に実行される振分抽選器73における第2振分遊技は、例えば、変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かの信頼度を表すようにしてもよい。第3の実施の形態におけるラウンド継続確定口73aに入球した場合は信頼度が高く、ハズレ口73bに入球した場合は信頼度が低い、としてもよい。
〔振分遊技演出例(疑似連)〕
図46は、本発明の第4の実施の形態の振分遊技演出例(疑似連)を示す図である。図46(A)〜(C)は、流路切替部材90によって遊技球が第1球通路71に流下案内されたときの図である。
図46(A)は、キャラクタBの落下によって識別情報の滑りが開始されるときの図である。表示装置48では、振分装置70よりも下方の領域で識別情報が変動する変動表示ゲームが行われている。3つの識別情報のうち右端の識別情報は、キャラクタBの落下経路上に表示される。また、左端の識別情報は、すでに停止態様(数字「7」)となっている。
そして、右端の識別情報がリーチとなる図柄(数字「7」)で停止しかけたときに、落下してきたキャラクタBが当該図柄に衝突する演出が行われる。このとき衝突された図柄は滑りを開始する。
図46(B)は、滑りを実行中のときの図である。ここではキャラクタBの衝突により停止しかけていた図柄が再び変動する。
図46(C)は、変動表示ゲームの結果がはずれとなったときの図である。このときの識別情報の表示態様は、擬似連用であって通常と異なる。
(第4の実施の形態の効果)
本発明の第4の実施の形態によれば、貯留部に遊技球を貯留することで変動表示ゲーム中に振分遊技を実行することが可能になる。そして、振分遊技の演出において、可動部材80の可動によりキャラクタBが落下し、キャラクタBの衝突により変動表示ゲームの識別情報の変動態様に変化を与える。このように表示装置48で表示されるキャラクタ画像だけでなく識別情報とも関連した演出が可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
(第5の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、振分装置70の第1球通路71と第2球通路72とは前後方向に並設されていた。これに対し、第5の実施の形態では、上下方向に並設される。そして、流路切替部材90は平板形状でスライド式に可動する。また、第1の実施の形態では、振分装置70の振分抽選器73による第2振分遊技は、第2球通路72に流下案内された遊技球を対象としていなかった。これに対し、第5の実施の形態では、第2球通路72に流下案内された遊技球に対しても振分抽選器73による第2振分遊技が実行される。このため、振分抽選器73の構造は第1の実施の形態から大きく変わる。なお、第2の実施の形態を演出態様のベースとする。第5の実施の形態では、遊技球が第1球通路71に流下案内された場合はラウンドの継続が確定し、遊技球が第2球通路72に流下案内された場合は所定の確率でラウンドの継続が選択される演出が行われる。
以下、本発明の第5の実施の形態について図47から図50を参照して説明する。
図47は、本発明の第5の実施の形態の遊技機に備えられる遊技盤の正面図である。
第5の実施の形態では、センターケース46の窓部上方に、可動式のロゴ81が取り付けられる。ロゴ81は、第1球通路71及び第2球通路72の動作に連動する。そして、第1球通路71及び第2球通路72が振分抽選器73と連結される状態(第2形態)のとき、第1球通路71及び第2球通路72の前面にロゴ81が配置される。
また、振分抽選器73は、上下方向に入球口73a、73bを有する。入球口73aは、第2形態の場合に第1球通路71の排球口71b(図48参照)と接続される。入球口73bは、第2形態の場合に第2球通路72の排球口72b(図48参照)と接続される。
続いて、図48は、本発明の第5の実施の形態の振分装置の構成を示す図である。図48(A)は、演出構成の分解図である。図48(B)は、遊技者から視認される振分装置70の構成である。
図48(A)に示すように、振分装置70の第1球通路71は、第2形態の場合に、排球口71bが振分抽選器73の入球口73aに接続される。そして、第1球通路71の下方には第2球通路72が並設される。
第2球通路72は、第1球通路71の中流位置から下方に分岐して並設される。第2球通路72は、第1球通路71の下面に開口して設けられる入球口72aと、第1球通路71の排球口71bと並んで設けられ、第2形態の場合に、振分抽選器73の入球口73bに接続される排球口72bとを有する。
そして、第2球通路72と第1球通路71との分岐領域(第2球通路72の入球口72a)には、流路切替部材90が設けられる。流路切替部材90は、第1球通路71の下面に沿ってスライドする平板形状である。流路切替部材90は、第1振分遊技において遊技球を第1球通路71に流下案内する場合には分岐領域を塞ぎ、遊技球を第2球通路72に流下案内する場合には分岐領域を開放する。なお、流路切替部材90は、スライド式の平板形状に限らず、同様の作用効果が得られるものであればよい。また、第1球通路71及び第2球通路72は、遊技者から遊技球の通路通過が確認可能なように、少なくとも遊技者に臨む面(前面)は透明部材で構成される。
また、図48(B)に示すように、第2形態の場合、ロゴ81は、第1球通路71及び第2球通路72の前面に配置される。このとき、流路切替部材90の一部がロゴ81に覆われ、ロゴ81の隙間から流路切替部材90より下流の第1球通路71及び第2球通路72を視認することができる。
このように流路切替部材90による振分遊技の結果はロゴ81の隙間から遊技球を視認することで確認できるが、第1球通路71及び第2球通路72のどちらの球通路に遊技球が流下案内されたのか明確に判別するのは難しい。このため、遊技者の期待感を煽ることができる。
〔振分演出設定処理〕
次に、図49は、本発明の第5の実施の形態の振分演出設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図29と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2902の処理における球通路の振り分けの結果、遊技球を第1球通路71に流下案内することが決まった場合には、まず、第1球通路71への切替を設定し(S4901)、第1球通路切替情報に基づいて表示パターンを設定する(S4902)。そして、第1球通路71に遊技球が流下案内される場合には必ずラウンドは継続するので、S2905〜S2908の処理は省略し、ラウンド継続確定フラグをセットして(S2909)、S2914の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2902の処理における球通路の振り分けの結果、遊技球を第2球通路72に流下案内することが決まった場合には、まず、第2球通路72への切替を設定し(S4903)、第2球通路切替情報に基づいて結果を含めて表示パターンを設定する(4904)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、ラウンド継続するか否かをチェックし、判定する(S4905、S4906)。そして、ラウンド継続する場合には(S4906の結果が「Y」)、ラウンド継続確定フラグをセットして(S4907)、S2914の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、ラウンド継続しない場合には(S4906の結果が「N」)、S2914の処理に移行する。
なお、第5の実施の形態では、遊技球が第1球通路71に流下案内された場合には必ずラウンドが継続するとしているが、これに限らない。第2球通路72に流下案内される場合にラウンド継続となる確率よりも高い確率でラウンド継続が選択されるようにしてもよい。この場合には、S4902の処理の後に、S4905及びS4906の処理が追加される。
〔振分遊技演出例〕
図50は、本発明の第5の実施の形態の振分遊技演出例を示す図である。
図50(A)は、振分装置70の流路切替部材90による第1振分遊技に遊技球が差し掛かったときの図である。このとき表示装置48には、遊技者側の感情を表す味方のキャラクタAが表示され、緊張感をもって第1振分遊技の結果を見守っている。
図50(B1)及び(B2)は、遊技球が第1球通路71に流下案内される場合の図である。図50(B1)に示すように、ロゴ81の隙間を通して遊技球が第1球通路71を通過している様子を見ることができる。しかし、ロゴ81の隙間から遊技球が通過した球通路を確信するのは難しいため、キャラクタAは期待感をもって遊技球の行方を見守っている。そして、図50(B2)に示すように、第1球通路71を通過した遊技球が振分抽選器73の入球口73aに入球するとラウンドの継続が確定するので、キャラクタAは喜ぶ。
図50(C1)〜(C3)は、遊技球が第2球通路72に流下案内される場合の図である。図50(C1)に示すように、ロゴ81の隙間を通して遊技球が第2球通路72を通過している様子を見ることができる。しかし、ロゴ81の隙間から遊技球が通過した球通路を確信するのは難しい。さらに、遊技球が第2球通路72を通過している場合には、振分抽選器73において所定の確率でラウンド継続が選択される可能性がある。このため、キャラクタAは落ち着かない気持ちで遊技球の行方を見守っている。そして、図50(C2)に示すように、遊技球が振分抽選器73の入球口73bに入球した後も、キャラクタAは、ラウンド継続が選択されないかソワソワしている。その後、図50(C3)に示すように、振分抽選器73における振り分けの結果、ラウンド継続が確定すると、確定を表す「V」が表示装置48に表示される。このとき、キャラクタAはラウンドの継続を喜ぶ。
(第5の実施の形態の効果)
本発明の第5の実施の形態によれば、第2形態の場合に、第1球通路71及び第2球通路72の前方にロゴ81が配置され、流路切替部材90による振分遊技の結果を認識しづらくする。遊技者はロゴ81の隙間から振分遊技の結果を見ないといけないため、遊技者のドキドキ感や期待感を煽ることができる。これにより、振分抽選器73に到達するまでの過程をより興趣の高いものにすることができる。
(第6の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態では、振分装置70の第1球通路71と第2球通路72とは上下方向に並設されていた。これに対し、第6の実施の形態では、備えられる球通路は第1球通路71のみであり、第1球通路71が可動することによって排球口71bが振分抽選器73の入球口73aもしくは入球口73bと接続する。すなわち、第1振分遊技として、第5の実施の形態における流路切替部材による切替遊技の代わりに、第1球通路71の可動による接続先の切替遊技が実行される。
以下、本発明の第6の実施の形態について図51及び図52を参照して説明する。
図51は、本発明の第6の実施の形態の遊技機に備えられる遊技盤の正面図である。
第6の実施の形態の振分抽選器73は、第5の実施の形態の振分抽選器73と構成は同じである。ここでは、振分抽選器73の入球口73aから下方向に所定間隔離れたところに入球口73bが設けられる。そして、上方の入球口73aの方が下方の入球口73bよりも、振分遊技の結果が遊技者にとって有利になる確率が高い。また、第1球通路71は第2形態として2パターンの状態を有する。1パターンは振分抽選器73の上方の入球口73aに接続された状態であり、もう1パターンは振分抽選器73の下方の入球口73bに接続された状態である。
〔振分遊技演出例〕
図52は、本発明の第6の実施の形態の振分遊技演出例を示す図である。図52(A)〜(C)は、第1球通路71の接続先に入球口73a又は入球口73bが選択される第1振分遊技について説明する図である。
図52(A)は、第1球通路71の接続先が決まっていないときの図である。遊技者側の味方のキャラクタAは、第1球通路71を遊技者にとって有利な入球口73aに接続しようとする。具体的には、表示装置48において、キャラクタAが第1球通路71を下方から持ち上げて、振分抽選器73の上方の入球口73aに接続させようとする演出が表示される。このとき、遊技者にとって邪魔なキャラクタBは、第1球通路71の上面に乗って、キャラクタAが第1球通路71を押し上げようとするのを阻止しようとする。
図52(B)は、第1球通路71が上方の入球口73aに接続されたときの図である。このとき、キャラクタAは、第1球通路71を持ち上げきって入球口73aに接続させる。そして、キャラクタBは遠くに飛ばされる。
図52(C)は、第1球通路71が下方の入球口73bに接続されたときの図である。このとき、キャラクタAは、第1球通路71を持ち上げるのを断念する。そして、キャラクタBは、第1球通路71の上面で阻止できたことを喜ぶ。
(第6の実施の形態の効果)
本発明の第6の実施の形態によれば、振分抽選器73に複数(ここでは2個)の入球口を上下方向に設け、第1球通路71が可動することにより排球口71bといずれかの入球口とが接続される。そして、入球口は、その配置位置に応じて振分遊技の結果の信頼度が異なる。このため、第1球通路71と振分抽選器73とが接続されるまでの過程も興趣の高いものとすることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。