JP2016010607A5 - - Google Patents

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遊技機
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、ホールコンピュータ等の外部装置へ情報を出力するものがある。かかる遊技機では、出力した情報に基づいて、遊技機に関する情報を外部装置に対して把握させることができる。
特許3848105号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、出力可能な情報が限られており、情報を好適に出力することが困難であった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、報を好適に出力することができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技機から出力される情報に基づいて所定の処理を行う外部装置に対して情報を出力するための出力部を複数有して構成される情報出力手段と、その情報出力手段が有する複数の出力部のうち少なくとも一部からそれぞれ個別の情報である単体情報出力されるように制御する単体制御手段と、前記情報出力手段が有する複数の出力部のうち2以上の出力部を用いて出力される情報である複合情報出力されるように制御する複合制御手段と予め定められた特定期間において、前記単体制御手段により前記単体情報出力されるように制御する単体出力期間と、前記複合制御手段により前記複合情報出力されるように制御する複合出力期間とを少なくとも設定する期間設定手段と、を備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記特定期間は、遊技機に対して電源が投入されてから予め定められた特定条件が成立するまでの間の期間である。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、遊技の情報記憶可能に構成され、記憶した情報を遊技機の電源が遮断されてから少なくとも所定期間保持することが可能に構成されている記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記遊技の情報に基づいて遊技に関する制御を行う制御手段とを備え、前記単体情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応するものであり、前記複合情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応するものであって、且つ、前記単体情報に対応する遊技の情報とは異なる遊技の情報に対応するものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記特定期間において、前記期間設定手段により設定されている期間の種別に対応する期間対応情報を前記外部装置へと出力する期間対応情報出力手段を備える。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記複合出力期間において前記複合情報が出力される2以上の出力部のうち少なくとも一部は、前記単体出力期間において前記単体情報が出力されるものである。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技機から出力される情報に基づいて所定の処理を行う外部装置に対して情報を出力するための出力部を複数有して構成される情報出力手段と、その情報出力手段が有する複数の出力部のうち少なくとも一部から、それぞれ個別の情報である単体情報が出力されるように制御する単体出力制御手段と、前記情報出力手段が有する複数の出力部のうち2以上の出力部を用いて出力される情報である複合情報が出力されるように制御する複合出力制御手段と、予め定められた特定期間において、前記単体出力制御手段により前記単体情報が出力されるように制御する単体出力期間と、前記複合出力制御手段により前記複合情報が出力されるように制御する複合出力期間と、を少なくとも設定する期間設定手段と、を備える。
これにより、報を好適に出力することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、前記特定期間は、遊技機に対して電源が投入されてから予め定められた特定条件が成立するまでの間の期間であるので、電源が投入された場合に、より多くの種類の情報を外部装置へと出力することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技の情報を記憶可能に構成され、記憶した情報を遊技機の電源が遮断されてから少なくとも所定期間保持することが可能に構成されている記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記遊技の情報に基づいて遊技に関する制御を行う制御手段と、を備え、前記単体情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応するものであり、前記複合情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応するものであって、且つ、前記単体情報に対応する遊技の情報とは異なる遊技の情報に対応するものである。
これにより、より多くの遊技の情報を外部装置に対して出力することができるので、外部装置に対して遊技機のより詳細な遊技の情報を把握させることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、前記特定期間において、前記期間設定手段により設定されている期間の種別に対応する期間対応情報を前記外部装置へと出力する期間対応情報出力手段を備えるので、出力部から出力された情報を、外部装置に対して正確に把握させることができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、前記複合出力期間において前記複合情報が出力される2以上の出力部のうち少なくとも一部は、前記単体出力期間において前記単体情報が出力されるので、出力部を増加させずにより多くの情報を外部装置に対して出力させることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 抽選装置の概要を示す図である。 (a)は、第2可変入賞装置および進行方向振り分け部の斜視図であり、(b)は、第2可変入賞装置および進行方向振り分け部の正面図である。 (a)は、第2可変入賞装置および進行方向振り分け部の平面図あり、(b)は、第2可変入賞装置および進行方向振り分け部の断面図である。 抽選装置の進行方向振り分け部による、遊技球の進行方向の振り分け方を示す図である。 (a)は、入球口振分部を正面右方向から観察した場合の斜視図であり、(b)は、入球口振分部を正面左方向から観察した場合の斜視図である。 第入球口振り分け部の分解正面斜視図である。 振り分け回転体の概要を示す図である。 抽選装置の振り分け回転体が右に振れた状態で遊技球が手前ルートを通過する場合の概要を示す図である 抽選装置の振り分け回転体が右に振れた状態で遊技球が奥ルートを通過する場合の概要を示す図である 抽選装置の振り分け回転体が左に振れた状態で遊技球が手前ルートを通過する場合の概要を示す図である 抽選装置の振り分け回転体が左に振れた状態で遊技球が奥ルートを通過する場合の概要を示す図である (a)は、手前ルート大当たりとなった場合に、第2大開放口と進行方向振り分け部の計時変化の概要を示す図であり、(b)は、奥ルート大当たりとなった場合に、第2大開放口と進行方向振り分け部の計時変化の概要を示す図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、第5実施形態における大当たり種別と、計時カウンタ値毎の第2大開放口の状態との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5実施形態における大当たり種別と、計時カウンタ値毎の進行方向振り分け部の状態との対応関係を模式的に示した模式図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 主制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 通常時において外部出力端子板から出力される外部出力信号の種別を示す図である。 電源投入時、および電源断の検出時に外部出力端子板から出力される外部出力信号の種別を示す図である。 (a)は、通常時に外部出力端子板のCN1から出力される信号の計時変化を示したタイムチャートであり、(b)は、通常時に外部出力端子板のCN2、およびCN8から出力される信号の計時変化の具体例を示したタイムチャートであり、(c)は、通常時に外部出力端子板のCN3、CN4、CN10、およびCN11から出力される信号の計時変化を示したタイムチャートである。 (a)は、通常時に外部出力端子板のCN5、およびCN7から出力される信号の計時変化を示したタイムチャートであり、(b)は、通常時に外部出力端子板のCN6から出力される信号の計時変化の具体例を示したタイムチャートであり、(c)は、通常時に外部出力端子板のCN9から出力される信号の計時変化を示したタイムチャートである。 電源オン時に大当たり状態であった場合に、外部出力信号の各出力チャンネルから出力される信号の計時変化を示したタイムチャートである。 電源オン時に時短状態中、且つ、図柄変動中であった場合に、外部出力信号の各出力チャンネルから出力される信号の計時変化を示したタイムチャートである。 ホールに設置されているパチンコ機と、外部装置との接続例を示す図である。 (a)は、ホールコンピュータの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、ホールコンピュータのハードディスクに設けられている第1データ格納エリアの構成を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行される外部出力信号処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行されるアウト球検出信号処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行される始動入賞信号処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行されるゲート通過信号処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行される開放信号処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行される状態確認処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行されるRAM初期化信号出力処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行される立ち上げ時信号出力処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される回転体位置初期化処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるラウンド開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2大開放口設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される流路設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される入球検出処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される回転体位置検出処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される電断時信号出力処理を示すフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される払出制御処理を示すフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される賞球制御処理を示すフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される貸球制御処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 ホールコンピュータの制御装置により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 ホールコンピュータの制御装置により実行される信号受信処理を示したフローチャートである。 ホールコンピュータの制御装置により実行される復電時比較処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板から通常時に出力される外部出力信号の種別を示す図である。 第2実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板から電源投入時、および電源断の検出時に出力される外部出力信号の種別を示す図である。 第2実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板の各出力チャンネルから出力される信号の計時変化を示したタイムチャートである。 第2実施形態におけるホールコンピュータのハードディスクに設けられている第1データ格納エリアの構成を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される電源断通知処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される電源投入通知処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行されるフラグ設定処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行される信号受信処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるパチンコ機の主制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第3実施形態におけるパチンコ機の第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。 第3実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板から通常時、且つ単ピン出力モード時に出力される外部出力信号の種別を示す図である。 第3実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板から通常時、且つ複数ピン出力モード時に出力される外部出力信号の種別を示す図である。 第3実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板から電源投入時、および電源断の検出時、且つ、単ピン出力モード時に出力される外部出力信号の種別を示す図である。 第3実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板から電源投入時、および電源断の検出時、且つ、複数ピン出力モード時に出力される外部出力信号の種別を示す図である。 第3実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板の各出力チャンネルから出力される信号の計時変化を示したタイムチャートである。 第3実施形態におけるホールコンピュータのハードディスクに設けられている第1データ格納エリアの構成を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ時信号出力処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される複数ピン出力処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される当たり種別通知処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行される信号受信処理3を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行される電断時受信処理を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行される立ち上げ時受信処理を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行される通常時受信処理を示したフローチャートである。 第4実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第4実施形態における第1可変入賞装置の分解斜視図である。 (a)は、第4実施形態におけるパチンコ機の第1可変入賞装置のCIIIa−CIIIa断面の断面図であり、(b)は、第4実施形態におけるパチンコ機の第1可変入賞装置のCIIIb−CIIIb断面の断面図であり、(c)は、第4実施形態におけるパチンコ機の第1可変入賞装置の上面図である。 (a),(b)は、第4実施形態におけるパチンコ機の第1可変入賞装置の一部の背面図である。 第4実施形態におけるパチンコ機の主制御装置内のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第4実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板から通常時に出力される外部出力信号の種別を示す図である。 第4実施形態におけるパチンコ機の外部出力端子板から電源投入時、および電源断の検出時に出力される外部出力信号の種別を示す図である。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される状態確認処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理3を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理3を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示したフローチャートである。 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される異常処理を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第3実施形態におけるホールコンピュータの制御装置により実行される復電時比較処理を示したフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図17参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図17参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される第1特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が第1特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。「大当たりA」、「大当たりB」はいずれも最大ラウンド数が8ラウンドの大当たりである。この大当たりの8ラウンドのうち、2ラウンド目〜8ラウンド目では、遊技盤13に対して正面視下方に設けられている第1可変入賞装置65に遊技球が入球可能な状態(つまり、第1特定入賞口65aが開放状態)とされる。一方、大当たりの1ラウンド目では、遊技盤13に対して正面視右側に設けられた第2特定入賞口140aが開放され、第2可変入賞装置140に遊技球が入球可能な状態とされる。本実施形態のパチンコ機10では、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口140aへと遊技球が入球することに基づいて賞球の払い出しを実行する。よって、遊技者は、各ラウンドにおいて開放されている大開放口を狙って遊技球を打ち出すことにより、通常時よりも多量の賞球を得ることができる。
「大当たりA」と「大当たりB」とは、大当たりの当選が確定した後で、抽選装置700(図5参照)によって行われる特別図柄の高確率状態への移行抽選において、遊技球が通る流路を振り分け回転体741の手前側の流路(手前ルート)とするか奧側の流路(奥ルート)とするかという違いがある。即ち、「大当たりA」では、流路切替弁731によって奥側の流路(奥ルート)に切り替えられる期間に第2特定入賞口140aが開放され、遊技球が抽選装置700へと入球可能な状態となる(図8(b)参照)。一方、「大当たりB」では、流路切替弁731によって手前側の流路(手前ルート)に切り替えられる期間に第2特定入賞口140aが開放され、遊技球が抽選装置700へと入球可能な状態となる(図8(a)参照)。なお、図2に示す通り、抽選装置700は遊技盤13に対して正面視右側に設けられている。
ここで、振り分け回転体741の「手前側」、および「奥側」とは、それぞれ遊技者にとって手前側か奥側かを指している。具体的には、手前側の流路(手前ルート)の場合はパチンコ機10で遊技を行っている遊技者にとって近い側(ベース板60に対して遠い側)の流路であり、奥側の流路(奥ルート)の場合は遊技者にとって遠い側(ベース板60に対して近い側)の流路である。
詳細については図5〜図16を参照して後述するが、遊技球が流下する流路と、流路切替弁731の直下に配設されている振り分け回転体741の状態とに応じて、振り分け回転体741の下方に設けられている時短入球口501、及び確変入球口502〜504のうちいずれの入球口へ遊技球が入球するかが振り分けられる。なお、遊技球が時短入球口501へ入球した場合には、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、変動回数が100回)普通図柄の時短状態となる。一方で、遊技球が確変入球口502〜504のいずれかに入球した場合は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行する。
流路切替弁731によって、手前側の流路(手前ルート)に設定されている場合に、抽選装置700へ入球した遊技球は振り分け回転体741によって時短入球口501、及び確変入球口503のどちらかに振り分けられるので、時短入球口501に振り分けられた場合は大当たり終了後に特別図柄の低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(たとえば、変動回数が100回)普通図柄の時短状態となる。これに対して、振り分け回転体741によって遊技球が確変入球口503へ振り分けられた場合は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行する。一方、奥側の流路(奧ルート)に設定されている場合に、抽選装置700へ入球した遊技球は振り分け回転体741によって確変入球口502、及び確変入球口504のどちらかに振り分けられる。よって、奥側の流路(奥ルート)に設定されている場合は必ず大当たり終了後には特別図柄の高確率状態へと移行する。
また、第2可変入賞装置140の内部には、大当たりが終了した後に特別図柄の高確率状態へと移行するか否かを抽選する抽選装置700が設けられている。詳細については後述するが、この抽選装置700により、第2可変入賞装置140の内部へ入球した遊技球が最初に振り分けられた入球口の種別(時短入球口501、および確変入球口502〜504)に応じて、大当たり終了後の遊技状態(特別図柄の高確率状態か否か)が決定される。
また、振り分け回転体741は、左右に揺動可能に構成されており、振れている向きに応じて遊技球を振り分けることが可能な入球口が異なる。具体的には、振り分け回転体741が左側に振れた状態の場合、確変入球口502、または確変入球口504へと遊技球を振り分け可能となり、振り分け回転体741が右側に振れた状態の場合、時短入球口501、または確変入球口503へと遊技球を振り分け可能となる。つまり、振り分け回転体741は、抽選装置700によって抽選が行われると、必ず遊技者に有利な特別図柄の高確率状態に当選する状態(左側に振れた状態)と、特別図柄の低確率状態になる虞がある状態(右側に振れた状態)との2種類の状態を取り得る。よって、振り分け回転体741が左側に振れた状態となっている方が、遊技者にとって有利となるため、振り分け回転体741が左に振れた状態となることにより、遊技者を喜ばせることができる。
また、例え振り分け回転体741の状態に着目していなかったとしても、振り分け回転体741が左側に振れた状態(つまり、遊技者にとって有利な状態)となっていることに気づかずに遊技者が遊技を辞めてしまうことを抑制できるように、振り分け回転体741の状態と連動して、異なる演出を実行するように構成されている。つまり、振り分け回転体741が左側に振れた状態では、特殊な演出(ループ状態演出)を発生させることにより、通常とは異なる特殊な状態となっていることを遊技者が容易に認識できるように構成している。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率変動中(特別図柄の確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。一方で、「特別図柄の低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「特別図柄の低確率状態」のうちの普通図柄の時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで普通図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。なお、普通図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図17参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。なお、「大当たりA」の場合も、「大当たりB」の場合も、「0」から「9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。つまり、第3図柄表示装置81において表示される主図柄からは、「大当たりA」であるのか、「大当たりB」であるのかを区別することができないように構成されている。なお、上述の通り、LED37aには、大当たり種別に応じた特別図柄(第1図柄)が表示される。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
詳細については後述するが、流路切替弁731が手前側に傾倒した状態(即ち、奥側流路732bが開放されている状態)で遊技球が抽選装置700へと入球した場合は(図8(a)参照)、確変入球口502、若しくは確変入球口504のどちらかに入球することとなり、いずれの入球口へ入球したとしても、大当たり後に特別図柄の高確率状態へと移行する。一方、流路切替弁731が奥側へと傾倒した状態(即ち、手前側流路732aが開放されている状態)で遊技球が抽選装置700へと入球した場合は(図8(b)参照)、時短入球口501、若しくは確変入球口503のいずれかに入球することとなり、大当たり後に特別図柄の低確率状態へと移行する可能性がある。また、上述した通り、「大当たりA」の場合は、流路切替弁731が手前側に傾倒した状態となる期間に第2特定入賞口140aが開放される。よって、「大当たりA」へ当選する方が「大当たりB」に当選するよりも遊技者にとって有利であるため、遊技者に対して、「大当たりA」に当選することを期待して遊技を行わせることができる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(8ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第1特定入賞口65aが所定時間開放される。この第1特定入賞口65aの開閉動作は、7回(2ラウンド目〜8ラウンド目)繰り返し可能に構成されている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。第1特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、第1特定入賞口65aが所定時間開放され、その第1特定入賞口65aの開放中に、球が第1特定入賞口65a内へ入賞することを契機として第1特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
可変表示装置ユニット80に対して正面視右方向には、第2可変入賞装置140が設けられており、この第2可変入賞装置140の直下に抽選装置700が設けられている。これにより、第2可変入賞装置の第2特定入賞口(第2大開放口)140aに入球した遊技球が抽選装置700へと誘導される。なお、抽選装置700は、遊技盤13の盤面に対して内側に設けられているので、抽選装置700により遊技球の進行が妨げられることはない。また、本実施形態の遊技盤13における盤面のうち、抽選装置700の手前側の部分は、透明な部材によって構成されているので、遊技者は第2特定入賞口(第2大開放口)140aに入球した遊技球が抽選装置700の内部を流下する様子を遊技中に確認することができる。
次に、図5を参照して、本実施形態のパチンコ機10の第2可変入賞装置140、および抽選装置700の概要について説明する。図5は、第2可変入賞装置140、および、抽選装置700の概要を示す図である。
図5に示した通り、抽選装置700は、第2可変入賞装置140の直下に設けられており、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを介して第2可変入賞装置140へと入球した遊技球は、全て抽選装置700へと流下するように構成されている。また、抽選装置700は、第2特定入賞口140aへと入球した遊技球を手前側流路732a、または奥側流路732bのいずれかへ流下させるための進行方向振り分け部730と、その進行方向振り分け部730を流下した遊技球をいずれかの入球口(時短入球口501、および確変入球口502〜504)へと振り分けるための入球口振り分け部740とから構成されている。第2可変入賞装置140と抽選装置700との接合部分については、続く図6〜図8を参照して説明を行う。
図6は、第2可変入賞装置140と、その第2可変入賞装置140の内部に設けられた、抽選装置700へと続く流路とを示した図である。図6(a)に示した通り、第2可変入賞装置140の内部には、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを通じて遊技球が入球可能な略直方体形状の領域が設けられている。そして、この略直方体形状の領域の底面中央部分には、入球口振り分け部740へと通じる抽選装置誘導孔141が設けられている。第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した全ての遊技球は、この抽選装置誘導孔141へと入球する。
なお、図6(b)に示すように、第2可変入賞装置140の底面の左右には、遊技球が抽選装置誘導孔141の方向へと下る向きに傾斜(傾斜部142a,142b)が設けられている。また、これらの傾斜部142a,142bは、傾斜の上端が、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの下辺と同程度の高さとなるように構成されている。これにより、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球が、第2可変入賞装置140の内部に滞留することを抑制し、確実に抽選装置誘導孔141へと入球させることができる。
抽選装置誘導孔141の下流には、遊技球を正面視手前側の流路(手前側流路732a)、または正面視奥側の流路(奥側流路732b)へと振り分けるための進行方向振り分け部730が設けられている。この進行方向振り分け部730の内部には、遊技球が進行する流路を切り替えるための流路切替弁731(図7(b)参照)が設けられている。この流路切替弁731によって遊技球が手前側流路732aへと振り分けられた場合は、入球口振り分け部740の上面手前側に設けられた手前ルート誘導孔742aへと入球し、振り分け回転体741の手前側の流路(手前ルート)を進行する。一方、遊技球が奥側流路732bへと振り分けられた場合は、入球口振り分け部740の上面奥側に設けられた奥ルート誘導孔742bへと入球し、振り分け回転体741の奥側の流路(奥ルート)を進行する。
次いで、図7、図8を参照して、進行方向振り分け部730について詳しく説明する。図7(a)は、第2可変入賞装置140を上から見た平面図であり、図7(b)は、第2可変入賞装置140、および進行方向振り分け部730を、図7(a)に示すVIIb−VIIb線で切断した場合の断面図である。
図7(a),(b)に示した通り、第2可変入賞装置140の内部には、底面中央に抽選装置誘導孔141が設けられている。また、抽選装置誘導孔141の下流には、遊技球が流下する流路を切り替えるための流路切替弁731が設けられている。この流路切替弁731の駆動軸731aは、流路用ソレノイド265(図17参照)と電気的に接続されており、流路用ソレノイド265(図17参照)を制御することにより、駆動軸731aを回転軸として、流路切替弁731を回動可能に構成されている。これにより、流路切替弁731を、手前方向、若しくは奥方向へと傾倒させることができる。また、上述した通り、流路切替弁731の下流側には、正面視手前側に手前側流路732aが設けられており、正面視奥側に奥側流路732bが設けられている。
次に、図8を参照して、流路切替弁731について説明する。図8(a)は、流路用ソレノイド265を制御することによって、流路切替弁731を手前側に切り替えた(傾倒させた)状態において、図7(a)のVIIb−VIIb線で切断した場合の断面図である。図に示した通り、流路切替弁731を手前側に切り替えると、流路切替弁731の先端部分が進行方向振り分け部731の手前側の内壁部分と接する状態となる。つまり、手前側流路732aが流路切替弁731によって遮蔽され、遊技球が手前側流路732aへと進行できない状態となる。一方、奥側流路732bは、上部が開放されており、遊技球が進行可能な状態となる。このため、流路切替弁731が手前側に切り替えられた状態で、第2特定入賞口140aへと入球した遊技球は、奥側流路732bを流下する。
また、図8(b)は、流路切替弁731を奥側に切り替えた(傾倒させた)状態において、VIIb−VIIb線(図7(a)参照)で切断した場合の断面図である。図に示した通り、流路切替弁731を奥側に切り替えると、流路切替弁731の先端部分が進行方向振り分け部731の奥側の内壁部分と接する状態となる。つまり、奥側流路732bが流路切替弁731によって遮蔽され、遊技球が奥側流路732bへと進行できない状態となる。一方、手前側流路732aは、上部が開放されており、遊技球が進行可能な状態となる。このため、流路切替弁731が奥側に切り替えられた状態で、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球は、手前側流路732aを流下する。
なお、図8(a),(b)に示した通り、流路切替弁731の先端部分(即ち、進行方向振り分け部730の内壁と接している部分)は、駆動軸731aに対して高い位置となる。つまり、流路切替弁731は、駆動軸731aに向けて下る方向に傾斜した状態となる。これにより、流路切替弁731へ到達した遊技球が、流路切替弁731上で静止してしまうことを抑制し、確実にいずれかの流路(手前側流路732a、または奥側流路732b)を流下させることができる。よって、遊技球を確実に抽選装置700へと進行させることができる。
次いで、図9〜図15を参照して、抽選装置700に設けられている入球口振り分け部740について詳しく説明する。
図9は、入球口振り分け部740の構造を示す図である。図9(a)は、入球口振り分け部740を正面右方向から観察した場合の正面斜視図であり、図9(b)は、入球口振り分け部740を正面左方向から観察した場合の正面斜視図である。図9(a),(b)に示した通り、入球口振り分け部740は、振り分け回転体741を内包し、遊技球が進行する流路を形成する流路形成部743と、その流路形成部743の正面側に装着されたカバー部材744aと、流路形成部743の背面側に装着されたカバー部材744bとで構成されている。
入球口振り分け部740の上面には、正面視手前側に手前ルート誘導孔742aが穿設されており、正面視奥側には、奥ルート誘導孔742bが穿設されている。上述の通り、手前ルート誘導孔742aへ入球した遊技球は、振り分け回転体741の手前側の流路(手前ルート)を進行し、奥ルート誘導孔742bへ入球した遊技球は、振り分け回転体741の奥側の流路(奥ルート)を進行する。
入球口振り分け部740の右側面には、振り分け回転体741によって遊技球が振り分けられる入球口として、確変入球口503(正面視手前側)と、確変入球口504(正面視奥側)とが設けられている(図9(a)参照)。また、入球口振り分け部740の左側面には、振り分け回転体741によって遊技球が振り分けられる入球口として、時短入球口501(正面視手前側)と、確変入球口502(正面視奥側)とが設けられている(図9(b)参照)。大当たりの開始後、最初に遊技球が振り分けられた入球口が時短入球口501であった場合、その大当たりの終了後に特別図柄の低確率状態へと移行する。一方、最初に遊技球が振り分けられた入球口が確変入球口502〜504であった場合は、大当たりの終了後に特別図柄の高確率状態へと移行する。
また、各入球口へ入球した遊技球は、各入球口に対応する入賞センサ420a〜420dのいずれかによって入球が検出される。より具体的には、時短入球口501を通過した遊技球を検出するための入賞センサ420aと、確変入球口502を通過した遊技球を検出するための入賞センサ420bと、確変入球口503を通過した遊技球を検出するための入賞センサ420cと、確変入球口504を通過した遊技球を検出するための入賞センサ420bとが設けられており、これらセンサの検出結果に基づいて、遊技球が入球した入球口の種別を特定可能に構成されている。入賞センサによって検出された遊技球は、抽選装置700の外部へと排出される。
また、流路形成部743や、カバー部材744a,744bは透明な材質(例えば、PS材等)で構成されているので、手前ルート誘導孔742a、または奥ルート誘導孔742bへと入球した遊技球がいずれかの入球口(時短入球口501、または確変入球口502〜504)へと入球するまでの遊技球の進行状況を遊技者が視認することができる。
図10は、入球口振り分け部740の分解正面斜視図である。流路形成部743には、手前ルート誘導孔742a、および奥ルート誘導孔742bの直下に、略扇形の振り分け回転体741を格納する領域が設けられている。即ち、振り分け回転体741は、手前ルート誘導孔742a、および奥ルート誘導孔742bの直下に配設される。また、振り分け回転体741は、略円柱形状の回転体支持軸806a,806bを軸として左右に揺動可能に構成されており、振り分け回転体741が振れている方向に応じて、遊技球が入球する入球口を変更することができる。振り分け回転体741が振れている方向と、遊技球が入球する入球口との関係については、図12〜図15を参照して後述する。
流路形成部743の手前側に装着されるカバー部材744a、および、奥側に装着されるカバー部材744bには、それぞれ、振り分け回転体741の回転体支持軸806a,806bを挿入するための、軸受け部746a,746bが設けられている。軸受け部746a,746bは、いずれも略円柱形に窪んだ形状であり、窪み部分の半径は、回転体支持軸806a,806bの半径よりも僅かに大きくなる(即ち、窪み部分に回転体支持軸806a,806bが挿入でき、且つ、自由に回動させることができる程度の大きさとなる)ように構成されている。流路形成部743に、カバー部材744a,744bが装着されると、軸受け部746a,746bに、回転体支持軸806a,806bがそれぞれ挿入された状態となるので、回転体支持軸806a,806bを回転軸として振り分け回転体741を安定的に揺動させることができる。
また、カバー部材744aの流路形成部743側の表面には、振り分け回転体741の手前側の流路(手前ルート)を進行した遊技球が、上面を流下可能な誘導通路745a,745cが設けられている。誘導通路745aは、時短入球口501に向けて下る向きに傾斜した通路である。この傾斜により、誘導通路745aへと進行した遊技球を時短入球口501へと流下させることができる。また、誘導通路745cは、確変入球口503に向けて下る向きに傾斜した通路である。この傾斜により、誘導通路745cへと進行した遊技球を確変入球口503へと流下させることができる。
一方、カバー部材744bの流路形成部743側の表面には、振り分け回転体741の奥側の流路(奥ルート)を進行した遊技球が、上面を流下可能な誘導通路745b,745dが設けられている。誘導通路745bは、確変入球口502に向けて下る向きに傾斜した通路である。この傾斜により、誘導通路745bへと進行した遊技球を確変入球口502へと流下させることができる。また、誘導通路745dは、確変入球口504に向けて下る向きに傾斜した通路である。この傾斜により、誘導通路745dへと進行した遊技球を確変入球口504へと流下させることができる。
なお、各通路(誘導通路745a〜745d)と、各カバー部材(カバー部材744a,744b)との接合部分のうち、各通路の上面側は、緩やかに弧を描いている(カーブしている)形状となっている。これにより、遊技球が各通路を通過する際に、内側(振り分け回転体741に近い側)を流下させることができる。よって、各カバー部材の内壁部分と遊技球とが接触し難くできるので、遊技球がカバー部材の内壁部分へと衝突した衝撃により、遊技中に各カバー部材と流路形成部743とが分離してしまうことを抑制することができる。
また、カバー部材744a,カバー部材744bの流路形成部743側の面には、それぞれ磁石747a、および磁石747bが設けられている。更に、振り分け回転体741の手前側、および奥側にも、それぞれ磁石807a,807bが設けられている。カバー部材744a,744bが流路形成部743に取り付けられた状態では、振り分け回転体741が右にも左にも振れていない状態(ニュートラルな状態)で、磁石747aと磁石807aとが重なる位置に設けられている。また、磁石747bと磁石807bとも重なる位置に設けられている。
ここで、磁石747aと磁石807aとは、振り分け回転体741が揺動し、ニュートラルな状態となる位置まで変位した場合に、互いに反発しあう向きに設置されている。同様に、磁石747bと磁石807bとも、互いに反発しあう向きに設置されている。よって、振り分け回転体741に対して振動が加わること等によって、振り分け回転体741が多少揺動したとしても、振り分け回転体741の側面部分に設けられている磁石807a,807bと、カバー部材744a,744bにそれぞれ設けられた磁石747a,747bとが互いに反発し合うので、振り分け回転体741が磁石747a,747bの部分を越えて回転動作することを防止することができる。従って、遊技球が通過していないにも関わらず、振り分け回転体741の状態が切り替わってしまうことを抑制することができる。
次に、図11を参照して、入球口振り分け部740の内部に配設されている振り分け回転体741の構造について説明する。図11は、振り分け回転体741の構造を示す図である。図11(a)は、振り分け回転体741が左側に振れた状態における正面斜視図であり、図11(b)は、振り分け回転体741が右側に振れた状態における正面斜視図である。また、図11(c)は、振り分け回転体741が右にも左にも振れていない状態(ニュートラルな状態)における正面図であり、図11(d)は、振り分け回転体741が右にも左にも振れていない状態(ニュートラルな状態)における平面図である。
図11(a),(b)に示すように、振り分け回転体741には、略扇形の仕切部材801が設けられている。この仕切部材801が設けられていることにより、たとえパチンコ機10に振動が加わったり、遊技球とカバー部材744a,744bとが反発したりしたとしても、遊技球が進行していた流路から外れてしまうことを抑制することができる。
また、仕切部材801の手前側には、手前ルートを流下してきた遊技球を正面視左方向へと跳ね返す球反発部802と、手前ルートを流下してきた遊技球を受け止めて進行を妨げる、凹形状をした球止め部804が設けられている。なお、球反発部802によって跳ね返された遊技球は(図12(b)参照)、カバー部材744aに設けられた誘導通路745aを流下して時短入球口501へ入球する(図12(c)参照)。一方、遊技球が球止め部804に受け止められると、球止め部804に対して遊技球の重みによる負荷が掛かる(図14(a)参照)。この負荷によって、振り分け回転体741は、回転体支持軸806a,806bを回転軸として正面視右方向へと揺動する(図14(b)参照)。これにより、遊技球は、球止め部804から誘導通路745c上へ落下し、誘導通路745cを通じて確変入球口503へと入球する(図14(c)参照)。
一方、仕切部材801の奥側には、奥ルートを流下してきた遊技球を正面視右方向へと跳ね返す球反発部803と、奥ルートを流下してきた遊技球を受け止めて進行を妨げる、凹形状をした球止め部805が設けられている。なお、図11(c),(d)に示すように、球反発部803、および、球止め部805は、上述の球反発部802、および、球止め部804と同一の形状である。即ち、振り分け回転体741を正面方向から見た場合と、背面方向から見た場合とで、形状は同一である。
球反発部803によって跳ね返された遊技球は(図15(b)参照)、カバー部材744bに設けられた誘導通路745dを流下して確変入球口504へ入球する(図15(c)参照)。一方、遊技球が球止め部805に受け止められると、球止め部805へ遊技球の重みによる負荷が掛かる(図13(a)参照)。この負荷によって、振り分け回転体741は、回転体支持軸806a,806bを回転軸として正面視左方向へと揺動する。これにより、遊技球は、球止め部805から誘導通路745b上へ落下し、誘導通路745bを通じて確変入球口502へと入球する(図13(c)参照)。
次に、振り分け回転体741へと流下した遊技球の動作について、図12〜図15を参照して詳しく説明する。図12は、振り分け回転体741が右側に振れた状態で、遊技球が奥ルートを流下する場合における、振り分け回転体741、および遊技球の動作を示す図であり、図13は、振り分け回転体741が右側に振れた状態で、遊技球が手前ルートを流下する場合における、振り分け回転体741、および遊技球の動作を示す図である。また、図14は、振り分け回転体741が左側に振れた状態で、遊技球が奥ルートを流下する場合における、振り分け回転体741、および遊技球の動作を示す図であり、図15は、振り分け回転体741が左側に振れた状態で、遊技球が手前ルートを流下する場合における、振り分け回転体741、および遊技球の動作を示す図である。
まず、図12を参照して、流路が手前ルート(図8(b)参照)に設定され、振り分け回転体741が右側に振れた状態となっている場合について説明する。大当たりの1ラウンド目において、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球は、流路が手前ルートに設定されているため、手前側流路732aを介して手前ルート誘導孔742aへと入球し、振り分け回転体741の手前側の流路(手前ルート)を流下する(図12(a)参照)。
振り分け回転体741が右側に振れた状態では、手前ルート誘導孔742aの直下に球反発部802が位置するので、手前ルートを流下した遊技球は、球反発部802へと衝突する(図12(b)参照)。これにより、遊技球は、正面視左方向へと跳ね返されるので、誘導通路745aを進行し、時短入球口501へと入球する。つまり、第2特定入賞口(第2大開放口)140aに入球した遊技球が最初に入球する入球口は時短入球口501となる。よって、大当たり終了後は、特別図柄の低確率状態へと移行すると共に、所定の変動回数の間(たとえば、変動回数が100回)普通図柄の時短状態となる。
また、振り分け回転体741が右側に振れた状態で、球反発部802は、右上方向へ向かって昇る向きの傾きを有する斜面をなしているので、鉛直上方から落下してきた遊技球が球反発部802へと衝突することで、振り分け回転体741を右方向へ回動させる向きの力が働く。しかし、振り分け回転体741が右側に振れた状態の場合、振り分け回転体741が右方向へと回動する余地は無いので、遊技球が球反発部802に衝突したとしても、振り分け回転体741の状態は変化しない。
なお、大当たりの1ラウンド目において、その後に振り分け回転体741へ到達した遊技球も同様に手前ルートを進行するので、全ての遊技球は振り分け回転体741を揺動させることなく時短入球口501へ入球する。よって、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへ最初に入球したすべての遊技球は、振り分け回転体741の状態を変えることなく時短入球口501へと入球する。
また、図12(b),(c)に示した通り、振り分け回転体741が右側に振れた状態では、仕切部801の右側の底面が流路形成部743と接触しているが、正面視手前側に配設されている球止め部803の下部や、正面視奥側に配設されている球反発部803の下部は、それぞれ誘導通路745c、誘導通路745dと接触せず、空間が生じるように構成されている。これにより、遊技球が球反発部802と衝突した場合の衝撃で、球止め部804の下部や、球反発部803の下部と、誘導通路745c、誘導通路745dとが反発し合うことを抑制することができる。よって、遊技球が球反発部802に衝突した衝撃で、右側に振れた状態となっていた振り分け回転体741が左側へと回動し、左側に振れた状態へと切り替わってしまうことを抑制することができる。
また、図12(a)〜(c)に示したように、振り分け回転体741が右側に振れた状態において、球反発部802の下端と、遊技球が流下する流路の中心を通る流路中心線Oとが交わるように構成されている。つまり、球反発部802が、流路に対して右側に寄った状態となるため、流路を流下した遊技球が球反発部802の上側に当たりにくく構成されている。ここで、球反発部802の上側に向かうほど、振り分け回転体741の回転軸から遠ざかるので、遊技球が球反発部802の上側に衝突した方が、衝突の衝撃で振り分け回転体741を右方向へ回動させる向きの力は強くなる。右方向へ回動させる向きの力が強くなると、その右方向へ回動させる向きの力に基づいて、仕切部801の底面が流路形成部743を押す力も強くなる。よって、仕切部801が流路形成部743から受ける反作用も強くなるので、振り分け回転体741が跳ね返りやすくなり、振り分け回転体741が左側に振れた状態にまで切り替わってしまう可能性が高くなる。このため、本実施形態のように、遊技球が球反発部802の上側に当たりにくく構成することにより、振り分け回転体741の跳ね返りを抑制し、遊技球が球反発部802へ衝突した際の衝撃に基づいて振り分け回転体741が左側に振れた状態へと切り替わってしまうことを防止している。
次いで、奥ルートの状態、且つ、振り分け回転体741が右側に振れた状態について、図13、図15を参照して説明する。この状態で第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球は、流路が奥ルート(図8(a)参照)に設定されているため、奥側流路732bを介して奥ルート誘導孔742bへと入球し、振り分け回転体741の奥側の流路(奥ルート)を流下する。
振り分け回転体741が右側に振れた状態では、奥ルート誘導孔742bの直下に球止め部805が位置するので、奥ルートを流下した遊技球は、球止め部805によって受け止められる(図13(a)参照)。遊技球が受け止められると、遊技球の重みによる負荷が球止め部805にかかる。即ち、振り分け回転体741を左方向へ回動させる向きの力が働くので、振り分け回転体741が左方向へと回動し、左側に振れた状態となる(図13(b)参照)。
また、振り分け回転体741が左側に振れる場合、振り分け回転体の一部である球止め部805も振り分け回転体741に連動して左側に回動するので、球止め部805は左下方向へ下る向きの斜面を成す。よって、球止め部805によって受け止められていた遊技球は、球止め部805が回動して傾くことに基づいて、球止め部805から転がり落ち、誘導通路745bを進行して、確変入球口502へと入球する。つまり、第2特定入賞口(第2大開放口)140aに入球した遊技球が最初に入球する入球口は確変入球口502となる。よって、大当たり終了後は、特別図柄の高確率状態へと移行する。
なお、大当たりの1ラウンド目において、その後に振り分け回転体741へ到達した遊技球も同様に奥ルートを進行する。前述の通り、振り分け回転体741は、最初に振り分け回転体741へと到達した遊技球の重みによる負荷に基づいて、左側に振れた状態となっている。よって、奥ルート誘導孔742bの直下に球反発部803が位置する状態となるので(図15(a)参照)、奥ルートを流下した遊技球は、球反発部803へと衝突する(図15(b)参照)。これにより、遊技球は、正面視右方向へと跳ね返されるので、誘導通路745dを進行し(図15(c)参照)、確変入球口504へと入球する。
即ち、第2特定入賞口(第2大開放口)140aに最初に入球した遊技球は、振り分け回転体741を左側に振れた状態へと切り替え、確変入球口502へと入球する。そして、2球目以降に第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球は、振り分け回転体741の状態を変えることなく確変入球口504へと入球する。
また、振り分け回転体741が右側に振れた状態において、球止め部805の上端部分と誘導通路745dの天井部分との隙間が、遊技球1個分未満となるように構成されている。これにより、振り分け回転体741が右側に振れた状態で奥ルート誘導孔742bを流下した遊技球が、誘導通路745dへと進行してしまうことを防止することができる。更に、この球止め部805と、誘導通路745dの天井部分とに隙間を設けることにより、振り分け回転体741が遊技球の重みによる負荷に基づいて左側へと回動する途中で、次に流下してきた遊技球が球止め部805と、奥ルート誘導孔742bの下流の流路の内壁部分とに挟み込まれてしまい、振り分け回転体741が右側にも左側にも動作できなくなってしまうことを抑制することができる。
次いで、手前ルートの状態、且つ、振り分け回転体741が左側に振れた状態の場合について、図12、図14を参照して説明する。この状態で第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球は、流路が手前ルートに設定されているため、手前側流路732aを介して手前ルート誘導孔742aへと入球し、振り分け回転体741の手前側の流路(手前ルート)を流下する。
振り分け回転体741が左側に振れた状態では、手前ルート誘導孔742aの直下に球止め部804が位置するので、手前ルートを流下した遊技球は、球止め部804によって受け止められる(図14(a)参照)。遊技球が受け止められると、遊技球の重みによる負荷が球止め部804にかかる。即ち、振り分け回転体741を右方向へ回動させる向きの力が働くので、振り分け回転体741が右方向へと回動し、右側に振れた状態となる(図14(b)参照)。
また、振り分け回転体741が右側に振れる場合、振り分け回転体741の一部である球止め部804も振り分け回転体741に連動して右方向へと回動し、右下方向へ下る向きの斜面を成す。よって、球止め部804によって受け止められていた遊技球は、球止め部804が回動することに基づき、球止め部804から転がり落ち、誘導通路745cを進行して、確変入球口503へと入球する。つまり、第2特定入賞口(第2大開放口)140aに入球した遊技球が最初に入球する入球口は確変入球口503となる。よって、大当たり終了後は、特別図柄の高確率状態へと移行する。
なお、大当たりの同一ラウンド内で、その後に振り分け回転体741へ到達した遊技球も同様に手前ルートを進行する。前述の通り、最初に振り分け回転体741へと到達した遊技球の重みによる負荷に基づいて、振り分け回転体741は右側に振れた状態となっている。よって、手前ルート誘導孔742aの直下に球反発部802が位置する状態となり(図12(a)参照)、手前ルートを流下した遊技球は、球反発部802へと衝突する(図12(b)参照)。これにより、遊技球は、正面視左方向へと跳ね返されるので、誘導通路745aを進行し(図12(c)参照)、時短入球口501へと入球する。
即ち、第2特定入賞口(第2大開放口)140aに最初に入球した遊技球は、振り分け回転体741を右側に振れた状態へと切り替え、確変入球口503へと入球する。そして2球目以降に第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球は、振り分け回転体741の状態を変えることなく時短入球口501へと入球する。
なお、大当たりの1ラウンド目において最初に遊技球が入球した入球口の種別に基づいて大当たり終了後の遊技状態が設定されると、その設定が大当たりの間保持されるように構成されている。即ち、大当たり終了後の遊技状態の設定が上書きされないように構成されている。よって、1球目に第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球が確変入球口503へと入球することに基づいて、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の高確率状態へと設定されれば、2球目以降に第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球が時短入球口501へ入球したとしても、大当たり終了後の遊技状態が特別図柄の低確率状態となってしまうことはない。
また、振り分け回転体741が左側に振れた状態において、球止め部804の上端部分と誘導通路745aの天井部分との隙間が、遊技球1個分未満となるように構成されている。これにより、手前ルート誘導孔742aへと入球した遊技球が誘導通路745aへと進行してしまうことを防止することができる。更に、この球止め部804と、誘導通路745aの天井部分とに隙間を設けることにより、振り分け回転体741が遊技球の重みによる負荷に基づいて左側へと回動する途中で、次に流下してきた遊技球が球止め部804と、手前ルート誘導孔742aの下流の流路の内壁部分とに挟み込まれてしまい、振り分け回転体741が右側にも左側にも動作できなくなってしまうことを抑制することができる。
次いで、図15を参照して、流路が奥ルートに設定され、振り分け回転体741が左側に振れた状態となっている場合について説明する。第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球は、流路が奥ルートに設定されているため、奥側流路732bを介して奥ルート誘導孔742bへと入球し、振り分け回転体741の奥側の流路(奥ルート)を流下する(図15(a)参照)。
振り分け回転体741が左側に振れた状態では、奥ルート誘導孔742bの直下に球反発部803が位置するので、奥ルートを流下した遊技球は、球反発部803へと衝突する(図15(b)参照)。これにより、遊技球は、正面視右方向へと跳ね返されるので、誘導通路745dを進行し、確変入球口504へと入球する。つまり、第2特定入賞口(第2大開放口)140aに入球した遊技球が最初に入球する入球口は確変入球口504となる。よって、大当たり終了後は、特別図柄の高確率状態へと移行する。
また、振り分け回転体741が左側に振れた状態で、球反発部803は、左上方向へ向かって昇る向きの傾きを有する斜面をなしているので、鉛直上方から落下してきた遊技球が球反発部803へと衝突することで、振り分け回転体741を左方向へ回動させる向きの力が働く。しかし、振り分け回転体741が左側に振れた状態の場合、振り分け回転体741が左方向へと回動する余地は無いので、遊技球が球反発部803に衝突したとしても、振り分け回転体741の状態は変化しない。
なお、大当たりの同一ラウンド内で、その後に振り分け回転体741へ到達した遊技球も同様に奥ルートを進行するので、全ての遊技球は振り分け回転体741を揺動させることなく確変入球口504へ入球する。よって、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへ最初に入球したすべての遊技球は、振り分け回転体741の状態を変えることなく確変入球口504へと入球する。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、1ラウンド目において最初に遊技球が入球した入球口(時短入球口501、および確変入球口502〜504のいずれか)に基づいて、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態とするか、特別図柄の低確率状態とするのかを決定するように構成し、且つ、複数の遊技球が振り分け回転体741へと進行可能に構成している。
次に、第2特定入賞口(第2大開放口)140aと、流路切替弁731とが、大当たりの1ラウンド目にそれぞれどのように動作するかを、図16を参照して説明する。図16は、1ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)140a、および、流路切替弁731の動作を示すタイムチャートである。図16(a)は、遊技球を手前ルートへと流下させる場合(当選した大当たりが大当たりBの場合)の制御を示しており、図16(b)は、遊技球を奥ルートへと流下させる場合(当選した大当たりが大当たりAの場合)の制御を示している。
まず、図16(a)を参照して、遊技球を手前ルートへと流下させる場合の動作について説明する。図16(a)において、上側の図は、1ラウンド目の開始からの経過時間と、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの状態(開放されているか閉鎖されているか)との対応関係を示している。一方、図16(a)の下側の図は、1ラウンド目の開始からの経過時間と、開放されている流路(手前側流路732a、または、奥側流路732b)との対応関係を示している。
手前ルートへと遊技球を流下させる場合は、まず、1ラウンド目の開始直後に第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開放する。この開放状態は、非常に短い時間であり(例えば、0.2秒)、すぐに第2特定入賞口(第2大開放口)140aを閉鎖する。そして、1ラウンド目の開始から7秒が経過するまでの間、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを閉鎖した状態とする。一方、7秒が経過してから1ラウンドが終了するまでの間は、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開放する。そして、1ラウンド目の終了時に、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを閉鎖する。なお、大当たりの1ラウンド目は、所定時間が経過するまで(30秒経過するまで、或いは、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへ球が10個入賞するまで)継続する。
一方、流路切替弁731は、1ラウンド目の開始から6.5秒が経過するまでは、第2可変入賞装置140の手前側に傾倒した状態(即ち、手前側流路732aが遮られ、奥側流路732bが開放された状態)に設定される。そして、6.5秒経過後は、流路用ソレノイド265により、流路切替弁731が可変入賞装置140の奥側に傾倒した状態(即ち、手前側流路732aが開放され、奥側流路732bが遮られた状態)へと切り替えられる。流路切替弁731が完全に奥側に傾倒した状態へと切り替わった後は、1ラウンド目が終了した後も流路切替弁731が奥側に傾倒した状態に保たれる。
流路切替弁731が手前側に傾倒した状態において、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放されるのは、1ラウンド目が開始された直後の短い期間(例えば、0.2秒)であり、遊技球が入球することが困難である。よって、基本的に第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと遊技球が入球するのは、1ラウンド目の開始から7秒以上経過し、流路切替弁731が奥側に傾倒した状態(手前側流路732aが開放された状態)へと切り替わった後であるので、大当たりBに当選した場合は、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球を手前側流路732aへ流下させることができる(図16(a)参照)。従って、遊技球を手前ルート誘導孔742aへと入球させ、振り分け回転体741の手前側の流路(手前ルート)を流下させることができる。
ここで、1ラウンド目が開始された直後に短い期間だけ第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開放しているのは、大当たりAと大当たりBとで、1ラウンド目の開始時における第2特定入賞口(第2大開放口)140aの動作を共通とするためである。詳細については図16(b)を用いて後述するが、大当たりAに当選した場合、1ラウンド目の開始時に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放される。この大当たりA時の動作に合わせて、大当たりBの場合にも、1ラウンド目の開始時に第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開放するように構成している。これにより、1ラウンド目が開始した時点では、遊技者が第2特定入賞口(第2大開放口)140aの状態に基づいて大当たり種別を判別し難くすることができる。よって、遊技者にとって有利な大当たりAに当選していることに対する期待感をより長く抱かせ続けることができる。
次いで、図16(b)を参照して、遊技球を奥ルートへと流下させる場合の動作について説明する。図16(b)において、上側の図は、1ラウンド目の開始からの経過時間と、第2定入賞口(第2大開放口)140aの状態(閉鎖されているか開放されているか)との対応関係を示している。一方、図16(b)の下側の図は、1ラウンド目の開始からの経過時間と、開放されている流路(手前側流路732a、または、奥側流路732b)との対応関係を示している。
奥ルートへと遊技球を流下させる場合は、まず、1ラウンド目の開始から5秒が経過するまでの間、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放された状態とする。一方、5秒が経過してから1ラウンド目が終了するまでの期間は、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを閉鎖する。この閉鎖状態は、大当たりの終了まで保たれる。
一方、流路切替弁731の動作に関しては、図16(a)で説明した動作と全く同一である。即ち、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖されてから1.5秒後(1ラウンド目の開始から6.5秒後)までは手前に傾倒した状態に設定され、その後に奥側に傾倒した状態へと切り替えられる。よって、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放されている間、流路切替部材734は常に手前側に傾倒した状態となるので、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球を奥側流路732bへ流下させることができる(図16(b)参照)。従って、遊技球を奥ルート誘導孔742bへ入球させ、振り分け回転体741の奥側の流路(奥ルート)へと進行させることができる。
また、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖されてから1.5秒経過後に流路切替弁731の配置を切り替えているのは、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した全ての遊技球を確実に奥ルートへと進行させるためである。即ち、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖される間際に遊技球が入球したとしても、流路切替弁731は1.5秒間手前側の配置のまま保たれているので、遊技球が第2可変入賞装置140内部に残存した状態で流路切替弁731の設定(傾倒する向き)が切り替わってしまうことを抑制することができる。
以上の通り、大当たりの1ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)140a、および流路切替弁731の動作について詳細に説明したが、これらは、第1ラウンド目以外の状態では、それぞれの初期状態へと設定されるように構成されている。第2特定入賞口(第2大開放口)140aの初期状態とは、閉鎖された状態を示す。また、流路切替弁731の初期状態とは、流路切替弁731が奥側に傾倒した状態(即ち、手前側流路732aが開放され、奥側流路732bが遮蔽された状態)である。このため、第2特定入賞口(第2大開放口)140aは、1ラウンド目の終了には閉鎖状態となり、次の大当たりの1ラウンド目が開始されるまで閉鎖状態のまま保持される。なお、RAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10の電源投入が行われた場合は、電源を断する直前の状態に関わらず、第2特定入賞口(第2大開放口)140aは閉鎖した状態に設定される。
一方、流路切替弁731は、1ラウンドが終了してから、次に大当たりとなるまで奥側に傾倒した状態が保たれる。そして、大当たりの停止図柄が確定表示されてから、1ラウンド目が開始するまでの間に手前側に傾倒した状態へと切り替えられ、1ラウンド目の開始後は、上述した動作が行われる。また、RAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10の電源投入が行われた場合は、電源を断する直前の状態に関わらず、手前側に傾倒した状態へと切り替えられる。
なお、流路の切り替えタイミングや、大当たり種別毎の第2特定入賞口(第2大開放口)140aの開放、および閉鎖のタイミングは、本実施形態に限られるものではない。例えば、大当たりBにおいて、1ラウンド目の開始直後に第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開放せず、1ラウンド目の開始から7秒が経過するまで第2特定入賞口(第2大開放口)140aを閉鎖しておくように構成してもよい。これにより、手前側流路732aが開放されている期間にのみ第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放されるので、遊技球を確実に手前側流路732aへと進行させることができる。
また、例えば、大当たりBにおいて、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放されるタイミングを、大当たりの開始から27秒後とし、遊技球が第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球しにくくなるように構成してもよい。同様に、大当たりBにおいて、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放されている期間を、1ラウンド目の開始から3秒間とし、遊技球が第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球しにくくなるように構成してもよい。これにより、1ラウンド目に抽選装置700へと遊技球を打ち出す際に、遊技者に対して緊張感を抱かせることができるので、大当たりが単に出球を得るための作業となってしまうことを抑制することができる。また、各大当たりにおいて、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放される期間を長くしても良い(例えば、10秒間など)。これにより、1ラウンド目に遊技球を抽選装置700の内部へと進行させやすくなるので、抽選装置700による抽選を受けやすくすることができる。よって、遊技者に対して安心感を抱かせながら1ラウンド目を遊技させることができる。
また、本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへ遊技球が10個入賞するまで1ラウンドが継続するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、12秒経過するまで、或いは、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへ遊技球が10個入賞するまで継続するように構成してもよい。このように構成することで、大当たりBの場合に、1ラウンドの開始から7秒後に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放され、最大で1ラウンドの開始から12秒後に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖されることとなる。即ち、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが最大で5秒間だけ開放されることとなるので、大当たりAに当選した場合と同じ時間だけ第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開放させることができる。よって、1ラウンドにおいて得られる賞球を、大当たりAと大当たりBとで同等にすることができる。また、大当たりAにおいて、1ラウンド目に遊技球が10個入賞する前に5秒間が経過した場合に、1ラウンドが終了するまでの期間を短くすることができる。つまり、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖され、遊技者が遊技球を打ち出したとしても、賞球が得られない期間を短くすることができるので、遊技者が退屈してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目において、流路切替弁731が手前側に傾倒した状態から開始されるが、奥側に傾倒した状態から開始し、1ラウンド目の途中で手前側に傾倒した状態に切り替えるように構成してもよい。大当たりが開始する以前の流路切替弁731の状態は、奥側に傾倒した状態(即ち、遊技球が手前ルートを通過可能な状態)であるので、このように構成すれば、大当たり開始時に流路切替弁731を手前側に傾倒させる必要が無い。よって、流路切替弁731が奥側へと傾倒しきる前に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放し、大当たりBにも関わらず奥側流路732bへと遊技球が進行してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、流路切替弁731が奥側に傾倒した状態を初期状態としているが、手前側に傾倒した状態を初期状態としてもよい。これにより、1ラウンド目の開始時の設定と、初期状態とが一致するので、大当たりの1ラウンド目が開始するまでに流路切替弁731の設定を切り替える必要がない。よって、流路切替弁731が奥側へと傾倒しきる前に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放し、大当たりAにも関わらず手前側流路732aへと遊技球が進行してしまうことを抑制することができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとしたりすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図17参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図17参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図17を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図17は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図17を参照して説明する。図17(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、第2大開放口切替テーブル202e、流路切替テーブル202fが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述するが、始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図17(b))は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
第2当たり乱数テーブル202c(図17(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図17(c)参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図17(c)参照)。本実施形態のパチンコ機10では、第2入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターン選択テーブル202d(図示なし)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
第2大開放口切替テーブル202eは、大当たりの1ラウンド中に、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開閉動作させるために参照されるテーブルであり、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの状態が、1ラウンド開始からの経過時間をカウントする計時カウンタ203kの値に対応付けて規定されている(図19(a)参照)。具体的には、大当たりBの場合は、計時カウンタ203kの値が0〜7秒の範囲に対応する値で、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖された状態と規定され、7秒以降で、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放された状態と規定されている。第1ラウンドの開始から7秒以上が経過している場合は、遊技球が流下する流路は手前ルートに設定されているので(図16(a)参照)、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球は、手前ルートを流下する。
また、大当たりAの場合は、計時カウンタ223kの値が0〜5秒の範囲に対応する値において第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放された状態と規定され、5秒以降は第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放された状態と規定されている(図19(a)参照)。第1ラウンドの開始から5秒の間は、遊技球が流下する流路は奥ルートに設定されているので(図16(b)参照)、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球は、奥ルートを流下する。
流路切替テーブル202gは、大当たりの1ラウンド中、および1ラウンド終了後のインターバル期間中に、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球を流下させる流路を切り替えるために参照されるテーブルであり、流路の状態が、計時カウンタ203kの値に対応付けて規定されている。
具体的には、1ラウンドの開始から6.5秒が経過するまでは、流路が奥ルートに規定されている(図19(b)参照)。上述の通り、大当たりAの場合、第1ラウンドの開始から5秒後に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖されるので、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖されてから流路が切り替わるまでに1.5秒のマージンを設けている。これにより、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの閉鎖間際に遊技球が入球したとしても、確実に奥ルートへと進行させてから流路の切り替えを行うことができる。
また、1ラウンドの開始から6.5秒経過後は1ラウンド目が終了するまで、流路が手前ルートとなるように規定されている(図19(b)参照)。なお、上述の通り、流路の設定は、大当たりの1ラウンド目以外、手前ルートとなるように制御される。よって、1ラウンド目が終了して以降も、流路は手前ルートの状態が保たれる。この手前ルートの状態は、次に大当たりに当選し、奥ルートへと切り替えられるまで継続する。
図17に戻って説明を続ける。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図20を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図30参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図47参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図30参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図47参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「7」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値を取得するタイミングが解析されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図18(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。なお、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、第1当たり種別選択テーブル202b(図18(b)参照)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図47参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202dは、主制御装置110のROM202内に設けられている(図18(a)参照)。
変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「通常外れ」各種、「外れショートリーチ」各種、「外れロングリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定されている。「通常外れ」は、リーチが発生しない外れ変動のことであり、「外れショートリーチ」は、リーチが発生する外れ変動のうち、比較的変動期間の短い変動種別のことである。また、「外れロングリーチ」は、リーチが発生する外れ変動のうち、「外れショートリーチ」に比較して変動期間が長い変動種別のことである。また、「外れスーパーリーチ」は、リーチが発生する外れ変動のうち、最も変動期間の長い変動種別のことである。
更に、変動パターンテーブル202dには、大当たり用の変動パターンとして、「当たりショートリーチ」各種、「当たりロングリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種が規定されている。「当たりショートリーチ」は、当たり変動のうち、比較的変動期間の短い変動種別のことであり、「当たりロングリーチ」は、当たり変動のうち、「当たりショートリーチ」に比較して変動期間が長い変動種別のことである。また、「当たりスーパーリーチ」は、最も変動期間が長い変動種別のことである。そして、変動パターンテーブル202dに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、変動パターンテーブル202dには、当たりの場合と外れの場合とで共用の変動パターン種別を規定しても良い。具体的には、外れの場合にも当たりの場合にも選択される「共用ショートリーチ」、「共用ロングリーチ」、「共用スーパーリーチ」等を規定しておいてもよい。また、遊技者にとって有利な大当たりAでのみ選択され得る「プレミアムリーチ」等を規定しておいてもよい。これにより、変動パターン演出の結果だけでなく、変動パターン演出の態様にも注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図18(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202c(図18(c)参照)によって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202c(図18(c)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図18(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、普通図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図18(c)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、普通図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図30参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図47参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図17に戻り、説明を続ける。RAM203は、図20に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図47参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図42参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図41参照)が即座に実行される。
ここで、RAM203に設けられた各種カウンタや各種フラグ等について、図21を参照して説明する。図21は、主制御装置110のRAM203の構成を示した図である。図21に示すように、RAM203は、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fと、大当たりフラグ203gと、変動中フラグ203hと、カウンタ用バッファ203iと、回転体フラグ203jと、計時カウンタ203kと、入球待機フラグ203lと、大開放口フラグ203mと、流路フラグ203nと、払出フラグ203oと、入球口種別格納エリア203pと、確変設定フラグ203qと、アウト球カウンタ203rとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図33のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図31のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図31のS206、図33のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67を遊技球が通過することに基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、遊技球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図35のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図34のS505参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図35のS605)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図35のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203eは、初期値がオフに設定されており、特別図柄の大当たりに基づいて行われる抽選装置300による抽選において、確変入球口502〜504のいずれかに遊技球が入球した場合に、その大当たりの終了に基づいてオンされる(図50のS2103)。一方、確変フラグ203eは、抽選装置300による抽選において、遊技球が時短入球口501へ入球した場合に、その大当たりの終了に基づいてオフされる(図50のS2104)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図32参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変フラグ203eの値が参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203eがオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタである。時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、特別図柄の大当たりに基づいて行われる抽選装置300による抽選において、遊技球が時短入賞口501へ入賞した場合に、その大当たりの終了に基づいて特定の値(例えば50)に設定される。また、大当たりの1ラウンド目にいずれの入球口へも入球しなかった場合にも、大当たりの終了に基づいて特定の値(例えば、50)が設定される(図50のS2104参照)。その後、時短中カウンタ203fの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図31のS216)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図34のS510,S511参照)。
大当たり中フラグ203gは、大当たり中であるか否かを示すフラグであり、大当たり中フラグ203gがオンであれば、大当たり状態中であることを示す。この大当たり中フラグ203gは、大当たりの開始を設定する際にオンに設定され(図31のS214参照)、大当たりの終了を設定する際にオフに設定される(図50のS2105参照)。詳細に付いては後述するが、この大当たり中フラグ203gに基づいて、外部装置(ホールコンピュータ262等)に対してパチンコ機10が大当たりであるか否かを示す信号(大当たり中信号)が出力される。ホールコンピュータ262等の外部装置は、この大当たり中信号に基づいて、パチンコ機10の大当たり回数を把握したり、パチンコ機10に対する不正行為の有無を判断したりできる。
変動中フラグ203hは、特別図柄の変動中か否かを示すフラグである。この変動中フラグ203hがオンであれば、特別図柄の変動中であることを示す。変動中フラグ203hは、特別図柄の変動開始を設定することに基づいてオンに設定され(図32のS312参照)、図柄変動の変動時間が経過し、図柄停止を設定することに基づいてオフに設定される(図31のS211参照)。なお、本実施形態のパチンコ機10では、電源投入による立ち上げ時や、電源断の発生時に、この変動中フラグ203hに基づいてホールコンピュータ262に対してパチンコ機10が変動中であるか否かを示す信号(図柄変動信号)を出力するように構成されている。ホールコンピュータ262では、前回電源断が発生した際のパチンコ機10の状態(変動中であるか否か)と、電源投入時のパチンコ機10の状態とを比較することにより、パチンコ機10に対して不正行為の有無を判別するように構成されている。
カウンタ用バッファ203iは、上述した第1当たり乱数カウンタC1や、第1当たり種別カウンタC2等の各種カウンタ値を格納しておくための記憶領域である。このカウンタ用バッファ203iに格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄の大当たりか否かの判別や、大当たり種別の判別等が行われる。
回転体フラグ203jは、抽選装置700の内部に配設されている振り分け回転体741の向きを示すフラグであり、電源の投入前後で振り分け回転741の位置がずれてしまった場合に、振り分け回転体741の配置を電源オフする前の状態へ戻すために用いられる。この回転体フラグ203jがオンであれば、振り分け回転体741が左側に振れている状態(図15参照)であることを示し、オフであれば振り分け回転体741が右側に振れている状態(図12参照)であることを示す。この回転体フラグ203jは、位置検出センサ263による振り分け回転体741の配置に連動して切り替えられるものであり、位置検出センサ263により振り分け回転体741が左側に振れた状態であると検出された場合に回転体フラグはオンされ、振り分け回転体741が右側に振れた状態であると検出された場合にオフされる。
計時カウンタ203kは、大当たりのラウンド開始からの経過時間や、インターバル期間の開始からの経過時間を計時するカウンタである。この計時カウンタ203kが計時する時間に基づいて、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの開閉を制御したり(図51のS2203参照)、遊技球が流下可能なルート(手前ルート、奥ルート)の切り替えを制御したりする(図52のS2303参照)。
入球待機フラグ203lは、大当たり中に遊技球がいずれかの入球口(時短入球口501、および確変入球口502〜504)へと入球したか否かを示すフラグである。この入球待機フラグ203lは、大当たりの開始を設定する際にオンに設定され(図31のS214参照)、いずれかの入球口(時短入球口501、および確変入球口502〜504)へと遊技球が入球したことを検出した場合にオフに設定される(図53のS2411,S2417参照)。本実施形態のパチンコ機10では、この入球待機フラグ203lがオンに設定されている状態で遊技球がいずれかの入球口へと入球した場合に、その入球した入球口に対応した状態に、大当たり終了後に移行するように構成されている。
大開放口フラグ203mは、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放状態か否かを示すフラグであり、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放されるとオンに設定され(図51のS2208参照)、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖されるとオフに設定される(図51のS2212参照)。
流路フラグ203nは、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと入球した遊技球が手前ルートを通過可能な状態か、奥ルートを通過可能な状態かを示すフラグであり、手前ルートを通過可能な状態(即ち、流路切替弁731が奥側に傾倒した状態)であればオンに設定され(図52のS2310参照)、奥ルートを通過可能な状態(即ち、流路切替弁731が手前側に傾倒した状態)であればオフに設定される(図52のS2307参照)。
払出フラグ203oは、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへの遊技球の入球を検出して賞球を払い出す状態か否かを示すフラグである。この払出フラグ203oは、大当たり終了後の状態を設定した後でオンに設定され(図53のS2411,S2417参照)、大当たりの開始時にオフに設定される(図48のS1904参照)。
入球口種別格納エリア203pは、大当たりの1ラウンド目において、最初に球が入球した入球口の種別を示す情報が記憶される記憶領域である。この入球口種別格納エリア203pに格納された情報に基づいて、電源投入時に不正行為の有無を判別する。具体的には、入球口種別格納エリア203pに格納された情報が時短入球口501を示すものであるにも関わらず、電源投入時に特別図柄の高確率状態であると判別した場合は、電源断の状態中に何らかの不正行為が行われたことにより特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行させられた可能性があるため、異常の発生を報知する(図43のS1405参照)。これにより、不正行為によってホールに不測の損害が発生することを抑制することができる。なお、RAM消去スイッチ122を押下した状態でパチンコ機10に対して電源を投入した場合に、入球口種別格納エリア203pに格納される情報は、時短入球口501を示す情報である。RAM消去スイッチ122が押下されると、電源断となる前の状態に関わらずパチンコ機10は特別図柄の低確率状態へと移行するので、時短入球口501を示す情報を入球口種別格納エリア203pに格納しておくことで、大当たりに当選する前であっても不正行為の有無を正確に判別することができる。
確変設定フラグ203qは、大当たりの1ラウンド目に確変入球口502〜504のいずれかに遊技球が入球したか否かを示すフラグである。この確変設定フラグ203qは、遊技球が大当たりの1ラウンド目に確変入球口502〜504のいずれかに入球した場合にオンに設定され(図53のS2407参照)、時短入球口501に入球した場合(図53のS2416参照)、および大当たりの終了に基づいてオフに設定される(図50のS2105参照)。本実施形態のパチンコ機10では、この確変設定フラグ203qの状態に基づいて、大当たり終了時に確変フラグ203eをオンに設定するか否かを決定する(図50のS2103,S2104参照)。確変入球口502〜504に遊技球が入球した際に、確変設定フラグ203qをオンに設定しておき、大当たり終了時に確変設定フラグ203qの値を参照して確変フラグ203eをオンに設定することにより、毎回の大当たりにおいて確変フラグ203eの設定を同じタイミングで行うことができる。つまり、毎回の大当たりで、特別図柄の高確率状態または普通図柄の時短状態へと移行させるタイミングを合わせることができる。
アウト球カウンタ203rは、アウト口66へと入球した遊技球をカウントするカウンタである。このアウト球カウンタ203rの値に基づいて、アウト球の個数を通知するための信号(アウト球検出信号)がホールコンピュータ262等の外部装置へと出力される。なお、本実施形態では、アウト球カウンタ203rのカウント値が10カウントされる毎にアウト球検出信号が出力されるように構成されている。これにより、ホールコンピュータ262等の外部装置は、アウト球検出信号を受信する毎に、アウト球数に10を加算していくだけで、容易にパチンコ機10のアウト球数を把握することができる。
図17に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、第1特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209、抽選装置700内の流路切替弁731を駆動して遊技球の通過する流路を切り替えるための流路用ソレノイド265、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253、抽選装置700内の各入球口への遊技球の入球を検出する入賞センサ420、抽選装置700内の振り分け回転体741の状態(右に振れた状態なのか、左に振れた状態なのか)を検出する位置検出センサ263、振り分け回転体741の向きを修正するための回動モータ264が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2、入賞センサ420より出力される入球信号や位置検出センサ263の検出信号等に基づいて各種処理を実行する。
更に、入出力ポート205には、外部出力端子板261が接続されている。本実施形態のパチンコ機10では、この外部出力端子板261を介して、始動入賞を示す情報や、賞球の個数を示す情報等の遊戯の状況に応じた情報をパチンコ機10の外部へと出力可能に構成されている。外部出力されたデータは、外部出力端子板261と電気的に接続されているホールコンピュータ262によって受信される。ホールコンピュータ262は、ホールに設置されている各パチンコ機10から出力された情報を個別に集計可能に構成されている。より具体的には、ホールコンピュータ262の有するハードディスク273(図29(a)参照)に、ホールに設置されている各パチンコ機10に対応するデータ格納エリアが設けられており、外部出力端子板261よりデータを受信する度に、データを出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの内容を更新する。このデータ格納エリアに記憶された内容に基づいて、各パチンコ機10の遊技履歴(日にち毎の大当たり回数や変動回数、各大当たりにおいて遊技球が入球した抽選装置700の入球口等)、出玉率、稼働率、不正行為や異常の有無等を把握できるように構成されている。
なお、外部出力端子板261は、CN1〜CN14の14の出力チャンネルを有して構成されている。これらの14チャンネルからは、それぞれH出力の信号(例えば、5ボルトの出力)、またはL出力の信号(例えば、0ボルトの出力)のうち、いずれかの信号を出力可能に構成されている。なお、これら各チャンネルは、遊技状態や遊技の状況等の遊技の情報を出力するためのピンの他に、グランドピンが設けられている。即ち、各チャンネルは2本のピンで1組となっている。上記グランドピンは、外部出力端子板261の共通のグランドに接続されており、常に0ボルトが出力されるように構成されている。ホールコンピュータ262は、このグランドピンから出力される0ボルトの基準電圧と、情報を出力するためのピンから出力される電圧とを比較することにより、情報を出力するためのピンの状態がH出力の状態であるかL出力の状態であるかを容易に判別することができる。なお、必ずしも各チャンネルにグランドピンを設ける必要はない。例えば、0ボルトの基準電圧を出力するための専用チャンネルを設けてもよい。これにより、各チャンネルのピン数を1本ずつ削減できるので、ハーネスの本数、およびコネクタ数を削減することにより、パチンコ機10のコストダウンを図ることができる。
次に、外部出力端子板261からパチンコ機10の外部へと出力される信号の詳細について、図22〜図27を参照して説明を行う。詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、通常の遊技状態(パチンコ機10の立ち上げが終了してから電源断を検出するまで)と、電源投入に伴う立ち上げの際、または電源断を検出した際とで、外部出力端子板261を介して外部出力される信号が異なっている。通常の遊技状態においては、遊技の状況(アウト球の状況や、賞球の払い出し状況等)に応じた情報を外部出力することにより、各パチンコ機10の遊技データをホールコンピュータ262が把握可能に構成されている。一方、本実施形態のパチンコ機10では、電源断時、および電源投入に伴う立ち上げ時に、遊技状態(特別図柄の高確率状態であるか否かや、図柄変動中であるか否か)を示す情報を外部出力端子板261より出力可能に構成されている。これにより、ホールコンピュータ262は、電源投入に伴う立ち上げ時に外部出力端子板261より出力される遊技状態を示す情報と、前回の電源断時に通知されていた遊技状態を示す情報とから、パチンコ機10に対する不正行為の有無を判別することができるように構成されている。つまり、前回の電源断時に通知された情報に基づいて判別される遊技状態と、今回の立ち上げ時に通知される情報に基づいて判別される遊技状態とが異なっている場合には、電源が断状態とされている間に何らかの不正行為によって遊技状態を変更された虞があると判断し、異常を報知することができる。なお、遊技状態が異なる場合とは、例えば、電源断時には特別図柄の低確率状態を示す情報が外部出力端子板261から通知されたにも関わらず、次の電源投入時には特別図柄の高確率状態を示す情報が通知された場合等である。
まず、図22を参照して、通常の遊技状態(パチンコ機10の立ち上げが終了してから電源断を検出するまで)において外部出力端子板261に設けられている各チャンネル(各出力ピン)から出力される信号の種類について説明する。図22に示した通り、外部出力端子板261には、CN1〜CN14までの14チャンネルが設けられており、各チャンネルから遊技の状況に応じた信号が出力される。具体的には、CN1からは、パチンコ機10に対して電源が投入されているか否かを示す信号(電源オン信号)が出力される。この電源オン信号は、H出力(出力がハイ)である場合にパチンコ機10に対して電源が投入されていることを示し、L出力(出力がロー)である場合に電源が断されていることを示す。ホールコンピュータ262は、この電源オン信号がH出力の状態かL出力の状態かに基づいて、各パチンコ機10に対して電源が投入されているか否かを判別することができる。
外部出力端子板261のCN2からは、アウト口66へと入球した遊技球が10球となる毎に出力がHとなる(ハイ出力となる)アウト球検出信号が出力される。このアウト球検出信号は、10球のアウト球を検出する度に0.2秒間H出力の状態に保たれた後にL出力状態に設定される(図37のS806参照)。ホールコンピュータ262は、このアウト球検出信号に基づいてアウト球数を把握可能に構成されている。ホールコンピュータ262は、このアウト球検出信号に基づいて各パチンコ機10のアウト球数を把握することができる。
外部出力端子板261のCN3からは、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの状態が開放状態か否かを示す信号である第1大開放口動作信号が出力される。この第1大開放口動作信号は、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放状態に設定されている間にH出力の状態に設定される(図49のS2005参照)。一方、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが閉鎖状態に設定されている間はL出力状態に設定される(図48のS1912参照)。ホールコンピュータ262は、この第1大開放口動作信号に基づいて第1特定入賞口(第1大開放口)65aの状態を監視し、パチンコ機10に対する異常の有無を判別する。即ち、大当たり中でないにも関わらず第1大開放口動作信号がH出力である場合には、不正行為によって第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放状態に設定された可能性があるため、ホールコンピュータ262の操作者に対して異常を報知することができる。
外部出力端子板261のCN4からは、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの状態が開放状態か否かを示す信号である第2大開放口動作信号が出力される。この第2大開放口動作信号は、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放状態に設定されている間にH出力の状態に設定される(図51のS2207参照)。一方、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖状態に設定されている間はL出力状態に設定される(図51のS2211参照)。ホールコンピュータ262は、この第2大開放口動作信号に基づいて第2特定入賞口(第2大開放口)140aの状態を監視し、パチンコ機10に対する異常の有無を判別する。即ち、大当たり中でないにも関わらず第2大開放口動作信号がH出力である場合には、不正行為によって第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放状態に設定された可能性があるため、ホールコンピュータ262の操作者に対して異常を報知することができる。
外部出力端子板261のCN5からは、第1入球口64へと球が入球したことを示す信号である始動入賞信号が出力される。この始動入賞信号は、第1入球口64へと遊技球が入球する毎に出力がHに設定される(図38のS903参照)。また、H出力は0.2秒間継続するように構成されている。ホールコンピュータ262は、この始動入賞信号に基づいて各パチンコ機10の始動入賞を把握可能に構成されている。
外部出力端子板261のCN6からは、特別図柄の変動が停止したことを示す図柄停止信号が出力される。この図柄停止信号は、特別図柄の変動が停止することに基づいて、1秒間H出力の状態に設定される(図31のS212参照)。ホールコンピュータ262は、図柄停止信号に基づいて各パチンコ機10の特別図柄の変動回数を把握することができる。
外部出力端子板261のCN7からは、遊技球が第2入球口67へと入賞したことを示すスルーゲート通過信号が出力される。このスルーゲート通過信号は、第2入球口67へと遊技球が入球する毎に出力がHに設定される(図39のS1003参照)。また、H出力は0.2秒間継続するように構成されている。ホールコンピュータ262は、このスルーゲート通過信号に基づいて各パチンコ機10の普通図柄の入賞回数を把握可能に構成されている。
外部出力端子板261のCN8からは、遊技球が各種入賞口へと入賞したことに基づいて払い出すべき賞球が10球となったことを示す入賞検出信号が出力される。この入賞検出信号は、払い出すべき賞球数が10球となる毎にH出力が0.2秒間継続するように構成されている。ホールコンピュータ262は、この入賞検出信号に基づいて各パチンコ機10の賞球数を把握可能に構成されている。
外部出力端子板261のCN9からは、パチンコ機10から払い出された賞球が10球となったことを示す払出信号が出力される。この払出信号は、払い出した賞球数が10球となる毎にH出力が0.2秒間継続するように構成されている(図58のS2906参照)。ホールコンピュータ262は、この払出信号に基づいて各パチンコ機10から払い出された賞球数を把握可能に構成されている。これにより、各パチンコ機10の出玉率やホールの売り上げを算出することができる。
外部出力端子板261のCN10からは、パチンコ機10の内枠12が開放されているか否かを示す内枠開放信号が出力される。この内枠開放信号は、内枠12が開放状態の間、その出力がHに設定され、内枠12が閉鎖状態の間、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ262は、この内枠開放信号に基づいて、各パチンコ機10の内枠12が不正遊技者によって開放されているか否かを把握することができるので、不正行為を抑制することができる。
外部出力端子板261のCN11からは、パチンコ機10の前面枠14が開放されているか否かを示す扉開放信号が出力される。この扉開放信号は、前面枠14が開放状態の間、その出力がHに設定され、前面枠14が閉鎖状態の間、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ262は、この扉開放信号に基づいて、各パチンコ機10の前面枠14が不正遊技者によって開放されているか否かを把握することができるので、不正行為を抑制することができる。
外部出力端子板261のCN12からは、パチンコ機10が大当たり状態中であるか否かを示す大当たり中信号が出力される。この大当たり中信号は、特別図柄の大当たりの間、その出力がHに設定され、大当たり以外の状態の場合に、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ262は、この大当たり中信号に基づいて、各パチンコ機10の大当たり回数や、不正行為の有無を判別することができる。具体的には、この大当たり中信号がH出力の状態に設定されると、ホールコンピュータ262は、パチンコ機10の大当たり回数に1を加算し、大当たり回数をリアルタイムで把握することができるように構成されている。この大当たり回数に基づいて、異常な回数の大当たりが発生している場合には、異常や不正行為の可能性があると判断し、異常を報知することができる。
なお、この大当たり中信号(CN12)がH出力の状態に設定されている間に電源が遮断され、再度電源が投入された場合は、電源断の状態中にオフ(L出力の状態)に設定されていた大当たり中信号(CN12)が再度H出力の状態となる。この場合に、ホールコンピュータ262が大当たり回数を加算してしまうと、実際の大当たり回数とホールコンピュータ262が把握する大当たり回数とがずれてしまう。そこで、本実施形態のパチンコ機10では、電源投入時に遊技状態を示す情報を出力するように構成している(図23参照)。この遊技状態を示す情報に基づいて、電源の投入時に大当たり中であることを示す情報がホールコンピュータ262に出力された場合は、その後にCN12がH出力の状態に設定されたとしても、ホールコンピュータ262に対して、電源が遮断される前から続く大当たり状態であると判別させることができる。よって、ホールコンピュータ262に対して大当たりの回数を正確に把握させることができる。
外部出力端子板261のCN13からは、振り分け回転体741の状態が右に振れた状態であるか否かを示す回転体状態信号が出力される。この回転体状態信号は、振り分け回転体741の向きが右向きの場合に、0.2秒間その出力がHに設定され、左向きの場合に、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ262は、回転体状態信号に基づいて、各パチンコ機10の振り分け回転体741に対する不正行為の有無を判別することができる。即ち、大当たり中でないのに振り分け回転体741の向きが、遊技者にとって有利な左に振れた状態へと切り替わった場合は、不正行為を行われた可能性があるため、異常を報知するように構成されている。
外部出力端子板261のCN14からは、パチンコ機10に対して異常が検出されたか否かを示す異常検出信号が出力される。この異常検出信号は、パチンコ機10について各種の異常を検出した場合にその出力がHに設定され、正常動作を行っている間はその出力がLに設定される。ホールコンピュータ262は、異常検出信号に基づいて、各パチンコ機10に対する異常発生の有無を判別することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、外部出力端子板261のCN1〜CN14の14チャンネルのそれぞれから、遊技の状況に応じた信号を出力することによって、パチンコ機10の外部に設けられたホールコンピュータ262が遊技の状況を把握することができるように構成されている。ホールコンピュータ262は、各パチンコ機10から出力される各種信号に基づいて遊技の状況を把握し、各パチンコ機10の出玉率を把握したり、各パチンコ機10に対する不正行為の有無を判別したりできる。
次に、図23を参照して、パチンコ機10の立ち上げ時、および電源断を検出した際に、外部出力端子板261から出力される信号の種類について説明する。図23は、外部出力端子板261の各チャンネルから出力される信号の内容をそれぞれ示した図である。図23に示す通り、立ち上げ時、および電源断時には、外部出力端子板261のCN1〜CN8の8つのチャンネルから異なる信号が外部へと出力される。また、立ち上げ時、および電源断時には、CN9〜CN14の6つのチャンネルは使用しない。なお、これらCN1〜CN14は、通常時に遊技の状況に応じた信号を出力するために用いられるチャンネルと同じチャンネルが用いられている。通常時用のチャンネルと、立ち上げ時、および電源断時用のチャンネルとを別々に設ける構成とすると、チャンネル数が増えてしまい、外部出力端子板261自体のコストアップを招来する虞がある。また、ホールコンピュータ262等の外部装置が外部出力端子板261から出力される信号を受信するための受信チャンネル数や、外部出力端子板261と外部装置とを接続するハーネスのケーブル数が増加してしまうので、外部装置やハーネスのコストアップを招く虞がある。これに対して本実施形態では、通常時用のチャンネルと、立ち上げ時、および電源断時用のチャンネルとを共用にし、状態に応じて異なる信号を出力可能に構成しているため、チャンネル数を削減することができる。よって、外部端子板261や、外部装置、およびハーネスのコストアップを抑制することができる。
外部出力端子板261のCN1からは、通常時と同様に、パチンコ機10に対して電源が投入されているか否かを示す信号(電源オン信号)が出力される。上述した通り、この電源オン信号は、H出力(出力がハイ)である場合にパチンコ機10に対して電源が投入されていることを示し、L出力(出力がロー)である場合に電源が断されていることを示す。
外部出力端子板261のCN2からは、大当たり中であるか否かを示す特別遊技状態信号が出力される。この特別遊技状態信号は、立ち上げ時、または電源断時に大当たり状態中であると判別された場合に、H出力に設定され(図45のS1602参照)、それ以外の状態の場合はL出力の状態に設定される。また、大当たり中であると判別された場合に設定されるH出力の状態は、0.1秒間継続する。つまり、通常時にCN2より出力される信号(アウト球検出信号)の出力期間である0.2秒よりも出力期間の短い信号が出力される。ホールコンピュータ262は、この出力期間の違いに基づいて、CN2から出力された信号がアウト球検出信号であるか、特別遊技状態信号であるかを識別することができる。
外部出力端子板261のCN3からは、特別図柄の高確率状態中(確変状態中)であるか否かを示す確変信号が出力される。この確変信号は、立ち上げ時、または電源断時に特別図柄の高確率状態中(確変状態中)であると判別された場合に、H出力に設定され(図45のS1604参照)、特別図柄の低確率状態であると判別された場合に、L出力に設定される。また、特別図柄の高確率状態中であると判別された場合に設定されるH出力の状態は、特別遊技状態信号と同様に0.1秒間継続する。なお、通常時にCN3から出力される第1大開放口動作信号は、上述した通り、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放されている場合にH出力状態に設定される信号であり、H出力となる期間は、確実に確変信号よりも長くなる。第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放された場合、第1特定入賞口(第1大開放口)65aへと球が10球入賞するか、30秒が経過するまで開放状態が維持されるためである。このため、ホールコンピュータ262は、H出力期間の違いに基づいて、CN3から出力されたのが第1大開放口動作信号であるか、確変信号であるかを識別することができる。
外部出力端子板261のCN4からは、普通図柄の時短状態中であるか否かを示す時短信号が出力される。この時短信号は、立ち上げ時、または電源断時に普通図柄の時短状態中であると判別された場合に、H出力に設定され(図45のS1605参照)、普通図柄の通常状態であると判別された場合に、L出力に設定される。また、普通図柄の時短状態中であると判別された場合に設定されるH出力の状態は0.1秒間継続する。なお、通常時にCN4から出力される第2大開放口動作信号は、上述した通り、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放されている場合にH出力状態に設定される信号であり、H出力となる期間は、確実に確変信号よりも長くなる。第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放された場合、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへと球が10球入賞するか、30秒が経過するまで開放状態が維持されるためである。このため、ホールコンピュータ262は、H出力期間の違いに基づいて、CN4から出力されたのが第2大開放口動作信号であるか、時短信号であるかを識別することができる。
外部出力端子板261のCN5からは、特別図柄の変動中であるか否かを示す図柄変動信号が出力される。この図柄変動信号は、立ち上げ時、または電源断時に特別図柄の変動中であると判別された場合にH出力に設定され(図45のS1608参照)、図柄停止状態や、デモ状態等であると判別された場合に、L出力に設定される。また、H出力の状態は0.1秒間継続する。なお、通常時にCN5から出力される始動入賞信号は、上述した通り、0.2秒間H出力の状態に設定される信号であり、図柄変動信号よりも出力期間が長くなる。このため、ホールコンピュータ262は、H出力期間の違いに基づいて、CN5から出力されたのが始動入賞信号であるか、図柄変動信号であるかを識別することができる。
外部出力端子板261のCN6からは、振り分け回転体741の状態が左に振れた状態であるか否かを示す回転体信号が出力される。この回転体信号は、立ち上げ時、または電源断時に振り分け回転体741が左側に振れた状態であると判別した場合にH出力に設定される(図45のS1610参照)。このH出力の状態は0.1秒間継続する。なお、通常時にCN6から出力される図柄停止信号は、上述した通り、図柄停止を検出した場合に1秒間H出力の状態に設定される信号であり、回転体信号よりも出力期間が長くなる。このため、ホールコンピュータ262は、H出力期間の違いに基づいて、CN6から出力されたのが図柄停止信号であるか、回転体信号であるかを識別することができる。
外部出力端子板261のCN7からは、電源投入による立ち上げ時にRAM消去スイッチ122が押下されていたか否かを示すRAM初期化信号が出力される。このRAM初期化信号は、電源投入による立ち上げ時にRAM消去スイッチ122が押下されたと判別された場合に、0.1秒間H出力の状態に設定される(図44のS1501参照)。RAM消去スイッチ122が押下された状態で電源投入が行われると、RAM203の内容が初期化されるため、前回の電源断時の遊技状態と、電源投入時の遊技状態とを比較する意味が無くなる。よって。RAM初期化信号を出力することにより、ホールコンピュータ262によって無駄な処理が実行されてしまうことを抑制することができる。また、ホールの店員が意図的にRAM消去スイッチ122を押下した(つまり、不正行為が行われていない)にも関わらず、前回の電源断時の遊技状態と、RAM203を初期化した後の遊技状態とが異なるために、ホールコンピュータ262により異常が報知されてしまうことを抑制することができる。なお、このRAM初期化信号は、電源投入による立ち上げ時にのみH出力に設定される信号であり、電源断時にはL出力に固定される。
外部出力端子板261のCN8からは、電源投入による立ち上げ時、または、電源断時に実行される遊技状態の通知を終了するか否かを示す通知終了信号が出力される。この通知終了信号は、遊技状態の通知を終了する際に出力が0.1秒間Hに設定される。ホールコンピュータ262は、この通知終了信号を受信することにより、遊技状態の通知が終了したと判別する。なお、通常時にCN8から出力される入賞検出信号は、上述した通り、10球の賞球を検出する毎に0.2秒間H出力の状態に設定される信号であり、通知終了信号よりも出力期間が長くなる。このため、ホールコンピュータ262は、H出力期間の違いに基づいて、CN6から出力されたのが入賞検出信号であるか、通知終了信号であるかを識別することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、各チャンネルから出力される信号の出力期間を、出力する信号の種別に応じて変更可能に構成している。また、遊技状態に応じた信号を出力し終えた場合に、通知終了信号を出力するように構成している。これらによって、外部出力端子板261より出力された信号を受信した外部装置(ホールコンピュータ262等)は、出力された信号の種別を正確に把握し、信号に含まれる情報に応じた処理を実行することができる。
次に、図24〜図27を参照して、外部出力端子板261の各チャンネルから出力される実際の信号の例について説明する。まず、図24(a)は、CN1から出力される電源オン信号の例を示した図である。図24(a)に示した通り、電源オン信号は、電源断の状態の間、L出力の状態に設定される。そして、電源投入(電源オン)を検出することによって、出力がHに立ち上がる。このH出力の状態は、次にパチンコ機10に電源断が発生するまで継続し、電源断を検出することに基づいて電源オン信号の出力がL状態に立ち下がる。このL出力の状態は、次にパチンコ機10に対して電源が投入されるまで継続する。
図24(b)は、CN2から出力されるアウト球検出信号や、CN8から出力される入賞検出信号の例を示した図である、図に示した通り、アウト球、または賞球が10球になると、アウト球検出信号、または入賞検出信号の出力がHに設定される。このH出力の状態は0.2秒間継続し、0.2秒が経過すると、出力がLに立ち下がる。また、図24(b)の左側に示すように、H出力の状態に設定される0.2秒間に再度アウト球、または賞球が10球になったことを検出すると、最初の検出から0.2秒後に一旦信号がL出力状態に設定される。このL出力の状態は0.2秒間継続し、0.2秒経過時に再度H出力状態に設定される。このように、立て続けに10球を検出した場合に、各H出力信号の出力間隔を0.2秒間空けることにより、H出力信号の出力回数を外部装置(ホールコンピュータ262等)に対して正確に把握させることができる。よって、パチンコ機10の出球率や、ホールの売上等を正確に計算することができる。
図24(c)は、CN3から出力される第1大開放口動作信号や、CN4から出力される第2大開放口動作信号や、CN10から出力される内枠開放信号や、CN11から出力される扉開放信号の例を示した図である。図に示す通り、第1特定入賞口(第1大開放口)65aや内枠12等の開放が検出されると、対応するチャンネルがH出力の状態に設定される。このH出力の状態は、開放された第1特定入賞口(第1大開放口)65aや内枠12等が閉鎖されるまで継続する。そして、閉鎖を検出すると、対応するチャンネルがL出力の状態に設定される。
図25(a)は、CN5から出力される始動入賞信号や、CN7から出力されるスルーゲート通過信号の例を示した図である。図に示した通り、第1入球口、または第2入球口への遊技球の入賞を検出すると、始動入賞信号、またはスルーゲート通過信号の出力がHに設定される。このH出力の状態は0.2秒間継続し、0.2秒が経過すると、出力がLに立ち下がる。また、図25(a)の左側に示すように、H出力の状態に設定される0.2秒間に、第1入球口64、または第2入球口67への入賞を検出すると、最初の検出から0.2秒後に一旦信号がL出力状態に設定される。このL出力の状態は0.2秒間継続し、0.2秒経過時に再度H出力状態に設定される。このように、立て続けに入賞を検出した場合に、各H出力信号の出力間隔を0.2秒間空けることにより、H出力信号の出力回数を外部装置(ホールコンピュータ262等)に対して正確に把握させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率や、異常の有無等を正確に判別することができる。
図25(b)は、CN6から出力される図柄停止信号の例を示す図である。図に示した通り、特別図柄の変動が停止するまでは、CN6がL出力の状態に設定され、特別図柄の変動が停止したことを検出すると、CN6がH出力の状態に設定される。このH出力の状態は、1秒間継続し、1秒が経過した後は、再度L出力の状態に設定される。なお、図柄停止信号の出力期間が、他の信号の出力期間よりも長く設定されているのは、図柄の停止が短い期間に発生するという状況が生じ得ないからである。つまり、特別図柄の変動期間は、数秒〜数十秒の期間が設定されるので、図柄変動の停止を検出してから、次に図柄変動の停止を検出するまでには数秒〜数十秒の時間を要することになる。よって、図柄停止信号の出力期間を短時間(例えば、0.2秒)に設定する必要性がないため、出力期間を長期間(1秒間)とすることができる。従って、外部装置(ホールコンピュータ等)に対して、より確実に図柄の停止回数を把握させることができるので、パチンコ機10の稼働率等を正確に把握させることができる。
図25(c)は、CN9から出力される払出信号の例を示す図である。図に示した通り、払出制御装置111により払い出された賞球数が10球になったことを検出すると、CN9が0.2秒間H出力の状態に設定される。また、0.2秒が経過すると、CN9はL出力の状態に設定され、次に払い出しが10球となるまでL出力の状態に保たれる。なお、払出制御装置111によって払い出される賞球の個数は、1秒間に10球以下となるように払出モータ216の回転速度が設定されている。このように払出モータ216の回転速度に制限を設けることにより、払出モータ216が過剰に発熱してしまうことを抑制できるので、払出モータ216の発熱に基づいてパチンコ機10の樹脂部分が溶ける等の不具合が生じてしまうことを抑制することができる。また、払出モータ216の回転速度に制限が設けられているので、CN9がH出力の状態に設定されている0.2秒の間に、10球の払い出しが検出されることはない。
また、図示については省略したが、CN12から出力される大当たり中信号、CN13から出力される回転体状態信号、CN14から出力される異常検出信号は、それぞれの検出条件が成立したタイミングでH出力状態に設定され、検出条件が不成立となるまでH出力状態に保たれる。具体的には、大当たり中信号(CN12)は、大当たりが開始されてから、終了するまでの間、H出力の状態に設定される。また、回転体状態信号(CN13)は、振り分け回転体741が左に振れた状態となっている間、H出力の状態に設定される。また、異常検出信号(CN14)は、パチンコ機10について異常が検出されている間、H出力の状態に設定される。
図26、および図27は、電源投入に伴う立ち上げ時に、各チャンネルから出力される信号の態様の具体例を示した図である。図26は、前回の電源断が大当たり中に発生した場合において、電源投入を行った際の各チャンネルの出力態様を示したタイムチャートである。
図26に示す通り、電源が投入されると、まず、電源オン信号(CN1)がH出力の状態に設定される。この電源オン信号(CN1)により、ホールコンピュータ262は、パチンコ機10に対して電源が投入されたと判別することができる。その後、パチンコ機10を立ち上げるための処理が進行し、RAM203のデータの読み出しが可能な状態になると、RAM203に記憶されたデータに基づいて、パチンコ機10の遊技状態を判別し、遊技状態に応じた信号の出力を設定する。本具体例では、電源断時に大当たり中であったため、大当たり中フラグ203gがオン状態であると判別され、特別遊技状態信号(CN2)がH出力状態に設定される。上述の通り、このH出力の状態は、0.1秒間継続し、その後、L出力の状態に設定される。ホールコンピュータ262は、この特別遊技状態信号を受信することに基づいて、パチンコ機10が大当たり中であるとの情報を専用の記憶エリア(復電時情報格納エリア203a12)に格納する。
特別遊技状態信号(CN2)の出力が終了し、L出力状態に立ち下がると、通知終了信号(CN8)がH出力の状態に設定される。このH出力の状態は、上述の通り、0.1秒間継続する。ホールコンピュータ262は、この通知終了信号に基づいて遊技状態の通知が終了したと判別し、電源断が発生した際の遊技状態と、今回通知された遊技状態とを比較する。そして、前回の電源断時に遊技状態として記憶した情報が、大当たり中を示す情報であれば、異常無しと判断する。一方、前回の電源断時に記憶した情報が、大当たり中を示すものでなかった場合は、電源断の間にパチンコ機10に対して何らかの不正行為が行われ、強制的に大当たり状態に設定された虞がある。よって、この場合は、異常が発生していることを報知する。
通知終了信号(CN8)の出力をL出力の状態に設定した後は、立ち上げ処理におけるウエイト処理(図42のS1313参照)によりサブ側の制御装置が動作可能となるまで待機するための期間が設定されるため、この間は外部出力信号の出力も停止される。その後、立ち上げ処理が終了すると、通常時に遊技の状況に応じた情報を通知するための外部出力信号(図22参照)が出力可能となる。なお、立ち上げ処理中に設定されるウエイト期間において、ホールコンピュータ262側は、通常時の外部出力信号(図22参照)を受信できるように設定を行う。これにより、パチンコ機10より立ち上げ処理の終了後に間隔無く外部出力信号が出力されたとしても、その外部出力信号に基づいてパチンコ機10に対応するデータを更新することができる。
図27は、前回の電源断が確変状態中、且つ、図柄変動中に発生した場合において、電源投入を行った際の各チャンネルの出力態様を示すタイムチャートである。図27に示した通り、電源が投入されると、電源オン信号(CN1)がH出力の状態に設定される。ホールコンピュータ262は、CN1よりH出力の信号が出力されることにより、パチンコ機10に対して電源が投入されたと判別することができる。その後、パチンコ機10を立ち上げるための処理が進行し、RAM203のデータの読み出しが可能な状態になると、RAM203に記憶されたデータに基づいて、パチンコ機10の遊技状態を判別し、遊技状態に応じた信号の出力を設定する。本具体例では、電源断時に特別図柄の高確率状態であったので、確変フラグ203eがオン状態であると判別され、確変信号(CN3)がH出力の状態に設定される。加えて、本具体例では、電源断時に特別図柄の変動中であったので、変動中フラグ203hがオン状態であると判別され、図柄変動信号(CN5)がH出力の状態に設定される。上述の通り、確変信号(CN3)、および図柄変動信号(CN5)がH出力に設定される状態は、0.1秒間継続し、その後、L出力の状態に設定される。ホールコンピュータ262は、これらの確変信号、および図柄変動信号を受信することに基づいて、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態中、且つ、特別図柄の変動中であるとの情報を専用の記憶エリア(復電時情報格納エリア203a12)に格納する。
確変信号(CN3)、および図柄変動信号(CN5)のH出力期間が終了し、L出力状態に立ち下がると、通知終了信号(CN8)がH出力の状態に設定される。このH出力の状態は、上述の通り、0.1秒間継続する。ホールコンピュータ262は、この通知終了信号に基づいて遊技状態の通知が終了したと判別し、電源断が発生した際の遊技状態と、今回通知された遊技状態とを比較する。そして、前回の電源断時に遊技状態として記憶した情報が、特別図柄の高確率状態中、且つ、図柄変動中を示す情報であれば、異常無しと判断する。一方、前回の電源断時に記憶した情報と、今回通知された遊技状態(特別図柄の高確率状態中、且つ、図柄変動中)とが一致しない場合は、電源断の間にパチンコ機10に対して何らかの不正行為が行われた虞がある。よって、この場合は、異常が発生していることを報知する。
通知終了信号(CN8)の出力をL出力の状態に設定した後は、図26の説明で上述した通り、立ち上げ処理におけるウエイト処理(図42のS1313参照)によりサブ側の制御装置が動作可能となるまで待機するための期間が設定されるため、この間は外部出力信号の出力も停止される。その後、立ち上げ処理が終了すると、通常時に遊技の状況に応じた情報を通知するための外部出力信号(図22参照)が出力可能となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、電源オン信号(CN1)がH出力状態に設定されてから、通知終了信号(CN8)がH出力状態に設定されるまでの間に、CN2〜CN6の各チャンネルによって、遊技状態を示す信号を出力するように構成している。ホールコンピュータ262等の外部装置は、電源オン信号(CN1)の状態と、通知終了信号(CN8)の状態とを参照することにより、各チャンネルから出力されている信号が遊技状態を示す信号であるか否かを判別することができる。よって、通常時と、立ち上げ時、又は電源断時に異なる情報を示す信号を出力したとしても、ホールコンピュータ262に対して容易に信号の種別を判別させることができる。
図17に戻って説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、各種カウンタとして、具体的には賞球カウンタ213aと、払出カウンタ213bとが少なくとも設けられている。
賞球カウンタ213aは、主制御装置110から賞球コマンドによって通知された賞球の個数をカウントするためのカウンタである。なお、主制御装置110では、各種入賞口(第1特定入賞口65aや、第1入球口64等)に対して遊技球が入賞したか否かを監視しており、入賞を検出する度に、払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信するように構成されている。この賞球コマンドを受信すると、その賞球コマンドに対応する球数の分だけ賞球カウンタ213aの値に加算される(図57のS2802参照)。払出制御装置111は、賞球カウンタ213aの値に基づいて未払い出しの賞球の有無を判別し、賞球コマンドによって通知された個数分の賞球を正確に払い出すことができるように構成されている。
払出カウンタ213bは、払出制御装置111によって実際に払い出しを実行した賞球の個数をカウントするためのカウンタである。この払出カウンタ213bは、賞球を1個払い出す毎にその値が1ずつ加算されるように構成されている(図58のS2904参照)。また、この払出カウンタ213bの値が10になると、10個の賞球の払い出しを実行したことをホールコンピュータ262へと通知するための払出信号が、MPU211より外部出力端子板261に対して出力されると共に(図58のS2906参照)、払出カウンタ213bの値が0クリアされる(図58のS2907参照)。即ち、払出制御装置111によって賞球が10球払い出される毎に、払出信号が出力されるように構成されている。ホールコンピュータ262は、この払出信号に基づいて各パチンコ機10によって払い出された遊技球の個数を把握し、パチンコ機10毎の出玉率を集計したり、ホール全体の売り上げを集計したりする。なお、払出信号は、必ずしも10球払い出す毎に出力する必要はなく、任意に定めることができる。例えば、5球毎に払出信号を出力するように構成してもよい。10球毎に払出信号を出力するように構成した場合、賞球個数の1の位を把握することができないため、実際に払い出された賞球の個数と、ホールコンピュータ262が把握する払い出し個数との間に、最大で9球の誤差が生じてしまう。よって、10球よりも少ない個数毎(例えば、5球毎)に払出信号を出力するように構成することで、実際の払い出し個数と、ホールコンピュータ262が把握する払い出し個数との間の誤差を少なくすることができる。また、払出信号を出力するまでに払い出される賞球の個数を10球よりも多くしてもよい(例えば、20球毎)。これにより、払出信号を出力する頻度が減るので、MPU211の処理負荷を軽減することができる。
なお、RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。また、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図41参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112、外部出力端子板261などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
なお、払出制御が実行された場合は、払出モータ216により賞球が1個ずつ連続的に払い出される。より具体的には、払出モータ216の回転量が所定量(例えば、1回転)となる毎に、賞球が1個払い出される。また、払出モータ216によって所定個数(10個)の賞球が所定時間(10秒)で払い出されるように払出モータ216の回転速度が設定されている。また、所定個数(10個)の賞球が払い出される度に、所定期間(1秒)だけ賞球の払い出しを休止するように構成されている。これにより、例えば、大当たり中等、多量の賞球を連続的に払い出す必要がある場合に、払出モータ216が休みなく賞球を払い出し続けてしまい、払出モータ216が発熱してしまうことを抑制することができる。よって、払出モータ216の発熱により、パチンコ機10の樹脂部分や弾性体部分が溶けてしまう等により、パチンコ機10が故障してしまうことを抑制することができる。また、払出モータ216において発生した熱がパチンコ機10の可触部(例えば、下皿ユニット15やハンドル51等の遊技者が触れる部分)に伝播し、遊技者に火傷等の怪我をさせてしまうことを抑制することができる。なお、払出モータ216により賞球の払い出しを休止するまでの払い出し個数や払い出しの休止期間は、これに限られるものではなく、払出モータ216の発熱を抑制することができる範囲で任意に定めることができる。例えば、払出モータ216によって5個や25個の賞球が払い出される度に払い出しを休止するように構成してもよい。また、例えば、休止期間を0.5秒や3秒としてもよい。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222aが格納されている。また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、特別演出フラグ223eとが少なくとも設けられている。
変動パターンテーブル222aは、第3図柄表示装置81に表示される変動パターンの態様を決定するために用いられるテーブルである。ここで、主制御装置110からの変動パターンコマンドにより、「外れノーマルリーチ」、「共用ノーマルリーチ」、「共用スペシャルリーチ」等の大まかな変動パターンの態様が音声ランプ制御装置113に通知される。変動パターンテーブル222aは、変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動パターンの態様に基づいて、変動パターンの詳細な態様を定めるために用いられるものであり、変動パターンコマンドにより通知される変動パターンの大まかな態様毎に、選択し得る複数の詳細な変動パターンの態様が規定されている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図62のS3308参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図62のS3302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図63のS3402参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図61参照)のコマンド出力処理(S3202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図62のS3305参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図63のS3407参照)。また、停止種別選択フラグ223dは、パチンコ機10への電源供給が断された場合にもオフとなる。この停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図62参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図31参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図28、および図29を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10と、外部出力端子板261を介して電気的に接続されている外部装置について説明する。まず、図28は、ホールに設置されている複数のパチンコ機10と、各外部装置との接続状況の例を示す図である。図28に示す通り、ホールに設置されている各パチンコ機10は、パチンコ機10の上部に設置される台管理装置263、複数のパチンコ機10毎(遊技島単位)で設置される島管理装置264、およびホールの管理事務所等に設置される中継装置265を介して、ホールに設置された各パチンコ機10の情報を収集するためのホールコンピュータ262と電気的に接続されている。
台管理装置261は、外部出力端子板261から信号を受信可能な外部装置の一種であり、各パチンコ機10の上部に一台ずつ設置される。この台管理装置263は、外部出力端子板261から出力される各種信号(図22、図23参照)に基づいて、接続されているパチンコ機10の情報(図柄変動回数や大当たり回数等)を取得し、その情報に基づいて接続されているパチンコ機10の遊技履歴(遊技特性)を表示させることができる。遊技履歴を表示させることにより、これから遊技を始めようとする遊技者に対し、好みの遊技履歴が表示されているパチンコ機10を選択させることができる。また、各台管理装置263は、外部装置の一種である島管理装置264に接続されており、外部出力端子板261から受信した各種信号(図22、図23参照)を島管理装置264に対して出力可能に構成されている。
島管理装置264は、複数の台管理装置263が接続可能に構成されている。具体的には、島管理装置264には、複数の接続端子(端子A〜端子D)が設けられており、各接続端子に対して1台の台管理装置263を接続することができる。台管理装置263から出力された情報は、この接続端子を介して受信される。島管理装置264は、例えば、大当たり中信号(図22参照)を受信した場合に、島管理装置264に設けられているLEDを点灯させる等して、接続されているいずれかのパチンコ機10が大当たりとなったことを遊技島全体に報知する。これにより、大当たりに当選したパチンコ機10で遊技を行っている遊技者に対して優越感を抱かせることができるので、大当たりに当選した遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、遊技島の他のパチンコ機10(即ち、大当たりに当選していないパチンコ機10)で遊技を行っている遊技者に対して対抗心を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、島管理装置264には、各装置を識別するための個体識別情報が付されている。島管理装置264は、台管理装置263から各種信号(図22、図23参照)を、受信した場合に、個体識別情報、および情報を受信した台管理装置263が接続されている接続端子の情報とを、台管理装置263から受信した各種信号に対応付けて中継装置265へと出力することができる。
中継装置265は、外部装置の一種であり、各島管理装置264から受信した情報をホールコンピュータ262へと出力可能に構成されている。また、各島管理装置264から受信した情報を一時的に保持しておくことができる。これにより、他の中継装置265がホールコンピュータ262へと情報を出力している間、ホールコンピュータ262に対する情報の出力を抑制できるので、ホールコンピュータ262の処理負荷が増加してしまうことを抑制できる。なお、情報の出力を遅延させるか否かは、各中継装置265が判断するように構成してもよいし、ホールコンピュータ262が1の中継装置265から情報を受信している間、他の中継装置265からのアクセスを禁止するように構成してもよい。
ホールコンピュータ262は、外部装置の一種であり、中継装置265より受信した情報に基づいて各パチンコ機10の遊技状況(賞球の払い出し状況や、各入賞口への入賞状況等)や遊技状態(特別図柄の高確率状態であるか否かや、大当たり状態であるか否か等)を把握可能に構成されている。より具体的には、ホールコンピュータ262は、島管理装置264により出力される個体識別情報、および島管理装置264の接続端子の情報に基づいて、情報を出力したパチンコ機10を特定する。そして、ホールコンピュータ262の有するハードディスク273のうち、情報を出力したパチンコ機10に対応する情報を記憶するための記憶領域のデータを更新する。ホールコンピュータ262は、ハードディスク273に記憶したデータに基づいて、各パチンコ機10の出玉率や稼働率を算出することができる。よって、ホール全体の売り上げや、稼働率の高い機種の傾向等を容易に解析することができる。また、パチンコ機10に対して異常が発生した場合にも、異常の発生を示す異常検出信号(図22参照)がホールコンピュータ262に対して出力されるので、ホールコンピュータ262は異常が発生したパチンコ機10を即座に特定し、ホールコンピュータ262の操作者に対して報知することができる。これにより、ホールの店員によって異常な状態を迅速に解消させることができる。
次に、ホールコンピュータ262の電気的構成について、図29を参照して説明する。図29(a)は、ホールコンピュータ262の電気的構成を示す図である。図29(a)に示した通り、ホールコンピュータ262は、中継装置265と、島管理装置264と、台管理装置263とを介してパチンコ機10と電気的に接続されている。パチンコ機10から出力される各種信号は、これらの中継装置265、島管理装置264、台管理装置263を介してホールコンピュータ262へと入力される。ホールコンピュータ262は、パチンコ機10から出力される各種信号に基づいて制御を実行する。
ホールコンピュータ262の入出力ポート271には、中継装置265、および制御装置272が接続されている。この入出力ポート271により、中継装置265より出力された各種信号や信号を出力したパチンコ機10が接続されている島管理装置264の個体識別情報、および接続端子の情報等が受信される。
制御装置272は、入出力ポート271によって受信された各種信号や島管理装置264の個体識別情報、および接続端子の情報に基づいて各種制御を実行する。具体的には、各パチンコ機10の情報を記憶しているハードディスク273の情報を、受信した各種信号に基づいて更新したり、受信した各種信号の内容に応じて表示装置274の表示内容を変更したりする。
ハードディスク273は、ホールに設置されている各パチンコ機10の遊技の状況に応じた情報や、遊技状態に関する情報を記憶するために用いられる。このハードディスク273には、複数のデータ格納エリアが設けられており、1つの格納エリアに対して1台のパチンコ機10に関する情報が記憶されるように構成されている。具体的には、ホールのパチンコ機10のうち、1番台の情報を格納する第1データ格納エリア273a、2番台の情報を格納する第2データ格納エリア273b、・・・という具合に、ホールに設置されているパチンコ機10の台数分のデータ格納エリアが設けられている。制御装置272は、中継装置265から受信した情報に含まれる島管理装置264の個体識別情報と、島管理装置264の接続端子の情報とから、今回受信した情報が何番台のパチンコ機10から出力されたのかを判別し、判別した台番号に対応するデータ格納エリアに対して今回受信した情報を記憶するように制御する。
ここで、図29(b)を参照し、ハードディスク273の各データ格納エリアに格納される情報の詳細について、第1データ格納エリア273a(つまり、ホールに設置された複数のパチンコ機10のうち、1番台の情報が記憶される記憶領域)を例にとって説明する。図29(b)は、第1データ格納エリア273aの構成を示した図である。
図29(b)に示した通り、第1データ格納エリア273aには、電源オンフラグ273a1と、アウト球数格納エリア273a2と、大開放口開放フラグ273a3と、指導入賞カウンタ273a4と、図柄停止回数カウンタ273a5と、スルーゲート通過回数カウンタ273a6と、賞球カウンタ273a7と、払出球数カウンタ273a8と、内枠開放フラグ273a9と、扉開放フラグ273a10と、電断時情報格納エリア273a11と、復電時情報格納エリア273a12と、立ち上げフラグ273a13とが少なくとも設けられている。
電源オンフラグ273a1は、パチンコ機10に対して電源がオンされているか否かを示すフラグである。この電源オンフラグ273a1は、パチンコ機10の電源オン信号(CN1)がH出力であることを検出した場合に(つまり、パチンコ機10に対して電源がオンされている場合に)オンに設定され、電源オン信号(CN1)がL出力であることを検出した場合に(つまり、パチンコ機10が電源断の状態の場合に)オフに設定される。制御部272は、この電源オンフラグ273a1の状態に基づいてパチンコ機10に電源が投入されているか否かを判別することができる。
アウト球数格納エリア273a2は、パチンコ機10のアウト口66を通じて排出された遊技球の個数の合計値を示す情報を格納する記憶領域であり、出力期間が0.2秒間のアウト球検出信号(CN2)を検出する毎に、格納されている値に10個に対応する値が加算される。このアウト球数格納エリア273a2に格納されているアウト球数の合計値を示す情報に基づいて、パチンコ機10の出玉率を算出したり、ホールの売り上げを算出したりできる。
大開放口開放フラグ273a3は、パチンコ機10の第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)140aの状態を示すフラグである。この大開放口フラグ273aは複数ビット(例えば、2ビット)で構成され、上位ビットがオン状態であれば、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放状態であることを示し、上位ビットがオフ状態であれば、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが閉鎖状態であることを示す。一方、大開放口開放フラグ273a3の下位ビットがオン状態であれば、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放状態であることを示し、上位ビットがオフ状態であれば、第2特定入賞口(第2大開放口)65aが閉鎖状態であることを示す。大開放口開放フラグ273a3の上位ビットは、第1大開放口動作信号(CN3)がH出力であることを検出した場合にオン状態に設定され、L出力状態であることを検出した場合にオフ状態に設定される。また、大開放口開放フラグ273a3の下位ビットは、第2大開放口動作信号(CN4)がH出力であることを検出した場合にオン状態に設定され、L出力状態であることを検出した場合にオフ状態に設定される。ホールコンピュータ262の制御部272は、この大開放口開放フラグ273a3に基づいて不正行為や異常の有無を判別する。例えば、パチンコ機10が大当たり中でないにも関わらず、大開放口開放フラグ273a3の上位ビット、または下位ビットのいずれかがオン状態である場合、パチンコ機10が異常動作を行っていると判別することができるので、即座に異常を報知することができる。よって、パチンコ機10に対する不正行為や、パチンコ機10の異常動作を早期に発見し、対処することができる。
始動入賞カウンタ273a4は、遊技球が第1入球口64へと入球した回数をカウントするためのカウンタである。この始動入賞カウンタ273a4は、出力期間が0.2秒間の始動入賞信号(CN5)を受信する度に、その値に1が加算される。
図柄停止回数カウンタ273a5は、特別図柄の変動が停止した回数(変動回数)をカウントするカウンタである。この図柄停止回数カウンタ273a5は、出力期間が1秒間の図柄停止信号(CN6)を受信する度に、その値に1が加算される。
スルーゲート通過回数カウンタ273a6は、遊技球が第2入球口67へと入球した回数をカウントするためのカウンタである。このスルーゲート通過回数カウンタ273a6は、出力期間が0.2秒間のスルーゲート通過信号(CN7)を受信する度に、その値に1が加算される。
賞球カウンタ273a7は、主制御装置110により払出制御装置111に対して払い出しを指示した賞球の個数をカウントするためのカウンタである。この賞球カウンタ273a7は、出力期間が0.2秒間の入賞検出信号(CN8)を受信する度に、その値に10が加算される。
払出球数カウンタ273a8は、払出制御装置111によって実際に払い出しが実行された賞球の個数をカウントするカウンタである。この払出球数カウンタ273a8は、出力期間が0.2秒の払出信号(CN9)を受信する度に、その値に10が加算される。このホールコンピュータ262は、払出球数カウンタ273a8の値と、上述した賞球カウンタ273a7の値とから、払い出しに異常が生じているか否かを判別することができる。即ち、払出球数カウンタ273a8の値に対して、賞球カウンタ273a7の値が少なければ、主制御装置110から払い出しの指示が出力されていないにも関わらず、払出制御装置111によって賞球の払い出しが実行されていることを意味する。よって、賞球を払い出しすぎることにより、ホールに不測の損害を与える虞があるため、異常の発生を報知し、店員に対して当該パチンコ機10に生じた異常の原因を調査させることができる。したがって、ホールに対して損害を与えることを抑制することができる。
また、払出球数カウンタ273a8の値に対して、賞球カウンタ273a7の値が多ければ、払い出しを指示した賞球数に対して、実際に払い出された賞球数が少ないことを意味する。即ち、払出制御装置111に何らかの異常が生じ、賞球の払い出しを実行することが困難な状態となっている虞がある。よって、遊技者が本来得るべき賞球を得られず、遊技者に対して損害を与えてしまう虞があるので、異常の発生を報知することにより払出制御装置111に生じた不具合の原因を調査させることができる。これにより、遊技者に対して損害を与えることを抑制することができる。
内枠開放フラグ273a9、および扉開放フラグ273a10は、それぞれパチンコ機10の内枠12、および前面枠14が開放されているか否かを示すフラグである。これらの内枠開放フラグ273a9、および扉開放フラグ273a10は、オン状態において内枠12、および全面枠14が開放されていることを示し、オフ状態において、内枠12、および全面枠14が閉鎖されていることを示す。これらの内枠開放フラグ273a9、および扉開放フラグ273a10は、内枠開放信号(CN10)、および扉開放信号(CN11)がH出力状態の間、オン状態に保たれる。また、内枠開放信号(CN10)、および扉開放信号(CN11)がL出力状態の場合は、内枠開放フラグ273a9、および扉開放フラグ273a10がオフ状態に設定される。
電断時情報格納エリア273a11は、パチンコ機10に電源断が生じた場合に、パチンコ機10から出力される遊技状態に応じた信号(図23参照)に基づいて、電源断時におけるパチンコ機10の遊技状態を示す情報を記憶する記憶領域である。この電断時情報格納エリア273a11に記憶された情報に基づいて、次回の電源投入時に、パチンコ機10の状態が正常であるか否かを判別する。具体的には、例えば、電断時情報格納エリア273a11に格納された情報が、特別図柄の低確率状態であるにも関わらず、電源投入時に特別図柄の高確率状態となっていれば、パチンコ機10に何らかの異常が起きている虞があると判断することができる。よって、パチンコ機10に不具合が生じているか否かを、パチンコ機10に対する電源投入時にホールコンピュータ262によって判別することができる。従って、パチンコ機10が異常な状態のまま遊技者に遊技を行わせることを抑制することができる。
復電時情報格納エリア273a12は、パチンコ機10に対する電源投入時に、パチンコ機10から出力される遊技状態に応じた信号(図23参照)に基づいて、電源投入時におけるパチンコ機10の遊技状態を示す情報を記憶する記憶領域である。この復電時情報格納エリア273a12に記憶された情報と、前回の電源断時に電断時情報化格納エリア273a11へと記憶された情報とを比較することで、立ち上げ時にパチンコ機10の状態が正常であるか否かを判別することができる。
立ち上げフラグ273a13は、パチンコ機10に対する電源投入時に、復電情報格納エリア273a12の情報と、電断時情報格納エリア273a11の情報との比較を実行完了したか否かを示すフラグである。この立ち上げフラグ273a13がオンであれば、情報の比較が終了しており、パチンコ機10の立ち上げが終了していることを示す。この立ち上げフラグ273a13がオンの状態では、ホールコンピュータ262は、通常の遊技状態においてパチンコ機10から出力される信号(図22参照)を受信可能に設定する。即ち、制御部272は、この立ち上げフラグ273a13の状態を判別し、オンであれば、出力期間が0.2秒以上の信号を受信した場合にパチンコ機10から各種信号(図22参照)を受信したと判別する。そして、受信した信号の種別に対応するデータを更新すると共に、必要に応じて表示装置274の表示内容を変更する。一方、0.2秒未満の出力期間の信号を受信した場合は、ノイズ等の影響により一時的に出力がHの状態になったと判断し、現在の記憶内容を保持し続ける。
なお、立ち上げフラグ273a13がオン状態であっても、電源オン信号(CN1)がL出力の状態である場合は、0.1秒の出力期間の信号(図23参照)が受信可能に設定される。つまり、電源断を検出した場合に、電断時情報格納エリア273a11に対して電断時の遊技状態に応じた情報を記憶することができるように、特別遊技状態信号や確変信号等を(図23参照)受信できるようにする。
第1データ格納エリア273aにはその他、パチンコ機10の変動回数や大当たり回数等の遊技の履歴を格納する記憶領域が設けられている(図示せず)。この記憶領域には、複数の日にちに渡って(例えば、1週間分)データを蓄積しておくことが可能であり、各日にちにおける遊技履歴を日にちと対応付けて記憶できる。この記憶領域に記憶された情報に基づいて、ホールコンピュータ262の表示装置274に対して各パチンコ機10の遊技履歴を表示させることができる。
図29(a)に戻って説明を続ける。制御装置272には、上述したハードディスク273に加えて、表示装置274が接続されている。制御装置272は、この表示装置274に対して、各パチンコ機10の遊技履歴(遊技特性)が表示されるように制御する。この遊技履歴は、中継装置265を介して、各パチンコ機10から各種信号が出力される毎に更新される。また、いずれかのパチンコ機10に異常が発生した場合は、異常が発生した旨を表示装置274に表示させる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図30から図55のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図30は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、および始動入賞処理の詳細は、図31〜図33を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図34および図35を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、外部出力端子板261から出力する各種信号(外部出力信号)を設定する外部出力信号処理を実行し(S109)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。また、外部出力信号処理の詳細は、図36〜図40を参照して後述する。
次に、図31を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図31は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図30参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図47参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図32を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図32を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、変動中フラグ203hをオフに設定することにより、特別図柄の変動が実行されていないことを示す(S211)。本実施形態のパチンコ機10では、この変動中フラグ203hの状態に基づいて、電源断時、および電源投入時に図柄変動信号(CN5)の出力が設定される。ホールコンピュータ262は、この図柄変動信号の状態(H出力の状態であるか、L出力の状態であるか)に基づいて、パチンコ機10に異常が発生しているか否かを判別する。
S211の処理が終了した後は、特別図柄の変動が停止したことを外部装置に通知するために、図柄停止信号(CN6)が1秒間H出力の状態となるように設定する(S212)。そして、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S213)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S213:Yes)、大当たりの開始を設定し(S214)、大当たり中フラグ203gをオンに設定して、本処理を終了する。なお、大当たり開始の設定では、普通図柄の状態を初期状態(つまり、普通図柄の通常状態)に設定したり、ラウンド数を設定したり、入球待機フラグ203lをオンに設定したりする。
S213の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S213:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S217)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図32は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図30参照)の特別図柄変動処理(図31参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変フラグ203eがオンであるか否かを判別し(S302)、オンであると判別した場合は(S302:Yes)、第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている乱数値とを比較し(S303)、特別図柄の大当たりであるか否かを判別する(S305)。なお、上述したように、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個である。これらの乱数値と第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較し、一致する乱数値が有れば特別図柄の大当たりとなる。
一方、S302の処理において、確変フラグ203eがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S302:No)、第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている乱数値とを比較し(S304)、特別図柄の大当たりであるか否かを判別する(S305)。なお、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている、「7」の1個である。これらの乱数値と第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較し、一致する乱数値が有れば特別図柄の大当たりとなる。
S305の処理において、特別図柄の大当たりであると判定された場合は(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別がどちらであるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(手前ルート大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(奥ルート大当たり)であると判定する(図18(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に共通の停止図柄が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S304の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてロングリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「通常外れ」各種、「外れショートリーチ」各種、「外れロングリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりショートリーチ」各種、「当たりロングリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブル(図示せず)に格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S304の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてロングリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図47)のS1801の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、変動中フラグ203hをオンに設定し(S312)、本処理を終了して特別図柄変動処理(図31参照)へと戻る。
次に、図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図33は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図30参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、本処理を終了し、タイマ割込処理(図30参照)に戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図47参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S406の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S407)。ここで、特別図柄の大当たりか否かは、S406の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202a(図18(a)参照)に格納されている乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている、「7」の1個であり、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個である。
また、現在が特別図柄の低確率状態であるか、特別図柄の高確率状態であるかは、確変フラグ203eを参照することにより判断される。具体的には、確変フラグ203eがオンであれば特別図柄の高確率状態であり、確変フラグ203eがオフであれば、特別図柄の低確率状態である。S407の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、確変フラグ203eの状態に応じた第1当たり乱数テーブル202aに格納された乱数値とを比較し、これらの値が一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
そして、特別図柄の大当たりであると判定された場合には、S406の処理で格納された第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別がどちらであるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(手前ルート大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(奥ルート大当たり)であると判定する(図18(b)参照)。
一方、特別図柄の外れであると判定された場合には、S406の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを判定する。ここでは、確変フラグ203eがオンであれば、S406の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。一方、確変フラグ203eがオフであれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。
次に、第3図柄表示装置81における変動パターンを判定する。第3図柄表示装置81における変動パターンは、ROM202に格納された変動パターン選択テーブル202dの中から、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて選定される。変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「通常外れ」各種、「外れショートリーチ」各種、「外れロングリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりショートリーチ」各種、「当たりロングリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種が規定されている。変動パターン選択テーブル202dに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S408)、タイマ割込処理(図30参照)へ戻る。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図47参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図34を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図34は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図30参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S508)。なお、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が第1特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、第1特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。なお、第1特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図18(c)参照)。
S508の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図18(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S514)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へと移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図47参照)の第2図柄表示更新処理(S1809参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図47参照)の電動役物開閉処理(S1807参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図35は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図30参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が第2入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。なお、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、図36〜図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される外部出力信号処理(S109)について説明する。図36は、外部出力信号処理(S109)を示すフローチャートである。この外部出力信号処理(S109)は、タイマ割込処理(図30参照)の中で実行され、外部出力端子261を介して外部装置へと出力される各種信号(外部出力信号)を設定するための処理である。
この外部出力信号処理では、まず、アウト球検出信号(CN2)の出力を設定するための、アウト球検出信号処理を実行する(S701)。このアウト球検出信号処理(S701)の詳細については、図37を参照して後述する。次いで、始動入賞信号(CN5)の出力を設定するための、始動入賞信号処理を実行する(S702)。この始動入賞信号処理(S702)の詳細については、図38を参照して後述する。次に、スルーゲート通過信号(CN7)の出力を設定するための、ゲート通過信号処理を実行する(S703)。このゲート通過信号処理(S703)の詳細については、図39を参照して後述する。S703の処理が終了すると、内枠開放信号(CN10)や、扉開放信号(CN11)の出力を設定するための開放信号設定処理を実行し(S704)、本処理を終了する。なお、開放信号設定処理(S704)の詳細については、図40を参照して後述する。
次に、図37を参照して、外部出力信号処理(図36参照)の1処理であるアウト球検出信号処理(S701)について説明する。図37は、アウト球検出信号処理を示したフローチャートである。このアウト球検出信号処理は、上述した通り、アウト球検出信号(CN2)の出力を設定するための処理である。
アウト球検出信号処理(S701)では、まず、アウト口66へと入球した遊技球(アウト球)があるか否かを判別し(S801)、アウト球があると判別した場合は(S801:Yes)、アウト球カウンタ203rの値に1を加算する(S802)。次いで、加算後のアウト球カウンタ203の値が10であるか否かを判別し(S803)、10であると判別した場合は(S803:Yes)、アウト球カウンタ203rの値に0を設定することでアウト球カウンタ203を初期化し(S804)、アウト球検出信号(CN2)がH出力の状態であるか否かを判別する(S805)。
S805の処理において、アウト球検出信号(CN2)がH出力の状態であると判別した場合は(S805:Yes)、現在出力中のアウト球検出信号のH出力期間が終了し、所定期間(0.2秒間)が経過してから、今回検出した10球目のアウト球に対応するアウト球検出信号の出力を設定するための処理を行う。具体的には、現在H出力状態に設定されているアウト球検出信号(CN2)がL出力状態となるまでの残りの期間を特定する(S807)。そして、特定した残り期間に基づいて、今回検出した10球目のアウト球に対応して出力するアウト球検出信号に対して遅延時間を設定し(S808)、本処理を終了する。例えば、H出力中のアウト球検出信号(CN2)がL出力状態となるまでの残り期間が0.1秒であると判別した場合は、次にアウト球検出信号(CN2)をH出力の状態とするまでの遅延時間として、0.3秒(H出力の状態の残り期間0.1秒間+L出力期間0.2秒間)を設定する。このように、0.2秒間のL期間を設定することにより、短期間に連続的にアウト球を検出したとしても、アウト球検出信号(CN2)がH出力の状態に設定された回数を外部装置が正確に把握することができる。
S805の処理において、アウト球検出信号(CN2)がH出力の状態でない(即ち、L出力の状態である)と判別した場合は(S805:No)、アウト球検出信号(CN2)が0.2秒間H出力の状態となるように設定して(S806)、本処理を終了する。なお、アウト球検出信号(CN2)がL出力の状態であっても(S805:No)、L出力の状態に設定されてから0.2秒以内である場合には、L出力の状態を0.2秒間継続させた後でH出力の状態とするように設定する。このように、各H出力期間の間に最低0.2秒間のL期間を確保することで、短期間に連続的にアウト球を検出したとしても、アウト球検出信号(CN2)がH出力の状態に設定された回数を外部装置が正確に把握することができる。
S801の処理において、アウト球が検出されなかった場合(S801:No)、および、S803の処理において、アウト球カウンタ203rの値が10未満であった場合には(S803:No)、処理をS809へと移行する。このS809の処理では、H出力状態の設定を遅延させている検出結果が存在するか否かを判別する(S809)。
そして、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在しないと判別した場合は(S809:No)、本処理を終了する。一方、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在すると判別した場合は(S809:Yes)、設定されている遅延期間が経過したか否かを判別し(S810)、遅延期間を経過していないと判別した場合は(S810:No)、そのまま本処理を終了する。S810の処理において、遅延期間を経過したと判別した場合は(S810:Yes)、アウト球検出信号(CN2)をH出力の状態に設定し(S811)、本処理を終了する。
次いで、図38を参照して、外部出力信号処理(図36参照)の1処理である始動入賞信号処理(S702)について説明する。図38は、始動入賞信号処理を示したフローチャートである。この始動入賞信号処理は、上述した通り、始動入賞検出信号(CN5)の出力を設定するための処理である。
始動入賞信号処理(S702)では、まず、第1入球口64への入賞(始動入賞)を検出したか否かを判別する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図30参照)のスイッチ読み込み処理(S101)において保存された各種スイッチの検出情報を読み出して、第1入球口64への入賞を示す検出情報が記憶されているか否かを判別する。
S901の処理において、第1入球口64への入賞を検出したと判別した場合は(S901:Yes)、次いで、始動入賞信号(CN5)の状態がH出力の状態であるか否かを判別し(S902)、H出力の状態であると判別した場合は(S902:Yes)、現在出力中の始動入賞信号のH出力期間が終了し、所定期間(0.2秒間)が経過してから、今回検出した始動入賞に対応する始動入賞信号の出力を設定するための処理を行う。具体的には、現在H出力状態に設定されている始動入賞信号(CN5)がL出力状態となるまでの残りの期間を特定する(S904)。そして、特定した残り期間に基づいて、今回検出した始動入賞に対応して出力する始動入賞信号に対して遅延時間を設定し(S905)、本処理を終了する。例えば、H出力中の始動入賞信号(CN5)がL出力状態となるまでの残り期間が0.1秒であると判別した場合は、次に始動入賞信号(CN5)をH出力の状態とするまでの遅延時間として、0.3秒(H出力の状態の残り期間0.1秒間+L出力期間0.2秒間)を設定する。このように、0.2秒間のL期間を設定することにより、短期間で連続的に始動入賞を検出したとしても、始動入賞信号(CN5)がH出力の状態に設定された回数を外部装置が正確に把握することができる。
S902の処理において、始動入賞信号(CN5)がH出力の状態でない(即ち、L出力の状態である)と判別した場合は(S902:No)、始動入賞信号(CN5)が0.2秒間H出力の状態となるように設定して(S903)、本処理を終了する。なお、始動入賞信号(CN5)がL出力の状態であっても(S902:No)、L出力の状態に設定されてから0.2秒以内である場合には、L出力の状態を0.2秒間継続させた後でH出力の状態とするように設定する。このように、各H出力期間の間に最低0.2秒間のL期間を確保することで、短期間に連続的に始動入賞を検出したとしても、始動入賞信号(CN5)がH出力の状態に設定された回数を外部装置が正確に把握することができる。
S901の処理において、始動入賞が検出されなかった場合は(S901:No)、H出力状態の設定を遅延させている検出結果が存在するか否かを判別する(S906)。そして、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在しないと判別した場合は(S906:No)、本処理を終了する。一方、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在すると判別した場合は(S906:Yes)、設定されている遅延期間が経過したか否かを判別し(S907)、遅延期間を経過していないと判別した場合は(S907:No)、そのまま本処理を終了する。S907の処理において、遅延期間を経過したと判別した場合は(S907:Yes)、始動入賞信号(CN5)をH出力の状態に設定し(S908)、本処理を終了する。
次いで、図39を参照して、外部出力信号処理(図36参照)の1処理であるゲート通過信号処理(S703)について説明する。図39は、ゲート通過信号処理を示したフローチャートである。このゲート通過信号処理は、上述した通り、スルーゲート通過信号(CN7)の出力を設定するための処理である。
ゲート通過信号処理(S703)では、まず、第2入球口67への入賞を検出したか否かを判別する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図30参照)のスイッチ読み込み処理(S101)において保存された各種スイッチの検出情報を読み出して、第2入球口67への入賞を示す検出情報が記憶されているか否かを判別する。
S1001の処理において、第2入球口67への入賞を検出したと判別した場合は(S1001:Yes)、次いで、スルーゲート通過信号(CN7)の状態がH出力の状態であるか否かを判別し(S1002)、H出力の状態であると判別した場合は(S1002:Yes)、現在出力中のスルーゲート通過信号のH出力期間が終了し、所定期間(0.2秒間)が経過してから、今回検出した第2入球口67への入賞に対応するスルーゲート通過信号の出力を設定するための処理を行う。具体的には、現在H出力状態に設定されているスルーゲート通過信号(CN7)がL出力状態となるまでの残りの期間を特定する(S1004)。そして、特定した残り期間に基づいて、今回検出した第2入球口67への入賞に対応して出力するスルーゲート通過信号に対して遅延時間を設定し(S1005)、本処理を終了する。例えば、H出力中のスルーゲート通過信号(CN7)がL出力状態となるまでの残り期間が0.1秒であると判別した場合は、次にスルーゲート通過信号(CN7)をH出力の状態とするまでの遅延時間として、0.3秒(H出力の状態の残り期間0.1秒間+L出力期間0.2秒間)を設定する。このように、0.2秒間のL期間を設定することにより、短期間で連続的に始動入賞を検出したとしても、スルーゲート通過信号(CN7)がH出力の状態に設定された回数を外部装置が正確に把握することができる。
S1002の処理において、スルーゲート通過信号(CN7)がH出力の状態でない(即ち、L出力の状態である)と判別した場合は(S1002:No)、スルーゲート通過信号(CN7)が0.2秒間H出力の状態となるように設定して(S1003)、本処理を終了する。なお、スルーゲート通過信号(CN7)がL出力の状態であっても(S1002:No)、L出力の状態に設定されてから0.2秒以内である場合には、L出力の状態を0.2秒間継続させた後でH出力の状態とするように設定する。このように、各H出力期間の間に最低0.2秒間のL期間を確保することで、短期間に連続的に第2入球口67への入賞を検出したとしても、スルーゲート通過信号(CN7)がH出力の状態に設定された回数を外部装置が正確に把握することができる。
S1001の処理において、第2入球口67への入賞が検出されなかった場合は(S1001:No)、H出力状態の設定を遅延させている検出結果が存在するか否かを判別する(S1006)。そして、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在しないと判別した場合は(S1006:No)、本処理を終了する。一方、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在すると判別した場合は(S1006:Yes)、設定されている遅延期間が経過したか否かを判別し(S1007)、遅延期間を経過していないと判別した場合は(S1007:No)、そのまま本処理を終了する。S907の処理において、遅延期間を経過したと判別した場合は(S1007:Yes)、スルーゲート通過信号(CN7)をH出力の状態に設定し(S1008)、本処理を終了する。
次いで、図40を参照して、外部出力信号処理(図36参照)の1処理である開放信号処理(S704)について説明する。図40は、開放信号処理を示したフローチャートである。この開放信号処理は、上述した通り、内枠開放信号(CN10)や、扉開放信号(CN11)の出力を設定するための処理である。
この開放信号処理(S704)では、まず、内枠12が開放されたか否かを判別し(S1101)、内枠12が開放されたと判別した場合は(S1101:Yes)、内枠開放信号(CN10)をH出力の状態に設定して(S1102)、本処理を終了する。一方、S1101の処理において、内枠12が開放されたことを検出しなかった場合は(S1101:No)、次いで、内枠12が閉鎖されたことを検出したか否かを判別し(S1103)、内枠13が閉鎖されたと判別した場合は(S1103:Yes)、H出力の状態に設定されている内枠開放信号(CN10)をL出力の状態に設定し(S1104)、本処理を終了する。
S1103の処理において、内枠12が閉鎖されたことを検出しなかった場合は(S1103:No)、次いで、前面枠14が開放されたことを検出したか否かを判別する(S1105)。S1105の処理の結果、全面枠14が開放されたと判別した場合は(S1105:Yes)、扉開放信号(CN11)をH出力の状態に設定して(S1106)、本処理を終了する。一方、全面枠14が開放されたことを検出しなかった場合は(S1105:No)、次いで、前面枠14が閉鎖されたことを検出したか否かを判別し(S1107:Yes)、閉鎖されたと判別した場合は(S1107:Yes)、H出力の状態に設定されている扉開放信号(CN11)をL出力の状態に設定し(S1108)、本処理を終了する。また、S1107の処理において、全面枠14が閉鎖されたことを検出しなかった場合は(S1107:No)、そのまま本処理を終了する。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、タイマ割込処理(図30参照)の実行間隔である2msおきに、外部出力信号処理(図36参照)が実行され、パチンコ機10の遊技の状況に応じた情報が、外部出力端子版261より外部装置に対して出力される。ホールコンピュータ262等の外部装置は、外部出力端子版261から出力された情報に基づいて、パチンコ機10の遊技の状況をリアルタイムで把握することができる。これにより、各パチンコ機10の出玉率や稼働状況、異常や不正行為の有無等を正確に管理することができる。
次に、図37を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図37は、このNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶する(S1201)。そして、電源オン信号(CN1)をL出力の状態に設定して(S1202)、NMI割込処理を終了する。電源オン信号をL出力の状態に設定することにより、ホールコンピュータ262等の外部装置は、パチンコ機10の電源が断されたことを容易に把握することができる。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始する。
次に、図42を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図42は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1301)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、電源オン信号(CN1)を、H出力の状態に設定し(S1302)、RAM203のアクセスを許可する(S1303)。
その後、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1304)、オンされていれば(S1304:Yes)、処理をS1316へと移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1304:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1305)、記憶されていなければ(S1305:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1316へ移行する。
S1305の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていると判別した場合は(S1305:Yes)、RAM判定値を算出し(S1306)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1307:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1316へ移行する。なお、図47のS1818の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1316の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1316)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1317〜S1319)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1317〜S1319)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1317〜S1319)を実行する。RAMの初期化処理(S1317〜S1319)では、RAM203の使用領域を0クリアする(S1317)。その後、RAM203の初期値を設定し(S1318)、RAM203が初期化されたことを示すRAM初期化信号を外部装置に対して出力するためのRAM初期化信号出力処理を実行する(S1319)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1311の処理へ移行する。なお、RAM初期化信号出力処理(S1319)の詳細については、図44を参照して後述する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1304:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1305:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1307:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1308)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信する(S1309)。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S1309の処理が終了すると、電源投入時の遊技状態に異常が無いか確認するための処理である状態確認処理を実行して(S1310)、S1311の処理へ移行する。この状態確認処理の詳細については、図43を参照して後述する。
S1310の処理、またはS1319の処理後に実行されるS1311の処理では、外部出力端子板261から遊技状態に応じた信号の出力を設定するための立ち上げ時信号出力処理が実行され(S1311)、次いで、抽選装置700に設けられている振り分け回転体741の状態を必要に応じて修正するための、回転体位置初期化処理が実行される(S1312)。なお、立ち上げ時信号出力処理(S1311)、および回転体位置初期化処理(S1312)の詳細に付いては、それぞれ図45、図46を参照して後述する。
回転体位置初期化処理(S1312)の終了後は、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1313)。そして、S1314の処理へ移行して、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(S1314)。次いで、割込みを許可して(S1315)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図43を参照して、上記した立ち上げ処理の中で主制御装置110内のMPU201により実行される状態確認処理(S1310)について説明する。図43は、この状態確認処理を示すフローチャートである。状態確認処理は、上述した通り、電源投入時の遊技状態に異常が無いかを確認するための処理である。
この状態確認処理では、まず、大当たり中フラグ203gがオンであるか否かを判別し(S1404)、オンであると判別した場合は(S1404:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、大当たり中フラグ203gがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1404:No)、次いで、確変フラグ203eがオンであるか否かを判別する(S1402)。そして、確変フラグ203eがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1402:No)、そのまま本処理を終了する。
S1402の処理により、確変フラグ203eがオンであると判別した場合は(S1402:Yes)、入球口種別格納エリア203pに格納されている情報に基づいて、前回の大当たりの1ラウンド目において最初に遊技球が入球した入球口の種別を特定する(S1403)。そして、特定結果が時短入球口501であるか否かを判別し(S1404)、時短入球口501であると判別した場合は(S1404)、確変入球口502〜504に入球していないにも関わらず、現在の遊技状態が特別図柄の高確率状態となっていることを意味するため、異常発生の報知を設定し(S1405)、本処理を終了する。また、S1404の処理において、前回の大当たり時に遊技球が入球した入球口が時短入球口501でない(即ち、確変入球口502〜504のいずれかである)と判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
この状態確認処理により、電源が断されている間に、不正行為によって特別図柄の高確率状態へと移行させられた場合に、迅速に異常を報知することができる。よって、不正遊技者により遊技が開始され、不正遊技者に不当な利益を与え、ホールに損害を与えてしまうことを抑制できる。
次に、図44を参照して、上記した立ち上げ処理の中で主制御装置110内のMPU201により実行されるRAM初期化信号出力処理(S1319)について説明する。図44は、このRAM初期化信号出力処理を示すフローチャートである。RAM初期化信号出力処理は、上述した通り、RAM203が初期化されたことを示すRAM初期化信号を外部装置に対して出力するための処理である。
このRAM初期化信号出力処理では、まず、RAM初期化信号(CN7)をH出力の状態に設定する(S1501)。そして、RAM初期化信号(CN7)をH出力の状態に設定されてから0.1秒が経過したか否かを判別し(S1502)、0.1秒が経過していないと判別した場合は(S1502:No)、再度S1502の処理を実行する。そして、0.1秒が経過したと判断されるまで、繰り返しS1502の処理が実行される。
S1502の処理において、0.1秒が経過したと判断されると(S1502:Yes)、RAM初期化信号(CN7)をL出力の状態に設定し(S1503)、本処理を終了する。このRAM初期化信号出力処理によってH出力の状態に設定されたRAM初期化信号(CN7)に基づいて、外部装置は、容易にRAM203が初期化されたことを判別することができる。よって、RAM203の内容が初期化されたにも関わらず、前回の電源断時の遊技状態と、電源投入時の遊技状態とが外部装置によって無駄に比較してしまうことを抑制できる。
なお、出力を開始したRAM初期化信号を0.1秒間H出力の状態に保持する処理(S1502)については、必ずしも本処理の中で行う必要は無い。例えば、RAM初期化信号出力処理(図44参照)では、RAM初期化信号をH出力の状態に設定する処理のみを行うように構成してもよい。そして、立ち上げ処理(図42参照)のウエイト処理(図42のS1313参照)においてサブ側の制御装置が立ち上がるまで待機している間に、信号の出力期間を判別してL出力の状態に設定するか否かを判別してもよい。
次に、図45を参照して、上記した立ち上げ処理の中で主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ時信号出力処理(S1311)について説明する。図45は、この立ち上げ時信号出力処理を示すフローチャートである。立ち上げ時信号出力処理は、上述した通り、外部出力端子板261から遊技状態に応じた信号の出力を設定するための処理である。
この立ち上げ時信号出力処理では、まず、大当たり中フラグ203gがオンであるか否かを判別し(S1601)、オンであると判別した場合は(S1601:Yes)、特別遊技状態信号(CN2)をH出力の状態に設定し(S1602)、S1603へと処理を移行する。また、大当たり中フラグ203gがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1601:No)、S1602の処理をスキップし、処理をS1603へと移行する。
S1603の処理では、確変フラグ203eがオンであるか否かを判別し(S1603)、オンであると判別した場合は(S1603:Yes)、確変信号(CN3)をH出力の状態に設定し(S1604)、S1605へと処理を移行する。また、確変フラグ203eがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1603:No)、S1604の処理をスキップし、処理をS1605へと移行する。
S1605の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるか否かを判別し(S1605)、1以上であると判別した場合は(S1605:Yes)、時短信号(CN4)をH出力の状態に設定し(S1606)、S1607へと処理を移行する。また、時短中カウンタ203fの値が1以上でない(即ち、0である)と判別した場合は(S1605:No)、S1606の処理をスキップし、処理をS1607へと移行する。
S1607の処理では、変動中フラグ203hがオンであるか否かを判別し(S1607)、オンであると判別した場合は(S1607:Yes)、図柄変動信号(CN5)をH出力の状態に設定し(S1608)、S1609へと処理を移行する。また、変動中フラグ203hの値がオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1607:No)、S1608の処理をスキップし、処理をS1609へと移行する。
S1609の処理では、回転体フラグ203jがオンであるか否かを判別し(S1609)、オンであると判別した場合は(S1609:Yes)、回転体信号(CN6)をH出力の状態に設定し(S1610)、S1611へと処理を移行する。また、回転体フラグ203jの値がオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1609:No)、S1610の処理をスキップし、処理をS1611へと移行する。
S1611の処理では、CN2〜CN6の信号出力の状態を検出し、H出力の状態となっているチャンネルが存在するか否かを判別する(S1611)。S1611の処理により、H出力の状態となっているチャンネルが存在すると判別した場合は(S1611:Yes)、H出力状態に設定してから0.1秒が経過したかを判別し(S1612)、経過時間が0.1秒未満であれば(S1612:No)、再度、処理をS1612に移行し、0.1秒が経過するまでS1612の処理が繰り返される。
S1612の処理によって、0.1秒が経過したと判別された場合は(S1612:Yes)、CN2〜CN6の各チャンネルのうち、H出力の状態となっているチャンネルの出力をL出力の状態に設定し(S1613)、処理をS1614へと移行する。また、S1611の処理において、CN2〜CN6が全てL出力の状態であると判別した場合は(S1611:No)、S1612,S1613の処理をスキップし、処理をS1614へと移行する。
S1614の処理では、通知終了信号(CN8)をH出力の状態に設定し(S1614)、0.1秒が経過したかを判別する(S1615)。S1615の処理において、経過時間が0.1秒未満であると判別した場合は(S1615:No)、再度、処理をS1615に移行し、0.1秒が経過するまでS1615の処理が繰り返される。そして、S1615の処理により、0.1秒が経過したと判別された場合は(S1615:Yes)、通知終了信号(CN8)をL出力の状態に設定し(S1616)、本処理を終了する。
なお、出力を開始した外部出力信号を0.1秒間H出力の状態に保持する処理(S1612,S1615)については、必ずしも本処理の中で行う必要は無い。例えば、立ち上げ時信号出力処理(図45参照)では、外部出力信号をH出力の状態に設定する処理のみを行うように構成してもよい。そして、立ち上げ処理(図42参照)のウエイト処理(図42のS1313参照)においてサブ側の制御装置が立ち上がるまで待機している間に、信号の出力期間を判別してL出力の状態に設定するか否かを判別してもよい。
次に、図46を参照して、上記した立ち上げ処理の中で主制御装置110内のMPU201により実行される回転体位置初期化処理(S1312)について説明する。図46は、この回転体位置初期化処理(S1312)を示すフローチャートである。
上述の通り、この回転体位置初期化処理(S1312)は、抽選装置700の内部に配設されている振り分け回転体741の位置(向き)を必要に応じて修正する処理である。修正が必要な場合とは、例えば、パチンコ機10の電源をオフしてから次に電源をオンするまでの間に、振り分け回転体741の配置が変わってしまっていたような場合等である。なお、振り分け回転体741の取り得る配置は、右側に振れた状態の配置(図12参照)と、左側に振れた状態の配置(図15参照)とが存在する。右側に振れた状態となるのは、初期化を行った場合(即ち、RAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10に対して電源を投入した場合)や、振り分け回転体741が左柄に振れた状態で遊技球が奥ルート誘導孔742bへと入球した場合である(図13参照)。一方、左側に振れた状態となるのは、振り分け回転体741が右側に振れた状態で遊技球が手前ルート誘導孔742aへと入球した場合である(図14参照)。
振り分け回転体741が左に振れた状態(図15参照)の場合、手前ルート誘導孔742aへと入球した遊技球は、誘導通路745cを経由して確変入球口503へと入球し(14参照)、奥ルート誘導孔742bへと入球した遊技球は、誘導通路745dを経由して確変入球口504へと入球する(図15参照)。一方、振り分け回転体741が右に振れた状態の場合(図12参照)、手前ルート誘導孔742aへと入球した遊技球は、誘導通路745aを経由して時短入球口501へと入球し(12参照)、奥ルート誘導孔742bへと入球した遊技球は、誘導通路745bを経由して確変入球口502へと入球する(図13参照)。
即ち、振り分け回転体741が左に振れた状態の場合は、抽選装置700による抽選において必ず特別図柄の高確率状態へと移行するが、振り分け回転体741が右に振れた状態の場合は、遊技球が時短入球口501へと入球することで特別図柄の低確率状態へと移行する可能性が有る。よって、電源を断する際に右側に振れた状態だった振り分け回転体741が、電源断の間に左側に振れた状態に切り替わった場合は、正当な契機を介さずに遊技者にとって有利な状態となってしまうので、ホールに不測の損害を与えてしまう虞がある。一方、電源を断する際に左側に振れた状態だった振り分け回転体741が、電源断の間に右側に振れた状態に切り替わった場合は、正当な契機を介さずに遊技者にとって不利な状態となってしまうので、遊技者に不測の損害を与えてしまう虞がある。よって、本処理を行うことにより、振り分け回転体741の状態を必要に応じて修正し、ホールや遊技者に対して不測の損害を与えてしまうことを抑制している。
この回転体位置初期化処理(S1312)では、まず、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1701)、オンされていると判別した場合は(S1701:Yes)、処理をS1702へと移行する。一方、S1701の処理において、RAM消去スイッチ122がオンされていない(即ち、オフである)と判別した場合は、更に、回転体フラグ203jがオンであるか否かを判別し(S1703)、オンでない(即ち、オフである)と判別された場合は、処理をS1702へと移行する。
S1702の処理では、振り分け回転体741を回動させるための回動モータ264を駆動して、振り分け回転体741が右側に振れている状態の配置(図12参照)となるように回転体支持軸806a,806bを中心に回動させ(S1704)、本処理を終了して立ち上げ処理へ戻る。
S1703の処理において、回転体フラグ203jがオンであると判別した場合は(S1703:Yes)、パチンコ機10の電源をオフする前の振り分け回転体741の状態が左側に振れている状態の配置であったことを意味するので、振り分け回転体741を回動させるための回動モータ264を駆動して、振り分け回転体741を左側に振れている状態の配置(図15参照)とし、本処理を終了して立ち上げ処理へ戻る。
次に、図47を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図47は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1801〜S1809の各処理が実行され、その残余時間でS1812,S1813のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図30参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1801)。具体的には、タイマ割込処理(図30参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図31参照)や始動入賞処理(図33参照)で設定された保留球数コマンドや入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図48参照)で設定されたラウンド数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1804)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に第1特定入賞口65aを開放し、第1特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は第1特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると第1特定入賞口65aを閉鎖する。この第1特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1805)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、大当たり開始後に、遊技球が最初に入球した入球口(時短入球口501、および確変入球口502〜504)の種別に基づいて、大当たり終了後の遊技状態を設定するための入球検出処理を実行する(S1805)。なお、この入球検出処理の詳細については、図53を参照して後述する。入球検出処理が終了すると、抽選装置700の内部に配設されている振り分け回転体741の配置(向き)を、位置検出センサ263の検出結果に基づいて判別する回転体位置検出処理を行う(S1806)。この回転体位置検出処理の詳細については、図54を参照して後述する。なお、本実施形態では、回転体位置検出処理(S1806)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
回転体位置検出処理(S1806)が終わると、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1807)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図34参照)のS525の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1808)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図32参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図32参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図32参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1809)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図34参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図34参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図34参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1810)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1810:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1811)、既に所定時間が経過していれば(S1811:Yes)、処理をS1801へ移行し、上述したS1801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1811:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1812,S1813)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1812)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1812)。
ここで、S1801〜S1809の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1810の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1810:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図41のNMI割込処理が実行されたということなので、S1814以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1814)、外部出力端子版261の各チャンネルにおいて、H出力状態に設定されている信号を全てL出力の状態に設定する(S1815)。そして、電源が断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1816)。次いで、電源断時の遊技状態を示す信号を外部装置へと出力するための電断時信号出力処理を実行する(S1817)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1818)、RAM203のアクセスを禁止して(S1819)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1810の処理は、S1801〜S1809で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1812とS1813の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図42のS1301参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図48〜図52のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1804)を説明する。図48は、この大当たり制御処理(S1804)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1804)は、メイン処理(図47参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1901)。具体的には、特別図柄変動処理(図31参照)のS214の処理により、大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1901の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1901:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S1902)。ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図47参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次いで、流路切替部材734を正面視手前側に駆動することにより、流路を奥ルートに設定する(S1903)。そして、大開放口フラグ203m、流路フラグ203n、払出フラグ203oをオフに設定し(S1904)、大当たり中信号(CN12)の状態をH出力の状態に設定して(S1905)、本処理を終了する。
一方、S1901の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1901:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1906)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1906の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1906:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1906の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1906:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1907)。判別の結果、新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1907:Yes)、ラウンドの開始を設定するための処理であるラウンド開始処理を実行し(S1908)、本処理を終了する。なお、ラウンド開始処理(S1908)の詳細については、図49を参照して後述する。
一方、S1907の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1907:No)、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1909)。具体的には、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1909の処理において、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(S1909:No)、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの開閉の設定を行うための第2大開放口設定処理を実行し(S1915)、次いで、進行方向振り分け部730において遊技球が流下可能な流路を設定するための流路設定処理を実行して(S1916)、本処理を終了する。なお、第2大開放口設定処理(S1915)、および流路設定処理(S1916)の詳細については、それぞれ図51、および図52を参照して後述する。
S1909の処理において、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(S1909:Yes)、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを閉鎖し(S1910)、大開放口フラグ203mをオフに設定する(S1911)。次に、H出力の状態に設定されている第1大開放口動作信号(CN3)をL出力の状態に設定する(S1912)。ホールコンピュータ262等の外部装置は、この第1大開放口動作信号(CN3)の状態に基づいて、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの状態を正確に把握し、不正行為や異常動作の有無を判別することができる。
S1912の処理が終了すると、次いで、最終ラウンドが終了したか否かを判別し(S1913)、最終ラウンドでないと判別した場合は(S1913:No)、そのまま本処理を終了してメイン処理(図47参照)に戻る。一方、最終ラウンドが終了したと判別した場合は(S1913:Yes)、大当たりの終了を設定するための大当たり終了処理を実行して(S1914)、本処理を終了する。この大当たり終了処理の詳細については、図50を参照して後述する。
次に、図49のフローチャートを参照して、大当たり制御処理(図48参照)において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合(図48のS1907:Yes参照)に実行されるラウンド開始処理について説明する。このラウンド開始処理(S1908)は、新たなラウンドを開始させるための各種の設定を行う処理である。
ラウンド開始処理では、まず、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S2001)。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図47参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
S2001の処理が終了すると、次いで、計時カウンタ203kの値をリセットすることにより、新たなラウンドが開始してからの経過時間を計時させる(S2002)。そして、新たに開始するラウンドが1ラウンド目であるか否かを判別し(S2003)、1ラウンド目であると判別した場合は(S2003:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2003の処理の結果、新たに開始するラウンドが1ラウンド目でない(即ち、2ラウンド目〜8ラウンド目のいずれかである)と判別した場合は(S2003:No)、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの開放を設定し(S2004)、第1大開放口動作信号(CN3)をH出力の状態に設定する(S2005)。ホールコンピュータ262等の外部装置は、この第1大開放口動作信号(CN3)の状態に基づいて、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの状態を正確に把握し、不正行為や異常動作の有無を判別することができる。S2005の処理が終了した後は、本処理を終了して大当たり制御処理(図48参照)へと戻る。
次に、図50のフローチャートを参照して、大当たり制御処理(図48参照)において、最終ラウンドの終了タイミングであると判別された場合(図48のS1913:Yes参照)に実行される大当たり終了処理(S1914)について説明する。この大当たり終了処理(S1914)は、大当たりの終了を設定するための処理である。
この大当たり終了処理では、まず、大当たりの終了を示すエンディングコマンドを設定する(S2001)。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図47参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S2101の処理が終了すると、次いで、確変設定フラグ203qがオンであるか否かを判別し(S2102)、オンであると判別した場合は(S2102:Yes)、確変フラグ203eをオンに設定することで、遊技状態を特別図柄の高確率状態に設定し(S2103)、処理をS2105へと移行する。一方、S2102の処理において、確変設定フラグ203qがオフであると判別した場合は(S2102:No)、確変フラグ203eをオフに設定して、特別図柄の低確率状態に設定すると共に、時短中カウンタ203fの値に50を設定することで普通図柄の時短状態に設定し(S2104)、処理をS2105へと移行する。なお、確変設定フラグ203qは、上述した通り、1ラウンド目に確変入球口502〜504のいずれかに球が入球した場合にオンされるフラグである。
S2103、またはS2104の処理後に移行するS2105の処理では、流路フラグ203n、払出フラグ203o、確変設定フラグ203q、大当たり中フラグ203gをそれぞれオフに設定することにより、大当たりの設定をクリア(リセット)する(S2105)。そして、H出力の状態に設定されていた大当たり中信号(CN12)をL出力の状態に設定することで、外部装置に対して大当たり状態が終了したことを通知する。ホールコンピュータ262等の外部装置は、この大当たり中信号(CN12)の状態に基づいて、異常や不正行為の有無を判別することができる。また、S2105の処理が終了すると、本処理を終了する。
次いで、図51のフローチャートを参照して、大当たり制御処理(図48参照)の中の1処理である第2大開放口設定処理(S1915)について説明する。この第2大開放口設定処理(S1915)は、大当たりの1ラウンド目において、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの開閉を設定するための処理である。
この第2大開放口設定処理では、まず、大当たりの1ラウンド目であるか否かを判別し(S2201)、1ラウンド目でない(即ち、2ラウンド目〜8ラウンド目、またはラウンド間のインターバル期間中である)と判別した場合は(S2201:No)、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを駆動させる必要がないので、そのまま本処理を終了する。
一方、S2201の処理において、1ラウンド目であると判別した場合は(S2201:Yes)、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの開閉設定を行うために、まず、第2大開放口切替テーブル202eを読み出す(S2202)。そして、読み出した第2大開放口切替テーブル202eのうち、今回の大当たり種別に対応した規定内容と、計時カウンタ203kの値とを比較して、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの状態を特定し(S2203)、現在が第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開放状態とすべき期間であるか否かを判別する(S2204)。
S2204の処理において、現在が開放状態とすべき期間であると判別した場合は(S2204:Yes)、大開放口フラグ203mがオンに設定されているか否かを判別し(S2205)、オンに設定されていれば(S2205:Yes)、既に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放された状態となっていることを示すので、そのまま本処理を終了する。
一方、S2205の処理において、大開放口フラグ203mがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2205:No)、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖された状態となっていることを示しているので、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開放状態とし(S2206)、第2大開放口動作信号(CN4)をH出力の状態に設定する(S2207)。ホールコンピュータ262等の外部装置は、この第2大開放口動作信号(CN4)の状態に基づいて、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの状態を正確に把握し、不正行為や異常動作の有無を判別することができる。
S2207の処理が終了した後は、大開放口フラグ203mをオンに設定して(S2208)、本処理を終了する。S2208の処理において大開放口フラグ203mをオンに設定したことで、次回以降の第2大開放口設定処理(S1915)では、S2205の処理において、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが既に開放されていると判別されるので、そのまま処理を終了することができる。
また、S2204の処理において、現在が第2特定入賞口(第2大開放口)140aを開放状態とすべき期間ではない(即ち、閉鎖状態とすべき期間である)と判別した場合は(S2204:No)、次いで、大開放口フラグ203sがオフに設定されているか否かを判別し(S2209)、オフであると判別した場合は(S2209:Yes)、既に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが閉鎖状態となっていることを示すので、そのまま本処理を終了する。
一方、S2209の処理において、大開放口フラグ203mがオフでない(即ち、オンである)と判別した場合は(S2209:No)、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放された状態となっていることを示しているので、第2特定入賞口(第2大開放口)140aを閉鎖状態とし(S2210)、第2大開放口動作信号(CN4)をL出力の状態に設定する(S2211)。ホールコンピュータ262等の外部装置は、この第2大開放口動作信号(CN4)の状態に基づいて、第2特定入賞口(第2大開放口)140aの状態を正確に把握し、不正行為や異常動作の有無を判別することができる。
S2211の処理が終了した後は、大開放口フラグ203mをオフに設定して(S2212)、本処理を終了する。S2211の処理において大開放口フラグ203mをオフに設定したことで、次回以降の第2大開放口設定処理(S1915)では、S2209の処理において、第2特定入賞口(第2大開放口)140aが既に開放されていると判別されるので、そのまま処理を終了することができる。
次いで、図52を参照して、主制御装置110のMPU201によって実行される流路設定処理(S1916)について説明する。図52は、この流路設定処理(S1916)を示すフローチャートである。流路設定処理(S1916)は、大当たり制御処理(図48参照)の中の1処理であり、上述した通り、1ラウンド目において、抽選装置700へと遊技球が入球した場合に流下する流路を手前側流路732a、または奥側流路732bのいずれかに設定するための処理である。
流路設定処理(S1916)では、まず、現在が1ラウンド目であるか否かを判別する(S2301)。そして、1ラウンド目でない(即ち、2ラウンド目〜8ラウンド目、およびラウンド間のインターバル期間のいずれかである)と判別した場合は(S2301:No)、流路を切り替える必要がないので、そのまま本処理を終了する。
一方、S2301の処理において、1ラウンド目であると判別した場合は(S2301:Yes)、流路の設定を行うために、まず、流路切替テーブル202fを読み出す(S2302)。そして、読み出した流路切替テーブル202fの規定内容と、計時カウンタ203kの値とを比較して、流路の状態(手前側流路732a、奥側流路732b)を特定し(S2303)、現在が奥側流路732bに設定すべき期間(奥ルート期間)であるか否かを判別する(S2304)。
S2304の処理において、現在が奥側流路732bに設定すべき期間(奥ルート期間)であると判別した場合は(S2304:Yes)、流路フラグ203nがオフに設定されているか否かを判別し(S2305)、オフに設定されていれば(S2305:Yes)、既に流路が奥側流路732bに設定されている(流路切替弁731が手前側に傾倒している)ことを示すので、そのまま本処理を終了する。
一方、S2305の処理において、流路フラグ203nがオフでない(即ち、オンである)と判別した場合は(S2305:No)、流路が手前側流路732aに設定されていることを示しているので、流路切替弁731を手前側に傾倒することで、奥側流路732bを開放し、遊技球が奥ルート誘導孔742bを介して奥ルートを進行できるように設定する(S2306)。そして、流路フラグ203nをオンに設定して(S2307)、本処理を終了する。S2307の処理において流路フラグ203nをオフに設定したことで、次回以降の流路設定処理(S1916)では、S2305の処理において、流路が既に奥側流路732bへ設定されていると判別されるので、そのまま処理を終了することができる。
また、S2304の処理において、現在が奥側流路732bに設定すべき期間ではない(即ち、手前側流路732aに設定すべき期間である)と判別した場合は(S2304:No)、次いで、流路フラグ203nがオンに設定されているか否かを判別し(S2308)、オンであると判別した場合は(S2308:Yes)、既に流路が手前側流路732aに設定されていることを示すので、そのまま本処理を終了する。
一方、S2308の処理において、流路フラグ203nがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2308:No)、流路が奥側流路732bに設定された状態となっていることを示しているので、流路切替部材731を奥側に傾倒させることで、手前側流路732a開放し、遊技球が手前ルート誘導孔742aを介して手前ルートを進行できるように設定する(S2309)。そして、流路フラグ203nをオンに設定して(S2310)、本処理を終了する。S2310の処理において流路フラグ203nをオンに設定したことで、次回以降の流路設定処理(S1916)では、S2308の処理において、流路が既に手前側流路732aに設定されていると判別されるので、そのまま処理を終了することができる。
次に、図53を参照して、主制御装置110のMPU201によって実行される入球検出処理(S1805)について説明する。この入球検出処理(S1805)は、主制御装置110のメイン処理(図47参照)の中で実行される処理であり、上述の通り、大当たり開始後に、遊技球が最初に入球した入球口(時短入球口501、および確変入球口502〜504)の種別に基づいて、大当たりが終了した後の遊技状態を設定するための処理である。
入球検出処理(S1805)では、まず、払出フラグ203oがオンであるか否かを判別する(S2401)。S2401の処理において、払出フラグ203oがオンであると判別した場合は(S2401:Yes)、大当たり中であり、且つ、大当たり終了後の遊技状態の抽選が完了した状態であることを示すので、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または、第2特定入賞口(第2大開放口)140aへ遊技球が入球したことを検出したか否かを判別する(S2402)。
S2402の処理において、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または、第2特定入賞口(第2大開放口)140a遊技球が入球したことを検出したと判別した場合は(S2402:Yes)、遊技者へ付与する賞球の払い出しを設定し(S2403)、本処理を終了する。一方、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および、第2特定入賞口(第2大開放口)140aのどちらにも遊技球が入球していなければ(S2402:No)、S2403の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
S2401の処理において、払出フラグ203oがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2401:No)、次いで、入球待機フラグ203lがオンに設定されているか否かを判別する(S2404)。S2404の処理において、入球待機フラグ203lがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2404:No)、現在が大当たり終了後の遊技状態を抽選するための期間ではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
これに対して、入球待機フラグ203lがオンであると判別した場合は(S2404:Yes)、いずれかの確変入球口(確変入球口502〜504)へ遊技球が入球したことを検出したか否かを判別し(S2405)、遊技球が入球したことを検出したと判別した場合は、遊技球が入球した入球口の種別に応じた情報を入球口種別格納エリア203pへと格納し(S2406)、確変設定フラグ203qをオンにする(S2407)。この確変設定フラグ203qに基づいて、大当たり終了時に特別図柄の高確率状態が設定される(図50のS2103参照)。
S2407の処理が完了すると、次いで、遊技球が入球した入球口が確変入球口503であるか否かを判別し(S2408)、確変入球口503であると判別した場合は(S2408:Yes)、音声ランプ制御装置113へ送信するコマンドとして通常状態コマンドを設定して(S2410)、処理をS2411へと移行する。なお、通常状態コマンドは、変動演出等を実行する際に、通常の態様で演出を実行させるためのコマンドである。
一方、S2408の処理において、遊技球が入球した入球口が確変入球口503ではない(即ち、確変入球口502、若しくは確変入球口504である)と判別した場合は(S2408:No)、音声ランプ制御装置113へ送信するコマンドとしてループ状態コマンドを設定し(S2409)、処理をS2411へと移行する。このループ状態コマンドは、通常とは異なる特殊な態様の演出(ループ状態演出)を実行させるためのコマンドである。
確変入球口502、若しくは確変入球口504へと入球した場合、振り分け回転体741が左側に振れた状態となるので、次回の大当たりにおいて振り分け回転体741によって振り分けられる入球口は、確変入球口503、または確変入球口504に限られる(図14、図15参照)。よって、今回の大当たり終了後だけでなく、次回の大当たり終了後も特別図柄の高確率状態へと移行する非常に有利な状態(特別図柄の高確率状態がループするループ状態)となる。このループ状態において、ループ状態コマンドに基づいて特殊な演出(ループ状態演出)を実行させることにより、遊技者が、ループ状態であることを容易に認識することができるので、遊技者にとって有利なループ状態中であることに気づかず、遊技者が遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。
なお、S2409の処理において設定されたループ状態コマンド、またはS2410の処理において設定された通常状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図47参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113は、通常状態コマンド、およびループ状態コマンドのどちらを受信したかに応じて、実行する演出の態様を切り替える。具体的には、ループ状態コマンドを受信した場合に、遊技者にとって有利な状態であることを示唆するループ状態演出を実行する。これにより、遊技者がループ状態であることに気づかずに遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。
S2409、またはS2410の処理が完了した後で実行されるS2411の処理では、大当たり終了後の遊技状態の抽選が完了したことを示すために、入球待機フラグ203lをオフに設定し、払出フラグ203oをオンに設定して(S2411)、本処理を終了する。
上記S2405の処理において、遊技球がいずれの確変入球口(確変入球口502〜504)へも入球していないと判別した場合は(S2405:No)、次いで、時短入球口501へ遊技球が入球したことを検出したか否かを判別する(S2412)。そして、時短入球口501へ遊技球が入球したことを検出していないと判別した場合は(S2412:No)、次いで、大当たり後の遊技状態を抽選するラウンドである1ラウンド目の終了条件が成立したか否かを判別する(S2413)。具体的には、ラウンド開始から所定時間(30秒)が経過したか否かを判別する。
S2413の処理において、1ラウンド目の終了条件が成立していないと判別した場合は(S2413:No)、大当たり終了後の遊技状態を抽選する期間が継続することを意味するので、そのまま本処理を終了する。一方、1ラウンド目の終了条件が成立したと判別した場合は(S2413:Yes)、大当たり終了時に遊技状態を特別図柄の低確率状態へと移行させるために、処理をS2414へと移行する。
ここで、いずれの入球口(時短入球口501、および確変入球口502〜504)へも入球しないまま1ラウンドが終了してしまった場合に、特別図柄の低確率状態へと移行させるように構成しているのは、1ラウンド目に遊技球を打ち出さないだけで、遊技者にとって有利な特別図柄の高確率状態へ移行してしまうことを防止するためである。つまり、各入球口(時短入球口501、および確変入球口502〜504)のいずれにも遊技球が入球しなかった場合に、特別図柄の高確率状態へと移行するように構成すると、1ラウンド目が終了するまで遊技球を打ち出さず、2ラウンド目以降に遊技球を打ち出すという遊技方法によって、2ラウンド〜8ラウンドで賞球を獲得しつつ、特別図柄の高確率状態を継続させ続けることができてしまう。よって、パチンコ機10を設置するホールが不利益を被ってしまうことを抑制するために、各入球口(時短入球口501、および確変入球口502〜504)のいずれにも遊技球が入球しなかった場合は、特別図柄の低確率状態へと移行するように構成している。
また、S2412の処理において、遊技球が時短入球口501へ入球したと判別した場合は(S2412:Yes)、大当たり終了時に遊技状態を特別図柄の低確率状態へと移行させるために、S2413の処理をスキップして、処理をS2414へと移行する。
S2414の処理では、入球口種別格納エリア203pに時短入球口501を示す情報を格納する(S2414)。次いで、確変設定フラグ203qをオフに設定する(S2415)。これにより、大当たり終了時に特別図柄の低確率状態に設定されると共に50回の普通図柄の時短状態が設定される(図50のS2104参照)。
S2415の処理が完了すると、音声ランプ制御装置113へ送信するコマンドとして通常状態コマンドを設定する(S2416)。そして、大当たり終了後の遊技状態の抽選が完了したことを示すために、入球待機フラグ203lをオフに設定し、払出フラグ203oをオンに設定して(S2417)、本処理を終了する。
次に、図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される回転体位置検出処理(S1806)について説明する。図54は、この回転体位置検出処理(S1806)を示したフローチャートである。この回転体位置検出処理(S1806)は、メイン処理(図47参照)の中で実行され、振り分け回転体741の配置を回転体フラグ203jに記憶させておき、パチンコ機10の電源がオフされても、復電時に振り分け回転体741の配置を、電源がオフされる直前と同じ配置に戻すことができるようにするための処理である。
この回転体位置検出処理(S1806)では、まず、回転体フラグ203jがオンであるか否かを判別する(S2501)。S2501の処理の結果、回転体フラグ203jがオンであると判別した場合は(S2501:Yes)、前回の回転体位置検出処理において振り分け回転体741の配置が左側に振れた状態であったことを示すので、位置検出センサ263の検出結果に基づいて、振り分け回転体741の現在の配置が左側に振れた状態であるか否かを判別することにより、前回の回転体位置検出処理と今回の回転体位置検出処理との間に振り分け回転体741の配置が変化したか否かを判別する(S2502)。
そして、振り分け回転体741の現在の配置が右側に振れた状態であると判別した場合は(S2502:Yes)、前回の回転体位置検出処理の時点から振り分け回転体741の配置が変化していることを示すので、H出力の状態に設定されている回転体状態信号(CN13)をL出力の状態に設定し(S2503)、回転体フラグ203jをオフして(S2504)、本処理を終了する。ホールコンピュータ262等の外部装置は、回転体状態信号(CN13)の状態に基づいて、振り分け回転体741の状態を把握することができるので、振り分け回転体741に対する異常発生や不正行為の有無を判別することができる。
S2502の処理において、振り分け回転体741の現在の配置が左側に振れた状態であると判別した場合は(S2502:No)、振り分け回転体741の配置が前回の回転体位置検出処理の時点から変化していないので、本処理を終了してメイン処理に戻る。
S2501の処理において、回転体フラグ203jがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2501:No)、位置検出センサ263の検出結果に基づいて、振り分け回転体741の現在の配置が右側に振れた状態であるか否かを判別し(S2505)、振り分け回転体741の現在の配置が右側に振れた状態であると判別した場合は(S2505:Yes)、振り分け回転体741の配置が前回の回転体位置検出処理の時点から変化していないので、そのまま本処理を終了してメイン処理に戻る。一方、振り分け回転体741の現在の配置が右側に振れた状態であると判別した場合は(S2505:No)、前回の回転体位置検出処理の時点から振り分け回転体741の配置が変化していることを示すので、回転体状態信号(CN13)をH出力の状態に設定し(S2506)、回転体フラグ203jをオンにして(S2507)、本処理を終了する。ホールコンピュータ262等の外部装置は、回転体状態信号(CN13)の状態に基づいて、振り分け回転体741の状態を把握することができるので、振り分け回転体741に対する異常発生や不正行為の有無を判別することができる。
次に、図55を参照して、メイン処理(図47参照)の中で電源断の発生後に主制御装置110内のMPU201により実行される電断時信号出力処理(S1817)について説明する。図55は、この電断時信号出力処理(S1817)を示すフローチャートである。電断時信号出力処理は、上述した通り、電源断の発生時に外部出力端子板261から遊技状態に応じた信号の出力を設定するための処理である。
この電断時信号出力処理では、まず、大当たり中フラグ203gがオンであるか否かを判別し(S2601)、オンであると判別した場合は(S2601:Yes)、特別遊技状態信号(CN2)をH出力の状態に設定し(S2602)、S2603へと処理を移行する。また、大当たり中フラグ203gがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2601:No)、S2602の処理をスキップし、処理をS2603へと移行する。
S2603の処理では、確変フラグ203eがオンであるか否かを判別し(S2603)、オンであると判別した場合は(S2603:Yes)、確変信号(CN3)をH出力の状態に設定し(S2604)、S2605へと処理を移行する。また、確変フラグ203eがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2603:No)、S2604の処理をスキップし、処理をS2605へと移行する。
S2605の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるか否かを判別し(S2605)、1以上であると判別した場合は(S2605:Yes)、時短信号(CN4)をH出力の状態に設定し(S2606)、S2607へと処理を移行する。また、時短中カウンタ203fの値が1以上でない(即ち、0である)と判別した場合は(S2605:No)、S2606の処理をスキップし、処理をS2607へと移行する。
S2607の処理では、変動中フラグ203hがオンであるか否かを判別し(S2607)、オンであると判別した場合は(S2607:Yes)、図柄変動信号(CN5)をH出力の状態に設定し(S2608)、S2609へと処理を移行する。また、変動中フラグ203hの値がオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2607:No)、S2608の処理をスキップし、処理をS2609へと移行する。
S2609の処理では、回転体フラグ203jがオンであるか否かを判別し(S2609)、オンであると判別した場合は(S2609:Yes)、回転体信号(CN6)をH出力の状態に設定し(S2610)、S2611へと処理を移行する。また、回転体フラグ203jの値がオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2609:No)、S2610の処理をスキップし、処理をS2611へと移行する。
S2611の処理では、CN2〜CN6の信号出力の状態を検出し、H出力の状態となっているチャンネルが存在するか(出力されている外部出力信号が存在するか)否かを判別する(S2611)。S2611の処理により、H出力の状態となっているチャンネルが存在すると判別した場合は(S2611:Yes)、H出力状態に設定してから0.1秒が経過したかを判別し(S2612)、経過時間が0.1秒未満であれば(S2612:No)、再度、処理をS2612に移行し、0.1秒が経過するまでS2612の処理が繰り返される。
S2612の処理によって、0.1秒が経過したと判別された場合は(S2612:Yes)、CN2〜CN6の各チャンネルのうち、H出力の状態となっているチャンネルの出力をL出力の状態に設定し(S2613)、処理をS2614へと移行する。また、S2611の処理において、CN2〜CN6が全てL出力の状態であると判別した場合は(S2611:No)、S2612,S2613の処理をスキップし、処理をS2614へと移行する。
S2614の処理では、通知終了信号(CN8)をH出力の状態に設定し(S2614)、0.1秒が経過したかを判別する(S2615)。S2615の処理において、経過時間が0.1秒未満であると判別した場合は(S2615:No)、再度、処理をS2615に移行し、0.1秒が経過するまでS2615の処理が繰り返される。そして、S2615の処理により、0.1秒が経過したと判別された場合は(S2615:Yes)、通知終了信号(CN8)をL出力の状態に設定し(S2616)、本処理を終了する。ホールコンピュータ262は、H出力の出力期間が0.1秒である信号をCN8から受信することに基づいて、電源断に基づく遊技状態の通知が終了したと判別し、以降、CN1以外から出力される信号によって電断時の遊技状態(電断時情報格納エリア273a11に格納した情報)を上書きしてしまわないように設定する。
なお、出力を開始した外部出力信号を0.1秒間H出力の状態に保持する処理(S2612,S2615)については、必ずしも本処理の中で行う必要は無い。例えば、電断時信号出力処理(図55参照)では、各外部出力信号をH出力の状態に設定する処理飲みを行うように構成してもよい。そして、メイン処理(図47参照)においてS1819が終了後に信号の出力期間を判別してL出力の状態に設定するか否かを判別してもよい。
<第1実施形態における払出制御装置の制御処理について>
次に、図56〜59を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される各制御処理を説明する。まず、図56は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は、電源投入時のリセットにより起動される。
この立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2701)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置110から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S2702:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S2702:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S2703)、外部割込ベクタの設定を行う(S2704)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S2705)、オンされていると判別すれば(S2705:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS2715へと移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S2705:No)、更にRAM213のバックアップエリアに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2706)、記憶されていなければ(S2706:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS4315へ移行する。バックアップエリアに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S2706:Yes)、RAM判定値を算出し(S2707)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S2708:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS2715へと移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S2715以降の処理では、RAM213の初期化処理が実行される。この初期化処理では、まず、RAM213の使用領域を0にクリアし(S2715)、RAM213の初期値を設定する(S2716)。その後、MPU211周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S2717)、割込みを許可して(S2718)、後述する払出制御処理へと処理を移行する。
一方、RAM消去スイッチ122が押されておらず(S2705:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S2706:Yes)、且つ、RAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S2708:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S2709)、電源遮断の発生情報をクリアする(S2710)。また、MPU211周辺デバイスの初期設定を行い(S2711)、使用レジスタをRAM213のバックアップエリアから復帰させる(S2712)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S2713)、割込みが許可状態であれば(S2713:Yes)、割込みを許可して(S2714)、処理を電源断が発生する前のアドレス(スタックポインタの指し示すアドレス)へと戻す。一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S2713:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源断が発生する前のアドレス(スタックポインタの指し示すアドレス)へと戻す。
次に、図57のフローチャートを参照して、上述した払出制御処理について説明する。この払出制御処理は、払出制御装置111の立ち上げ処理(図56参照)に続いて実行され、賞球や貸球の払い出しを設定する処理である。この払出制御処理では、まず、主制御装置110から賞球コマンドを受信したか否かを判別し(S2801)、賞球コマンドを受信したと判別した場合は(S2801:Yes)、賞球コマンドにより通知された賞球数に基づいて賞球数カウンタ213aの値を更新する(S2802)。払出制御装置111は、この賞球数カウンタ213aの値に応じた数の賞球の払い出しを実行する。
S2802の処理が終了すると、次いで、発射制御装置112に対して発射許可の設定を行う(S2803)。そして、状態復帰スイッチの状態をチェックし、状態復帰スイッチが押下されている場合は、状態復帰動作を実行する(S2804)。ここで、状態復帰スイッチは、球詰まり等の払出エラーが発生した場合に、ホールの店員等が押下することで、払出モータ216に対して状態復帰動作を行わせるためのスイッチである。具体的には、状態復帰スイッチが押下されると、状態復帰動作として、払出モータ216が通常とは逆向きに回転し、球詰まりの解消(即ち、正常状態への復帰)が図られるように構成されている。
その後、下皿ユニット15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S2805)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿ユニット15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S2806)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置111に設けた7セグメントLEDにより報知する(S2807)。
次に、S2808〜S2810の各処理により、賞球を払い出すための処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく、且つ、S2802の処理で更新した賞球数カウンタ213aの値が0でなければ(S2808:No,S2809:No)、賞球制御処理を開始する(S2810)。一方、賞球の払出不可状態であるか(S2808:Yes)、または、賞球数カウンタ213aの値が0であれば(S2809:Yes)、貸球を払い出すための処理に移行する。なお、賞球制御処理(S2808)の詳細については、図58を参照して後述する。
S2811〜S2813の貸球を払い出すための処理では、貸球の払出不可状態でなく、且つ、カードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S2811:No,S2812:Yes)、貸球制御処理(S2813)を開始する。一方、貸球の払出不可状態であるか(S2811:Yes)、または、貸球払出要求を受信していなければ(S2812:No)、S2814へと処理を移行する。なお、貸球制御処理(S2813)の詳細については、図59を参照して後述する。
S2813の処理では、状態復帰スイッチをチェックし、球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ216を駆動させ、球抜き処理を実行する(S2814)。次いで、球詰まり状態であることを条件に、タンクレールに設けられたバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する(S2815)。具体的には、タンクレール付近において球詰まりが生じている場合に、バイブレータを駆動することによりタンクレールに対して振動を加え、球詰まりの解消を図っている。その後は、本払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述したS2801〜S2815の処理を繰り返し実行する。
次いで、図58を参照して、上述した賞球制御処理(S2810)について説明する。図58は、この賞球制御処理を示すフローチャートである。この賞球制御処理では、まず、払出モータ216を駆動することにより、賞球を1球払い出すように設定する(S2901)。次いで、払出モータ216の回転が正常であるか否かを、払出回転センサの検出結果により判別し(S2902)、払出モータ216の回転が正常であると判別した場合は(S2902:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S2903)。遊技球のカウントが正常であると判別した場合は(S2903:Yes)、S2905へと処理を移行する。
なお、S2902の処理において、払出モータ216の回転が正常でないと判別した場合(S2902:No)、または、S2903の処理において遊技球のカウントが正常でないと判別した場合は(S2903:No)、払出モータ216を駆動させてリトライ処理を実行すると共に、払出モータ216の停止処理を実行し(S2910)、本処理を終了して払出制御処理(図57参照)に戻る。
S2903の処理後に実行されるS2904の処理では、払出カウンタ213bの値に1を加算し(S2904)、加算後の払出カウンタ213bの値が10であるか否かを判別する(S2905)。S2905の処理により、払出カウンタ213bの値が10であると判別した場合は(S2905:Yes)、前回に払出信号(CN9)をH出力の状態とする契機となった賞球の払い出しから、更に10球の賞球が払い出されたことを意味する。よって、払出信号(CN9)が0.2秒間H出力の状態となるように設定し(S2906)、払出カウンタ213bの値を0クリアして(S2907)、処理をS2908へと移行する。一方、S2905の処理において、払出カウンタ213bの値が10未満であると判別した場合は(S2905:No)、S2906,S2907の処理をスキップし、処理をS2908へと移行する。
S2905〜S2907の処理により、賞球を10球払い出す毎に払出信号(CN9)をH出力の状態とすることができる。よって、ホールコンピュータ262等の外部装置は、払出信号(CN9)に基づいて、パチンコ機10によって払い出された賞球の総数を把握することができる。よって、出球率やホールの売り上げ等を容易に算出することができる。また、賞球の払い出しについて、異常動作や不正行為の有無を判別することができる。
S2905、またはS2907の処理後に実行されるS2908の処理では、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達したか否か(即ち、賞球コマンドにより指示された賞球の払い出しが完了したか否か)を判別し(S2908)、払出が完了していれば(S2908:Yes)、払出モータ216の停止処理を実行し(S2909)、本処理を終了して払出制御処理(図57参照)に戻る。一方、S2908の処理において、賞球の払い出しが完了していないと判別した場合は(S2908:No)、そのまま本処理を終了し、払出制御処理(図57参照)に戻る。
次いで、図59を参照して、上述した貸球制御処理(S2813)について説明する。図59は、この貸球制御処理(S2813)を示すフローチャートである。貸球制御処理では、まず、払出モータ216を駆動させて貸球の払出を実行する(S3001)。次いで、払出モータ216の回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S3002)、払出モータ216の回転が正常であると判別した場合は(S3002:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S3003)。そして、遊技球のカウントが正常であると判別した場合は(S3003:Yes)、処理をS3004へと移行する。
また、S3002の処理において、払出モータ216の回転が正常でないと判別した場合(S3002:No)、および、S3003の処理において遊技球のカウントが正常でないと判別した場合は(S3003:No)、払出モータ216を駆動させてリトライ処理を実行すると共に、払出モータ216の停止処理を実行し(S3006)、本処理を終了して払出制御処理(図57参照)に戻る。
S3003の処理後に実行されるS3004の処理では、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払い出しが完了したか否かを判別し(S3004)、払い出しが完了していれば(S3004:Yes)、払出モータ216の停止処理を実行して(S3005)、本処理を終了する。一方、S3004の処理において、所定の貸球個数(25個)の払い出しが完了していないと判別した場合は(S3005:No)、そのまま本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図60から図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図60を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図60は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S3101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S3218の電源断処理(図61参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S3102)。図61を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図61のS3215参照)、S3218の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S3218の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S3102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS3218の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S3103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S3106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S3103:Yes)、S3104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S3103:No)、処理をS3108へと移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S3103:Yes)、S3104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S3103:No)、S3108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S3102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1316の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS3104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S3104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S3104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S3105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S3106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S3105:No)、RAM223の異常を報知して(S3107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S3108の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S3108)。電源断フラグはS3218の電源断処理の実行時にオンされる(図61のS3217参照)。つまり、電源断フラグは、S3218の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS3108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3218の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S3108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S3109)、RAM223の初期値を設定した後(S3110)、割込み許可を設定して(S3111)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS3108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS3104からS3106の処理を経由してS3108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S3108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS3109をスキップして、処理をS3110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S3110)、割込み許可を設定して(S3111)、メイン処理へ移行する。
なお、S3109のクリア処理をスキップするのは、S3104からS3106の処理を経由してS3108の処理へ至った場合には、S3104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図61を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図61は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S3201)、1m秒以上経過していなければ(S3201:No)、S3202〜S3210の処理を行わずにS3211の処理へ移行する。S3201の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S3202〜S3210が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S3211のコマンド判定処理や、S3212の変動表示設定処理は短い周期で実行する方が好ましいからである。S3211の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S3212の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S3201の処理で1m秒以上経過していれば(S3201:Yes)、まず、S3203〜S3212の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S3202)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS3208の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S3203)、その後電源投入報知処理を実行する(S3204)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS3205の処理へ移行する。
S3205の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S3206)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S3207)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S3208)、その後音編集・出力処理を実行する(S3209)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S3209の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S3210)、S3211の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS3208のランプ編集処理が実行される。なお、S3209の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S3211の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S3211)。このコマンド判定処理の詳細については、図62を参照して後述する。コマンド判定処理(S3211)が終わると、変動表示設定処理が実行される(S3212)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図63を参照して後述する。
S3212の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S3213)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S3213の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S3213:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S3215)、電源断処理を実行する(S3216)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S3217)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S3213の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S3213:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S3214)、RAM223が破壊されていなければ(S3214:No)、S3201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S3214:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図62を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S3211)について説明する。図62は、このコマンド判定処理(S3211)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S3211)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図61参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S3301)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S3301:Yes)、RAM223の変動開始フラグ223cをオンに設定し(S3302)、ROM222の変動パターンテーブル222aから変動パターン種別を抽出して(S3303)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図63参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
なお、本実施形態では、変動パターン演出の態様に、通常用の態様と、ループ状態用の態様とが設けられている。通常用の態様を選択するか、ループ状態用の態様を選択するかは、前回の大当たりにおいて出力されたコマンドの種別に基づいて決定される。即ち、前回の大当たりにおいて、通常状態コマンドが出力された場合は(図53のS2410参照)、次の大当たりまで通常用の態様が変動パターンテーブル222aから抽出される。また、RAM消去スイッチ122を押下した状態で電源が投入された場合も、次の大当たりまで通常用の態様が変動パターンテーブル222aから抽出される。一方、前回の大当たりにおいて、ループ状態コマンドが出力された場合は(図53のS2409参照)、次の大当たりまでループ状態用の特殊な態様が変動パターンテーブル222aから抽出される。これにより、遊技者は、変動パターン演出が通常とは異なる態様(ループ状態用の態様)で実行されることにより、現在が有利な状態であることを容易に認識することができるので、遊技者にとって有利な状態であるループ状態中であるにも関わらず、有利な状態と気づかずに遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。
なお、ループ状態中は、通常状態中に選択される変動パターン種別が全く選択されなくなるように構成してもよいし、通常状態とループ状態とで共通に選択される変動パターン演出の態様を設けてもよい。通常状態とループ状態とで、まったく異なる態様の変動パターン演出が選択されるように構成することで、変動パターン演出が1回行われるだけで、遊技者は現在がループ状態中であるか否かを判断することができる。よって、ループ状態中であるにも関わらず、ループ状態であることに気づかずに遊技を辞めてしまうことを、確実に抑制することができる。一方、共通に選択される変動パターン演出の態様を設けておけば、共通に選択される変動パターン演出の態様が選択されても、遊技者に対してループ状態の可能性が残っていると感じさせることができる。よって、現在が通常状態であるか、ループ状態であるかの期待感を長く持続させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S3301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S3304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S3304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S3305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S3306)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図63参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S3304:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S3307)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S3307:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S3308)。また、S3308の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S3308の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S3308の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S3308の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S3307の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S3307:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S3309)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S3309:Yes)、表示制御装置114に対して大当たりの開始を報知するオープニング演出を実行させるための表示用オープニングコマンドを設定し(S3310)、本処理を終了してメイン処理へ戻る。
S3309の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S3308:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S3311)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S3311:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S3312)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S3313)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図61参照)のコマンド出力処理(S3202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S3311の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S3311:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S3314)。そして、エンディングコマンドを受信した場合には(S3314:Yes)、表示制御装置114に対して大当たりの終了を報知するエンディング演出を実行させるための表示用エンディングコマンドを設定し(S3315)、本処理を終了してメイン処理へ戻る。
S3314の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3314:No)、次いで、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信した結果に応じた処理を実行して(S3316)、本処理を終了する。例えば、その他のコマンドとして、入賞情報コマンドを受信した場合には、受信した入賞情報コマンドから、各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を入賞情報として抽出し、抽出した入賞情報(当否、停止種別、変動パターン)を、入賞情報格納エリア223aの空きエリア(第1エリア〜第4エリア)のうち最初のエリアに格納して、メイン処理に戻る。また、その他のコマンドが表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S3212)について説明する。図63は、この変動表示設定処理(S3212)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S3212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図61参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する処理である。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S3401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S3401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S3406の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S3401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S3402)、次いで、コマンド判定処理(図62参照)のS3303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S3403)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3404)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S3405)。S3405の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S3406の処理へ移行する。
S3406の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S3406)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S3406:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S3406:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S3407)、次いで、コマンド判定処理(図62参照)のS3305の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S3408)。
次に、抽出された停止種別を、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S3409)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S3410)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<第1実施形態におけるホールコンピュータの制御処理について>
次に、図64〜66を参照して、本実施形態におけるホールコンピュータ262の制御装置272によって実行される各種制御処理について説明する。
まず、図64を参照して、ホールコンピュータ262の制御装置272によって実行されるメイン処理について説明する。図64は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理では、パチンコ機10から受信した各種信号に基づいて、各パチンコ機10の遊技の状況に対応するデータを更新したり、各パチンコ機10に対して異常や不正行為の有無を判別したりする。
このメイン処理では、まず、初期設定の処理が実行される(S3501)。次いで、パチンコ機10から受信した信号に応じた処理を実行する信号受信処理が行われ(S3502)、次に、ホールコンピュータ262に設けられた表示装置274の表示を更新する表示更新処理を実行する(S3503)。そして、ホールコンピュータ262の操作者がホールコンピュータの操作手段に対する操作を行ったか否かを判別し、操作があった場合には当該操作に応じた処理を実行する操作手段入力監視処理を行う(S3504)。
次に、パチンコ機10に対して電源が投入された場合に、前回の電源断時における遊技状態と、今回の電源投入時における遊技状態とを比較し、異常の有無を判別する復電時比較処理を実行する(S3505)。そして、電源断の発生情報があるか否かを判別し(S3506)、電源断の発生情報があれば、電源断処理を実行し(S3508)、以降は電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
S3506の処理において、電源断の発生情報が記憶されていないと判別した場合は、次いで、ハードディスク273が破壊されているか否かが判別され(S3507)、ハードディスク273が破壊されていなければ(S3507:No)、S3502の処理に戻り、S3502〜S3505の処理が繰り返し実行される。一方、ハードディスク273が破壊されていれば(S3507:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、ハードディスク273が破壊されていると判別されて無限ループすると、メイン処理が実行されないので、その後、表示装置274による表示が変化しない。よって、ホールコンピュータ262の操作者は、異常が発生したことを知ることができるので、修復を図ることができる。
次に、図65のフローチャートを参照して、メイン処理(図64参照)の中の1処理である信号受信処理(S3502)について説明を行う。この信号受信処理(S3502)では、パチンコ機10から受信した各種信号に応じた処理が実行される。
信号受信処理では、まず、パチンコ機10のCN2〜CN14より外部出力信号(H出力の状態の各種信号)を受信したか否かが判別され、外部出力信号を受信していなければ、そのまま本処理を終了してメイン処理(図64参照)へと戻る。
S3601の処理において、外部出力信号を受信したと判別した場合は、次いで、外部出力信号が出力されたパチンコ機10の電源オン信号(CN1)の状態がH出力の状態か否かを判別する(S3502)。そして、電源オン信号(CN1)がH出力でない(即ち、L出力である)と判別した場合は(S3502:No)、パチンコ機10に電源断が発生したことにより出力された、遊技状態を示す信号(図23参照)を受信したことを意味するので、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応する電断時情報格納エリアの情報を更新する(S3603)。例えば、1番台のパチンコ機10の確変信号(CN3)と、図柄変動信号(CN5)とがH出力の状態であり、他の外部出力信号がL出力の状態であると判別した場合は、第1データ格納エリア273aの電断時情報格納エリア273a11に、電源断時の遊技状態が特別図柄の高確率状態中であり、且つ、図柄変動中である旨の情報を格納する。なお、上述した通り、外部出力信号を受信したパチンコ機10は、島管理装置264より出力される個体識別情報と、接続端子の情報とによって特定される。
S3603の処理が終了すると、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応する立ち上げフラグ(例えば、1番台のパチンコ機10であれば、第1データ格納エリア273aの立ち上げフラグ273a13)をオフに設定し、本処理を終了する。
S3602の処理において、電源オン信号(CN1)がH出力状態であると判別した場合は(S3602:Yes)、次いで、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの立ち上げフラグ(例えば、外部出力信号を出力したのが1番台のパチンコ機10であれば、第1データ格納エリア273aの立ち上げフラグ273a13)がオンであるか否かを判別する(S3605)。S3605の処理による判別の結果、立ち上げフラグがオフであると判別した場合は(S3605:No)、電源投入に基づく立ち上げの際に、パチンコ機10が遊技状態に応じた信号を外部装置へと出力したことを意味する。よって、この場合は、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応する復電時情報格納エリアのデータを、外部出力信号に応じて更新する(S3606)。例えば、1番台のパチンコ機10の確変信号(CN3)と、図柄変動信号(CN5)とがH出力の状態であり、他の外部出力信号がL出力の状態であると判別した場合は、第1データ格納エリア273aの復電時情報格納エリア273a11に、電源断時の遊技状態が特別図柄の高確率状態中であり、且つ、図柄変動中である旨の情報を格納する。なお、S3606の処理が終了すると、本処理を終了する。
S3605の処理において、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの立ち上げフラグがオンであると判別した場合は(S3605:Yes)、通常時において、遊技の状況に応じた信号(図22参照)を受信したことを意味するので、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアのデータを、今回受信した外部出力信号に基づいて更新する(S3607)。例えば、1番台のパチンコ機10の払出信号(CN9)がH出力の状態であり、そのH出力の状態が0.2秒継続したことを検出した場合は、パチンコ機10より新たに10球の賞球が払い出されたことを意味するので、第1データ格納エリア273aの払出球数カウンタ273a8の値に10を加算する。
S3607の処理が終了すると、次いで、表示装置274の表示内容を、S3607の処理によって更新されたデータに基づいて更新し(S3608)、S3609〜S3613の処理によって、外部出力信号を出力したパチンコ機10に異常が発生していないか判別した上で、本処理を終了する。
なお、異常の有無を判別する処理では、まず、大当たり中信号(CN12)に基づいて、大当たり中であるか否かを判別し(S3609)、大当たり中であると判別した場合は(S3609:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S3609の処理において、大当たり中でないと判別した場合は(S3609:No)、第1大開放口動作信号(CN3)、および第2大開放口動作信号(CN4)の状態に基づいて、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または、第2特定入賞口(第2大開放口)140aのどちらかが開放されているか否かを判別する(S3610)。
S3610の処理において、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または、第2特定入賞口(第2大開放口)140aのどちらかが開放されていると判別した場合は(S3610:Yes)、大当たり中でないにも関わらず、開放されている大開放口へと遊技球を入賞させることにより多量の賞球を獲得可能な状態となっており、異常な状態であることを意味する。よって、この場合は、大開放口の異常を表示装置274へと表示させるように設定し(S3611)、処理をS3612へと移行する。また、S3610の処理において、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)140aの両方が閉鎖状態であると判別した場合は(S3610:No)、S3611の処理をスキップし、処理をS3612へと移行する。
S3612の処理では、回転体状態信号(CN13)の状態に基づいて、振り分け回転体741の状態が変化したか否かを判別し(S3612)、変化したと判別した場合は、大当たりでないのに振り分け回転体741が変位する異常な状態となっていることを意味するので、振り分け回転体741の異常を表示装置274へと表示させ(S3613)、本処理を終了する。一方、S3612の処理において、振り分け回転体741が変位していないと判別した場合は(S3612:No)、そのまま本処理を終了する。
次いで、図66のフローチャートを参照して、復電時比較処理(S3505)について説明する。この復電時比較処理(S3505)は、制御装置272によって実行されるメイン処理の中の1処理であり、パチンコ機10に対して電源が投入された場合に、前回の電源断時における遊技状態と、今回の電源投入時における遊技状態とを比較し、異常の有無を判別する処理である。
この復電時比較処理では、まず、電源オン信号(CN1)がH出力の状態であるか否かを判別し(S3701)、H出力の状態でない(即ち、L出力の状態である)と判別した場合は(S3701:No)、パチンコ機10に対して電源が投入されていない(即ち、立ち上げのタイミングでない)ことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
S3701の処理において、電源オン信号(CN1)がH出力の状態であると判別した場合は(S3701:Yes)、次いで、電源オン信号がH出力と判別したパチンコ機10に対応する立ち上げフラグがオンであるか否かを判別する(S3702)。S3702の処理において、立ち上げフラグがオンであると判別した場合は(S3702:Yes)、パチンコ機10が既に通常状態に移行していることを示すので、そのまま本処理を終了する。一方、S3702の処理において、立ち上げフラグがオンでないと判別した場合は、次いで、RAM初期化信号(CN7)が0.1秒間H出力の状態であることを検出したか否かを判別する(S3703)。そして、RAM初期化信号が0.1秒間H出力の状態であったと判別した場合は(S3703)、RAM消去スイッチ122を押下して電源投入が行われており、前回の電断時の遊技状態と、今回の電源投入時の遊技状態とを比較する意味がないので、S3704〜S3710の処理をスキップして、処理をS3711へと移行する。
S3703の処理において、RAM初期化信号がH出力の状態を検出しなかったと判別した場合は(S3703:No)、通知終了信号(CN8)が0.1秒間H出力の状態であることを検出したか否かを判別し(S3704)、H出力の状態の通知終了信号を受信していないと判別した場合は(S3704:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、H出力の状態の通知終了信号を受信したと判別した場合は(S3704:Yes)、電源投入に基づいてパチンコ機10より遊技状態に関する情報の出力が終了したことを示すので、前回の電断時に電断時情報格納エリアに記憶した遊技状態に関する情報と、今回の立ち上げにおいて復電時情報格納エリアに記憶した遊技状態に関する情報とを比較し(S3705)、両者が一致するか否かを判別する(S3706)。
S3705の処理により、電断時情報格納エリアに格納された情報と、復電時情報格納エリアに格納された情報とが一致しなかったと判別した場合は(S3706:No)、電源断の間に遊技状態が変化していることを示すので、パチンコ機10に何らかの異常が発生しているか、不正行為が行われた可能性がある。よって、かかる場合には、異常の報知を設定し(S3710)、S3711へと処理を移行する。
S3706の処理において、電断時情報格納エリアに格納された情報と、復電時情報格納エリアに格納された情報とが一致したと判別された場合は(S3706:Yes)、次いで、パチンコ機10が大当たり中であるか否かを判別し(S3707)、大当たり中であると判別した場合は(S3707:Yes)、続けて、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか否かを判別する(S3708)。そして、特別図柄の高確率状態中であると判別した場合は、パチンコ機10の遊技履歴をハードディスク273から読み出し、前回の大当たり時に時短入球口501へと入球したか否かを判別する(S3709)。
S3709の処理において、前回の大当たり時に時短入球口501へと入球していたと判別された場合は(S3709:Yes)、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態に移行していたにも関わらず、現在の状態が特別図柄の高確率状態になっていることを意味するため、何らかの異常が生じているか、または、パチンコ機10に対して不正行為が行われた可能性がある。よって、かかる場合は、表示装置274において異常の発生を報知するように設定し(S3710)、処理をS3711へと移行する。
一方、S3709の処理において、前回入球した入球口が時短入球口501でない(つまり、確変入球口502〜504のいずれかである)と判別した場合は、処理をS3711へと移行する。また、S3707の処理において、パチンコ機10が大当たり中であると判別した場合(S3707:Yes)、S3708の処理において、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態中でないと判別した場合(S3708:No)も、同様に、処理をS3711へと移行する。
S3711の処理では、パチンコ機10から通常時の信号(図22参照)を受付可能にするために、パチンコ機10に対応するデータ格納エリアの立ち上げフラグをオンに設定し、本処理を終了する。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10では、外部出力端子板261を介して、ホールコンピュータ262等の外部装置へ各種信号を出力可能に構成している。また、外部出力端子板261のCN1はパチンコ機10の電源の状態に連動してH出力状態とL出力状態とを切り替えるように構成し、CN1の出力状況に基づいてパチンコ機10に対して電源が投入されているか否かを判別できるように構成されている。
また、本実施形態では、外部出力端子板261の各出力チャンネルより出力される信号の態様を変更可能に構成し、パチンコ機10の状態に応じて異なる信号を出力するように構成している。
具体的には、通常の遊技状態(パチンコ機10の立ち上げが終了してから電源断を検出するまで)においては、パチンコ機10の遊技の状況に応じた情報を出力するように構成し、ホールコンピュータ262等の外部装置により、パチンコ機10から出力された情報に基づいてリアルタイムの状況を把握することが可能に構成している。例えば、パチンコ機10から払出信号が出力された場合は、パチンコ機10から賞球が追加で10球払い出されたことを意味するので、ホールコンピュータ262において、パチンコ機10の賞球の払い出し個数の情報を更新することにより、常に最新の払い出し個数を把握することができる。このように、パチンコ機10から遊技の状況に応じた情報を出力可能に構成することで、ホールコンピュータ262等の外部装置によりパチンコ機10の最新の状況や、遊技の履歴を把握することができる。よって、各パチンコ機10の出球率や、稼働率、ホール全体の売上や異常発生の有無などを容易に把握することができる。
一方、本実施形態のパチンコ機10では、電源投入時、および電源断の発生時に、遊技状態を示す情報(特別図柄の高確率状態であるか否かを示す情報や、大当たり状態であるか否かを示す情報等)を出力するように構成している。ホールコンピュータ等の外部装置は、これらの信号に基づいて、電源投入時にパチンコ機10の状態が正常であるか否かを判別することができる。
具体的には、電源断の発生時と、次回の電源投入時とで遊技状態が変化していないかを判別し、遊技状態が変化している場合には、パチンコ機10において何らかの異常が生じている虞があると判断することができる。通常、電源をオンオフしただけでは遊技状態が変わり得ないため、遊技状態が変化していれば、何らかの不正行為により電源断の間に遊技状態が書き換えられてしまったり、電源断の間にパチンコ機10のRAM203等に不具合が生じてしまった可能性が有る。よって、かかる場合には、異常の発生を報知し、ホールコンピュータ262の操作者に対して異常の生じているパチンコ機10を点検させ、異常を解消させることができる。
本実施形態では、パチンコ機10に対して電源投入を行う毎に、異常の有無を判別するように構成しているので、仮にパチンコ機10に異常が生じていたとしても、遊技者が異常な状態のパチンコ機10によって遊技を始める前に、対策を行うことができる。よって、遊技者が異常な状態のパチンコ機10により遊技を行うことにより、遊技者に損をさせてしまったり、逆にホールに損害を与えてしまうことを抑制することができる。なお、ホールコンピュータ262等の外部装置は、パチンコ機10のCN1の出力状況に基づいて、パチンコ機10に電源断が発生したタイミングや、電源の投入が行われたタイミングを容易に判別することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、電源投入時、および電源断の発生時に、CN2〜CN8の各チャンネルより、H出力の出力期間が0.1秒の信号を出力可能に構成しているが、出力期間は0.1秒に限られるものではない。例えば、0.1秒よりも短い0.05秒の出力期間としてもよい。これにより、電源投入時の処理に要する期間を短くすることができるので、より迅速に異常の発生を報知し、異常の解消を図ることができる。また、電源断の発生からより短い期間で遊技状態を示す情報の出力を終了することができるので、電源断の発生から電源が完全に遮断されるまでの時間を短くしても、遊技状態を示す情報の出力を完了させることができる。つまり、電源断の発生後に主制御装置110等へ電力を供給するコンデンサ等の蓄電手段の容量を少なくすることができる。よって、蓄電手段のコストダウンを図ることにより、パチンコ機10の原価を安くすることができる。
本実施形態では、外部出力端子板261の各チャンネルから出力される信号が所定期間H出力の状態である場合に、ホールコンピュータ262等の外部装置によって各種信号が出力されたと判別されるように構成しているがこれに限られるものではなく、L出力の状態と、H出力の状態とを反転させてもよい。
また、CN2〜CN8の各チャンネルより出力される信号の出力期間を、0.1秒よりも長くしても良い。出力期間を長くすることにより、ホールコンピュータ262等の外部装置は、より確実に各チャンネルから出力された信号を検出することができるので、パチンコ機10に対して異常が発生しているか否かをより正確に判別することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、アウト球を10球検出する毎に、アウト球検出信号(CN2)を出力するように構成していたが、必ずしも10球毎に出力する必要はなく、任意に定めることができる。例えば、5球毎にアウト球検出信号を出力するように構成してもよい。10球毎にアウト球検出信号を出力するように構成した場合、アウト球数の1の位を把握することができないため、実際にアウト口66に入球した遊技球の個数と、ホールコンピュータ262が把握するアウト球数との間に、最大で9球の誤差が生じてしまう。よって、10球よりも少ない個数毎(例えば、5球毎)にアウト球検出信号を出力するように構成することで、実際にアウト口66へと入球した遊技球の個数と、ホールコンピュータ262が把握するアウト球数との間の誤差を少なくすることができる。また、アウト球検出信号を出力するまでにアウト口66へと入球する遊技球の個数を10球よりも多くしてもよい(例えば、20球毎)。これにより、アウト球検出信号を出力する頻度が減るので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。また、同様の理由から、入賞検出信号についても、必ずしも10球の賞球を検出する毎に出力する必要はなく、任意に定めることができる。更に、払出信号についても、必ずしも10球の賞球の払い出しを検出する毎に出力する必要はなく、任意に定めることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、CN1から電源オン信号を出力するように構成していたが、これに限られるものではなく、任意のチャンネルから出力してよい。また、他のチャンネルに関しても、チャンネルと出力信号との対応関係は任意に定めてもよい。
本実施形態では、パチンコ機10から出力された各種信号が、台管理装置263、島管理装置264、および中継装置265を介してホールコンピュータ262へと入力される構成としているが、この構成に限られるものではない。例えば、パチンコ機10から直接ホールコンピュータ262へと信号が入力されるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10から出力された信号が、各外部装置を経由する過程で変質してしまい、ホールコンピュータ262が誤ったデータを記憶してしまうことを抑制することができる。また、台管理装置263、島管理装置264、中継装置265のうち、一部を省略してもよい。例えば、島管理装置264に中継装置265の機能を含め、中継装置265を省略してもよい。これにより、ホールの設備投資額や電気代を低減することができる。
本実施形態では、図22、図23に示した内容の信号を出力するように構成しているが、出力される信号は必ずしも本実施形態の構成に限られるものではない。例えば、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される変動パターンコマンドを外部装置へも出力するように構成してもよい。このように構成することで、ホールコンピュータ262等の外部装置は、変動パターンコマンドに含まれる大当たりか否かの情報や、変動期間を示す情報を取得することができる。よって、図柄変動中に、図柄変動の結果を判別することができる。これにより、例えば、特別図柄の外れを示す変動パターンコマンドを受信したにも関わらず、図柄の変動が終了した後で大当たりとなった場合には、何らかの不正行為を行われた可能性があると判別することができる。従って、不正行為を抑制し、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。また、例えば、外部出力端子板261と発射制御装置112とを電気的に接続し、発射制御装置112によって発射が設定された遊技球の個数を示す信号を出力する用に構成してもよい。これにより、遊技者によって打ち出された球数と、アウト口66や各種入賞口へと入球した遊技球の個数とを比較することができる。そして、打ち出された球数に対して、各種入賞口へと入球した遊技球の数が不自然に多い等の異常を検出した場合に、ホールコンピュータ262の操作者に対して異常を報知し、パチンコ機10の点検を行わせることができる。よって、パチンコ機10に対する不正行為や不具合等を早期に発見することができる。
本実施形態では、外部出力端子板261の各チャンネルからパラレル方式で信号を出力するように構成しているが、シリアル方式で信号を出力するように構成してもよい。例えば、外部出力端子板261の出力チャンネルをCN1〜CN3の3種類とし、CN1からは電源オン信号を出力し、CN2からは各種信号に対応する信号を出力し、CN3からは、CN2から出力されるデータが何のデータかを示す信号(クロック)を出力するように構成してもよい。
このシリアル方式について、電源投入時を例に取って、詳しく説明する。まず、CN1がH出力の状態に立ち上がった後、CN3より大当たり状態中であるか否かを通知する期間であることを外部装置に通知する。そして、遊技状態が大当たり中であれば、CN2をH出力の状態とし、大当たり中でなければ、CN2をL出力の状態とする。これにより、外部装置は、大当たり中であるか否かの情報を取得することができる。次いで、CN2の出力を停止すると共に、CN3から特別図柄の高確率状態であるか否かを通知する期間であることを外部装置に通知する。そして、遊技状態が特別図柄の高確率状態であれば、CN2をH出力の状態に設定し、特別図柄の低確率状態であれば、CN2をL出力の状態に設定する。これにより、外部装置は、特別図柄の高確率状態であるか否かの情報を取得することができる。その後、時短状態中であるか否かや、図柄変動中であるか否か、振り分け回転体741が左側に振れた状態であるか否かについても順番に外部装置へと通知する。このように構成することで、外部出力端子板261の出力チャンネルを削減することができるので、外部出力端子板261のコストダウンを図ることができる。また、パチンコ機10と各外部装置、および各外部装置どうしを接続するハーネスの本数も減らすことができるので、パチンコ機10の周辺設備のコストダウンを図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、通常の遊技状態において外部出力装置261から出力される信号が、遊技の状況に応じた情報を通知する信号(図22参照)に限られていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技停止中(パチンコ機10のハンドル51を遊技者が操作していない状態)や、デモ演出中であることを検出した場合に、遊技状態を示す情報を出力するように構成してもよい。この場合において、遊技停止状態、またはデモ演出中の状態が解除されるまで、遊技状態を示す情報を周期的に、或いは不定期で繰り返し出力してもよい。また、ホールコンピュータ262は、遊技状態を示す情報を受信する度に、前回の受信結果と比較することにより、パチンコ機10の遊技状態が変化したか否かを判別するように構成してもよい。遊技停止中や、デモ演出中に遊技状態が変化する場合は、パチンコ機10に対して異常が発生していたり、パチンコ機10に対して不正行為が行われた可能性が高いので、遊技状態を繰り返し確認することにより、異常動作や不正行為を迅速に検出し、対応することができる。
<第2実施形態>
次に、図67〜図77を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、外部出力端子板261のCN1から出力される信号を、パチンコ機10の電源の状態に連動して変化させていた。即ち、パチンコ機10が電源オンの状態の間は、CN1がH出力の状態に設定され続けるように構成し、パチンコ機10が電源断となった場合には、次に電源が投入されるまで、CN1がL出力の状態に設定され続けるように構成していた。このCN1の出力状態に基づいて、ホールコンピュータ等の外部装置は、パチンコ機10に電源投入が行われた段階で異常の有無を迅速に(つまり、遊技者が遊技を開始する前に)判断することができるように構成されていた。
これに対して第2実施形態におけるパチンコ機10では、電源が投入されたことを示す信号と、電源断を検出したことを示す信号とをCN1から出力するように構成している。また、電源投入を示す信号や、電源断を示す信号を出力した後は、CN1を用いて遊技状態に応じた信号の一部を出力するように構成している。更に、通常時においては、CN1より遊技の状況に応じた信号の一部を出力するように構成している。
即ち、CN1から複数の信号を異なるタイミングで出力可能に構成している。なお、上記のCN1から出力される各信号は、それぞれ出力期間が異なっているため、パチンコ機10からの各種信号を受信した外部装置は、出力期間のちがいによって、容易に各信号の示す情報を判別し、信号に応じた処理を実行することができる。
このように、CN1を電源オン信号の専用チャンネルとしないことにより、チャンネル数を削減することができるので、外部出力端子板261の部品点数や、パチンコ機10と外部装置とを接続するハーネスの本数を削減することができる。よって、パチンコ機10、およびその周辺装置(外部装置)のコストダウンを図ることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110において、NMI割込処理(図41参照)、および立ち上げ処理(図42参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。また、外部出力端子板261より出力される信号の態様が第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、および音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。また、第2実施形態では、ホールコンピュータ262の制御装置272により実行されるメイン処理(図64参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるホールコンピュータ262と相違する。以下、第1実施形態のパチンコ機10、およびホールコンピュータ262と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図67〜図69を参照して、第2実施形態における外部出力端子板261の各出力チャンネルから出力される信号の態様について説明する。まず、図67を参照して、通常の遊技状態(パチンコ機10の立ち上げが終了してから電源断を検出するまで)において外部出力端子板261に設けられている各チャンネル(各出力ピン)から出力される信号の種類について説明する。
図67に示したとおり、第2実施形態における外部出力端子板261のチャンネル数は、13チャンネルであり、第1実施形態における外部出力端子板261のチャンネル数(14チャンネル)よりも1チャンネル減少している。また、第1実施形態においてCN1より出力されていた電源オン信号が、第2実施形態では廃止されている。また、第1実施形態においてCN2〜CN14からそれぞれ出力されていた出力信号が、第2実施形態では、CN1〜CN13から出力されるように構成されている。即ち、第2実施形態では、電源オン信号を廃止した分だけチャンネル数が1チャンネル減少している。なお、第2実施形態においてCN1〜CN13の各チャンネルから出力される信号の内容は、第1実施形態においてCN2〜CN14の各チャンネルから出力される信号の内容と同一である。
次に、図68を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の立ち上げ時、および電源断を検出した際に、外部出力端子板261から出力される信号の種類について説明する。図68は、外部出力端子板261の各チャンネルから出力される信号の内容をそれぞれ示した図である。
図68に示したとおり、第2実施形態における外部出力端子板261では、CN1〜CN7の7チャンネルを用いて遊技状態を示す情報を出力するように構成されている。これらの7チャンネルのうち、CN1は、複数種類の信号を出力可能に構成されている。具体的には、CN1からは、電源投入を検出した場合に、電源が投入されたことを外部装置へと通知するための信号と、電源断が発生した場合に、電源断を外部装置へと通知するための信号と、第1実施形態のパチンコ機10において、CN2より出力されていた特別遊技状態信号とが出力可能に構成されている。
上記3種類の信号は、それぞれ出力期間が異なっているので、外部装置は、出力期間を判別することによって、パチンコ機10のCN1から出力されたのが上記3種類の信号のうち、いずれの信号であるかを識別することができる。具体的には、電源が投入されたことを外部装置へと通知するための信号は、H出力の期間が0.5秒に設定され、電源断を外部装置へと通知するための信号は、H出力の期間が0.3秒に設定される。また、第1実施形態の説明において上述した通り、特別遊技状態信号は、H出力の期間が0.1秒に設定される。なお、本実施形態における特別遊技状態信号は、電源が投入されたことを外部装置へと通知するための信号、または電源断を外部装置へと通知するための信号の出力が終了してから外部装置へと出力される。
また、CN2〜CN7の各チャンネルからは、それぞれ第1実施形態におけるCN3〜CN8の各チャンネルから出力される信号と同一の信号が出力される。なお、本実施形態において、CN2〜CN7の各チャンネルから出力される信号は、電源が投入されたことを外部装置へと通知するための信号、または電源断を外部装置へと通知するための信号の出力が終了してから外部装置へと出力される。
このように、電源投入時、および電源断の発生時に、他の信号とは出力期間の異なる信号を出力することにより、電源投入時、および電源断の発生時以外の状態では、異なる信号を出力することができる(電源の状態を通知するための信号と、他の信号とを1つのチャンネルで出力できる)ので、外部出力端子板261のチャンネル数を削減することができる。よって、外部出力端子板261の部品点数や、外部出力端子板261と外部装置とを接続するハーネスの本数を削減することができるので、パチンコ機10、およびその周辺装置のコストダウンを図ることができる。
次いで、図69のタイムチャートを参照して、第2実施形態における外部出力端子板261が出力する信号の態様の具体例を説明する。図69に示した通り、パチンコ機10に対して電源が投入されると、まず、電源が投入されたことを外部装置へと通知するために、CN1が0.5秒間H出力の状態となる。CN1から0.5秒間のH出力がなされることで、外部装置はパチンコ機10に電源が投入されたことを把握することができる。
CN1がH出力の状態となってから0.5秒が経過すると、CN1がL出力の状態へと立ち下がる。そして、所定期間(0.2秒)の経過後に、遊技状態を示す信号の出力が実行される。図69の例では、遊技状態が大当たり状態中であることを示す特別遊技状態信号が出力される(CN1が0.1秒間H出力の状態となる)。そして、遊技状態を示す信号(図69の例では、特別遊技状態信号)の出力期間(0.1秒)が経過すると、遊技状態を示す信号をL出力の状態に設定すると共に、通知終了信号(CN7)を出力する。この通知終了信号により、外部装置に対して遊技状態を示す信号の出力が終了したことを通知する。ホールコンピュータ等の外部装置は、この通知終了信号を受信すると、今回出力された遊技状態を示す信号により特定される遊技状態と、前回の電源断時の遊技状態とを比較し、パチンコ機10の異常や不正行為の有無を判別する。
通知終了信号の出力が完了すると、立ち上げ処理におけるウエイト処理(図73のS1313参照)によりサブ側の制御装置が動作可能となるまで待機するための期間が設定されるため、この間は外部出力信号の出力も停止される。パチンコ機10の立ち上げ処理(図73参照)が終了した後は、外部出力端子板261の各チャンネルから遊技の状況に応じた情報(図67参照)が出力される。ホールコンピュータ262等の外部装置は、外部出力端子版261から出力された情報(アウト球数や賞球数等を示す情報)に基づいて、パチンコ機10の遊技の状況をリアルタイムで把握することができる。これにより、各パチンコ機10の出玉率や稼働状況、異常や不正行為の有無等を正確に管理することができる。
また、パチンコ機10の電源断を検出した場合は、電源断が発生したことを外部装置へと通知するために、CN1が0.3秒間H出力の状態となる。CN1から0.3秒間のH出力がなされることで、外部装置はパチンコ機10に電源が投入されたことを把握することができる。
CN1がH出力の状態となってから0.3秒が経過すると、CN1がL出力の状態へと立ち下がる。そして、所定期間(0.2秒)の経過後に、遊技状態を示す信号の出力が実行される。図69の例では、遊技状態が大当たり状態中であることを示す特別遊技状態信号が出力される(CN1が0.1秒間H出力の状態となる)。そして、遊技状態を示す信号(図69の例では、特別遊技状態信号)の出力期間(0.1秒)が経過すると、遊技状態を示す信号をL出力の状態に設定すると共に、通知終了信号(CN7)を出力する。この通知終了信号により、外部装置に対して遊技状態を示す信号の出力が終了したことを通知する。ホールコンピュータ等の外部装置は、この通知終了信号が出力されるまでに通知された遊技状態を示す情報をハードディスク273に記憶しておき、次回の電源投入時に異常の有無を判別するために用いる。また、次回の電源投入まで、ハードディスク273に記憶した情報が上書きされないように制御する。つまり、通知終了信号を受信した後に外部出力端子板261のいずれかのチャンネルからH出力の信号を受信したとしても、その信号に基づいて情報が上書きされることを禁止する。これにより、ノイズ等の影響により、信号が変質し、H出力の信号が出力されたと判別したとしても、その異常なデータに基づいてデータが上書きされることを抑制できるので、電源投入時に、異常や不正行為の有無を正確に把握することができる。
<第2実施形態におけるホールコンピュータの電気的構成について>
次に、図70を参照して、第2実施形態におけるホールコンピュータ262のハードディスク273にも受けられている第1データ格納エリア273aについて説明する。図70に示す通り、第2実施形態における第1データ格納エリア273aは、第1実施形態の構成に加え、電源投入フラグ273a14と、状態通知フラグ273a15とが設けられている。
電源投入フラグ273a14は、1番台のパチンコ機10に対して電源が投入されているか否かを示すフラグである。この電源投入フラグ273a14がオンであれば、パチンコ機10に対して電源が投入されていることを示し、オフであれば電源断の検出後であることを示す。ホールコンピュータ262は、外部出力信号を受信した場合に、この電源投入フラグ273a14に基づいて、外部出力信号に対応するデータを格納する記憶領域を選択する。
状態通知フラグ273a15は、1番台のパチンコ機10に対して電源が投入された場合、または、電源断が発生した後に、遊技状態を示す情報の受信が終了したか否かを示すフラグである。この状態通知フラグ273a15がオンであれば、遊技状態を示す情報の受信が終了していることを示し、オフであれば、遊技状態を示す情報の受信が未完了であることを示す。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図71〜図74を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図71を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行されるNMI割込処理について説明する。図71は、主制御装置110のNMI割込処理を示すフローチャートである。
この主制御装置110のNMI割込処理のうち、S1201の処理では、第1実施形態における主制御装置110のNMI割込処理(図41参照)のS1201の処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態における主制御装置110のメイン処理では、S1201の処理が完了すると、電源断通知処理を実行し(S1211)、本処理を終了する。図72を用いて後述するが、電源断通知処理(S1211)は、電源断が検出されたことを外部装置へと通知するための処理である。
次いで、図72のフローチャートを参照して、上記した電源断通知処理(S1211)について説明する。この電源断通知処理では、まず、外部出力端子板261のCN1の出力をH出力の状態に設定する(S3801)。そして、H出力に設定してから0.3秒が経過するまで処理をループし(S3802:No)、0.3秒が経過したと判別した場合は(S3802:Yes)、CN1をL出力の状態に設定する。そして、L出力の状態に設定してから0.2秒が経過するまで処理をループし(S3804:No)、0.2秒が経過したと判別した場合は(S3804:Yes)、本処理を終了してメイン処理(図71参照)に戻る。
この電源断通知処理により、CN1を0.3秒間H出力の状態に設定することができる。このように、他の信号の出力期間(0.1秒や0.2秒等)とは異なる出力期間の信号を出力することにより、ホールコンピュータ262等の外部装置は容易にパチンコ機10が電源断を検出したことを判別できる。また、0.3秒間の出力期間が経過した後、0.2秒間H出力の状態にすることができる。このように0.2秒間のL出力期間を設定することにより、電源投入を示す信号と、その後に出力される信号とを容易に区別することができる。
また、電源断時に出力される信号の出力期間(0.3秒間)を、電源投入時に出力される信号の出力期間(0.5秒間)よりも短く構成している。これにより、電源断が検出されてから、完全に電源が遮断されるまでの間に(コンデンサ等の蓄電手段に蓄電されていた電力を使い切るまでの間に)、電源断の発生を通知した上で遊技状態を示す情報の出力も完了させることができる。
本実施形態では、電源断時に出力される信号の出力期間を0.3秒間としているが、これに限られるものではない。例えば、電源断時に出力される信号の出力期間を他の信号よりも短く(例えば、0.05秒)してもよい。これにより、電源断が発生してから完全に電源が遮断されるまでの期間を短くしても、遊技状態を示す情報を出力しきることができる。よって、電源断の発生後に電力を供給する蓄電手段の容量を少なくすることができる。よって、パチンコ機10のコストダウンを図ることができる。また、電源断が検出された場合に出力される信号の出力期間を、他の信号よりも長く(例えば、0.7秒)してもよい。これにより、ホールコンピュータ262等の外部装置が信号の出力期間を検出するための処理を、比較的長い時間間隔で行うことができる。よって、外部装置の処理負荷を軽減することができる。
次に、図73のフローチャートを参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される立ち上げ処理について説明する。上述の通り、この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
この立ち上げ処理のうち、S1301、およびS1303〜S1319の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図42参照)のS1301、およびS1303〜S1319の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態における立ち上げ処理では、電源投入に伴う初期設定処理(S1301)が終了すると、次いで、パチンコ機10に対して電源が投入されたことを外部装置へと通知するための、電源投入通知処理を実行し(S1321)、S1303の処理へと移行する。
次いで、図74のフローチャートを参照して、上記した電源投入通知処理(S1321)について説明する。この電源投入通知処理では、まず、外部出力端子板261のCN1の出力をH出力の状態に設定する(S3901)。そして、H出力に設定してから0.5秒が経過するまで処理をループし(S3902:No)、0.5秒が経過したと判別した場合は(S3902:Yes)、CN1をL出力の状態に設定する。そして、L出力の状態に設定してから0.2秒が経過するまで処理をループし(S3904:No)、0.2秒が経過したと判別した場合は(S3904:Yes)、本処理を終了して立ち上げ処理(図73参照)に戻る。
この電源投入通知処理により、CN1を0.5秒間H出力の状態に設定することができる。このように、他の信号の出力期間(0.1秒や0.2秒等)とは異なる出力期間の信号を出力することにより、ホールコンピュータ262等の外部装置は容易にパチンコ機10に対して電源が投入されたことを判別することができる。また、0.5秒間の出力期間が経過した後、0.2秒間H出力の状態にすることができる。このように0.2秒間のL出力期間を設定することにより、電源投入を示す信号と、その後に出力される信号とを容易に区別することができる。
<第2実施形態におけるホールコンピュータの制御処理について>
次いで、図75〜図77を参照して、第2実施形態におけるホールコンピュータ262の制御装置272により実行される各主制御処理について説明する。まず、図75を参照して、制御装置272により実行されるメイン処理について説明する。
このメイン処理のうち、S3501、およびS3503〜S3508の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図64参照)のS3501、およびS3503〜S3508の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態におけるメイン処理では、電源投入に伴う初期設定処理(S3501)が終了すると、次いで、パチンコ機10に応じたデータ格納エリアの各種フラグを更新するための、フラグ設定処理を実行し(S3511)、次に、パチンコ機10から受信した信号に応じた処理を実行する信号受信処理2を実行し(S3512)、S3503の処理へと移行する。これらのフラグ設定処理(S3511)、および信号受信処理2(S3512)の詳細については、図76、および図77を参照して後述する。
次に、図76のフローチャートを参照して、上記したフラグ設定処理(S3511)について説明する。このフラグ設定処理は、第2実施形態におけるホールコンピュータ262の制御装置272により実行されるメイン処理(図75参照)の中で実行される処理であり、パチンコ機10に応じたデータ格納エリアの各種フラグを更新するための処理である。
フラグ設定処理では、まず、電源の投入を示す信号を受信したか否かを判別する(S4001)。なお、電源の投入を示す信号とは、上述した通り、パチンコ機10のCN1より出力される0.5秒間のH出力信号を指す。S4001の処理において、電源の投入を示す信号を受信したと判別した場合は(S4001:Yes)、その電源の投入を示す信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの電源投入フラグをオンに設定すると共に、状態通知フラグをオフに設定し(S4002)、本処理を終了する。例えば、1番台のパチンコ機10であれば、第1データ格納エリア273aの電源投入フラグ273a14をオンに設定し、状態通知フラグ273a15をオフに設定する。
電源投入フラグ273a14をオンに設定することにより、パチンコ機10に電源が投入された状態であると判別でき、状態通知フラグ273a15をオフに設定することにより、電源投入時にパチンコ機10から出力される遊技状態を示す情報の受信が未完了であると判別できる。よって、パチンコ機10から出力される信号の種別を正確に把握することができる。
S4001の処理において、電源の投入を示す信号を受信していないと判別した場合は(S4001:No)、次いで、電源断の発生を示す信号をCN1より受信したか否かを判別する(S4003)。なお、電源断の発生を示す信号とは、上述した通り、パチンコ機10のCN1より出力される0.3秒間のH出力信号を指す。S4003の処理において、電源断の発生を示す信号を受信したと判別した場合は(S4003:Yes)、その電源断の発生を示す信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの電源投入フラグと、状態通知フラグとをオフに設定し(S4004)、本処理を終了する。例えば、1番台のパチンコ機10であれば、第1データ格納エリア273aの電源投入フラグ273a14と、状態通知フラグ273a15とをオンに設定する。
電源投入フラグ273a14をオフに設定することにより、パチンコ機10に電源断が発生したと判別でき、状態通知フラグ273a15をオフに設定することにより、電源断の発生時にパチンコ機10から出力される、遊技状態を示す情報の受信が未完了であると判別できる。よって、パチンコ機10から出力される信号の種別を正確に把握することができる。
S4003の処理において、電源断の発生を示す信号を受信していないと判別した場合は(S4003:No)、次いで、通知終了信号を受信したか(CN7より出力期間が0.1秒のH出力信号を受信したか)否かを判別し(S4005)、通知終了信号を受信していないと判別した場合は(S4005:No)そのまま本処理を終了する。
S4005の処理において、通知終了信号を受信した(CN7より出力期間が0.1秒のH出力信号を受信した)と判別した場合は(S4005:Yes)、状態通知信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの状態通知フラグをオンに設定する(S4006)。例えば、1番台のパチンコ機10であれば、第1データ格納エリア273aの状態通知フラグ273a15をオンに設定する。これにより、パチンコ機10から遊技状態を示す情報の受信が完了したことを示す。
次いで、通知終了信号を出力したパチンコ機10に対応する電源投入フラグの状態がオンであるか否かを判別し(S4007)、オンであると判別した場合は(S4007:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S4007の処理において、電源投入フラグの状態がオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4007:No)、通知終了信号を出力したパチンコ機10に対応する立ち上げフラグをオフに設定し(S4008)、本処理を終了する。
ここで、電源投入フラグがオフの状態で通知終了信号を受信した場合は、電源断の発生時にパチンコ機10から出力された遊技状態を示す信号の受信が終了したことを示す。よって、S4008の処理において立ち上げフラグをオフに設定しておくことにより、次回の電源投入時に、遊技状態を示す信号が未受信であることを判別することができる。
次に、図77のフローチャートを参照して、上記した信号受信処理2(S3512)について説明する。この信号受信処理2は、第2実施形態におけるホールコンピュータ262の制御装置272により実行されるメイン処理(図75参照)の中で実行される処理であり、第1実施形態における信号受信処理(図65参照)と同様に、パチンコ機10から受信した信号に応じた処理を実行する処理である。
この信号受信処理2(S3512)のうち、S3601、およびS3605〜S3613の各処理では、それぞれ第1実施形態における信号受信処理(図65参照)のS3601、およびS3605〜S3613の各処理と同一の処理が実行される。そして、本実施形態の信号受信処理2(S3512)では、S3601の処理において、パチンコ機10から外部出力信号を受信した(外部出力端子261からH出力の信号を受信した)と判別した場合に(S3601:Yes)、その外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応する電源投入フラグがオンであるか否かを判別する(S3621)。そして、電源投入フラグがオンであると判別した場合は(S3621:Yes)、S3605の処理へ移行する。一方、電源投入フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S3621:No)、次いで、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応する状態通知フラグがオンであるか否かを判別する(S3622)。
S3622の処理において、状態通知フラグがオンでない(オフである)と判別した場合は(S3622:No)、今回受信した外部出力信号が、電源断の発生に基づいてパチンコ機10から出力された遊技状態を示す情報であるので、受信した外部出力信号に基づいて、電断時情報格納エリアの情報を更新して(S3623)、本処理を終了する。
S3622の処理により、状態通知フラグがオンであると判別した場合は(S3622:Yes)、電源断の検出に伴ってパチンコ機10から出力された遊技状態を示す信号を受信し、電断時情報格納エリアに遊技状態を示す情報を記憶済みであることを示す。よって、今回受信した外部出力信号は、ノイズ等の影響により誤って外部出力信号が受信されたと判別されたと考えられるので、S3623の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。これにより、電断時情報格納エリアの情報を誤った情報に書き換えてしまうことを抑制し、次回の電源投入時に、パチンコ機10において異常や不正行為の有無を正確に判別することができる。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10では、パチンコ機10の電源投入時、および電源断の検出時に、外部出力端子板261のCN1より態様の異なる複数種類の信号を出力可能に構成している。
具体的には、電源を投入したことを外部装置へと通知する信号と、電源断を検出したことを外部装置へと通知する信号と、遊技状態が大当たり中である場合に出力される信号とが出力可能とされている。これらの信号は、出力期間(H出力の状態に設定される期間)がそれぞれ異なっており、ホールコンピュータ262等の外部装置は、この出力期間の違いによって、CN1から出力された信号の種別を判別することができる。
このように、CN1を、複数の信号を出力可能な共用チャンネルとすることにより、第1実施形態におけるパチンコ機10に比較して、チャンネル数を削減することができる。よって、外部出力端子板261の部品点数や、パチンコ機10と外部装置とを接続するハーネスの本数を削減することができる。よって、パチンコ機10、およびその周辺装置(外部装置)のコストダウンを図ることができる。
本実施形態では、電源を投入したことを外部装置へと通知する信号の出力期間(H出力の状態とする期間)を、0.5秒間とし、電源断を検出したことを外部装置へと通知する信号の出力期間(H出力の状態とする期間)を、0.3秒間とし、特別遊技状態信号の出力期間(H出力の状態とする期間)を0.1秒間としているが、これに限られるものではなく、3種の信号を外部装置が識別可能な範囲で任意に定めることができる。例えば、電源断を検出したことを外部装置へと通知する信号の出力期間が短くなるように(例えば、0.05秒等)構成してもよい。このように、電源断を検出したことを通知する信号の出力期間を短くすることにより、遊技状態を示す情報を出力し終わるまでの時間を短くすることができる。よって、電源断の発生後に電力を供給する蓄電手段の容量を少なくすることができる。従って、容量の少ない蓄電手段を導入することにより、パチンコ機10のコストダウンを図ることができる。また、電源断が検出された場合に出力される信号の出力期間を、他の信号よりも長く(例えば、0.7秒)してもよい。これにより、ホールコンピュータ262等の外部装置が信号の出力期間を検出するための処理を、比較的長い間隔で行うことができる。よって、外部装置の処理負荷を軽減することができる。
また、例えば、電源を投入したことを外部装置へと通知する信号の出力期間が短くなるように(例えば、0.1秒等)構成してもよい。このように、電源を投入したことを通知する信号の出力期間を短くすることにより、遊技状態を示す情報を出力し終わるまでの時間を短くすることができる。よって、立ち上げ処理(図73参照)に要する時間を短くすることができるので、電源を投入してから遊技の開始が可能となるまでの時間をより短くすることができる。また、電源の投入が検出された場合に出力される信号の出力期間を、他の信号よりも長く(例えば、0.7秒)してもよい。これにより、ホールコンピュータ262等の外部装置が信号の出力期間を検出するための処理を、比較的長い間隔で行うことができる。よって、外部装置の処理負荷を軽減することができる。
本実施形態では、電源を投入したことを外部装置へと通知する信号と、電源断を検出したことを外部装置へと通知する信号とを、CN1から出力するように構成しているが、別々のチャンネルから出力するように構成してもよい。例えば、CN2から電源を投入したことを外部装置へと出力する信号を出力し、CN3から電源断を検出したことを外部装置へと通知する信号を出力するように構成してもよい。また、電源を投入したことを外部装置へと通知する信号と、電源断を検出したことを外部装置へと通知する信号とを、遊技状態を示す信号を出力するチャンネル以外のチャンネルから出力するように構成してもよい。例えば、CN8から電源を投入したことを外部装置へと通知する信号と、電源断を検出したことを外部装置へと通知する信号とを出力してもよい。また、CN8から電源を投入したことを外部装置へと通知する信号を出力し、CN9から電源断を検出したことを外部装置へと通知する信号を出力するように構成してもよい。これにより、CN1〜CN7は、遊技状態を示す情報のみを出力すればよく、短い間隔で信号のH出力状態とL出力状態とを切り替える必要がなくなる。よって、信号のH出力状態とL出力状態との切替ミスを抑制し、各ピンから遊技状態を示す情報を正確に出力することができる。
<第3実施形態>
次に、図78〜図100を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、外部出力端子板261のCN1から出力される信号を、パチンコ機10の電源の状態に連動して変化させていた。即ち、パチンコ機10が電源オンの状態の間は、CN1がH出力の状態に設定され続けるように構成し、パチンコ機10が電源断となった場合には、次に電源が投入されるまで、CN1がL出力の状態に設定され続けるように構成していた。このCN1の出力状態に基づいて、ホールコンピュータ262等の外部装置は、パチンコ機10に電源投入が行われた段階で異常の有無を迅速に(つまり、遊技者が遊技を開始する前に)判断することができるように構成されていた。
これに対して第3実施形態におけるパチンコ機10では、電源がパチンコ機10に投入された場合に、外部出力端子板261の各出力チャンネルからそれぞれ独立して所定の信号を通知する期間と、複数の出力チャンネルのうち、いくつかを組み合わせて所定の信号を出力する期間とが設定されている点で相違する。なお、第1実施形態と同一の構成については、その詳細な説明は省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
まず、図78〜図85を参照して、第3実施形態のパチンコ機10、およびホールコンピュータ262の電気的構成について説明する。第3実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更されており、また、ホールコンピュータ262に設けられたハードディスク273の構成が一部変更されている。その他の構成については、同一であるのでその詳細な説明は省略する。
図78は、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第3実施形態におけるRAM203は、第1実施形態のRAM203に対して、変動種別格納エリア203sと、停止種別格納エリア203tと、大当たり種別格納エリア203uとがそれぞれ追加されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
変動種別格納エリア203sは、選択された変動パターンが記憶される記憶エリアである。この変動種別格納エリア203sに格納された変動パターン種別に基づいて、外部出力端子版261よりホールコンピュータ262等の外部装置へと変動パターン種別が出力される。ホールコンピュータ262は、外部出力端子板261より通知された変動パターン種別に基づいて、変動パターンの履歴を記憶する。
停止種別格納エリア203tは、選択された停止種別が記憶される記憶エリアである。この変動種別格納エリア203sに格納された停止種別に基づいて、外部出力端子版261よりホールコンピュータ262等の外部装置へと変動パターン種別が出力される。ホールコンピュータ262は、外部出力端子版261より通知された停止種別に基づいて、停止種別の履歴を記憶する。
大当たり種別格納エリア203uは、大当たりに当選した場合に、大当たり種別を記憶しておくための記憶エリアである。この大当たり種別格納エリア203uに格納された大当たり種別に基づいて、外部出力端子版261よりホールコンピュータ262等の外部装置へと今回の大当たり種別が出力される。ホールコンピュータ262は、外部出力端子版261より通知された大当たり種別に基づいて、大当たり種別の履歴を記憶する。
次に、本実施形態における主制御装置110のROM202について説明する。本第3実施形態における主制御装置110のROM202は、第1実施形態に対して、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図79は、本第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bでは、大当たりA〜大当たりDの4種類の大当たり種別が設定されており、各大当たり種別に対して、第1当たり種別カウンタC2の判定値がそれぞれ割り付けされている。
大当たりAは、大当たりの1ラウンド目において、抽選装置700の流路が手前側の流路に設定される期間に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放される(図16(a)参照)、ラウンド数が2ラウンドの大当たり(2ラウンド手前ルート大当たり)である。また、大当たりBは、大当たりの1ラウンド目において、抽選装置700の流路が手前側の流路に設定される期間に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放される、ラウンド数が4ラウンドの大当たり(4ラウンド手前ルート大当たり)であり、大当たりCは、大当たりの1ラウンド目において、抽選装置700の流路が手前側の流路に設定される期間に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放される、ラウンド数が8ラウンドの大当たり(8ラウンド手前ルート大当たり)である。
また、大当たりDは、大当たりの1ラウンド目において、抽選装置700の流路が奥側の流路に設定される期間に第2特定入賞口(第2大開放口)140aが開放される(図16(b)参照)、ラウンド数が8ラウンドの大当たり(8ラウンド奥ルート大当たり)である。このように、第1実施形態に対して、本第3実施形態では、大当たり種別の数が多く設定され、遊技が多様化されている。
また、上述した通り、遊技球が抽選装置700の奥側の流路を通過する場合には、遊技球が抽選装置700の手前側の流路を通過するよりも有利となる。本実施形態では、遊技者にとって有利な奥ルート大当たりを、比較的ラウンド数の多い8ラウンドの大当たり(大当たりD)のみとすることにより、大当たりDに当選することにより遊技者が抱く喜びをより強いものとすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、大当たり種別は、本実施形態の4種に限られるものではなく、より多くの大当たり種別を設けてもよい。大当たり種別を多様化することにより、大当たりに当選した場合にいずれの大当たり種別であるかに興味を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図80〜図83を参照して、本第3実施形態におけるホールコンピュータ262に対して出力される外部出力信号について説明する。
本第3実施形態では、パチンコ機10に電源が投入されてから(作動用の電力が主制御装置110に供給開始されてから)、複数ピン出力モードへの切替を示す信号(以後、出力モード切替信号)が出力されるまでの期間が単ピン出力モード期間として設定される(図84参照)。この単ピン出力モード期間は、外部出力端子板261の出力チャンネル(出力端子)のそれぞれが単独で一つの信号として構成され出力される期間である。
単ピン出力モード中に出力モード切替信号が出力されると、複数ピン出力モードが設定される。この複数ピン出力モードが設定される期間は、出力モード切替信号が出力されてから、主制御装置110のMPU201が実行する立ち上げ処理(図42参照)が終了するまでの期間である。
複数ピン出力モードが設定されている期間では、外部出力端子板261の複数の出力チャンネルを組み合わせることにより一つの信号を構成してホールコンピュータ262に対して出力する。
本第3実施形態では、立ち上げ処理(図42参照)が終了し、通常の処理(メイン処理(図47参照)が実行可能となる期間)となると、単ピンモードが設定される。この通常時の単ピンモードにおいて、大当たり遊技が開始され、大当たり状態信号(CN12(図80参照))が0.5秒間出力されることにより複数ピン出力モードが設定される。なお、この設定された複数ピン出力モード期間は、大当たり終了時に外部出力端子板261のCN12が0.1秒間出力されることで、単ピン出力モードに切替られる。
このように、外部出力端子板261のCN12(通常時は、大当たり状態信号)の信号出力期間を可変させることで、複数ピン出力モードの開始と終了時とをそれぞれ判別可能に構成している。
なお、本実施形態では、立ち上げ時において、出力モード切替信号を出力することにより、ピンモードを切り替えるように構成したが、それに限らず、電源オン信号(CN1)を出力してから、一定期間(例えば、2秒間)は単ピン出力モードに設定して、その後、一定期間(例えば、2秒間または、立ち上げ処理終了まで)を複数ピン出力モードに設定するように構成してもよい。このように構成することで、切替信号を出力する制御処理をする必要がなく、制御負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、大当たり遊技が開始されると複数ピン出力モードを設定することで、情報量の多い信号を出力可能としたが、大当たり遊技中以外の期間を複数ピン出力期間として設定するように構成してもよい。さらに、複数ピン出力期間と単ピン出力期間とを交互に設定するように構成して、更に多い情報量をホールコンピュータ262に対して、外部出力端子板261の端子数の増大を抑制して出力できるように構成してもよい。
図80は、通常時の単ピン出力モードにおける外部出力信号の一覧を示した図である。この単ピンモード出力モードは、第1実施形態における通常時の外部出力信号(図22参照)に対して、大当たり中信号(CN12)が大当たり状態信号(CN12)に変更されている点で相違する。大当たり状態信号(CN12)は、大当たり遊技が開始されたタイミングに0.5秒間H出力の状態に設定される信号である。この大当たり状態信号を出力することにより、パチンコ機10が大当たりに当選したことをホールコンピュータ262等の外部装置へと通知することができる。また、複数ピン出力期間に移行したことを外部装置へと通知することができる。ホールコンピュータ262は、この大当たり状態信号を受信することに基づいて、パチンコ機10の大当たり回数を1加算する。また、複数ピン出力モードの信号を受け付け可能に設定する。なお、CN12以外の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図81を参照して、通常時における複数ピン出力モードの外部出力信号について説明する。図81は、この通常時の複数ピン出力モードにおける外部出力信号一覧を示した図である。複数ピン出力モードが設定されると、CN6とCN12とを組み合わせる事により2ビットの当たり種別信号が出力される。この当たり種別信号は、大当たりAである場合に、「00(LL)」の2ビット信号が出力される(CN6、およびCN12が共にL出力の状態に設定される)。
一方、大当たりBである場合には、「01(LH)」の2ビット信号が出力され(CN6がH出力の状態、CN12がL出力の状態に設定され)、大当たりCである場合には、「10(HL)」の2ビット信号が出力される(CN6がL出力の状態、CN12がH出力の状態に設定される)。更に、大当たりDである場合には、「11(HH)」の2ビット信号が出力される(CN6、およびCN12が共にH出力の状態に設定される)。また、CN6、およびCN12から出力されるH出力の信号は、それぞれ0.2秒間出力される。
一方、図80に示した通り、単ピン出力モードにおいて、CN6、およびCN12の出力期間はそれぞれ1秒間、0.5秒間であり、単ピン出力モードと複数ピン出力モードとで信号の出力期間が異なるように構成している。このように、単ピン出力モードと複数ピン出力モードとで信号の出力期間を変えることにより、大当たり状態信号(CN12)をホールコンピュータ262が受信出来なかった場合にも、現在のモードを判別できるように構成している。
また、複数ピン出力モードにおいて、大当たり種別を通知するための2ビットの信号を出力するチャンネルとしてCN6とCN12とを選択しているのは、CN6、およびCN12から出力される信号が大当たり中には出力される可能性の無い信号種別だからである。即ち、CN6から出力される信号は、図柄の変動が停止したことを示す信号であり、特別図柄の変動自体が行われない大当たり中には図柄停止が行われることはなく、図柄停止信号を出力する機会もない。また、CN12から出力される信号は、大当たりの開始を示す信号であり、大当たりが開始された後は出力する機会がない。よって、大当たり中に使用しない出力チャンネルを用いて複数ピン出力モードの信号(当たり種別信号)を出力するように構成することで、チャンネル数を増やすことなく、情報量の多い信号を外部装置へと出力することができる。
次に、図82、および図83を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の立ち上げ時、および電源断を検出した際に、外部出力端子板261から出力される信号の種類について説明する。本実施形態では、立ち上げ時、および電源断時にも、単ピン出力モードと、複数ピン出力モードとが設定されるように構成されている。
まず、図82は、電源の投入後、および電源断の検出後に設定される単ピン出力モードにおいて、外部出力端子板261の各チャンネルから出力される信号の内容をそれぞれ示した図である。この単ピン出力モードの状態は、電源投入が行われた際、および電源断を検出した際に移行する。
図82に示した通り、第3実施形態における単ピン出力モードにおいて、CN8から出力される信号以外は、第1実施形態における外部出力端子版261より立ち上げ時、および電源断の検出時に出力される信号と同一の信号が出力される。そして、第3実施形態における外部出力端子版261のCN8からは、立ち上げ時、および電源断の検出時、且つ、単ピン出力モード時において、出力モード切替信号が出力可能に構成されている。この出力モード切替信号は、信号の出力モードが切り替わることをホールコンピュータ262等の外部装置に通知するための信号である。つまり、立ち上げ時、または電源断の検出時に、単ピン出力モードの出力が終了すると、出力モード切替信号を出力する(CN8を0.1秒間のH出力状態とする)ことにより、複数ピン出力モードへと切り替わることを外部装置へと通知する。この出力モード切替信号により、外部装置は次に受信する信号の出力モードを容易に判別することができ、出力モードに対応した信号を適切に受信することができる。
次いで、図83を参照して、電源投入に基づく立ち上げ時、および電源断の検出後に設定される複数ピン出力モードにおいて、外部出力端子板261の各チャンネルから出力される信号の内容をそれぞれ示した図である。この複数ピン出力モードには、単ピン出力モードにおいてCN8より出力モード切替信号が出力された後で移行する。
図83に示した通り、電源投入に基づく立ち上げ時、および電源断の検出後に設定される複数ピン出力モードにおいて、CN1からは、他の状態(図80〜図83参照)と同様に電源オン信号が出力される。また、複数ピン出力モードでは、CN2〜CN7の出力を組み合わせて6ビットの状態通知信号が出力される。この状態通知信号は、普通図柄の時短回数や、大当たり種別を通知するために用いられる。
具体的には、電源の投入時、または電源断の検出時が普通図柄の時短中であった場合(つまり、単ピン出力モードにおいて時短信号が出力された場合)に、CN2〜CN7の6チャンネルから出力される信号(6ビット信号)を用いて、0回〜50回のいずれかの時短回数を通知する。例えば、残りの時短回数が30回である場合は、CN2〜CN7の各チャンネルの出力が、「011110(LHHHHHL)」となるように設定する。これは、時短回数「30回」を2進数で表した値であり、10進数換算で「30」となる。これにより、ホールコンピュータ等の外部装置は容易に残りの時短回数を認識することができる。そして、前回の電源断時と、今回の電源投入時とで、複数ピン出力モードにより通知される時短回数が異なっていた場合は、パチンコ機10に対して何らかの異常、または不正行為が行われている可能性があると判断することができるので、異常を報知することにより、異常や不正行為を抑制することができる。
また、時短回数を通知するための信号の出力期間は0.3秒間に設定される。即ち、他の状態において各チャンネルから出力される信号の出力期間(図80〜図82参照)とは異なる出力期間となるように設定される。これにより、単ピン出力モードにおいてCN8より出力された出力モード切替信号を、ホールコンピュータ262が正常に受信できなかった場合であっても、出力期間の違いによって、受信した信号が複数ピン出力モードの信号であると判別することができる。
一方、電源の投入時、または電源断の検出時が大当たり状態中であった場合(つまり、単ピン出力モードにおいて特別遊技状態信号が出力された場合)に、CN2〜CN7の6ビットのうち、下位2ビット(CN2、およびCN3)を用いて大当たり種別を通知するように構成されている。
具体的には、大当たり種別が大当たりAである場合に、「00(LL)」の2ビット信号が出力され(CN2、およびCN3が共にL出力の状態に設定される)、大当たりBである場合には、「01(LH)」の2ビット信号が出力され(CN2がH出力の状態、CN3がH出力の状態に設定され)、大当たりCである場合には、「10(HL)」の2ビット信号が出力される(CN2がL出力の状態、CN3がH出力の状態に設定される)、大当たりDである場合には、「11(HH)」の2ビット信号が出力される(CN6、およびCN3が共にH出力の状態に設定される)。なお、これらの信号が出力されている間、CN4〜CN7は全てL出力の状態に設定される。
また、この大当たり種別を通知する信号の出力期間は0.3秒間に設定される。即ち、他の状態において各チャンネルから出力される信号の出力期間(図80〜図82参照)とは異なる出力期間となるように設定される。これにより、単ピン出力モードにおいてCN8より出力された出力モード切替信号を、ホールコンピュータ262が正常に受信できなかった場合であっても、出力期間の違いによって、受信した信号が複数ピン出力モードの信号であると判別することができる。
また、図83に示す通り、複数ピン出力モードにおいて、CN8は不使用のチャンネルとなる(信号が出力されない)。これは、単ピン出力モードにおいてCN8から出力モード切替信号が出力されるためである。即ち、複数ピン出力モードにおいてCN8から信号を出力可能に構成すると、CN8から出力された信号を受信した外部装置が、出力モード切替信号と誤認してしまい、複数ピン出力モードの信号を正確に受信できない虞がある。よって、複数ピン出力モードにおいては、CN8から信号が出力されないように構成し、ホールコンピュータ262等の外部装置が信号の出力モードを誤認してしまうことを抑制している。
また、図83に示す通り、複数ピン出力モードにおいて、CN9〜CN13の出力を組み合わせて5ビットの変動種別通知信号が出力される。この変動種別通知信号は、変動パターン種別や、停止種別を通知するために用いられる。
具体的には、電源の投入時、または電源断の発生時に、特別図柄の変動中であった場合に、その変動種別を、CN9〜CN11の3チャンネルから出力される信号(3ビット信号)によりホールコンピュータ262等の外部装置へと通知する。また、停止種別をCN12,CN13の2チャンネルから出力される信号(2ビット信号)によりホールコンピュータ262等の外部装置へと通知する。
変動種別を通知する場合は、例えば、変動種別が「通常外れ」の場合に、CN9〜CN11の各チャンネルの出力が、「001(LLH)」となるように設定し、変動種別が「外れショートリーチ」の場合に、「010(LHL)」となるように設定し、変動種別が「外れロングリーチ」の場合に、「011(LHH)」となるように設定し、「外れスーパーリーチ」の場合に、「100(HLL)」となるように設定すればよい。
また、例えば、変動種別が「当たりショートリーチ」の場合に、CN9〜CN11の各チャンネルの出力が、「101(HLH)」となるように設定し、「当たりロングリーチ」の場合に、「110(HHL)」となるように設定し、「当たりスーパーリーチ」の場合に、「111(HHH)」となるように設定すればよい。また、電源を投入した際、または電源断を検出した際の状態が変動中でない場合には、CN9〜CN11の各チャンネルの出力が、「000(LLL)」となるように設定すればよい。変動中でない場合に、専用の出力状態を設けておくことにより、単ピン出力モードにおいて図柄変動信号を正常に受信できなかった場合であっても、複数ピン出力モードに切り替わった後でCN9〜CN11の各チャンネルから出力される信号の態様に基づいて、変動中であるか否かを判別することができる。
また、外れ時の停止種別を通知する場合は、例えば、停止種別が「完全外れ」の場合に、CN12,CN13の各チャンネルの出力が「01(LH)」となるように設定し、停止種別が「前後外れ以外リーチ」の場合に、「10(HL)」となるように設定し、停止種別が「前後外れリーチ」の場合に、「11(HH)」となるように設定すればよい。なお、電源を投入した際、または電源断を検出した際の状態が変動中でない場合や、当たり変動中である場合は、CN12,CN13の各チャンネルの出力が「00(LL)」となるように設定すればよい。
なお、これらの変動種別、および停止種別を外部装置(ホールコンピュータ262等)へと通知するための信号の出力期間は0.3秒間に設定される。即ち、他の状態において各チャンネルから出力される信号の出力期間(図80〜図82参照)とは異なる出力期間となるように設定される。これにより、単ピン出力モードにおいてCN8より出力された出力モード切替信号を、ホールコンピュータ262が正常に受信できなかった場合であっても、出力期間の違いによって、受信した信号が複数ピン出力モードの信号であると判別することができる。
また、図83に示す通り、複数ピン出力モードにおいて、CN14からは複数ピン出力モードでの遊技状態を示す情報の出力が完了したことを示す信号(通知終了信号)が出力される。この通知終了信号は、状態通知信号、および変動種別通知信号の出力が終了後に0.3秒間H出力の状態に設定される信号である。ホールコンピュータ262は、この通知終了信号に基づいて、パチンコ機10から出力される遊技状態を示す情報の出力が完了したと判断することができる。よって、電源投入に基づく立ち上げの際には、通知終了信号が出力されることに基づいて、前回の電源断に基づいて電断時情報格納エリアへ記憶した情報と、今回通知された遊技状態を示す情報とを比較することができる。また、パチンコ機10が電源断を検出した際には、通知終了信号が出力されることに基づいて、電断時情報格納エリアへ記憶した情報が更新されることを禁止し、パチンコ機10の電源が遮断された後にノイズ等の影響により他の信号(例えば、他のパチンコ機10の外部出力端子板261から出力された信号)が変質してホールコンピュータ262に出力された結果、電断時情報格納エリアの情報が不適切な情報に書き換えられてしまうことを抑制することができる。
次に、図84のタイムチャートを参照して、パチンコ機10に対して電源が投入された際に、普通図柄の時短状態が30回残っていることを通知する場合を例にとり、信号出力モードの切り替わり方について説明する。
パチンコ機10に対して電源が投入されると、第1実施形態と同様に、CN1がH出力の状態に立ち上がる。CN1からH出力の信号を検出することにより、ホールコンピュータ262等の外部装置は、パチンコ機10に電源が投入されたことを判別することができるので、単ピン出力モードの信号を受け付け可能に設定する。その後、MPU201によってRAM203へアクセス可能な状態となり、時短中カウンタ203fの値が30であることを読み出すと、まず、単ピン出力モードの信号として、時短信号を出力する(CN4を0.1秒間H出力の状態に設定する)。この時短信号に基づいて、ホールコンピュータ262は、時短信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの復電時情報格納エリアに対し、普通図柄の時短状態中であることを示す情報を記憶する。
時短信号の出力が終了すると(つまり、CN4をH出力の状態に設定してから0.1秒が経過すると)、次いで、出力モード切替信号が出力される(つまり、CN8を0.1秒間H出力の状態に設定する)。上述した通り、この出力モード切替信号により、単ピン出力モードの信号出力が終了し、複数ピン出力モードへと切り替えることをホールコンピュータ262等の外部装置へ通知することができる。ホールコンピュータ262は、この出力モード切替信号に基づいて、複数ピン出力モードの信号を受け付け可能に設定することができる。
出力モード切替信号の出力が終了すると、次いで、複数ピン出力モードの信号を出力する。この複数ピン出力モードでは、普通図柄の時短回数が残り30回であることを通知するために、CN2〜CN7の出力を組み合わせて、各チャンネルの出力が、0.3秒間「011110(LHHHHHL)」となるように(つまり、10進数での値「30」を2進数に換算した値に対応する出力に)設定する。ホールコンピュータ262は、CN2〜CN7の各チャンネルから出力された信号に基づいて、復電時情報格納エリアに普通図柄の時短回数が30回残っているという情報を記憶する。
CN2〜CN7の各チャンネルの出力が終了すると、次いで、通知終了信号を出力する(つまり、CN14を0.3秒間H出力の状態に設定する)。この通知終了信号を受信すると、ホールコンピュータ262は、パチンコ機10からの遊技状態を示す情報の出力が終了したと判別できる。よって、復電時情報格納エリアに格納した情報により示される遊技状態と、前回の電源断の検出時に電断時情報格納エリアに格納した情報により示される遊技状態とを比較し、立ち上げ時において、パチンコ機10に異常や不正行為の可能性が無いかを確認することができる。また、通知終了信号の出力後は、単ピン出力モードに設定され、通常時用の外部出力信号(図80参照)が出力可能に設定される。この単ピン出力モードは、大当たりに当選するか、電源断を検出するまで継続する。
このように、単ピン出力モードと、複数ピン出力モードとを状態に応じて切り替えることにより、第1実施形態や第2実施形態のパチンコ機10よりもデータ量の多い情報をホールコンピュータ262等の外部装置へと出力することができる。よって、ホールコンピュータ262等の外部装置に対して、パチンコ機10の遊技状態や、遊技の状況をより細かく把握させることができる。これにより、パチンコ機10に発生した異常や、不正行為等をより確実に識別することができる。
次に、図85を参照して、本第3実施形態におけるホールコンピュータ262の電気的構成について説明する。本第3実施形態では、第1実施形態に対して、各パチンコ機10に対応するデータ格納エリアの内容がそれぞれ変更されている。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図85は、本第3実施形態におけるホールコンピュータ262の第1データ格納エリア273aの内容を示した模式図である。本第3実施形態における第1データ格納エリア273aは、第1実施形態における第1データ格納エリア273a(図29(b))の構成に加えて、複数ピン受信フラグ273a16が追加されている。
複数ピン受信フラグ273a16は、複数ピン出力モードが設定されているかを示すフラグである。この複数ピン受信フラグ273a16がオンであれば、1番台のパチンコ機10から複数ピン出力モードの信号(図81、図83参照)を受け付け可能な状態であることを示し、複数ピン受信フラグ273a16がオフであれば、1番台のパチンコ機10から単ピン出力モードの信号(図80、図82参照)を受け付け可能な状態であることを示す。この複数ピン受信フラグは、パチンコ機10から立ち上げ時、または電源断の検出時に出力される出力モード切り替え信号を受信した場合にオンに設定される(図98のS4306、図99のS4406参照)。また、通常時において、パチンコ機10から大当たり状態信号を受信した場合にも、オンに設定される(図100のS4506参照)。なお、第1データ格納エリア273a以外のデータ格納エリアにも、第1データ格納エリア273aの複数ピン受信フラグ273a16に相当するフラグが追加されている。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図86〜図95を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。具体的には、本第3実施形態では、タイマ割込処理(図30参照)と立ち上げ処理(図42参照)とメイン処理(図47参照)との内容がそれぞれ第1実施形態から変更されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、図86を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図86は、このタイマ割込処理の内容を示したフローチャートである。本第3実施形態におけるタイマ割込処理(図86参照)では、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図30参照)に対して、特別図柄変動処理(図31参照)が特別図柄変動処理2(図87参照)に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図87を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理2(S111)について説明する。図87は、この特別図柄変動処理2(S111)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理2のうち、S201〜S207、およびS209〜S217の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図31参照)の、S201〜S207、およびS209〜S217の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態における特別図柄変動処理2(S111)では、第1実施形態における特別図柄変動処理(図31参照)において実行していた特別図柄変動開始処理(図31のS208参照)に代えて、特別図柄変動開始処理2(S221)を実行するように制御される。
また、本実施形態の特別図柄変動処理2では、S213の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S213:Yes)、今回の大当たり種別に応じた情報を大当たり種別格納エリア203uへと格納するように制御し(S221)、処理をS214へと移行するように構成されている。このS221の処理により格納された大当たり種別に基づいて、大当たり中に当たり種別信号の出力が設定される。なお、その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次いで、図88を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理2(S221)について説明する。図88は、この特別図柄変動開始処理2(S221)の内容を示したフローチャートである。
この特別図柄変動開始処理2(S221)のうち、S301〜S312の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図32参照)のS301〜S312の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態の特別図柄変動開始処理2(S221)では、S310の処理において、変動パターンコマンドが設定された後に、S321の処理が実行される。S321の処理では、S310の処理で設定された変動パターンに応じた情報を変動種別格納エリア203sに記憶する(S321)。ここで記憶された変動種別は、変動中に電源断が発生した際、および次回に電源が投入された際に、外部出力端子板261から外部装置(ホールコンピュータ262等)へと通知される。パチンコ機10から通知された情報に基づいて、ホールコンピュータ262は、電源断の発生時と、次回の電源投入時において変動種別が変化しているか否かを判別し、変動種別が変化している場合には、何らかの異常、若しくは不正行為の可能性があることを報知することができる。
また、本実施形態の特別図柄変動開始処理2では、S311の処理において、停止種別コマンドが設定された後に、今回の停止種別に応じた情報を停止種別格納エリア203tに記憶する(S322)。ここで記憶された変動種別は、変動中に電源断が発生した際、および次回に電源が投入された際に、外部出力端子板261から外部装置(ホールコンピュータ262等)へと変動種別を示す情報とあわせて通知される。パチンコ機10から通知された情報に基づいて、ホールコンピュータ262は、電源断の発生時と、次回の電源投入時において停止種別が変化しているか否かを判別し、停止種別が変化している場合には、何らかの異常、若しくは不正行為の可能性があることを報知することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動種別や停止種別を示す情報を、電源断の検出時、および電源投入時にのみ出力するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、変動が開始される度に、変動種別を示す情報と、停止種別を示す情報とを外部出力端子板261からホールコンピュータ262等の外部装置へと出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータ262は、変動毎の変動種別や停止種別を把握することができるので、各パチンコ機10の遊技の履歴としてより詳細な情報を記憶しておくことができる。また、変動種別格納エリア203sや、停止種別格納エリア203tに対して、それぞれ複数回分の情報を記憶可能に構成しておき、パチンコ機10によって遊技履歴を作成した上で、ホールコンピュータ262に対して出力するように構成してもよい。また、各パチンコ機10に対して、ホール側で液晶表示装置等を設置して、そのパチンコ機10の統計データ(各変動パターンでの当たりとなった割合等)を表示するように構成してもよい。これにより、遊技者にパチンコ機10に関する多くの情報を与えることができる。
次に、図89を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図89は、この立ち上げ処理の内容を示したフローチャートである。
この第3実施形態における立ち上げ処理(図89参照)のうち、S1301〜S1310、およびS1312〜1319の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図42参照)のS1301〜S1310、およびS1312〜1319の各処理と同一の処理が実行される。また、第3実施形態における立ち上げ処理では、第1実施形態の立ち上げ処理において実行される立ち上げ時信号出力処理(図45のS1311参照)に代えて、立ち上げ時信号出力処理2を実行する(S1331)。この立ち上げ時信号出力処理は、第1実施形態における立ち上げ時信号出力処理(図45参照)と同様に、外部出力端子板261からホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する信号を設定する処理である。なお、その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次いで、図90を参照して、上述したる立ち上げ時信号出力処理2(S1331)について説明する。図90は、この立ち上げ時信号出力処理2(S1331)の内容を示したフローチャートである。本第3実施形態における立ち上げ時信号出力処理2(S1331)では、S1601〜S1613の各処理において、それぞれ第1実施形態における立ち上げ時信号出力処理(図45参照)のS1601〜S1613の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における立ち上げ時信号出力処理2では、第1実施形態における立ち上げ時信号出力処理のS1615〜S1616の処理が削除され、S1621〜S1623の処理がそれぞれ追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
S1613の処理が実行された後に、実行されるS1621の処理では、出力モード切替信号(CN8)の出力を開始(H出力の状態に設定)する(S1621)。その後、0.1秒間が経過したか判別し(S1622)、0.1秒が経過していないと判別した場合には(S1622:No)、S1622の処理を繰り返し実行する。また、0.1秒が経過したと判別した場合は(S1622:Yes)、複数ピン出力モードの信号を設定するための複数ピン出力処理を実行し(S1623)、本処理を終了する。なお、複数ピン出力処理(S1623)については、続く図91を参照して、詳細を説明する。
図91は、この複数ピン出力処理(S1623)の内容を示すフローチャートである。複数ピン出力処理(S1623)では、まず、大当たりフラグ203gがオンであるか否かを判別する(S4101)。そして、大当たりフラグ203gがオンであると判別した場合には(S4101:Yes)、大当たり種別格納エリアの情報に基づいて、大当たり種別を特定する(S4102)。大当たり種別に基づいて状態通知信号(CN2〜CN7)の出力を設定する(S4103)。例えば、今回の大当たり種別が大当たりCであれば、CN3をH出力の状態に設定し、CN2、およびCN4〜CN7をL出力の状態に設定する。その後、処理をS4104へと移行する。一方、S4101の処理において、大当たりフラグ203gがオフであると判別した場合には(S4101:No)、S4102、およびS4103の処理をスキップし、S4104の処理を実行する。
S4104の処理では、時短中カウンタ203fが1以上の値であるか判別する(S4104)。そして、時短中カウンタ203fが1以上の値であると判別した場合には(S4104:Yes)、時短中カウンタ203fの値に基づいて、状態通知信号(CN2〜CN7)の出力を設定する(S4105)。例えば、時短中カウンタ203fの値が「30」であった場合には、CN3〜CN6をH出力の状態に設定すると共に、CN1、およびCN7をL出力の状態に設定する。そして、S4105の処理が終了すると、処理をS4106へと移行する。一方、S4104の処理において、時短中カウンタ203fの値が0であると判別した場合には(S4105:No)、S4105の処理をスキップしてS4106へと処理を移行する。
S4106の処理では、変動中フラグ203hがオンであるか判別し(S4106)、変動中フラグ203hがオンであると判別した場合には(S4106:Yes)、変動種別格納エリア203s、停止種別格納エリア203tの情報に基づいて変動種別と停止種別とをそれぞれ特定し(S4107)、特定した内容に基づいて、変動種別通知信号(CN9〜13)の出力を設定する(S4108)。その後、S4109の処理を実行する。一方、S4106の処理において、変動中フラグ203hがオフであると判別した場合には(S4106:No)、S4107、およびS4108の処理をスキップし、S4109の処理を実行する。
続くS4109の処理では、CN1以外の出力があるか(H出力の状態となっているチャンネルがあるか)判別する(S4109)。そして、CN1以外の出力があると判別した場合は(S4109:Yes)、0.1秒間待機する処理を実行する(S4110)。そして、0.1秒間が経過したと判別した場合は(S4110:Yes)、CN1以外の出力を停止して(L出力の状態に設定する)、処理をS4112へと移行する。一方、S4109の処理において、CN1以外の出力が無い(CN1以外はL出力の状態である)と判別した場合には(S4109:No)、S4110、S4111の処理をスキップして、S4112の処理を実行する。
S4109、またはS4111の処理後に実行されるS4112の処理では、通知終了信号(CN14)の出力を開始する(S4112)。その後、0.1秒を待機する処理(S4113)を実行し、0.1秒が経過したと判別した場合は(S4113:Yes)、本処理を終了する。
次に、図92を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201に実行されるメイン処理について説明する。図92は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。本第3実施形態におけるメイン処理(図92参照)では、S1801〜S1803、および、S1805〜S1819の各処理において、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図47参照)のS1801〜S1803、および、S1805〜S1819の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態のメイン処理における電断時信号出力処理では(S1817)、上述した立ち上げ時信号出力処理2(図90参照)と同様の処理により単ピン出力モードの信号が出力されると共に、複数ピン出力モードへの切り替えが実行される。そして、複数ピン出力モードに切り替えられた後は、上述した複数ピン出力処理(図91参照)と同様の処理により、複数ピン出力モードの信号が出力される。また、本実施形態におけるメイン処理では、第1実施形態メイン処理(図47参照)の中で実行される大当たり制御処理(S1804)に代えて、大当たり制御処理2(S1821)が実行される。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次いで、図93を参照して、上述した大当たり制御処理2(S1821)について説明する。図93は、この大当たり制御処理2(S1821)の内容を示したフローチャートである。本第3実施形態における大当たり制御処理2において、S1901〜S1904、S1906〜S1913、S1915、およびS1916の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図48参照)のS1901〜S1904、S1906〜S1913、S1915、およびS1916の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態における大当たり制御処理2(S1831)では、S1904の処理が終了すると、第1実施形態における大当たり制御処理(図48参照)のS1905の処理に代えて、大当たり状態信号(CN12)が0.5秒間H出力の状態となるように設定し(S1921)、本処理を終了する。ここで設定された大当たり状態信号(CN12)により、ホールコンピュータ等の外部装置に対して大当たりの開始が通知されると共に、複数ピン出力モードに切り替わることが通知される。
また、本実施形態の大当たり制御処理2では、S1906の処理において大当たり中であると判別した場合に(S1906:Yes)、今回の大当たりの種別をホールコンピュータ262等の外部装置へ通知するための当たり種別信号を設定する当たり種別通知処理を実行し(S1922)、処理をS1907へと移行する。この当たり種別通知処理については、続く図94を参照して後述する。
また、本実施形態の大当たり制御処理2では、第1実施形態における大当たり制御処理(図48参照)の中で実行される大当たり終了処理(図48のS1914参照)に代えて、大当たり終了処理2が実行される(S1923)。詳細については図95を参照して後述するが、この大当たり終了処理2は、第1実施形態における大当たり終了処理(図50参照)と同様に、大当たりの終了を設定するための処理である。
次に、図94を参照して、上述の当たり種別通知処理(S1922)について説明を行う。図94は、この当たり種別通知処理(S1922)の内容を示したフローチャートである。
当たり種別通知処理(S1922)では、まず、当たり種別信号(CN6,CN12)の出力タイミングであるか判別する(S4201)。具体的には、大当たりの開始時に出力される大当たり状態信号(CN12)のH出力を停止してから0.5秒以上経過した場合に、当たり種別信号の出力タイミングであると判別する。大当たり状態信号、および当たり種別信号は、共にCN12を用いて出力される信号であるので、大当たり状態信号の出力停止から0.5秒以上の間隔を空けて当たり種別信号の出力を開始させることにより、ホールコンピュータ262等の外部装置が、大当たり状態信号と、当たり種別信号とを容易に区別することができる。よって、ホールコンピュータ262が大当たり状態信号と、当たり種別信号とを誤認し、誤った当たり種別をパチンコ機10の履歴として記憶してしまうことを抑制することができる。
S4201の処理において、当たり種別信号の出力タイミングであると判別した場合には(S4201:Yes)、大当たり種別格納エリア203uから今回の大当たり種別を読み出す(S4202)。そして、S4202の処理によって読み出した大当たり種別に基づき、当たり種別信号(CN6,12)の出力を設定して(S4203)、本処理を終了する。具体的には、今回の大当たりが大当たりAである場合に、「00(LL)」の2ビット信号が出力され(CN6、およびCN12が共にL出力の状態に設定され)、大当たりBである場合には、「01(LH)」の2ビット信号が出力され(CN6がH出力の状態、CN12がL出力の状態に設定され)、大当たりCである場合には、「10(HL)」の2ビット信号が出力され(CN6がL出力の状態、CN12がH出力の状態に設定され)、大当たりDである場合には、「11(HH)」の2ビット信号が出力される(CN6、およびCN12が共にH出力の状態に設定される)。
一方、S4201の処理において、当たり種別信号(CN6,CN12)の出力タイミングでないと判別した場合には(S4201:No)、この処理を終了する。
次に、図95のフローチャートを参照して、大当たり終了処理2(S1923)について説明する。図95は、上述した通り、第3実施形態における大当たり制御処理2(図93参照)の中で実行される処理であり、大当たりの終了を設定するための処理である。
本第3実施形態における大当たり終了処理2(S1923)における、S2101〜S2105の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり終了処理(図50参照)のS2101〜S2105の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態における大当たり終了処理2(S1923)では、第1実施形態における大当たり終了処理(図50参照)のS2106の処理に代えて、S2111の処理が実行されるように構成されている。
具体的には、大当たり終了処理2(S1923)において、S2105の処理が終了すると、次いで、複数ピン出力モードの解除を示す信号(CN12)を出力する(CN12を0.1秒間H出力の状態に設定する)処理を実行し(S2111)、本処理を終了するように構成されている。ホールコンピュータ262では、単ピン出力モード、複数ピン出力モードをそれぞれ判別して、外部出力端子板261から出力される信号をそれぞれ判別し、必要な処理を実行する。
<第3実施形態におけるホールコンピュータの制御処理について>
次に、図96〜図100を参照して、第3実施形態におけるホールコンピュータ262の制御装置272によって実行される各種制御処理について説明する。
まず、図96を参照して、ホールコンピュータ262の制御装置272によって実行されるメイン処理について説明する。図96は、このメイン処理を示したフローチャートである。
この第3実施形態における制御装置272のメイン処理において、S3501、およびS3503〜S3508の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理のS3501、およびS3503〜S3508の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態におけるメイン処理では、初期設定処理が終了すると(S3501)、次に、第1実施形態におけるメイン処理で実行される信号受信処理(図64のS3502参照)に代えて、信号受信処理3を実行し(S3521)、処理をS3503へと移行する。この信号受信処理3(S3521)は、第1実施形態における信号受信処理(図65参照)と同様に、パチンコ機10から受信した信号に応じた処理を実行する処理である。この信号受信処理3(S3521)の詳細については、図97を参照して説明する。
図97のフローチャートは、上述した信号受信処理3(S3521)を示す図である。この信号受信処理3(S3521)のうち、S3601、S3602、S3605、およびS3609〜S3613の各処理では、それぞれ第1実施形態における信号受信処理(図65参照)のS3601、S3602、S3605、およびS3609〜S3613の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態における信号受信処理3(S3521)では、S3602の処理において、電源オン信号(CN1)がH出力の状態でない(即ち、L出力の状態である)と判別した場合は(S3602:No)次いで、電断時受信処理を実行して(S3631)、本処理を終了する。この電断時受信処理は、パチンコ機10において電源断が検出された場合に、パチンコ機10から出力される各出力モード(単ピン出力モード、および複数ピン出力モード)の信号を受信し、信号に応じた制御を行う処理である。この電断時受信処理(S3631)について、続く図98を参照して説明する。
図98は、この電断時受信処理(S3631)を示すフローチャートである。この電断時受信処理(S3631)では、まず、外部出力信号を受信したパチンコ機10に対応するデータ格納領域の複数ピン受信フラグがオンであるか否かを判別し(S4301)、オンであると判別した場合は(S4301:Yes)、次いで、パチンコ機10から通知終了信号を受信したか(即ち、CN14が0.3秒間H出力であることを検出したか)を判別する(S4302)。
S4302の処理において、通知終了信号を受信していないと判別した場合は(S4302:No)、今回受信した外部出力信号が、状態通知信号(CN2〜CN7)、および変動種別通知信号(CN9〜CN13)の一方、または両方であることを意味する。よって、これらの信号によって通知された情報に基づいて、情報を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの電断時情報格納エリアの内容を更新し(S4303)、本処理を終了する。
一方、S4302の処理において、通知終了信号を受信したと判別された場合は、複数ピン受信フラグをオフに設定し、次回の電源投入まで(つまり、CN1がH出力の状態となるまで)電断時情報格納エリアの更新を禁止し(S4304)、本処理を終了する。これにより、パチンコ機10の電源が遮断された後にノイズ等の影響により他の信号(例えば、他のパチンコ機10の外部出力端子板261から出力された信号)が変質してホールコンピュータ262に出力された結果、電断時情報格納エリアの情報が不適切な情報に書き換えられてしまうことを抑制することができる。
S4301の処理において、複数ピン受信フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4301:No)、次いで、出力モード切替信号を受信したか否か(即ち、CN8が0.1秒間H出力の状態であることを検出したか否か)を判別し(S4305)、出力モード切替信号を受信したと判別した場合は(S4305:Yes)、その出力モード切替信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの複数ピン受信フラグをオンに設定し、その後パチンコ機10から出力される複数ピン出力モードの信号を受け付け可能に設定する(S4306)。例えば、1番台のパチンコ機10から出力モード切替信号が出力された場合は、ハードディスク273における第1データ格納エリア273aの、複数ピン受信フラグ273a16をオンに設定する。また、S4306の処理が終了すると、本処理を終了する。
S4305の処理において、出力モード切替信号を受信していないと判別した場合は(S4305)、今回受信した外部出力信号が、単ピン出力モードにおいてCN2〜CN7より出力された信号(図82参照)であることを示すので、信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの電断時情報格納エリアの内容を、受信した信号に基づいて更新する(S4307)。例えば、1番台のパチンコ機10から外部出力信号が出力された場合は、ハードディスク273における第1データ格納エリア273aの、電断時情報格納エリア273a11を更新する。また、S4307の処理が終了すると、本処理を終了する。
このように、ホールコンピュータ262は、電源断の発生時にパチンコ機10から通知される遊技状態を、電源オン信号(CN1)の出力状態と、複数ピン受信フラグの状態とに応じて判別し、電断時情報格納エリアの内容を適切に更新することができる。
図97に戻って説明を続ける。S3605の処理において、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応する立ち上げフラグがオフであると判別した場合は(S3605:No)、第1実施形態における信号受信処理(図65参照)のS3607,S3608の処理に代えて、立ち上げ時受信処理を実行し(S3632)、本処理を終了する。立ち上げ時受信処理は、パチンコ機10に電源が投入された際にパチンコ機10から出力された外部出力信号に基づいて、パチンコ機10に対応する復電時情報格納エリアの内容を更新するための処理である。この立ち上げ時受信処理(S3632)の詳細について、図99を参照して説明する。
図99は、この立ち上げ時受信処理(S3632)を示すフローチャートである。この立ち上げ時受信処理(S3632)では、まず、外部出力信号を受信したパチンコ機10に対応するデータ格納領域の複数ピン受信フラグがオンであるか否かを判別し(S4401)、オンであると判別した場合は(S4401:Yes)、次いで、パチンコ機10から通知終了信号を受信したか(即ち、CN14が0.3秒間H出力であることを検出したか)を判別する(S4402)。
S4402の処理において、通知終了信号を受信していないと判別した場合は(S4402:No)、今回受信した外部出力信号が、状態通知信号(CN2〜CN7)、および変動種別通知信号(CN9〜CN13)の一方、または両方であることを意味する。よって、これらの信号によって通知された情報に基づいて、情報を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの復電時情報格納エリアの内容を更新し(S4403)、本処理を終了する。例えば、1番台のパチンコ機10から情報が出力されたと判別した場合は、第1データ格納エリア273aの復電時情報格納エリア273a12の内容を、受信した信号に基づいて更新する。
一方、S4402の処理において、通知終了信号を受信したと判別された場合は、複数ピン受信フラグをオフに設定し、単ピン出力モードの信号を受け付け可能に設定して(S4404)、本処理を終了する。これにより、パチンコ機10の立ち上げが終了した後の通常時においてパチンコ機10から出力される遊技の状況に応じた情報を適切に受信することができる。
S4401の処理において、複数ピン受信フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4401:No)、次いで、出力モード切替信号を受信したか否か(即ち、CN8が0.1秒間H出力の状態であることを検出したか否か)を判別し(S4405)、出力モード切替信号を受信したと判別した場合は(S4405:Yes)、その出力モード切替信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの複数ピン受信フラグをオンに設定し、その後パチンコ機10から出力される複数ピン出力モードの信号を受け付け可能に設定する(S4406)。例えば、1番台のパチンコ機10から出力モード切替信号が出力された場合は、ハードディスク273における第1データ格納エリア273aの、複数ピン受信フラグ273a16をオンに設定する。また、S4406の処理が終了すると、本処理を終了する。
S4405の処理において、出力モード切替信号を受信していないと判別した場合は(S4405)、今回受信した外部出力信号が、単ピン出力モードにおいてCN2〜CN7より出力された信号(図82参照)であることを示すので、信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの電断時情報格納エリアの内容を、受信した信号に基づいて更新する(S4407)。例えば、1番台のパチンコ機10から外部出力信号が出力された場合は、ハードディスク273における第1データ格納エリア273aの、復電時情報格納エリア273a11を更新する。また、S4307の処理が終了すると、本処理を終了する。
このように、ホールコンピュータ262は、電源の投入時にパチンコ機10から通知される遊技状態を、電源オン信号(CN1)の出力状態と、複数ピン受信フラグの状態とに応じて判別し、復電時情報格納エリアの内容を適切に更新することができる。
図97に戻って説明を続ける。S3605の処理において、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応する立ち上げフラグがオンであると判別した場合は(S3605:Yes)、第1実施形態における信号受信処理(図65参照)のS3606の処理に代えて、通常時受信処理を実行し(S3633)、本処理を終了する。通常時受信処理は、通常時(即ち、電源投入に基づく立ち上げが終了してから、次に電源断が発生するまでの間)においてパチンコ機10から受信した外部出力信号に基づいて、パチンコ機10の遊技履歴を更新するための処理である。この通常時受信処理(S3633)の詳細について、図100を参照して説明する。
図100はこの通常時受信処理(S3633)を示すフローチャートである。この通常時受信処理(S3633)では、まず、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応する複数ピン受信フラグがオンであるか否かを判別し(S4501)、複数ピン受信フラグがオンであれば(S4501:Yes)、次いで、大当たりの終了を示す信号(複数ピン出力モードの終了を示す信号)として、0.1秒間のH出力の信号をCN12から受信したか否かを判別する(S4502)。
S4502の処理において、大当たりの終了を示す信号(複数ピン出力モードの終了を示す信号)を受信していないと判別した場合は(S4502:No)、今回受信した外部出力信号が、複数ピン出力モードにおいて遊技の状況に応じた情報を通知するための信号(図81参照)であるので、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの情報を更新して(S4503)、本処理を終了する。例えば、1番台のパチンコ機10から、今回の大当たり種別が大当たりCであることを示す2ビットの信号が出力された場合(CN6がL出力、CN12がH出力の状態の信号が出力された場合)は、第1データ格納エリア273aにおける遊技履歴を記憶するための記憶領域(図示せず)に、大当たり回数と対応付けて大当たり種別を記憶するように制御する。例えば、今回の大当たりが、その日5回目に当選した大当たりであった場合には、5回目の大当たりが大当たりCであることを示す情報を記憶する。これにより、詳細な遊技履歴を表示装置274に対して表示させることができるので、ホールの店員は、パチンコ機10毎の傾向を把握し、パチンコ機10の台数を増減させるための参考にすることができる。
S4502の処理において、大当たりの終了を示す信号(複数ピン出力モードの終了を示す信号)を受信したと判別した場合は(S4502:Yes)、信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの複数ピン受信フラグをオフに設定して、単ピン出力モードの信号を受け付け可能に設定する(S4504)。これにより、大当たり終了後にパチンコ機10から出力される単ピン出力モードの信号に応じて適切な処理を行うことができる。
S4501の処理において、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアにおいて、複数ピン受信フラグがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4501:No)、次いで、大当たりの開始を示す大当たり状態信号を受信したか(CN12より0.5秒間のH出力を検出したか)否かを判別し(S4505)、大当たり状態信号を受信したと判別した場合は(S4505:Yes)、大当たり状態信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアにおいて、複数ピン受信フラグをオンに設定し、複数ピン出力モードの信号を受け付け可能に設定する(S4506)。これにより、CN6とCN12とを組み合わせて出力される2ビットの信号を適切に受信し、今回の大当たりの種別を判別することができる。
一方、S4505の処理において、大当たり状態信号を受信していないと判別した場合は(S4505:No)、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの情報を、受信した外部出力信号に基づいて更新し(S4507)、本処理を終了する。
このように、ホールコンピュータ262は、パチンコ機10から通知される遊技の状況を、データ格納エリアに遊技履歴として蓄積しておき、表示装置274に対して表示することができる。これにより、ホールの店員は、各パチンコ機10の特性を把握することができるので、把握した特性に基づいて、例えば、稼働率や利益率の高い機種を増台したり、稼働率や利益率の低い機種を減台したりすることができる。
このように、本第3実施形態では、単ピン出力モードと複数ピン出力モードを設定するように構成し、それぞれの出力モードにおいて異なる情報を出力可能に構成している。このように構成することで、外部出力端子板261の出力チャンネルの数が増大することを抑制しつつ、出力できる情報の種類や情報量(データ量)を増やすことができる。よって、外部端子板261の部品点数や、外部装置の部品点数が増大してしまうことを抑制できるので、パチンコ機10やパチンコ機10の周辺設備が大型化してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、出力モード切替信号(CN8)によって単ピン出力モードから複数ピン出力モードへの切り替わりを通知するように構成している。これにより、ホールコンピュータ262は、パチンコ機10から出力される信号の出力モードを容易に判別することができるので、出力モードに応じて好適に処理を行うことができる。
また、本実施形態では、出力モードに応じて外部出力端子版261から出力される信号の出力期間を異ならせている。よって、出力モード切替信号(CN8)を正常に受信することができなかったとしても、外部出力端子版261から出力される信号の出力期間を判別することにより、パチンコ機10から受信した信号が単ピン出力モードの信号であるか、複数ピン出力モードの信号であるかを判別することができる。従って、ホールコンピュータ262は、パチンコ機10から出力された信号に応じて、処理を好適に行うことができる。
なお、本実施形態では、出力モードの切り替えを行う場合に、出力モード切替信号(CN8)を出力する(つまり、CN8を0.1秒間H出力の状態に設定する)ように構成したが、これに限られるものではない。例えば、電源投入からの時間(電源オン信号の出力を開始してからの経過時間)に基づいてモードを切り替えるように構成してもよい。そして、ホールコンピュータ262は、パチンコ機10から電源オン信号(CN1)を受信した場合に、経過時間を計測可能に構成し、経過時間に応じてパチンコ機10から受信した信号の出力モードを判別するように構成してもよい。このように構成することで、出力モード切替信号を出力する制御処理を省略することができるので、パチンコ機10の立ち上げ時、および電源断の検出時における処理負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、大当たり遊技中に複数ピン出力モードに移行するように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、変動開始時に複数ピン出力モードへと移行するように構成し、開始された図柄変動に関するデータ量の多い情報(例えば、変動種別の情報や、停止種別の情報等、単一のチャンネルのH出力、又はL出力の2値だけでは表現できない情報)を、変動中に出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータ262は、各パチンコ機10に関するより詳細なデータを取得することができる。また、ホールコンピュータ262は、通知された変動種別や停止種別を、パチンコ機10の遊技の履歴を記憶するための領域へと記憶しておき、変動回数毎の変動種別や停止種別を表示装置274に対して表示可能に構成してもよい。これにより、ホールの店員は、各パチンコ機10に関するより詳細なデータを任意のタイミングで確認することができる。
また、本実施形形態のパチンコ機10では、電源が投入された状態において外部出力信号を外部装置に対して出力可能に構成していたが、電源が遮断されている状態でも内部電源等により外部出力を行う構成にして、電源断中にも単ピン出力モード、複数ピン出力モードを切り替えて信号を出力するように構成してもよい。
<第4実施形態>
次に、図101〜図117を参照して、本第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態〜第3実施形態では、抽選装置700を構成に含むパチンコ機10について説明を行った。即ち、振り分け回転体741の向き(左側に振れているか、右側に振れているか)に応じて、遊技球の入球可能な入球口が異なるパチンコ機10について説明した。
これに対して第4実施形態におけるパチンコ機10では、第2可変入賞装置140を廃止し、第1可変入賞装置65のみを設ける構成としている。また、第1可変入賞装置65の内部に、遊技球が通過することで大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行する流路が設けられており、切替部材65hによってこの流路を遊技球が通過可能とするか否かが切り替えられる。この切替部材65hは、抽選用のラウンド(8ラウンド目)の開始からの経過時間に基づいて切り替えられるように構成されており、第1実施形態のように、遊技球が通過することによって、次の大当たり時に遊技球が通過可能な流路が可変されるものではない。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110において、RAM203の一部の内容が変更されている点である。また、主制御装置110において、立ち上げ処理(図42参照)、およびメイン処理(図47参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点である。また、外部出力端子板261より出力される信号の態様が第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点である。その他の構成や、主制御装置110によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、および音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。
また、第4実施形態では、ホールコンピュータ262の制御装置272により実行されるメイン処理(図64参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるホールコンピュータ262と相違する。以下、第1実施形態のパチンコ機10、およびホールコンピュータ262と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図101を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明する。図101は、本実施形態における遊技盤13を示す図である。図101に示した通り、本実施形態では、第1可変入賞装置65が、第1入球口64に対して正面視右側に設けられている点で、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違している。
次に、図102〜図104を参照して、第4実施形態における第1可変入賞装置65の詳細について説明する。図102は、この第1可変入賞装置65の分解斜視図である。第1可変入賞装置65は、図102に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、第1可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65bに形成されている第1特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図103は、第1可変入賞装置65の断面図である。図103(c)は第1可変入賞装置65の上面図であり、図103(b)は、第1可変入賞装置65のCIIIb−CIIIb断面図である。図103(b)に示すように、第1可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である第1特定入賞口65aが形成されている。第1特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図103(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図104(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図103(b)に示すように第1特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより第1特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を第1可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく第1特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図103(a)は、図103(b)に示すCIIIa−CIIIa断面図である。図103(a)に示すように、検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図104を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図104(a)は、遊技球が特別排出口65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図104(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図104(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出口65e2に誘導される。特別排出口65e2を通過した遊技球は特別排出口65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態(通常遊技状態)か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に第1可変入賞口65に入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、第1可変入賞装置65の開口から特別排出口65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たり種別により作動タイミングと作動時間が設定されている。本実施形態では、大当たりAに当選した場合には、8ラウンド目の開始における第1可変入賞口65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが5秒間作動されるように構成されている。また、大当たりBに当選した場合には、8ラウンド目の開始における第1可変入賞口65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが0.5秒間作動されるように構成されている。
よって、大当たりAでは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されているが、大当たりBでは、確変スイッチ65e3を通過することが不可能に構成されている。よって、大当たり種別により確変付与割合を制御することができ、過剰に有利不利が発生してしまわないように構成できる。
図104(b)を参照して、通常排出口65e2に遊技球が誘導される場合について説明する。図104(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出口65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出口65e1に誘導される。この通常排出口65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、第1可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。
よって、8ラウンドよりも前のラウンドに入賞した遊技球が排出されていない状態で8ラウンド目が開始され、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に入賞してしまう不具合を抑制できる。
このように、第1可変入賞装置65内に第1特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を第1可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図105を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。本第4実施形態では、主制御装置110のRAM203の構成が、第1実施形態におけるRAM203の構成から一部変更されている。具体的には、回転体フラグ203j、計時カウンタ203k、入球待機フラグ203l、大開放口フラグ203m、流路フラグ203n、払出フラグ203o、入球口種別格納エリア203pが廃止されている。また、ゲート通過フラグ203v、残球タイマフラグ203w、残球タイマ203x、動作カウンタ203y、確変有効フラグ203z、確変有効タイマ203α、確変通過カウンタ203β、排出個数カウンタ203γ、入賞個数カウンタ203δが追加されている。その他の構成については、第1実施形態におけるパチンコ機10の構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
ゲート通過フラグ203vは、前回の大当たりの8ラウンド目において、遊技球が確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過したか否かを示すフラグである。このゲート通過フラグ203vがオンであれば、前回の大当たりにおいて遊技球が確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過したことを示し、オフであれば、前回の大当たりにおいて遊技球が確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過していないことを示す。このゲート通過フラグは、大当たりの終了時に確変設定フラグがオンであれば、確変フラグ203eとあわせてオンに設定される(図113のS2121参照)。また、大当たりの終了時に確変設定フラグがオフであれば、確変フラグ203eとあわせてオフに設定される。
残球タイマフラグ203wは、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203wがオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203wがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203xが1ずつ加算されて更新される(図115のS4805参照)。残球タイマ203xは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203xは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203oの上限値として設定されている。この残球タイマ203xの値が上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図115のS4807参照)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、8ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203qをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
動作カウンタ203yは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりAでは、8ラウンド目の開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりBでは8ラウンド目の開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203yには、大当たりAでは、8ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりBでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される(図112のS4602参照)。一方、主制御装置110のMPU2011の実行する入賞処理(図114参照)のS4709の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203yの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203yは、電源断時にはその値がバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203yを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
確変有効フラグ203zは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ(確変ゲート)65e3に入賞した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203zがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出口65e2(図104(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203αは、上述した確変有効フラグ203zがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203αにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ(確変ゲート)65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出口65e2に入球した遊技球が確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203αの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、切替部材65hが特別排出口65e2に誘導しない状態(図104(b)参照)で、不正に遊技球を特別排出口65e2に入球させ、確変スイッチ(確変ゲート)65e3に遊技球を入賞させたり、確変スイッチ(確変ゲート)65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正行為を抑制できる。
確変通過カウンタ203βは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりAでの8ラウンド)で確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203βと、後述する排出個数カウンタ203γとの合計により、第1可変入賞口65に入賞した遊技球が全て排出されたか否かを判別することができる。この確変通過カウンタ203βは、確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図114のS4711参照)。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図115のS4811参照)。なお、この確変通過カウンタ203βは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
排出個数カウンタ203γは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図104(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203γは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図115のS4811参照)。
入賞個数カウンタ203δは、大当たり遊技における1のラウンドで第1特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図102参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図114のS4703参照)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203δの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203γと確変通過カウンタ203βとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる(図115のS4811参照)。なお、この入賞個数カウンタ203δの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
次に、図106、および図107を参照して、第4実施形態における外部出力端子板261の各出力チャンネルから出力される信号の態様について説明する。まず、図106を参照して、通常の遊技状態(パチンコ機10の立ち上げが終了してから電源断を検出するまで)において外部出力端子板261に設けられている各チャンネル(各出力ピン)から出力される信号の種類について説明する。
図106に示したとおり、第4実施形態における外部出力端子板261のチャンネル数は、13チャンネルであり、第1実施形態における外部出力端子板261のチャンネル数(14チャンネル)よりも1チャンネル減少している。
具体的には、第1実施形態においてCN13より出力されていた回転体状態信号が廃止され、第1実施形態においてCN14から出力されていた異常検出信号がCN13から出力されるように構成されている。本実施形態のパチンコ機10では、振り分け回転体741を構成に含んでいないため、振り分け回転体741の状態を外部装置(ホールコンピュータ等)へと通知する必要がないからである。なお、第4実施形態においてCN1〜CN12の各チャンネルから出力される信号の内容は、第1実施形態においてCN1〜CN12の各チャンネルから出力される信号の内容と同一である。また、第4実施形態においてCN13から出力される異常検出信号は、第1実施形態においてCN14から出力される異常検出信号と同一の内容である。
次に、図107を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の立ち上げ時、および電源断を検出した際に、外部出力端子板261から出力される信号の種類について説明する。図107は、外部出力端子板261の各チャンネルから出力される信号の内容をそれぞれ示した図である。
図107に示した通り、本実施形態のパチンコ機10では、第1実施形態においてCN6から出力されていた回転体信号が廃止されている。上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、振り分け回転体741を構成に含んでいないため、振り分け回転体741の状態を外部装置(ホールコンピュータ等)へと通知する必要がないからである。また、第1実施形態においてCN7、CN8から出力されていた信号(RAM初期化信号、および通知終了信号)を、本実施形態ではCN6、およびCN7から出力されるように構成している。つまり、回転体信号を廃止したことによりCN6が空きチャンネルとならないように、本実施形態では、RAM初期化信号、および通知終了信号の出力チャンネルを1ずつ若いチャンネルに振り分けている。なお、本実施形態における外部出力端子版261のCN1〜CN5の各チャンネルから出力される信号の内容は、それぞれ第1実施形態における外部出力端子版261のCN1〜CN5の各チャンネルから出力される信号と同一である。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図108〜図115を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図108を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される立ち上げ処理について説明する。図108は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、上述の通り、電源投入時のリセットにより起動される処理である。
この第4実施形態における立ち上げ処理(図108参照)のうち、S1301〜S1309、およびS1311〜S1319の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図42参照)のS1301〜S1309、およびS1311〜S1319の各処理と同一の処理が実行される。また、第4実施形態における立ち上げ処理では、S1309の処理により払出制御装置111へと払出復帰コマンドを出力すると(S1309)、第1実施形態における立ち上げ処理(図42参照)の中で実行される状態確認処理(図43参照)に代えて、状態確認処理2を実行する(S1341)。この状態確認処理2(S1341)は、電源投入時の遊技状態に異常が無いか確認するための処理である。この状態確認処理2(S1341)を実行した後は、処理をS1311へと移行する。
次に、図109のフローチャートを参照して、上述した状態確認処理2(S1341)について説明する。この状態確認処理2(S1341)のうち、S1401、S1402、およびS1405の各処理では、それぞれ第1実施形態における状態確認処理(図43参照)のS1401、S1402、およびS1405の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における状態確認処理2(S1341)では、第1実施形態における状態確認処理のS1403、およびS1404の処理に代えて、S1411の処理を実行するように構成されている。このS1411の処理では、ゲート通過フラグ203vがオンであるか否かを判別している(S1411)。
このゲート通過フラグ203vは、上述した通り、前回の大当たりにおいて確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過したか否かを示すフラグであるので、確変フラグ203eがオフであるにも関わらず(S1402:Yes)、ゲート通過フラグ203vが単独でオンになることは通常起こり得ない。よって、S1411の処理において、ゲート通過フラグ203vがオンであると判別した場合は、S1405の処理により異常の報知を設定して(S1405)、本処理を終了する。一方、ゲート通過フラグ203vがオフであると判別した場合は(S1411:No)、特に異常や不正行為の虞はないと判別して、そのまま本処理を終了する。
次いで、図110を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図110は、このメイン処理を示すフローチャートである。
このメイン処理のうち、S1801〜S1803、およびS1805〜S1819の各処理では、それぞれ第1実施形態における主制御装置110のメイン処理(図47参照)のS1801〜S1803、およびS1805〜S1819の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態におけるメイン処理(図110参照)では、S1803の処理が終了すると、第1実施形態におけるメイン処理の中で実行される大当たり制御処理(図48参照)に代えて、大当たり制御処理3を実行し(S1841)、処理をS1805へと移行する。この大当たり制御処理3(S1841)の詳細について、図111を参照して説明する。
図111は、上述した大当たり制御処理3(S1841)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理3のうち、S1901、S1902、およびS1905〜S1907の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるS1901、S1902、およびS1905〜S1907の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における大当たり制御処理3では、S1907の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別すると(S1907)、第1可変入賞装置65の動作をラウンド数に応じて設定するための大当たり動作設定処理を実行して(S1931)、本処理を終了する。
この大当たり動作設定処理(S1931)について、図112を参照して説明する。図112は、上述した大当たり動作設定処理(S1931)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1931)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を読み込む(S4601)。そして、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの開放動作をS4601で読み込んだデータに基づいて設定する(S4602)。次いで、第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作をS4601の処理で読み込んだデータにより設定し(S4603)、本処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
図111に戻って説明を続ける。S1907の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別された場合は(S1907:No)、次いで、開閉扉65f1、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作タイミングであるか判別する(S1932)。そして、S1932の処理において、動作タイミングであると判別した場合には(S1932:Yes)、開放ソレノイド65f2をオンに設定する(S1933)。その後、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオンに設定して(S1934)、本処理を終了する。
一方、S1932の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1932:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか否かを判別する(S1935)。具体的には、8ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングと判別する。S1935の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1935:Yes)、大当たりの終了を設定するための大当たり終了処理3を実行して(S1936)、本処理を終了する。
ここで、図113を参照して、この大当たり終了処理3(S1936)について説明する。図113は、この大当たり終了処理3を示すフローチャートである。この大当たり終了処理3(S1936)のうち、S2101、S2102、およびS2106の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり終了処理(図50参照)のS2101、S2102、およびS2106の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態における大当たり終了処理3(S1936)では、S2102の処理において、確変設定フラグ203qがオンであると判別した場合に(S2102:Yes)、確変フラグ203e、およびゲート通過フラグ203vをオンに設定して(S2121)、処理をS2123へと移行する。一方、S2102の処理において、確変設定フラグ203qがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2102:No)、確変フラグ203e、およびゲート通過フラグ203vをオフに設定すると共に、時短中カウンタ203fの値に50を設定して(S2122)、処理をS2123へと移行する。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、確変設定フラグ203qがオンであるか否かが判別され、オンであれば、確変フラグ203eがオンに設定される。よって、大当たり遊技の終了時に、確変スイッチ(確変ゲート)65e3を遊技球が通過しているかを判別して特別図柄の高確率状態を設定できる。よって、大当たり遊技が終了するまで、特別図柄の高確率状態へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。さらには、確変スイッチ65e3に遊技球が大当たり遊技中に通過させることができれば、特別図柄の高確率状態が大当たり遊技後に付与されるので、大当たりにおいて遊技者に対して確変スイッチ(確変ゲート)65e3を遊技球が通過するか否かに関心を抱かせながら遊技を行わせることができる。
S2121、またはS2122の処理後に実行されるS2123の処理では、確変設定フラグ203q、および大当たり中フラグ203gをオフに設定する(S2123)。次いで、大当たりの開始時にH出力の状態に設定されていた大当たり中信号(CN12)を、L出力の状態に設定して(S2106)、本処理を終了する。大当たり中信号をL出力の状態に設定することにより、ホールコンピュータ262に対して、大当たりが終了したことを認識させることができる。
図111に戻って説明を続ける。S1935の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1935:No)、次いで、第1特定入賞口65aへと入賞した遊技球に応じた処理を行う入賞処理を実行する(S1937)。この入賞処理(S1937)について、図114を参照して詳しく説明する。
図114は、上述した入賞処理(S1937)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1937)では、まず、ラウンド有効期間であるか否かを判別する(S4701)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S4701:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S4701:Yes)、第1特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別し(S4702)、第1特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には(S4702:Yes)、入賞個数カウンタ203jを1加算して更新し(S4703)、処理をS4704へと移行する。一方、S4702の処理において、検出スイッチ65c1を通過していないと判別した場合には(S4702:No)、S4703の処理をスキップし、処理をS4704へと移行する。
S4704の処理では、入賞個数カウンタ203δの値が10以上であるか判別し(S4704)、入賞個数カウンタ203δの値が10以上であると判別した場合には(S4704:Yes)、第1特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定する(S4706)。その後、残球タイマフラグ203wをオンに設定し(S4707)、処理をS4708へと移行する。S4707の処理により残球タイマフラグ203wがオンに設定されることで、開閉扉203nが閉鎖された後に設定される球はけ時間中であることが判別できる。
一方、S4704の処理において、入賞個数カウンタ203δの値が10未満であると判別した場合には、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別し(S4705)、ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S4705:Yes)、処理をS4706へと移行し、上述した第1特定入賞口65aを閉鎖する処理を実行する(S4706、S4707)。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S4705:No)、処理をS4708へと移行する。
S4705、またはS4707の処理後に実行されるS4708の処理では、動作カウンタ203yの値が0より大きいか否かを判別し(S4708)、動作カウンタ203yの値が0より大きいと判別した場合は(S4708:Yes)、動作カウンタ203yの値を1減算し(S4709)、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する(S4710)。S4710の処理において、確変通過スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には(S4710:Yes)、確変通過カウンタ203βの値に1を加算し(S4711)、確変設定フラグ203qをオンに設定して(S4712)、処理をS4713へと移行する。
一方、S4710の処理において、確変スイッチ65e3を遊技球が通過していないと判別した場合には(S4710:No)、S4711、S4712の各処理をスキップし、処理をS4713へと移行する。S4713の処理では、動作カウンタ203yの値が0であるか否かを判別し(S4713)、動作カウンタ203yの値が0であると判別した場合は(S4713:Yes)、流路ソレノイド65kをオフに設定する(S4714)。次いで、確変有効フラグ203zをオンに設定し(S4715)、本処理を終了する。S4715の処理により確変有効フラグ203zがオンに設定されることで、切替部材65hが図104(a)に示す状態から、図104(b)に示す状態へと切り替えられた後も、特別流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、特別図柄の高確率状態が設定されるように制御できる。一方、S4713の処理において、動作カウンタ203yの値が0でないと判別した場合は、S4714、および4715の各処理をスキップし、本処理を終了する。
S4708の処理において、動作カウンタ203yが0であると判別した場合には(S4708:No)、確変有効フラグ203zがオンであるか否かを判別する(S4716)。S4716の処理において、確変有効フラグ203zがオフであると判別した場合には(S4716:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4716の処理において、確変有効フラグ203zがオンであると判別した場合には(S4716:Yes)、確変有効タイマ203αに1を加算して更新し(S4717)、加算後の確変有効タイマ203αの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか判別する(S4718)。
S4718の処理において、確変有効タイマ203αが上限値(即ち、1.2sに相当する値)であると判別した場合には(S4718:Yes)、確変有効フラグ203zをオフに設定し(S4719)、確変有効タイマ203αを初期値である0にリセットして、本処理を終了する。一方、S4718の処理において、確変有効タイマ203zの値が上限値(即ち、1.2sに相当する値)でないと判別した場合には(S4718:No)、処理をS4710へと移行し、上述したS4710〜S4715の処理を実行する。
これにより、確変有効タイマ203rが上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
図111に戻って説明を続ける。入賞処理(S1937)が終了すると、次いで、不正に確変スイッチ65e3を通過と検出させられていないか判別するための異常処理を実行し(S1938)、本処理を終了する。ここで、この異常処理(S1938)の詳細について、図115を参照して説明する。図115は、この異常処理(S1938)の内容を示したフローチャートである。
異常処理(S1938)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別し(S4801)、ラウンド有効期間外である場合には(S4801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S4801:Yes)、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したか判別する(S4802)。球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したと判別した場合には(S4802:Yes)、排出個数カウンタ203γの値を1加算して更新し(S4803)、処理をS4804へと移行する。一方、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過していないと判別した場合には(S4802:No)、S4803の処理をスキップし、処理をS4804へと移行する。
S4804の処理では、残球タイマフラグ203wがオンであるか判別し(S4804)、残球タイマフラグ203wがオフであると判別した場合は(S4804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203wがオンであると判別した場合は(S4804:Yes)、球はけ期間中であることを意味するので、残球タイマ203xの値に1を加算して更新し(S4805)、更新後の残球タイマ203xの値が上限値(本実施形態では、3秒)であるか否かを判別する(S4805)。
S4805の処理において、残球タイマ203xの値が上限値でないと判別した場合は(S4806:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203xの値が上限値であると判別した場合には(S4806:Yes)、第1可変入賞装置65から排出された遊技球の個数(排出個数)と、第1可変入賞装置65へと入賞した遊技球の個数(入賞個数)とが一致するか否かを判別する(S4807)。ここで、排出個数は、確変通過カウンタ203βと排出個数カウンタ203γとの合計値により算出され、入賞個数は、入賞個数カウンタ203δの値に一致する。
S4807の処理において、排出個数と入賞個数とが一致しないと判別した場合は(S4807:No)、エラーコマンドを設定し(S4808)、処理をS4809へと移行する。ここで設定されたエラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図110参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がなされ、ホールコンピュータ262に対して、異常検出信号が出力される。よって、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。一方、S4807の処理において、排出個数と入賞個数とが一致すると判別した場合は(S4807:Yes)、S4808の処理をスキップして、処理をS4809へと移行する。
S4809の処理では、残球タイマフラグ203wをオフに設定し(S4809)、残球タイマ203xを初期値である0にリセットする(S4810)。その後、入賞個数カウンタ203δ、排出個数カウンタ203γ、確変通過カウンタ203βをそれぞれ初期値にリセットし(S4811)、本処理を終了する。
<第4実施形態におけるホールコンピュータの制御処理について>
次に、図116、および図117を参照して、第4実施形態に於けるホールコンピュータ262の制御装置272により実行される各種制御処理について説明する。
まず、図116を参照して、第4実施形態におけるホールコンピュータ262の制御装置272によって実行されるメイン処理について説明する。図116は、このメイン処理を示したフローチャートである。
このメイン処理のうち、S3501〜S3504、およびS3506〜S3508の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図64参照)のS3501〜S3504、およびS3506〜S3508の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態におけるメイン処理では、S3504の処理が終了すると、第1実施形態における復電時比較処理(図66参照)に代えて、復電時比較処理2を実行し(S3531)、処理をS3506へと移行する。この復電時比較処理2(S3531)の詳細について、図117を参照して説明する。
図117は、上述した復電時比較処理2を示すフローチャートである。この復電時比較処理2(S3531)は、第1実施形態における復電時比較処理(図66参照)と同様に、パチンコ機10に対して電源が投入された場合に、前回の電源断時における遊技状態と、今回の電源投入時における遊技状態とを比較し、異常の有無を判別するための処理である。
この復電時比較処理2(S3531)のうち、S3701〜S3708、S3710、およびS3711の各処理では、それぞれS3701〜S3708、S3710、およびS3711の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における復電時比較処理2(S3531)では、S3707の処理において、電源投入時の状態が特別図柄の大当たり中でないと判別され(S3707:No)、S3708の処理において、電源投入時の状態が特別図柄の高確率状態中であると判別された場合に(S3708:Yes)、次いで、遊技履歴を参照し、前回の大当たりにおいて、遊技球が確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過したか否かを判別する(S3721)。
S3721の処理において、前回の履歴に確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過した情報が記憶されていないと判別した場合は(S3721:No)、前回の大当たりにおいて遊技球が確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過していないにも関わらず、大当たりの終了後に特別図柄の高確率状態へと移行したことを意味する。よって、パチンコ機10に対して何らかの異常が発生しているか、不正行為により強制的に特別図柄の高確率状態へと移行させられた虞があるので、異常の報知を設定し(S3710)、処理をS3711へと移行する。
一方、前回の履歴に確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過した情報が記憶されていると判別した場合は(S3721:Yes)、大当たり中に遊技球が確変スイッチ(確変ゲート)65e3を通過したことに基づいて正当に特別図柄の高確率状態へと移行したことを示している。よって、この場合は、異常や不正行為の可能性がないと判断し、S3710の処理をスキップして、処理をS3711へと移行する。
このように、パチンコ機10よりホールコンピュータ262に対して遊技の状況に応じた情報を出力し、ホールコンピュータ262において遊技履歴としてハードディスク273の所定領域に記憶しておくことにより、異常や不正行為の可能性を容易に判別することができる。
以上説明した通り、第4実施形態におけるパチンコ機10では、可変入賞装置65の内部に設けられている切替部材65hの開放動作を、大当たり種別に応じて異ならせている。これにより、8ラウンド目において確変スイッチ65e3を通過可能な大当たり種別(大当たりA)と、確変スイッチ65e3を通過することが困難な大当たり種別(大当たりB)とを設け、大当たり種別により確変付与割合を制御できるように構成している。そして、この構成のパチンコ機10において、遊技の状況に応じた情報や、遊技状態を示す情報をホールコンピュータ262等の外部装置へと出力するように構成している。
一方、第4実施形態におけるホールコンピュータ262は、パチンコ機10の外部出力端子板261より出力された外部出力信号に基づいて、遊技の状況をリアルタイムで把握し、遊技の履歴を更新するように構成されている。これにより、ホールコンピュータ262の操作者は、各パチンコ機10に関する詳細な情報を確認できる。
また、ホールコンピュータ262は、パチンコ機10から出力される遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ機10に異常や不正行為の可能性の有無を判別するように構成されている。これにより、パチンコ機10において異常が発生していたり、不正行為が行われていた場合に、ホールコンピュータ262の操作者に対して認識させることができるので、異常や不正行為に対して迅速に対応させることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、電源投入時、および電源断の発生時に、CN2〜CN8の各チャンネルより、H出力の出力期間が0.1秒の信号を出力可能に構成しているが、出力期間は0.1秒に限られるものではない。例えば、0.1秒よりも短い0.05秒の出力期間としてもよい。これにより、電源投入時の処理に要する期間を短くすることができるので、より迅速に異常の発生を報知し、異常の解消を図ることができる。また、電源断の発生からより短い期間で遊技状態を示す情報の出力を終了することができるので、電源断の発生から電源が完全に遮断されるまでの時間を短くしても、遊技状態を示す情報の出力を完了させることができる。つまり、電源断の発生後に主制御装置110等へ電力を供給するコンデンサ等の蓄電手段の容量を少なくすることができる。よって、蓄電手段のコストダウンを図ることにより、パチンコ機10の原価を安くすることができる。
本実施形態では、外部出力端子板261の各チャンネルから出力される信号が所定期間H出力の状態である場合に、ホールコンピュータ262等の外部装置によって各種信号が出力されたと判別されるように構成しているがこれに限られるものではなく、L出力の状態と、H出力の状態とを反転させてもよい。
また、CN2〜CN8の各チャンネルより出力される信号の出力期間を、0.1秒よりも長くしても良い。出力期間を長くすることにより、ホールコンピュータ262等の外部装置は、より確実に各チャンネルから出力された信号を検出することができるので、パチンコ機10に対して異常が発生しているか否かをより正確に判別することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、CN1から電源オン信号を出力するように構成していたが、これに限られるものではなく、任意のチャンネルから出力してよい。また、他のチャンネルに関しても、チャンネルと出力信号との対応関係は任意に定めてもよい。
本実施形態では、図106、図107に示した内容の信号を出力するように構成しているが、出力される信号は必ずしも本実施形態の構成に限られるものではない。例えば、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される変動パターンコマンドを外部装置へも出力するように構成してもよい。このように構成することで、ホールコンピュータ262等の外部装置は、変動パターンコマンドに含まれる大当たりか否かの情報や、変動期間を示す情報を取得することができる。よって、図柄変動中に、図柄変動の結果を判別することができる。これにより、例えば、特別図柄の外れを示す変動パターンコマンドを受信したにも関わらず、図柄の変動が終了した後で大当たりとなった場合には、何らかの不正行為を行われた可能性があると判別することができる。従って、不正行為を抑制し、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。また、例えば、外部出力端子板261と発射制御装置112とを電気的に接続し、発射制御装置112によって発射が設定された遊技球の個数を示す信号を出力する用に構成してもよい。これにより、遊技者によって打ち出された球数と、アウト口66や各種入賞口へと入球した遊技球の個数とを比較することができる。そして、打ち出された球数に対して、各種入賞口へと入球した遊技球の数が不自然に多い等の異常を検出した場合に、ホールコンピュータ262の操作者に対して異常を報知し、パチンコ機10の点検を行わせることができる。よって、パチンコ機10に対する不正行為や不具合等を早期に発見することができる。
上記各実施形態のパチンコ機10では、アウト球を10球検出する毎に、アウト球検出信号を出力するように構成していたが、必ずしも10球毎に出力する必要はなく、任意に定めることができる。例えば、5球毎にアウト球検出信号を出力するように構成してもよい。10球毎にアウト球検出信号を出力するように構成した場合、アウト球数の1の位を把握することができないため、実際にアウト口66に入球した遊技球の個数と、ホールコンピュータ262が把握するアウト球数との間に、最大で9球の誤差が生じてしまう。よって、10球よりも少ない個数毎(例えば、5球毎)にアウト球検出信号を出力するように構成することで、実際にアウト口66へと入球した遊技球の個数と、ホールコンピュータ262が把握するアウト球数との間の誤差を少なくすることができる。また、アウト球検出信号を出力するまでにアウト口66へと入球する遊技球の個数を10球よりも多くしてもよい(例えば、20球毎)。これにより、アウト球検出信号を出力する頻度が減るので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。また、同様の理由から、入賞検出信号についても、必ずしも10球の賞球を検出する毎に出力する必要はなく、任意に定めることができる。更に、払出信号についても、必ずしも10球の賞球の払い出しを検出する毎に出力する必要はなく、任意に定めることができる。
また、各チャンネルから出力される信号のH出力期間を固定し(例えば、0.1秒とし)、所定の期間内にH出力の状態に設定される回数を信号の種別に応じて異ならせることにより、いずれの状態において出力された信号であるかを識別可能に構成してもよい。また、出力チャンネルに応じてH出力の状態に設定される回数を異ならせてもよい。これにより、信号の出力期間に応じて時間を計時する必要がなく、出力回数のみをカウントできればよいので、処理を単純化させることができる。
上記各実施形態において、電源がオンに設定されている間は電源オン信号がH出力の状態に固定されていたが、これに限られるものではない。例えば、電源オン信号の態様として、パチンコ機10に対して電源が投入されている間は、所定の周期でH出力の状態とL出力の状態とを繰り返すように構成してもよい。つまり、電源が投入されている間は、CN1から矩形波を出力するように構成してもよい。これにより、故障や接続ミス等により、CN1の出力がH出力の状態に固定されてしまった場合に、その故障または接続ミスの発生を判別することができる。また、第1大開放口動作信号や、第2大開放口動作信号等の、所定条件が成立している間はH出力の状態に設定される信号の態様を、所定条件が成立している間、所定の周期を有する矩形波に変更してもよい。また、矩形波に代えて、正弦波や三角波、のこぎり波等を出力するように構成してもよい。
上記各実施形態において、外部出力端子板261の各チャンネルは、H出力の状態(即ち、出力が5ボルトの状態)、またはL出力の状態(即ち、出力が0ボルトの状態)の2種類の状態に設定することにより、各種情報をホールコンピュータ262等の外部装置へと通知していたが、各チャンネルの出力は2種類に限られるものではなく、2種類よりも多い出力を行ってもよい。例えば、0ボルトの状態と、2.5ボルトの状態と、5ボルトの状態の3つの状態に設定可能に構成してもよい。そして、例えば、CN1より電源が投入されている間は、2.5ボルトの信号が出力されるように構成し、電源が投入されている間に第1入球口64への入賞(始動入賞)を検出した場合には、CN1の出力を0.2秒間5ボルトの状態に設定してもよい。これにより、パチンコ機10に対して電源が投入されているか否かを示す情報と、始動入賞の情報とを1のチャンネルで出力することができる。よって、外部出力端子板261の出力チャンネル数を削減することができるので、外部出力端子板261の部品点数を削減できる。従って、パチンコ機10の原価が上昇することを抑制することができる。
上記各実施形態では、パチンコ機10から出力された各種信号が、台管理装置263、島管理装置264、および中継装置265を介してホールコンピュータ262へと入力される構成としているが、この構成に限られるものではない。例えば、パチンコ機10から直接ホールコンピュータ262へと信号が入力されるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10から出力された信号が、各外部装置を経由する過程で変質してしまい、ホールコンピュータ262が誤ったデータを記憶してしまうことを抑制することができる。また、台管理装置263、島管理装置264、中継装置265のうち、一部を省略してもよい。例えば、島管理装置264に中継装置265の機能を含め、中継装置265を省略してもよい。これにより、ホールの設備投資額や電気代を低減することができる。
上記各実施形態では、外部出力端子板261の各チャンネルからパラレル方式で信号を出力するように構成しているが、シリアル方式で信号を出力するように構成してもよい。例えば、外部出力端子板261の出力チャンネルをCN1〜CN3の3種類とし、CN1からは電源オン信号を出力し、CN2からは各種信号に対応する信号を出力し、CN3からは、CN2から出力されるデータが何のデータかを示す信号(クロック)を出力するように構成してもよい。
上記各実施形態のパチンコ機10では、通常の遊技状態において外部出力装置261から出力される信号が、遊技の状況に応じた情報を通知する信号(図22参照)とされていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技停止中(パチンコ機10のハンドル51を遊技者が操作していない状態)や、デモ演出中であることを検出した場合に、遊技状態を示す情報を出力するように構成してもよい。この場合において、遊技停止状態、またはデモ演出中の状態が解除されるまで、遊技状態を示す情報を周期的に、或いは不定期で繰り返し出力してもよい。また、ホールコンピュータ262は、遊技状態を示す情報を受信する度に、前回の受信結果と比較することにより、パチンコ機10の遊技状態が変化したか否かを判別するように構成してもよい。遊技停止中や、デモ演出中に遊技状態が変化する場合は、パチンコ機10に対して異常が発生していたり、パチンコ機10に対して不正行為が行われた可能性が高いので、遊技状態を繰り返し確認することにより、異常動作や不正行為を迅速に検出し、対応することができる。
上記各実施形態のパチンコ機10では、確変入球口へと遊技球が入球したり(第1〜第3実施形態)、確変スイッチ65e3を遊技球が通過した場合に(第4実施形態)、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態が付与されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、大当たりに当選した段階で大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行するか否かが決定される(即ち、大当たり種別と、大当たり終了後の状態との対応関係が予め決まっている)パチンコ機10において、外部出力端子板261により遊技の状況に応じた情報や、遊技状態を示す情報を外部装置へと出力するように構成してもよい。
上記各実施形態では、ホールコンピュータ262は、島管理装置264から出力される島管理装置264の個体識別情報と、パチンコ機10が接続されている接続端子の情報とに基づいて、何番台のパチンコ機10から外部出力信号が出力されたのかを判別可能に構成していたが、パチンコ機10を識別するための情報を出力するのは島管理装置264に限られるものではない。例えば、中継装置265において、外部出力信号を出力したパチンコ機10の個体を特定可能な情報を生成し、ホールコンピュータ262へと出力するように構成してもよい。また、パチンコ機10の外部出力端子板261から、各パチンコ機10を識別するための個体識別情報を出力するように構成してもよい。これにより、パチンコ機10を島管理装置264の各接続端子に接続する際に、接続する接続端子を誤ったとしても、パチンコ機10から出力される個体識別情報に基づいて外部出力信号を出力した個体を正確に判別することができる。また、台管理装置263の個体を識別可能な個体識別情報を台管理装置263が出力するように構成してもよい。これにより、パチンコ機10の処理負荷を増加させることなく、ホールコンピュータ262に対して外部出力信号を出力したパチンコ機10を正確に判別させることができる。
上記各実施形態では、RAM消去スイッチ122を押下した状態で電源が投入されたことをホールコンピュータ262等の外部装置へと通知するために、専用の出力チャンネルからRAM初期化信号を出力するように構成していたが、必ずしも専用の出力チャンネルからRAM初期化信号を出力する必要はない。第1実施形態、第3実施形態、および第4実施形態において、電源オン信号(CN1)にRAM消去スイッチ122を押下されたか否かの情報を含めて出力するように構成してもよい。例えば、電源オン信号(CN1)の出力が開始されてから所定期間が経過した後に、一定期間だけ電源オン信号(CN1)をL出力の状態に設定し、再度電源オン信号(CN1)をH出力の状態に設定することにより、RAM消去スイッチ122が押下されたことを通知するように構成してもよい。つまり、電源オン信号(CN1)の出力が開始されてから電源の遮断を検出することに基づいて電源オン信号(CN1)の出力が停止されるまでの間に、一定期間のL出力期間が設定されればRAM消去スイッチ122を押下した状態で電源が投入されたことを示し、L出力の状態が設定されなければ、RAM消去スイッチ122を押下していないことを示すように構成してもよい。また、上記第2実施形態において、も同様に、例えば、電源状態信号(CN1)がH出力の状態に設定されてから所定期間(例えば、0.1秒)が経過した後で、一定期間だけ電源状態信号(CN1)をL出力の状態に設定してもよい。これにより、RAM初期化信号を出力する専用チャンネルを設ける必要がなくなるため、他の情報を出力することができる。よって、より多くの情報をホールコンピュータ262等の外部装置へと通知することができる。また、CN1をL出力の状態に設定する期間は、瞬停等により瞬間的に電源が断された場合と区別できるように、瞬停では実現し得ない程度に十分短い期間(例えば、1ms)としてもよい。これにより、瞬停が発生してCN1がL出力の状態になった場合と、RAM消去スイッチ122が押下されたことによりCN1がL出力の状態になった場合とをホールコンピュータ262が明確に区別することができる。
上記各実施形態では、電源が投入されてから電源が遮断されるまでの間に外部出力端子板261より外部出力信号を出力可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機10に対して一次電池や二次電池等の内部電源を設けておき、パチンコ機10に対する電源電圧の供給が遮断された後も外部出力信号を出力可能に構成してもよい。これにより、電源が遮断されている間に不正行為が行われ、例えば強制的に大当たりの状態に設定されたとしても、大当たり状態になったことを外部出力端子板261よりホールコンピュータ261へと出力することができるので、より早期に不正行為が行われたことをホールコンピュータ262に対して認識させることができる。
また、上記した各実施形態および各制御例の全部または一部をそれぞれ組み合わせても良い。
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(遊技機が電源オン状態かオフ状態かをホルコンに通知する)
遊技の情報が記憶され、記憶した情報を電源が遮断されてから少なくとも所定期間保持することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記遊技の情報に基づいて遊技に関する制御を実行可能な制御手段と、遊技機に対して電源が投入されていることを示す電源投入信号を、遊技機から受信した信号に基づいて所定の処理を行う外部装置へと出力可能な信号出力手段と、その信号出力手段により前記電源投入信号の出力が停止される場合に、前記記憶手段に記憶されている前記遊技の情報の少なくとも一部に対応する遊技情報信号を前記外部装置へと出力可能な停止時出力手段と、前記信号出力手段により前記電源投入信号の出力が開始される場合に、前記遊技情報信号を前記外部装置へと出力可能な開始時出力手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ホールコンピュータ等の外部装置へ遊技に関する情報を出力するものがある(例えば、特許3848105号公報)。かかる遊技機では、大当たりに当選したことを示す信号や、図柄変動の開始を示す信号、賞球を払い出したことを示す信号等の遊技の状況に応じた信号を外部へ出力することで、外部装置に対して遊技機において行われている遊技の状況を把握させることができる。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技機の電源が遮断されている間に遊技機に対して不正行為が行われたとしても、その不正行為を外部装置に認識させることが困難であった。
これに対し、遊技機A1によれば、記憶手段により遊技の情報が記憶され、その記憶された情報は電源が遮断されてから少なくとも所定期間保持される。その記憶手段に記憶された遊技の情報に基づいて制御手段により遊技に関する制御が行われる。遊技機に対して電源が投入されていることを示す電源投入信号が、信号出力手段により外部装置へと出力され、その信号出力手段により電源投入信号の出力が停止される場合に、記憶手段に記憶されている遊技の情報の少なくとも一部に対応する遊技情報信号が停止時出力手段により外部装置へと出力される。また、信号出力手段により電源投入信号の出力が開始される場合に、遊技情報信号が開始時出力手段により外部装置へと出力される。
これにより、外部装置に対して、電源投入信号の出力が停止されることに基づいて出力した遊技情報信号と、電源投入信号の出力が開始されたことに基づいて出力した遊技情報信号とに基づいて、遊技機の電源が遮断されている間に不正行為が行われたか否かを判別させることができる。つまり、電源投入に基づいて不正行為の有無を判別させることができるので、不正行為が行われた状態で遊技が開始されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技機に対する不正行為によって、ホールに損害を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、外部装置に対して、電源投入信号の出力が停止されることに基づいて出力した遊技情報信号と、電源投入信号の出力が開始されたことに基づいて出力した遊技情報信号とに基づいて、遊技機の電源が遮断されている間に状態が変化したか否かを判別させることができる。よって、外部装置に対して遊技機の状態を正確に把握させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記開始時出力手段による前記遊技情報信号の出力が終了してから、前記電源投入信号の出力が停止されるまでの間に、前記遊技情報信号により示される遊技の情報とは異なる遊技の情報に対応する信号を出力可能な遊技情報出力手段を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、開始時出力手段による遊技情報信号の出力が終了してから、電源投入信号の出力が停止されるまでの間に、遊技情報信号により示される遊技の情報とは異なる遊技の情報に対応する信号が遊技情報出力手段により出力されるので、より多くの遊技の情報を出力することができる。よって、外部装置に対して、遊技機のより詳細な情報を把握させることができるという効果がある。
遊技機A1又はA2のいずれかにおいて、前記遊技情報信号の出力が終了したことを示す終了信号を前記外部装置へと出力可能な終了信号出力手段を備えることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、遊技情報信号の出力が終了したことを示す終了信号が終了信号出力手段により外部装置へと出力されるので、外部装置が受信した信号を他の信号と誤認してしまうことを抑制することができる。よって、外部装置に対して、遊技機の遊技の情報をより正確に把握させることができるという効果がある。
遊技機A3において、前記遊技情報信号は、複数の出力チャンネルから構成される出力チャンネル群の一部または全部を用いて出力されるものであり、前記終了信号は、前記出力チャンネル群のうち前記遊技情報信号の一部が出力される1の出力チャンネルを用いて出力されるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、複数の出力チャンネルから構成される出力チャンネル群の一部または全部を用いて遊技情報信号が出力され、その遊技情報信号が出力される出力チャンネル群のうち1の出力チャンネルを用いて終了信号が出力される。
これにより、出力チャンネル群を増加させることなく外部装置に対して終了信号を出力させることができるので、出力チャンネル群の単価が上昇してしまうことを抑制することができる。よって、遊技機の原価が上昇してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A4において、前記終了信号が出力される出力チャンネルから出力される前記遊技情報信号は、信号の出力期間が前記終了信号と異なるものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、終了信号が出力される出力チャンネルから出力される遊技情報信号は、信号の出力期間が終了信号と異なるので、遊技機から外部装置に対して終了信号を出力したにも関わらず、外部装置によって遊技情報信号が出力されたと判別されたり、遊技機から外部装置に対して遊技情報信号を出力したにも関わらず、外部装置によって終了信号が出力されたと判別されたりすることを抑制することができる。よって、外部装置に対して、遊技機の遊技の情報をより正確に把握させることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、所定条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技状態へと状態を移行する状態移行手段を備え、前記記憶手段に記憶される遊技の情報には、前記特典遊技状態であるか否かを示す特典遊技情報が含まれるものであり、前記遊技情報信号には、前記特典遊技情報に対応する情報が含まれるものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定条件の成立に基づいて、状態移行手段により遊技者に有利な特典遊技状態へと状態が移行される。また、特典遊技状態であるか否かを示す特典遊技情報が記憶手段に記憶され、その特典遊技情報に対応する情報が遊技情報信号に含まれる。
これにより、電源が遮断されている間に不正に特典遊技状態へと状態が移行されたとしても、次に電源投入信号の出力が開始されることに基づいて出力される遊技情報信号により、外部装置に対して不正行為を認識させることができる。よって、不正に特典遊技状態へと移行させられた状態で不正遊技者により遊技を行われることを抑制することができるので、不正行為によってホールに損害を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A2において、特定条件の成立に基づいて遊技者に対して所定数の有価物体を払い出す払出手段と、その払出手段により払い出された有価物体の数を計数する計数手段とを備え、前記遊技情報出力手段は、前記計数手段により計数された有価物体の数に対応する情報を少なくとも前記外部装置へと出力するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件の成立に基づいて遊技者に対して所定数の有価物体が払出手段によって払い出され、その払出手段により払い出された有価物体の数が計数手段によって計数される。また、計数手段により計数された有価物体の数に対応する情報が遊技情報出力手段により外部装置へと出力される。
これにより、外部装置に対して、払出手段により払い出された有価物体の数を把握させることができる。よって、外部装置により、有価物体の数に基づいて売り上げを算出させたり、異常な払い出しを検出させたりすることができるという効果がある。
<特徴B群>(1ピンで電源オン信号とオフ信号をホルコンに通知し、通常遊技中はその1ピンを遊技に関する情報の出力に用いる)
遊技機から受信した信号に基づいて所定の処理を行う外部装置へと、電源投入に基づいて電源投入を通知するための投入通知情報を出力する投入情報出力手段と、その投入情報出力手段から前記投入通知情報が出力されていない場合に、前記投入情報出力手段により前記投入通知情報とは異なる所定の情報を出力させることが可能な出力制御手段とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ホールコンピュータ等の外部装置へ遊技に関する情報を出力するものがある(例えば、特許3848105号公報)。かかる遊技機では、大当たりに当選したことを示す信号や、図柄変動の開始を示す信号、賞球を払い出したことを示す信号等の遊技の状況に応じた信号を外部へ出力することで、外部装置に対して遊技機において行われている遊技の状況を把握させることができる。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技機の電源が遮断されている間に遊技機に対して不正行為が行われたとしても、その不正行為を外部装置に認識させることが困難であった。
これに対し、遊技機B1によれば、電源投入に基づいて電源投入を通知するための投入通知情報が投入情報出力手段により外部装置へと出力され、その投入情報出力手段から投入通知情報が出力されていない場合に、投入情報とは異なる所定の情報が投入情報出力手段から出力されるように出力制御手段により制御される。
これにより、異なる所定の情報を受信した外部装置に対して、その所定の情報に基づいて遊技機に対する不正行為の有無を認識させることができるという効果がある。
遊技機B1において、電源断に基づいて前記外部装置へと電源断を通知するための電断通知情報を出力する電断情報出力手段を備え、前記所定の情報は、前記投入通知情報とも、前記電断通知情報とも異なるものであり、前記出力制御手段は、前記投入通知情報、および前記電断通知情報のどちらも出力されていない場合に、前記投入情報出力手段、および前記電断情報出力手段のうち少なくとも一方から前記所定の情報を出力させることが可能なものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電源断に基づいて電源断を通知するための電断通知情報が電断情報出力手段により外部装置へと出力される。また、所定の情報は、投入通知情報とも、電断通知情報とも異なる情報により構成されている。投入通知情報、および電断通知情報のどちらも出力されていない場合に、投入情報出力手段、および電断情報出力手段のうち少なくとも一方から所定の情報が出力制御手段により出力される。
これにより、所定の情報と、投入通知情報、または電断通知情報とを外部装置が誤認してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B2において、遊技の情報が記憶され、記憶した情報を電源が遮断されてから少なくとも所定期間保持することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記遊技の情報に基づいて遊技に関する制御を行う制御手段と、前記投入情報出力手段から前記投入通知情報が出力されたことに基づいて前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報の少なくとも一部に対応する遊技情報信号を前記外部装置へと出力する投入時出力手段と、前記電断情報出力手段から前記電断通知情報が出力されたことに基づいて前記遊技情報信号を前記外部装置へと出力する電断時出力手段とを備えることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の情報が記憶手段に記憶され、その記憶された情報は電源が遮断されてから少なくとも所定期間保持される。投入情報出力手段から投入通知情報が出力されたことに基づいて記憶手段に記憶された遊技の情報の少なくとも一部に対応する遊技情報信号が投入時出力手段により外部装置へと出力される。電断時情報出力手段から電断通知情報が出力されたことに基づいて遊技情報信号が電断時出力手段により外部装置へと出力される。
これにより、電断通知情報が出力されたことに基づいて出力された遊技情報信号と、投入通知情報が出力されたことに基づいて出力された遊技情報信号とに基づいて、電源が投入された際に、電源が遮断されている間に遊技機に対して不正行為が行われた可能性の有無を判別させることができる。よって、不正遊技者により不正に遊技を行われてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B3において、前記出力制御手段は、前記投入情報出力手段から前記投入通知情報と、前記遊技情報信号と、前記電断通知情報とを出力するよう制御するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、投入情報出力手段から投入通知情報と、遊技情報信号と、電断通知情報とが出力されるように出力制御手段により制御されるので、出力手段を増加させることなく外部装置へと複数の情報を出力することができる。よって、遊技機の規模を増大させることを抑制し、遊技機の原価が上昇してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B4において、前記出力制御手段は、前記投入通知情報が出力されたことに基づいて前記遊技情報信号が出力されてから電源断が発生するまでに、前記遊技情報信号に対応する遊技の情報とは異なる遊技の情報に対応する情報を前記外部装置へと出力するように制御可能なものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、投入通知情報が出力されたことに基づいて遊技情報信号が出力されてから電源断が発生するまでに、前記遊技情報信号に対応する遊技の情報とは異なる遊技の情報に対応する情報が出力制御手段により外部装置へと出力するように制御されるので、より多くの情報を外部装置へと出力することができる。よって、外部装置に対して遊技機に対するより詳細な情報を把握させることができるという効果がある。
遊技機B2からB5のいずれかにおいて、所定条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技状態へと状態を移行する状態移行手段を備え、前記遊技情報信号には、前記特典遊技状態であるか否かを示す情報が含まれるものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B2からB5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定条件の成立に基づいて、状態移行手段により遊技者に有利な特典遊技状態へと状態が移行される。また、特典遊技状態であるか否かを示す情報が遊技情報信号に含まれる。
これにより、電断通知情報が出力されたことに基づいて出力された遊技情報信号と、投入通知情報が出力されたことに基づいて出力された遊技情報信号とに基づいて、電源が投入された際に、電源が遮断されている間に不正に特典遊技状態へと状態を移行させる不正行為が行われた可能性の有無を判別させることができる。よって、不正に特典遊技状態へと移行させられた遊技機により遊技を行われることにより、ホールに不測の損害を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴C群>(立ち上げ時に、単ピンで別々に情報を出力する期間と、複数ピンの複合で情報を出力する期間とを設定する)
遊技機から出力される情報に基づいて所定の処理を行う外部装置に対して情報を出力するための出力部を複数有して構成される情報出力手段と、その情報出力手段が有する複数の出力部からそれぞれ個別の情報である単体情報を出力させる単体情報出力手段と、前記情報出力手段が有する複数の出力部のうち2以上の出力部を用いて出力される情報である複合情報を出力させる複合情報出力手段とを備え、前記情報出力手段は、予め定められた所定期間において、前記単体情報出力手段により前記単体情報を出力させる期間と、前記複合情報出力手段により前記複合情報を出力させる期間とが少なくとも設定されるものであることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ホールコンピュータ等の外部装置へ遊技に関する情報を出力する外部出力手段を有するものがある(例えば、特許3848105号公報)。かかる遊技機では、大当たりに当選したことを示す信号や、図柄変動の開始を示す信号、賞球を払い出したことを示す信号等の遊技の状況に応じた信号を、外部出力手段の各外部から個別に出力することで、外部装置に対して複数の遊技の情報を並列して通知することができる。しかし、上述した従来の遊技機では、各出力部から出力される情報が、信号のオンおよびオフの2通りの状態で表現できる内容に限られていたので、外部装置へと通知する情報量が制限されていた。
これに対し、遊技機C1によれば、外部装置に対して情報出力手段が複数有する出力部により情報が出力され、その複数の出力部からそれぞれ個別の情報である単体情報が出力されるように単体情報出力手段により制御される。また、複数の出力部のうち2以上の出力部を用いて出力される情報である複合情報が出力されるように複合情報出力手段により制御される。予め定められた所定期間において、単体情報出力手段により単体情報を出力させる期間と、複合情報出力手段により複合情報を出力させる期間とが情報出力手段により設定される。
これにより、所定期間において単体情報と、複合情報とを情報出力手段から出力することができる。よって、出力部を増加させることなく、外部装置に対してより詳細な情報を出力することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記情報出力手段は、電源が投入されてから所定期間が経過するまでに、遊技機から受信した信号に基づいて所定の処理を行う外部装置へと、前記単体情報と、前記複合情報とを出力可能なものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、電源が投入されてから所定期間が経過するまでに、単体情報と、複合情報とが情報出力手段により外部装置へと出力されるので、電源が投入された場合に、より多くの種類の情報を外部装置へと出力することができるという効果がある。
遊技機C2において、遊技の情報が記憶され、記憶した情報を電源が遮断されてから少なくとも所定期間保持することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記遊技の情報に基づいて遊技に関する制御を行う制御手段とを備え、前記単体情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応するものであり、前記複合情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応する情報であって、前記単体情報に対応する遊技の情報とは異なる遊技の情報に対応するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の情報が記憶手段に記憶され、その記憶手段に記憶された情報は電源が遮断されてから所定時間保持される。記憶手段に記憶された遊技の情報に基づいて制御手段により遊技に関する制御が行われる。また、記憶手段に記憶された遊技の情報のうち少なくとも一部に単体情報が対応し、その単体情報に対応する遊技の情報とは異なる遊技の情報に複合情報が対応する。
これにより、より多くの遊技の情報を外部装置に対して出力することができるので、外部装置に対して遊技機のより詳細な情報を把握させることができるという効果がある。
遊技機C2又はC3のいずれかにおいて、前記所定期間において、前記単体情報を出力させる期間であるか、前記複合情報を出力させる期間であるかを識別するための識別情報を前記外部装置へと出力する識別情報出力手段を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2又はC3のいずれかが奏する効果に加え、所定期間において、単体情報を出力させる期間であるか、複合情報を出力させる期間であるかを示す識別情報が識別情報出力手段により外部装置へと出力されるので、外部装置に対して、単体情報と、複合情報とを正確に判別させることができるという効果がある。
遊技機C4において、前記識別情報は、前記情報出力手段が有する複数の出力部のうち一部の出力部から出力されるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、情報出力手段が有する複数の出力部のうち一部の出力部から識別情報が出力されるので、出力部を増加させることなく識別情報を出力させることができる。よって、情報出力手段の大規模化を抑制し、遊技機の原価上昇を抑制することができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により所定の抽選結果となった場合に遊技者に有利な特典遊技状態へと状態を移行する状態移行手段とを備え、前記情報出力手段は、前記抽選手段により所定の抽選結果となってから前記特典遊技状態が終了するまでに、前記外部装置へと、前記単体情報と、前記複合情報とを出力可能なするものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1の奏する効果に加え次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段により所定の抽選結果となった場合に、状態移行手段により遊技者に有利な特典遊技状態へと状態が移行される。そして、抽選手段により所定の抽選結果となってから特典遊技状態が終了するまでに、外部装置へと単体情報と複合情報とが情報出力手段により出力される。
これにより、特典遊技状態に関するより多くの情報を外部装置へと出力することができるので、外部装置に対して特典遊技状態に関する詳細な情報を把握させることができるという効果がある。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記単体情報は、前記複合情報よりも情報量が少ないものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかが奏する効果に加え、単体情報が複合情報よりも情報量が少ないので、情報量の異なる複数の情報を外部装置に対して出力することができる。よって、より多くの情報を外部装置に対して出力することができるという効果がある。
<特徴D群>(2回分の確変を確定させるための役物の構造)
遊技球が入球可能な入球口と、その入球口へ入球した遊技球が入球可能な第1領域および第2領域と、その第1領域および第2領域のどちらか一方へ前記入球口に入球した遊技球を振り分ける振分手段とを備え、前記第1領域へ遊技球が入球したことに基づいて、前記第2領域へ遊技球が入球した場合よりも遊技者に有利な特別遊技状態へと移行する遊技機において、前記振分手段は、前記第1領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第1状態と、前記第1領域または第2領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第2状態とに可変させることが可能な可変手段と、前記第1状態である場合に、遊技球が通過可能とされる第1流路と第2流路と、前記第2状態である場合に、遊技球が通過可能とされる第3流路と第4流路とを備えており、前記可変手段は、前記第2流路を遊技球が通過した場合に、前記第1状態から前記第2状態へと前記振分手段を可変させ、前記第3流路を遊技球が通過した場合に、前記第2状態から前記第1状態へと前記振分手段を可変させるものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、可変手段により、振分手段が、第1領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第1状態と、第1領域または第2領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第2状態とに可変される。そして、第1状態では、第1流路と第2流路とを遊技球が通過可能とされ、第2状態では、第3流路と第4流路とを遊技球が通過可能とされる。ここで、遊技球が第2流路を通過した場合に、可変手段によって振分手段の状態が第1状態から第2状態へと可変され、遊技球が第3流路を通過した場合に、可変手段によって振分手段の状態が第2状態から第1状態へと可変される。これにより、振分手段が第1状態へと可変されれば、振分手段によって行われる次回の振り分けにおいて、遊技球が第1領域へと振り分けられて特別遊技状態へ移行することを遊技者に対して認識させることができる。よって、振分手段が第1状態へと可変されてから、次に振分手段によって振り分けが行われるまでの間、遊技者に対し、特別遊技状態へと移行することに対する安心感と満足感を抱かせながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記第3流路は、通過した遊技球を第1領域へ入球させるものであり、前記第4流路は、通過した遊技球を第2領域へ入球させるものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3流路を通過した遊技球は第1領域へ入球し、第4流路を通過した遊技球は第2領域へ入球するので、遊技球が第3流路を通過すれば、遊技球が第1領域へ入球して特別遊技状態へ移行し、振分手段の状態が第1状態へと可変する。よって、遊技者にとって有利な特別遊技状態へ連続して移行させることができるので、遊技球が第3流路を通過したことに基づいて特別遊技状態へと移行したことを認識した遊技者に対して、特別遊技状態が連続することに対する安心感と満足感とを抱かせることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記可変手段は、通過する遊技球の重さに基づいて振分手段の状態を可変させることが可能であることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過する遊技球の重さに基づいて振分手段の状態が可変手段により可変されるので、可変手段により振分手段の状態を自然な動作で可変させることができる。よって、振分手段の状態が不自然なタイミングで可変されてしまい、遊技者が遊技機やホールに対して不信感を抱いてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記可変手段は、遊技球が通過していない状態で振分手段の状態が可変することを抑制する可変抑制手段を備える事を特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が通過していない状態での振分手段の状態の切り替わりが可変抑制手段によって抑制されるので、可変手段により振分手段が可変されるタイミングと異なるタイミングで振分手段が第1状態から第2状態へと切り替わってしまい、遊技者に損害を与えてしまったり、遊技機やホールに対する不信感を抱かせてしまったりすることを抑制することができる。
<特徴E群>(2回ループ用の流路及び構造体の状態に応じた表示演出を行う)
抽選条件の成立に基づいて、当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報の演出態様を特定する演出態様特定手段と、所定の当否判定結果を示す識別情報が表示された後に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された後に、実行される遊技状態を第1遊技状態とその第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態とのどちらの状態とするかを特定する遊技状態特定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態特定手段を前記第2遊技状態が複数回続けて特定され易い継続状態に設定する継続設定手段と、その継続設定手段により前記継続状態が設定されている場合に、設定されている前記継続状態を終了し、前記遊技状態特定手段により前記第1遊技状態が特定され易い状態である転落状態に設定する転落設定手段と、前記継続設定手段により前記継続状態が設定されているか、前記転落状態設定手段により前記転落状態が設定されているかに基づいて、前記演出態様特定手段により特定される演出態様を変更する演出態様変更手段と、を有していることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、継続設定手段により遊技状態特定手段が、第2遊技状態とされることを複数回続けて特定され易い継続状態に設定される。そして、遊技状態特定手段が継続状態に設定されている場合は、転落設定手段により継続状態が終了され、第1遊技状態が特定され易い状態である転落状態に設定される。ここで、演出態様変更手段により、継続設定手段により継続状態が設定されているか、転落状態設定手段により転落状態が設定されているかに基づいて、演出態様特定手段により特定される演出態様が変更される。これにより、遊技者は、表示手段に表示される演出態様を確認するだけで、現在が継続状態であるか否かを判別することができるので、演出態様として継続状態を示す態様が表示されることにより、遊技者に対して第2遊技状態が複数回続けて特定されやすい状態であることに対する安心感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記所定の当否判定結果を示す識別情報が表示された後であって、前記特典遊技実行手段による前記特典遊技の実行が終了する前に、前記遊技状態特定手段により特定された状態を示唆する示唆演出を表示するように前記表示手段を制御する示唆表示制御手段を備え、その示唆表示制御手段は、前記遊技状態特定手段による特定の結果が第2遊技状態であることを示唆する表示演出を前記表示手段へ表示させるように制御する場合に、前記継続設定手段により前記継続状態が設定されているか、前記転落状態設定手段により前記転落状態が設定されているかに基づいて、表示させる示唆演出を特定するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態特定手段による特定の結果が第2遊技状態であることを示唆する表示演出を表示手段へ表示させるように制御する場合に、示唆表示制御手段により、所定の当否判定結果を示す識別情報が表示された後であって、特典遊技実行手段による特典遊技の実行が終了する前に、遊技状態特定手段により特定された状態を示唆する示唆演出を表示するように表示手段が制御されるので、表示手段に対して示唆演出が表示されることにより、遊技者に対して第2遊技状態が複数回続けて特定されやすい状態であることに対する安心感を抱かせることができるという効果がある。また、遊技者に対して、特典遊技中に表示手段に示唆演出が表示されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E2において、前記継続設定手段は、前記遊技状態特定手段による特定の結果が第2遊技状態であった場合に前記継続状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態特定手段による特定の結果が第2遊技状態であった場合に、継続設定手段により継続状態が設定されるので、継続状態となる場合は第2遊技状態を経ることとなる。継続状態となってから最初に遊技状態特定手段により特定が行われるまでの間の状態が第1遊技状態となってしまうことを抑制することができるので、遊技者が第1遊技状態が継続されることに耐えきれず、最初に遊技状態特定手段により特定が行われるよりも前に遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。
遊技機E3において、前記示唆表示制御手段は、前記示唆演出において、前記継続設定手段により前記継続状態に設定されたことを示唆可能であることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆演出において、継続設定手段により継続状態に設定されたことが示唆表示制御手段により示唆されるので、遊技者は継続状態に設定されたことを容易に認識することができる。よって、継続状態に設定されたことにより、第2遊技状態が複数回続けて特定されやすい状態となったことを認識することができるので、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴F群>(確変抽選時に2段階の振り分け)
抽選条件の成立に基づいて、当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による当否判定の結果が所定の結果になったことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された後に、実行される遊技状態を第1遊技状態とその第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態とのどちらの状態とするかを特定する遊技状態特定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態特定手段は、第1抽選とその第1抽選とは異なる第2抽選とに基づいて、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とをそれぞれ特定するものであり、前記第1抽選として、前記第2遊技状態よりも前記第1遊技状態が特定され易い状態となる第1特定状態と、その第1特定状態よりも前記第2遊技状態が特定され易い状態となる第2特定状態とのいずれを設定するかを抽選する第1抽選手段と、前記第2抽選として、前記第2特定状態が設定されている場合にも、前記第2遊技状態よりも前記第2遊技状態が特定され易い特別状態を設定するか否かを抽選する第2抽選手段とを有するものであることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、第1抽選とその第1抽選とは異なる第2抽選とに基づいて、遊技状態特定手段により第1遊技状態と第2遊技状態とがそれぞれ特定される。そして、第1抽選として、第2遊技状態よりも第1遊技状態が特定され易い状態となる第1特定状態と、その第1特定状態よりも第2遊技状態が特定され易い状態となる第2特定状態とのいずれを設定するかが、第1抽選手段により抽選される。ここで、第2抽選として、第2特定状態が設定されている場合にも、第2遊技状態よりも第2遊技状態が特定され易い特別状態を設定するか否かが第2抽選手段により抽選される。これにより、遊技状態特定手段による1回の遊技状態の特定において、第1抽選手段による抽選と第2抽選手段による抽選との2回の抽選の機会が与えられるので、遊技者に対して抽選を受ける機会が増えたと感じさせることができる。また、第1抽選手段による抽選の結果が第1特定状態を示すものであったとしても、遊技者を落胆させることなく、第2抽選手段により特別状態を設定する抽選結果となることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技状態特定手段による状態の特定を十分に楽しませることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記第2抽選手段は、前記遊技状態特定手段によって特定が行われることに基づいて、次回の前記遊技状態特定手段による特定の際に特別状態を設定するか否かを抽選するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態特定手段によって特定が行われることに基づいて、次回の遊技状態特定手段による特定の際に特別状態を設定するか否かが第2抽選手段によって抽選される。これにより、第1抽選手段による抽選結果が第1特定状態を示すものであったとしても、第2抽選手段により特別状態に設定されることが抽選されれば、第1抽選手段によって第1特定状態が抽選されたことに対する遊技者の落胆を軽減することができ、次回の遊技状態特定手段による特定の際に特別状態で特定が行われることを楽しみにして遊技を行わせることができる。また、第1抽選手段による抽選結果が第2特定状態を示すものであり、第2抽選手段による抽選結果が特別状態を示すものであった場合は、遊技者にとって有利な状態が連続することを遊技者が認識することができるので、遊技者に対して安心感と満足感とを与えることができるという効果がある。
遊技機F1又はF2において、前記遊技状態特定手段は、遊技球が入球可能な入球口と、その入球口へ入球した遊技球が入球することに基づいて、前記特典遊技実行手段による前記特典遊技の実行後に実行される遊技状態を第1遊技状態とすることが特定される第1領域と、前記入球口へ入球した遊技球が入球することに基づいて、前記特典遊技実行手段による前記特典遊技の実行後に実行される遊技状態を第2遊技状態とすることが特定される第2領域とを備え、前記第1抽選および前記第2抽選は、前記入球口へ入球した遊技球の流下方向を可変させることにより遊技球を前記第1領域へ誘導するか第2領域へ誘導するかを決定するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口へ入球した遊技球が第1領域へ入球することに基づいて、特典遊技実行手段による特典遊技の実行後に実行される遊技状態を第1遊技状態とすることが遊技状態特定手段により特定される。そして、入球口へ入球した遊技球が第2領域へ入球することに基づいて、特典遊技実行手段による得点遊技の実行後に実行される遊技状態を第2遊技状態とすることが遊技状態特定手段により特定される。ここで、入球口へ入球した遊技球の流下方向を可変させることにより遊技球を第1領域へ誘導するか第2領域へ誘導するかが第1抽選および第2抽選により決定される。これにより、遊技者は遊技球の流下方向を確認するだけで第1抽選および第2抽選による抽選の結果を容易に判断することができるという効果がある。
遊技機F3において、前記第2抽選手段は、遊技球を第1領域または第2領域へ振り分けたことに基づいて、特別状態を設定するか否かを抽選するものであること特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1領域または第2領域へ振り分けたことに基づいて、特別状態を設定するか否かが第2抽選手段により抽選されるので、遊技者が、第2抽選手段により行われる抽選のタイミングを容易に認識することができるという効果がある。
遊技機F4において、前記特別状態である場合に、遊技球が通過可能とされる第1流路と第2流路と、前記特別状態である場合に、遊技球の通過が制限される第3流路と第4流路とを備えており、前記第2抽選手段は、前記第3流路を遊技球が通過した場合に、前記特別状態に設定することを判定し、前記第2流路を遊技球が通過した場合に、前記特別状態を解除することを判定するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別状態である場合に、遊技球が第1流路や第2流路を通過することが可能になる。そして、特別状態である場合に、遊技球が第3通路や第4通路を通過することが制限される。ここで、第3流路を遊技球が通過した場合に、特別状態に設定することが第2抽選手段により判定される。また、第2流路を遊技球が通過した場合に、特別状態を解除することが第2抽選手段により判定される。これにより、遊技者は、遊技球が第3流路を通過することを確認するだけで、特別状態に設定されたと判別することができるので、遊技球が第3流路を通過することを確認した遊技者に対して、遊技状態特定手段による次回の特定において、特別状態で特定が行われることに対する安心感と満足感を抱かせながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F5において、前記第3流路は、通過した遊技球を第2領域へ入球させるものであり、前記第4流路は、通過した遊技球を第1領域へ入球させるものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3流路を通過した遊技球が第2領域へ入球し、第4流路を通過した遊技球が第1領域へ入球するので、遊技者は、第3流路を通過することを認識することにより、第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態へ移行することと、次に第2抽選手段により行われる抽選が特別状態で行われることとを認識することができる。よって、遊技球が第3流路を通過したことを認識した遊技者に、有利な状態が連続することに対して大きな満足感と安心感とを与えることができるという効果がある。
<特徴G群>(2球以上の遊技球が振分手段へ進入することを抑制)
遊技球が入球可能な入球口と、その入球口へ入球した遊技球が入球可能な第1領域および第2領域と、その第1領域および第2領域のどちらか一方へ前記入球口に入球した遊技球を振り分ける振分手段と、所定条件の成立に基づいて前記入球口へ遊技球が入球することを所定の期間許可する入球許可状態に切り替える切替手段と、前記第1領域へ遊技球が入球したことに基づいて、前記第2領域へ遊技球が入球した場合よりも遊技者に有利な特別遊技状態へと移行させる移行手段とを備えるものであり、前記振分手段は、前記第1領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第1状態と、第2領域へと遊技球が振り分けられ易い第2状態とに可変させることが可能な可変手段とを備え、前記入球口へ入球した一の遊技球が振分手段に到達した場合に、その遊技球の後に前記入球口へ入球した遊技球が振分手段へ到達することを、少なくとも入球許可状態である間制限する制限手段を備えることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、入球口へ入球した遊技球が振分手段により第1領域および第2領域のどちらか一方へ振り分けられ、所定条件の成立に基づいて入球口へ遊技球が入球することが切替手段により所定の期間許可される。そして、第1領域へ遊技球が入球したことに基づいて、移行手段により、第2領域へ遊技球が入球した場合よりも遊技者に有利な特別遊技状態へと遊技状態が移行される。また、可変手段により、振分手段が、第1領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第1状態と、第2領域へと遊技球が振り分けられ易い第2状態とに可変される。ここで、入球口へ入球した一の遊技球が振分手段に到達した場合に、その遊技球の後に入球口へ入球した遊技球が振分手段へ到達することが、少なくとも入球許可状態である間は制限手段により制限される。これにより、振分手段による1回の振り分けにおいて2球以上の遊技球が振分手段により第1領域、または第2領域へ振り分けられてしまうことを抑制することができる。よって、1回の振り分けにおいて複数個の遊技球が別々の領域に振り分けられてしまい、遊技機が誤作動を起こしてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機G1において、抽選条件の成立に基づいて、当否判定を実行する当否判定手段を備え、その当否判定手段の判定結果が所定の結果であった場合に、前記制限手段による制限を解除する制限解除手段を備えるものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて、当否判定手段により当否判定が実行される。そして、当否判定手段の当否判定結果が所定の結果であった場合に、制限手段による制限が制限解除手段により解除される。これにより、当否判定手段による判定結果が所定の結果となる毎に、振分手段による振り分けを行わせることができるので、遊技者は、当否判定手段による当否判定の結果と振分手段による振り分けの結果とを別々に確認することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1又はG2において、前記制限手段により振分手段へ到達することが制限された遊技球を、遊技領域外へ排出する排出手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、制限手段により振分手段への到達を制限された遊技球が排出手段により遊技領域外へと排出されるので、振分手段への到達を制限された遊技球が遊技領域内に留まり、その留まっていた遊技球が次回の振分手段による振り分けの際にそのまま使用されてしまうことを抑制することができる。これにより、振分手段による振り分けが行われる場合は毎回遊技者に対して入球口へ遊技球を打ち出させることができるので、遊技者の好みのタイミングで振分手段による振り分けを行わせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、前記可変手段は、前記振分手段により前記入球口へ入球した遊技球が前記第1領域および前記第2領域のうちどちらか一方へ振り分けられたことに基づいて、前記第1状態と前記第2状態のうちどちらか一方へ可変させるものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口へ入球した遊技球が振分手段により第1領域および第2領域のうちどちらか一方へ振り分けられたことに基づいて、可変手段により振分手段が第1状態と第2状態のうちどちらか一方へ可変される。振分手段の状態を切り替えるタイミングが定められていることにより、振分手段が切り替わるタイミングを遊技者が見逃してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機G4において、前記振分手段に前記遊技球が到達していない状態で前記可変手段により前記第1状態と前記第2状態のうちどちらか一方へ可変されることを抑制する可変抑制手段を備える事を特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段に遊技球が到達していない状態で可変手段により第1状態と第2状態のうちどちらか一方へ可変されることが可変抑制手段により抑制される。これにより、可変手段により振分手段が可変されるタイミングと異なるタイミングで振分手段が第1状態から第2状態へと切り替わってしまい、遊技者に損害を与えてしまったり、遊技機やホールに対する不信感を抱かせてしまったりすることを抑制することができるという効果がある。
<特徴H群>(アタッカーのタイミングで流路を切り替える)
遊技球が入球する入球口と、その入球口の状態を、遊技球が入球し易い入球許可状態と、遊技球の入球が制限される入球制限状態とに設定する入球口設定手段とを備え、所定条件の成立に基づいて前記入球口設定手段により前記入球許可状態へと切り替えられることにより遊技者にとって有利な特典遊技が付与される遊技機において、前記入球口へと入球した遊技球が入球可能な第1領域と、その第1領域へと遊技球が入球した場合に比べて、遊技球が入球した場合に遊技者にとって有利となる第2領域と、前記入球口へと入球した遊技球が進行する流路を、第1流路、またはその第1流路よりも前記第2領域へと遊技球が進行しやすい第2流路へと振り分ける振分手段と、その振り分け手段の状態を、前記特典遊技の進行状況に基づいて、遊技球が前記第1流路へと振り分けられる状態である第1状態と、前記第2流路へと振り分けられる状態である第2状態とに少なくとも1回ずつ設定する状態設定手段と、1の前記特典遊技において前記入球口設定手段によって前記入球口の状態を設定する設定内容として、前記状態設定手段により前記第1状態に設定されている場合に前記入球許可状態が設定される第1の設定内容と、前記第2状態に設定されている場合に前記入球許可状態が設定される第2の設定内容とを少なくとも含む複数の設定内容から1の設定内容を選択する選択手段とを備えることを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、入球口へと入球した遊技球が進行する流路が、振分手段により、第1流路、またはその第1流路よりも第2領域へと遊技球が進行しやすい第2流路へと振り分けられる。その振分手段の状態が、特典遊技の進行状況に基づいて、状態設定手段により遊技球が第1流路へと振り分けられる第1状態と、第2流路へと振り分けられる第2状態とに少なくとも1回ずつ設定される。1の特典遊技において入球口設定手段によって入球口の状態を設定する設定内容として、状態設定手段により第1状態に設定されている場合に入球許可状態が設定される第1の設定内容と、第2状態に設定されている場合に入球許可状態が設定される第2の設定内容とを少なくとも含む複数の設定内容から1の設定内容が選択手段によって選択される。
これにより、第1の設定内容、または第2の設定内容が選択手段により選択された場合は、入球口へと入球した遊技球が遊技者の遊技方法によらず同じ流路へと進行するので、遊技者は自身の好みの遊技方法で遊技を行うことができる。よって、遊技者が遊技に対して不安感を抱いてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機H1において、前記選択手段は、前記第1の設定内容、または前記第2の設定内容のうちどちらか一方を選択するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第1の設定内容、または第2の設定内容のうちどちらか一方が選択手段によって選択されるので、全ての特典遊技において、入球口へと入球した遊技球を遊技者の遊技方法によらず同じ流路へと進行させることができる。よって、遊技者は自身の好みの遊技方法で遊技を行うことができるので、遊技者が遊技に対して不安感を抱いてしまうことを抑制することができる。
遊技機H1又はH2において、所定の抽選結果となるか否かを抽選する抽選手段を備え、前記選択手段は、前記抽選手段による抽選が所定の抽選結果となった場合に、前記第2の設定内容を選択するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の抽選結果となるか否かが抽選手段により抽選され、所定の抽選結果となった場合に、選択手段により第2の設定内容が選択されるので、所定の抽選結果となるか否かによって、入球許可状態を第1状態で設定するか、第2状態で設定するか決定することができる。よって、抽選手段による抽選内容によって、第2状態で入球許可状態が設定される割合に応じて、様々な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記第1流路を通過した遊技球を前記第1領域、または前記第2領域へと振り分け、前記第2流路を通過した遊技球を前記第2領域へと振り分ける領域振分手段を備えることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかが奏する効果に加え、第1流路を通過した遊技球が領域振分手段により第1領域、または第2領域へと振り分けられ、第2流路を通過した遊技球が領域振分手段により第2領域へと振り分けられるので、遊技球が通過する流路を確認するだけで、遊技者にとって有利となるか否かを認識させることができるという効果がある。
遊技機H4において、前記領域振分手段は、前記第1流路を通過した遊技球を前記第1領域へと振り分ける第1振分状態と、前記第1流路を通過した遊技球を前記第2領域へと振り分ける第2振分状態とに可変させることが可能な可変手段と、前記第1振分状態である場合に、前記第1流路を通過した遊技球が通過可能とされる第1通路と、前記第2流路を通過した遊技球が通過可能とされる第2通路と、前記第2振分状態である場合に、前記第1流路を通過した遊技球が通過可能とされる第3通路と、前記第2流路を通過した遊技球が通過可能とされる第4通路とを備えており、前記可変手段は、前記第2通路を遊技球が通過した場合に、前記第1振分状態から前記第2振分状態へと前記振分手段を可変させ、前記第3通路を遊技球が通過した場合に、前記第2振分状態から前記第1振分状態へと前記領域振分手段を可変させるものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路を通過した遊技球を第1領域へと振り分ける第1振分状態と、第1流路を通過した遊技球を第2領域へと振り分ける第2振分状態とに遊技機の状態が可変される。第1振分状態である場合に、第1流路を通過した遊技球は第1通路を通過し、第2流路を通過した遊技球は第2通路を通過する。第2振分状態である場合に、第1流路を通過した遊技球は第3通路を通過し、第2流路を通過した遊技球は第4通路を通過する。遊技球が第2通路を通過した場合に、第1振分状態から第2振分状態へと領域振分手段が可変手段により可変され、第3通路を遊技球が通過した場合に、第2振分状態から第1振分状態へと領域振分手段が可変手段により可変される。
これにより、領域振分手段が第2振分状態へと可変されれば、領域振分手段によって行われる次回の振り分けにおいて、遊技球が第2領域へと振り分けられ遊技者にとって有利となることを遊技者に対して認識させることができる。よって、領域振分手段が第2振分状態へと可変されてから、次に領域振分手段によって振り分けが行われるまでの間、遊技者に対し、有利となることに対する安心感と満足感とを抱かせながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H5において、前記第1通路は、通過した遊技球を前記第1領域へと入球させるものであり、前記第2通路は、通過した遊技球を前記第2領域へと入球させるものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、第1通路を通過した遊技球が第1領域へと入球し、第2通路を通過した遊技球が第2領域へと入球するので、遊技球が第2通路を通過すれば、遊技球が第2領域へと入球して遊技者に有利な状態となり、且つ、領域振分手段が第2振分状態へと可変される。第2振分状態では、領域振分手段によって遊技球が第2領域へと振り分けられるので、遊技者にとって有利な状態へ連続して移行することを遊技者に対して認識させることができる。よって、有利な状態が連続することに対する安心感と満足感とを遊技者に対して抱かせることができるという効果がある。
遊技機H1からH6において、前記第1流路は、前記第2流路よりも手前側に位置するものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H1からH6の奏する効果に加え、第1流路が第2流路よりも手前側に位置するので、遊技球が手前側を進行する場合に比べて、奥側を進行する方が遊技者にとって有利となる。よって、磁石等を用いて遊技球を不正に手前方向へと引き寄せたとしても、不正行為者にメリットが生じないため、不正行為を抑制することができるという効果がある。
遊技機H7において、前記第1通路は、前記第2通路よりも手前側に位置するものであり、前記第3通路は、前記第4通路よりも手前側に位置するものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1通路が第2通路よりも手前側に位置し、第3通路が第4通路よりも手前側に位置するので、第1振分状態であっても第2振分状態であっても、手前側に位置する通路を遊技球が通過するよりも、奥側に位置する通路を遊技球が通過する方が遊技者にとって有利となる。よって、磁石等を用いて遊技球を不正に手前方向へと引き寄せたとしても、不正行為者にメリットが生じないため、不正行為を抑制することができるという効果がある。
遊技機H1からH8のいずれかにおいて、前記特典遊技が開始されてからの経過時間に対応する経過時間情報を定期的に取得する情報取得手段を備え、前記振分手段は、前記情報取得手段によって取得された経過時間情報に基づいて、遊技球が進行する流路を、前記第1流路、または前記第2流路のうちどちらか一方へと振り分けるものであることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H1からH8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が開始されてからの経過時間に対応する経過時間情報が情報取得手段により定期的に取得される。情報取得手段によって取得された経過時間情報に基づいて、遊技球の進行する流路が振分手段により第1流路または第2流路のうちどちらか一方へと振り分けられる。これにより、毎回の特典遊技状態で振分手段の動作を同一にすることができる。よって、振分手段の動作がバラつくことにより遊技者に対して不信感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
遊技機H9において、前記入球口設定手段は、前記情報取得手段によって取得された経過時間情報に基づいて、前記入球口の状態を前記入球許可状態に設定するものであることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H9の奏する効果に加え、情報取得手段によって取得された経過時間情報に基づいて、入球口設定手段により入球口の状態が入球許可状態へと設定されるので、振分手段による流路の設定と、入球口設定手段による入球口の設定とを同一の経過時間情報に基づいて制御することができる。よって、流路の設定と入球許可状態の設定とがずれてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴I群>(役物が跳ね返りにくい構造)
遊技球が入球可能な入球口と、その入球口へ入球した遊技球が入球可能な第1領域および第2領域と、その第1領域および第2領域のどちらか一方へ前記入球口に入球した遊技球を振り分ける振分手段とを備え、前記第1領域へ遊技球が入球したことに基づいて、前記第2領域へ遊技球が入球した場合よりも遊技者に有利な特別遊技状態へと移行する遊技機において、前記振分手段は、遊技球が通過可能な複数の流路と、前記第1領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第1状態と、前記第1領域、または前記第2領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第2状態とに可変させることが可能な可変手段とを備え、その可変手段は、前記複数の流路のうち、一部の流路を遊技球が通過したことに基づいて第1状態と第2状態とを可変させるものであることを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、振分手段が、可変手段により、第1領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第1状態と、第1領域、または第2領域へと遊技球を振り分け可能な状態である第2状態とに可変される。遊技球が通過可能な複数の流路のうち、一部の流路を遊技球が通過したことに基づいて、可変手段により第1状態と第2状態とが可変される。
これにより、振分手段の状態に基づいて、次回の振り分けにおいて第1領域へと遊技球が入球するか否かを遊技者に認識させることができる。よって、振分手段が第1状態へと可変されてから、次に振分手段によって振り分けが行われるまでの間、遊技者に対し、特別遊技状態へと移行することに対する安心感と満足感を抱かせながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機I1において、前記複数の流路は、前記第1状態である場合に、遊技球が通過可能とされる第1流路と第2流路と、前記第2状態である場合に、遊技球が通過可能とされる第3流路と第4流路とで構成されているものであり、前記可変手段は、前記第2流路を遊技球が通過した場合に、前記第1状態から前記第2状態へと前記振分手段を可変させ、前記第3流路を遊技球が通過した場合に、前記第2状態から前記第1状態へと前記振分手段を可変させるものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態である場合に、第1流路と第2流路とを遊技球が通過可能とされ、第2状態である場合に、第3流路と第4流路とを遊技球が通過可能とされる。第2流路を遊技球が通過した場合に、可変手段により第1状態から第2状態へと振分手段が可変され、第3流路を遊技球が通過した場合に、可変手段により第2状態から第1状態へと振分手段が可変される。
これにより、複数の流路のうちいずれの流路を遊技球が通過するかに応じて振分手段の状態を変更させることができ、次回に振分手段に到達する遊技球が通過する流路が変更されるので、振分手段の状態と遊技球が通過する流路とによって振分手段によって次回振り分けられる領域を遊技者に予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I2において、前記第1流路、または第4流路を遊技球が通過した場合に前記振分手段が可変することを抑制する可変抑制手段を備えることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、第1流路、または第4流路を遊技球が通過した場合に振分手段が可変することが可変抑制手段によって抑制されるので、第1流路を通過したにも関わらず第2状態へと可変してしまい、ホールに不利益を生じさせてしまうことを抑制することができる。また、第4流路を遊技球が通過したにも関わらず第1状態へと可変してしまい、遊技者に不信感を抱かせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機I3において、前記振分手段は、揺動可能なものであり、前記第1状態は、前記第2状態とは逆側に前記振分手段が揺動した状態であることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、第1状態が第2状態とは逆側に振分手段が揺動された状態なので、遊技者に対して現在の状態を容易に認識させることができるという効果がある。
遊技機I4において、前記振分手段は、前記入球口の内部に設けられた入球領域に配置されるものであり、前記可変抑制手段は、前記振分手段と、前記入球領域とに互いに反発し合う向きに設置された磁石で構成されているものであり、前記振分手段が前記第1状態と第2状態との中間の状態まで揺動した場合に最も近づく位置に設置されているものであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口の内部に設けられた入球領域に振分手段が配置される。可変抑制手段が、振分手段と、入球領域とに互いに反発し合う向きに設置された磁石で構成され、振分手段が第1状態と第2状態との中間の状態まで揺動した場合に最も近づく位置に設置される。
これにより、振動等の影響により振分手段が揺動してしまったとしても、振分手段の状態が切り替わってしまうことを抑制することができる。よって、第2流路を遊技球が通過していないにも関わらず、振分手段の状態が第1状態から第2状態へと切り替わってしまい、ホールに不利益を与えてしまうことを抑制することができる。また、第3流路を遊技球が通過していないにも関わらず、振分手段の状態が第2状態から第1状態へと切り替わってしまい、遊技者に対して遊技機やホールへの不信感を抱かせることを抑制できるという効果がある。
遊技機I4において、前記振分手段は、前記入球口の内部に設けられた入球領域に配置されるものであり、前記可変抑制手段は、前記振分手段と、前記入球領域とに互いに引き寄せ合う向きに設置された磁石で構成されているものであり、前記振分手段が前記第1状態又は第2状態において最も近づく位置に設置されているものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口の内部に設けられた入球領域に振分手段が配置される。可変抑制手段が、振分手段と、入球領域とに互いに引き寄せ合う向きに設置された磁石で構成され、振分手段が第1状態又は第2状態において最も近づく位置に設置される。
これにより、第1状態又は第2状態にある振分手段を磁石による引力で安定して静止させることができるので、振動等の影響により振分手段が揺動することを抑制できるという効果がある。
遊技機I5又はI6において、前記振分手段は、前記第1状態から前記第2状態へと可変した場合に前記入球領域の内壁へ接触する部分と、前記第2状態から前記第1状態へと可変した場合に前記入球領域の内壁へ接触する部分とが衝撃を吸収可能な素材で構成されているものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機F7によれば、遊技機I5又はI6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態から第2状態へと可変した場合に入球領域の内壁部分へ接触する部分と、第2状態から第1状態へと可変した場合に入球領域の内壁へ接触する部分とが衝撃を吸収可能な素材で構成されている。
これにより、第1状態から第2状態へと可変した場合や、第2状態から第1状態へと可変した場合に振分手段と、入球領域の内壁部分とが接触したとしても、接触の衝撃で振分手段が跳ね返ってしまうことを抑制できる。よって、状態が切り替わったにも関わらず、跳ね返りによって振分手段の状態が切り替わる前の状態まで戻ってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機I4からI7のいずれかにおいて、前記振分手段は、遊技者に視認可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I4からI7のいずれかが奏する効果に加え、振分手段が遊技者に視認可能に構成されるので、振分手段の状態が第1状態と第2状態とのうちいずれの状態であるかを遊技者が容易に認識することができるという効果がある。
遊技機I8において、前記振分手段は、正面視右側または左側に揺動するものであることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I8の奏する効果に加え、振分手段が正面視右側または左側に揺動するので、第1状態であるか第2状態であるかを遊技者が容易に判断することができるという効果がある。
遊技機I1からI9のいずれかにおいて、前記可変手段は、通過する遊技球の重さに基づいて振分手段の状態を可変させることが可能であることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I1からI9のいずれかが奏する効果に加え、通過する遊技球の重さに基づいて振分手段の状態が可変されるので、可変手段により振分手段の状態を自然な動作で可変させることができる。よって、振分手段の状態が不自然なタイミングで可変されてしまい、遊技者が遊技機やホールに対して不信感を抱いてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1からA7,B1からB6,C1からC7,D1からD4,E1からE4,F1からF6,G1からG5,H1からH10,I1からI10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB6,C1からC7,D1からD4,E1からE4,F1からF6,G1からG5,H1からH10,I1からI10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB6,C1からC7,D1からD4,E1からE4,F1からF6,G1からG5,H1からH10,I1からI10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて大当たりとなるか否かを抽選し、確率変動状態へと移行するか否かについては大当たり中に別途抽選することにより、大当たりが出球を多く得るための単なる作業となることを抑制し、確率変動状態へ移行することに対する期待感を持って大当たり中の遊技を行わせ、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図っているものがある。
上記した遊技機の中には、確率変動状態の抽選を行う場合にのみ遊技球の進入が可能となる所定領域に遊技球が通過可能な複数のルートが設けられているものがある。この遊技機では、所定領域に設けられた複数のルートのうち、遊技球がいずれのルートに振り分けられたかに応じて、大当たり終了後に確率変動状態となるか否かを決定する。(例えば、特許文献1:特開2003−180999号公報)
しかしながら、かかる遊技機において、今回の大当たり後に確率変動状態へと移行させるか否かを抽選することはできても、次回の大当たり後に確率変動状態へと移行することまでをも確定させることはできなかった。これにより、大当たりの度に、遊技者に対して確率変動状態の抽選に漏れてしまうのではないか、といった不安感を抱かせることとなり、大当たりに当選しても遊技者の気が休まらないという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、確率変動状態の抽選を行うための複数のルートのうち、遊技球が通過したルートに応じて、次回の確率変動状態の抽選の際に遊技球が通過することのできるルートを変更可能に構成することにより、確率変動状態へと移行するルート以外のルート(低確率状態へと移行するルート)への遊技球の進行が制限されるパターンを設けることが可能な構成とし、大当たりの度に遊技者に対して不安感を与えてしまうことを抑制することができる遊技機を提供することを目的としている。
また、かかる遊技機において、大当たり後に確率変動状態へと移行させるか否かの抽選の際に、確率変動状態へと移行するルート以外のルート(低確率状態へと移行するルート)へ遊技球が進行してしまうと、逆転の余地なく低確率状態へと移行していた。これにより、抽選が味気ないものとなってしまい、遊技者が十分に抽選を楽しむことができない虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、確率変動状態へ移行させるか否かの抽選を行う場合に、複数段階の抽選を行うように構成することにより、1の抽選結果が遊技者にとって不利な結果を示すものであったとしても、別の抽選の結果によっては確率変動状態への当選が期待できるようにし、遊技者が抽選を十分に楽しむことができる遊技機を提供することを目的としている。
更に、かかる遊技機において、1回の確率変動状態へ移行させるか否かの抽選で、抽選用の所定領域に2以上の遊技球が入球してしまった場合、1回の抽選で遊技球が複数のルートを通過してしまい、遊技機が誤動作してしまう虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技球を用いて確率変動状態へ移行させるか否かの抽選を行う場合に、抽選を行うための所定領域へ2球以上の遊技球が入球してしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
また、かかる遊技機において、所定領域へと入球した遊技球が進行するルートは、所定領域への遊技球の入球角度や振動等によって変化するものである。これにより、大当たりの度に、遊技者に対して、自身の遊技方法が遊技球の進行するルートに影響を及ぼすのではないかと悩ませてしまう虞があった。即ち、大当たりの度に遊技者に対して不安感を抱かせてしまうという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者に対して不安感を抱かせることを抑制することができる遊技機を提供することを目的としている。
<その他2>
パチンコ機等の遊技機において、ホールコンピュータ等の外部装置へ情報を出力するものがある。かかる遊技機では、出力した情報に基づいて、遊技機に関する情報を外部装置に対して把握させることができる(例えば、特許文献1:特許3848105号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、出力可能な情報が限られており、外部装置が遊技機の詳細な情報を把握することが困難であった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、外部装置に対してより詳細な情報を出力することができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技機から出力される情報に基づいて所定の処理を行う外部装置に対して情報を出力するための出力部を複数有して構成される情報出力手段と、その情報出力手段が有する複数の出力部からそれぞれ個別の情報である単体情報を出力させる単体情報出力手段と、前記情報出力手段が有する複数の出力部のうち2以上の出力部を用いて出力される情報である複合情報を出力させる複合情報出力手段とを備え、前記情報出力手段は、予め定められた所定期間において、前記単体情報出力手段により前記単体情報を出力させる期間と、前記複合情報出力手段により前記複合情報を出力させる期間とが少なくとも設定される。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記情報出力手段は、電源が投入されてから所定期間が経過するまでに、遊技機から受信した信号に基づいて所定の処理を行う外部装置へと、前記単体情報と、前記複合情報とを出力可能なものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2に記載の遊技機において、遊技の情報が記憶され、記憶した情報を電源が遮断されてから少なくとも所定期間保持することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記遊技の情報に基づいて遊技に関する制御を行う制御手段とを備え、前記単体情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応するものであり、前記複合情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応する情報であって、前記単体情報に対応する遊技の情報とは異なる遊技の情報に対応するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、外部装置に対して情報出力手段が複数有する出力部により情報が出力され、その複数の出力部からそれぞれ個別の情報である単体情報が出力されるように単体情報出力手段により制御される。また、複数の出力部のうち2以上の出力部を用いて出力される情報である複合情報が出力されるように複合情報出力手段により制御される。予め定められた所定期間において、単体情報出力手段により単体情報を出力させる期間と、複合情報出力手段により複合情報を出力させる期間とが情報出力手段により設定される。
これにより、所定期間において単体情報と、複合情報とを情報出力手段から出力することができる。よって、出力部を増加させることなく、外部装置に対してより詳細な情報を出力することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、電源が投入されてから所定期間が経過するまでに、単体情報と、複合情報とが情報出力手段により外部装置へと出力されるので、電源が投入された場合に、より多くの種類の情報を外部装置へと出力することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の情報が記憶手段に記憶され、その記憶手段に記憶された情報は電源が遮断されてから所定時間保持される。記憶手段に記憶された遊技の情報に基づいて制御手段により遊技に関する制御が行われる。また、記憶手段に記憶された遊技の情報のうち少なくとも一部に単体情報が対応し、その単体情報に対応する遊技の情報とは異なる遊技の情報に複合情報が対応する。
これにより、より多くの遊技の情報を外部装置に対して出力することができるので、外部装置に対して遊技機のより詳細な遊技の情報を把握させることができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
110 主制御装置(制御手段)
201 MPU(制御手段)
203 RAM(記憶手段)
261 情報出力手段
S1331 単体情報出力手段の一部
S1623 複合情報出力手段の一部
S1921 単体情報出力手段の一部
S4203 複合情報出力手段の一部

Claims (5)

  1. 遊技機から出力される情報に基づいて所定の処理を行う外部装置に対して情報を出力するための出力部を複数有して構成される情報出力手段と、
    その情報出力手段が有する複数の出力部のうち少なくとも一部からそれぞれ個別の情報である単体情報出力されるように制御する単体制御手段と、
    前記情報出力手段が有する複数の出力部のうち2以上の出力部を用いて出力される情報である複合情報出力されるように制御する複合制御手段と
    予め定められた特定期間において、前記単体制御手段により前記単体情報出力されるように制御する単体出力期間と、前記複合制御手段により前記複合情報出力されるように制御する複合出力期間とを少なくとも設定する期間設定手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記特定期間は、遊技機に対して電源が投入されてから予め定められた特定条件が成立するまでの間の期間であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 遊技の情報記憶可能に構成され、記憶した情報を遊技機の電源が遮断されてから少なくとも所定期間保持することが可能に構成されている記憶手段と、
    その記憶手段に記憶された前記遊技の情報に基づいて遊技に関する制御を行う制御手段とを備え、
    前記単体情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応するものであり、
    前記複合情報は、前記記憶手段に記憶された前記遊技の情報のうち少なくとも一部に対応するものであって、且つ、前記単体情報に対応する遊技の情報とは異なる遊技の情報に対応するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記特定期間において、前記期間設定手段により設定されている期間の種別に対応する期間対応情報を前記外部装置へと出力する期間対応情報出力手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 前記複合出力期間において前記複合情報が出力される2以上の出力部のうち少なくとも一部は、前記単体出力期間において前記単体情報が出力されるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
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