<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図4はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示されるスーパーリーチの演出内容を変更する場合等に、遊技者により操作される。
第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aのどちらかが所定時間開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(1ラウンド、または4ラウンド)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「通常大当たりA」、「通常大当たりB」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、「確変大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、「確変大当たりD」の74種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
なお、第1特定入賞口65aが開放されるか、第2特定入賞口650aが開放されるかは、大当たり種別に応じて定められている。具体的には、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりB」に当選した場合は、大当たりの各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される。0.2秒間の開放期間中に遊技者が球を第1特定入賞口65aへ入賞させることは困難なので、上記大当たりに当選したほとんどの場合、遊技者が賞球を得ることなく特別遊技状態が終了される。一方、上記以外の大当たり種別となった場合は、大当たりの各ラウンドにおいて、第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される。このため、多くの場合、第2特定入賞口650aが開放される大当たりとなると、大当たりの各ラウンドにおいて球を5個入賞させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、第1特定入賞口65、および第2特定入賞口650aへと球を入球させると、12個の賞球が払い出されるように構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10では、第2特定入賞口650aが1ラウンド(1回)だけ開放される大当たり(「通常大当たりA」、「通常大当たりB」、「確変大当たりC」)と、4ラウンド(4回)開放される大当たり(「大当たりD」)とが設けられている。第2特定入賞口650aが1ラウンド(1回)だけ開放される大当たりでは、最大で60個(5×12個×1ラウンド)の賞球が払い出されるので、遊技者が賞球を得るために打ち出した球の数を考慮すると、大当たりの前後で遊技者は持ち球を約50球増加させることができる。つまり、大当たり中に払い出された賞球数と、大当たり中に遊技者が打ち出した球の差分が約50球となる。同様に、第2特定入賞口650aが4ラウンド(4回)開放される大当たりでは、賞球が最大240個払い出されるので、遊技者が賞球を得るために打ち出した球の数を考慮すると、大当たりの前後で遊技者は持ち球を約200球増加させることができる。つまり、大当たり中に払い出された賞球数と、大当たり中に遊技者が打ち出した球の差分が約200球となる。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。一方、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球すると、その入球は保留されることなく破棄される。なお、以降の説明では、便宜上、第1入球口64へ入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選を特別図柄1の抽選(特図1の抽選)と呼び、第2入球口640へ入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選を特別図柄2の抽選(特図2の抽選)と呼ぶ。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄2の抽選が行われ易くなる。なお、以下で電動役物640aが開放される期間と言った場合には、普通図柄の当たりとなることに基づくオープニング期間、およびエンディング期間(球はけ期間)も含んでいるものとする。つまり、「電動役物640aが1秒間開放される」といった場合は、普通図柄の当たりに基づいてオープニング期間が設定され、そのオープニング期間が終了した後で電動役物640aが開放されて第2入球口640へと球が入球可能な状態に設定され、その後、電動役物640aが閉鎖されると共にエンディング期間が設定され、そのエンディング期間が終了するまでの期間が1秒であることを意味している。よって、実際に電動役物640aが開放されている期間は、1秒よりも若干短くなるように構成される。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、1秒や300秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「通常大当たりA」、「通常大当たりB」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、「確変大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、「確変大当たりD」の74種類が設けられている。
「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」になると、いずれもラウンド数が1ラウンドの特別遊技状態(1ラウンド大当たり)となり、大当たり終了後には何ら付加価値が付与されない。また、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりB」になると、いずれもラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態(4ラウンド大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。加えて、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」では、大当たり終了後の付加価値として、大当たり種別毎に定められた期間だけ普通図柄の当たり確率がアップする。例えば、「確変大当たりA5」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が5回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、「確変大当たりA46」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が73回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする(図9(a)参照)。大当たり種別と普通図柄の当たり確率がアップする期間との対応関係については、図8〜図10を参照して後述する。
「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」になると、いずれもラウンド数が1ラウンドの特別遊技状態(1ラウンド大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。加えて、大当たり終了後の付加価値として、大当たり種別毎に定められた期間だけ普通図柄の当たり確率がアップする。例えば、「確変大当たりC1」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が10回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、「確変大当たりC5」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が80回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする(図10(a)参照)。
更に、「確変大当たりA」になると、ラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態(4ラウンド大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するが、普通図柄の当たり確率はアップしない。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の抽選条件が成立した場合に、「普通図柄の時短状態」でない状態(普通図柄の通常状態)よりも有利な状態のことを指す。具体的には、「普通図柄の時短状態」において、「普通図柄の通常状態」よりも普通図柄の当たり確率がアップした状態となるように構成している。
なお、「普通図柄の時短状態」を「普通図柄の通常状態」よりも有利とする方法は、普通図柄の当たり確率をアップさせることに限定されるものではない。例えば、普通図柄の抽選条件が成立した場合に、第2図柄表示装置83において実行される普通図柄(第2図柄)の変動時間を短くしてもよい。「普通図柄の時短状態」において、「普通図柄の通常状態」よりも普通図柄の変動時間を短くすることにより、「普通図柄の時短状態」の方が同じ時間により多くの普通図柄の抽選を実行させることができる。よって、普通図柄の当たりとなる回数も多くなるので、遊技者にとって有利とすることができる。更に、「普通図柄の時短状態」において、「普通図柄の通常状態」よりも普通図柄の当たりとなった場合に開放される電動役物640aの開放時間が長くなるように構成してもよい。これにより、「普通図柄の時短状態」において普通図柄の当たりとなった場合に、より多くの球を第2入球口640へと入球させることができる。
また、「普通図柄の時短状態」では、上記の各条件を複数組み合わせてもよい。例えば、「普通図柄の時短状態」では、普通図柄の当たり確率がアップすると共に、普通図柄の当たりになった場合に開放される電動役物640aの開放時間が長くなるように構成してもよい。更に、「普通図柄の時短状態」において、少なくとも1の有利となる条件が設定されるのであれば、他の条件が「普通図柄の通常状態」に比較して不利となってもよい。例えば、「普通図柄の時短状態」では、「普通図柄の通常状態」に比較して普通図柄の当たり確率がアップする(有利となる)が、「普通図柄の通常状態」に比較して普通図柄の変動時間が長くなるように構成してもよい。つまり、普通図柄の抽選回数が少なくなるが、普通図柄の抽選が行われた場合に当たりとなりやすくしてもよい。
以後、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。なお、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、「確変大当たりC5」に当選した場合は、普通図柄の時短期間が80回であると記載する。
なお、詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態、および、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態において、普通図柄(第2図柄)の変動時間が極端に長くなる(3分〜5分となる)と共に電動役物640aの開放時間が短くなる(0.2秒×1回)ように構成されている。一方、普通図柄の時短期間が終了する(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態になる)と、変動時間が短くなる(1秒となる)と共に電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×3回)ように構成されている。
これにより、普通図柄の時短期間中は、普通図柄の当たり確率がアップするが、普通図柄の変動時間が長くなる(3〜5分になる)ので、普通入球口67の方向(遊技盤13の右方向)へ球を打ち出し続けたとしても、第2入球口640に付随する電動役物640aが数分おきにしか開放されず、且つ、開放時間も短くなってしまう。つまり、普通入球口67へと球を打ち出したとしても、特別図柄2の抽選が行われる可能性が低くなってしまう。特別図柄2の抽選が行われなければ、特別遊技状態(大当たり状態)へ移行しないため、普通図柄の時短期間中に第2入球口640の方向へと球を打ち出すほどに持ち球が減ってしまう。
一方、上述した通り普通図柄の時短期間が終了すると、普通図柄の変動時間が短くなると共に電動役物640aの開放時間が長くなるので、第2入球口640へと球を入球させやすくなる。このように構成することで、普通図柄の時短期間中は特別図柄1の抽選を受けるために、第1入球口64を狙って球を打ち出させ、普通図柄の時短期間が経過した後は、特別図柄2の抽選を受けるために第2入球口640を狙って球を打ち出させることができる。
詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合は賞球をほとんど得られない大当たり(第1特定入賞口65aが開放される大当たり)に当選しやすく構成されている。一方、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合は、賞球を多く得やすい大当たり(第2特定入賞口650aが開放される大当たり)に当選しやすく構成されている。このため、普通図柄の時短期間中は特別図柄1の抽選を繰り返すことにより時短期間を終了させることを目指して遊技者に遊技を行わせることができる。そして、普通図柄の時短期間が終了した後は、賞球を得るために、第2入球口640を狙って遊技を行わせることができる。
一般的な遊技機では、遊技者は大当たりとなることを目指して遊技を行うので、特別図柄の抽選に外れ続けるほどに大当たりとならなかったことに対する落胆が蓄積されていき、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。一方、本実施形態のパチンコ機10では、時短期間が終了することにより、遊技者にとって有利な特別図柄2の抽選が行われやすい状態へと移行するので、普通図柄の時短期間中において、遊技者に対して特別図柄の外れが連続して欲しいと願わせることができる。よって、特別図柄の外れが続いたとしても、遊技者が大当たりとならなかったことに対して落胆してしまうことを抑制できるので、斬新な遊技性を提供することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、その大当たりの終了後に再度、球を第2入球口640へ入球させやすい状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)に移行しやすくなるように構成されている。即ち、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合は、普通図柄の時短期間が付与され難く構成されている。これにより、一旦普通図柄の時短期間を終了させることができれば、特別図柄2の抽選を受け易い状態と、多量の賞球を得られる大当たり(確変大当たりD)とが連続しやすくなる。よって、普通図柄の時短中に特別図柄の抽選が外れとなり続けることを、遊技者に対してより強く願わせることができる。従って、特別図柄の大当たりにならなくとも、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。以降、上記した特別図柄2の抽選を受け易い状態のことを、「連荘状態」と呼ぶことにする。
なお、本パチンコ機10では、電源の投入に基づいてパチンコ機10の初期設定が行われる(RAM消去スイッチ122を押下した状態で電源を投入する)と、必ず「特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態」(通常状態)となる。「特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態」(通常状態)では、上述した通り、普通図柄の変動時間が長くなり(3分〜5分)、且つ、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間も短くなる(0.2秒×1回)ように構成されている。即ち、第2入球口640へと球を入球させにくい(特別図柄2の抽選が行われにくい)状態となるので、遊技者にとって不利な状態となる。
これにより、例えば、ホールの閉店時に「連荘状態」のパチンコ機10があった場合に、パチンコ機10の初期設定をするだけで、パチンコ機10を「通常状態」にすることができる。つまり、パチンコ機10の初期設定を行った場合に、有利な状態(「連荘状態」)になってしまうことがない。よって、ホールの閉店時間に「連荘状態」であったパチンコ機10が、初期設定の有無に関わらず翌日の開店時にも「連荘状態」のままとなってしまうことを防止(抑制)することができるので、営業日をまたいで「連荘状態」が継続し、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
更に、パチンコ機10の初期設定により「通常状態」へと移行するので、開店準備時等に、ホールの店員はパチンコ機10を容易に不利な状態とすることができる。つまり、「連荘状態」を終了させるために、ホールの閉店時間から翌営業日の開店時間までの間にホールの店員がパチンコ機10で「連荘状態」が終了するまで遊技を行うという面倒な作業を行う必要がない。よって、ホールの店員の手間を削減することができる。
また、仮に初期設定を行うことによりパチンコ機10が「連荘状態」となってしまうと、例えば、開店前にパチンコ機10の初期設定を行うホールにおいて、遊技者の来店時間によって不平等が生じてしまう。つまり、ホールの開店時間に来店できない遊技者は、基本的に時短期間を経過させなければ「連荘状態」に移行させることができないのに対して、ホールの開店時間に来店可能な遊技者は、何らの苦労をすることもなく「連荘状態」から遊技を開始することができるので、遊技者間に不平等が生じてしまう。これに対して本実施形態のパチンコ機10では、初期設定が行われても「連荘状態」へと移行することがないので、来店時間に関わらず、平等に「連荘状態」を目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者間に平等感を抱かせることができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。一方、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球すると、その入球は保留されることなく破棄される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、橙、黄、緑、青、紫、白)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域の正面視右側(図2の右側)には、遊技盤13の右側へと打ち出された球が内部へと入球可能な迂回役物700が設けられている。この迂回役物700は、遊技盤13の右側へと打ち出された球が第2入球口640へと到達するまでの時間を長くする(打ち出されてから7秒以上とする)ために設けられている。第2入球口640への到達時間を長くすることにより、「連荘状態」以外の状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態、または、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)において普通図柄の当たりとなった場合に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間中に球が第2入球口640へと到達することを抑制することができる。即ち、電動役物640aが開放されたことを認識してから遊技者が球を打ち出したとしても、迂回役物700の内部を球が流下している間に電動役物640aが閉鎖され、第2入球口640へと球を入球させることができなくなるように構成している。
上述した通り、「連荘状態」においては、第2入球口640へと球を入球させることにより賞球を多量に獲得し得る大当たり(確変大当たりD)に当選し易くなる。即ち、特別図柄2の抽選により大当たりとなることで、遊技者にとって有利となりやすく構成されている。よって、「連荘状態」以外の状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態、または、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)においても、「確変大当たりD」に当選することを狙って、遊技者が第2入球口640へと球を入球させようとして球を打ち出す可能性が有る。このような遊技方法を抑制するために、本実施形態のパチンコ機10では、迂回役物700を設けることで、「連荘状態」以外の状態において遊技者が第2入球口640に対して意図的に球を入球させることが困難となるように構成している。
迂回役物700の詳細について、図3を参照してより詳細に説明する。図3は、この迂回役物700を模式的に示した模式図である。図3に示した通り、迂回役物700は、その上部に開口部710が設けられている。この開口部710を介して球を迂回役物700の内部へと進入させることができる。また、迂回役物700の下部には、迂回役物700内を流下した球を迂回役物700の外部へと排出するための開口部720が設けられている。更に、迂回役物700には、内部に進行した球が開口部720を介さずに外部へと排出されることを防止するために、周縁部730によって正面視手前側、奥側、および左右方向の4方向を囲まれている。この周縁部730は、半透明な部材(例えば、PS材)によって構成されているので、球が流下する様子を遊技者が容易に視認することができる。
また、周縁部730のうち、正面視奥側の平面は、ベース板60と略同一平面となるように組み付けることができるので、周縁部730とベース板60との間に隙間が生じることで、球がその隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。更に、周縁部730のうち、正面視手前側の平面と、ガラスユニット16とは、前面枠14が閉鎖された状態において隙間無く接触するように構成されているので、周縁部730とガラスユニット16との間に隙間が生じることで、球がその隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。
図3に示した通り迂回役物700の内部には、迂回役物700の下方へ向かって傾斜した複数の流路(誘導流路740〜790)が設けられている。各誘導流路740〜790において、球が接触する面は略平板形状となっており、その幅は周縁部730の内側部分の幅(正面視奥側の内壁と、正面視手前側の内壁との間の距離)と略同一となるように構成されている。即ち、周縁部730の内側部分と、各誘導流路740〜790との間に隙間が生じることで、その隙間を球が通過してしまうことを防止できるように構成されている。
図3に示した通り、誘導流路740,760,780は、正面視右上方向から左下方向へ下る向きに傾斜している。また、誘導流路750,770,790は、正面視左上方向から右下方向へ下る向きに傾斜している。そして、迂回役物700の上側から順番に、誘導流路740,750,760,770,780,790が配置されている。即ち、正面視右上方向から左下方向へ下る向きに傾斜した流路と、正面視左上方向から右下方向へ下る向きに傾斜した流路とが交互に設けられている。
開口部710へと入球した球は、まず、誘導流路740へと進行し、その誘導流路740の成す傾斜に沿って、正面視左下方向へと流下する。そして、球が誘導流路740の下端まで到達すると、球は誘導流路740から誘導流路750に向けて落下する。そして、落下した球は、誘導流路750に沿って正面視右下方向へと流下する。流下した球が誘導流路750の下端へ到達すると、球は誘導流路760へと落下し、誘導流路760の成す傾斜に沿って、正面視左下方向へと流下する。
球は、以降も流路に沿って流下する動作と、下側の流路へと落下する動作とを交互に繰り返す。そして、最終的に球は誘導流路790の下端へ到達し、誘導流路790の下端から開口部720に向けて落下する。これにより、迂回役物700へと入球した球が開口部720を介して迂回役物700の外部へと排出される。球の流下する流路が変わる度に、球が流下する向きが変わるので(即ち、右下方向から左下方向、若しくは左下方向から右下方向に変わるので)、流路が変わる度に球の流下する勢いを削ぐことができる。よって、開口部710を介して迂回役物700へと入球した球が、開口部720を介して外部へと排出されるまでの時間を長くすることができる。これにより、遊技盤13の左側へと球を発射するのに比べて、遊技盤13の右側へと球を発射した場合に球が遊技盤13の下部(第1入球口64や第2入球口640が配設されている領域)へと到達する時間を長くする(7秒以上にする)ことができる。よって、「連荘状態」以外の状態(つまり、電動役物640aが開放され難い状態)において、遊技者が球を意図的に第2入球口640へと入球させることを困難にすることができる。
また、図3に示した通り、各誘導流路740〜790は、それぞれ流路支持軸741〜791によって軸支されており、各流路支持軸を回転軸として、時計回り、または反時計回りに回動可能に構成されている。また、回動動作は、各誘導流路740〜790の下側に設けられた回動停止部材742a〜792a、又は回動停止部材742b〜792bに対して各誘導流路740〜790の下面が接触することにより停止する。この回動動作について、誘導流路740を例に取って説明する。
上述した通り、誘導流路740は、流路支持軸741を回転軸として回動可能に構成されている。この回動動作は、誘導流路740を流下する球の重みに基づいて行われる。具体的には、球が誘導流路740の上半分を流下する場合に、球の重みによる負荷が誘導流路740の上半分にかかることにより、誘導流路740の上半分を下方向へ回動させる向きの力が生じる。即ち、誘導流路740を正面視で時計回りに回動させる向きの力が働くので、誘導流路740は流路支持軸741を回転軸として時計回りに回動する。回動動作は、誘導流路740の下面が回動停止部材742bに接触することで停止する。この回動停止部材742bにより、誘導流路740が時計回りに回動しすぎてしまい、誘導流路740の傾きが逆向きになってしまうことを抑制できる。
ここで、回動停止部材742bは、略円柱形状の部材であり、周縁部730の手前側の内壁、および奥側の内壁とそれぞれ接合されている。即ち、誘導流路740の下面が接触した際の衝撃で、その位置がずれてしまわないように構成されている。なお、他の回動停止部材742a〜792a、および回動停止部材752b〜792bについても、その構造は回動停止部材742bと同様である。
一方、球が誘導流路740の下半分を流下する場合は、球の重みによる負荷が誘導流路740の下半分にかかるので、誘導流路740の下半分を下方向へと回動させる向きの力が生じる。即ち、誘導流路740を正面視で反時計回りに回動させる向きの力が働くので、誘導流路740は流路支持軸741を回転軸として反時計回りに回動する。回動動作は、誘導流路740の下面が回動停止部材742aに接触することで停止する。この回動停止部材742aにより、誘導流路740が反時計回りに回動しすぎてしまうことを抑制することができる。つまり、誘導流路740の傾きが大きくなりすぎて、球の勢いを削ぐことができなくなってしまうことを抑制することができる。よって、確実に7秒以上かけて球を流下させることができる。なお、各誘導流路740〜790の傾きが最大となった状態で球が流下すると、球が第2入球口640へと到達するまでに7秒となるように、各誘導流路740〜790の経路長、および最大傾斜角度が設定されている。全ての誘導流路740〜790が最大傾斜角を保ったまま球が流下するのは稀であるので、球が第2入球口640へと到達する時間を確実に7秒以上とすることができる。
このように、球の重みによる負荷に基づいて各誘導流路740〜790の傾きが変化するように構成することで、各誘導流路740〜790を流下する球の流下速度を可変させることができる。よって、球が迂回役物700を通過し終わるまでの時間を遊技者に予測されにくくすることができる。また、上記の説明では1個の球が誘導流路740上を進行した場合について説明したが、実際の遊技中には複数の球が同一の誘導流路上を進行する状態も起こり得る。この場合には、各誘導流路740〜790の回動動作を予測することが更に困難となるため、球が迂回役物700を通過し終わるまでの時間を遊技者により予測されにくくすることができる。よって、「連荘状態」以外の状態において、遊技者により球を第2入球口640へ打ち込まれてしまうことを抑制することができる。即ち、「連荘状態」以外の状態において、特別図柄2の抽選により大当たりとなることで「確変大当たりD」となり、多量の賞球を獲得されてしまうことを抑制することができる。
また、図3に示した通り、各誘導流路740〜790は、上面の左右両端の角に比べて、下面の左右両端の角が丸くなるように加工している。このように構成することで、各誘導流路740〜790が回動する場合に、下面の角と周縁部730の内壁部分とを接触しにくくすることができる。よって、各誘導流路740〜790を、周縁部730に対してより近づけることができるので、各誘導流路740〜790と、周縁部730との間に隙間ができ、その隙間に球が挟まってしまったり、その隙間を球が通過してしまったりすることを抑制することができる。なお、各誘導流路740〜790は、球が流下していない状態において、自重により傾きの最も大きい配置へと戻るように構成されている。例えば、球が誘導流路740を流下していない状態においては、誘導流路740の自重により、流路支持軸741を回転軸として正面視反時計回りに回動する。この回動動作は、誘導流路の下面が回動停止部材742aに接触するまで行われ、回動停止部材742aへと接触することにより停止する。同様に、誘導流路750〜790は、球が流下していない状態において、自重により各回動停止部材752a〜792aへと接触するまで回動動作を行うように構成されている。これにより、各誘導流路750〜790が回動動作を行っている途中で球が流下するか、各誘導流路750〜790の回動動作が終了した状態で球が流下するかに応じて球の流下速度を異ならせることができる。よって、遊技者が第2入球口640を狙い難くすることができる。
なお、各誘導流路740〜790が自重では回動せず、球の通過によってのみ回動するように構成してもよい。各誘導流路740〜790が自重で回動する場合は、球を1球打ち出す度に各誘導流路740〜790の回動が終了するまで待つことにより、迂回装置700を球が流下する速度を略同一にすることができてしまう。これに対し、各誘導流路740〜790が自重で回動しないように構成すれば、1球ずつ打ち出したとしても、流下速度のランダム性を高めることがでるので、遊技者が第2入球口640を狙い難くすることができる。
なお、本実施形態の迂回役物700では、各誘導流路740〜790が球の重みによる負荷に基づいて回動動作を行うように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、各誘導流路740〜790をモータ等により回動させるように構成してもよい。これにより、各誘導流路740〜790の動きを予測され難くすることができるので、「連荘状態」以外の状態において、遊技者により球を第2入球口640へ打ち込まれてしまうことを抑制することができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に盾、剣、マント等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が賞球を獲得しやすい種別の大当たり(通常大当たりA〜C、確変大当たりC1〜C6、確変大当たりD)であった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合や、賞球を獲得しにくい種別の大当たり(確変大当たりA1〜A64、確変大当たりB)であった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。賞球を獲得しにくい種別の大当たりにおいて、主図柄が揃う変動表示を行ってしまうと、賞球を獲得できなかった場合に遊技者を落胆させてしまう虞があるためである。また、大当たり種別が確変大当たりA1〜A64のいずれかであった場合には、各大当たり種別に対応する普通図柄の時短期間が新たに設定されてしまう。つまり、大当たりとなるまでに消化した普通図柄の時短期間がリセットされてしまうので、遊技者に対して「連荘状態」が遠のいたように感じさせてしまう場合がある。即ち、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。よって、本実施形態では、大当たりA1〜A64のいずれかに当選した場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示を実行することで、普通図柄の時短期間がリセットされたことを遊技者に気づかれにくく構成している。これにより、大当たりA1〜A64に当選したとしても、遊技者が遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを抑制することができる。
同一の主図柄が揃う変動表示についてより具体的に説明する。例えば、特別図柄の抽選結果が「通常大当たりA」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄のうちいずれかが揃う変動表示が行われる。また、「通常大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄、および「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄のいずれかが揃う変動表示が行われ、「確変大当たりD」であれば、奇数番号「7」を含む全ての番号が付加された主図柄のうちいずれかが揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであるか、賞球を獲得しにくい種別の大当たりであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、第3図柄を変動表示する際や、第3図柄を停止表示する際に第3図柄を表示させるための主表示領域Dmと、保留球数を表示するための小領域Ds1と、変動演出を縮小して表示するための小領域Ds2とによって構成されている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2は、主表示領域において変動演出とは異なる表示演出を実行する場合等に、変動演出を縮小して表示する領域である。変動演出を縮小して表示することにより、変動演出とは異なる表示演出が第3図柄により遮蔽されて見え難くなることを抑制することができる。
実際の表示画面では、図5(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計3個表示されると共に、第3図柄の背景において、大当たりの期待度を示す表示演出等が実行される。なお、本実施形態では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が表示されている状態(図5(b)参照)を、図柄の変動開始時と、変動停止時の期間に限り、図柄の変動中は小領域Ds2に変動中の図柄が表示されるように構成されている。これにより、主表示領域Dmに表示される演出を、第3図柄に遮蔽されることなく遊技者に確認させることができる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が普通入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されており、その第1入球口64の右下には第2入球口640が配設されている。第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられた第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)がなされる。一方、第2入球口640へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられた第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)がなされる。特別図柄1の抽選、または特別図柄2の抽選が実行されると、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64、および第2入球口640は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の左下方向には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第1特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。また、第2入球口640の右上方向には、第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第2特定入賞口(大開放口)650aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球を獲得可能な特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが所定時間開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、大当たりのラウンドが残っている場合は、その特定入賞口65aが再び所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、1回(1ラウンド)、または4回(4ラウンド)行われるように構成されている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、開放中の第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球を入賞させることにより多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650は、具体的には、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aは、通常時において球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、第1特定入賞口65aが開放される期間が最大で0.2秒となるように構成されている。即ち、第1特定入賞口65aが開放されたとしても、球を入球させることが困難となる。一方で、第2特定入賞口650aが開放される期間は最大で30秒となるように構成されている。即ち、第2特定入賞口650aが開放される大当たりでは、多量の賞球を獲得することができる。
第1特定入賞口65aは、その前面に設けられたカバー体800により、開閉動作が遊技者から見え難く構成されている。上述した通り、第1特定入賞口65aが開放される大当たり(確変大当たりA1〜A64、確変大当たりB)となった場合、特別図柄の外れと見分けることを困難とするために、第3図柄表示装置81において、主図柄が揃わない変動演出が実行されるように構成されている。このように構成しているにも関わらず、第1特定入賞口65aの開閉動作を容易に視認可能としてしまったのでは、第1特定入賞口65aが開放される大当たり(確変大当たりA1〜A64、確変大当たりB)となったか否かが容易に判別できてしまう。即ち、主図柄が揃わない変動演出を実行する意味が無くなってしまう。そこで、本実施形態のパチンコ機10では、カバー体800によって第1特定入賞口65aの開閉動作を確認しにくくし、遊技者が賞球を得にくい大当たり(確変大当たりA1〜A64、確変大当たりB)となったか否かを判別することが困難となるように構成している。なお、図2では省略しているが、実際のカバー体800には、模様や色彩等が施されることにより、第1特定入賞口65aが見えにくくなる構成となっている。
本実施形態では、大当たりになると、大当たり種別に応じて第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが開放されるように構成しているが、上記した形態に限定されるものではない。第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが所定時間開放され、その第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの開放中に、球が入賞することを契機として第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしてもよい。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図4に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図7を参照して説明する。図7(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、特図変動パターン選択テーブル202d、普図変動パターン選択テーブル202e、および状態設定テーブル202fが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図7(b)参照)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球した際(始動入賞の際)に取得された第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率状態用の判定値と、特別図柄の高確率状態用の判定値とが規定されている。具体的には、図7(b)に示す通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる判定値として「5,52,78,119,138,201,262,291」の8個の判定値が規定されている(図7(b)参照)。また、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲で更新されるループカウンタで構成されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が8なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/37.5」となる。
一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる判定値として「4,38,64,99,122,151,183,249,270」の10個の判定値が規定されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりとなる判定値の個数が2個しか変わらないように構成されている。このため、特別図柄の低確率状態と、特別図柄の高確率状態とで、特別図柄の大当たりとなる確率が大きく変わることはない。これは、特別図柄の低確率状態において大当たりになったとしても、大半が賞球をほとんど得られない上に大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が設定される「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」となってしまうからである。即ち、特別図柄の通常状態において特別図柄の大当たりになったとしても、遊技者にとってのメリットはほとんどないので、特別図柄の通常状態が長く続くほどに、遊技者の遊技に対する興趣を削いでしまう場合がある。
また、本実施形態のパチンコ機10では、遊技者にとって最も有利な状態である「連荘状態」へと移行させるために、基本的には普通図柄の時短期間を終了させる必要が有る。即ち、普通図柄の時短期間中に特別図柄の外れを連続させる必要がある。よって、普通図柄の時短中は、特別図柄の外れが連続することにより、「連荘状態」に一歩一歩近づいているかのような感覚を遊技者に抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。一方、特別図柄の低確率状態においては、そもそも普通図柄の時短期間が設定されないので、特別図柄の外れをどれだけ連続させたとしても、「連荘状態」に近づくことがない。即ち、特別図柄の外れが連続するほどに、遊技者の落胆が蓄積してしまい、遊技者が遊技に対するモチベーションを失ってしまう虞がある。
よって、本実施形態では、特別図柄の低確率状態においても、特別図柄の大当たりとなる確率が特別図柄の高確率状態と大差ないように構成することで、遊技者にとって最も不利な特別図柄の低確率状態に滞在しにくく構成している。これにより、特別図柄の低確率状態が長く続いてしまうことで、遊技者が遊技に対するモチベーションを失ってしまうことを抑制することができる。
第1当たり種別選択テーブル202b(図7(c)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。図7(c)に示した通り、この第1当たり種別選択テーブル202bには、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に大当たり種別を決定するための判定値が規定された特図1用当たり種別選択テーブル202b1と、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に大当たり種別を決定するっための判定値が規定された特図2用当たり種別選択テーブル202b2の2種類のデータテーブルから構成されている。これらのデータテーブルの詳細について、図8〜図10を参照して説明する。
図8(a)は、上述した特図1用当たり種別選択テーブル202b1の規定内容を示した図であり、図8(b)は、特図2用当たり種別選択テーブル202b2の規定内容を示した図である。
図8(a)に示した通り、特図1用当たり種別選択テーブル202b1には、「通常大当たりA」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりB」が選択される場合の第1当たり種別カウンタC2の判定値がそれぞれ規定されている。即ち、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合は、「通常大当たりA」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりB」のいずれかの大当たり種別に決定される。
図8(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、「通常大当たりA」が対応付けられて規定されている。なお、第1当たり種別カウンタC2は、その値が「0〜199」の範囲で更新されるループカウンタで構成されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「通常大当たりA」となる判定値の個数が10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりA」となる確率は5%(10/200)である。
通常大当たりAは、ラウンド数が1ラウンドであり、第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、上述した通り、遊技者は最大60個(5×12個×1ラウンド)の賞球の払い出しを受けることができる(持ち球を約50球増加させることができる)。また、大当たりの終了後には特別図柄の低確率状態へと移行し、普通図柄の時短期間は付与されない(普通図柄の通常状態へと移行する)。上述した通り、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(通常状態)においては、普通図柄(第2図柄)の変動時間が長くなる(3〜5分になる)と共に、普通図柄の当たりとなった場合に、電動役物640aが開放される時間も短くなる(0.2秒×1回となる)。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、球を第2入球口640へと入球させることが困難な状態となる。従って、「通常大当たりA」の終了後は、特別図柄1の抽選により大当たりとなることを目指す必要がある。特別図柄1の抽選により「確変大当たりA」となれば、普通図柄の時短期間が設定されるので、その設定された時短期間を経過させることにより遊技者にとって最も有利な「連荘状態」へと移行させることができる。また、特別図柄1の抽選により「確変大当たりB」となれば、大当たり終了後に直接「連荘状態」へと移行させることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜189」の範囲には、「確変大当たりA」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「確変大当たりA」となる判定値の個数が180個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりA」となる確率は90%(180/200)である。つまり、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の大半が、この「確変大当たりA」となる。
なお、「確変大当たりA」は、大当たり終了後に付与される時短期間の異なる「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」の総称であり、実際には、「確変大当たりA」となる判定値「10〜189」の範囲の中で、更に上記64種類の大当たりのそれぞれに対応する判定値が規定されている。上記64種類の大当たりと第1当たり種別カウンタC2との対応関係については、図9を参照して後述する。
この「確変大当たりA」は、ラウンド数が4ラウンドであり、第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、遊技者は賞球を獲得することが困難となる。また、大当たりの終了後には特別図柄の高確率状態へと移行し、大当たり種別に応じた普通図柄の時短期間(1回〜100回)が付与される。上述した通り、普通図柄の時短状態においては、普通図柄(第2図柄)の変動時間が長くなる(3〜5分になる)と共に、普通図柄の当たりとなった場合に、電動役物640aが開放される時間も短くなる(0.2秒×1回となる)。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、球を第2入球口640へと入球させることが困難な状態となる。従って、「確変大当たりA」の終了後は、特別図柄1の抽選により外れを連続させることで、設定された時短期間を経過させる必要がある。設定された時短期間が経過すると、特別図柄2の抽選を受けやすい「連荘状態」となる。特別図柄2の抽選により大当たりとなると、多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」に当選しやすくなるので、「連荘状態」となることにより遊技者にとって有利な状態となる。なお、上述した通り、設定された時短期間が経過していなくても、特別図柄1の抽選により「確変大当たりB」となれば、直接「連荘状態」へと移行させることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「190〜199」の範囲には、「確変大当たりB」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「確変大当たりB」となる判定値の個数が10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりB」となる確率は5%(10/200)である。
この確変大当たりBは、ラウンド数が4ラウンドであり、第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、遊技者は賞球を獲得することが困難となる。また、大当たりの終了後には特別図柄の高確率状態へと移行するが、普通図柄の時短期間は付与されない。即ち、確変大当たりBに当選すると、大当たりの終了後に直接「連荘状態」へと移行する。
次に、図8(b)を参照して、特図2用当たり種別選択テーブル202b2について説明する。図8(b)に示した通り、特図2用当たり種別選択テーブル202b2には、「通常大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、および「確変大当たりD」が選択される場合の第1当たり種別カウンタC2の判定値がそれぞれ規定されている。即ち、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合は、「通常大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、および「確変大当たりD」のいずれかの大当たり種別に決定される。
図8(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、「通常大当たりB」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「通常大当たりB」となる判定値の個数が10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりB」となる確率は5%(10/200)である。
この「通常大当たりB」は、ラウンド数が1ラウンドであり、第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、上述した通り、遊技者は最大60個(5×12個×1ラウンド)の賞球の払い出しを受けることができる(持ち球を約50球増加させることができる)。また、大当たりの終了後には特別図柄の低確率状態へと移行し、普通図柄の時短期間は付与されない(普通図柄の通常状態へと移行する)。
上述した通り、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(通常状態)においては、普通図柄(第2図柄)の変動時間が長くなる(3〜5分になる)と共に、普通図柄の当たりとなった場合に、電動役物640aが開放される時間も短くなる(0.2秒×1回となる)。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、球を第2入球口640へと入球させることが困難な状態となる。従って、「通常大当たりB」の終了後は、特別図柄1の抽選により大当たりとなることを目指す必要がある。特別図柄1の抽選により「確変大当たりA」となれば、普通図柄の時短期間が設定されるので、その設定された時短期間を経過させることにより遊技者にとって最も有利な「連荘状態」へと移行させることができる。また、特別図柄1の抽選により「確変大当たりB」となれば、大当たり終了後に直接「連荘状態」へと移行させることができる。
一方、第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜19」の範囲には、「確変大当たりC」が対応付けられている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「確変大当たりC」となる判定値の個数が10個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりC」となる確率は5%(10/200)である。
なお、「確変大当たりC」は、大当たり終了後に付与される時短期間の異なる「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」の総称であり、実際には、「確変大当たりC」となる判定値「10〜19」の範囲の中で、更に上記6種類の大当たりのそれぞれに対応する判定値が規定されている(図10(a)参照)。
また、付与される時短回数は、「連荘状態」(即ち、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であるか否かによっても異なっている。図8(b)に示した通り、「連荘状態」以外の状態(つまり、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(通常状態)、または特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態(確変時短状態))では、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」のいずれに当選したとしても、普通図柄の時短期間として100回の時短期間が設定される。最も多い時短期間(100回)のみが設定されるように構成することにより、「連荘状態」以外の状態で遊技者が第2入球口640を狙って球を打ち出す(多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」となることを狙って遊技を行う)ことを抑制することができる。時短期間が長いほど、「連荘状態」へと移行させることが困難なため、遊技者にとって不利益が大きいためである。
一方、「連荘状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)で「大当たりC」となった場合は、大当たり種別に応じて異なる回数の時短期間が付与される。「大当たりC1」〜「大当たりC6」と、第1当たり種別カウンタC2との対応関係については、図10を参照して後述する。
「確変大当たりC」は、ラウンド数が1ラウンドであり、第2特定入賞口65aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、上述した通り、遊技者は最大60個(5×12個×1ラウンド)の賞球の払い出しを受けることができる(持ち球を約50球増加させることができる)。また、大当たりの終了後には特別図柄の高確率状態へと移行し、普通図柄の時短期間が大当たり種別、および大当たり当選時の状態に応じた回数(10回〜100回)付与される。上述した通り、普通図柄の時短状態においては、普通図柄(第2図柄)の変動時間が長くなる(3〜5分になる)と共に、普通図柄の当たりとなった場合に、電動役物640aが開放される時間も短くなる(0.2秒×1回となる)。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、球を第2入球口640へと入球させることが困難な状態となる。従って、「確変大当たりC」の終了後は、特別図柄1の抽選により外れを連続させることで、設定された時短期間を経過させる必要がある。設定された時短期間が経過すると、特別図柄2の抽選を受けやすい「連荘状態」となる。特別図柄2の抽選により大当たりとなると、多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」に当選しやすくなるので、「連荘状態」となることにより遊技者にとって有利な状態となる。なお、上述した通り、設定された時短期間が経過していなくても、特別図柄1の抽選により「確変大当たりB」となれば、直接「連荘状態」へと移行させることができる。
更に、図8(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜199」の範囲には、「確変大当たりD」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「確変大当たりD」となる判定値の個数が180個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりD」となる確率は90%(180/200)である。
この確変大当たりDは、ラウンド数が4ラウンドであり、第2特定入賞口65aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、上述した通り、遊技者は最大240個(5×12個×4ラウンド)の賞球の払い出しを受けることができる(持ち球を約200球増加させることができる)。また、「確変大当たりD」が終了すると、特別図柄の高確率状態へと移行する。更に、「確変大当たりD」となったのが「連荘状態」であるか否かに応じて、異なる時短期間が大当たりの終了後に付与される。
具体的には、図8(b)に示した通り、「連荘状態」以外の状態(つまり、特別図柄の低確率状態、または、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)では、普通図柄の時短期間として100回の時短期間が設定される。最も多い時短期間(100回)のみが設定されるように構成することにより、「連荘状態」以外の状態で遊技者が第2入球口640を狙って球を打ち出す(多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」となることを狙って遊技を行う)ことを抑制することができる。
一方、「連荘状態」において「確変大当たりD」となった場合は、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が付与されない。即ち、「連荘状態」において、特別図柄2の抽選により確変大当たりDとなると、大当たりの終了後に再度「連荘状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)へと移行する。上述した通り、「連荘状態」では、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。そして、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合の90%が、この「確変大当たりD」となる。よって、「確変大当たりD」に繰り返し当選しやすくなるので、「連荘状態」となることにより遊技者は多量の賞球を獲得することができる。この「連荘状態」は、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、「通常大当たりB」、または「確変大当たりC」に当選することで終了する。また、「連荘状態」において特別図柄1の抽選が行われ、「通常大当たりA」、または「確変大当たりA」に当選した場合にも、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態、または普通図柄の時短状態へと移行するため、「連荘状態」が終了する。
なお、本実施形態では特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(通常状態)へと移行する大当たり(「通常大当たりA」、「通常大当たりB」)、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態(確変時短状態)へと移行する大当たり(「確変大当たりA」、「確変大当たりC」)、および特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(連荘状態)へと移行する大当たり(「確変大当たりB」、「確変大当たりD」)の3種類が設けられているが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態(非確変時短状態)へと移行する大当たり種別を設けてもよい。これにより、普通図柄の当たり確率から状態を予測するのがより困難となるので、特別図柄の外れを繰り返したとしても「連荘状態」へと移行しない特別図柄の低確率状態であることを察知して、遊技者が遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。
次いで、図9を参照して、上述した「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」と、第1当たり種別カウンタC2との対応関係、および、各大当たり後に付与される時短期間について説明する。
「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」は、上述した通り、各大当たりの終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)へと移行すると共に、各大当たり種別に応じた回数の普通図柄の時短期間が付与される大当たり種別である。また、付与される時短期間は、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」の順に増加し、最小で1回(確変大当たりA1の場合)、最大で100回(確変大当たりA64の場合)の時短期間が付与される。
図9(a)に示した通り、「確変大当たりA1」には、第1当たり種別カウンタC2の値として「10」、および「11」の2個の判定値が対応付けられている。同様に、「確変大当たりA2」にも第1当たり種別カウンタC2の値として2個の判定値が対応付けられており、その値は「12」、および「13」である。「確変大当たりA3」〜「確変大当たりA9」についても同様に、第1当たり種別カウンタC2の値が2個ずつ対応付けられている。また、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA9」となると、各大当たりの終了後にそれぞれ1回〜9回の普通図柄の時短状態が付与される。
また、「確変大当たりA10」には、第1当たり種別カウンタC2の値として1個の判定値「28」が対応付けられている。この「確変大当たりA10」が終了すると、普通図柄の時短期間が19回付与される。即ち、「確変大当たりA」の中に、普通図柄の時短期間として10回〜18回が付与される大当たりは存在しない。「確変大当たりA11」〜「確変大当たりA36」についても第1当たり種別カウンタC2の値が1個ずつ対応付けられており、その値はそれぞれ「29」〜「54」である。つまり、「確変大当たりA10」〜「確変大当たりA36」に対し、値が1ずつ異なる判定値がそれぞれ対応付けられている。また、「確変大当たりA11」〜「確変大当たりA36」が終了すると、普通図柄の時短期間がそれぞれ20回〜45回付与される。即ち、「確変大当たりA10」〜「確変大当たりA36」で、回数が1回ずつ異なる時短期間が付与されるように構成されている。
「確変大当たりA37」には、第1当たり種別カウンタC2の値として、「55,56,57」の3個の判定値が対応付けられている。この「確変大当たりA37」が終了すると、普通図柄の時短期間が64回付与される。即ち、「確変大当たりA」の中に普通図柄の時短期間として、46回〜63回が付与される大当たり種別は存在しない。「確変大当たりA38」〜「確変大当たりA45」についても、第1当たり種別カウンタC2の値が3個ずつ対応付けられており、その値はそれぞれ「55,56,57」〜「79,80,81」である。つまり、「確変大当たりA38」〜「確変大当たりA45」に対し、値が3ずつ異なる判定値がそれぞれ対応付けられている。また、「確変大当たりA38」〜「確変大当たりA45」が終了すると、普通図柄の時短期間がそれぞれ65回〜72回付与される。即ち、「確変大当たりA37」〜「確変大当たりA45」で、回数が1回ずつ異なる時短期間が付与されるように構成されている。
「確変大当たりA46」には、第1当たり種別カウンタC2の値として、「82」が対応付けられている。この「確変大当たりA46」が終了すると、普通図柄の時短期間が73回付与される。また、「確変大当たりA47」〜「確変大当たりA63」についても、第1当たり種別カウンタC2の値が1個ずつ対応付けられており、その値はそれぞれ「83」〜「99」である。つまり、「確変大当たりA47」〜「確変大当たりA63」に対し、値が1ずつ異なる判定値がそれぞれ対応付けられている。また、「確変大当たりA47」〜「確変大当たりA63」が終了すると、普通図柄の時短期間がそれぞれ74回〜99回付与される。即ち、「確変大当たりA46」〜「確変大当たりA63」で、回数が1回ずつ異なる時短期間が付与されるように構成されている。
「確変大当たりA64」には、第1当たり種別カウンタC2の値として、「100〜189」の90個の判定値が対応付けられている。また、「確変大当たりA64」が終了すると、普通図柄の時短期間が100回付与される。「確変大当たりA」となる判定値は、「10〜189」の180個有り、そのうち「確変大当たりA64」に割り当てられている判定値が90個あるので、「確変大当たりA」となった場合の50%(90/180)が「確変大当たりA64」となる。
次に、図9(b)を参照して、「確変大当たりA」に当選した場合に付与される普通図柄の時短期間の振り分けについて説明する。図9は、普通図柄の時短期間(回転数)の範囲と、「確変大当たりA」となった場合にその範囲が選択される割合(振り分け)との対応関係を示した図である。
図9(b)に示した通り、普通図柄の時短期間として1回〜9回の範囲が選択される割合(即ち、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA9」が選択される割合)は、10%である。上述した通り、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA9」に対応付けられた判定値の個数は、「10〜27」の18個なので、「確変大当たりA」となる180個の判定値のうち10%(18/180)に相当するからである。
普通図柄の時短期間が9回以内であれば、高確率で時短期間を経過させ、「連荘状態」へと移行させることができる。例えば、普通図柄の時短期間が3回であれば、3回連続で特別図柄の外れとなることで「連荘状態」へと移行する。上述の通り、特別図柄の大当たりとなる確率は1/30なので、3回連続で外れとなる確率は約90%(29/30の3乗)である。また、時短期間が9回であっても、9回連続で特別図柄の外れとなる確率は約74%(29/30の9乗)であり、過半数が「連荘状態」へと移行する。よって、遊技者が第1特定入賞口65aを注視する等により、「確変大当たりA」となった可能性が有ることを認識した場合でも、少ない時短期間が選択されることを期待させることができる。つまり、遊技者に対して、「確変大当たりA」となるまでに消化した時短期間が無駄になってしまった(「連荘状態」が遠のいた)と感じさせることを抑制できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図9(b)に示した通り、普通図柄の時短期間として10回〜18回が選択される場合は無い。また、普通図柄の時短期間として19回〜27回、28回〜36回、37回〜45回が選択される割合は、各5%である。即ち、「確変大当たりA10」〜「確変大当たりA18」、「確変大当たりA19」〜「確変大当たりA27」、および「確変大当たりA28」〜「確変大当たりA36」が選択される割合は、各5%である。これらに対応付けられた判定値の個数が各9個であるので、それぞれ「確変大当たりA」となる180個の判定値のうち5%(9/180)に相当するからである。
このように、「確変大当たりA」の終了後に特別図柄の外れが9回連続しても「連荘状態」へと移行しない場合は、そこから特別図柄の外れを最低でも10回連続させるまで(つまり、「確変大当たりA」の終了から起算して19回特別図柄の外れを連続させるまで)「連荘状態」へと移行する可能性が無い。以降、時短期間の振り分けが無い回数の範囲のことを、「振り分けの無いゾーン」と呼ぶ。これに対し、時短期間の振り分けが有る回数の範囲(例えば、1回〜9回)のことを、「振り分けの有るゾーン」と呼ぶ。
「振り分けの無いゾーン」が長く続くと、「振り分けの有るゾーン」から「振り分けの無いゾーン」へと移行したと遊技者が判断した段階で、遊技者が遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、「振り分けの無いゾーン」を最大で17回に限っている(後述の、46回〜63回のゾーン)。よって、普通図柄の時短期間を消化する際に、「振り分けの無いゾーン」に突入してしまったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させることを抑制し、次の「振り分けの有るゾーン」を目指して遊技を継続させることができる。また、「振り分けの無いゾーン」となったことにより、遊技者が遊技を辞めてしまったとしても、他の遊技者に対して次の「振り分けの有るゾーン」まで遊技を行ってみようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
図9(b)に示した通り、普通図柄の時短期間として46回〜63回が選択される場合は無い(「振り分けの無いゾーン」となる)。また、普通図柄の時短期間として64回〜72回が選択される割合は15%である。即ち、「確変大当たりA37」〜「確変大当たりA45」が選択される割合は15%である。「確変大当たりA37」〜「確変大当たりA45」に対応付けられた判定値は「55〜81」の範囲であり、その個数が27個であるので、「確変大当たりA」となる180個の判定値のうち15%(27/180)に相当するからである。
このゾーンは、他の「振り分けの有るゾーン」に比較して選択される割合が高くなっている。各「振り分けの無いゾーン」のうち最も長い46回〜63回のゾーンの直後を、時短期間として選択される割合の高いゾーンに設定することにより、遊技者が「振り分けの無いゾーン」を乗り切るまで遊技を継続するモチベーションを保ちやすくすることができる。
図9(b)に示した通り、普通図柄の時短期間として73回〜81回、および82回〜90回が選択される割合は、それぞれ5%である。即ち、「確変大当たりA46」〜「確変大当たりA54」、および「確変大当たりA55」〜「確変大当たりA63」が選択される割合は、それぞれ5%である。これらに対応付けられた判定値の個数が各9個であるので、それぞれ「確変大当たりA」となる180個の判定値のうち5%(9/180)に相当するからである。
また、普通図柄の時短期間として91回〜99回が選択される場合は無い(振り分けの無いゾーンとなる)。このゾーンまで「連荘状態」に移行していないということは、普通図柄の時短期間として100回が選択されていることを意味する。つまり、「連荘状態」に移行するための特別図柄の外れ回数が残り10回以内であることを意味するので、このゾーンまで遊技を行った遊技者の大多数は、前回の「確変大当たりA」後に設定された時短期間である100回を目指して遊技を継続する。即ち、このゾーンが選択される割合を0%としても、パチンコ機10の稼働率に影響を与えることは無い。また、時短期間が他のゾーンに振り分けられる割合を高めることができるので、各ゾーンによりメリハリをつけることができる。よって、遊技者に対して各ゾーンの特徴を加味して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、上述した通り、普通図柄の時短期間として100回が選択される割合は、「確変大当たりA」となった場合の50%である。時短期間として100回が選択された場合に「連荘状態」へと移行させるには、特別図柄の外れを100回連続で繰り返す必要が有るが、この事象が起きる確率は約3%(29/30の100乗)となり、非常に低確率となる。よって、100回の時短期間が選択される(確変大当たりA64が選択される)割合を高くしておくことにより、過剰に「連荘状態」へと移行してしまうことを抑制することができる。よって、ホールに対して不利益を生じさせてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、特別図柄の外れ時と、「確変大当たりA」となる場合とで、変動演出の態様を同一としている(同一の主図柄が揃わない変動演出が実行される)が、「確変大当たりA」となったことが遊技者に容易に認識できる態様で変動演出等の表示演出を実行するように構成してもよい。これにより、「確変大当たりA」となってからの外れ回数を遊技者にカウントさせ、外れ回数と、各振り分けの有るゾーンの割合とに基づいて「連荘状態」となる可能性が高いか否かを予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、大当たりが終了してからの変動回数を第3図柄表示装置81に対して表示可能に構成してもよい。これにより、遊技を開始しようとしている遊技者が、変動回数に基づいて次の振り分けの有るゾーンまでの外れ回数を判断し、遊技を開始するか否かの判断材料とさせることができる。また、変動回数を表示させるのは、第3図柄表示装置81に限られるものではなく、例えば、変動演出の開始を示す信号や、大当たりを示す信号を外部出力し、パチンコ機10の外部に設けられた表示装置に大当たり終了からの変動回数を表示させるように構成してもよい。これにより、第3図柄表示装置81に対して変動回数を表示させるのと同様に、遊技者が回数に基づいて遊技を開始するか否かを判断することができる。
本実施形態では、図9(b)に示した振り分けで時短期間が設定されるように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、1回〜100回までの時短期間が均等に選択されるように構成してもよい。これにより、振り分けの無いゾーンを廃止できるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持し易くすることができる。また、例えば、「確変大当たりA」が終了した後で、必ず100回の時短期間が設定されるように構成してもよい。これにより、過度に「連荘状態」となってしまうことを抑制することができるので、ホールに対して不利益を生じさせてしまうことを抑制することができる。また、時短期間の上限は100回に限られるものではなく、任意に定めてもよい。
次に、図10を参照して、上述した「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」と、第1当たり種別カウンタC2との対応関係、および、各大当たり後に付与される時短期間について説明する。
「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」は、上述した通り、「連荘状態」において特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、各大当たりの終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)へと移行すると共に、各大当たり種別に応じた回数の普通図柄の時短期間が付与される。また、付与される時短期間は、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」の順に増加し、最小で10回(確変大当たりC1の場合)、最大で100回(確変大当たりC6の場合)の時短期間が付与される。
図10(a)に示した通り、「確変大当たりC1」、「確変大当たりC2」、「確変大当たりC3」、「確変大当たりC4」、「確変大当たりC5」には、それぞれ第1当たり種別カウンタC2の値として「10」,「11」,「12」,「13」,「14」が対応付けられている。また、上記各大当たりが終了すると、普通図柄の時短期間として、10回、30回、50回、70回、80回がそれぞれ付与される。
また、「確変大当たりC6」には、それぞれ第1当たり種別カウンタC2の値として「15〜19」が対応付けられている。この「確変大当たりC6」が終了すると、100回の時短期間が付与される。
次に、図10(b)を参照して、変動回数毎に時短期間が選択される割合について説明する。図10(b)に示す通り、10回、30回、50回、70回、80回の時短期間が選択される割合は、それぞれ10%である。一方、100回の時短期間が選択される割合は50%である。そして、上記以外の時短期間は選択されないように構成されている。図9(b)と、図10(b)とを比較することで明らかなように、「確変大当たりA」となった場合は、50回以下の時短期間が選択される割合が25%であるのに対して、「確変大当たりC」となった場合に50回以下の時短期間が選択される割合は30%となっている。即ち、「連荘状態」が終了する契機となる大当たりとなった場合に、少ない時短期間が選択されやすく構成されている。これにより、「連荘状態」が終了した後に、時短期間を経過させることにより再度「連荘状態」へと移行させやすくすることができるので、「連荘状態」が終了した後も、遊技者に遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、時短期間の振り分けは、この態様に限定されるものではない。確変大当たりAになった場合と同じ振り分けとしてもよい。つまり、確変大当たりC1〜確変大当たりC64を設け、各大当たりで確変大当たりA1〜A64と同じ時短回数が付与されるように構成してもよい。
図7(a)に戻って説明を続ける。第2当たり乱数テーブル202c(図11(a)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルであり、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4が、この第2当たり乱数テーブル202cに規定される判定値と一致する場合に普通図柄の当たりと判定される。この第2当たり乱数テーブル202cの詳細について、図11(a)を参照して説明する。
図11(a)は、第2当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。図11(a)に示した通り、第2当たり乱数テーブル202cには、低確率時(普通図柄の通常状態)用のテーブルと、高確率時(普通図柄の時短状態)用のテーブルとが規定されている。
低確率時(普通図柄の通常状態)用の第2当たり乱数テーブルには、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜222」の218個の値が規定されている(図11(a)参照)。ここで、第2当たり乱数カウンタC4は、0〜239の範囲で更新されるループカウンタで構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る240個の値のうち、当たりとなる判定値が218個存在するので、普通図柄の通常状態において、普通図柄(第2図柄)の当たりとなる確率は、約91%(約1/1.1)となる。
また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0〜239」が規定されている(図11(a)参照)。即ち、第2当たり乱数カウンタC4が取り得る全ての値で普通図柄の当たりと判定される(普通入球口67を球が通過することにより100%普通図柄の当たりと判定される)。
なお、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」において特別図柄2の抽選により大当たりとなることにより、多量の賞球を獲得可能であり、大当たり終了後に再度「連荘状態」に設定される「確変大当たりD」に当選しやすくなる。この「連荘状態」は、基本的には普通図柄の時短期間が経過した後で移行する状態であり、具体的には、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態である。この「連荘状態」において、遊技者は特別図柄2の抽選を行わせるために、第2入球口640を狙って球を打ち出すので、第2入球口640aへと球が入りにくくなるほど遊技者が不満感を募らせてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、普通図柄の通常状態であっても、普通図柄の当たりとなる確率が90%以上の高確率となるように構成している。これにより、「連荘状態」において第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されやすくなるので、遊技者に対して第2入球口640へと入球し難いと感じさせ、不満感を抱かせてしまうことを抑制できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
加えて、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」となった場合に普通図柄(第2図柄)の変動時間が短くなる(1秒となる)と共に電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×3回)ように構成されている。これにより、「連荘状態」において第2入球口640へと球を入球させ易くすることができるので、遊技者に対して「連荘状態」中にストレスなく遊技を行わせることができる。
図7(a)に戻って説明を続ける。特図変動パターン選択テーブル202d(図11(b)参照)は、特別図柄の抽選結果に対応する変動演出(変動パターン)の表示態様を決定するための第1変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。この特図変動パターン選択テーブル202dの詳細について、図11(b)、および図12を参照して説明する。
図11(b)は、特図変動パターン選択テーブル202dの概要を示す図である。図11(b)に示した通り、特図変動パターン選択テーブル202dは、3種類のデータテーブルから構成されている。即ち、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1と、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2と、共通確変非時短用選択テーブル202d3とで構成されている。
特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1は、特別図柄の低確率状態(通常)、または特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において、特別図柄1の抽選が実行された場合に参照されるデータテーブルである。また、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2は、特別図柄の低確率状態(通常)、または特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において、特別図柄2の抽選が実行された場合に参照されるデータテーブルである。更に、共通確変非時短用選択テーブル202d3は、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の通常状態(非時短)において(つまり、「連荘状態」において)、特別図柄1の抽選、または特別図柄2の抽選のうちどちらかが実行された場合に参照されるデータテーブルである。上記3種のデータテーブルの詳細について、図12を参照して説明する。
図12(a)は、上述した特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1の規定内容を示す図であり、図12(b)は、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2の規定内容を示す図であり、図12(c)は、共通確変非時短用選択テーブル202d3の規定内容を示す図である。図12に示した通り、上記3種のテーブルは停止種別毎に選択可能な変動パターンの種別を、第1変動種別カウンタCS1の値に対応付けて規定したデータテーブルである。
まず、図12(a)を参照して、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1の規定内容について説明する。特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1には、完全外れ、リーチ外れ、大当たりの各停止種別に対して、変動パターン種別と、第1変動種別カウンタCS1の値とが対応付けて規定されている。具体的には、停止種別が完全外れの場合、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜98」の範囲であれば、変動時間が7秒の「短外れ」が選択される。一方、第1変動種別カウンタCS1の値が「99〜198」の範囲であれば、変動時間が10秒の「長外れ」が選択される。
停止種別がリーチ外れの場合、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲であれば、変動時間が15秒の「ノーマルリーチ」が選択される。また、第1変動種別カウンタCS1の値が「150〜198」の範囲であれば、変動時間が30秒の「スーパーリーチ」が選択される。即ち、変動時間が長い「スーパーリーチ」よりも、変動時間の短い「ノーマルリーチ」の方が選択されやすいように構成されている。これは、最終的に外れとなるにも関わらず、変動時間の長い変動パターンばかりが選択されると、外れることによる遊技者の落胆が大きくなり、遊技者の興趣を損ねてしまう虞があるからである。
停止種別が「確変大当たりA」、または「確変大当たりB」である場合、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜98」の範囲であれば、変動時間が7秒の「確変当たり用ノーマルリーチ」が選択される。また、第1変動種別カウンタCS1の値が「99〜198」の範囲であれば、変動時間が10秒の「確変当たり用スーパーリーチ」が選択される。即ち、「確変大当たりA」、または「確変大当たりB」であった場合は、停止種別が完全外れの場合と同じ変動時間の変動演出が実行される変動パターン種別が選択される。
詳細については後述するが、主制御装置110によって選択された変動パターン種別は、変動パターンコマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知される。音声ランプ制御装置113のMPU221は、変動パターンコマンドに基づき、変動パターン種別が「確変大当たりA用ノーマルリーチ」であった場合は、変動時間が同一の「短外れ」と同じ表示演出が実行されるように制御する。また、変動パターンコマンドにより通知された変動パターン種別が「確変大当たり用スーパーリーチ」であった場合は、変動時間が同一の「長外れ」と同じ表示演出が実行されるように制御する。これにより、第3図柄表示装置81に表示される表示演出から、賞球を得ることが困難な「確変大当たりA」、または「確変大当たりB」となったことを遊技者に判別されにくくすることができる。よって、表示演出によって大当たりが報知されたにも関わらず、賞球を得られずに遊技者を落胆させてしまうことを防止することができる。加えて、「確変大当たりA」、または「確変大当たりB」となった場合は、大当たり中の表示演出として、変動演出が継続しているかのような演出が実行される。即ち、表示演出の見た目が通常時と変わらなくなるように構成している。これにより、「確変大当たりA」に当選することで、時短期間がリセットされたことを遊技者に認識されにくくすることができる。よって、遊技者がそれまでに消化した時短期間が無駄になってしまったと感じてしまい、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを抑制することができる。
停止種別が「通常大当たりA」である場合、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜98」の範囲であれば、変動時間が15秒の「通常当たり用ノーマルリーチ」が選択される。また、第1変動種別カウンタCS1の値が「99〜198」の範囲であれば、変動時間が30秒の「通常当たり用スーパーリーチ」が選択される。このように、賞球を得やすい「通常大当たりA」に対応する変動パターンを選択する場合は、停止種別が「リーチ外れ」の場合に比較して変動時間の長い変動パターン種別が選択されやすい。これにより、変動時間が長い変動パターン種別であることを遊技者が認識した場合に、賞球を得ることに対する期待感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図12(b)を参照して、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2の規定内容について説明する。この特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2において、停止種別が「完全外れ」の場合に選択され得る変動パターン種別は変動時間が300秒(5分)の「超ロング外れ」のみである。即ち、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲(即ち、第1変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値)において、「超ロング外れ」が選択される。
また、停止種別が「リーチ外れ」だった場合、選択され得る変動パターンは変動時間が300秒の「外れ超ロングリーチ」のみである。更に、停止種別が「各種大当たり」だった場合は、変動時間が300秒の「当たり超ロングリーチ」のみが選択される。即ち、特別図柄の低確率状態(通常)、または特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において、特別図柄2の抽選が実行された場合には、抽選結果に関わらず変動時間が300秒の変動パターン種別が選択される。
このように、極端に長い変動パターン種別が選択されるように構成することで、一旦変動が開始されてしまうと、その変動が終了するまでの長い時間、特別図柄の抽選が受けられない不利な状態とすることができるので、遊技者に対して、「連荘状態」以外の状態(特別図柄の低確率状態、または特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)において第2入球口640へ球を打つべきでないと感じさせることができる。よって、遊技者に対して、「連荘状態」以外の状態において、第1入球口64を狙って球を打ち出させ、「連荘状態」において、第2入球口640を狙って球を打ち出させることができる。本パチンコ機10は、「連荘状態」以外の状態では特別図柄1の抽選のみが行われ、「連荘状態」では特別図柄2の抽選のみが行われることを想定して設計されているので、「連荘状態」以外の状態において遊技者により第2入球口640を狙われることを防止(抑制)することで、パチンコ機10の出球率を設計値に近づけることができる。よって、ホールが出玉率の設計値から売り上げ予測等を行う際に、より正確に計算することができる。
なお、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640が狙って球が打ち出されることを防止するために、他にも複数の構成を設けている。例えば、本実施形態では、「連荘状態」以外の状態において普通図柄の変動時間が極端に長くなる(3〜5分となる)ように構成している。また、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aが開放される開放期間を短時間(0.2秒×1回)としている。これらにより、普通入球口67に入球させることができても、電動役物640aがほとんど開放されない(数分の間に0.2秒の頻度で開放される)ので、普通入球口67、およびその下流側に設けられている第2入球口640へ向けて遊技者により球が打ち出されることを抑制することができる。
また、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、第2入球口640の上流側に迂回役物700が設けられているので、球を打ち出してから第2入球口640へと到達するまでに7以上の時間を要する。よって、電動役物640aが開放されたことを認識してから球を打ち出したとしても、球が第2入球口640へと到達する前に電動役物640aが閉鎖される(0.2秒が経過する)ので、「連荘状態」以外の状態において球が第2入球口640へと入球することを抑制できる。
また、上述した通り、第2入球口640へ球を入球させることができたとしても、特別図柄の変動中であれば第2入球口640へ入球すると、その入球は保留されることなく破棄される。即ち、「連荘状態」以外の状態では、変動時間が極端に長くなる上に、変動中に第2入球口640へと球を入球させたとしても、その入球に基づいて特別図柄2の抽選が行われることがない。よって、特別図柄2の抽選を受けるためには、特別図柄2の抽選に基づく変動演出が終了してから、再度第2入球口640へ球を入球させる必要がある。「連荘状態」以外の状態では、特別図柄2の抽選結果によらずに300秒の変動時間の変動パターン種別が選択されるので、最短でも300秒おきにしか抽選が受けられない。従って、遊技効率が極端に悪くなってしまうので、「連荘状態」以外の状態において遊技者が第2入球口640を狙って遊技を行うことを抑制することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640へと打ち出した場合に遊技者にとって不利となる様々な構成が設けられている。これにより、「連荘状態」でないにも関わらず特別図柄2の抽選が実行され、「確変大当たりD」に当選することで多量の賞球が遊技者によって獲得されてしまうことを防止(抑制)できる。
なお、「連荘状態」以外の状態において、特別図柄2の抽選が行われた場合は、その抽選に基づいて行われる300秒の変動演出において、第1入球口64を狙って球を打ち出すように警告する演出を行ってもよい。これにより、「連荘状態」でないにも関わらず、第2入球口640を狙って遊技を行う遊技者に対して、その第2入球口640を狙った遊技方法を辞めさせることができる。また、警告演出を表示させることによりホールの店員にも、通常とは異なる遊技方法を行っている(「連荘状態」以外の状態で第2入球口640を狙って球を打ち出している)遊技者を容易に特定することができる。よって、遊技者が警告演出を無視して通常とは異なる遊技方法を続行したとしても、警告演出を確認したホールの店員により、直接注意を行わせることができる。従って、「連荘状態」以外の状態で第2入球口640を狙って球を打ち出す遊技方法に対する抑制をより確実に図ることができる。
次に、図12(c)を参照して、共通確変非時短用選択テーブル202d3の規定内容について説明する。図12(c)に示した通り、停止種別が「完全外れ」の場合に選択され得る変動パターン種別は変動時間が1秒の「外れ」のみである。即ち、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲(即ち、第1変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値)において、「外れ」が選択される。また、停止種別が「リーチ外れ」の場合に選択され得る変動パターン種別は、変動時間が2秒の「確変非時短用外れノーマルリーチ」のみである。
更に、停止種別が「各種大当たり」の場合は、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲で、変動時間が2秒の「確変非時短用当たりノーマルリーチ」が選択される。一方、第1変動種別カウンタCS1の値が「180〜198」の範囲で、変動時間が5秒の「確変非時短用当たりスーパーリーチ」が選択される。
このように、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の通常状態(非時短)では(つまり、「連荘状態」では)、特別図柄1の抽選、または特別図柄2の抽選が実行された場合に、比較的短い変動時間(1秒〜5秒)の変動パターン種別が選択されるように構成されている。これは、「連荘状態」では、入球が保留されない第2入球口640を狙って遊技者が球を打ち出すことを想定しているためである。即ち、変動時間が短い変動パターンが選択されるように構成することで、変動中に球が第2入球口640へと入球する可能性を低くすることができる。よって、変動中に球が第2入球口640へと入球することにより、遊技者に対して、特別図柄2の抽選が無駄になったと思わせてしまい、遊技に対する不満感を抱かせてしまうことを抑制することができる。従って、遊技者にとって有利な「連荘状態」をストレスなく楽しませることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、各状態において設定される変動時間は、図12(a)〜図12(c)に規定された内容に限られるものではなく、任意に定めてもよい。例えば、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2において、1時間や5時間等のより長い変動時間の変動演出(変動パターン)が選択されるように構成してもよい。これにより、たとえ「連荘状態」以外の状態で特別図柄2の抽選により多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」になったとしても、その抽選結果が出るまでの時間を非常に長くすることができる。つまり、通常とは異なる遊技方法を行った場合に、遊技効率を極端に悪くすることができるので、「確変大当たりD」になった場合に多量の賞球を得られることを加味しても、割に合わないと感じさせることができる。よって、通常とは異なる遊技方法に対する抑制を図ることができる。また、例えば、共通確変非時短用選択テーブル202d3において、全ての変動種別に対して1秒の変動時間の変動パターン種別のみを対応付けるように構成してもよい。これにより、特別図柄2の抽選に基づく変動演出中に、第2入球口640へ球が入球し、その入球が破棄されてしまうことをより抑制することができる。
図7に戻って説明を続ける。普図変動パターン選択テーブル202e(図13(a)参照)は、普通図柄の抽選結果に対応する変動演出(変動パターン)の表示態様を決定するための第2変動種別カウンタCS2の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。即ち、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示の変動時間が規定されている。なお、変動時間とは、「○」の図柄と「×」の図柄が交互に点灯されている期間と、停止図柄(普通図柄の当たりの場合は「○」図柄、外れの場合は「×」図柄)が停止表示されている期間との合計を意味している。この普図変動パターン選択テーブル202eの詳細について、図13を参照して説明する。
図13(a)は、普図変動パターン選択テーブル202eの概要を示す図である。図13(a)に示した通り、普図変動パターン選択テーブル202eは、2種類のデータテーブルから構成されている。即ち、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1と、普図確変非時短用選択テーブル202e2とで構成されている。
まず、図13(b)を参照して、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1の規定内容について説明する。普図通常/確変時短用選択テーブル202e1には、普通図柄の保留球数毎に、普通図柄(第2図柄)の変動時間と、第2変動種別カウンタCS2の値とが対応付けて規定されている。具体的には、普通入球口67への入球に対する保留球数が0個の場合、第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜49」の範囲であれば、変動時間が180秒(3分)の変動パターンが選択される。一方、第1変動種別カウンタCS1の値が「50〜149」の範囲であれば、変動時間が240秒(4分)の変動パターンが選択され、第2変動種別カウンタCS2の値が「150〜198」の範囲であれば、変動時間が300秒(5分)の変動パターンが選択される。
このように、保留球数が0の場合に、3分〜5分の非常に長い変動パターンが選択されることで、第2入球口640(およびその上流側の普通入球口67)を狙うと損をしてしまうと感じさせることができる。普通図柄の変動中に、電動役物640aが開放されることはないので特別図柄2の抽選を行わせることができないためである。よって、特別図柄の低確率状態(通常)や、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において(即ち、「連荘状態」以外の状態において)、遊技者に第1入球口64を狙って球を打ち出させることができる。
また、複数種類の変動時間(3分、4分、および5分)が選択され得るため、普通図柄の変動時間が終了するタイミングを分かり難くすることができる。よって、「連荘状態」以外の状態において、普通図柄の変動時間が終了するタイミング(電動役物640aが開放される可能性があるタイミング)を見計らって遊技者に球を打ち出されることを防止(抑制)することができる。
なお、本実施形態では、普通図柄(第2図柄)の変動中に、単に「○」図柄と「×」図柄を交互に変動させるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、「○」図柄から「×」図柄に切り替える時間、および「×」図柄から「○」図柄へと切り替える時間がランダムに変わるように構成してもよい。これにより、変動中において、「○」図柄が表示されてから「×」図柄へと切り替えられるまでの期間が長くなる場合と、最終的な停止図柄として「○」図柄が停止表示される場合とを、区別し難くすることができる(表示された図柄で確定されたのか否かを分かり難くすることができる)。よって、「連荘状態」以外の状態において遊技者が電動役物640aの開放タイミングを狙って球を打ち出すことを抑制することができる。
また、図13(b)に示した通り、普通入球口67への入球に対する保留球数が1個〜4個の場合は、いずれも第2変動種別カウンタCS2の値に関わらず、変動時間が0.2秒の変動パターンが選択される。つまり、保留球数が0の状態で変動開始され、その変動中に普通図柄67への入球が保留されると、保留球数が0の状態で開始された変動演出が終了してから短い期間の間に変動演出、および電動役物640aの開放動作が繰り返される。そして保留球が消化され、保留が0の状態になると、再度3〜5分の変動演出が実行されるように構成されている。この動作について、より詳しく説明する。なお、以下の説明では、普通図柄の時短状態(即ち、普通図柄の当たりとなる確率が100%の場合)を想定して説明を行う。即ち、普通図柄の変動演出後に電動役物640aが必ず0.2秒間×1回開放される状態を想定して説明を行う。普通図柄の時短状態は、遊技において最も長い期間滞在する状態だからである。
普通入球口67への入球に対する保留球数が0の状態において普通入球口67へと球が入球すると、3分〜5分の変動演出(変動パターン演出)が実行される。この変動演出の実行中に普通入球口67へと球が入球すると、その入球は4回を限度に保留される。ここでは、変動期間中に保留球数が4となった場合を想定する。最低でも3分の変動時間の変動パターンが設定されるため、普通入球口67を遊技者が狙って球を打ち出せば、普通入球口67へ球を容易に4回以上入球させることができるためである。
普通入球口67への入球に対する保留球数が0個の状態で開始された変動演出の変動期間が経過すると、電動役物640aが0.2秒開放された後で閉鎖される。そして、電動役物640aが閉鎖されると、1個目に保留された保留球に対応する変動演出が開始される。この変動演出を開始する時点で、保留球数は3個となるので、変動時間が0.2秒の変動演出が実行され、電動役物640aが0.2秒開放される。2個目に保留された保留球、および3個目に保留された保留球についても同様に、変動時間が0.2秒の変動演出後に電動役物640が0.2秒間開放される。
また、4個目に保留された保留球に対応する変動演出が実行される時点で、保留球数が0となっていれば、3分〜5分の変動演出が選択される。また、新たな保留球が発生していれば、0.2秒の変動時間の変動演出が実行され、保留球が0となったら3分〜5分の変動演出が実行される。そして、3分〜5分の変動演出中に新たに普通入球口67への入球が保留された場合は、上記同様に、変動演出の終了後に電動役物640aの0.2秒間の開放と、0.2秒間の変動演出とが繰り返される。
なお、最初の変動演出(保留球数が0個の状態で開始された変動演出)が終了してから、4個目に保留された保留球に対応する変動演出が開始するまでの時間は、1.4秒程度(電動役物640aの開放×4回+0.2秒変動×3回)であるので、4個目の保留球に対応する変動演出が実行される時点で、新たな保留球数は多くとも2個程度となる。本実施形態のパチンコ機10では、球の発射間隔に制限を設けており、1分間に球を100発までしか射出できないように構成されている(即ち、1発の球を発射してから、次の球を発射するまでの間隔が0.6秒以上となるように構成されている)ので、1.4秒間では球を2個しか打ち出せないためである。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の低確率状態(通常)、または、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において(つまり、「連荘状態」以外の状態において)、普通入球口67へと球を入球させると、長い変動時間の変動演出が実行された後で、その変動演出中に保留された普通入球口67への入球応じた回数だけ、0.2秒間の電動役物640aの開放と、0.2秒間の変動演出とが繰り返される。つまり、長い変動時間の変動演出が終了すると、1秒前後で電動役物640aの開放と、保留球に応じた変動演出とが繰り返される。そして、再度長い変動時間の変動演出が実行される。
保留されていた普通入球口67への入球に対応する変動を短い期間(1秒前後)で実行することにより、長い変動時間の変動演出が終了することに基づいて電動役物640aが開放されたことを確認してから遊技者が球を打ち出したとしても、第2入球口640に対して球が到達する前に、短い変動時間(0.2秒)の変動と、その変動後の電動役物640aの開放とを終了させることができる。迂回役物700を通過させることにより、球を打ち出してから第2入球口640へと到達するまでに7秒以上を要するためである。加えて、上述した通り、「連荘状態」以外の状態において、特別図柄2の抽選が実行された場合は、抽選結果に関わらず、変動時間が300秒(5分)の変動演出が設定されるように構成されている。これにより、たとえ第2入球口640へと球を入球させることができたとしても、5分間延々と変動演出が継続してしまう。また、第2入球口640への入球は保留されないため、少なくとも5分間の変動が終了するまで次の特別図柄2の抽選を実行させることができない。
このように、「連荘状態」以外の状態では、普通図柄の変動時間が長くなり、且つ、普通図柄の当たりとなった場合の電動役物640aの開放時間が短くなるので、第2入球口へと入球させ難くなる。また、迂回役物700により球が第2入球口640へと到達する時間が長くなるように構成されているので、普通図柄の抽選が保留されていたとしても、普通図柄の変動が終了し、電動役物640aが開放されてから遊技者が球を打ち出したとしても、電動役物640aが開放されている間に球が第2入球口640へとたどり着くことは困難となる。更に、第2入球口640へと球を入球させることができたとしても、変動時間が長い(抽選結果が出るまでが長い)ので、特別図柄2の抽選を実行しにくくなってしまう。これらが相互に関連し合うことで、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640を狙って球を打ち出すと遊技者にとって著しく不利になる。よって、「連荘状態」以外の状態では、遊技者に第1入球口64を狙って球を打たせることができる。よって、パチンコ機10の出球率を設計値に近づけることができる。
次に、図13(c)を参照して、普図確変非時短用選択テーブル202e2の規定内容について説明する。普図確変非時短用選択テーブル202e2も、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1と同様に、普通図柄の保留球数毎に、普通図柄(第2図柄)の変動時間と、第2変動種別カウンタCS2の値とが対応付けて規定されている。図13(c)に示す通り、普図確変非時短用選択テーブル202e2では、保留球数、および第2変動種別カウンタCS2の値に関わらず、変動時間が1秒の変動パターンが選択されるように構成されている。なお、上述した通り、本データテーブルが参照される特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の通常状態(非時短)では(即ち、「連荘状態」では)、電動役物640aの開放時間も長くなる(1秒×3回)ので、電動役物640aが開放される頻度が大幅に高くなる。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくすることができる。更に、本実施形態では、普通入球口67を通過した球が第2入球口640へと到達するまでの時間が1.2秒程度となるように、各入球口が配設されている。これにより、「連荘状態」では、普通入球口67へと入球することにより実行される変動演出が終了し、電動役物640aが開放されるタイミングで、その変動演出の契機となった(つまり、普通入球口67へと入球した)球が第2入球口640へと到達するように構成されている。よって、「連荘状態」において、第2入球口640に対してより球を入球させやすくすることができる。
図7に戻って説明を続ける。状態設定テーブル202fは、各種大当たりの終了後に、大当たり終了後の状態を設定するために参照されるデータテーブルである。この状態設定テーブル202fには、大当たり終了後の特別図柄の状態(特別図柄の高確率状態とするか、低確率状態とするか)と、普通図柄の状態(普通図柄の時短期間、および電動役物640aの開放期間)と、設定される変動パターンテーブル(特図変動パターン選択テーブル202dからいずれのテーブルを選択するか)とが少なくとも規定されている。
この状態設定テーブル202fについて、図14を参照して説明する。図14に示した通り、「通常大当たりA」、「通常大当たりB」には、特別図柄の状態として、「特別図柄の低確率状態」が対応付けられている。また、普通図柄の状態として、「普通図柄の通常状態」(普通図柄の時短期間0回)が対応付けられると共に、変動時間が長く、電動役物640aの開放時間が短い状態が対応付けられている(つまり、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1が選択されるように設定される)。また、変動パターン種別を選択するために参照されるテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2が対応付けられている。更に、有利状態フラグ203iの状態として、「オフ」が対応付けられている。
よって、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」の終了時には、この状態設定テーブル202fが参照され、特別図柄の低確率状態(確変フラグ203fをオフ)に設定し、普通図柄の通常状態(時短中カウンタ203gの値として0)に設定し、大当たり終了後に選択される変動パターンテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2に設定し、有利状態フラグ203iの値として「オフ」に設定する。
一方、「確変大当たりA1」には、特別図柄の状態として、「特別図柄の高確率状態」が対応付けられている。また、普通図柄の状態として、時短期間が1回の「普通図柄の時短状態」が対応付けられると共に、変動時間が長く、電動役物640aの開放時間が短い状態が対応付けられている(つまり、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1(図13(b)参照)が選択されるように設定される)。また、変動パターン種別を選択するために参照されるテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1(図12(a)参照)、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2(図12(b)参照)が対応付けられている。更に、特別図柄の抽選が1回行われることに基づいて(普通図柄の時短期間が終了することに基づいて)、共通確変非時短用選択テーブル202d3(図12(c)参照)が選択されるように設定される。これにより、普通図柄の時短期間(1回)が終了した後で、特別図柄2の抽選が行われた場合に、変動時間の短い(1秒〜5秒)の変動パターン種別を選択させることができる。よって、「連荘状態」中に特別図柄2の抽選がスムーズに行われるので、遊技者に対してストレスを感じさせることなく「連荘状態」の遊技を行わせることができる。
よって、「確変大当たりA1」の終了時には、この状態設定テーブル202fが参照され、特別図柄の高確率状態(確変フラグ203fをオン)に設定し、時短期間が1回の普通図柄の時短状態(時短中カウンタ203gの値として1)に設定し、大当たり終了後に選択される変動パターンテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2に設定し、有利状態フラグ203iの値として「オフ」に設定する。
なお、「確変大当たりA2」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりC」に対しても、普通図柄の時短期間として異なる回数が対応付けられているだけで、対応付けられているその他のデータは「確変大当たりA1」と同一である。
「確変大当たりB」、および「確変大当たりD」には、特別図柄の状態として、「特別図柄の高確率状態」が対応付けられている。また、普通図柄の状態として、「普通図柄の通常状態」(普通図柄の時短期間0回)が対応付けられると共に、変動時間が短く、電動役物640aの開放時間が長い状態が対応付けられている(つまり、普図確変非時短用選択テーブル202e2(図13(c)参照)が選択されるように設定される)。また、変動パターン種別を選択するために参照されるテーブルとして、共通確変非時短用選択テーブル202d3(図12(c)参照)が対応付けられている。
よって、「確変大当たりB」、または「確変大当たりD」の終了時には、この状態設定テーブル202fが参照され、特別図柄の高確率状態(確変フラグ203fをオン)に設定し、普通図柄の通常状態(時短中カウンタ203gの値として0)に設定し、大当たり終了後に選択される変動パターンテーブルとして、共通確変非時短用選択テーブル202d3に設定し、有利状態フラグ203iの値として「オン」に設定する。
「確変大当たりC1」には、特別図柄の状態として、「特別図柄の高確率状態」が対応付けられている。また、普通図柄の状態として、時短期間が10回の「普通図柄の時短状態」が対応付けられると共に、変動時間が長く、電動役物640aの開放時間が短い状態が対応付けられている(つまり、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1(図13(b)参照)が選択されるように設定される)。また、変動パターン種別を選択するために参照されるテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1(図12(a)参照)、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2(図12(b)参照)が対応付けられている。更に、特別図柄の抽選が10回行われることに基づいて(普通図柄の時短期間が終了することに基づいて)、共通確変非時短用選択テーブル202d3(図12(c)参照)が選択されるように設定される。これにより、普通図柄の時短期間が終了した後で、特別図柄2の抽選が行われた場合に、変動時間の短い(1秒〜5秒)の変動パターン種別を選択させることができる。よって、「連荘状態」中に特別図柄2の抽選がスムーズに行われるので、遊技者に対してストレスを感じさせることなく「連荘状態」の遊技を行わせることができる。
よって、「確変大当たりC1」の終了時には、この状態設定テーブル202fが参照され、特別図柄の高確率状態(確変フラグ203fをオン)に設定し、時短期間が10回の普通図柄の時短状態(時短中カウンタ203gの値として10)に設定し、大当たり終了後に選択される変動パターンテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2に設定し、有利状態フラグ203iの値として「オフ」に設定する。
なお、「確変大当たりC2」〜「確変大当たりC6」に対しても、普通図柄の時短期間として異なる回数が対応付けられているだけで、対応付けられているその他のデータは「確変大当たりC1」と同一である。
このように、状態設定テーブル202fに大当たり種別毎の設定が規定されているので、大当たりの終了時に状態設定テーブル202fから設定値を読み出すという単純な処理を実行するだけで、各種状態の設定(後述する確変フラグ203fや時短中カウンタ203g、有利状態フラグ203i等の設定)を正確に行うことができる。
続けて、状態設定テーブル202f(図14参照)に基づいて大当たり終了後の状態を設定することにより、実際の遊技中に遊技状態がどのように変化するのかを、図15を参照して説明する。
図15は、本実施形態におけるパチンコ機10の取り得る各状態について、他の状態への移行条件を示した図である。まず、電源投入に伴ってパチンコ機10に初期設定が行われた場合等に設定される「通常状態」(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)について説明する。「通常状態」は、図15の上側に示している。図15に示した通り、この「通常状態」から、他の状態へと移行するためには、特別図柄の大当たりとなる必要がある。なお、上述した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の大当たりとなる確率は、1/37.5である。
特別図柄の大当たりとなった場合は、大当たり種別に応じて大当たりの終了後に移行する状態がそれぞれ異なっている。図15に示した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合の5%で当選する「通常大当たりA」となると、ラウンド数が1ラウンドの特別遊技状態が付与された後、再度通常状態へと移行する(図15の上部左側参照)。賞球を得ることはできるが、「連荘状態」となりにくい「通常状態」へと再度移行してしまうので、遊技者にとって不利となる。
また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合の5%で当選する「確変大当たりB」となった場合は、ラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「連荘状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)へと移行する(図15の上部右側参照)。上述した通り、この「連荘状態」になると、多量の賞球を得ることが可能な「確変大当たりD」になりやすいので、遊技者にとって有利となる。なお、上述した通り、「確変大当たりB」になった場合は、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが最大0.2秒間のみ開放されるので、遊技者が賞球を得ることは困難となる。
また、特別図柄1の抽選により「確変大当たりA」(「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」のいずれか)となった場合は、ラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「確変時短状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)へと移行する(図15の上部中央参照)。上述した通り、普通図柄の時短期間は、大当たり種別に応じた回数が設定される(図9(a)参照)。「通常状態」では、「確変大当たりB」に当選しなければ「連荘状態」へと移行できなかったが、「確変時短状態」では、「確変大当たりB」に当選することに加え普通図柄の時短状態が終了した場合にも「連荘状態」へと移行するので、「通常状態」に比較して「連荘状態」へと移行しやすくなる。よって、「確変時短状態」へと移行することで、「通常状態」よりも遊技者にとって有利となる。なお、上述した通り、「確変大当たりA」になった場合は、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが最大0.2秒間のみ開放されるので、遊技者が賞球を得ることは困難となる。
このように、「通常状態」は、「連荘状態」へと移行しにくい状態であり、遊技者にとって最も不利な状態となる。上述した通り、この通常状態は、電源投入に伴って初期設定が行われる(初期状態に設定される)と移行するので、例えば、ホールがパチンコ機10を新規導入した場合(初期状態のパチンコ機10が設置された場合)に、導入した全てのパチンコ機10を遊技者にとって不利な通常状態から開始させることができる。即ち、遊技者に有利な状態から開始されることを防止できる。よって、ホールの開店時に全パチンコ機10が有利な状態から開始されることにより、ホールに不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
また、「通常状態」は、「連荘状態」へと移行しにくい状態であるが、大当たりとなった場合に確変大当たりBとなれば、普通図柄の時短期間を経ずに「連荘状態」へと移行させることができる。よって、この確変大当たりBへの当選により直接「連荘状態」へと移行させることを期待させて遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
次に、図15の中央部に示した「確変時短状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)について説明する。図15の中央部に示した通り、この「確変時短状態」から、他の状態へと移行するためには、特別図柄の大当たりとなるか、「確変大当たりA」の終了後に移行する普通図柄の時短期間を消化する(規定回数を消化する)必要がある。なお、上述した通り、特別図柄の高確率状態において特別図柄の当たりとなる確率は1/30である。
まず、「確変時短状態」において、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の90%で当選する「確変大当たりA」になると、「通常状態」と同様に大当たり終了後に「確変時短状態」へと移行する(図15の中央左側参照)。即ち、同じ状態(「確変時短状態」)をループする。「確変大当たりA」に当選したとしても、遊技者が賞球を得ることは困難なので、「確変大当たりA」に当選し続ける(「確変時短状態」をループし続ける)と、遊技者にとって不利となる。
また、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の5%で当選する「通常大当たりA」になると、その大当たりの終了後に「通常状態」へと移行する(図15の中央左下部分参照)。即ち、大当たり終了後に不利な状態となってしまう。そして、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の5%で当選する「確変大当たりB」となった場合は、大当たりの終了後に「連荘状態」へと移行する(図15の中央下部参照)。この「連荘状態」では、上述した通り、賞球を多量に獲得可能な「確変大当たりD」に当選しやすくなるので、遊技者にとって有利となる。
更に、特別図柄の大当たりとなる前に、普通図柄の時短状態が終了すると(設定された時短期間だけ連続して特別図柄の外れになると)、遊技者にとって最も有利な「連荘状態」へと移行する(図15の中央右側参照)。
次に、図15の下部に示した「連荘状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)について説明する。図15の下部に示した通り、この「連荘状態」から、他の状態へと移行するためには、特別図柄の大当たりとなる必要がある。なお、上述した通り、特別図柄の高確率状態において特別図柄の当たりとなる確率は1/30である。
「連荘状態」において、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「通常大当たりB」になると、1ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「通常状態」へと移行する(図15の下部左側参照)。即ち、遊技者にとって有利な「連荘状態」が終了し、遊技者にとって不利な状態(「通常状態」)となってしまう。
また、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「確変大当たりC」になると、1ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「確変時短状態」へ移行する(図15の下部左下参照)。即ち、この場合も遊技者にとって有利な「連荘状態」が終了し、遊技者にとって不利な状態(「確変時短状態」)となってしまう。なお、上述した通り、大当たりの終了後に設定される普通図柄の時短期間は、大当たり種別(「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」)に応じて異なる値が設定される(図10(a)参照)。
更に、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の90%で当選する「確変大当たりD」になると、4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、再度「連荘状態」へと移行する(図15の下部右側参照)。即ち、遊技者にとって有利な「連荘状態」がループする。上述した通り、「確変大当たりD」となると、各ラウンドで第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるので、遊技者が多量の賞球を獲得することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、「確変時短状態」では、普通図柄の時短状態を終了させることにより(設定された時短期間だけ連続して特別図柄の外れになることにより)、「連荘状態」へと移行させることができる。よって、特別図柄の外れが連続するほどに、遊技者に対して「連荘状態」が近づいているように感じさせることができるので、一般的な遊技機とは異なる斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、一旦「連荘状態」になると、大当たりとなった場合の90%で、多量の賞球を獲得可能な上に、大当たり終了後に再度「連荘状態」が設定される「確変大当たりD」となる。即ち、遊技者にとって非常に有利な状態となる。よって、遊技者に対して、この「連荘状態」に移行させること、および、この「連荘状態」をより多くの回数ループさせることを期待させて遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図6に戻って説明を続ける。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図16を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられ、変動パターン選択には第2変動種別カウンタCS2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図31参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図40参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄1保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、および停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、特別図柄2実行エリア203bが設けられており、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、および停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図31参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図40参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図7(b)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、上述した通り、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図7(b)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(0〜199)内で順に1ずつ加算され、最大値(199)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は8個あり、その乱数値である「5,52,78,119,138,201,262,291」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が8なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/37.5」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「4,38,64,99,122,151,183,249,270」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜199の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図8(a),(b)に示したように、この第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、「通常大当たりA」、「通常大当たりB」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、「確変大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、「確変大当たりD」の74種類の大当たり種別のうち、いずれかの大当たり種別が特図1用大値種別選択テーブル202b1(図8(a)参照)、または特図2用当たり種別選択テーブル202b2(図8(b)参照)より選択される。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄が外れとなる「外れリーチ」(例えば90〜99)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「外れリーチ」が90〜99と狭くなり、「外れリーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜99と広くなり、「外れリーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
第1変動種別カウンタCS1は、特図変動パターン選択テーブル202d(図11(b)参照)より変動パターン種別を選択するために用いられるカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。第1変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。第1変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図40参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図11(a)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202c(図11(a)参照)により設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、上述した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図31参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図40参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第2変動種別カウンタCS2は、普図変動パターン選択テーブル202e(図13(a)参照)より変動パターン種別を選択するために用いられるカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。第2変動種別カウンタCS2によって、普通図柄の抽選結果を示す変動演出の変動時間が決定される。第2変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図40参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203は、図16に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図40参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図39参照)で実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図38参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図7に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2実行エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、普通図柄保留球数カウンタ203eと、確変フラグ203fと、時短中カウンタ203gと、先読み確変中フラグ203hと、有利状態フラグ203iとを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄1の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
特別図柄2実行エリア203bは、球が第2入球口640へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値を一時的に記憶(格納)する記憶領域である。この特別図柄2実行エリア203bに格納された各カウンタ値に基づいて、特別図柄2の抽選が実行される。なお、上述した通り、第2入球口640への入球は保留されないので、特別図柄1保留球格納エリア203aとは異なり、保留エリアは設けられていない。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図34のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図32のS205参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図32のS206、図34のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203eは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図37のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203eは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図36のS605参照)。
球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図37のS705)。一方、球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203eの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図37のS703:No)。
確変フラグ203fは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203fの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203fは、初期状態がオフに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」のいずれかの終了時にオンに設定される。また、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」が終了する際にオフに設定される。
MPU201によって特別図柄1変動開始処理(図33参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄1変動開始処理では、確変フラグ203fの状態が参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203fの状態がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に基づいて特別図柄の抽選が行われる(図33のS303,S304参照)。また、特別図柄2入賞処理(図35参照)でも同様に、確変フラグ203fがオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203fの状態がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に基づいて特別図柄の抽選が行われる(図35のS507,S508参照)。
時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203gは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、「確変大当たりA」、または「確変大当たりC」の終了時に、その大当たり種別に応じた値が設定される。その後、時短中カウンタ203gの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図32のS215)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(a)参照)に基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(a)参照)に基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図36のS610,S611参照)。
先読み確変中フラグ203hは、始動入賞に応じて取得される入賞のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、特別図柄の抽選結果を先読みする場合に、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのか、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのかを示すフラグである。
先読み確変中フラグ203hがオンの場合には、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるものとして入賞のデータが解析されて、特別図柄の抽選結果が先読みされる。一方、先読み確変中フラグ203hがオフの場合には、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるものとして入賞のデータが解析されて、特別図柄の抽選結果が先読みされる。この先読み確変中フラグ203hは、RAMの初期設定(図39のS915参照)時にオフに初期化され、先読みされた抽選結果が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」であると判定される度に、オンに設定される(図34のS410、図35のS513参照)。また、先読みされた抽選結果が「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」と判別される度に、オフに設定される(図34のS411、図35のS514参照)。
なお、特別図柄における抽選の先読みが行われる場合に、先読み確変中フラグ203hがオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル、高確率時用の停止種別選択テーブル、および第1当たり種別選択テーブルの各テーブルと、始動入賞に応じて取得された入賞のデータとが比較される。一方、先読み確変中フラグ203hがオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル、低確率時用の停止種別選択テーブル、および第1当たり種別選択テーブルの各テーブルと、始動入賞に応じて取得された入賞のデータとが比較される。
有利状態フラグ203iは、上述した遊技者にとって最も有利な「連荘状態」であるか否かを示すフラグである。この有利状態フラグ203iの状態に応じて、特図変動パターン選択テーブル202dや、普図変動パターン選択テーブル202eから遊技状態に対応するテーブルが選択される。この有利状態フラグ203iは、「連荘状態」となる場合(即ち、大当たり終了後に設定された時短期間が終了する場合、および「確変大当たりB」、または「確変大当たりD」の終了時)にオンに設定される(図32のS217参照)。また、大当たりの終了後に「連荘状態」とならない「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」、「確変大当たりA」、および「確変大当たりC」の終了時にオフに設定される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図38参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222aと、背面設定テーブル222bと、連続予告判定テーブル222cとが格納されている。変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動パターン種別に基づいて、変動演出の詳細な態様を設定するためのデータテーブルである。この変動パターンテーブル222aには、変動パターンコマンドにより通知され得る全ての変動パターン種別に対応する変動演出の態様が規定されている。
背面設定テーブル222bは、第3図柄表示装置81において表示される背面画像を設定するために参照されるデータテーブルである。ここで、本実施形態におけるパチンコ機10では、背面A〜背面Gの7種類の背面が選択可能に構成されており、設定されている背面の種別に応じて、「連荘状態」であるか否かや、残りの時短期間等を示唆できるように構成されている。
背面Aは、背面に荒野が表示される背面画像(荒野ステージ)である(図23(a)参照)。この背面Aは、普通図柄の時短期間が残り20回以上の場合や、特別図柄の低確率状態において設定されやすい背面種別である。また、背面Bは背面に川が表示される背面画像(川ステージ)であり、普通図柄の時短期間が残り20回以内の場合に設定されやすい背面種別である(図23(b)参照)。また、背面Cは、背面に森が表示される背面画像(森ステージ)であり、普通図柄の時短期間が残り10回以内の場合に設定されやすい背面種別である(図24(a)参照)。また、背面Dは、背面に洞窟が表示される背面画像(洞窟ステージ)であり、「連荘状態」の場合に設定される背面種別である(図27(a)参照)。
背面E〜背面Gは、普通図柄の時短期間が終了する可能性がある場合(即ち、「連荘状態」へと移行する可能性がある場合)に、遊技者にその旨を示唆するための背面種別(天井報知ステージ)である(図26(a)参照)。背面E〜背面Gは、それぞれ背面A〜Cが設定されている状態で普通図柄の時短期間が終了する場合に設定される。
このように、状態や残りの時短期間に応じて背面種別を変更することにより、遊技者に対して背面画像から状態を予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図17〜図18を参照して、背面設定テーブル222bの詳細について説明を行う。この背面設定テーブル202bは、上述した各背面種別が、後述する天井回数カウンタ223eの値、および背面判定カウンタ223hの値に対応付けて規定されているデータテーブルである。特別図柄の抽選が実行される場合や、および大当たりを終了する場合に、この背面設定テーブル222bを参照して背面種別を変更するか否かが判別される。なお、詳細については後述するが、天井回数カウンタ223eは、残りの時短期間をカウントするカウンタであり、背面判定カウンタ223hは、MPU221によりメイン処理(図44参照)が実行される度に0〜127の範囲で更新されるループカウンタである。
図17(a)に示した通り、背面設定テーブル222bは、規定内容の異なる6種類のデータテーブルから構成されている。具体的には、背面Aに設定されている場合に参照される背面A時設定テーブル222b1と、背面Bに設定されている場合に参照される背面B時設定テーブル222b2と、背面Cに設定されている場合に参照される背面C時設定テーブル222b3と、時短期間が経過した可能性が高い場合に、その旨を報知する背面に切り替えるための報知時設定テーブル222b4と、大当たりとなることに基づいて、普通図柄の時短期間がリセットされた場合に参照される天井リセット時設定テーブル222b5と、時短期間の終了を示唆する背面(背面E〜G)に設定したが、時短期間が終了されなかった場合(背面の変更がガセ(フェイク)だった場合)に参照される報知用背面時設定テーブル222b6とで構成されている。
まず、図17(b)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである背面A時設定テーブル222b1について説明する。上述した通り、この背面A時設定テーブル222b1は、背面A(荒野ステージ)に設定されている場合において、背面種別を変更するか否か判別するために参照されるテーブルである。
図17(b)に示した通り、背面A時設定テーブル222b1において、天井回数カウンタ223eの値が10の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、背面Aのまま残りの時短期間が10回となった場合に、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば背面種別が背面Cに変更され、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲であれば、背面種別は背面Aのまま変更されない。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Cへの変更に対応する値が「14〜127」の114個なので、天井回数カウンタ223eの値が10の場合に背面Cへと変更される確率は、約89%(114/128)である。
また、天井回数カウンタ223eの値が20の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Bが対応付けられている。つまり、背面Aのまま残りの時短期間が20回となった場合に、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば背面種別が背面Bに変更され、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲であれば、背面種別は背面Aのまま変更されない。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Bへの変更に対応する値が「14〜127」の114個なので、天井回数カウンタ223eの値が20の場合に背面Bへと変更される確率は、約89%(114/128)である。
更に、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜125」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値「126」には、背面Bが対応付けられている。そして、背面判定カウンタ223hの値「127」には、背面Cが対応付けられている。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Bへと変更される値、および背面Cへと変更される値はそれぞれ1個のみなので、天井回数カウンタ223eの値が21以上の場合に背面B、背面Cへと変更される確率は、それぞれ約0.8%(1/128)である。
なお、図示については省略したが、天井回数カウンタ223eの値が9回以下、および11回〜19回の範囲の場合は、背面判定カウンタ223hの値によらず、背面画像が変更されない(背面Aのままとなる)ように構成されている。
また、特別図柄の低確率状態(通常状態)における背面種別の選択方法は、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合と同じになる。即ち、背面判定カウンタ223hの値「126」に対して背面Bが対応付けられ、背面判定カウンタ223hの値「127」に対して背面Cが対応付けられている。これにより、現在の状態が「通常状態」であるか、普通図柄の時短期間が21回以上残っている状態であるかを演出から判別することが困難とすることができる。よって、遊技者にとって最も不利な「通常状態」であることを遊技者に認識され、その時点で遊技を辞められてしまうことを抑制することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
このように、本実施形態では、天井回数カウンタ223eの値が20となった場合(即ち、残りの時短期間が20回となった場合)に背面Bへと変更されやすくし、天井回数カウンタ223eの値が10となった場合(即ち、残りの時短期間が10回となった場合)に背面Bへと変更されやすく構成している。また、天井回数カウンタ223eの値が21以上である場合(残りの時短期間が21回以上である場合)は、他の背面種別へ変更されにくく構成している。これにより、背面Bへと変更されることで、残りの時短期間が20回である可能性が高いと遊技者に対して認識させることができるので、背面が変更されてから特別図柄の抽選が少なくとも20回行われるまでは遊技を継続しようと思わせることができる。また、背面Cへと変更されることで、残りの時短期間が10回である可能性が高いと認識させることができるので、その背面の変更から特別図柄の抽選が少なくとも10回行われるまでは遊技を継続しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図17(c)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである背面B時設定テーブル222b2について説明する。上述した通り、この背面B時設定テーブル222b2は、背面B(川ステージ)に設定されている場合において、背面種別を変更するか否か判別するために参照されるテーブルである。
図17(c)に示した通り、背面B時設定テーブル222b3において、天井回数カウンタ223eの値が10の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面B(川ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、背面Bのまま残りの時短期間が10回となった場合に、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば背面種別が背面Cに変更され、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲であれば、背面種別は背面Bのまま変更されない。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Cへの変更に対応する値が「14〜127」の114個なので、天井回数カウンタ223eの値が10の場合に背面Cへと変更される確率は、約89%(114/128)である。
一方、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜126」の範囲に背面Bが対応付けられている。そして、背面判定カウンタ223hの値「127」には、背面Cが対応付けられている。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Aへと変更される値は14個なので、天井回数カウンタ223eの値が21以上の場合に背面Aへと変更される確率は約11%(14/128)である。また、背面Cへと変更される値は1個のみなので、天井回数カウンタ223eの値が21以上の場合に背面Cへと変更される確率は約0.8%(1/128)である。
また、特別図柄の低確率状態(通常状態)における背面種別の選択方法は、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合と同じになる。即ち、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に対して背面Aが対応付けられ、背面判定カウンタ223hの値「127」に対して背面Cが対応付けられている。これにより、現在の状態が「通常状態」であるか、普通図柄の時短期間が21回以上残っている状態であるかを演出から判別することが困難とすることができる。よって、遊技者にとって最も不利な「通常状態」であることを遊技者に認識され、その時点で遊技を辞められてしまうことを抑制することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
このように、本実施形態では、天井回数カウンタ223eの値が10となった場合(即ち、残りの時短期間が10回となった場合)に背面Bから背面Cへと変更されやすく構成している。また、天井回数カウンタ223eの値が21以上である場合(残りの時短期間が21回以上である場合)は、背面Bから背面Aへと変更されやすく(約11%)構成している。これにより、背面Aにおいて天井回数カウンタ222b1の値が21〜99であるにも拘らず、背面Bに変更されてしまった場合でも、比較的短い変動回数で再度背面Aへと変更させることができる。よって、時短期間が21回以上にも関わらず、背面Bが長く継続されてしまうことを抑制することができる。つまり、背面Bが長く続くほど、残りの時短期間が20回以内である可能性が高まるので、遊技者に対して背面を参照させることで残りの時短期間をより正確に予測させることができる。
次に、図18(a)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである背面C時設定テーブル222b3について説明する。上述した通り、この背面C時設定テーブル222b3は、背面C(森ステージ)に設定されている場合において、背面種別を変更するか否か判別するために参照されるテーブルである。
図18(a)に示した通り、背面C時設定テーブル222b3において、天井回数カウンタ223eの値が11以上の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜26」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「27〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、残りの時短期間が11回以上の場合には、背面判定カウンタ223hの値が「0〜26」の範囲で背面種別が背面Aに変更され、背面判定カウンタ223hの値が「27〜127」の範囲であれば、背面種別は背面Cのまま変更されない。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Aへの変更に対応する値が「0〜26」の27個なので、天井回数カウンタ223eの値が11以上の場合に背面Aへと変更される確率は、約21%(27/128)である。
また、特別図柄の低確率状態(通常状態)における背面種別の選択方法は、天井回数カウンタ223eの値が11〜99の場合と同じになる。即ち、背面判定カウンタ223hが「0〜26」の範囲に対して背面Aが対応付けられ、背面判定カウンタ223hが「27〜127」の範囲に対して背面Cが対応付けられている。これにより、現在の状態が「通常状態」であるか、普通図柄の時短期間が11回以上残っている状態であるかを演出から判別することが困難とすることができる。よって、遊技者にとって最も不利な「通常状態」であることを遊技者に認識され、その時点で遊技を辞められてしまうことを抑制することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
このように、本実施形態では、天井回数カウンタ223eの値が10以下の場合には、背面Cから他の背面種別(背面A、または背面B)へと変更されないように構成されている。また、変更天井回数カウンタ223eの値が11以上の場合(即ち、残りの時短期間が10回となった場合)に背面Cから背面Aへと変更されやすく(約21%)構成されている。よって、時短期間が11回以上にも関わらず、背面Cが長く継続されてしまうことを抑制することができる。つまり、背面Cが長く続くほど、残りの時短期間が10回以内である可能性が高まるので、遊技者に対して背面を参照させることで残りの時短期間をより正確に予測させることができる。
次に、図18(b)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである報知時切替テーブル222b4について説明する。上述した通り、この報知時切替テーブル222b4は、時短期間が経過した可能性が高い場合に、その旨を報知する背面に切り替えるために参照されるテーブルである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、時短期間が経過した場合に、第2入球口640へと入球しやすい「連荘状態」へと移行する。この「連荘状態」は、上述した通り、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、多量の賞球を得やすい「確変大当たりD」となりやすいので、遊技者にとって有利となる。しかし、この「連荘状態」でも、第1入球口64へと球が入球することは何ら妨げられない。また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合には、上述した通り、大当たりの終了後に普通図柄の時短状態となる「確変大当たりA」に当選しやすく構成されている。よって、「連荘状態」になったことに気付かずに遊技者が第1入球口64を狙って球を打ち出し続けてしまうと、「連荘状態」へと移行したにも関わらず、「確変大当たりA」に当選することにより「連荘状態」が終了してしまう虞がある。
そこで、本実施形態のパチンコ機10では、時短期間が経過することに基づいて「連荘状態」となったことを示唆する背面種別(図26参照)に変更するように構成されている。また、この背面種別の変更は、先読みにより時短期間が経過する(即ち、保留球数分の特別図柄の抽選が実行されることで「連荘状態」へと移行する)と判別された時点で行われる。これにより、背面種別が変更された後で遊技者が第1入球口64を狙って球を打ち出してしまうことを抑制することができるので、「連荘状態」となった後で特別図柄1の抽選が行われることを抑制することができる。
図18(b)に示した通り、背面Aに設定されている状態において時短期間が経過すると判別されると、背面判定カウンタ223eの値によらず、背面Eへと変更される。この背面Eは、背面Aと同様に荒野をイメージした背面画像が表示され、更に、時短期間が終了する可能性があるため、第1入球口64への球の射出を停止させることを遊技者に促す報知画像(図26(a)参照)が表示される。
同様に、背面Bに設定されている状態において時短期間が経過すると判別されると、背面判定カウンタ223eの値によらず、背面Fへと変更される。更に、背面Cに設定されている状態において時短期間が経過すると判別されると、背面判定カウンタ223eの値によらず、背面Gへと変更される。
なお、時短期間が経過しない場合であっても、後述する連続予告演出(複数回の変動演出にわたって実行されるストーリー性のある演出)が実行される場合には、この背面Eに変更されるように構成されている。これにより、報知画像(図26(a)参照)が表示されたとしても、連続予告演出の結果を確認するまでは「連荘状態」へと移行するか否かが判別できなくすることができるので、遊技者に対して第3図柄表示装置81において実行される表示演出をより楽しませることができる。
次に、図19(a)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである天井リセット時設定テーブル222b5について説明する。上述した通り、この天井リセット時設定テーブル222b5は、特別図柄の大当たりとなることにより、時短期間が新たに設定された(または、普通図柄の通常状態が設定された)場合に、その大当たり終了後の状態に応じて背面画像を選択するために参照されるデータテーブルである。
図19(a)に示した通り、天井リセット時設定テーブル222b5において、天井回数カウンタ223eの値が1〜10以上の場合(大当たりの終了後に付与される時短期間が10回以下の場合)は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、大当たり終了後に付与される時短期間が10回以下の場合には、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲で背面種別が背面Aに設定され、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば、背面種別は背面Cに設定される。
また、天井回数カウンタ223eの値が11〜20の場合(大当たりの終了後に付与される時短期間が11回〜20回の場合)は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Bが対応付けられている。つまり、大当たり終了後に付与される時短期間が11回〜20回の場合には、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲で背面種別が背面Aに設定され、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば、背面種別は背面Bに設定される。
また、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合(大当たりの終了後に付与される時短期間が21回以上の場合)は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜89」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「90〜114」の範囲には、背面Bが対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「115〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、大当たり終了後に付与される時短期間が21回以上の場合には、背面判定カウンタ223hの値が「0〜89」の範囲で背面種別が背面Aに設定され、背面判定カウンタ223hの値が「90〜114」の範囲で背面種別が背面Bに設定され、背面判定カウンタ223hの値が「115〜127」の範囲で背面種別が背面Cに設定される。
なお、特別図柄の低確率状態(通常状態)に設定された場合は、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合と同じ比率で背面画像が選択される。即ち、背面判定カウンタ223hが「0〜89」の範囲に対して背面Aが対応付けられ、背面判定カウンタ223hが「90〜114」の範囲に対して背面Bが対応付けられ、背面判定カウンタ223hが「115〜127」の範囲に対して背面Cが対応付けられている。これにより、現在の状態が「通常状態」であるか、普通図柄の時短期間が21回以上残っている状態であるかを演出から判別することが困難とすることができる。よって、遊技者にとって最も不利な「通常状態」であることを遊技者に認識され、その時点で遊技を辞められてしまうことを抑制することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
このように、大当たりの終了後に付与される時短期間に応じて選択されやすい背面画像の種別を異ならせている。具体的には、時短期間が10回以内の場合に背面Cが選択されやすく構成されている。また、時短期間が11回〜20回では背面Bが選択されやすくなり、時短期間が21回以上の場合は背面Aが選択されやすくなる。更に、時短期間が少ない(20回以内)の場合にも背面Aが選択される可能性があるため、大当たり終了後に背面Aが設定されたとしても、21回以上の時短期間が選択されたと遊技者が断定することができない。よって、21回以上の時短期間が選択されたとしても、少ない時短期間が設定された可能性があると感じさせることができるので、遊技者に対して遊技を継続させることができる。なお、大当たりの終了後に特別図柄の低確率状態(通常状態)が設定される場合は、背面Aが設定されるように構成されている。また、大当たりの終了後に「連荘状態」が設定される場合は、背面Dが設定されるように構成されている。
なお、残りの時短期間を示唆する態様は、これに限られるものではない。例えば、残りの時短期間に応じてキャラクタの服装を変更するように構成してもよいし、キャラクタ自体を異なるキャラクタ(例えば、女の子のキャラクタ)に変更してもよい。また、残りの時短期間に応じて第3図柄の表示態様を変更したり、効果音や音楽等を変更するように構成してもよい。
次に、図19(b)を参照して、を構成するデータテーブルの一つである報知用背面時設定テーブル222b6について説明する。上述した通り、この報知用背面時設定テーブル222b6は、背面E〜背面Gが設定され、且つ、時短状態が終了しない場合に、背面E〜背面Gの設定を終了し、通常の背面(背面A〜背面C)に戻すために参照されるデータテーブルである。これにより、背面E〜背面Gが表示されていることにより球の打ち出しを停止していた遊技者に対して、再度第1入球口64を狙って球を発射させることができる。
図19(b)に示す通り、報知用背面時設定テーブル222b6は、連続予告カウンタ223iの値に対応付けて、設定する背面種別が規定されている。なお、詳細については後述するが、連続予告カウンタ223iは、5回の変動演出にわたって実行される連続予告演出の演出回数を判別するためのカウンタである。この連続予告カウンタ223iは、連続予告演出の開始時に4に設定され、変動演出が実行され、演出が進むたびに1ずつ減算される。
図19(b)に示した通り、現在設定されている背面が背面Eである場合は、連続予告カウンタ223iの値が0の場合に(つまり、連続予告演出において最後に実行される変動演出の場合に)、背面Aへと切り替えられる。一方、連続予告カウンタ223iの値が1〜4の場合は(つまり、連続予告演出の途中である場合は)、背面Eから変更されないように構成されている。
また、現在設定されている背面が背面Fである場合は、連続予告カウンタ223iの値が0の場合に(つまり、連続予告演出において最後に実行される変動演出の場合に)、背面Bへと切り替えられる。一方、連続予告カウンタ223iの値が1〜4の場合は(つまり、連続予告演出の途中である場合は)、背面Fから変更されない。
更に、現在設定されている背面が背面Eである場合は、連続予告カウンタ223iの値が0の場合に(つまり、連続予告演出において最後に実行される変動演出の場合に)、背面Aへと切り替えられる。一方、連続予告カウンタ223iの値が1〜4の場合は(つまり、連続予告演出の途中である場合は)、背面Eから変更されない。
このように、連続予告演出の最後に実行される変動演出において背面画像を報知用の背面種別(背面E〜背面G)から、通常の背面種別(背面A〜背面C)へと戻すように構成されている。これにより、報知用の背面種別(背面E〜背面G)に従って球の打ち出しを停止していた遊技者に対して、再度球を打ち出させることができる。
図6に戻って説明を続ける。連続予告判定テーブル222cは、連続予告演出(複数回の変動演出にわたって実行されるストーリー性のある演出)を設定するか否かを判別するために用いられるデータテーブルである。この連続予告判定テーブル222cの詳細について、図19(c)を参照して説明する。
図19(c)は、連続予告判定テーブル222cの規定内容を示した図である。この連続予告判定テーブル222cには、天井回数カウンタ223eの値に対応付けて、連続予告を設定すると判別される場合の予告判別カウンタ223jの判定値が規定されている。なお、詳細については後述するが、予告判別カウンタ223jは、MPU221によりメイン処理(図44参照)が実行される度に0〜127の範囲で更新されるループカウンタである。ここで設定される連続予告演出は、いわゆるガセ演出であり、連続予告演出が終了しても「連荘状態」へと移行しない。
図19(c)に示した通り、天井回数カウンタ223eの値が1〜5の範囲では、連続予告演出を設定すると判別される予告判別カウンタ223jの値が存在しない。なお、時短期間が残り5回の場合には、「連荘状態」へと移行する(ガセでない)連続予告演出が設定される。
一方、天井回数カウンタ223eの値が6〜10の範囲では、予告判別カウンタ223jの値が「0〜6」の範囲において連続予告演出を設定すると判別される。また、天井回数カウンタ223eの値が11〜20の範囲では、予告判別カウンタ223jの値が「0〜13」の範囲において連続予告演出を設定すると判別される。更に、天井回数カウンタ223eの値が21以上の場合は、予告判別カウンタ223jの値が「0〜2」の範囲において連続予告演出を設定すると判別される。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、残りの時短期間が21以上の場合に連続予告演出が設定されにくくなり、残りの時短期間が11〜20回の場合に連続予告演出が設定されやすくなるように構成されている。これにより、連続予告演出の終了後に連荘状態とならなかった場合であっても、時短期間が20回以内の可能性があると遊技者に思わせることができるので、遊技を継続するモチベーションを向上させることができる。
図6に戻って説明を続ける。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、天井回数カウンタ223eと、連荘状態フラグ223fと、背面フラグ223gと、背面判定カウンタ223hと、連続予告カウンタ223iと、予告判別カウンタ223jと少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図46のS1608参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図46のS1603参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図51のS2102参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図46のS1605参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図51のS2107参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)をそのまま設定するように決定される。
天井回数カウンタ223eは、上述した通り、大当たりの終了後に設定された時短期間の残り回数を判別するために用いられるカウンタである。この天井回数カウンタ223eの値に基づいて、背面画像の変更や連続予告演出の設定等が行われる。この天井回数カウンタ223eは、大当たりの変動パターンが変動パターンコマンドにより主制御装置110から通知された場合に、大当たり種別に応じた値が設定される(図47のS1705,S1708参照)。また、特別図柄の外れを示す変動パターンが変動パターンコマンドにより通知される度に、1ずつ減算される(図48のS1802参照)。
連荘状態フラグ223fは、「連荘状態」の演出を実行する期間であるか否かを示すフラグであり、その状態がオンであれば、現在が「連荘状態」に対応する演出を実行する。具体的には、背面画像として背面Dが設定される。また、連荘状態フラグ223fがオフであれば、通常の演出が設定される。この連荘状態フラグ223fは、変動パターンコマンドにより通知された変動種別が確変大当たりB、または確変大当たりDに対応する変動演出であった場合(図47のS1710参照)や、普通図柄の時短状態が終了したと判別される場合(図48のS1804参照)にオンに設定される。また、変動パターンコマンドにより通知された変動種別が通常大当たりA、通常大当たりB、確変大当たりA、または確変大当たりCであった場合にオフに設定される(図47のS1706,S1709参照)。
背面フラグ223gは、現在設定されている背面画像の種別を示すフラグである。この背面フラグは、例えば、1バイトで構成されている。そして、背面A〜背面Gのそれぞれに対応する値として、00H〜06Hが対応付けられている。例えば、背面Cが設定されている場合は、02H(2進数表記で0010B)が設定される。この背面フラグ223gは、背面画像の種別を変更する度に、その値が変更される(図45のS1504,S1508,S1512、図48のS1810,S1815参照)。
背面判定カウンタ223hは、背面種別を変更するか否かを判別するために参照されるカウンタである。この背面判定カウンタ223hの値と、背面設定テーブル222bの規定内容とに基づいて、背面種別を変更するか否かが判別される。この背面判定カウンタ223hは、0〜127の範囲で更新されるループカウンタで構成されており、メイン処理(図44参照)の中で1ずつ更新される。
連続予告カウンタ223iは、5回の変動演出にわたって設定される連続予告演出が実行される場合において、何回目の変動演出を実行しているかを示すカウンタである。この連続予告カウンタ223iの値に応じて、連続予告演出中に実行される変動演出の態様が設定されたり、背面画像が設定されたりする。この連続予告カウンタ223iは、連続予告演出の設定時に値に4が設定され(図49のS1906参照)、連続予告演出中に変動演出の開始が変動パターンコマンドにより通知される度に1ずつ減算される(図49のS1903参照)。
予告判別カウンタ223jは、連続予告演出を設定するか否かを判別するために参照されるカウンタである。この予告判別カウンタ223jの値と、連続予告判定テーブル222cの規定内容とに基づいて、連続予告演出を設定するか否かが決定される。この予告判定カウンタ223jは、0〜127の範囲で更新されるループカウンタで構成されており、メイン処理(図44参照)の中で1ずつ更新される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図46参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図20を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図38参照)を正常に実行することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図20を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図20は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有して構成されている。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図52のS2201参照)の終了後に実行される初期化処理(図52のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図30参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図54(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行するように構成されている。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図52のS2203,S2204参照)。
ここで、図21を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図21は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図21(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図21(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図21(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図21(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図21(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図21(b)、および図21(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図20に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図22を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図22は、7種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図22(a)は、「荒野ステージ」に対応する背面Aに対して、図22(b)は、「川ステージ」に対応する背面B、「森ステージ」に対応する背面C、「洞窟ステージ」に対応する背面D、および各天井報知ステージに対応する背面E〜背面Gに対して、それぞれ示したものである。
各背面A〜Gに対応する背面画像は、図22(a),(b)に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Gに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面設定テーブルに基づいて背面種別が変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである荒野ステージに対応する背面Aは、図22(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。初期ステージである荒野ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、川ステージに対応する背面B、森ステージに対応する背面C、洞窟ステージに対応する背面D、および天井報知ステージに対応する背面E〜背面Gは、図22(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。
ここで、背面画像の変更が決定された場合に、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的である。しかし、このように構成すると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、ステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、時間経過とともにスクロール表示を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜背面Gについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜背面Gは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜背面Gにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図20参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次に、図23〜図27を参照して、実際に第3図柄表示装置81に表示される背面画像の具体例、および連続予告演出中の具体例について説明する。まず、図23(a)は、上述した背面A(荒野ステージ)の例を示す図である。図23(a)に示した通り、背面A(荒野ステージ)が設定されている場合は、剣と盾とを携えた冒険者のキャラクタ801が、岩山だらけの荒れ果てた荒野を歩く画像が背面画像として表示される。このキャラクタ801は、本パチンコ機10において実行される各種演出で様々なアクションを行うことにより、大当たりとなる期待度や、時短期間が終了する期待度を示唆するように構成されている。
上述した通り、背面A(荒野ステージ)は、普通図柄の時短期間が残り21回以上の場合や、特別図柄の低確率状態(通常状態)において表示されやすい背面種別である。よって、背面Aが表示されることに基づいて、時短期間が終了するまでの残りの時短期間を予測させることができる。
図23(b)は、上述した背面B(川ステージ)の表示例を示す図である。この背面B(川ステージ)が設定されている場合は、キャラクタ801がいかだに乗って川を下る表示画像が背面画像として表示される。この背面B(川ステージ)は、普通図柄の時短期間が残り11回〜20回の場合に表示されやすい背面種別である。この背面B(川ステージ)が表示されることに基づいて、時短期間が残り20回以内である可能性が高いと思わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高め、特別図柄の抽選が20回実行されるまで様子を見てみようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
図24(a)は、上述した背面C(森ステージ)の表示例を示す図である。この背面C(森ステージ)が設定されている場合は、キャラクタ801が木々の生い茂る森の中を進んで行く表示画像が背面画像として表示される。この背面C(森ステージ)は、普通図柄の時短期間が残り10回以内の場合に表示されやすい背面種別である。この背面C(森ステージ)が表示されることに基づいて、時短期間が残り10回以内である可能性が高いと思わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高め、特別図柄の抽選が10回実行されるまで様子を見てみようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図24(b)、図25、および図26を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10により実行される連続予告演出の表示態様について説明する。上述した通り、この連続予告演出は、5回の変動演出に渡ってストーリー性のある演出が実行される演出である。本実施形態のパチンコ機10では、この連続予告演出として、宝の隠された洞窟803の入口を守る怪獣802と戦う演出が5回の変動演出にわたって実行される。本実施形態のパチンコ機10では、この怪獣802を撃破するか否かに基づいて、「連荘状態」へと移行するか否かが示唆される。
この連続予告演出は、時短期間が残り5回の場合に必ず設定されるように構成されており、連続予告演出によって怪獣802を撃破する演出が実行される。また、連続予告演出が終了した後は(即ち、時短期間が0回となった場合には)、「連荘状態」へと移行するように構成されている。
また、本実施形態では、時短期間が残り5回以上の場合や、特別図柄の低確率状態(通常状態)の場合にも、変動演出の態様を設定する際に連続予告演出が設定される場合がある。この場合は、連続予告演出の開始から5回目の変動演出において、キャラクタ801が怪獣802に敗北してしまう演出が実行される。これにより、「連荘状態」へと移行していないことを遊技者に対して認識させることができる。
図24(b)は、背面C(森ステージ)に設定されている状態で、連続予告演出が実行される場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像の例を示す図である。変動開始時に連続予告演出の開始が決定されると、図24(b)に示した通り、キャラクタ801の進行方向に洞窟803、およびその洞窟803の入口を守る怪獣802が出現する演出が表示される。そして、図25(a)に示した通り、キャラクタ801と怪獣802とがにらみ合う演出が表示される。これらの表示演出が、連続予告演出の開始を設定された変動演出中に表示される。なお、図25、および図26では省略しているが、キャラクタ801と怪獣802とがにらみ合っている場面や、戦闘が行われている間にも、奥には森が表示されるように構成されている。同様に、荒野ステージや川ステージにおいて連続予告演出が開始された場合にも、荒野や川の画像をバックにキャラクタ801と怪獣802とが戦闘を繰り広げるように構成されている。
なお、変動演出の実行中に、連続予告演出の終了までの変動回数に対応する保留球が保留された場合は、図25(b)に示す報知画像804が表示される(背面画像が天井報知用の背面に切り替えられる)。具体的には、変動演出の5回目に実行される変動演出に対応する第1入球口64への入球が保留された場合に、小領域Ds1に対してその保留された入球に対応する保留球数図柄(4個目の保留球数図柄)が表示されると共に、報知画像804が表示される。図25(b)の例では、連続予告演出の1回目だったため、4個目の保留球数図柄が表示された場合に報知画像804が表示されるように制御されるが、連続予告演出を設定した後の変動回数におうじて、報知画像804が表示される保留球数は異なる。即ち、連続予告演出の2回目の変動中であれば、3個目の保留球数図柄が表示されると共に報知画像804が表示されるように制御される。また、連続予告演出の3回目の変動中であれば、2個目の保留球数図柄が表示されると共に報知画像804が表示され、4回目の変動中であれば、1個目の保留球数図柄が表示されると共に報知画像804が表示されるように制御される。
図25(b)に示した通り、報知画像804には、「天井かも!?球を打たずに応援してね!」との文字が表示される。この文字を表示することにより、遊技者に対して球の打ち出しを停止させるように促すことができる。よって、連続予告演出中に、連続予告演出中に実行される変動回数を超えた数の保留球が保留されてしまうことを抑制することができる。従って、連続予告演出の終了後に「連荘状態」へと移行したにも関わらず、連続予告演出中に保留された第1入球口64への入球に基づいて、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選が実行されることを抑制できる。これにより、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選で大当たりとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを防止(抑制)することができるので、遊技者に「連荘状態」を十分に楽しませることができる。
この報知画像804は、連続予告演出の終了後に時短期間が終了しない場合(つまり、ガセの連続予告演出が表示された場合)にも表示されるように構成されている。即ち、連続予告演出の結果「連荘状態」へと移行するか否かに関わらず、連続予告演出の終了までの変動回数に対応する保留球が保留された時点で、報知画像804を表示させるように構成されている。これにより、告知画像804が表示されただけでは連続予告演出の終了後に「連荘状態」へと移行するか否かが判別できないので、遊技者に対して連続予告演出の結果をより興味深く確認させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、報知画像804の態様を複数設けてもよい。また、連続予告演出の終了後に「連荘状態」となる場合にしか設定されない態様(例えば、「天井だよ!!球を打たずに応援してね!」との文字が表示される態様)と、連続予告演出の結果に関わらず設定可能な態様(例えば、「天井かも!?球を打たずに応援してね!」との文字が表示される態様)とを設けてもよい。これにより、「連荘状態」への移行が確定する態様が表示されることで、遊技者を喜ばせることができる。よって、連続予告演出の演出内容だけでなく、報知画像804の態様に対しても注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図26(a)は、報知画像804が表示された状態で、連続予告演出の4回目の変動演出が設定された場合の表示内容の例である。連続予告演出の4回目では、キャラクタ801が怪獣802に対して攻撃を仕掛ける演出が表示される。この演出が表示されてから、連続演出の5回目に対応する変動演出が実行されると、怪獣802が倒れると共に、キャラクタ801が怪獣802に勝利したことを示す勝利報知画像805(勝利!!左打ちを停止してね!との文字が表示される画像)が表示される演出(図26(b)参照)、若しくは怪獣802が反撃し、キャラクタ801が敗北する演出のいずれかが表示されるように構成されている。これにより、「連荘状態」へと移行するか否かを遊技者が容易に認識することができる。
また、連続予告演出の5回目の演出では、キャラクタ801と怪獣802との戦闘結果が変動開始直後に表示されるように構成されている。つまり、「連荘状態」へと移行する場合は、変動開始直後に図26(b)に示した表示内容が表示されるように構成されている。これにより、保留球が無い状態で連続予告演出の4回目の変動演出が終了し、その後の新たな始動入賞に基づいて連続予告演出の5回目の変動演出が開始されたとしても、その5回目の変動演出中に第1入球口64への入賞が保留されてしまうことを抑制することができる。勝利報知画像805を確認させることで、遊技者に対して球を盤面13の左側へ打ち出す(左打ちする)と損をしてしまうと認識させることができるためである。よって、連続予告演出の終了までの変動回数に対応する保留球が保留されないまま4回目の変動演出が終了した場合(つまり、報知画像804を表示させることができなかった場合)でも、連続予告演出の5回目の変動演出中に保留された第1入球口64への入球に基づいて、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選が実行されることを抑制できる。これにより、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選で大当たりとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを防止(抑制)することができるので、遊技者に「連荘状態」を十分に楽しませることができる。
なお、連続予告演出の態様はこれに限られるものではなく、遊技者にとって有利な状態となるか否かを示唆できる態様であれば任意に定めてもよい。例えば、冒険者のキャラクタ801が高い塔を登る演出を行い、怪獣801等の妨害に負けずに塔を登り切れるか否かによって、「連荘状態」となるか否かを示唆するように構成してもよい。
また、連続予告演出中に実行される変動回数を超えた数の保留球が保留されてしまうことを抑制するための方法は、報知画像804を表示させることに限定されない。例えば、第3図柄表示装置81をタッチパネルで構成し、連続予告演出中に実行される変動回数分の保留球が貯まった時点で、第3図柄表示装置81のうち、離れた2か所を遊技者の両手でそれぞれ触れさせるように促してもよい。これにより、遊技者の手をハンドル51から離すことができるので、遊技者が球を打ち出すことを抑制することができる。よって、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選で大当たりとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを防止(抑制)することができるので、遊技者に「連荘状態」を十分に楽しませることができる。
次に、図27を参照して、「連荘状態」中に設定される背面種別である背面D(洞窟ステージ)について説明する。図27(a)に示した通り、背面Dが設定されると、キャラクタ801が洞窟の中を探索する背面画像が表示される。また、第3図柄表示装置81の下部に設けられた表示領域806には、「洞窟探索モード」との文字が表示される。また、その文字の左右には、「右打ち」との文字が表示される。ここで、上述した通り、「連荘状態」では、遊技盤13の右側に向けて球を打ち出すことにより第2入球口640へと球が入球しやすくなる。また、第2入球口640へと球が入球することに基づいて特別図柄2の抽選が実行され、大当たりになると、90%の確率で「確変大当たりD」になるように構成されている。この「確変大当たりD」は、多量の賞球を獲得可能な上に、大当たりの終了後に再度「連荘状態」が設定される(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態が設定される)大当たりであり、遊技者にとって最も有利な大当たりである。よって、「連荘状態」において、この「確変大当たりD」になりやすい特別図柄2の抽選を行わせるために、「右打ち」との文字を表示領域806へと表示させ、遊技盤13の右側へと球を打ち出すことを遊技者に促している。これにより、「連荘状態」において誤って第1入球口64を狙って球を打ち出してしまうことを防止できるので、「連荘状態」をより楽しませることができる。
図27(b)は、背面Dが設定されている状態(「連荘状態」)で特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合の表示演出の例を示した図である。図27(b)に示した通り、背面Dが設定されている状態で大当たりに対応する変動演出が実行されると、小領域Ds2において同一の主図柄が揃う変動演出が実行されると共に、キャラクタ801が宝箱807を発見する演出が行われる。これにより、遊技者に対して特別図柄の大当たりとなったことを容易に認識させることができる。なお、小領域Ds2で変動演出が実行され、停止図柄が表示された後は、主表示領域Dmに対して停止図柄が大きく停止表示されるように構成されている(図5(b)参照)。これにより、遊技者は停止図柄を明確に確認することができる。この停止表示の状態は、最低で1秒間継続する。そして、次の変動演出が開始されるか、デモ演出が開始されることにより停止表示の状態が終了する。
なお、大当たりに対応する変動演出を行う場合の演出は、宝箱807を発見する演出に限られるものではない。遊技者にとって有利な状態(賞球を獲得可能な状態)となることを示唆する態様であれば任意に定めることができる。また、全ての大当たり種別に対して同じ演出を行う必要はない。例えば、大当たりの終了後に「連荘状態」が終了してしまう大当たり種別である「通常大当たりB」や、「確変大当たりC」になった場合は、遊技者にとって望ましくない大当たりであることを示唆する態様で演出を実行してもよい。例えば、洞窟が崩落し、キャラクタ801が洞窟から命からがら脱出する演出を実行してもよい。キャラクタ801が洞窟から脱出する演出を実行することにより、遊技者は「洞窟ステージ」が終了した(即ち、「連荘状態」が終了した)ことを容易に認識することができる。
また、「連荘状態」において、大当たり中の演出により大当たり終了後に「連荘状態」が継続するか否かを示唆するように構成してもよい。具体的には、例えば、大当たりを報知する変動演出では、閉じた状態の宝箱807を発見する演出が実行されるように構成し、その後の大当たり中の演出において宝箱807を開ける演出を実行するように構成してもよい。そして、宝箱807の中に財宝が入っていれば、大当たり終了後も「連荘状態」となる一方で、宝箱807を開くことで罠のスイッチが起動してしまい、洞窟が崩落してしまえば、大当たり終了後に「連荘状態」が終了してしまうことを示唆するように構成してもよい。
図20に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図5参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐されている。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりB、大当たりCのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、上述した通り、「確変大当たりA」、および「確変大当たりB」(賞球を獲得することが困難な大当たり)となった場合は、遊技者が大当たりとなったことを認識し難い態様で上記各演出が実行される。即ち、オープニング演出、ラウンド演出、およびエンディング演出では、大当たりに対応する第3図柄を表示させるための変動演出が続いているかのような態様で表示演出が実行される(上記大当たりとなる前に実行される変動演出の実行期間と、大当たり中に実行される上記各演出の演出期間とをつなげて、1の変動演出が実行される)。このため、データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、およびエンディング演出に対応するデータテーブルとして、「確変大当たりA」、および「確変大当たりB」(賞球を獲得することが困難な大当たり)専用のデータテーブルと、これら以外の遊技者が賞球を獲得可能な大当たりに対応するデータテーブルとが格納され、大当たり種別に応じた表示データテーブルが設定されるように構成されている。これにより、賞球を獲得しにくい大当たりとなったことを認識し難くし、大当たりが報知されたにも関わらず賞球を得ることなく大当たりが終了してしまい、遊技者を落胆させてしまうことを抑制することができる。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図22を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図22は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「荒野ステージ」、「川ステージ」、「森ステージ」、「洞窟ステージ」、各「天井報知ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Gのいずれかを表示させるかを特定する情報が記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Gのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Gのうち特定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図28の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図30参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図29を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図29は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図29のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図29のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図29の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図30参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図29の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図21(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図52参照)の中でオンに設定される(図52のS2205参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図63(b)のS3805参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図54(b)のS2501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図54(b)のS2508参照)、および簡易表示設定処理(図54(b)のS2509参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図55〜図59参照)および表示設定処理(図60〜図62参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図63(a)のS3701参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図63(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図64参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図54(b)のS2503参照)の中で、ポインタ更新処理(図60のS3405参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図30参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図30を参照して、描画リストの詳細について説明する。図30は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図30に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図54(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図60のS3407参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図52のS2202参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図64参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図64のS3913参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図64のS3914参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図65のS4002参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図54(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図65のS4002参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図31から図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図31は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,199,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、および、始動入賞処理の詳細は、図32〜図35を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、および、スルーゲート通過処理の詳細は、図36および図37を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図32は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S203)。次に、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において特別図柄1の抽選を行い、その抽選結果に基づいて変動表示を開始するための特別図柄1変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄1変動開始処理については、図33を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新して(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図33を参照して後述する特別図柄1変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄1変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて通常大当たりBとなるか、確変大当たりAとなるか、確変大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たり種別に応じて、第1図柄表示装置37に設けられた複数のLEDの点灯態様を異ならせて点灯されるように構成されている。各LEDは、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、大当たりの開始を設定し(S213)、処理をS218へと移行する。S213の処理により特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図40参照)の大当たり制御処理(S1004)が実行された場合に、S1101:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(図41のS1102参照)。第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S214)、時短中カウンタ203gの値が1以上でない(即ち、0である)と判別した場合は(S214:No)、処理をS218へと移行する。また、S214の処理において、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S214:Yes)、時短中カウンタ203gの値を1減算する(S215)。
次いで、減算後の時短中カウンタ203gの値が0となったか否かを判別し(S216)、0であれば(S216:Yes)、今回の特別図柄の変動演出により時短期間が終了し、普通図柄の通常状態へと移行する(つまり、「連荘状態」へと移行する)ことを意味するので、有利状態フラグ203iをオンに設定して「連荘状態」であることを示し(S217)、処理をS218へと移行する。
一方、S216の処理において、時短中カウンタ203gの値が0でないと判別した場合は(S216:No)、S217の処理をスキップし、処理をS218へと移行する。S218の処理では、第3図柄表示装置において第3図柄の変動を停止させるための停止コマンドを設定して(S218)、本処理を終了する。
次に、図33を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄1変動開始処理(S208)について説明する。図33は、特別図柄1変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図31参照)の特別図柄変動処理(図32参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄1変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203fがオンであるか否かを判定し(S302)、オンであると判定した場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(確変状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変フラグ203fが0であると判定した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「5,52,78,119,138,201,262,291」の8個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303、またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特図1用当たり種別選択テーブル202b1に格納されている乱数値とを比較し、66種類ある特別図柄の大当たり(通常大当たりA、確変大当たりA1〜確変大当たりA64、確変大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する(図8(a)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(通常大当たりA、確変大当たりA1〜確変大当たりA64、確変大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるために、今回の大当たり種別(通常大当たりA、確変大当たりA1〜確変大当たりA64、確変大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値と、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1(図12(a)参照)とに基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値と、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1とに基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S306の処理またはS308の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S307又はS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図40参照)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図34のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図34は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における抽選の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S413の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、RAM203の先読み確変中フラグ203hの状態と、S406の処理で格納された各種カウンタ値とに基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S408)。ここで、先読み確変中フラグ203hがオンであれば、特別図柄の大当たりか否かは、S406の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている10の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
一方、先読み確変中フラグ203hがオフであれば、特別図柄の大当たりか否かは、S406の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている8の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「5,52,78,119,138,201,262,291」の8個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
そして、特別図柄の大当たりであると判定された場合には、S406の処理で格納された第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。一方、特別図柄の外れであると判定された場合には、S406の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、外れリーチであるか、完全外れであるかを判定する。
次に、第3図柄表示装置81における変動パターンを判定する。第3図柄表示装置81における変動パターンは、ROM202に格納された特図変動パターン選択テーブル202d(図11(b)、図12参照)の中から、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定する(S408)。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
S409の処理により入賞情報コマンドを設定した後は、S408の処理で予測した抽選の当否が特別図柄の大当たりであるかを判定する(S409)。S407の処理で予測した抽選結果が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」のいずれかである場合には(S409:Yes)、先読み確変中フラグ203hをオンに設定して(S410)、S413の処理へ移行する。一方、S407の処理で予測した抽選結果が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」でないと判別された場合には(S409:No)、予測した抽選結果が「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」であるか否かを判別する(S411)。そして、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」のいずれかであると判別した場合は、先読み確変中フラグ203hをオフに設定して(S412)、S413の処理へ移行する。一方、S411の処理において、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」でない(即ち、抽選結果が特別図柄の外れである)と判別した場合は、S412の処理をスキップして、S413の処理へ移行する。S413の処理では、第2入球口640に対する球の入球に基づいて変動演出の開始を設定する特別図柄2入賞処理を実行して(S413)、タイマ割込処理へ戻る。
次に、図35を参照して、上述した特別図柄2入賞処理(S413)についての説明を行う。この特別図柄2入賞処理(S413)は、第2入球口640に対する球の入球に基づいて変動演出の開始を設定するための処理である。この特別図柄2入賞処理では、まず、第2入球口640への球の入球を検出したか否かが判別される(S501)。S501の処理において、第2入球口640への球の入球が検出されなかった場合は(S501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S501の処理により、第2入球口640への球の入球が検出された場合は(S501:Yes)、次いで、変動演出の実行中であるか否かを判別し(S502)、変動演出の実行中であれば(S502:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、第2入球口640に対する球の入球は保留されずに破棄されるように構成されている。
S502の処理において、変動演出の実行中でなければ(S502:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203d(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を取得する(S503)。次いで、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であるか否かを判別し(S504)、0でない(即ち、特別図柄1における変動演出が保留されている)と判別した場合は(S504:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S504:Yes)、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄2実行エリア203bへと格納することにより、特別図柄2の抽選を行えるように制御する。
次いで、確変フラグ203fがオンであるか否かを判別することにより現在が特別図柄の高確率状態であるか否かを判別し(S506)、確変フラグ203fがオンであれば、S505の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている10の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって特別図柄の大当たりであるか否かを判定し(S507)、処理をS509へと移行する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
一方、S506の処理において、確変フラグ203fがオフであると判別された場合は(S506:No)、S505の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている8の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって特別図柄の大当たりであるか否かを判定し(S508)、処理をS509へと移行する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「5,52,78,119,138,201,262,291」の8個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
S507、またはS508の終了後に実行されるS509の処理では、S507、またはS508の処理による判定結果が特別図柄の大当たりであるか否かを判別し(S509)、特別図柄の大当たりであれば(S509:Yes)、S505の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様の設定を行う(S510)。このS510の処理では、判定された大当たり種別に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S511)。S511の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、遊技状態(「連荘状態」であるか否か)に応じて参照するテーブル(特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2、または共通確変非時短用選択テーブル202d3のどちらか)を選択し、選択したテーブルと、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第1変動種別カウンタCS1の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、超ロングリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、上述した通り、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、特図変動パターン選択テーブル202dにより予め規定されている。
S511の処理が終了すると、次いで、大当たり種別が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」のいずれかであるか否かが判別され(S512)、「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」のいずれかであれば(S512:Yes)、先読み確変フラグ203fをオンに設定して(S513)、処理をS517へと移行する。一方、大当たり種別が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」でない(即ち、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」である)と判別した場合は(S512:No)、先読み確変フラグ203fをオフに設定して、処理をS517へと移行する。
S509の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S509:No)、外れ時の表示態様を設定する(S515)。S515の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S516)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、遊技状態(「連荘状態」であるか否か)に応じて参照するテーブル(特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2、または共通確変非時短用選択テーブル202d3のどちらか)を選択し、選択したテーブルと、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第1変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、ノーマルリーチ、超ロングリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S513、S514、またはS516の処理が終わると、次に、S511の処理、またはS516の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S517)。次いで、S510、またはS515の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S518)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図40参照)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S518の処理が終わると、始動入賞処理へ戻る。この特別図柄2入賞処理(S413)により、変動演出が実行されていなく、特別図柄1の保留球も存在しない場合に限り、特別図柄2の抽選を実行することができる。
次に、図36を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図36は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定する(S608)。なお、時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203gの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図11(a)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(a)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0〜239」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定する。即ち、第2当たり乱数カウンタC4の値がとり得る全範囲において、普通図柄の当たりと判定される(図11(a)参照)。
S608の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、またはパチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(a)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜222」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,223〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(a)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、有利状態フラグ203iがオンである(即ち、「連荘状態」である)か否かを判定し(S614)、オンであれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を3回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、有利状態フラグ203iがオフである場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、または、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
一方、S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、有利状態フラグ203iがオンであるか否かを判定し(S619)、有利状態フラグ203iがオンであれば(S619:Yes)、普図確変非時短用選択テーブル202e2と、第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を設定し(S620)、本処理を終了する。一方、有利状態フラグ203iがオフであれば(S619:No)、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1と、第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を設定し(S621)、本処理を終了する。これにより、「連荘状態」においては、特別図柄の低確率状態(通常状態)や、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)の場合と比較して、変動表示の時間が「1秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×3回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図40参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図40参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図37は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、普通入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。なお、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図38は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図39を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図39は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS913へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常かを判別する(S907)。S907の処理において、RAM判定値が正常でないと判別した場合は(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS913へ移行する。なお、図40のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S913の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S913)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S914,S915)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S914,S915)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S914,S915)を実行する。RAMの初期化処理(S914,S915)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S914)、その後、RAM203の初期値を設定する(S915)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、確変フラグ203fの状態と、時短中カウンタ203gの値とに基づいて、立ち上げ時のパチンコ機10の状態を音声ランプ制御装置113へと通知するための状態コマンドを生成し、音声ランプ制御装置113へと出力する。音声ランプ制御装置113のRAM223は、その内容がバックアップされないため、電源が遮断された場合に記憶内容を消失してしまう。このため、パチンコ機10に対して電源を投入する場合は、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいて遊技状態(特別図柄の高確率状態であるか否かや、普通図柄の時短期間)を判別し、判別した遊技状態に基づいて各種演出を設定するように構成されている。これにより、営業時間中にパチンコ機10の電源が遮断されてしまったとしても、電源復帰後に実際の遊技状態とは矛盾する演出が実行されてしますことを防止(抑制)することができる。なお、詳細については後述するが、S901の処理によって出力された状態コマンドは、音声ランプ制御装置113のMPUにより立ち上げ処理(図42参照)の中で実行される状態コマンド処理(図43参照)によって解析され、その状態コマンドにより通知された遊技状態に基づいて各種フラグが更新される。
S910の処理が終了すると、次いで、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(S911)。次いで、割込みを許可して(S912)、後述するメイン処理へと移行する。
次に、図40を参照して、上記した立ち上げ処理(図39参照)の終了後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図40は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図31参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図31参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図32参照)や始動入賞処理(図34参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図34参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図41参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の値を更新する(S1002)。具体的には、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の値にそれぞれ1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際は、0にクリアする。そして、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図36参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(図33参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(図33参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図33参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図36参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図36参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図36参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていないと判別した場合は(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図38のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア、および作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図41は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン割込処理(図40参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図32参照)のS213の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1102)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1103)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1103の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1103:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1103の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1103:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1104)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1104:Yes)、大当たり種別に応じて、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放し(S1105)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1106)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1104:No)、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1107)。具体的には、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放されている場合には、0.2秒が経過した場合、または、球が5個入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。また、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている場合には、30秒が経過した場合、または、球が5個入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1107の処理において、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖条件が成立した場合には(S1107:Yes)、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aを閉鎖して(S1108)、本処理を終了する。一方、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1107:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1109)。具体的には、特別遊技状態の最終ラウンドが終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1109:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1110)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1109の処理において、エンディングの開始タイミングでないと判定した場合には(S1109:No)、次いで、大当たりの終了タイミングであるか否かを判別する(S1111)。具体的には、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に、大当たりの終了タイミングであると判別される。そして、大当たりの終了タイミングであると判別された場合は(S1111:Yes)、状態設定テーブル202fを読み出して(S1112)、今回の大当たり種別と、状態設定テーブル202fに規定されている大当たり終了後の設定とに基づいて、RAM203の確変フラグ203f、時短中カウンタ203g、遊離状態フラグ203i等を更新して(S1113)、本処理を終了する。一方、S1111の処理において大当たりの終了タイミングでないと判別された場合は(S1111:No)、そのまま本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図42から図51を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図42は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1419の電源断処理(図44参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図44を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図44のS1416参照)、S1419の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1419の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンされる(図44のS1418参照)。つまり、電源断フラグは、S1419の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1419の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定する(S1210)。
S1210の処理が終了すると、電源投入に基づいて主制御装置110より出力される状態コマンド(図39のS910参照)に基づいて、パチンコ機10の状態を判別するための状態コマンド処理を実行し(S1211)、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、状態コマンド処理を実行し(S1211)、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図42参照)の中でMPU221により実行される状態コマンド処理(S1211)について説明する。この状態コマンド処理(S1211)は、主制御装置110における立ち上げ処理(図39参照)の中で、電源復帰時の遊技状態を通知するために音声ランプ制御装置113に対して出力される状態コマンドに基づき、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握するために行われる処理である。
この状態コマンド処理(S1211)では、まず、状態コマンドによって通知された状態が、特別図柄の高確率状態であるか否かを判別し(S1301)、特別図柄の高確率状態でない(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別された場合は(S1301:No)、残りの時短期間に対応する天井回数カウンタ223eの値に0を設定すると共に、「連荘状態」であるか否かを示す連荘状態フラグ223fをオフに設定し(S1302)、本処理を終了する。S1302の処理により、音声ランプ制御装置113のMPU221は、以降に実行される処理において、パチンコ機10の状態が特別図柄の低確率状態(通常状態)であると判別することができる。よって、誤って「連荘状態」に対応する演出を実行してしまい、遊技者が状態を誤認してしまうことを防止(抑制)することができる。
一方、S1301の処理において、特別図柄の高確率状態であると判別された場合は(S1301:Yes)、次いで、状態コマンドにより通知された時短期間が0であるか否かを判別する(S1303)。そして、時短期間が0であると判別した場合は(S1303:Yes)、天井回数カウンタ223eの値に0を設定すると共に、連荘状態フラグ223fをオンに設定して(S1304)、本処理を終了する。S1304の処理により、音声ランプ制御装置113のMPU221は、以降に実行される処理において、パチンコ機10の状態が「連荘状態」であると判別することができる。よって、誤って「連荘状態」以外の状態に対応する演出を実行してしまい、遊技者が「連荘状態」にも関わらず遊技を辞めてしまうことを防止(抑制)することができる。
S1303の処理において、状態コマンドにより通知された時短期間が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S1303:No)、通知された時短期間を天井回数カウンタ223eの値に設定すると共に、連荘状態フラグ223fをオフに設定して(S1305)、本処理を終了する。S1305の処理により、音声ランプ制御装置113のMPU221は、以降に実行される処理において、パチンコ機10の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態であると判別することができる。よって、誤って「連荘状態」に対応する演出を実行してしまい、遊技者が「連荘状態」と誤認してしまうことを防止(抑制)することができる。
このように、状態コマンド処理を実行することにより、パチンコ機10の状態に応じた適切な演出を実行することができるので、遊技者に状態を誤解させてしまうことを抑制することができる。
次に、図44を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図44は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、または、前回のS1401の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1401)、1m秒以上経過していなければ(S1401:No)、S1402〜S1411の処理を行わずにS1412の処理へ移行する。S1401の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1402〜S1411が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1412のコマンド判定処理や、S1413の変動表示設定処理や、S1414およびS1415のカウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1412の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1413の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1401の処理で1m秒以上経過していれば(S1401:Yes)、まず、S1403〜S1413の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1402)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1408の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1403)、その後、電源投入報知処理を実行する(S1404)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1405の処理へ移行する。
S1405の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1406)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1407)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1407の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1408)、その後音編集・出力処理を実行する(S1409)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するように電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1409の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1410)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1408のランプ編集処理が実行される。なお、S1409の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。液晶演出実行管理処理(S1410)が終了すると、当たり後背面設定処理を実行し(S1411)、処理をS1412へと移行する。この当たり後背面設定処理(S1411)は、大当たりが終了した後の背面画像を設定するための処理である。当たり後背面設定処理の詳細については、図45を参照して後述する。
S1412の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1412)。このコマンド判定処理の詳細については、図46を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1413)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図51を参照して後述する。
S1413の処理が終わると、背面画像を変更するか否かの判定に用いる背面判定カウンタ223hを更新する(S1414)。具体的には、背面判定カウンタ223hの値をRAM223から読み出し、その値に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では127)に達した際、0にクリアする。そして、背面判定カウンタ223hの更新値を、背面判定カウンタ223hに格納する。
次いで、連続予告演出を開始するか否かの判定に用いる予告判別カウンタ223jを更新する(S1415)。具体的には、予告判別カウンタ223jの値をRAM223から読み出し、その値に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では127)に達した際、0にクリアする。そして、予告判別カウンタ223jの更新値を、予告判別カウンタ223jに格納する。
S1415の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1416)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1416の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1416:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1418)、電源断処理を実行する(S1419)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1420)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1315の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1416:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1417)、RAM223が破壊されていなければ(S1417:No)、S1401の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1317:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図45を参照して、当たり後背面設定処理(S1411)の詳細について説明する。図45は、この当たり後背面設定処理を示すフローチャートである。この当たり五背面設定処理(S1411)は、大当たりの終了時において、背面種別を設定するための処理である。
この当たり後背面設定処理では、まず、大当たりの終了タイミングであるか否かを判別する(S1501)。大当たりの終了タイミングとは、具体的には、エンディング演出の終了時を意味する。なお、本実施形態では、上述した通り、第1特定入賞口65aが開放される賞球の得にくい大当たり(確変大当たりA、および確変大当たりB)となる場合には大当たり中も通常時と同じ演出が実行される。よって、エンディング演出中も、通常の変動演出が実行されているかのような演出が実行される。これにより、賞球を得ることが困難な大当たりに当選したことを分かりにくくすることができるので、大当たりAとなることに基づいて時短期間がリセットされたタイミングを分かりにくくすることができる。よって、残りの時短期間を正確に判別することを困難とすることができるので、残り時短期間を背面画像等により遊技者に対して予測させることができる。従って、遊技者の興趣を向上させることができる。
S1501の処理において、大当たりの終了タイミングでないと判別された場合は(S1501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、大当たりの終了タイミングであると判別された場合は(S1501:Yes)、次いで、終了する大当たりが通常大当たりAであるか否かを判別し(S1502)、通常大当たりAであれば(S1502:Yes)、背面Aに対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S1503)、背面フラグ223gに対して背面Aに対応する値である「00H」を設定して(S1504)、本処理を終了する。S1503の処理により設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
一方、終了する大当たりが通常大当たりAでないと判別した場合は(S1502)、次いで、大当たり種別が確変大当たりB、または確変大当たりDのどちらかであるか否かを判別する(S1505)。S1505の処理により、確変大当たりB、または確変大当たりDである(即ち、大当たり終了後に「連荘状態が設定される」)と判別した場合は(S1505:Yes)、「連荘状態」に対応する背面種別である背面D(洞窟ステージ)に設定するために、背面Dに対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S1506)、背面Dに対応する値である「03H」を背面フラグ223gに設定して(S1507)、本処理を終了する。S1506の処理により設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
一方、S1505の処理において、確変大当たりB、または確変大当たりDでない(確変大当たりA、確変大当たりCのいずれかである)と判別した場合は(S1505:No)、大当たり終了時に新たに設定された時短期間に基づいて背面画像を設定するために、天井回数カウンタ223eと、天井リセット時設定テーブル222b5(図19(a)参照)とを読み出す(S1508)。なお、詳細については後述するが、天井回数カウンタ223eの値は、大当たりを示す変動パターンコマンドを受信した段階で、大当たりに対応する時短期間に更新される。よって、本処理において、天井回数カウンタ223eを参照することにより、大当たりの終了時に設定された時短期間に応じて背面画像を設定することができる。
S1508の処理が終了すると、次いで、背面判定カウンタ223hの値を読み出し、S1508の処理で読み出した天井リセット時設定テーブル222b5と、天井回数カウンタ223eの値とに基づいて大当たり終了後に設定する背面種別を特定する(S1509)。例えば、天井回数カウンタ223eの値が5(即ち、大当たりの終了後に付与される時短期間が5回)で、背面判定カウンタ223hの値が「85」の場合は、大当たり終了後の背面種別として、背面C(森ステージ)が選択される(図19(a)参照)。
S1509の処理後は、特定した背面種別に対応する表示用背面画像変動コマンドを設定し(S1510)、特定した背面種別に対応する値を背面フラグ223gに設定して、本処理を終了する。ここで設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
この当たり後背面設定処理(S1411)を実行することで、各大当たりの終了後に、時短期間や状態に応じて適切な背面種別に切り替えることができる。
次に、図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1412)について説明する。図30は、このコマンド判定処理(S1412)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1412)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図44参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1601)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1601:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1602)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出するための処理である変動パターン選択処理を実行して(S1603)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図51参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1601:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1604)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1604:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1605)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1606)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図51参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1604:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1607)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1607:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1608)。また、S1608の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1608の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1608の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。なお、S1608の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1607の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1607:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1609)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1609:Yes)、天井報知処理を実行して(S1610)、メイン処理に戻る。上述したように、本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640へ入賞(始動入賞)すると、主制御装置110において各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得された各カウンタC1〜C3の各値が、特別図柄1保留球格納エリア203aに記憶される。また、主制御装置110において各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、取得された各カウンタC1〜C3の各値から、その本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が先読み(予測)される。そして、主制御装置110において先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信される。天井報知処理は、先読み結果に基づいて報知用の背面種別(背面E〜背面G)に切り替える処理である。この天井報知処理の詳細については、図50を参照して後述する。
S1609の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1609:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1611)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1611:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定して(S1612)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)において、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、S1611の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1611)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1613)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1613:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1614)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1615)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1613の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1613:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1616)。そして、エンディングコマンドを受信した場合には(S1616:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1617)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
なお、第1特定入賞口65aが開放される賞球の得にくい大当たり(確変大当たりA、および確変大当たりB)となる場合にはエンディング演出中において、通常の変動演出が実行されているかのような演出が実行される。これにより、賞球を得ることが困難な大当たりに当選したことを分かりにくくすることができるので、大当たりAとなることに基づいて時短期間がリセットされたタイミングを分かりにくくすることができる。よって、残りの時短期間を正確に判別することを困難とすることができるので、残り時短期間を背面画像等により遊技者に対して予測させることができる。従って、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S1616の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1616:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1618)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(S1603)について説明する。図47は、変動パターン選択処理を示すフローチャートである。この変動パターン選択処理(S1603)は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを抽出するための処理である。
この変動パターン選択処理では、まず、変動パターンコマンドにより通知されたのが大当たりの変動パターンであるか否かを判別し(S1701)、大当たりの変動パターンでない(即ち、外れの変動パターンである)と判別した場合は(S1701)、背面画像を変更するか否か判別するための外れ時背面設定処理を実行する(S1702)。次いで、連続予告演出の開始を設定するための連続予告設定処理を実行して(S1703)、本処理を終了する。なお、外れ時背面設定処理(S1702)、および連続予告設定処理(S1703)の詳細については、図48、および図49を参照してそれぞれ後述する。
S1701の処理において、大当たりの変動パターンであると判別した場合は(S1701:Yes)、次いで、変動パターンコマンドにより通知されたのが通常大当たりA、または通常大当たりBであるか否かを判別する(S1704)。即ち、大当たりの終了後に特別図柄の低確率状態へと移行すると共に、普通図柄の通常状態へと移行する(普通図柄の時短状態が付与されない)大当り種別であるか否かを判別する。そして、通常大当たりA、または通常大当たりBであると判別した場合は(S1704:Yes)、天井回数カウンタ223eの値に0を設定する(S1705)。そして、連荘状態フラグ223fをオフに設定して(S1706)、処理をS1712へと移行する。
一方、S1704の処理において、通常大当たりA、通常大当たりBでないと判別した場合は(S1704:No)、次いで、大当たり種別が確変大当たりA、または確変大当たりCであるか否かを判別する(S1707)。即ち、大当たりの終了後に普通図柄の時短状態が設定される大当たり種別であるか否かを判別する。そして、S1707の処理において、確変大当たりA、または確変大当たりCであると判別した場合は(S1707)、大当たりの終了後に付与される時短期間を天井回数カウンタ223eの値として設定し(S1708)、連荘状態フラグ223fをオフに設定して(S1709)、処理をS1712へと移行する。
S1707の処理において、確変大当たりA、確変大当たりCのいずれでもない(即ち、確変大当たりB、または確変大当たりDである)と判別した場合は(S1707:No)、大当たりの終了後に「連荘状態」へと移行するので、天井回数カウンタ223eの値に0を設定し(S1710)、連荘状態フラグ223fをオンに設定して(S1711)、処理をS1712へと移行する。
S1706,S1709、またはS1711の処理後に移行するS1712の処理では、主制御装置110より通知される変動パターンコマンドに基づいて、変動パターンテーブル222aから対応する変動パターンを抽出し(S1712)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターンに基づいて、変動表示設定処理(図51参照)により表示用変動パターンコマンドが設定される。
次に、図48を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される外れ時背面設定処理(S1702)について説明する。この外れ時背面設定処理(S1702)は、上述した通り、変動パターン選択処理(図47参照)の中で実行され、背面画像を変更するか否か判別するための処理である。
外れ時背面設定処理では、まず、天井回数カウンタ223eの値が0より大きいか否かを判別し(S1801)、0より大きければ(S1801:Yes)、天井回数カウンタ223eの値を1減算する(S1802)。この天井回数カウンタ223eの値は、残りの時短期間を示しているので、特別図柄の外れに対応する変動パターンコマンドを受信する毎にカウンタ値を更新することにより、音声ランプ制御装置113により時短期間を正確に把握することができる。
S1802の処理が終了すると、次いで、背面フラグ223gを読み出して(S1803)、背面設定テーブル222bのうち、読み出した背面フラグ223gの値によって特定される背面種別に対応するテーブルを読み出す(S1804)。具体的には、現在が背面Aであれば(背面フラグ223gの値が「00H」であれば)、背面A時設定テーブル222b1を読み出し、現在が背面Bであれば(背面フラグ223gの値が「01H」であれば)、背面B時設定テーブル222b2を読み出し、現在が背面Cであれば(背面フラグ223gの値が「02H」であれば)、背面C時設定テーブル222b3を読み出す。また、現在が報知用の背面種別である背面E〜背面Gであれば(即ち、背面フラグ223gの値が「04H」〜「06H」であれば)、報知用背面時設定テーブル222b6を読み出す。
次いで、S1804の処理により読み出したデータテーブルと、天井回数カウンタ223eの値とに基づいて、背面種別を特定し(S1805)、特定の結果、背面画像を変更する必要があるか否かを判別する(S1806)。そして、背面画像を変更する必要が有ると判別した場合は(S1806:Yes)、変更後の背面に対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S1807)、変更後の背面に対応する値を背面フラグ223fに設定して(S1808)、処理をS1809へと移行する。ここで設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
一方、S1805の処理において、背面画像を変更する必要がない(現在の背面種別と、S1804の処理により特定した背面種別とが同一である)と判別した場合は(S1805:No)、S1807,S1808の処理をスキップして、処理をS1809へと移行する。
S1809の処理では、S1802の処理により1を減算した結果、天井回数カウンタ223eの値が0となったか否かを判別し(S1809)、0であれば(S1809:Yes)、時短期間が経過する(即ち、「連荘状態」となる)ことを意味するので連荘状態フラグ223fをオンに設定して(S1810)、本処理を終了する。一方、S1809の処理により、天井回数カウンタ223eの値が0でない(1以上である)と判別した場合は(S1809:No)、S1810の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、S1801の処理において、天井回数カウンタ223eの値が0より大きくない(即ち、0である)と判別した場合は(S1801)、次いで、連荘状態フラグ223fがオンであるか否かを判別し(S1811)、オンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1811:No)、そのまま本処理を終了する。一方、連荘状態フラグ223fがオン(つまり、「連荘状態」)であれば(S1811:Yes)、次いで、背面フラグ223eを読み出して(S1812)、現在の背面種別が背面Dであるか否かを判別する(S1813)。
S1813の処理において、現在の背面種別が背面Dであると判別した場合は(S1813:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、背面種別が背面Dでないと判別した場合は(S1813:No)、「連荘状態」となってから最初に特別図柄の外れに対応する変動パターンコマンドを受信することに基づいて、外れ時背面設定処理(S1702)が実行されたことを意味する。よって、背面Dに対応する表示用背面画像変更コマンドを設定することにより、「連荘状態」に対応する洞窟ステージの背面への変更を設定し(S1814)、背面Dに対応する値である「03H」を背面フラグ223fに設定して(S1815)、本処理を終了する。
このように、外れ時背面設定処理(S1702)を行うことで、残りの時短期間に応じて背面画像を変更するか否かを決定することができる。よって、遊技者に対して、背面画像の種別から残りの時短期間を予測する楽しみを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図49を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される連続予告設定処理(S1703)について説明する。この連続予告設定処理(S1703)は、変動パターン選択処理(図47参照)の中で実行され、連続予告演出を設定するか否か判別するための処理である。
この連続予告判定処理(S1703)では、まず、連続予告カウンタ223iの値を読み出して(S1901)、その値が0であるか否かを判別する(S1902)。そして、連続予告カウンタ223iの値が0でない(即ち、1〜4のいずれかである)と判別した場合は(S1902:No)、連続予告カウンタ223iの値を1減算し(S1903)、その減算後の連続予告カウンタ223iの値と、変動パターンテーブル222aとに基づいて、変動パターンの態様を抽出する(S1904)。ここで抽出された変動パターンに基づいて、変動表示設定処理(図51参照)により表示用変動パターンコマンドが設定される。
なお、変動パターンテーブル222aには、変動パターンコマンドによって通知された変動時間毎に、選択可能な変動パターン種別が規定されている。また、1の変動時間に対して、通常時(連続予告演出が設定されていない場合)に選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の1回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の2回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の3回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の4回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の5回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出が設定されていない状態で、普通図柄の時短状態における最後の変動が実行される場合に選択可能な変動パターン演出(天井報知予告に対応する変動パターン演出)とが少なくとも規定されている。S1904の処理では、連続予告カウンタ223iの値に応じて、変動パターンテーブル222aから対応する変動パターンが抽出される。
一方、S1902の処理において、連続予告カウンタ223iの値が0であると判別した場合は(S1902:Yes)、次いで、天井回数カウンタ223eの値が4であるか否かを判別し(S1903)、4であると判別された場合は(S1903:Yes)、残りの時短期間が5回であり(変動開始よりも前に天井回数カウンタ223eの値が更新されるので、天井回数カウンタ223eの値は時短期間に対して1少ない値となる)、連続予告演出を設定することにより、連続予告演出の終了と共に「連荘状態」へと移行させることができる。よって、この場合は、連続予告カウンタ223iの値に4を設定し(S1906)、変動パターンテーブル222aから連続予告演出の1回目の変動演出で選択可能な変動パターンの態様を抽出して(S1907)、本処理を終了する。
S1905の処理において、天井回数カウンタ223eの値が4でない(5以上、または3以下である)と判別した場合は(S1905:No)、次いで、天井回数カウンタ223eの値が4より大きいか否かを判別し(S1908)、4より大きければ(S1908:Yes)、予告判別カウンタ223jの値と、連続予告判定テーブル222c(図19(c)参照)とに基づいて連続予告演出を実行するか否かを判定する(S1909)。なお、連続予告演出では、5回の変動演出にわたって演出が実行されるので、天井回数カウンタ223eの値が4より大きい場合に連続予告演出が設定されても、連続予告演出の終了後に「連荘状態」へ移行することはない(所謂ガセ演出である)。
S1910の処理により、連続予告演出を実行すると判別した場合は(S1910:Yes)、上述したS1906,S1907の処理を実行することにより連続予告演出の開始を設定して、本処理を終了する。一方、S1910の処理において、連続予告演出を実行しないと判別した場合は(S1910:No)、変動パターンテーブル222aから、変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対応する通常時用の変動パターン演出を抽出して(S1911)、本処理を終了する。
S1908の処理において、天井回数カウンタ223eの値が4より大きくない(3以下である)と判別した場合は(S1908:No)、連続予告演出が設定されていない状態で残りの時短期間が4回以下となったことを意味するので、次に、天井回数カウンタ223eの値が0であるかを判別する(S1912)。即ち、普通図柄の時短期間が今回の変動により終了するか否かを判別する。
S1912の処理により、天井回数カウンタ223eの値が0でないと判別された場合は(S1912:No)、変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対応する通常時用の変動パターン演出を抽出して(S1911)、本処理を終了する。一方、天井回数カウンタ223eの値が0であると判別した場合は(S1912:Yes)、変動パターンテーブル222aより普通図柄の時短状態における最後の変動が実行される場合に選択可能な変動パターン演出(天井報知予告に対応する変動パターン演出)を抽出して、本処理を終了する。
この連続予告設定処理(S1703)により、連続予告演出を設定することができるので、「連荘状態」となる場合に設定されやすい連続予告演出が設定された場合には、遊技者に対して「連荘状態」に対する期待感を抱かせることができる。
次に、図50を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される天井報知処理(S1610)について説明する。図50は、この天井報知処理(S1610)を示すフローチャートである。この天井報知処理は、入賞情報コマンドにより通知された先読み結果に基づいて、「連荘状態」に移行するか否かを判別し、「連荘状態」へと移行することが確定した段階で遊技者に対して球の打ち出しを停止させるように報知するための処理である。
この天井報知処理では、まず、入賞情報コマンドにより通知された先読み結果が大当たりを示す入賞情報であるか否かを判別し(S2001)、大当たりであれば(S2001:Yes)、時短期間がリセットされるので、そのまま本処理を終了する。一方、先読み結果が特別図柄の外れであれば(S2001:No)、天井回数カウンタ223eの値(A)を読み出して(S2002)、天井回数カウンタ223eの値が0であるか否かを判別する(S2003)。
そして、天井回数カウンタ223eの値が0であれば(S2003:Yes)、普通図柄の時短中でないので、そのまま本処理を終了する。一方、天井回数カウンタ223eの値が0でない(1以上である)と判別した場合は(S2003:No)、特別図柄保留球数カウンタ223bの値(N)を読み出して(S2004)、天井回数カウンタ223eの値(A)と、特別図柄保留球数カウンタ223bの値(N)との差分が0であるか否かを判別する(S2005)。即ち、保留球数分の変動演出が実行された場合に、普通図柄の時短状態が終了するか否かを判別する。
S2005の処理において、天井回数カウンタ223eの値(A)と、特別図柄保留球数カウンタ223bの値(N)との差分が0でないと判別した場合は(S2005:No)、保留球数分の変動演出を実行下としても時短期間が終了しないので、そのまま本処理を終了する。一方、天井回数カウンタ223eの値(A)と、特別図柄保留球数カウンタ223bの値(N)との差分が0であると判別した場合は(S2005:Yes)、背面フラグ223gを読み出して(S2006)、報知時設定テーブル222b4(図18(b)参照)から現在の背面に対応する報知用の背面種別を特定する(S2007)。
次いで、特定した背面種別に対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S2008)、変更後の背景種別に対応する値を背面フラグ223gに設定して(S2009)、本処理を終了する。ここで設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
この天井報知処理を実行することにより、保留された第1入球口64への入球が実行されることで普通図柄の時短状態が終了する場合に、球の打ち出しの停止を促すことができる。よって、残りの時短期間を上回る数の保留球が保留されてしまうことを抑制することができるので、普通図柄の時短状態が終了して「連荘状態」へと移行したにも関わらず、普通図柄の時短状態中に保留された第1入球口64への入球に基づいて「連荘状態」中に特別図柄1の抽選が実行されることを抑制することができる。これにより、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選で大当たりとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを抑制(防止)することができるので、遊技者に「連荘状態」を楽しませることができる。
なお、報知用の背面種別を実行するのは、時短期間が経過した場合に限られない。例えば、ガセの連続予告演出が設定されている場合においても、連続予告演出の最後の変動演出に対応する入賞コマンドを受信することにより、報知用の背面種別に変更するように構成してもよい。これにより、連続予告演出がガセであるか否かを判別しにくくすることができるので、遊技者に対して連続予告演出をより興味深く最後まで確認させることができる。
また、確変大当たりBに対応する入賞情報コマンドを受信した場合にも、報知用の背面種別に変更してもよい。確変大当たりBになると、大当たりの終了後に「連荘状態」となるので、第1入球口64への球の打ち出しを停止するように促すことで、「連荘状態」担ったにも関わらず、保留球で特別図柄1の抽選が行われ、通常大当たりAや確変大当たりAに当選することで「連荘状態」が終了してしまうことを抑制することができる。
次に、図51を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1413)について説明する。図51は、この変動表示設定処理(S1413)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1413)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図44参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する処理である。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2106の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S2102)、次いで、変動パターン選択処理処理(図47参照)のS1712の処理、または連続予告設定処理(図49参照)のS1907,S1911,S1913の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2103)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2104)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる(S2105)。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S2106の処理へ移行する。
S2106の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S2106)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2106:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S2106:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S2107)、次いで、コマンド判定処理(図46参照)のS1606の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2108)。
次に、抽出された停止種別(主制御装置110から通知された停止種別)を設定するために、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2109)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図52から図65を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図52を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図52は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2201)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図53を参照して、ブート処理(S2201)について説明する。図53は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2201)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2301)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2302)。これにより、MPU231は、S2301の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2302の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2302の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2303)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2304)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図52のS2201参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図52のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2305)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2201)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、および固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図53に示すブート処理では、S2301の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2301の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2302の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2303〜S2305の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2301の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2301及びS2302の処理を含めて複数回繰り返した後、S2303〜S2305の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2301、及びS2302の処理を行わずに、S2303〜S2305の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図52の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2202)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2203)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2203の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2204)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2204の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2205)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの場合は、後述する転送設定処理(図63(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図63(a)のS3702参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図54(b)参照)において、図21に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図54(b)のS2508参照)および簡易表示設定処理(図54(b)のS2509参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図21(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2205の処理の後、割込許可を設定し(S2206)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図54(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図54(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2401)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図54(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図54(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図30参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図54(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2501)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図21に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2502)を実行し、次いで、表示設定処理(S2503)を実行する。
コマンド判定処理(S2502)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図55〜図59を参照して後述する。
表示設定処理(S2503)では、コマンド判定処理(S2502)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づいて、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図60〜図62を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2504)。このタスク処理では、表示設定処理(S2503)もしくは簡易表示設定処理(S2509)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2505)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図63および図64を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2506)。この描画処理では、タスク処理(S2504)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2505)により設定された転送指示とから、図30に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図65を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2507)。そして、V割込処理を終了する。S2107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(各種大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2501の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図21に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2508)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2509)を実行して、S2504の処理へ移行する。
次いで、図55〜図59を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2502)の詳細について説明する。まず、図55は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図55に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2601)、未処理の新規コマンドがなければ(S2601:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2601:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2603)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2602)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2603)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2604)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2604:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2605)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図56(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2605)の詳細について説明する。図56(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2701の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2702)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2701の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2703)。表示設定処理では、S2703の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2704)、ポインタ233fを0に初期化する(S2705)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2706)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2705の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2702の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2704の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図55の説明に戻る。S2604の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2604:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2606)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2606:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2607)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図56(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2607)の詳細について説明する。図56(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(各種大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2801)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図54(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2802)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2802の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2803)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2802の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2504)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2803によって設定された停止図柄判別フラグからS2802の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2802の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図55に戻り、説明を続ける。S2606の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2606:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2608)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2608:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2609)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図57(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2609)の詳細について説明する。図57(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2901)。次いで、S2901で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2902)。
そして、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2903)、ポインタ233fを0に初期化する(S2904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2905)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2904の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2902の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(1ラウンド、または4ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(5ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
なお、上述したように、本実施形態では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこからオープニング演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、オープニング演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
図55に戻り、説明を続ける。S2608の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2608:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2610)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2610:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2611)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図57(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2611)の詳細について説明する。図57(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3002)。
そして、S3001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3003)、ポインタ233fを0に初期化する(S3004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3005)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図55の説明に戻る。S2610の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2610:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2612)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2612:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2613)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図58を参照して、エンディングコマンド処理(S2613)の詳細について説明する。図58は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3102)。そして、各エンディング演出の表示態様に対応するエンディング表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3101の処理によって設定されたエンディング表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他のエンディング表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3103)。表示設定処理では、S3103の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルが、どのエンディング演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3104)、ポインタ233fを0に初期化する(S3105)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3106)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図55の説明に戻る。S2612の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2612:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2614)、背面画像変更コマンドがあれば(S2614:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2615)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図59(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2615)の詳細について説明する。図59(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、背面画像変更フラグをオンに設定する(S3201)。この背面画像変更フラグがオン状態の場合は、通常画像転送設定処理(S3703)において背面画像変更コマンドを受信したことに伴い背面画像を変更する必要があると判別される。そして、背面画像種別(背面A〜G)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3202)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理(図64参照)では、S3201の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3202の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B〜背面Gである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。なお、変更後の背面画像種別が背面Aの場合は、全ての画像データが常駐用ビデオRAM235cに常駐されているので、画像の転送は行わない。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Gのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3202によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3202の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値に直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図55の説明に戻る。S2614の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2614:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2616)、エラーコマンドがあれば(S2616:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2617)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図59(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2617)の詳細について説明する。図59(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3301)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3302)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3301の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3302の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3302に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図55の説明に戻る。S2616の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2616:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2618)、S2601の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2601の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2601:Yes)、再びS2602〜S2618の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2601〜S2618の処理が繰り返し実行され、S2601の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図54(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2509)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図21に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図56(a)参照)および停止種別コマンド処理(図56(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図56(a)参照)では、S2701の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2702の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図60〜図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2503)の詳細について説明する。図60は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図60に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3401)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3401:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3402〜S3404の処理をスキップし、S3405の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S3401:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3402)、S3403〜S3404の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3403の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3403)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3403:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3404)。
ここで、図61を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図61は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3501)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3501の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3502)、表示設定処理に戻る。
ここで、図60の説明に戻る。警告画像設定処理(S3404)の後、又は、S3403の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3403:No)、次いで、S3405の処理へ移行する。
S3405では、ポインタ更新処理を実行する(S3405)。ここで、図62を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図62は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3601)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3601の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3602)。その結果、End情報であれば(S3602:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S3603)、デモ表示データテーブルであれば(S3603:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3604)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3605)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3603の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S3603:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3606)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3602の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3602:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図60に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3406)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3406の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3407)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3408)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3408:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3408:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3409)。
その結果、確定表示フラグがオンであれば(S3409:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3410)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3411)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3412)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3413)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3414)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3415)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S3415の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2504)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3415によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3409の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S3409:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3416)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3416:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3417)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3418)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3419)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3420)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3421)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3416:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図54(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2509)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図21(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図63、及び図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2505)の詳細について説明する。まず、図63(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3701)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3701:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3702)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図63(b)を参照して後述する。
一方、S3701の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3701:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3703)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図64を参照して後述する。
次いで、図63(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2505)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3702)について説明する。図63(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3702)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3801)、転送指示を送信していれば(S3801:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3802)。このS3802の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3802の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3802:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3802:Yes)、S3803の処理へ移行する。また、S3801の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3801:No)、S3803の処理へと移行する。
S3803の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3803)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3803:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3804)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3803の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3803:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3805)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図54(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図54(b)のS2508参照)および簡易表示設定処理(図54(b)のS2509参照)ではなく、コマンド判定処理(図55〜図59参照)および表示設定処理(図60〜図62参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図64参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図63(a)のS3701:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2505)の一処理である通常画像転送設定処理(S3703)について説明する。図64は、この通常画像転送設定処理(S3703)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2503)のポインタ更新処理(S3405)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3901)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3902)、転送データ情報であれば(S3902:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3903)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3904)、S3905の処理へ移行する。
また、S3902の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3902:No)、S3903及びS3904の処理をスキップして、S3905の処理へ移行する。S3905の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3905)、転送指示を設定していれば(S3905:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3906)。
このS3906の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3906の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3906:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3906:Yes)、S3907の処理へ移行する。また、S3905の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3905:No)、S3907の処理へ移行する。
S3907の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3907)、転送開始フラグがオンであれば(S3907:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3908)、S3903の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3913の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3907:No)、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3509)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3909:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3910)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3911)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3912)、S3913の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3911の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3913の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3913)。このS3913の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3913の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3913:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3913の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3913:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3914)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3914の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3915)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図65を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2506)の詳細について説明する。図65は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2504)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2505)により設定された転送指示から、図30に示す描画リストを生成する(S4001)。即ち、S4001の処理では、タスク処理(S2504)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2505)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S4002)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として、第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づき、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S4002の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S4003)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図54(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本パチンコ機10では、特別図柄の抽選を行う契機となる入球口として、第1入球口64と、第2入球口640との2種類の入球口を設け、第2入球口640への入球に基づく抽選により大当たりとなることで、多量の賞球を獲得可能であり、遊技者にとって有利な大当たり種別(確変大当たりD)に当選しやすくなるように構成している。また、特別図柄の低確率状態や、普通図柄の時短状態においては、第2入球口640へと球が入球しにくくなるように構成し、且つ、第1入球口64への入球に基づく抽選で特別図柄の大当たりとなった場合には、賞球が得にくく、大当たりの終了後に普通図柄の時短状態へと移行する大当たり(確変大当たりA)に当選しやすくなるように構成されている。即ち、第2入球口640へと球を入球させることが困難な状態が繰り返されやすくなるように構成されている。そして、普通図柄の時短状態を終了させることで、第2入球口640へと球が入球しやすい状態(「連荘状態」)へと移行するように構成し、「連荘状態」において「確変大当たりD」となることで、大当たりの終了後に再度「連荘状態」へと移行するように構成されている。
このため、遊技者に対して、「連荘状態」へと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができる。ここで、普通図柄の時短期間を終了させて「連荘状態」へと移行させるためには、確変大当たりAの終了後に設定された普通図柄の時短期間と同じ回数だけ連続して特別図柄の外れとなる必要がある。よって、遊技者に対して、特別図柄の外れが続くほどに「連荘状態」が近づいているように感じさせることができるので、特別図柄の外れが連続したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
一般的なパチンコ機では、遊技者は大当たりとなることを主目的として遊技を行うので、特別図柄の外れが連続することに対するメリットは何ら存在しない。よって、外れが続くほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。これに対して本実施形態のパチンコ機10では、上述した通り、特別図柄の外れが連続するほどに遊技者にとって有利な「連荘状態」へと近づくので、外れが続くほどに遊技者を喜ばせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄1の抽選により大当たりとなる場合に、普通図柄の時短期間が付与される大当たり種別として、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」の64種類の大当たり種別が設けられている。これらの64種の大当たりは、それぞれ付与される普通図柄の時短期間が異なるので、大当たり種別に応じて「連荘状態」への移行し易さが異なる。よって、大当たりとなった(時短期間がリセットされた)ことを遊技者が認識したとしても、それまでに経過した時短期間が無駄になってしまったと思わせることを抑制し、少ない時短期間の大当たりとなったことを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640を狙って球が打ち出されることを防止するために、普通図柄の変動時間が極端に長くなる(3〜5分となる)ように構成している。また、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aが開放される開放期間を短時間(0.2秒×1回)としている。これらにより、普通入球口67に入球させることができても、電動役物640aがほとんど開放されない(数分の間に0.2秒の頻度で開放される)ので、普通入球口67、およびその下流側に設けられている第2入球口640へ向けて遊技者により球が打ち出されることを抑制することができる。即ち、「連荘状態」でないにも関わらず、多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」に当選させることを狙って遊技者により意図的に第2入球口640へと球を入球させようとする遊技方法が行われることを抑制することができる。
また、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、第2入球口640の上流側に迂回役物700が設けられているので、球を打ち出してから第2入球口640へと到達するまでに7秒以上の時間を要する。よって、電動役物640aが開放されたことを認識してから球を打ち出したとしても、球が第2入球口640へと到達する前に電動役物640aが閉鎖される(0.2秒が経過する)ので、「連荘状態」以外の状態において球が第2入球口640へと入球することを抑制できる。更に、普通図柄の保留球が存在する場合は、変動時間が短くなるので、1の変動が終了してから1秒程度で保留された分の普通図柄の変動と、電動役物640aの開放とが終了するように構成されている。よって、普通図柄の保留球の有無に関わらず、電動役物640aが開放されてから球を打ち出した場合に、第2入球口640へと球が入球することを防止(抑制)することができる。
また、上述した通り、第2入球口640へ球を入球させることができたとしても、特別図柄の変動中であれば、その入球は保留されることなく破棄される。即ち、「連荘状態」以外の状態では、変動時間が極端に長くなる上に、変動中に第2入球口640へと球を入球させたとしても、その入球に基づいて特別図柄2の抽選が行われることがない。よって、特別図柄2の抽選を受けるためには、特別図柄2の抽選に基づく変動演出が終了してから、再度第2入球口640へと球を入球させる必要がある。「連荘状態」以外の状態では、特別図柄2の抽選結果によらずに300秒の変動時間の変動パターン種別が選択されるので、最短でも300秒おきにしか抽選が受けられない。従って、遊技効率が極端に悪くなってしまうので、「確変大当たりD」になった場合に多量の賞球を得られることを加味しても、遊技者に対して割に合わないと感じさせることができる。よって、「連荘状態」以外の状態において遊技者が第2入球口640を狙って遊技を行うことを抑制することができる。
このように、「連荘状態」以外の状態では、遊技者が第2入球口640を狙って球を打ち出すことを抑制し(即ち、第1入球口64を狙って球を打ち出させ)、「連荘状態」では、第2入球口640を狙って球を打ち出させることができるので、「連荘状態」以外の状態で「確変大当たりD」に当選し、多量の賞球が遊技者により獲得されてしまうことを抑制することができる。また、「連荘状態」以外の状態では特別図柄1の抽選のみが行われ、「連荘状態」では特別図柄2の抽選のみが行われることを想定して設計されている本パチンコ機10の出球率を、設計値に近づけることができる。よって、ホールが出玉率の設計値から売り上げ予測等を行う際に、より正確に計算することができる。
また、本実施形態では、普通図柄の時短期間を背面画像の種別によって示唆するように構成されている。具体的には、背面A(荒野ステージ)が表示されていれば、残りの時短期間が21回以上である可能性が高くなり、背面B(川ステージ)が表示されていれば、残りの時短期間が20回以内である可能性が高くなり、背面C(森ステージ)が表示されていれば、残りの時短期間が10回以内である可能性が高くなるように構成されている。これにより、背面画像の種別から残りの時短期間を予測させることができるので、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を遊技者に対してより興味深く確認させることができる。
更に、本実施形態では、先読みにより時短期間が経過する(即ち、保留球数分の特別図柄の抽選が実行されることで「連荘状態」へと移行する)と判別された場合に、第1入球口64への球の打ち出しを停止させるように報知している。これにより、「連荘状態」へと移行するまでの変動回数以上の個数の保留球が貯まってしまうことを抑制することができる。つまり、「連荘状態」へと移行した後で、第1入球口64への入球に対応する保留球に基づいて特別図柄1の抽選が実行されることを防止できる。よって、「連荘状態」となった後で特別図柄1の抽選により通常大当たりAや確変大当たりAとなり、「連荘状態」の恩恵を何ら受けることなく「連荘状態」が終了してしまうことを抑制することができる。従って、「連荘状態」へと移行した場合に、遊技者に対してその「連荘状態」を十分に楽しませることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態では、変動演出の開始時に背面画像を変更するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、変動の終了時に背面画像を変更するように構成してもよい。これにより、変動パターンを実行する処理と、背面画像を変更する処理とを異なるタイミングで実行することができるので、音声ランプ制御装置113のMPU221による処理負荷を軽減することができる。
上記実施形態では、特別図柄2の抽選が行われて大当たりとなった場合に、「連荘状態」であるか否かに関わらず、第1当たり種別カウンタC2の値が同一であれば、同一の大当たり種別が選択されるように構成していたが、「連荘状態」であるか否かに応じて異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。そして、「連荘状態」でない状態(即ち、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態、または、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)である場合に、遊技者にとってより不利となる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。
不利な大当たりとしては、例えば、特別図柄の低確率状態(非確変)、または普通図柄の時短状態(確変時短)において、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合は、賞球を獲得することが困難な大当たり種別のみが選択されるように構成してもよい。即ち、大当たりの各ラウンドで、第1特定入賞口65aが所定期間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりのみが選択されるように構成してもよい。より具体的には、例えば、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合の5%で、大当たりの終了後に特別図柄の低確率状態(非確変)へと移行し、賞球を獲得することが困難な通常大当たりCとなるように構成し、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合の95%で、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が100回設定され、賞球を獲得することが困難な確変大当たりEとなるように構成してもよい。
このように、構成することで、特別図柄2の抽選により大当たりとなっても遊技者にとって何らメリットが生じないように構成することができる。よって、「連荘状態」でないにも関わらず、第2入球口640へと球を入球させて多量の賞球を得ようとする遊技方法を根本的に成り立たなくすることができる。本パチンコ機10は、「連荘状態」以外の状態では特別図柄1の抽選のみが行われ、「連荘状態」では特別図柄2の抽選のみが行われることを想定して設計されているので、「連荘状態」以外の状態において遊技者により第2入球口640を狙われることを防止することで、パチンコ機10の出球率を設計値に近づけることができる。よって、ホールが出玉率の設計値から売り上げ予測等を行う際に、より正確に計算することができる。
上記実施形態では、「連荘状態」以外の状態において、第2入球口640へと球が入球しにくくなるように構成していたが、これに加えて、遊技者が「連荘状態」以外の状態において第2入球口640を狙って球を打ち出した場合に、第1入球口64を狙って打ち出すように表示画像や音声等で報知してもよい。これにより、遊技者が「連荘状態」以外の状態において第2入球口640を狙って球を打ち出すことを防止(抑制)することができる。また、「連荘状態」において第1入球口64を狙って球を打ち出した場合に、第2入球口640を狙って球を打ち出すように報知してもよい。これにより、「連荘状態」へと移行したにも関わらず、特別図柄1の抽選により通常大当たりAや確変大当たりAとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを抑制することができる。従って、「連荘状態」以外の状態で「確変大当たりD」に当選し、多量の賞球が遊技者により獲得されてしまうことを抑制することができる。また、本パチンコ機10は、「連荘状態」以外の状態では特別図柄1の抽選のみが行われ、「連荘状態」では特別図柄2の抽選のみが行われることを想定して設計されているので、「連荘状態」以外の状態において遊技者により第2入球口640を狙われることを防止することで、パチンコ機10の出球率を設計値に近づけることができる。よって、ホールが出玉率の設計値から売り上げ予測等を行う際に、より正確に計算することができる。
なお、報知の契機としては、例えば、迂回役物700の開口部710に対して球の通過を検出可能なセンサ手段を設けておき、「連荘状態」以外の状態においてセンサ手段により球の通過が検出された場合に、報知を実行するように構成してもよい。また、「連荘状態」以外の状態において普通入球口67への入球を検出した場合に報知を実行するように構成してもよい。普通入球口67は、第2入球口640の上流側にあるため、第2入球口640を狙って球を打ち出すことにより普通入球口67へ球が入球しやすくなるためである。これにより、センサ手段を新たに設ける必要がないので、パチンコ機10の原価を削減することができる。普通入球口67へと球が入球した場合に、報知を実行させるための制御としては、普通図柄変動処理(図36参照)において、S614、またはS619の処理において、遊離状態フラグ203iがオフであると判別した場合に(S614:No、またはS619:No)、音声ランプ制御装置113、および表示制御装置114に対して報知を実行させるためのコマンドを設定するように構成すればよい。即ち、「連荘状態」でないにもかかわらず第2入球口640を狙って球を打ち出している遊技者に対して、警告画像や警告音により警告を行わせるためのコマンドを設定し、主制御装置110のメイン処理(図40参照)における外部出力処理(S1001)の中で音声ランプ制御装置113へと出力するように構成すればよい。
本実施形態では、背面画像の種別によって連荘状態となるまでの残りの時短期間を示唆するように構成していたが、示唆する方法はこれに限られるものではない。例えば、残りの時短期間に応じてキャラクタの服装を変更するように構成してもよいし、キャラクタ自体を異なるキャラクタ(例えば、女の子のキャラクタ)に変更してもよい。また、残りの時短期間に応じて第3図柄の表示態様を変更したり、効果音や音楽等を変更したりするように構成してもよい。また、例えば、残りの時短期間の目安を第3図柄表示装置81に対して数字等で表示させるように構成してもよい。この場合において、実際の時短期間よりも少ない数字を一定確率で表示させるように構成してもよい(所謂ガセ表示)。また、ガセ表示を行った場合において、例えば連続予告演出に失敗した場合に、残りの時短期間を示唆する数字を増加させ、実際の時短期間相当の値に変化させてもよい。
本実施形態では、「連荘状態」となっている場合に必ず背面D(洞窟ステージ)が表示されるように構成しているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、「連荘状態」であっても、変動演出が実行される毎に低い確率で背面画像が背面A〜背面Cに変更されるように構成してもよい。更に、「連荘状態」において背面A〜背面Cとなった場合は、変動演出が実行される毎に背面Dへと戻すか否か判別するように構成してもよい。加えて、「連荘状態」が終了してしまう大当たり種別である「通常大当たりB」や、「確変大当たりC」となった場合に、第1特定入賞口65aが所定時間(最大0.2秒)開放される大当たりとなるように構成し、且つ、大当たり中の演出として、通常時と同様の演出を実行するように構成してもよい。即ち、「通常大当たりB」、または「確変大当たりC」となっても、遊技者が大当たりとなったことに気づき難くなるように構成してもよい。これにより、背面画像が背面Dから背面A〜背面Cのいずれかへと変更されたとしても、「連荘状態」中に背面種別の変更条件が成立することで背面種別が変更されたのか、「通常大当たりB」、または「確変大当たりC」に当選し、「連荘状態」が終了することに基づいて背面種別が変更されたのかを判別しにくくすることができる。よって、背面種別が背面Dから変更されたとしても、実は「連荘状態」はまだ継続しているのかもしれないと遊技者に思わせることができるので、例え「連荘状態」が終了していたとしても、遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本実施形態では、確変大当たりA、又は確変大当たりBとなった場合に第1特定入賞口65aが開放されるように構成しているが、上記大当たり以外にも、第1特定入賞口65aが開放されるように構成してもよい。例えば、当選しても終了後に状態が変化しない小当たりを設け、小当たりに当選した場合にも、第1特定入賞口65aが4回(4ラウンド)開放されるように構成してもよい。これにより、第1特定入賞口65aの動作を見ても、小当たりに当選したのか確変大当たりAに当選したのか、確変大当たりBに当選したのかが判別できないので、時短期間がリセットされたか否かをより分かり難くすることができる。
本実施形態では、先読みにより保留球数を消化すると「連荘状態」に移行すると判別される場合に、第1入球口64への球の打ち出しを停止させるように報知表示を行っていたが、これに加えて、先読みにより「連荘状態」に移行すると判別された段階で、その保留が消化されるまでの変動時間を判別し、保留球数分の変動時間に対して1の「連荘状態」を示唆する演出を設定してもよい。これにより、多様な表示演出を実行することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、「連荘状態」において、通常大当たりB、又は確変大当たりCに当選するまで連荘状態が終了しないように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の高確率状態の連続回数に上限(例えば、15回)を設けておき、15回以上特別図柄の高確率状態となった場合には、大当たりの種別によらず特別図柄の低確率状態へと移行させるように構成してもよい。これにより、「連荘状態」が長く続きすぎることを抑制できるので、ホールに不測の不利益を与えることを抑制することができる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(パチンコ機でゲーム数解除の遊技性)
遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球口に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させた後で前記第1位置から前記第2位置へと可変させる制御を1又は複数回実行する可変制御手段と、前記通過手段を遊技球が通過してから前記可変制御手段による制御が終了するまでの態様を、特定条件が成立するまで第1態様に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第1態様とは異なる第2態様に設定する態様設定手段と、その態様設定手段により前記第1態様が設定されている場合に遊技者に不利な不利状態を設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記不利状態に比較して遊技者に有利な有利状態を設定する状態設定手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、抽選に外れ続ける限り当たり中の遊技を楽しむことができないので、抽選に外れ続けるほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう場合があった。即ち、当たりとならない状況が長く続くことにより、遊技者に対して遊技を辞めたいと思わせてしまい、遊技機の稼働率が低下してしまう虞があった。
これに対し、遊技機A1によれば、入球口へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球口に遊技球が入球しやすくなる第2位置とに可変手段が可変される。遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変された後で第1位置から第2位置へと可変される制御が可変制御手段により1又は複数回実行される。通過手段を遊技球が通過してから可変制御手段による制御が終了するまでの態様が、特定条件が成立するまで態様設定手段により第1態様に設定される。一方、特定条件が成立することに基づいて態様設定手段により第1態様とは異なる第2態様に設定される。態様設定手段により第1態様が設定されている場合に遊技者に不利な不利状態が状態設定手段によって設定される一方で、特定条件が成立することに基づいて不利状態に比較して遊技者に有利な有利状態が状態設定手段により設定される。
これにより、遊技中に、可変手段が第1態様で制御されているか、第2態様で制御されているかを確認することで、有利状態が設定されているか、不利状態が設定されているかを遊技者が予測しながら遊技を行うことができる。よって、遊技者に対して状態を予測させる楽しみを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記態様設定手段は、前記特定条件が成立するまで前記第1態様として前記所定の抽選結果となる確率を第1抽選確率に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第2態様として前記所定の抽選結果となる確率を前記第1抽選確率よりも高い第2抽選確率に設定するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立するまで第1態様として態様設定手段により所定の抽選結果となる確率が第1確率に設定される。一方、特定条件が成立することに基づいて、第2態様として態様設定手段により所定の抽選結果となる確率が第1抽選確率よりも高い第2抽選確率に設定される。
これにより、特定条件が成立するまでは、抽選手段により所定の抽選結果となりやすい第1抽選確率が設定されることにより遊技者にとって有利となる一方で、状態設定手段により不利状態に設定される。一方、特定条件が成立した後は、抽選手段により所定の抽選結果となりにくい第2抽選確率が設定されることにより遊技者にとって不利となる一方で、状態設定手段により有利状態に設定される。即ち、どちらの場合にも、有利な側面と、不利な側面とが併存する状態に設定されるという斬新な遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選を実行可能な特定抽選手段と、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、その特典遊技付与手段により付与される前記特典遊技として第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が前記遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とを少なくとも選択可能な特典遊技選択手段と、を備え、前記態様設定手段は、前記第1特典遊技が終了することに基づいて前記所定の抽選結果となる確率を第1抽選確率に設定し、その第1抽選確率が設定されてから所定回数連続して前記特定抽選手段により前記特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となることに基づいて前記第2抽選確率を設定するものであり、前記状態設定手段は、前記第1特典遊技が終了することに基づいて前記不利状態を設定し、その不利状態が設定されてから前記所定回数連続して前記特定抽選手段により前記外れ抽選結果となることに基づいて前記有利状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口へと遊技球が入球することに基づいて特定抽選手段により抽選が実行され、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。その特典遊技付与手段により付与される特典遊技として第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とが特典遊技選択手段によって選択される。第1特典遊技が終了することに基づいて所定の抽選結果となる確率が態様設定手段により第1抽選確率に設定される。また、第1抽選確率が設定されてから所定回数連続して特定抽選手段により特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となることに基づいて態様設定手段により第2抽選確率が設定される。第1特典遊技が終了することに基づいて不利状態が状態設定手段により不利状態に設定される。また、不利状態が設定されてから所定回数連続して特定抽選手段により外れ抽選結果となることに基づいて状態設定手段により有利状態が設定される。
これにより、第1特典遊技が付与されることに基づいて不利状態に設定されていても、外れ抽選結果を所定回数連続させることができれば有利状態へと移行させることができる。よって、不利状態において、遊技者に対して外れ抽選結果が連続することを願って遊技を行わせることができるので、斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機A3において、前記第1特典遊技は、その第1特典遊技の終了後に前記態様設定手段により前記第1抽選確率が設定されてから、前記第2抽選確率に設定されるまでの前記外れ抽選結果の連続回数が異なる複数の種別を有して構成され、前記特典遊技選択手段は、前記特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、複数の種別の前記第1特典遊技のうち1の第1特典遊技を選択可能なものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特典遊技は、その第1特典遊技の終了後に態様設定手段により第1抽選確率が設定されてから第2抽選確率に設定されるまでの外れ抽選結果の連続回数が異なる複数の種別を有して構成され、その複数の種別の第1特典遊技のうち1の第1特典遊技が、特典遊技付与手段により付与される特典遊技として特典遊技選択手段により選択される。
これにより、第1特典遊技が付与されることにより、不利状態が設定されたとしても、遊技者に対して有利状態が設定されるまでの外れ抽選結果の連続回数が少ない種別の第1特典遊技が選択されていることを期待させることができる。よって、外れ抽選結果の連続回数が途切れたと感じさせてしまい、遊技者を落胆させてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記可変制御手段は、前記第1抽選確率が設定されている場合に前記可変手段を前記第1位置に可変させる期間が、前記第2抽選確率が設定されている場合に前記可変手段を前記第1位置に可変させる期間よりも短くなるように設定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、第1抽選確率が設定されている場合に可変手段を第1位置に可変させる期間が、第2抽選確率が設定されている場合に可変手段を第1位置に可変させる期間よりも短くなるように可変制御手段により設定されるので、第2抽選確率が設定されていたとしても、遊技球が入球口へと入りやすくすることができる。よって、有利状態にも関わらず特定抽選手段による抽選が実行されず、第2特典遊技が付与されないという状況が長く続いてしまうことを抑制することができるので、遊技者に対して有利状態中の遊技をストレスなく楽しませることができるという効果がある。
遊技機A2からA5のいずれかにおいて、前記抽選手段により前記所定の抽選結果となってから、前記可変制御手段により前記可変手段を前記第1位置に可変させるまでの期間を設定する期間設定手段を備え、前記期間設定手段は、前記第1抽選確率が設定されている場合に、前記第2抽選確率が設定されている場合よりも長い期間を設定するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選手段により所定の抽選結果となってから可変制御手段により可変手段を第1位置に可変させるまでの期間が期間設定手段により設定される。また、第1抽選確率が設定されている場合に、第2抽選確率が設定されている場合よりも長い期間が期間設定手段により設定される。
これにより、第2抽選確率が設定されていたとしても、遊技球が入球口へと入りやすくすることができる。よって、有利状態にも関わらず特定抽選手段による抽選が実行されず、第2特典遊技が付与されないという状況が長く続いてしまうことを抑制することができるので、遊技者に対して有利状態中の遊技をストレスなく楽しませることができるという効果がある。
<特徴B群>(通常時に特図2を回されないようにする)
遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記第1流路に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球口と、前記第2流路に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球口と、前記第1入球口、または前記第2入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が所定の抽選結果となることに基づいて遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、少なくとも所定期間中に、前記第2流路へと遊技球を流下させることにより、前記第1流路へと遊技球を流下させる場合と比較して前記抽選手段により実行される抽選の抽選結果を出にくくする抑制手段とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、獲得できる遊技価値の多い当たり種別を意図的に発生させようとする遊技方法が実行される場合があり、ホールに不測の損害を与えてしまう虞があった。
これに対し、遊技機B1によれば、第1入球口が第1流路に設けられ、第2入球口が第1流路とは異なる第2流路に設けられている。第1入球口、または第2入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段による抽選結果が所定の抽選結果となることに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。少なくとも所定期間中に、第2流路へと遊技球を流下させることにより、抑制手段により、第1流路へと遊技球を流下させる場合と比較して抽選手段により実行される抽選の抽選結果が出にくくされる。
これにより、少なくとも所定期間中は抽選結果が出にくい第2流路に対して遊技球を流下させるよりも、第1流路を流下させたいと感じさせることができる。よって、遊技者に対して遊技球を流下させる流路を期間に応じて変更させることができるので、遊技球を打ち出す方向を打ち分ける楽しみを与えることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記第2入球口に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第2入球口に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、
遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選を実行する特定抽選手段と、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと可変させた後で前記第1位置から前記第2位置へと可変させる制御を1又は複数回実行する可変制御手段とを備え、前記可変制御手段は、前記所定期間において前記可変手段を前記第1位置へと可変させる場合に、前記可変手段を第1期間の間前記第1位置となるように制御し、前記所定期間外において前記可変手段を前記第1位置へと可変させる場合に、前記可変手段を前記第1期間よりも長い第2期間の間前記第1位置となるように制御するものであり、前記抑制手段は、前記第2流路へと流下させた遊技球が前記第2入球口へと到達するまでの期間を、前記第1期間よりも長くする流下遅延手段を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過手段を遊技球が通過することに基づいて特定抽選手段により抽選が実行され、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて可変手段を遊技球が入球し難い第2位置から遊技球が入球可能な第1位置へと特定期間可変させた後で第1位置から第2位置へと可変させる制御が可変制御手段によって1又は複数回実行される。所定期間中に可変手段を第1位置へと可変させる場合に、可変手段が第1期間の間第1位置となるように可変制御手段により制御される。一方、所定期間外において可変手段を第1位置へと可変させる場合に、可変手段を第1期間よりも長い第2期間の間第1位置となるように可変制御手段により制御される。抑制手段において、第2流路へと流下させた遊技球が第2入球口へと到達するまでの期間が、流下遅延手段により第1期間よりも長くなる。
これにより、所定期間において、可変手段が第1位置へと可変されたことを確認してから遊技者が第2流路へと遊技球を打ち出した場合に、遊技球が第2入球口へと入球することを抑制することができるので、所定期間において遊技者に対して第1流路を狙わせることができる。よって、遊技者に対して遊技球を流下させる流路を期間に応じて変更させることができるので、遊技球を打ち出す方向を打ち分ける楽しみを与えることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とを少なくとも選択可能な特典遊技選択手段と、を備え、前記特典遊技選択手段は、遊技球が前記第2入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により前記所定の抽選結果となった場合に、前記第1入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により前記所定の抽選結果となるよりも前記第2特典遊技を選択しやすいものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とが特典遊技選択手段により少なくとも選択される。ここで、遊技球が第2入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により所定の抽選結果となった場合に、遊技球が第1入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により所定の抽選結果となるよりも特典遊技選択手段により第2特典遊技が選択されやすくなる。
これにより、所定期間中にも第2入球口を狙って遊技を行われ、第2特典遊技ばかりが連続してしまうことを抑制できる。よって、ホールに不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
遊技機B3において、前記所定期間中に、前記可変制御手段により前記可変手段が前記第1位置に可変されにくい第1可変状態に設定する第1可変状態設定手段と、前記所定期間が終了することに基づいて、前記第1可変状態よりも前記可変手段が前記第1位置に可変されやすい第2可変状態に設定する第2可変状態設定手段を備え、前記第2可変状態において第2流路へと球を打ち出した場合に、前記第1可変状態に比較して遊技球が前記第2入球口へ入球し易くなるものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間中に、可変手段が第1位置に可変されにくい第1可変状態に第1可変状態設定手段によって設定される。所定期間が終了することに基づいて、第1可変状態よりも可変手段が第1位置に可変されやすい第2可変状態に第2可変状態設定手段により設定される。また、第2可変状態では、第2流路へと打ち出した場合に、第1可変状態に比較して遊技球が第2入球口へ入球しやすくなる。
これにより、所定期間中は、可変手段が第1位置に可変されにくくなり、第2入球口へと遊技球を入球させにくくなるので、第1流路を流下させた方が第2流路を流下させるよりも得になると思わせることができる。一方、所定期間が終了した場合は、可変手段が第1位置へと可変されやすくなり、第2入球口へと球を入球させ易くなるので、第2流路を流下させることにより第2特典遊技が付与されることを目指して遊技を行わせることができる。よって、期間に応じて遊技球を流下させる流路を打ち分けさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B4において、前記通過手段を遊技球が通過することに基づいて情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて前記可変手段を第1位置に可変させるか否か判別する判別手段と、その判別手段により前記第1位置に可変させると判別されてから前記可変設定手段により前記可変手段が前記第1位置に設定されるまでの期間として、第1期間と、その第1期間よりも短い第2期間とを少なくとも設定可能な期間設定手段と、前記可変設定手段により前記可変手段を前記第1位置に設定してから、前記第1位置を終了し、第2位置へ戻すまでの期間として、第1可変期間と、その第1可変期間よりも短い第2可変期間とを少なくとも設定可能な可変期間設定手段とを備え、前記期間設定手段は、前記第2可変状態において前記第1可変状態よりも前記第2期間を設定しやすいものであり、前記可変期間設定手段は、前記第2可変状態において前記第1可変状態よりも前記第2可変期間を設定しやすいものであり、遊技球が前記通過手段を通過してから前記入球口へ到達するまでの時間は、前記第2期間と前記第2可変期間との和よりも長いものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過手段を遊技球が通過することにより基づいて取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて可変手段を第1位置に可変させるか否かが判別手段により判別される。判別手段により第1位置に可変させると判別されてから可変設定手段により可変手段が第1位置に設定されるまでの期間として、第1期間と、その第1期間よりも短い第2期間とが期間設定手段により少なくとも設定される。ここで、第2可変状態では、第1可変状態よりも可変期間設定手段により第2可変期間が設定されやすくなる。遊技球が通過手段を通過してから入球口へ到達するまでの時間は、第2期間と第2可変期間との和よりも長くなる。
これにより、可変手段が第1位置へと可変されたことを確認してから遊技球を第2流路へと流下させたとしても、その遊技球が第2入球口へと到達する前に、確実に可変手段を第2位置へ可変させることができる。よって、所定期間において、遊技者が遊技球を第2流路へと流下させることにより第2特典遊技が付与されてしまうことを防止することができるという効果がある。
遊技機B5において、所定の下限期間を下回らない間隔で遊技盤へと遊技球を発射可能な発射手段とを備え、前記第2可変期間は、前記下限期間よりも短いものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の下限期間を下回らない間隔で発射手段により遊技盤へと遊技球が発射される。ここで、第2可変期間は、下限期間よりも短くなるように設定される。
これにより、所定期間において遊技球を連続して発射されたとしても、第2可変期間中に第2入球口へと到達する遊技球を1球に限ることができる。よって、第2可変期間において複数の遊技球が第2入球口へと入球してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B4からB6のいずれかにおいて、前記第2可変状態設定手段は、前記可変手段が前記第2位置に設定される期間が前記第1可変状態に比較して短くなるように前記第2可変状態を設定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B4からB6のいずれかが奏する効果に加え、可変手段が第2位置に設定される期間が第1可変状態に比較して短くなるように第2可変状態が第2可変状態設定手段により設定されるので、所定期間において第2入球口へと遊技球をより入球させにくくすることができる。よって、所定期間において第2特典遊技となることを目指して遊技者が第2流路へと遊技球を流下させることをより確実に抑制することができるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記所定期間中に前記第2入球口へと球が入球することに基づく抽選が前記抽選手段により開始されてからその抽選の結果が出るまでの期間を、前記所定期間が終了した後に比べて長くなるように可変する抽選期間可変手段を備えるものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7の奏する効果に加え、所定期間中に第2入球口へと球が入球することに基づく抽選が抽選手段により開始されてからその抽選の結果が出るまでの期間が、抽選期間可変手段により所定期間が終了した後に比べて長くなるように可変されるので、所定期間において第2入球口へと遊技球をより入球させにくくし、所定期間の終了後には第2入球口へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、所定期間中には第2流路を狙わず、所定期間の終了後に第2流路を狙って球を打ち出させることができる。従って、期間に応じて遊技球の打ち出し方を変更させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B8において、前記抽選期間可変手段は、前記所定期間が終了した後に前記第2入球口へと球が入球することに基づく抽選が前記抽選手段により開始されてからその抽選の結果が出るまでの期間を、前記第1入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選が行われる場合よりも短くするものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、所定期間が終了した後に第2入球口へと球が入球することに基づく抽選が抽選手段により開始されてからその抽選の結果が出るまでの期間が、抽選期間可変手段により、第1入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選が行われる場合よりも短くなるように可変されるので、所定期間において第1流路に対して遊技球を流下させた場合の遊技効率を上げることができる。よって、所定期間が経過するまでは第1流路に対して遊技球を流下させ、所定期間が経過した後は、第2流路に対して遊技球を流下させることができる。従って、期間に応じて遊技球の打ち出し方を変更させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴C群>(ゲーム数解除時の演出)
遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球口に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させた後で前記第1位置から前記第2位置へと可変させる制御を1又は複数回実行する可変制御手段と、前記通過手段を遊技球が通過してから前記可変制御手段による制御が終了するまでの態様を、特定条件が成立するまで第1態様に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第1態様とは異なる第2態様に設定する態様設定手段と、その態様設定手段により前記第1態様に設定されたことを遊技演出から判別することが困難となるような遊技演出を設定する演出設定手段とを備えるものであることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行し、その大当たりの終了後に時短状態や確変状態等の遊技者にとって有利な状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技機の状態が遊技者にとって有利な状態であるか、不利な状態であるかを報知するものがある(例えば、特開2004−24830号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者が容易に不利な状態であるか否かを察知することができるので、不利な状態を察知した遊技者が遊技を辞めてしまいやすくなる場合があった。また、遊技を開始しようとする遊技者が、不利な状態となっている遊技機で遊技を行うことを敬遠してしまう場合があった。即ち、遊技機の稼働率が低下してしまう虞があった。
これに対し、遊技機C1によれば、可変制御手段によって、入球口に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球口に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段が可変される。通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて可変手段を第2位置から第1位置へと所定期間可変させた後で第1位置から第2位置へと可変させる制御が可変制御手段により1又は複数回実行される。通過手段を遊技球が通過してから可変制御手段による制御が終了するまでの態様として、特定条件が成立するまで態様設定手段により第1態様に設定される。また、特定条件が成立することに基づいて、態様設定手段により第1態様とは異なる第2態様に設定される。ここで、態様設定手段により第1態様に設定されたことを遊技演出から判別することが困難となるような遊技演出が演出設定手段により設定される。
これにより、遊技者は、第1態様が設定されるか、第2態様が設定されるかを演出から判別することが困難となるので、遊技者に対して第1態様が設定されるか、第2態様が設定されるかを予想しながら遊技を行わせることができる。よって、態様を予測させる楽しみを遊技者に感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する特定抽選手段と、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を取得可能な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、その特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、第1特典遊技と、第2特典遊技と、その第2特典遊技に比較して遊技価値を獲得しやすい第3特典遊技とを少なくとも選択可能な特典遊技選択手段と、前記特典遊技付与手段により前記第1特典遊技が付与されることに基づいて、前記特典遊技選択手段により前記第3特典遊技が選択されにくく、前記特定条件が成立しにくい第1状態に設定し、前記第2特典遊技が付与されることに基づいて、前記第3特典遊技が選択されにくく、前記第1状態よりも前記特定条件が成立しやすい第2状態に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第1状態および前記第2状態に比較して前記第3特典遊技が選択されやすい第3状態に設定する状態設定手段と、を備え、前記態様設定手段は、前記特典遊技付与手段により前記第2特典遊技が付与されることに基づいて前記第1態様を設定するものであり、前記演出設定手段は、前記第2特典遊技が付与されたことを遊技演出から判別することが困難となるような遊技演出を設定するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて特定抽選手段により抽選が実行され、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を取得可能な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、第1特典遊技と、第2特典遊技と、その第2特典遊技に比較して遊技価値を獲得しやすい第3特典遊技とが特典遊技選択手段により少なくとも選択される。特典遊技付与手段により第1特典遊技が付与されることに基づいて、特典遊技選択手段により第3特典遊技が選択されにくく、特典条件が成立しにくい第1状態に状態設定手段により設定される。また、第2特典遊技が付与されることに基づいて、第3特典遊技が選択されにくく、第1状態よりも特定条件が成立しやすい第2状態に状態設定手段により設定される。更に、特定条件が成立することに基づいて第1状態および第2状態に比較して第3特典遊技が選択されやすい第3状態に状態設定手段により設定される。特典遊技付与手段により第2特典遊技が付与されたことに基づいて態様設定手段により第1態様が設定される。第2特典遊技が付与されたことを遊技演出から判別することが困難となるような遊技演出が演出設定手段により設定される。
これにより、現在の状態が第1状態であるか、第2状態であるかを遊技演出から判別することを困難にすることができる。つまり、特定条件が成立しやすい状態であるか否かを判別し難くすることができる。よって、現在の状態が第2状態よりも特定条件の成立しにくい第1状態であると判別され、遊技者がその時点で遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。従って、遊技を辞めにくくし、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる流路であって前記入球口が設けられている第2流路と、前記第1流路に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球口と、を備え、前記特定抽選手段は、前記入球口または前記特定入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選を実行するものであり、前記特典遊技選択手段は、前記入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により前記特定の抽選結果となった場合に、前記特定入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により前記特定の抽選結果となるよりも前記第3特典遊技を選択しやすいものであり、前記態様設定手段は、前記第1態様として、前記所定の抽選結果となる確率が高く、前記所定の抽選結果となった場合に前記可変手段が前記第1位置へと可変される期間が短い態様を設定し、前記第2態様として、前記所定の抽選結果となる確率が前記第1態様に比較して低く、前記所定の抽選結果となった場合に前記可変手段が前記第1位置へと可変される期間が前記第1態様に比較して長い態様を設定し、前記第1特典遊技が付与されることに基づいて前記所定の抽選結果となる確率が前記第1態様に比較して低く、前記所定の抽選結果となった場合に前記可変手段が前記第1位置へと可変される期間が前記第1態様以下の長さとなる第3態様に設定するものであり、前記第2態様では、前記第1態様よりも前記入球口へ遊技球が入球しやすくなるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な特定入球口が第1流路に設けられ、第1流路とは異なる第2流路に入球口が設けられている。特定入球口または入球口へと遊技球が入球することに基づいて特定抽選手段により抽選が実行される。入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により特定の抽選結果となった場合に、特定入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により特定の抽選結果となるよりも特典遊技選択手段により第3特典遊技が選択されやすくなる。第1態様として、所定の抽選結果となる確率が高く、所定の抽選結果となった場合に可変手段が第1位置へと可変される期間が短い態様が態様設定手段により設定される。また、第2態様として、所定の抽選結果となる確率が第1態様に比較して低く、所定の抽選結果となった場合に可変手段が第1位置へと可変される期間が第1態様に比較して長い態様が態様設定手段により設定される。更に、第1特典遊技が付与されることに基づいて所定の抽選結果となる確率が第1態様に比較して低く、所定の抽選結果となった場合に可変手段が第1位置へと可変される期間が第1態様以下の長さとなる第3態様に設定される。ここで、第2態様では、第1態様よりも入球口へ遊技球が入球しやすくなる。
これにより、遊技球が入球口へと入球しやすい第2態様が設定されている場合には第2流路に対して遊技球を流下させ、第1態様、および第3態様が設定されている場合は第1流路に対して遊技球を流下させることができる。よって、遊技者に対して設定されている態様に応じて流下させる流路を変更する楽しみを与えることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C3において、前記特定条件が成立するか否かを、その特定条件が成立する前に判別可能な判別手段と、その判別手段により前記特定条件が成立すると判別されることに基づいて、遊技者に対して遊技球を前記第1流路へと流下させることを停止するように報知する報知手段とを備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、特定条件が成立するか否かが、その特定条件が成立する前に判別手段により判別され、その判別手段により特定条件が成立すると判別されることに基づいて、遊技者に対して遊技球を第1流路へと流下させることを停止するように報知手段により報知される。
これにより、特定条件が成立した後で特定入球口への入球に基づく抽選が特定抽選手段により実行されてしまうことを抑制することができる。よって、この特定抽選手段による抽選で特定の抽選結果となることにより第1特典遊技、または第2特典遊技が付与されてしまい、第1態様、または第3態様が設定されてしまうことを抑制できる。従って、特定条件が成立した後で、遊技者に対して入球口へと遊技球が入球しやすい第2態様を十分に楽しませることができるという効果がある。
遊技機C4において、始動条件の成立に基づいて前記特定抽選手段により抽選を実行するための情報を取得する取得手段と、その記取得手段により取得された情報を、前記特定抽選手段による抽選が行われるまでの間、所定の上限値まで記憶可能な記憶手段と、前記取得手段により情報が取得されることに基づいて前記特定抽選手段による抽選結果を予測可能な予測手段と、を備え、前記態様設定手段は、前記所定の第2特典遊技が付与されることに基づいて、前記特定抽選手段により所定回数連続して前記特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となるまで前記第1態様を設定し、前記第2特典遊技が付与されてから前記特定抽選手段により前記所定回数連続して前記外れ抽選結果となることに基づいて前記第2態様を設定するものであり、前記判別手段は、前記予測手段による予測結果に基づいて、前記所定回数連続して前記外れ抽選結果となるか否かを判別するものであり、前記報知手段は、前記判別手段により前記所定回数連続して前記外れ抽選結果になると判別されることに基づいて、遊技者に対して遊技球を前記第1流路へと流下させることを停止するように報知するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、始動条件の成立に基づいて特定抽選手段により抽選を実行するための情報が取得手段により取得され、その取得手段により取得された情報が、特定抽選手段による抽選が行われるまでの間、所定の上限値まで記憶手段により記憶される。取得手段により情報が取得されることに基づいて特定抽選手段による抽選結果が予測手段により予測される。所定の第2特典遊技が付与されることに基づいて、特定抽選手段により所定回数連続して特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となるまで態様設定手段により第1態様が設定される。また、第2特典遊技が付与されてから抽選手段により所定回数連続して外れ抽選結果となることに基づいて第2態様が態様設定手段により設定される。予測手段による予測結果に基づいて所定回数連続して外れ抽選結果となるか否かが判別手段により判別される。判別手段により所定回数連続して外れ抽選結果になると判別されることに基づいて、遊技者に対して遊技球を第1流路へと流下させることを停止するように報知手段により報知される。
これにより、第1態様が終了した後で、記憶手段により記憶されていた情報に基づき特定入球口への入球に対する抽選が特定抽選手段により実行されてしまうことを抑制することができる。よって、この特定抽選手段による抽選で特定の抽選結果となることにより第1特典遊技、または第2特典遊技が付与されてしまい、第1態様、または第3態様が設定されてしまうことを抑制できる。従って、特定条件が成立した後で、遊技者に対して入球口へと遊技球が入球しやすい第2態様を十分に楽しませることができるという効果がある。
遊技機C5において、前記第2特典遊技が終了してからの前記外れ抽選結果の連続回数を判別する回数判別手段と、その回数判別手段により判別された連続回数と、前記所定回数とに基づいて前記演出実行手段により実行される遊技演出の態様を設定する演出態様設定手段とを備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特典遊技が終了してからの外れ抽選結果の連続回数が回数判別手段により判別され、その回数判別手段により判別された連続回数と、所定回数とに基づいて演出実行手段により実行される遊技演出の態様が演出態様設定手段により設定される。
これにより、演出態様設定手段により設定される遊技演出の態様に基づいて、所定回数までの残り回数を予想させる楽しみを遊技者に与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C5又はC6において、前記演出設定手段は、前記特定抽選手段による抽選結果を示す識別情報を動的表示させる動的表示実行手段を備え、前記演出設定手段は、前記第2特典遊技を示す識別情報として、前記外れ抽選結果を示す識別情報と同一の識別情報を、前記抽選結果を示す識別情報として設定可能なものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C5又はC6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出設定手段において動的表示実行手段により特定抽選手段による抽選結果を示す識別情報が動的表示される。第2特典遊技を示す識別情報として、外れ抽選結果を示す識別情報と同一の識別情報が、抽選結果を示す識別情報として演出設定手段により設定される。
これにより、第3特典遊技よりも遊技価値を得にくい第2特典遊技となったことを遊技者に認識されにくくすることができる。よって、遊技価値が得にくいことにより、遊技者を落胆させてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記演出設定手段は、前記状態設定手段により前記第3態様が設定されている場合に、前記第1態様および前記第2状態が設定されている場合とは異なる遊技演出の態様を設定するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかが奏する効果に加え、前記状態設定手段により第3態様が設定されている場合に、第1態様および第2状態が設定されている場合とは異なる遊技演出の態様が演出設定手段によって設定されるので、第3特典遊技となりやすい有利な状態であることを遊技者に対して容易に認識させることができるという効果がある。
遊技機A1〜A6,B1〜B9,C1〜C8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1〜A6,B1〜B9,C1〜C8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1〜A6,B1〜B9,C1〜C8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、
特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、抽選に外れ続ける限り当たり中の遊技を楽しむことができないので、抽選に外れ続けるほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球口に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させた後で前記第1位置から前記第2位置へと可変させる制御を1又は複数回実行する可変制御手段と、前記通過手段を遊技球が通過してから前記可変制御手段による制御が終了するまでの態様を、特定条件が成立するまで第1態様に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第1態様とは異なる第2態様に設定する態様設定手段と、その態様設定手段により前記第1態様が設定されている場合に遊技者に不利な不利状態を設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記不利状態に比較して遊技者に有利な有利状態を設定する状態設定手段とを備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記態様設定手段は、前記特定条件が成立するまで前記第1態様として前記所定の抽選結果となる確率を第1抽選確率に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第2態様として前記所定の抽選結果となる確率を前記第1抽選確率よりも高い第2抽選確率に設定するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2に記載の遊技機において、前記入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選を実行可能な特定抽選手段と、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、その特典遊技付与手段により付与される前記特典遊技として第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が前記遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とを少なくとも選択可能な特典遊技選択手段と、を備え、前記態様設定手段は、前記第1特典遊技が終了することに基づいて前記所定の抽選結果となる確率を第1抽選確率に設定し、その第1抽選確率が設定されてから所定回数連続して前記特定抽選手段により前記特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となることに基づいて前記第2抽選確率を設定するものであり、前記状態設定手段は、前記第1特典遊技が終了することに基づいて前記不利状態を設定し、その不利状態が設定されてから前記所定回数連続して前記特定抽選手段により前記外れ抽選結果となることに基づいて前記有利状態を設定するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、入球口へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球口に遊技球が入球しやすくなる第2位置とに可変手段が可変される。遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変された後で第1位置から第2位置へと可変される制御が可変制御手段により1又は複数回実行される。通過手段を遊技球が通過してから可変制御手段による制御が終了するまでの態様が、特定条件が成立するまで態様設定手段により第1態様に設定される。一方、特定条件が成立することに基づいて態様設定手段により第1態様とは異なる第2態様に設定される。態様設定手段により第1態様が設定されている場合に遊技者に不利な不利状態が状態設定手段によって設定される一方で、特定条件が成立することに基づいて不利状態に比較して遊技者に有利な有利状態が状態設定手段により設定される。
これにより、遊技中に、可変手段が第1態様で制御されているか、第2態様で制御されているかを確認することで、有利状態が設定されているか、不利状態が設定されているかを遊技者が予測しながら遊技を行うことができる。よって、遊技者に対して状態を予測させる楽しみを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立するまで第1態様として態様設定手段により所定の抽選結果となる確率が第1確率に設定される。一方、特定条件が成立することに基づいて、第2態様として態様設定手段により所定の抽選結果となる確率が第1抽選確率よりも高い第2抽選確率に設定される。
これにより、特定条件が成立するまでは、抽選手段により所定の抽選結果となりやすい第1抽選確率が設定されることにより遊技者にとって有利となる一方で、状態設定手段により不利状態に設定される。一方、特定条件が成立した後は、抽選手段により所定の抽選結果となりにくい第2抽選確率が設定されることにより遊技者にとって不利となる一方で、状態設定手段により有利状態に設定される。即ち、どちらの場合にも、有利な側面と、不利な側面とが併存する状態に設定されるという斬新な遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2に記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口へと遊技球が入球することに基づいて特定抽選手段により抽選が実行され、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。その特典遊技付与手段により付与される特典遊技として第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とが特典遊技選択手段によって選択される。第1特典遊技が終了することに基づいて所定の抽選結果となる確率が態様設定手段により第1抽選確率に設定される。また、第1抽選確率が設定されてから所定回数連続して特定抽選手段により特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となることに基づいて態様設定手段により第2抽選確率が設定される。第1特典遊技が終了することに基づいて不利状態が状態設定手段により不利状態に設定される。また、不利状態が設定されてから所定回数連続して特定抽選手段により外れ抽選結果となることに基づいて状態設定手段により有利状態が設定される。
これにより、第1特典遊技が付与されることに基づいて不利状態に設定されていても、外れ抽選結果を所定回数連続させることができれば有利状態へと移行させることができる。よって、不利状態において、遊技者に対して外れ抽選結果が連続することを願って遊技を行わせることができるので、斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。