<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図4はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示されるスーパーリーチの演出内容を変更する場合等に、遊技者により操作される。
第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aのどちらかが所定時間開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(1ラウンド、または4ラウンド)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「通常大当たりA」、「通常大当たりB」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、「確変大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、「確変大当たりD」の74種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
なお、第1特定入賞口65aが開放されるか、第2特定入賞口650aが開放されるかは、大当たり種別に応じて定められている。具体的には、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりB」に当選した場合は、大当たりの各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される。0.2秒間の開放期間中に遊技者が球を第1特定入賞口65aへ入賞させることは困難なので、上記大当たりに当選したほとんどの場合、遊技者が賞球を得ることなく特別遊技状態が終了される。一方、上記以外の大当たり種別となった場合は、大当たりの各ラウンドにおいて、第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される。このため、多くの場合、第2特定入賞口650aが開放される大当たりとなると、大当たりの各ラウンドにおいて球を5個入賞させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、第1特定入賞口65、および第2特定入賞口650aへと球を入球させると、12個の賞球が払い出されるように構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10では、第2特定入賞口650aが1ラウンド(1回)だけ開放される大当たり(「通常大当たりA」、「通常大当たりB」、「確変大当たりC」)と、4ラウンド(4回)開放される大当たり(「大当たりD」)とが設けられている。第2特定入賞口650aが1ラウンド(1回)だけ開放される大当たりでは、最大で60個(5×12個×1ラウンド)の賞球が払い出されるので、遊技者が賞球を得るために打ち出した球の数を考慮すると、大当たりの前後で遊技者は持ち球を約50球増加させることができる。つまり、大当たり中に払い出された賞球数と、大当たり中に遊技者が打ち出した球の差分が約50球となる。同様に、第2特定入賞口650aが4ラウンド(4回)開放される大当たりでは、賞球が最大240個払い出されるので、遊技者が賞球を得るために打ち出した球の数を考慮すると、大当たりの前後で遊技者は持ち球を約200球増加させることができる。つまり、大当たり中に払い出された賞球数と、大当たり中に遊技者が打ち出した球の差分が約200球となる。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。一方、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球すると、その入球は保留されることなく破棄される。なお、以降の説明では、便宜上、第1入球口64へ入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選を特別図柄1の抽選(特図1の抽選)と呼び、第2入球口640へ入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選を特別図柄2の抽選(特図2の抽選)と呼ぶ。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄2の抽選が行われ易くなる。なお、以下で電動役物640aが開放される期間と言った場合には、普通図柄の当たりとなることに基づくオープニング期間、およびエンディング期間(球はけ期間)も含んでいるものとする。つまり、「電動役物640aが1秒間開放される」といった場合は、普通図柄の当たりに基づいてオープニング期間が設定され、そのオープニング期間が終了した後で電動役物640aが開放されて第2入球口640へと球が入球可能な状態に設定され、その後、電動役物640aが閉鎖されると共にエンディング期間が設定され、そのエンディング期間が終了するまでの期間が1秒であることを意味している。よって、実際に電動役物640aが開放されている期間は、1秒よりも若干短くなるように構成される。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、1秒や300秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「通常大当たりA」、「通常大当たりB」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、「確変大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、「確変大当たりD」の74種類が設けられている。
「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」になると、いずれもラウンド数が1ラウンドの特別遊技状態(1ラウンド大当たり)となり、大当たり終了後には何ら付加価値が付与されない。また、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりB」になると、いずれもラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態(4ラウンド大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。加えて、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」では、大当たり終了後の付加価値として、大当たり種別毎に定められた期間だけ普通図柄の当たり確率がアップする。例えば、「確変大当たりA5」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が5回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、「確変大当たりA46」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が73回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする(図9(a)参照)。大当たり種別と普通図柄の当たり確率がアップする期間との対応関係については、図8〜図10を参照して後述する。
「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」になると、いずれもラウンド数が1ラウンドの特別遊技状態(1ラウンド大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。加えて、大当たり終了後の付加価値として、大当たり種別毎に定められた期間だけ普通図柄の当たり確率がアップする。例えば、「確変大当たりC1」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が10回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、「確変大当たりC5」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が80回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする(図10(a)参照)。
更に、「確変大当たりA」になると、ラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態(4ラウンド大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するが、普通図柄の当たり確率はアップしない。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の抽選条件が成立した場合に、「普通図柄の時短状態」でない状態(普通図柄の通常状態)よりも有利な状態のことを指す。具体的には、「普通図柄の時短状態」において、「普通図柄の通常状態」よりも普通図柄の当たり確率がアップした状態となるように構成している。
なお、「普通図柄の時短状態」を「普通図柄の通常状態」よりも有利とする方法は、普通図柄の当たり確率をアップさせることに限定されるものではない。例えば、普通図柄の抽選条件が成立した場合に、第2図柄表示装置83において実行される普通図柄(第2図柄)の変動時間を短くしてもよい。「普通図柄の時短状態」において、「普通図柄の通常状態」よりも普通図柄の変動時間を短くすることにより、「普通図柄の時短状態」の方が同じ時間により多くの普通図柄の抽選を実行させることができる。よって、普通図柄の当たりとなる回数も多くなるので、遊技者にとって有利とすることができる。更に、「普通図柄の時短状態」において、「普通図柄の通常状態」よりも普通図柄の当たりとなった場合に開放される電動役物640aの開放時間が長くなるように構成してもよい。これにより、「普通図柄の時短状態」において普通図柄の当たりとなった場合に、より多くの球を第2入球口640へと入球させることができる。
また、「普通図柄の時短状態」では、上記の各条件を複数組み合わせてもよい。例えば、「普通図柄の時短状態」では、普通図柄の当たり確率がアップすると共に、普通図柄の当たりになった場合に開放される電動役物640aの開放時間が長くなるように構成してもよい。更に、「普通図柄の時短状態」において、少なくとも1の有利となる条件が設定されるのであれば、他の条件が「普通図柄の通常状態」に比較して不利となってもよい。例えば、「普通図柄の時短状態」では、「普通図柄の通常状態」に比較して普通図柄の当たり確率がアップする(有利となる)が、「普通図柄の通常状態」に比較して普通図柄の変動時間が長くなるように構成してもよい。つまり、普通図柄の抽選回数が少なくなるが、普通図柄の抽選が行われた場合に当たりとなりやすくしてもよい。
以後、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。なお、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、「確変大当たりC5」に当選した場合は、普通図柄の時短期間が80回であると記載する。
なお、詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態、および、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態において、普通図柄(第2図柄)の変動時間が極端に長くなる(3分〜5分となる)と共に電動役物640aの開放時間が短くなる(0.2秒×1回)ように構成されている。一方、普通図柄の時短期間が終了する(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態になる)と、変動時間が短くなる(1秒となる)と共に電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×3回)ように構成されている。
これにより、普通図柄の時短期間中は、普通図柄の当たり確率がアップするが、普通図柄の変動時間が長くなる(3〜5分になる)ので、普通入球口67の方向(遊技盤13の右方向)へ球を打ち出し続けたとしても、第2入球口640に付随する電動役物640aが数分おきにしか開放されず、且つ、開放時間も短くなってしまう。つまり、普通入球口67へと球を打ち出したとしても、特別図柄2の抽選が行われる可能性が低くなってしまう。特別図柄2の抽選が行われなければ、特別遊技状態(大当たり状態)へ移行しないため、普通図柄の時短期間中に第2入球口640の方向へと球を打ち出すほどに持ち球が減ってしまう。
一方、上述した通り普通図柄の時短期間が終了すると、普通図柄の変動時間が短くなると共に電動役物640aの開放時間が長くなるので、第2入球口640へと球を入球させやすくなる。このように構成することで、普通図柄の時短期間中は特別図柄1の抽選を受けるために、第1入球口64を狙って球を打ち出させ、普通図柄の時短期間が経過した後は、特別図柄2の抽選を受けるために第2入球口640を狙って球を打ち出させることができる。
詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合は賞球をほとんど得られない大当たり(第1特定入賞口65aが開放される大当たり)に当選しやすく構成されている。一方、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合は、賞球を多く得やすい大当たり(第2特定入賞口650aが開放される大当たり)に当選しやすく構成されている。このため、普通図柄の時短期間中は特別図柄1の抽選を繰り返すことにより時短期間を終了させることを目指して遊技者に遊技を行わせることができる。そして、普通図柄の時短期間が終了した後は、賞球を得るために、第2入球口640を狙って遊技を行わせることができる。
一般的な遊技機では、遊技者は大当たりとなることを目指して遊技を行うので、特別図柄の抽選に外れ続けるほどに大当たりとならなかったことに対する落胆が蓄積されていき、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。一方、本実施形態のパチンコ機10では、時短期間が終了することにより、遊技者にとって有利な特別図柄2の抽選が行われやすい状態へと移行するので、普通図柄の時短期間中において、遊技者に対して特別図柄の外れが連続して欲しいと願わせることができる。よって、特別図柄の外れが続いたとしても、遊技者が大当たりとならなかったことに対して落胆してしまうことを抑制できるので、斬新な遊技性を提供することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、その大当たりの終了後に再度、球を第2入球口640へ入球させやすい状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)に移行しやすくなるように構成されている。即ち、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合は、普通図柄の時短期間が付与され難く構成されている。これにより、一旦普通図柄の時短期間を終了させることができれば、特別図柄2の抽選を受け易い状態と、多量の賞球を得られる大当たり(確変大当たりD)とが連続しやすくなる。よって、普通図柄の時短中に特別図柄の抽選が外れとなり続けることを、遊技者に対してより強く願わせることができる。従って、特別図柄の大当たりにならなくとも、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。以降、上記した特別図柄2の抽選を受け易い状態のことを、「連荘状態」と呼ぶことにする。
なお、本パチンコ機10では、電源の投入に基づいてパチンコ機10の初期設定が行われる(RAM消去スイッチ122を押下した状態で電源を投入する)と、必ず「特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態」(通常状態)となる。「特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態」(通常状態)では、上述した通り、普通図柄の変動時間が長くなり(3分〜5分)、且つ、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間も短くなる(0.2秒×1回)ように構成されている。即ち、第2入球口640へと球を入球させにくい(特別図柄2の抽選が行われにくい)状態となるので、遊技者にとって不利な状態となる。
これにより、例えば、ホールの閉店時に「連荘状態」のパチンコ機10があった場合に、パチンコ機10の初期設定をするだけで、パチンコ機10を「通常状態」にすることができる。つまり、パチンコ機10の初期設定を行った場合に、有利な状態(「連荘状態」)になってしまうことがない。よって、ホールの閉店時間に「連荘状態」であったパチンコ機10が、初期設定の有無に関わらず翌日の開店時にも「連荘状態」のままとなってしまうことを防止(抑制)することができるので、営業日をまたいで「連荘状態」が継続し、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
更に、パチンコ機10の初期設定により「通常状態」へと移行するので、開店準備時等に、ホールの店員はパチンコ機10を容易に不利な状態とすることができる。つまり、「連荘状態」を終了させるために、ホールの閉店時間から翌営業日の開店時間までの間にホールの店員がパチンコ機10で「連荘状態」が終了するまで遊技を行うという面倒な作業を行う必要がない。よって、ホールの店員の手間を削減することができる。
また、仮に初期設定を行うことによりパチンコ機10が「連荘状態」となってしまうと、例えば、開店前にパチンコ機10の初期設定を行うホールにおいて、遊技者の来店時間によって不平等が生じてしまう。つまり、ホールの開店時間に来店できない遊技者は、基本的に時短期間を経過させなければ「連荘状態」に移行させることができないのに対して、ホールの開店時間に来店可能な遊技者は、何らの苦労をすることもなく「連荘状態」から遊技を開始することができるので、遊技者間に不平等が生じてしまう。これに対して本実施形態のパチンコ機10では、初期設定が行われても「連荘状態」へと移行することがないので、来店時間に関わらず、平等に「連荘状態」を目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者間に平等感を抱かせることができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。一方、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球すると、その入球は保留されることなく破棄される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、橙、黄、緑、青、紫、白)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域の正面視右側(図2の右側)には、遊技盤13の右側へと打ち出された球が内部へと入球可能な迂回役物700が設けられている。この迂回役物700は、遊技盤13の右側へと打ち出された球が第2入球口640へと到達するまでの時間を長くする(打ち出されてから7秒以上とする)ために設けられている。第2入球口640への到達時間を長くすることにより、「連荘状態」以外の状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態、または、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)において普通図柄の当たりとなった場合に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間中に球が第2入球口640へと到達することを抑制することができる。即ち、電動役物640aが開放されたことを認識してから遊技者が球を打ち出したとしても、迂回役物700の内部を球が流下している間に電動役物640aが閉鎖され、第2入球口640へと球を入球させることができなくなるように構成している。
上述した通り、「連荘状態」においては、第2入球口640へと球を入球させることにより賞球を多量に獲得し得る大当たり(確変大当たりD)に当選し易くなる。即ち、特別図柄2の抽選により大当たりとなることで、遊技者にとって有利となりやすく構成されている。よって、「連荘状態」以外の状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態、または、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)においても、「確変大当たりD」に当選することを狙って、遊技者が第2入球口640へと球を入球させようとして球を打ち出す可能性が有る。このような遊技方法を抑制するために、本実施形態のパチンコ機10では、迂回役物700を設けることで、「連荘状態」以外の状態において遊技者が第2入球口640に対して意図的に球を入球させることが困難となるように構成している。
迂回役物700の詳細について、図3を参照してより詳細に説明する。図3は、この迂回役物700を模式的に示した模式図である。図3に示した通り、迂回役物700は、その上部に開口部710が設けられている。この開口部710を介して球を迂回役物700の内部へと進入させることができる。また、迂回役物700の下部には、迂回役物700内を流下した球を迂回役物700の外部へと排出するための開口部720が設けられている。更に、迂回役物700には、内部に進行した球が開口部720を介さずに外部へと排出されることを防止するために、周縁部730によって正面視手前側、奥側、および左右方向の4方向を囲まれている。この周縁部730は、半透明な部材(例えば、PS材)によって構成されているので、球が流下する様子を遊技者が容易に視認することができる。
また、周縁部730のうち、正面視奥側の平面は、ベース板60と略同一平面となるように組み付けることができるので、周縁部730とベース板60との間に隙間が生じることで、球がその隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。更に、周縁部730のうち、正面視手前側の平面と、ガラスユニット16とは、前面枠14が閉鎖された状態において隙間無く接触するように構成されているので、周縁部730とガラスユニット16との間に隙間が生じることで、球がその隙間に挟まってしまうことを抑制することができる。
図3に示した通り迂回役物700の内部には、迂回役物700の下方へ向かって傾斜した複数の流路(誘導流路740〜790)が設けられている。各誘導流路740〜790において、球が接触する面は略平板形状となっており、その幅は周縁部730の内側部分の幅(正面視奥側の内壁と、正面視手前側の内壁との間の距離)と略同一となるように構成されている。即ち、周縁部730の内側部分と、各誘導流路740〜790との間に隙間が生じることで、その隙間を球が通過してしまうことを防止できるように構成されている。
図3に示した通り、誘導流路740,760,780は、正面視右上方向から左下方向へ下る向きに傾斜している。また、誘導流路750,770,790は、正面視左上方向から右下方向へ下る向きに傾斜している。そして、迂回役物700の上側から順番に、誘導流路740,750,760,770,780,790が配置されている。即ち、正面視右上方向から左下方向へ下る向きに傾斜した流路と、正面視左上方向から右下方向へ下る向きに傾斜した流路とが交互に設けられている。
開口部710へと入球した球は、まず、誘導流路740へと進行し、その誘導流路740の成す傾斜に沿って、正面視左下方向へと流下する。そして、球が誘導流路740の下端まで到達すると、球は誘導流路740から誘導流路750に向けて落下する。そして、落下した球は、誘導流路750に沿って正面視右下方向へと流下する。流下した球が誘導流路750の下端へ到達すると、球は誘導流路760へと落下し、誘導流路760の成す傾斜に沿って、正面視左下方向へと流下する。
球は、以降も流路に沿って流下する動作と、下側の流路へと落下する動作とを交互に繰り返す。そして、最終的に球は誘導流路790の下端へ到達し、誘導流路790の下端から開口部720に向けて落下する。これにより、迂回役物700へと入球した球が開口部720を介して迂回役物700の外部へと排出される。球の流下する流路が変わる度に、球が流下する向きが変わるので(即ち、右下方向から左下方向、若しくは左下方向から右下方向に変わるので)、流路が変わる度に球の流下する勢いを削ぐことができる。よって、開口部710を介して迂回役物700へと入球した球が、開口部720を介して外部へと排出されるまでの時間を長くすることができる。これにより、遊技盤13の左側へと球を発射するのに比べて、遊技盤13の右側へと球を発射した場合に球が遊技盤13の下部(第1入球口64や第2入球口640が配設されている領域)へと到達する時間を長くする(7秒以上にする)ことができる。よって、「連荘状態」以外の状態(つまり、電動役物640aが開放され難い状態)において、遊技者が球を意図的に第2入球口640へと入球させることを困難にすることができる。
また、図3に示した通り、各誘導流路740〜790は、それぞれ流路支持軸741〜791によって軸支されており、各流路支持軸を回転軸として、時計回り、または反時計回りに回動可能に構成されている。また、回動動作は、各誘導流路740〜790の下側に設けられた回動停止部材742a〜792a、又は回動停止部材742b〜792bに対して各誘導流路740〜790の下面が接触することにより停止する。この回動動作について、誘導流路740を例に取って説明する。
上述した通り、誘導流路740は、流路支持軸741を回転軸として回動可能に構成されている。この回動動作は、誘導流路740を流下する球の重みに基づいて行われる。具体的には、球が誘導流路740の上半分を流下する場合に、球の重みによる負荷が誘導流路740の上半分にかかることにより、誘導流路740の上半分を下方向へ回動させる向きの力が生じる。即ち、誘導流路740を正面視で時計回りに回動させる向きの力が働くので、誘導流路740は流路支持軸741を回転軸として時計回りに回動する。回動動作は、誘導流路740の下面が回動停止部材742bに接触することで停止する。この回動停止部材742bにより、誘導流路740が時計回りに回動しすぎてしまい、誘導流路740の傾きが逆向きになってしまうことを抑制できる。
ここで、回動停止部材742bは、略円柱形状の部材であり、周縁部730の手前側の内壁、および奥側の内壁とそれぞれ接合されている。即ち、誘導流路740の下面が接触した際の衝撃で、その位置がずれてしまわないように構成されている。なお、他の回動停止部材742a〜792a、および回動停止部材752b〜792bについても、その構造は回動停止部材742bと同様である。
一方、球が誘導流路740の下半分を流下する場合は、球の重みによる負荷が誘導流路740の下半分にかかるので、誘導流路740の下半分を下方向へと回動させる向きの力が生じる。即ち、誘導流路740を正面視で反時計回りに回動させる向きの力が働くので、誘導流路740は流路支持軸741を回転軸として反時計回りに回動する。回動動作は、誘導流路740の下面が回動停止部材742aに接触することで停止する。この回動停止部材742aにより、誘導流路740が反時計回りに回動しすぎてしまうことを抑制することができる。つまり、誘導流路740の傾きが大きくなりすぎて、球の勢いを削ぐことができなくなってしまうことを抑制することができる。よって、確実に7秒以上かけて球を流下させることができる。なお、各誘導流路740〜790の傾きが最大となった状態で球が流下すると、球が第2入球口640へと到達するまでに7秒となるように、各誘導流路740〜790の経路長、および最大傾斜角度が設定されている。全ての誘導流路740〜790が最大傾斜角を保ったまま球が流下するのは稀であるので、球が第2入球口640へと到達する時間を確実に7秒以上とすることができる。
このように、球の重みによる負荷に基づいて各誘導流路740〜790の傾きが変化するように構成することで、各誘導流路740〜790を流下する球の流下速度を可変させることができる。よって、球が迂回役物700を通過し終わるまでの時間を遊技者に予測されにくくすることができる。また、上記の説明では1個の球が誘導流路740上を進行した場合について説明したが、実際の遊技中には複数の球が同一の誘導流路上を進行する状態も起こり得る。この場合には、各誘導流路740〜790の回動動作を予測することが更に困難となるため、球が迂回役物700を通過し終わるまでの時間を遊技者により予測されにくくすることができる。よって、「連荘状態」以外の状態において、遊技者により球を第2入球口640へ打ち込まれてしまうことを抑制することができる。即ち、「連荘状態」以外の状態において、特別図柄2の抽選により大当たりとなることで「確変大当たりD」となり、多量の賞球を獲得されてしまうことを抑制することができる。
また、図3に示した通り、各誘導流路740〜790は、上面の左右両端の角に比べて、下面の左右両端の角が丸くなるように加工している。このように構成することで、各誘導流路740〜790が回動する場合に、下面の角と周縁部730の内壁部分とを接触しにくくすることができる。よって、各誘導流路740〜790を、周縁部730に対してより近づけることができるので、各誘導流路740〜790と、周縁部730との間に隙間ができ、その隙間に球が挟まってしまったり、その隙間を球が通過してしまったりすることを抑制することができる。なお、各誘導流路740〜790は、球が流下していない状態において、自重により傾きの最も大きい配置へと戻るように構成されている。例えば、球が誘導流路740を流下していない状態においては、誘導流路740の自重により、流路支持軸741を回転軸として正面視反時計回りに回動する。この回動動作は、誘導流路の下面が回動停止部材742aに接触するまで行われ、回動停止部材742aへと接触することにより停止する。同様に、誘導流路750〜790は、球が流下していない状態において、自重により各回動停止部材752a〜792aへと接触するまで回動動作を行うように構成されている。これにより、各誘導流路750〜790が回動動作を行っている途中で球が流下するか、各誘導流路750〜790の回動動作が終了した状態で球が流下するかに応じて球の流下速度を異ならせることができる。よって、遊技者が第2入球口640を狙い難くすることができる。
なお、各誘導流路740〜790が自重では回動せず、球の通過によってのみ回動するように構成してもよい。各誘導流路740〜790が自重で回動する場合は、球を1球打ち出す度に各誘導流路740〜790の回動が終了するまで待つことにより、迂回装置700を球が流下する速度を略同一にすることができてしまう。これに対し、各誘導流路740〜790が自重で回動しないように構成すれば、1球ずつ打ち出したとしても、流下速度のランダム性を高めることがでるので、遊技者が第2入球口640を狙い難くすることができる。
なお、本実施形態の迂回役物700では、各誘導流路740〜790が球の重みによる負荷に基づいて回動動作を行うように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、各誘導流路740〜790をモータ等により回動させるように構成してもよい。これにより、各誘導流路740〜790の動きを予測され難くすることができるので、「連荘状態」以外の状態において、遊技者により球を第2入球口640へ打ち込まれてしまうことを抑制することができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に盾、剣、マント等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が賞球を獲得しやすい種別の大当たり(通常大当たりA〜C、確変大当たりC1〜C6、確変大当たりD)であった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合や、賞球を獲得しにくい種別の大当たり(確変大当たりA1〜A64、確変大当たりB)であった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。賞球を獲得しにくい種別の大当たりにおいて、主図柄が揃う変動表示を行ってしまうと、賞球を獲得できなかった場合に遊技者を落胆させてしまう虞があるためである。また、大当たり種別が確変大当たりA1〜A64のいずれかであった場合には、各大当たり種別に対応する普通図柄の時短期間が新たに設定されてしまう。つまり、大当たりとなるまでに消化した普通図柄の時短期間がリセットされてしまうので、遊技者に対して「連荘状態」が遠のいたように感じさせてしまう場合がある。即ち、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。よって、本実施形態では、大当たりA1〜A64のいずれかに当選した場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示を実行することで、普通図柄の時短期間がリセットされたことを遊技者に気づかれにくく構成している。これにより、大当たりA1〜A64に当選したとしても、遊技者が遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを抑制することができる。
同一の主図柄が揃う変動表示についてより具体的に説明する。例えば、特別図柄の抽選結果が「通常大当たりA」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄のうちいずれかが揃う変動表示が行われる。また、「通常大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄、および「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄のいずれかが揃う変動表示が行われ、「確変大当たりD」であれば、奇数番号「7」を含む全ての番号が付加された主図柄のうちいずれかが揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであるか、賞球を獲得しにくい種別の大当たりであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、第3図柄を変動表示する際や、第3図柄を停止表示する際に第3図柄を表示させるための主表示領域Dmと、保留球数を表示するための小領域Ds1と、変動演出を縮小して表示するための小領域Ds2とによって構成されている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2は、主表示領域において変動演出とは異なる表示演出を実行する場合等に、変動演出を縮小して表示する領域である。変動演出を縮小して表示することにより、変動演出とは異なる表示演出が第3図柄により遮蔽されて見え難くなることを抑制することができる。
実際の表示画面では、図5(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計3個表示されると共に、第3図柄の背景において、大当たりの期待度を示す表示演出等が実行される。なお、本実施形態では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が表示されている状態(図5(b)参照)を、図柄の変動開始時と、変動停止時の期間に限り、図柄の変動中は小領域Ds2に変動中の図柄が表示されるように構成されている。これにより、主表示領域Dmに表示される演出を、第3図柄に遮蔽されることなく遊技者に確認させることができる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が普通入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されており、その第1入球口64の右下には第2入球口640が配設されている。第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられた第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)がなされる。一方、第2入球口640へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられた第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)がなされる。特別図柄1の抽選、または特別図柄2の抽選が実行されると、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64、および第2入球口640は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の左下方向には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第1特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。また、第2入球口640の右上方向には、第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第2特定入賞口(大開放口)650aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球を獲得可能な特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが所定時間開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、大当たりのラウンドが残っている場合は、その特定入賞口65aが再び所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、1回(1ラウンド)、または4回(4ラウンド)行われるように構成されている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、開放中の第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球を入賞させることにより多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650は、具体的には、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aは、通常時において球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、第1特定入賞口65aが開放される期間が最大で0.2秒となるように構成されている。即ち、第1特定入賞口65aが開放されたとしても、球を入球させることが困難となる。一方で、第2特定入賞口650aが開放される期間は最大で30秒となるように構成されている。即ち、第2特定入賞口650aが開放される大当たりでは、多量の賞球を獲得することができる。
第1特定入賞口65aは、その前面に設けられたカバー体800により、開閉動作が遊技者から見え難く構成されている。上述した通り、第1特定入賞口65aが開放される大当たり(確変大当たりA1〜A64、確変大当たりB)となった場合、特別図柄の外れと見分けることを困難とするために、第3図柄表示装置81において、主図柄が揃わない変動演出が実行されるように構成されている。このように構成しているにも関わらず、第1特定入賞口65aの開閉動作を容易に視認可能としてしまったのでは、第1特定入賞口65aが開放される大当たり(確変大当たりA1〜A64、確変大当たりB)となったか否かが容易に判別できてしまう。即ち、主図柄が揃わない変動演出を実行する意味が無くなってしまう。そこで、本実施形態のパチンコ機10では、カバー体800によって第1特定入賞口65aの開閉動作を確認しにくくし、遊技者が賞球を得にくい大当たり(確変大当たりA1〜A64、確変大当たりB)となったか否かを判別することが困難となるように構成している。なお、図2では省略しているが、実際のカバー体800には、模様や色彩等が施されることにより、第1特定入賞口65aが見えにくくなる構成となっている。
本実施形態では、大当たりになると、大当たり種別に応じて第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが開放されるように構成しているが、上記した形態に限定されるものではない。第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが所定時間開放され、その第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの開放中に、球が入賞することを契機として第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしてもよい。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図4に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図7を参照して説明する。図7(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、特図変動パターン選択テーブル202d、普図変動パターン選択テーブル202e、および状態設定テーブル202fが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図7(b)参照)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球した際(始動入賞の際)に取得された第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率状態用の判定値と、特別図柄の高確率状態用の判定値とが規定されている。具体的には、図7(b)に示す通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる判定値として「5,52,78,119,138,201,262,291」の8個の判定値が規定されている(図7(b)参照)。また、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲で更新されるループカウンタで構成されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が8なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/37.5」となる。
一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる判定値として「4,38,64,99,122,151,183,249,270」の10個の判定値が規定されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりとなる判定値の個数が2個しか変わらないように構成されている。このため、特別図柄の低確率状態と、特別図柄の高確率状態とで、特別図柄の大当たりとなる確率が大きく変わることはない。これは、特別図柄の低確率状態において大当たりになったとしても、大半が賞球をほとんど得られない上に大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が設定される「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」となってしまうからである。即ち、特別図柄の通常状態において特別図柄の大当たりになったとしても、遊技者にとってのメリットはほとんどないので、特別図柄の通常状態が長く続くほどに、遊技者の遊技に対する興趣を削いでしまう場合がある。
また、本実施形態のパチンコ機10では、遊技者にとって最も有利な状態である「連荘状態」へと移行させるために、基本的には普通図柄の時短期間を終了させる必要が有る。即ち、普通図柄の時短期間中に特別図柄の外れを連続させる必要がある。よって、普通図柄の時短中は、特別図柄の外れが連続することにより、「連荘状態」に一歩一歩近づいているかのような感覚を遊技者に抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。一方、特別図柄の低確率状態においては、そもそも普通図柄の時短期間が設定されないので、特別図柄の外れをどれだけ連続させたとしても、「連荘状態」に近づくことがない。即ち、特別図柄の外れが連続するほどに、遊技者の落胆が蓄積してしまい、遊技者が遊技に対するモチベーションを失ってしまう虞がある。
よって、本実施形態では、特別図柄の低確率状態においても、特別図柄の大当たりとなる確率が特別図柄の高確率状態と大差ないように構成することで、遊技者にとって最も不利な特別図柄の低確率状態に滞在しにくく構成している。これにより、特別図柄の低確率状態が長く続いてしまうことで、遊技者が遊技に対するモチベーションを失ってしまうことを抑制することができる。
第1当たり種別選択テーブル202b(図7(c)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。図7(c)に示した通り、この第1当たり種別選択テーブル202bには、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に大当たり種別を決定するための判定値が規定された特図1用当たり種別選択テーブル202b1と、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に大当たり種別を決定するための判定値が規定された特図2用当たり種別選択テーブル202b2の2種類のデータテーブルから構成されている。これらのデータテーブルの詳細について、図8〜図10を参照して説明する。
図8(a)は、上述した特図1用当たり種別選択テーブル202b1の規定内容を示した図であり、図8(b)は、特図2用当たり種別選択テーブル202b2の規定内容を示した図である。
図8(a)に示した通り、特図1用当たり種別選択テーブル202b1には、「通常大当たりA」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりB」が選択される場合の第1当たり種別カウンタC2の判定値がそれぞれ規定されている。即ち、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合は、「通常大当たりA」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりB」のいずれかの大当たり種別に決定される。
図8(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、「通常大当たりA」が対応付けられて規定されている。なお、第1当たり種別カウンタC2は、その値が「0〜199」の範囲で更新されるループカウンタで構成されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「通常大当たりA」となる判定値の個数が10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりA」となる確率は5%(10/200)である。
通常大当たりAは、ラウンド数が1ラウンドであり、第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、上述した通り、遊技者は最大60個(5×12個×1ラウンド)の賞球の払い出しを受けることができる(持ち球を約50球増加させることができる)。また、大当たりの終了後には特別図柄の低確率状態へと移行し、普通図柄の時短期間は付与されない(普通図柄の通常状態へと移行する)。上述した通り、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(通常状態)においては、普通図柄(第2図柄)の変動時間が長くなる(3〜5分になる)と共に、普通図柄の当たりとなった場合に、電動役物640aが開放される時間も短くなる(0.2秒×1回となる)。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、球を第2入球口640へと入球させることが困難な状態となる。従って、「通常大当たりA」の終了後は、特別図柄1の抽選により大当たりとなることを目指す必要がある。特別図柄1の抽選により「確変大当たりA」となれば、普通図柄の時短期間が設定されるので、その設定された時短期間を経過させることにより遊技者にとって最も有利な「連荘状態」へと移行させることができる。また、特別図柄1の抽選により「確変大当たりB」となれば、大当たり終了後に直接「連荘状態」へと移行させることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜189」の範囲には、「確変大当たりA」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「確変大当たりA」となる判定値の個数が180個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりA」となる確率は90%(180/200)である。つまり、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の大半が、この「確変大当たりA」となる。
なお、「確変大当たりA」は、大当たり終了後に付与される時短期間の異なる「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」の総称であり、実際には、「確変大当たりA」となる判定値「10〜189」の範囲の中で、更に上記64種類の大当たりのそれぞれに対応する判定値が規定されている。上記64種類の大当たりと第1当たり種別カウンタC2との対応関係については、図9を参照して後述する。
この「確変大当たりA」は、ラウンド数が4ラウンドであり、第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、遊技者は賞球を獲得することが困難となる。また、大当たりの終了後には特別図柄の高確率状態へと移行し、大当たり種別に応じた普通図柄の時短期間(1回〜100回)が付与される。上述した通り、普通図柄の時短状態においては、普通図柄(第2図柄)の変動時間が長くなる(3〜5分になる)と共に、普通図柄の当たりとなった場合に、電動役物640aが開放される時間も短くなる(0.2秒×1回となる)。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、球を第2入球口640へと入球させることが困難な状態となる。従って、「確変大当たりA」の終了後は、特別図柄1の抽選により外れを連続させることで、設定された時短期間を経過させる必要がある。設定された時短期間が経過すると、特別図柄2の抽選を受けやすい「連荘状態」となる。特別図柄2の抽選により大当たりとなると、多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」に当選しやすくなるので、「連荘状態」となることにより遊技者にとって有利な状態となる。なお、上述した通り、設定された時短期間が経過していなくても、特別図柄1の抽選により「確変大当たりB」となれば、直接「連荘状態」へと移行させることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「190〜199」の範囲には、「確変大当たりB」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「確変大当たりB」となる判定値の個数が10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりB」となる確率は5%(10/200)である。
この確変大当たりBは、ラウンド数が4ラウンドであり、第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、遊技者は賞球を獲得することが困難となる。また、大当たりの終了後には特別図柄の高確率状態へと移行するが、普通図柄の時短期間は付与されない。即ち、確変大当たりBに当選すると、大当たりの終了後に直接「連荘状態」へと移行する。
次に、図8(b)を参照して、特図2用当たり種別選択テーブル202b2について説明する。図8(b)に示した通り、特図2用当たり種別選択テーブル202b2には、「通常大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、および「確変大当たりD」が選択される場合の第1当たり種別カウンタC2の判定値がそれぞれ規定されている。即ち、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合は、「通常大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、および「確変大当たりD」のいずれかの大当たり種別に決定される。
図8(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、「通常大当たりB」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「通常大当たりB」となる判定値の個数が10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりB」となる確率は5%(10/200)である。
この「通常大当たりB」は、ラウンド数が1ラウンドであり、第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、上述した通り、遊技者は最大60個(5×12個×1ラウンド)の賞球の払い出しを受けることができる(持ち球を約50球増加させることができる)。また、大当たりの終了後には特別図柄の低確率状態へと移行し、普通図柄の時短期間は付与されない(普通図柄の通常状態へと移行する)。
上述した通り、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(通常状態)においては、普通図柄(第2図柄)の変動時間が長くなる(3〜5分になる)と共に、普通図柄の当たりとなった場合に、電動役物640aが開放される時間も短くなる(0.2秒×1回となる)。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、球を第2入球口640へと入球させることが困難な状態となる。従って、「通常大当たりB」の終了後は、特別図柄1の抽選により大当たりとなることを目指す必要がある。特別図柄1の抽選により「確変大当たりA」となれば、普通図柄の時短期間が設定されるので、その設定された時短期間を経過させることにより遊技者にとって最も有利な「連荘状態」へと移行させることができる。また、特別図柄1の抽選により「確変大当たりB」となれば、大当たり終了後に直接「連荘状態」へと移行させることができる。
一方、第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜19」の範囲には、「確変大当たりC」が対応付けられている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「確変大当たりC」となる判定値の個数が10個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりC」となる確率は5%(10/200)である。
なお、「確変大当たりC」は、大当たり終了後に付与される時短期間の異なる「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」の総称であり、実際には、「確変大当たりC」となる判定値「10〜19」の範囲の中で、更に上記6種類の大当たりのそれぞれに対応する判定値が規定されている(図10(a)参照)。
また、付与される時短回数は、「連荘状態」(即ち、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であるか否かによっても異なっている。図8(b)に示した通り、「連荘状態」以外の状態(つまり、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(通常状態)、または特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態(確変時短状態))では、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」のいずれに当選したとしても、普通図柄の時短期間として100回の時短期間が設定される。最も多い時短期間(100回)のみが設定されるように構成することにより、「連荘状態」以外の状態で遊技者が第2入球口640を狙って球を打ち出す(多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」となることを狙って遊技を行う)ことを抑制することができる。時短期間が長いほど、「連荘状態」へと移行させることが困難なため、遊技者にとって不利益が大きいためである。
一方、「連荘状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)で「大当たりC」となった場合は、大当たり種別に応じて異なる回数の時短期間が付与される。「大当たりC1」〜「大当たりC6」と、第1当たり種別カウンタC2との対応関係については、図10を参照して後述する。
「確変大当たりC」は、ラウンド数が1ラウンドであり、第2特定入賞口65aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、上述した通り、遊技者は最大60個(5×12個×1ラウンド)の賞球の払い出しを受けることができる(持ち球を約50球増加させることができる)。また、大当たりの終了後には特別図柄の高確率状態へと移行し、普通図柄の時短期間が大当たり種別、および大当たり当選時の状態に応じた回数(10回〜100回)付与される。上述した通り、普通図柄の時短状態においては、普通図柄(第2図柄)の変動時間が長くなる(3〜5分になる)と共に、普通図柄の当たりとなった場合に、電動役物640aが開放される時間も短くなる(0.2秒×1回となる)。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、球を第2入球口640へと入球させることが困難な状態となる。従って、「確変大当たりC」の終了後は、特別図柄1の抽選により外れを連続させることで、設定された時短期間を経過させる必要がある。設定された時短期間が経過すると、特別図柄2の抽選を受けやすい「連荘状態」となる。特別図柄2の抽選により大当たりとなると、多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」に当選しやすくなるので、「連荘状態」となることにより遊技者にとって有利な状態となる。なお、上述した通り、設定された時短期間が経過していなくても、特別図柄1の抽選により「確変大当たりB」となれば、直接「連荘状態」へと移行させることができる。
更に、図8(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜199」の範囲には、「確変大当たりD」が対応付けられて規定されている。第1当たり種別カウンタC2がとり得る200個の値の中で、「確変大当たりD」となる判定値の個数が180個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりD」となる確率は90%(180/200)である。
この確変大当たりDは、ラウンド数が4ラウンドであり、第2特定入賞口65aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりなので、上述した通り、遊技者は最大240個(5×12個×4ラウンド)の賞球の払い出しを受けることができる(持ち球を約200球増加させることができる)。また、「確変大当たりD」が終了すると、特別図柄の高確率状態へと移行する。更に、「確変大当たりD」となったのが「連荘状態」であるか否かに応じて、異なる時短期間が大当たりの終了後に付与される。
具体的には、図8(b)に示した通り、「連荘状態」以外の状態(つまり、特別図柄の低確率状態、または、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)では、普通図柄の時短期間として100回の時短期間が設定される。最も多い時短期間(100回)のみが設定されるように構成することにより、「連荘状態」以外の状態で遊技者が第2入球口640を狙って球を打ち出す(多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」となることを狙って遊技を行う)ことを抑制することができる。
一方、「連荘状態」において「確変大当たりD」となった場合は、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が付与されない。即ち、「連荘状態」において、特別図柄2の抽選により確変大当たりDとなると、大当たりの終了後に再度「連荘状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)へと移行する。上述した通り、「連荘状態」では、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。そして、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合の90%が、この「確変大当たりD」となる。よって、「確変大当たりD」に繰り返し当選しやすくなるので、「連荘状態」となることにより遊技者は多量の賞球を獲得することができる。この「連荘状態」は、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、「通常大当たりB」、または「確変大当たりC」に当選することで終了する。また、「連荘状態」において特別図柄1の抽選が行われ、「通常大当たりA」、または「確変大当たりA」に当選した場合にも、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態、または普通図柄の時短状態へと移行するため、「連荘状態」が終了する。
なお、本実施形態では特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(通常状態)へと移行する大当たり(「通常大当たりA」、「通常大当たりB」)、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態(確変時短状態)へと移行する大当たり(「確変大当たりA」、「確変大当たりC」)、および特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(連荘状態)へと移行する大当たり(「確変大当たりB」、「確変大当たりD」)の3種類が設けられているが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態(非確変時短状態)へと移行する大当たり種別を設けてもよい。これにより、普通図柄の当たり確率から状態を予測するのがより困難となるので、特別図柄の外れを繰り返したとしても「連荘状態」へと移行しない特別図柄の低確率状態であることを察知して、遊技者が遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。
次いで、図9を参照して、上述した「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」と、第1当たり種別カウンタC2との対応関係、および、各大当たり後に付与される時短期間について説明する。
「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」は、上述した通り、各大当たりの終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)へと移行すると共に、各大当たり種別に応じた回数の普通図柄の時短期間が付与される大当たり種別である。また、付与される時短期間は、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」の順に増加し、最小で1回(確変大当たりA1の場合)、最大で100回(確変大当たりA64の場合)の時短期間が付与される。
図9(a)に示した通り、「確変大当たりA1」には、第1当たり種別カウンタC2の値として「10」、および「11」の2個の判定値が対応付けられている。同様に、「確変大当たりA2」にも第1当たり種別カウンタC2の値として2個の判定値が対応付けられており、その値は「12」、および「13」である。「確変大当たりA3」〜「確変大当たりA9」についても同様に、第1当たり種別カウンタC2の値が2個ずつ対応付けられている。また、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA9」となると、各大当たりの終了後にそれぞれ1回〜9回の普通図柄の時短状態が付与される。
また、「確変大当たりA10」には、第1当たり種別カウンタC2の値として1個の判定値「28」が対応付けられている。この「確変大当たりA10」が終了すると、普通図柄の時短期間が19回付与される。即ち、「確変大当たりA」の中に、普通図柄の時短期間として10回〜18回が付与される大当たりは存在しない。「確変大当たりA11」〜「確変大当たりA36」についても第1当たり種別カウンタC2の値が1個ずつ対応付けられており、その値はそれぞれ「29」〜「54」である。つまり、「確変大当たりA10」〜「確変大当たりA36」に対し、値が1ずつ異なる判定値がそれぞれ対応付けられている。また、「確変大当たりA11」〜「確変大当たりA36」が終了すると、普通図柄の時短期間がそれぞれ20回〜45回付与される。即ち、「確変大当たりA10」〜「確変大当たりA36」で、回数が1回ずつ異なる時短期間が付与されるように構成されている。
「確変大当たりA37」には、第1当たり種別カウンタC2の値として、「55,56,57」の3個の判定値が対応付けられている。この「確変大当たりA37」が終了すると、普通図柄の時短期間が64回付与される。即ち、「確変大当たりA」の中に普通図柄の時短期間として、46回〜63回が付与される大当たり種別は存在しない。「確変大当たりA38」〜「確変大当たりA45」についても、第1当たり種別カウンタC2の値が3個ずつ対応付けられており、その値はそれぞれ「55,56,57」〜「79,80,81」である。つまり、「確変大当たりA38」〜「確変大当たりA45」に対し、値が3ずつ異なる判定値がそれぞれ対応付けられている。また、「確変大当たりA38」〜「確変大当たりA45」が終了すると、普通図柄の時短期間がそれぞれ65回〜72回付与される。即ち、「確変大当たりA37」〜「確変大当たりA45」で、回数が1回ずつ異なる時短期間が付与されるように構成されている。
「確変大当たりA46」には、第1当たり種別カウンタC2の値として、「82」が対応付けられている。この「確変大当たりA46」が終了すると、普通図柄の時短期間が73回付与される。また、「確変大当たりA47」〜「確変大当たりA63」についても、第1当たり種別カウンタC2の値が1個ずつ対応付けられており、その値はそれぞれ「83」〜「99」である。つまり、「確変大当たりA47」〜「確変大当たりA63」に対し、値が1ずつ異なる判定値がそれぞれ対応付けられている。また、「確変大当たりA47」〜「確変大当たりA63」が終了すると、普通図柄の時短期間がそれぞれ74回〜99回付与される。即ち、「確変大当たりA46」〜「確変大当たりA63」で、回数が1回ずつ異なる時短期間が付与されるように構成されている。
「確変大当たりA64」には、第1当たり種別カウンタC2の値として、「100〜189」の90個の判定値が対応付けられている。また、「確変大当たりA64」が終了すると、普通図柄の時短期間が100回付与される。「確変大当たりA」となる判定値は、「10〜189」の180個有り、そのうち「確変大当たりA64」に割り当てられている判定値が90個あるので、「確変大当たりA」となった場合の50%(90/180)が「確変大当たりA64」となる。
次に、図9(b)を参照して、「確変大当たりA」に当選した場合に付与される普通図柄の時短期間の振り分けについて説明する。図9は、普通図柄の時短期間(回転数)の範囲と、「確変大当たりA」となった場合にその範囲が選択される割合(振り分け)との対応関係を示した図である。
図9(b)に示した通り、普通図柄の時短期間として1回〜9回の範囲が選択される割合(即ち、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA9」が選択される割合)は、10%である。上述した通り、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA9」に対応付けられた判定値の個数は、「10〜27」の18個なので、「確変大当たりA」となる180個の判定値のうち10%(18/180)に相当するからである。
普通図柄の時短期間が9回以内であれば、高確率で時短期間を経過させ、「連荘状態」へと移行させることができる。例えば、普通図柄の時短期間が3回であれば、3回連続で特別図柄の外れとなることで「連荘状態」へと移行する。上述の通り、特別図柄の大当たりとなる確率は1/30なので、3回連続で外れとなる確率は約90%(29/30の3乗)である。また、時短期間が9回であっても、9回連続で特別図柄の外れとなる確率は約74%(29/30の9乗)であり、過半数が「連荘状態」へと移行する。よって、遊技者が第1特定入賞口65aを注視する等により、「確変大当たりA」となった可能性が有ることを認識した場合でも、少ない時短期間が選択されることを期待させることができる。つまり、遊技者に対して、「確変大当たりA」となるまでに消化した時短期間が無駄になってしまった(「連荘状態」が遠のいた)と感じさせることを抑制できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図9(b)に示した通り、普通図柄の時短期間として10回〜18回が選択される場合は無い。また、普通図柄の時短期間として19回〜27回、28回〜36回、37回〜45回が選択される割合は、各5%である。即ち、「確変大当たりA10」〜「確変大当たりA18」、「確変大当たりA19」〜「確変大当たりA27」、および「確変大当たりA28」〜「確変大当たりA36」が選択される割合は、各5%である。これらに対応付けられた判定値の個数が各9個であるので、それぞれ「確変大当たりA」となる180個の判定値のうち5%(9/180)に相当するからである。
このように、「確変大当たりA」の終了後に特別図柄の外れが9回連続しても「連荘状態」へと移行しない場合は、そこから特別図柄の外れを最低でも10回連続させるまで(つまり、「確変大当たりA」の終了から起算して19回特別図柄の外れを連続させるまで)「連荘状態」へと移行する可能性が無い。以降、時短期間の振り分けが無い回数の範囲のことを、「振り分けの無いゾーン」と呼ぶ。これに対し、時短期間の振り分けが有る回数の範囲(例えば、1回〜9回)のことを、「振り分けの有るゾーン」と呼ぶ。
「振り分けの無いゾーン」が長く続くと、「振り分けの有るゾーン」から「振り分けの無いゾーン」へと移行したと遊技者が判断した段階で、遊技者が遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、「振り分けの無いゾーン」を最大で17回に限っている(後述の、46回〜63回のゾーン)。よって、普通図柄の時短期間を消化する際に、「振り分けの無いゾーン」に突入してしまったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させることを抑制し、次の「振り分けの有るゾーン」を目指して遊技を継続させることができる。また、「振り分けの無いゾーン」となったことにより、遊技者が遊技を辞めてしまったとしても、他の遊技者に対して次の「振り分けの有るゾーン」まで遊技を行ってみようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
図9(b)に示した通り、普通図柄の時短期間として46回〜63回が選択される場合は無い(「振り分けの無いゾーン」となる)。また、普通図柄の時短期間として64回〜72回が選択される割合は15%である。即ち、「確変大当たりA37」〜「確変大当たりA45」が選択される割合は15%である。「確変大当たりA37」〜「確変大当たりA45」に対応付けられた判定値は「55〜81」の範囲であり、その個数が27個であるので、「確変大当たりA」となる180個の判定値のうち15%(27/180)に相当するからである。
このゾーンは、他の「振り分けの有るゾーン」に比較して選択される割合が高くなっている。各「振り分けの無いゾーン」のうち最も長い46回〜63回のゾーンの直後を、時短期間として選択される割合の高いゾーンに設定することにより、遊技者が「振り分けの無いゾーン」を乗り切るまで遊技を継続するモチベーションを保ちやすくすることができる。
図9(b)に示した通り、普通図柄の時短期間として73回〜81回、および82回〜90回が選択される割合は、それぞれ5%である。即ち、「確変大当たりA46」〜「確変大当たりA54」、および「確変大当たりA55」〜「確変大当たりA63」が選択される割合は、それぞれ5%である。これらに対応付けられた判定値の個数が各9個であるので、それぞれ「確変大当たりA」となる180個の判定値のうち5%(9/180)に相当するからである。
また、普通図柄の時短期間として91回〜99回が選択される場合は無い(振り分けの無いゾーンとなる)。このゾーンまで「連荘状態」に移行していないということは、普通図柄の時短期間として100回が選択されていることを意味する。つまり、「連荘状態」に移行するための特別図柄の外れ回数が残り10回以内であることを意味するので、このゾーンまで遊技を行った遊技者の大多数は、前回の「確変大当たりA」後に設定された時短期間である100回を目指して遊技を継続する。即ち、このゾーンが選択される割合を0%としても、パチンコ機10の稼働率に影響を与えることは無い。また、時短期間が他のゾーンに振り分けられる割合を高めることができるので、各ゾーンによりメリハリをつけることができる。よって、遊技者に対して各ゾーンの特徴を加味して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、上述した通り、普通図柄の時短期間として100回が選択される割合は、「確変大当たりA」となった場合の50%である。時短期間として100回が選択された場合に「連荘状態」へと移行させるには、特別図柄の外れを100回連続で繰り返す必要が有るが、この事象が起きる確率は約3%(29/30の100乗)となり、非常に低確率となる。よって、100回の時短期間が選択される(確変大当たりA64が選択される)割合を高くしておくことにより、過剰に「連荘状態」へと移行してしまうことを抑制することができる。よって、ホールに対して不利益を生じさせてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、特別図柄の外れ時と、「確変大当たりA」となる場合とで、変動演出の態様を同一としている(同一の主図柄が揃わない変動演出が実行される)が、「確変大当たりA」となったことが遊技者に容易に認識できる態様で変動演出等の表示演出を実行するように構成してもよい。これにより、「確変大当たりA」となってからの外れ回数を遊技者にカウントさせ、外れ回数と、各振り分けの有るゾーンの割合とに基づいて「連荘状態」となる可能性が高いか否かを予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、大当たりが終了してからの変動回数を第3図柄表示装置81に対して表示可能に構成してもよい。これにより、遊技を開始しようとしている遊技者が、変動回数に基づいて次の振り分けの有るゾーンまでの外れ回数を判断し、遊技を開始するか否かの判断材料とさせることができる。また、変動回数を表示させるのは、第3図柄表示装置81に限られるものではなく、例えば、変動演出の開始を示す信号や、大当たりを示す信号を外部出力し、パチンコ機10の外部に設けられた表示装置に大当たり終了からの変動回数を表示させるように構成してもよい。これにより、第3図柄表示装置81に対して変動回数を表示させるのと同様に、遊技者が回数に基づいて遊技を開始するか否かを判断することができる。
本実施形態では、図9(b)に示した振り分けで時短期間が設定されるように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、1回〜100回までの時短期間が均等に選択されるように構成してもよい。これにより、振り分けの無いゾーンを廃止できるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持し易くすることができる。また、例えば、「確変大当たりA」が終了した後で、必ず100回の時短期間が設定されるように構成してもよい。これにより、過度に「連荘状態」となってしまうことを抑制することができるので、ホールに対して不利益を生じさせてしまうことを抑制することができる。また、時短期間の上限は100回に限られるものではなく、任意に定めてもよい。
次に、図10を参照して、上述した「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」と、第1当たり種別カウンタC2との対応関係、および、各大当たり後に付与される時短期間について説明する。
「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」は、上述した通り、「連荘状態」において特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、各大当たりの終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)へと移行すると共に、各大当たり種別に応じた回数の普通図柄の時短期間が付与される。また、付与される時短期間は、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」の順に増加し、最小で10回(確変大当たりC1の場合)、最大で100回(確変大当たりC6の場合)の時短期間が付与される。
図10(a)に示した通り、「確変大当たりC1」、「確変大当たりC2」、「確変大当たりC3」、「確変大当たりC4」、「確変大当たりC5」には、それぞれ第1当たり種別カウンタC2の値として「10」,「11」,「12」,「13」,「14」が対応付けられている。また、上記各大当たりが終了すると、普通図柄の時短期間として、10回、30回、50回、70回、80回がそれぞれ付与される。
また、「確変大当たりC6」には、それぞれ第1当たり種別カウンタC2の値として「15〜19」が対応付けられている。この「確変大当たりC6」が終了すると、100回の時短期間が付与される。
次に、図10(b)を参照して、変動回数毎に時短期間が選択される割合について説明する。図10(b)に示す通り、10回、30回、50回、70回、80回の時短期間が選択される割合は、それぞれ10%である。一方、100回の時短期間が選択される割合は50%である。そして、上記以外の時短期間は選択されないように構成されている。図9(b)と、図10(b)とを比較することで明らかなように、「確変大当たりA」となった場合は、50回以下の時短期間が選択される割合が25%であるのに対して、「確変大当たりC」となった場合に50回以下の時短期間が選択される割合は30%となっている。即ち、「連荘状態」が終了する契機となる大当たりとなった場合に、少ない時短期間が選択されやすく構成されている。これにより、「連荘状態」が終了した後に、時短期間を経過させることにより再度「連荘状態」へと移行させやすくすることができるので、「連荘状態」が終了した後も、遊技者に遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、時短期間の振り分けは、この態様に限定されるものではない。確変大当たりAになった場合と同じ振り分けとしてもよい。つまり、確変大当たりC1〜確変大当たりC64を設け、各大当たりで確変大当たりA1〜A64と同じ時短回数が付与されるように構成してもよい。
図7(a)に戻って説明を続ける。第2当たり乱数テーブル202c(図11(a)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルであり、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4が、この第2当たり乱数テーブル202cに規定される判定値と一致する場合に普通図柄の当たりと判定される。この第2当たり乱数テーブル202cの詳細について、図11(a)を参照して説明する。
図11(a)は、第2当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。図11(a)に示した通り、第2当たり乱数テーブル202cには、低確率時(普通図柄の通常状態)用のテーブルと、高確率時(普通図柄の時短状態)用のテーブルとが規定されている。
低確率時(普通図柄の通常状態)用の第2当たり乱数テーブルには、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜222」の218個の値が規定されている(図11(a)参照)。ここで、第2当たり乱数カウンタC4は、0〜239の範囲で更新されるループカウンタで構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る240個の値のうち、当たりとなる判定値が218個存在するので、普通図柄の通常状態において、普通図柄(第2図柄)の当たりとなる確率は、約91%(約1/1.1)となる。
また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0〜239」が規定されている(図11(a)参照)。即ち、第2当たり乱数カウンタC4が取り得る全ての値で普通図柄の当たりと判定される(普通入球口67を球が通過することにより100%普通図柄の当たりと判定される)。
なお、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」において特別図柄2の抽選により大当たりとなることにより、多量の賞球を獲得可能であり、大当たり終了後に再度「連荘状態」に設定される「確変大当たりD」に当選しやすくなる。この「連荘状態」は、基本的には普通図柄の時短期間が経過した後で移行する状態であり、具体的には、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態である。この「連荘状態」において、遊技者は特別図柄2の抽選を行わせるために、第2入球口640を狙って球を打ち出すので、第2入球口640aへと球が入りにくくなるほど遊技者が不満感を募らせてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、普通図柄の通常状態であっても、普通図柄の当たりとなる確率が90%以上の高確率となるように構成している。これにより、「連荘状態」において第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されやすくなるので、遊技者に対して第2入球口640へと入球し難いと感じさせ、不満感を抱かせてしまうことを抑制できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
加えて、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」となった場合に普通図柄(第2図柄)の変動時間が短くなる(1秒となる)と共に電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×3回)ように構成されている。これにより、「連荘状態」において第2入球口640へと球を入球させ易くすることができるので、遊技者に対して「連荘状態」中にストレスなく遊技を行わせることができる。
図7(a)に戻って説明を続ける。特図変動パターン選択テーブル202d(図11(b)参照)は、特別図柄の抽選結果に対応する変動演出(変動パターン)の表示態様を決定するための第1変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。この特図変動パターン選択テーブル202dの詳細について、図11(b)、および図12を参照して説明する。
図11(b)は、特図変動パターン選択テーブル202dの概要を示す図である。図11(b)に示した通り、特図変動パターン選択テーブル202dは、3種類のデータテーブルから構成されている。即ち、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1と、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2と、共通確変非時短用選択テーブル202d3とで構成されている。
特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1は、特別図柄の低確率状態(通常)、または特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において、特別図柄1の抽選が実行された場合に参照されるデータテーブルである。また、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2は、特別図柄の低確率状態(通常)、または特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において、特別図柄2の抽選が実行された場合に参照されるデータテーブルである。更に、共通確変非時短用選択テーブル202d3は、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の通常状態(非時短)において(つまり、「連荘状態」において)、特別図柄1の抽選、または特別図柄2の抽選のうちどちらかが実行された場合に参照されるデータテーブルである。上記3種のデータテーブルの詳細について、図12を参照して説明する。
図12(a)は、上述した特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1の規定内容を示す図であり、図12(b)は、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2の規定内容を示す図であり、図12(c)は、共通確変非時短用選択テーブル202d3の規定内容を示す図である。図12に示した通り、上記3種のテーブルは停止種別毎に選択可能な変動パターンの種別を、第1変動種別カウンタCS1の値に対応付けて規定したデータテーブルである。
まず、図12(a)を参照して、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1の規定内容について説明する。特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1には、完全外れ、リーチ外れ、大当たりの各停止種別に対して、変動パターン種別と、第1変動種別カウンタCS1の値とが対応付けて規定されている。具体的には、停止種別が完全外れの場合、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜98」の範囲であれば、変動時間が7秒の「短外れ」が選択される。一方、第1変動種別カウンタCS1の値が「99〜198」の範囲であれば、変動時間が10秒の「長外れ」が選択される。
停止種別がリーチ外れの場合、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲であれば、変動時間が15秒の「ノーマルリーチ」が選択される。また、第1変動種別カウンタCS1の値が「150〜198」の範囲であれば、変動時間が30秒の「スーパーリーチ」が選択される。即ち、変動時間が長い「スーパーリーチ」よりも、変動時間の短い「ノーマルリーチ」の方が選択されやすいように構成されている。これは、最終的に外れとなるにも関わらず、変動時間の長い変動パターンばかりが選択されると、外れることによる遊技者の落胆が大きくなり、遊技者の興趣を損ねてしまう虞があるからである。
停止種別が「確変大当たりA」、または「確変大当たりB」である場合、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜98」の範囲であれば、変動時間が7秒の「確変当たり用ノーマルリーチ」が選択される。また、第1変動種別カウンタCS1の値が「99〜198」の範囲であれば、変動時間が10秒の「確変当たり用スーパーリーチ」が選択される。即ち、「確変大当たりA」、または「確変大当たりB」であった場合は、停止種別が完全外れの場合と同じ変動時間の変動演出が実行される変動パターン種別が選択される。
詳細については後述するが、主制御装置110によって選択された変動パターン種別は、変動パターンコマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知される。音声ランプ制御装置113のMPU221は、変動パターンコマンドに基づき、変動パターン種別が「確変大当たりA用ノーマルリーチ」であった場合は、変動時間が同一の「短外れ」と同じ表示演出が実行されるように制御する。また、変動パターンコマンドにより通知された変動パターン種別が「確変大当たり用スーパーリーチ」であった場合は、変動時間が同一の「長外れ」と同じ表示演出が実行されるように制御する。これにより、第3図柄表示装置81に表示される表示演出から、賞球を得ることが困難な「確変大当たりA」、または「確変大当たりB」となったことを遊技者に判別されにくくすることができる。よって、表示演出によって大当たりが報知されたにも関わらず、賞球を得られずに遊技者を落胆させてしまうことを防止することができる。加えて、「確変大当たりA」、または「確変大当たりB」となった場合は、大当たり中の表示演出として、変動演出が継続しているかのような演出が実行される。即ち、表示演出の見た目が通常時と変わらなくなるように構成している。これにより、「確変大当たりA」に当選することで、時短期間がリセットされたことを遊技者に認識されにくくすることができる。よって、遊技者がそれまでに消化した時短期間が無駄になってしまったと感じてしまい、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを抑制することができる。
停止種別が「通常大当たりA」である場合、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜98」の範囲であれば、変動時間が15秒の「通常当たり用ノーマルリーチ」が選択される。また、第1変動種別カウンタCS1の値が「99〜198」の範囲であれば、変動時間が30秒の「通常当たり用スーパーリーチ」が選択される。このように、賞球を得やすい「通常大当たりA」に対応する変動パターンを選択する場合は、停止種別が「リーチ外れ」の場合に比較して変動時間の長い変動パターン種別が選択されやすい。これにより、変動時間が長い変動パターン種別であることを遊技者が認識した場合に、賞球を得ることに対する期待感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図12(b)を参照して、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2の規定内容について説明する。この特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2において、停止種別が「完全外れ」の場合に選択され得る変動パターン種別は変動時間が300秒(5分)の「超ロング外れ」のみである。即ち、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲(即ち、第1変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値)において、「超ロング外れ」が選択される。
また、停止種別が「リーチ外れ」だった場合、選択され得る変動パターンは変動時間が300秒の「外れ超ロングリーチ」のみである。更に、停止種別が「各種大当たり」だった場合は、変動時間が300秒の「当たり超ロングリーチ」のみが選択される。即ち、特別図柄の低確率状態(通常)、または特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において、特別図柄2の抽選が実行された場合には、抽選結果に関わらず変動時間が300秒の変動パターン種別が選択される。
このように、極端に長い変動パターン種別が選択されるように構成することで、一旦変動が開始されてしまうと、その変動が終了するまでの長い時間、特別図柄の抽選が受けられない不利な状態とすることができるので、遊技者に対して、「連荘状態」以外の状態(特別図柄の低確率状態、または特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)において第2入球口640へ球を打つべきでないと感じさせることができる。よって、遊技者に対して、「連荘状態」以外の状態において、第1入球口64を狙って球を打ち出させ、「連荘状態」において、第2入球口640を狙って球を打ち出させることができる。本パチンコ機10は、「連荘状態」以外の状態では特別図柄1の抽選のみが行われ、「連荘状態」では特別図柄2の抽選のみが行われることを想定して設計されているので、「連荘状態」以外の状態において遊技者により第2入球口640を狙われることを防止(抑制)することで、パチンコ機10の出球率を設計値に近づけることができる。よって、ホールが出玉率の設計値から売り上げ予測等を行う際に、より正確に計算することができる。
なお、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640が狙って球が打ち出されることを防止するために、他にも複数の構成を設けている。例えば、本実施形態では、「連荘状態」以外の状態において普通図柄の変動時間が極端に長くなる(3〜5分となる)ように構成している。また、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aが開放される開放期間を短時間(0.2秒×1回)としている。これらにより、普通入球口67に入球させることができても、電動役物640aがほとんど開放されない(数分の間に0.2秒の頻度で開放される)ので、普通入球口67、およびその下流側に設けられている第2入球口640へ向けて遊技者により球が打ち出されることを抑制することができる。
また、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、第2入球口640の上流側に迂回役物700が設けられているので、球を打ち出してから第2入球口640へと到達するまでに7以上の時間を要する。よって、電動役物640aが開放されたことを認識してから球を打ち出したとしても、球が第2入球口640へと到達する前に電動役物640aが閉鎖される(0.2秒が経過する)ので、「連荘状態」以外の状態において球が第2入球口640へと入球することを抑制できる。
また、上述した通り、第2入球口640へ球を入球させることができたとしても、特別図柄の変動中であれば第2入球口640へ入球すると、その入球は保留されることなく破棄される。即ち、「連荘状態」以外の状態では、変動時間が極端に長くなる上に、変動中に第2入球口640へと球を入球させたとしても、その入球に基づいて特別図柄2の抽選が行われることがない。よって、特別図柄2の抽選を受けるためには、特別図柄2の抽選に基づく変動演出が終了してから、再度第2入球口640へ球を入球させる必要がある。「連荘状態」以外の状態では、特別図柄2の抽選結果によらずに300秒の変動時間の変動パターン種別が選択されるので、最短でも300秒おきにしか抽選が受けられない。従って、遊技効率が極端に悪くなってしまうので、「連荘状態」以外の状態において遊技者が第2入球口640を狙って遊技を行うことを抑制することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640へと打ち出した場合に遊技者にとって不利となる様々な構成が設けられている。これにより、「連荘状態」でないにも関わらず特別図柄2の抽選が実行され、「確変大当たりD」に当選することで多量の賞球が遊技者によって獲得されてしまうことを防止(抑制)できる。
なお、「連荘状態」以外の状態において、特別図柄2の抽選が行われた場合は、その抽選に基づいて行われる300秒の変動演出において、第1入球口64を狙って球を打ち出すように警告する演出を行ってもよい。これにより、「連荘状態」でないにも関わらず、第2入球口640を狙って遊技を行う遊技者に対して、その第2入球口640を狙った遊技方法を辞めさせることができる。また、警告演出を表示させることによりホールの店員にも、通常とは異なる遊技方法を行っている(「連荘状態」以外の状態で第2入球口640を狙って球を打ち出している)遊技者を容易に特定することができる。よって、遊技者が警告演出を無視して通常とは異なる遊技方法を続行したとしても、警告演出を確認したホールの店員により、直接注意を行わせることができる。従って、「連荘状態」以外の状態で第2入球口640を狙って球を打ち出す遊技方法に対する抑制をより確実に図ることができる。
次に、図12(c)を参照して、共通確変非時短用選択テーブル202d3の規定内容について説明する。図12(c)に示した通り、停止種別が「完全外れ」の場合に選択され得る変動パターン種別は変動時間が1秒の「外れ」のみである。即ち、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲(即ち、第1変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値)において、「外れ」が選択される。また、停止種別が「リーチ外れ」の場合に選択され得る変動パターン種別は、変動時間が2秒の「確変非時短用外れノーマルリーチ」のみである。
更に、停止種別が「各種大当たり」の場合は、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲で、変動時間が2秒の「確変非時短用当たりノーマルリーチ」が選択される。一方、第1変動種別カウンタCS1の値が「180〜198」の範囲で、変動時間が5秒の「確変非時短用当たりスーパーリーチ」が選択される。
このように、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の通常状態(非時短)では(つまり、「連荘状態」では)、特別図柄1の抽選、または特別図柄2の抽選が実行された場合に、比較的短い変動時間(1秒〜5秒)の変動パターン種別が選択されるように構成されている。これは、「連荘状態」では、入球が保留されない第2入球口640を狙って遊技者が球を打ち出すことを想定しているためである。即ち、変動時間が短い変動パターンが選択されるように構成することで、変動中に球が第2入球口640へと入球する可能性を低くすることができる。よって、変動中に球が第2入球口640へと入球することにより、遊技者に対して、特別図柄2の抽選が無駄になったと思わせてしまい、遊技に対する不満感を抱かせてしまうことを抑制することができる。従って、遊技者にとって有利な「連荘状態」をストレスなく楽しませることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、各状態において設定される変動時間は、図12(a)〜図12(c)に規定された内容に限られるものではなく、任意に定めてもよい。例えば、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2において、1時間や5時間等のより長い変動時間の変動演出(変動パターン)が選択されるように構成してもよい。これにより、たとえ「連荘状態」以外の状態で特別図柄2の抽選により多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」になったとしても、その抽選結果が出るまでの時間を非常に長くすることができる。つまり、通常とは異なる遊技方法を行った場合に、遊技効率を極端に悪くすることができるので、「確変大当たりD」になった場合に多量の賞球を得られることを加味しても、割に合わないと感じさせることができる。よって、通常とは異なる遊技方法に対する抑制を図ることができる。また、例えば、共通確変非時短用選択テーブル202d3において、全ての変動種別に対して1秒の変動時間の変動パターン種別のみを対応付けるように構成してもよい。これにより、特別図柄2の抽選に基づく変動演出中に、第2入球口640へ球が入球し、その入球が破棄されてしまうことをより抑制することができる。
図7に戻って説明を続ける。普図変動パターン選択テーブル202e(図13(a)参照)は、普通図柄の抽選結果に対応する変動演出(変動パターン)の表示態様を決定するための第2変動種別カウンタCS2の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。即ち、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示の変動時間が規定されている。なお、変動時間とは、「○」の図柄と「×」の図柄が交互に点灯されている期間と、停止図柄(普通図柄の当たりの場合は「○」図柄、外れの場合は「×」図柄)が停止表示されている期間との合計を意味している。この普図変動パターン選択テーブル202eの詳細について、図13を参照して説明する。
図13(a)は、普図変動パターン選択テーブル202eの概要を示す図である。図13(a)に示した通り、普図変動パターン選択テーブル202eは、2種類のデータテーブルから構成されている。即ち、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1と、普図確変非時短用選択テーブル202e2とで構成されている。
まず、図13(b)を参照して、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1の規定内容について説明する。普図通常/確変時短用選択テーブル202e1には、普通図柄の保留球数毎に、普通図柄(第2図柄)の変動時間と、第2変動種別カウンタCS2の値とが対応付けて規定されている。具体的には、普通入球口67への入球に対する保留球数が0個の場合、第2変動種別カウンタCS2の値が「0〜49」の範囲であれば、変動時間が180秒(3分)の変動パターンが選択される。一方、第1変動種別カウンタCS1の値が「50〜149」の範囲であれば、変動時間が240秒(4分)の変動パターンが選択され、第2変動種別カウンタCS2の値が「150〜198」の範囲であれば、変動時間が300秒(5分)の変動パターンが選択される。
このように、保留球数が0の場合に、3分〜5分の非常に長い変動パターンが選択されることで、第2入球口640(およびその上流側の普通入球口67)を狙うと損をしてしまうと感じさせることができる。普通図柄の変動中に、電動役物640aが開放されることはないので特別図柄2の抽選を行わせることができないためである。よって、特別図柄の低確率状態(通常)や、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において(即ち、「連荘状態」以外の状態において)、遊技者に第1入球口64を狙って球を打ち出させることができる。
また、複数種類の変動時間(3分、4分、および5分)が選択され得るため、普通図柄の変動時間が終了するタイミングを分かり難くすることができる。よって、「連荘状態」以外の状態において、普通図柄の変動時間が終了するタイミング(電動役物640aが開放される可能性があるタイミング)を見計らって遊技者に球を打ち出されることを防止(抑制)することができる。
なお、本実施形態では、普通図柄(第2図柄)の変動中に、単に「○」図柄と「×」図柄を交互に変動させるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、「○」図柄から「×」図柄に切り替える時間、および「×」図柄から「○」図柄へと切り替える時間がランダムに変わるように構成してもよい。これにより、変動中において、「○」図柄が表示されてから「×」図柄へと切り替えられるまでの期間が長くなる場合と、最終的な停止図柄として「○」図柄が停止表示される場合とを、区別し難くすることができる(表示された図柄で確定されたのか否かを分かり難くすることができる)。よって、「連荘状態」以外の状態において遊技者が電動役物640aの開放タイミングを狙って球を打ち出すことを抑制することができる。
また、図13(b)に示した通り、普通入球口67への入球に対する保留球数が1個〜4個の場合は、いずれも第2変動種別カウンタCS2の値に関わらず、変動時間が0.2秒の変動パターンが選択される。つまり、保留球数が0の状態で変動開始され、その変動中に普通図柄67への入球が保留されると、保留球数が0の状態で開始された変動演出が終了してから短い期間の間に変動演出、および電動役物640aの開放動作が繰り返される。そして保留球が消化され、保留が0の状態になると、再度3〜5分の変動演出が実行されるように構成されている。この動作について、より詳しく説明する。なお、以下の説明では、普通図柄の時短状態(即ち、普通図柄の当たりとなる確率が100%の場合)を想定して説明を行う。即ち、普通図柄の変動演出後に電動役物640aが必ず0.2秒間×1回開放される状態を想定して説明を行う。普通図柄の時短状態は、遊技において最も長い期間滞在する状態だからである。
普通入球口67への入球に対する保留球数が0の状態において普通入球口67へと球が入球すると、3分〜5分の変動演出(変動パターン演出)が実行される。この変動演出の実行中に普通入球口67へと球が入球すると、その入球は4回を限度に保留される。ここでは、変動期間中に保留球数が4となった場合を想定する。最低でも3分の変動時間の変動パターンが設定されるため、普通入球口67を遊技者が狙って球を打ち出せば、普通入球口67へ球を容易に4回以上入球させることができるためである。
普通入球口67への入球に対する保留球数が0個の状態で開始された変動演出の変動期間が経過すると、電動役物640aが0.2秒開放された後で閉鎖される。そして、電動役物640aが閉鎖されると、1個目に保留された保留球に対応する変動演出が開始される。この変動演出を開始する時点で、保留球数は3個となるので、変動時間が0.2秒の変動演出が実行され、電動役物640aが0.2秒開放される。2個目に保留された保留球、および3個目に保留された保留球についても同様に、変動時間が0.2秒の変動演出後に電動役物640が0.2秒間開放される。
また、4個目に保留された保留球に対応する変動演出が実行される時点で、保留球数が0となっていれば、3分〜5分の変動演出が選択される。また、新たな保留球が発生していれば、0.2秒の変動時間の変動演出が実行され、保留球が0となったら3分〜5分の変動演出が実行される。そして、3分〜5分の変動演出中に新たに普通入球口67への入球が保留された場合は、上記同様に、変動演出の終了後に電動役物640aの0.2秒間の開放と、0.2秒間の変動演出とが繰り返される。
なお、最初の変動演出(保留球数が0個の状態で開始された変動演出)が終了してから、4個目に保留された保留球に対応する変動演出が開始するまでの時間は、1.4秒程度(電動役物640aの開放×4回+0.2秒変動×3回)であるので、4個目の保留球に対応する変動演出が実行される時点で、新たな保留球数は多くとも2個程度となる。本実施形態のパチンコ機10では、球の発射間隔に制限を設けており、1分間に球を100発までしか射出できないように構成されている(即ち、1発の球を発射してから、次の球を発射するまでの間隔が0.6秒以上となるように構成されている)ので、1.4秒間では球を2個しか打ち出せないためである。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の低確率状態(通常)、または、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)において(つまり、「連荘状態」以外の状態において)、普通入球口67へと球を入球させると、長い変動時間の変動演出が実行された後で、その変動演出中に保留された普通入球口67への入球応じた回数だけ、0.2秒間の電動役物640aの開放と、0.2秒間の変動演出とが繰り返される。つまり、長い変動時間の変動演出が終了すると、1秒前後で電動役物640aの開放と、保留球に応じた変動演出とが繰り返される。そして、再度長い変動時間の変動演出が実行される。
保留されていた普通入球口67への入球に対応する変動を短い期間(1秒前後)で実行することにより、長い変動時間の変動演出が終了することに基づいて電動役物640aが開放されたことを確認してから遊技者が球を打ち出したとしても、第2入球口640に対して球が到達する前に、短い変動時間(0.2秒)の変動と、その変動後の電動役物640aの開放とを終了させることができる。迂回役物700を通過させることにより、球を打ち出してから第2入球口640へと到達するまでに7秒以上を要するためである。加えて、上述した通り、「連荘状態」以外の状態において、特別図柄2の抽選が実行された場合は、抽選結果に関わらず、変動時間が300秒(5分)の変動演出が設定されるように構成されている。これにより、たとえ第2入球口640へと球を入球させることができたとしても、5分間延々と変動演出が継続してしまう。また、第2入球口640への入球は保留されないため、少なくとも5分間の変動が終了するまで次の特別図柄2の抽選を実行させることができない。
このように、「連荘状態」以外の状態では、普通図柄の変動時間が長くなり、且つ、普通図柄の当たりとなった場合の電動役物640aの開放時間が短くなるので、第2入球口へと入球させ難くなる。また、迂回役物700により球が第2入球口640へと到達する時間が長くなるように構成されているので、普通図柄の抽選が保留されていたとしても、普通図柄の変動が終了し、電動役物640aが開放されてから遊技者が球を打ち出したとしても、電動役物640aが開放されている間に球が第2入球口640へとたどり着くことは困難となる。更に、第2入球口640へと球を入球させることができたとしても、変動時間が長い(抽選結果が出るまでが長い)ので、特別図柄2の抽選を実行しにくくなってしまう。これらが相互に関連し合うことで、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640を狙って球を打ち出すと遊技者にとって著しく不利になる。よって、「連荘状態」以外の状態では、遊技者に第1入球口64を狙って球を打たせることができる。よって、パチンコ機10の出球率を設計値に近づけることができる。
次に、図13(c)を参照して、普図確変非時短用選択テーブル202e2の規定内容について説明する。普図確変非時短用選択テーブル202e2も、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1と同様に、普通図柄の保留球数毎に、普通図柄(第2図柄)の変動時間と、第2変動種別カウンタCS2の値とが対応付けて規定されている。図13(c)に示す通り、普図確変非時短用選択テーブル202e2では、保留球数、および第2変動種別カウンタCS2の値に関わらず、変動時間が1秒の変動パターンが選択されるように構成されている。なお、上述した通り、本データテーブルが参照される特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の通常状態(非時短)では(即ち、「連荘状態」では)、電動役物640aの開放時間も長くなる(1秒×3回)ので、電動役物640aが開放される頻度が大幅に高くなる。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくすることができる。更に、本実施形態では、普通入球口67を通過した球が第2入球口640へと到達するまでの時間が1.2秒程度となるように、各入球口が配設されている。これにより、「連荘状態」では、普通入球口67へと入球することにより実行される変動演出が終了し、電動役物640aが開放されるタイミングで、その変動演出の契機となった(つまり、普通入球口67へと入球した)球が第2入球口640へと到達するように構成されている。よって、「連荘状態」において、第2入球口640に対してより球を入球させやすくすることができる。
図7に戻って説明を続ける。状態設定テーブル202fは、各種大当たりの終了後に、大当たり終了後の状態を設定するために参照されるデータテーブルである。この状態設定テーブル202fには、大当たり終了後の特別図柄の状態(特別図柄の高確率状態とするか、低確率状態とするか)と、普通図柄の状態(普通図柄の時短期間、および電動役物640aの開放期間)と、設定される変動パターンテーブル(特図変動パターン選択テーブル202dからいずれのテーブルを選択するか)とが少なくとも規定されている。
この状態設定テーブル202fについて、図14を参照して説明する。図14に示した通り、「通常大当たりA」、「通常大当たりB」には、特別図柄の状態として、「特別図柄の低確率状態」が対応付けられている。また、普通図柄の状態として、「普通図柄の通常状態」(普通図柄の時短期間0回)が対応付けられると共に、変動時間が長く、電動役物640aの開放時間が短い状態が対応付けられている(つまり、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1が選択されるように設定される)。また、変動パターン種別を選択するために参照されるテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2が対応付けられている。更に、有利状態フラグ203iの状態として、「オフ」が対応付けられている。
よって、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」の終了時には、この状態設定テーブル202fが参照され、特別図柄の低確率状態(確変フラグ203fをオフ)に設定し、普通図柄の通常状態(時短中カウンタ203gの値として0)に設定し、大当たり終了後に選択される変動パターンテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2に設定し、有利状態フラグ203iの値として「オフ」に設定する。
一方、「確変大当たりA1」には、特別図柄の状態として、「特別図柄の高確率状態」が対応付けられている。また、普通図柄の状態として、時短期間が1回の「普通図柄の時短状態」が対応付けられると共に、変動時間が長く、電動役物640aの開放時間が短い状態が対応付けられている(つまり、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1(図13(b)参照)が選択されるように設定される)。また、変動パターン種別を選択するために参照されるテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1(図12(a)参照)、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2(図12(b)参照)が対応付けられている。更に、特別図柄の抽選が1回行われることに基づいて(普通図柄の時短期間が終了することに基づいて)、共通確変非時短用選択テーブル202d3(図12(c)参照)が選択されるように設定される。これにより、普通図柄の時短期間(1回)が終了した後で、特別図柄2の抽選が行われた場合に、変動時間の短い(1秒〜5秒)の変動パターン種別を選択させることができる。よって、「連荘状態」中に特別図柄2の抽選がスムーズに行われるので、遊技者に対してストレスを感じさせることなく「連荘状態」の遊技を行わせることができる。
よって、「確変大当たりA1」の終了時には、この状態設定テーブル202fが参照され、特別図柄の高確率状態(確変フラグ203fをオン)に設定し、時短期間が1回の普通図柄の時短状態(時短中カウンタ203gの値として1)に設定し、大当たり終了後に選択される変動パターンテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2に設定し、有利状態フラグ203iの値として「オフ」に設定する。
なお、「確変大当たりA2」〜「確変大当たりA64」、および「確変大当たりC」に対しても、普通図柄の時短期間として異なる回数が対応付けられているだけで、対応付けられているその他のデータは「確変大当たりA1」と同一である。
「確変大当たりB」、および「確変大当たりD」には、特別図柄の状態として、「特別図柄の高確率状態」が対応付けられている。また、普通図柄の状態として、「普通図柄の通常状態」(普通図柄の時短期間0回)が対応付けられると共に、変動時間が短く、電動役物640aの開放時間が長い状態が対応付けられている(つまり、普図確変非時短用選択テーブル202e2(図13(c)参照)が選択されるように設定される)。また、変動パターン種別を選択するために参照されるテーブルとして、共通確変非時短用選択テーブル202d3(図12(c)参照)が対応付けられている。
よって、「確変大当たりB」、または「確変大当たりD」の終了時には、この状態設定テーブル202fが参照され、特別図柄の高確率状態(確変フラグ203fをオン)に設定し、普通図柄の通常状態(時短中カウンタ203gの値として0)に設定し、大当たり終了後に選択される変動パターンテーブルとして、共通確変非時短用選択テーブル202d3に設定し、有利状態フラグ203iの値として「オン」に設定する。
「確変大当たりC1」には、特別図柄の状態として、「特別図柄の高確率状態」が対応付けられている。また、普通図柄の状態として、時短期間が10回の「普通図柄の時短状態」が対応付けられると共に、変動時間が長く、電動役物640aの開放時間が短い状態が対応付けられている(つまり、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1(図13(b)参照)が選択されるように設定される)。また、変動パターン種別を選択するために参照されるテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1(図12(a)参照)、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2(図12(b)参照)が対応付けられている。更に、特別図柄の抽選が10回行われることに基づいて(普通図柄の時短期間が終了することに基づいて)、共通確変非時短用選択テーブル202d3(図12(c)参照)が選択されるように設定される。これにより、普通図柄の時短期間が終了した後で、特別図柄2の抽選が行われた場合に、変動時間の短い(1秒〜5秒)の変動パターン種別を選択させることができる。よって、「連荘状態」中に特別図柄2の抽選がスムーズに行われるので、遊技者に対してストレスを感じさせることなく「連荘状態」の遊技を行わせることができる。
よって、「確変大当たりC1」の終了時には、この状態設定テーブル202fが参照され、特別図柄の高確率状態(確変フラグ203fをオン)に設定し、時短期間が10回の普通図柄の時短状態(時短中カウンタ203gの値として10)に設定し、大当たり終了後に選択される変動パターンテーブルとして、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1、特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2に設定し、有利状態フラグ203iの値として「オフ」に設定する。
なお、「確変大当たりC2」〜「確変大当たりC6」に対しても、普通図柄の時短期間として異なる回数が対応付けられているだけで、対応付けられているその他のデータは「確変大当たりC1」と同一である。
このように、状態設定テーブル202fに大当たり種別毎の設定が規定されているので、大当たりの終了時に状態設定テーブル202fから設定値を読み出すという単純な処理を実行するだけで、各種状態の設定(後述する確変フラグ203fや時短中カウンタ203g、有利状態フラグ203i等の設定)を正確に行うことができる。
続けて、状態設定テーブル202f(図14参照)に基づいて大当たり終了後の状態を設定することにより、実際の遊技中に遊技状態がどのように変化するのかを、図15を参照して説明する。
図15は、本実施形態におけるパチンコ機10の取り得る各状態について、他の状態への移行条件を示した図である。まず、電源投入に伴ってパチンコ機10に初期設定が行われた場合等に設定される「通常状態」(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)について説明する。「通常状態」は、図15の上側に示している。図15に示した通り、この「通常状態」から、他の状態へと移行するためには、特別図柄の大当たりとなる必要がある。なお、上述した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の大当たりとなる確率は、1/37.5である。
特別図柄の大当たりとなった場合は、大当たり種別に応じて大当たりの終了後に移行する状態がそれぞれ異なっている。図15に示した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合の5%で当選する「通常大当たりA」となると、ラウンド数が1ラウンドの特別遊技状態が付与された後、再度通常状態へと移行する(図15の上部左側参照)。賞球を得ることはできるが、「連荘状態」となりにくい「通常状態」へと再度移行してしまうので、遊技者にとって不利となる。
また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合の5%で当選する「確変大当たりB」となった場合は、ラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「連荘状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)へと移行する(図15の上部右側参照)。上述した通り、この「連荘状態」になると、多量の賞球を得ることが可能な「確変大当たりD」になりやすいので、遊技者にとって有利となる。なお、上述した通り、「確変大当たりB」になった場合は、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが最大0.2秒間のみ開放されるので、遊技者が賞球を得ることは困難となる。
また、特別図柄1の抽選により「確変大当たりA」(「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」のいずれか)となった場合は、ラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「確変時短状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)へと移行する(図15の上部中央参照)。上述した通り、普通図柄の時短期間は、大当たり種別に応じた回数が設定される(図9(a)参照)。「通常状態」では、「確変大当たりB」に当選しなければ「連荘状態」へと移行できなかったが、「確変時短状態」では、「確変大当たりB」に当選することに加え普通図柄の時短状態が終了した場合にも「連荘状態」へと移行するので、「通常状態」に比較して「連荘状態」へと移行しやすくなる。よって、「確変時短状態」へと移行することで、「通常状態」よりも遊技者にとって有利となる。なお、上述した通り、「確変大当たりA」になった場合は、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが最大0.2秒間のみ開放されるので、遊技者が賞球を得ることは困難となる。
このように、「通常状態」は、「連荘状態」へと移行しにくい状態であり、遊技者にとって最も不利な状態となる。上述した通り、この通常状態は、電源投入に伴って初期設定が行われる(初期状態に設定される)と移行するので、例えば、ホールがパチンコ機10を新規導入した場合(初期状態のパチンコ機10が設置された場合)に、導入した全てのパチンコ機10を遊技者にとって不利な通常状態から開始させることができる。即ち、遊技者に有利な状態から開始されることを防止できる。よって、ホールの開店時に全パチンコ機10が有利な状態から開始されることにより、ホールに不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
また、「通常状態」は、「連荘状態」へと移行しにくい状態であるが、大当たりとなった場合に確変大当たりBとなれば、普通図柄の時短期間を経ずに「連荘状態」へと移行させることができる。よって、この確変大当たりBへの当選により直接「連荘状態」へと移行させることを期待させて遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
次に、図15の中央部に示した「確変時短状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)について説明する。図15の中央部に示した通り、この「確変時短状態」から、他の状態へと移行するためには、特別図柄の大当たりとなるか、「確変大当たりA」の終了後に移行する普通図柄の時短期間を消化する(規定回数を消化する)必要がある。なお、上述した通り、特別図柄の高確率状態において特別図柄の当たりとなる確率は1/30である。
まず、「確変時短状態」において、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の90%で当選する「確変大当たりA」になると、「通常状態」と同様に大当たり終了後に「確変時短状態」へと移行する(図15の中央左側参照)。即ち、同じ状態(「確変時短状態」)をループする。「確変大当たりA」に当選したとしても、遊技者が賞球を得ることは困難なので、「確変大当たりA」に当選し続ける(「確変時短状態」をループし続ける)と、遊技者にとって不利となる。
また、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の5%で当選する「通常大当たりA」になると、その大当たりの終了後に「通常状態」へと移行する(図15の中央左下部分参照)。即ち、大当たり終了後に不利な状態となってしまう。そして、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の5%で当選する「確変大当たりB」となった場合は、大当たりの終了後に「連荘状態」へと移行する(図15の中央下部参照)。この「連荘状態」では、上述した通り、賞球を多量に獲得可能な「確変大当たりD」に当選しやすくなるので、遊技者にとって有利となる。
更に、特別図柄の大当たりとなる前に、普通図柄の時短状態が終了すると(設定された時短期間だけ連続して特別図柄の外れになると)、遊技者にとって最も有利な「連荘状態」へと移行する(図15の中央右側参照)。
次に、図15の下部に示した「連荘状態」(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)について説明する。図15の下部に示した通り、この「連荘状態」から、他の状態へと移行するためには、特別図柄の大当たりとなる必要がある。なお、上述した通り、特別図柄の高確率状態において特別図柄の当たりとなる確率は1/30である。
「連荘状態」において、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「通常大当たりB」になると、1ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「通常状態」へと移行する(図15の下部左側参照)。即ち、遊技者にとって有利な「連荘状態」が終了し、遊技者にとって不利な状態(「通常状態」)となってしまう。
また、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「確変大当たりC」になると、1ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「確変時短状態」へ移行する(図15の下部左下参照)。即ち、この場合も遊技者にとって有利な「連荘状態」が終了し、遊技者にとって不利な状態(「確変時短状態」)となってしまう。なお、上述した通り、大当たりの終了後に設定される普通図柄の時短期間は、大当たり種別(「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」)に応じて異なる値が設定される(図10(a)参照)。
更に、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の90%で当選する「確変大当たりD」になると、4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、再度「連荘状態」へと移行する(図15の下部右側参照)。即ち、遊技者にとって有利な「連荘状態」がループする。上述した通り、「確変大当たりD」となると、各ラウンドで第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるので、遊技者が多量の賞球を獲得することができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、「確変時短状態」では、普通図柄の時短状態を終了させることにより(設定された時短期間だけ連続して特別図柄の外れになることにより)、「連荘状態」へと移行させることができる。よって、特別図柄の外れが連続するほどに、遊技者に対して「連荘状態」が近づいているように感じさせることができるので、一般的な遊技機とは異なる斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、一旦「連荘状態」になると、大当たりとなった場合の90%で、多量の賞球を獲得可能な上に、大当たり終了後に再度「連荘状態」が設定される「確変大当たりD」となる。即ち、遊技者にとって非常に有利な状態となる。よって、遊技者に対して、この「連荘状態」に移行させること、および、この「連荘状態」をより多くの回数ループさせることを期待させて遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図6に戻って説明を続ける。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図16を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられ、変動パターン選択には第2変動種別カウンタCS2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図31参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図40参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄1保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、および停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、特別図柄2実行エリア203bが設けられており、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、および停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図31参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図40参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図7(b)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、上述した通り、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図7(b)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(0〜199)内で順に1ずつ加算され、最大値(199)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は8個あり、その乱数値である「5,52,78,119,138,201,262,291」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が8なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/37.5」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「4,38,64,99,122,151,183,249,270」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜199の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図8(a),(b)に示したように、この第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、「通常大当たりA」、「通常大当たりB」、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」、「確変大当たりB」、「確変大当たりC1」〜「確変大当たりC6」、「確変大当たりD」の74種類の大当たり種別のうち、いずれかの大当たり種別が特図1用大値種別選択テーブル202b1(図8(a)参照)、または特図2用当たり種別選択テーブル202b2(図8(b)参照)より選択される。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄が外れとなる「外れリーチ」(例えば90〜99)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「外れリーチ」が90〜99と狭くなり、「外れリーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜99と広くなり、「外れリーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
第1変動種別カウンタCS1は、特図変動パターン選択テーブル202d(図11(b)参照)より変動パターン種別を選択するために用いられるカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。第1変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。第1変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図40参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図11(a)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202c(図11(a)参照)により設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、上述した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図31参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図40参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第2変動種別カウンタCS2は、普図変動パターン選択テーブル202e(図13(a)参照)より変動パターン種別を選択するために用いられるカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。第2変動種別カウンタCS2によって、普通図柄の抽選結果を示す変動演出の変動時間が決定される。第2変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図40参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203は、図16に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図40参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図39参照)で実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図38参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図7に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2実行エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、普通図柄保留球数カウンタ203eと、確変フラグ203fと、時短中カウンタ203gと、先読み確変中フラグ203hと、有利状態フラグ203iとを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄1の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
特別図柄2実行エリア203bは、球が第2入球口640へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値を一時的に記憶(格納)する記憶領域である。この特別図柄2実行エリア203bに格納された各カウンタ値に基づいて、特別図柄2の抽選が実行される。なお、上述した通り、第2入球口640への入球は保留されないので、特別図柄1保留球格納エリア203aとは異なり、保留エリアは設けられていない。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図34のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図32のS205参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図32のS206、図34のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203eは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図37のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203eは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図36のS605参照)。
球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図37のS705)。一方、球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203eの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図37のS703:No)。
確変フラグ203fは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203fの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203fは、初期状態がオフに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」のいずれかの終了時にオンに設定される。また、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」が終了する際にオフに設定される。
MPU201によって特別図柄1変動開始処理(図33参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄1変動開始処理では、確変フラグ203fの状態が参照され、その状態がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203fの状態がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に基づいて特別図柄の抽選が行われる(図33のS303,S304参照)。また、特別図柄2入賞処理(図35参照)でも同様に、確変フラグ203fがオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203fの状態がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に基づいて特別図柄の抽選が行われる(図35のS507,S508参照)。
時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203gは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、「確変大当たりA」、または「確変大当たりC」の終了時に、その大当たり種別に応じた値が設定される。その後、時短中カウンタ203gの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図32のS215)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(a)参照)に基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(a)参照)に基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図36のS610,S611参照)。
先読み確変中フラグ203hは、始動入賞に応じて取得される入賞のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、特別図柄の抽選結果を先読みする場合に、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのか、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのかを示すフラグである。
先読み確変中フラグ203hがオンの場合には、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるものとして入賞のデータが解析されて、特別図柄の抽選結果が先読みされる。一方、先読み確変中フラグ203hがオフの場合には、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるものとして入賞のデータが解析されて、特別図柄の抽選結果が先読みされる。この先読み確変中フラグ203hは、RAMの初期設定(図39のS915参照)時にオフに初期化され、先読みされた抽選結果が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」であると判定される度に、オンに設定される(図34のS410、図35のS513参照)。また、先読みされた抽選結果が「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」と判別される度に、オフに設定される(図34のS411、図35のS514参照)。
なお、特別図柄における抽選の先読みが行われる場合に、先読み確変中フラグ203hがオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル、高確率時用の停止種別選択テーブル、および第1当たり種別選択テーブルの各テーブルと、始動入賞に応じて取得された入賞のデータとが比較される。一方、先読み確変中フラグ203hがオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル、低確率時用の停止種別選択テーブル、および第1当たり種別選択テーブルの各テーブルと、始動入賞に応じて取得された入賞のデータとが比較される。
有利状態フラグ203iは、上述した遊技者にとって最も有利な「連荘状態」であるか否かを示すフラグである。この有利状態フラグ203iの状態に応じて、特図変動パターン選択テーブル202dや、普図変動パターン選択テーブル202eから遊技状態に対応するテーブルが選択される。この有利状態フラグ203iは、「連荘状態」となる場合(即ち、大当たり終了後に設定された時短期間が終了する場合、および「確変大当たりB」、または「確変大当たりD」の終了時)にオンに設定される(図32のS217参照)。また、大当たりの終了後に「連荘状態」とならない「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」、「確変大当たりA」、および「確変大当たりC」の終了時にオフに設定される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図38参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222aと、背面設定テーブル222bと、連続予告判定テーブル222cとが格納されている。変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動パターン種別に基づいて、変動演出の詳細な態様を設定するためのデータテーブルである。この変動パターンテーブル222aには、変動パターンコマンドにより通知され得る全ての変動パターン種別に対応する変動演出の態様が規定されている。
背面設定テーブル222bは、第3図柄表示装置81において表示される背面画像を設定するために参照されるデータテーブルである。ここで、本実施形態におけるパチンコ機10では、背面A〜背面Gの7種類の背面が選択可能に構成されており、設定されている背面の種別に応じて、「連荘状態」であるか否かや、残りの時短期間等を示唆できるように構成されている。
背面Aは、背面に荒野が表示される背面画像(荒野ステージ)である(図23(a)参照)。この背面Aは、普通図柄の時短期間が残り20回以上の場合や、特別図柄の低確率状態において設定されやすい背面種別である。また、背面Bは背面に川が表示される背面画像(川ステージ)であり、普通図柄の時短期間が残り20回以内の場合に設定されやすい背面種別である(図23(b)参照)。また、背面Cは、背面に森が表示される背面画像(森ステージ)であり、普通図柄の時短期間が残り10回以内の場合に設定されやすい背面種別である(図24(a)参照)。また、背面Dは、背面に洞窟が表示される背面画像(洞窟ステージ)であり、「連荘状態」の場合に設定される背面種別である(図27(a)参照)。
背面E〜背面Gは、普通図柄の時短期間が終了する可能性がある場合(即ち、「連荘状態」へと移行する可能性がある場合)に、遊技者にその旨を示唆するための背面種別(天井報知ステージ)である(図26(a)参照)。背面E〜背面Gは、それぞれ背面A〜Cが設定されている状態で普通図柄の時短期間が終了する場合に設定される。
このように、状態や残りの時短期間に応じて背面種別を変更することにより、遊技者に対して背面画像から状態を予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図17〜図18を参照して、背面設定テーブル222bの詳細について説明を行う。この背面設定テーブル202bは、上述した各背面種別が、後述する天井回数カウンタ223eの値、および背面判定カウンタ223hの値に対応付けて規定されているデータテーブルである。特別図柄の抽選が実行される場合や、および大当たりを終了する場合に、この背面設定テーブル222bを参照して背面種別を変更するか否かが判別される。なお、詳細については後述するが、天井回数カウンタ223eは、残りの時短期間をカウントするカウンタであり、背面判定カウンタ223hは、MPU221によりメイン処理(図44参照)が実行される度に0〜127の範囲で更新されるループカウンタである。
図17(a)に示した通り、背面設定テーブル222bは、規定内容の異なる6種類のデータテーブルから構成されている。具体的には、背面Aに設定されている場合に参照される背面A時設定テーブル222b1と、背面Bに設定されている場合に参照される背面B時設定テーブル222b2と、背面Cに設定されている場合に参照される背面C時設定テーブル222b3と、時短期間が経過した可能性が高い場合に、その旨を報知する背面に切り替えるための報知時設定テーブル222b4と、大当たりとなることに基づいて、普通図柄の時短期間がリセットされた場合に参照される天井リセット時設定テーブル222b5と、時短期間の終了を示唆する背面(背面E〜G)に設定したが、時短期間が終了されなかった場合(背面の変更がガセ(フェイク)だった場合)に参照される報知用背面時設定テーブル222b6とで構成されている。
まず、図17(b)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである背面A時設定テーブル222b1について説明する。上述した通り、この背面A時設定テーブル222b1は、背面A(荒野ステージ)に設定されている場合において、背面種別を変更するか否か判別するために参照されるテーブルである。
図17(b)に示した通り、背面A時設定テーブル222b1において、天井回数カウンタ223eの値が10の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、背面Aのまま残りの時短期間が10回となった場合に、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば背面種別が背面Cに変更され、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲であれば、背面種別は背面Aのまま変更されない。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Cへの変更に対応する値が「14〜127」の114個なので、天井回数カウンタ223eの値が10の場合に背面Cへと変更される確率は、約89%(114/128)である。
また、天井回数カウンタ223eの値が20の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Bが対応付けられている。つまり、背面Aのまま残りの時短期間が20回となった場合に、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば背面種別が背面Bに変更され、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲であれば、背面種別は背面Aのまま変更されない。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Bへの変更に対応する値が「14〜127」の114個なので、天井回数カウンタ223eの値が20の場合に背面Bへと変更される確率は、約89%(114/128)である。
更に、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜125」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値「126」には、背面Bが対応付けられている。そして、背面判定カウンタ223hの値「127」には、背面Cが対応付けられている。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Bへと変更される値、および背面Cへと変更される値はそれぞれ1個のみなので、天井回数カウンタ223eの値が21以上の場合に背面B、背面Cへと変更される確率は、それぞれ約0.8%(1/128)である。
なお、図示については省略したが、天井回数カウンタ223eの値が9回以下、および11回〜19回の範囲の場合は、背面判定カウンタ223hの値によらず、背面画像が変更されない(背面Aのままとなる)ように構成されている。
また、特別図柄の低確率状態(通常状態)における背面種別の選択方法は、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合と同じになる。即ち、背面判定カウンタ223hの値「126」に対して背面Bが対応付けられ、背面判定カウンタ223hの値「127」に対して背面Cが対応付けられている。これにより、現在の状態が「通常状態」であるか、普通図柄の時短期間が21回以上残っている状態であるかを演出から判別することが困難とすることができる。よって、遊技者にとって最も不利な「通常状態」であることを遊技者に認識され、その時点で遊技を辞められてしまうことを抑制することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
このように、本実施形態では、天井回数カウンタ223eの値が20となった場合(即ち、残りの時短期間が20回となった場合)に背面Bへと変更されやすくし、天井回数カウンタ223eの値が10となった場合(即ち、残りの時短期間が10回となった場合)に背面Bへと変更されやすく構成している。また、天井回数カウンタ223eの値が21以上である場合(残りの時短期間が21回以上である場合)は、他の背面種別へ変更されにくく構成している。これにより、背面Bへと変更されることで、残りの時短期間が20回である可能性が高いと遊技者に対して認識させることができるので、背面が変更されてから特別図柄の抽選が少なくとも20回行われるまでは遊技を継続しようと思わせることができる。また、背面Cへと変更されることで、残りの時短期間が10回である可能性が高いと認識させることができるので、その背面の変更から特別図柄の抽選が少なくとも10回行われるまでは遊技を継続しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図17(c)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである背面B時設定テーブル222b2について説明する。上述した通り、この背面B時設定テーブル222b2は、背面B(川ステージ)に設定されている場合において、背面種別を変更するか否か判別するために参照されるテーブルである。
図17(c)に示した通り、背面B時設定テーブル222b3において、天井回数カウンタ223eの値が10の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面B(川ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、背面Bのまま残りの時短期間が10回となった場合に、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば背面種別が背面Cに変更され、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲であれば、背面種別は背面Bのまま変更されない。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Cへの変更に対応する値が「14〜127」の114個なので、天井回数カウンタ223eの値が10の場合に背面Cへと変更される確率は、約89%(114/128)である。
一方、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜126」の範囲に背面Bが対応付けられている。そして、背面判定カウンタ223hの値「127」には、背面Cが対応付けられている。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Aへと変更される値は14個なので、天井回数カウンタ223eの値が21以上の場合に背面Aへと変更される確率は約11%(14/128)である。また、背面Cへと変更される値は1個のみなので、天井回数カウンタ223eの値が21以上の場合に背面Cへと変更される確率は約0.8%(1/128)である。
また、特別図柄の低確率状態(通常状態)における背面種別の選択方法は、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合と同じになる。即ち、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に対して背面Aが対応付けられ、背面判定カウンタ223hの値「127」に対して背面Cが対応付けられている。これにより、現在の状態が「通常状態」であるか、普通図柄の時短期間が21回以上残っている状態であるかを演出から判別することが困難とすることができる。よって、遊技者にとって最も不利な「通常状態」であることを遊技者に認識され、その時点で遊技を辞められてしまうことを抑制することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
このように、本実施形態では、天井回数カウンタ223eの値が10となった場合(即ち、残りの時短期間が10回となった場合)に背面Bから背面Cへと変更されやすく構成している。また、天井回数カウンタ223eの値が21以上である場合(残りの時短期間が21回以上である場合)は、背面Bから背面Aへと変更されやすく(約11%)構成している。これにより、背面Aにおいて天井回数カウンタ222b1の値が21〜99であるにも拘らず、背面Bに変更されてしまった場合でも、比較的短い変動回数で再度背面Aへと変更させることができる。よって、時短期間が21回以上にも関わらず、背面Bが長く継続されてしまうことを抑制することができる。つまり、背面Bが長く続くほど、残りの時短期間が20回以内である可能性が高まるので、遊技者に対して背面を参照させることで残りの時短期間をより正確に予測させることができる。
次に、図18(a)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである背面C時設定テーブル222b3について説明する。上述した通り、この背面C時設定テーブル222b3は、背面C(森ステージ)に設定されている場合において、背面種別を変更するか否か判別するために参照されるテーブルである。
図18(a)に示した通り、背面C時設定テーブル222b3において、天井回数カウンタ223eの値が11以上の場合は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜26」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「27〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、残りの時短期間が11回以上の場合には、背面判定カウンタ223hの値が「0〜26」の範囲で背面種別が背面Aに変更され、背面判定カウンタ223hの値が「27〜127」の範囲であれば、背面種別は背面Cのまま変更されない。天井回数カウンタ223eが取り得る0〜127の128個の値のうち、背面Aへの変更に対応する値が「0〜26」の27個なので、天井回数カウンタ223eの値が11以上の場合に背面Aへと変更される確率は、約21%(27/128)である。
また、特別図柄の低確率状態(通常状態)における背面種別の選択方法は、天井回数カウンタ223eの値が11〜99の場合と同じになる。即ち、背面判定カウンタ223hが「0〜26」の範囲に対して背面Aが対応付けられ、背面判定カウンタ223hが「27〜127」の範囲に対して背面Cが対応付けられている。これにより、現在の状態が「通常状態」であるか、普通図柄の時短期間が11回以上残っている状態であるかを演出から判別することが困難とすることができる。よって、遊技者にとって最も不利な「通常状態」であることを遊技者に認識され、その時点で遊技を辞められてしまうことを抑制することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
このように、本実施形態では、天井回数カウンタ223eの値が10以下の場合には、背面Cから他の背面種別(背面A、または背面B)へと変更されないように構成されている。また、変更天井回数カウンタ223eの値が11以上の場合(即ち、残りの時短期間が10回となった場合)に背面Cから背面Aへと変更されやすく(約21%)構成されている。よって、時短期間が11回以上にも関わらず、背面Cが長く継続されてしまうことを抑制することができる。つまり、背面Cが長く続くほど、残りの時短期間が10回以内である可能性が高まるので、遊技者に対して背面を参照させることで残りの時短期間をより正確に予測させることができる。
次に、図18(b)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである報知時切替テーブル222b4について説明する。上述した通り、この報知時切替テーブル222b4は、時短期間が経過した可能性が高い場合に、その旨を報知する背面に切り替えるために参照されるテーブルである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、時短期間が経過した場合に、第2入球口640へと入球しやすい「連荘状態」へと移行する。この「連荘状態」は、上述した通り、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、多量の賞球を得やすい「確変大当たりD」となりやすいので、遊技者にとって有利となる。しかし、この「連荘状態」でも、第1入球口64へと球が入球することは何ら妨げられない。また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合には、上述した通り、大当たりの終了後に普通図柄の時短状態となる「確変大当たりA」に当選しやすく構成されている。よって、「連荘状態」になったことに気付かずに遊技者が第1入球口64を狙って球を打ち出し続けてしまうと、「連荘状態」へと移行したにも関わらず、「確変大当たりA」に当選することにより「連荘状態」が終了してしまう虞がある。
そこで、本実施形態のパチンコ機10では、時短期間が経過することに基づいて「連荘状態」となったことを示唆する背面種別(図26参照)に変更するように構成されている。また、この背面種別の変更は、先読みにより時短期間が経過する(即ち、保留球数分の特別図柄の抽選が実行されることで「連荘状態」へと移行する)と判別された時点で行われる。これにより、背面種別が変更された後で遊技者が第1入球口64を狙って球を打ち出してしまうことを抑制することができるので、「連荘状態」となった後で特別図柄1の抽選が行われることを抑制することができる。
図18(b)に示した通り、背面Aに設定されている状態において時短期間が経過すると判別されると、背面判定カウンタ223eの値によらず、背面Eへと変更される。この背面Eは、背面Aと同様に荒野をイメージした背面画像が表示され、更に、時短期間が終了する可能性があるため、第1入球口64への球の射出を停止させることを遊技者に促す報知画像(図26(a)参照)が表示される。
同様に、背面Bに設定されている状態において時短期間が経過すると判別されると、背面判定カウンタ223eの値によらず、背面Fへと変更される。更に、背面Cに設定されている状態において時短期間が経過すると判別されると、背面判定カウンタ223eの値によらず、背面Gへと変更される。
なお、時短期間が経過しない場合であっても、後述する連続予告演出(複数回の変動演出にわたって実行されるストーリー性のある演出)が実行される場合には、この背面Eに変更されるように構成されている。これにより、報知画像(図26(a)参照)が表示されたとしても、連続予告演出の結果を確認するまでは「連荘状態」へと移行するか否かが判別できなくすることができるので、遊技者に対して第3図柄表示装置81において実行される表示演出をより楽しませることができる。
次に、図19(a)を参照して、背面設定テーブル222bを構成するデータテーブルの一つである天井リセット時設定テーブル222b5について説明する。上述した通り、この天井リセット時設定テーブル222b5は、特別図柄の大当たりとなることにより、時短期間が新たに設定された(または、普通図柄の通常状態が設定された)場合に、その大当たり終了後の状態に応じて背面画像を選択するために参照されるデータテーブルである。
図19(a)に示した通り、天井リセット時設定テーブル222b5において、天井回数カウンタ223eの値が1〜10以上の場合(大当たりの終了後に付与される時短期間が10回以下の場合)は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、大当たり終了後に付与される時短期間が10回以下の場合には、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲で背面種別が背面Aに設定され、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば、背面種別は背面Cに設定される。
また、天井回数カウンタ223eの値が11〜20の場合(大当たりの終了後に付与される時短期間が11回〜20回の場合)は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲には、背面Bが対応付けられている。つまり、大当たり終了後に付与される時短期間が11回〜20回の場合には、背面判定カウンタ223hの値が「0〜13」の範囲で背面種別が背面Aに設定され、背面判定カウンタ223hの値が「14〜127」の範囲であれば、背面種別は背面Bに設定される。
また、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合(大当たりの終了後に付与される時短期間が21回以上の場合)は、背面判定カウンタ223hの値が「0〜89」の範囲に背面A(荒野ステージ)が対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「90〜114」の範囲には、背面Bが対応付けられている。また、背面判定カウンタ223hの値が「115〜127」の範囲には、背面Cが対応付けられている。つまり、大当たり終了後に付与される時短期間が21回以上の場合には、背面判定カウンタ223hの値が「0〜89」の範囲で背面種別が背面Aに設定され、背面判定カウンタ223hの値が「90〜114」の範囲で背面種別が背面Bに設定され、背面判定カウンタ223hの値が「115〜127」の範囲で背面種別が背面Cに設定される。
なお、特別図柄の低確率状態(通常状態)に設定された場合は、天井回数カウンタ223eの値が21〜99の場合と同じ比率で背面画像が選択される。即ち、背面判定カウンタ223hが「0〜89」の範囲に対して背面Aが対応付けられ、背面判定カウンタ223hが「90〜114」の範囲に対して背面Bが対応付けられ、背面判定カウンタ223hが「115〜127」の範囲に対して背面Cが対応付けられている。これにより、現在の状態が「通常状態」であるか、普通図柄の時短期間が21回以上残っている状態であるかを演出から判別することが困難とすることができる。よって、遊技者にとって最も不利な「通常状態」であることを遊技者に認識され、その時点で遊技を辞められてしまうことを抑制することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
このように、大当たりの終了後に付与される時短期間に応じて選択されやすい背面画像の種別を異ならせている。具体的には、時短期間が10回以内の場合に背面Cが選択されやすく構成されている。また、時短期間が11回〜20回では背面Bが選択されやすくなり、時短期間が21回以上の場合は背面Aが選択されやすくなる。更に、時短期間が少ない(20回以内)の場合にも背面Aが選択される可能性があるため、大当たり終了後に背面Aが設定されたとしても、21回以上の時短期間が選択されたと遊技者が断定することができない。よって、21回以上の時短期間が選択されたとしても、少ない時短期間が設定された可能性があると感じさせることができるので、遊技者に対して遊技を継続させることができる。なお、大当たりの終了後に特別図柄の低確率状態(通常状態)が設定される場合は、背面Aが設定されるように構成されている。また、大当たりの終了後に「連荘状態」が設定される場合は、背面Dが設定されるように構成されている。
なお、残りの時短期間を示唆する態様は、これに限られるものではない。例えば、残りの時短期間に応じてキャラクタの服装を変更するように構成してもよいし、キャラクタ自体を異なるキャラクタ(例えば、女の子のキャラクタ)に変更してもよい。また、残りの時短期間に応じて第3図柄の表示態様を変更したり、効果音や音楽等を変更するように構成してもよい。
次に、図19(b)を参照して、を構成するデータテーブルの一つである報知用背面時設定テーブル222b6について説明する。上述した通り、この報知用背面時設定テーブル222b6は、背面E〜背面Gが設定され、且つ、時短状態が終了しない場合に、背面E〜背面Gの設定を終了し、通常の背面(背面A〜背面C)に戻すために参照されるデータテーブルである。これにより、背面E〜背面Gが表示されていることにより球の打ち出しを停止していた遊技者に対して、再度第1入球口64を狙って球を発射させることができる。
図19(b)に示す通り、報知用背面時設定テーブル222b6は、連続予告カウンタ223iの値に対応付けて、設定する背面種別が規定されている。なお、詳細については後述するが、連続予告カウンタ223iは、5回の変動演出にわたって実行される連続予告演出の演出回数を判別するためのカウンタである。この連続予告カウンタ223iは、連続予告演出の開始時に4に設定され、変動演出が実行され、演出が進むたびに1ずつ減算される。
図19(b)に示した通り、現在設定されている背面が背面Eである場合は、連続予告カウンタ223iの値が0の場合に(つまり、連続予告演出において最後に実行される変動演出の場合に)、背面Aへと切り替えられる。一方、連続予告カウンタ223iの値が1〜4の場合は(つまり、連続予告演出の途中である場合は)、背面Eから変更されないように構成されている。
また、現在設定されている背面が背面Fである場合は、連続予告カウンタ223iの値が0の場合に(つまり、連続予告演出において最後に実行される変動演出の場合に)、背面Bへと切り替えられる。一方、連続予告カウンタ223iの値が1〜4の場合は(つまり、連続予告演出の途中である場合は)、背面Fから変更されない。
更に、現在設定されている背面が背面Eである場合は、連続予告カウンタ223iの値が0の場合に(つまり、連続予告演出において最後に実行される変動演出の場合に)、背面Aへと切り替えられる。一方、連続予告カウンタ223iの値が1〜4の場合は(つまり、連続予告演出の途中である場合は)、背面Eから変更されない。
このように、連続予告演出の最後に実行される変動演出において背面画像を報知用の背面種別(背面E〜背面G)から、通常の背面種別(背面A〜背面C)へと戻すように構成されている。これにより、報知用の背面種別(背面E〜背面G)に従って球の打ち出しを停止していた遊技者に対して、再度球を打ち出させることができる。
図6に戻って説明を続ける。連続予告判定テーブル222cは、連続予告演出(複数回の変動演出にわたって実行されるストーリー性のある演出)を設定するか否かを判別するために用いられるデータテーブルである。この連続予告判定テーブル222cの詳細について、図19(c)を参照して説明する。
図19(c)は、連続予告判定テーブル222cの規定内容を示した図である。この連続予告判定テーブル222cには、天井回数カウンタ223eの値に対応付けて、連続予告を設定すると判別される場合の予告判別カウンタ223jの判定値が規定されている。なお、詳細については後述するが、予告判別カウンタ223jは、MPU221によりメイン処理(図44参照)が実行される度に0〜127の範囲で更新されるループカウンタである。ここで設定される連続予告演出は、いわゆるガセ演出であり、連続予告演出が終了しても「連荘状態」へと移行しない。
図19(c)に示した通り、天井回数カウンタ223eの値が1〜5の範囲では、連続予告演出を設定すると判別される予告判別カウンタ223jの値が存在しない。なお、時短期間が残り5回の場合には、「連荘状態」へと移行する(ガセでない)連続予告演出が設定される。
一方、天井回数カウンタ223eの値が6〜10の範囲では、予告判別カウンタ223jの値が「0〜6」の範囲において連続予告演出を設定すると判別される。また、天井回数カウンタ223eの値が11〜20の範囲では、予告判別カウンタ223jの値が「0〜13」の範囲において連続予告演出を設定すると判別される。更に、天井回数カウンタ223eの値が21以上の場合は、予告判別カウンタ223jの値が「0〜2」の範囲において連続予告演出を設定すると判別される。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、残りの時短期間が21以上の場合に連続予告演出が設定されにくくなり、残りの時短期間が11〜20回の場合に連続予告演出が設定されやすくなるように構成されている。これにより、連続予告演出の終了後に連荘状態とならなかった場合であっても、時短期間が20回以内の可能性があると遊技者に思わせることができるので、遊技を継続するモチベーションを向上させることができる。
図6に戻って説明を続ける。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、天井回数カウンタ223eと、連荘状態フラグ223fと、背面フラグ223gと、背面判定カウンタ223hと、連続予告カウンタ223iと、予告判別カウンタ223jと少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図46のS1608参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図46のS1603参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図51のS2102参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図46のS1605参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図51のS2107参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)をそのまま設定するように決定される。
天井回数カウンタ223eは、上述した通り、大当たりの終了後に設定された時短期間の残り回数を判別するために用いられるカウンタである。この天井回数カウンタ223eの値に基づいて、背面画像の変更や連続予告演出の設定等が行われる。この天井回数カウンタ223eは、大当たりの変動パターンが変動パターンコマンドにより主制御装置110から通知された場合に、大当たり種別に応じた値が設定される(図47のS1705,S1708参照)。また、特別図柄の外れを示す変動パターンが変動パターンコマンドにより通知される度に、1ずつ減算される(図48のS1802参照)。
連荘状態フラグ223fは、「連荘状態」の演出を実行する期間であるか否かを示すフラグであり、その状態がオンであれば、現在が「連荘状態」に対応する演出を実行する。具体的には、背面画像として背面Dが設定される。また、連荘状態フラグ223fがオフであれば、通常の演出が設定される。この連荘状態フラグ223fは、変動パターンコマンドにより通知された変動種別が確変大当たりB、または確変大当たりDに対応する変動演出であった場合(図47のS1710参照)や、普通図柄の時短状態が終了したと判別される場合(図48のS1804参照)にオンに設定される。また、変動パターンコマンドにより通知された変動種別が通常大当たりA、通常大当たりB、確変大当たりA、または確変大当たりCであった場合にオフに設定される(図47のS1706,S1709参照)。
背面フラグ223gは、現在設定されている背面画像の種別を示すフラグである。この背面フラグは、例えば、1バイトで構成されている。そして、背面A〜背面Gのそれぞれに対応する値として、00H〜06Hが対応付けられている。例えば、背面Cが設定されている場合は、02H(2進数表記で0010B)が設定される。この背面フラグ223gは、背面画像の種別を変更する度に、その値が変更される(図45のS1504,S1508,S1512、図48のS1810,S1815参照)。
背面判定カウンタ223hは、背面種別を変更するか否かを判別するために参照されるカウンタである。この背面判定カウンタ223hの値と、背面設定テーブル222bの規定内容とに基づいて、背面種別を変更するか否かが判別される。この背面判定カウンタ223hは、0〜127の範囲で更新されるループカウンタで構成されており、メイン処理(図44参照)の中で1ずつ更新される。
連続予告カウンタ223iは、5回の変動演出にわたって設定される連続予告演出が実行される場合において、何回目の変動演出を実行しているかを示すカウンタである。この連続予告カウンタ223iの値に応じて、連続予告演出中に実行される変動演出の態様が設定されたり、背面画像が設定されたりする。この連続予告カウンタ223iは、連続予告演出の設定時に値に4が設定され(図49のS1906参照)、連続予告演出中に変動演出の開始が変動パターンコマンドにより通知される度に1ずつ減算される(図49のS1903参照)。
予告判別カウンタ223jは、連続予告演出を設定するか否かを判別するために参照されるカウンタである。この予告判別カウンタ223jの値と、連続予告判定テーブル222cの規定内容とに基づいて、連続予告演出を設定するか否かが決定される。この予告判定カウンタ223jは、0〜127の範囲で更新されるループカウンタで構成されており、メイン処理(図44参照)の中で1ずつ更新される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図46参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図20を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図38参照)を正常に実行することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図20を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図20は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有して構成されている。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図52のS2201参照)の終了後に実行される初期化処理(図52のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図30参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図54(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行するように構成されている。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図52のS2203,S2204参照)。
ここで、図21を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図21は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図21(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図21(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図21(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図21(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図21(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図21(b)、および図21(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図20に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図22を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図22は、7種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図22(a)は、「荒野ステージ」に対応する背面Aに対して、図22(b)は、「川ステージ」に対応する背面B、「森ステージ」に対応する背面C、「洞窟ステージ」に対応する背面D、および各天井報知ステージに対応する背面E〜背面Gに対して、それぞれ示したものである。
各背面A〜Gに対応する背面画像は、図22(a),(b)に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Gに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面設定テーブルに基づいて背面種別が変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである荒野ステージに対応する背面Aは、図22(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。初期ステージである荒野ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、川ステージに対応する背面B、森ステージに対応する背面C、洞窟ステージに対応する背面D、および天井報知ステージに対応する背面E〜背面Gは、図22(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。
ここで、背面画像の変更が決定された場合に、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的である。しかし、このように構成すると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、ステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、時間経過とともにスクロール表示を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜背面Gについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜背面Gは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜背面Gにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図20参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次に、図23〜図27を参照して、実際に第3図柄表示装置81に表示される背面画像の具体例、および連続予告演出中の具体例について説明する。まず、図23(a)は、上述した背面A(荒野ステージ)の例を示す図である。図23(a)に示した通り、背面A(荒野ステージ)が設定されている場合は、剣と盾とを携えた冒険者のキャラクタ801が、岩山だらけの荒れ果てた荒野を歩く画像が背面画像として表示される。このキャラクタ801は、本パチンコ機10において実行される各種演出で様々なアクションを行うことにより、大当たりとなる期待度や、時短期間が終了する期待度を示唆するように構成されている。
上述した通り、背面A(荒野ステージ)は、普通図柄の時短期間が残り21回以上の場合や、特別図柄の低確率状態(通常状態)において表示されやすい背面種別である。よって、背面Aが表示されることに基づいて、時短期間が終了するまでの残りの時短期間を予測させることができる。
図23(b)は、上述した背面B(川ステージ)の表示例を示す図である。この背面B(川ステージ)が設定されている場合は、キャラクタ801がいかだに乗って川を下る表示画像が背面画像として表示される。この背面B(川ステージ)は、普通図柄の時短期間が残り11回〜20回の場合に表示されやすい背面種別である。この背面B(川ステージ)が表示されることに基づいて、時短期間が残り20回以内である可能性が高いと思わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高め、特別図柄の抽選が20回実行されるまで様子を見てみようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
図24(a)は、上述した背面C(森ステージ)の表示例を示す図である。この背面C(森ステージ)が設定されている場合は、キャラクタ801が木々の生い茂る森の中を進んで行く表示画像が背面画像として表示される。この背面C(森ステージ)は、普通図柄の時短期間が残り10回以内の場合に表示されやすい背面種別である。この背面C(森ステージ)が表示されることに基づいて、時短期間が残り10回以内である可能性が高いと思わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高め、特別図柄の抽選が10回実行されるまで様子を見てみようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図24(b)、図25、および図26を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10により実行される連続予告演出の表示態様について説明する。上述した通り、この連続予告演出は、5回の変動演出に渡ってストーリー性のある演出が実行される演出である。本実施形態のパチンコ機10では、この連続予告演出として、宝の隠された洞窟803の入口を守る怪獣802と戦う演出が5回の変動演出にわたって実行される。本実施形態のパチンコ機10では、この怪獣802を撃破するか否かに基づいて、「連荘状態」へと移行するか否かが示唆される。
この連続予告演出は、時短期間が残り5回の場合に必ず設定されるように構成されており、連続予告演出によって怪獣802を撃破する演出が実行される。また、連続予告演出が終了した後は(即ち、時短期間が0回となった場合には)、「連荘状態」へと移行するように構成されている。
また、本実施形態では、時短期間が残り5回以上の場合や、特別図柄の低確率状態(通常状態)の場合にも、変動演出の態様を設定する際に連続予告演出が設定される場合がある。この場合は、連続予告演出の開始から5回目の変動演出において、キャラクタ801が怪獣802に敗北してしまう演出が実行される。これにより、「連荘状態」へと移行していないことを遊技者に対して認識させることができる。
図24(b)は、背面C(森ステージ)に設定されている状態で、連続予告演出が実行される場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像の例を示す図である。変動開始時に連続予告演出の開始が決定されると、図24(b)に示した通り、キャラクタ801の進行方向に洞窟803、およびその洞窟803の入口を守る怪獣802が出現する演出が表示される。そして、図25(a)に示した通り、キャラクタ801と怪獣802とがにらみ合う演出が表示される。これらの表示演出が、連続予告演出の開始を設定された変動演出中に表示される。なお、図25、および図26では省略しているが、キャラクタ801と怪獣802とがにらみ合っている場面や、戦闘が行われている間にも、奥には森が表示されるように構成されている。同様に、荒野ステージや川ステージにおいて連続予告演出が開始された場合にも、荒野や川の画像をバックにキャラクタ801と怪獣802とが戦闘を繰り広げるように構成されている。
なお、変動演出の実行中に、連続予告演出の終了までの変動回数に対応する保留球が保留された場合は、図25(b)に示す報知画像804が表示される(背面画像が天井報知用の背面に切り替えられる)。具体的には、変動演出の5回目に実行される変動演出に対応する第1入球口64への入球が保留された場合に、小領域Ds1に対してその保留された入球に対応する保留球数図柄(4個目の保留球数図柄)が表示されると共に、報知画像804が表示される。図25(b)の例では、連続予告演出の1回目だったため、4個目の保留球数図柄が表示された場合に報知画像804が表示されるように制御されるが、連続予告演出を設定した後の変動回数におうじて、報知画像804が表示される保留球数は異なる。即ち、連続予告演出の2回目の変動中であれば、3個目の保留球数図柄が表示されると共に報知画像804が表示されるように制御される。また、連続予告演出の3回目の変動中であれば、2個目の保留球数図柄が表示されると共に報知画像804が表示され、4回目の変動中であれば、1個目の保留球数図柄が表示されると共に報知画像804が表示されるように制御される。
図25(b)に示した通り、報知画像804には、「天井かも!?球を打たずに応援してね!」との文字が表示される。この文字を表示することにより、遊技者に対して球の打ち出しを停止させるように促すことができる。よって、連続予告演出中に、連続予告演出中に実行される変動回数を超えた数の保留球が保留されてしまうことを抑制することができる。従って、連続予告演出の終了後に「連荘状態」へと移行したにも関わらず、連続予告演出中に保留された第1入球口64への入球に基づいて、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選が実行されることを抑制できる。これにより、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選で大当たりとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを防止(抑制)することができるので、遊技者に「連荘状態」を十分に楽しませることができる。
この報知画像804は、連続予告演出の終了後に時短期間が終了しない場合(つまり、ガセの連続予告演出が表示された場合)にも表示されるように構成されている。即ち、連続予告演出の結果「連荘状態」へと移行するか否かに関わらず、連続予告演出の終了までの変動回数に対応する保留球が保留された時点で、報知画像804を表示させるように構成されている。これにより、告知画像804が表示されただけでは連続予告演出の終了後に「連荘状態」へと移行するか否かが判別できないので、遊技者に対して連続予告演出の結果をより興味深く確認させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、報知画像804の態様を複数設けてもよい。また、連続予告演出の終了後に「連荘状態」となる場合にしか設定されない態様(例えば、「天井だよ!!球を打たずに応援してね!」との文字が表示される態様)と、連続予告演出の結果に関わらず設定可能な態様(例えば、「天井かも!?球を打たずに応援してね!」との文字が表示される態様)とを設けてもよい。これにより、「連荘状態」への移行が確定する態様が表示されることで、遊技者を喜ばせることができる。よって、連続予告演出の演出内容だけでなく、報知画像804の態様に対しても注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図26(a)は、報知画像804が表示された状態で、連続予告演出の4回目の変動演出が設定された場合の表示内容の例である。連続予告演出の4回目では、キャラクタ801が怪獣802に対して攻撃を仕掛ける演出が表示される。この演出が表示されてから、連続演出の5回目に対応する変動演出が実行されると、怪獣802が倒れると共に、キャラクタ801が怪獣802に勝利したことを示す勝利報知画像805(勝利!!左打ちを停止してね!との文字が表示される画像)が表示される演出(図26(b)参照)、若しくは怪獣802が反撃し、キャラクタ801が敗北する演出のいずれかが表示されるように構成されている。これにより、「連荘状態」へと移行するか否かを遊技者が容易に認識することができる。
また、連続予告演出の5回目の演出では、キャラクタ801と怪獣802との戦闘結果が変動開始直後に表示されるように構成されている。つまり、「連荘状態」へと移行する場合は、変動開始直後に図26(b)に示した表示内容が表示されるように構成されている。これにより、保留球が無い状態で連続予告演出の4回目の変動演出が終了し、その後の新たな始動入賞に基づいて連続予告演出の5回目の変動演出が開始されたとしても、その5回目の変動演出中に第1入球口64への入賞が保留されてしまうことを抑制することができる。勝利報知画像805を確認させることで、遊技者に対して球を盤面13の左側へ打ち出す(左打ちする)と損をしてしまうと認識させることができるためである。よって、連続予告演出の終了までの変動回数に対応する保留球が保留されないまま4回目の変動演出が終了した場合(つまり、報知画像804を表示させることができなかった場合)でも、連続予告演出の5回目の変動演出中に保留された第1入球口64への入球に基づいて、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選が実行されることを抑制できる。これにより、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選で大当たりとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを防止(抑制)することができるので、遊技者に「連荘状態」を十分に楽しませることができる。
なお、連続予告演出の態様はこれに限られるものではなく、遊技者にとって有利な状態となるか否かを示唆できる態様であれば任意に定めてもよい。例えば、冒険者のキャラクタ801が高い塔を登る演出を行い、怪獣801等の妨害に負けずに塔を登り切れるか否かによって、「連荘状態」となるか否かを示唆するように構成してもよい。
また、連続予告演出中に実行される変動回数を超えた数の保留球が保留されてしまうことを抑制するための方法は、報知画像804を表示させることに限定されない。例えば、第3図柄表示装置81をタッチパネルで構成し、連続予告演出中に実行される変動回数分の保留球が貯まった時点で、第3図柄表示装置81のうち、離れた2か所を遊技者の両手でそれぞれ触れさせるように促してもよい。これにより、遊技者の手をハンドル51から離すことができるので、遊技者が球を打ち出すことを抑制することができる。よって、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選で大当たりとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを防止(抑制)することができるので、遊技者に「連荘状態」を十分に楽しませることができる。
次に、図27を参照して、「連荘状態」中に設定される背面種別である背面D(洞窟ステージ)について説明する。図27(a)に示した通り、背面Dが設定されると、キャラクタ801が洞窟の中を探索する背面画像が表示される。また、第3図柄表示装置81の下部に設けられた表示領域806には、「洞窟探索モード」との文字が表示される。また、その文字の左右には、「右打ち」との文字が表示される。ここで、上述した通り、「連荘状態」では、遊技盤13の右側に向けて球を打ち出すことにより第2入球口640へと球が入球しやすくなる。また、第2入球口640へと球が入球することに基づいて特別図柄2の抽選が実行され、大当たりになると、90%の確率で「確変大当たりD」になるように構成されている。この「確変大当たりD」は、多量の賞球を獲得可能な上に、大当たりの終了後に再度「連荘状態」が設定される(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態が設定される)大当たりであり、遊技者にとって最も有利な大当たりである。よって、「連荘状態」において、この「確変大当たりD」になりやすい特別図柄2の抽選を行わせるために、「右打ち」との文字を表示領域806へと表示させ、遊技盤13の右側へと球を打ち出すことを遊技者に促している。これにより、「連荘状態」において誤って第1入球口64を狙って球を打ち出してしまうことを防止できるので、「連荘状態」をより楽しませることができる。
図27(b)は、背面Dが設定されている状態(「連荘状態」)で特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合の表示演出の例を示した図である。図27(b)に示した通り、背面Dが設定されている状態で大当たりに対応する変動演出が実行されると、小領域Ds2において同一の主図柄が揃う変動演出が実行されると共に、キャラクタ801が宝箱807を発見する演出が行われる。これにより、遊技者に対して特別図柄の大当たりとなったことを容易に認識させることができる。なお、小領域Ds2で変動演出が実行され、停止図柄が表示された後は、主表示領域Dmに対して停止図柄が大きく停止表示されるように構成されている(図5(b)参照)。これにより、遊技者は停止図柄を明確に確認することができる。この停止表示の状態は、最低で1秒間継続する。そして、次の変動演出が開始されるか、デモ演出が開始されることにより停止表示の状態が終了する。
なお、大当たりに対応する変動演出を行う場合の演出は、宝箱807を発見する演出に限られるものではない。遊技者にとって有利な状態(賞球を獲得可能な状態)となることを示唆する態様であれば任意に定めることができる。また、全ての大当たり種別に対して同じ演出を行う必要はない。例えば、大当たりの終了後に「連荘状態」が終了してしまう大当たり種別である「通常大当たりB」や、「確変大当たりC」になった場合は、遊技者にとって望ましくない大当たりであることを示唆する態様で演出を実行してもよい。例えば、洞窟が崩落し、キャラクタ801が洞窟から命からがら脱出する演出を実行してもよい。キャラクタ801が洞窟から脱出する演出を実行することにより、遊技者は「洞窟ステージ」が終了した(即ち、「連荘状態」が終了した)ことを容易に認識することができる。
また、「連荘状態」において、大当たり中の演出により大当たり終了後に「連荘状態」が継続するか否かを示唆するように構成してもよい。具体的には、例えば、大当たりを報知する変動演出では、閉じた状態の宝箱807を発見する演出が実行されるように構成し、その後の大当たり中の演出において宝箱807を開ける演出を実行するように構成してもよい。そして、宝箱807の中に財宝が入っていれば、大当たり終了後も「連荘状態」となる一方で、宝箱807を開くことで罠のスイッチが起動してしまい、洞窟が崩落してしまえば、大当たり終了後に「連荘状態」が終了してしまうことを示唆するように構成してもよい。
図20に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図5参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐されている。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりB、大当たりCのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、上述した通り、「確変大当たりA」、および「確変大当たりB」(賞球を獲得することが困難な大当たり)となった場合は、遊技者が大当たりとなったことを認識し難い態様で上記各演出が実行される。即ち、オープニング演出、ラウンド演出、およびエンディング演出では、大当たりに対応する第3図柄を表示させるための変動演出が続いているかのような態様で表示演出が実行される(上記大当たりとなる前に実行される変動演出の実行期間と、大当たり中に実行される上記各演出の演出期間とをつなげて、1の変動演出が実行される)。このため、データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、およびエンディング演出に対応するデータテーブルとして、「確変大当たりA」、および「確変大当たりB」(賞球を獲得することが困難な大当たり)専用のデータテーブルと、これら以外の遊技者が賞球を獲得可能な大当たりに対応するデータテーブルとが格納され、大当たり種別に応じた表示データテーブルが設定されるように構成されている。これにより、賞球を獲得しにくい大当たりとなったことを認識し難くし、大当たりが報知されたにも関わらず賞球を得ることなく大当たりが終了してしまい、遊技者を落胆させてしまうことを抑制することができる。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図22を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図22は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「荒野ステージ」、「川ステージ」、「森ステージ」、「洞窟ステージ」、各「天井報知ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Gのいずれかを表示させるかを特定する情報が記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Gのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Gのうち特定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図28の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図30参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図29を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図29は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図29のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図29のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図29の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図30参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図29の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図21(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図52参照)の中でオンに設定される(図52のS2205参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図63(b)のS3805参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図54(b)のS2501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図54(b)のS2508参照)、および簡易表示設定処理(図54(b)のS2509参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図55〜図59参照)および表示設定処理(図60〜図62参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図63(a)のS3701参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図63(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図64参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図54(b)のS2503参照)の中で、ポインタ更新処理(図60のS3405参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図30参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図30を参照して、描画リストの詳細について説明する。図30は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図30に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図54(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図60のS3407参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図52のS2202参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図64参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図64のS3913参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図64のS3914参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図65のS4002参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図54(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図65のS4002参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図31から図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図31は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,199,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、および、始動入賞処理の詳細は、図32〜図35を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、および、スルーゲート通過処理の詳細は、図36および図37を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図32は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S203)。次に、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において特別図柄1の抽選を行い、その抽選結果に基づいて変動表示を開始するための特別図柄1変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄1変動開始処理については、図33を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新して(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図33を参照して後述する特別図柄1変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄1変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて通常大当たりBとなるか、確変大当たりAとなるか、確変大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たり種別に応じて、第1図柄表示装置37に設けられた複数のLEDの点灯態様を異ならせて点灯されるように構成されている。各LEDは、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄1変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、大当たりの開始を設定し(S213)、処理をS218へと移行する。S213の処理により特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図40参照)の大当たり制御処理(S1004)が実行された場合に、S1101:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(図41のS1102参照)。第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S214)、時短中カウンタ203gの値が1以上でない(即ち、0である)と判別した場合は(S214:No)、処理をS218へと移行する。また、S214の処理において、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば(S214:Yes)、時短中カウンタ203gの値を1減算する(S215)。
次いで、減算後の時短中カウンタ203gの値が0となったか否かを判別し(S216)、0であれば(S216:Yes)、今回の特別図柄の変動演出により時短期間が終了し、普通図柄の通常状態へと移行する(つまり、「連荘状態」へと移行する)ことを意味するので、有利状態フラグ203iをオンに設定して「連荘状態」であることを示し(S217)、処理をS218へと移行する。
一方、S216の処理において、時短中カウンタ203gの値が0でないと判別した場合は(S216:No)、S217の処理をスキップし、処理をS218へと移行する。S218の処理では、第3図柄表示装置において第3図柄の変動を停止させるための停止コマンドを設定して(S218)、本処理を終了する。
次に、図33を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄1変動開始処理(S208)について説明する。図33は、特別図柄1変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄1変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図31参照)の特別図柄変動処理(図32参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄1変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203fがオンであるか否かを判定し(S302)、オンであると判定した場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(確変状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変フラグ203fが0であると判定した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「5,52,78,119,138,201,262,291」の8個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303、またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特図1用当たり種別選択テーブル202b1に格納されている乱数値とを比較し、66種類ある特別図柄の大当たり(通常大当たりA、確変大当たりA1〜確変大当たりA64、確変大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する(図8(a)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(通常大当たりA、確変大当たりA1〜確変大当たりA64、確変大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるために、今回の大当たり種別(通常大当たりA、確変大当たりA1〜確変大当たりA64、確変大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値と、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1(図12(a)参照)とに基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値と、特図1通常/確変時短用選択テーブル202d1とに基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S306の処理またはS308の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S307又はS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図40参照)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図34のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図34は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における抽選の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S413の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、RAM203の先読み確変中フラグ203hの状態と、S406の処理で格納された各種カウンタ値とに基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S408)。ここで、先読み確変中フラグ203hがオンであれば、特別図柄の大当たりか否かは、S406の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている10の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
一方、先読み確変中フラグ203hがオフであれば、特別図柄の大当たりか否かは、S406の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている8の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「5,52,78,119,138,201,262,291」の8個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
そして、特別図柄の大当たりであると判定された場合には、S406の処理で格納された第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。一方、特別図柄の外れであると判定された場合には、S406の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、外れリーチであるか、完全外れであるかを判定する。
次に、第3図柄表示装置81における変動パターンを判定する。第3図柄表示装置81における変動パターンは、ROM202に格納された特図変動パターン選択テーブル202d(図11(b)、図12参照)の中から、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定する(S408)。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納する。
S409の処理により入賞情報コマンドを設定した後は、S408の処理で予測した抽選の当否が特別図柄の大当たりであるかを判定する(S409)。S407の処理で予測した抽選結果が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」のいずれかである場合には(S409:Yes)、先読み確変中フラグ203hをオンに設定して(S410)、S413の処理へ移行する。一方、S407の処理で予測した抽選結果が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」でないと判別された場合には(S409:No)、予測した抽選結果が「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」であるか否かを判別する(S411)。そして、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」のいずれかであると判別した場合は、先読み確変中フラグ203hをオフに設定して(S412)、S413の処理へ移行する。一方、S411の処理において、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」でない(即ち、抽選結果が特別図柄の外れである)と判別した場合は、S412の処理をスキップして、S413の処理へ移行する。S413の処理では、第2入球口640に対する球の入球に基づいて変動演出の開始を設定する特別図柄2入賞処理を実行して(S413)、タイマ割込処理へ戻る。
次に、図35を参照して、上述した特別図柄2入賞処理(S413)についての説明を行う。この特別図柄2入賞処理(S413)は、第2入球口640に対する球の入球に基づいて変動演出の開始を設定するための処理である。この特別図柄2入賞処理では、まず、第2入球口640への球の入球を検出したか否かが判別される(S501)。S501の処理において、第2入球口640への球の入球が検出されなかった場合は(S501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S501の処理により、第2入球口640への球の入球が検出された場合は(S501:Yes)、次いで、変動演出の実行中であるか否かを判別し(S502)、変動演出の実行中であれば(S502:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、第2入球口640に対する球の入球は保留されずに破棄されるように構成されている。
S502の処理において、変動演出の実行中でなければ(S502:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203d(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を取得する(S503)。次いで、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であるか否かを判別し(S504)、0でない(即ち、特別図柄1における変動演出が保留されている)と判別した場合は(S504:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S504:Yes)、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄2実行エリア203bへと格納することにより、特別図柄2の抽選を行えるように制御する。
次いで、確変フラグ203fがオンであるか否かを判別することにより現在が特別図柄の高確率状態であるか否かを判別し(S506)、確変フラグ203fがオンであれば、S505の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている10の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって特別図柄の大当たりであるか否かを判定し(S507)、処理をS509へと移行する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,38,64,99,122,151,183,218,249,270」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
一方、S506の処理において、確変フラグ203fがオフであると判別された場合は(S506:No)、S505の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図7(b)参照)に格納されている8の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって特別図柄の大当たりであるか否かを判定し(S508)、処理をS509へと移行する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「5,52,78,119,138,201,262,291」の8個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
S507、またはS508の終了後に実行されるS509の処理では、S507、またはS508の処理による判定結果が特別図柄の大当たりであるか否かを判別し(S509)、特別図柄の大当たりであれば(S509:Yes)、S505の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様の設定を行う(S510)。このS510の処理では、判定された大当たり種別に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S511)。S511の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、遊技状態(「連荘状態」であるか否か)に応じて参照するテーブル(特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2、または共通確変非時短用選択テーブル202d3のどちらか)を選択し、選択したテーブルと、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第1変動種別カウンタCS1の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、超ロングリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、上述した通り、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、特図変動パターン選択テーブル202dにより予め規定されている。
S511の処理が終了すると、次いで、大当たり種別が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」のいずれかであるか否かが判別され(S512)、「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」のいずれかであれば(S512:Yes)、先読み確変中フラグ203hをオンに設定して(S513)、処理をS517へと移行する。一方、大当たり種別が「確変大当たりA」〜「確変大当たりD」でない(即ち、「通常大当たりA」、または「通常大当たりB」である)と判別した場合は(S512:No)、先読み確変中フラグ203hをオフに設定して、処理をS517へと移行する。
S509の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S509:No)、外れ時の表示態様を設定する(S515)。S515の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄1保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S516)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、遊技状態(「連荘状態」であるか否か)に応じて参照するテーブル(特図2通常/確変時短用選択テーブル202d2、または共通確変非時短用選択テーブル202d3のどちらか)を選択し、選択したテーブルと、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第1変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、ノーマルリーチ、超ロングリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S513、S514、またはS516の処理が終わると、次に、S511の処理、またはS516の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S517)。次いで、S510、またはS515の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S518)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図40参照)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S518の処理が終わると、始動入賞処理へ戻る。この特別図柄2入賞処理(S413)により、変動演出が実行されていなく、特別図柄1の保留球も存在しない場合に限り、特別図柄2の抽選を実行することができる。
次に、図36を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図36は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203gの値が1以上であるかを判定する(S608)。なお、時短中カウンタ203gは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203gの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図11(a)参照)とに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(a)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0〜239」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定する。即ち、第2当たり乱数カウンタC4の値がとり得る全範囲において、普通図柄の当たりと判定される(図11(a)参照)。
S608の処理において、時短中カウンタ203gの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、またはパチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(a)参照)に格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜222」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,223〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(a)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、有利状態フラグ203iがオンである(即ち、「連荘状態」である)か否かを判定し(S614)、オンであれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を3回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、有利状態フラグ203iがオフである場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、または、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
一方、S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、有利状態フラグ203iがオンであるか否かを判定し(S619)、有利状態フラグ203iがオンであれば(S619:Yes)、普図確変非時短用選択テーブル202e2と、第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を設定し(S620)、本処理を終了する。一方、有利状態フラグ203iがオフであれば(S619:No)、普図通常/確変時短用選択テーブル202e1と、第2変動種別カウンタCS2の値とに基づいて第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を設定し(S621)、本処理を終了する。これにより、「連荘状態」においては、特別図柄の低確率状態(通常状態)や、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の時短状態(時短)の場合と比較して、変動表示の時間が「1秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×3回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図40参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図40参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図37は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、普通入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。なお、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図38は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図39を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図39は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS913へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常かを判別する(S907)。S907の処理において、RAM判定値が正常でないと判別した場合は(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS913へ移行する。なお、図40のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S913の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S913)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S914,S915)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S914,S915)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S914,S915)を実行する。RAMの初期化処理(S914,S915)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S914)、その後、RAM203の初期値を設定する(S915)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、確変フラグ203fの状態と、時短中カウンタ203gの値とに基づいて、立ち上げ時のパチンコ機10の状態を音声ランプ制御装置113へと通知するための状態コマンドを生成し、音声ランプ制御装置113へと出力する。音声ランプ制御装置113のRAM223は、その内容がバックアップされないため、電源が遮断された場合に記憶内容を消失してしまう。このため、パチンコ機10に対して電源を投入する場合は、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいて遊技状態(特別図柄の高確率状態であるか否かや、普通図柄の時短期間)を判別し、判別した遊技状態に基づいて各種演出を設定するように構成されている。これにより、営業時間中にパチンコ機10の電源が遮断されてしまったとしても、電源復帰後に実際の遊技状態とは矛盾する演出が実行されてしますことを防止(抑制)することができる。なお、詳細については後述するが、S901の処理によって出力された状態コマンドは、音声ランプ制御装置113のMPUにより立ち上げ処理(図42参照)の中で実行される状態コマンド処理(図43参照)によって解析され、その状態コマンドにより通知された遊技状態に基づいて各種フラグが更新される。
S910の処理が終了すると、次いで、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(S911)。次いで、割込みを許可して(S912)、後述するメイン処理へと移行する。
次に、図40を参照して、上記した立ち上げ処理(図39参照)の終了後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図40は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図31参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図31参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図32参照)や始動入賞処理(図34参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図34参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図41参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の値を更新する(S1002)。具体的には、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の値にそれぞれ1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際は、0にクリアする。そして、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図36参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(図33参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄1変動開始処理(図33参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄1変動開始処理(図33参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図36参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図36参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図36参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていないと判別した場合は(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、第1変動種別カウンタCS1、および第2変動種別カウンタCS2の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図38のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア、および作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図41は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン割込処理(図40参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図32参照)のS213の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1102)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1103)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1103の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1103:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1103の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1103:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1104)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1104:Yes)、大当たり種別に応じて、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放し(S1105)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1106)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1104:No)、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1107)。具体的には、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放されている場合には、0.2秒が経過した場合、または、球が5個入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。また、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている場合には、30秒が経過した場合、または、球が5個入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1107の処理において、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖条件が成立した場合には(S1107:Yes)、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aを閉鎖して(S1108)、本処理を終了する。一方、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1107:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1109)。具体的には、特別遊技状態の最終ラウンドが終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1109:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1110)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1109の処理において、エンディングの開始タイミングでないと判定した場合には(S1109:No)、次いで、大当たりの終了タイミングであるか否かを判別する(S1111)。具体的には、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に、大当たりの終了タイミングであると判別される。そして、大当たりの終了タイミングであると判別された場合は(S1111:Yes)、状態設定テーブル202fを読み出して(S1112)、今回の大当たり種別と、状態設定テーブル202fに規定されている大当たり終了後の設定とに基づいて、RAM203の確変フラグ203f、時短中カウンタ203g、遊離状態フラグ203i等を更新して(S1113)、本処理を終了する。一方、S1111の処理において大当たりの終了タイミングでないと判別された場合は(S1111:No)、そのまま本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図42から図51を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図42は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1419の電源断処理(図44参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図44を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図44のS1416参照)、S1419の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1419の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンされる(図44のS1418参照)。つまり、電源断フラグは、S1419の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1419の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定する(S1210)。
S1210の処理が終了すると、電源投入に基づいて主制御装置110より出力される状態コマンド(図39のS910参照)に基づいて、パチンコ機10の状態を判別するための状態コマンド処理を実行し(S1211)、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、状態コマンド処理を実行し(S1211)、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図42参照)の中でMPU221により実行される状態コマンド処理(S1211)について説明する。この状態コマンド処理(S1211)は、主制御装置110における立ち上げ処理(図39参照)の中で、電源復帰時の遊技状態を通知するために音声ランプ制御装置113に対して出力される状態コマンドに基づき、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握するために行われる処理である。
この状態コマンド処理(S1211)では、まず、状態コマンドによって通知された状態が、特別図柄の高確率状態であるか否かを判別し(S1301)、特別図柄の高確率状態でない(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別された場合は(S1301:No)、残りの時短期間に対応する天井回数カウンタ223eの値に0を設定すると共に、「連荘状態」であるか否かを示す連荘状態フラグ223fをオフに設定し(S1302)、本処理を終了する。S1302の処理により、音声ランプ制御装置113のMPU221は、以降に実行される処理において、パチンコ機10の状態が特別図柄の低確率状態(通常状態)であると判別することができる。よって、誤って「連荘状態」に対応する演出を実行してしまい、遊技者が状態を誤認してしまうことを防止(抑制)することができる。
一方、S1301の処理において、特別図柄の高確率状態であると判別された場合は(S1301:Yes)、次いで、状態コマンドにより通知された時短期間が0であるか否かを判別する(S1303)。そして、時短期間が0であると判別した場合は(S1303:Yes)、天井回数カウンタ223eの値に0を設定すると共に、連荘状態フラグ223fをオンに設定して(S1304)、本処理を終了する。S1304の処理により、音声ランプ制御装置113のMPU221は、以降に実行される処理において、パチンコ機10の状態が「連荘状態」であると判別することができる。よって、誤って「連荘状態」以外の状態に対応する演出を実行してしまい、遊技者が「連荘状態」にも関わらず遊技を辞めてしまうことを防止(抑制)することができる。
S1303の処理において、状態コマンドにより通知された時短期間が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S1303:No)、通知された時短期間を天井回数カウンタ223eの値に設定すると共に、連荘状態フラグ223fをオフに設定して(S1305)、本処理を終了する。S1305の処理により、音声ランプ制御装置113のMPU221は、以降に実行される処理において、パチンコ機10の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態であると判別することができる。よって、誤って「連荘状態」に対応する演出を実行してしまい、遊技者が「連荘状態」と誤認してしまうことを防止(抑制)することができる。
このように、状態コマンド処理を実行することにより、パチンコ機10の状態に応じた適切な演出を実行することができるので、遊技者に状態を誤解させてしまうことを抑制することができる。
次に、図44を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図44は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、または、前回のS1401の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1401)、1m秒以上経過していなければ(S1401:No)、S1402〜S1411の処理を行わずにS1412の処理へ移行する。S1401の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1402〜S1411が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1412のコマンド判定処理や、S1413の変動表示設定処理や、S1414およびS1415のカウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1412の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1413の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1401の処理で1m秒以上経過していれば(S1401:Yes)、まず、S1403〜S1413の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1402)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1408の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1403)、その後、電源投入報知処理を実行する(S1404)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1405の処理へ移行する。
S1405の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1406)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1407)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1407の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1408)、その後音編集・出力処理を実行する(S1409)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するように電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1409の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1410)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1408のランプ編集処理が実行される。なお、S1409の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。液晶演出実行管理処理(S1410)が終了すると、当たり後背面設定処理を実行し(S1411)、処理をS1412へと移行する。この当たり後背面設定処理(S1411)は、大当たりが終了した後の背面画像を設定するための処理である。当たり後背面設定処理の詳細については、図45を参照して後述する。
S1412の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1412)。このコマンド判定処理の詳細については、図46を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1413)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図51を参照して後述する。
S1413の処理が終わると、背面画像を変更するか否かの判定に用いる背面判定カウンタ223hを更新する(S1414)。具体的には、背面判定カウンタ223hの値をRAM223から読み出し、その値に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では127)に達した際、0にクリアする。そして、背面判定カウンタ223hの更新値を、背面判定カウンタ223hに格納する。
次いで、連続予告演出を開始するか否かの判定に用いる予告判別カウンタ223jを更新する(S1415)。具体的には、予告判別カウンタ223jの値をRAM223から読み出し、その値に1を加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では127)に達した際、0にクリアする。そして、予告判別カウンタ223jの更新値を、予告判別カウンタ223jに格納する。
S1415の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1416)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1416の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1416:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1418)、電源断処理を実行する(S1419)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1420)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1315の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1416:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1417)、RAM223が破壊されていなければ(S1417:No)、S1401の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1317:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図45を参照して、当たり後背面設定処理(S1411)の詳細について説明する。図45は、この当たり後背面設定処理を示すフローチャートである。この当たり五背面設定処理(S1411)は、大当たりの終了時において、背面種別を設定するための処理である。
この当たり後背面設定処理では、まず、大当たりの終了タイミングであるか否かを判別する(S1501)。大当たりの終了タイミングとは、具体的には、エンディング演出の終了時を意味する。なお、本実施形態では、上述した通り、第1特定入賞口65aが開放される賞球の得にくい大当たり(確変大当たりA、および確変大当たりB)となる場合には大当たり中も通常時と同じ演出が実行される。よって、エンディング演出中も、通常の変動演出が実行されているかのような演出が実行される。これにより、賞球を得ることが困難な大当たりに当選したことを分かりにくくすることができるので、大当たりAとなることに基づいて時短期間がリセットされたタイミングを分かりにくくすることができる。よって、残りの時短期間を正確に判別することを困難とすることができるので、残り時短期間を背面画像等により遊技者に対して予測させることができる。従って、遊技者の興趣を向上させることができる。
S1501の処理において、大当たりの終了タイミングでないと判別された場合は(S1501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、大当たりの終了タイミングであると判別された場合は(S1501:Yes)、次いで、終了する大当たりが通常大当たりAであるか否かを判別し(S1502)、通常大当たりAであれば(S1502:Yes)、背面Aに対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S1503)、背面フラグ223gに対して背面Aに対応する値である「00H」を設定して(S1504)、本処理を終了する。S1503の処理により設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
一方、終了する大当たりが通常大当たりAでないと判別した場合は(S1502)、次いで、大当たり種別が確変大当たりB、または確変大当たりDのどちらかであるか否かを判別する(S1505)。S1505の処理により、確変大当たりB、または確変大当たりDである(即ち、大当たり終了後に「連荘状態が設定される」)と判別した場合は(S1505:Yes)、「連荘状態」に対応する背面種別である背面D(洞窟ステージ)に設定するために、背面Dに対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S1506)、背面Dに対応する値である「03H」を背面フラグ223gに設定して(S1507)、本処理を終了する。S1506の処理により設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
一方、S1505の処理において、確変大当たりB、または確変大当たりDでない(確変大当たりA、確変大当たりCのいずれかである)と判別した場合は(S1505:No)、大当たり終了時に新たに設定された時短期間に基づいて背面画像を設定するために、天井回数カウンタ223eと、天井リセット時設定テーブル222b5(図19(a)参照)とを読み出す(S1508)。なお、詳細については後述するが、天井回数カウンタ223eの値は、大当たりを示す変動パターンコマンドを受信した段階で、大当たりに対応する時短期間に更新される。よって、本処理において、天井回数カウンタ223eを参照することにより、大当たりの終了時に設定された時短期間に応じて背面画像を設定することができる。
S1508の処理が終了すると、次いで、背面判定カウンタ223hの値を読み出し、S1508の処理で読み出した天井リセット時設定テーブル222b5と、天井回数カウンタ223eの値とに基づいて大当たり終了後に設定する背面種別を特定する(S1509)。例えば、天井回数カウンタ223eの値が5(即ち、大当たりの終了後に付与される時短期間が5回)で、背面判定カウンタ223hの値が「85」の場合は、大当たり終了後の背面種別として、背面C(森ステージ)が選択される(図19(a)参照)。
S1509の処理後は、特定した背面種別に対応する表示用背面画像変動コマンドを設定し(S1510)、特定した背面種別に対応する値を背面フラグ223gに設定して、本処理を終了する。ここで設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
この当たり後背面設定処理(S1411)を実行することで、各大当たりの終了後に、時短期間や状態に応じて適切な背面種別に切り替えることができる。
次に、図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1412)について説明する。図30は、このコマンド判定処理(S1412)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1412)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図44参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1601)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1601:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1602)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出するための処理である変動パターン選択処理を実行して(S1603)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図51参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1601:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1604)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1604:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1605)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1606)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図51参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1604:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1607)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1607:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1608)。また、S1608の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1608の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1608の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。なお、S1608の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1607の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1607:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1609)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1609:Yes)、天井報知処理を実行して(S1610)、メイン処理に戻る。上述したように、本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640へ入賞(始動入賞)すると、主制御装置110において各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得された各カウンタC1〜C3の各値が、特別図柄1保留球格納エリア203aに記憶される。また、主制御装置110において各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、取得された各カウンタC1〜C3の各値から、その本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が先読み(予測)される。そして、主制御装置110において先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信される。天井報知処理は、先読み結果に基づいて報知用の背面種別(背面E〜背面G)に切り替える処理である。この天井報知処理の詳細については、図50を参照して後述する。
S1609の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1609:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1611)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1611:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定して(S1612)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)において、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、S1611の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1611)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1613)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1613:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1614)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1615)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1613の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1613:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1616)。そして、エンディングコマンドを受信した場合には(S1616:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1617)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
なお、第1特定入賞口65aが開放される賞球の得にくい大当たり(確変大当たりA、および確変大当たりB)となる場合にはエンディング演出中において、通常の変動演出が実行されているかのような演出が実行される。これにより、賞球を得ることが困難な大当たりに当選したことを分かりにくくすることができるので、大当たりAとなることに基づいて時短期間がリセットされたタイミングを分かりにくくすることができる。よって、残りの時短期間を正確に判別することを困難とすることができるので、残り時短期間を背面画像等により遊技者に対して予測させることができる。従って、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S1616の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1616:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1618)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(S1603)について説明する。図47は、変動パターン選択処理を示すフローチャートである。この変動パターン選択処理(S1603)は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを抽出するための処理である。
この変動パターン選択処理では、まず、変動パターンコマンドにより通知されたのが大当たりの変動パターンであるか否かを判別し(S1701)、大当たりの変動パターンでない(即ち、外れの変動パターンである)と判別した場合は(S1701)、背面画像を変更するか否か判別するための外れ時背面設定処理を実行する(S1702)。次いで、連続予告演出の開始を設定するための連続予告設定処理を実行して(S1703)、本処理を終了する。なお、外れ時背面設定処理(S1702)、および連続予告設定処理(S1703)の詳細については、図48、および図49を参照してそれぞれ後述する。
S1701の処理において、大当たりの変動パターンであると判別した場合は(S1701:Yes)、次いで、変動パターンコマンドにより通知されたのが通常大当たりA、または通常大当たりBであるか否かを判別する(S1704)。即ち、大当たりの終了後に特別図柄の低確率状態へと移行すると共に、普通図柄の通常状態へと移行する(普通図柄の時短状態が付与されない)大当り種別であるか否かを判別する。そして、通常大当たりA、または通常大当たりBであると判別した場合は(S1704:Yes)、天井回数カウンタ223eの値に0を設定する(S1705)。そして、連荘状態フラグ223fをオフに設定して(S1706)、処理をS1712へと移行する。
一方、S1704の処理において、通常大当たりA、通常大当たりBでないと判別した場合は(S1704:No)、次いで、大当たり種別が確変大当たりA、または確変大当たりCであるか否かを判別する(S1707)。即ち、大当たりの終了後に普通図柄の時短状態が設定される大当たり種別であるか否かを判別する。そして、S1707の処理において、確変大当たりA、または確変大当たりCであると判別した場合は(S1707)、大当たりの終了後に付与される時短期間を天井回数カウンタ223eの値として設定し(S1708)、連荘状態フラグ223fをオフに設定して(S1709)、処理をS1712へと移行する。
S1707の処理において、確変大当たりA、確変大当たりCのいずれでもない(即ち、確変大当たりB、または確変大当たりDである)と判別した場合は(S1707:No)、大当たりの終了後に「連荘状態」へと移行するので、天井回数カウンタ223eの値に0を設定し(S1710)、連荘状態フラグ223fをオンに設定して(S1711)、処理をS1712へと移行する。
S1706,S1709、またはS1711の処理後に移行するS1712の処理では、主制御装置110より通知される変動パターンコマンドに基づいて、変動パターンテーブル222aから対応する変動パターンを抽出し(S1712)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターンに基づいて、変動表示設定処理(図51参照)により表示用変動パターンコマンドが設定される。
次に、図48を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される外れ時背面設定処理(S1702)について説明する。この外れ時背面設定処理(S1702)は、上述した通り、変動パターン選択処理(図47参照)の中で実行され、背面画像を変更するか否か判別するための処理である。
外れ時背面設定処理では、まず、天井回数カウンタ223eの値が0より大きいか否かを判別し(S1801)、0より大きければ(S1801:Yes)、天井回数カウンタ223eの値を1減算する(S1802)。この天井回数カウンタ223eの値は、残りの時短期間を示しているので、特別図柄の外れに対応する変動パターンコマンドを受信する毎にカウンタ値を更新することにより、音声ランプ制御装置113により時短期間を正確に把握することができる。
S1802の処理が終了すると、次いで、背面フラグ223gを読み出して(S1803)、背面設定テーブル222bのうち、読み出した背面フラグ223gの値によって特定される背面種別に対応するテーブルを読み出す(S1804)。具体的には、現在が背面Aであれば(背面フラグ223gの値が「00H」であれば)、背面A時設定テーブル222b1を読み出し、現在が背面Bであれば(背面フラグ223gの値が「01H」であれば)、背面B時設定テーブル222b2を読み出し、現在が背面Cであれば(背面フラグ223gの値が「02H」であれば)、背面C時設定テーブル222b3を読み出す。また、現在が報知用の背面種別である背面E〜背面Gであれば(即ち、背面フラグ223gの値が「04H」〜「06H」であれば)、報知用背面時設定テーブル222b6を読み出す。
次いで、S1804の処理により読み出したデータテーブルと、天井回数カウンタ223eの値とに基づいて、背面種別を特定し(S1805)、特定の結果、背面画像を変更する必要があるか否かを判別する(S1806)。そして、背面画像を変更する必要が有ると判別した場合は(S1806:Yes)、変更後の背面に対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S1807)、変更後の背面に対応する値を背面フラグ223fに設定して(S1808)、処理をS1809へと移行する。ここで設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
一方、S1805の処理において、背面画像を変更する必要がない(現在の背面種別と、S1804の処理により特定した背面種別とが同一である)と判別した場合は(S1805:No)、S1807,S1808の処理をスキップして、処理をS1809へと移行する。
S1809の処理では、S1802の処理により1を減算した結果、天井回数カウンタ223eの値が0となったか否かを判別し(S1809)、0であれば(S1809:Yes)、時短期間が経過する(即ち、「連荘状態」となる)ことを意味するので連荘状態フラグ223fをオンに設定して(S1810)、本処理を終了する。一方、S1809の処理により、天井回数カウンタ223eの値が0でない(1以上である)と判別した場合は(S1809:No)、S1810の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、S1801の処理において、天井回数カウンタ223eの値が0より大きくない(即ち、0である)と判別した場合は(S1801)、次いで、連荘状態フラグ223fがオンであるか否かを判別し(S1811)、オンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1811:No)、そのまま本処理を終了する。一方、連荘状態フラグ223fがオン(つまり、「連荘状態」)であれば(S1811:Yes)、次いで、背面フラグ223eを読み出して(S1812)、現在の背面種別が背面Dであるか否かを判別する(S1813)。
S1813の処理において、現在の背面種別が背面Dであると判別した場合は(S1813:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、背面種別が背面Dでないと判別した場合は(S1813:No)、「連荘状態」となってから最初に特別図柄の外れに対応する変動パターンコマンドを受信することに基づいて、外れ時背面設定処理(S1702)が実行されたことを意味する。よって、背面Dに対応する表示用背面画像変更コマンドを設定することにより、「連荘状態」に対応する洞窟ステージの背面への変更を設定し(S1814)、背面Dに対応する値である「03H」を背面フラグ223fに設定して(S1815)、本処理を終了する。
このように、外れ時背面設定処理(S1702)を行うことで、残りの時短期間に応じて背面画像を変更するか否かを決定することができる。よって、遊技者に対して、背面画像の種別から残りの時短期間を予測する楽しみを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図49を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される連続予告設定処理(S1703)について説明する。この連続予告設定処理(S1703)は、変動パターン選択処理(図47参照)の中で実行され、連続予告演出を設定するか否か判別するための処理である。
この連続予告判定処理(S1703)では、まず、連続予告カウンタ223iの値を読み出して(S1901)、その値が0であるか否かを判別する(S1902)。そして、連続予告カウンタ223iの値が0でない(即ち、1〜4のいずれかである)と判別した場合は(S1902:No)、連続予告カウンタ223iの値を1減算し(S1903)、その減算後の連続予告カウンタ223iの値と、変動パターンテーブル222aとに基づいて、変動パターンの態様を抽出する(S1904)。ここで抽出された変動パターンに基づいて、変動表示設定処理(図51参照)により表示用変動パターンコマンドが設定される。
なお、変動パターンテーブル222aには、変動パターンコマンドによって通知された変動時間毎に、選択可能な変動パターン種別が規定されている。また、1の変動時間に対して、通常時(連続予告演出が設定されていない場合)に選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の1回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の2回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の3回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の4回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出の5回目の変動演出で選択可能な変動パターン演出と、連続予告演出が設定されていない状態で、普通図柄の時短状態における最後の変動が実行される場合に選択可能な変動パターン演出(天井報知予告に対応する変動パターン演出)とが少なくとも規定されている。S1904の処理では、連続予告カウンタ223iの値に応じて、変動パターンテーブル222aから対応する変動パターンが抽出される。
一方、S1902の処理において、連続予告カウンタ223iの値が0であると判別した場合は(S1902:Yes)、次いで、天井回数カウンタ223eの値が4であるか否かを判別し(S1903)、4であると判別された場合は(S1903:Yes)、残りの時短期間が5回であり(変動開始よりも前に天井回数カウンタ223eの値が更新されるので、天井回数カウンタ223eの値は時短期間に対して1少ない値となる)、連続予告演出を設定することにより、連続予告演出の終了と共に「連荘状態」へと移行させることができる。よって、この場合は、連続予告カウンタ223iの値に4を設定し(S1906)、変動パターンテーブル222aから連続予告演出の1回目の変動演出で選択可能な変動パターンの態様を抽出して(S1907)、本処理を終了する。
S1905の処理において、天井回数カウンタ223eの値が4でない(5以上、または3以下である)と判別した場合は(S1905:No)、次いで、天井回数カウンタ223eの値が4より大きいか否かを判別し(S1908)、4より大きければ(S1908:Yes)、予告判別カウンタ223jの値と、連続予告判定テーブル222c(図19(c)参照)とに基づいて連続予告演出を実行するか否かを判定する(S1909)。なお、連続予告演出では、5回の変動演出にわたって演出が実行されるので、天井回数カウンタ223eの値が4より大きい場合に連続予告演出が設定されても、連続予告演出の終了後に「連荘状態」へ移行することはない(所謂ガセ演出である)。
S1910の処理により、連続予告演出を実行すると判別した場合は(S1910:Yes)、上述したS1906,S1907の処理を実行することにより連続予告演出の開始を設定して、本処理を終了する。一方、S1910の処理において、連続予告演出を実行しないと判別した場合は(S1910:No)、変動パターンテーブル222aから、変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対応する通常時用の変動パターン演出を抽出して(S1911)、本処理を終了する。
S1908の処理において、天井回数カウンタ223eの値が4より大きくない(3以下である)と判別した場合は(S1908:No)、連続予告演出が設定されていない状態で残りの時短期間が4回以下となったことを意味するので、次に、天井回数カウンタ223eの値が0であるかを判別する(S1912)。即ち、普通図柄の時短期間が今回の変動により終了するか否かを判別する。
S1912の処理により、天井回数カウンタ223eの値が0でないと判別された場合は(S1912:No)、変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対応する通常時用の変動パターン演出を抽出して(S1911)、本処理を終了する。一方、天井回数カウンタ223eの値が0であると判別した場合は(S1912:Yes)、変動パターンテーブル222aより普通図柄の時短状態における最後の変動が実行される場合に選択可能な変動パターン演出(天井報知予告に対応する変動パターン演出)を抽出して、本処理を終了する。
この連続予告設定処理(S1703)により、連続予告演出を設定することができるので、「連荘状態」となる場合に設定されやすい連続予告演出が設定された場合には、遊技者に対して「連荘状態」に対する期待感を抱かせることができる。
次に、図50を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される天井報知処理(S1610)について説明する。図50は、この天井報知処理(S1610)を示すフローチャートである。この天井報知処理は、入賞情報コマンドにより通知された先読み結果に基づいて、「連荘状態」に移行するか否かを判別し、「連荘状態」へと移行することが確定した段階で遊技者に対して球の打ち出しを停止させるように報知するための処理である。
この天井報知処理では、まず、入賞情報コマンドにより通知された先読み結果が大当たりを示す入賞情報であるか否かを判別し(S2001)、大当たりであれば(S2001:Yes)、時短期間がリセットされるので、そのまま本処理を終了する。一方、先読み結果が特別図柄の外れであれば(S2001:No)、天井回数カウンタ223eの値(A)を読み出して(S2002)、天井回数カウンタ223eの値が0であるか否かを判別する(S2003)。
そして、天井回数カウンタ223eの値が0であれば(S2003:Yes)、普通図柄の時短中でないので、そのまま本処理を終了する。一方、天井回数カウンタ223eの値が0でない(1以上である)と判別した場合は(S2003:No)、特別図柄保留球数カウンタ223bの値(N)を読み出して(S2004)、天井回数カウンタ223eの値(A)と、特別図柄保留球数カウンタ223bの値(N)との差分が0であるか否かを判別する(S2005)。即ち、保留球数分の変動演出が実行された場合に、普通図柄の時短状態が終了するか否かを判別する。
S2005の処理において、天井回数カウンタ223eの値(A)と、特別図柄保留球数カウンタ223bの値(N)との差分が0でないと判別した場合は(S2005:No)、保留球数分の変動演出を実行下としても時短期間が終了しないので、そのまま本処理を終了する。一方、天井回数カウンタ223eの値(A)と、特別図柄保留球数カウンタ223bの値(N)との差分が0であると判別した場合は(S2005:Yes)、背面フラグ223gを読み出して(S2006)、報知時設定テーブル222b4(図18(b)参照)から現在の背面に対応する報知用の背面種別を特定する(S2007)。
次いで、特定した背面種別に対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S2008)、変更後の背景種別に対応する値を背面フラグ223gに設定して(S2009)、本処理を終了する。ここで設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図44参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において背面画像を変更する。
この天井報知処理を実行することにより、保留された第1入球口64への入球が実行されることで普通図柄の時短状態が終了する場合に、球の打ち出しの停止を促すことができる。よって、残りの時短期間を上回る数の保留球が保留されてしまうことを抑制することができるので、普通図柄の時短状態が終了して「連荘状態」へと移行したにも関わらず、普通図柄の時短状態中に保留された第1入球口64への入球に基づいて「連荘状態」中に特別図柄1の抽選が実行されることを抑制することができる。これにより、「連荘状態」中に特別図柄1の抽選で大当たりとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを抑制(防止)することができるので、遊技者に「連荘状態」を楽しませることができる。
なお、報知用の背面種別を実行するのは、時短期間が経過した場合に限られない。例えば、ガセの連続予告演出が設定されている場合においても、連続予告演出の最後の変動演出に対応する入賞コマンドを受信することにより、報知用の背面種別に変更するように構成してもよい。これにより、連続予告演出がガセであるか否かを判別しにくくすることができるので、遊技者に対して連続予告演出をより興味深く最後まで確認させることができる。
また、確変大当たりBに対応する入賞情報コマンドを受信した場合にも、報知用の背面種別に変更してもよい。確変大当たりBになると、大当たりの終了後に「連荘状態」となるので、第1入球口64への球の打ち出しを停止するように促すことで、「連荘状態」担ったにも関わらず、保留球で特別図柄1の抽選が行われ、通常大当たりAや確変大当たりAに当選することで「連荘状態」が終了してしまうことを抑制することができる。
次に、図51を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1413)について説明する。図51は、この変動表示設定処理(S1413)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1413)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図44参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する処理である。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2106の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S2102)、次いで、変動パターン選択処理処理(図47参照)のS1712の処理、または連続予告設定処理(図49参照)のS1907,S1911,S1913の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2103)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2104)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる(S2105)。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S2106の処理へ移行する。
S2106の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S2106)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2106:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S2106:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S2107)、次いで、コマンド判定処理(図46参照)のS1606の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S2108)。
次に、抽出された停止種別(主制御装置110から通知された停止種別)を設定するために、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2109)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図52から図65を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図52を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図52は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2201)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図53を参照して、ブート処理(S2201)について説明する。図53は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2201)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2301)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2302)。これにより、MPU231は、S2301の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2302の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2302の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2303)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2304)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図52のS2201参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図52のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2305)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2201)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、および固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図53に示すブート処理では、S2301の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2301の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2302の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2303〜S2305の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2301の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2301及びS2302の処理を含めて複数回繰り返した後、S2303〜S2305の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2301、及びS2302の処理を行わずに、S2303〜S2305の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図52の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2202)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2203)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2203の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2204)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2204の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2205)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの場合は、後述する転送設定処理(図63(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図63(a)のS3702参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図54(b)参照)において、図21に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図54(b)のS2508参照)および簡易表示設定処理(図54(b)のS2509参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図21(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2205の処理の後、割込許可を設定し(S2206)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図54(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図54(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2401)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図54(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図54(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図30参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図54(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2501)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図21に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2502)を実行し、次いで、表示設定処理(S2503)を実行する。
コマンド判定処理(S2502)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図55〜図59を参照して後述する。
表示設定処理(S2503)では、コマンド判定処理(S2502)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づいて、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図60〜図62を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2504)。このタスク処理では、表示設定処理(S2503)もしくは簡易表示設定処理(S2509)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2505)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図63および図64を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2506)。この描画処理では、タスク処理(S2504)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2505)により設定された転送指示とから、図30に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図65を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2507)。そして、V割込処理を終了する。S2107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(各種大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2501の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図21に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2508)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2509)を実行して、S2504の処理へ移行する。
次いで、図55〜図59を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2502)の詳細について説明する。まず、図55は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図55に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2601)、未処理の新規コマンドがなければ(S2601:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2601:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2603)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2602)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2603)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2604)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2604:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2605)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図56(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2605)の詳細について説明する。図56(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2701の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2702)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2701の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2703)。表示設定処理では、S2703の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2704)、ポインタ233fを0に初期化する(S2705)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2706)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2705の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2702の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2704の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図55の説明に戻る。S2604の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2604:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2606)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2606:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2607)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図56(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2607)の詳細について説明する。図56(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(各種大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2801)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図54(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2802)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2802の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2803)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2802の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2504)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2803によって設定された停止図柄判別フラグからS2802の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2802の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図55に戻り、説明を続ける。S2606の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2606:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2608)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2608:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2609)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図57(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2609)の詳細について説明する。図57(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2901)。次いで、S2901で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2902)。
そして、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2903)、ポインタ233fを0に初期化する(S2904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2905)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2904の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2902の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(1ラウンド、または4ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(5ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
なお、上述したように、本実施形態では、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別されたら、そこからオープニング演出において使用する画像データの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了するまでに、オープニング演出において使用する画像データの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81において大当たりとなる変動演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
図55に戻り、説明を続ける。S2608の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2608:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2610)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2610:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2611)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図57(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2611)の詳細について説明する。図57(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3002)。
そして、S3001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3003)、ポインタ233fを0に初期化する(S3004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3005)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図55の説明に戻る。S2610の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2610:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2612)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2612:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2613)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図58を参照して、エンディングコマンド処理(S2613)の詳細について説明する。図58は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3102)。そして、各エンディング演出の表示態様に対応するエンディング表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3101の処理によって設定されたエンディング表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他のエンディング表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3103)。表示設定処理では、S3103の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルが、どのエンディング演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3104)、ポインタ233fを0に初期化する(S3105)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3106)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図55の説明に戻る。S2612の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2612:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2614)、背面画像変更コマンドがあれば(S2614:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2615)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図59(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2615)の詳細について説明する。図59(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、背面画像変更フラグをオンに設定する(S3201)。この背面画像変更フラグがオン状態の場合は、通常画像転送設定処理(S3703)において背面画像変更コマンドを受信したことに伴い背面画像を変更する必要があると判別される。そして、背面画像種別(背面A〜G)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3202)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理(図64参照)では、S3201の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3202の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B〜背面Gである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。なお、変更後の背面画像種別が背面Aの場合は、全ての画像データが常駐用ビデオRAM235cに常駐されているので、画像の転送は行わない。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Gのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3202によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3202の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値に直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図55の説明に戻る。S2614の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2614:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2616)、エラーコマンドがあれば(S2616:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2617)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図59(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2617)の詳細について説明する。図59(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3301)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3302)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3301の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3302の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3302に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図55の説明に戻る。S2616の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2616:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2618)、S2601の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2601の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2601:Yes)、再びS2602〜S2618の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2601〜S2618の処理が繰り返し実行され、S2601の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図54(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2509)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図21に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図56(a)参照)および停止種別コマンド処理(図56(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図56(a)参照)では、S2701の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2702の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図60〜図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2503)の詳細について説明する。図60は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図60に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3401)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3401:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3402〜S3404の処理をスキップし、S3405の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S3401:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3402)、S3403〜S3404の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3403の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3403)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3403:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3404)。
ここで、図61を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図61は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3501)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3501の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3502)、表示設定処理に戻る。
ここで、図60の説明に戻る。警告画像設定処理(S3404)の後、又は、S3403の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3403:No)、次いで、S3405の処理へ移行する。
S3405では、ポインタ更新処理を実行する(S3405)。ここで、図62を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図62は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3601)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3601の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3602)。その結果、End情報であれば(S3602:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S3603)、デモ表示データテーブルであれば(S3603:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3604)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3605)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3603の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S3603:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3606)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3602の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3602:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図60に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3406)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3406の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3407)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3408)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3408:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3408:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3409)。
その結果、確定表示フラグがオンであれば(S3409:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3410)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3411)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3412)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3413)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3414)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3415)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S3415の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2504)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3415によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3409の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S3409:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3416)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3416:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3417)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3418)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3419)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3420)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3421)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3416:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図54(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2509)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図21(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図63、及び図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2505)の詳細について説明する。まず、図63(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3701)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3701:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3702)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図63(b)を参照して後述する。
一方、S3701の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3701:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3703)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図64を参照して後述する。
次いで、図63(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2505)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3702)について説明する。図63(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3702)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3801)、転送指示を送信していれば(S3801:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3802)。このS3802の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3802の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3802:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3802:Yes)、S3803の処理へ移行する。また、S3801の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3801:No)、S3803の処理へと移行する。
S3803の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3803)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3803:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3804)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3803の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3803:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3805)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図54(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図54(b)のS2508参照)および簡易表示設定処理(図54(b)のS2509参照)ではなく、コマンド判定処理(図55〜図59参照)および表示設定処理(図60〜図62参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図64参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図63(a)のS3701:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2505)の一処理である通常画像転送設定処理(S3703)について説明する。図64は、この通常画像転送設定処理(S3703)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2503)のポインタ更新処理(S3405)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3901)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3902)、転送データ情報であれば(S3902:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3903)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3904)、S3905の処理へ移行する。
また、S3902の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3902:No)、S3903及びS3904の処理をスキップして、S3905の処理へ移行する。S3905の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3905)、転送指示を設定していれば(S3905:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3906)。
このS3906の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3906の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3906:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3906:Yes)、S3907の処理へ移行する。また、S3905の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3905:No)、S3907の処理へ移行する。
S3907の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3907)、転送開始フラグがオンであれば(S3907:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3908)、S3903の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3913の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3907:No)、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3509)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3909:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3910)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3911)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3912)、S3913の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3911の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3913の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3913)。このS3913の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3913の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3913:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3913の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3913:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3914)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3914の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3915)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図65を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2506)の詳細について説明する。図65は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2504)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2505)により設定された転送指示から、図30に示す描画リストを生成する(S4001)。即ち、S4001の処理では、タスク処理(S2504)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2505)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S4002)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として、第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づき、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S4002の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S4003)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図54(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本パチンコ機10では、特別図柄の抽選を行う契機となる入球口として、第1入球口64と、第2入球口640との2種類の入球口を設け、第2入球口640への入球に基づく抽選により大当たりとなることで、多量の賞球を獲得可能であり、遊技者にとって有利な大当たり種別(確変大当たりD)に当選しやすくなるように構成している。また、特別図柄の低確率状態や、普通図柄の時短状態においては、第2入球口640へと球が入球しにくくなるように構成し、且つ、第1入球口64への入球に基づく抽選で特別図柄の大当たりとなった場合には、賞球が得にくく、大当たりの終了後に普通図柄の時短状態へと移行する大当たり(確変大当たりA)に当選しやすくなるように構成されている。即ち、第2入球口640へと球を入球させることが困難な状態が繰り返されやすくなるように構成されている。そして、普通図柄の時短状態を終了させることで、第2入球口640へと球が入球しやすい状態(「連荘状態」)へと移行するように構成し、「連荘状態」において「確変大当たりD」となることで、大当たりの終了後に再度「連荘状態」へと移行するように構成されている。
このため、遊技者に対して、「連荘状態」へと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができる。ここで、普通図柄の時短期間を終了させて「連荘状態」へと移行させるためには、確変大当たりAの終了後に設定された普通図柄の時短期間と同じ回数だけ連続して特別図柄の外れとなる必要がある。よって、遊技者に対して、特別図柄の外れが続くほどに「連荘状態」が近づいているように感じさせることができるので、特別図柄の外れが連続したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
一般的なパチンコ機では、遊技者は大当たりとなることを主目的として遊技を行うので、特別図柄の外れが連続することに対するメリットは何ら存在しない。よって、外れが続くほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。これに対して本実施形態のパチンコ機10では、上述した通り、特別図柄の外れが連続するほどに遊技者にとって有利な「連荘状態」へと近づくので、外れが続くほどに遊技者を喜ばせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄1の抽選により大当たりとなる場合に、普通図柄の時短期間が付与される大当たり種別として、「確変大当たりA1」〜「確変大当たりA64」の64種類の大当たり種別が設けられている。これらの64種の大当たりは、それぞれ付与される普通図柄の時短期間が異なるので、大当たり種別に応じて「連荘状態」への移行し易さが異なる。よって、大当たりとなった(時短期間がリセットされた)ことを遊技者が認識したとしても、それまでに経過した時短期間が無駄になってしまったと思わせることを抑制し、少ない時短期間の大当たりとなったことを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640を狙って球が打ち出されることを防止するために、普通図柄の変動時間が極端に長くなる(3〜5分となる)ように構成している。また、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aが開放される開放期間を短時間(0.2秒×1回)としている。これらにより、普通入球口67に入球させることができても、電動役物640aがほとんど開放されない(数分の間に0.2秒の頻度で開放される)ので、普通入球口67、およびその下流側に設けられている第2入球口640へ向けて遊技者により球が打ち出されることを抑制することができる。即ち、「連荘状態」でないにも関わらず、多量の賞球を獲得可能な「確変大当たりD」に当選させることを狙って遊技者により意図的に第2入球口640へと球を入球させようとする遊技方法が行われることを抑制することができる。
また、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、第2入球口640の上流側に迂回役物700が設けられているので、球を打ち出してから第2入球口640へと到達するまでに7秒以上の時間を要する。よって、電動役物640aが開放されたことを認識してから球を打ち出したとしても、球が第2入球口640へと到達する前に電動役物640aが閉鎖される(0.2秒が経過する)ので、「連荘状態」以外の状態において球が第2入球口640へと入球することを抑制できる。更に、普通図柄の保留球が存在する場合は、変動時間が短くなるので、1の変動が終了してから1秒程度で保留された分の普通図柄の変動と、電動役物640aの開放とが終了するように構成されている。よって、普通図柄の保留球の有無に関わらず、電動役物640aが開放されてから球を打ち出した場合に、第2入球口640へと球が入球することを防止(抑制)することができる。
また、上述した通り、第2入球口640へ球を入球させることができたとしても、特別図柄の変動中であれば、その入球は保留されることなく破棄される。即ち、「連荘状態」以外の状態では、変動時間が極端に長くなる上に、変動中に第2入球口640へと球を入球させたとしても、その入球に基づいて特別図柄2の抽選が行われることがない。よって、特別図柄2の抽選を受けるためには、特別図柄2の抽選に基づく変動演出が終了してから、再度第2入球口640へと球を入球させる必要がある。「連荘状態」以外の状態では、特別図柄2の抽選結果によらずに300秒の変動時間の変動パターン種別が選択されるので、最短でも300秒おきにしか抽選が受けられない。従って、遊技効率が極端に悪くなってしまうので、「確変大当たりD」になった場合に多量の賞球を得られることを加味しても、遊技者に対して割に合わないと感じさせることができる。よって、「連荘状態」以外の状態において遊技者が第2入球口640を狙って遊技を行うことを抑制することができる。
このように、「連荘状態」以外の状態では、遊技者が第2入球口640を狙って球を打ち出すことを抑制し(即ち、第1入球口64を狙って球を打ち出させ)、「連荘状態」では、第2入球口640を狙って球を打ち出させることができるので、「連荘状態」以外の状態で「確変大当たりD」に当選し、多量の賞球が遊技者により獲得されてしまうことを抑制することができる。また、「連荘状態」以外の状態では特別図柄1の抽選のみが行われ、「連荘状態」では特別図柄2の抽選のみが行われることを想定して設計されている本パチンコ機10の出球率を、設計値に近づけることができる。よって、ホールが出玉率の設計値から売り上げ予測等を行う際に、より正確に計算することができる。
また、本実施形態では、普通図柄の時短期間を背面画像の種別によって示唆するように構成されている。具体的には、背面A(荒野ステージ)が表示されていれば、残りの時短期間が21回以上である可能性が高くなり、背面B(川ステージ)が表示されていれば、残りの時短期間が20回以内である可能性が高くなり、背面C(森ステージ)が表示されていれば、残りの時短期間が10回以内である可能性が高くなるように構成されている。これにより、背面画像の種別から残りの時短期間を予測させることができるので、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を遊技者に対してより興味深く確認させることができる。
更に、本実施形態では、先読みにより時短期間が経過する(即ち、保留球数分の特別図柄の抽選が実行されることで「連荘状態」へと移行する)と判別された場合に、第1入球口64への球の打ち出しを停止させるように報知している。これにより、「連荘状態」へと移行するまでの変動回数以上の個数の保留球が貯まってしまうことを抑制することができる。つまり、「連荘状態」へと移行した後で、第1入球口64への入球に対応する保留球に基づいて特別図柄1の抽選が実行されることを防止できる。よって、「連荘状態」となった後で特別図柄1の抽選により通常大当たりAや確変大当たりAとなり、「連荘状態」の恩恵を何ら受けることなく「連荘状態」が終了してしまうことを抑制することができる。従って、「連荘状態」へと移行した場合に、遊技者に対してその「連荘状態」を十分に楽しませることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施形態では、変動演出の開始時に背面画像を変更するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、変動の終了時に背面画像を変更するように構成してもよい。これにより、変動パターンを実行する処理と、背面画像を変更する処理とを異なるタイミングで実行することができるので、音声ランプ制御装置113のMPU221による処理負荷を軽減することができる。
上記実施形態では、特別図柄2の抽選が行われて大当たりとなった場合に、「連荘状態」であるか否かに関わらず、第1当たり種別カウンタC2の値が同一であれば、同一の大当たり種別が選択されるように構成していたが、「連荘状態」であるか否かに応じて異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。そして、「連荘状態」でない状態(即ち、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態、または、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)である場合に、遊技者にとってより不利となる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。
不利な大当たりとしては、例えば、特別図柄の低確率状態(非確変)、または普通図柄の時短状態(確変時短)において、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合は、賞球を獲得することが困難な大当たり種別のみが選択されるように構成してもよい。即ち、大当たりの各ラウンドで、第1特定入賞口65aが所定期間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりのみが選択されるように構成してもよい。より具体的には、例えば、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合の5%で、大当たりの終了後に特別図柄の低確率状態(非確変)へと移行し、賞球を獲得することが困難な通常大当たりCとなるように構成し、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合の95%で、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が100回設定され、賞球を獲得することが困難な確変大当たりEとなるように構成してもよい。
このように、構成することで、特別図柄2の抽選により大当たりとなっても遊技者にとって何らメリットが生じないように構成することができる。よって、「連荘状態」でないにも関わらず、第2入球口640へと球を入球させて多量の賞球を得ようとする遊技方法を根本的に成り立たなくすることができる。本パチンコ機10は、「連荘状態」以外の状態では特別図柄1の抽選のみが行われ、「連荘状態」では特別図柄2の抽選のみが行われることを想定して設計されているので、「連荘状態」以外の状態において遊技者により第2入球口640を狙われることを防止することで、パチンコ機10の出球率を設計値に近づけることができる。よって、ホールが出玉率の設計値から売り上げ予測等を行う際に、より正確に計算することができる。
上記実施形態では、「連荘状態」以外の状態において、第2入球口640へと球が入球しにくくなるように構成していたが、これに加えて、遊技者が「連荘状態」以外の状態において第2入球口640を狙って球を打ち出した場合に、第1入球口64を狙って打ち出すように表示画像や音声等で報知してもよい。これにより、遊技者が「連荘状態」以外の状態において第2入球口640を狙って球を打ち出すことを防止(抑制)することができる。また、「連荘状態」において第1入球口64を狙って球を打ち出した場合に、第2入球口640を狙って球を打ち出すように報知してもよい。これにより、「連荘状態」へと移行したにも関わらず、特別図柄1の抽選により通常大当たりAや確変大当たりAとなってしまい、「連荘状態」が終了してしまうことを抑制することができる。従って、「連荘状態」以外の状態で「確変大当たりD」に当選し、多量の賞球が遊技者により獲得されてしまうことを抑制することができる。また、本パチンコ機10は、「連荘状態」以外の状態では特別図柄1の抽選のみが行われ、「連荘状態」では特別図柄2の抽選のみが行われることを想定して設計されているので、「連荘状態」以外の状態において遊技者により第2入球口640を狙われることを防止することで、パチンコ機10の出球率を設計値に近づけることができる。よって、ホールが出玉率の設計値から売り上げ予測等を行う際に、より正確に計算することができる。
なお、報知の契機としては、例えば、迂回役物700の開口部710に対して球の通過を検出可能なセンサ手段を設けておき、「連荘状態」以外の状態においてセンサ手段により球の通過が検出された場合に、報知を実行するように構成してもよい。また、「連荘状態」以外の状態において普通入球口67への入球を検出した場合に報知を実行するように構成してもよい。普通入球口67は、第2入球口640の上流側にあるため、第2入球口640を狙って球を打ち出すことにより普通入球口67へ球が入球しやすくなるためである。これにより、センサ手段を新たに設ける必要がないので、パチンコ機10の原価を削減することができる。普通入球口67へと球が入球した場合に、報知を実行させるための制御としては、普通図柄変動処理(図36参照)において、S614、またはS619の処理において、遊離状態フラグ203iがオフであると判別した場合に(S614:No、またはS619:No)、音声ランプ制御装置113、および表示制御装置114に対して報知を実行させるためのコマンドを設定するように構成すればよい。即ち、「連荘状態」でないにもかかわらず第2入球口640を狙って球を打ち出している遊技者に対して、警告画像や警告音により警告を行わせるためのコマンドを設定し、主制御装置110のメイン処理(図40参照)における外部出力処理(S1001)の中で音声ランプ制御装置113へと出力するように構成すればよい。
本実施形態では、背面画像の種別によって連荘状態となるまでの残りの時短期間を示唆するように構成していたが、示唆する方法はこれに限られるものではない。例えば、残りの時短期間に応じてキャラクタの服装を変更するように構成してもよいし、キャラクタ自体を異なるキャラクタ(例えば、女の子のキャラクタ)に変更してもよい。また、残りの時短期間に応じて第3図柄の表示態様を変更したり、効果音や音楽等を変更したりするように構成してもよい。また、例えば、残りの時短期間の目安を第3図柄表示装置81に対して数字等で表示させるように構成してもよい。この場合において、実際の時短期間よりも少ない数字を一定確率で表示させるように構成してもよい(所謂ガセ表示)。また、ガセ表示を行った場合において、例えば連続予告演出に失敗した場合に、残りの時短期間を示唆する数字を増加させ、実際の時短期間相当の値に変化させてもよい。
本実施形態では、「連荘状態」となっている場合に必ず背面D(洞窟ステージ)が表示されるように構成しているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、「連荘状態」であっても、変動演出が実行される毎に低い確率で背面画像が背面A〜背面Cに変更されるように構成してもよい。更に、「連荘状態」において背面A〜背面Cとなった場合は、変動演出が実行される毎に背面Dへと戻すか否か判別するように構成してもよい。加えて、「連荘状態」が終了してしまう大当たり種別である「通常大当たりB」や、「確変大当たりC」となった場合に、第1特定入賞口65aが所定時間(最大0.2秒)開放される大当たりとなるように構成し、且つ、大当たり中の演出として、通常時と同様の演出を実行するように構成してもよい。即ち、「通常大当たりB」、または「確変大当たりC」となっても、遊技者が大当たりとなったことに気づき難くなるように構成してもよい。これにより、背面画像が背面Dから背面A〜背面Cのいずれかへと変更されたとしても、「連荘状態」中に背面種別の変更条件が成立することで背面種別が変更されたのか、「通常大当たりB」、または「確変大当たりC」に当選し、「連荘状態」が終了することに基づいて背面種別が変更されたのかを判別しにくくすることができる。よって、背面種別が背面Dから変更されたとしても、実は「連荘状態」はまだ継続しているのかもしれないと遊技者に思わせることができるので、例え「連荘状態」が終了していたとしても、遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本実施形態では、確変大当たりA、又は確変大当たりBとなった場合に第1特定入賞口65aが開放されるように構成しているが、上記大当たり以外にも、第1特定入賞口65aが開放されるように構成してもよい。例えば、当選しても終了後に状態が変化しない小当たりを設け、小当たりに当選した場合にも、第1特定入賞口65aが4回(4ラウンド)開放されるように構成してもよい。これにより、第1特定入賞口65aの動作を見ても、小当たりに当選したのか確変大当たりAに当選したのか、確変大当たりBに当選したのかが判別できないので、時短期間がリセットされたか否かをより分かり難くすることができる。
本実施形態では、先読みにより保留球数を消化すると「連荘状態」に移行すると判別される場合に、第1入球口64への球の打ち出しを停止させるように報知表示を行っていたが、これに加えて、先読みにより「連荘状態」に移行すると判別された段階で、その保留が消化されるまでの変動時間を判別し、保留球数分の変動時間に対して1の「連荘状態」を示唆する演出を設定してもよい。これにより、多様な表示演出を実行することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、「連荘状態」において、通常大当たりB、又は確変大当たりCに当選するまで連荘状態が終了しないように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の高確率状態の連続回数に上限(例えば、15回)を設けておき、15回以上特別図柄の高確率状態となった場合には、大当たりの種別によらず特別図柄の低確率状態へと移行させるように構成してもよい。これにより、「連荘状態」が長く続きすぎることを抑制できるので、ホールに不測の不利益を与えることを抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、図66〜図102を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上記第1実施形態では、特別図柄の高確率状態(確変)、且つ、普通図柄の通常状態(非時短)を遊技者にとって有利な「連荘状態」となるように構成していた。この「連荘状態」では、賞球を比較的多く得易く、大当たりの終了後に再度「連荘状態」が付与される大当たり(確変大当たりD)に当選しやすくなるので遊技者にとって有利な状態となっていた。また、特別図柄の低確率状態や、普通図柄の時短状態(即ち、「連荘状態」以外の状態)においては、賞球が得にくく、大当たりの終了後に普通図柄の時短状態へと移行する大当たり(確変大当たりA)に当選しやすくなるように構成されていた。即ち、「連荘状態」以外の状態において大当たりになったとしても、「連荘状態」へと移行しにくく、且つ、賞球が得にくくなるように構成されていた。そして、大当たりの終了後に付与された普通図柄の時短状態が終了した場合に、「連荘状態」へと移行するように構成されていた。これにより、遊技者に対して時短期間を終了させて「連荘状態」へと移行させることを一つの目標として遊技を行わせることができる。つまり、特別図柄の抽選に外れ続けることを期待して遊技を行わせることができるので、これまでにない斬新な遊技性を提供することができる。
これに対して第2実施形態におけるパチンコ機10では、「普通図柄の時短状態」を遊技者にとって有利な「連荘状態」としている。本実施形態における「連荘状態」は、第1実施形態と同様に比較的多くの賞球を得易く、大当たりの終了後に再度「普通図柄の時短状態」が付与される(即ち、「連荘状態」が付与される)大当たり(通常大当たりD、確変大当たりG、確変大当たりH)に当選しやすくなるので、遊技者にとって有利な状態となる。また、本実施形態では、「連荘状態」以外の状態として2種類の状態が設けられている。具体的には、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態(確変非時短状態)と、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(非確変非時短状態)とが設けられている。そして、「非確変非時短状態」では、「確変非時短状態」に比べて「連荘状態」へと移行し易くなるように構成されている。また、「確変非時短状態」からは、「連荘状態」よりも「非確変非時短状態」へと移行し易くなるように構成されている。このため、多くの場合「確変非時短状態」から「非確変非時短状態」を経由して「連荘状態」へと移行することとなる。よって、段階的に有利な状態へと近づいていくという斬新な遊技性を実現することができる。
また、本実施形態では、「特別図柄の確変状態」において特別図柄の抽選が行われる度に「特別図柄の低確率状態」へと移行(転落)させるか否かの抽選を行うように構成されている。つまり、「確変非時短状態」から「非確変非時短状態」へと移行(転落)するタイミングをランダムとすることができるので、遊技を開始するタイミング(大当たりが終了してからの変動回数)に拘わらず「連荘状態」へと移行し易い「非確変非時短状態」へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の構造が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、表示制御装置114に設けられたワークRAM233、およびキャラクタROM234の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図66を参照して、第2実施形態における遊技盤13の構造について説明する。図66に示した通り、本実施形態では、第1実施形態の遊技盤13(図2参照)において可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に配設されていた迂回役物700(図3参照)が廃止されている。迂回役物700(図3参照)に代えて、可変表示装置ユニット80の正面視右側には、多数の釘や風車が設けられている。また、これらの釘および風車に対して正面視右側には、普通入球口67が設けられている。
なお、本実施形態において迂回役物700を廃止したのは、「普通図柄の時短状態」と、「普通図柄の通常状態」との動作制御が第1実施形態から変更となっており、迂回役物700を廃止したとしても「連荘状態」以外の状態において特別図柄2の抽選が行われ難く構成されているからである。
より詳述すると、第1実施形態と同様に、本実施形態でも特別図柄2の抽選により大当たりとなった方が、特別図柄1の抽選で大当たりとなる場合に比べて遊技者が賞球を多く獲得し易い大当たりに当選し易くなるように構成されている。また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、「連荘状態」以外の状態(確変非時短状態、および非確変非時短状態)において左打ちにより第1入球口64を狙って球を打ち出す遊技方法を行い、「連荘状態」(即ち、確変時短状態、および非確変時短状態)においては第2入球口640を狙って球を打ち出す遊技方法を行うことを想定している。よって、「連荘状態」でないにも拘わらず球が第2入球口640へと容易に入球してしまうと、出玉率の設計値を大きく上回る賞球が払い出されてしまう虞があり、ホールに不測の不利益を与えてしまう場合がある。そこで、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」と、「普通図柄の通常状態」とをそれぞれ第1実施形態と異なる制御にすることで、「連荘状態」において球を第2入球口640へと入球させることが困難となるように構成している。
本実施形態における「普通図柄の通常状態」では、「普通図柄の時短状態」よりも普通図柄の当たり確率が大幅に低くなる。具体的には、「普通図柄の時短状態」において普通図柄の当たり確率が「1/1.2」であるのに対して、「普通図柄の通常状態」において普通図柄の当たり確率は「1/240」となる(図69(a)参照)。よって、「普通図柄の通常状態」(即ち、「連荘状態」以外の状態)では、「普通図柄の時短状態」(即ち、「連荘状態」)に比べて普通図柄の当たり確率が極端に低くなるため、「連荘状態」以外の状態において球が第2入球口640へと入球することを防止(抑制)できる。
また、本実施形態における「普通図柄の時短状態」(即ち、「連荘状態」)では、普通図柄の当たりとなった場合において第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間が、「1秒間×2回」に設定されるのに対して、「普通図柄の通常状態」(即ち、「連荘状態」以外の状態)では、「0.2秒×1回」と極端に短くなる。よって、「連荘状態」以外の状態において球が第2入球口640へと入球することに対する抑止効果を更に高めることができる。
このように、「普通図柄の時短状態」および「普通図柄の通常状態」の制御内容を変更することにより迂回役物700を廃止することができるのは、「連荘状態」として定義されている状態が第1実施形態と第2実施形態で異なっているからである。即ち、第1実施形態では、「確変非時短状態」を最も有利な「連荘状態」に設定していたために、「普通図柄の通常状態」においても球が第2入球口640へと入球し易くする必要があり、且つ、「普通図柄の確変状態」を「普通図柄の通常状態」よりも普通図柄の当たりとなる確率が高くなるように設定する必要があった。このため、第1実施形態では、普通図柄の状態に応じて制御を変更するだけで第2入球口640へと球が入球することを抑制するのが困難であった。よって、迂回役物700を設けることにより、「連荘状態」以外の状態に置いて第2入球口640へと球が入球することを防止(抑制)していた。
これに対して本実施形態では、「普通図柄の時短状態」を「連荘状態」としているので、「普通図柄の通常状態」(即ち、「連荘状態」以外の状態)において第2入球口へと球が入球し難くなることに対する弊害が無い。よって、第2入球口640に付随する電動役物640aの制御を変更するだけで、「連荘状態」では第2特定入球口640へと球を入球させやすい状態とし、「連荘状態」以外の状態では第2特定入球口640へと球が入球し難い状態とすることができる。つまり、迂回役物700を省略できるので、遊技盤13の構造を簡略化することができるので、パチンコ機10の部品点数を削減し、原材料費を安く抑えることができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図67〜図76を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図67(a)は、本実施形態における主制御装置110に設けられたROM202の電気的構成を示すブロック図である。図67(a)に示した通り、本実施形態では、第1実施形態におけるROM202に規定されていた第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、特図変動パターン選択テーブル202d、普図変動パターン選択テーブル202e、状態設定テーブル202fに代えて、
第1当たり種別選択テーブル202g、第2当たり乱数テーブル202h、特図変動パターン選択テーブル202i、普図変動パターン選択テーブル202j、状態設定テーブル202kが設けられている。これらのデータテーブルは、それぞれ第1実施形態のROM202に規定されている符号のみが異なる同名のデータテーブルから規定内容が変更されているが、用途に関しては第1実施形態における各データテーブルと同一である。また、本実施形態のROM202には、転落抽選テーブル202mが新たに追加されている。これらの第2実施形態におけるROM202に規定されているデータテーブルの詳細について、図67(b)〜図71(a)を参照して説明する。
図67(b)は、第2実施形態におけるROM202に規定された第1当たり種別選択テーブル202gの構成を示すブロック図である。この第1当たり種別選択テーブル202gは、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図7(c)参照)と同様に、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルで構成されている。この第1当たり種別選択テーブル202gには、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に大当たり種別を決定するための判定値が規定された特図1用当たり種別選択テーブル202g1と、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に大当たり種別を決定するための判定値が規定された特図2用当たり種別選択テーブル202g2の2種類のデータテーブルから構成されている。本実施形態では、特別図柄の大当たりとなった場合に選択され得る大当たり種別が第1実施形態から変更となっている。このため、第1当たり種別選択テーブル202gを構成する各テーブルの規定内容も第1実施形態から変更となっている。
なお、詳細については後述するが、本実施形態においても第1実施形態と同様に特図1用当たり種別選択テーブル202g1が参照される場合(即ち、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合)に賞球がほとんど獲得不可能な大当たりが付与され易く構成される一方で、特図2用当たり種別選択テーブル202g2が参照される場合(即ち、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合)に多量の賞球を獲得可能な大当たりが付与され易く構成されている。また、「連荘状態」において特別図柄2の抽選により大当たりとなると、大当たりの終了後に再度「連荘状態」が設定される(普通図柄の時短状態が付与される)ので、一旦「連荘状態」へと移行すると、普通図柄の時短期間が終了する前に大当たりに当選し続ける限り、多量の賞球を獲得し続けることができる。よって、「連荘状態」となることで、遊技者にとって極めて有利な状態とすることができるので、「連荘状態」へと移行させることを一つの目標として遊技者に遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図68(a)は、上述した特図1用当たり種別選択テーブル202g1の規定内容を模式的に示した模式図である。図68(a)に示した通り、特図1用当たり種別選択テーブル202g1は、第1当たり種別カウンタC2の値毎に大当たり種別が対応付けて規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2として「0〜9」の範囲に対しては、「通常大当たりC」が対応付けられている。上述した通り、第1当たり種別カウンタC2は、「0〜199」の200個を取り得るカウンタである。このうち、「通常大当たりC」となる判定値の個数が「0〜9」の10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりC」となる確率は5%(10/200)である。
通常大当たりCは、ラウンド数が2ラウンドであり、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりである。0.2秒間の開放期間中に遊技者が球を第1特定入賞口65aへ入賞させることは困難なので、通常大当たりCに当選しても、遊技者が賞球を得ることなく特別遊技状態が終了される場合がほとんどである。また、通常大当たりCの終了後には特別図柄の低確率状態へと移行する。なお、通常大当たりCの終了後に普通図柄の時短期間が付与されるか否かは、通常大当たりCとなった時点における遊技状態(確変非時短状態において通常大当たりCとなったか否か)によって異なるように構成されている。
より具体的には、図68(a)に示した通り、確変時短状態において通常大当たりCとなった場合には普通図柄の時短期間が付与されない。即ち、「連荘状態」へと移行しにくい確変時短状態において大当たりCになると、比較的「連荘状態」へと移行しやすい非確変非時短状態へと移行するので、遊技者に対して「連荘状態」へと近づいたように感じさせることができる。
一方、確変非時短状態以外の状態(即ち、非確変非時短状態、または「連荘状態」)において通常大当たりCになると、その通常大当たりCの終了後に普通図柄の時短期間が60回付与される。つまり、通常大当たりCが終了してから特別図柄の抽選が60回行われるまでの期間が、遊技者にとって有利な「連荘状態」となる。通常大当たりCの終了後に遊技者にとって最も有利な「連荘状態」へと移行させることにより、遊技者を喜ばせることができる。
なお、本実施形態においては、基本的に「連荘状態」(確変時短状態、非確変時短状態)において第2入球口640を狙って球を打ち出す遊技方法が想定されており、「連荘状態」以外の状態(確変非時短状態、非確変非時短状態)において第1入球口64を狙って球を打ち出す遊技方法が想定されている。このため、上述した通り、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640へと球を入球させることが困難となるように電動役物640aを制御している。
一方で、「連荘状態」において第1入球口64に対する球の入球は妨げられない。このため、「連荘状態」において特別図柄1の抽選が実行され、且つ、大当たりとなってしまう場合がある。具体的には、例えば、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技をあまり行ったことがない初心者が遊技を行う場合や、「連荘状態」への移行に対応する始動入賞を検出してから遊技者に対して「連荘状態」が報知されるまでの間に保留された始動入賞により大当たりとなった場合等である。上記例示した場合に「連荘状態」を終了させてしまうと、遊技者が遊技に対して不満を抱いてしまう可能性が高い。そこで、本実施形態では、「連荘状態」において特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合には、その大当たりの終了後も「連荘状態」が付与される(普通図柄の時短状態へと移行する)ように構成されている。これにより、遊技者が球を打ち出す方向を誤った場合や、「連荘状態」が報知されるまでの間に特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に、救済を図ることができる。よって、遊技者に対してより安心して遊技を行わせることができる。
第1当たり種別カウンタの値として「10〜189」の範囲には「確変大当たりE」が対応付けられている。「確変大当たりE」となる判定値の個数が「10〜189」の190個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりE」となる確率は90%(180/200)である。
確変大当たりEは、上述した通常大当たりCと同様に、ラウンド数が2ラウンドであり、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりである。また、確変大当たりEの終了後には特別図柄の確変状態へと移行する。なお、通常大当たりCと同様に、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が付与されるか否かは、確変大当たりEとなった時点における遊技状態(確変非時短状態において確変大当たりEとなったか否か)によって異なるように構成されている。より具体的には、通常大当たりCと同様に、確変時短状態において確変大当たりEとなった場合には普通図柄の時短期間が付与されない。一方、確変非時短状態以外の状態(即ち、非確変非時短状態、または「連荘状態」)において確変大当たりEになると、その確変大当たりEの終了後に普通図柄の時短期間が60回付与される(図68(a)参照)。
第1当たり種別カウンタの値として「190〜199」の範囲には「確変大当たりF」が対応付けられている。「確変大当たりF」となる判定値の個数が「190〜199」の10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりF」となる確率は5%(10/200)である。
確変大当たりFは、上述した通常大当たりC、および確変大当たりEと同様に、ラウンド数が2ラウンドであり、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりである。また、確変大当たりFの終了後には特別図柄の確変状態へと移行する。なお、通常大当たりCや確変大当たりEと異なり、確変大当たりFとなった時点における遊技状態に拘わらず、確変大当たりFの終了後には100回の普通図柄の時短期間が付与される。即ち、遊技状態が遊技者にとって最も不利な確変非時短状態であっても、確変大当たりFとなることにより「連荘状態」へと移行させることができる。加えて、付与される時短期間も比較的長いため、連荘状態中に大当たりとなる可能性も高くなる。よって、遊技状態が確変非時短状態であっても、確変大当たりFとなることにより直接「連荘状態」へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。
このように、本実施形態では、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合には、賞球を得ることが困難な大当たりが付与されるように構成されている。このため、第2入球口640へと球を入球させることが比較的困難な確変非時短状態や非確変非時短状態においては、第1入球口64を狙って遊技する必要があるため、大当たりとなっても賞球をほとんど得られない不利な状態となる。このため、確変非時短状態や非確変非時短状態において、遊技者に対して早く有利な「連荘状態」へと移行させたいと願わせながら遊技を行わせることができる。よって、「連荘状態」へと移行した場合における喜びをより大きなものとすることができるので、「連荘状態」における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、遊技者にとって最も不利な確変非時短状態において特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に、比較的有利な非確変非時短状態や、最も有利な「連荘状態」が設定される確率が低くなる(各5%ずつとなる)ように構成し、確変非時短状態において大当たりになっても、再度確変非時短状態が設定され易くなるように構成されている。よって、確変非時短状態においては、大当たりではなく、特別図柄の抽選が行われる度に実行される転落抽選(確変非時短状態から非確変非時短状態へと移行するか否かの抽選)に当選することを期待して遊技を行う斬新な遊技性を提供することができる。
次に、図68(b)を参照して、特図2用当たり種別選択テーブル202g2について説明する。図68(b)に示した通り、特図2用当たり種別選択テーブル202g2は、特図1用当たり種別選択テーブル202g1(図68(a)参照)と同様に、第1当たり種別カウンタC2の値毎に大当たり種別が対応付けて規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2として「0〜9」の範囲に対しては、「通常大当たりD」が対応付けられている。「通常大当たりD」となる判定値の個数が「0〜9」の10個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりD」となる確率は5%(10/200)である。
通常大当たりDは、ラウンド数が4ラウンドであり、各ラウンドにおいて第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりである。多くの場合、30秒が経過する前に特定入賞口650aへと5個の球が入賞するので、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。また、通常大当たりDの終了後には特別図柄の低確率状態へと移行する。
通常大当たりDの終了後に普通図柄の時短期間が付与されるか否かは、通常大当たりDとなった時点における遊技状態(確変非時短状態において通常大当たりDとなったか否か)によって異なるように構成されている。より具体的には、確変時短状態において通常大当たりDとなった場合には普通図柄の時短期間が付与されない。一方、確変非時短状態以外の状態(即ち、非確変非時短状態、または「連荘状態」)において通常大当たりDになると、その通常大当たりDの終了後に普通図柄の時短期間が60回付与される(図68(b)参照)。
第1当たり種別カウンタC2として「10〜189」の範囲に対しては、「確変大当たりG」が対応付けられている。「確変大当たりG」となる判定値の個数が「10〜189」の180個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりG」となる確率は90%(180/200)である。
確変大当たりGは、通常大当たりDと同様に、ラウンド数が4ラウンドであり、各ラウンドにおいて第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりである。また、確変大当たりGの終了後には特別図柄の確変状態へと移行する。
確変大当たりGの終了後に普通図柄の時短期間が付与されるか否かは、通常大当たりDと同様に、確変大当たりGとなった時点における遊技状態によって異なるように構成されている。より具体的には、確変時短状態において確変大当たりGとなった場合には普通図柄の時短期間が付与されない。一方、確変非時短状態以外の状態(即ち、非確変非時短状態、または「連荘状態」)において確変大当たりGになると、その確変大当たりGの終了後に普通図柄の時短期間が60回付与される(図68(b)参照)。
第1当たり種別カウンタC2として「190〜199」の範囲に対しては、「確変大当たりH」が対応付けられている。「確変大当たりH」となる判定値の個数が「190〜199」の10個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりH」となる確率は5%(10/200)である。
確変大当たりHは、ラウンド数が8ラウンドであり、各ラウンドにおいて第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりである。また、確変大当たりHの終了後には特別図柄の確変状態へと移行する。
確変大当たりHの終了後に普通図柄の時短期間が付与されるか否かは、通常大当たりDや核へのお当たりGと同様に、確変大当たりHとなった時点における遊技状態によって異なるように構成されている。より具体的には、確変時短状態において確変大当たりHとなった場合には普通図柄の時短期間が付与されない。一方、確変非時短状態以外の状態において確変大当たりHになると、その確変大当たりHの終了後に普通図柄の時短期間が100回付与される(図68(b)参照)。即ち、確変大当たりHは、ラウンド数が最も多く、且つ、大当たりの終了後に付与される時短期間も最も多いので遊技者にとって最も有利な大当たりである。
このように、本実施形態では、「連荘状態」において特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合には、比較的多量の賞球を獲得可能な大当たりが付与されることに加え、その大当たりの終了後に「連荘状態」となるように構成している。これにより、一旦「連荘状態」へと移行させることができれば、普通図柄の時短期間が経過しない限り、賞球の多い大当たりと、「連荘状態」とが繰り返される非常に有利な状態となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、「連荘状態」以外の状態において特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、時短期間が付与されない(「連荘状態」へと移行しない)ように構成している。これは、「連荘状態」以外の状態においても第2入球口640を狙って球を打ち出す変則的な遊技方法に対する抑制を図るためである。即ち、仮に特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、必ず普通図柄の時短期間が付与される(即ち、「連荘状態」が設定される)構成とした場合、遊技者が「連荘状態」以外の状態(確変非時短状態、または非確変非時短状態)において特別図柄2の抽選により大当たりとすることで直接的に「連荘状態」へと移行させようとする虞がある。このような変則的な遊技方法を根本的に成り立たなくするために、本実施形態では「連荘状態」以外の状態において特別図柄2の抽選により大当たりとなっても、その大当たりの終了後に「連荘状態」とならないように構成している。これにより、確変非時短状態から非確変非時短状態、非確変非時短状態から「連荘状態」と段階的に有利な状態へとステップアップしていく斬新な遊技性をより確実に楽しませることができる。
次に、図69(a)を参照して、本実施形態におけるROM202に規定された第2当たり乱数テーブル202hの詳細について説明する。図69(a)に示した通り、本実施形態における第2当たり乱数テーブル202hにも、第1実施形態における第2当たり乱数テーブル202cと同様に、低確率時(普通図柄の通常状態)用のテーブルと、高確率時(普通図柄の時短状態)用のテーブルとが規定されている。
低確率時(普通図柄の通常状態)用の第2当たり乱数テーブルには、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5」のみが規定されている(図69(a)参照)。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る240個の値のうち、当たりとなる判定値が1個のみ規定されているので、普通図柄の通常状態において、普通図柄(第2図柄)の当たりとなる確率は、1/240となる。
また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図69(a)参照)。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る240個の値のうち、当たりとなる判定値が200個存在するので、普通図柄の時短状態において、普通図柄(第2図柄)の当たりとなる確率は、1/1.2(200/240)となる。
このように、普通図柄の通常状態における普通図柄の当たり確率を、普通図柄の時短状態(即ち、「連荘状態」)における当たり確率よりも大幅に低くなるように構成することで、「連荘状態」以外の状態において特別図柄2の抽選を行わせることにより、賞球を多く獲得可能な大当たりを狙うという変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。即ち、「連荘状態」以外の状態において右打ちを実行したとしても、普通図柄の当たり確率が低いため、ほとんど電動役物640aが開放状態となることがなく、特別図柄2の抽選が行われることがない。また、右打ちを行い続けることにより、稀に特別図柄2の抽選が行われる場合は有るが、1/30、または1/37.5の確率でしか大当たりとならないため、特別図柄2の抽選により大当たりとなるまでに、その大当たりにより獲得可能な賞球よりもはるかに多くの球を消費する場合がほとんどである。
加えて、「連荘状態」以外の状態において特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合は、上述した通り普通図柄の通常状態へと移行する(即ち、「連荘状態」へ移行することがない)ため、「連荘状態」以外の状態において遊技者が右打ちを実行するメリットが無く、右打ちする程に球を消費し易くなるように構成されている。よって、遊技者に対して、「連荘状態」以外の状態においては左打ちを実行させ、「連荘状態」においては右打ちを実行させることができるので、変則的な遊技方法により不当に多くの賞球を得ようとする不正行為を成り立たなくすることができる。
次に、図69(b)を参照して、本実施形態における特図変動パターン選択テーブル202iの詳細について説明する。この特図変動パターン選択テーブル202iは、第1実施形態における特図変動パターン選択テーブル202dと同様に、特別図柄の抽選結果に対応する変動演出(変動パターン)の表示態様を決定するための第1変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
図69(b)に示した通り、特図変動パターン選択テーブル202iは、3種類のデータテーブルから構成されている。即ち、特図1連荘以外用選択テーブル202i1と、特図2連荘以外用選択テーブル202i2と、共通連荘状態用選択テーブル202i3とで構成されている。
特図連荘以外用選択テーブル202i1は、「連荘状態」以外の状態(確変非時短状態、または、非確変非時短状態)において、特別図柄1の抽選が実行された場合に参照されるデータテーブルである。また、特図2連荘以外用選択テーブル202i2は、「連荘状態」以外の状態において特別図柄2の抽選が実行された場合に参照されるデータテーブルである。更に、共通連荘状態用選択テーブル202i3は、「連荘状態」において特別図柄1の抽選、または特別図柄2の抽選のうちどちらかが実行された場合に参照されるデータテーブルである。上記3種のデータテーブルの詳細について、図70を参照して説明する。
図70(a)は、上述した特図1連荘以外用選択テーブル202i1の規定内容を示す図であり、図70(b)は、特図2連荘以外用選択テーブル202i2の規定内容を示す図であり、図70(c)は、共通連荘状態用選択テーブル202i3の規定内容を示す図である。図70に示した通り、上記3種のテーブルは停止種別毎に選択可能な変動パターンの種別を、第1変動種別カウンタCS1の値に対応付けて規定したデータテーブルである。
まず、図70(a)を参照して、特図1連荘以外用選択テーブル202i1の規定内容について説明する。特図1連荘以外用選択テーブル202i1には、完全外れ、リーチ外れ、大当たりの各停止種別に対して、変動パターン種別と、第1変動種別カウンタCS1の値とが対応付けて規定されている。具体的には、停止種別が完全外れの場合、第1変動種別カウンタCS1の値によらず(「0〜198」のいずれであっても)、変動時間が7秒の変動パターンが選択される。
また、停止種別がリーチ外れの場合、第1変動種別カウンタCS1の値によらず(「0〜198」のいずれであっても)、変動時間が10秒の変動パターンが選択される。また、停止種別が大当たりである場合は、第1変動種別カウンタCS1の値によらず(「0〜198」のいずれであっても)、変動時間が9秒の変動パターンが選択される。
このように、本実施形態では、「連荘状態」以外の状態において第1入球口64へと球が始動入賞した場合には、停止種別によらず、変動時間が7〜10秒と変動時間に大差ない変動パターンが選択されるように構成されている。これは、特別図柄1の抽選により大当たりになったとしても、賞球をほとんど獲得できないためである。即ち、大当たりとなったか否かを変動パターンから認識することを困難とし、遊技者に対して賞球が得られないことに対する落胆感を抱かせてしまうことを防止(抑制)している。なお、変動時間を同様な値とするのに合わせて、第3図柄表示装置81において実行される表示演出においても、大当たりとなったか否かが判別しにくくなる態様の表示演出が実行される。例えば、大当たりに対応する変動パターンにおける停止図柄として、所謂バラケ目が停止するように構成されている。これにより、賞球の獲得が困難な大当たりとなったか、外れとなったかをより分かりにくくすることができる。
次に、図70(b)を参照して、特図2連荘以外用選択テーブル202i2の規定内容について説明する。この特図2連荘以外用選択テーブル202i2において、停止種別が「完全外れ」の場合に選択され得る変動パターン種別は変動時間が300秒(5分)の「超ロング外れ」のみである。即ち、第1変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲(即ち、第1変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値)において、「超ロング外れ」が選択される。
また、停止種別が「リーチ外れ」だった場合、選択され得る変動パターンは変動時間が300秒の「外れ超ロングリーチ」のみである。更に、停止種別が「大当たり」だった場合は、変動時間が300秒の「当たり超ロングリーチ」のみが選択される。即ち、確変非時短状態、または非確変非時短状態において、特別図柄2の抽選が実行された場合には、特別図柄の抽選結果に関わらず変動時間が300秒の変動パターン種別が選択される。
このように、極端に長い変動時間の変動パターン種別が選択されるように構成することで、一旦変動が開始されてしまうと、その変動が終了するまでの長い時間、特別図柄の抽選が受けられない不利な状態とすることができる。よって、遊技者に対して、「連荘状態」以外の状態(確変非時短状態、または非確変非時短状態)において第2入球口640へ球を打つべきでないと感じさせることができる。よって、遊技者に対して、「連荘状態」以外の状態において、第1入球口64を狙って球を打ち出させ、「連荘状態」において、第2入球口640を狙って球を打ち出させることができる。本パチンコ機10は、「連荘状態」以外の状態では特別図柄1の抽選のみが行われ、「連荘状態」では特別図柄2の抽選のみが行われることを想定して設計されているので、「連荘状態」以外の状態において遊技者により第2入球口640を狙って球を打ち出されることを防止(抑制)することで、パチンコ機10の出球率を設計値に近づけることができる。よって、ホールが出玉率の設計値から売り上げ予測等を行う際に、より正確に計算することができる。
なお、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、「連荘状態」以外の状態において第2入球口640が狙って球が打ち出されることを防止するために、他にも複数の構成を設けている。例えば、本実施形態では、「連荘状態」以外の状態において普通図柄の当たりとなる確率が極端に低くなる(1/1.2→1/240)ように構成している。また、「連荘状態」以外の状態において特別図柄2の抽選により大当たりになったとしても、大当たりの終了後に時短期間が付与されない(「連荘状態」へと移行しない)ように構成されている。これらにより、特別図柄2の抽選が実行され難く、且つ、特別図柄の抽選が実行されたとしてもその結果が出るまでに300秒という長い時間を要し、且つ、抽選により大当たりになったとしても、大当たりの終了後は必ず「連荘状態」以外の状態が設定されることとなる。よって、遊技者が「連荘状態」以外の状態において右打ち(第2入球口640の方向へ球を打ち出す遊技方法)を行うことに対するデメリットを多くし、「連荘状態」以外の状態においては遊技者に対してより確実に左打ち(第1入球口64の方向へ球を打ち出す遊技方法)を行わせることができる。
なお、「連荘状態」以外の状態において、特別図柄2の抽選が行われた(遊技者が右打ちを行った)場合は、その抽選に基づいて行われる300秒の変動演出において、第1入球口64を狙って球を打ち出すように警告する演出を行ってもよい。これにより、「連荘状態」でないにも関わらず、右打ち(第2入球口640を狙った遊技方法)を行う遊技者に対して、右打ちを辞めさせることができる。また、警告演出を表示させることによりホールの店員にも、通常とは異なる遊技方法を行っている(「連荘状態」以外の状態で右打ちを行っている)遊技者を容易に特定することができる。よって、遊技者が警告演出を無視して通常とは異なる遊技方法を続行したとしても、警告演出を確認したホールの店員により、直接注意を行わせることができる。従って、「連荘状態」以外の状態で右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制をより確実に図ることができる。
次に、図70(c)を参照して、共通連荘状態用選択テーブル202i3の規定内容について説明する。図70(c)に示した通り、停止種別が「完全外れ」の場合には、特別図柄1の抽選であるか、特別図柄2の抽選であるかによらず、第1変動種別カウンタCS1の値として「0〜98」の範囲には変動時間が7秒の「短外れ」が対応付けられている。また、第1変動種別カウンタCS1の値として「99〜198」の範囲には、変動時間が10秒の「長外れ」が対応付けられている。
また、停止種別が「リーチ外れ」の場合には、第1変動種別カウンタCS1の値として「0〜149」の範囲には、変動時間が15秒の「ノーマルリーチ」が対応付けられている。また、第1変動種別カウンタCS1の値として「150〜198」の範囲には、変動時間が30秒の「スーパーリーチ」が対応付けられている。
更に、停止種別が「大当たり」の場合には、第1変動種別カウンタCS1の値として「0〜98」の範囲には、変動時間が15秒の「ノーマルリーチ」が対応付けられている。また、第1変動種別カウンタCS1の値として「99〜198」の範囲には、変動時間が30秒の「スーパーリーチ」が対応付けられている。即ち、大当たりの場合には、外れの場合に比較して「スーパーリーチ」が選択され易くなるように構成されている。これにより、変動時間の長い「スーパーリーチ」が実行されることにより、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。
次に、図71(a)を参照して、転落抽選テーブル202mについて説明する。転落抽選テーブル202mは、後述する転落抽選カウンタC5の判定値が記憶されているデータテーブルである。第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球した際(始動入賞の際)に取得された転落抽選カウンタC5の値が、転落抽選テーブル202mに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の低確率状態へと移行するように(転落するように)設定される。
より具体的には、特別図柄の確変状態において転落と判定される判定値として、「43,107,195,222」の4つの判定値が規定されている。ここで、転落抽選カウンタC5は、「0〜239」の範囲で値が更新されるループカウンタである。転落抽選カウンタC5の取り得る240個の値のうち、転落と判定される判定値が4個存在するので、特別図柄の確変状態において、転落する(特別図柄の低確率状態へと移行する)確率は、1/60(4/240)となる。
なお、本実施形態における転落抽選テーブル202mには、特別図柄の確変状態において転落か否かを判定するための判定値(特別図柄の確変状態用の判定値)のみが規定されており、特別図柄の低確率状態用の判定値は規定されていない。既に特別図柄の低確率状態となっている場合において、特別図柄の低確率状態へと移行させるか否かを判定するのは処理の無駄だからである。
本実施形態では、この転落抽選テーブル202mと、定期的に更新される転落抽選カウンタC5とが比較されて、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行させる(転落させる)か否かが判定される。即ち、「連荘状態」に移行し難い確変非時短状態から、「連荘状態」へと比較的移行し易い非確変非時短状態へと移行するタイミングをランダムにすることができる。よって、遊技を開始するタイミングに関係なく、転落と判定されて非確変非時短状態へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。
本実施形態では、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行(転落)するか否かが抽選(判定)されていたが、他の状態へと移行することを抽選(判定)してもよい。例えば、普通図柄の時短状態(即ち、「連荘状態」)から普通図柄の通常状態へと移行するか否かを、変動毎に実行される抽選により判別してもよい。これにより、「連荘状態」がいつまで続くのかをランダムとすることができるので、変動毎に「連荘状態」が継続することを願って遊技を行わせることができる。よって、「連荘状態」においてより緊張感を持って遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、特別図柄の低確率状態から特別図柄の確変状態へと移行するか否かを抽選可能に構成してもよい。これにより、「連荘状態」へと移行し難い確変非時短状態から、一旦、「連荘状態」へと移行し易い非確変非時短状態へと移行したとしても、大当たりとなる前に特別図柄の確変状態への移行抽選に当選した場合は、再度確変非時短状態へと移行させることができる。よって、非確変非時短状態において、確変状態への移行抽選に当選するよりも前に大当たりとならなければ「連荘状態」へと移行させることができないため、非確変非時短状態において遊技者に対して緊張感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図71(b)を参照して、第2実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。図71(b)に示した通り、本実施形態におけるRAM203では、第1実施形態におけるRAM203(図6参照)に設けられていた特別図柄2実行エリア203bに代えて、特別図柄2保留球格納エリア203jが設けられている。また、本実施形態では、特別図柄2保留球数カウンタ203kが新たに追加されている。
特別図柄2保留球格納エリア203jは、特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留エリア(特図2保留第1エリア〜第4エリア)を有している。これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値に加えて、転落抽選カウンタC5の値が格納される。なお、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいても、4つの保留エリア(特図1保留第1エリア〜第
4エリア)に対して、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値に加えて、転落抽選カウンタC5の値が格納されるように構成されている。
本実施形態では、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球すると、その入球回数が最大4回まで保留されるように構成されている。即ち、第1入球口64への入球と、第2入球口640への入球とがそれぞれ最大4回まで保留されるように構成されている。第1実施形態では、確変非時短状態を遊技者に有利な「連荘状態」と規定していたため、普通図柄の時短状態において特別図柄2の抽選が実行され難くするために、第2入球口640への入球が保留されないように構成されていた。
これに対して本実施形態では、普通図柄の時短状態を遊技者に有利な「連荘状態」と規定しているので、「連荘状態」以外の状態(非時短状態)において電動役物640aの制御のみにより球が第2入球口640へと入球し難くなるように構成することができる。よって、本実施形態では、第2入球口640への入球を4回まで保留可能に構成し、「連荘状態」において変動演出中における第2入球口640への入球が無駄となり難く(廃棄され難く)することができる。よって、「連荘状態」を遊技者にとってより有利な状態とすることができるので、遊技者の「連荘状態」に対する期待感を向上させることができる。
特別図柄2保留球数カウンタ203kは、第2入球口640への入球(始動入賞)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203kは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図89のS426参照)。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203kは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図87のS222参照)。
この特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図87のS223、図89のS421参照)。なお、本実施形態における保留球数コマンドは、特別図柄1における変動表示の保留回数N1の値が変更されたか、特別図柄2における変動表示の保留回数N2の値が変更されたかを示す情報が含まれている。この情報により、音声ランプ制御装置113に対して、特別図柄1における変動表示の保留回数N1と、特別図柄2における変動表示の保留回数N2とをそれぞれ区別して正確に把握させることができる。
次に、図72を参照して、第2実施形態における主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。本実施形態では、第1実施形態における制御に用いられていた各種カウンタ(図16参照)に加えて、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行させる(転落させる)か否かの判定に用いられる転落抽選カウンタC5が設けられている。
この転落抽選カウンタC5は、RAM203に設けられている他のカウンタと同様に、定期的に訪れる更新タイミング(例えば、タイマ割込処理(図86参照))毎に前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
上述した通り、本実施形態のRAM203には、4つの保留エリア(特図1保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄1保留球格納エリア203aと、4つの保留エリア(特図2保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄2保留球格納エリア203jと、特別図柄1の抽選、および特別図柄2の抽選に共通して用いられる特別図柄保留球実行エリアとが設けられている。これらの各エリアには、第1入球口64、および第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、および転落抽選カウンタC5の各値がそれぞれ格納される。
転落抽選カウンタC5について詳しく説明する。転落抽選カウンタC5は、所定の範囲(例えば、0〜239)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜239の値を取り得るカウンタの場合は239)に達した後0に戻る構成となっている。この転落抽選カウンタC5の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理(図86参照)の実行毎に1回)更新され、球が第1入球口64、又は第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203a、又は特別図柄2保留球格納エリア203jに格納される。そして、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行する(転落する)乱数の値は、上述した転落抽選テーブル202m(図71(a)参照)に規定されており、転落抽選カウンタC5の値が、転落抽選テーブル202m(図71(a)参照)に規定された乱数値(判定値)と一致した場合に、転落と判定する。この転落抽選カウンタC5に基づいて、転落と判定された場合には(図88のS323:Yes参照)、特別図柄の低確率状態に設定される(図88のS324参照)。
本実施形態のパチンコ機10における転落抽選カウンタC5において、転落となる乱数値(判定値)は4個あり、その乱数値(判定値)である「43,107,195,222」は、転落抽選テーブル202mに格納されている。このように、乱数値(判定値)の総数が240ある中で、転落となる乱数値(判定値)の総数が4なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/60」(4/240)となる。
次に、図73を参照して、1の遊技状態から他の遊技状態への移行条件について説明する。なお、以降の説明では、各状態の理解をより容易とするために、通常の遊技中に最も長く滞在する状態である確変非時短状態を「通常モード」と呼ぶ。また、大当たりとなった場合に必ず「連荘状態」へと移行する非確変非時短状態(「連荘状態」の準備を行っているかのような状態)を「準備モード」と呼ぶ。更に、確変時短状態、および非確変非時短状態をまとめて「連荘モード(連荘状態)」と呼ぶことにする。
まず、遊技者にとって最も不利な(即ち、最も「連荘モード」(連荘状態)に移行し難い)「通常モード」(確変非時短状態)における状態移行について説明する。この「通常モード」は、図73の上側に示している。図73に示した通り、「通常モード」では大当たりとなるか、若しくは転落抽選により転落に対応する抽選結果となった場合に、他の遊技状態へと移行する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同一の第1当たり乱数テーブル202aがROM202に規定されているため、第1実施形態と同様に、特別図柄の確変状態において特別図柄の当たりとなる確率は1/30である。
「通常モード(確変非時短状態)」において、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の90%で当選する「確変大当たりE」になると、大当たり終了後に「通常モード」へと移行する(図73の上部中央参照)。即ち、「通常モード」をループする。「確変大当たりE」に当選したとしても、遊技者が賞球を得ることは困難なので、「確変大当たりE」に当選し続ける(「通常モード」をループし続ける)と、賞球を得られずに持ち球を消費し続けることとなる。よって、遊技者にとって不利となる。
また、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の5%で当選する「通常大当たりC」になると、その大当たりの終了後に「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行する(図73の上側参照)。即ち、比較的「連荘状態」へと移行し易い状態へと移行するので、大当たりによる賞球は得難いものの、「確変大当たりE」に比べて遊技者に有利となる。そして、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の5%で当選する「確変大当たりF」となった場合は、大当たりの終了後に「連荘モード」(連荘状態)として規定されている2種類の状態のうち、確変時短状態へと移行する(図73の上部左側参照)。この「連荘モード」では、上述した通り、賞球を多量に獲得可能な大当たり(確変大当たりG,H、および通常大当たりD)に当選しやすくなるので、遊技者にとって最も有利となる。
更に、特別図柄の大当たりとなる前に、転落抽選により転落に対応する抽選結果になると(図71(a)参照)、比較的「連荘モード」へと移行し易い「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行する(図73の上部右側参照)。
このように、「通常モード」(確変非時短状態)では、大当たりになったとしても、90%の確率で同じ状態(通常モード)をループする一方で、転落抽選により転落に対応する抽選結果となった場合は、「通常モード」よりも有利な「準備モード」へと確実に移行するように構成されている。よって、転落に対応する抽選結果となることを願って遊技を行うことになる。一般的な遊技機においては、確変状態中に大当たりが連続することを願って遊技を行うが、本パチンコ機10では、確変状態が早期に終了することを願いながら遊技を行わせることができるので、他の遊技機にはない斬新な遊技性を提供することができる。
次に、上記した「通常モード」(確変非時短状態)よりも遊技者にとって有利な(「連荘モード」に移行し易い)「準備モード」(非確変非時短状態)における状態移行について説明する。この「準備モード」は、図73の中央部分に示している。図73に示した通り、「準備モード」では大当たりとなった場合にのみ、他の遊技状態へと移行する。なお、第1実施形態と同様に、特別図柄の低確率状態において特別図柄の当たりとなる確率は1/37.5である。
「準備モード」において特別図柄の大当たりとなった場合も、確変非時短状態と同様に、大当たり種別に応じて大当たりの終了後に移行する状態がそれぞれ異なっている。図73に示した通り、「準備モード」において、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合の5%で当選する「通常大当たりC」となると、大当たり終了後に「連荘モード」(連荘状態)として規定されている2種類の状態のうち、非確変非時短状態へと移行する(図73の中央部分参照)。上述した通り、この「連荘モード」になると、賞球を多量に獲得可能な大当たりに当選し易くなる。よって、「通常大当たりC」自体では賞球を獲得することが困難であるが、その後に設定される「連荘モード」により賞球の態様獲得を遊技者に期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合の90%で当選する「確変大当たりE」、または5%で当選する「確変大当たりF」となった場合は、「連荘モード」(連荘状態)として規定されている2種類の状態のうち、確変時短状態へと移行する(図73の中央部左側参照)。このため、「確変大当たりE」や「確変大当たりF」自体では賞球を獲得することが困難であるが、その後に設定される「連荘モード」により賞球の大量獲得を遊技者に期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、確変時短状態の大当たり確率(1/30)は、非確変非時短状態の大当たり確率(1/37.5)よりも高いので、「連荘モード」において大当たりとならないまま時短期間が経過してしまう(「連荘モード」が終了してしまう)可能性が低い。よって、「連荘モード」において大当たりとなり、多量の賞球を得ることに対する期待感をより高めることができる。
このように、「準備モード」(非確変非時短状態)は、いずれかの大当たりとなることにより「連荘モード」へと移行する状態であるので、遊技者にとって比較的有利な状態となる。
次に、図73の下部に示した「連荘モード」(連荘状態)について説明する。上述した通り、本実施形態では、「連荘モード」として2種類の状態(確変時短状態、および非確変時短状態)が規定されている。まず、図73の下部左側を参照して、確変時短状態について説明する。図73の下部左側に示した通り、確変時短状態では、特別図柄の大当たりとなった場合、前回の大当たりの終了時に設定された普通図柄の時短期間が経過した場合、および転落抽選により転落に対応する抽選結果となった場合に他の状態へと移行する。
具体的には、確変時短状態において、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の90%で当選する「確変大当たりG」、または5%で当選する「確変大当たりH」になると、4ラウンド、または8ラウンドの特別遊技状態が付与され、再度確変時短状態に設定される(図73の下部左側参照)。即ち、遊技者にとって有利な「連荘モード」(連荘状態)がループするので、遊技者を喜ばせることができる。
また、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「通常大当たりD」になると、4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、非確変時短状態へと移行する(図73の下部中央部分参照)。即ち、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行するものの、時短期間が付与されるため、遊技者にとって有利な「連荘モード」自体は継続する。また、確変時短状態において、変動毎に実行される転落抽選により転落に対応する抽選結果となった場合にも、同様に非確変時短状態へと移行する。
一方、普通図柄の時短期間が経過した場合は、「通常モード」(確変非時短状態)へと移行する。上述した通り、「通常モード」では、大当たりとなっても賞球を獲得することが困難な上に、同じ状態をループしやすくなるように構成されているため、遊技者にとって不利な状態となる。よって、「連荘モード」中に遊技を行う遊技者に対して、普通図柄の時短期間が終了する前に次の大当たりに当選することを願って遊技を行わせることができる。つまり、「連荘モード」において緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図73の下部右側に示した非確変時短状態について説明する。図73の下部右側に示した通り、非確変時短状態では、特別図柄の大当たりとなった場合、及び前回の大当たりの終了時に設定された普通図柄の時短期間が経過した場合に他の状態へと移行する。
具体的には確変時短状態において、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の90%で当選する「確変大当たりG」、または5%で当選する「確変大当たりH」になると、4ラウンド、または8ラウンドの特別遊技状態が付与され、その大当たりの終了後に確変時短状態に設定される(図73の下部中央参照)。即ち、遊技者にとって有利な「連荘モード」(連荘状態)がループするのに加え、大当たり確率の高い特別図柄の確変状態へと移行するので、短い間隔で再度大当たりとなることを遊技者に期待させることができる。
また、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「通常大当たりD」になると、4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、再度非確変時短状態へ移行する(図73の下部中央右側参照)。即ち、非確変時短状態がループするので、遊技者にとって有利な「連荘モード」が継続することにより遊技者を喜ばせることができる。
一方、普通図柄の時短期間が経過した場合は、「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行する。上述した通り、「準備モード」では、大当たりとなっても賞球を獲得することが困難だが、大当たりとなることにより「連荘モード」へと移行する状態である。よって、再度「連荘モード」へと移行する(「連荘モード」を短い期間で引き戻す)ことを期待して遊技者に遊技を行わせることができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、「通常モード」(確変非時短状態)において実行される転落抽選の結果が転落に対応する抽選結果だった場合に、「連荘モード」(連荘状態)へと移行しやすい「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行するように構成されている。そして、「準備モード」においていずれかの大当たりに当選することにより、その大当たりの終了後に「連荘モード」へと移行する。この「連荘モード」では、多量の賞球を獲得可能な大当たりとなり易い上に、大当たり終了後に最低でも特別図柄の抽選が60回実行されるまでの間、再度「連荘モード」が設定される。よって、時短期間が経過する前に大当たりに当選し続けることにより、多量の賞球を連続して獲得することができるので、遊技者にとって非常に有利な状態となる。従って、遊技者に対して、この「連荘モード」に移行させること、および、「連荘モード」をより多くの回数ループさせることを期待させて遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図74を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置114に設けられたROM222、およびRAM223の構成について説明する。図74(a)は、ROM222の構成を示すブロック図であり、図74(b)は、RAM223の構成を示すブロック図である。
図74(a)に示した通り、本実施形態の音声ランプ制御装置113に設けられているROM222には、第1実施形態におけるROM222の構成に加えて、予告種別判定テーブル222dが設けられている。一方、本実施形態におけるROM222では、第1実施形態におけるROM222が有していた背面設定テーブル222b、および連続予告判定テーブル222cが削除されている。
本実施形態のROM222に対して新たに追加された予告種別判定テーブル222dは、「通常モード」(確変非時短状態)において転落を示唆する表示演出の実行可否、および実行する場合の演出種別を判定するためのデータテーブルである。より具体的には、転落抽選において転落に対応する抽選結果となった場合に、転落を報知するための表示演出の演出種別を判定したり、転落抽選により転落とならなかった場合に、転落したかのような表示演出(ガセ演出)を実行するか否か判定したりするために用いられる。この予告種別判定テーブル222dの詳細については、図75、および図76を参照して後述する。
図74(b)に示した通り、本実施形態の音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223には、第1実施形態におけるRAM223の構成に加えて、確変状態フラグ223kと、連荘状態カウンタ223mと、予告種別抽選カウンタ223nと、予告開始フラグ223pと、予告種別フラグ223qと、先読み確変状態フラグ223sと、先読み連荘状態カウンタ223tとが設けられている。また、本実施形態におけるRAM223では、第1実施形態におけるRAM223に設けられていた天井回数カウンタ223eと、連荘状態フラグ223fとが削除されている。
確変状態フラグ223kは、特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、オンであれば特別図柄の確変状態であることを示し、オフであれば特別図柄の低確率状態であることを示す。この確変状態フラグ223kは、主制御装置110より通知される変動パターンコマンドにより、確変大当たりE〜Hのいずれかに対応する変動パターンが通知された場合にオンに設定される(図96のS1723参照)。一方、変動パターンコマンドにより通常大当たりC,Dのいずれかに対応する変動パターンが通知された場合や、転落抽選の結果が転落に対応する抽選結果になったことを示す転落コマンドが通知された場合にオフに設定される(図96のS1724、図102のS4601参照)。また、パチンコ機10に対する電源投入に伴って実行される初期設定の中で、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいて更新される(図93のS1311,S1312参照)。音声ランプ制御装置113は、この確変状態フラグ223kの状態(オンであるか、オフであるか)を把握し、対応する演出(表示演出や音声演出等)を実行することができる。
連荘状態カウンタ223mは、「連荘モード」(連荘状態)の残り回数を示すカウンタである。即ち、普通図柄の時短期間が何回残っているのか計数するカウンタである。この連荘状態カウンタ223mは、変動パターンコマンドにより時短期間が付与される大当たり種別が通知された場合に、大当たり毎に定められている時短期間がカウンタ値として設定される(図96のS1727,S1729,S1730参照)。また、特別図柄の外れに対応する変動パターンコマンドが通知される毎に、カウンタ値が1ずつ減算される(図97のS1822参照)。音声ランプ制御装置113は、この連荘状態カウンタ223mの値に基づいて現在が「連荘モード」であるか否かを判別し、対応する演出(表示演出や音声演出等)を実行する。
予告種別抽選カウンタ223nは、「通常モード」(確変非時短状態)において実行する表示演出の種別(転落を示唆する各種表示演出)を予告種別判定テーブル222dから選択する際に参照されるカウンタである。この予告種別抽選カウンタ223nは、その値が「0〜99」の範囲で更新されるループカウンタで構成され、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図44参照)の中で値が1ずつ更新される。即ち、第1実施形態における背面判定カウンタや予告判別カウンタの更新処理(図44のS1414,S1415参照)に代えて、この予告種別抽選カウンタ223nの更新処理が実行される(図示は省略)。表示演出の種別を選択する際は、この予告種別抽選カウンタ223nの値と、上述した予告種別判定テーブル222d(図75参照)とが比較され、予告種別抽選カウンタ223nの値に対応する表示演出の種別が選択される。
予告開始フラグ223pは、予告種別判定テーブル222dと予告抽選カウンタ223nの値とに基づいて決定された表示演出の種別を記憶しておくためのフラグであり、予告開始フラグ223pが取り得るそれぞれの値に表示演出の種別が対応付けられている。この予告開始フラグ223pの値は、転落を示唆する表示演出の種別が決定された場合に、その決定された表示演出に対応する値が設定される(図100のS4408参照)。本実施形態では、この予告開始フラグ223pの値と、次の変動の開始時点における保留球数とに基づいて詳細な表示演出の態様が決定される。なお、詳細な表示演出の態様が決定されると、予告開始フラグ223pの値がリセットされる(図98のS4207参照)。
予告種別フラグ223qは、実行中の転落を示唆する表示演出の種別を示すフラグである。この予告種別フラグ223qは、例えば1バイトの記憶領域が割り当てられており、フラグ値に応じて異なる表示演出の種別が対応付けられている。詳細については図76(a)を参照して後述するが、例えば、予告種別フラグ223qの値「00H」に対しては、「予告無し」、即ち、予告演出が実行されていないことを示す情報が対応付けられている。また、例えば予告種別フラグ223qの値「03H」に対しては、「準備モード」(非確変非時短状態)への移行を、3回の変動演出に渡る変動期間で報知する表示演出の実行中を示す情報が対応付けられている。この予告種別フラグ223qは、変動開始時に上述した予告開始フラグ223pに表示演出の実行に対応する値が設定されている場合に(図98のS4201:No参照)、予告開始フラグ223pの示す予告演出の種別と、保留球数とに基づいて対応する値が設定される(図98のS4205参照)。
先読み確変状態フラグ223rは、主制御装置110から出力される入賞情報コマンドを受信した場合に、その受信した入賞情報コマンドに対応する変動演出の開始時点が特別図柄の確変状態であるか、特別図柄の低確率状態であるかを示すフラグである。この先読み確変状態フラグ223rがオンであれば、変動開始時に特別図柄の確変状態であるものとして入賞情報コマンドにより通知された情報が解析される。一方、先読み確変状態フラグ223rがオフであれば、特別図柄の低確率状態であるものとして入賞情報コマンドにより通知された情報が解析される。この先読み確変状態フラグ223rは、入賞情報コマンドにより大当たりを示す入賞情報が通知される毎に更新される(図101のS4506,S4513参照)。より具体的には、入賞情報コマンドにより確変大当たりE〜Hのいずれかが通知された場合には、先読み確変状態フラグ223rがオンに設定され、通常大当たりC,Dのいずれかが通知された場合には、先読み確変フラグ223rがオフに設定される。また、先読み確変フラグ223rは、入賞情報コマンドにより転落に対応する入賞情報が通知された場合にもオフに設定される(図101のS4502参照)。本実施形態では、予告開始フラグ設定処理(図100参照)において、この先読み確変フラグ223rと、後述する先読み連荘状態カウンタ223sの値とに基づいて転落を報知する表示演出を選択する処理を行うか否かが判定される。
先読み連荘状態カウンタ223sは、主制御装置110から出力される入賞情報コマンドを受信した場合に、その受信した入賞情報コマンドに対応する変動演出の開始時点における普通図柄の時短期間の残り回数(即ち、「連荘モード」(連荘状態)の残り回数)を示すカウンタである。この先読み連荘状態カウンタ223sは、入賞情報コマンドにより大当たりを示す入賞情報が通知される毎に更新される(図101のS4505,S4511,S4512参照)。より具体的には、「連荘モード」における確変大当たりE,G、通常大当たりC,Dの入賞が通知された場合に、この先読み連荘状態カウンタ223sの値に60が設定される(図68参照)。また、「連荘モード」における確変大当たりHの入賞が通知された場合には、先読み連荘状態カウンタ223sの値に100が設定される(図68(b)参照)。更に、「連荘モード」であるか否かに関係なく、確変大当たりFの入賞が通知された場合には、先読み確変状態カウンタ223sの値に100が設定される(図68(a)参照)。
また、先読み連荘状態カウンタ223sの値は、「連荘モード」(普通図柄の時短状態)中の外れに対応する入賞情報が通知される毎に、値が1ずつ減算されて更新される(図101のS4507参照)。上述した通り、この先読み連荘状態カウンタ223sの値と、先読み確変状態フラグ223rとに基づいて、転落を報知する表示演出を選択する処理を行うか否かが判定される。
次に、図75(a)を参照して、予告種別判定テーブル222dの詳細について説明する。この予告種別判定テーブル222dは、上述した通り、「通常モード」(確変非時短状態)において転落(「準備モード」への移行)を示唆する表示演出(予告演出)の実行可否、および表示演出(予告演出)を実行する場合の演出種別を判定するためのデータテーブルである。図75(a)に示した通り、予告種別判定テーブル222dは、ガセ予告判定テーブル222d1と、本物予告判定テーブル222d2とで構成されている。
ガセ予告判定テーブル222d1は、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報が転落(「準備モード」への移行)に対応する抽選結果でなかった場合(非転落に対応する抽選結果だった場合)に参照されるデータテーブルであり、「準備モード」への移行を示唆するガセの表示演出(予告演出)を実行するか否か、およびガセの表示演出を実行する場合における演出種別を判定するために参照される。
本物予告判定テーブル222d2は、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報が転落(「準備モード」への移行)に対応する抽選結果だった場合に参照されるデータテーブルであり、「準備モード」への移行を報知する表示演出(予告演出)の演出種別(予告種別)を判定するために参照される。
まず、図75(b)を参照して、上述したガセ予告判定テーブル222d1の詳細について説明する。図75(b)は、このガセ予告判定テーブル222d1の規定内容を示した図である。図75(b)に示した通り、ガセ予告判定テーブル222d1は、予告種別抽選カウンタ223nの値毎に、実行する表示演出(予告演出)の演出種別(予告種別)が対応付けて規定されている。
具体的には、予告種別抽選カウンタ223nの値が「0〜94」の範囲には、「予告無し」が対応付けられている。つまり、「通常モード」(確変非時短状態)において、非転落に対応する抽選結果となり、且つ、予告種別抽選カウンタ223nの値が「0〜94」だった場合には、ガセの表示演出(予告演出)が設定されない(「予告無し」が設定される)。
また、予告種別抽選カウンタ223nの値「95」に対しては、演出種別(予告種別)として「ガセロング予告」が対応付けられている。この「ガセロング予告」が選択されると、変動開始時点において保留されている全ての保留球に渡って転落(「準備モード」への移行)を示唆する表示演出(連続予告演出)が実行される。即ち、予告演出の実行が決定された契機となる始動入賞に対応する保留球が、RAM203における特図1保留第1エリア〜第4エリアのうち、いずれのエリアに格納されていたとしても、格納されているエリアに関係なく全ての保留球に対応する変動演出で連続予告演出が行われるように設定される。この「ガセロング予告」では、キャラクタ801が怪獣802に敗北してしまう演出結果となるため(図85(a)参照)、遊技者に転落抽選の抽選結果が非転落であった(演出がガセであった)ことを容易に認識させることができる。
予告種別抽選カウンタ223nの値「96〜99」に対しては、演出種別(予告種別)として「ガセショート予告」が対応付けられている。この「ガセショート予告」が選択されると、1回の変動演出の変動期間においてキャラクタ801が怪獣802に敗北する予告演出(図85(a)参照)が実行される。
このように、本実施形態では、非転落に対応する抽選結果となった場合の一部でガセの予告演出(ガセ準備モード予告演出)を実行するように構成している。これにより、演出の結果として転落の報知が行われることを期待して遊技者に予告演出を確認させることができる。また、設定されるガセ準備モード予告演出には、全ての保留球に渡って予告演出が設定されるガセロング予告と、直近の1回の変動演出のみで予告演出を実行するガセショート予告とが設けられている。ガセ演出にバリエーションを設けることにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図75(c)を参照して、予告種別判定テーブル222dに規定されたデータテーブルの一つである本物予告判定テーブル222d2について説明する。図75(c)は、この本物予告判定テーブル222d2の規定内容を示した図である。ガセ予告判定テーブル222d1と同様に、本物予告判定テーブル222d2には、予告種別抽選カウンタ223nの値毎に、実行する表示演出(予告演出)の演出種別(予告種別)が対応付けて規定されている(図75(c)参照)。
具体的には、予告種別抽選カウンタ223nの値が「0〜89」の範囲には、「ロング予告」が対応付けられている。この「ロング予告」は、上述した「ガセロング予告」と同様に、変動開始時点において保留されている全ての保留球に渡って転落(「準備モード」への移行)を示唆する表示演出(連続予告演出)が実行される予告演出である。即ち、転落に対応する抽選結果となる保留球が、RAM203における特図1保留第1エリア〜第4エリアのうち、いずれのエリアに格納されていたとしても、格納されているエリアに関係なく全ての保留球に対応する変動演出で連続予告演出が行われるように設定される。この「ロング予告」では、キャラクタ801が怪獣802に勝利する演出が実行されるため、遊技者に転落抽選の抽選結果が転落であった(「準備モード」へ移行した)ことを容易に認識させることができる。
ここで、転落に対応する抽選結果となる保留球が保留されている保留エリアに関係なく、全ての保留球に渡って予告演出を設定することができるのは、転落(「準備モード」への移行)の前後で、電動役物640a、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aの動作が全く変わらないためである。これに対して、例えば、大当たりとなった場合に、全ての保留球に渡って連続予告演出を設定してしまうと、連続予告演出の途中で大当たりが開始されてしまう場合があり、連続予告演出を最後まで確認せずとも演出の結果を遊技者に把握されてしまう虞がある。よって、連続予告演出を十分に楽しませることができない場合がある。
また、例えば、第1実施形態のように、普通図柄の時短期間が終了した場合に遊技者にとって有利な状態へと移行するパチンコ機10において、普通図柄の時短期間の終了に対応する保留球が保留されている場合に、普通図柄の時短期間の終了タイミングとは無関係に全ての保留球に渡る連続予告演出を実行する構成とした場合にも、上記と同様の問題が生じる。即ち、普通図柄の時短期間の終了前後で電動役物640aの動作制御が変更となるため、電動役物640aの動作を観察するだけで遊技者に連続予告演出の結果を把握されてしまう。即ち、連続予告演出を十分に楽しませることができない場合がある。
加えて、第1実施形態では、時短期間の経過後に特別図柄1の抽選により大当たりになると、遊技者にとって不利な状態へと移行する可能性が高くなるように構成されていた。このため、遊技者に有利な普通図柄の通常状態へと移行したことを報知するタイミングが遅れる程、遊技者が第1入球口64へと球を打ち出し続ける期間が長くなることにより、特別図柄1の抽選により大当たりとなってしまう可能性が高くなる。よって、遊技者にとって不利益となる場合があった。
これに対して本実施形態では、「通常モード」から「準備モード」へと転落(移行)したとしても、状態の移行前後で変化するのは特別図柄の大当たりとなる確率(1/30→1/37.5)のみである。つまり、電動役物640aの動作の見た目等から「通常モード」であるか、「準備モード」であるかを判別することができなくなっている。加えて、本実施形態では、「通常モード」、「準備モード」のどちらの状態においても、第1入球口64を狙って球を打ち出す遊技方法が想定されている。このため、「準備モード」へ移行したこと(転落)を報知するタイミングが遅れたとしても、遊技者が不利益を被ることが無い。よって、本実施形態では、「準備モード」への移行(転落)に対応する抽選結果となる保留球が格納されている保留エリアに関係なく、全ての保留球に渡る連続予告演出が設定されるように構成することで、より多くの変動演出に渡る連続予告演出を実行することができる。これにより、連続予告演出の自由度を向上させることができるので、演出の結果を予想し難く、且つ、より興趣性の高い表示演出を実現することができる。
予告種別抽選カウンタ223nの値「90〜99」に対しては、演出種別(予告種別)として「ショート予告」が対応付けられている。この「ショート予告」が選択されると、その演出種別の選択後、最初に実行される1回の変動演出の変動期間においてキャラクタ801が怪獣802に勝利する予告演出が実行される。
ここで、転落に対応する抽選結果となる保留球が保留された保留エリアに関係なく、予告演出の実行が決定されてから最初に実行される変動演出で転落を報知することができるのも、転落(「準備モード」への移行)の前後で、電動役物640a、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aの動作が全く変わらないためである。つまり、電動役物640aの動作の見た目等から「通常モード」であるか、「準備モード」であるかを判別することができないため、転落を報知するタイミングと実際に転落するタイミングとがずれたとしても、そのことを遊技者が認識できないからである。
「ショート予告」が決定されてから最初に実行される変動演出において転落を報知する予告演出を実行することにより、遊技者に有利な「準備モード」へと移行することを、より早く遊技者に知らせることができる。よって、遊技者に対して本来よりも「準備モード」の期間が長いように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
なお、本実施形態においてガセ予告判定テーブル222d1から予告演出を選択する場合には、「ガセロング予告」よりも「ガセショート予告」を選択する確率が高くなるように構成されている(図75(b)参照)。即ち、「ガセロング予告」となる判定値(予告種別抽選カウンタ223nの値)として、「95」の1個のみが規定されている一方で、「ガセショート予告」となる判定値(予告種別抽選カウンタ223nの値)として、「96〜99」の4個が規定されているので、「ガセショート予告」は「ガセロング予告」に比較して4倍選択され易くなるように構成されている。
一方、本物予告判定テーブル222d2から予告演出を選択する場合には、「ショート予告」よりも「ロング予告」を選択する確率が高くなるように構成されている(図75(c)参照)。即ち、「ロング予告」となる判定値(予告種別抽選カウンタ223nの値)として、「0〜89」の90個が規定されている一方で、「ショート予告」となる判定値(予告種別抽選カウンタ223nの値)として、「90〜99」の10個が規定されているので、「ロング予告」は「ショート予告」に比較して9倍選択され易くなるように構成されている。
このように、ガセの予告演出と、転落を報知する予告演出とで演出の選択割合を逆転させることにより、遊技者に対して演出の種別から転落となる(「準備モード」へ移行する)期待度を予測させることができる。具体的には、1回の変動演出で終了する予告演出(「ショート予告」、または「ガセショート予告」)が実行されると、転落の期待度(「準備モード」へ移行する期待度)が低いと感じさせることができる。ガセの予告演出が実行される場合に「ガセショート予告」が選択され易い一方で、転落に対応する抽選結果となる場合に「ショート予告」が選択され難いからである。また、複数の変動演出に渡って実行される予告演出(「ロング予告」、または「ガセロング予告」)が実行されると、転落の期待度(「準備モード」へ移行する期待度)が高いと感じさせることができる。ガセの予告演出が実行される場合に「ガセロング予告」が選択され難い一方で、転落に対応する抽選結果となる場合に「ロング予告」が選択され易いからである。予告演出の種別に応じて遊技者の期待感を変化させることができるので、より趣向性の高い演出を行うことができる。
次に、図76(a)を参照して、予告開始フラグ223pに対して設定され得る値と、各値に対応する予告演出の予告種別とについて説明する。図76(a)に示した通り、本実施形態では、予告開始フラグ223pに対して「00H」〜「05H」の6種類の値が設定される可能性がある。
予告開始フラグ223pの値が「00H」であれば、「設定なし」、即ち、予告演出が設定されていないことを示している。また、「01H」であれば、予告演出として「ロング予告」が選択されたことを示している。この状態で次の変動演出の開始タイミングになると、保留されている全ての保留球に対して予告演出が設定され、キャラクタ801が怪獣802に勝利する演出が行われる。即ち、「準備モード」へと移行した(転落した)ことを報知(示唆)する演出が表示される。
予告開始フラグ223pの値が「02H」であれば、予告演出として「ショート予告」が選択されたことを示している。この状態で次の変動演出の開始タイミングになると、その変動演出においてキャラクタ801が怪獣802に勝利する予告演出が設定される。また、「03H」であれば、予告演出として「特殊予告演出A」が設定されたことを示している。詳細については後述するが、この「特殊予告演出A」は、保留球の中に、転落に対応する抽選結果となる保留球と、大当たりに対応する保留球とがこの順序で(即ち、先に転落に対応する変動が行われてから大当たりに対応する変動が行われる順序で)保留されている場合に実行される予告演出である。
上述した通り、「準備モード」へと移行した(転落した)後で大当たりとなった場合に、遊技者にとって有利な「連荘モード」へと移行する。よって、転落に対応する抽選結果となる保留球と、大当たりに対応する保留球とが保留されている場合は、保留されている保留球が全て消化される(保留されている変動が全て実行される)までに遊技者にとって有利な「連荘モード」へと移行する。よって、この場合は、特別な演出である「特殊予告演出A」を実行することにより、有利な状態へと移行したことがより印象深くあるように構成している。これにより遊技者の「連荘モード」へと移行したことに対する喜びを増幅させることができる。
予告開始フラグ223pの値が「04H」であれば、予告演出として「ガセロング予告」が選択されたことを示している。この状態で次の変動演出の開始タイミングになると、保留されている全ての保留球に対して予告演出が設定され、キャラクタ801が怪獣802に敗北する演出が行われる。即ち、「準備モード」へと移行していないことを報知(示唆)する演出が表示される。
予告開始フラグ223pの値が「05H」であれば、予告演出として「ガセショート予告」が選択されたことを示している。この状態で次の変動演出の開始タイミングになると、その変動演出において、キャラクタ801が怪獣802に敗北する予告演出が設定される。
このように、本実施形態では、予告開始フラグ223pの値に応じて、次の変動開始タイミングにおいて設定すべき予告演出の種別を容易に判別することができる。また、本実施形態では、主制御装置110より入賞情報コマンドが通知される毎に、通知された入賞情報の全てを記憶し、その記憶した入賞情報に基づいて変動開始時に予告演出の実行可否を判断するのでなく、入賞情報コマンドを受信する度に、予告演出の実行可否を判定し、その判定結果を予告開始フラグ223pの値として設定するように構成している。即ち、予告開始フラグ223pの値のみを変動開始時まで記憶しておくだけで良いので、全ての入賞情報を音声ランプ制御装置113側で逐一記憶しておく場合に比較して、記憶容量を削減することができる。
次に、図76(b)を参照して、予告種別フラグ223qに対して設定され得る値と、各値に対応する予告演出の予告種別とについて説明する。この予告種別フラグ223qは、上述した通り、実行中の予告演出の演出種別(予告種別)を識別するために用いられるフラグである。図76(b)に示した通り、本実施形態では、予告種別フラグ223qに対して「00H」〜「0EH」の15種類の値が設定される可能性がある。
予告開始フラグ223pの値が「00H」であれば、「予告なし」、即ち、予告演出の実行中ではないことを示している。また、「01H」〜「04H」であれば、転落(「準備モード」への移行)を報知する準備モード予告演出の実行中であることを示す。
より詳述すると、「01H」は、1回の変動演出においてキャラクタ801が怪獣802に勝利する演出の実行中であることを示す。予告種別フラグ223qの値に「01H」が設定されるのは、変動開始時に予告開始フラグ223pの値がショート予告に対応する「02H」だった場合や、変動開始時に予告開始フラグ223pの値がロング予告に対応する「01H」であり、且つ、保留球が1個のみの場合である。
また、「02H」は、2回の変動演出に渡る予告演出においてキャラクタ801が怪獣802に勝利する演出の実行中であることを示す。予告種別フラグ223qの値に「02H」が設定されるのは、変動開始時に予告開始フラグ223pの値がロング予告に対応する「01H」であり、且つ、保留球が2個の場合である。同様に「03H」は、3回の変動演出に渡る予告演出においてキャラクタ801が怪獣802に勝利する演出の実行中であることを示し、ロング予告の開始時に保留球が3個保留されていた場合に設定される。また、「04H」は、4回の変動演出に渡る予告演出においてキャラクタ801が怪獣802に勝利する演出の実行中であることを示し、ロング予告の開始時に保留球が4個保留されていた場合に設定される。
予告種別フラグ223qの値が「05H」〜「08H」であれば、ガセの表示演出であるガセ準備モード予告演出の実行中であることを示す。より詳述すると、「05H」は、1回の変動演出においてキャラクタ801が怪獣802に敗北する演出の実行中であることを示す。予告種別フラグ223qの値に「05H」が設定されるのは、変動開始時に予告開始フラグ223pの値がガセショート予告に対応する「05H」だった場合や、変動開始時に予告開始フラグ223pの値がガセロング予告に対応する「04H」であり、且つ、保留球が1個のみの場合である。
また、「06H」は、2回の変動演出に渡る予告演出においてキャラクタ801が怪獣802に敗北する演出の実行中であることを示す。予告種別フラグ223qの値に「06H」が設定されるのは、変動開始時に予告開始フラグ223pの値がガセロング予告に対応する「04H」であり、且つ、保留球が2個の場合である。同様に「07H」は、3回の変動演出に渡る予告演出においてキャラクタ801が怪獣802に敗北する演出の実行中であることを示し、ガセロング予告の開始時に保留球が3個保留されていた場合に設定される。また、「08H」は、4回の変動演出に渡る予告演出においてキャラクタ801が怪獣802に敗北する演出の実行中であることを示し、ガセロング予告の開始時に保留球が4個保留されていた場合に設定される。
更に、「09H」は、逆転演出の実行中であることを示す。ここで、逆転演出とは、キャラクタ801が怪獣802に敗北する演出が一旦行われ、次の変動演出においてキャラクタ801が復活して怪獣802に勝利する演出である(図85(b)参照)。詳細については後述するが、この逆転演出は、ガセ準備モード予告演出が一旦設定され、そのガセ演出中に転落に対応する抽選結果となる入賞情報が保留された場合に実行される演出である。逆転演出を設けることにより、例えキャラクタ801が敗北する演出が表示されたとしても、逆転演出が実行されることを期待して遊技を継続させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
予告種別フラグ223qの値が「0AH」〜「0DH」であれば、通常の準備モード予告演出とは異なる特別な態様で実行される特殊予告演出Aの実行中であることを示す。この特殊予告演出Aは、上述した通り、保留球の中に転落(「準備モード」への移行)に対応する抽選結果となる保留球と、大当たりに対応する保留球とがこの順序で(即ち、先に転落に対応する変動が行われてから大当たりに対応する変動が行われる順序で)保留されている場合に実行される予告演出である。
上記「特殊予告演出A」に対応する設定値のうち、「0AH」は、1回の変動に対して特殊報知演出Aが設定され、その特殊報知演出Aが実行中であることを示す。予告種別フラグ223qの値に「0AH」が設定されるのは、変動開始時に予告開始フラグ223pの値が特殊報知演出Aに対応する「03H」であり、且つ、保留球が1個のみだった場合である。ここで、本実施形態では、特別図柄の確変状態において特別図柄の抽選を実行する場合に、まず、転落に対応する抽選結果であるか否かを判別してから、その判別結果に応じた確率で特別図柄の大当たりとなるか否かの抽選を実行するように構成されている(図88参照)。このため、1回の抽選において転落に対応する抽選結果(1/60)となり、且つ、転落後の大当たり確率(1/37.5)で特別図柄の大当たりとなる場合がある。この場合、変動演出の終了後は「連荘モード」(連荘状態)となるため、遊技者にとって非常に有利となる。よって、本実施形態では、「通常モード」から一気に(1回の変動で)「連荘モード」へと移行した場合に、特殊予告演出Aを設定することで、「連荘モード」へと移行したことに対する遊技者の喜びをより増大させることができる。また、特別な演出を確認することにより、遊技者に対して優越感を抱かせることができる。
「0BH」は、2回の変動演出に渡る特殊予告演出Aの実行中であることを示す。予告種別フラグ223qの値に「0BH」が設定されるのは、変動開始時に予告開始フラグ223pの値が特殊予告演出Aに対応する「03H」であり、且つ、保留球が2個の場合である。同様に「0CH」は、3回の変動演出に渡る特殊報知演出の実行中であることを示し、特殊予告演出Aの開始時に保留球が3個保留されていた場合に設定される。また、「0DH」は、4回の変動演出に渡る予告演出において特殊報知演出Aの実行中であることを示し、特殊予告演出Aの開始時に保留球が4個保留されていた場合に設定される。
予告種別フラグ223qの値が「0EH」であれば、特殊予告演出Bの実行中であることを示す。この特殊予告演出Bは、詳細については後述するが、上述した準備モード予告演出の実行中に検出した始動入賞が大当たりに対応する入賞情報であった場合にのみ実行される特別な態様の演出であり、遊技者に対して「連荘モード」へ移行したことを示唆する演出である。上述した特殊報知演出Aは、準備モード予告演出(ロング予告、またはショート予告)の実行が決定されてから(即ち、転落に対応する抽選結果となる入賞情報が保留されてから)、実際に準備モード予告演出が設定されるまでの間に大当たりに対応する新たな入賞が検出された(即ち、「連荘モード」へ移行する)場合に設定される演出であった。これに対して特殊予告演出Bは、準備モード予告演出が既に実行されている状態で大当たりに対応する新たな入賞が検出された場合に実行される点で相違している。
このように、本実施形態では、予告種別フラグ223qの値により実行中の予告演出の種別を容易に把握することができる。また、予告種別フラグ223qは、何回の変動演出に渡って設定された演出であるかを示す情報を含んでいるので、予告演出が設定された各変動演出が実行される毎に連続予告カウンタ223iの値を更新していくことで、容易に予告演出の進捗を把握することができる。よって、予告演出の実行中における変動開始タイミングで、毎回予告演出の進捗に即した表示態様の演出を設定することができる。具体的には、例えば、3回の変動演出に渡る準備モード予告演出を設定したにも拘わらず、2回目に実行される変動演出においてキャラクタ801が怪獣802に勝利する演出を選択してしまい、設定された変動演出の回数が1回余ってしまったり、逆に、3回目に実行される変動演出において、キャラクタ801と怪獣802とが戦いの途中の態様の演出が設定されてしまい、3回の変動演出が終了しても予告演出の結果が分からなくなってしまうことを防止(抑制)することができる。
本実施形態では、予告開始フラグ223pと、予告種別フラグ223qの2種類のフラグを用いて予告演出の種別を設定していたがこれに限られるものではない。例えば、入賞情報コマンドが主制御装置110から通知される毎に、入賞情報コマンドに含まれる入賞情報を記憶しておくように構成してもよい。即ち、主制御装置110における特別図柄1保留球格納エリア203a、および特別図柄2保留球格納エリア203jと同じデータを記憶可能な記憶領域をRAM223に設けておいてもよい。そして、変動開始時に記憶されている各入賞情報を確認(判別)し、入賞情報の中に転落に対応する情報が含まれているか否かに応じて予告演出を実行するか否か、及び予告演出を実行する場合における予告演出の予告種別等を設定するように構成してもよい。また、上記記憶領域には、予告演出の種別を示す情報や、予告演出が設定されている変動演出のうち何回目の変動演出に対応する入賞情報かを示す情報を、記憶されている各入賞情報に対応付けて設定できるように構成してもよい。これにより、入賞情報コマンドを受信した際には、単にその入賞情報コマンドにより通知された入賞情報を記憶するだけでよいので、入賞情報コマンドを受信した場合におけるMPU221の処理負荷を軽減することができる。
次に、図77〜図85を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10において実行される予告演出の詳細について説明する。なお、本実施形態の予告演出は、第1実施形態における予告演出の態様を踏襲しており、具体的には、キャラクタ801が洞窟803の入り口を守護する怪獣802とバトルを行う演出が行われる(図24(b)参照)。また、キャラクタ801が怪獣802に勝利すると、「準備モード」を示す洞窟ステージ(背面H)に設定される(洞窟803へとキャラクタ801が進行する)。
まず、図77(a)は、予告演出の予告種別としてロング予告が選択された場合において、実行される変動演出と設定される予告演出との対応関係の一例を示したタイムチャートである。
図77(a)は、特別図柄の抽選結果が外れの変動演出が実行されている間に、転落に対応する抽選結果となる入賞情報を1回検出し、その後に外れに対応する入賞情報を2回検出した場合を例示した図である。上述した通り、転落(「準備モード」への移行)に対応する抽選結果となる入賞情報が通知されると、本物予告判定テーブル222d2が参照されて予告演出の予告種別が選択される。図77(a)の例では、予告種別としてロング予告が選択され、予告開始フラグ223pに対してロング予告を示す「01H」が設定された場合を示している。
図77(a)に示した通り、ロング予告が選択されると、次の変動開始時点において保留されている3個の保留球の変動時間に渡って、キャラクタ801が最終的に怪獣802に勝利する態様のバトル演出(準備モード予告演出)が実行される。即ち、実際には予告演出が実行される変動演出のうち、1回目の変動演出(保留1に対応する変動演出)において既に「準備モード」へと移行しているが、予告演出において「準備モード」へ移行したことを報知する(キャラクタ801が勝利する)のは3回目の変動演出(保留3に対応する変動演出)となる。
転落に対応する抽選結果となる保留球が保留されている保留エリアに関係なく、3つの保留球に渡って予告演出を設定することができるのは、転落(「準備モード」への移行)の前後で、電動役物640a、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aの動作が全く変わらないためである。これに対して、例えば、大当たりとなった場合に、全ての保留球に渡って連続予告演出を設定してしまうと、連続予告演出の途中で大当たりが開始されてしまう場合があり、連続予告演出を最後まで確認せずとも演出の結果を遊技者に把握されてしまう虞がある。よって、連続予告演出を十分に楽しませることができない場合がある。
また、例えば、第1実施形態のように、普通図柄の時短期間が終了した場合に遊技者にとって有利な状態へと移行するパチンコ機10において、普通図柄の時短期間の終了に対応する保留球が保留されている場合に、普通図柄の時短期間の終了タイミングとは無関係に全ての保留球に渡る連続予告演出を実行する構成とした場合にも、上記と同様の問題が生じる。即ち、普通図柄の時短期間の終了前後で電動役物640aの動作制御が変更となるため、電動役物640aの動作を観察するだけで遊技者に連続予告演出の結果を把握されてしまう。即ち、連続予告演出を十分に楽しませることができない場合がある。
加えて、第1実施形態では、時短期間の経過後に特別図柄1の抽選により大当たりになると、遊技者にとって不利な状態へと移行する可能性が高くなるように構成されていた。このため、遊技者に有利な普通図柄の通常状態へと移行したことを報知するタイミングが遅れる程、遊技者が第1入球口64へと球を打ち出し続ける期間が長くなることにより、特別図柄1の抽選により大当たりとなってしまう可能性が高くなる。よって、遊技者にとって不利益となる場合があった。
これに対して本実施形態では、「通常モード」から「準備モード」へと転落(移行)したとしても、状態の移行前後で変化するのは特別図柄の大当たりとなる確率(1/30→1/37.5)のみである。つまり、電動役物640aの動作の見た目等から「通常モード」であるか、「準備モード」であるかを判別することができなくなっている。加えて、本実施形態では、「通常モード」、「準備モード」のどちらの状態においても、第1入球口64を狙って球を打ち出す遊技方法が想定されている。このため、「準備モード」へ移行したこと(転落)を報知するタイミングが遅れたとしても、遊技者が不利益を被ることが無い。よって、本実施形態では、「準備モード」への移行(転落)に対応する抽選結果となる保留球が格納されている保留エリアに関係なく、全ての保留球に渡る連続予告演出が設定されるように構成することで、より多くの変動演出に渡る連続予告演出を実行することができる。これにより、連続予告演出の自由度を向上させることができるので、演出の結果を予想し難く、且つ、より興趣性の高い表示演出を実現することができる。
次に、図77(b)を参照して、転落(「準備モード」への移行)に対応する抽選結果となる入賞情報が通知され、予告種別としてショート予告が選択された場合の例について説明する。
図77(b)は、「通常モード」において特別図柄の抽選結果が外れの変動演出が実行されている間に、外れに対応する入賞情報を3回検出し、その後に転落に対応する抽選結果となる入賞情報を1回検出した場合を例示した図である。図77(b)に示した通り、転落に対応する抽選結果となる入賞情報が通知され、ショート予告が選択されると、次の変動開始時点において保留されている保留球のうち、最初に実行される変動演出において、キャラクタ801が最終的に怪獣802に勝利する態様のバトル演出(準備モード予告演出)が実行される。即ち、実際には予告演出が実行される変動演出のうち、1回目の変動演出(保留1に対応する変動演出)においては「通常モード」のままであり、その後に3回の変動演出が実行されなければ「準備モード」へと移行しないにも拘らず、1回目の変動演出(保留1に対応する変動演出)において「準備モード」に移行したことが報知される。これは、報知するタイミングを早めたとしても、その報知の前後で保留されている入賞情報(始動入賞時に取得された各種カウンタ値)が変化することはなく、全ての保留に対応する変動演出が終了するまでに必ず「準備モード」へと移行するからである。また、上述した通り、本実施形態では、「通常モード」と「準備モード」とを電動役物640a等の動作から見分けることが不可能(困難)となるように構成されているので、「準備モード」へと移行したタイミングと、「準備モード」を報知するタイミングがずれたとしても、そのずれを遊技者が認識することができないためである。このように、「準備モード」への移行を報知する(キャラクタ801が勝利する演出が実行される)タイミングを早めることにより、遊技者に有利な「準備モード」へと移行することを、より早く遊技者に知らせることができる。よって、遊技者に対して本来よりも「準備モード」の期間が長いように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
次に、図78を参照して、逆転演出について説明する。逆転演出とは、上述した通り、キャラクタ801が怪獣802に敗北する演出が一旦行われ、次の変動演出においてキャラクタ801が復活して怪獣802に勝利する演出である(図85(b)参照)。この逆転演出は、ガセ準備モード予告演出が一旦設定され、そのガセ演出中に転落に対応する抽選結果となる入賞情報が保留された場合に実行される演出である。図78は、2回の変動に渡るガセ準備モード予告演出(キャラクタ801が最終的に怪獣802に敗北する演出)の実行中に、転落に対応する抽選結果となる入賞情報が通知された場合を例示した図である。
図78に示した通り、「通常モード」において、外れに対応する変動演出の実行中に、外れに対応する入賞情報が2回通知され、一方の入賞情報においてガセロング予告が選択されると、次に実行される変動演出(保留1に対応する変動)の開始時において保留されている全ての保留球(保留1、保留2)に渡って、キャラクタ801が最終的に怪獣802に敗北するガセ準備モード予告演出(図85(a)参照)が設定される。
ガセ準備モード予告演出の実行中に、転落(「準備モード」への移行)に対応する抽選結果となる入賞情報が通知されると、バトル演出の終了後(即ち、図78における保留2に対応する変動演出の終了後)、最初に実行される変動演出において、キャラクタ801が復活して怪獣802に勝利する逆転演出が実行される。これにより、遊技者にとって比較的有利な「準備モード」へと移行したことを遊技者に認識させることができる。逆転演出を設けることにより、例えキャラクタ801が敗北する演出が表示されたとしても、逆転演出が実行されることを期待して遊技を継続させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図78では、ガセ準備モード予告演出中に転落に対応する抽選結果となる入賞情報のみが通知された場合を例示しているが、ガセ準備モード予告演出中に複数の入賞情報が通知され、そのうちの1つの入賞情報が転落に対応する抽選結果となる入賞情報だった場合にも、同様にガセ準備モード予告演出が終了してから最初に実行される変動演出において逆転演出が実行される。即ち、逆転演出が実行されるタイミングと、実際に転落に対応する抽選結果となる変動演出が実行されるタイミングとは必ずしも一致しない。上述した通り、本実施形態では、「通常モード」と「準備モード」とを電動役物640a等の動作から見分けることが不可能(困難)となるように構成されているので、「準備モード」へと移行したタイミングと、「準備モード」を報知するタイミングがずれたとしても、そのずれを遊技者が認識することができないためである。よって、キャラクタ801が復活して怪獣802に勝利するまでの一連の演出を1回の変動演出で実行することにより、メリハリのついた演出を表示させることができる。
即ち、本実施形態において、逆転演出(一旦怪獣802に敗北したキャラクタ801が復活する演出)が実行されるのは、転落に対応する抽選結果となる入賞情報が通知された場合であり、必ず怪獣802に勝利する演出が表示される。それにも拘わらず、キャラクタ801が復活してから怪獣802に勝利するまでの演出を、複数の変動演出に渡って実行する構成にすると、結果が分かっているのに長々と演出を見せられることになり、遊技者が演出を確認するのに飽きてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、転落に対応する抽選結果となる入賞情報の取得タイミングに拠らず、ガセ準備モード予告演出の終了後、最初に実行される変動演出で逆転演出を完結させるように構成している。これにより、遊技者が飽き難い、メリハリの付いた演出を実行することができる。
次に、図79(a)を参照して、上述した特殊予告演出Aの詳細について説明する。上述した通り、この特殊予告演出Aは、変動中に、転落に対応する抽選結果となる入賞情報と、大当たりに対応する入賞情報とがこの順序で(即ち、先に転落に対応する変動が行われてから大当たりに対応する変動が行われる順序で)通知された場合に実行される特別な態様の予告演出である。
図79(a)に示した通り、「通常モード」において、外れに対応する変動演出の実行中に、転落に対応する抽選結果となる入賞情報(保留1)と、大当たりに対応する入賞情報(保留2)とが通知されると、次の変動演出の開始時に、保留されている全ての保留球に渡って特殊予告演出Aが設定される。この特殊予告演出Aが設定されると、キャラクタ801が神殿の入り口を守護する怪獣802とバトルを行い、最終的にキャラクタ801が怪獣802に勝利して神殿へと進行する演出が実行される(図83参照)。この神殿は「連荘モード」を示唆している。そして、以降は、「連荘モード」が終了するまで、背面画像として神殿の内部を示す背面画像(背面I)に設定される。本実施形態では、「連荘モード」へ移行すると、神殿の中で宝を捜索する演出が実行されるので(図81参照)、予告演出において神殿の画像が表示されることにより、「準備モード」へと移行しただけでなく、「連荘モード」へも移行していたことを遊技者に認識させることができる。よって、特殊予告演出Aが実行されることにより、遊技者に大きな喜びや満足感を与えることができる。
次に、図79(b)を参照して、特殊予告演出Bについて説明する。この特殊予告演出Bは、準備モード予告演出(キャラクタ801が怪獣802に勝利する演出)の実行中に検出した始動入賞が大当たりに対応する入賞情報であった場合にのみ実行される特別な態様の演出であり、遊技者に対して「連荘モード」へ移行したことを示唆する演出である。
図79(b)に示した通り、キャラクタ801が怪獣802に勝利する準備モード予告演出の実行中において、大当たりに対応する入賞情報が通知されると(大当たりが保留されると)、演出の書き換えが行われる。つまり、事前に定められていた準備モード予告演出を最後まで実行せずに、予告演出の途中から異なる内容の演出に差し替えられる。
具体的には、図79(b)の右側に示した通り、大当たりに対応する入賞情報が通知された時点で実行されていた変動演出が終了すると、準備モード報知演出(キャラクタ801と怪獣802とがバトルを行う演出)が打ち切られる。そして、次の変動演出の開始タイミングで、大当たりに対応する変動演出までに渡る特殊予告演出Bが開始されるように設定される。この特殊予告演出Bの開始が設定されると、神殿811が出現する表示演出(予告演出)が実行される(図85参照)。つまり、それまで表示されていたキャラクタ801と怪獣802とによるバトル演出とは関連性が薄い演出が突如として実行される。これにより、遊技者に大きなインパクトを与えることができるので、「連荘モード」へと移行したことをより確実に遊技者に対して認識させることができる。
次に、図80〜図85を参照して、実際に第3図柄表示装置81に表示される背面画像の具体例、および予告演出中の表示画像の具体例について説明する。
まず、図80(a)を参照して、「準備モード」中に設定される背面種別である背面H(洞窟ステージ)について説明する。図80(a)に示した通り、背面Hが設定されると、第1実施形態における背面Dと同様に、キャラクタ801が洞窟の中を探索する背面画像が表示される。また、第3図柄表示装置81の下部に設けられた表示領域806には、「洞窟探索モード」との文字が表示される。洞窟ステージに対応する背面(背面H)を表示することにより、「準備モード」であることを遊技者に対して解り易く報知することができる。よって、「通常モード」に比べて有利な「準備モード」にも拘らず、気付かずに遊技を辞めてしまい、遊技者に不利益が生じてしまうことを防止することができる。
また、図80(b)は、背面H(洞窟ステージ)が設定されている状態(即ち、「準備モード」)において大当たりとなった場合の表示演出の例を示した図である。図80(b)に示した通り、背面Hが設定されている状態で大当たりに対応する変動演出が実行されると、小領域Ds2において異なる互いに異なる3つの主図柄が停止する変動演出が実行されると共に、キャラクタ801が神殿の入り口を発見する演出が行われる。また、第3図柄表示装置81における中央上部には、横長略長方形形状であり、内部に「神殿発見!!」との文字が記載された表示領域807が表示される。これらにより、遊技者に対して神殿ステージへと移行する(即ち、「連荘モード」へ移行する)ことを容易に認識させることができる。
なお、大当たりにも拘わらず、同一の主図柄が揃う変動演出としていないのは、「準備モード」中に特別図柄1により大当たりになったとしても、賞球をほとんど得ることができないためである。それにも拘らず、同一の主図柄が揃う変動演出を行うと、賞球を得られないことにより遊技者をがっかりさせてしまう虞がある。よって、本実施形態では、「準備モード」において大当たりになった場合には、同一の主図柄が揃わない(所謂バラケ目で停止する)変動演出を実行するように構成し、遊技者に対して過剰な期待感を抱かせてしまうことを防止(抑制)している。なお、「準備モード」において大当たりを報知するための演出は、神殿の入り口を発見する演出に限られるものではない。遊技者にとって有利な状態(即ち、「連荘モード」)となることを示唆する態様であれば任意に定めることができる。
次に、図81を参照して、「連荘モード」中に設定される背面種別である背面I(神殿ステージ)について説明する。図81(a)に示した通り、背面Iが設定されると、キャラクタ801が神殿の中を探索する背面画像が表示される。また、第3図柄表示装置81において、キャラクタ801に対して正面視右側には、「60回」との文字が記載された表示領域818が表示される。この60回という文字は、残りの時短期間(「連荘モード」の残り期間)を示している。第3図柄表示装置81において残りの時短期間を表示させておくことにより、遊技者に対して「連荘モード」が終了するまでの変動回数を正確に把握させることができる。つまり、回数を非表示とした場合に比較して、いつ「連荘モード」が終了するかを容易に認識させることができるので、「連荘モード」が終了した場合に、遊技者の不満感を軽減することができる。
第3図柄表示装置81の下部に設けられた表示領域806には、「神殿探索モード」との文字が表示される。また、その文字の左右には、「右打ち」との文字が表示される。ここで、上述した通り、「連荘モード」では、遊技盤13の右側に向けて球を打ち出す(右打ちを実行する)ことにより第2入球口640へと球が入球しやすくなる。また、「連荘モード」において、特別図柄2の抽選により大当たりになると、多量の賞球を獲得可能な上に、大当たりの終了後に再度「連荘モード」が付与される大当たりが付与される。即ち、通常大当たりD、確変大当たりG、確変大当たりHのいずれかが付与される(図68(b)参照)。一方、「連荘モード」において特別図柄1の抽選により大当たりとなると、賞球をほとんど獲得できない大当たりが付与される。即ち、通常大当たりC、確変大当たりE、確変大当たりFのいずれかが付与される(図68(a)参照)。よって、「連荘モード」において、有利な大当たりになりやすい特別図柄2の抽選を行わせるために、「右打ち」との文字を表示領域806へと表示させ、遊技盤13の右側へと球を打ち出すことを遊技者に促している。これにより、「連荘モード」において誤って第1入球口64を狙って球を打ち出してしまうことを防止できるので、「連荘モード」をより楽しませることができる。
図81(b)は、背面Iが設定されている状態(即ち、「連荘モード」)で特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合の表示演出の例を示した図である。図81(b)に示した通り、背面Iが設定されている状態で大当たりに対応する変動演出が実行されると、小領域Ds2において同一の主図柄が揃う変動演出が実行されると共に、キャラクタ801が宝箱807を発見する演出が行われる。これにより、遊技者に対して特別図柄の大当たりとなったことを容易に認識させることができる。なお、この例では、残りの時短期間が30回残っている状況で大当たりとなった場合を示しているので、キャラクタ801に対して正面視右側に表示される表示領域818には、残りの時短期間を示す「30回」の文字が表示される。
ここで、大当たりに対応する変動演出を行う場合の演出は、宝箱807を発見する演出に限られるものではない。遊技者にとって有利な状態(賞球を獲得可能な状態)となることを示唆する態様であれば任意に定めることができる。また、全ての大当たり種別に対して同じ演出を行う必要はない。例えば、ラウンド数の多い(8ラウンドの)確変大当たりHとなった場合には、他の大当たりよりも獲得可能な賞球数が多いため、多くの宝が入っている宝箱が表示されるように構成し、ラウンド数の少ない(4ラウンドの)通常大当たりD、または確変大当たりGとなった場合には、比較的少ない量の宝が入っている宝箱が表示されるように構成してもよい。これにより、宝箱に入っている宝の量で遊技者に対して大当たり種別を予測させることができる。
次に、図82〜図85を参照して、本実施形態における予告演出の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様を説明する。
まず、図82(a)を参照して、転落を報知する場合に実行される準備モード予告演出について説明する。準備モード予告演出が実行されると、キャラクタ801と怪獣802とが第3図柄表示装置81の画面上に表示される(図82(a)参照)。また、怪獣802の背後には、洞窟803が表示されると共に、第3図柄表示装置81の正面視上方に「バトルに勝利で洞窟ステージ」との文字が記載された表示領域812が表示される。これにより、キャラクタ801が怪獣802に勝利することで洞窟803へと進行することを容易に理解させることができる。洞窟へと進行し、洞窟内部を示す背面Hに設定されると、「通常モード」よりも遊技者にとって有利な「準備モード」になったことを意味するので、遊技者に対してバトルの結果を興味深く見守らせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を高めることができる。
次に、特殊予告演出Aが実行される場合の表示態様の一例について説明する。特殊予告演出Aでは、他の予告演出(準備モード予告演出、およびガセ準備モード予告演出)と同様に、キャラクタ801と怪獣802とがバトルを行う演出が実行される。この特殊予告演出Aが、準備モード予告演出(図82(a)参照)と異なる点は、図82(b)に示した通り、怪獣802の背後に神殿811が表示される点である。
上述した通り、予告演出は基本的に洞窟ステージ(背面H)に移行する否か、即ち、「準備モード」となるか否かを報知する演出であり、他の予告演出において、怪獣802の背後には洞窟803(図82(a)参照)が表示されるように構成されている。これに対して特殊予告演出Aでは、一気に遊技者にとって最も有利な「連荘モード」へと移行する(神殿ステージに移行する)ことを報知する演出であるため、キャラクタ801と怪獣802とのバトルにおいて、怪獣802の背後に神殿811が表示される。これにより、キャラクタ801が怪獣802に勝利することで、怪獣802の背後の神殿811へと進行することができることを遊技者が容易に理解することができる。「通常モード」から一気に「連荘モード」へと移行することを示唆する演出を実行することにより、遊技者に対して大きな喜びや満足感を与えることができる。
なお、本実施形態では、「連荘モード」へと移行する場合にのみ特殊予告演出Aが実行されるように構成していたが、これに限られるものではなく、例えば、ガセの(最終的にキャラクタ801が敗北する)演出においても一定の割合で怪獣802の背後に神殿811が表示されるように構成してもよい。これにより、キャラクタ801が勝利すれば遊技者にとって最も有利な「連荘モード」へ移行するが、キャラクタ801が敗北すれば、遊技者にとって最も不利な「通常モード」のままとなるので、キャラクタ801が勝利することをより強く願って予告演出を見守らせることができる。よって、遊技者に対してより予告演出を楽しませることができる。また、例えば、怪獣802の背後に神殿811が表示される演出を、「連荘モード」へ移行する場合、及び「準備モード」に移行する場合の一部のみで選択されるように構成し、「連荘モード」へと移行する場合にはキャラクタ801が勝利する演出が実行され、「準備モード」へと移行する場合にはキャラクタ801が敗北する演出が実行されるように構成してもよい。即ち、発生した時点で「通常モード」よりも有利な状態に移行することが確定する演出として用いてもよい。これにより、演出が発生した時点で、少なくとも「準備モード」へと移行することを遊技者に認識させることができるので、神殿811の画像を確認した遊技者に喜びや安心感を抱かせることができる。また、キャラクタ801の勝敗によって、最も有利な「連荘モード」へと移行するか否かが変わるので、演出の推移をより興味深く見守らせることができる。よって、予告演出をより楽しませることができる。
次に、図83、および図84を参照して、特殊予告演出Bが実行される場合の表示態様について説明する。まず、図83(a)は、準備モード予告演出の実行中に大当たりに対応する入賞情報が検出された場合(特殊予告演出Bの実行条件が成立した場合)の表示画面の一例を示した図である。なお、この例では、図79(b)と同様に、2回の変動演出に渡って実行される準備モード予告演出のうち、1回目の変動演出中に大当たりに対応する入賞情報を検出した場合を想定している。
図83(a)に示した通り、準備モード予告演出の実行中に大当たりに対応する入賞情報が検出された場合には、単に小領域Ds1に表示される保留球数が1個分加算されて表示されるに過ぎず(図83の例では、1個→2個)、入賞情報が検出された段階では他の予告演出と何ら異なるところが無い予告演出が表示される。即ち、キャラクタ801と怪獣802とのバトルが開始される場面が表示される(図83(a)参照)。
次に、図83(b)、および図84を参照して、特殊予告演出Bが実行された場合における第3図柄表示装置81の表示態様について説明する。上述した通り、特殊予告演出Bは、「連荘モード」へ移行することを報知するための演出であり、「準備モード」へと移行することを報知する準備モード予告演出とは異なる特別な表示態様の予告演出が実行される。
まず、図83(b)は、特殊報知演出Bが設定された変動演出の開始時における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。図83(b)に示した通り、準備モード予告演出が設定された変動演出において特殊予告演出Bの実行が決定され、次の変動演出が開始されると、小領域Ds1に表示される保留球数が1減算されて表示され(2個→1個)、小領域Ds2において変動演出が開始されると共に、第3図柄表示装置81がブラックアウトする演出が実行される(図83(b)参照)。実行されていた予告演出の結果が表示されないまま画面がブラックアウトしてしまうので、遊技者に対して大きなインパクトを与えることができる。即ち、通常の予告演出とは明らかに異なる特別な演出が開始されたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図84を参照して、特殊予告演出Bの実行中に表示される表示演出の表示態様について説明する。図84に示した通り、特殊予告演出Bが開始され、第3図柄表示装置81がブラックアウトした後は(図83(b)参照)、暗闇(ブラックアウトした画面)の中に神殿811が出現する演出が行われる。また、神殿811が出現することに伴い、神殿811の画像に対して正面視左上に、「神」という文字812が表示され、神殿811の画像に対して正面視右上に、「殿」という文字813が表示される。また、神殿811の画像に対して正面視左下に、「降」という文字814が表示され、神殿811の画像に対して正面視右下に、「臨」という文字815が表示される。即ち、神殿811の画像を取り囲むように、「神殿降臨」という文字が表示される。これにより、神殿ステージへと移行することを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、暗闇の中に神殿811が浮かび上がってくる演出を実行することで、遊技者に与えるインパクトをより大きなものとすることができる。更に、他の演出とは異なる特殊な態様の演出によって、最も有利な「連荘モード」への移行を報知することにより、特殊予告演出Bが発生したパチンコ機10において遊技を行う遊技者に対し、他の遊技者に対する優越感を抱かせることができる。
なお、特殊報知演出Bは、本態様に限られるものではなく、遊技者が「連荘モード」へと移行したこと、即ち、一気に最も有利な状態へと移行したことを報知えきる態様であれば、任意に定めることができる。例えば、ブラックアウトする演出に代えて、キャラクタ801と怪獣802とのバトル中に突如として空から神殿811が降ってきて、怪獣802が神殿811に押しつぶされる演出を表示させてもよい。これにより、怪獣802が戦闘不能となったことに加え、キャラクタ801が神殿811の内部へと進行することができることを遊技者が容易に理解できるので、最も有利な神殿ステージ(即ち、「連荘モード」)へと移行することを認識した遊技者に対して、大きな喜びや満足感を与えることができる。
また、本実施形態では、準備モード予告演出中に大当たりに対応する入賞情報が検出された場合には、必ず特殊予告演出Bが実行されるように構成していたが、特殊予告演出Bを実行するか否かを抽選により決定してもよい。即ち、特殊予告演出Bが実行される確率が低くなるように構成してもよい。これにより、特殊予告演出Bの希少性を高めることができるので、特殊予告演出Bが発生したパチンコ機10において遊技を行う遊技者に対して、より大きな喜びや満足感、および他の遊技者に対する優越感や、希少な演出を表示させることができたことに対する達成感を抱かせることができる。
次に、図85を参照して、逆転演出について説明する。逆転演出は、上述した通り、ガセ準備モード予告演出の実行中に転落に対応する抽選結果となる入賞情報を検出した場合に実行される演出である。
図85(a)は、ガセ準備モード予告演出が設定されている最後の変動演出において表示される演出の表示態様を示している。図85(a)に示した通り、ガセ準備モード予告演出では、怪獣802とバトルを行っていたキャラクタ801が倒れてしまう演出が表示される。これにより、今回の予告演出がガセであった(「準備モード」に移行しなかった)ことを遊技者が容易に認識することができる。なお、逆転演出の実行が決定されている場合(ガセ準備モード予告演出中に転落に対応する抽選結果となる入賞情報を検出した場合)には、次の変動において、図85(b)に示す逆転演出が実行され、逆転演出の実行が決定されていない場合には、そのまま予告演出が終了する。
次に、図85(b)を参照して、逆転演出における表示内容について説明する。ガセ準備モード予告演出が終了し、逆転演出の実行が決定されている場合には、そのガセ準備モード予告演出が終了した次の変動演出において、図85(b)に示す逆転演出が実行される。この逆転演出は、変動開始とともに実行されるので、小領域Ds1に表示された保留球数がガセ準備モード予告演出の終了時点から1個少なく表示される(図82の例では、2個→1個)と共に、小領域Ds2において新たな変動演出が開始される。
新たな変動が開始されると、怪獣802に一旦敗北し、傷だらけのキャラクタ801が立ち上がる演出が第3図柄表示装置81の中央部分に表示されると共に、第3図柄表示装置81の正面視右側に、「まだいける!!」との文字808が表示される。これらの表示演出により、遊技者はキャラクタ801が復活し、逆転演出に発展したことを容易に理解することができる。また、本実施形態では、この逆転演出が実行されると必ず怪獣802に勝利する演出が実行されるので、キャラクタ801が復活した演出が表示された段階で(図85(b)参照)、「準備モード」へと移行することを遊技者に認識させることができる。よって、一旦キャラクタ801が敗北し、がっかりしていた遊技者を喜ばせることができる。また、逆転演出を設けておくことにより、例えキャラクタ801が敗北する演出(図85(a)参照)が表示されたとしても、逆転演出に発展することを期待して次の変動演出を興味深く確認させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、逆転演出に発展した時点でキャラクタ801の勝利が確定する(「準備モード」へ移行しない場合には逆転演出が選択されない)ように構成されていたが、これに限られるものではない。最終的にキャラクタ801が怪獣802に敗北する場合にも、逆転演出が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、逆転演出に発展してから、バトルの結果が表示されるまで「準備モード」へと移行するか否かを判別することが困難になるので、逆転演出により注目させることができる。よって、表示演出をより楽しませることができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図86〜図92を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。まず、図86は、第1実施形態におけるタイマ割込処理に代えて実行される第2実施形態のタイマ割込処理を示したフローチャートである。
このタイマ割込処理のうち、S101,S102、およびS104〜S109の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるタイマ割込処理(図31参照)のS101,S102、およびS104〜S109の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態におけるタイマ割込処理では、S102の処理が終了すると、次いで、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4に加えて、転落抽選カウンタC5の更新を実行する(S111)。このS111の処理において、転落抽選カウンタC5の更新が行われる点が、第1実施形態と相違する。なお、上述した通り、本実施形態では、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選を実行する際に、あわせて特別図柄の低確率状態へ移行する(転落する)か否かの抽選(転落抽選)を実行している。転落抽選カウンタC5は、この転落抽選において転落させるか否かを抽選(判定)するために用いられる。
次に、図87を参照して、第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図86参照)の中で第1実施形態における特別図柄変動処理(図32参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における特別図柄変動処理(図32参照)と同様に、第1図柄表示装置37の表示態様や、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定するための処理である。
この特別図柄変動処理(S104)のうち、S201〜S207、およびS209〜S216の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図32参照)のS201〜S207、およびS209〜S216の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における特別図柄変動処理(S104)のS202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でないと判別した場合に(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(N2)を取得し(S221)、その取得した特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S222)。
S222の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(N2)が0であると判別した場合は(S222:No)、S203の処理へと移行する。一方、S222の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(N2)が0よりも大きいと判別した場合は(S222:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(N2)を1減算し(S223)、減算後の特別図柄2保留球数カウンタ203kの値を通知するための特図2保留球数コマンドを設定する(S224)。ここで設定された特図2保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図92参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図2保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203kの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S224の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203jに格納されたデータをシフトする(S225)。シフトの方法は、第1実施形態における特別図柄1保留球格納エリア203aのデータシフト方法(図32のS207参照)と同一であるので、その詳細な説明は省略する。S225の処理が終了すると特別図柄変動開始処理(S226)を実行し、本処理を終了する。この特別図柄変動開始処理(S226)は、特別図柄の抽選結果に基づいて変動演出(変動表示)を開始するための処理であり、第1実施形態における特別図柄1変動開始処理(図33参照)に代えて実行される。この特別図柄変動開始処理(S226)について、図88を参照して説明する。
図88は、上述した特別図柄変動開始処理(S226)を示すフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S226)のうち、S302〜S311の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄1変動開始処理(図33参照)のS302〜S311の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における特別図柄変動開始処理(S226)では、処理が開始されると、まず、特別図柄保留球実行エリアに格納されているデータを取得する(S321)。
また、本実施形態における特別図柄変動開始処理(S226)では、S302の処理において、確変フラグ203fがオンであると判別した場合に(S302:Yes)、転落抽選カウンタC5の値と転落抽選テーブル202mに規定された判定値(乱数値)との比較を行う(S322)。そして、転落抽選カウンタC5の値が、転落抽選テーブル202mに規定されているいずれかの判定値(乱数値)と一致する(即ち、転落に対応する値である)か否かを判別し(S323)、転落に対応する値ではないと判別した場合は(S323:No)、S303の処理へ移行する。
一方、S323の処理において、転落抽選カウンタC5の値が転落抽選テーブル202mに規定されているいずれかの判定値(乱数値)に一致する(転落に対応する値である)と判別した場合は(S323:Yes)、確変フラグ203fをオフに設定することで、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行(転落)させる(S324)。そして、音声ランプ制御装置113に対して特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行(転落)したことを通知するための転落コマンドを設定して(S325)、処理をS304へと移行する。
特別図柄変動開始処理(S225)を実行することにより、特別図柄の低確率状態へと移行(転落)させるか否かの抽選と、特別図柄の大当たりか否かの抽選とを容易に実行することができる。なお、本実施形態では、特別図柄の確変状態における処理の順番として、先に特別図柄の低確率状態へと移行させるか否かの抽選(転落抽選)を実行してから、特別図柄の大当たりとなるか否かの抽選を実行するように構成されていたが、処理順はこれに限られるものではない。先に大当たりの抽選を実行してから転落抽選を行うものとしてもよい。
次に、図89を参照して、第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図86参照)の中で第1実施形態における始動入賞処理(S105)に代えて実行される処理である。
この始動入賞処理(S105)のうち、S401〜S404の各処理では、それぞれ第1実施形態における始動入賞処理(図34参照)のS401〜S404の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における始動入賞処理(S105)では、S421の処理で、特図1保留級数コマンドを設定する(S421)。次に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3に加えて、転落抽選カウンタC5の各値を特別図柄保留球格納エリアに格納する(S422)。このS422の処理では、転落抽選カウンタC5の値も参照される点が、第1実施形態における始動入賞処理(図34参照)のS406の処理と相違する。
S422の処理が終了すると、次いで、球が第2入球口640に入球(入賞)したか否かを判別する(S423)。そして、球が第2入球口640に入球(入賞)したと判別されると(S423:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(N2)を取得し(S424)、その取得した特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(N2)が4未満であるか否かを判別する(S425)。
S425の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203kの値が4未満であると判別した場合は(S425:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(N2)を1加算し(S426)、加算後の特別図柄2保留球数カウンタ203kの値を音声ランプ制御装置113に通知するための特図2保留球数コマンドを設定する(S427)。そして、S422の処理と同様に、各種カウンタの値(C1〜C5)を特別図柄保留球格納エリアに格納して(S428)、処理をS429へと移行する。
また、S423の処理において、第2入球口640への球の入球(入賞)を検出していないか(S423:No)、或いは、第2入球口640への入球(入賞)があっても特別図柄2保留球数カウンタ203kの値(N2)が4未満でなければ(S425:No)、S426〜S428の各処理をスキップして、処理をS429へと移行する。S429の処理では、先読み処理を実行して(S429)、本処理を終了する。この先読み処理(S429)は、始動入賞処理(図89参照)において取得された各種カウンタ値に基づいて、大当たりとなるか否かや、転落となる(特別図柄の低確率状態へと移行する)か否か等を変動開始のタイミングとなるよりも前に予め判定するための処理である。この先読み処理(S429)の詳細について、図90を参照して説明する。
図90は、先読み処理(S429)を示すフローチャートである。この先読み処理(S429)では、まず、第1入球口64、又は第2入球口640のいずれかに新たな入球(始動入賞)を検出したか否かを判別する(S4101)。そして、第1入球口64、および第2入球口640のいずれにも新たな入球(始動入賞)が検出されていないと判別した場合は(S4101:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4101の処理において、新たな入球(始動入賞)を検出したと判別した場合は(S4101:Yes)、次いで、変動開始時の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否か判別する(S4102)。即ち、先読み確変中フラグ203hがオンであるか否かを判別する。そして、S4102の処理において、一方、S4102の処理において、変動開始時の遊技状態が特別図柄の低確率状態である(先読み確変中フラグ203hがオフである)と判別した場合は(S4102)、後述するS4103〜S4104の処理をスキップして、処理をS4106へと移行する。
一方、S4102の処理において、変動開始時の遊技状態が特別図柄の確変状態である(先読み確変中フラグ203hがオンである)と判別した場合は(S4102:Yes)、新たな入球(始動入賞)に基づいて取得された転落抽選カウンタC5の値と、転落抽選テーブル202m(図71(a)参照)に規定された判定値(乱数値)とに基づいて、転落抽選の抽選結果を取得(先読み)し(S4103)、転落抽選によって転落に対応する抽選結果となるか否かを判別する(S4104)。
S4104の処理において、転落に対応する抽選結果になると判別した場合は(S4104:Yes)、以降の始動入賞に対する先読みを実行する場合に、特別図柄の通常状態として先読みを実行するために、先読み確変中フラグ203hをオフに設定し(S4105)、処理をS4106へと移行する。S4105の処理後、又はS4102の処理において特別図柄の低確率状態であると判別された場合(S4102:No)に実行されるS4106の処理では、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図7(b)参照)に基づいて大当たりとなるか否かを先読みし(S4106)、S4108の処理へ移行する。
一方、S4104の処理において、転落抽選において転落に対応する抽選結果にならないと判別した場合は(S4104:No)、今回の始動入賞に基づく変動が開始される時点において、特別図柄の高確率状態であることを意味するので、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図7(b)参照)に基づいて大当たりか否かの抽選結果を先読みし(S4108)、処理をS4108へと移行する。
S4106、またはS4107の処理後に実行されるS4108の処理では、S4106、またはS4107の処理において先読みした大当たりか否かの判定結果や、S4103の処理において先読みした転落か否かの判定結果、第1当たり種別カウンタC2の値、および停止種別選択カウンタC3の値を含む入賞情報コマンドを設定する(S4108)。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図92参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドに基づいて表示演出の態様を設定する。
S4108の処理が終了すると、次いで、S4106、又はS4107の処理において先読みした大当たりか否かの判定結果が確変大当たりであるか否かを判別し(S4109)、確変大当たりであれば(S4109:Yes)、先読み確変中フラグ203hをオンに設定し(S4112)、本処理を終了する。一方、S4109の処理において、確変大当たりでないと判別した場合は(S4109:No)、次いで、通常大当たりであるか否かを判別する(S4111)。そして、通常大当たりであると判別した場合は(S4111:Yes)、先読み確変中フラグ203hをオフに設定し(S4112)、本処理を終了する。一方、通常大当たりではないと判別した場合は(S4111:No)、S4112の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図91を参照して、第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図86参照)の中で実行され、第1実施形態と同様に、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)のうち、S601〜S613,S615〜S618及びS622〜S625の各処理では、それぞれ第1実施形態における普通図柄変動処理(図36参照)のS601〜S613,S615〜S618及びS622〜S625の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における普通図柄変動処理(S106)では、S613の処理が終了すると、時短中カウンタ203gの値の値が0より大きいか否かを判別する(S631)。そして、時短中カウンタ203gの値が0よりも大きいと判別した場合は(S631:Yes)、S615の処理へ移行し、時短中カウンタ203gの値が0より大きくない(即ち、0である)と判別した場合は(S631:No)、S617の処理へ移行する。
また、本実施形態における普通図柄変動処理(図91参照)では、S616〜S618のいずれかの処理が終了すると、時短中カウンタ203gの値の値が0より大きいか否かを判別し(S632)、0よりも大きいと判別した場合は(S632:Yes)、普通図柄の変動時間を3秒に設定して(S633)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gの値が0であると判別した場合は(S632:No)、普通図柄の変動時間を30秒に設定し(S634)、本処理を終了する。
第1実施形態では、確変非時短状態(第1実施形態の「連荘状態」)であるか否かに応じて、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間および開放回数を変更するように構成していた。即ち、確変時短状態や、非確変非時短状態では、球が第2入球口640へと入球し難くなるように普通図柄の変動時間として「30秒」を設定し、普通図柄の当たり時に電動役物640aの開放期間として「0.2秒×1回」を設定していた。一方、確変非時短状態では、球が第2入球口640へと入球し易くなるように普通図柄の変動時間として「3秒」を設定し、普通図柄の当たり時に開放期間として「1秒×3回」を設定していた。このため、時短中カウンタ203gではなく連荘フラグ203iの状態に応じて変動時間や開放期間等を設定する必要があった。これに対して本実施形態では、普通図柄の時短期間と「連荘モード」(連荘状態)とが一致する。即ち、第2入球口640へと球が入り易くなる期間と「連荘モード」の期間とが一致するので、時短中カウンタ203gの値によって電動役物640aの開放期間を設定することができる。よって、連荘フラグ203iを廃止することができるので、ROM202の容量を削減することができる。
次に、図92のフローチャートを参照して、第2実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。このメイン処理では、第1実施形態と同様に、遊技における主要な処理が実行される。
このメイン処理のうち、S1001,S1003〜S1010、およびS1012〜S1015の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図40参照)のS1001,S1003〜S1010、およびS1012〜S1015の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態におけるメイン処理では、S1001の処理が終了すると、第1変動種別カウンタCS1を更新し(S1021)、S1003の処理へ移行する。
また、本実施形態において、S1010の処理後に実行されるS1022の処理では、S1010の処理が終了すると、第1変動種別カウンタCS1の値を更新し(S1022)、S1008の処理へ移行する。
本実施形態では、第1実施形態において普通図柄の変動時間を決定するために用いられていた第2変動種別カウンタCS2が廃止されている。このため、本実施形態のメイン処理では、第2変動種別カウンタCS2を更新する処理も必要ないため、S1021の処理、およびS1022の処理において第1変動種別カウンタCS1のみを更新するように構成されている。
なお、本実施形態におけるメイン処理(図92参照)でも、第1実施形態におけるメイン処理(図40参照)と同様に特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理(S1004)が実行される。この第2実施形態における大当たり制御処理(S1004)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図41参照)のS1112,S1113の処理に代えて、本実施形態において設けられている大当たり種別(図68(a),(b)参照)に対応する時短回数(時短状態カウンタ203gの値)等を設定する処理が実行される点で相違しているが、その他の処理については第1実施形態と同一である。このため、図示およびその詳細な説明については省略する。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図93〜図102を参照して第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図93を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド処理2(S1221)について説明する。この状態コマンド処理2(S1221)は、立ち上げ処理(図42参照)の中で第1実施形態における状態コマンド処理(S1211)に代えて実行される処理である。
この状態コマンド処理2(S1221)のうち、S1301の処理は、第1実施形態における状態コマンド処理(図43参照)のS1301の処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における状態コマンド処理2(S1221)では、S1301の処理において、状態コマンドにより通知された状態が特別図柄の確変状態であると判別した場合に(S1301:Yes)、確変状態フラグ223kをオンに設定し(S1311)、S1313の処理へ移行する。一方、S1301の処理において、状態コマンドにより通知された状態が特別図柄の確変状態ではない(特別図柄の低確率状態である)と判別した場合は(S1301:No)、確変状態フラグ223kをオフに設定し、S1313の処理へ移行する。
S1311、またはS1312の処理後に実行されるS1313の処理では、状態コマンドにより通知された普通図柄の時短回数を特定し(S1313)、その特定した時短回数を連荘状態カウンタ223mの値として設定して(S1314)、本処理を終了する。
この状態コマンド処理2(図93参照)により、遊技中に瞬停等が発生し、パチンコ機10の電源が遮断されたとしても、電源復帰後に音声ランプ制御装置113に対して遊技状態を正確に把握させることができる。よって、実際の遊技状態と表示演出等により示唆される遊技状態とがずれてしまう不具合を防止(抑制)することができる。
次に、図94を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり後背面設定処理2(S1431)について説明する。この当たり後背面設定処理2(S1431)は、メイン処理の中で第1実施形態における当たり後背面設定処理(S1411)に代えて実行される処理である。
この当たり後背面設定処理2(S1431)のうち、S1501の処理は、第1実施形態における当たり後背面設定処理(図45参照)のS1501の処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における後背面設定処理2(S1431)では、S1501の処理で、大当たりの終了タイミングであると判別した場合に(S1501:Yes)、確変大当たりFであるか否か判別し(S1521)、確変大当たりFではなければ(S1521:No)、次いで、連荘状態カウンタ223mの値が0よりも大きいか否かを判別する(S1522)。
S1522の処理において連荘状態カウンタ223mの値が0であると判別した場合は(S15222:No)、確変状態フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S1523)。そして、確変状態フラグ223kがオンでない(オフである)と判別した場合は(S1523:No)、「連荘モード」でなく、且つ、特別図柄の低確率状態であることを意味する、即ち、「準備モード」(非確変非時短状態)において大当たりとなったことを意味するので、「連荘モード」用の背面(神殿ステージ)を設定するために、処理をS1524へと移行する。
また、S1521の処理において確変大当たりFであると判別した場合も(S1521:Yes)、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が付与される(つまり、「連荘モード」へと移行する)ので、同様に処理をS1524へと移行する。更に、S1522の処理において連荘状態カウンタ223mの値が0よりも大きいと判別した場合も(S1522:Yes)、「連荘モード」において大当たりになったことを意味し、大当たり後に再度「連荘モード」へと移行するので、この場合も処理をS1524へと移行する。
S1524の処理では、背面I(神殿ステージ)に対応する表示用背面画像変更コマンドを設定する(S1524)。そして、背面I(神殿ステージ)に対応する値(02H)を背面フラグ223gに設定し(S1525)、連荘状態カウンタ223mの値に対して大当たり種別に応じた値(60、または100、図68(a),(b)参照)を設定して(S1526)、S1532の処理へ移行する。
一方、S1523の処理で、確変状態フラグ223kがオンであると判別した場合は(S1523:Yes)、「連荘モード」中でなく、且つ、特別図柄の確変状態中(つまり、「通常モード」中)に大当たりとなったことを意味するので、まず、今回の大当たりがいずれかの通常大当たり(通常大当たりC、または通常大当たりD)であるか否かを判別する(S1527)。そして、いずれかの通常大当たりであると判別した場合は(S1527:Yes)、大当たりの終了後に「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行するので、背面H(洞窟ステージ)に対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S1528)、背面Hに対応する値(01H)を背面フラグ223gに設定する(S1529)。S1529の処理後は、S1532の処理へと移行する。
一方、S1527の処理において、通常大当たりではない(即ち、確変大当たりE,G,Hのいずれかである)と判別した場合は(S1527:No)、大当たりの終了後に再度「通常モード」(確変非時短状態)が設定されるので、「通常モード」を示す背面C(森ステージ)に対応する表示用背面画像変更コマンドを設定し(S1530)、背面Cに対応する値(00H)を背面フラグ223gに設定に設定して(S1531)、処理をS1532へと移行する。
S1526,S1529、およびS1531のいずれかの処理が終了した後で実行されるS1532の処理では、大当たり種別に応じて確変状態フラグ223kを更新する。つまり、今回の大当たりが通常大当たりC,Dのいずれかであれば、確変状態フラグ223kをオフに設定し、確変大当たりE〜Fのいずれかであれば、確変状態フラグ223kをオンに設定する。S1532の処理が終了すると、当たり後背面設定処理2(S1431)を終了する。
本処理により、大当たりの終了後に設定される状態(「通常モード」、「準備モード」、または「連荘モード」)に応じた背面種別に設定することができるので、遊技者が容易に現在の状態を把握することができる。
次に、図95を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1412)について説明する。このコマンド判定処理(S1412)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(S1412)と同様に、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
このコマンド判定処理(S1412)のうち、S1601,S1602,S1604〜S1609、およびS1613〜S1617の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図46参照)のS1601,S1602,S1604〜S1609、およびS1613〜S1617の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態におけるコマンド判定処理(S1412)では、S1602の処理が終了すると、第1実施形態における変動パターン選択処理(図47参照)に代えて、変動パターン選択処理2(S1621)が実行される。この変動パターン選択処理2(S1621)は、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出するための処理である。
更に、本実施形態では、S1609の処理が終了すると、予告演出を実行するか否か判定するための処理である連続予告実行判定処理(S1622)が実行される。この連続予告実行判定処理の詳細については、図99を参照して後述する。
また、本実施形態において、S1609の処理により入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合に、実行されるS1623の処理では、主制御装置110より転落コマンドを受信したか否かを判別する(S1623)。そして、転落コマンドを受信したと判別した場合は(S1623:Yes)、パチンコ機10の遊技状態が特別図柄の低確率状態へと移行(転落)したことを意味するので、確変状態フラグ223kをオフに設定して(S1624)、本処理を終了する。
なお、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図46参照)ではオープニングコマンドを受信したか否かの判別処理(S1611)(図46参照)、および、そのオープニングコマンドを受信した場合に(S1611:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定する処理(S1612)を実行するように構成されていたが、本実施形態では、これらの処理を停止コマンド処理(図102参照)の中で実行するように構成している。処理の順序を変更したとしても、第1実施形態と同様に、大当たりのオープニングを遅滞なく設定することができる。
また、本実施形態のコマンド判定処理では、S1616の処理においてエンディングコマンドを受信していないと判別した場合に(S1616:No)、停止コマンド処理(S1625)が実行される。この停止コマンド処理(S1625)では、主制御装置110から出力される停止コマンドに基づく制御が行われる。停止コマンド処理(S1625)の詳細については、図102を参照して後述する。
次いで、図96を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理2(S1621)について説明する。この変動パターン選択処理2(S1621)は、上述した通り、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出するための処理である。この変動パターン選択処理2(S1621)のうち、S1701の処理は、第1実施形態における変動パターン選択処理(図47参照)のS1701の処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態の変動パターン選択処理2(S1621)では、S1701の処理において、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが、大当たりに対応する変動パターンでないと判別された場合に(S1701:No)、後述する外れ時背面設定処理2を実行し(S1721)、S1731の処理へ移行する。なお、外れ時背面設定処理2(S1721)は、第1実施形態における外れ時背面設定処理(図48参照)と同様に、特別図柄の抽選が外れだった場合に背面画像を変更するか否か判別するための処理である。この外れ時背面設定処理(S1721)の詳細については、図97を参照して後述する。
一方、S1701の処理において、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが大当たりに対応する変動パターンであると判別した場合は(S1701:Yes)、次いで、通知されたのは確変大当たりであるか否か判別する(S1722)。そして、確変大当たりであると判別した場合は(S1722:Yes)、確変状態フラグ223kをオンに設定し(S1723)、S1725の処理へ移行する。
一方、通知されたのが確変大当たりに対応する変動パターンではない(即ち、通常大当たりに対応する変動パターンである)と判別した場合は(S1722:No)、確変状態フラグ223kをオフに設定し(S1724)、S1725の処理へ移行する。続くS1725の処理では、連荘状態カウンタ223mの値が0か否かを判別する(S1725)。即ち、現在が普通図柄の時短状態中(「連荘モード」中)であるか否かを判別する。
S1725の処理において、連荘状態カウンタ223mの値が0である(即ち、「連荘モード」中でない)と判別した場合は(S1725:Yes)、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が100回付与されるので(図68(a)参照)、音声ランプ制御装置113においても普通図柄の時短期間を正確に把握しておくために、連荘状態カウンタ223mの値に100を設定する(S1727)。そして、処理をS1731へと移行する。
一方、S1726の処理において、確変大当たりFではないと判別した場合は(S1726:No)、大当たり後に普通図柄の時短期間が付与されることが無い(「連荘モード」に移行することが無い)ので、そのままS1731の処理へ移行する。
また、S1725の処理において、連荘状態カウンタ223mの値が0ではないと判別した場合は(S1725:No)、次いで、今回通知されたのが確変大当たりF、または確変大当たりHのどちらかであるか否かを判別する(S1728)。そして、確変大当たりF、または確変大当たりHであると判別した場合は(S1728:Yes)、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が100回付与されるので(図68(a),(b)参照)、連荘状態カウンタ223mの値に100を設定して(S1729)、処理をS1731のへと移行する。
一方、S1728の処理において、確変大当たりFでも確変大当たりHでもないと判別した場合は(S1728:No)、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が60回付与される大当たり種別であることを意味するので、連荘状態カウンタ223mの値に60を設定し(S1730)、処理をS1731へと移行する。S1731の処理では、演出態様設定処理(S1731)を実行し、本処理を終了する。詳細については図98を参照して後述するが、この演出態様設定処理(S1731)は、後述する連続予告実行判定処理(図99参照)において設定された予告演出の予告種別に応じた態様で変動演出中に実行される表示演出を設定するための処理である。
次に、図97を参照して、上述した変動パターン選択処理2(図96参照)の中で実行される外れ時背面設定処理2(S1721)について説明する。図97は、この外れ時背面設定処理2(S1721)を示すフローチャートである。
外れ時背面設定処理2(S1721)では、まず、連荘状態カウンタ223mの値が0よりも大きいか否かを判別し(S1821)、0より大きくない(即ち、0である)と判別した場合は(S1821:No)、「連荘モード」以外の状態(「通常モード」、または「準備モード」)であることを意味するので、そのまま本処理を終了する。なお、転落抽選により転落に対応する抽選結果となり、状態が変化する場合は、後述する転落設定処理(図102参照)の中で背面画像が変更される。
一方、S1821の処理において、連荘状態カウンタ223mの値が0よりも大きい(即ち、「連荘モード」中である)と判別した場合は(S1821:Yes)、連荘状態カウンタ223mの値を1減算し(S1822)、減算後の連荘状態カウンタ223mの値が0となったか否かを判別する(S1823)。
S1823の処理において、減算後の連荘状態カウンタ223mの値が0でないと判別した場合は(S1823:No)、「連荘モード」が継続することを意味し、背面種別を変更する必要がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1823の処理において、連荘状態カウンタ223mの値が0ではないと判別した場合は(S1823:Yes)、次いで、確変状態フラグ223kがオンであるか否かを判別し(S1824)、確変状態フラグ223kがオンであれば(S1824:Yes)、「連荘モード」(確変時短状態)が終了して「通常モード」(確変非時短状態)へと移行したことを意味するので、背面Cに対応する表示用背面画像変更コマンドを設定する(S1825)。これにより、「通常モード」に対応する背面C(森ステージ)に設定することができるので、遊技者に対して「連荘モード」が終了したことを容易に認識させることができる。S1825の処理が終了すると、背面Cに対応する値(00H)を背面フラグ223gに設定して(S1826)、本処理を終了する。
一方、S1824の処理において、確変状態フラグ223kがオフであると判別した場合は(S1824:No)、「連荘モード」(非確変時短状態)が終了して「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行したことを意味するので、この場合は背面Hに対応する表示用背面画像変更コマンドを設定する(S1827)。これにより、「準備モード」に対応する背面H(洞窟ステージ)に設定することができるので、遊技者に対して「連荘モード」が終了したこと、および「準備モード」に移行したことを容易に認識させることができる。上述した通り、「準備モード」では、大当たりとなると必ず「連荘モード」へと移行するので、遊技者に対して再度大当たりとなるまで継続して遊技を行おうと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。S1828の処理後は、背面Hに対応する値(01H)を背面フラグ223gに設定して(S1828)、本処理を終了する。
この外れ時背面設定処理2(S1721)により、状態に即した背面に設定することができるので、遊技者に対して背面種別に基づいて状態を予測させることができる。よって、有利な状態(即ち、「連荘モード」や「準備モード」)であるにも拘らず、気付かずに遊技を辞めてしまったり、逆に不利な状態(即ち、「通常モード」)であるにも拘わらず、有利な状態と勘違いして深追いしてしまったりすることを抑制することができるので、遊技者に対して不利益となることを防止できる。
なお、本実施形態では、「連荘モード」が終了した場合に、終了後の状態(「通常モード」であるか、「準備モード」であるか)に応じて背面種別を一意に定めるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、「準備モード」となった場合の一部では、「通常モード」に対応する背面Cを設定するように構成してもよい。これにより、背面I(神殿ステージ)から背面C(森ステージ)に背面種別が変更されたとしても、「準備モード」に移行している可能性があるので、「準備モード」であることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。また、例えば、「連荘モード」が終了してから一定期間(例えば、変動演出を10回実行するまで)の間は、「通常モード」と「準備モード」とで共通して選択される特別な背面種別に設定してもよい。同じ背面種別が設定されることにより、遊技者が「連荘モード」終了後の状態を判別することが困難にできるので、「準備モード」に移行していることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図98を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出態様設定処理(S1731)について説明する。この演出態様設定処理(S1731)は、変動パターン選択処理2(S1621)の中で実行され、上述した通り、設定されている予告演出の予告種別に応じた態様で変動演出中に実行される表示演出を設定するための処理である。
この演出態様設定処理(S1731)では、まず、予告開始フラグ223pの値として、予告演出が設定されていないことを示す00Hであるか否かを判別する(S4201)。そして、予告開始フラグ223pが00Hではないと判別した場合は(S4201:No)、次いで、予告開始フラグ223pが01H、または04Hのいずれかであるか否かを判別する(S4202)。即ち、変動開始時点における全ての保留球に対して予告演出を設定するロング予告、またはガセロング予告が設定されているか否かを判別する。
S4202の処理において、予告開始フラグ223pが01Hか04Hのどちらかであると判別した場合は(S4202:Yes)、変動開始時点における全ての保留球に渡って予告演出を設定する演出であることを意味するので、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を連続予告カウンタ223iの値として設定し(S4203)、S4205の処理へ移行する。
一方、予告開始フラグ223pが01Hでも04Hでもないと判別した場合は(S4202:No)、連続予告カウンタ223iの値に1を設定し(S4204)、S4205の処理へ移行する。S4205の処理では、予告開始フラグ223pと連続予告カウンタ223iの値とに基づいて変動パターンテーブル222aから変動パターンを抽出する(S4205)。その後、予告開始フラグ223pと連続予告カウンタ223iの値とに基づいて、対応する値を予告種別フラグ223qに設定し(S4206)、予告開始フラグ223pの値に00Hを設定して(S4207)、本処理を終了する。
一方、S4201の処理において、予告開始フラグ223pが00Hであると判別した場合は(S4201:Yes)、連続予告カウンタ223iの値が0か否かを判別する(S4208)。連続予告カウンタ223iが0ではないと判別した場合は(S4208:No)、予告演出の実行中であることを意味するので、予告種別フラグ223qの値を読み出し(S4209)、その予告種別フラグ223qの値と連続予告カウンタ223iの値とに基づいて変動パターンテーブル222aから変動パターンを抽出して(S4210)、本処理を終了する。
より詳述すると、本実施形態の変動パターンテーブルには、予告演出の態様も含めた形の変動パターンの態様が規定されている。予告演出が設定されている場合において選択される変動パターンとしては、例えば、「3回の変動演出に渡って実行されるロング予告演出において2回目に実行される変動演出各種」や、「4回の変動演出に渡って実行されるガセロング予告演出において1回目に実行される変動演出各種」等、予告演出の種別や、予告演出の進行具合(何回中何回目の変動演出であるか)に応じて異なる態様の変動演出が規定されている。上述したS4210の処理では、予告演出の種別を予告種別フラグ223qにより特定すると共に、予告演出の進行具合を連続予告カウンタ223iにより特定することで、予告演出において次に表示させるべき適切な表示演出を選択している。
一方、S4208の処理において、連続予告カウンタ223iが0であると判別した場合は(S4208:Yes)、予告演出が設定されていないことを示すので、変動パターンコマンドにより通知された変動時間に基づいて、変動パターンテーブル222aのうち予告演出が表示されない変動パターンの中から今回実行する変動パターンを抽出し(S4211)、本処理を終了する。
本処理を実行することにより、多種多様な予告演出を設定することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図99を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される連続予告実行判定処理(S1622)について説明する。この連続予告実行判定処理(S1622)は、上述した通り、各種予告演出(図82〜図85参照)を実行するか否か判定するための処理である。
この連続予告実行判定処理(S1622)では、まず、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報を入賞情報格納エリア223aへ格納し(S4301)、次に、連続予告演出の実行中か否かを判別する(S4302)。連続予告演出の実行中ではないと判別した場合は(S4302:No)、予告開始フラグ223pの値に本物転落予告を示す値(即ち、ロング予告、またはショート予告を示す01H、または02H)が設定されているか否かを判別する(S4303)。
S4303の処理において、予告開始フラグ223pが本物転落予告を示す値(01H、または02H)であると判別した場合は(S4303:Yes)、次いで、入賞情報コマンドによる通知されたのが大当たりに対応する入賞情報であるか否かを判別し(S4304)、大当たりに対応する入賞情報であると判別した場合は(S4304:Yes)、予告開始フラグ223pに対して特殊報知演出A(図82(b)参照)を示す03Hを設定し(S4305)、処理をS4313へと移行する。一方、S4304の処理において大当たりに対応する入賞情報でないと判別した場合は(S4304:No)、S4305の処理をスキップし、S4313の処理へと移行する。
これに対し、S4303の処理において、予告開始フラグ223pが本物転落予告を示す値(即ち、01H、または02H)ではないと判別した場合は(S4303:Yes)、予告開始フラグ設定処理を実行し(S4306)、S4313の処理へ移行する。この予告開始フラグ設定処理(S4306)は、予告種別判定テーブル222d(図75参照)を用いた予告種別の判別結果に応じて、決定された予告種別に対応する値(図76(a)参照)を予告開始フラグ223pに対して設定するための処理である。この予告開始フラグ設定処理(S4306)の詳細については、図100を参照して後述する。
S4302の処理において、予告演出の実行中であると判別した場合は(S4302:Yes)、次いで、入賞情報コマンドにより転落(特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態への移行)に対応する入賞情報が通知されたか否かを判別し(S4307)、転落に対応する入賞情報であると判別した場合は(S4307:Yes)、予告種別フラグ223qに対して逆転演出(図85(b)参照)を示す09Hを設定する(S4308)。予告演出の実行中において新たに通知された入賞情報が転落に対応する入賞情報であるということは、現在実行中の予告演出がガセ準備モード予告演出であることを意味するので、逆転演出により準備モードへの移行を遊技者に報知する必要があるためである。
S4308の処理が終了すると、連続予告カウンタ223iの値に1を加算し(S4309)、S4313の処理へ移行する。連続予告カウンタ223iの値に1を加算することにより、予告演出を実行する変動演出を1回分増加させることができる。即ち、転落に対応する入賞情報が通知される前に設定されていた、ガセ準備モード予告演出を実行する変動演出の回数に加え、逆転演出を実行するための1回の変動演出を確保することができる。仮に、ガセ準備モード予告演出として決定されていた変動回数を変えずに逆転演出を実行する構成とすると、ガセ準備モード予告演出として一旦設定された演出内容を書き換えたり、ガセ準備モード予告演出が設定されている最後の変動演出において怪獣802に敗北する演出と逆転演出とをまとめて実行する必要が生じたりするので、好適に逆転演出を行うことができない虞があった。これに対して本実施形態では、ガセ準備モード予告演出として決定された変動回数が終了してから最初に実行される変動演出において逆転演出を実行する構成としているので、逆転演出を行う時間を十分に確保できる。よって、遊技者に対してより明確に逆転演出が実行されたことを認識させることができる。
S4307の処理において、通知されたのが転落に対応する入賞情報でないと判別した場合は(S4307:No)、次いで、実行中の予告演出が最終的に「準備モード」へ移行(転落)したことが報知される予告演出(本物転落予告演出)の実行中であるか否かを判別する(S4310)。S4310の処理において、本物転落予告演出の実行中であると判別した場合は(S4310:Yes)、次いで、入賞情報コマンドによる通知内容が大当たりか否かを判別する(S4311)。そして、通知内容が大当たりであると判別した場合は(S4311:Yes)、予告種別フラグ223qに特殊報知演出B(図83、図84)を示す0EHを設定し(S4312)、S4313の処理へ移行する。
また、S4310の処理において本物転落予告演出の実行中ではないと判別した場合(S4310:No)、或いは、S4311の処理において入賞情報コマンドにより通知された通知内容が大当たりではないと判別した場合は(S4311:No)、S4312の処理をスキップし、S4313の処理へ移行する。
S4313の処理では、後述する遊技状態先読み処理を実行し(S4313)、本処理を終了する。この遊技状態先読み処理(S4313)は、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に基づき、その入賞情報に基づく特別図柄の抽選が実行される時点での遊技状態を先読みするための処理である。この遊技状態先読み処理(S4313)の詳細については、図101を参照して後述する。
この連続予告実行判定処理(S1622)を実行することで、入賞情報に基づいて予め特別図柄の抽選結果や転落抽選の抽選結果を先読みし、前もって適切な予告演出を設定しておくことができる。
次に、図100を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告開始フラグ設定処理(S4306)について説明する。この予告開始フラグ設定処理(S4306)は、連続予告実行判定処理(S1622)の中で実行され、上述した通り予告種別判定テーブル222d(図75参照)を用いた予告種別の判別結果に応じて、決定された予告種別に対応する値(図76(a)参照)を予告開始フラグ223pに対して設定するための処理である。
予告開始フラグ設定処理(S4306)では、まず、先読み連荘状態カウンタ223sの値が0より大きいか否かを判別する(S4401)。即ち、入賞情報コマンドによって通知された入賞情報に基づいて特別図柄の抽選や転落抽選が実行される時点において、「連荘モード」(連荘状態)であるか(即ち、普通図柄の時短状態であるか)否かを判別する。
S4401の処理において、先読み連荘状態カウンタ223sの値が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S4401:No)、入賞情報に基づく抽選時点において「連荘モード」中であることを意味し、「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行するか否かの演出を設定する必要が無い(予告開始フラグ223pの設定を行う必要が無い)ので、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S4401の処理において先読み連荘状態カウンタ223sの値が0であると判別した場合は(S4401:No)、入賞情報に基づく抽選時点において「通常モード」(確変非時短状態)、または「準備モード」(非確変非時短状態)であることを意味する。よって、この場合は、入賞情報に基づく抽選時点において「通常モード」であるか否かを判別するために、先読み確変状態フラグ223rがオンであるか否かを判別する(S4402)。準備モード予告演出の予告種別が設定される(予告開始フラグ223pの設定が行われる)のは、「準備モード」へと転落する可能性がある「通常モード」の場合のみだからである。
S4402の処理において、先読み確変状態フラグ223rがオフであると判別した場合は(S4402:No)、入賞情報に基づく抽選時点において「準備モード」であることを意味し、「準備モード」へと移行するか否かの演出を設定する必要が無い(予告開始フラグ223pの設定を行う必要が無い)ので、そのまま本処理を終了する。一方、先読み確変状態フラグ223rがオンであると判別した場合は(S4402:Yes)、入賞情報に基づく抽選時点において「通常モード」であることを意味する(予告演出を設定する可能性がある)ため、次いで、予告種別フラグ223qの値は「予告無し」を示す「00H」であるか否かを判別する(S4403)。即ち、既に予告演出が実行中であるか否かを判別する。
S4403の処理において、予告種別フラグ223qの値が「00H」でないと判別した場合は(S4403:No)、既にいずれかの予告演出(図82〜図85参照)が設定済みであることを意味するので、予告開始フラグ223pの設定を行わずに本処理を終了する。予告演出の実行中に新たな予告演出の開始を設定してしまうと、先に実行されていた予告演出の途中で異なる予告演出が開始されてしまう場合があるため、遊技者が演出内容に対して違和感を抱いてしまう虞がある。よって、本実施形態では、予告演出の実行中に予告開始フラグ223pの設定を行わない構成としている。これにより、好適な演出内容に設定することができる。
S4403の処理において、予告種別フラグ223qの値が00Hであると判別した場合は(S4403:Yes)、入賞情報コマンドにより転落に対応する入賞情報が通知されたか否かを判別する(S4404)。S4404の処理において転落に対応する入賞情報であると判別した場合は(S4404:Yes)、予告演出の予告種別を決定するためのテーブルとして本物予告判定テーブル222d2(図75(c)参照)を読み出し(S4405)、S4407の処理へ移行する。一方、通知されたのが転落に対応する入賞情報ではないと判別した場合は(S4404:No)、予告演出の予告種別を決定するためのテーブルとしてガセ予告判定テーブル222d1(図75(b)参照)を読み出し(S4406)、S4407の処理へ移行する。
S4405、またはS4406の処理後に実行されるS4407の処理では、読み出したテーブル(ガセ予告判定テーブル222d1、または本物予告判定テーブル222d2)と予告種別抽選カウンタ223nの値とを比較し(S4407)、予告種別抽選カウンタ223nの値に対応する値(図76(a)参照)を予告開始フラグ223pに設定して(S4408)、本処理を終了する。
具体的には、ガセ予告判定テーブル222d1(図75(b)参照)が読み出された場合において、予告種別カウンタ223nの値が「0〜94」の範囲であれば、予告演出を実行しないことを示す「00H」を予告開始フラグ223pの値に設定し、予告種別カウンタ223nの値が「95」であれば、「ガセロング予告」に対応する「04H」を予告開始フラグ223pの値に設定し、予告種別カウンタ223nの値が「96〜99」であれば、「ガセショート予告」に対応する「05H」を予告開始フラグ223pの値に設定する。また、本物予告判定テーブル222d2(図75(c)参照)が読み出された場合において、予告種別カウンタ223nの値が「0〜89」の範囲であれば、「ロング予告」に対応する「01H」を予告開始フラグ223pの値に設定し、予告種別カウンタ223nの値が「90〜99」であれば、「ショート予告」に対応する「02H」を予告開始フラグ223pの値に設定する。
この予告開始フラグ設定処理(S4306)を実行することにより、「通常モード」において、「準備モード」へと移行することを期待させるための予告演出を設定することができる。よって、遊技者にとって最も不利な「通常モード」において、「準備モード」に対する期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。
次に、図101を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される遊技状態先読み処理(S4314)について説明する。この遊技状態先読み処理(S4314)は、連続予告実行判定処理(S1622)の中で実行される処理であり、上述した通り入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に基づき、その入賞情報に基づく特別図柄の抽選が実行される時点での遊技状態を先読みするための処理である。
遊技状態先読み処理(S4314)では、まず、入賞情報コマンドにより転落に対応する入賞情報が通知されたか否かを判別し(S4501)、転落に対応する入賞情報であると判別した場合は(S4501:Yes)、特別図柄の確変状態から特別図柄の通常状態へと移行することを示すために、先読み確変状態フラグ223rをオフに設定して(S4502)、S4503の処理へ移行する。一方、転落に対応する入賞情報でないと判別した場合は(S4501:No)、転落による遊技状態の変更(特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態への移行)が無いことを意味するため、S4502の処理をスキップして、S4503の処理へ移行する。
S4503の処理では、先読み連荘状態カウンタ223sの値が0より大きいか否か判別し(S4503)、カウンタ値が0より大きい場合は(S4503:Yes)、次いで、入賞情報コマンドにより大当たりに対応する入賞情報が通知されたか否かを判別する(S4504)。S4504の処理において、入賞情報コマンドにより大当たりに対応する入賞情報が通知されたと判別した場合は(S4504:Yes)、通知された大当たり種別に対応する値(大当たり終了後に付与される時短期間)を先読み連荘状態カウンタ223sに設定する(S4505)。より具体的には、大当たり種別が通常大当たりC,D、確変大当たりE,Gのいずれかであれば、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が60回付与されるので(図68(a),(b)参照)、先読み連荘状態カウンタ223sの値に60を設定する。一方、大当たり種別が確変大当たりF,Hのいずれかであれば、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が100回付与されるので(図68(a),(b)参照)、先読み連荘状態カウンタ223sの値に100を設定する。
S4505の処理が終了すると、大当たり種別に応じて先読み確変状態フラグ223rを更新し(S4506)、本処理を終了する。具体的には、確変大当たりE〜Hのいずれかであれば、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となるため、先読み確変状態フラグ223rをオンに設定する。一方、通常大当たりC,Dのいずれかであれば、大当たりの終了後に特別図柄の低確率状態となるため、先読み確変状態フラグ223rをオフに設定する。
一方、S4504の処理において、通知内容が大当たりでない(特別図柄の抽選結果が外れになる)と判別した場合は(S4504:No)、先読み連荘状態カウンタ223sの値を1減算して(S4507)、本処理を終了する。
S4503の処理において、先読み連荘状態カウンタ223sが0であると判別した場合は(S4503:No)、次いで、通知内容が確変大当たりFであるか否かを判別する(S4508)。上述した通り、確変大当たりFは、当選時の遊技状態に拘わらず、「連荘モード」へと移行する(大当たりの終了後に時短期間が100回付与される)特殊な大当たりだからである。
S4508の処理において、通知内容が確変大当たりFではないと判別した場合は(S4508:No)、先読み確変状態フラグ223rがオンであるか否かを判別する(S4509)。先読み確変状態フラグ223rがオフである(即ち、入賞情報に基づく特別図柄の抽選が実行される時点で「準備モード」である)と判別した場合は(S4509:No)、次に、入賞情報コマンドにより大当たりに対応する入賞情報が通知されたか否かを判別し(S4510)、大当たりに対応する入賞情報であれば(S4510:Yes)、通知された大当たり種別に応じて先読み連荘状態カウンタ223s、先読み確変フラグ223rを更新して(S4511)、本処理を終了する。
より具体的には、「準備モード」において通常大当たりC,Dのいずれかになった場合は、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が60回付与されると共に、特別図柄の低確率状態へと移行するので(図68(a),(b)参照)、S4511の処理では先読み連荘状態カウンタ223sの値に60を設定すると共に、先読み確変状態フラグ223rをオフに設定する。また、確変大当たりE,Gのいずれかになった場合は、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が60回付与されると共に、特別図柄の確変状態へと移行するので(図68(a),(b)参照)、S4511の処理では先読み連荘状態カウンタ223sの値に60を設定すると共に、先読み確変状態フラグ223rをオンに設定する。
一方、大当たり種別が確変大当たりHであれば、大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が100回付与されると共に、特別図柄の確変状態へと移行するので(図68(a),(b)参照)、先読み連荘状態カウンタ223sの値に100を設定すると共に、先読み確変状態フラグ223rをオンに設定する。
また、S4509の処理において、先読み確変状態フラグ223rがオンであると判別した場合は(S4509:Yes)、特別図柄の抽選を実行する時点で「通常モード」であることを意味し、確変大当たりFとなる場合以外は大当たりであろうと外れであろうと「連荘モード」へと移行する(普通図柄の時短期間が付与される)ことが無いため、S4511の処理を実行することなく、そのまま本処理を終了する。同様に、S4510の処理において、入賞情報コマンドにより外れに対応する入賞情報が通知されたと判別した場合も(S4510:No)、時短期間が付与されることが無いため、そのまま本処理を終了する。
S4508の処理において、通知内容が確変大当たりFであると判別した場合は(S4508:Yes)、当選時の遊技状態によらずに大当たりの終了後に普通図柄の時短期間が100回付与されると共に、特別図柄の確変状態へと移行するので、先読み連荘状態カウンタ223sの値に100を設定し(S4512)、先読み確変状態フラグ223rをオンに設定して(S4513)、本処理を終了する。この遊技状態先読み処理を実行することにより、入賞情報コマンドから特別図柄の抽選結果や遊技状態を先読みすることができるので、予告演出を適切なタイミングで実行することができる。
次に、図102のフローチャートを参照して、停止コマンド処理(S1625)の詳細について説明する。この停止コマンド処理(S1625)は、コマンド判定処理(図95参照)の中で実行され、上述した通り、主制御装置110から出力される停止コマンドに基づく制御を行うための処理である。
この停止コマンド処理(S1625)では、まず、主制御装置110から停止コマンドを受信したか否か判別し(S4701)、停止コマンドを受信したと判別した場合は(S4701:Yes)、変動演出の変動停止を設定する(S4702)。次いで、連続予告カウンタ223iが0よりも大きいか否かを判別し(S4703)、連続予告カウンタ223iが0である(予告演出が設定されていない)と判別した場合は(S4703:No)、以降の予告演出の設定を更新する処理(S4704〜S4706)をスキップして、そのまま本処理を終了する。
これに対して、連続予告カウンタ223iが0よりも大きいと判別した場合は(S4603:Yes)、まず、連続予告カウンタ223iの値を1減算する(S4704)。次に、減算後の連続予告カウンタ223iの値が0であるか否かを判別し(S4705)、0であると判別した場合は(S4705:Yes)、予告演出の設定された変動演出のうち最後に実行される変動演出が終了したことを意味するので、予告種別フラグ223qの値に00Hを設定する(S4706)。即ち、予告演出が終了し、予告演出が設定されていないことを示す。なお、図示については省略したが、予告演出により「通常モード」以外の状態へと移行することが報知された場合(キャラクタ801が怪獣802に勝利した場合や、神殿が降臨した場合)には、移行後の状態に応じて背面画像を変更するように設定する。即ち、表示用背面画像変更コマンドを設定し、変更後の背面に対応する値を背面フラグ223gに設定する。
一方、S4705の処理において、連続予告カウンタ223iの値が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S4705:No)、次の変動演出でも継続して予告演出が実行されることを意味する(予告演出の終了を設定する必要が無い)ので、S4706の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
S4601の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S4601:No)、オープニングコマンドに対応する処理等のその他のコマンドに応じた処理を実行し(S4607)、本処理を終了する。
この停止コマンド処理により、連続予告カウンタ223iを予告演出の状況に応じて正確に更新すると共に、予告演出の終了時に、対応する設定を実行することができる。よって、予告演出を好適に実行することができる。
以上説明した通り、第2実施形態におけるパチンコ機10では、確変非時短状態を「通常モード」、非確変非時短状態を「準備モード」、時短状態を「連荘モード」と規定し、「通常モード」、および「準備モード」では大当たりになっても賞球をほとんど得ることができない大当たり(特別図柄1の抽選による大当たり)となり易く構成し、「連荘モード」において大当たりになると賞球を多量に獲得可能な大当たり(特別図柄2の抽選による大当たり)となり易く構成している。即ち、「連荘モード」となることにより遊技者にとって最も有利となるように構成している。
また、本実施形態では、「通常モード」よりも「準備モード」の方が、遊技者にとって有利な「連荘モード」へと移行し易くなるように構成している。即ち、「通常モード」において大当たりとなるよりも、「準備モード」において大当たりとなった方が大当たり終了後に普通図柄の時短期間が付与され易くなるように構成し、「通常モード」よりも「準備モード」の方が遊技者にとって有利となるように構成している。一般の遊技機では、特別図柄の低確率状態よりも特別図柄の確変状態の方が有利となるが、本実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の通常状態において特別図柄の確変状態の方が特別図柄の低確率状態よりも不利となるので、早く特別図柄の確変状態を終わらせたいと願いながら遊技を行う斬新な遊技性を提供することができる。
また、本実施形態では、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行か否かの判別を、特別図柄の当たりか否かの抽選と共に実行される転落抽選により行っている。即ち、大当たり終了からの変動回数に関係なく、転落抽選により転落に対応する抽選結果となればいつでも特別図柄の低確率状態へと移行するように構成されている。即ち、「通常モード」から「準備モード」への移行し易さが変動毎に一定であるため、毎回の変動演出において「準備モード」へと移行することを期待させて遊技を行わせることができる。
更に、本実施形態では、「通常モード」と「準備モード」とを電動役物640a等の動作から見分けることが不可能(困難)となるように構成されているので、「準備モード」へと移行したタイミングと、「準備モード」を報知するタイミングとを意図的にずらすように構成している。即ち、先読みにより転落に対応する入賞情報が保留されたと判別した場合に、その入賞情報に対応する変動演出が実行されるより前であっても、「準備モード」に移行することを報知する演出を実行可能に構成している。これにより、比較的遊技者に有利な「準備モード」となったことを、本来よりも早く認識させることができるので、「準備モード」に滞在している期間が長いかのように感じさせることができる。よって、有利な状態を長いと感じさせることにより、パチンコ機10に対して好印象を抱きやすくすることができる。
また、本実施形態では、転落に対応する変動演出が実行されたとしても、その変動後に実行される変動演出が複数保留されている場合には、転落に対応する変動演出中の報知を行わず、その変動演出よりも後に実行される変動演出に渡る連続的な演出で「準備モード」を報知可能に構成されている。これにより、転落を報知するための予告演出をより多くの変動演出に渡って実行することができるので、予告演出の自由度を高められる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、「準備モード」へと移行した場合に大当たりになると、必ず時短期間が付与される(即ち、「連荘モード」へと移行する)ように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりの一部では時短期間が付与されないように構成してもよい。即ち、「準備モード」(非確変非時短状態)をループする大当たりや、「通常モード」(確変非時短状態)へと逆戻りする大当たり種別を設けてもよい。これにより、「準備モード」から「連荘モード」へと移行したことに対する喜びをより大きなものとすることができるので、「連荘モード」へと移行した場合に遊技者の遊技に対する興趣をより高めることができる。
本実施形態では、転落に対応する抽選結果になることが先読みされた場合には、予告演出を実行するように構成されているが、転落する(「準備モード」へと移行する)場合に予告演出を行わないパターンを設けてもよい。これにより、予告演出が実行されていなくても、「準備モード」に移行している可能性があると遊技者に思わせることができるので、「通常モード」中であっても、現在が「準備モード」であることを期待して遊技を行わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、転落時に予告演出を行わなかった場合において、転落に対応する変動演出の終了後に所定条件が成立したことに基づいて、「準備モード」へと移行したことを報知するように構成してもよい。ここで、「準備モード」への移行を報知するための所定条件として、例えば変動回数としてもよい。即ち、転落に対応する変動演出が終了してから変動演出が所定回数(例えば、10回)実行されることに基づいて準備モードへの移行を報知するように構成してもよい。また、例えば、転落に対応する変動演出の終了後は、変動毎に報知演出を実行するか否かの抽選を行い、抽選に当選した場合に準備モードへと移行したことを報知するように構成してもよい。
本実施形態では、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、状態に応じて普通図柄の時短期間が付与されるか否かが異なるように構成されていたが、状態にかかわらず一律に普通図柄の時短期間を付与するものとしてもよい。これにより、特図2用当たり種別選択テーブル202b2のデータ量を削減することができる。また、普通図柄の通常状態(「通常モード」、または「準備モード」)において特別図柄2の抽選で大当たりとなる場合ためには、まず、普通図柄の低確率状態における普通図柄の抽選で当たりとなり(1/240)、普通図柄の当たりとなることに基づいて開放される電動役物640aの開放期間(0.2秒間)中に球を第2入球口640へと入球させ、更に、その第2入球口640への入球に基づく特別図柄の抽選により特別図柄の大当たりとなる(1/30、または1/37.5)必要がある。即ち、「通常モード」や「準備モード」において特別図柄2の抽選で大当たりとなる可能性が極めて低くなる(特別図柄1の抽選を行い続けることで連荘状態を目指す場合よりも多くの持ち球を消費する可能性が高くなる)。よって、遊技者が常に右打ちを行い、「通常モード」や「準備モード」において賞球を得易い大当たりを目指す変則的な遊技方法が割に合わないと思わせることができる。従って、変則的な遊技方法により想定外の賞球が払い出されてしまうことを防止(抑制)できる。
本実施形態では、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行(転落)させるか否かを決定するための転落抽選を特別図柄の大当たりか否かの抽選よりも前に実行するように構成していたが、これに限られるものではない。特別図柄の大当たりであるか否かを判別してから転落抽選を実行するものとしてもよい。
本実施形態では、「通常モード」から「準備モード」へと移行(転落)する場合に、当該転落に対応する変動演出や、その前後に実行される変動演出において設定される予告演出により「準備モード」への移行を遊技者に報知するように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、デモ演出において転落を報知してもよい。これにより、遊技者が打ち出しを停止し、変動停止状態となった後で「準備モード」へと移行したことが報知されるので、遊技者に驚きを与えることができる。また、変動停止状態となった場合の多くは、遊技者が遊技を辞める場合であるので、遊技を辞めようとしていた遊技者に対して「準備モード」を報知することにより、遊技を続行しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、例えば、転落してから最初に当選した大当たりにおいて報知を行うように構成してもよい。これにより、「準備モード」に移行していたこと、および遊技者にとって最も有利な「連荘モード」に移行することを遊技者が同時に知ることができるので、報知により遊技者をより大きく喜ばせることができる。更に、予告演出を転落に対応する入賞情報を検出してから(ガセの予告演出を実行すると判定されてから)、次に大当たりとなるまでの間、予告演出を実行し続けるように構成してもよい。また、「準備モード」中に大当たりとなる場合は、予告演出においてキャラクタ801が勝利する演出を行い、ガセの予告演出中に大当たりとなる場合は、キャラクタ801が敗北する演出を行ってもよい。このように構成することで、予告演出が開始されることにより「準備モード」へと移行した可能性があることを遊技者に認識させることができる上に、予告演出においてキャラクタ801が勝利すれば、「連荘モード」へと移行することを遊技者に認識させることができるので、遊技者に対してより長い期間、「連荘モード」への期待感を持続的に抱かせることができる。
本実施形態では、「準備モード」予告演出としてキャラクタ801と怪獣802とがバトルを行う演出を行っていたが、これに限られるものではない。遊技者にとって有利となることを示唆する結果と、遊技者にとって不利となることを示唆する結果とを報知できる態様であれば、任意の態様の演出を行ってもよい。
<第2実施形態の変形例>
次いで、図119を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の予告演出の変形例について説明する。上述した第2実施形態では、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に基づいて、準備モード予告演出、またはガセ準備モード予告演出を実行することが決定された場合に、予告演出の実行が決定されてから最初に実行される変動演出の変動開始時点で保留されている全ての保留球に渡ってキャラクタ801と怪獣802とがバトルを行う態様の演出を設定可能であった。つまり、転落に対応する抽選結果となる保留球が保留されている保留エリアに拘わらず、保留されている全ての保留球に渡って予告演出を設定可能に構成されていた。
これに対して第2実施形態の変形例では、変動開始時点における保留球の個数に拘わらず、次に大当たりとなるまで継続する予告演出を実行可能に構成されている。即ち、変動開始時点で保留球が1個しかなかったとしても、複数の変動に渡って予告演出を実行することができるように構成されている。これにより、予告演出を変動開始時点における保留球の個数に縛られることなく実行することができるので、より自由度の高い予告演出を実現することができる。
また、本変形例では、予告演出が実行されると、次に大当たりとなるまで予告演出を継続するように構成している。即ち、本変形例における予告演出は、第2実施形態のように「準備モード」へと移行したか否かを報知するのでなく「連荘モード」へと移行したか、「通常モード」のままなのかを報知するために実行されるように構成されている。つまり、「準備モード」へ転落後に大当たりとなることにより「連荘モード」へと移行したか、「通常モード」から転落せずに大当たりとなった結果、「通常モード」をループしたかを報知するために実行される。
図119を参照して、本変形例における予告演出の態様をより具体的に説明する。まず、図119(a)は、「通常モード」において入賞情報コマンドにより転落に対応する抽選結果となる入賞情報が通知された場合において設定される予告演出の一例を示した図である。より具体的には、特別図柄の抽選において外れに対応する変動演出の実行中に特別図柄の外れに対応する保留球(保留1)と、転落、且つ、特別図柄の外れに対応する保留球(保留2)とが保留された場合の例である。
図119(a)に示した通り、転落に対応する抽選結果となる保留球が保留されると(保留2)、その保留後の最初に実行される変動演出(保留1に対応する変動演出)から、予告演出(キャラクタ801と怪獣802とがバトルするバトル演出)が開始される。このバトル演出は、外れに対応する変動演出(保留1に対応する変動演出)、および転落に対応する抽選結果となる変動演出(保留2に対応する変動演出)に渡って実行される。また、転落に対応する変動演出の終了時点で保留球が存在しない場合には、予告演出の結果が中断される。つまり、キャラクタ801と怪獣802とのバトルの結果が明らかとならないまま、演出が中断される。
予告演出の中断後、始動入賞が検出されると、バトル演出が再開される。図119(a)の例では、外れに対応する始動入賞を検出した場合を示しているため、この変動演出でもバトルの決着がつかない演出が実行される。また、図119(a)の例では、外れに対応する変動演出中に大当たりに対応する抽選結果となる保留球(保留1‘)が保留されている。この場合には、外れ変動の次の変動において実行される、大当たりの保留球(保留1’)に対応する変動演出において、キャラクタ801が神殿811の入り口を守護していた怪獣802に勝利する演出が実行されると共に、「連荘モード」への移行が報知される。そして、「連荘モード」への移行が報知された後は、背面種別が神殿ステージに対応する背面種別(背面H)に設定される。これにより、「連荘モード」へと移行したことを遊技者に容易に認識させることができる。
このように、「通常モード」において転落に対応する抽選結果となってから、大当たりとなるまで(即ち、「連荘モード」に移行するまで)予告演出を継続する構成とすることで、保留球の縛りがない、より自由度の高い演出を実行することができる。なお、図119(a)の例では、予告演出が1回のみ中断される例を説明したが、大当たりとなるまでは保留球が0個の状態で変動演出が終了する毎に予告演出が中断される。即ち、変動演出の実行期間と、予告演出の実行期間とを一致させるように構成している。
次に、図119(b)を参照して、「通常モード」においてガセの予告演出(最終的にキャラクタ801が神殿811を守護する怪獣802に敗北する態様の予告演出)が実行される場合の例について説明する。より具体的には、図119(b)の例は、外れに対応する変動演出の実行中に、転落でなく、且つ、外れに対応する抽選結果となる入賞情報が通知され、ガセの予告演出を実行することが決定された場合の例である。
図119(b)に示した通り、外れに対応する変動演出が終了し、予告演出の実行が決定された変動演出が開始されると、予告演出が開始される。即ち、キャラクタ801と怪獣802とがバトルを開始する。この予告演出でも、「連荘モード」を報知する場合(図119(a)参照)と同様に、保留球が0個になることにより変動が停止した状態になると、予告演出(バトル演出)が中断する。そして、新たな始動入賞があると、再度、予告演出(バトル演出)が再開される。このバトル演出は、大当たりに対応する変動演出が実行されるまで継続し、大当たりに対応する変動演出においてキャラクタ801が怪獣802に敗北する演出が実行される。そして、以降も予告演出が開始する前と同様に通常モードに対応する森ステージ(背面C)に設定される。
なお、図示については省略したが、ガセの予告演出中に、大当たりよりも先に転落に対応する抽選結果となる入賞情報が通知された場合には、その後の大当たりにおいてキャラクタ801がバトルに勝利する演出が実行される。予告演出が実行中であろうとなかろうと、「通所モード」において転落に対応する抽選結果となれば、「準備モード」へと移行するからである。
このように、第2実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、予告演出の実行が決定された場合に、次の大当たりとなるまで継続する予告演出が設定されるように構成されている。これにより、予告演出を保留球の個数の制約を無くすことができるので、より自由度の高い演出を実行することができる。また、本変形例では、「連荘モード」になるか、「通常モード」をループするかを報知することができるので、予告演出によりキャラクタ801がバトルに勝利した場合は、遊技者にとってより有利な状態となる。よって、予告演出に対する遊技者の期待感をより高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本変形例では、大当たりとなるまで予告演出が継続するように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、予告演出の実行が決定された場合に、固定の変動回数(例えば、10回)の予告演出を実行するように構成してもよい。即ち、固定回数のうち、最後に実行される変動演出においてバトルの決着がつく演出を実行するように構成してもよい。そして、「準備モード」へと移行したことに基づいて実行された予告演出において、固定回数内で大当たりとなった場合には、キャラクタ801が勝利する演出が実行されると共に「連荘モード」への移行が報知される演出を行い、固定回数で大当たりとならなかった場合には、「準備モード」への移行が報知される演出を行ってもよい。また、ガセの予告演出においては、キャラクタ801がバトルに敗北する演出を実行してもよい。このように、バトルに勝利する演出が行われたとしても、「準備モード」の場合も、「連荘モード」となる場合もある構成とすることにより、遊技者に対して予告演出の結果により興味を抱かせることができる。よって、遊技者の予告演出中における興趣をより向上させることができる。
本変形例では、キャラクタ801と怪獣802とが戦うバトル演出を実行するように構成されていたが、バトルの相手は怪獣802に限られない。バトルの相手を期待度に応じて変更するように構成してもよい。具体的には、転落に対応する抽選結果となる入賞情報が通知された(「準備モード」へと移行した)ことに基づいて予告演出が実行された場合には、怪獣802よりも弱そうな見た目の怪獣816(図109(b)参照)がキャラクタ801のバトル相手として選択される割合を高くしてもよい。一方で、ガセの予告演出を実行する場合には、怪獣802がキャラクタ801のバトル相手として選択される割合を高くしてもよい。これにより、弱そうな見た目の怪獣816とのバトルが開始された場合に、「準備モード」へと移行したことをより強く遊技者に期待させることができる。よって、予告演出の結果(バトルの結果)だけでなく、バトルの対戦相手に対してもより注目させることができるので、予告演出において遊技者の興趣をより向上させることができる。なお、対戦相手によって期待度を示唆する場合には、2種類の対戦相手に限られず、より多様なバリエーションを設けてもよい。例えば、怪獣802、怪獣816の他に、掌サイズの小さな怪獣や、怪獣802よりも巨大で強そうな見た目の怪獣を選択可能に構成してもよい。また、出現しただけでキャラクタ802の勝利が確定する(「準備モード」へと移行する場合にしか選択されない)対戦相手を設けてもよい。具体的には、例えば、掌サイズの小さな怪獣が出現する演出を、「準備モード」へと移行する場合にのみ選択されるように構成してもよい。これらにより、遊技者に対してバトルの対戦相手をより注目して確認させることができるので、予告演出中の興趣をより向上させることができる。
また、キャラクタ801の服装等により予告演出の期待度を示唆するように構成してもよい。例えば、キャラクタ801の態様として、鉄の剣を所持した態様と、黄金の剣を所持した態様とを設けてもよい。そして、「準備モード」へと移行する(転落に対応する抽選結果となる入賞情報が通知された)場合には、黄金の剣を所持した態様が選択される割合を高くし、ガセの場合には鉄の剣を所持した態様が選択される割合を高くしてもよい。これにより、キャラクタ801の服装により注目させることができるので、予告演出中の興趣を向上させることができる。また、例えば、バトル中のキャラクタ801や怪獣802の攻撃方法、およびキャラクタ801や怪獣802が攻撃を受けた後のリアクションにより「準備モード」へ移行したこと(および、大当たりとなることで「連荘モード」へと移行すること)に対する期待度を示唆するように構成してもよい。これらにより、予告演出中のキャラクタ801や怪獣802のアクションに対してより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の予告演出中における興趣を向上させることができる。また、「準備モード」へと移行してから大当たりとなるまでの期間が長くなったとしても、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
本変形例では、「通常モード」において転落に対応する抽選結果となった場合、ガセの予告演出の実行が決定された場合に、次回の大当たりとなるまでキャラクタ801と怪獣802とがバトルを行う演出を実行するように構成されていたが、予告演出の態様はこれに限られるものではない。例えば、キャラクタ801が怪獣802との戦いに向けて鍛錬をする演出を行ってもよい。そして、大当たりに対応する入賞情報を検出してからキャラクタ801と怪獣802とのバトルを開始するように構成してもよい。これにより、予告演出の開始後、大当たりになかなか当選しなかった場合でも、バトルが延々と繰り返されることにより演出が単調となってしまうことを抑制することができる。なお、鍛錬する演出として、複数のバリエーションを設けてもよい。例えば、滝に打たれる鍛錬を行う演出や、道場で座禅を組む鍛錬を行う演出や、仲間との組み手により鍛錬を行う演出を行うように構成してもよい。また、演出毎に「準備モード」の期待度を異ならせ、例えば、滝に打たれる鍛錬の期待度が最も高くなるように構成し、組み手による鍛錬の期待度が最も低くなるように構成してもよい。これにより、いずれの鍛錬が実行されるかに応じて遊技者に対して「準備モード」の期待度を予測させることができる。また、鍛錬の途中で異なる種別の鍛錬に切り替わるように構成してもよい。例えば、組み手による鍛錬から座禅を組む鍛錬に切り替わったり、座禅を組む鍛錬から滝に打たれる鍛錬に切り替わったりするように構成してもよい。また、鍛錬を切り替える場合には、より期待度の高い鍛錬にのみ切り替え可能に構成し、ガセの演出時よりも「準備モード」へと移行したことに基づいて実行された演出時に鍛錬の切り替えが選択され易くなるように構成してもよい。これにより、例え最初に期待度の低い態様の予告演出が開始されたとしても、その後に期待度の高い鍛錬に切り替わることを期待して予告演出中の遊技を行わせることができる。よって、鍛錬の種別によらず、「準備モード」(およびその後の大当たりにより「連荘モード」へと移行すること)を期待して遊技を行わせることができる。
<第3実施形態>
次に、図103〜図118を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2実施形態におけるパチンコ機10では、転落抽選(または一部の大当たりとなること)により「通常モード」から「準備モード」へと移行することで、遊技者にとって有利な「連荘モード」へと移行し易くなるように構成されていた。一方で、「連荘モード」においては、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと転落(移行)したとしても、大当たり確率が若干変化する(1/30→1/37.5)に過ぎず、「連荘モード」として規定されている2種類の状態(確変時短状態、および非確変時短状態)の間に大きな差は設けられていなかった。
これに対して本実施形態では、「連荘モード」として規定されている2種類の状態のうち、確変時短状態よりも非確変時短状態の方が遊技者にとってより有利となるように構成されている。具体的には、確変時短状態において大当たりとなった場合に比較して、非確変非時短状態において大当たりとなった方が、長い時短期間が付与され易くなるように構成されている。時短期間が長くなる程、時短期間中(即ち、「連荘モード」中)に再度大当たりとなる可能性が高くなる。これにより、「連荘モード」においても、転落抽選により転落に対応する抽選結果となることで、特別図柄の大当たりとなる確率が低くなることを加味しても、遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、本実施形態における以降の説明では、説明をわかりやすくするために、確変時短状態を「連荘モード1」、その「連荘モード1」よりも有利な非確変時短状態を「連荘モード2」と区別して呼称する。
加えて、本実施形態では、「準備モード」から「通常モード」へと戻る大当たり種別を設ける構成としている。即ち、「準備モード」において大当たりになっても、「連荘モード」へ移行するとは限らず、「通常モード」へと逆戻りするケースも存在するように構成している。これにより、「通常モード」へと逆戻りせずに「連荘モード」へと移行させることができれば、遊技者にとってより大きな喜びや満足感を与えることができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110に設けられたROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第2実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第2実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
まず、図103、および図104を参照して、本実施形態における第1当たり種別選択テーブル202gについて説明する。本実施形態における第1当たり種別選択テーブル202gは、第2実施形態(図67(b)参照)と同様に特図1用当たり種別選択テーブル202g1と、特図2用当たり種別選択テーブル202g2とで構成されている。また、各テーブルの規定内容は第2実施形態から変更となっている。
まず、図103を参照して、第3実施形態における特図1用当たり種別選択テーブル202g1について説明する。この特図1用当たり種別選択テーブル202g1は、第2実施形態と同様に、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。本実施形態における特図1用当たり種別選択テーブル202g1には、第1当たり種別カウンタC2の取り得る各値に対応付けて、「通常大当たりE」、および「確変大当たりI」〜「確変大当たりK」の4つの大当たり種別が規定されている。
より具体的には、第1当たり種別カウンタC2として「0〜9」の範囲に対して「通常大当たりE」が対応付けられている。上述した通り、第1当たり種別カウンタC2は、「0〜199」の200個を取り得るカウンタである。このうち、「通常大当たりC」となる判定値の個数が「0〜9」の10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりE」となる確率は5%(10/200)である。
「通常大当たりE」は、ラウンド数が2ラウンドであり、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される大当たりである。0.2秒間の開放期間中に遊技者が球を第1特定入賞口65aへ入賞させることは困難なので、「通常大当たりE」に当選しても、遊技者が賞球を得ることなく特別遊技状態が終了される場合がほとんどである。また、「通常大当たりE」の終了後には特別図柄の低確率状態へと移行する。なお、「通常大当たりE」の終了後に普通図柄の時短期間が付与されるか否かは、「通常大当たりE」となった時点における遊技状態(確変非時短状態、確変時短状態、非確変状態のいずれにおいて「通常大当たりE」となったか)によって異なるように構成されている。
より具体的には、図103に示した通り、確変非時短状態(即ち、「通常モード」)において「通常大当たりE」となった場合には普通図柄の時短期間が付与されない。即ち、「通常モード」(確変非時短状態)から「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行する。上述した通り、「準備モード」は、「通常モード」に比較して「連荘モード」(「連荘モード1」、または「連荘モード2」)へと移行し易いので、遊技者に対して「連荘モード」へと近づいたように感じさせることができる。
また、確変時短状態(即ち、「連荘モード1」)において「通常大当たりE」となった場合には、普通図柄の時短期間が30回付与される。つまり、「通常大当たりE」が終了してから特別図柄の抽選が30回行われるまで、遊技者にとって有利な(大当たりとなった場合に長い時短期間が設定される割合が高い)「連荘モード2」(非確変時短状態)となる。これは、「連荘モード1」において誤って左打ちをしてしまった(第1入球口64へ向けて球を打ち出してしまった)場合に、救済を図るためである。特に、「連荘モード1」への移行に対応する始動入賞を検出してから、実際に「連荘モード1」への移行が報知されるまでには、タイムラグが生じる場合があるため、「連荘モード1」への移行が報知するまで遊技者が左打ちを継続する虞がある。かかる状況において、左打ちにより第1入球口64へと球が入球して大当たりとなってしまった場合に、「通常モード」と同様に時短期間が付与されない構成とすると、大当たりになったことによる賞球がほとんど得られない上に、「連荘モード1」が終了してしまうため、遊技者にとって酷となる。よって、本実施形態では、「連荘モード1」において「通常大当たりE」となった場合に、「通常モード1」において特別図柄2の抽選により「通常大当たりF」や「確変大当たりL」になった場合と同等の(即ち、30回の)時短期間(図104参照)が付与されるように構成している。これにより、遊技者にとって不利益となりすぎることを防止(抑制)できる。
一方、普通図柄の時短状態であるか否かに関係なく、非確変状態(即ち、「準備モード」、または「連荘モード2」)において「通常大当たりE」になると、その「通常大当たりE」の終了後に普通図柄の時短期間が100回付与される。つまり、「通常大当たりE」が終了してから特別図柄の抽選が100回行われるまでの期間が、遊技者にとって有利な(大当たりとなった場合に長い時短期間が設定される割合が高い)「連荘モード2」となる。
「連荘モード2」において「通常大当たりE」となった場合に100回の時短期間を付与するのは、「連荘モード1」において「通常大当たりE」となった場合に30回の時短期間を付与する理由と同一である。即ち、「連荘モード2」において「通常大当たりE」となった場合に「通常モード」へと移行させる(時短期間を付与しない構成にする)と、遊技者にとって酷だからである。よって、この場合も、「連荘モード2」において特別図柄2の抽選により「通常大当たりF」や「確変大当たりL」になった場合と同等の時短期間(図104参照)を付与する構成とし、賞球は得難いものの、「連荘モード」自体は継続するように構成している。これにより、遊技者が「連荘モード2」において誤って左打ちをしてしまうミスに対する救済を図ることができる。
また、「準備モード」において「通常大当たりE」となった場合に100回の時短期間を付与するのは、「連荘モード」(「連荘モード1」、または「連荘モード2」)へと移行したにも拘らず大当たりにならずに「連荘モード」が終了してしまうことを防止するためである。「連荘モード」において1回も大当たりとならずに時短期間が経過してしまうと、特に「通常モード」を複数回ループした等の事情により「連荘モード」へと移行させるのに苦労した遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。よって、本実施形態では、「準備モード」において「通常大当たりE」となった場合に、比較的長い時短期間(100回)を付与する構成とし、「連荘モード」において1度も大当たりに当選せずに「連荘モード」が終了してしまう状況が起きにくくなるように構成している。これにより、「準備モード」から最初に「連荘モード」へと移行した場合に、遊技者に対してより安心して遊技を行わせることができる。
第1当たり種別カウンタC2として「10〜179」の範囲に対しては、「確変大当たりI」が対応付けられている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個の値のうち、「確変大当たりI」となる判定値の個数が「10〜179」の170個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりI」となる確率は85%(170/200)である。
「確変大当たりI」は、「通常大当たりE」と同様に、ラウンド数が2ラウンドであり、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるので、遊技者が賞球を得ることが困難となる。また、「確変大当たりI」の終了後には特別図柄の確変状態へと移行する。なお、「通常大当たりE」と同様に、「確変大当たりI」の終了後に普通図柄の時短期間が付与されるか否かは、「確変大当たりI」になった時点の遊技状態に応じて異なっている。
より具体的には、図103に示した通り、確変非時短状態(即ち、「通常モード」)において「確変大当たりI」となった場合には普通図柄の時短期間が付与されない。即ち、「通常モード」(確変非時短状態)をループする。また、確変時短状態(即ち、「連荘モード1」)において「確変大当たりI」となった場合には、普通図柄の時短期間が30回付与される。つまり、遊技者にとって有利な「連荘状態1」(確変時短状態)が付与される。これは、「連荘モード1」において誤って左打ちをしてしまった(第1入球口64へ向けて球を打ち出してしまった)場合に、救済を図るためである。つまり、「連荘モード1」(確変時短状態)において誤って左打ちをし、第1入球口64へと球が入球して大当たりとなってしまった場合に、「通常モード」と同様に時短期間が付与されない構成とすると、大当たりになったことによる賞球がほとんど得られない上に、「連荘モード1」が終了してしまい、最も不利な「通常モード」へと移行してしまうため、遊技者にとって酷だからである。よって、「連荘モード1」において大当たりとなった場合には、「通常モード1」において特別図柄2の抽選により「通常大当たりF」や「確変大当たりL」になった場合と同等の(即ち、30回の)時短期間(図104参照)が付与されるように構成している。これにより、遊技者にとって不利益となりすぎることを防止(抑制)できる。
一方、非確変状態(即ち、「準備モード」、または「連荘モード2」)において確変大当たりIになると、その「確変大当たりI」の終了後に普通図柄の時短期間が100回付与される。つまり、「確変大当たりI」が終了してから特別図柄の抽選が100回行われるまでの期間が、遊技者にとって有利な「連荘モード1」となる。特別図柄の抽選が100回行われるまで普通図柄の時短期間が継続することにより、当該「連荘モード1」中に再度大当たりに当選する可能性が高くなる。よって、非確変状態において「確変大当たりI」となることにより、遊技者に対して「連荘モード1」中に再度大当たりとなることに対する期待感をより強く抱かせることができる。
「連荘モード2」において「確変大当たりI」となった場合に100回の時短期間を付与するのは、「連荘モード1」において「確変大当たりI」となった場合に30回の時短期間を付与する理由と同一である。即ち、「連荘モード2」において「確変大当たりI」となった場合に「通常モード」へと移行させる(時短期間を付与しない構成にする)と、遊技者にとって酷だからである。よって、この場合も、「連荘モード2」において特別図柄2の抽選により「通常大当たりF」や「確変大当たりL」となった場合と同等の時短期間(図104参照)を付与する構成とし、賞球は得難いものの、「連荘モード」自体は継続するように構成している。これにより、遊技者が「連荘モード2」において誤って左打ちをしてしまうミスに対する救済を図ることができる。
また、「準備モード」において「確変大当たりI」となった場合に100回の時短期間を付与するのは、「連荘モード」(「連荘モード1」、または「連荘モード2」)へと移行したにも拘らず、大当たりにならずに「連荘モード」が終了してしまうことを防止するためである。「連荘モード」において1回も大当たりとならずに時短期間が経過してしまうと、特に「通常モード」を複数回ループした等の事情により「連荘モード」へと移行させるのに苦労した遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。よって、本実施形態では、「準備モード」において「確変大当たりI」となった場合に、比較的長い時短期間(100回)を付与する構成とし、「連荘モード」において1度も大当たりに当選せずに「連荘モード」が終了してしまう状況が起きにくくなるように構成している。これにより、「準備モード」から最初に「連荘モード」へと移行した場合に、遊技者に対してより安心して遊技を行わせることができる。
第1当たり種別カウンタC2として「180〜189」の範囲に対しては、「確変大当たりJ」が対応付けられている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個の値のうち、「確変大当たりJ」となる判定値の個数が「180〜189」の10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりJ」となる確率は5%(10/200)である。
「確変大当たりJ」は、「通常大当たりE」や「確変大当たりI」と同様に、ラウンド数が2ラウンドであり、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるので、遊技者が賞球を得ることが困難となる。また、「確変大当たりJ」の終了後には特別図柄の確変状態へと移行すると共に、その特別図柄の確変状態が終了するまで継続する普通図柄の時短状態が設定される。なお、特別図柄の確変状態が終了するのは、大当たりとなった場合か、若しくは転落抽選により転落に対応する抽選結果となる場合である。よって、「確変大当たりJ」になると、その大当たりが終了してから次の大当たりとなるか、または転落に対応する抽選結果となるまで「連荘モード1」に設定される。
上述した通り、「連荘モード1」は、確変時短状態であり、特別図柄の大当たり確率は1/30である。一方、転落抽選において転落に対応する抽選結果となる確率は1/60である。つまり、転落するよりも先に大当たりに当選する可能性が高くなるように構成されている。転落するよりも先に大当たりとなれば、賞球を多く獲得可能な大当たりとなる上に、その大当たりの終了後に再度いずれかの「連荘モード」(「連荘モード1」、または「連荘モード2」)が設定される可能性が高くなる。また、「確変大当たりJの」終了後、大当たりとなる前に転落に対応する抽選結果となった場合には、「連荘モード1」が終了してしまうものの、「準備モード」へと移行するため、大当たりとなることにより再びいずれかの「連荘モード」(「連荘モード1」、または「連荘モード2」)に設定される可能性が高くなる。
このように、「確変大当たりJ」になると、当選時の遊技状態に関係なく、「連荘モード1」へと移行できる上、その「連荘モード1」において大当たりとなる前に転落に対応する抽選結果になったとしても、「準備モード」へと移行し、再度「連荘モード」へと移行させるチャンスとなるため、「通常モード」においては、「準備モード」止まりの「通常大当たりE」や、「通常モード」をループする「確変大当たりI」に比較して有利となる。また、「連荘モード1」においては、「通常大当たりE」や「確変大当たりI」になっても時短期間が30回しか付与されないので、「確変大当たりJ」になった場合に時短期間が長く継続する確率が高い(1/60の転落抽選に30回連続で外れる確率は約60%である)。よって、「連荘モード1」においては、「通常大当たりF」や「確変大当たりL」よりも「確変大当たりM」になった方が有利となる。一方、1/60の転落抽選に100回連続で外れる可能性は低い(約19%)ので、「連荘モード2」や、「準備モード」の場合は、時短期間が100回付与される「通常大当たりE」や、「確変大当たりI」の方が「確変大当たりJ」になるよりも有利となる。
なお、本実施形態では、「確変大当たりJ」が選択される割合を低く(5%)し、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に「確変大当たりJ」に連続して当選する可能性が低くなるように構成している。これは、「確変大当たりJ」となり、「連荘モード1」となった後も遊技者が「確変大当たりJ」となることを願って左打ちを行い続けることを防止(抑制)するためである。即ち、例えば、「確変大当たりJ」の割合と「確変大当たりI」の割合とが逆だった場合(85%の割合で「確変大当たりJ」となる場合)は、「確変大当たりJ」を連続させることで、「確変大当たりJ」と普通図柄の時短状態とのループを延々と楽しむ目的で、「連荘モード1」(普通図柄の時短状態)になっても左打ちを行う変則的な遊技方法を行われる可能性がある。変則的な遊技が行われると、パチンコ機10の出玉率が設計値からずれやすくなるため、ホールが売り上げ予測を行う際等に不具合が生じる。
これに対して本実施形態では、「確変大当たりJ」が連続する可能性が十分低くなるように、「確変大当たりJ」の振り分けを5%にしている。よって、「確変大当たりJ」と普通図柄の時短状態とのループを延々と楽しむ目的で、「連荘モード1」(普通図柄の時短状態)になっても左打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
第1当たり種別カウンタC2として「190〜199」の範囲に対しては、「確変大当たりK」が対応付けられている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個の値のうち、「確変大当たりK」となる判定値の個数が「190〜199」の10個なので、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりK」となる確率は5%(10/200)である。
「確変大当たりK」は、他の大当たりと同様に、ラウンド数が2ラウンドであり、各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるので、遊技者が賞球を得ることが困難となる。また、「確変大当たりK」の終了後には特別図柄の確変状態へと移行するが、当選時の遊技状態によらず普通図柄の時短期間が付与されない。即ち、「準備モード」であろうと「連荘モード」であろうと「確変大当たりK」となってしまった場合には、遊技状態が「通常モード」に設定されてしまう。よって、「準備モード」や、「連荘モード」(「連荘モード1」、または「連荘モード2」)において「確変大当たりK」になると、遊技者にとって不利益となる。特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に選択され得る他の大当たり種別の場合には、大当たり終了後の遊技状態がいずれかの「連荘モード」に設定されるにも拘らず、「確変大当たりK」になると。遊技者にとって不利な「通常モード」が設定されるためである。一方、「通常モード」においては、「確変大当たりI」と同一の設定が行われるので、「通常モード」がループする確率を高くすることができる。
このように、「確変大当たりK」を設けておくことにより、「通常モード」において大当たりとなった後に、再度「通常モード」が設定される確率と、「連荘モード」において大当たり後に、再度「連荘モード」が設定される確率とを異ならせることができる。よって、「通常モード」をループする確率を下げずに、「準備モード」から「連荘モード」へと移行する割合や、「連荘モード」中の大当たりで再度「連荘モード」が設定される割合を下げることができるので、パチンコ機10のスペックが遊技者にとって有利となりすぎてしまうことを防止(抑制)することができる。
このように、本実施形態の特図1用当たり種別選択テーブル202g1を用いることで、「通常モード」であるか否かにより普通図柄の時短期間が付与されるか否かを変更することに加え、特別図柄の低確率状態(非確変状態)であるか否かによって大当たり後に付与される時短回数を可変させることができる。よって、時短期間にバリエーションを持たせることができる。
なお、図103はあくまでも例示であり、各大当たり種別の割合や、付与される時短期間の振り分けは、上記の形態に限られるものではない。例えば、「確変大当たりK」の割合を例えば、15%に高める代わりに、「確変大当たりI」の割合を75%に低下させてもよい。即ち、「確変大当たりI」と、「確変大当たりK」の合計の割合を変えずに、大当たり種別全体に対する「確変大当たりK」の割合を増加させてもよい。これにより、「通常モード」において特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に再度「通常モード」が設定される確率を変更することなく、「準備モード」において大当たりとなった場合に「連荘モード」へと移行する割合や、「連荘モード」において大当たりとなった場合に、再度「連荘モード」が設定される割合を低下させることができる。よって、パチンコ機10のスペックが高くなりすぎてしまうことを抑制することができる。また、逆に、「確変大当たりK」の割合を減少させることにより、「準備モード」から「連荘モード」へとより移行し易くすることができる上に、「連荘モード」中の大当たりで再度「連荘モード」が設定され易くなるので、パチンコ機10のスペックが低くなりすぎてしまうことを防止(抑制)することができる。また、「通常大当たりE」の割合を変更することにより、「通常モード」から「準備モード」へと移行する割合と、「準備モード」や、いずれかの「連荘モード」において大当たりとなった場合に「連荘モード2」へと移行する割合とを変更することができる。
次に、図104を参照して、第3実施形態における特図2用当たり種別選択テーブル202g2について説明する。この特図2用当たり種別選択テーブル202g2は、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルであり、特図1用当たり種別選択テーブル202g1と同様に、第1当たり種別カウンタC2の取り得る各値に対応付けて大当たり種別が規定されている。
より具体的には、第1当たり種別カウンタC2として「0〜9」の範囲に対して「通常大当たりF」が対応付けられている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個の値のうち、「通常大当たりF」となる判定値の個数が「0〜9」の10個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「通常大当たりF」となる確率は5%(10/200)である。
「通常大当たりF」は、ラウンド数が4ラウンドであり、各ラウンドにおいて第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるので、多くの場合、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に比較して遊技者が賞球を多量に(5個×10賞球×4ラウンドで200個)獲得することができる。また、通常大当たりFの終了後には特別図柄の低確率状態へと移行する。なお、「通常大当たりE」の終了後に普通図柄の時短期間が付与されるか否かは、「通常大当たりF」となった時点における遊技状態(確変非時短状態、確変時短状態、非確変状態のいずれにおいて「通常大当たりF」となったか)によって異なるように構成されている。
より具体的には、図104に示した通り、確変非時短状態(即ち、「通常モード」)において「通常大当たりF」となった場合には普通図柄の時短期間が付与されない。即ち、「通常モード」(確変非時短状態)から「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行する。「通常モード」においては特別図柄2の抽選により「通常大当たりF」になったとしても時短期間が付与されないように構成することで、「連荘モード」であるか否かによらず常時第2入球口640を狙って遊技を行う変則的な遊技方法を抑制することができる。「通常モード」では、ほとんど第2入球口640へと球が入球しない上に、仮に第2入球口640へと、入球させることができ、且つ、「通常大当たりF」になったとしても「連荘モード」へと移行しないので、遊技者にとってのデメリット大きくすることができる。なお、「通常モード」において右打ちを行った場合において、大当たりとなるまでに消費する平均の球数は、4ラウンドの大当たり遊技で得られる賞球数(即ち、200個)や、8ラウンドの大当たり遊技で得られる賞球数(即ち、400個)を遥かに上回るように構成されている。
より具体的には、遊技盤13の右側に打ち出された(右打ちされた)遊技球のうち、約3球に1球が普通入球口(スルーゲート)67へと入球するように構成されている。そして、非時短状態(普通図柄の通常状態)では、普通入球口(スルーゲート)67の抽選が実行される度に、300秒の変動パターンが選択されるため、普通入球口へと球を入球させ続けたとしても、300秒(5分間)に1回しか普通図柄の抽選が行われない。更に、非時短状態において普通図柄の当たりとなる確率は、上述した通り、1/240である。一般的なホールの営業時間は13〜14時間程度であるので、5分に1回の普通図柄の抽選を行わせ続けることができたとしても、1日で160回前後しか普通図柄の抽選を行わせることができない。即ち、ホールで1日遊技を行ったとしても、普通図柄の当たりに1回なるかどうかという確率、および変動時間に設定されている。また、普通図柄の当たりとなった場合でも、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されるのは、普通図柄の時短状態に比較して極めて短い期間である(0.2秒×1回)。よって、電動役物640aの開放期間中に球を入球させることができない可能性が高い。更に、電動役物640aの開放期間中に球を入球させることができても、特別図柄の当たりとなる確率は1/30、または1/37.5である。従って、遊技者が1日中右打ちを行い続けたとしても、特別図柄2の抽選により1回も大当たりとならない可能性の方が高く構成されているので、常に第2入球口640を狙って球を打ち出す変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
なお、本実施形態においても、第1実施形態における遊技盤13に配設されていた迂回役物700を設ける構成としてもよい。これにより、第1実施形態と同様に、普通図柄の当たりとなった場合に、第2入球口640の開放期間を狙って遊技球を打ち出すことを困難とすることができるので、「通常モード」において、賞球を多量に(200個、または400個)獲得可能な大当たりとなることを期待して右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑止効果をより高めることができる。
また、確変時短状態(即ち、「連荘モード1」)において「通常大当たりF」となった場合には、普通図柄の時短期間が30回付与される。つまり、「通常大当たりF」が終了してから特別図柄の抽選が30回行われるまで、遊技者にとって有利な「連荘状態2」(非確変時短状態)となる。
一方、非確変状態(即ち、「準備モード」、または「連荘モード2」)において「通常大当たりF」になると、その「通常大当たりF」の終了後に普通図柄の時短期間が100回付与される。つまり、「通常大当たりF」が終了してから特別図柄の抽選が100回行われるまでの期間が、遊技者にとって有利な「連荘モード2」となる。
第1当たり種別カウンタC2として「10〜179」の範囲に対しては、「確変大当たりL」が対応付けられている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個の値のうち、「確変大当たりL」となる判定値の個数が「10〜179」の170個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりL」となる確率は85%(170/200)である。
「確変大当たりL」は、「通常大当たりF」と同様に、ラウンド数が4ラウンドであり、各ラウンドにおいて第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるので、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に比較して遊技者が多量の(5個×10賞球×4ラウンドで200個)賞球を獲得できる。また、「確変大当たりL」の終了後には特別図柄の確変状態へと移行する。なお、「通常大当たりF」と同様に、「確変大当たりL」の終了後に普通図柄の時短期間が付与されるか否かは、当選時の遊技状態に応じて異なっている。
より具体的には、図104に示した通り、確変非時短状態(即ち、「通常モード」)において「確変大当たりL」となった場合には普通図柄の時短期間が付与されない。即ち、「通常モード」(確変非時短状態)をループする。また、確変時短状態(即ち、「連荘モード1」)において「確変大当たりL」となった場合には、普通図柄の時短期間が30回付与される。つまり、遊技者にとって有利な「連荘状態1」(確変時短状態)が付与される。
一方、非確変状態(即ち、「準備モード」、または「連荘モード2」)において「確変大当たりL」になると、その「確変大当たりL」の終了後に普通図柄の時短期間が100回付与される。つまり、「確変大当たりL」が終了してから特別図柄の抽選が100回行われるまでの期間が、遊技者にとって有利な「連荘モード1」となる。特別図柄の抽選が100回行われるまで普通図柄の時短期間が継続することにより、当該「連荘モード1」中に再度大当たりに当選する可能性が高くなる。よって、非確変状態において「確変大当たりL」となることにより、遊技者に対して「連荘モード1」中に再度大当たりとなることに対する期待感をより強く抱かせることができる。
なお、「準備モード」においては、通常の遊技方法では特別図柄2の抽選がほぼ行われないため、非確変状態において「確変大当たりL」になる場合の大半は、「連荘モード2」において大当たりとなった場合である。そして、「連荘モード2」へと移行するのは、多くの場合、「連荘モード1」において転落抽選により転落に対応する抽選結果となった場合である。従って、「連荘モード1」へと移行した場合に、遊技者に対して転落に対応する抽選結果となることを期待して遊技を行わせることができる。
第1当たり種別カウンタC2として「180〜189」の範囲に対しては、「確変大当たりM」が対応付けられている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個の値のうち、「確変大当たりM」となる判定値の個数が「180〜189」の10個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりM」となる確率は5%(10/200)である。
「確変大当たりM」は、ラウンド数が8ラウンドと大当たりの中で最も多く、且つ、各ラウンドにおいて第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるので、遊技者が最も多くの(5個×10賞球×8ラウンドで400個の)賞球を得ることができる。また、「確変大当たりM」の終了後には特別図柄の確変状態へと移行すると共に、その特別図柄の確変状態が終了するまで継続する普通図柄の時短状態が設定される。つまり、「確変大当たりM」になると、その大当たりが終了してから次の大当たりとなるか、または転落に対応する抽選結果となるまで「連荘モード1」に設定される。
上述した通り、「連荘モード1」は、確変時短状態であり、特別図柄の大当たり確率は1/30である。一方、転落抽選において転落に対応する抽選結果となる確率は1/60である。つまり、転落するよりも先に大当たりに当選する可能性が高くなるように構成されている。転落するよりも先に大当たりとなれば、賞球を多く獲得可能な大当たりとなる上に、その大当たりの終了後に再度いずれかの「連荘モード」(「連荘モード1」、または「連荘モード2」)が設定される可能性が高くなる。また、「確変大当たりM」の終了後、大当たりとなる前に転落に対応する抽選結果となった場合には、「連荘モード1」が終了してしまうものの、「準備モード」へと移行するため、大当たりとなることにより再びいずれかの「連荘モード」(「連荘モード1」、または「連荘モード2」)に設定される可能性が高くなる。
このように、「確変大当たりM」になると、当選時の遊技状態に関係なく、「連荘モード1」へと移行する上、その「連荘モード1」において大当たりとなる前に転落に対応する抽選結果になったとしても、「準備モード」へと移行し、再度「連荘モード」へと移行させるチャンスとなるため、「通常モード」へと移行してしまう「確変大当たりN」となる場合に比較して有利となる。また、「連荘モード1」においては、「通常大当たりF」や「確変大当たりL」になっても時短期間が30回しか付与されないので、「確変大当たりM」になった場合に時短期間が長く継続する確率が高い(1/60の転落抽選に30回連続で外れる確率は約60%である)。よって、「連荘モード1」においては、「通常大当たりF」や「確変大当たりL」よりも「確変大当たりM」になった方が有利となる。一方、1/60の転落抽選に100回連続で外れる可能性は低い(約19%)ので、「連荘モード2」や「準備モード」の場合は、時短期間が100回付与される「通常大当たりF」や、「確変大当たりL」の方が「確変大当たりM」になるよりも有利となる。
第1当たり種別カウンタC2として「190〜199」の範囲に対しては、「確変大当たりN」が対応付けられている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る200個の値のうち、「確変大当たりN」となる判定値の個数が「190〜199」の10個なので、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に「確変大当たりN」となる確率は5%(10/200)である。
「確変大当たりN」は、「通常大当たりF」や、「確変大当たりL」と同様に、ラウンド数が4ラウンドであり、各ラウンドにおいて第2特定入賞口650aが所定時間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるので、特別図柄1の抽選により大当たりとなる場合に比較して遊技者が賞球を多量に(5個×10賞球×4ラウンドで200個)得ることができる。また、「確変大当たりN」の終了後には特別図柄の確変状態へと移行するが、当選時の遊技状態によらず普通図柄の時短期間が付与されない。即ち、「準備モード」であろうと「連荘モード」であろうと「確変大当たりN」となってしまった場合には、遊技状態が「通常モード」に設定されてしまう。よって、「準備モード」や、いずれかの「連荘モード」(「連荘モード1」、または「連荘モード2」)において「確変大当たりN」となった場合には、他の大当たり種別に比較して遊技者にとって不利益となる。
このように、「通常モード」であるか否かにより普通図柄の時短期間が付与されるか否かを変更することに加え、特別図柄の低確率状態(非確変状態)であるか否かによって大当たり後に付与される時短回数を可変させることにより、時短期間にバリエーションを持たせることができる。また、「連荘モード1」(確変時短状態)よりも「連荘モード2」(非確変時短状態)の方が長い時短期間が付与されるように構成することで、「連荘モード」中においても転落抽選により転落に対応する抽選結果となる(つまり、「連荘モード1」から「連荘モード2」へと移行する)ことを期待して「連荘モード」中の遊技を行わせることができる。よって、時短状態中であるか否かによらず、特別図柄の確変状態が早期に終了することを願って遊技を行わせることができるので、より斬新な遊技性を提供することができる。
次に、図105を参照して、第3実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の構成について説明する。図105は、第3実施形態におけるRAM203の構成を示すブロック図である。
図105に示した通り、本実施形態におけるRAM203は、第2実施形態におけるRAM203(図71(b)参照)の構成に加えて、時短フラグ203jが設けられている点で第2実施形態と相違している。その他の構成は第2実施形態と同一である。
時短フラグ203jは、普通図柄の時短状態であるか否かを示すフラグである。この時短フラグ203jがオンであれば、普通図柄の時短状態であることを示し、オフであれば普通図柄の通常状態であることを示す。普通図柄の時短期間をカウントするための時短中カウンタ203gに加えて、この時短フラグ203jを設けたのは、次に大当たりに対応する抽選結果、或いは転落に対応する抽選結果となるまで、確変時短状態が継続する大当たり種別(確変大当たりJ,M)を新たに設けているためである。つまり、次に大当たり、または転落となるタイミングによって、時短期間の終了タイミングが可変する(時短期間が固定でない)大当たり種別が設けられているため、時短中カウンタ203gのみでは普通図柄の時短期間を正確に把握することができないためである。よって、確変大当たりJ、または確変大当たりMになった場合には、この時短フラグ203jがオンに設定されるように構成されている(図114のS4806参照)。そして、次に大当たりに対応する抽選結果、或いは転落に対応する抽選結果となった場合に、この時短フラグ203jをオフにするように構成されている(図114のS4803,S4810,S4814参照)。
次に、図106を参照して、本実施形態において1の遊技状態から他の遊技状態へと移行する場合の移行条件について説明する。まず、遊技者にとって最も不利な(即ち、最も「連荘モード」に移行し難い)「通常モード」(確変非時短状態)における状態移行について説明する。この「通常モード」は、図106の上側に示している。図106に示した通り、「通常モード」では大当たりとなるか、若しくは転落抽選により転落に対応する抽選結果となった場合に、他の遊技状態へと移行する。なお、本実施形態では、第2実施形態と同一の第1当たり乱数テーブル202aがROM202に規定されているため、第1実施形態と同様に、特別図柄の確変状態において特別図柄の当たりとなる確率は1/30である。
「通常モード(確変非時短状態)」において、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の85%で当選する「確変大当たりI」、または5%で当選する「確変大当たりK」になると、大当たり終了後に「通常モード」へと移行する(図106の上部中央参照)。即ち、「通常モード」をループする。「確変大当たりI」や「確変大当たりK」に当選したとしても、遊技者が賞球を得ることは困難なので、「確変大当たりI」、または「確変大当たりK」に当選し続ける(「通常モード」をループし続ける)と、賞球を得られずに持ち球を消費し続けることとなる。よって、遊技者にとって不利となる。
また、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の5%で当選する「通常大当たりE」になると、その大当たりの終了後に「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行する(図106の上側参照)。即ち、比較的「連荘状態」へと移行し易い状態へと移行するので、大当たりによる賞球は得難いものの、「確変大当たりI」や「確変大当たりK」に比べて遊技者に有利となる。そして、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合の5%で当選する「確変大当たりJ」となった場合は、大当たりの終了後に「連荘モード」(連荘状態)として規定されている2種類の状態のうち、「連荘モード1」(確変時短状態)へと移行する(図106の上部左側参照)。この「連荘モード1」では、上述した通り、賞球を多量に獲得可能な大当たり(確変大当たりL〜N、および通常大当たりF)に当選しやすくなるので、遊技者にとって最も有利となる。
更に、特別図柄の大当たりとなる前に、転落抽選により転落に対応する抽選結果になると(図71(a)参照)、比較的「連荘モード」へと移行し易い「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行する(図106の上部右側参照)。
このように、「通常モード」(確変非時短状態)では、大当たりになったとしても、90%の確率で同じ状態(通常モード)をループする一方で、転落抽選により転落に対応する抽選結果となった場合は、「通常モード」よりも有利な「準備モード」へと確実に移行するように構成されている。よって、転落に対応する抽選結果となることを願って遊技を行うことになる。一般的な遊技機においては、確変状態中に大当たりが連続することを願って遊技を行うが、本パチンコ機10では、確変状態が早期に終了することを願いながら遊技を行わせることができるので、他の遊技機にはない斬新な遊技性を提供することができる。
次に、上記した「通常モード」(確変非時短状態)よりも遊技者にとって有利な(「連荘モード」に移行し易い)「準備モード」(非確変非時短状態)における状態移行について説明する。この「準備モード」は、図106の中央部分に示している。図106に示した通り、「準備モード」では大当たりとなった場合にのみ、他の遊技状態へと移行する。なお、第2実施形態と同様に、特別図柄の低確率状態において特別図柄の当たりとなる確率は1/37.5である。
「準備モード」において特別図柄の大当たりとなった場合も、確変非時短状態と同様に、大当たり種別に応じて大当たりの終了後に移行する状態がそれぞれ異なっている。図106に示した通り、「準備モード」において、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合の5%で当選する「通常大当たりE」になると、大当たり終了後に「連荘モード」(連荘状態)として規定されている2種類の状態のうち、「連荘モード2」(非確変非時短状態)へと移行する(図106の中央部分参照)。上述した通り、この「連荘モード2」になると、賞球を多量に獲得可能な大当たりに当選し易くなる上に、大当たり後に比較的長い時短期間(100回)が付与され易く構成されている。よって、「通常大当たりC」自体では賞球を獲得することが困難であるが、その後に設定される「連荘モード2」により賞球の態様獲得を遊技者に期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合の85%で当選する「確変大当たりI」、または5%で当選する「確変大当たりJ」となった場合は、「連荘モード」(連荘状態)として規定されている2種類の状態のうち、「連荘モード1」(確変時短状態)へと移行する(図106の中央部左側参照)。このため、「確変大当たりE」や「確変大当たりF」自体では賞球を獲得することが困難であるが、その後に設定される「連荘モード」により賞球の大量獲得を遊技者に期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、確変時短状態の大当たり確率(1/30)は、非確変非時短状態の大当たり確率(1/37.5)よりも高いので、「連荘モード」において大当たりとならないまま時短期間が経過してしまう(「連荘モード」が終了してしまう)可能性が低い。よって、「連荘モード」において大当たりとなり、多量の賞球を得ることに対する期待感をより高めることができる。
このように、「準備モード」(非確変非時短状態)は、いずれかの大当たりとなることにより「連荘モード」へと移行する状態であるので、遊技者にとって比較的有利な状態となる。
次に、図106の下部左側に示した「連荘モード1」について説明する。上述した通り、「連荘モード1」は、遊技者にとって有利な状態の1つであり、大当たりとなることにより多量の賞球を獲得可能な大当たり種別となり易く、且つ、大当たりの終了後に再度2種類のうちいずれかの「連荘モード」が設定される可能性が高い状態である。また、「連荘モード2」に比較して、大当たりとなった場合に短い時短期間が設定される可能性が高い状態である。
図106の下部左側に示した通り、「連荘モード1」では、特別図柄の大当たりとなった場合、前回の大当たりの終了時に設定された普通図柄の時短期間が経過した場合、および転落抽選により転落に対応する抽選結果となった場合に他の状態へと移行する。
具体的には、確変時短状態において、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の85%で当選する「確変大当たりL」、または5%で当選する「確変大当たりM」になると、4ラウンド、または8ラウンドの特別遊技状態が付与され、再度「連荘モード1」(変時短状態)に設定される(図106の下部左側参照)。即ち、遊技者にとって有利な「連荘モード1」(連荘状態)がループするので、遊技者を喜ばせることができる。また、「連荘モード1」は、大当たりとなった場合に付与される時短期間が比較的短い(30回)ので、時短期間が終了する前に大当たりとなるかどうかのハラハラ感を抱かせることができる。よって、遊技者の期待通りに大当たりとなった場合には、より大きな喜びや達成感を抱かせることができる。
また、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「確変大当たりN」になると、4ラウンドの特別遊技状態が付与されるが、大当たりの終了後は「通常モード」へと移行してしまう。つまり、遊技者にとって有利な状態から、遊技者にとって最も不利な状態へと移行してしまう。このため、遊技者は、「連荘モード1」において大当たりとなった場合に、「確変大当たりN」でないことを願いながら大当たりの進行状況を見守らせることができる。よって、大当たり中も緊張感を持って遊技を行わせることができる。
特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「通常大当たりF」になると、4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「連荘モード2」(非確変時短状態へと移行する(図106の下部中央部分参照)。即ち、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行するものの、時短期間が付与されるため、遊技者にとって有利な「連荘モード」自体は継続する。また、「連荘モード1」において、変動毎に実行される転落抽選により転落に対応する抽選結果となった場合にも、同様に非確変時短状態へと移行する。「連荘モード2」は、上述した通り「連荘モード1」よりも有利なので(即ち、大当たりとなった場合に長い時短期間が設定され易いので)、「連荘モード1」へと移行した場合に、「連荘モード2」へと移行する(ランクアップする)ことを期待して遊技を行わせることができる。
一方、「連荘モード1」において普通図柄の時短期間が経過した場合は、「通常モード」(確変非時短状態)へと移行する。上述した通り、「通常モード」では、大当たりとなっても賞球を獲得することが困難な上に、同じ状態をループしやすくなるように構成されているため、遊技者にとって不利な状態となる。よって、「連荘モード」中に遊技を行う遊技者に対して、普通図柄の時短期間が終了する前に次の大当たりに当選することを願って遊技を行わせることができる。つまり、「連荘モード」において緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図106の下部右側に示した「連荘モード2」(非確変時短状態)について説明する。図106の下部右側に示した通り、非確変時短状態では、特別図柄の大当たりとなった場合、および前回の大当たりの終了時に設定された普通図柄の時短期間が経過した場合に他の状態へと移行する。
具体的には確変時短状態において、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の85%で当選する「確変大当たりL」、または5%で当選する「確変大当たりM」になると、4ラウンド、または8ラウンドの特別遊技状態が付与され、その大当たりの終了後に確変時短状態に設定される(図106の下部中央参照)。即ち、遊技者にとって有利な「連荘モード1」へと移行するので、短い間隔で再度大当たりとなることを遊技者に期待させることができる。
また、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「確変大当たりN」になると、4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、「通常モード」(確変非時短状態)へ移行する(図106の下部右側参照)。即ち、遊技者にとって最も有利な「連荘モード2」が終了し、遊技者にとって不利な「通常モード」へと移行するので、遊技者は、「連荘モード2」において大当たりとなった場合に、「確変大当たりN」でないことを願いながら大当たりの進行状況を見守らせることができる。よって、大当たり中も緊張感を持って遊技を行わせることができる。
また、特別図柄2の抽選により大当たりとなる場合の5%で当選する「通常大当たりF」になると、4ラウンドの特別遊技状態が付与された後、再度「連荘モード2」(非確変時短状態)へ移行する(図106の下部中央右側参照)。即ち、遊技者にとって最も有利な「連荘モード2」(非確変時短状態)がループするので、遊技者を喜ばせることができる。
一方、普通図柄の時短期間が経過した場合は、「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行する。上述した通り、「準備モード」では、大当たりとなっても賞球を獲得することが困難だが、大当たりとなることによりいずれかの「連荘モード」(「連荘モード1」または「連荘モード2」)へと移行する可能性が高い状態である。よって、再度「連荘モード」へと移行する(「連荘モード」を短い期間で引き戻す)ことを期待して遊技者に遊技を行わせることができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、「通常モード」(確変非時短状態)において実行される転落抽選の結果が転落に対応する抽選結果だった場合に、「連荘モード」(連荘状態)へと移行しやすい「準備モード」(非確変非時短状態)へと移行するように構成されている。そして、「準備モード」では、大当たりとなった場合に、その大当たりの終了後に「連荘モード」へと移行する可能性が高くなっている。この「連荘モード」には、「連荘モード1」と「連荘モード2」との2種類の状態が存在し、「連荘モード2」の方が大当たりとなった場合に長い時短期間が設定され易く構成されているため、遊技者にとって有利となる。「連荘モード1」から「連荘モード2」へは、主として転落に対応する抽選結果となることで移行するので、「連荘モード1」においては、大当たりとなること、および転落に対応する抽選結果となることを期待して遊技を行わせることができる。
次に、図107を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の構成について説明する。図107は、RAM223の電気的構成を示したブロック図である。図107に示した通り、本実施形態におけるRAM223は、第2実施形態におけるRAM223の構成に加えて、連荘状態フラグ223tと、先読み連荘状態フラグ223uとが追加されている。
連荘状態フラグ223tは、確変大当たりJ、または確変大当たりMとなった場合に付与される、次に大当たり、または転落となるまで継続する「連荘モード1」であるか否かを示すフラグである。この連荘状態フラグ223tがオンであれば、確変大当たりJ、または確変大当たりMとなったことにより付与された「連荘モード1」であることを意味し、オフであればそれ以外の状態(「通常モード」、「準備モード」、「連荘モード2」、または確変大当たりI,L後に付与される「連荘モード1」)であることを意味する。この連荘状態フラグ223tは、大当たりに対応する変動パターンコマンドが通知される度に更新される(図117のS1742)。
先読み連荘状態フラグ223uは、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に基づいて抽選が実行される時点において、確変大当たりJ、または確変大当たりMとなったことにより付与された「連荘モード1」であるか否かを示すフラグである。この先読み連荘状態フラグ223uは、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報が確変大当たりJ、または確変大当たりMであると判別された場合にオンに設定される。また、先読み連荘状態フラグ223uがオンの状態において、転落に対応する抽選結果を示す入賞情報、若しくは大当たりに対応する入賞情報が通知された場合にオフに設定される。
次いで、図108〜図111を参照して、本実施形態における各種表示演について説明する。まず、図108を参照し、本実施形態における「連荘モード1」において実行される予告演出について説明する。上述した通り、本実施形態では、2種類の「連荘モード」が設けられている。そして、「連荘モード1」から、より有利な「連荘モード2」へは、転落抽選により転落に対応する抽選結果となることを一つの契機として移行する。このため、本実施形態では、「通常モード」において転落に対応する抽選結果となる入賞情報を検出した場合だけでなく、「連荘モード1」において転落に対応する抽選結果となる入賞情報を検出した場合にも、転落を報知するための予告演出を実行するように構成されている。「連荘モード1」において実行される予告演出にも、ロング予告、およびショート予告が少なくとも設けられている。
図108(a)は、予告演出の予告種別としてロング予告が選択された場合において、実行される変動演出と設定される予告演出との対応関係の一例を示したタイムチャートである。この例では、特別図柄の抽選結果が外れの変動演出が実行されている間に、転落に対応する抽選結果となる入賞情報を1回検出し、その後に外れに対応する入賞情報を1回検出した場合を例示している。
図108(a)に示した通り、ロング予告が選択されると、次の変動開始時点において保留されている2個の保留球の変動時間に渡って、キャラクタ801が神殿探索モード(神殿ステージ)において宝箱807を発見し、その宝箱807を開けて鍵817を発見する演出が実行される(図110(a),(b)参照)。即ち、第2実施形態におけるロング予告が設定された場合と同様に、実際には予告演出が実行される変動演出のうち、1回目の変動演出(保留1に対応する変動演出)において既に「連荘モード2」へと移行していても、予告演出において「連荘モード2」へ移行したことを報知する(キャラクタ801が鍵817を発見する)のは予告演出の開始時点において保留されていた最後の保留球に対応する変動演出(保留2に対応する変動演出)となる。鍵817を発見する演出が行われると、キャラクタ801が異なる部屋へと移動する演出が行われると共に、背面種別が「連荘モード2」に対応する背面種別(背面J)に設定される。これにより、「連荘モード1」から「連荘モード2」へと移行した(モードアップした)ことを遊技者に対して容易に認識させることができる。
転落に対応する抽選結果となる保留球が保留されている保留エリアに関係なく、2つの保留球に渡って予告演出を設定することができるのは、転落(「準備モード」への移行)の前後で、電動役物640a、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aの動作が全く変わらないためである。これに対して、例えば、大当たりとなった場合に、全ての保留球に渡って予告演出を設定してしまうと、予告演出の途中で大当たりが開始されてしまう場合があり、予告演出を最後まで確認せずとも演出の結果を遊技者に把握されてしまう虞がある。よって、予告演出を十分に楽しませることができない場合がある。
また、例えば、第1実施形態のように、普通図柄の時短期間が終了した場合に遊技者にとって有利な状態へと移行するパチンコ機10において、普通図柄の時短期間の終了に対応する保留球が保留されている場合に、普通図柄の時短期間の終了タイミングとは無関係に全ての保留球に渡る予告演出を実行する構成とした場合にも、上記と同様の問題が生じる。即ち、普通図柄の時短期間の終了前後で電動役物640aの動作制御が変更となるため、電動役物640aの動作を観察するだけで遊技者に予告演出の結果を把握されてしまう。即ち、予告演出を十分に楽しませることができない場合がある。
これに対して本実施形態では、「連荘モード1」から「連荘モード2」へと転落(移行)したとしても、状態の移行前後で変化するのは特別図柄の大当たりとなる確率(1/30→1/37.5)のみである。つまり、電動役物640aの動作の見た目等から「通常モード」であるか、「準備モード」であるかを判別することができなくなっている。加えて、本実施形態では、「連荘モード1」、「連荘モード2」のどちらの状態においても、第2入球口640を狙って球を打ち出す遊技方法が想定されている。このため、「連荘モード2」へ移行したこと(転落)を報知するタイミングが遅れたとしても、遊技者が不利益を被ることが無い。よって、本実施形態では、「連荘モード2」への移行(転落)に対応する抽選結果となる保留球が格納されている保留エリアに関係なく、全ての保留球に渡る予告演出が設定されるように構成することで、より多くの変動演出に渡る予告演出を実行することができる。これにより、予告演出の自由度を向上させることができるので、演出の結果を予想し難く、且つ、より興趣性の高い表示演出を実現することができる。
なお、本実施形態では、ロング予告演出と同様の演出が実行されるが、宝箱807が空っぽであり、部屋を移動できない演出がガセ演出として用意されている。このガセ演出は、第2実施形態における「通常モード」滞在中と同様に、転落とならない抽選結果に対応する入賞情報を検出した場合の一部で実行される。これにより、予告演出の結果を最後まで確認しなければ、「連荘モード2」へと移行するか否かが判別し難くできるので、遊技者に対して予告演出をより興味深く確認させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図108(b)を参照して、転落(「連荘モード2」への移行)に対応する抽選結果となる入賞情報が通知され、予告種別としてショート予告が選択された場合の例について説明する。
図108(b)は、「通常モード」において特別図柄の抽選結果が外れの変動演出が実行されている間に、外れに対応する入賞情報を3回検出し、その後に転落に対応する抽選結果となる入賞情報を1回検出した場合を例示した図である。図108(b)に示した通り、転落に対応する抽選結果となる入賞情報が通知され、ショート予告が選択されると、次の変動開始時点において保留されている保留球のうち、最初に実行される変動演出において、キャラクタ801が宝箱807の中から鍵817を発見する態様の予告演出(モードアップ演出)が実行される。即ち、実際には予告演出が実行される変動演出のうち、1回目の変動演出(保留1に対応する変動演出)においては「連荘モード2」のままであり、その後に2回の変動演出が実行されなければ「連荘モード2」へと移行しないにも拘らず、1回目の変動演出(保留1に対応する変動演出)において「連荘モード2」に移行したことが報知される。これは、報知するタイミングを早めたとしても、その報知の前後で保留されている入賞情報(始動入賞時に取得された各種カウンタ値)が変化することはなく、全ての保留に対応する変動演出が終了するまでに必ず「連荘モード2」へと移行するからである。また、上述した通り、本実施形態では、「連荘モード1」と「連荘モード2」とを電動役物640a等の動作から見分けることが不可能(困難)となるように構成されているので、「連荘モード1」へと移行したタイミングと、「連荘モード2」へ移行することを報知するタイミングがずれたとしても、そのずれを遊技者が認識することができないためである。このように、「連荘モード2」への移行を報知するタイミングを早めることにより、遊技者にとってより有利な「連荘モード2」へと移行することを、より早く遊技者に知らせることができる。よって、遊技者に対して本来よりも「連荘モード2」の期間が長いように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
次に、図109〜図111を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において実行される表示演出について説明する。まず、図109を参照して、本実施形態において「準備モード」からいずれかの「連荘モード」へと移行する際(即ち、「準備モード」において確変大当たりK,N以外の大当たりとなる場合)に実行される演出について説明する。
上述した通り、本実施形態では、「連荘モード」として2種類の状態(「連荘モード1」、および「連荘モード2」)が設けられており、「連荘モード1」よりも「連荘モード2」の方が遊技者にとって有利となるように構成されている。即ち、「連荘モード2」では、大当たりとなった場合に長い時短期間が付与され易いので、大当たり後の時短期間に再度大当たりとなる期待度が高くなるように構成されている。よって、本実施形態では、「準備モード」において、「連荘モード」へと移行するか否かだけでなく、「連荘モード1」へ移行する可能性が高いのか、「連荘モード2」へ移行する可能性が高いのかを演出によって示唆するように構成している。以降、「連荘モード1」へと移行する可能性が高いことを示唆するための演出を「連荘モード予告演出A」と称し、「連荘モード2」へと移行する可能性が高いことを示唆するための演出を「連荘モード予告演出B」と称す。
図109(a)は、「連荘モード予告演出A」の表示内容の一例を示した図である。この「連荘モード予告演出A」は、「準備モード」において、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報が「連荘モード1」へと移行する大当たり種別(確変大当たりIや確変大当たりJ等)だった場合や、「準備モード」中に一定確率(例えば、1/25)で抽選されるガセ演出の抽選に当選した場合に実行される演出である。
図109に示した通り、「連荘モード予告演出A」が実行されると、キャラクタ801と怪獣802とが第3図柄表示装置81に表示されると共に、怪獣802の背後(第3図柄表示装置81において正面視右側)に神殿811が表示される。また、第3図柄表示装置81における正面視上方には、「バトルに勝利で神殿突入!」という文字が表示された表示領域812が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対してキャラクタ801が怪獣802に勝利することで、怪獣802の背後に表示された神殿811へと突入し、神殿探索モード(即ち、「連荘モード」)へと移行することを容易に認識させることができる。
また、他の演出と同様に、第3図柄表示装置81において正面視左上には保留球数を表示するための小領域Ds1が表示され、正面視右上には特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示を表示するための小領域Ds2が表示される。
なお、図示については省略したが、本実施形態では、「連荘モード予告演出A」としてキャラクタ801と怪獣802とがバトルを行う演出を実行することにした代わりに、「通常モード」から「準備モード」へと移行(転落)する際の演出を異なる態様の演出としている。具体的には、例えば、森の中で洞窟803を探し回る演出が実行され、洞窟803を発見することができれば「準備モード」へと移行することが報知される演出が実行される。「通常モード」から「準備モード」へと移行する場合も、「連荘モード1」から「連荘モード2」へと移行する場合も同じ演出(キャラクタ801と怪獣802とがバトルを行う演出)を実行する構成にすると、遊技者が混乱してしまう虞があるからである。つまり、バトルに勝利したら「連荘モード」へ移行すると思いこんで遊技を行った遊技者が、バトルに勝利して「通常モード」から「準備モード」へと移行する演出を確認し、「連荘モード」へと移行しなかったことに対して困惑してしまう場合がある。これに対して本実施形態では、遊技者にとって有利な「連荘モード」へと移行する場合にのみバトルに勝利する演出が発生するように構成しているので、遊技者にとってわかり易い演出を提供することができる。よって、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
次に、図109(b)を参照して、「連荘モード予告演出B」について説明する。図109(b)は、この「連荘モード予告演出B」の表示内容の一例を示した図である。この「連荘モード予告演出B」は、「準備モード」において、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報が「連荘モード2」へと移行する大当たり種別(通常大当たりE等)だった場合や、「準備モード」中に一定確率(例えば、1/100)で抽選されるガセ演出の抽選に当選した場合に実行される演出である。
図109に示した通り、「連荘モード予告演出B」が実行されると、キャラクタ801と怪獣816とが第3図柄表示装置81に表示されると共に、怪獣802の背後(第3図柄表示装置81において正面視右側)に神殿811が表示される。また、第3図柄表示装置81における正面視上方には、「バトルに勝利で神殿突入!」という文字が表示された表示領域812が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対してキャラクタ801が怪獣816に勝利することで、怪獣816の背後に表示された神殿811へと突入し、神殿探索モード(即ち、「連荘モード」)へと移行することを容易に認識させることができる。
また、図109(b)に示した通り、「連荘モード予告演出B」において、キャラクタ801とバトルを行う怪獣816は、「連荘モード予告演出A」における怪獣802よりも弱そうな見た目となる。即ち、爪も牙も角も有していない上に、体格も怪獣802よりも一回り小さい。よって、「連荘モード予告演出A」に比較してキャラクタ801が勝利する可能性が高い特別な演出が実行されたことを遊技者に対して容易に認識させることができる。なお、ガセの(つまり、キャラクタ801が敗北する)「連荘モード予告演出B」は、ガセの「連荘モード予告演出A」に比較して実行される確率が低くなるように構成されている。これにより、「連荘モード予告演出B」に対する期待度を高めることができる。ガセで発生し難く、且つ、怪獣816に勝利すれば遊技者にとって最も有利な「連荘モード2」へと移行するので、「連荘モード予告演出B」が表示されることにより、遊技者に対してより大きな期待感を抱かせることができる。よって、「連荘モード予告演出B」の結果に注目させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
次に、図110、および図111を参照して、本実施形態における「連荘モード」中の表示内容について説明する。本実施形態における「連荘モード1」では、第2実施形態における「連荘モード」(図81(a),(b)参照)と同様に、キャラクタ801が神殿を探索する画面が表示される。また、第2実施形態と同様に、キャラクタ801が宝箱807の中から財宝を発見するか否かによって、大当たりか否かを報知する演出が実行される。一方で、本実施形態では、「連荘モード1」、および「連荘モード2」の2つの状態が設けられており、転落に対応する抽選結果となることにより「連荘モード1」からより有利な「連荘モード2」へと移行する点で第2実施形態と異なっている。このため、「連荘モード1」において転落に対応する抽選結果となった場合の演出が設けられている。
図110(a),(b)は、「連荘モード1」において転落に対応する抽選結果となる場合に実行される演出の一例を示した図である。図110(a)に示した通り、「連荘モード1」において転落に対応する抽選結果となる入賞情報が検出された場合は、第3図柄表示装置81においてキャラクタ801が宝箱812を発見する演出が表示されると共に、第3図柄表示装置81の上部において「宝箱発見!!」との文字が記載された表示領域812が表示される。
また、第2実施形態における「連荘モード」と同様に、キャラクタ801に対して正面視右側には、残りの時短回数を表示するための表示領域818が表示される。図110(a)の例では、残りの時短回数が25回の状態で宝箱812を発見する演出が実行された場合を例示しており、表示領域818には「25回」との文字が表示されている。
なお、他の表示演出(予告演出)中と同様に、第3図柄表示装置81において正面視左上には保留球数を表示するための小領域Ds1が表示され、正面視右上には特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示を表示するための小領域Ds2が表示される。
図110(a)に示した宝箱807を発見する演出の表示後は、キャラクタ801が発見した宝箱807を開けて、鍵817を発見する演出が実行される(図110(b)参照)。また、第3図柄表示装置81における正面視上方には、「奥の部屋の鍵GET!!」との文字が記載された表示領域812が表示される。これにより、遊技者に対して奥の部屋へと移動する(「連荘モード2」にモードアップする)ことを示唆することができる。なお、110(b)は、図110(a)に示した宝箱807を発見する演出の次の変動演出において実行される演出を例示している。つまり、図110(a)に示した状態から時短期間が1回減った状態を例示した図である。このため、キャラクタ801に対して正面視右側に表示された表示領域818には、図110(a)において表示されていた「25回」から1回減算された「24回」の文字が記載されている。
ここで、上述した通り、「連荘モード1」において大当たりとなった場合には、宝箱807から財宝を発見する演出が実行され、大当たりでも転落でもない場合には、宝箱807の中身が空っぽだった演出が実行される。よって、宝箱807を発見する演出が実行された段階では、大当たりを示唆する演出であるか、「連荘モード2」への移行(転落)を示唆する演出であるか、単なるガセの演出であるかを判別することが困難とすることができるので、演出の結果をより興味深く観察させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
また、残りの時短回数(「連荘モード1」の残り期間)に応じて、宝箱807から財宝が出現することを願わせたり、鍵817が出現することを願わせたりすることができる。つまり、転落に対応する抽選結果となった場合に、残りの時短期間自体は変化しないため、残りの時短期間が短い状況で「連荘モード2」へと移行しても、大当たりとならずに時短期間が経過してしまう可能性が高くなってしまう。よって、この場合には、宝箱807から財宝が発見される(大当たりになる)ことにより、一旦賞球を得ると共に時短期間が新たに付与されることを期待させることができる。一方で、残りの時短期間が十分に残っている状況では、先に「連荘モード2」へと移行したとしても、その後の時短期間中に十分に大当たりとなることが期待できるので、宝箱807から鍵817が発見されることを期待させることができる。このように、残りの時短回数に応じて宝箱807から出現して欲しいもの(財宝、または鍵817)を異ならせることができる。即ち、大当たりが報知されるよりも転落を報知された方が遊技者にとって嬉しい場合と、転落を報知されるよりも大当たりが報知された方が遊技者にとって嬉しい場合とを設けることができる。よって、遊技者の期待通りの結果となった場合に、遊技者に対してより大きな喜びや達成感を抱かせることができる。
次に、「連荘モード2」における表示内容について、図111(a)を参照して説明する。図111(a)に示した通り、「連荘モード2」になると、背面画像が変更される。具体的には、神殿の柱に松明が設置されると共に、柱に「CHANCE」との文字が表示される。また、第3図柄表示装置81の上部には、「宝発見で大チャンス!?」との文字が表示された表示領域812が表示される。更に、第3図柄表示装置81の下部に設けられた表示領域806において、「神殿探索モード」との文字の左上に「超」との文字が記載された略円形の表示領域818が表示される。これらにより、「連荘モード1」よりも有利な「連荘モード2」に滞在していることを容易に認識させることができる。また、「連荘モード1」と同様に、残りの時短期間(「連荘モード2」の残り期間)がキャラクタ801に対して正面視右側に表示された表示領域818に対して表示される。この図111の例では、「23回」との文字が残りの時短期間として表示されている。
なお、「連荘モード2」における表示内容は上記に限られるものではなく、「連荘モード1」よりも有利なことを示唆できる態様であれば任意に定めることができる。例えば、柱や床を金色にしてもよいし、柱や床に宝石が埋め込まれた画像を表示するように構成してもよい。
次に、図111(b)を参照して、「確変大当たりJ,M」の終了後に付与される、次回の大当たり、または転落に対応する抽選結果となるまで継続する「連荘モード1」において実行される表示演出の例について説明する。「確変大当たりJ,M」の終了後に付与される「連荘モード1」では、大当たりとなるよりも先に転落に対応する抽選結果になると、他の「連荘モード1」と異なり、特別図柄の確変状態だけでなく、普通図柄の時短期間も終了するように構成されている。このため、転落に対応する抽選結果となった場合には、非確変非時短状態(つまり、「準備モード」)へと移行する。
図111(b)は、「確変大当たりJ,M」の終了後に付与される「連荘モード1」において転落に対応する抽選結果となった場合を例示した図である。図111(b)に示した通り、大当たりに対応する抽選結果よりも先に転落に対応する抽選結果となった場合には、キャラクタ801が落とし穴820に落下する表示演出が変動開始直後に表示されると共に、第3図柄表示装置81の上部に「洞窟へ落下!!」との文字が記載された表示領域812が表示される。これにより、転落により「準備モード」へと移行したことを遊技者に対して容易に認識させることができる。
また、第3図柄表示装置81の下部に設けられた表示領域806の左側に表示される楕円形の領域には、「左打ち」との文字が表示される。このうち、「左」という文字は他の文字よりも強調して表示される。この楕円形の領域は、「連荘モード1」に滞在している間に「右打ち」との文字を表示することで球の打ち出し方向を示唆(ナビ)するために表示されていたので、遊技者は、「準備モード」へと移行したことにより左打ちに戻さなければならないことを容易に認識することができる。
また、表示領域806の中央部分には、「神殿探索」との文字と、「中断」という強調表示された文字とが表示される。これにより、「連荘モード1」を示す神殿ステージが中断されることを遊技者に対して容易に認識させることができる。また、表示領域806の右側に表示される楕円形の領域には、「洞窟へ落下!!」との文字が表示される。つまり、「連荘モード1」においては「右打ち」との文字が表示されていた領域の文字が「洞窟へ落下!!」に差し替えられる。これにより、遊技者に対してより確実に「準備モード」へと移行したことを認識させることができる。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図112〜図118を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。まず、図112は、第2実施形態における普通図柄変動処理(図91参照)に代えて実行される第3実施形態の普通図柄変動処理を示したフローチャートである。
この普通図柄変動処理(図112参照)のうち、S601〜S607,S609〜S618,S622〜S625,S633、およびS634の各処理においては、それぞれ第2実施形態における普通図柄変動処理(図91参照)のS601〜S607,S609〜S618,S622〜S625,S633、およびS634の各処理と同一の処理が実行される。
また、第3実施形態における普通図柄変動処理では、S607の処理が終了すると、次いで、時短中カウンタ203gが0より大きいか、または、時短フラグ203jがオンであるかを判別する(S641)。即ち、普通図柄の時短状態であるか否かを判別する。ここで、上述した通り、本実施形態では、大当たりが終了してから、次の大当たり、または転落に対応する抽選結果となるまで普通図柄の時短状態が継続する場合がある。具体的には、確変大当たりJ(図103参照)、または確変大当たりM(図104参照)になった場合である。係る場合には、時短中カウンタ203gの値に代えて、時短フラグ203jをオンにすることで普通図柄の時短状態であることを示すように構成されている。よって、S641の処理では、時短中カウンタ203gの値に加えて、時短フラグ203jの状態を判別することにより、パチンコ機10の遊技状態が普通図柄の時短状態であるか否かを判別している。
S641の処理において時短中カウンタ203gが0以上であるか、または、時短フラグ203jがオンであれば(S641:Yes)、処理をS609へと移行し、時短中カウンタ203gが0であり、且つ、時短フラグ203jがオフであれば(S641:No)、処理をS611へと移行する。なお、上述した通り、S609〜S613の各処理では、それぞれ第2実施形態における普通図柄変動処理(図91参照)のS609〜S613の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態における普通図柄変動処理では、S613の処理が終了すると、S641の処理と同一の処理が実行される。即ち、時短中カウンタ203gが0より大きいか、または、時短フラグ203jがオンであるかを判別する(S642)。S642の処理において時短中カウンタ203gが0以上であるか、または、時短フラグ203jがオンであれば(S642:Yes)、処理をS615へと移行し、時短中カウンタ203gが0であり、且つ、時短フラグ203jがオフであれば(S641:No)、処理をS617へと移行する。なお、上述した通り、S615〜S618の各処理では、それぞれ第2実施形態における普通図柄変動処理(図91参照)のS615〜S618の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態における普通図柄変動処理では、S616〜S618のうちいずれかの処理が終了すると、S641の処理と同一の処理が実行される。即ち、時短中カウンタ203gが0より大きいか、または、時短フラグ203jがオンであるかを判別する(S643)。S643の処理において時短中カウンタ203gが0以上であるか、または、時短フラグ203jがオンであると判別した場合は(S643:Yes)、処理をS633へと移行し、時短中カウンタ203gが0であり、且つ、時短フラグ203jがオフであれば(S643:No)、処理をS634へと移行する。なお、上述した通り、S633、およびS634の各処理では、それぞれ第2実施形態における普通図柄変動処理(図91参照)のS633、およびS634の各処理と同一の処理が実行される。
このように、本実施形態では、時短中カウンタ203gと、時短フラグ203jとを判別し、遊技状態が普通図柄の時短状態であるか否かを判別するように構成されているので、普通図柄の時短状態へと移行する契機となった大当たりの種別によらず、正確な判別を行うことができる。
次に、図113を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により第1実施形態、および第2実施形態における大当たり制御処理(図41参照)に代えて実行される大当たり制御処理2(S1031)について説明する。図113は、この第3実施形態における大当たり制御処理2(S1031)を示したフローチャートである。
この大当たり制御処理2(図113参照)のうち、S1101〜S1111の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図41参照)のS1101〜S1111の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態における大当たり制御処理2(S1031)では、S1111の処理において大当たりの終了タイミングであると判別した場合に(S1111:No)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である終了時設定処理を実行し(S1121)、本処理を終了する。この終了時設定処理(S1121)の詳細について、図114を参照して説明する。
図114は、上述した終了時設定処理(S1121)を示すフローチャートである。この終了時設定処理(S1121)では、まず、今回の大当たりが「確変大当たりK,N」のいずれかであるかを判別する(S4801)。そして、「確変大当たりK,N」のいずれかであると判別した場合は(S4801)、大当たり後に確変非時短状態(即ち、「通常モード」)へと移行する大当たり種別であるので(図103、図104参照)、確変フラグ203fをオンに設定し(S4802)、時短中カウンタ203gの値を0にリセットすると共に時短フラグ203jをオフに設定して(S4803)、本処理を終了する。
一方、S4801の処理において、今回の大当たりが「確変大当たりK」でも「確変大当たりN」でもないと判別した場合には(S4801:No)、次いで、今回の大当たりが「確変大当たりJ,M」のいずれかであるか否かを判別する(S4804)。即ち、次に大当たりとなるか、転落に対応する抽選結果となるまで継続する普通図柄の時短状態が付与される大当たり種別(図103、図104参照)であるか否かを判別する。S4804の処理において、「確変大当たりJ,M」のいずれかであると判別した場合は(S4804:Yes)、確変フラグ203fをオンに設定し(S4805)、時短中カウンタ203gの値を0にリセットすると共に、時短フラグ203jをオンに設定して(S4806)、本処理を終了する。
また、S4804の処理において、今回の大当たりが「確変大当たりJ,M」のどちらでもないと判別した場合は(S4804:No)、次いで、今回の大当たりが「確変大当たりI,L」のいずれかであるか否かを判別する(S4807)。そして、「確変大当たりI,L」のどちらかであると判別した場合は(S4807:Yes)、大当たり後の状態を特別図柄の確変状態に設定するために、確変フラグ203fをオンに設定して(S4808)、処理をS4810へと移行する。一方、今回の大当たりが「確変大当たりI」でも、「確変大当たりL」でもないと判別した場合には(S4807:No)、今回の大当たり種別が「通常大当たりE,F」のどちらかであることを意味する。即ち、大当たり後に特別図柄の低確率状態となる大当たりであるので、確変フラグ203fをオフに設定し(S4809)、処理をS4810へと移行する。
S4807、またはS4809の処理後に実行されるS4810の処理では、時短フラグ203fをオフに設定する(S4810)。S4810の処理に至るのは、「通常大当たりE,F」、および「確変大当たりL,M」の場合のみであり、次回の大当たり、または転落に対応する抽選結果となるまで継続する時短期間が設定されることはないからである。
S4810の処理が終了すると、次に、今回の大当たりとなった時点における遊技状態を読み出す(S4811)。なお、遊技状態の判別方法としては、例えば、専用のフラグを用意しておき、その値を読み出せばよい。より具体的には、大当たりとなった時点における状態が特別図柄の確変状態であるか否か、および普通図柄の時短状態であるか否かを示すフラグを設けておき(例えば、確変非時短状態は「00H」、確変時短状態は「01H」、非確変状態は「02H」がフラグ値として設定される)、大当たりとなった時点で当該フラグの値を更新し、その値をS4811の処理が実行されるまで保持するように構成しておけばよい。
S4811の処理が終了すると、読み出された当選時の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを判別し(S4812)、確変状態でないと判別した場合は(S4812:No)、「準備モード」、または「連荘モード2」において大当たりとなったことを意味するので、時短中カウンタ203gの値に対して100を設定し(S4813)、本処理を終了する。大当たり種別を判別することなく共通の値(即ち、100)を設定することができるのは、S4813の処理に至る可能性がある大当たり種別(「通常大当たりE,F」、および「確変大当たりI,L」)のいずれであっても、「準備モード」、または「連荘モード2」(即ち、非確変状態)において大当たりとなった場合は共通して100回の時短期間が付与されるように構成しているからである(図103、図104参照)。「通常大当たりE,F」、および「確変大当たりI,L」において、大当たり終了後に付与される時短期間を共通としておくことで、処理を簡略化することができる。即ち、大当たり時の遊技状態を特定した後で、更に大当たり種別を判別して時短回数を特定する必要が無くなるので、MPU201の処理負荷を軽減することができる。
一方、S4812の処理において、確変状態であると判別した場合は(S4812:No)、次に、大当たりとなった時点の遊技状態が、普通図柄の時短状態であるか否かを判別する(S4814)。つまり、確変時短状態(即ち、「連荘モード1」)であるか、確変非時短状態(即ち、「通常モード」)であるかを判別する。S4814の処理において、普通図柄の時短状態である(即ち、「連荘モード1」である)と判別した場合は(S4814:Yes)、時短中カウンタ203gの値に30を設定して(S4815)、本処理を終了する。
このように、S4814の処理において、大当たり種別を判別することなく共通の値(即ち、30)を設定することができるのは、S4815の処理に至る可能性がある大当たり種別(「通常大当たりE,F」、および「確変大当たりI,L」)のいずれであっても、「連荘モード1」(確変時短状態)において大当たりとなった場合は共通して30回の時短期間が付与されるように構成しているからである(図103、図104参照)。「通常大当たりE,F」、および「確変大当たりI,L」において、大当たり終了後に付与される時短期間を共通としておくことで、処理を簡略化することができる。即ち、大当たり時の遊技状態を特定した後で、更に大当たり種別を判別して時短回数を特定する必要が無くなるので、MPU201の処理負荷を軽減することができる。
一方、S4814の処理において、普通図柄の時短期間でないと判別した場合は(S4814:No)、時短中カウンタ203gの値を0にリセットして(S4816)、本処理を終了する。大当たり種別を判別することなく共通の値(即ち、0)を設定することができるのは、S4815の処理に至る可能性がある大当たり種別(「通常大当たりE,F」、および「確変大当たりI,L」)のいずれであっても、「通常モード」(即ち、確変非時短状態)において大当たりとなった場合は共通して時短期間が付与されないように構成しているからである(図103、図104参照)。「通常大当たりE,F」、および「確変大当たりI,L」において、大当たり終了後に付与される時短期間を共通としておくことで、処理を簡略化することができる。即ち、大当たり時の遊技状態を特定した後で、更に大当たり種別を判別して時短回数を特定する必要が無くなるので、MPU201の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、確変フラグ203f、および時短中カウンタ203gとは別に時短フラグ203jを設ける構成としているが、これに限られるものではない。例えば、時短中カウンタ203gを構成する各ビットのうち、時短期間のカウントに使用していない空きビットを用いて確変フラグ203fと同一の機能を実現してもよい。つまり、空きビットに1が設定されることにより、次回の大当たり、または転落に対応する抽選結果となるまで継続する時短状態であることを示し、上記以外の状態では空きビットに0が設定されるように構成してもよい。これにより、確変フラグ203fを省略することができるので、RAM203の容量を削減することができる。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図115〜図118を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。まず、図115を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される当たり後背面設定処理3(S1441)について説明する。この当たり後背面設定処理3(S1441)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理において、第2実施形態における当たり後背面設定処理2(図94参照)に代えて実行される処理である。
この当たり後背面設定処理3(S1441)のうち、S1501,S1527〜S1532の各処理では、それぞれ第2実施形態における当たり後背面設定処理2(図94参照)のS1501,S1527〜S1532の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態における当たり後背面設定処理3(S1441)では、S1501の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別された場合に(S1501:Yes)、確変大当たりK,Nのいずれかであるか否かを判別する(S1541)。即ち、大当たりの終了後に確変非時短状態(即ち、「通常モード」)へと移行する大当たり種別であるか否かを判別し、確変大当たりK,Nであれば(S1541:Yes)、「通常モード」を示唆する森ステージに設定する(即ち、背面Cに設定する)ために、処理をS1530へと移行する。
一方、S1541の処理において、確変大当たりK,Nのどちらでもないと判別した場合は(S1541:No)、次に、確変大当たりJ,Mのいずれかであるか否かを判別する(S1542)。つまり、大当たりの終了後に、次回の大当たり、若しくは転落まで継続する普通図柄の時短状態が付与される大当たりであるか否かを判別する。S1542の処理において、確変大当たりJ,Mのいずれかであると判別した場合には(S1542:Yes)、処理をS1544へと移行し、大当たり終了後が「連荘モード」となる場合に背面種別を設定するための連荘時背面設定処理を実行し(S1544)、処理をS1532へと移行する。この連荘時背面設定処理(S1544)の詳細については、図116を参照して後述する。
S1542の処理において、確変大当たりJ,Mのどちらでもないと判別した場合は(S1542:No)、連荘状態カウンタ223mの値が0より大きいか、または連荘状態フラグ223tがオンであるかを判別する(S1543)。即ち、普通図柄の時短期間中の大当たりであるか否かを判別し、連荘状態カウンタ223mの値が0より大きいか、または連荘状態フラグ223tがオンであると判別した場合には(S1543:Yes)、処理をS1544へと移行する。
一方、S1543の処理において、連荘状態カウンタ223mの値が0であり、且つ、連荘状態フラグ223tがオフであると判別した場合は(S1543:No)、確変状態フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S1523)。即ち、確変非時短状態(通常モード)であるか非確変非時短状態(準備モード)であるかを判別し、確変状態フラグ223kがオフであれば(S1523:No)、「準備モード」において確変大当たりI,L、または通常大当たりE,Fのいずれかとなったことを意味し、大当たり後に普通図柄の時短状態に移行する(即ち、「連荘モード」へと移行する)ので、処理をS1544へと移行する。
次に、図116を参照して、大当たり終了後が「連荘モード」である場合に、背面種別を設定するための連荘時背面設定処理(S1544)について説明する。この連荘時背面設定処理(S1544)では、まず、通常大当たりE,Fのどちらかの終了タイミングであるか否かを判別し(S4901)、通常大当たりE,Fのどちらでもなければ(S4901:No)、「連荘モード1」へと移行することを意味するため、「連荘モード1」に対応する背面種別である背面I(図110参照)を設定するための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4902)、背面フラグ223gに対して背面Iが設定されたことを示す値である02Hを設定して(S4903)、本処理を終了する。
一方、S4901の処理において、通常大当たりE,Fのどちらかであると判別した場合は(S4901:Yes)、大当たりの終了後に「連荘モード2」が設定されることを意味するので、「連荘モード2」に対応する背面種別である背面J(図111参照)を設定するための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4904)、背面フラグ223gに対して背面Jが設定されたことを示す値である03Hを設定して(S4905)、本処理を終了する。
この連荘時背面設定処理(S1544)を実行することにより、大当たり終了後の「連荘モード」の種別(「連荘モード1」であるか、「連荘モード2」であるか)に応じた適切な背面種別を設定することができるので、遊技者が容易に大当たり終了後の状態を知ることができる。
次に、図117を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される変動パターン選択処理3(S1631)について説明する。この変動パターン選択処理3(S1631)は、コマンド判定処理(図95参照)の中で変動パターン選択処理2(図96参照)に代えて実行され、変動パターンコマンド処理2(図96参照)と同様に、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出するための処理である。
この変動パターン選択処理3(S1631)のうち、S1701,S1721〜S1724、およびS1731の各処理では、それぞれ第2実施形態における変動パターン選択処理2(図96参照)のS1701,S1721〜S1724、およびS1731の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態の変動パターン選択処理3(S1631)では、S1701の処理において変動パターンコマンドにより通知されたのが大当たりに対応する変動パターンであると判別した場合に(S1701:Yes)、次いで、確変状態フラグ223k、連荘状態フラグ223t、および連荘状態カウンタ223mを読み出す(S1741)。そして、読み出した各値から特定される遊技状態と、大当たり種別とに基づいて連荘状態カウンタ223mの値、および連荘状態フラグ223tを更新する(S1742)。
例えば、S1741の処理において読み出した各値から特定される遊技状態が確変時短状態であり、大当たり種別が確変大当たりLであれば、大当たり終了後に時短期間が30回付与されるので、連荘状態カウンタ223mの値に30を設定すると共に、連荘状態フラグ223tをオフに設定する。また、例えば、読み出した各値により特定される遊技状態が確変非時短状態であり、大当たり種別が確変大当たりJであれば、大当たりが終了してから次に大当たりとなるか、転落に対応する抽選結果となるまで継続する普通図柄の時短状態が付与されるので、連荘状態フラグ223tをオンに設定すると共に、連荘状態カウンタ223mの値を0クリアする。S142の処理が終了すると、処理をS1722へと移行する。
次に、図118を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される予告開始フラグ設定処理2(S4321)について説明する。この予告開始フラグ設定処理2(S4321)は、連続予告実行判定処理の中で第2実施形態における予告開始フラグ設定処理(図100参照)に代えて実行される処理であり、実行する予告種別に対応する値を予告開始フラグ223pに対して設定するための処理である。なお、本実施形態では、予告開始フラグ223pにより、「連荘モード1」において実行する予告演出の予告種別を識別するように構成されている。即ち、「連荘モード1」から「連荘モード2」へとモードアップするか否かの予告演出の種別を識別するために用いられる。
この予告開始フラグ設定処理2(S4321)のうち、S4401〜S4408の各処理では、それぞれ第2実施形態における予告開始フラグ設定処理(図100参照)のS4401〜S4408の各処理と同一の処理がそれぞれ実行される。
また、本実施形態における予告開始フラグ設定処理(S4321)では、S4401の処理において先読み連荘状態カウンタ223sの値が0であると判別した場合に(S4401:No)、先読み連荘状態フラグ223uがオンであるか否かを判別し(S4411)、オンであれば(S4411:Yes)、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に基づく抽選が実行される時点において、いずれかの「連荘モード」であることを意味し、「連荘モード1」から「連荘モード2」へと移行することを示唆する予告演出(図110(a),(b)参照)を実行する可能性があるため、処理をS4402へと移行する。
一方、先読み連荘状態カウンタ223sの値が0で(S4401:No)、且つ、先読み連荘状態フラグ223uがオフの場合は(S4411)、「通常モード」、若しくは「準備モード」であることを意味し、「連荘モード1」から「連荘モード2」へと移行することを示唆する予告演出(図110(a),(b)参照)を実行する可能性が無いため、予告開始フラグ223pの設定を行わずに、そのまま本処理を終了する。
このように、本実施形態における予告開始フラグ設定処理2では、次の大当たり、又は転落に対応する抽選結果となるまで継続する時短期間中であるか否かを、先読み連荘状態フラグ223uの値に基づいて判別することができる。よって、転落に対応する抽選家結果を示す入賞情報が通知された場合に、「連荘モード1」であるか否かを正確に判別し、予告演出の実行有無を判定することができる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者にとって有利な「連荘モード」として、「連荘モード1」と、その「連荘モード1」よりも更に有利な「連荘モード2」とが設けられている。より具体的には、「連荘モード2」において大当たりとなると、「連荘モード1」において大当たりとなった場合に比較して、大当たり後に付与される普通図柄の時短期間として長い時短期間が設定され易くなるように構成されている。よって、「連荘モード2」において大当たりになると、その大当たり後の時短期間中に更に大当たりに当選する可能性が高くなる。即ち、多量の賞球を得ることができる大当たりが連続する可能性が高くなるため、「連荘モード1」に比較して遊技者に有利となる。これにより、「通常モード」(確変非時短状態)だけでなく、「連荘モード1」(確変時短状態)においても、転落に対応する抽選結果となることでより良い状態へと移行する(ランクアップする)斬新な遊技性を提供することができる。
また、本実施形態では、「連荘モード1」から「連荘モード2」へと移行する場合、および、「連荘モード1」においてガセの演出を実行すると判定された場合に、転落を示唆するための予告演出を実行するように構成されている。この予告演出を実行することにより、遊技者に対して更に有利な状態である「連荘モード2」へと移行することに対する期待感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。また、この予告演出において「連荘モード2」へと移行(転落)したことを報知するタイミングと、実際に「連荘モード2」へと移行(転落)したタイミングとをずらすことが可能に構成している。即ち、先読みにより転落に対応する入賞情報が保留されたと判別した場合に、その入賞情報に対応する変動演出が実行されるより前であっても、「連荘モード2」に移行することを報知する演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者にとって最も有利な「連荘モード2」となったことを、本来よりも早く認識させることができるので、「連荘モード2」に滞在している期間が長く感じさせることができる。よって、有利な状態を長いと感じさせることにより、パチンコ機10に対して好印象を抱きやすくすることができる。
また、本実施形態では、転落に対応する変動演出が実行されたとしても、その変動後に実行される変動演出が複数保留されている場合には、転落に対応する変動演出中の報知を行わず、その変動演出よりも後に実行される変動演出に渡る連続的な演出で「連荘モード2」への移行を報知可能に構成されている。これにより、転落を報知するための予告演出をより多くの変動演出に渡って実行することができるので、予告演出の自由度を高められる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、「連荘モード1」において大当たりとなる場合に、宝箱807から財宝を発見する演出を行い、「連荘モード1」において転落に対応する抽選結果となる場合に、宝箱807から鍵817を発見する演出を行うように構成されていたが、大当たり、および転落の報知態様はこれらに限られるものではなく、任意に定めてもよい。例えば、神殿ステージにおいて扉を発見する演出を行い、開いた扉の先が財宝の部屋であれば大当たりを、「連荘モード2」に対応する内装の部屋(図111参照)であれば転落をそれぞれ報知するものとしてもよい。また、大当たりと転落に対応する抽選結果とで全く同じ演出(例えば、宝箱807から財宝を発見する演出)を行ってもよい。即ち、予告演出が終了した後で大当たりが開始されるか、「連荘モード2」に対応する背面種別(背面J)に変更されるかを確認するまで大当たりとなるか「連荘モード2」となるか判別することができない(困難となる)ように構成してもよい。これにより、予告演出が終了し次の変動、若しくは大当たりが開始するまで、遊技者の期待通りの結果となるか否かが分からないので、遊技者の期待感をより長く持続させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、「連荘モード1」において大当たりになる場合と、転落に対応する抽選結果となる場合と、ガセ演出を実行する場合とで共通して宝箱807を発見する演出が表示され、最終的に宝箱807から発見されるものによって演出の結果(当たりとなるか、転落となるか、ガセであるか)を遊技者が認識できるように構成していた。つまり、演出の結果を確認するまで演出の結果を予測することが困難となるように構成されていたが、これに限られず、演出の途中で演出の結果をある程度予測できるようにしてもよい。具体的には、例えば、大当たりの場合には宝箱807として他の演出の場合よりも大きな宝箱が表示され易くなるように構成し、転落の場合には材質の異なる(例えば、黄金製の)宝箱が表示され易くなるように構成し、ガセの場合には通常サイズ、且つ、木製の宝箱が表示され易くなるように構成してもよい。演出の結果に応じて異なる表示態様が表示され易くすることにより、予告演出の途中において遊技者に演出の結果を予測させることができるので、結果を予測させる楽しみを与えることができる。また、ガセの場合に選択され易い態様(通常サイズ、且つ、木製の宝箱)を設ける構成とすることで、ガセの場合に過度の期待感を抱かせにくくすることができる。よって、予告演出の結果がガセであっても遊技者が落胆し難くすることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制(防止)することができる。また、ガセの場合に選択され易い態様(通常サイズ、且つ、木製の宝箱)がガセ以外の結果となる予告演出で選択された場合には、遊技者に対してより大きな喜びや、驚きを与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、「連荘モード1」において転落に対応する抽選結果となった場合に、「連荘モード2」へと移行するのみであり、それまでに経過した時短期間自体は変わらないように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、「連荘モード2」へと移行した場合に時短期間も所定回数(例えば、50回)上乗せされるように構成してもよい。これにより、時短期間の終了間際(例えば、時短期間が残り2回等)に「連荘モード1」から「連荘モード2」へと移行した場合であっても、「連荘モード2」の恩恵を受けることなく時短期間が終了してしまうことを抑制できる。よって、「連荘モード2」となることに対する喜びをより大きなものとすることができる。よって、遊技者の「連荘モード」中の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本実施形態では、「連荘モード1」、および「連荘モード2」において、共に普通図柄の時短期間(即ち、「連荘モード」の残期間)を第3図柄表示装置81に表示する構成としていたが、これに限られるものではない。普通図柄の時短期間を表示しなくてもよいし、一定確率で本来より短い期間を表示し、その表示された短い期間の経過時に、継続演出を実行するように構成してもよい。より具体的には、例えば、大当たり後の時短期間として30回が設定されたか、100回が設定されたかに拘わらず、大当たり終了後に表示される時短期間として必ず30回が表示されるように構成してもよい。そして、30回の変動演出が終了しても時短期間が残っていれば(即ち、大当たり後に付与された時短期間が100回であれば)、例えば、キャラクタ801が「まだまだ!!」と叫ぶ演出が実行されると共に、表示領域818に表示されていた時短回数が0回から70回に書き換えられるように構成してもよい。これにより、「連荘モード」において大当たりとなってから30回の変動演出が終了するタイミングで、時短期間が終了することに対する不安感と、時短期間が継続することに対する期待感とを抱かせることができるので、遊技者の「連荘モード」中における興趣を向上させることができる。また、期待通りに「連荘モード」が継続した場合には、大当たり後に最初から100回の時短期間が表示されていた場合に比較して、より大きな喜びを遊技者に抱かせることができる。
本実施形態では、「連荘モード1」からより有利な「連荘モード2」へと移行(転落)する場合に、その旨を次の変動の開始時点で保留されている保留球に対応する変動演出が全て実行されるまでに報知するように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、「連荘モード1」が開始されてから所定回数の変動演出が実行された場合に、「連荘モード2」へと移行したか否かを報知するように構成してもよい。より具体的には、例えば、大当たり後に「連荘モード1」へと移行してから変動演出が20回実行された場合に、現在の状態が「連荘モード2」であるか否かを判別する。即ち、大当たり後の1〜20回目に実行された抽選において、転落に対応する抽選結果となっていたか否かを判別する。そして、「連荘モード2」に移行(転落)していた場合には、予告演出により「連荘モード2」へと移行したことを報知するように構成してもよい。また、「連荘モード1」のままであった場合には、ガセの予告演出を実行するように構成してもよい。これにより、「連荘モード1」が開始されてから所定回数(20回)の変動演出が実行されたタイミングで、毎回遊技者に対して「連荘モード2」へと移行したことに対する期待感を抱かせることができる。また、上述した通り、本実施形態では、「連荘モード1」と「連荘モード2」とを電動役物640a等の動作から見分けることが不可能(困難)となるように構成されているので、「連荘モード2」へと移行したタイミングと、「連荘モード2」を報知するタイミングがずれたとしても、そのずれを遊技者が認識することができない。よって、所定回数の変動が実行された場合にのみ予告演出が実行される構成にしたとしても、遊技者は予告演出がガセであるか、本当に転落していたのかを認識できず、予告演出の結果に対してより注目させることができる。よって、「連荘モード1」における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、所定回数(20回)までに「連荘モード2」へと移行していない場合には、ガセの予告演出を行わないパターンを設けてもよい。これにより、予告演出が実行された場合における、「連荘モード2」へと移行(転落)していたことが報知される期待度をより高くすることができる。
本実施形態では、「連荘モード1」から「連荘モード2」へと移行(転落)した場合において予告演出により「連荘モード2」への移行を報知するように構成していたが、残りの時短期間によって「連荘モード2」へと移行しても予告演出を実行しない場合を設けてもよい。具体的には、残りの時短期間が少ない(例えば、10回未満)場合には、「連荘モード2」へと移行(転落)したとしても、予告演出を実行しないように構成し、「連荘モード1」のままかのような表示演出を行ってもよい。残りの時短期間が少ない状態で「連荘モード2」が報知されたとしても、残りの時短期間が経過するまでに大当たりとなることが困難となる。そして、時短期間が経過するまでに大当たりとならなければ「連荘モード2」の恩恵(長い時短期間が付与される大当たりになり易いこと)が受けられない。よって、「連荘モード2」へと移行したことが報知されたにも関わらず大当たりとならなければ、遊技者に対して深い失望感を抱かせてしまう虞がある。これに対し、残りの時短期間が少ない(例えば、残りの時短期間が10回)状態で「連荘モード2」へ移行した場合に予告演出を行わない(「連荘モード2」への移行を報知しない)構成とすることで、時短期間を経過した場合における遊技者の失望感を軽減することができる。なお、予告演出を実行せずに「連荘モード2」へと移行し、且つ、残りの時短期間内で大当たりとなった場合には、例えば、大当たり変動や、大当たりのオープニングや、大当たりのエンディングにおいて、「連荘モード2」における大当たりであったことを報知するように構成してもよい。これにより、時短期間内に大当たりを引けたことに対する喜びに加え、大当たり後に長い時短期間が付与される可能性が高いことを遊技者に認識させることができる。よって、遊技者の喜びを増幅させることができる。
本実施形態では、転落に対応する抽選結果となる確率を固定(1/60)としていたが、確変大当たりの大当たり種別に応じて転落に対応する抽選結果となる確率を変更してもよい。例えば、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に付与される確変大当たり(確変大当たりI〜K)では、転落に対応する抽選結果となる確率が低くなるように構成し(例えば、1/200)、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に付与される確変大当たり(確変大当たりL〜N)では、転落に対応する抽選結果となる確率が高くなる(例えば、1/20)ように構成してもよい。これにより、特別図柄2の抽選を受け難い「通常モード」をループしている間は、転落に対応する抽選結果となる確率が低くなるので、「準備モード」へと移行し難くすることができる。一方、特別図柄2の抽選を受け易い「連荘モード1」では、転落に対応する抽選結果となる確率が高くなるので、「連荘モード2」へと移行し易くすることができる。よって、「通常モード」をループし易く、且つ、「連荘モード1」へと移行した場合に、「連荘モード2」へと移行し易い(「連荘モード」が長く続き易い)パチンコ機10とすることができるので、有利な状態(「連荘モード」)と不利な状態(「通所モード」)との格差をより高めることができる。よって、「連荘モード」に対する期待感をより高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、特別図柄の抽選により外れとなった場合に、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aが開放されることはないように構成されていた。これにより、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aの動作を視認することで、遊技状態が変更される可能性があるのか否かを、表示演出を確認しなくとも判定することができる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、外れの場合の少なくとも一部で、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aを各種大当たりと同一の態様で開放させてもよい。即ち、所謂小当たりを設ける構成としてもよい。より具体的には、例えば、特別図柄1の抽選により外れとなった場合の一部で、第1特定入賞口65aを所定期間(0.2秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるように構成してもよい。これにより、外れを契機に第1特定入賞口65aが開放されたとしても、大当たりとなったことを期待させることができる。上述した通り、「通常モード」において大当たりとなった場合の一部で、他の有利な状態へと移行させることができる。つまり、「通常大当たりE」や、「確変大当たりJ」等になることで、「準備モード」や「連荘モード1」へと移行させることができるので、大当たりになる(第1特定入賞口65aの開放動作を確認する)ことで他の状態へと移行することに対する期待感を与えることができる。これに加えて小当たりを設け、大当たりとなった場合と同様の態様で第1特定入賞口65aを開放させるように制御することにより、「通常モード」から他の状態へと移行するチャンスが実際よりも多いように感じさせることができる。つまり、小当たり、または大当たりとなり、第1特定入賞口65aの開放動作が実行される度に、良い状態への移行を期待させることができるので、遊技者にとって最も不利な「通常モード」が長く続いたとしても、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、例えば、特別図柄2の抽選により外れとなった場合の一部で、第2特定入賞口65aを所定期間(30秒が経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放されるように構成してもよい。上述した通り、「連荘モード1」において大当たりとなった場合の一部で、より有利な状態である「連荘モード2」へと移行させることができる。つまり、「連荘モード1」において「通常大当たりF」となることで、「連荘モード2」へと移行させることができるので、大当たりになり、特定入賞口650aの開放動作が実行されることにより、「連荘モード2」へと移行することに対する期待感を与えることができる。これに加えて、小当たりを設け、大当たりとなった場合と同一の態様で第2特定入賞口650aを開放させるように制御することにより、「連荘モード1」から「連荘モード2」へと移行するチャンスが実際よりも多いように感じさせることができる。つまり、小当たり、または大当たりとなり、第2特定入賞口650aの開放動作が実行される度に、良い状態への移行を期待させることができるので、「連荘モード1」における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、小当たりを設ける構成とすることにより、第2入球口650aへと球を入球させ、賞球を獲得することが可能となるので、各「連荘モード」(「連荘モード1」、および「連荘モード2」)を更に有利な状態とすることができる。
また、本実施形態では、「連荘モード2」において「確変大当たりL」となり、大当たり後に100回の「連荘モード1」が付与された場合において、少ない変動回数(例えば、10回)で大当たりとなってしまうと、大当たり後に30回の時短期間が付与される可能性が高い(「通常大当たりF」や「確変大当たりL」となる可能性が高い)ため、時短期間が減ってしまったかのように感じさせてしまう虞がある。つまり、少ない時短回数で大当たりとなった場合に、遊技者をがっかりさせてしまう場合がある。これに対して、小当たりを設ける構成としておけば、小当たりにより第2特定入賞口650aが開放されても残りの時短回数が変化しないので、遊技者を喜ばせることができる。よって、第2特定入賞口650aが開放されるタイミングが、少ない変動回数であるか、時短期間の終了間際であるかによって、小当たりを期待させたり、大当たりを期待させたりすることができるので、「連荘モード」における遊技が単調となることを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、「連荘モード1」を確変時短状態、「連荘モード2」を非確変時短状態とし、「連荘モード1」から「連荘モード2」へは、転落に対応する抽選結果となった場合や、「通常大当たりE,F」となった場合に移行するように構成されていた。また、「連荘モード2」から「連荘モード1」へは、「確変大当たりI,J」となった場合に移行するように構成されていた。即ち、「連荘モード」間を大当たりや転落により行き来するように構成されていたが、各モード(「通常モード」、「準備モード」、「連荘モード1」、「連荘モード2」)と遊技状態(確変非時短状態、非確変非時短状態、確変時短状態、非確変時短状態)との対応関係は任意に定めてもよい。例えば、「通常モード」(大当たりで賞球が得難く、且つ、連荘モードに移行し難い状態)を確変非時短状態、「準備モード」(大当たりで賞球を得難く、且つ、連荘モードに移行し易い状態)を確変時短状態、「連荘モード1」(大当たりで賞球を得易い状態)を非確変非時短状態、「連荘モード2」(大当たりで賞球を得易く、且つ、連荘モード1よりも有利な状態)を非確変時短状態とし、「準備モード」と「連荘モード2」との間を大当たりや転落で行き来するように構成してもよい。これにより、転落による状態移行をすることに対する遊技者の期待感をより高めることができる。即ち、上記第3実施形態では、「連荘モード1」の終了間際(時短期間の終了間際)に転落に対応する抽選結果となった場合には遊技者にとってメリットがあまりなかった。残された少ない時短期間で大当たりとならなければ、「連荘モード2」は終了してしまうため、「連荘モード2」の恩恵を何ら受けずに時短期間を抜けてしまう可能性が高いからである。これに対し、「準備モード」から「連荘モード2」へと転落で移行するように構成しておけば、その後に時短期間を抜けたとしても、「準備モード」より有利な「連荘モード1」へと移行するので、「準備モード」において、残りの時短期間に拘わらず、転落に対応する抽選結果となることにで遊技者を喜ばせることができる。なお、「通常モード」(確変非時短状態)を最も不利な状態、「連荘モード2」(非確変非時短状態)を最も有利な状態とするためには、例えば、「通常モード」における転落確率を「準備モード」における転落確率よりも低くなる(例えば、1/60→1/200)ように構成してもよい。そして、「通常モード」における大当たり種別の振り分けとして、大当たり後に確変時短状態が付与される大当たり種別が選択される割合を高くし、「準備モード」における大当たり種別の振り分けとして、大当たり後にいずれかの非確変状態(非確変時短状態、非確変非時短状態)が付与される大当たりが選択される割合を高くしてもよい。
本実施形態では、特別図柄の確変状態において、転落に対応する抽選結果となるか、「通常大当たりE,F」とならなければ特別図柄の低確率状態へと移行しないように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の低確率状態へと移行せずに、確変大当たりが所定回数(例えば、15回)連続した場合には、15回目の確変大当たりが終了した後で特別図柄の低確率状態へと移行するように構成してもよい。「通常モード」において「確変大当たりI,K」に連続して当選した場合(「通常モード」をループした場合)にも、所定回数に対する残り回数が少なくなった(「準備モード」が近づいた)と感じさせることができるので、不利なモードをループしたことに対する落胆を軽減することができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。同様に、「連荘モード1」において「確変大当たりL,M」に連続して当選した場合(「連荘モード1」をループした場合)にも、所定回数に対する残り回数が少なくなった(「連荘モード2」が近づいた)と感じさせることができるので、「連荘モード1」における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記各実施形態では、特別図柄の確変状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、大当たりとなる確率を1/30とし、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりとなる確率を1/37.5としていたが、これに限られるものではなく、大当たりとなる確率は任意に定めてもよい。例えば、特別図柄の低確率状態において大当たりとなる確率を1/60としてもよい。これにより、「準備モード」や「連荘モード2」において大当たりになりにくくすることができるので、パチンコ機10の出玉性能が高くなりすぎてしまうことを抑制できる。また、大当たりとなる確率を下げた上で、「連荘モード2」において付与される特別図柄の時短回数や、特別図柄2の抽選において大当たりとなった場合に獲得可能な賞球数(大当たりのラウンド数)を増加させてもよい。特別図柄の低確率状態において大当たり確率を下げる代わりに、「連荘モード」における特典を増加させることによって、「連荘モード」とそれ以外のモード(「通常モード」や「準備モード」)とのメリハリをより強くつけることができる。よって、遊技者に対して、「連荘モード」へと移行することをより強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記した各実施形態の全部または一部をそれぞれ組み合わせても良い。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(転落抽選により不利な確変状態から有利な通常状態へ転落させる)
判定条件の成立に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、その特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、遊技者が獲得可能な特典が少ない第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも多くの特典を獲得可能な第2特典遊技とを少なくとも設定可能な特典設定手段と、所定条件の成立に基づいて前記特定の判定結果となる確率が所定確率となる第1判定状態と、前記特定の判定結果となる確率が前記所定確率よりも低い第2判定状態とに少なくとも設定可能な判定状態設定手段と、前記第1判定状態が設定されている場合に、前記特典設定手段により所定の割合で前記第2特典遊技に設定される第1状態を設定可能であり、前記第2判定状態が設定されている場合に、前記特典設定手段により前記第2特典遊技に設定される割合が前記所定の割合よりも高い第2状態を設定可能な設定手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、当たり状態が通常の確率で抽選される通常状態と、当たり状態が通常状態よりも高い確率で抽選される確率変動状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり状態の終了を契機に通常状態が設定された場合に、確率変動状態よりも低い抽選確率で当たり状態が抽選される不利な状態が、少なくとも次に当たり状態となるまで続いてしまうため、通常状態となった場合に遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができないという問題点があった。
また、かかる従来型の遊技機の中には、大当たり判定において所定回数連続して外れと判定された場合に、遊技状態を遊技者に有利な状態へ移行させる機能(即ち、天井機能)を備えたものがある(例えば、特開平10−165628号公報)。この種の遊技機では、連続して外れと判定された回数が所定回数に達すると(天井に到達すると)、大当たりと判定される確率が通常よりも高くなる有利な状態に設定されるように構成されている。よって、外れが連続する程に有利な状態に近付くという斬新な遊技性により遊技者の興趣向上が図られていた。
しかしながら、この従来型の遊技機では、所定回数に達するまでは不利な状態が継続するので、所定回数に到達するまでの残り回数が多い状態では、遊技者の遊技意欲が低下してしまう場合があった。
これに対して遊技機A1は、判定条件の成立に基づいて判定手段により判定が実行され、その判定手段による判定結果が特定の判定結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、遊技者が獲得可能な特典が少ない第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも多くの特典を獲得可能な第2特典遊技とが少なくとも特典設定手段により設定される。所定条件の成立に基づいて特定の判定結果となる確率が所定確率となる第1判定状態と、特定の判定結果となる確率が所定確率よりも低い第2判定状態とに少なくとも判定状態設定手段により設定される。第1判定状態が設定されている場合に、特典設定手段により所定の割合で第2特典遊技に設定される第1状態が設定手段に設定され、第2判定状態が設定されている場合に、特典設定手段により第2特典遊技に設定される割合が所定の割合よりも高い第2状態が設定手段により設定される。
これにより、第1判定状態では、第2判定状態に比較して、特定の判定結果となる確率が高い点で有利となるが、特典が少ない第1特典遊技が付与される割合が高くなる点で不利となる。一方で、第2判定状態では、第1判定状態に比較して、特定の判定結果となる確率が低い点で不利となるが、多くの特典を獲得可能な第2特典遊技が付与される割合が高くなる点で有利となる。つまり、有利な面と不利な面とが互いに異なる第1判定状態と第2判定状態とが判定状態設定手段により設定されるので、遊技者の趣向に合った状態に設定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第1判定状態が設定されている場合に、前記特典遊技の終了とは異なる所定の契機で前記第2判定状態に変更可能な判定状態変更手段を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1判定状態が設定されている場合に、判定状態変更手段により特典遊技の終了とは異なる所定の契機で第2判定状態に変更されるので、第2判定状態に変更されたか否かを遊技者に認識しにくくすることができる。よって、遊技者に対して現在が第1判定状態であるか、第2判定状態であるかを予測させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において、識別情報を表示する表示手段と、前記判定手段による判定結果を示す前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、前記第1判定状態において、前記判定条件が成立してから、その判定条件に基づいて実行される前記判定手段による判定結果を示す前記識別情報の動的表示が開始されるまでに所定の判定を実行する所定判定手段と、を備え、前記判定状態変更手段は、前記第1判定状態において前記所定判定手段による判定結果が所定の判定結果となることを契機として、前記第2判定状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報が表示手段に表示される。そして、判定手段による判定結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。第2判定状態において、判定条件が成立してから、その判定条件に基づいて実行される判定手段による判定結果を示す識別情報の動的表示が開始されるまでに、所定判定手段により所定の判定が実行される。第1判定状態において、所定判定手段による判定結果が所定の判定結果となることを契機として、判定状態変更手段により第2判定状態が設定される。
これにより、判定条件が成立する度に、第2特典遊技が付与される割合が高い第2判定状態へと移行することを期待させることができる。よって、識別情報の動的表示が実行される度に、遊技者に対して判定手段による判定結果と、所定判定手段による判定結果とに注目させることができるので、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A3において、前記判定状態変更手段は、前記識別情報の動的表示が開始されるよりも前に前記第2判定状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、識別情報の動的表示が開始されるよりも前に判定状態変更手段により第2判定状態が設定されるので、所定判定手段による判定結果を加味して識別情報の動的表示を実行することができるという効果がある。
遊技機A3又はA4において、取得条件の成立に基づいて情報を取得する情報取得手段を備え、前記判定手段は、前記情報取得手段により取得された前記情報を用いて判定を実行するものであり、前記所定判定手段は、前記取得手段により取得された前記情報を用いて前記所定の判定を実行するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得条件の成立に基づいて情報取得手段により情報が取得され、その情報取得手段により取得された情報を用いて判定手段により判定が実行される。取得手段により取得された情報を用いて所定判定手段により所定の判定が実行される。
これにより、判定手段による判定と、所定判定手段による所定の判定とを同一の情報を用いて実行することができるので、情報取得手段により情報の取得を行う際の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機A3からA5のいずれかにおいて、前記所定判定手段により前記所定の判定結果となる場合に、前記第2状態となることを報知するための特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A3からA5のいずれかが奏する効果に加え、所定判定手段により所定の判定結果となる場合に、第2状態となることを報知するための特定演出が特定演出実行手段により実行されるので、第2判定状態となったことを遊技者に対して容易に認識させることができるという効果がある。
遊技機A6において、前記特定演出実行手段は、前記所定の判定結果となる前記情報を用いて前記判定手段により実行された判定の結果を示す前記識別情報の動的表示の実行期間外において前記特定演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、所定の判定結果となる情報を用いて判定手段により実行された判定の結果を示す識別情報の動的表示の実行期間外において特定演出実行手段により特定演出が実行されるので、所定の判定結果となった場合に、その所定の判定結果となる情報に対応する識別情報の動的表示の実行期間に関係なく特定演出を実行することができる。よって、特定演出の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機A7において、前記情報取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記所定判定手段による前記所定の判定が実行されるよりも前に前記情報の判定を実行可能な事前判定手段を備え、前記特定演出実行手段は、前記事前判定手段による判定結果が前記所定の判定結果となることに基づいて前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報取得手段により取得された情報に基づいて、所定判定手段による所定の判定が実行されるよりも前に情報の判定が事前判定手段により実行され、その事前判定手段による判定結果が所定の判定結果となることに基づいて特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、実際に第2判定状態になるよりも前であっても、事前判定手段により所定の判定結果となれば特定演出を実行することができるので、より早く第2判定状態となることを遊技者に認識させることができるという効果がある。
遊技機A6からA8のいずれかにおいて、前記情報取得手段により取得された前記情報を、その情報に基づく前記所定の判定が実行されるまでの間、所定数を上限として記憶する記憶手段と、その記憶手段に前記所定の判定結果となる前記情報が記憶されているか否かを判別する所定判別手段と、その所定判別手段により前記特定の判定結果となる前記情報が記憶されていると判別されたことに基づいて、前記記憶手段に記憶された前記情報の中から前記特定演出の実行に用いる1又は複数の前記情報を選択する選択手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記選択手段により選択された前記情報を用いた前記判定手段による判定の判定結果を示す前記識別情報の動的表示において前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A6からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報取得手段により取得された情報が、その情報に基づく所定の判定が実行されるまでの間、所定数を上限として記憶手段に記憶され、その記憶手段により所定の判定結果となる情報が記憶されているか否かが所定判別手段により判別される。所定判別手段により特定の判定結果となる情報が記憶されていると判別されたことに基づいて、記憶手段に記憶された情報の中から特定演出の実行に用いる1又は複数の情報が選択手段により選択される。選択手段により選択された情報を用いた判定手段による判定の判定結果を示す識別情報の動的表示において特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、1の識別情報の動的表示に対して特定演出を実行したり、複数の識別情報の動的表示に渡る特定演出に対して特定演出を実行したりすることができる。よって、特定演出の自由度をより高めることができるという効果がある。
遊技機A9において、前記所定判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も先に取得された前記情報に基づいて前記所定の判定を実行するものであり、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も後に取得された前記情報を少なくとも選択するものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された情報のうち最も先に取得された情報に基づいて所定判定手段により所定の判定が実行される。記憶手段に記憶された情報のうち最も後に取得された情報が選択手段により少なくとも選択される。
これにより、より遅く実行される識別情報の動的表示に対しても特定演出を実行することができるので、遊技者の第2判定状態へと移行することに対する期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機A9又はA10において、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報を全て選択するものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A9又はA10の奏する効果に加え、記憶手段に記憶された情報が全て選択手段により選択されるので、その全ての情報に基づいて実行される識別情報の動的表示に渡って特定演出を実行することができる。よって、より多くの識別情報の動的表示に渡る特定演出を実行することができるので、特定演出の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機A11において、前記所定判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も先に取得された前記情報に基づいて前記所定の判定を実行するものであり、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も先に取得された前記情報を選択するものであることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された情報のうち最も先に取得された情報に基づいて所定判定手段により所定の判定が実行される。記憶手段に記憶された情報のうち最も先に取得された情報が選択手段により選択される。
これにより、所定の判定結果となる情報が記憶手段のうち最も先に取得された情報でなかった場合にも、最も先に取得された情報に基づいて実行される識別情報の動的表示に対して特定演出を実行することができる。つまり、実際に所定の判定結果となる前に、予め特定演出により第2判定状態となったことを報知することができるので、遊技者に対して、第2判定状態がより長く続いているように感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な特定入球手段と、その特定入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定入球手段に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段が前記第1位置に可変し難い第1可変状態と、その第1可変状態に比較して前記第1位置に可変し易い第2可変状態とに少なくとも設定可能な可変設定手段と、を備え、前記特典設定手段は、前記第2特典遊技における特典として少なくとも前記可変設定手段により前記第2可変状態が設定されるように制御するものであることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A1からA12のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも特定入球手段に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段が可変される。可変手段が第1位置に可変され難い第1可変状態と、その第1可変状態に比較して第1位置に可変し易い第2可変状態とに少なくとも可変手段が可変設定手段により設定される。第2特典遊技における特典として少なくとも可変設定手段により第2可変状態が設定されるように特典設定手段により制御される。
これにより、第2特典遊技となることにより、遊技球が特定入球手段へと入球しやすくなるので、遊技者にとって有利な状態とすることができる。よって、第2特典遊技となりやすい第2判定状態となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A13において、前記特典設定手段は、前記第2可変状態において前記特定の判定結果となったことに基づいて前記第2特典遊技に比較して遊技者が獲得可能な特典が多い第3特典遊技を設定可能なものであり、前記第3特典遊技は、特典として少なくとも前記第2可変状態が設定されるものであることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2可変状態において特定の判定結果となったことに基づいて第2特典遊技に比較して遊技者が獲得可能な特典が多い第3特典遊技が特典設定手段により設定される。第3特典遊技になることで、特典として少なくとも第2可変状態が設定される。
これにより、第2可変状態において特定の判定結果となれば、再度第2可変状態となり易いため、一旦第2可変状態となることにより、第2特典遊技と第2可変状態とが連続する可能性が高くなる。つまり、第2可変状態をより有利な状態とすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A14において、遊技球が入球可能な所定入球手段と、その所定入球手段への遊技球の入球を検出する所定入球検出手段と、前記特定入球手段への遊技球の入球を検出する特定入球検出手段と、を備え、前記判定手段は、前記所定入球検出手段または前記特定入球検出手段により遊技球の入球が検出されたことに基づいて判定を実行可能なものであり、前記特典設定手段は、前記特定入球検出手段により遊技球の入球が検出されたことに基づく判定の判定結果が前記特定の判定結果となった場合に前記第3特典遊技を設定可能なものであり、前記第3特典遊技は、前記第2特典遊技に比較して遊技者が多くの賞球を獲得可能なものであることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定入球手段への遊技球の入球が所定入球検出手段により検出され、特定入球手段への遊技球の入球が特定入球検出手段により検出される。そして、所定入球検出手段または特定入球検出手段により遊技球の入球が検出されたことに基づいて判定手段により判定が実行される。特定入球検出手段により遊技球の入球が検出されたことに基づく判定の判定結果が特定の判定結果となった場合に特典設定手段により第3特典遊技が設定される。第3特典遊技になると、第2特典遊技に比較して多くの遊技球が獲得可能とされる。
これにより、第2可変状態において、遊技者により多くの特典を獲得させることができる。よって、第2可変状態となることをより期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A15において、前記第1可変状態において前記特定入球検出手段により遊技球の入球が検出されたことに基づく判定の判定結果が前記特定の判定結果となった場合に、前記可変設定手段により前記第2可変状態が設定されることを回避する回避手段を備えることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、遊技機A15の奏する効果に加え、第1可変状態において特定入球検出手段により遊技球の入球が検出されたことに基づく判定の判定結果が特定の判定結果となった場合に、可変設定手段により第2可変状態が設定されることが回避手段により回避されるので、第2可変状態をより有利な状態とすることができる。よって、遊技者の第2可変状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記判定状態設定手段は、前記判定手段による判定結果が前記特定の判定結果となったことに基づいて前記第1判定状態と前記第2判定状態とのうちいずれかを設定するものであることを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、遊技機A1からA16のいずれかが奏する効果に加え、判定手段による判定結果が特定の判定結果となったことに基づいて第1判定状態と第2判定状態とのうちいずれかが判定状態設定手段により設定されるので、特定の判定結果となる毎に、遊技者の趣向に合った判定状態に設定されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記判定状態設定手段により前記第1判定状態が設定されてから前記判定手段により特定回数の判定が実行されたか否かを判別する判定回数判別手段を備え、前記判定状態設定手段は、前記判定回数判別手段により前記特定回数の判定が実行されたと判別されたことに基づいて前記第2判定状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A18。
遊技機A18によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定状態設定手段により第1判定状態が設定されてから判定手段により特定回数の判定が実行されたか否かが判定回数判別手段により判別される。判定回数判別手段により特定回数の判定が実行されたと判別されたことに基づいて判定状態設定手段により第2判定状態が設定される。
これにより、第1判定状態が設定されてからの判定手段による判定回数に着目して遊技を行わせる斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
<特徴B群>(連荘モードのランクアップ)
判定条件の成立に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了を契機に、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態を変更するか否か判定可能な変更判定手段と、その変更判定手段により遊技状態を変更すると判定されたことに基づいて、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に遊技状態を変更する遊技状態変更手段とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、当たり状態が通常の確率で抽選される通常状態と、当たり状態が通常状態よりも高い確率で抽選される確率変動状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、通常状態、および確率変動状態のいずれにおいても、当たり状態とならなければ状態が可変することがなかったため、通常状態、および確率変動状態のいずれが設定されたとしても、当たり状態となるまで同じ状態で遊技を行う必要があった。よって、遊技が単調となってしまう虞があった。
また、かかる従来型の遊技機の中には、確率変動状態となる抽選回数を所定回数に限っているものがある。この種の遊技機では、確率変動状態となってから所定回数の抽選内で当たり状態にならなかった場合に、当たり状態を介さずに通常状態に変更されるので、所定回数以内で実行される抽選結果に対してより注目させることができていた。しかし、所定回数を経過してしまうと、次の当たり状態となるまで延々と不利な通常状態で遊技を行わなければならないため、所定回数を経過した後において遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまう虞があった。
これに対して遊技機B1では、判定条件の成立に基づいて判定手段により判定が実行され、その判定手段による判定結果が特定の判定結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技の終了を契機に、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態が遊技状態設定手段により設定される。遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定されている場合に、特典遊技の終了を契機としないで、変更判定手段により遊技状態を変更するか否かが判定され、その変更判定手段により遊技状態を変更すると判定されたことに基づいて、遊技状態変更手段により第1遊技状態から第2遊技状態に変更される。
これにより、第1遊技状態となった場合にも、より有利な第2遊技状態となることを期待して遊技者に遊技を行わせることができるので、第1遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記変更判定手段は、所定の確率に基づいて遊技状態を変更すると判定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、所定の確率に基づいて変更判定手段により遊技状態を変更すると判定されるので、変更判定手段による判定が実行される度に第2遊技状態へと変更されることを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記遊技状態変更手段により前記第2遊技状態に変更された場合に、前記特典遊技状態の終了を契機として遊技状態を前記第1遊技状態に変更することが可能な特定状態変更手段を備えることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、遊技状態変更手段により第2遊技状態に変更された場合に、特典遊技状態の終了を契機として特定状態変更手段により第1遊技状態に変更されるので、第1遊技状態に変更された後で、再度変更判定手段により第2遊技状態へと変更されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、遊技状態に応じた所定の割合で前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態とのうちどちらか一方を設定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、遊技状態に応じた所定の割合で第1遊技状態と、第2遊技状態とのうちどちらか一方が遊技状態設定手段により設定されるので、第2遊技状態に設定される割合が高い遊技状態となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機B4において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と第2遊技状態とのどちらも設定しない場合に、前記所定の割合が第1の割合となる遊技状態と、前記所定の割合が前記第1の割合よりも低い第2の割合となる遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態のうち1の遊技状態に設定可能なものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により第1遊技状態と第2遊技状態とのどちらも設定されない場合に、所定の割合が第1の割合となる遊技状態と、所定の割合が第1の割合よりも低い第2の割合となる遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態のうち1の遊技状態に、遊技状態設定手段により設定されるので、所定の割合が第1の割合となる遊技状態に設定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態に比較して前記判定手段により実行される判定の判定結果が前記特定の判定結果となる確率が高い状態であることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかが奏する効果に加え、第1遊技状態において特定の判定結果となる確率は、第2遊技状態に比較して高くなるように構成されているので、特定の判定結果に関しては、第1遊技状態の方が第2遊技状態よりも有利とすることができる。よって、第1遊技状態に対する遊技者の期待感を高めることができるという効果がある。
遊技機B6において、前記変更判定手段は、前記特定の判定結果となる確率が高い遊技状態から低い遊技状態に変更するか否かを判定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、特定の判定結果となる確率が高い遊技状態から低い遊技状態に変更するか否かが変更判定手段により判定されるので、特定の判定結果となる確率が高い状態へと移行させるために、特典遊技状態となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴C群>(連荘モード中に当たりと転落とでモード移行)
判定条件の成立に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる遊技者に有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、少なくとも前記第1遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技の終了を契機として遊技状態を前記第2遊技状態に変更可能な第1変更手段と、少なくとも前記第1遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技の終了とは異なる所定の契機で前記第2遊技状態に変更可能な第2変更手段とを備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、当たり状態が通常の確率で抽選される通常状態と、当たり状態が通常状態よりも高い確率で抽選される確率変動状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、通常状態、および確率変動状態のいずれにおいても、当たり状態とならなければ状態が可変することがなかったため、通常状態、および確率変動状態のいずれが設定されたとしても、当たり状態となるまで同じ状態で遊技を行う必要があった。よって、遊技が単調となってしまう虞があった。
また、かかる従来型の遊技機の中には、確率変動状態となる抽選回数を所定回数に限っているものがある。この種の遊技機では、確率変動状態となってから所定回数の抽選内で当たり状態にならなかった場合に、当たり状態を介さずに通常状態に変更されるので、所定回数以内で実行される抽選結果に対してより注目させることができていた。しかし、所定回数を経過してしまうと、次の当たり状態となるまで延々と不利な通常状態で遊技を行わなければならないため、所定回数を経過した後において遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまう虞があった。
これに対して遊技機C1では、判定条件の成立に基づいて判定手段により判定が実行され、その判定手段による判定結果が特定の判定結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から、遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。少なくとも第1遊技状態が設定されている場合に、特典遊技の終了を契機として第1変更手段により第2遊技状態に変更される。また、少なくとも第1遊技状態が設定されている場合に、特典遊技の終了とは異なる所定の契機で第2変更手段により第2遊技状態に変更される。
これにより、異なる複数の契機で第1遊技状態から第2遊技状態に変更されるので、第2遊技状態へと変更される機会を増加させることができる。よって、遊技者の第1遊技状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技機C1において、所定の確率に基づいて遊技状態を変更するか否か判定する所定判定手段を備え、前記第2変更手段は、前記所定判定手段により遊技状態を変更すると判定されたことを契機として、前記第2遊技状態に変更するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の確率に基づいて所定判定手段により遊技状態を変更するか否かが判定され、その所定判定手段により遊技状態を変更すると判定されたことを契機として、第2変更手段により第2遊技状態に変更される。
これにより、所定判定手段による判定が実行される度に第2遊技状態へと変更されることを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記第2変更手段は、前記第2遊技状態が設定されている場合に遊技状態の変更を行わないものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、第2遊技状態が設定されている場合に第2変更手段による遊技状態の変更が行われないので、第2遊技状態から第1遊技状態へと変更される場合に比較して、第1遊技状態から第2遊技状態へと変更されやすくすることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記第1変更手段は、前記第2変更手段により変更された前記第2遊技状態を、前記特典遊技の終了を契機として前記第1遊技状態に変更可能なものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、第2変更手段により変更された第2遊技状態が、特典遊技の終了を契機として第1変更手段により第1遊技状態に変更されるので、第2遊技状態において、特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、第2遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記特典遊技の終了後において、前記特定の判定結果以外の判定結果である外れ判定結果の連続回数を計数する計数手段と、前記第1遊技状態において前記計数手段により計数された前記外れ判定結果の連続回数が所定回数となったか否かを判定する所定回数判定手段と、その所定回数判定手段により前記所定回数になったと判定された場合に、遊技状態を前記第1遊技状態から、その第1遊技状態よりも不利な第3遊技状態へと変更する第3変更手段とを備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の終了後において、特定の判定結果以外の判定結果である外れ判定結果の連続回数が計数手段により計数される。第1遊技状態において計数手段により計数された外れ判定結果の連続回数が所定回数となったか否かが所定回数判定手段により判定され、その所定回数判定手段により所定回数になったと判定された場合に、第3変更手段により遊技状態が第1遊技状態よりも不利な第3遊技状態へと変更される。
これにより、第1遊技状態において、外れ判定結果が所定回数連続する前に特定の判定結果となるか、若しくは、第2遊技状態へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。よって、第1遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C5において、前記第2遊技状態において前記計数手段により計数された前記外れ判定結果の連続回数が特定回数となったか否かを判定する特定回数判定手段と、その特定回数判定手段により前記特定回数になったと判定された場合に、遊技状態を前記第2遊技状態から、前記第3遊技状態よりも有利で前記第1遊技状態よりも不利な第4遊技状態に変更する第4変更手段とを備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において計数手段により計数された外れ判定結果の連続回数が特定回数となったか否かが特定回数判定手段により判定され、その特定回数判定手段により特定回数になったと判定された場合に、遊技状態が第4変更手段により第2遊技状態から第4遊技状態へと変更される。
これにより、外れ判定結果が特定回数連続する前に第1遊技状態へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。よって、第2遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C6において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の終了を契機として前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態との少なくとも一方を遊技状態に応じた所定の割合で設定可能なものであり、前記第3遊技状態に応じた前記所定の割合は、前記第4遊技状態に応じた前記所定の割合よりも低いものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の終了を契機として第1遊技状態と、第2遊技状態との少なくとも一方が遊技状態設定手段により遊技状態に応じた所定の割合で設定される。第3遊技状態に応じた所定の割合は、第4遊技状態に応じた所定の割合よりも低くなる。
これにより、第3遊技状態において特典遊技状態が終了するよりも、第4遊技状態において特典遊技が終了した場合に遊技者に有利な第1遊技状態、若しくは第2遊技状態に設定されやすくなる。よって、特典遊技が終了したことを契機に遊技者に有利な第1遊技状態、若しくは第2遊技状態が設定されなかった場合は、第4遊技状態となることを期待して遊技を行わせることができる。
<特徴D群>(転落抽選の結果を異なる変動で報知)
識別情報を表示する表示手段と、取得条件の成立に基づいて情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報に基づいて第1の判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段により前記第1の判定が実行されることに基づいて、その判定結果を示す前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、前記第1判定手段による判定の結果が特定の判定結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、その特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、遊技者が獲得可能な特典が少ない第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも多くの特典を獲得可能な第2特典遊技とを少なくとも設定可能な特典設定手段と、前記情報取得手段により取得された前記情報に基づいて第2の判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段による判定の結果が所定の判定結果となったことに基づいて、前記特典設定手段により前記第1特典遊技に比較して前記第2特典遊技が設定される割合の高い多特典状態に設定する多特典状態設定手段と、前記第2判定手段により前記所定の判定結果となる場合に、その所定の判定結果となる前記第2の判定に用いられる前記情報に対応する前記識別情報の動的表示の実行期間外において、前記多特典状態を報知するための特定演出を実行可能な演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、当たり状態が通常の確率で抽選される通常状態と、当たり状態が通常状態よりも高い確率で抽選される確率変動状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、通常状態、および確率変動状態のいずれにおいても、当たり状態とならなければ状態が可変することがなかったため、通常状態、および確率変動状態のいずれが設定されたとしても、当たり状態となるまで同じ状態で遊技を行う必要があった。よって、遊技が単調となってしまう虞があった。
また、かかる従来型の遊技機の中には、確率変動状態となる抽選回数を所定回数に限っているものがある。この種の遊技機では、確率変動状態となってから所定回数の抽選内で当たり状態にならなかった場合に、当たり状態を介さずに通常状態に変更されるので、所定回数以内で実行される抽選結果に対してより注目させることができていた。しかし、所定回数を経過してしまうと、次の当たり状態となるまで延々と不利な通常状態で遊技を行わなければならないため、所定回数を経過した後において遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまう虞があった。
これに対して遊技機D1によれば、識別情報が表示手段に表示される。取得条件の成立に基づいて情報取得手段により情報が取得され、その情報取得手段により取得された情報に基づいて第1判定手段により第1の判定が実行される。第1判定手段により第1の判定が実行されることに基づいて、その判定結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。第1判定手段による判定の結果が特定の判定結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技付与手段により付与され、その特典遊技付与手段によって付与される特典遊技として、遊技者が獲得可能な特典が少ない第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも多くの特典を獲得可能な第2特典遊技とが少なくとも特典設定手段により設定される。情報取得手段により取得された情報に基づいて第2判定手段により第2の判定が実行され、その第2判定手段による判定の結果が所定の判定結果となったことに基づいて、第1特典遊技に比較して、特典遊技設定手段により第2特典遊技が設定される割合が高い多特典状態に多特典状態設定手段により設定される。第2判定手段により所定の判定結果となる場合に、その所定の判定結果となる第2の判定に用いられる情報に対応する識別情報の動的表示の実行期間外において、多特典状態を報知するための特定演出が演出実行手段により実行される。
これにより、特定演出を確認した遊技者に対して、多特典状態となったことを認識させることができる。よって、特定演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記情報取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記第2判定手段による前記第2の判定が実行されるよりも前に前記情報の判定を実行可能な情報判定手段を備え、前記演出実行手段は、前記情報判定手段による判定結果が前記所定の判定結果となることに基づいて前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報取得手段により取得された情報に基づいて、第2判定手段による第2の判定が実行されるよりも前に情報の判定が情報判定手段により実行され、その情報判定手段による判定結果が所定の判定結果となることに基づいて特定演出が実行される。
これにより、実際に多特典状態になるよりも前であっても、情報判定手段により所定の判定結果となれば特定演出を実行することができるので、より早く多特典状態となることを遊技者に認識させることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記情報取得手段により取得された前記情報を、その情報に基づく前記第2の判定が実行されるまでの間、所定数を上限として記憶する記憶手段と、その記憶手段に前記所定の判定結果となる前記情報が記憶されているか否かを判別する所定判別手段と、その所定判別手段により前記特定の抽選結果となる前記情報が記憶されていると判別されたことに基づいて、前記記憶手段に記憶された前記情報の中から前記特定演出の実行に用いる1又は複数の前記情報を選択する選択手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記選択手段により選択された前記情報を用いた前記第1の判定に対応する前記識別情報の動的表示において前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報取得手段により取得された情報が、その情報に基づく第2の判定が実行されるまでの間、所定数を上限として記憶手段により記憶される。記憶手段に所定の判定結果となる情報が記憶されているか否かが所定判別手段により判別され、その所定判別手段により特定の抽選結果となる情報が記憶されていると判別されたことに基づいて、記憶手段に記憶された情報の中から選択手段により特定演出の実行に用いる1又は複数の情報が選択される。選択手段により選択された情報を用いた第1の判定に対応する識別情報の動的表示において特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、1の識別情報の動的表示に対して特定演出を実行したり、複数の識別情報の動的表示に渡る特定演出に対して特定演出を実行したりすることができる。よって、特定演出の自由度をより高めることができるという効果がある。
遊技機D3において、前記第2判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も先に取得された前記情報に基づいて前記第2の判定を実行するものであり、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も後に取得された前記情報を少なくとも選択するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された情報のうち最も先に取得された情報に基づいて第2判定手段により第2の判定が実行される。記憶手段に記憶された情報のうち最も後に取得された情報が選択手段により少なくとも選択される。
これにより、より遅く実行される識別情報の動的表示に対しても特定演出を実行することができるので、遊技者の多特典状態が設定されることに対する期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機D3又はD4のいずれかにおいて、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報を全て選択するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3又はD4の奏する効果に加え、記憶手段に記憶された全ての情報が選択手段より選択されるので、その全ての情報に基づいて実行される識別情報の動的表示に渡って特定演出を実行することができる。よって、より多くの識別情報の動的表示に渡る特定演出を実行することができるので、特定演出の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機D3において、前記第2判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も先に取得された前記情報に基づいて第2の判定を実行するものであり、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も先に取得された前記情報を選択するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された情報のうち最も先に取得された情報に基づいて第2判定手段により第2の判定が実行される。また、記憶手段に記憶された情報のうち最も先に取得された情報に基が選択手段により選択される。
これにより、所定の判定結果となる情報が記憶手段のうち最も先に取得された情報でなかった場合にも、最も先に取得された情報に基づいて実行される識別情報の動的表示に対して特定演出を実行することができる。つまり、実際に所定の判定結果となる前に、予め特定演出により多特典状態となったことを報知することができるので、遊技者に対して、有利な多特典状態がより長く続いているように感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴E群>(連荘モード中のランクアップ演出)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果となることに基づいて遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、その特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、遊技者が獲得可能な特典の少ない第1特典遊技と、その第1特典遊技に比較して遊技者が獲得可能な特典の多い第2特典遊技とを少なくとも設定可能な特典設定手段と、前記入球手段に対して遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置に比較して遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変する可変手段と、その可変手段の状態を、前記第1位置に可変し易い第1可変状態と、その第1可変状態に比較して前記第1位置に可変し難い第2可変状態とに少なくとも設定可能な可変設定手段と、前記第1可変状態において、前記特定の判定結果となった場合に前記第2特典遊技が付与され難い第1状態と、その第1状態に比較して前記第2特典遊技が付与され易い第2状態とに少なくとも設定可能な状態設定手段と、その状態設定手段により前記第2状態が設定される場合に、その第2状態を示唆するための特定演出を実行する特定演出実行手段とを備え、前記状態設定手段は、前記第1状態において所定条件が成立することに基づいて前記第2状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、当たり状態が通常の確率で抽選される通常状態と、当たり状態が通常状態よりも高い確率で抽選される確率変動状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、通常状態、および確率変動状態のいずれにおいても、当たり状態とならなければ状態が可変することがなかったため、通常状態、および確率変動状態のいずれが設定されたとしても、当たり状態となるまで同じ状態で遊技を行う必要があった。よって、遊技が単調となってしまう虞があった。
また、かかる従来型の遊技機の中には、確率変動状態となる抽選回数を所定回数に限っているものがある。この種の遊技機では、確率変動状態となってから所定回数の抽選内で当たり状態にならなかった場合に、当たり状態を介さずに通常状態に変更されるので、所定回数以内で実行される抽選結果に対してより注目させることができていた。しかし、所定回数を経過してしまうと、次の当たり状態となるまで延々と不利な通常状態で遊技を行わなければならないため、所定回数を経過した後において遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまう虞があった。
これに対して遊技機E1では、入球手段へと球が入球したことに基づいて情報取得手段により情報が取得され、その情報取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が実行される。判定手段による判定結果が特定の判定結果となることに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技付与手段により付与され、その特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、遊技者が獲得可能な特典の少ない第1特典遊技と、その第1特典遊技に比較して遊技者が獲得可能な特典の多い第2特典遊技とが特典設定手段により少なくとも設定される。入球手段に対して遊技球が入球しやすくなる第1位置と、その第1位置に比較して遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段により可変される。可変手段の状態が、状態設定手段により第1位置に可変しやすい第1可変状態と、その第1可変状態に比較して第1位置に可変し難い第2可変状態とに少なくとも設定される。第1可変状態において、特定の判定結果となった場合に第2特典遊技が付与され難い第1状態と、その第1状態に比較して第2特典遊技が付与され易い第2状態とが状態設定手段により少なくとも設定される。状態設定手段により第2状態が設定される場合に、その第2状態を示唆するための特定演出が特定演出実行手段により実行される。第1状態において所定条件が成立することに基づいて状態設定手段により第2状態が設定される。
これにより、特定演出を確認した遊技者に対して、第2状態となることを認識させることができる。よって、特定演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記特典遊技付与手段により少なくとも前記第2特典遊技が付与される場合に所定演出を実行する所定演出実行手段を備え、前記特定演出実行手段は、前記所定演出であるか前記特定演出であるかを区別することが困難な演出態様で前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技付与手段により少なくとも第2特典遊技が付与される場合に所定演出実行手段により所定演出が実行される。そして、特定演出実行手段により特定演出が実行される場合は、所定演出であるか、特定演出であるかを区別することが困難な態様で特定演出が実行される。
これにより、特定演出が実行された場合に、第2特典遊技と、第2状態とを期待させることができるので、特定演出に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機E1又はE2において、前記情報取得手段により取得された前記情報に基づいて判定を実行する所定判定手段を備え、前記状態設定手段は、前記第1状態において前記所定判定手段による判定結果が所定の判定結果となることに基づいて前記第2状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報取得手段により取得された情報に基づいて所定判定手段により判定が実行される。第1状態において所定判定手段による判定結果が所定の判定結果となることに基づいて状態設定手段により第2状態が設定される。
これにより、第1状態において、遊技者に対して所定の判定結果となることを期待して遊技を行わせることができるので、所定判定手段による判定結果に対してより注目させることができる。よって、第1状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記判定手段による判定結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段を備え、前記特定演出実行手段は、前記所定判定手段による判定結果が所定の判定結果になる場合に、その所定の判定結果となる前記情報に対応する前記識別情報の動的表示の実行期間外において前記特定演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段による判定結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。所定判定手段による判定結果が所定の判定結果になる場合に、その所定の判定結果となる情報に対応する識別情報の動的表示の実行期間外において特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、所定の判定結果となった場合に、その所定の判定結果となる情報に対応する識別情報の動的表示の実行期間に関係なく特定演出を実行することができる。よって、特定演出の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機E4において、前記情報取得手段により取得された前記情報を、その情報に基づく前記所定判定手段による判定が実行されるまでの間、所定数を上限として記憶する記憶手段と、その記憶手段に前記所定の判定結果となる前記情報が記憶されているか否かを判別する記憶判別手段と、その記憶判別手段により前記所定の判定結果となる前記情報が記憶されていると判別されたことに基づいて、前記記憶手段に記憶された前記情報の中から前記特定演出を実行するために用いる1又は複数の前記情報を選択する選択手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記選択手段により選択された前記情報を用いた前記判定手段による判定に対応する前記識別情報の動的表示において前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報取得手段により取得された情報が、その情報に基づく所定判定手段による判定が実行されるまでの間、記憶手段により所定数を上限として記憶される。記憶手段に所定の判定結果となる情報が記憶されているか否かが記憶判別手段により判別され、その記憶判別手段により所定の判定結果となる情報が記憶されていると判別されたことに基づいて、記憶手段に記憶された情報の中から特定演出を実行するために用いる1又は複数の情報が選択手段により選択される。選択手段により選択された情報を用いた判定手段による判定に対応する識別情報の動的表示において、特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、1の識別情報の動的表示に対して特定演出を実行したり、複数の識別情報の動的表示に渡る特定演出に対して特定演出を実行したりすることができる。よって、特定演出の自由度をより高めることができるという効果がある。
遊技機E5において、前記所定判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も先に取得された前記情報に基づいて判定を実行するものであり、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も後に取得された前記情報を少なくとも選択するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された情報のうち最も先に取得された情報に基づいて所定判定手段により判定が実行される。そして、記憶手段に記憶された情報のうち最も後に取得された情報が選択手段により少なくとも選択される。
これにより、より遅く実行される識別情報の動的表示に対しても特定演出を実行することができるので、遊技者の第2状態が設定されることに対する期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機E5又はE6のいずれかにおいて、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報を全て選択するものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、記憶手段に記憶された情報が全て選択手段により選択されるので、より多くの識別情報の動的表示に渡る特定演出を実行することができる。よって、特定演出の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機E5において、前記所定判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も先に取得された前記情報に基づいて判定を実行するものであり、前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報のうち最も先に取得された前記情報のみを選択するものであることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された情報のうち最も先に取得された情報に基づいて所定判定手段により判定が実行される。また、記憶手段に記憶された情報のうち最も先に取得された情報のみが選択手段により選択される。
これにより、所定の判定結果となる情報が記憶手段のうち最も先に取得された情報でなかった場合にも、最も先に取得された情報に基づいて実行される識別情報の動的表示に対して特定演出を実行することができる。つまり、実際に所定の判定結果となる前に、予め特定演出により第2状態となったことを報知することができるので、遊技者に対して、有利な第2状態がより長く続いているように感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴a群>(パチンコ機でゲーム数解除の遊技性)
遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球口に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させた後で前記第1位置から前記第2位置へと可変させる制御を1又は複数回実行する可変制御手段と、前記通過手段を遊技球が通過してから前記可変制御手段による制御が終了するまでの態様を、特定条件が成立するまで第1態様に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第1態様とは異なる第2態様に設定する態様設定手段と、その態様設定手段により前記第1態様が設定されている場合に遊技者に不利な不利状態を設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記不利状態に比較して遊技者に有利な有利状態を設定する状態設定手段とを備えることを特徴とする遊技機a1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、抽選に外れ続ける限り当たり中の遊技を楽しむことができないので、抽選に外れ続けるほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう場合があった。即ち、当たりとならない状況が長く続くことにより、遊技者に対して遊技を辞めたいと思わせてしまい、遊技機の稼働率が低下してしまう虞があった。
これに対し、遊技機a1によれば、入球口へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球口に遊技球が入球しやすくなる第2位置とに可変手段が可変される。遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変された後で第1位置から第2位置へと可変される制御が可変制御手段により1又は複数回実行される。通過手段を遊技球が通過してから可変制御手段による制御が終了するまでの態様が、特定条件が成立するまで態様設定手段により第1態様に設定される。一方、特定条件が成立することに基づいて態様設定手段により第1態様とは異なる第2態様に設定される。態様設定手段により第1態様が設定されている場合に遊技者に不利な不利状態が状態設定手段によって設定される一方で、特定条件が成立することに基づいて不利状態に比較して遊技者に有利な有利状態が状態設定手段により設定される。
これにより、遊技中に、可変手段が第1態様で制御されているか、第2態様で制御されているかを確認することで、有利状態が設定されているか、不利状態が設定されているかを遊技者が予測しながら遊技を行うことができる。よって、遊技者に対して状態を予測させる楽しみを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機a1において、前記態様設定手段は、前記特定条件が成立するまで前記第1態様として前記所定の抽選結果となる確率を第1抽選確率に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第2態様として前記所定の抽選結果となる確率を前記第1抽選確率よりも高い第2抽選確率に設定するものであることを特徴とする遊技機a2。
遊技機a2によれば、遊技機a1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立するまで第1態様として態様設定手段により所定の抽選結果となる確率が第1確率に設定される。一方、特定条件が成立することに基づいて、第2態様として態様設定手段により所定の抽選結果となる確率が第1抽選確率よりも高い第2抽選確率に設定される。
これにより、特定条件が成立するまでは、抽選手段により所定の抽選結果となりやすい第1抽選確率が設定されることにより遊技者にとって有利となる一方で、状態設定手段により不利状態に設定される。一方、特定条件が成立した後は、抽選手段により所定の抽選結果となりにくい第2抽選確率が設定されることにより遊技者にとって不利となる一方で、状態設定手段により有利状態に設定される。即ち、どちらの場合にも、有利な側面と、不利な側面とが併存する状態に設定されるという斬新な遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機a2において、前記入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選を実行可能な特定抽選手段と、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、その特典遊技付与手段により付与される前記特典遊技として第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が前記遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とを少なくとも選択可能な特典遊技選択手段と、を備え、前記態様設定手段は、前記第1特典遊技が終了することに基づいて前記所定の抽選結果となる確率を第1抽選確率に設定し、その第1抽選確率が設定されてから所定回数連続して前記特定抽選手段により前記特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となることに基づいて前記第2抽選確率を設定するものであり、前記状態設定手段は、前記第1特典遊技が終了することに基づいて前記不利状態を設定し、その不利状態が設定されてから前記所定回数連続して前記特定抽選手段により前記外れ抽選結果となることに基づいて前記有利状態を設定するものであることを特徴とする遊技機a3。
遊技機a3によれば、遊技機a2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口へと遊技球が入球することに基づいて特定抽選手段により抽選が実行され、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を獲得可能な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。その特典遊技付与手段により付与される特典遊技として第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とが特典遊技選択手段によって選択される。第1特典遊技が終了することに基づいて所定の抽選結果となる確率が態様設定手段により第1抽選確率に設定される。また、第1抽選確率が設定されてから所定回数連続して特定抽選手段により特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となることに基づいて態様設定手段により第2抽選確率が設定される。第1特典遊技が終了することに基づいて不利状態が状態設定手段により不利状態に設定される。また、不利状態が設定されてから所定回数連続して特定抽選手段により外れ抽選結果となることに基づいて状態設定手段により有利状態が設定される。
これにより、第1特典遊技が付与されることに基づいて不利状態に設定されていても、外れ抽選結果を所定回数連続させることができれば有利状態へと移行させることができる。よって、不利状態において、遊技者に対して外れ抽選結果が連続することを願って遊技を行わせることができるので、斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機a3において、前記第1特典遊技は、その第1特典遊技の終了後に前記態様設定手段により前記第1抽選確率が設定されてから、前記第2抽選確率に設定されるまでの前記外れ抽選結果の連続回数が異なる複数の種別を有して構成され、前記特典遊技選択手段は、前記特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、複数の種別の前記第1特典遊技のうち1の第1特典遊技を選択可能なものであることを特徴とする遊技機a4。
遊技機a4によれば、遊技機a3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特典遊技は、その第1特典遊技の終了後に態様設定手段により第1抽選確率が設定されてから第2抽選確率に設定されるまでの外れ抽選結果の連続回数が異なる複数の種別を有して構成され、その複数の種別の第1特典遊技のうち1の第1特典遊技が、特典遊技付与手段により付与される特典遊技として特典遊技選択手段により選択される。
これにより、第1特典遊技が付与されることにより、不利状態が設定されたとしても、遊技者に対して有利状態が設定されるまでの外れ抽選結果の連続回数が少ない種別の第1特典遊技が選択されていることを期待させることができる。よって、外れ抽選結果の連続回数が途切れたと感じさせてしまい、遊技者を落胆させてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機a2からa4のいずれかにおいて、前記可変制御手段は、前記第1抽選確率が設定されている場合に前記可変手段を前記第1位置に可変させる期間が、前記第2抽選確率が設定されている場合に前記可変手段を前記第1位置に可変させる期間よりも短くなるように設定するものであることを特徴とする遊技機a5。
遊技機a5によれば、第1抽選確率が設定されている場合に可変手段を第1位置に可変させる期間が、第2抽選確率が設定されている場合に可変手段を第1位置に可変させる期間よりも短くなるように可変制御手段により設定されるので、第2抽選確率が設定されていたとしても、遊技球が入球口へと入りやすくすることができる。よって、有利状態にも関わらず特定抽選手段による抽選が実行されず、第2特典遊技が付与されないという状況が長く続いてしまうことを抑制することができるので、遊技者に対して有利状態中の遊技をストレスなく楽しませることができるという効果がある。
遊技機a2からa5のいずれかにおいて、前記抽選手段により前記所定の抽選結果となってから、前記可変制御手段により前記可変手段を前記第1位置に可変させるまでの期間を設定する期間設定手段を備え、前記期間設定手段は、前記第1抽選確率が設定されている場合に、前記第2抽選確率が設定されている場合よりも長い期間を設定するものであることを特徴とする遊技機a6。
遊技機a6によれば、遊技機a2からa5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選手段により所定の抽選結果となってから可変制御手段により可変手段を第1位置に可変させるまでの期間が期間設定手段により設定される。また、第1抽選確率が設定されている場合に、第2抽選確率が設定されている場合よりも長い期間が期間設定手段により設定される。
これにより、第2抽選確率が設定されていたとしても、遊技球が入球口へと入りやすくすることができる。よって、有利状態にも関わらず特定抽選手段による抽選が実行されず、第2特典遊技が付与されないという状況が長く続いてしまうことを抑制することができるので、遊技者に対して有利状態中の遊技をストレスなく楽しませることができるという効果がある。
<特徴b群>(通常時に特図2を回されないようにする)
遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記第1流路に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球口と、前記第2流路に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球口と、前記第1入球口、または前記第2入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が所定の抽選結果となることに基づいて遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、少なくとも所定期間中に、前記第2流路へと遊技球を流下させることにより、前記第1流路へと遊技球を流下させる場合と比較して前記抽選手段により実行される抽選の抽選結果を出にくくする抑制手段とを備えることを特徴とする遊技機b1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、獲得できる遊技価値の多い当たり種別を意図的に発生させようとする遊技方法が実行される場合があり、ホールに不測の損害を与えてしまう虞があった。
これに対し、遊技機b1によれば、第1入球口が第1流路に設けられ、第2入球口が第1流路とは異なる第2流路に設けられている。第1入球口、または第2入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段による抽選結果が所定の抽選結果となることに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。少なくとも所定期間中に、第2流路へと遊技球を流下させることにより、抑制手段により、第1流路へと遊技球を流下させる場合と比較して抽選手段により実行される抽選の抽選結果が出にくくされる。
これにより、少なくとも所定期間中は抽選結果が出にくい第2流路に対して遊技球を流下させるよりも、第1流路を流下させたいと感じさせることができる。よって、遊技者に対して遊技球を流下させる流路を期間に応じて変更させることができるので、遊技球を打ち出す方向を打ち分ける楽しみを与えることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機b1において、前記第2入球口に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記第2入球口に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選を実行する特定抽選手段と、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと可変させた後で前記第1位置から前記第2位置へと可変させる制御を1又は複数回実行する可変制御手段とを備え、前記可変制御手段は、前記所定期間において前記可変手段を前記第1位置へと可変させる場合に、前記可変手段を第1期間の間前記第1位置となるように制御し、前記所定期間外において前記可変手段を前記第1位置へと可変させる場合に、前記可変手段を前記第1期間よりも長い第2期間の間前記第1位置となるように制御するものであり、前記抑制手段は、前記第2流路へと流下させた遊技球が前記第2入球口へと到達するまでの期間を、前記第1期間よりも長くする流下遅延手段を備えることを特徴とする遊技機b2。
遊技機b2によれば、遊技機b1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過手段を遊技球が通過することに基づいて特定抽選手段により抽選が実行され、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて可変手段を遊技球が入球し難い第2位置から遊技球が入球可能な第1位置へと特定期間可変させた後で第1位置から第2位置へと可変させる制御が可変制御手段によって1又は複数回実行される。所定期間中に可変手段を第1位置へと可変させる場合に、可変手段が第1期間の間第1位置となるように可変制御手段により制御される。一方、所定期間外において可変手段を第1位置へと可変させる場合に、可変手段を第1期間よりも長い第2期間の間第1位置となるように可変制御手段により制御される。抑制手段において、第2流路へと流下させた遊技球が第2入球口へと到達するまでの期間が、流下遅延手段により第1期間よりも長くなる。
これにより、所定期間において、可変手段が第1位置へと可変されたことを確認してから遊技者が第2流路へと遊技球を打ち出した場合に、遊技球が第2入球口へと入球することを抑制することができるので、所定期間において遊技者に対して第1流路を狙わせることができる。よって、遊技者に対して遊技球を流下させる流路を期間に応じて変更させることができるので、遊技球を打ち出す方向を打ち分ける楽しみを与えることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機b1又はb2において、前記特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とを少なくとも選択可能な特典遊技選択手段と、を備え、前記特典遊技選択手段は、遊技球が前記第2入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により前記所定の抽選結果となった場合に、前記第1入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により前記所定の抽選結果となるよりも前記第2特典遊技を選択しやすいものであることを特徴とする遊技機b3。
遊技機b3によれば、遊技機b1又はb2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者が遊技価値を多く得やすい第2特典遊技とが特典遊技選択手段により少なくとも選択される。ここで、遊技球が第2入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により所定の抽選結果となった場合に、遊技球が第1入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により所定の抽選結果となるよりも特典遊技選択手段により第2特典遊技が選択されやすくなる。
これにより、所定期間中にも第2入球口を狙って遊技を行われ、第2特典遊技ばかりが連続してしまうことを抑制できる。よって、ホールに不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
遊技機b3において、前記所定期間中に、前記可変制御手段により前記可変手段が前記第1位置に可変されにくい第1可変状態に設定する第1可変状態設定手段と、前記所定期間が終了することに基づいて、前記第1可変状態よりも前記可変手段が前記第1位置に可変されやすい第2可変状態に設定する第2可変状態設定手段を備え、前記第2可変状態において第2流路へと球を打ち出した場合に、前記第1可変状態に比較して遊技球が前記第2入球口へ入球し易くなるものであることを特徴とする遊技機b4。
遊技機b4によれば、遊技機b3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間中に、可変手段が第1位置に可変されにくい第1可変状態に第1可変状態設定手段によって設定される。所定期間が終了することに基づいて、第1可変状態よりも可変手段が第1位置に可変されやすい第2可変状態に第2可変状態設定手段により設定される。また、第2可変状態では、第2流路へと打ち出した場合に、第1可変状態に比較して遊技球が第2入球口へ入球しやすくなる。
これにより、所定期間中は、可変手段が第1位置に可変されにくくなり、第2入球口へと遊技球を入球させにくくなるので、第1流路を流下させた方が第2流路を流下させるよりも得になると思わせることができる。一方、所定期間が終了した場合は、可変手段が第1位置へと可変されやすくなり、第2入球口へと球を入球させ易くなるので、第2流路を流下させることにより第2特典遊技が付与されることを目指して遊技を行わせることができる。よって、期間に応じて遊技球を流下させる流路を打ち分けさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機b4において、前記通過手段を遊技球が通過することに基づいて情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された情報に基づいて前記可変手段を第1位置に可変させるか否か判別する判別手段と、その判別手段により前記第1位置に可変させると判別されてから前記可変設定手段により前記可変手段が前記第1位置に設定されるまでの期間として、第1期間と、その第1期間よりも短い第2期間とを少なくとも設定可能な期間設定手段と、前記可変設定手段により前記可変手段を前記第1位置に設定してから、前記第1位置を終了し、第2位置へ戻すまでの期間として、第1可変期間と、その第1可変期間よりも短い第2可変期間とを少なくとも設定可能な可変期間設定手段とを備え、前記期間設定手段は、前記第2可変状態において前記第1可変状態よりも前記第2期間を設定しやすいものであり、前記可変期間設定手段は、前記第2可変状態において前記第1可変状態よりも前記第2可変期間を設定しやすいものであり、遊技球が前記通過手段を通過してから前記入球口へ到達するまでの時間は、前記第2期間と前記第2可変期間との和よりも長いものであることを特徴とする遊技機b5。
遊技機b5によれば、遊技機b4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過手段を遊技球が通過することにより基づいて取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて可変手段を第1位置に可変させるか否かが判別手段により判別される。判別手段により第1位置に可変させると判別されてから可変設定手段により可変手段が第1位置に設定されるまでの期間として、第1期間と、その第1期間よりも短い第2期間とが期間設定手段により少なくとも設定される。ここで、第2可変状態では、第1可変状態よりも可変期間設定手段により第2可変期間が設定されやすくなる。遊技球が通過手段を通過してから入球口へ到達するまでの時間は、第2期間と第2可変期間との和よりも長くなる。
これにより、可変手段が第1位置へと可変されたことを確認してから遊技球を第2流路へと流下させたとしても、その遊技球が第2入球口へと到達する前に、確実に可変手段を第2位置へ可変させることができる。よって、所定期間において、遊技者が遊技球を第2流路へと流下させることにより第2特典遊技が付与されてしまうことを防止することができるという効果がある。
遊技機b5において、所定の下限期間を下回らない間隔で遊技盤へと遊技球を発射可能な発射手段とを備え、前記第2可変期間は、前記下限期間よりも短いものであることを特徴とする遊技機b6。
遊技機b6によれば、遊技機b5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の下限期間を下回らない間隔で発射手段により遊技盤へと遊技球が発射される。ここで、第2可変期間は、下限期間よりも短くなるように設定される。
これにより、所定期間において遊技球を連続して発射されたとしても、第2可変期間中に第2入球口へと到達する遊技球を1球に限ることができる。よって、第2可変期間において複数の遊技球が第2入球口へと入球してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機b4からb6のいずれかにおいて、前記第2可変状態設定手段は、前記可変手段が前記第2位置に設定される期間が前記第1可変状態に比較して短くなるように前記第2可変状態を設定するものであることを特徴とする遊技機b7。
遊技機b7によれば、遊技機b4からb6のいずれかが奏する効果に加え、可変手段が第2位置に設定される期間が第1可変状態に比較して短くなるように第2可変状態が第2可変状態設定手段により設定されるので、所定期間において第2入球口へと遊技球をより入球させにくくすることができる。よって、所定期間において第2特典遊技となることを目指して遊技者が第2流路へと遊技球を流下させることをより確実に抑制することができるという効果がある。
遊技機b1からb7のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記所定期間中に前記第2入球口へと球が入球することに基づく抽選が前記抽選手段により開始されてからその抽選の結果が出るまでの期間を、前記所定期間が終了した後に比べて長くなるように可変する抽選期間可変手段を備えるものであることを特徴とする遊技機b8。
遊技機b8によれば、遊技機b1からb7の奏する効果に加え、所定期間中に第2入球口へと球が入球することに基づく抽選が抽選手段により開始されてからその抽選の結果が出るまでの期間が、抽選期間可変手段により所定期間が終了した後に比べて長くなるように可変されるので、所定期間において第2入球口へと遊技球をより入球させにくくし、所定期間の終了後には第2入球口へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、所定期間中には第2流路を狙わず、所定期間の終了後に第2流路を狙って球を打ち出させることができる。従って、期間に応じて遊技球の打ち出し方を変更させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機b8において、前記抽選期間可変手段は、前記所定期間が終了した後に前記第2入球口へと球が入球することに基づく抽選が前記抽選手段により開始されてからその抽選の結果が出るまでの期間を、前記第1入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選が行われる場合よりも短くするものであることを特徴とする遊技機b9。
遊技機b9によれば、所定期間が終了した後に第2入球口へと球が入球することに基づく抽選が抽選手段により開始されてからその抽選の結果が出るまでの期間が、抽選期間可変手段により、第1入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選が行われる場合よりも短くなるように可変されるので、所定期間において第1流路に対して遊技球を流下させた場合の遊技効率を上げることができる。よって、所定期間が経過するまでは第1流路に対して遊技球を流下させ、所定期間が経過した後は、第2流路に対して遊技球を流下させることができる。従って、期間に応じて遊技球の打ち出し方を変更させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴c群>(ゲーム数解除時の演出)
遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球口に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させた後で前記第1位置から前記第2位置へと可変させる制御を1又は複数回実行する可変制御手段と、前記通過手段を遊技球が通過してから前記可変制御手段による制御が終了するまでの態様を、特定条件が成立するまで第1態様に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第1態様とは異なる第2態様に設定する態様設定手段と、その態様設定手段により前記第1態様に設定されたことを遊技演出から判別することが困難となるような遊技演出を設定する演出設定手段とを備えるものであることを特徴とする遊技機c1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行し、その大当たりの終了後に時短状態や確変状態等の遊技者にとって有利な状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技機の状態が遊技者にとって有利な状態であるか、不利な状態であるかを報知するものがある(例えば、特開2004−24830号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者が容易に不利な状態であるか否かを察知することができるので、不利な状態を察知した遊技者が遊技を辞めてしまいやすくなる場合があった。また、遊技を開始しようとする遊技者が、不利な状態となっている遊技機で遊技を行うことを敬遠してしまう場合があった。即ち、遊技機の稼働率が低下してしまう虞があった。
これに対し、遊技機c1によれば、可変制御手段によって、入球口に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球口に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段が可変される。通過手段を遊技球が通過することに基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段により所定の抽選結果となることに基づいて可変手段を第2位置から第1位置へと所定期間可変させた後で第1位置から第2位置へと可変させる制御が可変制御手段により1又は複数回実行される。通過手段を遊技球が通過してから可変制御手段による制御が終了するまでの態様として、特定条件が成立するまで態様設定手段により第1態様に設定される。また、特定条件が成立することに基づいて、態様設定手段により第1態様とは異なる第2態様に設定される。ここで、態様設定手段により第1態様に設定されたことを遊技演出から判別することが困難となるような遊技演出が演出設定手段により設定される。
これにより、遊技者は、第1態様が設定されるか、第2態様が設定されるかを演出から判別することが困難となるので、遊技者に対して第1態様が設定されるか、第2態様が設定されるかを予想しながら遊技を行わせることができる。よって、態様を予測させる楽しみを遊技者に感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機c1において、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する特定抽選手段と、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を取得可能な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、その特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、第1特典遊技と、第2特典遊技と、その第2特典遊技に比較して遊技価値を獲得しやすい第3特典遊技とを少なくとも選択可能な特典遊技選択手段と、前記特典遊技付与手段により前記第1特典遊技が付与されることに基づいて、前記特典遊技選択手段により前記第3特典遊技が選択されにくく、前記特定条件が成立しにくい第1状態に設定し、前記第2特典遊技が付与されることに基づいて、前記第3特典遊技が選択されにくく、前記第1状態よりも前記特定条件が成立しやすい第2状態に設定し、前記特定条件が成立することに基づいて前記第1状態および前記第2状態に比較して前記第3特典遊技が選択されやすい第3状態に設定する状態設定手段と、を備え、前記態様設定手段は、前記特典遊技付与手段により前記第2特典遊技が付与されることに基づいて前記第1態様を設定するものであり、前記演出設定手段は、前記第2特典遊技が付与されたことを遊技演出から判別することが困難となるような遊技演出を設定するものであることを特徴とする遊技機c2。
遊技機c2によれば、遊技機c1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて特定抽選手段により抽選が実行され、その特定抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて遊技者が所定の遊技価値を取得可能な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。特典遊技付与手段により付与される特典遊技として、第1特典遊技と、第2特典遊技と、その第2特典遊技に比較して遊技価値を獲得しやすい第3特典遊技とが特典遊技選択手段により少なくとも選択される。特典遊技付与手段により第1特典遊技が付与されることに基づいて、特典遊技選択手段により第3特典遊技が選択されにくく、特典条件が成立しにくい第1状態に状態設定手段により設定される。また、第2特典遊技が付与されることに基づいて、第3特典遊技が選択されにくく、第1状態よりも特定条件が成立しやすい第2状態に状態設定手段により設定される。更に、特定条件が成立することに基づいて第1状態および第2状態に比較して第3特典遊技が選択されやすい第3状態に状態設定手段により設定される。特典遊技付与手段により第2特典遊技が付与されたことに基づいて態様設定手段により第1態様が設定される。第2特典遊技が付与されたことを遊技演出から判別することが困難となるような遊技演出が演出設定手段により設定される。
これにより、現在の状態が第1状態であるか、第2状態であるかを遊技演出から判別することを困難にすることができる。つまり、特定条件が成立しやすい状態であるか否かを判別し難くすることができる。よって、現在の状態が第2状態よりも特定条件の成立しにくい第1状態であると判別され、遊技者がその時点で遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。従って、遊技を辞めにくくし、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機c1又はc2において、遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる流路であって前記入球口が設けられている第2流路と、前記第1流路に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球口と、を備え、前記特定抽選手段は、前記入球口または前記特定入球口へと遊技球が入球することに基づいて抽選を実行するものであり、前記特典遊技選択手段は、前記入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により前記特定の抽選結果となった場合に、前記特定入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により前記特定の抽選結果となるよりも前記第3特典遊技を選択しやすいものであり、前記態様設定手段は、前記第1態様として、前記所定の抽選結果となる確率が高く、前記所定の抽選結果となった場合に前記可変手段が前記第1位置へと可変される期間が短い態様を設定し、前記第2態様として、前記所定の抽選結果となる確率が前記第1態様に比較して低く、前記所定の抽選結果となった場合に前記可変手段が前記第1位置へと可変される期間が前記第1態様に比較して長い態様を設定し、前記第1特典遊技が付与されることに基づいて前記所定の抽選結果となる確率が前記第1態様に比較して低く、前記所定の抽選結果となった場合に前記可変手段が前記第1位置へと可変される期間が前記第1態様以下の長さとなる第3態様に設定するものであり、前記第2態様では、前記第1態様よりも前記入球口へ遊技球が入球しやすくなるものであることを特徴とする遊技機c3。
遊技機c3によれば、遊技機c1又はc2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な特定入球口が第1流路に設けられ、第1流路とは異なる第2流路に入球口が設けられている。特定入球口または入球口へと遊技球が入球することに基づいて特定抽選手段により抽選が実行される。入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により特定の抽選結果となった場合に、特定入球口へと入球することに基づいて実行される抽選により特定の抽選結果となるよりも特典遊技選択手段により第3特典遊技が選択されやすくなる。第1態様として、所定の抽選結果となる確率が高く、所定の抽選結果となった場合に可変手段が第1位置へと可変される期間が短い態様が態様設定手段により設定される。また、第2態様として、所定の抽選結果となる確率が第1態様に比較して低く、所定の抽選結果となった場合に可変手段が第1位置へと可変される期間が第1態様に比較して長い態様が態様設定手段により設定される。更に、第1特典遊技が付与されることに基づいて所定の抽選結果となる確率が第1態様に比較して低く、所定の抽選結果となった場合に可変手段が第1位置へと可変される期間が第1態様以下の長さとなる第3態様に設定される。ここで、第2態様では、第1態様よりも入球口へ遊技球が入球しやすくなる。
これにより、遊技球が入球口へと入球しやすい第2態様が設定されている場合には第2流路に対して遊技球を流下させ、第1態様、および第3態様が設定されている場合は第1流路に対して遊技球を流下させることができる。よって、遊技者に対して設定されている態様に応じて流下させる流路を変更する楽しみを与えることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機c3において、前記特定条件が成立するか否かを、その特定条件が成立する前に判別可能な判別手段と、その判別手段により前記特定条件が成立すると判別されることに基づいて、遊技者に対して遊技球を前記第1流路へと流下させることを停止するように報知する報知手段とを備えることを特徴とする遊技機c4。
遊技機c4によれば、遊技機c3の奏する効果に加え、特定条件が成立するか否かが、その特定条件が成立する前に判別手段により判別され、その判別手段により特定条件が成立すると判別されることに基づいて、遊技者に対して遊技球を第1流路へと流下させることを停止するように報知手段により報知される。
これにより、特定条件が成立した後で特定入球口への入球に基づく抽選が特定抽選手段により実行されてしまうことを抑制することができる。よって、この特定抽選手段による抽選で特定の抽選結果となることにより第1特典遊技、または第2特典遊技が付与されてしまい、第1態様、または第3態様が設定されてしまうことを抑制できる。従って、特定条件が成立した後で、遊技者に対して入球口へと遊技球が入球しやすい第2態様を十分に楽しませることができるという効果がある。
遊技機c4において、始動条件の成立に基づいて前記特定抽選手段により抽選を実行するための情報を取得する取得手段と、その記取得手段により取得された情報を、前記特定抽選手段による抽選が行われるまでの間、所定の上限値まで記憶可能な記憶手段と、前記取得手段により情報が取得されることに基づいて前記特定抽選手段による抽選結果を予測可能な予測手段と、を備え、前記態様設定手段は、前記所定の第2特典遊技が付与されることに基づいて、前記特定抽選手段により所定回数連続して前記特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となるまで前記第1態様を設定し、前記第2特典遊技が付与されてから前記特定抽選手段により前記所定回数連続して前記外れ抽選結果となることに基づいて前記第2態様を設定するものであり、前記判別手段は、前記予測手段による予測結果に基づいて、前記所定回数連続して前記外れ抽選結果となるか否かを判別するものであり、前記報知手段は、前記判別手段により前記所定回数連続して前記外れ抽選結果になると判別されることに基づいて、遊技者に対して遊技球を前記第1流路へと流下させることを停止するように報知するものであることを特徴とする遊技機c5。
遊技機c5によれば、遊技機c4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、始動条件の成立に基づいて特定抽選手段により抽選を実行するための情報が取得手段により取得され、その取得手段により取得された情報が、特定抽選手段による抽選が行われるまでの間、所定の上限値まで記憶手段により記憶される。取得手段により情報が取得されることに基づいて特定抽選手段による抽選結果が予測手段により予測される。所定の第2特典遊技が付与されることに基づいて、特定抽選手段により所定回数連続して特定の抽選結果とは異なる外れ抽選結果となるまで態様設定手段により第1態様が設定される。また、第2特典遊技が付与されてから抽選手段により所定回数連続して外れ抽選結果となることに基づいて第2態様が態様設定手段により設定される。予測手段による予測結果に基づいて所定回数連続して外れ抽選結果となるか否かが判別手段により判別される。判別手段により所定回数連続して外れ抽選結果になると判別されることに基づいて、遊技者に対して遊技球を第1流路へと流下させることを停止するように報知手段により報知される。
これにより、第1態様が終了した後で、記憶手段により記憶されていた情報に基づき特定入球口への入球に対する抽選が特定抽選手段により実行されてしまうことを抑制することができる。よって、この特定抽選手段による抽選で特定の抽選結果となることにより第1特典遊技、または第2特典遊技が付与されてしまい、第1態様、または第3態様が設定されてしまうことを抑制できる。従って、特定条件が成立した後で、遊技者に対して入球口へと遊技球が入球しやすい第2態様を十分に楽しませることができるという効果がある。
遊技機c5において、前記第2特典遊技が終了してからの前記外れ抽選結果の連続回数を判別する回数判別手段と、その回数判別手段により判別された連続回数と、前記所定回数とに基づいて前記演出実行手段により実行される遊技演出の態様を設定する演出態様設定手段とを備えることを特徴とする遊技機c6。
遊技機c6によれば、遊技機c5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特典遊技が終了してからの外れ抽選結果の連続回数が回数判別手段により判別され、その回数判別手段により判別された連続回数と、所定回数とに基づいて演出実行手段により実行される遊技演出の態様が演出態様設定手段により設定される。
これにより、演出態様設定手段により設定される遊技演出の態様に基づいて、所定回数までの残り回数を予想させる楽しみを遊技者に与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機c5又はc6において、前記演出設定手段は、前記特定抽選手段による抽選結果を示す識別情報を動的表示させる動的表示実行手段を備え、前記演出設定手段は、前記第2特典遊技を示す識別情報として、前記外れ抽選結果を示す識別情報と同一の識別情報を、前記抽選結果を示す識別情報として設定可能なものであることを特徴とする遊技機c7。
遊技機c7によれば、遊技機c5又はc6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出設定手段において動的表示実行手段により特定抽選手段による抽選結果を示す識別情報が動的表示される。第2特典遊技を示す識別情報として、外れ抽選結果を示す識別情報と同一の識別情報が、抽選結果を示す識別情報として演出設定手段により設定される。
これにより、第3特典遊技よりも遊技価値を得にくい第2特典遊技となったことを遊技者に認識されにくくすることができる。よって、遊技価値が得にくいことにより、遊技者を落胆させてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機c1からc7のいずれかにおいて、前記演出設定手段は、前記状態設定手段により前記第3態様が設定されている場合に、前記第1態様および前記第2状態が設定されている場合とは異なる遊技演出の態様を設定するものであることを特徴とする遊技機c8。
遊技機c8によれば、遊技機c1からc7のいずれかが奏する効果に加え、前記状態設定手段により第3態様が設定されている場合に、第1態様および第2状態が設定されている場合とは異なる遊技演出の態様が演出設定手段によって設定されるので、第3特典遊技となりやすい有利な状態であることを遊技者に対して容易に認識させることができるという効果がある。
遊技機A1〜A18,B1〜B7,C1〜C7,D1〜D6,E1〜E8,a1〜a6,b1〜b9,c1〜c8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1〜A18,B1〜B7,C1〜C7,D1〜D6,E1〜E8,a1〜a6,b1〜b9,c1〜c8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1〜A18,B1〜B7,C1〜C7,D1〜D6,E1〜E8,a1〜a6,b1〜b9,c1〜c8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、当たり状態が通常の確率で抽選される通常状態と、当たり状態が通常状態よりも高い確率で抽選される確率変動状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特許文献1:特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、通常状態、および確率変動状態のいずれにおいても、当たり状態とならなければ状態が可変することがなかったため、通常状態、および確率変動状態のいずれが設定されたとしても、当たり状態となるまで同じ状態で遊技を行う必要があった。よって、遊技が単調となってしまい、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図れなくなる虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、判定条件の成立に基づいて判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる遊技者に有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、少なくとも前記第1遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技の終了を契機として遊技状態を前記第2遊技状態に変更可能な第1変更手段と、少なくとも前記第1遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技の終了とは異なる所定の契機で前記第2遊技状態に変更可能な第2変更手段とを備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、所定の確率に基づいて遊技状態を変更するか否か判定する所定判定手段を備え、前記第2変更手段は、前記所定判定手段により遊技状態を変更すると判定されたことを契機として、前記第2遊技状態に変更するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記第2変更手段は、前記第2遊技状態が設定されている場合に遊技状態の変更を行わないものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記第1変更手段は、前記第2変更手段により変更された前記第2遊技状態を、前記特典遊技の終了を契機として前記第1遊技状態に変更可能なものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記特典遊技の終了後において、前記特定の判定結果以外の判定結果である外れ判定結果の連続回数を計数する計数手段と、前記第1遊技状態において前記計数手段により計数された前記外れ判定結果の連続回数が所定回数となったか否かを判定する所定回数判定手段と、その所定回数判定手段により前記所定回数になったと判定された場合に、遊技状態を前記第1遊技状態から、その第1遊技状態よりも不利な第3遊技状態へと変更する第3変更手段とを備える。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、判定条件の成立に基づいて判定手段により判定が実行され、その判定手段による判定結果が特定の判定結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。所定条件の成立に基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から、遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。少なくとも第1遊技状態が設定されている場合に、特典遊技の終了を契機として第1変更手段により第2遊技状態に変更される。また、少なくとも第1遊技状態が設定されている場合に、特典遊技の終了とは異なる所定の契機で第2変更手段により第2遊技状態に変更される。
これにより、少なくとも第1状態においては、異なる複数の契機で第2遊技状態に変更されるので、遊技状態が変更される機会を増加させることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の確率に基づいて所定判定手段により遊技状態を変更するか否かが判定され、その所定判定手段により遊技状態を変更すると判定されたことを契機として、第2変更手段により第2遊技状態に変更される。
これにより、所定判定手段による判定が実行される度に第2遊技状態へと変更されることを遊技者に期待させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、第2遊技状態が設定されている場合に第2変更手段による遊技状態の変更が行われないので、第2遊技状態から第1遊技状態へと変更される場合に比較して、第1遊技状態から第2遊技状態へと変更されやすくすることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、第2変更手段により変更された第2遊技状態が、特典遊技の終了を契機として第1変更手段により第1遊技状態に変更されるので、第2遊技状態において、特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、第2遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の終了後において、特定の判定結果以外の判定結果である外れ判定結果の連続回数が計数手段により計数される。第1遊技状態において計数手段により計数された外れ判定結果の連続回数が所定回数となったか否かが所定回数判定手段により判定され、その所定回数判定手段により所定回数になったと判定された場合に、第3変更手段により遊技状態が第1遊技状態よりも不利な第3遊技状態へと変更される。
これにより、第1遊技状態において、外れ判定結果が所定回数連続する前に特定の判定結果となるか、若しくは、第2遊技状態へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。よって、第1遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。