以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図3参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図3参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図4参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図5参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図4参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図4参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図4参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図3参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図5参照)を内蔵する演出ボタン31が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図3参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は複数の遊技状態からなり、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)などが考えられる。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置などを設け、当該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶に関する仕様について説明する図である。
遊技領域10aに備えられる始動入賞領域(第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38、図3参照)に入賞した遊技球は、対応する特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として遊技制御装置500(図4参照)内の保留記憶領域に所定の上限数まで記憶される。このとき所定の上限数は、所定条件(ここでは、大当り図柄)に基づいて設定される。
したがって、遊技制御装置500は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数の範囲内で記憶することが可能な始動記憶手段と、所定条件に基づいて、始動記憶手段に記憶可能な上限数を決定する上限数決定手段と、始動記憶手段に記憶可能な所定の上限数を上限数決定手段によって決定された上限数に変更可能な上限数変更手段と、を有する。
図2(A)は、上限数決定手段において、記憶可能な始動記憶の上限数(保留上限数)を大当り図柄に応じて決定する場合に用いる保留上限選択テーブルである。
本発明の実施の形態では、大当りを契機に大当り図柄に応じて各変動表示ゲームに対応する保留上限数が設定される。具体的には、大当り図柄を決定するための大当り図柄乱数が0〜99のいずれになるかによって特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する保留(特図1保留、特図2保留)の上限数が設定される。
大当り図柄乱数が0〜15の場合は、特図1保留及び特図2保留ともに8個に設定され、このときの確率変動判定フラグは1に設定される。大当り図柄乱数が16〜40の場合は、特図1保留及び特図2保留ともに4個に設定され、このときの確率変動判定フラグは2に設定される。ここで、大当り図柄乱数が0〜40の場合、大当りの種類は15R確変となる。
大当り図柄乱数が41〜65の場合は、特図1保留及び特図2保留ともに8個に設定され、このときの確率変動判定フラグは3に設定される。大当り図柄乱数が66〜85の場合は、特図1保留及び特図2保留ともに4個に設定され、このときの確率変動判定フラグは4に設定される。ここで、大当り図柄乱数が41〜85の場合、大当りの種類は15R通常である。
大当り図柄乱数が86〜91の場合は、特図1保留及び特図2保留ともに4個に設定され、このときの確率変動判定フラグは5に設定される。大当り図柄用乱数が92〜99の場合は、特図1保留は8個に、特図2保留は4個に設定され、このときの確率変動判定フラグは6に設定される。ここで、大当り図柄用乱数が86〜99の場合、大当りの種類は2R確変である。
なお、大当り図柄用乱数による抽選を行い、抽選結果に応じて保留上限数が決定されるようにしてもよい。そして、抽選に当選する、すなわち保留上限数を変化させる確率は大当り図柄毎に異なるようにしてもよい。
図2(B)は、始動記憶手段において、始動記憶が記憶される保留記憶領域について説明する図である。
特図1保留記憶領域及び特図2保留記憶領域は、それぞれ特図1保留及び特図2保留を記憶する領域であり、後述する遊技制御装置500内のRAM511c(図4参照)に設けられる。
保留記憶数は、記憶保留1〜4を固定保留数とし、保留5〜8を可変保留数とする。特図1保留記憶領域及び特図2保留記憶領域は、各保留に対して乱数セーブ領域を設けている。乱数セーブ領域には、大当り乱数セーブ領域、大当り図柄乱数セーブ領域、変動パターン乱数1セーブ領域、変動パターン乱数2セーブ領域、及び変動パターン乱数3セーブ領域が含まれる。
このように特図1保留記憶領域及び特図2保留記憶領域は記憶可能な最大上限数(ここでは8)に対応する乱数セーブ領域数を備えているので、上限数変更手段によって始動記憶手段に記憶可能な所定の上限数が変更されても対応することができる。
ここで、上限数変更手段による所定の上限数は下値4〜上値8の間で変更される。そこで、最少上限数(ここでは4)を固定上限数とし、上限数決定手段によって決定された所定の上限数にするために固定上限数に加算する可変保留数を可変上限数とする。そして所定の上限数は、固定上限数と可変上限数とを加算して算出される。
図3は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース46の窓部下方には、ステージ部46aが設けられる。センターケース46のステージ部46aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース46の内部に配置されたワープ通路(図示省略)を通過した遊技球が排出される。センターケース46のステージ部46aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部46a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図4参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図4参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに、遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口1ソレノイド41b(図4参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口1を備えた第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント1スイッチ41d(図4参照)が配設されている。
また、遊技領域10aのセンターケース46の上方には、大入賞口2ソレノイド42b(図4参照)によって上端側が左側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口2を備えた第2特別変動入賞装置42が設けられている。開閉扉42aは、遊技者が左打ちで発射した遊技球が大入賞口2に届くように遊技球が流下可能な遊技領域10aに向かって開放される。第1特別変動入賞装置41と同様に、第2特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント2スイッチ42d(図4参照)が配設されている。
なお、第2特別変動入賞装置42は、右打ちにより入賞可能となるよう遊技領域10aのセンターケース46の右側に設けられてもよい。本発明においては、第1特別変動入賞装置41よりも上方であって、第1特別変動入賞装置41よりも入賞効率が高ければ(単位時間当たりの入賞可能数が多ければ)、配置は自由である。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の大入賞口1、及び第2特別変動入賞装置42の大入賞口2に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図4参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、第1特別変動入賞装置41の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部51〜60が設けられている。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図4参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図4参照)と始動口2スイッチ38d(図4参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(4〜8)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(4〜8)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図4参照)内の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で8回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(表示装置48、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の大当り乱数値が大当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42は、それぞれ大入賞口ソレノイド41b及び大入賞口ソレノイド42b(図4参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、保留記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の実行権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、保留記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に保留記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、保留記憶数が上限数未満ならば、保留記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、保留記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、保留記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511c及び個別IDレジスタ511dを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が16R大当りや9R大当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル(SP)1リーチ、スペシャル(SP)2リーチ、スペシャル(SP)3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
本願発明においても、このようなリーチ演出(もしくは特定の演出)に対して選択割合を異ならせているため、上記のような、信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S801)や特図普段処理(S810)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、保留記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置581が発射可能状態になる。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され第1特別変動入賞装置41、第2特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口1ソレノイド41b、大入賞口2ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口1ソレノイド41bや大入賞口2ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。また、普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図5を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口1ソレノイド41b又は大入賞口2ソレノイド42bにより第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口(大入賞口1又は大入賞口2)内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1.6秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(ラウンド遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置500による制御のうちメイン処理について説明する。図6Aは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。図6Bは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S601)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S602)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S603)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S604)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S605)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S606)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S607)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S608)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S609)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S609の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S610〜S613)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S610及びS611の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S612及びS613の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S613の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S614)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S615)、これらの値が一致するか否かを判定する(S616)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S609の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S611又はS613の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS614の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S616の結果が「N」)、図6BのS641〜S645の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S616の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6BのS617〜S623)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S617)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S618)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S619)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S620)。高確率でないと判定された場合には(S620の結果が「N」)、S623以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S620の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S621)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)に設定する(S622)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S623)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S641)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S642)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S643)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S644)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S645)、S624以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S623又はS645の処理が終了すると、遊技用マイコン511の個別IDレジスタ511dから個体識別情報を取得してシリアル通信回路にセットする(S624)。その後、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S625)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S626)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S627)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S628)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S629)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S630)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S631)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S631の結果が「N」)、S629の初期値乱数更新処理を再び実行し、S629からS631までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S629)の前に割り込みを許可(S628)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S629)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S631の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS630の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S632)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S632の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S631)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S632の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S633〜S638)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S633)、全出力ポートにオフデータを出力して全出力ポートをオフに設定する(S634)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S635)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S636)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S637)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S638)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S639)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口1ソレノイド(SOL)41b、大入賞口2ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(S711)。また、振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する振動不正監視処理を実行する(S712)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S713)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S714)。その後、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S715)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S716)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S708)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S801)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動スイッチ監視処理についての詳細は、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理1を実行する(S802)。カウントスイッチ監視処理1では、第1特別変動入賞装置41内に設けられたカウント1スイッチ41dによって当該第1特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
また、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理2を実行する(S803)。カウントスイッチ監視処理2では、第2特別変動入賞装置42内に設けられたカウント2スイッチ42dによって当該第2特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S804)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S810〜S816)を実行するときに初期値がセットされ、S804の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S810;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S805の結果が「N」)、S817以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S805の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S806)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S807)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S808)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S809)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S809の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S810)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理についての詳細は、図12にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S809の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S811)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S809の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S812)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。なお、特図表示中処理についての詳細は、図20にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S809の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S813)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S809の結果が「4」)、第1特別変動入賞装置41の大入賞口1又は第2特別変動入賞装置42の大入賞口2に係る大入賞口開放中処理を実行する(S814)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものである。このため、遊技制御装置500は特別遊技状態制御手段を成す。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S809の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S815)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S809の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S816)。大当り終了処理は、S810の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S817)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S818)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S819)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行し(S820)、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における始動口スイッチ監視処理(S801)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S901)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S902)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S903)。普通電動役物が作動中である場合には(S903の結果が「Y」)、S906以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S903の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S904)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S905)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S904及びS905の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S905の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S905の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S906)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S907)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図9)における特図始動口スイッチ共通処理(S902、S907)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1001、S1002)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1002の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1003)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1004)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報を、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1005)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1006、S1007)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1007の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1008)。
遊技制御装置500は、S1008の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1007の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1009、S1010)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1010の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1011)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1012)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1013)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1014)。
次に、遊技制御装置500は、S1011で更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1015)。
続いて、遊技制御装置500は、大当り乱数を抽出して、当該大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブし(S1016)、対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)して準備する(S1017)。そして、対応する大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S1018)。
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(S1019)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(S1020)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(S1021)。
変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。ここで、変動パターン乱数1は後半の変動のリーチ系統を選択するための乱数で、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分けを行うための乱数で、変動パターン乱数3は前半の変動を選択するための乱数である。
また、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である特図保留情報判定処理を実行する(S1022)。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図11にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1010の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1031、S1032)。監視対象が始動口1スイッチ37dである場合には(S1032の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1033)、コマンド設定処理を実行する(S1034)。
そして、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合(S1032の結果が「N」)、又は、S1034のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口SW共通処理における特図保留情報判定処理(S1022)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶(保留記憶)に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前(詳しくは、始動口への遊技球の入賞に基づく始動記憶の記憶時)に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、第2始動入賞口38(始動口2)への入賞による特図2始動記憶についての処理か否かを判定する(S1101)。
そして、遊技制御装置500は、特図2始動記憶についての処理でない場合、つまり特図1始動記憶についての処理である場合には(S1101の結果が「N」)、普通電動役物(第2始動入賞口38の開閉部材38a)の作動状態が普電サポートあり状態(電サポ中)であるか、又は、遊技状態が大当り中であるか否かを判定する(S1102)。
遊技制御装置500は、電サポ中、又は、大当り中である場合には(S1102の結果が「Y」)、特図1始動記憶についての先読み処理を実行することなく、特図保留情報判定処理を終了する。これに対して、電サポ中でも大当り中でもない場合には(S1102の結果が「N」)、特図1始動記憶について先読み処理を実行するためS1103の処理を実行する。
遊技制御装置500は、特図2始動記憶についての処理である場合には(S1101の結果が「Y」)、常に先読み処理を実行するため、S1103以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S1103〜S1107において対象の始動記憶が大当りか否かを判定する大当り判定処理を実行する。
まず、遊技制御装置500は、大当りの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S1103)。高確率状態である場合には(S1103の結果が「Y」)、高確率時の大当り判定値を設定する(S1104)。一方、高確率状態でない場合には(S1103の結果が「N」)、低確率時の大当り判定値を設定する(S1105)。
次に、遊技制御装置500は、対象となる乱数セーブ領域から大当り乱数をロードする(S1106)。そして、ロードした大当り判定値とS1104又はS1105の処理で取得した大当り判定値とが一致するか否かを判定する(S1107)。
遊技制御装置500は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致して大当りとなる場合には(S1107の結果が「Y」)、対象の保留記憶で入賞した始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブルを設定する(S1108)。そして、対象となる乱数セーブ領域から対象の大当り図柄乱数をロードし(S1109)、設定したテーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得する(S1110)。
一方、遊技制御装置500は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致せず大当りとならない場合には(S1107の結果が「N」)、はずれ図柄情報(0)を取得する(S1111)。
続いて、遊技制御装置500は、S1110又はS1111の処理で取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(S1112)、当該図柄情報コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行する(S1113)。
さらに、遊技制御装置500は、対象となる乱数セーブ領域から対象の変動パターン乱数1をロードして(S1114)、当該変動パターン乱数1に対応する変動パターン乱数コマンドを準備する(S1115)。先読み処理の時点では、変動パターンのリーチ系統さえ演出制御装置550に伝達できればよいので、変動パターン乱数1のみに対応する変動パターン乱数コマンドを準備する。これにより、遊技制御装置500の処理が簡潔になる。
そして、遊技制御装置500は、準備した変動パターン乱数コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行して(S1116)、特図保留情報判定処理を終了する。
変動パターン乱数は、変動表示ゲームの結果に影響を及ぼさない、すなわち、秘匿性を高める必要がない。そこで、変動パターン乱数コマンドは、乱数値のまま、もしくは、乱数値を示す情報に変換されて、演出制御装置550に送信される。そして、演出制御装置550側で、変動パターンの詳細が決定される。これに対して、大当り乱数及び大当り図柄乱数は、変動表示ゲームの結果を決定する乱数であり、秘匿性を高める必要がある。このため、大当り判定処理実行後の判定結果情報が図柄情報コマンドとして演出制御装置550に送信される。これらのコマンドが遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されると、演出制御装置550の特図1/特図2保留記憶領域に記憶される。
なお、前述では変動パターン乱数1のみを演出制御装置550に伝達するようにしたが、変動パターン乱数1〜3を全て伝達するようにしてもよい。また、乱数値の情報を伝達するのではなく、後述する変動開始情報設定処理(図19)のように変動パターンを決定してから変動パターン番号を演出制御装置550に伝達するようにしてもよい。
以上のように、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能に構成されている。演出制御装置550は、通知された情報に基づき表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図普段処理(S810)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1201、S1202)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1202の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1203、S1204)。このように、特図2保留数のチェック(S1201)を、特図1保留数のチェック(S1203)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1204の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1205、S1206)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1206の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1207)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1208)、送信の設定をするコマンド設定処理を実行する(S1209)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1206の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、SS1210以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1210)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1202の結果が「N」)、又は、特図1保留数が0でない場合(S1204の結果が「N」)、すなわち、特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図変動表示ゲームの開始時に行うS1211〜S1219の処理を実行する。ここでは区別せず説明するが、特図1変動表示ゲームの開始時の場合は特図1の処理、特図2変動表示ゲームの開始時の場合には特図2の処理が実行される。
遊技制御装置500は、まず、保留再判定処理を実行する(S1211)。保留再判定処理では、大当り終了後に実行される特図変動表示ゲーム開始時に再度始動記憶(保留)に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理を実行する。なお、保留再判定処理の詳細については、図13にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための対応する大当りフラグ(特図1/特図2用)に、大当り乱数の判定によってはずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理を実行する(S1212)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームにおける特図停止図柄の設定に係る特図停止図柄設定処理を実行する(S1213)。特図停止図柄設定処理では、特図変動表示ゲームにおける停止図柄を決定し、大当りの種類などを特定する図柄情報コマンドを演出制御装置550に送信する処理が実行される。
その後、遊技制御装置500は、特図停止図柄番号(特図停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1214)。続いて、特図停止図柄設定処理によって設定された図柄情報をRWMの特図に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブする(S1215)。
次に、遊技制御装置500は、特図に対応する特図変動フラグ(変動中フラグ)をRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S1216)。
続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定するテーブルを準備する(S1217)。そして、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1218)。なお、変動パターン設定処理の詳細については、図15にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(S1219)。なお、変動開始情報設定処理の詳細については、図19にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理を実行する(S1220)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、変動中に係る試験信号、特図表示器における特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図表示器の変動中に係るフラグ、特図表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
〔保留再判定処理〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における保留再判定処理(S1211)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の保留再判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、保留について先読み処理を実行する再判定可能タイミングか否かをチェックし判定する(S1301、S1302)。そして、再判定可能タイミングでない場合には(S1302の結果が「N」)、保留再判定処理を終了する。再判定可能タイミングとは、大当り終了後であって普電サポートがない遊技状態において実行される1回目の特図変動表示ゲーム開始タイミングをいう。特に、本実施の形態のように特図2優先消化が行われる場合には大当り中に発生した特図1保留は先読み判定されていないので、判定可能なタイミングで大当り終了後の確率状態に基づいて先読み判定を行う。
一方、遊技制御装置500は、再判定可能タイミングである場合には(S1302の結果が「Y」)、先読み判定対象となる保留があるか保留記憶領域をチェックし(S1303)、再判定可能な保留は0であるか否かを判定する(S1304)。そして、再判定可能な保留がない場合には(S1304の結果が「Y」)、保留再判定処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、再判定可能な保留がある場合には(S1304の結果が「N」)、先読み演出可能な保留情報を取得し(S1305)、特図保留情報再判定処理を実行して(S1306)、保留再判定処理を終了する。なお、特図保留情報再判定処理については、図14にて後述する。
〔特図保留情報再判定処理〕
次に、前述した保留再判定処理(図13)における特図保留情報再判定処理(S1306)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報再判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報再判定処理は、前述した特図保留情報判定処理(図11)と処理内容は同じなので説明を省略する。S1401〜S1416の処理は、S1101〜S1116の処理に対応し、S1112における図柄情報コマンドがS1412では再判定図柄情報コマンドに、S1115における変動パターン乱数コマンドがS1415では再判定変動パターン乱数コマンドに変わるのみである。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における変動パターン設定処理(S1306)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、前述の特図普段処理におけるS1215の処理で図柄情報(作業用)領域にセーブした図柄情報がはずれ図柄情報か否かをチェックする(S1501、S1502)。
遊技制御装置500は、図柄情報がはずれ図柄情報である場合には(S1502の結果が「Y」)、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブルを準備する(S1503)。はずれ時の変動グループ選択テーブルについての詳細は、図17及び図18にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、図柄情報がはずれ図柄情報でない場合には(S1502の結果が「N」)、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブルを準備する(S1504)。大当り時の変動グループ選択テーブルについての詳細は、図16にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数1をロードし、準備する(S1505)。次に、2バイトで表される変動パターン乱数1の振り分け値を決める2バイト振り分け処理を実行する(S1506)。そして、振り分けた結果得られたリーチ系統のアドレスを取得し、準備する(S1507)。これにより、後半の変動のリーチ系統が決まる。
続いて、遊技制御装置500は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数2をロードし、準備する(S1508)。また、後半の変動のリーチ系統における詳細な演出を表す変動パターン乱数2の振り分け値を決める振り分け処理を実行する(S1509)。そして、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得し(S1510)、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブする(S1511)。
次に、遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなし変動の番号か否かをチェックする(S1512、S1513)。
遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなし変動の番号の場合には(S1513の結果が「Y」)、前半変動選択テーブル1(リーチなし用)を準備する(S1514)。
一方、遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなし変動の番号でない場合には(S1513の結果が「N」)、前半変動選択テーブル2(リーチ用)を準備する(S1515)。
続いて、遊技制御装置500は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数3をロードし、準備する(S1516)。そして、前半の変動パターンを表す変動パターン乱数3の振り分け値を決める振り分け処理を実行する(S1517)。そして、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得し、準備して(S1518)、変動パターン設定処理を終了する。
このように、変動パターン設定処理は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
〔大当り変動グループ選択テーブル〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図15)のS1504で準備される大当り時の変動グループ選択テーブルについて説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の大当り時の変動グループ選択テーブルの一例である。図16(A)は特図1の場合を示し、図16(B)は特図2の場合を示す。
大当り時の変動グループ選択テーブルは、現在の遊技状態に関わらず、特図1大当り又は特図2大当りに応じてテーブルが決まる。そして、変動パターン乱数1の値に応じてリーチ系統及び変動時間が決定される。大当り時のリーチ系統の種類には、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチ、及びSP4リーチがある。
図16(A)と図16(B)とを比較すると、特図1の場合には、リーチ系統に信頼度が高いSP4リーチは設けられていない。信頼度が高い(SP3以上)リーチ系統となる割合は、特図1の場合が30%であるのに対し、特図2の場合は60%である。また、各リーチ系統の変動時間は信頼度が高いほど長く、特図1と特図2とで設定される変動時間は同じである。
〔はずれ変動グループ選択テーブル〕
続いて、前述した変動パターン設定処理(図15)のS1503で準備されるはずれ時の変動グループ選択テーブルについて説明する。はずれ時の変動グループ選択テーブルは、特図1はずれ又は特図2はずれに応じてテーブルが決まり、さらに、現在の遊技状態(高サポ状態か否か、特図保留数)に応じてテーブルが異なる。そして、変動パターン乱数1の値に応じてリーチ系統及び変動時間が決定される。はずれ時のリーチ系統の種類には、リーチなし、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、及びSP3リーチがある。
図17は、本発明の第1の実施の形態の特図1はずれ時の変動グループ選択テーブルの一例である。
図17(A)は現在の遊技状態が高サポ状態以外の場合に準備されるテーブルである。左側は特図保留数が1つのときのテーブルであり、右側は特図保留数が2〜4つのときのテーブルである。
左右のテーブルを比較すると、変動パターン乱数1による各リーチ系統の振り分け割合は同じであり、90%の割合で「リーチなし」が選択されるようになっている。リーチ系統に応じた変動時間は、信頼度が高いリーチほど変動時間が長く設定されている。そして、「SP1リーチ」〜「SP3リーチ」の変動時間は特図保留数に関わらず同じであるが、「リーチなし」及び「ノーマルリーチ」の変動時間は特図保留数によって異なる。特図保留数が1つのときの変動時間は、それぞれ10秒、20秒であるのに対し、特図保留数が2〜4つのときの変動時間は、それぞれ8秒、10秒である。特図保留数が多いときは保留記憶の消化を早めるため1回の変動時間を短く設定している。
図17(B)は、現在の遊技状態が高サポ状態の場合に準備されるテーブルである。左側は特図保留数が1つのときのテーブルであり、右側は特図保留数が2〜4つのときのテーブルである。
左右のテーブルを比較すると、「リーチなし」及び「ノーマルリーチ」の変動時間が異なるのみである。その他は同じであり、図17(A)とも同じである。リーチなし」及び「ノーマルリーチ」の変動時間は、特図保留数が1つのときは20秒であるのに対し、特図保留数が2〜4つのときはそれぞれ8秒、10秒である。特図保留数が多いときは保留記憶の消化を早めるため1回の変動時間が短く設定されている。
また、高サポ状態で特図保留数1のときの「リーチなし」の変動時間は、高サポ状態でない場合に比べて長く設定されている。
図18は、本発明の第1の実施の形態の特図2はずれ時の変動グループ選択テーブルの一例である。
図18(A)は、現在の遊技状態が高サポ状態以外の場合に準備されるテーブルである。また、図18(B)は、現在の遊技状態が高サポ状態の場合に準備されるテーブルである。左側は特図保留数が1つのときのテーブルであり、右側は特図保留数が2〜4つのときのテーブルである。
図18(A)は、図17(A)と同じ設定がされたテーブルである。図18(B)は、図17(B)の特図保留数が1つのときの「ノーマルリーチ」が「リーチなし」にまとめられる。また、特図保留数が2〜4つのときの「リーチなし」の変動時間が8秒から3秒に設定されている。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における変動開始情報設定処理(S1219)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。変動開始情報設定処理では、決定された変動パターンに基づいて、時間値の設定などの処理を実行する。
遊技制御装置500は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(S1901)。
続いて、遊技制御装置500は、前半変動時間値テーブルを設定し(S1902)、変動パターン設定処理(図15)のS1518の処理で取得した前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(S1903)。
同様に、遊技制御装置500は、後半変動時間値テーブルを設定し(S1904)、変動パターン設定処理(図15)のS1511の処理でセーブした後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(S1905)。
そして、遊技制御装置500は、S1903の処理で取得された前半変動時間値と、S1905の処理で取得された後半変動時間値とを加算し(S1906)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S1907)。
さらに、遊技制御装置500は、演出制御装置550に変動コマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、前半変動番号に対応する変動コマンドのMODE部を算出し、準備する(S1908)。さらに、後半変動番号の値を変動コマンドのACTION部として、準備し(S1909)、変動コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S1910)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンド(図柄情報コマンド)をロードし、準備して(S1911)、当該飾り特図コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S1912)。
そして、遊技制御装置500は、演出制御装置550に飾り特図保留数コマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンドのMODE部を準備する(S1913)。
次に、遊技制御装置500は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定し(S1914)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を1減算して更新する(S1915)。さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドのACTION部を準備して(S1916)、飾り特図保留数コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S1917)。
続いて、遊技制御装置500は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(S1918)、シフト後の空き領域を0クリアする(S1919)。その後、変動開始情報設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図表示中処理(S812)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合にRWMの大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2をロードし(S2001)、大当りフラグ2領域をクリアする(S2002)。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(S2003)、大当りであるか否かを判定する(S2004)。そして、大当りと判定された場合には(S2004の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S2005)。さらに、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S2006)。特図2大当りの開始に関する信号には、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄2当り信号をONにしたりすることが含まれる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(S2004の結果が「N」)、RWMの大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1をロードする(S2007)。大当りフラグ1領域に大当りフラグ1が設定されている場合には、特図1変動表示ゲームが大当りになる。さらに、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S2008)。
続いて、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ1をチェックし(S2009)、大当りであるか否かを判定する(S2010)。そして、大当りと判定された場合には(S2010の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S2011)。特図1大当りの開始に関する信号には、特図2大当りの場合と同様に、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄1当り信号をONにしたりすることが含まれる。
そして、遊技制御装置500は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S2011)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S2006)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(S2012)。
次に、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(S2013)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S2014)。
このように、ラウンド数上限値テーブル上には、ラウンド数上限値及びラウンドLEDポインタが定義される。
次に、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S2015)、コマンド設定処理を実行する(S2016)。
続いて、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報をRWMからロードし、当該図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(S2017)、コマンド設定処理を実行する(S2018)。出力されるファンファーレは、当りの種類(大当りと小当り)や大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置550に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S2019)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S2020)。
次に、遊技制御装置500は、大当り及び小当りに係る大入賞口開放情報をロードし、当該大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S2021)。さらに、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号もRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S2022)。
また、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S2023)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2024)。
次に、遊技制御装置500は、大当り図柄情報に対応する保留上限数を前述した保留上限選択テーブル(図2(A)参照)から取得する(S2025)。そして、現在の保留上限数と変化するか否かを判定する(S2026)。保留上限数に変化がない場合には(S2026の結果が「N」)、S2030の処理に移行する。
一方、遊技制御装置500は、保留上限数に変化がある場合には(S2026の結果が「Y」)、取得した保留上限数に対応する保留記憶領域を設定し(S2027)、保留上限数コマンドを準備して(S2028)、送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S2029)。
そして、遊技制御装置500は、大入賞口1不正入賞数領域及び大入賞口2不正入賞数領域にセーブしている大入賞口2への不正入賞数をリセットする(S2030)。そして、大入賞口1不正監視期間フラグ領域及び大入賞口2不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(S2031)。
最後に、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を実行し(S2032)、特図表示中処理を終了する。
ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、特図ゲーム処理においてファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定し、各種状態を示す情報を設定したり、大当り終了処理(図21)で変動パターン振り分け情報領域にセーブされた変動パターン振り分け情報をクリア(0クリア)したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置550に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(S2010の結果が「N」)、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが1回分終了するため、変動回数を1減算して更新する変動回数更新処理を実行する(S2033)。そして、特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S2034)、特図表示中処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における大当り終了処理(S816)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納された確率変動判定フラグをロードし(S2101)、当該確率変動判定フラグに基づいて分岐して(S2102)大当り終了設定処理を実行する(S2103〜S2108)。大当り終了後の遊技状態は、高サポ高確率状態(保留上限数8個又は変化なし)、低サポ時短状態(保留上限数8個又は変化なし)、及び高確率状態(保留上限数8個又は変化なし)の6つの遊技状態のいずれかに振り分けられる。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「1」(高確A)に設定されている場合には、大当り終了設定処理1を実行する(S2103)。大当り終了設定処理1の詳細については、図22にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「2」(高確B)に設定されている場合には、大当り終了設定処理2を実行する(S2104)。大当り終了設定処理2の詳細については、図23にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「3」(低確A)に設定されている場合には、大当り終了設定処理3を実行する(S2105)。大当り終了設定処理3の詳細については、図24にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「4」(低確B)に設定されている場合には、大当り終了設定処理4を実行する(S2106)。大当り終了設定処理4の詳細については、図25にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「5」(潜伏A)に設定されている場合には、大当り終了設定処理5を実行する(S2107)。大当り終了設定処理2の詳細については、図26にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「6」(潜伏B)に設定されている場合には、大当り終了設定処理6を実行する(S2108)。大当り終了設定処理2の詳細については、図27にて説明する。
遊技制御装置500は、大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(S2109)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S2110)。
そして、遊技制御装置500は、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理を実行し(S2111)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、前述した大当り終了処理(図21)における大当り終了設定処理1(S2103)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、保留上限数が8個に設定された場合に大当り終了後の遊技状態を高サポ高確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、高確A時の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2201)。さらに、高確A時の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2202)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に高確A時の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確A時の番号をセーブする(S2203)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S2204)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S2205)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確A)をセーブする(S2206)。最後に、時間短縮変動回数領域をリセットし(S2207)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、前述した大当り終了処理(図21)における大当り終了設定処理2(S2104)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、保留上限数が変化しなかった場合に大当り終了後の遊技状態を高サポ高確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、高確B時の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2301)。さらに、高確B時の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2302)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に高確B時の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確B時の番号をセーブする(S2303)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S2304)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S2305)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確B)をセーブする(S2306)。最後に、時間短縮変動回数領域をリセットし(S2307)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔大当り終了設定処理3〕
次に、前述した大当り終了処理(図21)における大当り終了設定処理3(S2105)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理3の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理3は、保留上限数が8個に設定された場合に大当り終了後の遊技状態を低サポ時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、時短A時の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2401)。さらに、時短A時の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2402)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に時短A時の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に時短A時の番号をセーブする(S2403)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S2404)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短フラグをセーブし(S2405)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短A)をセーブする(S2406)。最後に、時間短縮変動回数領域に時短変動回数初期値をセーブし(S2407)、大当り終了設定処理3を終了する。
〔大当り終了設定処理4〕
次に、前述した大当り終了処理(図21)における大当り終了設定処理4(S2106)の詳細について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理4の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理4は、保留上限数が変化しなかった場合に大当り終了後の遊技状態を低サポ時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、時短B時の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2501)。さらに、時短B時の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2502)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に時短B時の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に時短B時の番号をセーブする(S2503)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S2504)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短フラグをセーブし(S2505)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短B)をセーブする(S2506)。最後に、時間短縮変動回数領域に時短変動回数初期値をセーブし(S2507)、大当り終了設定処理4を終了する。
〔大当り終了設定処理5〕
次に、前述した大当り終了処理(図21)における大当り終了設定処理5(S2107)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理5の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理5は、保留上限数が8個に設定された場合に大当り終了後の遊技状態を高確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、潜伏A時の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2601)。さらに、潜伏A時の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2602)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に潜伏A時の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に潜伏A時の番号をセーブする(S2603)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグなしをセーブする(S2604)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短なしフラグをセーブし(S2605)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏A)をセーブする(S2606)。最後に、時間短縮変動回数領域をリセットし(S2607)、大当り終了設定処理5を終了する。
〔大当り終了設定処理6〕
次に、前述した大当り終了処理(図21)における大当り終了設定処理6(S2108)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理6の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理6は、保留上限数が変化しなかった場合に大当り終了後の遊技状態を高確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、潜伏B時の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2701)。さらに、潜伏B時の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2702)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に潜伏B時の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に潜伏B時の番号をセーブする(S2703)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグなしをセーブする(S2704)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短なしフラグをセーブし(S2705)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏B)をセーブする(S2706)。最後に、時間短縮変動回数領域をリセットし(S2707)、大当り終了設定処理6を終了する。
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2801)。次に、各種初期化処理を実行する(S2802)。各種初期化処理では、作業領域であるRAM551aを0クリアして、CPU初期化処理を実行したり、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定したり、乱数初期化処理を実行したりする。続いて、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2803)。そして割込みを許可する(S2804)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2805)。WDTは、前述した各種初期化処理(S2802)におけるCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出し、検出した信号に応じてフラグなどの入力情報(立ち上がりエッジ)を作成する処理を行う演出ボタン入力処理を実行する(S2806)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2807)。遊技制御コマンド解析処理は、割込みで遊技制御装置500のバッファ532aにセットされた情報を正しく受信できたか否かを判断し、受信できた場合に後のシーン制御処理のためのコマンド区分けなどを行う。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2808)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信して表示や役物の動作等を検査する。そして、表示や音、LEDの点灯等が必要な場合は後述するS2811〜S2813の処理において制御され、検査が終了して電源が落とされると処理が終了する。テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2807)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S2809)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図31にて後述する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2810)。演出コマンド編集処理においてレジスタに書き込まれたコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に出力される。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2811)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2812)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10e、枠演出装置18e)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2813)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2814)、S2805の処理に戻る。以降、S2805からS2814までの処理を繰り返す。
〔割込み処理〕
次に、前述の1stメイン処理(図28)において割込みが許可された後に実行される割込み処理の詳細を説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の割込み処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、タイマ更新処理を実行する(S2901)。そして、入力処理を実行し(S2902)、出力処理を実行する(S2903)。さらに、メインコマンド受信処理を実行し(S2904)、割込み処理を終了する。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S3001)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S3002)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S3003)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S3004)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S3005)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S3006)。各種制御処理の初期化処理では、制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S3007)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S3008)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S3009)。システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S3009の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S3010)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。次に、主制御用マイコン(1stCPU)551から受信したコマンドを特定して区分けする受信コマンドチェック処理を実行する(S3011)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551で実行されるメイン処理の1stシーン制御処理(S2809)におけるシーンの描画を準備する2ndシーン制御処理を実行する(S3012)。ここで2ndシーン制御処理は、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行され、表示装置48に表示する予告キャラクタ等や表示優先順位などが決定される。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示される画像のうち、演出の中で静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S3013)。背景は、特図ゲームモード、客待ち、変動パターンに応じて設定される。次に、表示装置48に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備する変動表示処理を実行する(S3014)。さらに、表示装置48に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S3015)。本発明の第1の実施の形態では、特図保留記憶領域に記憶された事前演出情報に基づいて保留表示を変化させて事前演出(先読み演出)を行う。
また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合などは、表示装置48に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(S3016)。
最後に、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、ROMのデータをRAMに転送し、表示装置48に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S3017)。そして、再び本処理のS3008の処理に戻り、以降、S3008からS3017までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述した1stメイン処理(図28)における1stシーン制御処理(S2809)の詳細について説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S3101)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。テストモード中である場合には(S3101の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S3101の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S3102)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S3102の結果が「N」)、S3103〜S3106の処理を実行せずにS3107の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するS3108〜S3116の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S3102の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S3103)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2807)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S3104)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S3104の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S3105)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセーブする(S3106)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S3104の結果が「N」)、S3105及びS3106の処理を実行せずにS3107の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2807)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S3107)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S3108)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S3109)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S3110)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S3111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S3112)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、大当りファンファーレ処理を実行する(S3113)。なお、大当りファンファーレ処理の詳細については、図32にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、大当りラウンド中処理を実行する(S3114)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。なお、大当りラウンド中処理の詳細については、図33にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、大当りインターバル処理を実行する(S3115)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、大当りエンディング処理を実行する(S3116)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置500から送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新と保留数表示の設定を行う保留数コマンド受信処理を実行する(S3117)。なお、保留数コマンド受信処理の詳細については、図34にて後述する。
また、変動開始時に変動パターンコマンドより先に遊技制御装置500から送信される飾り特図コマンドを受信する飾り特図コマンド受信処理を実行する(S3118)。さらに、変動表示ゲームが大当りとなるか否かの図柄情報コマンドや実行される変動パターンを特定可能な変動パターン乱数コマンドを含む先読みコマンドにより保留表示の演出等を設定する先読みコマンド受信処理を実行する(S3119)。なお、先読みコマンド受信処理の詳細については、図35にて後述する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに、背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信する確率情報コマンド受信処理を実行する(S3120)。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される保留上限数コマンドを受信して、当該保留上限数コマンドにより対象となる特図の保留上限数の変更を行う保留上限数コマンド受信処理を実行する(S3121)。また、遊技制御装置500から送信される再判定コマンドを受信して、当該再判定コマンドにより保留表示の演出等を再設定する再判定コマンド受信処理を実行する(S3122)。なお、再判定コマンド受信処理の詳細については、図36にて後述する。その後、1stシーン制御処理を終了する。
〔大当りファンファーレ処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図31)における大当りファンファーレ処理(S3113)の詳細について説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の大当りファンファーレ処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S3201)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS3106で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S3201の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S3202)。更新タイマが0でない場合には(S3202の結果が「N」)、現在のファンファーレ表示を継続するので、大当りファンファーレ処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S3202の結果が「Y」)、ファンファーレ表示が最終シーンであるか否かを判定する(S3203)。そして、最終シーンの場合には(S3203の結果が「Y」)、ファンファーレ終了画面に移行するためにシーケンステーブルに設定されたファンファーレ終了のデータを設定し(S3204)、大当りファンファーレ処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、ファンファーレ表示が最終シーンでない場合には(S3203の結果が「N」)、次のシーンのデータを設定し(S3205)、大当りファンファーレ処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S3201の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、大当り時のゲームモード状態を保持する(S3206)。次に、大当り種類に対応する大当り図柄を設定する(S3207)。また、保留上限数情報を設定するとともに(S3208)、保留上限数を遊技者に報知するラウンドや報知内容を設定する報知演出ラウンド情報を設定する(S3209)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、大当りが連続する場合には連続大当りカウントを更新する(S3210)。その後、演出リクエストフラグをクリアして(S3211)、大当りファンファーレ処理を終了する。
このように大当りファンファーレ処理では、ファンファーレ開始時(大当り開始時)に保留上限数を設定するとともに、保留上限数の報知演出ラウンドに関する情報を設定する。したがって、演出制御装置550は、特別遊技状態に関連して上限数決定手段によって決定された上限数を遊技者に報知する演出制御手段を有する。
〔大当りラウンド中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図31)における大当りラウンド中処理(S3114)の詳細について説明する。図33は、本発明の第1の実施の形態の大当りラウンド中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S3301)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS3106で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S3301の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S3302)。更新タイマが0でない場合には(S3302の結果が「N」)、現在のラウンド遊技表示を継続するので、大当りラウンド中処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S3302の結果が「Y」)、ラウンド遊技表示が最終シーンであるか否かを判定する(S3303)。そして、最終シーンの場合には(S3303の結果が「Y」)、ラウンド終了画面に移行するためにシーケンステーブルに設定されたラウンド終了のデータを設定し(S3304)、大当りラウンド中処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、ラウンド遊技表示が最終シーンでない場合には(S3303の結果が「N」)、次のシーンのデータを設定し(S3305)、大当りラウンド中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S3301の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、大当り種類や今回のラウンド数に応じて実行すべき演出などの大当りによる情報を再設定する(S3306)。さらに、ラウンド数を更新設定する(S3307)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、再設定した大当りによる情報から保留上限数の情報を取得する(S3308)。また、今回のラウンドが報知演出実行ラウンドかチェックして(S3309)、判定する(S3310)。そして、報知演出実行ラウンドである場合には(S3310の結果が「Y」)、対応する報知演出情報を設定して(S3311)、演出リクエストフラグをクリアした後(S3312)大当りラウンド中処理を終了する。一方、報知演出実行ラウンドでない場合には(S3310の結果が「N」)、何も設定することなく演出リクエストフラグをクリアして(S3312)、大当りラウンド中処理を終了する。
このように大当りラウンド中処理では、報知演出を実行するラウンドで報知演出情報を設定する。
〔保留数コマンド受信処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図31)における保留数コマンド受信処理(S3117)の詳細について説明する。図34は、本発明の第1の実施の形態の保留数コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、特図の保留数コマンドを確認して(S3401)、当該保留数コマンドを受信しているか否かを判定する(S3402)。保留数コマンドを受信していない場合には(S3402の結果が「N」)、保留数コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留数コマンドを受信している場合には(S3402の結果が「Y」)、オーバーフロー球に対応するオーバーフローコマンドか否かを判定する(S3403)。オーバーフローコマンドである場合には(S3403の結果が「Y」)、保留数コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、オーバーフローコマンドでない場合には(S3403の結果が「N」)、対象となる保留は特図1であるか否かを判定する(S3404)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象となる保留が特図1ではない、すなわち特図2の保留である場合には(S3404の結果が「N」)、現状の特図2保留数記憶領域の値を取得する(S3405)。そして、今回受信した特図保留数コマンドに基づく値を取得し(S3406)、差分を算出して、特図2保留数記憶領域の値を更新する(S3407)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新内容に基づき特図2固定保留数表示データを設定し(S3408)、特図2報知対象保留があるか否かをチェックし判定する(S3409、S3410)。そして、特図2報知対象保留がない場合には(S3410の結果が「N」)、保留数コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特図2報知対象保留がある場合には(S3410の結果が「Y」)、当該報知対象保留の情報を取得し(S3411)、更新内容に基づき特図2可変保留数表示データを設定して(S3412)、保留数コマンド受信処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象となる保留が特図1である場合には(S3404の結果が「Y」)、現状の特図1保留数記憶領域の値を取得する(S3413)。そして、今回受信した特図保留数コマンドに基づく値を取得し(S3414)、差分を算出して、特図1保留数記憶領域の値を更新する(S3415)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新内容に基づき特図1固定保留数表示データを設定し(S3416)、特図1報知対象保留があるか否かをチェックし判定する(S3417、S3418)。そして、特図1報知対象保留がない場合には(S3418の結果が「N」)、保留数コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、特図1報知対象保留がある場合には(S3418の結果が「Y」)、当該報知対象保留の情報を取得し(S3419)、更新内容に基づき特図1可変保留数表示データを設定して(S3420)、保留数コマンド受信処理を終了する。
〔先読みコマンド受信処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図31)における先読みコマンド受信処理(S3119)の詳細について説明する。図35は、本発明の第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。図35(A)は先読み報知対象保留が選択条件によって可変保留数に対応する保留の中から設定される場合のフローチャートであり、図35(B)は先読み報知対象保留が可変保留数に対応する所定の保留に予め設定されている場合のフローチャートである。まず、図35(A)のフローチャートについて説明する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、先読みコマンドを受信しているか否かを判定する(S3501)。そして、先読みコマンドを受信していない場合には(S3501の結果が「N」)、先読みコマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読みコマンドを受信している場合には(S3501の結果が「Y」)、先読みコマンドが有する先読み情報を対応する保留記憶領域にセーブする(S3502)。そして、対象の保留が可変保留数に対応する保留か否かを判定する(S3503)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の保留が可変保留数に対応する保留でない場合には(S3503の結果が「N」)、当該保留について通常の先読み設定処理を実行する(S3504)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の保留が可変保留数に対応する保留である場合には(S3503の結果が「Y」)、可変保留数に対応する全ての保留情報を取得し(S3505)、その中で先読み報知対象とする保留を選択する(S3506)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3504又はS3506の処理を実行した後、対応する保留表示情報を設定して(S3507)、先読みコマンド受信処理を終了する。
ここで、可変保留数に対応する保留の中から先読み報知対象となる保留を選択する条件は、最も遊技者に有利な保留を選択条件としてもよいし、乱数等によりランダムに当選する保留を選択条件としてもよい。
また、可変保留数に対応する保留が発生する度に先読み報知対象となる保留を選択するのではなく、可変保留数に対応する保留の中に先読み報知対象となる保留がある場合には当該保留が固定保留数に対応する保留になるまでは他の可変保留数に対応する保留を先読み報知対象としないように規制してもよい。
次に、図35(B)のフローチャートは、図35(A)のフローチャートからS3505及びS3506の処理のみ変更になる。図35(B)では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の保留が可変保留数に対応する保留である場合には(S3503の結果が「Y」)、対象の保留が報知対象保留(例えば、保留5)か否かを判定する(S3515)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の保留が報知対象保留でない場合には(S3515の結果が「N」)、S3507の処理に移行する。また、報知対象保留である場合には(S3515の結果が「Y」)、当該報知対象保留の情報に基づく可変保留数表示態様を設定し(S3516)、S3507の処理に移行する。
このように先読みコマンド受信処理では、可変保留数に対応する保留についても先読み設定を行う。そして、先読み報知の対象となる保留の選択については、適宜選択条件が設定される。
〔再判定コマンド受信処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図31)における再判定コマンド受信処理(S3122)の詳細について説明する。図36は、本発明の第1の実施の形態の再判定コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、再判定コマンドを受信しているか否かを判定する(S3601)。再判定コマンドは、前述した特図普段処理(図12)における保留再判定処理(図13)で再判定可能タイミングであったことにより、特図保留情報再判定処理(図14)のS1413やS1416の処理で遊技制御装置500から演出制御装置550に送信するよう設定される再判定した結果のコマンドである。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、再判定コマンドを受信している場合には(S3601の結果が「Y」)、当該再判定コマンドに対応する先読み情報を対応する保留記憶領域に上書きする(S3602)。次に、上書きした再判定コマンドの先読み情報に基づいて保留表示を再設定して(S3603)、再判定コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、再判定コマンドを受信していない場合には(S3601の結果が「N」)、他の処理を実行せず再判定コマンド受信処理を終了する。
〔保留上限数報知 画面遷移例〕
図37は、本発明の第1の実施の形態の表示装置48における保留上限数報知の画面遷移例である。ここでは、15R大当りの7ラウンド目で報知演出が実行される場合について一例を説明する。なお、2R大当りの場合は2ラウンド目で報知演出が実行される。
図37(A)及び(B)は、通常遊技において特図変動表示ゲームが実行されているときの画面表示である。図37(A)は特図変動表示ゲームの実行中の画面表示であり、画面中央で3つの識別図柄が全て変動している。図37(B)は特図変動表示ゲームが終了したときの画面表示であり、画面中央で3つの識別図柄が「7」で停止している。この結果、大当りが発生する。
また、このときの保留上限数は特図1及び特図2ともに4つである。そして、画面左下の特図1保留表示領域には4個のうち3個の保留玉が色付きで保留表示されている。また、画面右下の特図2保留表示領域には保留がなく保留表示されていない。
図37(C)は、大当り遊技における1ラウンド目の画面表示である。この間にも遊技球は始動入賞領域(第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38)に入賞可能であるので、保留表示される保留数が増える。ここでは特図1保留数が4個になる。
なお、大当り遊技の開始とともに大当り図柄に応じて保留上限数が設定されるが、所定のラウンドになるまで遊技者に保留上限数の報知は行われない。そして、報知が行われるまでは画面表示上の保留上限数(ここでは4個)は変更しないが、この間も内部では設定された新しい保留上限数まで保留を記憶している。
図37(D)〜(F)は、保留上限数の報知演出が実行される7ラウンド目の画面表示である。画面中央にはキャラクタやメッセージ等が表示され、保留数の増加チャンスとなる抽選ゲームが行われる。なお、本発明の第1の実施の形態では、保留上限数が変化する場合は無条件に抽選ゲームに当選して保留上限数が報知されるようにしている。
図37(D)は、抽選ゲーム開始の画面表示である。特図1保留表示領域及び特図2保留表示領域には、右端の保留玉の隣に保留数の増加を期待させる所定の表示がされる。画面中央にはキャラクタと大きな団扇が表示され、キャラクタの「頑張るよ!!」とのメッセージで開始となる。なお、所定の表示はキャラクタのセリフや吹き出しの背景等で表されてもよい。
図37(E)は、抽選ゲーム中の画面表示である。このとき、大きな団扇によって所定の表示が覆われる。
図37(F)は、抽選ゲーム終了の画面表示である。図37(F1)は抽選ゲームの結果、保留上限数の増加変化がある場合の画面表示であり、団扇の覆いが解除されると効果音とともに所定の表示に増えた保留数の数が表示されている。ここでの所定の表示は可変保留数の保留表示であり、このときの保留上限数は固定保留数と可変保留数とを足し合わせた数になる。そして、可変保留数の保留表示には記憶されている可変保留数(ここでは「4」)が表示される。
図37(F2)は抽選ゲームの結果、保留上限数の変化がない場合の画面表示であり、所定の表示が消えるとともに画面中央に「ごめんなさい」とのメッセージが表示される。このときの保留上限数は固定保留数のままである。
〔可変保留の先読み報知 画面遷移例〕
図38は、本発明の第1の実施の形態の表示装置48における大当り終了後の可変保留数に対応する保留の先読み報知についての画面遷移例である。ここでは、保留上限数の増加変化があって保留上限数が8個になった場合、すなわち前述の図37(F1)後の画面遷移について一例を説明する。
図38(A)は、大当り終了後に特定遊技状態が開始されたときの画面表示である。ここでは、特図1保留数が上限の8個となり、特図1保留表示領域の可変保留数に対応する可変保留表示には4個の可変保留があることを示す「4」が表示される。
図38(B)は、特定遊技状態において1回目の特図1変動表示ゲームが開始されたときの画面表示である。画面中央では3つの識別図柄が変動中になる。そして特図1保留数が1個減るので、画面左下の特図1保留表示領域の保留表示は、可変保留表示に表示される数字が「4」から「3」に変更される。
ここで、大当り終了後に1個目の保留が消化される、すなわち大当り終了後の特定遊技状態で1回目の特図変動表示ゲームの開始のタイミングで可変保留のうち先読み報知対象となる保留に対して先読みが実行される。そして、先読み報知対象となる保留の先読み結果に応じて可変保留表示の背景の表示態様が変更される。このときスピーカー30によって効果音が出力されてもよいし、当該可変保留表示の周辺にエフェクトが表示されてもよい。
この間にも第1始動入賞口37に遊技球が入賞して特図1保留数が1個増えて、図38(C)に示すように可変保留表示に表示される数字が「3」から「4」に変更され、図38(D)に示すように1回目の特図1変動表示ゲームが終了したときも保留表示は変わらない。
また、図38(E)は、先読み報知対象となる保留の先読み結果が大当り確定となる場合の画面表示である。このときの可変保留表示の先読み表示態様は、前述の図38(B)における表示態様よりも目立つように設定され、遊技者が表示の変化を認識しやすい。ここでは、可変保留表示が塗り潰されて保留数が認識できない状態になり、その周辺には効果音とともに認識しやすいエフェクト表示がされる。
なお、先読み結果が大当りになる場合には、先読み報知対象の保留よりも前に記憶された保留に大当りがないことを条件に大当り確定の先読み報知を実行するようにしてもよい。
また、遊技者にとって有利となる結果が得られる可能性が高いことを示す先読み表示が行われると遊技者はそれ以降遊技球を発射するのを中断する(所謂止め打ちを行う)可能性がある。そこで、止め打ちを防止するために、先読み報知は、後続に所定の入賞球が検知されたタイミングで行うようにしてもよい。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、特別遊技中に保留上限数の変化に関連した演出という従来にない斬新な演出が行われるので、特別遊技の興趣を高めることができるとともに遊技者の特別遊技に対する関心を高めることができる。
さらに、保留上限数は大当りを契機に大当り図柄等の所定条件に応じて設定され、特別遊技中の所定ラウンドで報知されるので、遊技者は特別遊技中も保留上限数が増加する期待感をもって遊技を楽しむことができる。
また、大当り毎に保留上限数が変化するので、遊技者の止め打ちによる遊技機の稼働率低下を防止することできる。
また、保留上限数は記憶される最低限の固定保留数(上限数の下限値である固定上限数)と固定保留数に加算する可変保留数(可変上限数)からなる。そして、固定保留数及び可変保留数に対応する保留について先読み演出を行うことが可能であるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(第1の実施の形態の変形例1)
本発明の第1の実施の形態では必ず保留上限数の変化を報知する。これに対し、第1の実施の形態の変形例1では演出ボタン31の操作入力による所定条件の成立に応じて保留上限数を報知する。
以下、本発明の第1の実施の形態の変形例1について図39〜図43を参照して説明する。
〔大当りラウンド中処理〕
図39は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の大当りラウンド中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図33と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、ラウンド遊技表示が最終シーンである場合に(S3303の結果が「Y」)、ラウンド終了のデータを設定するだけではなく、ラウンド終了時に保留上限数を報知する演出を設定する報知演出設定処理を実行する(S3901)。なお、報知演出設定処理についての詳細は、図40にて後述する。
〔報知演出設定処理〕
次に、前述した大当りラウンド中処理(図39)における報知演出設定処理(S3901)の詳細について説明する。図40は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の報知演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、今回のラウンドが報知演出実行ラウンドかチェックして(S4001)、判定する(S4002)。そして、報知演出実行ラウンドでない場合には(S4002の結果が「N」)、ラウンド終了のデータを設定して(S4010)、報知演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、報知演出実行ラウンドである場合には(S4002の結果が「Y」)、後述するPB入力処理(図41)において設定される保留上限数報知フラグがあるかチェックして(S4003)、判定する(S4004)。そして、保留上限数報知フラグがない場合には(S4004の結果が「N」)、ラウンド終了のデータを設定して(S4010)、報知演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留上限数報知フラグがある場合には(S4004の結果が「Y」)、今回の大当りの大当り図柄に基づく保留上限数を保留上限選択テーブル(図2(A))から取得して(S4005)、保留上限数に変化(増加)があるか否かを判定する(S4006)。そして、変化(増加)がある場合には(S4006の結果が「Y」)、可変保留表示領域の可変保留数表示情報を設定する(S4007)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留上限数の変化の有無に関係なく(S4006の結果が「N」及びS4007の後)、保留上限数報知演出情報を設定し(S4008)、さらに保留上限数報知フラグをクリアする(S4009)。そして、ラウンド終了のデータを設定して(S4010)、報知演出設定処理を終了する。
このように本発明の第1の実施の形態の変形例の大当りラウンド中処理では、所定のラウンド終了時に保留上限数報知フラグがあれば今回の大当りに基づいて決定された保留上限数を報知する演出が設定される。また保留上限数が増加する場合には、可変保留表示領域の表示態様も設定される。
〔PB入力処理〕
次に、割込み処理の1つであるPB入力処理の詳細について説明する。図41は、本発明の第1の実施の形態の変形例1のPB入力処理の手順を示すフローチャートである。
PB処理は、演出ボタン31の操作入力を受け付けて操作に応じた演出を設定する処理であり、特に本発明の第1の実施の形態の変形例では保留上限数を報知するラウンドにおいて規定通りの操作が行われた場合に保留上限数の報知を実行するための保留上限数報知フラグがセットされる。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出ボタン31の操作入力を受け付けるPB操作有効期間かチェックして(S4101)、判定する(S4102)。そして、有効期間である場合には(S4102の結果が「Y」)、演出ボタン31の操作入力があるかをチェックして(S4103)、判定する(S4104)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、操作入力がある場合には(S4104の結果が「Y」)、現在、特別遊技状態の報知演出実行ラウンドかチェックして(S4105)、判定する(S4106)。そして、現在報知演出実行ラウンドでない場合には(S4106の結果が「N」)、現在の遊技状態における操作入力に対応する演出を設定するPB演出設定処理を実行して(S4107)、PB入力処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、現在報知演出実行ラウンドである場合には(S4106の結果が「Y」)、演出ボタン31の操作カウンタを1減算更新して(S4108)、更新後の操作カウンタが規定値に到達したか否かを判定する(S4109)。そして、規定値に到達した場合には(S4109の結果が「Y」)、保留上限数報知フラグをセットして(S4110)、PB入力処理を終了する。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン31の操作有効期間でない場合(S4102の結果が「N」)、操作入力がない場合(S4104の結果が「N」)、又は、操作カウンタが規定値に到達しない場合には(S4109の結果が「N」)、その後の処理を行わずにPB入力処理を終了する。
〔保留上限数報知 画面遷移例〕
図42及び図43は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の表示装置48における保留上限数報知の画面遷移例である。ここでは、15R大当りの7ラウンド目において、所定条件の成立により報知演出が実行される場合について説明する。図42は、所定条件の成立を演出ボタン31の操作入力の規定回数到達とした場合の画面遷移例である。図43は、所定条件の成立を演出ボタン31の規定タイミングでの操作入力達成とした場合の画面遷移例である。
まず、図42について説明する。図42(A)〜(C)の画面表示は前述した図37(A)〜(C)と共通なので説明を省略する。また、第1の実施の形態で説明した画面表示と共通の表示については、適宜説明を省略する。
図42(D)は、報知獲得ゲーム開始の画面表示である。画面中央には演出ボタン31を連打するゲームであることを伝えるメッセージが表示され、画面右端には演出ボタン31の有効操作回数を把握することができるレベルメーターが表示される。これを機に演出ボタン31の操作入力が報知獲得ゲームの操作としてカウントされ、操作回数が規定回数に到達するか否かによって保留上限数報知の実行が決定される。
図42(E1)は、有効期間内に演出ボタン31の操作回数が規定回数に到達したときの画面表示である。このとき表示装置48では演出ボタン31の操作が目標達成したことを報知する演出が実行される。その後、図42(F1)に示すような保留上限数が報知される画面表示に移行する。
図42(F1−1)は、保留上限数が増加変化することを報知する画面表示である。このとき画面下の固定保留数の保留表示の右隣に可変保留数の保留表示が効果音とともに表示され、遊技者に保留上限数が変化したことが報知される。
図42(F1−2)は、保留上限数が増加変化しないことを報知する画面表示である。このとき画面下の保留表示領域の表示に変更はなく、画面中央には報知獲得ゲームで所定条件を成立させたにも関わらず保留上限数が増えないことを詫びるメッセージが表示される。
なお、報知獲得ゲームで所定条件を成立させる第1の実施の形態のような抽選ゲームが実行されて、保留上限数が増加する場合には抽選ゲームに当選する演出を行い、保留上限数が増加しない場合には抽選ゲームに外れる演出を行うようにしてもよい。また、保留上限数が増加する場合に表示される可変保留表示領域に増加する保留数を表示してもよい。
図42(E2)は、有効期間内に演出ボタン31の操作回数が規定回数に到達しなかったときの画面表示である。このとき表示装置48では演出ボタン31の操作が目標達成しなかったことを報知する演出が実行される。
次に、図43について説明する。図43と図42とでは、報知獲得ゲームの内容が異なる。図42では演出ボタン31を規定回数操作することを目標とするが、図43ではさらに演出ボタン31を規定のタイミングで操作することも考慮される。
図43(A)〜(C)の画面表示は前述した図37(A)〜(C)と共通なので説明を省略する。また、第1の実施の形態で説明した画面表示と共通の表示については、適宜説明を省略する。
図43(D)は、報知獲得ゲーム開始の画面表示である。画面中央には演出ボタン31をタイミングに合わせて押すゲームであることを伝えるメッセージが表示され、画面右端には演出ボタン31の有効操作タイミングを把握することができるタイミングメーターが表示される。タイミングメーターは複数のマスで構成され、ゲーム開始とともに順にマスが塗り潰される。そして、矢印で規定されるマスが塗り潰されるタイミングで演出ボタン31が操作されると、当該マスの色が特定の色に塗り潰される。このときの演出ボタン31の操作入力が報知獲得ゲームの操作としてカウントされ、この操作が規定されたマス全てで実行できたか否かによって保留上限数報知の実行が決定される。
図43(E)は、報知獲得ゲーム中であって、演出ボタン31の操作が規定のタイミングで操作されているときの画面表示である。このとき、タイミングメーターの規定マスを特定の色で塗り潰すことができていて順調であることを報知する演出が実行される。その後、最後まで規定のタイミングで演出ボタン31が操作されたかに応じて報知獲得ゲームの結果が決まる。
図43(F1)は、報知獲得ゲームにおいて所定条件(規定のタイミングでの演出ボタン31の操作入力)が成立したときの画面表示である。このとき画面下の固定保留数の保留表示の右隣に可変保留数の保留表示が効果音とともに表示され、遊技者に保留上限数が変化したことが報知される。
図43(F2)は、報知獲得ゲームにおいて所定条件(規定のタイミングでの演出ボタン31の操作入力)が成立しなかったときの画面表示である。このとき画面下の保留表示領域の表示に変更はなく、画面中央には報知獲得ゲームで所定条件を成立させたにも関わらず保留上限数が増えないことを詫びるメッセージが表示される。
(第1の実施の形態の変形例1の効果)
本発明の第1の実施の形態の変形例1によれば、所定のタイミング(ここでは特別遊技中の7ラウンド目)で無条件に保留上限数が報知されるのではなく、遊技者参加による報知獲得ゲームの結果に応じて保留上限数が報知されるので、遊技者の遊技に対する参加意識を向上させることができるとともに遊技の興趣を向上させることができる。
(第1の実施の形態の変形例2)
本発明の第1の実施の形態では、特別遊技の所定ラウンドで抽選ゲームを実行し、保留上限数が増加する場合には抽選ゲームに当選する演出を行い、保留上限数が増加しない場合には抽選ゲームに外れる演出を行う。これに対し、第1の実施の形態の変形例2では、抽選ゲームにおいて変形例1で述べたような演出ボタン31の操作を要するゲームを行い、さらに演出ボタン31の操作を要する確変昇格ゲームを行う。
〔画面遷移例〕
図44は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の表示装置48における確変昇格ゲーム及び抽選ゲーム実行時の画面遷移例である。ここでは、特別遊技の3ラウンド目で確変昇格ゲームが実行され、7ラウンド目で抽選ゲームが実行される。また、演出ボタン31の操作を要するゲームとは、前述の図42のように遊技者が演出ボタン31を操作することで画面表示されるレベルメーターをマックスに到達させることを目標とするゲームである。図44Aは確変昇格ゲームの画面遷移例であり、図44Bは抽選ゲームの画面遷移例である。
図44A(A)〜(C)は前述した図37(A)〜(C)と略同様であり、大当りとなるときの識別図柄が「7」から「4」に変わるだけなので、説明を省略する。また、前述した画面表示と共通の表示については、適宜説明を省略する。
図44A(D)は、確変昇格ゲーム開始の画面表示である。画面中央には遊技者に演出ボタン31を連打して画面右端に表示されるレベルメーターをマックスにするよう促す表示が実行される。
図44A(E)は、確変昇格ゲーム終盤の画面表示である。ここでは、演出ボタン31の連打によりレベルメーターがマックスに到達するかのような演出が実行される。そして、確変昇格する場合にはそのままレベルメーターがマックスに到達して図44A(F1)に示すように確変昇格を獲得したことを報知する画面表示に移行する。また、確変昇格しない場合にはレベルメーターが下がり、図44A(F2)に示すように確変昇格を獲得できなかったことを報知する画面表示に移行する。なお、確変昇格は大当りの種類に応じて予め決まっている。
図44B(G)は、抽選ゲーム開始の画面表示である。ここで、図44Bの左図は前述の確変昇格ゲームの結果が図44A(F1)であった場合の画面遷移例であり、右図は前述の確変昇格ゲームの結果が図44B(F2)であった場合の画面遷移例である。画面中央には遊技者に演出ボタン31を連打して画面右端に表示されるレベルメーターをマックスにすれば保留数が増加することを報知する表示が実行される。そして、特図保留表示領域の固定保留表示の右隣には保留数の増加を期待させる所定の表示がされる。なお、左図の場合は確変昇格ゲームで確変昇格を獲得しているので再び獲得するよう促すメッセージが表示され、右図の場合は確変昇格ゲームで確変昇格を獲得できなかったので今回は獲得するよう促すメッセージが表示される。
そして、保留数が増加する場合には図44B(H1−1)及び(H1−2)に示すようにレベルメーターがマックスに到達して保留数が増加することを報知する画面表示に移行する。また、保留数が増加しない場合には図44B(H2)に示すようにレベルメーターがマックスに到達することなく保留数が増加しないことを報知する画面表示に移行する。抽選ゲームの結果を報知するメッセージは、左図と右図とに示すように、先の確変昇格ゲームの結果に応じて表現が変更される。
(第1の実施の形態の変形例2の効果)
本発明の第1の実施の形態の変形例2によれば、既存の確変昇格演出を組み合わせることで確変昇格及び保留上限数増加の2段階の楽しみを遊技者に与えることができ、特別遊技の興趣を向上させるとともに特別遊技に対する遊技者の関心を高めることができる。
また、先に実行される確変昇格ゲームの結果に対応させて保留上限数増加の抽選ゲームの演出を行うので、2つのゲームが関連しているかのように見せることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、所定ラウンドで無条件に保留上限数を報知する。また、第1の実施の形態の変形例では所定ラウンドにおける演出ボタン31の操作に応じて保留上限数を報知する。これに対し、第2の実施の形態では、所定ラウンドまでに保留数が所定数に到達する場合(第1の報知条件が成立した場合)に保留上限数を報知し、所定ラウンドまでに保留数が所定数に到達しない場合には別途第2の報知条件を設定して当該第2の報知条件が成立したときに保留上限数を報知する。
また、第1の実施の形態では保留上限数の報知を実行する所定ラウンドで保留上限数が増加することを期待させる所定の表示として可変保留表示を画面表示した上で保留上限数の報知に係るゲームを実行する。これに対し、第2の実施の形態ではゲーム前に可変保留表示を行わない保留表示パターン1と可変保留表示を行う保留表示パターン2とが選択可能である。
そして、第2の実施の形態では、所定条件(大当り図柄)により決定される保留上限数に関係なく、所定数(ここでは固定保留数と可変保留数とを合わせた上限値8個)まで保留を記憶することができ、保留上限数が4個の場合には可変保留数の4個は仮保留として保留上限数の報知タイミングまで一時的に記憶する。
以下、本発明の第2の実施の形態について図45〜図54を参照して説明する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
図45は、本発明の第2の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図10と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態では、遊技制御装置500は、S1008とS1009の処理の間で特定期間フラグがあるかチェックして判定する(S4501、S4502)。ここで特定期間フラグは、後述する特図表示中処理(図47)で設定される。
そして、遊技制御装置500は、特定期間フラグがある場合には(S4502の結果が「Y」)、保留情報更新処理を実行する(S4503)。なお、保留情報更新処理についての詳細は、図46にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、特定期間フラグがない場合には(S4502の結果が「N」)、第1の実施の形態のS1009以降の処理を実行する。ここではS1011〜S1021の処理を乱数セーブ処理(S4504)としている。
〔保留情報更新処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図45)における保留情報更新処理(S4503)の詳細について説明する。図46は、本発明の第2の実施の形態の保留情報更新処理の手順を示すフローチャートである。
保留情報更新処理は、設定されている保留上限数が4個の場合に可変保留数を考慮した8個までは仮保留するための処理である。
遊技制御装置500は、まず、現在設定されている保留上限数を取得する(S4601)。そして、保留上限数(4個又は8個)に応じて処理を分岐する(S4602)。
遊技制御装置500は、保留上限数が「4個」の場合には、対象の特図保留数が上限値4個未満かチェックし判定する(S4603、S4604)。そして、上限値未満である場合には(S4604の結果が「Y」)、乱数セーブ処理(S4605)及び特図保留情報判定処理(S4606)を実行して、保留情報更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、対象の特図保留数が上限値未満でない場合、すなわち上限値4個に到達している場合には(S4604の結果が「N」)、対象の特図保留数が可変保留数値未満かチェックして判定する(S4607、S4608)。可変保留数には5〜8が設定可能であり、ここでは8が設定されている。そして、対象の特図保留数が可変保留数値未満でない、すなわち既に8個保留されている場合には(S4608の結果が「N」)、保留情報更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、対象の特図保留数が可変保留数値未満である場合には(S4608の結果が「Y」)、オーバーフロー分を仮保留するので、仮特図保留数を1加算して更新する(S4609)。次に、対象の始動口スイッチの仮保留数コマンドを準備して(S4610)、演出制御装置550に送信するためのバッファを設定するコマンド設定処理を実行する(S4611)。その後、保留情報更新処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、保留上限数が「8個」の場合には、対象の特図保留数が上限値8個未満かチェックし判定する(S4612、S4613)。そして、上限値未満である場合には(S4613の結果が「Y」)、乱数セーブ処理(S4614)及び特図保留情報判定処理(S4615)を実行して、保留情報更新処理を終了する。一方、上限値未満でない場合には(S4613の結果が「N」)、そのまま保留情報更新処理を終了する。
ここでS4605及びS4614の乱数セーブ処理は前述の特図始動口スイッチ共通処理(図10)におけるS1011〜S1021の処理であり、S4606及びS4615の特図保留情報判定処理はS1022の処理である。
〔特図表示中処理〕
図47は、本発明の第2の実施の形態の特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図20と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態では、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームの結果が大当りになる場合にS2029とS2030の処理の間で仮保留を行うための特定期間フラグをセーブする(S4701)。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
図48は、本発明の第2の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図31と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態では、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3122の処理の後に仮保留に対応する仮保留数コマンドを受信する仮保留数コマンド受信処理を実行する(S4801)。
〔大当りファンファーレ処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図48)における大当りファンファーレ処理(S3113)の詳細について説明する。図49は、本発明の第2の実施の形態の大当りファンファーレ処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図32と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合の処理において、S3209とS3210の処理の間で、保留表示態様をパターン1とパターン2のどちらにするかを選択する保留上限数報知情報を選択する(S4901)。
このように特別遊技開始時に保留上限数や報知演出ラウンド情報の設定だけでなく、特別遊技において報知タイミングになるまでの保留上限数の表示態様を固定保留数のみの表示にするか可変保留数も表示するかを選択している。
〔報知演出設定処理〕
図50は、本発明の第2の実施の形態の報知演出設定処理の手順を示すフローチャートである。本発明の第2の実施の形態の大当りラウンド中処理は、前述した第1の実施の形態の変形例1の大当りラウンド中処理(図39)と同じであり、所定の条件成立により報知演出実行ラウンド終了時に保留上限数の報知を設定する。なお、第1の実施の形態の変形例1と共通の処理については、図40と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、報知演出実行ラウンドである場合には(S4002の結果が「Y」)、大当り図柄情報に基づく保留上限数を保留上限選択テーブル(図2(A))から取得する(S5001)。そして保留上限数に応じて処理を分岐する(S5002)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留上限数が「4個」の場合には、保留上限数報知フラグがあるかチェックし判定する(S5003、S5004)。ここで保留上限数報知フラグは、後述する仮保留数コマンド受信処理(図53)でセットされる。
そして主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留上限数報知フラグがある場合には(S5004の結果が「Y」)、保留上限数4個に基づく保留表示情報を設定し(S5005)、保留情報数報知フラグをクリアして(S5006)、報知演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留上限数報知フラグがない場合には(S5004の結果が「N」)、後述するS5009〜S5011の処理に移行する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留上限数が「8個」の場合には、対象の特図保留数が上限値8に到達しているかチェックし判定する(S5007、S5008)。そして上限値に到達していない場合には(S5008の結果が「N」)、報知可能な状態にするための保留上限数報知条件を選択し(S5009)、設定する(S5010)。そして条件成立時報知フラグをセットし(S5011)、報知演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留上限数が上限値8に到達している場合には(S5008の結果が「Y」)、保留上限数8個に基づく保留表示情報を設定し(S5012)、報知演出設定処理を終了する。
〔大当りエンディング処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図48)における大当りエンディング処理(S3116)の詳細について説明する。図51は、本発明の第2の実施の形態の大当りエンディング処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施の形態の大当りエンディング処理では、特別遊技中に保留上限数報知条件(8個保留状態)が成立しなかった場合、その後新たに設定する保留上限数報知条件を満たしたときに保留上限数の報知が行われるように設定する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S5101)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS3106で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S5101の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S5102)。更新タイマが0でない場合には(S5102の結果が「N」)、現在のエンディング表示を継続するので、大当りエンディング処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S5102の結果が「Y」)、エンディング表示が最終シーンであるか否かを判定する(S5103)。そして、最終シーンの場合には(S5103の結果が「Y」)、エンディング終了画面に移行するためにシーケンステーブルに設定されたエンディング終了のデータを設定し(S5104)、大当りエンディング処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、エンディング表示が最終シーンでない場合には(S5103の結果が「N」)、次のシーンのデータを設定し(S5105)、大当りエンディング処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S5101の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、大当りエンディングを設定し(S5106)、設定されている大当り終了後の遊技モード情報を取得する(S5107)。そして、今回の大当りが時短大当りであるか否かを判定する(S5108)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、時短大当りである場合には(S5108の結果が「Y」)、時短フラグをセットし(S5109)、さらに時短変動回数をセットする(S5110)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S5110の処理の後、又は、時短大当りでない場合には(S5108の結果が「N」)、条件成立時報知フラグがあるかチェックし(S5111)、判定する(S5112)。ここで、条件成立時報知フラグは前述した報知演出設定処理(図50)において設定される。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、条件成立時報知フラグがある場合には(S5112の結果が「Y」)、選択された保留上限数報知条件に基づく情報をセットする(S5113)。ここでは、特別遊技中と同様に特別遊技終了後保留上限数に到達した時点で報知される。なお、エンディング時に報知する場合には、S5113の処理で、設定された保留上限数に基づく保留表示情報を設定すればよい。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S5113の処理の後、又は、条件成立時報知フラグがない場合には(S5112の結果が「N」)、演出リクエストフラグをクリアして(S5114)、大当りエンディング処理を終了する。
なお、初大当りで普電サポートが付与される場合には、大当り終了後の所定回転数(例えば特図変動表示ゲーム4回分)は、変動パターンテーブルを変更して通常よりも長い変動時間が選択されるようにしてもよい。これにより、第2始動入賞口38への入賞可能時間が長くなるので特図2保留が貯まりやすくなる。特図2保留上限数の報知条件成立が所定数の保留を貯めることである場合に、遊技者は大当り終了後早い段階で保留上限数に応じた遊技を行うことが可能となる。
〔保留数コマンド受信処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図48)における保留数コマンド受信処理(S3117)の詳細について説明する。図52は、本発明の第2の実施の形態の保留数コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図34と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態では、報知演出実行ラウンドにおいて保留上限数が報知されなかった場合には条件成立時報知フラグがセットされるので、条件成立時報知フラグの有無に応じて保留表示情報を設定する。第1の実施の形態のように予め報知対象となる保留が設定されていないので、S3409〜S3411及びS3417〜S3419の処理が削除され、S3412又はS3420の処理が実行された後にS5201〜S5205の処理が追加される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3412又はS3420の処理を実行した後、条件成立時報知フラグがあるかチェックし(S5201)、判定する(S5202)。そして、条件成立時報知フラグがある場合には(S5202の結果が「Y」)、対象の保留が保留上限数に到達したか否か判定する(S5203)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の保留が保留上限数に到達した場合には(S5203の結果が「Y」)、設定された保留上限数に基づく保留表示情報を設定する(S5204)。そして、条件成立時報知フラグをクリアして(S5205)、保留数コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、条件成立時報知フラグがない場合(S5302の結果が「N」)、又は、対象の保留が保留上限数に到達していない場合には(S5303の結果が「N」)、保留数コマンド受信処理を終了する。
なお、特別遊技中に保留上限数の報知が行われなかった場合には特別遊技終了後、保留上限数に到達した時点で報知するようにしたが、特別遊技終了後の遊技に応じて時短終了や確変終了のタイミング等で報知するようにしてもよい。
〔仮保留数コマンド受信処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図48)における仮保留数コマンド受信処理(S4801)の詳細について説明する。図53は、本発明の第2の実施の形態の仮保留数コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、仮保留数コマンドを受信しているか否かを判定する(S5301)。仮保留数コマンドは、遊技制御装置500によって前述の保留情報更新処理(図46)のS4611で設定され、演出制御装置550に送信される。そして、仮保留数コマンドを受信していない場合には(S5301の結果が「N」)、仮保留数コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、仮保留数コマンドを受信している場合には(S5301の結果が「Y」)、仮保留数情報記憶領域の値を1加算更新する(S5302)。そして、更新後の仮保留数が上限値4に到達したか否かを判定する(S5303)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、仮保留数が上限値に到達している場合には(S5303の結果が「Y」)、保留上限数報知フラグをセットして(S5304)、仮保留数コマンド受信処理を終了する。また、上限値に到達していない場合には(S5303の結果が「N」)、仮保留数コマンド受信処理を終了する。
〔画面遷移例〕
図54は、本発明の第2の実施の形態の表示装置48における保留上限数報知の画面遷移例である。ここでは、7ラウンド目に保留上限数が報知されるとする。図54(A1)〜(D1)は保留表示パターン1の場合における画面遷移例であり、図54(A2)〜(D2)は保留表示パターン2の場合における画面遷移例である。
図54(A1)及び(A2)は、保留数増加の抽選ゲーム開始時の画面表示である。図54(A1)の保留表示パターン1では表示装置48において実際に選択された保留上限数に関係なく固定保留数に対応する保留表示のみが表示されている。これに対し、図54(A2)の保留表示パターン2では表示装置48において実際に選択された保留上限数に関係なく固定保留数及び可変保留数に対応する保留表示が点滅表示されている。
図54(B1)及び(B2)は、保留数増加の抽選ゲーム中の画面表示である。抽選ゲーム中は、固定保留数に対応する保留表示の右隣(可変保留数に対応する保留表示領域)が覆われて非表示にされる。このときの画面表示は保留表示パターン1と保留表示パターン2とで共通である。
図54(C1)及び(C2)は、保留数増加の抽選ゲームの結果、保留上限数が増加する場合の画面表示である。可変保留数に対応する保留表示領域の覆いがはずされると、保留表示が点灯表示されている。このとき可変保留数に対応する保留表示は一括表示されているので、当該保留表示に溜まっている可変保留数が表示される。また、図54(C1)の保留表示パターン1と図54(C2)の保留表示パターン2とでは、覆いがはずされて保留表示が現れるタイミングでスピーカーから出力される効果音が異なる。
図54(D1)及び(D2)は、保留数増加の抽選ゲームの結果、保留上限数が増加しない場合の画面表示である。図54(D1)の保留表示パターン1では元々可変保留数に対応する保留表示がないので、覆いがはずされても変化がない。これに対し図54(D2)の保留表示パターン2では元々可変保留数に対応する保留表示があったにも関わらず、覆いがはずされると当該保留表示が消滅することになる。
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態によれば、所定の報知タイミング(7ラウンド)までに第1の報知条件が成立する場合(保留数が上限値に到達する場合)に、設定された保留上限数を報知する。このときの第1の報知条件は保留を多く発生させることで成立するので、特別遊技中における遊技者の入賞球に対する関心を向上させることができる。
また、所定の報知タイミングまでに第1の報知条件が成立しなかった場合には、新たに設定される第2の報知条件が成立するタイミングで保留上限数を報知するので、遊技者が保留上限数を知るチャンスは1回きりではない。特別遊技終了後にもチャンスはあるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、第2の実施の形態において一時的に記憶される仮保留に対しても先読み予告を行う。そこで、仮保留になりうる可変保留数に対応する保留(可変保留)の先読み予告には大当り発生予告や大当り確定パターンが選択されないように規制する。本実施の形態では、実際に大当り図柄によって選択された保留上限数が固定保留数(4個)であっても、保留上限数報知タイミングまで可変保留を一時的に記憶し、さらに表示装置48において保留表示する場合がある。このような場合において、大当りとなる可変保留の先読み予告態様に大当り確定パターンを選択してしまうと、その後、保留上限数報知タイミングで大当り確定予告を行ったはずの保留が削除されることになる。これでは、遊技者に失望感や不信感を与えてしまう。そこで、前述のように可変保留に対する先読み予告(事前判定手段の判定結果に基づく事前演出)を規制可能な事前演出規制手段を備える。
以下、本発明の第3の実施の形態について図55〜図61を参照して説明する。
〔保留情報更新処理〕
図55は、本発明の第3の実施の形態の保留情報更新処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2の実施の形態と共通の処理については、図46と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
本発明の第3の実施の形態では仮保留に対しても先読み処理を行うので、遊技制御装置500は、S4611の処理の後に仮乱数セーブ処理(S5501)及び特図保留情報仮判定処理(S5502)を実行する。
ここで、仮乱数セーブ処理(S5501)の処理内容は、乱数セーブ処理(S4605、S4614)に対応する。また、特図保留情報仮判定処理(S5502)については図56にて後述する。
〔特図保留情報仮判定処理〕
次に、前述した保留情報更新処理(図55)における特図保留情報仮判定処理(S5502)について説明する。図56は、本発明の第3の実施の形態の特図保留情報仮判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報仮判定処理は、前述した特図保留情報判定処理(図11)と処理内容は同じなので説明は省略する。S5501〜S5516の処理は、S1101〜S1116に対応し、S1112における図柄情報コマンドがS5512では仮図柄情報コマンドになり、S1115における変動パターン乱数コマンドがS5515では仮変動パターン乱数コマンドに変わるのみである。
〔大当り変動グループ選択テーブル〕
図57は、本発明の第3の実施の形態の大当り時の変動グループ選択テーブルの一例である。図57(A)は特図1の場合を示し、図57(B)は特図2の場合を示す。
本発明の第3の実施の形態では、大当り時のリーチ系統の種類にSP4リーチよりもさらに信頼度が高いSP5リーチが追加される。また、後述する先読みコマンド受信処理(図59)において先読み予告パターンを規制される保留については、第1の実施の形態と同じテーブル(特図1及び特図2ともに下段のテーブル)を用いてリーチ系統が選択される。それ以外の規制されない保留については、特図1の場合はSP4リーチを追加した図57(A)上段のテーブル、特図2の場合はSP5リーチを追加した図57(B)上段のテーブルを用いてリーチ系統が選択される。
〔大当りファンファーレ処理〕
図58は、本発明の第3の実施の形態の大当りファンファーレ処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図32と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S3201の結果が「Y」)、S3206及びS3207の処理を実行したのち、連続大当りである場合に連続大当りカウントを更新する処理を実行する(S5801)。そして、更新した連続大当りカウントに基づいて報知対象(特図1又は特図2)の保留上限数を選択する(S5802)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留上限数情報を設定するとともに(S3208)、保留上限数を遊技者に報知するラウンドや報知内容を設定する報知演出ラウンド情報を設定し(S3209)、演出リクエストフラグをクリアして(S3211)、大当りファンファーレ処理を終了する。
ここでは、ファンファーレ開始時(大当り開始時)に連続大当りか否かに応じて保留上限数を報知する特図を選択する。ここでは特図2保留を優先消化しているので、連続大当りの場合には特図2の保留上限数を報知し、連続大当りでない場合には特図1の保留上限数を報知する。
なお、保留を入賞順消化する場合には、前述のS5802の処理で連続大当りカウントに基づいて報知対象を選択する必要はなく、遊技状態に関係なく両方の特図を報知対象としたり、抽選や乱数等の所定条件によって報知対象を選択したりすればよい。
〔先読みコマンド受信処理〕
図59は、本発明の第3の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。図59Aは先読み報知対象保留が選択条件によって可変保留数に対応する保留の中から設定される場合のフローチャートであり、図59Bは先読み報知対象保留が可変保留数に対応する所定の保留に予め設定されている場合のフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、それぞれ図35(A)及び図35(B)と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
ここでは、可変保留数に対応する保留の先読み予告に大当り発生予告や大当り確定パターンが選択されないよう規制する処理が追加される。
まず、図59Aについて説明する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の保留が可変保留数に対応する保留である場合には(S3503の結果が「Y」)、現在の遊技状態が大当り中であるか否かを判定する(S5901)。そして、大当り中でない場合には(S5901の結果が「N」)、通常先読み設定処理を実行する(S3504)。通常先読み設定処理では、後述する通常予告選択テーブル(図60参照)を用いて対象の保留に対する予告態様が設定される。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、大当り中である場合には(S5901の結果が「Y」)、さらに対象の保留が大当りであるか否かを判定する(S5902)。そして、大当りでない場合には(S5902の結果が「N」)、通常先読み設定処理を実行する(S3504)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の保留が大当りである場合には(S5902の結果が「Y」)、大当り報知規制予告選択テーブルを設定して(S5903)、対象の保留に対する予告態様を設定する予告選択設定処理を実行する(S5904)。なお、大当り報知規制予告選択テーブルについての詳細は図60にて後述する。
次に、図59Bについて説明する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の保留が報知対象保留である場合には(S3515の結果が「Y」)、規制パターンを除く予告パターンの中から対応する予告を選択し(S5911)、当該報知対象保留の情報に基づく可変保留数表示態様を設定する(S3516)。ここで、規制パターンとは、大当り発生予告や大当り確定パターンの先読み予告に用いられる予告態様である。
〔先読み予告選択テーブル〕
次に、前述した先読みコマンド受信処理(図59)において先読み態様の決定に用いられる先読み予告選択テーブルについて説明する。図60は、本発明の第3の実施の形態の先読み予告選択テーブルである。
図60(A)は、先読み結果がはずれとなるときに用いられる通常予告選択テーブルである。図60(B)は、先読み結果が大当りとなるときに用いられる通常予告選択テーブルである。これらのテーブルは、前述の先読みコマンド受信処理における通常先読み設定処理(S3504)にて用いられる。
先読み予告は入賞音及び保留表示の色によって行われる。はずれとなる保留の場合には80%の確率で入賞音が出力されず、70%の確率で保留表示の色も変化しない。また、入賞音「キュイーン!」及びレインボー色の保留表示は、大当り発生予告や大当り確定パターンの予告態様であるので、はずれとなる保留の場合には選択されないように設定されている。大当りとなる保留の場合には、入賞音又は保留表示の色による先読み予告が各5%の確率で実行されず、各35%の確率で大当り発生の先読み予告が実行される。
図60(C)は、大当り確定の予告が振り分けられていないリーチ予告のみを行うためのテーブルである。本テーブルは、前述の先読みコマンド受信処理におけるS5903の処理、すなわち、大当り中に発生した可変保留数に対応する保留が大当りとなる場合に用いられる。
本テーブルでは、先読み結果が大当りになるにも関わらず、大当り発生予告や大当り確定パターンの予告態様である入賞音「キュイーン!」及びレインボー色の保留表示が選択されないように設定している。また、入賞音又は保留表示の色による先読み予告が実行されない確率が図60(B)で設定される確率よりも高い。
このように大当りになる保留の先読み予告を明確に報知しないことで、当該保留が一時的に記憶されたもので後に削除されても遊技者に失望感や不信感を与えずに済む。
〔画面遷移例〕
図61は、本発明の第3の実施の形態の表示装置48における保留上限数報知の画面遷移例である。
図61(A)は、通常遊技状態における特図変動表示ゲーム中の画面表示である。このとき3個の特図1保留が記憶されており、画面左下の特図1保留表示領域に3個の保留玉が表示されている。
図61(B)は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったときの画面表示である。画面中央で変動していた3つの識別図柄が「7」で停止表示される。
図61(C)は、大当りファンファーレの画面表示である。このとき画面下の特図1及び特図2の保留表示領域には、実際に今回の大当りで決定される保留上限数に関係なく可変保留数に対応する保留表示(可変保留表示)が表示される。そして、画面中央には、大当りを祝うメッセージと、保留上限数報知条件を成立させるには7ラウンドまでに特図1の保留を可変保留数分まで特図1保留を貯めればよいことを報知するメッセージとが表示される。
ここでは、特図1の可変保留表示は特図2のように一括表示ではなく、個別に先読み予告ができるように複数の保留表示からなる個別表示とする。そして、可変保留数に対応する保留が一時的に記憶される仮保留か否かに関わらず、先読み予告を含めた可変保留表示が実行される。個別表示にすることで、遊技者は貯まった可変保留数を把握しやすくなる。
なお、可変保留表示を一括表示した場合には入賞音のみの先読み予告を行うようにしてもよい。このとき、可変保留数を明確に報知しないようにすることで、遊技者は何れの保留が熱いのか把握できず期待感が継続する。
図61(D)は、5ラウンド中に特図1保留が可変保留数分まで貯まったときの画面表示である。このとき特図1の可変保留表示が点滅し、保留上限数報知条件が成立したことを報知するメッセージが表示される。
図61(E)は、7ラウンドにおいて保留上限数報知に関する抽選ゲーム中の画面表示である。抽選ゲームでは、大当り発生後から画面表示されていた可変保留表示が団扇で覆われる。そして、今回の大当り図柄に応じて図61(F1)又は図61(F2)の画面表示に移行する。
図61(F1)は、保留上限数が増加する場合、すなわち抽選ゲームに当選したときの画面表示である。団扇による覆いが外されると、特図1及び特図2の可変保留表示が一括表示状態で現れ、特図1の可変保留表示には貯まっている可変保留数「4」が表示されている。また、このときの可変保留表示は、4個の保留の中で最も大当りの期待度が高い保留に対しての先読み結果を予告報知する表示態様になっている。なお、相対的な結果を予告報知する表示態様にしてもよい。保留表示態様についての詳細は図62にて後述する。
図61(F2)は、保留上限数が増加しない場合、すなわち抽選ゲームに外れたときの画面表示である。このとき抽選ゲームが開始されるまで表示されていた可変保留表示は消滅し、画面中央には保留上限数が増加しなかったことを報知するメッセージが表示される。
〔保留表示態様〕
図62は、本発明の第3の実施の形態の表示装置48における保留表示態様について説明する図である。図62Aは保留表示の一括表示態様について説明する図であり、図62Bは保留表示の個別表示態様について説明する図である。
保留表示を一括表示する場合の表示態様は、図62A(A)に示すように先読み対象となる保留の先読み結果に応じて複数の表示態様から選択される。ここで、先読み対象となる保留は、本実施の形態における可変保留表示では、4個の保留の中で最も大当り信頼度が高い保留に対しての先読み表示態様が選択されている。なお、一括表示に含まれる複数の保留全てを対象としてもよいし、リーチが発生する期待度が高い保留を対象としてもよい。
また、本実施の形態では一括表示態様の可変保留表示に記憶されている可変保留数の数が表示されているが、図62A(B)に示すように可変保留表示に小さな可変保留玉を表示するようにしてもよい。このとき、消化が一番早い可変保留を一括表示態様の先読み対象とすれば、図62A(C)に示すように先読み対象の可変保留が固定保留に移動する際に可変保留表示の表示態様を隣の固定保留表示の表示態様に反映することが可能である。
また、図62A(D)に示すように固定保留の一部を一括表示態様にしてもよいし、図62A(E)に示すように可変保留も個別表示態様にしてもよい。
図62B(A)及び(B)は、それぞれ個別表示態様のパターンの多様性を表しており、大当り信頼度やリーチ発生期待度だけでなく、転落、確変、通常といった遊技における確率状態を予告するようにしてもよい。
このように保留表示に一括表示態様及び個別表示態様を適用することで、先読み予告のバリエーションも増え、遊技の興趣を向上させることができる。
〔一括表示装置の表示態様〕
図63は、本発明の第3の実施の形態の一括表示装置50における表示態様について説明する図である。
図63(A)に示すように、一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているとき点灯してエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数振り分け(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
図63(B)に示すように、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプD3〜D6を全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD3のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプD3とD4を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD3〜D5を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプD3〜D6をすべて点灯状態にする。さらに、保留数が「5」のときは、保留数が「4」のときの状態からランプD6を点滅状態にする。保留数が「6」のときはランプD5とD6を点滅状態にし、保留数が「7」のときはランプD4〜D6を点滅状態にし、保留数が「8」のときは4つのランプD3〜D6をすべて点滅状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、保留数が「0」のときはランプD11とD12を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD11のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプD11とD12を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD11を点滅、ランプD12を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD11とD12を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプD14を消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプD14を点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプD17を消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプD17を点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプD18を消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプD18を点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプD15とD16を消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドの場合ランプD15or15ラウンドの場合ランプD16)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
(第3の実施の形態の効果)
本発明の第3の実施の形態によれば、可変保留に対する先読み予告を規制することで、保留上限数報知に絡んで遊技者に失望感や不信感を与えてしまう状況が発生することを防止することができる。
また、特図2保留の優先消化を行う場合には、連続大当りでは特図2の保留上限数を報知し、連続大当りでない大当りでは特図1の保留上限数を報知する。発生順に特図1保留及び特図2保留を消化する場合には、遊技状態に関わらず両方の保留上限数を報知する。このように遊技性能に応じた報知を行うことができるので、遊技者が知りたい特図の保留上限数情報を提供することができる。
また、発生順に保留消化する場合には、抽選、乱数、遊技状態等の所定条件によって報知対象とする特図を設定してもよいので、保留上限数報知に係る報知パターンが多様化し、遊技の興趣を向上させることができる。
(第3の実施の形態の変形例)
本発明の第3の実施の形態の変形例1では、保留上限数を大当り図柄によって決定する前提は同じであるが、遊技状態に対応して保留上限数を変化させる。また保留上限数の報知ゲームで遊技者参加型のミッションが実行される。
〔保留上限選択テーブル〕
図64は、本発明の第3の実施の形態の変形例の保留上限選択テーブルである。
本実施の形態では、大当り種類に応じて保留上限数が4、6又は8個に設定される。ここでは、大当り種類が潜伏(2R確変C)の場合には保留上限数が多くなるように設定し、可変保留数分の保留を発生させた回数に応じて確率状態の報知を行う。例えば、2R確変C大当りでは、保留上限数に3回到達したら実際の確率状態が高確率状態であることを報知したり報知信頼度を高くしたりする。
また、特別遊技終了後の特図変動表示ゲームの回数に応じて保留上限数が変化する。20ゲームを境に保留上限数が減ると、先読み予告したにもかかわらず削除される保留がでてくるので、第3の実施の形態のように可変保留に対して先読み規制を行う。
〔保留表示仕様〕
図65は、本発明の第3の実施の形態の変形例の保留表示態様について説明する図である。ここでは、画面上で表示される保留数以上に内部で多くの保留が計数可能な場合について説明する。
図65(A)は、画面上で表示される保留上限数が8個であり、それ以上に保留が発生したときの保留表示例である。9個目の保留が発生した場合には、保留内に大当りがないときには画面上の保留数を増加する。ここでは「+1」と9個目の保留が表示される。一方、保留内に大当りがあるときには画面上で9個目の保留は表示されない。なお、画面上で保留表示されない場合でも前述の特図保留表示器54では保留数が表示されている。
このように保留に大当りがあるか否かで画面表示上の追加の保留表示態様を変える。これにより、遊技者は保留を発生させても画面上の保留表示が増えない場合に保留の中に大当りが含まれることを認識するので、これ以上の遊技球の打ち出しをやめる。これにより、内部で多くの保留を記憶可能な場合であっても過度に保留を貯めようとする行為を抑制することができ、遊技球の打ち出しのムラを抑えることができる。
また、このような場合は保留数が所定数に到達したら全ての変動を短縮変動にすることで保留の消化速度を上げ、過度に保留が貯まるのを抑制する。なお、長めの変動が実行される場合には当該変動における保留上限数を設定してもよい。
図65(B)は、画面表示上の保留内に遊技者の所望する保留(図中矢印)がある場合に、画面表示上で打ち出しをやめることを報知する画面表示例である。後続に保留が発生しなければ、まだ遊技者が見たことがない特定リーチ(Cリーチ)となる保留がある場合に、画面上では打ち出しを止めればCリーチが発生することが具体的に報知される。これにより遊技者の過度の打ち出しを抑制するとともに、遊技者にとっても所望のリーチが獲得できるので遊技の興趣を向上させることができる。
〔画面遷移〕
図66及び図67は、本発明の第3の実施の形態の変形例の表示装置48における保留上限数報知の画面遷移例である。
本実施の形態では、保留上限数の報知獲得ゲームにおいて、演出ボタン31を用いて敵機を狙って撃墜することでポイントを獲得するミッションが実行される。
図66(A)は、ミッション開始の予告画面表示である。ミッションは保留上限数の報知タイミングである7ラウンドで行われる。そして、図66(B)で自機が画面表示されてミッションが開始される。
ミッションは、まず、図66(C)に示すように画面に敵機が現れるので、図66(D)に示すように敵機に狙いを定めて演出ボタン31を操作する。そして、図66(E)に示すように敵機の撃墜に成功すると1機につき3ポイント付与されて図66(F)に示すように獲得したポイントが表示される。
その後、8機撃墜してポイントを24ポイント獲得すると図66(G1)に示すようにミッション終了となり、図66(H1)に示すように保留上限数が8個であることが報知される。
なお、図67(G2)に示すように時間切れ等で18ポイントしか獲得しないままミッションが終了してしまった場合には、図67(H2)及び(I2)に示すように足りない6ポイントが無条件で付与された上で保留上限数が報知されるパターンと、図67(H3)及び(3)に示すようにポイントが足りないまま保留上限数も報知されることなく終了するパターンとがある。後者のパターンの場合には、他のラウンドでも再度ミッションを行って報知チャンスを与えたり、段階的にミッションを行って徐々に保留上限数を報知するようにしたりしてもよい。
また、保留上限数と同じ数の敵機を打つミッションにより、現れる敵機の数で保留上限数の報知としてもよい。
(第3の実施の形態の変形例の効果)
本発明の第3の実施の形態の変形例によれば、遊技者は保留上限数の到達回数を増やして確率状態を把握しようとするので、止め打ちを防止することができる。
また、保留を多く貯めることで先読み等の報知信頼度を段階的に高くしたりするので、止め打ちを防止することができるとともに、遊技の興趣を高めることができる。報知信頼度は、報知内容と実際の判定結果とが一致する場合に100%の信頼度となる。
逆に、無制限に保留可能な場合には、打ち出しを止めることで遊技者の利益となる結果が得られることを積極的に報知するので、過度に保留を貯めようとする行為を抑制することができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき前記変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数の範囲内で記憶することが可能な始動記憶手段と、所定条件に基づいて、前記始動記憶手段に記憶可能な上限数を決定する上限数決定手段と、前記始動記憶手段に記憶可能な所定の上限数を前記上限数決定手段によって決定された上限数に変更可能な上限数変更手段と、当該遊技機における所定の演出を実行制御可能な演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記特別遊技状態に関連して、前記上限数決定手段によって決定された上限数を遊技者に報知することを特徴とする遊技機。
(2)前記上限数決定手段は、前記所定条件として前記特別遊技状態を発生させた特別結果の種類に基づいて前記上限数を決定するように構成され、前記上限数変更手段は、前記特別遊技状態の開始を契機に実行されることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記変動表示ゲームの実行前に当該変動表示ゲームの結果を判定する事前判定手段を備え、前記始動記憶手段に記憶可能な所定の上限数は、前記上限数決定手段によって決定される上限数の下限値である固定上限数と、当該固定上限数に加算される可変上限数と、からなり、前記演出制御手段は、前記固定上限数分及び前記可変上限数分に対応する始動記憶について前記事前判定手段による判定結果を事前報知可能であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記演出制御手段は、第1の報知条件の成立に基づいて前記上限数決定手段によって決定された上限数を報知し、前記第1の報知条件は、前記特別遊技状態の開始から所定期間が経過するまでに前記上限数決定手段によって決定された上限数分の始動記憶が前記始動記憶手段に記憶されていることを含むことを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機。
(5)前記演出制御手段は、前記第1の報知条件が成立しない場合には、前記特別遊技状態の終了後、新たに設定される第2の報知条件の成立に基づいて前記上限数決定手段によって決定された上限数を報知することを特徴とする(4)に記載の遊技機。
(6)前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において、特別遊技状態が発生する確率を高めた高確率状態を設定可能な確率状態設定手段を備え、前記演出制御手段は、前記特別遊技状態における所定のタイミングで、当該特別遊技状態の終了後、前記確率状態設定手段によって前記高確率状態が設定されるか否かを報知する特定演出を実行可能であることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機。