JP5719256B2 - 自動二輪車 - Google Patents

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Description

本発明は、キャニスタを備える自動二輪車に関する。
車体フレームに搭載されるエンジンと、乗車用シートの下方に配置される収納ボックスと、エンジンに供給される燃料を貯留する燃料タンクと、燃料タンク内で蒸発した燃料ガスを吸着するキャニスタと、を備える自動二輪車が特許文献1に開示されている。
この自動二輪車では、収納ボックス及び燃料タンクが前後に並べて配置され、キャニスタが収納ボックス及び燃料タンクの間に配置されている。また、キャニスタの前方かつ下方にパージコントロール弁がその入口及び出口を傾斜して配置され、燃料タンクから燃料ガスを導き出すチャージ配管がキャニスタに接続されている。
キャニスタには第1パージホースが接続され、第1パージ配管はパージコントロール弁に接続されている。パージコントロール弁からは第2パージホースが延ばされて、エンジンの吸気管に接続されている。
特開2010−229840号公報
上述した車両では、キャニスタから第1パージホースが前下方に延ばされ、パージコントロール弁から第2パージホースが前下方に延ばされ、エンジンの吸気管に接続されている。加えて、パージコントロール弁はその入口及び出口を傾斜して配置されている。このため、パージコントロール弁に液化された燃料が滞る可能性がある。
また、キャニスタが収納ボックスの近傍に配置されると、キャニスタ及びキャニスタの関連部材の配置により、収納ボックスの容量(大きさ)に制約が生じる場合もある。
そこで、本発明は、収納ボックスの容量に極力影響を及ぼすことなくキャニスタ及びその関連部材を収納ボックス周辺に配置するとともに、パージコントロール弁に液化された燃料が滞りにくくすることができる自動二輪車の提供を目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明は以下の手段を提供する。
(1)車体フレーム(11)に搭載されるエンジン(2)と、乗車用シート(16)の下方に配置される収納ボックス(34)と、前記エンジン(2)に供給される燃料を貯留する燃料タンク(25)と、該燃料タンク(25)内で蒸発した燃料ガスを吸着するキャニスタ(60)と、を備え、前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)が、いずれか一方を前方として前後に並んで配置されるとともに、前記キャニスタ(60)が、前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)の間に配置され、前記キャニスタ(60)に、前記燃料タンク(2)から延ばされて燃料ガスを導き出すチャージ配管(70)と、前記エンジン(2)に接続される吸気管(43B)まで延ばされ、該キャニスタ(60)で吸着した燃料を前記吸気管(43B)へ供給するパージ配管(71)と、が接続され、前記パージ配管(71)の途中に、前記キャニスタ(60)と前記吸気管(43B)との連通を許容及び禁止するパージコントロール弁(74)が設けられた自動二輪車において、前記収納ボックス(34)が、前記車体フレーム(11)から上方に突出する収納ボックス支持部材(52)によって支えられ、前記パージコントロール弁(74)は、前記キャニスタ(60)よりも高い位置で、前記収納ボックス支持部材(52)に取付けられ、前記パージコントロール弁(74)と前記吸気管(43B)との間の前記パージ配管(7173)が、車両下方に傾斜して延び、前記パージコントロール弁(74)と前記吸気管(43B)とを接続するとともに、前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)の車幅方向両側に、前記車体フレーム(11)の一部を構成する左右一対のリヤフレーム(15,15)が配置され、該リヤフレーム(15,15)は、前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)間に配置されるリヤクロスフレーム(57)で連結され、前記キャニスタ(60)は、前記リヤクロスフレーム(57)の下方に配置され、リヤフェンダ(59)上部に支持されることを特徴とする自動二輪車。
(2)上記(1)に記載の自動二輪車では、前記キャニスタ(60)には、ドレインチューブ(90)が接続され、該ドレインチューブ(90)は、前記キャニスタ(60)から前下方に指向するように延ばされるのが好ましい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の自動二輪車では、前記リヤフェンダ(59)には、前記キャニスタ(60)を載置するための凹部(61)が形成されるとともに、前記凹部(61)に載置された状態の前記キャニスタ(60)を固定するための支持片(62)が一体形成されるのが好ましい。
(4)上記(1)から(3)の何れか一つに記載の自動二輪車では、前記リヤフレーム(15,15)間において、燃料ポンプ(82)及びインジェクタ(43C)が、車幅方向中心線(CL1)を挟んで一側に配置され、前記燃料ポンプ(82)と、前記インジェクタ(43C)と、が燃料ホース(83)によって接続され、前記リヤクロスフレーム(57)の後方において、前記燃料ホース(83)が車幅方向中心線(CL1)を挟んで前記一側に配置され、前記チャージ配管(70)が他側に配置されるのが好ましい。
(5)上記(4)に記載の自動二輪車では、前記パージコントロール弁(74)が、車幅方向中心線(CL1)を挟んで前記一側に対する他側において、前記リヤクロスフレーム(57)の前方に配置され、前記パージコントロール弁(74)と前記吸気管(43B)との間の前記パージ配管(7173)が、前記キャニスタ(60)の前方を通り、車幅方向中心線(CL1)を跨いで前記一側に延ばされ、その後、前方に延ばされて前記吸気管(43B)に接続され、複数本の配線を束ねたメインハーネス(84)が、車幅方向中心線(CL1)を挟んで前記一側に対する他側に配置され、前後方向に延在するようにするのが好ましい。
(6)上記(1)から(5)の何れか一つに記載の自動二輪車では、前記エンジン(2)が、前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)の下方に配置されることが好ましい。
上記(1)記載の発明によれば、パージコントロール弁が、キャニスタよりも高い位置に配置されるため、液化した燃料が少なくともパージコントロール弁の下方では重力作用で低い方、すなわちキャニスタ側へ向かう。したがって、高位置にあるパージコントロール弁に液化燃料が溜まり難くなる。
また、パージコントロール弁から吸気管までのパージ配管は、パージコントロール弁からは車両下方へ延ばされ、パージ配管が傾斜配置されるため、パージ配管内を液化した燃料が良好に流れる。したがって、液化した燃料がパージ配管内に溜まることを防止できる。
また、パージコントロール弁が収納ボックス支持部材に取付けられることで、パージコントロール弁の設置による収納ボックスの形状等の制約がなく、収納ボックスの容量を確保できる。
この結果、収納ボックスの容量を確保しながら、パージコントロール弁に液化された燃料が滞りにくくすることができる。
また、キャニスタがリヤクロスフレームの下部に配置されるため、スペースを有効利用できる。また、リヤフェンダ上部にキャニスタが支持されることで、クロスフレームの下方というアクセスしにくい場所であっても、リヤフェンダと共にキャニスタの脱着が可能となるため、メンテナンス性及び生産性の向上が図れる。
上記(2)記載の発明によれば、ドレインチューブを前下方に延ばすことで、キャニスタにたまった液体を効率的に排出できる。
上記(3)記載の発明によれば、リヤクロスフレームからキャニスタを吊り下げて支持する別部材等が不要となるため、部品点数を削減でき、軽量化に寄与することができる。
上記(4)記載の発明によれば、燃料ポンプと、インジェクタとを車幅方向中心線を挟んで一側に配置することで、燃料ホースを極力短縮させて繋げることができる。更に、クロスフレーム後方においてチャージ配管を前記一側に対する他側に配置することから、燃料ホースとチャージ配管を分散配置でき、搭載スペースの限られた自動二輪車のスペースを有効に利用することができる。
上記(5)記載の発明によれば、燃料ホースと、パージコントロール弁と吸気管を接続するパージ配管の前後方向の延在部位と、を車幅方向中心線を挟んで一側に配置し、メインハーネスを他側に配置して前後方向に延在させることで、クロスフレームの前方において、燃料ホース及びパージ配管とメインハーネスを分散配置でき、搭載スペースの限られた自動二輪車のスペースを有効に利用することができる。
更に、メインハーネスと燃料系配管(燃料ホース及びパージ配管)を分散配置したことで、電気を燃料から遠ざけることができる。
上記(6)記載の発明によれば、収納ボックス及び燃料タンクの下方にエンジンが配置されるので、キャニスタからエンジンの吸気管までのパージ配管を短くすることができる。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 本発明の実施形態に係る自動二輪車の車体フレームの左側面図である。 本発明の実施形態に係る自動二輪車の車体フレームの上面図である。 本発明の実施形態に係る自動二輪車の要部の左側面図である。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のシート下の上面図である。 図5の矢印A方向にパージコントロール弁を見た矢視図である。 本発明の実施形態に係る自動二輪車のリヤフェンダを示し、(a)は上面図、(b)は左側面図である。 図7(a)のB−B線に沿う断面図である。 本発明の実施形態に係る自動二輪車の車体フレームを搭載した車種の異なる自動二輪車の左側面図である。 図9に示す自動二輪車の要部の左側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下で用いる図面において、矢印FRは車両の前方を示し、矢印UPは車両の上方を示し、矢印LHは車両の左方を示している。
図1は、本実施形態に係るスクータ型の自動二輪車1を示している。自動二輪車1は、エンジン2と動力伝達機構3とを一体としたスイングユニット4を備え、スイングユニット4の後部で後輪5を回転可能に支持し、スイングユニット4の前方に操舵系を構成する前輪6を配置している。
前輪6は、左右一対のフロントフォーク7,7の下部に回動可能に支持され、左右のフロントフォーク7,7の上部にはブリッジ8が架設されている。ブリッジ8の幅方向中央にステアリングシャフト9が立設され、ステアリングシャフト9の上部には操向ハンドル10が設けられている。ステアリングシャフト9は、車体フレーム11の前端に設けられたヘッドパイプ12に回転可能に支持されている。
図2、図3に示すように、車体フレーム11は、ヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から後下方に延びるメインフレーム13と、メインフレーム13の下部側面に接続して後方に向けて延びた後、後上方に延びる左右一対のサイドフレーム14,14と、サイドフレーム14,14の上端と接続し、後上方に延びる左右一対のリヤフレーム15,15と、を備えている。左のリヤフレーム15の後方下部には、ピボットプレートPが溶着されている。
図1に示すように、スイングユニット4は、ピボットプレートPにリンク部材14Aを介して支持され、上下方向に揺動可能とされている。スイングユニット4の上方には、乗員が着座する乗車用シート16(以下、シート16)が配置され、シート16は前後に延在し、運転者が着座するメインシート17と同乗者が着座するピリオンシート18と、を一体に有している。
シート16の前方であって、ヘッドパイプ12の後方には、乗員が乗り降りする際に足を通す足くぐり空間19が形成され、運転者は足くぐり空間19に足を通し、シート16に着座し、車体前後方向の中央下部に設けられたステップフロア20に足を載せることで、自動二輪車1に乗車することができる。
自動二輪車1は、樹脂材料からなる複数のカバー部材で構成される車体カバーCVによって覆われ、足くぐり空間19の前方には、前から順にアウターレッグシールド21、インナーレッグシールド22が配設されている。アウターレッグシールド21は、ヘッドパイプ12の前方から左右下方に延び、インナーレッグシールド22は、ヘッドパイプ12の後方に配され、アウターレッグシールド21を後方から覆っている。
インナーレッグシールド22の下端には、上記ステップフロア20の前端が連なり、ステップフロア20の下方、かつサイドフレーム14の下方には、アンダーカバー23が配設され、前後方向に延在している。シート16の下方には、左右一対のリヤサイドカバー24,24が配設され、リヤサイドカバー24,24は、リヤフレーム15,15に沿って前後方向に延在している。
シート16の前部の下方には、ヘルメット等を収容可能な収納ボックス34が配置され、シート16は、収納ボックス34によって支持され、前端を軸中心として後方から開閉可能とされている。収納ボックス34は、リヤフレーム15,15間に配置され、リヤフレーム15,15に沿って後方に延在している。収納ボックス34は、ヘルメットHを収容可能な程度の比較的広い収容スペースを有している。
また、収納ボックス34の後方においてリヤフレーム15,15の間には、燃料タンク25が配置されている。燃料タンク25は、リヤフレーム15,15に固定支持されている。
ここで、スイングユニット4のエンジン2は、クランクケース35と、このクランクケース35から前方に傾斜するように突出するシリンダ36と、を備えている。クランクケース35の左側には、後方に延出しスイングアームを兼ねる伝動ケース39の前部が一体的に設けられる。伝動ケース39内には、動力伝達機構3におけるベルト式無段変速機構が収容され、後部の後輪5にエンジン2からの駆動力が伝達される。
また、スイングユニット4の後側上部とリヤフレーム15,15の後部との間には、リヤクッションユニット40,40が介装され、スイングユニット4の上部には、エアクリーナ41が設けられている。図4、図5を参照し、エアクリーナ41には、前方に延びるコネクティングチューブ42が接続され、コネクティングチューブ42の前端はスロットルボディ43に接続されている。
スロットルボディ43は、シリンダ36に吸気管43Bを介して接続されている。吸気管43Bには、インジェクタ43Cが設けられている。
図5において、CL1は前後方向に延びる車幅方向の中心線(以下、車幅方向中心線CL1)を示し、CL2はシリンダ36の軸線を示している。スイングユニット4は、シリンダ軸線CL2が中心線CL1に対してやや左側に位置するように車体に搭載されている。
ここで、図2、図3を参照し、車体フレーム11について詳述すると、車体フレーム11においてメインフレーム13は、サイドフレーム14,14との結合部位からさらに下方に延び、その下端に車幅方向に延びるフロントクロスフレーム45を有し、サイドフレーム14,14間を連結させている。フロントクロスフレーム45の後方においてサイドフレーム14,14間には、リヤメンバ46が架設されている。
サイドフレーム14,14の後上方に立ち上がる部位は、図3に示すように、リヤフレーム15,15の前部から前方に凸に湾曲する上面視でU字状を呈するクロスフレーム49によって連結され、クロスフレーム49は、円形断面の鋼管からなり、クロスフレーム49の端部はリヤフレーム15,15の前部に溶接されて結合されている。
サイドフレーム14,14の後上方に立ち上がる部位の上端部14B,14Bは、断面視半円状となるように形成され、リヤフレーム15,15の前下部の周面を覆うようにして溶接されて結合されている。リヤフレーム15,15は、サイドフレーム14,14の上端部14B,14Bとの結合部位から前下方に延びる延出部D,Dを有しており、延出部D,Dの前端はクロスフレーム49に溶着されて結合されている。
リヤフレーム15,15は、円形断面の鋼管からなり、クロスフレーム49は、リヤフレーム15,15よりも細い鋼管で形成され、延出部Dの前部はクロスフレーム49に近づくにつれて平たくなるように形成され、その前端のクロスフレーム49との結合部15A,15A(図3参照)は、クロスフレーム49の太さに合わせて長円形に形成されている。また、図3に示すように、サイドフレーム14,14の略水平部位には、車幅方向に突出し、ステップフロア20,20を下方から支える複数のフロアステー14D・・・が溶接されて結合されている。
ここで、図4、図5を参照し、この自動二輪車1では、クロスフレーム49がシリンダ36の側方及び前方を囲うように前方に湾曲して延びており、延出部D,Dの前端は上面視でシリンダ36の側方においてクロスフレーム49に結合している。延出部D,Dは、クロスフレーム49に近づくにつれて車幅方向の幅寸法を漸減させるように形成されており、自動二輪車1では、延出部D,Dとシリンダ36のクリアランスは比較的広くなっている。
また、この車体フレーム11では、リヤフレーム15,15をサイドフレーム14,14との結合部分から前方に延ばして、延出部D,Dをクロスフレーム49と接続し、サイドフレーム14,14とリヤフレーム15,15(延出部D,D)とクロスフレーム49とで三角形形状を構成している。このようなフレーム構造では、特別に補強部材を設けることなく、クロスフレーム49を補強することができる。
そして、クロスフレーム49には、上方に平坦面を向ける左右一対の前側収納ボックス支持部材51,51が溶接結合され、これら前側収納ボックス支持部材51,51は、図4に示すように、収納ボックス34の前部を下方から支持し、収納ボックス34及びシート16の荷重を支えている。前側収納ボックス支持部材51,51には下方からボルトが挿入され、このボルトが収納ボックス34に締結されることで、収納ボックス34はリヤフレーム15,15に固定される。
また、リヤフレーム15,15の前後方向略中央領域には、断面コ字状に形成された左右一対の後側収納ボックス支持部材52,52が、上方に平坦面を向けて溶接結合されている。図4を参照し、これら後側収納ボックス支持部材52,52は、収納ボックス34の後方上部から車幅方向両側に張り出すように形成された張り出し部53,53の下面の被固定部54,54を下方から支持し、収納ボックス34及びシート16の荷重を支えている。
後側収納ボックス支持部材52,52には下方からボルトが挿入され、このボルトが被固定部54,54に締結される。これにより、収納ボックス34はリヤフレーム15,15に固定される。
また、リヤフレーム15,15において後側収納ボックス支持部材52,52より後方には、左右一対の前側燃料タンク支持ブラケット55,55が溶接結合され、これら前側燃料タンク支持ブラケット55,55の後方にさらに、左右一対の後側燃料タンク支持ブラケット56,56が溶接結合されている。燃料タンク25は、これら各支持部材に下方から支持されるとともに締結されて固定されている。
そして、リヤフレーム15,15において後側収納ボックス支持部材52,52と、前側燃料タンク支持ブラケット55,55と、の間には、リヤクロスフレーム57が架設されている。また、リヤフレーム15,15の後端間には、プレート部材58が架設されている。
ここで、図4、図5を参照し、側面視で、リヤクロスフレーム57は、収納ボックス34と燃料タンク25との間を通り、このリヤクロスフレーム57の下方には、キャニスタ60が配置されている。以下では、キャニスタ60の配置及びその配管系統について説明する。
キャニスタ60は円筒状を呈し、その軸線を車幅方向に沿わせた状態で、リヤクロスフレーム57と、リヤクロスフレーム57の下方に配置されたリヤフェンダ59との間に配置されている。
図4に示すように、リヤフェンダ59は、リヤフレーム15,15の下方に配置され、リヤフレーム15,15に沿って前後方向に延在している。リヤフェンダ59は樹脂材料から形成され、図7、図8に示すように、板状を呈している。リヤフェンダ59は外周縁側の適所をリヤフレーム15,15に固定されて支持されている。
リヤフェンダ59の前部には、前下方に向けて湾曲してへこむ凹部61が一体に形成され、凹部61の直後には上方に向けて突出するリブ状の支持片である凸部62,62が左右に並んで一体に形成されている。
図8に示すように、キャニスタ60は、樹脂材料からなる筒状のケース63に収容されており、このケース63にはキャニスタ60の径方向の外側に突出する一対の係合片64,64が形成されている。係合片64,64には凸部62,62を係合させる貫通孔65,65が形成されており、キャニスタ60は、係合片64,64を凸部62,62に係合(挿入)させるとともに、ケース63の外周面を凹部61に載置(当接)し、リヤフェンダ59に移動を規制されて支持されている。
次に、図5を参照し、キャニスタ60の右側端面には、燃料タンク25から延ばされて燃料ガスを導き出すチャージ配管70が接続されるとともに、スロットルボディ43の吸気管43Bまで延ばされ、燃料タンク25から導き出した燃料ガスを吸気管43Bへ供給するパージ配管71が接続されている。また、キャニスタ60の左側端面には、ドレインチューブ90が接続されている。このドレインチューブ90は、キャニスタ60から前下方に指向するように延ばされ、下端で開放し、キャニスタ60にたまった液体を排出する。ドレインチューブ90は、リヤフレーム15の下方においてこのリヤフレーム15に沿って延びている。
パージ配管71は、上流側の第1パージ配管72と、下流側の第2パージ配管73とで構成され、第1パージ配管72と第2パージ配管73との間には、キャニスタ60と吸気管43Bとの連通を許容及び禁止するパージコントロール弁74が設けられている。
図6に示すように、パージコントロール弁74は、右側に位置する後側収納ボックス支持部材52に溶着された支持プレート75を介して当該支持部材52に取付けられ、キャニスタ60よりも高い位置で、且つ、図5に示すように、リヤクロスフレーム57の前方に配置されている。なお、パージコントロール弁74は、支持プレート75に螺合によって固定される。
パージコントロール弁74は、第1パージ配管72に接続される筒状の入口部76と、第2パージ配管73に接続される筒状の出口部77と、を備え、入口部76と出口部77の軸線P1が同軸上に位置するように構成され、この軸線P1が略水平方向に沿うように後側収納ボックス支持部材52に取付けられている。
パージコントロール弁74は、入口部76と出口部77の軸線P1に直交する方向に進退する電磁ソレノイドによって入口部76と出口部77の連通を許可及び禁止し、該電磁ソレノイドを収容する筒状のボディ78を上方に向けて配置して構成されている。
第1パージ配管72は、キャニスタ60から上方に引き出され、パージコントロール弁74の入口部76に接続され、第2パージ配管73は、パージコントロール弁74の出口部77から前方に引き出される。
図5を参照し、第2パージ配管73は、このように前方に引き出された後、車幅方向内側に湾曲されて後方に延び、キャニスタ60の前下方を通って、車幅方向中心線CL1を横断する。その後、第2パージ配管73は、車幅方向中心線CL1を挟んで左側において前方に向けて延びて、吸気管43Bに接続される。この際、吸気管43Bは、パージコントロール弁74よりも下方に位置するので、第2パージ配管73は、前下方に延びる。
一方で、チャージ配管70は、燃料タンク25の車幅方向中心線CL1を挟んで右側における後部上面に設けられた気液分離部80に一端を接続し、左方に延ばされた後に湾曲されて右方に延ばされ、その後、右のリヤフレーム15に沿ってリヤクロスフレーム57に至るまで前方に延ばされ、そしてキャニスタ60に接続されている。
なお、図5において、符合81は燃料タンク25の給油キャップを示している。円形の給油キャップ81はその中心を車幅方向中心線CL1上に配置して設けられている。気液分離部80は、燃料タンク25内部に連通し、例えばシール部材を備えて液体の燃料がチャージ配管70に供給されないように構成されている。
また、燃料タンク25の車幅方向中心線CL1を挟んで左側における前部上面には、燃料ポンプ82が設けられ、その略真直ぐ前方には、インジェクタ43Cが位置し、燃料ポンプ82とインジェクタ43Cは、燃料ホース83によって接続されている。燃料ホース83は、少なくともリヤクロスフレーム57の後方において車幅方向中心線CL1を挟んで左側に配置されて一端を燃料ポンプ82に接続し、リヤクロスフレーム57の前方においては、前方に向けて車幅方向内側に湾曲しながらインジェクタ43Cに接続されている。
ここで、燃料ホース83とチャージ配管70との位置関係では、リヤクロスフレーム57の後方において両者は、車幅方向中心線CL1を挟んで分散配置されている。
また、図5において符合84は、複数本の配線を束ねたメインハーネスを示している。このメインハーネス84は、車幅方向中心線CL1を挟んで右側に配置され、右のリヤフレーム15に沿って前後方向に延在している。
ところで、上記自動二輪車1の車体フレーム11は、燃料タンクの位置及び車両全体の外観が異なる自動二輪車に共用可能に構成されており、図9、図10には車体フレーム11を搭載した自動二輪車1と異なる自動二輪車100が示されている。なお、図9、図10において自動二輪車1と同一の構成要素については同一の符号を示している。
この自動二輪車100では、メインフレーム13の後方であって、サイドフレーム14の上方に、側面視で三角形形状の燃料タンク101を設けている。シート下の収納ボックス102はリヤフレーム15,15間に配置され、リヤフレーム15,15に沿って前後方向に延在し、リヤフレーム15,15によって支持されている。
収納ボックス102は、燃料タンクが後方に配されない分、自動二輪車1の収納ボックス34に対して前後に長く、この後方に延ばした部位で深さを確保し、ヘルメットを収容可能な空間を確保している。この自動二輪車100は、収納ボックス102の上記後方に延ばした部位で収納空間の深さを確保しており、燃料タンク101が車両下方に配されているため、比較的車高が抑えられたものとなっている。
以上に記載した本実施形態の自動二輪車1では、収納ボックス34が、車体フレーム11のリヤフレーム15から上方に突出する後側収納ボックス支持部材52によって支えられ、パージコントロール弁74が、キャニスタ60よりも高い位置で、後側収納ボックス支持部材52に取付けられている。そして、自動二輪車1では、パージコントロール弁74とスロットルボディ43の吸気管43Bとの間の第2パージ配管73が、車両下方に傾斜して延び、パージコントロール弁74と吸気管43Bとを接続した構造を有する。
このような構造では、パージコントロール弁74が、キャニスタ60よりも高い位置に配置されるため、液化した燃料が少なくともパージコントロール弁74の下方では重力作用で低い方、すなわちキャニスタ60側へ向かう。したがって、高位置にあるパージコントロール弁74に液化燃料が溜まり難くなる。
また、パージコントロール弁74から吸気管43Bまでの第2パージ配管73は、パージコントロール弁74からは車両下方へ傾斜して延ばされ、傾斜配置されているため、第2パージ配管73内を液化した燃料が良好に流れる。したがって、液化した燃料が第2パージ配管73内に溜まることを防止できる。
また、パージコントロール弁74が後側収納ボックス支持部材52に取付けられることで、パージコントロール弁74の設置による収納ボックス34の形状等の制約がなく、収納ボックス34の容量を確保できる。
この結果、収納ボックス34の容量を確保しながら、パージコントロール弁74に液化された燃料が滞りにくくすることができる。
また、収納ボックス34及び燃料タンク25の下方にエンジン2が配置されている。これによれば、キャニスタ60から吸気管43Bまでの配管長を短くすることができる。
また、本実施形態では、収納ボックス34及び燃料タンク25の車幅方向両側に、車体フレーム11の一部を構成する左右一対のリヤフレーム15,15が配置され、リヤフレーム15,15が、収納ボックス34及び燃料タンク25間に配置されるリヤクロスフレーム57で連結され、キャニスタ60が、リヤクロスフレーム57の下方に配置され、リヤフェンダ59上部に支持されている。
この場合、キャニスタ60がリヤクロスフレーム57の下部に配置されるため、スペースを有効利用できる。また、リヤフェンダ59上部にキャニスタ60が支持されることで、リヤクロスフレーム57の下方というアクセスしにくい場所であっても、リヤフェンダ59と共にキャニスタ60の脱着が可能となるため、メンテナンス性及び生産性の向上が図れる。
詳しくは、本実施形態では、リヤフェンダ59に、キャニスタ60を載置するための凹部61が形成されるとともに、凹部61に載置された状態のキャニスタ60を固定するための凸部62,62が一体形成されている。このような構造では、リヤクロスフレーム57からキャニスタ60を吊り下げて支持する別部材等が不要となるため、部品点数を削減でき、軽量化に寄与することができる。
また、本実施形態では、リヤフレーム15,15間において、燃料ポンプ82及びインジェクタ43Cが、車幅方向中心線CL1を挟んで左側に配置され、燃料ポンプ82と、インジェクタ43Cと、が燃料ホース83によって接続され、リヤクロスフレーム57の後方において、燃料ホース83が車幅方向中心線CL1を挟んで左側に配置され、チャージ配管70が右側に配置されている。
この場合、燃料ホース83を極力短縮させて燃料ポンプ82と及びインジェクタ43Cに繋げることができる。更に、リヤクロスフレーム57後方においてチャージ配管70を左側に配置することから、燃料ホース83とチャージ配管70を分散配置でき、搭載スペースの限られた自動二輪車のスペースを有効に利用することができる。


また、パージコントロール弁74が、車幅方向中心線CL1を挟んで右側において、リヤクロスフレーム57の前方に配置され、パージコントロール弁74と吸気管43Bとの間のパージ配管71が、キャニスタ60の前方を通り、車幅方向中心線CL1を跨いで左側に延ばされ、その後、前方に延ばされて吸気管43Bに接続され、複数本の配線を束ねたメインハーネス84が、車幅方向中心線CL1を挟んで右側に配置され、前後方向に延在して配置されている。
この場合、燃料ホース83と、パージコントロール弁74と吸気管43Bを接続するパージ配管71の前後方向の延在部位と、を車幅方向中心線CL1を挟んで左側に配置し、メインハーネス84を右側に配置して前後方向に延在させることで、リヤクロスフレーム57の前方において、燃料ホース83及びパージ配管71と、メインハーネス84を分散配置できるため、搭載スペースの限られた自動二輪車のスペースを有効に利用することができる。
更に、メインハーネス84と燃料系配管(燃料ホース83及びパージ配管71)を分散配置したことで、電気を燃料から遠ざけることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、収納ボックス34を燃料タンク25の前方に配置したが、この配置を入れ替えて、燃料タンク25を収納ボックス34の前方に配置してもよい。
1 自動二輪車
11 車体フレーム
16 シート
25 燃料タンク
34 収納ボックス
43B 吸気管
43C インジェクタ
52 後側収納ボックス支持部材
57 リヤクロスフレーム
59 リヤフェンダ
60 キャニスタ
61 凹部
62 凸部(支持片)
70 チャージ配管
71 パージ配管
74 パージコントロール弁
82 燃料ポンプ
83 燃料ホース
84 メインハーネス
90 ドレインチューブ

Claims (6)

  1. 車体フレーム(11)に搭載されるエンジン(2)と、乗車用シート(16)の下方に配置される収納ボックス(34)と、前記エンジン(2)に供給される燃料を貯留する燃料タンク(25)と、該燃料タンク(25)内で蒸発した燃料ガスを吸着するキャニスタ(60)と、を備え、
    前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)が、いずれか一方を前方として前後に並んで配置されるとともに、前記キャニスタ(60)が、前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)の間に配置され、
    前記キャニスタ(60)に、前記燃料タンク(25)から延ばされて燃料ガスを導き出すチャージ配管(70)と、前記エンジン(2)に接続される吸気管(43B)まで延ばされ、該キャニスタ(60)で吸着した燃料を前記吸気管(43B)へ供給するパージ配管(71)と、が接続され、
    前記パージ配管(71)の途中に、前記キャニスタ(60)と前記吸気管(43B)との連通を許容及び禁止するパージコントロール弁(74)が設けられた自動二輪車において、
    前記収納ボックス(34)が、前記車体フレーム(11)から上方に突出する収納ボックス支持部材(52)によって支えられ、
    前記パージコントロール弁(74)は、前記キャニスタ(60)よりも高い位置で、前記収納ボックス支持部材(52)に取付けられ、
    前記パージコントロール弁(74)と前記吸気管(43B)との間の前記パージ配管(7173)が、車両下方に傾斜して延び、前記パージコントロール弁(74)と前記吸気管(43B)とを接続するとともに、
    前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)の車幅方向両側に、前記車体フレーム(11)の一部を構成する左右一対のリヤフレーム(15,15)が配置され、
    該リヤフレーム(15,15)は、前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)間に配置されるリヤクロスフレーム(57)で連結され、
    前記キャニスタ(60)は、前記リヤクロスフレーム(57)の下方に配置され、リヤフェンダ(59)上部に支持されることを特徴とする自動二輪車。
  2. 前記キャニスタ(60)には、ドレインチューブ(90)が接続され、該ドレインチューブ(90)は、前記キャニスタ(60)から前下方に指向するように延ばされることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
  3. 前記リヤフェンダ(59)には、前記キャニスタ(60)を載置するための凹部(61)が形成されるとともに、前記凹部(61)に載置された状態の前記キャニスタ(60)を固定するための支持片(62)が一体形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車。
  4. 前記リヤフレーム(15,15)間において、燃料ポンプ(82)及びインジェクタ(43C)が、車幅方向中心線(CL1)を挟んで一側に配置され、
    前記燃料ポンプ(82)と、前記インジェクタ(43C)と、が燃料ホース(83)によって接続され、
    前記リヤクロスフレーム(57)の後方において、前記燃料ホース(83)が車幅方向中心線(CL1)を挟んで前記一側に配置され、前記チャージ配管(70)が他側に配置されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の自動二輪車。
  5. 前記パージコントロール弁(74)が、車幅方向中心線(CL1)を挟んで前記一側に対する他側において、前記クロスフレーム(57)の前方に配置され、
    前記パージコントロール弁(74)と前記吸気管(43B)との間の前記パージ配管(7173)が、前記キャニスタ(60)の前方を通り、車幅方向中心線(CL1)を跨いで前記一側に延ばされ、その後、前方に延ばされて前記吸気管(43B)に接続され、
    複数本の配線を束ねたメインハーネス(84)が、車幅方向中心線(CL1)を挟んで前記一側に対する他側に配置され、前後方向に延在することを特徴とする請求項4に記載の自動二輪車。
  6. 前記エンジン(2)が、前記収納ボックス(34)及び前記燃料タンク(25)の下方に配置されることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の自動二輪車。
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