JP5716931B2 - プリーツフィルター、それを用いたバラスト水処理装置およびバラスト水の処理方法 - Google Patents

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本発明は、主に液体の濾過に用いられるプリーツフィルターの構造に関するものであり、特に、船舶に貯留されるバラスト水の処理システムに用いられ大量の水の濾過に用いられるプリーツフィルターおよびそれを用いた装置に関する。
気体や液体から混入物としての固体を分離除去する目的では多種多様なフィルターが用いられており、フィルターをプリーツ形状とすることにより濾過面積を大きくしたプリーツフィルターも主に空気清浄機等の気体用途で用いられている。また、特許文献1には、工作機械の切削液からスラッジを除去するためのフィルター装置として、円筒形状に形成されたプリーツフィルターを用いた例が示されている。この装置では、円筒形状フィルターを回転させながら、フィルター外面に向かって液体を噴出させることで、フィルターの洗浄効果の高いフィルター装置を提供できるとされている。
一方、近年、船舶に積載するバラスト水の処理が問題となっている。バラスト水は空荷状態でも安全に航行するために船舶に積載される海水であり、バラスト水を浄化処理して微生物を除去あるいは死滅、不活性化する方法が種々検討されている。比較的大きな微生物の除去の目的で濾過を用いる方法も検討されており、たとえば特許文献2には本願出願人による濾過膜を用いたバラスト水の処理装置が記載されている。
特開2008−93783号公報 特許第4835785号公報
海水淡水化やバラスト水などの汽水・海水利用、あるいは下水、生活排水、工業排水など水処理に際しては、水中の異物やゴミ、微生物を除去処理する前濾過処理が必要となる。本願発明者らは、このような濾過へのプリーツフィルターの適用を検討している。ここでは大量の水をできるだけ短時間で濾過する必要があるが、大規模・高流量の運転は概して早期の目詰まりによる処理量や濾過機能の低下を招きやすいことが技術的な問題となっている。
特許文献2に開示されている装置は、円筒状フィルターを筒状容器に内蔵し、円筒状フィルターの外側から内部に流入する液体を濾液として回収する濾過装置である。濾過対象液を筒状容器の側面に設けたノズルからフィルター濾過面の一部に噴出することでフィルター表面に堆積した濾過物を洗浄して透過流束を回復させると共に、洗い流した濾過物を濾過前室から排液することで、安定した濾過状態を連続して継続させている。このようなシステムが安定に連続濾過を維持するのに重要なのは、フィルター濾過面への濾過対象液の噴出による洗浄効果である。経時的にフィルターの洗浄部位を変えてフィルター全体を洗浄していくことを効率的かつ効果的に行うために、円筒状フィルターを濾過中にモーター駆動等で回転させて、噴出ノズルからの噴出が当たる場所を連続的かつ周期的に変えている。この回転洗浄を確実に行って高い濾過流量を安定に保つためには、ノズルからの濾過対象液の噴出をある程度以上の高い流量レベルで維持する必要があるが、発明者らの検討ではこのような高流量の噴出を受けた結果、円筒状フィルターは経時的に劣化して、破断が生じ、濾過対象液の一部がフィルターを通らずに濾液に直接混入してしまう可能性があることが判明した。
そこで、本発明は、使用による劣化や破断を防止し、長期間安定して使用することが可能なプリーツフィルター、およびそれを用いた濾過装置としてのバラスト水処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、フィルターの劣化について鋭意検討の結果、高流量の噴出を受けたフィルターの、プリーツの山および谷に当たる折り曲げ部分に破断が発生しやすいことを確認し、本願発明に至った。
すなわち、フィルター基材が山部と谷部を繰り返すように折り目を有し、前記折り目の稜線方向を軸方向とする筒形状をなすプリーツフィルターであって、前記筒形状の内側から見た谷部に補強板を備えたプリーツフィルターである。
また、本願は上記プリーツフィルターを濾過膜として用いたバラスト水処理装置であり、前記プリーツフィルターは円筒上面と円筒底面をそれぞれ水密に封止し、かつ円筒軸を中心に回転可能に保持され、前記プリーツフィルターの外周面に向けて被処理水を流出する被処理水ノズルと、前記プリーツフィルターを囲むように設けられ前記被処理水ノズルのノズル口を内部に備えた外筒部を有するケースと、前記プリーツフィルターを透過した濾過水を前記プリーツフィルターの円筒内部から前記ケースの外部へ導出する濾過水流路と、
前記プリーツフィルターで濾過されなかった排出水を前記ケースの外部へ排出する排出流路とを備えたバラスト水処理装置を含む。
さらに、当該バラスト水処理装置を船体内に搭載し、船体外部から取得した海水を被処理水として用い、前記バラスト水処理装置により処理された濾過水にさらに殺滅処理を加えた後に、バラスト水として船体内に貯留するバラスト水の処理方法とする。
上記発明によれば、使用による破断を防止し、長期間安定して使用することに寄与するプリーツフィルター、およびそれを用いたバラスト水処理装置、バラスト水の処理方法を提供することが可能となる。
プリーツフィルターの代表的構成例を説明する斜視模式図である。 図1のプリーツフィルターの一部であって、被処理水との関係を説明するための拡大模式図である。 (A)図1のプリーツフィルターを側面から見た一部を示す図である。(B)図3(A)のプリーツフィルターに破断が生じる状態の一形態を説明する図である。 本発明の実施態様としての補強板を備えたプリーツフィルターの構造例を示す斜視模式図である。 図4のプリーツフィルターの一部を拡大して説明する上面模式図である。 図4のプリーツフィルターの固定構造を説明する側面模式図である。 補強板の一例としてのメッシュ板の構造を説明する斜視図である。 本発明の実施態様としての補強板を備えたプリーツフィルターの別な構造例を示す斜視模式図である。 本発明の実施態様としての補強板を備えたプリーツフィルターの別な構造例を示す上面拡大模式図である。 濾過膜のエンボス加工の一例を示す図である。 (A)本発明の実施態様であるバラスト水処理装置の一例を示す図であり、軸線を含む垂直断面の構成を示す断面模式図である。(B)図11(A)における水平A−A断面の構成を模式的に示す図である。 図11(A)における水平A−A断面の別な構成例を模式的に示す図である。 本発明の実施態様であるバラスト水処理装置を用いたバラスト水処理システムの全体構成例を説明するブロック図である。
[本願発明の態様の説明]
以下、本願発明の態様について列記して説明する。本願1の態様は、(1)フィルター基材が山部と谷部を繰り返すように折り目を有し、前記折り目の稜線方向を軸方向とする筒形状をなすプリーツフィルターであって、前記筒形状の内側から見た谷部に補強板を備えたプリーツフィルターである。このような構造により、使用による破断を防止し、長期間安定して使用することが可能となる。
(2)補強板には、表面から裏面に貫通する多数の孔を有する平板状基材、つまり多孔質の板材を用いることが好ましい。特に多孔質の板材としては網目状板材を用いることが簡便である。補強板はフィルターの折れ曲がり変形を防止する強度を持った部材であれば良い。同時にフィルターのプリーツが被処理水の圧力によって広がることを過度に妨げないことを考慮必要である。さらに、濾過液の流れを良くし、かつフィルター全体の軽量化をも考慮することが好ましい。
(3)補強板の材質はポリプロピレン、ポリエチレン(特に復元力の点で中〜低密度ポリエチレン)、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩化ビニルからなる群から選択されるいずれかの樹脂により形成されていると良い。製造上の扱いやすさ、軽量化、コスト等の面で必要な強度を持った樹脂部材が好ましく用いられる。特に好ましくは適度な強度と復元力を備えている点でポリプロピレンである。金属系やガラス・セラミックなど非金属系の材料には強度の面で樹脂を凌ぐ性能を持つものもある。しかし、本実施の形態において変形に対する復元力も求められる。そのため、金属ならバネ材や焼き入れ処理などが必要となるが、網構造への加工や海水による腐蝕性をも総合的に勘案すると、上述の樹脂材料が適している。
孔の大きさは0.5〜8mm程度(網目の場合としてピッチが1〜10mm)が濾過液の透過と板強度のバランスの点で好ましく用いられ、より好ましくは3〜5mm(網目の場合としてピッチが3〜5mm)である。板厚はプリーツのピッチ(隣接する谷部どうしの間隔)と所望の強度とを考慮して選択される。0.3〜2mmが好ましく用いられ、より好ましくは0.5〜1,5mmである。
(4)補強板は、一枚ずつ独立した板材に限定されるものではなく、例えば山部と谷部を繰り返すように折り目を有し、前記フィルター基材の筒形状内側表面に沿うように設けられていても良い。このような形状により、より一層高い補強効果を得ることができる。
(5)さらにフィルター基材がエンボス加工されていると良い。エンボス加工とは、フィルター基材に多数の連続した凹凸を付ける加工として一般に用いられる加工方法である。このような表面のフィルター基材11を用いることによって、フィルター自身が折れ曲がりにくくなる。また、エンボスによって生じる隙間が、折りたたまれたプリーツの奥側への被処理水の流入および濾過された処理水の流出を妨げない流路となる点で好適である。
(6)また本願では、上述の円筒状のプリーツフィルターを濾過膜として用いたバラスト水処理装置を示す。すなわち、プリーツフィルターは円筒上面と円筒底面をそれぞれ水密に封止し、かつ円筒軸を中心に回転可能に保持され、前記プリーツフィルターの外周面に向けて被処理水を流出する被処理水ノズルと、前記プリーツフィルターを囲むように設けられ前記被処理水ノズルのノズル口を内部に備えた外筒部を有するケースと、前記プリーツフィルターを透過した濾過水を前記プリーツフィルターの円筒内部から前記ケースの外部へ導出する濾過水流路と、前記プリーツフィルターで濾過されなかった排出水を前記ケースの外部へ排出する排出流路とを備えたバラスト水処理装置である。
このような構造の装置においては、円筒形状プリーツフィルターの円筒外部のノズル口から被処理水がプリーツフィルターの外側面に向かって噴出するため、プリーツの一部に被処理水の圧力が集中する。すると、プリーツが開く方向に圧力が加わり、上述の通り谷部と山部のそれぞれでフィルターが破断する可能性が高くなる。そこで、上述の補強板による破断防止構造を採用することにより、濾過不良の発生抑止、プリーツフィルターの長寿命化による装置の長期運転、運用コストの低減等の効果が期待できる。
(7)また、当該バラスト水処理装置を船体内に搭載し、船体外部から取得した海水を被処理水として用い、前記バラスト水処理装置により処理された濾過水にさらに殺滅処理を加えた後に、バラスト水として船体内に貯留するバラスト水の処理方法とすると良い。
このような装置を用い、あるいは方法を用いることにより、従来にも増してフィルターの破断が抑制され、濾過不良を起こすこと無く長期間安定して使用することが可能となる。よって、メンテナンスの人的コストおよび交換材料としてのコストを抑制することができ、バラスト水自体の製造を一層容易にすることが可能である。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態としてのプリーツフィルターおよびバラスト水の処理装置の構成を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(プリーツフィルターの構成)
対象とするプリーツフィルターの代表的構造例を図1に示す。図1のプリーツフィルター10は、板状のフィルター基材11を山谷交互に繰り返し折りたたむことでプリーツ形状を形成し、さらにその両端部を接続して全体を円筒状にしたものである。実際の使用時には円筒の上面および下面を別な部材にて塞ぐと共に形状を固定する。円筒フィルターの内部から外部に向けて、あるいは逆に外部から内部に向けて濾過を行う。本願の以下の説明においては、円筒外側からみた山と谷を名称として用いる。すなわち、円筒内部側に突き出た折り目である図のV部を谷部と呼び、円筒外部側に突き出た折り目である図のM部を山部と呼ぶ。円筒の内側から見た谷部は、V部とV部の間でM部の裏側の空間を表すことになる。
フィルターの基材には多孔質樹脂シートが用いられる。材質として例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等からなる延伸多孔質体、相分離多孔体、不織布等の多孔質構造物が利用されるが、高流量処理を行う目的においては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルからなる不織布が特に好適に用いられる。
図1の形状のプリーツフィルター10の円筒外周側から被濾過液を供給し、円筒内部側に濾過する構成を想定する。図2は、その場合にフィルター基材11に加わる力を説明する図である。図2において、5本並んだ矢印は被処理液が山部M側から供給される方向を示している。フィルター基材11にはプリーツが開く方向に力Pが加わる。さらに、被処理液の流量や圧力の変動により、加わる圧力Pは変動し、構成によっては振動や繰り返し曲げとしてフィルター基材11に作用する。
図3(A)および図3(B)は、上述の圧力Pによりプリーツフィルターに生じる破損の一形態を示すものである。図3(A)は破損が生じる前の状態、図3(B)は破損時の状態を模式的に示している。フィルターの上下は形状固定と密封のために固定されている。そこで、図2のように山部を開く方向に圧力が繰り返し加わることで、図3(B)に示す方向にフィルター中央部付近D部が折れ曲がる。これにより、フィルター基材11にD部において割れや破れが生じて濾過機能が損なわれる場合がある。特に、濾過対象液が水等の液体の場合は、空気等の気体の場合に比べてフィルターが受ける圧力が大きく、フィルターが折り曲げ部にて破断しやすい。
フィルター中央部が図3(B)のような方向に開く(曲がる)ことは、プリーツの奥まで被処理液が供給され、その流れによってフィルター表面が洗浄されやすくなる点では効果的である。しかし折れ曲がりによって破れ等が生じることは防止しなければならない。そこで、筒形状の内側から見た谷部に補強板を備えることで、上記の折れ曲がりを抑制することが可能となる。図4はその代表例としてのプリーツフィルター10の構造を示す斜視図である。各谷部に補強板を備えている。かかる構造において、補強板はフィルターの折れ曲がり変形を防止する強度を持った部材であれば良く、さらにはフィルターのプリーツが被処理水の圧力によって広がることを過度に妨げないことが好ましい。すなわち、図3Bに示すように「く」の字に折れ曲がることは防止するものの、緩やかなカーブで湾曲して、被処理水による圧力から開放された時に元の形状に戻る復元力を持つことが好ましい。
この状態をわかりやすく説明するために、図4の一部を拡大した模式図が図5である。谷部に補強板を備えるとは、谷部側から見て凹部、すなわち図におけるV部と隣接するV部との間の凹部側に、補強板を備えることを意味する。図5のように隣接するV部の中央付近に板状の補強板2を山部となるM部裏側に向けて装着すると良い。図6は、図5の部分を円筒内部側から見た側面模式図であり、形状の固定状態を説明する図である。補強板2は、フィルター基材11と共に、円筒上部に設けられた固定部材12と円筒下部に設けられた固定部材13により固定されている。固定部材は円筒の上下に配置される円盤状、あるいは円環状の部材であり、フィルター基材11と補強板2の形状を固定しつつその固定部分の水密を保つ部材である。好ましくは、フィルター基材11と補強板2の上端部および下端部をそれぞれ接着剤としての樹脂で固定すると良い。
補強板として用いられる代表例として、図7に網目状の板を示す。図7は樹脂製の網目板の一例であり、このような凹凸を有する網目板を用いることで、補強板とフィルター基材との密着を防ぐこともでき、濾過液の流れを妨げにくい効果が得られる。その他、多孔質の板材としては、板材に多数の孔を開けたパンチング材や、三次元網目状の連通孔を有する板材などを用いることが出来る。
補強板は、一枚ずつ独立した板材に限定されるものではなく、例えば山部と谷部を繰り返すように折り目を有し、前記フィルター基材の筒形状内側表面に沿うように設けられていても良い。図8はその代表例を示す斜視図である。補強板2もフィルター基材11と同様にプリーツ形状に加工し、全体としてフィルター基材11と補強板2が二重のプリーツ形状をなすように形成されている。
さらに異なる態様として、補強板は谷部中央や谷部側のフィルター面に沿うように均等に配置されるものに限定されず、図9のように谷部側内面の片側面に沿うように設けられても良い。また図9では補強板3がフィルター基材11の谷部を覆うように設けた例であり、このように谷部を覆うように折り曲げることにより補強効果が高まる。
このように、補強板をフィルター基材に沿わせて配置する構成においては、さらにフィルター基材がエンボス加工されていることが好ましい。図10は、フィルター基材11にエンボス加工を施した一例を示すものである。フィルター基材11自体に多数の円形の凹部と凸部を繰り返し連続して形成している。エンボスの形状は限定されるものではなく、凹部、凸部あるいはその両方を連続して有するものであれば良い。エンボスによって、フィルターの面と隣接するフィルターの面や補強板の面が密着することが抑制される。フィルター面に適度な隙間が確保されることで、濾過液の流れを妨げ難くなる。
(濾過装置)
上述のプリーツフィルターを用いた濾過装置の好ましい適用例として、バラスト水処理装置の構成を図面を参照して説明する。図11(A)および図11(B)は本発明の実施態様としての船舶用のバラスト水処理装置の一例を示す図である。図11(A)は軸線を含む垂直断面の構成、図11(B)は図11(A)における水平A−A断面の構成をそれぞれ模式的に示す図である。円筒形状のプリーツフィルター101は回転中心となる軸線を囲むように配置されており、中心に配置された中心配管140(配管は回転しない)の周囲を回転自在になるよう取り付けられている。プリーツフィルターの上下面は水密に塞がれている。回転自在な取り付け構造は、同じく水密構造とする必要があるが、特に限定されることなく既知の構造が用いられる。フィルター全体を覆うようにケース103が設けられる。ケース103は外筒部131、蓋部132、底部133で構成され、底部133には排出流路108が設けられる。ケース103内に被処理水としての海水を導入するため被処理水流路106と被処理水ノズル102が設けられる。被処理水ノズル102は、そのノズル口121をケース103の外筒部131内に備えるように被処理水流路106から延設され、被処理水がプリーツフィルターの外周面に向かって流出するように構成されている。また、プリーツフィルターの回転のためにモーター190がプリーツフィルターの中心軸に備えられている。モーター190はモーターカバー191で覆われて収納され、駆動制御部(図示せず)からの電力により駆動される。
本例の場合、被処理水ノズルから噴出した被処理水はプリーツフィルターのプリーツ外周面に当たり、その圧力によってプリーツフィルターの洗浄効果が得られる。濾過されない被処理水および、ケース内に沈殿した濁質分は、ケース底部の排出流路から順次排出される。このように濁質分や残った被処理水が連続的に常に排出されつつ濾過が進行される点もこの装置の特徴であり、バラスト水に求められる10〜20ton/時間やさらには100ton/時間を超える処理量を確保するために効果がある。なお、図では排出流路にバルブなどを記載していないが、保守用や流量調節用に必要な機器が設けられる。プリーツフィルター101により濾過された濾過水はフィルター内部にて中心配管140に設けられた取水穴141を通して濾過水流路107に導かれ、ケース外部に流出される。
100ton/時間の処理を行う装置の一例として、プリーツフィルターの外径は700mm、軸方向長さ320mm、有効面積としての高さ280mm、プリーツ深さ70mm、プリーツ数420折、が挙げられる。被処理水ノズル102はノズル口121が矩形開口であるとよい。被処理水ノズルから大量の水がプリーツフィルター面に噴出されることにより、プリーツフィルターの折り目が開閉する方向の振動が生じることで、折り目に裂け等の孔が開きやすくなる。上述のように補強板を備えたプリーツフィルターを用いることで、破断が効果的に抑止でき、装置の長期安定的な運転が可能となる。
図12は、図11(B)に対応する別な構成例を示す断面模式図である。プリーツフィルター101として、山部と谷部を繰り返すように折り目を有し、前記フィルター基材の筒形状内側表面に沿うように設けられた図8の構造のプリーツフィルターを用いた場合の例である。
(実験例)
補強板による効果を確認するため、図11(A)、図11(B)に示すバラスト水処理装置を用いて、濾過をおこなった。
使用した材料は次の通りである。
フィルター基材:ポリエチレンテレフタレート製不織布(商品名:東レ製 アクスターG2260−1S BK0)
補強板:ポリプロピレン製網目板(商品名:タキロン製 トリカルネットSN−598)
網目ピッチ 4.8mm×4.8mm
厚さ 1.5mm(縦糸1.5mm、横糸1.2mm)
上記補強板を短冊状に切断し、図11(B)のようにフィルター谷部に装着した。補強板を用いない場合に、50時間の濾過運転にてフィルター山部に破損が生じたのに比べ、同条件の濾過において、補強板を設けた場合には、155時間まで破損が生じなかった。
また、別な構造例として、次の補強板をフィルター基材と共に折りたたんだ図12の場合にも上記と同様に破損防止の効果を得ることができる。さらに、フィルター基材にエンボス加工を施すことで、フィルター基材面と補強板の接触を抑制することができ、さらに効果がある。
フィルター基材:ポリエチレンテレフタレート製不織布(商品名:東レ製 アクスターG2260−1S BK0)
補強板:ポリプロピレン製網目板(商品名:タキロン製 トリカルネットSN−11)
網目ピッチ 3.9mm×3.9mm
厚さ 0.9mm(縦糸0.9mm、横糸0.5mm)
当該構造において79時間以上破損が生じなかった。一方、上述のプリーツ形状の変形と復元の観点では図12の構造に比べて図11Bの構造の方が好ましいことが確認できた。
図13は、上述したバラスト水処理装置を濾過装置として用いた船舶用バラスト水処理システムの全体構成を模式的に示した説明図である。図13において、海洋から取水された海水である被処理水は配管31を経てポンプ21により送られ、配管32を通じて濾過手段である濾過装置22に供給される。濾過装置22において濾過された濾過水は配管33を経て紫外線照射装置や電解装置などの殺滅装置23(必須ではない。)に送られる。また、濾過装置22において濾過されなかった排出水は、配管35を経て装置外部へ導出される。殺滅処理を経た海水は、配管34、配管36を経てタンク24に送られる。
本発明のプリーツフィルターは破断による性能低下を起こさず耐久性にも優れているため、海水淡水化やバラスト水などの汽水・海水利用、あるいは下水、生活排水、工業排水など水処理に際して、水中の異物やゴミ、微生物を除去処理する前濾過処理に好適に利用できる。また、高濁質・高SSの水処理や濃縮処理にも優れているため、食品分野などの有価物回収分野にも応用が可能である。
2 補強板
10、101 プリーツフィルター
11 フィルター基材
12、13 固定部材
21 ポンプ
22 濾過装置
23 殺滅装置
24 タンク
31、32、33、34、35、36 配管
102 被処理水ノズル
103 ケース
106 被処理水流路
107 濾過水流路
108 排出流路
121 ノズル口
131 外筒部
132 蓋部
133 底部
140 中心配管
141 取水穴
190 モーター
191 モーターカバー

Claims (3)

  1. フィルター基材が山部と谷部を繰り返すように折り目を有し、前記折り目の稜線方向を軸方向とする筒形状をなすプリーツフィルターであって、前記筒形状の内側から見た谷部に補強板を備え、
    前記補強板は、表面から裏面に貫通する多数の孔を有する平板状基材で形成されており、
    前記補強板は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニルからなる群から選択されるいずれかの樹脂により形成されており、
    各谷部に備えられた隣接する前記補強板は前記筒形状の軸直角方向断面においては互いに接触やフィルター基材以外の他の部材と接することなく独立した板材であり、
    前記プリーツフィルターの円筒上面と円筒底面がそれぞれ前記フィルター基材と前記補強板を固定すると共に水密に封止され、かつ円筒軸を中心に回転可能に保持され、前記プリーツフィルターの外周面に向けて被処理水を流出する被処理水ノズルと、前記プリーツフィルターを囲むように設けられ前記被処理水ノズルのノズルロを内部に備えた外筒部を有するケースと、前記プリーツフィルターを透過した濾過水を前記プリーツフィルターの円筒内部から前記ケースの外部へ導出する濾過水流路と、前記プリーツフィルターで濾過されなかった排出水を前記ケースの外部へ排出する排出流路とを備えた濾過装置に用いられるプリーツフィルター。
  2. 請求項に記載の円筒状のプリーツフィルターを濾過膜として用いたバラスト水処理装置。
  3. 請求項に記載のバラスト水処理装置を船体内に搭載し、船体外部から取得した海水を被処理水として用い、前記バラスト水処理装置により処理された濾過水にさらに殺滅処理を加えた後に、バラスト水として船体内に貯留するバラスト水の処理方法。
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