はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下の各手段は、「例えばパチンコ遊技機では、遊技球が発射され、各種入賞口に遊技球が入賞されるとそれに伴い所定個数の遊技球が払い出される。また、例えば遊技領域の中央部には液晶表示装置等よりなる図柄表示ユニットが設置され、この図柄表示ユニットにより複数列の図柄が変動表示される。図柄表示ユニットとして具体的には、例えば左右方向又は上下方向に並ぶ3つの図柄列が設けられ、各図柄列毎に図柄が変動表示される。この場合、所定入賞口への入賞をトリガとして図柄表示ユニットによる図柄の変動表示が開始され、その後、所定の変動パターンによる変動表示を経て図柄の変動表示が停止される。そして、各図柄列の停止図柄が確定した際にその図柄が同一図柄であれば、特別遊技状態(大当たり状態)に移行し多量の遊技球が払い出される。特別遊技状態に移行する確率は比較的低確率に設定され、特別遊技状態に移行しない場合には通常状態のままとされる。また、近年のパチンコ遊技機では、上述した所定入賞口の上方において、遊技機正面から見て少なくとも横方向に延び且つ起伏を有し、遊技球の往復転動等が行われる遊技球転動ステージが設けられている。この遊技球転動ステージには、案内部等が設けられており、遊技球転動ステージにおける転動の結果、遊技球が案内部等に到達することにより、当該遊技球が所定入賞口に案内されるようになっている。即ち、遊技球転動ステージを設けることにより、遊技球転動ステージにおける遊技球の左右方向の転動態様を遊技者に視認させ、所定入賞口への入球を可能とする案内部等への到達を期待させることにより、遊技興趣の向上が図られている。さらに、遊技球転動ステージには遊技球を案内部等に到達させるよう誘導する誘導溝が設けられており、誘導溝によって遊技球が誘導されることにより案内部等に遊技球が到達する割合が増える。誘導溝によって案内部等に遊技球が誘導されることを期待して遊技者は遊技を行っており、誘導溝がない場合と比して、遊技への注目度を高める効果が発揮されている(例えば、特開2000−51448号公報)。」という背景技術について、「しかしながら、誘導溝によって案内部等に遊技球が誘導されることにより、所定入賞口に遊技球が過度に入球してしまうおそれがある。この場合、過度に特別遊技状態に移行し過度の遊技球が遊技者に付与されることによって、遊技機を設置している遊技ホール等において損害が発生することが考えられる。また、誘導溝をなくした構成も考えられるが、単に誘導溝をなくしたのみの場合、案内部等に遊技球が到達することへの遊技者の期待感が削がれてしまい、遊技者の遊技への注目度が低下してしまうおそれがある。なお、以上の問題は、誘導溝によって遊技球を誘導するもののみならず、遊技球を誘導する誘導手段を備えた遊技機に該当する問題である。誘導手段として、例えば、傾斜や突起等を用いて遊技球を誘導するものが考えられる。また、誘導手段は所定の位置に遊技球を誘導すればよく、遊技者に有利な位置に遊技球を誘導するものや、遊技者に不利な位置に遊技球を誘導するものにも該当する。遊技者に不利な場所に遊技球を誘導するものとして、例えば、所定入賞口に入球しないように遊技球を誘導するものが考えられる」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
手段1.遊技球が到達することにより所定の位置に遊技球を誘導する誘導手段(第1山側誘導凹部262,第3山側誘導凹部274)と、
遊技球を誘導するように構成されていないが、遊技球を誘導するよう視認される擬似誘導手段(第2谷側擬似誘導凹部276)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、誘導手段が設けられていることによって、遊技球が誘導される誘導態様に注目して遊技者は遊技を行い、遊技球の動きに対する遊技者の関心を高めることができる。これにより、遊技者の遊技への注目度を高める効果が発揮される。また、誘導手段は遊技球を所定の位置に誘導するため、誘導手段を設けることによって遊技球の動きを調整する効果も発揮される。なお、誘導手段が複数設けられている遊技機の場合、複数の誘導手段によって遊技球の動きを調整する効果を高めることができる。
さらに、擬似誘導手段が設けられている。擬似誘導手段は、遊技球を誘導するよう構成されていないが遊技球を誘導するように視認される。擬似誘導手段は遊技球を誘導するように視認されるため、擬似誘導手段によって遊技球が誘導されるものと遊技者は考え、遊技球の動きに注目して遊技者は遊技を行う。よって、擬似誘導手段を用いて遊技者の遊技への注目度を高めることができる。
誘導手段と擬似誘導手段とを設ける位置及び数を調整することによって、誘導手段によって遊技球の動きを調整しつつ、擬似誘導手段によって遊技球が誘導されるように遊技者に視認させる機会を調整することが可能となる。すなわち、遊技球の動きを調整しつつ、擬似誘導手段によって上述した遊技への注目度を高める効果を得ることができる。仮に、誘導手段のみ設けられている遊技機において、遊技球の動きに遊技者に注目させる機会を増加させるために誘導手段を過度に設けると、遊技球の挙動を把握したり調整したりすることが困難となり、その結果、入賞確率など利益にかかわる項目の最適化を図ることが困難となる。
手段2.手段1において、前記擬似誘導手段は、前記誘導手段と外観が類似するように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段2において、擬似誘導手段は誘導手段と外観が類似している。これにより、誘導手段と擬似誘導手段とを遊技者が区別しにくくすることができる。よって、誘導手段による遊技球の誘導態様を遊技者は視認することによって、擬似誘導手段も誘導手段と同様に遊技球を誘導するものと遊技者に考えさせることができる。
手段3.手段1又は手段2において、遊技領域に形成されており、遊技球が到達することにより遊技者に利益が付与される入賞領域(作動口84)を備え、
前記擬似誘導手段は、前記入賞領域に遊技球を誘導するように視認されることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、擬似誘導手段は入賞領域に遊技球を誘導するように視認される。入賞領域に遊技球が入賞することを期待して遊技者は遊技を行っており、擬似誘導手段により入賞領域に遊技球が誘導されることを期待して遊技者は遊技を行い、遊技への注目度を一層高める効果が発揮される。仮に、誘導手段により入賞領域に遊技球が誘導される遊技機の場合、過度に遊技球が入賞領域に入球してしまい、遊技者に過度に利益が付与されることが考えられる。この場合、遊技者に過度に利益が付与されることによって、このような遊技機を設置している遊技ホールにて不利益が発生することが考えられる。本手段によれば、擬似誘導手段は遊技球を誘導するように視認されるが、実際には遊技球を誘導しないため、擬似誘導手段が入賞領域に遊技球を誘導してしまい、過度に入賞領域に遊技球が到達することを抑制できる。過度に遊技球が入賞領域に到達することを抑制できるため、上記遊技ホールにおいて発生する不利益を抑制することができる。例えば、入賞領域に遊技球を誘導するよう複数の誘導手段が設けられている遊技機において、複数の誘導手段のうち一部又は全部の誘導手段を擬似誘導手段に変更するのみで遊技球が過度に入賞領域に到達することを抑制することができる。
また、入賞領域に遊技球を誘導する誘導手段が設けられていない遊技機の場合、入賞領域に遊技球が到達することへの遊技者の期待感が削がれてしまい、遊技者の遊技への注目度が低下してしまうおそれがあった。しなしながら、本手段によれば、仮に、当該誘導手段が設けられていないとしても、入賞領域に遊技球を誘導するかのように擬似誘導手段が視認されるため、擬似誘導手段によって入賞領域に遊技球が誘導されることを期待して遊技者は遊技を行う。よって、誘導手段が設けられていないとしても入賞領域に遊技球が到達することへの期待感が削がれてしまうことを抑制することができる。
手段4.手段3において、前記入賞領域は、遊技球が入球可能な入球口(作動口84)であり、
前記入球口の上方に設けられ、遊技機正面から見て左右方向に延びる遊技球転動面(第1転動面257,第2転動面258,第3転動面259)を有する遊技球転動手段(ステージ250)を備え、
前記遊技球転動手段に、前記擬似誘導手段及び前記誘導手段が備えられていることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、遊技球転動手段に擬似誘導手段が設けられている。擬似誘導手段は入球口に遊技球を誘導するように視認されるため、遊技球が遊技球転動面にて転動している場合に、擬似誘導手段に遊技球が到達することを期待して遊技者は遊技を行い、遊技への注目度を高めることができる。
また、遊技球転動手段には誘導手段が設けられている。これにより、誘導手段を用いて遊技球転動面における遊技球の転動態様を調整することが可能となる。仮に、誘導手段が遊技球転動手段に複数設けられている遊技機の場合、遊技球転動面における遊技球の転動態様をより細かく調整することが可能となる。
さらに、誘導手段と擬似誘導手段の外観が類似している場合、誘導手段が遊技球を誘導する誘導態様を視認することによって、擬似誘導手段も遊技球を誘導するものと遊技者は考える。これにより、擬似誘導手段は遊技球を誘導するものではないと遊技者が理解することを抑制できる。
また、入球口よりも上方に遊技球転動手段は設けられているため、入球口よりも下方に遊技球転動手段が設けられている場合と比して、容易な構成にて遊技球転動面にて転動した遊技球を入球口に誘導することができる。
手段5.手段4において、前記遊技球転動手段は、
遊技球が転動する上段遊技球転動面(第1転動面257)と、
前記上段遊技球転動面の下方にて遊技球が転動する下段遊技球転動面(第2転動面258)と
を有しており、
前記誘導手段(第1山側誘導凹部262)は、前記上段遊技球転動面から前記下段遊技球転動面へと遊技球を誘導するよう設置されており、
前記擬似誘導手段は、前記下段遊技球転動面に設置されていることを特徴とする遊技機。
手段5によれば、遊技球転動手段は、上段遊技球転動面と下段遊技球転動面とを有している。誘導手段は上段遊技球転動面から下段遊技球転動面へと遊技球を誘導し、擬似誘導手段は下段遊技球転動面に設置されている。
誘導手段により上段遊技球転動面から下段遊技球転動面に遊技球が誘導された場合、上段遊技球転動面にて誘導手段によって遊技球が誘導される誘導態様を遊技者は視認することができる。上段遊技球転動面にて誘導手段によって遊技球が誘導されており、さらに、遊技球を誘導するように擬似誘導手段は視認されるため、擬似誘導手段も誘導手段と同様に遊技球を誘導するものであると遊技者は考え、下段遊技球転動面にて擬似誘導手段が遊技球を入球口に誘導するものと遊技者は考える。これにより、擬似誘導手段は遊技球を誘導しないものであると遊技者が理解することを抑制することができる。
なお、擬似誘導手段と誘導手段との外観が類似している場合、擬似誘導手段と誘導手段とが同様のものであると遊技者は一層考える。よって、擬似誘導手段は遊技球を誘導しないものであると遊技者が理解することを抑制する効果が発揮される。
手段6.手段4において、前記遊技球転動面は、山部(第2山部265a,265b)及び谷部(第2谷部266a,266b)を有した湾曲面であり、
前記擬似誘導手段は、前記谷部の最も低い位置に備えられていることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、擬似誘導手段は、湾曲面における谷部の最も低い位置に設けられている。擬似誘導手段が谷部の最も低い位置に設けられているために、擬似誘導手段が遊技球を誘導しなくとも谷部における傾斜によって一定の方向へと遊技球が誘導されることとなる。これにより、谷部における傾斜のみならず、擬似誘導手段によって遊技球が誘導されているものと遊技者は考え、擬似誘導手段が遊技球を誘導するものではないと遊技者が理解することを一層抑制できる。
手段7.手段4乃至手段6のいずれか一において、前記遊技球転動手段は、前記入球口に遊技球を案内する案内口(上案内口254)を備え、
前記擬似誘導手段は、前記案内口に遊技球を誘導するように視認されるよう形成されていることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、遊技球転動面に案内口が設けられている。さらに、擬似誘導手段は、案内口に遊技球を誘導するように視認される。これにより、案内口に擬似誘導手段を設けるのみの構成にて擬似誘導手段により入球口に遊技球が誘導されるかのように遊技者に視認させることができる。
手段8.手段7において、前記誘導手段は、前記擬似誘導手段と前後に並ぶようにして設けられていることを特徴とする遊技機。
手段8によれば、誘導手段と擬似誘導手段とが前後に並ぶようにして設けられている。誘導手段により遊技球が誘導される誘導態様を視認した遊技者は誘導手段の前方又は後方に設けられている擬似誘導手段も誘導手段と同様のものであると考え、擬似誘導手段も遊技球を誘導するものと考える。このように、誘導手段と擬似誘導手段とを前後に並べたことによって、擬似誘導手段が遊技球を誘導しないものであると遊技者が理解することを抑制する効果が発揮される。
なお、誘導手段と擬似誘導手段の外観を類似したのものである場合、擬似誘導手段も誘導手段と同様のものであると遊技者は一層考え、擬似誘導手段が遊技球を誘導しないものであると遊技者が理解することを抑制する効果を高めることができる。
手段9.手段7において、前記誘導手段は、遊技球を前記擬似誘導手段に誘導するように、かつ前記擬似誘導手段と上下に並ぶように設けられていることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、誘導手段は、擬似誘導手段に遊技球を誘導する。擬似誘導手段によって案内口に遊技球が誘導されることを期待して遊技者は遊技を行っており、擬似誘導手段に遊技球を誘導手段が誘導することによって案内口に遊技球が入球するか否かに遊技者が注目する機会を増やすことができる。
また、誘導手段と擬似誘導手段とが上下に並ぶように設けられている。さらに、誘導手段と擬似誘導手段との外観が類似したものである場合、誘導手段により遊技球が誘導される誘導態様を視認した遊技者は誘導手段の下方に設けられている擬似誘導手段も誘導手段と同様のものであると考え、擬似誘導手段も遊技球を誘導するものと考える。このように、誘導手段と擬似誘導手段とを上下に並べたことによって、擬似誘導手段が遊技球を誘導しないものであると遊技者が理解することを抑制する効果が発揮される。
手段10.手段4乃至手段9のいずれか一において、前記誘導手段は、遊技球を溝によって誘導する凹凸部であり、
前記擬似誘導手段は、遊技球を溝によって誘導する凹凸部が設けられているように視認される擬似凹凸部であることを特徴とする遊技機。
手段10によれば、誘導手段は遊技球を溝によって誘導する凹凸部である。これにより、遊技球転動手段に溝を設けるのみの比較的容易な構成にて誘導手段を設けることができる。
また、誘導手段は凹凸部によって遊技球を誘導し、擬似誘導手段は凹凸部があるように視認される擬似凹凸部であるため、擬似誘導手段及び誘導手段は類似した凹凸部であると遊技者は考え、擬似誘導手段は遊技球を誘導しないものであると遊技者が理解することを抑制する効果を顕著なものにできる。
手段11.手段10において、前記遊技球転動面は、当該遊技球転動面の表側から裏側を透視可能な透明又は半透明材料によって形成されており、
前記擬似凹凸部は、前記遊技球転動面の裏側に凹凸部(凸部277)が設けられていることによって前記遊技球転動面に凹凸部が設けられているかのように視認されることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、遊技球転動面は透明又は半透明性を有している。また、擬似凹凸部は遊技球転動面の裏側に凹凸部が設けられていることによって、遊技球転動面に凹凸部が設けられているかのように視認される。これにより、遊技球転動面の裏側に凹凸部を設けるのみの比較的容易な構成にて擬似凹凸部を設けることが可能となる。
また、擬似凹凸部は、遊技球転動面の裏側に設けられた凸部によって凹凸が設けられているかのように視認されており、擬似凹凸部も透明又は半透明性を有していることとなる。遊技球転動面にて遊技球を誘導する凹凸部も透明又は半透明性を有している場合、擬似凹凸部と凹凸部とは形状が同様の凹凸部であると遊技者は考えるだけでなく、凹凸部と擬似凹凸部とが透明又は半透明性を有しているという色彩からも擬似凹凸部と凹凸部とが類似したものであると遊技者は考える。よって、擬似凹凸部が遊技球を誘導するものではないと遊技者が理解することを抑制する効果を得ることができる。
なお、凹凸部に透明又は半透明性を持たせ、どの程度の溝が設けられているか判断しにくい遊技機の場合、凹凸部及び擬似凹凸部にそれぞれどの程度の溝が設けられているかを遊技者は判断できないため、凹凸部と擬似凹凸部とが同様のものであると遊技者が考える効果を高めることもできる。
手段12.手段10又は手段11において、遊技球を誘導する前記凹凸部は、遊技球を誘導する側ほど幅が広くなっており、
前記擬似凹凸部の幅は、前記凹凸部と同じ方向へ広がるように形成されていることを特徴とする遊技機。
手段12によれば、凹凸部は遊技球を誘導する側ほど幅が広くなっている。また、擬似凹凸部の幅は凹凸部と同じ方向へ広がるように形成されている。これにより、凹凸部と擬似凹凸部との外観が類似することとなる。よって、凹凸部と擬似凹凸部とが同じものであると遊技者は考え、擬似凹凸部が遊技球を誘導するものではないと遊技者が理解することを抑制する効果を得ることができる。
手段13.手段4乃至手段12のいずれか一において、絵柄が変動表示される表示手段(図柄表示装置91)と、
前記表示手段を囲むように設けられるフレームユニット(センターフレーム92)と
を備え、
前記遊技球転動手段は、前記フレームユニットに設けられていることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、遊技球転動手段は、表示手段を囲むフレームユニットの一部として設けられている。これにより、表示手段の周辺に遊技球転動手段が配置されるので、表示画面における絵柄の変動表示と遊技球転動手段の遊技球転動面における遊技球の転動態様とを遊技者が同時に視認することができる。
手段14.遊技球が到達することにより、所定の位置に遊技球を誘導する誘導手段(第1山側誘導凹部262,第3山側誘導凹部274)と、
遊技球を誘導するようには構成されていないが、その周囲の形状(ステージ250,凸部277)によって遊技球を誘導するように視認される擬似誘導手段(第2谷側擬似誘導凹部276)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、誘導手段が設けられていることによって、遊技球が誘導される誘導態様に注目して遊技者は遊技を行い、遊技球の動きに対する遊技者の関心を高めることができる。これにより、遊技者の遊技への注目度を高める効果が発揮される。また、誘導手段は遊技球を所定の位置に誘導するため、誘導手段を設けることによって遊技球の動きを調整する効果も発揮される。なお、誘導手段が複数設けられている遊技機の場合、複数の誘導手段によって遊技球の動きを調整する効果を高めることができる。
さらに、擬似誘導手段が設けられている。擬似誘導手段は、遊技球を誘導するよう構成されていないが遊技球を誘導するように視認される。擬似誘導手段は遊技球を誘導するように視認されるため、擬似誘導手段によって遊技球が誘導されるものと遊技者は考え、遊技球の動きに注目して遊技者は遊技を行う。よって、擬似誘導手段を用いて遊技者の遊技への注目度を高めることができる。
誘導手段と擬似誘導手段とを設ける位置及び数を調整することによって、誘導手段によって遊技球の動きを調整しつつ、擬似誘導手段によって遊技球が誘導されるように遊技者に視認させる機会を調整することが可能となる。すなわち、遊技球の動きを調整しつつ、擬似誘導手段によって上述した遊技への注目度を高める効果を得ることができる。仮に、誘導手段のみ設けられている遊技機において、遊技球の動きに遊技者に注目させる機会を増加させるために誘導手段を過度に設けると、遊技球の挙動を把握したり調整したりすることが困難となり、その結果、入賞確率など利益にかかわる項目の最適化を図ることが困難となる。
さらに、擬似誘導手段は、その周囲の形状によって遊技球を誘導するかのように視認される。絵や写真等を貼り付けることによって、遊技球を誘導するかのように視認されるものの場合、絵や写真等の貼り付け方によって遊技球を誘導するように視認されないことが考えられる。さらに、遊技ホールに設置されている遊技機の場合、長時間ライトが照射されていることがあり、遊技機を設置した当初は擬似誘導手段が遊技球を誘導するかのように視認されていたとしても、長時間ライトが照射されることによって写真や絵等の色が褪せてしまい、擬似誘導手段が遊技球を誘導するように視認されなくなることが考えられる。本手段によれば、形状によって遊技球を誘導するかのように視認されるため長時間に亘りライトが照射されるような遊技ホールに遊技機が設置されたとしても、擬似誘導手段によって遊技球が誘導されないことを遊技者が理解することを抑制することが可能となる。
手段15.手段14において、前記擬似誘導手段は、透視可能な透明又は半透明材料によって形成されており、
前記擬似誘導手段の裏側に凹凸形状(凸部277)となる部分が形成されており、当該部分が表側から透視されることによって、遊技球を誘導するかのように前記擬似誘導手段を視認させるものであることを特徴とする遊技機。
手段15によれば、擬似誘導手段の裏側に設けられた凹凸形状となる部分によって擬似誘導手段は遊技球を誘導するように視認される。これにより、裏側部分の形状を変更するのみで、擬似誘導手段がどのように視認されるかを変更することができる。よって、擬似誘導手段がどのように視認されるかを変更する場合に、擬似誘導手段の形状を変更する必要がなくなる。
例えば、擬似誘導手段の裏側に凸部を設けることによって、擬似誘導手段が溝状であるかのように視認されるものが考えられる。この場合、凸部の高さを高くするのみで、溝が深くなったかのように視認される。
なお、上記手段14及び手段15について、上記手段2乃至手段13のいずれかを適用してもよい。
手段16.遊技球が転動する遊技球転動面(第1転動面257,第2転動面258,第3転動面259)を表側に有する遊技球転動手段(ステージ250)を備え、
前記遊技球転動手段は、その表側から裏側を透視可能な透明又は半透明材料によって形成されており、
前記遊技球転動手段の表側には、遊技球を所定の位置へと誘導する表側凹凸部(第1山側誘導凹部262,第3山側誘導凹部274)が設けられており、
さらに、前記遊技球転動手段の裏側には、裏側凹凸部(凸部277)が設けられていることを特徴とする遊技機。
手段16によれば、遊技球転動手段は透明又は半透明性を有している。遊技球転動手段はその表側及び裏側にそれぞれ表側凹凸部,裏側凹凸部が設けられている。遊技球転動手段は透明性又は半透明性を有しているため、裏側凹凸部が遊技球転動手段の表側から視認可能となる。表側凹凸部が設けられており所定の位置へと遊技球を誘導するため、裏側凹凸部も遊技球転動手段の表側に設けられており遊技球を誘導するものと遊技者は考える。これにより、表側凹凸部によって遊技球の動きを調整しつつ、裏側凹凸部によって遊技球が誘導されることを期待して遊技者は遊技を行い遊技への注目度を向上させることが可能となる。
なお、表側凹凸部の外観と裏側凹凸部を表側から視認した場合の外観とが類似している場合、表側凹凸部と裏側凹凸部とが同様のものであると遊技者は一層考える。よって、裏側凹凸部が遊技球転動手段の裏側に設けられているものと遊技者が理解することを抑制できる。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の左上部及び右上部はそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。右上側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。左上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
また、センターフレーム92の下部にはステージ250が設けられている。ステージ250は、遊技球が転動できる転動面を有しており、遊技球が転動する転動態様を遊技者に視認させることができる。センターフレーム92の左部にはワープ入口251が設けられており、ワープ入口251に入球した遊技球がステージ250に誘導される。ステージ250の中心部には上案内口254が設けられている。上案内口254に入球した遊技球は、上案内口254の下方に設けられている下案内口255から排出される。さらに、上案内口254及び下案内口255は作動口84の上方に設置されており、下案内口255から排出された遊技球は作動口84の周辺に流れていく構成となっている。ステージ250、上案内口254及び下案内口255については後に詳細に説明する。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の一般入賞口82と対応する位置に入賞口スイッチ152が設けられ、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。なお、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の左右両側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図14のブロック図に基づいて説明する。図14では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU311には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路302の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、主制御回路302には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、主制御回路302の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板322のCPU331には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板322の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、払出制御基板322の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板324の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
次に、図15を用いて遊技盤81からステージ250に遊技球が至る経路について説明する。図15はセンターフレーム92の斜視図である。
上述したとおり、センターフレーム92には遊技領域を流れ落ちる遊技球を受け入れ可能なワープ入口251が設けられている。また、センターフレーム92におけるステージ250の幅方向一方の端部、具体的には左端部と対応する位置には、ワープ出口252が設けられている。さらに、ワープ入口251とワープ出口252とを繋ぐようにしてセンターフレーム92の内部にはワープ通路253が設けられている。ワープ通路253はおよそ遊技球1個分の幅を有している。したがって、ワープ入口251に入球した遊技球はワープ通路253を通ってワープ出口252から排出される。そして、ワープ出口252から遊技球が排出されることによって、ステージ250へと遊技球が誘導される。
次に図16〜図19を用いてステージ250について詳細に説明する。
先ず、図16〜図18を用いてステージ250の構造について説明する。図16はステージ250の正面図、図17はステージ250の斜視図、図18はステージ250の平面図である。
ステージ250は、合成樹脂材料により成形されており、無色でありかつ透明性を有している。ステージ250の幅方向両端部及び下部2箇所にはネジ孔256が形成されており、これら各ネジ孔256を利用してステージ250がセンターフレーム92にネジ止めされることによって固定されている。
ステージ250は、複数の転動面257〜259,280が幅方向へ延びるように形成されており、かつこれら各転動面257〜259,280が前後方向及び高さ方向に位置を異ならせて配置されることにより全体として階段状に形成されている。
より詳細には、ステージ250には、第1転動面257、第2転動面258、第3転動面259が設けられており、第2転動面258は第1転動面257よりも下方に設けられており、第3転動面259は第2転動面258よりも下方に設けられている。さらに、図18に示すようにステージ250を上方から見た場合、第1転動面257における前端側が第2転動面258における後端側と接しており、第2転動面258における前端側が第3転動面259における後端側と接している。すなわち、第2転動面258は、第1転動面257よりも前方に設けられており、第3転動面259は、第2転動面258よりも前方に設けられている。これらにより、上述のとおり、第1転動面257,第2転動面258,第3転動面259によってステージ250は階段形状を有していることとなる。また、ワープ出口252は第1転動面257の幅方向(以下、適宜「左右方向」「長さ方向」ともいう)一端部、より詳細には左端部に配置されており、ワープ出口252から排出された遊技球は第1転動面257へ誘導される。
ここで、図18を用いて第1転動面257,第2転動面258,第3転動面259についてそれぞれ詳細に説明する。
第1転動面257は左右方向に延びた湾曲状の面によって構成されており、前後方向の幅はおよそ遊技球1.5個分となっている。第1転動面257は、第2転動面258に向けて下方に傾斜している。これにより、第1転動面257にて遊技球が流れてきた場合に第2転動面258へと遊技球を好適に誘導することが可能となる。
第1転動面257は、左端部と中央部との間よりも左端部及び中央部が高くなっているとともに、中央部と右端部との間よりも中央部及び右端部が高くなっている。詳細には、左右方向の中間位置(詳細には中央より若干右側にずれた位置)に第1山部260が形成され、その左右両側に第1谷部261a,261bが形成され、これら第1山部260及び第1谷部261a,261bによって第1転動面257が湾曲状に形成されている。
そして、左側の第1谷部261aにより第1転動面257はワープ出口252から右方へ下り傾斜となっているため、ワープ出口252より排出された遊技球は右方向へ転動する。その後、遊技球が左側の第1谷部261a及び第1山部260を越え、右側の第1谷部261bに到達した場合には、ステージ250の右側の壁面に接触することによって又は右側の第1谷部261bの右側が高くなっていることによって逆方向、すなわち左方向へ移動する力に変換される。この力により遊技球は逆方向(左方向)へ転動する。このような動作を繰り返すことにより、第1転動面257にて遊技球は左右方向へと往復するように転動することとなる。
また、第1転動面257は第2転動面258に向けて下方に傾斜しているため、第1転動面257にて左右方向に転動している遊技球にパチンコ機10の前方側への力が付される。すなわち、第1転動面257にて転動している遊技球に第2転動面258方向への力が付される。遊技球の左右方向への力が大きい場合には前方側への力が付されるとしても第1転動面257にて左右方向へと遊技球は転動し、左右方向への力が小さい場合には前方側への力によって第2転動面258へと落下する。
第1転動面257における第1山部260の頂点位置には、遊技球を第2転動面258に誘導する第1山側誘導凹部262が設けられている。さらに、第1転動面257における両第1谷部261a,261bの最下点位置には、遊技球を第2転動面258に誘導する第1谷側誘導凹部263a,263bがそれぞれ設けられている。第1谷側誘導凹部263a,263bは2個の凹部が隣合わさるようにして構成されている。
第1山側誘導凹部262及び第1谷側誘導凹部263a,263bは、パチンコ機10の後方から前方に向かって真っ直ぐに延びる溝形状となっており、前方ほど溝幅及び溝深さが大きくなるように形成されている。各誘導凹部262,263a,263bはさらに、第1転動面257の下り傾斜角度よりも傾斜角度が大きくなっている。
そして、左右方向に転動している遊技球が第1山側誘導凹部262及び第1谷側誘導凹部263a,263bに到達した場合、左右方向に転動を続けるためには第1山側誘導凹部262及び第1谷側誘導凹部263a,263bを乗り越える必要があるため、第1山側誘導凹部262及び第1谷側誘導凹部263a,263bの存在により遊技球の左右方向への力が小さくなる。また、第1山側誘導凹部262及び第1谷側誘導凹部263a,263bは第1転動面257の傾斜よりも勾配が大きく設けられている。すなわち、溝形状を有しているために転動してきた遊技球の左右方向への力が小さくなりやすく、さらに、第1転動面257の傾斜よりも勾配が大きく設けられているため、第1山側誘導凹部262及び第1谷側誘導凹部263a,263bに流れてきた遊技球を第1転動面257から第2転動面178へと誘導しやすいということができる。
第1転動面257の長さ方向における第1山側誘導凹部262及び第1谷側誘導凹部263a,263bが設けられていない部分には、上障害壁264が設けられている。具体的には、上障害壁264は第1転動面257と第2転動面258との境目にて鉛直上方に突出するようにして設けられており、上障害壁264が設けられている部分においては、上障害壁264を乗り越えない限り、第1転動面257から第2転動面258へと遊技球は流れないようになっている。これにより、第1転動面257の下り傾斜により遊技球にパチンコ機10の前方側に力が加わるとしても、上障害壁264が設けられている部分は第1転動面257から第2転動面258へと遊技球が流れにくくなり、第1転動面257にて遊技球を円滑に左右方向に転動させることができる。また、同様の理由から、遊技球の多くは第1山側誘導凹部262及び第1谷側誘導凹部263a,263bに誘導されて第2転動面258へと流れ落ちることとなる。
第2転動面258は、第1転動面257と同様、左右方向に延びた湾曲状の面によって構成されており、前後方向の幅はおよそ遊技球1.5個分となっている。また、第2転動面258は第3転動面259に向けて下方に傾斜している。これにより、第2転動面258にて遊技球が流れてきた場合に第2転動面258へと遊技球を誘導することが可能となる。
第2転動面258は、左端部が一番高くなっているとともに、中央部が一番低くなっている。さらに、第2転動面258における左右方向の中間位置(詳細には中央より若干右側にずれた位置)かつ第1山側誘導凹部262の下方に平坦な第2谷部265aが形成され、第2谷部265aの左右両側にそれぞれ第1谷側誘導凹部263aの下方に頂点位置がくるように第2山部266a、第1谷側誘導凹部263bの下方に頂点位置がくるように第2山部266bが形成されている。第2山部266aと左端部との間には第2谷部265bが形成されている。これら第2谷部265a,265b及び第2山部266a,266bによって第2転動面258が湾曲状に形成されている。また、第2山部266a,266bには中障害壁267a,267bがそれぞれ設けられている。具体的には、中障害壁267a,267bは、第2転動面258と第3転動面259との境目にて鉛直上方に突出するようにして設けられている。
第1谷側誘導凹部263a,263bから遊技球が落下した場合、多くの遊技球は第2山部266a,266bの頂点位置に落下する。第2山部266a,266bに遊技球が落下してきた場合、第2山部266a,266bに設けられた中障害壁267a,267bを乗り越えなければ、第2転動面258から第3転動面259へと遊技球は流れないようになっている。これにより、第1谷側誘導凹部263a,263bから落下してきた遊技球は、第2山部266a,266bの頂点位置から左又は右方向へと転動することとなる。
そして、転動している遊技球が第2転動面258の左端部に到達した場合、左端部が高くなっていることによって、逆方向、すなわち、右方向へと移動する力に変換される。この力により、遊技球は逆方向(右方向)へと転動する。また、第2転動面258の左端部には中障害壁267a,267bのような第2転動面258から第3転動面259へと遊技球が落下することを抑制するものがなく、第2転動面258の左端部に到達した遊技球の一部は、第2転動面258から第3転動面259へと流れていくこととなる。
また、第2谷部265bには、第2谷側誘導凹部268が設けられており、第2転動面258の右端部には第2右側誘導凹部269が設けられている。第2谷側誘導凹部268及び第2右側誘導凹部269は、パチンコ機10の後方から前方に向かって真っ直ぐに延びる溝形状となっており、前方ほど溝幅及び溝深さが大きくなっている(詳細には、第2谷側誘導凹部268は、パチンコ機10の後方から若干左前方に向かって延びている)。
そして、左右方向に転動している遊技球が第2谷側誘導凹部268及び第2右側誘導凹部269に到達した場合、転動を続けるためには第2谷側誘導凹部268及び第2右側誘導凹部269を乗り越える必要があるため、第2谷側誘導凹部268及び第2右側誘導凹部269の存在により遊技球の左右方向への力が小さくなる。また、第2谷側誘導凹部268及び第2右側誘導凹部269は第2転動面258の傾斜よりも勾配が大きく設けられている。すなわち、溝形状を有しているために転動してきた遊技球の左右方向への力が小さくなりやすく、さらに、第2転動面258の傾斜よりも勾配が大きく設けられているため、第2谷側誘導凹部268及び第2右側誘導凹部269に流れてきた遊技球を第2転動面258から第3転動面259へと誘導しやすいということができる。さらに、第2右側誘導凹部269は第2転動面258の右端部に設けられているために、第2右側誘導凹部269に左方向から転動してきた遊技球は第2転動面258の右部にあるステージ250の壁に接触し、右方向への力が小さくなる。これにより、第2右側誘導凹部269に遊技球が到達した場合、多くの遊技球は第2右側誘導凹部269によって第2転動面258から第3転動面259へと誘導されることとなる。
第1山側誘導凹部262の下方には、上述した上案内口254が第2転動面258及び第3転動面259に跨るようにして設けられている。上案内口254の左右にはそれぞれ突部270が設けられており、具体的には、突部270は上案内口254の左右にそれぞれ接するようにして第3転動面259の前端側からパチンコ機10の後端側に向かって真っ直ぐ延びた突状部である。本実施の形態では、第2転動面258の突部270が設けられている部分における前後の幅はおよそ遊技球1個分となっている。これにより、遊技球が左右方向から流れてきた場合、突部270が障害手段として機能し、上案内口254に入球しにくくなっている。さらに、突部270に左右方向から接触した遊技球はそのまま突部270と中障害壁267a,267bとの間から第3転動面259に落下していくこととなる。一方、第1山側誘導凹部262により遊技球が誘導され、左右の突部270の間に落下した場合、左右の突部270に沿って遊技球が上案内口254に入球する。この場合、遊技球にとっては突部270は誘導手段として機能しているということができる。
なお、上述した第1山側誘導凹部262は、上案内口254に向かって傾斜が設けられている。これにより、第1山側誘導凹部262によって第2転動面258に誘導された遊技球は上案内口254周辺に流れることとなる。
第3転動面259は、第1転動面257,第2転動面258と同様、左右方向に延びた湾曲状の面によって構成されており、前後方向の幅はおよそ遊技球1.5個分となっている。第3転動面259は、左端部及び右端部が高くなっているとともに、上案内口254周辺が高くなっている。詳細には、第2転動面258と第3転動面259とのそれぞれの左端部の高さが同じ高さとなっている。第3転動面259には、上案内口254周辺に第3山部271が形成され、その左右両側に第3谷部272a,272bが形成されている。これら第3山部271及び第3谷部272a,272bによって第3転動面259が湾曲状に形成されている。
第2転動面258における左端部及び第2谷側誘導凹部268から第3転動面259に遊技球が流れてきた場合、第3転動面259の左端部及び右端部の傾斜によって、第3転動面259の中央方向に向かって転動していくこととなる。また、第3転動面259の左端部はパチンコ機10の後方側に向けて下方に若干傾斜している。これにより、第2転動面258から第3転動面259の左端部に遊技球が流れてきた場合に、第3転動面259から遊技球が落下することを抑制し、第3転動面259にて遊技球を転動させることができる。
また、第3転動面259の右端部には下障害壁273が設けられている。具体的には、第3転動面259の前端にて鉛直上方に延びている。第2転動面258の右端側から第3転動面259の右端側に遊技球が落下してきた場合、下障害壁273によって第3転動面259から落下することが抑制される。第3転動面259の右端部における傾斜によって、遊技球は第3転動面259にて左方向へと転動することとなる。これにより、第3転動面259における右端部に流れてきた遊技球が、第3転動面259にて左右方向へと転動することとなる。
第3転動面259における第3山部271の頂点位置には、遊技球を上案内口254に誘導する第3山側誘導凹部274が設けられている。第3山側誘導凹部274は、上案内口254からパチンコ機10の前方に真っ直ぐに延びる溝形状となっており、上案内口254側ほど溝幅及び溝深さが大きくなっている。第3山側誘導凹部274は第3山部271の頂点位置に設けられているため、左右方向から遊技球が転動してきたとしても第3山部271を登るために遊技球の左右方向への力が小さくなっている。これらにより、第3山側誘導凹部274によって上案内口254へと左右方向から転動してきた遊技球を誘導することができる。
第3転動面259の第3谷部272a,272bには第3谷側誘導凹部275a,275bが設けられている。第3谷側誘導凹部275a,275bは、パチンコ機10の後方から前方にかけて真っ直ぐに延びる溝形状となっており、前方ほど溝幅及び溝深さが大きくなるように形成されている。これにより、第3谷側誘導凹部275a,275bに流れてきた遊技球を第3転動面259から落下させることができる。
ここで、溝形状であるかのように視認される第2谷側擬似誘導凹部276について図19(a)を用いて説明する。
図19(a)は第2転動面258における上案内口254周辺の拡大図及びC−C線端面図である。C−C線端面図に示すように、第2谷部265aの裏側には凸部277が設けられている。凸部277は、上案内口254からパチンコ機10の後方にかけて突起形状に設けられており、上案内口254に近いほど突起形状の幅及び高さが大きくなっている。ステージ250は透明性を有しているためにステージ250を上方から視認した場合、凸部277が透けてみえることによって第2谷部265aに溝形状が構成されているかのように視認される。具体的には、第2転動面258にて上案内口254からパチンコ機10の後方に向けて真っ直ぐ延びた溝形状のように視認され、上案内口254に近づくほど溝の幅及び深さが大きくなるように視認される。この溝形状があるかのように視認される位置を第2谷側擬似誘導凹部276と称する。第2谷側擬似誘導凹部276は溝形状であるかのように視認されるが、C−C線端面図に示すように実際には平面状を有しており、遊技球を上案内口254に誘導することはない。なお、第2谷側擬似誘導凹部276の溝をさらに深く形成されているように視認させたい場合には凸部277の高さを高くすればよい。また、第2谷側擬似誘導凹部276の凹部を浅く視認させたい場合には凸部277の高さを低くすればよい。
次に、第1山側誘導凹部262及び第3山側誘導凹部274のステージ250の上方から視認した場合について説明する。
図19(b)は、第1山側誘導凹部262の拡大図及び当該拡大図におけるD−D線端面図である。また、図19(c)は、第3山側誘導凹部274の拡大図及び当該拡大図におけるE−E線端面図である。
第1山側誘導凹部262は溝形状を有しており、図19(b)の端面図に示すように第1山側誘導凹部262の裏側には凸部278が設けられている。凸部278は、第1山側誘導凹部262が溝形状を有している分だけ第1山側誘導凹部262の裏側にて突起している。すなわち、凸部278は、第1山側誘導凹部262の裏側にてパチンコ機10の後方から前方に向かって真っ直ぐに伸びる突形状となっており、前方ほど突形状の高さ及び幅が大きくなっている。
この場合、第1山側誘導凹部262をステージ250の上方から見ると凸部278が透けて視認されるために、図19(a)における第1山側誘導凹部262の拡大図に示した点線部分のように第1山側誘導凹部262に2重線があるかのように視認される(図19(b)における実線及び点線)。なお、本実施の形態では、第1谷側誘導凹部263a,263b、第2谷側誘導凹部268、第2右側誘導凹部269及び第3谷側誘導凹部275a,275bも同様の構成となっており、それぞれ上方から視認した場合、2重線があるかのように視認される。
上述したように、第3山側誘導凹部274は溝形状となっており、図19(c)におけるE−E線端面図に示すように、第3山側誘導凹部274の裏側は平面部279によって形成されている。第3山側誘導凹部274をステージ250の上方から視認した場合、上述した第1山側誘導凹部262とは異なり、第3山側誘導凹部274には2重線があるかのようには視認されない。これは、平面部279が平面状であるため、溝形状が第3山側誘導凹部274のみのためである(詳細には、図19(b)における点線部分がない)。
第3山側誘導凹部274と同様に、第2谷側擬似誘導凹部276は、2重線があるかのようには視認されない。これは、第2谷側擬似誘導凹部276は平面状であり、突形状であるのが凸部277のみのためである。
第1山側誘導凹部262はステージ250の上方から視認した場合に、2重線があるかのように視認されるが、第2谷側擬似誘導凹部276と第3山側誘導凹部274とには2重線があるかのようには視認されない構成とした。さらに、第3山側誘導凹部274は溝形状であり、第2谷側擬似誘導凹部276は溝形状であるかのように視認されるため、第3山側誘導凹部274と第2谷側擬似誘導凹部276とは外観が類似しているということができる。このように、外観が類似しているために、第3山側誘導凹部274と第2谷側擬似誘導凹部276とは同様のものであると遊技者は考える。よって、第2谷側擬似誘導凹部276の部分は平面状であり、遊技球を誘導するものではないと遊技者が理解することを抑制できる。
また、第1山側誘導凹部262から第2転動面258に遊技球が誘導された場合、当該遊技球は第2谷側擬似誘導凹部276周辺に落下することとなる。この場合、当該遊技球が上述した突部270の間に落下してきた場合には突部270が誘導手段として機能し、当該遊技球が左右の突部270に沿って上案内口254に入球することがある。この場合、遊技者は突部270に沿って上案内口254に遊技球が入球しただけではなく、第2谷側擬似誘導凹部276によって遊技球が上案内口254に入球したと考える。これにより、第2谷側擬似誘導凹部276が遊技球を誘導するものではないと遊技者が理解することを一層抑制できる。
なお、ステージ250は透明性を有していればよく無色透明である必要はないし、半透明なものでもよい。例えば、ステージ250が青色や赤色に着色されていてもよい。また、ステージ250を形成している材料は合成樹脂である必要はなく、例えば、ガラスを用いてステージ250を形成していてもよい。すなわち、ステージ250が透明又は半透明性を有していれば、ステージ250を形成する材料や色彩については限定しない。
第1転動面257の上転動面280の上方には上転動面280が設けられており、第1転動面257及び第2転動面258と同様、上から視認した場合に上転動面280の前端と第1転動面257の後端とが接している。上転動面280は左右方向に延びた平面であり、第1転動面257に向かって下方に傾斜している。また、上転動面280は左端部及び右端部が若干高くなっており、左端部及び右端部以外は平面状である。上転動面280に落下してきた遊技球は上転動面280の傾斜によって第1転動面257の方へと落下していくこととなる。さらに、上転動面280の左端部及び右端部には、上転動面195と第1転動面257との境目にて鉛直上方に突出するようにして障害壁が設けられている。これは、第1転動面257の右端部及び左端部が第1転動面にて高くなっているため、第1転動面257にて転動している遊技球が上転動面280に流れてしまうことを抑制するためのものである。
ここで、図20を用いて、第1山側誘導凹部262、第3山側誘導凹部274及び第2谷側擬似誘導凹部276における遊技球の流れについて詳細に説明する。図20は、図18におけるB−B線端面図である。
上述したとおり、第1山側誘導凹部262は溝形状であり、第2転動面258に向けて下方に傾斜している。これにより、第1山側誘導凹部262に遊技球が転動してきた場合に、第2転動面258の方向へと第1山側誘導凹部262に沿って遊技球を誘導することができる(図20における遊技球B1の動き)。
上述したとおり、第2谷側擬似誘導凹部276は溝形状であるかのように視認されるが、実際には平面状を有しており、遊技球をいずれかの方向に誘導することはない(図20における遊技球B2)。このため、第2転動面258にて左右方向に転動している遊技球が第2谷側擬似誘導凹部276に転動してきたとしても、当該遊技球は上案内口254の方向へと誘導されることはなく左右方向への転動を繰り返す。
また、上方から上案内口254に向かって遊技球が流れてきた場合(図20における遊技球B1の動き)、第2谷側擬似誘導凹部276が遊技球を誘導しないとしても、そのまま上案内口254に遊技球が入球することがあり、第2谷側擬似誘導凹部276が遊技球を誘導するものではないと遊技者が理解することを抑制できる。さらに、上述したように上案内口254には突部270が設けられており、上案内口254の上方から遊技球が流れてきた場合には突部270が誘導手段として機能する場合がある。この場合、第2谷側擬似誘導凹部276が遊技球を誘導したかのうように視認され、第2谷側擬似誘導凹部276が遊技球を誘導するものではないと遊技者が理解することを一層抑制する効果が発揮される。
上述したように第3山側誘導凹部274は溝形状であり、上案内口254に向けて下方に傾斜している。これにより、第3転動面259にて転動している遊技球が第3山側誘導凹部274に転動してきた場合に、第3山側誘導凹部274にて上案内口254の方向へと遊技球を誘導することができる(図20における遊技球B3の動き)。
上案内口254から入球した遊技球(図20における遊技球B3)はそのままセンターフレーム92の下部に設けられた底部281まで落下する。底部281は、真っ直ぐに延びた平面形状となっており、パチンコ機10の前方に向けて下方に傾斜している。これにより、底部281に流れてきた遊技球をパチンコ機10の前方へと誘導することができる。さらに、底部281は遊技球およそ1個分の左右の幅を有しており、遊技球が真っ直ぐ流れるように構成されている。そして、遊技球はパチンコ機10の前方へと流れていき(図22における遊技球B4)、下案内口255から当該遊技球が排出される。そして、上述したとおり、下案内口255は作動口84の上方に設けられているために、下案内口255から排出された遊技球は作動口84の方へと流れていくこととなる。
次に、図21を用いてステージ250の製造方法について説明する。
ステージ250は上金型400と下金型401とを合わせ、その空洞に流動状の合成樹脂を流しこむことによって製造される。図21(a)は、上金型400と下金型401とを合わせ、合成樹脂を流しこんだ状態である。合成樹脂を流しこんだ後に、当該合成樹脂を固化させることによってステージ250が製造される。なお、図21(a)は、図18におけるB−B線端面図に上金型400と下金型401とを合わせたものである。
次に、第2谷側擬似誘導凹部276が遊技球を誘導することが可能な誘導路となるようにステージ250を製造する場合について図21(b)を用いて説明する。図21(b)は、図21(a)において第2谷側擬似誘導凹部276を誘導路にしたものである。
この場合、ステージ250における第2谷側擬似誘導凹部276の部分に遊技球を実際に誘導するための溝形状が設けられていればよい。そのため、凸部277の反対側に実際に溝部402を設けた。溝部402はパチンコ機10の前方に向けて下方に傾斜している。これにより、遊技球を遊技機の前方に誘導することができる。このようなステージ250を製造するために、第2谷側擬似誘導凹部276の部分が上金型400よりも突出し、溝部402を形成することができる第2上金型403を用いる。第2上金型403を用いることによって、溝部402を有したステージ250を製造することが可能となる。
このように、第2谷側擬似誘導凹部276又は溝部402を有したステージ250をそれぞれ製造する場合に、上金型400又は第2上金型403のいずれかを選択して使用すればよく、下金型401を変更する必要がない。よって、上金型400を取り替えるのみの比較的容易な手順にて第2谷側擬似誘導凹部276を有したステージ250及び溝部402を有したステージ250をそれぞれ製造することができる。なお、溝部402を有したステージ250を製造する場合、上金型400を使用してステージ250を製造する場合と同様に、第2上金型403と下金型401とを合わせた後に流動状の合成樹脂を流しこみ、当該合成樹脂を固化させることによってステージ250を製造できる。
なお、上金型400が第2上金型403と同じ形状となるように、上金型400における第2谷側擬似誘導凹部276に対応した部分に突出部品を取付け可能にしてもよい。具体的には三角柱状の部品を上金型400の第2谷側擬似誘導凹部276の前方側に耐熱性を有した接着剤にて取り付ける。これにより、上金型400を第2上金型403と同じ形状にすることが可能となる。この場合、上金型400を用いて第2谷側擬似誘導凹部276を有したステージ250を製造した後に、上金型400に三角柱状の部品を取り付けることによって溝部402を有したステージ250を製造することが可能となる。これにより、上金型400のみを用いて2種類のステージ250を製造することが可能となる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球を誘導する第1山側誘導凹部262や第3山側誘導凹部274等が設けられていることによって、遊技球が誘導されるか否かに注目して遊技者は遊技を行い、遊技球の動きに対する遊技者の関心を高めることができる。これにより、遊技者の遊技への注目度を高める効果が発揮される。また、第1山側誘導凹部262や第3山側誘導凹部274はそれぞれ遊技球を所定の位置に誘導するため、ステージ250における遊技球の動きを調整する効果も発揮される。
さらに、ステージ250には第2谷側擬似誘導凹部276が設けられている。第2谷側擬似誘導凹部276は遊技球を誘導するよう構成されていないが遊技球を誘導するように視認される。第2谷側擬似誘導凹部276は遊技球を誘導するように視認されるため、第2谷側擬似誘導凹部276によって遊技球が誘導されるものと遊技者は考え、遊技球の動きに注目して遊技者は遊技を行う。よって、第2谷側擬似誘導凹部276を用いて遊技者の遊技への注目度を高めることができる。
仮に、第2谷側擬似誘導凹部276が設けられておらず、パチンコ機10における第2谷側擬似誘導凹部276に代わり遊技球を誘導する誘導手段が設けられている遊技機の場合、誘導手段により遊技球が過度に誘導されてしまい、過度に作動口84に遊技球が入球してしまうことが考えられる。上記実施の形態によれば、第2谷側擬似誘導凹部276が設けられていることによって、遊技者の遊技球の動きに対する注目度を高めつつ、過度に作動口84に遊技球が入球することを抑制できる。
ステージ250に第2谷側擬似誘導凹部276が設けられている構成とした。第2谷側擬似誘導凹部276は上案内口254に遊技球を誘導するように視認されるため、遊技球がステージ250にて転動している場合に、第2谷側擬似誘導凹部276に遊技球が到達することを期待して遊技者は遊技を行う。このように、ステージ250に第2谷側擬似誘導凹部276を設けたことよって、ステージ250における遊技球の転動態様に対する遊技者の注目度を飛躍的に高めることができる。また、ステージ250には第1山側誘導凹部262及び第3山側誘導凹部274を設けた。これにより、ステージ250において実際に遊技球が誘導される誘導態様を遊技者は視認することが可能となり、第2谷側擬似誘導凹部276も遊技球を誘導するものであると遊技者は考える。よって、第2谷側擬似誘導凹部276が遊技球を誘導しないものであると遊技者が理解することを抑制できる。さらに、第2谷側擬似誘導凹部276と第3山側誘導凹部274とは外観が類似している構成とした。これにより、第2谷側擬似誘導凹部276と第3山側誘導凹部274とを遊技者が区別しにくくすることができる。よって、第3山側誘導凹部274による遊技球の誘導態様を遊技者は視認することによって、第2谷側擬似誘導凹部276も第3山側誘導凹部274と同様に遊技球を誘導するものと遊技者に一層考えさせることができる。
また、第1山側誘導凹部262と第2谷側擬似誘導凹部276とをそれぞれステージ250において上下に並べ、さらに、第1山側誘導凹部262は第2谷側擬似誘導凹部276の周辺に遊技球を誘導する構成とした。上案内口254に遊技球を誘導するかのように第2谷側擬似誘導凹部276は視認されるため、遊技者は第2谷側擬似誘導凹部276によって遊技球が上案内口254に誘導されるか否かに注目して遊技を行っているものと考えられる。第1山側誘導凹部262は第2谷側擬似誘導凹部276の周辺に遊技球を誘導するために、遊技者が上案内口254に遊技球が誘導されるか否かに注目する機会を増やし、遊技への注目度を高める効果が発揮される。
第1山側誘導凹部262及び第3山側誘導凹部274は遊技球を溝によって誘導する。これにより、ステージ250に溝形状を設けるのみの比較的容易な構成にて誘導手段を設けることができる。
ステージ250は透明性を有した合成樹脂材料によって形成した。また、第2谷側擬似誘導凹部276はステージ250の裏側に凸部277が設けられていることによって、ステージ250に溝形状が設けられているかのように視認される。これにより、ステージ250の裏側に凸部277を設けるのみの比較的容易な構成にて第2谷側擬似誘導凹部276に溝形状が設けられているかのように遊技者に視認させることができる。
ステージ250は、可変表示ユニット84の下方に取り付けられている構成とした。これにより、可変表示ユニット84における図柄の変動表示とステージ250における遊技球の転動態様とを遊技者が同時に視認することができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)第2谷側擬似誘導凹部276は、ステージ250に設けられていたが、第2谷側擬似誘導凹部276はステージ250に設けられていなくともよい。例えば、第2谷側擬似誘導凹部276がセンターフレーム92に設けられており、ワープ入口251に遊技球を誘導するように視認されてもよい。すなわち、第2谷側擬似誘導凹部276が設けられている場所を限定しない。なお、この場合、パチンコ機10にステージ250が設けられている必要がなくなる。
ここで、第2谷側擬似誘導凹部276のような擬似誘導凹部がステージ250に設けられていない場合のパチンコ機10とは異なるパチンコ機における一実施の形態について図22を用いて詳細に説明する。図22(a)はクルーン500を上から見た平面図である。なお、パチンコ機10と同様の構成については説明を省略する。
クルーン500は合成樹脂によって形成されており透明性を有しており、上方から視認した場合、クルーン500は円形状となっている。クルーン500には、遊技球が入球可能な入賞口501及び排出口502が設けられている。排出口502は、入賞口501を挟むようにして2箇所に設けられている(詳細には、クルーン500において12時方向に入賞口501が設けられており、4時,8時方向に排出口502が設けられている)。
入賞口501に遊技球が入球した場合には遊技状態が大当たり状態に移行し、排出口502に遊技球が入球した場合には、大当たり状態に移行しない。
なお、本実施の形態では、作動口84に入球した遊技球がクルーン500に入球するよう構成されている。また、クルーン500は遊技球が転動可能な構成となっており、遊技球が転動を繰り返した後に、入賞口501又は排出口502に遊技球が入球するようになっている。
ここで、排出口502に設けられた誘導凹部503について図22(b)を用いて説明する。図22(b)は、誘導凹部503周辺の拡大図及びF−F線端面図である。誘導凹部503は、排出口502からクルーン500の中心方向に延びた溝形状となっており、排出口502側になるほど溝の幅が大きくなっている。また、図22(b)の端面図に示すように、誘導凹部503は、排出口502側になるほど溝が深くなっている。これらにより、誘導凹部503に到達した遊技球を排出口502へと誘導することが可能となる。
次に図22(c)を用いて擬似誘導凹部504について説明する。
図22(c)は、入賞口501周辺の拡大図及びG−G線端面図である。図22(c)のG−G線端面図に示すように、入賞口501の裏側からクルーン500の中心に向かって延びた凸部505が設けられている。凸部505は、入賞口501側になるほど凸部の幅及び高さが大きくなっている。クルーン500が透明性を有しているために、図22(c)の拡大図のようにクルーン500を上方から見た場合には凸部505が透けて視認され、入賞口501から溝形状が延びているかのように視認される。この溝形状があるかのように視認される部分を擬似誘導凹部504と称する。
図22(c)の端面図に示すように、擬似誘導凹部504は平面状を有している。しかしながら、凸部505が透けて視認されるため、擬似誘導凹部504は傾斜部を有した溝のように視認され、さらに、入賞口501側になるほど当該溝が深くなっているように視認される。これにより、擬似誘導凹部504に遊技球が到達した場合に、擬似誘導凹部504によって入賞口501に遊技球が誘導されると遊技者は考える。すなわち、本実施の形態における擬似誘導凹部504は、上記実施の形態における第2谷側擬似誘導凹部276と同様の方法にて、実際には遊技球を誘導するよう構成されていないが、遊技球を誘導するかのように視認される。
擬似誘導凹部504は実際には遊技球を誘導しないために、擬似誘導凹部504が遊技球を誘導することによって入賞口501に過度に遊技球が入球することを抑制することができる。さらに、擬似誘導凹部504は遊技球を誘導するように視認されるため、擬似誘導凹部504に遊技球が到達し、入賞口501に遊技球が誘導されることを遊技者は期待して遊技を行うため、遊技への注目度を高めることができる。
また、本実施の形態では、擬似誘導凹部504によって入賞口501に溝形状があるかのように視認され、排出口502に誘導凹部503が設けられていたが、かかる構成には限定しない。入賞口501に誘導凹部503が設けられており。擬似誘導凹部504によって排出口502に溝形状が設けられているかのように視認されてもよい。誘導凹部503を設けるか又は擬似誘導凹部504によって遊技球が誘導されるように視認させるかによって入賞口501及び排出口502に遊技球が入球する期待度を調整することが可能となる。
さらに、クルーン500が多段的になっていてもよい。例えば、クルーン500が上下に2段設けられており、上方に設けられた上クルーンにおける入賞口に遊技球が入球した場合に下方に設けられた下クルーンにて遊技球が転動されることとなり、下クルーンにおける入賞口に遊技球が入球した場合に遊技状態が大当たり状態に移行するものが考えられる。この場合、上クルーンと下クルーンとに設けられている入賞口及び排出口の数を調整することによって、クルーン500に遊技球が入球した場合に大当たり状態に移行する期待度を調整することが可能となる。また、誘導凹部503及び擬似誘導凹部504が入賞口又は排出口のいずれに設けられているかによっても、上記期待度を調整することが可能となる。
なお、クルーン500は、何段設けられていてもよいし、多段的に設けられているクルーン500が上下になっている必要はない。さらに、多段的に設けられているそれぞれのクルーンにおける入賞口501及び排出口502の数は異なっていてもよいし、それぞれのクルーンにおいて誘導凹部503及び擬似誘導凹部504が設けられている入賞口501及び排出口502が異なっていてもよい。例えば、上クルーンにおいては入賞口に誘導凹部503が設けられており、排出口に擬似誘導凹部504が設けられている。さらに、下クルーンにおいては入賞口に擬似誘導凹部504が設けられており、排出口502に誘導凹部503が設けられているものが考えられる。
(2)第2谷側擬似誘導凹部276は上案内口254に遊技球を誘導するかのように視認されたが、かかる構成に限定されるものではない。
第2谷側擬似誘導凹部276はどこに遊技球を誘導するように視認されてもよい。例えば、遊技球を上案内口254に入球させないように誘導するよう視認されてもよい。すなわち、第2谷側擬似誘導凹部276は遊技者に有利になるよう遊技球を誘導するように視認される必要はない。
さらに、第3山側誘導凹部274のように、実際に遊技球を誘導する手段が遊技球を遊技者に有利になるよう誘導する必要はなく、上案内口254に遊技球が入球しないように第3山側誘導凹部274が遊技球を誘導してもよい。
(3)第2谷側擬似誘導凹部276は溝形状であるかのように視認される構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。例えば、遊技球を下方に流れる傾斜を有しているように視認されるのみでもよい。すなわち、遊技球を誘導するかのように視認されるならば第2谷側擬似誘導凹部276の構成を限定しない。
(4)第2谷側擬似誘導凹部276は凸部277によって溝形状であるかのように視認されたが、かかる構成に限定されるものではない。絵や写真等を貼り付けることによって第2谷側擬似誘導凹部276が遊技球を誘導するように視認されてもよいし、光を用いて第2谷側擬似誘導凹部276は遊技球を誘導するかのように視認されるようにしてもよい。すなわち、第2谷側擬似誘導凹部276は、遊技球を誘導する構成ではないが、遊技球を誘導するかのように視認されればよい。
(5)第2谷側擬似誘導凹部276は、ステージ250の裏側に凸部277が突起形状であることによって、パチンコ機10の前方から視認した場合に、第2谷側擬似誘導凹部276が凹みを有しているように視認されたが、かかる構成に限定されるものではない。
凸部277が溝形状であることによって第2谷側擬似誘導凹部276が溝形状であるかのように視認されたり突形状であるかのように視認されたりしてもよい。
(6)ステージ250の上方に第1山側誘導凹部262が設けられており、その下方にて第2谷側擬似誘導凹部276によって遊技球を誘導するように視認される場所が設けられていたが、かかる構成に限定されるものではない。
ステージ250の上方にて第2谷側擬似誘導凹部276によって遊技球が誘導されるように視認され、その下方に第1山側誘導凹部262が設けられていてもよい。
(7)第1山側誘導凹部262及び第3山側誘導凹部274は、溝形状によって遊技球を誘導するものであったが、かかる構成に限定しない。
第1山側誘導凹部262又は第3山側誘導凹部274の少なくとも一方が、溝形状ではなく凸形状であってもよいし、傾斜部を有しており当該傾斜部によって遊技球を誘導してもよい。
(8)ステージ250は、遊技球が左右方向に転動するものであったが、かかる構成に限定するものではない。例えば、遊技球がステージ250に流れてきたとしても、ステージ250の前方方向に遊技球が流されるものが考えられる。すなわち、ステージ250の構成は限定しない。
(9)ステージ250は透明性を有していたが、かかる構成に限定されるものではない。
ステージ250が透明性を有している必要はなく、第2谷側擬似誘導凹部276が遊技球を誘導するかのように視認されればよい。例えば、ステージ250に溝が設けられており、当該溝が上案内口254に遊技球を誘導するように傾斜があるかのように視認されるが、実際には当該溝に傾斜が設けられていないものが考えられる。
(10)ステージ250は、センターフレーム92に取り付けられていたが、かかる構成に限定しない。
ステージ250は、遊技領域のどこに設けられていてもよく、遊技領域の上方に設けられていてもよいし、下方に設けられていてもよい。すなわち、ステージ250が設けられている場所は限定しない。
なお、ステージ250における遊技球の転動態様に遊技者に注目されるために、可変表示ユニット92の付近にステージ250があるのが望ましい。また、ステージ250にて転動した遊技球が作動口84に入球することがあるように、作動口84よりも上方にステージ250が設けられていることが望ましい。
(11)第2谷側擬似誘導凹部276と第3山側誘導凹部274とは、外観を類似させたが、かかる構成に限定しない。第2谷側擬似誘導凹部276と第3山側誘導凹部274との外観は類似していなくともよい。
(12)上記実施の形態では、第1特定ランプ部93を図柄表示装置91の表示画面の上方に設けられていたが、他の位置に設けられていてもよい。例えば、第1特定ランプ部93をアウト口87付近に設けてもよい。
(13)上記実施の形態では、第1図柄の変動表示を行う図柄表示装置91と別に第1特定ランプ部93を設けたが、第1特定ランプ部93を設けずともよい。
(14)上記実施の形態では、図柄表示装置91を備えたパチンコ機10に対して本発明を適用したが、それ以外のタイプのパチンコ機に適用してもよい。例えば、遊技球転動部や有利口などが設けられた入賞役物装置を備えたパチンコ機に対して本発明を適用してもよい。また、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機に対して本発明を適用してもよい。