JP5715071B2 - アンテナ装置及び無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主として携帯電話機などの移動体無線通信装置用のアンテナ装置と、それを備えた無線通信装置に関する。
携帯電話機等の携帯無線通信装置の小型化、薄型化が急速に進んでいる。また、携帯無線通信装置は、従来の電話機として使用されるのみならず、電子メールの送受信やWWW(ワールドワイドウェブ)によるウェブページの閲覧などを行うデータ端末機に変貌を遂げている。取り扱う情報も従来の音声や文字情報から写真や動画像へと大容量化を遂げており、通信品質のさらなる向上が求められている。このような状況にあって、指向性を切り換えることが可能なアンテナ装置が提案されている。
特許文献1においては、長方形形状の導電性の基板と、前記基板上に誘電体を介して設けられた平板状のアンテナとを備えたアンテナ装置が開示され、このアンテナ装置は、アンテナを所定方向に励振することにより基板上の一方の対角線方向に電流を流れさせるとともに、アンテナを異なる方向に励振することにより基板上の他方の対角線方向に電流を流れさせることを特徴とする。このように、特許文献1のアンテナ装置では、基板上を流れる電流の方向を変えることによって、アンテナ装置の指向性及び偏波方向を変更することができる。
特許文献2においては、第1筐体と第2筐体とをヒンジ部で連結して開閉自在な機構を有する折り畳み式携帯無線機であって、前記第1筐体内の第1の面側に前記第1筐体の長さ方向に沿って配置された第1板状導体と、前記第1筐体内の第1の面と向かい合う第2の面側に前記第1筐体の長さ方向に沿って配置された第2及び第3板状導体と、前記第1板状導体に給電するとともに、前記第1板状導体を給電する位相に対して異なる位相で前記第2又は第3板状導体に選択的に給電する給電手段とを具備した携帯無線機が開示されている。特許文献2の携帯無線機では、受信レベルの低下に応答して第2及び第3板状導体を切り換えることにより、通信性能を向上させることができる。
特許文献3においては、ダイポールアンテナと、ダイポールアンテナを構成する2つのアンテナ素子のうちの一方にそれぞれ接続された2つの給電手段とを備えた携帯無線機が開示されている。
特許文献4及び5においては、アンテナ素子上の所定の各位置にそれぞれ設けられた第1及び第2の給電点を備えたアンテナ装置において、アンテナ素子は、第1及び第2の給電点にそれぞれ対応した第1及び第2のアンテナ部として同時に動作するように、第1及び第2の給電点を介してそれぞれ同時に励振され、アンテナ素子は、第1及び第2のアンテナ部の間の所定のアイソレーションを生成するための電磁結合調整手段を第1及び第2の給電点の間にさらに備えたアンテナ装置が開示されている。特許文献4及び5のアンテナ装置では、簡単な構成でありながら、互いに低相関である複数の無線信号の送受信を同時に実行することができる。
国際出願の国際公開WO02/39544号。 特開2005−130216号公報。 国際出願の国際公開WO01/97325号。 国際出願の国際公開WO2009/130887号。 特開2008−167421号。
近年、携帯電話機によるデータ伝送を高速化するニーズが高まり、次世代携帯電話規格である3G−LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution)が検討されてきた。3G−LTEでは、無線伝送の高速化を実現するための新技術として、複数のアンテナを用いて複数のチャンネルの無線信号を空間分割多重により同時に送受信するMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術の採用が決定している。
MIMO通信では、送信機側と受信機側でそれぞれ複数のアンテナを備え、空間的にデータストリームを多重化することで伝送速度の高速化を可能にする。MIMO通信では、複数のアンテナを同一の周波数で同時に動作させるので、小型の携帯電話機内に複数のアンテナを近接して実装する状況下ではアンテナ間の電磁結合が非常に強くなる。アンテナ間の電磁結合が強くなるとアンテナの放射効率が劣化し、それに伴い、受信電波が弱くなり伝送速度の低下を招く。そのため、複数のアンテナが近接して配置されていても低結合であるアレーアンテナが必要である。また、MIMO通信では、空間分割多重を実現するために、アンテナ毎に指向性又は偏波特性などを相違させることにより、送受信される複数の無線信号を互いに低相関にする必要がある。
特許文献1のアンテナ装置は、異なる指向性になるように切り換えることはできても、異なる指向性の状態を同時に実現することはできない。特許文献2の携帯無線機は、複数のアンテナ素子(板状導体)を必要とするために構造が複雑化し、さらに特許文献1のアンテナ装置と同様に、異なる指向性になるように切り換えることはできても、異なる指向性の状態を同時に実現することはできない。特許文献3の携帯無線機は、指向性を切り換えることができず、また異なる指向性の状態を同時に実現することもできない。特許文献4及び5のアンテナ装置は、互いに低相関である複数の無線信号を同時に送受信するものの、異なる指向性の状態を同時に実現することはできない。
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、簡単な構成でありながら、互いに低相関である複数の無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができるアンテナ装置、及びそのようなアンテナ装置を備えた無線通信装置を提供することにある。
本発明の態様に係るアンテナ装置は、
アンテナ素子上の所定の各位置にそれぞれ設けられた第1及び第2の給電点を備えたアンテナ装置において、
上記アンテナ素子は、上記第1及び第2の給電点にそれぞれ対応した第1及び第2のアンテナ部として同時に動作するように、上記第1及び第2の給電点を介してそれぞれ同時に励振され、
上記アンテナ素子は、上記第1及び第2の給電点を互いに分離するように所定の第1の方向に延在する第1の部分と、上記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の部分とを含むスリットを備え、
上記スリットは、
所定のアイソレーション周波数において共振して上記第1及び第2の給電点の間にアイソレーションを生成するとともに、
上記スリットの周囲に所定の電流経路を形成し、
上記第1の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布は、上記第2の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布とは異なり、これらの互いに異なる電流分布により互いに異なる放射特性をもたらすように構成されたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、
上記スリットの第1の部分は、その一端に開口を有し、その他端で上記スリットの第2の部分に連結され、
上記スリットの第2の部分は少なくとも2つの閉端を有し、
上記アンテナ装置の動作波長λ及び整数n1,n2に対して、上記スリットの周囲の電流経路は、
上記スリットの開口の上記第1の給電点側から上記少なくとも2つの閉端のうちの第1の閉端までの電流経路の電気長が(1/4+(n1)/2)λであり、上記第1の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布が、上記第1の閉端において電流の腹を有し、
上記スリットの開口の上記第2の給電点側から上記少なくとも2つの閉端のうちの第2の閉端までの電流経路の電気長が(1/4+(n2)/2)λであり、上記第2の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布が、上記第2の閉端において電流の腹を有するように形成されることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記第1の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布は、上記第2の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布に対して実質的に反転した電流分布を有することを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記スリットは、上記スリットの第1の部分を通る軸に対して対称であることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記スリットはT字形状を有することを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記スリットはY字形状を有することを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記スリットは、上記スリットの第1の部分を通る軸に対して非対称であることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記スリットはL字形状を有することを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記スリットは、上記アイソレーション周波数を調整する手段を備えたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記アイソレーション周波数を調整する手段はリアクタンス素子であることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記アイソレーション周波数を調整する手段は可変容量素子であることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記アイソレーション周波数を調整する手段は、それぞれ異なるリアクタンス値を有する複数のリアクタンス素子と、上記複数のリアクタンス素子のいずれかを選択的に接続するスイッチとを備えたことを特徴とする。
上記アンテナ装置において、
上記スリットは、上記スリットに沿って上記スリットの開口から所定距離の位置に設けられたフィルタ手段であって、第1の周波数では開放になり、上記第1の周波数とは異なる第2の周波数では短絡になるフィルタ手段を備え、
上記フィルタ手段は、
上記第1の周波数では、上記スリットの全体を共振させて上記第1及び第2の給電点の間にアイソレーションを生成するとともに、上記スリットの周囲に上記フィルタ手段により短絡されない電流経路を形成させ、
上記第2の周波数では、上記スリットの開口から上記フィルタ手段までの部分のみを共振させて上記第1及び第2の給電点の間にアイソレーションを生成するとともに、上記スリットの周囲に上記フィルタ手段により短絡された電流経路を形成させることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記フィルタ手段は、第1のインダクタ及び第1のキャパシタの直列共振回路と、第2のインダクタ及び第2のキャパシタの並列共振回路とを直列接続して構成されることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記フィルタ手段は、インダクタ及び第1のキャパシタの直列共振回路と、第2のキャパシタとを並列接続して構成されることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記フィルタ手段は帯域通過フィルタであることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記フィルタ手段は高域通過フィルタであることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記フィルタ手段は低域通過フィルタであることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記フィルタ手段はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造方法により形成されたフィルタであることを特徴とする。
上記アンテナ装置において、上記アンテナ素子の共振周波数を上記アイソレーション周波数にシフトさせるインピーダンス整合手段を備えたことを特徴とする。
本発明の態様に係る無線通信装置は、複数の無線信号を送受信する無線通信装置において、本発明の態様に係るアンテナ装置を備えたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係るアンテナ装置及び無線通信装置によれば、簡単な構成でありながら、互いに低相関である複数の無線信号を異なる放射特性で同時に送受信可能なアンテナ装置及び無線通信装置を提供することができる。
本発明によれば、アンテナ素子数を1つに削減しながら、当該アンテナ素子を複数のアンテナ部として動作させることができ、それとともに、複数のアンテナ部の間のアイソレーションを確保することができる。本発明における最大の効果として、複数の給電点を介して1つのアンテナ素子を同時に励振させて複数のアンテナ部として動作させても、アンテナ部の間のアイソレーションが確保されること、及び、各アンテナ部により送受信される無線信号間の相関を低くできることがある
本発明によれば、アンテナ装置にスリットを備えたことにより、所定周波数において給電点間にアイソレーションをもたらし、さらに、スリットの周囲に所定の電流経路を形成することを特徴とする。一方の給電点を介して励振することによって生成される電流経路上の電流分布は、他方の給電点を介して励振することによって生成される電流経路上の電流分布とは異なる。本発明によれば、給電点毎に異なる電流分布を生成することにより、給電点毎に異なる放射特性を実現することができる。
本発明によれば、単一のアンテナ素子を備えたアンテナ装置において、MIMO通信方式に係る複数のチャンネルの無線信号を送受信すること、複数のアプリケーションに係る無線通信を同時に実行すること、又は複数の周波数帯での無線通信を同時に実行することなどが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111の構成を示すブロック図である。 図1のアンテナ素子102上のスリットS1を説明するための図である。 図2のスリットS1の周囲の電流経路を示す図である。 図3の電流経路に沿った電流振幅を示す図である。 図1のアンテナ装置101の方位角に対する位相特性を示す図である。 アンテナ素子102にスリットを設けることの効果を説明するための概略図である。 図6のスリットの等価回路を示す図である。 本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態の第3の変形例に係るアンテナ装置101の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るアンテナ素子102の構成を示すブロック図である。 アンテナ素子102のスリットにリアクタンス素子121を設けることの効果を説明するための概略図である。 図12のスリットの等価回路を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111の構成を示すブロック図である。 図14のアイソレーション周波数調整回路131の第1の実装例を示す回路図である。 図14のアイソレーション周波数調整回路131の第2の実装例を示す回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る無線通信装置のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111の構成を示すブロック図である。 図17のフィルタ回路141の第1の実装例を示す回路図である。 図17のフィルタ回路141の第2の実装例を示す回路図である。 図17のフィルタ回路141の第3の実装例を示す回路図である。 図17のフィルタ回路141の第4の実装例を示す回路図である。 図17のフィルタ回路141の第5の実装例を示す回路図である。 図17のフィルタ回路141の第6の実装例を示す回路図である。 図17のフィルタ回路141の第7の実装例を示す回路図である。 図17のフィルタ回路141の第8の実装例を示す回路図である。 本発明の第4の実施形態の第1の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態の第の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態の第の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。 本発明の実施例に係るアンテナ装置101の構成を示す斜視図である。 図29のアンテナ装置101の給電点104a,104b間の通過係数及び反射係数のパラメータS21,S11の周波数特性を示すグラフである。 図29のアンテナ装置101の方位角に対する位相特性を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111の構成を示すブロック図である。本実施形態のアンテナ装置101は、異なる2つの給電点104a,104bを備えた長方形形状のアンテナ素子102を備え、給電点104aを介してアンテナ素子102を第1のアンテナ部として励振させると同時に、給電点104bを介してアンテナ素子102を第2のアンテナ部として励振させることにより、単一のアンテナ素子102を2つのアンテナ部として動作させる。
本実施形態のアンテナ装置101はさらに、スリットS1を備えたことにより、所定周波数において給電点104a,104b間にアイソレーションをもたらし、さらに、スリットS1の周囲に所定の電流経路を形成することを特徴とする。この電流経路は、電流経路上の電流分布に応じてある平面内(図1の場合ではXY面内)の放射特性が変化するように、所定方向の広がり(図1の場合では±Y方向に互いに離れた部分)を含む。一方の給電点104aを介して励振することによって生成される電流経路上の電流分布は、他方の給電点104bを介して励振することによって生成される電流経路上の電流分布とは異なる。本実施形態のアンテナ装置101によれば、給電点毎に異なる電流分布を生成することにより、給電点毎に異なる放射特性を実現することができる。
図1において、アンテナ装置101は、長方形形状の導体板にてなるアンテナ素子102と、長方形形状の導体板にてなる接地導体103とを備え、アンテナ素子102と接地導体103とは、互いに重なり合うように、所定距離だけ離隔して平行に設けられる。アンテナ素子102の一辺と接地導体103の一辺とは、互いに近接して設けられ、直線状の接続導体106,107によって互いに機械的かつ電気的に接続される。さらに、アンテナ素子102上の所定位置に給電点104a,104bが設けられ、給電点104a,104bを互いに分離するようにスリットS1が設けられる。スリットS1は、接続導体106,107が接続された辺とその対辺との間に延在し、給電点104a,104bを互いに分離する第1の部分(図1ではZ軸方向に延在する部分;図2では符号S1aで示す部分)と、第1の部分とは異なる方向に延在する第2の部分(図1ではY軸方向に延在する部分;図2では符号S1bで示す部分)とを含む。スリットS1の第1の部分の下端は、接続導体106,107が接続された辺の対辺のほぼ中央部に開口を有することにより開放端として構成され、スリットS1の第2の部分の両端は、閉端として構成される。給電点104a,104bにはそれぞれ、接地導体103の裏側から接地導体103を貫通して給電線F1,F2が接続される。給電線F1,F2は、例えば、50Ωの特性インピーダンスを有する同軸ケーブルであり、その内部導体である信号線F1a,F2aはそれぞれ給電点104a,104bに接続され、その外部導体である信号線F1b,F2bはそれぞれ接続点105a,105bにおいて接地導体103に接続される。給電点104a及び接続点105aは、アンテナ装置101の一方の給電ポートとして働き、給電点104b及び接続点105bは、アンテナ装置101のもう1つの給電ポートとして働く。図1に示すように、アンテナ装置101は板状逆F型アンテナ装置として構成される。前述のように、給電点104aを介してアンテナ素子102を第1のアンテナ部として励振させると同時に、給電点104bを介してアンテナ素子102を第2のアンテナ部として励振させることにより、単一のアンテナ素子102を2つのアンテナ部として動作させることができる。
給電線F1は、インピーダンス整合回路(以下、整合回路という。)112aを介してスイッチ113aに接続され、給電線F2は、整合回路112bを介してスイッチ113bに接続される。スイッチ113a,113bは、コントローラ119の制御に従って、アンテナ素子102を直接に変復調回路118に接続した状態と、振幅及び位相制御回路114を介してアンテナ素子102を変復調回路118に接続した状態とのいずれかに切り換える。アンテナ素子102が直接に変復調回路118に接続されているとき、変復調回路118はMIMO変復調回路として動作し、MIMO通信方式に係る複数のチャンネル(本実施形態では2チャンネル)の無線信号をアンテナ装置101により送受信させる。変復調回路118は、MIMO変復調に代えて、独立した2つの無線信号の変復調を実行してもよく、この場合、本実施形態の無線通信装置は複数のアプリケーションに係る無線通信を同時に実行したり、複数の周波数帯での無線通信を同時に実行したりすることが可能になる。一方、アンテナ素子102が振幅及び位相制御回路114を介して変復調回路118に接続されているとき、振幅及び位相制御回路114は、適応制御回路117の制御に従って、送受信される無線信号に対する適応制御を実行する。ここで、振幅及び位相制御回路114は、振幅調整器115a,115bと、移相器116a,116bとを備えて構成される。受信時において、受信されてスイッチ113a,113bを介してそれぞれ伝送された信号は、振幅及び位相制御回路114にそれぞれ入力されるとともに、適応制御回路117にそれぞれ入力される。適応制御回路117は、好ましくは最大比合成を実行するために、入力された受信信号に基づいてその振幅変化量及び移相量を決定し、スイッチ113aを介して伝送された信号の振幅及び位相を振幅調整器115a及び移相器116aにより変化させ、スイッチ113bを介して伝送された信号の振幅及び位相を振幅調整器115b及び移相器116bにより変化させる。振幅及び位相を変化させた後の各受信信号は、互いに合成されて変復調回路118に入力される。送信時には、適応制御回路117は、所望方向にビームを向けるために、コントローラ119の制御に従って送信信号の振幅変化量及び移相量を決定し、この決定結果に従って、振幅及び位相制御回路114に送信信号の振幅及び位相を変化させる。変復調回路118は、送受信する信号のさらなる処理のために、無線信号処理回路111の外部における他の回路(図示せず。)に接続される。コントローラ119は、MIMO通信方式を用いるか、それとも適応制御を用いるかに応じて、スイッチ113a,113b、適応制御回路117及び変復調回路118の動作を制御する。
図2は、図1のアンテナ素子102上のスリットS1を説明するための図である。電流経路の電気長D1,D2,D3(すなわちスリットS1の寸法)は、一方の給電点104aを介して励振することによって、スリットS1の閉端B1,B2のうちの一方の近傍に電流の腹を形成し、他方の給電点104bを介して励振することによって、閉端B1,B2のうちの他方の近傍に電流の腹を形成するように決定される。詳しくは、送受信する電波の波長λ及び所定の整数n1,n2に対して、電気長D1は(1/4+(n1)/2)λにされ、電気長D2は(1/4+(n2)/2)λにされる。このとき、給電点104aを介して励振することによって、スリットS1の開口Aの近傍(給電点104a側)に電流の節を形成し、閉端B1の近傍に電流の腹を形成する一方、給電点104bを介して励振することによって、スリットS1の開口Aの近傍(給電点104b側)に電流の節を形成し、閉端B2の近傍に電流の腹を形成する。さらに、電気長D3は、好ましくはλ/2、又はその奇数倍の長さにされる。それに代わって、電気長D1+D3が(1/4+(n1)/2)λにされ、電気長D2+D3が(1/4+(n2)/2)λにされてもよい。このとき、給電点104aを介して励振することによって、スリットS1の開口Aの近傍(給電点104a側)に電流の節を形成し、閉端B2の近傍に電流の腹を形成する一方、給電点104bを介して励振することによって、スリットS1の開口Aの近傍(給電点104b側)に電流の節を形成し、閉端B1の近傍に電流の腹を形成する。
スリットS1の形状及び給電点104a,104bの位置は、好ましくは、給電点104a,104b間の中心線に対して対称に構成される。図2に示す実施例では、スリットS1はT字形に構成される。
図3は、図2のスリットS1の周囲の電流経路を示す図である。図3に示すように、給電点104aを介して励振することにより電流I1(実線)が流れ、給電点104bを介して励振することにより電流I2(破線)が流れる。前述のように、電流I1の腹がスリットS1の閉端B1,B2のうちの一方の近傍に形成され、電流I2の腹が閉端B1,B2のうちの他方の近傍に形成されるが、このとき、好ましくはさらに、閉端B1の近傍の領域201において、電流I1,I2が互いに逆行し、閉端B2の近傍の領域202において、電流I1,I2が互いに逆行する。図4は、この場合の、図3の電流経路に沿った電流振幅を示す図である。電流I1の電流分布は、電流I2の電流分布に対して実質的に反転した電流分布を有する。このように、電流I1の電流分布は電流I2の電流分布とは異なり、異なる電流分布を生成することにより、異なる放射特性を実現することができる。
図5は、図1のアンテナ装置101の方位角に対する位相特性を示す図である。図5は、図3の電流I1から生じる放射(実線)と、図3の電流I2から生じる放射(破線)とについて、水平面(XY面)の方位角φに対する垂直偏波成分の位相特性を示す。方位角φは、図1の+X方向から+Y方向へ回転する向きに定義する。各閉端B1,B2の近傍の領域201,202の電流を特に考慮して、領域201において、電流I1が上向きに流れ、電流I2が下向きに流れ、領域202において、電流I1が下向きに流れ、電流I2が上向きに流れている場合を考える。垂直偏波成分の位相は、領域201の電流から生じる放射の位相と領域202の電流から生じる放射の位相との合成位相になるので、受信アンテナ(図示せず。)が+X方向(φ=0度)に位置するとき、電流I1から生じる放射についても、電流I2から生じる放射についても、その位相は0度になる。受信アンテナの位置が+X方向(φ=0度)から方位角φの正の方向に移動すると、受信アンテナは閉端B1よりも閉端B2に近づき、領域201の電流から生じる放射よりも領域202の電流から生じる放射の寄与が大きくなるように変化するので、この変化に応じた位相回転が合成位相に含まれる。そのため、方位角φに対する位相特性は正弦波形状になり、受信アンテナから閉端B1,B2への距離の差が最も大きくなる方位角φ=90度及び270度が、位相特性の腹になる。前述のように電流I1,I2は互いに逆行しているので、電流I1から生じる放射と電流I2から生じる放射の各位相特性は、方位角φで180度のずれを有する。このように、給電点104aを介して励振した場合と、給電点104bを介して励振した場合とで、方位角φに対する位相特性の振るまいが異なると、各給電点104a,104bに対応する無線信号間の相関を低くすることができる。電流I1,I2の腹が形成されるスリットS1の閉端B1,B2間の距離が大きいほど、相関を下げる効果が大きい。
図6及び図7を参照して、アンテナ素子102に例示的なスリットを設けることによりアイソレーションを生成する原理について説明する。図6は、アンテナ素子102にスリットを設けることの効果を説明するための概略図であり、図7は、図6のスリットの等価回路を示す図である。図6において、給電点(図示せず。)間のアイソレーションを高くするために、アンテナ素子102は、開口Aから閉端Bまでの長さdを有するスリットを備えた。説明の簡単化のために、T字形ではなく直線状のスリットを用いる。給電点を介してアンテナ素子102を励振させるとき、このスリットも共振する。給電点間の電流Iはスリットに沿って流れるので、図7のような等価回路で表現できる。スリットの開口Aからみた入力インピーダンスをZinとすると、入力インピーダンスZinは、次式により求めることができる。
[数1]
Zin=j・Z0・tan(β・d)
ここで、Z0は伝送線路の特性インピーダンスであり、βは位相定数(β=2π/λ)であり、λは波長である。数1において入力インピーダンスZinが無限大になるとき、給電点間の電流が小さくなる。この条件を満たすのはd=λ/4の場合であり、このときの波長λに対応する周波数において、給電点間の高いアイソレーションを確保することができる。
アンテナ素子102の共振周波数と高いアイソレーションを確保できる周波数とは、スリットS1の長さに依存して変化するので、スリットS1の長さはこれらの周波数を調整するように決定される。詳しくは、スリットS1を設けることにより、アンテナ素子102自体の共振周波数は低下する。さらに、スリットS1は、スリットS1の長さに応じて共振器として動作する。スリットS1はアンテナ素子102自体と電磁的に結合するので、アンテナ素子102の共振周波数は、スリットS1を持たない場合と比較して、スリットS1の共振条件の周波数に従って変化している。スリットS1を設けることにより、アンテナ素子102の共振周波数が変化するとともに、所定の周波数において給電ポート間のアイソレーションを高くすることができる。
スリットS1を設けたことにより高いアイソレーションを確保できる周波数は、一般には、アンテナ素子102の共振周波数とは一致しない。従って、本実施形態では、アンテナ素子102の動作周波数(すなわち所望信号を送受信する周波数)を、スリットS1により変化された共振周波数からアイソレーション周波数にシフトさせるために整合回路112a,112bを設けている。整合回路112a,112bを設けることは、共振周波数とアイソレーション周波数との両方に影響するが、主に、共振周波数を変化させるように寄与する。
以上説明したように、本実施形態のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111によれば、アンテナ素子102において、給電点104a,104b間にアイソレーションをもたらすとともに、周囲に所定の電流経路を形成するスリットS1を備え、各給電点104a,104bを介して励振することによって電流経路上に給電点毎に異なる電流分布を生成し、給電点毎に異なる放射特性を実現することができる。従って、本実施形態のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111は、簡単な構成でありながら、互いに低相関である2つの無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができる
アンテナ素子102及び接地導体103の形状は、長方形に限定されるものではなく、例えば他の多角形、円形、楕円形などであってもよい。また、アンテナ素子102及び接地導体103は、互いに完全に重なりあった構成でなくてもよく、少なくとも部分的に重なりあった構成、又は後述のようにダイポールアンテナの構成を有していてもよい。給電点104a,104bの位置を変化させ、また、接続導体106,107の位置を変化させることで、アンテナ装置101の共振周波数を調整することができる。また、アンテナ素子102と接地導体103を複数の接続導体106,107によって接続することに代えて、単一の導体板によって接続してもよい。
図8は、本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。スリットの形状は、T字型に限定されるものではなく、例えばY字型のスリットS2であってもよい。スリットの周囲の電流経路上の電流分布に応じてある平面内(図1の場合と同様にXY面内)の放射特性が変化するように、電流経路が所定方向(図1の場合と同様にY軸方向)の広がりを含んでいればよい。電流経路の電気長D11,D12,D13(すなわちスリットS2の寸法)は、一方の給電点104aを介して励振することによって、スリットS2の閉端B11,B12のうちの一方の近傍に電流の腹を形成し、他方の給電点104bを介して励振することによって、閉端B11,B12のうちの他方の近傍に電流の腹を形成するように決定される。詳しくは、送受信する電波の波長λ及び所定の整数n1,n2に対して、電気長D11は(1/4+(n1)/2)λにされ、電気長D12は(1/4+(n2)/2)λにされる。さらに、電気長D13は、好ましくはλ/2、又はその奇数倍の長さにされる。それに代わって、電気長D11+D13が(1/4+(n1)/2)λにされ、電気長D12+D13が(1/4+(n2)/2)λにされてもよい。スリットS2が以上のように構成されたことにより、一方の給電点104aを介して励振することによって生成される電流経路上の電流分布は、他方の給電点104bを介して励振することによって生成される電流経路上の電流分布とは異なる。本変形例のアンテナ素子102を備えたアンテナ装置101によれば、給電点毎に異なる電流分布を生成することにより、給電点毎に異なる放射特性を実現することができる。従って、本変形例のアンテナ素子102を備えたアンテナ装置101及び無線信号処理回路111は、簡単な構成でありながら、互いに低相関である2つの無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができる
図9は、本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。スリットの形状は、図1及び図8のように対称構成に限定されるものではなく、非対称構成を有していてもよい。電流経路の電気長D21,D22(すなわちスリットS3の寸法)は、給電点104a,104bのうちの一方を介して励振することによって、スリットS3の閉端B21の近傍に電流の腹を形成するように決定される。詳しくは、送受信する電波の波長λ及び所定の整数nに対して、電気長D21,D22の一方のみが(1/4+n/2)λにされる。スリットS3が以上のように構成されたことにより、一方の給電点104aを介して励振することによって生成される電流経路上の電流分布は、他方の給電点104bを介して励振することによって生成される電流経路上の電流分布とは異なる。本変形例のアンテナ素子102を備えたアンテナ装置101によれば、給電点毎に異なる電流分布を生成することにより、給電点毎に異なる放射特性を実現することができる。本変形例のように非対称構成のスリットを用いることにより、対称構成のスリットを用いた場合よりも、各給電点を介して励振したときの電流分布を大きく相違させることができる。ただし、アンテナ装置101のインピーダンスを整合させる観点からは、対称構成のスリットを用いたほうが好ましい。以上説明したように、本変形例のアンテナ素子102を備えたアンテナ装置101及び無線信号処理回路111は、簡単な構成でありながら、互いに低相関である2つの無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができる
図10は、本発明の第1の実施形態の第3の変形例に係るアンテナ装置101の構成を示す図である。本変形例のアンテナ装置101は、図1のような逆F型アンテナ装置の構成に代えて、ダイポールアンテナ装置として構成されたことを特徴とする。
図10のアンテナ装置101は、長方形形状の導体板にてなるアンテナ素子102と、長方形形状の導体板にてなる接地導体103とを備え、アンテナ素子102と接地導体103とは、それぞれの一辺を対向させて、所定距離だけ離隔して並置されている。アンテナ素子102及び接地導体103の互いに対向した一対の辺において、2つの給電ポートが設けられる。一方の給電ポートは、アンテナ素子102上において、接地導体103に対向した辺に設けられた給電点104aと、接地導体103上において、アンテナ素子102に対向した辺に設けられた接続点105aとを含む。他方の給電ポートも同様に、アンテナ素子102上において、接地導体103に対向した辺に設けられた給電点104bと、接地導体103上において、アンテナ素子102に対向した辺に設けられた接続点105bとを含む。アンテナ素子102はさらに、2つの給電ポート間、すなわち給電点104a,104b間に、図1の場合と同様のスリットS1を備える。スリットS1の一端は、給電点104a,104b間の辺に開口を有することにより開放端として構成される。給電点104a及び接続点105aは、給電線F1を介して整合回路112aに接続される。同様に、給電点104b及び接続点105bは、給電線F2を介して整合回路112bに接続される。給電線F1,F2は、例えば、50Ωの特性インピーダンスを有する同軸ケーブルにてそれぞれ構成されてもよく、それに代わって、給電線F1,F2はそれぞれ、平衡給電線路として構成されてもよい。本変形例では、以上の構成を備えたことにより、一方の給電ポート(すなわち給電点104a)を介してアンテナ素子102を第1のアンテナ部として励振させると同時に、他方の給電ポート(すなわち給電点104b)を介してアンテナ素子102を第2のアンテナ部として励振させることにより、単一のアンテナ素子102を2つのアンテナ部として動作させることができる。
なお、図10に例示するように接地導体103がアンテナ素子102と同じような大きさの場合には、このアンテナ装置101は、アンテナ素子102及び接地導体103からなるダイポールアンテナとみなすことができる。接地導体103は、一方の給電ポート(すなわち接続点105a)を介して第3のアンテナ部として励振されると同時に、他方の給電ポート(すなわち接続点105b)を介して第4のアンテナ部として励振され、これにより、接地導体103もまた2つのアンテナ部として動作する。このとき、接地導体103には、スリットS1のイメージ(鏡像)が形成されるので、第3及び第4のアンテナ部に関しても、給電ポート間の高いアイソレーションを確保することができる。以上の構成を備えたことにより、一方の給電ポートを介して第1及び第3のアンテナ部を第1のダイポールアンテナ部として励振させると同時に、他方の給電ポートを介して第2及び第4のアンテナ部を第2のダイポールアンテナ部として励振させることにより、単一のダイポールアンテナ(すなわちアンテナ素子102及び接地導体103)を2つのダイポールアンテナ部として動作させることができる。本変形例のアンテナ装置によれば、単一のダイポールアンテナを2つのダイポールアンテナ部として動作させるとき、簡単な構成でありながら給電ポート間の高いアイソレーションを確保することができ、複数の無線信号の送受信を同時に実行することができる。
図10のアンテナ装置101において、スリットは、アンテナ素子102の側に設けることに代えて、接地導体103の側に設けてもよい。それに代わって、スリットは、アンテナ素子102と接地導体103の両方に設けてもよい。また、図1の場合と同様のスリットS1に代えて、図8又は図9のスリットS2,S3を設けてもよい。
図10のアンテナ装置101は、図1のアンテナ装置101と同様に、アンテナ素子102において、給電点104a,104b間にアイソレーションをもたらすとともに、周囲に所定の電流経路を形成するスリットS1を備え、各給電点104a,104bを介して励振することによって電流経路上に給電点毎に異なる電流分布を生成し、給電点毎に異なる放射特性を実現することができる。従って、本変形例のアンテナ装置101は、簡単な構成でありながら、互いに低相関である2つの無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができる
第2の実施形態.
図11は、本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置のアンテナ素子102の構成を示すブロック図である。本実施形態のアンテナ装置は、アンテナ素子102の共振周波数と高いアイソレーションを確保できる周波数とを調整するために、スリットS1に沿った所定の位置にリアクタンス素子121を設けたことを特徴とする。
図11のアンテナ素子102は、図1の構成に加えて、スリットS1に沿ってスリットS1の開口Aから所定距離の位置(図11では開口Aの位置)にリアクタンス素子121を備える。図12及び図13を参照して後述するように、アンテナ素子102の共振周波数と高いアイソレーションを確保できる周波数とは、スリットS1の長さに依存して変化するので、スリットS1の長さはこれらの周波数を調整するように決定される。本実施形態ではさらに、これらの周波数を調整するために、スリットS1に沿った所定の位置に、所定のリアクタンス値を有するリアクタンス素子121(すなわちキャパシタ又はインダクタ)を設ける。また、これらの周波数は、リアクタンス素子121がスリットS1に設けられる位置にも依存して変化するので、リアクタンス素子121の位置はこれらの周波数を調整するように決定される。周波数の調整量(推移量)は、リアクタンス素子121がスリットS1の開口Aに設けられたときに最大になる。このことから、リアクタンス素子121のリアクタンス値を決定した後に、その実装位置をずらすことによって、アンテナ素子102の共振周波数と高いアイソレーションを確保できる周波数とを微調整することが可能である。
図12及び図13を参照して、図6及び図7のアンテナ素子102にリアクタンス素子121を設けることにより、高いアイソレーションを確保できる周波数を調整する原理について説明する。図12は、アンテナ素子102のスリットにリアクタンス素子121を設けることの効果を説明するための概略図であり、図13は、図12のスリットの等価回路を示す図である。図12において、長さdのスリットの開口Aに、リアクタンス値Zloadを有するリアクタンス素子121を装荷した。このときの等価回路は、図13で表現できる。スリットの開口Aからみた入力アドミタンスYinは、次式により求めることができる。
[数2]
Yin=1/Zload+1/(j・Z0・tan(β・d))
数2において、入力インピーダンスZinが無限大になるとき、給電点(図示せず。)間の電流が小さくなる。すなわち、入力アドミタンスYinが0になることが、高いアイソレーションを確保できる条件である。リアクタンス素子121として容量Cを装荷した場合、リアクタンス値Zloadは数3で表される。
[数3]
Zload=1/(j・ω・C)
数3を数2に代入し、Yin=0とすることにより、次式が得られる。
[数4]
tan(β・d)=1/(ω・C・Z0)
数4より、スリットの開口Aに容量を装荷した場合において給電点間の高いアイソレーションを確保できる周波数を求めることができる。
リアクタンス素子121を設けるアンテナ装置は図11に示した構成に限定されるものではなく、図8〜図10のアンテナ素子102にリアクタンス素子を設けてもよい。
以上説明したように、本実施形態のアンテナ素子102を備えたアンテナ装置101及び無線信号処理回路111によれば、アンテナ素子102において、給電点104a,104b間にアイソレーションをもたらすとともに、周囲に所定の電流経路を形成するスリットS1を備え、各給電点104a,104bを介して励振することによって電流経路上に給電点毎に異なる電流分布を生成し、給電点毎に異なる放射特性を実現することができる。さらに、本実施形態のアンテナ素子102を備えたアンテナ装置101及び無線信号処理回路111によれば、リアクタンス素子121を備えたことにより、アンテナ素子102の共振周波数と高いアイソレーションを確保できる周波数とを調整することができる。従って、本実施形態のアンテナ素子102を備えたアンテナ装置101及び無線信号処理回路111は、簡単な構成でありながら、互いに低相関である2つの無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができる
第3の実施形態.
図14は、本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111の構成を示すブロック図である。本実施形態のアンテナ装置101は、第2の実施形態のリアクタンス素子121に代えて、コントローラ119の制御下でリアクタンス値が変化するアイソレーション周波数調整回路131を備えたことを特徴とする。これにより、本実施形態のアンテナ装置101は、給電点104a,104b間に高いアイソレーションを確保できる周波数を変化させることができる。
図15は、図14のアイソレーション周波数調整回路131の第1の実装例を示す回路図であり、図16は、図14のアイソレーション周波数調整回路131の第2の実装例を示す回路図である。アイソレーション周波数調整回路131としては、例えば、図15に示すように、容量性の可変リアクタンス素子132(例えばバラクタダイオードなどの可変容量素子)を用いることができる。可変リアクタンス素子132のリアクタンス値は、コントローラ119から印加される制御電圧に従って変化する。それに代わって、アイソレーション周波数調整回路131として、例えば、図16に示すように、それぞれ異なるリアクタンス値を有する複数のリアクタンス素子134a,134b,134c,134dのいずれかを、コントローラ119の制御下でスイッチ133により選択的に用いる回路を用いてもよい。本実施形態のアンテナ装置101は、アイソレーション周波数調整回路131のリアクタンス値を変化させることにより、アンテナ素子102の異なる共振周波数を実現するとともに、異なる周波数において給電点104a,104b間の高いアイソレーションを確保するように構成される。コントローラ119は、アイソレーション周波数調整回路131のリアクタンス値を変化させるとともに、整合回路112a,112b及び変復調回路118の動作周波数を調整することにより、アンテナ素子102の動作周波数を、アイソレーション周波数調整回路131のリアクタンス値によって決まる、高いアイソレーションを確保できる周波数にシフトさせる。本実施形態では、以上の構成により、アンテナ装置101の多周波化が可能になる。
以上説明したように、本実施形態のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111によれば、アンテナ素子102において、給電点104a,104b間にアイソレーションをもたらすとともに、周囲に所定の電流経路を形成するスリットS1を備え、各給電点104a,104bを介して励振することによって電流経路上に給電点毎に異なる電流分布を生成し、給電点毎に異なる放射特性を実現することができる。さらに、本実施形態のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111によれば、アイソレーション周波数調整回路131を備えたことにより、給電点104a,104b間に高いアイソレーションを確保できる周波数を変化させることができる。従って、本実施形態のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111は、簡単な構成でありながら、互いに低相関である2つの無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができる
第4の実施形態.
図17は、本発明の第4の実施形態に係る無線通信装置のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111の構成を示すブロック図である。本実施形態のアンテナ装置101は、動作周波数に応じてスリットS1の周囲に異なる電流経路及び電流分布を形成することを特徴とする。これにより、本実施形態のアンテナ装置101は、複数の周波数のそれぞれにおいて、給電点104a,104b間の高いアイソレーションを確保するとともに、互いに低相関である2つの無線信号を同時に送受信することを特徴とする。
図17のアンテナ装置101は、第3の実施形態のアイソレーション周波数調整回路131に代えて、スリットS1に沿ってスリットS1の開口から所定距離の位置にフィルタ回路141を備える。フィルタ回路141は、所定の共振周波数のみにおいて開放になり、他の周波数では短絡になる。この共振周波数に一致する周波数(以下、低域側周波数という。)では、フィルタ回路141は開放になって、スリットS1の全体が共振するとともに、フィルタ回路141を通らない図3と同様の電流経路が形成される。この共振周波数よりも高い所定の周波数(以下、高域側周波数という。)では、フィルタ回路141は短絡になって、スリットS1の開口からフィルタ回路141までの区間のみが共振するとともに、開口(例えば給電点104a側)からフィルタ141に至り、フィルタ回路141を通って再び開口(例えば給電点104b側)に戻る電流経路が形成される。このように、フィルタ回路141は、アンテナ装置101の動作周波数に応じて、共振するスリットS1の電気長(従って、アンテナ素子102の共振周波数及び高いアイソレーションを確保できる周波数)を変化させるとともに、スリットS1の周囲の電流経路及び電流分布を変化させる。整合回路112a,112b及び変復調回路118の動作周波数は、コントローラ119の制御下で変化する。コントローラ119は、整合回路112a,112b及び変復調回路118の動作周波数を調整することにより、アンテナ装置101の動作周波数を低域側周波数及び高域側周波数のいずれかに選択的にシフトさせる。
これにより、低域側周波数では、スリットS1の周囲に図3と同様の電流経路を形成し、各給電点104a,104bを介して励振することによって電流経路上に給電点毎に異なる電流分布を生成し、給電点毎に異なる放射特性を実現することができる。なお、高域側周波数では、図3のようにスリットS1の閉端B1,B2の近傍の領域201,202を通過する電流経路を形成できないが、スリットS1の開口からフィルタ回路141までの区間のみを共振させることで、十分なアイソレーションを確保することができる。
図18〜図25は、図17のフィルタ回路141の第1〜第8の実装例を示す回路図である。図18及び図19の実装例は、フィルタ回路141をトラップ回路として構成した場合を示す。図18に示す回路は、インダクタL1及びキャパシタC1の直列回路と、インダクタL2及びキャパシタC2の並列回路とを直列に組み合わせたものである。インダクタL2及びキャパシタC2の並列回路の部分のインピーダンスは、共振周波数f1=1/(2π√(L2・C2))で無限大になるので、図18のフィルタ回路141は、電気的には周波数f1で開放になる。また、図19に示すように、インダクタL11及びキャパシタC11の直列回路と、キャパシタC12とを並列に組み合わせた回路を用いても、図18の回路と同様の効果が得られる。また、図20及び図21の実装例は、フィルタ回路141を帯域通過フィルタとして構成した場合を示し、図22及び図23の実装例は、フィルタ回路141を高域通過フィルタとして構成した場合を示し、図24及び図25の実装例は、フィルタ回路141を低域通過フィルタとして構成した場合を示す。
また、フィルタ回路141は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造方法により形成されたフィルタで構成されてもよい。
以上説明したように、本実施形態のアンテナ装置101及び無線信号処理回路111によれば、スリットS1及びフィルタ回路141を備えたことにより、低域側周波数及び高域側周波数のそれぞれにおいて、給電点104a,104b間の高いアイソレーションを確保するとともに、互いに低相関である2つの無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができる。
図26は、本発明の第4の実施形態の第1の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。フィルタ回路は、図17に示す位置に限定されるものではなく、例えば、図26に示すように、閉端B1,B2に近接してフィルタ回路142,143をそれぞれ備えてもよい。電流経路及び電流分布を非対称にするために、フィルタ回路142,143のうちの一方のみを備えてもよい。
図27は、本発明の第4の実施形態の第2の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。図28は、本発明の第4の実施形態の第3の変形例に係るアンテナ素子102の構成を示す図である。これらの変形例に係るアンテナ素子102では、アンテナ装置101の動作周波数に応じてスリットの周囲に異なる電流経路及び電流分布を形成するために、図17及び図26の場合のようにフィルタ回路を備えることに代えて、スリットの開口までの電流経路の電気長が異なる閉端をそれぞれ有する複数の分岐をスリットに備えたことを特徴とする。これにより、アンテナ装置101の動作周波数に応じて、スリットの開口から異なる閉端までの異なる電流経路及び電流分布を形成する。
図27において、スリットS4は、接続導体106,107(図示せず。)が接続される辺と、その対辺との間に延在し、その後者の辺に開口Aを有する第1の部分(図27では上下方向に延在する部分)と、開口Aから所定距離の位置において第1の部分の左右に設けられた第1及び第2の分岐と、第1及び第2の分岐よりも開口Aから離れた位置において第1の部分の左右に設けられた第3及び第4の分岐とを含む。スリットS4の開口Aから第1の分岐の閉端B31までの電流経路の電気長を「D31」で表し、スリットS4の開口Aから第2の分岐の閉端B32までの電流経路の電気長を「D32」で表し、第1の分岐の閉端B31から第3の分岐の閉端B33までの電流経路の電気長を「D33」で表し、第2の分岐の閉端B32から第4の分岐の閉端B34までの電流経路の電気長を「D34」で表し、第3の分岐の閉端B33から第4の分岐の閉端B34までの電流経路の電気長を「D35」で表す。電流経路の電気長D31,D32,D33,D34,D35(すなわちスリットS4の寸法)は、所定の第1の周波数において一方の給電点104aを介して励振することによって、スリットS4の閉端B31,B32,B33,B34のうちのいずれかの近傍に電流の腹を形成し、第1の周波数において他方の給電点104bを介して励振することによって、他のいずれかの閉端の近傍に電流の腹を形成し、同様に、異なる第2の周波数において給電点104a,104bを介して励振することによって、他の2つの閉端の近傍に電流の腹を形成するように決定される。詳しくは、所定の第1の周波数(以下、低域側周波数という。)において送受信する電波の波長λ1及び所定の整数n1,n2に対して、電気長D31+D33は(1/4+(n1)/2)λ1にされ、電気長D32+D34は(1/4+(n2)/2)λ1にされる。このとき、給電点104aを介して励振することによって、スリットS4の開口Aの近傍(給電点104a側)に電流の節を形成し、閉端B33の近傍に電流の腹を形成する一方、給電点104bを介して励振することによって、スリットS4の開口Aの近傍(給電点104b側)に電流の節を形成し、閉端B34の近傍に電流の腹を形成する。さらに、電気長D35は、好ましくはλ1/2、又はその奇数倍の長さにされる。低域側周波数では、代替として、電気長D31+D33+D35が(1/4+(n1)/2)λ1にされ、電気長D32+D34+D35が(1/4+(n2)/2)λ1にされてもよい。第1の周波数よりも高い所定の第2の周波数(以下、高域側周波数という。)において送受信する電波の波長λ2及び所定の整数n3,n4に対して、電気長D31は(1/4+(n3)/2)λ2にされ、電気長D32は(1/4+(n4)/2)λ2にされる。このとき、給電点104aを介して励振することによって、スリットS4の開口Aの近傍(給電点104a側)に電流の節を形成し、閉端B31の近傍に電流の腹を形成する一方、給電点104bを介して励振することによって、スリットS4の開口Aの近傍(給電点104b側)に電流の節を形成し、閉端B32の近傍に電流の腹を形成する。このように、スリットS4は、アンテナ装置101の動作周波数に応じて、スリットS4の開口Aから異なる閉端までの異なる電流経路及び電流分布を形成する。
以上説明したように、本変形例のアンテナ素子102を備えたアンテナ装置101及び無線信号処理回路111によれば、複数の分岐を含むスリットS4を備えたことにより、低域側周波数及び高域側周波数のそれぞれにおいて、給電点104a,104b間の高いアイソレーションを確保するとともに、互いに低相関である2つの無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができる。
図28において、スリットS5は、図27のスリットS4の第1及び第2の分岐のうちの一方を除去した非対称な構成を有する。所定の第1の周波数(以下、低域側周波数という。)において送受信する電波の波長λ1及び所定の整数n1に対して、電流経路の電気長D41+D42は(1/4+(n1)/2)λ1にされる。このとき、給電点104aを介して励振することによって、スリットS5の開口Aの近傍(給電点104a側)に電流の節を形成し、閉端B42の近傍に電流の腹を形成する。第1の周波数よりも高い所定の第2の周波数(以下、高域側周波数という。)において送受信する電波の波長λ2及び所定の整数n2に対して、電流経路の電気長D41は(1/4+(n2)/2)λ2にされる。このとき、給電点104aを介して励振することによって、スリットS5の開口Aの近傍(給電点104a側)に電流の節を形成し、閉端B41の近傍に電流の腹を形成する。電流経路の電気長D43もまた、所定の周波数において給電点104bを介して励振することによって、スリットS5の開口Aの近傍(給電点104b側)に電流の節を形成し、閉端B43の近傍に電流の腹を形成するように決定される。このように、スリットS5は、アンテナ装置101の動作周波数に応じて、スリットS5の開口Aから異なる閉端までの異なる電流経路及び電流分布を形成する。本変形例のように非対称構成のスリットを用いることにより、対称構成のスリットを用いた場合よりも、各給電点を介して励振したときの電流分布を大きく相違させることができる。
以上説明したように、本変形例のアンテナ素子102を備えたアンテナ装置101及び無線信号処理回路111によれば、複数の分岐を含むスリットS5を備えたことにより、低域側周波数及び高域側周波数のそれぞれにおいて、給電点104a,104b間の高いアイソレーションを確保するとともに、互いに低相関である2つの無線信号を異なる放射特性で同時に送受信することができる。
図27及び図28のアンテナ素子102は、複数の周波数で動作させることに代えて、低域側周波数のみで動作させてもよい。この場合、図1の場合よりもスリットの開口から閉端までの電流経路の電気長が長くなるので、高いアイソレーションを確保できる周波数を低域側にシフトすることができ、アンテナ素子102の小型化をもたらすことができる。
以下、第2の実施形態のアンテナ装置101を銅板スリットアンテナ装置としてモデル化したときの実験結果について説明する。
図29は、本発明の実施例に係るアンテナ装置101の構成を示す斜視図である。アンテナ素子102及び接地導体103は、片面銅張基板を用いて作成された。アンテナ素子102は10×45mmのサイズを有し、接地導体103は45×90mmのサイズを有し、アンテナ素子102は、接地導体103から+X方向に5mmの位置において、接地導体103に対して平行に配置した。アンテナ素子102及び接地導体103は、+Z側の辺の両端から10mmの位置で、接続導体106,107によって互いに機械的かつ電気的に接続した。アンテナ素子102のY軸方向の中央において幅1mmを有して、−Z側の辺から+Z方向に9mmにわたって、Z軸方向に平行なスリットS1の第1の部分を形成し、その下端を開口とする一方、その上端において、Y軸方向に平行なスリットS1の第2の部分を+Y方向及び−Y方向に9.5mmずつ形成した。スリットS1の開口に、0.1pFの容量を有するリアクタンス素子121を実装した。給電点104a,104bは、Z軸方向の中央において、−Y側の辺から10mmの位置と、+Y側の辺から10mmの位置とにそれぞれ設けられた。
図30は、図29のアンテナ装置101の給電点104a,104b間の通過係数及び反射係数のパラメータS21,S11の周波数特性を示すグラフである。図31は、図29のアンテナ装置101の方位角に対する位相特性を示す図である。図30によれば、動作周波数が1700MHzのとき(1/4波長が4.4cmになるとき)に通過係数のパラメータS21は−13.7dBになり、高いアイソレーションを確保できていることがわかる。図31は、給電点104aを介して励振することにより生じる放射(実線)と、給電点104bを介して励振することにより生じる放射(破線)とについて、水平面(XY面)の方位角φに対する垂直偏波成分の位相特性を示す。図31によれば、方位角φ=90度及び270度において、これら2つの位相特性が反転していることがわかる。各給電点104a,104bを介して励振することにより生じる放射の、水平面(XY面)における複素垂直偏波成分の放射指向性から算出した相関係数は0.2になり、低い相関を実現することができた。
本発明のアンテナ装置及びそれを用いた無線通信装置は、例えば、携帯電話機として実装することができ、あるいは無線LAN用の装置として実装することもできる。このアンテナ装置は、例えばMIMO通信を行う無線通信装置に搭載することができるが、MIMOに限らず、複数のアプリケーションのための通信を同時に実行可能(マルチアプリケーション)な無線通信装置に搭載することも可能である。
101…アンテナ装置、
102…アンテナ素子、
103…接地導体、
104a,104b…給電点、
105a,105b…接続点、
106,107…接続導体、
111…無線信号処理回路、
112a,112b…インピーダンス整合回路、
113a,113b…スイッチ、
114…振幅及び位相制御回路、
115a,115b…振幅調整器、
116a,116b…移相器、
117…適応制御回路、
118…変復調回路、
119…コントローラ、
121…リアクタンス素子、
131…アイソレーション周波数調整回路、
132…可変リアクタンス素子、
133…スイッチ、、
134a,134b,134c,134d…リアクタンス素子、
141,142,143…フィルタ回路、
F1,F2…給電線
F1a,F1b,F2a,F2b…信号線、
C1,C2,C11,C12,C21,C22,C23,C31,C32,C33,C41,C51,C52,C61,C62,C71…キャパシタ、
L1,L2,L11,L21,L22,L23,L31,L32,L33,L41,L42,L51,L61,L71,L72…インダクタ、
S1,S2,S3,S4…スリット。

Claims (19)

  1. アンテナ素子上の所定の各位置にそれぞれ設けられた第1及び第2の給電点を備えたアンテナ装置において、
    上記アンテナ素子は、上記第1及び第2の給電点にそれぞれ対応した第1及び第2のアンテナ部として同時に動作するように、上記第1及び第2の給電点を介してそれぞれ同時に励振され、
    上記アンテナ素子は、上記第1及び第2の給電点を互いに分離するように所定の第1の方向に延在する第1の部分と、上記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の部分とを含むスリットを備え、
    上記スリットは、
    所定のアイソレーション周波数において共振して上記第1及び第2の給電点の間にアイソレーションを生成するとともに、
    上記スリットの周囲に所定の電流経路を形成し、
    上記第1の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布は、上記第2の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布とは異なり、これらの互いに異なる電流分布により互いに異なる放射特性をもたらすように構成され
    上記スリットの第1の部分は、その一端に開口を有し、その他端で上記スリットの第2の部分に連結され、
    上記スリットの第2の部分は少なくとも2つの閉端を有し、
    上記アンテナ装置の動作波長λ及び整数n1,n2に対して、上記スリットの周囲の電流経路は、
    上記スリットの開口の上記第1の給電点側から上記少なくとも2つの閉端のうちの第1の閉端までの電流経路の電気長が(1/4+(n1)/2)λであり、上記第1の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布が、上記第1の閉端において電流の腹を有し、
    上記スリットの開口の上記第2の給電点側から上記少なくとも2つの閉端のうちの第2の閉端までの電流経路の電気長が(1/4+(n2)/2)λであり、上記第2の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布が、上記第2の閉端において電流の腹を有するように形成されることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 上記第1の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布は、上記第2の給電点を介して上記アンテナ素子を励振することにより上記電流経路上に生成される電流分布に対して実質的に反転した電流分布を有することを特徴とする請求項記載のアンテナ装置。
  3. 上記スリットは、上記スリットの第1の部分を通る軸に対して対称であることを特徴とする請求項1又は2記載のアンテナ装置。
  4. 上記スリットはT字形状を有することを特徴とする請求項記載のアンテナ装置。
  5. 上記スリットはY字形状を有することを特徴とする請求項記載のアンテナ装置。
  6. 上記スリットは、上記スリットの第1の部分を通る軸に対して非対称であることを特徴とする請求項記載のアンテナ装置。
  7. 上記スリットは、上記アイソレーション周波数を調整する手段を備えたことを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  8. 上記アイソレーション周波数を調整する手段はリアクタンス素子であることを特徴とする請求項記載のアンテナ装置。
  9. 上記アイソレーション周波数を調整する手段は可変容量素子であることを特徴とする請求項記載のアンテナ装置。
  10. 上記アイソレーション周波数を調整する手段は、それぞれ異なるリアクタンス値を有する複数のリアクタンス素子と、上記複数のリアクタンス素子のいずれかを選択的に接続するスイッチとを備えたことを特徴とする請求項記載のアンテナ装置。
  11. 上記スリットは、上記スリットに沿って上記スリットの開口から所定距離の位置に設けられたフィルタ手段であって、第1の周波数では開放になり、上記第1の周波数とは異なる第2の周波数では短絡になるフィルタ手段を備え、
    上記フィルタ手段は、
    上記第1の周波数では、上記スリットの全体を共振させて上記第1及び第2の給電点の間にアイソレーションを生成するとともに、上記スリットの周囲に上記フィルタ手段により短絡されない電流経路を形成させ、
    上記第2の周波数では、上記スリットの開口から上記フィルタ手段までの部分のみを共振させて上記第1及び第2の給電点の間にアイソレーションを生成するとともに、上記スリットの周囲に上記フィルタ手段により短絡された電流経路を形成させることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  12. 上記フィルタ手段は、第1のインダクタ及び第1のキャパシタの直列共振回路と、第2のインダクタ及び第2のキャパシタの並列共振回路とを直列接続して構成されることを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  13. 上記フィルタ手段は、インダクタ及び第1のキャパシタの直列共振回路と、第2のキャパシタとを並列接続して構成されることを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  14. 上記フィルタ手段は帯域通過フィルタであることを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  15. 上記フィルタ手段は高域通過フィルタであることを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  16. 上記フィルタ手段は低域通過フィルタであることを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  17. 上記フィルタ手段はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造方法により形成されたフィルタであることを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  18. 上記アンテナ素子の共振周波数を上記アイソレーション周波数にシフトさせるインピーダンス整合手段を備えたことを特徴とする請求項1〜17のうちのいずれか1つに記載のアンテナ装置。
  19. 複数の無線信号を送受信する無線通信装置において、請求項1〜18のうちのいずれか1つに記載のアンテナ装置を備えたことを特徴とする無線通信装置。
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