JP5714248B2 - チューナブルアンテナ装置 - Google Patents
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Description
このような小型のアンテナにアンテナコイルを備えさせたアンテナ装置101の等価回路図を図41に示す。図41に示すアンテナ装置101は、小型のアンテナ110と、アンテナ110に直列に接続されたローディングコイル111とを備え、アンテナ110により受信された受信信号が出力端子OUTから出力されている。このアンテナ装置101のインピーダンスの周波数特性が図42に示すスミスチャートに示されている。図42に示すスミスチャートを参照すると、FMラジオの放送帯域のバンドエッジとされる76MHzおよび90MHzの近傍においては高いインピーダンスを示しているが、中心周波数の83MHzの近傍においては低いインピーダンスを示している。また、83MHzの近傍においてアンテナ装置101は共振するようになる。このように、アンテナ110単体では図40に示すようにFM放送の周波数帯に共振しないが、ローディングコイル111をアンテナ110と直列に接続することにより、FM放送の周波数帯域に共振させることができるようになる。
図43に示すチューナブルアンテナ装置102は、小型のアンテナ110と、アンテナ110に直列に接続された巻き数が変更されたローディングコイル111−1とを備え、ローディングコイル111−1と出力端子OUTとの間に同調回路112が接続されている。アンテナ110により受信された受信信号は同調回路112を介して出力端子OUTから出力される。同調回路112は、同調コイル112aと逆極性で直列接続された2本のバリキャップダイオードBD101,BD102からなり、カソード同士が接続されたバリキャップダイオードBD101,BD102の接続点に抵抗R100を介して正電圧Vtが印加されている。また、出力端子OUTとアース間に高周波(RF)信号を阻止して、出力端子OUTを直流的にアースするチョークコイルCH100が接続されている。このチョークコイルCH100により、バリキャップダイオードBD101,BD102のアノードが直流的にアースされることになる。
このように同調回路112を設けて、同調回路112に印加される正電圧Vtを調整することにより、FM放送の全帯域においてピーク利得を得ることができるようになり、FMラジオの放送帯域における利得の周波数特性をフラット化することができるようになる。
そこで、本発明は小型化・狭面積化されたアンテナでありながら利得を確保し、強電界下において歪が発生することのないチューナブルアンテナ装置を提供することを目的としている。
図1に示す第1実施例のチューナブルアンテナ装置1は、アンテナ単体ではFMラジオの放送帯域に共振しない小型のアンテナ10と、アンテナ10をFM放送の周波数に共振させるために直列に接続されたローディングコイル11と、ローディングコイル11と出力端子OUTとの間に接続されている同調回路12とを備えている。また、ローディングコイル11と同調回路12との接続点とアース間にAGC回路13が接続されている。チューナブルアンテナ装置1により受信された受信信号は出力端子OUTから出力される。同調回路12は、同調コイル12aと逆極性で直列接続された2本のバリキャップダイオードBD1,BD2からなり、カソード同士が接続されたバリキャップダイオードBD1,BD2の接続点に抵抗R1を介して正電圧Vtが印加されている。また、出力端子OUTとアース間に高周波(RF)信号を阻止して、出力端子OUTを直流的にアースするチョークコイルCH1が接続されている。このチョークコイルCH1により、バリキャップダイオードBD1,BD2のアノードが直流的にアースされることになる。これにより、正電圧Vtの値を変化させることによりバリキャップダイオードBD1,BD2の容量を可変することができる。
このように、第1実施例のチューナブルアンテナ装置1は、歪の発生を防止するようにAGC回路13を設けているが、AGC回路13を設けたためにFMラジオの放送帯域において利得が若干減少するようになる。ただし、FMラジオの放送帯域における利得の周波数特性はフラット化されている。
図6に示す第2実施例のチューナブルアンテナ装置2はAGC回路13’の構成が異なるだけであり、他の構成は同様とされているのでAGC回路13’についてだけ説明するものとする。第1実施例のチューナブルアンテナ装置1において、アンテナ10から同調回路12に供給される受信信号はAGC回路13の両端に生じた受信信号となる。この受信信号はAGC回路13のインピーダンスと、AGC回路13からアンテナ10側を見たインピーダンスとで分圧された受信信号となる。すなわち、AGC回路13のインピーダンスが低いと、その分だけ分圧された受信信号がロスすることになる。具体的には、第1実施例のチューナブルアンテナ装置1におけるAGC回路13においては、2本のピンダイオードPIN1,PIN2のオフ時のインピーダンスが約2.5kΩであった。上記のようにこのインピーダンスが低いと利得が減衰することから、第2実施例のチューナブルアンテナ装置2におけるAGC回路13’においては、オフ時に約5kΩの高インピーダンスを呈するピンダイオードを用いるように変更している。
このように、第2実施例のチューナブルアンテナ装置2は、AGC回路13’を設けることにより歪の発生を防止することができると共に、AGC回路13’によるFMラジオの放送帯域における利得の減少を抑制することができるようになる。また、FMラジオの放送帯域における利得の周波数特性はフラット化されている。
この利得の減衰の理由は、同調回路12に供給される受信信号はAGC回路13’の両端に生じた受信信号となり、この受信信号はAGC回路13’のインピーダンスと、AGC回路13’からアンテナ10側を見たインピーダンスとで分圧された受信信号となるからである。
このように、第3実施例のチューナブルアンテナ装置3は、AGC回路13’を設けることにより歪の発生を防止することができる。また、ローディングコイルをローディングコイル11−1,11−2の2つに分割して、2つのローディングコイル11−1,11−2の接続点とアース間にAGC回路13’を接続することにより、FMラジオの放送帯域における中域から高域にかけての利得を向上して、FMラジオの放送帯域における利得の周波数特性をよりフラット化することができる。
図25に示す第4実施例のチューナブルアンテナ装置4は、アンテナ10に接続されている第3ローディングコイル11−3と、第3ローディングコイル11−3に直列に接続された第4ローディングコイル11−4とを備えている。第3ローディングコイル11−3の巻き数は第1ローディングコイル11−1より少なくされインダクタンス値が下がっており、これを補償するように第4ローディングコイル11−4の巻き数は第2ローディングコイル11−2より多くされインダクタンス値が上がっている。これにより、アンテナ10と第3ローディングコイル11−3とによる共振周波数をFMラジオの放送帯域外とすることができ、また、第4ローディングコイル11−4の作用によりアンテナ10はFMラジオの放送帯域に共振するようになる。また、約5kΩのインピーダンスとされたAGC回路13’は第3ローディングコイル11−3と第4ローディングコイル11−4との接続点とアース間に接続されている。そして、第4ローディングコイル11−4と出力端子OUTとの間に同調回路12が接続されている。アンテナ10により受信された受信信号は同調回路12を介して出力端子OUTから出力される。
このように、第4実施例のチューナブルアンテナ装置4は、第3実施例のチューナブルアンテナ装置3より低域(76MHz近傍)における利得が約0.8dB減少している。この原因は第3ローディングコイル11−3のインダクタンス値を少なくした際に、図24にマーカ1で示されている76MHzにおけるインピーダンスが約200オームになって、AGC回路13’のインピーダンスの3%を超えて4%になるからと考えられる。なお、第4実施例のチューナブルアンテナ装置4は、AGC回路13’により歪の発生を防止することができる。また、2つに分割された第3ローディングコイル11−3と第4ローディングコイル11−4とのインダクタンス値を上記のように調整すると共に、2つのローディングコイル11−3,11−4の接続点とアース間にAGC回路13’を接続することにより、FMラジオの放送帯域における中域から高域にかけての利得が向上するようになり、FMラジオの放送帯域における利得の周波数特性をフラット化することができる。
図32に示す第5実施例のチューナブルアンテナ装置5は、第4実施例のチューナブルアンテナ装置4に整合回路を付加した構成とされている。すなわち、第5実施例のチューナブルアンテナ装置5は、アンテナ10に接続されている第3ローディングコイル11−3と、第3ローディングコイル11−3に直列に接続された第4ローディングコイル11−4とを備えている。これにより、アンテナ10と第3ローディングコイル11−3とによる共振周波数をFMラジオの放送帯域外とすることができ、また、第4ローディングコイル11−4の作用によりアンテナ10はFMラジオの放送帯域に共振するようになる。また、約5kΩのインピーダンスとされたAGC回路13’は第3ローディングコイル11−3と第4ローディングコイル11−4との接続点とアース間に接続されている。そして、第4ローディングコイル11−4と出力端子OUTとの間に同調回路12が接続されている。出力端子OUTとアースとの間には、整合コイルからなる整合回路14が接続され、チューナブルアンテナ装置5の受信信号は出力端子OUTから出力される。
図34は、正電圧Vtを調整してチューナブルアンテナ装置5の共振周波数を約83MHzにした際の第5実施例のチューナブルアンテナ装置5のインピーダンスの周波数特性である。図34に示すスミスチャートを参照すると、マーカ2で示すようにFMラジオの放送帯域の中心周波数とされる83MHzにほぼ共振し、ほぼインピーダンス整合されていることが分かる。この場合の電圧定在波比(VSWR)は約1.8となる。
図35は、正電圧Vtを調整してチューナブルアンテナ装置5の共振周波数を約90MHzにした際の第5実施例のチューナブルアンテナ装置5のインピーダンスの周波数特性である。図35に示すスミスチャートを参照すると、マーカ3で示すようにFMラジオの放送帯域の高いバンドエッジである90MHzにほぼ共振し、ほぼインピーダンス整合されていることが分かる。この場合の電圧定在波比(VSWR)は約2.3となる。
このように、第5実施例のチューナブルアンテナ装置5は、同調回路12および整合回路14を設けることにより、最大6.9dBの利得改善をすることができる。また、FMラジオの放送帯域内における利得偏差は、76MHzに同調させた際の利得と90MHzの利得との差である約2.5dBとなり、FMラジオの放送帯域における利得の周波数特性をよりフラット化することができる。なお、AGC回路13’を設けることにより歪の発生を防止することができる。また、ローディングコイルをインダクタンス値を調整したローディングコイル11−3,11−4の2つに分割して、2つのローディングコイル11−3,11−4の接続点とアース間にAGC回路13’を接続することにより、FMラジオの放送帯域における中域から高域にかけての利得が向上されている。さらに、整合回路14により出力端子OUTを直流的にアースすることができることから、チョークコイルCH1を省略することができる。
また、整合回路を第1実施例ないし第4実施例のチューナブルアンテナ装置に設けるようにしても良い。整合回路を設けた場合は、出力端子OUTを直流的にアースするチョークコイルCH1を省略することができる。なお、このチョークコイルCH1の値は、本発明にかかるチューナブルアンテナ装置の共振周波数に影響を与えない値とされている。
Claims (3)
- 単体では使用周波数帯域に共振しないアンテナと、
該アンテナに直列に接続されている第1ローディングコイルと第2ローディングコイルとの2つに分割されたローディングコイルと、
該ローディングコイルと出力端子との間に接続された同調を可変することのできる同調回路と、
前記第1ローディングコイルと前記第2ローディングコイルとの接続点と、アースとの間に設けられたAGC回路とを備え、
前記第1ローディングコイルおよび前記第2ローディングコイルが直列接続された前記アンテナを、前記同調回路の同調を可変することにより使用周波数帯域内の特定の周波数に共振させることができると共に、前記AGC回路から前記アンテナ側を見たインピーダンスが、前記AGC回路のインピーダンスに対して約4%以内とされていることを特徴とするチューナブルアンテナ装置。 - 前記第1ローディングコイルと前記アンテナとの共振周波数が、使用周波数帯域の帯域外に設定されていることを特徴とする請求項1記載のチューナブルアンテナ装置。
- 前記出力端子とアース間にコイルからなる整合回路が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のチューナブルアンテナ装置。
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