JP5714241B2 - α−グルコシダーゼとその製造方法並びに用途 - Google Patents

α−グルコシダーゼとその製造方法並びに用途 Download PDF

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Description

本発明は、α−グルコシダーゼとその製造方法、当該酵素をコードするDNAとこれを含んでなる組換えDNAと形質転換体、さらには当該酵素を用いたイソマルトースの製造方法に関するものである。
イソマルトース(6−O−α−D−グルコシル−D−グルコース)は、グルコース2分子がα−1,6グルコシド結合により結合した構造を有する還元性二糖であり、難結晶性で優れた保湿性を有する糖質である。イソマルトースは発酵食品などに微量含まれており、従来、グルコース、マルトース、パノースなどとの混合物の状態で各種食品、化粧品などに利用されている。
イソマルトースの製造方法としては、デキストランを酸で部分分解したものにイソマルトデキストラナーゼ(EC 3.2.1.94)を作用させる方法(特許文献1)が知られている。デキストランを原料とするこの方法は、イソマルトースの収率は高いものの、デキストランという特殊な多糖の入手が容易ではないためイソマルトースの工業的な製造方法として採用されるに至っていない。また、イソマルトースの別の製造方法として、マルトースに麹菌由来のα−グルコシダーゼ(別名「トランスグルコシダーゼ」)を作用させ、イソマルトースを含むイソマルトオリゴ糖を生成させる方法も知られている(特許文献2)。しかしながら、当該方法により得られるイソマルトオリゴ糖は、イソマルトースとともに未反応原料であるマルトース、加水分解産物であるグルコース、さらにはパノースやイソマルトトリオースなど副生する多くの糖質を含有する混合物であるため、イソマルトオリゴ糖におけるイソマルトースの含量は、通常、糖組成当たり5乃至20質量%に過ぎず、また、イソマルトオリゴ糖からのイソマルトースの単離も容易ではない。さらに、イソマルトオリゴ糖に前記のイソマルトデキストラナーゼを作用させたとしても、糖組成中のイソマルトースの含量は、通常、40質量%未満と低い。
近年、本願と同じ出願人は、澱粉部分分解物を原料に、新規酵素であるα−イソマルトシルグルコ糖質生成酵素と上記イソマルトデキストラナーゼとを同時に作用させることを特徴とするイソマルトースの効率的製造方法を確立し開示した(特許文献3)。この方法によれば、酵素反応のみによって澱粉部分分解物から糖組成当たりイソマルトースを50乃至70質量%含有する糖組成物が得られるため、イソマルトースの工業的な製造方法として有用である。しかしながら、さらに異なるイソマルトースの製造方法が確立できれば、イソマルトースの製造における選択肢が広がると期待される。
特開昭63−216493号公報 欧州特許公開 EP0875585 A1公報 国際公開番号WO 2002/088374号パンフレット
本発明は、イソマルトースの製造に有用なα−グルコシダーゼと、当該酵素を用いたイソマルトースの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、イソマルトース生成酵素産生能を有する微生物に着目し、鋭意スクリーニングを続けてきた。その結果、通性嫌気性菌であるラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus) JCM2772が、マルトースからイソマルトースを多量生成するα−グルコシダーゼを産生することを見出し、さらに当該α−グルコシダーゼが、意外にも、マルトースに作用してパノースやイソマルトトリオースを生成しないことを見出した。そして、このα−グルコシダーゼとその製造方法、当該酵素をコードするDNAとこれを含んでなる組換えDNA及び形質転換体を確立するとともに、該酵素を利用したイソマルトースの製造方法を確立して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、α−グルコシダーゼとその製造方法、当該酵素をコードするDNAとこれを含んでなる組換えDNA及び形質転換体、並びに該酵素を利用したイソマルトースの製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
本発明のα−グルコシダーゼは、とりわけ、マルトースによく作用し、多量のイソマルトースを生成するとともに、パノース、イソマルトトリオースなどの副生成物をほとんど生成しないことから、マルトースを原料として効率よくイソマルトースを製造することができる。また、本発明のα−グルコシダーゼをβ−アミラーゼや澱粉枝切り酵素などと併用することにより、澱粉を原料として効率よくイソマルトースを製造することができる。
本発明のα−グルコシダーゼにおけるイソマルトース生成活性の至適pHを示す図である。 本発明のα−グルコシダーゼにおけるイソマルトース生成活性の至適温度を示す図である。 本発明のα−グルコシダーゼにおけるイソマルトース生成活性のpH安定性を示す図である。 本発明のα−グルコシダーゼにおけるイソマルトース生成活性の温度安定性を示す図である。 組換え型α−グルコシダーゼ発現用の組換えDNAを示す図である。図中、白抜き矢印で示した部分は、ラクトバチルス・ラムノサス JCM2772由来のα−グルコシダーゼをコードするDNAである。
本発明のα−グルコシダーゼは、(1)マルトオリゴ糖に作用し、加水分解反応によりグルコースを生成する;(2)マルトースに作用し、グルコシル転移反応によりイソマルトースとともにマルトトリオースを生成する;及び(3)マルトースからパノース及びイソマルトトリオースを生成しない;という特徴を有している。本発明のα−グルコシダーゼは、上記特徴の内、特に(3)の点において、公知の麹菌由来のα−グルコシダーゼ(別名「トランスグルコシダーゼ」)と明瞭に区別することができる。
本発明のα−グルコシダーゼのイソマルトース生成活性は、マルトースを基質とした反応液中に生成したイソマルトースを定量することにより測定することができる。具体的には、0.1M酢酸緩衝液(pH6.0)中にマルトース(商品名「マルトースHHH」、マルトース純度99.9%以上、林原生物化学研究所販売)を終濃度2%(w/v)になるよう溶解したものを基質溶液とし、この基質溶液2mlと酵素液2mlを混合して35℃で2時間反応を行ない、その後沸騰水浴中で10分間保持することにより酵素を失活させ反応を停止する。次いで、反応液を脱塩した後、以下に示す条件にて高速液体クロマトグラフィー(以下、本明細書では「HPLC」と略記する)及びガス−リキッドクロマトグラフィー(以下、本明細書では「GLC」と略記する)をそれぞれ行い、反応液中のイソマルトースを定量する。
<HPLC分析条件>
カラム:Shodex Sugar KS−801(昭和電工)
カラム温度:60℃
溶離液:水
流 速:0.5ml/分
検 出:示差屈折計
<GLC分析条件>
試 料:反応物を常法によりトリメチルシリル化(TMS化)したもの
カラム:2%Silicon OV−17 Chromosorb W/AW−DMCS 80〜100メッシュ (内径3mm×長さ2m)
昇温プログラム:160℃(2分維持) → 320℃(7.5℃/分で昇温)
検 出:水素炎イオン化検出器(FID)
上記HPLC分析において二糖の分離が不十分な場合、GLC分析により求めたイソマルトースと他の二糖と割合に基づきHPLCで求めた二糖の含量を比例配分して反応液中のイソマルトースを定量する。なお、イソマルトース生成活性1単位は、上記反応条件下において、マルトースから1分間に1μmolのイソマルトースを生成する酵素量と定義する。
本発明のα−グルコシダーゼは、ラクトバチルス・ラムノサスを培養し、菌体内に産生されたα−グルコシダーゼを採取することにより調製することができる。ラクトバチルス・ラムノサスとしては、ラクトバチルス・ラムノサス JCM2772や、当該菌株を常法により突然変異処理して得られる酵素高生産性変異株などが有利に利用できる。
本発明のα−グルコシダーゼは、下記の理化学的性質を有している。
(1)分子量
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、62,000±5,000ダルトン;
(2)至適pH
35℃、2時間反応の条件下で、pH6.5乃至7.0;
(3)至適温度
pH6.0、2時間反応の条件下で40℃;
(4)pH安定性
6℃、24時間保持の条件下で、pH4.5乃至10の範囲で安定;
(5)温度安定性
pH6.0、2時間保持の条件下、Ca2+イオン非存在下において40℃以下で安定;
1mM Ca2+イオン存在下において45℃以下で安定;
また、上記理化学的性質を有する本発明のα−グルコシダーゼは、上記理化学的性質のみならず、そのN末端アミノ酸配列として、配列表における配列番号1で示されるアミノ酸配列を有している場合がある。
本発明のα−グルコシダーゼは、通常、特定のアミノ酸配列を有しており、その一例としては、例えば、配列表における配列番号10で示されるアミノ酸配列又はそれに相同的なアミノ酸配列が挙げられる。配列表における配列番号10で示されるアミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を有する変異体酵素としては、マルトースから多量のイソマルトースを生成するという酵素活性を保持する範囲で、配列番号10で示されるアミノ酸配列において1個又は2個以上のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加したアミノ酸配列を有するものが挙げられ、配列表における配列番号10で示されるアミノ酸配列に対し、通常、60%以上、望ましくは、70%以上、さらに望ましくは、80%以上、よりさらに望ましくは、90%以上の相同性を有するものが好適である。
本発明のDNAとは、上記α−グルコシダーゼをコードするもの全般を意味する。本発明のDNAは、上記α−グルコシダーゼをコードするものである限り、それが天然由来のものであっても、人為的に合成されたものであってもよい。天然の給源としては、例えば、ラクトバチルス・ラムノサス JCM2772を含むラクトバチルス属の微生物が挙げられ、これらの菌体から本発明のDNAを含む遺伝子DNAを得ることができる。すなわち、斯かる微生物を栄養培地に接種し、好気的条件下で約1乃至3日間培養後、培養物から菌体を採取し、リゾチームやβ−グルカナーゼなどの細胞壁溶解酵素や超音波で処理することにより当該DNAを含む遺伝子DNAを菌体外に溶出させる。このとき、プロテアーゼなどの蛋白質分解酵素を併用したり、SDSなどの界面活性剤を共存させたり凍結融解してもよい。斯くして得られる処理物に、例えば、フェノール抽出、アルコール沈殿、遠心分離、リボヌクレアーゼ処理などの常法を適用すれば目的の遺伝子DNAが得られる。本発明のDNAを人為的に合成するには、例えば、配列表における配列番号10で示されるアミノ酸配列に基づいて化学合成すればよい。また、当該DNAを含む遺伝子DNAを鋳型として、適当なプライマーとなる化学合成DNAを用いてPCR合成することも有利に実施できる。
本発明のDNAは、通常、特定の塩基配列を有しており、その一例としては、例えば、配列表における配列番号9で示される塩基配列又はそれに相同的な塩基配列が挙げられる。配列表における配列番号9で示される塩基配列に相同的な塩基配列を有する変異体DNAとしては、コードする酵素の活性を保持する範囲で、配列番号9で示される塩基配列において1個又は2個以上の塩基が欠失、置換若しくは付加した塩基配列を有するものが挙げられ、配列表における配列番号9で示される塩基配列に対し、通常、60%以上、望ましくは、70%以上、さらに望ましくは、80%以上、よりさらに望ましくは、90%以上の相同性を有するものが好適である。また、遺伝子コードの縮重に基づき、そのコードする酵素のアミノ酸配列を変えることなく塩基の1個又は2個以上を他の塩基に置換したものも当然、本発明のDNAに包含される。
本発明のDNAを、自律複製可能な適宜ベクターに挿入して組換えDNAとすることも有利に実施できる。組換えDNAは、通常、DNAと自律複製可能なベクターとからなり、DNAが入手できれば、常法の組換えDNA技術により比較的容易に調製することができる。斯かるベクターの例としては、pBR322、pUC18、pBluescript II SK(+)、pUB110、pTZ4、pC194、pHV14、TRp7、YEp7、pBS7などのプラスミドベクターやλgt・λC、λgt・λB、ρ11、φ1、φ105などのファージベクターが挙げられる。この内、本発明のDNAを大腸菌で発現させるには、pBR322、pUC18、pBluescript II SK(+)、λgt・λC及びλgt・λBが好適であり、一方、枯草菌で発現させるには、pUB110、pTZ4、pC194、ρ11、φ1及びφ105が好適である。pHV14、TRp7、YEp7及びpBS7は、組換えDNAを二種以上の宿主内で複製させる場合に有用である。DNAを斯かるベクターに挿入するには、斯界において通常一般の方法が採用される。具体的には、まず、DNAを含む遺伝子DNAと自律複製可能なベクターとを制限酵素及び/又は超音波により切断し、次に、生成したDNA断片とベクター断片とを連結する。遺伝子DNA及びベクターの切断にヌクレオチドに特異的に作用する制限酵素、とりわけII型の制限酵素、詳細には、Sau 3AI、Eco RI、Hin dIII、Bam HI、Sal I、Xba I、Sac I、Pst Iなどを使用すれば、DNA断片とベクター断片とを連結するのが容易である。必要に応じて、両者をアニーリングした後、生体内又は生体外でDNAリガーゼを作用させればよい。斯くして得られる組換えDNAは、適宜の宿主細胞に導入して形質転換体とし、これを培養することにより無限に複製可能である。
このようにして得られる組換えDNAは、大腸菌、枯草菌、放線菌、酵母をはじめとする適宜の宿主微生物に導入することができる。形質転換体を取得するには、コロニーハイブリダイゼーション法を適用するか、栄養培地で培養し、目的とするα−グルコシダーゼを生成するものを選択すればよい。
本発明のα−グルコシダーゼ産生能を有するラクトバチルス属に属する微生物若しくは形質転換体の培養方法は、常法に従い、炭素源、窒素源、無機塩、ビタミンなどを含有する栄養培地に1乃至5日間程度培養、望ましくは、液体培地に通気撹拌などにより好気的条件下で培養し、得られる菌体又は培養液上清などの培養物からα−グルコシダーゼを採取すればよい。通常、培養物を粗α−グルコシダーゼとして利用することができる。必要ならば、培養物を濾過、遠心分離、塩析、透析、濃縮、凍結乾燥など公知の方法で部分精製して採取し、利用することができる。さらに高度の精製を必要とする場合には、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、電気泳動、更には、モノクローナル抗体への吸着、溶出などを組合せて純度を高めて利用することも随意である。また、本発明のα−グルコシダーゼ又はα−グルコシダーゼを発現したラクトバチルス属微生物菌体を公知の方法により固定化し、固定化酵素又は固定化菌体として、反応に繰り返し利用することも、連続反応に利用することも有利に実施できる。
α−グルコシダーゼが組換え型酵素である場合には、宿主の種類によっては菌体内に酵素が蓄積することがある。このような場合には、菌体又は培養物をそのまま使用することも可能であるものの、通常は使用に先立ち、必要に応じて、浸透圧ショックや界面活性剤により菌体から抽出した後、又は、超音波や細胞壁溶解酵素により菌体を破砕した後、濾過、遠心分離などにより組換え型酵素を菌体又は菌体破砕物から分離して用いることも有利に実施できる。
イソマルトースの生成反応は、通常、次の条件で行なわれる。マルトース又はマルトース含有糖質を基質とし、基質濃度は1乃至60%(w/v)、望ましくは、10乃至40%(w/v)、反応温度は10乃至50℃、望ましくは、30乃至40℃、反応pHは5乃至10、望ましくは、6.0乃至7.0、用いる酵素の量はイソマルトース生成活性として基質1グラム当り1単位以上、望ましくは、2乃至5単位の範囲から選ばれる。反応時間は適宜選択できるが、経済性との関係で、バッチ反応の場合には、通常、5乃至70時間の範囲が選ばれる。
上記の酵素反応により得られる反応液は、未反応原料のマルトースと加水分解により生成したグルコース及びグルコシル転移により新たに生成したイソマルトースやマルトトリオースを含有しており、これをイソマルトース含有糖質として、そのまま甘味料、保湿剤、結晶析出防止剤、照り付与剤などとして利用することも有利に実施できる。通常、反応液は、常法に従い、活性炭を用いて脱色し、H型及びOH型イオン変換樹脂を用いて脱塩、濃縮してシラップ状製品とする。
必要ならば、更に、この濃縮液を、例えば、アルカリ金属型又はアルカリ土類金属型強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにより、新たに生成したイソマルトースを分離精製し、得られるイソマルトース高含有画分を濃縮し、シラップ状製品を得ることも有利に実施できる。
このようにして得られたイソマルトースは、比較的低甘味の甘味料として好適であり、飲食物、飼料、餌料、歯みがき、口中香錠、舌下錠、内服薬など経口摂取物の甘味付け、嗜好性向上などに有利に利用できる。また、発酵用炭素源、試薬、化学品・医薬品の原料、中間体などとしても有利に利用できる。
また、本発明のα−グルコシダーゼをマルトース又はマルトース含有糖質に作用させて得られるイソマルトース含有糖質を、常法により水素添加することによってイソマルチトールを製造することもできる。
以下、実験により本発明を詳細に説明する。なお、以下の実験におけるα−グルコシダーゼ活性は、前述した活性測定法により測定したマルトースからイソマルトースを生成するイソマルトース生成活性として表記した。
<実験1:ラクトバチルス・ラムノサス JCM2772の培養>
マルトース(商品名「サンマルト シロ」、株式会社林原商事販売)1%(w/v)、酵母エキス(商品名「酵母エキスS」、日本製薬株式会社販売)0.1%(w/v)、ポリペプトン(商品名「ポリペプトン」、日本製薬株式会社販売)0.5%(w/v)、リン酸水素二カリウム0.1%(w/v)、リン酸二水素ナトリウム0.06%(w/v)、硫酸マグネシウム0.05%(w/v)、硫酸第一鉄0.001%(w/v)、硫酸マンガン0.001%(w/v)、炭酸カルシウム0.3%(w/v)及び脱イオン水からなる液体培地(pH6.5)を500ml−容三角フラスコに300ml入れたものを16本調製し、121℃、20分間滅菌した後、予め同培地で培養したラクトバチルス・ラムノサス JCM2772の種培養液1.5%(v/v)を無菌的に添加し、240rpmで撹拌しながら27℃で65時間培養した。
<実験2:α−グルコシダーゼの精製>
実験1で得た培養液約4.8Lを遠心分離して菌体約40gを集め、一旦、−30℃で凍結した。この凍結菌体に1mM塩化カルシウムを含む50mM酢酸緩衝液(pH6.0)560mlを添加して解凍した後、氷冷しつつ、超音波ホモジナイザー(モデルUH−600、株式会社エスエムテー製)を用いて破砕した。得られた菌体破砕懸濁液を遠心分離し、上清を回収して菌体破砕抽出液とした。次いで、菌体破砕抽出液に80%飽和になるよう硫安を添加溶解し、一晩放置して塩析し、生じた沈澱を遠心分離にて回収し、10mMのトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に対して透析した。透析液中の不溶物を遠心分離にて除去した後、予め同緩衝液で平衡化したTSK−GEL DEAE−5PWカラム(株式会社東ソー製)を用いた陰イオン交換クロマトグラフィー(ゲル容量55ml)に供したところ、α−グルコシダーゼは陰イオン交換体に吸着しなかったものの、大半の非吸着蛋白質とは遅れて溶出した。非吸着画分からα−グルコシダーゼ活性画分を回収し、20mM酢酸緩衝液(pH6.0)に透析し、Resource Sカラム(アマシャム・ファルマシア・バイオテック株式会社製)を用いた陽イオン交換カラムクロマトグラフィー(ゲル容量6ml)に供した。α−グルコシダーゼは陽イオン交換体に吸着し、食塩濃度0Mから0.5Mのリニアグラジエントで溶出させたところ、食塩濃度約0.05Mで溶出した。得られたα−グルコシダーゼ活性画分を濃縮し、α−グルコシダーゼ精製標品とした。精製工程を表1にまとめた。
表1の結果から明らかなように、この精製工程によって、α−グルコシダーゼの比活性は約480倍に上昇した。精製により得たα−グルコシダーゼ標品の純度を5乃至20%(w/v)濃度勾配ポリアクリルアミドゲルを用いたゲル電気泳動法により検定したところ、蛋白バンドはほぼ単一であり、純度の高い標品であった。
<実験3:α−グルコシダーゼの性質>
<実験3−1:分子量>
実験2の方法で得たα−グルコシダーゼ精製標品をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(5乃至20%(w/v)濃度勾配)に供し、同時に泳動した分子量マーカー(日本バイオ・ラッド・ラボラトリーズ株式会社製)の移動度と比較することにより分子量を測定したところ、当該α−グルコシダーゼの分子量は62,000±5,000ダルトンであることが判明した。
<実験3−2:至適pH及び至適温度>
実験2の方法で得たα−グルコシダーゼ精製標品を用い、α−グルコシダーゼのイソマルトース生成活性に及ぼすpH及び温度の影響を活性測定法に準じてそれぞれ調べた。これらの結果を図1(至適pH)及び図2(至適温度)に示す。本発明のα−グルコシダーゼのイソマルトース生成活性の至適pHは、35℃、2時間反応の条件下でpH6.5乃至7.0であった。また、至適温度はpH6.0、2時間反応の条件下で40℃であることが判明した。
<実験3−3:pH安定性及び温度安定性>
実験2の方法で得たα−グルコシダーゼ精製標品を用い、α−グルコシダーゼのイソマルトース生成活性のpH安定性及び温度安定性を調べた。pH安定性は、酵素を各pHの緩衝液中で6℃、24時間保持した後、pHを6.0に調整し、残存するイソマルトース生成活性を測定することにより求めた。温度安定性は、1mM塩化カルシウム添加又は無添加の20mM酢酸緩衝液(pH6.0)を用い、酵素溶液を各温度に2時間保持し、水冷した後、残存するイソマルトース生成活性を測定することにより求めた。これらの結果を図3(pH安定性)及び図4(温度安定性)に示す。図3から明らかなように、本発明のα−グルコシダーゼのイソマルトース生成活性はpH4.5乃至10の範囲で安定であることが判明した。また、図4から明らかなように、本発明のα−グルコシダーゼのイソマルトース生成活性は、Ca2+イオン非存在下(図4における符号●)では40℃以下で安定であり、1mM Ca2+イオン存在下(図4における符号○)では45℃以下で安定であることが判明した。
<実験3−4:酵素活性に及ぼす金属イオンの影響>
実験2の方法で得たα−グルコシダーゼ精製標品を用い、本発明のα−グルコシダーゼのイソマルトース生成活性に及ぼす金属イオンの影響を、濃度1mMの各種金属塩存在下で活性測定することにより調べた。結果を表2に示す。
本発明のα−グルコシダーゼのイソマルトース生成活性は、調査した15種の金属イオンの内、Fe3+及びHg2+イオンによって著しく阻害され、Sn2+、Al3+及びCu2+イオンでは30乃至40%阻害された。また、EDTAによっては阻害されなかった。
<実験3−5:N末端アミノ酸配列>
実験2の方法で得たα−グルコシダーゼ精製標品を用い、常法により本酵素のN末端アミノ酸配列を、プロテインシーケンサー(モデル「Procise492HT」、アプライドバイオシステムズ社製)にて15残基分析したところ、配列表における配列番号1で示されるアミノ酸配列、すなわち、スレオニン−アスパラギン−スレオニン−アルギニン−トリプトファン−トリプトファン−リジン−グリシン−グルタミン酸−イソロイシン−バリン−チロシン−グルタミン−バリン−チロシン を有していることが判明した。
<実験3−6:内部部分アミノ酸配列>
実験2の方法で得たα−グルコシダーゼ精製標品を適量とり、10mMトリス塩酸緩衝液(pH9.0)に対して4℃で18時間透析した後、同緩衝液を加えて蛋白濃度約0.1mg/mlとした。この溶液を約100μlとり、リジルエンドペプチダーゼ(和光純薬株式会社販売)2μgを加えて、30℃、18時間保持することにより酵素蛋白を加水分解した。加水分解物を予め0.065%(v/v)トリフルオロ酢酸で平衡化させておいたHPLC用カラム(商品名『マイクロRPC C2/C18 SC2.1/10』、直径2.1mm×長さ100mm、GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に注入し、流速0.1ml/分、室温の条件下、0.065%(v/v)トリフルオロ酢酸から0.055%(v/v)トリフルオロ酢酸−80%(v/v)アセトニトリル溶液までの160分間のアセトニトリル濃度のリニアグラジエントで通液し、ペプチド断片を溶出させ分画した。ペプチド断片の溶出は波長214nmの吸光度を測定することにより検出した。保持時間約32分、約45分及び約60分に溶出した3種のペプチド断片P1、P2及びP3を分取し、それぞれのアミノ酸配列を実験3−5と同じ方法で分析したところ、それぞれ配列表における配列番号2、3及び4で示されるアミノ酸配列を有していた。
<実験4:α−グルコシダーゼをコードするDNAのクローニング及びこれを含む組換えDNAと形質転換体の調製>
本発明のα−グルコシダーゼをコードするDNAをラクトバチルス・ラムノサス JCM2772からクローニングし、自律複製可能な組換えDNAの作製、α−グルコシダーゼをコードするDNAの塩基配列の決定、及び、形質転換体の調製を行った。
<実験4−1:ゲノムDNAの調製>
実験1と同じ方法でラクトバチルス・ラムノサス JCM2772を培養し、培養液約4mlを遠心分離して、培養菌体約2mgを得た。回収した菌体から『ディーエヌイージー・ティシュー・キット』(キアゲン社製)を用い、キットに添付された説明書記載の方法に従ってゲノムDNAを調製し、20μgを得た。調製したゲノムDNAの濃度は50μg/mlとした。
<実験4−2:α−グルコシダーゼをコードするDNAのクローニング及び塩基配列の決定>
α−グルコシダーゼのN末端アミノ酸配列(配列表における配列番号1で示されるアミノ酸配列)の第5乃至第11番目のアミノ酸配列に基づき、センスプライマーとして配列表における配列番号5で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを合成し、同酵素の内部部分アミノ酸配列である配列表における配列番号4で示されるアミノ酸配列の第11乃至第16番目のアミノ酸配列に基づき、アンチセンスプライマーとして配列表における配列番号6で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。これらのプライマーを用い、実験4−1で得たゲノムDNAを鋳型とし、KOD−プラス−DNAポリメラーゼ(東洋紡製)をPCR酵素とし、PCR装置(商品名「GeneAmpPCRSystem 9700」、PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて常法によりPCR増幅を行ったところ、約1,200bpのDNA断片が増幅された。このDNA断片をクローニングベクターpCR−Script Cam SK+(ストラタジーン社製)の制限酵素Srf Iサイトにクローニングし、得られた組換えDNAを用い大腸菌XL10−Gold Kanを形質転換した。形質転換体からプラスミドを調製して調べたところ、目的とする約1,200bpのDNA断片を有していた。その組換えDNAを「pCRRM1」と命名した。
組換えDNA、pCRRM1が有する約1,200bpのDNA断片の塩基配列を、通常のジデオキシ法により解読したところ、解読した1,187bpの塩基配列がコードするアミノ酸配列中に、α−グルコシダーゼの内部部分アミノ酸配列(配列表における配列番号3で示されるアミノ酸配列)が含まれていた。この結果から、得られたDNA断片は目的とするα−グルコシダーゼをコードするDNAの一部と推察された。
上記のα−グルコシダーゼをコードするDNAの一部と推察されたDNA断片が制限酵素Eco RIにて切断されないことを予め確認した後、実験4−1で得たゲノムDNAを制限酵素Eco RIにて消化し、消化物をセルフライゲーションさせて環状化ゲノムを得た。α−グルコシダーゼをコードするDNAの一部と推定されるDNA断片の塩基配列に基づき、配列表における配列番号7及び8で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをそれぞれセンスプライマー及びアンチセンスプライマーとして合成し、上記環状化ゲノムを鋳型としてPCRを行ったところ、約6,000bpの増幅DNA断片が得られた。
得られた約6,000bpのDNA断片の塩基配列を、直接、常法のジデオキシ法により解読したところ、メチオニンで始まり、α−グルコシダーゼのN末端アミノ酸配列(配列表における配列番号1で示されるアミノ酸配列)と3種の内部部分アミノ酸配列(配列表における配列番号2乃至4で示されるアミノ酸配列)を全て含むアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレームが認められ、本DNA断片中に目的遺伝子全長が存在していることが判明した。この知見に基づきα−グルコシダーゼをコードするDNAの塩基配列及びこれにコードされる当該酵素のアミノ酸配列を決定した。その結果、ラクトバチルス・ラムノサス JCM2772由来α−グルコシダーゼをコードするDNAは、配列表における配列番号9で示される鎖長1,677bpの塩基配列を有しており、当該塩基配列に併記した559残基からなるアミノ酸配列をコードしていることが判明した。実験3−5で判明したα−グルコシダーゼのN末端アミノ酸配列(配列表における配列番号1で示されるアミノ酸配列)及び実験3−6で判明した3種の内部部分アミノ酸配列(配列表における配列番号2乃至4で示されるアミノ酸配列)は、そのいずれもが配列表における配列番号9で示される塩基配列に併記したアミノ酸配列中に認められ、それぞれ当該アミノ酸配列における第2乃至第16番目、第230乃至第238番目、第1126乃至第130番目、及び、第386乃至第403番目のアミノ酸配列と完全に一致していた。この結果から、本発明のα−グルコシダーゼは、配列表における配列番号9で示される塩基配列に併記したアミノ酸配列においてN末端のメチオニンが1つ欠けたアミノ酸配列、すなわち、配列表における配列番号10で示される558アミノ酸残基からなるアミノ酸配列を有していることが分かった。なお、配列表における配列番号10で示されるアミノ酸配列から算出される分子量は63,528であり、この値は実験3−1で求めたラクトバチルス・ラムノサス JCM2772由来α−グルコシダーゼの分子量、62,000±5,000ダルトンとよく一致するものであった。
<実験4−3:組換え型α−グルコシダーゼ発現用ベクターの構築と形質転換体の調製>
ラクトバチルス・ラムノサス JCM2772由来α−グルコシダーゼのN末端アミノ酸配列(配列表における配列番号1で示されるアミノ酸配列)における第1乃至第6番目のアミノ酸配列に基づき、また、遺伝子の5´末端側に制限酵素Nde I認識部位を作製すべく、センスプライマーとして配列表における配列番号11で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。また、配列表における配列番号10で示されるアミノ酸配列における第551乃至第558番目のアミノ酸配列に基づき、また、遺伝子の3´末端側にヒスチジン残基(His)6残基からなるヒスチジンタグ(His−tag)と制限酵素Eco RI認識部位を作製すべく、アンチセンスプライマーとして配列表における配列番号12で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを合成した。これらのプライマーを用い、実験4−1で得たゲノムDNAを鋳型とし、KOD−プラス−DNAポリメラーゼ(東洋紡製)をPCR酵素とし、PCR装置(商品名「GeneAmpPCRSystem 9700」、PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて常法によりPCR増幅を行った。増幅されたDNAをポリエチレングリコール沈澱により精製し、クローニングベクターpCR−Script Cam SK(+)(ストラタジーン社製)の制限酵素Srf I認識部位に挿入し、得られた組換えDNAを用いて大腸菌XL10−Gold Kanを形質転換した。得られた形質転換体より市販のキット(商品名「QIAquick gel extraction kit」キアゲン社製)を用いて組換えDNAを調製し、この組換えDNAを制限酵素Nde I及びEco RIで消化した。前記市販のキットを用いてNde I−Eco RI断片を調製し、同じ制限酵素の組み合わせで予め消化しておいた発現ベクター(商品名「pRSET A」、インビトロジェン社製)に市販のキット(商品名「Ligation High」、東洋紡製)を用いて挿入した。得られた反応物を用いて大腸菌XL10−Gold Kanを形質転換した。形質転換体からプラスミドを調製して調べ、目的とする約1,700bpのDNA断片を有するものを選択した。選択した形質転換体が有する組換えDNAを「pRS−RMHT」と命名した。組換えDNA、pRS−RMHTを用いて発現用宿主大腸菌BL21(DE3)(ノバジェン社製)を形質転換し、形質転換体『RS−RMHT』を調製した。
<実験4−4:形質転換体における組換え型α−グルコシダーゼの発現と部分精製>
実験4−3で得た形質転換体RS−RMHTを、TB培地(トリプトン 1.2%、酵母エキス 2.4%、グリセリン 0.4%、リン酸2水素1カリウム 17mM、リン酸水素2カリウム 72mM、pH6.8、アンピシリン 100μg/ml含有)を100mlずつ入れた500ml容三角フラスコ2本に植菌し、27℃で18時間培養した。得られた培養物を、常法に従い、遠心分離して菌体を回収した。次いで、菌体を、0.3M食塩を含有する50mMリン酸緩衝液(pH7.9)に懸濁し、リゾチームを0.75mg加えて−80℃で凍結させ、25℃で融解した後、25℃で1時間振トウした。超音波破砕法により細胞からの全抽出物を調製した。超音波破砕法は、菌体を20mM酢酸緩衝液(pH6.5)に懸濁した後、その菌体懸濁液を氷水中で冷却しながら超音波ホモジナイザー(モデルUH−600、株式会社エスエムテー製)で細胞破砕することによって行い、その破砕物の遠心分離上清を全細胞抽出物とした。全細胞抽出液の総α−グルコシダーゼ活性(イソマルトース生成活性)は約3,610単位であった。
形質転換体RS−RMHTにおいて発現させた組換え型α−グルコシダーゼにはHis−tagが付加されていることから、全細胞抽出液を商品名「TALON resin(Co2+)」(クロンテック社製)を用いたアフィニティークロマトグラフィーに供し、常法に従い溶出し、組換え型α−グルコシダーゼの部分精製を行った。組換え型酵素の精製結果を表3に示す。
表3に示すように、アフィニティークロマトグラフィーにより組換え型α−グルコシダーゼの部分精製標品が116mg得られた。当該部分精製標品の比活性は14単位/mg−蛋白、全細胞抽出液からの活性収率は45%であった。
さらに組換え型α−グルコシダーゼの部分精製酵素標品の酵素的性質を実験3に示した方法に準じて調べた。その結果、組換え型α−グルコシダーゼのイソマルトース生成活性の至適pHは35℃、2時間反応の条件下でpH6.5乃至7.0、至適温度はpH6.0、2時間反応の条件下で40℃、pH安定性は、各pHに6℃で24時間保持する条件下で約4.5乃至10.0の範囲で安定、温度安定性は、各温度にpH6.0で2時間保持する条件下で、Ca2+イオン非存在下において40℃まで安定、1mM Ca2+イオン存在下において45℃まで安定であった。これらの理化学的性質は、実験2で調製したα−グルコシダーゼのそれと実質的に同一であった。以上の結果は、本発明のα−グルコシダーゼが、組換えDNA技術によっても良好に製造できることを示している。
<実験5:α−グルコシダーゼの基質特異性>
実験2の方法で得たα−グルコシダーゼの精製標品を各種糖質に作用させ、基質特異性を調べた。
<実験5−1:α−グルコシダーゼの各種糖質への作用>
下記の表5に示す30種の糖質を用いてα−グルコシダーゼの基質特異性を調べた。各糖質を基質として終濃度2%となるように20mM酢酸緩衝液(pH6.0)に溶解し、基質固形物1グラム当たりα−グルコシダーゼを2.5単位ずつ加え、35℃で16時間反応させた。100℃で10分間保持して反応を停止させた後、それぞれの基質から生成した反応物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(以下、「TLC」と略称する)に供し、それぞれの糖質に対する酵素作用の有無及び生成する糖質を確認した。TLCにおいて、用いた基質以外の反応生成物のスポットが認められるものを「作用する」(+)、反応生成物が認められないものを「作用しない」(−)と判定した。結果を表4に示す。
<TLC分析条件>
TLCプレート:シリカゲルアルミニウムプレート(商品名『シリカゲル
60F254』、10×20cm、メルク社製)
展開溶媒:n−ブタノール、ピリジン、水混液(容量比6:4:1)
展開方法:上昇法、2回展開
検出方法:硫酸−メタノール法
表4の結果から明らかなように、本酵素は、試験した糖質のうち、PNP−α−グルコシド、スクロース、マルトース、イソマルトース、ネオトレハロース、コージビオース、ニゲロース及びグルコース重合度3以上のマルトオリゴ糖、さらにマルチトール、マルトトリイトール、短鎖アミロースに作用し、グルコースを生成した。また、マルトース及びグルコース重合度3以上のマルトオリゴ糖からはイソマルトースの生成が認められた。一方、PNP−β−グルコシド、トレハロース、ラクトース、セロビオースなどのα−グルコシド結合を有さない基質への作用は認められなかった。α−グルコシド結合を有する基質であっても、イソマルトトリオース、パノース、サイクロデキストリンへの作用は認められなかった。また、可溶性澱粉、グリコーゲン、プルラン、デキストランなどの多糖への作用は認められなかった。
<実験5−2:α−グルコシダーゼのマルトオリゴ糖への作用>
実験5−1の結果を踏まえ、当該酵素のマルトオリゴ糖及びイソマルトオリゴ糖への作用をより詳細に検討した。純度95%以上の試薬級のマルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、イソマルトース、イソマルトトリオース、パノース又はイソパノース(いずれも株式会社林原生物化学研究所販売)をそれぞれ終濃度1%(w/v)になるように20mM酢酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものを基質溶液とし、実験2の方法で得たα−グルコシダーゼ精製標品をイソマルトース生成活性として基質固形物1グラム当たり4.5単位ずつ加え、35℃で4時間反応させた。100℃で10分間保持して反応を停止させた後、それぞれの基質から生成した反応物の糖組成をHPLCとGLCを併用して測定した。HPLCの分析条件を以下に示す。また、結果を表5に示す。
<HPLC分析条件>
カラム:MCIGEL CK04SS(Ag型)(三菱化学株式会社製)
内径10mm×長さ200mmのカラムを2本連結して使用した。
カラム温度:80℃
溶離液:水
流 速:0.4ml/分
検 出:示差屈折計
表5の結果から明らかなように、本発明のα−グルコシダーゼはマルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース及びマルトペンタオースのいずれをも加水分解し、主としてグルコースとグルコース重合度が1減少したオリゴ糖及びイソマルトースを生成することが判明した。また、イソマルトース及びイソパノースも僅かに加水分解した。一方、イソマルトトリオース及びパノースには全く作用しなかった(反応前後で糖組成に変化なし)。また、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオースと、基質のグルコース重合度が大きくなるにつれて、反応後に残存する基質の量が多くなり、本酵素の作用性が低下してゆくことが判明した。本酵素は、とりわけマルトースによく作用しグルコース以外に主としてイソマルトースを、また、僅かにマルトトリオースを生成した。
<実験6:α−グルコシダーゼによるマルトースからのイソマルトースの生成>
実験2の方法で得たα−グルコシダーゼの精製標品を用い、本発明のα−グルコシダーゼによるマルトースからのイソマルトースの生成に及ぼす基質濃度の影響を調べた。マルトースを、終濃度1、5、10、20、30又は40質量%となるように2mM塩化カルシウムを含む100mM酢酸緩衝液(pH6.0)に溶解したものをそれぞれ基質溶液とし、実験2の方法で得た精製酵素標品をイソマルトース生成活性として基質固形物1グラム当たり2.3単位加え、35℃で48時間反応させた。反応終了後、100℃で10分間保持して酵素を失活させた後、各反応液の糖組成当たりのイソマルトース含量を前述したイソマルトース生成活性測定法と同じ方法で測定した。結果を表6に示す。
表6から明らかなように、基質マルトースの濃度が高くなるにつれて反応液の糖組成におけるイソマルトース含量は増加し、基質濃度20乃至40質量%ではほぼ一定の約64%に達した。この結果は、比較的基質濃度が高い条件において、本発明のα−グルコシダーゼをマルトースに作用させることにより、効率よくイソマルトースを製造できることを示している。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
<α−グルコシダーゼの調製>
実験1で用いた液体培地を30L−容ジャーファーメンターに約20L入れ、120℃、20分間滅菌した後、ラクトバチルス・ラムノサス JCM2772の種培養液2%(v/v)を無菌的に添加し、通気撹拌しながら27℃で60時間培養した。培養液約18Lから遠心分離して菌体を集め、これを20mM酢酸緩衝液(pH6.0)1.5Lに懸濁し、細胞破砕機ダイノミル(ベッコーフェン製)を用いて破砕した。得られた菌体破砕懸濁液を遠心分離し、上清を回収して菌体破砕抽出液とした。菌体破砕抽出液のイソマルトース生成活性を測定し培養液1ml当たりの活性に換算したところ、約0.01単位/ml−培養液であった。菌体破砕抽出液は、陰イオン交換体としてセパビーズ FP DA−13を用いた以外は実験2の方法に準じて陰イオン交換カラムクロマトグラフィーの段階まで精製し、α−グルコシダーゼ部分精製酵素標品として総イソマルトース生成活性で約110単位を得た。
<α−グルコシダーゼの調製>
実験4−4で用いた液体培地を30L−容ジャーファーメンターに約20L入れ、120℃、20分間滅菌した後、実験4−3で得た形質転換体RS−RMHTの種培養液1%(v/v)を無菌的に添加し、通気撹拌しながら27℃で60時間培養した。培養液約18Lから遠心分離して菌体を集め、これを20mM酢酸緩衝液(pH6.0)1.5Lに懸濁し、細胞破砕機ダイノミル(ベッコーフェン製)を用いて破砕した。得られた菌体破砕懸濁液を遠心分離し、上清を回収して菌体破砕抽出液とした。菌体破砕抽出液は、実験2の方法に準じて硫安塩析・透析し、α−グルコシダーゼ粗酵素標品としてイソマルトース生成活性を総活性で約310,000単位得た。
<マルトースからのイソマルトース含有糖質の製造>
試薬級マルトース(商品名「マルトースHHH」、マルトース純度99.9%以上、株式会社林原生物化学研究所販売)を濃度30質量%になるよう水に溶解し、pHを6.0に調整した後、実施例1の方法で調製した本発明のα−グルコシダーゼを固形物1グラム当たり3単位加え、48時間反応させ、95℃で30分間保持して反応を停止させた。この操作により糖組成当たりイソマルトースを63%含有する反応液が得られた。この反応液を常法にしたがい濾過、活性炭による脱色、イオン交換樹脂による脱塩を行い、さらに濃縮して固形物濃度70質量%のイソマルトース含有シラップを得た。本品の糖組成は、グルコース13.9%、マルトース4.6%、イソマルトース62.2%、その他のオリゴ糖19.3%であった。本品は、甘味料、発酵用炭素源、試薬、化学品、医薬品の原料及び中間体などとして有利に利用できる。
<高純度イソマルトースの調製>
実施例3の方法で得たイソマルトース含有シラップを原糖液とし、イソマルトース含量を高めるため強酸性カチオン交換樹脂(商品名「アンバーライトCR−1310」Na型、オルガノ株式会社製)を用いたカラムクロマトグラフィーを行った。すなわち、前記樹脂を内径12.5cmのジャケット付きステンレスカラム10本に充填し、これらカラムを直列に接続して樹脂層全長を16mとした。カラム内温度を40℃に維持しつつ、前記シラップを樹脂量に対して1.5%(v/v)加え、これに40℃の温水をSV0.2で流して分画し、溶出液の糖組成をHPLCでモニターしながらイソマルトース高含有画分を採取した。得られたイソマルトース高含有画分を常法により精製し、濃縮して固形物濃度75%のシラップを得た。本品の糖組成は、グルコース1.7%、マルトース6.9%、イソマルトース88.3%、その他のオリゴ糖3.1%であった。本品は、甘味料、発酵用炭素源、試薬、化学品、医薬品の原料及び中間体などとして有利に利用できる。
<澱粉からのイソマルトース含有糖質の製造>
トウモロコシ澱粉を濃度約33%の澱粉乳とし、これに炭酸カルシウムを0.1%加え、pH6.0に調整し、耐熱性α−アミラーゼ(商品名「スピターゼHS」、ナガセケムテックス株式会社製)を澱粉質量当たり0.2%加え、95℃で15分間反応させ、次いで120℃で20分間オートクレーブし、さらに、約55℃に急冷して液化澱粉溶液を得た。この液化澱粉溶液に大豆β−アミラーゼを澱粉1グラム当たり4単位、及び、イソアミラーゼ(株式会社林原生物化学研究所製)を澱粉1グラム当たり200単位になるよう加え、pH5.0、温度50℃で36時間反応させた。この反応液に、α−アミラーゼ(商品名「ネオスピターゼ PK2」、ナガセケムテックス株式会社製)を澱粉1グラム当たり5単位加えて温度50℃で12時間反応させ、95℃で30分間保持して反応を停止させた。この操作により糖組成当たりマルトースを80.3%含有する反応液が得られた。次いで、反応液の温度を35℃に、pHを6.0に調整した後、実施例1の方法で調製した本発明のα−グルコシダーゼを固形物1グラム当たり2.5単位加え、48時間反応させ、95℃で30分間保持して反応を停止させた。この操作により糖組成当たりイソマルトースを57.1%含有する反応液が得られた。この反応液を常法にしたがい濾過、活性炭による脱色、イオン交換樹脂による脱塩を行い、さらに濃縮して固形物濃度70質量%のイソマルトース含有シラップを得た。本品の糖組成は、グルコース15.3%、マルトース4.0%、イソマルトース55.1%、その他のオリゴ糖25.6%であった。本品は、甘味料、発酵用炭素源、試薬、化学品、医薬品の原料及び中間体などとして有利に利用できる。
<固定化α−グルコシダーゼ>
ラクトバチルス・ラムノサス JCM2772を実施例1と同様の方法で培養し、培養液を遠心分離することによりα−グルコシダーゼ活性を発現した湿菌体150gを得た。次いで、この湿菌体を20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に溶解した2.5%アルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社販売)溶液150mlに混練した。得られた菌体を含むスラリーを、マグネティックスターラーで攪拌した0.1M塩化カルシウム溶液に、水面より約20cmの高さから連続的に滴下し、直径約2mmの球状のゲル化物を調製した。これを0.1M塩化カルシウム溶液中に約2時間保持した後、吸引濾過してアルギン酸固定化菌体を回収した。この固定化菌体はα−グルコシダーゼ活性を発現していることから、カラムに充填するなどして固定化α−グルコシダーゼとしてイソマルトースの製造に有利に利用できる。
本発明のα−グルコシダーゼは、マルトースに作用し、パノースやイソマルトトリオースを実質的に生成することなく多量のイソマルトースを生成することから、本発明のα−グルコシダーゼを用いればマルトースを原料として効率よくイソマルトースを製造することができる。また、β−アミラーゼや他の酵素と組み合わせて用いれば、澱粉を原料として工業的規模でイソマルトースを製造することができる。従って、本発明のα−グルコシダーゼとこれを用いたイソマルトース製造法の確立は、製糖産業のみならず、これに関連する食品、化粧品、医薬品産業における工業的意義が極めて大きい。
図2及び4において、
●:Ca2+イオン非存在下
○:1mM Ca2+イオン存在下
図5において、
白抜き矢印:α−グルコシダーゼをコードするDNA
T7:T7プロモーター
pUC ori:pUC由来複製開始点
Amp:アンピシリン耐性遺伝子
His−tag:ヒスチジンタグ

Claims (9)

  1. 下記(1)乃至(3)の基質特異性とともに、下記(a)乃至(e)の理化学的性質を有するα−グルコシダーゼ:
    (1)マルトオリゴ糖に作用し、加水分解反応によりグルコースを生成する;
    (2)マルトースに作用し、グルコシル転移反応によりイソマルトースとともにマルトトリオースを生成する;及び
    (3)マルトースからパノース及びイソマルトトリオースを生成しない;
    (a)分子量
    SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、62,000±5,000ダルトンを示す;
    (b)至適pH
    35℃、2時間反応の条件下で、pH6.5乃至7.0;
    (c)至適温度
    pH6.0、2時間反応の条件下で40℃;
    (d)pH安定性
    6℃、24時間保持の条件下で、pH4.5乃至10の範囲で安定;及び
    (e)温度安定性
    pH6.0、2時間保持の条件下、Ca2+イオン非存在下において40℃以下で安定;
    1mM Ca2+イオン存在下において45℃以下で安定。
  2. 配列表における配列番号10で示されるアミノ酸配列か、配列表における配列番号10で示されるアミノ酸配列において、α−グルコシダーゼの活性を保持する範囲で1個又は2個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加したアミノ酸配列を有する請求項1記載のα−グルコシダーゼ。
  3. 請求項2記載のα−グルコシダーゼをコードするDNA。
  4. 配列表における配列番号9で示される塩基配列か、又は配列表における配列番号9で示される塩基配列において、コードするα−グルコシダーゼの活性を保持する範囲で1乃至6個の塩基が欠失、置換又は付加した塩基配列を有する請求項3記載のDNA。
  5. 請求項3又は4記載のDNAと自律複製可能なベクターを含んでなる組換えDNA。
  6. 請求項記載の組換えDNAを適宜の宿主細胞に導入してなる形質転換体。
  7. ラクトバチルス属に属し、請求項1又は2記載のα−グルコシダーゼ産生能を有する微生物を、栄養培地で培養して前記α−グルコシダーゼを生成せしめ、これを採取することを特徴とするα−グルコシダーゼの製造方法。
  8. 請求項記載の形質転換体を培養し、培養物から請求項2記載のα−グルコシダーゼを採取することを特徴とする組換え型α−グルコシダーゼの製造方法。
  9. マルトースを含有する溶液に、請求項1又は2記載のα−グルコシダーゼを作用させることによりイソマルトースを生成せしめ、これを採取することを特徴とするイソマルトースの製造方法。
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