JP5714230B2 - 発現上昇のための細菌リーダー配列 - Google Patents

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Description

本発明は、タンパク質生産の分野、特に適切にプロセシングされた異種タンパク質の生産のためのターゲティングポリペプチドの使用に関する。
150を超える組換え生産されたタンパク質及びポリペプチドが、バイオテクノロジー薬及びワクチンとしての使用のために米国食品医薬品局(FDA)によって承認されており、さらに別の370が臨床試験中である。化学合成を通して生産される低分子治療薬と異なり、タンパク質及びポリペプチドは生細胞において最も有効に生産される。しかし、細菌における組換えタンパク質の現在の生産方法は、しばしば不適切に折りたたまれたタンパク質、凝集したタンパク質又は不活性なタンパク質を生産し、多くの型のタンパク質が、公知の方法の使用によっては非効率的にしか達成されない二次修飾を必要とする。
公知の方法に関する1つの主要な問題は、過剰量のタンパク質が細胞内に蓄積したときに起こる、細胞質における凝集タンパク質でできた封入体(inclusion bodies)の形成にある。組換えタンパク質生産におけるもう1つの問題は、発現されたタンパク質に関する適切な二次及び三次構造を確立することである。1つの障壁は、細菌の細胞質が、しばしば適切なタンパク質の折りたたみの基礎となる、ジスルフィド結合の形成に積極的に抵抗することである(非特許文献1:Derman et al. (1993) Science 262: 1744-7)。結果として、多くの組換えタンパク質、特に真核生物起源の組換えタンパク質は、細菌において生産されたとき不適切に折りたたまれ、不活性である。
組換え系における適切に折りたたまれたタンパク質の生産を高めるために数多くの試みが開発されてきた。例えば研究者達は、発酵条件を変更し(非特許文献2:Schein (1989) Bio/Technology, 7:1141-1149)、プロモーターの強さを変化させ、又は封入体の形成を防ぐのを助けることができる、過剰発現されたシャペロンタンパク質を使用した(非特許文献3:Hockney (1994) Trends Biotechnol. 12:456-463)。
適切に折りたたまれたタンパク質の生産量を増大させるための代わりのアプローチは、タンパク質を細胞内環境から分泌させることである。シグナル配列を有するポリペプチドの分泌の最も一般的な形態はSec系を含む。Sec系は、細胞質膜を横断するN末端シグナルポリペプチドを有するタンパク質の細胞外輸送の役割を担う(非特許文献4:Agarraberes and Dice (2001) Biochim Biophys Acta. 1513:1-24; Muller et al. (2001) Prog Nucleic Acid Res Mol. Biol. 66:107-157参照)。
細胞から上清中にタンパク質を排出させるための方策が開発されてきた。例えば特許文献1(米国特許第5,348,867号);特許文献2(米国特許第6,329,172号);特許文献3(国際公開第WO 96/17943号);特許文献4(国際公開第WO 02/40696号);特許文献5(米国特許出願公開第2003/0013150号)。発現上昇のための他の方策は、タンパク質をペリプラズムにターゲティングするように制御する。一部の研究者達は、非Sec型分泌に重点的に取り組んでいる(例えば特許文献6(国際公開第WO 03/079007号);特許文献7(米国特許出願公開第2003/0180937号);特許文献8(米国特許出願公開第2003/0064435号);及び特許文献9(国際公開第WO 00/59537号)参照)。しかし、研究の大部分はSec型分泌系による外因性タンパク質の分泌を焦点とするものであった。
多くの分泌シグナルが組換えポリペプチド又はタンパク質を発現する上での使用に関して記述されている。例えば特許文献10(米国特許第5,914,254号);特許文献11(米国特許第4,963,495号);特許文献12(欧州特許第0 177 343号);特許文献13(米国特許第5,082,783号);特許文献14(国際公開第WO 89/10971号);特許文献15(米国特許第6,156,552号);特許文献16(米国特許第6,495,357号);特許文献17(米国特許第6,509,181号);特許文献18(米国特許第6,524,827号);特許文献19(米国特許第6,528,298号);特許文献20(米国特許第6,558,939号);特許文献21(米国特許第6,608,018号);特許文献22(米国特許第6,617,143号);特許文献23(米国特許第5,595,898号);特許文献24(米国特許第5,698,435号及び特許文献25(米国特許第6,204,023号);特許文献26(米国特許第6,258,560号);特許文献27(国際公開第WO 01/21662号);特許文献28(国際公開第WO 02/068660号)及び特許文献29(米国特許出願公開第2003/0044906号);特許文献30(米国特許第5,641,671号);及び特許文献31(欧州特許第EP 0 121 352号)参照。
細胞質からタンパク質をターゲティングするためのシグナル配列に基づく方策は、しばしば不適切にプロセシングされたタンパク質を生産する。これは特にアミノ末端分泌シグナル、例えばSec系を通して分泌を導くものに当てはまる。この系を通してプロセシングされたタンパク質はしばしば、分泌シグナルの一部を保持し、不適切に切断されることが多い連結エレメントを必要とするか、又は末端でトランケートされる。
米国特許第5,348,867号 米国特許第6,329,172号 国際公開第WO 96/17943号 国際公開第WO 02/40696号 米国特許出願公開第2003/0013150号 国際公開第WO 03/079007号 米国特許出願公開第2003/0180937号 米国特許出願公開第2003/0064435号 国際公開第WO 00/59537号 米国特許第5,914,254号 米国特許第4,963,495号 欧州特許第0 177 343号 米国特許第5,082,783号 国際公開第WO 89/10971号 米国特許第6,156,552号 米国特許第6,495,357号 米国特許第6,509,181号 米国特許第6,524,827号 米国特許第6,528,298号 米国特許第6,558,939号 米国特許第6,608,018号 米国特許第6,617,143号 米国特許第5,595,898号 米国特許第5,698,435号 米国特許第6,204,023号 米国特許第6,258,560号 国際公開第WO 01/21662号 国際公開第WO 02/068660号 米国特許出願公開第2003/0044906号 米国特許第5,641,671号 欧州特許第EP 0 121 352号
Derman et al. (1993) Science 262: 1744-7 Schein (1989) Bio/Technology, 7:1141-1149 Hockney (1994) Trends Biotechnol. 12:456-463 Agarraberes and Dice (2001) Biochim Biophys Acta. 1513:1-24 Muller et al. (2001) Prog Nucleic Acid Res Mol. Biol. 66:107-157
上述した先行技術から明らかであるように、宿主細胞のペリプラズムにタンパク質を標的するために多くの方策が開発されてきた。しかし、公知の方策は、治療用途のために精製することができる、正しくプロセシングされた活性な組換えタンパク質の一貫して高い収率をもたらさなかった。これまでの方策の1つの重要な限界は、不適切な細胞系における欠陥のある分泌シグナル配列によるタンパク質の発現であった。
結果として、正しくプロセシングされた形態のトランスジェニックタンパク質を生産するために組換えポリペプチドを分泌し、適切にプロセシングすることができる改善された大規模発現系に対する需要が、当分野においてまだ存在する。
本発明は、細胞発現系において高レベルの適切にプロセシングされた対象タンパク質又はポリペプチドを生産するための改善された組成物及び工程を提供する。特に、本発明は、細菌性生物(bacterial organism)に由来する分泌シグナルについての新規アミノ酸及びヌクレオチド配列を提供する。1つの実施形態では、本発明の分泌シグナルは、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼC(dsbC)、突然変異型リン酸結合タンパク質(pbp)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼA(dsbA)、CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、テトラトリコペプチドリピートファミリータンパク質(ORF5550)、トルエン耐性タンパク質(Ttg2C)又はメチル基受容走化性タンパク質(ORF8124)分泌シグナルから選択されるシュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)(P.フルオレッセンス)分泌ポリペプチドである又はそれに実質的に相同である配列を有する単離ポリペプチド、並びにその生物学的に活性な変異体、フラグメント及び誘導体を包含する。もう1つの実施形態では、本発明の分泌シグナルは、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)Bce分泌シグナル配列である又はそれに実質的に相同である配列を有する単離ポリペプチドを含む。本発明のシグナル配列をコードするヌクレオチド配列は、発現された対象タンパク質又はポリペプチドのグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外環境へのターゲティングを促進するために、ベクター及び発現系において有用である。
分泌シグナル配列を含むDNA構築物は、組換えタンパク質を発現するための宿主細胞において有用である。対象タンパク質についてのヌクレオチド配列は、本明細書中で述べる分泌シグナルに作動可能に連結されている。細胞はペリプラズム画分中にタンパク質を発現し得る。ある実施形態では、細胞はまた、発現された組換えタンパク質を細胞外壁を通して細胞外に分泌し得る。宿主細胞は、酵母細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、植物細胞等を含む真核細胞、及び細菌細胞、例えばP.フルオレッセンス、大腸菌等を含む原核細胞を包含する。治療タンパク質、ホルモン、増殖因子、細胞外受容体又はリガンド、プロテアーゼ、キナーゼ、血液タンパク質、ケモカイン、サイトカイン、抗体等を含む、いかなる対象タンパク質も、本発明の分泌ポリペプチドリーダー配列を使用して発現され得る。
図1は、dsbC SS−skp融合タンパク質のための発現構築物を示す。 図2は、約17kDaのSkpタンパク質(矢印)の発現を示す。2及び3と表示したバンドはSkpタンパク質と一致した。バンド1は、DNA結合タンパク質(3691)とSkpの両方を有すると思われる。 図3は、2B−2(図3A)及び2B−4(図3B)と表示した試料に関する可溶性(S)及び不溶性(I)画分中の0時間及び24時間後のシュードモナス・フルオレッセンスにおけるdsbC SS−skpの発現後の分析である。図3Aにおいて、バンド5、7及び9は不溶性画分中のプロセシングされていないdsbC−skpタンパク質であった。バンド6、8及び10は、不溶性画分中のプロセシングされたdsbC−skpであった。バンド1及び3は、可溶性画分中のプロセシングされたdsbC−skpであった。バンド2及び4は不明のタンパク質であった。図3Bにおいて、バンド15、17及び19は、不溶性画分中のプロセシングされていないdsbC−skpタンパク質であった。バンド16、18及び20は、不溶性画分中のプロセシングされたdsbC−skpであった。バンド11及び13は、可溶性画分中のプロセシングされたdsbC−skpであった。バンド12及び14は不明のタンパク質(unknown protein)であった。 図4は、DC694(dsbA−PA83)の発現後のタンパク質蓄積のウエスタン分析を示す。0時間目と24時間目の可溶性(S)、不溶性(I)及び無細胞ブロス(B)の蓄積をウエスタン分析によって評価した。 図5は、EP468−002.2(dsbA)の発現後のタンパク質蓄積のウエスタン分析を示す。誘導後0時間目と24時間目の可溶性(S)及び不溶性(I)タンパク質の蓄積をウエスタン分析によって評価した。 図6は、pINS−008−5(野生型pbp)分泌シグナルと比較したpINS−008−3(pbp)突然変異体のアルカリホスファターゼ活性を示す。細胞培養物を1 OD600単位に調整し、次に4−メチルウンベリフェロン(MUP)を添加し、10分目に蛍光産物形成を測定することによってPhoA活性を測定した。ネガティブコントロールはMUPを含み、細胞を含まなかった。 図7は、pINS−008−3(pbp)及びpINS0008−5(野生型pbp)の発現後のタンパク質蓄積のウエスタン分析を示す。I0、I16及びI40時間目の可溶性(Sol)、不溶性(Insol)及び細胞外画分(Bro)におけるプロインスリン−phoAの蓄積をウエスタン分析によって評価した。培養物のアリコートを20 OD600単位に調整し、SDS−PAGEによって分離して、フィルターに移し、インスリンに対する抗体(ニワトリポリクローナル、Abcamカタログ番号ab 14042)で可視化した。 図8は、EP484−003及びEP484−004画分のSDS−PAGE分析を示す。SDS−PAGE分析の代表的な結果を示す。分子量マーカー(L)を中央に示す。BSA標準品(BSA Stds.)が示されている。矢印は誘導されたバンドを示す。各々のレーンの下部は画分の種類である。可溶性(Sol)、不溶性(Ins)又は無細胞ブロス(CFB)。各々のレーンの上部は誘導時(I0)又は誘導後24時間目(I24)の試料採取時間である。菌株番号を各群の試料の下に示す。EP484−004のI24可溶性画分における大きなタンパク質バンドは、Bceリーダー配列によって促進された遺伝子発現増強に対応する。 図9は、Gal2 scFv発現のSDS−PAGE及びウエスタン分析を示す。可溶性(S)及び不溶性(I)画分を分析した。レーンの各々のペアの上部に、Gal2に融合した分泌リーダーを示す。分子量マーカーを各々SDS−PAGEゲル(上)又はウエスタンブロット(下)の左側に示す。矢印はGal2の移動を示す。 図10は、チオレドキシン(TrxA)発現のSDS−PAGE分析を示す。可溶性画分を分析した。レーンの各々のペアの上部に、TrxAに融合した分泌リーダーを示す。分子量マーカーをSDS−PAGEゲルの左側に示す。矢印は、プロセシングされていない(上の矢印)及びプロセシングされた(下の矢印)TrxAの移動を示す。
I.概説
宿主細胞において高レベルの適切にプロセシングされたポリペプチドを生産するための組成物及び方法が提供される。特に、作動可能に連結された対象ポリペプチドのグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外環境へのターゲティングを促進する新規分泌シグナルが提供される。本発明に関して、「分泌シグナル」、「分泌シグナルポリペプチド」、「シグナルペプチド」又は「リーダー配列」は、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドのグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へのターゲティングのために有用なペプチド配列(又はそのペプチド配列をコードするポリヌクレオチド)を意味する。本発明の分泌シグナル配列は、pbp、dsbA、dsbC、Bce、CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、ORF5550、Ttg2C及びORF8124分泌シグナルから選択される分泌ポリペプチド、及びそのフラグメントと変異体を包含する。分泌シグナルについてのアミノ酸配列を配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22及び24に示す。対応するヌクレオチド配列をそれぞれ配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21及び23に提示する。本発明は、これらの配列並びにそのフラグメントと変異体を含む。
本発明の方法は、しばしば不適切に折りたたまれたタンパク質、凝集したタンパク質又は不活性なタンパク質を生産する、細菌における組換えタンパク質の現在の生産方法の改善を提供する。加えて、多くの型のタンパク質は、公知の方法を使用して非効率的にしか達成されない二次修飾を必要とする。本明細書における方法は、タンパク質を細胞内環境から分泌させることによって適切に折りたたまれたタンパク質の生産量を増大させる。グラム陰性細菌では、細胞質から分泌されたタンパク質は、最終的に外膜に結合したペリプラズム空間(periplasmic space)に至るか、又は細胞外ブロス(extracellular broth)に行き着く。本発明の方法はまた、凝集タンパク質から作られる封入体(inclusion bodies, インクルージョンボディ)を回避する。ペリプラズム空間への分泌はまた、適切なジスルフィド結合形成を促進するという周知の作用を有する(Bardwell et al. (1994) Phosphate Microorg. 270-5; Manoil (2000) Methods in Enzymol. 326: 35-47)。組換えタンパク質の分泌の他の利点は、タンパク質のより効率的な単離;活性形態のタンパク質の割合の上昇を導く、トランスジェニックタンパク質の正しい折りたたみとジスルフィド結合形成;封入体形成の低減と宿主細胞への低い毒性;及び可溶性形態の組換えタンパク質の高いパーセンテージを含む。培養培地への対象タンパク質の排出の潜在的可能性はまた、タンパク質生産のためにバッチ培養ではなく連続培養を潜在的に促進し得る。
グラム陰性細菌は、それらの二重膜を横断するタンパク質の能動輸送のために数多くの系を進化させてきた。これらの分泌経路は、例えば、形質膜と外膜の両方を横断する1ステップトランスロケーションのためのABC(I型)経路、Path/Fla(III型)経路、及びPath/Vir(IV型)経路;形質膜を横断するトランスロケーションのためのSec(II型)、Tat、MscL及びHolins経路;及び形質膜と外膜を横切る2ステップトランスロケーションのためのSecプラスフィンブリアル・アッシャー・ポーリン(fimbrial usher porin)(FUP)経路、Secプラス自己輸送体(autotransporter)(AT)経路、Secプラス2パートナー分泌(TPS)経路、Secプラスメイン・ターミナル・ブランチ(main terminal branch)(MTB)経路、及びTatプラスMTB経路を含む。必ずしもすべての細菌がこれらの分泌経路のすべてを有しているわけではない。
3つのタンパク質系(I型、III型及びIV型)は、1つのエネルギー共役工程において両方の膜を横断してタンパク質を分泌する。4つの系(Sec、Tat、MscL及びHolins)は、内膜のみを横断して分泌し、他の4つの系(MTB、FUP、AT及びTPS)は外膜のみを横断して分泌する。
1つの実施形態では、本発明のシグナル配列はSec分泌系を利用する。Sec系は、細胞質膜を横断するN末端シグナルポリペプチドを有するタンパク質の細胞外輸送の役割を担う(Agarraberes and Dice (2001) Biochim Biophys Acta. 1513:1-24; Muller et al. (2001) Prog Nucleic Acid Res Mol. Biol. 66:107-157参照)。Secファミリーのタンパク質複合体は原核生物及び真核生物において普遍的に認められる。細菌Sec系は、輸送タンパク質、シャペロンタンパク質(SecB)又はシグナル認識粒子(SRP)及びシグナルペプチダーゼ(SPアーゼI及びSPアーゼII)から成る。大腸菌におけるSec輸送複合体は、3つの内在性膜タンパク質、SecY、SecE及びSecG、及び細胞質ATPアーゼ、SecAから成る。SecAは、SecY/E/G複合体を動員して、活性トランスロケーションチャネルを形成する。シャペロンタンパク質SecBは、新生ポリペプチド鎖に結合してその折りたたみを防ぎ、それをSecAに方向付け(target)する。線状ポリペプチド鎖は、その後SecYEGチャネルを通して輸送され、シグナルポリペプチドの切断後、ペリプラズムにおいてタンパク質が折りたたまれる。3つの補助タンパク質(SecD、SecF及びYajC)は分泌のために必須ではない複合体を形成するが、多くの条件下で、特に低温で分泌を10倍まで促進させる(stimulate)。
ペリプラズムに輸送される、すなわちII型分泌系を通して輸送されるタンパク質はまた、さらなる工程で細胞外培地へと輸送され得る。その機構は一般に、自己輸送体、2パートナー分泌系、メイン・ターミナル・ブランチ系又はフィンブリアル・アッシャー・ポーリンを通してである。
グラム陰性細菌における12の公知の分泌系のうち8つは、発現されたタンパク質の一部として認められるターゲティングシグナルポリペプチドを利用することが知られている。これらのシグナルポリペプチドは、細胞がタンパク質をその適切な行き先に正しく差し向けるように分泌系のタンパク質と相互作用する。これら8つのシグナルペプチドに基づく分泌系のうち5つはSec系を含むものである。これら5つはSec依存性細胞質膜トランスロケーションに関与するとみなされ、その中で作動性であるこれらのシグナルポリペプチドはSec依存性分泌シグナルと称され得る。適切な分泌シグナルを開発する上での課題の1つは、シグナルが適切に発現され、発現されたタンパク質から切断されることを確実にすることである。
sec経路のためのシグナルポリペプチドは一般に以下の3つのドメインから成る:(i)正電荷を有するn領域、(ii)疎水性h領域及び(iii)無電荷であるが極性のc領域。シグナルペプチダーゼについての切断部位はc領域に位置する。しかし、シグナル配列の保存の程度及び長さ、並びに切断部位の位置は、種々のタンパク質の間で異なり得る。
Sec依存性タンパク質排出の特徴(signature)は、排出されたタンパク質内に短い(約30アミノ酸)、主として疎水性のアミノ末端シグナル配列が存在することである。このシグナル配列はタンパク質輸送を助け、輸送されたタンパク質がペリプラズムに達したときペリプラズムのシグナルペプチダーゼによって切断除去される。典型的なN末端Secシグナルポリペプチドは、少なくとも1個のアルギニン又はリシン残基を有するNドメイン、次いで一続きの疎水性残基を含むドメイン、及びシグナルペプチダーゼについての切断部位を有するCドメインを含む。
トランスジェニックタンパク質構築物が、細胞質から外へタンパク質を標的するために対象タンパク質と分泌シグナルの両方を含む融合タンパク質として処理(engineered)されている、細菌タンパク質生産系が開発された。
P.フルオレッセンスは、様々なタンパク質の生産のための改善されたプラットフォームであることが明らかにされ、いくつかの効率的な分泌シグナルがこの生物において同定された(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20060008877号参照)。P.フルオレッセンスは、正しくプロセシングされた形態の外因性タンパク質を他の細菌発現系で典型的に認められるよりも高レベルで生産し、これらのタンパク質をより高レベルで細胞のペリプラズムへと輸送して、完全にプロセシングされた組換えタンパク質の回収率上昇を導く。それ故1つの実施形態では、本発明は、分泌シグナルに連結された標的タンパク質を発現することにより、P.フルオレッセンス細胞において外因性タンパク質を生産するための方法を提供する。
本発明の分泌シグナル配列はシュードモナス属(Pseudomonas)において有用である。シュードモナス系は、他の細菌発現系と比較して、ポリペプチド及び酵素の商業的発現のための利点を提供する。特に、P.フルオレッセンスは有益な発現系として同定された。P.フルオレッセンスは、土壌、水及び植物表面環境でコロニー形成する一般的な非病原性腐生菌の群を包含する。P.フルオレッセンスに由来する市販の酵素は、環境汚染を低減するため、洗剤添加物として、及び立体選択的加水分解のために使用されてきた。P.フルオレッセンスはまた、病原体を防除するために農業的にも使用される。米国特許第4,695,462号は、P.フルオレッセンスにおける組換え細菌タンパク質の発現を述べている。1985年から2004年の間に、多くの会社が農薬、殺虫薬及び殺線虫薬毒素の生産のためのP.フルオレッセンスの農業的使用、並びにこれらの発現を増強するための特異的毒性配列及び遺伝子操作に対して資本投下した。例えば国際公開第WO 03/068926号及び同第WO 03/068948号;国際公開第WO 03/089455号;国際公開第WO 04/005221号;米国特許出願公開第20060008877号参照。
II.組成物
A.単離ポリペプチド
本発明の1つの実施形態では、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチド
をグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙にターゲティングするために有用な新規
分泌シグナルである、単離ポリペプチドが提供される。1つの実施形態では、ポリペプチ
ドは、pbp、dsbA、dsbC、Bce、CupA2、CupB2、CupC2、
NikA、FlgI、ORF5550、Ttg2C又はORF8124分泌シグナル、又
はそのフラグメント又は変異体であるか又はそれに実質的に相同であるアミノ酸配列を有
する。もう1つの実施形態では、この単離ポリペプチドは分泌シグナルと対象タンパク質
又はポリペプチドの融合タンパク質である。さらなる実施形態において、前記対象タンパク質又はポリペプチドは、前記宿主細胞が由来する生物に本来備わっている。
もう1つの実施形態では、ポリペプチド配列は、配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24に示す分泌シグナルポリペプチドであるか又はそれに実質的に相同である、又は配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21又は23に示すポリヌクレオチド配列によってコードされる。もう1つの実施形態では、ポリペプチド配列は、少なくとも配列番号:2のアミノ酸2−24、少なくとも配列番号:4のアミノ酸2−22、少なくとも配列番号:6のアミノ酸2−21、少なくとも配列番号:8のアミノ酸2−33、少なくとも配列番号:10のアミノ酸2−25、少なくとも配列番号:12のアミノ酸2−24、少なくとも配列番号:14のアミノ酸2−23、少なくとも配列番号:16のアミノ酸2−21、少なくとも配列番号:18のアミノ酸2−21、少なくとも配列番号:20のアミノ酸2−21、少なくとも配列番号:22のアミノ酸2−33、又は少なくとも配列番号:24のアミノ酸2−39を含む。さらにもう1つの実施形態では、ポリペプチド配列は、アミノ末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10アミノ酸が切断されているが、生物活性、すなわち分泌シグナル活性を保持する、配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24のフラグメントを含む。
1つの実施形態では、相同ポリペプチドのアミノ酸配列は所与の元のポリペプチドの変異体であり、変異体の配列は、変異体が元のポリペプチドの所望機能を保持することを条件として、元のポリペプチドのアミノ酸残基の約30%又は約30%まで、例えば約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、または30%までを他のアミノ酸残基で置換することによって得られる。実質的な相同性を有する変異体アミノ酸は、所与のポリペプチドに少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%又は少なくとも約99%相同である。変異体アミノ酸は、様々な方法で、例えば配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24の1又はそれ以上のアミノ酸のアミノ酸置換、欠失、トランケーション及び挿入、例えば約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、約25まで又はそれ以上のアミノ酸置換、欠失又は挿入によって入手し得る。
「実質的に相同な」又は「実質的に類似の」とは、標準パラメータを使用し、本明細書中で述べるアラインメントプログラムの1つを用いて参照配列と比較して、少なくとも約60%又は65%の配列同一性、約70%又は75%の配列同一性、約80%又は85%の配列同一性、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%又はそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸又はヌクレオチド配列を意味する。当業者は、これらの値を、コドンの縮重、アミノ酸類似性、リーディングフレームの位置等を考慮に入れることにより、2つのヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質に対応する同一性を決定するために適切に調整できることを認識する。
例えば、好ましくは、保存的アミノ酸置換を1又はそれ以上の予測上の、好ましくは非必須アミノ酸残基に行い得る。「非必須」アミノ酸残基は、生物活性を変化させずに分泌シグナルポリペプチドの野生型配列から変更することができる残基であり、一方「必須」アミノ酸残基は生物活性のために必要である。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されているものである。保存的及び半保存的アミノ酸残基のファミリーを表1に列挙する。
本発明に包含される変異体タンパク質は生物学的に活性である、すなわち天然タンパク質の所望生物活性を有し続ける、すなわち分泌シグナル活性を保持する。「活性を保持する」とは、変異体が、天然タンパク質の少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、約90%、約95%、約100%、約110%、約125%、約150%、少なくとも約200%又はそれ以上の分泌シグナル活性を有することを意味する。
B.単離ポリヌクレオチド
本発明はまた、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙にターゲティングするために有用な新規分泌シグナルをコードする配列を有する単離核酸を含む。1つの実施形態では、単離ポリヌクレオチドは、pbp、dsbA、dsbC、Bce、CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、ORF5550、Ttg2C又はORF8124分泌シグナルポリペプチドに実質的に相同なポリペプチド配列をコードする。もう1つの実施形態では、本発明は、少なくとも配列番号:2のアミノ酸2−24、少なくとも配列番号:4のアミノ酸2−22、少なくとも配列番号:6のアミノ酸2−21、少なくとも配列番号:8のアミノ酸2−33、少なくとも配列番号:10のアミノ酸2−25、少なくとも配列番号:12のアミノ酸2−24、少なくとも配列番号:14のアミノ酸2−23、少なくとも配列番号:16のアミノ酸2−21、少なくとも配列番号:18のアミノ酸2−21、少なくとも配列番号:20のアミノ酸2−21、少なくとも配列番号:22のアミノ酸2−33、又は少なくとも配列番号:24のアミノ酸2−39に実質的に相同なポリペプチド配列をコードする核酸を提供し、又はその生物学的に活性な変異体及びフラグメントを含む、配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、20、21又は23に実質的に相同な核酸を提供する。もう1つの実施形態では、核酸配列は、配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、20、21又は23の配列に少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%又は少なくとも約99%同一である。もう1つの実施形態では、核酸は、配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24のアミノ酸配列に少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%又は少なくとも約99%同一であるポリペプチドをコードする。
本発明の好ましい分泌シグナルポリペプチドは、配列番号:1又は3のヌクレオチド配列に実質的に相同なヌクレオチド配列によってコードされる。PCR、ハイブリダイゼーション等のような方法を用いて、対応する分泌シグナルポリペプチド配列を同定することができ、そのような配列は、本発明の配列に実質的な同一性を有する。例えばSambrook J., and Russell, D.W. (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual. (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY) and Innis, et al. (1990) PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications (Academic Press, NY)参照。変異体ヌクレオチド配列はまた、例えば部位指定突然変異誘発を使用することによって作製されるが、以下で論じるように本発明において開示する分泌シグナルポリペプチドをまだコードする、合成由来のヌクレオチド配列を含む。本発明に包含される変異体分泌シグナルポリペプチドは、生物学的に活性である、すなわち天然タンパク質の所望生物活性を有し続ける、すなわち分泌シグナル活性を保持する。「活性を保持する」とは、変異体が、天然分泌シグナルポリペプチドの少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%、少なくとも約99%又はそれ以上の活性を有することを意味する。分泌シグナルポリペプチド活性を測定するための方法は、本文中の別の箇所で論じる。
当業者は、突然変異によって本発明のヌクレオチド配列に変化を導入し、それによって、分泌シグナルポリペプチドの生物活性を変化させずに、コードされる分泌シグナルポリペプチドのアミノ酸配列の変化を導き得ることをさらに認識する。それ故、1又はそれ以上のアミノ酸置換、付加又は欠失がコードされるタンパク質に導入されるように、本明細書において開示する対応ヌクレオチド配列に1又はそれ以上のヌクレオチド置換、付加又は欠失を導入することによって変異型単離核酸分子を作製することができる。突然変異は、標準的な手法によって、例えば部位指定突然変異誘発及びPCRを介した突然変異誘発によって導入できる。そのような変異型ヌクレオチド配列も本発明に包含される。
C.核酸及びアミノ酸の相同性
核酸及びアミノ酸配列の相同性は、当分野で周知の様々な方法のいずれかに従って決定される。有用な配列アラインメント及び相同性決定法の例は、以下で述べるものを含む。
類似配列についてのアラインメントと検索は、米国立バイオテクノロジー情報センター(the U.S. National Center for Biotechnology Information)(NCBI)のプログラム、MegaBLAST(現在はhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/において利用可能)を用いて実施できる。例えばアミノ酸配列について70%に設定した、又は例えばヌクレオチド配列について90%に設定した同一性パーセントに関するオプションを伴ったこのプログラムの使用は、問い合わせ配列に対して70%又は90%又はそれ以上の配列同一性を有する配列を同定する。当分野において公知の他のソフトウェアも、類似配列、例えば本発明に従った分泌シグナル配列を含む情報ストリングに対して少なくとも70%又は90%同一の配列に関してアラインメント及び/又は検索を行うために使用可能である。例えば、GCG Sequence Analysis Software Package(Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center,1710 University Avenue,Madison,Wis.53705より入手可能)において利用できるGAP、BESTFIT、BLAST、FASTA及びTFASTAプログラムを、その中で指定されるデフォルトパラメータ、及び所望パーセンテージに設定した配列同一性の程度についてのパラメータで使用することにより、例えば問い合わせ配列に少なくとも70%又は90%同一の配列を同定するために比較用の配列アラインメントを実施することができる。また、例えばCLUSTALプログラム(Intelligenetics,Mountain View,CalからのPC/Geneソフトウエアパッケージにおいて入手可能)も使用し得る。
これらや他の配列のアラインメント法は当分野において周知であり、手動アラインメントによって、視覚的検査によって、又は配列アラインメントアルゴリズム、例えば上述したプログラムによって具体化されるもののいずれかの手動又は自動適用によって実施され得る。種々の有用なアルゴリズムは、例えばW. R. Pearson & D. J. Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444-48 (April 1988)に述べられている類似性検索法;T. F. Smith & M. S. Waterman, in Adv. Appl. Math. 2:482-89 (1981)及びJ. Molec. Biol. 147:195-97 (1981)に述べられているローカルホモロジー法;S. B. Needleman & C. D. Wunsch, J. Molec. Biol. 48(3):443-53 (March 1970)に述べられているホモロジーアラインメント法;及び、例えばW. R. Pearson, in Genomics 11(3):635-50 (November 1991);W. R. Pearson, in Methods Molec. Biol. 24:307-31 and 25:365-89 (1994);及びD. G. Higgins & P. M. Sharp, in Comp. Appl'ns in Biosci. 5:151-53 (1989) and in Gene 73(l):237-44 (15 Dec. 1988)によって述べられている様々な方法を含む。
異なる記載がない限り、Needleman and Wunsch (1970)、前出のアルゴリズムを利用した、GAPバージョン10を、以下のパラメータを用いて配列同一性又は類似性を決定するために使用する。GAP加重50及び長さ加重3、及びnwsgapdna.cmpスコアリングマトリックスを用いたヌクレオチド配列についての%同一性及び%類似性;GAP加重8及び長さ加重2、及びBLOSUM62スコアリングプログラムを用いたアミノ酸配列についての%同一性又は%類似性。等価のプログラムも使用し得る。「等価のプログラム」とは、問題とする任意の2つの配列に関して、GAPバージョン10によって作製される対応アラインメントと比較したとき、同じヌクレオチド残基マッチ及び同じパーセントの配列同一性を有するアラインメントを作製する何らかの配列比較プログラムを意味する。様々な実施形態において、配列比較は、問い合わせ配列又は対象配列又はその両方の全体にわたって実施される。
D.ハイブリダイゼーション条件
本発明のもう1つの態様では、pbp、dsbA、dsbC、Bce、CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、ORF5550、Ttg2C又はORF8124分泌シグナルポリペプチドに実質的に類似の配列を有するポリペプチドをコードする配列を含む単離核酸にハイブリダイズする核酸が提供される。ある実施形態では、ハイブリダイズする核酸は、高ストリンジェンシー条件下で結合する。様々な実施形態では、ハイブリダイゼーションは、分泌シグナルポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の実質的に全長にわたって、例えば配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21又は23の1又はそれ以上の実質的に全長にわたって起こる。核酸分子は、核酸分子が配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21又は23の1又はそれ以上の全長の少なくとも80%、全長の少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%にわたってハイブリダイズするとき、本明細書において開示する分泌シグナルをコードするヌクレオチド配列の「実質的に全長」にハイブリダイズする。異なる指定がない限り、「実質的に全長」は、長さを隣接ヌクレオチドで測定した場合、分泌シグナルをコードするヌクレオチド配列の全長の少なくとも80%を指す(例えば配列番号:3の少なくとも53の隣接ヌクレオチド、配列番号:5の少なくとも51の隣接ヌクレオチド、配列番号:7の少なくとも80の隣接ヌクレオチド等にハイブリダイズする)。
ハイブリダイゼーション法において、分泌シグナルポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の全部又は一部を、cDNA又はゲノムライブラリーをスクリーニングするために使用することができる。そのようなcDNA及びゲノムライブラリーの構築のための方法は当分野において一般に公知であり、Sambrook and Russell, 2001に開示されている。いわゆるハイブリダイゼーションプローブは、ゲノムDNAフラグメント、cDNAフラグメント、RNAフラグメント又は他のオリゴヌクレオチドであり得、検出可能な基、例えば32P、又は他の何らかの検出可能なマーカー、例えば他の放射性同位体、蛍光化合物、酵素又は酵素補因子で標識され得る。ハイブリダイゼーションのためのプローブは、本明細書において開示する公知の分泌シグナルポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に基づく合成オリゴヌクレオチドを標識することによって作製できる。ヌクレオチド配列内又はコードされるアミノ酸配列内の保存されたヌクレオチド又はアミノ酸残基に基づいて設計される縮重プライマーが付加的に使用できる。プローブは、典型的には本発明の分泌シグナルポリペプチドをコードするヌクレオチド配列又はそのフラグメント又は変異体の少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約16、17、18、19、20又はそれ以上の連続ヌクレオチドにストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含む。ハイブリダイゼーション用のプローブの作製のための方法は当分野において一般的に公知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook and Russell, 2001に開示されている。
ハイブリダイゼーション手法では、公知のヌクレオチド配列の全部又は一部が、選択生物からのクローン化されたゲノムDNAフラグメント又はcDNAフラグメントの集団(すなわちゲノム又はcDNAライブラリー)内に存在する他の対応するヌクレオチド配列に選択的にハイブリダイズするプローブとして使用される。ハイブリダイゼーションプローブは、ゲノムDNAフラグメント、cDNAフラグメント、RNAフラグメント又は他のオリゴヌクレオチドであり得、検出可能な基、例えば32P、又は他の何らかの検出可能なマーカーで標識され得る。それ故、例えばハイブリダイゼーション用のプローブは、本発明の分泌シグナルポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に基づく合成オリゴヌクレオチドを標識することによって作製できる。ハイブリダイゼーションのため及びcDNA及びゲノムライブラリーの構築のためのプローブの作製方法は当分野において一般に公知であり、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Plainview, New York)に開示されている。
例えば本明細書において開示する分泌シグナルポリペプチドをコードするヌクレオチド配列全体、又はその1若しくはそれ以上の部分は、対応するヌクレオチド配列及び分泌シグナルポリペプチドをコードするメッセンジャーRNAに特異的にハイブリダイズすることができるプローブとして使用し得る。様々な条件下で特異的ハイブリダイゼーションを達成するために、そのようなプローブは、ユニークであり、好ましくは少なくとも約10ヌクレオチド長、又は少なくとも約15ヌクレオチド長である配列を含む。そのようなプローブは、選択生物からの対応する分泌シグナルポリペプチドをコードするヌクレオチド配列をPCRによって増幅するために使用し得る。この手法は、所望生物から付加的なコード配列を単離するため、又は生物におけるコード配列の存在を判定するための診断アッセイとして使用し得る。ハイブリダイゼーション手法は、平板培養したDNAライブラリー(プラーク又はコロニーのいずれか;例えばSambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Plainview, New York)参照)のハイブリダイゼーションスクリーニングを含む。
そのような配列のハイブリダイゼーションはストリンジェント条件下で実施し得る。「ストリンジェント条件」又は「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」とは、プローブが、他の配列に対するよりも検出可能に大きな度合で(例えばバックグラウンドの少なくとも2倍)その標的配列にハイブリダイズする条件を意味する。ストリンジェント条件は配列依存性であり、種々の状況において異なる。ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄条件のストリンジェンシーを制御することにより、プローブに対して100%相補的な標的配列を同定することができる(相同的探索(homologous probing))。あるいは、より低い度合の類似性が検出されるように、配列内のいくつかのミスマッチを許容するようにストリンジェンシー条件を調節することができる(非相同的探索(heterologous probing))。一般に、プローブは約1000ヌクレオチド長未満、好ましくは500ヌクレオチド長未満である。
典型的には、ストリンジェント条件は、塩濃度が約1.5M Naイオン未満、典型的にはpH7.0〜8.3で約0.01〜1.0M Naイオン濃度(又は他の塩)であり、温度が少なくとも約60℃、好ましくは約68℃である条件である。ストリンジェント条件はまた、不安定化剤、例えばホルムアミドの添加によっても達成され得る。例示的な低ストリンジェンシー条件は、37℃の30〜35%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の緩衝液でのハイブリダイゼーション、及び50〜55℃の1X−2X SSC(20X SSC=3.0M NaCl/0.3Mクエン酸三ナトリウム)中での洗浄を含む。例示的な中ストリンジェンシー条件は、37℃の40〜45%ホルムアミド、1.0M NaCl、1%SDS中でのハイブリダイゼーション、及び55〜60℃の0.5X〜1X SSC中での洗浄を含む。例示的な高ストリンジェンシー条件は、37℃の50%ホルムアミド、1M NaCl、1%SDS中でのハイブリダイゼーション、及び60〜68℃の0.1X SSC中での洗浄を含む。場合により、洗浄緩衝液は約0.1%〜約1%SDSを含み得る。ハイブリダイゼーションの継続期間は一般に約24時間未満、通常は約4時間から約12時間である。
特異性は、典型的にはハイブリダイゼーション後の洗浄の関数であり、重要な因子は最終洗浄液のイオン強度と温度である。DNA−DNAハイブリッドに関して、Tは、MeinkothとWahlの等式(Meinkoth and Wahl (1984) Anal. Biochem. 138:267-284)、
=81.5℃+16.6(logM)+0.41(%GC)−0.61(%ホルムアミド)−500/L
[式中、Mは一価カチオンのモル濃度であり、%GCはDNA中のグアノシン及びシトシンヌクレオチドの割合であり、%ホルムアミドはハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミドの割合であり、及びLは塩基対でのハイブリッドの長さである]
から概算できる。Tは、相補的標的配列の50%が完全にマッチするプローブにハイブリダイズする温度(規定されたイオン強度及びpHの下で)である。Tは各々1%のミスマッチについて約1℃ずつ低下する;従って、T、ハイブリダイゼーション、及び/又は洗浄条件は、所望の同一性の配列にハイブリダイズするように調整することができる。例えば≧90%の同一性を有する配列が求められる場合、Tを10℃低下させることができる。一般に、ストリンジェント条件は、規定されたイオン強度とpHの下で特定配列及びその相補物についての熱融点(T)よりも約5℃低くなるように選択される。しかし、極めてストリンジェントな条件では、熱融点(T)よりも1、2、3又は4℃低い温度でのハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を用いることができる;中等度のストリンジェンシーの条件では、熱融点(T)よりも6、7、8、9又は10℃低い温度でのハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を用いることができる;低ストリンジェンシー条件では、熱融点(T)よりも11、12、13、14、15又は20℃低い温度でのハイブリダイゼーション及び/又は洗浄を用いることができる。上記等式、ハイブリダイゼーション及び洗浄組成物、及び所望Tを使用して、当業者は、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄液のストリンジェンシーの変化が固有に表されることを理解するであろう。所望の度合のミスマッチが45℃未満(水溶液)又は32℃未満(ホルムアミド溶液)のTを生じさせる場合は、より高い温度が使用できるようにSSC濃度を高めることが好ましい。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な指針は、Tijssen (1993) Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology - Hybridization with Nucleic Acid Probes, Part I, Chapter 2 (Elsevier, New York); and Ausubel et al, eds. (1995) Current Protocols in Molecular Biology, Chapter 2 (Greene Publishing and Wiley-Interscience, New York). See Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)に認められる。
E.コドン使用頻度
本明細書において開示する核酸配列は、宿主生物のコドン使用頻度に基づいて調節し得る。コドン使用頻度又はコドン選択は当分野において周知である。選択したコード配列を、その遺伝子コードを細菌宿主細胞によって使用されるものに適合するように変更することによって修飾してもよく、そのコドン配列を、宿主によって使用されるものにより良く近づけるように改善し得る。遺伝子暗号の選択及びコドン使用頻度の改善は、当業者に公知の様々な方法のいずれかに従って、例えばオリゴヌクレオチド指定突然変異誘発によって実施し得る。この方法を支援するための有用なオンラインインターネットリソースは、例えば、(1)the Kazusa DNA Research Institute(2−6−7 Kazusa−kamatari,Kisarazu,Chiba 292−0818 Japanの、www.kazusa.or.jp/codonにおいて利用可能なコドン使用頻度データベース;及び(2)www.ncbi.nln.nih.gov/−Taxonomy/Utils/wprintgc.cgi?mode=cにおけるNCBI Taxonomyデータベースより利用可能な遺伝暗号表を含む。例えばシュードモナス種は、NCBI TaxonomyサイトのGenetic Code Translation Table 11を利用すると報告され、及びthe Kazusaサイトではwww.kazusa.or.ip/codon/cgibinで示される表のコドン使用頻度を示すと報告されている。分泌シグナルポリペプチド、本文中別の個所で述べる対象ポリペプチド又はその両方についてのコード配列が、コドン使用頻度に合わせて調節できることが認識される。
F.発現ベクター
本発明のもう1つの実施形態は、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙にターゲティングするために有用な、新規分泌ポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターを包含する。1つの実施形態では、ベクターは、プロモーターに作動可能に連結された、本明細書において開示する分泌シグナルポリペプチドに実質的に類似するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。発現可能なコード配列は、選択宿主細胞内で機能することができる転写プロモーター、並びに他の必要なすべての転写及び翻訳調節エレメントに作動可能に連結される。
「作動可能に連結」という用語は、転写及び任意の翻訳調節エレメントが、コード配列に対して、宿主細胞において及び宿主細胞の作用によって調節エレメントがコード配列の発現を指令できるような配置でコード配列に共有結合している任意の立体配置を指す。
ベクターは、典型的には、ベクターの維持を確実にするため及び、所望する場合は、宿主内での増幅を提供するための、1又はそれ以上の表現型選択マーカー及び複製起点を含む。本開示に従った形質転換のための適切な宿主はシュードモナス属の中の様々な種を含み、P.フルオレッセンスの宿主細胞株が特に好ましい。
1つの実施形態では、ベクターは、本明細書で開示する分泌シグナルに作動可能に連結された、対象タンパク質又はポリペプチドの発現のためのコード配列をさらに含む。組換えタンパク質及びポリペプチドは、標的ポリペプチドコード配列が、宿主細胞がそこから前記タンパク質又はポリペプチドを発現することができる機能的遺伝子を形成するためのリーダー配列並びに転写及び翻訳調節エレメントに作動可能に連結されている、ポリヌクレオチドから発現され得る。コード配列は、利用可能である場合は、標的ポリペプチドについての天然コード配列であり得るが、より好ましくは、例えば宿主の種のコドン使用の偏りを反映するように遺伝子を合成することによって、選択発現宿主細胞における使用のために選択された、改善された又は最適化されたコード配列である。本発明の1つの実施形態では、宿主の種はP.フルオレッセンスであり、シグナル配列及び/又はタンパク質若しくはポリペプチド配列の両方を設計する場合に、P.フルオレッセンスのコドンバイアスを考慮に入れる。遺伝子(1又は単数)は、1又はそれ以上のベクター内で構築されるか又はベクター内に挿入され、その後発現宿主細胞に形質転換され得る。
他の調節エレメントもベクター(「発現構築物」とも称される)に含まれ得る。そのようなエレメントは、例えば、発現されたポリペプチドの同定、分離、精製及び/又は単離を容易にする、転写エンハンサー配列、翻訳エンハンサー配列、他のプロモーター、アクチベーター、翻訳開始及び終結シグナル、転写ターミネーター、シストロン性調節因子、多シストロン性調節因子、タグ配列、例えばヌクレオチド配列「タグ」及び「タグ」ポリペプチドコード配列を含むが、これらに限定されない。
もう1つの実施形態では、発現ベクターは、分泌シグナルについてのコード配列又は対象タンパク質若しくはポリペプチドについてのコード配列に隣接するタグ配列をさらに含む。1つの実施形態では、このタグ配列はタンパク質の精製を可能にする。タグ配列は、アフィニティータグ、例えばヘキサヒスチジンアフィニティータグであり得る。もう1つの実施形態では、アフィニティータグは、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ分子であり得る。タグはまた、蛍光分子、例えばYFP若しくはGFP、又はそのような蛍光タンパク質の類似体であり得る。タグはまた、抗体分子の部分、又は精製のために有用な公知の結合パートナーについての公知の抗原又はリガンドであり得る。
本発明に従ったタンパク質コード遺伝子は、タンパク質コード配列に加えて、それに作動可能に連結された以下の調節エレメント:プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、転写ターミネーター、翻訳開始シグナル及び翻訳終結シグナルを含み得る。有用なRBSは、本発明に従った発現系における宿主細胞として有用な種のいずれかから、好ましくは選択宿主細胞から入手できる。多くの特定の及び様々なコンセンサスRBSが公知であり、例えばD. Frishman et al, Starts of bacterial genes: estimating the reliability of computer predictions, Gene 234(2):257-65 (8 Jul. 1999); and B. E. Suzek et al, A probabilistic method for identifying start codons in bacterial genomes, Bioinformatics 17(12): 1123-30 (December 2001)において記述され、参照されているものである。加えて、天然又は合成のいずれかのRBS、例えば欧州特許第EP 0207459号(合成RBS);O. Ikehata et al, Primary structure of nitrile hydratase deduced from the nucleotide sequence of a Rhodococcus species and its expression in Escherichia coli, Eur. J. Biochem. 181(3):563-70 (1989)(AAGGAAGの天然RBS配列)に述べられているものを使用してもよい。本発明において有用な方法、ベクター、翻訳及び転写エレメント、及び他のエレメントのさらなる例は、例えばGilroyへの米国特許第5,055,294号及びGilroy et al.への米国特許第5,128,130号;Rammler et al.への米国特許第5,281,532号;Barnes et al.への米国特許第4,695,455号及び同第4,861,595号;Gray et al.への米国特許第4,755,465号;及びWilcoxへの米国特許第5,169,760号に記載されている。
本発明のタンパク質をコードするDNAの転写は、ベクター又はプラスミド内にエンハンサー配列を挿入することによって上昇する。典型的なエンハンサーは、プロモーターに作用してその転写を上昇させる、通常約10〜300bpの大きさの、DNAのシス作用性エレメントである。具体例は、様々なシュードモナスエンハンサーを含む。
一般に、組換え発現ベクターは、宿主細胞の形質転換を可能にする複製起点と選択マーカー、及び下流の構造配列の転写を指令するための高度発現遺伝子に由来するプロモーターを含む。そのようなプロモーターは、中でも特に、酵素、例えば3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)、酸性ホスファターゼ、又は熱ショックタンパク質をコードするオペロンに由来し得る。異種構造配列を、翻訳開始及び終結配列、及び好ましくは、翻訳されたポリペプチドの分泌を指令することができる分泌配列と共に、適切な段階(phase)で構築させる。場合により異種配列は、所望特性、例えば発現された組換え産物の安定化又は精製の単純化を付与するN末端同定ポリペプチドを含む融合ポリペプチドをコードし得る。
ベクターは、宿主細胞において組換えタンパク質を発現するために当分野において公知であり、本発明に従った遺伝子を発現するためにこれらのいずれかを使用し得る。そのようなベクターは、例えばプラスミド、コスミド及びファージ発現ベクターを含む。有用なプラスミドベクターの例は、発現プラスミドpBBR1MCS、pDSK519、pKT240、pML122、pPS10、RK2、RK6、pRO1600及びRSF1010を含むが、これらに限定されない。そのような有用なベクターの他の例は、例えば、N. Hayase, in Appl. Envir. Microbiol. 60(9):3336-42 (September 1994); A. A. Lushnikov et al, in Basic Life Sci. 30:657-62 (1985); S. Graupner & W. Wackemagel, in Biomolec. Eng. 17(1):11-16. (October 2000); H. P. Schweizer, in Curr. Opin. Biotech. 12(5):439-45 (October 2001); M. Bagdasarian & K. N. Timmis, in Curr. Topics Microbiol. Immunol. 96:47-67 (1982); T. Ishii et al, in FEMS Microbiol. Lett. 116(3):307-13 (Mar. 1, 1994); I. N. Olekhnovich & Y. K. Fomichev, in Gene 140(l):63-65 (Mar. 11, 1994); M. Tsuda & T. Nakazawa, in Gene 136(l-2):257-62 (Dec. 22, 1993); C. Nieto et al., in Gene 87(l):145-49 (Mar. 1, 1990); J. D. Jones & N. Gutterson, in Gene 61(3):299-306 (1987); M. Bagdasarian et al, in Gene 16(l-3):237- 47 (December 1981); H. P. Schweizer et al, in Genet. Eng. (NY) 23:69-81 (2001); P. Mukhopadhyay et al., in J. Bact. 172(l):477-80 (January 1990); D. O. Wood et al, in J. Bact. 145(3): 1448-51 (March 1981); and R. Holtwick et al, in Microbiology 147(Pt 2):337-44 (February 2001)によって述べられているものを含む。
本発明の分泌シグナル構築物を含む宿主細胞において有用であり得る発現ベクターのさらなる例は、指示されているレプリコンに由来する、表2に列挙されているものを含む。
発現プラスミド、RSF1010は、例えばF. Heffron et al., in Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 72(9):3623-27 (September 1975), and by K. Nagahari & K. Sakaguchi, in J. Bact. 133(3): 1527-29 (March 1978)によって記述されている。プラスミドRSF1010及びその誘導体は本発明において特に有用なベクターである。当分野において公知であるRSF1010の有用な例示的誘導体は、例えばpKT212、pKT214、pKT231と関連プラスミド、及びpMYC1050と関連プラスミド(例えばThompson et al.への米国特許第5,527,883号及び同第5,840,554号参照)、例えばpMYC1803を含む。プラスミドpMYC1803は、RSF1010に基づくプラスミドpTJS260(Wilcoxへの米国特許第5,169,760号参照)に由来し、調節されたテトラサイクリン耐性マーカー及びRSF1010プラスミドからの複製及び動員(mobilization)遺伝子座を担持する。他の有用な例示的ベクターは、Puhler et al.への米国特許第4,680,264号に述べられているものを含む。
1つの実施形態では、発現プラスミドを発現ベクターとして使用する。もう1つの実施形態では、RSF1010又はその誘導体を発現ベクターとして用いる。さらにもう1つの実施形態では、pMYC1050若しくはその誘導体、又はpMYC4803若しくはその誘導体を発現ベクターとして使用する。
プラスミドは、選択マーカー遺伝子をプラスミド内に含めることによって宿主細胞内に維持され得る。これは、抗生物質耐性遺伝子(1又は複数)であり得、その場合は対応する抗生物質(1又は複数)を発酵培地に添加し、又は当分野において公知の何らかの他の種類の選択マーカー遺伝子、例えば原栄養性復元遺伝子であり得、その場合は対応する形質、例えば生体触媒性形質、例えばアミノ酸生合成又はヌクレオチド生合成形質、又は炭素源利用形質についての栄養素要求株である宿主細胞においてプラスミドを使用する。
本発明に従って使用されるプロモーターは、構成的プロモーター又は調節プロモーターであり得る。有用な調節プロモーターの一般的な例は、lacプロモーター(すなわちlacZプロモーター)に由来するファミリーのもの、特にDeBoerへの米国特許第4,551,433号に述べられているtac及びtrcプロモーター、並びにPtac16、Ptac17、PtacII、PlacUV5及びT7lacプロモーターを含む。1つの実施形態では、プロモーターは宿主細胞生物に由来しない。ある実施形態では、プロモーターは大腸菌生物に由来する。
本発明に従った発現系において有用な非lac型プロモーターの一般的な例は、例えば表3に列挙されるものを含む。
例えば、J. Sanchez-Romero & V. De Lorenzo (1999) Genetic Engineering of Nonpathogenic Pseudomonas strains as Biocatalysts for Industrial and Environmental Processes, in Manual of Industrial Microbiology and Biotechnology (A. Demain & J. Davies, eds.) pp. 460-74 (ASM Press, Washington, D.C.); H. Schweizer (2001) Vectors to express foreign genes and techniques to monitor gene expression for Pseudomonads, Current Opinion in Biotechnology, 12:439-445; and R. Slater & R. Williams (2000) The Expression of Foreign DNA in Bacteria, in Molecular Biology and Biotechnology (J. Walker & R. Rapley, eds.) pp. 125-54 (The Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK))参照。選択細菌宿主細胞に対して天然のプロモーターのヌクレオチド配列を有するプロモーターも、標的ポリペプチド、例えばシュードモナスのアントラニル酸塩又は安息香酸塩オペロンプロモーター(Pant、Pben)をコードする導入遺伝子の発現を制御するために使用し得る。配列が同じであるか異なるかにかかわらず、例えばPant−Pbenタンデムプロモーター(プロモーター間ハイブリッド)又はPlac−Placタンデムプロモーターのように、又は同じ生物に由来するか異なる生物に由来するかにかかわらず、2以上のプロモーターがもう1つの別のプロモーターに共有結合しているタンデムプロモーターも使用し得る。
調節プロモーター(regulated promoters)は、プロモーターがその一部である遺伝子の転写を制御するためにプモーター調節タンパク質を利用する。本明細書中で調節プロモーターを使用する場合、対応するプロモーター調節タンパク質も、本発明に従った発現系の一部である。プロモーター制御タンパク質の例は、アクチベータータンパク質、例えば大腸菌のカタボライトアクチベータータンパク質、MalTタンパク質;AraCファミリー転写活性化因子;リプレッサータンパク質、例えば大腸菌LacIタンパク質;及び二元機能調節タンパク質、例えば大腸菌NagCタンパク質を含む。多くの調節プロモーター/プロモーター調節タンパク質の対が当分野において公知である。
プロモーター調節タンパク質は、そのタンパク質がプロモーターの制御下にある遺伝子の少なくとも1つのDNA転写調節領域から離れる又は前記領域に結合することを可能にするように、エフェクター化合物、すなわち調節タンパク質と可逆的又は不可逆的に結合する化合物と相互作用し、それによって遺伝子の転写を開始する上での転写酵素の作用を許容するか又はブロックする。エフェクター化合物は誘導物質又はコリプレッサーのいずれかとして分類され、これらの化合物は、天然エフェクター化合物及び無償性(gratuitous)インデューサー化合物を含む。多くの調節プロモーター/プロモーター調節タンパク質/エフェクター化合物の組合せが当分野において公知である。エフェクター化合物は細胞培養又は発酵の間を通して使用できるが、調節プロモーターを用いる好ましい実施形態では、所望量又は密度の宿主細胞バイオマスの増殖後、適切なエフェクター化合物を培養物に添加し、対象タンパク質又はポリペプチドをコードする所望遺伝子(1又は複数)の発現を直接的又は間接的に生じさせる。
一例として、lacファミリーのプロモーターを使用する場合、lacI遺伝子もその系に存在し得る。(通常は)構成的に発現される遺伝子であるlacI遺伝子は、これらのプロモーターのlacオペレーターに結合するLacリプレッサータンパク質(LacDタンパク質)をコードする。それ故、lacファミリーのプロモーターを使用する場合、lacI遺伝子も同時に発現系に含め、その発現系において発現させることができる。lacプロモーターファミリーの成員、例えばtacプロモーターの場合、エフェクター化合物は誘導物質であり、好ましくは無償性誘導物質、例えばIPTG(「イソプロピルチオガラクトシド」とも称される、イソプロピル−D−1−チオガラクトピラノシド)である。
対象タンパク質又はポリペプチドの発現のために、任意の植物プロモーターも使用し得る。プロモーターは、植物RNAポリメラーゼIIプロモーターであり得る。植物プロモーターに含まれるエレメントは、典型的には転写開始部位の約25〜35塩基対上流(5’側)に位置するTATAボックス又はゴールドバーグ・ホグネスボックス、及び70〜100塩基対上流に位置するCCAATボックスであり得る。植物において、CCAATボックスは、哺乳動物プロモーターの機能的類似配列とは異なるコンセンサス配列を有し得る(Messing et al. (1983) In: Genetic Engineering of Plants, Kosuge et al., eds., pp. 211-227)。加えて、実質的にすべてのプロモーターが、転写開始部位の−100bpから−1,000bp付近又はさらに上流に及ぶ、付加的な上流活性化配列又はエンハンサーを含む(Benoist and Chambon (1981) Nature 290:304-310; Gruss et al. (1981) Proc. Nat. Acad. Sci. 78:943-947; and Khoury and Gruss (1983) Cell 27:313-314)。
G.発現系
本発明はさらに、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙にターゲティングするために有用な改善された発現系を提供する。1つの実施形態では、系は、宿主細胞、及びpbp、dsbA、dsbC、Bce、CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、ORF5550、Ttg2C及びORF8124分泌シグナル配列から成る群より選択される分泌シグナルに作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、又は配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、20、21又は23として本明細書において開示される分泌シグナル配列に実質的に相同である配列、又は配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24をコードするヌクレオチド配列を含む、上述したベクターを含む。一部の実施形態では、シグナル配列と対象タンパク質又はポリペプチドの間でいかなる修飾も行われない。しかし、ある実施形態では、ポリペプチドのアミノ末端の適切なプロセシングを促進するために付加的な切断シグナルが組み込まれる。
分泌系はまた、以下で述べるような発酵培地を含み得る。1つの実施形態では、系は無機塩培地を含む。もう1つの実施形態では、系は培地中に化学誘導物質を含む。
CHAMPION(商標)pET発現系は高レベルのタンパク質生産を提供する。強力なT7lacプロモーターから発現が誘導される。この系は、対象遺伝子の高レベルの転写のためにバクテリオファージT7 RNAポリメラーゼの高い活性と特異性を利用する。プロモーター領域に位置するlacオペレーターは、従来のT7に基づくベクターよりも厳密な調節を提供し、プラスミドの安定性と細胞の生存能を改善する(Studier and Moffatt (1986) J Molecular Biology 189(1): 113-30; Rosenberg, et al. (1987) Gene 56(1): 125-35)。T7発現系は、対象遺伝子の高レベル転写のためにT7プロモーター及びT7 RNAポリメラーゼ(T7 RNAP)を使用する。T7 RNAPは天然の大腸菌RNAPよりも進歩しており(processive)、対象遺伝子の転写専用であるので、高レベルの発現がT7発現系において達成される。同定された遺伝子の発現は、宿主細胞においてT7 RNAPのソースを提供することによって誘導される。これは、T7 RNAP遺伝子の染色体コピーを含むBL21大腸菌宿主を用いることによって達成される。T7 RNAP遺伝子は、IPTGによって誘導され得るlacUV5プロモーターの制御下にある。誘導時にT7 RNAPが発現され、対象遺伝子を転写する。
pBAD発現系は、特定炭素源、例えばグルコース、グリセロール及びアラビノースの存在を通して、対象タンパク質又はポリペプチドの厳密に制御された定量可能な発現を可能にする。(Guzman, et al. (1995) J Bacteriology 177(14): 4121-30)。pBADベクターは、発現レベルに対して正確な制御を与えるように独自に設計されている。pBADベクターからの異種遺伝子の発現はaraBADプロモーターにおいて開始される。前記プロモーターは、araC遺伝子の産物によって正及び負の両方に調節される。AraCは、L−アラビノースと複合体を形成する転写調節因子である。L−アラビノースが存在しない場合、AraC二量体は転写をブロックする。最大の転写活性化のためには2つの事象が必要である。(i.)L−アラビノースがAraCと結合して転写を開始させること、(ii.)cAMPアクチベータータンパク質(CAP)−cAMP複合体がDNAと結合し、プロモーター領域の正しい位置へのAraCの結合を刺激すること。
trc発現系は、大腸菌におけるtrcプロモーターからの高レベルの調節された発現を可能にする。trc発現ベクターは大腸菌における真核生物遺伝子の発現のために最適化されてきた。trcプロモーターは、トリプトファン(trp)プロモーターとラクトース(lac)プロモーターに由来する強力なハイブリッドプロモーターである。trcプロモーターはlacOオペレーター及びlacIQ遺伝子の産物によって調節される(Brosius, J. (1984) Gene 27(2): 161-72)。
本明細書において開示するベクター(1又は複数)による宿主細胞の形質転換は、当分野において公知のいかなる形質転換法を用いて実施してもよく、細菌宿主細胞は無傷細胞として又はプロトプラスト(すなわち細胞質体を含む)として形質転換され得る。例示的な形質転換法は、穿孔法、例えばエレクトロポレーション(電気穿孔法)、プロトプラスト融合、細菌接合、及び二価カチオン処理、例えば塩化カルシウム処理又はCaCl/Mg 処理、又は当分野における他の周知の方法を含む。例えばMorrison, J. Bact, 132:349-351 (1977); Clark-Curtiss & Curtiss, Methods in Enzymology, 101 :347-362 (Wu et al, eds, 1983), Sambrook et al, Molecular Cloning, A Laboratory Manual (2nd ed. 1989); Kriegler, Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual (1990); and Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al, eds., 1994)参照。
E.宿主細胞
1つの実施形態では、本発明は、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙にターゲティングするために有用な発現系を提供する。1つの実施形態では、この系は分泌シグナルペプチドを利用する。もう1つの実施形態では、発現系は、本明細書において開示する分泌シグナルを含むタンパク質の発現のためのP.フルオレッセンス発現系である。本発明のこの態様は、P.フルオレッセンスがP.フルオレッセンス系と非P.フルオレッセンス系のいずれに由来する分泌シグナルをも適切にプロセシングし、ターゲティングすることができるという驚くべき発見に基づく。
この実施形態では、宿主細胞は「グラム陰性プロテオバクテリア(Proteobacteria)サブグループ18」から選択できる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ18」は、シュードモナス・フルオレッセンス種のすべての亜種、変種、菌株及び他の準特殊(sub-special)単位の群と定義され、例えば以下に属するものを含む(括弧内に例示的な菌株(1又は複数)のATCC番号又は他の寄託番号を示す)。次亜種1又は次亜種Iとも称される、シュードモナス・フルオレッセンスバイオタイプA(ATCC 13525);次亜種2又は次亜種IIとも称される、シュードモナス・フルオレッセンスバイオタイプB(ATCC 17816);次亜種3又は次亜種IIIとも称される、シュードモナス・フルオレッセンスバイオタイプC(ATCC 17400);次亜種4又は次亜種IVとも称される、シュードモナス・フルオレッセンスバイオタイプF(ATCC 12983);次亜種5又は次亜種Vとも称される、シュードモナス・フルオレッセンスバイオタイプG(ATCC 17518);シュードモナス・フルオレッセンス次亜種VI;シュードモナス・フルオレッセンスPf0−1;シュードモナス・フルオレッセンスPf−5(ATCC BAA−477);シュードモナス・フルオレッセンスSBW25;及びシュードモナス・フルオレッセンス亜種セルロサ(NCIMB 10462)。
宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ19」から選択できる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ19」は、シュードモナス・フルオレッセンスバイオタイプAのすべての菌株の群と定義される。このバイオタイプの特に好ましい菌株は、P・フルオレッセンスMB101株(Wilcoxへの米国特許第5,169,760号参照)及びその誘導体である。その好ましい誘導体の一例は、MB101染色体のasd(アスパラギン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子)座に天然の大腸菌PlacI−lacI−lacZYA構築物(すなわちPlacZが欠失している)を挿入することによって構築される、P・フルオレッセンスMB214株である。
本発明において使用できるさらなるP・フルオレッセンス株は、以下のATCC番号を有するシュードモナス・フルオレッセンス・ミグラ(Migula)及びシュードモナス・フルオレッセンス・ロイトキトク(Loitokitok)を含む。[NCIB 8286];NRRL B−1244;NCIB 8865株CO1;NCIB 8866株CO;1291[ATCC 17458;IFO 15837;NCIB 8917;LA;NRRL B−1864;ピロリジン;PW2[ICMP3966;NCPPB967;NRRLB−899];13475;NCTC10038;NRRLB−1603[6;IFO15840];52−lC;CCEB488−A[BU140];CCEB553[EM15/47];IAM1008[AHH−27];IAM1055[AHH−23];1[IFO15842];12[ATCC 25323;NIH 11;den Dooren de Jong 216];18[IFO15833;WRRLP−7];93[TR−10];108[52−22;IFO15832];143[IFO15836;PL];149[2−40−40;IFO15838];182[IFO3081;PJ73];184[IFO15830];185[W2L−1];186[IFO15829;PJ79];187[NCPPB263];188[NCPPB316];189[PJ227;1208];191[IFO15834;PJ236;22/1];194[Klinge R−60;PJ253];196[PJ288];197[PJ290];198[PJ302];201[PJ368];202[PJ372];203[PJ376];204[IFO15835;PJ682];205[PJ686];206[PJ692];207[PJ693];208[PJ722];212.[PJ832];215[PJ849];216[PJ885];267[B−9];271[B−1612];401[C71A;IFO15831;PJ187];NRRLB−3178[4;IFO.15841];KY8521;3081;30−21;[IFO3081];N;PYR;PW;D946−B83[BU2183;FERM−P3328];P−2563[FERM−P2894;IFO13658];IAM−1126[43F];M−1;A506[A5−06];A505[A5−05−1];A526[A5−26];B69;72;NRRLB−4290;PMW6[NCIB11615];SC12936;Al[IFO15839];F1847[CDC−EB];F1848[CDC93];NCIB10586;P17;F−12;AmMS257;PRA25;6133D02;6519E01;Ni;SC15208;BNL−WVC;NCTC2583[NCIB8194];H13;1013[ATCC11251;CCEB295];IFO3903;1062;またはPf−5。
1つの実施形態では、宿主細胞は、上述したP.フルオレッセンス細胞を含む、対象タンパク質又はポリペプチドを生産することができる何らかの細胞であり得る。対象タンパク質又はポリペプチドを生産するために最も一般的に用いられる系は、それらの比較的安価な増殖必要条件と大規模バッチ培養でタンパク質を生産する潜在的能力の故に、特定細菌細胞、特に大腸菌を含む。酵母も、特に研究目的のために、生物学的に関連するタンパク質及びポリペプチドを発現するために使用される。系は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)又はピキア・パストリス(Pichia pastoris)を含む。これらの系は十分に特性決定されており、一般的に許容されるレベルの全タンパク質発現を提供し、比較的迅速で安価である。昆虫細胞発現系も、生物学的に活性な形態の組換えタンパク質を発現するための選択肢として浮上してきた。一部の場合には、翻訳後修飾された適切に折りたたまれたタンパク質を生産することができる。哺乳動物細胞発現系、例えばチャイニーズハムスター卵巣細胞も、対象タンパク質又はポリペプチドの発現のために使用されてきた。小規模では、これらの発現系はしばしば有効である。ある種の生物学的製剤は、特に動物又はヒトの健康への適用において、タンパク質に由来し得る。もう1つの実施形態では、宿主細胞は、タバコ細胞、トウモロコシ、アラビドプシス(Arabidopsis)種からの細胞、ジャガイモ又はイネ細胞を含むが、これらに限定されない植物細胞である。もう1つの実施形態では、トランスジェニック生物を含むがこれに限定されない多細胞生物を、前記工程において分析する又は改変する。多細胞生物を分析する及び/又は改変するための手法は、一般に以下で述べる細胞を改変するための記述されている手法に基づく。
もう1つの実施形態では、宿主細胞は原核細胞、例えば細菌細胞であり得、エシェリキア種又はシュードモナス種を含むが、これらに限定されない。典型的な細菌細胞は、例えばウエブサイトwww.emc.maricotpa.edu/faculty/farabee/BIOBK/BioBookDiversityにおいてDr M J Farabee of the Estrella Mountain Community College, Arizona, USAによって提供される、「Biological Diversity: Bacteria and Archaeans」, a chapter of the On-Line Biology Bookに記載されている。ある実施形態では、宿主細胞はシュードモナス細胞であり得、典型的にはP.フルオレッセンス細胞であり得る。他の実施形態では、宿主細胞はまた、大腸菌細胞であり得る。もう1つの実施形態では、宿主細胞は真核細胞、例えば昆虫細胞であり得、スポドプテラ(Spodoptera)種、トリコプルシア(Trichoplusia)種、ドロソフィラ(Drosophila)種又はエスチグメネ(Estigmene)種からの細胞を含むがこれらに限定されず、又は宿主細胞は哺乳動物細胞であり得、例えばマウス細胞、ハムスター細胞、サル、霊長動物又はヒト細胞を含むがこれらに限定されない。
1つの実施形態では、宿主細胞は細菌分類群のいずれかの成員であり得る。細胞は、例えば真正細菌のいずれかの種の成員であり得る。宿主は、以下の分類群のいずれか1つの成員であり得る。アシドバクテリウム門(Acidobacteria)、放線菌門(アクチノバクテリア門)(Actinobacteira)、アクイフェックス門(Aquificae)、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、クロロビウム門(Chlorobi)、クラミジア属(Chlamydiae)、緑色非硫黄細菌門(クロロフレクサス門)(Choroflexi)、クリシオゲネス門(Chrysiogenetes)、シアノバクテリア門(Cyanobacteria)、デフェリバクター門(Deferribacteres)、デイノコッカス門(Deinococcus)、ディクチオグロムス門(Dictyoglomi)、フィブロバクター門(Fibrobacteres)、グラム陽性細菌門(ファーミキューテス門)(Firmicutes)、フソバクテリア門(Fusobacteria)、ゲマティモナス門(Gemmatimonadetes)、レンチスファエラ門(Lentisphaerae)、ニトロスピラ門(Nitrospirae)、プランクトミセス門(Planctomycetes)、プロテオバクテリア門(Proteobacteria)、スピロヘータ門(Spirochaetes)、サーモデスルフォバクテリア門(Thermodesulfobacteria)、サーモミクロビア門(Thermomicrobia)、サーモトガ門(Thermotogae)、サーマス属(Thermus)(サーマス目(Thermales))又はベルコミクロビア門(Verrucomicrobia)。真正細菌宿主細胞の1つの実施形態では、細胞は、シアノバクテリア門を除く真正細菌のいずれかの種の成員であり得る。
細菌宿主はまた、プロテオバクテリア門のいずれかの種の成員でもあり得る。プロテオバクテリア宿主細胞は、アルファプロテオバクテリア綱(Alphaproteobacteria)、ベータプロテオバクテリア綱(Betaproteobacteria)、ガンマプロテオバクテリア綱(Gammaproteobacteria)、デルタプロテオバクテリア綱(Deltaproteobacteria)又はイプシロンプロテオバクテリア綱(Epsilonproteobacteria)分類群のいずれか1つの成員であり得る。加えて、宿主は、アルファプロテオバクテリア綱、ベータプロテオバクテリア綱又はガンマプロテオバクテリア綱分類群のいずれか1つの成員であり得、及びガンマプロテオバクテリア綱のいずれかの種の成員であり得る。
ガンマプロテオバクテリア宿主の1つの実施形態では、宿主は、エアロモナス目(Aeromonadales)、アルテロモナス目(Alteromonadales)、エンテロバクター目(Enterobacteriales)、シュードモナス目(Pseudomonadales)又はキサントモナス目(Xanthomonadales)分類群のいずれか1つの成員;又はエンテロバクター目又はシュードモナス目のいずれかの種の成員である。1つの実施形態では、宿主細胞はエンテロバクター目であり得、宿主細胞は、腸内細菌科(エンテロバクテリアセエ)(Enterobacteriaceae)の成員であるか、又はエルウィニア属(Erwinia)、エシェリキア属又はセラチア属(Serratia)のいずれか1つの成員;又はエシェリキア属の成員であり得る。宿主細胞がシュードモナス目である場合、宿主細胞は、シュードモナス属を含む、シュードモナス科(シュードモナダセエ)(Pseudomonadaceae)の成員であり得る。ガンマプロテオバクテリア宿主は、大腸菌種の成員及びシュードモナス・フルオレッセンス種の成員を含む。
他のシュードモナス生物も有用であり得る。シュードモナス及び近縁種は、グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ1を含み、このサブグループは、R. E. Buchanan and N.E. Gibbons (eds.), Bergey's Manual of Determinative Bacteriology, pp. 217-289 (8th ed., 1974) (The Williams & Wilkins Co., Baltimore, Md., USA)(以下「Bergey (1974)」)によって「グラム陰性好気性桿菌及び球菌(Gram- Negative Aerobic Rods and Cocci)」として記載された科及び/又は属に属するプロテオバクテリアの群を含む。表4は、これらの科及び属の生物を提示する。
「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ1」も、この分類において使用される判定基準に従ってこの表題に分類されるプロテオバクテリアを含む。この表題はまた、以前はこの項目に分類されたが、現在ではもはやこれに分類されない群、例えばアシドボラクス属(Acidovorax)、ブレブンディモナス属(Brevundimonas)、ブルクホルデリア属(Burkholderia)、ヒドロゲノファーガ属(Hydrogenophaga)、オセアニモナス属(Oceanimonas)、ラルストニア属(Ralstonia)及びステノトロフォモナス属(Stenotrophomonas)、キサントモナス属(Xanthomonas)に属する(及び以前はその種と称されていた) 生物を再分類することによって創出されたスフィンゴモナス属(Sphingomonas)(及びそれに由来するブラストモナス属(Blastomonas))、Bergey (1974)において定義されたアセトバクター属(Acetobacter)に属する生物を再分類することによって創出されたアシドモナス属(Acidomonas)を包含する。加えて、宿主は、シュードモナス属からの細胞、それぞれアルテロモナス・ハロプランクティス(Alteromonas haloplanktis)、アルテロモナス・ニグリファシエンス(Alteromonas nigrifaciens)及びアルテロモナス・プトレファシエンス(Alteromonas putrefaciens)として再分類された、シュードモナス・エナリア(Pseudomonas enalia)(ATCC 14393)、シュードモナス・ニグリファシエンス(Pseudomonas nigrifaciensi)(ATCC 19375)及びシュードモナス・プトレファシエンス(Pseudomonas putrefaciens)(ATCC 8071)からの細胞を含み得る。同様に、例えばシュードモナス・アシドボランス(Pseudomonas acidovorans)(ATCC 15668)及びシュードモナス・テストステロニ(Pseudomonas testosteroni)(ATCC 11996)は、その後、それぞれコマモナス・アシドボランス(Comamonas acidovorans)及びコマモナス・テストステロニ(Comamonas testosteroni)として再分類された;シュードモナス・ニグリファシエンス(ATCC 19375)及びシュードモナス・ピシシダ(Pseudomonas piscicida)(ATCC 15057)は、それぞれシュードアルテロモナス・ニグリファシエンス(Pseudoalteromonas nigrifaciens)及びシュードアルテロモナス・ピシシダ(Pseudoalteromonas piscicida)として再分類された。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ1」はまた、以下の科、シュードモナス科、アゾトバクター科(Azotobacteraceae)(現在はしばしばシュードモナス科の「アゾトバクター群」の異名で呼ばれる)、リゾビウム科及びメチロモナス科(現在はしばしば「メチロコッカス科(Methylococcaceae)」の異名で呼ばれる)のいずれかに属すると分類されるプロテオバクテリアを含む。その結果として、ここで述べる属に加えて、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ1」に属するさらなるプロテオバクテリア属は、1)アゾリゾフィルス属(Azorhizophilus)のアゾトバクター群細菌;2)セルビブリオ属(Cellvibrio)、オリゲラ属(Oligella)及びテレジニバクター属(Teredinibacter)のシュードモナス科細菌;3)ケラトバクター属(Chelatobacter)、エンシファー属(Ensifer)、リベリバクター属(Liberibacter)(「カンジダタス・リベリバクター(Candidatus Liberibacter)」とも呼ばれる)及びシノリゾビウム属(Sinorhizobium)のリゾビウム科細菌;及び4)メチロバクター属(Methylobacter)、メチロカルダム属(Methylocaldum)、メチロミクロビウム属(Methylomicrobium)、メチロサルシナ属(Methylosarcina)及びメチロスファエラ属(Methylosphaera)のメチロコッカス科細菌を包含する。
もう1つの実施形態では、宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ2」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ2」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される(括弧内に、カタログに列挙され、公的に利用可能である寄託された菌株の総数を示しており、異なる指示がない限り、すべてATCCに寄託されている)、アシドモナス(2);アセトバクター(93);グルコノバクター(Gluconobacter)(37);ブレブンディモナス(23);ベイジェリンキア(Beyerinckia)(13);デルキシア(2);ブルセラ(4);アグロバクテリウム(Agrobacterium)(79);ケラトバクター(2);エンシファー(3);リゾビウム(144);シノリゾビウム(24);ブラストモナス(1);スフィンゴモナス(27);アルカリゲネス(Alcaligenes)(88);ボルデテラ(Bordetella)(43);ブルクホルデリア(73);ラルストニア(33);アシドボラクス(20);ヒドロゲノファーガ(9);ズーグレア(Zoogloea)(9);メチロバクター(2);メチロカルダム(NCIMBに1);メチロコッカス(2);メチロミクロビウム(2);メチロモナス(9);メチロサルシナ(1);メチロスファエラ;アゾモナス(Azomonas)(9);アゾリゾフィルス(5);アゾトバクター(64);セルビブリオ(3);オリゲラ(5);シュードモナス(1139);フランシセラ(Francisella)(4);キサントモナス(229);ステノトロフォモナス(50);及びオセアニモナス(Oceanimonas)(4)。
「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ2」の例示的な宿主細胞種は、以下の細菌を含むが、これらに限定されない(括弧内にその例示的菌株(1又は複数)のATCC又は他の寄託番号を示す)。アシドモナス・メタノリサ(Acidomonas methanolica)(ATCC 43581);アセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)(ATCC 15973);グルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)(ATCC 19357);ブレブンディモナス・ジミヌタ(Brevundimonas diminuta)(ATCC 11568);ベイジェリンキア・インディカ(Beijerinckia indica)(ATCC 9039及びATCC 19361);デルキシア・グモーサ(Derxia gummosa)(ATCC 15994);ブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)(ATCC 23456)、ブルセラ・アボルタス(Brucella abortus)(ATCC 23448);アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)(ATCC 23308)、アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)(ATCC 19358)、アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)(ATCC 11325);ケラトバクター・ヘインツィ(Chelatobacter heintzii)(ATCC 29600);エンシファー・アドヘレンス(Ensifer adhaerens)(ATCC 33212);リゾビウム・レグミノサルム(Rhizobium leguminosarum)(ATCC 10004);シノリゾビウム・フレジ(Sinorhizobium fredii)(ATCC 35423);ブラストモナス・ナタトリア(Blastomonas natatoria)(ATCC 35951);スフィンゴモナス・パウチモビリス(Sphingomonas paucimobilis)(ATCC 29837);アルカリゲネス・フェカリス(Alcaligenes faecalis)(ATCC 8750);百日咳菌(Bordetella pertussis)(ATCC 9797);ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)(ATCC 25416);ラルストニア・ピケッティ(Ralstonia pickettii)(ATCC 27511);アシドボラクス・ファシリス(Acidovorax facilis)(ATCC 11228);ヒドロゲノファーガ・フラバ(Hydrogenophaga flava)(ATCC 33667);ズーグレア・ラミゲラ(Zoogloea ramigera)(ATCC 19544);メチロバクター・ルテウス(Methylobacter luteus)(ATCC 49878);メチロカルダム・グラシール(Methylocaldum gracile)(NCIMB 11912);メチロコッカス・カプスラツス(Methylococcus capsulatus)(ATCC 19069);メチロミクロビウム・アギレ(Methylomicrobium agile)(ATCC 35068);メチロモナス・メタニカ(Methylomonas methanica)(ATCC 35067);メチロサルシナ・フィブラータ(Methylosarcina fibrata)(ATCC 700909);メチロスファエラ・ハンソニイ(Methylosphaera hansonii)(ACAM 549);アゾモナス・アギリス(Azomonas agilis)(ATCC 7494);アゾリゾフィルス・パスパリ(Azorhizophilus paspali)(ATCC 23833);アゾトバクター・クロオコッカム(Azotobacter chroococcum)(ATCC 9043);セルビブリオ・ミクスタス(Cellvibrio mixtus)(UQM2601);オリゲラ・ウレスラリス(Oligella urethralis)(ATCC 17960);緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(ATCC 10145)、シュードモナス・フルオレッセンス(ATCC 35858);フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)(ATCC 6223);ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)(ATCC 13637);キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)(ATCC 33913);及びオセアニモナス・ダウドロフィイ(Oceanimonas doudoroffii)(ATCC 27123)。
もう1つの実施形態では、宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ3」から選択できる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ3」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。ブレブンディモナス;アグロバクテリウム;リゾビウム;シノリゾビウム;ブラストモナス;スフィンゴモナス;アルカリゲネス;ブルクホルデリア;ラルストニア;アシドボラクス;ヒドロゲノファーガ;メチロバクター;メチロカルダム;メチロコッカス;メチロミクロビウム;メチロモナス;メチロサルシナ;メチロスファエラ;アゾモナス;アゾリゾフィルス;アゾトバクター;セルビブリオ;オリゲラ;シュードモナス;テレジニバクター;フランシセラ;ステノトロフォモナス;キサントモナス;及びオセアニモナス。
もう1つの実施形態では、宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ4」から選択される。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ4」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。ブレブンディモナス;ブラストモナス;スフィンゴモナス;ブルクホルデリア;ラルストニア;アシドボラクス;ヒドロゲノファーガ;メチロバクター;メチロカルダム;メチロコッカス;メチロミクロビウム;メチロモナス;メチロサルシナ;メチロスファエラ;アゾモナス;アゾリゾフィルス;アゾトバクター;セルビブリオ;オリゲラ;シュードモナス;テレジニバクター;フランシセラ;ステノトロフォモナス;キサントモナス;及びオセアニモナス。
もう1つの実施形態では、宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ5」から選択できる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ5」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。メチロバクター;メチロカルダム;メチロコッカス;メチロミクロビウム;メチロモナス;メチロサルシナ;メチロスファエラ;アゾモナス;アゾリゾフィルス;アゾトバクター;セルビブリオ;オリゲラ;シュードモナス;テレジニバクター;フランシセラ;ステノトロフォモナス;キサントモナス;及びオセアニモナス。
宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ6」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ6」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。ブレブンディモナス;ブラストモナス;スフィンゴモナス;ブルクホルデリア;ラルストニア;アシドボラクス;ヒドロゲノファーガ;アゾモナス;アゾリゾフィルス;アゾトバクター;セルビブリオ;オリゲラ;シュードモナス;テレジニバクター;ステノトロフォモナス;キサントモナス;及びオセアニモナス。
宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ7」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ7」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。アゾモナス;アゾリゾフィルス;アゾトバクター;セルビブリオ;オリゲラ;シュードモナス;テレジニバクター;ステノトロフォモナス;キサントモナス;及びオセアニモナス。
宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ8」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ8」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。ブレブンディモナス;ブラストモナス;スフィンゴモナス;ブルクホルデリア;ラルストニア;アシドボラクス;ヒドロゲノファーガ;シュードモナス;ステノトロフォモナス;キサントモナス;及びオセアニモナス。
宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ9」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ9」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。ブレブンディモナス;ブルクホルデリア;ラルストニア;アシドボラクス;ヒドロゲノファーガ;シュードモナス;ステノトロフォモナス;及びオセアニモナス。
宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ10」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ10」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。ブルクホルデリア;ラルストニア;シュードモナス;ステノトロフォモナス;及びキサントモナス。
宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ11」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ11」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。シュードモナス;ステノトロフォモナス;及びキサントモナス。宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ12」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ12」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。ブルクホルデリア;ラルストニア;シュードモナス。宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ13」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ13」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。ブルクホルデリア;ラルストニア;シュードモナス;及びキサントモナス。宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ14」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ14」は、以下の属のプロテオバクテリアの群と定義される。シュードモナス及びキサントモナス。宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ15」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ15」は、シュードモナス属のプロテオバクテリアの群と定義される。
宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ16」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ16」は、以下のシュードモナス種のプロテオバクテリアの群と定義される(括弧内に例示的な菌株(1又は複数)のATCC又は他の寄託番号を示す)。シュードモナス・アビエタニフィラ(Pseudomonas abietaniphila)(ATCC 700689);緑膿菌(ATCC 10145);シュードモナス・アルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)(ATCC 14909);シュードモナス・アンギリセプティカ(Pseudomonas anguilliseptica)(ATCC 33660);シュードモナス・シトロネロリス(Pseudomonas citronellolis)(ATCC 13674);シュードモナス・フラベセンス(Pseudomonas flavescens)(ATCC 51555);シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)(ATCC 25411);シュードモナス・ニトロレデュセンス(Pseudomonas nitroreducens)(ATCC 33634);シュードモナス・オレオボランス(Pseudomonas oleovorans)(ATCC 8062);シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas pseudoalcaligenes)(ATCC 17440);シュードモナス・レジノボランス(Pseudomonas resinovorans)(ATCC 14235);シュードモナス・ストラミネア(Pseudomonas straminea)(ATCC 33636);シュードモナス・アガリシ(Pseudomonas agarici)(ATCC 25941);シュードモナス・アルカリフィラ(Pseudomonas alcaliphila);シュードモナス・アルギノボラ(Pseudomonas alginovora);シュードモナス・アンデルソニイ(Pseudomonas andersonii);シュードモナス・アスプレニイ(Pseudomonas asplenii)(ATCC 23835);シュードモナス・アゼライカ(Pseudomonas azelaica)(ATCC 27162);シュードモナス・ベイジェリンキイ(Pseudomonas beyerinckii)(ATCC 19372);シュードモナス・ボレアリス(Pseudomonas borealis);シュードモナス・ボレオポリス(Pseudomonas boreopolis)(ATCC 33662);シュードモナス・ブラシカセラム(Pseudomonas brassicacearum);シュードモナス・ブタノボラ(Pseudomonas butanovora)(ATCC 43655);シュードモナス・セルロサ(Pseudomonas cellulosa)(ATCC 55703);シュードモナス・アウランチアカ(Pseudomonas aurantiaca)(ATCC 33663);シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)(ATCC 9446、ATCC 13985、ATCC 17418、ATCC 17461);シュードモナス・フラジ(Pseudomonas fragi)(ATCC 4973);シュードモナス・ルンデンシス(Pseudomonas lundensis)(ATCC 49968);シュードモナス・タエトロレンス(Pseudomonas taetrolens)(ATCC 4683);シュードモナス・シシコーラ(Pseudomonas cissicola)(ATCC 33616);シュードモナス・コロナファシエンス(Pseudomonas coronafaciens);シュードモナス・ジテルペニフィラ(Pseudomonas diterpeniphila);シュードモナス・エロンガータ(Pseudomonas elongata)(ATCC 10144);シュードモナス・フレクテンス(Pseudomonas flectens)(ATCC 12775);シュードモナス・アゾトフォルマンス(Pseudomonas azotoformans);シュードモナス・ブレンネリ(Pseudomonas brenneri;);シュードモナス・セドレラ(Pseudomonas cedrella);シュードモナス・コルガータ(Pseudomonas corrugata)(ATCC 29736);シュードモナス・エクストレモリエンタリス(Pseudomonas extremorientalis);シュードモナス・フルオレッセンス(ATCC 35858);シュードモナス・ゲサルディイ(Pseudomonas gessardii);シュードモナス・リバネンシス(Pseudomonas libanensis);シュードモナス・マンデリイ(Pseudomonas mandelii)(ATCC 700871);シュードモナス・マージナリス(Pseudomonas marginalis)(ATCC 10844);シュードモナス・ミグラエ(Pseudomonas migulae);シュードモナス・ムシドレンス(Pseudomonas mucidolens)(ATCC 4685);シュードモナス・オリエンタリス(Pseudomonas orientalis);シュードモナス・ローデシアエ(Pseudomonas rhodesiae);シュードモナス・シンクサンタ(Pseudomonas synxantha)(ATCC 9890);シュードモナス・トラアシイ(Pseudomonas tolaasii)(ATCC 33618);シュードモナス・ベロニイ(Pseudomonas veronii)(ATCC 700474);シュードモナス・フレデリクスベルゲンシス(Pseudomonas frederiksbergensis);シュードモナス・ゲニクラタ(Pseudomonas geniculata)(ATCC 19374);シュードモナス・ギンゲリ(Pseudomonas gingeri);シュードモナス・グラミニス(Pseudomonas graminis);シュードモナス・グリモンティ(Pseudomonasgrimontii);シュードモナス・ハロデニトリフィカンス(Pseudomonas halodenitrificans);シュードモナス・ハロフィラ(Pseudomonas halophila);シュードモナス・ヒビシコラ(Pseudomonas hibiscicola)(ATCC 19867);シュードモナス・ヒュッチエンシス(Pseudomonas huttiensis)(ATCC 14670);シュードモナス・ヒドロゲノボラ(Pseudomonas hydrogenovora);シュードモナス・ジェッセニイ(Pseudomonas jessenii)(ATCC 700870);シュードモナス・キロネンシス(Pseudomonas kilonensis);シュードモナス・ランセオラタ(Pseudomonas lanceolata)(ATCC 14669);シュードモナス・リニ(Pseudomonas lini);シュードモナス・マージナタ(Pseudomonas marginata)(ATCC 25417);シュードモナス・メフィチカ(Pseudomonas mephitica)(ATCC 33665);シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrificans)(ATCC 19244);シュードモナス・ペルツシノゲナ(Pseudomonas pertucinogena)(ATCC 190);シュードモナス・ピクトラム(Pseudomonas pictorum)(ATCC 23328);シュードモナス・サイクロフィラ(Pseudomonas psychrophila);シュードモナス・フィルバ(Pseudomonas filva)(ATCC 31418);シュードモナス・モンテイリイ(Pseudomonas monteilii)(ATCC 700476);シュードモナス・モッセリイ(Pseudomonas mosselii);シュードモナス・オリジハビタンス(Pseudomonas oryzihabitans)(ATCC 43272);シュードモナス・プレコグロシシダ(Pseudomonas plecoglossicida)(ATCC 700383);シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)(ATCC 12633);シュードモナス・レアクタンス(Pseudomonas reactans);シュードモナス・スピノサ(Pseudomonas spinosa)(ATCC 14606);シュードモナス・バレアリカ(Pseudomonas balearica);シュードモナス・ルテオラ(Pseudomonas luteola)(ATCC 43273);シュードモナス・スタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)(ATCC 17588);シュードモナス・アミグダリ(Pseudomonas amygdali)(ATCC 33614);シュードモナス・アベラナエ(Pseudomonas avellanae)(ATCC 700331);シュードモナス・カリカパパヤエ(Pseudomonas caricapapayae)(ATCC 33615);シュードモナス・チコリ(Pseudomonas cichorii)(ATCC 10857);シュードモナス・フィクセレクタエ(Pseudomonas ficuserectae)(ATCC 35104);シュードモナス・フソコバギナエ(Pseudomonas fuscovaginae);シュードモナス・メリアエ(Pseudomonas meliae)(ATCC 33050);シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)(ATCC 19310);シュードモナス・ビリジフラバ(Pseudomonas viridiflava)(ATCC 13223);シュードモナス・サーモカルボキシドボランス(Pseudomonas thermocarboxydovorans)(ATCC 35961);シュードモナス・サーモトレランス(Pseudomonas thermotolerans);シュードモナス・チベルバレンシス(Pseudomonas thivervalensis);シュードモナス・バンコウベレンシス(Pseudomonas vancouverensis)(ATCC 700688);シュードモナス・ウィスコンシネンシス(Pseudomonas wisconsinensis);及びシュードモナス・キアメンシス(Pseudomonas xiamenensis)。
宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ17」から選択することができる。「グラム陰性プロテオバクテリアサブグループ17」は、例えば以下のシュードモナス種に属するものを含む、「蛍光性シュードモナス」として当分野において公知のプロテオバクテリアの群と定義される。シュードモナス・アゾトフォルマンス;シュードモナス・ブレンネリ;シュードモナス・セドレラ;シュードモナス・コルガータ;シュードモナス・エクストレモリエンタリス;シュードモナス・フルオレッセンス;シュードモナス・ゲサルディイ(Pseudomonas gessardii);シュードモナス・リバネンシス;シュードモナス・マンデリイ;シュードモナス・マルジナリス;シュードモナス・ミグラエ;シュードモナス・ムシドレンス;シュードモナス・オリエンタリス;シュードモナス・ローデシアエ;シュードモナス・シンクサンタ;シュードモナス・トラアシイ;及びシュードモナス・ベロニイ。
他の適切な宿主は、参考文献の他の部分に分類されているもの、例えばグラム陽性プロテオバクテリアを含む。1つの実施形態では、宿主細胞は大腸菌である。大腸菌についてのゲノム配列は、大腸菌MG1655に関して確立されており(Blattner, et al. (1997) The complete genome sequence of Escherichia coli K-12, Science 277(5331): 1453-74)、DNAマイクロアレイが大腸菌K12に関して市販されている(MWG Inc,High Point,N.C.)。大腸菌は、高栄養培地、例えばルリア−ベルタニ(LB)培地(10g/L トリプトン、5g/L NaCl、5g/L 酵母抽出物)、又は規定最小培地、例えば1%グルコースのような適切な炭素源を含むM9培地(6g/L NaHPO、3g/L KHPO、1g/L NHCl、0.5g/L NaCl、pH7.4)のいずれかにおいて培養することができる。常套的には、大腸菌細胞の一晩培養物を希釈し、振とうフラスコ又は発酵槽中の新鮮高栄養培地又は最小培地に接種して、37℃で増殖させる。
宿主はまた、哺乳動物起源、例えば何らかのヒト又は非ヒト哺乳動物を含む哺乳動物に由来する細胞であり得る。哺乳動物は、霊長動物、サル、ブタ、ヒツジ、ウシ、げっ歯動物、有蹄動物、ブタ、イノシシ、ヒツジ、コヒツジ、ヤギ、ウシ、シカ、ラバ、ウマ、サル、類人猿、イヌ、ネコ、ラット及びマウスを含み得るが、これらに限定されない。
宿主細胞はまた、植物起源であり得る。いかなる植物も、遺伝子及び調節配列の同定のために選択され得る。遺伝子及び調節配列の単離のための適切な植物標的の例は、アルファルファ、リンゴ、アンズ、アラビドプシス、アーティチョーク、ルッコラ、アスパラガス、アボカド、バナナ、オオムギ、マメ類、ビート、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、キャノーラ、マスクメロン、ニンジン、キャッサバ、トウゴマ、カリフラワー、セロリ、サクランボ、チコリ、コリアンダー、柑橘類、クレメンタイン、クローバー、ココナッツ、コーヒー、トウモロコシ、綿、クランベリー、キュウリ、ダグラスファー、ナス、エンダイブ、キクヂシャ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、ニンニク、ヘチマ、ブドウ、グレープフルーツ、ハニーデューメロン、クズイモ、キウイフルーツ、レタス、ニラネギ(リーキ)、レモン、ライム、テーダマツ、亜麻仁、マンゴー、メロン、マッシュルーム、ネクタリン、ナッツ、カラスムギ、アブラヤシ、アブラナ、オクラ、オリーブ、タマネギ、オレンジ、観賞植物、ヤシ、パパイヤ、パセリ、アメリカボウフウ(パースニップ)、エンドウマメ、モモ、落花生、西洋ナシ、コショウ、カキ、マツ、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ポプラ、ジャガイモ、カボチャ、マルメロ、ラジアータマツ、赤チコリ、ダイコン、ナタネ、ラズベリー、イネ、ライムギ、モロコシ、サザンパイン、ダイズ、ホウレンソウ、スカッシュ(カボチャ)、イチゴ、サトウダイコン、サトウキビ、ヒマワリ、サツマイモ、モミジバフウ、ミカン、茶、タバコ、トマト、ライコムギ、芝、カブ、ブドウ、スイカ、コムギ、ヤマイモ及びズッキーニを含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、本発明の方法に有用な植物は、アラビドプシス、トウモロコシ、コムギ、ダイズ及び綿である。
III.方法
本発明の方法は、pbp、dsbA、dsbC、Bce、CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、ORF5550、Ttg2C又はORF812分泌シグナルから選択される分泌シグナルポリペプチドを含む融合タンパク質の発現を提供する。1つの実施形態では、前記方法は、本発明の分泌シグナルに連結された対象タンパク質を発現する宿主細胞を含む。本発明の方法は、本明細書において開示する分泌シグナル配列に作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドを含む組換えタンパク質をコードするベクターを含む宿主細胞、好ましくはP.フルオレッセンス宿主細胞を提供すること、及び前記タンパク質又はポリペプチドの発現を生じさせる条件下で細胞を増殖させることを含む。あるいは、同定した分泌シグナルを使用してタンパク質又はポリペプチドを発現する方法は、真核生物又は原核生物起源の宿主細胞を含む、所与の宿主系において使用することができる。ベクターは、上述した特徴のいずれかを有し得る。1つの実施形態では、ベクターは、配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24として本明細書において開示される分泌シグナルポリペプチド、又はその変異体及びフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む。もう1つの実施形態では、ベクターは、配列番号:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、20、21又は23を含むヌクレオチド配列を含む。
もう1つの実施形態では、宿主細胞はペリプラズムを有し、分泌シグナルポリペプチドの発現は、細胞のペリプラズムへの実質的に全部の対象タンパク質又はポリペプチドのターゲティングを生じさせる。ペリプラズムにおいて発現されるタンパク質のごく一部が、実際上細胞膜を通して細胞外間隙に漏出し得ることは認識される;しかし、標的ポリペプチドの大部分はペリプラズム空間にとどまる。
前記発現はさらに、細胞外タンパク質の生産を導き得る。本発明の方法はまた、ペリプラズムから又は細胞外培地から対象タンパク質又はポリペプチドを精製する工程を含み得る。分泌シグナルを、それがタンパク質に連結されるように発現させることができ、シグナルと結合したタンパク質を細胞から精製することができる。それ故1つの実施形態では、この単離ポリペプチドは、分泌シグナルと対象タンパク質又はポリペプチドの融合タンパク質である。しかし、分泌シグナルはまた、タンパク質がペリプラズムに標的されるとき、タンパク質から切断され得る。1つの実施形態では、分泌シグナルとタンパク質又はポリペプチドの間の結合は、分泌シグナルの切断を高めるように修飾される。
本発明の方法はまた、宿主細胞内での対象タンパク質又はポリペプチドの生産増加を導き得る。生産増加は、選択的に、生産されたタンパク質のグラム当たり又は宿主タンパク質のグラム当たりの、適切にプロセシングされたタンパク質又はポリペプチドのレベル上昇であり得る。生産増加はまた、組換えタンパク質のグラム当たり又は宿主細胞タンパク質のグラム当たりの、生産された回収可能なタンパク質又はポリペプチドのレベル上昇であり得る。生産増加はまた、総タンパク質のレベル上昇、適切にプロセシングされたタンパク質のレベル上昇、又は活性若しくは可溶性タンパク質のレベル上昇の任意の組合せであり得る。この実施形態では、「上昇」という用語は、対象タンパク質又はポリペプチドが本発明の分泌シグナルポリペプチドなしで細胞において発現されるときに生産される、適切にプロセシングされる、可溶性である及び/又は回収可能であるタンパク質又はポリペプチドのレベルと比較してである。
対象タンパク質又はポリペプチドの改善された発現はまた、タンパク質の溶解度の上昇を意味し得る。対象タンパク質又はポリペプチドは、宿主細胞の細胞質、ペリプラズム又は細胞外培地から生産され、回収され得る。タンパク質又はポリペプチドは不溶性又は可溶性であり得る。タンパク質又はポリペプチドは、上記で論じたように、1又はそれ以上のターゲティング配列又は精製を助けるための配列を含み得る。
本明細書において使用する「可溶性」という用語は、タンパク質が、生理的条件下に緩衝液中で10〜30分間遠心したとき約5,000〜20,000xgでの遠心分離によって沈殿しないことを意味する。可溶性タンパク質は、封入体又は他の沈殿塊の一部ではない。同様に、「不溶性」は、タンパク質又はポリペプチドが、生理的条件下に緩衝液中で10〜30分間遠心したとき5,000〜20,000xgでの遠心分離によって沈殿し得ることを意味する。不溶性タンパク質又はポリペプチドは、封入体又は他の沈殿塊の一部であり得る。「封入体」という用語は、その中にタンパク質又はポリペプチドの凝集体が隔離されている(sequestered)、細胞内に含まれる何らかの細胞内物質を含むことを意味する。
本発明の方法は、宿主細胞のペリプラズムに局在化したタンパク質を生産することができる。1つの実施形態では、本発明の方法は、細胞において適切にプロセシングされた対象タンパク質又はポリペプチドを生産する。もう1つの実施形態では、分泌シグナルポリペプチドの発現が、細胞において活性な対象タンパク質又はポリペプチドを生産し得る。本発明の方法はまた、タンパク質が本発明の分泌シグナルなしで発現されたときと比較して、対象タンパク質又はポリペプチドの高い収率を導き得る。
1つの実施形態では、本発明の方法は、ペリプラズム画分において少なくとも0.1g/Lのタンパク質を生産する。もう1つの実施形態では、本発明の方法は、細胞において0.1〜10g/Lのペリプラズムタンパク質、又は少なくとも約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9又は少なくとも約1.0g/Lのペリプラズムタンパク質を生産する。1つの実施形態では、生産される総対象タンパク質又はポリペプチドは、少なくとも1.0g/L、少なくとも約2g/L、少なくとも約3g/L、約4g/L、約5g/L、約6g/L、約7g/L、約8g/L、約10g/L、約15g/L、約20g/L、少なくとも約25g/L又はそれ以上である。一部の実施形態では、生産されるペリプラズムタンパク質の量は、生産される総対象タンパク質又はポリペプチドの少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又はそれ以上である。
1つの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも0.1g/Lの正しくプロセシングされたタンパク質を生産する。正しくプロセシングされたタンパク質は、天然タンパク質のアミノ末端を有する。一部の実施形態では、対象タンパク質又はポリペプチドの少なくとも50%が天然アミノ末端を含む。もう1つの実施形態では、タンパク質の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又はそれ以上が天然タンパク質のアミノ末端を有する。様々な実施形態において、本発明の方法は、細胞において0.1〜10g/Lの正しくプロセシングされたタンパク質、例えば少なくとも約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9又は少なくとも約1.0g/Lの正しくプロセシングされたタンパク質を生産する。もう1つの実施形態では、生産される正しくプロセシングされた対象タンパク質又はポリペプチドの総量は、少なくとも1.0g/L、少なくとも約2g/L、少なくとも約3g/L、約4g/L、約5g/L、約6g/L、約7g/L、約8g/L、約10g/L、約15g/L、約20g/L、約25g/L、約30g/L、約35g/L、約40g/L、約45g/L、少なくとも約50g/L又はそれ以上である。一部の実施形態では、生産される正しくプロセシングされたタンパク質の量は、正しくプロセシングされた形態の総組換えタンパク質の少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、少なくとも約99%又はそれ以上である。
本発明の方法はまた、対象タンパク質又はポリペプチドの高い収率を導き得る。1つの実施形態では、前記方法は、対象タンパク質又はポリペプチドを、総細胞タンパク質(total cell protein)(tcp)の少なくとも約5%、少なくとも約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%又はそれ以上として生産する。「パーセント総細胞タンパク質」は、細胞タンパク質総計(aggregate)のパーセンテージとしての宿主細胞におけるタンパク質又はポリペプチドの量である。パーセント総細胞タンパク質の測定は当分野において周知である。
特定実施形態では、宿主細胞は、無機塩培地において増殖させたとき(すなわち約4℃〜約55℃の温度範囲内で、例えば約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃及び約50℃で)、少なくとも1%tcpの組換えポリペプチド、ポリペプチド、タンパク質又はそのフラグメントの発現レベル及び少なくとも40g/Lの細胞密度を有し得る。特に好ましい実施形態では、発現系は、少なくとも約10リットルの発酵規模で無機塩培地において増殖させたとき(すなわち約4℃〜約55℃(両端を含む)の温度範囲内で)、少なくとも5%tcpのタンパク質又はポリペプチド発現レベル及び少なくとも40g/Lの細胞密度を有する。
実際には、ペリプラズムを標的する異種タンパク質は、おそらく細胞外膜に対する損傷又は細胞外膜の流動性上昇のために、しばしば培養液中で認められる(欧州特許第EP 0 288 451号参照)。この「受動」分泌の割合は、細胞外膜の透過性を上げる様々な機構、コリシン(Miksch et al. (1997) Arch. Microbiol. 167: 143-150);増殖速度(Shokri et al. (2002) App Miocrobiol Biotechnol 58:386-392);TolIIIの過剰発現(Wan and Baneyx (1998) Protein Expression Purif. 14: 13-22);バクテリオシン放出タンパク質(Hsiung et al. (1989) Bio/Technology 7: 267-71);コリシンA溶解タンパク質(Lloubes et al. (1993) Biochimie 75: 451-8);ペリプラズムタンパク質を漏出させる突然変異体(Furlong and Sundstrom (1989) Developments in Indus. Microbio. 30: 141-8);融合パートナー(Jeong and Lee (2002) Appl. Environ. Microbio. 68: 4979-4985);浸透圧ショックによる回収(Taguchi et al. (1990) Biochimica Biophysica Acta 1049: 278-85)を利用することによって上昇させ得る。大腸菌において適切に折りたたまれた活性なタンパク質を生産するために、処理されたタンパク質のペリプラズム空間への輸送とその後の培養液中への局在化が使用されてきた(Wan and Baneyx (1998) Protein Expression Purif. 14: 13-22; Simmons et al. (2002) J. Immun. Meth.263: 133-147; Lundell et al. (1990) J. Indust. Microbio. 5: 215-27)。
A.活性タンパク質の生産
一部の実施形態では、タンパク質はまた、活性形態でも生産され得る。「活性」という用語は生物活性の存在を意味し、この生物活性は、対応する天然タンパク質又はポリペプチドの生物活性に匹敵するか又は実質的に一致する。タンパク質に関して、これは典型的には、ポリヌクレオチド又はポリペプチドが、標準パラメータを使用して対応する天然タンパク質又はポリペプチドと比較して少なくとも約20%、約50%、好ましくは少なくとも約60〜80%、最も好ましくは少なくとも約90〜95%の活性を有する生物学的機能又は作用を含むことを意味する。タンパク質又はポリペプチドの活性の測定は、特定タンパク質又はポリペプチドについての対応する標準的な、標的比較生物学的アッセイを利用して実施できる。対象タンパク質又はポリペプチドが生物活性を保持することの1つの指標は、ポリペプチドが天然ポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。
本発明はまた、対象とする活性タンパク質又はポリペプチドの回収を改善することができる。活性タンパク質は、その配列が由来する天然タンパク質又はポリペプチドの少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、約50%、約60%、少なくとも約70%、約80%、約90%又は少なくとも約95%の比活性を有し得る。さらに、基質特異性(kcat/K)は、場合により天然タンパク質又はポリペプチドと実質的に同様である。典型的には、kcat/Kは、少なくとも約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%又はそれ以上である。タンパク質及びポリペプチドの活性及び基質特異性(kcat/K)を検定する方法及び定量する手段は、当業者に周知である。
対象タンパク質又はポリペプチドの活性はまた、これまでに確立されている天然タンパク質又はポリペプチドの標準活性と比較することができる。あるいは、対象タンパク質又はポリペプチドの活性は、天然タンパク質又はポリペプチドとの同時比較アッセイ又は実質的に同時の比較アッセイにおいて測定することができる。例えばインビトロアッセイは、対象タンパク質又はポリペプチドと標的との間、例えば発現された酵素と基質との間、発現されたホルモンとホルモン受容体との間、発現された抗体と抗原との間等の、何らかの検出可能な相互作用を測定するために使用できる。そのような検出は、熱量の変化、増殖の変化、細胞死、細胞汎発性、放射能の変化、溶解度の変化、ゲル電気泳動及び/又はゲル排除法によって測定したときの分子量の変化、リン酸化能、抗体特異性検定、例えばELISAアッセイ等の測定を含み得る。加えて、インビボアッセイは、天然タンパク質又はポリペプチドの生理的作用と比較した、シュードモナス産生タンパク質又はポリペプチドの生理的作用、例えば重量増加、電解質バランスの変化、血液凝固時間の変化、血餅溶解の変化及び抗原応答の誘導を検出するためのアッセイを含むが、これらに限定されない。一般に、天然タンパク質又はポリペプチドとの比較分析を可能にするいかなるインビトロ又はインビボアッセイも、そのような活性が検定可能である限り、対象タンパク質又はポリペプチドの活性を測定するために使用できる。あるいは、本発明において生産されるタンパク質又はポリペプチドは、タンパク質又はポリペプチドと、通常そのタンパク質又はポリペプチドと相互作用する分子、例えば天然タンパク質が通常相互作用する基質又はシグナル経路の成分との間の相互作用を刺激する又は阻害する能力に関して分析できる。そのようなアッセイは、典型的には、タンパク質又はポリペプチドが標的分子と相互作用することを許容する条件下でタンパク質を基質分子と組み合わせる工程を含むことができ、タンパク質と標的分子との相互作用の生化学的結果を検出することができる。
タンパク質又はポリペプチドの活性を測定するために利用できるアッセイは、例えばRalph, P. J., et al (1984) J. Immunol. 132:1858 or Saiki et al. (1981) J. Immunol. 127:1044, Steward, W. E. II (1980) The Interferon Systems. Springer-Verlag, Vienna and New York, Broxmeyer, H. E., et al. (1982) Blood 60:595, Molecular Cloning: A Laboratory Manua」 , 2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Sambrook, J., E. F. Fritsch and T. Maniatis eds., 1989, and Methods in Enzymology: Guide to Molecular Cloning Techniques, Academic Press, Berger, S. L. and A. R. Kimmel eds., 1987, A K Patra et al, Protein Expr Purif, 18(2): p/182-92 (2000), Kodama et al., J. Biochem. 99: 1465-1472 (1986); Stewart et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 90: 5209-5213 (1993); (Lombillo et al, J. Cell Biol. 128:107-115 (1995); (Vale et al, Cell 42:39-50 (1985)に記載されている。
B.細胞増殖条件
本明細書中に述べる宿主細胞についての細胞増殖条件は、対象タンパク質の発現を促進する条件、及び/又は発現された対象タンパク質の発酵を促進する条件を含み得る。本明細書中で使用するとき、「発酵」という用語は、文字通りの発酵が用いられる実施形態及び他の非発酵培養法が用いられる実施形態の両方を包含する。発酵はいかなる規模でも実施され得る。1つの実施形態では、発酵培地は、高栄養培地、最小培地及び無機塩培地の中から選択され得る;高栄養培地も使用され得るが、好ましくは回避される。もう1つの実施形態では、最小培地又は無機塩培地のいずれかが選択される。さらにもう1つの実施形態では、最小培地が選択される。さらにもう1つの実施形態では、無機塩培地が選択される。無機塩培地が特に好ましい。
無機塩培地は、無機塩及び炭素源、例えばグルコース、スクロース又はグリセロールから成る。無機塩培地の例は、例えばM9培地、シュードモナス培地(ATCC 179)、デービス−ミンギオリ培地(BD Davis & ES Mingioli (1950) in J. Bact. 60:17-28参照)を含む。無機塩培地を作製するために使用される無機塩は、例えばリン酸カリウム、硫酸アンモニウム又は塩化アンモニウム、硫酸マグネシウム又は塩化マグネシウム、及び微量元素、例えば塩化カルシウム、ホウ酸塩、及び鉄、銅、マンガン及び亜鉛の硫酸塩から選択されるものを含む。有機窒素源、例えばペプトン、トリプトン、アミノ酸又は酵母抽出物は、無機塩培地には含まれない。その代わりに無機窒素源が使用され、これは、例えばアンモニウム塩、アンモニア水及びアンモニアガスの中から選択され得る。好ましい無機塩培地は、グルコースを炭素源として含む。無機塩培地と比較すると、最小培地も無機塩と炭素源を含み得るが、例えば低レベルのアミノ酸、ビタミン、ペプトン又は他の成分を添加することができ、但し、これらは極めて微量のレベルで添加される。
1つの実施形態では、以下の表5に列挙する成分を用いて培地を調製することができる。成分は以下の順序で添加され得る。最初に(NH)HPO、KHPO及びクエン酸を蒸留水約30リットルのに溶解し得る;次に微量元素の溶液を添加し、続いて消泡剤、例えばUcolub N 115を添加することができる。次に、加熱滅菌(例えば約121℃で)した後、グルコース、MgSO及びチアミン−HClの滅菌溶液を添加し得る。アンモニア水を用いてpHを約6.8に制御することができる。次に滅菌蒸留水を添加して、初期容量を37lからグリセロール保存溶液(123mL)を差し引いたものに調整することができる。化学薬品は様々な供給業者、例えばMerckから市販されている。この培地は、シュードモナス種及び関連細菌の増殖のための高細胞密度培養(HCDC)を可能にし得る。HCDCはバッチ工程として開始することができ、二相流加(フェドバッチ)培養がそれに続く。バッチ部分での無制限増殖後、バイオマス濃度が数倍に上昇し得る3倍化時間にわたって、増殖を低い特定増殖速度に制御することができる。そのような培養手順のさらなる詳細は、Riesenberg, D.; Schulz, V.; Knorre, W. A.; Pohl, H. D.; Korz, D.; Sanders, E. A.; Ross, A.; Deckwer, W. D. (1991) 「High cell density cultivation of. Escherichia coli, at controlled specific growth rate」 J Biotechnol: 20(1) 17-27によって述べられている。
本発明に従った発現系はいかなる発酵方式でも培養することができる。例えばバッチ(batch)、フェドバッチ(fed-batch)、半連続(semi-continuous)及び連続(continuous)発酵方式がここで使用され得る。タンパク質が細胞外培地に排出される場合は、連続発酵が好ましい。
本発明に従った発現系は、いかなる規模(すなわち容積)の発酵においても導入遺伝子発現のために有用である。従って、例えばマイクロリットル規模、センチリットル規模及びデシリットル規模の発酵容積を使用し得る;また1リットル規模及びより大きな発酵容積も使用できる。1つの実施形態では、発酵容積は1リットル又はそれ以上である。もう1つの実施形態では、発酵容積は、5リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、50リットル、75リットル、100リットル、200リットル、500リットル、1,000リットル、2,000リットル、5,000リットル、10,000リットル又は50,000リットル又はそれ以上である。
本発明において、形質転換宿主細胞の増殖、培養及び/又は発酵は、宿主細胞の生存を許容する温度範囲、好ましくは約4℃〜約55℃の範囲内の温度で実施される。それ故、例えば、「増殖」(growth)(及び「増殖する(grow)」、「増殖すること(growing)」)、「培養(culturing)」(及び「培養物(culture)」)、及び「発酵」(fermentation)(及び「発酵する(ferment)」、「発酵すること(fermenting)」)という用語は、本発明の宿主細胞に関して本明細書中で使用するとき、固有に(inherently)、約4℃〜約55℃(両端を含む)の温度範囲内での「増殖」、「培養」及び「発酵」を意味する。加えて、「増殖」は、活発な細胞分裂及び/又は拡大の生物学的状態、並びに非分裂性及び/又は非拡大性細胞が代謝的に維持されている生物学的状態の両方を示すために用いられ、「増殖」という用語の後者の使用は「維持(maintenance)」という用語と同義である。
分泌されたタンパク質を発現するときにシュードモナス・フルオレッセンスを使用することの付加的な利点は、シュードモナス・フルオレッセンスが一部の他の細菌発現系に比べて高い細胞密度で増殖する能力を含む。このために、本発明に従ったシュードモナス・フルオレッセンス発現系は、約20g/L又はそれ以上の細胞密度を提供することができる。本発明に従ったシュードモナス・フルオレッセンス発現系は、同様に、容積当たりのバイオマスで表したとき、少なくとも約70g/Lの細胞密度を提供することができ、バイオマスは乾燥細胞重量として測定される。
1つの実施形態では、細胞密度は少なくとも約20g/Lである。もう1つの実施形態では、細胞密度は、少なくとも約25g/L、約30g/L、約35g/L、約40g/L、約45g/L、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約110g/L、約120g/L、約130g/L、約140g/L、約又は少なくとも約150g/Lである。
もう1つの実施形態では、誘導時の細胞密度は、約20g/L〜約150g/L;約20g/L〜約120g/L;約20g/L〜約80g/L;約25g/L〜約80g/L;約30g/L〜約80g/L;約35g/L〜約80g/L;約40g/L〜約80g/L;約45g/L〜約80g/L;約50g/L〜約80g/L;約50g/L〜約75g/L;約50g/L〜約70g/L;約40g/L〜約80g/Lである。
C.対象タンパク質又はポリペプチドの単離
対象タンパク質の収率、溶解度、立体配座及び/又は活性を測定するために、宿主細胞及び/又は細胞外培地からタンパク質を単離することが望ましいと考えられる。単離は、適切な測定を行うために用いられるアッセイの必要条件に依存して、粗単離(crude)、半粗単離(semi-crude)又は純粋単離(pure)であり得る。タンパク質は、細胞質において生産され、ペリプラズムに標的され得るか、又は培養若しくは発酵培地中に分泌され得る。ペリプラズムから標的タンパク質を放出させるために、化学物質、例えばクロロホルム(Ames et al. (1984) J. Bacteriol., 160: 1181-1183)、グアニジン−HCl、及びトリトンX−100(Naglak and Wang (1990) Enzyme Microb. Technol., 12: 603-611)を含む処理が使用されてきた。しかし、これらの化学物質は不活性ではなく、多くの組換えタンパク質産物又はその後の精製手順に有害な作用を及ぼし得る。外膜の透過性上昇を生じさせる、大腸菌細胞のグリシン処理も、ペリプラズム内容物を放出させることが報告されている(Ariga et al. (1989) J. Ferm. Bioeng., 68: 243-246)。組換えタンパク質のペリプラズム放出の最も広く使用されている方法は、浸透圧ショック(Nosal and Heppel (1966) J. Biol. Chem., 241 : 3055-3062; Neu and Heppel (1965) J. Biol. Chem., 240: 3685-3692)、卵白(hen eggwhite)(HEW)リゾチーム/エチレンジアミン四酢酸(EDTA)処理(Neu and Heppel (1964) J. Biol. Chem., 239: 3893-3900; Witholt et al.(1976) Biochim. Biophys. Acta, 443: 534-544; Pierce et al. (1995) ICheme Research. Event, 2: 995-997)、及びHEWリゾチーム/浸透圧ショック併用処理(French et al. (1996) Enzyme and Microb. Tech., 19: 332-338)である。Frenchの方法は、分画緩衝液への細胞の再懸濁、続いてペリプラズム画分の回収を含み、リゾチーム処理の直後に浸透圧ショックを実施する。
典型的には、これらの手順は、浸透圧を安定化する培地中での初期破壊と、それに続く非安定化培地での選択的放出を含む。これらの培地の組成(pH、保護剤)及び使用された破壊方法(クロロホルム、HEWリゾチーム、EDTA、超音波処理)は、報告されている特定手順によって異なる。EDTAの代わりに両性イオン界面活性剤を用いたHEWリゾチーム/EDTA処理に関する変法がStabel et al. (1994) Veterinary Microbiol., 38: 307-314によって論じられている。大腸菌を破壊するための細胞内溶解酵素系の使用の一般的総説については、Dabora and Cooney (1990)in Advances in Biochemical Engineering/Biotechnology, Vol. 43, A. Fiechter, ed. (Springer-Verlag: Berlin), pp. 11-30参照。
可溶性タンパク質又は屈折性粒子として、細胞質から対象タンパク質又はポリペプチドを回収するための従来の方法は、機械的破損による細菌細胞の崩壊を含んだ。機械的破壊は、典型的には懸濁液中での局所的キャビテーション(cavitation)の形成、硬質ビーズとの迅速な攪拌、超音波処理又は細胞懸濁液の摩砕を含む(Bacterial Cell Surface Techniques, Hancock and Poxton (John Wiley and Sons Ltd, 1988), Chapter 3, p. 55)。
HEWリゾチームは、細胞壁のペプチドグリカン骨格を加水分解するように生化学的に作用する。この方法は、卵アルブミン(HEWリゾチームを含む)で大腸菌を処理して、後にスフェロプラストとして知られる丸い細胞球体を生成した、Zinder and Arndt (1956) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 42: 586-590によって最初に開発された。これらの構造は、一部の細胞壁成分を保持するが、細胞膜が露出される大きな表面積を有していた。米国特許第5,169,772号は、例えばEDTA、リゾチーム又は有機化合物を用いて、浸透圧が安定化された培地中、例えば20%スクロース溶液中で細菌のエンベロープを破壊すること、その細菌を低イオン強度の緩衝液に曝露することによって破壊された細菌のペリプラズム空間から非ヘパリナーゼ様タンパク質を放出させること、及び低イオン強度で洗浄した細菌を緩衝塩溶液に曝露することによってヘパリナーゼ様タンパク質を放出させることを含む、細菌からヘパリナーゼを精製するための方法を開示する。
これらの方法の多くの異なる修正法が広い範囲の発現系に関して使用されており、それらの成功の度合は様々である(Joseph-Liazun et al. (1990) Gene, 86: 291-295;Carter et al. (1992) Bio/Technology, 10: 163-167)。リゾチームを生産するように組換え細胞培養物を誘導するための試みが報告されている。欧州特許第EP 0 155 189号は、通常は細胞壁構造を破壊する又は溶解することによってそのような宿主細胞を死滅させると予想される、組換え細胞培養物を、リゾチームを生産するように誘導するための手段を開示している。
米国特許第4,595,658号は、大腸菌のペリプラズム空間に輸送されたタンパク質のエクスターナリゼーションを促進するための方法を開示する。この方法は、細胞のリゾチーム処理、機械的摩砕又は浸透圧ショック処理を必要とせずに、ペリプラズム内に位置するタンパク質の選択的単離を可能にする。米国特許第4,637,980号は、細菌産物を直接又は間接的にコードするDNA分子で温度感受性溶原菌を形質転換し、遺伝子産物が細胞内で発現することを許容する条件下で形質転換体を培養して、ファージがコードする機能を誘導するために温度を上昇させて産物を細胞外に出すことにより、細菌産物を生産することを開示している。Asami et al. (1997) J. Ferment. and Bioeng., 83: 511-516は、T4ファージ感染による大腸菌細胞の同調破壊を開示し、Tanji et al. (1998) J. Ferment. and Bioeng., 85: 74-78は、大腸菌細胞の穏やかな破壊のために、T4ファージ内にコードされる溶解遺伝子の制御された発現を開示する。
細胞溶解時に、ゲノムDNAが細胞質から培地中に漏出し、遠心力場において固体の沈降を妨げ得る流体粘度の著しい上昇を生じさせる。DNA高分子を分解するための機械的破壊の間に及ぼされるようなせん断力が存在しない場合、粘性流体を通しての固体のより緩やかな沈降速度は、遠心分離における固体と液体の分離を不十分にする。機械的せん断力以外に、DNA高分子を分解する核酸分解酵素が存在する。大腸菌では、内因性遺伝子endAは、通常はペリプラズムに分泌されて、エンドヌクレアーゼ的にDNAをオリゴデオキシリボヌクレオチドに切断する、エンドヌクレアーゼ(成熟タンパク質の分子量は約24.5 kDである)をコードする。endAは大腸菌によって比較的弱く発現されることが示唆されている(Wackemagel et al. (1995) Gene 154: 55-59)。
1つの実施形態では、ジスルフィド結合を含有する同定されたポリペプチドを活性な可溶性形態で宿主細胞から回収するために、付加的なジスルフィド結合促進条件又は作用物質は必要ではない。1つの実施形態では、トランスジェニックポリペプチド、ポリペプチド、タンパク質又はそのフラグメントは、その活性状態で折りたたまれた分子内立体配座を有する。1つの実施形態では、トランスジェニックポリペプチド、ポリペプチド、タンパク質又はフラグメントは、その活性状態で少なくとも1つの分子内ジスルフィド結合を含む;及びおそらく2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20まで又はそれ以上のジスルフィド結合を含む。
本発明のタンパク質は、当分野において周知の標準的な手法によって単離し、実質的な純度に精製することができ、前記手法は、硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ニッケルクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、分取電気泳動、界面活性剤可溶化、カラムクロマトグラフィーのような物質による選択的沈殿、免疫精製法その他を含むが、これらに限定されない。例えば、立証された分子接着特性を有するタンパク質をリガンドと可逆的に融合することができる。適切なリガンドにより、タンパク質は選択的に精製カラムに吸着され、その後比較的純粋な形態でカラムから遊離され得る。次に、酵素作用によって融合タンパク質を除去する。加えて、免疫アフィニティーカラム又はNi−NTAカラムを用いてタンパク質を精製することができる。一般的な手法はさらに、例えばR. Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Springer-Verlag: N. Y. (1982); Deutscher, Guide to Protein Purification, Academic Press (1990);米国特許第4,511,503号; S. Roe, Protein Purification Techniques: A Practical Approach (Practical Approach Series), Oxford Press (2001); D. Bollag, et al., Protein Methods, Wiley-Lisa, Inc. (1996); AK Patra et al., Protein Expr Purif, 18(2): p/182-92 (2000); and R. Mukhija, et al., Gene 165(2): p. 303-6 (1995)に述べられている。また、例えばAusubel, et al .(1987 and periodic supplements); Deutscher (1990) 「Guide to Protein Purification,」 Methods in Enzymology vol. 182, and other volumes in this series; Coligan, et al. (1996 and periodic Supplements) Current Protocols in Protein Science Wiley/Greene, NY;及びタンパク質精製製品の使用に関する製造者の文献、例えばPharmacia,Piscataway,N.J.又はBio−Rad,Richmond,Calif.も参照のこと。組換え手法との組合せは、適切なセグメント、例えばFLAG配列又はプロテアーゼで除去できる配列によって融合され得る等価物への融合を可能にする。例えばHochuli (1989) Chemische Industrie 12:69-70; Hochuli (1990) 「Purification of Recombinant Proteins with Metal Chelate Absorbent」 in Setlow (ed.) Genetic Engineering, Principle and Methods 12:87-98, Plenum Press, NY; and Crowe, et al. (1992) QIAexpress: The High Level Expression & Protein Purification System QUIAGEN, Inc., Chatsworth, Calif.も参照のこと。
発現されたタンパク質の検出は当分野において公知の方法によって達成され、例えば放射免疫検定法、ウエスタンブロット手法又は免疫沈降法を含む。
本発明において発現される特定タンパク質は、不溶性凝集体(「封入体」)を形成し得る。いくつかのプロトコールが封入体からのタンパク質の精製に適する。例えば封入体の精製は、典型的には、宿主細胞の破壊による、例えば50mM TRIS/HCl pH7.5、50mM NaCl、5mM MgCl、1mM DTT、0.1mM ATP及び1mM PMSFの緩衝液中でのインキュベーションによる、封入体の抽出、分離及び/又は精製を含む。細胞懸濁液を、典型的にはフレンチプレスに2〜3回通して溶解する。細胞懸濁液はまた、Polytron(Brinkman Instruments)を用いて均質化し得るか又は氷上で超音波処理することができる。細菌を溶解する代替的な方法は当業者に明白である(例えばSambrook et al., supra; Ausubel et al., supra参照)。
必要に応じて、封入体を可溶化することができ、溶解した細胞懸濁液を、典型的に望ましくない不溶性物質を除去するために遠心分離することができる。封入体を形成したタンパク質は、適合性緩衝液での希釈又は透析によって再生(renatured)し得る。適切な溶媒は、尿素(約4M〜約8M)、ホルムアミド(容積/容積比で少なくとも約80%)及び塩酸グアニジン(約4M〜約8M)を含むが、これらに限定されない。塩酸グアニジン及び類似物質は変性剤であるが、この変性は不可逆的ではなく、変性剤の除去(例えば透析による)又は希釈後に再生が起こり得、免疫学的及び/又は生物学的に活性なタンパク質の再形成を可能にする。他の適切な緩衝液は当業者に公知である。
上清中に存在する異種発現されたタンパク質は、当業者に周知の標準的な分離手法によって宿主タンパク質から分離することができる。例えば最初の塩分画は、対象タンパク質又はポリペプチドから望ましくない宿主細胞のタンパク質(又は細胞培地に由来するタンパク質)の多くを分離することができる。そのような例の1つは硫酸アンモニウムであり得る。硫酸アンモニウムは、タンパク質混合物中の水分量を有効に減少させることによってタンパク質を沈殿させる。次に、タンパク質をそれらの溶解度に基づいて沈殿させる。タンパク質がより疎水性であるほど、より低い硫酸アンモニウム濃度で沈殿する可能性が高い。典型的なプロトコールは、生じる硫酸アンモニウム濃度が20〜30%になるように飽和硫酸アンモニウムをタンパク質溶液に添加することを含む。この濃度は最も疎水性のタンパク質を沈殿させる。次に、沈殿物を廃棄し(対象タンパク質が疎水性でない限り)、対象タンパク質を沈殿させることが既知である濃度まで硫酸アンモニウムを上清に添加する。その後沈殿物を緩衝液中で可溶化し、必要に応じて、透析又はダイアフィルトレーション(diafiltration)のいずれかを通して過剰の塩を除去する。タンパク質の溶解度に基づく他の方法、例えば冷エタノール沈殿は当業者に周知であり、複雑なタンパク質混合物を分画するために使用できる。
種々の細孔径の膜(例えばAmicon又はMillipore膜)を通しての限外ろ過を用いてより大きな又はより小さなサイズのタンパク質から対象タンパク質又はポリペプチドを単離するために、対象タンパク質又はポリペプチドの分子量が利用できる。最初の工程として、タンパク質混合物を、対象タンパク質の分子量よりも低い分子量カットオフ値を有する細孔径の膜を通して限外ろ過することができる。限外ろ過の保持液を、次に、対象タンパク質の分子量よりも大きい分子量カットオフ値を有する膜に対して限外ろ過することができる。対象タンパク質又はポリペプチドは膜を通過してろ液中に移動する。その後、以下で述べるようにろ液をクロマトグラフィーにかけることができる。
分泌された対象タンパク質又はポリペプチドはまた、その大きさ、正味表面電荷、疎水性及びリガンドに対する親和性に基づいて他のタンパク質から分離することもできる。加えて、タンパク質に対して惹起した抗体をカラムマトリックスに結合し、タンパク質を免疫精製することができる。これらの方法はすべて当分野において周知である。クロマトグラフィー手法が、いかなる規模でも及び多くの異なる製造者(例えばPharmacia Biotech)からの装置を使用して実施できることは当業者に明白である。
D.再生(Renaturation)及びリフォールディング(Reforlding)
本発明の一部の実施形態では、50%を超える発現され、生産されるトランスジェニックポリペプチド、ポリペプチド、タンパク質又はそのフラグメントが、宿主細胞において再生可能な形態で生産され得る。もう1つの実施形態では、発現されるタンパク質の約60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%が活性形態で得られるか又は活性形態に再生され得る。
タンパク質の二次構造及び三次構造立体配座を生成するために不溶性タンパク質を再生又はリフォールディングすることができる。タンパク質のリフォールディング工程は、組換え産物の立体配置を完了するときに、必要に応じて利用できる。リフォールディング及び再生は、タンパク質の解離/会合を促進することが当分野で公知の物質を用いて達成できる。例えばタンパク質をジチオトレイトールと共にインキュベートし、次いで酸化型グルタチオン二ナトリウム塩と共にインキュベートして、さらにリフォールディング剤、例えば尿素を含む緩衝液と共にインキュベートすることができる。
対象タンパク質又はポリペプチドはまた、例えばリン酸緩衝食塩水(PBS)又は50mM 酢酸ナトリウム、pH6 緩衝液プラス200mM NaClに対して透析することによって再生できる。あるいは、プロテアーゼ阻害剤を含む、500mM NaCl、20% グリセロール、20mM Tris/HCl pH7.4での6M−1M 尿素の直線勾配を使用することにより、タンパク質をカラム、例えばNi NTAカラムに固定化してリフォールディングすることができる。再生は、1時間半又はそれ以上の期間にわたって実施できる。再生後、250mM イミダゾールを添加することによってタンパク質を溶出できる。イミダゾールは、PBS又は50mM酢酸ナトリウム、pH6の緩衝液プラス200mM NaClに対する最終的な透析工程によって除去することができる。精製されたタンパク質は、4℃で保存するか又は−80℃で凍結することができる。
他の方法は、例えばM H Lee et al., Protein Expr. Purif., 25(1): p. 166-73 (2002), W. K. Cho et al., J. Biotechnology, 77(2-3): p. 169-78 (2000), Ausubel, et al. (1987 and periodic supplements), Deutscher (1990) 「Guide to Protein Purification,」 Methods in Enzymology vol. 182, and other volumes in this series, Coligan, et al. (1996 and periodic Supplements) Current Protocols in Protein Science Wiley/Greene, NY, S. Roe, Protein Purification Techniques: A Practical Approach (Practical Approach Series), Oxford Press (2001); D. Bollag, et al., Protein Methods, Wiley-Lisa, Inc. (1996)に記載されているものを含む。
E.対象タンパク質
本発明の方法及び組成物は、細胞発現系において高レベルの適切にプロセシングされた対象タンパク質又はポリペプチドを生産するために有用である。対象タンパク質又はポリペプチド(本明細書中では「標的タンパク質」又は「標的ポリペプチド」とも称される)は、いかなる種及びいかなる大きさでもあり得る。しかし、ある実施形態では、対象タンパク質又はポリペプチドは、治療上有用なタンパク質又はポリペプチドである。一部の実施形態では、タンパク質は、哺乳動物タンパク質、例えばヒトタンパク質であり得、及び例えば増殖因子、サイトカイン、ケモカイン又は血液タンパク質であり得る。対象タンパク質又はポリペプチドは、天然タンパク質又はポリペプチドと同様の方法でプロセシングすることができる。ある実施形態では、タンパク質又はポリペプチドはコード配列内に分泌シグナルを含まない。ある実施形態では、対象タンパク質又はポリペプチドは、100kD未満、50kD未満又は30kD未満の大きさである。ある実施形態では、対象タンパク質又はポリペプチドは、少なくとも約5、10、15、20、30、40、50又は100アミノ酸のポリペプチドである。
分子遺伝学及び遺伝子工学手法のために必要とされる広汎な配列情報は、広く公的に利用可能である。哺乳動物並びにヒトの完全なヌクレオチド配列、遺伝子、cDNA配列、アミノ酸配列及びゲノムへのアクセスは、ウエブサイト//www.ncbi.nlm.nih.gov/EntrezにおいてGenBankから得られる。さらなる情報は、Weizmann Institute of Science Genome and Bioinformatics(bioinformatics.weizmann.ac.il/cards)からの、遺伝子及びそれらの産物についての情報及び生物医学適用を統合した電子百科事典である、GeneCardsから入手でき、ヌクレオチド配列情報はまた、EMBL Nucleotide Sequence Database (www.ebi.ac.uk/embl/)又はDNA Databank or Japan(DDBJ,www.ddbi.nig.ac.ii/)からも入手でき、アミノ酸配列に関する情報についてのさらなるサイトは、Georgetown’s protein information resource website(www−nbrf.Reorgetown.edu/pirl)及びSwiss−Prot(au.expasy.org/sprot/sprot−top.html)を含む。
本発明において発現され得るタンパク質の例は、例えばレニン、ヒト成長ホルモンを含む成長ホルモン;ウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α1アンチトリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;トロンボポエチン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;凝固因子、例えば第VIIIC因子、第IX因子、組織因子及びフォン・ビルブランド因子;抗凝固因子、例えばプロテインC;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性物質;プラスミノーゲンアクチベーター、例えばウロキナーゼ又はヒト尿若しくは組織プラスミノーゲンアクチベーター(t−PA);ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子α及びβ;エンケファリナーゼ;血清アルブミン、例えばヒト血清アルブミン;ミューラー阻害物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ポリペプチド;微生物タンパク質、例えばβラクタマーゼ;DNアーゼ;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモン又は増殖因子についての受容体;インテグリン;プロテインA又はD;リウマチ因子;神経栄養因子、例えば脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5又は−6(NT−3、NT−4、NT−5又はNT−6)、又は神経成長因子、例えばNGF−β;カルジオトロフィン(心臓肥大因子)、例えばカルジオトロフィン−1(CT−1);血小板由来増殖因子(PDGF);線維芽細胞増殖因子、例えばaFGF及びbFGF;上皮増殖因子(EGF);トランスフォーミング増殖因子(TGF)、例えばTGF−α及びTGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4又はTGF−β5を含むTGF−β;インスリン様増殖因子I及びII(IGF−I及びIGF−II);デス(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)、インスリン様増殖因子結合タンパク質;CDタンパク質、例えばCD−3、CD−4、CD−8及びCD−19;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン、例えばインターフェロンα、β及びγ;コロニー刺激因子(CSF)、例えばM−CSF、GM−CSF及びG−CSF;インターロイキン(IL)、例えばIL−1からIL−10;抗HER−2抗体;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス抗原、例えばAIDSエンベロープの一部;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質;抗体;及び上記に列挙したポリペプチドのいずれかのフラグメントなどの分子を含む。
ある実施形態では、タンパク質又はポリペプチドは、IL−1、IL−1a、IL−1b、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−12elasti、IL−13、IL−15、IL−16、IL−18、IL−18BPa、IL−23、IL−24、VIP、エリスロポエチン、GM−CSF、G−CSF、M−CSF、血小板由来増殖因子(PDGF)、MSF、FLT−3リガンド、EGF、線維芽細胞増殖因子(FGF;例えばαFGF(FGF−1)、βFGF(FGF−2)、FGF−3、FGF−4、FGF−5、FGF−6又はFGF−7)、インスリン様増殖因子(例えばIGF−1、IGF−2);腫瘍壊死因子(例えばTNF、リンホトキシン)、神経増殖因子(例えばNGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF);インターフェロン(例えばIFN−α、IFN−β、IFN−γ);白血病抑制因子(LIF);毛様体神経栄養因子(CNTF);オンコスタチンM;幹細胞因子(SCF);トランスフォーミング増殖因子(例えばTGF−α、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3);TNFスーパーファミリー(例えばLIGHT/TNFSF14、STALL−1/TNFSF13B(BLy5、BAFF、THANK)、TNFα/TNFSF2及びTWEAK/TNFSF12);又はケモカイン(BCA−1/BLC−1、BRAK/Kec、CXCL16、CXCR3、ENA−78/LIX、エオタキシン−1、エオタキシン−2/MPIF−2、エクソダス−2/SLC、フラクタルカイン/ニューロタクチン、GROα/MGSA、HCC−1、I−TAC、リンホタクチン/ATAC/SCM、MCP−1/MCAF、MCP−3、MCP−4、MDC/STCP−1/ABCD−1、MIP−1クァドラチュア(quadrature)、MIP−1クァドラチュア、MIP−2クァドラチュア/GROクァドラチュア、MIP−3クァドラチュア/エクソダス/LARC、MIP−3/エクソダス−3/ELC、MIP−4/PARC/DC−CK1、PF−4、RANTES、SDFl、TARC又はTECK)から選択することができる。
本発明の1つの実施形態では、対象タンパク質はマルチサブユニットタンパク質又はポリペプチドであり得る。発現され得るマルチサブユニットタンパク質には、ホモマー(monomeric)及びヘテロマー(heteromeric)タンパク質を含む。マルチサブユニットタンパク質は、同じであるか又は異なっていてもよい、2又はそれ以上のサブユニットを含み得る。例えばタンパク質は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又はそれ以上のサブユニットを含むホモマータンパク質であり得る。タンパク質はまた、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又はそれ以上のサブユニットを含むヘテロマータンパク質であり得る。例示的なマルチサブユニットタンパク質は、イオンチャネル受容体を含む受容体;コンドロイチンを含む細胞外マトリックスタンパク質;コラーゲン;MHCタンパク質、全長鎖抗体及び抗体フラグメントを含む免疫調節剤;RNAポリメラーゼ及びDNAポリメラーゼを含む酵素;及び膜タンパク質を含む。
もう1つの実施形態では、対象タンパク質は血液タンパク質であり得る。この実施形態において発現される血液タンパク質は、担体タンパク質、例えばヒト及びウシアルブミンを含むアルブミン、トランスフェリン、組換えトランスフェリン半分子、ハプトグロビン、フィブリノーゲン及び他の凝固因子、補体成分、免疫グロブリン、酵素阻害剤、アンギオテンシン及びブラジキニンなどの物質の前駆体、インスリン、エンドセリン、及びα、β及びγグロブリンを含むグロブリン、及び主として哺乳動物の血液中で認められる他の種類のタンパク質、ポリペプチド及びそのフラグメントを含むが、これらに限定されない。ヒト血清アルブミン(Lawn, L.M., et al. (1981) Nucleic Acids Research, 9:6103-6114)及びヒト血清トランスフェリン(Yang, F. et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci USA 81:2752-2756)についてのアミノ酸配列を含む、数多くの血液タンパク質についてのアミノ酸配列が報告されている(S. S. Baldwin (1993) Comp. Biochem Physiol. 106b:203-218参照)。
もう1つの実施形態では、対象タンパク質は組換え酵素又は補因子であり得る。この実施形態において発現される酵素及び補因子は、アルドラーゼ、アミンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、アスパルターゼ、B12依存性酵素、カルボキシペプチダーゼ、カルボキシエステラーゼ、カルボキシリアーゼ、ケモトリプシン、CoA要求酵素、シアノヒドリンシンテターゼ、シスタチオンシンターゼ、デカルボキシラーゼ、デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、デヒドラターゼ、ジアホラーゼ、ジオキシゲナーゼ、エノアートレダクターゼ、エポキシドヒドラーゼ、フメラーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、メチルトランスフェラーゼ、ニトリルヒドラーゼ、ヌクレオシドホスホリラーゼ、オキシドレダクターゼ、オキシニトリラーゼ、ペプチダーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、ペルオキシダーゼ、治療的に活性なポリペプチドに融合した酵素、組織プラスミノーゲンアクチベーター;ウロキナーゼ、レプチラーゼ、ストレプトキナーゼ;カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ;DNアーゼ、アミノ酸ヒドロラーゼ(例えばアスパラギナーゼ、アミドヒドロラーゼ);カルボキシペプチダーゼ;プロテアーゼ、トリプシン、ペプシン、キモトリプシン、パパイン、ブロメライン、コラゲナーゼ;ノイラミニダーゼ;ラクターゼ、マルターゼ、スクラーゼ及びアラビノフラノシダーゼを含むが、これらに限定されない。
もう1つの実施形態では、対象タンパク質は、一本鎖、Fabフラグメント及び/又は全長鎖抗体又はそのフラグメント又は部分であり得る。一本鎖抗体は、1本の安定に折りたたまれたポリペプチド鎖上の抗体の抗原結合領域を含み得る。Fabフラグメントは特定抗体の断片であり得る。Fabフラグメントは抗原結合部位を含み得る。Fabフラグメントは、2本の鎖、軽鎖及び重鎖フラグメントを含み得る。これらのフラグメントは、リンカー又はジスルフィド結合によって連結され得る。
対象タンパク質又はポリペプチドについてのコード配列は、利用可能である場合は、標的ポリペプチドについての天然コード配列であり得るが、より好ましくは、例えばシュードモナス種、例えばP.フルオレッセンス又は他の適切な生物のコドン使用の偏りを反映するように遺伝子を合成することによって、選択発現宿主細胞における使用のために選択された、改善された又は最適化されたコード配列である。生じる遺伝子(1又は複数)は、1又はそれ以上のベクター内で構築されるか又はベクター内に挿入され、その後発現宿主細胞に形質転換される。「発現可能形態」で提供されると称される核酸又はポリヌクレオチドは、選択発現宿主細胞によって発現され得る少なくとも1つの遺伝子を含む核酸又はポリヌクレオチドを意味する。
ある実施形態では、対象タンパク質は、天然タンパク質、例えば天然哺乳動物タンパク質又はヒトタンパク質であるか、又はそれに対して実質的に相同である。これらの実施形態では、タンパク質はコンカテマー形態(concatameric form)では認められず、分泌シグナル及び場合により精製及び/又は認識のためのタグ配列に連結されているだけである。
他の実施形態では、対象タンパク質は、約20〜約42℃の温度で活性なタンパク質である。1つの実施形態においては、タンパク質は生理的温度で活性であり、高温又は極端温度、例えば65℃を超える温度に加熱されたとき不活性化される。
1つの実施形態では、対象タンパク質は、約20〜約42℃の温度で活性である、及び/又は高温又は極端温度、例えば65℃を超える温度に加熱されたとき不活性化されるタンパク質であり、天然タンパク質、例えば天然哺乳動物タンパク質又はヒトタンパク質であるか又はそれに対して実質的に相同であり、核酸からコンカテマー形態では発現されない;及びプロモーターは、P.フルオレッセンスにおける天然プロモーターではなく、別の生物、例えば大腸菌に由来する。
他の実施形態では、生産されたときのタンパク質は、付加的なターゲティング配列、例えばタンパク質を細胞外培地に標的する配列も同時に含む。1つの実施形態では、付加的なターゲティング配列は、タンパク質のカルボキシ末端に作動可能に連結されている。もう1つの実施形態では、タンパク質は、自己輸送体、2パートナー分泌系、メイン・ターミナル・ブランチ系又はフィンブリアル・アッシャー・ポーリンについての分泌シグナルを含む。
以下の実施例は、限定としてではなく説明として提供されるものである。
(実施例1.dsbCリーダー配列の同定)
I.実験材料及び方法
A.pDOW2258発現プラスミドの構築
標準的な組換えDNA手法を、DsbCリーダーペプチド−Skp融合タンパク質の発現のために使用されるプラスミドpDOW2258の構築において使用した(図1)。
521bpのdsbC−skpコード配列を増幅するため、製造者のプロトコールに従ってHerculase Master Mix(Stratagene、No.600610−51)、プライマーRC−322(5’−AATTACTAGTAGGAGGTACATTATGCGCTT−3’,配列番号:25)とRC−323(5’−TATACTCGAGTTATTTAACCTGTTTCAGTA−3’,配列番号:26)、及び鋳型プラスミドpDOW3001(SOE PCRによって作製されたクローン化dsbCリーダー−skpコード配列融合物を既に含む)を使用してPCR増幅反応を実施した。QIAQUICK(登録商標)Gel Extraction Kit(Qiagen、No.28704)を用いてPCRフラグメントを精製し、SpeI及びXhoI制限ヌクレアーゼ(New England Biolabs、R0133及びR0146)で消化して、その後T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs、M0202)を製造者のプロトコールに従って使用して発現プラスミドpDOW1169(SpeI及びXhoIで既に消化した)に連結した。連結反応物をエレクトロポレーションによってP.フルオレッセンスDC454(lsc::lacIQ1ΔpyrF)に形質転換し、SOC−ダイズ培地中で回収して、選択培地(M9グルコース寒天)で平板培養した。プラスミドDNA(Qiagen、カタログ番号27106)の制限消化によってコロニーを分析した。誤りのないdsbC−skpコード配列の存在を確認するため、挿入物を含む10のクローンを配列決定した。配列確認した単離物からのプラスミドをpDOW2258と称した。
B.振とうフラスコにおける増殖及び発現分析
pDOW2258を含むP.フルオレッセンス株DC454(lsc::lacIQ1ΔpyrF)単離物を、標準的なDow 1L規模の振とうフラスコ発現プロトコールによって分析した。簡単に述べると、1%グルコース及び微量元素を添加したM9培地で増殖させた種培養物(seed cultures)を使用して、5%グリセロールを炭素源として含む規定最小塩培地200mLに接種した。24時間の初期増殖期後、Ptacプロモーターによる発現を0.3mM イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導した。
培養物を、誘導時(I0)、誘導後24時間目(I24)及び誘導後48時間目(I48)に試料採取した。細胞密度を600nmの光学密度(OD600)によって測定した。細胞密度をOD600=20に調整し、100μLのアリコートを14,000xrpmで5分間遠心分離し、上清を採集した。
振とうフラスコ試料からの可溶性及び不溶性画分を、EASYLYSE(商標)(Epicentre Technologies)を用いて生成した。細胞ペレットを溶解緩衝液(lysis buffer)に再懸濁し、1:4希釈して、室温で30分間振とうしながらインキュベートした。溶解産物(lysate)を14,000rpmで20分間(4℃)遠心分離し、上清を採集した。上清を可溶性画分として保存した。試料を、β−メルカプトエタノール(BioRadカタログ番号161−0737)を含む2Xレムリ試料緩衝液と1:1混合し、5分間煮沸した後、20μLをBio−Rad Criterion 12% Bis−Trisゲル(BioRadカタログ番号45−0112、ロット番号cx090505C2)に負荷し、1X MES緩衝液(カタログ番号161−0788、ロット番号210001188)中で電気泳動した。ゲルを、製造者のプロトコールに従ってSIMPLYBLUE(商標)SafeStain(Invitrogenカタログ番号LC6060)で染色し、Alpha Innotech Imaging systemを用いて画像化した。
C.N末端配列決定分析
SDS−PAGEによって分離した可溶性及び不溶性画分を、10mM CAPS(2.21g/L)、pH11(NaOHにより)及び10%メタノールを転写緩衝液として使用して、40Vで1時間半、配列決定グレードのPVDF膜(Bio−Rad、カタログ番号162−0236)に転写した。ブロットを染色溶液(0.2%クマシーブリリアントブルーR−250、40%メタノール、10%酢酸)中で10秒間染色し、その後直ちに各々10秒間ずつ3回脱染した。対象タンパク質バンドをブロットから切り出し、Applied Biosystems(Foster City,CA)からのPROCISE(登録商標)Protein Sequencer(494型)で実施したエドマン分解を用いて配列決定した。
II.結果
SDS−PAGE分析は、可溶性及び不溶性画分の両方において誘導後24時間目(I24)及び48時間目(I48)の両方でSkpについての予測分子量(〜17kDa)のタンパク質の顕著な蓄積を確認した(図2)。
N末端配列決定分析は、I24のSkpタンパク質についての予想サイズの誘導された可溶性バンドが、プロセシングされた形態のDsbC−Skp(ADKIA、配列番号:27)についての予測タンパク質配列の最初の5アミノ酸を生成したことを確認した。N末端分析はまた、I24の不溶性画分に蓄積した2つのバンドが、プロセシングされた形態とプロセシングされていない形態のDsbC−Skpを生成したことを示した。より高い分子量のバンドは、プロセシングされていない形態のDsbC−Skp(MRLTQIIAAA、配列番号:28)についての予測タンパク質配列の最初の10アミノ酸を生成し、一方より低い分子量のバンドは、プロセシングされた形態のDsbC−Skp protein(ADKIAIVNMG、配列番号:29)についての予測タンパク質配列の最初の10アミノ酸を生成した。図3A及び3B参照。
(実施例2.pbp分泌シグナルの同定)
I.実験材料及び方法
A.菌株
DC206(ΔpyrF、lsc::lacIQ1)を、lacIQ1プロモーター突然変異(Calos et al. 1980)を組み込んでおり、対立遺伝子交換によって遺伝子をMB101ΔpyrFのlsc(レバンスクラーゼ)遺伝子座(Schneider, Jenings et al. 2005b)に組み換えるプライマーを使用した、pCN51lacI(Schneider et al. 2005b)からの大腸菌lacI遺伝子のPCR増幅によって構築した。
B.P.フルオレッセンスシグナル配列をスクリーニングするためのトランスポゾームの構築
kanR遺伝子(カナマイシンに対する耐性をコードする)、及び開始コドンとN末端シグナル配列を欠失しているphoAレポーター遺伝子を、トランスポゾームベクターpMOD−2<MCS>(Epicentre Technologies)内の、ベクターにコードされるトランスポザーゼ結合部位の間に挿入することによって(「モザイク末端」)トランスポゾームベクターを処理した。1.6kBのkanR遺伝子をXhoIでの制限消化によってpUC4−KIXX(Pharmacia)から精製し、次にSalI消化したpMOD2<MCS>に連結してpDOW1245を形成した。シグナル配列を持たないphoA遺伝子を、プライマーによって付加されたBamHI及びXbaI部位を有する大腸菌K12(ATCC)からPCR増幅した。制限消化後、遺伝子をBamHI及びXbaI消化したpDOW1245に連結してpDOW1208を作製した。線状トランスポゾームを、PshA1でのpDOW1208の制限消化及びUltrafree DA(Amicon)を用いた3.3kbのモザイク末端隣接(mosaic-end-flanked)フラグメントのゲル精製によって作製した。MicroBioSpin 6カラム(Biorad)に通した後、30ngをトランスポザーゼ(Epicentre)4単位と混合し、アリコートをP.フルオレッセンスMB101にエレクトロポレーションした。
C.改善されたpbpシグナル配列の同定
phoA活性に関して分析することによってペリプラズム内のプロインスリン−phoAの蓄積を測定することができ、改善された蓄積を有する菌株が選択できるように、pbp−プロインスリンタンパク質を成熟phoA酵素に融合するためにpbp−プロインスリン−phoA発現プラスミドを設計した。pINS−008内のpbpシグナル配列、ヒトプロインスリン及びphoAの間の融合物を、分泌リーダーとプロインスリン、及びプロインスリンと成熟形態のphoAについてのコード配列にオーバーラップする(すなわち天然分泌リーダーを含まない)プライマーを使用して、SOE PCR(Horton et al. 1990)によって構築した。融合物を、SpeI及びXhoIで制限消化し、エビアルカリホスファターゼで処理したpDOW1169(Schneider et al. 2005a; Schneider, Jenings et al. 2005b)においてtacプロモーターの制御下でクローニングし、その後連結して、DC206にエレクトロポレーションし、pINS−008を形成した。プロインスリン遺伝子鋳型をP.フルオレッセンスにおける発現のためにコドン最適化し、合成した(DNA 2.0)。phoA遺伝子を大腸菌MG1655ゲノムDNAから増幅した。アルカリホスファターゼ活性の比色定量インジケータであるBCIP、及びpbp−プロインスリン−phoA遺伝子の発現を誘導するためのIPTGを含む寒天プレート上で、コロニーをスクリーニングした。BCIP加水分解を示したコロニーのうちで、1つがその他よりはるかに大きく成長した。この単離物は、分泌ペプチドをコードする領域内に1個のCのTへの突然変異を有することが認められ、アミノ酸20においてアラニンからバリンへの変化を生じさせていた(A20V、配列番号:2、表6参照)。
2つの菌株の発現を標準的な振とうフラスコプロトコールによって評価した。IPTG誘導物質の添加の直後に両方の増殖が横ばい状態になった。突然変異型pINS−008−3株におけるアルカリホスファターゼ活性は3〜4倍高く(図6)、(可溶性)タンパク質の蓄積がより高かった(図7)。
表6.P.フルオレッセンスにおいて同定されたSec分泌シグナル
D.ゲノム配列決定
ゲノムDNAをDNA Easy kit(Invitrogen)によって精製し、10μgを、2X ABI PRISM BigDye Terminators v3.0 Cycle Kit(Applied Biosystems)を用いたトランスポゾン特異的プライマーによる配列決定のための鋳型として使用した。反応物を精製し、製造者の指示に従ってABI PRISM 3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystems)に負荷した。
E.シグナル配列コード領域のクローニング
シグナル配列は、SPScanソフトウェアによって又は(De et al. 1995)におけるようにして決定した。これらの実験の結果は、2004年11月22日出願の同時係属中の米国特許出願第20060008877号に開示されている。外膜ポーリンF(oprF)リン酸結合タンパク質(pbp)、ポーリンE1(porE)、アズリン、リポタンパク質B及び鉄結合タンパク質分泌リーダーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅した。生じたPCR産物をpCRII Blunt TOPOベクターにクローニングし、製造者のプロトコールに従って大腸菌Top10細胞(Invitrogen)に形質転換した。生じた形質転換体を、M13正プライマー及びM13逆プライマーでの配列決定によって正しい挿入物に関してスクリーニングした。陽性クローンを以下のように命名した。oprF(pDOW1112)、pbp(pDOW1113)、ポーリンE1(pDOW1183)、アズリン(pDOW1180)、リポタンパク質B(pDOW1182)、鉄結合タンパク質(pDOW1181)。
F.P.フルオレッセンスにおける分泌のためのgal2 scFvクローンの構築
pDOW1112又はpDOW1113を鋳型として使用して、OprF及びpbpシグナル配列を増幅し、Gal2コード配列に+2位で融合した。pGal2(Martineau et al. 1998)を鋳型として使用してgal2コード配列を増幅した。837bpのSOE−PCR産物をpCR BLUNT II TOPOベクターにクローニングし、配列を確認した。シグナル配列に融合したscFv遺伝子をXbaI及びSalI制限酵素でTOPOベクターから切り出し、標準的なクローニング手法(Sambrook et al. 2001)を用いてpMYC1803のSpeI及びXhoI部位にクローニングして、pDOW1122(oprF:gal2)及びpDOW1123(pbp:gal2)を作製した。生じたプラスミドを、30μg/mL テトラサイクリン及び50μg/mL カナマイシンを添加したLB寒天上で選択したDC191に形質転換した。
pDOW1183からのporEシグナル配列をSOE−PCRによってpDOW1123から増幅したgal2に融合し、PCR産物をゲル抽出によって精製した。生じたPCR産物をPCRII Blunt TOPOにクローニングし、その後製造者の指示に従って(Invitrogen)大腸菌Top10細胞に形質転換した。生じたクローンを配列決定し、陽性クローン(pDOW1185)をサブクローニングのために選択した。pDOW1185をSpeIとSalIで制限消化し、porE−gal2フラグメントをゲル精製した。精製したフラグメントを、T4 DNAリガーゼ(NEB)を用いてSpeI−SalI消化したpDOW1169に連結した。連結混合物をエレクトロコンピテントなDC454に形質転換し、M9 1%グルコース寒天プレート上で選択した。形質転換体を、SpeI及びSalIを用いたプラスミドDNAの制限消化によってスクリーニングした。陽性クローンを単離し、pDOW1186として保存した。
アズリン、鉄結合タンパク質及びlipBのシグナル配列を、それぞれpDOW1180、pDOW1181及びpDOW1182クローンから増幅した。適切なプライマーを使用してgal2遺伝子をpDOW1123から増幅し、各々の分泌リーダーに融合して、生じたPCR産物を単離し、上述したようにSOE−PCRによって融合した。SOE−PCR産物をpCR−BLUNT II TOPOにクローニングし、生じたクローンを配列決定して、各々の融合物についての陽性クローンを上述したようにpDOW1169にサブクローニングした。
G.C末端ヒスチジンタグを有するP.フルオレッセンス分泌ベクターの構築
pbp分泌リーダー、C末端Hisタグを備えるMCS及びrrnT1T2転写ターミネーターを有する挿入物を含むクローンをDNA 2.0(pJ5:G03478)によって合成した。450bpの分泌カセットをSpeI及びNdeIでの制限消化によって単離し、ゲル精製した。フラグメントを、同じ酵素で消化したpDOW1219(pMYC1803(Shao et al. 2006)に由来する)に連結した。連結産物を化学的にコンピテントな大腸菌JM109に形質転換した。プラスミドDNAを作製し、ベクター特異的プライマーを用いたPCRによって挿入物に関してスクリーニングした。生じたプラスミドを配列確認し、pDOW3718と命名した。次に、エレクトロコンピテントなP.フルオレッセンスDC454を前記プラスミドで形質転換し、250μg/mL ウラシル及び30μg/mL テトラサイクリンを添加したLB寒天上で選択した。
ヒトタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを、ヒトORFeome collection(Invitrogen)からの鋳型を用いて増幅した。PCR産物をNheIとXhoIで制限消化し、NheI−XhoI消化したpDOW3718に連結した。連結産物を、その後、エレクトロコンピテントなP.フルオレッセンスDC454に形質転換し、250μg/mL ウラシル及び30μg/mL テトラサイクリンを添加したLB寒天上で形質転換体を選択した。陽性クローンを配列決定して挿入配列を確認した。
H.大腸菌分泌クローンの構築
プライマーを、5’プライマー上にNcoI部位及び3’プライマー上にXhoIを有するように設計したことを除き、ヒトORFを上述したように増幅した。PCR産物をNcoIとXhoI(NEB)で制限消化し、次にQiaquick Extractionキット(Qiagen)を用いて精製した。消化産物を、T4 DNAリガーゼ(NEB)を用いてNcoI−XhoI消化したpET22b(Novagen)に連結し、連結産物を化学的にコンピテントな大腸菌Top10細胞に形質転換した。形質転換体をLB寒天アンピシリンプレート(Teknova)において選択した。プラスミドDNAを作製し(Qiagen)、陽性クローンを配列決定して挿入配列を確認した。各々について1つの確認されたクローン化プラスミドを、その後、発現分析のためにBL21(DE3)(Invitrogen)に形質転換した。
I.DNA配列決定
G−50(Sigma)を用いて配列決定反応物(Big dyeバージョン3.1(Applied Biosystems))を精製し、ABI3100シーケンサーに負荷した。
J.ハイスループット(HTP)発現分析
P.フルオレッセンス株を、標準Dow HTP発現プロトコールを用いて分析した。簡単に述べると、1%グルコースと微量元素を添加したM9培地で増殖させた種培養物を使用して、2.0mLの深型96穴プレートにおいて5%グリセロールを炭素源として含む規定最小塩培地0.5mLに接種した。30℃での初期増殖期後、0.3mM イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)でPtacプロモーターによる発現を誘導した。細胞密度を600nmの光学密度(OD600)によって測定した。
K.SDS−PAGE分析のためのHTP試料の調製
培養物試料からの可溶性及び不溶性画分を、EASY LYSE(商標)(Epicentre Technologiesカタログ番号RP03750)を用いて生成した。全ブロス試料25μLを、EASY LYSE(商標)緩衝液175mLを添加し、静かに揺動しながら室温で30分間インキュベートすることによって溶解した。溶解産物を14,000rpmで20分間(4℃)遠心分離し、上清を採集した。上清を可溶性画分として保存した。次にペレット(不溶性画分)を、ピペットを用いて混合することによって(pipetting up and down)等容量の溶解緩衝液に再懸濁した。選択クローンに関して、無細胞ブロス試料を解凍し、希釈せずに分析した。
L.対象タンパク質又はポリペプチドの発現及び分泌の分析
1%グルコース(Teknova)及び微量元素溶液を添加した1X M9で増殖させた種培養物を使用して、2%接種材料でDow規定最小塩培地50mLに接種し、振とうしながら30℃でインキュベートした。細胞を〜24時間の経過発酵時間(elapsed fermentation time)(EFT)にわたって0.3mM IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)で誘導した。試料を、誘導時(I0)及び誘導後16時間目(I16)、24時間目(I24)又は40時間目(I40)に分析のために採取した。細胞密度を600nmの光学密度(OD600)によって測定した。細胞密度をOD600=20に調整し、1mLを14,000xrpmで5分間遠心分離した。上清(無細胞ブロス)をピペットで新たなマイクロ遠心管に取り、次に細胞ペレットと無細胞ブロス試料をその後のプロセシングのために−80℃で凍結した。
M.SDS−PAGE分析
振とうフラスコ試料からの可溶性及び不溶性画分を、EASY LYSE(商標)緩衝液(Epicentre Technologies)を用いて生成した。凍結ペレットを溶解緩衝液1mLに再懸濁した。50μLを、さらなる150μLのEASY LYSE(商標)緩衝液に添加して、振とうしながら室温で30分間インキュベートした。溶解産物を14,000rpmで20分間(4℃)遠心分離し、上清を採集した。上清を可溶性画分として保存した。次にペレットを、ピペットを用いて混合することによって等容量(200μL)の溶解緩衝液に再懸濁した;これを不溶性画分として保存した。無細胞ブロス試料を解凍し、フルストレングス(full strength)で使用した。
N.ウエスタン分析
調製し、SDS−PAGEによって分離した可溶性画分と不溶性画分を、製造者のプロトコールに従って調製した1X転写緩衝液(Invitrogen)を用いて100Vで1時間、ニトロセルロース(BioRad)に転写した。転写後、ブロットをPOLY−HRP希釈剤(Research Diagnostics,Inc.)でブロックし、1:5,000希釈の抗Hisタグ抗体(Sigma又はUS Biologicals)でプローブした。ブロットを1X PBS−Tweenで洗浄し、その後Immunopure Metal Enhanced DAB Substrate Kit(Pierce)を用いて展開した。
O.20L発酵
発酵槽培養のための接種材料を、酵母抽出物及びグリセロールを添加した化学的規定培地600mLを含む振とうフラスコに凍結培養物ストックを接種することによって各々生成した。振とうしながら32℃で16〜24時間インキュベートした後、振とうフラスコ培養物を、高い生物量を支持するように設計された培地を含む20L発酵槽に無菌的に移した。溶解酸素を、スパージする空気流量及び攪拌速度を調節することによって液体培養物中で好ましいレベル(positive level)に維持した。アンモニア水の添加を通してpHを所望設定点に制御した。フェドバッチ高密度発酵工程を、約24時間の初期増殖期と、IPTGを添加して組換え遺伝子発現を開始させる遺伝子発現期に分けた。その後、発酵の発現期を24時間進行させた。
P.N末端アミノ酸配列分析
上記SDS−PAGE分析において述べたように試料を泳動させ、Criterion Sequi−Blot PVDF膜(Biorad)に転写した。膜をGelCode Blue染色試薬(Pierce)で染色し、その後50%メタノール、1%酢酸で脱染して、10%メタノール、次いで脱イオン水で洗浄し、その後乾燥した。対象バンドを膜から切り出し、抽出して、Procise protein sequencing system、494型(Applied Biosystems,Foster City,CA)で8サイクルのエドマン分解に供した。P. Edman, Acta Chem. Scand. 4, 283 (1950); review R. A. Laursen et al., Methods Biochem. Anal. 26, 201-284 (1980)。
II.結果
A.トランスポゾン突然変異誘発による天然分泌シグナル配列の同定
ペリプラズム又はブロスに異種タンパク質を分泌するP.フルオレッセンスシグナル配列を同定するため、分泌レポーター遺伝子をトランスポゾームにクローニングした。使用した分泌レポーター遺伝子は、開始コドン又はN末端シグナル配列を持たない大腸菌アルカリホスファターゼ遺伝子(phoA)である。phoAは、活性形態への二量体化を可能にする分子内ジスルフィド結合の形成の故にペリプラズムにおいて活性である(サイトゾルでは活性ではない)(Derman et al. 1991)。「ゲノムスキャニング(genome scanning)」と称される同様の方法を、大腸菌において分泌されたタンパク質を検出するために使用した(Bailey et al. 2002)。phoA遺伝子を、大腸菌(Manoil et al. 1985)及び他の細菌(Gicquel et al. 1996)においてペリプラズムタンパク質、膜タンパク質及び排出されたタンパク質内の分泌シグナルを分析するためにも使用した。エレクトロポレーション及びインジケータ培地での平板培養後、8個の青色コロニーを単離した。ゲノム内のトランスポゾームの挿入部位を配列決定し、P.フルオレッセンス MB101の専用ゲノムデータベースを検索するために使用した。活性なphoAを発現することができると同定された8つの遺伝子融合物を表6に示す。
B.シグナル配列−gal2融合物のクローニング
上記で同定された分泌タンパク質、外膜ポーリンF(OP)、リン酸結合タンパク質porE(PB)、鉄結合タンパク質(IB)、アズリン(AZ)、リポタンパク質B(L)及びリシン−オルニチン−アルギニン結合タンパク質(LOA)のシグナル配列を、SignalPプログラム(J.D. Bendtsen 2004)を用いて予測した。OP、PE及びAZのシグナル配列はこれまでに他の系において同定されている[Arvidsson, 1989 #25; De, 1995 #24; Yamano, 1993 #23]。もう1つ別の試験で同定された付加的な分泌リーダー、pbpA20V(Schneider et al. 2006)の活性も並行して分析した。この試験では、6つの天然P.フルオレッセンスシグナル配列、及び1つの突然変異型のP.フルオレッセンスリン酸結合タンパク質シグナル配列の(表6参照)のコード領域を、シグナルペプチドの切断後のGal2のN末端の4アミノ酸がAQVQであるように、実験材料及び方法で述べたオーバーラップ伸長PCR(SOE−PCR)によるスプライシングを用いて各々gal2 scFv遺伝子に融合した。LAOシグナル配列を増幅することを繰り返し試みたが失敗に終わり、このシグナル配列をさらなる分析から除外した。遺伝子融合物をP.フルオレッセンス発現ベクターpDOW1169にクローニングし、DC454宿主菌株(ΔpyrF lsc::lacIQ1)に形質転換した。生じた菌株を、その後、Gal2 scFv発現及び分泌リーダーの適切なプロセシングに関して評価した。
C.分泌されたGal2 scFvの発現
振とうフラスコスケールで、gal2 scFvへのPB、OP、PO、AZ、IB及びLの融合物は、生産培地への継代培養後に増殖することができなかったL−gal2 scFvを除き、予想されたOD600を達成した(データは示していない)。ウエスタンブロット分析は、PB、OP、PO、AZ及びIBシグナル配列がGal2 scFv融合物から切断されたことを確認した。しかし、ウエスタン分析は、プロセシングされていないPB−Gal2及びOP−Gal2の存在を示した。AZ及びIB融合物から発現された一部の可溶性Gal2 scFvが無細胞ブロスにおいて認められ、可溶性タンパク質が発現されてペリプラズム空間から漏出したことを示した。アミノ末端配列分析を実施し、シグナル配列の切断を確認した。アズリン(pDOW1191)融合物から発現された不溶性Gal2タンパク質は、プロセシングされた分泌シグナルとプロセシングされていない分泌シグナルを有するタンパク質の混合物を示す。しかし、シグナル配列はIB−Gal2融合物から完全にプロセシングされることが認められた。
7つのリーダーの各々に融合したGal2 scFvの発現を、標準発酵条件下を使用して20Lの発酵規模で評価した。すべての菌株が予想されたように増殖し、18〜24時間でOD600(〜180単位)の誘導に達した。lipB−Gal2株は他の菌株よりわずかに緩やかに増殖した。lipB−Gal2株は小規模発酵で振とうフラスコ培地の接種後に増殖しなかったので、これは全く予想外というわけではなかった。Gal2 scFvの発現とプロセシングをSDS−PAGE及びウエスタンブロット法によって評価した。SDS−PAGE分析は、OP又はPBのいずれかの分泌シグナルに融合したとき高レベルのGal2が発現されることを示した。しかし、OP−Gal2融合タンパク質の一部だけが(〜50%)、切断されたシグナル配列と共にペリプラズムに分泌されると思われた。小規模で認められたように、可溶性タンパク質がウエスタンブロット法によって検出されたが、Gal2は主として不溶性画分において発現された。培養上清中でも少量のタンパク質が検出され、ペリプラズムからの漏出を示唆した(図7)。N末端配列分析は、ibp及びアズリンリーダーが予想されたようにプロセシングされ、N末端アミノ酸配列AQVQL(配列番号:44)を生じたことを確認した。同様に、PorE分泌リーダーは、ウエスタン分析によれば、プロセシングされると思われ、それはN末端分析によって確認された。不溶性PorE−Gal2発現のレベルは、不溶性ibp−Gal2及びアズリン−Gal2の発現レベルよりもわずかに低かった。lipB−Gal2は、PorE−Gal2と同様のレベルでプロセシングされたGal2の発現を示した。最大量のタンパク質は、pbp−Gal2およびpbpA20V−Gal2を発現する菌株から認められた。pbpA20V−Gal2株から発現されたGal2の量は、pbp−Gal2株によって生産された量よりもさらに一層高いと思われた(図6)。プロセシングされていない不溶性タンパク質とプロセシングされた不溶性タンパク質の混合物と同様に、可溶性のプロセシングされたGal2がウエスタン分析によって検出された(図7)。不溶性タンパク質のN末端配列分析は、プロセシングされていないGal2と正しくプロセシングされたGal2の混合物を確認した。
(実施例3.bceリーダー配列の同定)
I.実験材料及び方法
bceLは、バチルス・コアグランスCMC 104017からのヒドロラーゼについての遺伝子を含むDNA挿入物の一部によってコードされることが同定された分泌リーダーである。このバチルス・コアグランス株はまた、様々な商業的培養物コレクションにおいてNCIMB 8041、ATCC 10545及びDSMZ 2311としても知られ、NRS784をその起源とする。NRS784は、胞子形成細菌のNR Smithコレクションに由来する(Smith et al Aerobic spore forming bacteria US. Dep. Agr. Monogra. 16:1-148 (1952))。NCIMBによって引用されるこの菌株についてのその他の原参考文献(original reference)は、Cambell, L.L. and Sniff E. E. (1959. J.Bacteriol. 78:267 An investigation of Folic acid requirements of Bacillus coagulans)である。
配列及びバイオインフォマティクス解析
潜在的にヒドロラーゼ酵素をコードするコード配列を局在化するため、バチルス・コアグランスCMC 104017からの4,127bpのDNA挿入物を配列決定し、解析した。CDS1と称される、1,314bpの1つのコード配列が、5’末端のlacプロモーターの後に同定された。CDS1についてのDNA及び予測タンパク質配列をそれぞれ配列番号:45及び46に示す。予測タンパク質配列のBLASTP解析に基づき、CDS1はヒドロラーゼをコードする可能性が最も高いと判定された。CDS1配列は、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)HaA2からのβ−ラクタマーゼに対して相同性を示した(E値:2e−36)。CDS1のSignalP 3.0隠れマルコフモデル解析(Bendtsen JD, Nielson G, von Heijne G, Brunak S: Improved prediction of signal peptides: Signal 3.0. J. Mol. Biol 2004, 340:783.)は、配列番号:46の残基33/34の間にシグナルペプチダーゼ切断部位を有する生物クラス、グラム陽性細菌についてのシグナル配列の存在を予測した。
タンパク質発現プラスミドの構築
標準クローニング法を発現プラスミドの構築において使用した(Sambrook J, Russell D: Molecular Cloning a Laboratory Manual, third edn. Cold Spring Harbor: Cold Spring Harbor Press; 2001)。DNA配列の融合はSOE−PCR法を用いて実施した(Horton, R. M., Z. Cai, S. N. Ho and L. R. Pease (1990). 「Gene splicing by overlap extension: tailor-made genes using the polymerase chain reaction.」 BioTechniques 8(5): 528-30, 532, 534-5))。Phusion DNAポリメラーゼ(New England Biolabs、カタログ番号F531S)をすべてのPCR反応のために使用した。
バチルス・コアグランスCMC 104017からのエステラーゼタンパク質を発現し、P.フルオレッセンスの細胞質又はペリプラズム空間に局在化するためのプラスミドを設計した。最終PCR産物をSpeI及びXhoI制限エンドヌクレアーゼ(New England Biolabs、カタログ番号R0133及びR0146)で消化し、その後、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabsカタログ番号M0202S)を使用して、同じくSpeIとXhoIで消化した発現ベクターpDOW1169に連結し、細胞質CMC 104641 CDS−1発現ベクターp484−001及び天然BceリーダーCMC 104641 CDS−1発現ベクターp484−002を作製した。次に連結反応混合物をエレクトロポレーションによってP.フルオレッセンスDC454株(ΔpyrF、lacIQ1)に形質転換し、SOC−ダイズ培地(Teknova、カタログ番号2S2699)中で回収して、選択培地(M9グルコース寒天、Teknova、カタログ番号2M1200)で平板培養した。ミニプレッププラスミドDNA(Qiagen、カタログ番号27106)の制限消化によってコロニーを分析した。正しい挿入物を確認するために各々の形質転換から10のクローンを配列決定した。
発現分析
各々のクローンを担持するP.フルオレッセンスDC454株を、5%グリセロールを炭素源として含む規定最小塩培地(「Dow培地」)200mLが入った振とうフラスコにおいて検査した。初期増殖期後、tacプロモーターによる発現を0.3mM イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導した。培養物を、誘導時(I0)及び誘導後24時間目(I24)に試料採取した。細胞密度を600nmの光学密度(OD600)によって測定した。振とうフラスコの番号付けスキームを表す表を表7に示す。
各々の試料採取時に、試料の細胞密度をOD600=20に調整し、1mLのアリコートを14,000xrpmで5分間遠心分離した。上清(無細胞ブロス)をピペットで新たなマイクロ遠心管に取り、その後細胞ペレットと無細胞ブロス試料を−20℃で凍結した。
細胞溶解及びSDS−PAGE分析
振とうフラスコ試料からの可溶性及び不溶性画分を、Easy Lyse(Epicentre Technologies)を用いて生成した。凍結ペレットを溶解緩衝液に再懸濁し、1:4希釈して、振とうしながら室温で30分間インキュベートした。溶解産物を14,000rpmで20分間(4℃)遠心分離し、上清を採集した。上清を可溶性画分として保存した。次にペレット(不溶性画分)を、ピペットを用いて混合することによって等容量の溶解緩衝液に再懸濁した。無細胞ブロス試料を解凍し、フルストレングスで使用した。試料を、β−メルカプトエタノール(BioRadカタログ番号161−0737)を含む2Xレムリ試料緩衝液と1:1混合し、5分間煮沸した後、20μLをBio−Rad Criterion 10% Criterion XTゲル(BioRadカタログ番号45−0112)に負荷し、推奨されている1X MOPS緩衝液(カタログ番号161−0788、ロット番号210001188)中での電気泳動によって分離した。ゲルを、製造者のプロトコールに従ってSIMPLYBLUE(商標)SafeStain(Invitrogenカタログ番号LC6060)で染色し、Alpha Innotech Imaging systemを用いて画像化した。対象とするゲルバンドのタンパク質量を、同じゲルに負荷したBSAタンパク質標準品との比較によって推定した。
II.結果
ヒドロラーゼ発現を評価するために合計6の振とうフラスコ(菌株につき3フラスコ)を使用した。ペリプラズム及び細胞質設計菌株の増殖は、P.フルオレッセンス株についての通常の増殖と一致し、誘導後24時間目に約15のOD600に達した。誘導時及び誘導後24時間目のヒドロラーゼ(CDS1タンパク質)発現を評価するためにSDS−PAGE分析を実施した。可溶性、不溶性及び無細胞ブロス画分をSDS−PAGEによって分析した。細胞質CDS−1株(p484−001)に関しては、細胞質ヒドロラーゼ(44.1kDa)についての予想された大きさのタンパク質が、0.1mg/mLの推定収率で3つの単離物すべてにおいてI24(IPTG誘導後24時間目)の可溶性画分中のほぼ全体に蓄積していた。図8は、EP484−003として評価した細胞質菌株についての代表的な結果を示す。予想された大きさの無視し得る程度のバンドが不溶性画分において検出可能であり、CDS1タンパク質は無細胞ブロスでは検出されなかった。天然Bceリーダー−CDS1(p484−002)を発現するペリプラズム菌株に関しては、天然エステラーゼについての予想された大きさのタンパク質が、0.8mg/mLの推定収率で3つの単離物すべてにおいてI24の可溶性画分中のほぼ全体に蓄積していた。図8は、EP484−004として評価した、Bceリーダー融合物を含むペリプラズム菌株についての代表的な結果を示す。使用したゲル負荷が、47.6kDaの予想上のプロセシングされていない大きさと44.1kDaのプロセシングされた大きさの区別を困難にしたので、発現された天然エステラーゼが完全にプロセシングされていたかどうかは不明であった。細胞質発現菌株に関する結果と同様に、予想された大きさの無視し得る程度のバンドが不溶性画分において検出可能であり、CDS1タンパク質は無細胞ブロスでは検出されなかった。対象とするBceリーダーの翻訳された配列を配列番号:8に示す。
(実施例4.P.フルオレッセンス分泌リーダーの同定と分析)
MB214ゲノムからの6,433の翻訳されたORFをシグナルペプチド予測プログラム、SignalP 2.0(Nielsen, H., et al. Protein Eng, 1997. 10(1): p. 1-6)で解析した。1326が、HMMモデルによってシグナルペプチドを含むと予測された。これらのタンパク質をPsortB 2.0(Gardy, J. L., et al. Bioinformatics, 2005. 21(5): p. 617-23)で解析し、細胞質又は細胞質膜と同定されたPsortB最終局在を有するものすべてを、シグナルペプチドを含むSignalP HMM確率が0.79未満であった891.82タンパク質を残して除去し、809を生じた。0.79のカットオフ値は、aprA(RXF04304、細胞外タンパク質であることが公知である)を排除しない最高値であったことから選択した。SignalP Neural Networkアルゴリズムによって予想されたシグナルペプチドを含むこれら809の翻訳ORFのアミノ末端配列に加えて(plus)、プロセシングされたタンパク質の最初の7アミノ酸を、CLUSTALX 1.81(Thompson, J.D., et al. Nucleic Acids Res, 1997. 25(24): p. 4876-82)を用いて整列した。
Huber et al.は、高度に疎水性のシグナル配列が翻訳と共役して分泌される可能性がより高いと示唆する(Huber, D., et al. J Bacteriol, 2005. 187(9): p. 2983-91)。翻訳と同時に分泌されるタンパク質を同定する目的には、Wertz−Scheraga(WS)のアミノ酸指数(Wertz, D. H. and H. A. Scheraga, Macromolecules, 1978. 11(1): p. 9-15)が最良であることが認められた。この試験のために、www.genome.jp/dbget−bin/www_bget?aax1:WERD780101のワールドワイドウエブ上のAAindexからこれらの指数を入手した。Boyd (Boyd, D., C. Schierle, and J. Beckwith, Protein Sci, 1998. 7(1): p. 201-5)によって報告されたアルゴリズムを修正し、疎水性に基づいて809のタンパク質を順位づけるために使用した。このアルゴリズムは、12のウインドウ内のWSスコアを平均して各々の配列を走査する。全タンパク質についてのWSスコアを割り当てるために最も疎水性の領域を使用する。これは、Huber et. al.によって定義されたカットオフ値である、0.69より大きいWSスコアを有する142のシグナル配列を生じた。このより小さなリストを、Indiana Centers for Applied Protein Sciences(INCAPS)によって実施された2D−LC全プロテオーム実験からのデータと相互参照した。これらの実験は、様々な増殖条件下でMB214(P.フルオレッセンスMB101の子孫)において発現されるすべてのタンパク質を同定し、定量することを試みた。高い最大発現レベルでこのリストに登場するタンパク質は、高発現される可能性が高い。これらのデータにおいて、1又は3の優先順位(priority score)は、タンパク質の同定における高い信頼度を示す。1又は3の優先順位でINCAPS実験において同定された142のリストからのタンパク質を、それらの最大発現レベルの順に表8に列挙する。
大腸菌において翻訳と共役して分泌されるいくつかのタンパク質が同定された。これらのいくつかの配列を、ホモログについてのMB214ゲノムを検索するために使用した。大腸菌遺伝子は以下の通りであった。DsbA、TorT、SfmC、FocC、CcmH、YraI、TolB、NikA、FlgI。BLASTPアルゴリズム(Altschul, S.F., et al, J Mol Biol, 1990. 215(3): p. 403-10)を使用して、MB214の翻訳されたORFのデータベースを検索した。MB214タンパク質を、それらが大腸菌対応物に対して示した相同性の程度に基づいて2つのカテゴリーに分類した。高相同性タンパク質は、2e−84又はより良好な期待値でマッチした。低相同性タンパク質は8e−17から5e−32までの期待値を有していた。この方法は11のユニークな潜在的ホモログを生じ、そのうちの一部は上記で得た7つの標的とオーバーラップした。
18のユニークタンパク質の併合リストを、SignalPを用いて解析し、可能性の高い単一のシグナルペプチダーゼ切断部位を有すると予測された9個の最終標的を発現試験のために選択した。
分泌リーダーの単離と配列分析
同定されたP.フルオレッセンス分泌リーダーをDC454(P.フルオレッセンスMB101の子孫)ゲノムDNAから増幅し、DNA配列確認のためにpCRBLUNTII−TOPO(Invitrogen)にクローニングした。各々の単離されたP.フルオレッセンス分泌リーダーのDNA及び推定アミノ酸配列が表9に示されている。
Gal2 scFv及び大腸菌チオレドキシンへの分泌リーダーの融合及び発現分析
各々の分泌リーダー(表9)を、オーバーラップ伸長PCR(Horton R.M. et al. 1990 Biotechniques 8:528)によるスプライシングを用いてGal2 scFv配列(Martineau, P. et al. 1998 J. Mol Bio. 280: 117)及び/又は大腸菌チオレドキシン(TrxA)配列(配列番号:46)にインフレームで融合した。生じたフラグメントを精製し、その後、NikA分泌リーダーコード配列をtrxA配列に融合するための2回目のPCR用の鋳型として使用した。融合物を、次に、tacプロモーターの存在下でP.フルオレッセンス発現ベクターpDOW1169にクローニングした。各々の構築物をP.フルオレッセンスDC454に形質転換し、ハイスループット形式で発現を評価した。培養物を、0.5mLの培養容量で2mL深型ウエルプレート中の5%グリセロールを添加した規定無機塩培地で増殖させた。24時間の増殖期間後、0.3mM IPTGで組換えタンパク質を誘導し、24時間放置して発現させた。培養物を超音波処理によって分画し、タンパク質発現及び分泌リーダープロセシングをSDS−CGE及びウエスタンブロット法によって評価した(図9)。試験したリーダーの各々が、Bceリーダーを除いて、Gal2 scFvタンパク質配列から部分的に又は完全にプロセシングされることが認められた。各々はまた、細胞質Gal2 scFvをコードする発現菌株と比較して(発現なし)、Gal2 scFvの発現を大きく改善し、細胞内局在を指令することに加えて、これらの分泌リーダーが全体的発現も改善し得ることを示唆した。予想外ではないが、Gal2 scFvの様々なレベルの発現と溶解度も認められた。ウエスタン分析は、CupA2、CupC2、NikA、FlgI及びORF5550に融合したとき一部の可溶性Gal2が生産されることを確認した(図10)。Gal2に融合したTolBリーダーの発現はその他のリーダーで認められたよりも低かったが、ウエスタン分析は、発現されたすべてのタンパク質が可溶性であることを示した。N末端分析は、予想されたようにTolB、CupA2、CupC2、FlgI、NikA及びORF5550リーダーがGal2 scFvから切断されることを示した(データは示していない)。
Gal2 scFvからプロセシングされなかったが、BceリーダーはTrxAからプロセシングされることが認められた。チオレドキシンは、細胞質において迅速に折りたたまれるので、翻訳と共役する分泌リーダーの同定のためのモデルタンパク質として記述されてきた(Huber et al. 2005 J. Bateriol. 187:2983)。Bceリーダーを利用して可溶性TrxAが成功裏に分泌されることは、このリーダーがペリプラズム分泌を促進するために翻訳共役的に働くことを示すと考えられる。
本明細書において言及するすべての出版物及び特許出願は、本発明が属する分野の当業者の技術水準の指標である。すべての出版物及び特許出願は、各々個々の出版物及び特許出願が参照によって組み込まれることが具体的及び個別的に指示されているかのごとくに、参照により本明細書に組み込まれる。
前記発明を、理解の明瞭さのために説明及び例としてある程度詳細に記述したが、ある
種の変更及び修正が付属の特許請求の範囲内で実施され得ることは明白である。
上記の説明により、例えば本願発明として以下の発明が提供される。
[1] タンパク質ジスルフィドイソメラーゼC(dsbC)、突然変異型リン酸結合タ
ンパク質(pbp)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼA(dsbA)、Bce、
CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、テトラトリコペプチドリピ
ートファミリータンパク質(ORF5550)、トルエン耐性タンパク質(Ttg2C)
及びメチル基受容走化性タンパク質(ORF8124)分泌ポリペプチドから成る群より
選択される分泌ポリペプチドについての分泌シグナルコード配列を含む、単離核酸分子。
[2] 前記核酸分子が、
a)配列番号:5、1、3、7、9、11、13、15、17、19、21又は23の
ヌクレオチド配列を含む核酸分子;
b)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17、21又は23のヌクレオチ
ド配列に少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であっ
て、前記ヌクレオチド配列が分泌ポリペプチドをコードする、核酸分子;
c)配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24
のアミノ酸配列を含むポリポリペプチドをコードする核酸分子;
d)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18、22又は24のアミノ酸
配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するポリポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリペプチドが分泌ポリペプチドであ
る、核酸分子;
e)配列番号:20のアミノ酸配列に少なくとも96%のアミノ酸配列同一性を有する
ポリポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリ
ペプチドが分泌ポリペプチドである、核酸分子;
f)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17又は21のヌクレオチド配列
の実質的に全長にわたってストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配
列;及び
g)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18及び22から成る群より選
択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に、実質的に全長にわたってストリ
ンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列
から成る群より選択される、[1]に記載の核酸分子。
[3] 前記ハイブリダイゼーション条件が約60℃〜約70℃の温度を含む、[2]に
記載の核酸分子。
[4] 前記ハイブリダイゼーション条件が約68℃の温度を含む、[2]又は[3]に
記載の核酸分子。
[5] 前記核酸分子が、核酸分子を発現するために選択された宿主生物のコドン選択を
反映するように調整されている、[1]に記載の核酸分子。
[6] タンパク質ジスルフィドイソメラーゼC(dsbC)、突然変異型リン酸結合タ
ンパク質(pbp)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼA(dsbA)、Bce、
CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、テトラトリコペプチドリピ
ートファミリータンパク質(ORF5550)、トルエン耐性タンパク質(Ttg2C)
又はメチル基受容走化性タンパク質(ORF8124)分泌ポリペプチドについての分泌
シグナルコード配列を含む、ベクター。
[7] 前記核酸分子が、
a)配列番号:5、1、3、7、9、11、13、15、17、19、21又は23の
ヌクレオチド配列を含む核酸分子;
b)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17、21又は23のヌクレオチ
ド配列に少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であっ
て、前記ヌクレオチド配列が分泌ポリペプチドをコードする、核酸分子;
c)配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24
のアミノ酸配列を含むポリポリペプチドをコードする核酸分子;
d)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18、22又は24のアミノ酸
配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するポリポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリペプチドが分泌ポリペプチドであ
る、核酸分子;
e)配列番号:20のアミノ酸配列に少なくとも96%のアミノ酸配列同一性を有する
ポリポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリ
ペプチドが分泌ポリペプチドである、核酸分子;
f)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17又は21のヌクレオチド配列
の実質的に全長にわたってストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配
列;及び
g)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18及び22から成る群より選
択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に、実質的に全長にわたってストリ
ンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列
から成る群より選択される、[6]に記載のベクター。
[8] 前記ハイブリダイゼーション条件が約60℃〜約70℃の温度を含む、[7]に
記載のベクター。
[9] 前記ハイブリダイゼーション条件が約68℃の温度を含む、[7]又は[8]に
記載のベクター。
[10] 前記核酸分子が、核酸分子を発現するために選択された宿主生物のコドン選択
を反映するように調整されている、[6]に記載のベクター。
[11] 前記分泌シグナルコード配列が、対象タンパク質又はポリペプチドをコードす
る配列に作動可能に連結されている、[6]に記載のベクター。
[12] 前記対象タンパク質又はポリペプチドが、前記対象タンパク質又はポリペプチ
ドが発現される宿主生物に対してネイティブである、[11]に記載のベクター。
[13] 前記対象タンパク質又はポリペプチドがP.フルオレッセンスに対してネイテ
ィブである、[6]に記載のベクター。
[14] 前記対象タンパク質又はポリペプチドが、前記対象タンパク質又はポリペプチ
ドが発現される宿主生物に対してネイティブではないタンパク質又はポリペプチドに由来
する、[11]に記載のベクター。
[15] 前記対象タンパク質又はポリペプチドがシュードモナスではない生物に由来す
る、[11]に記載のベクター。
[16] 前記対象タンパク質又はポリペプチドが真核生物に由来する、[6]に記載の
ベクター。
[17] 前記対象タンパク質又はポリペプチドが哺乳類生物に由来する、[16]に記
載のベクター。
[18] シグナルポリペプチド配列と前記対象タンパク質又はポリペプチド配列との間
に連結配列をさらに含む、[6]に記載のベクター。
[19] 前記連結配列がシグナルペプチダーゼによって切断可能である、[19]に記
載のベクター。
[20] 前記対象タンパク質又はポリペプチド配列が2番目のシグナル配列に作動可能
に連結されている、[6]に記載のベクター。
[21] 前記2番目のシグナル配列が、外膜分泌シグナルを標的する配列を含む、[2
0]に記載のベクター。
[22] 前記ベクターがプロモーターをさらに含む、[6]に記載のベクター。
[23] 前記プロモーターが細菌宿主細胞に対してネイティブである、[22]に記載
のベクター。
[24] 前記プロモーターが細菌宿主細胞に対してネイティブではない、[22]に記
載のベクター。
[25] 前記プロモーターが大腸菌に対してネイティブである、[23]に記載のベク
ター。
[26] 前記プロモーターが誘導的プロモーターである、[22]に記載のベクター。
[27] 前記プロモーターがlacプロモーター又はlacプロモーターの誘導体であ
る、[22]に記載のベクター。
[28] タンパク質ジスルフィドイソメラーゼC(dsbC)、突然変異型リン酸結合
タンパク質(pbp)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼA(dsbA)、Bce
、CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、テトラトリコペプチドリ
ピートファミリータンパク質(ORF5550)、トルエン耐性タンパク質(Ttg2C
)及びメチル基受容走化性タンパク質(ORF8124)分泌ポリペプチドから成る群よ
り選択される分泌ポリペプチドについての分泌シグナルコード配列を含む、組換え細胞。
[29] 前記コード配列が、
a)配列番号:5、1、3、7、9、11、13、15、17、19、21又は23の
ヌクレオチド配列を含む核酸分子;
b)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17、21又は23のヌクレオチ
ド配列に少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であっ
て、前記ヌクレオチド配列が分泌ポリペプチドをコードする、核酸分子;
c)配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24
のアミノ酸配列を含むポリポリペプチドをコードする核酸分子;
d)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18、22又は24のアミノ酸
配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するポリポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリペプチドが分泌ポリペプチドであ
る、核酸分子;
e)配列番号:20のアミノ酸配列に少なくとも96%のアミノ酸配列同一性を有する
ポリポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリ
ペプチドが分泌ポリペプチドである、核酸分子;
f)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17又は21のヌクレオチド配列
の実質的に全長にわたってストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配
列;及び
g)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18及び22から成る群より選
択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に、実質的に全長にわたってストリ
ンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列
から成る群より選択される、[28]に記載の組換え細胞。
[30] 分泌シグナルコード配列が発現ベクター内にある、[28]に記載の細胞。
[31] 前記分泌シグナルコード配列が、対象タンパク質又はポリペプチドをコードす
る配列に作動可能に連結されている、[28]に記載の細胞。
[32] 細胞が、分泌シグナルポリペプチドに作動可能に連結された前記対象タンパク
質又はポリペプチドを発現する、[31]に記載の細胞。
[33] 前記タンパク質又はポリペプチドが細胞のペリプラズム画分(periplasmic co
mpartment)において発現される、[32に記載の細胞。
[34] 前記細胞内の酵素が、前記対象タンパク質又はポリペプチドから前記分泌シグ
ナルポリペプチドを切断する、[32]に記載の細胞。
[35] 前記細胞が細菌宿主に由来する、[28]に記載の細胞。
[36] 前記宿主がシュードモナスである、[35]に記載の細胞。
[37] 前記宿主がP・フルオレッセンスである、[36]に記載の細胞。
[38] 前記宿主が大腸菌である、[35]に記載の細胞。
[39] タンパク質ジスルフィドイソメラーゼC(dsbC)、突然変異型リン酸結合
タンパク質(pbp)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼA(dsbA)、Bce
、CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、テトラトリコペプチドリ
ピートファミリータンパク質(ORF5550)、トルエン耐性タンパク質(Ttg2C
)及びメチル基受容走化性タンパク質(ORF8124)分泌ポリペプチドから成る群よ
り選択される分泌ポリペプチドを含む、単離ポリペプチド。
[40] 前記ポリペプチドが、
a)配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24
のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
b)配列番号:5、1、3、7、9、11、13、15、17、19、21又は23の
ヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド;
c)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18、22又は24のアミノ酸
配列に少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、分泌シグナルポリペ
プチドであるポリペプチド;
d)配列番号:20のアミノ酸配列に少なくとも96%の配列同一性を有するアミノ酸
配列を含み、分泌シグナルポリペプチドであるポリペプチド;
e)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17、21又は23のヌクレオチ
ド配列に少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチ
ドであって、分泌シグナルポリペプチドであるポリペプチド;及び
e)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17又は21のヌクレオチド配列
の実質的に全長にわたってストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配
列によってコードされるポリペプチド
から成る群より選択される、[39]に記載の単離ポリペプチド。
[41] 前記ハイブリダイゼーション条件が約60℃〜約70℃の温度を含む、[40
]に記載の核酸分子。
[42] 前記ハイブリダイゼーション条件が約68℃の温度を含む、[39]に記載の
核酸分子。
[43] 前記分泌シグナルポリペプチドが対象タンパク質又はポリペプチドに作動可能
に連結されている、[39]に記載のポリペプチド。
[44] 前記対象タンパク質又はポリペプチドが、P.フルオレッセンス生物ではない
生物に由来する、[43]に記載のポリペプチド。
[45] a)宿主細胞;及び
b)タンパク質ジスルフィドイソメラーゼC(dsbC)、突然変異型リン酸結合タン
パク質(pbp)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼA(dsbA)、Bce、C
upA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、テトラトリコペプチドリピー
トファミリータンパク質(ORF5550)、トルエン耐性タンパク質(Ttg2C)及
びメチル基受容走化性タンパク質(ORF8124)分泌ポリペプチドから成る群より選
択される分泌シグナルポリペプチドに作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプ
チドをコードする核酸分子を含むベクター
を含む、対象タンパク質又はポリペプチドの発現のための発現系。
[46] 前記分泌シグナルポリペプチドが、
a)配列番号:5、1、3、7、9、11、13、15、17、19、21又は23の
ヌクレオチド配列を含む核酸分子;
b)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17、21又は23のヌクレオチ
ド配列に少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であっ
て、前記ヌクレオチド配列が分泌ポリペプチドをコードする、核酸分子;
c)配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24
のアミノ酸配列を含むポリポリペプチドをコードする核酸分子;
d)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18、22又は24のアミノ酸
配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するポリポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリペプチドが分泌ポリペプチドであ
る、核酸分子;
e)配列番号:20のアミノ酸配列に少なくとも96%のアミノ酸配列同一性を有する
ポリポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリ
ペプチドが分泌ポリペプチドである、核酸分子;
f)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17又は21のヌクレオチド配列
の実質的に全長にわたってストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配
列;及び
g)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18及び22から成る群より選
択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に、実質的に全長にわたってストリ
ンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列
から成る群より選択される核酸分子によってコードされる、[45]に記載の発現系。
[47] 前記ハイブリダイゼーション条件が約60℃〜約70℃の温度を含む、[46
]に記載の発現系。
[48] 前記ハイブリダイゼーション条件が約68℃の温度を含む、[46]に記載の
発現系。
[49] 前記宿主細胞が、前記分泌シグナルポリペプチドに作動可能に連結された前記
対象タンパク質又はポリペプチドを発現する、[45]に記載の発現系。
[50] 前記対象タンパク質又はポリペプチドが細胞のペリプラズム画分において発現
される、[49]に記載の発現系。
[51] 前記細胞内の酵素が、前記対象タンパク質又はポリペプチドから前記シグナル
ポリペプチドを切断する、[49]に記載の発現系。
[52] 前記細胞が細菌宿主に由来する、[45]に記載の発現系。
[53] 前記宿主がシュードモナスである、[45]に記載の発現系。
[54] 前記宿主がP・フルオレッセンスである、[53]に記載の発現系。
[55] 前記宿主が大腸菌である、[52]に記載の発現系。
[56] 発酵培地をさらに含む、[45]に記載の発現系。
[57] 前記発酵培地が化学誘導物質を含む、[56]に記載の発現系。
[58] タンパク質ジスルフィドイソメラーゼC(dsbC)、突然変異型リン酸結合
タンパク質(pbp)、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼA(dsbA)、Bce
、CupA2、CupB2、CupC2、NikA、FlgI、テトラトリコペプチドリ
ピートファミリータンパク質(ORF5550)、トルエン耐性タンパク質(Ttg2C
)及びメチル基受容走化性タンパク質(ORF8124)分泌ポリペプチドから成る群よ
り選択される分泌シグナルポリペプチドに作動可能に連結された対象タンパク質又はポリ
ペプチドをコードするベクターを含有する宿主細胞を提供することを含む、宿主細胞にお
ける組換えタンパク質の発現のための方法。
[59] 前記分泌シグナルポリペプチドが、
a)配列番号:5、1、3、7、9、11、13、15、17、19、21又は23の
ヌクレオチド配列を含む核酸分子;
b)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17、21又は23のヌクレオチ
ド配列に少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であっ
て、前記ヌクレオチド配列が分泌ポリペプチドをコードする、核酸分子;
c)配列番号:6、2、4、8、10、12、14、16、18、20、22又は24
のアミノ酸配列を含むポリポリペプチドをコードする核酸分子;
d)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18、22又は24のアミノ酸
配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するポリポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリペプチドが分泌ポリペプチドであ
る、核酸分子;
e)配列番号:20のアミノ酸配列に少なくとも96%のアミノ酸配列同一性を有する
ポリポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリポリ
ペプチドが分泌ポリペプチドである、核酸分子;
f)配列番号:5、3、7、9、11、13、15、17又は21のヌクレオチド配列
の実質的に全長にわたってストリンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配
列;及び
g)配列番号:6、4、8、10、12、14、16、18及び22から成る群より選
択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に、実質的に全長にわたってストリ
ンジェント条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列
から成る群より選択される核酸分子によってコードされる、[58]に記載の方法。
[60] 前記ハイブリダイゼーション条件が約60℃〜約70℃の温度を含む、[59
]に記載の発現系。
[61] 前記ハイブリダイゼーション条件が約68℃の温度を含む、[59]に記載の
発現系。
[62] 前記細胞を無機塩培地で増殖させる、[58]に記載の方法。
[63] 前記細胞を高細胞密度で増殖させる、[58]に記載の方法。
[64] 前記細胞を少なくとも20g/Lの細胞密度で増殖させる、[63]に記載の
方法。
[65] 前記組換えタンパク質を精製することをさらに含む、[58]に記載の方法。
[66] 前記組換えタンパク質をアフィニティークロマトグラフィーによって精製する
、[65]に記載の方法。
[67] 前記対象タンパク質又はポリペプチドと前記分泌シグナルポリペプチドの作動
可能な連結が、前記宿主細胞に対してネイティブな酵素によって切断され得る、[58]
に記載の方法。
[68] 前記分泌シグナルポリペプチドが発現の間に前記対象タンパク質又はポリペプ
チドから切断される、[67]に記載の方法。
[69] 前記対象タンパク質又はポリペプチド、前記宿主細胞が由来する生物に本来備わっている、[58]に記載の方法。
[70] 前記対象タンパク質又はポリペプチドがP.フルオレッセンス生物に対してネ
イティブである、[58]に記載の方法。
[71] 前記対象タンパク質又はポリペプチドが、前記宿主細胞が由来する生物に対し
てネイティブではない、[58]に記載の方法。
[72] 前記対象タンパク質又はポリペプチドがシュードモナスではない生物に由来す
る、[58]に記載の方法。
[73] 前記対象タンパク質又はポリペプチドが真核生物に由来する、[58]に記載
の方法。
[74] 前記組換えタンパク質が、少なくとも2個のシステイン残基を有する配列を含
む、[58に記載の方法。
[75]
少なくとも1つのジスルフィド結合が、前記細胞における前記組換えタンパク質内で形
成される、[58]に記載の方法。
[76] 前記シグナルポリペプチド配列と前記対象タンパク質又はポリペプチドの配列
との間に連結配列をさらに含む、[58]に記載の方法。
[77] 前記対象タンパク質又はポリペプチドの少なくとも50%がネイティブアミノ
末端を含む、[69]に記載の方法。
[78] 前記対象タンパク質又はポリペプチドの少なくとも80%がネイティブアミノ
末端を含む、[77]に記載の方法。
[79] 前記対象タンパク質又はポリペプチドの少なくとも90%がネイティブアミノ
末端を含む、[78]に記載の方法。
[80] 前記組換えタンパク質の少なくとも50%が活性である、[58]に記載の方
法。
[81] 前記組換えタンパク質の少なくとも80%が活性である、[80]に記載の方
法。
[82] 前記組換えタンパク質の少なくとも50%がペリプラズム画分において発現さ
れる、[58]に記載の方法。
[83] 前記組換えタンパク質の少なくとも75%がペリプラズム画分において発現さ
れる、[82]に記載の方法。
[84] 前記組換えタンパク質の少なくとも90%がペリプラズム画分において発現さ
れる、[83]に記載の方法。
[85] 前記宿主細胞がシュードモナス細胞である、[58]に記載の方法。
[86] 前記細胞がP.フルオレッセンス細胞である、[85]に記載の方法。
[87] 前記細胞が大腸菌細胞である、[58]に記載の方法。

Claims (16)

  1. NikA分泌ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドからなる単離核酸分子であって、前記核酸分子が、
    a)配列番号:15のヌクレオチド配列を含む核酸分子;
    b)配列番号:15のヌクレオチド配列と少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングするポリペプチドをコードする、核酸分子;
    c)配列番号:16のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;及び
    d)配列番号:16のアミノ酸配列に少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリペプチドが、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングする、核酸分子;
    から成る群より選択される、核酸分子。
  2. NikA分泌ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むベクターであって、前記ポリヌクレオチドが、
    a)配列番号:15のヌクレオチド配列を含む核酸分子;
    b)配列番号:15のヌクレオチド配列に少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングするポリペプチドをコードする、核酸分子;
    c)配列番号:16のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;及び
    d)配列番号:16のアミノ酸配列に少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリペプチドが、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングする、核酸分子;
    から成る群より選択されるベクター。
  3. NikA分泌ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むDNA構築物で組換えられた組換え細胞であって、
    前記ポリヌクレオチドが、
    a)配列番号:15のヌクレオチド配列を含む核酸分子;
    b)配列番号:15のヌクレオチド配列に少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングするポリペプチドをコードする、核酸分子;
    c)配列番号:16のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;及び
    d)配列番号:16のアミノ酸配列に少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリペプチドが、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングする、核酸分子;
    から成る群より選択される組換え細胞。
  4. a)宿主細胞;及び
    b)NikA分泌ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって
    i) 配列番号:15のヌクレオチド配列を含む核酸分子;
    ii) 配列番号:15のヌクレオチド配列に少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングするポリペプチドをコードする、核酸分子;
    iii)配列番号:16のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;及び
    iv) 配列番号:16のアミノ酸配列に少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリペプチドが、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングする、核酸分子;
    から成る群より選択されるポリヌクレオチド
    に作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをコードする核酸分子を含む、発現ベクター
    を含む、対象タンパク質又はポリペプチドの発現のための発現系。
  5. NikA分泌ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって
    a)配列番号:15のヌクレオチド配列を含む核酸分子;
    b)配列番号:15のヌクレオチド配列に少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングするポリペプチドをコードする、核酸分子;
    c)配列番号:16のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子;及び
    d)配列番号:16のアミノ酸配列に少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、前記ポリペプチドが、作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをグラム陰性細菌のペリプラズム又は細胞外間隙へとターゲティングする、核酸分子;
    から成る群より選択されるポリヌクレオチド
    に作動可能に連結された対象タンパク質又はポリペプチドをコードする核酸分子を含む発現ベクターを含有する宿主細胞を提供することを含む、宿主細胞における組換えタンパク質の発現のための方法。
  6. 前記NikA分泌ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結された対象タンパク質又はペプチドをコードする核酸分子が、その核酸分子を発現するために選択された宿主生物のコドン選択を反映するように調整されている、請求項に記載の発現系
  7. 前記対象タンパク質又はポリペプチド、前記対象タンパク質又はポリペプチドが発現される宿主生物に本来備わっている、請求項に記載の発現系
  8. 前記対象タンパク質又はポリペプチドがシュードモナスの種に本来備わっている、請求項に記載の発現系
  9. 前記対象タンパク質又はポリペプチドがシュードモナスフルオレッセンスに本来備わっている、請求項に記載の発現系
  10. 前記対象タンパク質又はポリペプチドは、前記対象タンパク質又はポリペプチドが発現される宿主生物に本来備わっていない、請求項に記載の発現系
  11. 前記分泌シグナルポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結したプロモーターをさらに含む、請求項に記載のベクター
  12. 前記ポリヌクレオチドを含むベクターが発現ベクターである、請求項に記載のベクター
  13. 前記細胞が、前記分泌シグナルポリペプチドに作動可能に連結された前記対象タンパク質又はポリペプチドを発現する、請求項に記載の発現系
  14. 前記対象タンパク質又はポリペプチドが前記細胞のペリプラズム画分において発現される、請求項に記載の発現系
  15. 前記細胞内の酵素が、前記対象タンパク質又はポリペプチドから前記分泌シグナルポリペプチドを切断する、請求項に記載の発現系
  16. 前記細胞が、シュードモナス・フルオレッセンスであって少なくとも20g/Lの細胞密度で増殖される、請求項に記載の方法
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