JP5713822B2 - 卓上丸鋸 - Google Patents
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Description
この上部テーブル付卓上丸鋸においては、上部テーブルの下面前方側に排出ノズルを設けて、テーブルソーモードで使用する際に被切断材から発生する切断屑を上部テーブルの前方側へ排出するようにしている。よって、排出ノズルにホースを介して集塵機を接続すれば、強制的に切断屑が吸引可能となる。
一方、マイタソーモードとして使用する場合、被切断材から発生する切断屑は後方へ飛散して、本体を支持するアームに設けた集塵ノズルに回収される。切込みが進んで鋸刃が刃口板を通過すると、切断屑は、ベース内(ターンテーブル内)に設けた集塵通路内を通って後方へ飛散し、集塵ノズルに回収される。これは上部テーブルがない卓上丸鋸においても同様である。
一方、マイタソーモードや上部テーブルのない卓上丸鋸では、切断屑がターンテーブル上や集塵通路内に残留することで、切断屑が飛散したり集塵通路を閉塞したりするおそれがある。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、本体の上部に、鋸刃の上縁が貫通して本体の所定の下降位置で水平姿勢となり、上面を被切断材が前後方向にスライド可能な上部テーブルを設け、第2集塵通路の前端を第1集塵通路の前方に開口させて本体の所定の下降位置で第2集塵通路を本体と連通させるようにして、本体の所定の下降位置において上部テーブル上で被切断材の切断を行った際に生じる切断屑を、本体内を通過させて第2集塵通路内へ導いてベースの外部へ排出することを特徴とするものである。
なお、本発明でいう「ベース」とは、本体を支持してベース上へ水平回転可能に載置されるターンテーブルも含む。また、「本体内」は、鋸刃の上側を覆うブレードケースのような固定的なケーシング内は勿論、鋸刃の下側を覆って本体の上下動に応じて開閉動作する安全カバーのような可動するケーシング内も含む。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、本体に、本体の上下動に伴い、本体の下側にあって鋸刃を覆うカバー位置と、本体の前側にあって鋸刃の下縁を露出させる開放位置との間を回転移動する安全カバーを設けて、本体の所定の下降位置で開放位置となる安全カバー内を第2集塵通路の前端と連通させる一方、第2集塵通路の後端をベースの後面に開口させて、上部テーブル上で被切断材の切断を行った際に生じる切断屑を、安全カバー内を通過させて第2集塵通路内へ導いてベースの後方へ排出することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、第2集塵通路を第1集塵通路に隣接させたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、第2集塵通路の底面に、第2集塵通路の一部を外部に開放させる透孔を形成したことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5の構成において、透孔を、第2集塵通路の形成方向に沿って伸びる長孔としたことを特徴とするものである。
また、第1集塵通路内で鋸刃の回転によって発生する空気流を利用して第2集塵通路内での流速を増加させることができる。よって、第2集塵通路で切断屑をスムーズ且つ確実に通過させることができる。特に、流速が小さくなる第2集塵通路の後半部分において第1集塵通路からの空気流を効果的に利用できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、上部テーブル付の卓上丸鋸において、本体の所定の下降位置において上部テーブル上で被切断材の切断を行った際に生じる切断屑を、本体内を通過させて第2集塵通路内へ導いてベースの上面より下方で外部へ排出するようにしているので、切断屑が舞い上がって作業者に不快感を与えたり作業性を低下させたりすることなく、テーブルソーモードでの切断屑の排出を効率良く行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、安全カバーを利用して切断屑を効率よく第2集塵通路内へ導くことができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、鋸刃の回転によって発生する空気流を大きな抵抗なくスムーズに第2集塵通路へ導くことができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、第2集塵通路を通過する際の切断屑の一部や切断終了時に第2集塵通路内にとどまった切断屑が透孔から外部へ排出されるため、切断屑の残留を少なくして第2集塵通路の閉塞を好適に防止することができる。また、たとえ第2集塵通路内に切断屑が残留しても透孔から容易に掻き出すことができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の効果に加えて、透孔を第2集塵通路の形成方向に沿って伸びる長孔としたことで、特殊な形状の切断屑でも残留を好適に防止でき排出も容易となる。
図1〜3に、卓上丸鋸の一例である上部テーブル付卓上丸鋸を示す。この上部テーブル付卓上丸鋸1は、ベース2の中央に、平面視が円形状のターンテーブル3を水平回転可能に備え、ターンテーブル3の後端(図3の左側)に、左右方向へ傾動可能且つレバー5によって任意の角度で固定可能なアーム4を立設して、アーム4の上端に設けた支軸6によって本体7を上下動可能に支持している。本体7は、モータ駆動で回転する円盤状の鋸刃8を備えて図示しないバネによって図1の上死点位置に付勢されている。また、本体7には、鋸刃8の上部を覆うブレードケース9が設けられ、ブレードケース9の右側面には、モータ10が横向きに連結されて、その前方に突設した操作台11に運転スイッチ12と停止スイッチ13とが設けられると共に、横向きにハンドル14が連設されている。
また、ブレードケース9には、本体7の所定の下降位置で水平姿勢となる平面視矩形状の上部テーブル18が設けられている。この上部テーブル18は、鋸刃8の上縁部が突出するスリット19を備えると共に、当該上縁部を常態で覆う上部カバー20と、被切断材を鋸刃8と平行にガイドする平行定規21とを備えている。
特にここでは、第2集塵通路32の後半通路34が接続通路37を介して第1集塵通路27と接続されているので、第1集塵通路27内で鋸刃8の回転によって発生する空気流が実線矢印で示すように接続通路37を通って後半通路34に合流する。よって、第2集塵通路32内での流速が増加し、第2集塵通路32で切断屑をスムーズ且つ確実に通過させることができる。
また、本体7の所定の下降位置で開放位置となる安全カバー15内を第2集塵通路32の前端と連通させる一方、第2集塵通路32の後端をターンテーブル3の後面に開口させて、テーブルソーモードで生じる切断屑を安全カバー15内を通過させて第2集塵通路32内へ導いてターンテーブル3の後方へ排出するようにしているので、安全カバー15を利用して切断屑を効率よく第2集塵通路内に導くことができる。
特に、接続通路37による第1集塵通路27と第2集塵通路32との接続を第2集塵通路32の後半通路34で行うようにしているため、流速が小さくなる第2集塵通路32の後半通路34において第1集塵通路27からの空気流を効果的に利用できる。
さらに、第2集塵通路32を第1集塵通路27に隣接させているので、鋸刃8の回転によって発生する空気流を大きな抵抗なくスムーズに第2集塵通路32へ導くことができる。
また、第2集塵通路は、くの字状でなく直線状や曲線状に形成してもよいし、上記形態と逆にして第1集塵通路の右側に形成してもよい。さらに、必ずしも第1集塵通路と隣接させる必要はなく、ベースの構造等によっては第2集塵通路が後方へ行くに従って第1集塵通路から離れるような角度で形成することもできる。
加えて、第2集塵通路はベースの後方で外部に開口させる場合に限らず、ベースの上面よりも下方であれば側方や前方であってもよい。
特にこのような場合は、第2集塵通路内にファンを設けてテーブルソーモードで連動して回転させるようにしてもよい。ファンを採用すれば接続通路を用いなくても第2集塵通路内を通過する空気の流量や流速が増加して集塵効率がより高くなる。
しかし、長孔40を設けることで、第2集塵通路32を通過する際の切断屑の一部や切断終了時に第2集塵通路32内にとどまった切断屑が長孔40から外部へ排出されるため、切断屑の残留を少なくして第2集塵通路32の閉塞を好適に防止することができる。また、たとえ第2集塵通路32内に切断屑が残留しても長孔40から容易に掻き出すことができる。
また、この長孔40は、図8に示すように、接続通路を省略した場合でも適用可能であるし、長孔に限らず、円形や正方形等の透孔を一又は複数形成したりすることもできる。但し、第2集塵通路の形成方向に沿って伸びる長孔とすれば、特殊な形状の切断屑でも残留を好適に防止でき排出も容易となる。
その他、上部テーブル付卓上丸鋸の構成も上記形態に限らず、例えばターンテーブルがないベースであればベースに第1、第2集塵通路を形成することも可能である。
一方、本発明は、上部テーブル付卓上丸鋸に限らず、上部テーブルを有しない卓上丸鋸(マイタソー)であっても適用できる。すなわち、第1集塵通路と第2集塵通路とを併設することで、切断屑を第1集塵通路と第2集塵通路とに分散して排出でき、各集塵通路での切断屑の残留や閉塞を防止して切断屑の確実な排出が可能となるのである。
Claims (6)
- 被切断材が載置されるベースの上方に、回転駆動する鋸刃を備えた本体を上下動可能に設けると共に、前記ベース内に、前記本体の下降によって前記鋸刃の進入を許容して前記鋸刃の回転に伴って切断屑を前記ベースの後方へ案内する第1集塵通路を形成した卓上丸鋸であって、
前記第1集塵通路の後端を前記ベースの上面に接続して当該後端から前記切断屑を前記ベースの外部へ排出可能とする一方、
前記ベース内に、前端が前記ベース上に開口し、後端が前記ベースの上面より下方で外部に開口する第2集塵通路を形成すると共に、前記第1集塵通路と前記第2集塵通路とを前記第2集塵通路の後半部分で接続通路を介して互いに接続して、前記切断屑の一部を前記第2集塵通路によって前記ベースの外部へ排出可能としたことを特徴とする卓上丸鋸。 - 前記本体の上部に、前記鋸刃の上縁が貫通して前記本体の所定の下降位置で水平姿勢となり、上面を被切断材が前後方向にスライド可能な上部テーブルを設け、前記第2集塵通路の前端を前記第1集塵通路の前方に開口させて前記本体の所定の下降位置で前記第2集塵通路を前記本体と連通させるようにして、
前記本体の所定の下降位置において前記上部テーブル上で前記被切断材の切断を行った際に生じる切断屑を、前記本体内を通過させて前記第2集塵通路内へ導いて前記ベースの外部へ排出することを特徴とする請求項1に記載の卓上丸鋸。 - 前記本体に、前記本体の上下動に伴い、前記本体の下側にあって前記鋸刃を覆うカバー位置と、前記本体の前側にあって前記鋸刃の下縁を露出させる開放位置との間を回転移動する安全カバーを設けて、前記本体の所定の下降位置で前記開放位置となる前記安全カバー内を前記第2集塵通路の前端と連通させる一方、前記第2集塵通路の後端を前記ベースの後面に開口させて、
前記上部テーブル上で前記被切断材の切断を行った際に生じる切断屑を、前記安全カバー内を通過させて前記第2集塵通路内へ導いて前記ベースの後方へ排出することを特徴とする請求項2に記載の卓上丸鋸。 - 前記第2集塵通路を前記第1集塵通路に隣接させたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の卓上丸鋸。
- 前記第2集塵通路の底面に、前記第2集塵通路の一部を外部に開放させる透孔を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の卓上丸鋸。
- 前記透孔を、前記第2集塵通路の形成方向に沿って伸びる長孔としたことを特徴とする請求項5に記載の卓上丸鋸。
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