図1ないし図17は本発明の洗浄処理装置の一実施形態を示しており、そのうち図1から図5は装置全体としてみた各図を示し図6以降は各要部を取り出して詳細をみる説明図である。図1および図4の手前で図5の左側が前側(正面側)で図5の右側が後側とされる。
これらの図において1は架台で、基台2から立ち上がる少なくとも4本の支柱3を備えるとともに上回りには複数本の梁4を構築しさらに梁4上を介して図2の平面図のようにL字路形に曲がる歩廊5を備えたものになっている。図2の歩廊5の右下部分には図示しない旋回階段を通じて登り降り可能になっている。
7はSUS製の処理槽で、槽本体8と下部槽体9とでなり、それらの間は四角枠状をした各フランジ10,11にパッキンを介して図示しない止着具により脱着可能とされている。槽本体8の上半分は矩形筒状で下半分は逆四角錐形をなしている。下部槽体9は上半分上端が矩形で中段位置が丸パイプ状に変化したものになっておりそれより下半分はストレートな丸パイプ状になっている。槽本体8の上半分下端外周には載置ブラケット12…が固定されて前記梁4上に載り掛って止着具(図示省略)により固定されるようになっている。槽本体8の上端開口は、例えば、図4の左右幅寸法(槽内寸法)が1200mmで図5の前後幅(奥行)(内寸法)が800mmとされ、その外周縁には上端フランジ13が設けられている。槽本体8の上側の中央には、矩形をした中央上蓋14が止着具aで取り外し可能に閉止されている。この中央上蓋14には突胴部15が設けられるとともにその上側には止着具aにより取り外し可能な取付蓋16が閉止されている。上蓋13の後部には脱臭パイプ17が装着されている。
中央上蓋14の正面からみて左側には、ヒンジ20により開閉自在に支持されるとともに掛止具21により閉止ロックされるように側蓋22が設けられている一方、中央上蓋14の正面からみて右側には、中蓋24・後蓋25でなる他の側蓋がそれぞれ止着具aを介して取り外し可能なように設けられている。中蓋24には、図4のように、軸通孔26が開けられて電動シリンダ(堰駆動手段)27の作動軸28が上から通されている。29は電動シリンダ27の受ブラケットで、槽本体8の右側面を介して固定立設されている。また、前記中蓋24の前側には、図2のように、ヒンジ20と掛止具21により開閉自在とされた前蓋30が設けられていて定期的に開かれることで内部の浮遊物除去の状況を確認できるようになっている。尚、32は槽本体8内上端開口に左右2本渡された蓋受材である。
35は揚砂ポンプで、図示しない沈砂池内に溜まる汚砂を含む汚水を吸い上げるためのもので、同ポンプ35からの汚水は導入弁36を備えた投入ルート37を介してサイクロン式分離投入機38に導かれ、同投入機38を通じて脱水処理されたあとの含水率が50〜60%程度の汚砂が槽本体8の左側面に連通状に突設した導入パイプ39を通じて槽内に導入されるようになっている。投入機37は、上向き矢印のように汚水だけでなくし渣までもが分離除去される。
揚砂ポンプ35からの汚水は、補助導入弁42を備えた補助投入ルート43を通じて処理槽7内に導き得るようになっている。該汚水は通常は投入ルート37から分離投入機38と導入パイプ39を通じて処理槽7内に導入されるが、分離導入機3が点検などのため一時停止される一方において装置の運転が継続される必要がある場合に、導入弁36を閉止し補助導入弁42を開放して補助投入ルート43を使って汚水を導入するようにしてある。その際の導入汚水は分離投入機38を通していないためし渣を含むものであり、従って、し渣を除去するため、処理槽7内にし渣除去装置45を装備したものである。
し渣除去装置45は、図6にも示すように、四角立体枠状の上部枠46と矩形枠状の下部枠47とを備えるとともに、ロッドの多数を縦向きにして上下の枠46,47間に配備して周柵48を形成しまた下部枠47の底面にも配備して底柵49を形成することによりカゴ型となし、その上端アングルを前記蓋受材32のレール部分と槽内の側レール51に掛装したものである。処理槽7には補助投入ルート43の端部である導入エルボ52が設けられ、このエルボ52の出口が前記上部枠46の一端枠内が臨むようにされることでエルボ52からの汚水がし渣除去装置45内に投入されるようになっている。尚、し渣除去装置45は、前記側蓋22を開けることでその上部の一対の把手53が見えるようになっており、し渣除去装置45内にし渣が溜まった際にはこの把手53を介して歩廊5上から持ち上げることにより同装置45を取出しまた再セットすることができるようになっている。歩廊5が図2のようにL字路状になっている場合は、歩廊5の曲がった奥まで作業員が行けるのでそのまま持ち上げることができるが、歩廊5がL字路状でなく図2の下側の辺のみしかないものである場合把手53が遠いため取り出すことができない。その場合、し渣除去装置45を図2の下向きである手前にずらして把手53を取って持ち上げるようにすることで取出しが安全かつ容易化し、再セットも図2の手前位置で降ろしセットし奥側へずらすことで容易に行えるようになっている。尚、分離投入機38が運転できるようになると、補助導入弁42は閉止され導入弁36が開放に切り換えられる。前記導入パイプ39は、図3の破線のように槽本体8の前後間中央に配置されてし渣除去装置45のよって導入が遮られないようになっている。
処理槽7内には図4及び図5に示すようにし渣除去装置45の周柵48上端レベル程度まで汚水55が導入される。57は丸パイプ製の浮上用パイプで、呼びが100Aの丸パイプを直管部aとし上部に180度の転回部bを備えるとともに下部は呼びが150Aで長さ200mmのストレートパイプでなる再導入部cと上向きにテーパー状をなす窄まり部dを備えている。この浮上用パイプ57の内部は接触浮上路58とされ、転回部bの上端開口59が汚水55より少し高いレベル(50mm程度)において対向するようにされる一方再導入部cの下端開口60は後述する制御スクリーンの水平部分上面より40mm〜50mm前後上方にあって対向するように設定されている。
この浮上用パイプ57は、前記取付蓋16から垂下された複数本のステー62により固定支持されて図4のように正面からみて左右中央位置に垂直にまた図5のように側方からみて上端開口59が槽本体8の上部略中央に位置するようにパイプ全体がやや前寄りに偏心して通るように設定されている。この浮上用パイプ57には、前記取付蓋16に挿通固定されて垂下された上部エアー供給パイプ63が主部aの下端付近において連通状に接続されている。これら浮上用パイプ57・上部エアー供給パイプ63は取付蓋16とともに上下可能で、これにより設置と取り外しが可能になっている。上部エアー供給パイプ63には上部エアー弁(自動弁)65と撹拌ブロア66が接続されている。撹拌ブロア66は1基のみであるが必要により上部・下部(後述)のエアー供給を独立式とするため複数基とすることもある。
68は誘導板で、処理槽7内の汚水導入側に寄った内空間に上端が汚水55の水面55aより高くまた下端が水面55aから700mm程度没した高さにくるように仕切り状に固定されている。この誘導板68は設けないことがある。そのし渣除去装置45側は汚水導入路69とされその逆側(図4の右側)は沈降路70とされている。誘導板68の上方には、図5に示すように、水面55aに向けて斜めに洗浄水を噴射する洗浄水噴射パイプ72が設けられていて、汚水排出後の槽内洗浄をするためと洗浄後にパイプ72より下流側である浮遊物除去装置74の方向へ向けて水面55a上の浮遊物を送り寄せるために設けられている。73は洗浄水電動弁(MV3)である。浮遊物除去装置74は、トラフ75と水面55aを境に浮沈する可動堰76とを備え、堰76は、前記電動シリンダ27による作動軸28を介する往復運動により浮沈され、堰76が水面以下に没することにより浮上した浮遊物を水とともに呑み込んでトラフ75を通じて浮遊物排出口77から排出するようになっている。78は浮遊物排出弁である。浮遊物やし渣などが該装置74において詰まっていないかあるいは可動堰76の作動状況などを確認したり除去したりするため前記後蓋25や前蓋30などを開くことができるようになっている。前記沈降路70のトラフ75寄りには浮遊物のみを浮遊物除去装置74側に誘導する多孔板製の制御板71を設けることがある。
80は給水(洗浄水)パイプで、槽本体8の下半部分中間高さやや上位に複数個配備され、排水後に図4の水面55aまで再び給水を行うためと排水と、排砂を終えたあと槽内に他方向から水噴射をして槽内洗浄をする両目的のために設けられている。81は給水電動弁(MV2)である。
83は中間排水装置(槽内の汚水を排出する手段)で、一端が槽本体8内に四角形(逆台形)の開口84を介して連通状に対面するとともに槽本体8の外方に向けて立体四角形をした通水凹所85を形成した通水ケーシング86と、通水ケーシング86の外壁一部に連通して接続された排水パイプ87とを備えるとともに、開口84を備えた通水凹所85は、排水パイプ87の口径(呼び80A)よりも広い通水面積の変形四角形をした口径をもち、通水凹所85の横断面より少し小さ目の外形状で分離促進ピースが通過しない多孔を有する排水スクリーン88が装填ガイド受で支持された状態で略立面姿勢に装填され、かつ、排水スクリーン88は通水ケーシング86の側方に形成した開閉式の装脱口89を通じて出し入れ可能に構成されている。
その詳細は、図16および図17に示されている。開口84は、W1が500mmでW2が400mm程度で開口高さHが220mm程度の台形を逆様にしたような変形四角形をしている。この開口84の下辺は図17のように槽内に向けて下がり傾斜する面91とされて汚砂や25mm径で比重が1.11前後の合成ゴム製の分離促進ピース99…などが下方へ流れ落ちやすくなっている。通水凹所85は、逆様の前記変形台形を奥側に凹ました形状をしており、その前後両端には、図1および図3に示すような端フランジ92が変形台形枠状で内向きに突出する形で一体形成されている。92aは装脱口で、前後の端フランジ92の開口とされている。これら各端フランジ92にはパッキンを介して把手93付き開閉蓋94が開閉自在に止め付けられている。aは止着具である。
尚、排水スクリーン88の排水パイプ87に対する通水面積比は約10倍とされている。
排水スクリーン88は、図16および図17に示すように、細い5mm径の丸ロッドを用いて前記変形台形枠状にした外枠88aと、その外枠88aの内部において縦向きに多数本一体に並列配置した縦桟88bとで主になり、縦桟88bは横桟でなく流れ落ちやすい縦桟とされるとともにその目幅Sは25mm径とされる分離促進ピース99の通過を許さず落下させ汚水のみの通過を許すような18mmに設定されている。通水凹所85の内部には、上下の背受(装脱ガイド受)95と前後端部の前受96とでなる装填ガイド受が設けられていて排水スクリーン88が受止められるようになっている。下側の背受95の下縁部には半円孔である排水補助口95aが複数明けられている。97は中間排水電動弁(MV1)である。排水スクリーン88は、前後いずれかの端フランジ92に一体化して端フランジ92とともに簡単に出し入れできるようにしてもよい。図4のように中間排水装置83は処理槽7の両側面に備えてもよい。
排水口の前段階に広い通水面積をもつ排水スクリーンを備えているので、洗浄運転中においてし渣を含む分離物や分離促進ピースなどが詰まりにくくまた排水の際においても詰まりが発生しにくく詰まっても洗浄運転により取り除かれやすくなり、さらに詰まっても排水スクリーンを抜き出すことにより詰まったものを完全に取り除くことができることになって、汚水排出が常に早く効率的になされるようになることから全体として洗浄効率を上げることができるようになる。
100は浮上促進用パイプである。同パイプ100は、呼びが32Aで長さが600mmの丸パイプでなる垂直な直管で、槽本体8に脱着可能とされた下部槽体9の排砂口9a内に下端開口100aを臨ませる一方上部は浮上用パイプ57の再導入部c内の中央を通って上端の噴出口100bを窄まり部dの下端レベル中央に位置させるように設けられている。このパイプ100にはエアーを供給する下部上昇流発生手段である下部エアー供給パイプ101に連通状に接続されるとともに水平ステー102を介して取付支持されている。103は下部エアー弁(自動弁)で、前記撹拌ブロア66にあるいは独自のブロアに接続されている。
図5の105は給水・洗浄(排砂)用パイプで、下部槽体9の排砂口9a内に水平に臨み、中間排水後に前記給水電動弁81が開かれることで浄水を噴射して下部槽体9内に沈降した汚砂を破砕しながら撹拌して浮上促進用パイプ100内に吸引させるようにするとともに、洗浄が設定回数行われたあとにも開かれることで洗浄後に沈降した砂泥分を破砕とともに排砂口9aを通じて排出するようにする。107は排砂弁(自動弁)(MV4)で、排砂口9aに連通して開閉自在とする。
浮上促進用パイプ100は、下部槽体9を槽本体8から取り外すことで槽本体8側から抜き去ることができる。この場合、関連して接続されている配管やバルブ類との連結関係を取り外すものとする。
110は制御スクリーンで、多数個の分離促進ピース99…の通過を規制する桟構造材である一方下降してくる砂泥の通過は許す上下貫通状の通口111…を多数有する部材とされている。同スクリーン110は、槽本体8の下部内に左右に離間して一対配された受パイプ112上に出し入れ自在に載せ付けられて処理槽7の下部内で横断状をなすとともに浮上用パイプ57の下端開口60の下方に離間して対向する関係で水平状に配置される。受パイプ112はフラットバーを水平向きにした受プレートにしてもよい。
この制御スクリーン110は、図7および図8のように、左右対称型に合わさるようにされた左・右の一対の本体114を有してこれらの合体により中央部分が低く外周部分が傾斜状に高くなった四角凹状の本体が形成されている。これらの本体114は、図7に示すように、水平に伸びる縦板部とその前後端部から30度前後をもって上向き傾斜状に伸びる縦板部とを一体に有する凹形(弓形)の中央桟板115の複数枚を左右並列状に並べて左右間の目幅Sを分離促進ピース99の通過しない18mmとしてあり、それら中央桟板115の複数枚は底つなぎロッド116で連結して各1枚ずつの桟体としてなる。さらにこれら左・右の本体114の左右に対向する部分には、図11に示すように半環状をした通し凹環117を一体に備えて両凹環117,117間で形成される通孔118に浮上促進用パイプ100が縦筒状をなして通されるようになっている。前記中央桟板115の長手板面方向は、図7の転回部bの作る面に直交する角度関係になっていると、沈降してくる分離促進ピース9が中央桟板115に何度か当たって下端開口60に戻るのに抵抗となるが、転回部bの作る面に平行になっていると、分離促進ピース99が縦桟上を長手方向に流れるようになって円滑に下端開口60内に戻されるようになる。さらに、浮上用パイプ57の再導入部cおよび窄まり部dが図7および図8のように浮上促進用パイプ100を基準にして前側に広い流れ空間があるように偏心してあると分離促進ピース99が抵抗少なく流れ込んで上昇してゆくことになる。
各左本体114の左側および右本体114の右側には、図10に示すように、中央桟板115に直交して外側向きに斜め上がり状をなす内側部傾斜桟板120の複数枚が前後に並列配置されるようにして一体化されている。内側部傾斜桟板120間は前記と同じ目幅Sをもって配列されている。122は左本体114と右本体114の四隅に設けられた隅部桟板で、斜め45度をなして隅部外方へ斜め上がり状に立ち上がる板で、これらにも目幅Sが設けられている。これら左本体114および右本体114の外周縁には、傾斜状の外枠123が設けられている。
左本体114と右本体114とは、外枠123のうち前後に対応する枠辺部分に枠辺に直角であるが斜め外側方へ短く伸びた突片124を備える。その突片124の後側のものに上から対向するように、図7、図8、図10に示すような奥側抜けストッパ126が槽本体8の対応する内周個所に水平片として設けられていて制御スクリーン110が上へ抜けないように構成されている。制御スクリーン110の前側の抜けストッパについては後述する。
左・右本体114は、図12に示すように、左本体114の前側の突片124から突設された連結板127に右本体114の突片124を重ね合わせて2個所を止着具aで止め付けることで一つの本体となるようにされる。bは挿通孔、cは孔付き裏ナットである。その際、通し凹環117は図11の水平内向き方向の矢印Xのようにして互いに合わさり浮上促進用パイプ100に当たるのでなく同パイプ100の外周に少しの周隙間をおいて1つの合わせ環を形成するようにセットされる。止着具aを抜くことで左右の本体114は分離でき、その場合凹環117,117は図11の外向き矢印Yのように分離可能である。
左・右本体114の各左・右外側部には、ヒンジ130を介して転回と折畳が可能な外側部体132が取り付けられている。側部体132は、図8に示すように、台形状をした周枠133と、その内部において内側部傾斜桟板120と同じ目幅Sをもって配列された外側部傾斜桟板134と、外端において同じく傾斜方向に幅広状に伸びた突片135とを備える。この外側部体132は、図9のように、中央桟板115と同じ30度前後の角度をなして伸びて槽本体8の左右の内周面に重さにより乗り掛るようになっている一方、図10のように、前面開口である矩形をした点検口137を通じて左右分離後に内向きに折り畳みながら矢印Y方向に離したあと手前に引くことで外側部体132付きの左右本体114をそれぞれ点検口137を通じて取り出すことができるようになっている。
点検口137を通じて取り出したあとは制御スクリーン110全体を清掃して詰まったものを除去することができその除去作業が槽本体8内でなく広いスペースのもとで安全確実に行えることになる。清掃された制御スクリーン110は、外側部体132を折畳状態あるいは図10のように立ち上げた状態とすることで点検口137を通じて槽本体8内に戻すことができ、受パイプ112上を滑らせるようにして奥に持ち込むようにしたあと図10、図11の矢印Xのように浮上促進用パイプ100周りに凹環117を接近対応させるようにすることにより再セットされ、さらに奥端を奥側抜けストッパ126下にもってくるとともに外側部体132を展開して槽本体8に受け止めさせるようにする。左右の本体114は点検口137を通じての連結片127による止め付けで一体化される。制御スクリーン110の前端は後述するスペースボックスの前側抜けストッパにより上へ抜けないようにされる。
点検口137は、槽本体8の下部前面に突設した四角筒状の突筒138およびその前端フランジ139を介して形成されている。点検口137の四角な下辺は受パイプ112の上端で制御スクリーン110の底面レベルと略同じ高さになっている。この点検口137内に図13のようなスペースボックス141が嵌め込まれることで図7のように同ボックス141の内側面が槽本体8の内面と一致して塞ぐようになることから内部を流れる有機固形物やし渣、汚砂などが点検口137内に詰まらなくなる。このスペースボックス141は、槽本体8の口内端上部に突設した上ストッパ142によって内向きへの抜けがストップされ、またその内側面に突設した前側抜けストッパ143が制御スクリーン110の前端上に対向してくることで上への抜けが防止されるようになっている。さらに、スペースボックス141の前側の面には、点検時の出し入れ用の把手145が取り付けられているとともに、この把手145の収納時の納まりを確保するためアングル型のスペーサ146が突設されている。
図1、図3、図7、図8における150は閉止蓋で、前端フランジ139と同じ外形をした矩形板でなり、前端フランジ139側に設けられた密封リング151を介して同フランジ139側に押し付けられた状態で閉止されるようになっている。152は固定ブラケットで、縦軸状のアーム軸153を介して回転可能にスイングアーム154を取り付けてある。スイングアーム154の自由端には係合溝155が設けられ、その溝155にはロック支持軸156に回転自在に支持したロックアーム157の先端ピン158が係脱自在になっている。そして、スイングアーム154の中央には、前方から正逆に回転操作され得る開閉ハンドル160付きの開閉軸161が取り付けられており、その先端に設けたオネジ部162が、メネジボス163に螺合することにより同ボス163に備えた前記閉止蓋150が前後に進退して点検口137側に圧着したり逆方向への解除がなされるようになっている。
164は閉止蓋150が勝手に回転せずに進退するようにするための回転ストッパである。開閉ハンドル160を図1の開方向(左回り)に回すと両ネジ162,163の作用で閉止蓋150が前方へと引かれて係合溝155から先端ピン158が緩む方向に作用し、ピン158が係合溝155から外れ得る状態になるとロックアーム157を外向きに回転させて外すとともにスイングアーム154を手前側に離すように操作すれば閉止蓋150は点検口137から開放される。そのあと把手145を介してスペースボックス141を手前に抜き出せば、制御スクリーン110を左右に分離し折り畳みなどでコンパクトで出し入れしやすい状態のもとで外部に自在に取り出すことができるようになっている。
制御スクリーン110を左右個別に槽内に入れて外側部体132を展開するとともに底側が受パイプ112で受け止められまた奥先端を奥側抜けストッパ126で抜け止めされた状態に再セットしかつ合体されたあとは、点検口137にスペースボックス141を嵌め入れて前側抜けストッパ143にて同制御スクリーン110の抜けを防止するようにしてのち、スイングアーム154を右側に開いた状態から元の前面に回転させて戻し、そのあと先端ピン158を係合溝155に掛け合わせるようにし、さらに、ハンドル160を右回りに回転操作することにより閉止蓋150を前端フランジ139側に押圧密着させて槽内を洗浄運転可能な密閉状態にすることができる。166は砂受コンテナである。
尚、浮上促進用パイプ100は1本の直管でなっているとともにその上端口を浮上用パイプ57の窄まり部dの下端等一定高さ位置に臨むように設定されその高さ位置は変更できない固定的なものとされてきた。ところが、試運転を行って得られた砂泥が想定された好ましい洗浄レベルのものでなかった場合でも浮上促進用パイプ100の窄まり部dに対する位置関係を調節して修正することができずそのまま正規運転を続けるしかなかったのが実状である。その対策として、図14および図15の実施形態を例示した。
図14の左右中央欄に示す実施形態は、浮上促進用パイプ100を固定側の下部パイプ100Bとその上部に外嵌されて溶接ナットbと止着具aにより上下調節可能に取り付けられた上部パイプ100Aから構成したものである。止着具aはボルトタイプ以外にその右側に示すような簡易操作式のL形ボルトでなるものにしてもよい。止着具aは開けられた点検口137を通じてスパナやレンチなどの工具あるいは手指により締付・解除できるようにしてもよく、その場合制御スクリーン100を取り外してより自由なスペースのもとで作業を行うようにしてもよい。これにより、浮上促進用パイプ100は窄まり部dの広い下端開口から上位レベルまで高さ調節されてその調節によりより好ましい洗浄結果が得られるようにすることができる。
図14の右欄に示す実施形態は、上部パイプ100Aが下部パイプ100Bに対してネジeで上下調節されるようにしたものである。この例のように上部パイプ100Aを下部パイプ100Bの内側に螺合しておくと、調節後も止着具aの高さが一定で上に移動しないので再調節作業が簡単に行える。図14の左欄に示す実施形態は、上部パイプ100Aの高さ調節が数段階に分けて行えるようにしたもので、下部パイプ100Bには、縦溝yと横向きの複数の係合溝xとでなる切換溝166を形成しておき、その溝166の上下数段階の係合溝x…のいずれかに上部パイプ100A側にねじ込まれた止着具aを移動位置させて締め付けることにより上部パイプ100Aの高さを数段階に切り換え得るようにしたものである。例えば、図示の表示0のところに止着具aを締め付けた状態を基準にして当初の試運転を行い、その後、一定の洗浄結果が得られなかった場合には、点検口137を開けて止着具aを緩め上部パイプ100Aを手回ししながら上下に高さ調節し+1の溝xに止着具aがくるようにして締め付け固定することにより点検口137を閉めて次の試験運転をして洗浄結果をみるようにすることができる。そうした調節を経てもなおも想定した洗浄結果が得られない場合、点検口137を開けて止着具aを緩め上部パイプ100Aを回して上げ下げして他の高さの目盛(−1や−2など)に止着具aがくるようにして固定すればいずれかの高さで想定した洗浄効果を得ることができるようになる。高さ目盛(例えば、1目盛が10mmに相当)を付してあるので、現場での高さ調節がゲージを使わずに早く効率的になされるようになる。
図15に示す実施形態は、浮上促進用パイプ100を、下部エアー供給パイプ101に接続されて一体の中間固定パイプ100Cと上部パイプ100Aおよび下部パイプ100Bとで構成し、各パイプ100A,Bを止着具aにより上下調節可能にしてもよい。この場合、止着具aは、いずれも制御スクリーン100より下方になるため作業の自由さを図るため点検口137を開いた状態で同制御スクリーン100を分離して取り出し、その状態で高さ調節するようにすれば、作業が早く容易にできる。作業スペースをより広くするため受パイプでなく受プレート112とする。このように下部パイプ100Bまでも高さ調節可能とすることによって同パイプ100Bの吸い込み効率をより効果的なものに調節することができる。尚、上部・下部パイプ100A,100Bは図示のようにネジで上下するようにしておけば作業時にパイプが下に落ちるおそれがない。
図18はこの洗浄処理装置の動作仕様を示している。最初に、揚砂ポンプ35が駆動されて沈砂池からのし渣混じりの汚砂が汚水を伴いながらサイクロン式分離投入機38に導入され、投入機38において図4の上方矢印のようにし渣および水分を除去してのち50%程度の水分を伴う汚砂が汚水として処理槽7内に導入される。揚砂ポンプ35は90秒運転されたのちOFFとされる。その際、汚水は図4のレベルまで溜められるが、場合によっては汚水は溜まる一方において汚砂分が処理槽7の下部内に想定量沈降していないと沈砂池の状況等から判断されることもあり、そうした場合には、揚砂ポンプ35を前記90秒より長目に運転して汚砂の沈降量を確保するものとする。この場合、エアーを作用させない状態下で汚水の導入がなされ、可動堰76上からオーバーフローをさせることにより下部内での汚砂の沈降量を確保するようにする。汚水導入に伴い汚砂分もオーバーフローされる傾向となるがそれは誘導板68による汚砂の巻き上がり規制によりオーバーフロー量は少なく抑えられるようになっている。一定時間後揚砂ポンプ35は停止される。
そのあと自動運転が開始され、場合によっては手動で運転が開始されることもある。制御スクリーン110上には前回の運転後に多数個の分離促進ピース99が沈降しており、その上に汚砂が沈降しているとともに制御スクリーン110を通過した汚砂も処理槽7の下部内に沈降した状態下にあり、その状況で撹拌ブロア66がONとされ5分間駆動される。
上部・下部エアー弁65,103の開放とともに撹拌ブロア66が駆動されることにより浮上促進用パイプ100内に矢印Aのようにエアーを噴出して下端から矢印Bの吸引力を発生しかつ上端から矢印Cのように浮上作用を発生するとともに浮上用パイプ57内においても上部エアー供給パイプ63からの矢印Dのエアーの噴出と前記浮上促進用パイプ100からの浮上作用Cが相乗的に作用することから矢印Eの浮上撹拌作用が発生する。
その結果、浮上促進用パイプ100の下端からは溜まった汚砂がまわりの汚水を伴って矢印Bのように吸引されたあと上端開口を通じて矢印Cのようにエアーを伴って噴出されその噴出作用が窄まり部d内に作用するとともに矢印Dによる浮上力が浮上力となって協働することにより浮上用パイプ57の下端開口60を通じて吸引力が発生し、これにより、制御スクリーン110上に溜まった汚砂だけでなく分離促進ピース99…が吸引され上昇される。この際、給水・排砂用パイプ105から水噴射を行って溜まって固化するような汚砂を破砕して吸引しやすくすることができる。接触浮上路58内においては汚砂が分離促進ピース99…との相互接触を受けて有機固形物類を分離させながら撹拌洗浄を受けて矢印Eのように浮上しそれらはさらに上部の転回部bを通じて上端開口59から汚水55内に導出される。導出された分離促進ピース99…や有機固形物などの分離物および砂泥(汚砂)、汚水などは、図5に矢印Fで示すように、汚水55内を下降して分離促進ピース99…については汚水とともに矢印Gのように再度浮上用パイプ57内に吸引されて撹拌洗浄のために再使用される一方、洗浄を受けた砂泥については矢印Gのように再び浮上用パイプ57内に吸引洗浄されたりあるいは制御スクリーン110の通口111…を通じて下部槽体9内へと沈降してゆく。沈降した砂泥は沈降したままのものと浮上促進用パイプ100で再吸引され洗浄を受けるものとに分かれる。
撹拌ブロア66は5分後にOFFとされ、それから1分間運転を停止したあと、中間排水電動弁(MV1)97は開とされて内部の分離物を含む汚水が中間排水装置83を通じて槽外に排出される。排水は同装置83の下端レベルに対応するまでなされる。中間排水装置83は、縦桟状の排水スクリーン88が広い開口84に面して設けられているので、洗浄運転中の分離促進ピース99…を侵入させることがなく下向きに案内して制御スクリーン110上に誘導するようにさせる。また、排水スクリーン88は広い排水通口を有してゆっくりと低圧のもとで排水を行うことができるので、同スクリーン88への分離物の詰まりが少なく軽度なものとなる。詰まりがあっても排水スクリーン88の抜き出しにより常にクリーンなスクリーン88を提供することができる。中間排水は3分間行われる。その後電動弁97は閉じられ、次に給水電動弁(MV2)81が開とされる。同弁81が5分間開とされることにより給水パイプ80から浄水の供給が行われ、レベル55aまで内水が入れられる。その弁81が閉まる5分に至る前の3分10秒後には撹拌ブロア66がONにされ15分間ブロア駆動がなされる。これにより、前記同様のエアー上昇による撹拌洗浄が再度行われ、ブロア66がOFFとされたあと30秒後には洗浄水電動弁(MV3)73が開とされて水面55a上の浮遊物が浮遊物除去装置74の方向に送られてのち可動堰76を下げてこれら浮遊物を外部に排除するようにする。そのあと、中間排水装置83を通じて内水の排除がなされる。
そのあと、洗浄が設定された2回であるか確認がなされ、確認後、排砂弁(MV4)107が開かれて排砂がなされる。そののち、給水電動弁(MV2)81が開とされることにより今度は内部洗浄のために給水がなされる。内部洗浄が行われた際の水は排砂弁107が開いているので外部に排出され、その後排砂弁107は閉とされ、その間排砂分はコンテナ166に排出されることになる。1回の洗浄時運転時間は36分、2回目の洗浄時運転時間は60分に設定されている。