JP5711393B2 - シクロヘキシルベンゼンを生成するための方法 - Google Patents

シクロヘキシルベンゼンを生成するための方法 Download PDF

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Description

優先権の主張
本出願は、2011年2月18日出願の米国仮特許出願第61/444,338号、および2011年4月7日出願の欧州特許出願第11161515.9号の優先権を主張し、その開示は参照することにより本明細書に完全に組み込まれる。
本発明は、シクロヘキシルベンゼンを生成するための方法に関する。
シクロヘキシルベンゼンは、フェノール生成のためのHockプロセスの代替経路を提供するので、化学工業において重要性が増している生成物である。Hockプロセスは三段階プロセスであり、ベンゼンがプロピレンでアルキル化されてクメンを生成し、クメンが対応するヒドロペルオキシドに酸化され、次いでヒドロペルオキシドが開裂して等モル量のフェノールおよびアセトンを生成する。
シクロヘキシルベンゼンの酸化は、工業用溶媒として、酸化反応における活性剤として、およびアジピン酸およびシクロヘキサノン樹脂の生成において使用される、市場が拡大しつつあるシクロヘキサノンを同時生成するので、フェノール生成のための代替経路としての可能性を有する。しかしながら、この代替経路は、シクロヘキシルベンゼン前駆体を生成するための商業的に実現可能なプロセスの開発を必要とする。
シクロヘキシルベンゼンは、シクロヘキセンを用いたアルキル化により直接、またはヒドロアルキル化もしくは還元アルキル化のプロセスにより、ベンゼンから生成され得ることが長年知られている。後者のプロセスにおいては、ベンゼンが部分水素化されてシクロヘキセンを生成し、次いでこれがベンゼン出発材料をアルキル化するように、ベンゼンは触媒の存在下で水素と共に加熱される。例えば、米国特許第4,094,918号および米国特許第4,177,165号は、ニッケル処理および希土類処理ゼオライトならびにパラジウム促進剤を含む触媒上での、芳香族炭化水素のヒドロアルキル化を開示している。同様に、米国特許第4,122,125号および米国特許第4,206,082号は、希土類処理ゼオライト上に担持されたルテニウムおよびニッケル化合物の、芳香族ヒドロアルキル化触媒としての使用を開示している。これらの先行技術のプロセスにおいて使用されるゼオライトは、ゼオライトXおよびYである。さらに、米国特許第5,053,571号は、ゼオライトベータ上に担持されたルテニウムおよびニッケルの、芳香族ヒドロアルキル化触媒としての使用を提案している。しかしながら、ベンゼンのヒドロアルキル化のための、これらの以前の提案には、特に商業的に実現可能なベンゼン変換率でのシクロヘキシルベンゼンの選択性が低く、不要な副生成物が大量に生成されるという問題があった。
より最近では、米国特許第6,037,513号は、ベンゼンのヒドロアルキル化におけるシクロヘキシルベンゼン選択性が、ベンゼンおよび水素を、少なくとも1種の水素化金属およびMCM−22ファミリーのモレキュラーシーブを含む二官能性触媒と接触させることにより改善され得ることを開示している。水素化金属は、好ましくは、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、コバルトおよびそれらの混合物から選択され、接触は、約50〜350℃の温度、約100〜7000kPaの圧力、約0.01〜100のベンゼン対水素モル比および約0.01〜100のWHSVで行われる。‘513特許は、得られるシクロヘキシルベンゼンが、次いで対応するヒドロペルオキシドに酸化され、ヒドロペルオキシドが所望のフェノールおよびシクロヘキサノンに分解され得ることを開示している。
しかしながら、MCM−22ファミリー触媒の使用は、著しく増加した生成物選択性を有するが、直接アルキル化およびベンゼンヒドロアルキル化によるシクロヘキシルベンゼンの製造は、共にまだ大量の副生成物の同時生成を伴う傾向がある。より一般的な夾雑物の1つは、ポリシクロヘキシルベンゼンであり、これは、典型的には変換生成物の最大20重量%を占める。したがって、全体的なプロセスが経済的に実現可能となるためには、これらのポリシクロヘキシルベンゼンを、追加の有用なモノシクロヘキシルベンゼン生成物に変換することが必要である。
ポリシクロヘキシルベンゼンを追加のモノシクロヘキシルベンゼンに変換する1つの可能な方法は、追加のベンゼンによるトランスアルキル化によるものであり、これは、‘513特許において、ヒドロアルキル化触媒において使用されるモレキュラーシーブを含有する触媒、すなわちMCM−22ファミリー触媒、の存在下で、しかしながらヒドロアルキル化触媒上の金属成分の非存在下および水素の同時供給なしでトランスアルキル化を実施することにより対処されている解決策である。他のトランスアルキル化プロセスは、米国特許第6,489,529号および我々の同時係属PCT出願PCT/EP2008/006072およびPCT/US2010/031029に記載されている。
副生成物ポリシクロヘキシルベンゼンから追加のシクロヘキシルベンゼンを生成するための別のプロセスは、我々の同時係属PCT出願PCT/2011/023537(代理人整理番号2010EM093)に記載されており、少なくとも1種のアルミノケイ酸塩、アルミノリン酸塩、またはシリコアルミノリン酸塩等の酸触媒の存在下でのポリシクロヘキシルベンゼンの脱アルキル化を含む。
ポリシクロヘキシルベンゼンを追加の有用なモノシクロヘキシルベンゼン生成物に変換する上記方法は、まず、アルキル化またはヒドロアルキル化プロセス排出物の残りからポリシクロヘキシルベンゼンを分離することを必要とする。これは、一般に、未反応ベンゼンおよびシクロヘキシルベンゼン生成物が逐次的分留段階においてプロセス排出物から除去され、ポリシクロヘキシルベンゼンを含有するC12+留分が残される複数段階分留プロセスにより達成される。任意選択で、C12+留分は、ポリシクロヘキシルベンゼンからヘビーストリーム(heavies stream)を除去するためにさらに分留される。現在、満足な分離を達成するために、各分留段階は、真空下、および比較的高温で操作されなければならない。そのような操作は高額であるばかりでなく、商業的環境において、真空操作は、空気の進入、ひいては含酸素炭化水素の形成をもたらす可能性がある。これによって、有益な生成物の損失がもたらされるだけでなく、含酸素炭化水素が、下流におけるポリシクロヘキシルベンゼンのトランスアルキル化または脱アルキル化において使用される触媒を不活性化し得る。
ここで、本発明によれば、ベンゼンとシクロヘキセンとの反応からの排出物中のポリシクロヘキシルベンゼンからのシクロヘキシルベンゼンの分離が、例えば気相としての1種または複数種のC1−C11炭化水素もしくは水素、またはC4−C6炭化水素を分離デバイス(例えば分留ユニット)内に注入することにより促進され得ることが見出された。このステップにより、大気圧または大気圧付近で、および典型的には約190℃〜約300℃、特に約190℃〜約241℃の中程度のボトム温度(bottoms temperature)で、分留ユニットを操作することができる。
一態様において、本発明は、シクロヘキシルベンゼンを生成するための方法であって、
(a)シクロヘキシルベンゼンおよび少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンを生成するために効果的な条件下で、ベンゼンをシクロヘキセンと反応させるステップと、
(b)シクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部および少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部を含む供給原料を分離デバイスに供給して、供給原料を、少なくとも、シクロヘキシルベンゼンに富む第1の留分および少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンに富む第2の留分に分離するステップと、
(c)少なくとも1種のC1−C11炭化水素または水素を含むストリッピング剤を、(b)において供給原料が分離デバイスに供給される点より下の場所で、分離デバイスに別個に供給するステップと
を含む方法にある。
好都合には、ストリッピング剤は、ベンゼン等のC4−C6炭化水素である。
好都合には、ストリッピング剤は、蒸気である。
好都合には、ストリッピング剤は、(c)において約190℃〜約241℃の温度で分離デバイスに供給される。
好都合には、(c)において分離デバイスに供給されるストリッピング剤の重量の、(b)において分離デバイスに供給される反応生成物の重量に対する比は、約0.05:1〜約2:1、例えば約0.1:1〜約1:1、例えば約0.5:1である。
好都合には、分離デバイスは、分留カラムを備え、ストリッピング剤は、分留カラムの基部に、または基部近傍に供給される。
一実施形態において、ストリッピング剤は、ベンゼンを含む。好都合には、(c)において分離デバイスに供給されるベンゼン蒸気の少なくとも一部は、(a)において生成される反応生成物中に存在する未反応ベンゼンから得られる。
一実施形態において、(a)において使用されるシクロヘキセンは、反応ゾーンにおいてin situでベンゼンの水素化により生成される。好都合には、ベンゼンの水素化および反応させるステップ(a)は、MCM−22ファミリーの金属含有ゼオライトを含む触媒の存在下で行われる。
さらなる態様において、本発明は、シクロヘキシルベンゼンを生成するための方法であって、
(a)未反応ベンゼン、シクロヘキシルベンゼンおよび少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンを生成するために効果的な条件下で、第1の反応ゾーンにおいてベンゼンを水素でヒドロアルキル化するステップと、
(b)(i)未反応ベンゼンの少なくとも一部、シクロヘキシルベンゼンおよび少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部を含む供給原料、ならびに(ii)少なくとも1種のC1−C11炭化水素または水素を含むストリッピング剤を、分離デバイスに別個に供給し、少なくとも、シクロヘキシルベンゼンに富む第1の留分および少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンに富む第2の留分に分離するステップであって、ストリッピング剤は、供給原料が分離デバイスに供給される点より下の場所で、分離デバイスに提供される、ステップと、
(c)ベンゼンの存在下で、第2の留分からの少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部をトランスアルキル化し、追加のシクロヘキシルベンゼンを含む生成物を生成するステップと
を含む方法にある。
ベンゼンヒドロアルキル化反応の生成物を処理するための従来のプロセスのフロー図である。 ベンゼンヒドロアルキル化反応の生成物を処理するための本発明の第1の例によるプロセスのフロー図である。
本明細書において、ベンゼンをシクロヘキセンと反応させてシクロヘキシルベンゼンおよび少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンを生成することにより、シクロヘキシルベンゼンを生成するための方法が記載される。次いで、シクロヘキシルベンゼンおよび少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンは、供給原料を、少なくとも、シクロヘキシルベンゼンに富む第1の留分および少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンに富む第2の留分に分離することを促進するように、好ましくは気相としての少なくとも1種のC1−C11炭化水素または水素、例えばC4−C6炭化水素を含むストリッピング剤と共に分離デバイスに供給される。以下でより詳細に説明されるように、シクロヘキシルベンゼンは、第1の留分から回収され、次いで、一般に、フェノールおよびシクロヘキサノンに変換され、一方、第2の留分中の少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンは、ベンゼンで脱アルキル化またはトランスアルキル化されて、追加のシクロヘキシルベンゼンを生成する。
シクロヘキシルベンゼンの生成
本方法の最初のステップにおいて、アルキル化機能を有する触媒の存在下、および以下の反応を促進する条件下でベンゼンをシクロヘキセンと接触させることにより、シクロヘキシルベンゼンが生成される。
Figure 0005711393
シクロヘキセンは、ベンゼンとは別個の供給原料として反応ゾーンに供給されてもよいが、通常は、アルキル化機能を有する触媒上に提供される水素化成分の存在下でのベンゼンの選択的水素化により、in situで生成される。したがって、二官能性触媒は、本明細書においてヒドロアルキル化触媒と呼ばれ、ヒドロアルキル化反応全体は以下のように進行し、シクロヘキシルベンゼン(CHB)を生成する。
Figure 0005711393
任意の市販のベンゼン供給原料をヒドロアルキル化において使用することができるが、好ましくは、ベンゼンは、少なくとも99重量%の純度レベルを有する。同様に、水素の源は重要ではないが、一般に、水素は少なくとも99重量%の純度であることが望ましい。
好都合には、ヒドロアルキル化への全供給原料は、1000ppm未満、例えば500ppm未満、例えば100ppm未満の水を含有する。さらに、全供給原料は、典型的には、100ppm未満、例えば30ppm未満、例えば3ppm未満の硫黄、および10ppm未満、例えば1ppm未満、例えば0.1ppm未満の窒素を含有する。
水素は、広範囲の値にわたってヒドロアルキル化に供給され得るが、典型的には、ヒドロアルキル化供給原料中のベンゼンに対する水素のモル比が約0.15:1から約15:1の間、例えば約0.4:1から約4:1の間、例えば約0.4から約0.9:1の間となるように構成される。
ベンゼンおよび水素に加えて、ヒドロアルキル化条件下において実質的に不活性である希釈剤が、ヒドロアルキル化反応に供給されてもよい。典型的には、希釈剤は、所望のシクロアルキル芳香族生成物、この場合シクロヘキシルベンゼンが可溶である炭化水素、例えば直鎖パラフィン系炭化水素、分岐鎖パラフィン系炭化水素、および/または環式パラフィン系炭化水素である。好適な希釈剤の例は、デカンおよびシクロヘキサンである。シクロヘキサンは、ヒドロアルキル化反応の不要な副生成物であるため、特に魅力的な希釈剤である。
希釈剤の量は厳密には定義されないが、希釈剤は、一般に、芳香族化合物に対する希釈剤の重量比が少なくとも1:100、例えば少なくとも1:10であるが、10:1以下、典型的には4:1以下となるような量で添加される。
ヒドロアルキル反応は、固定床、スラリー反応器、および/または触媒蒸留塔を含む広範な反応器構成において行うことができる。さらに、ヒドロアルキル化反応は、単一の反応ゾーンまたは複数の反応ゾーンにおいて行うことができ、少なくとも水素が段階的に反応に導入される。好適な反応温度は、約100℃から約400℃の間、例えば約125℃から約250℃の間であり、一方、好適な反応圧力は、約100kPaから約7,000kPaの間、例えば約500kPaから約5,000kPaの間である。
ヒドロアルキル化反応において使用される触媒は、MCM−22ファミリーおよび水素化金属のモレキュラーシーブを含む二官能性触媒である。「MCM−22ファミリー材料」(または「MCM−22ファミリーの材料」もしくは「MCM−22ファミリーのモレキュラーシーブ」)という用語は、本明細書において使用される場合、以下の1つまたは複数を含む。
−一般の第一級(first degree)結晶性ビルディングブロック単位セルで形成されたモレキュラーシーブであり、この単位セルはMWWフレームワークトポロジーを有する。(単位セルは、三次元空間内に敷き詰められた場合に結晶構造を示す原子の空間的配置である。そのような結晶構造は、「Atlas of Zeolite Framework Types」, Fifth edition, 2001に説明されており、その全内容は参考文献として組み込まれる);
−当該MWWフレームワークトポロジー単位セルの2次元タイリング(tiling)であり、1個の単位セルの厚さ、好ましくは1個のc単位セルの厚さの単層を形成する、一般の第二級(second degree)ビルディングブロックで形成されたモレキュラーシーブ;
−1個または複数の単位セルの厚さの層であり、複数の単位セルの厚さの層が、1個の単位セルの厚さの単層の少なくとも2つを積み重ね、充填し、または結合することで構成される、一般の第二級(second degree)ビルディングブロックで形成されたモレキュラーシーブ。そのような第二級(second degree)ビルディングブロックの積み重ねは、規則的な様式、不規則的な様式、ランダム様式、またはそれらの任意の組合せであってもよい;および
−MWWフレームワークトポロジーを有する単位セルの任意の規則的またはランダムな2次元または3次元の組合せにより形成されたモレキュラーシーブ。
MCM−22ファミリーのモレキュラーシーブは、一般に、12.4±0.25、6.9±0.15、3.57±0.07および3.42±0.07オングストロームにd間隔極大値を含むX線回折パターンを有する。材料(b)を特性決定するために使用されるX線回折データは、入射放射線として銅のKα二重線を、ならびに収集システムとしてシンチレーションカウンタおよび関連したコンピュータを装備した回折計を使用した、標準的技法により得られる。MCM−22ファミリーのモレキュラーシーブは、MCM−22(米国特許第4,954,325号に記載)、PSH−3(米国特許第4,439,409号に記載)、SSZ−25(米国特許第4,826,667号に記載)、ERB−1(欧州特許第0293032号に記載)、ITQ−1(米国特許第6,077,498号に記載)、ITQ−2(国際特許出願公開WO97/17290に記載)、MCM−36(米国特許第5,250,277号に記載)、MCM−49(米国特許第5,236,575号に記載)、MCM−56(米国特許第5,362,697号に記載)、UZM−8(米国特許第6,756,030号に記載)、およびそれらの混合物を含む。好ましくは、モレキュラーシーブは、(a)MCM−49、(b)MCM−56ならびに(c)MCM−49およびMCM−56のアイソタイプ、例えばITQ−2から選択される。
任意の既知の水素化金属をヒドロアルキル化触媒において使用することができるが、好適な金属は、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、亜鉛、スズおよびコバルトを含み、パラジウムが特に有利である。一般に、触媒中に存在する水素化金属の量は、触媒の約0.05重量%から約10重量%の間、例えば約0.1重量%から約5重量%の間である。一実施形態において、MCM−22ファミリーモレキュラーシーブがアルミノケイ酸塩である場合、存在する水素化金属の量は、水素化金属に対するモレキュラーシーブ中のアルミニウムのモル比が約1.5〜約1500、例えば約75〜約750、例えば約100〜約300となるような量である。
水素化金属は、例えば含浸またはイオン交換によりMCM−22ファミリーモレキュラーシーブ上に直接担持されてもよい。しかしながら、より好ましい実施形態において、水素化金属の少なくとも50重量%、例えば少なくとも75重量%、一般には実質的に全てが、モレキュラーシーブから分離しているがそれと複合化した無機酸化物上に担持される。特に、無機酸化物上に水素化金属を担持することにより、触媒の活性ならびにシクロヘキシルベンゼンおよびジシクロヘキシルベンゼンに対する選択性は、水素化金属がモレキュラーシーブ上に担持された等価の触媒と比較して増加することが見出された。
そのような複合ヒドロアルキル化触媒において使用される無機酸化物は、ヒドロアルキル化反応条件下で安定で不活性である限り、厳密には定義されない。好適な無機酸化物は、元素周期表の2族、4族、13族および14族の酸化物、例えばアルミナ、チタニア、および/またはジルコニアを含む。本明細書において使用される場合、周期表の族の番号付けスキームは、Chemical and Engineering News, 63(5), 27(1985)に開示されている通りである。
一実施形態において、水素化金属は、金属含有無機酸化物がモレキュラーシーブと複合化される前に、好都合には含浸により無機酸化物上に堆積される。典型的には、触媒複合物は、モレキュラーシーブおよび金属含有無機酸化物の混合物が高圧(一般に約350〜約350,000kPa)でペレットに形成される同時ペレット化により、またはモレキュラーシーブおよび金属含有無機酸化物のスラリーが、任意選択で別個の結合剤と共にダイを通して押し出される共押出により生成される。必要な場合は、その後追加の水素化金属を、得られた触媒複合物上に堆積させてもよい。
好適な結合剤材料は、合成または天然物質および無機材料、例えば粘土、シリカ、および/または金属酸化物を含む。後者は、天然物質であってもよく、またはシリカおよび金属酸化物の混合物を含むゼラチン状沈殿物もしくはゲルの形態であってもよい。結合剤として使用され得る天然の粘土は、モンモリロナイトおよびカオリンファミリーの粘土を含み、このファミリーは、主鉱物成分がハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライトまたはアナウキサイトである、一般的にDixie、McNamee、GeorgiaおよびFlorida粘土またはその他として知られる、サブベントナイトおよびカオリンを含む。そのような粘土は、採掘されたままの原料状態で使用されてもよく、または、まず焼成、酸処理または化学修飾に供されてもよい。好適な金属酸化物結合剤は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア、シリカ−チタニアおよび三元組成物、例えばシリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシアおよびシリカ−マグネシア−ジルコニアを含む。
シクロヘキシルベンゼン生成物の処理
MCM−22ファミリーゼオライト触媒を使用するヒドロアルキル化反応は、シクロヘキシルベンゼンに対して極めて選択的であるが、ヒドロアルキル化反応からの排出液は、所望のシクロヘキシルベンゼンに加えて、不可避的に大量の未反応ベンゼンおよびある特定の副生成物を含有する。主な副生成物の1つは、ポリシクロヘキシルベンゼン(ジ−および/またはトリシクロヘキシルベンゼン)であり、これは、典型的には、変換生成物の最大20重量%を占める。様々な実施形態において、ヒドロアルキル化反応からの排出物は、排出物の総重量を基準として少なくとも1重量%、または少なくとも5重量%、または少なくとも10重量%のポリシクロヘキシルベンゼンを含有する。典型的には、これらのポリシクロヘキシルベンゼンを追加の有用なシクロヘキシルベンゼン生成物に変換することが望ましい。これは、トランスアルキル化または脱アルキル化により達成され得るが、まず、所望の生成物からポリシクロヘキシルベンゼンを分離することが望ましい。
本方法において、ポリシクロヘキシルベンゼンの分離は、シクロヘキシルベンゼン、1種または複数種のポリシクロヘキシルベンゼンおよび任意選択で未反応ベンゼン(例えばヒドロアルキル化反応からの)を含む供給原料の少なくとも一部を、分離デバイス(例えば分留デバイス)、通常は分留カラムに供給して、供給原料を、少なくとも、シクロヘキシルベンゼンに富む第1の留分および1種または複数種のポリシクロヘキシルベンゼンに富む第2の留分に分離することにより達成される。留分が特定の種「に富む」と説明される場合、これは、その留分中の特定の種の重量%が供給ストリーム(すなわち投入物)に対して高められていることを意味する。
一実施形態において、分離が大気圧または大気圧付近(約100kPa〜約300kPa)および比較的低温で達成され得るように、少なくとも1種のC1−C11炭化水素または水素を含むストリッピング剤が、分離デバイスに別個に供給される。様々な実施形態において、ストリッピング剤は、ベンゼン等のC4−C6炭化水素である。様々な実施形態において、ストリッピング剤は、気相として供給される。好都合には、ストリッピング剤は、(c)において約190℃〜約300℃の温度で分離デバイスに供給される。より具体的には、ストリッピング剤を加熱および気化させるためにスチームが使用される場合、(c)において分離デバイスに供給されるストリッピング剤蒸気の温度は、約190℃から約241℃の間である。
別の実施形態において、ストリッピング剤は、液相として分離デバイスに供給され、in situで気相または部分的気相まで加熱される。一般に、分離デバイスに供給されるストリッピング剤蒸気の重量の、分離デバイスに供給される供給原料の重量に対する比は、約0.05:1〜約2:1、例えば約0.1:1〜約1:1、例えば約0.5:1である。
一実施形態において、ストリッピング剤は、シクロヘキシルベンゼン、1種または複数種のポリシクロヘキシルベンゼン、および任意選択で未反応ベンゼンを含む供給原料が分離デバイスに供給される点より下の場所で供給される。一実施形態において、ストリッピング剤炭化水素は、分離デバイスの下半分に供給される。一実施形態において、ストリッピング剤は、分留カラムの基部に、または基部近傍に供給される。任意のストリッピング剤炭化水素蒸気を使用することができるが、例えばヒドロアルキル化反応排出物が大量(典型的には最大60重量%)の未反応ベンゼンを含有することから、ベンゼン蒸気が特に有用である。
本方法の一実施形態において、ヒドロアルキル化反応排出物からの分離後、ポリシクロヘキシルベンゼンは、ベンゼンと混合され、トランスアルキル化されて、追加のモノシクロヘキシルベンゼンを生成する。トランスアルキル化は、典型的には、ヒドロアルキル化反応器とは別個のトランスアルキル化反応器内で、好適なトランスアルキル化触媒、例えばMCM−22ファミリー、ゼオライトベータ、MCM−68(米国特許第6,049,018号を参照されたい)、ゼオライトYおよびモルデナイトのモレキュラーシーブ上で達成される。トランスアルキル化反応は、典型的には、少なくとも部分液相条件下で行われ、これは、好適には、約100℃〜約300℃の温度、約800kPa〜約3500kPaの圧力、全供給原料に対し約1時間-1〜約10時間-1の重量空間速度、および約1:1〜約5:1のベンゼン/ジシクロヘキシルベンゼン重量比を含む。
本方法の別の実施形態において、ポリシクロヘキシルベンゼンの追加のモノシクロヘキシルベンゼンへの変換は、脱アルキル化により達成される。脱アルキル化または分解はまた、典型的には、ヒドロアルキル化反応器とは別個の反応器、例えば反応蒸留ユニット内で、約150℃〜約500℃の温度、15psig〜500psig(200kPa〜3550kPa)の圧力で、酸触媒、例えばアルミノケイ酸塩、アルミノリン酸塩、シリコアルミノリン酸塩、非晶質シリカ−アルミナ、酸性粘土、混合金属酸化物、例えばWOx/ZrO2、リン酸、硫酸化ジルコニア、およびこれらの混合物上で達成される。一般に、酸性触媒は、少なくとも1種のアルミノケイ酸塩、アルミノリン酸塩またはシリコアルミノリン酸塩を含む。脱アルキル化は、添加されるベンゼンの非存在下で行われてもよいが、コークス形成を低減するために、ベンゼンを脱アルキル化反応に添加することが望ましくなり得る。この場合、脱アルキル化反応への供給原料中のポリ−アルキル化芳香族化合物に対するベンゼンの重量比は、典型的には、0〜約0.9、例えば約0.01〜約0.5である。同様に、脱アルキル化反応は、添加される水素の非存在下で行われてもよいが、一般に、コークス低減を補助するために水素が脱アルキル化反応器内に導入される。好適な水素添加率は、脱アルキル化反応器への全供給原料中のポリ−アルキル化芳香族化合物に対する水素のモル比が約0.01〜約10となるような添加率である。同時係属出願PCT/2010/031029に、様々な脱アルキル化プロセスがより詳細に説明されている。
ヒドロアルキル化反応の別の重要な副生成物は、シクロヘキサンである。シクロヘキサンおよび未反応ベンゼンを含むC6に富むストリームは、蒸留によりヒドロアルキル化反応排出物から容易に除去することができるが、ベンゼンおよびシクロヘキサンの沸点における類似性に起因して、C6に富むストリームを単純な蒸留によりさらに分離することは困難である。しかしながら、C6に富むストリームの一部または全てをヒドロアルキル化反応器に再循環して、ベンゼン供給原料の一部だけでなく、上述の希釈剤の一部を提供することもできる。
いくつかの場合において、C6に富むストリームの一部を脱水素化反応ゾーンに供給し、C6に富むストリームの部分におけるシクロヘキサンの少なくとも一部を、再びヒドロアルキル化反応に再循環され得るベンゼンに変換するために十分な脱水素化条件下で、C6に富むストリームを脱水素化触媒と接触させることが望ましくなり得る。脱水素化触媒は、一般に、(a)担体、(b)水素化−脱水素化成分、および(c)無機促進剤を含む。好都合には、担体(a)は、シリカ、シリケート、アルミノシリケート、ジルコニア、およびカーボンナノチューブからなる群から選択され、好ましくはシリカを含む。好適な水素化−脱水素化成分(b)は、元素周期表の6族〜10族から選択される少なくとも1種の金属、例えば白金、パラジウムならびにそれらの化合物および混合物を含む。典型的には、水素化−脱水素化成分は、触媒の約0.1重量%から約10重量%の間の量で存在する。好適な無機促進剤(c)は、元素周期表の1族から選択される少なくとも1種の金属またはその化合物、例えばカリウム化合物を含む。典型的には、促進剤は、触媒の約0.1重量%から約5重量%の間の量で存在する。好適な脱水素化条件は、約250℃〜約500℃の温度、約大気圧〜約500psig(100kPa〜3550kPa)の圧力、約0.2時間-1〜50時間-1の重量空間速度、および約0〜約20の水素対炭化水素供給原料モル比を含む。
ヒドロアルキル化反応の他の不都合な不純物は、沸点の類似性により所望のシクロヘキシルベンゼンからの蒸留による分離が困難な、ビシクロヘキサン(BCH)およびメチルシクロペンチルベンゼン(MCPB)異性体である。さらに、1,2−メチルシクロペンチルベンゼン(2−MCPB)、および1,3−メチルシクロペンチルベンゼン(3−MCPB)は、その後の酸化/開裂ステップにおいて、有益な生成物であるフェノールおよびメチルシクロペンタノンに容易に変換されるが、1,1−メチルシクロペンチルベンゼン(1−MCPB)は、酸化に対して実質的に不活性であり、したがって、除去されない場合、C12ストリーム中に蓄積する。同様に、ビシクロヘキサン(BCH)は、下流側での分離の問題をもたらし得る。
Figure 0005711393
したがって、ヒドロアルキル化反応生成物の少なくとも一部は、生成物から少なくとも1,1−メチルシクロペンチルベンゼンおよび/またはビシクロヘキサンを除去する条件下で触媒で処理され得る。触媒は、一般に酸触媒、例えばアルミノケイ酸塩ゼオライト、特にフォージャサイトであり、処理は、約100℃〜約350℃、例えば約130℃〜約250℃の温度で、約0.1〜約3時間、例えば約0.1〜約1時間の期間行われる。触媒処理は、1,1−メチルシクロペンチルベンゼンを、より容易に酸化可能な1,2−メチルシクロペンチルベンゼン(2−MCPB)、および1,3−メチルシクロペンチルベンゼン(3−MCPB)に異性化すると考えられる。ビシクロヘキサンは、以下の反応に従い、ヒドロアルキル化反応生成物中に存在するベンゼンと反応して、シクロヘキサンおよびより多くの所望のシクロヘキシルベンゼンを生成すると考えられる。
Figure 0005711393
触媒処理は、ヒドロアルキル化反応の直接生成物に対して、または、ヒドロアルキル化反応生成物を蒸留してC6および/またはヘビー留分を分離した後に行うことができる。
ヒドロアルキル化反応生成物から分離されたシクロヘキシルベンゼンに富むストリームは、以下でより詳細に説明される酸化反応に供給される。
シクロヘキシルベンゼン酸化
シクロヘキシルベンゼンをフェノールおよびシクロヘキサノンに変換するために、シクロヘキシルベンゼンは、まず対応するヒドロペルオキシドに酸化される。これは、シクロヘキシルベンゼンを、酸素含有ガス、例えば空気および空気の各種誘導体と接触させることにより達成される。
酸化は、触媒の非存在下、または存在下で行うことができる。好適な酸化触媒は、この目的において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,720,462号に記載のN−ヒドロキシ置換環状イミドを含む。例えば、N−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)、4−アミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、3−アミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、テトラブロモ−N−ヒドロキシフタルイミド、テトラクロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシヘトイミド、N−ヒドロキシヒムイミド、N−ヒドロキシトリメリットイミド、N−ヒドロキシベンゼン−1,2,4−トリカルボキシイミド、N,N’−ジヒドロキシ(ピロメリット酸ジイミド)、N,N’−ジヒドロキシ(ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸ジイミド)、N−ヒドロキシマレイミド、ピリジン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシ(酒石酸イミド)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、exo−N−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ−cis−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシ−cis−4−シクロヘキセン−1,2ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシナフタルイミドナトリウム塩またはN−ヒドロキシ−o−ベンゼンジスルホンイミドが使用され得る。好ましくは、触媒は、N−ヒドロキシフタルイミドである。別の好適な触媒は、N,N’,N’’−トリヒドロキシイソシアヌル(thihydroxyisocyanuric)酸である。
これらの酸化触媒は、単独で、またはフリーラジカル開始剤と併せて使用することができ、さらに、液相均一触媒として使用することができ、または、固体担体上に担持されて不均一触媒を提供することができる。典型的には、N−ヒドロキシ置換環状イミドまたはN,N’,N’’−トリヒドロキシイソシアヌル酸は、シクロヘキシルベンゼンの0.0001重量%から15重量%の間、例えば0.001重量%から5重量%の間の量で使用される。
酸化のための好適な条件は、約70℃から約200℃の間、例えば約90℃〜約130℃の温度、および約50kPa〜10,000kPaの圧力を含む。塩基性緩衝剤を添加して、酸化中に形成し得る酸性副生成物と反応させてもよい。さらに、水相が導入されてもよい。反応は、バッチ形式または連続流動形式で行うことができる。
酸化反応に使用される反応器は、シクロヘキシルベンゼンへの酸素の導入を可能とするいかなる種類の反応器であってもよく、さらに酸素およびシクロヘキシルベンゼンの接触を有効にもたらして酸化反応を達成し得る。例えば、酸化反応器は、酸素含有ストリーム用の分配器入口を有する単純な大型開放容器を備えてもよい。様々な実施形態において、酸化反応器は、その内容物の一部を好適な冷却デバイスを通して引き出してポンピングし、冷却された部分を反応器に戻して、それにより酸化反応の発熱を管理するための手段を有してもよい。代替的に、例えば冷却水による間接的冷却を提供する冷却コイルを酸化反応器内で操作して、発生した熱を除去してもよい。他の実施形態において、酸化反応器は、直列の複数の反応器を備えてもよく、それぞれが酸化反応の一部を行い、任意選択で、それぞれにおいて、シクロヘキシルベンゼンもしくは酸素またはその両方の適切な変換範囲での酸化反応を向上させるように選択される異なる条件で動作する。酸化反応器は、バッチ形式、半バッチ形式、または連続流動形式で操作され得る。
典型的には、シクロヘキシルベンゼン酸化反応の生成物は、酸化反応排出物の総重量を基準として少なくとも5重量%、例えば少なくとも10重量%、例えば少なくとも15重量%、または少なくとも20重量%のシクロヘキシル−1−フェニル−1−ヒドロペルオキシドを含有する。一般に、酸化反応排出物は、酸化反応排出物の総重量を基準として80重量%以下、または60重量%以下、または40重量%以下、または30重量%以下、または25重量%以下のシクロヘキシル−1−フェニル−1−ヒドロペルオキシドを含有する。酸化反応排出物は、さらに、イミド触媒および未反応シクロヘキシルベンゼンを含んでもよい。例えば、酸化反応排出物は、酸化反応排出物の総重量を基準として少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも65重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%の量の未反応シクロヘキシルベンゼンを含んでもよい。
酸化反応排出物の少なくとも一部は、任意の事前の分離または処理を施されて、または施されずに、開裂反応に供されてもよい。例えば、酸化反応排出物の全てまたは一部が高真空蒸留に供されて、未反応シクロヘキシルベンゼンが富化された生成物が生成され、所望のシクロヘキシル−1−フェニル−1−ヒドロペルオキシド中で濃縮され、開裂反応に供される残渣が残されてもよい。追加的に、または代替的に、酸化排出物の全てもしくは一部、または真空蒸留残渣の全てもしくは一部が冷却されて、未反応イミド酸化触媒の結晶化がもたらされてもよく、次いでこれが、ろ過または擦り取ることによって、結晶化を達成するために使用された熱交換器表面から分離され得る。イミド酸化触媒が低減された、またはそれを含まない得られた酸化組成物の少なくとも一部は、開裂反応に供され得る。
別の例として、酸化排出物の全てまたは一部が、水洗、次いで3Aモレキュラーシーブ等の吸着剤への通過に供され、水および他の吸着可能な化合物が分離され、開裂反応に供され得る水またはイミド含量が低減された酸化組成物が提供され得る。同様に、酸化排出物の全てまたは一部が、炭酸ナトリウム床への通過等の化学的または物理的吸着に供され、イミド酸化触媒(例えばNHPI)または他の吸着可能な成分が除去され、開裂反応に供され得る酸化触媒または他の吸着可能な成分含量が低減された酸化組成物が提供され得る。別の可能な分離は、酸化排出物の全てまたは一部を、アルカリ金属炭酸塩または炭酸水素塩の水溶液等の塩基を含有する液体と接触させ、イミド酸化触媒の塩を含む水相、およびイミド酸化触媒が低減された有機相を形成することを含む。塩基性材料処置による分離の例は、国際公開WO2009/025939に開示されている。
ヒドロペルオキシド開裂
シクロヘキシルベンゼンのフェノールおよびシクロヘキサノンへの変換における最終反応ステップは、酸化において生成されたシクロヘキシル−1−フェニル−1−ヒドロペルオキシドの酸触媒開裂を含む。
一般に、開裂反応において使用される酸触媒は、開裂反応混合物に少なくとも部分的に可溶であり、少なくとも185℃の温度で安定であり、シクロヘキシルベンゼンよりも低い揮発性(より高い標準沸点)を有する。典型的には、酸触媒はまた、開裂反応生成物に少なくとも部分的に可溶である。好適な酸触媒は、ブレンステッド酸およびルイス酸、例えば、これらに限定されないが、スルホン酸、過塩素酸、リン酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、塩化アルミニウム、発煙硫酸、三酸化硫黄、塩化第二鉄、三フッ化ホウ素、二酸化硫黄、および三酸化硫黄を含む。硫酸が好ましい酸触媒である。
様々な実施形態において、開裂反応混合物は、開裂反応混合物の総重量を基準として少なくとも50重量パーツパーミリオン(wppm)および5000wppm以下の酸触媒、または少なくとも100wppmおよび3000wppm以下、または少なくとも150wppmおよび2000wppm以下の酸触媒、または少なくとも300wppmおよび1500wppm以下の酸触媒を含有する。
一実施形態において、開裂反応混合物は、極性溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソ−プロパノール、および/またはエチレングリコール等の6個未満の炭素を含有するアルコール;アセトニトリルおよび/またはプロピオニトリル等のニトリル;ニトロメタン;アセトン、メチルエチルケトン、2−または3−ペンタノン、シクロヘキサノン、およびメチルシクロペンタノン等の6個以下の炭素を含有するケトンを含有する。好ましい極性溶媒は、アセトンである。一般に、極性溶媒は、混合物中のシクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシドに対する極性溶媒の重量比が、約1:100〜約100:1、例えば約1:20〜約10:1の範囲内であり、混合物が約10〜約40重量%のシクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシドを含むように、開裂反応混合物に添加される。極性溶媒の添加は、開裂反応におけるシクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシドの変換の程度を増加させるだけでなく、フェノールおよびシクロヘキサノンへの変換の選択性も増加させることが判明している。メカニズムは完全には理解されていないが、極性溶媒は、不要な生成物、例えばヘキサノフェノンおよびフェニルシクロヘキサノールへの、シクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシドのフリーラジカル誘導変換を低減すると考えられる。
様々な実施形態において、開裂反応混合物は、開裂反応混合物の総重量を基準として少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも65重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%の量のシクロヘキシルベンゼンを含む。
好適な開裂条件は、開裂反応の間、開裂反応混合物の全てまたは大部分が液相であるように、少なくとも20℃および200℃以下、または少なくとも40℃および120℃以下の温度、ならびに少なくとも1psigおよび370psig以下(少なくとも7kPa(ゲージ圧)および2,550kPa(ゲージ圧)以下)、または少なくとも14.5psigおよび145psig以下(少なくとも100kPa(ゲージ圧)および1,000kPa(ゲージ圧)以下)の圧力を含む。
開裂反応を達成するために使用される反応器は、当業者に知られているいかなる種類の反応器であってもよい。例えば、開裂反応器は、ほぼ連続的な撹拌槽反応器様式で動作する単純な大型開放容器、またはほぼ栓流の反応器様式で動作する単純な開放管であってもよい。他の実施形態において、開裂反応器は、直列の複数の反応器を備え、それぞれが変換反応の一部を行い、任意選択で、適切な変換範囲での開裂反応を向上させるように選択される異なる様式および異なる条件で動作する。一実施形態において、開裂反応器は、触媒蒸留ユニットである。
様々な実施形態において、開裂反応器は、内容物の一部を冷却デバイスを通して移送し、冷却された部分を開裂反応器に戻して、それにより開裂反応から発生した熱を管理するように動作可能である。代替的に、反応器は、断熱的に操作されてもよい。一実施形態において、開裂反応器内で動作する冷却コイルが、発生した任意の熱を除去する。
シクロヘキシル−1−フェニル−1−ヒドロペルオキシドの開裂反応の主要な生成物は、フェノールおよびシクロヘキサノンであり、そのそれぞれは、一般に開裂反応生成物の約40重量%〜約60重量%、または約45重量%〜約55重量%を占めてもよく、開裂反応生成物の重量を基準とした当該重量%は、未反応シクロヘキシルベンゼンおよび酸触媒を含まない。
また、開裂反応生成物は、典型的には未反応酸触媒を含有し、したがって開裂反応生成物の少なくとも一部は、塩基性材料により中和され、生成物中の酸が除去またはそのレベルが低減されてもよい。
好適な塩基性材料は、アルカリ金属水酸化物および酸化物、アルカリ土類金属水酸化物および酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、および水酸化バリウムを含む。炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムもまた、任意選択で高温で使用され得る。
様々な実施形態において、塩基性材料は、苛性交換樹脂(caustic exchange resin)(例えばスルホン酸イオン交換樹脂);アンモニアまたは水酸化アンモニウム;石灰石、ドロマイト、マグネサイト、セピオライトおよびかんらん石等の塩基性粘土;活性炭および/または含浸活性炭;スチレン−ジビニルベンゼンポリマー骨格および−N(CH32、−NRHまたは−NR2(式中、Rは、水素または1〜20個の炭素原子を含有するアルキル基である)から選択されるアミン官能構造を有する弱塩基性イオン交換樹脂等の、陰イオン交換樹脂;エチレンジアミンで官能化されたアミンポリシロキサン;微細孔性またはメソ多孔性金属酸化物上にグラフトされた有機塩基性材料;リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、およびラジウムの群から選択される金属と交換されたゼオライト等の有機−無機固体;リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウムおよびセシウムから選択される金属で処理された、元素周期表のIII族の酸化物;担持された、または固体のアルカリ、アルカリ土類金属または有機金属;概してマグネシウム塩および可溶性シリケートの相互作用から得られるケイ酸マグネシウム;酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ナトリウムフェノキシドおよび炭酸ナトリウム等の、塩基性加水分解による塩;ならびに、1級、2級、もしくは3級脂肪族アミンまたは芳香族アミン、例えばアニリン、n−ブチルアミン、複素環アミン、例えばピリジン、ピペリジン、ピペラジン、トリ−エチルアミン、脂肪族または芳香族ジアミン、およびアルカノールアミン等のアミンのうちの1種または複数種を含む。特に、弱有機酸との塩の形態のアミンが使用され得る。好都合には、塩基性材料は、Invista S.a r.l. CorporationからDYTEK(商標)AおよびDYTEK(商標)HMDの商品名で市販されている2−メチルペンタメチレンジアミン(methylpentamethyenediamine)またはヘキサメチレンジアミン等のジアミンである。
好適な固体塩基性材料は、塩基性金属酸化物ファミリー;金属酸化物上のアルカリ;金属酸化物上のアルカリ土類;アルカリおよびアルカリ土類ゼオライト;遷移金属、希土類およびより高い価数の酸化物;ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイトおよびスピネル、具体的にはリチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムおよびそれらの組合せから選択されるアルカリ金属で処理されたハイドロタルサイト;ペロブスカイト;ならびにベータ−アルミナを含む。
一実施形態において、塩基性材料は、米国特許第6,201,157号に記載のヒンダードアミンの1種または複数種である。塩基性材料は、無水状態で添加されてもよく、または上記塩基性材料のいずれか、特に金属水酸化物および塩基性加水分解による塩の水溶液であってもよいことが理解される。
好都合には、本発明における中和反応において使用される液体塩基性材料、例えば上述したようなアミンまたはジアミンは、そのような液体塩基性材料を含有し得る処理後の開裂反応生成物の少なくとも一部に対して行われ得る後の分留操作においてボトム生成物中に残留する傾向を有するように、比較的低い揮発性を有し、標準沸点温度がシクロヘキシルベンゼンの標準沸点温度を超える。
中和反応が達成される条件は、使用される酸触媒および塩基性材料によって変動する。好適な中和条件は、少なくとも30℃、または少なくとも40℃、または少なくとも50℃、または少なくとも60℃、または少なくとも70℃、または少なくとも80℃、または少なくとも90℃の温度を含む。他の好適な中和条件は、200℃以下、または190℃以下、または180℃以下、または170℃以下、または160℃以下、または150℃以下、または140℃以下、または130℃以下、または120℃以下、または110℃以下、または100℃以下の温度を含む。様々な実施形態において、中和条件は、開裂反応条件から低減された温度を含み、例えば、温度は、開裂反応の温度より1℃、または5℃、または10℃、または15℃、または20℃、または30℃、または40℃低くてもよい。
好適な中和条件は、中和反応の間、処理後の開裂反応混合物の全てまたは大部分が液相であるように、約1psig〜約500psig(5kPa(ゲージ圧)〜3450kPa(ゲージ圧))、または約10psig〜200psig(70kPa〜1380kPa(ゲージ圧))の圧力を含み得る。
中和後、中和された酸生成物を開裂生成物から除去し、フェノールおよびシクロヘキサノンの粗混合物を残留させることができ、これを当該技術分野において周知の方法により精製および分離することができる。
ここで、添付の図面を参照しながら本発明をより具体的に説明するが、図1は、ベンゼンヒドロアルキル化反応の生成物を処理するための従来の方法のフロー図であり、一方図2は、本発明の第1の例によるそのような生成物を処理するための方法のフロー図である。
図1を参照すると、従来の方法において、シクロヘキシルベンゼン、1種または複数種のポリシクロヘキシルベンゼンおよび未反応ベンゼンを含むベンゼンヒドロアルキル化反応からの生成物が、ライン11を通して第1の分留カラム12に供給される。反応生成物は、典型的には、カラム12に進入する際、約120℃〜約140℃の温度であり、カラムの基部近くでカラムに供給される。カラム12は、カラム12が典型的に約20kPa〜約50kPaの圧力で操作されるように、その上端部で真空源13に接続されている。カラム12の基部の温度が典型的に約200℃から約241℃の間となるように、カラム12の基部に隣接して、スリップストリーム14がカラムから取り出され、加熱器15に通され、カラムに再循環されてもよい。
ベンゼンヒドロアルキル化反応生成物は、カラム12内で分留され、未反応ベンゼンに富むC6留分、ならびにシクロヘキシルベンゼン、ポリシクロヘキシルベンゼンおよび他のヘビーに富むC12+留分が生成される。C6留分は、カラム12の上端部から、真空源13の補助によりライン40を介して取り出され、ライン16を介してベンゼンヒドロアルキル化反応器(図示せず)に全体的または部分的に再循環され得る。ライン40におけるストリームの一部は、還流ストリーム17としてカラム12に部分的に再循環されてもよく、またライン18を介してトランスアルキル化反応器19に部分的に供給されてもよい。C12+留分は、ライン21を介してカラム12から取り出され、第2の分留カラム22に供給される。
第2のカラム22の上端部は、カラム22が典型的に約10kPa〜約20kPaの圧力で操作されるように、真空源23に接続されている。さらに、カラム22の基部の温度が典型的に約220℃から約241℃の間であるように、スリップストリーム24がカラム22の基部近くから取り出されてもよく、加熱器25に通されてからカラム22に再循環されてもよい。C12+留分は、カラム22内で、ライン41を介してシクロヘキシルベンゼンに富むオーバーヘッド留分、およびライン27を介してポリシクロヘキシルベンゼンに富むボトム留分に分けられる。ライン41におけるオーバーヘッド留分の一部は、さらなるシクロヘキシルベンゼンの処理のためにライン26を介して取り出され、一方ボトム留分は、ライン27を介して第3の分留カラム28に供給される。ライン41におけるストリームの一部は、還流ストリーム42としてカラム22に再循環されてもよい。
第3のカラム28は、カラム28が典型的に約1kPa〜約10kPaの圧力で操作されるように、その上端部で高真空源29に接続されている。さらに、カラム28の基部の温度が典型的に約220℃から約241℃の間であるように、スリップストリーム31がカラム28の基部近くから取り出され、加熱器32に通されてからカラム28に再循環される。カラム28は、ライン43を介して、カラム22からのオーバーヘッド留分を、ライン33を介してトランスアルキル化反応器19に供給されるポリシクロヘキシルベンゼンに富む第1の留分、および除去または燃料としての使用のためにライン34を介して取り出されるヘビー留分に分留する。ライン43におけるストリームの一部は、還流ストリーム44としてカラム28に再循環されてもよい。
ライン33におけるポリシクロヘキシルベンゼンは、トランスアルキル化反応器19においてライン18からのベンゼンと反応し、トランスアルキル化反応排出物を生成し、これは主にシクロヘキシルベンゼンおよび未反応ベンゼンを含み、ライン35を介して第1の分留カラム12に再び供給される。
ここで図2を参照すると、本発明による方法において、ヒドロアルキル化反応生成物は、この場合112で示されるラインを介して、同様に第1の分留カラム111に供給される。ここでも、スリップストリーム113は、カラム111の基部近傍から取り出され、加熱器114に通され、カラムに再循環され得る。しかしながら、さらに、ライン129を介してカラム111からのオーバーヘッドから回収されたベンゼンが、さらなる加熱器115において予熱および気化され、ライン116を経てカラム111の基部に注入される。このようにして、再循環されたベンゼンを加熱するために加圧スチームを使用して、カラム111の基部の温度は、約190℃から約241℃の間に容易に維持され得る。この温度において、カラム111が大気圧以上(100kPa〜300kPa)で操作されたとしても、C12およびそれより低級の炭化水素成分の実質的に全てが、カラム111の基部で気相となる。したがって、カラム111から出る液体ボトムストリームは、主にポリシクロヘキシルベンゼンおよび他のヘビー生成物で構成され、ライン117を介してトランスアルキル化反応器118に直接供給され得る。
カラム111の中間点またはそれよりわずかに上で、液体側方ストリームは、カラム111から取り出され、ライン119を経て第2の分留カラム121に供給されてもよい。側方ストリームは、C18+炭化水素を実質的に含まないため、カラム121は、側方ストリームをシクロヘキシルベンゼンに富むボトムストリームおよびベンゼンに富むオーバーヘッドストリームに分離するために、大気圧より上(典型的には105kPa〜110kPa)で操作され得る。シクロヘキシルベンゼンに富むボトムストリームは、さらなる処理のためにライン122を介して回収されてもよく、一方、ベンゼンに富むオーバーヘッドストリームは、ライン123を介してカラム111に戻されてもよい。
カラム111におけるベンゼンおよびシクロヘキシルベンゼンの分離を補助するために、スリップストリームが、例えばライン123の場所より上でライン124を介してカラム111から取り出され、冷却器125に通されてから、カラム111に戻されてもよい。このようにして、ライン126を介してカラムから出る気相オーバーヘッドは、実質的に完全にベンゼンおよび軽質(C6−)不純物で構成される。オーバーヘッドは、まず、濃縮器127に通され、ここで軽質不純物が燃料としての使用のために取り出され、ベンゼンが濃縮されてから、気化ユニット128に通される。ベンゼンは、ユニット128において加熱および再気化されてもよく、得られたベンゼン蒸気は、少なくとも一部がライン129を介して加熱器115に供給され、一部がライン131を介してヒドロアルキル化ユニット(図示せず)に供給され、一部がライン132を介してトランスアルキル化反応器118に供給される。
ライン132からのベンゼン蒸気およびカラム111ボトム中のポリシクロヘキシルベンゼン(ジ−およびトリシクロヘキシルベンゼンの両方)が、トランスアルキル化反応器118において反応し、追加のシクロヘキシルベンゼンを生成する。トランスアルキル化反応器118からの排出物は、ライン133により、第3の分留カラム134に供給されてもよく、ここで、未反応ヘビー(C24+)炭化水素が、除去のためにボトムライン135を介して取り出され、シクロヘキシルベンゼンに富む気相が、オーバーヘッドライン136を介して取り出され、第1の分留カラム111に供給される。第3の分留カラム134を大気圧および低ボトム温度(典型的には約220℃〜約241℃)で動作させるために、加熱器115からの加熱されたベンゼン蒸気の一部が、ライン137を介してカラム134の基部に供給されてもよい。
具体的実施形態を参照することにより本発明を説明および例示したが、当業者には、本発明が必ずしも本明細書に例示されていない変形例にも適用されることが理解される。したがって、この理由から、本発明の真の範囲を決定するためには、添付の特許請求の範囲のみが参照されるべきである。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1. シクロヘキシルベンゼンを生成するための方法であって、
(a)シクロヘキシルベンゼンおよび少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンを生成するために効果的な条件下で、ベンゼンをシクロヘキセンと反応させるステップと、
(b)シクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部および少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部を含む供給原料を分離デバイスに供給して、供給原料を、少なくとも、シクロヘキシルベンゼンに富む第1の留分および少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンに富む第2の留分に分離するステップと、
(c)少なくとも1種のC 1 −C 11 炭化水素または水素を含むストリッピング剤を、(b)において供給原料が分離デバイスに供給される点より下の場所で、分離デバイスに別個に供給するステップと
を含む方法。
2. ストリッピング剤が、少なくとも1種のC 4 −C 6 炭化水素を含む、上記1に記載の方法。
3. ストリッピング剤が、ベンゼンである、上記1または上記2に記載の方法。
4. ストリッピング剤の少なくとも一部が、分離デバイス内で気相まで加熱される、上記1から3までのいずれか1項に記載の方法。
5. ストリッピング剤の少なくとも一部が、気相として分離デバイスに供給される、上記1から4までのいずれか1項に記載の方法。
6. (c)において分離デバイスに供給されるストリッピング剤が、約190℃〜約300℃の温度である、上記1から5までのいずれか1項に記載の方法。
7. (c)において分離デバイスに供給されるストリッピング剤の重量の、(b)において分離デバイスに供給される供給原料の重量に対する比が、約0.05:1〜約2:1である、上記1から6までのいずれか1項に記載の方法。
8. (c)において分離デバイスに供給されるストリッピング剤の重量の、(b)において分離デバイスに供給される反応生成物の重量に対する比が、約0.5:1である、上記1から7までのいずれか1項に記載の方法。
9. 分離デバイスが、分留カラムを備える、上記1から8までのいずれか1項に記載の方法。
10. 分留カラムが、約100kPa〜約300kPaの圧力で操作される、上記9に記載の方法。
11. ストリッピング剤が、分留カラムの基部に、または基部近傍に供給される、上記9または上記10に記載の方法。
12. ステップ(a)が、さらに未反応ベンゼンを生成し、未反応ベンゼンは、(c)において、ストリッピング剤として分離デバイスに供給される、上記1から11までのいずれか1項に記載の方法。
13. (d)ベンゼンの存在下で、第2の留分からの少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部をトランスアルキル化し、追加のシクロヘキシルベンゼンを含む生成物を生成するステップをさらに含む、上記1から12までのいずれか1項に記載の方法。
14. (d)からの生成物の少なくとも一部が、(b)において分離デバイスに供給される、上記13に記載の方法。
15. ポリシクロヘキシルベンゼンが、ジシクロヘキシルベンゼンおよびトリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一方を含む、上記1から14までのいずれか1項に記載の方法。
16. シクロヘキセンが、(a)においてin situでベンゼンの水素化により生成される、上記1から15までのいずれか1項に記載の方法。
17. ベンゼンの水素化および反応させるステップ(a)が、MCM−22ファミリーの金属含有ゼオライトを含む触媒の存在下で行われる、上記16に記載の方法。
18. ステップ(a)が、さらに未反応ベンゼンを生成し、未反応ベンゼンは、ステップ(a)において使用されるベンゼンとして再循環される、上記1から17までのいずれか1項に記載の方法。
19. シクロヘキシルベンゼンを生成するための方法であって、
(a)未反応ベンゼン、シクロヘキシルベンゼンおよび少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンを生成するために効果的な条件下で、第1の反応ゾーンにおいてベンゼンを水素でヒドロアルキル化するステップと、
(b)(i)未反応ベンゼンの少なくとも一部、シクロヘキシルベンゼンおよび少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部を含む供給原料、ならびに(ii)少なくとも1種のC 1 −C 11 炭化水素または水素を含むストリッピング剤を、分離デバイスに別個に供給し、少なくとも、シクロヘキシルベンゼンに富む第1の留分および少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンに富む第2の留分に分離するステップであって、ストリッピング剤は、(i)において供給原料が分離デバイスに供給される点より下の場所で、分離デバイスに提供される、ステップと、
(c)ベンゼンの存在下で、第2の留分からの少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部をトランスアルキル化し、追加のシクロヘキシルベンゼンを含む生成物を生成するステップと
を含む方法。
20. ストリッピング剤が、少なくとも1種のC 4 −C 6 炭化水素を含む、上記19に記載の方法。
21. ストリッピング剤が、ベンゼンである、上記19または上記20に記載の方法。
22. ストリッピング剤が、(b)において、約190℃〜約300℃の温度で分離デバイスに供給される、上記19から21までのいずれか1項に記載の方法。
23. 分離デバイスが、分留カラムを備える、上記19から22までのいずれか1項に記載の方法。
24. 分留カラムが、約100kPa〜約300kPaの圧力で操作される、上記23に記載の方法。
25. (d)(b)からの第1の留分からのシクロヘキシルベンゼン、および(c)からの生成物を酸化して、シクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシドを生成するステップと、
(e)酸化するステップ(d)からのシクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシドを開裂させ、フェノールおよびシクロヘキサノンを生成するステップと
をさらに含む、上記19から24までのいずれか1項に記載の方法。

Claims (9)

  1. シクロヘキシルベンゼンを生成するための方法であって、
    (a)シクロヘキシルベンゼンおよび少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンを生成するために、ベンゼンをシクロヘキセンと反応させるステップと、
    (b)シクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部および少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部を含む供給原料を分離デバイスに供給して、供給原料を、少なくとも、シクロヘキシルベンゼンに富む第1の留分および少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンに富む第2の留分に分離するステップであって、分離デバイスが、分留カラムを備えるステップと、
    (c)少なくとも1種のC1−C11炭化水素または水素を含むストリッピング剤を、(b)において供給原料が分離デバイスに供給される点より下の場所で、分離デバイスに別個に供給し、第2の留分を液体ボトムストリームとして分留カラムから回収するステップと
    を含む方法。
  2. ストリッピング剤が、少なくとも1種のC4−C6炭化水素を含む、請求項1に記載の方法。
  3. ストリッピング剤が、ベンゼンである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. ストリッピング剤の少なくとも一部が、分離デバイス内で気相まで加熱される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  5. ストリッピング剤の少なくとも一部が、気相として分離デバイスに供給される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  6. (c)において分離デバイスに供給されるストリッピング剤が、190℃〜300℃の温度である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  7. (c)において分離デバイスに供給されるストリッピング剤の重量の、(b)において分離デバイスに供給される供給原料の重量に対する比が、0.05:1〜2:1である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  8. ストリッピング剤が、分留カラムの基部に、または基部近傍に供給される、請求項に記載の方法。
  9. (d)ベンゼンの存在下で、第2の留分からの少なくとも1種のポリシクロヘキシルベンゼンの少なくとも一部をトランスアルキル化し、追加のシクロヘキシルベンゼンを含む生成物を生成するステップをさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
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