JP5711390B2 - 偏光分割多重化を使用する光データ伝送の方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光分割多重化を使用する光データ伝送の方法に関する。
光データ伝送の際、データは、伝送データに応じて、さらにそれぞれの変調方法の信号点配置図に従って光波長の位相、または位相および振幅を変調することによって伝送され得る。信号点配置図の各ポイントは、伝送されるべきデータビットの有限セットを表す。伝送されるべきデータビットのセットに依存して、光波長の位相、または位相および振幅が、もたらされる信号が信号点配置図のそれぞれの点に対応するように変化させられる。そのような変調方法が、デジタル変調方法である。位相変調方法の例が、対応する信号点配置図の各点が2ビットを表すQPSK(四位相偏移変調)と呼ばれるPSK(位相偏移変調)法である。光信号の位相および振幅を変調させるための方法の例が、対応する信号点配置図の各点が4ビットを表す16−QAM(直交振幅変調)と呼ばれる方法である。
信号点配置図の点によって表されるビットのセットは、シンボルと呼ばれる。波長の位相が変化させられるレート、したがって、シンボルが変化するレートは、シンボルレートと呼ばれる。
特定の光波長のそのような変調を介してデータを伝送するためのデータレートを増加させるため、以下のPDM(偏光分割多重化)と呼ばれる技法が活用され得る:
− 特定の波長と、第1の偏光状態とを有する第1の光信号が、第1のデータストリームに応じて変調され、
− 同一の特定の波長と、第1の偏光状態と直交する第2の偏光状態とを有する第2の光信号が、第2のデータストリームに応じて変調され、さらに
− 両方の光信号が、第1の偏光状態および第2の偏光状態の結果であるそれぞれの偏光の状態を有する複合光信号として同一の光ファイバ上で伝送される。
受信側で、PDMによって生成された2つの光信号が、この複合信号からもたらされる光場を、互いに直交する2つの偏光状態に沿ってサンプリングすることによって獲得され得る。
データレートをさらに増加させるために、PDMの技法が、様々な光波長の光信号に適用されることが可能であり、さらにその後、様々な光波長のこれらの光信号が、同一の光ファイバ上で伝送される。このことが、WDM(波長分割多重化)と呼ばれる。
理想的な光ファイバで伝送された場合、PDMによって生成された複合光信号の偏光の状態は、送信機におけるその信号の値に対して回転することになり、したがって、複合信号の偏光状態は、回転している。受信側で、受信された複合光信号の光場を、任意の直交する2つの偏光状態に沿ってサンプリングした後、伝送された2つの光信号が、複合信号を形成する、それらの信号のそれぞれの偏光の状態と一緒に回復され得る。
理想的でないファイバ上で或る特定の偏光状態にある或る特定の波長の光信号を伝送する際に生じる1つの効果が、交差偏光変調として知られる効果である。交差偏光変調とは、同一の波長の、ただし、伝送される光信号の特定の偏光状態と直交する別の偏光状態を有する別の光信号が生成されることを表す。したがって、交差偏光変調のために、第1の光信号が、第2の光信号の偏光状態の信号成分を生成する可能性があり、このことが、第2の光信号の劣化につながる可能性があるとともに、第2の光信号が、第1の光信号の偏光状態の信号成分を生成する可能性があり、このことが、第1の光信号の劣化につながる可能性がある。
交差位相変調として知られる効果は、理想的ではない同一の光ファイバ上で伝送される場合に、或る光波長が別の光波長の位相に与える影響を表す。このため、同一の理想的でない光ファイバ上でそれぞれの波長を有する複数の光信号を伝送することによってWDM(波長分割多重化)を実行する際、それらの異なる光信号は、互いの位相を劣化させ得る。
交差偏光変調および交差位相変調は、例えば、カー効果などの、光ファイバの非線形性によって生じる伝送歪みである。カー効果は、ファイバ内の伝送される信号の信号パワーによってもたらされる、ファイバの屈折率の変化から生じる。PDMの技法を使用する事例において、複数の信号が伝送され、伝送される信号の各信号パワーは、独自のランダムな特性を有する。したがって、それらの異なる信号パワーによってもたらされる全体的なカー効果もまた、ランダムな特性を有し、さらに、このため、交差偏光変調および交差位相変調の全体的な伝送歪みは、時間的に変化するとともに、ランダムな特性を有する。さらに、光ファイバに作用する熱応力または機械的応力などのさらなる効果が、応力が誘起する、光ファイバの複屈折をもたらす可能性があり、このことが、伝送歪みの全体的なランダムな特性をさらに増大させる。
直交する2つの偏光された光信号の結果である偏光状態を有する複合光信号を受信する際、互いに直交する2つの偏光面で受信された複合光信号をサンプリングすることによって、受信された2つの離散時間信号を生成するのが、一般的な手順であり、サンプリングのこれらの偏光面は、交差するように偏光された2つの光信号が受信される偏光状態と必ずしも同一ではない。サンプリングの偏光面は、複合光信号を形成する2つの光信号の偏光状態に対して回転していることが可能である。この回転は、FIR(有限インパルス応答)フィルタのセットを使用して、受信された2つの離散時間信号をフィルタし、これにより、フィルタされた2つの離散時間信号を生成することによって補償される。FIRフィルタのフィルタ係数は、CMA(定包絡線基準アルゴリズム)を使用して決定される。次に、それらのフィルタされた2つの離散時間信号が、それらの信号から受信されたそれぞれの離散時間データ信号を復調するために使用される。
交差偏光変調および交差位相変調の効果は、伝送される光信号の劣化につながる可能性があり、さらに、このため、受信側でフィルタされた離散時間信号からデータ信号を復調する際のビット誤りにつながる可能性がある。生じるビット誤りは、光信号を変調するのに先立って送信側でFEC(前方誤り訂正)符号化アルゴリズムを使用してデータビットを符号化して、ビットブロックにし、さらに、その後、受信側で、使用されたFECアルゴリズムに従って受信されたビットブロックを復号することによって補償され得る。FECアルゴリズムは、1ブロック当り或る最大限の数のビット誤りを訂正することしかできない。
前述した複数の技法を併用してデータを伝送する際、交差偏光変調および交差位相変調によってもたらされるビット誤りの数、つまり、BER(ビット誤り率)は、時間的に一定ではないことに本発明者らは気づいた。ビット誤りのピーク、つまり、BERのピークは、ビット誤りのバーストと呼ばれる。そのようなバーストは、ビット誤りが訂正可能な数を超える可能性があるFECブロックにつながる。したがって、データ信号の伝送されたデータビットが、FEC復号の後、受信側で訂正されないままになり得る。
G.P.Agrawal、「Fiber−Optic Communication Systems」,New York,Wiley,1992年 F.MateraおよびM.Settembre、「Role of Q−Factor and of Time Jitter in the Performance Evaluation of Optically Amplified Transmission Systems」、IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS、VOL.6、NO.2、2000年3月/4月 Seb J.Savory、「Digital Coherent Optical Receivers:Algorithms and Subsystems」、IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS、VOL.16、NO.5、2012年9月/10月
したがって、本発明の目的は、データ伝送の知られている方法を改良することである。
文献D1は、光シーケンスを使用して光信号を前もって変調した後に偏波モード分散が導入されるシステムを開示する。
文献D2は、単一の偏光状態を有する変調された単一の光信号の同相信号成分および直交信号成分が、この単一の光信号に関してこれらの信号成分の脱相関を実現するために互いに遅延させられるシステムを開示する。次に、その単一の偏光状態を有する単一の光信号が、偏光多重化をエミュレートするデバイスに供給される。
この偏光多重化デバイスは、偏光多重化をエミュレートするために、その単一の偏光状態を有する単一の光信号を取り込み、さらに直交する2つの偏光面上でその単一の光の遅延された2つのバージョンを生成する。
文献D3は、FIRフィルタ(有限インパルス応答)を使用して受信側デバイスにおいて分散補償が実行されるシステムを開示する。
光データ伝送の方法が提案される。本方法は、様々なステップを備える。
第1の離散時間データ信号と第2の離散時間データ信号が、同一のサンプリングレートで受信される。第3の離散時間データ信号、および第4の離散時間データ信号が、第1のデータ信号、および第2のデータ信号を使用して、そのサンプリングレートで生成され、第1のデータ信号と第2のデータ信号は、或る遅延時間だけ互いに遅延させられる。この遅延時間は、時とともに変化させられる。
或る波長と、或る偏光状態とを有する第1の光信号の位相が、第3のデータ信号に応じて変調される。その波長と、或る偏光状態とを有する第2の光信号の位相が、第4のデータ信号に応じて変調される。最後に、第1の光信号および第2の光信号が、第1の光信号の偏光状態が第2の光信号の偏光状態と直交するように光ファイバの中に伝送される。
提案される方法の成果を評価するために、以下の検討事項が考慮に入れられなければならない。前段で概略を述べたとおり、位相変調およびPDMを使用してFEC符号化アルゴリズムによってもたらされるいくつかのデータ信号を伝送する際、交差偏光変調および交差位相変調の効果が、ビット誤りのバースト中にいくつかのFECブロックに関してFECアルゴリズムの能力を超える可能性がある一定でないBERにつながるランダムな特性を有する。
2つのデータ信号を、それらのデータ信号を変調して別々の偏光状態の2つの光信号にするのに先立って、互いに遅延させることにより、もたらされる光信号もまた、互いに遅延させられることが達せられる。直交する偏光状態を有する光信号のそのような遅延は、PMD(偏光モード分散)と呼ばれる効果から知られる要因である。このため、2つのデータ信号を互いに遅延させること、およびさらに、その遅延を時とともに変化させることによって、ランダムな特性を有する伝送歪みとしてのPMDのエミュレーションが実施される。このことは、光信号の領域内で対策をとる代わりに、離散時間データ信号の領域内でとられる対策によって実現される。エミュレートされた伝送歪みとしてのエミュレートされたPMDのランダムな特性は、この場合、独自のランダムな特性を有する交差偏光変調および/または交差位相変調が伝送歪みを生じるだけでなく、エミュレートされたPMDのランダムな特性もまた、伝送歪みの全体的なランダムな特性に寄与するので、全体的な伝送歪みの全体的なランダムな特性を変化させる。
エミュレートされたPMDによってもたらされる伝送歪みは、2つの光信号の間の遅延である。この遅延は、CMAによって制御されたFIRフィルタを使用して受信側で補償され得る。このため、伝送歪みの全体的なランダムな特性を変化させることによって、ビット誤りのバーストが生じる確率が低下させられる。このため、ビット誤りが訂正可能な数を超えるFECブロックがより少なくなる。つまり、2つのデータ信号の間に導入される遅延は、さらなる伝送歪みであるものの、この伝送歪みは、受信側で補償され得ると同時に、ビット誤りバーストの確率を低減するために伝送中に生じるすべての信号歪みの全体的なランダムな特性を変化させるのに役立つ。
提案される光伝送デバイスを示すブロック図である。 光受信デバイスを示すブロック図である。 或る好ましい実施形態による提案される光伝送デバイスを示すブロック図である。
図1は、提案される光伝送デバイスOTDのブロック図を示す。光伝送デバイスOTDは、kが離散時間インデックスである、離散時間データ信号x(k)と、離散時間データ信号y(k)とを受信するように構成された信号処理ユニットSPUを含む。両方のデータ信号x(k)、y(k)が、同一のサンプリングレートで受信される。データ信号x(k)、y(k)は、好ましくは、図1に示されないFEC符号化ユニットによって供給される。このため、データ信号x(k)、y(k)は、好ましくは、離散時間FEC符号化されたデータ信号である。
信号処理ユニットSPUは、データ信号x(k)、y(k)からさらなる離散時間データ信号である、データ信号x’(k)、y’(k)を生成する。信号処理ユニットSPUは、データ信号x(k)、y(k)を、遅延時間Δtだけ互いに遅延させるための少なくとも1つの遅延要素DEを含む。遅延要素DEは、好ましくは、N個のフィルタ係数を有する離散時間有限インパルス応答フィルタFIR1である。あるいは、遅延要素DEは、離散時間データ信号を遅延時間Δtだけ遅延させることができるメモリデバイスである。
図1の例において、有限インパルス応答フィルタFIR1は、3つのメモリ要素を有し、さらに、このため、フィルタFIR1のインパルス応答h(k)は、3つのフィルタ係数の長さを有する。N=3個のフィルタ係数の数は、例として選ばれているだけであり、提案される方法をこの数に限定するものではない。
出力信号x’(k)は、入力信号x(k)およびインパルス応答h(k)を使用して、以下のとおり表され得る。
x’(k)=x(k)*h(k)
入力データ信号x(k)と入力データ信号y(k)の間に生成され得る最大限の時間遅延ΔtMAXは、以下のとおり、フィルタ係数の数Nから1を引いて、信号x(k)、y(k)、x’(k)、y’(k)のサンプリングレートfSRで割った値である。
Figure 0005711390
インパルス応答h(k)のフィルタ係数hは、以下の条件
Figure 0005711390
を満たし、この条件は、フィルタ係数の合計が1であることを意味する。このことは、入力信号x(k)のエネルギーが保存されることを確実にする。
好ましくは、インパルス応答h(k)のフィルタ係数は、フィルタ係数のうちの1つが1である一方で、その他のフィルタ係数は0であるように選択される。この選択により、フィルタFIR1は、2つの入力信号x(k)とy(k)の間に単一の遅延を生じさせる。
あるいは、インパルス応答h(k)のフィルタ係数は、複数のフィルタ係数が0より大きい一方で、それでも、前述した以下の条件
Figure 0005711390
を満たすように選択されてもよい。このことにより、フィルタFIR1は、2つの入力信号x(k)とy(k)の間に分数遅延を生じさせる。
この例において、入力信号y(k)は不変であり、出力信号y’(k)と等しい。あるいは、両方の入力信号x(k)、y(k)が、これらの信号(k)、y(k)を互いに遅延させるために別々の遅延要素によってフィルタされてもよい。
信号処理ユニットSPUは、遅延時間Δtが時とともに変化するように遅延要素DEを制御する制御ユニットCUを含む。遅延要素が有限インパルス応答フィルタFIR1である事例において、制御ユニットCUは、フィルタFIR1によってもたらされる遅延時間が時とともに変化させられるようにフィルタFIR1のフィルタ係数を制御する。好ましくは、遅延時間Δtは、以下のとおりサンプリングレートfSRより相当に小さい周波数fΔtで変化させられる。
Δt<<fSR
制御ユニットCUは、信号処理ユニットSPUに一体化している部分である、または信号処理ユニットとは別個のデバイスであるハードウェアデバイスとして実施されることが可能であり、別個のデバイスである場合、制御ユニットCUは、制御インターフェースを介して信号処理ユニットに接続される。
あるいは、制御ユニットは、信号処理ユニット上で実行されるソフトウェアとして実施される。
離散時間出力データ信号x’(k)およびy’(k)は、光変調ユニットOMUに供給される。光変調ユニットOMUは、離散時間出力データ信号x’(k)をアナログ電気データ信号ex’(t)に変換するため、および離散時間出力データ信号y’(k)をアナログ電気データ信号ey’(t)に変換するための少なくとも1つのデジタルアナログ変換器DAC1、DAC2を含む。
光変調ユニットOMUは、光インターフェースOIF1において光信号OSを受信する。光信号OSは、好ましくはレーザである光源デバイスOSDによって生成され、さらに供給される。光信号OSは、光信号が単一の固定波長を有するように、さらに光信号が単一の偏光状態を有するように生成され、さらに供給される。
光変調ユニットOMUは、光信号OSを、光変調デバイスMZM1に供給される光信号os1(t)と、別の光変調デバイスMZM2に供給される光信号os2(t)とに分割するための分光デバイスOSPを含む。光信号OSは、光信号os1(t)および光信号os2(t)が、光信号OSと同一の波長および同一の偏光状態を有するように分割される。あるいは、光信号OSは、光信号os1(t)と光信号os2(t)が、同一の波長、および互いに直交する偏光状態を有するように分割される。
光変調デバイスMZM1において、光信号os1(t)の位相が、アナログ電気データ信号ex’(t)に応じて、さらに或る位相偏移変調方法に従って変調される。このため、光信号os1(t)は、アナログ電気データ信号ex’(t)が生成される元となった離散時間データ信号x’(k)に応じて変調される。光変調デバイスMZM1は、好ましくは、マッハ−ツェンダ変調器である。光信号os1(t)は、光信号os1(t)の偏光状態が保存されるように変調される。変調の結果は、光変調デバイスMZM1の出力にもたらされる光信号osm1(t)である。
光変調デバイスMZM2において、光信号os2(t)の位相が、アナログ電気データ信号ey’(t)に応じて、さらに或る位相偏移変調方法に従って変調される。このため、光信号os2(t)は、アナログ電気データ信号ey’(t)が生成される元となった離散時間データ信号y’(k)に応じて変調される。光変調デバイスMZM2は、好ましくは、マッハ−ツェンダ変調器である。光信号os2(t)は、光信号os2(t)の偏光状態が保存されるように変調される。変調の結果は、光変調デバイスMZM1の出力にもたらされる光信号osm2(t)である。
光変調ユニットOMUは、変調された光信号osm1(t)、および変調された光信号osm2(t)を光インターフェースOIFに供給する。光インターフェースOIFは、偏光ビームコンバイナPBCを含む。偏光ビームコンバイナPBCは、光信号osm1(t)、osm2(t)の偏光状態が互いに直交するように光信号osm1(t)と光信号osm2(t)の少なくともいずれかの偏光状態を回転させることによって、光信号osm1(t)と光信号osm2(t)を組み合わせて複合出力信号osm(t)にする。あるいは、光信号osm1(t)と光信号osm2(t)は、これらの光信号osm1(t)およびosm2(t)が偏光ビームコンバイナPBCに入る前に、互いに直交する偏光状態を有し、さらに偏光ビームコンバイナPBCは、光信号osm1(t)と光信号osm2(t)を、それぞれの偏光状態の直交性が保存されるように組み合わせて複合光出力信号osm(t)にする。このため、複合光出力信号osm(t)は、直交する偏光状態を有する2つの光信号osm1(t)、osm2(t)を含む光信号である。
光信号osm1(t)と光信号osm2(t)は、好ましくは、直線偏光状態である直交する偏光状態を有する。あるいは、光信号osm1(t)と光信号osm2(t)は、円偏光状態である直交する偏光状態を有する。さらなる代替として、光信号osm1(t)と光信号osm2(t)は、楕円偏光状態である直交する偏光状態を有する。
次に、光出力信号osm(t)が、光インターフェースOIFの出力OPで光ファイバの中に伝送される。
前段で概略を述べたとおり、離散時間入力データ信号x(k)と離散時間入力データ信号y(k)を、変化する遅延時間Δtだけ互いに遅延させることの利点は、もたらされる光信号もまた、互いに遅延させられることであり、このことは、PMDから知られる要因である。このため、この場合、独自のランダムな特性を有する交差偏光変調および交差位相変調が伝送歪みを生じるだけでなく、エミュレートされたPMDのランダムな特性もまた、伝送歪みの全体的なランダムな特性に寄与するので、伝送歪みの全体的なランダムな特性を変化させる、ランダムな特性を有するPMDのエミュレーションが実施される。このため、信号歪みの全体的なランダムな特性を変化させることによって、ビット誤りのバーストが生じる確率が低下させられる。このため、ビット誤りが訂正可能な数を超えるFECブロックがより少なくなる。
また、成果は、以下のとおり、G.P.Agrawal、「Fiber−Optic Communication Systems」,New York,Wiley,1992年、およびF.MateraおよびM.Settembre、「Role of Q−Factor and of Time Jitter in the Performance Evaluation of Optically Amplified Transmission Systems」、IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS、VOL.6、NO.2、2000年3月/4月で知られるとともに、BER(ビット誤り率)を考慮に入れるQファクタに関して表現されることも可能である。
Figure 0005711390
Qファクタの対数値
20log10(Q)
は、非線形の歪みが存在しない状態で光伝送システムにおける伝送される光信号のSNR(信号対雑音比)とほとんど線形に関係する。カー効果などの非線形の効果が存在する状態で、パワーが大きいほど、非線形の歪みが及ぼす悪影響が、より大きくなる。所与のパワーおよび所与のSNRに関して、提案される方法が使用される場合、信号x(k)とy(k)を互いに遅延させない場合と比べて、より少ない数の訂正されないブロック、および向上したQファクタが実現される。したがって、伝送システムは、FECしきい値に対してより大きいQファクタの余裕をもって、より高い信頼性で動作すること、またはより長い距離にわたる伝搬のために使用されることが可能である。
エミュレートされたPMDによってもたらされる信号歪みは、2つの光信号の間の遅延である。この遅延は、CMAによって制御されるFIRフィルタを使用して受信側で補償され得る。そのような受信側デバイスの例が、図2に示される。
図2は、光信号osm’(t)を受信する光受信ユニットORUを示す。光信号osm’(t)は、光ファイバOF上の光信号osm(t)の伝送からもたらされる信号である。
光受信ユニットORUは、少なくとも1つの光−電気変換デバイスOECを含む。光−電気変換デバイスOECは、受信される光信号osm’(t)を、互いに直交する2つの偏光面でサンプリングする。一方の偏光面で光信号osm’(t)をサンプリングすることによって、光−電気変換デバイスOECは、離散時間電気信号ux(l)を生成する。他方の偏光面で光信号osm’(t)をサンプリングすることによって、光−電気変換デバイスOECは、離散時間電気信号uy(l)を生成する。光−電気変換デバイスOECは、好ましくは、少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器を含む。
前段で概略を述べたとおり、光ファイバOF上の伝送に起因して、信号成分os1(t)と信号成分os2(t)を組み合わせることからもたらされる複合信号osm(t)の光場の偏光状態は、送信側における複合信号osm(t)の値に対して回転する可能性がある。受信される信号osm’(t)がサンプリングされる直交する偏光面は、信号成分os1(t)およびos2(t)が受信側に着信する偏光面と必ずしも同一ではない。
光−電気変換デバイスOECは、離散時間電気信号ux(l)およびuy(l)をデータ処理ユニットDPUに供給する。データ処理ユニットDPUは、すべてがM個のフィルタ係数のフィルタ長を有する少なくとも4つの有限インパルス応答フィルタF1、F2、F3、F4を備える。
データ処理ユニットDPUは、電気信号ux(l)をフィルタF1およびF3に供給し、さらに電気信号uy(l)をフィルタF2およびF4に供給する。フィルタF1の出力信号とフィルタF2の出力信号が組み合わされて出力電気信号s’x(l)にされる。フィルタF3の出力信号とフィルタF4の出力信号が組み合わされて出力電気信号s’y(l)にされる。入力電気信号ux(l)およびuy(l)、ならびに出力電気信号s’x(l)およびs’y(l)は、フィルタF1、F2、F3、F4のフィルタ係数を決定するためにデータ処理ユニットDPUにおいて使用される。
フィルタF1、F2、F3、F4のフィルタ係数は、Seb J.Savory、「Digital Coherent Optical Receivers:Algorithms and Subsystems」、IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS、VOL.16、NO.5、2012年9月/10月で説明されるCMアルゴリズムを使用して決定される。フィルタF1、F2、F3、F4のフィルタ係数は、成分os1(t)およびos2(t)を有する複合光信号osm(t)の偏光状態の、サンプリングの偏光面に対する回転が補償されるように、このアルゴリズムによって決定される。このため、もたらされる電気信号s’x(l)およびs’y(l)は、伝送されたデータ信号x(k)およびy(k)の推定を得るために、電気信号s’x(l)およびs’y(l)からそれぞれのデータ信号を復調するために使用され得る。この復調は、図2には示されない復調ユニットによって実行され得る。次に、伝送されるデータ信号x(k)およびy(k)のこれらの推定が、データ信号x(k)およびy(k)の推定からそれぞれのデータストリームを得るために、図2には示されないFEC復号のユニットに供給され得る。
CMアルゴリズムは、光ファイバ自体のPMDによってもたらされる信号成分os1(t)と信号成分os2(t)の間の遅延時間ΔtOFが補償されるようにフィルタF1、F2、F3、F4のフィルタ係数を決定することもできることが考慮に入れられる必要がある。さらに、図を参照することによって、遅延要素FIR1によって送信側でそれぞれのデータ信号x(k)とy(k)の間にもたらされる遅延時間Δtが、CMアルゴリズムによって補償されることも可能であることが考慮に入れられる必要がある。このため、図1に示される遅延要素FIR1によってもたらされる遅延時間Δtは、前段で概略を述べたとおり、信号歪みの全体的なランダムな特性を変化させるのに役立つが、光受信ユニットORUなどの受信側ユニットにおいて補償され得る。
CMアルゴリズムが補償することができる最大限の遅延時間ΔtMAX−COMPは、以下のとおり、フィルタF1、F2、F3、F4のフィルタ係数の数M、および光信号osm’(t)がサンプリングされるサンプリングレートfOSRによって規定される。
Figure 0005711390
図2に示される光ファイバOF自体、平均時間遅延ΔtPMD−OFをもたらすPMDの対象となるので、送信側でもたらされる時間遅延Δtは、事前定義されたしきい値ΔtTHRESH未満に保たれなければならない。
送信側でフィルタFIR1によってもたらされる時間遅延Δt、および光ファイバによってもたらされる時間遅延ΔtPMD−OFはそれぞれ、それぞれの分散
Figure 0005711390
Figure 0005711390
を有するランダム過程の対象となるので、これらのランダム過程の合計は、
Figure 0005711390
として表現され得る分散
Figure 0005711390
を有する。
したがって、全体的な時間遅延ΔtSUMは、以下のとおり表現され得る。
Figure 0005711390
このため、全体的なしきい値ΔtTHRESHは、平均時間遅延ΔtPMD−OF、およびCMアルゴリズムが補償することができる最大限の遅延時間ΔtMAX−COMPから導き出され得る。すると、この事前定義されたしきい値ΔtTHRESHは、以下のとおり表現され得る。
Figure 0005711390
フィルタFIR1によって生成された時間遅延Δtの許容できる最大値がどれだけであるかを、図1に示される制御ユニットCUに示すための事前定義されたしきい値ΔtTHRESHを用意しておくために、代替のソリューションも可能である。第1の代替のソリューションによれば、制御ユニットCUに外部ソースから事前定義されたしきい値ΔtTHRESHが与えられる。第2の代替のソリューションによれば、制御ユニットに平均時間遅延ΔtPMD−OFおよび最大限の遅延時間ΔtMAX−COMPが与えられ、さらに、その後、制御ユニット自らが、事前定義されたしきい値ΔtTHRESHを決定する。
制御ユニットCUに平均時間遅延ΔtPMD−OFを与える代わりに、制御ユニットCUが、光ファイバOF、ならびに増幅器やスイッチなどの伝送構成要素によってもたらされる全体的な時間遅延の指示を受け取ってもよく、さらに、その後、制御ユニットCUが、事前定義されたしきい値ΔtTHRESHを決定するために、この全体的な時間遅延を平均時間遅延ΔtPMD−OFとして使用する。
制御ユニットCUに最大限の遅延時間ΔtMAX−COMPを与える代わりに、制御ユニットCUが、M個のフィルタ係数、ならびに光信号osm’(t)がサンプリングされるサンプリングレートfOSRの指示を受け取ってもよく、さらに、その後、制御ユニットCU自らが、最大限の遅延時間ΔtMAX−COMPを決定する。
平均時間遅延ΔtPMD−OFおよび最大限の遅延時間ΔtMAX−COMPから、制御ユニットCUは、前段で説明されるとおり、事前定義されたしきい値ΔtTHRESHを決定することが可能である。
前段で述べたとおり、好ましくは、遅延時間Δtは、以下のとおり、データ信号x(k)およびy(k)のサンプリングレートfSRより相当に小さい周波数fΔtで変動する。
Δt<<fSR
変動周波数fΔtに関するこの選択の利点は、図2に示される光受信ユニットORUが、送信側で生じるのと同一の遅延時間Δtを被る信号ux(l)、uy(l)のいくつかの値を受け取ることである。CMアルゴリズムが、信号ux(l)、uy(l)のこのいくつかの値の持続時間中、遅延時間Δtの変動に対処する必要なしにフィルタF1、F2、F3、F4のフィルタ係数を決定するために、信号ux(l)、uy(l)のこのいくつかの値を使用することができる。このことは、CMアルゴリズムが、信号ux(l)、uy(l)のこのいくつかの値の持続時間中、フィルタF1、F2、F3、F4のフィルタ係数が最適化された値に収束するように、これらのフィルタ係数を決定することを可能にする。
図3は、或る好ましい実施形態による光伝送デバイスOTDを示す。光伝送デバイスOTDは、図1に関連して前述したとおり、光源デバイスOSDと、光変調ユニットOMUと、光インターフェースOIFとを含む。さらに、光伝送デバイスOTDは、光信号処理ユニットSPU’を含む。
光信号処理ユニットSPU’は、データ信号x(k)およびy(k)を受信する。光信号処理ユニットSPU’は、入力データ信号x(k)と入力データ信号y(k)を、入力データ信号x(k)を遅延させることによって互いに遅延させるための少なくとも2つの遅延要素DE1およびDE3を含む。さらに光信号処理ユニットSPU’は、入力データ信号x(k)と入力データ信号y(k)を、入力データ信号y(k)を遅延させることによって互いに遅延させるためのさらなる2つの遅延要素DE2およびDE4を含み得る。
データ信号x(k)は、遅延要素DE1およびDE3に供給される。遅延要素DE1は、出力データ信号x1(k)をもたらし、さらに遅延要素DE3は、出力データ信号x2(k)をもたらす。
データ信号y(k)は、遅延要素DE2およびDE4に供給される。遅延要素DE2は、出力データ信号y1(k)をもたらし、さらに遅延要素DE4は、出力データ信号y2(k)をもたらす。好ましくは、光信号処理ユニットSPU’は、遅延要素DE2およびDE4を含まず、その場合、出力データ信号y1(k)およびy2(k)は、入力データ信号y(k)と等しい。
出力データ信号x’(k)は、出力データ信号x1(k)と出力データ信号y1(k)の合計として決定される。出力データ信号y’(k)は、出力データ信号x2(k)と出力データ信号y2(k)の合計として決定される。
制御ユニットCUは、図1に示される実施形態に関連して前述したとおり、遅延が時とともに変化させられるように、遅延要素DE1、DE2、DE3、DE4によってもたらされる遅延を制御する。好ましくは、遅延要素DE1、DE2、DE3、DE4は、それぞれの有限インパルス応答フィルタFIR11、FIR12、FIR13、FIR14の形態で設けられ、有限インパルス応答フィルタFIR11、FIR12、FIR13、FIR14のフィルタ係数h11(k)、h12(k)、h13(k)、h14(k)は、制御ユニットCUによって制御される。有限インパルス応答フィルタFIR11、FIR12、FIR13、FIR14は、長さNである。
フィルタFIR11、FIR12、FIR13、およびFIR14のフィルタ係数h11(k)、h12(k)、h13(k)、およびh14(k)は、好ましくは、入力信号x(k)およびy(k)のエネルギーが保存されるように入力信号x(k)およびy(k)のエネルギーを出力信号x’(k)およびy’(k)に分配するために
Figure 0005711390
および
Figure 0005711390
という条件に従う。
さらに、好ましくは、フィルタFIR11、FIR12、FIR13、およびFIR14のフィルタ係数h11(k)、h12(k)、h13(k)、およびh14(k)は、出力信号x’(k)からもたらされる光信号と出力信号y’(k)からもたらされる光信号が互いに直交するように選択される。
遅延要素DE1、DE2、DE3、DE4によってもたらされる遅延は、入力信号x(k)と入力信号y(k)の間の遅延をもたらす。光伝送中の信号歪みの全体的なランダムな特性の変化である、このことの実現は、図1の実施形態に関連して、さらに本出願の序文において詳細に既に説明した。
さらなる実現が、信号x1(k)およびy1(k)を信号x’(k)と合計すること、および信号x2(k)およびy2(k)を信号y’(k)と合計することによって得られる。このため、入力信号x(k)は、出力信号y’(k)に寄与し、さらに入力信号y(k)は、出力信号x’(k)に寄与する。
実現されるのは、データ信号の領域内で実行されるこれらの寄与が、光信号領域内の、図1に示される光信号osm2(t)に対する光信号osm1(t)の寄与と等価であり、その逆も同様であることである。フィルタFIR11、FIR12、FIR13、FIR14のフィルタ係数は、前述した条件に従うので、データ信号の領域内で実行されるこれらの寄与は、光信号領域内の光信号osm1(t)と光信号osm2(t)の互いに対する寄与と等価であり、したがって、成分osm1(t)およびosm2(t)を有する複合光信号osm(t)の偏光状態の回転がエミュレートされる。つまり、入力信号x(k)と入力信号y(k)の重ね合わせが、フィルタ係数に関する前述した条件が満たされる場合、成分osm1(t)およびosm2(t)を有する複合光信号osm(t)の偏光状態の回転のエミュレーションを可能にする。
フィルタFIR11、FIR12、FIR13、FIR14のフィルタ係数を時間的に変化させることによって、制御ユニットCUは、複合光信号osm(t)の偏光状態の回転のエミュレーションを変化させることもできる。このため、フィルタFIR11、FIR12、FIR13、FIR14のフィルタ係数を時間的に変化させることによって、フィルタFIR11、FIR12、FIR13、FIR14の遅延によってもたらされるランダムな特性が、伝送歪みの全体的なランダムな特性に寄与するだけでなく、複合光信号osm(t)の偏光状態のエミュレートされた回転によってもたらされるさらなるランダムな特性もまた、伝送歪みの全体的なランダムな特性に寄与する。このため、出力信号x’(k)およびy’(k)の生成のために入力信号x(k)と入力信号y(k)を重ね合わせることは、伝送歪みの全体的なランダムな特性を変化させることに関してさらなる自由度を与え、このことが、伝送中にビット誤りバーストの確率を低減することに役立つ。
複合光信号osm(t)の偏光状態のエミュレートされた回転は、図2に示される光受信ユニットORUにおいて実行されるCMアルゴリズムによって補償され得る。
前述した様々な方法のステップは、プログラミングされたコンピュータまたはプロセッサによって実行され得ることが、当業者には容易に認識されよう。この説明および図面は、本発明の原理を例示するに過ぎない。このため、当業者は、本明細書で明示的に説明されないものの、本発明の原理を実現するとともに、本発明の趣旨および範囲に含まれる様々な構成を考案することができることが理解されよう。さらに、本明細書に記載されるすべての実施例は、主として、本発明の原理、ならびに当技術分野をさらに進めることに寄与する本発明者らによる概念を読者が理解するのを助ける教育的目的にのみ明確に向けられており、そのような特別に記載される実施例および条件に限定されることなしに解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにこれらの原理、態様、および実施形態の特定の実施例について本明細書で述べるすべての記載は、これらの原理、態様、および実施形態、ならびに実施例の均等形態を包含することを意図している。
「プロセッサ」というラベルが付けられ、あるいは、「処理デバイス」、「処理ユニット」、または「制御ユニット」とも呼ばれる任意の機能ブロックを含め、図1、図2、および図3に示される様々な要素の機能は、専用のハードウェア、ならびに適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を介して提供され得る。プロセッサによって提供される場合、これらの機能は、単一の専用プロセッサによって提供されても、単一の共有されるプロセッサによって提供されても、いくつかが共有され得る複数の個別のプロセッサによって提供されてもよい。さらに、「プロセッサ」または「制御ユニット」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを排他的に指すものと解釈されるべきではなく、限定なしに、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ソフトウェアを格納するためのROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、および不揮発性ストレージを暗黙に含み得る。また、従来型の、さらに/またはカスタムの他のハードウェアが含まれることも可能である。
本明細書における任意のブロック図は、本発明の原理を実現する例示的な回路の概念図を表すことが、当業者は理解されたい。

Claims (11)

  1. 第1の離散時間データ信号(x(k))と第2の離散時間データ信号(y(k))を同一のサンプリングレートで受信することと、
    第3の離散時間データ信号(x’(k))および第4の離散時間データ信号(y’(k))を前記サンプリングレートで、前記第1のデータ信号(x(k))および前記第2のデータ信号(y(k))を使用して生成し、前記第1のデータ信号(x(k))と前記第2のデータ信号(y(k))が、或る遅延時間だけ互いに遅延されることと、
    或る波長と、或る偏光状態とを有する第1の光信号(os1(t))の少なくとも位相を、前記第3のデータ信号(x’(k))に応じて変調させることと、
    前記波長と、或る偏光状態とを有する第2の光信号(os2(t))の少なくとも位相を、前記第4のデータ信号(y’(k))に応じて変調させることと、および
    変調された第1の光信号(osm1(t))の前記偏光状態が、変調された第2の光信号(osm2(t))の前記偏光状態と直交するように、前記変調された第1の光信号(osm1(t))および前記変調された第2の光信号(osm2(t))を光ファイバの中に伝送することとを備え
    時間遅延が、ランダムな特性を有する光信号の伝送歪みを実現するように時とともに変化させられる、光データ伝送の方法。
  2. 前記第1のデータ信号(x(k))と前記第2のデータ信号(y(k))が、少なくとも1つの有限インパルス応答フィルタ(FIR1)を使用して前記第1のデータ信号(x(k))と前記第2のデータ信号(y(k))の少なくともいずれかをフィルタすることによって、互いに遅延させられる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有限インパルス応答フィルタ(FIR1)のフィルタ係数が時とともに変化させられる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1のデータ信号(x(k))と前記第2のデータ信号(y(k))の少なくともいずれかが、前記有限インパルス応答フィルタ(FIR1)によってフィルタされ、さらに
    前記有限インパルス応答フィルタ(FIR1)のフィルタ係数が、フィルタされた信号のエネルギーが保存されるように選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記遅延時間が、前記サンプリングレートより相当に小さい変動周波数で変化させられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記遅延時間が、事前定義されたしきい値未満に保たれる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1の離散時間データ信号(x(k))と前記第2の離散時間データ信号(y(k))が、少なくとも2つの遅延要素(DE1、DE3)を使用して互いに遅延させられ、
    その後、前記第1の離散時間データ信号(x(k))および前記第2の離散時間データ信号(y(k))が、前記第3の離散時間データ信号(x’(k))に寄与し、さらに
    前記第1の離散時間データ信号(x(k))および前記第2の離散時間データ信号(y(k))が、前記第4の離散時間データ信号(y’(k))に寄与する、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記遅延要素(DE1、DE3)が、有限インパルス応答フィルタ(FIR11、FIR13)であり、さらに
    前記有限インパルス応答フィルタ(FIR11、FIR13)のフィルタ係数が、前記第1のデータ信号(x(k))および前記第2のデータ信号(y(k))のエネルギーが保存されるように選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記有限インパルス応答フィルタ(FIR11、FIR13)の前記フィルタ係数が、前記第3のデータ信号(x’(k))からもたらされる光信号(osm1(t))と前記第4のデータ信号(y’(k))からもたらされる光信号(osm2(t))が互いに直交するように選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 第1の離散時間データ信号と第2の離散時間データ信号を同一のサンプリングレートで受信し、
    第3の離散時間データ信号および第4の離散時間データ信号を、前記第1のデータ信号および前記第2のデータ信号を使用して、前記サンプリングレートで生成して、前記第1のデータ信号と前記第2のデータ信号が、或る遅延時間だけ互いに遅延されるようにするように構成された信号処理ユニット(SPU、SPU’)と
    或る波長と、或る偏光状態とを有する第1の光信号の位相を、前記第3のデータ信号に応じて変調させ、さらに
    前記波長と、或る偏光状態とを有する第2の光信号の位相を、前記第4のデータ信号に応じて変調させるように構成された光変調ユニット(OMU)と、
    変調された第1の光信号の前記偏光状態が、変調された第2の光信号の前記偏光状態と直交するように、前記変調された第1の光信号および前記変調された第2の光信号を光ファイバの中に伝送するように構成された光インターフェース(OIF)とを備え
    時間遅延が、ランダムな特性を有する光信号の伝送歪みを実現するように時とともに変化させられる、光伝送デバイス(OTD)。
  11. 前記信号処理ユニット(SPU、SPU’)が、遅延された第1のデータ信号と遅延された第2のデータ信号を重ね合わせることによって、前記第3の離散時間データ信号および前記第4の離散時間データ信号を生成するようにさらに構成される、請求項10に記載の光伝送デバイス(OTD)。
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