JP5482351B2 - 光変調装置及び光変調方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光変調装置及び光変調方法に関する。
近年、伝送トラフィックの増加に伴い、従来の40Gbit/sを超える伝送容量を持つ次世代光伝送システム導入の要求が高まっている。伝送容量の大容量化を実現する際に、単純に伝送信号の速度を高速化すると、使用される電気信号回路の実現が困難であったり、例えば光フィルタによるスペクトル劣化や波長分散・光雑音累積による信号劣化などの光伝送信号の劣化が発生したりする。そこで、周波数利用効率(Spectrum Efficiency)、光信号対雑音比(OSNR:Optical Signal to Noise Ratio)耐力及び非線形性耐力に優れた多値位相変調方式を適用した光伝送システムが有望視されている。多値位相変調方式としては、例えば4値位相変調のQPSK(Quadrature Phase-Shift Keying)方式などがある。
QPSK方式を用いた光変調装置としては、例えばRZ(Return to Zero)変調器を備えたRZ−DQPSK(Differential QPSK)変調方式を採用する光変調装置が考えられている。RZ−DQPSK変調方式は、変調により得られる光信号が狭スペクトルであり、周波数利用効率が高いという特徴を持つため、次世代の光伝送システムに採用される変調方式の候補として期待されている。
通常、RZ−DQPSK変調方式を採用する光変調装置は、光源が発する光のI(In-Phase)成分にデータ信号を重畳するIアームと、光源が発する光のQ(Quadrature Phase)成分にデータ信号を重畳するQアームとを備えている。そして、Iアーム及びQアームにおいてデータ信号が光に重畳されると、それぞれのアームで得られた信号が合波されてDQPSK変調信号となる。そして、DQPSK変調信号は、RZ変調器によってRZ変調され、RZ−DQPSK変調方式で変調された光信号が得られる。
このとき、例えば温度変動や経時変動などに起因して、Iアームで得られた信号の位相とQアームで得られた信号の位相とがずれることがある。すなわち、合波される光のI成分及びQ成分に遅延差が生じることがあり、この遅延差によって、RZ−DQPSK方式の変調により得られる光信号が劣化することがある。結果として、光信号を送信する光送信装置の伝送性能が低下する。
そこで、RZ変調器から出力された光信号のパワーをモニタし、モニタ結果に応じてIアーム及びQアームに入力されるデータ信号の位相を調整することが検討されている。このようにデータ信号の位相を調整する光変調装置の構成を図16に示す。この光変調装置は、光源となるレーザーダイオード(Laser Diode:以下「LD」と略記する)11、DQPSK変調器12a、RZ変調器12b、ドライバ(以下「DRV」と略記する)13a〜13c及び移相器14a〜14cを有している。また、この光変調装置は、光カプラ21、フォトディテクタ(Photo Detector:以下「PD」と略記する)22、バンドパスフィルタ(Band Pass Filter:以下「BPF」と略記する)23、パワーモニタ(以下「MON」と略記する)24及び制御部30を有している。
LD11で発生した光は、DQPSK変調器12aに入力され、DQPSK変調器12aのIアーム及びQアームそれぞれにおいて、DRV13a、13bを経たデータ信号が光のI成分及びQ成分に重畳される。そして、データ信号が重畳された光のI成分及びQ成分が合波され、DQPSK変調信号が得られる。DQPSK変調信号は、RZ変調器12bによってRZ変調される。このとき、RZ変調器12bは、ドライバ13cを経たクロック信号CLKを用いてDQPSK変調信号をRZ変調する。
RZ変調されて得られる光信号は、光カプラ21によって分岐され、分岐光がPD22によって電気信号に変換される。そして、電気信号がBPF23を通過することにより、電気信号の特定の帯域のパワーがMON24によってモニタされる。制御部30は、MON24におけるモニタ結果に応じて移相器14a、14bの移相量を調整しておき、Iアーム及びQアームで得られる信号の遅延差を小さくする。同時に、制御部30は、MON24におけるモニタ結果に応じて移相器14cの移相量を調整する。このように、RZ変調された信号のパワーをモニタし、モニタ結果に応じてデータ信号を移相することにより、多値位相変調時に合波される2信号の遅延差を小さくすることが可能である。
特開2007−329886号公報
しかしながら、信号のパワーをモニタし、モニタ結果に応じて遅延差を調整する方法は、DQPSK変調信号がRZ変調されることが前提となっており、RZ変調器を備えていない光変調装置では、適切に遅延差を制御することができないという問題がある。すなわち、光変調装置の変調方式として、例えばNRZ(Non Return to Zero)−DQPSK変調方式が採用される場合には、DQPSK変調信号がRZ変調されることはなく、信号のパワーをモニタしても遅延差を適切に制御することはできない。
この問題を具体的に説明するために、NRZ−DQPSK変調方式及びRZ−DQPSK変調方式における遅延差ごとの信号波形を図17に示す。図17は、遅延差が0ps(ピコ秒)、4ps及び8psのそれぞれの場合について、NRZ−DQPSK変調方式及びRZ−DQPSK変調方式で変調された光信号の波形を示している。すなわち、図17の各図において、横軸は時間を示しており、縦軸はパワーを示している。
図17に示すように、RZ−DQPSK変調方式で変調された光信号については、RZ変調器におけるパルスカービングにより、各図中Aで示した情報を含む領域の信号が抽出される。したがって、図16に示したMON24は、図17各図中のAの領域の信号のパワーをモニタしている。そして、遅延差が大きくなるにつれて、図17各図中のAの領域の信号のパワーが小さくなるため、図16に示した制御部30は、モニタ結果が最大になるように移相量を設定すれば、遅延差を小さくすることができる。
これに対して、NRZ−DQPSK変調方式で変調された光信号は、RZ変調器によってパルスカービングされることはない。このため、光信号のパワーをモニタすると、図17各図中の全領域の信号のパワーが平均化されてモニタされることになる。この結果、遅延差が異なってもモニタされる信号のパワーが変化せず、遅延差がモニタ結果に反映されない。
つまり、図18に示すように、RZ−DQPSK変調方式では、遅延差が大きくなるにつれてモニタ出力が小さくなるのに対し、NRZ−DQPSK変調方式では、遅延差が大きくなってもモニタ出力が一定である。このため、RZ変調されていない信号のパワーをモニタしても、DQPSK変調器において合波される2信号の遅延差を適切に制御することはできない。そして、遅延差を適切に制御できないため、NRZ−DQPSK変調方式を採用する光変調装置では、光信号の劣化を抑制することが困難であるという問題がある。
同様の問題は、光伝送に例えば偏波多重方式が採用される場合にも生じる。すなわち、偏波多重方式においては、それぞれ異なる偏波成分にデータ信号が重畳された後、偏波成分が合波されるが、合波される偏波成分に遅延差があると、合波により得られる光信号が劣化する。そして、偏波成分の遅延差は、合波された光信号のパワーには反映されないため、光信号のパワーをモニタすることにより光信号の劣化を抑制することは困難である。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、合波される複数の信号成分の遅延差を適切に制御し、複数の信号成分の合波により得られる光信号の劣化を抑制することができる光変調装置及び光変調方法を提供することを目的とする。
本願が開示する光変調装置は、1つの態様において、データを含む入力信号を用いて光源が発する光源光を変調する第1変調部と、前記第1変調部に入力される入力信号とは異なるデータを含む入力信号を用いて前記光源光を変調する第2変調部と、前記第1変調部及び前記第2変調部によって前記光源光が変調されて得られた変調信号を合成する合成部と、前記合成部によって合成されて得られた合成信号の信号波形においてパワーが最小となるディップを検出する検出部と、前記検出部によって検出されたディップのパワーが小さくなるように前記第1変調部及び前記第2変調部へ入力される入力信号の遅延量を調整する調整部と、を有する。
本願が開示する光変調装置及び光変調方法の1つの態様によれば、合波される複数の信号の遅延差を適切に制御し、複数の信号の合波により得られる光信号の劣化を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。 図2は、遅延差ごとの信号波形の具体例を示す図である。 図3は、実施の形態2に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。 図4は、反転後の信号波形の具体例を示す図である。 図5は、シフト量決定部による遅延差制御を説明する図である。 図6は、実施の形態2に係る遅延差制御方法を示すフロー図である。 図7は、遅延差と伝送性能の関係の具体例を示す図である。 図8は、実施の形態3に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。 図9は、比較部への入力波形の具体例を示す図である。 図10は、比較部の出力波形の具体例を示す図である。 図11は、実施の形態3に係る遅延差制御方法を示すフロー図である。 図12は、実施の形態4に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態4に係る遅延差制御方法を示すフロー図である。 図14は、光変調装置の他の変形例を示すブロック図である。 図15は、光変調装置のさらに他の変形例を示すブロック図である。 図16は、RZ変調器を備えた光変調装置の構成を示すブロック図である。 図17は、遅延差による信号波形変化の具体例を示す図である。 図18は、変調方式によるパワーのモニタ出力の違いを示す図である。
以下、本願が開示する光変調装置及び光変調方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。図1に示す光変調装置は、LD100a、第1変調部100b、第2変調部100c、光カプラ100d、ディップ検出部100e及び遅延量調整部100fを有している。
LD100aは、光源であり、所定波長の光を発する。第1変調部100bは、LD100aから発せられた光の第1成分にデータ信号を重畳する。また、第2変調部100cは、LD100aから発せられた光の第2成分にデータ信号を重畳する。第1変調部100b及び第2変調部100cがデータ信号をDQPSK変調するDQPSK変調部に含まれる場合は、例えば光のI成分及びQ成分がそれぞれ光の第1成分及び第2成分に相当する。第1変調部100b及び第2変調部100cによってデータ信号が重畳された光の第1成分及び第2成分は、合波されて多値位相変調信号が得られる。光カプラ100dは、多値位相変調信号を分岐し、分岐により得られた一方の信号を光信号として出力するとともに、他方の信号をディップ検出部100eへ出力する。
ディップ検出部100eは、光カプラ100dから出力される信号の信号波形において、パワーが最小となっているディップを検出する。すなわち、ディップ検出部100eは、信号波形において例えばパワーの平均値などから求められる所定値よりもパワーが落ち込んでいる時間領域をディップとして検出する。そして、ディップ検出部100eは、検出したディップにおいてパワーが他の部分よりもどの程度小さくなっているかを示す指標値を遅延量調整部100fへ通知する。すなわち、ディップ検出部100eは、ディップのパワーがどの程度落ち込んでいるかを表すディップの深さの指標値を遅延量調整部100fへ出力する。
ここで、第1変調部100b及び第2変調部100cそれぞれによって変調された2信号の遅延差と多値位相変調信号のディップとの関係について、図2を参照して説明する。図2は、遅延差が0ps、4ps及び8psの場合の多値位相変調信号の信号波形を示している。
図2に示すように、各信号波形においてはそれぞれ2つのディップが形成されている。そして、遅延差が0psの場合には、ディップが深くなっており、遅延差が4ps及び8psの場合に比べて、ディップにおけるパワーが小さい。そして、遅延差が大きくなるにつれて、ディップが浅くなり、ディップにおけるパワーが大きくなっている。したがって、ディップにおけるパワーを最小にすることにより、遅延差が0psに近づくことがわかる。なお、それぞれの信号波形において、データ信号の情報が重畳されているのは2つのディップの間の部分であり、ディップには情報が重畳されていない。
ディップ検出部100eは、上記のように遅延差によって変化するディップの深さを示す指標値を遅延量調整部100fへ通知する。そして、遅延量調整部100fは、ディップ検出部100eによって検出されるディップのパワーが小さくなるように第1変調部100b及び第2変調部100cへ入力される入力信号の遅延量を調整する。
次いで、上記のように構成された光変調装置による光変調方法について説明する。
まず、第1変調部100b及び第2変調部100cによって、LD100aが発する光の第1成分及び第2成分にデータ信号が重畳され、これらの第1成分及び第2成分が合波されることにより、データ信号が多値位相変調された多値位相変調信号が得られる。多値位相変調信号は、光カプラ100dによって分岐され、ディップ検出部100eへ入力される。
ディップ検出部100eに多値位相変調信号が入力されると、ディップ検出部100eによって、信号波形におけるディップが検出され、検出されたディップの深さを示す指標値が遅延量調整部100fへ出力される。検出されたディップのパワーは、第1変調部100b及び第2変調部100cから出力される2信号の位相が一致していれば小さく、位相がずれるほど大きい。換言すれば、多値位相変調時に合波される2信号の遅延差が大きいほど、ディップにおけるパワーが大きくなって、ディップが浅くなる。
そこで、遅延量調整部100fによって、ディップ検出部100eによって検出されるディップのパワーが小さくなるように、第1変調部100b及び第2変調部100cへ入力される入力信号の遅延量が調整される。そして、ディップ検出部100eによって検出されるディップのパワーが最小になるように遅延量が調整されることにより、第1変調部100b及び第2変調部100cから出力される2信号の遅延差がなくなり、光信号の劣化を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、第1変調部及び第2変調部それぞれによってデータ信号が重畳された変調信号のディップを検出する。そして、検出されたディップのパワーが小さくなるように、第1変調部及び第2変調部へ入力される信号の遅延量を調整する。このため、多値位相変調信号がRZ変調されなくても、多値位相変調時に合波される信号の遅延差を適切に制御し、光信号の劣化を抑制することができる。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。図3に示す光変調装置は、LD101、DQPSK変調部102、光カプラ103、PD104、直流成分除去部105、反転部106及びピーク検出部107を有している。また、図3に示す光変調装置は、シフト量決定部108、位相シフト部109a、109b、遅延付与部110a、110b及びドライバ111a、111bを有している。そして、DQPSK変調部102は、Iアーム変調部102a、Qアーム変調部102b及び移相部102cを含んでいる。また、直流成分除去部105、反転部106及びピーク検出部107は、本実施の形態に係るディップ検出部に含まれる。
LD101は、光源であり、所定波長の光を発する。DQPSK変調部102は、例えばマッハツェンダ型干渉計を備え、4値の位相変調を行う。すなわち、Iアーム変調部102aは、ドライバ111aから出力されるデータ信号を光に重畳し、2値の位相変調を行う。また、Qアーム変調部102bは、ドライバ111bから出力されるデータ信号を光に重畳し、2値の位相変調を行う。移相部102cは、Qアーム変調部102bによって位相変調された信号の位相をπ/2だけ移相する。そして、Iアーム変調部102aから出力される信号と移相部102cから出力される信号とが合波され、DQPSK変調信号が得られる。以下においては、Iアーム変調部102aを備えるアームをIアームといい、Qアーム変調部102b及び移相部102cを備えるアームをQアームという。
ここで、DQPSK変調部102において合波されるIアーム及びQアームの信号には、遅延差が生じていることがある。遅延差は、例えば光変調装置の製造時の誤差、温度変動又は経時変動などにより生じる。そして、DQPSK変調部102において合波される各アームの信号に遅延差が生じているとDQPSK変調信号が劣化し、DQPSK変調信号が送信される際の伝送性能が劣化する。また、各アームの信号に生じる遅延差によって、DQPSK変調信号のディップにおけるパワーが変化する。すなわち、遅延差が大きくなるほど、ディップにおけるパワーが大きくなってディップが浅くなる。
光カプラ103は、DQPSK変調信号を分岐し、分岐により得られた一方の信号を光信号として出力し、他方の信号をPD104へ出力する。PD104は、光カプラ103から出力された光信号を電気信号に変換する。
直流成分除去部105は、PD104によって得られる電気信号に含まれる直流成分を除去する。反転部106は、直流成分除去後の信号波形を反転させる。すなわち、反転部106は、多値位相変調信号の信号波形においてパワーが小さくなっているディップをパワーが大きいピークに変換する。ピーク検出部107は、反転部106から出力される信号波形からピークを検出し、検出したピークのパワーをシフト量決定部108へ通知する。
ここで、反転部106は、多値位相変調信号の信号波形を例えば図4に示すような信号波形に変換する。図4は、Iアーム及びQアームにおける遅延差が0ps及び4psの場合の反転後の信号波形を示す。図4に示すように、遅延差が0psの場合と遅延差が4psの場合とでは、ピークの高さが異なる。すなわち、上述したように、反転前の信号波形においては、各アームの信号の遅延差が大きいほどディップにおけるパワーが大きくなってディップが浅くなるため、反転後の信号波形においては、遅延差が大きいほどピークが低くなる。したがって、ピーク検出部107によって検出されるピークのパワーが大きくなるようにDQPSK変調部102への入力信号の遅延量を調整することにより、各アームにおける遅延差を0に近づけることができる。
そこで、シフト量決定部108は、ピーク検出部107によって検出されたピークのパワーに基づいて、位相シフト部109a、109bにおいてクロック信号の位相に与えるシフト量を決定する。すなわち、シフト量決定部108は、クロック信号の位相に与えるシフト量を変更することにより、DQPSK変調部102に入力されるデータ信号の遅延量を変化させる。このとき、シフト量決定部108は、ピーク検出部107によって検出されるピークのパワーが大きくなるようにシフト量を変更し、変更後のシフト量をそれぞれ位相シフト部109a、109bに通知する。
具体的には、図5に示すように、ピーク検出部107によって検出されるピークの高さは遅延差によって変動するが、遅延差が0になるとピークの高さが最大になる。また、図5を参照すると、遅延差が大きい場合には、遅延差が少しでも変化するとピークの高さも大きく変動するのに対し、遅延差が0に近い場合には、ピークの高さがあまり変動しないことがわかる。そこで、シフト量決定部108は、ピーク検出部107によって前回検出されたピークのパワーと今回検出されたピークのパワーとを比較することで遅延差が0に近づいているか否かを判断し、クロック信号の位相に与えるシフト量を変更する。
このとき、シフト量決定部108は、シフト量を所定幅ずつ変更し、ピーク検出部107によって検出されるピークのパワーが増加しているか否かを判断する。そして、シフト量決定部108は、ピークのパワーが増加していれば、引き続きシフト量を所定幅ずつ変更する。一方、シフト量決定部108は、ピークのパワーが減少すると、遅延差の制御方向が逆方向であると判断し、シフト量の変更を反転させる。
すなわち、シフト量決定部108は、例えば位相シフト部109aにおけるシフト量を位相シフト部109bにおけるシフト量に対して所定幅だけ大きくした結果、ピークのパワーが減少した場合には、位相シフト部109aにおけるシフト量を相対的に小さくする。このようにして、シフト量決定部108は、前回と今回のピークのパワーの変動が所定の閾値未満になるまでクロック信号のシフト量を変更し、DQPSK変調部102へ入力されるデータ信号の遅延量を変化させる。
位相シフト部109a、109bは、それぞれクロック信号の位相をシフト量決定部108によって決定されたシフト量だけシフトする。すなわち、位相シフト部109a、109bには、位相が一致した同一のクロック信号が供給されるが、位相シフト部109a、109bは、シフト量決定部108の決定に従って個別にクロック信号の位相をシフトする。
遅延付与部110a、110bは、それぞれ位相シフト部109a、109bによって位相がシフトされたクロック信号に従ってデータ信号に遅延を付与する。すなわち、遅延付与部110a、110bは、それぞれ独立したデータ信号に対して、異なる位相のクロック信号に基づく遅延を付与し、異なったタイミングでデータ信号を出力する。このとき、シフト量決定部108が決定するシフト量が最適になっていれば、遅延付与部110a、110bは、ドライバ111a、111bやDQPSK変調部102内の導波路において生じる遅延を相殺する遅延をあらかじめデータ信号に付与して出力することになる。
ドライバ111a、111bは、遅延付与部110a、110bによってそれぞれ遅延が付与されたデータ信号をDQPSK変調部102のIアーム変調部102a及びQアーム変調部102bへ出力する。このとき、ドライバ111a、111bは、例えば製造時の誤差などによって、それぞれ異なる遅延をデータ信号に与えることになる。ただし、本実施の形態においては、ドライバ111a、111bにおける遅延によって生じる遅延差を考慮した上で最適な遅延が遅延付与部110a、110bによってデータ信号にあらかじめ付与されている。
次いで、上記のように構成された光変調装置における遅延差制御方法について、図6に示すフロー図を参照しながら説明する。図6においては、ピーク検出部107によって前回検出されたピークのパワーから今回検出されたピークのパワーへの変動が所定の閾値以上であった場合の動作について説明する。なお、パワーの変動が所定の閾値未満である場合は、シフト量決定部108によって決定されたシフト量が既に最適となっており、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差は0に近いため、遅延差制御の必要はない。
前回と今回のピークのパワーの変動が所定の閾値以上である場合、シフト量決定部108によって、位相シフト部109a、109bに設定されるシフト量が変更されることにより、データ信号に与えられる遅延量が所定幅だけ変更される(ステップS101)。すなわち、シフト量決定部108によって、位相シフト部109a、109bに設定されたシフト量の差が変更されることにより、遅延付与部110a、110bにおいてデータ信号に付与される遅延の差が所定幅だけ変更される。このとき、シフト量決定部108は、ピーク検出部107によって検出されたピークのパワーを記憶しておく。
そして、データ信号がそれぞれ遅延付与部110a、110bに入力されると、所定幅だけ変更された後の遅延が付与されてドライバ111a、111bへ出力される。そして、データ信号は、ドライバ111a、111bによって、DQPSK変調部102のIアーム変調部102a及びQアーム変調部102bへ出力され、DQPSK変調が実行される(ステップS102)。具体的には、LD101から発せられた光にそれぞれデータ信号が重畳された後、Qアーム変調部102bにおいてデータ信号が重畳された光は、移相部102cによってπ/2移相される。これにより、Iアーム変調部102aでは光信号のI成分が生成され、Qアーム変調部102b及び移相部102cでは光信号のQ成分が生成されたことになる。これらのI成分及びQ成分は、DQPSK変調部102内で合波され、DQPSK変調信号が得られる。
DQPSK変調信号は、光カプラ103によって分岐され、一方の信号が光信号として出力される。この光信号は、例えば所定の送信処理などが施された後に送信される。また、他方の信号は、PD104へ出力され、PD104よって電気信号に変換される(ステップS103)。得られた電気信号は、直流成分除去部105によって直流成分が除去された後(ステップS104)、反転部106へ入力され、反転部106によって信号波形の反転が施される(ステップS105)。これにより、DQPSK変調信号の信号波形におけるディップがピークに変換されることになる。
上述したように、DQPSK変調信号の信号波形においてディップが深いほどDQPSK変調信号の各アームにおける遅延差は0に近いことになるため、反転後の信号波形については、ピークが高いほど遅延差が0に近いことになる。この特性を利用して遅延差を小さくするために、反転後の信号波形のピークがピーク検出部107によって検出される(ステップS106)。ピーク検出部107によって検出されたピークのパワーは、シフト量決定部108へ通知される。ここで通知されるピークのパワーは、DQPSK変調信号のディップの深さに対応しており、ピークのパワーが大きいほどDQPSK変調信号のディップが深いことを意味している。
そして、シフト量決定部108によって、ピーク検出部107から今回通知されたピークのパワーと前回通知されたピークのパワーとの変動が所定の閾値未満であるか否かが判定される(ステップS107)。すなわち、シフト量決定部108によって、既に記憶されている前回のピークのパワーと今回のピークのパワーとの差分が求められ、求められた差分が所定の閾値未満であるか否かが判定される。この結果、パワーの変動が所定の閾値未満である場合は(ステップS107Yes)、遅延差が十分に小さくなり、0に近くなったと判断され、遅延差の制御が終了する。
すなわち、既に図5を参照して説明したように、データ信号に付与する遅延量を調整してDQPSK変調部102における各アームの信号の遅延差を制御する場合、遅延差が0に近いか否かでピークのパワーの変動が異なる。具体的には、遅延差が0に近い場合は、遅延差の変化が微小であればピークのパワーはあまり変動しない。これに対して、遅延差が大きい場合は、遅延差の変化が微小であってもピークのパワーが大きく変動する。このため、前回のピークのパワーと今回のピークのパワーとの変動が所定の閾値未満である場合は、シフト量決定部108によって、遅延差が0に近くなったと判断される。
遅延差の制御が終了すると、現在位相シフト部109a、109bに設定されているシフト量が最適なシフト量として引き続き設定されることになる。これにより、DQPSK変調部102へ入力されるデータ信号には、遅延付与部110a、110bによって最適な遅延量が付与され、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差が十分に小さくなる。
一方、ピークのパワーの変動が所定の閾値以上である場合は(ステップS107No)、シフト量決定部108によって、ピークのパワーが前回よりも増加したか否かが判定される(ステップS108)。この結果、パワーが前回よりも増加していれば(ステップS108Yes)、遅延差の制御方向が適切であり、遅延差が0に近づいていると考えられるため、シフト量決定部108によって、前回と同様にデータ信号の遅延量が所定幅だけ変更される(ステップS101)。すなわち、例えば前回の遅延量の変更時に位相シフト部109aに設定されるシフト量のみを大きくしていた場合には、シフト量決定部108によって、今回も位相シフト部109aに設定されるシフト量のみがさらに大きい値に設定される。なお、シフト量の変更の方法は、必ずしも前回と完全に同一でなくても良く、データ信号の遅延差が前回と同じ方向に所定幅ずつ変更されれば良い。例えば上述した例のように前回の遅延量の変更時に位相シフト部109aに設定されるシフト量のみを大きくしていた場合、今回は位相シフト部109bに設定されるシフト量のみを小さくしても良い。
これに対して、ピークのパワーが前回よりも減少していれば(ステップS108No)、遅延差の制御方向が適切でないと考えられるため、シフト量決定部108によって、遅延差の制御方向が反転される(ステップS109)。そして、制御方向が反転された後に、シフト量決定部108によって、データ信号の遅延量が所定幅だけ変更される(ステップS101)。すなわち、例えば前回の遅延量の変更時に位相シフト部109aに設定されるシフト量のみを大きくしていた場合には、今回は位相シフト部109aに設定されるシフト量のみが小さい値に設定される。なお、この場合のシフト量の変更方法も、データ信号に付けられる遅延差が前回と反対の方向に所定幅ずつ変更されれば良い。例えば上述した例のように前回の遅延量の変更時に位相シフト部109aに設定されるシフト量のみを大きくしていた場合、今回は位相シフト部109bに設定されるシフト量のみを大きくしても良い。
以上のような遅延差の制御が繰り返され、前回と今回のピークのパワーの変動が所定の閾値未満になると、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差を十分に小さくするシフト量がシフト量決定部108によって決定される。そして、決定されたシフト量が位相シフト部109a、109bに設定されれば、遅延付与部110a、110bによってデータ信号の遅延量が調整され、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差が十分に小さくなる。これにより、DQPSK変調信号の劣化が抑制され、光信号を送信する光送信装置の伝送性能の劣化が抑制される。
具体的には、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差と光送信装置の伝送性能との間には、例えば図7に示すような関係がある。すなわち、遅延差が0psである場合には、伝送性能の劣化を示すQ値ペナルティも0dBであるが、例えば遅延差が8ps又は−8ps程度あると、Q値ペナルティが1dB程度となる。したがって、8ps程度の遅延差を0psにすることで、1dB程度の伝送性能の改善を図ることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、データ信号をDQPSK変調して得られるDQPSK変調信号の信号波形を反転した上でピークを検出し、ピークのパワーが最大になるようにDQPSK変調部へ入力されるデータ信号の遅延量を調整する。このため、装置の製造時の誤差や温度変動などを考慮した適切な遅延量をDQPSK変調部へ入力される2信号に付与することができ、DQPSK変調部の各アームにおける2信号の遅延差を十分に小さくして、光信号の劣化を抑制することができる。換言すれば、DQPSK変調信号がRZ変調されなくても、多値位相変調時に合波される信号の遅延差を適切に制御し、光信号の劣化を抑制することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、信号と参照電圧の比較により信号波形におけるディップを検出し、ディップの深さに対応する参照電圧に応じてデータ信号の遅延量を調整する。
図8は、本実施の形態に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。図8において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図8に示す光変調装置は、図3のシフト量決定部108に代えてシフト量決定部204を有するとともに、ディップ検出部の内部構成が図3とは異なっている。すなわち、本実施の形態に係るディップ検出部は、参照電圧供給部201、比較部202及びパワー検出部203を有している。
参照電圧供給部201は、初期状態では参照電圧を例えば0などの所定の初期値に設定した上で、この参照電圧を比較部202へ供給する。そして、参照電圧供給部201は、パワー検出部203から参照電圧を上昇させる旨の指示を受けると、参照電圧を上昇させて比較部202へ供給する。
比較部202は、PD104から出力される信号のパワーと参照電圧供給部201から供給される参照電圧とを比較し、比較結果をパワー検出部203へ出力する。具体的には、比較部202は、例えば論理回路やデジタルフリップフロップ(Digital Flip Flop)などを備え、信号パワーが参照電圧以上であれば1を出力し、信号パワーが参照電圧未満であれば0を出力する。
ここで、比較部202における信号パワーと参照電圧の比較の具体例について説明しておく。図9は、DQPSK変調部102の各アームにおける信号の遅延差が0ps及び4psの場合の比較部202へ入力される信号の信号波形を示す図である。
参照電圧供給部201から供給される参照電圧が例えば0などの初期値であるときには、遅延差が0ps及び4psのいずれの場合においても、図9に示すように、常に信号パワーが参照電圧以上である。したがって、比較部202は、図10(A)に示すように、遅延差が0ps及び4psのいずれの場合においても、入力信号の全区間にわたって1を出力する。
そして、参照電圧供給部201から供給される参照電圧が上昇し、例えば図9に示すV1になると、遅延差が0psの場合には、信号波形のディップにおける信号パワーが参照電圧未満となる。これに対して、遅延差が4psの場合には、信号波形のディップにおいても信号パワーが参照電圧以上である。したがって、比較部202は、図10(B)に示すように、遅延差が0psの場合には、入力信号の一部の区間において0を出力する。また、遅延差が4psの場合には、比較部202は、入力信号の全区間にわたって1を出力する。
さらに、参照電圧供給部201から供給される参照電圧が上昇し、例えば図9に示すV2になると、遅延差が0ps及び4psのいずれの場合においても、信号波形のディップにおける信号パワーが参照電圧未満となる。ただし、信号パワーが参照電圧未満となる区間は、遅延差が4psの場合よりも遅延差が0psの場合の方が長い。したがって、比較部202は、図10(C)に示すように、遅延差が0ps及び4psのいずれの場合においても、入力信号の一部の区間において0を出力する。そして、0が出力される区間の総量は、遅延差が4psの場合よりも遅延差が0psの場合の方が多い。
このように、参照電圧を徐々に上昇させることにより比較部202の出力が変化し、この出力の変化は、DQPSK変調信号のディップの深さを反映している。すなわち、DQPSK変調信号のディップが深い場合には、より小さい参照電圧で比較部202から0が出力される。また、参照電圧が同一であれば、遅延差が0に近いほど比較部202の出力が0である区間の総量が多くなる。したがって、遅延差が0に近いほど、比較部202の出力の平均パワーが小さくなる。
パワー検出部203は、比較部202の出力パワーを検出し、検出した出力パワーの平均値を求める。そして、パワー検出部203は、平均パワーと所定の閾値とを比較し、平均パワーが所定の閾値未満であれば、参照電圧供給部201に対して、参照電圧を上昇させる旨の指示を出す。このとき、パワー検出部203は、参照電圧供給部201が指示に従って比較部202へ供給する参照電圧の値を保持しておく。また、パワー検出部203は、平均パワーが所定の閾値以上である場合には、現時点で参照電圧供給部201から比較部202へ供給されている参照電圧をシフト量決定部204へ通知する。ここでパワー検出部203から通知される参照電圧は、比較部202へ入力される信号のディップにおける信号パワーに達する電圧であり、ディップの信号パワーを反映している。
シフト量決定部204は、パワー検出部203から通知される参照電圧に基づいて、位相シフト部109a、109bにおいてクロック信号の位相に与えるシフト量を決定する。すなわち、シフト量決定部204は、クロック信号の位相に与えるシフト量を変更することにより、DQPSK変調部102に入力されるデータ信号の遅延量を変化させる。このとき、シフト量決定部204は、パワー検出部203から通知される参照電圧が小さくなるようにシフト量を変更し、変更後のシフト量をそれぞれ位相シフト部109a、109bに通知する。
具体的には、上述したように、DQPSK変調信号のディップが深い場合には、より小さい参照電圧で比較部202から0が出力され、比較部202の出力の平均パワーが小さくなる。このため、DQPSK変調信号のディップが深い場合には、参照電圧が比較的早い段階で比較部202の平均パワーが所定の閾値未満となり、比較的小さい参照電圧がパワー検出部203からシフト量決定部204へ通知される。また、シフト量決定部204へ通知される参照電圧の大きさは遅延差によって変動するが、遅延差が大きい場合には、遅延差が少しでも変化すると通知される参照電圧も大きく変動するのに対し、遅延差が0に近い場合には、通知される参照電圧があまり変動しない。このため、シフト量決定部204は、パワー検出部203から前回通知された参照電圧と今回通知された参照電圧とを比較することで遅延差が0に近づいているか否かを判断し、クロック信号の位相に与えるシフト量を変更する。
このとき、シフト量決定部204は、シフト量を所定幅ずつ変更し、パワー検出部203から通知される参照電圧が減少しているか否かを判断する。そして、シフト量決定部204は、参照電圧が減少していれば、引き続きシフト量を所定幅ずつ変更する。一方、シフト量決定部204は、参照電圧が増加すると、遅延差の制御方向が逆方向であると判断し、シフト量の変更を反転させる。
すなわち、シフト量決定部204は、例えば位相シフト部109aにおけるシフト量を相対的に大きくした結果、通知される参照電圧が増加した場合には、位相シフト部109aにおけるシフト量を相対的に小さくする。このようにして、シフト量決定部204は、パワー検出部203から通知される参照電圧の変動が所定の閾値未満になるまでクロック信号のシフト量を変更し、DQPSK変調部102へ入力されるデータ信号の遅延量を変化させる。
次いで、上記のように構成された光変調装置における遅延差制御方法について、図11に示すフロー図を参照しながら説明する。図11において、図6と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。図11においては、パワー検出部203から前回通知された参照電圧から今回通知された参照電圧への変動が所定の閾値以上であった場合の動作について説明する。なお、参照電圧の変動が所定の閾値未満である場合は、シフト量決定部204によって決定されたシフト量が既に最適となっており、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差は0に近いため、遅延差制御の必要はない。
前回と今回の参照電圧の変動が所定の閾値以上である場合、シフト量決定部204によって、位相シフト部109a、109bに設定されるシフト量が変更されることにより、データ信号に与えられる遅延量が所定幅だけ変更される(ステップS101)。このとき、シフト量決定部204は、パワー検出部203から通知された参照電圧を記憶しておく。また、パワー検出部203から参照電圧が通知されると、参照電圧供給部201においては、参照電圧が初期化され例えば0などの初期値に戻される(ステップS201)。すなわち、本実施の形態においては、DQPSK変調部102における各アームの信号の遅延差が制御される度に参照電圧が初期化され、比較部202の出力の平均パワーを所定の閾値未満にする参照電圧が決定される。
一方、データ信号がそれぞれ遅延付与部110a、110bに入力されると、所定幅だけ変更された後の遅延が付与されてドライバ111a、111bへ出力される。そして、データ信号は、ドライバ111a、111bによって、DQPSK変調部102のIアーム変調部102a及びQアーム変調部102bへ出力され、DQPSK変調が実行される(ステップS102)。
DQPSK変調によって得られたDQPSK変調信号は、光カプラ103によって分岐され、一方の信号が光信号として出力される。この光信号は、例えば所定の送信処理などが施された後に送信される。また、他方の信号は、PD104へ出力され、PD104よって電気信号に変換される(ステップS103)。得られた電気信号は比較部202へ入力され、信号パワーと参照電圧供給部201から供給される参照電圧とが比較される(ステップS202)。そして、信号パワーが参照電圧以上の区間では、比較部202からパワー検出部203へ1が出力され、信号パワーが参照電圧未満の区間では、比較部202からパワー検出部203へ0が出力される。
比較部202のこれらの出力がパワー検出部203に入力されると、パワー検出部203によって比較部202の出力パワーが検出され(ステップS203)、信号の全区間における平均パワーが求められる。そして、パワー検出部203によって、平均パワーが所定の閾値未満であるか否かが判定される(ステップS204)。この判定の結果、平均パワーが所定の閾値以上である場合には(ステップS204No)、パワー検出部203によって、参照電圧を上昇させる旨の指示が出され、参照電圧供給部201から供給される参照電圧が上昇する(ステップS205)。すなわち、平均パワーが所定の閾値以上である場合には、比較部202から1が出力される区間が多く、参照電圧がディップにおける信号パワーに達していないことを意味するため、参照電圧供給部201は、参照電圧を上昇させる。
そして、比較部202によって、上昇した参照電圧と信号パワーとが再び比較される(ステップS202)。このようにして、比較部202の出力の平均パワーが所定の閾値未満になるまで参照電圧が上昇し、平均パワーが所定の閾値未満になると(ステップS204Yes)、この時点での参照電圧がパワー検出部203からシフト量決定部204へ通知される。
そして、シフト量決定部204によって、パワー検出部203から今回通知された参照電圧と前回通知された参照電圧との変動が所定の閾値未満であるか否かが判定される(ステップS206)。すなわち、シフト量決定部204によって、既に記憶されている前回の参照電圧と今回の参照電圧との差分が求められ、求められた差分が所定の閾値未満であるか否かが判定される。この結果、参照電圧の変動が所定の閾値未満である場合は(ステップS206Yes)、遅延差が十分に小さくなり、0に近くなったと判断され、遅延差の制御が終了する。
遅延差の制御が終了すると、現在位相シフト部109a、109bに設定されているシフト量が最適なシフト量として引き続き設定されることになる。これにより、DQPSK変調部102へ入力されるデータ信号には、遅延付与部110a、110bによって最適な遅延量が付与され、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差が十分に小さくなる。
一方、パワー検出部203から通知される参照電圧の変動が所定の閾値以上である場合は(ステップS206No)、シフト量決定部204によって、通知された参照電圧が前回よりも減少したか否かが判定される(ステップS207)。この結果、参照電圧が前回よりも減少していれば(ステップS207Yes)、遅延差の制御方向が適切であり、遅延差が0に近づいていると考えられるため、シフト量決定部204によって、前回と同様にデータ信号の遅延量が所定幅だけ変更される(ステップS101)。
これに対して、パワー検出部203から通知される参照電圧が前回よりも増加していれば(ステップS207No)、遅延差の制御方向が適切でないと考えられるため、シフト量決定部204によって、遅延差の制御方向が反転される(ステップS109)。そして、制御方向が反転された後に、シフト量決定部204によって、データ信号の遅延量が所定幅だけ変更される(ステップS101)。
以上のような遅延差の制御が繰り返され、パワー検出部203から通知される参照電圧の変動が所定の閾値未満になると、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差を十分に小さくするシフト量がシフト量決定部204によって決定される。そして、決定されたシフト量が位相シフト部109a、109bに設定されれば、遅延付与部110a、110bによってデータ信号の遅延量が調整され、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差が十分に小さくなる。これにより、DQPSK変調信号の劣化が抑制され、光信号を送信する光送信装置の伝送性能の劣化が抑制される。
以上のように、本実施の形態によれば、データ信号をDQPSK変調して得られるDQPSK変調信号の信号波形と比較する参照電圧を上昇させながら、信号波形のディップにおける信号パワーに対応する参照電圧を求める。そして、ディップにおける信号パワーに対応する参照電圧が小さくなるようにDQPSK変調部へ入力されるデータ信号の遅延量を調整する。このため、装置の製造時の誤差や温度変動などを考慮した適切な遅延量をDQPSK変調部へ入力される2信号に付与することができ、DQPSK変調部の各アームにおける2信号の遅延差を十分に小さくして、光信号の劣化を抑制することができる。換言すれば、DQPSK変調信号がRZ変調されなくても、多値位相変調時に合波される信号の遅延差を適切に制御し、光信号の劣化を抑制することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、DQPSK変調信号の信号パワーを用いてピークのパワーを補正することにより、光源の出力パワーの変動などの影響を除去する。
図12は、本実施の形態に係る光変調装置の構成を示すブロック図である。図12において、図3と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図12に示す光変調装置は、図3のシフト量決定部108に代えてシフト量決定部302を有するとともに、信号パワー検出部301を追加した構成を有している。
信号パワー検出部301は、PD104から出力される信号の信号パワーを検出する。本実施の形態においては、実施の形態2と同様に、多値位相変調信号の信号波形を反転した上でピークを検出するが、ピークのパワーは、例えばLD101の出力パワーやDQPSK変調部102における駆動振幅などの外部因子の変動によっても変化する。そして、これらの外部因子の変動は、PD104から出力される信号に反映されている。したがって、信号パワー検出部301は、外部因子の変動による影響を除去する際の基準となる信号パワーを検出する。
シフト量決定部302は、ピーク検出部107によって検出されたピークのパワーに基づいて、位相シフト部109a、109bにおいてクロック信号の位相に与えるシフト量を決定する。すなわち、シフト量決定部302は、クロック信号の位相に与えるシフト量を変更することにより、DQPSK変調部102に入力されるデータ信号の遅延量を変化させる。このとき、シフト量決定部302は、信号パワー検出部301によって検出される信号パワーを用いて、ピーク検出部107によって検出されるピークのパワーを補正する。そして、シフト量決定部302は、補正後のピークのパワーが大きくなるようにシフト量を変更し、変更後のシフト量をそれぞれ位相シフト部109a、109bに通知する。このように、信号パワーを用いてピークのパワーを補正する点を除けば、シフト量決定部302は、実施の形態2のシフト量決定部108と同様にシフト量を決定する。
次いで、上記のように構成された光変調装置における遅延差制御方法について、図13に示すフロー図を参照しながら説明する。図13において、図6と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。図13においては、ピーク検出部107によって前回検出されたピークのパワーから今回検出されたピークのパワーへの変動が所定の閾値以上であった場合の動作について説明する。なお、パワーの変動が所定の閾値未満である場合は、シフト量決定部302によって決定されたシフト量が既に最適となっており、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差は0に近いため、遅延差制御の必要はない。
前回と今回のピークのパワーの変動が所定の閾値以上である場合、シフト量決定部302によって、位相シフト部109a、109bに設定されるシフト量が変更されることにより、データ信号に与えられる遅延量が所定幅だけ変更される(ステップS101)。このとき、シフト量決定部108は、ピーク検出部107によって検出されたピークのパワーを記憶しておく。
そして、データ信号がそれぞれ遅延付与部110a、110bに入力されると、所定幅だけ変更された後の遅延が付与されてドライバ111a、111bへ出力される。そして、データ信号は、ドライバ111a、111bによって、DQPSK変調部102のIアーム変調部102a及びQアーム変調部102bへ出力され、DQPSK変調が実行される(ステップS102)。
DQPSK変調により得られたDQPSK変調信号は、光カプラ103によって分岐され、一方の信号が光信号として出力される。この光信号は、例えば所定の送信処理などが施された後に送信される。また、他方の信号は、PD104へ出力され、PD104よって電気信号に変換される(ステップS103)。得られた電気信号は、直流成分除去部105によって直流成分が除去された後(ステップS104)、反転部106へ入力され、反転部106によって信号波形の反転が施される(ステップS105)。そして、反転後の信号波形は、ピーク検出部107に入力され、ピーク検出部107によって信号波形のピークが検出される(ステップS106)。ピーク検出部107によって検出されたピークのパワーは、シフト量決定部302へ通知される。
一方、PD104によって得られた電気信号は、信号パワー検出部301にも入力され、信号パワーが検出される。ここで検出される信号パワーは、LD101の出力パワーやDQPSK変調部102における駆動振幅などの外部因子の変動を反映している。そこで、シフト量決定部302によって、信号パワー検出部301によって検出された信号パワーが用いられることにより、ピークのパワーが補正される(ステップS301)。換言すれば、シフト量決定部302によって、ピークのパワーが正規化され、DQPSK変調部102の各アームにおける遅延差以外の影響を排除したピークのパワーが得られる。
そして、シフト量決定部302によって、今回の補正後のピークのパワーと前回の補正後のピークのパワーとの変動が所定の閾値未満であるか否かが判定される(ステップS107)。この結果、パワーの変動が所定の閾値未満である場合は(ステップS107Yes)、遅延差が十分に小さくなり、0に近くなったと判断され、遅延差の制御が終了する。遅延差の制御が終了すると、現在位相シフト部109a、109bに設定されているシフト量が最適なシフト量として引き続き設定されることになる。これにより、DQPSK変調部102へ入力されるデータ信号には、遅延付与部110a、110bによって最適な遅延量が付与され、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差が十分に小さくなる。
一方、ピークのパワーの変動が所定の閾値以上である場合は(ステップS107No)、シフト量決定部302によって、ピークのパワーが前回よりも増加したか否かが判定される(ステップS108)。この結果、パワーが前回よりも増加していれば(ステップS108Yes)、遅延差の制御方向が適切であり、遅延差が0に近づいていると考えられるため、シフト量決定部302によって、前回と同様にデータ信号の遅延量が所定幅だけ変更される(ステップS101)。
これに対して、ピークのパワーが前回よりも減少していれば(ステップS108No)、遅延差の制御方向が適切でないと考えられるため、シフト量決定部302によって、遅延差の制御方向が反転される(ステップS109)。そして、制御方向が反転された後に、シフト量決定部302によって、データ信号の遅延量が所定幅だけ変更される(ステップS101)。
以上のような遅延差の制御が繰り返され、前回と今回の補正後のピークのパワーの変動が所定の閾値未満になると、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差を十分に小さくするシフト量がシフト量決定部302によって決定される。そして、決定されたシフト量が位相シフト部109a、109bに設定されれば、遅延付与部110a、110bによってデータ信号の遅延量が調整され、DQPSK変調部102の各アームにおける2信号の遅延差が十分に小さくなる。これにより、DQPSK変調信号の劣化が抑制され、光信号を送信する光送信装置の伝送性能の劣化が抑制される。
以上のように、本実施の形態によれば、データ信号をDQPSK変調して得られるDQPSK変調信号の信号波形を反転した上でピークを検出し、検出したピークのパワーをDQPSK変調信号の信号パワーによって補正する。そして、補正後のピークのパワーが最大になるようにDQPSK変調部へ入力されるデータ信号の遅延量を調整する。このため、装置の製造時の誤差や温度変動などを考慮した適切な遅延量をDQPSK変調部へ入力される2信号に付与することができ、DQPSK変調部の各アームにおける2信号の遅延差を十分に小さくして、光信号の劣化を抑制することができる。換言すれば、DQPSK変調信号がRZ変調されなくても、多値位相変調時に合波される信号の遅延差を適切に制御し、光信号の劣化を抑制することができる。
また、DQPSK変調信号の信号パワーを用いてピークのパワーを補正するため、例えば光源の出力パワーなどの外部因子の変動の影響を除去し、正確に遅延差を制御することができる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態1〜4においては、多値位相変調された信号を光カプラによって分岐し、分岐された信号のディップを検出するものとしたが、位相共役光を用いることもできる。すなわち、信号の多値位相変調にマッハツェンダ型の干渉計が用いられる場合には、変調信号とともに位相共役光が出力される。そこで、変調信号の変わりに位相共役光からディップを検出し、遅延差を制御することも可能である。
図14は、位相共役光を用いる光変調装置の構成を示すブロック図である。この光変調装置には、PD401が備えられており、PD401によってDQPSK変調部102から出力される位相共役光が検出される。位相共役光は、DQPSK変調部102から出力されるDQPSK変調信号と位相共役であるため、位相共役光において検出されるディップは、DQPSK変調信号において検出されるディップと同等である。このため、図14に示す光変調装置は、位相共役光から直流成分を除去して反転した上で、ピークを検出し、検出されたピークのパワーに応じてDQPSK変調部102へ入力される信号の遅延量を調整する。
このように、位相共役光を用いることにより、DQPSK変調信号が光カプラを経由することによって生じる劣化を防止することが可能である。したがって、DQPSK変調によって得られる光信号を送信する場合に、伝送性能の劣化を抑制することができる。
また、上記各実施の形態1〜4においては、多値位相変調後にRZ変調を行わない光変調装置について説明したが、多値位相変調後にRZ変調を行うことも可能である。すなわち、変調信号が光カプラによって分岐された後、分岐された一方の信号からディップが検出されるのに対し、他方の信号がRZ変調されるようにしても良い。
図15は、RZ変調部を備えた光変調装置の構成をブロック図である。この光変調装置には、RZ変調部501が備えられており、RZ変調部501によってDQPSK変調信号がRZ変調される。そして、RZ変調して得られた光信号がRZ変調部501から出力される。また、DQPSK変調部102とRZ変調部501の間には、光カプラ103が設けられており、分岐された信号のディップが検出されてDQPSK変調部102へ入力される2信号の遅延量が調整される。
また、上記各実施の形態2〜4においては、クロック信号の位相をシフトすることにより、交番信号に所望の遅延を付与することとしたが、遅延量の調整方法は、これに限定されない。すなわち、ピークのパワーや参照電圧に基づいて、直接的にデータ信号の位相をシフトして所望の遅延を付与しても良い。
さらに、上記各実施の形態2〜4においては、多値位相変調の例としてDQPSK変調を行うものとしたが、他の多値位相変調が行われる場合にも、多値位相変調信号の信号波形から検出されるディップに基づいて遅延差を制御することは可能である。また、多値位相変調される場合に限らず、例えば偏波多重方式などにおいて複数の偏波成分が合波される場合にも、複数の偏波成分の遅延差をディップに基づいて制御することが可能である。要するに、複数の信号成分が合波される場合に、合波されて得られる光信号の信号波形におけるディップを検出し、ディップが深くなるように複数の信号成分の遅延量を調整することにより、複数の信号成分の遅延差を小さくすることができる。
以上の各実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)入力信号を用いて光源が発する光源光を変調する第1変調部と、
前記第1変調部に入力される入力信号とは異なる入力信号を用いて前記光源光を変調する第2変調部と、
前記第1変調部及び前記第2変調部によって前記光源光が変調されて得られた変調信号を合成する合成部と、
前記合成部によって合成されて得られた合成信号の信号波形においてパワーが所定値以下となるディップを検出する検出部と、
前記検出部によって検出されたディップのパワーに基づいて前記第1変調部及び前記第2変調部へ入力される入力信号の遅延量を調整する調整部と、
を有することを特徴とする光変調装置。
(付記2)前記検出部は、
前記合成信号の信号波形においてパワーが最小となるディップを検出することを特徴とする付記1記載の光変調装置。
(付記3)前記検出部は、
合成信号の信号波形を反転する反転部と、
前記反転部によって反転された信号波形のピークを検出するピーク検出部と、
を含むことを特徴とする付記1記載の光変調装置。
(付記4)前記検出部は、
合成信号のパワーと参照電圧とを比較する比較部と、
前記比較部による比較の結果、合成信号のパワーが参照電圧以上である場合に前記比較部へ供給される参照電圧を上昇させる供給部と、
前記比較部による比較の結果、合成信号のパワーが参照電圧未満である場合に、合成信号のパワーと比較された参照電圧をディップのパワーの指標値として前記調整部へ通知する通知部と、
を含むことを特徴とする付記1記載の光変調装置。
(付記5)合成信号の信号パワーを検出する信号パワー検出部をさらに有し、
前記調整部は、
前記信号パワー検出部によって検出された信号パワーを用いて、前記検出部によって検出されたディップのパワーを補正し、補正後のディップのパワーに基づいて入力信号の遅延量を調整することを特徴とする付記1記載の光変調装置。
(付記6)前記検出部は、
前記合成部によって変調信号が合成される際に出力される位相共役光であって合成信号と位相共役の位相共役光からディップを検出することを特徴とする付記1記載の光変調装置。
(付記7)前記合成部によって合成されて得られた合成信号をRZ(Return to Zero)変調するRZ変調部をさらに備え、
前記検出部は、
前記RZ変調部によってRZ変調される前の合成信号からディップを検出することを特徴とする付記1記載の光変調装置。
(付記8)前記調整部は、
前記第1変調部及び前記第2変調部それぞれへ入力される入力信号の遅延差を所定幅ずつ変更する制御を行うことを特徴とする付記1記載の光変調装置。
(付記9)前記調整部は、
前記検出部によって前回検出されたディップのパワーと今回検出されたディップのパワーとの変動が所定の閾値未満である場合は、前記遅延差の制御を終了することを特徴とする付記8記載の光変調装置。
(付記10)前記調整部は、
前記遅延差を所定幅変更した結果、前記検出部によって検出されるディップのパワーが増大した場合に、前記遅延差の制御方向を反転することを特徴とする付記8記載の光変調装置。
(付記11)前記調整部は、
前記検出部によって検出されたディップのパワーに基づいて、クロック信号に対する2つの異なるシフト量を決定する決定部と、
前記決定部によって決定されたそれぞれのシフト量だけクロック信号の位相をシフトするシフト部と、
前記シフト部によって位相がシフトされたクロック信号をそれぞれ基準として、前記第1変調部及び前記第2変調部へ入力される入力信号に遅延を付与する付与部と、
を含むことを特徴とする付記1記載の光変調装置。
(付記12)第1変調部及び第2変調部を備える変調部へ入力される入力信号を用いて光源が発する光源光を前記第1変調部において変調する第1変調ステップと、
前記第1変調部に入力される入力信号とは異なる入力信号を用いて前記光源光を前記第2変調部において変調する第2変調ステップと、
前記第1変調ステップ及び前記第2変調ステップにて前記光源光が変調されて得られた変調信号を合成する合成ステップと、
前記合成ステップにて合成されて得られた合成信号の信号波形においてパワーが所定値以下となるディップを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて検出されたディップのパワーに基づいて前記第1変調部及び前記第2変調部へ入力される入力信号の遅延量を調整する調整ステップと、
を有することを特徴とする光変調方法。
100a、101 LD
100b 第1変調部
100c 第2変調部
100d、103 光カプラ
100e ディップ検出部
100f 遅延量調整部
102 DQPSK変調部
102a Iアーム変調部
102b Qアーム変調部
102c 移相部
104、401 PD
105 直流成分除去部
106 反転部
107 ピーク検出部
108、204、302 シフト量決定部
109a、109b 位相シフト部
110a、110b 遅延付与部
111a、111b ドライバ
201 参照電圧供給部
202 比較部
203 パワー検出部
301 信号パワー検出部
501 RZ変調部

Claims (10)

  1. 入力信号を用いて光源が発する光源光を変調する第1変調部と、
    前記第1変調部に入力される入力信号とは異なる入力信号を用いて前記光源光を変調する第2変調部と、
    前記第1変調部及び前記第2変調部によって前記光源光が変調されて得られた変調信号を合成する合成部と、
    前記合成部によって合成されて得られた合成信号の信号波形においてパワーが所定値以下となるディップを検出する検出部と、
    前記検出部によって検出されたディップのパワーが小さくなるように前記第1変調部及び前記第2変調部へ入力される入力信号の遅延量を調整する調整部と、
    を有することを特徴とする光変調装置。
  2. 前記検出部は、
    合成信号の信号波形を反転する反転部と、
    前記反転部によって反転された信号波形のピークを検出するピーク検出部と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載の光変調装置。
  3. 前記検出部は、
    合成信号のパワーと参照電圧とを比較する比較部と、
    前記比較部による比較の結果、合成信号のパワーが参照電圧以上である場合に前記比較部へ供給される参照電圧を上昇させる供給部と、
    前記比較部による比較の結果、合成信号のパワーが参照電圧未満である場合に、合成信号のパワーと比較された参照電圧をディップのパワーの指標値として前記調整部へ通知する通知部と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載の光変調装置。
  4. 合成信号の信号パワーを検出する信号パワー検出部をさらに有し、
    前記調整部は、
    前記信号パワー検出部によって検出された信号パワーを用いて、前記検出部によって検出されたディップのパワーを補正し、補正後のディップのパワーが小さくなるように入力信号の遅延量を調整することを特徴とする請求項1記載の光変調装置。
  5. 前記検出部は、
    前記合成部によって変調信号が合成される際に出力される位相共役光であって合成信号と位相共役の位相共役光からディップを検出することを特徴とする請求項1記載の光変調装置。
  6. 前記合成部によって合成されて得られた合成信号をRZ(Return to Zero)変調するRZ変調部をさらに備え、
    前記検出部は、
    前記RZ変調部によってRZ変調される前の合成信号からディップを検出することを特徴とする請求項1記載の光変調装置。
  7. 前記調整部は、
    前記第1変調部及び前記第2変調部それぞれへ入力される入力信号の遅延差を所定幅ずつ変更する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の光変調装置。
  8. 前記調整部は、
    前記検出部によって前回検出されたディップのパワーと今回検出されたディップのパワーとの変動が所定の閾値未満である場合は、前記遅延差の制御を終了することを特徴とする請求項7記載の光変調装置。
  9. 前記調整部は、
    前記遅延差を所定幅変更した結果、前記検出部によって検出されるディップのパワーが増大した場合に、前記遅延差の制御方向を反転することを特徴とする請求項7記載の光変調装置。
  10. 第1変調部及び第2変調部を備える変調部へ入力される入力信号を用いて光源が発する光源光を前記第1変調部において変調する第1変調ステップと、
    前記第1変調部に入力される入力信号とは異なる入力信号を用いて前記光源光を前記第2変調部において変調する第2変調ステップと、
    前記第1変調ステップ及び前記第2変調ステップにて前記光源光が変調されて得られた変調信号を合成する合成ステップと、
    前記合成ステップにて合成されて得られた合成信号の信号波形においてパワーが所定値以下となるディップを検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにて検出されたディップのパワーが小さくなるように前記第1変調部及び前記第2変調部へ入力される入力信号の遅延量を調整する調整ステップと、
    を有することを特徴とする光変調方法。
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