<第1の実施形態>
以下、図1〜図29を参照しつつ、本発明の遊技機の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、3つの普通入賞口14、第1ゲート15、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、第1大入賞口13、1つの普通入賞口14、第2ゲート16、上記電動チューリップ17、及び第2大入賞口19が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口13、普通入賞口14、及び第2大入賞口19のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動領域としての第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動領域としての第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第1大入賞口13の開口部には、第1大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。第1大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて第1大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、第1大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は第1大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第1大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞される長開放ラウンド遊技が所定回数実行される。
第2大入賞口19は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第2大入賞口19の開口部には、図1に例示されるように、第2大入賞口19を開閉する羽根部材が設けられている。第2大入賞口19は、通常はこの羽根部材によって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記羽根部材を作動させて第2大入賞口19を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、第2大入賞口19への9個の遊技球の入賞、又は第2大入賞口19が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞される長開放ラウンド遊技が所定回数実行される。
このように、大当たり遊技中には第1大入賞口13又は第2大入賞口19が長開放されるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
なお、後に詳述するが、第1大入賞口13及び第2大入賞口19のどちらの大入賞口を用いて大当たり遊技を行うかは、大当たりの種類に応じて予め設定されている。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15又は第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、第1ゲート15又は第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1又は図2に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、可動役物7、スピーカ24、盤ランプ25、及び回転演出装置38,39が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37(図12参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。液晶表示装置5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留表示画像(保留アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、内蔵された発光素子(例えばLED)を発光させながら回転することによって各種の演出を行う。盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。回転演出装置38,39は、内蔵された発光素子と発光素子の周辺を回転する回転体とによって各種の演出を行う。スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が入力操作を行う入力手段(操作手段)として、演出ボタン26及び十字キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンであって、決定操作などに使用される。十字キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第1特別図柄保留表示器42、第2特別図柄表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、及び、普通図柄保留表示器46などを有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器43は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器43には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器42は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[入力手段を用いた演出]
次に、入力手段(本実施形態では演出ボタン26)に対する操作入力が行われたことに応じて演出変化を生じさせる演出(操作演出)について説明する。まず、図4及び図5を参照して、パチンコ遊技機1において行われる操作演出の例を説明する。
図4は、特別図柄の変動表示中に行われる操作演出の一例を示す図である。図4に示す操作演出は、いわゆるセリフ予告演出であり、遊技者の入力に応じてキャラクタがセリフを話す演出である。図4に示すように、特別図柄の変動中においては、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄51が変動表示される。すなわち、例えば第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始され、これに伴い、液晶表示装置5に3列表示された装飾図柄が上から下にスクロールするように、装飾図柄の変動表示が開始される。なお、図4では、装飾図柄の変動表示中であることを表す意図で、装飾図柄の枠のみを示している(図5以降においても同様)。
変動中に行われる演出の演出パターンは変動開始時に演出乱数を用いて決定され(後述する図25のステップS104参照)、その結果、所定の確率でセリフ予告演出が行われる。このとき、特別図柄の変動表示が開始されてから所定の時間が経過したタイミングで、セリフ予告演出の実行が開始される。セリフ予告演出の内容は任意であるが、第1の実施形態においては、図4に示すように、セリフ予告演出に関する画像として、いわゆるセリフ枠内にキャラクタ画像52が表示され、さらに、第1ボタン画像53が表示される。第1ボタン画像53は、演出ボタン26に対する入力を遊技者に促すものである。したがって、第1ボタン画像53が表示される期間(後述する操作選択画面が表示される期間を除く)が、演出ボタン26に対する入力が有効となる期間(有効期間)となる。
有効期間において演出ボタン26に対する入力が行われると、入力に応じて行われる結果演出として、キャラクタ画像52に対して演出変化を生じさせる演出が行われる。図4に示す場合においては、キャラクタが所定のセリフを話す演出が行われる。すなわち、セリフの内容を示す文言がキャラクタ画像52の右側に表示され、そのセリフの音声がスピーカ24から出力される。つまり、第1ボタン画像53の有効期間中に演出ボタン26への操作が行われると、キャラクタがセリフを話す演出が行われる。
図4に示すセリフ予告演出における結果演出は、当該変動(現時点で変動表示が行われている変動)における特別図柄判定の判定結果を示唆するものであり、大当たりに対する信頼度を示唆する。すなわち、大当たりに対する信頼度が相対的に高い場合と低い場合とでは、有効期間内に演出ボタン26が操作された場合に出力されるセリフが異なるものとなる。なお、結果演出の内容は任意であり、例えば、キャラクタ画像52及び第1ボタン画像53を囲むセリフ枠の色等が変化する結果演出が行われてもよい。
液晶表示装置5の表示画面には、第1保留アイコン表示領域50a及び第2保留アイコン表示領域50bが設けられている。第1保留アイコン表示領域50aは、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコン(特1保留アイコン55)を表示する領域である。この第1保留アイコン表示領域50aには、第1特別図柄保留表示器43が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の特1保留アイコン55が表示される。
第2保留アイコン表示領域50bは、第2特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコン(特2保留アイコン)(不図示)を表示する領域である。この第2保留アイコン表示領域50bには、第2特別図柄保留表示器44が示す第2特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
図4には、第1特別図柄判定の保留数が「2」であることを示唆するために第1保留アイコン表示領域50aに2個の保留アイコン55が表示されると共に、第2特別図柄判定の保留数が「0」であることを示唆するために第2保留アイコン表示領域50bに保留アイコンが表示されていない状態が例示されている。
なお、液晶画面には、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像55aを表示する表示領域として、当該領域54が設けられている。
パチンコ遊技機1では、保留されている第1特別図柄判定の権利が消化されて図柄の変動表示が開始されるに際して、第1保留アイコン表示領域50aに表示されている特1保留アイコン55の中で最初に表示された保留アイコン55(当該領域54に最も近い保留アイコン)が第1保留アイコン表示領域50aから当該領域54に移動される。そして、第1保留アイコン表示領域50aに他の特1保留アイコン55が表示されている場合には、他の特1保留アイコン55は、第1保留アイコン表示領域50a内において、当該領域54側に表示位置がシフトされる。例えば図4に例示されるように第1保留アイコン表示領域50aに2個の特1保留アイコン55が表示された状態で第1特別図柄判定が消化される場合には、これらの特1保留アイコン55のうちの一番右側に位置する特1保留アイコン55が第1保留アイコン表示領域50aから当該領域54に移動されると共に、残り1つの特1保留アイコン55が第1保留アイコン表示領域50a内において表示位置が右側にシフトされる。その結果、第1保留アイコン表示領域50aに表示される特1保留アイコン55の数が1つとなり、保留されている第1特別図柄判定の権利が1つになったことが遊技者に報知されることになる。
なお、このようなシフト処理は、当該領域54の右側に設けられている第2保留アイコン表示領域50bに表示されている特2保留アイコンについても同様に行われる。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とが両方保留されている場合、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。このため、第1保留アイコン表示領域50aに表示されている特1保留アイコン55に対するシフト処理よりも第2保留アイコン表示領域50bに表示されている特2保留アイコンに対するシフト処理が優先して行われる。すなわち、第1保留アイコン表示領域50aに表示されている特1保留アイコン55に対するシフト処理は、第2保留アイコン表示領域50bに表示されている特2保留アイコンがなくなってから行われる。
図5は、特別図柄の変動表示中において保留数が増加したことに応じて行われる操作演出の一例を示す図である。図5に示す操作演出は、遊技者の入力に応じて保留アイコンの表示形態が変化する演出(「保留変化演出」と呼ぶ)である。特別図柄の変動表示中において保留数(図5では、第1特別図柄判定の保留数)が増加した場合、特1保留アイコン55が追加して液晶表示装置5に表示される。ここで、第1の実施形態においては、特1保留アイコン55が追加される場合、一定条件下で保留変化演出が行われる場合がある。具体的には、第1特別図柄判定の保留数が増加した場合、特1保留アイコン55が追加され、所定時間が経過した後、追加された特1保留アイコンに重ねて第2ボタン画像56が表示される。第2ボタン画像56も第1ボタン画像53と同様、演出ボタン26に対する入力を遊技者に促すものである。したがって、第2ボタン画像56が表示される期間(後述する操作選択画面が表示される期間を除く)も、演出ボタン26に対する入力が有効となる期間(有効期間)となる。
有効期間において演出ボタン26に対する入力が行われると、入力に応じて行われる結果演出として、第2ボタン画像56が重ねて表示される特1保留アイコン55に対して演出変化を生じさせる演出が行われる。具体的には、図5に示す場合には、結果演出として、第2ボタン画像56が重ねて表示される特1保留アイコン55の表示形態(色や形状等)を変化させる演出が行われる。つまり、第2ボタン画像56に対応する有効期間中に演出ボタン26への操作が行われると、通常の保留アイコンとは表示形態が異なる保留アイコンが表示される。
図5に示す保留変化演出における結果演出は、第2ボタン画像56が重ねて表示された特1保留アイコン55に対応する第1特別図柄判定の判定結果を示唆するものである。具体的には、特1保留アイコン55は、白色で表示されていたのが演出ボタン26の操作に応じて複数種類の色(例えば青、緑、赤)のいずれかに変化する。このように、図5に示す保留変化演出における結果演出としては、特1保留アイコン55を、大当たりに対する信頼度を示唆する表示態様に変化させる演出が行われる。
なお、上記においては、第1特別図柄判定の保留数が増加する場合に、第1保留アイコン55に関して保留変化演出が行われる場合を説明したが、第2特別図柄判定の保留数が増加する場合にも第1特別図柄判定の保留数が増加する場合と同様の方法で、第2保留アイコン55に関して保留変化演出が行われる。つまり、第2保留アイコンが増加する場合に一定条件下で第2ボタン画像が表示され、有効期間中に演出ボタン26に対する入力が行われると、第2保留アイコンの表示形態が変化する結果演出が行われる。
以上のように、第1の実施形態においては、上記の2種類の操作演出(セリフ予告演出及び保留変化演出)が行われる。以下では、図4に基づいて上述した図柄の変動開始に起因して行われるセリフ予告演出における入力の有効期間を「第1有効期間」と呼ぶ。また、図5に基づいて上述した特別図柄判定が保留されたことに起因して行われる保留変化演出における入力の有効期間を「第2有効期間」と呼ぶ。
[有効期間が重複する場合の演出]
次に、図6〜図10を参照して、上記2種類の有効期間が重複する場合に行われる演出について説明する。図6は、第1有効期間と第2有効期間とが重複する例を示す図である。図7は、第1有効期間と第2有効期間とが重複する場合における演出の具体例を示す図である。
図6は、図柄の変動中において保留数が増加した結果、第1有効期間と第2有効期間とが重複する状況を示している。変動中に行われる演出の演出パターンは変動開始時に決定されるが、図6においては、その際、セリフ予告演出を含む演出が行われることが決定される。また、図6は、上記変動中においてセリフ予告演出が開始される前に保留数が増加し、保留数の増加に応じて、(後述する事前判定処理(図18のステップS218参照)に基づいて)保留変化演出が行われることが決定された場合を示している。このように、セリフ予告演出が行われる変動中において保留変化演出も行われる場合、図6に示すように、第1有効期間と第2有効期間とが重複することがあり得る。なお、セリフ予告演出と保留変化演出とは互いに異なる条件で発生し、第1有効期間と第2有効期間は互いに独立したタイミングで設定される。そのため、2種類の有効期間の重複は、遊技機の設計者が重複を意図して設計する場合に限らず、設計者の意図に反して発生することも考えられる。
ここで、上記のように2種類の有効期間が重複する状況において、重複している期間に演出ボタン26に対する入力が行われた場合、セリフ予告演出及び保留変化演出の両方における結果演出を実行することも考えられる。しかし、保留変化演出の結果演出のみを見たい場合(あるいは、逆にセリフ予告演出の結果演出のみを見たい場合)のように、いずれか一方の結果演出のみを遊技者が望む場合も考えられる。そのため、演出ボタン26に対する単一の(1回の)入力によって両方の結果演出を実行してしまうとすれば、遊技者の意図に沿わない演出が行われることとなる。また、2種類の操作演出における結果演出が表示画面上で重なる場合には、それぞれの結果演出の視認性が低下する(或いは、遊技者が見たいと望む結果演出の視認性が、見たくない方の結果演出によって低下する)こともある。以上より、2種類の有効期間が重複する場合に両方の結果演出を実行してしまうと、演出の興趣性を下げる結果となるおそれがある。
そこで、本実施形態においては、2種類の有効期間が重複する場合には、入力に応じてどちらの結果演出を実行するかを、遊技者に事前に選択させる構成を採用する。具体的には、2種類の有効期間が重複する場合には、第1有効期間及び第2有効期間のうちの先に始まる方の有効期間の始期よりも前のタイミングで、操作選択画面を表示し(図6参照)、操作選択画面を用いて、いずれか一方の操作演出を遊技者に選択させる。そして、遊技者が選択しなかった方の操作演出に関しては、有効期間を無効にする(キャンセルする)処理が行われる。これによれば、遊技者は、2種類の有効期間が重複する場合であっても、所望の結果演出のみを見ることができる。つまり、本実施形態によれば、遊技者が望まない結果演出を見せないようにすることができるので、結果として操作演出の演出効果を向上することができる。
以下、2種類の有効期間が重複する場合に実行される演出を具体的に説明する。なお、以下では、図6と同様の状況が生じる場合を例として説明する。まず、第1始動口11に遊技球が入賞すると、上述のように、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、装飾図柄の変動表示が開始される(図7(S−A)参照)。このとき、図6に示す例では、当該変動においてセリフ予告演出を実行することが決定される。
上記の図柄変動表示中において、第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定の保留数が増加し、特1保留アイコン55が追加表示される。また、保留数が増加した時点で、保留された特別図柄判定の判定結果が大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定処理が実行される(後述するステップS218参照)。この事前判定処理の結果に基づいて保留変化演出を実行するか否か、及び、実行する場合には実行タイミングが決定される。つまり、2種類の有効期間が重複することが、保留変化演出の実行が決定された時点で確定する(パチンコ遊技機1によって認識される)ので、この時点で、セリフ予告演出と保留変化演出とのいずれかの操作演出を選択するための操作選択画面の表示が液晶表示装置5において開始される(図6、図7(S−B)参照)。
図8は、操作選択画面の一例を示す図である。図8に示すように、操作選択画面としては、第1ボタン画像53及び第2ボタン画像56、並びに、案内画像57が液晶表示装置5に表示される。案内画像57は、操作演出の選択(有効期間の選択とも言える)を遊技者に促すための画像であり、具体的には、「操作する方を十字キーで選択 ボタンで決定」といった選択用メッセージが案内画像57として表示される。
なお、操作選択画面においては、第1ボタン画像53及び第2ボタン画像56が表示されるが、これらの画像は演出ボタン26の入力を促すものではなく、これらの画像が表示される期間は第1有効期間又は第2有効期間とならない。つまり、操作選択画面において表示される第1ボタン画像53及び第2ボタン画像56は、遊技者に対して入力を促す入力画像としての機能を有していない。このことを遊技者に認識しやすくするため、操作選択画面においては、第1ボタン画像53及び第2ボタン画像56は、(操作演出時とは形状が同じであるが)操作演出時における表示態様とは異なる表示態様で表示される。
具体的には、操作演出時において第1ボタン画像53及び第2ボタン画像56は通常の表示態様(強調表示又は非強調表示でない表示態様)で表示される一方、操作選択画面が表示される際において第1ボタン画像53及び第2ボタン画像56は、2つのうち一方が強調表示された選択状態となり、他方が非強調表示された非選択状態となる(図8参照)。例えば、第1ボタン画像53が選択状態である場合(図8に示す上側の画面例を参照)、第1ボタン画像53は不透明でかつ矢印の画像が付された状態で表示され、このとき、第2ボタン画像56は半透明で表示される。一方、第2ボタン画像56が選択状態である場合(図8に示す下側の画面例を参照)、第2ボタン画像56は不透明でかつ矢印の画像が付された状態で表示され、このとき、第1ボタン画像53は半透明で表示される。
このように、操作選択画面においては、選択状態と非選択状態とでボタン画像の表示形態を異ならせることによって、現在の状態を遊技者にわかりやすく表示している。また、第1の実施形態においては、操作演出の実行時に表示されるボタン画像と同じ形状のボタン画像が操作選択画面においても表示されるので、操作選択画面において各操作演出を遊技者に直感的にわかりやすく提示することができる。また、操作選択画面においては、各ボタン画像53及び56は、操作演出時とは形状が同じであるが、操作演出時における表示態様とは異なる表示態様(強調表示又は非協調表示された態様)で表示され、操作選択画面の表示時と操作演出時とで区別して表示される。そのため、入力を促す入力画像としての機能を有する操作演出時のボタン画像と、そのような機能を有しない操作選択画面表示時のボタン画像とを区別して表示することができるので、入力を促す入力画像を遊技者にわかりやすく提示することができる。
また、操作選択画面は、各操作演出(セリフ予告演出又は保留変化演出)の実行が開始される前に表示されるので、各操作演出が実行される予定であることを示唆する機能を有している。つまり、本実施形態においては、操作演出の実行前に操作選択画面を表示するので、遊技者は、セリフ予告演出及び保留変化演出が実行されることを、操作選択画面が表示されたことに基づいて事前に把握することができる。
また、操作選択画面が表示される期間においては、(第1有効期間及び第2有効期間とは別に)選択を行うための入力が有効な有効期間が設定され、十字キー27の入力が可能となる。そして、操作選択画面において、各ボタン画像53及び56のいずれが選択状態となりいずれが非選択状態となるかは、十字キー27の上又は下のキーを押下することによって切り替わる。操作選択画面は、第1有効期間の開始時点及び第2有効期間の開始時点のうち早い方までの期間だけ表示され、この期間が経過した表示終了時に選択状態であったボタン画像に対応する操作演出が選択される。なお、他の実施形態においては、操作選択画面は、予め定められた所定時間だけ表示されるようにしてもよい。
操作選択画面においてセリフ予告演出が選択された場合、保留変化演出はキャンセルされる(図7(S−C)参照)。すなわち、パチンコ遊技機1は、後に第2有効期間が到来して、第2有効期間中に入力が行われても保留変化演出における結果演出を実行しないように設定を変更する(詳細は後述するが、第2キャンセルフラグをオンにする)。一方、セリフ予告演出については設定が変更されないので、操作選択画面においてセリフ予告演出が選択された後で第1有効期間が到来すると、セリフ予告演出の実行が開始される(図7(S−D)参照)。
図9は、セリフ予告演出が行われる場合の画面例を示す図である。図9は、2種類の有効期間が重複するために操作選択画面が表示され、操作選択画面においてセリフ予告演出が選択された場合に実行されるセリフ予告演出を示している。図9に示すように、この場合も図4に示す場合と同様、キャラクタ画像52及び第1ボタン画像53が液晶表示装置5に表示される。そして、第1有効期間において演出ボタン26に対する入力が行われると、セリフ予告演出における結果演出が実行される(図7(S−E)参照)。すなわち、上述したように、キャラクタが所定のセリフを話す演出が行われる。
なお、セリフ予告演出が選択された場合、保留変化演出はキャンセルされるので、図9に示すように、追加された特1保留アイコン55は通常の形態で表示されたままになる。すなわち、第2ボタン画像56が付加されない。具体的には、操作選択画面の表示時に表示されていた第2ボタン画像56は、セリフ予告演出が選択された場合、操作選択画面と共に消去される。なお、他の実施形態においては、非強調表示されている第2ボタン画像56は、操作選択画面が消去される際に次第に薄くなって最終的に消去されるようにしてもよい。また、上記の場合、第2有効期間において演出ボタン26に対する入力が行われても、保留変化演出における結果演出は実行されない。
一方、操作選択画面において保留変化演出が選択された場合、セリフ予告演出がキャンセルされる(図7(S−G)参照)。すなわち、パチンコ遊技機1は、後に第1有効期間が到来し、第1有効期間中に入力が行われてもセリフ予告演出における結果演出を実行しないように設定を変更する(詳細は後述するが、第1キャンセルフラグをオンにする)。一方、保留変化演出については設定が変更されないので、操作選択画面において保留変化演出が選択された後に第2有効期間が到来すると、保留変化演出の実行が開始される(図7(S−H)参照)。
図10は、保留変化演出が行われる場合の画面例を示す図である。図10は、2種類の有効期間が重複するために操作選択画面が表示され、操作選択画面において保留変化演出が選択された場合に実行される保留変化演出を示している。図10に示すように、この場合も図5に示す場合と同様、追加された特1保留アイコン55に重ねて第2ボタン画像56が液晶表示装置5に表示される。そして、第2有効期間において演出ボタン26に対する入力が行われると、保留変化演出における結果演出が実行される(図7(S−I)参照)。すなわち、第2ボタン画像56は消去され、上述したように、その第2ボタン画像56が重ねて表示されていた特1保留アイコン55の表示形態が変化する。
なお、保留変化演出が選択された場合、セリフ予告演出はキャンセルされるので、図10に示すように、キャラクタ画像52及び第1ボタン画像53は表示されない。すなわち、操作選択画面の表示時に表示されていたキャラクタ画像52及び第1ボタン画像53は、保留変化演出が選択された場合、操作選択画面と共に消去される。より具体的には、非強調表示されているキャラクタ画像52及び第1ボタン画像53は、操作選択画面が消去される際に次第に薄くなって最終的に消去される。また、上記の場合、第1有効期間において演出ボタン26に対する入力が行われても、セリフ予告演出における結果演出は実行されない。
以上のように、本実施形態によれば、2種類の操作演出における有効期間が重複する場合、遊技者に事前に操作演出を選択させる。そして、有効期間内に入力が行われた場合には、選択された操作演出に関する結果演出のみを行う。したがって、遊技者が望まない結果演出を実行しないようにすることで、結果として操作演出の演出効果の低下を抑制することができる。
なお、上記においては、セリフ予告演出が行われる前であって、かつ、セリフ予告演出が行われるまでに選択画面を表示するための時間を確保することができる場合を例として説明を行った。ここで、始動口入賞に応じて保留変化演出が発生するタイミングは様々であり、セリフ予告演出の開始タイミングとは無関係に発生する。本実施形態においては、保留数の増加タイミングが以下のようになる場合には、演出は以下のように行われる。
図11は、2種類の有効期間が重複する他の例を示す図である。まず、図11(A)は、ある変動期間において保留数が増加し、その結果として行われる保留変化演出の第2有効期間が、その次の変動期間に実行されるセリフ予告演出の第1有効期間と重複する場合を示している。この場合、本実施形態においては、2種類の有効期間が重複する変動期間の開始時において、操作選択画面が表示される(図11(A))。
また、図11(B)は、セリフ予告演出の実行開始の直前に特1保留アイコン55が新たに表示される場合を示している。上述のように、操作選択画面は、2種類の有効期間が重複すると判断された判断時点から、各有効期間の始期のうち早い方までの期間に表示される。ここで、図11(B)に示す場合には、操作選択画面を表示する期間が短くなるので、遊技者が選択するための十分な時間を確保することができない。したがって、本実施形態においては、上記の場合、操作選択画面を表示せず、操作演出をユーザに選択させる処理を実行しない。具体的には、第1有効期間と第2有効期間とが重複すると判断した場合、パチンコ遊技機1は、判断時点(現時点)から各有効期間の始期のうちの早い方までの時間が、予め定められた所定時間よりも長いか否かを判定する。そして、現時点から各有効期間のうちの早い方の始期までの時間が上記所定時間よりも短いと判定される場合には、操作選択画面は表示されない。この場合には、予め決められた方の操作演出(本実施形態においてはセリフ予告演出)が(パチンコ遊技機1によって)自動的に選択され、もう一方の操作演出(保留変化演出)が自動的にキャンセルされる。なお、いずれの操作演出を選択するかは任意であり、他の実施形態においては保留変化演出が自動的に選択されてもよい。
また、図11(C)は、図11(A)と同様、保留数が増加した変動期間の次の変動期間において2種類の有効期間が重複する場合を示している。ここで、図11(C)においては、2種類の有効期間が重複する変動期間の開始時点と、第2有効期間の開始時点とが近くなっており、そのため、図11(B)と同様、操作選択画面を表示する期間として十分な時間を確保することができない。この場合も図11(B)の場合と同様、現時点から各有効期間のうちの早い方の始期までの時間が上記所定時間よりも短いと判定される結果、操作選択画面が表示されず、操作演出をユーザに選択させる処理が実行されないこととなる。この場合、セリフ予告演出が自動的に選択され、保留変化演出が自動的にキャンセルされる。
上記のように、本実施形態においては、操作選択画面を表示する十分な時間が確保できない場合には、操作演出をユーザに選択させる処理を実行せず、予め定められた操作演出(本実施形態ではセリフ予告演出)を自動的に選択する。これによれば、操作選択画面の表示時間が短すぎるために遊技者が操作演出を選択できない不都合を解消することができる。
以下、図4〜図11に基づいて上述した演出に関する制御を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図12に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、第1ゲートスイッチ114、第2ゲートスイッチ115、第1大入賞口スイッチ116、第2大入賞口スイッチ117、第1大入賞口制御部118、第2大入賞口制御部119、普通入賞口スイッチ120、及び表示器4を構成する各表示器41〜46が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。第1ゲートスイッチ114は、遊技球が第1ゲート15を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2ゲートスイッチ115は、遊技球が第2ゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口スイッチ116は、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口スイッチ117は、第2大入賞口19に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第1大入賞口制御部118は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第1大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第1大入賞口13を開閉する。第2大入賞口制御部119は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第2大入賞口19を閉塞する羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2大入賞口19を開閉する。普通入賞口スイッチ120は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第1大入賞口スイッチ116、第2大入賞口スイッチ117、又は普通入賞口スイッチ120からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、第1大入賞口制御部118(又は第2大入賞口制御部119)を介して第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)を開閉する。
また、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜46に図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、図には示されていないが、ランプCPU、ランプROM、及びランプRAMを備えている。ランプCPUは、ランプROMに記憶されたプログラムに基づいて、可動役物7、盤ランプ25、枠ランプ37、及び回転演出装置38,39の動作を制御する際の演算処理を行う。ランプRAMは、ランプCPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROMには、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、可動役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、回転演出装置38,39が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7や回転演出装置38,39が備える可動体等のそれぞれの動作パターンを示すデータである。
ランプCPUは、ランプROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAMに読み出して、可動役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、回転演出装置38,39が備える発光素子の発光を制御する。また、ランプCPUは、ランプROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAMに読み出して、可動役物7や回転演出装置38,39が備える可動体等を動作させるモータの駆動を制御する。
[画像音響制御基板140の構成例]
図13は、画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御基板140は、液晶表示装置5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、統括CPU141、VDP(Video Display Processor)142、音響DSP(Digital Signal Processor)143、制御用ROM144、制御用RAM145、音響用ROM146、SDRAM147、CGROM148、及びVRAM149を備えている。
統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されているプログラムや各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDP142に対して、CGROM148に記憶されている画像データを液晶表示装置5に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。
統括CPU141は、音響DSP143に対しても、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROM144は、マスクROMで構成されており、統括CPU141の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル等が記憶されている。
制御用RAM145は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROM148は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM148は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。本実施形態では、CGROM148には、上述した各種の操作演出において用いられる動画のデータや、遊技者によって選択された楽曲とともに再生される動画や、操作選択画面の表示に用いられる画像のデータが記憶されている。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM148は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM148に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM149は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域1491、展開記憶領域1492、フレームバッファ1493などを有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域1491は、統括CPU141から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域1492は、CGROM148から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファ1493は、画像を描画して液晶表示装置5に表示するための描画と表示に兼用されるフレームバッファである。なお、描画用のフレームバッファと表示用のフレームバッファとを個別に設けるダブルバッファ方式を採用してもよい。
VDP142は、CGROM148に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域1492に格納する。VDP142は、ディスプレイリスト記憶領域1491に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域1492に格納した画像データを用いて、フレームバッファ1493に対する描画処理を行う。そして、VDP142は、フレームバッファ1493に記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶表示装置5に出力する。
動画を再生する場合、再生すべき動画を示す情報が演出制御基板130から画像音響制御基板140に送信される。これに対して、統括CPU141は、この情報が示す動画を指示するディスプレイリストを作成してディスプレイリスト記憶領域1491にセットする。VDP142は、CGROM148に記憶されている各種動画のムービーデータの中から、ディスプレイリストにより指示された1つのムービーデータを読み出して伸長して展開記憶領域1492に格納し、そのムービーデータを再生するための描画処理を行う。
音響DSP143には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROM146と、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAM147とが接続されている。演出音として楽曲(例えば遊技者が選択した動画とともに再生される楽曲)を再生する場合、再生すべき楽曲を示す情報が演出制御基板130から画像音響制御基板140に送信される。これに対して、統括CPU141は、この情報が示す楽曲の再生を音響DSP143に指示する。音響DSP143は、統括CPU141からの指示に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24に出力させる。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図14を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図14は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図14に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図14以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図17〜図20に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図21に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3において大当たりであると判定した場合に、第1大入賞口制御部118(又は第2大入賞口制御部119)を制御して第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[メインRAM103の構成例]
図15は、遊技制御基板100のメインRAM103の構成例を示すブロック図である。図15に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される保留用の記憶領域であり、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される保留用の記憶領域である。また、第2特別図柄判定は、第1特別図柄判定に対して優先消化される。このため、判定用記憶領域1030には、特別図柄判定の実行に際して、第2特別図柄判定が保留されている場合には第1保留記憶領域1035に記憶されている各種情報がシフトされ、第1特別図柄判定のみが保留されている場合には第1保留記憶領域1031に記憶されている各種情報がシフトされる。
図16は、保留記憶領域に記憶される情報を示す図である。図16に例示されるように、保留記憶領域1031〜1038は、それぞれ、メインCPU101によって取得された、変動回数Nを記憶する領域、入賞始動口情報を記憶する領域、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、及び事前判定情報を記憶する領域を含んでいる。
変動回数Nは、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して獲得した特別図柄判定の権利の合計回数を示す情報である。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから第1特別図柄判定の権利を50回、第2特別図柄判定の権利を10回獲得した場合、変動回数Nはこれらの回数を足し合わせた「60」となる。そして、この「60」という変動回数Nが例えば第3保留記憶領域1033に記憶された状態から更に第1特別図柄判定の権利が取得されると、「60」に「1」を加算した「61」という値が変動回数Nとして第4保留記憶領域1034に記憶される。なお、第1特別図柄判定の保留数U1が最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)に達した状態で第1始動口11に新たな遊技球が入賞した場合、又は第2特別図柄判定の保留数U2が最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)に達した状態で第2始動口12に新たな遊技球が入賞した場合には、変動回数Nはカウントされない。
入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図20参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図16に基づいて説明した7つの情報は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納され、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1035から順に第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに格納される。
例えば第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに7つの情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038においても同様に行われる。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち第1保留記憶領域1031及び第1保留記憶領域1035の両方に情報が記憶されている場合、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034におけるシフト処理に先立って、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038におけるシフト処理が優先して行われる。
これに対して、液晶表示装置5には、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034に記憶される情報に対応する特1保留アイコン55が表示される第1保留アイコン表示領域50a、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038に記憶される情報に対応する特2保留アイコンが表示される第2保留アイコン表示領域50b、及び判定用記憶領域1030に記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される当該領域54が設けられており、上記の情報のシフト処理と連動するように、保留アイコンのシフト処理が行われる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を特別図柄判定の権利として保留記憶領域1031〜1038に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図17は、図14のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図17に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図18に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図19に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図18は、図17のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図18に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS213)。
そして、メインCPU101は、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS214〜ステップS217)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034(図15参照)のいずれかに格納する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、事前判定処理を実行する(ステップS218)。具体的には、後述する大当たり判定処理(図22参照)や変動パターン選択処理(図23参照)に先立って、ステップS214〜S217の処理によってメインRAM103に格納された情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図20に基づいて後に詳述する。
続いて、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図19は、図17のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図19に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS223)。
そして、メインCPU101は、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS224〜ステップS227)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038(図15参照)のいずれかに格納する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、これらの情報を用いた第2特別図柄判定に先立って、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定処理を実行する(ステップS228)。
ステップS228の処理に続いて、メインCPU101は、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS228の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS229)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
図18及び図19に基づいて説明したように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12を遊技球が通過すると、特別図柄判定に使用する取得情報としての大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等を取得する。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図20を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図20は、図18のステップS218における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図18のステップS217の処理に続いて、例えばメインRAM103に記憶されているパチンコ遊技機1の現在の遊技状態を示す遊技状態情報に基づいて、特別図柄判定において大当たりを実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)であるか否かを判定する(ステップS2180)。
メインCPU101は、高確率状態であると判定した場合(ステップS2180:YES)、図18の第1始動口スイッチ処理によって取得した第1特別図柄判定の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の第1特別図柄判定の権利に相当するかを判断する。すなわち、特別図柄判定の判定結果が確変大当たりとなって大当たり遊技が行われた後に高確率状態になると、その特別図柄判定に対応する変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから100回目の特別図柄判定の判定結果が確変当たりとなって高確率状態に移行することとなった場合、基準回数Mとして「100」というデータがメインRAM103に記憶される。この場合、パチンコ遊技機1の電源投入から101回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから1回目の特別図柄判定に相当し、110回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから10回目の特別図柄判定に相当することになる。このように、始動口スイッチ処理によって取得された特別図柄判定の権利が、高確率状態に移行してから何回目の特別図柄判定に相当するかを演算する。具体的には、メインCPU101は、現在の変動回数Nから基準回数Mを減算することによって、演算値Lを算出する(ステップS2181)。
ステップS2181の処理に続いて、メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であるか否かを判定する(ステップS2182)。ここで、高確率遊技残余回数Kは、高確率時乱数判定テーブルに基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。本実施形態では、この高確率遊技残余回数Kが予め「70」に設定されているので、大当たり遊技終了後の大当たり乱数に基づく大当たりか否かの判定が、70回を上限として高確率時乱数判定テーブルに基づいて行われる。このため、メインCPU101は、ステップS2182において、演算値Lが「70」以下であるか否かを判定する。
ところで、例えば、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態)で遊技が制御されているときに3回の第1特別図柄判定の権利が保留されており、この中で最初に消化される第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなる場合、残り2回の第1特別図柄判定に関して、これらの第1特別図柄判定が消化される前には低確率状態であったとしても、これらの第1特別図柄判定が実際に消化されるときには高確率状態になっている。このため、先に消化される第1特別図柄判定の権利の中に遊技状態を変更させる大当たりが存在するか否かを考慮して事前判定を行わなければ、正確な事前判定情報を得ることはできない。
そこで、メインCPU101は、高確率状態ではないと判定した場合(ステップS2180:NO)、又は演算値Lが高確率遊技残余回数K以下ではないと判定した場合(ステップS2182:NO)、先に消化される第1特別図柄判定の権利の中に当該変動開始時に(確変)大当たりであると判定されることになるものがあるか否かを判定する(ステップS2184)。具体的には、ステップS214〜ステップS217の処理で例えば第4保留記憶領域1034に各種乱数を格納した場合、第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033に大当たりに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判定する。
メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であると判定した場合(ステップS2182:YES)、又は先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがある場合(ステップS2184:YES)、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
また、メインCPU101は、先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがないと判定した場合(ステップS2184:NO)、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2186)。
次に、メインCPU101は、ステップS2185又はステップS2186の処理によってメインRAM103にセットされた大当たり乱数テーブルを参照して、大当たりか否かを判定する(ステップS2187)。具体的には、メインRAM103に高確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合には、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この高確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。また、メインRAM103に低確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この低確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。
次に、メインCPU101は、ステップS2187の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されるか否かを判断する(ステップS2189)。ここで、当該変動開始時に大当たりと判定されると判断した場合(ステップS2189:YES)、大当たり用の図柄決定テーブルをメインROM102からメインRAM103に読み出してセットし(ステップS2190)、ステップS215の処理で取得した図柄乱数が、この図柄決定テーブルに格納されているどの大当たりに対応する図柄乱数と一致するかに基づいて、大当たりの種類を特定する(ステップS2191)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、当該変動開始時に行われる大当たり判定に先立って、この大当たり判定の判定結果が大当たりとなるか否かが事前判定され、大当たりであると事前判定された場合には大当たりの種類も事前判定される。
次に、メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2192)。
一方、メインCPU101は、当該変動開始時に大当たりであると判定されないと判断した場合(ステップS2189:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2193)。具体的には、ステップS216の処理で取得されたリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2193:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2194)。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、当該変動中の変動パターンを特定する(ステップS2195)。具体的には、ステップS217の処理で取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2195の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2193:NO)、事前判定情報を生成して第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納する(ステップS2196)。具体的には、一連の処理としてステップS2187の判定処理、ステップS2191の特定処理、及びステップS2195の特定処理を行っている場合には、これらの処理の結果を示す情報等を、これらの処理に使用した大当たり乱数、図柄乱数、及び変動パターン乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。また、ステップS2187の判定処理を行った後にステップS2191の特定処理とステップS2195の特定処理とを行っていない場合には、ステップS2187の判定結果を示す情報等を、ステップS2187の判定処理に使用した大当たり乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。
なお、ここでは第1特別図柄判定に係る事前判定処理について説明したが、第2特別図柄判定に係る事前判定処理(図19のステップS228の処理)も、事前判定処理に使用される乱数値が異なる点などを除いて、第1特別図柄判定に係る事前判定処理と同様に行われる。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図21を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図21は、図14のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図21に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上ではないと判定された場合(ステップS305:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。逆に、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1保留記憶領域1035に記憶されている情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、第2保留記憶領域1036以降の第2特別図柄判定に係る保留記憶領域に記憶されている情報を第1保留記憶領域1035側にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1保留記憶領域1031に記憶されている情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、第2保留記憶領域1032以降の第1特別図柄判定に係る保留記憶領域に記憶されている情報を第1保留記憶領域1031側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)が判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図23に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域1030に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始される。
ステップS312の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この判定図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(本実施形態では1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図22は、図21のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域1030に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値(メインROM102に記憶されている当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照すると共に、ステップS215又はステップS225の処理で取得した図柄乱数に基づいて、大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。具体的には、取得した図柄乱数に対応する図柄を図柄決定テーブルから読み出すことによって、大当たりの種類を決定する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、その図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図23は、図21のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図21のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域1030に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図24を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図24は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図24に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図24以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図25〜図29に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、送信処理を実行する(ステップS11)。具体的には、ステップS10の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの発光や可動役物7の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップS11の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS12)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、可動役物7や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図25〜図26は、図24のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図25に例示されるように、サブCPU131は、まず、ステップS311(図21参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、変動開始コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS101:NO)、後述するステップS110に処理が進められる。
変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、サブCPU131は、上述した乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM133に格納する(ステップS102)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS103)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、装飾図柄の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS104)。変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、上述したセリフ予告演出の実行の有無、背景画像の種類等の変動演出を構成する各演出の態様が決定される。なお、この変動演出パターン設定処理については、図27に基づいて後に詳述する。
ステップS104の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS104の処理で選択した変動演出パターンの変動演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS105)。この変動演出開始コマンドは、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。このステップS105の処理に応じた変動演出は、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されるまで行われる。
ステップS105の処理に続いて、サブCPU131は、第1有効期間と第2有効期間とが重複しているか否かを判定する(ステップS106)。ここで、当該変動よりも前に保留数が増加したことに応じて保留変化演出の実行が決定された場合には、ステップS106の時点(すなわち、当該変動の開始時点)で当該変動の変動期間において第2有効期間が設定されていることがある(図11(B)参照)。また、上記ステップS104において、セリフ予告演出の実行が決定された場合には、ステップS106の時点で第1有効期間が設定されている。このとき、図11(B)に示すように、2種類の有効期間が重複する可能性がある。そのため、上記ステップS106において、サブCPU131は、設定されている2種類の有効期間が重複するか否かを判定する。なお、詳細は後述するが、有効期間が設定される際に、有効期間の開始タイミング及び終了タイミングの情報がサブRAM133に記憶される(ステップS118,ステップS1048)。したがって、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている上記情報に基づいて判定を行う。
2種類の有効期間が重複していると判定した場合(ステップS106:YES)、サブCPU131は、操作選択機能(操作演出を遊技者に選択させる機能)を実行するか否かを判定する(ステップS107)。本実施形態においては、ステップS107の実行時点(すなわち、当該変動の開始時点)から第1有効期間の開始タイミング及び第2有効期間の開始タイミングのうちの早い方までの時間が所定時間よりも短い場合(例えば図11(C)に示す場合)、操作選択機能を実行しないと判定する。一方、ステップS107の実行時点から第1有効期間の開始タイミング及び第2有効期間の開始タイミングのうちの早い方までの時間が上記所定時間以上である場合(図11(A)に示す場合)、操作選択機能を実行すると判定する。
操作選択機能を実行すると判定した場合(ステップS107:YES)、サブCPU131は、上述した操作選択画面(図8参照)の表示を指示する操作選択画面表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS108)。この操作選択画面表示コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、画像音響制御基板140によって操作選択画面が液晶表示装置5に表示されることになる。なお、操作選択画面として表示される画像には、第1ボタン画像53及び第2ボタン画像56が含まれるが、これらのボタン画像は、演出ボタン26の操作が有効になっていない(すなわち、第1有効期間及び第2有効期間が到来していない)ことがわかるような表示態様(強調表示又は非強調表示)で表示される。
一方、操作選択機能を実行しないと判定した場合(ステップS107:NO)、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている第2キャンセルフラグを「ON」に設定する(ステップS109)。ここで、サブRAM133には、第1キャンセルフラグ及び第2キャンセルフラグが設定(記憶)されている。第1キャンセルフラグは、第1有効期間が設定されている場合に、セリフ予告演出の実行をキャンセルするか否かを示すフラグである。また、第2キャンセルフラグは、第2有効期間が設定されている場合に、保留変化演出の実行をキャンセルするか否かを示すフラグである。すなわち、キャンセルフラグが「ON」に設定されている場合、そのキャンセルフラグに対応する操作演出の有効期間が設定されていてその有効期間内に演出ボタン26が操作されたとしてもその操作演出は実行されず、キャンセルフラグが「OFF」に設定されている場合のみ、その操作演出が実行される(後述するセリフ予告演出処理及び保留変化演出処理を参照)。以上より、ステップS109の処理において第2キャンセルフラグが「ON」に設定された場合は、設定されている第2有効期間が到来しても保留変化演出は実行されないこととなる。
以上のように、第1の実施形態においては、第1有効期間と第2有効期間とが重複してもいずれかの有効期間の開始タイミングが近い場合(図11(C)に示す場合)には、操作選択機能が実行されず(ステップS107:NO)、このとき、保留変化演出がキャンセルされる(ステップS109)。
変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS101:NO)、2種類の有効期間が重複していないと判定した場合(ステップS106:NO)、又は、上記ステップS108若しくはステップS109の処理を実行した場合、サブCPU131は、ステップS219(図18参照)の処理又はステップS229(図19参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS110)。ここで、保留コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS110:NO)、後述するステップS125(図26参照)に処理が進められる。
保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS110:YES)、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS111)。具体的には、保留コマンド内の事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、受信した保留コマンドが第1特別図柄判定に係る保留コマンドであるか或いは第2特別図柄判定に係る保留コマンドであるかを判別し、その判別結果に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留数又は第2特別図柄判定に係る保留数を「1」加算した値に更新する。
ステップS111の処理に続いて、サブCPU131は、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報をサブRAM133に格納する(ステップS112)。そして、先読み演出実行乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS113)。この先読み演出実行乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を先読み演出実行乱数として取得する。
ステップS113の処理に続いて、サブCPU131は、保留変化演出の実行が可能であるか否かを判定する(ステップS114)。ここで、保留変化演出は、保留アイコンの表示形態を変化させる演出であるので、その保留アイコンが表示されている期間内でのみ行うことが可能であり、保留アイコンの表示期間が短いと、保留変化演出の完了前に保留アイコンが当該領域54に移動してしまうことになり、保留変化演出を行うことができない。上記ステップS114の判定処理は、保留変化演出の実行に要する時間が確保できるか否かを判定するための処理である。ここで、現時点から、上記ステップS110で新たに受信した保留コマンドに対応する変動期間が到来するまでの時間は、現在の保留数や、1回の変動演出における変動時間の最短の長さ(その時点の保留数によって異なる)や、当該変動が終了するまでの時間、等の情報に依存する。サブCPU131は、これらの情報に基づいて、新たに受信した保留コマンドに対応する変動期間が到来するまでの最短時間を算出し、算出した時間までに保留変化演出の実行が可能であるか否かを判定する。なお、保留変化演出が可能でないと判定された場合(ステップS114:NO)には、後述するステップS120に処理が進められる。
保留変化演出の実行が可能であると判定した場合(ステップS114:YES)、サブCPU131は、保留変化演出の抽選を実行するか否かを判定する(ステップS115)。具体的には、ステップS112の処理によってサブRAM133に格納された事前判定情報に基づいて、その事前判定情報を含んでいた保留コマンドに対応する特別図柄判定の保留に関して、保留変化演出を行うか否かを決定するための抽選対象にするか否かを判定する。この判定の判定基準としては、事前判定情報が、大当たり用の変動パターン又はリーチ用の変動パターンを示す情報を含んでいる場合には抽選対象にすると判定し、どちらの情報も含んでいない場合には抽選対象としないと判定する方法が一例として挙げられるが、他の判定基準であってもよい。なお、保留変化演出の抽選を実行しないと判定された場合(ステップS115:NO)には、後述するステップS120に処理が進められる。
保留変化演出の抽選を実行すると判定した場合(ステップS115:YES)、サブCPU131は、保留変化演出の抽選を実行する(ステップS116)。具体的には、ステップS113の処理で取得した先読み演出実行乱数がサブROM132に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、保留変化演出を実行するか否かを決定する。
サブCPU131は、ステップS116の決定結果に基づいて、保留変化演出を実行するか否かを判断する(ステップS117)。保留変化演出を実行すると判定した場合(ステップS117:YES)、サブCPU131は、第2有効期間を設定する(ステップS118)。ここで、保留数が増加してから保留変化演出を開始するまでの時間及び終了するまでの時間は予め定められており、サブCPU131は、これらの時間に基づいて第2有効期間の開始タイミング及び終了タイミングを算出してサブRAM133に記憶する。本実施形態では、サブRAM133に記憶される第2有効期間の設定情報は、第2有効期間の開始タイミング及び終了タイミングを変動演出が開始されてからの経過時間で表した情報として構成される。
ステップS118の処理に続いて、サブCPU131は、保留アイコンの変化後の表示態様(表示色)を決定する(ステップS119)。ここで、保留アイコンの変化後の表示態様とは、第2有効期間において演出ボタン26に対する入力に応じて行われる演出変化による変化後の表示態様を指す。変化後の表示態様は、ステップS112の処理で取得した事前判定情報に含まれる特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報や特別図柄の変動パターンを示す情報等に基づいて決定される。具体的には、サブCPU131は、保留アイコンに対応する特別図柄判定の判定結果が大当たりとなることに対する信頼度を示唆するように、保留アイコンの変化後の表示態様を決定する。
保留変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS117:NO)、又は、ステップS119の処理を実行した場合、サブCPU131は、アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS120)。このアイコン表示コマンドは、通常の表示態様の保留アイコンの新規表示を指示するコマンドであり、入賞始動口情報が含まれる。このアイコン表示コマンドがステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140に送信されることによって、保留アイコンが1つ追加して液晶表示装置5に表示されることになる。なお、画像音響制御基板140は、受信したアイコン表示コマンドに含まれる入賞始動口情報が示す始動口が第1始動口11である場合には保留アイコンを第1保留アイコン表示領域51に表示させ、入賞始動口情報が示す始動口が第2始動口12である場合には保留アイコンを第2保留アイコン表示領域52に表示させる。
ステップS120の処理に続いて、サブCPU131は、第1有効期間と第2有効期間とが重複しているか否かを判定する(ステップS121)。ここで、現時点で行われている変動(当該変動)の開始時点で実行された上記ステップS104において、セリフ予告演出の実行が決定された場合には、現時点(ステップS121の処理を行う時点)で第1有効期間が設定されている。また、上記ステップS117の処理によって保留変化演出の実行が決定された場合には、ステップS118の処理によって第2有効期間が設定されている。このとき、図6に示すように、2種類の有効期間が重複する可能性がある。したがって、ステップS121において、サブCPU131は、上記ステップS106の処理と同様の方法で、設定されている2種類の有効期間が重複するか否かを判定する。
2種類の有効期間が重複していると判定した場合(ステップS121:YES)、サブCPU131は、上記ステップS107と同様、操作選択処理を実行するか否かを判定する(ステップS122)。ステップS122では、ステップS122の実行時点(すなわち、保留数の増加時点)から第1有効期間の開始タイミングまでの時間が所定時間よりも短い場合(図11(B)に示す場合)、操作選択機能を実行しないと判定する。一方、ステップS122の実行時点から第1有効期間の開始タイミングまでの時間が所定時間以上である場合(図6(B)に示す場合)、操作選択機能を実行すると判定する。
操作選択処理を実行すると判定した場合(ステップS122:YES)、サブCPU131は、上記ステップS108と同様、上述した操作選択画面(図8参照)の表示を指示する操作選択画面表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS123)。これにより、操作選択画面が画像音響制御基板140によって液晶表示装置5に表示されることになる。一方、操作選択処理を実行しないと判定した場合(ステップS122:NO)、サブCPU131は、上記ステップS109の処理と同様、サブRAM133に記憶されている第2キャンセルフラグを「ON」に設定する(ステップS124)。したがって、この場合、第2有効期間が到来しても保留変化演出は実行されないことになる。
以上のように、第1の実施形態においては、第1有効期間と第2有効期間とが重複しても第1有効期間の開始タイミングが近い場合(図11(B)に示す場合)には、操作選択機能が実行されず(ステップS122:NO)、このとき、保留変化演出がキャンセルされる(ステップS124)。
保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS110:NO)、2種類の有効期間が重複していないと判定した場合(ステップS121:NO)、又は、上記ステップS123若しくはステップS124の処理を実行した場合、サブCPU131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する(図26に示すステップS125)。具体的には、例えば、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、その変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。変動演出の実行中ではないと判定された場合(ステップS125:NO)、ステップS11に処理が進められる。
一方、変動演出の実行中であると判定した場合(ステップS125:YES)、サブCPU131は、上記ステップS108又はS123の処理によって表示された操作選択画面が表示中であるか否かを判定する(ステップS126)。操作選択画面が表示中でないと判定された場合(ステップS126:NO)、後述するステップS133に処理が進められる。
一方、操作選択画面が表示中であると判定した場合(ステップS126:YES)、サブCPU131は、十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、選択切替操作が行われたか否かを判定する(ステップS127)。選択切替操作は、操作選択画面に含まれる第1ボタン画像53及び第2ボタン画像56(図8参照)のうちで、選択状態となっているボタン画像を切り替える操作であり、本実施形態においては十字キー27の上又は下のキーの押下によって行われる。
選択切替操作が行われたと判定した場合(ステップS127:YES)、サブCPU131は、操作選択画面において強調表示されるボタン画像を切り替えることを指示する強調表示切替コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS128)。この強調表示切替コマンドは、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、操作選択画面において強調表示されるボタン画像が変更され、それまで強調表示されていた一方のボタン画像が強調表示されなくなり、強調表示されていなかった他方のボタン画像が強調表示されることとなる(図8参照)。また、このとき、サブCPU131は、選択状態となる操作演出(強調表示されるボタン画像に対応する操作演出)の識別情報をサブRAM133に記憶しておく。
選択切替操作が行われていないと判定した場合(ステップS127:NO)、又は、ステップS128の処理を実行した場合、サブCPU131は、演出ボタン26からの操作情報の入力の有無に基づいて、選択決定操作が行われたか否かを判定する(ステップS129)。選択決定操作は、操作選択画面において選択状態となっているボタン画像に対応する操作演出を選択すると決定する操作であり、本実施形態においては演出ボタン26の押下によって行われる。
選択決定操作が行われたと判定した場合(ステップS129:YES)、サブCPU131は、操作選択画面の表示を終了するか否かを判定する(ステップS130)。ここで、操作選択画面は、第1有効期間の開始タイミング及び第2有効期間の開始タイミングのうち早い方まで表示される。そのため、ステップS130の処理においては、第1有効期間の開始タイミング及び第2有効期間の開始タイミングのうち早い方のタイミングが到来したか否かが判定される。操作選択画面の表示を終了しないと判定された場合(ステップS130:NO)、後述するステップS133に処理が進められる。
一方、操作選択画面の表示を終了すると判定した場合(ステップS130:YES)、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている第1キャンセルフラグ及び第2キャンセルフラグのうち、操作選択画面の表示終了時に選択状態となっていないボタン画像に対応するに対応するキャンセルフラグを「ON」に設定する(ステップS130)。すなわち、サブRAM133に記憶されている、選択状態となる操作演出の識別情報を参照して、操作選択画面の表示終了時においてセリフ予告演出が選択されていた場合には、第2キャンセルフラグが「ON」に設定され、保留変化演出が選択されていた場合には、第1キャンセルフラグが「ON」に設定される。
ステップS130の処理に続いて、サブCPU131は、操作選択画面の表示終了を指示する操作選択画面終了コマンドをセットする(ステップS131)。この操作選択画面終了コマンドは、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、液晶表示装置5に表示されている操作選択画面が消去されることになる。
ステップS134の処理に続いて、サブCPU131は、セリフ予告演出に関する演出を行うためのセリフ予告演出処理を実行する(ステップS133)。セリフ予告演出処理においては、第1キャンセルフラグが「OFF」に設定されていることを条件に、第1有効期間において演出ボタン26に対する入力が行われたことに応じて、セリフ予告演出における結果演出が行われる(図7(S−D)及び(S−E)参照)。なお、このセリフ予告演出処理については、図28に基づいて後に詳述する。
ステップS133の処理に続いて、サブCPU131は、保留変化演出に関する演出を行うための保留変化演出処理を実行する(ステップS135)。保留変化演出処理においては、第2キャンセルフラグが「OFF」に設定されていることを条件に、第2有効期間において演出ボタン26に対する入力が行われたことに応じて、保留変化演出における結果演出が行われる(図7(S−G)及び(S−H)参照)。なお、この保留変化演出処理については、図29に基づいて後に詳述する。
ステップS135の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS316(図21参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS137)。ここで、図柄確定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS137:YES)、例えば特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS138)。この変動演出終了コマンドは、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、ステップS105の処理に応じて開始された変動演出が終了することになる。
変動開始コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS137:NO)、又は、ステップS138の処理が実行された場合、上述したステップS11に処理が進められる。
なお、上記コマンド受信処理においては、選択されなかった操作演出を行わないようにするためにキャンセルフラグを用いたが、選択されなかった操作演出を行わない方法は任意である。例えば他の実施形態においては、ステップS109,S124,S130の処理において、キャンセルフラグを「ON」に設定する処理に代えて、設定されている有効期間を解除する処理を実行するようにしてもよい。
[演出制御基板130による変動演出パターン設定処理]
図27は、図25のステップS104における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。ステップS103の処理に続いて、サブCPU131は、図27に例示されるように、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う必要があるか否かを判定する(ステップS1041)。例えば、サブCPU131は、変動開始コマンドから特定される特別図柄の変動時間が、リーチ演出を含む変動演出に要する時間と一致する場合、リーチ有り演出を行う必要があると判定し、特別図柄の変動時間が、リーチ演出を含む変動演出に要する時間と一致しない場合、リーチ有り演出を行う必要がないと判定する。
サブCPU131は、リーチ有り演出を行う必要がないと判定した場合(ステップS1041:NO)、装飾図柄の変動表示を開始してから終了するまでのリーチ無し演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1042)。
ここで、サブROM132には、リーチ演出を伴わない変動演出に関して、ハズレリーチ無し演出テーブルが記憶されている。このハズレリーチ無し演出テーブルには、例えば、3秒用、8秒用、18秒用、36秒用というように、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応する演出テーブルが複数設けられている。ステップS1042において、サブCPU131は、これら複数の演出テーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1の演出テーブルを選択する。例えば設定情報に特別図柄の変動時間が3秒であることを示す変動パターンの設定情報が含まれている場合、3秒用の演出テーブルを選択する。
各演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPU131は、乱数更新処理が行われる毎に適宜更新される演出乱数について、上記ステップS102の処理によって変動開始コマンドを受信した時点の値を取得しておく。そして、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。これにより、リーチ演出を含まない変動演出の変動演出パターンが設定される。
一方、サブCPU131は、リーチ有り演出を行う必要があると判定した場合(ステップS1041:YES)、上記ステップS1042の処理と同様にリーチ有り演出用或いは大当たり用の演出テーブルを用いて、リーチ成立までの変動演出パターンを設定する(ステップS1043)。
ステップS1043の処理に続いて、サブCPU131は、例えば遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて、リーチ成立時に有効ライン上において左列及び右列に擬似停止表示させるリーチ図柄を設定する(ステップS1044)。なお、このリーチ図柄は、上記設定情報とは無関係に、演出乱数を用いた抽選処理を行ってランダムに決定するようにしてもよい。
ステップS1044の処理に続いて、サブCPU131は、リーチ成立後の変動演出パターンを設定する(ステップS1045)。具体的には、変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出のうちのどのリーチ演出を行うか、ノーマルリーチ演出又はSPリーチ演出を行う場合には変動演出中にSPSPリーチ演出に発展させるか否か等を設定する。
上記ステップS1042の処理を実行した場合、又は、上記ステップS1045の処理を実行した場合、サブCPU131は、変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において判定図柄が停止表示されるのに伴って液晶表示装置5に停止表示させる装飾図柄を設定する(ステップS1046)。
ステップS1046の処理に続いて、サブCPU131は、上記ステップS102の処理によって変動開始コマンドを受信した時点で取得した演出乱数を用いた抽選処理を行うことによって、変動演出中においてセリフ予告演出を実行するか否かを判定する(ステップS1047)。具体的には、演出乱数の値とセリフ予告演出の実行の有無とが対応付けられた、セリフ予告演出の実行有無テーブルがサブROM132に記憶されており、この実行有無テーブルの中から、ステップS102の処理で取得した演出乱数に対応する内容(セリフ予告演出の実行の有無)を読み出すことによって、セリフ予告演出を実行するか否かを判定する。詳細な説明は省略するが、この実行有無テーブルとしては、例えば、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間(例えば60秒)以上の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間未満である場合に使用する演出テーブルとが個別に設けられており、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて選択したいずれかの演出テーブルを参照して、セリフ予告演出の実行の有無が決定される。
セリフ予告演出を実行すると判定した場合(ステップS1047:YES)、サブCPU131は、サブCPU131は、第1有効期間を設定する(ステップS1048)。すなわち、変動が開始されてからセリフ予告演出を開始するまでの時間及び終了するまでの時間は予め定められており、サブCPU131は、第1の有効期間の設定情報として、第1の有効期間の開始タイミング及び終了タイミングを変動演出が開始されてからの経過時間で表した情報をサブRAM133に記憶する。
ステップS1048の処理に続いて、サブCPU131は、セリフ予告演出の結果演出として行われる演出内容を決定する(ステップS1049)。具体的には、演出乱数の値とセリフ予告演出の結果演出の内容(セリフの内容やセリフ枠の色)とが対応付けられた、セリフ予告演出の演出内容テーブルの中から、ステップS102の処理で取得した演出乱数に対応する内容を読み出すことによって、結果演出の演出内容を決定する。詳細な説明は省略するが、この演出内容テーブルとしては、例えば、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間(例えば60秒)以上の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間未満である場合に使用する演出テーブルとが個別に設けられており、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて選択したいずれかのテーブルを参照して、結果演出の内容が決定される。これによって、結果演出として、通常のセリフを話す演出を行うか、或いは、通常とは異なるセリフを話す演出を行うかが決定される。また、セリフ枠の色を変化させる場合には、演出ボタン26に対する入力が行われたことに応じて変化した後のセリフ枠の色が決定される。
セリフ予告演出を実行しないと判定された場合(ステップS1047:YES)、又は、上記ステップS1049の処理を実行した場合、サブCPU131は、セリフ予告演出を除く他の予告演出(ステップアップ予告演出や群予告等)に関する設定処理を行う(ステップS1050)。具体的には、例えば、演出乱数と予告演出の演出パターンとが対応付けられたテーブルの中から、ステップS102の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、予告演出の演出パターンを決定する。この演出テーブルとしては、上記セリフ予告演出の演出テーブルと同様、複数のテーブルのうちから、特別図柄判定の判定結果や変動時間に基づいて選択されたテーブルが用いられる。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、セリフ予告演出に関する設定処理(ステップS1047及びステップS1049)と、他の予告演出に関する設定処理(ステップS1050)とを別々に行う場合について説明した。ただし、他の実施形態では、セリフ予告演出に関する設定処理(ステップS1047及びステップS1049)をまとめて行うようにしてもよいし、上述したステップS1050の処理によって、セリフ予告演出と他の予告演出との設定処理をまとめて行うようにしてもよい。
上記ステップS1050の実行後、上述したステップS105に処理が進められる。
[演出制御基板130によるセリフ予告演出処理]
図28は、図26のステップS133におけるセリフ予告演出処理の詳細フローチャートである。セリフ予告演出処理においては、まず、サブCPU131は、図28に例示されるように、第1有効期間が設定されているか否かを判定する(ステップS1330)。ここで、第1有効期間が設定されていないと判定される場合(ステップS1330:NO)、セリフ予告演出処理が終了されて、ステップS135に処理が進められる。
第1有効期間が設定されていると判定した場合(ステップS1330:YES)、サブCPU131は、サブRAM133において第1キャンセルフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1331)。第1キャンセルフラグが「ON」に設定されていない(すなわち、「OFF」に設定されている)と判定した場合(ステップS1331:NO)、サブCPU131は、第1有効期間の開始タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS1332)。第1有効期間の開始タイミングが到来したと判定した場合(ステップS1332:YES)、サブCPU131は、セリフ予告演出における入力操作を促すための第1の報知演出の実行を画像音響制御基板140に開始させる(ステップS1333)。これによって、第1の報知演出として、キャラクタ画像52及び第1ボタン画像53が液晶表示装置5に表示されることになる(図4,図9参照)。なお、第1の報知演出としてこの時点で表示される第1ボタン画像53は、操作選択画面に含めて表示される場合とは異なり、演出ボタン26の操作が有効であることを遊技者が認識可能な表示態様(強調表示又は非強調表示ではない通常の表示態様)で表示される。
第1有効期間の開始タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS1332:NO)、又は、ステップS1333の処理を実行した場合、サブCPU131は、第1有効期間中であるか否かを判定する(ステップS1334)。第1有効期間であると判定した場合(ステップS1334:YES)、サブCPU131は、演出ボタン26からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26が操作されたか否かを判定する(ステップS1335)。
演出ボタン26が操作されたと判定した場合(ステップS1335:YES)、サブCPU131は、セリフ予告演出における結果演出の実行を画像音響制御基板140に開始させる(ステップS1336)。具体的には、ステップS1049の処理において決定された演出内容を含む結果演出コマンドをサブRAM133にセットする。この結果演出コマンドがステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140に送信されることによって、結果演出として、上記ステップS1049で決定された内容に応じてキャラクタがセリフを話す演出が行われることになる(図7(S−E)参照)。
ステップS1336の処理に続いて、サブCPU131は、第1の報知演出を画像音響制御基板140に終了させ(ステップS1337)、サブRAM133に設定されている第1有効期間を解除する(ステップS1338)。すなわち、サブRAM133に記憶されている第1有効期間の開始タイミング及び終了タイミングの情報が削除される。上記ステップS1337及びS1338の処理によって、セリフ予告演出の実行が終了する。ステップS1338の処理が実行された場合、セリフ予告演出処理が終了されて、ステップS135に処理が進められる。
一方、第1有効期間中ではないと判定した場合(ステップS1334:NO)、又は、演出ボタン26が操作されていないと判定した場合(ステップS1335:NO)、サブCPU131は、第1有効期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS1339)。第1有効期間の終了タイミングが到来したと判定された場合(ステップS1339:YES)、上記ステップS1337に処理が進められ、ステップS1337の処理に続いてS1338の処理が実行される。したがって、演出ボタン26が操作されることなく第1有効期間が終了した場合には、結果演出が実行されないでセリフ予告演出の実行が終了することとなる。
第1有効期間の終了タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS1339:NO)、セリフ予告演出処理が終了されて、ステップS135に処理が進められる。
以上のように、第1キャンセルフラグが「OFF」に設定されている場合には、通常通りセリフ予告演出が実行される。つまり、第1有効期間が開始されると第1の報知演出としてキャラクタ画像52及び第1ボタン画像53が表示され(図7(S−D)参照)、第1有効期間に演出ボタン26が操作されたことに応じて、キャラクタがセリフを話す結果演出が実行される(図7(S−E)参照)。
一方、第1キャンセルフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1331:YES)、サブCPU131は、第1有効期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS1340)。第1有効期間の終了タイミングが到来したと判定した場合(ステップS13:YES)、サブCPU131は、上記ステップS1338の処理と同様に、サブRAM133に設定されている第1有効期間を解除する(ステップS1341)。さらに、サブCPU131は、サブRAM133に設定されている第1キャンセルフラグを「OFF」に設定する(ステップS1342)。なお、第1有効期間の終了タイミングが到来していないと判定された場合(ステップS1340:NO)、又は、ステップS1342の処理が実行された場合、セリフ予告演出処理が終了されて、ステップS135に処理が進められる。
上記のように、第1有効期間が設定されていても、第1キャンセルフラグが「ON」に設定されている場合(ステップS1331:NO)には、第1の報知演出や演出ボタン26の操作に応じた結果演出は実行されず、セリフ予告演出は実行されないことになる。したがって、第1有効期間と第2有効期間が重複する期間において演出ボタン26に対する入力があった場合には、保留変化演出における結果演出が実行されることになる(図7(S−G),(S−H)参照)。
[演出制御基板130による保留変化演出処理]
図29は、図26のステップS135における保留変化演出処理の詳細フローチャートである。保留変化演出処理においては、まず、サブCPU131は、図29に例示されるように、第2有効期間が設定されているか否かを判定する(ステップS1350)。ここで、第2有効期間が設定されていないと判定される場合(ステップS1350:NO)、保留変化演出処理が終了されて、ステップS137に処理が進められる。
第2有効期間が設定されていると判定した場合(ステップS1350:YES)、サブCPU131は、サブRAM133において第2キャンセルフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1351)。第2キャンセルフラグが「ON」に設定されていない(すなわち、「OFF」に設定されている)と判定した場合(ステップS1351:NO)、サブCPU131は、第2有効期間の開始タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS1352)。第2有効期間の開始タイミングが到来したと判定した場合(ステップS1352:YES)、サブCPU131は、保留変化演出における入力操作を促すための第2の報知演出の実行を画像音響制御基板140に開始させる(ステップS1353)。これによって、第2の報知演出として、第2ボタン画像56が液晶表示装置5に表示されることになる(図5,図10参照)。なお、第2の報知演出としてこの時点で表示される第2ボタン画像56は、操作選択画面に含めて表示される場合とは異なり、演出ボタン26の操作が有効であることを遊技者が認識可能な表示態様(強調表示又は非強調表示ではない通常の表示態様)で表示される。
第2有効期間の開始タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS1352:NO)、又は、ステップS1353の処理を実行した場合、サブCPU131は、第2有効期間中であるか否かを判定する(ステップS1354)。第2有効期間であると判定した場合(ステップS1354:YES)、サブCPU131は、演出ボタン26からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26が操作されたか否かを判定する(ステップS1355)。
演出ボタン26が操作されたと判定した場合(ステップS1355:YES)、サブCPU131は、保留変化演出における結果演出の実行を画像音響制御基板140に開始させる(ステップS1356)。具体的には、ステップS119の処理において決定された表示形態の情報を含む結果演出コマンドをサブRAM133にセットする。この結果演出コマンドがステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140に送信されることによって、これによって、結果演出として、上記ステップS119で決定された表示態様(表示色)となるように保留アイコンが変化する演出が行われることになる(図7(S−H)参照)。
ステップS1356の処理に続いて、サブCPU131は、第2の報知演出を画像音響制御基板140に終了させ(ステップS1357)、サブRAM133に設定されている第2有効期間を解除する(ステップS1358)。すなわち、サブRAM133に記憶されている第2有効期間の開始タイミング及び終了タイミングの情報が削除される。上記ステップS1357及びS1358の処理によって、保留変化演出の実行が終了する。ステップS1358の処理が実行された場合、保留変化演出処理が終了されて、ステップS137に処理が進められる。
一方、第2有効期間中ではないと判定した場合(ステップS1354:NO)、又は、演出ボタン26が操作されていないと判定した場合(ステップS1355:NO)、サブCPU131は、第2有効期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS1359)。第2有効期間の終了タイミングが到来したと判定された場合(ステップS1359:YES)、上記ステップS1357に処理が進められ、ステップS1357の処理に続いてS1358の処理が実行される。したがって、演出ボタン26が操作されることなく第2有効期間が終了した場合には、結果演出が実行されないで保留変化演出の実行が終了することとなる。
第2有効期間の終了タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS1359:NO)、保留変化演出処理が終了されて、ステップS137に処理が進められる。
以上のように、第2キャンセルフラグが「OFF」に設定されている場合には、通常通り保留変化演出が実行される。つまり、第2有効期間が開始されると第2の報知演出として第2ボタン画像56が表示され(図7(S−G)参照)、第2有効期間に演出ボタン26が操作されたことに応じて、保留アイコンの表示態様が変化する結果演出が実行される(図7(S−H)参照)。
一方、第2キャンセルフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1351:YES)、サブCPU131は、第2有効期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS1360)。第2有効期間の終了タイミングが到来したと判定した場合(ステップS1360:YES)、サブCPU131は、上記ステップS1358の処理と同様に、サブRAM133に設定されている第2有効期間を解除する(ステップS1361)。さらに、サブCPU131は、サブRAM133に設定されている第2キャンセルフラグを「OFF」に設定する(ステップS1362)。なお、第2有効期間の終了タイミングが到来していないと判定された場合(ステップS1360:NO)、又は、ステップS1362の処理が実行された場合、保留変化演出処理が終了されて、ステップS137に処理が進められる。
上記のように、第2有効期間が設定されていても、第2キャンセルフラグが「ON」に設定されている場合(ステップS1351:NO)には、第2の報知演出や演出ボタン26の操作に応じた結果演出は実行されず、保留変化演出は実行されないことになる。したがって、第1有効期間と第2有効期間が重複する期間において演出ボタン26に対する入力があった場合には、セリフ予告演出における結果演出が実行されることになる(図7(S−D),(S−E)参照)。
[第1の実施形態の作用効果]
以上のように、第1の実施形態(後述する第2の実施形態も同様)における遊技機(パチンコ遊技機1)は、入力可能な入力手段(演出ボタン26)を備え、始動条件の成立に応じて、有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かを判定して当該判定の結果に応じて特別遊技を実行する。遊技機は、以下の手段を備える。
・所定の第1条件が満たされた場合に入力手段に対する入力を促す第1入力画像(第1ボタン画像53)を画面表示し、第1条件とは異なる所定の第2条件が満たされた場合に入力手段に対する入力を促す第2入力画像(第2ボタン画像56)を画面表示する入力画像表示手段(ステップS1333又はS1353)
・第1入力画像に対応する第1入力有効期間(第1有効期間)における入力手段に対する入力に応じて所定の第1結果演出(セリフ予告演出の結果演出)を実行し、第2入力画像に対応する第2入力有効期間(第2有効期間)における入力手段に対する入力に応じて所定の第2結果演出(保留変化演出の結果演出)を実行する結果演出実行手段(ステップS1336又はS1356)
・第1有効期間と第2有効期間とが重複する場合、当該第1有効期間と当該第2有効期間とのうちのいずれか一方を遊技者の指示に従って選択する選択手段(ステップS130)
また、結果演出実行手段は、選択手段によって選択された有効期間において入力手段に対する入力が行われたことに応じて、選択手段によって選択された有効期間に対応する結果演出を実行する。
上記の構成によれば、2種類の有効期間が重複する場合、遊技者によって選択された有効期間に対応する結果演出のみが実行されるので、遊技者が望んでいない結果演出が行われることを防止することができ、操作入力に応じて行われる演出の興趣性が低下することを抑制することができる。
また、上記第1の実施形態(後述する第2の実施形態も同様)においては、上記入力画像表示手段は、第1の入力画像及び第2の入力画像について、選択されている入力画像を、選択されていない入力画像に比べて強調して表示する。これによれば、選択状態にある入力画像を遊技者にわかりやすく提示することができる。
第1の実施形態(後述する第2の実施形態も同様)においては、上記選択手段は、第1有効期間と第2有効期間とが重複する場合、第1有効期間及び第2有効期間の前に選択を行う(図6(B)、図11(A))。これによれば、2種類の有効期間が重複する場合であっても、選択された方の入力有効期間については長さ(時間)が変わらないので、操作演出に関して遊技者が操作を行うことができる時間が短くなるといった問題を抑制することができる。したがって、遊技者は入力を容易に行うことができる。
また、第1の実施形態においては、パチンコ遊技機1は、以下の手段を備えている。
・始動条件の成立により取得情報を取得する取得手段(ステップS224)
・取得手段によって取得された取得情報に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(ステップS3091)
・図柄表示手段(表示器4)に図柄を変動表示させ、特別遊技の判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段(ステップS316)
・図柄表示手段において図柄が変動表示されているときに取得手段によって取得情報が取得されると、当該取得情報を特別遊技判定手段により判定される権利として記憶する取得情報記憶手段(ステップS2196)
そして、パチンコ遊技機1は、図柄の変動表示が開始されたことを第1条件として図柄の変動中における所定のタイミングで第1の入力画像(第1ボタン画像53)を画面に表示し、図柄の変動表示中において特別遊技判定の保留数が増加したことを第2条件として当該保留数の増加に基づくタイミングで第2の入力画像(第2ボタン画像56)を画面に表示する。上記の構成によれば、図柄の変動開始に起因して行われる操作演出における有効期間と、保留数の増加に起因して行われる操作演出における有効期間とが重複する場合に、遊技者によって選択された有効期間に対応する結果演出のみを実行することができる。
<第2の実施形態>
以下、図30〜図36を参照しつつ、本発明の遊技機の第2の実施形態に係るパチンコ遊技機について説明する。なお、第2の実施形態においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明を行い、第1の実施形態と同じ構成又は動作(処理)については説明を省略することがある。また、以下において、第1の実施形態と同じ構成要素又は処理については、第1の実施形態と同じ参照符号又はステップ番号を付し、詳細な説明を省略することがある。
[第2の実施形態における操作演出]
第2の実施形態におけるパチンコ遊技機1の構成は第1の実施形態と同じであり、第1の実施形態と同様に2種類の操作演出が行われる。1つ目の操作演出は、上記第1の実施形態と同様、図柄の変動開始に起因して行われ、第1有効期間中に演出ボタン26に対する入力が行われたことに応じてキャラクタがセリフを話す結果演出を行う操作演出(セリフ予告演出)である。また、第2の実施形態における2つ目の操作演出は、演出制御基板130が備えるRTC134によって計測される時間(時刻)が所定の時刻となったことに応じて開始される演出(「RTC演出」と呼ぶ)である。以下、第2の実施形態において行われるRTC演出について説明する。
図30は、第2の実施形態において行われるRTC演出の一例を示す図である。第2の実施形態においては、演出制御基板130が備えるRTC134によって時間を計測し、この計測時間が所定時間になったことに応じてRTC演出が実行される。このRTC演出においては、開始時に遊技者に楽曲を選択させ、その後、選択された楽曲とそれに応じた動画が再生される演出が行われる。そのため、RTC演出の開始時に、図30に示すような、再生すべき楽曲を選択するための楽曲選択画面60が表示される。
楽曲選択画面60においては、選択可能な楽曲が表示され、選択状態となっている楽曲について強調表示(ハイライト表示)される。また、楽曲選択画面60は、再生すべき楽曲の選択のための入力を遊技者に促す入力画像であり、例えば、「楽曲選択」というメッセージと、「ボタンで選択切替」というメッセージを含む。楽曲選択画面60が表示される期間においては、選択を行うための入力が有効な有効期間が設定され(つまり、楽曲選択画面60の表示期間が第2有効期間となる)、この有効期間において演出ボタン26に対する操作が有効になる。選択状態の楽曲は、演出ボタン26に対する操作に応じて変更される。すなわち、演出ボタン26に対する入力が行われることに応じて、選択状態となる楽曲が順に切り替えられる。第2の実施形態では、RTC演出における入力の有効期間を「第2の有効期間」と呼ぶ。
楽曲選択画面60は、RTC演出の開始時点から、予め定められた所定時間だけ表示される。この所定時間が経過した表示終了時点で選択状態であった楽曲が選択されることになり、楽曲選択画面60の表示終了に続けて、選択された楽曲を再生する演出が行われる。つまり、第2の実施形態におけるRTC演出においては、楽曲を選択する操作(演出ボタン26に対する操作)に応じて、選択された楽曲を再生する演出が結果演出として行われる。
なお、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様、液晶表示装置5には当該領域54が表示される。また、特別図柄の変動表示中においては装飾図柄51が液晶表示装置5において変動表示されるとともに、当該領域54に変動示唆画像55aが表示される。また、特別図柄判定が保留されている場合には保留アイコン(図30では特1保留アイコン55)が表示される。
[有効期間が重複する場合の演出]
次に、図31〜図34を参照して、第2実施形態において上記2種類の有効期間が重複する場合に行われる演出について説明する。図31は、第1有効期間と第2有効期間とが重複する例を示す図である。図32は、第1有効期間と第2有効期間とが重複する場合における演出の具体例を示す図である。
図31は、図柄の変動中においてRTC演出が開始される結果、第1有効期間と第2有効期間とが重複する状況を示している。変動中に行われる演出の演出パターンは変動開始時に決定されるが、図31においては、その際、セリフ予告演出を含む演出が行われることが決定される。また、図31は、上記変動中においてRTC演出が開始される時刻が到来する場合を示している。このように、セリフ予告演出が行われる変動中においてRTC演出の開始タイミングが到来する場合、図31に示すように、第1有効期間と第2有効期間とが重複することがあり得る。なお、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様、セリフ予告演出とRTC演出とは互いに異なる条件で発生し、第1有効期間と第2有効期間は互いに独立した条件で設定される。そのため、2種類の有効期間の重複は、遊技機の設計者が重複を意図して設計する場合に限らず、設計者の意図に反して発生することも考えられる。
そこで、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様、操作選択画面を表示することによって、入力に応じてどちらの結果演出を実行するかを、遊技者に事前に選択させる(図31参照)。すなわち、図31に示すように2種類の有効期間が重複する場合には、操作選択画面を用いて、いずれか一方の操作演出を遊技者に選択させる。そして、遊技者が選択しなかった方の操作演出に関しては、有効期間を無効にする(キャンセルする)処理が行われる。これによって、第1の実施形態と同様、遊技者が望まない結果演出を見せないようにすることができ、演出の興趣性が低下することを抑制することができる。
以下、2種類の有効期間が重複する場合に実行される演出を具体的に説明する。なお、以下では、図31の状況が生じる場合を例として説明する。まず、第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、装飾図柄の変動表示が開始される。ここで、RTC演出の実行が開始されるタイミングは予め定められているので、2種類の有効期間が重複するか否かの判断については、当該変動中にセリフ予告演出を行うか否か等を決定する時点である、図柄の変動開始時点で行うことができる。したがって、パチンコ遊技機1は、変動開始時において、2種類の有効期間が重複するか否かを判定し(判定方法の詳細は後述する)、重複すると判定した場合、変動開始と共に操作選択画面を液晶表示装置5に表示する(図32(S−L)参照)。
図33は、第2の実施形態における操作選択画面の一例を示す図である。図33に示すように、第2の実施形態においては、操作選択画面として、選択ウィンドウ61が液晶表示装置5に表示される。選択ウィンドウ61は、操作演出の選択(有効期間の選択とも言える)を遊技者に促すための画像であり、具体的には、「選択する演出を十字キーで選択」といったメッセージと、セリフ予告演出を表す「セリフ予告」の文字と、RTC演出を表す「楽曲再生」の文字とを含む。また、2種類の操作演出を表す各文字のいずれか一方は、選択状態であることを表すためにハイライト表示される。
第1の実施形態と同様、操作選択画面が表示される期間においては、(第1有効期間及び第2有効期間とは別に)選択を行うための入力が有効な有効期間が設定され、十字キー27による選択操作が可能になる。そして、操作選択画面において、セリフ予告演出及びRTC演出のうちいずれが選択状態となりいずれが非選択状態となるかは、十字キー27の上又は下のキーを押下することによって切り替わる(図33参照)。また、操作選択画面は、予め定められた所定時間だけ表示され、(変動開始から)この所定時間が経過した表示終了時に選択状態であった操作演出が選択される。なお、他の実施形態においては、操作選択画面は、第1の実施形態と同様に、2種類の有効期間の始期のうちの早い方まで表示されるようにしてもよい。
操作選択画面においてセリフ予告演出が選択された場合には、第1の実施形態における保留変化演出と同様、RTC演出はキャンセルされる(図32(S−C)参照)。この場合、第1有効期間が到来すると、セリフ予告演出が開始され(図32(S−D)参照)、第1有効期間において演出ボタン26が操作されると、セリフ予告演出における結果演出が実行される(図32(S−E)参照)。つまり、第1の実施形態と同様に、キャラクタが所定のセリフを話す演出が行われる。一方、セリフ予告演出が選択された場合には、第2有効期間が到来しても、楽曲選択画面は表示されず、第2有効期間中に入力が行われてもRTC演出における結果演出は実行されず、楽曲の再生も行われない。つまり、セリフ予告演出が選択された場合、RTC演出は実行されない。
一方、操作選択画面においてRTC演出が選択された場合には、セリフ予告演出はキャンセルされる(図32(S−F)参照)。この場合、第2有効期間が到来すると、RTC演出の実行が開始、すなわち、楽曲選択画面60の表示が開始される(図32(S−M)参照)。そして、第2有効期間において演出ボタン26が操作された場合、第2有効期間の終了後に、RTC演出における結果演出として、選択された楽曲を再生する演出が実行される(図32(S−N)参照)。一方、RTC演出が選択された場合には、第1有効期間が到来してもキャラクタ画像52及び第1ボタン画像53は表示されず、第1有効期間中に操作が行われてもセリフ予告演出における結果演出は実行されない。つまり、RTC演出が選択された場合、セリフ予告演出は実行されない。
以上のように、第2の実施形態によれば、図柄の変動開始に起因して行われる操作演出における第1有効期間と、RTC演出の実行開始に起因して行われる操作演出における第2有効期間とが重複する場合に、遊技者に事前に操作演出を選択させる。そして、有効期間内に入力が行われた場合には、選択された操作演出に関する結果演出のみを行う。これによって、第1の実施形態と同様、遊技者が望まない結果演出を実行しないようにすることで、結果として操作演出の演出効果の低下を抑制することができる。
なお、上記においては、変動開始時点から、操作選択画面の表示時間(予め定められた所定時間)よりも後でRTC演出が開始される場合、すなわち、操作選択画面を表示するための時間を確保することができる場合を例として説明を行った。ここで、変動開始のタイミングは、予め定められたRTC演出の開始タイミングとは無関係なタイミングである。そのため、操作選択画面を表示するための時間を確保することができない場合も生じうる。
図34は、第2の実施形態において2種類の有効期間が重複する他の例を示す図である。図34においては、変動開始時点からRTC演出の開始時点までの時間が、操作選択画面の表示時間(予め定められた所定時間)よりも短くなっており、操作選択画面を十分な時間表示することができない。そのため、第2の実施形態においては、上記の場合、操作選択画面を表示せず、操作演出をユーザに選択させる処理を実行しない(図34参照)。具体的には、第1有効期間と第2有効期間とが重複すると判断した場合、パチンコ遊技機1は、変動開始時点から各有効期間の始期のうちの早い方までの時間が、予め定められた上記所定時間よりも長いか否かを判定する。そして、変動開始時点から各有効期間のうちの早い方の始期までの時間が上記所定時間よりも短いと判定される場合には、操作選択画面は表示されない。この場合には、予め決められた方の操作演出(本実施形態においてはRTC演出)が(パチンコ遊技機1によって)自動的に選択され、もう一方の操作演出(セリフ予告演出)が自動的にキャンセルされる。なお、いずれの操作演出を選択するかは任意であり、他の実施形態においてはセリフ予告演出が自動的に選択されてもよい。
上記のように、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様、操作選択画面を表示する十分な時間が確保できない場合には、操作演出をユーザに選択させる処理を実行せず、予め定められた操作演出(第2の実施形態ではRTC演出)を自動的に選択する。これによれば、操作選択画面の表示時間が短すぎるために遊技者が操作演出を選択できない不都合を解消することができる。
以下、図30〜図34に基づいて上述した演出に関する制御を実現するためのパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。なお、第2の実施形態におけるパチンコ遊技機1の内部構成(図12、図13参照)は第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。また、遊技制御基板100における処理(図14〜23)は第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
第2の実施形態における演出制御基板130の処理は、第1の実施形態におけるステップS10〜S12の一連の処理(図24参照)のうち、コマンド受信処理(ステップS11)が異なり、他の処理は第1の実施形態と同じである。そのため、以下では、コマンド受信処理について詳細を説明する。
図35及び図36は、第2の実施形態におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図35に例示されるように、サブCPU131は、まず、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の処理は第1の実施形態と同じである。ここで、変動開始コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS101:NO)、後述するステップS110に処理が進められる。一方、変動開始コマンドを受信したと判定された場合(ステップS101:YES)、第1の実施形態と同様に、ステップS102〜S105の一連の処理が実行される。
ステップS105の処理に続いて、サブCPU131は、当該変動中にRTC演出を実行するか否かを判定する(ステップS150)。ここで、RTC演出を開始すべき時間(時刻)はサブROM132に予め記憶されており、サブCPU131は、この時間と、RTCにより計測される時間と、変動開始コマンドから特定される変動時間とに基づいて、当該変動中にRTC演出を実行するか否かを判定する。具体的には、サブROM132に記憶されている、RTC演出を開始すべき時刻が、RTCにより計測される時間(現在の時刻)から、上記変動時間が経過するまでの期間内に含まれるか否かを判定する。
当該変動中にRTC演出を実行すると判定した場合(ステップS150:YES)、サブCPU131は、第2有効期間を設定する(ステップS151)。ここで、第2の実施形態においては、第2有効期間の長さ(すなわち、楽曲選択画面60の表示時間)はサブROM132に予め記憶されており、サブCPU131は、RTC演出の開始タイミングを第2有効期間の開始タイミングに設定するとともに、当該開始タイミングから上記第2有効期間の長さが経過したタイミングを第2有効期間の終了タイミングに設定する。そして、設定した第2有効期間の開始タイミング及び終了タイミングをサブRAM133に記憶する。本実施形態では、図柄の変動開始時に第2有効期間が設定されるので、サブRAM133に記憶される第2有効期間の設定情報は、第2有効期間の開始タイミング及び終了タイミングを変動演出が開始されてからの経過時間で表した情報として構成される。
ステップS151の処理に続いて、サブCPU131は、第1の実施形態と同様に、ステップS106〜S109の処理を実行する。したがって、2種類の有効期間が重複する場合(ステップS106:YES)であって、かつ、変動開始時点から各有効期間の開始時点のうち早い方までの長さが所定時間以上である場合には、操作選択機能を実行すると判定され(ステップS107:YES)、操作選択画面が液晶表示装置5に表示される(ステップS108)。一方、2種類の有効期間が重複する場合(ステップS106:YES)であって、かつ、変動開始時点から各有効期間の開始時点のうち早い方までの長さが所定時間より短い場合には、操作選択機能を実行しないと判定され(ステップS107:NO)、操作選択画面が液晶表示装置5に表示されず、このとき、セリフ予告演出がキャンセルされる(ステップS109)。
当該変動中にRTC演出を実行しないと判定した場合(ステップS150:NO)、上記ステップS106の処理において2種類の有効期間が重複していないと判定した場合(ステップS106:NO)、又は、上記ステップS108若しくはS109の処理を実行した場合、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている再生終了フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS152)。再生終了フラグは、RTC演出における楽曲再生を終了する処理を実行すべきか否かを示すフラグである。詳細は後述するが、再生終了フラグが「ON」に設定されている状態とは、楽曲が最後まで再生されて、楽曲と共に再生されていた動画が引き続き背景画像として液晶表示装置5に表示されている状態である。したがって、再生終了フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS152:YES)、サブCPU131は、RTC演出における楽曲再生を終了する処理として、BGM及び背景画像をRTC演出前のBGM及び背景画像に戻す処理を実行する(ステップS153)。具体的には、BGM及び背景画像を元に戻すコマンドをサブRAM133にセットする。このコマンドがステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140に送信されことによって、画像音響制御基板140によってBGM及び背景画像がRTC演出開始前のものに戻され、RTC演出が終了することになる。ステップS153の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に設定されている再生終了フラグを「OFF」に設定する(ステップS154)。
一方、再生終了フラグが「ON」に設定されていない(すなわち、「OFF」に設定されている)と判定した場合(ステップS152:NO)、ステップS154の処理を実行した場合、又は変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS101:NO)、サブCPU131は、第1の実施形態と同様にステップS110の処理を実行する。そして、ステップS110の判定結果が肯定である(すなわち、保留コマンドを受信したと判定した)場合、第1の実施形態と同様にステップS111〜S113の一連の処理を実行する。一方、ステップS110の判定結果が否定である(すなわち、保留コマンドを受信していないと判定した)場合、後述するステップS125に処理が進められる。
第2の実施形態においては、上記ステップS113の処理に続いて、サブCPU131は、先読み演出抽選を実行するか否かを判定する(ステップS155)。具体的には、ステップS112の処理によってサブRAM133に格納された事前判定情報に基づいて、その事前判定情報を含んでいた保留コマンドに対応する特別図柄判定の保留に関して、その保留に対応する保留アイコンを通常とは異なる表示態様で表示させる保留先読み演出を行うか否かを決定するための抽選対象にするか否かを判定する。
この判定の判定基準としては、事前判定情報が、大当たり用の変動パターン又はリーチ用の変動パターンを示す情報を含んでいる場合には抽選対象にすると判定し、どちらの情報も含んでいない場合には抽選対象としないと判定する方法が一例として挙げられるが、他の判定基準であってもよい。
サブCPU131は、先読み演出抽選を実行すると判定した場合(ステップS155:YES)、保留先読み演出抽選を実行する(ステップS156)。具体的は、ステップS113の処理で取得した先読み演出実行乱数がサブROM132に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、保留先読み演出を実行するか否かを決定する。
サブCPU131は、ステップS156の決定結果に基づいて、保留先読み演出を実行するか否かを判断する(ステップS157)。ここで、保留先読み演出を実行しないと判断した場合(ステップS157:NO)、又は先読み演出抽選を実行しないと判定した場合(ステップS155:NO)、通常アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS158)。この通常アイコン表示コマンドは、通常の表示態様の保留アイコンの新規表示の実行を指示するコマンドであり、入賞始動口情報を含む。
一方、サブCPU131は、保留先読み演出を実行すると判断した場合(ステップS157:YES)、ステップS112の処理で取得した事前判定情報に含まれる特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報や特別図柄の変動パターンを示す情報等に基づいて、保留アイコンの表示色を決定する(ステップS159)。そして、色付きアイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS160)。この色付きアイコン表示コマンドは、色付きアイコンの新規表示の実行を指示するコマンドであり、入賞始動口情報、及びステップS159の処理で決定した表示色を示す情報が含まれる。
このようにしてサブRAM133にセットされた通常アイコン表示コマンド又は色付きアイコン表示コマンドは、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これに対して、画像音響制御基板140の統括CPUは、通常アイコン表示コマンドを受信した場合には白色の保留アイコンを液晶表示装置5に新たに表示させ、色付きアイコン表示コマンドを受信した場合にはそのコマンドに含まれる表示色を示す情報に対応する色の保留アイコンを液晶表示装置5に新たに表示させる。なお、受信したアイコン表示コマンドに含まれる入賞始動口情報が示す始動口が第1始動口11である場合には保留アイコンを第1保留アイコン表示領域50aに表示させ、入賞始動口情報が示す始動口が第2始動口12である場合には保留アイコンを第2保留アイコン表示領域50bに表示させる。
ステップ158又はステップS160の処理を実行した場合、又は、上記ステップS110の処理で保留コマンドを受信していないと判定した場合、サブCPU131は、第1の実施形態と同じステップS125の処理を実行する。そして、ステップS125の判定結果が肯定である場合(すなわち、変動演出の実行中であると判定した場合)、第1の実施形態と同様に、ステップS126〜S131の処理を実行する。第2の実施形態においては、ステップS126〜S131の処理によって、選択ウィンドウ61を含む画像(図33参照)が操作選択画面として液晶表示装置5に表示され、操作選択画面の表示終了時にセリフ予告演出とRTC演出のいずれかが選択される(選択されなかった方の操作演出に対応するキャンセルフラグが「ON」に設定される)。なお、第2の実施形態においては、第2キャンセルフラグは、第2有効期間が設定されている場合に、RTC演出の実行をキャンセルするか否かを示すフラグである。
ステップS126〜S131の処理の後、サブCPU131は、第1の実施形態と同じセリフ予告演出処理を実行する(ステップS133)。ステップS133の処理に続いて、サブCPU131は、第1の実施形態と同様に、ステップS137(及び、ステップS137の判定結果に応じてステップS138)の処理を実行する。
ステップS125の判定結果が否定である場合(すなわち、変動演出の実行中ではないと判定した場合)、ステップS137の判定結果が否定である場合(すなわち、図柄確定コマンドを受信していないと判定した場合)、又は、ステップS138の処理を実行した場合、サブCPU131は、RTC演出を開始するタイミングが到来したか否かを判定する(ステップS170)。具体的には、RTC134によって計測される時間が、予め定められたRTC演出の開始時刻となったか否かを判定する。なお、RTC演出を開始するタイミングが到来していないと判定された場合(ステップS170:NO)、後述するステップS174に処理が進められる。
RTC演出を開始するタイミングが到来したと判定した場合(ステップS170:YES)、サブCPU131は、サブRAM133において第2キャンセルフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS171)。第2キャンセルフラグが「ON」に設定されていない(すなわち、「OFF」に設定されている)と判定した場合(ステップS171:NO)、サブCPU131は、上述した楽曲選択画面60(図30参照)の表示を指示する楽曲選択画面表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS172)。この楽曲選択画面表示コマンドは、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、画像音響制御基板140によって楽曲選択画面が液晶表示装置5に表示されることになる。
一方、第2キャンセルフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS171:YES)、サブCPU131は、サブRAM133に設定されている第2キャンセルフラグを「OFF」に設定する(ステップS173)。このように、操作選択画面においてセリフ予告演出が選択されて第2キャンセルフラグが「ON」に設定される場合には、楽曲選択画面60は表示されず、結果演出である楽曲の再生も行われない。すなわち、上記の場合には、RTC演出が実行されない。
ステップS172或いはステップS173の処理を実行した場合、又は、上記ステップS170の処理においてRTC演出を開始するタイミングが到来していないと判定した場合、サブCPU131は、上記ステップS172の処理によって表示された楽曲選択画面60の表示中であるか否かを判定する(ステップS174)。楽曲選択画面60の表示中でないと判定された場合(ステップS174:NO)、後述するステップS180に処理が進められる。
一方、楽曲選択画面60の表示中であると判定した場合(ステップS174:YES)、サブCPU131は、演出ボタン26からの操作情報の入力の有無に基づいて、選択切替操作が行われたか否かを判定する(ステップS175)。選択切替操作は、楽曲選択画面60に含まれる各楽曲(図30参照)のうちで、選択状態となっている楽曲を切り替える操作であり、本実施形態においては演出ボタン26の押下によって行われる。
選択切替操作が行われたと判定した場合(ステップS175:YES)、サブCPU131は、楽曲選択画面60においてハイライト表示される楽曲を切り替えることを指示する表示切替コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS176)。この表示切替コマンドは、ステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、液晶表示装置5に表示される楽曲選択画面60においてハイライト表示される楽曲が変更される。また、このとき、サブCPU131は、ハイライト表示される楽曲(選択中の楽曲)の識別情報をサブRAM133に記憶しておく。
選択切替操作が行われていないと判定した場合(ステップS175:NO)、又は、ステップS176の処理を実行した場合、サブCPU131は、楽曲選択画面60の表示を終了するか否かを判定する(ステップS177)。すなわち、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている第2有効期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する。
第2有効期間の終了タイミングが到来したと判定した場合(ステップS177:YES)、サブCPU131は、楽曲選択画面60の表示を終了する楽曲選択画面終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS178)。さらに、ステップS176でサブRAM133に記憶された選択中の楽曲の識別情報を参照して再生すべき楽曲を特定し、特定した楽曲の再生を開始する再生開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS179)。これらのコマンドがステップS11の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることによって、液晶表示装置5において楽曲選択画面60が消去されるとともに、選択された楽曲及びそれに対応する動画の再生が開始される。
第2有効期間の終了タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS177:NO)、ステップS179の処理を実行した場合、又は、上記ステップS174の処理で楽曲選択画面60の表示中でないと判定された場合、サブCPU131は、楽曲の再生中であるか否かを判定する(ステップS180)。楽曲の再生中であると判定した場合(ステップS180:YES)、サブCPU131は、楽曲が最後まで再生されたか否かを判定する(ステップS181)。なお、上記ステップS180及びS181の判定処理は、画像音響制御基板140から送信される画像音響制御に関するデータに基づいて行うことができる。
楽曲が最後まで再生されたと判定した場合(ステップS181:YES)、サブCPU131は、サブRAM133に設定されている再生終了フラグを「ON」に設定する(ステップS182)。これによって、次に図柄の変動が開始される時点において、上述したステップS153及びステップS154の処理が実行され、その結果、背景画像及びBGMがRTC演出前のものに戻されることになる。
楽曲の再生中でないと判定した場合(ステップS180:NO)、楽曲が最後まで再生されていないと判定した場合(ステップS181:NO)、又は、ステップS182の処理を実行した場合、サブCPU131はコマンド受信処理を終了し、上述のステップS11に処理が進められる。
[第2の実施形態の作用効果]
以上のように第2の実施形態においては、パチンコ遊技機1は以下の手段を備えている。
・図柄表示手段(表示器4)に図柄を変動表示させ、特別遊技の判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段(ステップS3091)
・図柄の変動表示の開始タイミングとは独立した時点を基準とする時刻を計測する計時手段(RTC134)
そして、パチンコ遊技機1は、図柄の変動表示が開始されたことを第1条件として図柄の変動中における所定のタイミングで第1の入力画像(第1ボタン画像53)を画面に表示し、計時手段による時刻が所定の時刻になったことを第2条件として当該所定の時刻に基づくタイミングで第2の入力画像(楽曲選択画面60)を画面に表示する。上記の構成によれば、図柄の変動開始に起因して行われる操作演出における有効期間と、計時手段による時刻が所定の時刻になったことに起因して行われる操作演出における有効期間とが重複する場合に、遊技者によって選択された有効期間に対応する結果演出のみを実行することができる。
<変形例>
上記第1及び第2の実施形態においては、2種類の有効期間が重複するが操作選択画面を表示しない場合があり(図11(B)、(C)及び図34参照)、この場合、2つの操作演出のうち予め定められた一方を自動的に選択するものとした。ここで、他の実施形態においては、2つの操作演出の結果演出がそれぞれ大当たりに対する信頼度を示唆するものである場合、パチンコ遊技機1は、より高い信頼度を示唆する方の操作演出を選択するようにしてもよい。例えば第1の実施形態において、セリフ予告演出の結果演出として通常の(信頼度が相対的に低い)セリフを出力する演出を実行することが決定され、保留変化演出の結果演出として、セリフ予告演出の信頼度よりも高い信頼度を示唆する表示色へと保留アイコンを変化させる演出の実行が決定された場合には、保留変化演出が自動的に選択されてもよい。これによれば、遊技者がより期待を抱きやすい方の結果演出を実行することができるので、演出の興趣性を向上することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、2種類の有効期間が重複するが操作選択画面を表示する十分な時間が確保できない場合(図11(B)、(C)及び図34参照)には、操作選択画面を表示しないようにした。ここで、他の実施形態においては、このような場合には、有効期間(すなわち、操作演出の開始タイミング)を後にずらし、操作選択画面の表示時間を確保するようにしてもよい。具体的には、操作選択画面の表示時間が予め定められた所定時間より短くなる場合、サブCPU131は、操作選択画面を当該所定時間だけ表示した後で有効期間が開始されるように、有効期間を設定(再設定)する。
図37は、図11(C)に示す状況において有効期間をずらして設定する例を示す図である。なお、図37では、第2有効期間を変更する場合を例示しており、変更前の第2有効期間を一点鎖線で示している。図11(C)においては、保留増加から予め定められた時間が経過したタイミングT1で保留変化演出が開始され、そのため、変動開始からタイミングT1までの時間が短く、操作選択画面の表示が行われなかった。ここで、他の実施形態においては、このような場合において、操作選択画面を上記所定時間だけ表示した後のタイミングT2へ、第2有効期間の開始タイミングをずらすようにしてもよい(図37参照)。これによれば、操作選択機能を実行する機会を増やすことができ、遊技者が操作演出を選択する機会を増やすことができる。また、他の実施形態においては、図37に示す場合において、有効期間をずらすことに代えて、有効期間を短縮する(開始タイミングだけを遅らせ、終了タイミングを変更しない)ようにしてもよい。
また、他の実施形態においては、2種類の有効期間が重複する場合であっても、それらが重複する期間がわずかである場合、操作選択機能を実行しないようにしてもよい。図38は、2種類の有効期間が少しだけ重複する場合の例を示す図である。図38に示す場合のように、2種類の有効期間の重複期間が短い場合には、この重複期間において演出ボタン26が操作される可能性は小さく、操作選択機能を実行する必要性が小さいと考えられる。また、このように必要性が小さい場合にまで遊技者に選択操作を行わせるのは、余計な操作が要求されていると遊技者が感じるおそれもある。そのため、上記のような場合には、操作選択画面を表示せず、操作選択機能を実行しないようにしてもよい。具体的には、サブCPU131は、2種類の有効期間が重複する場合、重複する期間が予め定められた所定時間よりも長いことを条件として、操作選択機能を実行するようにしてもよい。
また、操作選択画面を表示するタイミングは、2種類の有効期間が重複する期間の終了時よりも前における任意のタイミングでよい。例えば、2種類の有効期間が重複することが決定される前に、操作選択画面を表示して予め遊技者に選択を行わせておくようにしてもよい。例えば、他の実施形態においては、いわゆる客待ち状態において操作選択画面を表示可能な構成とし、2種類の有効期間が重複した場合にどちらの操作演出を実行するかを遊技者に予め設定させるようにしてもよい。具体的には、パチンコ遊技機は、特別図柄判定が保留されていない状態で図柄の変動表示が終了すると、その変動表示の終了から所定時間(例えば30秒)が経過したタイミングで、いわゆる客待ち演出を開始する。この客待ち演出が行われる際にメニュー画面を表示し、メニュー画面から操作選択画面を表示させることが可能な構成としてもよい。このように、客待ち状態において操作選択画面を表示する場合には、遊技中に遊技者に選択を(有効期間が重複する度に)行わせる必要が無いので、遊技中の操作をより快適にすることができる。
また例えば、操作選択画面を表示するタイミングは、2種類の有効期間が重複することが未確定である変動開始時であってもよい。すなわち、第1の実施形態においては、当該変動中に保留数が増加したことに起因して2種類の有効期間が重複する場合には、保留数が増加したタイミングで操作選択画面を表示した(図6参照)が、他の実施形態においては、当該変動が開始するタイミングで操作選択画面を表示するようにしてもよい。具体的には、サブCPU131は、変動開始時にセリフ予告演出を実行すると決定した場合、変動開始のタイミングで操作選択画面を表示し、セリフ予告演出と保留変化演出とのいずれかを遊技者に選択させる。つまり、2種類の有効期間が重複するかどうかは未確定であるが、重複した場合に備えて予備的に選択を遊技者に行わせておく。そして、当該変動中において実際に2種類の有効期間が重複した場合には、上述の実施形態と同様、選択された操作演出のみを実行する。一方、当該変動中において実際には2種類の有効期間が重複することがなかった場合には、遊技者による選択を無視して通常通りの演出を実行する(すなわち、セリフ予告演出を実行し、セリフ予告演出と重複しない期間に保留変化演出の実行が決定された場合には保留変化演出も実行する)。これによれば、操作選択機能を実行する機会を増やすことができ、遊技者が操作演出を選択する機会を増やすことができる。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、2種類の操作演出のうちいずれか一方を選択可能であるとしたが、他の実施形態においては、2種類の操作演出のうちいずれか一方を選択可能であるとともに、両方を選択可能としてもよい。すなわち、操作選択画面においては、
(a)第1操作演出(セリフ予告演出)が選択状態、第2操作演出(保留変化演出又はRTC演出)が非選択状態
(b)第1操作演出が非選択状態、第2操作演出が選択状態
(c)第1操作演出及び第2操作演出が選択状態
という3種類の状態が、遊技者による切替操作に応じて順に切り替わるようにしても良い。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、図柄の変動開始に起因して行われる第1操作演出(セリフ予告演出)における第1有効期間と、他の事項に起因して行われる第2操作演出(保留変化演出又はRTC演出)における第2有効期間とが重複する場合を例として説明した。ここで、本発明における操作演出(有効期間)の選択処理は、任意の2つの操作演出が重複する場合に適用可能である。例えば、第1の実施形態における、特別図柄判定が保留されたことに起因して行われる操作演出における有効期間と、第2の実施形態における、RTC演出の実行開始に起因して行われる操作演出における有効期間とが重複する場合に適用することも可能である。また、特別図柄判定が保留されたことに起因して行われる操作演出は、短時間に連続して発生する可能性があり、このとき、2つの有効期間が重複する可能性がある。このように、同種の操作演出における有効期間が重複する場合においても、本発明における操作演出(有効期間)の選択処理を適用することができる。
また、他の実施形態においては、演出ボタン26にはボタンランプ(例えばLED)が内蔵され、有効期間においてはボタンランプが発光するように制御されてもよい。このとき、操作選択画面の表示中においては、有効期間とは異なる態様(例えば、点滅する態様)でボタンランプの発光が制御されてもよいし、ボタンランプは発光されなくてもよい。さらに、操作選択画面の表示中において、一方の操作演出が選択されている状態と、他方の操作演出が選択されている状態とで異なる態様(例えば、点滅速度が異なる等)でボタンランプの発光が制御されてもよい。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えば回胴式遊技機等の他の遊技機にも適用可能である。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。これは、本実施形態で例示された画面図などについても同様である。