(第1の実施の形態)[パチンコ遊技機1の構成]
パチンコ遊技機1の概観について図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の概観を示す斜視図である。また、図2は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の概観を示す正面図である。また、図3は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の概観を示す分解斜視図である。また、図4は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の遊技盤40の正面図である。
パチンコ遊技機1は、図1から図3に示すように、ガラスドア10、発射装置20、ベースドア30、遊技盤40、木枠60、画像を表示する液晶表示装置50、払出ユニット70、基板ユニット80、及びスペーサ90等から構成されている。
ガラスドア10は、ベースドア30に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア10の中央には、開口11が形成されており、その開口11には、透過性を有する保護ガラス12が配設されている。この保護ガラス12は、ガラスドア10が閉鎖された状態で遊技盤40の前面に対面するように配設されている。
また、ガラスドア10には、開口11の下方に、皿ユニット13と、スピーカ14(図51参照)と、演出ボタン16と、が設けられている。皿ユニット13は、上皿131と、上皿131の下方に位置された下皿132とを一体化したユニット体である。上皿131及び下皿132には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口が形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿131には、後述する遊技領域41(図4参照)に発射させるための遊技球が貯留される。また、スピーカ14(図51参照)は、下皿132の内部に配設されている。また、演出ボタン16は、上皿131の上部に配設されている。
発射装置20は、ベースドア30の右下部に配設される。この発射装置20は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル21と、皿ユニット13の右下部に適合するパネル体22と、を備えている。発射ハンドル21は、回動自在であり、パネル体22の表側に設けられる。パネル体22は、ベースドア30に、皿ユニット13及び発射装置20を配設したとき、皿ユニット13の右下部と一体化する。そして、遊技者によって発射ハンドル21が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。
パネル体22の裏側には遊技球を発射するための発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル21の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。発射ハンドル21の内部には、発射ハンドル21の回動量に応じて抵抗値を変化させ、発射ソレノイド(図示せず)に供給する電力を変化させる発射ボリュームが設けられている。
タッチセンサ(図示せず)が遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル21が握持されたと検知される。発射ハンドル21が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ボリューム(図示せず)の抵抗値が変化し、この時の抵抗値に対応する電力が発射ソレノイド(図示せず)に供給される。その結果、上皿131に貯留された遊技球が遊技盤40の後述する遊技領域41に順次発射され、遊技が進められる。なお、発射停止ボタン(図示せず)が押下された場合には、発射ハンドル21を握持しかつ回動させた状態であっても遊技球の発射が停止される。
ベースドア30は、木枠60に対して開閉自在に軸着されている。ベースドア30には、保護ガラス12の後方に、スペーサ90を介して遊技盤40が配設されている。スペーサ90は、ベースドア30と遊技盤40との間に介装され、遊技盤40をベースドア30に取り付けるための部材である。また、スペーサ90には、後述するように各種役物等の遊技部材が取り付けられるようになっている。
図4に示すように、遊技盤40は、板形状の樹脂によって形成され、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質で形成されている。遊技盤40は、少なくとも一部が透光性又は導光性を有しており、透光性又は導光性を有する領域の後方は、前方から視認可能であり、透光性又は導光性を有していない領域の後方は、前方から視認困難である。なお、遊技盤40は、板形状の部分(後述する遊技領域41が形成された部分)を、例えば透光性又は導光性を有していない金属、木材等の材質で構成してもよい。この場合、遊技盤40の中央部に形成された開口が、透光性又は導光性を有する領域となる。
また、遊技盤40は、その前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域41と、遊技領域41の外側の右側下部に配置されたLEDユニット43と、を備えている。
遊技盤40には、遊技領域41を画定する円弧形状のガイドレール411が設けられ、この遊技領域41に複数の遊技釘412が打ちこまれている。また、遊技盤40には、遊技領域41において、中央台板413、第1始動口414a、第2始動口414b、普通電動役物415、球通過検出器416、大入賞口418、一般入賞口419a、419b、419c、419d、通常アウト口420a、第1特別アウト口420b、第2特別アウト口420c、第3特別アウト口420d、振分装置421、シャッタ装置422、流下経路板423、入賞容易機構424、タッチセンサ425、イルミアレイ426等の遊技部材が配設されている。
ガイドレール411は、外レール411aと、その外レール411aの内側に配設された内レール411bとから構成されている。
中央台板413は、樹脂材によって構成された枠形の部材であり、遊技盤40の中央部に形成された開口に配置される。中央台板413は、右レール部413aと、左レール部413bと、通過口413cと、ステージ413dと、右ガイド部413eと、を備えている。右レール部413a及び左レール部413bは、中央台板413の上部に形成され、遊技盤40の盤面に発射された遊技球をガイドする。遊技領域41の最上部位を越えた遊技球は、右レール部413aのガイドによって円弧状の軌道を描きながら、遊技領域41の右側領域に流下する。遊技領域41の最上部位を越えなかった遊技球は、左レール部413bのガイドによって遊技領域41の左側領域に移動する。ここで、液晶表示装置50(図3参照)の表示領域51は、遊技盤40を正面視した場合に、遊技盤40の後方において、中央台板413の枠内に配置される。
また、通過口413cは、中央台板413の左側の所定部位に形成された、遊技球が通過可能な部位である。ステージ413dは、中央台板413の下部に形成され、遊技盤40の開口側に延びている。中央台板413の左側から通過口413cを通過した遊技球は、遊技盤40のステージ413d上を転動し、ステージ413dから遊技盤40の盤面に流下する。右ガイド部413eは、中央台板413の右側に形成され、遊技球の両側部をガイドしながら下方に流下させる一対のガイド板によって形成される。右レール部413aを通過した遊技球は、右ガイド部413eによってガイドされながら遊技領域41における右側領域を流下する。
発射装置20(図1等参照)により発射された遊技球は、ガイドレール411に案内されて、遊技領域41の上部に移動し、遊技釘412や中央台板413等への衝突により、その進行方向を変えながら遊技領域41の下方に向かって流下する。遊技者は、例えば、中央台板413の左側に遊技球を打ち込み、遊技球を中央台板413の左側を流下させる系統(所謂、左打ち)と、発射装置20の発射ハンドル21(図1等参照)を右側に最大に回転させて、中央台板413の右側に遊技球を打ち込み、右レール部413a、右ガイド部413eを通って、遊技球を中央台板413の右側を流下する系統(所謂、右打ち)と、を選択してパチンコ遊技を進めることができる。なお、遊技盤40の遊技領域41に発射された遊技球は、通過口413c以外の箇所から中央台板413の内部に移動することはない。
第1始動口414aは、中央台板413の下方において、遊技領域41の中央より下方に配設されている。ここで、ステージ413dの中央には凹部が形成されており、この凹部の直下に第1始動口414aが配置されている。すなわち、ステージ413d中央の凹部に載った遊技球は、第1始動口414aに入球し易くなる。第1始動口414a内には、入賞領域が設けられている。この入賞領域には、第1始動口入賞球センサ116a(図51参照)が備えられている。
第2始動口414bは、右レール部413aの下流側端部の下方に配設されている。第2始動口414b内には、入賞領域が設けられている。この入賞領域には、第2始動口入賞球センサ116b(図51参照)が備えられている。本実施の形態においては、第1始動口414aへの入賞は左打ちによってのみ、第2始動口414bへの入賞は右打ちによってのみ可能になるように、遊技盤40に各種の遊技部材が配置されている。
普通電動役物415は、第2始動口414bの直上に設けられ、遊技盤40の板面に対して突出、引き込み可能な平板部材415aと、この平板部材415aを駆動させる普通電動役物ソレノイド111(図51参照)と、を備えている。平板部材415aは、右側に傾斜する斜面を有しており、普通電動役物415の平板部材415aが突出した状態の時に、平板部材415aに乗った遊技球は、右方向に移動し、平板部材415aが引き込んだ状態の時に平板部材415aを通過した遊技球は、第2始動口414bに入球し易くなる。
球通過検出器416は、遊技球が一球ずつ通過可能な通過ゲートと、この通過ゲート内に配設された球通過検出センサ115(図51参照)と、を備えている。球通過検出器416は、普通電動役物415の直上に配置され、球通過検出器416の通過ゲートは、右ガイド部413eの下流側端部に対向配置される。すなわち、遊技球を遊技領域41における右側領域に発射した遊技球は、右ガイド部413eと通過して、通過ゲートに向かって流下するため、球通過検出器416を通過し易くなる。
なお、普通電動役物415及び球通過検出器416は、1つのユニットとして構成されている。これにより、遊技盤40への取付け、取外しやメンテナンスにかかる作業が容易になる。
大入賞口418は、遊技領域41の右側の領域において、第2始動口414b及び一般入賞口419dよりも下方に配設されている。大入賞口418内には、入賞領域が設けられており、この入賞領域には、カウントセンサ113(図51参照)が備えられている。
一般入賞口419a、419b、419cは、遊技領域41の左側の領域に配設され、一般入賞口419dは、遊技領域41の右側の領域において、第2始動口414bの下方で大入賞口418よりも上方に配設されている。一般入賞口419a、419b、419cに入球した遊技球は共通の経路を通るようになり、この共通の経路の所定の部位に一般入賞球センサ114a(図51参照)が備えられている。また、一般入賞口419d内にも同様に一般入賞球センサ114b(図51参照)が備えられている。
通常アウト口420aは、遊技領域41の左側の領域における第1始動口414a及び一般入賞口419a、419b、419cの下方に配設されている。第1始動口414a及び一般入賞口419a、419b、419cのいずれにも入球しなかった遊技球は、通常アウト口420aから遊技盤40の裏側に送られ、回収装置によって回収される。このように、通常アウト口420aは、第2領域(遊技領域41の左側領域)を転動する遊技媒体において、遊技価値付与手段(払出装置71)による所定の遊技価値の付与の契機となる領域を通過しない遊技媒体を通過させ、遊技領域の外部に送り出す第2アウト口の一例である。
第1特別アウト口420b及び第2特別アウト口420cは、大入賞口418の両隣にそれぞれ配設されている。特に、第1特別アウト口420bは大入賞口418の左側に配設されており、この第1特別アウト口420b内に第1アウト球検出センサ117a(図51参照)が備えられている。第2特別アウト口420c内には第2アウト球検出センサ117b(図51参照)が備えられている。第3特別アウト口420dは、一般入賞口419dの隣に配設されている。
振分装置421は、第2始動口414bの下方で一般入賞口419dよりも上方に配設され、第2始動口414bに入球しなかった遊技球をそれぞれ左方向(第1経路423b側)又は右方向(第2経路423c側)に案内して、遊技球を振り分ける装置である。振分装置421の詳細については後述するが、例えば、4球連続して遊技球が振分装置421に移動した場合に、3球は右側に、1球は左側に振り分ける機能を備えている。
なお、普通電動役物415及び球通過検出器416を含む1つのユニットに振分装置421を含めてもよい。例えば、図79に示すように、普通電動役物415及び球通過検出器416をベース板430に固定してなるユニット体において、更に、ベース板430に振分装置421を着脱自在に固定してもよい。このように、振分装置421は、第1通過領域形成部材(球通過検出器416)及び第1変位部材(普通電動役物415)を有するユニット体に対して着脱自在であり、このユニット体に装着した状態で遊技盤40に設置される。これにより、遊技盤40への取付けにおける普通電動役物415、球通過検出器416及び振分装置421の位置決めや仮固定等の作業が容易になり、更なる作業の効率化を図ることができる。
シャッタ装置422は、振分装置421の下方に配設されており、遊技盤40の板面に対して突出、引き込み可能なシャッタ部材422aと、このシャッタ部材422aを駆動させる大入賞口ソレノイド112(図51参照)と、を備えている。シャッタ装置422において、シャッタ部材422aは、左側に下り傾斜する斜面を有しており、大入賞口ソレノイド112(図51参照)によってシャッタ部材422aが引き込むことにより、大入賞口418に入球しやすくなり、シャッタ部材422aが突出することにより、大入賞口418に入球し難くなる。
流下経路板423は、樹脂によって構成されており、板面に複数の突条を備えている。これらの突条によって右ガイド部413eの下流側端部から流下する遊技球の経路を規定するものである。流下経路板423は、遊技盤40の遊技領域41における右側下部に配設され、球通過検出器416、普通電動役物415、振分装置421、シャッタ装置422、一般入賞口419d、大入賞口418、第1特別アウト口420b、第2特別アウト口420c及び第3特別アウト口420dに対向する部位に、遊技球が通過可能な孔部が形成されている。球通過検出器416、普通電動役物415、振分装置421、シャッタ装置422は遊技盤40の裏側に固定され、球通過検出器416において遊技球が通過する通過ゲート、振分装置421の一部、突出状態の平板部材415a、突出状態のシャッタ部材422aが、流下経路板423に形成された孔部を介して遊技盤40の盤面上から突出する。
流下経路板423は、複数の突条によって形成された、受入経路423a、受入経路423aから分岐する第1経路423b及び第2経路423c、及び第2経路423cを通過した遊技球を受ける第3経路423dを備えている。
受入経路423aは、右ガイド部413eの下流側端部から流れ出た全ての遊技球が通過する経路であり、この経路内に、球通過検出器416、普通電動役物415及び第2始動口414bが配置される。球通過検出器416に入球しなかった遊技球、及び普通電動役物415の平板部材415aが突出することによって右方に流下させられた遊技球は、第1経路423bと第2経路423cとの分岐位置に移動する。なお、平板部材415aが引き込むことによって下方に流下した遊技球は、第2始動口414bを通過して遊技盤40の裏側に移動して、回収装置に回収される。
振分装置421は、第1経路423bと第2経路423cとの分岐位置に配設されており、振分装置421によって、左側の第1経路423bと右側の第2経路423cとに遊技球が振り分けられる。
第1経路423bは、遊技球を一般入賞口419d及び第3特別アウト口420d側に導く経路であり、第1経路423bを通過した遊技球は、一般入賞口419d及び第3特別アウト口420dのいずれかに入球する場合と、いずれにも入球しない場合とに分けられる。一般入賞口419d及び第3特別アウト口420dを通過した遊技球は、遊技盤40の裏側に移動して、回収装置に回収される。いずれにも入球しない遊技球は、第2経路423cに合流する。合流後の第2経路423cの下端部は、第3経路423dに連絡される。
第3経路423dは、左側に下がる緩やかな斜面を有しており、この斜面上には、複数の遊技球が同時に落下可能な大きさの略矩形の大落下口423eが形成されている。更に、大落下口423eの両隣に、遊技球が1個ずつ落下可能な大きさの小落下口423f、423gが形成されている。小落下口423fは斜面の下側に形成され、小落下口423gは斜面の上側に形成されている。
大落下口423eに落下した遊技球は大入賞口418に、小落下口423fに落下した遊技球は第1特別アウト口420bに、小落下口423gに落下した遊技球は第2特別アウト口420cに、それぞれ案内される。
流下経路板423におけるシャッタ装置422に対向する部位にはスリット状の孔部が形成されており、このスリット状の孔部は大落下口423eの開口上部に形成されている。シャッタ装置422のシャッタ部材422aはこの孔部に遊嵌され、大入賞口ソレノイド112(図51参照)によってスリット状の孔部から突出、引き込むように駆動される。シャッタ部材422aが突出した場合に、大落下口423eは閉鎖状態となり、第3経路423dの斜面とシャッタ部材422aの上面とが面一になる。このため、第3経路423dの斜面を転動する遊技球は、シャッタ部材422aの上面を通過して、第1特別アウト口420bへと移動する。シャッタ部材422aが引き込んだ場合には、大落下口423eは開放状態となり、大入賞口418への遊技球の入球が可能になる。シャッタ部材422aは、大落下口423e及び大入賞口418を開放する開放状態と大落下口423e及び大入賞口418を閉鎖する閉鎖状態とに移行可能な本発明の可変入賞手段を構成する。なお、大入賞口418は、内部に入賞領域を有するので、大入賞口418は、本発明の入賞領域を構成する。
なお、シャッタ装置422のシャッタ部材422aが突出した際に、例えば、シャッタ部材422aに大量の遊技球が載った場合など、シャッタ部材422aの上部からこぼれ落ちる遊技球が発生した場合、その遊技球は、第3経路423dの斜面の上部から小落下口423gを介して第2特別アウト口420cへと移動する。
このように、球通過検出器416は、遊技領域における所定領域に発射された遊技媒体が通過可能な第1通過領域を形成する第1通過領域形成部材として機能し、第2始動口414bは、第1通過領域を通過した遊技媒体が通過可能な第2通過領域として機能し、普通電動役物415は、第1通過領域形成部材とともにユニット化され、かつ、第2通過領域への遊技媒体の通過を容易にする第1位置、及び第2通過領域への遊技媒体の通過を困難にする第2位置のいずれかに変位可能な第1変位部材として機能し、一般入賞口419dが第1経路に振り分けられた遊技媒体が通過可能な第3通過領域として機能し、大入賞口418は、第2経路に振り分けられた遊技媒体が通過可能な第4通過領域として機能し、シャッタ装置422は、第2経路に振り分けられた遊技媒体が転動可能であり、かつ、第4通過領域への遊技媒体の通過を容易にする第3位置、及び第4通過領域への遊技媒体の通過を困難にする第4位置のいずれかに変位可能な第2変位部材の一例に相当し、第1特別アウト口420bは、第4通過領域を通過しない遊技媒体を通過させ、遊技領域の外部に送り出す第1アウト口として機能する。
図4において、入賞容易機構424は、流下経路板423における大落下口423e及びシャッタ部材422aの上部の遊技領域41において、等間隔に並べて形成された複数のリブ424aによって構成される。リブ424aは、細長い円柱を2分割した形状であり、入賞容易機構424を正面視した場合に、上下方向に延びている。このため、シャッタ部材422aが大落下口423eを閉じた状態において、シャッタ部材422aの斜面を通過する遊技球、すなわち、シャッタ部材422aに向かって転動する遊技球は、リブ424aに接触しながら流下する。これにより、遊技球の転動速度は、シャッタ部材422aによる斜面を通過する間に減速される。言い換えれば、シャッタ部材422aに載っている時間が長くなる。このように、入賞容易機構424は、第2変位部材(シャッタ部材422a)が第4位置(大落下口423eを閉じた状態)にある場合に第2変位部材の上部を通過する遊技媒体が、第2変位部材の第4位置から第3位置(大落下口423eを開いた状態)への変位の際に、第4通過領域(大入賞口418)側に移動することを容易にする入賞容易機構として機能する。
シャッタ部材422aの内部の大落下口423eには、等間隔に並べて形成された複数のリブ424bが設けられている。リブ424bは、リブ424aと同様に細長い円柱を2分割した形状を有し、リブ424bを正面視した場合に、上下方向に延びている。
リブ424bは、シャッタ部材422aの外部の遊技領域41からシャッタ部材422aの内部の大落下口423eに誘導された遊技球のうち、カウントセンサ113(図51参照)に検出されていない遊技球、換言すれば、大入賞口418に入賞していない大落下口423e内を通過する遊技球に接触してこの遊技球の転動速度を減速する。
シャッタ部材422aは、上下方向においてリブ424aとリブ424bとの間に設けられており、シャッタ部材422aが閉鎖状態にあるときに、リブ424aによってシャッタ部材422aの外部を転動する遊技球を減速可能であり、シャッタ部材422aが開放又は閉鎖状態(開放直後の閉鎖状態)にあるときに、リブ424bによって大落下口423e内を転動する遊技球を減速可能である。本実施の形態のリブ424aは、本発明の第1減速手段を構成し、リブ424bは、本発明の第2減速手段を構成する。
タッチセンサ425は、非接触式のタッチセンサからなり、遊技領域41の右側の領域における所定部位、例えば入賞容易機構424の上部に配置されている。タッチセンサ425は、遊技者がタッチセンサ425に向かって、保護ガラス12(図3参照)越しに手をかざすかあるいは保護ガラス12に触接した場合に検知信号を出力する。
イルミアレイ426は、詳細については後述するが、潜像が形成された透明な導光板426a(図10参照)と、導光板426aの側方に配置される光源426b(図10参照)とによって構成される。イルミアレイ426は、遊技領域41の右側の領域における所におけるタッチセンサ425の近傍に配設される。そして、光源426b(図10参照)を発光させることによって潜像が可視像化され、導光板426a(図10参照)にイルミネーション表示される。本実施の形態においては、タッチセンサ425が操作可能である旨の情報が表示される。
LEDユニット43には、特別図柄表示装置431、ラウンド数表示装置432、第1特別図柄保留表示装置433a、第2特別図柄保留表示装置433b、普通図柄表示装置434、普通図柄保留表示装置435が配設されている。
特別図柄表示装置431は、7セグメントLEDによって構成され、この7セグメントLEDにより示される特別図柄(識別図柄とも言う)を、所定の変動表示開始条件の成立後、7セグメントLEDの点灯・消灯の繰り返しにより変動表示し、停止表示する。具体的には、特別図柄表示装置431は、第1始動口414a又は第2始動口414bに遊技球が入賞し、この遊技球が第1始動口入賞球センサ116a(図51参照)又は第2始動口入賞球センサ116b(図51参照)により検出されると、特別図柄を変動表示し、所定時間経過後、特別図柄を所定の停止表示態様で停止表示する。
ラウンド数表示装置432は、7セグメントLEDによって構成され、後述する大当り遊技状態におけるラウンドゲームのラウンド数を表示する。
本実施の形態においては、ラウンド数表示装置432の側方に、16個の表示用ランプが配設されている。これらの表示用ランプは、第1特別図柄保留表示装置433a、第2特別図柄保留表示装置433b、普通図柄表示装置434、及び普通図柄保留表示装置435を構成するものである。
第1特別図柄保留表示装置433aは、4つの表示用ランプで構成され、第1始動口414aに入賞したことを契機とする、特別図柄表示装置431における変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を点灯、消灯又は点滅によって表示する。
第2特別図柄保留表示装置433bは、4つの表示用ランプで構成され、第2始動口414bに入賞したことを契機とする、特別図柄表示装置431における変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を点灯、消灯又は点滅によって表示する。具体的には、第1特別図柄保留表示装置433a及び第2特別図柄保留表示装置433bは、例えば、特別図柄表示装置431における変動表示の実行回数が1回分保留されている場合には1つの表示用ランプが点灯し、特別図柄表示装置431における変動表示の実行回数が2回分保留されている場合には2つの表示用ランプが点灯する。
普通図柄表示装置434は、2つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプより示される普通図柄を、所定の変動表示開始条件の成立後、表示用ランプの点灯・消灯を交互に繰り返すにより変動表示し、停止表示する。具体的には、普通図柄表示装置434は、球通過検出器416を遊技球が通過し、この遊技球が球通過検出センサ115(図51参照)により検出されると、普通図柄を変動表示し、所定時間経過後、普通図柄を所定の停止表示態様で停止表示する。
普通図柄保留表示装置435は、4つの表示用ランプで構成され、球通過検出器416を遊技球が通過したことを契機とする、普通図柄表示装置434における変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を点灯、消灯又は点滅によって表示する。具体的には、普通図柄保留表示装置435は、例えば、普通図柄表示装置434における変動表示の実行回数が1回分保留されている場合には1つの表示用ランプが点灯し、普通図柄表示装置434における変動表示の実行回数が2回分保留されている場合には2つの表示用ランプが点灯する。
図3に戻って、液晶表示装置50は、表示手段の一例であり、遊技盤40の後方(背面側)に配設され、図4に示すように、その表示領域51が遊技盤40の中央より上方に配設されている。表示領域51には、演出用の識別図柄である導出図柄、演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。なお、本実施の形態において、表示手段の一例として、液晶表示装置50を記載したが、本発明はこれに限定されない。表示手段は、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRTディスプレイや、ランプ等であってもよい。
払出ユニット70は、後述する払出装置71(図51参照)を備え、図4に示す、第1始動口414a、第2始動口414b、一般入賞口419a~419d、大入賞口418に遊技球が入賞したときに、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球を上皿131又は下皿132に払い出す。
基板ユニット80は、後述する主制御回路100(図51参照)、副制御回路200(図51参照)等が格納され、パチンコ遊技機1を制御する。
[振分装置421の構成]
図5は、振分装置421の構成部品を示す分解斜視図、図6は、振分装置421に係る振分ドラム501の外観を示す斜視図であり、図6(a)は、振分ドラム501を左側から視認した外観、図6(b)は、振分ドラム501を右側から視認した外観を示す。図7は、振分ドラム501に第1カムロック504を取付けた外観を示す斜視図、図8は、振分装置421の正面図であり、図8(a)は、第1カムロック504と第2カムロック505とが係合した状態、図8(b)は、第1カムロック504と第2カムロック505との係合が解除した状態を示す。図9は振分ドラム501の動作を示す説明図である。
振分装置421は、ベース500と、振分ドラム501と、振分軸502と、ブッシュ503と、第1カムロック504と、第2カムロック505と、バネ部材506と、意匠レンズ507と、シール508と、カバー左509と、カバー右510と、を備えている。
ベース500は、半円筒状に形成されたケース部500aと、半円形の平板状に形成されたケース部500aの両側面の縁部から、ケース部500aの外側に側面に対して直角方向に延びる延在部500b、500cと、を備えている。
ケース部500aは、振分ドラム501が収納可能な大きさに形成されている。延在部500bは、振分ドラム501の左側の側面から延在し、延在部500cは、振分ドラム501の右側の側面から延在する。延在部500b、500cには、遊技盤40に固定するためのねじが通される孔部が形成されている。また、延在部500bには、ケース部500aよりも小さい半円筒状に形成された小ケース部500d及び振分軸502の一方の端部が収納される軸受け部500eが形成されている。小ケース部500dは、ケース部500aに連通し、軸受け部500eは小ケース部500dに連通している。延在部500cには、振分軸502の他方の端部が収納される軸受け部500fが形成されている。軸受け部500fはケース部500aに連通している。ケース部500a、小ケース部500d、軸受け部500e及び軸受け部500fは、同一軸線上に配置されている。
振分ドラム501は、図6に示すように、振分軸502(図5参照)が挿入可能な中心孔501eを有する円柱形(鼓形)のドラム本体501aと、ドラム本体501aに形成され、ドラム本体501aの中心軸に沿って延びる4本の溝部501bと、ドラム本体501aの一方の端部から突出する突出部501cと、ドラム本体501aの他方の端部から突出する突出部501dと、を備えている。
4本の溝部501bは、ドラム本体501aに中心軸に対して90度に広がる壁面の間に形成されており、隣り合う溝部501bの間に羽根部501fが形成される。すなわち、振分ドラム501は、ドラム本体501aから径方向に延在する4枚の羽根部501fを備えており、4枚の羽根部501fは、ドラム本体501aの軸方向に向かって正面視した場合に十字型に延びている。羽根部501fにおけるドラム本体501aから延びる最大の長さは、遊技球の直径より小さく設定されている。
突出部501cは、ドラム本体501aの内側に向かって傾斜する円錐台形に形成されている。また、突出部501cには、4本の溝部501bの中の1本の溝部501bに連通する切り欠きが形成されている。
突出部501dは、ドラム本体501aの内側に向かって傾斜する円錐台形に形成されている。突出部501dは、4本の溝部501bの中の他の3本の溝部501bに連通する切り欠きが形成されている。なお、突出部501dの側面には、凹部501kが形成されており、この凹部501kに意匠レンズ507(図5参照)が装着される。
すなわち、振分ドラム501に形成された4本の溝部501bの中の1つの溝部501bは、右側が突出部501dによって閉鎖され、左側が開放されており、他の3組の溝部501bは、左側が突出部501cによって閉鎖され、右側が開放されている。以下の説明において、右側が突出部501dによって閉鎖され、左側が開放されている溝部501bを左受け部501g、左側が突出部501cによって閉鎖され、右側が開放されている3組の溝部501bを右受け部501hと称する。すなわち、左受け部501g及び右受け部501hは、隣り合う羽根部501f間に形成される。
図5に示すように、ブッシュ503は、円板体503aの中心に円筒体503bが形成されてなるフランジ体からなる。円板体503aの内径は、ドラム本体501aにおける突出部501c、501d(図6参照)の付け根部分までの内径よりも小さく設定されている。また、円筒体503bの外径は、円筒体503bが中心孔501e(図6参照)に嵌入可能な大きさであり、内径は、振分軸502が挿入可能な程度に振分軸502よりも若干大きく設定されている。そして、円筒体503bを、中心孔501eに嵌入することにより、ブッシュ503が振分ドラム501の右側に取付けられる。
第1カムロック504は、図5、図7に示すように、中心角が90°の扇形の欠落部504bを有する円板体504aと、円板体504aの中心に立設された円筒体504cと、円板体504aにおける円筒体504cが立設した面に対して反対側の面に形成されたギヤ部504eと、を備えている。
円板体504aの径は、振分ドラム501の左側側面の径よりも若干小さく設定されており、円筒体504cは、中心孔501e(図6参照)に嵌入可能な大きさであり、円筒体504cの内径は、振分軸502が挿入可能な程度に振分軸502よりも若干大きく設定されている。円筒体504cの内側に形成されている孔部504dは、円板体504aの中心を貫通しており、ギヤ部504eは、円板体504aの中心に形成されている孔部504dの周囲を囲むように形成されている。なお、円筒体504cの内径及び外径は、ブッシュ503の円筒体503bの内径及び外径と同じである。
第1カムロック504は、図7に示すように、振分ドラム501の左側から中心孔501eに円筒体504cを嵌入させ、振分ドラム501の左側面に円板体504aを、溝部501bと欠落部504bとが一致するように位置調整をした状態でねじ止めによって固定される。これにより、ギヤ部504eは、振分ドラム501の左側面の中央に配置される。
ギヤ部504eは、所定の半径方向に延びるラインから孔部504dを中心に45°毎に上り斜面と下り斜面が切り替わる波形形状の凹凸からなる。ここで、上り斜面と下り斜面との角度は鈍角であるため、ギヤ部504eにおける凹凸はなだらかに形成されている。
なお、ギヤ部504eは、45°毎に上り斜面と下り斜面が切り替わるため、ギヤ部504eの凸部が4カ所に形成され、これら4カ所の凸部は、振分ドラム501が90°回転する毎にそれぞれ後述する第2カムロック505のギヤ部505d(図5参照)の凹部分と係合する。
図5に示すように、第2カムロック505は、円柱体505aと、円柱体505aの中心軸上に形成された孔部505cと、円柱体505aの一端側の円周面から径方向に延びる一対の延在片505bと、円柱体505aの他端面に形成されたギヤ部505dと、を備えている。
一対の延在片505bは、それぞれ矩形の板状に形成され、付け根部分は円柱体505aの軸方向に沿っており、円柱体505aの中心軸に対して径方向でかつそれぞれ反対方向に延びている。ギヤ部505dは、第1カムロック504のギヤ部504eと同形であり、ギヤ部504eとギヤ部505dとは、互いに歯合させることが可能である。バネ部材506は、第2カムロック505の左側に配置され、第2カムロック505を第1カムロック504側に付勢するコイルばねである。
意匠レンズ507は、突出部501dの凹部501k(図6(b)参照)に装着される装飾部材である。シール508は、突出部501dの凹部501kの内部に配置される平板状の部材である。突出部501dの凹部501kには、シール508が挿入されてから意匠レンズ507が装着される。
カバー左509は、ベース500の延在部500bに固定され、カバー右510は、ベース500の延在部500cに固定される。カバー左509及びカバー右510は、振分軸502がベース500から外れないように保持するための部材である。なお、図8においては、カバー左509及びカバー右510の記載が省略されている。
また、振分装置421を構成する各部材において、振分軸502、バネ部材506及び図示しないねじを除く部材は、透過性を有する部材によって構成されている。
次に、図5及び図8を参照しながら、振分装置421の組立について説明する。まず、予め、振分ドラム501の凹部501kにシール508を挿入し、更に意匠レンズ507を装着しておく。次に、振分軸502に、ブッシュ503を通し、更に、振分ドラム501の中心孔501eに振分軸502を挿入して、中心孔501eにブッシュ503の円筒体503bを嵌入させることにより、振分ドラム501の右側にブッシュ503を装着する。
次に、振分ドラム501の右側から延びる振分軸502に第1カムロック504の円筒体504cを挿入して、中心孔501eに円筒体504cを嵌入させ、更にねじによって、振分ドラム501の右側に第1カムロック504を装着する。この状態において、振分軸502は、振分ドラム501の中心軸上に配設される。次に、第1カムロック504から延びる振分軸502に第2カムロック505を、ギヤ部504eとギヤ部505dとが互いに対向するように挿入し、更に、バネ部材506を挿入する。
このように、振分軸502に対して各部材を挿入した後、ベース500のケース部500aに振分ドラム501を収納し、小ケース部500dに第2カムロック505及びバネ部材506を収納し、軸受け部500eに振分軸502の左側の端部を収納し、軸受け部500fに振分軸502の右側の端部を収納する。この状態で、バネ部材506は若干圧縮されているため、第2カムロック505に対してバネ部材506からの付勢力が作用する。このため、第2カムロック505は、図8(a)に示すように、第1カムロック504側に付勢されてギヤ部504eとギヤ部505dとが互いに歯合した状態で維持される。
そして、カバー左509及びカバー右510を、ベース500の延在部500b、500cにそれぞれ固定する。この際、カバー左509と延在部500bとの間に細長い隙間が形成され、この隙間に、第2カムロック505の延在片505b、505bが配置される。このため、振分軸502を軸とする第2カムロック505の回転が規制され、振分軸502に沿った第2カムロック505のスライド移動は許容される。例えば、第2カムロック505を左方向にスライド移動させることにより、図8(b)に示すように、ギヤ部504eとギヤ部505dとの歯合状態を解除することが可能である。なお、図8(b)に示す状態から第2カムロック505の操作を解除した場合には、自動的にギヤ部504eとギヤ部505dとが歯合した状態に戻る。
以上のように構成された振分装置421は、遊技盤40の裏側に配置され、遊技盤40の右側領域の所定部位に形成された開口部に振分ドラム501を挿入した状態で、ベース500が遊技盤40に固定される。この時、振分軸502は、遊技盤40に沿って水平方向に向けて配置され、振分ドラム501に形成されている4枚の羽根部501fの中の1枚のみが遊技盤40の盤面に対して垂直方向に突出する。
次に、振分装置421の動作について説明する。図9(a)に示すように、突出部501dが右側上方に位置している場合に、左受け部501gが遊技球の受入可能な態様となる。この時、突出部501dの内部に収納されたシール508が意匠レンズ507によって拡大された状態で、遊技者に視認されるため、遊技者は、シール508を視認することが容易に可能になり、左受け部501gが受入可能な態様であるか否かを判別することが可能になる。
左受け部501gが遊技球の受入可能な状態で、上方から遊技球から流下すると、左受け部501gが遊技球を受入れ、遊技球の重さによって振分ドラム501が回転する。その際、遊技球は、突出部501dの斜面によって左寄りに移動する。また、振分ドラム501が回転することによって、第1カムロック504が回転する。このとき、ギヤ部504eの頂部がギヤ部505dの頂部に向かうことに従って、ギヤ部505dがバネ部材506(図5参照)の付勢に抗する方向にスライド移動する。そして、振分ドラム501の回転角度が45°を越えると、ギヤ部504eの頂部がギヤ部505dの頂部を越える。この時点で、第2カムロック505がバネ部材506の付勢によって第1カムロック504側に移動し、ギヤ部504eとギヤ部505dとが歯合する。この動作に連動して、振分ドラム501が回転し、図9(b)に示すように、振分ドラム501が90°回転した状態で一旦保持される。このとき、左受け部501gの遊技球は、振分ドラム501の左側に流下し、第1経路423b(図4参照)を通って、一般入賞口419d(図4参照)及び第3特別アウト口420d(図4参照)側に導かれる。また、突出部501dが右側下方に位置するとともに、右受け部501hが受入可能な態様となる。
更に、上方から遊技球が流下すると、右受け部501hが遊技球を受入れ、遊技球の重さによって振分ドラム501が回転する。その際、遊技球は、突出部501cの斜面によって右寄りに移動する。また、振分ドラム501が回転することによって、上述したように第1カムロック504及び第2カムロック505が動作し、図9(c)に示すように、振分ドラム501が90°回転した状態で一旦保持される。このとき、右受け部501hの遊技球は、振分ドラム501の右側に流下し、第2経路423c及び第3経路423d
(図4参照)を通って、大落下口423e(図4参照)側に導かれる。また、突出部501dは遊技盤40の裏側に移動するとともに、2つ目の右受け部501hが受入可能な態様となる。
更に、次の遊技球が上方から振分装置421に流下すると、振分ドラム501が回転して3つ目の右受け部501hが受入可能な態様となり、次の遊技球が上方から振分装置421に流下すると、振分ドラム501が1回転して、図9(a)に示すように、左受け部501gが受入可能な態様となる。
このように、振分装置421は、第2始動口414bに入賞しなかった遊技球を、第1経路423b、第2経路423c、第2経路423c、第2経路423cの順で、4個のうちの1個は第1経路423bに振り分ける。また、左受け部501gが遊技球の受入可能な態様になる時に、突出部501dの内部に収納されたシール508が意匠レンズ507によって拡大された状態で、遊技者に視認可能になるため、遊技者は、シール508を視認することにより、左受け部501gが受入可能な態様であるか否かを判別することが可能になる。これにより、左受け部501gが受入可能な態様であると判別した場合には、1個の遊技球を右打ちすることにより、一般入賞口419dに入賞する可能性があり、仮に、一般入賞口419dに入賞すればわずかでも賞球を得ることができる。また、一般入賞口419dに入賞しなくても、振分ドラム501が回転させて右受け部501hを受入可能な状態にすることが可能になる。その結果、遊技者はパチンコ遊技機1による遊技を未練なく終了することが可能になる。
[イルミアレイ426の概略構成]
図10は、イルミアレイ426の概略構成を示す説明図であり、図10(a)は光源が発光していない状態、図10(b)は光源が発光した状態を示す。イルミアレイ426は、導光板426aと、LEDランプからなる光源426bと、を備えている。導光板426aには、板面に沿った光線を遊技者側に反射する反射面を有する突起が複数形成されており、これら複数の突起によって潜像426cが形成されている。光源426bは、導光板426aの側方に配置され、板面に沿った光線を発射する。光源426bが発光していない場合には、遊技者は、導光板426aを透明な板として認識するようになり、図10
(a)に示す潜像426cを視認することができない状態にある。光源426bが発光している場合には、複数の突起が光を遊技者側に反射することにより、図10(b)に示すように潜像426cが可視像化されて遊技者が視認可能になる。
本実施の形態においては、タッチセンサ425の近傍にイルミアレイ426が配置されており、導光板426aには潜像426cとしてタッチセンサ425の操作を促す情報、例えば、図10に示すように、「Touch!!」という文字情報が形成されている。
光源426bは、詳細については後述するが、タッチセンサ425の操作が有効な期間に発光するように制御される。すなわち、潜像426cが可視像化されていることは、タッチセンサ425の操作が有効であることを遊技者に報知していることになる。
なお、図10に示すイルミアレイ426においては、導光板426aとタッチセンサ425とが重なっていないが、一部が重なっていてもよく、図11に示すように導光板426aとタッチセンサ425との全体が重なってもよい。また、互いに異なる表示態様の潜像426cを有する2つのイルミアレイ426を前後方向に並べて配置することにより、イルミアレイ426の表示を切替可能にしてもよい。例えば、タッチセンサ425の操作を操作する前に「Touch!!」という文字情報が表示されるが、タッチセンサ425が操作された後に発光させる光源426bを切り替えて、例えば、「Complete!!」という文字情報を表示させる等、別の表示態様にしてもよい。
なお、文字情報も、漢字、カタカナ、ひらがな等やこれらの組合せを表示させてもよい。また、文字情報に限らず、キャラクタ画像や、人物画像、建造物、乗り物等の画像を表示してもよく、これら画像に限定されるものでもない。
[パチンコ遊技機1における遊技]
次に、パチンコ遊技機1における遊技について説明する。本実施の形態における遊技状態には、シャッタ装置422が有するシャッタ部材422aの突出によって大落下口423eが閉鎖状態であり、大入賞口418に遊技球が受け入れ不可能な通常遊技状態と、シャッタ部材422aの引き込みによって大落下口423eが開放状態であり、大入賞口418に遊技球が受け入れ可能となって遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態と、が含まれる。特別遊技状態には、小当り遊技状態と、小当り遊技状態より多くの遊技価値を付与可能な大当り遊技状態と、が含まれる。また、通常遊技状態には、遊技者に有利な遊技状態である第1遊技状態と、第1遊技状態よりも遊技者に不利な遊技状態である第2遊技状態と、が含まれる。本実施の形態において、第2遊技状態は、特別遊技状態に移行する確率が通常の遊技状態(所謂、非確変状態)であり、第1遊技状態は、第2遊技状態に比べ特別遊技状態に移行する確率が高い遊技状態(所謂、確変状態)である。
遊技者は、一般的に通常遊技状態から遊技を開始し、発射装置20により遊技球を遊技盤40の遊技領域41に打ち込む。この打ち込まれた遊技球が第1始動口414a又は第2始動口414bに入賞すると、特別図柄表示装置431の特別図柄及び液晶表示装置50に表示された演出用の識別図柄(導出図柄)が変動表示する。また、特別図柄の変動表示中に第1始動口414a又は第2始動口414bへ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示するまで、第1始動口414a又は第2始動口414bへの遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示した場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、本実施の形態においては、第1始動口414a、第2始動口414bへの入球による特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ4回を上限としている。したがって、最大8回の保留が可能になる。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されているときに特別図柄の始動条件を満たすことである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
そして、特別図柄表示装置431において停止表示された特別図柄が、特定の停止表示態様の場合には、通常遊技状態から特別遊技状態に移行する。この特定の停止表示態様のうち、大当り遊技状態に移行する停止表示態様が大当りであり、小当り遊技状態に移行する停止表示態様が小当りである。また、大当り又は小当り以外の特別図柄の停止表示態様はハズレ図柄であり、ハズレ図柄が停止表示された場合は、特別遊技状態に移行せずに、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
また、液晶表示装置50の表示領域51には、特別図柄表示装置431において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、特別図柄表示装置431の変動表示中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置50の表示領域51において、識別図柄の一例である数字からなる導出図柄が変動表示される。また、特別図柄表示装置431が停止表示し特別図柄が表示されるとともに、液晶表示装置50の表示領域51でも導出図柄が停止表示される。
また、特別図柄表示装置431において、停止表示された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置50の表示領域51において表示される。具体的には、特別図柄表示装置431において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な大当りに対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置50の表示領域51において表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄が全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当りを示す演出画像が液晶表示装置50の表示領域51において表示される。
そして、特別図柄表示装置431において特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が特別遊技状態に移行された場合、シャッタ部材422aは、盤面から引き込むように駆動される。その結果、大落下口423eは、遊技球を受け入れやすい開放状態となり、大落下口423eが受け入れた遊技球は大入賞口418を通過する。
大入賞口418には、カウントセンサ113(図51参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞するか、又は、所定時間(例えば、約30秒)が経過するまで大落下口423eが開放状態になるようにシャッタ部材422aが駆動される。そして、開放状態において大入賞口418への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ部材422aが駆動し、大落下口423eは、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。なお、本実施の形態において、特別遊技状態では、大落下口423eは、シャッタ部材422aの駆動により、閉鎖状態から開放状態への移行が15回繰り返されるが、これに限らず、遊技球を受け入れやすい開放状態を1回、2回等の任意の回数としてもよい。本実施の形態のカウントセンサ113は、本発明の検出手段を構成する。
また、特別図柄表示装置431における特定の停止表示態様が大当りであった場合、遊技状態は、特別遊技状態のうち大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技状態では、大入賞口418が閉鎖状態から開放状態への移行が15回繰り返される遊技を1回のラウンドとし、このラウンドが繰り返されるラウンドゲームが行われる。このようなラウンドゲームは、"1"ラウンド、"2"ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドとも言う。なお、本実施の形態において、大当り遊技状態におけるラウンド数は、10ラウンド又は16ラウンドであるが、これに限らず、ラウンド数は任意の回数とすることができる。
また、特別図柄表示装置431における特定の停止表示態様が小当りであった場合、遊技状態は、特別遊技状態のうち小当り遊技状態に移行する。そして、小当り遊技状態では、大落下口423eが閉鎖状態から開放状態への移行が15回繰り返される遊技が1回のみ行われる。すなわち、小当り遊技状態は、大当り遊技状態のようにラウンドゲームは行われない。そして、大当り遊技状態が終了した場合には、通常遊技状態として、第1遊技状態又は第2遊技状態が制御される場合がある。また、小当り遊技状態が終了した場合には、小当り遊技状態に当選したときの遊技状態よりも有利な遊技状態とはならない。このため、小当り遊技状態に当選したことを契機としては通常遊技状態における遊技状態の移行はなく、例えば、小当り遊技状態に当選したときの遊技状態が第1遊技状態であるときは、小当り遊技状態終了後の遊技状態は第1遊技状態であり、小当り遊技状態に当選したときの遊技状態が第2遊技状態であるときは、小当り遊技状態終了後の遊技状態は第2遊技状態である。また、本実施の形態においては、大当り遊技状態終了後に、特別図柄の変動表示の時間が短くなる時短状態に移行する場合がある。このような特別遊技状態は、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態の一例である。
また、第1始動口414a、第2始動口414b、一般入賞口419a~419d、大入賞口418に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が、払出ユニット70により上皿131又は下皿132に払い出される。
また、遊技者により、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が球通過検出器416を通過すると、普通図柄表示装置434の表示用ランプが変動表示する。また、普通図柄の変動表示中において球通過検出器416を遊技球が通過した場合には、普通図柄保留表示装置435による表示態様を切り換えて、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、球通過検出器416への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示装置434において停止表示された普通図柄が、当りを示す態様の場合には、第2始動口414bに設けられた普通電動役物415の平板部材415aが、所定時間だけ引き込んだ状態となる。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって普通電動役物415(図4参照)の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
[賞球数及び遊技球の流下経路]
上述したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、第1始動口414a、第2始動口414b、大入賞口418、一般入賞口419a、419b、419c、419dのいずれかに入球した場合に、払出口から賞球が払い出される。
本実施の形態においては、第1始動口414aへの入賞による賞球は3個、第2始動口414bへの入賞による賞球は1個、一般入賞口419a、419b、419cへの入賞による賞球は10個、一般入賞口419dへの入賞よる賞球は3個、大入賞口418への入賞による賞球は15個に設定されている。
図12は、本実施の形態のパチンコ遊技機1における遊技球の流下経路を示す説明図である。本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、通常は、第1始動口414aに入球するように、遊技者は、発射ハンドル21(図1参照)を回動させて、遊技球を図中a1に示すように遊技領域41の左側領域に発射する(左打ちする)。しかし、大当り遊技状態においては、大入賞口418に向かって遊技球を発射させ、時短状態においては、球通過検出器416に向かって遊技球を発射させる必要がある。このため、大当り遊技状態及び時短状態においては、遊技者は、発射ハンドル21を大きく右に回動させて、遊技球を図中a2に示すように遊技領域41の右側領域に発射する(右打ちする)ことになる。
大当り遊技状態となって、遊技者が遊技球を遊技領域41の右側領域に発射すると、そのほとんどは、球通過検出器416を通過するが、普通電動役物415の平板部材415aが第2始動口414bを閉じた状態となっている場合が多いため、遊技球は振分装置421に向かって移動する。そして、振分装置421を通過した遊技球のうち4個に1個は、一般入賞口419dに入球する可能性がある。仮に、一般入賞口419dに入球した場合には、3個の賞球が獲得できるため、振分装置421を通過した分の3/4の遊技球が遊技者に戻ってくることになる。
また、一般入賞口419d又は第3特別アウト口420dに入球しなかった遊技球は、シャッタ部材422a側に向かう。ラウンドゲーム中は、シャッタ部材422aが引き込まれているため、図13に示すように、遊技球は大落下口423eに落下して大入賞口418に向かう。ラウンドゲームと次のラウンドゲームとのインターバル時間においては、シャッタ部材422aが突出しているため、遊技球はシャッタ部材422a上を通過して第1特別アウト口420bに入球し易くなる。ここで、遊技球はシャッタ部材422a上を通過する際に、入賞容易機構424のリブ424aに衝突することよってシャッタ部材422a上をゆっくり移動するようになる。このため、次のラウンドゲームが開始した時点でシャッタ部材422a上に載っている遊技球の数が、入賞容易機構424のリブ424aが無い場合よりも多くなる。したがって、本実施の形態のパチンコ遊技機1においては、第1特別アウト口420bに入球する遊技球の数が減るとともに、大入賞口418に入球する遊技球が増えることになる。
また、シャッタ部材422aが開放した状態においては、遊技球は、大落下口423eを通過する際にリブ424b(図4参照)に衝突することよって大落下口423eをゆっくり移動する。
このように、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、シャッタ部材422aが閉鎖状態にあるときに、リブ424aによってシャッタ部材422aの外部を転動する遊技球を減速可能であり、シャッタ部材422aが開放又は閉鎖状態にあるときに、リブ424b(図4参照)によってシャッタ部材422aの内部の大落下口423eを転動する遊技球を減速可能である。
これにより、カウントセンサ113によって遊技球(シャッタ部材422aを閉鎖する条件が成立する所定個数目の遊技球:例えば10個目の遊技球)が検出される前に(大入賞口418に遊技球が入賞する前に)、大落下口423eにより多くの遊技球を入賞させることができる。このため、遊技球を多く払い出すことができ、遊技者により多くの利益を与えることができる。
ここで、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、大入賞口、大落下口及びシャッタ部材(以下、これらを「アタッカ」と称する)を1つだけ有するが、アタッカを複数有し、所定のアタッカの大落下口にはリブ424bを設け、他のアタッカの大落下口にはリブ424bを設けない構成としてもよい。この場合において、リブ424bが設けられていない他のアタッカの大入賞口内残留球監視時間(大入賞口内残留球監視時間については後述する)よりも、リブが設けられている所定のアタッカの大入賞口内残留球監視時間を長くするのが好ましい。これによれば、所定のアタッカの大落下口内で減速された多くの遊技球をカウントセンサによって検出することができるため、遊技球を多く払い出すことができ、遊技者により多くの利益を与えることができる。
また、リブ424bを有する大落下口423eの内部にV入賞領域を設け、リブ424bよりも上流側でV入賞領域に遊技球が入賞するようにしてもよい。この場合、V入賞領域に入賞させるための遊技球は減速されずに速やかにV入賞領域に入賞させることができる一方で、より多くの遊技球を大入賞口418に入賞させることができる。
ここで、V入賞領域とは、例えば大当り遊技状態において、遊技球の入賞が成功すると、大当り遊技状態の終了後に、確変遊技状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に移行する入賞領域である。一方、V入賞領域への遊技球の入賞が成功しない場合には、非確変遊技状態、又は非確変遊技状態かつ非時短遊技状態、又は非確変遊技状態かつ時短遊技状態である通常遊技状態に移行する。なお、非確変遊技状態かつ非時短遊技状態を通常遊技状態と呼称し、非確変遊技状態かつ時短遊技状態を時短遊技状態と呼称してもよい。なお、小当たりのときにV入賞領域に入賞した場合に、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、大当り遊技状態において、第1特別アウト口420b及び第3特別アウト口420dに入球する遊技球が存在し、しかも、4個の遊技球の発射に対して一般入賞口419dに入球した場合の賞球が3個であるため、遊技者の持ち玉の増加数は、仮に、大当り遊技状態において、遊技領域41に発射した全ての遊技球が大入賞口418に入賞した場合における増加数、すなわち、大入賞口418への入賞による賞球の2400個(16R×15個賞球×10個入賞)から、発射した遊技球数160個(16R×10個)差し引いた2240個より少なくなる。
また、時短状態において、遊技者が遊技球を遊技領域41の右側領域に発射すると(右打ちする)、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、発射した全て遊技球が球通過検出器416を通過する配置となっている。更に、普通図柄ゲームの当り確率が高いために、普通電動役物415の平板部材415aが頻繁に動作するようになり、第2始動口414bへの入球が多くなる。このため、特別図柄ゲームの進行が早くなる。また、第2始動口414bに入球した場合には、1個の賞球が獲得できるため、第2始動口414bに入球した分の遊技球が戻ってくることになる。また、大当り遊技状態と同様に、振分装置421を通過した遊技球のうち4個に1個は、一般入賞口419dに入球する。したがって、本実施の形態のパチンコ遊技機1においては、時短状態における持ち玉の消費を抑えることが可能になり、例えば、上皿131に遊技球が残っている間に時短状態における特別図柄ゲームを進行させること可能になる。また、本実施の形態のパチンコ遊技機1においては、右打ちした全て遊技球が球通過検出器416を通過するため、通常遊技状態のように右打ちする必要が無い時に右打ちした場合、1球目の遊技球から右打ちされていること検知することが可能になる。これにより、「左打ちに戻してください」と行った音声や画像による報知を速やかに行うことが可能になる。
なお、時短状態において、振分装置421が遊技球を一般入賞口419d側に振り分ける状態となっているか否かは、振分装置421のシール508(図5参照)の位置を確認することによって容易に判別できる。例えば、遊技者は、時短状態が終了した時点で遊技を終了するため、遊技球の発射を止めたとする。この時、シール508の位置を確認して、振分装置421が遊技球を一般入賞口419d側に振り分ける状態となっていると判別した場合、1個だけ右打ちすることにより、3個の賞球を獲得できるか否かの興趣を得ることが可能になる。これにより、同じパチンコ遊技機1で遊技を始めようとする次の遊技者に対して、有利な状態を残すことなく、遊技を終了することができる。
なお、3個の賞球が重要となる場合がある。例えば、持ち玉が2499個であり、欲しい景品が2500個で引き替えられる場合、あるいは持ち玉が1個の状態で所謂激アツリーチがかかり、大当りに備えて少しでも遊技球を確保しておきたい場合等において、シール508の位置を確認することによって容易に持ち玉を増やすことが可能になる。
また、小当り遊技状態においては、上述したように、振分装置421を通過した分の遊技球が遊技者に戻ってくる可能性があり、しかも、遊技球がシャッタ部材422a上をゆっくり移動するようになるため、大落下口423eの開放が瞬時であったとしても、1、2球であれば入球の可能性がある。このため、小当り遊技状態において右打ちすることにより、若干、持ち玉を増やすことができる可能性がある。このように、小当りであっても遊技者に興趣を持たせることが可能になる。
また、上述した本実施の形態のパチンコ遊技機1においては、本実施の形態のパチンコ遊技機1においては、右打ちした全て遊技球が球通過検出器416を通過し、更に、振分装置421よって一般入賞口419d側に振り分けられた遊技球は、全て一般入賞口419dに入球するものであるが、それに限るものはでない。例えば、右打ちした遊技球の流路に遊技釘412等を配置し、遊技球の一部が、球通過検出器416や一般入賞口419dからそれるようにしてもよい。
[リヤ球通路ユニットの構成]
図14に示すように、遊技盤40(図4参照)の裏面(後面)にはリヤ球通路ユニット600が設けられている。リヤ球通路ユニット600は、それぞれ入賞領域を構成する複数の球通路601、602を有する。
球通路601は、遊技盤40(図4参照)の上下方向に延びており、球通路601の上端は、第2始動口414bに連通している。これにより、第2始動口414bに入賞した遊技球は、球通路601の内部に排出される。
球通路602は、遊技盤40(図4参照)の左上方から右下方に向けて斜めに傾斜しており、球通路602の上端は、一般入賞口419dに連通している。これにより、一般入賞口419dに入賞した遊技球は、球通路602の内部に排出される。
球通路601と球通路602の下流には球通路603が設けられており、球通路603の上流側には球通路601と球通路602とを合流する合流部604が設けられている。球通路603は、合流部604から左斜め下方に向けて傾斜しており、球通路603の下流端603aは、遊技盤40(図4参照)の下端近傍に位置している。
合流部604の幅は、2つの遊技球が左右方向に並んで通過可能な幅、すなわち遊技球の直径の2倍以上の幅に形成されている。球通路601、602から排出される遊技球は、合流部604で合流して球通路603に排出され、球通路603に排出された遊技球は、球通路603の内部を流下して下流端603aから下方に排出される。
球通路601、602の下流端には仕切板605が設けられている。仕切板605は、球通路601、602を形成する共通の壁部から構成されており、球通路601、602の下流端から下方に延びている。
仕切板605の延びる方向と球通路601の延びる方向は、同一方向となっており、仕切板605の延びる方向に対して球通路602の延びる方向は、斜めに傾斜している。これにより、球通路602から合流部604に流下する遊技球は、仕切板605に衝突してその進行方向Aが球通路601から合流部604に流下する遊技球の進行方向Bと略同一の進行方向で、かつ進行方向A、Bが平行となるように仕切板605によって案内される。本実施の形態の仕切板605は、本発明の仕切部を構成する。
球通路602の途中には、一般入賞球センサ114bが設けられており、球通路602の内部を流下する遊技球は、一般入賞球センサ114b(図51参照)によって検出される。ここで、一般入賞球センサ114bは、一般入賞口419d(図4参照)に設けられている。また、一般入賞球センサ114a(図51参照)は、上述した通り、一般入賞口419a、419b、419cに入賞した遊技球が流下する共通の通路(図示省略)上に設けられている。
このように、本実施の形態のリヤ球通路ユニット600は、球通路602から合流部604に流下する遊技球の進行方向Aが、球通路601から合流部604を流下する遊技球の進行方向Bと略同一の進行方向に遊技球を案内する仕切板605を有する。
これにより、合流部604において球通路601、602のそれぞれから流下する遊技球が互いに接触することを防止することができる。このため、球詰まりが発生することを防止することができ、遊技を円滑に継続できる。
特に、仕切板605は、球通路602から仕切板605に衝突した遊技球の進行方向Aと、球通路601から合流部604に流下する遊技球の進行方向Bとが平行となるようにそれぞれの遊技球を合流部604に案内するので、球通路601、602から流下する遊技球が互いに接触することをより効果的に防止できる。
また、合流部604において複数の球通路601、602から流下する遊技球が接触することを防止できるので、球通路602から合流部604に流下する遊技球が、球通路601から合流部604に流下する遊技球に衝突して球通路602に押し戻されてしまうことを防止できる。
これにより、球通路602の内部において、1つの遊技球が一般入賞球センサ114bによって2回以上検出されてしまうこと(いわゆる、チャタリング)を防止することができる。したがって、必要以上の遊技球の払出が防止され、パチンコ遊技機1の信頼性が悪化することを防止できる。
また、本実施の形態のリヤ球通路ユニット600によれば、仕切板605が、球通路601、602を形成する共通の壁部から構成されるので、球通路601、602に対して仕切板605を構成する専用の部材を追加することを不要にして、球通路601、602の構成を簡素化できる。
[下側可動演出部材610の構成と動作]
図4及び図20に示すように、本実施の形態のパチンコ遊技機1には、下側可動演出部材610が設けられている。下側可動演出部材610は、遊技盤40の後方において、表示領域51の下方に設けられている。なお、図4では、下側可動演出部材610がステージ413dの後方かつ下方に位置した状態(後述する待機位置に位置した状態)を示している。このため、図4に示すように、待機位置においては、下側可動演出部材610の一部又は全部が遊技者から視認されないように制御することができる。一方、図20では、下側可動演出部材610がステージ413dの後方かつ上方に位置した状態(後述する駆動位置に位置した状態)を示している。このため、図20に示すように、駆動位置においては、下側可動演出部材610の一部又は全部が遊技者から視認されるように制御することができる。
本実施の形態の下側可動演出部材610は、本発明の役物を構成する。なお、前後上下左右の方向が付されている図は、パチンコ遊技機1に対して前方に位置する遊技者を基準にした方向を表わしている。
図15に示すように、下側可動演出部材610は、下側固定ベース611を備えており、下側固定ベース611は、スペーサ90(図3参照)に固定されている。本実施の形態のスペーサ90(図3参照)は、本発明の支持部材を構成する。
図16に示すように、下側固定ベース611の前面(表面)にはモータ612が設けられている。モータ612の図示しないモータ軸には、ギヤ613(図17参照)が設けられている。図17に示すように、ギヤ613は、下側固定ベース611の後面に回転自在に支持されている。
図16に示すように、下側固定ベース611の前面にはギヤ614が回転自在に支持されている。図18に示すように、ギヤ614は、ギヤ613に噛合している。なお、図18においては、下側固定ベース611を仮想線で示している。
図16に示すように、ギヤ614には嵌合突起614Aが形成されており、嵌合突起614Aは、ギヤ614から前方に突出している。下側固定ベース611には、上下方向に延び、下側固定ベース611から前方に突出する縦長の突部611A、611Bと、スリット611cとが形成されている。スリット611cは、突部611Aと突部611Bとの間で、突部611Aに隣接する位置に設けられている。
突部611A、611Bにはスリット611a、611bが形成されており、突部611Aの側面にはラック歯611Gが形成されている。下側固定ベース611の前面側には下側可動ベース615と可動アーム618とが設けられている。本実施の形態の下側固定ベース611は、本発明の固定部材を構成し、可動アーム618は、本発明のアーム部材を構成する。
下側可動ベース615の下部にはスリット615Aが形成されており、スリット615Aは、左右方向に延びている。図17に示すように、下側可動ベース615の後面には中継ギヤ616A、616B及び円板部材617が回転自在に支持されている。
図17に示すように、中継ギヤ616Aは、下側可動ベース615の嵌合突起615cに回転自在に支持されている。また、中継ギヤ616Aは、中継ギヤ616Bに噛合している。
図18に示すように、円板部材617の前面には、中継ギヤ616Bに噛合するギヤ部617Aが形成されている。また、図17に示すように、円板部材617の後面には、円板部材617から後方に突出する突部617Bが形成されている。
図16に示すように、可動アーム618の一端部には、下側固定ベース611に形成された突起611Dが嵌る嵌合穴618aが形成されている。可動アーム618は、一端部に形成された嵌合穴618aを介して突起611Dに回転自在に支持されている。これにより、可動アーム618は、突起611Dを支点として揺動する。
図17に示すように、可動アーム618の他端部には嵌合突起618Aが設けられており、嵌合突起618Aは、下側可動ベース615のスリット615Aに摺動ブッシュ619Fを介して摺動自在に嵌合されている。
図16に示すように、可動アーム618の長手方向の中間部にはスリット618Bが形成されており、スリット618Bにはギヤ614の嵌合突起614Aが摺動自在に嵌合されている。
図17に示すように、下側可動ベース615の後面には下側可動ベース615から後方に突出する複数の嵌合突起615a~615eが形成されており、嵌合突起615a~615eは、摺動ブッシュ619A~619Eを介して下側固定ベース611のスリット611a、611b、611cに摺動自在に嵌合されている。
これにより、図18及び図19に示すように、モータ612が駆動されると、ギヤ613がギヤ614を回転させ、ギヤ614の回転に伴って嵌合突起614Aが可動アーム618のスリット618Bに沿って移動し、可動アーム618が突起611Dを支点に上下方向に揺動する。
可動アーム618が上下方向に揺動すると、可動アーム618の嵌合突起618Aが下側可動ベース615のスリット615Aに沿って移動することにより、下側可動ベース615を上下方向に押圧する。
下側可動ベース615が上下方向に押圧されると、下側可動ベース615の嵌合突起615a~615eが摺動ブッシュ619A~619Eを介してスリット611a~611cに沿って移動することにより、下側可動ベース615が下側固定ベース611に対して上下方向に移動する。
図15に示すように、可動アーム618の一端部と下側固定ベース611とはコイルスプリング620によって弾性的に連結されている。コイルスプリング620は、一端が可動アーム618の一端部に取り付けられるとともに、他端が下側固定ベース611に取り付けられている。コイルスプリング620は、可動アーム618が上方に揺動するように、すなわち下側可動ベース615を上方に押圧するように可動アーム618を付勢している。
図16に示すように、下側可動ベース615の前側には回転体621が設けられており、回転体621は、電飾基板622Aと、電飾基板622Aの前面側に設けられたインナーレンズ622Bとを有する。電飾基板622Aには図示しないLEDが設けられており、当該LEDが電飾基板622Aによって点灯制御されることでインナーレンズ622Bを通して発光する。
図17に示すように、回転体621には回転軸621Aが設けられており、回転軸621Aは、回転体621から後方に突出している。この回転軸621Aは、下側可動ベース615に形成された軸受部615D(図16参照)に回転自在に支持されている。回転軸621Aの後端(突出方向の先端)は、円板部材617に固定されており、回転体621は、円板部材617と一体で回転する。
下側可動演出部材610において、図18に示すように、下側可動ベース615が上下方向に移動すると、ラック歯611Gに噛合する中継ギヤ616Aが回転する。中継ギヤ616Aが回転すると、中継ギヤ616Aから中継ギヤ616Bを介してギヤ部617Aに動力が伝達され、円板部材617が回転する。このため、回転体621が円板部材617とともに回転する。これにより、下側可動ベース615が上下方向に移動するのに伴って回転体621が回転する演出が実施される。
図16に示すように、下側固定ベース611の前面には、湾曲溝611Eが形成されている。この湾曲溝611Eは、円板部材617(図17参照)が回転する際の突部617B(図18参照)の回転軌跡と一致する湾曲形状をなしている。これにより、図18に示すように、円板部材617が回転体621と一体で回転するときに、突部617Bが湾曲溝611Eに沿って案内され、円板部材617及び回転体621の回転が突部617Bによって阻害されることを防止できる。
ここで、本実施の形態の下側固定ベース611は、本発明の固定体を構成し、下側可動ベース615及び回転体621は、本発明の可動体を構成する。また、回転体621が下側固定ベース611に対して最も下方に位置した状態(図18に示す状態)が本発明の待機位置に相当し、回転体621が下側固定ベース611に対して最も上方に位置した状態
(図19に示す状態)が本発明の駆動位置に相当する。
図16に示すように、下側固定ベース611の前面には、L字形状の係止片611Fが設けられており、下側可動ベース615には、前述した係止片611Fとは逆向きのL字形状の係止片615Bが形成されている。
図18に示すように、係止片611Fは、下側固定ベース611が最も下方に位置した待機位置において係止片615Bに係止することにより、下側可動ベース615を下側固定ベース611に係止し、待機位置において下側可動ベース615が前方に移動することを規制している。本実施の形態の係止片611Fは、本発明の第1係止部を構成し、係止片615Bは、本発明の第2係止部を構成する。さらに、係止片611F、係止片615Bは、本発明の係止手段を構成する。
図16に示すように、回転体621の前側にはベースカバー623が設けられており、ベースカバー623は、図示しないねじによって下側固定ベース611に固定されている。ベースカバー623は、パチンコ遊技機1の左右方向に延びており、回転体621が待機位置に位置した状態において、回転体621の前側に設けられ(図15参照)、回転体621が前方に変位した場合に回転体621に接触することで、回転体621が前方に移動することを規制している。
ベースカバー623には中継基板624が取付けられており、中継基板624は、フレキシブルケーブル625を介して回転体621の電飾基板622Aに接続されている。電飾基板622Aは、LED制御回路250(図51参照)から送信される制御信号に基づいて図示しないLEDを点灯制御する。
フレキシブルケーブル625は、ベースカバー623の前面に沿って配置されている。ベースカバー623の前面には抑え部材623Aが設けられており、フレキシブルケーブル625は、抑え部材623Aによってベースカバー623に支持され、かつ保護されている。本実施の形態のベースカバー623は、本発明のガイド部材を構成し、フレキシブルケーブル625は、本発明の配線を構成する。
下側固定ベース611の上部には上下方向に延びるリブ626が設けられており、リブ626は、上側の側面626Aと下側の側面626Bに円板部材617の突部617Bが接触するようになっている。本実施の形態のリブ626は、本発明の第1リブ及び第2リブを構成する。
具体的には、図18に示すように、下側可動ベース615が下方に移動するのに伴って回転体621が回転して待機位置に位置した状態において、突部617Bは、リブ626の下側の側面626Bに当接する。これにより、回転体621は、待機位置から駆動位置に移動する際の回転方向と反対方向(図18中、反時計回り方向)に回転(移動)することが規制される。
また、回転体621が待機位置で停止しているときには、モータ612を駆動することにより、回転体621が駆動位置から待機位置に向かって移動しないように回転体621を付勢する。すなわち、回転体621が待機位置で停止しているときには、モータ612を駆動することにより、モータ612を正回転させて回転体621を駆動位置から待機位置側と反対側の方向(図18中、反時計回り方向)に付勢する駆動力を付与する。ここで、回転体621は、少なくとも駆動位置から待機位置に向かって移動しないように付勢されていればよいので、回転体621は、駆動位置または駆動位置から待機位置側と反対側の方向にずれた位置となるように付勢されていればよい。
ここで、スリット618Bの左端部(突起611D側の端部)は、下方に屈曲した形状となっている(図19参照)。これにより、嵌合突起614Aがスリット618Bの左端部にあるとき(図18に示す状態にあるとき)に、嵌合突起614Aがスリット618B内を右方向に容易に移動してしまうことを防止できる。したがって、スリット618Bの左端部が屈曲していることで、回転体621を待機位置に安定して保持させることができる。
一方、図19に示すように、下側可動ベース615が上方に移動するのに伴って回転体621が回転して駆動位置に位置した状態において、突部617Bは、リブ626の上側の側面626Aに当接する。これにより、回転体621は、駆動位置から待機位置に移動する際の回転方向と反対方向(図19中、時計回り方向)に回転(移動)することが規制される。
さらに、回転体621が駆動位置で停止しているときには、モータ612を駆動することにより、少なくとも回転体621が駆動位置から待機位置に向かって移動しないように、回転体621を図19中、時計回り方向に付勢する駆動力を付与する。本実施の形態のモータ612は、本発明の駆動手段を構成する。
本実施の形態の突部617Bは、本発明の第1当接部を構成し、リブ626は、本発明の第2当接部を構成する。なお、本実施の形態の下側可動演出部材610は、待機位置と駆動位置とにおいて、1つのリブ626の上側の側面626Aと下側の側面626Bに突部617Bを当接させているが、2つのリブを設け、待機位置において一方のリブに突部617Bを当接させ、駆動位置において他方のリブに突部617Bを当接させてもよい。
図18に示すように、下側可動ベース615の左端には検出片615Cが形成されており、検出片615Cは、光学式のホームポジションセンサ627によって検出される。ホームポジションセンサ627は、下側固定ベース611の前面の下部に設けられており、下側固定ベース611が待機位置に位置したときに検出片615Cを検出する。
ホームポジションセンサ627は、検出片615Cを検出したときに主制御回路100
(図51参照)に検出信号を出力する。主制御回路100は、ホームポジションセンサ627から入力した検出信号に基づいて下側可動ベース615及び回転体621が待機位置に位置したことを判断し、この待機位置を基準にして副制御回路200(図51参照)にモータ制御コマンドを送信する。
副制御回路200は、主制御回路100からモータ制御コマンドを受信すると、可動演出装置制御回路205(図51参照)にモータ制御信号を出力する。可動演出装置制御回路205は、モータ制御信号に基づいてモータ612を駆動し、下側可動ベース615及び回転体621を待機位置と駆動位置とに移動させるとともに、待機位置と駆動位置とにおいて回転体621を付勢する制御を行う。
次に、図18及び図19を参照して、下側可動演出部材610の動作について説明する。
図18に示すように、下側可動ベース615及び回転体621が待機位置に位置した状態では、下側固定ベース611の係止片611Fが下側可動ベース615の係止片615Bに係止することにより、下側可動ベース615が下側固定ベース611に係止され、下側可動ベース615が前方に移動することが規制されている。
下側可動ベース615及び回転体621が待機位置に位置した状態(図18に示す状態)で、モータ612を一方向に駆動すると、ギヤ613からギヤ614に動力が伝達される。
ギヤ614が回転すると、嵌合突起614Aが可動アーム618のスリット618Bに沿って移動することにより、可動アーム618が突起611Dを支点にして上方に揺動する。
これにより、可動アーム618の嵌合突起618Aが下側可動ベース615のスリット615Aに沿って摺動し、下側可動ベース615を上方に押圧する。また、可動アーム618が突起611Dを支点にして上方に揺動するときには、可動アーム618の一端部がコイルスプリング620によって下方に付勢される。これにより、コイルスプリング620の付勢力が、重量物である下側可動ベース615及び回転体621を上方に押圧するときのアシスト力となる。
下側可動ベース615が上方に押圧されると、下側可動ベース615の嵌合突起615a~615eが摺動ブッシュ619A~619Eを介してスリット611a~611cに沿って上方に移動することにより、下側可動ベース615が下側固定ベース611に対して上方に移動する。
下側可動ベース615が上方に移動すると、ラック歯611Gに噛合している中継ギヤ616Aが回転し、中継ギヤ616Aから中継ギヤ616Bを介して円板部材617のギヤ部617Aに動力が伝達される。これにより、下側可動ベース615が上昇するのに伴って回転体621が円板部材617と一体で回転し、突部617Bが下側固定ベース611の湾曲溝611Eに沿って移動する。このため、回転体621が駆動位置まで円滑に回転する(図19、図20参照)。図20は、遊技盤40に対して下側可動演出部材610が駆動位置に移動した状態を示している。
図19に示すように、下側可動ベース615が上昇して回転体621が駆動位置まで移動すると、突部617Bがリブ626の上側の側面626Aに当接し、回転体621が駆動位置からさらに回転することが規制される。
また、回転体621が駆動位置で停止しているときに、モータ612を駆動して回転体621を駆動位置から待機位置に移動する際の回転方向と反対方向(図19中、時計回り方向)に付勢する。このときの付勢力は、下側可動ベース615及び回転体621を待機位置から駆動位置まで移動するときのモータ612の駆動力よりも小さくてよい。このように、駆動位置で回転体621を付勢することにより、回転体621が駆動位置でふらついてしまうことを防止することができ、回転体621の姿勢を安定させることができる。
次に、図19に示すように、下側可動ベース615及び回転体621が駆動位置に位置した状態からモータ612を他方向(下側可動ベース615及び回転体621を待機位置から駆動位置に移動させる場合の回転方向と逆方向)に駆動すると、ギヤ613からギヤ614に動力が伝達される。
ギヤ614が回転すると、嵌合突起614Aが可動アーム618のスリット618Bに沿って移動することにより、可動アーム618が突起611Dを支点にして下方に揺動する。
これにより、可動アーム618の嵌合突起618Aが下側可動ベース615のスリット615Aに沿って摺動し、下側可動ベース615を下方に押圧する。下側可動ベース615が下方に押圧されると、下側可動ベース615の嵌合突起615a~615eが摺動ブッシュ619A~619Eを介してスリット611a~611cに沿って下方に移動することにより、下側可動ベース615が下側固定ベース611に対して下方に移動する。
下側可動ベース615が下方に移動すると、ラック歯611Gに噛合している中継ギヤ616Aが回転し、中継ギヤ616Aから中継ギヤ616Bを介して円板部材617のギヤ部617Aに動力が伝達される。これにより、下側可動ベース615が下降するの伴って回転体621が円板部材617と一体で回転し、突部617Bが下側固定ベース611の湾曲溝611Eに沿って移動する。このため、回転体621が待機位置まで円滑に回転する。
図18に示すように、下側可動ベース615が下降して回転体621が待機位置まで移動すると、突部617Bがリブ626の下側の側面626Bに当接し、回転体621が待機位置からさらに回転することが規制される。
また、回転体621が待機位置で停止しているときに、モータ612を駆動して回転体621を待機位置から駆動位置に移動する際の回転方向と反対方向(図18中、反時計回り方向)に付勢する。このときの付勢力は、下側可動ベース615及び回転体621を駆動位置から待機位置まで移動するときのモータ612の駆動力よりも小さくてよい。
以上のように、本実施の形態の下側可動演出部材610は、下側固定ベース611と、下側固定ベース611に対して可動する下側可動ベース615及び回転体621と、を備え、下側可動ベース615及び回転体621が待機位置と駆動位置との間で可動する構成を有する(図18及び図19参照)。
下側可動演出部材610は、下側固定ベース611に設けられた係止片611Fと、下側可動ベース615に設けられた係止片615Bと、を備え、待機位置において係止片611Fと係止片615Bとが互いに係止することにより下側可動ベース615及び回転体621の揺動を規制するように構成されている(図18参照)。
さらに、下側可動演出部材610は、回転体621に接続されるフレキシブルケーブル625をガイドするベースカバー623を備えており、ベースカバー623は、下側可動ベース615及び回転体621が待機位置に位置した状態において回転体621の前方に設けられ、下側可動ベース615及び回転体621が前方に移動することを規制している
(図15参照)。
これにより、待機位置において下側可動ベース615及び回転体621が下側固定ベース611に対して前方に揺動することを防止でき、下側可動ベース615及び回転体621を安定して保持することができる。
さらに、下側可動ベース615及び回転体621が待機位置に位置した状態において、ベースカバー623によって下側可動ベース615及び回転体621が前方に移動することを規制することができるので、パチンコ遊技機1の搬送中等において下側可動演出部材610に過度の振動が加わった場合等に、下側可動ベース615及び回転体621が下側固定ベース611に対して前方に移動することを防止できる。
これにより、下側可動ベース615及び回転体621が待機位置に位置した状態において、係止片611Fと係止片615Bとの係止が解除されてしまうことがない。このため、係止片611Fと係止片615Bとの係止が解除されてしまうことによって下側可動演出部材610の動作に不具合が生ずることを防止できる。したがって、下側可動演出部材610の円滑な動作を行うことを保証しつつ、演出効果を向上できる。
これに加えて、ベースカバー623が、回転体621の電飾基板622Aに接続されるフレキシブルケーブル625をガイドするガイド部材から構成されるので(図16参照)、下側可動ベース615及び回転体621が前方に移動することを規制する専用の部材を不要にできる。このため、下側可動演出部材610の部品点数が増大することを防止して、下側可動演出部材610の製造コストが増大することを防止できる。
また、本実施の形態の下側可動演出部材610は、待機位置と駆動位置とに下側可動ベース615及び回転体621を可動させるモータ612を備え、下側可動ベース615は、駆動位置において下側固定ベース611に当接する突部617Bを有し、下側固定ベース611は、下側可動ベース615及び回転体621が駆動位置にあるときに突部617Bが当接するリブ626を有する(図18及び図19参照)。
さらに、モータ612は、下側可動ベース615及び回転体621が駆動位置に停止しているときに、少なくとも回転体621が駆動位置から待機位置に向かって移動しないように、回転体621を図19中、時計回り方向に付勢する駆動力を付与する。
これにより、下側可動ベース615及び回転体621が駆動位置で揺動することを防止でき、下側可動ベース615及び回転体621を駆動位置で安定して静止させることができる。この結果、下側可動演出部材610の円滑な動作を行うことを保証しつつ、下側可動演出部材610による演出効果を向上できる。
また、本発明の下側可動演出部材610は、下側可動ベース615に連結され、モータ612の駆動力を下側可動ベース615に伝達することにより下側可動ベース615及び回転体621を待機位置と駆動位置とに可動させる可動アーム618を有する(図18及び図19参照)。
これにより、下側可動ベース615及び回転体621が駆動位置(図19に示す位置)に位置したときに、モータ612から可動アーム618を介して下側可動ベース615及び回転体621に過度な荷重が加わった場合に、可動アーム618が撓んでリブ626から突部617Bに加わる荷重を吸収できる。これにより、下側可動ベース615及び回転体621及びモータ612に過度な荷重が加わることを防止できる。
さらに、下側可動ベース615及び回転体621が駆動位置(図19に示す位置)に位置したときに、下側可動ベース615と下側固定ベース611との間に設けられた駆動用のギヤ613、614、ギヤ部617A及び中継ギヤ616A、616Bのガタが発生した場合に、可動アーム618がガタ分だけ撓むことでガタを無くすことができる。
また、本実施の形態の下側可動演出部材610によれば、リブ626は、下側可動ベース615及び回転体621が駆動位置にあるときに突部617Bが当接する上側の側面626Aと、下側可動ベース615及び回転体621が待機位置にあるときに突部617Bが当接する下側の側面626Bと、を有し、下側可動ベース615及び回転体621が駆動位置に可動したときに、突部617Bが上側の側面626Aに当接し、下側可動ベース615及び回転体621が待機位置に可動したときに、突部617Bが下側の側面626Bに当接するのが好ましい(図18及び図19参照)。
これにより、駆動位置及び待機位置のいずれにおいても下側可動ベース615及び回転体621を安定して静止させることができる。
なお、本実施の形態の下側可動演出部材610において、リブ626及び突部617Bの少なくとも一方に、リブ626の及び突部617Bの他方に当接するゴム、軟質の樹脂等の弾性部材を設けてもよい。
このようにすれば、回転体621が駆動位置に位置したときに、モータ612から可動アーム618を介して回転体621及び下側可動ベース615に過度な荷重が加わった場合に、弾性部材が撓んで突部617Bからリブ626に加わる荷重を吸収できる。
これにより、モータ612、回転体621及び下側可動ベース615に過度な荷重が加わることを防止できる。また、弾性部材と可動アーム618の弾性変形を組み合わせることにより、突部617Bからリブ626に加わる荷重をより効果的に吸収できる。
なお、本実施の形態において、突部617Bは、回転体621が待機位置から駆動位置に移動したときに、約1回転半の回転を行うため、突部617Bの少なくとも一方の側面に弾性部材を設けるようにしてもよい。このような構造を用いれば、突部617Bの両側面に弾性部材を設ける場合よりも横幅が広くなることを防止できる。
また、本実施の形態の下側可動演出部材610によれば、回転体621を待機位置から駆動位置に移動させたときに回転体621を駆動位置(正規の停止位置)よりも僅かに進んだ位置まで回転させるようモータ612を駆動することにより回転体621を駆動位置
(正規の停止位置)から押し込むように付勢する制御を実施する。これにより、回転体621が駆動位置でふらついてしまうことを防止することができ、回転体621の姿勢を安定させることができる。このため、下側可動演出部材610による演出効果を高めることができる。
ここで、可動演出装置制御回路205は、回転体621を待機位置から駆動位置に移動させる際に、回転体621が待機位置から駆動位置に移動するまでのモータ612のパルス数に数パルスの駆動パルスを加えてモータ612を駆動することにより、回転体621を駆動位置から押し込むように付勢する制御を実施すればよい。また、回転体621が駆動位置にあることを検出するセンサがある場合には、当該センサによって検出された時点でモータ612の駆動を停止するのではなく、当該センサによって検出された後、所定時間をおいてモータ612の駆動を停止することで、回転体621を駆動位置(正規の停止位置)から押し込むように付勢する制御を実施してもよい。
また、リブ626及び突部617Bのいずれか一方に永久磁石を設け、リブ626及び突部617Bのいずれか他方にアーマチャを設けた構成としてもよい。この場合、回転体621が駆動位置及び待機位置のいずれにある場合にも、永久磁石の磁力によってリブ626と突部617Bとを引き付けておくことができる。これにより、駆動位置及び待機位置のいずれにおいても下側可動ベース615及び回転体621を安定して静止させることができる。
[上側可動演出部材650の構成と動作]
図4に示すように、本実施の形態のパチンコ遊技機1には、上側可動演出部材650が設けられている。上側可動演出部材650は、遊技盤40の後方において、表示領域51の上方に設けられている。なお、図4では、上側可動演出部材650が中央台板413の後方に位置した状態(後述する待機位置に位置した状態)を示している。このため、図4に示すように、上側可動演出部材650は、待機位置では遊技者からはその全体が視認されないようになっている。本実施の形態の上側可動演出部材650は、本発明の役物を構成する。
図21に示すように、上側可動演出部材650は、長剣を模した形状に形成されており、上側固定ベース651を備えている。上側固定ベース651は、遊技盤40の後方においてスペーサ90(図3参照)に固定されている。
図22に示すように、上側固定ベース651の前面にはモータ652が取付けられている。モータ652の図示しないモータ軸にはギヤ653(図23参照)が取付けられており、ギヤ653は、上側固定ベース651の後面に回転自在に支持されている。
上側固定ベース651の後面にはギヤ654が回転自在に支持されており、ギヤ654は、ギヤ653に噛み合っている(図23参照)。ギヤ654の前面には嵌合突起654Aが設けられており、嵌合突起654Aは、ギヤ654から前方に突出している。
上側固定ベース651の上部にはスリット651Aが形成されており、スリット651Aは、左上方から右下方に向かって湾曲している。上側固定ベース651の前面には揺動軸651Bが形成されており、揺動軸651Bは、上側固定ベース651から前方に突出している。
上側固定ベース651の前面側には上側可動ベース655が設けられている。上側可動ベース655の左下部にはボス部655A(図23参照)が形成されており、揺動軸651Bは、ボス部655Aに回動自在に嵌合されている。これにより、上側可動ベース655は、揺動軸651Bを支点にして上側固定ベース651に対して上下方向に揺動する。
本実施の形態の上側可動演出部材650は、上側可動ベース655の揺動軸651Bが本発明の基端部を構成する。また、図21に示すように、上方において上側可動ベース655が水平方向に延びた状態が上側可動演出部材650の待機位置であり、図27に示すように、下方において上側可動ベース655が斜めに傾斜した状態が上側可動演出部材650の駆動位置である。
図23に示すように、上側可動ベース655の後面の左上部には嵌合突起655Dが形成されており、嵌合突起655Dは、揺動ブッシュ656Aを介してスリット651Aに摺動自在に嵌合されている。
上側可動ベース655の左下部にはスリット655Bが形成されており、スリット655Bは、上側可動ベース655の長手方向(左右方向)に延びている。スリット655Bには摺動ブッシュ656Bを介してギヤ654の嵌合突起654A(図22参照)が摺動自在に嵌合されている。
上側可動ベース655の左上部にはスリット655Cが形成されており、スリット655Cは、上側可動ベース655の長手方向においてスリット655Bよりも長く延びている。
図22に示すように、本実施の形態の上側可動ベース655は、ギヤ654が回転すると、ギヤ654の嵌合突起654Aが上側可動ベース655のスリット655B(図23参照)に沿って移動することにより、嵌合突起655D(図23参照)がスリット651Aに沿って移動する。これにより、上側可動ベース655がスリット651Aの湾曲形状に沿い、揺動軸651Bを支点に上下方向に揺動する。
上側可動ベース655の前面には上側スライドベース657が設けられており、上側スライドベース657は、刀身を模した形状に形成され、刀身を模した装飾が施されている。
上側スライドベース657の左上部には嵌合突起657Aが設けられており、嵌合突起657Aは、上側スライドベース657から後方に突出している。嵌合突起657Aは、摺動ブッシュ656Cを介して上側可動ベース655のスリット655Cに摺動自在に嵌合されている。
上側可動ベース655には、上下方向に離隔する一対のスリット655E、655Fが形成されており、スリット655E、655Fは、何れも上側可動べ一ス655の長手方向に沿って延びている。スリット655Eと655Fとは、上側可動べ一ス655の長手方向において互いにずれて形成されており、スリット655Eは、上側可動ベース655の長手方向の中心寄りに、スリット655Fは、上側可動ベース655の長手方向の端部寄りに形成されている。
図23に示すように、上側スライドベース657の後面には嵌合突起657Bが設けられている。嵌合突起657Bは、上側スライドベース657から後方に突出し、摺動ブッシュ656Dを介してスリット655Eに摺動自在に嵌合されている。
上側スライドベース657の後面には一対の嵌合突起657Cが設けられている。嵌合突起657Cは、上側スライドベース657から後方に突出し、一対の摺動ブッシュ656E(図22参照)を介してスリット655Fに摺動自在に嵌合されている。
上側スライドベース657の後面には可動スライダ658が設けられており、可動スライダ658の前面側には前述した一対の摺動ブッシュ656E(図22参照)が取り付けられている。したがって、可動スライダ658は、一対の摺動ブッシュ656E(図22参照)と一体でスリット655F内を摺動する。
上側スライドベース657は、嵌合突起657A、657B、657Cがそれぞれスリット655C、655E、655Fに嵌合されることで、上側可動ベース655と一体化されており、上側可動ベース655が上下方向に揺動するときに上側可動ベース655と一体で揺動する。
図22に示すように、上側スライドベース657の後面にはラック659が設けられており、ラック659は、上側スライドベース657に固定され、上側可動ベース655と一体化されている。
上側可動ベース655には上側可動ベース655の長手方向に沿って延びるガイド溝655Gが形成されており、ガイド溝655Gにはラック659に形成されたガイド突起659aが摺動自在に嵌合されている。
ラック659の下部にはラック歯659Aが形成されており、ラック歯659Aにはギヤ660が噛合している。ギヤ660は、上側スライドベース657の前面に回転自在に支持されている。ギヤ660は、上側スライドベース657の後面に設けられたモータ661(図23参照)の図示しない回転軸に取付けられている。
モータ661(図23参照)が駆動されると、ギヤ660からラック歯659Aに動力が伝達され、ラック659が上側スライドベース657と一体で上側可動ベース655に対して上側可動ベース655の長手方向に移動する。
このとき、ラック659は、ガイド突起659aが上側可動ベース655のガイド溝655Gに沿って移動することにより、ギヤ660とラック歯659Aとが安定して噛合しながら移動する。
さらに、図23に示すように、嵌合突起657A、657B、657Cがそれぞれスリット655C、655E、655Fに沿って上側可動ベース655の長手方向に移動する。これにより、上側可動ベース655と上側スライドベース657とが上下方向にずれることなく、上側可動ベース655に対して上側スライドベース657が円滑に移動する。本実施の形態の上側可動ベース655は、本発明のベース本体を構成し、上側スライドベース657は、本発明の移動体を構成する。上側可動ベース655は、本発明の第1移動部材を構成し、上側スライドベース657は、本発明の第2移動部材を構成する。
上側スライドベース657は、上側可動ベース655に対してパチンコ遊技機1の前後方向に重なる面積が最も大きい第1移動位置(例えば、図26、図27に示す位置)と、上側可動ベース655に対してパチンコ遊技機1の前後方向に重なる面積が最も小さい第2移動位置(例えば、図28に示す位置)とに移動する。
図23に示すように、上側可動ベース655の後面には、羽根の形を模した一対の可動アーム662、663が設けられている。上側可動ベース655の後面には複数の突起655H、655I、655J、655Kが形成されており、可動アーム662、663の基端部は、それぞれ突起655H、655Iに回動自在に嵌合されている。これにより、可動アーム662、663は、突起655H、655Iを支点にして先端部が近接、離隔する方向に移動する。
図24に示すように、可動アーム662、663の基端部にはギヤ部662A、663Aが形成されており、ギヤ部662A、663Aにはギヤ664、665が噛合している。
図23に示すように、ギヤ664、665は、突起655J、655Kに回転自在に支持されており、ギヤ664、665が回転すると、可動アーム662、663が突起655H、655Iを支点にして揺動する。
図24に示すように、ギヤ664にはリブ664Aが形成されており、リブ664Aは、ギヤ664の半径方向外方に突出している。
リブ664Aには可動スライダ658が当接可能となっている。具体的には、図22に示すように、モータ661(図23参照)の動力がギヤ660を介してラック歯659Aに伝達されると、上側スライドベース657がラック659と一体で第1移動位置から第2移動位置に向かって上側可動ベース655の長手方向の一方側(例えば、上側可動ベース655に対して突き出す方向)に移動する。
このとき、可動スライダ658も第1移動位置から第2移動位置に向かって上側可動ベース655(図23参照)の長手方向の一方側に移動する。可動スライダ658は、上側スライドベース657(図23参照)の長手方向において、後述する第1作動位置(図24に示す回転位置)に位置するギヤ664のリブ664Aに対向している。可動スライダ658は、上側スライドベース657(図23参照)が第1移動位置から第2移動位置に移動するときに、リブ664Aを押圧してギヤ664を回転させる。
これにより、ギヤ664に噛合するギヤ665もギヤ664とともに回転し、ギヤ664、665がギヤ部662A、663Aを介して可動アーム662、663を最も近接する第1可動位置(可動アーム662、663が閉じた位置)から最も離隔する第2可動位置(可動アーム662、663が開いた位置)に可動する。すなわち、可動アーム662、663は、閉じた状態から開いた状態に可動する。
ギヤ664、665は、第1作動位置(図24に示す回転位置)から第2作動位置(可動アーム662、663が開いた状態となるときの回転位置)に回転(移動)することにより、可動アーム662、663を第1可動位置から第2可動位置に移動させる。また、ギヤ664、665は、第2作動位置から第1作動位置に回転することにより、可動アーム662、663を第2可動位置から第1可動位置に移動させる。
可動スライダ658は、上側スライドベース657(図23参照)が上側可動ベース655(図23参照)に対して第1移動位置から第2移動位置に移動するときに、ギヤ664、665を第1作動位置から第2作動位置に回転させる。本実施の形態のギヤ664、665は、本発明の作動部材を構成し、可動スライダ658は、本発明の第1係合部を構成する。
図23に示すように、可動アーム663と上側可動ベース655とはコイルスプリング667によって弾性的に連結されており、コイルスプリング667は、可動アーム663を可動アーム662に近接する方向に付勢している。
これにより、上側スライドベース657が上側可動ベース655に対して第2移動位置から第1移動位置に移動し、可動スライダ658がリブ664A(図24参照)を押圧する方向と反対方向に移動したとき、コイルスプリング667の付勢力によって可動アーム662、663が第2可動位置から第1可動位置に可動される。
可動アーム662、663が第2可動位置から第1可動位置に可動されるのに伴ってギヤ664、665が第2作動位置から第1作動位置に回転する。
図22に示すように、上側スライドベース657の右端にはL字形状のベースリブ666が設けられている。ベースリブ666は、上側可動ベース655及び上側スライドベース657の長手方向に対して、第1作動位置に位置するギヤ664のリブ664Aに対向している(図25参照)。ここで、上側可動ベース655及び上側スライドベース657の長手方向は、上側可動ベース655及び上側スライドベース657のスライド方向(移動方向)と同一方向である。
ギヤ664、665は、上側可動ベース655及び上側スライドベース657の長手方向に対して可動スライダ658(図25参照)とベースリブ666との間に設けられている。
図25に示すように、ベースリブ666は、上側スライドベース657(図22参照)が上側可動ベース655(図22参照)に対して第2移動位置から第1移動位置に移動するときに、可動スライダ658と反対方向からリブ664Aに係合し、ギヤ664、665を第2作動位置から第1作動位置に回転させる。本実施の形態のベースリブ666は、本発明の第2係合部を構成する。
ギヤ664、665が第1作動位置に回転した状態(図25に示す状態)において、ベースリブ666は、リブ664Aを可動スライダ658に向かって押圧することにより、ギヤ664、665が回転することを規制する。なお、ベースリブ666を設けない構成であってもよい。この場合、コイルスプリング667の付勢力のみによってギヤ664、665が回転することを規制する。
図23に示すように、上側可動演出部材650は、一対のガイドレール668、669を備えている。ガイドレール668、669は、遊技盤40(図3参照)の後方で、かつ液晶表示装置50(図3参照)の前方に位置するようにスペーサ90(図3参照)の右側に設けられている。ガイドレール668、669は、上側可動演出部材650及び上側スライドベース657が上下方向に揺動するときの軌跡に沿った湾曲形状に形成されており、パチンコ遊技機1(図3参照)の前後方向に離隔している。
上側可動ベース655の右端部にはガイド片670が設けられており、ガイド片670は、パチンコ遊技機1の前後方向においてガイドレール668、669の間に設けられている。ガイド片670は、ガイドレール668、669と接触する部分から上側可動演出部材650に向かって傾斜する三角形状の補強部670a、670b(図22参照)を有する。
これにより、図21、図26及び図27に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が揺動軸651B(図22参照)を支点にして待機位置(図21に示す位置)と駆動位置(図27に示す位置)とに移動するときに、ガイドレール668、669(図23参照)に沿って上下方向に揺動する。本実施の形態のガイドレール668、669は、本発明のガイド部材を構成し、ガイド片670は、本発明の被ガイド部を構成する。
図22に示すように、前側に位置するガイドレール668に対して後側に位置するガイドレール669は、下方に延びており、ガイドレール669の下端にはストッパ669Aが設けられている。ガイド片670は、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が駆動位置に位置したときにストッパ669Aに当接し、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が駆動位置よりも下方に移動することが規制される。
パチンコ遊技機1の前後方向おいて、前側に位置するガイドレール668は、上側スライドベース657よりも後方に設置されている。これにより、上側スライドベース657が上側可動ベース655に対して第1移動位置から第2移動位置に突き出すように移動するときに、上側スライドベース657がガイドレール668に接触することを防止でき、上側スライドベース657を円滑、かつ、確実に第1移動位置と第2移動位置に移動させることができる。
図23に示すように、上側スライドベース657の前部には固定鍔部材672及び可動鍔部材673が設けられている。固定鍔部材672は、上側スライドベース657の左端部の前面に固定されており、可動鍔部材673は、パチンコ遊技機1の前後方向において固定鍔部材672と上側スライドベース657との間に設けられている。
可動鍔部材673の後面には嵌合突起673A~673Cが設けられており、嵌合突起673A~673Cは、可動鍔部材673から後方に突出している。上側スライドベース657の左端部には上下方向に延びる一対のスリット657E、657Fが形成されており、スリット657E、657Fには摺動ブッシュ656F、656G、656Hを介して嵌合突起673A~673Cが摺動自在に嵌合されている。
これにより、可動鍔部材673は、嵌合突起673A~673Cがスリット657E、657Fに沿って摺動することで、上側スライドベース657及び固定鍔部材672に対して上下方向に移動する。本実施の形態の上側スライドベース657及び固定鍔部材672は、本発明の第1可動部材を構成し、可動鍔部材673は、本発明の第2可動部材を構成する。上側スライドベース657、固定鍔部材672及び可動鍔部材673は、本発明の可動手段を構成する。
上側スライドベース657と可動鍔部材673は、コイルスプリング674によって弾性的に連結されており、コイルスプリング674は、可動鍔部材673を上側スライドベース657に対して上方に付勢している。本実施の形態のコイルスプリング674は、本発明の付勢部材を構成する。
可動鍔部材673の上方には当て壁部材675が設けられており、当て壁部材675は、スペーサ90に設けられている。
上側可動ベース655及び上側スライドベース657は、駆動位置から上方の待機位置に移動したときには、駆動位置と比べて当て壁部材675に近接している。
一方、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置から下方の駆動位置に移動したときには、待機位置と比べて当て壁部材675から離隔している。
可動鍔部材673は、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が駆動位置から待機位置に向かって当て壁部材675に近接するように移動したときに、当て壁部材675に接触することによりコイルスプリング674の付勢力に抗して上側可動ベース655及び固定鍔部材672に対して可動して第1位置(図21に示す位置)に移動する。
また、可動鍔部材673は、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置から駆動位置に向かって当て壁部材675から離隔するように移動したときに、コイルスプリング674に付勢されることにより上側可動ベース655及び固定鍔部材672に対して可動して第2位置(図27に示す位置)に移動する。
上側固定ベース651と上側スライドベース657とはコイルスプリング671によって弾性的に連結されており、コイルスプリング671は、上側スライドベース657が上側固定ベース651に対して上方に移動するように付勢している。これにより、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置に付勢される。また、コイルスプリング671は、上側可動ベース655及び上側スライドベース657を駆動位置から待機位置に移動(上方に移動)させる際のモータ652の駆動力をアシストする。
次に、上側可動演出部材650の動作について説明する。
図21に示すように、上側可動演出部材650が待機位置に位置した状態において、モータ652が一方向に駆動されると、ギヤ653(図22参照)からギヤ654(図22参照)に動力が伝達される。図23に示すように、ギヤ654が回転すると、嵌合突起654A(図22参照)が摺動ブッシュ656Bを介して上側可動ベース655のスリット655Bに沿って摺動することにより、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が揺動軸651B(図22参照)を支点にして下方に揺動する。
このとき、上側可動ベース655の嵌合突起655Dが、摺動ブッシュ656Aを介しスリット651Aに沿って摺動することにより、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置から駆動位置に向かって上方から下方に移動する。
図26に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置から駆動位置に向かって上方から下方に移動するときには、ガイド片670がガイドレール668、669に案内される。
図27に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置から駆動位置に向かって当て壁部材675から離隔するように移動したときには、可動鍔部材673がコイルスプリング674(図23参照)に付勢されることにより上側可動ベース655及び固定鍔部材672に対して可動する。
具体的には、図26に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置から駆動位置に揺動する途中においては、可動鍔部材673は、その上端が当て壁部材675に接触した状態を維持する。これにより、下方に揺動する上側可動ベース655及び上側スライドベース657に対して可動鍔部材673が飛び出すような演出が行われる。
その後、図27に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が駆動位置に向かってさらに下方に揺動し、駆動位置に達すると、可動鍔部材673がコイルスプリング674に付勢されて上側可動ベース655及び固定鍔部材672に対して可動した状態に維持される。
このときには、可動鍔部材673の上端が当て壁部材675に接触しないので、可動鍔部材673が上側可動ベース655及び固定鍔部材672に対して最大に飛び出し、刀身の柄に鍔が出現したような演出が行われる。
図27に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が駆動位置に移動した状態では、上側スライドベース657の嵌合突起655D(図23参照)が摺動ブッシュ656A(図23参照)を介してスリット651A(図23参照)の下端に接触するとともに、ガイドレール669(図23参照)の下端のストッパ669A(図23参照)にガイド片670が当接する。これにより、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が駆動位置よりも下方に移動することが規制される。
駆動位置において、モータ661(図23参照)を一方向に駆動すると、ギヤ660(図22参照)が回転してラック659(図22参照)を駆動することにより、ラック659と一体の上側スライドベース657が第1移動位置(例えば、図26、図27に示す位置)から第2移動位置(例えば、図28に示す位置)に向かって移動する。上側スライドベース657が第1移動位置から第2移動位置に向かって移動する場合には、上側固定ベース651と上側スライドベース657とは、全体的に長手方向に伸びる。さらに、上側スライドベース657が第1移動位置から第2移動位置に向かって移動する場合には、上側スライドベース657の端部は、ガイドレール668、669を超えて突出する。
図23に示すように、上側スライドベース657が第1移動位置から第2移動位置に移動するときには、上側スライドベース657の嵌合突起657B、657Cが上側可動ベース655のスリット655E、655Fに沿って移動する。
このとき、嵌合突起657Cと一体で移動する可動スライダ658がギヤ664のリブ664A(図24参照)に向かって移動し、リブ664Aを可動スライダ658側から押圧する。これにより、ギヤ664が第1作動位置から回転する。
ギヤ664が第1作動位置から回転すると、ギヤ664に噛合するギヤ665がギヤ664とともに回転し、ギヤ664、665がギヤ部662A、663Bを介して可動アーム662と可動アーム663とを互いに最も近接する第1可動位置(図24に示す位置)から最も離隔する第2可動位置(図28に示す位置)に可動する。すなわち、図28に示すように、可動アーム662、663は、閉じた状態から開いた状態になる。
このようにして、上側可動演出部材650は、図21及び図27に示すように待機位置から駆動位置に移動する。なお、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置から最も下方に揺動して可動アーム662、663が開いた状態を上側可動演出部材650の駆動位置としてもよい。
一方、図28に示すように、上側可動演出部材650が駆動位置に位置した状態において、モータ661(図23参照)を他方向に駆動すると、ギヤ660が回転してラック659を駆動することにより、ラック659と一体の上側スライドベース657が第2移動位置から上側固定ベース651に対して第1移動位置(例えば、図26、図27に示す位置)に向かって移動する。上側スライドベース657が第2移動位置(例えば、図28に示す位置)から上側固定ベース651に対して第1移動位置に向かって移動する場合には、上側固定ベース651と上側スライドベース657とは、全体的に長手方向に縮む。
上側スライドベース657が第2移動位置から第1移動位置に移動するときには、図23に示すように、上側スライドベース657の嵌合突起657B、657Cが上側可動ベース655のスリット655E、655Fに沿って移動する。
このとき、図25に示すように、上側スライドベース657(図23参照)の右端に設けられたベースリブ666がギヤ664のリブ664Aに向かって移動するとともに、可動スライダ658がリブ664Aから離れる方向に移動する。
可動スライダ658がリブ664Aから離れる方向に移動すると、コイルスプリング667の付勢力によって可動アーム662、663が互いに離隔する第2可動位置から互いに近接する第1可動位置に可動される。すなわち、第1可動アーム662、663が開いた状態から閉じた状態に可動する。
可動アーム662、663が第2可動位置から第1可動位置に可動されるのに伴ってギヤ664、665が第2作動位置から第1作動位置に回転する。
図27に示すように、上側スライドベース657が第2移動位置から第1移動位置に移動すると、図25に示すように、ベースリブ666がギヤ664のリブ664Aを押圧することにより、ギヤ664、665が第2作動位置から第1移動位置に移動する。
図25に示すように、上側スライドベース657が第1移動位置に移動すると、ギヤ664、665が第1作動位置に回転した状態において、ベースリブ666がリブ664Aを可動スライダ658に向かって押圧し、ギヤ664、665が回転することを規制する。
次いで、図27に示すように、上側スライドベース657が第1移動位置に位置した状態において、モータ652が他方向に駆動されると、ギヤ653(図23参照)からギヤ654(図23参照)に動力が伝達される。
図22に示すように、ギヤ654が回転すると、嵌合突起654Aが摺動ブッシュ656B(図23参照)を介して上側可動ベース655のスリット655B(図23参照)に沿って摺動することにより、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が揺動軸651Bを支点にして上方に揺動する。
このとき、上側可動ベース655の嵌合突起655D(図23参照)が、摺動ブッシュ656Aを介してスリット651Aに沿って摺動することにより、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が安定して揺動される。
図27に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が駆動位置から待機位置に向かって下方から上方に移動するときには、ガイド片670がガイドレール668、669に案内される。
図26に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が駆動位置から待機位置に向かって当て壁部材675に近接するように、待機位置から駆動位置に移動する途中で、可動鍔部材673の上端が当て壁部材675に接触する。
このとき、図21に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置に向かってさらに上方に移動すると、可動鍔部材673の上端が当て壁部材675に接触して可動鍔部材673が上方に移動することが規制される。
これにより、可動鍔部材673がコイルスプリング674(図23参照)の付勢力に抗して上側可動ベース655及び固定鍔部材672に対して可動する。これにより、可動鍔部材673が上側可動ベース655及び固定鍔部材672に収容されるような演出が行われる。
図21に示すように、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が待機位置に移動すると、モータ652の駆動を停止する。このようにして上側可動演出部材650は、駆動位置から待機位置に移動する。図29は、遊技盤40に対して上側可動演出部材650が駆動位置に移動した状態を示している。
このように、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、図22に示すように、遊技盤40(図3参照)が取付けられたスペーサ90(図3参照)と、遊技盤40の後方に取付けられ、所定の演出表示を行う液晶表示装置50(図3参照)と、スペーサ90に取付けられた揺動軸651Bを中心に待機位置と駆動位置との間で可動する上側可動演出部材650と、液晶表示装置50の前方に位置するようにスペーサ90に設けられたガイドレール668、669と、を備え、上側可動演出部材650が、揺動軸651Bを支点に待機位置と駆動位置との間で可動する際にガイドレール668、669に案内されるガイド片670を有する。
これにより、上側可動演出部材650の軌道を安定させることができる。このため、上側可動演出部材650による演出を正確に行うことができる。また、例えば、上側可動演出部材650が待機位置と駆動位置との間で可動する際に、遊技盤40の前後方向に揺動することを防止できるので、上側可動演出部材650が遊技盤40や液晶表示装置50に接触することを防止して、上側可動演出部材650、遊技盤40及び液晶表示装置50を保護することができる。
これに加えて、上側可動演出部材650が前後方向に揺動することを防止することで、上側可動演出部材650と遊技盤40との間のスペースと、上側可動演出部材650と液晶表示装置50との間のスペースを小さくできる。このため、パチンコ遊技機1の前後方向の寸法を短くでき、パチンコ遊技機1の省スペース化を図ることができる。
また、ガイド片670は、ガイドレール668、669と接触する部分から上側可動演出部材650に向かって傾斜する三角形状の補強部670a、670b(図22参照)を有するので、ガイド片670の剛性を向上することができる。したがって、上側可動演出部材650をガイドレール668、669に沿って円滑、かつ安定して移動させることができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、上側可動演出部材650が、上側可動ベース655と、上側可動ベース655の長手方向に沿って移動可能な上側スライドベース657とを有し、上側スライドベース657が、第1移動位置から第2移動位置に移動したとき、上側スライドベース657の端部がガイドレール668、669を超えて突出可能である。
これにより、上側スライドベース657の移動がガイドレール668、669によって規制されることを防止することができ、上側可動演出部材650による演出をより効果的に行うことができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、図22に示すように、上側可動演出部材650が、当て壁部材675に近接する待機位置と当て壁部材675から離隔する駆動位置との間で揺動軸651Bを中心に可動する上側スライドベース657及び固定鍔部材672と、上側スライドベース657及び固定鍔部材672に対して可動する可動鍔部材673と、上側スライドベース657と可動鍔部材673とを弾性的に連結するコイルスプリング674(図23参照)と、を有する。
さらに、可動鍔部材673は、上側スライドベース657及び固定鍔部材672が当て壁部材675に近接するように移動したときに、当て壁部材675に接触することによりコイルスプリング674の付勢力に抗して上側スライドベース657及び固定鍔部材672に対して可動して第1位置(図21に示す位置)に移動し、上側スライドベース657及び固定鍔部材672が当て壁部材675から離隔するように移動したときに、コイルスプリング674に付勢されることにより上側スライドベース657及び固定鍔部材672に対して可動して第2位置(図27に示す位置)に移動する。
これにより、簡素な構成によって上側可動演出部材650を円滑に動作させつつ、演出効果を向上できる。特に、上側可動演出部材650は、上側スライドベース657及び固定鍔部材672、可動鍔部材673及びコイルスプリング674から構成され、これに当て壁部材675を関連付けることで、上側スライドベース657及び固定鍔部材672の移動に伴って可動鍔部材673を上側スライドベース657及び固定鍔部材672に対して可動できるので、上側可動演出部材650の構成をより効果的に簡素化できる。
また、本実施の形態の上側可動演出部材650は、図22に示すように、上側可動ベース655と、上側可動ベース655に対して第1移動位置と第2移動位置との間で移動可能な上側スライドベース657と、上側可動ベース655に設けられ、第1可動位置と第2可動位置との間で可動可動アーム662、663と、上側スライドベース657に設けられ、第1作動位置から第2作動位置に作動することにより可動アーム662、663を第1可動位置から第2可動位置に可動させ、第2作動位置から第1作動位置に移動することにより可動アーム662、663を第2可動位置から第1可動位置に可動させるギヤ664、665を有する。
さらに、上側可動演出部材650は、上側スライドベース657に設けられ、上側スライドベース657が上側可動ベース655に対して第1移動位置から第2移動位置に移動するときにギヤ664のリブ664Aに係合して、ギヤ664、665を第1作動位置から第2作動位置に移動させる可動スライダ658(図24参照)と、上側スライドベース657に設けられ、上側スライドベース657が上側可動ベース655に対して第2移動位置から第1移動位置に移動するときに、可動スライダ658と反対方向からギヤ664のリブ664Aに係合してギヤ664、665を第2作動位置から第1作動位置に移動させるベースリブ666(図25参照)と、を備える。
これにより、簡素な構成によって可動アーム662、663を円滑に動作させることができる。この結果、上側可動演出部材650が円滑な動作を行うことを保証しつつ、演出効果を向上できる。
また、本実施の形態の上側可動演出部材650は、ギヤ664、665が、上側スライドベース657のスライド方向(移動方向)に対して可動スライダ658とベースリブ666との間に設けられており、ギヤ664が、可動スライダ658及びベースリブ666に係合可能なリブ664Aを有する。
これにより、可動スライダ658及びベースリブ666をリブ664Aに係合させてギヤ664、665を回転させることにより、ギヤ部662A、663Aを介して可動アーム662、663を第1可動位置と第2可動位置との間で可動させることができる。これにより、上側可動演出部材650をより効果的に簡素な構成とすることができる。
また、図24及び図25に示すように、可動アーム662、663が第1可動位置及び第2可動位置に位置したときに、可動スライダ658及びベースリブ666をリブ664Aに係合させることで、ギヤ664、665の回転を規制することができる。これにより、第1可動位置と第2可動位置とにおいて可動アーム662、663の姿勢を安定させることができ、可動アーム662、663の挙動が不安定となることを防止できる。
なお、本実施の形態の上側可動演出部材650では、固定鍔部材672に対して可動鍔部材673のみが可動する構成であるが、固定鍔部材672も可動する構成としてもよい。具体的には、図30に示すように、可動鍔部材673は、固定板690に可動可能に設けられており、固定板690は、上側スライドベース657(図23参照)に固定されている。
固定体690には可動鍔部材691が可動可能に設けられている。可動鍔部材673にはラック歯673aが形成されるラック673Dが設けられており、可動鍔部材691にはラック歯691aが形成されるラック691Aが設けられている。
ラック歯673aは、ギヤ692を介してラック歯691aに噛合している。固定板690と可動鍔部材673とは、コイルスプリング674によって弾性的に連結されており、コイルスプリング674は、可動鍔部材673を固定体690、すなわち上側スライドベース657に対して上方に付勢している。
このように構成すれば、上側可動ベース655及び上側スライドベース657が駆動位置と待機位置とに揺動するのに伴って、可動鍔部材673のラック673Dからギヤ692を介して可動鍔部材691のラック691Aに動力を伝達し、可動鍔部材673の動きに連動させて可動鍔部材691を固定板690に対して可動させることができる。
これにより、可動鍔部材673、691が固定板690に引っ込む位置と固定板690から突出する位置とに移動可能となる。
また、本実施の形態では、ギヤ664、665が第1作動位置に回転した状態(図25に示す状態)においてギヤ664、665の回転を規制する構成としてベースリブ666を用いたが、このベースリブ666に代えて、図31及び図32に示すようなコイルスプリングを利用してもよい。図31、図32は、上側可動ベース655及び上側スライドベース657の概略図である。
図31、図32に示すように、上側可動ベース655の右端にはコイルスプリング680の一端部を支持する支持部材680Aが固定されており、コイルスプリング680の他端部には可動スライダ658と反対方向からギヤ664のリブ664Aに当接可能な当接片680Bが設けられている。
このような構成の場合、図32に示すように、上側スライドベース657が上側可動ベース655に対して第1位置(図31に示す位置)から第2位置(図32に示す位置)に移動し、可動スライダ658がギヤ664のリブ664Aを押圧したときに、ギヤ664の回転に伴ってコイルスプリング680が圧縮される。
一方、図31に示すように、上側スライドベース657が上側可動ベース655に対して第2位置(図32に示す位置)から第1位置(図31に示す位置)に移動し、可動スライダ658がギヤ664のリブ664Aから離れるときには、コイルスプリング680が伸長することにより、当接片680Bが可動スライダ658と反対方向からリブ664Aを押圧する。
このように構成した場合であっても、可動アーム662、663が第1可動位置及び第2可動位置に位置したときに、可動スライダ658及びコイルスプリング680をリブ664Aに係合させることで、ギヤ664、665の回転を規制することができる。これにより、第1可動位置と第2可動位置とにおいて可動アーム662、663の姿勢を安定させることができ、可動アーム662、663の挙動が不安定となることを防止できる。
さらに、上述したベースリブ666やコイルスプリング680に代えて、図33及び図34に示すようなリンク機構を利用してもよい。図33、図34は、上側可動ベース655及び上側スライドベース657の概略図である。
図33、図34に示すように、上側可動ベース655には、ラック659が延在する方向と同方向に延在するラック681が設けられており、ラック681は、上側可動ベース655に対して移動可能に構成されている。
上側スライドベース657にはギヤ682が設けられており、ギヤ682は、ラック681のラック歯681aに噛合している。上側可動ベース655にはギヤ683が回転自在に設けられており、ギヤ683にはL字形状のリブ683Aが設けられている。リブ683Aは、可動スライダ658と反対方向からギヤ664のリブ664Aを押圧可能となっている。
ギヤ683は、上側スライドベース657が上側可動ベース655に対して第1位置(図33に示す位置)と第2位置(図34に示す位置)とに移動するときに、ラック681のラック歯681aに噛合可能な状態と噛合不能な状態とに切換えられる。
このように構成された上側可動演出部材650は、上側スライドベース657が上側可動ベース655に対して第1位置(図33に示す位置)から第2位置(図34に示す位置)に移動すると、ギヤ682の回転によってラック681が左方に移動する。
図34に示すように、ラック681が左方に移動すると、ギヤ683とラック歯681aとの噛み合いが解除される(噛合不能な状態となる)。また、可動スライダ658がギヤ664のリブ664Aを押圧することで、ギヤ664が回転する。このとき、リブ664Aがリブ683Aを押圧するが、リブ683Aにはリブ664Aの押圧力に対向する力が作用しないので、ギヤ683Aが回転してギヤ664の回転を許容する。
一方、図33に示すように、上側スライドベース657が上側可動ベース655に対して第2位置(図34に示す位置)から第1位置(図33に示す位置)に移動し、可動スライダ658がギヤ664のリブ664Aから離れるときには、ギヤ682の回転によってラック681が右方に移動する。
ラック681が右方に移動すると、ギヤ683がラック歯681aに噛合して回転し、リブ683Aが可動スライダ658と反対方向からリブ664Aを押圧する。これにより、ギヤ664が回転する。
このように構成した場合であっても、可動アーム662、663が第1可動位置及び第2可動位置に位置したときに、可動スライダ658及びリブ683Aをリブ664Aに係合させることで、ギヤ664、665の回転を規制することができる。これにより、第1可動位置と第2可動位置とにおいて可動アーム662、663の姿勢を安定させることができ、可動アーム662、663の挙動が不安定となることを防止できる。なお、ギヤ682は、上側スライドベース657の移動に伴って駆動されるが、図示しないモータによって駆動されてもよい。
[右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770の構成と動作]
図4及び図43に示すように、本実施の形態のパチンコ遊技機1には、右側可動演出部材750、左側可動演出部材770が設けられている。右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770は、遊技盤40の後方において、表示領域51の右側及び左側に設けられている。なお、図4では、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770が中央台板413の後方に位置した状態(後述する待機位置に位置した状態)を示している。このため、図4に示すように、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770は、待機位置では遊技者からはその全体が視認されないようになっている。本実施の形態の右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770は、本発明の変位手段を構成する。
まず、右側可動演出部材750について説明する。
図35に示すように、右側可動演出部材750には右側翼部材751が設けられており、右側翼部材751には翼を模した装飾が施されている。右側翼部材751は、前面にインナーレンズ751Aが設けられており、インナーレンズ751Aの後方に位置するように電飾基板751B(図37参照)が内蔵されている。電飾基板751B(図37参照)には図示しないLEDが設けられており、電飾基板751B(図37参照)は、LEDを点灯制御してインナーレンズ751Aを通して発光する。
図36に示すように、右側翼部材751の後方には右側翼ガイド部材752が設けられており、右側翼ガイド部材752には上下方向に離隔する、くの字形状の一対のガイド溝752A、752Bが形成されている。
右側翼部材751の後部には上下方向に離隔する一対の嵌合突起751C、751Dが形成されており、嵌合突起751C、751Dは、摺動ブッシュ753A、753Bを介してガイド溝752A、752Bに摺動自在に嵌合されている。
図37に示すように、右側翼ガイド部材752の後部には上下方向に離隔する一対の突起752C、752Dが形成されており、突起752C、752Dにはそれぞれ可動アーム754、755の下端部が回転自在に支持されている。
可動アーム754、755には縦長のスリット754A、755Aが形成されており、スリット754A、755Aには摺動ブッシュ753A、753Bが摺動自在に嵌合されている。
これにより、可動アーム754、755は、突起752C、752Dを支点に上下方向に揺動する。可動アーム754、755が突起752C、752Dを支点に上下方向に揺動すると、摺動ブッシュ753A、753Bがガイド溝752A、752Bに沿って移動することにより、右側翼部材751がガイド溝752A、752Bに沿ってくの字を描くように上下左右方向(斜め方向を含む)に移動する。
可動アーム754、755にはギヤ部754B、755Bが形成されており、ギヤ部754B、755Bは、ラック756に形成されたラック歯756A、756B(図36参照)に噛合している。
図36に示すように、右側翼ガイド部材752の後方には右側翼固定ベース757が設けられており、右側翼固定ベース757の前面には上下方向に離隔する一対の突起757A、757Bが形成されている。
ラック756には、上下方向に縦長の一対のスリット756C、756Dが上下方向に離隔して形成されている。スリット756C、756Dには、突起757A、757Bが摺動自在に嵌合されている。これにより、ラック756は、右側翼固定ベース757に対して上下方向に移動可能とされる。
ラック756の上部にはスリット756Eが形成されており、スリット756Eは、左右方向に延在している。
右側翼固定ベース757の前面にはモータ758が取付けられており、モータ758の図示しない回転軸にはギヤ759が取付けられている。ギヤ759は、右側翼固定ベース757の後面に回転自在に支持されている。ギヤ759は、右側翼固定ベース757の後部に回転自在に支持されたギヤ760に噛合している。これらギヤ759、760は、ギヤカバー763によって覆われている。
ギヤ760には嵌合突起760Aが形成されており、嵌合突起760Aは、スリット756Eに摺動自在に嵌合されている。右側翼固定ベース757には図示しない半円状のスリットが形成されており、ギヤ760が回転すると、嵌合突起760Aは、半円状のスリットに沿って案内される。嵌合突起760Aが半円状のスリットに沿って案内されると、嵌合突起760Aがスリット756Eに沿って移動しながらラック756を下方に押圧する。
右側翼固定ベース757とラック756とはコイルスプリング762によって連結されており、コイルスプリング762は、ラック756を上方に付勢している。
右側翼部材751の右方にはガイド突起761が形成されており、ガイド突起761は、右側翼部材751の前面よりも前方に突出している。ガイド突起761は、右側可動演出部材750が待機位置(図35に示す位置)と駆動位置(図38に示す位置)とに移動するとき、遊技盤40(図4参照)の後方を視認困難な遊技盤40の領域において遊技盤40の後面に当接している。これにより、ガイド突起761は、遊技者から視認困難となる。本実施の形態のガイド突起761は、本発明の当接部を構成する。
本実施の形態の右側可動演出部材750は、モータ758が回転すると、ギヤ759がギヤ760を回転させる。ギヤ760が回転すると、嵌合突起760Aが半円状のスリットに沿って案内されるとともに、嵌合突起760Aがラック756のスリット756Eに沿って移動する。
これにより、ラック756が上下方向に移動する。ラック756が上下方向に移動すると、ラック756のラック歯756A、756Bに噛合する可動アーム754、755のギヤ部754B、755Bが回転する。このため、図37に示すように、可動アーム754、755が突起752C、752Dを支点に上下方向に揺動する。
このため、摺動ブッシュ753A、753Bがガイド溝752A、752Bに沿って移動し、右側翼部材751の嵌合突起751C、751Dがガイド溝752A、752Bに沿って上下左右方向に移動する。この結果、右側翼部材751は、遊技盤40(図4参照)の後方に待機した待機位置(図35に示す位置)と、待機位置から左斜め下方に位置する駆動位置(図38に示す位置)とに移動する。
また、右側翼部材751が駆動位置(図38に示す位置)から右斜め上方の待機位置(図35に示す位置)に移動するときには、ラック756がコイルスプリング762によって上方に引っ張られる。これにより、重量物である右側翼部材751を、コイルスプリング762によって自重方向と反対方向に引き上げることができ、モータ758(図36参照)の駆動をコイルスプリング762によってアシストすることができる。
また、右側翼部材751が待機位置と駆動位置とに移動するときに、ガイド突起761は、遊技盤40(図4参照)の後方を視認困難な遊技盤40の領域において遊技盤40の後面に当接する。これにより、右側翼部材751がパチンコ遊技機1の前後方向に振れることなく、右側翼部材751を待機位置と駆動位置とに移動させることができる。
次に、左側可動演出部材770について説明する。
図39に示すように、左側可動演出部材770には左側翼部材771が設けられており、左側翼部材771には翼を模した装飾が施されている。左側翼部材771は、前面にインナーレンズ771Aが設けられており、インナーレンズ771Aの後方に位置するように電飾基板771B(図41参照)が内蔵されている。電飾基板771B(図41参照)には図示しないLEDが設けられており、電飾基板771B(図41参照)は、LEDを点灯制御してインナーレンズ771Aを通して発光する。
図40に示すように、左側翼部材771の後方には左側翼ガイド部材772が設けられており、左側翼ガイド部材772には上下方向に離隔する、くの字形状の一対のガイド溝772A、772Bが形成されている。
図41に示すように、左側翼部材771の後部には上下方向に離隔する一対の嵌合突起771C、771Dが形成されており、嵌合突起771C、771Dは、摺動ブッシュ773A、773B(図40参照)を介してガイド溝772A、772Bに摺動自在に嵌合されている。
左側翼ガイド部材772の後部には上下方向に離隔する一対の突起772C、772Dが形成されており、突起772C、772Dにはそれぞれ可動アーム774、775の上端部が回転自在に支持されている。
可動アーム774、775には縦長のスリット774A、775Aが形成されており、スリット774A、775Aには摺動ブッシュ773A、773Bが摺動自在に嵌合されている。
これにより、可動アーム774、775は、突起772C、772Dを支点に上下方向に揺動する。可動アーム774、775が突起772C、772Dを支点に上下方向に揺動すると、摺動ブッシュ773A、773Bがガイド溝772A、772Bに沿って移動することにより、左側翼部材771がガイド溝772A、772Bに沿ってくの字を描くように上下左右方向(斜め方向を含む)に移動する。
可動アーム774、775にはギヤ部774B、775Bが形成されており、ギヤ部774B、775Bは、ラック776に形成されたラック歯776A、776Bに噛合している。
図40に示すように、左側翼ガイド部材772の後方には左側翼固定ベース777が設けられており、左側翼固定ベース777の前面には上下方向に離隔する一対の突起777A、777Bが形成されている。
ラック776には、上下方向に縦長の一対のスリット776C、776Dが上下方向に離隔して形成されている。スリット776C、776Dには、突起777A、777Bが摺動自在に嵌合されている。これにより、ラック776は、左側翼固定ベース777に対して上下方向に移動可能とされる。
ラック776の上部にはスリット776Eが形成されており、スリット776Eは、左右方向に延在している。
図41に示すように、左側翼固定ベース777の後部にはモータ778が取付けられており、モータ778の図示しない回転軸にはギヤ779が取付けられている。図40に示すように、ギヤ779は、左側翼固定ベース777の前面に回転自在に支持されている。ギヤ779は、左側翼固定ベース777の前面に回転自在に支持されたギヤ780に噛合している。これらギヤ779、780は、ギヤカバー783によって覆われている。
図40に示すように、ギヤ780には嵌合突起780Aが形成されており、嵌合突起780Aは、スリット776Eに摺動自在に嵌合されている。ギヤ780が回転すると、嵌合突起780Aがスリット776Eに沿って移動しながらラック776を上方に押圧する。
左側翼固定ベース777とラック776とはコイルスプリング782によって連結されており、コイルスプリング782は、ラック776を上方に付勢している。
左側翼部材771の左方にはガイド突起781が形成されており、ガイド突起781は、左側翼部材771の前面よりも前方に突出している。ガイド突起781は、左側可動演出部材770が待機位置(図39に示す位置)と駆動位置(図42に示す位置)とに移動するとき、遊技盤40(図4参照)の後方を視認困難な遊技盤40の領域において遊技盤40の後面に当接している。これにより、ガイド突起781は、遊技者から視認困難となる。本実施の形態のガイド突起781は、本発明の当接部を構成する。
本実施の形態の左側可動演出部材770は、モータ778(図41参照)が回転すると、ギヤ779がギヤ780を回転させる。ギヤ780が回転すると、嵌合突起780Aがラック776のスリット776Eに沿って移動する。
これにより、ラック776が上下方向に移動する。ラック776が上下方向に移動すると、ラック776のラック歯776A、776Bに噛合する可動アーム774、775のギヤ部774B、775Bが回転する。このため、図41に示すように、可動アーム774、775が嵌合突起772C、772Dを支点に上下方向に揺動する。
このため、図40に示すように、摺動ブッシュ773A、773Bがガイド溝772A、772Bに沿って移動し、左側翼部材771の嵌合突起771C、771D(図41参照)がガイド溝772A、772B(図41参照)に沿って上下左右方向に移動する。この結果、左側翼部材771は、遊技盤40(図4参照)の後方に待機した待機位置(図39に示す位置)と、待機位置から右斜め上方に移動した駆動位置(図42に示す位置)とに移動する。
また、左側翼部材771が待機位置(図39に示す位置)から右斜め上方の駆動位置(図42に示す位置)に移動するときには、ラック776がコイルスプリング782によって上方に引っ張られる。これにより、重量物である左側翼部材771を、コイルスプリング782によって自重方向と反対方向に引き上げることができ、モータ778(図41参照)の駆動をコイルスプリング782によってアシストすることができる。
また、左側翼部材771が待機位置と駆動位置とに移動するときに、ガイド突起781は、遊技盤40(図4参照)の後方を視認困難な遊技盤40の領域におい遊技盤40の後面に当接する。これにより、左側翼部材771がパチンコ遊技機1の前後方向に振れることなく、左側翼部材771を待機位置と駆動位置とに移動させることができる。
図43は、遊技盤40を前方から見たときに、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770が待機位置から駆動位置に移動した状態を示す図である。右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770は、待機位置から駆動位置に移動する際には互いに近接するように移動する。
さらに、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770が待機位置から駆動位置に移動する際には、右側可動演出部材750は左方に移動した後に下方に移動するよう動き、左側可動演出部材770は右方に移動した後に上方に移動するように動くようになっている。このため、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770が待機位置から駆動位置に移動するときは、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770があたかも回転しているかのような動き(液晶表示装置50の前方で、右側可動演出部材750と左側可動演出部材770とが一つの演出部材のように視認され、当該一つの演出部材が反時計回りに回転しているかのような動き)に見せることができ、演出効果を高めることができる。
このように、本実施の形態の右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770は、遊技盤40(図4参照)の後面に当接するガイド突起761、781を有し、ガイド突起761、781は、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770が待機位置と駆動位置とに移動するとき、遊技盤40の後方を視認困難な遊技盤40の領域において遊技盤40の後面に当接するように右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770に設けられている。
これにより、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770が待機位置と駆動位置とに移動するとき、ガイド突起761、781が遊技盤40(図4参照)の後面に当接することで、ガイド突起761、781を、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770の移動時のガイドとして利用することができ、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770を安定して動作させることができる。この結果、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770の円滑な動作を行うことを保証しつつ、演出効果を向上できる。
また、ガイド突起761、781を遊技盤40(図4参照)の後面に接触させることで、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770の前面に形成された装飾等が遊技盤40に接触することを防止できる。このため、翼を模した装飾が施されている右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770の前面を遊技盤40から保護できる。
さらに、遊技盤40(図4参照)の後方を視認困難な領域において、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770のガイド突起761、781を遊技盤40の後面に当接させているので、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770のガイド突起761、781が遊技者から容易に視認されることがない。このため、遊技盤40の装飾性を維持することができる。
図20に示すように、右ガイド部413eの前側には小型可動演出部材790(図4に仮想線で示す)が設けられている。小型可動演出部材790は、図示しない電磁ソレノイドによって駆動されることにより、左斜め上方と右斜め下方との間で往復移動するようになっている。小型可動演出部材790は、電磁ソレノイドに限らず、例えばモータや歯車等からなる各種アクチュエータによって駆動される構成であってもよい。
[振分装置の変形例]
以下、振分装置421の変形例について説明する。図44~図48は、振分装置421の第1の変形例を示す図である。図49及び図50は、振分装置421の第2の変形例を示す図である。
以下に説明する第1の変形例及び第2の変形例に係る振分装置800において、振分ドラム801以外の構成は、図5に示す振分装置421と同一の構成である。したがって、図44~図50において、振分ドラム801の構成を具体的に説明し、振分ドラム801以外の構成については説明を省略する。なお、振分装置421の第1の変形例と第2の変形例とは、振分ドラム801の構成が異なる。
[第1の変形例の振分ドラム]
図44に示すように、第1の変形例に係る振分ドラム801は、振分軸502(図5参照)が挿入可能な中心孔801eを有する円柱形(鼓形)のドラム本体802と、ドラム本体802に形成され、ドラム本体802の中心軸方向に沿って延び、かつドラム本体802の円周方向に分割して形成される4本の溝部802A~802Dと、ドラム本体802の一方の端部(左端)から径方向に突出する突出部803と、ドラム本体802の他方の端部(右端)から径方向に突出する突出部804と、を備えている。
4本の溝部802A~802Dは、ドラム本体802に中心軸に対して90度に広がる壁面の間に形成されており、隣り合う溝部802A~802Dの間に羽根部805が形成される。
羽根部805は、ドラム本体802から径方向外方に延在しており、ドラム本体802の中心軸方向に向かって正面視した場合に十字型に延びている。羽根部805は、溝部802A~802Dをドラム本体802の円周方向に仕切る仕切壁を構成している。
突出部803は、ドラム本体802の軸線方向に傾斜する円錐台形に形成されている(図47参照)。また、図45に示すように、突出部803には4本の溝部802A~802Dの中の1本の溝部802Dに連通する切り欠き803Aが形成されている。
突出部804は、ドラム本体802の軸線方向に傾斜する円錐台形に形成されている(図48参照)。図44に示すように、突出部804は、4本の溝部802A~802Dの中の3本の溝部802A~802Cに連通する切り欠き804Aが形成されている。なお、突出部804の側面には、凹部806が形成されており、凹部806には意匠レンズ507(図5参照)が装着されている。
図45に示すように、4本の溝部802A~802Dの中の1本の溝部802Dは、右側が突出部804によって閉鎖され、左側が開放されており、他の3組の溝部802A~802Cは、左側が突出部803によって閉鎖され、右側が開放されている。なお、突出部803、804の開放部分は、それぞれ切り欠き803A、804Aが形成された部分である。
図46に示すように、振分ドラム801の軸線方向の一端部には第1カムロック504が取付けられている。この第1カムロック504は、図7に示した第1カムロック504と同一の構成であるため、説明を省略する。ここで、振分ドラム801は、本発明の回転部材を構成し、溝部802A~802Dは、本発明の受入れ部を構成する。
図46に示すように、溝部802A~802Dにはそれぞれ載置面部802aが設けられている。載置面部802aは、振分ドラム801の円周方向における羽根部805の一方の面から構成されており、載置面部802aにはそれぞれの溝部802A~802Dに受け入れられる遊技球が一時的に載置される。なお、「遊技球が一時的に載置される」とは、溝部802A~802Dに受け入れられた遊技球が自重により振分ドラム801を回転させて落下するまでに、載置面部802a上に遊技球が留まっている(接触している)状態をいう。
振分ドラム801は、回転中心軸がパチンコ遊技機1の左右方向と同方向に延びており、回転時において載置面部802aが上方から見えるように載置面部802aが流下経路板423(図4参照)から前方に突出している。
換言すれば、載置面部802aと反対側の羽根部805の面は、流下経路板423(図4参照)の後方に隠れており、上方からは見えない。したがって、遊技領域41(図4参照)において流下経路板423(図4参照)を流下する遊技球は、溝部802A~802Dにおいて、常に載置面部802aに載置され、振分ドラム801は、一方向のみに回転する。
図44に示すように、3本の溝部802A~802Cの一部を構成する突出部803は、載置面部802aに対して振分ドラム801の軸線方向一方側に設けられており、遊技球の振り分け方向を決定する壁面部803Bを有する。すなわち、壁面部803Bは、振分ドラム801の軸線方向に対して切り欠き804Aと対向している。
図47に示すように、壁面部803Bは、載置面部802aからドラム本体802の径方向外方に傾斜して延びる第1傾斜面803eと、第1傾斜面803eから載置面部802aと直交してドラム本体802の径方向外方に延びる第2傾斜面803fとから形成されている。
載置面部802aに対する第1傾斜面803eの傾斜角度θ1(例えば、120°)は、載置面部802aに対する第2傾斜面803fの傾斜角度θ2(例えば、90°)よりも大きく形成されている。第2傾斜面803fは、垂直面から構成されている。
第2傾斜面803fは、第1傾斜面803eから載置面部802aに載置される遊技球807の中心点807aよりも上方まで延伸されている。換言すれば、ドラム本体802の径方向における第2傾斜面803fの外端803uは、載置面部802aに載置される遊技球807の中心点807aよりも上方に位置している。
図45に示すように、1本の溝部802Dの一部を構成する突出部804は、載置面部802aに対して振分ドラム801の軸線方向他方に設けられており、遊技球の振り分け方向を決定する壁面部804Bを有する。すなわち、壁面部804Bは、振分ドラム801の軸線方向に対して切り欠き803Aと対向している。
図48に示すように、壁面部804Bは、載置面部802aからドラム本体802の径方向外方に傾斜して延びる第1傾斜面804eと、第1傾斜面804eから載置面部802aと直交してドラム本体802の径方向外方に延びる第2傾斜面804fとから形成されている。
載置面部802aに対する第1傾斜面804eの傾斜角度θ1(例えば、120°)は、載置面部802aに対する第2傾斜面804fの傾斜角度θ2(例えば、90°)よりも大きく形成されている。第2傾斜面804fは、垂直面から構成されている。
第2傾斜面804fは、第1傾斜面804eから載置面部802aに載置される遊技球807の中心点807aよりも上方まで延伸されている。換言すれば、ドラム本体802の径方向における第2傾斜面804fの外端804uは、載置面部802aに載置される遊技球807の中心点807aよりも上方に位置している。
振分装置800において、例えば、図47に示すように、溝部802Cが上方に向いているときには、溝部802Cが遊技球の受入可能な態様となる。溝部802Cが遊技球の受入可能な状態で、上方から遊技球から流下すると、溝部802Cが遊技球を受入れ、遊技球が載置面部802aに載置される。これにより、遊技球の自重によって振分ドラム801が回転しながら溝部802Cが下方に向いていく。
この際、遊技球は、第1傾斜面803eの斜面によって右寄りに移動し、第1傾斜面803eに沿って右側に振り分けられる。これにより、振分ドラム801によって振り分けられた遊技球は、第2経路423c(図4参照)側に案内される。
振分ドラム801は、4本の溝部802A~802Dのうちの3本の溝部802A~802Cが右方に切り欠き804Aを有するので遊技球は、3/4の確率で第2経路423c(図4参照)側に振り分けられる。
一方、例えば、図48に示すように、溝部802Dが上方に向いているときには、溝部802Dが遊技球の受入可能な態様となる。溝部802Dが遊技球の受入可能な状態で、上方から遊技球から流下すると、溝部802Dが遊技球を受入れ、遊技球が載置面部802aに載置される。このとき、遊技球の自重によって振分ドラム801が回転しながら溝部802Dが下方に向いていく。
この際、遊技球は、第1傾斜面804eの斜面によって左寄りに移動し、第1傾斜面804eに沿って左側に振り分けられる。これにより、振分ドラム801によって振り分けられた遊技球は、第1経路423b(図4参照)側に案内される。
振分ドラム801は、4本の溝部802A~802Dのうちの1本の溝部802Dのみが左方に切り欠き803Aを有するので遊技球は、1/4の確率で第1経路423b(図4参照)側に振り分けられる。
以上のように、第1の変形例の振分装置800は、遊技領域41(図4参照)を流下する遊技球を受け入れる複数の溝部802A~802Dが円周方向に形成された振分ドラム801を有し、溝部802A~802Dに受け入れられた(載置された)遊技球を振り分けるようになっている。
図47及び図48に示すように、溝部802A~802Dは、振分ドラム801の径方向外方に延び、遊技球が載置される載置面部802aと、載置面部802aに対して振分ドラム801の軸方向の両側に設けられ、遊技球の振り分け方向を決定する壁面部803B、804Bと、を有し、壁面部803B、804Bには、載置面部802aに接続された第1傾斜面803e、804eと、第1傾斜面803e、804eに接続された第2傾斜面803f、804fとが形成されており、載置面部802aに対する第1傾斜面803e、804eの傾斜角度θ1が、載置面部802aに対する第2傾斜面803f、804fの傾斜角度θ2よりも大きく構成されている。
これにより、第1傾斜面803e、804eの傾斜角度より第2傾斜面803f、804fの傾斜角度を急峻にできる。これにより、例えば、遊技球の流下速度が速い場合等に溝部802A~802Dに受け入れられた遊技球が壁面部803B、804Bに沿って駆け上がる等、意図しない方向に遊技球が転動することを防止できる。
このため、振分ドラム801と流下経路板423(図4参照)との間に遊技球が噛み込まれてしまうことを防止でき、振分ドラム801の回転不良が発生することを防止できる。この結果、遊技球を確実に振り分けることができ、パチンコ遊技機1の信頼性を向上できる。
また、第1の変形例の振分装置800によれば、第2傾斜面803f、804fが、第1傾斜面803e、804eから、載置面部802aに載置される遊技球807の中心点807aよりも上方まで延伸されている。
これにより、載置面部802aに載置された遊技球807の重心を、第2傾斜面803f、804fの上端より下方にすることができ、載置面部802aに載置された遊技球807が壁面部803B、804Bに沿って駆け上がることをより効果的に防止できる。また、遊技球の自重により振分ドラム801が回転した場合には、遊技球を、下方に向いた溝部802A~802Dの第1傾斜面803e、804eの傾斜面に沿って案内される方向に確実に排出できる。
なお、本実施の形態の振分ドラム801では、第2傾斜面803f、804fの外端803u、804uのそれぞれと突出部803、804のそれぞれとを接続する斜面が外側
(載置面部802aに載置された遊技球807から離隔する方向)に傾斜しているため、外端803u、804uが突出部803、804から内側(載置面部802aに載置された遊技球807側)に向けて突出したような形状をなしている。これにより遊技球が外端803u、804uにあたるとその遊技球が振り分け方向に誘導されるようになっている。
これに対し、外端803u、804uのそれぞれと突出部803、804のそれぞれとを接続する斜面を内側(載置面部802aに載置された遊技球807側)に傾斜させることにより第1傾斜面803e、804e及び第2傾斜面803f、804fが凹部を形成するような構成としてもよい。この場合、第2傾斜面803f、804fが遊技球を振り分け方向に誘導させることができる。この場合であっても、載置面部802aに対する第1傾斜面の傾斜角度θ1が、載置面部802aに対する第2傾斜面の傾斜角度θ2よりも大きい。
[第2の変形例の振分ドラム]
図49に示すように、第2の変形例の振分ドラム801は、第1カムロック504(図図7参照)の構成が本実施の形態と異なり、また羽根部の構成が第1の変形例の振分ドラムと異なる。
すなわち、図7に示すように、本実施の形態の第1カムロック504は、ギヤ部504eの凸部が4箇所(凹部分も4箇所)に形成されているが、第2の変形例の振分ドラム801におけるギヤ部810Aは、図49に示すように、8箇所の凸部810aと凹部801bとを有する。この場合、第2カムロック811のギヤ部もギヤ部810Aに噛み合う8カ所の凸部811a及び凹部811bを有する。
このような構成によれば、凸部810aと凹部810bとに連続する斜面の傾斜角度を、本実施の形態におけるギヤ部504eの凸部と凹部とに連続する斜面の傾斜角度よりも大きくできる。すなわち、第2の変形例の振分ドラム801においては、凹部810bの最下部と凸部810aの頂点とを結ぶ斜面の傾斜角度を、本実施の形態におけるギヤ部504eの凹部の最下部と凸部の頂点とを結ぶ斜面の傾斜角度よりも大きくできる。
したがって、第2の変形例のギヤ部810Aにおける凹凸は、本実施の形態におけるギヤ部504eの凹凸よりも急峻にすることができる。これにより、振分ドラム801の回転時において凸部810aが第2カムロック811の凹部811bから斜面を経て凸部811aに移動するまでの振分ドラム810の回転角度を、4カ所に凸部が形成された振分ドラム801の回転角度よりも小さくできる。
このため、振分ドラム801の回転時において、ばね部材506(図5参照)によって付勢される第2カムロック811の押圧力によって、ギヤ部810Aの凸部810aが第2カムロック811の斜面の途中で停止した状態となって、振分ドラム801が回転方向でロックしてしまうことを確実に防止できる。
また、図50に示すように、第2の変形例の振分ドラム801における羽根部812は、第1の変形例の振分ドラム801における羽根部805(図44参照)よりも、周方向の厚みが薄い構成を有している。
具体的には、羽根部812は、その先端側が径方向外方に向かうにしたがい、徐々に薄くなり、先端部が最も薄い形状をしている。したがって、羽根部812の頂面812aの周方向の幅が、第1の変形例における羽根部805(図44参照)の頂面の周方向の幅よりも小さい。よって、羽根部812の頂面812aは、第1の変形例における羽根部805(図44参照)と比較して、遊技球と接触する面積が小さくなる。
このような構成によれば、流下する遊技球を溝部802A~802Dに受け入れる際に、遊技球が羽根部812の頂面812aに載置されたままの状態になることを防止して、振分ドラム801と流下経路板423(図4参照)との間に遊技球が噛み込まれてしまうことを防止できる。このため、振分ドラム801の回転不良が発生することを防止して遊技球をより確実に振り分けることができ、パチンコ遊技機1の信頼性をより効果的に向上できる。
[遊技機の電気的構成]
本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の制御回路を示すブロック図を図51に示す。図51に示すように、パチンコ遊技機1は、主に、遊技の制御を行う主制御回路100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
主制御回路100は、メインCPU101、メインROM102(読み出し専用メモリ)、メインRAM103(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU101には、メインROM102、メインRAM103等が接続されており、このメインROM102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM102には、メインCPU101によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラム、例えば、図52~図61に示す処理をメインCPU101に実行させるためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM103は、メインCPU101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施の形態においては、メインCPU101の一時記憶領域としてメインRAM103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路100は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路104、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路105、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC106を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路104、初期リセット回路105、シリアル通信用IC106は、メインCPU101に接続されている。
リセット用クロックパルス発生回路104は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。
初期リセット回路105は、コンデンサと、ウォッチドッグタイマと、を備え、コンデンサに印加された電圧が一定の値に達すると、メインCPU101に対してリセット信号を送信する。また、初期リセット回路105は、メインCPU101から所定の制御信号を受信することによって、コンデンサに印加した電圧を解放するために放電する。
シリアル通信用IC106は、メインCPU101と副制御回路200と払出・発射制御回路300と接続され、副制御基板用バッファと、払出・発射制御回路用バッファと、を備える。
また、主制御回路100には、各種の装置が接続されている。例えば、主制御回路100からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置431、ラウンドゲームにおけるラウンド数を表示するラウンド数表示装置432、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示装置433a及び第2特別図柄保留表示装置433b、普通図柄ゲームにおける識別図柄としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置434、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置435、平板部材415aを突出させた状態又は引き込んだ状態とする普通電動役物ソレノイド111、シャッタ部材422aを駆動させ、大落下口423e(大入賞口418)を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド112等が接続されている。また、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる外部端子板が接続されている。
また、主制御回路100には、各種のセンサが接続されている。例えば、主制御回路100には、大入賞口418に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給するカウントセンサ113、一般入賞口419a、419b、419cに遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する一般入賞球センサ114a、一般入賞口419dに遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する一般入賞球センサ114b、球通過検出器416に遊技球が入球した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する球通過検出センサ115、第1始動口414aに遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口414bに遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第2始動口入賞球センサ116b、第1特別アウト口420b、第2特別アウト口420cに遊技球が入球した場合に、所定の検知信号を主制御回路100に供給する第1アウト球検出センサ117a、第2アウト球検出センサ117b、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ118等が接続されている。なお、本実施の形態において、入賞とは、上記各センサが設けられた領域を遊技球が通過することを言う。
また、主制御回路100には、払出・発射制御回路300が接続されている。この払出・発射制御回路300には、遊技球の払出を行う払出装置71、遊技球の発射を行う発射装置20、カードユニット400が接続されている。カードユニット400は、遊技者の操作によって、カードユニット400に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する貸し出し用操作部401との間で送受信可能である。
払出・発射制御回路300は、主制御回路100から供給される賞球制御コマンド、カードユニット400から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置71に対して所定の信号を送信することにより、払出装置71に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路300は、発射ハンドル21が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらには、主制御回路100には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置50における表示制御、スピーカ14から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
なお、本実施の形態においては、主制御回路100から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路100に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路100に対して信号を送信できるように構成してもよい。
副制御回路200は、サブCPU201、プログラムROM202、ワークRAM203、RTC204、下側可動演出部材610、上側可動演出部材650、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770を駆動する可動演出装置制御回路205、液晶表示装置50における表示制御を行うための表示制御回路210、スピーカ14から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路220、装飾ランプ等を含むランプ15の制御を行うランプ制御回路230、演出ボタン16から遊技者の操作に基づく操作信号を受信する第1操作手段制御回路240a、タッチセンサ425から遊技者の操作に基づく操作信号を受信する第2操作手段制御回路240b、イルミアレイ426の光源426bの発光制御を行うLED制御回路250から構成されている。副制御回路200は、主制御回路100からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU201は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
なお、本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM102、プログラムROM202を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD-ROM及びDVD-ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM203等に記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。なお、本実施の形態においては、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。RTC204は、現在の時間を計時する。
表示制御回路210は、液晶表示装置50の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
表示制御回路210は、サブCPU201から供給されるデータに応じて、液晶表示装置50に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路210は、サブCPU201から供給される画像表示命令に応じて、識別図柄を示す識別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、液晶表示装置50に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路210は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置50に供給することにより、液晶表示装置50に画像が表示される。つまり、表示制御回路210は、液晶表示装置50に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路220は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
この音源ICは、スピーカ14から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから1つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ14から音声を発生させる。
ランプ制御回路230は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
第1操作手段制御回路240aは、演出ボタン16から受信した操作信号をサブCPU201に送信する。サブCPU201は、操作信号に応じた演出を行うためのデータを、表示制御回路210等に供給する。
第2操作手段制御回路240bは、タッチセンサ425から受信した操作信号をサブCPU201に送信する。サブCPU201は、操作信号に応じた演出を行うためのデータを、表示制御回路210等に供給する。
可動演出装置制御回路205には、下側可動演出部材610を駆動するモータ612、上側可動演出部材650を駆動するモータ652、モータ661、右側可動演出部材750を駆動するモータ758、左側可動演出部材770を駆動するモータ778及び小型可動演出部材790を駆動する図示しない電磁ソレノイド等を備えた可動演出装置205Aが接続されている。
可動演出制御回路205は、大当り遊技状態や通常遊技状態等において、可動演出装置205Aを駆動することにより、下側可動演出部材610、上側可動演出部材650、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770を待機位置と駆動位置とに移動させる演出及び小型可動演出部材790を斜め上下方向に往復移動させる演出等を実行する。
LED制御回路250は、下側可動演出部材610に設けられたLED、上側可動演出部材に設けられたLED、右側可動演出部材750及び左側可動演出部材770に設けられたLED、演出ボタン16に設けられたLEDからなるLED群18と、イルミアレイ426の光源426bとに電流を供給するためのドライブ回路、複数種類のイルミネーション表示、LED群18の表示を実行させるための発光パターンが記憶されているデータROM等から構成されている。
次に、本実施の形態の主制御回路100及び副制御回路200が実行する処理について説明する。まず、主制御回路100のメインCPU101が実行する処理について説明する。メインCPU101は、電源投入に応じて、メインROM102からプログラムを読み込み、主制御メイン処理を実行する。また、メインCPU101は、主制御メイン処理を実行している状態であっても、主制御メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。メインCPU101は、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生させ、これに応じて、システムタイマ割込処理を実行する。
[システムタイマ割込処理]
図52、図53及び図54を用いて、メインCPU101のシステムタイマ割込処理を説明する。図52に示すように、ステップS10において、各レジスタを退避する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS11に処理を移す。
ステップS11において、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタ、先読み予告決定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2msec毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、ステップS12に処理を移す。
ステップS12において、スイッチ入力検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。例えば、メインCPU101は、大入賞口418(図4参照)に設けられたカウントセンサ113(図51参照)や、一般入賞口419a、419b、419c(図4参照)に設けられた一般入賞球センサ114a(図51参照)や、一般入賞口419d(図4参照)に設けられた一般入賞球センサ114b(図51参照)や、球通過検出器416(図4参照)に設けられた球通過検出センサ115(図51参照)や、第1始動口414a、第2始動口414b(図4参照)に設けられた第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口入賞球センサ116b(図51参照)や、第1特別アウト口420b、第2特別アウト口420c(図4参照)に設けられた第1アウト球検出センサ117a、第2アウト球検出センサ117bからの検知信号を受信することによって、各スイッチが遊技球を検知したか判定する。メインCPU101は、検知したと判定した場合、検知に応じて、大入賞口賞球カウンタや、一般入賞口賞球カウンタや、始動口賞球カウンタなどを更新する。スイッチ入力処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、ステップS13に処理を移す。
ステップS13において、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、主制御回路100と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口418(図4参照)の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移行する。
ステップS14において、コマンド出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、例えば、液晶表示装置50に導出表示されるデモ表示コマンド、後述する導出図柄指定コマンド、後述する変動パターン指定コマンド、後述する大当り種類コマンド、後述する大当り開始コマンド、後述する小当り開始コマンド、後述する始動口入賞コマンド、アウト球コマンド等が含まれる。なお、この処理において、メインCPU101は、各種のコマンドの他に、後述する確変状態変動回数カウンタの値を示すデータ、後述する時短状態変動回数カウンタの値を示すデータを副制御回路200に供給する。また、メインCPU101は、大落下口423e(大入賞口418)のシャッタ部材422aを駆動する大入賞口ソレノイド112(図51参照)、普通電動役物415の平板部材415aの開閉を行う普通電動役物ソレノイド111(図51参照)を駆動するためのソレノイド電源を供給する。また、後述する始動口入賞検出処理(図54参照)にて、液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)に演出表示される演出用の識別図柄(導出図柄)の変動パターンが決定された場合には、メインCPU101は、当該決定結果を示す変動パターン指定コマンドを生成して副制御回路200に供給する。また、後述する始動口入賞検出処理
(図54参照)にて、先読み予告を実行すると決定した場合には、メインCPU101は、当該決定結果を示す先読み予告決定コマンドを生成して副制御回路200に供給する。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、遊技情報出力処理を行う。この処理において、メインCPU101は、主制御回路100、副制御回路200、払出・発射制御回路300等で処理される、遊技に関わる情報である遊技情報を、副制御回路200、払出・発射制御回路300、外部機器(例えばホールコンピュータや呼出装置)へ出力する。この処理が終了した場合、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、各レジスタを復帰する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、割込処理前のアドレスに各レジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[スイッチ入力検出処理]
図52のステップS12において実行されるサブルーチン(スイッチ入力検出処理)について図53を用いて説明する。ステップS20において、始動口入賞検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口414a、第2始動口414b(図4参照)に設けられた第1始動口入賞球センサ116a、第2始動口入賞球センサ116b(図51参照)からの検知信号を受信していた場合、大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を取得し、4個を上限とし特別図柄に関する保留個数を1個加算し、払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。始動口入賞検出処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、ステップS21に処理を移す。
ステップS21において、一般入賞口通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、一般入賞口419a、419b、419c(図4参照)に設けられた一般入賞球センサ114a(図51参照)、一般入賞口419d(図4参照)に設けられた一般入賞球センサ114b(図51参照)からの検知信号を受信していた場合、一般入賞口419a、419b、419c、419dの入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS22に処理を移す。
ステップS22において、大入賞口通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口418(図4参照)に設けられたカウントセンサ113(図51参照)からの検知信号を受信していた場合、大入賞口418の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS23に処理を移す。メインRAM103の所定領域にセットされた第1始動口414a、第2始動口414b、一般入賞口419a、419b、419c、419d、大入賞口418の入賞に対応した払出情報は、賞球制御コマンドとして主制御回路100から払出・発射制御回路300に供給される。払出・発射制御回路300は、供給される賞球制御コマンドに基づいて払出装置71に遊技球を払い出させる。このように、払出装置71が、第3通過領域及び前記第4通過領域のいずれかを遊技媒体が通過したことに基づいて、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段として機能する。
ステップS23において、球通過検出器通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、球通過検出器416(図4参照)に設けられた球通過検出センサ115(図51参照)からの検知信号を受信していた場合、普通図柄に関する抽選結果(乱数値)を取得し、4個を上限とし、メインRAM103に記憶されている普通図柄保留記憶数カウンタ(保留個数)に"1"加算する。この処理が終了した場合には、ステップS24に処理を移す。
ステップS24において、第1アウト口通過検出処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別アウト口420b(図4参照)に設けられた第1アウト球検出センサ117a(図51参照)からの検知信号を受信した場合、第1アウト球コマンドをメインRAM103に記憶し、第2特別アウト口420c(図4参照)に設けられた第2アウト球検出センサ117b(図51参照)からの検知信号を受信した場合、第2アウト球コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。
[始動口入賞検出処理]
図53のステップS20において実行されるサブルーチン(始動口入賞検出処理)について図54を用いて説明する。ステップS30において、第1始動口入賞球センサで検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口入賞球センサ116aから検知信号を受信したか否かを判定する。第1始動口入賞球センサ116aから検知信号を受信していた場合には、ステップS31に処理を移し、第1始動口入賞球センサ116aから検知信号を受信していない場合には、ステップS39に処理を移す。
ステップS31において、払出情報セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口414a(図4参照)の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS32に処理を移す。
ステップS32において、第1始動口入賞の保留個数が"4"より小さいか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく保留個数が"4"より小さいか否かを判定し、保留個数が"4"より小さい場合には、ステップS33に処理を移し、保留個数が"4"以上の場合には、ステップS39に処理を移す。
ステップS33において、第1始動口入賞の保留個数に"1"加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく保留個数の値に"1"加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS34に処理を移す。
ステップS34において、乱数取得・記憶処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出
(所謂、特別図柄抽選)し、さらに、大当り図柄乱数カウンタから大当り図柄乱数値を抽出する。そして、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値を、メインRAM103における、第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく乱数値を記憶する第1特別図柄始動記憶領域に記憶する処理を行う。本実施の形態においては、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)~第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に第1始動口414a(図4参照)に入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS35に処理を移す。
ステップS35において、特別図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値に基づき、大当り乱数判定テーブル(図73参照)と大当り図柄乱数判定テーブル(図74参照)を参照して、特別図柄表示装置431に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM103の所定領域に記憶する。本実施の形態において、特別図柄には、大当りに当選したことを示す大当り図柄と、小当りに当選したことを示す小当り図柄と、大当り又は小当りのいずれにも当選しなかったことを示すハズレ図柄と、が含まれる。
[大当り乱数判定テーブル]
ここで、大当り乱数判定テーブルについて、図73を用いて説明する。本実施の形態において、大当り乱数判定テーブルは、図73(a)に示す、第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り乱数判定テーブル(第1始動口)と、図73(b)に示す、第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り乱数判定テーブル(第2始動口)と、がメインROM102に記憶されている。大当り乱数判定テーブルは、遊技状態が確変状態か非確変状態かを示す確変フラグ毎に、所定の幅が設定された大当り判定用乱数値に、判定値データが対応付けられている。ここで、大当り判定用乱数値は、65536(0~65535)であり、第1始動口414a又は第2始動口414bへの入賞を契機とした抽選の結果である大当りか否かを判定する乱数値を表し、具体的には、特別図柄の抽選結果を示す乱数値である。また、確変フラグは、メインRAM103に記憶され、大当り遊技状態終了後の遊技状態として、確変状態が選択されるか否かを表すフラグであり、その値が"0"の場合には確変状態でないこと(非確変状態)を示し、その値が"1"の場合には確変状態であることを示す。このように、確変状態か否かは、主制御回路100によってフラグ管理されており、確変状態か否かによって、大当り確率が変動する。また、図73に示す選択率は、該当する判定値データが選択される確率を表す。
具体的には、図73(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)は、確変フラグ”0”(非確変状態)の場合、大当り判定用乱数値”777-943”(幅167)に大当り判定値データが対応付けられ、大当り判定用乱数値”1-300”(幅300)に小当り判定値データが対応付けられ、これら以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。また、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)は、確変フラグ”1”(確変状態)の場合、大当り判定用乱数値”777-1277”(幅500)に大当り判定値データが対応付けられ、大当り判定用乱数値”1-300”(幅300)に小当り判定値データが対応付けられ、これら以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。このように、本実施の形態では、非確変状態で、第1始動口414aに入賞した場合、大当りとなる確率(以下、大当り確率とも言う)は1/392であり、小当りとなる確率(以下、小当り確率とも言う)は1/218である。一方、確変状態で、第1始動口414aに入賞した場合、大当り確率は1/131であり、小当り確率は1/218である。
また、図73(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)は、確変フラグ"0"(非確変状態)の場合、大当り判定用乱数値"777-943"(幅167)に大当り判定値データが対応付けられ、これ以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。また、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)は、確変フラグ"1"(確変状態)の場合、大当り判定用乱数値"777-1277"(幅500)に大当り判定値データが対応付けられ、これ以外の乱数値にハズレ判定値データが対応付けられている。このように、本実施の形態では、非確変状態で、第2始動口414bに入賞した場合、大当りとなる確率(以下、大当り確率とも言う)は1/392であり、小当りに当選することはない。一方、確変状態で、第1始動口414aに入賞した場合、大当り確率は1/131であり、小当りに当選することはない。
[大当り図柄乱数判定テーブル]
次に、大当り図柄乱数判定テーブルについて、図74を用いて説明する。本実施の形態において、大当り図柄乱数判定テーブルは、図74(a)に示す、第1始動口414a(図4参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口)と、図74(b)に示す、第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく乱数値が抽出された場合に参照される大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口)と、がメインROM102に記憶されている。大当り図柄乱数判定テーブルは、所定の幅が設定された大当り図柄乱数値に、図柄指定コマンドが対応付けられている。ここで、大当り図柄乱数値は、抽選の結果が大当りであった場合の大当り図柄を決定する乱数値を表す。また、図柄指定コマンドは、大当り図柄乱数値に応じた大当り図柄指定コマンドを表す。
具体的には、図74(a)に示す大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口)は、大当り図柄乱数値"0~19"に図柄指定コマンド"z0"が対応付けられ、大当り図柄乱数値"20~39"に図柄指定コマンド"z1"が対応付けられ、大当り図柄乱数値"40~59"に図柄指定コマンド"z2"が対応付けられ、大当り図柄乱数値"60~79"に図柄指定コマンド"z3"が対応付けられ、大当り図柄乱数値”80~99”に図柄指定コマンド”z4”が対応付けられている。このように、本実施の形態では、第1始動口414aに入賞して大当りに当選した場合、図柄指定コマンド”z0”~”z4”が等しく20/100の確率で選択される。
また、図74(b)に示す大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口)は、大当り図柄乱数値”0~19”に図柄指定コマンド”z0”が対応付けられ、大当り図柄乱数値”20~99”に図柄指定コマンド”z4”が対応付けられている。このように、本実施の形態では、第2始動口414bに入賞して大当りに当選した場合、図柄指定コマンド”z0”が20/100で選択され、図柄指定コマンド”z4”が80/100で選択される。すなわち、第2始動口414bに入賞して大当りに当選した場合、第1始動口414aに入賞して大当りに当選した場合に比べ、図柄指定コマンド”z4”が選択される確率が高い。
図54に戻って、ステップS35において、詳細には、メインCPU101は、図73
"(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)及び図74(a)に示す大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口)を参照し、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値に基づき、特別図柄表示装置431に停止表示させる特別図柄に対応付けられた図柄指定コマンドを決定する。具体的には、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)において、大当り判定値データに対応付けられていた場合には、ステップS34で抽出した大当り図柄乱数値に基づき、大当り図柄乱数判定テーブル(第1始動口)を参照し、図柄指定コマンド”z0”~”z4”のいずれかを選択する。また、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)において、小当り判定値データに対応付けられていた場合には、図柄指定コマンド”z11”(図75参照)を選択する。また、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第1始動口)において、ハズレ判定値データに対応付けられていた場合には、図柄指定コマンド”z5”(図75参照)を選択する。この処理が終了した場合には、ステップS36に処理を移す。
ステップS36において、大当り判断処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図73(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)を参照し、ステップS34で抽出した大当り判定用乱数値が、大当り判定値データに対応付けられているかを判断する。この処理が終了した場合には、ステップS37に処理を移す。
ステップS37において、変動パターン決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、変動パターン乱数値を抽出し、この変動パターン乱数値と、ステップS35で決定した特別図柄と、ステップS36の大当り判断処理の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブル(図75参照)を参照して、変動パターンを決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄表示装置431における特別図柄の変動表示態様を決定する。
[変動パターン決定テーブル]
ここで、変動パターン決定テーブルについて、図75を用いて説明する。変動パターン決定テーブルは、メインROM102に記憶され、複数種類の変動パターンに、図柄指定コマンド(”z0”z1”z2”z3”z4”z5”z11”)と当選種別(”ハズレ”小当り”大当り”)とが対応づけられている。また、変動パターン決定テーブルは、各変動パターンに、特別図柄の変動時間を示すデータが対応づけられている。
なお、変動時間とは、1の変動における変動表示の終了条件として使用される場合を含み、1の変動における演出の実行時間として使用される場合がある情報であり、1の変動パターンに対して1の変動時間が対応づけられている場合、1の変動パターンに対して複数の変動時間が対応付けられている場合、複数の変動パターンに対して1の変動時間が対応付けられている場合、及び、複数の変動パターンに対して複数の変動時間が対応付けられている場合など、様々な情報の対応関係が考慮されるが、一方で1の変動に対して1の変動パターンが対応している場合、及び、1の変動に対して複数の変動パターンが対応している場合など、変動と、変動パターンと、変動時間との関係については、各記憶パターンの組み合わせによって構成されることが考えられる。
図54に戻って、ステップS37において、メインCPU101は、決定した変動パターンを示すデータを、特別図柄表示装置431に供給する。特別図柄表示装置431は、この変動パターンを示すデータに基づき、特別図柄を、変動パターン決定テーブル(図75参照)に規定された変動時間で変動表示し、図柄指定コマンドに対応付けられた態様で停止表示する。また、変動パターンを示すデータは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に、第1始動口入賞に基づく変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS38に処理を移す。
ステップS38において、先読み予告決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、先読み予告決定用乱数値と、先読み予告を実行するか否かを決定するための先読み予告決定テーブルを参照して、先読み予告を実行するか否かを決定する。
ここで、先読み予告決定テーブルについて説明する。先読み予告決定テーブルは、メインROM102に記憶され、保留個数に応じて決まっている各変動パターンと、先読み予告を実行するか否かを判定するための判定値とを関連付けたものである。判定値は、変動時間が長い変動パターンであるほど多く関連付けられている。つまり、変動時間が長い変動パターンであるほど先読み予告を実行すると判定され易くなる。メインCPU101は、先読み予告を実行すると決定した場合に、副制御回路200のサブCPU201に、先読み予告を実行する旨の情報を含む先読み予告決定コマンドを送信する。副制御回路200のサブCPU201は、先読み予告として、受信した先読み予告決定コマンドに対応する保留図柄の表示態様を変化させる演出を実行する。なお、先読み予告としては、保留図柄の表示態様を変化させる演出以外にも、演出ステージの変化や、演出モードの変化など、変化を伴う演出であれば限定されない。この処理が終了した場合には、ステップS39に処理を移す。
ステップS39において、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS33における保留個数の値に”1”加算する処理に応じて、第1特別図柄保留表示装置433a(図4参照)を駆動するための保留個数増加コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、この保留個数増加コマンドを第1特別図柄保留表示装置433aに供給する。第1特別図柄保留表示装置433aは、供給された保留個数増加コマンドに基づき、表示用ランプを点灯する。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
ステップS40において、第2始動口入賞球センサで検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信したか否かを判定する。第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信していた場合には、ステップS41に処理を移し、第2始動口入賞球センサ116bから検知信号を受信していない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS41において、払出情報セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口414b(図4参照)の入賞に対応した払出情報をメインRAM103の所定領域にセットする。この処理が終了した場合、ステップS42に処理を移す。
ステップS42において、第2始動口入賞の保留個数が”4”より小さいか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく保留個数が”4”より小さいか否かを判定し、保留個数が”4”より小さい場合には、ステップS43に処理を移し、保留個数が”4”以上の場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS43において、第2始動口入賞の保留個数に”1”加算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく保留個数の値に”1”加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS44に処理を移す。
ステップS44において、乱数取得・記憶処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出
(所謂、特別図柄抽選)し、大当り図柄乱数カウンタから大当り図柄乱数値を抽出し、さらに、先読み予告決定用乱数カウンタから先読み予告決定用乱数値を抽出する。そして、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値、大当り図柄乱数値及び先読み予告決定用乱数値を、メインRAM103における、第2始動口414b(図4参照)の入賞に基づく乱数値を記憶する第2特別図柄始動記憶領域に記憶する処理を行う。本実施の形態においては、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に第2始動口414b(図4参照)に入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS45に処理を移す。
ステップS45において、特別図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS44で抽出した大当り判定用乱数値及び大当り図柄乱数値に基づき、大当り乱数判定テーブル(図73参照)と大当り図柄乱数判定テーブル(図74参照)を参照して、特別図柄表示装置431に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM103の所定領域に記憶する。
詳細には、メインCPU101は、図73(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)及び図74(b)に示す大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口)を参照し、ステップS44で抽出した大当り判定用乱数値に基づき、特別図柄表示装置431に停止表示させる特別図柄に対応付けられた図柄指定コマンドを決定する。具体的には、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)において、大当り判定値データに対応付けられていた場合には、ステップS44で抽出した大当り図柄乱数値に基づき、大当り図柄乱数判定テーブル(第2始動口)を参照し、図柄指定コマンド”z0”又は”z4”のいずれかを選択する。また、メインCPU101は、抽出した大当り判定用乱数値が、大当り乱数判定テーブル(第2始動口)において、ハズレ判定値データに対応付けられていた場合には、図柄指定コマンド”z5”を選択する。この処理が終了した場合には、ステップS46に処理を移す。
ステップS46において、大当り判断処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図73(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)を参照し、ステップS44で抽出した大当り判定用乱数値が、大当り判定値データに対応付けられているかを判断する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47において、変動パターン決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、変動パターン乱数値を抽出し、この変動パターン乱数値と、ステップS45で決定した特別図柄と、ステップS46の大当り判断処理の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブル(図75参照)を参照して、変動パターンを決定し、メインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄表示装置431における特別図柄の変動表示態様を決定する。
また、メインCPU101は、決定した変動パターンを示すデータを、特別図柄表示装置431に供給する。特別図柄表示装置431は、この変動パターンを示すデータに基づき、特別図柄を、変動パターン決定テーブル(図75参照)に規定された変動時間で変動表示し、図柄指定コマンドに対応付けられた態様で停止表示する。また、変動パターンを示すデータは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に、第2始動口入賞に基づく変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS48に処理を移す。
ステップS48において、先読み予告決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS38と同様に、先読み予告決定用乱数値と先読み予告を実行するか否かを決定するための先読み予告決定テーブルの判定値とを比較して、先読み予告を実行するか否かを決定する。メインCPU101は、先読み予告を実行すると決定した場合に、副制御回路200のサブCPU201に、先読み予告を実行する旨の情報を含む先読み予告決定コマンドを送信する。副制御回路200のサブCPU201は、先読み予告として、受信した先読み予告決定コマンドに対応する保留図柄の表示態様を変化させる演出を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
ステップS49において、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS43における保留個数の値に”1”加算する処理に応じて、第2特別図柄保留表示装置433b(図4参照)を駆動するための保留個数増加コマンドをメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、この保留個数増加コマンドを第2特別図柄保留表示装置433bに供給する。第2特別図柄保留表示装置433bは、供給された保留個数増加コマンドに基づき、表示用ランプを点灯する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
以上説明した通り、メインCPU101は、第1始動口414a又は第2始動口414b(図4参照)への入賞毎に、特別図柄及び変動パターンを決定する。また、メインCPU101は、保留個数が”0”かつ特別図柄が変動表示されていないときに、第1始動口414a又は第2始動口414bに入賞した場合でも、一度保留として第1特別図柄保留表示装置433a又は第2特別図柄保留表示装置433bを点灯し、その後直ぐに消灯し、特別図柄の変動表示を開始する。なお、メインCPU101は、一度保留として第1特別図柄保留表示装置433a又は第2特別図柄保留表示装置433bを点灯せずに、内部的な処理として保留個数が”0”でないと判定してから特別図柄を変動表示してもよい。
[主制御メイン処理]
次に、図55、図56、図57、図58、図59、図60及び図61を用いて、メインCPU101が実行する主制御メイン処理を説明する。図55に示すように、ステップS50において、初期設定を行う。この処理において、メインCPU101は、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグ等を初期化し又は電源遮断前の状態に復帰する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS51に処理を移す。
ステップS51において、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU101は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS52に処理を移す。
ステップS52において、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU101は、ステップS34又はステップS43で抽出した大当り判定用乱数値に基づき、図73(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)又は図73(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)を参照し、特別図柄抽選(大当り又は小当り)に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS53に処理を移す。このようなステップS52の処理を実行するメインCPU101は、第2通過領域を遊技媒体が通過したことを条件に、第2変位部材を第3位置に変位させるか否かの判定を行う第2判定手段として機能する。
ステップS53において、普通図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU101は、球通過検出センサ115からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM102に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM103に記憶する処理を行う。普通図柄抽選に当選した場合、普通電動役物415の平板部材415aが引き込んだ状態となって、第2始動口414b(図4参照)に遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、ステップS54に処理を移す。このようなステップS53の処理を実行するメインCPU101は、第1通過領域を遊技媒体が通過したことを条件に、第1変位部材を第1位置に変位させるか否かの判定を行う第1判定手段として機能する。
ステップS54において、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS52、ステップS53でメインRAM103に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示装置431と、普通図柄表示装置434とを駆動するための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。メインCPU101は、特別図柄表示装置431又は普通図柄表示装置434に、この制御信号を送信する。特別図柄表示装置431は受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。普通図柄表示装置434は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、ステップS55に処理を移す。
ステップS55において、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU101は、副制御回路200、払出・発射制御回路300、ホールコンピュータ等に送信する遊技情報データを生成し、メインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS56に処理を移す。
ステップS56において、記憶・遊技状態データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグに応じて副制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、メインRAM103に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS51に処理を移す。副制御回路200のサブCPU201は、記憶・遊技状態データを受信することにより、現状の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変状態、時短状態)を認識する。
[特別図柄制御処理]
図55のステップS52において実行されるサブルーチン(特別図柄制御処理)について図56を用いて説明する。なお、図56において、ステップS60からステップS69の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM103における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップを実行し、特別図柄ゲームを進行する。
ステップS60において、制御状態フラグをロードする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS61に処理を移す。
なお、後述するステップS61からステップS69において、メインCPU101は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS61からステップS69における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU101は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。
ステップS61において、特別図柄記憶チェック処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、特別図柄の保留個数のチェック等を行う。この処理が終了した場合には、ステップS62に処理を移す。
ステップS62において、特別図柄変動時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば、1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS63の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS63に処理を移す。
ステップS63において、特別図柄表示時間管理処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当り又は小当り)か否かを判定する。メインCPU101は、当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS64の処理を実行するように設定する。一方、メインCPU101は、当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS69の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS64又はステップS69に処理を移す。
ステップS64において、大当り開始インターバル管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS65の処理を実行するように設定する。更に、メインCPU101は、ラウンド回数コマンド及びラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う。ここで、本ステップの処理でセットされるラウンド回数コマンド及びラウンド開始コマンドは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に供給されることにより、副制御回路200がラウンド回数及びラウンド開始を認識する。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
ステップS65において、大入賞口開放中処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大入賞口418(図4参照)の開放上限時間(例えば、約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットし、メインROM102から読み出された大入賞口418を開放させるためのデータをメインRAM103に記憶する。そして、メインCPU101は、図52のステップS14の処理において、メインRAM103に記憶された大入賞口418(図4参照)を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口418を開放させるためのソレノイド電源を、シャッタ装置422のシャッタ部材422aを駆動する大入賞口ソレノイド112(図51参照)に供給する。そして、メインCPU101は、開放上限時間が経過した後、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS66の処理を実行するように設定する。更に、メインCPU101は、ラウンド終了コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う。ここで、本ステップの処理でセットされるラウンド終了コマンドは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に供給されることにより、副制御回路200がラウンド終了を認識する。この処理が終了した場合には、ステップS66に処理を移す。このようなステップS65の処理を実行するメインCPU101は、第2判定手段が肯定の判定をしたことに基づいて、第2変位部材を所定回数第3位置に変位させる第2変位部材制御手段として機能する。
ステップS66において、大入賞口内残留球監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口入賞カウンタが”7”以上であるという条件、大入賞口開放回数カウンタが所定数以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU101は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り遊技終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットする。一方、メインCPU101は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS67又はステップS68に処理を移す。
ステップS67において、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを”1”増加するように記憶更新する。メインCPU101は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS65の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS65に処理を移す。
ステップS68において、大当り終了インターバル処理を行う。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS69の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS69に処理を移す。
ステップS69において、特別図柄ゲーム終了処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS61の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
このように、メインCPU101は、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームを実行する。具体的には、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを(00)、(01)、(02)、(08)と順にセットすることにより、図56に示すステップS61、ステップS62、ステップS63、ステップS69の処理を所定のタイミングで実行する。また、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを(00)、(01)、(02)、(03)と順にセットすることにより、図56に示すステップS61、ステップS62、ステップS63、ステップS64の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技状態への制御を実行する。さらには、メインCPU101は、大当り又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを(04)、(05)、(06)と順にセットすることにより、図56に示すステップS65、ステップS66、ステップS67の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を実行する。なお、大当り又は小当り遊技の終了条件が成立した場合には、(07)、(08)と順にセットすることにより、図56に示すステップS68、ステップS69の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図56のステップS61において実行されるサブルーチン(特別図柄記憶チェック処理)について図57を用いて説明する。ステップS70において、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であると判別した場合には、ステップS71に処理を移す。一方、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS71において、第2始動口入賞の保留個数が”0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判定する。メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が”0”である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS77に処理を移す。一方、メインCPU101は、第2特別図柄に対応する始動記憶が”0”でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS72に処理を移す。
ステップS72において、第2始動記憶数から”1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(0)のデータをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73において、第2始動口入賞に基づく特別図柄記憶領域転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74において、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。また、メインCPU101は、後述するサブCPU201が、特別図柄表示装置431に停止表示する特別図柄に対応する導出図柄(演出用の識別図柄)を決定するための導出図柄指定コマンドを生成してメインRAM103の所定領域に記憶する。メインCPU101は、この導出図柄指定コマンドを、図52に示すステップS14で副制御回路200に出力する。副制御回路200のサブCPU201は、受信した導出図柄指定コマンドに基づいて、導出図柄の変動表示を開始することとなる。
ステップS75において、待ち時間セット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図54に示すステップS37又はステップS46で決定した特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76において、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、今回の変動表示に用いられたメインRAM103の記憶領域をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS77において、第1始動口入賞の保留個数が”0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判定する。メインCPU101は、第1特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第1特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS80に処理を移す。一方、メインCPU101は、第1特別図柄に対応する始動記憶が0でない、すなわち、第1特別図柄始動記憶領域(0)~第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS78に処理を移す。なお、メインCPU101は、ステップS71の処理の後に、ステップS77の処理を行う。すなわち、メインCPU101は、第2始動口入賞を優先消化する。
ステップS78において、第1始動記憶数から”1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)のデータをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。。
ステップS79において、第1始動口入賞に基づく特別図柄記憶領域転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)~第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS80において、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103にデモ表示許可値をセットする処理を行う。また、メインCPU101は、特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域又は第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU101は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドをセットし、副制御回路200に供給する。副制御回路200は、このデモ表示コマンドに基づき、液晶表示装置50においてデモ表示を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図56のステップS63において実行されるサブルーチン(特別図柄表示時間管理処理)について図58及び図59を用いて説明する。図58に示すように、ステップS90において、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であると判定した場合には、ステップS91に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS91において、待ち時間が”0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマの値が”0”であるか否か判定する。メインCPU101は、待ち時間タイマの値が”0”であると判定した場合にはステップS92に処理を移し、待ち時間タイマの値が”0”でないと判定した場合には本サブルーチンを終了する。
ステップS92において、大当りか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された確変フラグと、図73(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)又は図73(b)に示す大当り乱数判定テーブル(第2始動口)とを参照し、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数値が、大当り判定値データに対応付けられた値か否か(大当りか否か)を判定する。メインCPU101は、大当りであると判定した場合には図59に示すステップS98に処理を移し、大当りでないと判定した場合には、ステップS93に処理を移す。なお、この処理において、メインCPU101は、小当りか否かを判定する処理も行う。詳細には、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された確変フラグと、図73(a)に示す大当り乱数判定テーブル(第1始動口)を参照し、メインRAM103の第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数値が、小当り判定値データに対応付けられた値か否か(小当り)を判定する。メインCPU101は、小当りであると判定した場合には、大入賞口418を一定期間開放し、小当りでないと判定した場合には、ステップS93に処理を移す。メインCPU101は、小当りであると判定し、大入賞口418を一定期間開放後、閉鎖した場合(小当りとしての大入賞口開放時間が経過した場合)には、小当り遊技状態終了後の遊技状態が小当り当選時の遊技状態よりも有利な遊技状態とはならないように制御する。なお、小当りとしての大入賞口開放時間とは、断続的に大入賞口418の開閉が繰り返される場合には開放時間の合計である総開放時間である。
ステップS93において、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS94に処理を移す。
ステップS94において、時短状態変動回数カウンタが”0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタの値が”0”であるか否か判定する。ここで、時短状態変動回数カウンタは、時短状態で特別図柄を変動及び停止する回数を示す。メインCPU101は、時短状態変動回数カウンタの値が”0”であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、時短状態変動回数カウンタの値が”0”でないと判定した場合には、ステップS95に処理を移す。
ステップS95において、時短状態変動回数カウンタから”1”減算する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタから”1”減算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS96に処理を移す。
ステップS96において、時短状態変動回数カウンタが”0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタの値が”0”であるか否か判定する。メインCPU101は、時短状態変動回数カウンタの値が”0”であると判定した場合には、ステップS97に処理を移し、時短状態変動回数カウンタの値が”0”でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS97において、時短フラグに”0”をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された時短フラグに”0”をセットする処理を行う。ここで、時短フラグは、メインRAM103に記憶され、大当り終了後の遊技状態として、時短状態が選択されるか否かを表すフラグであり、その値が”0”の場合には時短状態でないこと(非時短状態)を示し、その値が”1”の場合には時短状態であることを示す。メインCPU101は、図55に示すステップS56の処理において、時短フラグの値に応じて副制御回路200に送信する遊技状態データを生成する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
図59に示すように、ステップS98において、大当り態様決定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図54に示すステップS35又はステップS44で決定した図柄指定コマンドに基づき、大当り態様を決定する。具体的には、メインCPU101は、図柄指定コマンドが”z0”z1”z2”及び”z3”の場合、ラウンド数が”10”である大当り態様を決定し、図柄指定コマンドが”z4”の場合、ラウンド数が”16”である大当り態様を決定する。また、メインCPU101は、図柄指定コマンドが”z11”の場合、小当り態様を決定する。この処理が終了した場合には、ステップS99に処理を移す。
ステップS99において、大当りフラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図58に示すステップS92の処理で大当りであると判定した場合には、メインRAM103に大当りフラグをセットする。この処理が終了した場合には、ステップS100に処理を移す。
ステップS100において、大入賞口開放回数カウンタクリア処理、時短状態変動回数カウンタクリア処理、時短フラグクリア処理及び確変フラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された大入賞口開放回数カウンタ、時短状態変動回数カウンタをクリアする。また、メインCPU101は、時短フラグの値を当選時時短フラグとしてメインRAM103に記憶してから、時短フラグに”0”をセットする処理を行う。また、メインCPU101は、確変フラグの値を当選時確変フラグとしてメインRAM103に記憶してから、確変フラグに”0”をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS101に処理を移す。
ステップS101において、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理を示す値(03)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理を示す値(03)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102において、大当り開始インターバル時間として待ち時間(5000ms)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図58に示すステップS92の処理で大当りであると判定した場合には、大当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値(5000ms)をメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS103に処理を移す。
ステップS103において、大当り開始コマンドセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図58に示すステップS92の処理で大当りであると判定した場合には、大当り開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS104に処理を移す。ここで、本ステップの処理でセットされる大当り開始コマンド及びステップS99の処理で小当りと判定された場合にセットされる小当り開始コマンドは、主制御回路100のメインCPU101から副制御回路200のサブCPU201に供給されることにより、副制御回路200が大当り又は小当り開始を認識する。
ステップS104において、大入賞口開放回数データセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ステップS98の大当り態様決定処理で決定された大当り態様又は小当り態様に応じて、大入賞口開放回数データをセットする。具体的には、メインCPU101は、大当り態様決定処理において、ラウンド数が”10”である大当り態様を決定した場合には、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタに上限値として”10”をセットする。また、メインCPU101は、大当り態様決定処理において、ラウンド数が”16”である大当り態様を決定した場合には、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタに上限値として”16”をセットする。また、メインCPU101は、大当り態様決定処理において、小当り態様を決定した場合には、メインRAM103の大入賞口開放回数カウンタに上限値として”1”をセットする。なお、開放回数カウンタのカウント値はラウンド数と同義である。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105において、ラウンド数表示LEDパターンフラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、ラウンド数表示装置432の表示制御を行うためのラウンド数表示LEDパターンフラグをメインRAM103にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大当り終了インターバル処理]
図56のステップS68において実行されるサブルーチン(大当り終了インターバル処理)について図60を用いて説明する。ステップS110において、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(07)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(07)であると判定した場合には、ステップS111に処理を移し、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(07)でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS111において、待ち時間が”0”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理に対応する待ち時間タイマの値が”0”であるか否か判定する。メインCPU101は、待ち時間タイマの値が”0”であると判定した場合には、ステップS112に処理を移し、待ち時間タイマの値が”0”でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS112において、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS113に処理を移す。
ステップS113において、ラウンド数振り分けフラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されたラウンド数振り分けフラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS114に処理を移す。
ステップS114において、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS115に処理を移す。
ステップS115において、大当りフラグクリア処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図59に示すステップS99の処理で大当りフラグをセットした場合には、メインRAM103に記憶された大当りフラグをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS116に処理を移す。
ステップS116において、確変フラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図54に示すステップS35又はステップS44で決定した図柄指定コマンドと、図59に示すステップS100においてメインRAM103に記憶した当選時時短フラグ及び当選時確変フラグとに基づき、図76に示す大当り種類決定テーブルを参照し、メインRAM103に確変フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS117に処理を移す。
[大当り種類決定テーブル]
ここで、大当り種類決定テーブルについて、図76を用いて説明する。大当り種類決定テーブルは、メインROM102に記憶され、複数種類の変動パターンに、当選種別が大当りの図柄指定コマンド(”z0”z1”z2”z3”z4”)に、時短フラグ、時短回数、確変フラグ、確変回数及びラウンド数が対応付けられている。
大当り種類決定テーブルにおける図柄指定コマンドは、大当り図柄乱数判定テーブル(図74参照)の図柄指定コマンドに対応する値である。また、大当り種類決定テーブルにおける時短回数は、大当り遊技状態終了後に開始される時短状態における特別図柄の変動回数の上限値を示す。なお、本実施の形態において、時短状態は、大当りに当選した場合又は大当り種類決定テーブルに示された時短回数分の特別図柄の変動があった場合には終了する。すなわち、時短状態から非時短状態に移行する。また、大当り種類決定テーブルにおける確変回数は、大当り遊技状態終了後に開始される確変状態における特別図柄の変動回数の上限値を示す。なお、本実施の形態において、確変状態は、大当りに当選した場合又は大当り種類決定テーブルに示された確変回数分の特別図柄の変動があった場合には終了する。すなわち、確変状態から非確変状態に移行する。
また、大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグの値に応じた4つのテーブルが、メインROM102に記憶されている。具体的には、図76(a)に示す大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグの値が”0”で、当選時確変フラグの値が”0”である場合、すなわち、非時短状態及び非確変状態の時に大当りとなった場合に、メインCPU101に参照される。また、図76(b)に示す大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグの値が”1”で、当選時確変フラグの値が”0”である場合、すなわち、時短状態及び非確変状態の時に大当りとなった場合に、メインCPU101に参照される。また、図76(c)に示す大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグの値が”0”で、当選時確変フラグの値が”1”である場合、すなわち、非時短状態及び確変状態の時に大当りとなった場合に、メインCPU101に参照される。また、図76(d)に示す大当り種類決定テーブルは、当選時時短フラグの値が”1”で、当選時確変フラグの値が”1”である場合、すなわち、時短状態及び確変状態の時に大当りとなった場合に、メインCPU101に参照される。
また、本実施の形態における大当り種類は、大当り1と、大当り2と、大当り3と、大当り4と、大当り5と、を含む。大当り1は、大当り遊技状態終了後の遊技状態が、非時短状態かつ非確変状態となる大当りである。大当り2は、大当り遊技状態終了後の遊技状態が、非時短状態かつ確変状態(所謂、潜伏確変)となる大当りである。大当り3は、大当り遊技状態終了後の遊技状態が、時短回数200回未満の時短状態かつ確変状態となる大当りである。大当り4は、大当り遊技状態終了後の遊技状態が、時短回数200回の時短状態かつ確変状態となる大当りである。大当り5は、大当り遊技状態終了後の遊技状態が、時短状態かつ確非変状態となる大当りである。
非時短状態及び非確変状態の時に大当りとなった場合に参照される図76(a)に示す大当り種類決定テーブルは、図柄指定コマンド”z0”に大当り1が対応づけられ、”z1”に大当り2が対応づけられ、”z2”及び”z3”に大当り3が対応づけられ、”z4”に大当り4が対応づけられている。また、時短状態及び非確変状態の時に大当りとなった場合に参照される図76(b)に示す大当り種類決定テーブルは、図柄指定コマンド”z0”に大当り1が対応づけられ、”z1”に大当り2が対応づけられ、”z2”及び”z3”に大当り3が対応づけられ、”z4”に大当り4が対応づけられている。また、非時短状態及び確変状態の時に大当りとなった場合に参照される図76(c)に示す大当り種類決定テーブルは、図柄指定コマンド”z0”に大当り1が対応づけられ、”z1”~”z3”に大当り3が対応づけられ、”z4”に大当り4が対応づけられている。また、時短状態及び確変状態の時に大当りとなった場合に参照される図76(d)に示す大当り種類決定テーブルは、図柄指定コマンド”z0”に大当り5が対応づけられ、”z1”に大当り3が対応づけられ、”z2”~”z4”に大当り4が対応づけられている。
図60に戻って、具体的には、ステップS116において、メインCPU101は、図76(a)~(d)に示す大当り種類決定テーブルのうち、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグに応じた大当り種類決定テーブルを参照し、図柄指定コマンドに対応付けられた確変フラグの値を読み出しメインRAM103に記憶する処理を行う。また、メインCPU101は、図76(a)~(d)に示す大当り種類決定テーブルのうち、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグに応じた大当り種類決定テーブルを参照し、図柄指定コマンドに対応付けられた大当り種類(大当り1、大当り2、大当り3、大当り4又は大当り5)を示す大当り種類コマンドを生成し、メインRAM103に記憶する処理を行う。
ステップS117において、時短フラグセット処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図54に示すステップS35又はステップS44で決定した図柄指定コマンドと、図59に示すステップS100においてメインRAM103に記憶した当選時時短フラグ及び当選時確変フラグとに基づき、図76に示す大当り種類決定テーブルを参照し、メインRAM103に時短フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS118に処理を移す。具体的には、メインCPU101は、図76(a)~(d)に示す大当り種類決定テーブルのうち、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグに応じた大当り種類決定テーブルを参照し、図柄指定コマンドに対応付けられた時短フラグの値を読み出しメインRAM103に記憶する処理を行う。
ステップS118において、確変フラグが”1”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の確変フラグの値が”1”か否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、確変フラグの値が”1”であると判定した場合には、ステップS119に処理を移し、確変フラグの値が”1”でないと判定した場合には、ステップS120に処理を移す。
ステップS119において、確変状態変動回数カウンタに確変回数をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図54に示すステップS35又はステップS44で決定した図柄指定コマンドと、図59に示すステップS100においてメインRAM103に記憶した当選時時短フラグ及び当選時確変フラグとに基づき、図76に示す大当り種類決定テーブルを参照し、メインRAM103の確変状態変動回数カウンタに確変回数をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS120に処理を移す。具体的には、メインCPU101は、図76(a)~(d)に示す大当り種類決定テーブルのうち、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグに応じた大当り種類決定テーブルを参照し、図柄指定コマンドに対応付けられた確変回数の値を読み出しメインRAM103に記憶する処理を行う。
ステップS120において、時短フラグが”1”か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103の時短フラグの値が”1”か否かを判定する処理を行う。メインCPU101は、時短フラグの値が”1”であると判定した場合には、ステップS121に処理を移し、時短フラグの値が”1”でないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS121において、時短状態変動回数カウンタに時短回数をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、図54に示すステップS35又はステップS44で決定した図柄指定コマンドと、図59に示すステップS100においてメインRAM103に記憶した当選時時短フラグ及び当選時確変フラグとに基づき、図76に示す大当り種類決定テーブルを参照し、メインRAM103の時短状態変動回数カウンタに時短回数をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。具体的には、メインCPU101は、図76(a)~(d)に示す大当り種類決定テーブルのうち、当選時時短フラグ及び当選時確変フラグに応じた大当り種類決定テーブルを参照し、図柄指定コマンドに対応付けられた時短回数の値を読み出しメインRAM103に記憶する処理を行う。
[普通図柄制御処理]
図55のステップS53において実行されるサブルーチン(普通図柄制御処理)について図61を用いて説明する。なお、図61において、ステップS130からステップS135の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、メインRAM103における普通図柄制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することになる。
ステップS130において、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている普通図柄制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS131に処理を移す。
なお、後述するステップS131からステップS135において、メインCPU101は、後述するように、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS131からステップS135における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU101は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。
ステップS131において、普通図柄記憶チェック処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、メインRAM103に記憶されている普通図柄保留記憶数カウンタ(保留個数)の値が”0”であるか否か判定する。メインCPU101は、普通図柄保留記憶数カウンタの値が”0”である場合には、普通図柄ゲーム終了処理を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。一方、メインCPU101は、普通図柄保留記憶数カウンタの値が”0”でない場合には、普通図柄変動時間監視処理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、普通図柄の所定の変動時間を待ち時間タイマにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS135又はステップS132に処理を移す。
ステップS132において、普通図柄変動時間監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS133の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS133に処理を移す。
ステップS133において、普通図柄表示時間監視処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、乱数値を抽出し、メインROM102に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定する。ここで、時短状態と非時短状態(通常遊技状態)においては、異なる普通図柄当選テーブルが参照される。すなわち、時短状態においては、普通図柄抽選に当選する確率が高い(例えば、255/256)普通図柄当選テーブルが参照され、非時短状態(通常遊技状態)においては、普通図柄抽選に当選する確率が低い(例えば、0/256)の普通図柄当選テーブルが参照される。メインCPU101は、普通図柄抽選に当選した場合には普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットし、普通図柄抽選に当選しなかった場合には普通図柄ゲーム終了処理を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS134又はステップS135に処理を移す。
ステップS134において、普通電動役物開放処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物開放フラグをセットし、平板部材415aを引き込ませる時間である普通役物開放時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、普通役物開放時間が経過した後、ステップS135の処理を実行するように設定する。なお、メインCPU101は、普通電動役物開放フラグがセットされた場合、第2始動口414b(図4参照)の普通電動役物415の平板部材415aを引き込ませる状態とする普通電動役物ソレノイド111(図51参照)にソレノイド電源を供給する。また、メインCPU101は、普通電動役物415の平板部材415aを引き込ませた状態において、第2始動口414bに所定数の入賞があった場合又は普通役物開放時間がセットされた待ち時間タイマが”0”場合には、普通電動役物ソレノイド111にソレノイド電源を供給し、普通電動役物415の平板部材415aを突出させた状態とする。
ステップS135において、普通図柄ゲーム終了処理を行う。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(04)である場合に、メインRAM103に記憶された普通図柄保留記憶数カウンタの値から1を減算し、普通図柄記憶チェック処理を示す値(00)を普通図柄制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
次に、副制御回路200のサブCPU201が実行する処理について説明する。サブCPU201は、電源投入に応じて、プログラムROM202からプログラムを読み込み、副制御回路メイン処理を実行する。また、サブCPU201は、副制御回路メイン処理を実行している状態であっても、副制御回路メイン処理を中断させ、副制御回路割込処理を実行する場合がある。サブCPU201は、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生させ、これに応じて、副制御回路割込処理を実行する。
[副制御回路割込処理]
図62を用いて、サブCPU201が実行する副制御回路割込処理を説明する。ステップS210において、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタを退避し、ワークRAM203に記憶される乱数を更新する処理を行う。具体的には、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された演出パターン決定用のカウンタのカウント値を”1”増加するように乱数更新処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS211に処理を移す。
ステップS211において、コマンド受信処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100から副制御回路200に送信されたコマンドを受信しワークRAM203に記憶する処理を行う。なお、この処理において、サブCPU201は、コマンドの他に、主制御回路100から副制御回路200に送信されたデータを受信しワークRAM203に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS212に処理を移す。
ステップS212において、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された各種タイマを更新する処理を行う。具体的には、演出処理等で用いられるタイマを更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS213に処理を移す。
ステップS213において、コマンド出力処理を行う。この処理において、サブCPU201は、表示制御回路210、音声制御回路220、ランプ制御回路230、第1操作手段制御回路240a及び第2操作手段制御回路240bに各種のコマンドを出力する処理を行う。なお、この処理において、サブCPU201は、各種のコマンドの他に、表示制御回路210、音声制御回路220、ランプ制御回路230、第1操作手段制御回路240a、第2操作手段制御回路240b及びLED制御回路250に各種のデータを出力する処理を行う。この処理が終了した場合には、割込処理前のアドレスに各レジスタを復帰させる処理を行い、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
次に、図63、図64、図65、図66、図67、図68、図69、図70、図71及び図72を用いて、サブCPU201が実行する副制御回路メイン処理を説明する。図63に示すように、ステップS220において、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU201は、電源投入に応じて、プログラムROM202から起動プログラムを読み込むとともに、ワークRAM203に記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS221に処理を移行する。
ステップS221において、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶された乱数の初期値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS222に処理を移す。
ステップS222において、コマンド解析処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU201は、図62に示すステップS211で主制御回路100から受信し、ワークRAM203に記憶したコマンドを解析する処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS223に処理を移す。
ステップS223において、演出処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU201は、先読み予告演出や、イルミアレイ426を用いた演出の設定を行う。この処理が終了した場合には、ステップS224に処理を移す。
ステップS224において、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、液晶表示装置50において演出画像を表示するためのデータをワークRAM203に記憶する。この演出画像を表示するためのデータには、例えば、後述する先読み予告決定コマンドや、後述する保留図柄のデータ等が含まれる。そして、サブCPU201は、図62に示すステップS213の処理で、この記憶したデータを表示制御回路210に送信する。表示制御回路210は、サブCPU201からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、導出図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROM(図示無し)から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置50の表示領域51上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS225に処理を移す。
ここで、本実施の形態において、先読み予告演出とは、液晶表示装置50に表示される演出用の保留図柄を通常の表示態様とは異なる表示態様とすることにより、その保留図柄に対応する識別図柄の導出表示において、大当りとなる信頼度を遊技者に報知する演出(所謂、保留球予告)である。
先読み予告演出の演出パターンは、サブCPU201による後述する先読み予告演出決定処理によって設定される。なお、先読み予告演出は、液晶表示装置50の表示領域51に表示する態様に限らず、役物、セグメント、第2表示装置(液晶表示装置等)により行うようにしてもよい。
ステップS225において、音声制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、スピーカ14から音を発生させるためのデータをワークRAM203に記憶する。サブCPU201は、図62に示すステップS213の処理で、この記憶したデータを音声制御回路220に送信する。音声制御回路220は、音を発生させるためのデータに基づき、スピーカ14から音を発生する。この処理が終了した場合には、ステップS226に処理を移す。
ステップS226において、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、装飾ランプ等を含むランプ15の制御を行うためのデータをワークRAM203に記憶する。サブCPU201は、図62に示すステップS213の処理で、この記憶したデータをランプ制御回路230に送信する。ランプ制御回路230は、ランプ15の制御を行うためのデータに基づき、ランプ15を点灯、点滅又は消灯する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図63のステップS222において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)について図64、図65を用いて説明する。ステップS230において、受信したコマンドがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100から受信したコマンドがワークRAM203に記憶されているか否かを判定し、コマンドが記憶されていると判定した場合には、ステップS231に処理を移し、コマンドが記憶されていないと判定した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS231において、副制御回路割込処理で受信したコマンドを解析する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、図62に示すステップS211で主制御回路100から受信しワークRAM203に記憶されたコマンドやデータを解析する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS232に処理を移す。このようなコマンドやデータには、デモ表示コマンド、導出図柄指定コマンド、先読み予告決定コマンド、第1、第2アウト球コマンド、変動パターン指定コマンドが示す変動パターンのデータ、大当り種類コマンド、確変状態変動回数カウンタの値を示すデータ、時短状態変動回数カウンタの値を示すデータ、大当り開始コマンド、小当り開始コマンド、確変フラグの値を示すデータ、時短フラグの値を示すデータ、始動口入賞コマンド等が含まれる。
また、サブCPU201は、解析した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンのデータ及び先読み予告決定コマンドが示すデータを変動パターン記憶領域に記憶する処理を行う。本実施の形態においては、変動パターン記憶領域は、変動パターン記憶領域(0)~変動パターン記憶領域(4)まである。解析された変動パターン指定コマンドが示す変動パターンのデータ及び先読み予告決定コマンドが示すデータは、変動パターン記憶領域(0)~変動パターン記憶領域(4)に順に記憶される。サブCPU201は、変動パターン記憶領域(0)に記憶された変動パターンのデータに基づき、後述する演出パターン決定処理を行い、先読み予告演出コマンドが示すデータに基づき、後述する先読み予告演出設定処理を行う。このように、本実施の形態では、特別図柄の変動表示が保留されている分の変動パターン指定コマンド及び先読み予告決定コマンドもワークRAM203の変動パターン記憶領域(0)~変動パターン記憶領域(4)に記憶されている。サブCPU201は、この変動パターン記憶領域(0)~変動パターン記憶領域(4)に記憶された変動パターン指定コマンド及び先読み予告決定コマンドを読み出すことで、所謂「先読演出」、特に「保留球予告」が可能となる。また、変動パターン記憶領域(0)~変動パターン記憶領域(4)は、第1始動口入賞に基づく変動パターン指定コマンド及び先読み予告決定コマンドが記憶される第1変動パターン記憶領域(0)~第1変動パターン記憶領域(4)と、第2始動口入賞に基づく変動パターン指定コマンド及び先読み予告決定コマンドが記憶される第2変動パターン記憶領域(0)~第2変動パターン記憶領域(4)と、を含む。
ステップS232において、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS231での解析の結果、主制御回路100から受信したコマンドに変動パターン指定コマンドが含まれていたか否かを判定し、変動パターン指定コマンドが含まれていたと判定した場合には、ステップS233に処理を移し、変動パターン指定コマンドが含まれていないと判定した場合には、ステップS234に処理を移す。
ステップS233において、演出パターン決定処理を行う。この処理において、サブCPU201は、図64に示すステップS231で解析した変動パターン指定コマンドと、演出パターン決定用に抽出された乱数値とに基づき、図77に示す演出テーブルを参照して、演出パターンを決定し、ワークRAM203に記憶する処理を行う。
[演出テーブル]
ここで、演出テーブルについて、図77を用いて説明する。本実施の形態において、演出テーブルは、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンに、導出図柄の変動時間、所定の幅が設定された演出パターン決定用の乱数値、選択率、演出パターン、演出内容、当選種別及び図柄指定コマンドが対応付けられ、プログラムROM202に記憶されている。演出テーブルにおいて、変動パターンは、変動パターン決定テーブル(図75参照)の変動パターンに対応する。また、変動時間は、変動パターン決定テーブル(図75参照)の変動時間に対応する。また、演出パターンは、各演出内容毎に割り振られた演出パターンの種別を示す。また、当選種別は、大当り乱数判定テーブル(図73参照)の判定値データに対応する。また、図柄指定コマンドは、大当り図柄乱数判定テーブル(図74参照)の図柄指定コマンドに対応する。
図64に戻って、ステップS233において、サブCPU201は、例えば、変動パターン指定コマンドが”HN20”であり、演出パターン決定用に抽出された乱数値が”10”の場合、演出テーブル(図77参照)を参照し、演出パターン”EN39”を決定し、ワークRAM203に記憶する処理を行う。サブCPU201は、この演出パターン”EN39”を表示制御回路210に送信する。表示制御回路210は、液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)上に、演出パターン”EN39”の演出内容である”スペシャル演出A”を表示する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS234において、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS231での解析の結果、主制御回路100から受信したコマンドに導出図柄指定コマンドが含まれていたか否かを判定し、導出図柄指定コマンドが含まれていたと判定した場合には、ステップS235に処理を移し、導出図柄指定コマンドが含まれていないと判定した場合には、ステップS236に処理を移す。
ステップS235において、導出図柄を決定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100から受信した導出図柄指定コマンドに応じた導出図柄を決定し、この導出図柄を液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)上に表示させるためのデータを、ワークRAM203に記憶する。具体的には、サブCPU201は、導出図柄指定コマンドが、大当りに対応づけられていれば大当りを示す導出図柄を決定し、小当りに対応づけられていれば小当りを示す導出図柄を決定し、ハズレに対応づけられていればハズレを示す導出図柄を決定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ここで、本実施の形態において、導出図柄は、例えば、”0”から”9”までの数字が3つ並んだ態様で、液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)上に変動表示又は停止表示される。そして、大当りを示す導出図柄は、停止表示態様が、例えば、3つの数字が全て同じ数字であり、この数字が奇数である。また、小当りを示す導出図柄は、停止表示態様が、例えば、3つの数字が全て同じ数字であり、この数字が偶数である。また、ハズレを示す導出図柄は、停止表示態様が、例えば、3つの数字が全て同じ数字とならない。
また、ステップS235において、サブCPU201は、決定した導出図柄の変動表示を開始させるための導出図柄変動開始コマンドをセットする。そして、サブCPU201は、図62に示すステップS213の処理で、この導出図柄変動開始コマンドと、変動パターン記憶領域(0)の変動パターンのデータを表示制御回路210に送信する。表示制御回路210は、導出図柄変動開始コマンドに基づき、液晶表示装置50の表示領域51
(図4参照)において、導出図柄の変動表示を開始し、変動パターンのデータに基づく変動時間経過後に停止表示する。このとき、サブCPU201は、導出図柄の変動表示が開始した導出図柄変動開始時間を、RTC204から取得し、ワークRAM203に記憶する。また、サブCPU201は、導出図柄の停止表示後、変動パターン記憶領域(1)~変動パターン記憶領域(4)のデータを、変動パターン記憶領域(0)~変動パターン記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。
ステップS236において、先読み予告決定コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS231での解析の結果、主制御回路100から受信したコマンドに先読み予告決定コマンドが含まれていたか否かを判定し、先読み予告決定コマンドが含まれていたと判定した場合には、ステップS237に処理を移し、先読み予告決定コマンドが含まれていないと判定した場合には、ステップS240に処理を移す。
ステップS237において、先読み予告演出設定処理を行う。この処理において、サブCPU201は、詳細については後述するが、変動パターン記憶領域(1)~変動パターン記憶領域(4)において、先読み予告決定コマンドが記憶されている記憶領域に対応する、液晶表示装置50に表示される保留図柄の表示態様を変化させるための設定をする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS240において、第1アウト球コマンド又は第2アウト球コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS231での解析の結果、主制御回路100から受信したコマンドに第1アウト球コマンド又は第2アウト球コマンドが含まれていたか否かを判定し、第1アウト球コマンド又は第2アウト球コマンドが含まれていたと判定した場合には、ステップS241に処理を移し、第1アウト球コマンド又は第2アウト球コマンドが含まれていないと判定した場合には、ステップS242に処理を移す。
ステップS241において、ポイント計数処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203の一部の記憶領域をカウンタとして使用し、第1アウト球コマンド又は第2アウト球コマンドを受信する毎に、カウンタに記憶されているポイント値に所定のポイント値を加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS242において、受信したその他のコマンドに対応する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンド、先読み予告決定コマンド及びアウト球コマンド以外のコマンドに対応する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[先読み予告演出設定処理]
図64のステップS237において実行されるサブルーチン(先読み予告演出設定処理)について図66を用いて説明する。
ステップS250において、保留図柄の表示態様を設定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、メインCPU101の処理によって決定した変動パターンに対応する保留図柄の表示色を設定する処理を行う。本実施の形態において、液晶表示装置50に表示される保留図柄の表示色は、白色、青色、黄色、緑色であり、ステップS250の処理において、サブCPU201は、メインCPU101の処理によって先読み予告を行うと決定しない変動パターンに対応する保留図柄の表示色を白色に設定し、メインCPU101の処理によって先読み予告を行うと決定する変動パターンに対応する保留図柄は青色及び黄色のいずれかに設定する。保留図柄の表示色を青色にするか黄色にするかについては、サブCPU201が、基本表示色決定用テーブル(図示せず)を参照し、乱数抽選によって乱数値を取得し、この乱数値と表示色設定用判定値とを比較することにより表示色を決定する処理を行う。なお、緑色は、後述するタッチセンサ425の操作によって変化する保留図柄の表示色である。
ここで、基本表示色決定用テーブルについて説明する。基本表示色決定用テーブルは、メインCPU101から送信される変動パターン指定コマンドに基づいてサブCPU201が決定した演出パターンに、保留図柄の表示色を決定するための表示色設定用判定値となる乱数値の範囲と、表示色設定用判定値に対応する保留図柄の表示色と、が関連付けられたものであり、プログラムROM202に記憶されている。
表示色設定用判定値に対応する保留図柄の表示色は青色と黄色の2色であり、表示色設定用判定値となる乱数値の範囲は、青色、黄色のいずれかを選択するように振り分けられている。具体的に、演出パターンに対応する演出内容の大当り信頼度が低い場合には青色が選択され易く、演出内容の大当り信頼度が高くなるほど黄色が選択され易くなるように、表示色設定用判定値となる乱数値の範囲が設定されている。したがって、サブCPU201が乱数抽選によって取得した乱数値が青色に対応する表示色設定用判定値の場合には、保留図柄の表示色が青色に設定され、黄色に対応する表示色設定用判定値の場合には、保留図柄の表示色が黄色に設定される。この処理が終了した場合には、ステップS251の処理を移す。
ステップS251において、保留図柄の表示色のデータをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS250の処理で設定した保留図柄の表示色のデータをワークRAM203の送信用の所定領域にセットする処理を行う。ワークRAM203のセットされた保留図柄の表示色のデータは、図62に示すステップS213の処理によって、表示制御回路210に送信される。表示制御回路210は、受信した保留図柄の表示色のデータに基づいて、液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)に、ステップS251の処理で設定した表示色の保留図柄を表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS252の処理を移す。
ステップS252において、ステップS250で表示色を設定した保留図柄が第2始動口入賞に対応する保留図柄であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、先読み予告決定コマンドが第1変動パターン記憶領域に記憶されているか第2変動パターン記憶領域に記憶されているかによって、第2始動口入賞による保留図柄か否かを判別する。すなわち、サブCPU201は、先読み予告決定コマンドが第2変動パターン記憶領域に記憶されている場合に、第2始動口入賞による保留図柄であると判定する。サブCPU201は、第2始動口入賞による保留図柄であると判定する場合には、ステップS253に処理を移し、第2始動口入賞による保留図柄であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS253において、保留図柄変更設定処理を行う。この処理において、サブCPU201は、詳細については後述するが、ステップS250で表示態様を変更した保留図柄を、タッチセンサ425が操作されることを条件として緑色に変更するか否かを決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[保留図柄変更設定処理]
図66のステップS253において実行されるサブルーチン(保留図柄変更設定処理)について図67を用いて説明する。
ステップS260において、保留図柄に対応する演出パターンが大当りか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、保留図柄に対応する演出パターンが大当りであるか否かを判定し、大当りと判定する場合には、ステップS261に処理を移し、大当りと判定しない場合には、ステップS262に処理を移す。
ステップS261において、大当りとなる演出パターンに対応する保留図柄の変更を決定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、乱数抽選によって取得した乱数値と大当り用保留図柄変更判定テーブルに設定された判定値とを対比し、一致と判定する場合に保留図柄を変更すると決定する。この処理が終了した場合には、ステップS263に処理を移す。
ステップS262において、大当り以外となる変動パターンに対応する保留図柄の変更を決定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、乱数抽選によって取得した乱数値と大当り以外用保留図柄変更判定テーブルに設定された判定値とを対比し、一致と判定する場合に保留図柄を変更すると決定する。この処理が終了した場合には、ステップS263に処理を移す。
ここで、大当り用保留図柄変更判定テーブルは、大当りとなる演出パターンと、判定値となる乱数範囲とが関連付けられたテーブルであり、ステップS261においてサブCPU201が乱数値と判定値とが一致すると判定する確率が50%になるように乱数範囲が設定されている。大当り以外用保留図柄変更判定テーブルは、ハズレ又は小当りとなる変動パターンに関連付けられている演出パターンと、判定値となる乱数範囲とが関連付けられたテーブルであり、ステップS261においてサブCPU201が乱数値と判定値とが一致すると判定する確率が1%になるように設定されている。
ステップS263において、保留図柄変更可能フラグをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU201は、表示態様を変更すると決定した保留図柄に対応する第2変動パターン記憶領域の所定の領域に、保留図柄変更可能フラグとして”1”をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[ポイント計数処理]
図65のステップS241において実行されるサブルーチン(ポイント計数処理)について図68を用いて説明する。ステップS270において、現状の遊技状態を判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS56(図55参照)の記憶・遊技状態データ生成処理において、主制御回路100から副制御回路200に送信されるデータに基づいて現状の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを判定し、大当り遊技状態と判定した場合には、ステップS271に処理を移す。大当り遊技状態と判定しない場合には、ステップS272に処理を移す。
ステップS271において、ポイントカウンタに第1カウント値を加算する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ポイントカウンタとして使用しているワークRAM203の所定領域に記憶されているカウント値に第1カウント値を加算する処理を行う。本実施の形態においては、第1アウト球コマンドを受信した場合の第1カウント値として”20”が設定され、第2アウト球コマンドを受信した場合の第1カウント値として”30”が設定されている。この処理が終了した場合には、ステップS273に処理を移す。
ステップS272において、ポイントカウンタに第2カウント値を加算する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ポイントカウンタとして使用しているワークRAM203の所定領域に記憶されているカウント値に第2カウント値を加算する処理を行う。本実施の形態においては、第1アウト球コマンドを受信した場合の第2カウント値として”1”が設定され、第2アウト球コマンドを受信した場合の第2カウント値として”100”が設定されている。すなわち、遊技球が第1特別アウト口420bするよりも、第2特別アウト口420cを通過することが極めて困難であるため、第2特別アウト口420cを通過した場合に多くのポイントが加算されるようにカウント値が設定されている。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS273において、最終ラウンドが終了したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS64において主制御回路100から送信されるラウンド回数コマンド及びステップS65において主制御回路100から送信されるラウンド終了コマンドに基づいて、最終ラウンドが終了して、シャッタ部材422aが盤面から突出したか否かを判定し、シャッタ部材422aが突出したと判定した場合には、ステップS274に処理を移す。最終ラウンドが終了したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS274において、ポイント加算を停止する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ポイントカウンタを一時停止して、ポイントが加算されない状態にする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS275に処理を移す。
ステップS275において、大当り遊技状態が終了したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS56(図55参照)の記憶・遊技状態データ生成処理において、主制御回路100から副制御回路200に送信されるデータに基づいて大当り遊技状態が終了したか否かを判定し、大当り遊技状態が終了したと判定した場合には、ステップS276に処理を移す。大当り遊技状態が終了したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS276において、ポイント加算を再開する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ポイントカウンタの一時停止状態を解除して、ポイントが加算される状態に戻す処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
すなわち、大当り遊技状態においては、第1特別アウト口420bを遊技球が通過する毎に、ポイントカウンタのカウント値が”20”加算され、大当り遊技状態以外においては、第1特別アウト口420bを遊技球が通過する毎に、ポイントカウンタのカウント値が”1”加算される。ここで、大当り遊技状態において最終ラウンド終了時から大当り遊技状態が終了するまでのインターバルにおいては、遊技球が第1特別アウト口420bを通過してもポイントが加算されない。これにより、最終ラウンド終了時から大当り遊技状態が終了するまでのインターバルにおいて多くの遊技球が第1特別アウト口420bを通過することにより、ポイントカウンタのカウント値が一気に上昇することを防止することができる。
[演出処理]
図63のステップS223において実行されるサブルーチン(演出処理)について図69を用いて説明する。ステップS280において、タッチセンサ有効化処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU201は、ポイントカウンタのカウント値に基づいて、タッチセンサ425の操作を有効化するか否かを決定し、有効化すると決定した期間において、サブCPU201がタッチセンサ425からの操作信号を受け付けるようにする制御を行う。この処理が終了した場合には、ステップS281に処理を移す。このようなステップS280の処理を実行するサブCPU201は、第1特別アウト口420bを通過した遊技媒体数に基づいて、所定の演出を実行可能にするか否かを判定する演出判定手段として機能する。
ステップS281において、タッチセンサ演出処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU201は、遊技者によるタッチセンサ425の操作によって保留図柄の表示色を変化させる演出を実行する制御を行う。この処理が終了した場合には、ステップS282に処理を移す。
ステップS282において、イルミネイト演出処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、サブCPU201は、イルミアレイ426を用いてタッチセンサ425の操作タイミングを報知する制御を行う。この処理が終了した場合には、ステップS283に処理を移す。このようなステップS281、S282の処理を実行するサブCPU201は、演出判定手段が肯定の判定をしたことに基づいて、所定の演出を実行可能にする演出実行手段として機能する。
ステップS283において、その他の演出処理を行う。この処理において、サブCPU201は、導出図柄の変動中の演出中に表示される様々な演出や、変動開始以前に実行される演出等を制御するためのデータをワークRAM203に記憶する。サブCPU201は、このようなデータを、図62のステップS213で、表示制御回路210、音声制御回路220、ランプ制御回路230、第1操作手段制御回路240a及び第2操作手段制御回路240bに出力する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[タッチセンサ有効化処理]
図69のステップS280において実行されるサブルーチン(タッチセンサ有効化処理)について図70を用いて説明する。図70に示すように、ステップS290において、ポイントカウンタにおけるポイント値が予め設定された設定値を越えたか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203においてポイントカウンタとして使用している記憶領域に記憶されたポイント値と、ワークRAM203の所定の記憶領域に予め記憶された設定値とを比較し、ポイント値が設定値(例えば、240)を越えたか否かを判定し、ポイント値が設定値を越えたと判定した場合には、ステップS291に処理を移し、ポイント値が設定値を越えたと判定しない場合には、ステップS298に処理を移す。
ステップS291において、タッチセンサ425を有効化する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203にタッチセンサ有効化フラグをセットし、タッチセンサ425から送信される操作信号を受け付け可能な状態にする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS292に処理を移す。
ステップS292において、タイマを発動させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203の所定領域を所定の時間(例えば、1分間)だけ計時するタイマとして使用し、このタイマのカウントダウンを開始させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS293に処理を移す。
ステップS293において、タッチセンサ425が操作されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、タッチセンサ425からの操作信号を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合には、ステップS295に処理を移し、受信したと判定しない場合には、ステップS294に処理を移す。
ステップS294において、タイマ値が”0”になったか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、タイマとして使用しているワークRAM203の所定領域に記憶されているタイマ値が”0”になったか否かを判定し、タイマ値が”0”になったと判定した場合に、ステップS295に処理を移す。タイマ値が”0”になったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS295において、タッチセンサ425を無効化する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されているタッチセンサ有効化フラグをクリアし、タッチセンサ425から送信される操作信号を受け付けない状態にする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS296に処理を移す。
ステップS296において、タイマをリセットする処理を行う。この処理において、サブCPU201は、タイマとして使用しているワークRAM203の所定領域に、初期値
(例えば、1分間)を記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS297に処理を移す。
ステップS297において、ポイントカウンタのポイント値を設定値だけ減算した値に更新する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203におけるポイントカウンタとして使用している記憶領域に記憶されたポイント値から設定値(本実施の形態においては、”240”)を減算した値に更新する処理を行う。すなわち、設定値を越えた分のポイント値は持ち越される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS298において、タッチセンサ425を無効化する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されているタッチセンサ有効化フラグをクリアし、タッチセンサ425から送信される操作信号を受け付けない状態にする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
このように、タッチセンサ425は、ポイントカウンタが計数したポイント値が予め設定された設定値を越えてから、タッチセンサ425が操作されるかあるいはタイマが所定時間(例えば、1分間)経過するまでの期間においてその操作が有効になり、それ以外の期間の操作は無効になる。
なお、本実施の形態においては、設定値として”240”、第1カウント値として”20”、第2カウント値として”1”、タイマ値として1分間が設定されているが、これらの値は適宜設定可能である。例えば、設定値として”50”、第2カウント値として”5”、第2カウント値として”1”、タイマ値として3分間とすることにより、時短状態においてタッチセンサ425が有効化されやすく、しかも有効化された状態が長くなるように設定してもよい。また、本実施の形態においては、タッチセンサ425が操作された時点で操作が無効化されるが、それに限らず、例えばタイマ値が1分間カウントするまで何度もタッチセンサ425が操作できるように設定してもよい。また、本実施の形態においては、ステップS297において、設定値を越えた分のポイント値が持ち越されるが、それに限らず、例えば、リセット(”0”にする)してもよい。
[タッチセンサ演出処理]
図69のステップS281において実行されるサブルーチン(タッチセンサ演出処理)について図71を用いて説明する。図71に示すように、ステップS301において、タッチセンサ有効化フラグがセットされている否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203にタッチセンサ有効化フラグがセットされているか否かを判定し、タッチセンサ有効化フラグがセットされたと判定した場合には、ステップS302に処理を移し、タッチセンサ有効化フラグがセットされたと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS302において、タッチセンサ425が操作されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、タッチセンサ425からの操作信号を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合には、ステップS303に処理を移し、受信したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS303において、保留図柄変更可能フラグがセットされている変動パターン記憶領域に対応する保留図柄を変更する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、第2変動パターン記憶領域(1)~第2変動パターン記憶領域(4)において、保留図柄変更可能フラグとして使用されているワークRAM203の記憶領域に”1”がセットされているか否かを判定し、”1”がセットされている第2変動パターン記憶領域に対応する保留図柄を変更する処理を行う。なお、タッチセンサ425の操作を条件として変更される保留図柄の表示色は、予めワークRAM203の所定の記憶領域に設定されている。本実施の形態においては、保留図柄の表示色が”緑”に変更される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
なお、ワークRAM203に記憶されている保留図柄変更可能フラグは、保留図柄変更可能フラグが記憶されている記憶領域のデータに基づく演出用の識別図柄の変動、停止表示が実行された場合にクリアされる。
[イルミネイト演出処理]
図69のステップS282において実行されるサブルーチン(イルミネイト演出処理)について図72を用いて説明する。図72に示すように、ステップS310において、タッチセンサ有効化フラグがセットされている否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203にタッチセンサ有効化フラグがセットされているか否かを判定し、タッチセンサ有効化フラグがセットされたと判定した場合には、ステップS311に処理を移し、タッチセンサ有効化フラグがセットされたと判定しない場合には、ステップS313に処理を移す。
ステップS311において、大当り遊技中であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS56(図55参照)の記憶・遊技状態データ生成処理において、主制御回路100から副制御回路200に送信されるデータに基づいて大当り遊技中である否かを判定し、大当り遊技中であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、大当り遊技中であると判定しない場合には、ステップS312に処理を移す。
ステップS312において、イルミアレイ426の光源426bを点灯する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、イルミアレイ426の光源426bを発光させて、導光板426aの潜像を可視像化する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS313において、イルミアレイ426の光源426bを消灯する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、導光板426aの潜像を可視像化しないように、イルミアレイ426の光源426bを消灯させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
このように、イルミアレイ426による演出は、タッチセンサ425の操作が有効な期間において実行される。ただし、タッチセンサ425の操作が有効な期間であっても大当り遊技中である場合には、イルミアレイ426による演出は実行されない。このように、イルミアレイ426による演出が実行されていることは、タッチセンサ425の操作が有効であることを遊技者に報知していることになる。なお、タイマが10秒前を計時した場合に、光源426bの発光色を変えたり、点滅表示させたりするなどして、もうすぐタッチセンサ425の操作が無効になることを報知してもよい。
また、図72に示す処理においては、ステップS311の処理により、タッチセンサ425の操作が有効な期間であっても大当り遊技中である場合には、イルミアレイ426による演出は実行されないが、このステップS311の処理は省略可能である。すなわち、ステップS310において、サブCPU201は、ワークRAM203にタッチセンサ有効化フラグがセットされているか否かを判定し、タッチセンサ有効化フラグがセットされたと判定した場合に、ステップS312に処理を移してもよい。これにより、例えば、大当り遊技中にタッチセンサ425の操作が有効になった場合に、大当り遊技中であってもタッチセンサ425を操作して、保留図柄の表示色が変化するか否かを確かめることが可能になる。例えば、高確率時短状態において大当りが連続した(所謂、連チャン)場合のように第2始動口入賞による保留図柄が残っていれば、その保留図柄の表示色が変化するか否かを確かめることが可能になる。
ところで、イルミアレイ426による演出は、遊技球が第1特別アウト口420bを通過することを条件としているため、遊技球を右打ちさせる大当り遊技状態及び時短状態において実行される。具体的に、イルミアレイ426による演出は、遊技球が第1特別アウト口420bを通過した場合にポイントを加算し、そのポイントが、本実施の形態においては、例えば”240”を越えた場合に実行される。
ここで、本実施の形態においては、大当り遊技状態における加算ポイントが”20”に設定されているため、仮に、ラウンド間のインターバルにおいて、第1特別アウト口420bを通過する遊技球が1、2個であるとすると、ラウンドゲームが16ラウンドの場合にはイルミアレイ426による演出が実行される可能性が高くなる。
また、本実施の形態においては、時短状態における加算ポイントが”1”に設定されているため、240個の遊技球が第1特別アウト口420bを通過することにより、イルミアレイ426による演出が実行されることになる。ここで、通常、パチンコ遊技機1においては、1分間に100個を越えない程度に遊技球が発射されることから、第2始動口414bあるいは第3特別アウト口420dへの入球を考慮しても、数分間に1回程度の割合でイルミアレイ426による演出が実行される。
更に、大当り遊技状態において16ラウンドのラウンドゲームが実行された場合には、時短遊技を開始する時点でイルミアレイ426による演出が開始されている可能性が高く、10ラウンドのラウンドゲームが実行された場合には、時短遊技を開始する時点でイルミアレイ426による演出が開始される可能性が低いものの、時短遊技を開始してから比較的早い時間内にイルミアレイ426による演出が開始されている可能性が高い。遊技者は、イルミアレイ426が発光している間において、任意のタイミングでタッチセンサ425を操作することができる。そして、タッチセンサ425を操作した場合、あるいはイルミアレイ426が発光してから1分間経過した場合に、イルミアレイ426が発光しない状態となるが、概ね3分間経過した時点で再度イルミアレイ426による演出が実行される。
[先読み予告演出]
次に、図78を用いて、先読み予告演出について説明する。なお、図78は、液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)における表示画面の遷移を説明する図であり、導出図柄53、ラウンド表示54、残り変動回数表示55、第1保留球数表示56及び第2保留球数表示57のみを示している。なお、第1保留球数表示56は、第1始動口414aへの入賞に基づく保留球を示すものであり、最大4つの保留図柄が表示される。第2保留球数表示57は、第2始動口414bへの入賞に基づく保留球を示すものであり、最大4つの保留図柄が表示される。
図78(a)は、大当り遊技状態において最終ラウンドの表示態様を示すものである。本実施の形態においては、ラウンド表示54として「Round16」という文字情報が表示される。本実施の形態においては、最終ラウンドの時点で、ポイントカウンタのポイント値が設定値(例えば、240)を越えているものとする。この際、イルミアレイ426は発光しない。大当り遊技状態が終了した後に、時短状態の遊技が開始される。
図78(b)は、時短状態の遊技の開始直後の表示態様を示すものである。本実施の形態においては、残り変動回数表示55として「あと200回」と表示される。なお、この変動回数表示55は、導出図柄53が変動、停止を繰り返す毎に”1”ずつ減算されていく。また、既に、ポイントカウンタのポイント値が設定値を越えているため、イルミアレイ426が点灯して「Touch!!」という文字情報が表示される。そして、遊技者が右打ちを実施することにより、遊技球が球通過検出器416を通過し、第2始動口414bが度々開放されるため、時短状態においては、図78(c)に示すように、第2保留球数表示57として4つの保留図柄が表示されることが多くなる。
ここで、図54に示すステップS38及びS48の処理によって、先読み予告を行うと決定した保留球に対応する保留図柄の表示が変更される。図78(c)に示す例では、保留図柄の色が白色から青色に変化する。遊技者は、この表示を視認することにより、タッチセンサ425を操作するか否かの参考にする。図78(c)に示す例では、青色では大当りがあまり期待できないことから、遊技者は、タッチセンサ425の操作を見送るものとする。
そして、遊技者は、右打ちを継続して、図78(d)に示すように緑色の保留図柄が表示されたとする。この時、遊技者は、黄色は大当りが比較的期待できることから、図78
(e)に示すように、タッチセンサ425を操作してみたとする。この時、黄色の保留図柄が緑色に変化すれば、大当りが更に信頼度が高いことを確かめることができる。なお、図78(e)に示すように、黄色の保留図柄のままであれば、ハズレの可能性が高いことを前もって知ることができる。
図78(e)に示す変動中の識別図柄の停止表示態様がハズレであれば、遊技者はタッチセンサ425を操作したため、次の識別図柄の変動においては図78(f)に示すように、イルミアレイ426が消灯して「Touch!!」という文字情報が表示されなくなる。
遊技者は、遊技者は右打ちを継続して変動回数を消化していくことにより、ポイントカウンタのカウント値が上昇し、数分ほど経過して設定値を越えた場合に、再びイルミアレイ426が点灯して「Touch!!」という文字情報が表示される。
残りの変動回数が少なくなると、遊技者は、何色でもいいので保留図柄が変われば、タッチセンサ425を操作しようと考える。そして、図78(g)に示すように、保留図柄が青色に変わったことからタッチセンサ425を操作して見たところ、図78(h)に示すように、白色の保留図柄が緑色に変わったとする。この場合には、遊技者はハズレの可能性があることを前もって意識しながら、緑色の保留図柄に対応する識別図柄の変動を見ることになる。ここで、時短状態において、大当り信頼度が最も低い演出内容であれば、保留図柄に対応する導出図柄53の変動は数秒もかからないで終わることがほとんどであることから、まずは、演出時間が長くなることを願う。仮に、演出時間が長くなった場合には、遊技者は大当りに対する期待感を更に膨らませながら導出図柄53の変動や演出を見ることになる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明の遊技機は、主に、遊技媒体が転動可能な遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域が有する互いに異なる第1領域と第2領域に遊技媒体を打ち分けるように、遊技媒体の発射強度を調整しながら前記遊技領域に遊技媒体を発射することが可能な発射手段と、前記第1領域に発射された遊技媒体が通過可能な第1通過領域を形成する第1通過領域形成部材と、前記第1通過領域を通過した遊技媒体が通過可能な第2通過領域と、当該第1通過領域形成部材とともにユニット化され、かつ、前記第2通過領域への遊技媒体の通過を容易にする第1位置、及び前記第2通過領域への遊技媒体の通過を困難にする第2位置のいずれかに変位可能な第1変位部材と、前記第2通過領域を通過しない遊技媒体の受け入れが可能であって、受け入れた遊技媒体をそれぞれ異なる方向へ遊技媒体を案内する第1経路及び第2経路のうち、いずれかの経路に遊技媒体を振り分ける振分装置と、前記第1経路に振り分けられた遊技媒体が通過可能な第3通過領域と、前記第2経路に振り分けられた遊技媒体が通過可能な第4通過領域と、前記第2経路に振り分けられた遊技媒体が転動可能であり、かつ、前記第4通過領域への遊技媒体の通過を容易にする第3位置、及び前記第4通過領域への遊技媒体の通過を困難にする第4位置のいずれかに変位可能な第2変位部材と、当該第2変位部材が前記第4位置にある場合に前記第2変位部材の上部を通過する遊技媒体が、前記第2変位部材の前記第4位置から前記第3位置への変位の際に、前記第4通過領域側に移動することを容易にする入賞容易機構と、前記第4通過領域を通過しない遊技媒体を通過させ、前記遊技領域の外部に送り出す第1アウト口と、前記第1通過領域を遊技媒体が通過したことを条件に、前記第1変位部材を前記第1位置に変位させるか否かの判定を行う第1判定手段と、前記第1判定手段が肯定の判定をしたことに基づいて、前記第1変位部材を前記第1位置に変位させる第1変位部材制御手段と、前記第2通過領域を遊技媒体が通過したことを条件に、前記第2変位部材を前記第3位置に変位させるか否かの判定を行う第2判定手段と、当該第2判定手段が肯定の判定をしたことに基づいて、前記第2変位部材を所定回数第3位置に変位させる第2変位部材制御手段と、前記第3通過領域及び前記第4通過領域のいずれかを遊技媒体が通過したことに基づいて、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、前記第1アウト口を遊技媒体が通過したことを条件に、所定の演出を実行可能にする演出実行手段と、前記第2領域を転動する遊技媒体において、前記遊技価値付与手段による所定の遊技価値の付与の契機となる領域を通過しない遊技媒体を通過させ、前記遊技領域の外部に送り出す第2アウト口と、を備えることを特徴とするものであるが、発射手段、第1通過領域形成部材、第2通過領域、第1変位部材、振分装置、第3通過領域、第4通過領域、第2変位部材、入賞容易機構、第1アウト口、第1判定手段、第1変位部材制御手段、第2判定手段、第2変位部材制御手段、遊技価値付与手段、演出実行手段、第2アウト口、などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
例えば、上述した実施の形態においては、保留図柄の色を副制御回路200側の処理で決定しているが、主制御回路100側で保留図柄の色を決定して、その旨を副制御回路200にコマンド送信してもよい。
また、上述した実施の形態においては、第2始動口入賞の保留図柄を、遊技者によるタッチセンサ425の操作によって変更できるように構成しているが、第1始動口入賞の保留図柄を、遊技者によるタッチセンサ425の操作によって変更できるように構成してもよいことは言うまでもない。この場合、例えば、中央台板413(図4参照)の左側に形成されている通過口413c(図4参照)を通過する遊技球を検知する通過センサを備え、この通過センサが遊技球を検知する毎にポイントカウンタのポイント値に所定値ずつ加算するように構成してもよい。更に、第1始動口入賞の保留図柄を、遊技者によるタッチセンサ425の操作によって変更できるように構成した場合、図72に示す処理におけるステップS311の処理を削除して、ポイント値が設定値を越えていれば大当り遊技中であってもタッチセンサ425を操作可能にすることが望ましい。これにより、例えば、保留球が4個のときに通常遊技から大当り遊技に移行した場合に、大当り遊技中にタッチセンサ425を操作して、第1始動口入賞に対応する保留図柄が変化するか否かを確かめることが可能になる。仮に、タッチセンサ425の操作によって第1始動口入賞に対応する保留図柄の中に緑色に変化した保留図柄が出現した場合には、時短遊技においてどの時点、例えば、すぐに保留図柄を消化させて、緑色の保留図柄における識別図柄の導出表示を行うとか、時短回数が200回であれば190回を消化して時点で、緑色の保留図柄における識別図柄の導出表示を行うとか、を遊技者が決定することが可能になり、遊技者に新たな興趣を与えることが可能になる。
また、上述した実施の形態においては、入賞容易機構424を半円柱形のリブ424aによって形成しているが、それ以外でも、例えば、シャッタ部材422aの表面を波形にしたり微小な突起を付与するなどして遊技球を減速させてもよい。なお、本実施の形態においては、入賞容易機構424を用いて遊技球を減速させるものでなくても、右打ちされた遊技球の多くが大入賞口418に入賞し易くできるような機構であれば適用可能である。例えば、ラウンド間インターバルにおいて、遊技球を遊技盤の奥側に迂回させる迂回経路を設け、シャッタ部材が開くタイミングで遊技球を迂回経路から遊技盤の盤面に戻して大入賞口に入賞させるものでもよい。更には、1つの大入賞口上に2つのシャッタ部材を、遊技球の転動経路に沿って並設し、2つのシャッタ部材の間に通路を設け、ラウンド終了時に突出した上流側のシャッタ部材上を通過した遊技球が通路を通過する間にラウンド間インターバルを消化させ、ラウンド間インターバルが終了して2つのシャッタ部材が引き込んだ時に、下流のシャッタ部材側から通路を通過した遊技球を大入賞口に入賞させるものでもよい。
また、イルミアレイ426の光源426bとして複数色のLEDを用意し、潜像426cの表示色を変えることによって、遊技者にタッチセンサ425の操作意欲を喚起させてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、通常遊技状態における普通図柄ゲームの当り確率は0%なので、通常遊技状態において右打ちしたとしても、普通図柄ゲームの識別図柄が変動することがない。普通図柄ゲームの識別図柄は変動することがなければ、普通電動役物415が動作しないために、第2始動口414bに入賞することはない。つまり、通常遊技状態において右打ちしたとしても、特別遊技状態とはならない。しかも、通常遊技状態において右打ちした場合、一般入賞口419dに入賞による賞球は3球であり、振分装置421は、4球に1球が左方向に振り分けられて一般入賞口419dに入賞するが他の3球はアウト球になるため、左方向に向かった遊技球が全て一般入賞口419dに入賞したとしても戻し率は75%となり、結局、持ち玉が減ることになる。したがって、通常遊技状態において右打ちすることは遊技者に不利となるため、遊技者は、大当り遊技への移行によって持ち玉を増やすことを目指して、第1始動口414aへの入賞を狙って左打ちを行うようになる。
また、上述した本実施の形態によれば、第1経路423bを通過した遊技球は、一般入賞口419d及び第3特別アウト口420dのいずれかに入球する場合と、いずれにも入球しない場合とに分けられているが、それに限るものではない。例えば、第3特別アウト口420dを削除し、第1経路423bを通過した遊技球がほぼ100%一般入賞口419dに入賞するように一般入賞口419dを配置してもよい。この場合、4個の遊技球の発射に対して一般入賞口419dに入球した場合の賞球が3個であるため、大当り遊技状態において右打ちすることによる大当り遊技による遊技者の持ち玉の増加数は、仮に、大当り遊技状態において、遊技領域41に発射した全ての遊技球が大入賞口418に入賞した場合における増加数に近くなるが、越えることはない。
また、上述した本実施の形態によれば、イルミアレイ426は、保留図柄を変化させるためのタッチセンサ425のタッチ示唆に用いられているが、それに限らず、演出用の識別図柄の変動中におけるボタン操作に関わる演出に使用してもよい。例えば、演出ボタン16(図1参照)の操作によって演出を変化させて大当り期待度を上昇させるという演出パターンに、タッチセンサ425のタッチ示唆を含め、イルミアレイ426によるタッチ示唆の態様とタッチセンサ425の操作によって演出を変化させて大当り期待度を上昇させてもよい。また、液晶表示装置50の表示領域51に、現在変動中の識別図柄に対応する保留図柄を表示する箇所を設け、特定の変動演出中にタッチ示唆を実行し、タッチセンサ425をタッチしたときに演出の期待度に応じて保留図柄の色を変化させるようにしてもよい。なお、タッチセンサ425の使用方法は演出ボタン16と同様としてもよい。
また、本実施の形態において、図10によれば、イルミアレイ426の光源426bとして1つのLEDランプが導光板426aの側方に配置されているが、それに限らず、複数のLEDランプを導光板426aの側部に並べて配置してもよい。これにより、例えば、複数のLEDランプを順番に点灯させることによって、光が流れるような演出表示を行うことが可能になる。更に、保留図柄が変化する可能性が低い場合には一斉点灯を行い、保留図柄が変化する可能性が高い場合又は大当り期待度が高い保留図柄に変化する場合には順番に点灯させるというように、イルミアレイ426による演出を選択可能にしてもよい。
また、上述した本実施の形態において、図66、図67のフローチャートによれば、サブCPU201が、メインCPU101の処理によって先読み予告を行うと決定した変動パターンに対応する保留図柄の表示色を白色、青色、黄色のいずれかにするかを決定した後、緑色にする保留図柄を決定し、その保留図柄に保留図柄変更可能フラグを関連付けている。そして、タッチセンサ425が操作された場合に、保留図柄変更可能フラグを関連付けている保留図柄を緑色に変更している。しかし、タッチセンサ425の操作によって保留図柄を変化させる処理は、上述した処理に限るものではない。
例えば、最初に、保留図柄の表示色を白色、青色、黄色、緑色のいずれかにするかを決定した後に、実際に液晶表示装置50の表示領域51に表示する保留図柄の表示色を決定する。この際、最初に決定した本来の表示色よりも下位の表示色を実際に表示させるように決定し、下位の表示色の保留図柄を液晶表示装置50に表示させる。そして、タッチセンサ425が操作された場合に、下位の表示色を最初に決定した本来の表示色に変化させてもよい。この例について、図80及び図81を参照しながら本実施の形態の変形例として詳細に説明する。
[変形例2]
本実施の形態の変形例は、図66、図67のフローチャートの代わりに図80のフローチャートに示す処理を、図71のフローチャートの代わりに図81のフローチャートに示す処理をサブCPU201に実行させるものである。他の処理は、上述した実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
図80において、ステップS254において、保留図柄の表示色を決定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、メインCPU101の処理によって先読み予告を行うと決定しない変動パターンに対応する保留図柄の表示色を白色に設定し、メインCPU101の処理によって先読み予告を行うと決定する変動パターンに対応する保留図柄は青色、黄色及び緑色のいずれかに設定する。保留図柄の表示色を青色、黄色及び緑色のいずれにするかについては、サブCPU201が、基本表示色決定用テーブル(図示せず)を参照し、乱数抽選によって乱数値を取得し、この乱数値と表示色設定用判定値とを比較することにより表示色を決定する処理を行う。なお、緑色は、後述するタッチセンサ425の操作によって変化する保留図柄の表示色である。
ここで、変形例において使用する基本表示色決定用テーブルについて説明する。基本表示色決定用テーブルは、上述した実施の形態と同様に、演出パターンに、保留図柄の表示色を決定するための表示色設定用判定値となる乱数値の範囲と、表示色設定用判定値に対応する保留図柄の表示色と、が関連付けられたものであり、プログラムROM202に記憶されている。
ここで、表示色設定用判定値に対応する保留図柄の表示色は青色、黄色及び緑色の3色であり、表示色設定用判定値となる乱数値の範囲は、青色、黄色及び緑色のいずれかを選択するように振り分けられている。具体的に、演出パターンに対応する演出内容の大当り信頼度が低い場合には、青色が選択され易く、次に黄色が選択され易く、緑色が最も選択され難く設定されるように、表示色設定用判定値となる乱数値の範囲が設定されている。更に、大当り信頼度が大きい演出内容となるほど、青色に対応する乱数値の範囲が小さく、黄色又は緑に対応する乱数値の範囲が大きくなり、大当り信頼度が最も高い演出内容の場合には、緑が最も選択され易く、次に黄色が選択され易く、青色が最も選択され難く設定されるように、表示色設定用判定値となる乱数値の範囲が設定されている。したがって、本実施の形態の変形例においては、白色、青色、黄色、緑色の順で大当り期待度が上位となる。
そして、サブCPU201が乱数抽選によって取得した乱数値が、青色に対応する表示色設定用判定値の場合には、保留図柄の表示色が青色に設定され、黄色に対応する表示色設定用判定値の場合には、保留図柄の表示色が黄色に設定され、緑色に対応する表示色設定用判定値の場合には、保留図柄の表示色が緑色に設定される。このように設定された保留図柄の表示色は、本来の保留図柄の表示色としてワークRAM203の所定領域に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS255の処理を移す。
ステップS255において、ステップS254で表示色を設定した保留図柄が第2始動口入賞に対応する保留図柄であるか否かを判定する処理を行う。この処理は、図66に示すステップS252の処理と同様の処理であって、サブCPU201は、先読み予告決定コマンドが第1変動パターン記憶領域に記憶されているか第2変動パターン記憶領域に記憶されているかによって、第2始動口入賞による保留図柄か否かを判別する。サブCPU201が第2始動口入賞による保留図柄であると判定する場合には、ステップS256に処理を移し、第2始動口入賞による保留図柄であると判定しない場合には、ステップS257に処理を移す。
ステップS256において、実際に表示させる保留図柄の表示色を設定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、液晶表示装置50の表示領域51に実際に表示させる保留図柄の表示色を設定する処理を行う。具体的に、サブCPU201は、ステップS254で設定した保留図柄の表示色(表示色を変えない)又はその表示色よりも下位の表示色を、実際に表示させる保留図柄の表示色として設定する。本実施の形態の変形例においては、白色、青色、黄色、緑色の順で上位の表示色となるため、緑色が最上位の表示色となり、緑色の下位色は、白色、青色、黄色となる。同様に、黄色の下位色は、白色、青色となり、青色の下位色は、白色となり、白色が最下位の表示色となる。
実際に表示させる保留図柄の表示色を、ステップS254で設定した保留図柄の表示色
(表示色を変えない)又はその表示色よりも下位の表示色とするかについては、サブCPU201が、実際表示色決定用テーブル(図示せず)を参照し、乱数抽選によって乱数値を取得し、この乱数値と実際表示色設定用判定値とを比較することにより表示色を決定する処理を行う。この処理が終了したには、ステップS257に処理を移す。
ここで、実際表示色決定用テーブルについて説明する。実際表示色決定用テーブルにおいては、ステップS254で設定される保留図柄の本来の表示色、つまり、緑色、黄色、青色に応じて、液晶表示装置50の表示領域51に実際に表示させる保留図柄の表示色を決定するために使用される実際表示色設定用判定値となる乱数値の範囲が設定されている。実際表示色決定用テーブルは、大当りとなる演出パターンの場合に参照される大当り実際表示色決定用テーブルと、大当り以外の演出パターンの場合に参照される大当り以外実際表示色決定用テーブルとからなる。大当り実際表示色決定用テーブルによれば、例えば、ステップS254で設定した保留図柄の本来の表示色が緑色であれば、緑色(表示色を変えない)に対応する乱数値の範囲、黄色に対応する乱数値の範囲、青色に対応する乱数値の範囲、白色に対応する乱数値の範囲が設定されている。ステップS254で設定した保留図柄の表示色が黄色であれば、黄色(表示色を変えない)に対応する乱数値の範囲、青色に対応する乱数値の範囲、白色に対応する乱数値の範囲が設定されている。ステップS254で設定した保留図柄の表示色が青色であれば、青色(表示色を変えない)に対応する乱数値の範囲、白色に対応する乱数値の範囲が設定されている。なお、ステップS254で設定した保留図柄の表示色が白色であれば、白色が実際に表示させる保留図柄の表示色に設定される。大当り以外実際表示色決定用テーブルは、大当り実際表示色決定用テーブルにおける、保留図柄の本来の表示色が緑色に対応する青色に対応する乱数値の範囲が設定されていない点で、大当り実際表示色決定用テーブルと異なっている。
つまり、本実施の形態の変形例においては、大当り実際表示色決定用テーブルにあって、大当り以外実際表示色決定用テーブルにない設定が含まれており、本来の表示色が緑色の場合に実際の表示色として青色が選択される設定は、大当り実際表示色決定用テーブルのみに含まれている。このため、最初に保留図柄が青色であり、タッチセンサ425の操作によって保留図柄が緑色に変わった場合には、大当り確定となる。
図81のフローチャートに示す処理は、図71のフローチャートにおけるステップS303の処理の代わりにステップS304の処理を入れたものである。ステップS304において、保留図柄の本来の表示色のデータをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ステップS254の処理で設定され、ワークRAM203に記憶されている保留図柄の表示色のデータをワークRAM203の送信用の所定領域にセットする処理を行う。ワークRAM203のセットされた本来の保留図柄の表示色のデータは、図62に示すステップS213の処理によって、表示制御回路210に送信される。表示制御回路210は、受信した保留図柄の表示色のデータに基づいて、液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)に、ステップS254の処理で設定した本来の表示色の保留図柄を表示させる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
このように、本実施の形態の変形例によれば、保留図柄の表示色を、本来の表示色よりも下位の表示色を先に液晶表示装置50の表示領域51に表示し、タッチセンサ425が操作された場合に、下位の表示色を本来の表示色に変化させている。このため、タッチセンサ425の操作により、遊技者には、保留図柄が下位の表示色から上位色の表示色に変化したように見えるため、大当りへの期待感を増幅させることが可能になる。具体的に、タッチセンサ425の操作前と操作後の保留図柄の表示色は、白から白、白から青、白から黄、白から緑、青から黄、青から緑、黄から緑、などに変化する。
また、本実施の形態の変形例において、本来の表示色が緑色の場合に実際の表示色として青色が選択される設定は、大当り実際表示色決定用テーブルのみに含まれており、言い替えれば、保留図柄の最初の表示色が青色であり、タッチセンサ425の操作により保留図柄が緑色に変化した場合には大当り確定となる。このように、特定の色の変化については、大当りの場合にしか決定されないように設定することも可能である。更に言えば、保留図柄の最初の表示色が白色又は黄色であり、タッチセンサ425の操作により保留図柄が緑色に変化した場合にはハズレの場合もあり得る。
なお、上述した本実施の形態及び変形例においては、メインCPU101において、先読み予告(保留球予告)を行うか否かを決定し、サブCPU201において、保留図柄の表示色を決定し、更にタッチセンサ425の操作によって変化させる対象となる保留図柄及びその表示色を決定しているが、それに限るものではない。例えば、メインCPU101において、先読み予告(保留球予告)を行うか否かを決定するとともに、タッチセンサ425の操作によって変化させるか否かを決定し、その結果をサブCPU201に送信し、サブCPU201が、先読み予告を行う保留図柄の表示色及びタッチセンサ425が操作された場合の表示色を適宜決定してもよい。更には、メインCPU101において、先読み予告(保留球予告)を行うか否かを決定し、更に、先読み予告を行うと決定した保留球に対応する保留図柄の表示色を決定するとともに、タッチセンサ425の操作によって変化させるか否かを決定し、その結果をサブCPU201に送信する。そして、サブCPU201が、タッチセンサ425の操作によって変化させる保留図柄の表示色を決定してもよい。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態においては、上述した本発明の第1の実施の形態との相違点について説明し、本発明の第1の実施の形態と同一な点についての説明を省略する。
なお、本発明の実施の形態において、特別図柄表示装置431は、特別図柄を表示する図柄表示手段を構成する。メインCPU101は、所定の変動表示開始条件が成立したことを契機として、特別図柄表示装置431に表示されている特別図柄の変動を開始させ、所定の変動表示終了条件が成立したことを契機として、特別図柄表示装置431に表示されている特別図柄の変動を停止させる図柄変動手段を構成する。
また、メインCPU101は、通常遊技状態と特別遊技状態との間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段を構成する。サブCPU201は、演出を決定することができる演出決定手段と、演出を実行する演出実行手段とを構成する。
また、プログラムROM202は、所定の演出を実行するときに参照される演出データと、所定の演出を実行しないときに参照される演出データと、を記憶する演出データ記憶手段を構成する。ここで、所定の演出は、1P演出及びタッチポイントMAX演出などの後述する演出を含む。
[コマンド解析処理]
本実施の形態におけるコマンド解析処理について図82及び図83を参照して説明する。まず、図82のステップS400において、サブCPU201は、受信したコマンドがあるか否かを判断する。受信したコマンドがないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了する。
受信したコマンドがあると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS401の処理を実行する。ステップS401において、サブCPU201は、副制御回路割込処理で受信したコマンドを解析し、ステップS402の処理を実行する。
ステップS402において、サブCPU201は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。変動パターン指定コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS403の処理を実行する。変動パターン指定コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS405の処理を実行する。
ステップS403において、サブCPU201は、演出パターン決定処理を行う。演出パターン決定処理において、サブCPU201は、ステップS401で解析した変動パターン指定コマンドと、演出パターン決定用に抽出された乱数値とに基づき、図77に示した演出テーブルを参照して、演出パターンを決定し、ワークRAM203に記憶する。
ステップS403の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS404の処理を実行する。ステップS404において、サブCPU201は、図84及び図85を参照して説明するポイント付与演出設定処理を実行し、コマンド解析処理を終了する。
ステップS405において、サブCPU201は、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する。導出図柄指定コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS406の処理を実行する。導出図柄指定コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS407の処理を実行する。
ステップS406において、サブCPU201は、導出図柄を決定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路100から受信した導出図柄指定コマンドに応じた導出図柄を決定し、この導出図柄を液晶表示装置50の表示領域51(図4参照)上に表示させるためのデータをワークRAM203に記憶する。
ステップS407において、サブCPU201は、先読み予告決定コマンドを受信したか否かを判断する。先読み予告決定コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS408の処理を実行する。先読み予告決定コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS411(図83)の処理を実行する。
ステップS408において、サブCPU201は、図84及び図85を参照して説明するポイント付与演出設定処理を実行する。ステップS408の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS409の処理を実行する。
ステップS409において、サブCPU201は、図86を参照して説明する先読み予告演出設定処理を実行する。ステップS409の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS410の処理を実行する。
ステップS410において、サブCPU201は、図87を参照して説明する先読み連続演出設定処理を実行する。ステップS410の処理を実行した後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了する。
図83に示すステップS411において、サブCPU201は、第2アウト球コマンド
(以下、単に「アウト球コマンド」という)を受信したか否かを判断する。アウト球コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS412の処理を実行する。アウト球コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS413の処理を実行する。
ステップS412において、サブCPU201は、図88を参照して説明するアウト口入球演出処理を実行する。ステップS412の処理を実行した後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了する。
ステップS413において、サブCPU201は、デモ表示コマンドを受信したか否かを判断する。デモ表示コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS414の処理を実行する。デモ表示コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS415の処理を実行する。
ステップS414において、サブCPU201は、図89を参照して説明するデモ中潜確報知演出設定処理を実行する。ステップS414の処理を実行した後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了する。
ステップS415において、サブCPU201は、受信したその他のコマンドに対応する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンド、先読み予告決定コマンド、アウト球コマンド及びデモ表示コマンド以外のコマンドに対応する処理を行う。ステップS415の処理を実行した後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了する。
[ポイント付与演出設定処理]
以下、図82及び図83に示したコマンド解析処理で実行されるポイント付与演出設定処理を図84及び図85を参照して説明する。
まず、図84のステップS420において、サブCPU201は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。変動パターン指定コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS421の処理を実行する。変動パターン指定コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS428(図85)の処理を実行する。
ステップS421において、サブCPU201は、タッチポイントMAX演出フラグが1であるか否かを判断する。ここで、タッチポイントMAX演出フラグは、現在のタッチポイントを設定値(例えば、実施例中の5ポイント、上限として定められた値、演出を実行するに足る値、など)とする演出であるタッチポイントMAX演出(例えば、現在のタッチポイントが1ポイントであるときに、4ポイントを加算するような演出を実行し、MAXポイントである5ポイントとするような演出)を実行するか否かを表すが、これに限られるものではなくタッチポイントが設定値であるか否かを表すように制御してもよい。
なお、本発明の第1の実施の形態においては、図68を参照して説明したポイント計数処理でポイント値(単に「ポイント」と呼称する場合もある)が加算されるようになっていたが、本実施の形態においては、例えばS431やS434の処理で後述するように、選択された演出に応じてポイント値がタッチポイントとして加算される。なお、値や数、ポイントといった表現は、0を含みえる値である。
また、本実施の形態におけるポイント値には、上限値が設けられ、上限値は、「5」とする。また、本実施の形態における設定値は、「5」として説明する。すなわち、本実施の形態におけるポイント値は、設定値を上限とする。
なお、設定値や上限値をMAXポイントとして記載する場合もあるが、設定値を超えて
(5ポイントを超えて)ポイントを蓄積できる場合には、設定値や上限値として5以上の値が設定される場合もあり、この場合、ポイント値が5に達していれば遊技者の操作に応じて演出態様を変更する演出(例えば、図101(c)~図101(e)のようにタッチ前アイテムがタッチ後アイテムに変更される演出)が実行される場合もあるため、MAXポイントが5ポイントを示し、規定値が5ポイント以上であるという関係を有している場合もあるため、ポイント値がMAXであるという表現は、ポイント値が演出の実行条件を満たしていると表現される場合もあるし、ポイント値が設定値に達していると表現する場合もあるため、ポイント値が蓄積可能な最大値でない場合もポイント値がMAXになると表現する場合がある。
ステップS421において、タッチポイントMAX演出フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS422の処理を実行する。タッチポイントMAX演出フラグが1でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS425の処理を実行する。
ステップS422において、サブCPU201は、変動が5.0秒変動(変動パターンがHN00(図75参照))であり、かつ、ステージチェンジがあるか否かを判断する。ここで、ステージチェンジは、識別図柄や、識別図柄の背景などの液晶表示装置50に表示される表示態様である演出ステージが変更されることをいう。なお、本実施の形態における演出ステージは、「通常ステージ」、「チョイ熱ステージ」及び「激熱ステージ」がある。
ここで変動が5.0秒変動かつステージチェンジを行うと、ステージチェンジの際に液晶表示装置50上に表示されている演出を、各ステージ演出に合わせた表示に変更するための時間を要するため(例えば、ステージチェンジに要する時間が3.0秒であり、タッチポイントを加算する演出のうち最短の演出時間が4.0秒であれば演出に要する時間が7.0秒となり、5.0秒の変動に収まらないため、タッチポイントを加算する演出を実行することができない。)タッチポイントを加算する演出を行うには変動時間が足りないと判断された場合には、S427において、5.0秒変動中に実行可能な他の演出を選択するように制御することが可能である。なお、識別図柄とは、特別図柄、普通図柄、装飾図柄(導出図柄)として表現可能であり、何れの図柄を用いた場合においても各実施例の演出を実行可能である。
例えば、サブCPU201は、先読み予告を実行するか否か、特別図柄の選択(又は抽選、決定)結果に大当りとなる選択結果が含まれているか否か、変動表示が保留されている特別図柄の選択結果又は当該選択結果の変動(例えば、変動パターン)に対応する演出パターンなどに応じた選択率による抽選によってステージチェンジを実行する。
また、サブCPU201は、ステージチェンジを実行する場合には、識別図柄の変動開始前又は識別図柄の変動開始後に実行してもよいし、変動中にステージチェンジを行う場合や、大当り開始前にステージチェンジを行う場合、大当り終了後にステージチェンジを行う場合、遊技状態に応じてステージチェンジを行う場合など様々なタイミングでステージチェンジを行うことが可能である。
ステップS422において、変動が5.0秒変動であり、かつ、ステージチェンジがあると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS427の処理を実行する。変動が5.0秒変動でない、又は、ステージチェンジがないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS423の処理を実行する。
ステップS423において、サブCPU201は、タッチポイントがMAX(例えば、設定値、上限値)になる変動演出(タッチポイントMAX演出)を選択する。ステップS423の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS424の処理を実行する。
なお、本実施例においては、先読み演出であるタッチポイントMAX演出と、「タッチポイントがMAXになる先読み予告演出」とを総称してタッチポイントMAX演出と呼称する場合と、「タッチポイントがMAXになる変動演出」と総称してタッチポイントMAX演出と呼称する場合とが存在するが、タッチポイントがMAXになる演出は何れの演出にも存在可能なものであり、先読み演出であるタッチポイントがMAXになる演出を第1演出、変動演出であるタッチポイントがMAXになる演出を第2の演出としてもよいし、1のタッチポイントMAX演出を先読み演出としても、変動演出としても実行可能であってもよい。
さらに、タッチポイントが設定値を超えて(例えば、5ポイントを超えて)記憶可能である場合には、遊技者が操作手段(例えば、演出ボタン16、タッチセンサ425など)を操作すれば、タッチ前アイテムをタッチ後アイテムへと変更(切り替える、変化するなど)する演出が実行可能であることを示す演出である図101(b)が図101(c)へと変化する、又は図101(c)のような演出を表示する条件が少なくとも1回は成立するように、タッチポイントを加算するように制御することも可能である。
ステップS424において、サブCPU201は、タッチポイントMAX演出フラグを0にセットする。ステップS424の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS427の処理を実行する。
ステップS425において、サブCPU201は、タッチポイントがMAXであるか否かを判断する。タッチポイントがMAXであると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS427の処理を実行する。タッチポイントがMAXでないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS426の処理を実行する。
ステップS426において、サブCPU201は、変動パターン及び各種演出に基づいてタッチポイントに1が加算される1P演出を実行するか否かを選択する。ここで、サブCPU201は、1P演出を実行すると判断した場合には、タッチポイントに1を加算して、変動演出として実行可能な1P演出を選択する。ステップS426の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS427の処理を実行する。
ステップS427において、サブCPU201は、その他の変動演出を選択する。ここで、サブCPU201は、宝箱保留図柄が表示されている期間において、タッチポイントがMAXであれば、宝箱保留図柄にタッチアイコンを付ける。
また、サブCPU201は、タッチポイントの付与に関する演出を除くその他の変動演出として、例えば、演出パターンに応じた演出用画像データを選択する。ステップS427の処理を実行した後、サブCPU201は、ポイント付与演出設定処理を終了する。
図85に示すステップS428において、サブCPU201は、先読み予告決定コマンドを受信したか否かを判断する。先読み予告決定コマンドを受信したと判断した場合には
(YES)、サブCPU201は、ステップS429の処理を実行する。先読み予告決定コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ポイント付与演出設定処理を終了する。
ステップS429において、サブCPU201は、タッチポイントMAX演出フラグに1がセットされているか否かを判断する。タッチポイントMAX演出フラグに1がセットされていると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS430の処理を実行する。タッチポイントMAX演出フラグに1がセットされていないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS433の処理を実行する。
ステップS430において、サブCPU201は、変動が5.0秒変動であり、かつ、ステージチェンジがあるか否かを判断する。変動が5.0秒変動であり、かつ、ステージチェンジがあると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS435の処理を実行する。変動が5.0秒変動でない、又は、ステージチェンジがないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS431の処理を実行する。
ステップS431において、サブCPU201は、タッチポイントがMAXになる先読み予告演出(タッチポイントMAX演出)を選択する。ステップS431の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS432の処理を実行する。
ステップS432において、サブCPU201は、タッチポイントMAX演出フラグを0にセットする。ステップS432の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS435の処理を実行する。
ステップS433において、サブCPU201は、タッチポイントがMAXであるか否かを判断する。タッチポイントがMAXであると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS435の処理を実行する。タッチポイントがMAXでないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS434の処理を実行する。
ステップS434において、サブCPU201は、先読み予告演出が実行される変動パターン及び各種演出に基づいてタッチポイントに1が加算される1P演出を実行するか否かを選択する。ここで、サブCPU201は、1P演出を実行すると判断した場合には、タッチポイントに1を加算して、先読み演出として実行可能な1P演出を選択する。ステップS434の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS435の処理を実行する。
ステップS435において、サブCPU201は、ここで、サブCPU201は、宝箱保留図柄が表示されている期間において、タッチポイントがMAXであれば、宝箱保留図柄にタッチアイコンを付ける。また、サブCPU201は、タッチポイントの付与に関する演出を除くその他の先読み演出を選択する。ステップS435の処理を実行した後、サブCPU201は、ポイント付与演出設定処理を終了する。
このように、ポイント付与演出設定処理におけるタッチポイントの付与は、変動時(変動開始時、変動中、変動終了時など)に変動演出として行われる場合と、第1始動口414a又は第2始動口414bに対する入賞(以下、単に「始動口入賞」という)時の選択結果から先読み予告演出として行われる場合とがある。
なお、上述したポイント付与演出設定処理のステップS426及びS434において、サブCPU201は、タッチポイントに1が加算される1P演出を実行するか否かを選択すると説明したが、タッチポイントがMAXを超えない範囲(例えば、設定値や上限値を超えない範囲)で、タッチポイントに2以上が加算される演出を実行するか否かを選択するようにしてもよい。
[先読み予告演出設定処理]
以下、図82及び図83に示したコマンド解析処理で実行される先読み予告演出設定処理を図86を参照して説明する。
先読み予告コマンドなどからサブCPU201が先読み予告演出を実行すると判断した場合には、まず、ステップS440において、サブCPU201は、保留図柄の表示色を選択する。ステップS440の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS441の処理を実行する。
ステップS441において、サブCPU201は、保留図柄の表示色を表すデータをワークRAM203にセットする。ステップS441の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS442の処理を実行する。
ステップS442において、サブCPU201は、変動表示が保留されている特別図柄の選択(又は、抽選、決定)結果に、確変状態に移行する大当り(大当り3、4(図76参照)、以下、「確変大当り」という)が含まれているか否かに応じて図94又は図95に示す変動演出選択テーブルをワークRAM203にセットし、ワークRAM203にセットした変動演出選択テーブルに基づいて変動演出パターンを選択する。ステップS442の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS443の処理を実行する。
ステップS443において、サブCPU201は、図96に示すタッチ後アイテム選択テーブルを参照し、演出パターンとステップS442でセットした変動演出パターンとから、操作検出手段を構成するタッチセンサ425の有効な操作によって液晶表示装置50に表示されるタッチ後アイテム(例えば、保留図柄であり仮に図96のタッチ後アイテムTA2が選択された場合には図101(e)に示された剣保留表示が表示される)を選択する。ステップS443の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS444の処理を実行する。
なお、有効な操作としては、演出ボタン16の操作を検出した場合であってもよく、仮に、タッチセンサ425を第1の操作手段、演出ボタン16を第2の操作手段とすれば、特定の演出の実行中(例えば、図77の演出テーブルに記載されたスペシャル演出を実行しているとき)は、第1の操作手段の有効な操作を検出可能であり、第2の操作手段の有効な操作を検出不可能としてもよい。また、タッチ後アイテムは、決して保留図柄に限定する必要はなく、タッチしたとき(操作手段が操作されたとき)に実行される演出であればこれに限定されるものではない。
ステップS444において、サブCPU201は、ステップS443で選択したタッチ後アイテムを表すタッチ後アイテムパターンをワークRAM203にセットする。ステップS444の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS445の処理を実行する。
ステップS445において、サブCPU201は、図97に示すタッチ前アイテム選択テーブルを参照し、変動表示が保留されている特別図柄の選択(又は、抽選、決定)結果に大当りが含まれているか否かに応じた演出パターン(又は特別図柄の変動パターン、選択結果など)と、ステップS444でセットしたタッチ後アイテムパターンとから、タッチセンサ425によって有効な操作が検知されるまで液晶表示装置50に表示されるタッチ前アイテムパターン(例えば、保留図柄)を選択する。ステップS445の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS446の処理を実行する。
なお、タッチ前アイテムとしては、例えば、図97のTB1が選択されたときに、図101(b)の宝箱図柄として黒の宝箱図柄が選択され、宝箱図柄が表示される前、又は表示中にタッチポイントが規定値又は上限値に達すると(MAXになると)、図101(c)のように宝箱図柄にタッチアイコン(操作手段の有効な操作を検知すると、タッチ前アイテムがタッチ後アイテムに変化可能であることを示す演出)が付されたタッチアイコン付きの黒の宝箱保留図柄へと変化(変更、切り替え、など)する。
なお、タッチ前アイテムとしては、決して保留図柄に限定する必要はなく、タッチしたとき(操作手段が操作されたとき)に実行される演出よりも前、又は同時に表示される演出であればこれに限定されるものではない。
ただし、操作手段の操作を検出してタッチ後アイテムが表示されるより前に、タッチ後アイテムを一旦表示し、その後タッチ前アイテムを表示することで、操作手段の操作が行われた場合に一旦表示されたタッチ後アイテムが表示されることを報知するような演出(操作手段の操作が行われた場合に、事前に表示されたタッチ後アイテムが再度表示される演出態様を含む)が存在する場合には、タッチ後アイテムがタッチ前アイテムよりも前に表示される可能性があるため、タッチ前アイテムとタッチ後アイテムとは様々なタイミングで表示され得る演出である。
なお、タッチ前アイテムとしては、タッチアイコン付きの保留図柄と、タッチアイコンが付いていない保留図柄との何れの保留図柄であっても、タッチ前アイテムとして扱うことが可能である。
更に、タッチ前アイテムにタッチアイコンが付された状態で、操作手段の有効な操作が検出されず、当該タッチアイコンが付されたタッチ前アイテムに係る変動が実行された場合には、変動の開始時、又は変動中、又は変動終了時にタッチ後アイテムを表示してもよいし、操作手段の有効な操作が検出されない限り当該変動においてタッチ後アイテムを表示しないよう制御してもよいし、当該変動中は操作手段の有効な操作の検出によらずタッチ後アイテムを表示しないよう制御してもよい。
ステップS446において、サブCPU201は、ステップS445で選択したタッチ前アイテムパターンをワークRAM203にセットする。ステップS446の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS447の処理を実行する。
ステップS447において、サブCPU201は、現在のタッチポイントがMAXであるか否かを判断する。現在のタッチポイントがMAXでないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS448の処理を実行する。現在のタッチポイントがMAXであると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、先読み予告演出設定処理を終了する。
ステップS448において、サブCPU201は、保留個数が1より多いか否かを判断する。保留個数が1より多くないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、先読み予告演出設定処理を終了する。保留個数が1より多いと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS449の処理を実行する。
なお、本実施例では、保留個数が1より多い場合にポイントをMAX(例えば、実施例中の5ポイント、上限として定められた値、演出を実行するに足る値、など)にするような演出を実行するように制御したが、これに限られるものではなく、保留個数が1以上や0の場合に実行するように制御することも可能である。
ステップS449において、サブCPU201は、特別図柄の次の変動でタッチポイントをMAXにするか否かを抽選により選択する。ステップS449の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS450の処理を実行する。
ステップS450において、サブCPU201は、特別図柄の次の変動でタッチポイントをMAXにすると選択したか否かを判断する。特別図柄の次の変動でタッチポイントをMAXにすると選択したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS451の処理を実行する。特別図柄の次の変動でタッチポイントをMAXにすると選択しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、先読み予告演出設定処理を終了する。
ステップS451において、サブCPU201は、タッチポイントMAX演出フラグに1をセットする。ステップS451の処理を実行した後、サブCPU201は、先読み予告演出設定処理を終了する。
なお、タッチポイントMAX演出フラグに1がセットされた場合、例えば、図84のS421や図85のS429の判定がYESとなりタッチポイントがMAXとなる変動演出や先読み予告演出が実行される場合がある。
[先読み連続演出設定処理]
以下、図82及び図83に示したコマンド解析処理で実行される先読み連続演出設定処理を図87を参照して説明する。
先読み予告コマンドなどからサブCPU201が先読み連続演出を実行すると判断した場合には、先読み連続演出設定処理において、サブCPU201は、例えば図102~図107のように変動の終了時に、所定(例えば、同色や連番など)の図柄の組合せ(例えば、「2・4・8」や「3・5・7」など)を、エフェクトを伴って液晶表示装置50に停止表示させる先読み連続演出のデータをワークRAM203に設定する。
先読み連続演出設定処理は、先読み連続演出を変動の終了時に連続して実行することで、先読み連続演出が実行された次の変動時に遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
なお、先読み連続演出を変動の終了時に連続して実行する、とは図102に示すように先読み連続演出の演出内容(シナリオ)が決定され、変動毎に先読み連続演出が実行される場合や、1の変動において当該先読み連続演出の演出内容が実行される場合も想定される。
このような場合には、先読み連続演出の演出内容(シナリオ)が図柄の仮停止毎に実行されるような演出態様(例えば、仮停止毎にエフェクトを伴って図柄が仮停止されるような演出態様など)が想定されるため、図柄の停止や、図柄の組合せの表示という表現は図柄の停止と仮停止とを含みえる表現であるといえる。
まず、ステップS460において、サブCPU201は、図98や図104に示す先読み連続演出テーブルを参照し、演出パターンと現在記憶されている保留個数とに応じて先読み連続演出のシナリオを選択する。ステップS460の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS461の処理を実行する。
なお、演出パターンと現在記憶されている保留個数とに応じて先読み連続演出のシナリオを選択するように制御したがこれに限られるものではなく、特別図柄の変動パターンや、大当りか否か、大当り終了後に確変へ移行するか否か、大当りに係る変動が実行されるときの遊技状態、現在の遊技状態、大当り終了後の遊技状態、などに応じて演出を選択するように制御してもよい。
ステップS461において、サブCPU201は、先読み連続演出が設定されているか否かを表す先読み連続演出フラグに1がセットされているか否かを判断する。先読み連続演出フラグに1がセットされていると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS462の処理を実行する。先読み連続演出フラグに1がセットされていないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS467の処理を実行する。
また、先読み連続演出設定処理は、サブCPU201が受信したコマンドの種類や演出の抽選などからサブCPU201が先読み連続演出を実行すると判断した場合に実行され、後述するS467において先読み連続演出を設定すると後述するS468において先読み連続フラグに1がセットされるため、先読み連続演出フラグに1がセットされている場合は、既に先読み連続演出のシナリオがセットされていると判断できる。先読み連続演出は複数の変動に亘って実行される可能性を有した演出であるため、1回のシナリオの選択によって複数変動分の演出内容を選択することが可能である。
ステップS462において、サブCPU201は、既に設定されている先読み連続演出のシナリオと今回選択された先読み連続演出のシナリオとを比較し、実行タイミングが重なる演出を抽出する。ステップS462の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS463の処理を実行する。
ここで、実行タイミングが重なる演出とは、詳しくは後述するが、例えば図103のように、4つ目の保留に対する先読み連続演出として、「青」、「青」、「なし」の演出内容が選択された後に、1つ目の保留に対する変動が開始し、1つ目の保留の変動中に始動口(第1始動口414aや第2始動口414b)に入賞があり、再度保留個数が4になると共に、新たな4つ目の保留に対する先読み連続演出として「赤」、「赤」、「虻」の演出内容が選択されたとすると、最初の1つ目の保留の変動終了時に各図柄の色が青である「2・4・8」が停止表示され、「青」、「青」、「なし」のシナリオは1変動分実行されて、実質的に「青」、「なし」、「なし」となり新たな1つ目の保留の演出内容として「青」が設定された状態となる。しかし、新たな4つ目の保留に対する先読み連続演出として「赤」、「赤」、「虹」の演出内容が新たに決定されたため、1つ目の保留の演出内容として「青」とするか、「赤」とするかを選択する必要がある。このような状況を実行タイミングが重なる演出が存在する状態と表現することが可能であり、単純に、既に設定されたシナリオと新たに設定されたシナリオとが存在する場合も同様に実行タイミングが重なる演出が存在すると判断できる。
ステップS463において、サブCPU201は、既に設定されている先読み連続演出のシナリオから「なし」の演出を特定する。ステップS463の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS464の処理を実行する。
ステップS464において、サブCPU201は、ステップS463で特定した「なし」の演出に対して、新たに選択した先読み連続演出の演出態様を設定する。ステップS464の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS465の処理を実行する。
前述した図103の例でいえば、既に設定されている先読み連続演出として1つ目の保留の演出内容に「青」が設定された状態で、1~3つ目の保留に対して「赤」、「赤」、「虹」の演出内容が新たに選択された場合、最終的に実行される演出内容としては「青」、「赤」、「虻」となる。このような演出態様の設定を「なし」の演出に対して、新たに選択した先読み連続演出の演出態様を設定する処理の一例といえる。
ステップS465において、サブCPU201は、先読み連続演出フラグに0をセットする。ステップS465の処理を実行した後、サブCPU201は、先読み連続演出設定処理を終了する。
ステップS467において、サブCPU201は、選択した先読み連続演出のシナリオを設定する。ステップS467の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS468の処理を実行する。
ステップS468において、サブCPU201は、先読み連続演出フラグに1をセットする。ステップS468の処理を実行した後、サブCPU201は、先読み連続演出設定処理を終了する。
なお、本実施例においては選択された先読み連続演出を設定した場合には先読み連続演出フラグに1をセットしたがこれに限られるものではなく、既に設定された先読み連続演出が存在しない場合に、先読み連続演出を設定した場合には連続演出フラグに1をセットしないように制御してもよい。
[アウト口入球演出処理]
以下、図82及び図83に示したコマンド解析処理で実行されるアウト口入球演出処理を図88を参照して説明する。アウト口入球演出処理は、所定の排出口としての第2特別アウト口420c(図4参照)を通過する遊技媒体を検出する排出媒体検出手段を構成する第2アウト球検出センサ117b(図51参照)によって遊技媒体が検出されたときにメインCPU101から送信されるアウト球コマンドを受信したことを契機に実行される。
本実施例では、大当りの開始前、大当りの終了後、など遊技状態が変わるとき(例えば、通常遊技状態から確変遊技状態に変わるときや確変遊技状態から通常遊技状態に変わるとき、など)において、遊技領域の何れの領域(例えば、左側の領域や、右側の領域、など)に遊技球を発射するかを報知することが可能である。
このような報知が行われた場合に、遊技者は遊技球を発射すべき遊技領域を把握することが可能であり、その後は特段の示唆が無い限り、一方の遊技領域へ遊技球の発射を行い、他方の遊技領域へは遊技球の発射を行わないことが前提とされた遊技であることが多く存在する。
しかし、このような遊技を行っていたとしても、遊技者の操作手段の操作具合によっては、一方の遊技領域へ遊技球を発射したつもりであっても、他方の遊技領域へ遊技球が転動するような場合は存在する。
つまり、本実施例においては、通常遊技状態中(例えば、通常中)であるときに、遊技者は基本的には遊技領域の左側へ遊技球の発射を行うものの、その発射手段(例えば、操作手段)の操作具合によっては、遊技領域の右側へと遊技球が転動する可能性が存在するものであり、このような場合に第2アウト球検出センサ117bが遊技球を検出すると、メインCPU101からアウト球コマンドが送信されることとなる。
なお、本実施例においてアウト球検出センサは2つ(第1アウト球検出センサ117aと、第2アウト球検出センサ117bなど)が存在するが、サブCPU201は何れのアウト球検出センサにおいて遊技球が検出されたかを把握することが可能である。
まず、ステップS470において、サブCPU201は、通常中、すなわち、通常遊技状態であるか否かを判断する。通常中であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS471の処理を実行する。通常中でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS473の処理を実行する。
ここで、通常中とは、非時短状態且つ非確変状態、又は非時短状態且つ確変状態を含む状態を示しているが、これに限られるものではなく、時短状態且つ非確変状態を含みえるものであってもよい。
なお、時短状態は普通図柄の高確率の状態、確変状態は特別図柄の高確率の状態を示す場合があり、非時短状態は普通図柄の低確率の状態、非確変状態は特別図柄の低確率の状態を示す場合がある。
ステップS471において、サブCPU201は、現在の遊技状態が潜伏確変であれば、図99に示す潜伏確変報知テーブルを参照し、潜伏確変の報知に関する演出を選択する。ステップS471の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS472の処理を実行する。
ステップS472において、サブCPU201は、潜伏確変報知テーブルから選択した演出を実行するようにワークRAM203に設定する。ステップS472の処理を実行した後、サブCPU201は、アウト口入球演出処理を終了する。
ステップS473において、サブCPU201は、大当り中、すなわち、特別遊技状態であるか否かを判断する。大当り中であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS474の処理を実行する。大当り中でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、アウト口入球演出処理を終了する。
ステップS474において、変動表示が保留されている特別図柄の選択(又は、抽選、決定)結果に大当りが含まれているか否か、すなわち、保留の中に大当りがあるか否かを判断する。保留の中に大当りがあると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS475の処理を実行する。保留の中に大当りがないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS476の処理を実行する。
ステップS475において、サブCPU201は、図100に示す保留連報知演出選択テーブルを参照し、保留の中に大当りが有る場合の演出を選択する。ステップS475の処理を実行した後、サブCPU201は、アウト口入球演出処理を終了する。
ステップS476において、サブCPU201は、図100に示す保留連報知演出選択テーブルを参照し、保留の中に大当りが無い場合の演出を選択する。ステップS476の処理を実行した後、サブCPU201は、アウト口入球演出処理を終了する。
なお、上述したアウト口入球演出処理におけるステップS474~S476は、特別遊技状態の種別(例えば、確変大当り)に限って実行されてもよく、ラウンドゲーム数が特定数以上の特別遊技状態に限って実行されてもよく、特別遊技状態における特定のラウンドゲームに限って実行されてもよい。
なお、上述したアウトロ入球演出処理におけるステップS474~S476は、特別遊技状態の種別(例えば、確変大当り)に応じて実行されてもよく、ラウンドゲーム数が特定数以上の特別遊技状態のときに実行されてもよく、特別遊技状態における特定のラウンドゲームのときに実行されてもよく、各条件を組み合わせたものであってもよい。さらに、大当り遊技状態が連続する場合(例えば、既に実行されている大当りの次に消化される保留が大当りの場合、など)にアウトロに入球すると演出を行うように制御するものであってもよい。
[デモ中潜確報知演出設定処理]
以下、図82及び図83に示したコマンド解析処理で実行されるデモ中潜確報知演出設定処理を図89を参照して説明する。
まず、ステップS480において、サブCPU201は、現在の遊技状態が潜伏確変であるか否かを判断する。現在の遊技状態が潜伏確変であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS481の処理を実行する。現在の遊技状態が潜伏確変でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、デモ中潜確報知演出設定処理を終了する。
ステップS481において、サブCPU201は、遊技状態が潜伏確変であることを示唆する演出を選択する。ステップS481の処理を実行した後、サブCPU201は、デモ中潜確報知演出設定処理を終了する。
なお、ステップS480において、現在の遊技状態が潜伏確変でないと判断した場合には、サブCPU201は、遊技状態が潜伏確変である可能性を示唆する演出を選択するようにしてもよい。
すなわち、サブCPU201は、現在の遊技状態が潜伏確変であるか否かによらず、遊技状態が潜伏確変である可能性を示唆する演出を選択するようにしてもよい。この場合には、サブCPU201は、遊技状態が潜伏確変であるか否かに応じて選択率が異なる演出を実行するようにしてもよい。
[タッチセンサ演出処理]
本実施の形態におけるタッチセンサ演出処理について図90を参照して説明する。なお、本実施の形態におけるタッチセンサ演出処理は、本発明の第1の実施の形態において、図70を参照して説明したタッチセンサ有効化処理及び図71を参照して説明したタッチセンサ演出処理に代えて実行される。
まず、ステップS490において、サブCPU201は、タッチポイントがMAXであるか否か、すなわち、ポイント値が設定値以上であるか否かを判断する。ポイント値が設定値以上であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS491の処理を実行する。ポイント値が設定値以上でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS491において、サブCPU201は、液晶表示装置50に宝箱保留図柄が表示されている期間であるか否かを判断する。宝箱保留図柄が表示されている期間であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS492の処理を実行する。宝箱保留図柄が表示されている期間でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS492において、サブCPU201は、タッチセンサ425の検知結果が有効であるか否かを表すタッチセンサ有効化フラグに1をセットする。ステップS492の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS493の処理を実行する。
ステップS493において、サブCPU201は、タッチセンサ425によって有効な操作が検知されたか否かを表す操作検知フラグが1であるか否かを判断する。操作検知フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS494の処理を実行する。操作検知フラグが1でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS494において、サブCPU201は、タッチセンサ有効化フラグに0をセットする。ステップS494の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS495の処理を実行する。
ステップS495において、サブCPU201は、タッチセンサ425によって有効な操作が検知されたタッチ後の演出の表示を設定する。例えば、サブCPU201は、液晶表示装置50に表示されている保留図柄をタッチ後の保留図柄に変更する。ステップS495の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS496の処理を実行する。
ステップS496において、サブCPU201は、ポイント値から設定値を減算する。なお、本実施の形態においては、設定値と上限値が等しく設定されているため、サブCPU201は、単に、ポイント値を0としてもよい。ステップS496の処理を実行した後、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
[タッチセンサ状態制御処理]
以下、サブCPU201によって周期的に実行される割り込み処理の1つとして実行されるタッチセンサ状態制御処理を図91を参照して説明する。
まず、ステップS500において、サブCPU201は、タッチセンサ425によって操作が検知されている状態であるか否かを判断する。タッチセンサ425によって操作が検知されている状態であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS501の処理を実行する。タッチセンサ425によって操作が検知されている状態でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS503の処理を実行する。
ステップS501において、サブCPU201は、タッチセンサ有効化フラグに1がセットされているか否かを判断する。タッチセンサ有効化フラグに1がセットされていると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS502の処理を実行する。タッチセンサ有効化フラグに1がセットされていないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS503の処理を実行する。
ステップS502において、サブCPU201は、操作検知フラグに1をセットする。ステップS502の処理を実行した後、サブCPU201は、タッチセンサ状態制御処理を終了する。
ステップS503において、サブCPU201は、操作検知フラグに0をセットする。ステップS503の処理を実行した後、サブCPU201は、タッチセンサ状態制御処理を終了する。
このように、サブCPU201は、タッチセンサ425の検知状態を常に監視し、タッチセンサ425の検知結果が有効になる前からタッチセンサ425の操作が検出されている状態で、タッチセンサ425の検知結果が有効化された場合でも、タッチセンサ425によって有効な操作が検知されたこととする。
例えば、図90を参照して説明したタッチセンサ演出処理において、サブCPU201は、タッチセンサ425によって操作が検知され続けている状態でも、ポイント値が設定値以上であり(S490)、液晶表示装置50に保留図柄が表示されている期間であれば
(S491)、タッチセンサ425によって有効な操作が検知されたタッチ後の演出の表示を設定する(S495)。
[大当り中演出制御処理]
以下、大当り中演出制御処理を図92及び図93を参照して説明する。例えば、大当り中演出制御処理は、特別遊技状態であるときにサブCPU201によって周期的に実行される割り込み処理の1つとして実行される。
まず、図92のステップS510において、サブCPU201は、大入賞口418(以下、単に「アタッカ」ともいう)に遊技球が入賞したことを表すコマンドを受信したか否かを判断する。すなわち、サブCPU201は、アタッカに入賞があったか否かを判断する。
アタッカに入賞があったと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS511の処理を実行する。アタッカに入賞がなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS512の処理を実行する。
ステップS511において、サブCPU201は、アタッカに入賞があったときの賞球数を獲得数に加算する演出(以下、単に「獲得数表示演出」ともいう)のデータをワークRAM203に設定する。
なお、獲得数は、当該特別遊技状態における獲得数であってもよく、非時短状態とならずに継続した特別遊技状態における累積した獲得数であってもよい。ステップS511の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS512の処理を実行する。
ステップS512において、サブCPU201は、非時短状態とならずに継続した特別遊技状態の回数(以下、単に「大当り連続回数」ともいう)が所定回数(例えば、5回)以上であるか否かを判断する。
なお、ステップS512において、サブCPU201は、大当り連続回数が所定回数(例えば、5回)であるか否かを判断してもよく、大当り連続回数が所定値の倍数(例えば、5回、10回、15回等)であるか否かを判断してもよい。
ステップS512において、大当り連続回数が所定回数以上であると判断した場合には
(YES)、サブCPU201は、ステップS520の処理を実行する。大当り連続回数が所定回数以上でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS513の処理を実行する。
ステップS513において、サブCPU201は、一般入賞口419d(以下、単に「他穴」ともいう)に遊技球が入賞したことを表すコマンドを受信したか否かを判断する。すなわち、サブCPU201は、他穴に入賞があったか否かを判断する。
他穴に入賞があったと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS514の処理を実行する。他穴に入賞がなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS516の処理を実行する。
ステップS514において、サブCPU201は、他穴に入賞があったときの演出(以下、単に「他穴入賞の演出」といもいう)のデータをワークRAM203に設定する。例えば、サブCPU201は、他穴入賞の演出として、他穴に入賞があったときの賞球数を示す数字を妖精が持ってくるような画像を液晶表示装置50に表示させる演出のデータをワークRAM203に設定する。ステップS514の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS515の処理を実行する。なお、他穴入賞の演出としては、上記のような演出に限らず、他穴に入賞があったことを報知することができる演出であればどのような態様の演出であってもよい。
ステップS515において、サブCPU201は、他穴に入賞があったときの賞球数を獲得数に加算する獲得数表示演出のデータをワークRAM203に設定する。なお、サブCPU201は、他穴に入賞があったときの賞球数を獲得数に含めないようにしてもよい。この場合には、大当り中演出制御処理からステップS515の処理が省かれる。ステップS515の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS516の処理を実行する。
ステップS516において、サブCPU201は、特別遊技状態の各ラウンドゲームでアタッカに入賞した遊技球の数が予め設定した数より多いオーバーフローがあったか否かを判断する。
オーバーフローがあったと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS517の処理を実行する。オーバーフローがなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS518の処理を実行する。
ステップS517において、サブCPU201は、オーバーフローに対応する演出(以下、単に「オーバーフロー演出」ともいう)を設定する。ステップS517の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS518の処理を実行する。
ステップS518において、サブCPU201は、獲得数を表示する条件が成立したか否かを表す獲得数フラグが1であるか否かを判断する。獲得数フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS519の処理を実行する。獲得数フラグが1でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS524(図93)の処理を実行する。
ステップS519において、サブCPU201は、獲得数に関する表示を設定する。ステップS519の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS524の処理を実行する。
ステップS520において、サブCPU201は、獲得数が所定数(例えば、2600)を超えたか否かを判断する。獲得数が所定数を超えたと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS521の処理を実行する。獲得数が所定数を超えていないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS522の処理を実行する。
ステップS521において、サブCPU201は、獲得数表示フラグに1をセットする。ステップS521の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS522の処理を実行する。
ステップS522において、サブCPU201は、大当りが終了したか否かを判断する。大当りが終了したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS523の処理を実行する。大当りが終了していないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS518の処理を実行する。
ステップS523において、サブCPU201は、獲得数表示フラグに0をセットする。ステップS523の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS518の処理を実行する。
図93のステップS524において、サブCPU201は、獲得数表示演出を行うか否かを判断する。具体的には、サブCPU201は、獲得数表示演出のデータがワークRAM203に設定されている場合には、獲得数表示演出を行うと判断し、獲得数表示演出のデータがワークRAM203に設定されていない場合には、獲得数表示演出を行わないと判断する。
獲得数表示演出を行うと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS525の処理を実行し、獲得数表示演出を行わないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS526の処理を実行する。
ステップS525において、サブCPU201は、獲得数表示演出の画像を表示するレイヤの表示優先度を3に設定する。ここで、表示優先度は、液晶表示装置50において演出に係る画像を表示するレイヤの位置を表す。本実施の形態における表示優先度は、値が大きくなるに連れて優先度が低くなる。
表示優先度が高いレイヤは、手前に表示され、表示優先度が低いレイヤは、表示優先度が高いレイヤの奥に表示される。すなわち、表示優先度が高いレイヤの画像は、表示優先度が低いレイヤの画像に隠されることはないが、表示優先度が低いレイヤの画像は、表示優先度が高いレイヤの画像に隠されることがある。ステップS525の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS526の処理を実行する。
ステップS526において、サブCPU201は、他穴入賞の演出を行うか否かを判断する。具体的には、サブCPU201は、他穴入賞の演出のデータがワークRAM203に設定されている場合には、獲得数表示演出を行うと判断し、他穴入賞の演出のデータがワークRAM203に設定されていない場合には、獲得数表示演出を行わないと判断する。
他穴入賞の演出を行うと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS527の処理を実行し、他穴入賞の演出を行わないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS528の処理を実行する。
ステップS527において、サブCPU201は、他穴入賞の演出の画像を表示するレイヤの表示優先度を2に設定する。ステップS527の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS528の処理を実行する。
ステップS528において、サブCPU201は、オーバーフロー演出を行うか否かを判断する。具体的には、サブCPU201は、オーバーフロー演出のデータがワークRAM203に設定されている場合には、オーバーフロー演出を行うと判断し、オーバーフロー演出のデータがワークRAM203に設定されていない場合には、オーバーフロー演出を行わないと判断する。
オーバーフロー演出を行うと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS529の処理を実行し、オーバーフロー演出を行わないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、大当り中演出制御処理を終了する。
ステップS527において、サブCPU201は、オーバーフロー演出の画像を表示するレイヤの表示優先度を1に設定する。ステップS528の処理を実行した後、サブCPU201は、大当り中演出制御処理を終了する。
図110に示すように、獲得数表示演出の画像は、(a)に示すように、獲得数が相対的に少ない状態を表す画像と、(b)に示すように、獲得数が相対的に多い状態を表す画像といったように、獲得数に応じた複数の画像が用意されている。図110に示す獲得数表示演出の画像は、獲得数が多くなるにつれて、表示されるキャラクタ等を表す画像が増加していく。
他穴入賞の演出の画像は、図111に一例を示すように、複数の画像が用意されている。図111に示す他穴入賞の演出の画像は、他穴入賞に基づく賞球数を表す画像を含み、他穴入賞が検出される度に表示される。
獲得数表示演出と他穴入賞の演出とが実行される場合には、サブCPU201は、図112に示すように、表示優先度が相対的に低いレイヤに表示される獲得数表示演出の画像に対して、表示優先度が相対的に高いレイヤに表示される他穴入賞の演出の画像が前面に配置されるように重畳する。更に、サブCPU201は、ラウンド数を表す画像やアタッカに対する入賞に基づく賞球数を表す画像を重畳する。
オーバーフロー演出の画像は、複数の画像が用意されている。図113に一例を示すように、オーバーフロー演出の画像は、オーバーフローが発生したことを遊技者に視認させやすくするために、表示領域の略全域にわたって表示される。オーバーフロー演出の画像は、最も優先度が高いため、サブCPU201は、他のレイヤの画像に対して、オーバーフロー演出の画像が最前面に配置されるように重畳する。
なお、「演出の実行」及び「演出を行う」といった表現は、上記の通り、演出の表示を含み、文字通り演出の実行有無をも含みえる表現である。
[変動演出選択テーブル]
以下、図86に示した先読み連続演出設定処理でサブCPU201によって参照される変動演出選択テーブルを図94及び図95を参照して説明する。
図94及び図95に示す変動演出選択テーブルは、サブCPU201によって選択される演出の1つとして次回予告演出を選択するために参照される。図94は、変動表示が保留されている特別図柄の選択(又は、抽選、決定)結果に確変大当りが含まれていない場合に参照されるテーブルを示している。図95は、変動表示が保留されている特別図柄の選択(又は、抽選、決定)結果に確変大当りが含まれている場合に参照されるテーブルを示している。
図94及び図95に示す変動演出選択テーブルでは、演出パターンと、選択率と、変動演出パターンとが対応付けられている。なお、演出パターンは、図77に示したようにEN00~EN44で表されるが、図94及び図95においては、発明を理解しやすくするために、演出内容と当選種別との組合せで示している。また、図94及び図95においては、変動演出パターンに対して次回予告演出の内容が対応付けられている。
例えば、図94において、演出パターンがスペシャル演出(スペシャル演出A~H)で、当選種別がハズレの場合には、変動演出パターンJY1は、50/100の選択率で選択され、変動演出パターンJY2は、50/100の選択率で選択され、変動演出パターンJY3~JY5は、選択されない。
同様に、図95において、演出パターンがスペシャル演出(スペシャル演出A~H)で、当選種別が確変大当りの場合には、変動演出パターンJY1は、10/100の選択率で選択され、変動演出パターンJY2は、40/100の選択率で選択され、変動演出パターンJY3は、20/100の選択率で選択され、変動演出パターンJY4は、20/100の選択率で選択され、変動演出パターンJY5は、10/100の選択率で選択される。
変動演出パターンJY1が選択された場合には、次回予告演出は実行されない。変動演出パターンJY2が選択された場合には、次回予告演出はデフォルトの態様で実行される。変動演出パターンJY3が選択された場合には、次回予告演出は小当り以上の当りを報知する態様で実行される。変動演出パターンJY4が選択された場合には、次回予告演出は通常大当り以上の当りを報知する態様で実行される。変動演出パターンJY5が選択された場合には、次回予告演出は確変大当りを報知する態様で実行される。
なお、1の変動に対して、先読み系などのその他の演出、変動演出パターン、演出パターンによって選択された演出の順序で実行される場合、基本的に変動の終了に近い演出から決定されるため、演出パターンが決定された後に変動演出パターンが決定される。したがって、変動演出選択テーブルでは、演出パターンに応じて、変動演出パターンの選択率が対応付けられている。
変動演出パターンの実行期間は、先読み系などのその他の演出の実行期間を含んでもよい。また、変動演出パターンは、演出パターンによって選択された演出が実行される時期よりも前であれば、同時に実行されてもよい。
[タッチ後アイテム選択テーブル]
以下、図86に示した先読み連続演出設定処理でサブCPU201によって参照されるタッチ後アイテム選択テーブルを図96を参照して説明する。
タッチ後アイテム選択テーブルは、タッチセンサ425の有効な操作が検出されたときに、サブCPU201によって参照される。図96に示すタッチ後アイテム選択テーブルでは、演出パターンと、変動演出パターンと、選択率と、タッチ後アイテムパターン(タッチ後に液晶表示装置50に表示される保留図柄)とが対応付けられている。なお、図96においては、発明を理解しやすくするために、タッチ後アイテムパターンに対してその内容が対応付けられている。
例えば、図96において、演出パターンがEN42であり、変動演出パターンがJY2の場合には、タッチ後アイテムパターンTA1は、10/100の選択率で選択され、タッチ後アイテムパターンTA2は、20/100の選択率で選択され、タッチ後アイテムパターンTA3は、10/100の選択率で選択され、タッチ後アイテムパターンTA4は、40/100の選択率で選択され、タッチ後アイテムパターンTA5は、20/100の選択率で選択される。
タッチ後アイテムパターンTA1が選択された場合には、デフォルトの「白点滅保留」が表示される。タッチ後アイテムパターンTA2が選択された場合には、先読み連続演出設定処理で決定されている色の「剣保留」が表示される。タッチ後アイテムパターンTA3が選択された場合には、大当り以上の当り報知となる虹模様の「剣保留」が表示される。
タッチ後アイテムパターンTA4が選択された場合には、デフォルトの白色の「次回予告保留」が表示される。タッチ後アイテムパターンTA5が選択された場合には、確変大当りを報知する虹模様の「次回予告保留」が表示される。
[タッチ前アイテム選択テーブル]
以下、図86に示した先読み連続演出設定処理でサブCPU201によって参照されるタッチ前アイテム選択テーブルを図97を参照して説明する。
タッチ前アイテム選択テーブルは、タッチセンサ425の有効な操作が検出されたときにタッチ後アイテムに変化させることができるアイテムパターンを選択するときにサブCPU201によって参照される。
図97に示すタッチ前アイテム選択テーブルでは、演出パターンと、タッチ後アイテムパターンと、選択率と、タッチ前アイテムパターン(タッチセンサ425の有効な操作が検出される前に液晶表示装置50に表示される保留図柄)とが対応付けられている。
なお、演出パターンは、図77に示したようにEN00~EN44で表されるが、図97においては、発明を理解しやすくするために、当選種別でまとめて示している。また、タッチ前アイテムパターンに対してその内容が対応付けられている。
例えば、図97において、演出パターンが大当りに対応し、タッチ後アイテムパターンがTA3の場合には、タッチ前アイテムパターンTB1は、10/100の選択率で選択され、タッチ前アイテムパターンTB2は、10/100の選択率で選択され、タッチ前アイテムパターンTB3は、40/100の選択率で選択され、タッチ前アイテムパターンTB4は、60/100の選択率で選択される。
タッチ前アイテムパターンTB1が選択された場合には、「黒の宝箱保留」が表示される。タッチ前アイテムパターンTB2が選択された場合には、「木の宝箱保留」が表示される。タッチ前アイテムパターンTB3が選択された場合には、「銀の宝箱保留」が表示される。タッチ前アイテムパターンTB4が選択された場合には、「金の宝箱保留」が表示される。
[先読み連続演出テーブル]
以下、図87に示した先読み連続演出設定処理でサブCPU201によって参照される先読み連続演出テーブルを図98を参照して説明する。
図98に示す先読み連続演出テーブルでは、演出パターンと、保留個数と、選択率と、演出内容(シナリオ)とが対応付けられている。なお、演出パターンは、図77に示したようにEN00~EN44で表されるが、図98においては、発明を理解しやすくするために、当選種別(ハズレ/当り)でまとめて示している。演出内容は、保留1~保留3に対する各演出を表す情報からなる。
例えば、図98において、保留個数が3のとき、4番目の保留図柄に対応する始動口入賞があり、この始動口入賞に対する特別図柄表示装置431の変動表示が当りとなる場合には、50/100の選択率で「青」、「青」、「なし」が選択され、25/100の選択率で「青」、「赤」、「赤」が選択され、25/100の選択率で「赤」、「赤」、「虹」が選択される。
なお、図98に示す先読み連続演出テーブルにおいて、特別図柄表示装置431の変動表示がハズレとなる場合には、「虹」を含む演出が選択されることがないため、「虹」を含む演出は当りを報知する演出となる。
[潜伏確変報知テーブル]
以下、図88に示したアウト口入球演出処理でサブCPU201によって参照される潜伏確変報知テーブルを図99を参照して説明する。図99に示す先読み潜伏確変報知テーブルでは、遊技状態と、選択率と、演出内容とが対応付けられている。遊技状態は、潜伏確変(図中、「潜確」)であるか否かで識別される。
例えば、図99において、遊技状態が潜伏確変であれば、25/100の選択率で、盤面の文字(図示を省略する)1つを白色点灯させる演出が選択され、25/100の選択率で、盤面の文字2つを白色点灯させる演出が選択され、25/100の選択率で、盤面の文字3つを青色点灯させる演出が選択され、25/100の選択率で、盤面の文字4つを赤色点灯させる演出が選択される。
なお、図99に示す先読み潜伏確変報知テーブルにおいては、遊技状態が潜伏確変でなければ、盤面の文字4つを赤色点灯させる演出が選択されることがないため、盤面の文字4つを赤色点灯させる演出は、遊技状態が潜伏確変であることを報知する演出となる。
[保留連報知演出選択テーブル]
以下、図88に示したアウト口入球演出処理でサブCPU201によって参照される保留連報知演出選択テーブルを図100を参照して説明する。図100に示す先読み潜伏確変報知テーブルでは、保留(変動表示が保留されている特別図柄の選択(又は、抽選、決定)結果)内の大当たりの有無と、選択率と、特別遊技移行示唆演出の演出内容とが対応付けられている。
例えば、図100において、保留内に大当りがあれば、50/100の選択率で、演出ボタン16に内蔵されたシャッタ(図示を省略する)が動く第1特別遊技移行示唆演出が選択され、50/100の選択率で、第1特別遊技移行示唆演出の実行時間よりも長い時間にわたって演出ボタン16に内蔵されたシャッタが全開状態となり、シャッタの背面側に設けられたLED群18が虹状に発光する第2特別遊技移行示唆演出が選択される。
なお、図100に示す先読み潜伏確変報知テーブルにおいては、保留内に大当りが無ければ、第2特別遊技移行示唆演出が選択されることがない。このため、第2特別遊技移行示唆演出は、保留内に大当りがあることを報知する演出となる。
[先読み予告演出設定処理の具体例]
以下、図86を参照して説明した先読み予告演出設定処理の具体例について、図101を参照して説明する。
表示状態(a)に示すように、デフォルトの保留図柄(白点滅保留)が表示されている状態で、始動口入賞があった場合に、タッチポイント(ポイント値)がMAX(設定値)でなければ、図86のステップS445において、図97に示したタッチ前アイテム選択テーブルに基づいて選択された宝箱保留図柄が、表示状態(b)に示すように表示される。
表示状態(a)に示すように、デフォルトの保留図柄(白点滅保留)が表示されている状態で、始動口入賞があった場合に、タッチポイントがMAXであれば、図86のステップS445において、図97に示したタッチ前アイテム選択テーブルに基づいて選択された宝箱保留図柄が、表示状態(c)に示すようにタッチアイコン付きで表示される。
表示状態(b)に示すように、タッチアイコンが付いていない宝箱保留図柄が表示されている状態で、タッチポイントがMAXとなったら、宝箱保留図柄(タッチ前アイテム)がタッチアイコン付きの宝箱保留図柄に変更される。
表示状態(c)に示した状態で、図90のステップS493において、タッチセンサ425の有効な操作が検出されると、図90のステップS495において、表示状態(d)に示すように、保留図柄が表示されている領域が隠蔽画像によって隠された状態となった後に、表示状態(e)に示すように、保留図柄が表示されている領域が出現する演出の表示が設定される。
保留図柄が表示されている領域が出現するときには、タッチアイコン付きの宝箱保留図柄は、図96に示したタッチ後アイテム選択テーブルに基づいて、他の保留図柄(タッチ後アイテム)に変更されている。
例えば、図96において、演出パターンがEN06で、変動演出パターンがJY1で、タッチ後アイテムパターンがTA2であれば、タッチアイコン付きの宝箱保留図柄は、保留図柄が表示されている領域が出現するときには、青色などの「剣保留」に変更されている。
本実施の形態において、複数の保留図柄が宝箱保留図柄になることはない。すなわち、宝箱保留図柄が表示されている状態で、始動口入賞があった場合には、その始動口入賞に対する保留図柄は、デフォルトとなる。
また、当りとなる変動中に、始動口入賞があった場合には、その始動口入賞に対する保留図柄が宝箱保留図柄となることがあるが、この宝箱保留図柄は、当りとなる変動が停止して特別遊技状態に移行したことを契機に、デフォルトの保留図柄に変更される。
保留図柄が表示されている領域が隠蔽画像によって隠された状態とは、保留図柄が描画されたレイヤの前面に隠蔽画像が描画されたレイヤを用意しておき、隠蔽画像が描画されたレイヤを非表示状態から表示状態にすることで実現してもよく、保留図柄が表示されている領域に隠蔽画像を描画するようにしてもよい。
つまり、保留図柄を「隠す」、又は保留図柄を「隠蔽」した場合は、見た目としては保留図柄の代わりに画が表示されている場合であっても、処理的には「隠す」と表現される場合もあれば、見た目として「隠す」場合に、処理的には保留図柄に代わって画が表示されている場合がある。
[先読み連続演出設定処理の具体例]
以下、図87を参照して説明した先読み連続演出設定処理の具体例について、図102及び図103を参照して説明する。
まず、図102を参照して、先読み連続演出設定処理の単純な具体例について説明する。なお、本具体例において、装飾図柄を「1」~「9」とし、「1」及び「9」の図柄の色は、「緑」とし、「2」、「4」、「6」及び「8」の図柄の色は、「青」とし、「3」、「5」及び「7」の図柄の色は、「赤」とする。
図87のステップS460において、図98に示した先読み連続演出テーブルから、例えば、4つ目の保留に対する先読み連続演出として、「青」、「青」、「なし」の演出内容が選択された場合には、(F11)に示すように、保留1に対する変動終了時に、各図柄の色が青である「2・4・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる青色のエフェクトが実行される。
続いて、(F12)に示すように、保留2に対する変動終了時に、各図柄の色が青である「4・6・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる青色のエフェクトが実行される。
続いて、(F13)に示すように、保留3に対する変動終了時に、各図柄の色が揃っていない「4・5・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによるエフェクトが実行されない。
次に、図103を参照して、先読み連続演出設定処理のシナリオが重複した場合の具体例について説明する。図87のステップS460において、図98に示した先読み連続演出テーブルから、例えば、4つ目の保留に対する先読み連続演出として、「青」、「青」、「なし」の演出内容が選択された場合には、(F21)に示すように、保留1に対する変動終了時に、各図柄の色が青である「2・4・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる青色のエフェクトが実行される。
ここで、(F21)に示した変動中に始動口入賞があり、保留個数が4になっていたとする。この始動口入賞に応じた先読み連続演出として、図87のステップS460において、図98に示した先読み連続演出テーブルから、(P1)に示すように、「赤」、「赤」、「虹」の演出内容が選択されたとする。このとき、(P2)に示すように、既に設定されている演出は、1変動分残っている。なお、演出内容の「なし」は、設定されている演出としない。
このため、図87のステップS464において、(P1)に示した演出内容から最初の1変動分の演出(保留1に対する演出)を除いた新たな演出内容として、保留2以降に対する演出内容が設定され、結果として、(P3)に示すように「青」、「赤」、「虹」の演出内容が設定される。
この結果、(F22)に示すように、(P3)における保留1に対する変動終了時に、各図柄の色が青である「4・6・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる青色のエフェクトが実行される。
続いて、(F22)に示すように、(P3)における保留2に対する変動終了時に、各図柄の色が赤である「3・5・7」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる赤色のエフェクトが実行される。
続いて、(F23)に示すように、(P3)における保留3に対する変動終了時に、各図柄の色が赤である「3・7・7」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる虹模様のエフェクトが実行される。
なお、上述した先読み連続演出設定処理の具体例は、変動終了時に、先読み連続演出テーブルの演出内容に基づいた演出を実行する例について説明したが、変動開始時や変動中に、先読み連続演出テーブルの演出内容に基づいた演出を実行するようにしてもよい。
[先読み連続演出設定処理の変形例]
本実施の形態における先読み連続演出設定処理は、上述した先読み連続演出設定処理は、保留1~保留3に対する演出を設定するものとして説明したが、実行中の変動(以下、「保留0」ともいう)及び保留4に対する演出を設定することができるようにしてもよい。
この場合には、図98に示す先読み連続演出テーブルを図104に示すように変更する。図104に示す先読み連続演出テーブルでは、演出パターンと、保留個数と、選択率と、演出内容(シナリオ)とが対応付けられている。なお、演出パターンは、図77に示したようにEN00~EN44で表されるが、図98においては、発明を理解しやすくするために、当選種別(ハズレ/当り)でまとめて示している。演出内容は、保留0~保留4に対する各演出を表す情報からなる。
例えば、図104において、保留個数が3のとき、4番目の保留図柄に対応する始動口入賞があり、この始動口入賞に対する特別図柄表示装置431の変動表示が当りとなる場合には、50/100の選択率で「なし」、「青」、「青」、「なし」、「なし」が選択され、25/100の選択率で「青」、「青」、「青」、「赤」、「赤」が選択され、25/100の選択率で「赤」、「赤」、「赤」、「虹」、「虹」が選択される。
なお、図104に示す先読み連続演出テーブルにおいては、保留図柄に対応する特別図柄表示装置431の変動表示がハズレとなる場合には、「虹」を含む演出が選択されることがないため、「虹」を含む演出は当りを報知する演出となる。
図105を参照して、先読み連続演出設定処理の変形例の単純な具体例について説明する。図104に示した先読み連続演出テーブルにおいて、例えば、4つ目の保留に対する先読み連続演出として、「なし」、「青」、「青」、「なし」、「なし」の演出内容が選択された場合には、(F31)に示すように、最初の「なし」に対応する変動終了時に、各図柄の色が揃っていない「2・3・2」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによるエフェクトが実行されない。
続いて、(F32)に示すように、保留1に対する変動終了時に、各図柄の色が青である「2・4・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる青色のエフェクトが実行される。
続いて、(F33)に示すように、保留2に対する変動終了時に、各図柄の色が青である「4・6・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる青色のエフェクトが実行される。
続いて、(F34)に示すように、保留3に対する変動終了時に、各図柄の色が揃っていない「4・5・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによるエフェクトが実行されない。
続いて、(F35)に示すように、保留4に対する変動終了時に、各図柄の色が揃っていない「3・5・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによるエフェクトが実行されない。
次に、図106及び図107を参照して、先読み連続演出設定処理のシナリオが重複した場合の具体例について説明する。図106に示すように、図104に示した先読み連続演出テーブルにおいて、例えば、変動中の始動口入賞に対応する4つ目の保留に対する先読み連続演出として、「なし」、「青」、「青」、「なし」、「なし」の演出内容が選択された場合には、(F41)に示すように、保留0(変動中)に対する変動終了時に、各図柄の色が揃っていない「2・3・2」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによるエフェクトが実行されない。
続いて、(F42)に示すように、保留1に対する変動終了時に、各図柄の色が青である「2・4・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる青色のエフェクトが実行される。
続いて、(F43)に示した変動中に始動口入賞があり、保留個数が3になったとする。この始動口入賞に応じた先読み連続演出として、(P11)に示すように、「赤」、「赤」、「虹」、「虹」、「なし」の演出内容が選択されたとする。このとき、(P12)に示すように、既に設定されている演出は、1変動分残っている。
このため、(P12)に示した演出内容から最初の1変動分の演出(保留0に対する演出)を除いた新たな演出内容として、保留1以降に対する演出内容が設定され、結果として、(P13)に示すように「青」、「赤」、「虹」、「虹」、「なし」の演出内容が設定される。
この結果、(F43)に示すように、(P13)における保留0(変動中)に対する変動終了時に、各図柄の色が青である「4・6・8」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる青色のエフェクトが実行される。
続いて、(F44)に示すように、(P13)における保留1に対する変動終了時に、各図柄の色が赤である「3・5・7」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる赤色のエフェクトが実行される。
続いて、(F45)に示すように、(P13)における保留2に対する変動終了時に、各図柄の色が赤である「3・7・7」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる虹模様のエフェクトが実行される。
続いて、(F46)に示すように、(P13)における保留3に対する変動終了時に、各図柄の色が赤である「7・7・7」が停止表示されるとともに、液晶表示装置50やLED群18などによる虹模様のエフェクトが実行される。
[先読みのキャンセル]
遊技状態が時短状態の場合には、以下に説明するように、サブCPU201は、先読み連続演出をキャンセルするようにしてもよい。具体的には、サブCPU201は、遊技状態が時短状態の場合には、実行中の変動(保留0)と、保留されている特別図柄の全ての変動(保留1~保留3)とに演出が発生しない場合には、先読み連続演出の設定を禁止、又は、設定された先読み連続演出をキャンセルするようにしてもよい。
例えば、図108に示すように、保留0~保留3まで、演出が連続している場合には、サブCPU201は、先読み連続演出の設定を許容、又は、設定された先読み連続演出を維持する。
また、図109に示すように、保留2以降に演出がない場合には、サブCPU201は、保留2に対応する変動開始時に、先読み連続演出の設定を禁止、又は、設定された先読み連続演出をキャンセルする。
また、図109に示すように、保留2以降に演出がない場合には、サブCPU201は、保留2に対応する変動開始時に、先読み連続演出の設定を非先読み中であるとして先読み演出を設定できるように制御することも可能である。
このように構成することで、本実施の形態は、遊技状態が時短状態の場合には、演出が連続するときに限って先読み連続演出が実行されるため、先読み連続演出に対する遊技者の期待度を高くすることができるなる。すなわち、本実施の形態は、当りの変動が含まれている可能性が低い先読み連続演出を実行しないことで、先読み連続演出に対する遊技者の信頼度を高くすることができる。
以上に説明した先読み連続演出において、本実施の形態では、通常は1段階(青→緑)の変化(信頼度の変化)を行う場合を想定していたが、大当りの場合には2段階(青→赤)の変化を行う演出シナリオが選択されるように制御してもよい。ただし、演出が複合した場合((青→青→無し→無し)が選択されているときに、(青→緑→赤→赤)が選択された場合など)は、ハズレの場合でも2段階の演出が実行されてもよい。
また、演出の段階が下がる場合((青→緑→赤→赤)が選択されているときに、(青→青→青→青)が選択された場合など)は、演出の信頼度が下がらないように制御(最終的に実行される演出が(青→緑→青→青)であるところを、(青→緑→赤→赤)に変更)してもよい。なお、演出の信頼度が下がるような演出態様になってしまう場合には、後に決定された演出を破棄するように制御してもよい。
以上に説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、タッチポイントMAX演出を実行したことを演出移行条件として宝箱保留図柄がタッチアイコン付きの宝箱保留図柄となる宝箱保留図柄移行演出を実行し、タッチポイントMAX演出を実行すると決定した場合には、特別図柄表示装置431に表示されている図柄の次の変動を開始させることを契機としタッチポイントMAX演出を実行することにより、タッチポイントMAX演出を実行した後に宝箱保留図柄移行演出を実行できる状態を確保する。したがって、本発明に係る遊技機は、演出の調整を行わなくても演出を円滑に実行することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、タッチポイントがMAXの状態で、宝箱保留図柄が表示される演出を実行すると決定したときには、タッチアイコン付きの宝箱保留図柄が表示される演出を実行し、宝箱保留図柄が表示されている状態で、タッチポイントがMAXになったときには、宝箱保留図柄移行演出を実行するため、タッチポイントMAX演出と、タッチアイコン付きの宝箱保留図柄が表示される演出とを円滑に実行することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、タッチポイントMAX演出を実行したことを演出移行条件として、宝箱保留図柄移行演出を実行し、タッチポイントMAX演出を実行すると決定したときに、図柄表示手段に表示されている図柄の変動パターンと演出のパターンとによりタッチポイントMAX演出を実行できないと判断した場合には、特別図柄表示装置431に表示されている図柄の次の変動を開始させることを契機としてタッチポイントMAX演出を実行することにより、タッチポイントMAX演出を実行した後に宝箱保留図柄移行演出を実行する状態を確保する。したがって、本発明に係る遊技機は、演出の調整を行わなくても演出を円滑に実行することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、宝箱保留図柄移行演出が実行された後の所定の有効期間内にタッチセンサ425の操作を検出したことを契機に実行されるタッチ前アイテムがタッチ後アイテムとなるアイテム移行演出を、タッチセンサ425の操作が検出されている状態で、有効期間となったことも契機として実行するため、タッチセンサ425の操作が有効期間よりも早めに行われたとしても、アイテム移行演出を実行する。したがって、本発明に係る遊技機は、アイテム移行演出が確実に実行されることによって、演出に対する遊技者の興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
特に、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、タッチセンサ425の操作を検出するため、遊技者の意図しないタッチセンサ425の検知によりアイテム移行演出が実行されなくなることを防止することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、特別遊技状態で第2特別アウト口420cを通過する遊技媒体を検出したことを契機に、保留に特別遊技状態へ移行する保留が存在する可能性を示唆する特別遊技移行示唆演出を実行する。
したがって、本発明に係る遊技機は、特別遊技状態における遊技者による遊技の進行が演出の進行を兼ねることで、遊技者に遊技を強制されている印象を与えないため、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを防止することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、保留に特別遊技状態へ移行する保留が存在する確度を演出の態様で示唆するため、遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、先読み連続演出の演出態様を決定したときに、同一の保留に対して「なし」以外の演出態様が決定されていなければ、決定した演出態様を該当する変動に対して設定するため、決定済みの演出態様と決定した演出態様とを活かした効果的な演出を実行することができ、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、特別遊技状態において実行される複数の種別の演出に対して、優先度をつけて実行することで、演出が表している内容を遊技者に容易に把握させるようにしたため、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを防止することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、特別遊技状態の状態に応じて、特定の演出を実行しなかったり、特別遊技状態の途中まで実行しなかったりすることで、特別遊技状態における演出パターンを多様化するため、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを防止することができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、特別図柄表示装置431に表示される図柄の1の変動パターンに対して、1P演出又はタッチポイントMAX演出を実行するときに参照される演出データと、1P演出又はタッチポイントMAX演出と、がプログラムROM202に記憶されている。
したがって、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、特別図柄表示装置431に表示される図柄の変動パターンが決まれば、図柄の変動パターンに対応してプログラムROM202に記憶された演出データに基づいた1P演出又はタッチポイントMAX演出を実行することができるため、1P演出及びタッチポイントMAX演出を円滑に実行することができる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本発明の第3の実施の形態においては、上述した本発明の第2の実施の形態との相違点について説明し、本発明の第2の実施の形態と同一な点についての説明を省略する。
本発明の第3の実施の形態は、デモ演出が実行されている状態、例えば、液晶表示装置50にデモ画面が表示されている状態(以下、単に「デモ中」ともいう)を含む非遊技状態でタッチセンサ425の操作が検出された場合に演出を実行するようになっている。
なお、非遊技状態は、遊技者が遊技を停止した状態のことをいう。サブCPU201は、デモ中であるか否かに基づいて、非遊技状態であるか否かを判断することに代えて、上述した各種センサの検出値又は主制御回路100から受信したコマンドなどに基づいて、遊技者が遊技を停止したと判断することができる。
例えば、サブCPU201は、特別遊技状態以外の状態で特別図柄が変動しない状態が所定時間以上継続したときに非遊技状態であると判断してもよく、特別遊技状態以外の状態で特別図柄及び普通図柄が変動しない状態が所定時間以上継続したときに非遊技状態であると判断してもよい。
[タッチセンサ演出処理]
本実施の形態におけるタッチセンサ演出処理について図114を参照して説明する。なお、タッチセンサ425の検知範囲(タッチセンサ425の有効距離、有効範囲)は、常に一定とするが、演出に応じて検知範囲が変動するようにしてもよい。
まず、ステップS600において、サブCPU201は、タッチポイントがMAXであるか否か、すなわち、ポイント値が設定値以上であるか否かを判断する。ポイント値が設定値以上であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS601の処理を実行する。ポイント値が設定値以上でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS601において、サブCPU201は、液晶表示装置50に保留図柄が表示されている期間であるか否かを判断する。保留図柄が表示されている期間であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS603の処理を実行する。保留図柄が表示されている期間でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS602の処理を実行する。
ステップS602において、サブCPU201は、デモ中であるか否かを判断する。デモ中であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS603の処理を実行する。デモ中でないと判断した場合には(NO)、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS603において、サブCPU201は、タッチセンサ有効化フラグに1をセットする。ステップS603の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS604の処理を実行する。
ステップS604において、サブCPU201は、操作検知フラグが1であるか否かを判断する。操作検知フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS605の処理を実行する。操作検知フラグが1でないと判断した場合には
(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS605において、サブCPU201は、タッチセンサ有効化フラグに0をセットする。ステップS605の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS606の処理を実行する。
ステップS606において、サブCPU201は、デモ中であるか否かを判断する。デモ中であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS608の処理を実行する。デモ中でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS607の処理を実行する。
ステップS607において、サブCPU201は、図115に示すタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルを参照し、宝箱保留図柄が表示された保留図柄に対応する変動が大当りであるか否かと、演出ステージを表すステージ情報と、タッチ後アイテムとに基づいて隠蔽画像(図101参照)を選択する。ステップS607の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS608の処理を実行する。
ステップS607において、サブCPU201は、タッチセンサ425によって有効な操作が検知されたタッチ後の演出の表示を設定する。例えば、サブCPU201は、デモ中でなければ、液晶表示装置50に表示されているタッチ前の保留図柄をタッチ後の保留図柄に変更し、デモ中かつ遊技状態が潜伏確変であれば、図116に示す潜確報知演出選択テーブルを参照し、遊技状態が潜伏確変であることを示唆する演出を設定する。
なお、ステップS607において、サブCPU201は、デモ中に遊技状態が潜伏確変であることを示唆する演出を設定するのに代えて、遊技状態が潜伏確変であるか否かに応じて選択率が異なる演出を設定するようにしてもよい。ステップS608の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS609の処理を実行する。
ステップS609において、サブCPU201は、ポイント値から設定値を減算する。ステップS609の処理を実行した後、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
[タッチ時保留隠蔽画像選択テーブル]
以下、図114に示したタッチセンサ演出処理でサブCPU201によって参照されるタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルを図115を参照して説明する。
図115に示すタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルは、サブCPU201によって選択される隠蔽画像(図101参照)を選択するために参照される。図115に示すタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルでは、演出パターンと、タッチ後アイテムパターンと、ステージ情報と、選択率と、演出内容とが対応付けられている。
なお、演出パターンは、図77に示したようにEN00~EN44で表されるが、図115においては、発明を理解しやすくするために、当選種別(大当り以外/大当り)でまとめて示している。
また、タッチ後アイテムパターンは、TA1~TA5まであるが(図96参照)、TA4のみが図示され、他のタッチ後アイテムパターンについては、省略されている。演出内容は、隠蔽画像を表す情報を含む。
例えば、図115において、演出パターンが大当りであり、タッチ後アイテムパターンがTA4であり、ステージが「チョイ熱ステージ」である場合には、20/100の選択率で、各ステージで共通して使用可能な隠蔽画像が選択され、60/100の選択率で、各ステージ専用の隠蔽画像が選択され、10/100の選択率で、各ステージで共通して使用可能な大当り以上を報知する隠蔽画像が選択され、10/100の選択率で、各ステージ専用の大当り以上を報知する隠蔽画像が選択される。
なお、本実施の形態における隠蔽画像は、各選択率で選択されるものとして説明したが、変更前の演出(タッチ前アイテム)と変更後の演出(タッチ後アイテム)との組合せによって一意に選択されるようにしてもよい。
[潜確報知演出選択テーブル]
以下、図114に示したタッチセンサ演出処理でサブCPU201によって参照される潜確報知演出選択テーブルを図116を参照して説明する。
図116に示す潜確報知演出選択テーブルでは、ポイント値と、選択率と、演出内容とが対応付けられている。例えば、ポイント値が「5」以下であれば、30/100の選択率で「なし」が選択され、20/100の選択率で「潜伏確率50%」が選択され、10/100の選択率で「潜伏確率80%」が選択され、40/100の選択率で「潜伏確率100%」が選択される。ポイント値が「6」以上であれば、30/100の選択率で「なし」が選択され、70/100の選択率で「潜伏確率77%」が選択される。
なお、図116に示す潜確報知演出選択テーブルでは、「なし」以外が選択された場合には、遊技状態が潜伏確変であることが確定される報知演出となるが、遊技状態が潜伏確変でない場合にも、図116に示す潜確報知演出選択テーブルと同様な選択率が異なるテーブルをサブCPU201に参照させることにより、遊技状態が潜伏確変である可能性を示唆する演出をサブCPU201に実行させるようにしてもよい。
以上に説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、遊技者が遊技を停止した非遊技状態であったとしても、宝箱保留図柄移行演出の実行条件が成立している状態であれば、タッチセンサ425の操作が行われることで、遊技状態が潜伏確変である可能性を示唆する演出を実行するため、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、非遊技状態であったとしても、タッチポイントがMAXであれば、タッチセンサ425の操作が行われることで、遊技状態が潜伏確変である可能性を示唆する示唆する演出を実行するため、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、本発明の第4の実施の形態においては、上述した本発明の第2の実施の形態との相違点について説明し、本発明の第1の実施の形態と同一な点についての説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態は、ポイント値に設定値と等しい上限値を規定していたが、本実施の形態においては、上限値(設定値)を超えてポイント値を加算することができるようになっている。
[ポイント付与演出設定処理]
以下、本実施の形態におけるポイント付与演出設定処理を図117及び図118を参照して説明する。
まず、図117のステップS620において、サブCPU201は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。変動パターン指定コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS621の処理を実行する。変動パターン指定コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS629(図118)の処理を実行する。
ステップS621において、サブCPU201は、タッチポイントMAX演出フラグが1であるか否かを判断する。ステップS621において、タッチポイントMAX演出フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS622の処理を実行する。タッチポイントMAX演出フラグが1でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS625の処理を実行する。
ステップS622において、サブCPU201は、変動が5.0秒変動(変動パターンがHN00(図75参照))であり、かつ、ステージチェンジがあるか否かを判断する。変動が5.0秒変動であり、かつ、ステージチェンジがあると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS628の処理を実行する。変動が5.0秒変動でない、又は、ステージチェンジがないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS623の処理を実行する。
ステップS623において、サブCPU201は、タッチポイントがMAXになる変動演出を選択する。ステップS623の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS624の処理を実行する。
ステップS624において、サブCPU201は、タッチポイントMAX演出フラグを0にセットする。ステップS624の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS626の処理を実行する。
ステップS625において、サブCPU201は、変動パターン及び各種演出に基づいてタッチポイントに1が加算される1P演出を実行するか否かを選択する。ここで、サブCPU201は、1P演出を実行すると判断した場合には、タッチポイントに1を加算して、変動演出として実行可能な1P演出を選択する。ステップS625の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS626の処理を実行する。
ステップS626において、サブCPU201は、タッチポイントがMAX(MAXポイント)を超えるか否かを判断する。タッチポイントがMAXポイントを超えると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS627の処理を実行する。タッチポイントがMAXポイントを超えないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS628の処理を実行する。
ステップS627において、サブCPU201は、特別演出フラグに1をセットする。ここで、特別演出フラグは、現在のタッチポイントが設定値(例えば、実施例中の5ポイント、上限として定められた値、演出を実行するに足る値、など)を超えるとき(例えば、タッチポイントが5ポイントである状態で、タッチポイントに1が加算されたときなど)の特別演出(例えば、タッチポイントがどの程度設定値を超えているかを報知する演出や、タッチセンサ425の操作を促すような演出など)を実行するか否かを表す。ステップS627の処理を実行した後、サブCPU201は、ポイント付与演出設定処理を終了する。
ステップS628において、サブCPU201は、その他の変動演出を選択する。ここで、サブCPU201は、図84及び図85を参照して説明したポイント付与演出設定処理におけるステップS427と同様な処理を実行する。ステップS628の処理を実行した後、サブCPU201は、ポイント付与演出設定処理を終了する。
図118に示すステップS629において、サブCPU201は、先読み予告決定コマンドを受信したか否かを判断する。先読み予告決定コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS630の処理を実行する。先読み予告決定コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ポイント付与演出設定処理を終了する。
ステップS630において、サブCPU201は、タッチポイントMAX演出フラグに1がセットされているか否かを判断する。タッチポイントMAX演出フラグに1がセットされていると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS631の処理を実行する。タッチポイントMAX演出フラグに1がセットされていないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS634の処理を実行する。
ステップS631において、サブCPU201は、変動が5.0秒変動であり、かつ、ステージチェンジがあるか否かを判断する。変動が5.0秒変動であり、かつ、ステージチェンジがあると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS637の処理を実行する。変動が5.0秒変動でない、又は、ステージチェンジがないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS632の処理を実行する。
ステップS632において、サブCPU201は、タッチポイントがMAXになる先読み予告演出を選択する。ステップS632の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS633の処理を実行する。
ステップS633において、サブCPU201は、タッチポイントMAX演出フラグを0にセットする。ステップS633の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS635の処理を実行する。
ステップS634において、サブCPU201は、変動パターン及び各種演出に基づいてタッチポイントに1が加算される1P演出を実行するか否かを選択する。ここで、サブCPU201は、1P演出を実行すると判断した場合には、タッチポイントに1を加算して、変動演出として実行可能な1P演出を選択する。ステップS634の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS635の処理を実行する。
ステップS635において、サブCPU201は、タッチポイントがMAXポイントを超えるか否かを判断する。タッチポイントがMAXポイントを超えると判断した場合には
(YES)、サブCPU201は、ステップS636の処理を実行する。タッチポイントがMAXポイントを超えないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS637の処理を実行する。
ステップS636において、サブCPU201は、特別演出フラグに1をセットする。ステップS636の処理を実行した後、サブCPU201は、ポイント付与演出設定処理を終了する。
ステップS637において、サブCPU201は、その他の変動演出を選択する。ここで、サブCPU201は、図84及び図85を参照して説明したポイント付与演出設定処理におけるステップS435と同様な処理を実行する。ステップS637の処理を実行した後、サブCPU201は、ポイント付与演出設定処理を終了する。
このように、ポイント付与演出設定処理におけるタッチポイントの付与は、変動時に変動演出として行われる場合と、始動口入賞時に先読み予告演出として行われる場合とがある。つまり、ポイント付与演出は、変動時に実行される演出としても、先読み予告演出としても実行される。
なお、上述したポイント付与演出設定処理のステップS625及びS634において、サブCPU201は、タッチポイントに1が加算される1P演出を実行するか否かを選択すると説明したが、タッチポイントに2以上が加算される演出を実行するか否かを選択するようにしてもよい。
また、サブCPU201は、タッチポイントがMAXポイントとなったときに、タッチポイントがMAXポイントとなったことを報知し、タッチポイントがMAXポイントを超えたときに、タッチポイントがMAXポイントを超えたことを報知しないようにしてもよい。
また、サブCPU201は、タッチポイントがMAXポイントとなったときに、タッチポイントがMAXポイントとなったことを報知せずに、タッチポイントがMAXポイントを超えたときに、タッチポイントがMAXポイントを超えたことを報知するようにしてもよい。
[タッチセンサ演出処理]
本実施の形態におけるタッチセンサ演出処理について図119を参照して説明する。まず、ステップS640において、サブCPU201は、ポイント値が設定値以上であるか否かを判断する。ポイント値が設定値以上であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS641の処理を実行する。ポイント値が設定値以上でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS641において、サブCPU201は、液晶表示装置50に保留図柄が表示されている期間であるか否かを判断する。保留図柄が表示されている期間であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS642の処理を実行する。保留図柄が表示されている期間でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS642において、サブCPU201は、タッチセンサ有効化フラグに1をセットする。ステップS642の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS643の処理を実行する。
ステップS643において、サブCPU201は、操作検知フラグが1であるか否かを判断する。操作検知フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS644の処理を実行する。操作検知フラグが1でないと判断した場合には
(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS644において、サブCPU201は、特別演出フラグが1であるか否かを判断する。特別演出フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS645の処理を実行する。特別演出フラグが1でないと判断した場合には
(NO)、サブCPU201は、ステップS646の処理を実行する。
ステップS645において、サブCPU201は、図120に示すタッチ後アイテム選択テーブル及び図121に示すタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルを参照し、既に選択されている演出の表示を、ストック状態で選択される演出の表示に変更して設定する。
ここで、ストック状態とは、ポイント値がMAXポイントを超えた状態(例えば、規定値が5ポイントとすれば、ポイント値が6ポイントである状態)のことをいう。ステップS645の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS647の処理を実行する。
ステップS646において、サブCPU201は、既に選択されているタッチ後の演出の表示を設定する。ステップS646の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS647の処理を実行する。
ステップS647において、サブCPU201は、タッチセンサ有効化フラグに0をセットする。ステップS647の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS648の処理を実行する。
ステップS648において、サブCPU201は、ポイント値から設定値(例えば、実施例中の5ポイント、上限として定められた値、演出を実行するに足る値、など)を減算する。ステップS648の処理を実行した後、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
なお、上述したタッチセンサ演出処理のステップS645及びS646において、サブCPU201は、潜伏確変である可能性を示唆する報知演出を実行するようにしてもよい。この場合には、サブCPU201は、ステップS645及びS646で実行される報知演出を互いに異なる態様で実行する。
このように構成することにより、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、遊技状態が潜伏確変である可能性を示唆する報知演出の内容を遊技者が選択させることができるため、操作を伴う演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
[タッチ後アイテム選択テーブル]
以下、図119に示したタッチセンサ演出処理でサブCPU201によって参照されるタッチ後アイテム選択テーブルを図120を参照して説明する。なお、図120に示すタッチ後アイテム選択テーブルは、ストック状態のときに参照される。ストック状態でない場合には、図96に示したタッチ後アイテム選択テーブルが参照される。
図120に示すタッチ後アイテム選択テーブルでは、演出パターンと、変動演出パターンと、選択率と、タッチ後アイテムパターンとが対応付けられている。なお、図120においては、発明を理解しやすくするために、図96に示したタッチ後アイテムパターンの内容と対応付けられている。
例えば、図120において、演出パターンがEN42で、変動演出パターンがJY2の場合には、タッチ後アイテムパターンTA1は、10/100の選択率で選択され、タッチ後アイテムパターンTA2は、20/100の選択率で選択され、タッチ後アイテムパターンTA3は、10/100の選択率で選択され、タッチ後アイテムパターンTA4は、40/100の選択率で選択され、タッチ後アイテムパターンTA5は、20/100の選択率で選択される。
タッチ後アイテムパターンTA1が選択された場合には、デフォルトの「白点滅保留」が変化せずに表示される。タッチ後アイテムパターンTA2が選択された場合には、青色又は赤色の「剣」保留に代えて青色、赤色又は金色の「妖精」保留が表示される。
タッチ後アイテムパターンTA3が選択された場合には、大当り以上の当り報知となる虹模様の「剣」保留に代えて大当り以上の当り報知となる虹模様の「妖精」保留が表示される。
タッチ後アイテムパターンTA4が選択された場合には、デフォルトの白色の「次回予告」保留に代えてタイマー演出付きのデフォルトの「白色」保留が表示される。タッチ後アイテムパターンTA5が選択された場合には、確変大当りを報知する虹模様の「次回予告」保留に代えて確変大当りを報知するタイマー演出付きの「虹模様」保留が表示される。
また、タッチ後アイテムパターンTA4又はTA5が選択された場合には、演出パターンと変動演出パターンとによっては、タッチ後に、タイマー演出付きの「聖剣」保留が表示される。
タイマー演出では、例えば、次回予告演出が実行されるまでの時間が表示される。つまり、タイマー演出は、遊技者に対して次回予告がどのタイミングで実行されるかを報知する演出(例えば、タイマー演出が表示されてから次回予告演出が実行されるまでの変動時間や演出時間を示す演出)である。
「妖精」保留は、「剣」保留の代わりに青色、赤色又は金色の何れかの妖精が出現する。なお、遊技者に抱かせる期待度は青色<赤色<金色とするが、青色>赤色>金色などのように代えてもよい。
「聖剣」保留は、「剣」保留よりも期待度が高い演出として表示される。サブCPU201は、「聖剣」保留が表示されたタイミングで上側可動演出部材650(以下、単に「聖剣役物」という)が駆動するように制御するようにしてもよく、「聖剣」保留に対する変動が開始されたタイミングで聖剣役物が駆動するように制御するようにしてもよい。
また、サブCPU201は、「聖剣」保留は、表示されたとき、表示される前、又は表示された後に、タッチセンサ425などの操作手段が操作されたタイミングで聖剣役物が駆動するように制御するようにしてもよい。また、サブCPU201は、「聖剣」保留に対する変動中に、特定の演出が実行された場合に、聖剣役物が駆動するように制御するようにしてもよい。
このように、サブCPU201は、様々なタイミングで聖剣役物が駆動するように制御するようにしてもよいが、他の演出との関係で、聖剣役物の駆動を禁止する区間と許可する区間を設けるように制御してもよい。
聖剣役物の駆動を禁止する区間としては、例えば、スーパーリーチ中に特定の演出が実行される前までの区間、他の複数の演出を実行する区間などがある。すなわち、サブCPU201は、聖剣役物が駆動することによって演出の内容が分からなくなってしまう場合、又は、演出のストーリーが分断されてしまう場合には、聖剣役物の駆動を禁止するようにしてもよい。
また、聖剣役物が駆動する演出は、大当りが確定する演出としてもよく、大当り期待度が高い演出としてもよい。すなわち、聖剣役物が駆動する演出は、ハズレの場合に実行されてもよい。
本実施の形態において、変動表示が保留されている特別図柄の選択(又は、抽選、決定)結果は、始動口入賞時にサブCPU201は、タッチ後アイテムパターンを始動口入賞時に選択するものとするが、これに限られるものではなく、始動口入賞後に再度抽選することでタッチ後アイテムパターンの再選択を行うようにしてもよい。
[タッチ時保留隠蔽画像選択テーブル]
以下、図119に示したタッチセンサ演出処理でサブCPU201によって参照されるタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルを図121を参照して説明する。なお、図121に示すタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルは、ストック状態のときに参照される。ストック状態でない場合には、図115に示したタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルが参照される。
図121に示すタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルは、サブCPU201によって選択される隠蔽画像(図101参照)を選択するために参照される。図121に示すタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルでは、演出パターンと、タッチ後アイテムパターンと、ステージ情報と、選択率と、演出内容とが対応付けられている。
なお、演出パターンは、図77に示したようにEN00~EN44で表されるが、図121においては、発明を理解しやすくするために、当選種別(大当り以外/大当り)でまとめて示している。
また、タッチ後アイテムパターンは、TA1~TA5まであるが(図96参照)、TA4のみが図示され、他のタッチ後アイテムパターンについては、省略されている。演出内容は、隠蔽画像を表す情報を含む。
例えば、図121において、演出パターンが大当りであり、タッチ後アイテムパターンがTA4であり、ステージが「チョイ熱ステージ」である場合には、20/100の選択率で、各ステージで共通して使用可能な隠蔽画像が選択され、20/100の選択率で、各ステージ専用の隠蔽画像が選択され、10/100の選択率で、各ステージで共通して使用可能な大当り以上を報知する隠蔽画像が選択され、10/100の選択率で、各ステージ専用の大当り以上を報知する隠蔽画像が選択され、20/100の選択率で、各ステージで共通して使用可能な大当り以上を報知するストック状態専用の隠蔽画像が選択され、20/100の選択率で、各ステージ専用の大当り以上を報知するストック状態専用の隠蔽画像が選択される。
なお、本実施の形態における隠蔽画像は、各選択率で選択されるものとして説明したが、変更前の演出(タッチ前アイテム)と変更後の演出(タッチ後アイテム)との組合せなどによって一意に選択されるようにしてもよい。
以上に説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、タッチポイントが5のときに実行される演出を実行させるために、1P演出及びタッチポイントMAX演出が実行されることによりタッチポイントが5となる度にタッチセンサ425の操作を行うか、タッチポイントが5を超えた状態で実行される演出を実行させるために、タッチポイントが5となってから1P演出が実行されるのを待ってタッチセンサ425の操作を行うかを遊技者が選択できるようにすることにより、実行する演出を遊技者が選択できるようにしたため、操作を伴う演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、規定値が2種類あった場合には、一方の規定値を0として、他方の規定値を5とすることも可能であり、一方の規定値はガセ演出を実行する規定値として、0に設定することで常に実行されるように制御することも可能となります。また、他方の規定値を5よりも少ない値にすることも可能であり、また、蓄積するポイントの種類を2種類にして、各々に規定値を設け、第1のポイントが第1の規定値に達して、且つ第2のポイントが第2の規定値に達した場合にタッチ可能な保留に変更するように制御することも可能である。さらに、2種類のポイントのうち一方のポイントが規定値に達した場合にタッチ可能な保留に変更することも可能である。
(第5の実施の形態)
以下、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、本発明の第5の実施の形態においては、上述した本発明の第4の実施の形態との相違点について説明し、本発明の第4の実施の形態と同一な点についての説明を省略する。
本実施の形態において、サブCPU201は、所定の期間として所定の時間帯に特別な演出を作動させるRTC(Real Time Clock)演出機能を有している。
[RTC演出処理]
以下、サブCPU201によって所定の時間帯に周期的に実行される割り込み処理の1つとして実行されるRTC演出処理を図122を参照して説明する。
まず、ステップS660において、サブCPU201は、現在時刻がRTC演出の開始時刻か否かを判断する。現在時刻がRTC演出の開始時刻であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS661の処理を実行する。現在時刻がRTC演出の開始時刻でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS667の処理を実行する。
ステップS661において、サブCPU201は、RTC演出のオープニング(演出)を選択する。ステップS661の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS662の処理を実行する。
ステップS662において、サブCPU201は、RTC演出のループ演出を選択する。ステップS662の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS663の処理を実行する。
ステップS663において、サブCPU201は、RTC演出のエンディング(演出)を選択する。ステップS663の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS663の処理を実行する。
ステップS664において、サブCPU201は、ポイント値が設定値以上でなくてもタッチセンサ425による操作が有効化される無制限タッチ状態であるか否かを表す無制限タッチ状態フラグに1をセットする。ステップS664の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS665の処理を実行する。
ステップS665において、サブCPU201は、RTC演出の終了時刻を設定する。ステップS665の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS666の処理を実行する。
ステップS666において、サブCPU201は、オープニングのデータをワークRAM203に設定する。ステップS666の処理を実行した後、サブCPU201は、RTC演出処理を終了する。
ステップS667において、サブCPU201は、現在時刻がRTC演出の終了時刻か否かを判断する。現在時刻がRTC演出の終了時刻であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS668の処理を実行する。現在時刻がRTC演出の終了時刻でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS670の処理を実行する。
ステップS668において、サブCPU201は、エンディングのデータをワークRAM203に設定する。ステップS668の処理を実行した後、サブCPU201は、サブCPU201は、ステップS669の処理を実行する。
ステップS669において、サブCPU201は、無制限タッチ状態フラグに0をセットする。ステップS669の処理を実行した後、サブCPU201は、RTC演出処理を終了する。
ステップS670において、サブCPU201は、ループ演出のデータをワークRAM203に設定する。ステップS670の処理を実行した後、サブCPU201は、RTC演出処理を終了する。
[タッチセンサ演出処理]
本実施の形態におけるタッチセンサ演出処理について図123を参照して説明する。まず、ステップS680において、サブCPU201は、無制限タッチ状態フラグが1であるか否かを判断する。
無制限タッチ状態フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS684の処理を実行する。無制限タッチ状態フラグが1でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS681の処理を実行する。
ステップS681において、サブCPU201は、ポイント値が設定値以上であるか否かを判断する。ポイント値が設定値以上であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS682の処理を実行する。ポイント値が設定値以上でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS682において、サブCPU201は、液晶表示装置50に保留図柄が表示されている期間であるか否かを判断する。保留図柄が表示されている期間であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS684の処理を実行する。保留図柄が表示されている期間でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS683の処理を実行する。
ステップS683において、サブCPU201は、デモ中であるか否かを判断する。デモ中であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS684の処理を実行する。デモ中でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS684において、サブCPU201は、タッチセンサ有効化フラグに1をセットする。ステップS684の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS685の処理を実行する。
ステップS685において、サブCPU201は、操作検知フラグが1であるか否かを判断する。操作検知フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS686の処理を実行する。操作検知フラグが1でないと判断した場合には
(NO)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
ステップS686において、サブCPU201は、タッチセンサ有効化フラグに0をセットする。ステップS686の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS687の処理を実行する。
ステップS687において、サブCPU201は、デモ中であるか否かを判断する。デモ中であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、ステップS689の処理を実行する。デモ中でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS688の処理を実行する。
ステップS688において、サブCPU201は、図115に示したタッチ時保留隠蔽画像選択テーブルを参照し、宝箱保留図柄が表示された保留図柄に対応する変動が大当りであるか否かと、ステージ情報と、タッチ後アイテムとに基づいて隠蔽画像(図101参照)を選択する。ステップS688の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS689の処理を実行する。
ステップS689において、サブCPU201は、タッチセンサ425によって有効な操作が検知されたタッチ後の演出の表示を設定する。例えば、サブCPU201は、デモ中でなければ、液晶表示装置50に表示されているタッチ前の保留図柄をタッチ後の保留図柄に変更し、デモ中かつ遊技状態が潜伏確変であれば、図116に示した潜確報知演出選択テーブルを参照し、遊技状態が潜伏確変であることを示唆する演出を設定する。
なお、ステップS689において、サブCPU201は、デモ中に遊技状態が潜伏確変であることを示唆する演出を設定するのに代えて、遊技状態が潜伏確変であるか否かに応じて選択率が異なる演出を設定するようにしてもよい。ステップS689の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS690の処理を実行する。
ステップS690において、サブCPU201は、無制限タッチ状態フラグが1であるか否かを判断する。無制限タッチ状態フラグが1であると判断した場合には(YES)、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。無制限タッチ状態フラグが1でないと判断した場合には(NO)、サブCPU201は、ステップS691の処理を実行する。
ステップS691において、サブCPU201は、ポイント値から設定値を減算する。ステップS691の処理を実行した後、サブCPU201は、タッチセンサ演出処理を終了する。
以上に説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、タッチポイントがMAXでないと実行しないタッチ前アイテムがタッチ後アイテムとなる特定の演出を、RTC演出の実行期間では、タッチポイントがMAXでなくても実行するため、タッチ前アイテムがタッチ後アイテムとなる特定の演出が実行されることを期待している遊技者の遊技に対する興趣が低下することを防止することができる。
このように、無制限タッチ状態フラグが1である状態、すなわち、RTC演出が実行されている状態では、タッチポイントが規定値に達しているか否かに関わらずタッチセンサ有効化フラグをセットすることができるため、RTC演出が実行されている期間では操作検知フラグ=1になれば(例えば、タッチ前演出が表示されている状態で遊技者によりタッチセンサ425の有効範囲内に遊技者の手がかれれば)遊技者タッチ後演出が実行される。
また、無制限タッチ状態フラグが1である状態、すなわち、RTC演出が実行されている状態では、ポイント値が減算されないため、ポイント値を貯めることができるポイント増加区間とすることもできる。
また、各実施例においてタッチセンサ425の有効範囲は常に一定の有効萢囲を有しており、具体的にはタッチセンサから一定の距離内に対象物(例えば遊技者の手)が存在すれば操作知となる。尚、タッチセンサ425の効範囲は演出に応じて変化してもよいし遊技状態に応じて有効範囲を変化させてもよい。
また、各実施例において操作手段としてタッチセンサ425と演出ボタン16が存在するが、タッチポイントが規定値達した場合に演出ボタン16を押したとしてもタッチ後アイテムが表示されることがないように制御してもよいし、タッチセンサ425と演出ボタン16の何れの操作手段を操作したとしてもタッチ後アイテムが表示されるように制御してもよい。
以上に説明した本発明の実施の形態において、各種制御処理をメインCPU101によって実行される主制御処理とサブCPU201によって実行される副制御処理とに分けて説明したが、副制御処理に含まれる各種処理をメインCPU101が実行するようにしてもよく、主制御処理に含まれる各種処理をサブCPU201が実行するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態においては、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技機1に適用した例について説明したが、これに限定されず、本発明に係る遊技機は、遊技媒体としてメダルを用いるパチスロ遊技機等、他の遊技機にも適用することができる。
<発明の要旨>
<要旨1>
特開2016-39923号公報に記載の遊技機にあっては、特図1始動領域及び特図2始動領域に入賞した遊技球が遊技盤の後面で合流していた場合に、遊技球の流下方向によって特図1始動領域から排出された遊技球と特図2始動領域から排出された遊技球とが接触して、球詰まりが発生するおそれがあった。このため、球詰まりが継続すると、遊技者の遊技に支障をきたすおそれがある。
本発明に係る遊技機は、複数の入賞口(第2始動口414b、一般入賞口419d)に入賞した遊技球がそれぞれ流下する複数の球通路(601、602)と、前記複数の球通路の下流側で前記複数の球通路が合流する合流部(604)とを有する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記球通路に仕切部(仕切板605)が設けられており、前記仕切部は、前記複数の球通路の少なくとも一方から前記合流部に流下する遊技球の進行方向が、他方の球通路から前記合流部に流下する遊技球の進行方向と略同一の進行方向に前記遊技球を案内する構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、複数の球通路の少なくとも一方から合流部に流下する遊技球の進行方向が、他方の球通路から合流部に流下する遊技球の進行方向と略同一の進行方向に遊技球を案内するので、複数の球通路から流下する遊技球が合流部において接触することを防止することができる。これにより、球詰まりが発生することを防止することができ、遊技を円滑に継続できる。
また、本発明の遊技機において、前記仕切部は、前記複数の球通路を形成する共通の壁部から構成されることが好ましい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、仕切部を複数の球通路を形成する共通の壁部から構成することで、球通路に対して仕切部を構成する専用の部材を追加することを不要にして、球通路の構成を簡素化できる。
<要旨2>
特開2013-226196号公報に記載の遊技機にあっては、役物が基端部を中心に回転移動する際に役物の軌道が安定しないおそれがあり、特に、役物が巨大化した場合には、役物の軌道がより一層安定しないおそれがある。
これにより、役物の回転移動時に、遊技機に設けられた装飾部材に役物が接触することや、役物を駆動するモータ等の駆動部に負荷が掛かることがあり、役物による演出が正確に実行されないおそれがある。
本発明に係る遊技機は、遊技媒体が転動する遊技領域(41)を有する遊技盤(40)が取付けられた支持部材(木枠60)と、前記遊技盤の後方に取付けられ、所定の演出表示を行う表示装置(液晶表示装置50)と、前記支持部材に取付けられた基端部(揺動軸651B)を中心に待機位置と駆動位置との間で可動する役物(上側可動演出部材650)と、前記表示装置の前方に位置するように前記支持部材に設けられたガイド部材(ガイドレール668、669)と、を備え、前記役物は、前記基端部を支点に前記待機位置と前記駆動位置との間で可動する際に前記ガイド部材に案内される被ガイド部(ガイド片670)を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機において、基端部を支点に可動する役物は、被ガイド部がガイド部材に案内されながら待機位置と駆動位置との間で可動するので、役物の軌道を安定させることができる。このため、役物による演出を正確に行うことができる。
また、例えば、役物が待機位置と駆動位置との間で可動する際に、遊技機の前後方向に揺動することを防止できるので、役物が遊技盤や表示装置に接触することを防止して、役物、遊技盤及び表示装置を保護することができる。これに加えて、役物が前後方向に揺動することを防止することで、役物と遊技盤との間のスペースと、役物と表示装置との間のスペースを小さくできる。このため、遊技機の前後方向の寸法を短くでき、遊技機の省スペース化を図ることができる。
また、本発明の遊技機において、前記役物は、第1移動部材(上側可動ベース655)と、前記第1移動部材の長手方向に沿って移動可能な第2移動部材(上側スライドベース657)とを有し、前記第2移動部材は、前記第1移動部材に対して前記遊技機の前後方向に重なる面積が最も大きい第1移動位置と、前記第1移動部材に対して前記遊技機の前後方向に重なる面積が最も小さい第2移動位置との間で移動自在に設けられ、前記第2移動部材が前記第2移動位置に移動したときに、前記第2移動部材の端部が前記ガイド部材を超えて突出可能であることが好ましい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、第2移動部材の移動がガイド部材によって規制されることを防止することができ、役物による演出をより効果的に行うことができる。
<要旨3>
特開2013-226196号公報に記載の遊技機にあっては、アームベースを回転させるための構成に加えて、第1アーム及び第2アームを移動させるための構成が必要になり、役物の構成が複雑になる。このため、第1アーム及び第2アームを移動させるための構成によってアームベースの回転が阻害されるおそれがある上に、故障の原因に繋がるおそれもある。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、固定部材(当て壁部材675)に近接する待機位置と前記固定部材から離隔する駆動位置との間で基端部(揺動軸651B)を中心に可動する第1可動部材(上側スライドベース657、固定鍔部材672)を有する可動手段(上側可動演出部材650)を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記可動手段は、前記第1可動部材に対して相対的に可動する第2可動部材(可動鍔部材673)と、前記第1可動部材と前記第2可動部材とを弾性的に連結する付勢部材(コイルスプリング674)と、を有し、前記第2可動部材は、前記第1可動部材が前記固定部材に近接するように移動したときに、前記固定部材に接触することにより前記付勢部材の付勢力に抗して前記第1可動部材に対して相対的に可動して第1位置に移動し、前記第1可動部材が前記固定部材から離隔するように移動したときに、前記付勢部材に付勢されることにより前記第1可動部材に対して相対的に可動して第2位置に移動する構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、第1可動部材が固定部材に近接するように移動したときに、第2可動部材が固定部材に接触することにより付勢部材の付勢力に抗して第1可動部材に対して相対的に可動して第1位置に移動し、第1可動部材が固定部材から離隔するように移動したときに、第2可動部材が付勢部材に付勢されることにより第1可動部材に対して相対的に可動して第2位置に移動するので、簡素な構成によって可動手段を円滑に動作させつつ、可動手段による演出効果を向上できる。
特に、可動手段は、第1可動部材、第2可動部材及び付勢部材から構成され、これに固定部材を関連付けることで、第1可動部材の移動に伴って第2可動部材を第1可動部材に対して相対的に可動できるので、可動手段の構成をより効果的に簡素化できる。
また、本発明に係る遊技機は、遊技媒体が転動する遊技領域を有する遊技盤(40)が取付けられた支持部材(スペーサ90)と、前記遊技盤の後方に取付けられ、所定の演出表示を行う表示装置(液晶表示装置50)と、前記表示装置の前方に位置するように前記支持部材に設けられたガイド部材(ガイドレール668、669)と、を備え、前記可動手段は、前記基端部を支点に前記待機位置と前記駆動位置との間で可動する際に前記ガイド部材に案内される被ガイド部(ガイド部材679)を有するのが好ましい。
この構成により、本発明に係る遊技機において、基端部を支点に可動する可動手段は、被ガイド部がガイド部材に案内されながら待機位置と駆動位置との間で可動するので、可動手段の軌道を安定させることができる。このため、可動手段による演出を正確に行うことができる。
また、例えば、可動手段が待機位置と駆動位置との間で可動する際に、遊技機の前後方向に揺動することを防止できるので、可動手段が遊技盤や表示装置に接触することを防止して、可動手段、遊技盤及び表示装置を保護することができる。これに加えて、可動手段が前後方向に揺動することを防止することで、可動手段と遊技盤との間のスペースと、可動手段と表示装置との間のスペースを小さくできる。このため、遊技機の前後方向の寸法を短くでき、遊技機の省スペース化を図ることができる。
<要旨4>
特開2013-226196号公報に記載の遊技機にあっては、アームベースを回転させるための構成に加えて、第1アーム及び第2アームを移動させるための構成が必要になり、役物の構成が複雑になる。このため、第1アーム及び第2アームを移動させるための構成によってアームベースの回転が阻害されるおそれがある上に、故障の原因に繋がるおそれもある。
本発明に係る遊技機は、待機位置と駆動位置との間で可動する役物(上側可動演出部材650)を有する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記役物は、第1スライド部材
(上側可動ベース655)と、前記ベース本体に対して第1移動位置と第2移動位置との間で移動可能な移動体(上側スライドベース657)と、前記ベース本体に設けられ、第1可動位置と第2可動位置との間で可動する可動部材(可動アーム662、663)と、前記ベース本体に設けられ、第1作動位置から第2作動位置に作動することにより前記可動部材を前記第1可動位置から第2可動位置に可動させ、前記第2作動位置から前記第1作動位置に移動することにより前記可動部材を前記第2可動位置から前記第1可動位置に可動させる作動部材(ギヤ664、665)と、前記移動体に設けられ、前記移動体が前記ベース本体に対して前記第1移動位置から第2移動位置に移動するときに前記作動部材に係合して、前記作動部材を前記第1作動位置から前記第2作動位置に移動させる第1係合部(可動スライダ658)と、前記移動体に設けられ、前記移動体が前記ベース本体に対して前記第2移動位置から前記第1移動位置に移動するときに、前記第1係合部と反対方向から前記作動部材に係合して前記作動部材を前記第2作動位置から前記第1作動位置に移動させる第2係合部(ベースリブ666)と、を備える。
この構成により、本発明に係る遊技機は、ベース本体が移動体に対して第1移動位置と第2移動位置とに移動するときに、第1係合部と第2係合部が作動部材に係合することで可動部材を第1可動位置と第2可動位置との間で可動させるので、簡素な構成によって可動部材を円滑に動作させることができる。この結果、役物が円滑な動作を行うことを保証しつつ、演出効果を向上できる。
また、本発明の遊技機において、前記作動部材は、ギヤ(664、665)から構成されており、前記可動部材は、前記ギヤに噛合するギヤ部(662A、663A)を有し、前記ギヤは、前記移動体の移動方向に対して前記第1係合部と前記第2係合部との間に設けられており、前記ギヤは、前記第1係合部及び前記第2係合部に係合可能なリブ(664A)を有するのが好ましい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、第1係合部及び第2係合部をリブに係合させてギヤを回転させることにより、ギヤ部を介して可動部材を第1可動位置と第2可動位置との間で可動させることができる。これにより、役物をより効果的に簡素な構成とすることができる。
また、可動部材が第1可動位置及び第2可動位置に位置したときに、第1係合部及び第2係合部をリブに係合させることで、ギヤの回転を規制することができる。これにより、第1可動位置と第2可動位置とにおいて可動部材の姿勢を安定させることができ、可動部材の挙動が不安定となることを防止できる。
<要旨5>
特開2013-226196号公報に記載の遊技機にあっては、アームベースが駆動位置で停止したときに、アームベースの移動を規制する構成を有していないので、アームベースの自重によってアームベースが揺動してしまい、役物が円滑に動作しないおそれがある。特に、役物が大型化する場合にはアームベースの揺動がより一層大きくなるため、上述のような不具合がより危惧される。
本発明に係る遊技機は、固定体(下側固定ベース611、回転体621)と、前記固定体に対して待機位置と駆動位置とに可動する可動体(下側可動ベース615)とを含んで構成される役物(下側可動演出部材610)を有する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記待機位置と前記駆動位置とに前記可動体を可動させる駆動手段(モータ612)を備え、前記可動体は、少なくとも前記駆動位置において前記固定体に当接する第1当接部(突部617B)を有し、前記固定体は、前記可動体が前記駆動位置にあるときに前記第1当接部が当接する第2当接部(リブ626)を有し、前記駆動手段は、前記可動体が前記駆動位置に停止しているときに、少なくとも前記可動体が前記駆動位置から前記待機位置に向かって移動しないように前記可動体を付勢する駆動力を付与する構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、第1当接部が第2当接部に当接した状態で役物が駆動位置に停止しているときに、少なくとも可動体が駆動位置から待機位置に向かって移動しないように可動体を付勢する駆動手段が付与しているので、可動体が駆動位置で移動方向に揺動することを防止でき、可動体を駆動位置で安定して静止させることができる。この結果、役物の円滑な動作を行うことを保証しつつ、役物による演出効果を向上できる。
また、本発明の遊技機は、前記可動体に連結され、前記駆動手段の駆動力を前記可動体に伝達することにより前記可動体を前記待機位置と前記駆動位置とに可動させるアーム部材(可動アーム618)を有することが好ましい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、可動体が駆動位置に位置したときに、モータからアーム部材を介して可動体に過度な荷重が加わった場合に、アーム部材が撓んで第1当接部から第2当接部に加わる荷重を吸収できる。これにより、可動体及びモータに過度な荷重が加わることを防止できる。
さらに、可動体が駆動位置に位置したときに、可動体と固定体との間に設けられた駆動用のギヤ等のガタが発生した場合に、アーム部材がガタ分だけ撓むことでガタを無くすことができる。
また、本発明の遊技機において、前記第1当接部は、前記可動体に設けられた突部から構成され、前記第2当接部は、前記可動体が前記駆動位置にあるときに前記第1当接部が当接する第1リブ(リブ626)と、前記可動体が前記待機位置にあるときに前記第1当接部が当接する第2リブ(リブ626)と、からなり、前記可動体が前記駆動位置に可動したときに、前記突部が前記第1リブに当接し、前記可動体が前記待機位置に可動したときに、前記突部が前記第2リブに当接するのが好ましい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、可動体が駆動位置に可動したときに突部が第1リブに当接し、可動体が待機位置に可動したときに突部が第2リブに当接するので、駆動位置及び待機位置のいずれにおいても可動体を安定して静止させることができる。
また、本発明の遊技機は、前記第1当接部及び前記第2当接部の少なくとも一方に前記第1当接部及び前記第2当接部の他方に当接する弾性部材が設けられているのが好ましい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、可動体が駆動位置に位置したときに駆動手段から可動体に過度な荷重が加わった場合であっても、弾性部材が撓んで第1当接部から第2当接部に加わる荷重を吸収できる。これにより、可動体及び駆動手段に過度な荷重が加わることを防止できる。
<要旨6>
特開2013-226196号公報に記載の遊技機にあっては、アームベースが駆動位置で停止したときに、アームベースの移動を規制する構成を有していないので、アームベースの自重によってアームベースが揺動してしまい、役物が円滑に動作しないおそれがある。特に、役物が大型化する場合にはアームベースの揺動がより一層大きくなるため、上述のような不具合がより危惧される。
本発明に係る遊技機は、固定体(下側固定ベース611)と、前記固定体に対して可動する可動体(下側可動ベース615、回転体621)と、を備え、前記可動体が待機位置と駆動位置とに可動する役物(下側可動演出部材610)を有する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記固定体に設けられた第1係止部(係止片611F)と前記可動体に設けられた第2係止部(係止片615B)とからなり、前記待機位置において前記第1係止部と前記第2係止部とが互いに係止することにより前記役物の揺動を規制する係止手段
(係止片611F、係止片615B)と、前記役物に接続される配線をガイドするガイド部材(ベースカバー623)と、を備え、前記ガイド部材は、前記可動体が前記待機位置に位置した状態において前記可動体の前方に設けられ、前記可動体が前方に移動することを規制する構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、待機位置において第1係止部と第2係止部とが互いに係止することにより可動体の揺動を規制する係止手段を有するので、待機位置において可動体が固定体に対して揺動することを防止でき、可動体を安定して保持することができる。
さらに、可動体が待機位置に位置した状態において、可動体の前方に、可動体が前方に移動することを規制するガイド部材を有するので、遊技機の搬送中等において役物に過度の振動が加わった場合等に、可動体が固定部材に対して前方に移動することを防止できる。
これにより、可動体が待機位置に位置した状態において、第1係止部と第2係止部との係止が解除されてしまうことがない。このため、第1係止部と第2係止部との係止が解除されてしまうことによって役物の動作に不具合が生ずることを防止できる。したがって、役物の円滑な動作を行うことを保証しつつ、演出効果を向上できる。
これに加えて、ガイド部材が、役物に接続される配線をガイドするガイド部材から構成されるので、可動体が前方に移動することを規制する専用の部材を不要にできる。このため、部品点数が増大することを防止して、役物の製造コストが増大することを防止できる。
<要旨7>
特開2013-226196号公報に記載の遊技機にあっては、アームベースの回転時や、第1アーム及び第2アームの移動時に、これらアームベースや第1アーム及び第2アームを安定して移動させる構成を有していない。これにより、役物が円滑に動作しないおそれがある。特に、役物が大型化する場合にはアームベースの揺動がより一層大きくなるため、上述のような不具合がより危惧される。
本発明に係る遊技機は、少なくとも一部が透光性又は導光性を有する遊技盤(40)と、前記遊技盤の後方に設けられ、待機位置と駆動位置とに可動する変位手段(右側可動演出部材750、左側可動演出部材770)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記変位手段は、前記遊技盤の裏面に当接する当接部(ガイド突起761、781)を有し、前記当接部は、前記変位手段が前記待機位置と前記駆動位置とに移動するとき、前記遊技盤の後方を視認困難な領域において前記遊技盤の裏面に当接するように前記変位手段に設けられている構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、変位手段が待機位置と駆動位置とに移動するとき、当接部が遊技盤の裏面に当接するので、当接部を、変位手段の移動時のガイドとして利用することができ、変位手段を安定して動作させることができる。この結果、変位手段の円滑な動作を行うことを保証しつつ、変位手段による演出効果を向上できる。
また、当接部を遊技盤の裏面に接触させることで、変位手段の前面に形成された装飾等が遊技盤に接触することを防止できる。このため、変位手段の前面を遊技盤から保護できる。
さらに、遊技盤の後方を視認困難な領域において、変位手段の当接部を遊技盤の裏面に当接させているので、変位手段の当接部が遊技者から容易に視認されることがない。このため、遊技盤の装飾性を維持することができる。
<要旨8>
特開2016-39923号公報の遊技機にあっては、振分ドラムの壁部に単純な形状の傾斜面が形成されているので、受け部に受け入れられる遊技球の速度等によっては、遊技球が傾斜面を駆け上がってしまう等、意図しない方向に遊技球が転動するおそれがある。これにより、振分ドラムが球噛みして回転不良が発生するおそれがあり、遊技球を振り分けることが困難となるおそれがある。
本発明に係る遊技機は、遊技領域(41)を流下する遊技球を受け入れる複数の受け部
(溝部802A~802D)が形成された回転部材(振分ドラム801)を有し、前記受け部に受け入れられた遊技球を振り分ける振分装置(800)を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記受け部は、前記回転部材の径方向外方に延び、遊技球が載置される載置面部(802a)と、前記載置面部に載置された遊技球の振り分け方向を決定する壁面部(803B、804B)と、を有し、前記壁面部には、前記載置面部に接続された第1傾斜面(803e、804e)と、前記第1傾斜面に接続された第2傾斜面(803f、804f)とが形成されており、前記載置面部に対する前記第1傾斜面の傾斜角度
(θ1)が、前記載置面部に対する前記第2傾斜面の傾斜角度(θ2)よりも大きい構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、載置面部に対する第1傾斜面の傾斜角度が載置面部に対する第2傾斜面の傾斜角度よりも大きく形成されるので、第1傾斜面の傾斜角度より第2傾斜面の傾斜角度を急峻にできる。これにより、例えば遊技球の流下速度が速い場合等に受け部に受け入れられた遊技球が壁面部に沿って駆け上がる等、意図しない方向に遊技球が転動することを防止できる。
このため、回転部材が球噛みして回転不良が発生することを防止して、遊技球を確実に振り分けることができ、遊技機の信頼性を向上できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2傾斜面は、前記第1傾斜面から、前記載置面部に載置される遊技球(807)の中心点(807a)よりも上方まで延伸されているのが好ましい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、載置面部に載置された遊技球の重心を、第2傾斜面の上端より下方にすることができ、載置面部に載置された遊技球が壁面部に沿って駆け上がることをより効果的に防止できる。また、遊技球の自重により回転部材が回転した場合には、遊技球を、下方に向いた受け部の第1傾斜面に沿った方向に確実に排出できる。
<要旨9>
特開2015-171438号公報に記載の遊技機にあっては、アタッカの上を通過する遊技球を減速させることはできるが、アタッカの中に入球した遊技球を減速させることはできない。
このため、アタッカの上を通過する遊技球の数を増やすことしかできず、より多くの遊技球をアタッカ内に入球させることができない。したがって、上述した従来の遊技機では、大入賞口に入賞される遊技球を増やして遊技者に多くの利益を与えることができない。
本発明に係る遊技機は、遊技領域(41)に設けられ、入賞領域(大入賞口418)を開放する開放状態と前記入賞領域を閉鎖する閉鎖状態とに移行可能な可変入賞手段(シャッタ部材422a)と、前記入賞領域に入賞した遊技球を検出可能な検出手段(カウントセンサ113)と、前記入賞領域の外部に設けられ、少なくとも前記可変入賞手段が閉鎖状態にあるときに、前記可変入賞手段の上を転動する遊技球の転動速度を減速する第1減速手段と(リブ424a)と、前記入賞領域の外部から前記入賞領域の内部に誘導された遊技球のうち、前記検出手段に検出されていない遊技球の転動速度を減速可能な第2減速手段(リブ424b)と、を備え、前記可変入賞手段は、前記第1減速手段と前記第2減速手段との間に設けられており、前記可変入賞手段が開放状態又は閉鎖状態にあるときに、前記第2減速手段によって前記入賞領域の内部を転動する遊技球を減速可能である構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、可変入賞手段が閉鎖状態にあるときに、第1減速手段によって可変入賞手段の上を転動する遊技球を減速可能であり、可変入賞手段が開放状態又は閉鎖状態にあるときに、第2減速手段によって入賞領域の内部を転動する遊技球を減速可能であるので、検出手段によって遊技球が検出される前に、入賞領域により多くの遊技球を入賞させることができる。このため、遊技球を多く払い出すことができ、遊技者に十分な利益を与えることができる。
<要旨10>
特開2013-106670号公報に記載されたような従来の遊技機は、図柄の変動時間などの変動のパターンに応じて実行可能な演出が異なるため、演出を決定するとき又は演出を実行するときに演出の調整を行わなければ、演出を円滑に実行することができなくなってしまうことがある。
本発明に係る遊技機は、始動条件が成立すると図柄の変動を行う図柄変動手段(メインCPU101)と、演出パターンに応じて演出を実行する演出実行手段(サブCPU201)と、を備え、前記演出実行手段は、第1演出(例えば、宝箱保留図柄が表示される演出)と、所定の演出移行条件(例えば、タッチポイントがMAX)が成立すると前記第1演出から移行可能な第2演出(例えば、宝箱保留図柄移行演出)と、前記演出移行条件が成立していないときに実行される演出であって、前記図柄変動手段における図柄の変動パターンと、前記演出の演出パターンと、に応じて実行されるか否かが決定され、当該演出が複数回実行されると前記演出移行条件が成立する第3演出(例えば、1P演出)と、前記演出移行条件が成立していないときに実行される演出であって、当該演出の実行可否が抽選で決定され、当該演出が1回実行されると前記演出移行条件が成立する第4演出(例えば、タッチポイントMAX演出)と、を実行することが可能であり、前記第4演出は、前記第4演出の実行可否の抽選が実行された変動の次変動時に実行される構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、第4演出を実行したことを演出移行条件として第2演出を実行し、第4演出を実行すると決定した場合には、図柄変動手段による次の図柄の変動を開始させることを契機として第4演出を実行することにより、第4演出を実行した後に第2演出を実行できる状態を確保する。したがって、本発明に係る遊技機は、演出の調整を行わなくても演出を円滑に実行することができる。
なお、本発明に係る遊技機において、前記演出実行手段は、前記演出移行条件が成立している状態で、前記第1演出を実行すると決定したときには、前記第2演出を実行し、前記第1演出を実行している状態で、前記演出移行条件が成立したときには、実行している前記第1演出が前記第2演出に移行するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、演出移行条件が成立している状態で、第1演出を実行すると決定したときには、第2演出を実行し、第1演出を実行している状態で、演出移行条件が成立したときには、実行中の第1演出を第2演出に移行させるため、第2演出を第1演出から円滑に移行するように実行することができる。
<要旨11>
特開2013-106670号公報に記載されたような従来の遊技機は、図柄の変動時間などの変動のパターンに応じて実行可能な演出が異なるため、演出を決定するとき又は演出を実行するときに演出の調整を行わなければ、演出を円滑に実行することができなくなってしまうことがある。
本発明に係る遊技機は、始動条件が成立すると図柄の変動を行う図柄変動手段(メインCPU101)と、演出パターンに応じて演出を実行する演出実行手段(サブCPU201)と、を備え、前記演出実行手段は、第1演出(例えば、宝箱保留図柄が表示される演出)と、所定の演出移行条件(例えば、タッチポイントがMAX)が成立すると前記第1演出から移行可能な第2演出(例えば、宝箱保留図柄移行演出)と、前記所定の演出移行条件が成立していないときに実行される演出であって、実行されたことを契機に前記演出移行条件が成立する第3演出(例えば、タッチポイントMAX演出)と、を実行することが可能であり、所定の変動に対して前記第3演出を実行すると決定したときに、前記図柄変動手段における図柄の変動パターンと、前記演出の演出パターンとにより前記所定の変動では前記第3演出を実行できないと判断した場合には、前記所定の変動の次変動時に前記3演出を実行するよう決定することが可能である構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、第3演出を実行したことを演出移行条件として第2演出を実行し、第3演出を実行すると決定したときに、図柄表示手段に表示されている図柄の変動パターンと演出のパターンとにより第3演出を実行できないと判断した場合には、図柄表示手段に表示されている図柄の次の変動を開始させることを契機として第3演出を実行することにより、第3演出を実行した後に第2演出を実行する状態を確保する。したがって、本発明に係る遊技機は、演出の調整を行わなくても演出を円滑に実行することができる。
<要旨12>
特開2013-106670号公報に記載されたような従来の遊技機は、ボタンなどの操作手段の操作が演出に応じた有効期間内に行われなければ、操作手段の操作が演出に反映されないため、有効期間よりも早めに操作手段を操作してしまった遊技者に対して、演出に対する興趣を低下させてしまうおそれがある。
本発明に係る遊技機は、演出を実行する演出実行手段(サブCPU201)と、所定の操作を検出可能な操作検出手段(タッチセンサ425)と、所定の演実行条件を成立させ得る第1演出(例えば、タッチポイントMAX演出)と、前記第1演出の実行により前記所定の演出実行条件が成立すると実行される第2演出(例えば、宝箱保留図柄移行演出)と、前記第2演出が実行された後に開始される所定の有効期間(例えば、タッチセンサ有効化フラグが1である期間)内に前記操作検出手段によって前記所定の操作が検出されたことを契機に実行される第3演出(例えば、アイテム移行演出)と、を備え、前記演出実行手段は、前記所定の有効期間内ではないときに前記操作検出手段によって前記所定の操作が検出されている状態で、前記所定の有効期間となったことを契機として、前記第3演出を実行することが可能である構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、有効期間内に所定の操作を検出したことを契機に実行される第3演出を、所定の操作が検出されている状態で、有効期間となったことも契機として実行するため、所定の操作が有効期間よりも早めに行われたとしても、第3演出を実行する。したがって、本発明に係る遊技機は、第3演出が確実に実行されることによって、演出に対する遊技者の興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
特に、本発明に係る遊技機は、所定の操作を検出可能な操作検出手段をタッチセンサによって構成した場合には、遊技者の意図しないタッチセンサの検知により第3演出が実行されなくなることを防止することができる。
なお、本発明に係る遊技機は、始動条件が成立すると図柄の変動を行う図柄変動手段(メインCPU101)を更に備え、前記第2演出は、所定の演出移行条件(例えば、タッチポイントがMAX)が成立すると第4演出(例えば、宝箱保留図柄が表示される演出)から移行可能であり、前記第1演出は、前記演出移行条件が成立していないときに実行される演出であって、前記図柄変動手段における図柄の変動パターンと、前記演出の演出パターンと、に応じて実行されるか否かが決定され、当該演出が複数回実行されると前記演出移行条件が成立する第5演出(例えば、1P演出)と、前記演出移行条件が成立していないときに実行される演出であって、当該演出の実行可否が抽選で決定され、当該演出が1回実行されると前記演出移行条件が成立する第6演出(例えば、タッチポイントMAX演出)とを含み、前記第6演出は、前記第6演出の実行可否の抽選が実行された変動の次変動時に実行されるようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、第6演出を実行したことを演出移行条件として第2演出を実行し、第6演出を実行すると決定した場合には、図柄変動手段による次の図柄の変動を開始させることを契機として第6演出を実行することにより、第6演出を実行した後に第2演出を実行できる状態を確保する。したがって、本発明に係る遊技機は、演出の調整を行わなくても演出を円滑に実行することができる。
<要旨13>
特開2013-106670号公報に記載されたような従来の遊技機は、演出が実行可能となる条件を工夫することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能となる。
本発明に係る遊技機は、始動条件が成立すると図柄の変動を行う図柄変動手段(メインCPU101)と、演出を実行する演出実行手段(サブCPU201)と、所定の操作を検出可能な操作検出手段(タッチセンサ425)と、所定の演出実行条件を成立させ得る第1演出(例えば、タッチポイントMAX演出)と、前記第1演出実行により前記所定の演出実行条件が成立すると実行される第2演出(例えば、宝箱保留図柄移行演出)と、前記第2演出が実行された後に開始される所定の有効期間(例えば、タッチセンサ有効化フラグが1である期間)内に前記操作検出手段によって前記所定の操作が検出されたことを契機に実行される第3演出(例えば、タッチ前アイテムがタッチ後アイテムとなる演出)と、を備え、前記所定の演出実行条件が成立している状態で、かつ、始動条件が成立していないときに、前記操作検出手段によって前記所定の操作が検出されたことを契機に実行される第4演出(例えば、遊技状態が潜伏確変である可能性を示唆する演出)と、を実行することが可能である構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、始動条件が成立していなくとも、第2演出の実行条件が成立している状態であれば、所定の操作が行われることで、第4演出を実行するため、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機は、所定の移行条件に応じて、通常遊技状態と、前記通常遊技状態と比較して遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態との間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(メインCPU101)を更に備え、前記第4演出は、前記通常遊技状態において、前記遊技状態が前記特別遊技状態に移行する確率が相対的に高い遊技状態である可能性を示唆するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、非遊技状態であったとしても、第1演出の実行条件が成立している状態であれば、所定の操作が行われることで、遊技状態が特別遊技状態に移行する確率が相対的に高い遊技状態である可能性を示唆する示唆する第4演出を実行するため、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機は、前記図柄変動手段による1の変動パターンに対して、前記第1演出を実行するときに参照される演出データと、前記第1演出を実行しないときに参照される演出データと、を記憶する演出データ記憶手段を更に備えるようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、図柄変動手段による1の変動パターンが決まれば、図柄の変動パターンに対応して演出データ記憶手段に記憶された演出データに基づいた演出を実行することができるため、演出を円滑に実行することができる。
<要旨14>
特開2013-106670号公報に記載されたような従来の遊技機は、操作を伴う演出の実行タイミングを遊技者が把握していることが多く、演出に対する意外性がなくなってきてしまい、操作を伴う演出に対する遊技者の興趣を低下させてしまうおそれがある。
本発明に係る遊技機は、演出を実行する演出実行手段(サブCPU201)と、所定の操作を検出可能な操作検出手段(タッチセンサ425)と、備え、第1の演出実行条件(例えば、タッチポイントが5)を成立させ得る第1演出(例えば、1P演出又はタッチポイントMAX演出)と、前記第1の演出実行条件が成立している状態で、前記操作検出手段によって前記所定の操作が検出されたことを契機に実行される第2演出(例えば、タッチポイントが5で実行される演出)と、前記第1の演出実行条件が成立している状態で、少なくとも前記第1演出が実行された場合に第2の演出実行条件(例えば、タッチポイントが5を超えた状態)が成立可能であって、当該第2の演出実行条件が成立している状態で前記操作検出手段によって前記所定の操作が検出されたことを契機に実行される第3演出(例えば、タッチポイントが5を超えた状態で実行される演出)と、を備えた構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、第2演出を実行させるために、第2演出の実行条件が成立する度に所定の操作を行うか、第3演出を実行させるために、第2演出の実行条件が成立してから更に第1演出が実行されるのを待って所定の操作を行うかを遊技者が選択できるようにすることにより、実行する演出を遊技者が選択できるようにしたため、操作を伴う演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、本発明に係る遊技機は、所定の移行条件に応じて、通常遊技状態と、前記通常遊技状態と比較して遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態との間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(メインCPU101)を更に備え、前記第2演出と前記第3演出とは、前記通常遊技状態において、前記特別遊技状態に移行する確率が相対的に高い遊技状態(例えば、潜伏確変)である可能性を示唆する報知演出を含み、前記演出実行手段は、前記第2演出と前記第3演出との報知演出を互いに異なる態様で実行するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、特別遊技状態に移行する確率が相対的に高い遊技状態である可能性を示唆する報知演出の内容を遊技者に選択させることができるため、操作を伴う演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機は、始動条件が成立すると図柄の変動を行う図柄変動手段(メインCPU101)と、前記図柄変動手段による前記図柄の変動パターンに対して、前記第1演出を実行するときに参照される演出データと、前記第1演出を実行しないときに参照される演出データと、を記憶する演出データ記憶手段(プログラムROM202)と、を更に備えるようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、前記図柄変動手段による図柄の変動パターンが決まれば、図柄の変動パターンに対応して演出データ記憶手段に記憶された演出データに基づいた演出を実行することができるため、演出を円滑に実行することができる。
<要旨15>
特開2013-106670号公報に記載されたような従来の遊技機は、特定の演出を実行するために高い条件を設定している場合には、特定の演出を実行するために相当の遊技を行わせる必要があり、特定の演出が実行されないことで、特定の演出が実行されることを期待している遊技者の遊技に対す興趣を低下させてしまうおそれがあった。
本発明に係る遊技機は、演出を実行する演出実行手段(サブCPU201)と、所定の操作を検出可能な操作検出手段(タッチセンサ425)と、時間を計測可能な計時手段(RTC204)と、所定の演出実行条件(例えば、タッチポイントがMAX)を成立させ得る第1演出(例えば、タッチポイントMAX演出)と、前記所定の演出実行条件が成立している状態で、前記操作検出手段によって前記所定の操作が検出されたことを契機に実行される第2演出(例えば、アイテム移行演出)と、前記計時手段によって計測された時間が所定の時間(例えば、RTC演出の実行期間)であると判定された場合、前記所定の演出実行条件が成立しているか否かに関わらず、前記操作検出手段によって前記所定の操作が検出されたことを契機に前記第2演出を実行可能な演出実行期間と、を備えた構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、所定の条件が成立していないと実行しない特定の演出を、所定の期間では、所定の条件が成立していなくても実行するため、特定の演出が実行されることを期待している遊技者の遊技に対する興趣が低下することを防止することができる。
<要旨16>
特開2013-106670号公報に記載されたような従来の遊技機は、所定の操作を促したり、所定の領域に遊技媒体を通過させることを促したりする演出を実行するだけでは、遊技を強制されている印象を遊技者に与えてしまい、遊技に対する遊技者の興趣を低下させてしまうおそれがあった。
本発明に係る遊技機は、遊技媒体が移動可能な遊技領域と、遊技媒体が始動領域を通過して始動条件が成立すると図柄の変動を行う図柄変動手段(メインCPU101)と、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態へと遊技状態を移行可能な遊技状態移行手段(メインCPU101)と、少なくとも図柄の変動中に遊技球が前記始動領域を通過した場合に、当該通過に基づく始動条件を保留して記憶可能な保留記憶手段(メインRAM103)と、前記遊技領域から遊技媒体を排出するための排出領域(第2特別アウト口420c)を通過する遊技媒体を検出する排出媒体検出手段(第2アウト球検出センサ117b)と、遊技媒体の通過を検出した場合に遊技者に対して利益を付与可能な利益付与手段(メインCPU101)と、演出を実行する演出実行手段(サブCPU201)と、を備え、前記利益付与手段は、前記排出媒体検出手段によって遊技媒体の通過が検出された場合には、遊技者に対して利益を付与せず、前記演出実行手段は、前記特別遊技状態中に前記排出媒体検出手段によって遊技媒体が検出されたことを契機に所定の演出を実行可能であり、前記所定の演出は、前記保留に前記特別遊技状態へ移行する保留が存在する可能性を示唆する特別遊技移行示唆演出を含み、前記演出実行手段は、前記排出媒体検出手段によって遊技媒体が検出されたときに前記特別遊技移行示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
この構成により、本発明に係る遊技機は、特別遊技状態で所定の排出口を通過する遊技媒体を検出したことを契機に、保留に特別遊技状態へ移行する保留が存在する可能性を示唆する特別遊技移行示唆演出を実行する。
したがって、本発明に係る遊技機は、特別遊技状態における遊技者による遊技の進行が演出の進行を兼ねることで、遊技者に遊技を強制されている印象を与えないため、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを防止することができる。
なお、本発明に係る遊技機において、前記特別遊技移行示唆演出は、前記保留に前記特別遊技状態へ移行する保留が存在する可能性があることを示唆する第1特別遊技移行示唆演出(例えば、演出ボタン16に内蔵されたシャッタが動く演出)と、前記保留に前記特別遊技状態へ移行する保留が存在することが確定していることを示唆する第2特別遊技移行示唆演出(例えば、演出ボタン16に内蔵されたシャッタが全開状態となり、シャッタの背面側に設けられたLED群18が虹色に発光する演出)と、を含み、前記演出実行手段は、前記第1特別遊技移行示唆演出と前記第2特別遊技移行示唆演出とを互いに異なる態様で実行するようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、保留に特別遊技状態へ移行する保留が存在する確度を演出の態様で示唆するため、遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
<要旨17>
特開2013-31485号公報に記載されたような従来の遊技機は、先読み演出のように、複数の変動にわたって演出が実行される場合には、確定している変動又は実行中の変動に応じて演出が決定されることを考慮すると、確定している変動又は実行中の変動の各変動に応じた効果的な演出を選択する必要がある。すなわち、従来の遊技機は、効果的な演出の組み合せを考慮しないと、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができないおそれがある。
本発明に係る遊技機は、遊技媒体が移動可能な遊技領域と、遊技媒体が始動領域を通過して始動条件が成立すると図柄の変動を行う図柄変動手段(メインCPU101)と、少なくとも図柄の変動中に遊技球が前記始動領域を通過した場合に、当該通過に基づく始動条件を保留して記憶可能な保留記憶手段(メインRAM103)と、当該通過に基づく保留に基づく変動を含め、複数回の変動に亘って連続して関連性のある連続演出を実行するか否か、及び演出実行内容を前記連続演出を実行中か否か関係なく決定可能な連続演出決定手段(メインCPU101)と、演出を実行する演出実行手段(サブCPU201)と、を備え、前記連続演出の演出実行内容として、前記連続演出を継続する継続演出(例えば、先読み連続演出)及び前記連続演出を継続しない非継続演出を含み、前記演出実行手段は、前記連続演出決定手段が第1のタイミングで決定した各変動の連続演出の実行内容と、前記第1のタイミングより後のタイミングである第2のタイミングで決定した各変動の連続演出の実行内容とを比較し、同一の保留に対しいずれも前記継続演出の実行が決定されている場合には前記第1のタイミングで決定された前記継続演出を実行し、同一の保留に対しいずれか一方のみに前記継続演出が決定されている場合には決定されている前記継続演出を実行する構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、演出を決定したときに、同一の保留に対して演出が決定されていなければ、決定した演出を該当する保留に対して設定するため、決定済みの演出と決定した演出とを活かした効果的な演出を実行することができ、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
<要旨18>
特開2016-106752号公報に記載されたような従来の遊技機は、多様な情報を演出によって遊技者に提供することができるものの、同じ期間に実行される演出の種別が多すぎると、どの演出が何を表しているのかを遊技者が把握することが困難になってしまい、逆に、遊技に対する遊技者の興趣を低下させてしまうおそれがあった。
本発明に係る遊技機は、遊技媒体が移動可能な遊技領域と、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態へと遊技状態を移行可能な遊技状態移行手段(メインCPU101)と、演出を実行する演出実行手段(サブCPU201)と、を備え、前記遊技領域は、前記特別遊技状態において遊技媒体が通過可能となる第1領域(大入賞口418)と、第1領域と異なる第2領域(一般入賞口419d)とを含み、前記演出実行手段は、前記特別遊技状態で前記第2領域に遊技媒体が通過した場合に実行される第1演出(他穴入賞の演出)と、少なくとも前記特別遊技状態で前記第1領域が通過可能となる1の期間(各ラウンドゲーム)で前記第1領域を通過した遊技媒体の数が予め定められた所定数を超えた場合に実行される第2演出(オーバーフロー演出)と、前記特別遊技状態で遊技者に付与された遊技価値の付与数に応じた第3演出(獲得数表示演出)と、を実行可能であり、前記第2演出を前記第1演出より高い優先度で実行し、前記第3演出を前記第1演出より低い優先度が実行する構成を有する。
この構成により、本発明に係る遊技機は、特別遊技状態において実行される複数の種別の演出に対して、優先度をつけて実行することで、演出が表している内容を遊技者に容易に把握させるようにしたため、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを防止することができる。
なお、本発明に係る遊技機において、前記演出実行手段は、前記特別遊技状態が特別な条件を満たした場合(例えば、大当り連続回数が5回以上の場合)には、前記第1演出及び前記第2演出を実行せずに、前記特別遊技状態で遊技者に付与された遊技価値の付与数が予め定められた数を超えたとき(例えば、獲得数が2600を超えたとき)に前記第3演出を実行するするようにしてもよい。
この構成により、本発明に係る遊技機は、特別遊技状態の状態に応じて、特定の演出を実行しなかったり、特別遊技状態の途中まで実行しなかったりすることで、特別遊技状態における演出パターンを多様化するため、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを防止することができる。
<要旨19>
パチンコ遊技機などの遊技機には、遊技盤に設けられた所定の領域を遊技球が入賞(通過)したことなどの変動表示開始条件が成立したことを契機として、図柄を変動させ、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に遊技状態を移行させるか否かの判定の結果を変動させた図柄の停止態様で表すものがある。
この種の遊技機として、先読み演出を実行するものが特開2013-31485号公報に提案されている。
しかしながら、上述したような従来の遊技機は、先読み演出のように、複数の変動にわたって演出が実行される場合には、確定している変動又は実行中の変動に応じて演出が決定されることを考慮すると、確定している変動又は実行中の変動の各変動に応じた効果的な演出を選択する必要がある。すなわち、従来の遊技機は、効果的な演出の組み合せを考慮しないと、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができないおそれがある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る遊技機は、
始動領域を遊技球が通過したことに基づいて始動情報(例えば、乱数)を取得する始動情報取得手段(例えば、S34,S44の処理を行うメインCPU101)と、
前記始動情報取得手段により取得された始動情報を所定数まで記憶可能な保留記憶手段(例えば、S33、S43の処理を行うメインCPU101)と、
所定条件の成立に基づいて、前記保留記憶手段に記憶されている始動情報についての抽選を実行可能な抽選手段(例えば、S92の処理を行うメインCPU101)と、
複数の図柄列の可変表示演出が行われる表示領域(例えば、表示領域51)を有する演出表示手段(例えば、液晶表示装置50)と、
前記可変表示演出を含めて所定の表示演出が行われるよう制御する表示演出制御手段(例えば、副制御回路200)と、
前記複数の図柄列が停止したときの図柄組合せが特別の図柄組合せである場合、遊技者に有利な状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、S64~S68の処理を行うメインCPU101)と、
前記始動情報取得手段により取得された始動情報を、前記抽選が実行されるまでに先行判定可能な先読み判定手段(例えば、S44の処理を行うメインCPU101)と、
を備え、
前記表示演出制御手段は、
前記先行判定が行われた場合、該先行判定の結果に基づいて複数回の可変表示演出にまたがる連続演出が行われるよう制御可能な連続演出制御手段(例えば、図87の先読み連続演出設定処理を行うサブCPU201)と、
前記連続演出の実行中、前記複数の図柄列の可変表示演出を行うにあたり、該複数の図柄列が関連する図柄組合せで停止するよう制御可能な図柄演出制御手段(例えば、サブCPU102)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記図柄演出制御手段は、
前記連続演出の実行中、前記複数の図柄列の可変表示演出を行うにあたり、該複数の図柄列が同色の図柄組合せで停止するよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
本発明によれば、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる遊技機を供することができる。