JP5710371B2 - 箱形形状レールに対応した墜落防止用安全器 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄塔などの高層建造物に墜落防止用の設備として、高さ方向に連続して設置されたレールに、スライド可能に取り付けて、昇降時における墜落防止のために用いる墜落防止用安全器に関するものであり、特には、中央に上下方向の開口部を備えた断面が箱形形状(略角型パイプ状の形状)の墜落防止用レールに対応した墜落防止用安全器に関する。
送電鉄塔などの高層建造物には、作業者の昇降時・作業時における墜落防止のために、昇降用の梯子やステップボルト等の近傍に各種の墜落防止用レールが、上下方向に連続して設置されている。作業者は、それぞれの墜落防止用レールに対応した安全器をレールにセットし、その安全器と自分に装着した安全帯とを接続し、万が一足を踏み外した場合の墜落を防止している。
この送電鉄塔などの高層建造物は殆どが屋外設置であり、耐腐食性が求められている。特に海に近い沿岸部や工業地帯の近くに建設された送電鉄塔等は苛酷な環境下となり、より耐腐食性が要求される。この鉄塔等に設置される墜落防止用レールも同様の環境下におかれ、表面の腐食が懸念されるが、この防錆対策として、表面処理(一般的には、鉄製部材には溶融亜鉛メッキ、アルミ製部材には陽極酸化被膜)が施されている。また、環境調和鉄塔と呼ばれる鉄塔は、周囲の景観に調和するよう、塗装により彩色が施されている。
このレールの材質としては、アルミニュウムや鉄鋼が用いられるが、製造上の加工性や曲げレールの曲げ加工性等より、一般的にはアルミ製が多い。
この墜落防止用のレールと安全器を組み合わせた墜落防止装置の方式として、レールに孔やノッチを設け、墜落時には安全器の係合部が係合して落下を阻止する方式と、レール面は滑面で、安全器にブレーキ部材又は爪部材(摺動掛止部材)を設け、ブレーキ部材が圧接して連続量で停止させる方式、または爪部材がレールの表裏面を掴持する方式等がある。通常、何れの方式でも、墜落時には安全器がレール上で瞬時に停止する必要があるため、ばねが組み込まれており、そのばねは、作業者の落下が発生して安全器が外力を受けなくなったとき、つまり爪部材がフリーな状態となったときに、ばねが効いてブレーキ部材又は爪部材が作動する方向に組み込まれている。
墜落防止装置の性能として、十分な墜落阻止機能を備えることの他に、作業者が昇降する際の良好な昇降性が要求される。昇降時にレールにセットした安全器のブレーキ部材や爪部材が引っ掛かることなく昇降できるように、作業者が腰を引くことにより前記ばねを解放させて昇降する方式(腰引きタイプ)や、レールにセットした安全器を吊り下げ状態として、安全器の自重により前記ばねを解放させ、爪部材をレールと非接触としながら昇降する方式(追従タイプ)等がある。この追従タイプの安全器は、レール表面に規定外の凹凸があった場合等に爪部材が引っ掛かることが多いが、腰引きタイプの場合は、強制的にばねを解放しているので、ブレーキ部材が引っ掛かることが少ない。
また、墜落防止用安全器は万が一事故が発生した際に人命を守るものであるので、作業者は作業を開始する前に必ず点検(始業時点検)を実施して、各部の変形や摩耗をチェックする。ロープ等の繊維製部品や樹脂製のローラなどは、特に念入りに点検する必要がある。墜落等により大きな荷重が加わった場合にも点検(臨時点検)を実施する。更に、メーカーの専門技術者や教育を受けた作業員により、定期的により詳しい点検(定期点検)を実施することが望ましい。
従来の墜落防止用安全器としては、特許文献1の特公昭55−35142号公報のものがあり、また、この安全器と組み合わされる表面処理が施された墜落防止用レールに関して、安全器の停止性能を向上させために考案された技術として、特許文献2の特開2001−333993号公報のものがある。また、爪部材を有する追従タイプの墜落防止用安全器の技術として、特許文献3の実開昭55−166257号公報のものがある。
特許文献1に記載の墜落防止用安全器は、中央に上下方向の開口部を備えた箱形形状のレールにセットし、その開口部が設けられた一辺をガイド部としてスライドするもので、そのガイド部に対して外側にブレーキ部材が接触し、内側にローラが接触するようにされている。この安全器は腰引きタイプの安全器であり、昇降性を向上させるために、一般的には前記のような外側ブレーキ・内側ローラ機構になっている。
特許文献2に記載の墜落防止用レールは、前記のようにレール表面に表面処理や塗装が施された場合において、墜落阻止時の停止距離を短くするために、レールの安全器のブレーキ部材との接触領域に、一条または複数条の突起条を長手方向に設け、接触抵抗を増やしたものである。
特許文献3に記載の墜落防止用安全器は、断面がI型形状のレールにセットする追従タイプの安全器である。箱形形状レールの場合、安全器がレールの内側を移動する「レール内移動タイプ」となり、I型形状レールの場合、安全器がレールを外側より包み込んで移動する「レール包み込みタイプ」となる。ここで、送電鉄塔等に墜落防止用レールが設置されるときに、鉄塔部材やステップ等により、安全器をセットした状態の大きさ(昇降状態における幅、高さ)が制約されることがある。このときの大きさ(幅、高さ)が同じである場合、レール内移動タイプの方が上下または左右の一対のローラがとレールとが接するピッチを長くして、安全器セット時の安定性を向上することができる。また、ローラ自体の径も大きくできるので、安全器セット時の安定性が向上し、昇降時の抵抗も少なく昇降性が向上する。
特公昭55−35142号公報 特開2001−333993号公報 実開昭55−166257号公報
特許文献2に記載されているように、特許文献1の腰引きタイプ安全器は、防錆及び環境調和のため塗装等が施されたレールにおける停止距離の拡大を最大限に防止する必要がある。
また、作業者が昇降中にバランスを崩し逆さ吊り状態(仰向けに落下)で滑落するなど、作業者の落下する体勢によっては、レールに加わる力が瞬間的に前方向に力が加わった後に下方向に加わることもある。この前方向に力が加わる時間は瞬間であり、腰引きタイプの安全器の外側ブレーキ・内側ローラ機構であっても停止距離に影響を及ぼすものではないが、レールの前方向に荷重が加わったときでもブレーキが作動する方が望ましい。
また、いくら安全器の性能を向上させたとしても、主要な部品に変形や摩耗があったとき、本来の性能が発揮できないことが懸念される。そのためには、使用前の始業時点検や定期的に実施する定期点検、更には耐用年数の管理等が必要である。現在、この製造年月(製造番号)や定期点検実績の履歴は、工事会社の管理台帳やメーカーでの出荷履歴台帳等で管理されているが、工事管理者からは定期点検の徹底を図るため、管理方法の変更が望まれていた。
そこで本発明は、送電鉄塔等に既設された箱形形状の墜落防止用レールに適用でき、塗装レールでも確実に停止できる停止性能を有し、かつ昇降性に優れ、更に容易に履歴管理が行える安全器の提供を目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は安全器を、安全器本体と、一対の上ローラと、一対の下ローラと、2ケのガイドローラと、爪部を備えた梃子体とから構成する。この一対の上ローラは、ローラ摺動溝内を摺動するように安全器本体の上部に回転自在に軸止されている。また、一対の下ローラも、上ローラと同様に安全器本体の下部に回転自在に軸止されている。また、2ケのガイドローラは、対向した一対の開口立片を摺動するように、上ローラ及び下ローラと直交する方向で、安全器本体に回転自在に軸止されている。これら各ローラをガイドとして、安全器はレール内をスムーズに移動できる。
上記梃子体は、作業者が装着する安全帯と接続可能な環部を一端に備え、他端に前爪と裏爪とから成る爪部を備え、爪部に前爪の一面と裏爪の一面とが対向して平行に配置された前板通過溝が形成されている。また、前爪がレールの一対の前板の表面と接触し、裏爪が一対の前板の裏面と接触するように、爪部は梃子体の中央より両側に突出して形成されている。また、この梃子体は、その環部が上方向に回動したときに、前板通過溝と一対の前板とが平行となる位置であり、環部が下方向に回動したときに、前板通過溝を形成する裏爪の上端と、その裏爪と対向する前爪の下端とが一対の前板と当接して、その一対の前板を表裏より掴持するよう、回動可能に軸止されている。このように、前爪と裏爪とでレールの一対の前板を各々掴持することで、墜落時における安全器の停止性能が向上する。
特許文献1の安全器は、ブレーキ部材がレールの一対の前板の表面に接触し、ローラが一対の前板の裏面に接触する構造とされているが、本発明の安全器は、前爪と裏爪がレールの一対の前板の表裏と接触する構造であるので、逆さ吊り状態での滑落等、垂直に設置したレールの前方向に荷重が加わったとしても瞬時に停止する。
更に、本発明の安全器は安全器本体の上部に軸止した一対の上ローラの径が、安全器本体の下部に軸止した一対の下ローラの径に比して、小径とされている。詳しくは、一対の下ローラ径を、安全器がレールに取り付けられた状態において、一対の前板と裏板の間である一対のローラ摺動溝の前後にほぼ摺接可能な径として、安全器のレール前後方向のガタつきを低減している。一方、上ローラは梃子体の環部が上方向に回動した際には裏板と接触するよう安全器本体に配置されており、このとき下ローラは前板と接触しており、安全器がスムーズに移動できる。尚かつ、梃子体の環部が下方向に回動して梃子体の前爪と裏爪とが一対の前板を掴持した際に、上ローラが一対の前板と接触して爪部の機能を阻害しないよう、上ローラの径は下ローラ径より小径とされている。このように上ローラの径を小径とすることにより、落下阻止時における爪部の機能を阻害することがなく、落下を阻止する力を接触によって分散することもない。
また、安全器本体の裏面または前面に平滑面を設け、その平滑面に凹部を設け、安全器に関する情報を記録するICチップを、その凹部に封止用樹脂により封止している。これによりICチップは安全器本体に埋め込まれた状態となり、覆われた樹脂の表面が損傷してもICチップは損傷することはない。また、このICチップには、製造番号、出荷先、点検日、修理箇所等が記録され、履歴管理される。
前板の中央に開口部を備えた箱形形状のレールに、本発明の安全器をスライド可能に取り付けることで、レールに表面処理や塗装が施された場合においても、墜落阻止時の停止距離を短くすることができる。また、レール内移動タイプの利点を生かし、ローラを大きくし、レールとローラとが接するピッチを長くして、安全器をレールにセットしたときに安定した昇降性を得ることができる。また、ICタグを安全器本体に埋め込むことにより、履歴管理が容易になり、定期点検の徹底が図れる。
本発明の実施形態に係る安全器1が示された斜視図である。 本発明の安全器1が示された上面図及び側面図である。 本発明の安全器1がレール3と共に示された爪部部分断面の上面図及び部分断面の爪部回動の説明図である。 本発明の安全器1がランヤード2と共に示された側面図である。 本発明の安全器1の爪部16の作動状態を説明する側面図である。 本発明の実施形態に係る安全器1が示された裏面よりの斜視図である。 本発明の安全器1が適用される墜落防止用の箱形形状レールの上面図及び一部省略の側面図である。
<本発明の安全器が適用される箱形形状の墜落防止用レール>
以下、図面を参照しつつ本発明に係る実施の形態について説明する。図7(a)及び(b)は、本発明の安全器1が適用される墜落防止用の箱形形状のレール3の上面図及び一部省略の側面図である。このレール3は、鉄塔などの高層建造物に墜落防止用の設備として、高さ方向に連続して設置されている。ここで、本発明のレールを説明する図面、及びレールに安全器がセットされた図面において、図面の右方向を前方向、左方向を裏方向、図面の上下方向が高さ方向の上下として説明する。
図7(a)に示すように、レール3は断面が箱形形状(略角型パイプ状の形状)であり、中央に上下方向の開口部34を備え、一対の前板31,31と、一対の側板32,32と、裏板33で形成されており、一対の前板31,31の開口側端部に開口部34に沿って一対の開口立片35,35が設けられており、一対の前板31,31と裏板33の間に一対のローラ摺動溝36,36が配置されている。図示しないが、規定長さのレールをジョイント金具により連結し、専用の取付金具により一定間隔で鉄塔部材等に配置固定されている。
図1は、本発明の実施形態に係る安全器1が示された斜視図であり、図2(a)及び(b)は、本発明の安全器1が示された上面図及び側面図である。これらの図に示すように、本発明の安全器1は、安全器本体11と、一対の上ローラ12,12と、一対の下ローラ13,13と、2ケのガイドローラ14a,14bと、爪部16を備えた梃子体15とから構成されている。
この一対の上ローラ12,12は、レール3のローラ摺動溝36内を摺動できるように、安全器本体11の上部に回転自在に軸止されている。また、一対の下ローラ13,13も、レール3のローラ摺動溝36内を摺動できるように、安全器本体11の下部に回転自在に軸止されている。また、2ケのガイドローラ14a,14bは、レール3の対向した一対の開口立片35,35を摺動できるように、上ローラ12及び下ローラ13と直交する方向で、安全器本体11に回転自在に軸止されている。安全器1は、これら各ローラをガイドとして、レール3内をスムーズに移動できる。
上記梃子体15は、作業者が装着する安全帯と接続可能な環部151を一端に備え、他端に前爪161と裏爪162とから成る爪部16を備えている。この爪部16には前爪161の一面と裏爪162の一面とが対向して平行に配置された前板通過溝163が形成されている。
図3(a)、(b)、(c)は、本発明の安全器1がレール3と共に示された爪部16の部分断面の上面図、X−Xでの梃子体15の断面を示した爪部回動の説明図である。図3(b)は梃子体15の環部151が上方向に回動した状態を、図3(c)は梃子体15の環部151が下方向に回動した状態を示している。
図1及び図3(a)から(c)に示すように、梃子体15は、上下は上ローラ12と下ローラ13の間の位置で、前後はレールセット状態でのレール3より前側の位置で、安全器本体11に回動可能に軸止されている。また、軸152にはバネ17が設けられており、このバネ17は爪部16の前爪161と裏爪162とがレール3の前板31を掴持する方向に付勢している。よって、作業者は自分に連結した安全器1のバネ17に抗して掴持を解いた状態で昇降するが、墜落時にはバネ17が瞬時に作動するので、停止距離が短くなる。
図3(a)に示すように、前爪161がレール3の一対の前板31,31の表面と接触し、裏爪162が一対の前板31,31の裏面と接触するように、爪部16は梃子体15の中央より両側に突出して形成されている。
図3(b)は、梃子体15の環部151が最も上方向に回動した状態を示しており、このときに、前板通過溝163と前板31とが平行になるように構成されている。
図3(c)は、梃子体15の環部151が最も下方向に回動した状態を示しており、このときに、前板通過溝163を形成する裏爪162の上端と、その裏爪162と対向する前爪161の下端とが前板31と当接して、その前板31を表裏より掴持するように構成されている。
このように、本発明の安全器1は、前爪161と裏爪162がレール3の一対の前板31,31の表裏を掴持する構造であるので、垂直に設置したレール3の前方向に荷重が加わったとしても即座に停止する。
ここで、上ローラ12と下ローラ13のローラ径(外径)について説明する。先ず、下ローラ13の径は、安全器1がレール3に取り付けられた状態において、前板31と裏板33の間であるローラ摺動溝36の前後にほぼ摺接可能な径であり、安全器1のレール前後方向のガタつきを低減している。また、上下のガイドローラ14a,14bと相俟って、安全器1のレール左右方向のガタつきも低減している。このように下ローラ13のローラ径を出来る限り大きくすることにより、レール3と安全器1とのガタつきが少なくなり、作業者が昇降する際の昇降性が向上する。
一方、上ローラ12は梃子体15の環部151が上方向に回動した際には、図3(b)のA点で、裏板33と接触するよう安全器本体11に配置されており、このとき下ローラ13は前板31とB点で接触しており、安全器1はスムーズに移動できる。かつ、図3(c)に示すように、梃子体15の環部151が下方向に回動して梃子体15の前爪161と前板31がC点で接触し、裏爪162と前板31がD点で接触して、前板31を掴持した際に、上ローラ12が前板31と接触して爪部16の機能を阻害しないよう、上ローラ12は、その径を下ローラ13径より小径とされて安全器本体11に配置されている。このとき、上ローラ12の最前点であるE点は、前板31と接触せず、上ローラ12と前板31とには隙間がある。もし、爪部16が前板31を掴持するよりも先に、上ローラ12が前板31と接触した場合、落下の衝撃による荷重が爪部16と上ローラ12に分散され、落下を阻止するべく爪部16に加わる力が減少してしまう。
図4は、本発明の安全器1がランヤード2と共に示された側面図である。図4に示すように、ランヤード2はフック21a,21bと、ロープ22と、衝撃緩衝体23と、から構成され、ランヤード連結金具24で安全器1に連結されている。この衝撃緩衝体23は、折り畳まれて縫い合わされたベルトを備えており、所定以上の衝撃荷重が加わると、この折り畳まれたベルトの縫い糸が切断して伸ばされ、その衝撃を吸収する機能を有している。
図4に示す形態は一例であり、Y型と呼ばれるフックを2ケ備えたタイプであるが、フックは1ケでもよく、カラビナ等で連結してもよい。また、衝撃緩衝体23を備えずにロープ22がランヤード連結金具24に直接連結されてもよい。このランヤード連結金具24は、使用中ランヤード2に撚りが残らないように縒り戻し機構を備える事が望ましい。
図5(a)乃至(d)は、本発明の安全器1の爪部16の作動状態を説明する側面図である。図5(a)は「昇降時の状態」であり、ランヤード連結金具24は上方向を向いており、前述したA点とB点がレール3と接触している。この安全器1は、レール3にセットした安全器1を吊り下げ状態として、安全器1の自重によりバネ17を解放させ、爪部16をレール3と非接触としながら昇降する追従タイプであり、昇るときも降りるときも、同じ状態である。
図5(b)は、爪部16が前板31と接触し始めて「昇降性が悪くなる状態」であり、下ローラ13は前板31とB点で、前爪161が前板31とC点でレール3と接触している。昇降性を検証した実験では、ランヤード連結金具24の中心線と水平線の成す角度が約60°となったとき、上ローラ12が裏板33から離れ、梃子体15の前爪161が前板31とC点で接触し、作業者の昇降に追従していた安全器1が追従しなくなった。
図5(c)は、前爪161と裏爪162が前板31を掴持し始めて「停止が始まる状態」であり、前述したC点とD点がレール3と接触している。同じく昇降性を検証した実験では、ランヤード連結金具24の中心線と水平線の成す角度が約32°となったとき、この状態が確認できた。
図5(d)は、前爪161と裏爪162が前板31を確実に掴持する「完全停止の状態」であり、設計値ではランヤード連結金具24の中心線と水平線の成す角度が6°以下である。
万が一墜落事故が発生したとき、安全器1の爪部16は図5(a)乃至(d)に示す動きをして落下を阻止する。このとき、垂直に設置したレール3の水平方向に荷重が加わったとしても即座に停止する。具体的には、作業者が落下する体勢は様々であり、作業者が仰向けに落下して逆さ吊り状態となったとき、荷重がレール3の前方向に加わるが、本発明の安全器1は即座に停止する。
ここで、本発明の安全器1が適用されるレール3は箱形形状レールであり、安全器1がレール3の内側を移動する「レール内移動タイプ」である。上ローラ12、下ローラ13共に、特許文献3の安全器と比べると、その径が明らかに大きく、上下または左右の一対のローラとレールとが接するピッチも長い。これにより、安全器セット時の安定性が良く、昇降時の抵抗も少なく昇降性が良い。
図6は、本発明の実施形態に係る安全器1が示された裏面よりの斜視図である。図6に示すように、安全器本体11の裏面に平滑面が設けられており、その平滑面に凹部111が設けられている。その凹部111に、安全器1に関する情報を記録するICチップ18が、アンテナと共に封止用樹脂により封止されている。これによりICチップ18は安全器本体11に埋め込まれた状態となり、覆われた樹脂の表面が損傷してもICチップ18は損傷することはない。
本実施形態では、安全器本体11の裏面に凹部111を設けたが、前面や側面でもよく、平滑面を有する箇所の方が加工性は良いが、特に平滑面を設ける必要はない。また、このICチップ18には、製造番号、出荷先、点検日、修理箇所等が記録され、履歴管理される。このように、ICタグを安全器本体に埋め込むことにより、履歴管理が容易になり、定期点検の徹底が図れる。
1 安全器
11 安全器本体
111 凹部
12 上ローラ
13 下ローラ
14a,14b ガイドローラ
15 梃子体
151 環部
152 軸
16 爪部
161 前爪
162 裏爪
163 前板通過溝
17 バネ
18 ICチップ
2 ランヤード
21a,21b フック
22 ロープ
23 衝撃緩衝体
24 ランヤード連結金具
3 レール
31 前板
32 側板
33 裏板
34 開口部
35 開口立片
36 ローラ摺動溝

Claims (3)

  1. 鉄塔などの高層建造物の高さ方向に連続して配置固定され、中央に上下方向の開口部を備えた一対の前板と一対の側板と裏板とから成る断面箱形形状であり、前記一対の前板の開口側端部に前記開口部に沿った一対の開口立片が設けられ、前記一対の前板と裏板の間に一対のローラ摺動溝が配置されたレールに、前記一対のローラ摺動溝に摺接して前記開口部内を上下移動可能な墜落防止用安全器において、
    前記開口部を移動する安全器本体と、前記一対のローラ摺動溝内を摺動すべく前記安全器本体の上部に回転自在に軸止された複数の上ローラと、前記一対のローラ摺動溝内を摺動すべく前記安全器本体の下部に回転自在に軸止された複数の下ローラと、対向した前記一対の開口立片を摺動すべく前記安全器本体に回転自在に前記上ローラ及び前記下ローラと直交する方向で軸止された複数のガイドローラと、前記安全器本体に軸止され前記開口部を移動する梃子体と、から構成され、
    前記梃子体が、作業者が装着する安全帯と接続可能な環部を一端に備え、他端に前爪と裏爪とから成り、前記前爪の一面と前記裏爪の一面とが対向して平行に配置された前板通過溝が形成された爪部を備え、前記爪部は前記梃子体の中央より両側に突出して形成されており、
    前記梃子体は、その環部が上方向に回動したときに、前板通過溝と前記一対の前板とが平行となる位置であり、環部が下方向に回動したときに、前記前板通過溝を形成する前爪の下端と、その前爪と対向する裏爪の上端とが前記一対の前板と当接して、その一対の前板を表裏より掴持するよう、回動可能に軸止されており、
    且つ前記安全器本体の上部に軸止した上ローラの径が、前記安全器本体の下部に軸止した下ローラの径に比して、小径とされていることを特徴とする墜落防止用安全器。
  2. 前記下ローラの径は、前記安全器が前記レールに取り付けられた状態において、前記一対の前板と裏板の間である一対のローラ摺動溝の前後にほぼ摺接可能な径とされており、
    前記上ローラが、前記梃子体の環部が上方向に回動して前記梃子体の前板通過溝と前記一対の前板とが平行となった際に前記裏板と接触し、且つ前記梃子体の環部が下方向に回動して前記梃子体の前爪と裏爪とが前記前板を掴持した際に、前記前板と接触しない小径とされていることを特徴とする請求項1に記載の墜落防止用安全器。
  3. 前記安全器本体に凹部が設けられており、前記凹部に安全器に関する情報を記録するICチップが、封止用樹脂により封止されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載墜落防止用安全器。
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