JP5709684B2 - 金属膜を有する積層体の製造方法、インク組成物 - Google Patents
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Description
かかる金属パターン材料の作製方法としては、主に、「サブトラクティブ法」が使用される。このサブトラクティブ法とは、基板表面に形成された金属膜上に、活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層を像様露光し、その後現像してレジスト像を形成し、次いで、金属膜をエッチングして金属パターンを形成し、最後にレジストを剥離する方法である。
特に、特許文献1においては、基板表面に直接結合したグラフトポリマーを得る際に、インクジェット法によって、ラジカル重合可能な不飽和化合物を含有する液体をパターン状に配置している。
本発明者らは、特許文献1で具体的に開示されているインク組成物を用いて、放置回復性について検討を行ったところ、ノズルの目詰まりが頻繁に生じることを見出した。
本発明者らは、基板としてPCと特許文献1で開示されているインク組成物とを用いて、PC上に金属膜の作製を行ったところ、得られた金属膜のPCに対する密着性は必ずしも十分とはいえず、さらなる改良が必要であった。
また、本発明は、該積層体の製造方法で使用されるインク組成物を提供することも目的とする。
つまり、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
ポリカーボネート基板上に吐出されたインク組成物を露光処理または加熱処理により硬化して、硬化膜を形成する硬化膜形成工程と、
硬化膜にめっき触媒またはその前駆体を付与する触媒付与工程と、
めっき触媒またはその前駆体が付与された硬化膜に対してめっき処理を行い、硬化膜上に金属膜を形成するめっき工程とを備える、金属膜を備える積層体の製造方法であって、
モノマー成分が、シアノ基を有する第1のモノマーと、複数の重合性基を有する第2のモノマーと、後述する一般式(A)で表され、粘度(25℃)が7.5mPa・s以下であり、単官能の第3のモノマーとを少なくとも含有し、
モノマー成分の含有量が、インク組成物の全量に対して、85質量%以上であり、
第3のモノマーの含有量が、モノマー成分の全量に対して、5〜25質量%である、金属膜を備える積層体の製造方法。
(3) 第3のモノマーの含有量が、モノマー成分の全量に対して、7〜17質量%である、(1)または(2)に記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
(4) 第3のモノマーの質量(X)と第2のモノマーの質量(Y)との質量比(X/Y)が0.5〜2.5である、(1)〜(3)のいずれかに記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
(5) 第3のモノマーの質量(X)と第1のモノマーの質量(Z)との質量比(X/Z)が0.1〜0.5である、(1)〜(4)のいずれかに記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
(7) 第2のモノマーの含有量が、モノマー成分の全量に対して、1〜20質量%である、(1)〜(6)のいずれかに記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
(8) 第2のモノマーの重合性基のモル含有量が、インク組成物の全質量に対して、0.4〜2.0mmol/gである、(1)〜(7)のいずれかに記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
(10) モノマー成分と重合開始剤とを少なくとも含有し、
モノマー成分が、シアノ基を有する第1のモノマーと、複数の重合性基を有する第2のモノマーと、一般式(A)で表され、粘度(25℃)が7.5mPa・s以下であり、単官能の第3のモノマーとを少なくとも含有し、
モノマー成分の含有量が、インク組成物の全量に対して、85質量%以上であり、
第3のモノマーの含有量が、モノマー成分の全量に対して、5〜25質量%であり、インク組成物。
(12) 第3のモノマーの質量(X)と第2のモノマーの質量(Y)との質量比(X/Y)が0.5〜2.5である、(10)または(11)に記載のインク組成物。
(13) 第3のモノマーの質量(X)と第1のモノマーの質量(Z)との質量比(X/Z)が0.1〜0.5である、(10)〜(12)のいずれかに記載のインク組成物。
また、本発明によれば、該積層体の製造方法で使用されるインク組成物を提供することもできる。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
本発明の特徴点としては、所定のlogPを示す基を有し、所定の粘度を示す第3のモノマーを使用する点が挙げられる。上述したように、従来技術においては、ポリカーボネート基板(以後、PC基板とも称する)と、その基板上に形成される硬化膜との密着性が十分でなかった。それに対して、本発明においては、使用されるインク組成物中に含まれる第3のモノマーがPC基板に対して優れた浸透性を示す。この第3のモノマーが基板表面から所定の深さまで浸透した状態で硬化することにより、形成される硬化膜がPC基板に対して優れたアンカー効果を示し、結果として硬化膜上に形成される金属膜の基板に対する密着性も向上する。
以下に、図面を参照して、各工程で使用される材料、および、工程の手順について説明する。
インク吐出工程は、モノマー成分と重合開始剤とを少なくとも含有するインク組成物を、インクジェット法によりPC基板上に吐出する工程である。より具体的には、本工程では、まず、図1(A)に示されるPC基板10を用意し、次に図1(B)に示されるように、PC基板10上の所定の位置にインク組成物12を吐出する。
まず、本工程で使用される材料(PC基板、インク組成物など)について詳述し、その後工程の手順について詳述する。
本工程で使用されるポリカーボネート基板は、公知のポリカーボネート(カーボネート基(-O-(C=O)-O-)を有するポリマー)より形成される基板を使用することができる。
該基板の形状は特に制限されず、平板状、レンズ状などが公知の形状が適用できる。また、ポリカーボネートを射出成形などによって、任意の形状に成形した材料をPC基板として使用してもよい。
本工程で使用されるインク組成物は、モノマー成分と重合開始剤とを少なくとも含有する。該インク組成物は、本発明の積層体の製造方法において、PC基板上に吐出され、硬化処理が施される。その後、得られた硬化膜に対してめっき処理が施され、硬化膜上に金属膜が形成される。
インク組成物中で含まれるモノマー成分としては、シアノ基を有する第1のモノマーと、複数の重合性基を有する第2のモノマーと、後述する一般式(A)で表され、粘度(25℃)が7.5mPa・s以下であり、単官能の第3のモノマーとが挙げられる。
以下で、各成分の詳細について説明する。
第1のモノマーは、シアノ基を有するモノマーである。該モノマー中のシアノ基が後述するめっき触媒またはその前駆体と相互作用して、めっき処理の際に十分な厚さで良好な密着性を示す金属膜(めっき膜)を得ることができる。
該モノマー中のシアノ基(−CN基)の数は特に限定されず、複数(例えば、2〜3個)のシアノ基がモノマー中に含まれていてもよい。なかでも、めっき処理の際に安定にめっき膜ができる点で、1個であることであることが好ましい。
また、該モノマーの重合性基の数は限定されないが、本発明の効果がより優れる点で、重合性基を1つ有する単官能モノマーであることが好ましい。
L1は、単結合、または、二価の連結基を表す。二価の連結基としては、二価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1〜8。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基)、二価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜12。例えば、フェニレン基)、−O−、−S−、−SO2−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。
なお、本発明の効果がより優れる点で、L1としては、−COO−La−基が好ましい。Laは、アルキレン基を表す。
第2のモノマーは、複数の重合性基を有するモノマー(多官能モノマー)である。該モノマーを使用することにより、得られる硬化膜の膜強度が向上し、結果として金属膜の密着性が向上する。
重合性基の定義は、上記第1のモノマーの重合性基と同義であり、好適態様も同じである。
第2のモノマー中の重合性基の数は2個以上であり、好ましくは2〜8個であり、より好ましくは2〜4個である。上記範囲内であれば、得られる硬化膜の膜強度が向上し、金属膜の密着性も向上する。
該モノマーであれば、他のモノマーやPC基板に対する相溶性に優れ、結果として金属膜の密着性も向上する。
これらの中でも、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート系、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート系の多官能モノマーが好ましい。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
第3のモノマーは、一般式(A)で表され、粘度(25℃)が7.5mPa・s以下である単官能モノマーである。該モノマーはPC基板に対して優れた親和性を示し、優れた浸透性を示す。言い換えると、PC基板に対する浸透性モノマーとして使用できる。該モノマーがPC基板中に浸透することにより、形成される硬化膜のPC基板に対する密着性が向上し、結果として金属膜の密着性が向上する。
第3のモノマーは単官能モノマーであり、重合性基(後述する、ビニル基、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、またはメタアクリルアミド基など)は一つだけ含まれる。
なお、第3のモノマーには、シアノ基は含まれない。つまり、上記第1のモノマーは、第3のモノマーには含まれない。
なお、N−ビニル基とは、窒素原子に結合するビニル基を意味する。
logPが上記範囲外の場合、金属膜の密着性に劣る。
なお、有機基は、上記logPの範囲内であれば、その構造は特に制限されず、例えば、炭素原子、酸素原子、水素原子、硫黄原子、またはリン原子などから構成される。より具体的には、例えば、アルキル基(直鎖状、分岐鎖状、または環状)、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、シクロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルアミノ基、アルケニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルシリルオキシ基、またはこれらを組み合わせた基を挙げることができる。これら有機基は、複数が単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、スルフィド結合、ウレア結合等で連結されていてもよい。
logPの値が高くなるほど、その化学物質または有機基は疎水性が高いことを意味し、logPの値が低くなるほど、その化学物質または有機基は親水性が高いことを意味する。例えば、logPの値が0以下の化学物質は、オクタノール相よりも水相に溶解し易く、また、logPの値が1の化学物質は、水相への溶解性に較べてオクタノール相に対して10倍の溶解性を持つといえる。
本発明では、logPの実測値があればそれを、無い場合はChemDraw Pro Ver12.0に付属のプログラムにより計算したClogP値を用いた。
粘度が上記範囲外の場合、金属膜の密着性に劣る。
なお、粘度は、一般に用いられるE型粘度計(例えば、東機産業(株)製E型粘度計(RE−80L)を用いることにより25℃で測定される値である。
なお、膨潤度の絶対値の上限については特に制限はないが、モノマーの取扱い性およびPC基板の特性が維持される点から、80%以下が好ましく、75%以下がより好ましく、70%以下がさらに好ましく、60%以下が特に好ましい。
膨潤度(%)=[{浸漬後のPC基板板の質量(W1)−浸漬前のPC基板の質量(W0)}/浸漬前のPC基板の質量(W0)]×100
脂肪族炭化水素基としては、得られる金属膜の密着性がより優れる点から、炭素数1〜20が好ましく、炭素数3〜10が好ましい。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、または環状のいずれであってもよい。また、脂肪族炭化水素基には、−O−(エーテル基)、−CO−(カルボニル基)、−N<(3級窒素原子)、またはこれらを組み合わせた基(例えば、−CO−N<)を有していてもよい。
芳香族炭化水素基としては、得られる金属膜の密着性がより優れる点から、炭素数6〜20が好ましく、炭素数7〜15が好ましい。
脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、ベンジル基などが挙げられる。
また、該基のなかでも、得られる金属膜の密着性がより優れる点から、−O−を有する直鎖状脂肪族炭化水素基、−CO−N<を有する環状脂肪族炭化水素基が挙げられる。
モノマー成分としては、必要に応じて、上記第1から第3のモノマー以外のモノマー(以後、適宜第4のモノマーとも称する)を使用してもよい。
第4のモノマーの種類は本発明の効果を損なわない限り特に制限されない。例えば、フェノキシエチルアクリレートなどが挙げられる。
第1のモノマーのインク組成物中における含有量は特に制限されないが、十分な厚さの金属膜(めっき膜)を得ることができる点で、インク組成物全量に対して、20〜75質量%が好ましく、25〜65質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。
第3のモノマーの含有量が上記範囲外の場合、金属膜の密着性に劣る。
なお、重合性基のモル含有量とは、インク組成物1g中に含まれる第2のモノマーのモル数に対して、第2のモノマーの構造中に含まれる重合性基の数を乗じて算出することが出来る。
モノマー成分の含有量が上記範囲外(85質量%未満)の場合、放置回復性に劣る。
インク組成物は、重合開始剤を含有する。インク組成物が重合開始剤を含むことにより、後述する硬化膜形成工程で硬化が十分に進行し、十分な膜強度を示す硬化膜が得られる。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤(熱重合開始剤、または光重合開始剤など)から適宜選択することができる。重合開始剤は、活性エネルギー線により重合開始種であるラジカルを生成する化合物が好ましく、活性エネルギー線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、または赤外線等が例示できる。
ティケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(Darocur TPO:チバジャパン社製、Lucirin TPO:BASF社製)などが好ましい。
インク組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。以下、その他の成分について説明する。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、プロピレンカーボネート等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
有機溶剤の含有量は、インク組成物全体に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましい。
界面活性剤としては公知の界面活性剤を使用でき、例えば、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン系界面活性剤(例えば、アンモニウムイオンを対イオンとする界面活性剤)、カチオン系界面活性剤(例えば、有機酸アニオンを対イオンとする界面活性剤)などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール誘導体が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、長鎖アルキルのベタイン類が挙げられる。アンモニウムイオンを対イオンとするアニオン系界面活性剤としては、例えば、長鎖アルキル硫酸アンモニウム塩、アルキルアリール硫酸アンモニウム塩、アルキルアリールスルホン酸アンモニウム塩、アルキルリン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸系高分子のアンモニウム塩などが挙げられる。
インクジェット法は、液体吐出孔から記録信号(デジタルデータ)に応じたピコリットルオーダーの液体を基板に向けて吐出するものであり、パターン状にインクを付与して微細なパターンが形成可能である。
本工程で使用されるインクジェット法は特に限定されず、帯電したインク組成物を連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクジェットインクを噴射する方法、インクジェットインクを加熱してその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の、各種の従来公知の方法を採用できる。つまり、インクジェット法による描画は、ピエゾインクジェット方式や、熱インクジェット方式等、従来公知のいずれの方式によって行なってもよい。また、通常のインクジェット描画装置はもちろん、ヒーター等を搭載した描画装置なども使用できる。
なお、インク組成物をPC基板上に吐出した後、必要に応じて乾燥処理を施してもよい。このような乾燥処理は、例えば、ホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。
硬化膜形成工程は、上記インク吐出工程によりPC基板上に吐出されたインク組成物を露光処理または加熱処理により硬化して、硬化膜を形成する工程である。より具体的には、図1(C)に示すように、本工程を実施することにより、硬化膜14がPC基板10上に形成される。
インク組成物に対して露光処理または加熱処理といったエネルギー付与が行われると、インク組成物が付与された領域でモノマー成分の重合反応が生じ硬化膜が形成される。形成された硬化膜はPC基板に対して優れた密着性を示す。
以下に、硬化膜形成工程の手順について詳述する。
露光処理には、活性エネルギー線(紫外線、γ線、β線、電子線、可視光線、または赤外線等)の照射を用いることができる。光源としては、例えば、紫外線照射ランプ、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー、LED、電子線照射装置などを採用することができる。
活性エネルギー線の波長としては、インク組成物中のモノマーの反応性がより優れる点で、200〜600nmが好ましく、300〜450nmがより好ましく、350〜420nmがさらに好ましい。
活性エネルギー線の積算照射量としては、硬化膜の膜強度が優れる点で、5000mJ/cm2以下が好ましく、10〜4000mJ/cm2がより好ましく、20〜3000mJ/cm2がさらに好ましい。
硬化膜形成工程において酸素濃度を制御するには、例えば、窒素パージ式UV照射装置(例えば、(株)ジーエスユアサ社製 CSN2−40)を用いる。また、酸素濃度は、例えば、コスモテクターXP−3180(新コスモス電機(株)社製)等の酸素濃度計によって測定できる。
触媒付与工程は、上記硬化膜形成工程後、形成された硬化膜にめっき触媒またはその前駆体を付与する工程である。
本工程においては、硬化膜中のシアノ基がその機能に応じて、付与されためっき触媒またはその前駆体を付着(吸着)する。つまり、硬化膜は、めっき受容性層(被めっき層)として用いられる。吸着されためっき触媒またはその前駆体は、後述するめっき工程においてめっき核として作用する。
まず、本工程で使用される材料(めっき触媒またはその前駆体など)について詳述し、その後該工程の手順について詳述する。
めっき触媒またはその前駆体は、後述するめっき工程における、めっき処理の触媒や電極として機能するものである。そのため、使用されるめっき触媒またはその前駆体の種類は、めっきの種類により適宜決定される。
なお、本工程において用いられるめっき触媒またはその前駆体は、無電解めっき触媒またはその前駆体であることが好ましい。なかでも、めっき触媒またはその前駆体は、還元電位の点から、Pd、Ag、またはCuを含む化合物であることが好ましい。
以下では、主に無電解めっきまたはその前駆体について詳述する。
無電解めっき触媒として、金属コロイド(金属粒子)を用いてもよい。一般に、金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤または荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。
めっき触媒液を通常溶媒を含んでおり、溶媒の種類としては有機溶剤および/または水が用いられる。通常、水が主成分として使用される。めっき触媒液が有機溶剤を含有することで、硬化膜に対するめっき触媒液の浸透性が向上し、シアノ基に効率よくめっき触媒またはその前駆体を吸着させることができる。
めっき触媒またはその前駆体を硬化膜に付与する方法は、特に制限されない。
例えば、上記めっき触媒液(金属を適当な分散媒に分散した分散液、または、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液)を調製し、めっき触媒液を硬化膜上に塗布する方法、または、めっき触媒液中に硬化膜が形成されたPC基板を浸漬する方法などが挙げられる。
硬化膜とめっき触媒液との接触時間は、30秒〜10分程度が好ましく、3分〜5分程度がより好ましい。
接触時のめっき触媒液の温度は、20〜60℃程度が好ましく、30〜50℃程度がより好ましい。
めっき工程は、上記触媒付与工程にてめっき触媒またはその前駆体が付与された硬化膜に対してめっき処理を行い、硬化膜上に金属膜を形成する工程である。より具体的には、図1(D)に示すように、本工程を実施することにより、硬化膜14上に金属膜16が形成され、金属膜を有する積層体18が得られる。
なかでも、金属膜の密着性向上の点から、無電解めっきを行うことが好ましい。また、所望の層厚の金属膜を得るために、無電解めっきの後に、更に電解めっきを行うことがより好ましい態様である。
以下、本工程において好適に行われるめっき処理について説明する。
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
本工程における無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与された硬化膜を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用することができる。なお、無電解めっき浴としては、入手のしやすさの点から、アルカリ性の無電解めっき浴(pHが9〜14程度が好ましい)を使用する場合が好ましい。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与された硬化膜を、無電解めっき触媒前駆体が絶縁層に吸着または含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、硬化膜を水洗して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬させる。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
浸漬の際には、無電解めっき触媒またはその前駆体が接触する硬化膜表面付近の無電解めっき触媒またはその前駆体の濃度を一定に保つ上で、攪拌または揺動を加えながら浸漬することが好ましい。
ただし、無電解めっきによる金属膜を導通膜として、後述する電解めっきを行う場合は、少なくとも0.1μm以上の膜が均一に付与されていることが好ましい。
また、めっき浴への浸漬時間としては、1分〜6時間程度であることが好ましく、1分〜3時間程度であることがより好ましい。
本工程おいては、上記工程において付与されためっき触媒またはその前駆体が電極としての機能を有する場合、その触媒またはその前駆体が付与された硬化膜に対して、電解めっきを行うことができる。
また、前述の無電解めっきの後、形成された金属膜を電極とし、更に、電解めっきを行ってもよい。これによりPC基板との密着性に優れた無電解めっき膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。このように、無電解めっきの後に、電解めっきを行うことで、金属膜を目的に応じた厚みに形成しうるため、金属膜を種々の応用に適用するのに好適である。
なお、一般的な電気配線などに適用する場合、金属膜の層厚は、導電性の観点から、0.5μm以上であることが好ましく、1〜30μmがより好ましい。
上述した工程を経ることにより、表面に金属膜を有する積層体(金属膜材料)を得ることができる。該積層体は、例えば、電気配線基板(例えば、プリント配線基板)、電磁波防止膜、コーティング膜、2層CCL(Copper Clad Laminate)材料、装飾材料等の種々の用途に適用することができる。
なお、インク付与工程において、インク組成物を所望のパターン状に吐出して選択的に付与すれば、めっき処理工程を経ることで、直ちにパターン状の金属膜を有する積層体(金属パターン材料)を得ることができる。
本工程は、めっき処理工程で形成された金属膜(めっき膜)をパターン状にエッチングする工程である。即ち、本工程では、PC基板表面に形成された金属膜の不要部分をエッチングで取り除くことで、所望の金属パターンを形成することができる。
この金属パターンの形成には、如何なる手法も使用することができ、具体的には一般的に知られているサブトラクティブ法、セミアディティブ法が用いられる。
ドライフィルムレジストとしては如何なる材料も使用でき、ネガ型、ポジ型、液状、フィルム状のものが使用できる。また、エッチング方法としては、プリント配線基板の製造時に使用されている方法が何れも使用可能であり、湿式エッチング、ドライエッチング等が使用可能であり、任意に選択すればよい。作業の操作上、湿式エッチングが装置などの簡便性の点で好ましい。エッチング液として、例えば、塩化第二銅、塩化第二鉄等の水溶液を使用することができる。
以上のエッチング工程を経ることにより、所望のパターン状の金属膜を有する積層体を形成することができる。
これらの中でも、上述した硬化膜との密着性、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性等の観点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、又は液晶樹脂を含有するものであることが好ましい。
200mlの三口フラスコに、ジメチルスルホキシド(33g)、水(33g)、炭酸水素カリウム(14.8g)、4−ブロモブチロニトリル(10g)、および4−ヒドロキシTEMPO(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル)(10mg)を加えた。その後、アクリル酸を9.8g滴下した。その後、80℃まで加熱し4時間撹拌した、その後、室温まで、反応溶液を冷却した。上記の反応溶液を水洗後、カラムクロマトグラフィーにて精製し、3−シアノプロピルアクリレート(9g)を得た。
ポリアクリル酸(平均分子量25,000)18gをDMAc(ジメチルアセトアミド)300gに溶解し、そこに、ハイドロキノン0.41gと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート19.4gとジブチルチンジラウレート0.25gとを添加し、65℃で4時間反応させた。得られたポリマーの酸価は7.02meq/gであった。1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液でカルボキシル基を中和し、酢酸エチルに加えポリマーを沈殿させ、よく洗浄し、親水性基を少なくとも1つとラジカル重合性の不飽和基を少なくとも1つ有するポリマーPを得た。
下記表1の組成比に従って、各インク組成物を調製した。なお、表1中の%は質量%を表す。インク調製に用いた各材料の詳細を以下に示す。
・シアノエチルアクリレート(2−Cyanoethyl Acrylate、東京化成工業(株)社製)
・ジプロピレングリコールジアクリレート(2官能)(SR508、SARTOMER社製)
・ジエチレングリコールジアクリレート(2官能)(SR230、SARTOMER社製)
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(4官能)(V#400、大阪有機化学工業(株)社製)
・2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート(EOEOEA)(Sigma−Aldrich社製)(logP:0.64、粘度:3.3mPa・s、膨潤度:67.6)
・テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)(SR285、日本化薬(株)社製)(logP:0.72、粘度:4.1mPa・s、膨潤度:49.8)
・ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)((株)興人社製)(logP:0.58、粘度:1.5mPa・s、膨潤度:65.9)
・N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)((株)興人社製)(logP:−0.13、粘度:1.6mPa・s、膨潤度:32.7)
・N−ビニル−ε−カプロラクタム(NVC)(東京化成工業(株)社製)(logP:1.33、粘度:7.1mPa・s、膨潤度:−17.2)
・ベンジルアクリレート(FA−BZA)(日立化成工業(株)社製)(logP:2.52、粘度:3.9mPa・s、膨潤度:74.5)
・フェノキシエチルアクリレート(SR339、SARTOMER社製)(logP:2.3、粘度:12.7mPa・s、膨潤度:−9.2)
・イソボルニルアクリレート(IBOA)(東京化成工業(株)社製)(logP:3.5、粘度:9.2mPa・s、膨潤度:0.1)
・γ−ブチロラクトンアクリレート(GBLA)(大阪有機化学工業(株)製)(logP:−0.47、粘度:29.0mPa・s、膨潤度:−0.3)
・イソデシルアクリレート(IDA)(BASF社製)(logP:3.7、粘度:6.2mPa・s、膨潤度:0.2)
まず、PC基板(長さ:2cm、幅:2cm、厚み:0.5mm)を質量比で10倍量の各モノマー溶液中に25℃で1時間浸漬した。浸漬処理後、取り出したPC基板の質量(W1)と、浸漬前のPC基板の質量(W0)とを用いて、以下の膨潤度の計算式により、膨潤度(%)を求めた。
膨潤度(%)=[{浸漬後のPC基板の質量(W1)−浸漬前のPC基板の質量(W0)}/浸漬前のPC基板の質量(W0)]×100
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184、BASF社製)
・2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(TPO)(Lucirin TPO、BASF社製)
・シリコーン系界面活性剤(BYK−307、BYK Chemie社製)
・シリコーン系界面活性剤(BYK−323、BYK Chemie社製)
・フッ素系界面活性剤(F−781F、DIC(株)社製)
・シクロヘキサンノン(住友化学(株)社製)
・アセトン(三協化学(株)社製)
・アセトニトリル(旭化成ケミカルズ(株)社製)
・プロピレンカーボネート(丸善石油化学(株)社製)
上記で調製したインク組成物を用いて、以下の方法に従って放置回復性について評価した。
富士フイルムDimatix社製インクジェットプリンターDMP−2831を用い、10ノズルを使用して4kHzの周波数で各インク組成物の吐出を行い、吐出性を確認し、吐出を止め、60分放置した。その後、加圧パージとヘッドクリーニングを行い、再び同様の条件で吐出を行い、放置回復性を評価した。
10ノズル全てで異常なく吐出がされている場合を「A」、1〜2ノズルにおいて不吐出または飛翔曲がりが生じている場合を「B」、3〜5ノズルにおいて不吐出または飛翔曲がりが生じている場合を「C」、6ノズル以上で不吐出または飛翔曲がりが生じている場合、または、すべてのノズルで吐出開始自体が不可能な場合を「D」と評価した。結果を表1に示す。
(インク吐出工程および硬化膜形成工程)
上記で調製したインク組成物を用いて、以下の方法に従って硬化膜を作製した。
PC基板(PC−1151、帝人化学(株)社製、長さ:10cm、幅:10cm、厚み:0.5mm)上に富士フイルムDimatix社製インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、線幅100μm、長さ5cmの直線(ライン)パターンを描画し、露光工程を行い、ライン状パターンからなる硬化膜(厚み:0.8μm)を形成した。
露光工程では、メタルハライド光源露光機:U―0272((株)ジーエスユアサ社製)を用いて、発光波長全体の光量累計が2000mJ/cm2の露光を行った。
水:アセトン=80:20(質量比)の混合溶液に対し、溶液全量に対して0.5質量%の硝酸パラジウムを溶解させ、未溶解物をろ紙にて除去した溶液に、上記ライン状の硬化膜を有するPC基板(被めっき体)を、15分間浸漬した。
その後、そのライン状の硬化膜を有するPC基板を、水:アセトン=80:20(質量比)の混合溶液中に15分間浸漬して洗浄した。
次に、上村工業(株)製のめっき浴であるスルカップPGT(A液、B液、C液)を用い、下記組成の無電解めっき浴を調製した。
その後、無電解めっき浴の温度を30℃、pHを水酸化ナトリウムおよび硫酸で13.0に調整し、これを用いて、めっき触媒が付与された硬化膜を有するPC基板に対して無電解めっきを行った。めっき浴への浸漬時間は60分であり、これにより、膜厚が3μmのライン状の金属膜が得られた。
・蒸留水:79.2質量%
・PGT−A液:9.0質量%
・PGT−B液:6.0質量%
・PGT−C液:3.5質量%
・ホルムアルデヒド(和光純薬工業(株)社製):2.3質量%
上記パターン1と同様の条件で、PC基板上に富士フイルムDimatix社製インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、50mm×50mmの四角状にベタ状パターンを描画し、露光工程を行った。
また、その後、上述した触媒付与工程、および、無電解めっき工程を実施した。さらに、無電解めっき処理後に下記の電解めっき処理を行ってベタ状の金属膜(膜厚10μm)を得た。
無電解めっき処理により形成された、無電解銅めっき膜を給電層として、下記組成の電解銅めっき浴を用い、3A/dm2の条件で、電解めっきを15分間行った。
・硫酸銅(和光純薬工業(株)社製)38g
・硫酸(和光純薬工業(株)社製)95g
・塩酸(和光純薬工業(株)社製)1mL
・カッパーグリームPCM(メルテックス社製)3mL
・水500g
上記積層体の製造(パターン2)で得られた電解めっき後の金属膜を用いて、密着性評価を行った。クロスカットガイドを用いてカッターナイフを金属膜に対して垂直になるように刃を当てて縦6本、横6本の格子状の切り込みを1mm間隔で入れた。その後、透明粘着テープの接着面を、切り込みを入れた面に50mm以上指圧で気泡が残らないように圧着した。10秒経過後、金属膜面に対して直角の方向に素早くテープを引きはがし、引きはがした金属膜面の状態を見て、以下の基準に従って評価した。
「AA」:カットの縁がなめらかで、どの格子の目にも剥がれが見られない。
「A」:カットの縁がなめらかで、カットの交差点における塗膜の小さな剥がれが格子面の5%未満である。
「B」:カット面に沿って膜の剥がれが見られるが、剥がれが格子面の5%以上15%未満である。
「C」:膜剥がれが、全体的に生じており、15%以上で剥がれが見られる。
表1中、%は質量%を表す。また、空欄は添加なしを表す。なお、第1のモノマー〜溶剤欄までは、インク組成物中における各成分の質量%を表す。
特に、インク13およびインク14を使用した場合と、他のインクを使用した場合とを比較して分かるように、第3のモノマーのモノマー成分全量に対する含有量が7〜17質量%の範囲にある場合、金属膜の密着性がより優れることが確認された。また、インク17の場合と、他のインクを使用した場合とを比較して分かるように、logPが0〜2.6の範囲にある第3のモノマーを使用した場合、得られる金属膜の密着性に優れることが確認された。
また、比較インク4および5に示すように、第3のインクの含有量が所定範囲にない場合、金属膜の密着性に劣ることが確認された。
また、比較インク6〜9に示すように、第3のモノマーの粘度、または、式中のYのlogPが所定の範囲内にないモノマーを使用した場合、金属膜の密着性に劣ることが確認された。
また、比較インク9に示すように、特許文献1の段落[0095]で具体的に示されているインク組成物を使用した場合、放置回復性に劣ることが確認された。
12:インク組成物
14:硬化膜
16:金属膜
18:金属膜を有する積層体
Claims (12)
- モノマー成分と重合開始剤とを少なくとも含有するインク組成物を、インクジェット法によりポリカーボネート基板上に吐出するインク吐出工程と、
前記ポリカーボネート基板上に吐出された前記インク組成物を露光処理または加熱処理により硬化して、硬化膜を形成する硬化膜形成工程と、
前記硬化膜にめっき触媒またはその前駆体を付与する触媒付与工程と、
前記めっき触媒またはその前駆体が付与された硬化膜に対してめっき処理を行い、前記硬化膜上に金属膜を形成するめっき工程とを備える、金属膜を備える積層体の製造方法であって、
前記モノマー成分が、シアノ基を有する第1のモノマーと、複数の重合性基を有する第2のモノマーと、一般式(A)で表され、粘度(25℃)が7.5mPa・s以下であり、単官能の第3のモノマーとを少なくとも含有し、
前記第2のモノマーの重合性基が、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタアクリルアミド基、ビニルオキシ基、およびN−ビニル基からなる群から選択される基であり、
前記モノマー成分の含有量が、前記インク組成物の全量に対して、85質量%以上であり、
前記第3のモノマーの含有量が、前記モノマー成分の全量に対して、5〜25質量%である、金属膜を備える積層体の製造方法。
- 前記logP値が0〜2.6である、請求項1に記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
- 前記第3のモノマーの含有量が、前記モノマー成分の全量に対して、7〜17質量%である、請求項1または2に記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
- 前記第3のモノマーの質量(X)と前記第2のモノマーの質量(Y)との質量比(X/Y)が0.5〜2.5である、請求項1〜3のいずれかに記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
- 前記第3のモノマーの質量(X)と前記第1のモノマーの質量(Z)との質量比(X/Z)が0.1〜0.5である、請求項1〜4のいずれかに記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
- 前記第1のモノマーが、単官能モノマーである、請求項1〜5のいずれかに記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
- 前記第2のモノマーの含有量が、前記モノマー成分の全量に対して、1〜20質量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
- 前記第2のモノマーの重合性基のモル含有量が、前記インク組成物の全質量に対して、0.4〜2.0mmol/gである、請求項1〜7のいずれかに記載の金属膜を備える積層体の製造方法。
- モノマー成分と重合開始剤とを少なくとも含有し、
前記モノマー成分が、シアノ基を有する第1のモノマーと、複数の重合性基を有する第2のモノマーと、一般式(A)で表され、粘度(25℃)が7.5mPa・s以下であり、単官能の第3のモノマーとを少なくとも含有し、
前記第2のモノマーの重合性基が、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタアクリルアミド基、ビニルオキシ基、およびN−ビニル基からなる群から選択される基であり、
前記モノマー成分の含有量が、前記インク組成物の全量に対して、85質量%以上であり、
前記第3のモノマーの含有量が、前記モノマー成分の全量に対して、5〜25質量%であり、インク組成物。
- 前記logP値が0〜2.6である、請求項9に記載のインク組成物。
- 前記第3のモノマーの質量(X)と前記第2のモノマーの質量(Y)との質量比(X/Y)が0.5〜2.5である、請求項9または10に記載のインク組成物。
- 前記第3のモノマーの質量(X)と前記第1のモノマーの質量(Z)との質量比(X/Z)が0.1〜0.5である、請求項9〜11のいずれかに記載のインク組成物。
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