JP5709035B2 - 人工骨材料 - Google Patents
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Description
このセメントによれば高い生体適合性を有し、硬化前に整形可能なペーストが形成され取り扱い容易である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、液中で硬化させる用途においても高い強度を得ることができる人工骨材料を提供することを目的としている。
本発明は、カルシウム/ナトリウム比率が1/1以上3/1以下の範囲内のリン酸ナトリウムカルシウムを含み、質量分率が0.1より大きく0.5以下のαリン酸三カルシウムを含む人工骨材料を提供する。
本発明によれば、適量の蒸留水とともに混練して整形可能なペーストを形成し、整形直後に生理食塩水等の液中に浸漬して養生した後においても、骨として必要とされる最低限の強度である5MPaより大きな強度を得ることができる。すなわち、液中で硬化させる用途に適用しても骨として十分に機能させ得る高い強度を得ることができる。
本発明においても、適量の蒸留水とともに混練して整形可能なペーストを形成し、整形直後に生理食塩水等の液中に浸漬して養生した後においても、骨として必要とされる最低限の強度である5MPaより大きな強度を得ることができる。
本発明によれば、粉末と液剤とを質量比で1:0.15以上1:0.3以下として混練して整形可能なペーストを形成し、整形直後に生理食塩水等の液中に浸漬して養生した後においても、骨として必要とされる最低限の強度である5MPaより大きな強度を得ることができる。
このようにすることで、グリセリンを含まない場合と比較して、硬化するまでにかかる時間を延長し、整形のための時間を確保して取り扱い容易性を向上することができる。また、グリセリンを20%より多く含めると硬化後の強度を得ることができないが、20%以下とすることにより、骨として必要とされる最低限の強度である5MPaより大きな強度を得ることができる。
本実施形態に係る人工骨材料は、カルシウム/ナトリウム比率が1/1以上3/1以下の範囲内のリン酸ナトリウムカルシウムを含み、質量分率0.1より大きく0.5以下のαリン酸三カルシウム(以下、α−TCP)を含んでいる。
圧縮強度の測定は、生理食塩水中での養生後に行った。
本実施形態に係る人工骨材料は、カルシウム/ナトリウム比率が1/1以上3/1以下の範囲内のリン酸ナトリウムカルシウムを含み、質量分率0.1より大きく0.5以下のαリン酸三カルシウム(以下、α−TCP)を含み、かつ、質量分率0以上0.3以下のβリン酸三カルシウム(以下、β−TCP)を含んでいる。
図2によれば、α−TCP分率が0以上0.3以下の範囲内にある人工骨材料において、いずれの場合も5MPa以上の圧縮強度を得ることができることがわかる。骨として機能させるためには5MPa以上の圧縮強度が必要であり、本実施形態に係る人工骨材料は、いずれもこの条件を満たしていると言える。
本実施形態に係る人工骨材料は、第1の実施形態に係る粉末の人工骨材料とともに混練する液剤の量を調整したもので、カルシウム/ナトリウム比率が1/1以上3/1以下の範囲の粉末の人工骨材料に対して質量比で1:0.15以上0.3以下の範囲内の液剤(例えば、蒸留水)を加えて混練したものである。
図4は、グリセリン水溶液の濃度と硬化時間との関係を示している。この図4によれば、グリセリンが含まれない場合と比較して、グリセリン濃度が高いほど、硬化時間を長くすることができる。すなわち、硬化時間が長くなることで、混練後の整形作業と移植部位への補填作業に要する時間をより長く確保することができ、操作性を向上することができるという利点がある。
したがって、グリセリン濃度は、5質量%以上20質量%以下の場合に、液中において硬化させる用途においても、骨として機能し得る5MPa以上の十分な圧縮強度を発揮することができ、かつ、操作性を向上することができるという利点がある。
Claims (4)
- カルシウム/ナトリウム比率が1/1以上3/1以下の範囲内のリン酸ナトリウムカルシウムを含み、質量分率0.1より大きく0.5以下のαリン酸三カルシウムを含む人工骨材料。
- 質量分率0以上0.3以下のβリン酸三カルシウムをさらに含む請求項1に記載の人工骨材料。
- カルシウム/ナトリウム比率が1/1以上3/1以下のリン酸ナトリウムカルシウムを含む粉末と、液剤とを質量比で1:0.15以上1:0.3以下の割合で混練してなる人工骨材料。
- 前記液剤が、5%以上20%以下の濃度を有するグリセリン水溶液である請求項3に記載の人工骨材料。
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