JP5707445B2 - 電磁弁の駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁弁の駆動制御装置に関し、特に内燃機関に装着される燃料噴射弁や排気還流制御弁などのように流体の流量を制御する電磁弁の開閉制御を行う装置に関する。
特許文献1には、内燃機関に設けられる燃料噴射弁を備える燃料噴射装置が示されている。この装置によれば、燃料噴射弁の実リフト期間がリフトセンサを用いて検出され、実リフト期間が目標リフト期間に一致するように、燃料噴射弁の駆動信号が補正される。さらに補正の結果を学習する機能を追加する点が記載されている。
特開昭63−97869号公報
例えば内燃機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁では、燃料噴射弁の実開弁時間(実リフト期間)が開弁要求時間と一致するように設定される開弁指令時間と、開弁要求時間との関係は、量産時の特性ばらつきや燃料圧力などの環境条件に依存して変化するものであるため、この関係を学習しつつ制御に反映することが求められる。
上記特許文献1では学習機能については詳細な記述がなく、開弁指令時間と、開弁要求時間との最適な関係を学習する際における、制御装置の演算負荷や学習に要する時間の点で改善の余地があった。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、電磁弁の開弁時間制御に必要な学習を効率的に行って、演算負荷及び学習時間を低減することができる電磁弁の駆動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、流体の流量を制御する電磁弁(2)の駆動制御装置において、前記電磁弁の開弁要求時間(Topen)を算出する開弁要求時間算出手段と、前記開弁要求時間(Topen)に基づいて前記電磁弁の開弁指令時間(Ti)を算出し、該開弁指令時間(Ti)を用いて前記電磁弁(2)の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記電磁弁の駆動時に前記電磁弁の実開弁時間(TopenA)を検出する実開弁時間検出手段と、前記実開弁時間(TopenA)が前記開弁要求時間(Topen)に近づくように前記開弁指令時間(Ti)を修正するとともに、修正した前記開弁指令時間を学習値として保持する学習値保持手段とを備え、前記駆動信号生成手段は、前記学習値を用いて前記駆動信号を生成し、前記学習値保持手段は、学習領域を区画する下側開弁要求時間及び上側開弁要求時間に対応する2つの学習点を含み、前記学習領域(RINTLRN)内に予め設定される全学習点の数より少ない数の先行学習点(PL,PH)においてそれぞれ先行学習を行うとともに、該先行学習によって得られる先行学習値の補間計算を行うことにより、前記先行学習点(PL,PH)以外の学習点における前記学習値の初期値設定を行うことを特徴とする。
この構成によれば、開弁要求時間に基づいて前記電磁弁の開弁指令時間が算出され、該開弁指令時間を用いて電磁弁の駆動信号が生成される。電磁弁の駆動時に電磁弁の実開弁時間が検出され、実開弁時間が開弁要求時間に近づくように開弁指令時間が修正されるとともに、修正された開弁指令時間が学習値として保持される。保持された学習値を用いて駆動信号が生成される。学習領域内に予め設定される全学習点の数より少ない先行学習点においてそれぞれ先行学習が行われるとともに、該先行学習によって得られる先行学習値の補間計算を行うことにより、先行学習点以外の学習点における学習値の初期値設定が行われる。したがって、例えば先行学習点を下側開弁要求時間及び上側開弁要求時間に対応する2点とすれば、学習領域内の全学習点において初期値設定のための先行学習を行う場合に比べて、初期値設定に要する学習時間及び演算負荷を大幅に低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電磁弁の駆動制御装置において、前記学習値保持手段は、前記初期値の設定後に前記学習領域(RINTLRN)内における学習を開始することを特徴とする。
この構成によれば、初期値の設定後に学習領域内における学習が開始されるため、学習点における学習値を最適値に迅速に収束させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電磁弁の駆動制御装置において、前記学習領域(RINTLRN)は、前記開弁要求時間(Topen)と前記開弁指令時間(Ti)の関係が環境条件の影響を受ける環境条件影響領域であることを特徴とする。
この構成によれば、学習領域は、開弁要求時間と開弁指令時間の関係が環境条件の影響を受ける環境条件影響領域とされる。環境条件影響領域では、開弁要求時間と開弁指令時間との最適な関係は線形関係に近いため、補間演算による初期値設定によって十分な設定精度が得られ、制御開始当初から比較的高い制御精度が得られる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の電磁弁の駆動制御装置において、前記電磁弁(2)は、電磁力が作用するコア(35)と、弁体(32)が固定された弁軸(31)とが別体に構成されたハンマリングコア構造を有し、前記環境条件影響領域より前記開弁要求時間(Topen)が短い側に、前記開弁要求時間(Topen)と前記開弁指令時間(Ti)との関係が非線形となる非線形領域(RALPLRN)を有し、前記学習値保持手段は、該非線形領域(RALPLRN)では予め設定されるすべての学習点において前記先行学習を実行して前記初期値設定を行うことを特徴とする。
この構成によれば、電磁弁はハンマリングコア構造を有し、環境条件影響領域より開弁要求時間が短い側に、開弁要求時間と開弁指令時間との関係が非線形となる非線形領域を有し、該非線形領域では予め設定されるすべての学習点において先行学習を実行して初期値設定が行われる。非線形領域では、補間演算による初期値設定を行うと十分な設定精度が得られないため、すべての学習点において先行学習を行うことによって、制御開始当初から比較的高い制御精度を確保することができる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置を示す図である。 燃料噴射弁の要部の構成を説明するための断面図である。 開弁要求時間(Topen)に応じて開弁指令時間(Ti)を算出するために適用されるテーブルを示す図である。 初期学習によって開弁指令時間(Ti)のテーブル設定値が収束する状態を示すタイムチャートである。 実開弁時間(TopenA)の算出手法を説明するためのタイムチャートである。 初期学習を行う処理のフローチャートである。 図6の処理で実行される補間演算処理のフローチャートである。 燃料噴射弁による燃料噴射の制御を行う燃料噴射制御処理のフローチャートである。 学習によって修正されたテーブルの一例を示す図である。 補間学習領域(RINTLRN)の設定に関する変形例を示す図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及びその制御装置を示す図であり、本実施形態では、ソレノイドを有する電磁弁で構成される燃料噴射弁の開弁時間を変更することによって、エンジンに供給する燃料量の制御が行われる。
4気筒のエンジン1は各気筒に対応して4つの燃料噴射弁2を備えており、燃料噴射弁2は、エンジン1の燃焼室内に直接燃料を噴射する。4つの燃料噴射弁2はそれぞれECU5に接続されており、ECU5によって、その作動が制御される。
燃料噴射弁2は、燃料通路3を介してデリバリパイプ4に接続されており、デリバリパイプ4には図示しない高圧燃料ポンプによって加圧された燃料が供給される。デリバリパイプ4には、燃料圧PFを検出する燃料圧センサ12が取り付けられており、その検出信号はECU5に供給される。
ECU5には、燃料噴射弁2のソレノイドの両端の電圧VSL及びソレノイドに供給される駆動電流IDを検出する電圧電流検出センサ11、エンジン1の回転数NEを検出するエンジン回転数センサ13、エンジン1の吸入空気流量GAIRを検出する吸入空気流量センサ14、吸気温TAを検出する吸気温センサ15、エンジン冷却水温TWを検出する冷却水温センサ16などのエンジン運転状態を検出する各種センサが接続されており、それらのセンサの検出信号はECU5に供給される。ECU5は、これらのセンサの検出信号を用いてエンジン運転状態に応じた燃料噴射弁2の開弁要求時間Topenを算出し、開弁要求時間Topenに応じて開弁指令時間Tiを算出し、開弁指令時間Tiを用いて燃料噴射弁2の駆動制御を行う。
図2は燃料噴射弁2の要部の構成を説明するための断面図であり、燃料噴射弁2は、弁軸31と、弁軸31の先端に固定された弁体32と、弁軸31に固定されたフランジ33,34と、電磁力が作用するコア35と、コア35とフランジ34との間に設けられた第1スプリング36と、弁座37と、スリーブ38と、ソレノイド39と、フランジ34を閉弁方向(図の下方向)に付勢する第2スプリング40と、燃料通路として機能する中空部を有するインナカラー41とを備えている。燃料噴射弁2は、コア35と、弁体32が固定された弁軸31とが別体に構成された、いわゆるハンマリングコア構造を有する。
図3は、開弁要求時間Topenに応じて開弁指令時間Tiを算出するために適用される開弁要求時間Topenと開弁指令時間Tiとの関係(Tiテーブル)を示す図である。この図に示す実線L1は、開弁要求時間Topenに対応する開弁指令時間Tiの先行学習を行う際にその開始値を設定するための関係を示し、実線L2は、実際の開弁時間TopenAが開弁要求時間Topenと一致するように設定した開弁指令時間Tiと、開弁要求時間Topenとの関係を示す。
本実施形態では、開弁要求時間Topenに応じて以下のようにTiテーブルの初期学習による初期値設定を行う。初期学習は、工場出荷時あるいは燃料噴射弁2の新品交換時などに行い、その後はエンジン1の実際の作動時における学習によってテーブル設定値の更新を行う。
1)開弁要求時間Topenが上側開弁要求時間TOLH(例えば1.0msec)より大きい領域では、予め求められた直線で示される関係(図示せず)を用いて、開弁指令時間Tiを算出する。すなわち、テーブル設定値の学習は行わないので初期値設定(初期学習)は不要である。
2)開弁要求時間Topenが上側開弁要求時間TOLH以下で下側開弁要求時間TOLL(例えば0.5msec)以上の領域(以下「補間学習領域RINTLRN」という)では、実線L2が比較的直線に近い関係であることに着目して、簡略化された初期学習(補間学習)による初期値設定を行う。補間学習領域RINTLRNにおいては、上側開弁要求時間TOLH及び下側開弁要求時間TOLLに対応する、実線L1上の学習開始点PHI,PLIに対応する開弁指令時間Tiを開始値として実際に燃料噴射を行って実開弁時間TopenAを検出することによる先行学習を開始し、開弁指令時間Tiを徐々に更新することによって、先行学習点PH,PLが求められ、補間学習領域RINTLRN内の他の設定格子点(学習点)については、図3に示すように先行学習点PH,PLを結ぶ直線(破線L3)を用いた補間演算によって初期値設定を行う。
3)開弁要求時間Topenが下側開弁要求時間TOLLより小さい領域(以下「全点学習領域RALPLRN」という)では、テーブル上の設定格子点の全点において先行学習を実行して初期値設定を行う。設定された先行学習によるテーブル設定値は、例えば破線L4で示される。
なお、図3において白丸で示す学習点は代表的なもののみを図示しており、実際にはより小さい間隔(例えば20μsec間隔)で設定される。
図4は、学習によって開弁指令時間Ti(テーブル設定値)が収束する状態を示すタイムチャートであり、図4(a)がフィードバック制御ゲインGPを比較的小さい値「0.1」に設定した場合に対応し、図4(b)がフィードバック制御ゲインGPを比較的大きな値「0.4」に設定した場合に対応する。図4(a)及び(b)を対比すると、ゲインGPが大きい方が収束するまでに要する時間は短くなるが、収束後の変動が大きくなることが確認できる。したがって、ゲインGPを比較的小さい値に設定し、かつ初期学習に要する総学習時間を短縮することが望ましい。
例えば学習点が100点あり、各学習点おける収束に要する学習時間が2秒であるとすると、総学習時間は200秒となるが、図3に示す補間学習領域RINTLRNにおいて、先行学習を行うのは2点(PH、PL)のみとし、他の学習点における初期値設定は補間演算によって行うことにより、総学習時間は2秒+α(補間演算に要する僅かな時間)となり、ゲインGPを小さな値に設定しつつ、総学習時間を大幅に短縮することができる。
図5は、実開弁時間TopenAの算出手法を説明するためのタイムチャートであり、、図5(a)は燃料噴射弁2の弁体リフト量LFTの推移を示し、図5(b)は開弁指令信号を示す。本実施形態では、実開弁時期tOPは、電圧電流センサ11により検出される電流波形の変曲点から求められ、実閉弁時期tCLは電圧電流センサ11により検出される電圧波形の変曲点が求められる。この検出手法は、例えば特開平6−174139号公報に示されている。
より具体的には開弁指令時期tISから実開弁時期tOPまでの開弁遅れ時間Ton、及び閉弁指令時期tIEから実閉弁時期tCLまでの閉弁作動時間Toffを算出し、開弁指令時間Tiとともに下記式(1)に適用して、実開弁時期TopenAを算出する。
TopenA=Ti−Ton+Toff (1)
図6は上述した先行学習を含む初期設定処理のフローチャートである。この処理は、ECU5において実行される。なお、以下に説明する開弁指令時間Tiの算出にかかる演算は、すべて制御対象の気筒毎に行われる。
ステップS11では、先行学習点に対応する開弁要求時間Topen[1]及びTopen[2]を、それぞれ下側開弁要求時間TOLL及び上側開弁要求時間TOLHに設定し、インデクスパラメータiを「0」に初期化する。
ステップS12では、インデクスパラメータiを「1」だけ増加させ、開弁要求時間Topen[i]に対応する開弁指令時間Ti[i]を算出する(ステップS13)。ステップS13の演算には、例えば図2に示す実線L1の関係を適用して開弁指令時間Ti[i]を算出する。
ステップS14で燃料噴射を実行し、上述した開弁遅れ時間Ton及び閉弁作動時間Toffを検出する(ステップS15)。ステップS16では上記式(1)を用いて実開弁時間TopenAを算出し、ステップS17では開弁要求時間Topenから実開弁時期TopenAを減算することにより、開弁時間偏差DTopenを算出する。
ステップS18では、開弁時間偏差DTopenの絶対値が収束判定閾値DLL以下であるか否かを判別する。最初はこの答が否定(NO)となり、ステップS19に進んで、下記式(2)を用いて開弁指令時間Ti[i]を更新する。式(2)のGPは制御ゲインである。
Ti[i]=Ti[i]+GP×DTopen (2)
ステップS19実行後はステップS14に戻り、ステップS18の答が肯定(YES)となったとき、すなわち開弁指令時間Ti[i]が収束したときは、インデクスパラメータiが「2」であるか否かを判別する(ステップS20)。最初はこの答は否定(NO)であるため、ステップS12に戻り、i=2である場合、すなわち開弁要求時間Topen[2]について、同様の処理を実行する。ステップS18の答が肯定(YES)となると、今回はステップS20の答も肯定(YES)となるので、ステップS21に進んで、図7に示す補間演算処理を実行する。
図7のステップS31では、開弁要求時間Topenを示すパラメータxを、下側開弁要求時間TOLLに設定し、ステップS32では、パラメータxをTiテーブルの格子点間隔DX(例えば20μsec)だけ増加させる。
ステップS33では、下記式(3)の補間演算により開弁指令時間の初期学習値Ti(x)を算出する。
Figure 0005707445
ステップS34では、Tiテーブルの対応する格子点の値を初期学習値Ti(x)に設定することにより、Tiテーブルの更新を行う。ステップS35では、パラメータxが上側開弁要求時間TOLH以上であるか否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)であり、ステップS32に戻ってステップS32〜S34の処理を繰り返す。ステップS35の答が肯定(YES)となると、処理を終了する。
図7の処理により、図3の破線L3に示す白丸に対応する格子点(学習点)の初期値設定が完了する。
図6に戻り、ステップS22では、全点学習領域RALPLRNの全学習点(DX間隔)において、ステップS14〜S19と同様の手法によって先行学習の開始値(図3の実線L1上に白丸で示す)から先行学習を実行して、初期値設定を行う。設定された初期値は、図3の破線L4上に白丸で示されている。
図8は燃料噴射弁2による燃料噴射の制御を行う燃料噴射制御処理のフローチャートである。
ステップS41では、エンジン運転状態に応じて開弁要求時間Topenを算出し、ステップS42では、算出した開弁要求時間Topenに応じて、最初は図3に示す初期値設定されたTiテーブル(補間学習領域RINTLRNでは破線L3で示され、全点学習領域RALPLRNでは破線L4で示される)を検索して、開弁指令時間Tiを算出する。
ステップS43〜S47の処理は、図6のステップS14〜S19の処理と同一であり、燃料噴射を実行したときに実開弁時間TopenAを算出し、実開弁時間TopenAが要求時間Topenに収束するように、開弁指令時間Tiの修正が行われる。
ステップS48では、修正した開弁指令時間Tiを下記式(4)に適用して、Tiテーブルの更新(学習)を行う。右辺のTiがステップS47で修正された開弁指令時間であり、TiPは更新前のテーブル設定値であり、CLは例えば0.1程度に設定されるなまし係数である。
Ti=CL×Ti+(1−CL)×TiP (4)
図8の処理により、実際に燃料噴射を実行しつつTiテーブルの学習(設定値更新)が行われ、Tiテーブルの設定値は、使用している燃料噴射弁2に最適の値に徐々に収束する。すなわち、ステップS42では最初は初期学習処理によって設定された初期値を用いて、開弁指令時間Tiが算出されるが、エンジン1の運転を行うことによって、Tiテーブル設定値が徐々に更新され、その更新された設定値を用いて開弁指令時間Tiが算出される。図9は学習によって修正されたTiテーブルの一例を示す。
以上のように本実施形態では、Tiテーブルを用いて開弁要求時間Topenに対応する燃料噴射弁2の開弁指令時間Tiが算出され、開弁指令時間Tiを用いて燃料噴射弁2が駆動される。燃料噴射弁2の駆動時に実開弁時間TopenAが検出され、実開弁時間TopenAが開弁要求時間Topenに近づくように開弁指令時間Tiが修正されるとともに、修正された開弁指令時間TiによってTiテーブルが更新(学習)され、テーブル設定値として保持され、保持されたテーブル設定値を用いて燃料噴射弁2が駆動される。補間学習領域RINTLRN内では、予め設定される全学習点の数より少ない2つの先行学習点、すなわち下側開弁要求時間TOLL及び上側開弁要求時間TOLHに対応する2点において、それぞれ先行学習が行われるとともに、該先行学習によって得られる先行学習値(PL,PHに対応する値)の補間計算を行うことにより、先行学習点以外の学習点におけるTiテーブル設定値の初期値設定が行われる。したがって、補間学習領域RINTLRN内の全学習点において初期値設定のための先行学習を行う場合に比べて、初期値設定に要する学習時間及び演算負荷を大幅に低減することができる。
また初期値の設定後に補間学習領域RINTLRN内における設定値の学習が開始されるため、学習点における学習値を最適値に迅速に収束させることができる。
また補間学習領域RINTLRNは、開弁要求時間Topenと開弁指令時間Tiの関係が環境条件、すなわち量産時の特性ばらつきや燃料圧力などの影響を受ける環境条件影響領域とされる。環境条件影響領域では、開弁要求時間Topenと開弁指令時間Tiとの最適な関係は線形関係に近いため、補間演算による初期値設定によって十分な設定精度が得られ、制御開始当初から比較的高い制御精度が得られる。
また燃料噴射弁2は電磁力が作用するコア35と、弁体32が固定された弁軸31とが別体に構成されたハンマリングコア構造を有し、環境条件影響領域より開弁要求時間Topenが短い側に、開弁要求時間Topenと開弁指令時間Tiとの関係が非線形となる非線形領域を有する。本実施形態では、この非線形領域を全点学習領域RALPLRNとし、予め設定されるすべての学習点において先行学習を実行して初期値設定が行われる。全点学習領域RALPLRNでは、補間演算による初期値設定を行うと十分な設定精度が得られないため、すべての学習点において先行学習を行うことによって、制御開始当初から比較的高い制御精度を確保することができる。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、補間学習領域RINTLRNと全点学習領域RALPLRNは、図3に示すような設定に限定されるものではなく、例えば図10に示すように、補間学習領域RINTLRNを開弁要求時間Topenがより小さい側に拡張するようにしてもよい。図10に示す補間学習領域RINTLRNにおいても、開弁要求時間Topenと開弁指令時間Tiとの関係においては、ある程度の線形性が確保されているからである。
また上述した実施形態では、補間学習領域RINTLRNにおける先行学習点を、補間学習領域RINTLRNを区画する下限値(TOLL)及び上限値(TOLH)に対応する2点としたが、これに限るものではなく、全学習点の数より少ない先行学習点において先行学習による初期設定を行い、先行学習点以外の学習点における初期値設定を補間演算によって行うようにしてもよい。
また上述した実施形態では、内燃機関の燃料噴射弁に本発明を適用した例を示したが、本発明は流体の流量を制御するための一般的な電磁弁にも適用可能である。
また実開弁時期tOP及び実閉弁時期tCLは、特許文献1に示されるようにリフトセンサを用いて検出するようにしてもよい。
2 燃料噴射弁(電磁弁)
5 電子制御ユニット(開弁要求時間算出手段、実開弁時間検出手段、駆動信号生成手段、学習値保持手段)
11 電圧電流センサ(実開弁時間検出手段)
31 弁軸
32 弁体

Claims (4)

  1. 流体の流量を制御する電磁弁の駆動制御装置において、
    前記電磁弁の開弁要求時間を算出する開弁要求時間算出手段と、
    前記開弁要求時間に基づいて前記電磁弁の開弁指令時間を算出し、該開弁指令時間を用いて前記電磁弁の駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
    前記電磁弁の駆動時に前記電磁弁の実開弁時間を検出する実開弁時間検出手段と、
    前記実開弁時間が前記開弁要求時間に近づくように前記開弁指令時間を修正するとともに、修正した前記開弁指令時間を学習値として保持する学習値保持手段とを備え、
    前記駆動信号生成手段は、前記学習値を用いて前記駆動信号を生成し、
    前記学習値保持手段は、学習領域を区画する下側開弁要求時間及び上側開弁要求時間に対応する2つの学習点を含み、前記学習領域内に予め設定される全学習点の数より少ない数の先行学習点においてそれぞれ先行学習を行うとともに、該先行学習によって得られる先行学習値の補間計算を行うことにより、前記先行学習点以外の学習点における前記学習値の初期値設定を行うことを特徴とする電磁弁の駆動制御装置。
  2. 前記学習値保持手段は、前記初期値の設定後に前記学習領域内における学習を開始することを特徴とする請求項1に記載の電磁弁の駆動制御装置。
  3. 前記学習領域は、前記開弁要求時間と前記開弁指令時間の関係が環境条件の影響を受ける環境条件影響領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁弁の駆動制御装置。
  4. 前記電磁弁は、電磁力が作用するコアと、弁体が固定された弁軸とが別体に構成されたハンマリングコア構造を有し、
    前記環境条件影響領域より前記開弁要求時間が短い側に、前記開弁要求時間と前記開弁指令時間との関係が非線形となる非線形領域を有し、
    前記学習値保持手段は、該非線形領域では予め設定されるすべての学習点において前記先行学習を実行して前記初期値設定を行うことを特徴とする請求項3に記載の電磁弁の駆動制御装置。
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