JP2002231528A - 電磁アクチュエータ制御装置 - Google Patents
電磁アクチュエータ制御装置Info
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- JP2002231528A JP2002231528A JP2001029585A JP2001029585A JP2002231528A JP 2002231528 A JP2002231528 A JP 2002231528A JP 2001029585 A JP2001029585 A JP 2001029585A JP 2001029585 A JP2001029585 A JP 2001029585A JP 2002231528 A JP2002231528 A JP 2002231528A
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】バルブの開角を安定化させ、エンジン出力の安
定化を図る。 【解決手段】それぞれが、対向する一対の電磁石により
駆動される複数の電磁バルブを有し、該対向する一対の
電磁石の一方に保持電流を通電することにより、それぞ
れの電磁バルブを開状態または閉状態に保持する電磁ア
クチュエータ制御装置であって、複数の電磁バルブの駆
動について無効時間を計測する無効時間計測手段と、該
複数の電磁バルブについて計測された無効時間のうち、
最大の無効時間を目標無効時間に設定する目標無効時間
学習手段と、該複数の電磁バルブについて、前記無効時
間計測手段によって計測される無効時間が前記設定され
た目標無効時間になるよう、該複数の電磁バルブに対応
する電磁石に通電する保持電流を制御する目標無効時間
制御手段とを備える電磁アクチュエータ制御装置が提供
される。バルブ間の無効時間が合わせられるので、バル
ブの挙動が安定する。
定化を図る。 【解決手段】それぞれが、対向する一対の電磁石により
駆動される複数の電磁バルブを有し、該対向する一対の
電磁石の一方に保持電流を通電することにより、それぞ
れの電磁バルブを開状態または閉状態に保持する電磁ア
クチュエータ制御装置であって、複数の電磁バルブの駆
動について無効時間を計測する無効時間計測手段と、該
複数の電磁バルブについて計測された無効時間のうち、
最大の無効時間を目標無効時間に設定する目標無効時間
学習手段と、該複数の電磁バルブについて、前記無効時
間計測手段によって計測される無効時間が前記設定され
た目標無効時間になるよう、該複数の電磁バルブに対応
する電磁石に通電する保持電流を制御する目標無効時間
制御手段とを備える電磁アクチュエータ制御装置が提供
される。バルブ間の無効時間が合わせられるので、バル
ブの挙動が安定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁バルブの駆
動についての無効時間を制御する電磁バルブ制御装置に
関し、より具体的には、電磁バルブの駆動について計測
された無効時間に基づいて、電磁バルブの電磁石への保
持電流の通電を制御する電磁バルブ制御装置に関する。
動についての無効時間を制御する電磁バルブ制御装置に
関し、より具体的には、電磁バルブの駆動について計測
された無効時間に基づいて、電磁バルブの電磁石への保
持電流の通電を制御する電磁バルブ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今後の可能性として、内燃機関の吸排気
バルブに電磁アクチュエータを適用することが望まれて
いる。電磁アクチュエータは、対向する一対の電磁石に
交互に電力を供給することにより、対向する一対のスプ
リングに挟まれたアマチャを、一方の終端位置と他方の
終端位置との間で駆動する。電磁アクチュエータによっ
て吸排気バルブを駆動すれば、機械的駆動に比べてバル
ブタイミングを多様に制御することが可能になり、よっ
て内燃機関の出力特性および燃費の改善が可能となる。
バルブに電磁アクチュエータを適用することが望まれて
いる。電磁アクチュエータは、対向する一対の電磁石に
交互に電力を供給することにより、対向する一対のスプ
リングに挟まれたアマチャを、一方の終端位置と他方の
終端位置との間で駆動する。電磁アクチュエータによっ
て吸排気バルブを駆動すれば、機械的駆動に比べてバル
ブタイミングを多様に制御することが可能になり、よっ
て内燃機関の出力特性および燃費の改善が可能となる。
【0003】一般的な電磁バルブにおいては、電磁石に
吸引され着座しているアマチャは、電磁石への保持電流
の通電が停止されることによって着座状態から開放さ
れ、対向する一対のスプリングの力がバランスする中立
位置に向かって変位を開始する。この変位に同期して、
あるタイミングで他方の電磁石に励磁電流を通電し、ア
マチャを吸引する力を発生させる。
吸引され着座しているアマチャは、電磁石への保持電流
の通電が停止されることによって着座状態から開放さ
れ、対向する一対のスプリングの力がバランスする中立
位置に向かって変位を開始する。この変位に同期して、
あるタイミングで他方の電磁石に励磁電流を通電し、ア
マチャを吸引する力を発生させる。
【0004】アマチャが他方の電磁石に近づくにつれ磁
束が急激に増し、該他方の電磁石の吸引力による仕事
が、一方の電磁石の残留磁束によるアマチャを引き戻そ
うとするわずかな仕事と機械的損失の和に打ち勝つ。こ
うしてアマチャは他方の電磁石に到達し、着座する。そ
の後、電磁石には、アマチャを着座位置に保持させるた
めの保持電流が供給される。
束が急激に増し、該他方の電磁石の吸引力による仕事
が、一方の電磁石の残留磁束によるアマチャを引き戻そ
うとするわずかな仕事と機械的損失の和に打ち勝つ。こ
うしてアマチャは他方の電磁石に到達し、着座する。そ
の後、電磁石には、アマチャを着座位置に保持させるた
めの保持電流が供給される。
【0005】実際のバルブ動作では、アマチャ保持時の
磁気吸引力の管理が難しく、アマチャを開放するときの
残留磁束にばらつきが生じる。その結果、電磁石への保
持電流の通電停止から実際にアマチャが着座位置から離
れるまでの時間が変動する(この通電停止から、アマチ
ャが所定量変位するのに要する時間を、「無効時間」と
呼ぶ)。したがって、実際にバルブの開弁/閉弁動作を
起動するバルブタイミング指令を実行する時点におい
て、すでに無効時間が経過しているのが望ましい。そう
でないと、実際にバルブタイミング指令を実行しても、
無効時間があるために、瞬時にバルブの開弁/閉弁動作
が開始されず、その結果バルブタイミングの精度が悪化
する。
磁気吸引力の管理が難しく、アマチャを開放するときの
残留磁束にばらつきが生じる。その結果、電磁石への保
持電流の通電停止から実際にアマチャが着座位置から離
れるまでの時間が変動する(この通電停止から、アマチ
ャが所定量変位するのに要する時間を、「無効時間」と
呼ぶ)。したがって、実際にバルブの開弁/閉弁動作を
起動するバルブタイミング指令を実行する時点におい
て、すでに無効時間が経過しているのが望ましい。そう
でないと、実際にバルブタイミング指令を実行しても、
無効時間があるために、瞬時にバルブの開弁/閉弁動作
が開始されず、その結果バルブタイミングの精度が悪化
する。
【0006】特開平11−324742号公報には、バ
ルブの全閉または全開状態を維持する保持電流を、製品
のバラツキおよび経時変化などの影響をうけずに最適化
する方法が記載されている。この方法によると、バルブ
を最初に全閉または全開動作させた後、バルブの全閉ま
たは全開状態を維持する保持電流を徐々に低減し、この
ときのアマチャの変位を変位センサにより読み込む。変
位センサの出力値が急変したときの保持電流を、バルブ
の全閉または全開状態を維持する際の限界値として学習
し、以降、イグニションスイッチをオフにするまで、こ
の限界値の10%増の電流を保持電流として供給する。
ルブの全閉または全開状態を維持する保持電流を、製品
のバラツキおよび経時変化などの影響をうけずに最適化
する方法が記載されている。この方法によると、バルブ
を最初に全閉または全開動作させた後、バルブの全閉ま
たは全開状態を維持する保持電流を徐々に低減し、この
ときのアマチャの変位を変位センサにより読み込む。変
位センサの出力値が急変したときの保持電流を、バルブ
の全閉または全開状態を維持する際の限界値として学習
し、以降、イグニションスイッチをオフにするまで、こ
の限界値の10%増の電流を保持電流として供給する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アマチ
ャが着座する電磁石のヨーク接触面が積層構造であるた
め、ヨーク接触面の平面度は、それぞれのヨークごとに
異なる。この平面度のバラツキにより、アマチャを保持
するときのヨークおよびアマチャの間のギャップが変化
する。したがって、個々の電磁アクチュエータ間には、
保持吸引力のバラツキが生じる。
ャが着座する電磁石のヨーク接触面が積層構造であるた
め、ヨーク接触面の平面度は、それぞれのヨークごとに
異なる。この平面度のバラツキにより、アマチャを保持
するときのヨークおよびアマチャの間のギャップが変化
する。したがって、個々の電磁アクチュエータ間には、
保持吸引力のバラツキが生じる。
【0008】図13は、この保持吸引力のバラツキを示
すグラフである。3つのグラフ101〜103は、それ
ぞれ別個の電磁アクチュエータに関するグラフであり、
電磁石に保持電流を通電したときの、保持電流と発生す
る吸引力の関係を示す。同じ吸引力を発生させるのに通
電すべき保持電流の大きさが、電磁石ごとに異なってい
るのがわかる。
すグラフである。3つのグラフ101〜103は、それ
ぞれ別個の電磁アクチュエータに関するグラフであり、
電磁石に保持電流を通電したときの、保持電流と発生す
る吸引力の関係を示す。同じ吸引力を発生させるのに通
電すべき保持電流の大きさが、電磁石ごとに異なってい
るのがわかる。
【0009】図14は、保持電流を一定にした場合に、
電磁アクチュエータごとに無効時間が異なることを示す
グラフである。グラフ105および106は、それぞれ
複数の線が示されているが、それぞれの線が、それぞれ
の電磁アクチュエータに対応する。グラフ105は、電
磁石に通電される保持電流の時間波形を示し、これは一
定になるよう制御されている。グラフ106は、アマチ
ャの変位を示す時間波形であり、それぞれの電磁アクチ
ュエータについて変位の立ち上がり方にバラツキが生じ
ているのがわかる。図13に示したように、保持電流が
一定の場合、電磁アクチュエータごとに吸引力が異な
る。したがって、図14に示されるように、それぞれの
電磁アクチュエータごとにアマチャの変位速度が異な
り、よって黒い矢印で示されるように無効時間にバラツ
キが生じる。このことは、内燃機関に設けられるバルブ
の開角にバラツキが生じることを示しており、その結果
気筒間において出力が異なることとなる。
電磁アクチュエータごとに無効時間が異なることを示す
グラフである。グラフ105および106は、それぞれ
複数の線が示されているが、それぞれの線が、それぞれ
の電磁アクチュエータに対応する。グラフ105は、電
磁石に通電される保持電流の時間波形を示し、これは一
定になるよう制御されている。グラフ106は、アマチ
ャの変位を示す時間波形であり、それぞれの電磁アクチ
ュエータについて変位の立ち上がり方にバラツキが生じ
ているのがわかる。図13に示したように、保持電流が
一定の場合、電磁アクチュエータごとに吸引力が異な
る。したがって、図14に示されるように、それぞれの
電磁アクチュエータごとにアマチャの変位速度が異な
り、よって黒い矢印で示されるように無効時間にバラツ
キが生じる。このことは、内燃機関に設けられるバルブ
の開角にバラツキが生じることを示しており、その結果
気筒間において出力が異なることとなる。
【0010】図15は、上記の特開平11−32474
2号公報のように、電磁石に通電する保持電流を最適化
した場合に、電磁アクチュエータごとに無効時間が異な
ることを示すグラフである。アマチャの着座状態を保持
するのに必要最小限の値になるよう保持電流を最適化す
ることは、消費電力の軽減を図るためにしばしば採用さ
れる手法である。図におけるグラフ107および108
は、それぞれ複数の線が示されているが、それぞれの線
が、それぞれの電磁アクチュエータに対応する。グラフ
107は、電磁石に通電される保持電流の時間波形を示
し、これは最適化されている。グラフ108は、アマチ
ャの変位を示す時間波形であり、それぞれの電磁アクチ
ュエータについて変位の立ち上がり方にバラツキが生じ
ているのがわかる。このように、保持電流を最適化する
と、保持動作中の吸引力は一定に制御されるが、保持電
流の通電を停止した後の吸引力の低減時間に差が生じ
る。その結果、電磁アクチュエータごとに無効時間が異
なることとなる。
2号公報のように、電磁石に通電する保持電流を最適化
した場合に、電磁アクチュエータごとに無効時間が異な
ることを示すグラフである。アマチャの着座状態を保持
するのに必要最小限の値になるよう保持電流を最適化す
ることは、消費電力の軽減を図るためにしばしば採用さ
れる手法である。図におけるグラフ107および108
は、それぞれ複数の線が示されているが、それぞれの線
が、それぞれの電磁アクチュエータに対応する。グラフ
107は、電磁石に通電される保持電流の時間波形を示
し、これは最適化されている。グラフ108は、アマチ
ャの変位を示す時間波形であり、それぞれの電磁アクチ
ュエータについて変位の立ち上がり方にバラツキが生じ
ているのがわかる。このように、保持電流を最適化する
と、保持動作中の吸引力は一定に制御されるが、保持電
流の通電を停止した後の吸引力の低減時間に差が生じ
る。その結果、電磁アクチュエータごとに無効時間が異
なることとなる。
【0011】図16は、図14および図15に示される
ような保持電流の制御により、バルブの開角にどのよう
なバラツキが生じるかを示すグラフである。グラフ10
9は、図14に示されるような保持電流の一定制御を実
行した場合の開角のバラツキを示し、グラフ110は、
図15に示されるような保持電流の最適化制御を実行し
た場合の開角のバラツキを示す。両者とも、エンジン回
転数が低い場合には開角のバラツキが低いが、回転数が
高くなるほど開角バラツキが大きくなる。電磁アクチュ
エータは、その機構特性に起因して、エンジン回転数に
関係なく一定の挙動を示すので、エンジン回転数が高く
なるほどエンジン性能に与える影響が大きくなる。
ような保持電流の制御により、バルブの開角にどのよう
なバラツキが生じるかを示すグラフである。グラフ10
9は、図14に示されるような保持電流の一定制御を実
行した場合の開角のバラツキを示し、グラフ110は、
図15に示されるような保持電流の最適化制御を実行し
た場合の開角のバラツキを示す。両者とも、エンジン回
転数が低い場合には開角のバラツキが低いが、回転数が
高くなるほど開角バラツキが大きくなる。電磁アクチュ
エータは、その機構特性に起因して、エンジン回転数に
関係なく一定の挙動を示すので、エンジン回転数が高く
なるほどエンジン性能に与える影響が大きくなる。
【0012】このように、保持電流のみを制御すると、
電磁アクチュエータ間に無効時間のバラツキが生じ、結
果としてエンジン性能が大きく影響される。したがっ
て、消費電力の軽減を図りつつ、電磁アクチュエータ間
の無効時間が同じになるよう保持電流を制御し、安定し
たエンジン出力を実現することができる電磁バルブ制御
装置が必要とされている。
電磁アクチュエータ間に無効時間のバラツキが生じ、結
果としてエンジン性能が大きく影響される。したがっ
て、消費電力の軽減を図りつつ、電磁アクチュエータ間
の無効時間が同じになるよう保持電流を制御し、安定し
たエンジン出力を実現することができる電磁バルブ制御
装置が必要とされている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1の電磁アクチュエータ制御装置は、それぞ
れが、対向する一対の電磁石により駆動される複数の電
磁バルブを有し、該一対の電磁石の一方に保持電流を通
電することにより、電磁バルブを開状態または閉状態に
保持する電磁アクチュエータ制御装置であって、前記複
数の電磁バルブの駆動について、無効時間を計測する無
効時間計測手段と、該複数の電磁バルブについて計測さ
れた無効時間のうち、最大の無効時間を目標無効時間に
設定する目標無効時間学習手段と、前記複数の電磁バル
ブについて、前記無効時間計測手段によって計測される
無効時間が前記設定された目標無効時間になるよう、該
複数の電磁バルブに対応する電磁石に通電する保持電流
を制御する目標無効時間制御手段と、を備えるという構
成をとる。
め、請求項1の電磁アクチュエータ制御装置は、それぞ
れが、対向する一対の電磁石により駆動される複数の電
磁バルブを有し、該一対の電磁石の一方に保持電流を通
電することにより、電磁バルブを開状態または閉状態に
保持する電磁アクチュエータ制御装置であって、前記複
数の電磁バルブの駆動について、無効時間を計測する無
効時間計測手段と、該複数の電磁バルブについて計測さ
れた無効時間のうち、最大の無効時間を目標無効時間に
設定する目標無効時間学習手段と、前記複数の電磁バル
ブについて、前記無効時間計測手段によって計測される
無効時間が前記設定された目標無効時間になるよう、該
複数の電磁バルブに対応する電磁石に通電する保持電流
を制御する目標無効時間制御手段と、を備えるという構
成をとる。
【0014】請求項1の発明によると、複数の電磁バル
ブについて計測された無効時間のうち最大のものが目標
無効時間に設定され、該目標無効時間になるようそれぞ
れの電磁バルブの電磁石に通電される保持電流が制御さ
れるので、電磁バルブ間のバルブ開角のバラツキが回避
され、安定したエンジン出力を実現することができる。
ブについて計測された無効時間のうち最大のものが目標
無効時間に設定され、該目標無効時間になるようそれぞ
れの電磁バルブの電磁石に通電される保持電流が制御さ
れるので、電磁バルブ間のバルブ開角のバラツキが回避
され、安定したエンジン出力を実現することができる。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明の電磁
アクチュエータ制御装置において、複数の電磁バルブの
それぞれの無効時間は、電磁バルブに対応する電磁石へ
の保持電流の通電停止から、該電磁バルブが所定量だけ
変位するのに要する時間である、という構成をとる。
アクチュエータ制御装置において、複数の電磁バルブの
それぞれの無効時間は、電磁バルブに対応する電磁石へ
の保持電流の通電停止から、該電磁バルブが所定量だけ
変位するのに要する時間である、という構成をとる。
【0016】請求項2の発明によると、電磁バルブが保
持動作から開放されたとき所定量だけ変位するのに要す
る時間を無効時間として計測されることにより、電磁バ
ルブの挙動のバラツキを、計測された無効時間に基づい
て安定化させることができる。
持動作から開放されたとき所定量だけ変位するのに要す
る時間を無効時間として計測されることにより、電磁バ
ルブの挙動のバラツキを、計測された無効時間に基づい
て安定化させることができる。
【0017】請求項3の発明は、請求項2の発明の電磁
アクチュエータ制御装置において、複数の電磁バルブの
それぞれは、アマチャに連結され、該アマチャを対向す
る一対の電磁石によって2つの終端位置の間で変位させ
ることによって駆動され、該電磁バルブを開状態に保持
するとき該アマチャは該終端位置の一方に保持され、該
電磁バルブを閉状態に保持するとき該アマチャは該終端
位置の他方に保持され、前記複数の電磁バルブのそれぞ
れの無効時間は、前記終端位置の一方に対応する電磁石
への保持電流の通電停止から、前記アマチャが所定量だ
け変位するのに要する時間、および前記終端位置の他方
に対応する電磁石への保持電流の通電停止から、前記ア
マチャが所定量だけ変位するのに要する時間を含む、と
いう構成をとる。
アクチュエータ制御装置において、複数の電磁バルブの
それぞれは、アマチャに連結され、該アマチャを対向す
る一対の電磁石によって2つの終端位置の間で変位させ
ることによって駆動され、該電磁バルブを開状態に保持
するとき該アマチャは該終端位置の一方に保持され、該
電磁バルブを閉状態に保持するとき該アマチャは該終端
位置の他方に保持され、前記複数の電磁バルブのそれぞ
れの無効時間は、前記終端位置の一方に対応する電磁石
への保持電流の通電停止から、前記アマチャが所定量だ
け変位するのに要する時間、および前記終端位置の他方
に対応する電磁石への保持電流の通電停止から、前記ア
マチャが所定量だけ変位するのに要する時間を含む、と
いう構成をとる。
【0018】請求項3の発明によると、電磁バルブが終
端位置の一方および他方から開放されたとき所定量だけ
変位するのに要する時間を無効時間として計測すること
により、電磁バルブの開弁動作および閉弁動作のバラツ
キを、計測された無効時間に基づいて安定化させること
ができる。
端位置の一方および他方から開放されたとき所定量だけ
変位するのに要する時間を無効時間として計測すること
により、電磁バルブの開弁動作および閉弁動作のバラツ
キを、計測された無効時間に基づいて安定化させること
ができる。
【0019】請求項4の発明は、請求項3の発明の電磁
アクチュエータ制御装置において、無効時間計測手段
は、前記複数の電磁バルブについて、前記アマチャが前
記終端位置の一方から脱落することのない最小の保持電
流が通電停止されたときの無効時間を計測する、という
構成をとる。
アクチュエータ制御装置において、無効時間計測手段
は、前記複数の電磁バルブについて、前記アマチャが前
記終端位置の一方から脱落することのない最小の保持電
流が通電停止されたときの無効時間を計測する、という
構成をとる。
【0020】請求項4の発明によると、最小の保持電流
が通電停止されたときの無効時間が計測され、該計測さ
れた無効時間に基づいて目標無効時間が設定されるの
で、消費電力を軽減しつつ、バルブ間において開角の安
定化を図ることができる。
が通電停止されたときの無効時間が計測され、該計測さ
れた無効時間に基づいて目標無効時間が設定されるの
で、消費電力を軽減しつつ、バルブ間において開角の安
定化を図ることができる。
【0021】請求項5の発明は、請求項2の発明の電磁
アクチュエータ制御装置において、目標無効時間になる
よう保持電流が設定されている間に前記アマチャが前記
終端位置の一方から脱落したとき、目標無効時間を所定
量増大し、該増大した目標無効時間になるよう保持電流
を制御する、という構成をとる。
アクチュエータ制御装置において、目標無効時間になる
よう保持電流が設定されている間に前記アマチャが前記
終端位置の一方から脱落したとき、目標無効時間を所定
量増大し、該増大した目標無効時間になるよう保持電流
を制御する、という構成をとる。
【0022】請求項5の発明によると、目標無効時間に
基づいて保持動作を実行している間にアマチャ脱落が発
生した場合には、目標無効時間が所定量大きく再設定さ
れるので、運転状況に応じて目標無効時間を適切に設定
し直すことができる。
基づいて保持動作を実行している間にアマチャ脱落が発
生した場合には、目標無効時間が所定量大きく再設定さ
れるので、運転状況に応じて目標無効時間を適切に設定
し直すことができる。
【0023】請求項6の発明は、請求項1の発明の電磁
アクチュエータ制御装置において、複数の電磁バルブ
が、内燃機関の吸気バルブおよび排気バルブを含む、と
いう構成をとる。
アクチュエータ制御装置において、複数の電磁バルブ
が、内燃機関の吸気バルブおよび排気バルブを含む、と
いう構成をとる。
【0024】請求項6の発明によると、内燃機関の吸気
バルブおよび排気バルブの動作についての無効時間が制
御されるので、エンジン出力を安定化させることができ
る。
バルブおよび排気バルブの動作についての無効時間が制
御されるので、エンジン出力を安定化させることができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】次に図面を参照してこの発明の実
施の形態を、エンジンのバルブを駆動する電磁アクチュ
エータを例にとって説明する。図1は、電磁アクチュエ
ータ60、および該電磁アクチュエータ60を制御する
制御装置50の全体的な構成を示すブロック図である。
制御装置50は、マイクロコンピュータおよびこれに付
随する回路素子で構成される。制御装置50は、各種セ
ンサからの信号を受け取る入力インターフェース51、
中央演算処理装置53(以下「CPU」という)、実行
するプログラムおよびデータを格納するROM54(読
み取り専用メモリ)、実行時の作業領域を提供し演算結
果などを記憶するRAM55(ランダムアクセスメモ
リ)、およびエンジン各部に制御信号を送る出力インタ
ーフェース52を備える。
施の形態を、エンジンのバルブを駆動する電磁アクチュ
エータを例にとって説明する。図1は、電磁アクチュエ
ータ60、および該電磁アクチュエータ60を制御する
制御装置50の全体的な構成を示すブロック図である。
制御装置50は、マイクロコンピュータおよびこれに付
随する回路素子で構成される。制御装置50は、各種セ
ンサからの信号を受け取る入力インターフェース51、
中央演算処理装置53(以下「CPU」という)、実行
するプログラムおよびデータを格納するROM54(読
み取り専用メモリ)、実行時の作業領域を提供し演算結
果などを記憶するRAM55(ランダムアクセスメモ
リ)、およびエンジン各部に制御信号を送る出力インタ
ーフェース52を備える。
【0026】制御装置50の入力インターフェース51
には、変位センサ65から出力された変位を表す信号が
入力される。また、エンジン回転数(Ne)、エンジン
水温(Tw)、吸気温(Ta)、バッテリ電圧(V
B)、イグニションスイッチ(IGSW)などを表す各種セ
ンサからの信号79が入力され、さらに要求負荷検出手
段78によって検出された所望のトルクが入力される。
要求負荷検出手段78は、たとえばアクセルペダルの踏
み込み量を検出するアクセルペダルセンサによって実現
することができる。
には、変位センサ65から出力された変位を表す信号が
入力される。また、エンジン回転数(Ne)、エンジン
水温(Tw)、吸気温(Ta)、バッテリ電圧(V
B)、イグニションスイッチ(IGSW)などを表す各種セ
ンサからの信号79が入力され、さらに要求負荷検出手
段78によって検出された所望のトルクが入力される。
要求負荷検出手段78は、たとえばアクセルペダルの踏
み込み量を検出するアクセルペダルセンサによって実現
することができる。
【0027】電磁アクチュエータ60は、バルブ20、
アマチャ22、電磁石63および変位センサ65を備え
る。電磁石63に通電することによりアマチャ22は駆
動され、変位を開始する。アマチャ22の変位に従っ
て、バルブ20は開いたり閉じたりされる。
アマチャ22、電磁石63および変位センサ65を備え
る。電磁石63に通電することによりアマチャ22は駆
動され、変位を開始する。アマチャ22の変位に従っ
て、バルブ20は開いたり閉じたりされる。
【0028】駆動回路77は、制御装置50からの制御
信号に従って、定電圧源75から供給される電圧をパル
ス幅変調し、電磁アクチュエータ60の電磁石63に供
給する。駆動回路77には電流検出器71が接続されて
おり、電流検出器71は、電磁石63に供給される電流
の大きさを検出して制御装置50にフィードバックす
る。また、駆動回路77には電圧検出器72が接続され
ており、電圧検出器72は、電磁石63の電圧の大きさ
を検出して制御装置50にフィードバックする。
信号に従って、定電圧源75から供給される電圧をパル
ス幅変調し、電磁アクチュエータ60の電磁石63に供
給する。駆動回路77には電流検出器71が接続されて
おり、電流検出器71は、電磁石63に供給される電流
の大きさを検出して制御装置50にフィードバックす
る。また、駆動回路77には電圧検出器72が接続され
ており、電圧検出器72は、電磁石63の電圧の大きさ
を検出して制御装置50にフィードバックする。
【0029】制御装置50は、変位センサ65によって
検出されたアマチャの変位に基づいて、電磁石63への
電力供給のタイミング、供給する電圧の大きさ、電圧を
供給する期間などのパラメータを、予めROM54に格
納されている制御プログラムに従って決定し、これを制
御信号として、出力インターフェース52を介して出力
する。制御装置50は、上記制御信号を決定するとき、
必要に応じて、上記各種センサ79および要求負荷検出
手段78からの検出信号、電流検出器71および電圧検
出器72からフィードバックされた電流および電圧値を
考慮に入れることができる。
検出されたアマチャの変位に基づいて、電磁石63への
電力供給のタイミング、供給する電圧の大きさ、電圧を
供給する期間などのパラメータを、予めROM54に格
納されている制御プログラムに従って決定し、これを制
御信号として、出力インターフェース52を介して出力
する。制御装置50は、上記制御信号を決定するとき、
必要に応じて、上記各種センサ79および要求負荷検出
手段78からの検出信号、電流検出器71および電圧検
出器72からフィードバックされた電流および電圧値を
考慮に入れることができる。
【0030】この発明の一実施例によると、変位センサ
65は、アマチャ22の変位に応じて連動する永久磁
石、および該永久磁石からの磁束密度を検出するホール
素子を備え、該ホール素子から検出されたホール電圧に
従って変位を検出する。しかしながら、他の実施例にお
いては、他の任意の方法で変位センサを実現することが
できる。たとえば、アマチャ22の変位に従って連動す
る永久磁石、および変位によって生じた時間あたりの磁
束密度の変化に応じて誘起電圧を出力するサーチコイル
を備え、該出力された誘起電圧からアマチャ22の変位
を検出するようにしてもよい。
65は、アマチャ22の変位に応じて連動する永久磁
石、および該永久磁石からの磁束密度を検出するホール
素子を備え、該ホール素子から検出されたホール電圧に
従って変位を検出する。しかしながら、他の実施例にお
いては、他の任意の方法で変位センサを実現することが
できる。たとえば、アマチャ22の変位に従って連動す
る永久磁石、および変位によって生じた時間あたりの磁
束密度の変化に応じて誘起電圧を出力するサーチコイル
を備え、該出力された誘起電圧からアマチャ22の変位
を検出するようにしてもよい。
【0031】図2は、図1の電磁アクチュエータ60の
概略の構造を示す断面図である。バルブ20は、内燃機
関の吸気ポートまたは排気ポート(以下、吸排気ポート
30という)に設けられ、該吸排気ポート30を開閉す
る。バルブ20は、電磁アクチュエータ60によって上
方向に駆動されるとエンジンの吸排気ポート30に設け
られたバルブシート31に密着して停止し、吸排気ポー
ト30を閉じる。また、バルブ20は、電磁アクチュエ
ータ60によって下方向に駆動されるとバルブシート3
1を離れ、バルブシート31から所定の距離だけ離れた
位置まで下降し、吸排気ポート30を開く。
概略の構造を示す断面図である。バルブ20は、内燃機
関の吸気ポートまたは排気ポート(以下、吸排気ポート
30という)に設けられ、該吸排気ポート30を開閉す
る。バルブ20は、電磁アクチュエータ60によって上
方向に駆動されるとエンジンの吸排気ポート30に設け
られたバルブシート31に密着して停止し、吸排気ポー
ト30を閉じる。また、バルブ20は、電磁アクチュエ
ータ60によって下方向に駆動されるとバルブシート3
1を離れ、バルブシート31から所定の距離だけ離れた
位置まで下降し、吸排気ポート30を開く。
【0032】バルブ20には、その上方に向かってバル
ブシャフト21が連設されている。バルブシャフト21
は、バルブガイド23によって軸方向に運動可能に保持
されており、その上端には、軟磁性材料で作られた円板
上のアマチャ22が取り付けられている。アマチャ22
は、第1のスプリング16および第2のスプリング17
によって上下から付勢されている。
ブシャフト21が連設されている。バルブシャフト21
は、バルブガイド23によって軸方向に運動可能に保持
されており、その上端には、軟磁性材料で作られた円板
上のアマチャ22が取り付けられている。アマチャ22
は、第1のスプリング16および第2のスプリング17
によって上下から付勢されている。
【0033】電磁アクチュエータ60の非磁性材料のハ
ウジング18内には、アマチャ22の上方に位置する閉
弁側電磁石11、およびアマチャ22の下方に位置する
開弁側電磁石13が設けられている。閉弁側電磁石11
は第1の磁気ヨーク12で囲まれており、開弁側電磁石
13は第2の磁気ヨーク14で囲まれている。第1のス
プリング16および第2のスプリング17は、閉弁側電
磁石11または開弁側電磁石13のいずれにも電流が通
電されていない状態で、アマチャ22が閉弁側電磁石1
1と開弁側電磁石13の間の中間に位置するようなバラ
ンスで設けられている。
ウジング18内には、アマチャ22の上方に位置する閉
弁側電磁石11、およびアマチャ22の下方に位置する
開弁側電磁石13が設けられている。閉弁側電磁石11
は第1の磁気ヨーク12で囲まれており、開弁側電磁石
13は第2の磁気ヨーク14で囲まれている。第1のス
プリング16および第2のスプリング17は、閉弁側電
磁石11または開弁側電磁石13のいずれにも電流が通
電されていない状態で、アマチャ22が閉弁側電磁石1
1と開弁側電磁石13の間の中間に位置するようなバラ
ンスで設けられている。
【0034】駆動回路77によって閉弁側電磁石11に
励磁電流が通電すると、閉弁側電磁石のヨーク12およ
びアマチャ22が磁化されて互いに吸引しあい、アマチ
ャ22は上方向に引きつけられる。その結果、バルブシ
ャフト21によってバルブ20は上方向に駆動され、バ
ルブシート31に密着して停止し、閉状態になる。
励磁電流が通電すると、閉弁側電磁石のヨーク12およ
びアマチャ22が磁化されて互いに吸引しあい、アマチ
ャ22は上方向に引きつけられる。その結果、バルブシ
ャフト21によってバルブ20は上方向に駆動され、バ
ルブシート31に密着して停止し、閉状態になる。
【0035】閉弁側電磁石11への励磁電流の供給を停
止し、開弁側電磁石13に励磁電流を通電すると、開弁
側電磁石のヨーク14およびアマチャ22が磁化されて
互いに吸引しあう。アマチャ22は、ばねのポテンシャ
ルエネルギーと相まって下方向に駆動され、開弁側電磁
石のヨーク14に接触した状態で停止する。その結果、
バルブシャフト21によってバルブ20が下方向に駆動
され、バルブ20は開状態になる。
止し、開弁側電磁石13に励磁電流を通電すると、開弁
側電磁石のヨーク14およびアマチャ22が磁化されて
互いに吸引しあう。アマチャ22は、ばねのポテンシャ
ルエネルギーと相まって下方向に駆動され、開弁側電磁
石のヨーク14に接触した状態で停止する。その結果、
バルブシャフト21によってバルブ20が下方向に駆動
され、バルブ20は開状態になる。
【0036】図3を参照して、電磁アクチュエータ60
の駆動制御を説明する。図3の波形121はアマチャ2
2の変位を示す。ここで、左の軸の0mmの箇所は閉弁
側電磁石のヨーク12(以下、閉弁側ヨークという)を
示し、開弁側電磁石のヨーク14(以下、開弁側ヨーク
という)は、ここから7mm離れた位置にある。グラフ
122は開弁側電磁石13に供給される電流を示し、波
形123は、開弁側電磁石13に供給される電圧を示
し、波形124は、開弁側電磁石13から発生する吸引
力を示す。
の駆動制御を説明する。図3の波形121はアマチャ2
2の変位を示す。ここで、左の軸の0mmの箇所は閉弁
側電磁石のヨーク12(以下、閉弁側ヨークという)を
示し、開弁側電磁石のヨーク14(以下、開弁側ヨーク
という)は、ここから7mm離れた位置にある。グラフ
122は開弁側電磁石13に供給される電流を示し、波
形123は、開弁側電磁石13に供給される電圧を示
し、波形124は、開弁側電磁石13から発生する吸引
力を示す。
【0037】アマチャ22が閉弁側ヨーク12に着座し
てバルブ20が閉状態にあるとき、時刻0msにおい
て、閉弁側電磁石11に供給されていた保持電流が停止
されたとする。アマチャ22は閉弁側ヨーク12から開
放され、第1のスプリング16および第2のスプリング
17の位置エネルギーによって開弁側電磁石13に向け
て移動を開始する。
てバルブ20が閉状態にあるとき、時刻0msにおい
て、閉弁側電磁石11に供給されていた保持電流が停止
されたとする。アマチャ22は閉弁側ヨーク12から開
放され、第1のスプリング16および第2のスプリング
17の位置エネルギーによって開弁側電磁石13に向け
て移動を開始する。
【0038】時刻0msの時点で通電を停止してから、
実際にアマチャが1mmだけ変位するまでには、ある程
度の時間がかかる。図3の例では、この時間が矢印12
5で示されており、約1.4ms(ミリ秒)である。こ
の、アマチャが着座状態から開放されて所定量だけ変位
するのに要する時間を、以下「無効時間」と呼び、この
実施例では、この所定量を1mmに設定する。したがっ
て、図3の例では、開弁動作における無効時間は約1.
4msであることがわかる。
実際にアマチャが1mmだけ変位するまでには、ある程
度の時間がかかる。図3の例では、この時間が矢印12
5で示されており、約1.4ms(ミリ秒)である。こ
の、アマチャが着座状態から開放されて所定量だけ変位
するのに要する時間を、以下「無効時間」と呼び、この
実施例では、この所定量を1mmに設定する。したがっ
て、図3の例では、開弁動作における無効時間は約1.
4msであることがわかる。
【0039】アマチャ22が、第1のスプリング16お
よび第2のスプリング17の力がバランスする中立位置
に達した付近(移動を開始してから約3ms後)で、制
御装置50は駆動回路77に制御信号を送り、波形12
3に示されるように開弁側電磁石13に一定電圧を供給
する。
よび第2のスプリング17の力がバランスする中立位置
に達した付近(移動を開始してから約3ms後)で、制
御装置50は駆動回路77に制御信号を送り、波形12
3に示されるように開弁側電磁石13に一定電圧を供給
する。
【0040】電圧供給の開始当初は、アマチャとヨーク
との間の空隙が大きいため、電磁石に生じる逆起電力は
小さい。電磁石に供給される電圧は一定に保たれるよう
制御されるので、電気負荷が軽くなれば駆動回路77か
ら供給される電流が波形122に見られるように大きく
なり、電源から電磁石への電力の流入が増大する。この
ため、電磁石が発生する磁束が増大し、波形124に示
されるように吸引力の成長が進む。
との間の空隙が大きいため、電磁石に生じる逆起電力は
小さい。電磁石に供給される電圧は一定に保たれるよう
制御されるので、電気負荷が軽くなれば駆動回路77か
ら供給される電流が波形122に見られるように大きく
なり、電源から電磁石への電力の流入が増大する。この
ため、電磁石が発生する磁束が増大し、波形124に示
されるように吸引力の成長が進む。
【0041】アマチャ22が開弁側ヨーク14に着座し
たとき、定電圧の供給を停止し、1.5アンペア程度の
保持電流を供給する定電流制御に移行する。図3の例で
は、5.2ms付近で定電流制御に切り換えられてい
る。定電流制御は、8msまで続いている。
たとき、定電圧の供給を停止し、1.5アンペア程度の
保持電流を供給する定電流制御に移行する。図3の例で
は、5.2ms付近で定電流制御に切り換えられてい
る。定電流制御は、8msまで続いている。
【0042】次に、アマチャ22を上方向に変位させて
バルブ20の閉弁動作を開始するため、保持電流の通電
を停止する(時刻8ms)。アマチャ22は、開弁側ヨ
ーク14から開放され、第1のスプリング16および第
2のスプリング17の位置エネルギーによって閉弁側電
磁石11に向けて移動を開始する。
バルブ20の閉弁動作を開始するため、保持電流の通電
を停止する(時刻8ms)。アマチャ22は、開弁側ヨ
ーク14から開放され、第1のスプリング16および第
2のスプリング17の位置エネルギーによって閉弁側電
磁石11に向けて移動を開始する。
【0043】時刻8msの時点で通電を停止してから、
実際にアマチャが1mmだけ変位するまでには、ある程
度の時間を要する。図3の例では、この時間が矢印12
6で示されており、8ms〜約9.7ms、すなわち約
1.7ms(ミリ秒)である。したがって、図3の例で
は、閉弁動作における無効時間は約1.7msであるこ
とがわかる。
実際にアマチャが1mmだけ変位するまでには、ある程
度の時間を要する。図3の例では、この時間が矢印12
6で示されており、8ms〜約9.7ms、すなわち約
1.7ms(ミリ秒)である。したがって、図3の例で
は、閉弁動作における無効時間は約1.7msであるこ
とがわかる。
【0044】図4は、吸気バルブおよび排気バルブのそ
れぞれの開閉動作における無効時間を示すグラフであ
る。波形131は、排気バルブにおけるアマチャ変位の
時間波形を示し、波形132は、吸気バルブにおけるア
マチャ変位の時間波形を示す。波形141は、排気バル
ブの閉弁側電磁石に通電される電流の時間波形を示し、
矢印151は、該排気バルブの開弁動作における無効時
間を示す。同様に、波形142は、排気バルブの開弁側
電磁石に通電される電流の時間波形を示し、矢印152
は、該排気バルブの閉弁動作における無効時間を示す。
波形143は、吸気バルブの閉弁側電磁石に通電される
電流の時間波形を示し、矢印153は、該吸気バルブの
開弁動作における無効時間を示す。波形144は、吸気
バルブの開弁側電磁石に通電される電流の時間波形を示
し、矢印154は、吸気バルブの閉弁動作における無効
時間を示す。このように、この実施例においては、一組
の吸排気バルブについて矢印151〜154で示される
4つの無効時間が計測される。
れぞれの開閉動作における無効時間を示すグラフであ
る。波形131は、排気バルブにおけるアマチャ変位の
時間波形を示し、波形132は、吸気バルブにおけるア
マチャ変位の時間波形を示す。波形141は、排気バル
ブの閉弁側電磁石に通電される電流の時間波形を示し、
矢印151は、該排気バルブの開弁動作における無効時
間を示す。同様に、波形142は、排気バルブの開弁側
電磁石に通電される電流の時間波形を示し、矢印152
は、該排気バルブの閉弁動作における無効時間を示す。
波形143は、吸気バルブの閉弁側電磁石に通電される
電流の時間波形を示し、矢印153は、該吸気バルブの
開弁動作における無効時間を示す。波形144は、吸気
バルブの開弁側電磁石に通電される電流の時間波形を示
し、矢印154は、吸気バルブの閉弁動作における無効
時間を示す。このように、この実施例においては、一組
の吸排気バルブについて矢印151〜154で示される
4つの無効時間が計測される。
【0045】図5は、保持電流と無効時間の関係を示す
グラフである。波形161〜164は保持電流の時間波
形を示し、波形161’〜164’は、波形161〜1
64のそれぞれに対応したアマチャ変位の時間波形を示
す。図に示されるように、保持電流が低減されるにつ
れ、無効時間が減少する。これは、保持電流を低減させ
ると、該保持電流が通電される電磁石から発生する磁束
が減少するので吸引力が減少し、したがってアマチャが
該電磁石から開放されたときの変位速度が増加するから
である。
グラフである。波形161〜164は保持電流の時間波
形を示し、波形161’〜164’は、波形161〜1
64のそれぞれに対応したアマチャ変位の時間波形を示
す。図に示されるように、保持電流が低減されるにつ
れ、無効時間が減少する。これは、保持電流を低減させ
ると、該保持電流が通電される電磁石から発生する磁束
が減少するので吸引力が減少し、したがってアマチャが
該電磁石から開放されたときの変位速度が増加するから
である。
【0046】図6は、この発明に従う電磁アクチュエー
タ制御装置の機能ブロック図である。この実施例におい
ては、図4を参照して説明したように、排気バルブの開
弁動作、排気バルブの閉弁動作、吸気バルブの開弁動
作、および吸気バルブの閉弁動作の4パターンについて
無効時間が計測される。この図において、機能ブロック
の右下に「×4」と表示されているのは、その機能ブロ
ックによって実現される機能が、上記4パターンのそれ
ぞれについて別個に実行されることを示す。
タ制御装置の機能ブロック図である。この実施例におい
ては、図4を参照して説明したように、排気バルブの開
弁動作、排気バルブの閉弁動作、吸気バルブの開弁動
作、および吸気バルブの閉弁動作の4パターンについて
無効時間が計測される。この図において、機能ブロック
の右下に「×4」と表示されているのは、その機能ブロ
ックによって実現される機能が、上記4パターンのそれ
ぞれについて別個に実行されることを示す。
【0047】保持電流設定部81は、電磁石に通電する
保持電流の値を設定する。ここで、排気バルブの開弁側
電磁石、排気バルブの閉弁側電磁石、吸気バルブの開弁
側電磁石および吸気バルブの閉弁側電磁石に通電する保
持電流を、それぞれIexo、Iexc、IinoおよびIincと
表す。保持電流設定部81は、イグニションスイッチが
オン状態にされた運転サイクル開始時においては、予め
決められた値である初期値をそれぞれの保持電流に設定
する。この予め決められた値は、アマチャを十分電磁石
のヨークに着座させることのできる値に設定される。す
べてのパターンについて同じ初期値を使用してもよい
し、それぞれのパターンに適合した初期値を使用しても
よい。
保持電流の値を設定する。ここで、排気バルブの開弁側
電磁石、排気バルブの閉弁側電磁石、吸気バルブの開弁
側電磁石および吸気バルブの閉弁側電磁石に通電する保
持電流を、それぞれIexo、Iexc、IinoおよびIincと
表す。保持電流設定部81は、イグニションスイッチが
オン状態にされた運転サイクル開始時においては、予め
決められた値である初期値をそれぞれの保持電流に設定
する。この予め決められた値は、アマチャを十分電磁石
のヨークに着座させることのできる値に設定される。す
べてのパターンについて同じ初期値を使用してもよい
し、それぞれのパターンに適合した初期値を使用しても
よい。
【0048】運転サイクルの開始後、無効時間計測部8
2は、電磁石への保持電流の通電停止から、アマチャが
1mm変位するまでの無効時間を計測する。アマチャの
1mm変位は、変位センサ65によって検出される。
2は、電磁石への保持電流の通電停止から、アマチャが
1mm変位するまでの無効時間を計測する。アマチャの
1mm変位は、変位センサ65によって検出される。
【0049】一方、保持電流設定部81は、無効時間計
測部81によって無効時間が計測されている間、それぞ
れの電磁石に通電される保持電流を、上記の初期値から
徐々に低減させる。これは、アマチャの着座状態を維持
するのに必要最小限の保持電流を求めるためである。保
持電流が徐々に低減されると、いずれアマチャは着座状
態から脱落する。
測部81によって無効時間が計測されている間、それぞ
れの電磁石に通電される保持電流を、上記の初期値から
徐々に低減させる。これは、アマチャの着座状態を維持
するのに必要最小限の保持電流を求めるためである。保
持電流が徐々に低減されると、いずれアマチャは着座状
態から脱落する。
【0050】アマチャ脱落判定部83は、任意の方法で
アマチャの脱落判定を行う。たとえば、保持動作中にお
いてアマチャが着座状態から脱落すると、アマチャと電
磁石のヨークとの間の空隙が増大し、磁気抵抗が増加し
始める。そのため、磁路を流れる総磁束の変化を抑制し
ようとして、電磁石に流れる電流が急上昇する。したが
って、保持動作中、電磁石に流れる電流を監視し、該電
流が急激に増加した場合に脱落と判定することができ
る。
アマチャの脱落判定を行う。たとえば、保持動作中にお
いてアマチャが着座状態から脱落すると、アマチャと電
磁石のヨークとの間の空隙が増大し、磁気抵抗が増加し
始める。そのため、磁路を流れる総磁束の変化を抑制し
ようとして、電磁石に流れる電流が急上昇する。したが
って、保持動作中、電磁石に流れる電流を監視し、該電
流が急激に増加した場合に脱落と判定することができ
る。
【0051】無効時間計測部82は、アマチャ脱落判定
部83によってアマチャの脱落が判定されたとき、アマ
チャの脱落が発生する直前のサイクルにおいて計測され
た無効時間を目標無効時間候補に設定する。すなわち、
目標無効時間候補は、アマチャの脱落を引き起こすこと
なくアマチャの着座状態を保持するのに必要最小限の保
持電流の通電が停止されたときに計測された無効時間で
ある。こうして計測された無効時間は、エンジン回転数
Neおよび吸気管圧力Pbのような運転状況を示すパラ
メータによって補正されることができ、該補正された値
を目標無効時間候補に設定してもよい。この実施例にお
いては、排気バルブの開弁側についての候補Texo、排
気バルブの閉弁側についての候補Texc、吸気バルブの
開弁側についての候補Tinoおよび吸気バルブの閉弁側
についての候補Tincの4つの目標無効時間候補が求め
られる。
部83によってアマチャの脱落が判定されたとき、アマ
チャの脱落が発生する直前のサイクルにおいて計測され
た無効時間を目標無効時間候補に設定する。すなわち、
目標無効時間候補は、アマチャの脱落を引き起こすこと
なくアマチャの着座状態を保持するのに必要最小限の保
持電流の通電が停止されたときに計測された無効時間で
ある。こうして計測された無効時間は、エンジン回転数
Neおよび吸気管圧力Pbのような運転状況を示すパラ
メータによって補正されることができ、該補正された値
を目標無効時間候補に設定してもよい。この実施例にお
いては、排気バルブの開弁側についての候補Texo、排
気バルブの閉弁側についての候補Texc、吸気バルブの
開弁側についての候補Tinoおよび吸気バルブの閉弁側
についての候補Tincの4つの目標無効時間候補が求め
られる。
【0052】目標無効時間学習部84は、無効時間計測
部82から上記4つの目標無効時間候補を受け取り、該
目標無効時間候補のうち最大のものを選択し、これを目
標無効時間Tobjに設定する。このとき、選択した目標
無効時間候補に余裕分αを加算した値を目標無効時間と
してもよい。目標無効時間はメモリに記憶される。
部82から上記4つの目標無効時間候補を受け取り、該
目標無効時間候補のうち最大のものを選択し、これを目
標無効時間Tobjに設定する。このとき、選択した目標
無効時間候補に余裕分αを加算した値を目標無効時間と
してもよい。目標無効時間はメモリに記憶される。
【0053】一方、保持電流設定部81は、アマチャ脱
落判定部83によってアマチャの脱落が判定されたなら
ば、復帰動作を実行する。具体的には、保持電流を所定
量増大させることにより、アマチャを着座状態に戻す。
その後、保持電流設定部81は、保持電流を初期値に再
設定し、次のサイクルでは初期値の保持電流が電磁石に
通電されるようにする。ここで、1サイクルは、図4に
示されるように、閉弁側電磁石の保持電流の通電を停止
してから、アマチャが開弁側電磁石に吸引され、その後
再び閉弁側電磁石に着座して保持電流の通電を停止する
までの期間を示す。
落判定部83によってアマチャの脱落が判定されたなら
ば、復帰動作を実行する。具体的には、保持電流を所定
量増大させることにより、アマチャを着座状態に戻す。
その後、保持電流設定部81は、保持電流を初期値に再
設定し、次のサイクルでは初期値の保持電流が電磁石に
通電されるようにする。ここで、1サイクルは、図4に
示されるように、閉弁側電磁石の保持電流の通電を停止
してから、アマチャが開弁側電磁石に吸引され、その後
再び閉弁側電磁石に着座して保持電流の通電を停止する
までの期間を示す。
【0054】目標無効時間制御部85は、目標無効時間
学習部84から目標無効時間Tobjを受け取り、保持電
流を再び初期値から徐々に低減させるよう保持電流設定
部81を制御する。目標無効時間制御部85は、再び無
効時間を計測し、該計測された無効時間と目標無効時間
とを比較する。目標無効時間制御部85は、前者が後者
より大きければ、さらに所定量だけ保持電流を低減させ
るよう保持電流設定部81を制御する。こうして、計測
された無効時間が目標無効時間に等しくなったとき、保
持電流は固定される。以降のサイクルにおける保持動作
では、この固定された保持電流が電磁石に通電される。
学習部84から目標無効時間Tobjを受け取り、保持電
流を再び初期値から徐々に低減させるよう保持電流設定
部81を制御する。目標無効時間制御部85は、再び無
効時間を計測し、該計測された無効時間と目標無効時間
とを比較する。目標無効時間制御部85は、前者が後者
より大きければ、さらに所定量だけ保持電流を低減させ
るよう保持電流設定部81を制御する。こうして、計測
された無効時間が目標無効時間に等しくなったとき、保
持電流は固定される。以降のサイクルにおける保持動作
では、この固定された保持電流が電磁石に通電される。
【0055】こうして保持電流が固定された後に、保持
動作中に何らかの原因によってアマチャが脱落すると、
アマチャ脱落判定部83はこれを検出し、アマチャ脱落
を目標無効時間再学習部86に通知する。目標無効時間
再学習部86はこれに応答して、アマチャの復帰動作を
実行するよう保持電流設定部81を制御すると共に、そ
れぞれの電磁石に通電される保持電流を初期値に再設定
し、さらに目標無効時間Tobjを所定量だけ大きくす
る。
動作中に何らかの原因によってアマチャが脱落すると、
アマチャ脱落判定部83はこれを検出し、アマチャ脱落
を目標無効時間再学習部86に通知する。目標無効時間
再学習部86はこれに応答して、アマチャの復帰動作を
実行するよう保持電流設定部81を制御すると共に、そ
れぞれの電磁石に通電される保持電流を初期値に再設定
し、さらに目標無効時間Tobjを所定量だけ大きくす
る。
【0056】目標無効時間制御部85は、目標無効時間
再学習部86から新たに設定された目標無効時間Tobj
を受け取り、それぞれの電磁石に通電する保持電流を再
び初期値から徐々に低減させるよう保持電流設定部81
を制御する。目標無効時間制御部85は、再び無効時間
を計測し、該計測された無効時間と新たに設定された目
標無効時間Tobjとを比較する。目標無効時間制御部8
5は、前者が後者より大きければ、さらに所定量だけ保
持電流を低減させるよう保持電流設定部81を制御す
る。こうして、再び計測された無効時間が目標無効時間
に等しくなったとき、保持電流は固定される。それ以降
のサイクルにおける保持動作では、この固定された保持
電流が電磁石に通電される。
再学習部86から新たに設定された目標無効時間Tobj
を受け取り、それぞれの電磁石に通電する保持電流を再
び初期値から徐々に低減させるよう保持電流設定部81
を制御する。目標無効時間制御部85は、再び無効時間
を計測し、該計測された無効時間と新たに設定された目
標無効時間Tobjとを比較する。目標無効時間制御部8
5は、前者が後者より大きければ、さらに所定量だけ保
持電流を低減させるよう保持電流設定部81を制御す
る。こうして、再び計測された無効時間が目標無効時間
に等しくなったとき、保持電流は固定される。それ以降
のサイクルにおける保持動作では、この固定された保持
電流が電磁石に通電される。
【0057】図7は、電磁アクチュエータ制御装置によ
って実行される、それぞれのバルブの開閉動作の無効時
間を制御する全体的なフローチャートである。図8〜図
11に示される各種のフラグは、運転サイクル開始時に
はリセットされていると仮定する。
って実行される、それぞれのバルブの開閉動作の無効時
間を制御する全体的なフローチャートである。図8〜図
11に示される各種のフラグは、運転サイクル開始時に
はリセットされていると仮定する。
【0058】ステップ201において、イグニションス
イッチがオン状態にされて運転サイクルが開始されたか
どうか判断する。運転サイクル開始時には、それぞれの
電磁石に通電する保持電流Iexo、Iexc、Iinoおよび
Iincに、予め決められた初期値Iiniを設定する(20
2)。前述したように、Iiniは、アマチャが着座する
のに十分な大きさを有する。
イッチがオン状態にされて運転サイクルが開始されたか
どうか判断する。運転サイクル開始時には、それぞれの
電磁石に通電する保持電流Iexo、Iexc、Iinoおよび
Iincに、予め決められた初期値Iiniを設定する(20
2)。前述したように、Iiniは、アマチャが着座する
のに十分な大きさを有する。
【0059】ステップ203において、前回の運転サイ
クルにおいて目標無効時間Tobjがすでに設定されてい
るかどうか判断する。すでに目標無効時間Tobjが設定
されていれば、メモリから該目標無効時間Tobjを読み
出し、ステップ206に進んで、読み出した目標無効時
間Tobjに基づく無効時間制御ルーチンを実行する。し
たがって、この場合、無効時間計測ルーチンおよび目標
無効時間学習ルーチンは実行されない。
クルにおいて目標無効時間Tobjがすでに設定されてい
るかどうか判断する。すでに目標無効時間Tobjが設定
されていれば、メモリから該目標無効時間Tobjを読み
出し、ステップ206に進んで、読み出した目標無効時
間Tobjに基づく無効時間制御ルーチンを実行する。し
たがって、この場合、無効時間計測ルーチンおよび目標
無効時間学習ルーチンは実行されない。
【0060】ステップ203において、まだ目標無効時
間Tobjが設定されていなければ、ステップ204に進
んで無効時間計測ルーチンを実行し、図4に示される4
つの無効時間を計測する。ステップ205において、目
標無効時間学習ルーチンを実行し、計測された4つの無
効時間に基づいて目標無効時間を求める。ステップ20
6において、目標無効時間制御ルーチンを実行し、求め
た目標無効時間になるようそれぞれの保持電流を制御す
る。ステップ207は、ステップ206において目標無
効時間に基づいて保持電流が制御された後にアマチャの
脱落が発生した場合に再度目標無効時間を学習するルー
チンである。
間Tobjが設定されていなければ、ステップ204に進
んで無効時間計測ルーチンを実行し、図4に示される4
つの無効時間を計測する。ステップ205において、目
標無効時間学習ルーチンを実行し、計測された4つの無
効時間に基づいて目標無効時間を求める。ステップ20
6において、目標無効時間制御ルーチンを実行し、求め
た目標無効時間になるようそれぞれの保持電流を制御す
る。ステップ207は、ステップ206において目標無
効時間に基づいて保持電流が制御された後にアマチャの
脱落が発生した場合に再度目標無効時間を学習するルー
チンである。
【0061】図7において、無効時間計測ルーチンおよ
び目標無効時間制御ルーチンは、図4に示される4つの
パターンのそれぞれについて個別にかつ並列に実行され
る。それに対し、目標無効時間学習ルーチンおよび目標
無効時間再学習ルーチンは、上記4つのパターンに対し
て1つだけ設けられるルーチンである。
び目標無効時間制御ルーチンは、図4に示される4つの
パターンのそれぞれについて個別にかつ並列に実行され
る。それに対し、目標無効時間学習ルーチンおよび目標
無効時間再学習ルーチンは、上記4つのパターンに対し
て1つだけ設けられるルーチンである。
【0062】この実施例によると、前回の運転サイクル
において目標無効時間が学習されたならば、今回の運転
サイクルにおいては、再び目標無効時間を学習すること
なく、前回学習された目標無効時間に基づいて保持電流
が制御される。しかしながら、他の実施例では、運転サ
イクルごとに目標無効時間を学習して保持電流を制御す
るようにしてもよい。
において目標無効時間が学習されたならば、今回の運転
サイクルにおいては、再び目標無効時間を学習すること
なく、前回学習された目標無効時間に基づいて保持電流
が制御される。しかしながら、他の実施例では、運転サ
イクルごとに目標無効時間を学習して保持電流を制御す
るようにしてもよい。
【0063】図8は、ステップ204において実行され
る無効時間計測ルーチンのフローチャートである。前述
したように、このルーチンは上記4つのパターンについ
てそれぞれ実行されるが、ここでは煩雑さを避けるた
め、排気バルブの開弁動作についての無効時間計測ルー
チンのみを示す。しかしながら、他の3つのパターンに
ついても同様の動作が実行される。
る無効時間計測ルーチンのフローチャートである。前述
したように、このルーチンは上記4つのパターンについ
てそれぞれ実行されるが、ここでは煩雑さを避けるた
め、排気バルブの開弁動作についての無効時間計測ルー
チンのみを示す。しかしながら、他の3つのパターンに
ついても同様の動作が実行される。
【0064】ステップ211において、排気バルブの開
弁動作について無効時間の計測が完了したときに値1に
セットされる無効時間計測完了フラグFexoを調べる。
初めてこのルーチンに入ったとき、無効時間計測完了フ
ラグFexoにはまだ値1がセットされていないので、ス
テップ212に進み、排気バルブの開弁動作における無
効時間を計測する。ステップ213において、図7のス
テップ202で初期値Iiniに設定された、閉弁側電磁
石に通電する保持電流Iexcを所定量だけ低減する。こ
うして、次のサイクルにおける保持電流が設定される。
弁動作について無効時間の計測が完了したときに値1に
セットされる無効時間計測完了フラグFexoを調べる。
初めてこのルーチンに入ったとき、無効時間計測完了フ
ラグFexoにはまだ値1がセットされていないので、ス
テップ212に進み、排気バルブの開弁動作における無
効時間を計測する。ステップ213において、図7のス
テップ202で初期値Iiniに設定された、閉弁側電磁
石に通電する保持電流Iexcを所定量だけ低減する。こ
うして、次のサイクルにおける保持電流が設定される。
【0065】ステップ214において、アマチャが排気
バルブの閉弁側ヨークに保持されている動作中に、アマ
チャの脱落が発生したかどうか判断する。アマチャの脱
落が発生しなければ、このままこのルーチンを抜け、再
びこのルーチンに入ったときに、ステップ213におい
て保持電流Iexcをさらに所定量だけ低減する。このよ
うに保持電流を徐々に低減すると、いずれアマチャは脱
落し、ステップ215に進む。
バルブの閉弁側ヨークに保持されている動作中に、アマ
チャの脱落が発生したかどうか判断する。アマチャの脱
落が発生しなければ、このままこのルーチンを抜け、再
びこのルーチンに入ったときに、ステップ213におい
て保持電流Iexcをさらに所定量だけ低減する。このよ
うに保持電流を徐々に低減すると、いずれアマチャは脱
落し、ステップ215に進む。
【0066】ステップ215において、アマチャの脱落
直前にステップ212において計測された無効時間を、
エンジン回転数Neおよび吸気管圧力Pbのような運転
状態に基づいて補正し、該補正した無効時間を目標無効
時間候補Texoに設定する。設定された目標無効時間候
補Texoは、メモリに記憶される。ステップ216に進
み、無効時間計測完了フラグFexoに値1をセットし、
この排気バルブの開弁動作についての無効時間計測が完
了したことを示す。
直前にステップ212において計測された無効時間を、
エンジン回転数Neおよび吸気管圧力Pbのような運転
状態に基づいて補正し、該補正した無効時間を目標無効
時間候補Texoに設定する。設定された目標無効時間候
補Texoは、メモリに記憶される。ステップ216に進
み、無効時間計測完了フラグFexoに値1をセットし、
この排気バルブの開弁動作についての無効時間計測が完
了したことを示す。
【0067】一方、アマチャの脱落が発生したので、ス
テップ217においてアマチャの復帰動作を実行し、以
降のサイクルにおいてアマチャを脱落させないよう保持
電流Iexcに初期値Iiniを設定する(218)。ここ
で、ステップ215および216と、ステップ217お
よび218は、並列に実行することができる。
テップ217においてアマチャの復帰動作を実行し、以
降のサイクルにおいてアマチャを脱落させないよう保持
電流Iexcに初期値Iiniを設定する(218)。ここ
で、ステップ215および216と、ステップ217お
よび218は、並列に実行することができる。
【0068】図9は、図7のステップ205で実行され
る目標無効時間学習ルーチンのフローチャートである。
ステップ221において、目標無効時間Tobjが設定さ
れたときに値1がセットされる無効時間学習完了フラグ
Fstuを調べる。初めてこのルーチンに入ったとき、無
効時間学習完了フラグFstuにはまだ値1がセットされ
ていないので、ステップ222に進む。ステップ222
において、上記4パターンのそれぞれについて無効時間
計測が完了したかどうか判断する。すなわち、排気バル
ブの開弁動作、排気バルブの閉弁動作、吸気バルブの開
弁動作および吸気バルブの閉弁動作にそれぞれ設けられ
た無効時間計測完了フラグFexo、Fexc、Finoおよび
Fincのすべてに値「1」がセットされているかどうか
判断する。すべてに1がセットされていれば、上記4パ
ターンのそれぞれについて目標無効時間候補が算出され
ていることを示すので、ステップ223に進み、それぞ
れの目標無効時間候補をメモリから読み出す。ステップ
224に進み、読み出された4つの目標無効時間候補T
exo、Tec、TinoおよびTincのうち最大のものを選択
し、これに余裕分αを加える。この[選択された目標無
効時間候補+α]を、目標無効時間Tobjに設定する。
こうして求められた目標無効時間Tobjは、次回の運転
サイクルで使用することができるよう、たとえばフラッ
シュメモリやEPROMのような不揮発性メモリに記憶
される。その後、ステップ225において、目標無効時
間学習完了フラグFstuに値1をセットし、目標無効時
間の学習が完了したことを示す。
る目標無効時間学習ルーチンのフローチャートである。
ステップ221において、目標無効時間Tobjが設定さ
れたときに値1がセットされる無効時間学習完了フラグ
Fstuを調べる。初めてこのルーチンに入ったとき、無
効時間学習完了フラグFstuにはまだ値1がセットされ
ていないので、ステップ222に進む。ステップ222
において、上記4パターンのそれぞれについて無効時間
計測が完了したかどうか判断する。すなわち、排気バル
ブの開弁動作、排気バルブの閉弁動作、吸気バルブの開
弁動作および吸気バルブの閉弁動作にそれぞれ設けられ
た無効時間計測完了フラグFexo、Fexc、Finoおよび
Fincのすべてに値「1」がセットされているかどうか
判断する。すべてに1がセットされていれば、上記4パ
ターンのそれぞれについて目標無効時間候補が算出され
ていることを示すので、ステップ223に進み、それぞ
れの目標無効時間候補をメモリから読み出す。ステップ
224に進み、読み出された4つの目標無効時間候補T
exo、Tec、TinoおよびTincのうち最大のものを選択
し、これに余裕分αを加える。この[選択された目標無
効時間候補+α]を、目標無効時間Tobjに設定する。
こうして求められた目標無効時間Tobjは、次回の運転
サイクルで使用することができるよう、たとえばフラッ
シュメモリやEPROMのような不揮発性メモリに記憶
される。その後、ステップ225において、目標無効時
間学習完了フラグFstuに値1をセットし、目標無効時
間の学習が完了したことを示す。
【0069】図10は、図7のステップ206で実行さ
れる目標無効時間制御ルーチンのフローチャートであ
る。このルーチンは、上記4パターンのそれぞれについ
て個別に実行される。ステップ231において、目標無
効時間制御が完了したときに値1がセットされる目標無
効時間制御完了フラグFcexoを調べる。このフラグは、
上記4パターンのそれぞれについて設けられるフラグで
ある。初めてこのルーチンに入ったとき、目標無効時間
制御完了フラグFcexoにはまだ値1がセットされていな
いので、ステップ232に進む。
れる目標無効時間制御ルーチンのフローチャートであ
る。このルーチンは、上記4パターンのそれぞれについ
て個別に実行される。ステップ231において、目標無
効時間制御が完了したときに値1がセットされる目標無
効時間制御完了フラグFcexoを調べる。このフラグは、
上記4パターンのそれぞれについて設けられるフラグで
ある。初めてこのルーチンに入ったとき、目標無効時間
制御完了フラグFcexoにはまだ値1がセットされていな
いので、ステップ232に進む。
【0070】ステップ232において、無効時間計測ル
ーチンにおいてアマチャが脱落したためにステップ21
8で初期値Iiniに設定された保持電流Iexcを、所定量
だけ低減する。ステップ233において、排気バルブの
開弁動作における無効時間を計測する。ステップ234
において、計測された無効時間と、目標無効時間学習ル
ーチンにおいて算出された目標無効時間Tobjとを比較
する。計測された無効時間が目標無効時間Tobjより大
きければ、このルーチンを抜け、再びこのルーチンに入
ったときにステップ232において保持電流Iexcをさ
らに所定量だけ低減する。こうして保持電流を低減する
につれ、無効時間は短くなっていく。
ーチンにおいてアマチャが脱落したためにステップ21
8で初期値Iiniに設定された保持電流Iexcを、所定量
だけ低減する。ステップ233において、排気バルブの
開弁動作における無効時間を計測する。ステップ234
において、計測された無効時間と、目標無効時間学習ル
ーチンにおいて算出された目標無効時間Tobjとを比較
する。計測された無効時間が目標無効時間Tobjより大
きければ、このルーチンを抜け、再びこのルーチンに入
ったときにステップ232において保持電流Iexcをさ
らに所定量だけ低減する。こうして保持電流を低減する
につれ、無効時間は短くなっていく。
【0071】計測された無効時間が目標無効時間Tobj
に等しくなったとき、保持電流Iexcを固定する(23
5)。以降、排気バルブの閉弁側ヨークにアマチャを保
持するときには、この固定された保持電流Iexcが通電
される。その後、目標無効時間制御完了フラグFcexoに
値1をセットし(236)、排気バルブの開弁動作にお
ける無効制御が完了したことを示す。
に等しくなったとき、保持電流Iexcを固定する(23
5)。以降、排気バルブの閉弁側ヨークにアマチャを保
持するときには、この固定された保持電流Iexcが通電
される。その後、目標無効時間制御完了フラグFcexoに
値1をセットし(236)、排気バルブの開弁動作にお
ける無効制御が完了したことを示す。
【0072】図11は、図7のステップ207において
実行される目標無効時間再学習ルーチンのフローチャー
トである。ステップ241において、目標無効時間制御
完了フラグFcexo、Fcexi、FcinoおよびFcincのう
ち、いずれかに値1がセットされているかどうか調べ
る。いずれかのフラグに値1がセットされていれば、値
1がセットされているフラグに対応するパターンについ
て無効時間制御が完了していることを示すので、ステッ
プ242に進み、値1がセットされているフラグに対応
するパターンの保持動作中にアマチャの脱落が発生した
かどうか判断する(242)。脱落が発生したならば、
それに対してアマチャの復帰動作を実行する(24
3)。なお、代わりに、ステップ241において、すべ
ての目標無効時間制御完了フラグに値1がセットされた
場合にのみステップ242に進むようにしても良い。
実行される目標無効時間再学習ルーチンのフローチャー
トである。ステップ241において、目標無効時間制御
完了フラグFcexo、Fcexi、FcinoおよびFcincのう
ち、いずれかに値1がセットされているかどうか調べ
る。いずれかのフラグに値1がセットされていれば、値
1がセットされているフラグに対応するパターンについ
て無効時間制御が完了していることを示すので、ステッ
プ242に進み、値1がセットされているフラグに対応
するパターンの保持動作中にアマチャの脱落が発生した
かどうか判断する(242)。脱落が発生したならば、
それに対してアマチャの復帰動作を実行する(24
3)。なお、代わりに、ステップ241において、すべ
ての目標無効時間制御完了フラグに値1がセットされた
場合にのみステップ242に進むようにしても良い。
【0073】ステップ244において、それぞれの保持
電流Iexo、Iexc、IinoおよびIincを初期値Iiniに
戻す。ステップ245に進み、現在設定されている目標
無効時間Tobjを所定量だけ増やす。こうすることによ
り、図5を参照して説明したように、アマチャを保持す
るのに必要な最小保持電流値を増やすことができる。ス
テップ246において、すべての目標無効時間制御完了
フラグFcexo、Fcexc、FcinoおよびFcincをゼロにリ
セットし、図10に示される目標無効時間制御ルーチン
を、この増やされた目標無効時間Tobjに基づいて実行
する(247)。すなわち、それぞれのパターンについ
ての無効時間が、この増やされた目標無効時間Tobjに
等しくなるよう、それぞれのパターンにおける保持電流
が制御される。こうして、運転状況が変化して一旦設定
された目標無効時間によってはアマチャの着座状態を維
持することができなくなった場合は、目標無効時間が新
たに再設定される。
電流Iexo、Iexc、IinoおよびIincを初期値Iiniに
戻す。ステップ245に進み、現在設定されている目標
無効時間Tobjを所定量だけ増やす。こうすることによ
り、図5を参照して説明したように、アマチャを保持す
るのに必要な最小保持電流値を増やすことができる。ス
テップ246において、すべての目標無効時間制御完了
フラグFcexo、Fcexc、FcinoおよびFcincをゼロにリ
セットし、図10に示される目標無効時間制御ルーチン
を、この増やされた目標無効時間Tobjに基づいて実行
する(247)。すなわち、それぞれのパターンについ
ての無効時間が、この増やされた目標無効時間Tobjに
等しくなるよう、それぞれのパターンにおける保持電流
が制御される。こうして、運転状況が変化して一旦設定
された目標無効時間によってはアマチャの着座状態を維
持することができなくなった場合は、目標無効時間が新
たに再設定される。
【0074】図12は、この発明に従う無効時間制御を
実行した場合の、個々の電磁アクチュエータ間の無効時
間のバラツキを示すグラフである。グラフ171および
172は、それぞれ複数の線が示されているが、それぞ
れの線が、それぞれの電磁アクチュエータに対応する。
グラフ171は、電磁石に通電される保持電流の時間波
形を示し、これは、前述したように目標無効時間になる
よう制御されている。グラフ172はアマチャの変位を
示す時間波形である。図12に示される無効時間のバラ
ツキが、図14の保持電流の一定制御および図15の保
持電流最適化制御の場合と比較して減少していることが
わかる。
実行した場合の、個々の電磁アクチュエータ間の無効時
間のバラツキを示すグラフである。グラフ171および
172は、それぞれ複数の線が示されているが、それぞ
れの線が、それぞれの電磁アクチュエータに対応する。
グラフ171は、電磁石に通電される保持電流の時間波
形を示し、これは、前述したように目標無効時間になる
よう制御されている。グラフ172はアマチャの変位を
示す時間波形である。図12に示される無効時間のバラ
ツキが、図14の保持電流の一定制御および図15の保
持電流最適化制御の場合と比較して減少していることが
わかる。
【0075】このように、それぞれの電磁バルブの開閉
動作において無効時間が同じになるよう制御することに
より、バルブの開角が安定化され、結果としてエンジン
出力を安定化させることができる。また、着座状態を保
持するのに必要な最小の保持電流に対応する無効時間に
基づいて目標無効時間が設定されるので、消費電力を軽
減させることもできる。
動作において無効時間が同じになるよう制御することに
より、バルブの開角が安定化され、結果としてエンジン
出力を安定化させることができる。また、着座状態を保
持するのに必要な最小の保持電流に対応する無効時間に
基づいて目標無効時間が設定されるので、消費電力を軽
減させることもできる。
【0076】こうして、吸排気バルブの開閉動作につい
てバルブ挙動の安定化が図られる。たとえば1気筒4バ
ルブを備える4気筒を持つエンジンにこの発明を適用す
る場合、すべてのバルブについて同じ目標無効時間を設
定して保持電流を制御することにより、すべてのバルブ
の開角が安定し、よって気筒間の出力の安定化を図るこ
とができる。しかしながら、たとえば4バルブについて
1つの目標無効時間を設定して、気筒ごとに保持電流を
制御することも可能である。さらに、吸気バルブと排気
バルブとで、または開弁動作と閉弁動作とで、異なる目
標無効時間を設定するようにしてもよい。また、前述し
たように、エンジン回転数が高くなるほどバルブの開角
にバラツキが生じるので、エンジン回転数が高くなった
場合に、上記のような目標無効時間に基づく保持電流制
御を起動するようにしてもよい。
てバルブ挙動の安定化が図られる。たとえば1気筒4バ
ルブを備える4気筒を持つエンジンにこの発明を適用す
る場合、すべてのバルブについて同じ目標無効時間を設
定して保持電流を制御することにより、すべてのバルブ
の開角が安定し、よって気筒間の出力の安定化を図るこ
とができる。しかしながら、たとえば4バルブについて
1つの目標無効時間を設定して、気筒ごとに保持電流を
制御することも可能である。さらに、吸気バルブと排気
バルブとで、または開弁動作と閉弁動作とで、異なる目
標無効時間を設定するようにしてもよい。また、前述し
たように、エンジン回転数が高くなるほどバルブの開角
にバラツキが生じるので、エンジン回転数が高くなった
場合に、上記のような目標無効時間に基づく保持電流制
御を起動するようにしてもよい。
【0077】
【発明の効果】この発明によると、複数の電磁バルブに
ついて計測された無効時間のうち最大のものが目標無効
時間に設定され、該目標無効時間になるようそれぞれの
電磁バルブの電磁石に通電される保持電流が制御される
ので、電磁バルブ間のバルブ開角のバラツキが回避さ
れ、安定したエンジン出力を実現することができる。
ついて計測された無効時間のうち最大のものが目標無効
時間に設定され、該目標無効時間になるようそれぞれの
電磁バルブの電磁石に通電される保持電流が制御される
ので、電磁バルブ間のバルブ開角のバラツキが回避さ
れ、安定したエンジン出力を実現することができる。
【図1】この発明の一実施例における電磁アクチュエー
タおよびその制御装置の全体を示すブロック図。
タおよびその制御装置の全体を示すブロック図。
【図2】この発明の一実施例における電磁アクチュエー
タの機械的構造を示す図。
タの機械的構造を示す図。
【図3】この発明の一実施例における電磁アクチュエー
タ駆動時の特性および無効時間を示す図。
タ駆動時の特性および無効時間を示す図。
【図4】この発明の一実施例における排気バルブおよび
吸気バルブの無効時間を示す図。
吸気バルブの無効時間を示す図。
【図5】この発明の一実施例における保持電流と無効時
間の関係を示すグラフ。
間の関係を示すグラフ。
【図6】この発明の一実施例における電磁バルブ制御装
置の詳細な機能ブロック図。
置の詳細な機能ブロック図。
【図7】この発明の一実施例における無効時間制御の全
体の動作を示すフローチャート。
体の動作を示すフローチャート。
【図8】この発明の一実施例における無効時間計測ルー
チンのフローチャート。
チンのフローチャート。
【図9】この発明の一実施例における目標無効時間学習
ルーチンのフローチャート。
ルーチンのフローチャート。
【図10】この発明の一実施例における目標無効時間制
御ルーチンのフローチャート。
御ルーチンのフローチャート。
【図11】この発明の一実施例における目標無効時間再
学習ルーチンのフローチャート。
学習ルーチンのフローチャート。
【図12】この発明の一実施例における、電磁アクチュ
エータ間において無効時間のバラツキが低減されたこと
を示すグラフ。
エータ間において無効時間のバラツキが低減されたこと
を示すグラフ。
【図13】電磁アクチュエータにおける保持電流と吸引
力の関係を示すグラフ。
力の関係を示すグラフ。
【図14】保持電流の一定制御の場合、電磁アクチュエ
ータ間において無効時間にバラツキが生じることを示す
グラフ。
ータ間において無効時間にバラツキが生じることを示す
グラフ。
【図15】保持電流の最適化制御の場合、電磁アクチュ
エータ間において無効時間にバラツキが生じることを示
すグラフ。
エータ間において無効時間にバラツキが生じることを示
すグラフ。
【図16】保持電流の一定制御および最適化制御の場
合、電磁バルブの開角とエンジン回転数の関係を示すグ
ラフ。
合、電磁バルブの開角とエンジン回転数の関係を示すグ
ラフ。
20 バルブ 22 アマチャ 50 制御装置 60 電磁アクチュエータ 63 電磁石 81 保持電流設定部 82 無効時間計測部 83 アマチャ脱落判定部 84 目標無効時間学習部 85 目標無効時間制御部 86 目標無効時間再学習
部
部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16K 31/06 310 F16K 31/06 310A 5E048 320 320A H01F 7/08 H01F 7/08 A 7/16 7/16 R Fターム(参考) 3G018 AB09 AB16 BA38 CA16 DA45 EA02 EA11 EA17 EA21 EA22 FA06 FA07 GA02 GA03 GA07 GA08 3G084 BA23 DA04 DA11 EB20 EC08 FA03 FA20 FA33 FA35 FA36 3G092 AA01 AA11 AB02 DA01 DA02 DA07 DF05 DG09 EA01 EA02 EA13 EA17 EA25 EC02 EC05 FA05 FA11 FA48 HA04Z HA12X HA12Z HA13X HA13Z HE01Z HE08Z HF02Z HF19Z 3G301 HA01 HA19 JA01 JA05 JA14 JA17 LA07 LC01 LC10 NA07 NB06 ND02 ND22 ND37 NE03 NE08 PA10Z PE00A PE00Z PE01Z PE08Z PF16Z PG01Z 3H106 DA08 DA13 DA25 DB02 DB26 DB32 DC02 DD07 EE03 EE04 EE10 EE16 FB08 FB32 FB34 FB45 FB46 KK18 5E048 AA10 AB01 AC06 AD07
Claims (6)
- 【請求項1】それぞれが、対向する一対の電磁石により
駆動される複数の電磁バルブを有し、該対向する一対の
電磁石の一方に保持電流を通電することにより、それぞ
れの電磁バルブを開状態または閉状態に保持する電磁ア
クチュエータ制御装置であって、 前記複数の電磁バルブの駆動について、無効時間を計測
する無効時間計測手段と、 前記複数の電磁バルブについて計測された無効時間のう
ち、最大の無効時間を目標無効時間に設定する目標無効
時間学習手段と、 前記複数の電磁バルブについて、前記無効時間計測手段
によって計測される無効時間が前記設定された目標無効
時間になるよう、該複数の電磁バルブに対応する電磁石
に通電する保持電流を制御する目標無効時間制御手段
と、 を備える電磁アクチュエータ制御装置。 - 【請求項2】前記複数の電磁バルブのそれぞれの無効時
間は、電磁バルブに対応する電磁石への保持電流の通電
停止から、該電磁バルブが所定量だけ変位するのに要す
る時間である請求項1に記載の電磁アクチュエータ制御
装置。 - 【請求項3】前記複数の電磁バルブのそれぞれは、対応
するアマチャに連結され、前記対向する一対の電磁石に
よって該アマチャを2つの終端位置の間で変位させるこ
とによって駆動され、該電磁バルブを開状態に保持する
とき該アマチャは該終端位置の一方に保持され、該電磁
バルブを閉状態に保持するとき該アマチャは該終端位置
の他方に保持され、 前記複数の電磁バルブののそれぞれの無効時間は、前記
終端位置の一方に対応する電磁石への保持電流の通電停
止から、前記アマチャが所定量だけ変位するのに要する
時間、および前記終端位置の他方に対応する電磁石への
保持電流の通電停止から、前記アマチャが所定量だけ変
位するのに要する時間を含む請求項1に記載の電磁アク
チュエータ制御装置。 - 【請求項4】前記無効時間計測手段は、前記複数の電磁
バルブについて、前記アマチャが前記終端位置の一方か
ら脱落することのない最小の保持電流が通電停止された
ときの無効時間を計測する請求項3に記載の電磁バルブ
制御装置。 - 【請求項5】前記無効時間が前記目標無効時間になるよ
う保持電流が設定されている間に前記アマチャが前記終
端位置の一方から脱落したとき、該目標無効時間を所定
量増大し、該増大した目標無効時間になるよう保持電流
を制御する請求項3に記載の電磁アクチュエータ制御装
置。 - 【請求項6】前記複数の電磁バルブが、内燃機関の吸気
バルブおよび排気バルブを含む請求項1に記載の電磁ア
クチュエータ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001029585A JP2002231528A (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 電磁アクチュエータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001029585A JP2002231528A (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 電磁アクチュエータ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002231528A true JP2002231528A (ja) | 2002-08-16 |
Family
ID=18893911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001029585A Pending JP2002231528A (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 電磁アクチュエータ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002231528A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009138694A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-06-25 | Hitachi Ltd | 内燃機関の制御装置 |
CN102169746A (zh) * | 2010-01-27 | 2011-08-31 | 罗伯特·博世有限公司 | 电磁执行器用的控制装置和用于运行电磁执行器的方法 |
JP2014234923A (ja) * | 2013-06-05 | 2014-12-15 | 本田技研工業株式会社 | 電磁弁の駆動制御装置 |
-
2001
- 2001-02-06 JP JP2001029585A patent/JP2002231528A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8015960B2 (en) | 2007-12-10 | 2011-09-13 | Hitachi, Ltd. | Vibration-damping control apparatus and method for internal combustion engine |
CN102169746A (zh) * | 2010-01-27 | 2011-08-31 | 罗伯特·博世有限公司 | 电磁执行器用的控制装置和用于运行电磁执行器的方法 |
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