JP5707283B2 - 赤外感光性発色組成物、平版印刷版原版及びこれを用いた製版方法 - Google Patents
赤外感光性発色組成物、平版印刷版原版及びこれを用いた製版方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5707283B2 JP5707283B2 JP2011190182A JP2011190182A JP5707283B2 JP 5707283 B2 JP5707283 B2 JP 5707283B2 JP 2011190182 A JP2011190182 A JP 2011190182A JP 2011190182 A JP2011190182 A JP 2011190182A JP 5707283 B2 JP5707283 B2 JP 5707283B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- printing plate
- lithographic printing
- plate precursor
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41C—PROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
- B41C1/00—Forme preparation
- B41C1/10—Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
- B41C1/1008—Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by removal or destruction of lithographic material on the lithographic support, e.g. by laser or spark ablation; by the use of materials rendered soluble or insoluble by heat exposure, e.g. by heat produced from a light to heat transforming system; by on-the-press exposure or on-the-press development, e.g. by the fountain of photolithographic materials
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41C—PROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
- B41C2210/00—Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
- B41C2210/04—Negative working, i.e. the non-exposed (non-imaged) areas are removed
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41C—PROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
- B41C2210/00—Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
- B41C2210/06—Developable by an alkaline solution
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41C—PROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
- B41C2210/00—Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
- B41C2210/08—Developable by water or the fountain solution
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41C—PROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
- B41C2210/00—Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
- B41C2210/10—Developable by an acidic solution
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41C—PROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
- B41C2210/00—Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
- B41C2210/22—Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation characterised by organic non-macromolecular additives, e.g. dyes, UV-absorbers, plasticisers
Description
この平版印刷版を作製するため、従来は、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)を用い、PS版にリスフィルムなどのマスクを通した露光を行った後、アルカリ性現像液などによる現像処理を行い、画像部に対応する画像記録層を残存させ、非画像部に対応する不要な画像記録層を溶解除去して、平版印刷版を得ていた。
しかしながら、着色剤として顔料を用いると、しばしば、顔料沈降による現像カス発生による現像性低下が問題となることがあり、検版性と現像性の両立という点では不十分であった。
これらによれば、露光部において発色あるいは消色が生じ、画像の検版性はある程度向上はするが、未だ十分ではなかった。
(一般式(1)中、R 1 はアルキル基、アリール基、OR 3 、SR 4 、NR 5 R 6 又はハロゲン原子を表す。R 2 はアリール基又は複素環基を表す。Xは一電子還元をされることにより放出され、放出後に発色する基を表す。R 3 、R 4 、R 5 及びR 6 は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環基を示し、R 5 とR 6 で環を形成してもよい。)
<2> 前記(D)電子供与能を有する化合物が、電子供与後に自身が分解し、ラジカルを発生させることができる化合物であることを特徴とする<1>に記載の平版印刷版原版。
<3> 一般式(1)で表される化合物において、R 2 が、トリフルオロメチル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシ基、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基から選ばれる少なくとも一つの電子求引性基を有するフェニル基であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の平版印刷版原版。
<4> (A)一般式(1)に示される化合物から放出される色素のλmaxが450nm〜650nmであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
<5> 前記(B)赤外線吸収剤がシアニン色素であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
<6> 前記(B)赤外線吸収剤が下記一般式(2)で表されるシアニン色素であることを特徴とする<5>に記載の平版印刷版原版。
(一般式(2)中、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を表す。Yは置換アミノ基または塩素原子を表し、Q 1 及びQ 2 は同一でも異なっていてもよく、−NR 13 −、硫黄原子、酸素原子又はジアルキルメチレン基を表す。R 13 は、水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基を表す。T 1 及びT 2 はそれぞれ独立に芳香環又は複素芳香環を表す。この環は更に置換基を有してもよい。nは1又は2を示す。)
<7> 前記赤外感光性発色組成物が、更に(E)重合開始剤、及び(F)重合性化合物を含有することを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
<8> 前記(E)重合開始剤がヨードニウム塩又はスルホニウム塩であることを特徴とする<7>に記載の平版印刷版原版。
<9> 前記平版印刷版原版が、更に保護層を有することを特徴とする<1>〜<8>のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
<10> 前記保護層が無機質層状化合物を含有することを特徴とする<9>に記載の平版印刷版原版。
<11> 前記平版印刷版原版が、疎水化前駆体を含有することを特徴とする<1>〜<10>のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
<12> <1>〜<11>のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、画像様露光した後、自動現像処理機によってpHが2〜14の現像液の存在下で非画像部に対応する画像記録層を除去することを特徴とする製版方法。
<13> <1>〜<11>のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、画像露光して露光部を発色させた後に印刷機に装着し、印刷インキと湿し水とを供給する方法、又は印刷機に装着した後に画像露光して露光部を発色させた後、印刷インキと湿し水とを供給する方法のいずれかの方法によって機上現像処理を行うことを特徴とする製版方法。
本発明は、上記<1>〜<13>に記載の平版印刷版原版及び製版方法に関するものであるが、その他の事項についても参考のために記載する。
1.(A)一般式(1)に示される化合物、(B)赤外線吸収剤、(C)バインダーポ
リマー、及び(D)電子供与能を有する化合物を含有することを特徴とする赤外感光性発
色組成物。
3.一般式(1)で表される化合物において、R2が、トリフルオロメチル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシ基、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基から選ばれる少なくとも一つの電子求引性基を有するフェニル基であることを特徴とする前記1又は2に記載の赤外感光性発色組成物。
4.(A)一般式(1)に示される化合物から放出される色素のλmaxが450nm〜650nmであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の赤外感光性発色組成物。
5.前記(B)赤外線吸収剤がシアニン色素であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の赤外感光性発色組成物。
6.前記(B)赤外線吸収剤が下記一般式(2)で表されるシアニン色素であることを特徴とする前記5に記載の赤外感光性発色組成物。
8.前記(E)重合開始剤がヨードニウム塩又はスルホニウム塩であることを特徴とする前記7に記載の赤外感光性発色組成物。
9.支持体上に、前記1〜8のいずれか1項に記載の赤外感光性発色組成物を含有する画像記録層を有することを特徴とする平版印刷版原版。
10.前記平版印刷版原版が、更に保護層を有することを特徴とする前記9に記載の平版印刷版原版。
11.前記保護層が無機質層状化合物を含有することを特徴とする前記10記載の平版印刷版原版。
12.前記平版印刷版原版が、疎水化前駆体を含有することを特徴とする前記9〜11のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
13.前記9〜12のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、画像様露光した後、自動現像処理機によってpHが2〜14の現像液の存在下で非画像部に対応する画像記録層を除去することを特徴とする製版方法。
14.前記9〜12のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、画像露光して露光部を発色させた後に印刷機に装着し、印刷インキと湿し水とを供給する方法、又は印刷機に装着した後に画像露光して露光部を発色させた後、印刷インキと湿し水とを供給する方法のいずれかの方法によって機上現像処理を行うことを特徴とする製版方法。
赤外線露光時、(A)一般式(1)に示される化合物は(B)赤外線吸収剤からの電子移動により分解反応が進行する。その結果、色素(発色体)が放出され、発色する。
本発明では、任意の色素が放出できるので十分な発色体の寿命及び発色性を得ることができる。
また、現像処理工程を伴う平版印刷版原版においては、本発明を適用することで発色剤として顔料を用いなくて良いため、良好な現像性が得られる。
本発明の赤外感光性発色組成物は、(A)一般式(1)に示される化合物、(B)赤外線吸収剤、(C)バインダーポリマー、及び(D)電子供与能を有する化合物を含有することを特徴とする。
なお、以下では、「赤外感光性発色組成物」を単に「発色組成物」ともいう。
R1が示すアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が最も好ましい。
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、及び2−ノルボルニル基が挙げられる。
これらアルキル基の中で、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基が特に好ましい。
具体的には、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオレニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−クロロフェニル基、o−ブロモフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−メチルチオフェニル基、m−メチルチオフェニル基、p−フェニルチオフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,3−クロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基等が挙げられる。
これらアリール基の中で、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−メチルチオフェニル基が特に好ましい。
具体的には、例えば、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、モルホリン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基等が挙げられる。
これら複素環基の中で、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基が特に好ましい。
平版印刷版では、耐刷性の観点からも上記好ましい例が、好ましい。
R2が示すアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、炭素数6〜12のアリール基が最も好ましい。
具体的には、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオレニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−クロロフェニル基、o−ブロモフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−メチルチオフェニル基、m−メチルチオフェニル基、p−フェニルチオフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基等が挙げられる。
これらアリール基の中で、ハロゲン置換フェニル基が特に好ましい。
具体的には、例えば、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、モルホリン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基等が挙げられる。
これら複素環基の中で、ピリジン環が特に好ましい。
R1とR2の好ましい組み合わせの具体例を以下に示す。
以下にXの好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Xと母核は共有結合を作る際、色素クロモフォア上であればX上のどの部分で共有結合しても良いが、下記構造式の矢印で示した原子でXと共有結合することが好ましい。
本発明に用いる赤外線吸収剤は、吸収した赤外線により励起し、(A)一般式(1)に示される化合物や後述の(E)重合開始剤に電子移動する機能を有する染料である。かかる染料としては、市販の染料及び例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。更に、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記一般式(2)で示されるシアニン色素が挙げられる。
各部分の好ましい組み合わせとしては、特にR7及びR12は置換アルキル基、R8、R9、R10、R11は水素原子、Yは置換アミノ基、nは1、ならびに、Q1及びQ2は共にジアルキルメチレン基である組み合わせが好ましい。
本発明における発色組成物のうち、平版印刷版原版に用いる発色組成物には、現像方法に応じたバインダーポリマーを用いることが好ましい。
バインダーポリマーの化学構造は、特に限定されないが、アルカリ性処理液への溶解性、すなわち現像性の観点から酸基を有する有機高分子が好ましく、特にカルボン酸又はその塩を含有する有機高分子がより好ましい。
アルカリ現像型平版印刷版原版用の発色組成物に用いることができるバインダーポリマーとしては、カルボン酸含有のアルカリ水可溶又は膨潤性の有機高分子が例示できる。この様な有機高分子としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば、特公昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が有用である。バインダーポリマーとして、カルボン酸(塩)基を含有する(メタ)アクリル酸エステルに由来するモノマー単位を含む共重合体が好ましい。
また、側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシ基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなども有用である。更に、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号の各公報に記載のポリウレタン樹脂もアルカリ水可溶又は膨潤性バインダーとして有用である。本発明に使用できるバインダーポリマーとして、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、又は、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。
(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位としては、特に限定されないが、特開2007−248863号公報の段落番号[0041]〜[0053]に記載の構造が好ましく用いられる。
このようなモノマー単位としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミドに由来するモノマー単位が好ましい。特に、特開2007−272134号公報の段落番号[0061]〜[0084]に記載のアミド基(メタ)アクリル酸アミドに由来するモノマー単位が好ましく用いられる。このモノマーの含有量は、総モノマー単位数を100とした場合、そのうちの5〜50単位であることが好ましく、5〜35単位であることがより好ましく、5〜25単位であることが更に好ましい。
機上現像用バインダーポリマーとしてはアルキレンオキサイド基を有するバインダーポリマーが好ましい。
本発明の発色組成物に用いられるアルキレンオキサイド基を有するバインダーポリマーは、ポリ(アルキレンオキサイド)部位を主鎖に有していても、側鎖に有していてもよく、ポリ(アルキレンオキサイド)を側鎖に有するグラフトポリマーでも、ポリ(アルキレンオキサイド)含有繰返し単位で構成されるブロックと、(アルキレンオキサイド)非含有繰返し単位で構成されるブロックとのブロックコポリマーでもよい。
主鎖に有する場合にはポリウレタン樹脂が好ましい。側鎖に有する場合の主鎖のポリマーとしては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられるが、特にアクリル樹脂が好ましい。
ポリ(アルキレンオキサイド)部位におけるアルキレンオキサイドの繰返し数は2〜120であり、2〜70の範囲が好ましく、2〜50の範囲がより好ましい。
アルキレンオキサイドの繰り返し数が120以下であれば摩耗による耐刷性、インキ受容性による耐刷性の両方が低下することがなく、好ましい。
上記の中でも、R1は水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。R2は水素原子又はメチル基が最も好ましい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレンなどが挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドのポリマーであって、エステル又はアミドの残基(−COOR又はCONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
アミド残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 、−CH2 CH2 −Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2 CH2 −OCO−CH=CH2 が挙げられる。
なお、下記例示化合物中、各繰り返し単位に併記される数値(主鎖繰り返し単位に併記される数値)は、当該繰り返し単位のモル百分率を表す。側鎖の繰り返し単位に併記される数値は、当該繰り返し部位の繰り返し数を示す。
本発明における(D)電子供与能を有する化合物の電子供与能は、励起された(B)赤外線吸収剤から(A)一般式(1)に示される化合物又は(E)重合開始剤への電子移動が進行した後に生じる(B)赤外線吸収剤の一電子不足している状態(ラジカルカチオン)を還元可能な電子供与能を表す。かかる(D)電子供与能を有する化合物を添加した場合、(A)一般式(1)に示される化合物への励起赤外線吸収剤からの電子移動量が増幅し、(A)一般式(1)に示される化合物の分解量が増えるため、すなわち、発色体である放出色素量が増えるため、発色性が向上したと考えられる。
なお、以下では電子供与能を有する化合物を電子供与性化合物ともいう。
(i)アルキルアート錯体: 酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には、ボレート類が好適に使用される。
(ii)N−アリールアルキルアミン化合物: 酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X 結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、N−フェニルグリシン類(フェニル基に置換基を有していてもいなくてもよい)、N−フェニルイミノジ酢酸(フェニル基に置換基を有していてもいなくてもよい)
(iii)含硫黄: 上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成し得る。例えばフェニルチオ酢酸(フェニル基に置換基を有していてもいなくてもよい)。
(iv)含錫化合物: 上述のアミン類の窒素原子を錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成し得る。
(v) スルフィン酸塩類: 酸化により活性ラジカルを生成し得る。具体的は、アリールスルフィン駿ナトリウム等を挙げることができる。
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、及び2−ノルボルニル基を挙げられる。
これらアルキル基の中で、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、イソブチル基、ブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基が特に好ましい。
具体的には、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオレニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−クロロフェニル基、o−ブロモフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−メチルチオフェニル基、m−メチルチオフェニル基、p−フェニルチオフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基等が挙げられる。
これらアリール基の中で、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−メチルチオフェニル基が特に好ましい。
特にテトラフェニルボレート、トリフェニルベンジルボレート、トリ−m−フルオロフェニルヘキシルボレート、トリ−m−フルオロフェニル−n−ブチルボレート、トリ−m−クロロフェニル−n−ブチルボレートが好ましい。
本発明で用いられる重合開始剤としては、(F)重合性化合物の重合を開始、促進する化合物を示す。本発明において使用しうる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、公知の熱重合開始剤、結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができる。
本発明における重合開始剤としては、例えば、(a)有機ハロゲン化物、(b)カルボニル化合物、(c)アゾ化合物、(d)有機過酸化物、(e)メタロセン化合物、(f)アジド化合物、(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(h)有機ホウ酸塩化合物、(i)ジスルホン化合物、(j)オキシムエステル化合物、(k)オニウム塩化合物、が挙げられる。
(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0027]に記載の化合物が好ましい。
本発明における発色組成物に用いる(F)重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (5)
(ただし、R4及びR5は、それぞれ独立に、H又はCH3を示す。)
本発明で用いられる有機塩基としては、放出された一般式(1)のX−のプロトン化体を脱プロトンし発色性を向上させる化合物を示す。本発明において使用しうる有機塩基としては、アミン化合物が好ましく、電子供与性化合物であるN−アリールアルキルアミン化合物も用いることができる。アミン化合物としては塩基性という観点で、トリアルキルアミンが好ましい。
具体的には、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミンが挙げられる。
上記発色組成物には、目的に応じて上記以外の添加物を含有できる。そのような組成物を適当な溶剤に溶解又は分散した液を支持体などに塗布、乾燥して、発色組成物膜を形成して、画像形成材料がつくられる。画像形成材料としては、平版印刷版原版、プリント配線基盤、カラーフィルター、フォトマスクなど、赤外線の画像露光による発色及び重合硬化を利用する画像形成材料が挙げられる。なかでも、平版印刷版原版の製造に好適である。
本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、上記発色組成物含む画像記録層を有することを特徴とする。本発明の平版印刷版原版は、必要に応じて、支持体と画像記録層の間に下塗り層を、また、画像記録層の上に保護層を設けることができる。
以下では、平版印刷版原版の構成要素について説明する。
平版印刷版原版の画像記録層は現像適性や印刷適性が必要とされる。そのため、画像記録層用の発色組成物は、上記構成成分の他にさらに、下記の疎水化前駆体やその他の成分を含むことができる。
本発明では、機上現像性を向上させるため、疎水化前駆体を用いることができる。本発明における疎水化前駆体とは、熱が加えられたときに画像記録層を疎水性に変換できる微粒子を意味する。微粒子としては、疎水性熱可塑性ポリマー微粒子、熱反応性ポリマー微粒子、重合性基を有するポリマー微粒子、疎水性化合物を内包しているマイクロカプセル、及びミクロゲル(架橋ポリマー微粒子)から選ばれる少なくともひとつであることが好ましい。なかでも、重合性基を有するポリマー微粒子及びミクロゲルが好ましい。
このようなポリマー微粒子を構成するポリマーの具体例としては、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾール、ポリアルキレン構造を有するアクリレート又はメタクリレートなどのモノマーのホモポリマーもしくはコポリマー又はそれらの混合物を挙げることができる。その中で、より好適なものとして、ポリスチレン、スチレン及びアクリロニトリルを含む共重合体、ポリメタクリル酸メチルを挙げることができる。
本発明における画像記録層には、必要に応じて、さらに他の成分を含有することができる。
本発明における画像記録層は、耐刷性を低下させることなく機上現像性を向上させるために、低分子親水性化合物を含有してもよい。
低分子親水性化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のポリオール類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等の有機アミン類及びその塩、アルキルスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその塩、アルキルスルファミン酸等の有機スルファミン酸類及びその塩、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸等の有機硫酸類及びその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその塩、ベタイン類、等が挙げられる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の画像記録層には、着肉性を向上させるために、画像記録層にホスホニウム化合物、含窒素低分子化合物、アンモニウム基含有ポリマーなどの感脂化剤を用いることができる。特に、保護層に無機質の層状化合物を含有させる場合、これらの化合物は、無機質の層状化合物の表面被覆剤として機能し、無機質の層状化合物による印刷途中の着肉性低下を防止する。
(1)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=p−トルエンスルホナート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比10/90 Mw4.5万)
(2)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80 Mw6.0万)
(3)2−(エチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=p−トルエンスルホナート/ヘキシルメタクリレート共重合体(モル比30/70 Mw4.5万)
(4)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(モル比20/80 Mw6.0万)
(5)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=メチルスルファート/ヘキシルメタクリレート共重合体(モル比40/60 Mw7.0万)
(6)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比 25/75 Mw6.5万)
(7)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルアクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80 Mw6.5万)
(8)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=13−エチル−5,8,11−トリオキサ−1−ヘプタデカンスルホナート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80 Mw7.5万)
(9)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート/2−ヒドロキシ−3−メタクロイルオキシプロピルメタクリレート共重合体(モル比15/80/5 Mw6.5万)
さらにその他の成分として、界面活性剤、着色剤、焼き出し剤、重合禁止剤、高級脂肪酸誘導体、可塑剤、無機微粒子、無機質層状化合物、及び共増感剤もしくは連鎖移動剤などを添加することができる。具体的には、特開2008−284817号公報の段落番号[0114]〜[0159]、特開2006−091479号公報の段落番号[0023]〜[0027]、米国特許公開2008/0311520号明細書段落番号[0060]に記載の化合物及び添加量が好ましい。
本発明における画像記録層は、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0142]〜[0143]に記載のように、必要な上記各成分を公知の溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、これを支持体上にバーコーター塗布など公知の方法で塗布し、乾燥することで形成される。塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/m2が好ましい。この範囲で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
本発明の平版印刷版原版は、画像記録層と支持体との間に下塗り層(中間層と呼ばれることもある)を設けることが好ましい。下塗り層は、露光部においては支持体と画像記録層との密着を強化し、未露光部においては画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、耐刷性を損なわず現像性を向上させるのに寄与する。また、赤外線レーザー露光の場合は、下塗り層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散して感度が低下するのを防ぐ。
支持体表面に吸着可能な吸着性基としては、フェノール性ヒドロキシ基、カルボキシ基、−PO3H2、−OPO3H2、−CONHSO2−、−SO2NHSO2−、−COCH2COCH3が好ましい。親水性基としては、スルホ基又はその塩、カルボキシ基の塩が好ましい。架橋性基としてはメタクリル基、アリル基などが好ましい。
この高分子ポリマーは、高分子ポリマーの極性置換基と、対荷電を有する置換基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物との塩形成で導入された架橋性基を有してもよいし、上記以外のモノマー、好ましくは親水性モノマーがさらに共重合されていてもよい。
より好ましいものとして、特開2005−125749号及び特開2006−188038号公報に記載の支持体表面に吸着可能な吸着性基、親水性基、及び架橋性基を有する高分子ポリマーが挙げられる。
下塗り層用の高分子ポリマーは、質量平均モル質量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましい。
本発明の平版印刷版原版は、画像記録層の上に保護層(オーバーコート層)を設けることが好ましい。保護層は酸素遮断によって画像形成阻害反応を抑制する機能の他、画像記録層における傷の発生防止、及び高照度レーザー露光時のアブレーション防止の機能を有する。
変性ポリビニルアルコールとしては、カルボキシ基又はスルホ基を有する酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。具体的には、特開2005−250216号公報、特開2006−259137号公報記載の変性ポリビニルアルコールが好適に挙げられる。
上記の層状化合物の具体的な添加量の合計は、用いる層状化合物によって異なるので一概には決めがたいが、一般に、保護層の全固形分の3〜80質量%が好ましく、より好ましくは5〜70質量%、さらに好ましくは10〜60質量%である。これらの範囲で酸素遮断性が向上し、良好な感度が得られる。また、着肉性の低下を防止できる。
また、保護層には、可撓性付与のための可塑剤、塗布性を向上させための界面活性剤、表面の滑り性を制御する無機微粒子など公知の添加物を含むことができる。また、画像記録層の説明に記載した感脂化剤を保護層に含有させることもできる。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体としては、公知の支持体が用いられる。なかでも、公知の方法で粗面化処理され、陽極酸化処理されたアルミニウム板が好ましい。
また、上記アルミニウム板は必要に応じて、特開2001−253181号公報や特開2001−322365号公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や封孔処理、及び米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケートあるいは米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸などによる表面親水化処理を適宜選択して行うことができる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。
本発明の平版印刷版の製版方法は、少なくとも平版印刷版原版を画像露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)、及び、処理液により現像処理する工程(以下、「現像工程」ともいう。)を含む方法であることが好ましい。
本発明に用いられる平版印刷版原版は、750nmから1400nmの波長の光源を用いて露光される。このような光源としては、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適であり、特にこれら赤外線レーザーにより走査露光する方法が好ましい。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
本発明に用いられる平版印刷版原版は、露光した後、水又はpH2〜14の現像液にて現像されるか(現像液処理)、印刷機上において湿し水とインキによって現像される(機上現像)。
簡易現像において用いられる現像液は、pHが2〜11の水溶液である。水を主成分(水を60質量%以上含有)とする水溶液が好ましく、特に、界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性イオン系等)を含有する水溶液や、水溶性高分子化合物を含有する水溶液が好ましい。界面活性剤と水溶性高分子化合物の両方を含有する水溶液も好ましい。該現像液のpHは、より好ましくは5〜10.7、さらに好ましくは6〜10.5、最も好ましくは7.5〜10.3である。
ここで、最初に版面に供給されるのは、湿し水でもよく、印刷インキでもよいが、湿し水が除去された画像記録層成分によって汚染されることを防止する点で、最初に印刷インキを供給するのが好ましい。
このようにして、本発明の平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
ない。なお、高分子化合物において、特別に規定したもの以外は、分子量は質量平均モル
質量(Mw)であり、繰り返し単位の比率はモル百分率である。なお、実施例1〜38は「参考例」と読み替えるものとする。
下記の発色組成物溶液(1)を調製し、厚さ0.18mmのポリエステルフィルム上に乾燥塗布量が1.0g/m2になるようにバー塗布した後、100℃60秒でオーブン乾燥して、発色組成物膜A−1〜A−38(実施例1〜38用)を作製した。
・バインダーポリマー(1)〔下記構造〕 0.636g
・赤外線吸収剤〔表5に記載の化合物〕 0.050g
・一般式(1)に示される化合物(表5に記載の化合物) 0.162g
・電子供与性化合物 (表5に記載の化合物) 0.051g
・トリノルマルブチルアミン 0.051g
・フッ素系界面活性剤(1)〔下記構造〕 0.008g
・2−ブタノン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
上記発色組成物溶液(1)においてトリノルマルブチルアミンを無添加としたこと以外は同様に作製して、発色組成物膜A−38〔実施例38用〕を得た。
上記発色組成物溶液(1)において電子供与性化合物を無添加としたこと以外は同様に作製して、発色組成物膜A'-1〔比較例1用〕を得た。
上記発色組成物溶液(1)において本発明の一般式(1)に示される化合物を下記に示す比較化合物(1)としたこと以外は同様に作製して、発色組成物膜A'-2〔比較例2用〕を得た。
上記発色組成物溶液(1)において本発明の一般式(1)に示される化合物を無添加としたこと以外は同様に作製して、発色組成物膜A'-3〔比較例3用〕を得た。
上記発色組成物溶液(1)において本発明の一般式(1)に示される化合物及び、電子供与性化合物を無添加としたこと以外は同様に作製して、発色組成物膜A'-4〔比較例4用〕を得た。
得られた発色組成物膜を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力11.7W、外面ドラム回転数250rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。
露光直後と、露光後そのまま暗所、室温の条件で2時間経過後に、発色を測定した。また60℃、湿度70%RHの条件下、3日間強制経時させた発色組成物膜の露光直後の発色も測定した。
発色は、L*a*b*表色系のL値(明度)を用い、露光部のL値と未露光部のL値の差ΔLで表記した。ΔLの値が大きい程、発色性が優れることを意味する。測定は、KONICA−MINOLTA製分光測色計CM2600dとオペレーションソフトCM−S100Wを用い、SCE(正反射光除去)方式で行った。結果を表5に示す。
<アルミニウム支持体1の作製>
厚さ0.30mm、幅1030mmのJIS A 1050アルミニウム板を用いて、以下に示す表面処理を行った。
このようにして得られたアルミニウム支持体1の表面粗さRaは0 .27(測定機器;東京精密(株) 製サーフコム、蝕針先端径2ミクロンメーター) であった。
前記アルミニウム支持体1に下記下塗り層用塗布液(1)をワイヤーバーにて塗布し、90℃30秒間乾燥した。塗布量は10mg/m2であった。
・下記構造の高分子化合物A(Mw:10,000) 0.05g
・メタノール 27 g
・イオン交換水 3 g
次に、下記画像記録層塗布液(1)を調製し、上記の下塗り層を形成したアルミニウム支持体1にワイヤーバーを用いて塗布し、画像記録層を形成した。乾燥は、温風式乾燥装置にて115℃ で34秒間行った。乾燥後の画像記録層被覆量は1.4g/m2 であった。
・赤外線吸収剤〔表6に記載の化合物〕 0.050g
・一般式(1)に示される化合物(表6に記載の化合物) 0.162g
・電子供与性化合物 (表6に記載の化合物) 0.051g
・トリノルマルブチルアミン 0.051g
・重合開始剤(1)〔下記構造〕 0.300g
・ペンタエリスリトールトリアクリレート ヘキサメチレンジイソシアネート
ウレタンプレポリマー UA−306H 共栄社化学社製)〕 1.33g
・バインダーポリマー(2)〔下記構造〕 1.35g
・フッ素系界面活性剤 0.025g
(メガファックF−780−F DIC(株)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)30質量%溶液)
・メチルエチルケトン 18.4g
・メタノール 9.83g
・1−メトキシ−2−プロパノール 18.4g
上記画像記録層表面に、合成雲母(ソマシフME−100、8質量%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(ゴーセランCKS−50:けん化度99モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール 日本合成化学工業(株)製)及び界面活性剤(日本エマルジョン(株)製、エマレックス710)の混合水溶液(保護層塗布液(1))をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で75秒間乾燥させた。
この保護層塗布液(1)中の合成雲母( 固形分)/ポリビニルアルコール/界面活性剤の含有量割合は、16/82/2(質量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は1.6g/m2であった。
上記のように保護層を形成してB−1〜B−37(実施例41〜75用)を得た。
平版印刷版原版B−1の場合と同じ下塗り層を有する支持体に、下記の画像記録層塗布液(2)をバー塗布した後、82℃、90秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.2g/m2の画像記録層を作製し、平版印刷版原版B−38(実施例76用)を得た。
・ポリマー(A)〔下記合成法〕 0.9g
・Hybridur580(Air Products and Chemicals社製) 1.2g
・エチレン性不飽和基を有するモノマー 1.35g
SR−399(サートマー社製)
・NK Ester A−DPH(Kowa American社製) 1.35g
・CD 9053 (サートマー社製) 0.25g
・一般式(1)に示される化合物(表6に記載の化合物) 0.162g
・電子供与性化合物 (表6に記載の化合物) 0.051g
・電子供与性化合物(トリノルマルブチルアミン) 0.051g
・重合開始剤(2)[下記に示す化合物] 0.500g
・FluorN 2900(Cytonix 社製) 0.05g
・赤外線吸収剤(IR−4) 0.20g
・1−メトキシ−2−プロパノール 50.0g
・γ−ブチロラクトン 15.0g
・2−ブタノン 60.0g
・水 15.0g
・Hybridur580:ポリウレタンアクリルハイブリッド分散液
・SR−399:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
・NK Ester A−DPH:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・CD 9053:三官能性酸エステル
・FluorN 2900:パーフルオロポリエーテルポリエチレングリコール(550)ブロックポリマー
・赤外線吸収剤(IR-4):
2-[2-[3-[2-(1,3-Dihydro-1,3,3-trimethyl-2H-indol-2-ylidene)-ethylidene]-2-(1-phenyl-1H-tetrazol-5-ylsulfanyl)-1-cyclohexen-1-yl]-ethenyl]-1,3,3-tri- methyl-3H-indolium chloride(FEW Chemicals 社製)
1000mlの3つ口フラスコに撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却
器を施し、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(1.6g)、メチルメタクリル酸(20g)、アクリロニトリル(24g)、N−ビニルカルバゾール(20g)、メタクリル酸(16g)、N,N’−ジメチルアセトアミド(320g)を加えて60℃、約16時間加熱した。
上記反応混合物に対し、水酸化カリウム(5.2g)水溶液(水、40g)をゆっくり加え、反応混合物が高粘性の液体となり、10分攪拌した後、臭化アリル(13.3g)を加え、55℃で3時間加熱した。反応混合物に対し、N,N’−ジメチルアセトアミド(40g)で薄めた濃塩酸(12g)を加え、更に3時間攪拌した。この反応溶液を、氷水(12リットル)と濃塩酸(20g)の混合物に対しゆっくり加え、しばらく攪拌した。ここで生じた沈殿物をろ過し、ます2000mLの2−プロパノールで洗浄し、次に2000mLの水により洗浄し、白色の粉が得られる。この粉は、終夜風乾させ、ついで50℃で3時間乾燥させることでポリマー(A)(80g)が得られた。
平版印刷版原版B−1においてトリノルマルブチルアミンを無添加としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版B-39〔実施例77用〕を得た。
上記平版印刷版原版B−26において電子供与性化合物を無添加としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版B'-1〔比較例5用〕を得た。
平版印刷版原版B−1において本発明の一般式(1)に示される化合物を比較化合物(1)としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版B'-2〔比較例6用〕を得た。
平版印刷版原版B−1において本発明の一般式(1)に示される化合物を無添加としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版B'-3〔比較例7用〕を得た。
平版印刷版原版B−1において本発明の一般式(1)に示される化合物及び電子供与性化合物を無添加としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版B'-4〔比較例8用〕を得た。
(1)発色性及び経時発色性変動の評価
得られた平版印刷版原版をセッティング部分からオートローダーにて、水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXに搬送し、解像度2,400dpiで50%平網画像を、出力7W、外面ドラム回転数150rpm、版面エネルギー110mJ/cm2で露光した。
露光直後と、露光後そのまま暗所、室温の条件で2時間経過後に、発色を測定した。また60℃、湿度70%RHの条件下、3日間強制経時させた平版印刷版原版の露光直後の発色も測定した。
発色は、前記の発色性組成物膜の場合と同様に測定した。ΔLの値が大きい程、発色性が優れることを意味する。結果を表6に示す。
得られた平版印刷版原版を赤外線半導体レーザー搭載の富士フイルム(株)製Luxel PLATESETTER T−6000IIIにて、外面ドラム回転数1000rpm、レーザー出力70%、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像にはベタ画像及び20μmドットFMスクリーンの50%網点チャートを含むようにした。露光後、加熱処理及びアルカリ現像を用い搬送速度(ライン速度)2m/分、現像温度30℃ で現像処理した。なお、現像液は富士フイルム(株)社製DH−Nの1:4水希釈液(pH=12.1)、現像補充液は富士フイルム(株)製FCT−421の1:1.4 水希釈液、フィニッシャーは富士フイルム(株)製GN−2Kの1:1水希釈液を用いた。
得られた平版印刷版を(株)小森コーポレーション製印刷機LITHRONE26の版胴に取り付けた。Ecolity−2(富士フイルム(株)製)/水道水=2/98(容量比)の湿し水とスペースカラーフュージョンG(N)墨インキ(DICグラフィックス(株)製)とを用い、LITHRONE26の標準自動印刷スタート方法で、湿し水とインキとを供給して印刷を開始し、毎時10,000枚の印刷速度で、特菱アート(76.5Kg)紙に印刷を行った。約5、000枚おきにマルチクリーナE(富士フイルム(株)製プレートクリーナー)で版面を洗浄しながら、画像部のインキ濃度が低下して20μmFMスクリーンの50%網点濃度が印刷開始時より0.5%低下したときを刷了と判断し、その時の印刷枚数を耐刷枚数とした。比較例8の耐刷枚数を100とし、他の平版印刷版の耐刷性はその相対評価とした。値が大きいほど、耐刷性が高いことになる。結果を表6に示す。
一般式(1)に示される化合物としてR2上に電子求引性基が二つ以上置換され、なかでもそのうちの一つがニトロ基である化合物を用いた平版印刷版原版は、特に高発色性を有しており、更に、これらの平版印刷版原版から得られた平版印刷版は耐刷性もより優れることが分かる。比較例8に対し耐刷性が優れている点は電子供与性化合物が電子供与後に、分解した際に生じるラジカルによるラジカル増幅効果であると考えられる。
<支持体2の作製>
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質JIS A 1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、この板に15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥して支持体Aを作製した。
その後、非画像部の親水性を確保するため、支持体Aに2.5質量%3号ケイ酸ソーダ水溶液を用いて60℃で10秒間、シリケート処理を施し、その後、水洗して支持体2を得た。Siの付着量は10mg/m2であった。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
次に、上記支持体2上に、下記下塗り層用塗布液(2)を乾燥塗布量が20mg/m2になるよう塗布して、以下の下塗り層を有する支持体を作製した。
・下記構造の下塗り層用化合物(1) 0.18g
・ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 0.10g
・メタノール 55.24g
・水 6.15g
上記のようにして形成された下塗り層上に、下記組成の画像記録層塗布液(3)をバー塗布した後、100℃60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像記録層を形成した。
画像記録層塗布液(3)は下記感光液(1)及びミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し攪拌することにより得た。
・バインダーポリマー(1)〔前記〕 0.240g
・赤外線吸収剤〔表7に記載の化合物〕 0.030g
・一般式(1)に示される化合物(表7に記載の化合物) 0.162g
・重合開始剤(1)〔前記〕 0.162g
・電子供与性化合物 (表7に記載の化合物) 0.051g
・トリノルマルブチルアミン 0.052g
・重合性化合物
トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
(NKエステルA−9300、新中村化学(株)製) 0.192g
・低分子親水性化合物
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート 0.062g
・低分子親水性化合物(1)〔下記構造〕 0.050g
・感脂化剤 ホスホニウム化合物(1)〔下記構造〕 0.055g
・感脂化剤
ベンジル−ジメチル−オクチルアンモニウム・PF6塩 0.018g
・感脂化剤
アンモニウム基含有ポリマー
[下記構造、還元比粘度44ml/g] 0.035g
・フッ素系界面活性剤(1)〔上記構造〕 0.008g
・2−ブタノン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
・ミクロゲル(1) 2.640g
・蒸留水 2.425g
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井化学(株)製、タケネートD−110N)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15g、及びパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−205)の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分及び水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、50℃で3時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈し、これを前記ミクロゲル(1)とした。ミクロゲルの平均粒径を光散乱法により測定したところ、平均粒径は0.2μmであった。
上記画像記録層上に、さらに下記組成の保護層塗布液(2)をバー塗布した後、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/m2の保護層を形成して平版印刷版原版C−1〜C−37(実施例80〜114用)を得た。
・無機質層状化合物分散液(1) 1.5g
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製CKS50、スルホン酸変性、
けん化度99モル%以上、重合度300)6質量%水溶液 0.55g
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−405、
けん化度81.5モル%、重合度500)6質量%水溶液 0.03g
・日本エマルジョン(株)製界面活性剤
(エマレックス710)1質量%水溶液 0.86g
・イオン交換水 6.0g
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
平版印刷版原版C−1の場合と同じ下塗り層を有する支持体に、下記の画像記録層塗布液(4)をバー塗布した後、82℃、90秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.2g/m2の画像記録層を作製し、平版印刷版原版C−38(実施例115用)を得た。
・ポリマー微粒子水分散液(1)〔下記合成法〕 20.0g
・赤外線吸収剤(IR−5)[下記に示す化合物] 0.020g
・一般式(1)に示される化合物(表7に記載の化合物) 0.162g
・電子供与性化合物 (表7に記載の化合物) 0.051g
・トリノルマルブチルアミン 0.052g
・Irgacure250 0.30g
・エチレン性不飽和基を有するモノマー 1.50g
SR−399(サートマー社製)
・メルカプト−3−トリアゾール 0.2g
・バインダーポリマー
KlucelM(Hercules社製) 4.8g
ELVACITE4026(Ineos Acrylica社製) 2.5g
・界面活性剤
Byk336(Byk Chimie社製) 0.4g
・n−プロパノール 55.0g
・2−ブタノン 17.0g
・Irgacure250:(4−メトキシフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート(75質量%プロピレンカーボナート溶液)
・SR−399:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
・Byk 336:変性ジメチルポリシロキサン共重合体(25質量%キシレン/メトキシプロピルアセテート溶液)
・Klucel M:ヒドロキシプロピルセルロース(2質量%水溶液)
・ELVACITE4026:高分岐ポリメチルメタクリレート(10質量%2−ブタノン溶液)
1000mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は50)10g、蒸留水200g及びn−プロパノール200gを加えて内温が70℃となるまで加熱した。
次に予め混合されたスチレン(St)10g、アクリロニトリル(AN)80g及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8gの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後5時間そのまま反応を続けた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを添加し、内温を80℃まで上昇させた。続いて、0.5gの2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを6時間かけて添加した。合計で20時間反応させた段階でポリマー化は98%以上進行しており、質量比でPEGMA/St/AN=10/10/80のポリマー微粒子水分散液(1)が得られた。このポリマー微粒子の粒径分布は、粒子径150nmに極大値を有していた。
平版印刷版原版C−1においてトリノルマルブチルアミンを無添加としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版C-39〔実施例116用〕を得た。
上記平版印刷版原版C−24において電子供与性化合物を無添加としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版C'-1〔比較例9用〕を得た。
平版印刷版原版C−1において本発明の一般式(1)に示される化合物を比較化合物(1)としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版C'-2〔比較例10用〕を得た。
平版印刷版原版C−1において本発明の一般式(1)に示される化合物を無添加としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版C'-3〔比較例11用〕を得た。
平版印刷版原版C−1において本発明の一般式(1)に示される化合物及び電子供与性化合物を無添加としたこと以外は同様に作製して、平版印刷版原版C'-4〔比較例12用〕を得た。
(1)発色性(検版性)
得られた発色組成物膜を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力11.7W、外面ドラム回転数250rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。
露光直後と、露光後そのまま暗所、室温の条件で2時間経過後に、発色を測定した。また60℃、湿度70%RHの条件下、3日間強制経時させた平版印刷版原版の露光直後の発色も測定した。
発色は、前記の平版印刷版原版の場合と同様に測定した。ΔLの値が大きい程、発色性が優れることを意味する。機上現像型の平版印刷版原版の場合は、露光後の発色画像で検版を行う。大略、発色性が良いほど検版性も良いと言える。結果を表7に示す。
得られた平版印刷版原版を赤外線半導体レーザー搭載の富士フイルム(株)製Luxel PLATESETTER T−6000IIIにて、外面ドラム回転数1000rpm、レーザー出力70%、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像にはベタ画像および20μmドットFMスクリーンの50%網点チャートを含むようにした。
得られた露光済み原版を現像処理することなく、(株)小森コーポレーション製印刷機LITHRONE26の版胴に取り付けた。Ecolity−2(富士フイルム(株)製)/水道水=2/98(容量比)の湿し水とスペースカラーフュージョンG(N)墨インキ(DICグラフィックス(株)製)とを用い、LITHRONE26の標準自動印刷スタート方法で湿し水とインキとを供給して機上現像した後、毎時10000枚の印刷速度で、特菱アート(76.5kg)紙に印刷を100枚行った。
画像記録層の未露光部の印刷機上での機上現像が完了し、非画像部にインキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として計測した。結果を表7に示す。
上述した塗布直後の機上現像性の評価を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に画像記録層が磨耗するため印刷物上のインキ濃度が低下した。印刷物におけるFMスクリーン50%網点の網点面積率をグレタグ濃度計で計測した値が印刷100枚目の計測値よりも5%低下したときの印刷部数を刷了枚数として耐刷性を評価した。なお、評価結果は比較例12で得られた平版印刷版の刷了枚数を100とし、他の平版印刷版の刷了枚数はその相対評価とした。値が大きいほど、耐刷性に優れていることを意味する。
一般式(1)に示される化合物の中でも、R2上に電子求引性基が二つ以上置換され、特にそのうちの一つがニトロ基である化合物を用いた平版印刷版原版は、機上現像性、及び機上現像して得られた平版印刷版の耐刷性を低下させることなく、高発色性有していることが分かる。
Claims (13)
- 前記(D)電子供与能を有する化合物が、電子供与後に自身が分解し、ラジカルを発生
させることができる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。 - 一般式(1)で表される化合物において、R2が、トリフルオロメチル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシ基、アシル基、ハロゲン原子、シアノ基及びニトロ基から選ばれる少なくとも一つの電子求引性基を有するフェニル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の平版印刷版原版。
- (A)一般式(1)に示される化合物から放出される色素のλmaxが450nm〜6
50nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。 - 前記(B)赤外線吸収剤がシアニン色素であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の平版印刷版原版。 - 前記赤外感光性発色組成物が、更に(E)重合開始剤、及び(F)重合性化合物を含有
することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。 - 前記(E)重合開始剤がヨードニウム塩又はスルホニウム塩であることを特徴とする請
求項7に記載の平版印刷版原版。 - 前記平版印刷版原版が、更に保護層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
- 前記保護層が無機質層状化合物を含有することを特徴とする請求項9に記載の平版印刷
版原版。 - 前記平版印刷版原版が、疎水化前駆体を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、画像様露光した後、自動現
像処理機によってpHが2〜14の現像液の存在下で非画像部に対応する画像記録層を除
去することを特徴とする製版方法。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、画像露光して露光部を発色
させた後に印刷機に装着し、印刷インキと湿し水とを供給する方法、又は印刷機に装着し
た後に画像露光して露光部を発色させた後、印刷インキと湿し水とを供給する方法のいず
れかの方法によって機上現像処理を行うことを特徴とする製版方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011190182A JP5707283B2 (ja) | 2011-08-31 | 2011-08-31 | 赤外感光性発色組成物、平版印刷版原版及びこれを用いた製版方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011190182A JP5707283B2 (ja) | 2011-08-31 | 2011-08-31 | 赤外感光性発色組成物、平版印刷版原版及びこれを用いた製版方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013054077A JP2013054077A (ja) | 2013-03-21 |
JP5707283B2 true JP5707283B2 (ja) | 2015-04-30 |
Family
ID=48131152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011190182A Expired - Fee Related JP5707283B2 (ja) | 2011-08-31 | 2011-08-31 | 赤外感光性発色組成物、平版印刷版原版及びこれを用いた製版方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5707283B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2871057B1 (en) * | 2013-11-07 | 2016-09-14 | Agfa Graphics Nv | Negative working, heat-sensitive lithographic printing plate precursor |
CN110998439B (zh) * | 2017-07-25 | 2023-09-19 | 富士胶片株式会社 | 平版印刷版原版、平版印刷版的制作方法及显色组合物 |
EP3501837A1 (en) * | 2017-12-21 | 2019-06-26 | Université de Haute Alsace | Thermal amplification of free radical polymerization induced by red to near-infrared irradiation |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63287857A (ja) * | 1987-05-20 | 1988-11-24 | Fuji Photo Film Co Ltd | 感光性平版印刷版 |
JP2005062482A (ja) * | 2003-08-12 | 2005-03-10 | Fuji Photo Film Co Ltd | 重合性組成物及びそれを用いた記録材料 |
JP4636823B2 (ja) * | 2003-09-04 | 2011-02-23 | 富士フイルム株式会社 | 2光子吸収光記録材料、それを用いた2光子吸収光記録方法及び2光子吸収光記録再生方法 |
JP2006235385A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光情報記録媒体 |
US7189494B2 (en) * | 2005-05-26 | 2007-03-13 | Eastman Kodak Company | On-press developable imageable element comprising a tetraarylborate salt |
JP2007007905A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Fujifilm Holdings Corp | 平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷方法 |
JP5172563B2 (ja) * | 2008-09-22 | 2013-03-27 | 富士フイルム株式会社 | 平版印刷版原版の製版方法 |
-
2011
- 2011-08-31 JP JP2011190182A patent/JP5707283B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013054077A (ja) | 2013-03-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6285036B2 (ja) | 発色組成物、平版印刷版原版、平版印刷版の製版方法、及び、発色剤 | |
JP5205505B2 (ja) | 平版印刷版原版及びその平版印刷方法 | |
JP5581250B2 (ja) | 発色感光性組成物、平版印刷版原版及びその製版方法 | |
WO2018043259A1 (ja) | 発色組成物、平版印刷版原版、平版印刷版の作製方法、及び、化合物 | |
JP5828045B2 (ja) | 平版印刷版原版及び製版方法 | |
JP5786098B2 (ja) | 平版印刷版原版及び製版方法 | |
JP5899371B2 (ja) | 赤外線感光性発色組成物、赤外線硬化性発色組成物、平版印刷版原版及び製版方法 | |
JP6271594B2 (ja) | 赤外線感光性発色組成物、平版印刷版原版、平版印刷版の製版方法、及び、赤外線感光性発色剤 | |
JP5622484B2 (ja) | 発色感光性組成物、平版印刷版原版及び新規シアニン色素 | |
JP5579217B2 (ja) | 平版印刷版原版 | |
JP5651554B2 (ja) | 機上現像型平版印刷版原版及びそれを用いる製版方法 | |
JP2010069857A (ja) | 平版印刷版原版の製版方法 | |
JP2012211938A (ja) | 重合性組成物及び平版印刷版原版 | |
JPWO2018043260A1 (ja) | 硬化性組成物、平版印刷版原版、及び、平版印刷版の作製方法 | |
JP2013199089A (ja) | 赤外発色性硬化組成物、平版印刷版原版、及び製版方法 | |
JP5707283B2 (ja) | 赤外感光性発色組成物、平版印刷版原版及びこれを用いた製版方法 | |
JP2010234589A (ja) | 機上現像型平版印刷版原版及び平版印刷方法 | |
JP5771738B2 (ja) | 発色性組成物、発色性硬化組成物、平版印刷版原版及び製版方法、並びに発色性化合物 | |
JP2012176606A (ja) | 平版印刷版原版及びその製版方法 | |
JP5514781B2 (ja) | 平版印刷版原版及びこれを用いた平版印刷版の作成方法 | |
WO2018043150A1 (ja) | 発色組成物、平版印刷版原版、平版印刷版の作製方法、及び、化合物 | |
WO2016121667A1 (ja) | 発色組成物、平版印刷版原版、平版印刷版の製版方法、及び、発色剤 | |
JP5299909B2 (ja) | 平版印刷版原版及び平版印刷版の製版方法 | |
JP5277026B2 (ja) | 平版印刷版原版及びその製版方法 | |
JP2010234585A (ja) | 重合性組成物、平版印刷版原版および製版方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140114 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141002 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150109 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150203 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150302 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5707283 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |