JP5707158B2 - 合成繊維からなる基布 - Google Patents
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Description
(2)総繊度が200〜550dtexおよび単糸繊度が2.0〜7.0dtexのマルチフィラメント合成繊維から構成される上記(1)に記載の基布。
(3)合成繊維がナイロン66である上記(2)に記載の基布。
(4)上記(1)〜(3)いずれか一項に記載の基布からなるエアバッグ。
本発明の基布は、後述する方法によって測定した7cN/dtex応力下でのヤング率が2〜6GPaであることを特徴とする。より好ましくは3〜4GPaである。2GPa未満であると基布の変位が大きくなりすぎて、このような基布から製作されたエアバッグは、縫目部分や袋部と一重部の境界部分(袋織の場合)の目開きが大きくなり内圧低下が起こる。また、6GPaを超えると縫目部分や袋部と一重部の境界部分に応力が掛かりすぎ、この部分よりエアバッグ破壊が起こりやすくなったり、展開後のエアバッグが硬く乗員への障害値が上がる傾向がある。
基布を構成する繊維の打ち込み密度は下式(1)に示すカバーファクター(CF)を1800〜2400にすることが好ましい。さらに好ましくは2000〜2300であり、特に好ましくは2100〜2300である。1800未満であると基布を構成する経緯糸間の目ずれが起きやすく、とくに袋部と一重部の境界部分がより大きく目ずれし、バッグ破壊を起こす可能性がある。2400を超えると製織性が損なわれたり、基布重量が大きくなり、展開速度が遅くなる場合がある。
CF=T0.5*(Dw+Df) (1)
上式(1)において、CFはカバーファクターであり、Tは全繊度(dtex)であり、Dwは経密度(本/inch)であり、Dfは緯密度(本/inch)である。
織組織についても特に限定されないが、強度の観点から平織り組織が好ましい。袋織りする場合、袋部(膨張部)と非膨張部の境界部分の織り組織構成は既知の構成を用いることが出来る。製織時には例えば経糸に糊剤付与等の収束性向上を行ってもよいが、これを行なわない方がコストの面でより好ましい。
(1)原糸の総繊度:JIS L1013 8.3.1に準じて求めた。
(2)単糸繊度:フィラメント数を測定し、総繊度との商により求めた。
(3)原糸強力および原糸エネルギー:JIS L1013 8.5に準じて、つかみ間隔250mm、引張り速度300mm/minにて測定した。
乗員障害値=[∫t2 t1adt]2.5(t2−t1)-1.5 (2)
(但し、式(2)式において、aは加速度(m/s2)であり、(t2−t1)は35msであり、t1およびt2はaピーク値の前後17.5msを指す。)
なお、測定結果における「底付き」とは、バッグが衝突体の衝撃を受け止める事が出来ない状態になり、バッグ取り付け架台に接触した状態をいう。このとき、加速度が減少から急激な上昇を示すことより確認できる。
乗員障害値が400以下をエアバッグとして適するもの(○)と判定し、400超えおよび底付きをエアバッグとして不適(×)と判定した。
90%蟻酸相対粘度80のナイロン66ポリマーを300℃にて溶融し、紡糸口金より押し出し後、油剤を繊維に対し1%となるように付与後、1%の予備ストレッチを掛け、第1段ロール60℃、第2段ロール220℃間で2.8倍の第1段延伸後、第2段と第3段ロール間で1.8倍延伸し、第3段ロールと巻き取り機間の応力を0.18cN/dtexに調節して2700m/minにて巻き取った。このとき第3段ロールは220℃とした。得られたポリアミド66糸条の特性を表1に示す。このポリアミド66糸条を糊剤及び整経油剤を用いることなくインチ当たり73本になるように製織ビームに巻き、これを経糸とした製織をウォータージェットルームにて実施した。打ち込む緯糸は上述の糸条と同じもので、経糸と同じ密度にし、500rpmで製織した。得られた反物を開放型水浴槽にて60℃の湯に通した後、ドラム密着型乾燥機を用いて300N/mにて110℃×90秒で乾燥の後、乾燥上がりに対し経オーバーフィード8%、緯入れ3%にて200℃×60秒の熱セットを実施し、冷却ロールにて30秒冷却し巻き取った。得られた基布の評価結果を表1に併せて示す。乗員障害値は低い値であった。
実施例1のポリマー及び紡糸機を用い、第3段ロールの温度を150℃とした以外は同じ条件で紡糸し、同じ条件にて試織、熱セットを実施した。得られた基布の評価結果を表1に示す。乗員障害値は低い値であった。
[実施例3]
総繊度を472dtex、フィラメント数を136としたことを除いて、実施例1と同じ方法で紡糸し、原糸を得た。得られた原糸の特性を表1に示す。この原糸を用いて、インチ当たり53本としたことを除いて実施例1と同様に製織および後加工を行い、基布を得た。得られた基布の評価結果を表1に併せて示す。乗員障害値は低い値であった。
総繊度を235dtex、フィラメント数を36としたことを除いて、実施例1と同じ方法で紡糸し、原糸を得た。得られた原糸の特性を表1に示す。この原糸を用いて、実施例1と同様に製織および後加工を行い、基布を得た。得られた基布の評価結果を表1に併せて示す。乗員障害値は低い値であった。
90%蟻酸相対粘度80のナイロン66ポリマーを300℃にて溶融し、紡糸口金より押し出し後、油剤を繊維に対し1%となるように付与後、1%の予備ストレッチを掛け、第1段ロール60℃、第2段ロール220℃間で2.8倍の第1段延伸後、第2段ロールと第3段ロール150℃間で2.1倍の第2段延伸後を実施し、第3段ロールと巻き取り機間の応力を0.18cN/dtexに調節して2700m/minにて巻き取った。得られたポリアミド66糸条の特性を表1に示す。この高強力高収縮糸を用い、実施例1と同じ条件にて製織した。得られた反物は乾燥のみを実施し、後の熱セットを実施せずに、実施例1と同様の評価を行なった。その結果7cN/dtex応力下のヤング率が本発明の範囲よりも大きくなり、乗員障害値が大きい結果となった。
90%蟻酸相対粘度80のナイロン66ポリマーを300℃にて溶融し、紡糸口金より押し出し後、油剤を繊維に対し1%となるように付与後、1%の予備ストレッチを掛け、第1段ロール60℃、第2段ロール220℃間で2.6倍の第1段延伸後、第2段ロールと第3段ロール220℃間で1.7倍の第2段延伸後を実施し、第3段ロールと巻き取り機間の応力を0.18cN/dtexに調節して2700m/minにて巻き取った。得られたポリアミド66糸条の特性を表1に示す。この低強力低収縮糸を用いて、実施例1と同様な製織を実施した。得られた反物を60℃の湯に通し、300N/mにて一旦110℃×90秒で乾燥した後、乾燥上がりに対しテンターにて経オーバーフィード5%、緯入れ1%にて200℃×60秒の熱セットを実施し、冷却ロールにて30秒冷却し巻き取った。得られた基布について実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に併せて示す。この基布の7cN/dtex応力下のヤング率は本発明の範囲よりも小さくなった。その結果、乗員障害値測定時にバッグ把持物にダミーが接触し、測定不能となった。
実施例1の原糸を実施例1と同じ条件にて製織した。得られた反物を湯通しせず、テンターにて経オーバーフィード0%、緯方向にも加工前反物と同じ幅セットにてセットした。得られた基布について実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。この基布の7cN/dtex応力下のヤング率は本発明の範囲より大きくなった。その結果乗員障害値が大きくなった。
Claims (4)
- 総繊度が200〜550dtexおよび単糸繊度が2.0〜7.0dtexのマルチフィラメントナイロン66から構成される、7cN/dtexの応力下でのヤング率が経緯平均で2〜6GPaであることを特徴とする基布。
- 用いられる原糸の強度が8〜10cN/dtexであることを特徴とする請求項1に記載の基布。
- 製織後に60〜100℃の水浴層で浸漬処理されることを特徴とする請求項1または2に記載の基布。
- 請求項1〜3いずれか一項に記載の基布からなるエアバッグ。
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