JP5706694B2 - 直接抵抗加熱を用いたフリットシーリング - Google Patents

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Description

関連出願の説明
本出願は、2008年2月29日に出願された米国特許出願第12/074144号の優先権の利益を主張するものである。
本発明は、フリット材料を使用した装置のシーリングに関する。特に、本発明は、フリット材料を直接抵抗加熱して、チャンバを有する装置を気密シーリングすること、およびこうしてシールされた装置に関する。本発明は、例えばOLED装置のシーリングに有用である。
多くの光学的および/または電気的装置は、複数の部品により画成されるチャンバを有し、追加の光学的および/または電気的素子が、このチャンバ内に収容されて保護される。このような装置のこういったチャンバには、装置の寿命を延長させるため、包含される部品によっては気密シーリングが所望されることがあり得る。気密シーリングは難題となり得る。
例えば、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイは次世代ディスプレイ市場に参入しつつあるが、気密シーリング技術はその商業化にとってのハードルの1つとなっている。ダイオードは一般に、酸素と水分に非常に敏感である。すなわち、これらを収容するチャンバには、気密シーリングが必要となる。このような気密チャンバを形成するために、板ガラスを接合およびシールするフリットシーリング方法がこれまで種々開発されてきた。1つの例示的な方法では、赤外線レーザビームなどの電磁照射を用いてフリット材料を加熱および軟化して気密シーリングを達成する。
別の方法として、部品同士をシールするために、フリット材料を直接抵抗加熱して部品の接着を達成するものがある。特許文献1および特許文献2では、フリット材料を直接抵抗加熱して2つの基板を接合するものが開示されている。しかしながら、この開示された直接抵抗加熱の手法には種々の欠点があり改善を要する。欠点の1つは基板間のフリット材料の不均一加熱であり、これはシール内の応力およびクラックの形成に繋がり得るし、さらには層間剥離に繋がる可能性もある。
米国特許出願公開第2007/0096631号明細書 米国特許第7,282,393号明細書
本発明は、強固な気密シーリングを得ることができる直接抵抗加熱方法を提供するものである。
本発明の第1の態様は、(I)第1基板、および、(II)第1基板に接着された、電気的に閉ループの構造を有している抵抗加熱素子、を備えている装置に関する。
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、この装置は、(III)抵抗加熱素子の第1基板から遠位のこの抵抗加熱素子の表面上に接着された、第1フリット材料層をさらに備えている。特定の実施形態において、この装置は、(IV)第1フリット材料層に接着された第2基板をさらに備えている。特定の実施形態において、第1基板および第2基板の両基板はガラス材料で作られている。特定の実施形態において、第1基板および第2基板の間に、気密シールされたエンクロージャが画成される。特定の実施形態において、この装置は、エンクロージャ内部に収容された電子素子を備えている。特定の実施形態において、この電子素子は有機エレクトロルミネセンス材料を含む。特定の実施形態において、第1フリット材料層と第2基板との間の接着応力は実質的に均一である。
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、抵抗加熱素子の平均厚さは、0.025から2.5mmである。
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、抵抗加熱素子は実質的に均一の厚さおよび幅を有している。
第1フリット材料層を備えている実施形態の特定の具体的実施形態において、この装置は、(V)第1基板と抵抗加熱素子との間に第2フリット材料層をさらに備えている。特定の具体的実施形態において、第1フリット材料層および第2フリット材料層は、本質的に同じフリット材料からなるものである。
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、抵抗加熱素子は、アンバー(登録商標)およびコバール(登録商標)などの、Ni−Fe合金およびNi−Co−Fe合金、およびこれらの組合せ、の中から選択された金属を含む。
要約して上述した第1フリット材料層を備えている実施形態の特定の具体的実施形態において、(a)抵抗加熱素子が複数の電気伝導性材料の層を含み、第1基板に近接する層のCTEをCTEHEL1、第1フリット層に近接する層のCTEをCTEHEL2とすると、(b)|CTEHEL1−CTES1|≦|CTEHEL2−CTES1|、および(c)|CTEHEL2−CTEFL1|≦|CTEHEL1−CTEFL1|となる。ここでCTES1は第1基板のCTEであり、CTEFL1は第1フリット材料層のCTEである。特定のさらに具体的な実施形態において、抵抗加熱素子の第1基板に近接している層は、第1基板に直接接着される。
本発明の第1の態様の特定の実施形態においては、抵抗加熱素子が導線を備え、この導線は、導線に対して電位の勾配が与えられたときに、ループを流れる電流密度が実質的に均一になるように、配置されたものである。
第1および第2フリット材料層を備えている実施形態の特定の具体的実施形態において、第1フリット材料層の平均厚さは、0.005から0.5mmであり、かつ第2フリット材料層の平均厚さは、0.005から0.5mmである。
本発明の第2の態様は、第1基板と第2基板との間に気密性エンクロージャを形成する方法に関し、
(A)第1基板および第2基板を提供するステップ、
(B)電気的に閉ループ構造を有する抵抗加熱層を、第1基板に気密接着させて第1基板の表面上に形成するステップ、
(C)抵抗加熱層の第1基板から遠位の表面上に、第1フリット材料層を適用するステップ、
(D)第1フリット材料層を第2基板の表面と接触させるステップ、および、
(E)閉ループの抵抗加熱層に電流を流して第1フリット材料層を加熱および軟化させ、抵抗加熱層と第2基板との間の気密接着を達成するステップ、
を含む。
本発明の第3の態様は、第1基板と第2基板との間に気密性のエンクロージャを形成する方法に関し、
(A)第1基板および第2基板を提供するステップ、
(B)第1基板の表面上に、閉ループ構造を有する第2フリット材料層を提供するステップ、
(C)電気的に閉ループ構造を有する抵抗加熱素子を、第2フリット材料層と直接接触させて提供するステップ、
(D)抵抗加熱素子の第1基板から遠位の表面上に、第1フリット材料層を提供するステップ、
(E)第1フリット材料層を第2基板の表面と接触させるステップ、および、
(F)抵抗加熱素子に電流を流してフリット材料層を加熱および軟化させ、フリット材料層と、抵抗加熱素子と、および基板との間の気密接着を達成するステップ、
を含む。
本発明の第3の態様の特定の実施形態において、ステップ(C)の抵抗加熱素子は、本質的に、アンバー(登録商標)やコバール(登録商標)などの、Ni−Fe合金、Ni−Co−Fe合金、およびこれらの組合せ、の中から選択された金属からなるものである。
本発明の第3の態様の特定の実施形態において、ステップ(C)の抵抗加熱素子は導線を有するように構成され、この導線は、ステップ(F)において抵抗加熱素子を流れる電流密度が実質的に均一になるように、配置される。
本発明の第3の態様の特定の実施形態においては、ステップ(B)が実行される前に、第1および第2フリット材料層が抵抗加熱素子の2つの反対面に適用される。
本発明の1以上の実施形態は、1以上の以下のような利点を有する。第1に、フリット被覆された抵抗素子を用いることにより、簡単で優れた品質管理のプロセスを達成することができる。第2に、シーリング温度が測定可能であり、シーリングパラメータを微調整することができる。抵抗加熱方法では、抵抗器の温度を赤外線撮像などの種々の技術を用いて測定することができる。第3に、閉ループ構造を有している抵抗加熱素子を用いることにより、フリットラインに沿った温度分布の均一性を改善することができる。温度分布がより均一になると、残留応力は低減され、すなわち強固なシールが得られる。
本発明のさらなる特徴および利点は以下の詳細な説明の中で明らかにされ、ある程度は、その説明から当業者には容易に明らかになるであろうし、あるいは添付の図面や本書で書かれた説明および請求項で説明されたように本発明を実施することにより認識されるであろう。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、単に本発明を例示したものであり、請求される本発明の本質および特性を理解するための概要または構想を提供することを意図したものであることを理解されたい。
添付の図面は、本発明をさらに理解することができるように含まれているものであり、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。
本発明の一実施の形態による抵抗加熱素子を示す概略図 本発明の別の実施の形態による抵抗加熱素子を示す概略図 本発明の種々の実施の形態により用いられる、フリット材料を両面に塗布して有している抵抗加熱素子を示す概略図 フリット材料層を介して基板に接着された抵抗加熱素子を備えている、本発明の装置の一実施の形態を示す概略図 抵抗加熱によりシールされている、本発明の一実施の形態による装置を示す概略図 従来技術で用いられる抵抗加熱素子の構造を示す概略図 電気的に加熱されて装置をシールしている、図6の抵抗加熱素子を示す概略図 本発明の特定の実施形態の複数の装置をいっせいにシーリングするための電気的配置を示す概略図 抵抗加熱素子を基板表面上に直接堆積させて備えている、本発明の一実施の形態による装置を示す概略図 抵抗加熱によりシールされた、本発明の別の実施の形態による装置を示す概略図
他に指示されていなければ、本明細書および請求項において用いられる、含有物の重量%、寸法、および特定の物理的特性の値を表している全ての数字は、全ての例において「約」という用語によって修飾されると理解されたい。また、本明細書および請求項において用いられる厳密なその数値は、本発明のさらなる実施形態を形成することも理解されたい。実施例に開示する数値について、その確度を確実にするための努力は行ってきた。しかしながら、任意の測定された数値は、そのそれぞれの測定技術に見られる標準偏差によりもたらされる一定の誤差を本質的に含んでいる可能性がある。
本書において、本発明の説明および主張に「単数形」を用いている場合には、「少なくとも1つ」を意味し、明確に反対に指示されていなければ「唯一」に限定されるべきではない。すなわち、例えば「フリット材料層」への言及は、文脈が明らかに他に指示していなければ、同じあるいは異なる組成の、2以上のこういった層を有する実施形態を含む。
用語「CTE」は、熱膨張係数を意味する。
多くの装置、すなわち限定するものではないが光電子装置を含む多くの装置は、大気環境に敏感な部品を保護するために気密シールされた筐体を必要とする。有機発光ダイオード(OLED)は、その性能が空気中の酸素および水分に深刻な影響を受ける可能性のある有機材料をベースとしている。そのため、OLED部品を含む典型的なディスプレイ装置では、有機電子装置を密封シールすることが必要とされる。あるシーリング手法は、2つのガラス基板の間、すなわち電子装置がその上に形成されるベース基板とその電子装置を覆うカバー基板との間に電子装置を包み込む気密筐体の形成を含む。本発明は、こういった気密筐体を形成することによるOLED装置の気密シーリングに有用である。本発明の以下の詳細な説明は、OLED装置のシーリングに関連して与えられる。しかし、本発明を利用してOLED以外の他の用途に気密筐体を形成することができることを通常の当業者は理解できるであろうし、そう理解されたい。なお、種々の装置に気密性でないシールを形成するために本発明を用いてもよい。
図1および2は、本発明の装置の特定の実施形態による抵抗加熱素子101および201の上面図を概略的に示したものである。抵抗加熱素子は、導線105a、105b、105cおよび105dを備えた閉ループ構造103を有する。「閉ループ構造」とは、2導線間に電位の勾配が与えられたときに、ループ全体がオーム加熱されるように、および2導線間の両側が2つの並列に接続された抵抗器として機能するように、電流がループ全体を流れることを意味する。すなわち、閉ループ構造は、例えば閉じた長方形、閉じた円形、または任意の他の所望の閉じた形状を取ることができる。特定の実施形態において、閉ループ構造は、2つの向かい合う導線の中点を通る直線に対して対称であることが望ましい。閉ループ構造には、流れる電流によって加熱されない間隙が本質的に残っていないという利点があるため、これに接着されるフリット材料を実質的に均一に加熱し、加熱素子と接合される他の部品との間の接着をより強固なものとすることができる。電流が加熱素子を流れるとき、ループ全体の温度が本質的に同じ速度で増加することが非常に望ましい。このため、特定の実施形態においては、放出される温度エネルギーがループ全体を通じて均一になるようループ内の電流密度を本質的に均一なものとするため、加熱素子のループの幅および厚さを本質的に均一なものとし、さらに加熱素子の向かい合った2導線間の両部分の長さを本質的に同一とすることが非常に望ましい。図1および2に示した例示的な加熱素子は、唯1つの閉ループを有している構造を示している。しかし、加熱素子は複数の閉ループを備えた構造を有することができ、特定の実施形態では望ましくもある。複数の閉ループ構造では、複数の区画のシーリングや形成を同時に行うことができる。
加熱素子の厚さは、共に接着されるOLED基板間に必要な距離、フリット層の厚さ、および加熱素子の形成方法といったいくつかの因子によって決定され得る。加熱素子の厚さは、0.025から0.25mmの範囲とすることができ、特定の実施形態においては0.05から2.5mm、特定の実施形態においては0.1から2.5mm、特定の実施形態においては0.2から2.0mmとすることができる。
加熱素子は、例えば化学蒸着、スパッタリング、スクリーン印刷、およびその他の薄膜プロセスによって形成することができる。加熱素子は、例えば金属および合金、電気伝導性酸化物、半導体材料、およびこれらの組合せから作製することができる。薄膜プロセスに適した材料の例としては、これらに限られないが、SiC、MoS2が挙げられる。薄膜プロセスを用いると、寸法や組成を高制御して加熱素子を堆積させることができる。
特定の特に有利な実施形態において、加熱素子は、例えば金属箔のような電導性材料の薄いシートを、ダイシング、切断、エッジング(フォトリソグラフィプロセスなど)などすることにより作製される。特定の実施形態における特に有利な金属箔としては、Al、Ag、Au、Cuなどで作られた金属箔が挙げられる。金属の選択を決定する因子としては、(i)金属とこの金属に接着されるフリット材料との間のCTE適合、および金属と接着される基板との間のCTE適合、が挙げられる。特定の金属合金は特定の無機フリット材料に近いCTEを有し、すなわちこのような金属合金が本発明にとって非常に望ましい。例えば、ニッケル−鉄合金(商標名アンバー;Inver(登録商標)など)、およびニッケル−コバルト−鉄合金(商標名コバール;Kovar(登録商標)など)は、様々な厚さと、ホウケイ酸ガラスに適合するCTEとを有する、箔またはシート形状で入手することができる。あるコバール(登録商標)合金の組成は、ニッケル29%、コバルト17%、ケイ素0.2%、マンガン0.3%、および鉄53.5%である(重量による)。このような低CTEの金属合金は、本発明の装置の抵抗加熱素子として非常に有利である。このような金属合金シートを入手し、金属工場で所望の形状にダイシングし、さらに厚さを減少させるステップを含みあるいは含まずに、本発明に有用な抵抗加熱素子を形成することができる。所望のパターンを有するダイシングおよびエッチングされた加熱素子は、金属箔から大量に生産することができる。アンバー(登録商標)およびコバール(登録商標)の別の利点は、永久磁石や電磁石などの磁石を用いて取り扱うことができる性能である。そのため、大きくて薄くかつ柔らかいループでさえ容易に取り扱うことができる。また、金属加熱素子の予備酸化は、加熱素子の溶融フリット材料に対する濡れ性能を向上させるため、特定の実施形態では有利となり得ることも分かっている。これは、コバール(登録商標)を加熱素子用の金属として用いた場合に特に当てはまる。金属の酸化は、酸素を含む大気中でその素子を予備加熱することによって達成することができ、例えばその金属に電流を通したり、あるいはその金属を炉内で加熱したりすることによって達成できる。
金属シートは、加熱素子に切断する前にフリット材料で被覆してもよい。あるいは、抵抗加熱素子のループを最初に形成し、次いで基板に取り付ける前にその片面または両面をフリット材料で被覆してもよい。特定の実施形態において、加熱素子の両面にフリット材料層を被覆することは特に有利である。そうすれば、基板にフリット材料のループを事前に適用し、かつこの事前に適用されたフリットループと加熱素子との間を位置合わせする必要性を排除できる。図3は、2つのフリット材料層301aおよび301bをその2主要面上に適用して備えた加熱素子を示している。
本発明に有用なフリット材料は、基板をシールするのに適した温度に加熱されたときに軟化して所望の品質の望ましいシーリングを提供できるものであればいかなる種類のフリット材料でもよい。すなわち、このフリット材料は失透するフリットガラス材料でもよいし、または失透しないガラス材料でもよい。失透するフリットガラス材料は軟化し冷却されると不透明になり、一方失透しないフリットガラス材料はシーリング後もガラス様を維持する。このフリット材料は赤外線吸収性である必要はないが、典型的な赤外線吸収性のフリット材料を用いてもよい。このフリット材料は、シーリング温度まで加熱されたときに軟化してシールに必要なレオロジーを与えるガラス相を含む。さらに、このフリット材料は、CTEおよび/または他の物理的特性を変化させる充填剤を含んでもよい。例示的なフリット材料は、これらに限られないが、ZnO−B23−SiO2、SnO−ZnO−P25の族に属するものを含む。米国特許第7,214,441号明細書、同第6,737,375号明細書、および同第6,291,092号明細書では様々な種類のフリット材料が開示されており、その関連部分は参照することにより本書に組み込まれる。
フリット材料は、加熱素子に適用してもよいし、あるいは基板表面の接着される部分に適用してもよい。特定の実施形態においては、フリット材料を加熱素子の表面に適用してから加熱素子を基板表面に接着する。この手法では、基板上に予備形成されたフリットラインと加熱素子とを位置合わせするという問題が解消される。特定の他の実施形態においては、フリット材料を基板表面上に予備形成し、続いて加熱素子をフリットライン上に置き、そして加熱素子をフリット材料を介して表面に接着させてもよい。
基板表面あるいは加熱素子表面へのフリット材料の適用は、当技術において公知の任意の方法を用いて行うことができる。例えば、フリットパウダーおよびバインダを含むフリットペーストを形成し、次いでこれを例えばスクリーン印刷、流し塗り、スプレーコーティング、ディップコーティング、刷毛塗りなどによって、加熱素子表面および/または基板表面に適用することができる。代わりに、化学蒸着、スパッタリングなどの薄膜形成プロセスによって、基板表面または加熱素子表面にフリット材料を堆積させることができる。多くの薄膜プロセスが、均一な厚さおよび幅を有するフリット層を形成するために利用可能である。
図4は、本発明の一実施の形態による装置の側面を概略的に示したものである。この装置においては、アンバー(登録商標)またはコバール(登録商標)で作られたような金属抵抗加熱素子103が、基板401の表面に接着される。金属抵抗加熱素子の各面は、フリット材料層301aおよび301bで覆われる。基板401は、その上に電子部品が構成されるOLED装置のベース基板とすることもできるし、あるいはOLED装置のエンクロージャのカバーガラス基板とすることもできる。基板401は、ガラス、ガラスセラミック、結晶性物質、あるいは複合材料で作ることができる。基板401と抵抗加熱素子103との間の接着は気密性であることが望ましい。加熱素子と基板401との間の接着は、例えば電流を加熱素子に流すことによって達成できるし、あるいは基板および加熱素子を赤外線ビーム加熱、炉内加熱(この場合、基板が加熱の影響を受け易い部品を搭載していないことが望ましい)など他の加熱手段で接着温度まで加熱することによって達成できる。図4に示した装置はそのままで販売してOLEDディスプレイ製造工場に配送してもよく、そこで、事前に製造された電子装置を備えている別の基板がこれに取り付けられる。
図5は、図4に示した装置401と別の基板403との接着を概略的に示したものである。上述したように、基板403はOLEDのような機能部品をその上に搭載しているものでもよいし、あるいは予備形成された追加の部品を備えていないカバー要素であってもよい。基板403をフリット材料層301bの上に設置して、2つの基板を位置合わせすると、電流を抵抗加熱素子に流すことが許可され、それによりフリット材料が加熱され軟化して加熱素子と基板表面との間で流動する。冷却すると、フリットが硬化して加熱素子と基板表面との間の接着を形成する。特定の実施形態においては、基板401と加熱素子との間、および加熱素子と基板403との間の、気密接着を達成することができるように、基板401に対する基板403に外力Fを加えることが望ましい。シーリング中に基板に外力Fを加えると、フリットを加熱素子と基板表面との間で流動させることができ、最終的な装置のフリット材料層の厚さをより均一にすることに繋がる。外力Fを加えると、同程度のシールを得るために必要な加熱電力を減少させることにもなり、熱に敏感な近傍の部品が損傷する可能性を減少させる。外力は、シールされる基板部分に直接加えられることが望ましく、また加えられる力は実質的に均一であることが望ましい。外力を加える一手法として、シールされる部分に沿って上方基板の上の静荷重を用いるものがある。
図9および10は、本発明の装置の2つの他の実施形態を示している。図9を参照すると、基板401上に、2つの隣接する層901および903を備えた閉ループ構造の抵抗加熱素子が形成されている。1層のフリット材料905が、次いで層903の表面上に適用される。図10において、第2基板403は、図4で示したものと実質的に同様のやり方で、直接抵抗加熱によりフリット材料層905に接着される。上述したように、2つの層901および903は、化学蒸着、スパッタリングなどの薄膜プロセスによって形成することができる。層901を基板401のCTE(CTES1)に近いCTE(CTEHEL1)を有するように選択し、層903をフリット材料のCTE(CTEFL1)に近いCTE(CTEHEL2)を有するように選択し、そしてフリット材料を基板403のCTE(CTES2)に近いCTEを有するように選択することができる。装置内の材料のCTEの関係は、特定の実施形態において以下のように示すことができる。
|CTEHEL1−CTES1|≦|CTEHEL2−CTES1|、および、
|CTEHEL2−CTEFL1|≦|CTEHEL1−CTEFL1|
ここで、CTES1は第1基板のCTEであり、CTEFL1は第1フリット材料層のCTEであり、演算子|X|は値Xの絶対値を意味する。
本発明による気密シールされた装置は、金属シートから作られた2以上の抵抗加熱素子を含むこともできる。金属シートは、隣接するフリット材料層や基板のCTEに合わせて様々なCTEを有するものを選択できる。例えば、様々なCTEを有するアンバー(登録商標)およびコバール(登録商標)合金をこれらの層のために入手することができる。こういった金属で作られた抵抗加熱素子を積層および/または共に圧延して、装置内で所望の特性および構造を形成することができる。
本発明の特定の実施形態によると、本発明の複数の装置を、電流をそれらの抵抗加熱素子にいっせいに流すことによって同時にシールしてもよい。図8は、本発明の一実施の形態によりいっせいにシールされる複数の装置(803(1,1)、803(1,2)、・・・、803(1、n)、・・・、803(m,1)、803(m,2)、・・・、803(m,n))のマトリクスの電気接続パターンを概略的に示したものである。赤外線ビームシーリングのような放射によるフリットシーリングと比較すると、この手法は、必要な設備が非常に少なく、またシールされる複数の装置間の加熱がより一層均一で再現可能なものとなり得る。
シーリングプロセスの間、加熱素子および基板の温度は、例えば赤外線カメラを用いて監視することができる。加熱素子に適用される電流は、それに応じて調節することができる。加熱プロセス中にホットスポットが観察されたら、より均一な加熱が得られるよう、抵抗加熱素子の容量を簡単に調節することができる。すなわち、基板およびその上に形成された敏感な部品の過熱を回避することができる。一方、コールドスポットを実質的に同じやり方で発見および除去することができる。
装置またはその一部の急激な加熱および冷却は、フリット層および基板のクラック、基板および/または加熱素子からのフリットの剥離、およびシールされた装置の性能に不利な残留応力、に繋がる可能性がある。シールされた部分の応力を減少させるため、フリットシールされた装置をシーリング後にアニールすることを必要とするときもある。本発明においては、加熱素子に流れている電流を減少させることによって、このアニーリングステップを非常に便利にシーリングステップと一体化することができる。この電流は、加熱、シーリング、およびアニーリングプロセスの様々な段階で、望まれる加熱レベルが得られるようにプログラム制御することができる。シーリングステップと同様に、装置およびその装置の最も関連している部分(敏感な電子部品を搭載している、加熱素子に近い部分など)の温度を正確に制御できるように、アニーリングステップを、赤外線カメラを用いて監視することができる。
本発明の第2および第3の態様によるプロセスにおいて、各ステップは提示された順に実行する必要はないことに留意されたい。例えば、第3の態様の一実施の形態によれば、ステップ(B)、(C)、および(D)は、順番に(B)→(C)→(D)と実行してもよい。しかしながら、特定の実施形態においては、ステップ(B)の第2フリット材料層およびステップ(D)の第1フリット材料層を加熱素子の両面に最初に適用し、次いで2つのフリット材料層を搭載している加熱素子を第1基板の表面上に提供および設置することにより、ステップ(B)、(C)、および(D)をいっせいに完了させると有利である。別の実施形態においては、ステップ(B)の第2フリット材料層を加熱素子の第2面に最初に適用し、次いで第2フリット材料層を搭載している加熱素子を第1基板の表面上に提供および設置することにより、ステップ(B)および(C)をいっせいに完了させる。その後、第1フリット材料層を、第1基板の遠位にあたる、加熱素子の第2面の反対側に位置する第1面に適用し、これによりステップ(D)を完了させる。
本発明の第3の態様の特定の実施形態において、この方法は、ステップ(C)の後かつステップ(E)の前に以下のステップ(C1)、すなわち(C1)加熱素子を、第2フリット材料層を介して第1基板に接着させるステップ、を含む。この接着は、電流を加熱素子に流すことによって、または赤外光加熱によって、あるいは第1基板と加熱素子と第2フリット材料層とを炉内に置くことによって達成できる。特定の具体的実施形態において、ステップ(D)はステップ(C1)より前に実行された。すなわち第1フリット材料層は、加熱素子および第2フリット材料層と共に、ステップ(C1)においていっせいに加熱される。特定の他の具体的実施形態において、ステップ(D)はステップ(C1)より後に実行される。すなわち第1フリット材料層は、加熱素子が第2フリット材料層を介して第1基板に接着された後に適用される。
特許文献1および2において説明されている直接抵抗加熱シーリング手法と比較すると、本発明の直接抵抗加熱手法は、コールドスポットを残さずに略均一にフリット材料を加熱できるという利点を有し、クラックを形成する傾向が少ない、高品質、低応力、かつ略均一な応力分布を有するシールをもたらす。実験では、閉ループ設計が加熱素子のフレーム周りで均一な加熱パターンを提供できることが示されたが、一方特許文献1および2の開ループ設計では、2つの導線が近接している連絡部分でコールドスポットが生成された。このコールドスポットによりフリットが十分に溶解されない部分が生じ、その結果シールに弱連結が生じて、最終的にフリットの亀裂や層間剥離の可能性に繋がることもあり得る。
フリット材料(赤外線吸収性でなければならない)の赤外光ビームへの露光を含む赤外線照射シーリングと比較すると、本発明の特定の実施形態は1以上の以下のような利点を有する。
本発明の特定の実施形態は、非常に単純なプロセスと優れた品質管理を提供できる。赤外線照射シーリングでは、フリットラインを形成するためにフリットをペーストの形で形成および分注することが必要となる。フリットペーストの調合、分注、および焼結プロセスは、多くのステップや変量が含まれるため極めて複雑であり、これがフリットの品質の一貫性に影響を及ぼす。照射エネルギーの吸収は多くの因子に影響される可能性があり、例えば、ガラス粒子のサイズ、気孔率、フリットの形状、フリットの下の表面条件、光ビームの形状およびサイズ、移動の速さなどが挙げられる。これに対し、フリット材料のスパッタリング堆積(本発明の性能)や、集約された抵抗加熱プロセスは非常に単純である。フリットはバルクガラスから直接堆積させることが可能であり(ターゲット)、このため、ボールミル粉砕、フィラー相、有機ビヒクル、粘度問題、焼結などが排除される。フリットは抵抗から熱を伝導することによって溶解され、これはレーザ加熱よりも単純であり、操作が容易であり、そしてはるかに均一となる。
本発明の特定の実施形態は、ガラスとの優れたCTE適合を提供する。フリットは通常、カバーガラスや基板ガラスよりも高いCTE値を有している。この不適合により、フリット材料が基板間の唯一の媒体である場合には、フリットまたはガラスのいずれかあるいはその両方に、熱応力や亀裂が生じる可能性がある。フリットにフィラー材料を含有させてCTEを調整することもできるが、この手法は2つの理由で最も効果的なやり方ではない。第1に、フィラーがフリット内に均等に分散されていない場合、フリットの位置によってCTEが変化し、シールされる装置に応力が生じる可能性がある。第2に、フリットと基板との間の界面に重大なCTE不適合が存在し、一方で、フィラーはフリット本体中にあり、そのためCTEの調整は不十分なものとなり得る。スパッタリング堆積技術では、抵抗器とフリットはCTEを徐々に変化させながら層ごとに形成できるため、CTEは互いにより効果的なやり方で適合する。優れたCTE適合は、フリット亀裂の危険がより少なくなることを意味する。
本発明の特定の実施形態は、優れたフリット品質および均一性を提供する。フリットの品質は、幅および厚さの均一性、表面平滑性、断面形状などによって評価される。赤外線ビームシーリング方法で用いられるフリットペースト分散プロセスでは、フリットの断面は表面張力のため常に水玉形状であり、また幅および厚さは常に変動する。さらに、散乱されたガラス粒子のサイズに起因してフリット表面に「ハイスポット(high spots)」が見受けられることが多く、これがシーリング中の接触悪さや亀裂を引き起こすことがある。本発明の特定の実施形態によるスパッタリング堆積では、フリットを正確な寸法(幅および厚さ)および四角形状で堆積させることができるため、優れた表面接触とより大きなシール可能部分を提供することができる。
本発明の特定の実施形態は、フリットシールの気孔を大幅に減少させて提供する。気孔は光ビームを干渉しレーザエネルギーの吸収を変化させるため、赤外線ビームでシールされるフリットでは、気孔は欠陥微細構造と考えられている。さらに、気孔はフリットの強度および接着力を低下させる。過剰な気孔は、フリットシールの気密性に影響を及ぼす可能性もある。残念なことに、気孔はフリットペーストおよび焼結プロセスに本質的に関連する。これに対し、スパッタリング堆積技術は、はるかに高密度のフリットを提供し、気孔の問題を解決することができる。
本発明は、シールされるフリットループを、開始・終了点のないものとすることができる。赤外光ビームフリットシーリングは、開始/終了点をペースト分注ステップおよび光露光ステップにおいて含む。この開始・終了点は、最終的なシールにおいて弱点となり得る。照射の開始/終了点はシーリングプロセス中に典型的には2回加熱され、これがフリットに衝撃を加えて微細クラックを開けることもある。閉ループの直接抵抗加熱を用いることにより、フリットラインは実質的に均等に加熱することができる。さらに、フリットのスパッタリング堆積を採用した特定の実施形態においては、フリットラインを加熱して加熱素子を基板と接着させる前に、フリットラインを実質的に均一な厚さを有するように形成することができる。
本発明の特定の実施形態は、赤外光ビーム露光による手法において必要とされるものよりも薄いフリットラインの使用を可能とする。より薄いフリットを選ぶ利点は多数ある。まず、フリットが薄くなれば溶解するのに必要なエネルギーが少なくなるため、金属導線が熱で損傷する危険が減少する。これはプロセスウィンドウを広げるために非常に価値がある。第2に、より薄いものの接合は分厚いものの接合よりも強力かつ柔軟であるため、より薄いフリットはシールの機械的性能を向上させる。フリットシールの脆弱性および柔軟性の欠如は、エポキシシールに対する大きな不利点であるため、これはエポキシシールとの競争において重要である。第3に、より薄いフリットは熱膨張/収縮を低減させ、すなわち残留応力を低減させる。残留応力は、現プロセスにおいて遅れてフリットの亀裂や損傷を引き起こす推進力であると考えられている。より薄いフリット(<2μm)は、スパッタリング堆積により容易に得られるが、現在のフリットペースト分注では困難である。さらに、より薄いフリットは、抵抗加熱システムでは容易に溶解することができるが、フリット厚が減少するにつれて光エネルギー吸収が減少するため、赤外光ビームでは困難である。
上述したように、本発明において用いられる加熱素子の温度は、赤外線撮像など種々の手段を用いて容易に測定および制御することができる。赤外光ビーム露光を用いたときフリットの温度は直接測定することができず、プロセス制御はますます困難となる。抵抗加熱方法では、抵抗器の温度は、赤外線撮像など種々の技術を用いて測定することができる。このため、様々な、加熱素子、フリット材料、基板材料、および、異なる用途の様々な装置、の必要に応じて、その温度は容易に調整することができる。
多くの装置は本発明の種々の実施形態によりシールすることができる。上述したように、本発明のプロセスパラメータは、様々な材料や用途の必要性に合わせて微調整することができる。一方で、赤外光ビーム加熱手法ではウィンドウテスト(window testing)が必要とされるのに反し、本発明と同一の加熱素子、同一のフリット材料、および同一形状の直接抵抗加熱素子システムは、大幅な変化を要することなく数多くの装置のシーリングに適用することができる。
上述したように、本発明のシーリングプロセス中の加熱素子の加熱および冷却速度の両方は、必要な加熱電力を提供するようにプログラムされた電流源を用いることによって正確に制御することができる。これにより、アニーリング炉内で独立してアニーリングする必要がなくなることもあり得る。赤外光加熱では、このような高度な制御を成し遂げることは困難である。
本発明を用いると、速いシーリングを達成することができる。長いフリットラインを有する大型装置のシーリングでさえ、十分な電流を供給することができれば短時間で達成することができる。赤外光をスキャンする方法は、フリットラインの全長に比例して、所与のスキャン速度では著しく長時間を要するであろう。
以下の限定的ではない実施例を用いて本発明をさらに説明する。
2〜5ミル(0.05〜0.13mm)厚のコバール(登録商標)またはアンバー(登録商標)合金の薄いシートを、エド・ファーガン社(Ed Fagan Inc.)などの民間供給者から入手した。設計された加熱素子パターンを、光化学エッチングまたはマイクロレーザ切断方法のいずれかによってシートから切断した。光化学エッチングは、非常に正確でバリのない大量切断に適している。このパターンは、約550℃で約2〜5分間予備酸化される。コバール(登録商標)やアンバー(登録商標)は両方とも柔らかい磁石であるため、パターンは磁性板(道具固定具として)で保持できる。フリットを、スクリーン印刷または液圧方法(hydraulic method)のいずれかによってパターンの一方の面に分注し、次いで予備硬化を行った。スクリーン印刷の場合はマスキングを必要とする。フリットを、スクリーン印刷または液圧方法のいずれかによってパターンの他方の面に分注し、次いで予備硬化を行う。スクリーン印刷の場合はマスキングを必要とする。両側にフリットが施された加熱素子を、2片のガラス基板間に適切に位置合わせして挟みこんだ。フリット1mm2あたり約100〜150gの上からの荷重を、カバーガラス上に加える。加熱素子を、冷却速度を制御するためにコンピュータプログラム可能な、DC電源またはAC電源のいずれかに接続する。使用される実際のフリットに基づき、規定の電流で電源を入れ、素子を特定の温度まで加熱して特定時間持続させる。実験を行ったフリットでは、パラメータは、8アンペア、および600±50℃で2〜5秒間であった。1分間当たりの冷却速度が約100℃となるべき特定の速度で電力を落とす。シールされたOLED装置の品質および欠陥を点検する。
本発明による一実施例においては、図1に示した形状を有する均一な厚さおよび均一な幅の金属加熱素子を作製し、図5に示すように2つのガラス基板間で加熱した。シーリングプロセス中、実質的に均一な加熱温度が得られた。
比較例においては、図6に示した形状を有する金属加熱素子601を作製し、図7に示すように2つのガラス基板609および611間で加熱した。この金属加熱素子は本体部603を含み、この本体部603は、開ループを形成し、かつ、0.2mmの間隙xxを有する2つの導線端部605aおよび605bを備えているものであった。赤外線カメラを用いて加熱プロセスを観察し、加熱中の加熱素子の温度を監視した。シーリング中に2つの導線端部605aおよび605bの間隙の間にコールドスポットが観察された。
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明の種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。すなわち、本発明の改変および変形が添付の請求項およびその同等物の範囲内であるならば、本発明はこのような改変および変形を含むと意図されている。
103 抵抗加熱素子
105a,105b 導線
301a,301b フリット材料層
401,403 基板

Claims (7)

  1. (I)第1基板、
    (II)前記第1基板に接着された、2つ以上の導線を有する、電気的に閉ループの構造を有している抵抗加熱素子であって、前記閉ループは、前記2つ以上の導線のいずれか1つから他の1つに向かって電位の勾配が与えられるループであり、前記導線が前記閉ループの構造と同じ材料で構成されている抵抗加熱素子、及び、
    (III)前記抵抗加熱素子の前記第1基板から遠位の前記抵抗加熱素子の表面上に接着された、第1フリット材料層、
    を備え、
    前記抵抗加熱素子が、複数の電気伝導性材料の層を含み、当該複数の電気伝導性材料の層のうち前記第1基板に近接する層のCTEをCTEHEL1とし、当該複数の電気伝導性材料の層のうち前記第1フリット材料層に近接する層のCTEをCTEHEL2とし、前記第1の基板のCTEをCTES1としたとき、
    式:|CTEHEL1−CTES1|<|CTEHEL2−CTES1|
    を満足することを特徴とする装置。
  2. (IV)前記第1フリット材料層に接着された第2基板、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記第1基板および前記第2基板の間に、気密シールされたエンクロージャが画成されることを特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 前記第1フリット材料層と前記第2基板との間の接着応力が実質的に均一であることを特徴とする請求項3記載の装置。
  5. 前記抵抗加熱素子の平均厚さが、0.025から2.5mmであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の装置。
  6. 前記抵抗加熱素子が、ニッケル−鉄合金、ニッケル−コバルト−鉄合金、およびこれらの組合せ、の中から選択された金属を含むことを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の装置。
  7. 前記導線が、前記導線に対して電位の勾配が与えられたときに、前記閉ループを流れる電流密度が実質的に均一になるように、配置されたものであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の装置。
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